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211回国会参議院2023/04/21

北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号

発言数
127
登壇者
15
会派数
8
開催日
2023/04/21

会議録

山谷えり子自由民主党

○委員長(山谷えり子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、臼井正一君及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君及び生稲晃子君が選任されました。     ─────────────

山谷えり子自由民主党

○委員長(山谷えり子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官齋藤秀生君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山谷えり子自由民主党

○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山谷えり子自由民主党

○委員長(山谷えり子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 自民党、福井県選出の滝波宏文です。  地元福井県には、拉致被害者の地村保志さん、富貴恵さん御夫妻、そして多くの特定失踪者もおられ、初当選以来この十年間、超党派の拉致議連や自民党の拉致対策本部など様々な形で拉致問題に携わってまいりました。そして本日、筆頭理事として自民党を代表して質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  官房長官が今、衆議院本会議の方からおいでのところでありますので、ちょっと質問の順番を変えて、まず広島サミットの活用についてから始めさせていただきたいと思います。  拉致問題が長期にわたって膠着状態にある中、解決に向けた糸口を探るためにも、国際社会との連携の重要性が一層増していると思います。日本政府は、様々な外交の場面で拉致問題に関して各国の理解を得る努力を続けてきており、本年三月三日にも、クアッドの外相会合においてアメリカ、オーストラリア、インドの各国から改めて支持を得ました。  さらに、来月にはいよいよG7広島サミットが開催されます。政府には、この機会を生かし、自由、民主、人権等の普遍的価値観を共有するG7及び今回広島に招待される各国首脳に対し、拉致問題について改めて理解と力強い協力を求めていただきたいと思いますが、林大臣の決意を伺います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えまして、G7や、今、滝波委員から御指摘のありましたこの招待国、これを始めとする国際社会と緊密に連携するということが重要でございます。  これまで、拉致問題については、北朝鮮への直接の働きかけに加えまして、関係各国に対してハイレベルでのあらゆる機会を捉えて累次にわたり拉致問題に関する日本の立場を説明してきておりまして、多くの国から支持と理解を得てきているところでございます。  北朝鮮による拉致問題は極めて重要な課題であり、先日のG7長野県軽井沢外相会合及び各国とのバイ会談においても、G7各国から拉致問題の即時解決に向けた支持、これが改めて表明をされたところでございます。G7広島サミットにおいてもしっかりと議論してまいりたいと思っております。  政府としては、国際世論も味方にしながら、引き続き、米国等とも緊密に連携をし、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいります。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 ありがとうございました。  本年四月四日には、国連人権理事会において北朝鮮の人権状況を非難する決議が採択されました。本決議は、人権問題を重視するEUが中心となって作成され、我が国を始めG7各国が共同提案国に加わるなど、拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害を国際社会全体で考える大事な機会となったと考えます。  とりわけ、ロシアによるウクライナ侵略に際した虐殺行為や、ウイグル、チベット、南モンゴルにおける中国の人権侵害、返還後五十年間は一国二制度が保障されるはずだった自由香港の喪失などを背景に国際社会の人権問題に関する意識が特に高まっている中、この本年の国連北朝鮮人権非難決議はどういった意義を持っていると考えるのか、外務大臣の見解を伺います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 今、滝波委員から御指摘がありましたとおり、この世界各地における人権状況への国際的関心、これが高まっておりますが、人権の保護促進、これは国際社会の平和と安定の礎であると考えております。  今御指摘のありました、この我が国が共同提案国となりました北朝鮮人権状況決議、これは拉致問題に関する記述がしっかりと確保されておるわけでございます。加えて、北朝鮮内での人権侵害についても指摘し、北朝鮮に対し、北朝鮮による犯罪や人権侵害を終わらせるために必要な全ての措置を直ちにとるということを求めているところでございます。  こうした決議がコンセンサスで採択されたことは、拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害について国際社会が強い懸念を有しているという表れでございまして、大きな意義があると考えております。世界各地における人権状況への国際的な関心の高まりも踏まえまして、岸田内閣の最重要課題であり、そして時間的制約のある人道問題である拉致問題の解決に向けたメッセージ、これを国際社会が継続して発出するように、引き続き米国等とも緊密に連携しながら、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組んでまいります。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 ありがとうございました。  今ほどの人権問題とも関連しますが、自由、民主、人権、法の支配といった普遍的価値観を共有する、今や東アジアにおける唯一の友好国とも言うべき台湾に危機が迫っております。  官房副長官として拉致被害者の御帰国を実現させたのを始め、拉致問題に力を尽くされた安倍総理は、台湾有事は日本有事であり、日米同盟有事であるとの言葉を残されましたが、一旦台湾有事があれば、尖閣、石垣など先島諸島を含めて戦闘領域に入ってくる可能性が高く、その状況で日米同盟が機能するかなど、まさに日本有事、日米同盟有事であります。  その中で、台湾には数万人の日本人が暮らしており、加えて、コロナ前には観光そしてビジネスでの短期訪問客が常時数万人いました。台湾有事が起きてしまった場合、これら数万人単位の邦人退避の問題があります。  さらに、ウクライナ侵略時にはウクライナだけでなくロシアからの退避の問題もあったように、台湾有事の際には中国大陸から退避する方々のことも考えなければなりません。こちらは桁が変わって数十万人、中国共産党の指示で人質のようにされる可能性もあります。  また、難民として台湾人を始めとする方々が日本に逃げてくることも予想されます。ウクライナ難民保護も一時大きな課題となりましたが、距離の近さから、今度はその比ではない規模となるでしょう。これらに対応するためにも、台湾当局との連携が不可欠ですが、外交のないということで制限された従前の連携では全く不十分です。  これら台湾有事の際の邦人退避、難民対応、台湾当局との連携強化について、政府の決意を外務大臣に伺います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この海外に渡航、滞在する邦人の保護、これは政府の最も重要な責務の一つでありまして、平素から、在外邦人の保護そして退避が必要となる様々な状況を想定し、必要な準備、検討を行っております。  在外邦人の保護や退避、外国人避難民の受入れを含めて、有事における我が国の個々の対応や計画について個別具体的にお答えすることは差し控えますけれども、日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、外務省としていかなる事態にも対応できるよう万全を期してまいりたいと考えております。  なお、一般論として申し上げますと、台湾との間では、我が方の民間窓口機関である日本台湾交流協会を通じまして、邦人保護を含めて平時から様々なやり取りを行っておるところでございます。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 形式的な回答になったかなと思います。なかなか表に言い難い面もあると思いますが、とにかく、いざ台湾有事というときにしっかりと対応できるように実質中身を台湾側とも詰め、万全の準備をしていただきたいと思います。  続けて、特定失踪者の問題に移りたいと思います。  先般の視察、新潟の視察で、特定失踪者御家族や捜査を行う新潟県警からもお話をお聞きしました。拉致の疑いを排除できない失踪者について、風化を排し、警察が充実した捜査を行うことで、更なる証拠や事実の発見とともに、拉致被害者として政府認定することにつながり得ると思います。また逆に、拉致問題の解決によって他の特定失踪者の問題解明に資する可能性もあると思います。  警察による徹底した捜査を継続しつつ、内閣官房、外務省ともしっかり連携し、政府が一体となって認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現するべきだと思いますが、この点につき、まず警察庁から見解を伺います。

原和也警察庁警備局長

○政府参考人(原和也君) お答え申し上げます。  警察におきましては、これまで、拉致被害者と判断している方々以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識の下、現在、八百七十一人の方につきまして、関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意捜査、調査を進めているところでございます。  現在、警察庁外事課に設置いたしました特別指導班におきまして真相解明に向けた警察の取組を強化いたしており、また、広く情報提供を求めるため、御家族からの同意が得られたものにつきましては、都道府県警察及び警察庁のウェブサイトに事案の概要等を掲載するなどし、事案の全容解明に努めているところでございます。  今後とも、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の方々の一日も早い帰国を実現するため、関係機関と緊密に連携を図りつつ、事案の全容解明に向け、捜査、調査に全力を挙げてまいりたいと考えております。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 続けて、内閣官房、外務省からも特定失踪者についての見解を伺います。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) ただいま警察庁から答弁がありましたとおり、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、現在、八百七十一名について、平素より国内外からの情報収集、分析や捜査、調査に鋭意努めているところでございます。  政府としては、今後も事案の真相解明に向けて全力を挙げて取り組んでいく考えであり、北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致認定をしてまいります。  いずれにせよ、政府としては、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保、即時帰国、真相究明を目指す考えであります。

實生泰介外務省大臣官房審議官

○政府参考人(實生泰介君) 外務省の方からもお答えいたします。  先ほど、警察庁、内閣官房から捜査や認定についての答弁がございましたけれども、政府、外務省としても、その拉致被害者として認定された十七名の方々以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するという認識の下、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保、そして即時帰国のために、関係機関と緊密に連携を図って全力を尽くしていく所存でございます。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 しっかり連携して、風化させずに頑張ってやっていただきたいと思います。  そして、北朝鮮のミサイル、Jアラート、核開発について質問移りたいと思います。  最重要課題である拉致問題に加え、北朝鮮には核開発そしてミサイル問題があります。昨年には、過去最多、しかも群を抜く数である、少なくとも五十九発ものミサイルを発射し、今年も既に九発、変則軌道で低空飛翔可能、あるいは極超音速によりミサイル防御を突破する能力を向上させるなど、ミサイル開発を驚くほど急速に進めております。この北朝鮮のミサイル開発の現状認識とそれへの対応について政府の見解を伺いたいと思います。  特に、先週十三日のミサイル発射についてどういう分析をしているのかについてですけれども、なぜ発射から約三十分後のJアラート発令になったのか。北朝鮮側は、一発目が通常軌道、二発目と三発目が、三段目がロフテッド軌道だというふうにしているようでありますが、同様の認識でしょうか。そして、この二段目以降の複雑な軌道を追う分析に時間を要したのでしょうか。  松野長官おいででございますけれども、今、ミサイル、Jアラート、核開発のことをお聞きしているところでございます。  あわせて、北朝鮮の核開発についても、昨年夏までには七回目の核実験がいつでもできるような状態になっているとも言われておりますけれども、現状の認識と、どう対応するかにつきまして政府の見解を伺いたいと思います。  お着きになって突然で恐縮ですけれども、松野官房長官、もしお答えいただければ、よろしくお願いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 滝波先生にお答えをさせていただきます。  北朝鮮は、特に昨年以降、かつてない頻度でのミサイル発射を繰り返し、変則軌道で飛翔するミサイルを含め、関連技術、運用能力を急速に向上させています。今後も、各種ミサイルの発射や核実験の実施を含め、更なる挑発行為に出てくる可能性があると考えています。こうした北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであります。  政府としては、引き続き、必要な情報収集、分析及び警戒監視に全力を挙げていくとともに、北朝鮮の非核化に向け、日米、日米韓で緊密に連携していきます。  また、北朝鮮が今月十三日に発射した弾道ミサイルの詳細については、飛翔中に軌道が変わった可能性を含め、引き続き分析を行っているところであります。  同日のJアラートの運用に関しては、北海道周辺に落下する可能性のあるミサイルを探知し、限られた探知情報の中でシステムが北海道周辺に落下するとの航跡を生成していたため、国民の皆様の安全を最優先するという観点から、可能な限り速やかにJアラートを発出したところであります。  国民の皆様への情報伝達の在り方については、不断に検討を行い、今後とも、国民の安全、安心のため、より迅速かつより的確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 変則軌道などは、ミサイル防衛だけではなく、こういったJアラートによる国民周知にも難しさを加えているかと思いますけれども、より精緻、安全な対応に力を入れていただければと思います。  それでは、長官が御到着でありますので、冒頭の最初の質問に入りたいと思います。  昨年十月には、拉致被害者五名が御帰国されてからついに二十年が経過しました。また、同月、拉致当時十三歳だった横田めぐみさんは五十八歳となり、翌十一月には新潟にて拉致されてから四十五年もの月日が流れました。この節目において、当参議院拉致特別委員会では、その昨年十一月に新潟県への視察を行ったところであります。そして、本年二月には横田めぐみさんのお母様である早紀江さんは八十七歳になられました。地元福井県の拉致被害者である地村御夫妻も二十年前に御帰国されたわけでありますけれども、地村保志さん御自身も帰国後勤めた小浜市役所を七年前に定年退職され、お父様も三年前にお亡くなりになっております。  このように、拉致被害者の御家族、そして御本人自身も高齢化が進み、拉致問題の長期化が改めて浮き彫りになる中、昨年十二月に閣議決定された国家安全保障戦略においても、拉致問題については、時間的な制約のある深刻な人道問題であるとされております。  改めて、拉致問題が長期化し、一刻の猶予もない現状を政府はどのように受け止めているのか、そして、即時一括帰国、早期解決に向けての決意について、拉致担当大臣である松野官房長官にお伺いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  拉致問題は、重大な人権侵害であり、岸田内閣の最重要課題であります。  私も就任以来、様々な機会に拉致被害者や御家族の皆様とお会いをし、拉致問題の一刻も早い解決を願う強い切迫した思いを直接お伺いし、拉致問題の解決には一刻の猶予もないとの思いを共有させていただいております。  御家族も御高齢になる中、拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。御家族や救う会の皆様の思いを重く受け止めながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、引き続き果断に行動していく決意であります。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 ありがとうございました。  先ほども触れたように、昨年十一月十四日、当拉致特別委員会として新潟視察を行いました。横田めぐみさんが通っていた新潟市立寄居中学校から拉致現場とされる日本海に面した寄居浜までの道のりを歩きながら、閑静な住宅街において平穏な日常が突然奪われた深い悲しみに思いをはせました。私の娘も中学生。ある日、その子が突然いなくなってしまったらと思うと本当に胸の詰まる思いでありました。拉致問題を国民がこぞって自分事として捉え続けていく必要があると考えます。  そして、改めて、北朝鮮による拉致という国家的犯罪行為、基本的人権の侵害に強い強い怒りを覚えました。  松野長官も一昨年、この新潟市の拉致現場を視察されており、また、松本京子さん拉致現場とされる鳥取県米子市も視察されたと承知しておりますが、現場を目の当たりにし、どのような思いを持たれたのか、お伺いいたします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  一昨年十一月に新潟で横田めぐみさんの拉致現場を、昨年十月には米子で松本京子さんの拉致現場をそれぞれ御家族とともに視察をいたしました。その地で実際に拉致が行われたことを実感するとともに、拉致被害者の方々の帰りを待ち続けている御家族の気持ちを思うと、滝波先生からもお話にありましたとおり、私も胸が詰まる思いであります。岸田内閣において必ず拉致問題を解決するという決意を一層強くしたところであります。  全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、引き続き全力で果断に行動してまいります。

滝波宏文自由民主党

○滝波宏文君 ありがとうございました。  既に当委員会理事懇で合意されているように、新潟視察に続き、今度、地元福井県は小浜市への当委員会の視察も来月二十九日に予定されておりまして、委員長、理事、委員各位に感謝申し上げつつ、質問を終わります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  松野拉致問題担当大臣は、昨年十二月十日に、拉致問題の解決に向けた政府主催の国際シンポジウムに出席されました。その際、時間的制約のある人道問題だとする認識や、肉親との再会を待ちわびる痛切な思いを直接伺い、一刻の猶予もないという切迫感をひしひしと感じているといった所感を述べられました。政府として、拉致問題の長期化を深刻なものと捉える姿勢が示されています。そうなんです。時間がございません。  こうした中、北朝鮮は拉致問題について、拉致問題は既に完全無欠に解決されたと主張しています。先日公開された日本の二〇二三年外交青書に対しても、謀略文書だと批判しました。弾道ミサイルを堂々と発射し、日本を敵対視するような言動を繰り返しています。  このように、拉致問題の解決に向けて、状況は膠着どころか悪化すらしていると思われますが、政府はどのような認識を持っていられますでしょうか。お願いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 三上先生にお答えをさせていただきます。  拉致被害者御家族及び拉致被害者の方々が一年一年と年を重ね御高齢となっている中、二〇〇二年に五人の拉致被害者の方々が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないことは痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思っております。  拉致被害者御家族も御高齢となる中で、拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。御家族の皆様とは、もはや一刻の猶予もないとの切迫感を共有をしています。  拉致問題は、重大な人権侵害であり、岸田内閣の最重要課題であります。拉致問題の解決に向けて、米国を始めとする関係国との緊密な連携を進めていくと同時に、我が国自身が主体的に取組を進めていくことが重要であり、岸田総理自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意を表明しています。  政府として、北朝鮮にはこれまでも様々な働きかけを行ってきていますが、その具体的な内容や現在までの状況などは、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。  政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で行動してまいります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 一刻の猶予もない、共有させてください。ありがとうございます。  そして、一つ確認させてください。  松本京子さんが平成十八年十一月二十日に拉致認定されて以来十七年間、ただの一人も認定されておりません。帰国させるために、外交交渉も含め、北朝鮮との問題なんですけれども、認定は日本政府ができることです。なぜできないのか。分かっていて、何らかの意図で認定できないのか、御見解をお願いします。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 政府といたしましては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、現在、八百七十一名について、平素より国内外からの情報収集、分析や捜査、調査に鋭意努めているところであります。  拉致被害者の認定につきましては、ただいま申し上げた情報収集、分析や捜査、調査の結果、北朝鮮当局による拉致行為があったことが確認された場合に行うこととしておりますが、拉致の可能性を排除できない事案につきましては、これまでのところ、北朝鮮による拉致行為があったことを確認するには至っていないところでございます。  政府といたしましては、今後も事案の真相解明に向けて全力を挙げて取り組んでいく考えであります。北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致認定をしてまいります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 拉致の可能性を、今おっしゃった確認、排除できない行方不明者八百七十一名、そして特定失踪者が四百七十名ということです。ただの一人も認定されていない状況です。認定を待っていらっしゃる方もいるということを改めて強く申し上げます。  もう一つ、確認です。  政府は、総理面会を認定者の家族に限っています。一方では、事あるごとに認定の有無にかかわらずと発言していらっしゃいます。なぜ政府は、総理面会に条件を付けるのでしょうか。総理と官房長官に区別する理由が何なのか、お伺いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  政府としては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くしているところであります。  拉致被害者の認定につきましては、今ほど政府、委員の方からお話の答弁をさせていただきましたが、北朝鮮側に反論する材料を与えないよう慎重に対応しているところであり、拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の御家族には拉致問題担当大臣である私がお会いをして、お話をお伺いさせていただいています。長年にわたり一日千秋の思いで肉親との再会を強く求める御家族の思いや要望の内容については、総理にも報告しています。  今後とも、御家族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応に努めてまいります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 これ内閣の最重要課題とするのであれば、直接面会をして幅広く意見交換をすべきではないかと思っておりますので、政府の対策本部長である総理と官房長官が同席すべきではないかと思っております。是非このことについても御検討いただけたらと思います。  次に、岸田総理は、これまで拉致問題について最重要課題と繰り返していらっしゃいます。本年の施政方針演説においても、拉致問題を最重要課題として掲げ、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意と示されました。この点は従来の政府方針を引き継いでいるんですけれども、最重要課題である拉致問題は深刻な重要人道問題であり、その解決は一刻の猶予も示されませんと、許されませんと述べられました。総理は、この演説に関して、これまでも、最重要課題であるということで、この表現を工夫し、その所信等において思いをしっかり伝えるための表現、磨き上げてきましたとの説明を行われました。  この本年の施政方針演説における表現について、政府の方針、どのように反映されているのでしょうか。また、これまでと変わった点があるのか、松野大臣、お願いいたします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  御指摘の施政方針演説での表現は、拉致被害者御家族が御高齢となる中で、拉致問題の解決には一刻の猶予も許されないことを強調したものであります。拉致問題は、我が国が主体的に、時間的制約のある中で取り組まなければならない課題であると考えています。  政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で取り組んでまいります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 おっしゃるように、拉致問題、まさに一刻の猶予もないということで、この一言一言の発言に御家族の皆様も本当に心を寄せていらっしゃいますので、是非この施策を迅速果断に決断していただくよう求めます。お願いいたします。  本委員会では、昨年十一月十四日、横田めぐみさんの拉致現場とされます新潟県の新潟市への視察を、先ほどお話もありましたけれども、行いました。私も委員としてこの視察に参加いたしまして、拉致問題に取り組む新潟県内の自治体からお話を伺いました。  新潟県の佐久間副知事からは、拉致問題に関する県民集会におきまして、拉致被害者御家族や特定失踪者御家族から拉致問題の解決を願う切実な声を聞かれること、そして佐渡市の渡辺市長からは、若年層に対する拉致問題の理解促進に向けた懸命な活動を行っていることなどを伺いました。  昨年の視察は、拉致問題を解決したいという地方からの強い思いを伺う機会となりました。こうした自治体からの報告、活動を政府はどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 新潟県を始め、地方自治体が拉致問題の解決に向けて様々な活動をしていただいていることは心強いと考えており、面会の機会などに可能な範囲で情報提供をしてきているところでございます。  しかしながら、北朝鮮との交渉や情報収集等、今後の対応や拉致被害者の安全確保に支障を来すおそれがあることから、明らかにできない情報があることは御理解をいただきたいと思います。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ほかにも声がありました。新潟市の中原市長からは、拉致問題に関する政府の対応について情報が得られないとの指摘がございました。  政府は、各自治体への拉致問題に関する情報提供を現在どういった形で行っていらっしゃるんでしょうか。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) ただいま申し上げましたとおり、地方自治体に対しましては、面会の機会などに可能な範囲で情報提供をしてきているところでございます。  しかしながら、北朝鮮との交渉や情報収集等、今後の対応や拉致被害者の安全確保に支障を来すおそれがあることから、明らかにできない情報があることにつきましては御理解を賜りたいと思います。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 一つでも、一ミリでも、少しでも情報が欲しいというお声です。  そして、柏崎市の櫻井市長からは、拉致問題解決に向けて政府が具体的な施策を講じるよう、参議院議員から政府に対する働きかけを求めるよう、要望が強くありました。  これまでも政府は、拉致問題を最重要課題として掲げ、表に出ない交渉も含めてもちろん努力を続けていることは理解しております。その上で、この場をお借りしまして、自治体からの拉致問題についての切実な声を届けたいと思います。  今後、政府の拉致問題に対する取組を各自治体にも伝わるよう、今まで以上に具体化しつつ、情報提供体制も見直していくべきではないかと思っております。この点について、政府の方針を伺えますでしょうか。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 繰り返しになりまして大変恐縮ではございますが、地方自治体に対しましては、引き続き、面会の機会などを活用しまして可能な範囲で情報提供を行うとともに、地方公共団体の御要望を踏まえながら、広報啓発の取組などを継続してまいりたいと考えております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 続いて、救う会の方々からのお声を伝えさせてください。  視察におきまして、救う会新潟の高橋正会長からです、早期に日朝首脳会談を実現し、目に見える成果を上げることを要望されました。  日朝首脳会談の早期実現に向けて、政府は現在も様々なルートで糸口を探っていると推察いたします。しかし、北朝鮮との交渉状況において、政府は一貫して、今後の対応に支障を及ぼすおそれがあることから答弁は差し控えるとの姿勢を堅持していらっしゃいます。拉致問題が膠着する中で政府がこうした答弁を繰り返すことで、拉致被害者、そしてその御家族を始め日本国民が不安を募らせることになっております。  この点について、政府はどのような認識をお持ちでしょうか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 先ほど来、政府参考人から答弁をさせていただいております。  拉致被害者御家族を始めとする関係者の皆様方、総理や拉致問題担当大臣である私が、様々な形で、特に御家族の皆様に対して可能な限り情報提供に努め、様々な形で御家族の皆様の声を直接お伺いをするという活動は続けさせていただいております。  そういった中で、早期の日朝のトップ会談と、首脳会談ということだと思いますけれども、それは岸田総理が強い意欲を表明をされておりますので、その下で私もその環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございます。  繰り返しになりますけれども、各自治体、そして拉致被害者の御家族の皆様は懸命にその回答を求めていらっしゃいます。政府の交渉状況について明らかにしていくべきではないかと思いますけれども、いま一度前向きな御答弁をお願いできますでしょうか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 先ほど答弁をさせていただきましたが、可能な限り情報提供に努めているところでありますが、しかし、その上で、御指摘のような情報につきましては、先ほど政府参考人からも答弁させていただきましたが、北朝鮮との交渉、情報収集等、今後の対応や拉致被害者の安全確保に支障を来すおそれがあることから明らかにすることができず、御家族の皆様にも御理解を得るべく申し上げているところであります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 とにかく時間がないということで、その点はよろしくお願いいたします。共有させていただきたいと思います。  次に、韓国との拉致問題に関する協力について伺います。  昨年五月に韓国大統領に就任されました尹大統領との間で、日韓関係、改善傾向にあると見られます。本年の三月の十六日行われました日韓首脳会談におきましても、拉致問題について尹大統領から改めて支持を得られました。  二〇二三年外交青書におきまして、韓国は国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国と評されています。この国際社会における様々な課題にはもちろん拉致問題も含んでいると思われますけれども、受け止め、お聞かせください。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国でございます。特に、この北朝鮮への対応含め、現下の戦略環境を踏まえますと、日韓、そして日米韓で緊密に連携していくことの重要性は論をまたないところでございます。  その上で、外交青書における、今、三上委員から御指摘がありました様々な課題、これには当然拉致問題も含まれるということでございます。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 拉致問題も含まれるという御回答、ありがとうございます。  この韓国の協力は大変心強いんですけれども、複雑なところが、本年二月に発表された韓国の国防白書なんですけれども、北朝鮮の政権と軍隊を我々の敵とする表現が六年ぶりに復活しました。尹政権下は北朝鮮に対して非常に厳しい姿勢を示しております。一方の北朝鮮は、日韓首脳会談のまさに直前にICBM級の弾道ミサイルを発射して、日韓関係の改善に警戒感を示したとされています。  日韓関係が改善に向かうことはもちろん前向きなことなんですけれども、一方で、北朝鮮の日本に対する態度、更にこれ硬化させる可能性があるとも思われます。こうした日本と韓国と北朝鮮をめぐる関係ですけれども、日本政府にとって非常に難しい状況であると思います。現下の日韓関係を、日韓関係を拉致問題の解決にどう生かそうと考えていらっしゃるか、政府の御見解をお願いいたします。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 拉致問題の解決のためには、我が国の取組に加えまして、国際社会との緊密な連携、これが重要になってくると考えております。  韓国との間で、先ほど触れていただきましたが、例えば三月に行われた首脳会談におきまして、拉致問題について尹錫悦大統領から改めて支持を得たところでございます。私自身、朴振韓国外交部長官との間で拉致問題への対応につきましてこの累次の機会にわたって協力を確認をしておるほか、三月に訪日をされました権寧世韓国統一部長官との間でも緊密な連携を確認をしたところでございます。  このように、韓国からは拉致問題の解決に向けて累次の機会に支持が表明されております。この日韓関係の改善の機運も活用しながら、引き続き、この韓国を始めとする国際社会と緊密に連携して、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいりたいと思っております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございます。  こういった厳しい対北朝鮮への姿勢を見せる韓国政府なんですけれども、本年の三月三十日に北朝鮮人権報告書を初めて一般公開いたしました。この報告書には、恣意的な処刑、生きた人間への医学実験、そして韓国人の拉致被害者らが過酷な労働や監視、差別に苦しむ実態が記されていました。北朝鮮における深刻な人権侵害の詳細が明らかです。このようなおぞましい人権状況の北朝鮮で日本の拉致被害者の方々が生きていらっしゃるという現実です。本当に胸が締め付けられる思いです。  政府は、外交の舞台において拉致問題への協力を各国に訴えかけていると承知しております。韓国政府が公表したような北朝鮮の深刻な人権侵害の実態、こういったことを国際社会に更に訴えかけていくということはいかがでしょうか。拉致問題に対してもこういった働きかけがより一層の理解を得られるのではないかと思います。今後、拉致問題の解決に向けて政府は国際社会にどのように発信をしていくのか、方針をお聞かせください。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 先ほども申し上げましたこの拉致問題の解決、我が国自身の主体的な取組に加えて、国際社会による幅広い理解と協力が重要であります。  この国際場裏における取組でございますが、四月四日に国連人権理事会で北朝鮮人権状況決議が今年も採択をされまして、我が国は共同提案国として尽力をしました。その中で、日本人拉致被害者の即時帰国の実現を改めて強く要求するとともに、北朝鮮で組織的、広範かつ深刻な人権侵害が長期にわたり現在も行われていることを最も強い表現で非難するといった文言等が含まれておるところでございます。  また、私自身、外務大臣就任以来、個別の会談、また訪問に加えて、先般の長野県軽井沢外相会合を始めとする多国間会合の機会も捉えまして、拉致問題の解決に向けた理解と協力を各国に求め、支持を得てきているところでございます。  政府としては、国際世論も味方にしつつ、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 国際世論も非常に大切なことだと思います。その発信という面では、政府の水面下の交渉のみならず、日本国民が声を上げるという、この国内での機運が上がります。さらに、国際社会に向けても国民の関心が高い問題であるということがアピールできると思います。  しかし、拉致問題のこの長期化で国民の関心というのはどうしても薄れつつあるということで、内閣府の外交に関する世論調査におきまして、北朝鮮の関心事項に拉致問題を挙げた人が二〇〇三年度に九〇・一%でしたが、二〇二一年度が七九・八%、低下しました。主に十八歳から二十九歳の若年層は六五・一%となっていて、拉致問題になじみの薄い世代への啓発活動も喫緊の問題です。  こうした国民の関心の低下、こちらは政府は危機感を持っていらっしゃるでしょうか。お答えください。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 拉致問題を風化させないようにするためには啓発が必要であり、これまで拉致問題に触れる機会の少なかった若い世代への啓発が重要な課題となっております。政府として、この点の取組を強化しております。  例えば、毎年、全国の教育委員会に対しましてアニメ「めぐみ」の教育現場での活用をお願いしております。また、SNSを活用した発信の多様化に取り組んでおりまして、さらに、令和四年度においては若年層向け動画広告を作成し、配信したところであります。  また、中高生を対象とした作文コンクールを実施するとともに、今年度、新たに、全国の中学生が東京に集まり、拉致問題について学び、拉致問題を同世代、家族、地域の人に自分事として考えてもらうためにはどうしたらよいかにつき議論を行ってもらう事業の実施を予定しているところであります。さらに、教員を目指す大学生を対象とした授業実践事業の実施、教員等を対象とした拉致問題に関する研修の実施なども行っております。  拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが重要であります。どのような手段が有効かとの観点から、若い世代への啓発に引き続き積極的に取り組んでいく考えであります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございます。  私、広島出身でして、核兵器廃絶は絶対だと訴え続けてまいりました。核兵器禁止条約の署名、批准も積極的に進めるべきだと考えております。  同じ広島出身の岸田総理も核軍縮はライフワークだと公言していらっしゃいます。岸田政権が核軍縮・不拡散の取組を重視しているとしながら、核兵器禁止条約に関与していないような消極的な姿勢が見られると思っておりますけれども、この点はいかがでしょうか。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 北朝鮮による核・ミサイル開発は、関連する国連安保理決議の明白な違反であり、北朝鮮が前例のない頻度と態様で弾道ミサイル発射を繰り返していること、これは我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと考えております。今後とも、日米、日米韓で緊密に連携し、国際社会とも協力しながら、関連する安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の完全な非核化を目指します。  その上で、核兵器禁止条約について申し上げますと、この同条約は核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約であります。しかし、我が国としては、この御指摘のような対応ではなく、現実的かつ実践的な取組を進めていく考えでございます。  この核兵器禁止条約は、失礼いたしました、現実を変えるために核兵器国の協力が必要になってまいりますが、この条約には核兵器国が一か国も参加していないところでございます。まさに、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかなければならないと思っております。そのためにも、核兵器のない世界の実現に向けて、唯一の同盟国である米国との信頼関係、これを基礎としながら、G7広島サミットも念頭に、ヒロシマ・アクション・プランを始めこれまでの取組の上に立って、国際賢人会議の英知も得ながら、現実的かつ実践的な取組を進めてまいりたいと考えております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございます。  広島で開かれるG7サミットまで一か月を切りました。サミットにおいて各国と拉致問題について議論するということは、国際社会との連携ということで私は不可欠ではないかと思っておりますけれども、しっかり取り上げていただきたいと考えておりますけれども、政府の認識をお願いいたします。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えて、G7を始めとする国際社会と緊密に連携することも重要でございます。  先ほど来申し上げておりますように、この直接の働きかけに加えて、各国に対してハイレベルでのあらゆる機会を捉えてこの立場、我々の立場を説明してきておりまして、多くの国から支持と理解を得てきております。  この軽井沢でも、外相会合そのもの、バイ会談においても議論をいたしまして、各国から拉致問題の即時解決に向けた支持が改めて表明をされました。G7広島サミットにおいても、この流れ、このモーメンタムに乗ってしっかりと議論をしていきたいというふうに思っております。  国際世論を味方にするということ、これをやりながら、引き続き、米国とも緊密に連携し、取り組んでまいりたいと考えております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 被爆地広島に各国の首脳、要人が集まるということで、どういったことを一番メッセージとして伝えたいというふうに林大臣思っていらっしゃるか、一言お願いします。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) どういう形式や内容で発信をするかというのはまさに今調整をしておるところでございますが、広島に各国首脳が来られるということで、この被爆の実相に触れていただく、そういうことをしっかりと発信していただく、こういうことが非常に大事だというふうに考えております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございました。  質問は以上です。ありがとうございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  まず、林外務大臣にお聞きします。  長野県軽井沢町で十八日までの三日間の日程で先進七か国外相会合が開催をされました。林外務大臣が議長を務められた今回の外相会合では、ウクライナや中国はもちろんですけれども、北朝鮮情勢などに関して外相間の率直な意見交換がなされ、そして共同声明という成果の形でまとまったと、このように承知をしております。  そこで、改めまして、この拉致問題に関してはどのような議論が行われ、どのような成果があったのか、外務大臣にお聞きしたいと思います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 四月十六日から三日間にわたって開催されましたG7長野県軽井沢外相会合では、ワーキングディナーやこの機会に実施された各国とのバイ会談におきまして、拉致問題を含む北朝鮮への対応につきまして議論を行い、G7各国からは、拉致問題の即時解決に向けた支持、これが改めて表明をされたところでございます。  また、G7外相会合の成果として発出されましたG7外相コミュニケにおきましても、北朝鮮に対して拉致問題の即時解決を強く求めるという旨が記載をされたところでございます。  G7外相会合でのこうした議論の成果を踏まえ、G7広島サミットにおいてもしっかりと拉致問題について議論してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 既にもう質問は出ておりますけど、私の方からも、この拉致問題の解決のためには、我が国の主体的な取組はもちろんでありますけれども、国際社会との緊密な連携、とりわけG7に加えてアジアではやはり韓国と中国との連携が私は必要になってくると思います。  このうち韓国に関しては、昨年十一月の日韓首脳会談に続く形で、両国の関係発展に向けた環境整備を更に進めるために、今度は昨年末に我が党の山口代表が訪韓をいたしました。尹錫悦大統領を始め韓国政府の要人らと会談をいたしました。尹大統領との会談では、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けた取組についても意見交換を行い、山口代表から、尹大統領がこれまで力強い支持を表明してきたことに対して謝意を述べたのに対して、尹大統領も改めて支持をする考えを表明をされました。  このように、拉致問題の解決には同じく拉致被害者のいる韓国との連携が非常に重要だと考えますが、改めて外務大臣の見解をお伺いしたいと思います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) まさに委員から御指摘がありましたように、この拉致問題の解決のためには、我が国の取組に加えて国際社会との緊密な連携も重要であります。  この韓国との間では、三月に行われた首脳会談におきまして、拉致問題について尹錫悦大統領から改めて支持を得たところでございます。  私自身、この朴振韓国外交部長官との間で拉致問題への対応について累次の機会にわたり協力を確認をしておりますほか、三月に訪日した権寧世韓国統一部長官との間でも緊密な連携を確認したところでございます。このように、韓国から、拉致問題の解決に向けまして累次の機会に支持が表明されております。  引き続き、韓国を始めとする国際社会とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国、これを実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいります。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。  今答弁にもありましたように、三月に来日された権寧世韓国統一部長官との間では、北朝鮮による核・ミサイル開発への対応について緊密に連携していくことが確認をされ、拉致問題に関しては、林外務大臣の方から即時解決に向けた理解と協力を求め、これについても緊密な連携を確認されたと、このように承知をしております。加えて、権長官から日韓の事務レベルで協議したいとの意向が示され、引き続き緊密に意思疎通をしていくことで一致をされたということでありますけれども、今後事務レベルでの協議を目指していくという方針なのかどうか、この点について改めて林外務大臣に確認をさせていただきたいと思います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 先月、権寧世韓国統一部長官が外務省閣僚級招聘により訪日をされまして、私自身、権長官との間で北朝鮮をめぐる情勢について意見交換を行ったところでございます。  今お触れいただきましたように、この会談の中で、長官から北朝鮮情勢に関して日韓の事務レベルで協議したいという意向が示され、そして、事務レベルを含めて北朝鮮情勢について緊密に意思疎通をしていくということで意見が一致をしました。  いずれにいたしましても、我が国としては、拉致問題の即時解決に向けて、権長官とのやり取りも踏まえつつ、引き続き、韓国を始めとする関係国と緊密に意思疎通をしていく考えでございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。是非とも、韓国との間でこの拉致問題についても連携をして、歩調を合わせて前進させていただきたいと思います。  それから、もうこれも既に出ておりますけれども、私からも広島サミットについて触れさせていただきます。  五月の十九日からのG7広島サミットは、外相会合に続いて、やはり各国の首脳に拉致問題解決の必要性を訴える場としては極めて重要になると思います。韓国を始め八か国の首脳も招待され、サミットの拡大会合、アウトリーチに出席するとも伺っております。参加各国に対して、拉致問題は人権問題であり、北朝鮮当局による人権侵害問題への対処というのは国際社会を挙げて取り組むべき課題であることを訴える、そのようにしてG7広島サミットの場を最大限に活用をして、拉致問題の早期解決へ理解と協力を求めていくべきではないかと考えますが、この点についてよろしくお願いします。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) まさに、この拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えて、G7を始めとする国際社会と緊密に連携することが重要であります。この北朝鮮への直接の働きかけに加えて、ハイレベルでのあらゆる機会を捉えて累次にわたって拉致問題に関する日本の立場を説明してまいりまして、多くの国から支持と理解を得てきております。  まさに今委員からございましたように、この拉致問題、極めて重要な課題であり、時間的制約のある人権問題であると、こういうふうに考えておりまして、この長野県軽井沢外相会合そのものと、そしてバイ会談においても、この拉致問題の即時解決に向けた支持が各国から改めて表明をされたところでございます。このモーメンタムを生かして、G7広島サミットにおいてもしっかりと議論をしていきたいというふうに考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。大臣から力強い決意を伺いましたので、よろしくお願い申し上げます。  そしてもう一つ、中国なんですけれども、この連携も私は重要だと思います。  林外務大臣は、今月二日に三年三か月ぶりに北京で秦剛外相と会談をして、拉致問題、核・ミサイル問題を含む北朝鮮への対応等の地域情勢についても意見交換をしたと伺っております。  そこで、拉致問題に関する中国との連携については今どのようにお考えになっているのか、外務大臣の見解を是非ともお伺いしたいと思います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 拉致問題の解決のためには、先ほど来申し上げておりますように、我が国の取組に加えて国際社会との緊密な連携も重要であり、中国との連携、これも重要だと考えております。  この四月二日の日中外相会談におきまして、秦剛国務委員兼外交部長、そしてさらに王毅共産党中央外事工作委員会弁公室主任との双方、両方とも拉致問題、核・ミサイル問題を含む北朝鮮への対応について引き続き緊密に連携していくことを確認をしたところでございます。  この中国を含む国際社会とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ここまで質問してきましたG7各国、韓国、中国に対して、今御答弁いただいてきましたように、日本政府はこれまでも拉致問題における理解と連携を強く求めてまいりましたけれども、昨今、グローバルサウスと呼ばれる新興国、途上国の重要性が高まっております。  岸田総理も本年の施政方針演説におきまして、世界が直面する諸課題に、国際社会全体が協力して対応していくためにも、G7が結束し、いわゆるグローバルサウスに対する関与を強化していきますと述べるなど、政府として重視をする姿勢を示しております。  また、岸田総理は、グローバルサウスの声に耳を傾ける観点から、外遊をしたいとの意向を示しているとの報道も出ておりましたけれども、政府はこうした外交の機会にグローバルサウスに対して日本の拉致問題に対する理解を広めていく考えはあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) まさにこの拉致問題の解決のための我が国の主体的な取組に加えた国際社会による幅広い理解と協力を得ていくという意味で、まさに今、竹内委員から御指摘のありました、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる経済発展を遂げて国際社会における影響力が増してきている途上国、新興国との連携、これが大変重要であると考えております。  こうした考えの下に、首脳会談での働きかけに加えて、私自身、就任以来、個別の会談そして訪問に加えて、昨年八月にTICAD8ということがございまして、ここでのバイ会談、そして九月には国連総会ということで、多国間会合等々、バイも含めて、こうした機会があるごとに拉致問題の解決に向けた理解と協力、これを各国に求め、支持を得てきているところであります。  政府としては、国際世論を味方にして、この全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 もうG7からグローバルサウスまで重ねて連携をお願いしたいと思います。  次に、サイバー攻撃について質問いたします。  北朝鮮への制裁を科しているにもかかわらず、北朝鮮がミサイル発射を続けられているのは、やはりサイバー攻撃で略奪した暗号資産などの獲得によるものと見られております。より管理の甘い暗号資産というものをターゲットにしていると考えられますが、警察庁は昨年十月にも、北朝鮮のハッカー集団ラザルスが日本の暗号資産交換業者を狙ってサイバー攻撃を行っていると発表されました。  摘発に至っていない段階での名指しでの公表は、パブリックアトリビューション、非難声明と呼ばれる手法で、サイバー攻撃の抑止につなげる狙いがあるといいますが、各国とも連携をして、更にこうしたサイバー攻撃対策を強化すべきと考えますが、警察庁の見解をお伺いいたします。

大橋一夫警察庁長官官房審議官

○政府参考人(大橋一夫君) 委員御指摘のとおり、警察庁のサイバー特別捜査隊の捜査等によりまして、国内の暗号資産関係事業者が北朝鮮当局の組織による攻撃の標的とされていると強く推認されることから、昨年十月、金融庁、NISCとの連名で広く注意喚起を行ったところでございます。このように、警察では、我が国として攻撃者を公表し、非難することでサイバー攻撃を抑止するいわゆるパブリックアトリビューションの実施に貢献しております。  こうしたパブリックアトリビューションに加えまして、捜査や海外の治安情報機関との情報交換を通じたサイバー攻撃の主体及び手口に関する実態解明、警察と事業者とで構成するサイバーインテリジェンス情報共有ネットワーク等を通じて共有される情報の集約、分析及びその結果に基づく注意喚起などの活動を通じまして、引き続きサイバー攻撃対策の強化に努めてまいります。

竹内真二公明党

○竹内真二君 これ、拉致問題にも深く関係しているところでありますので、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、私も、当委員会で昨年十一月に新潟市を視察した件についても質問させていただきます。  新潟県、そして新潟市、そして帰国をされた拉致被害者のいる柏崎市、佐渡市から拉致問題に関する各自治体の取組等を伺いました。各自治体からは、拉致問題の啓発事業であるとか拉致被害者の帰国後の生活支援、生活相談などに尽力されている中で、特に、やはり拉致被害者の方々への細やかな支援を政府にも継続してほしいという強い要望もいただきました。  今後も引き続き、御家族を含めて安心して暮らせるように、支援事業を継続していただきたいと考えておりますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 帰国された拉致被害者の方々等に対しましては、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律に基づいて、地方公共団体と連携しながら生活相談等の支援を行っているところであります。  引き続き、地方公共団体の御要望を踏まえながら、広報啓発の取組や、拉致被害者の御家族を含めた支援を継続してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 昨年の視察におきましては、北朝鮮に拉致された日本人を救出する新潟の会、そして特定失踪者御家族の大澤昭一さん、中村クニさんからも御要望をいただきました。特にお二人からの強い要望が、当然ですが、北朝鮮に拉致された疑いのある大澤孝司さん、そして中村三奈子さん、そうした特定失踪者の拉致被害者への早期認定でありました。  認定されない苦しみやつらさを考えれば、各事案の捜査や調査など、できる限りの対応を政府にお願いしたいと思いますが、拉致問題担当大臣の見解を是非ともお伺いしたいと思います。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 竹内先生にお答えをさせていただきます。  政府としては、拉致被害者と認定された十七名以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、現在、八百七十一名について、平素より国内外からの情報収集、分析や捜査、調査に鋭意努めているところであります。委員御指摘の大澤さんや中村さんの事案も含め、今後も拉致の可能性を排除できない事案の真相究明に向けて全力を挙げて取り組んでいく考えであり、北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致認定をしてまいる考えであります。  いずれにしても、政府としては、認定の有無にかかわらず、北朝鮮に拉致された全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けて、全力で果断に行動してまいります。

竹内真二公明党

○竹内真二君 続いて、佐渡市では、曽我ひとみさんが講師となって市内の小中学校で講演活動を続けておりまして、さらに昨年は、修学旅行で他の地域から佐渡を訪れた中学生に初めて講演も行い、生徒たちが拉致問題について学ぶ貴重な場になったと伺いました。曽我さんは、拉致問題が過去のことだと忘れ去られるのではないかと危機感を抱いていると、こうしたことも講演の中で語っていると言っております。  拉致問題の風化を防ぎ、特に若年層への啓発に更に力を入れていくべきだと考えますが、松野拉致問題担当大臣の見解をお伺いしたいと思います。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  国内における啓発については、これまで拉致問題に触れる機会の少なかった若い世代への啓発が重要な課題であります。政府として、この点の取組を強化しています。  例えば、毎年、全国の教育委員会に対して、アニメ「めぐみ」の教育現場での活用をお願いをしています。また、SNSを活用した発信の多様化に取り組んでおり、さらに、令和四年度においては、若年層向け動画広告を作成し配信したところであります。  また、中高生を対象とした作文コンクールを実施するとともに、今年度、新たに全国の中学生が東京に集まり、拉致問題について学び、拉致問題を同世代、家族、地域の人に自分事として考えてもらうためにはどうしたらよいかにつき議論を行ってもらう事業の実施を予定しています。さらに、教員を目指す大学生を対象とした授業実践事業の実施、教員等を対象とした拉致問題に関する研修の実施等も行っています。  私も昨年十月には埼玉県上尾市立東中学校を訪問し、拉致問題に係る授業を実際に視察をいたしました。その際、生徒及び教員等との車座対話を行い、拉致問題に関する生徒の関心及び教員としての工夫等を直接伺い、意見交換を行いました。  また、昨年十二月の政府主催国際シンポジウムの機会には、授業実践事業を受講した香川大学教育学部の学生との間で車座対話を行い、率直な意見を伺いました。  こうした事業視察や車座対話は、若い世代への啓発を行っていく上で大変参考となりました。拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが重要であります。どのような手段が有効かとの観点から、若い世代への啓発に引き続き積極的に取り組んでいく考えであります。

竹内真二公明党

○竹内真二君 最後に、端的にお伺いしますが、今後行われるこの全国こどもサミット、これ拉致被害者や拉致被害者家族の皆様方にも是非来ていただいて、話を聞く機会を設けてはどうかと思いますが、簡潔によろしくお願い申し上げます。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 先ほど大臣の方からも御答弁を申し上げた、全国の中学生が東京に集まり、拉致問題について学び、拉致問題を自分事として考えてもらう、そういった事業の実施を予定しているところでありますが、拉致問題についてより深く理解するためには、委員御指摘のとおり、拉致被害者御家族等による講話の機会を設けることは意義のあることであり、本件事業についてもしかるべく検討してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。  本日は、三つの点について御質問させていただきます。  一つ目が、北朝鮮との交渉チャンネルの複線化に関してです。  政府は、繰り返し、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現のため、政権の最重要課題にこの拉致問題を位置付け、全力で取り組むと表明されています。ただ、二〇〇二年の拉致被害者五名の帰国から二十年が経過し、御家族の高齢化も進んでいます。横田早紀江さんからは、自分の子供が拉致されたとしたらどういう思いを持って、どういう思いをするか、そのような危機感を持って与野党が一致して課題に取り組んでほしいというメッセージを賜っています。  交渉の進捗がなかなか見えない中で御家族の不安が増しておりますが、そういったことを踏まえて、政府の現在の見解、取組をお聞かせください。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 金子先生にお答えをさせていただきます。  拉致問題担当大臣就任以来、御家族からは、累次にお会いする機会に、長年にわたる苦しみや悲しみ、何としても結果を出してほしいという切実な思いを直接お伺いするとともに、可能な限りの情報提供に努めてきているところであります。御家族がお年を重ねる中で、解決に向けて一刻の猶予もないという切迫感を私としても共有しています。  最重要課題である拉致問題は、時間的制約のある人道問題であります。解決のため、様々な働きかけを行っているところであり、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく全力で取り組み、果断に行動してまいります。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 是非よろしくお願いいたします。  御家族は、我々日本国政府を見ているだけではなくて、諸外国も見ているわけです。諸外国で、拉致問題というんでしょうか、拘束され、投獄された、そのようなケースが起きた場合、どのような対応を外国がしているかと。  その中では、例えばカナダなんかだと、迅速に対応して、この拉致されたというか拘束された被害者を救出している、そういったケースもありました。近年、二〇一五年、韓国系カナダ人宣教師、ヒョンス・リム氏が北朝鮮に一年半拘束されて、その後、解放されています。私も、昨年十二月末にこのヒョンス・リム氏と面会をしまして、実際、どういう経緯だったのか、どういう交渉がなされたのか、教えていただける範囲ですけれども、情報収集させていただきました。  我が国政府としては、北朝鮮から自国民を解放させたこのような成功例について情報収集されているとは思いますけれども、そのような情報を踏まえて我が国の取組には変化があったんでしょうか。

實生泰介外務省大臣官房審議官

○政府参考人(實生泰介君) お答えいたします。  拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えて、国際社会による幅広い理解と協力が重要であり、各国に様々な働きかけを行うとともに、その各国から関連する情報収集を行ってきているところではございます。ただ、御指摘の点を含めまして、その各国等から具体的なこの情報収集の内容や対応については、外交上のやり取りであり、お答えは差し控えたいとは思います。  いずれにしましても、その情報収集した内容が我が国の取組に与えた変化というようなお尋ねでございましたけれども、詳細は申し上げられないものの、北朝鮮に関する対応については、情報収集した内容も踏まえつつ、何が最も効果的かという観点から不断に検討を加えてきており、今後も検討していく所存でございます。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 ありがとうございます。  当然、そういった作業はされているかと思うんですが、過去十年間で北朝鮮から自国民をこのように解放させることに成功した事例はほかにはあるんでしょうか。

實生泰介外務省大臣官房審議官

○政府参考人(實生泰介君) 拉致の事案ということでは必ずしもございませんけれども、諸外国の国民が北朝鮮により拘束をされ、その後、解放された例としては、先ほど委員の方からも御紹介がありました、例えば二〇一七年の八月にカナダ政府代表団が平壌を訪問してカナダ人の方一名が解放された事例、また二〇一八年の五月には、当時のポンペオ米国務長官が北朝鮮を訪問し、その時点で拘束されていた米国人三名の方々が解放された事例などがあるというふうに承知しております。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 そのような、拉致被害者家族から見ると成功例のようなものが見えるわけですね。当然、成功したことに関してはその理由がある、何らかのチャンネルがそこで有効に働いて、情報が交換されて、何らかの条件闘争も行われたということが考えられます。  今、被害者家族が政府に求めることというのは、頑張りますという言葉、覚悟、それだけではなくて、具体的に行動が変化しているのかどうかだと思うんですけれども、北朝鮮との交渉のチャンネル、北京を通した交渉チャンネルがメインだと思いますけれども、これを複線化するための何らかの取組は行っておられるんでしょうか。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えて、国際社会と緊密に連携することが重要だと考えております。  多くの国から、先ほど来申し上げておりますように、この長野県の軽井沢外相会合等々、申し上げてまいりましたが、多くの国から理解と支持を得てきているだけではなくて、例えばアメリカについては、トランプ前大統領が当時の安倍総理大臣からの要請を受けて、二〇一八年六月の米朝首脳会談におきまして、金正恩国務委員長に対して拉致問題取り上げたところでございます。また、ブリンケン米国務長官でございますが、二〇二一年三月に訪日をされました際に、対外的にも、北朝鮮と協議する機会があれば拉致問題を取り上げる考えであるということを明らかにしておられるところでございます。また、韓国ですが、二〇一八年四月の南北首脳会談を始めとする累次の機会において、北朝鮮に対して拉致問題を提起をしております。  この拉致問題、時間的制約のある人道問題でございます。引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、米国を始め、各国と連携しながら全力で果断に行動してまいります。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 ありがとうございます。  今大臣が挙げられた事例、御家族からも、とてもあのときに言及してもらってうれしかったというようなコメントも聞いたことがたくさんございます。このチャンネルの複線化、様々な方法で働きかけをしている。具体的な内容はもちろん言えないでしょうけれども、広げています、広げている、努力をしていますということは、是非御家族にもお伝えいただければと思います。  二つ目に、多様な交流の可能性について御質問します。  少し変なというか、変わった質問ですが、我が国が拉致を認定し、北朝鮮側は死亡を主張している、そのような方は現在何名おられるんでしょうか。

平井康夫内閣官房内閣審議官

○政府参考人(平井康夫君) 政府としては、現在十七名を拉致被害者として認定しておりまして、うち五名は二〇〇二年十月に帰国、北朝鮮側は、安否不明の拉致被害者十二名のうち八名を死亡と主張し、四名については入境を否定しているところであります。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 ありがとうございます。  この北朝鮮が死亡していると主張しているケース八名、この中に横田めぐみさんも入っているかと思うんですけれども、その死亡とされた拉致被害者の家族の安否を確認する作業というのは政府の方で行っているんでしょうか。もし行っているのであれば、死亡されたと主張しているこの拉致被害者の家族との間で、間接的な方法で手紙のやり取りをしたり、可能であればオンラインの面会を図ったり、そのような方策というのはできないんでしょうか。  先ほど、三上委員、また竹内委員の方からも、韓国人の拉致被害者のケースについて言及がありましたけれども、私も、韓国人の拉致被害者の方々とお話を聞くと、内々に手紙はやり取りできているんだなんということは複数聞いたことがございます。横田さん御夫妻がモンゴルでお孫さんと面会したというケースがありました。あれは、問題が解決していない中にあって、何というか、一つのハイライトであって、亡くなられた御主人にとってはすごく一つのうれしい思い出として天に帰られた、そのような機会ではなかったかと思うんです。  一度会えたんであれば、今の時代であればオンラインでやり取りをする機会をつくったりとか、特に時間的制約がある中で、御家族が御存命のうちに、せめて一言、一声だけでももう一度肉親の声を聞きたいという、そのような思いを酌んで、何らかの交流の実現に向けて交渉は進めることはできないでしょうか。大臣、お答えください。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 北朝鮮による拉致被害者や拉致の可能性を排除できない方々については、平素から情報収集に努めておりますが、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、その具体的内容や報道の一つ一つについてお答えすることは差し控えてきております。  いずれにいたしましても、政府としては、北朝鮮に対する対応について、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて何が最も効果的かという観点から不断に検討してきておりまして、今後も検討してまいります。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 是非、具体的な交流というものを御検討いただければと思います。  三つ目に、拉致問題と人道問題。今、拉致、核、ミサイルの包括的な解決ということでしたけれども、拉致と人道問題を先行的に解決することについて最後に御質問したいと思います。  この二月一日でしょうか、御家族、家族会が総理と面会して、代表の横田拓也さんから、親の世代の家族が生きているうちに全拉致被害者の一括帰国が果たせるなら、北朝鮮の人道支援に反対しないという新たな方針説明、これ非常に苦渋の判断だったということも伺っております。それだけ切実な思いとして、解決するんであれば、拉致問題と人道問題、人道支援は先行的に進めてもいいんではないかということをおっしゃっておられました。  それに対して、総理の方も、家族会のその切実な思いを政府としても重く改めて受け止めなければならないと言っておられますが、林大臣、この先行的な解決ということについて、主体的な取組ということを大臣は何度も言っておられますけれども、その中に、先行して人道問題、拉致問題を解決していく、そのような意思、御意見ありますでしょうか。お願いします。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 日朝平壌宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸懸案、これを包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すという政府の方針に変わりはございません。  この拉致、核、ミサイルの諸懸案について優先順位を付けることはあってはならず、これらを包括的に解決する方針でございますが、その中にあって、拉致問題は、我が国が特に主体的に時間的制約のある中で取り組まなければならない課題であると、こういうふうに考えております。  いずれにいたしましても、政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、引き続き全力で果断に取り組んでまいります。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 先月の十七日、何度も済みません、大臣には御質問させていただいておりますが、防衛、外防の委員会で、安保理決議の二三九七号に従って北朝鮮の制裁決議の例外手続を行った上で北朝鮮への人道支援を実施すること、特に小規模な民間経由の人道支援を先行的に実施して、拉致問題解決に伴う将来の本格的、大規模な人道支援への期待を膨らませることで交渉の呼び水にすることはできないか、そのような御質問をさせていただきました。  その際、大臣の方から、御指摘のあった点も含めて、あらゆる選択肢を排除せずに引き続き果断に行動してまいりたいという御回答がありました。私としては、その質問のお答えをいただいて、こうした小規模な民間経由の人道支援の可能性は排除されない、そのようにお答えいただいたと理解しております。  まだ日本のNGOがこの安保理決議二三九七に従った人道支援の例外申請等を行った事例ありませんけれども、こうしたNGOの申請が行われた場合、外務省や国連代表部の方はこうした民間の申請の動きに御助力いただけるんでしょうか。大臣、お答えください。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 一般論として申し上げますと、北朝鮮に関する国連安保理決議では、制裁委員会が必要であると決定する場合には、個別の案件に応じて、安保理決議上の措置から、人道支援を含め、いかなる活動も除外できるという旨規定をしておるところでございます。  仮定の質問に対する我が国の対応について予断を持ってお答えすることは差し控えますが、北朝鮮に関する対応については、今お触れいただいたように、あらゆる選択肢を排除せず、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて何が最も効果的かという観点から不断に検討を行ってきておりまして、今後も検討していきたいと考えております。

金子道仁日本維新の会

○金子道仁君 改めて、こうした人道支援の先行実施、呼び水をつくりながら、何とかチャンネルを広げて、この拉致問題の解決の糸口、どこにあるのか私たち分かりませんけれども、私たちも、できることを通して、何か道が開かれることを期待しながらやっていきたいと思っております。  先ほど竹内委員の方からも質問がありました、先般の軽井沢外相会合の中で、北朝鮮の言及部分について、拉致問題を即時に解決するように強く求めるとありますけれども、その前段のところで、国際人道機関によるアクセスを容易にし、つまり人道問題について北朝鮮にアクセスする、そのような働きをG7でも広げていくということをここでも訴えておられ、そして、もちろん我が国も同意されているわけですから、是非、いきなり国際人道機関が北朝鮮に入っていって人道問題を指摘するというのはまず不可能だと思います。まずは小さな民間のそのような働きからスタートしていって徐々に広げていく、そのようなことが北朝鮮とのチャンネルを広げる非常に有効な手段だと思いますので、是非、将来的にこのような申請が上がってくる場合には、外務省にも御協力いただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合です。  質問に入ります前に、まず、四月十日、官邸で、松野拉致問題担当大臣には今年度の私どもの署名をお受け取りいただきまして、ありがとうございました。  コロナ禍を物ともせず、今年も八十八万を超える署名を集めさせていただき、拉致被害者の一日も早い救出を政府に申入れをさせていただいたわけでありますが、我々がこの活動を何十年も続けている理由、それは、我々の立場ではできることが限られております。したがって、我々ができることということでは、国民の皆さんのこの拉致問題に対する記憶を風化させないということに尽きると思っておりますので、毎年この活動、取組を進めさせていただいているところであります。  政府からも前向きな御答弁はいただいておるわけでありますが、残念ながら、御答弁は前向きなんですけど、全く結果は伴っていないのがこの十数年間の現状ということを考えたときに、改めて、これまでの政府、内閣の姿勢、取組方針と違った取組を、また一歩踏み込んだ取組を行わないと拉致被害者救出に向けた具体的な動きが前に進めることができないんだということをまず指摘をさせていただきたいと思います。  その上で、拉致被害者のいわゆる目撃情報について、政府にちょっと確認をさせていただきたいことがございます。  お手元に四枚資料を配付させていただきました。特定失踪者問題調査会の荒木代表の方から御提供をいただいた資料であります。  ホ・ガンイル氏の証言についてという資料であります。この方、脱北者でありまして、元々北朝鮮のいわゆる特権階級の御出身の方であります。おじいさんは金日成の時代の副首相をやっていらっしゃったというような方であり、御本人も海外の経験が豊富におありになり、脱北をされたときには中国でいわゆる外貨獲得のための北朝鮮レストランの支配人をしていらっしゃった。その方が脱北をされて、現在アメリカに在住されているということであります。  この方を、別の脱北者で日本に在住していらっしゃるユーチューバーの方が御自身のユーチューブ番組においてインタビューを公開したところ、そこで、平壌にいたときに日本人を見たと言っているという証言が画像の中に出てきたということであります。  内容については、下に書かれておりますけれども、平壌のいわゆる平壌外大の日本語科で臨時的に日本人拉致被害者が日本語を教えていたという証言、そして、平壌の紋繍というところ、これ、四枚目の資料に場所の地図、グーグルの地図を載せておりますが、平壌の中心部に拉致被害者だけの住むマンションがあったということ、そして、その拉致を疑われる方と、いわゆる外貨商店の中で日本人拉致被害者と思われる方と、七名の方を見たという、こういった証言ということであります。直接、この方、日本人だとおっしゃった方とやり取りを交わしたときに、日本から来たということをおっしゃっていたということで、そのお会いになった当時、二〇〇二年の拉致被害者五人が帰国された前後の話でありますが、この当時でおおむね五、六十歳ぐらいなんじゃないのかということだったらしいです。  二枚目、めくっていただきますと、会ったと言われる方のうち、特定失踪者のリストの写真を調査会が送って顔を確認していただいたところ、木村さん、加瀬さん、坂本さん、梅田さん、この四名の方について見た覚えがあるという証言を得て、さらに、直接このホ・ガンイル氏に五百三十一名分の写真を送って見ていただいたところ、坂本とし子さん、木村かほるさん、加瀬テル子さんについては、若い頃の写真だから一〇〇%確実とは言えないけれども、見たのはこの方じゃないのかという、こういう御証言がありました。  そこで、確認なんですが、このホ・ガンイル氏の証言について、既に政府では情報を把握していらっしゃるでしょうか。大臣にお伺いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えさせていただきます。  政府としては、各種の情報について、平素からその収集、分析に努めていますが、今後の活動に支障を来すおそれがあることから、その具体的な内容についてはお答えを差し控えさせていただきます。  いずれにせよ、政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、引き続き果断に行動してまいります。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 大臣、今の御答弁は正直言っていかがなものかと思いますよ。今後の調査に影響を及ぼすかもしれないということには最大限の配慮をしなければいけない、このことは否定するものではありませんが、情報を収集しているのかという質問について、それすら答えられないということになりますと、委員会をやっている意味がなくなるんですけれども。もう一度お答えいただけないでしょうか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) 脱北者などからの情報も含め、様々な情報について政府としては収集、分析に努めていますが、具体的に誰からどのような情報を収集しているかを明らかにした場合、今後の活動に支障を来すおそれがあることから差し控えさせていただくことにつき、御理解をいただきたいと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 北朝鮮の内部若しくは北朝鮮とやり取りをしていらっしゃる方が情報源、ソースであった場合には、当然その方の身の危険が生じる可能性もありますので、言及できないのは当然のことだと思いますが、既にこの方は脱北をされてアメリカに行っていらっしゃる方であります。そして、ユーチューブ番組で外に向かって情報を発信していらっしゃるということでありますので、どういった意味で今後の調査に影響を生じさせるのかということの私は意味が分からないんですけれど、そのことも踏まえて、情報の開示の在り方自体に、現在の政府拉致問題対策本部の取組に問題があるということを指摘させていただきたいと思います。  それでは、このままいくと時間すぐなくなってしまいますので、もう一点だけ確認をさせていただきたいと思いますが。  配付させていただいた資料の二枚目の一番下の資料、この梅田眞砂子さんという方がいらっしゃいます。上のお三方は、調査会、特定失踪者問題調査会、それから警察のリスト、いずれにも載っている方、掲載されている方なんですが、梅田眞砂子さんのみ警察のリストにしかございません。  この方が拉致されたときの状況というものについては、警察庁としては把握していらっしゃるんでしょうか。

早川智之警察庁長官官房審議官

○政府参考人(早川智之君) お答えいたします。  本件は、昭和四十年頃、大阪府東大阪市在住の梅田眞砂子さんが当時住んでおりましたアパートに荷物を残したまま行方不明となった事案であります。  警察におきましては、本件に関しまして、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案として、拉致の可能性を含め、事件、事故等、あらゆる可能性を念頭に所要の捜査、調査を進めているところであります。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ここまでの質疑の中で繰り返しおっしゃっているのが、認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の帰国に向けて全力で取り組みますということをおっしゃっているわけでありますが、いわゆる政府認定拉致被害者というのは、今のやり方で今後新たに認定される方というのは出てくると思っていらっしゃるでしょうか。警察庁で結構です。

早川智之警察庁長官官房審議官

○政府参考人(早川智之君) 警察におきましては、様々な事案、拉致の可能性を排除できない事案を含めまして、事案の全容解明に向けて関係機関と緊密に連携を図りながら捜査、調査に全力を挙げてまいりたいと考えております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 松野大臣に確認させていただきたいと思いますが、情報の開示の在り方についても、可能な範囲で情報の提供を行っているということについてはこれまでも言及していらっしゃるわけでありますが、いわゆるその拉致被害者がいらっしゃる地元の自治体の首長さん方ともやり取りをさせていただいたところ、政府から何の情報提供もないということをおっしゃっているんですが、では、政府から情報提供されているものというのは一体どういう情報を地元自治体に対して提供していらっしゃるのか、これについてちょっと御説明いただけますでしょうか。可能な範囲で提供している情報とは一体何なのか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  政府として、北朝鮮と様々な交渉の形の中でこの拉致問題に対しての解決に向けて行動しているという点でありますとか、また、先ほど来先生方からも御指摘をいただいておりますけれども、この問題に関しても啓発活動と、国民の、一日も早く全員の皆さんに御帰国をいただくという強い意思が解決を後押しをしていただくということにとって重要でありますから、その啓発活動の内容等々に関してできる範囲の中でお伝えをさせていただいているところであります。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 時間がもう参りましたので、これで一言だけ言って終わりにさせていただきたいと思いますが。  寺越事件というのが以前ございました。この寺越事件については、寺越さんという方が実は拉致されていたということが分かって、マスコミが大々的に報道したことで、その後、実は寺越さんの処遇が良くなっております。地方に押し込められていたのが平壌の方に来られて処遇が改善したような事例というのもあるわけでありまして、情報開示をすることが状況を改善につなげていく、打開に向けて動きを加速させることにもつながる事例もあるということを踏まえていただいた上で今後の対応を図っていただきたいと思います。  ありがとうございました。終わります。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  昨年十一月の新潟市への視察に私も参加をいたしました。副知事や関係の地元首長さんから、今もありましたように、口々に政府から何も情報がないという苦言が出されました。救う会新潟の方からも、被害者家族が高齢化し一刻の猶予もないことから、政府は北朝鮮と直接の交渉の場を設けると同時に、早期に日朝首脳会談を実現するしか解決の道はないものと考えられると、併せて目に見える形での成果を早期に実現することが要望されました。  岸田首相は、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意を繰り返すわけでありますが、この日朝首脳会談を実現をするために一体どのような外交努力をされているんでしょうか。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 政府として、北朝鮮に対しましては様々な形で働きかけを行うなど、あらゆる努力を行ってきておりますが、これまでの具体的なやり取りの詳細、また今後の具体的な方針等につきまして明らかにいたしますと、今後の北朝鮮とのやり取りに支障を来すおそれがありますことから、お答えは差し控えたいと思います。  いずれにいたしましても、北朝鮮への対応につきましては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて、あらゆる選択肢を排除せず、引き続き果断に行動してまいります。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 そういう答弁が繰り返されるんですが、皆さん、詳細を求めているわけじゃないんですよ。一体何やっているかさっぱり分からないと、こういう苦言が出たわけですね。  新潟市議会は、昨年、拉致問題等啓発推進条例を制定をいたしました。拉致問題の積極的な啓発で市民に認識を深めてもらって、拉致問題を風化させないこと、全ての拉致被害者の帰国実現への意思表示をすることが、この拉致問題早期解決の後押しになると考えての条例制定だったということであります。  政府はどうかと。この間の施政方針や所信表明演説では、あらゆるチャンスを逃がすことなく全力で取り組む、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意と、これ同じフレーズがもう何回も何回も繰り返されております。  拉致問題の進展がない、外交努力が見えない、それだけじゃなくて、この総理が発するメッセージも同じものばっかりだと、こういう政府の姿勢に、私は、家族や自治体の首長の皆さんはいら立ちを覚えているんだと思うんですよ。その点、松野大臣、いかがでしょうか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  拉致問題は重大な人権侵害であり、岸田内閣の最重要課題であります。この認識に変わりはありません。  岸田総理自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意を表明をしています。拉致被害者、御家族も御高齢となる中で、拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。私自身、様々な機会に拉致被害者や御家族の皆様とお会いをし、拉致問題の一刻も早い解決を願う強い切迫した思いを直接お伺いをし、拉致問題の解決には一刻の猶予もないとの思いを共有しています。  政府として、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を、実現に向け、御家族の皆様に寄り添いながら、全力で果断に行動してまいります。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私は、その答弁では、関係首長の皆さんも、御家族の皆さんのいら立ちは解決されないと思うんですよね。一体何がどう前進しているのかさっぱり分からないという問題です。  さらに、この拉致という人権問題を起こしている北朝鮮の指導者と極めて密接な関係にあるのが統一協会であります。  創始者の文鮮明氏は、金日成氏と深い関係を持って、二〇一二年に文氏が死亡した直後には、金正恩氏自らが遺族に弔電を送っておりますし、弔問所に花輪も飾っています。去年も、文鮮明氏の死去から十年となるのを前に、遺族に弔電を送るなどの関係が両者続いているわけですね。  そこでお聞きしますけれども、今月の六日に公開された韓国外務省の外交文書で、この文氏が一九九二年に入国した際に、当時の金丸信自民党副総裁が便宜を図ったということが明らかになりました。  文鮮明氏は、過去に米国で所得税法違反の罪で服役をしておって、入管法の規定で入国禁止だったわけですね。外交文書によれば、法務省は当初、文氏の入国を拒否する方針だったが、金丸氏が身元を保証した上、外務省も特別意見をしなかったために、最終的に判断を変えたとされております。当時から、自民党有力者の力によって政府方針が変更されたということが国会でも問題になっていましたけども、これが外交文書で裏付けをされたというのが、この六日の文書であります。  法務省が方針を変更したこと、それを日本の外務省が韓国側に伝えていたということが初めて明らかになりました。事前に確認しましたけど、外務省、まだこの文書を入手されていないということでありますが、入手して内容を確認すべきではないでしょうか。林外務大臣。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 御指摘の文書に関する報道については承知をしております。  その上で、他国の外交文書について外務省としてコメントする立場にないということでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本の外務省や法務省のことが書かれているんですね。そんな人ごとのような話じゃないと思うんです。  それが一体どういうことを、事態を起こしたのかと。当時、非常にもう、既に統一協会の被害は広がっておりますけども、これ十三年ぶりの文鮮明氏の訪日によって、その被害を広げたということにつながっていっているんです。  松野大臣は、この文鮮明氏の訪日について、四月十日の衆議院の決算行政監視委員会で、当時の国会における答弁によりますと、入国目的が朝鮮半島と北東アジアの平和についての我が国国会議員との意見交換だったことなども考慮して、当時の法務大臣の判断としては適切なものだったと答弁をされております。しかし、当時には明らかになっていなかったこの法務省の方針変更という事実が韓国側で公文書で示されたわけでありますから、その文書も入手せずに問題はなかったなどと、私は到底言えないと思うんですね。  入国許可へ方針変更した経緯を調べて明らかにするべきだと思いますけども、いかがでしょうか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  お尋ねの文鮮明氏は、入管法第十二条に規定されている法務大臣の裁量的処分である上陸特別許可を受けて入国したものと承知しています。上陸特別許可の許否判断に当たっては、個々の事案ごとに、上陸を希望する理由、該当する上陸拒否事由の内容、上陸拒否事由が発生してから経過した期間、内外の諸情勢、その他諸般の事情を総合的に考慮しています。  文氏の当時の入国状況についてはつまびらかではありませんが、当時の国会における答弁によりますと、当時、刑の確定後、既に七年が経過していたこと、入国目的が朝鮮半島及び北東アジアの平和の在り方について我が国の国会議員の会の方々と意見交換をすることにあったこと、一週間程度の短期間の滞在であり、布教活動はしないとの誓約がなされていたことなどの諸事情を総合的に考慮した結果、上陸を認めたものであります。  なお、他国の政府の文書の内容について我が国としてお答えすることは差し控えますが、国会議員からの招聘だからといってその上陸を特別に許可するといったものではありません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 当時の答弁というのは、九二年の参議院予算委員会での当時の法務大臣の答弁だと思うんですね。だけど、その後、全然違うということはもう明らかになっているんですよ。  九八年の衆議院の法務委員会で我が党議員がただしておりますけども、三月二十六日に文氏は入国し、三十日に国会議員と会談するんです。その間に何やっていたかと。統一協会の歴史編纂委員会の文書が出ています。二十六日に信者の歓迎会出席、二十七日には東京の本部協会で千人の信者、四百人の職員への講義、二十八日には名古屋で信者に講義、二十九日、大阪の宝塚修練所で千人の信者に講義、それ以外にもハッピーワールドなどの霊感商法企業なども訪問しているんですよ。  ですから、国会議員との意見交換というのはまさに名目で、いっぱいこういう数千人規模の講義などをやっているんですね。  ですから、目的も、当時これを、目的を考慮したと言っていますけども、それ自体も違っていた、新しい経緯も出てきた。これはやはり、きちっと検証して明らかにするべきだと思いますけれども、松野大臣、いかがでしょうか。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  当時の状況については、先ほど申し上げましたとおり、つまびらかではありませんが、当時の国会における答弁によりますと、文氏は入国後、布教活動はしていないとされています。  いずれにしても、文氏の入国につきましては、先ほど述べたとおりの諸般、諸事情を総合的に考慮した結果、上陸を認めたものであり、文氏の上陸時の法務大臣の判断として適切なものであったと承知しており、改めて調査することは予定していません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 時間ですので終わりますが、今も申し上げたように、その後違う事実が明らかになっているんです。やはり、この問題は、私は拉致問題解決の障壁にもなると。しっかり調査をして、関係を絶つべきだということを改めて強く申し上げまして、質問を終わります。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。よろしくお願い申し上げます。  私は、難病ALSの進行により、喉に穴を空けて人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。パソコンによる音声読み上げで質問をいたします。聞き取りづらい部分もあるかもしれませんが、御容赦いただければ幸いです。  まず、松野大臣にお尋ねします。  政府は、二〇二七年度までの五年間で防衛費を四十三兆円確保するとして、防衛費の大幅な増額に踏み切りました。この軍事力、防衛力増強、とりわけ敵基地攻撃、反撃能力の保有と、拉致問題の解決に向けたロードマップについてお尋ねします。  反撃能力を保有することは、政府が繰り返し述べている金総書記と向き合うとは相入れないのではないでしょうか。拉致問題の解決のための交渉に悪影響を与えるのではないでしょうか。この点について見解をお示しください。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  反撃能力の保有を含む今般の防衛力の抜本的強化は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、あくまで国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要となるものであります。我が国の防衛政策や防衛力整備は、特定の国や地域を脅威とみなし、これに軍事的に対抗していくという発想には立っておらず、岸田総理が述べられている、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合うとの方針に矛盾するものではありません。  拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向け、米国を始め各国と連携しながら、あらゆるチャンスを逃すことなく、引き続き全力で果断に行動していきます。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 拉致被害者救出に対する本気度が伝わってきません。  次の質問に移ります。  政府は、拉致、核、ミサイルの問題を包括的に解決するとおっしゃいます。しかし、以前の質疑でも述べたとおり、私どもは、拉致問題は核、ミサイルとは分け、独自外交で対応すべきと考えております。改めてこの点について見解をお聞かせください。

林芳正自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化の実現を目指すとの政府の方針に変わりはございません。  拉致、核、ミサイルの諸懸案について優先順位を付けることはあってはならず、これらを包括的に解決する方針でございますが、その中にあって、拉致問題は我が国が特に主体的に時間的制約のある中で取り組まなければならない課題であると考えております。  いずれにいたしましても、政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、引き続き全力で果断に取り組んでまいります。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 包括的なアプローチで拉致被害者救出を進展させることができるのか、疑問です。  次の質問に移ります。  私は本委員会で、政府が考える拉致問題の解決とは何を意味するのかを質問してきました。  二〇二一年の質疑で当時の加藤大臣に対し、政府は被害者の数を正確に把握しているのでしょうかと尋ねると、加藤大臣は、お答えは差し控えさせていただいていると回答。  二〇二二年の質疑で松野大臣に、拉致被害者として政府が認定した方のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者を合わせて九百人弱の方々の帰国が実現したときが政府の考える解決の状態ということでしょうかと質問したところ、松野大臣は、お答えは差し控えさせていただきたいと回答。  ごくごく基本的なことを質問しているだけなのに、何も答えていただけません。余りに不誠実だと思います。  昨年六月に行われた本委員会の参考人質疑において、特定失踪者家族会事務局長の竹下珠路さんにお越しいただきました。  竹下さんに対し、拉致問題の解決の定義や被害者の人数さえ明確に示そうとしない政府の態度についてどのようにお考えなのかお聞きしました。竹下さんは、日本政府を私は信頼しております、頼りにしております、取り返してほしいと思っております、しかし、全ての拉致被害者というのはどこまでなのかということをしっかりどれだけ把握しておられるのか不安でなりませんとおっしゃっておりました。  竹下さんのおっしゃるとおりだと思います。これまでのような御回答では不安を感じるのも当然です。大臣、この声についてどのように受け止めるつもりですか。明確な答弁をお願いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  政府としては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、認定の有無にかかわらず、北朝鮮に拉致された全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて取り組んでいます。  拉致被害者の人数については、拉致被害者に関して様々な情報に接していますが、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えは差し控えさせていただきます。  拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の御家族に対しては、拉致問題担当大臣である私がお会いをしてお話を伺い、長年にわたり一日千秋の思いで肉親との再会を強く求める思いなどをしっかりと受け止めているところであります。  今後とも、情報提供や要望の聴取など、御家族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 信頼を損ねる答弁だと思います。  次の質問に移ります。  岸田総理は、今年一月、拉致被害者の地村保志さんと面会されました。その際、金正恩総書記との会談に向けて、あらゆるチャンスをものにするべく努力を続けていきたいとおっしゃいました。もうこれ以上先延ばしすることは許されません。一体どのような努力をするつもりでしょうか。被害者の方に直接お話しされた以上は、明確なビジョンがあるのだと存じます。是非具体的な答弁をお願いします。

松野博一自由民主党・無所属の会内閣官房長官

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。  北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の安全に関わる重大な問題であり、国の責任において主体的に取り組み、解決を目指すべき課題であると認識しています。拉致問題は時間的制約のある人道問題でもあり、私も担当大臣として何としても解決したいとの思いで全力で取り組んできています。  目に見える進展がないとの御指摘については重く受け止めますが、具体的な内容や現在までの状況などは今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため明らかにできないものの、北朝鮮にはこれまでも様々な働きかけを行ってきています。  こうした我が国自身の直接の取組に加え、米国を始めとする国際社会との連携も重要です。本年一月の日米首脳会談において、岸田総理大臣から拉致問題の即時解決に向けた米国の引き続きの理解と協力を求め、バイデン大統領から改めて全面的な支持を得ました。私自身も、昨年十二月のサルモン国連北朝鮮状況特別報告者、本年三月の権韓国統一部長官との面会等、外国要人の方とお会いする機会には拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を直接求めています。  このほか、国際シンポジウムの開催やニューヨーク・タイムズ紙への意見広告記事の掲載、NHKワールドでの海外向けの広報番組の放送などを通じた国際社会への発信、拉致問題を風化させないための若い世代への啓発活動、拉致被害者や北朝鮮の人々に向けてのラジオ放送など、多様な取組を行っています。  拉致問題は重大な人権侵害であり、岸田内閣の最重要課題であります。この認識に変わりはなく、引き続き、米国を始めとする関係国や国際社会とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて全力で行動してまいります。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 前回の質疑でも述べたとおり、拉致被害者家族の高齢化が進む中、拉致問題の解決は一刻の猶予も許されません。勇ましい言葉だけではなく、言葉どおりの行動を是非実行していただきたいとお願いし、質問を終わります。

山谷えり子自由民主党

○委員長(山谷えり子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十三分散会

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