法務委員会 第2号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2023/03/09
会議録
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官畠山貴晃君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(杉久武君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。 早速、通告に基づきまして質問をさせていただきたいと思います。 昨年の二月二十四日、ロシアによりますウクライナ侵略から一年が過ぎました。今回のこのウクライナの侵略ということにつきまして、本当に、当時、私、法務大臣政務官でありまして、当時の古川大臣におかれましては、翌日の閣議後の記者会見の方におきましては、記者からの質問に対しまして、今回のロシアによる侵攻は、力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を揺るがすものであり、一方的な侵略を非難をすると、そして、米国を始めとする国際社会と連携し、迅速に対処する必要があるという認識を示しております。 そしてまた、今回のような情勢を受けて、法の支配というものや基本的人権の尊重とかといった普遍的価値、原理を国際社会に発信、そして浸透させていく司法外交というものはますます重要になっているということを改めて認識したということを述べられております。ルールに基づく国際秩序を推進し、国際社会の平和と安定に貢献するために引き続き司法外交に取り組んでいきたいと改めて思ったところですということを言われました。 ますます、こういう形におきまして、法の支配とか、そしてまた司法外交力というものがより一層私はこの一年経過した中におきまして問われていると思いますが、この力による現状変更への危機など、これは大臣にお伺いしたいんですけれども、司法外交の重要性というもの、そしてまたロシアのウクライナ侵攻から一年が過ぎましたことにつきまして、大臣の受け止めをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) ロシアによるウクライナ侵略が始まって一年がたちましたが、この事態に終わりが見えません。国際社会は力による一方的現状変更の試みに直面し続けています。 このような事態を受け、法の支配に基づく国際秩序が大きく揺らぐ中、法務省として何ができるかを考えたとき、委員御指摘のとおり、司法外交を推進し、法の支配や基本的人権の尊重といった平和で安全な国際社会の基盤となる普遍的価値を国際社会に浸透させる必要性、重要性がますます高まっていることを痛感をし、身の引き締まる思いもいたします。 今年は、日ASEAN友好協力五十周年という、ASEANとの関係で重要な節目に当たります。また、我が国はG7議長国という立場にもございます。そこで、この好機を捉え、司法外交閣僚フォーラムとして、本年七月、日ASEAN特別法務大臣会合、G7司法大臣会合を同時開催し、また、ASEANとG7の法務大臣等が一堂に会する史上初となるセッションも開催することといたしております。 これら会合を成功させ、ASEANやG7との法務、司法分野での連携強化、普遍的価値の発信に努め、司法外交を一層強力に推進してまいりたいと考えています。
○加田裕之君 やはり、先ほど大臣が言われましたように、この司法外交力というものが改めて問われていると思います。 そうした中におきまして、今年は司法外交閣僚フォーラムを開催されるということで、今度はこの点につきまして一つ一つちょっとお伺いしていきたいと思うんですが。 ちょうど、昨年の七月ですけど、私、政務官といたしまして、七月十八日からカンボジアの方に出張いたしました。その中におきまして、ソー・ケーン副首相兼内務大臣とか、カウト・ルット司法大臣、カオ・キムホン首相特別補佐任命大臣、そして王立の法律経済大学の学長を務めておりますルイ・チャンナ先生とそれぞれ会談をさせていただきまして、そのときに行きましたミッションというのは、まさに先ほど大臣が指摘されました日ASEAN友好協力五十周年の節目となる部分につきましての協力要請ということでありました。 大変前向きなことをいただきましたが、このことにつきまして、この日ASEAN特別法務大臣会合についての開催の意義、狙い、そしてまた、先ほど大臣の答弁のあったとおり、司法外交の戦略的推進についてどのような形で進めようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(柴田紀子君) 委員御指摘のとおり、今年は日ASEAN友好協力関係五十周年でございまして、また我が国がG7の議長国という立場にある大変重要な節目です。ウクライナの事態を受けまして、法の支配の推進の重要性は高まっていると認識しておりまして、法務省としては、この機会に司法外交を一層推進すべく全力で取り組んでまいりたいと考えています。 この点、ASEANは、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの要となる重要なパートナーであり、法務省では、司法外交の柱の一つとして、ASEAN各国を含むアジア諸国等を対象として、相手国の文化等に配慮した寄り添い型の法制度整備支援等の実施を通じて、これらの地域における法の支配の浸透、促進に貢献し、ASEANと確固たる信頼関係を構築してきています。 日ASEAN特別法務大臣会合は、こうした長年にわたる実績を背景としまして、ASEANが域外国と法務、司法分野で開催する初めての閣僚級会合であり、これを開催すること自体が、ASEANが法務省と司法外交に対して寄せる期待の大きな表れであると考えています。 この会合では、法の支配を推進するための日ASEANの連携強化、友好協力五十周年後の新たなフェーズへというテーマの下、日ASEANの法務、司法分野における戦略的な連携を推進する取組や、法の支配等の普遍的価値を維持促進していくことの重要性について協議をし、成果文書を採択する予定です。 この会合を通じまして、法務、司法分野における日ASEAN協力を新たな段階に移行させ、またイコールパートナーシップの構築につなげるべく、ASEANとの連携を一層推進していきたいと考えております。
○加田裕之君 ありがとうございます。 昨年のちょうどカンボジア訪問時のときもそうだったんですが、皆さん大変、今回の日ASEANの特別法務大臣会合というものには期待をしておりました。といいますのも、やはり、この会談した中におきましても、カンボジアの政府当局の中におきましても、日本にそういう形で、司法外交の一環といたしましての法制度整備支援のことについて、留学されていた方、何年前に留学しておりましたとか、日本に大変学ばせていただきましたという方が大変多かったです。 これは一朝一夕でできるものではないなということと、今までの積み重ねというものが大変蓄積があるものだなということも思いました。この成果というものは、やはりこれからの普遍的価値というもの、法の支配というもの、今こういう形で力による現状変更ということが行われているような勢力に対しましての一つの私は大きな警鐘を訴えていく、メッセージ性があるものであると思っております。 日本だからこそできたという法制度整備支援から基づく中におきましての、この日ASEANの特別法務大臣会合というものにしっかりと結び付けていただけたらと思います。 それと同時に、今回はG7の司法大臣会合が今年も七月にも開かれます。この件につきまして、先ほどの質問と同じくなんですけれども、開催の意義と狙い、そして司法外交の戦略的な推進について、今度はこの司法大臣会合、G7の司法大臣会合でどのようにしてやっていくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(柴田紀子君) 委員御指摘のとおり、ウクライナの事態を受けまして、法の支配、基本的人権の尊重等の普遍的価値を共有することの重要性は改めて高まっています。このような国際情勢の中、これらの価値を世界に浸透させる取組、司法外交を推進してきた我が国が議長国としてG7司法大臣会を開催し、法の支配の推進に向けたG7の連帯を国際社会に示すことは大きな意義があると考えています。 この会合では、司法インフラ整備等を通じたウクライナの復興支援、それから法の支配の推進に向けた司法分野での協力体制の構築、インド太平洋における法の支配推進に向けたASEAN等との法務、司法分野での連携という三つの視点から議論をし、その結果を成果文書として取りまとめることを検討しています。 特に、ウクライナが戦後を見据えてより良い国づくりができるよう、ウクライナに対する法制度整備支援や法務、司法分野の能力構築支援等について、これまで我が国が培った知見を生かし、議論をリードしていきたいと考えています。そして、これらの議論を通じて、法務、司法分野におけるG7の連携を強化するとともに、法の支配に基づく国際秩序の維持強化に向けたG7としての強いメッセージを発信していきたいと考えております。
○加田裕之君 まさに、このG7においての司法大臣会合というのも大きな私は一つのメッセージというものを発信する機会であると思います。 そして、次にお伺いしたいのは、このASEANプラスG7のインターフェースということについて。 これは、かなり一番、そういう意味で私は個人的に思うのは、肝になる部分であると思っております。日ASEANの部分での会合、そしてまたG7での会合、その結節点となる日本という立ち位置という、まさにこれ、地政学的にもそうですけれども、戦略的という部分に鑑みましても、日本というもののまさに外交力、そして、外交力というより司法外交力ですね、を発揮する大切な私は機会になると思いますし、このメッセージ性というものも大変大切であると思っております。 この日本がASEANとの意見というものをどういう形でまたG7の方にも伝えていくのか、そしてまた、G7の司法大臣会合の部分につきましてもASEANの方に伝えていくのか、まさに日本の、橋渡し役であり、結節点であり、本当にその辺の成果が、この会合というものは私は問われております。 もちろん、日程的な時間でいいますと、先にASEANの法務大臣会合をやりまして、インターフェースやって、そしてG7となるんですけど、この部分におきまして、ASEANとASEANプラスG7のインターフェースの開催の意義とそして狙い、そして日本にとりましての司法外交の戦略的な推進についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(柴田紀子君) ASEAN・G7インターフェースは、ASEANとG7の法務大臣等が参加予定の会合で、法務、司法分野のASEANとG7の閣僚級が一堂に会する会合は史上初と承知しております。 この会合では、インド太平洋における法の支配推進に向けたG7とASEANの法務、司法分野での連携というテーマの下で、G7とASEANの法務大臣等が意見交換を行い、法の支配等の普遍的価値の共有を確認することで互いの信頼関係を構築する機会としたいと考えています。 各国との調整を進める中で、G7からは、アジア唯一のG7メンバーであり、また、これまで日本ならではの寄り添い型の法制度整備支援などを通じてASEANと独自の信頼関係を構築してきた日本に対する強い期待が表明されています。また、ASEANからも、G7との法務、司法分野での連携強化に向けた強い関心が示されており、この会合は、開催はまさに時宜を得たものであるという感触を得ております。 この会合の開催を通じまして、我が国がG7とASEANの懸け橋となり、今後の更なる対話や法務、司法分野での協力へつなげていくことができると考えています。引き続き、万全の準備を進めて会合を成功させ、国内外からの期待に応えるとともに、司法外交の推進につなげていきたいと考えております。
○加田裕之君 是非とも、この三つの会合というのはどれも不可欠なものでありますし、特にインターフェースの部分につきましても必ず成功していただくように、そしてまた、それによりまして日本の司法外交力というものをしっかりと世界に発信していただきますようお願いしたいと思います。 続いて、相続土地国庫帰属制度についてお伺いしたいんですけれども、四月二十七日から本格スタートということになります。この制度なかなか、いろいろキャンペーンも、トウキツネとかキャンペーンつくって、私もいろいろPRもさせていただいたこともあるんですけれども、なかなか難しいといいますか、分かりづらいとかいろいろな声もございます。 この点につきまして、相続土地国庫帰属制度の本格スタート、四月二十七日からのスタートに際しましての国民への周知、そしてまた事前説明とか様々な対策が取られていると思うんですが、そのことにつきましてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(金子修君) 四月二十七日からスタートする相続土地国庫帰属制度は、所有者不明土地の発生予防の観点から創設された新しい制度であり、相続の場面における新たな選択肢の一つとして国民の皆様の関心も高いため、本年二月二十二日から全国の法務局で事前相談を開始しております。三月三日までの間に既に五百件を超える多数の御相談をいただいているところでございます。 新制度の運用開始に向けましては、国に納付する負担金の金額等を定めた政令のほか、申請書の記載事項や添付書類等を定める省令等を制定、公布し、制度面での準備を着実に進めているところでございます。 お尋ねの国民への周知、広報という点で、法務省では次の四つの施策を並行して進めているところです。一番目は、専用ホームページの開設、二番目は、申請方法等を分かりやすくまとめた申請の手引の公開、三番目として、関係省庁、地方公共団体への周知、それから四番目として、ポスター、リーフレット、フライヤー、動画等を活用した広報、これらを進めているところでございます。 このような対応をしっかり行っていき、本制度の運用を開始する本年四月二十七日に向け、万全の体制を整えるべく努めてまいりたいと考えております。
○加田裕之君 ちょうど私の知り合いの方で、行政書士とか土地家屋調査士とかされて、そしてまた地方創生パートナーズという団体を主宰されて、空き家、空き地、そして町づくり支援を支援されている方がいらっしゃるんですが、その方も言っていたんですが、実際、この事前の相談というものが大変重要になるということを言っておりました。 そしてまた、これなかなか、興味ある方の中におきましての、この地方創生パートナーズが主催で、宝塚市や法務局からも講師いただいて、相続・空き家対策セミナーというのを開催したんですけれども、この点、この中で、あと参加者が二十五名、そしてアンケート答えられた方が十七名だったんですが、相続土地国庫帰属制度を知っている方が三人しかいなかったと。ただ、セミナー終了後、この相続土地国庫帰属制度を利用したいと回答した人が六名に増えたということであります。 やはり、地道な広報周知活動というものをやっていきましたら必ず増えてくるということもありますし、また、しっかりとこれは、どのように連携していって周知していくかが問われていると思います。 そこで、質問なんですけれども、この相続土地国庫帰属制度の周知に努める自治体、そしてまた士業の関係の方、そしてまた関係団体への連携とか、そのバックアップ、支援体制ということにつきましてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(金子修君) 相続土地国庫帰属制度においては、申請があった土地の審査に当たって、法務局から地方公共団体に情報提供を求めることが予定されているほか、弁護士、司法書士、行政書士が業務として申請書類の作成を代行することや、申請に先立って土地家屋調査士が土地の所在や境界等に関する申請者からの相談に対応することが想定されておりまして、制度の円滑な運用のためには、地方公共団体や専門資格者団体の理解と協力が重要と考えているところでございます。 そのため、法務省では、地方公共団体や専門資格者団体に向け、申請方法等を分かりやすくまとめた申請の手引、ポスター、リーフレット等を提供しているほか、要請を受けた専門資格者団体に対して制度に関する研修を実施しているところでございます。また、全国の法務局、地方法務局におきましても、地元の地方公共団体や専門資格者団体に向けて、制度説明や周知、協力依頼を適宜実施しているところでございます。 このような対応を引き続きしっかり行って、緊密な連携関係を構築し、本制度を開始する四月二十七日に備えてまいりたいと考えております。
○加田裕之君 是非とも、先ほど言いました国民への周知、事前説明というものの大切さ、そしてまた、それをバックアップ体制取る、周知に努める自治体とか士業、関係団体への支援というもの、きめ細かく、それぞれのフェーズの場面でまた是非御支援をいただけたらと思います。 続きまして、今度は公安調査庁におきます経済安全保障への取組ということについてお伺いしたいと思います。 先般の大臣所信におきましても、大臣の方から、公安調査庁の経済安全保障への取組の重要性ということについてお話がありました。もちろん、経済安全保障という言葉を聞きますと、ちょっと我々からすれば遠い世界のようなこともありますし、ただ、今、近年、この重要性、連日テレビで報道しない日はないというぐらい報道されているところでございます。 ただ、公安調査庁といいますのは、実際問題、情報を提供するという立場でございますし、一つ一つのヒューミントという部分につきましての活動がございます。 そこでなんですけれども、公安調査庁の経済安全保障への取組、そして重要性をどのように認識しているのか、そしてヒューミントの充実強化の必要性についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田野尻猛君) ただいま御指摘がございましたとおり、近年、経済安全保障の重要性は一層高まっており、昨年五月には経済安全保障推進法が成立するなど、政府において関連施策が進められているところでございます。 公安調査庁では、昨年に新設いたしました経済安全保障特別調査室を中心に、経済安全保障の確保に資する情報収集・分析機能を強化し、インテリジェンスの観点から政府の関連施策に貢献しているところでございます。個別具体的な事例への言及は差し控えさせていただきますけれども、関係府省庁との情報交換を強化しているほか、民間企業、研究機関との積極的な意見交換等に努めるなど、官民の一層の連携強化にも取り組んでいるところでございます。 経済安全保障の重要性を踏まえまして、先ほど御指摘ございましたヒューミントと呼ばれます人的情報、あるいはオシントと呼ばれます公開情報を含め、公安調査庁の情報収集・分析機能を更に充実強化してまいりたいと存じます。
○加田裕之君 まさにヒューミント、まさに足で稼ぐという形、これ幾らAIが発達しようと何しようと、やはり生身の人間対人間との情報戦になります。そうした中におきましての公安調査庁の地道な活動、まさに表には全くなかなか出ない活動ではあるとは思うんですけれども、重要な活動だと思っております。是非とも、そういう機能強化という部分につきまして、本当の意味での経済安全保障を果たすため、そして安全、安心社会をつくるために、また他省庁への情報提供等も含めましての情報収集力の強化に努めていただきたいと思います。 続きまして、先般、去年なんですけれども、駐日ロシア連邦大使館のツイッターの方で、日本の公安調査庁がテロリズム要覧からアゾフ連隊を削除したということを書かれておりまして、その記事の削除の経緯というものと、これはもちろんアゾフ連隊とアゾフ大隊と混同しちゃうような形で、意識的にわざとやられているということも分かっているんですけれども、こういう形でツイッターで発信されるということについて、このSNS等を駆使しましたプロパガンダとか、まさに偽情報ですね、今回も、この四月十日にツイッターで投稿された部分については。 偽情報に対する認識について、簡潔にお願いできたらと思います。
○政府参考人(田野尻猛君) ただいま御指摘がございましたけれども、プロパガンダあるいは偽情報というものの中には、その拡散によって人々の認知、意思決定、行動などに影響を及ぼすことで、政治的、軍事的等々の目的を達成しようとしたり、混乱を惹起するものがあると承知をしております。 このため、私どもといたしましても十分な警戒が必要であると認識しておりまして、引き続き関連情報の収集、分析に努めてまいる所存でございます。
○加田裕之君 以上で終わります。ありがとうございました。
○古庄玄知君 自由民主党の古庄玄知でございます。 大臣、今回の所信表明で、安全、安心な社会の実現に向けた法的基盤の整備ということを掲げておられました。その観点から質問させていただきたいと思います。 我々、ほとんどの方が車の免許を持っておられて、車を日常的に運転されておるところでございますが、私の地元大分県である事故がありました。お手元の資料一を御覧ください。 二年前の二月九日午後十一時頃、当時十九歳のAさん、男性ですけれども、この方が乗用車を時速百九十四キロ、これ法定速度六十キロのところを百九十四キロで走行させ、交差点を右折中だった乗用車に激突しました。その状況は資料二で図面を付けております。こういう状況で衝突したということです。その乗用車に乗っていたBさん、五十歳が出血性ショックで死亡いたしました。 その後の経過を見てみますと、二〇二〇年七月に過失運転致死罪ということで起訴されました。検察庁の方は、この段階で過失運転致死罪なのか危険運転致死罪なのかという判断が分かれたみたいです。 資料三を御覧ください。 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律という法律がありまして、過失運転致死傷罪の場合は七年以下の懲役、上の危険運転致死傷罪の場合は一年以上の有期懲役、これ最高が二十年となります。最高だけで比較すると、危険運転であれば二十年まで、過失運転であれば七年までと、約三倍の重さの違いがあります。 検察庁の方は軽い方の過失運転致死罪で起訴いたしました。これに対して、遺族の方々が中心となって、刑が軽過ぎるんじゃないかということで署名活動をして、二万八千人分の署名が集まり、これを検察庁の方に提出いたしました。その後、今年の二月一日、検察庁の方が訴因を危険運転致死罪の方に変更をしたと、こういう案件がありました。 これに関しまして担当者の方にお伺いしたいと思います。 まず、こういう刑法なんかの指導理念として罪刑法定主義というのがあると思いますし、また、その中で中心となっているのは罪刑が明確であることということが中心なんですけれども、この罪刑法定主義あるいは明確性の原則、これが存在する理由についてお答えください。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 一般に明確性の原則とは、刑罰法規は明確でなければならないとするものでありまして、憲法第三十一条が保障する罪刑法定主義の内容を成すものと理解されていると承知しております。 罪刑法定主義の内容として明確性の原則があるとされておりますのは、仮に罰則の内容が不明確であるとすると、犯罪の内容が事前に法定されていないことと同じとなる、国民の行動の予測可能性を奪うことになるといった理由によるものであると承知をしております。
○古庄玄知君 先ほどの資料三によると、この自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第二条を見ますと、次に掲げる行為を行い、よって人を負傷させた者はこれこれこれに処すると書いていまして、その該当する第二号に、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為というふうに書かれていますが、ここで言う制御することが困難な高速度というものの捉え方ですね、これについて、一般人として考えるのか、それともその運転している行為者の能力も含めて制御することが困難な高速度というふうに考えるのか、ちょっとその辺り、私よく分からなかったので教えてください。 以上です。
○政府参考人(松下裕子君) 御指摘のように、自動車運転死傷処罰法二条二号の進行を制御することが困難な高速度による走行とは、運転者の技能ではなく、一般的に、速度が速過ぎるため道路の状況に応じて進行することが困難な状態で自車を走行させることを意味すると解されていると承知しております。
○古庄玄知君 運転者の個別の能力でなくて一般的なと、そのように考える具体的な根拠について、できれば教えてください。
○政府参考人(松下裕子君) 先ほど委員からも御指摘のとおり、自動車を運転していて死傷事故を生じさせた場合、自動車過失運転致死傷罪というものがございますが、運転行為の中には極めて悪質、危険であって重大な死傷事犯となる危険が類型的に極めて高い運転行為がございまして、そうしたものは、単なる過失犯としてではなく、暴行の結果的加重犯である傷害罪や傷害致死罪に準じた重い法定刑によって処罰すべきものという観点から、そのように認められる類型に限定して危険運転行為が列挙されているものでございます。 そして、危険運転致死傷罪を新設するに当たりましては、法制審議会刑事法部会で調査審議が行われましたけれども、この二条二号の進行を制御することが困難な高速度の要件につきましては、その自動車運転過失致死傷罪、過失犯にとどまる場合と区別をするために、運転者の意思によっては的確に進行を制御することが困難な状態での走行を捕捉するものという観点から、カーブや道幅といった道路状況や車両の性能などといった客観的な事情が考慮されなければならないという御議論がされたものと承知をしております。 先ほど申し上げた進行を制御することが困難な高速度という意義、解釈は、このような御議論を踏まえたものであると承知をしております。
○古庄玄知君 議論の経過、まあ詳細に議論されたんでしょうけれども、私はその議論の経過承知しておりませんで、ここで言うその進行を制御することが困難ということについて、今のようにその行為者の具体的な能力でなくて、一般人の能力を基準にして考えるべきだと。 そこを何でそういうふうに考えるのかというのを教えていただければと思います。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 お尋ねの運転者の技能ということにつきましては、類型的、客観的な判断になじみにくいというところがございます。 先ほど申し上げたとおり、危険運転行為という危険運転致死傷罪に該当する危険運転行為につきましては、普通の過失犯と区別する、明らかに区別されるものということで、客観的、類型的な判断ができるものを取り出しておりますので、そういった意味で、運転者の技能というのをどのように測ったらいいのか、技能に応じて危険運転行為になったりならなかったりするというのは非常に難しい判断になるということで、客観的な判断ができる要素で判断するということとしているものと承知しております。
○古庄玄知君 この条文自体がかなり、読んだ人によって受け止め方が違うと思うんですね。 この法律の第二条を見ると、一号は、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為というふうに書かれております。それから三号については、その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。四号は、人又は車の通行を妨害する目的で、それから五号は、車の通行を妨害する目的で云々といろいろ書かれていて、一号からほかの号は当該運転者の技能を基準にして制御することが困難かどうかというのを書いていると思うんですけれども、二号はこれを読んだだけじゃ非常に分からない。 だから、個人個人の能力によってそのスピードとかが違うんじゃないかという判断ももたらしてくる可能性があると思うんですが、この辺り、どうしてこういう規定の仕方になったのかというのをもし御存じなら教えてください。
○政府参考人(松下裕子君) 今御紹介いただきましたほかの号につきましても、基本的にはその客観的、類型的な判断が、客観的な要素で判断できるものを取り出しているものでございます。ですので、二号だけがその客観的な要素だけを考慮していて、その行為者の個別の能力を問題にしていないということではないと承知しております。
○古庄玄知君 この条文をめぐっては、いろいろ各地で争われているケースが多いと思うんですけれども、この条文について罪刑法定主義とか明確性の原則に反するんじゃないかという意見も多々あるかと思うんですけど、この点について法務大臣の御見解を教えてください。
○国務大臣(齋藤健君) 一般に、刑罰法規につきましては、通常の判断能力を有する一般人の理解を基準として、どのような行為をしたら処罰の対象になるかという基準が読み取れるものであることが求められているわけであります。 先ほど刑事局長が申し上げましたとおり、危険運転致死傷罪に規定されている危険運転行為は、悪質、危険な運転行為のうち、重大な死傷事犯となる危険が類型的に極めて高い運転行為であって、暴行の結果的加重犯である傷害罪や傷害致死罪に準じた重い法定刑により処罰すべきものと認められた類型に限定して列挙されているわけであります。 その上で、自動車運転致死処罰法第二条第二号においては、どのような行為をした場合に処罰の対象となるかが十分示されており、明確性の原則に反しているところはないと考えています。
○古庄玄知君 ありがとうございました。 質問を、ちょっと観点を変えさせていただきます。 個別の案件なので、具体的な案件ではなくて一般論として考えていただきたいのですが、署名活動が現実にあって、最初の起訴内容だと軽過ぎると、まあ遺族の気持ちからしてみれば当然だと思うんですが、それで署名活動を受けて起訴を重い罪名に変えたと。 もし、仮定ですよ、仮定の話、もしこれが署名をもらって検察庁の考え方が変わったときに、国家訴追主義との関係はどうなるのかなというのを若干疑問に思ったので、まず、国家訴追主義が取られている理由について局長の方からお願いします。
○政府参考人(松下裕子君) 御指摘の国家訴追主義とおっしゃるのは、刑事訴訟法第二百四十七条の公訴は検察官が行うということで、私人による起訴はできないということとされていることを御指摘かと思います。 これは、犯罪を最終的に裁判に訴追するかどうかということは全て検察官だけが決めるということにすることによって判断の公平性ですとか適正を担保するという趣旨、そして、いろんな人が自由に公訴提起できるとしますと、公訴を提起される側のその安定性等の問題もございますので、そういった観点から公訴は検察官が行うというふうにされているものと承知をしております。
○古庄玄知君 それを受けて、今回の仮定の話なんですけれども、その大量の署名に、気持ちは分からないんですけれども、仮にそれに影響を受けて訴因変更をしたと、仮にそうであったときは、その場合はこの二百四十七条との関係はどのように考えればよろしいのでしょうか、局長。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 仮にという仮定のお話にはなかなかお答えしづらいのでございますが、あくまでも一般論として申し上げますと、検察官は、捜査や公判の進捗に応じて、それぞれの時点での証拠関係に照らして、個々の事案の特質を捉えて、その犯情を最も的確に反映できるような訴因を選択、構成するものと承知をしておりまして、署名をいただいたから変更するというようなことではないのではないかなと、一般論でございますけれども、と承知しております。
○古庄玄知君 同じ質問を法務大臣に聞いてもよろしいでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 組織として御答弁させていただいていますので同じ答弁になるんですけど、個別具体的な事案において検察官がどう判断したかということについて法務大臣がこの場で述べるのは差し控えるべきだろうと思っていますので一般論で申し上げれば、検察官は、捜査や公判の進捗に応じて、それぞれの時点での証拠関係に照らして、個々の事案の特質を捉え、その犯情を最も的確に反映できるような訴因を選択、構成しているものと承知をしております。
○古庄玄知君 予定した質問が終わりましたので、ちょっと時間前ですけれども、これで終了させていただきます。 ありがとうございました。
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。 出入国管理及び難民認定法改正法案が閣議決定をされました。ほぼ二〇二一年廃案になった法案と、若干微調整はされていますが、変わりません。 二〇二一年に入管法改正法案の成立を断念した、廃案になった理由は何でしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘の令和三年の通常国会に提出した旧法案につきましては、当時、衆議院法務委員会におきまして審議中でありましたが、与野党協議において、会期中にこれ以上の審議を進めない、そういう合意がございまして、政府としてもこれを尊重したというものでございます。 その後も、法務省におきましては、送還忌避や長期収容問題を解決するための入管法改正の在り方について検討を続けてきたものでございます。今回の改正法案は、現行法下の課題を一体的に解決し、入管行政を取り巻く情勢にも適切に対応できるものとするだけでなく、旧法案に対する様々な御指摘を真摯に受け止め、修正すべき点を修正して提出したものでございます。改正法案について広く国民の皆様に御理解をいただけるよう、丁寧に説明してまいりたいと考えています。
○福島みずほ君 与野党の修正協議、きちっと入っていますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 与野党の修正協議につきまして、政府としては内容についてつまびらかではないという立場にございますので、お答えは困難かと存じます。
○福島みずほ君 この骨格がほぼ変わっていないということなんですね。 去年十一月、国連のB規約、国際的人権規約の精神的自由権に関する日本の人権状況の審議が行われました。オンラインで二日間、私も見ておりましたけれども、このことで入管難民制度について勧告が本当に出ております。 パラグラフ三十二、二〇一七年から二〇二一年の間の三人の被収容者の死亡に帰結した入管収容施設における劣悪な健康状況による苦痛や、在留資格若しくはビザを失い、就労や収入を得る選択肢を与えられない仮放免によって出された人々である仮放免者の不安定な状況に関する憂慮すべき諸報告について引き続き懸念を表明すると。そして、パラグラフ三十三、国際基準にのっとった包括的な難民保護法制を早急に採用すること。これ、採用されていないんじゃないですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 政府といたしましては、自由権規約を含む我が国が締結している人権諸条約が定める義務を誠実に履行してきており、我が国の入管制度がそれらに違反するものではないというふうに考えております。 委員の御指摘でございますけれども、独立した難民認定機関を設置するべきという御趣旨を含むのでございますれば、難民認定手続についてはその他の出入国在留管理行政上の様々な手続と密接に関連していることから出入国在留管理庁において行うことが適当であり、第三者機関を設置することは考えてございません。 その上で、入管庁におきましては、制度と運用の両面から難民認定手続の適正性を確保いたしております。まず、制度面におきましては、不認定処分に対する審査請求では、外部有識者である難民審査参与員が三人一組で審理を行い、法務大臣はその意見を必ず聞いた上で判断をしております。さらに、難民には当たらないとの判断に不服があれば、裁判所に訴えを提起し、司法判断を受けることも可能でございます。運用面におきましても、UNHCR等の協力も得ながら運用の一層の適正化に取り組んでおります。 入管庁といたしましては、引き続き、国際機関と協調しながら、真に庇護を必要とする外国人の迅速かつ確実な保護に取り組んでまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 難民制度に問題があると、私たち野党が提出した法案は、入管と分離した独立した難民制度を設けるべきだというふうにしております。参与員の意見などが余り聞かれないという声も本当に聞きます。 お手元に配付資料を配っております。 日本と他の難民条約締約国の難民認定率、これ二〇一九年でちょっと古いんですが、日本は〇・四%が今〇・七%になっておりますが、カナダが五五・七%、イギリス四六・二%などに比べても、もう極端に諸外国に比べて低いものです。 そして、トルコとスリランカの例を見てください。 トルコ出身者、二〇一九年、カナダ九七・五%、難民認定率、イギリス七二・五%、スイス七五・一、アメリカは八六・二%、日本は〇%です。先日、クルド人の人が初めて、初めて認められたというのを聞きましたが、本当に低いんですね。二〇二一年のUNHCRでも、カナダは九七、イギリスは八一、アメリカ合衆国は八八%ですから、本当に難民認定がされております。 スリランカ出身申請者の難民認定率、二〇一九年、亡くなられたウィシュマさんはスリランカの出身ですが、日本は〇・〇七%、カナダは七四・七、そしてアメリカは二三・四、イギリスは四三・一%です。 このトルコ出身者の難民認定率ですが、九八%ですね、カナダに行った人はトルコ人九八%難民認定されている。日本はほぼゼロなんですよ。じゃ、難民の人が全員カナダに行って、日本には難民でない人たちだけがずっと何十年と来続けているのかと思ったら、そうではないでしょう。何でこんなに極端に難民認定率が違っているのか。カナダに行ったら九八%認められるのに、日本だとゼロという。スリランカだって同じです。これ、各国別、ロヒンギャやいろんな例を今後も調べますが、本当にどこの国に行ったかによってもう天国と地獄なんですよ。 この余りに低過ぎる難民認定率、どうですか。入管に聞くと、いや、私たちは個別のケースに従って個別にしっかり判断していますと言います。でも、諸外国に比べて余りに低いじゃないですか。おかしいですよ。カナダに行ったらほぼ全員、トルコ、救われて、難民で、日本では全く救われてこなかった。これ、おかしくないですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 我が国の難民認定をめぐっては、多くの難民が発生する地域と近接しているかなど、諸外国とは前提となる事情が異なっていると考えております。前提となる事情が異なる以上、難民認定数や認定率により我が国と他国とを単純に比較することは相当でないと考えております。 いずれにしましても、難民認定申請者の母国に関する情報で諸外国も参照しているものなど、国際情勢に関する客観的情報を収集、活用しつつ、申請者の置かれた状況等にも配慮しながら、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 いや、おかしいですよ。個別じゃなくて、これだけ数字が示しているんですよ。だから、国際人権規約B規約は、勧告の中で、国際基準にのっとった包括的な難民保護法制を早急に採用することと言っているんですよ。これが全然実現されていないじゃないですか。本当にこれ、おかしいですよ。 外国に行ったら、ドイツやフランスやカナダ、イギリス、イタリア、アメリカ、カナダだと特にそうですが、救われるのに、日本だともうほとんど救われない。これ、国際水準に従っていないからですよ。個別的事情じゃなくて、日本の制度のまさに問題点です。ですから、このB規約の勧告にも全く従わない、あるいは抜本的な改正のない入管法改悪法、難民認定保護法改悪法ですね、これは認めるわけにはいきません。 そして、難民認定制度がきちっと機能して、カナダやイギリスやアメリカやフランスやドイツやいろんな国のようにある程度きちっとそれが機能しているのであれば、難民認定は二回しかできません、原則として、その後は帰しますというのもまだあり得るかもしれません。でも、日本は、ラクダが針の穴を通るよりも困難な難民認定率ゼロとか、もう極端な中で二回しか難民認定できませんよとしたら、まさに原則として、まさにこれはノン・ルフールマン原則に全く反するのではないですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 先ほども答弁申し上げましたけれども、難民認定手続については、まず制度面において、不認定処分に対する審査請求では、外部有識者である難民審査参与員が三人一組で審理を行い、法務大臣はその意見を必ず聞いた上で判断することで判断の適正を確保しておりますし、難民には当たらないとの判断に不服があれば、裁判所に訴えを提起し、司法判断を受けることも可能でございます。 次に、運用面におきましても、UNHCR等の協力も得ながら、難民調査官の能力向上、出身国情報の充実等の運用の一層の適正化に取り組んでいるところでございます。 このように、入管庁におきましては、制度と運用の両面から難民認定手続の適正性を確保しているところでございます。 他方、送還停止効は、難民認定申請中の者の送還を停止することにより、その法的地位の安定を図るために設けられたものであるため、難民認定申請中でも法的地位の安定を図る必要がない者を送還停止効の例外とすることは許容され得ると考えております。 既に二度の難民等の不認定処分を受け、いずれの処分についても行政上確定した者は、二度にわたり難民等の該当性の判断がされ、外部有識者である難民審査参与員による審理が行われるなど、その審査が十分に尽くされたものであり、基本的に法的地位の安定を図る必要はないと考えられることから、送還するのが相当であると考えているところでございます。 そこで、今回の改正法案では、三回目の難民等認定申請を行った者は送還停止効の例外となり、原則として難民等認定申請によっては送還は停止されないことといたしましたが、申請に際し、難民等の認定を行うべき相当の理由がある資料を提出すれば、なお送還が停止することとして、保護すべき者は確実に保護できる仕組みにいたしております。 また、三回目以降の難民等認定申請者について、万が一にも本来保護されるべき者が送還されることがないように、送還停止効の例外規定の内容などの周知、教示に関する附則を設け、その提出機会を確保することとしたところでございます。 なお、主要国におきましては、難民認定申請について、再申請に制限を設けている上、再申請を認める場合でも送還停止効に例外を設けているものと承知をいたしております。例えば、フランスでは、三回目の難民認定申請については送還停止効を認めない規定を設けているものと承知をいたしております。
○福島みずほ君 諸外国は一回目で認めているわけですよ。トルコ出身者、フランス二七・四%。スリランカも、今フランスとおっしゃいましたが、二〇・九%認めているんですよ。だから、三回目とかではなくて、一回目できちっと認めているんですよ。 齋藤大臣、齋藤大臣のときに難民認定制度、これ直してくれませんか。カナダに行ったら、トルコの人、九八%難民認定される、日本ではゼロ。これ、個別的な問題ではなくて日本の制度の問題だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 私もこの実態についてはよく承知をしているところでありますが、私どもの難民認定制度の運用におきましては、先ほど次長がお答えしたように、幾重にも審査の過程を踏み、最終的にも不服申立てもできるという制度になっておりますので、この運用をしっかりやっていくことが大事なんだろうと考えています。
○福島みずほ君 いや、もう残念な答弁です。いつまで日本はこのままなのか。日本に来たって難民救えないということをもう宣言しているわけじゃないですか。今回の改悪法案、おかしいですよ。 また、そのB規約の勧告では、仮放免中の移民に対して必要な支援を提供し収入を得るための活動に従事する機会の確立を検討すること、それから、行政機関による収容措置に対する代替措置を提供し入管収容における上限期間を導入するための措置を講じとか、様々な勧告がなされていますが、これに全く応えるものになっておりません。前の廃案になったのとほぼ同じものを出すなんて、これはあり得ないというふうに思っています。 難民認定制度が機能しない中で、もう二回しか認めないといって追い返したら、本国でどんなことになるか分からないじゃないですか。本当にこういう改悪法案認められないということを強く申し上げます。 次に、再審制度についてお聞きをいたします。 現行刑事訴訟法では再審請求手続における審理の在り方についてほとんど規定がなく、広範な裁判所の裁量に委ねられているということがあります。だから、再審制度について法律を作ることが必要だと思いますが、つまり、裁判官によって、裁判所によって再審格差が生まれている。いい裁判官に当たれば証拠開示とかしてくれるけれど、そうでなければもうけんもほろろで、ある日突然棄却の決定が来るという、この状況があります。 再審制度について法律をきちっと充実すべきではないか。いかがでしょうか。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 再審請求審において様々な規定を設けるべきという御指摘かと思いますけれども、例えば証拠開示制度を設けることにつきましては、かつて法制審議会の部会においても議論がなされましたが、その際、再審請求審における証拠開示について一般的なルールを設けること自体が困難である、あるいは、再審請求審は通常審と手続構造が異なるので、通常審の証拠開示制度を転用することは整合しないといった問題点が指摘されたところでありまして、これらを踏まえて慎重に検討する必要があると考えております。
○福島みずほ君 いや、通常審では証拠開示についての規定があるんですよ。再審においては、まさに免田事件や様々な事件がそうですが、今度、再審請求開始になるかどうか注目されている袴田さんの事件や狭山事件やたくさんの事件がそうですが、証拠開示によって新たな証拠が出てきて、事態が本当に変わっていくということがあります。 しかし、その証拠開示をするかどうかは、条文がないんですよ。ですから、裁判官の裁量に任せられている。証拠開示すべきだと。だって、証拠があるんですから。疑わしきは被告人の利益に、白鳥事件、財田川事件の疑わしきは被告人の利益にという観点から、これ証拠開示についての条文を設けるべきではないですか。
○政府参考人(松下裕子君) 繰り返しになりますけれども、再審請求審は事後審でございまして、検察官保管証拠の開示を要するかどうかについても、再審事件自体も再審請求の理由が様々でございまして、検察官保管証拠の開示を要するかどうかにつきましても、事案の性質や内容、証拠構造によって千差万別であることからいたしますと、再審請求審における証拠開示につきましては個々の事案における裁判所の適切な判断により柔軟に対応することとするのが相当でございまして、現実にもそのように運用されているものと承知しております。
○福島みずほ君 柔軟に対応すると言うんですが、まさにそれで再審格差が非常になっていると。ですから、裁判所は、再審請求人又は弁護人から請求があったときは、検察官に対し、検察官が保管する証拠の一覧表を作成した上で提出することを命ずるとかですね、つまり、無罪、まさに疑わしきは被告人の利益にですよ。再審請求で動いている事案は証拠開示がなされて、ということに注目して、これは柔軟にやってくださいではなくて、証拠開示、この条文をしっかり入れるべきだというふうに思います。 また、検察官の抗告ですが、再審開始決定に対する検察官の不服申立ては禁止すべきではないでしょうか。 この点について、静岡新聞の二月七日、「再審法改正 必要性を実感」、袴田さん請求審元裁判長が、検察の証拠開示法制化ということと、この検察官の特別抗告についてインタビューに答えております。つまり、検察官が抗告して再審開始の可否を争った後に再審無罪判決に至った例もあり、検察が抗告した分だけ再審無罪になるのが遅れたと評価をできるものがあるんじゃないか。 袴田さんのケースもまさに即時抗告があり、まだ再審開始決定ないんですよ。もうこれ何年もたっている。袴田さん自身も八十何歳、いや、済みませんね、年齢を重ね、お姉さん、再審開始の請求をしたお姉さんももう九十歳という状況になっています。これ余りに当事者が高齢化していく、余りに時間が掛かる。 つまり、再審開始の手続に入って、そこで争えばいいじゃないですか。これ即時抗告やめるべきだと、いたずらに要するに審議を遅らせるということになっている。これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(松下裕子君) お尋ねは個別の事案に関することでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。 その上で、一般論として、あくまでも一般論として申し上げますが、検察官が再審開始決定に対して抗告し得るという制度となっておりますことは、公益の代表者として当然のことであると考えております。これによって、再審請求審における審理決定が適正かつ公正に行われることが担保されるものと考えております。 仮に、検察官の抗告権を排除するといたしますと、違法、不当な再審開始決定があった場合にこれを是正する余地をなくしてしまうという問題がございまして、また司法制度全体の在り方とも関連するものでございまして、極めて慎重に検討する必要があると考えております。
○福島みずほ君 検察官は公益の代表者でもあるじゃないですか。一方的に対立当事者として争うだけではない。要するに、真実を追求し、疑わしきは被告人の利益にというのは検察官にも係っています。 ですから、特別抗告をしてもうずうっと何年も、十年近く引き延ばすんじゃなくて、再審開始決定をして、その中で争うということも本当に必要だと。だって、延ばして延ばして延ばして、その後、再審無罪になったケースもあるんですよ。本当に高齢化、当事者が高齢化していっているという問題と、いたずらに時間が掛かるというこの点は、これは検討すべきだと思います。検察、公益的立場にあるというのであれば、これは本当に疑わしきは被告人の利益ににすべきだと思います。 また、再審請求中にはまさに国選弁護人の手続がないとか、その書類の保管の問題や様々な点があります。ですから、再審法、刑事訴訟法における再審の部分の改正、これは必要だというふうに考えております。これは今後も質問してまいります。 死刑制度について、一言、齋藤大臣にお聞きします。 ヨーロッパは死刑を廃止をしております。これ、なぜだと思われますか。
○国務大臣(齋藤健君) 死刑制度につきましては、諸外国においてそれぞれ、国民感情や犯罪情勢や刑事政策の在り方もそれぞれ変わっているわけでありますので、その結果だと承知しております。
○福島みずほ君 世界の潮流は死刑廃止です。二〇〇二年、ヨーロッパ評議会が死刑について議論をすると、本会議などで、というので、免田栄さんと一緒に行き、免田さんは人権委員会で発言をし、私は本会議で発言をしました。EU、ヨーロッパに入るためには死刑を廃止していなければならないというのがあります。それはやっぱり民主主義の問題だというふうに思っています。 二〇二一年、これアムネスティ・インターナショナルの報告書ですが、法律上、事実上の廃止国数は百四十四、存置国数は五十五です。ただし、死刑執行したところ、二〇二一年に死刑執行した国は僅か十八か国でしかありません。これは日本も死刑執行の国なんですね。十八か国、中国、イラン、エジプト、サウジアラビア、シリア、ソマリア、イラク、イエメン、それからアメリカ、南スーダン、バングラデシュ、ボツワナ、日本、ベラルーシ、アラブ首長国連邦、北朝鮮、オマーン、ベトナム、十八か国でしかありません。二〇二一年に死刑を執行したのは本当に十八か国しかないんですね。 そして、御存じアメリカも、今バイデン政権の下で死刑制度に抑制的であり、州の中での死刑廃止も強まっています。世界全体の流れは死刑を廃止、停止している。 そこで、法務省に申し上げたいと思います。冤罪の可能性についてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(松下裕子君) 冤罪という言葉の定義がどのように捉えたらいいか難しゅうございますので、お答えすることは困難でございます。
○福島みずほ君 無罪であるにもかかわらず有罪として扱われる、あるいは死刑執行がされるということです。 イギリスの大使が死刑を考える会で話をされました。イギリスも間違って処刑してしまった例があり、死刑廃止に向かうわけです。法の支配を共有する国として日本がなぜ死刑があるのかということなどを大使はおっしゃっていました。 日本でも四つの、四大、死刑台から生還した例があります。また、ハンセン病で非常に迅速な裁判、余りにあっという間に死刑判決になったと言われている菊池事件や様々な事件などは冤罪だったんではないかというふうにも言われています。死刑を執行したらもう取り返しが付きません。 死刑制度の問題点や世界の潮流について啓発、教育することが必要ではないかと思います。これは、先ほども言いました国際人権規約B規約の中でも勧告がされています。死刑の廃止を検討し、必要に応じて死刑廃止に向けた世論を喚起するための適切な啓発措置を通じて死刑廃止の必要性について国民に周知すること。大臣、これやっていただけないでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 死刑制度につきましては、まず、基本的な事項が法律で明確に規定されているほか、その存廃に関する議論をするための基礎資料というものが、死刑の在り方についての勉強会取りまとめの報告書ということで、法務省のホームページで公開をされているなど、基本的な情報は既に公表されていると考えています。 死刑の在り方につきましては、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる問題でありますので、多くの国民の皆様がその必要性を感じて自ら議論に参加する形で、幅広い観点から議論がなされることが適切であると考えています。 そのような御議論の動向については、私としても関心を持って注視をしていきたいと思っています、最後の判断をする者として。
○福島みずほ君 大臣、ただ、ヨーロッパやいろんな国が実はもう死刑を廃止していることや、ノルウェーで大量殺害があったけれども、その後、死刑復活の声なんて起きないんですよ。そして、アメリカのバイデン大統領も死刑に抑制的で、どんどん変わっていっている。韓国も死刑をずっとやっていません。 世界は本当に変わっていっている。でも、なかなかそれが広がっていっていないので、是非、法務省として、そういうB規約の勧告が言っているようなまさに啓発をしていただきたいということを強く申し上げます。 先ほど袴田さんの年を、ちょっと不正確だったので、袴田さんは現在八十七歳、お姉さんの秀子さんは現在九十歳、こういう状況で、早く再審開始、行われるようにということを強く申し上げます。 以上で終わります。
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。 二月の荒井書記官のLGBTに対する差別発言をきっかけに、今国会はLGBTに関する話題がたくさん出ております。予算委員会でも話題になりました。昨日は、鎌田委員から法務委員会で話題になったと承知しております。 婚姻の平等、そして人権問題の所管の省庁である法務大臣の大臣所信を私、齋藤大臣、期待をしておったんですけれども、残念ながら、この大臣所信の中にはこうしたLGBTの問題触れられていなかったと思うんですが、なぜ大臣所信からは外れてしまったんでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 法務省も、政府の一員として、当然、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現というのを目指しているわけであります。 こうした観点から、私の大臣所信におきましては、「様々な人権問題等への対応」と題し、一人一人がお互いを尊重し合える社会を目指し、人権相談、調査救済活動、人権啓発活動等の取組を推進する旨述べたところでございます。 法務大臣として、お尋ねの性的マイノリティーなどをめぐる問題も人権に関わる重大な問題であるということは十分認識をしており、個別の項目としては掲げておりませんけれども、「様々な人権問題等への対応」の中で、この問題にもしっかりと対応するとの決意は述べさせていただいております。 今後とも、性的マイノリティーなどをめぐる問題については、関係省庁との連携が必要不可欠でありますが、連携しながら人権相談や人権啓発活動等にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
○石川大我君 齋藤法務大臣は、婚姻の平等を求めるマリッジ・フォー・オールの集会に一回目から参加をされたり、あとメッセージを送られたりということで、非常にLGBTフレンドリーということで、我々LGBT業界というのがあるのかどうか分かりませんけれども、LGBTの皆さんは、非常に当事者団体も含めて期待をしているということは申し上げたいというふうに思っております。 このマリッジ・フォー・オール見てみますと、二〇二二年の四月の二十二日には、齋藤これは大臣ということではなくて、個人としてということだというふうに、一議員としてだというふうに思いますけれども、制度ができるだけでは駄目で、少しでも多くの人たちの理解を求めていくことが極めて大切です、この点からも、マリッジ・フォー・オール・ジャパンの皆様、小生の高校の同級生でもある、まあ弁護士の先生ですね、そして多くの方々が活動を積み重ねておられること、非常に重要です、多様性を受容、尊重し、相手の立場に立って考えることができる、そういった社会へと進歩することを願っておりますとか、二〇二〇年には、こういう仕事をしていますと、実にいろんな方とお知り合いになる機会があります、私は、こういう多様性の社会の中で、どれだけ相手の立場に立って考えることができるかということが社会の進歩ではないかと思っております、制度ができるだけでは駄目で、こういう運動が機運を盛り上げて、少しでも多くの人たちの理解を深めていくことが極めて大切だと思いますということで、本当に私も、賛同するメッセージを寄せていただいております。 この二回のメッセージの中ででも、制度ができるだけでは駄目でというふうに繰り返しておられまして、もう制度ができることは当然のことながら、その先に理解もたくさんちゃんと付いてこなきゃ駄目だということで、同性婚に対する思いはこの辺りに入っているんじゃないかなというふうに思っているわけでありますけれども。 何か、岸田総理と私、予算委員会で少しお話をさせていただきましたけれども、大臣所信を作るに当たり、岸田総理からこういうことを入れたらいいんじゃないかとか、そういったアドバイスといいますか、若しくはそういったものは入れるなと。齋藤大臣のこのメッセージを読んでいると、私としては、所信表明の中にLGBTの問題を入れたいというふうにおっしゃったんじゃないかなと、しかし、それを岸田総理が止めたといったようなことがあったんじゃないかなという邪推をするわけですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、私の所信につきましては、法務大臣として、法務省の事務方の補佐を得ながら、私の考えということでしっかり述べさせていただいております。 その上で、性的マイノリティーなどの問題についてはしっかり取り組んでいきたいという決意なんでありますが、その中で岸田総理大臣がどういう指示があったかなかったかというのは、この作成過程の問題なので差し控えなくてはいけないと思いますけれども、私、長いこと役人生活もやり、それから政治家になってからも幾つかの役所、環境省とか農水省とか仕事をしてまいりまして、その都度大臣所信というものに関わってきておりますけど、一般論として、それぞれの大臣の所信表明の中で総理が一々指示するということは私の経験ではなかったということでありますが、本件については過程なので差し控えさせていただきたいと思います。
○石川大我君 是非、今後、このLGBTの問題、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思うんですが、その過程として、あっ、前提として、ごめんなさい、過程ではなく前提として、LGBTに関する問題は大臣は人権問題であるというような御認識はあるでしょうか。 オバマ政権下で来日をしました元ケネディ駐日大使は、LGBTの問題は人権問題ですというようなメッセージを強力に発信をしてくださいまして、LGBTのプライドマンス、六月に大使公邸でイベントやパーティーを開催してくださり、アメリカから例えばLGBTの公民権運動を行っているインフルエンサーを呼んで、日本の当事者と交流をして、いろいろ知見を広めるというようなこともしてくださいました。 そういった意味では、是非、LGBTの人権問題として取り組むということであれば、やはり齋藤大臣オリジナルの取組というのを是非していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、法務大臣として、お尋ねの性的マイノリティーに関する問題につきましても人権に関わる問題であるというふうに十分認識しているところでありますし、それから、やはり理解の増進というものがまず前提として重要なんだろうと思っていますので、その理解の増進に資する取組として、今インターネット上での効果的な啓発がなし得ないか検討しているところでもあります。
○石川大我君 インターネット上での啓発を検討しているということで心強い限りなんですが、今、実は法務省の、これ、インターネットの話出ましたのでちょっとお話をしますと、ホームページにLGBTに関する記述が、以前は結構ボリュームがあったんですね。しかし、それが今非常に少なくなってしまっていて、例えば性的指向と性自認に関する説明がなくなっていたりとか、あとリンク先が大幅に縮小されるなど、とてもこれ残念でして、是非この辺りは充実をしてほしいと思っておるんですが、その辺りも含めてということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 法務省の人権擁護機関では、様々な人権課題に関し、より効果的な啓発活動を追求して常に見直しをしていかなくちゃいけないというふうに思っています。 このような見直しを行う中、性的マイノリティーに関し現在様々な御議論が続いているという点について、御議論の方向性が定まっていない段階で特定の見解に依拠することは適切ではないということを不断に判断しているわけで、ホームページ等において一部の記載の変更や削除が行われているのは事実であります。これと同時に、性的マイノリティーの方々をめぐる偏見や差別を解消するための取組、これを推進する観点から、偏見や差別の具体的事例を提示した上で、そうした事例が生じやすい職場や学校における政府の取組に関する説明を新たに追加をするなどもしているところでございます。 先ほど申し上げましたように、さらに、性的マイノリティーに対する理解の増進に資する取組として、インターネット上での効果的な啓発がなし得ないか、今具体的な検討を進めているところであります。今後も、様々な御議論の状況を見ながら、適切な啓発活動を進めていくということが肝要かなと思っています。
○石川大我君 同性婚の問題にちょっと話題を移したいと思うんですけれども、婚姻平等法について、岸田総理から、この法務委員会で積極的に扱うようにというような指示はありましたでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 岸田総理大臣とは、法務行政に関しましても様々な話をこれまでもしてきているわけでありますが、一つ一つその内容がどうだったこうだったかということはお答えを差し控えたいなというふうに思っています。
○石川大我君 私、月曜日に、総理に予算委員会で、同性婚導入すべきということで予算委員会で質問させていただきましたが、議論をするのが大切だということが岸田総理から答弁があったかというふうに思うんですけれども、これちょっと予算委員会の調査室に調べていただいたんですが、岸田総理、今国会で、今国会の予算委員会の答弁で同性婚に関して議論という言葉を何回使っているかというのを少し調べていただきました。衆議院で四十一回、そして参議院で四十九回、計九十回この議論という言葉、議論という言葉を使っていらっしゃいます。一番最初に使われたのが、二月八日の我が党の岡本あき子衆議院議員の答弁でこの言葉を初めて使いまして、僅か一か月で九十回もこれ使っています。 つまり、議論が大切だというふうにおっしゃっておりますが、この点どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) いや、総理の御趣旨は、同性婚導入の問題は、我が国家族の在り方の根幹に関わる問題なんで、国民的コンセンサスと理解が必要だということでおっしゃられているんだろうと思います。
○石川大我君 国民的コンセンサスといえば、世論調査、近々でありましたけれども、毎日新聞、賛成五四%が一番これ低くて、十八歳から二十九歳に至っては八〇%が賛成、読売が六六%賛成、朝日は七二%賛成、自民党支持者の方でも六七%が賛成、産経、FNNで自民党支持者で六〇・三%が賛成ということで、国民の意見の動向見るんだとおっしゃっているんですが、まあ世論調査を見る限り、六割以上の方たちがこれ賛成をしていて、もう朝日では七二%が賛成をしています。 台湾は最近、同性婚特別法という法律が二〇一九年五月の二十四日にできたわけですけれども、実はこの制度ができる前ですね、制度ができる前、同性カップルには合法的に結婚する権利があるというふうに答えた世論調査、三七・四%なんですよ。 大臣、三七・四%しか実は賛成がなかったんだけれどもこの法律が導入をされて、そして、二〇二二年の五月のこれ記事から引っ張ってきているんですが、台湾では六〇・九%の人が、その制度ができた後、賛成が増えたということなんですけれども、ある意味、制度がある地域でも、台湾で六〇・九%ということで、もうこれとっくに、この世論調査見ても、読売六六%、朝日七二%ですから、ある意味、制度がある国でも必ず反対する方たち等いらっしゃいます。 先ほど、LGBTの人権は、LGBTの問題は人権問題だというお話をさせていただきましたけれども、まさにそういった意味からも、国民的な議論は、ある意味これは世論としては賛成をしているということなんじゃないかなというふうに思っています。 そういった意味で、是非この法務委員会の場で議論する場を設けていただきたいと思うんですが、そういった特別な形でこの委員会でも是非議論したいというふうに思うんですが、委員長、是非その辺りお取り計らい願えないでしょうか。
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○石川大我君 是非、積極的に国会でも議論して、結論を出していただきたいというふうに思っております。 次に、入管の問題です。名古屋入管のウィシュマさんの問題ですけれども、三十三歳という若さで亡くなったということで、私、予算委員会で質問した三月の六日が二年目の命日だったということですけれども、ビデオを御覧になられたというようなお話がありますけれども、ビデオを見られましてどのようにお感じになりましたでしょうか。 そしてまた、大臣は、ウィシュマさんが亡くなった名古屋入管施設を視察されたということも昨日のレクでお伺いしましたけれども、視察をした後、名古屋入管の局長に何か運用の改善など指示をされたんでしょうか。視察をしての御所見、受け止めも教えてください。
○国務大臣(齋藤健君) まず、ビデオの件ですけど、私が見させていただいたのは、衆参の法務委員会理事会において閲覧の対象となった映像等につきまして閲覧を終えました。私が見たところは、職員が介助等の対応を行う場面ですとか、ウィシュマさんが体調不良を訴える場面ですとか、職員がウィシュマさんに対して不適切な発言をした場面ですとか、多くそういうものが含まれておりました。私は、見ながら、あの収容施設の環境の中で体調を崩され、死亡に至ったことは誠に痛ましく、このような事案を決して繰り返してはならないという思いを改めて強くいたしました。 また、視察につきましては、今年の一月十八日、名古屋出入国在留管理局の視察を行いました。具体的には、ウィシュマさんが亡くなられた居室を含む収容所内や審査窓口の様子なんかも確認をさせていただきましたし、現場職員との意見交換なども行わさせていただきました。視察によりまして、私が見る範囲、名古屋局も、二度とこの死亡事件を起こすことのないよう、緊張感持って医療体制の強化や情報共有の在り方の改善等に真摯に取り組んでいるということを確認することが私自身はできたと思っております。 名古屋局だけでなく入管庁において同様の事案を二度と起こさせないよう、法務大臣としてやるべきことをしっかりやっていかなくちゃいけないなという思いを強くいたしております。
○石川大我君 ありがとうございます。 名古屋入管、私も度々訪れておりまして、今も実はLGBTの当事者、ゲイの当事者の方がいらっしゃって、この方、男性となぜか一緒の部屋にしてもらえないということで、独りぼっちで今六か月ぐらい暮らしているんだけれども、一人で相当参っているというようなお話もいただきました。 例えば、一般の収容者の方というのは、午前中から昼ぐらいまでが自由時間ということで、屋上でしたっけね、屋外に出ることができたりとか、あと、様々ほかの方とお話をしたりとか、いろいろ交流ができるらしいんですけれども、その方、ずっと独りぼっちということで、人間、誰ともしゃべらないというのが一番しんどいですよね。それで六か月たっていて、彼は自由時間が三十分しかないということで、非常に厳しい状況に置かれていたりとかですね。あと、仮放免の書類なんかでも、これ全部日本語で書かれていて、まあ全部ではないのかもしれませんが、英語の部分がありますけれども、英語の部分が非常に少ないということで、中に入られている方たち、やっぱり支援者の方たちがいないとこういう仮放免の申請ができなかったりとか、せめて英語とか、ほかの言語でも書類を作るといったような改善点いろいろあると思いますので、これは是非、法務大臣、積極的に、我々もいい入管行政をつくりたいというふうに思っておりますし、しっかりと人権が守られる、国際水準に立つ、国際社会で恥ずかしくない入管行政にしたいというふうに思っていますので、引き続きお願いしたいというふうに思っています。 ちょっと時間がないので次の質問行きますけれども、閣議決定された政府案の入管法改正案です。 二〇二一年の通常国会で提出されて、衆議院で審議されて、その後、審議ができずに国会が解散されて廃案になったということで、一昨日、再提出ということだと思いますけれども、二〇二一年に法務委員会、衆議院の方で審議されたんですけれども、様々な団体や弁護士さんなどもデモをすると。弁護士さんがデモをするってなかなかないと思いますけれども、そういった中で、当時、このまま委員長職権で強行採決されるんじゃないかみたいな話も上がる中で、極めて重要な法案、審議時間を十分に確保し、やっぱり議論を重ねるべきだというふうに思っています。 大臣として、これは国会の中で、委員会の中で決めることというふうにおっしゃるかもしれませんが、よもや強行採決というようなことはやっぱりあってはならないと思いますが、その辺り、大臣としていかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 私としては、この改正案は極めて重要な法案だと思っておりますので、十分に御理解いただき、充実した御審議をいただくことが重要と考えておりまして、国会における御質問の一つ一つにできる限り丁寧にお答えをし、説明を尽くしていくのみであります。
○石川大我君 重ねてお伺いしますが、強行採決はあってはならないというような認識でしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 国会でどうするかにつきまして、政府としてちょっと答弁は差し控えなくちゃいけませんが、先ほど申し上げましたように、私としては丁寧な議論を尽くしてまいりたいというのみであります。
○石川大我君 大臣、そうおっしゃるかなというふうに思ったんですが、やっぱり提出する大臣として、皆でしっかり議論が重なった上で、そして採決をすべきだというようなお考えなのかなというふうに私としては受け止めをさせていただきました。 その上で、昨年、我々が超党派で提出した議員立法、入管法改正案と難民等保護法案、こちらは政府にはない収容期限に上限を付けると。これは、やっぱり六か月を過ぎるとなかなか、やっぱり拘禁反応といいますか、皆さん食欲がなくなったりとか夜眠れなくなったりとか、そういったことで本当に健康に支障を来すというのが六か月。諸外国では六か月で収容期限切るようなところありますけれども、そういうことを非常に感じて、私自身もいろんな方の面会をしていて思うわけですが、こうした収容期限を設けるとか、あと、収容するためには司法の審査を入れるとか、先ほど福島委員からも御指摘ありましたし、ノン・ルフールマン原則ですね、そういう、こうした国際的なスタンダードに立った我々は法案を用意をしております。難民の認定に関しても、きちんと入管からは切り離した第三者委員会、有識者の皆さんによる第三者委員会でこれを決めるんだというようなことも必要だというふうに思っております。 残念ながら、今の政府案では世界水準に達しているということはないというふうに思います。真に保護をすべき人が保護できないというふうに思っています。全て入管庁の中で決めてしまうブラックボックスだというふうに思います。そういった中で、第二のウィシュマさんをもう出しかねないというふうに思っておりますが、是非、この政府案、見直しをすべきだというふうに思いますが、最後に大臣の所見を伺います。
○国務大臣(齋藤健君) まず、私どもが閣議決定をした改正法案につきましては、まだここできちんとした御説明をさせていただく機会がないわけであります。私としては、改善すべき点は改善をして、そこの説明をこの国会でしっかりさせていただきたいということであります。
○石川大我君 これから審議始まると思いますので、しっかりと私も議論したいというふうに思っております。 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。 今日は、大臣が所信の方でも触れていただきました刑法の性犯罪改正の件について、まず最初にお伺いしたいと思います。 先日、二月に法制審議会の方で、この刑法の性犯罪改正に関する要綱、改正要綱の骨子案が採択をされたと伺っております。昨年秋には法制審で試案というものが示されまして、その際にもこの委員会で私取り上げさせていただいたんですけれども、その際は、この試案については非常にちょっと私として不十分ではないかなと思うところが多くあったものですから、そういったことを意見として述べさせていただいたりいたしました。 結論から申し上げますと、今回の改正の骨子案については私は評価をしております。私の方で昨年の秋にいろいろと申し上げたことも恐らく加味していただきながら、さらに専門家の皆様、また被害当事者の皆様の御意見をいただいて、真摯にしっかりと議論していただいたのかなというふうに感謝を申し上げたいというふうに思います。 一番この重要な改正の一つが、いわゆる暴行・脅迫要件であります。現行のこの強制性交等という罪は、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為を行った場合に処罰をするというものでありますけれども、今回の改正要綱を見ますと、まだ条文というものではありませんけれども、恐らく非常に大きく改正がされるのであろうというふうに拝見をしております。 次に掲げる行為等によって、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ、若しくはそういった状態にあることに乗じてわいせつな行為をした者は処罰をするという作りになっておりまして、次に掲げる行為としては、暴行、脅迫のほか、心身の障害、またアルコール又は薬物の摂取、睡眠その他の意識の不明瞭、また拒絶するいとまを与えないことですとか、予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、又は驚愕させる、虐待に起因する心理的反応、また経済的若しくは社会的関係上の地位に基づく影響力等、こういった行為というものが例示的に示されておりまして、今まではこの暴行、脅迫だけだったものが非常に大きく変わるのかなと思います。 また、今申し上げたように、例えば拒絶をするいとまがないとか、予想と異なる事態に直面させて恐怖又は驚愕する、いわゆる被害者の皆様が教えてくださったフリーズ現象というものとか、それから虐待に起因するような心理的反応ということで、そういった児童の心理の専門家の御知見なんかも考慮をしながら、適切にこの処罰をするためにどうしたらいいのかということを御検討いただいてきたのかなというふうに思っております。 法制審の議論の中でも、この今までの強制性交等罪というものの、この罪の本質ということについて議論をしていただいたというふうに聞いております。今までは、暴行、脅迫によって抗拒不能にして、その人を意思に反して性的行為を行うということが犯罪として、類型として示されてきたんだと思うんですけれども、結局のところ、今も申し上げたように、その被害に遭った方の意思に反してそうしたわいせつ行為をするということが悪いのであって、その例示としては暴行、脅迫ということが今まで言われてきたけれども、実際にはそれでは非常に狭いのではないかということが、認識が共通化されて、その本質というのはその被害者の意思に反することだと、それを、何というか、外部的に認識するに当たって、次のような行為があった場合には意思に反しているだろうと、こういう条文の作りを検討していただいているのではないかと思います。 今申し上げたとおり、この被害に遭った方の意思に反していると、その方は同意をしていないんだと、そこが非常に重要なポイントでありまして、私は、この要綱の骨子案には次のような改正をするということしか書いてありませんので、いわゆる罪名、正確に言うと条見出しというんですかね、強制性交等罪とか、昔は強姦罪とか、一般的にはそういう言葉が使われるわけですけれども、この罪名についても、その罪の本質をきちんと反映をした、また分かりやすい、大変大きな改正ですので、国民に広く理解をしていただかなければいけませんので、やはり分かりやすい罪名を考えていただきたいということをかねてからお願いをしてまいりました。ほかの委員会でも過去に質問させていただいたこともあったんですけれども。 そこで、今日大臣に改めてお願いをしたいのが、今回の改正に当たって新しく条文をこれから決定されると思うんですけれども、それに当たっては、この暴行・脅迫要件の部分について、罪名については、この不同意性交等罪という罪名を是非採用していただきたい、こういう罪名にしていただきたいというふうに私は思っているんですけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 性犯罪に対処するための刑法の改正に関しまして、強制性交等罪を今委員は不同意性交等罪に改めるべきである、そういう御意見なんだろうと思いますし、その考え方は十分理解しているつもりではあります。 ただ、現時点におきましては、罪名も含めて法案の条文は未確定でございます。したがって、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、法制審議会における御議論や答申の内容を踏まえて、速やかに法案を国会に提出できるよう準備を進めてまいりたいと考えています。
○佐々木さやか君 現段階ではもちろん明確におっしゃっていただくことはできないと思いますけれども、お願いということで申し上げておきたいと思います。 それで、私は不同意性交等罪という罪にしてほしいんですけれども、この条文の改正の要綱案を拝見する限りでも、やはりこの同意しない意思ということがポイントになるわけでありまして、つまり、この罪が成立するかどうかについては、被害者本人がその行為について同意をしていたかどうかということが重要なポイントになります。 このいわゆる性的同意ということ、相手の性的行為に関する同意を取るこのプロセスということ、これは非常にこの性犯罪、性暴力を防ぐに当たって重要なことでありまして、これまでも政府としてもこの性的同意に関する啓発行ってきていただいたと思いますが、今後、この改正の要綱案がこのまま法案として提出されるのであれば、やはりこれから、この性的同意についての国民的な理解といいますか、その深まりということは非常に重要なポイントになるというふうに思っております。 そこで、法務省とそれから内閣府にも是非お伺いしたいんですけれども、この性的同意の啓発について、法務省においては、特にやっぱり法曹関係者の皆さんに理解をしていただかないといけないと思いますし、また、内閣府におきましては、これまでもお取り組みいただいてきたように、広く国民のこの理解を是非啓発をしていただきたいというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 御指摘のように、法制審議会からいただいた答申におきまして、御指摘の性的な同意に関し、要綱においては、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態という文言を用いて性犯罪の要件を統一的に整理し、その状態の原因となり得る行為や事由を具体的に列挙することとされております。 法務当局といたしましては、答申の内容を踏まえて速やかに国会に法案を提出できるよう引き続き準備を進めていきますけれども、改正が実現した場合には、御指摘のように、法曹関係者も含めまして、関係省庁や機関と連携しつつ、改正の趣旨や内容について適切に周知してまいりたいと考えております。
○政府参考人(畠山貴晃君) お答え申し上げます。 内閣府におきましては、女性に対する暴力をなくす運動や若年層の性暴力被害予防月間といった機会を通じまして、同意のない性的な行為は性暴力であるというメッセージを発信してきたところです。本年四月の若年層の性暴力被害予防月間におきましても、関係省庁と連携して、ポスターの作成、配布やSNSの活用等により啓発活動を効果的に展開することとしております。 今後、刑事法の見直しに係る状況も踏まえつつ、関係省庁とも連携して積極的に広報啓発を行い、性的同意の重要性について周知してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 法曹関係者への理解の部分、非常に大事だと思っていまして、私自身もそうですけれども、やっぱりこの強姦罪とか強制性交等罪の暴行、脅迫というのは非常に狭い意味のもので、被害者が著しく抵抗が困難になるような、それぐらいのひどい暴行、脅迫がないと成立しないんだということが非常に基本的な知識として持ってしまっているわけですね。 そういう中で、やっぱり、もちろん、これまでも裁判の運用では、必ずしも暴行、脅迫自体がそういうものでなかったとしても、その他の条件とかいろんな環境を考慮をして適切に判断をしてきた部分もあったかとは思いますけれども、やっぱり元々の、何といいますか、暴行・脅迫要件というのはこういうものだということがありますので、今回の改正要綱を見ても、暴行、脅迫という言葉は残りますので、例えばこの暴行、脅迫というのはどういう意味なのかということも非常に重要ですし、前回の法改正以降、例えば検察官に対する研修ですとか被害者の皆さんからのレクチャーみたいなこともやってきていただいたと聞いております。そういったことで少しずつは変わってきているのかなとは思っているんですけれども、本当に全力を挙げてやっていかないと私はいけないのではないかなと思いますので、是非よろしくお願いします。 あと、国民的理解というのも内閣府さんに本当にお願いをしたいと思います。 比較的最近の裁判例で、被害者本人は同意はしていなかったと、そういった行為はしたくなかったと、そういう思いでいたんだけれども、被告人の犯人側が、裁判所の認定として、そういう女性の気持ちを推し量るようなことはできないような、どちらかというと、何というか、何というんですかね、そういうことに鈍いような性格であったからそういったことは認識できなかったと、だから声がなかったみたいな、そういう裁判例がたしかあったかと思います。 それでは全く、何というか、本当に適切な運用なのかなというのは正直疑問がありますし、法曹関係者の理解とともに、やっぱり先ほども申し上げたような性的同意のプロセスということを広く国民に知っていただかないと、この改正が今後実現したとしてもこの被害者の方々の悲しみというのはなくならない可能性があるので、本当にここが重要だと思っています。是非よろしくお願いします。 内閣府さんを中心に、これまで性犯罪・性暴力対策の集中強化期間という取組をしてきていただきました。これは一応、今年度までというふうに聞いておりますが、今申し上げたように、この問題というのは非常に重要ですし、来年度以降も是非この取組を続けていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(畠山貴晃君) お答えを申し上げます。 性犯罪、性暴力への対策につきましては、令和二年六月、関係府省において性犯罪・性暴力対策の強化の方針を策定しまして、令和二年から今年度の三年間を集中強化期間として対策の強化に取り組んできたところです。 一方で、現在、刑事法改正に係る検討が行われているところであり、また性犯罪、性暴力をめぐる状況につきましては、ワンストップ支援センターへの相談件数が年々増加してきているなど、今後も対策の更なる充実が必要と認識しております。 このため、内閣府におきましては、関係省庁と連携して、現行の強化の方針の後を継ぐ方針の策定に取り組んでいるところです。これにより、今後とも集中強化期間の取組の継続、強化を図ってまいります。
○佐々木さやか君 よろしくお願いします。 この集中強化期間、三か年だったかなと思いますけれども、この間に、例えば文科省の関係でいうと命の安全教育ということも連携して取り組んでいただいたりとか、先ほど申し上げた検察官等法曹関係者の研修ということもいろいろと進んできていただいて、一定の成果はあるかなと思います。 ただ、命の安全教育とか、そういったところについては、まだやっとスタートしたかなと、ようやく全国で実施をこれからされるという、もう本当に、まずはこのスタートの環境をこの三年で整えたと言えるかどうかかと思います。この性的同意に関する国民的理解を私は本当の意味で得るには、もう一生懸命やって十年ぐらいは掛かるんじゃないかと思うんですよね。この三年やって、また次、何年の計画か分かりませんけれども、是非、そういう長期的な視点で、重要なこととして取り組んでいただきたいというふうに思っております。 この改正の要綱の先ほど申し上げました例示行為の中に、事由ですね、事由の中に、行為については心身に障害を生じさせること、事由の中には心身に障害があることという記載がございます。 これについても、障害のある当事者の皆さんを支援する団体の方々から、この障害ということが入ったことについての評価のお声というのをいただいています。障害のある方々に対するこの性犯罪、性暴力というのは、本当に最近ようやく光が当たってきたというか、問題が認識され始めてきた。非常に長年にわたって重要な問題だったわけですけれども、当事者の皆さんの本当にこの小さな声になかなか耳を傾けてこれなかったのかなと思います。 この心身に障害があることに乗じてわいせつな行為をした者は罰せられるという要綱案になっておりますけれども、例えばどういう場合といいますか、どういうことをイメージしたらいいのかということについて、現時点で御説明できることをお聞きしたいと思います。お願いします。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 法制審議会から答申された要綱骨子、第一の心身の障害につきましては、部会での御議論におきましては、身体障害、知的障害、発達障害及び精神障害を指すものであり、その程度は問わず、一時的な障害も含むものとして用いられておりましたところでございます。 その上で、要綱骨子、第一の罪が成立するためには、心身の障害が原因となって同意しない意思の形成、表明、全うが困難な状態にあることが求められておりまして、例えばですが、心身の障害により同意しない意思の全うが困難であることに乗じて性的行為をしたと認められる場合には成立し得る一方で、心身の障害があっても同意しない意思の形成、表明、全うが困難とは認められない場合には成立しない場合もあるという趣旨であると理解をしております。
○佐々木さやか君 今の御説明だと、具体的にどういう場合にどうなるのかというような当てはめまではちょっとよく分からない部分もあるんですが、ここについては当事者の皆様もいろんな御懸念もあるそうなので、私も勉強しつつ、今後、改正案が審議されるということになった場合にはしっかりといろいろと伺っていきたいと思います。 次に、今日、伊藤政務官にお越しいただいておりまして、御質問させていただきたいと思うんですが、今、性犯罪、性暴力のことについて議論をさせていただきました。こういったことというのは、残念ながら、学校生活の中で、子供たちが学校の中でそういう被害に遭ってしまうということもございます。 例えば、こういう報道があったんですが、昨年の十一月に、学校の健康診断中に女子中高校生が、学校のですね、学校医、医師として派遣されたその医師から盗撮の被害に遭ったと、上半身裸の状態でこの健康診断を受けていたわけですけれども、それを診察していた医師が盗撮を行って、その医師は児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたというふうに報道がありました。 非常に、こういったことというのはあってはならないことでありまして、もちろん学校医の先生方も大多数の方が熱心に、激務の中、子供たちの健康のために御協力をいただいているわけでして、こういう僅かな事例がそうした医師の先生方の信頼に関わってきたりとか、また仕事に支障が出るというのは非常に避けなければならないことではあるんですけれども、やはり子供たちがこういう学校で被害に遭うというのは一件でも多過ぎるというふうに私は思っております。 こういうことについての被害防止に取り組んでいただきたいというのはもちろんなんですけれども、これに関連しまして、そもそも学校における健康診断、これを先ほど申し上げたように、女子中学生、高校生も上半身全て裸でやらなきゃいけないと、そういったことについて、非常に、子供たちのプライバシーへの配慮ですとか、傷ついたりとか、最悪の場合こういう被害もあるということで、非常に子供たち若しくはその御家族が今不安に思っていらっしゃいます。 例えば、兵庫県の宝塚市では、上半身裸ということではなくて、下着も着けたままでこういう学校健診をやっているというところもあって、そこではどうしてそういうことをしているかというと、やはり現場の声、そういう子供たちを含めた声を聞いて、反映させる形でそうしているらしいんですけれども、そうなると、子供たちやまた親御さんからすると、ここではこういう方針、こっちではでも駄目とか、かつ、そういう被害も生じるとなったらやっぱりちょっと不安だし、上半身裸でやる必要あるのと、こう思うのは当然かなと思います。 そこで、お伺いしたいと思いますけれども、この学校健診において、児童生徒のプライバシー若しくは心情、こういったことも十分に尊重されるべきでありますし、今、現場で恐らく困っていらっしゃるのは、そういう声がある、配慮したいけれども、学校の先生方も、いろんなお仕事の中で現場の調整というのも非常に大変だと思います。そういったこともありますので、やはり文科省として責任を持って、子供たちの健康と、またそうした被害に遭わないための安全とか、あと、そうした御家族を含めた様々な不安の声をしっかり受け止めて、文科省として責任を持って、一定のこの実施のための指針となるような考え方を示していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(伊藤孝江君) お答えいたします。 学校における健康診断を実施するに当たっては、正確な検査、診察を実施するとともに、児童生徒等のプライバシーの保護や心情への配慮が重要と考えております。 文部科学省では、令和三年三月に、児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点につきまして事務連絡を発出をしております。脱衣を含む実施方法について、必要に応じて事前に児童生徒等及び保護者の理解を得ることや、検査の際には個別の診察スペースの確保等についても配慮をすること、また、検査を待つ間の児童生徒等のプライバシーの保護にも配慮をすることなどについて周知をしてきたところです。 一方、検査時の具体的な服装の着脱等につきましては、地域、学校によって考え方や対応が異なること、児童生徒等や保護者に服装に関する共通認識が図られていないことなどの課題があるとも認識をしております。 このため、文部科学省においては、今後、日本医師会の御協力をいただきながら、児童生徒等のプライバシーや心情に配慮をした正確な検査、診察の在り方について検討していきたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 是非そうした医師会の先生方とも協議をいただいて、現場が困らないような、また子供たちのプライバシーや心情もしっかりと尊重されるような指針を是非御検討いただきたいと思います。ありがとうございます。 政務官への質問はこれで終わりますので、退室いただいて結構です。
○委員長(杉久武君) 伊藤文部科学大臣政務官は御退席いただいて結構です。
○佐々木さやか君 子供たちの今性被害ということを申し上げましたけれども、いわゆる痴漢、これも大変に十代の子供たちが被害に遭っている性犯罪であります。 公明党は、電車における女性専用車両の導入など、これまでもこの痴漢対策ということについて取り組んできたんですけれども、先ほど申し上げた性犯罪・性暴力対策の集中強化期間、国として各省連携して取り組んできていただきました。やっぱりこの性暴力、性犯罪をなくそうという中で、痴漢というのはある意味一番身近に起こり得る、巻き込まれ得る性暴力、性犯罪なわけです。ですから、やっぱりこの痴漢をなくす、その被害に遭わない、そうしたことの対策というものにも是非力を入れていただきたいというふうに思っております。法務大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 痴漢は、個人の尊厳を踏みにじる重大な犯罪であり、断じて許すことはできないと思っています。 政府におきましては、令和四年六月に男女共同参画推進本部等で決定された女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二二の中で、令和四年度中に痴漢撲滅パッケージを取りまとめる、こういうこととされておりまして、現在、内閣府が中心となって検討が進められているものと承知しています。 法務省としても、内閣府や警察庁など関係府省と連携して、痴漢撲滅パッケージの取りまとめはもとより、同パッケージに基づく痴漢対策にしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
○佐々木さやか君 よろしくお願いします。 今もおっしゃっていただいたように、女性版骨太の二〇二二に、この痴漢対策をしっかりやっていくということで、ある意味、初めて国がこの痴漢という犯罪に対して本気で取り組もうと、このようにしていただいたというふうに思っております。それについては本当に感謝を申し上げたいと思います。 公明党といたしましても、この痴漢被害について、特に若い世代の皆さんからの声をこれまで聞いてまいりました。その中には、本当に実際に被害に遭ったという子供たちの声もありました。 今年、去年ですね、去年、東京の台東区にある私立高校が生徒にこの痴漢被害についてのアンケートを行ったそうであります。それによりますと、生徒の七百七十人だったかな、にアンケートを行ったんですが、それの結果によると、女子生徒の四人に一人が痴漢の被害に遭っていると、また、男子生徒も二・九%が被害に遭っているそうです。この私立高校ではほとんど九割が電車通学ということで、やはりそういう環境の中で、これだけ、四人に一人ですので、子供たちが被害に遭っていて、朝、そういう非常に嫌なつらい思いをして学校に来なきゃいけないと、こういう状況に子供たちが置かれているということを国としても是非しっかり認識をいただいて、こういった犯罪の撲滅に力を入れていただきたいと思います。 実際に被害に遭ったことがあるという若い方のお話を聞くと、例えば、朝、そういった被害に遭って学校の通学途中に被害申告をしたと。そこからいろいろ警察の方にお話を聞かれたりなんかして、実際に解放されたのが夕方だったと。要するに丸一日ですね、その対応に追われて、恐らく警察署にずっととどめ置かれたんだと思います。 そういったことがあったりとか、被害に遭いながら、それだけのことがあって学校に行って普通に勉強するということも難しいかもしれませんけれども、やはり一日拘束されるというのは大変ですし、また、この痴漢被害というのは、いわゆる矮小化、そんなこと大したことないでしょうとか、そういうふうに周りにも言われがちで、学校の先生に例えば相談しても、それぐらい我慢しろというふうに言われて傷ついたりとか、いろんな本当に問題があります。 先ほどの私立高校の調査でも、それだけの子供たちが被害に遭っているんですけれども、誰にも相談しなかった生徒が四〇%だそうです。親にも友達にも言えなかった、ましてや警察になんて絶対言えないと。それだけ、何というか、声を上げにくい性犯罪、性暴力でもあります。 なので、こういったこの痴漢被害対策についてはいろいろとやっていただきたいことがあるんですけれども、今日は法務委員会ですので、法務省にお聞きしたいと思います。 この痴漢加害者の再犯防止の更生プログラムというものに実施を、力を入れていただきたいと思います。この痴漢という犯罪は再犯率が高いというふうに言われていまして、ある調査では、五年以内の再犯率が四割ということもあるそうであります。やっぱり、そのまま罰金とかになったとしても、また同じ犯罪を繰り返すということでは大変問題ですので、どうやって更生させるかという再犯防止に力を入れるべきであります。 かつ、痴漢という犯罪は、そこまで刑罰が、残念ながらというか、重くないですので、不起訴になる場合もあります。若しくは罰金ということで、特段、矯正施設に入ることがないということも多くありますので、そういった再犯のための更生プログラムというのは、何といいますか、刑事施設、矯正施設で行うというものではなくて、社会の中で行っていくということも重要だと思いますので、例えば地方公共団体の方でそういった取組をしていただくということも重要だと思いますけれども、これについて法務省の取組を伺いたいと思います。
○政府参考人(上原龍君) お答えいたします。 法務省では、痴漢を含む性犯罪の再犯防止対策として、矯正施設及び保護観察所において認知行動療法を生かした専門的な処遇プログラムを実施しているところでございまして、この点しっかりと取組を進めてまいりたいと思います。 また、息の長い支援という観点から、今御指摘がありましたような刑事司法手続を離れた者に対して支援を行うこともまた重要であると認識しております。刑事司法手続を離れた者に対する支援に対しては、住民に対して様々な行政サービスを提供する地方公共団体が果たす役割が重要と認識しておりますが、地方公共団体は、性犯罪者に対応するための専門的な知見を必ずしも十分には有していないというのが実情であると考えております。 そこで、法務省では、本年度、民間の事業者に委託をして、地方公共団体等が地域社会で活用可能な性犯罪者に対する再犯防止プログラムの開発を進めておりまして、今月中には地方公共団体に提供する予定としております。 今後、地方公共団体においても本プログラムの活用が図られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 是非多くの地方公共団体でそうしたプログラムが実施されていただきたいと思います。 それから、先ほども申し上げたように、この痴漢の被害に遭ったということを申告すること自体も被害者にとっては非常に大変なプロセスであるということでありますので、その被害申告のプロセス、捜査段階で二次的な被害に遭うようなことがないように十分配慮をしていただきたいと思います。 性犯罪に対する対応については、女性警察官を対応させる等、いろいろと取組をいただいていると思うんですけれども、この痴漢被害というのは、迷惑防止条例違反だったりとか、警察の方でも対応する課が異なっていたりなんかして、必ずしもこの痴漢の対応について十分徹底されていないんじゃないかなという懸念を持っております。ですので、警察庁、また法務省、それぞれの捜査段階においてしっかりこういったことを徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(友井昌宏君) お答えいたします。 痴漢事犯は被害者に深刻な被害をもたらす悪質な犯罪行為であり、捜査過程における被害者の負担を軽減し、警察に対して被害申告をしやすい環境を整備することは重要な課題であると認識をしております。 そのための取組として、警察においては既に、痴漢被害の申告、相談を受けた際には対応する捜査員の性別に関する希望を確認する、重複した聴取を行わないようにする、捜査の各過程において被害者のプライバシーの保護に配意するなどの措置を講じるよう努めております。 これらのほか、被害者が警察に被害の申告をした後の警察捜査の流れにつきまして、その概要を広く周知することを検討しており、引き続き被害の申告、相談をしやすい体制整備を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 いわゆる痴漢事件の被害者を含む犯罪被害者の方々の保護、支援に当たりましては、一人一人の心情に配慮した対応が重要であると認識をしております。 検察におきましては、犯罪被害者等の方々への支援に携わる被害者支援員を全国の地方検察庁に配置しておりまして、それぞれの方が置かれた状況やその特質に応じた様々な御相談に対応しておりますほか、被害者ホットラインを設け、犯罪被害者等の方々が検察庁に来庁しなくても気軽に電話等により被害相談や事件に関しての問合せができるようにしているものと承知しております。 また、法務省におきましては、被害者支援員を含む、検察官、検察事務官も含めてですね、検察の職員に対する研修におきまして被害者の心理に精通した専門家による講義などを実施しておりまして、被害者の対応をする際にはその心身の状況等に十分配慮した対応を取るように努めているものと承知をしております。 検察当局においては、このように被害者の心情に十分に配慮をするとともに、その二次被害を防止し、それに加えて、日本司法支援センター、法テラスですね、それから警察、弁護士会、民間被害者支援団体、地方公共団体等と連携をするなどしておりまして、更なる犯罪被害者等の保護、支援の充実に努めているものと承知をしております。
○佐々木さやか君 やっぱり、どうしても捜査手続とか刑事司法手続というのは、被害者というものがなかなか従来登場人物ではなくて、法に違反した者を取り締まる、処罰をするという手続の中で、被害者からの視点というのが置き去りにされてきた経緯があります。 大分改善はされてきたと思っておりますけれども、やっぱりこの捜査一つ、調書を取る過程一つにおいても、やっぱり全く一般の市民の方が専門的知識も何もなく巻き込まれてどういう思いがするのか、ほかにも、仕事だったり学校生活だったりいろんなことがある中でどういう御不安を持つのかということも、是非、警察庁、法務省、関係者の皆様も現場で配慮をいただけるように、体制の充実とか整備も必要かもしれませんが、そういったことにも現代的な問題として是非取り組んでいただきたいと思います。 次に、いわゆる弁護士保険のことについてお伺いしたいと思います。 これも、子供の学校でのトラブルの関係で、ある方から私、御相談をいただいたんですけれども、学校生活の中でいろんなトラブルに巻き込まれることがあります。例えば、いじめの被害ということ。残念ながら、そうした被害に遭って学校の先生に相談する、また教育委員会に相談をする。でも、その中でなかなか思うような解決に至らなくて、じゃ、どうするかというと、やはり弁護士に相談をする。その中で、場合によっては教育委員会にいろんな代理人として働きかけてもらったりとか訴訟に移行したりとかということがあるわけなんですけれども、やはり弁護士を頼むとなると非常に費用が掛かりますので、なかなか経済的によっぽど余裕がないとそういう手段を取ることができない、そういうお声をいただきました。 この学校と弁護士という関係について、最近はスクールロイヤーとか、先生方のいろんなお悩みとか、こういういじめとか様々な対応についても法曹が専門家の立場から関わるということがだんだん普及してきました。ただ、子供たちの側、そういう側からの相談というのは、まだそういう制度はございません。 そこで、先ほど申し上げたこの弁護士保険ということなんですけれども、今は交通事故とか一定の対象が限られた民間の商品があるというふうに認識をしております。ただ、例えばいじめの被害に遭ってそういった弁護士に相談したいというような場合にも対応ができるとか、そういう新しい司法アクセスを国民にとって良くしていくためのこういう民間の保険というのはまだまだ可能性がありますし、いいものが普及していけばいいんじゃないかなというふうに私は思っております。 そこで、これは基本的には民間の取組ではありますけれども、日本における司法アクセスの問題として是非法務省にも御関心を持っていただいて、この弁護士保険について考えていただきたいなと思っているんですが、この弁護士保険の意義と、また周知、広報というようなことの必要性についてどういう御認識を持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 国民の司法へのアクセスを容易にするための方策といたしまして、弁護士費用保険が普及することには意義があると認識をしております。 弁護士費用保険は、日本弁護士連合会等の取組によりまして普及が進んできている状況にあると認識をしておりまして、法務省といたしましても、引き続きそのような取組をしっかりと見守ってまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 法務省としては今は見守るという段階にあるんだろうとは思いますが、私も、例えば学校生活の関係でいえば文科省とか、関係省庁ともいろいろ議論していきたいなと思っております。 最後に、ゲーム課金のトラブルについてお聞きしたいと思います。消費者庁さんに今日はお越しをいただいています。 子供のインターネットのゲームの課金のトラブルというのは非常に多く発生をしております。これも御相談をいただいたんですが、ある方は、一人親でお子さんを育ててられて、知らない間に子供が高額の課金をしてしまってどうしたものかと。ただ、今その親御さんより子供たちの方がタブレットとかいろいろ、そういうインターネットのゲームというのは操作が慣れていますし、なかなか親御さんたちも忙しい中、もちろん監督はしっかりしなきゃいけないわけですけれども、難しい部分もあったりすると。 その方は、被害金額が例えば五万円とか、そういう金額だと弁護士に頼むといってもなかなか難しいですし、弁護士費用の方が掛かってしまいますし、かといって、一人で何とかするにはどうしたらいいのかということで非常に困ってしまったと。もう一人親でお子さんを育てていらして、五万円の金額を払うというのも非常に負担ですので、泣き寝入りするということでは本当に問題だなと思っております。 こういったゲーム課金のトラブルを防ぐためには、やっぱり消費者庁さんの方で是非お取組をいただきたいというふうに思っておりまして、現状、どのように対応していらっしゃるかということ、それから、そうしたトラブルを防ぐためのやはり啓発広報活動にも力を入れていただきたいと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(植田広信君) お答えいたします。 子供のゲーム課金のトラブルについてでございますけれども、オンラインゲームについて、全国消費生活相談情報ネットワーク、PIO―NETでございますけれども、PIO―NETにおける消費生活相談の件数は、二〇二二年度は、二月末までの時点でございますけれども、五千七百七十六件、このうち未成年者に関する相談は三千六百二十三件となっております。子供が親の同意を得ず高額の課金を行ったが、課金を取り消したいといった相談が多く寄せられていると承知をしております。 消費者庁におきましては、これまでにもオンラインゲーム課金に関する注意喚起を行ってきておりますけれども、このように多くの相談が寄せられているという状況を踏まえまして、主に未成年者によるオンラインゲーム課金の相談内容と対応状況を分析いたしまして、昨年六月に、オンラインゲームに関する消費生活相談対応マニュアルというものを作成をしております。本マニュアルには、相談員が取るべき対処のほか、未成年者の課金に関する法律上の取扱いについて記載をしております。 消費者庁においては、このマニュアルを用いました研修により相談対応の充実を図り、被害の救済に取り組みますとともに、マニュアルを消費者庁のホームページに公表し情報発信をするということをやっておりまして、消費者自らでも被害の防止、救済に必要な知識を持っていただくよう、啓発に取り組んでいるところでございます。 引き続き、消費者庁といたしまして、消費生活相談の動向等を注視し、広報啓発に力を入れてまいります。被害の防止、救済に取り組んでまいりたいと存じます。
○佐々木さやか君 よろしくお願いします。 最後に法務省にもお聞きしようと思いますが、未成年者取消し権も引き下げられましたので、やっぱりこういうゲーム課金のトラブルに巻き込まれてしまう件数が増えることも懸念をされます。そういう観点からも、是非、被害防止、救済のための取組に関係省庁とも連携して力を入れていただきたいと思います。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 若年者が消費者トラブルに巻き込まれないようにするためには、契約の締結に際しまして、その内容や効果を正しく理解することが極めて重要であると考えております。そのような観点から、契約自由の原則ですとか、あるいは私的自治の原則など、私法の基本的な考え方の理解を深めることを含め、法教育を広く国民に浸透させていく必要があると考えております。 法務省では、これまで、法教育教材の作成、配付、教員向け法教育セミナーの開催、あるいは法律専門家による出前授業の実施など、特に学校現場においてより充実した法教育が実践されるように取組を進めてまいったところでございます。 また、成年年齢引下げによりまして若年者が契約上のトラブルに巻き込まれることを未然に防止するため、令和二年度以降、契約や私法の基本的な考え方などについて分かりやすくまとめました高校生向けの法教育リーフレットを作成いたしまして、全国の高校二年生を対象に配付をしているところでございます。 なお、この法教育リーフレットでございますが、法務省ホームページで公開をしておりますところ、公開以来、大学や関係機関等からも問合せが寄せられるなどしておりまして、広く一般にも利用されているものでございます。 法務省といたしましては、引き続き、委員御指摘のように、関係機関等と連携をしながら、私法の基本的な考え方についても理解を深めていただけるよう、法教育の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(杉久武君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木宗男君が委員を辞任され、その補欠として音喜多駿君が選任されました。 ─────────────
○委員長(杉久武君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。本日もよろしくお願いいたします。 さて、一昨日の大臣所信で齋藤大臣はこうおっしゃいました。子供に深い傷を負わせる児童虐待については、政府で取りまとめた「児童虐待防止対策の更なる推進について」も踏まえ、関係機関と連携し、その根絶に取り組んでまいります。 実は、私の手元にその取りまとめがあるわけなんですけれども、児童虐待防止の更なる推進についてに即し法務省ができることは何か、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(齋藤健君) まず、児童虐待は決してあってはならず、政府を挙げてその根絶に取り組んでいるところであります。 法務省では、令和四年九月に決定されました政府方針、「児童虐待防止対策の更なる推進について」も踏まえ、関係府省庁と連携しつつ、児童虐待の発生予防、早期発見や、児童虐待発生時の迅速、的確な対応に取り組んでいるところであります。 例えば、人権擁護機関における人権相談等を通じた児童虐待の早期発見、早期対応、法務少年支援センターにおける地域の子供やその保護者等への支援、検察庁における警察及び児童相談所との情報共有及び代表者聴取などを実施しているところであります。 また、昨年十二月には民法等の一部を改正する法律が成立し、子の利益の保護の観点から民法の懲戒権に関する規定等の見直しが行われたところでございます。 引き続き、政府の一員として、関係府省庁や児童相談所等の関係機関と緊密に連携しながら、児童虐待防止対策に全力で取り組んでまいります。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 改めまして、前回の国会で民法改正、懲戒権を削除していただきまして、心から感謝申し上げます。 また、大臣、先ほど言っていただきましたように、人権相談であるとか地域一体となって子供の相談、フォローをしていくということでありますとか、警察等代表者聴取というものも取り組んでいらっしゃるということで、想像し得るものを全てやっていこうという姿勢はうかがうことができます。けれども、この辺り足りていないのではないですかというところをちょっと御指摘申し上げたいと思います。 その前に、配付資料の一枚目、御覧くださいませ。東京都あきる野市で五歳の男の子が母親の交際相手から暴行を受け脳死状態になっていた事件ですけれども、昨日動きがありまして、男の子亡くなりました。年間の出生数が八十万人を割っていますこの日本で元気に生まれてくれたのに、大人になることができなかった男の子に対して心から御冥福をお祈りしたく思います。 また、五年前の三月、ちょうど今頃ですけれども、目黒区の虐待死事件、船戸結愛ちゃんの御命日がございました。これも、母親の新しいパートナーによる暴行によって彼女の命が奪われたわけでございます。じいじ、ばあばと慕っていた親族は、結愛を返してほしいというふうに涙ながらに訴えていたというふうに記事にあって、私も拝読をしたことがございます。 配付資料二枚目、御覧くださいませ。この辺りが欠けていませんかと御指摘申し上げると言っていた点なんですけれども、「児童虐待防止対策の更なる推進について」、項目が大きく十項目あるんですけれども、ここには触れられて一部いたんですけれども、御覧いただきたいと思います。 児童虐待による死亡事例等を踏まえ、親の交際相手等に対しても、子供の安全確保の観点から調査等の必要な対応を講ずることや云々ということで、先ほど御覧いただきました記事、脳死から亡くなった事件もリンクいたしますけれども、親の交際相手というところにも御注意を払っていただいているというのが受け取れます。 一方で、下の下線、御覧ください。支援に関わるNPOや子供食堂など多様な民間機関の要対協への参画を進め云々とあるんですね。 ここで、誰か忘れていませんかということなんです。血のつながったもう片方の父親ないし母親、その祖父母はどこに行ったのかと、私たちは悲惨な子供のニュースを目にするたびに思うわけです。社会の様々な機関によってセーフティーネットを多層にしていくというのは言わずもがな大切なことなんですけれども、血のつながった生みの父母や祖父母、親戚、全く蚊帳の外のようにこの項目を見ると思えてしまうわけなんです。 日本は単独親権国家で、夫婦が離婚すれば、親権を持たない親や祖父母、いとこ、親族等と子供とのつながりがほぼ断絶状態になるというケースも珍しくございません。親子の交流、面会交流が、やろうと思えばできますよとはいえ、実際に満足に行われているかといったら、そういう現状にはないと承知をしております。 そこで、お伺いいたします。 一の二の質問要旨になりますけれども、虐待児の親が離婚していた場合、親権を持たない親が別居時の被虐待事実を知るすべは法的に担保されていないと解釈しているが、間違いないでしょうか。大臣、お願いいたします。
○政府参考人(金子修君) 現行民法等の解釈に関わる部分を私から御説明します。 児童相談所が同居親による児童虐待を認知した場合において、親権を有していない別居親に対してその児童虐待の情報を提供する仕組みはないものと承知しています。 また、父母の離婚後に、親権を有していない別居親が同居親による子の虐待の事実を調査するようなことを直接の目的とする手段については、民法には規定がございません。 もっとも、民法七百六十六条第一項及び第二項によれば、父母が離婚する際に又は離婚後に、親子交流に関する事項につき、父母の協議により、又は家庭裁判所が定めるとされておりまして、別居親がこの親子交流の機会に子と接する中で同居親による虐待の事実を知ることはあり得るものと考えられます。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 お答えいただきましたように、親子交流の中で子供の方から訴えてくれれば知ることができる場合もありますよということだと思いますけれども、かなりのレアケースだと思いますし、法的にそういった被虐待の事実を別居親が把握することができる法的な担保というのはないというふうに私は理解しております。 今月三日の予算委員会、嘉田由紀子議員の質疑において明らかになったのは、一人親世帯における虐待死割合の高さです。 子供を有する世帯は日本で千百二十二万世帯ということなんですけれども、うち一人親の家庭は七十二万世帯、全体の六・五%です。父母がいる世帯が十数倍ということで圧倒的に多いので、過去四年間の虐待死の件数自体は父母のそろった家庭が上回ることになります。 一方で、日本の全虐待死のうち、一人親家庭で起きているケースがどれぐらいの割合なのかというと、極めて高い実情がございます。一人親世帯は、子を持つ世帯割合に比して六・五%にもかかわらず、内縁関係の者や一人親本人からの虐待によって殺された子供というのは、全被害者のうち三五%を占めるということですね。 虐待死は、何度も虐待通告を受けている事例がたくさんあります。その事実を児相が別居親に知らせることというのはできないんですね。もちろん、別居親に問題のある場合も一定数あるとは思うんですけれども、反対に、遠く幸せを祈っていた血を分けた我が子が虐待によって変わり果てた姿になるならば、なぜ守ってやれなかったのかと、生き地獄を過ごすことになります。 社会的なセーフティーネットを充実させる必要性はもちろんあるんですけれども、加えて、生みの親やその親族とのセーフティーネットも必要ではないかと思います。児相から連絡が必須となるシステムが必要ではないかと思いますが、齋藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 先ほども申し上げましたけど、私は、児童虐待の防止は非常に重要な課題であって、関係機関とも連携して全力で取り組んでいく必要があると認識しています。私の地元の野田市で、かつて虐待で女の子が亡くなるということもありましたので、非常に生で重要性を感じているところであります。 法務省は家族法制を所管しているわけですが、その見直しの議論の中でも、共同親権制度の導入が児童虐待の防止にも資するとの意見があるということは承知をしております。こうした意見は、共同親権制度を導入すれば、例えば児童相談所が同居親による虐待を認知した場面において別居親にその情報を提供可能となる、結果として別居親による子の救済の機会が増えるのではないかということを指摘するものと理解をしています。 ただ、父母の離婚後の親権制度の在り方につきましては、現在、法制審議会において調査審議が進められていることでありますので、諮問をした立場である私が具体的な意見を述べるということは差し控えるべきだろうと思っておりますが、法制審議会では御指摘の点も含めて様々な角度からの充実した審議がされることを期待しているということであります。
○梅村みずほ君 大臣は、事の重要性、大変深く理解してくださっていると思います。 先ほども述べました船戸結愛ちゃんですけれども、前のパパがよかったとおっしゃっていました。そのSOSを私たちは忘れてはいけないと思います。 脳死から死亡に至った、今回、先ほど記事御覧いただきました男の子については、交際相手の男性との同居から僅か二か月ほどと推察できますので、児相にはかかっていないんですね。そういったケースもあるんですけれども、共同親権や共同養育、親子交流というものがこの二か月の間に何回かあれば防げた、そういった可能性も排除できないというふうに私は思っております。 齋藤大臣は一昨日の所信表明において、困難を抱える子供たちへの取組を進めるために、父母の離婚等に伴う子の養育の在り方について、所要の制度の見直しについて検討するとともに、運用上の対応にも取り組んでまいりますと述べておられます。 まさに、困難を抱える子供たちへの取組を進めるために、ここからは、もう既にワードとして出ておりますけれども、親権制度、家族法について引き続きお伺いしてまいります。 配付資料の三枚目を御覧くださいませ。 以前、この委員会でも申し上げましたけれども、片方の親がもう一方の親のネガティブイメージを植え付けるなどして子供がその親を嫌悪するといったような、片親疎外と呼ばれるようなものですね、諸外国では家庭内暴力ないしは虐待とみなされています。 単独親権制度のデメリットとしてこの片親疎外が問題視されているということは把握していらっしゃるか、大臣に確認をさせてください。
○国務大臣(齋藤健君) 離婚後の父母の親権制度に関し、いわゆる共同親権制度を支持する立場の方からは、同居親の別居親に対する行動や態度等が子の心身に悪い影響を生じさせる等の意見が述べられていることは承知をしております。
○梅村みずほ君 法制審の議論の中で御承知おきいただいているということです。 続いて質問いたします。 親権を自分のものにしたいというような気持ちが働いて、虚偽のDVを訴えるケースがあるのは把握していらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 離婚などの裁判手続におきまして、当事者の一方が自己の立場を有利にする目的でいわゆるDVを受けたという虚偽の主張をしている場合もあるとして、そのような当事者の対応を批判する意見があることは承知をしております。
○梅村みずほ君 意見があるということでお答えをいただきましたけれども、私、この件につきまして、菅政権時代、加藤官房長官にお尋ねしたことがございます。 当時の加藤官房長官、こうおっしゃっていました。虚偽DVによって長期間子供と引き離されることについては、ケース・バイ・ケースではありますが、これにより心身に有害な影響を及ぼしたものと認められる場合には配偶者からの暴力に該当するもの、つまりは精神的DVですね、に該当する可能性もあり得るというふうに御答弁をいただいておりますので、しっかりとそちらも踏まえていただければと思います。 この点は、今国会提出でDV法改正案が出てきますけれども、考慮に値すると思って、私は個人的に思っております。 では、続いてですけれども、別居親が子供に会えない苦しみから自殺をするケースがあることは、大臣、把握していらっしゃいますか。
○国務大臣(齋藤健君) 個別具体的にこのケースというふうに把握しているものではありませんが、別居親が子に会えないことを理由に自死するケースがあるという報道には接したことがございます。
○梅村みずほ君 先月も北海道でありました。子供に会える日の希望と会えない絶望の間で何とか一日一日をつなぎ止めているという親がこの日本にはたくさんいらっしゃるんですね。その方の残されたお母様、自分の息子は自殺し、たった一人しかいない孫にも会えていない。お母様は、息子は法律に殺されたも同然ですとおっしゃっていました。 父親の自殺だけではありません。産後うつをきっかけに夫との関係が悪化してDVを受けていた女性、その後、本人の同意なく医療保護入院というのが日本ではできてしまいますので、入院をさせられてしまって、その後にまた家から追い出されるなどして子供に会えないまま五年間耐え忍ばれましたが、たまらなくなって命を絶たれたお母様もいらっしゃいます。残された、その母親のお母様、おばあちゃまですね、こうおっしゃっています。娘は死んでしまったけれども、孫には必ず会えると信じていますと、あの子が孫のために用意しておいたクリスマスプレゼントの絵本を渡したいですとおっしゃっています。母親が亡くなったとき、お子さんは三歳代で、今十五歳だそうです。 死ぬ前にたった一人の孫に会わせてくださいという訴え、私、祖父母の方々から数多くいただいております。で、お伺いしたいんですけれども、済みません、質問要旨の⑦に飛ばせてください。祖父母と孫の関係が絶たれるケースがあることについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 父母の離婚後の子の養育の在り方については、父母のみではなく祖父母など多くの人の関与によって子供の心身の成長を図るべきという考え方など、様々な意見があるものと承知をしております。 法制審議会では、子と父母の親子交流についての規律のみならず、子と祖父母との間の交流に関する規律についても議論がされているところでございます。引き続き、法制審議会においては、子の最善の利益を確保する観点から、本件についても充実した調査審議が行われることを期待をしております。
○梅村みずほ君 大臣も、この法の不備といいますか、この今の法体系の中で、母親による面会交流の申立てが増加していることも御存じなのではないかなと思います。そして、母親も自殺したり、祖母が悲しんだりと、この共同親権、単独親権の問題というのは、男性だけではなくて女性の被害者も子供に会えないということで起こっているということも既に御存じだとは思いますけれども、重々御理解いただきたいと思うんですね。 また、これまで日本を支えてこられた祖父母世代の高齢者の方々に、こういった生きがいである孫を奪うというのは、私はちょっと罰当たりだと本当に思っているわけなんです。残された余生を孫と一緒に楽しんでもらいたいというのは大臣も同じ思いかと思います。 ある母親は、国賠訴訟のさなかに思い半ばで旅立った息子の代わりに裁判の原告を引き継ぎました。最終期日の今月二日、こう陳述されています。もう何年も前から共同親権の法改正がなされていないことの問題があるのに、法律が変わることなく、息子は子供たちに会うことができないまま亡くなってしまいました、息子は私の宝物でした、息子の無念を親として知っているからこそ、裁判を引き継ぐことに決めました、このような悲しい親子断絶を孫たちに残したくありません。お母様は現在八十五歳です。 こうした問題をめぐる国賠訴訟というのはほかにも数多く、種類も多くございまして、配付資料の五番目になりますけれども、居所指定権の侵害でもあります子供の連れ去りをめぐる損害賠償請求事件、一月二十五日に判決の出た裁判なんですけれども、新聞記事が表面、裏面は判決文の抜粋ということで御覧いただけますでしょうか。 裏面の方を御覧いただきますと、下の方の下線、「したがって、原告らが主張する刑事法、民事法及び親権の行使に係る手続規定が現に存在するとはいえず、本件立法不作為が認められるというべきである。」。その上の下線ですけれども、「国際機関によるこれらの勧告が、日本の家族法制度に一定の問題提起をするものであることは明らかである。」ということで、臨時国会でも、私、これはもう国際問題だとハーグ条約を話題に出しまして訴えましたけれども、この二点、東京地裁でも指摘されていますが、どのように受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(齋藤健君) 本件は、原告らが国を被告として、婚姻中の一方の親が他方の親の同意なく未成年の子を連れ去ることを防止する立法措置を怠っていたことを理由として国家賠償請求をした事案と承知をしています。 お尋ねの判決につきましては、原告らの請求はいずれも棄却されており、国家賠償法上の違法な立法不作為はないとの国の主張が認められたものと受け止めているところでございます。
○梅村みずほ君 お金を払うところまではいかないよねというようなメッセージに私は受け取っておりますけれども、法には問題があるよねというふうに同時に言っているとも解釈をしております。やはりこれだけの訴訟が起こっていて、苦しい方々が増え続けなければ法律が動かないという現状がございます。 それでは、続いての質問に移らせていただきたいと思うんですけれども、要旨の五番目、二の五になります。 配偶者からのDVの事実がない離婚相談案件において、DVを理由に離婚すれば親権や慰謝料などで有利に働くという持ちかけ方をする弁護士の存在について把握しているか、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のような助言をする弁護士が存在をするという意見があることは承知をしていますが、法務省として個別具体的なケースを把握しているというわけではありませんので、法務大臣として個々の訴訟活動に対して答弁することは差し控えたいんですが、その上で一般論を申し上げれば、我が国の裁判実務において、親権者指定等の判断に当たっては、個別具体的な主張や証拠に照らして、DVの有無も含めた様々な事情を考慮して判断されるものと承知をしております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 では、更にお伺いいたします。 今日はちょっと順番いろいろ前後しまして済みませんが、二の四になります。また、委員の皆様におかれましては、資料の四番御覧くださいませ。 四十代の男性が、元妻と元妻に連れ出しを、子の連れ去りと言われる問題に関してですけれども、連れ出しを助言した代理人弁護士らに千百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審ということで、高裁は元妻と弁護士二人に百十万円の賠償を命じたということで、弁護士が連れ去りを助言するケースがあることを把握されているか、そのようなケースについて一言大臣から伺いたいです。
○国務大臣(齋藤健君) 国が当事者となっている訴訟ではございませんので詳細は把握していないんですが、御指摘のような判決がなされたことは報道により承知をしているところであります。 そして、個別の判決の内容やその中で問題とされた個々の弁護士の活動について、法務大臣としてはちょっとコメントするのは差し控えたいなと思っています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。なかなか答えにくい質問だとは分かりながらも質問させていただきました。 添付資料にはないんですけれども、昨日、日本女性法律家協会が、先月十七日をもって締め切られましたパブリックコメントに意見を寄せられているんですね。共同親権に賛成である旨を明確にお示しいただいています。皆様のお手元に配付できないのが残念なんですけれども、この内容は、昨日、日本女性法律家協会のホームページにて、家族法制の見直しに関する中間試案についての意見書と子供の成育環境のための制度改革の提言として公表されています。ちょっと冒頭だけ読ませていただきたいと思います。 「当協会は、一九五〇年に設立された、女性の裁判官、検察官、弁護士及び法学者からなる団体であり、長年にわたり、家族の問題に深く関心を寄せて研究会を持ち、研究を重ねているところ、現在、法制審議会家族法制部会で検討されている家族法制の見直しに関する中間試案に対する、当協会の家族法制研究会の意見は、次のとおりである。 「家族法制の見直しに関する中間試案」は、父母の子に対する共同養育責任を明確に規定し、これを踏まえて、親子の交流・養育費の支払い義務等についての法整備のほか、離婚後の共同親権制度の導入を図るとする。その方向性について本研究会としては、子の最善の利益を保護し、子どもの権利条約の基本理念に沿うものとして賛同する。」。 以下続くわけなんですけれども、この意見書の中、結構分厚いんですが、面会交流の課題とか、子の連れ去りの事案が少なくないことも含めて非常に多角的に、そして専門的な知見から御意見が述べられておりますので、しっかりと大臣にはお目通しいただきたいというふうに思っております。 さて、パブリックコメントですけれども、ここで確認をさせてください。大臣でなくとも結構です。パブリックコメントの中に、諸外国の政府、大使館等から寄せられたコメントはあるでしょうか。
○政府参考人(金子修君) パブリックコメントの手続において寄せられた意見につきましては現在精査中です。どういった団体からどのような意見が寄せられたかも含めて、今後まとめた形で御報告するということになりますので、現段階ではお答えを差し控えたいと思います。
○梅村みずほ君 内容は教えていただかなくてもいいんですけれども、諸外国の政府、大使館からあったかどうかというのは把握していらっしゃらないんですか。
○政府参考人(金子修君) 具体的な国名等は差し控えたいとは思いますけれども、外国の在日大使館から寄せられたものもあるというふうに承知しています。
○梅村みずほ君 先ほどの国賠の判決文でもありましたし、私も昨年の臨時国会で質問をさせていただきました。各国、やはりハーグ条約違反だということで、国際結婚の場合に現にトラブルになっているわけです。海外ではテレビショーなんかでも特集が組まれたりしているわけなんですね。今後、更に問題というのは進んでいくと思われます。内容が分かりましたらまた公表されると思いますので、私も注視をしております。 では、続いてお伺いをいたします。 諸外国で単独親権を採用している国を教えてください。
○政府参考人(金子修君) 法務省が海外二十四か国を対象として父母の離婚後の親権制度等について調査した結果によりますと、調査対象国のうち、父母の離婚後にその一方のみが親権者となる、いわゆる単独親権制度を採用している国はインド及びトルコのみでございました。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 ほとんどの国は共同親権、共同監護という形になっているかと思いますけれども、たまに耳にするのが、そういう国も揺り戻しが起こっているんだよというような声ですね。実際に、共同親権制度から単独親権制度への見直しや揺り戻しはあるのでしょうか。
○政府参考人(金子修君) 御質問のその揺り戻しということの定義によりますが、少なくとも法務省が調査した限りにおいては、いわゆる制度として離婚後共同親権制度から離婚後単独親権制度への法改正をした国があるということは承知しておりません。 また、そのような具体的な法改正を検討している国があるということも承知しておりません。
○梅村みずほ君 法務省としては確認していらっしゃらないという御返答でした。ありがとうございます。 憲法九十八条二項の条約遵守義務、子どもの権利条約七条、九条、三十七条、すなわち子供が父母から養育される権利、分離されない権利、接触を維持する権利に照らしても早急に法案を取りまとめる必要があると考えております。もちろん、その制度設計きめ細やかにというのは重要なことなんですけれども、スピード感も大事だというのは齋藤大臣御自身もおっしゃっていたことなんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず申し上げなくちゃいけないのは、我が国は児童の権利に関する条約等を誠実に遵守をしているという、その上で、いずれにしましても、父母の離婚後の子の養育の在り方を検討するに当たりましては、子の利益が適切に確保されること、これが重要であるという認識であります。 その上で、父母の離婚後の親権制度の在り方につきましては、繰り返しになりますが、現在、法制審議会において調査審議が進められていることから、諮問した立場であります私から具体的な意見を述べることはやはり差し控えたいということですが、国民の間の様々な意見に幅広く耳を傾けながらしっかりと議論を重ねることが重要であると認識しています。 法制審議会におきましては、今後、パブリックコメントの手続において国民から寄せられた様々な御意見も参考にしつつ、先ほど御紹介ありましたが、子の利益の観点からも充実した調査審議がスピード感を持って行われることを期待しておりますし、それを事務方としてもしっかりサポートをしていきたいと考えています。
○梅村みずほ君 さきの臨時国会から、この通常国会で出してください、大臣、というふうにお願いしてまいりました。ちょっと通告していないんですけれども、大臣、なぜ私がこの国会で法案出してほしいと言ったか、お分かりになりますか。
○国務大臣(齋藤健君) いや、済みません。前回の質疑のことを今つまびらかには思い出せないので、申し訳ありません。
○梅村みずほ君 人の命が懸かっているからです。 先ほども申しましたように、皆さん一日一日ぎりぎりのところで生きていらっしゃるんですね。虐待も、今、命を失うかもしれない子供いると思いますよ、日本に。これ、人の命の問題であって、もちろん丁寧な議論大事なんです。でも、人の命が、この通常国会終わって、また衆議院選挙ありますとなって大臣が替わるかもしれない。大臣が替わったら、また一からやり直しかと。 これは私も、いろんな大臣に陳情といいますか、要望もさせていただきましたけれども、理解というのが本当に大臣によって様々ではないかなと思っているのが私個人の意見なんです。人の痛みというのを、この問題による人の痛みというのを重々理解されている方でないと決断が下せない、それぐらいヘビーなんですね、非常に。 これは、そのDVの問題も御承知のようにネックになっていますし、けれども、私はDV問題はDV対策によって解決するのが一義的だと思っておりますし、今国会で配偶者暴力防止法の改正案が出てきますね。内閣府、仕事が早いなと思っていて、だからといって法務省の皆さんが仕事ができないというんではなくて、それだけ非常に重いテーマだということなんです。 ですから、大臣の立場で申し上げられないというふうに手を離すんじゃなくて、決められないんじゃないかと思っていただきたいんです。何とかまとめなきゃいけないけれども、重い、荷が重過ぎて進められないとなってはいないかと。 ですので、今国会で諦めたくないんです。今国会で出していただけませんか。
○国務大臣(齋藤健君) ここは、法制審に審議をお願いしている立場で、法制審議会で議論が行われているわけでありますので、私にできることは、その審議ができるだけスピード感を持って進んでいくように事務方として最大限サポートしていくということが限界ではないかと思っています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 私は、政治家として、まずは最大多数の最大幸福を考える必要があるだろうと思っています。DVがなくても、虐待がなくても、お父さん、お母さんに会いたいなと思っている子供というのはたくさんいます。 今日は、私の席の隣に音喜多駿議員がいらっしゃいまして、ステップファミリーです。音喜多家は仲よくやっていらっしゃるわけなんですけれども、お子さんと親御さんの関係が良好、でも、そうでない家庭もたくさんあることは御存じだと思います。家族の在り方が多様になっていて、ステップファミリーになって居場所がない、新しいパートナーと元々の親が新しい子供をもうけたと、自分が居心地が悪いんだという子供、たくさんいると思いますよ。 子供の自殺は五百十二人で過去最高になりました。不登校の児童もたくさん増えていて、それがこの問題によるものではないと、まあ全部がもちろんないわけです。複合的な要因があって、それはやっぱり分からないんですけれども、中には家庭問題、特に家庭内での居心地が悪いということで追い詰められている子供たちがいるということです。 やはり、私は、子供の命が懸かっていると思うと大臣に早く早くとせかすものではありますけれども、齋藤大臣がそういった子供たちの命の重みを、そして子供たちの養育に親が必要であるということを分かってくださる方だと信じているので申し上げております。 では、質問要旨ですけれども、今日はたくさん質問を用意したにもかかわらず消化し切れず大変申し訳ないんですけれども、これ聞いておきましょう。 十年前、第二次安倍政権以来、法務大臣何人替わったか、法務省に、要旨十五番目ですけれども、お尋ねします。
○政府参考人(金子修君) 委員御指摘の第二次安倍政権の発足が平成二十四年十二月二十六日と承知していますけれども、この日から現在まで法務大臣は合計十一人の方が就任しています。 また、第二次安倍政権発足時に就任された谷垣禎一元法務大臣から数えますと、合計十二回にわたり法務大臣が交代しているということになります。
○梅村みずほ君 十年で十二回交代、上川大臣が三回就任されていますので、延べだとちょっと数字が変わってくるんですけれども、ここが当事者の皆さんの危機感なんです。 ボールを次の方へ次の方へ、これはちょっと私には荷が重いとなると、次の方となってしまう。またそうなるんじゃないかとおびえながら諦めずにやっている。でも、親権の問題ですから、子供が成年になるともう何もないわけですね。 私も何年か当事者団体の方々とお付き合いをさせていただいていて、先生、ありがとうございましたと、もうすぐ私の子供は成年を迎えますと、私はこの集会にはもう来ませんというふうに、本当もぬけの殻です。で、大丈夫かなと、自死なさらないかなと不安に思いながら見送ったことがあります。 御紹介したいのが、皆様にお配りしている最後の配付資料でございますけれども、アメリカは多くの州で共同親権を採用しているわけなんですけれども、このアメリカで共同親権を導入するに当たって大変大きな影響力を持ったという方がカレン・デクローという方なんですね。彼女は大変有名なフェミニストでいらっしゃいまして、こういった言葉を残していらっしゃいます。 もし離婚をするようなことがあるならば共同親権とすることを強く勧めます、共同養育は、男性や子供にとって公正なだけでなく、女性にとっても最善の選択です、女性の権利や責任に対するフェミニスト活動を四半世紀以上も見詰めてきた結果、私は共同養育は女性にとってすばらしいと結論付けます、それは、教育、訓練、仕事、キャリア、専門、レジャーを求める女性親に時間と機会を与えるものです、男性を除外し、女性と子供だけが永遠の愛のきずなの衣服で包まれているかのようなことを示す科学的、論理的、合理的な根拠は一つとして存在しません、私たちのほとんどは、女性には男性ができることは全てできると認識しています、今、私たちも、男性には女性ができることは全てできると認めるときですというふうにあります。 親権を争えば九四%女性側に行くというのが日本の実態でございます。やはり、子供はお母さんといるのがいいだろうというふうに思っている国民もおりますし、私の中にも、やっぱり自分も二人の子供を産んでいますから、そういった思いというのは残ってはおりますけれども、やはり貧困の家庭、シングルが非常に多いわけですね。必死に子供を育てながら働いて、お給料も上がらない、疲れ切っている。そうしたら、やっぱり暴力も増えてくるのは当たり前のことだと思っています。ですから、女性と子供を鉄の鎖できつく結び付けているのはこの単独親権制度なのではないかというふうに私は思っています。女性をもっと自由に働かせてあげられるためにも、女性には自由が、時間が、選択が必要だと思います。 この点について大臣にお伺いしたいんですけれども、女性活躍という視点で見ても、この共同親権制度というのは推奨すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 父母の離婚後の親権制度の在り方、これについては今のお話も含めて様々な角度からの検討が必要なんだろうと思います。その検討の観点の一つとして、例えば、父母の離婚後の子の養育の負担が父母の一方のみに偏ることがないよう、離婚後も父母が共同で子の養育を担っていくことが女性の社会での活躍の観点からも有意義であるという御意見を御紹介いただいたというふうに受け止めております。 もっとも、繰り返しになりますけど、現在、法制審議会において調査審議が進められていますので、法務大臣として具体的な、いいとか悪いとか意見を述べるのはちょっと差し控えたいと思っております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 法制審議会が速やかに審議を終了して、法案が取りまとめられることを心から願っております。 今日はあと二分ほどになりましたので、しつこくしつこくこの家族法について、また虐待防止についてこの法務委員会でも質問してまいりましたけれども、今日の質問要旨で五番目に用意していたのは宗教問題についてという項目でございます。 旧統一教会についての対応について大臣の所信で御発言がありましたが、今、光が当たり始めているのがエホバの証人の二世の問題です。私はエホバの証人の二世であります。ですので、最近はテレビをひねるたびに自分の昔を思い出しながら報道を拝見しております。 統一教会の付け足しではエホバはありません。数多くの子供たちが長きにわたって苦しんできました。今も苦しんでいる子供たちがいます。報道では、高校生のお子さんが高校を卒業したらすぐに家を出たいと思っている、けれども、親族全員がエホバの信者なので身寄りもないし行くところがないんだというような発言も報道の中であったところでございます。 そこで、質問の五の二になります。 家族からの忌避について、人権擁護の観点から第三者の団体が干渉することに関し、法務省としてどのような対策が取れるのか、大臣にお伺いします。
○政府参考人(鎌田隆志君) お尋ねのような宗教団体に係る事案に関し取ることができる対策につきましては、個別具体の事案における事実関係に即して判断されるべき事柄ですので一概に述べることは困難でありますが、あえて一般論として申し上げるならば、宗教に起因する問題によって家族との交流が果たされない場合には、法テラスや法務局における相談対応ということが考えられます。これら相談におきまして、相談者の話をまずはよく聞き、家族との交流が果たされない具体的な理由や、それにより生じている具体的な不利益をお聞きするということになります。 その上で、例えば、相談者が子供である場合には、学校、児童相談所等と連携して対応策を検討したり、また、子供であるかどうかにかかわらず、家族との交流が果たせないことにより心の悩みを抱える方の場合には精神保健福祉センターを紹介したり、生活困窮といった経済的な悩みを抱える方の場合には生活困窮者自立相談支援機関とも緊密に連携するなどし、事案の内容に応じて適切に対処していくこととなると考えられます。
○梅村みずほ君 この問題、厚労省は非常に迅速に動いていらっしゃるなという感想を持っております。 今日は詳しく御紹介できませんが、参考資料の七番、八番、九番、エホバの証人にまつわるものです。九番は、表向きホームページでうたっています。「仲間との交友から遠のいている人たちを避けることはしません。」、でも実態は違います。研究者用、実は内部向けの冊子の内容というのもホームページ上にあります。それが七番、八番。またお時間があるときに御覧いただければ幸いでございます。 この問題、引き続き、法務委員会でも取り上げられるチャンスがありましたらお尋ねしたいと思います。 以上で終了します。ありがとうございました。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。 齋藤大臣には、今国会、前向きな議論を進めさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。 私の方からは、外国人をめぐる様々な課題について、本日、基本的な大臣の御認識をお伺いしたいと思います。 大臣所信で、外国人との共生社会の実現に向けた取組を強力に推進するという、そういう所信をお述べいただきました。 そこで、基本的なことを改めて議論を始める前に確認をさせていただきたいんですが、既に政府が外国人との共生社会の実現に向けたロードマップを策定をされていらっしゃいます。ちなみに、このロードマップに庇護を希望される方や難民の皆さんは含まれるのかということについて御確認をさせていただきます。
○国務大臣(齋藤健君) このロードマップの基本的な考え方において、庇護希望者や難民を含めて在留資格を有する外国人を孤立させることなく、社会を構成する一員として受け入れていくという、そういう視点に立ちまして、日本語教育の取組や情報発信、相談体制等の強化、ライフステージ、ライフサイクルに応じた支援等の重点事項に関する施策というものを掲げているところでございます。
○川合孝典君 含むということで御答弁いただきました。ありがとうございます。では、そうしたスタンスを前提として今後議論させていただきたいと思います。 次の質問。 難民申請をされる方、今回、入管法の改正法案が提出をされると、その中で恐らく一つの大きな論点になるであろうことが、いわゆる難民申請の回数制限が掛けられるということでありまして、そうなった場合に、十分ないわゆる審査を受けられないまま、希望される方が強制的に送還をされるのではないのかという懸念が多くの方からお寄せいただいているわけであります。 したがって、この難民申請をされる方が申請中にいわゆる司法サービス、弁護士さんということになろうかと思いますが、にきちっとアクセスできるかどうかということですね。法律にのっとってきちっと手続が行われるのかということが、専門家を介して、交えてこのことの議論ができるのかどうかということについて、これが非常に大事になると思うんですが、難民申請者がこの司法サービスにきちっとアクセスできる仕組みづくりをつくることの必要性について、大臣はどのように御認識されていますでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 難民認定申請の性質上、迫害から逃れてきた申請者の置かれた立場に十分に配慮した事情聴取、これを行うことが重要であるというふうに考えています。 入管庁では、平成二十九年三月から、一次審査における難民認定審査への事情聴取に際しまして、親を伴わない十六歳未満の年少者、重度の身体的障害を有する者、精神的障害を有する者、重篤な疾病を抱える者等、特に配慮が必要な者について、医師やカウンセラー、手続を支援する弁護士等の立会いを認める取組を既に始めているところでございます。また、一次審査の難民不認定処分に対する不服申立て手続においては、外部有識者から成る難民審査参与員に対する口頭意見陳述に弁護士の立会いも認められているということであります。 このように、入管庁においては難民認定申請者の置かれた立場に配慮した取組を行っているところでありますが、法務省としては更に何ができるか不断に検討していかなくちゃいけない課題だと思っています。
○川合孝典君 近年、そうした取組を進めていただいているということについては、私も認識はいたしております。 その上で、今回大きく入管法を改正するということでありますので、やはり万全な体制をつくらなければいけない、このことについては、今うなずいていただきましたが、認識は共有できていると思います。 そこで、ちょっと確認を、これは入管庁で結構ですので確認をさせていただきますが、例えばいわゆる申請者の方が弁護士を依頼したいという話になったときに、その費用の負担というのはどうなるのでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 御自身で御負担いただくことになっております。
○川合孝典君 大臣、そういうことなんです。 実は、司法のサービスを受けようと思えば受けられる枠組みはあるんだけれども、実際に難民申請される方で経済的余力がないといったような方も当然いらっしゃる。場合によっては、身一つで逃れてきて難民申請をされる可能性もあるわけでありますので、当然のことながら、裁判なり弁護士なりをお願いをするという話になったときの費用負担、いわゆる経済力がないということも当然想定されるわけであります。 また、今回の入管法改正では、いわゆる不法在留者となった方を審査をすることも数多く出てくるでしょうけれども、不法在留者の方々も当然のことながら経済的余裕がない、若しくは失踪した方が入管施設に収容されているようなケースもたくさんございますので、そういう方々も当然のことながら裁判を受ける、弁護士さんを頼むということが極めて困難な状況なんですね。となると、要は、サービス、制度はあっても、実際には絵に描いた餅で使えないということになってしまうわけであります。 この現状の問題について大臣はどのように御認識されますでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 先ほど最後の方で申し上げましたけれども、生活や健康上の問題を抱える方々に対する人道上の支援の必要性というものがあるわけでありますので、先ほど最後の方で申し上げましたけど、難民認定申請者の置かれた立場に配慮した取組を行っているところではありますが、法務省として更に何ができるかということを不断に検討していきたいと考えています。
○川合孝典君 今日の時点ではこれ以上の御答弁は求めませんけれども、そういった課題を踏まえてどういう体制を組むのかということの検討の必要性があるということだけ御指摘をさせていただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 外国人の技能実習生の方、外国人労働者の方の労災並びに労災死亡事故の比率が国全体の労災発生の件数比率よりもかなり高いということがかねてより指摘をされております。 この問題、この点について大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 技能実習生について相当数の労働災害事故が発生しているということにつきましては、法務省としても課題として認識をしております。その防止のための安全衛生対策も進めているところであります。 具体的には、技能実習法令におきまして、技能実習において安全衛生に関する業務を必ず一定以上行うことですとか、入国後講習におきまして安全衛生教育を実施することなどを定めているところであります。 また、外国人技能実習機構において、技能実習生向けの業務内容に応じた日本語学習教材や実習実施者等向けの安全衛生対策マニュアルを作成をして、同機構のホームページで周知も行っております。 さらに、外国人技能実習機構においては、労働基準監督機関からの通報などにより、技能実習の業務に関連して、疾病、けが等により技能実習困難時届が出された場合には優先的に臨時検査を行っており、技能実習法令違反が認められた場合には、改善指導等を行うとともに、違反の態様に応じて主務省庁において技能実習計画の取消しを含めた行政処分などを行っているところであります。 その上で、委員御指摘のとおり、技能実習生が安全、安心で我が国で実習を行うためには労災死傷事故の防止は重要な課題である、そのように認識しておりますので、引き続き厚生労働省や外国人技能実習機構と連携しながら、何とかその死傷者が減るように制度運用の適正化に努めてまいりたいと思います。
○川合孝典君 ありがとうございます。 コロナが長引いたことで、技能実習生の方々、外国人労働者の方がコロナ前に比べると今はかなり減っている状況ということであります。したがって、厚生労働省の数字も、直近の数字も確認させていただきましたところ、数字的にはコロナ以前に比べると少し低い数字に今なっております。 他方、今後、様々な制約がなくなることで、外国人労働者の方、技能実習生の方が日本に押し寄せてこられる可能性もあるわけでありまして、そのときにどう防ぐのかということがこれから問われる。今はまだ問題は顕在化していない状況でありますけど、今のうちにどういう構えをつくって、いざというときの対応をどう図るのかということの議論が必要だということで、この問題について指摘をさせていただきました。是非御対応よろしくお願いします。 では、続きまして、FRESCの件について御質問させていただきます。 外国人在留支援センターなんですが、こちらが、四省庁がワンフロアに集まってワンストップで外国人の方々の様々な相談に対応するサービスを行っていただいている、大変使い勝手のいい、いい組織であります。とてもいい組織なんですが、実はこれ全国で一か所、四谷に一か所あるだけで、ほかのところにはありません。 この支援センターの体制を強化をする、また、いわゆる外国人労働者の方々は、東京だけではなく大都市圏、地方、それぞれ全国に散らばって研修受けていらっしゃるわけでありますので、それぞれの大都市圏にこのFRESCの機能というものを複数設置をするということが今後の外国人の皆さんとの共生を図っていく上で必要なんじゃないかと率直に感じるわけでありますが、この点について大臣の御認識をお伺いします。
○国務大臣(齋藤健君) 令和二年七月に開所した外国人共生施設を所管する四省庁の八機関が集まった御指摘のFRESCにおいては、入居機関が顔の見える関係を構築をして連携協力し、外国人からの問合せにきめ細かく対応しているところであります。 一方で、入管庁では、FRESCの相談対応のほか、全国十一か所の地方官署に外国人在留総合インフォメーションセンター、これを設置いたしまして、外国人等に対し相談対応を多言語で行っております。ですから、FRESC一本足打法ではないということであります。 また、地方公共団体において外国人が行政や生活の情報について多言語で相談できる一元的相談窓口の設置、運営を行う場合に外国人受入環境整備交付金による支援を行っておりまして、令和四年度は二百二十八団体に交付決定を行っているところでもあります。 法務省といたしましては、FRESCのこれまで二年半にわたる利用実績やニーズの把握とともに、ただいま申し上げたFRESC以外の相談窓口の状況などのほか、国の関係機関も含め、地方公共団体や利用者などの関係者の御意見、御要望も踏まえながら、委員からも御指摘のあった問題意識を持って、外国人が相談しやすい相談窓口体制の環境整備に努めてまいりたいと考えています。
○川合孝典君 ありがとうございます。期待した以上の御答弁いただきました。 今大臣おっしゃったとおり、全国十一か所の地方官署でもそういった対応をしていただいているということなんですが、これはFRESCの職員さんが現地に行って、常勤でやっていらっしゃるということですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 各配置されている地方官署において、外部委託をして実際には対応をいただいているというところでございます。
○川合孝典君 研修等を行って対応ができる人材を育てていく、又は、今のコロナも特に長引いておりましたのでウェブ会議等をうまく活用することで相談対応を行うと。いろんなことが考えられると思いますが、実際問題として、直接四谷のFRESCに行ってお話を聞かせていただくのと、やっぱりそのクオリティーが随分違うということも事実なわけであります。 今の状況は、これでも何とか対応ができているということなんだろうと思いますが、今後のことを考えたときに、要は、いきなり一年でどっと増やすというのは無理かもしれませんけれども、五年計画なのか、若しくは入国される外国人の人数をある程度一つの指標にして施設整備を進めていくだとかといった、そういう中長期的な要は施設整備の計画というものもこれから検討を恐らくせざるを得なくなってくるんだろうと思うんです。したがって、そうした問題意識をこの場でまずは大臣とは共有をさせていただきたいということで指摘させていただきました。ありがとうございます。 時間がほとんどなくなってしまいましたが、次のテーマで一点だけ確認をさせていただきたいと思います。 名古屋入管の事案について、二年間、ずっとこれ、やり続けてきておりますが、名古屋の入管で事案が起こったことを受けて、様々な問題指摘をさせていただいた上で、要は改善すべきはするということで問題提起をこの間行わせていただいてまいりました。その中でも、やはり特に私自身として問題意識を持っていたのが医療提供体制の貧困さ、これを何とか対応しなければいけないということで問題指摘をさせていただいてまいりました。 去年と全く同じ質問、去年の今頃と全く同じ質問になるんですけど、入管施設における医療提供体制の現状について、これは西山次長にお伺いします。
○政府参考人(西山卓爾君) 事案が発生した令和三年三月以降、現在、本年三月までに、まず常勤医師につきましては、新たに三官署において常勤医師が確保されて、現在のところ、主要六官署中四官署においては常勤医師が勤務するようになったということでございます。 残る二官署のうちの一つが名古屋局でございますけれども、これまで名古屋局におきましては、非常勤医師の増員や、夜間、休日におけるオンコール相談体制を構築するなどの取組を進めてきたことに加えまして、今般、新たに常勤医師が確保されまして、本年四月以降勤務を開始する見込みとなっているところでございます。 それから、医師以外につきましても、常勤看護師や常勤薬剤師が多くの官署で増員されまして、現在のところ欠員となっているのは常勤薬剤師一名、一官署を残すところとなっているところでございます。また、医療用機器につきましては、四つの官署で追加の独自配備を行うなど、徐々にではございますけれども、機器の配備を進めているところでございます。 以上のように、各官署の医療体制の強化は着実に進めておりますけれども、それに加えまして、新規入所者の原則全員に対する健康診断の実施、医師の所見等を踏まえ、迅速な仮放免判断等を行うなどを定めた新たな仮放免運用指針や救急対応マニュアルの策定、医師の診療時における通訳人の手配など、被収容者の体調等を確実に把握して適切な対応を行うための取組について進めてきたところですけれども、これに沿った運用が浸透していっている状況にございます。 さらに、全国診療室連絡会や各官署における医療カンファレンスの開催により、医療従事者や職員の間での情報共有が促進されていることについても取組の成果と見られるところではないかと考えているところでございます。 引き続き、入管収容施設における医療体制の一層の強化など、被収容者に対する適切な医療の提供に努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。何もなかったところからここまで体制整備を進めていただいたことについては、率直に私自身は評価をしたいと思います。 その上で、一点確認をさせていただきたいんですが、いわゆる常勤医師がなかなか見付からないということの背景にあるのが兼業禁止規定、これが障害になっているということがかねてより指摘をされておりました。この点については、今どういった検討状況になっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 今委員御指摘いただいた点につきましては、まさに今回の改正法案におきまして、入管収容施設において常勤医師を確保する上で支障となっております民間医療機関と比較した待遇面での格差を是正するため、現行法における常勤医師の兼業要件を緩和いたしまして、柔軟な兼業を可能とする法制を取っているところでございます。
○川合孝典君 ありがとうございます。 時間がありますので、もう一つ確認をさせてください。 今回、いわゆる入管施設の体制を整備する中で、看守の機能も強化をするということをちらりとお伺いしました。当然、その手厚いサービスを進める上では、看守の方の勤務時間というか負荷も増えるわけでありますが、そうした点に対する対応についてはどのような検討状況になっているのか、お伺いします。
○政府参考人(西山卓爾君) まず、事案を生じました名古屋局におきましては、看守勤務者の勤務体制を二交代制から三交代制に見直して負担軽減を図るとともに、上位者である統括入国警備官が閉庁日の勤務を行うことで勤務体制を強化するなどの改善策を講じたところでございます。 適切な医療提供体制等を確保する上で、いかなる勤務体制を構築する必要があるかにつきましては、被収容者の増減等の事情によっても左右されることでございますので、一概に今後の方針について申し上げることは困難ではございますけれども、引き続き、御指摘のような問題意識を持ちまして、現場職員の負担が過度なものにならないよう留意しつつ、人員配置も含めて適切な勤務体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございました。 是非、職員、看守の皆さんのやはりメンタルヘルスというのもとても大切なことだと思いますので、そういったふだんなかなか光が当たらない、議論の俎上に上がらないところについてもこの際丁寧に御議論いただければ有り難いと思います。 時間が参りましたので、私の質問、これで終わります。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 昨日は国際女性デーでした。日本で初めて国際女性デーが開催されたのは百年前の一九二三年、戦争に向かう暗黒社会の中、女性と子供たちは家父長制の下で戸主に従属する無権利者とされ、参政権も認められませんでした。当時の集会は僅か四十分で解散させられたというのですけれども、翻って今日、ジェンダー平等に向かう日本社会のエネルギーの大きさに感慨といいますか、私、わくわくするような思いがいたします。 そこで、法務大臣にお尋ねをいたしますけれども、同性カップルをめぐる、隣に住んでいたら嫌だ、見るのも嫌だなどとした首相補佐官の差別発言を受け、同性愛差別に反対し、同性婚の法制化を求める圧倒的な世論が明らかになっていると思います。例えば、日本で性的少数者の人権が守られているとは思わないという方が六五%、守られているという人は僅か一五%。同性婚を認めるべきという調査はおおむね六割から七割に上っていますし、特に十代から二十代の若者は八割から九割ですよね。 日本社会はジェンダー平等に向かって既に大きく変わっていると私は思うんですけれども、大臣はどうですか。
○国務大臣(齋藤健君) 大きく変わっているかどうかという点については、多様な観点から様々な評価があるんだろうなと思っておりますので法務大臣としてお答えすることは困難なんですが、その上で、同性婚制度の導入という問題は、我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、国民的なコンセンサスと理解を得た上でなければ進めることができないと考えているところでございます。
○仁比聡平君 いや、様々な評価はないでしょう。だって、世論調査の結果、圧倒的多数が同性愛者の差別は駄目で、同性婚は認めていこうと言っているじゃないですか。それをまず受け止めるというのが、私、法務大臣として大切な構えだと思います。 結婚って何ですかと聞かれたら、大臣がどうお答えになるでしょうか。資料に、昨年十一月の結婚の自由を全ての人に訴訟の東京地裁判決の抜粋をお配りいたしました。端的に言えば、東京地裁は、親密な人間同士の結び付きのことですと答えたと思うんですね。婚姻は、親密な人的結合関係について、その共同生活に法的保護を与えるとともに、社会的承認を与えるものである。このように親密な人的結合関係を結び、一定の永続性を持った共同生活を営み、家族を形成することは、当該当事者の人生に充実をもたらす極めて重要な意義を有し、その人生において最も重要な事項の一つであると言うことができるから、それについて法的保護や社会的公証を受けることもまた極めて重要な意義を持つものと言うことができると。 私、とても自然な考え方だと思いますが、大臣はいかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘の東京地裁判決では、その理由中の判断において御指摘のような判示がされているということであります。この判示自体は一つの考え方を提示したものと理解をしておりますが、法的保護が与えられる人的結合関係としてどのような関係を想定するかという問題は別途検討されるべき課題ではないかと考えています。 いずれにしましても、現段階では、確定前の判決であり、また他の裁判所に同種訴訟が係属をしていることもありますので、その判断等を注視してまいりたいと考えています。
○仁比聡平君 いや、とても残念ですね。 この後に、東京地裁は、だからこの婚姻、結婚というのは個人の尊厳に関わる重要な人格的利益である、同性愛者というだけでパートナーと家族になることが生涯を通じて不可能になることは人格的生存に対する重大な脅威、障害であり、今の現状は憲法二十四条違反の状態にあると。同性愛者というだけで、個人の尊厳に関わる重要な人格的利益、それを享受することができず、人格的生存に対する重大な脅威が及ぼされていると、そう判断をしたわけですね。 大臣といいますか法務省は、その判断の部分について、判断というか結論の部分について異論がおありなんでしょう。ですが、結婚とは何かと。親密な人間同士の結び付きのことですよねと。それを社会的に承認をするということじゃないですかと。いや、これとても自然でしょう。 この裁判で、国の主張の中には、自然生殖可能性を前提とする男女の関係に特に法的保護を与えるものだというような趣旨の議論があるんですね。この生殖可能性と、だから男女だということを殊更に主張すると、大臣、女性は産む機械とかLGBTは生産性がないという考え方と、何というのか、近づいてきませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 繰り返しになって申し訳ないんですが、この判示自体は一つの考え方提示したものであり、また、委員の御紹介したお話もそういったものの一つだと理解をするところでありますけれども、現段階では、繰り返しになりますが、確定前の判決でありますし、また他の裁判所で同種訴訟が係属しておりますので、この段階で法務大臣がこうだああだと言うのは適切ではないと思っていますので、まずはその判断等を注視してまいりたいと考えています。
○仁比聡平君 残念ですね。 女性は産む機械とかLGBTは生産性がないといった考え方は、過去、政治家によって示されてきたもので、大変な批判を受けて撤回をさせられてきたものですけど、その言葉については、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(齋藤健君) その点については、言語道断の発言だと私は思っています。
○仁比聡平君 言語道断なんですよ。その言語道断の、つまりジェンダー平等も個人の尊厳も全く理解しない、そういう考え方に政府がくみしてはならないと私は思います。 岸田総理が、同性婚を認めると家族観、価値観、社会が変わってしまうというふうに述べられましたけれども、私は、こうして議論をできるように、既に日本社会、大きく変わっていると思うんです。同性カップルの方々と私も幾人もお会いしてきました。とても幸せそうですよね、お二人でいらっしゃるとき。裁判だとかこの国会においでになって声を上げるというときには本当につらい思いがしますけれども、お二人の姿というのはとても幸せそうでしょう。自分を偽る必要のない相手に初めて出会えたと、自分のままでいていいというのがこれほど楽なのかと初めて感じたと。そのパートナーに出会う前の人生のつらさがどれほどのものだったかということを重ねて考えると、この多様な人々のありようというのもしっかり認めなきゃいけないと思うんですよ。 大臣、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 私も、カミングアウトした高校の同級生もおりますし、そういう意味では、今まさに理解増進法をどうするかという議論が行われていますけど、理解の増進を図っていくということは基本的に重要な課題だと思っています。
○仁比聡平君 特定の家族観を押し付けて、豊かな多様性を否定して、みんなの幸せを奪ってはならないと私は思います。パートナーシップ制度が二百五十以上に増えてきた、立憲の石川大我議員が六日の予算委員会で大きな質問をされました。私、聞いていてそのとおりだなと思いました。提出された同性婚を法制化する婚姻平等法案、我が党も大賛成ですので、与野党を超えて是非実現を図ろうではないかと皆さんに呼びかけたいと思います。 昨年十一月に、葉梨前大臣と女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准について議論をする中で、条約委員会の、人権の保護における司法の基本的役割は国際的な審査を受け入れることによって強化されるという発言について認識を聞いたら、法務大臣がコメントを差し控えると答弁されて、私は心底驚いたんですよ。 G7広島サミットの年なんですけれども、昨年のG7ドイツ・サミットの首脳コミュニケでいうと、「我々は、女性と男性、トランスジェンダー及びノンバイナリーの人々の間の平等を実現することに持続的に焦点を当て、性自認、性表現あるいは性的指向に関係なく、誰もが同じ機会を得て、差別や暴力から保護されることを確保することへの我々の完全なコミットメントを再確認する。」と言っています。 G7の男女共同参画担当大臣会合の共同声明でいうと、「女性、女児、そしてLGBTIQプラスの人々は、性暴力及びジェンダーに基づく暴力の被害者になる可能性も非常に高いです。」、「ジェンダー平等の達成は緊急かつ必須であり、我々の政治的優先事項であり続けています。」と述べているんですよね。つまり、ジェンダー平等へのコミットメントが強調されているわけです。 国際人権水準に照らして、我が国の人権、ジェンダー平等を全うしていくと、これは法務大臣を含めて日本政府として当然の責任なのではありませんか。
○国務大臣(齋藤健君) 法務省も、政府の一員として、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現ということを目指しているわけであります。当然のことながら、男女平等につきましても、その前進にしっかり取り組んでいかなくちゃいけないと思っています。 その上で、葉梨大臣のお話がありましたので、そこにちょっと私の答弁として補足をさせていただきますが、これまでに採択された女子差別撤廃委員会による日本政府報告審査においての総括所見におきまして、選択議定書の提供するメカニズムが司法の独立を強化し、司法が女性に対する差別を理解する上での助けとなる等の指摘がされたということは承知をいたしております。そして、選択議定書の締結は、条約の意義や司法の責務について理解が進むことにつながり、司法の役割が強化されることになるという意見があることも承知をしております。 このような指摘等があることも含めて、女子差別撤廃条約選択議定書に定める個人通報制度もありますけれども、そういったものは条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度であるとは認識をしているところでありますが、その受入れについては、通報事案への具体的対応の在り方を含めて、かなりの検討が必要である課題だろうと思っています。 これらの検討事項は法務省だけで解決できるものではありませんので、引き続き、外務省を中心とした関係省庁と連携して、政府全体で各方面の意見を聞きながら、同制度の導入の是非について検討を進めてまいりたいと考えています。
○仁比聡平君 これまでは真剣に検討するとおっしゃっていましたよね、それぞれ課題があるとはおっしゃっていたけど。今、大臣、かなりの課題がある、かなりの課題があるって、これ、あれですか、これまでの共同参画計画にも書いてあるスタンスよりももっと厳しいんだとおっしゃりたいんですか。
○国務大臣(齋藤健君) いや、そういうことではなくて、私がさっと見たときに、ああ、いろいろ問題がありそうだなという印象を述べただけであります。方針は変わっていません。
○仁比聡平君 さっと見て印象を述べないでください。 前段でおっしゃったように、日本政府として重大な課題があるわけでしょう。秋以降、十二月議会でもこの早期批准を求める意見書は地方議会で次々広がっていまして、資料をお配りしていますけれども、今や百八十八自治体に上っています。大臣の御地元の流山市議会も全会一致で意見書を上げていて、その中で、政府は、男女平等を実現し、全ての人が尊重される社会をつくるために、速やかに選択議定書の批准に向けて動き出すべきであると述べているんですね。私、正面から受け止めて、大臣として尽力することを強く求めたいと思います。 次にちょっと進みたいと思うんですが、その条約委員会の二〇一六年最終報告で、家族経営における女性の労働を評価し、女性の経済的エンパワーメントを促すためにと見直しの検討を求められたのが所得税法五十六条です。 財務副大臣、井上副大臣においでいただきましたけれども、井上大臣と私の地元である福岡でも、この廃止、見直しを求める地方議会意見書というのは二十五の市町から届けられています。大きく広がって五百六十六に上るんですけれども、そのうち、資料の七枚目に徳島県議会の全会一致の意見書、御覧いただきたいと思うんですが、所得税法五十六条の規定により、生計を一にする家族従業員に支払った給与は必要経費として算入しないこととされていることから、事業主の所得から控除される働き分は、配偶者が八十六万円、子供などの家族が五十万円とされていると。これ、八十六万円って、年ですからね、年八十六万円。それ、配偶者以外だったらば、年五十万円を事業主の所得から控除するということしか認めないと。 これは、実際に労働した事実、そしてその正当な対価を税法上認めないと、税法上否認するという条文なんだと思うんですけれども、副大臣、戦後七十八年、時代も意識も大きく変わっているじゃないですか。中小業者、零細業者の中での女性や御家族の働き方、役割というのは大きく変わっていますよね。これを変えないというのはおかしなことだとは思いませんか。私は思うんですが。
○副大臣(井上貴博君) お答えいたします。
○委員長(杉久武君) 井上副大臣、マスクの着用をお願いします。
○副大臣(井上貴博君) マスク着用ですね。はい。 現在の所得税法五十六条についてをまず御説明をさせていただきたいと思います。 所得税法第五十六条につきましては、家族間の恣意的な所得分割による租税回避を防止するために、所得税の計算上、家族への給与支払は必要経費に算入しないとすることの規定となっております、現在ですね。しかしながら、青色申告については、帳簿等により給与支払の実態等が確認できることから、第五十七条によって、家族従業者への給与について実額での経費算入を認めているところであります。 他方で、青色申告をしていない個人事業主、要は白色申告者につきましては、青色申告者とは異なりまして、資産の実情まで記録することが求められておりませんで、給与の支払の実態等の確認が困難であることを踏まえて実額による経費算入を認めておりませんが、実際の給与の支払の有無にかかわらず、定額の控除を認めるといった配慮を行っているところであります。 このように、青色申告者と白色申告者の記帳水準の違いを勘案して経費算入の在り方の違いを設けられていることから、委員の御指摘の所得税法五十六条を見直すべきとの御指摘につきましては、白色申告者による記帳や帳簿等の保存の状況も踏まえて、引き続き丁寧に検討していく必要があるというふうに考えております。
○仁比聡平君 取りあえず役所の書かれた答弁をお読みになったんだろうと思うんですけど、いや、副大臣、それ、頑張っている中小事業者の特に女性家族従業員、あるいは跡継ぎになれるかもしれないという青年たちの前で言えますか。 最後おっしゃったように、丁寧に検討していきたいということは大事なことなんですよ。なんですけど、いつまででも漫然と検討するというだけでいいのかというのが、私、問いかけたいんですよね。 だって、青色でも労働実態と給与が違うということがあって、実際、税務調査でこれ正していくじゃないですか。その所得分割というのは、家族内での所得分割というのは青か白かで関係ないですよ。白も一九八四年から記帳義務が付いたでしょう。以来、もう四半世紀、もっとか、たっているわけでね。その間にいろんな会計ソフトなんかもできたりとかして、白色申告の方々の記帳っていろんな形で努力されているし、それをまた女性が担っているということもあるでしょう。そういう中で、何で女性差別撤廃条約の委員会がこの問題を指摘したのかということを考えてほしいんですよ。 昨年の総務省の労働力調査でも、家族従事者の圧倒的多数は女性が占めています。八割が女性なんですね。だから、ジェンダー平等の大問題なんですよ。 全商連の婦人部が、婦人部協議会が調査をした二〇二二年の全国業者婦人の実態調査、是非お読みいただきたいと思うんですけれども、この家族従事者の半数近くの人が、半数近くの女性が、四六・九%、働いた分の報酬を受け取っていません。特に、白色申告の営業では六三・四%の女性がただ働きという状態になっている。 農村の女性たちもそうですよね。ちょっと前ですが、二〇一五年に農民連女性部が行ったアンケートでは、農業での報酬を月ぎめでもらっているという人は僅か一三%ですよ。小遣い程度というのが四割ぐらい。本家と分家とか、長男と次男とか、その嫁とか、そういう様々なジェンダー不平等があって、これを解決していくというのがこれからの地域経済を良くしていくために求められているじゃないですか。 だから、この問題での意見書というのはどんどん広がっていて、時間が迫りましたから一つだけ紹介しますけれども、九枚目の葛城市議会、ここでは議員の多くの方が自営業もお勤めになっていて、家族従事者というのは本当に大変だとか、様々な活発な議論がされたんだそうですよ、奈良の葛城ですね。最後のところに、人権問題として、差別的税制をこれ以上放置せず、家族従業者の労働の社会的評価、働き分を正当に認めるため、所得税法第五十六条を廃止することを求めますとあるじゃないですか。 だから、徴税の方のニーズとか仕組みだけじゃなくて、このジェンダー平等、女性の人権という観点を持ってこれ丁寧に検討をしてもらいたいと思いますが、副大臣、どうですか。
○副大臣(井上貴博君) 現行の五十六条、五十七条の状況を踏まえて、今の実際問題の青色申告者自体が、全体の申告者が三百七十万人ぐらいいらっしゃると思いますが、その中で青色申告をやっていただいている方々が大体平成二十九年で二百二十万人ぐらいで、それで白色申告の方自体が百五十万人ぐらいなんです。 それで、そういう中で、実際は、五十六条に基づいて、できるだけ青色申告で申告を促したいというふうには思っておりますが、諸般の事情で、いろんな今、中小零細企業、それから様々、家族構成、それからいろんな諸般の事情で白色申告でやられている事業者の方々がたくさんいらっしゃると思うんです。ですから、そこの部分を配慮して、これは男女問わず、現実問題、八割は女性の方ですけれども、二割は男性の方もいらっしゃいまして、男女平等のことを考えて、全体を勘案して検討していくことも必要だというふうに思っていまして、この五十六条、五十七条の今の現行の状況を、御指摘をいただいたことも踏まえて十分検討していきたいというふうに思っています。
○仁比聡平君 残念ながら時間が来てしまって、ちょっと今度もお呼びしましょうかね。 制度上、女性は差別すると書いていないですけど、圧倒的に女性。そういう実態がある以上、これは是正しなきゃいけないというのが女性差別撤廃条約や、そして我々の憲法の要求ですよ。かつ、年八十六万円で配慮しているなんて、とんでもないでしょう。学生のバイト代にも満たないじゃないですか。だから、深刻な人権侵害だと指摘をされるわけです。制度が、多様な生き方だとか、あるいは人の人生や暮らしのありようを侵してしまうということ、侵害してしまうというようなものになっては絶対にならないと思います。 引き続き丁寧な検討を速やかに行って、見直し、廃止をしていただくこと、かつ法務大臣にまだまだ聞きたいことがたくさんあったんですが、それは次の機会に譲らざるを得ないということで、今日は終わります。 ありがとうございました。
○委員長(杉久武君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時一分散会