農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2023/06/01
会議録
○委員長(山下雄平君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、下野六太君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山下雄平君) 農林水産に関する調査のうち、畜産・酪農に関する件を議題といたします。 本日は、本件の調査のため、四名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、全国農業協同組合連合会常務理事齊藤良樹君、静岡県立農林環境専門職大学短期大学部教授小林信一君、酪農家金谷雅史君及び東京農工大学大学院農学研究院教授新村毅君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、齊藤参考人、小林参考人、金谷参考人、新村参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず齊藤参考人からお願いします。齊藤参考人。
○参考人(齊藤良樹君) それでは、ただいま御紹介にあずかりました全農常務理事の齊藤でございます。 この度は、このような陳述の機会を賜り、誠にありがとうございます。 私から、畜産、酪農情勢を踏まえたJAグループの取組について御説明をさせていただきます。 お手元の資料を一ページおめくりください。 まずは、ここ三年程度の飼料原料情勢についてであります。トウモロコシシカゴ定期は、南米産地で高温乾燥や中国の輸出需要の高まりなどの影響を受けて、令和三年四月にはブッシェル当たり七百セントを超えて上昇をしております。 その後、米国でトウモロコシの生育に適した天候が続いたことなどから下落しましたが、令和四年四月にかけて、南米産地の乾燥した天候やウクライナ情勢の緊迫化から急騰しました。さらに、米国における作付け遅延などにより、四月には八百セントを超えて上昇しております。これを図一で示してございます。 (3)にありますとおり、現在は、ブラジル産の豊作見通し、米国の作付けが順調に進んでいることなどにより下落し、シカゴ定期は六百セント前後で推移しております。一時期の高値からは下落しているものの、いまだ高値であることに加えて、図二にありますとおり、外国為替の円安が継続していることから、トウモロコシの輸入価格は高値が続いております。 中国のトウモロコシの輸入が大幅に増加しておりまして、トウモロコシ相場に大きな影響を需要面では与えるようになっております。これを図の三で示してございます。 (5)にありますとおり、令和五年四―六月期からは、高止まりに対応した国費と民間基金財源を併用する緊急補填を予定をしているという状況にございます。 二にありますとおり、配合飼料安定基金の発動状況についてであります。 (1)として、令和四年七月に配合飼料価格は史上最高となりました。このときの価格を令和二年四月を基準に比較をしますと、配合飼料トン当たり三万一千八百五十円の上昇となっております。これは、発表しております全農のみの基準でございます。 (2)にありますとおり、令和四年七―九月期には、安定基金の補填単価が過去最高の飼料トン当たり一万六千八百円となりました本会は、国とともに通常補填の財源の借入れと異常補填の財源の積立てに取り組み、補填財源を確保しております。 (3)のとおり、全額国費の配合飼料価格高騰緊急特別対策によりまして、令和四年十―十二月期には六千七百五十円、令和五年一―三月期には八千五百円の特別交付が行われております。 (4)としまして、令和二年四月を基準として、令和五年一月の生産者負担の増加は二万一千四百円まで抑えられております。 国の方から、令和三年から令和四年にかけて異常積立金七百六十八億円が措置されました。民間が同額を積み立てるわけですが、全農といたしましては、二百十五億円をこの機に積立てを実施をすることを決めております。 また、積み立てるタイミングにつきましても、金額を分割していただいたり、タイミングをずらしていただいたり、より柔軟な対応を実施していただいております。 めくっていただきまして、鳥インフルエンザについてでございます。 この鳥インフルエンザは、御案内のとおり、発生すると生産者経営さらには養鶏産業に甚大な影響を及ぼすことから法定伝染病に指定をされておりまして、発生しました農場は家禽全羽を殺処分するということになっております。 (1)にありますとおり、本会は、生産農家の防疫対策支援として、令和四年に改正された飼養衛生管理基準の周知徹底のため、農水省や関係団体とともに農場の防疫に関するガイドブックを作成し配布をいたしました。 また、令和四年度、本会の獣医師が農場の衛生指導を約二千五百回行い、全国で二千六百名を対象に研修を行いました。集合研修がコロナ禍で難しい場合に備えて、本会のウェブサイトで実践的な家畜防疫の研修動画の配信も行っております。 三にありますとおり、消毒用石灰は自治体の配布もあり広く普及をしています。ただ、石灰は時間とともに効果が落ちるため、本会は、その効果を調べる新しい検査液を生産者に配布する取組を開始し、衛生意識の啓発を行いました。 (4)にありますとおり、業界紙である日本農業新聞や鶏鳴新聞に、全中と共同で衛生意識の向上を目指した意見広告を三回にわたって掲載をしております。 四ページでありますが、(1)にありますとおり、令和四年十月から五年四月に発生した鳥インフルエンザの影響により、全国の採卵鶏羽数一億三千七百二十九万羽の約一二%に当たる一千六百五十万羽が殺処分をされ、生産量は大幅に減少しております。 生産量の減少に伴いまして、鶏卵相場は高騰が続き、令和五年三月末にはキロ当たり三百五十円に達してございます。 鳥インフルエンザ発生後、採卵場への大雛導入には清浄性確認が必要となり、さらに、採卵開始には、ひなの育成に四か月、採卵場移動後に一か月の計五か月を要します。 殺処分された一千六百五十万羽の産卵回復に向けて、発生農場への大雛導入は一斉に行うことはできず、生産量の完全回復には更に時間を要する状況にございます。 五ページを御覧ください。生乳・乳製品の消費拡大と理解醸成についてでございます。 まず、生乳の需給構造について御説明をいたします。 令和三年度の国内の生乳生産量は七百六十五万トンでありました。そのうち乳価が最も高い飲用牛乳等向け処理量は四百万トンを占めております。酪農家の収益は、生乳が約七六%とかなりの部分を占めてございます。(3)にありますとおり、酪農経営を維持し生産基盤を守っていくためには、乳価が最も高い飲用向け処理量を拡大することが重要となります。この図にありますとおり、乳価を縦の長さで表してございます。この最も乳価が高い飲用向けである牛乳の消費拡大に加えて、業務用牛乳の拡大や乳飲料等向けでの使用拡大が必要となってまいります。 六ページであります。消費拡大と理解醸成に向けたJAグループの取組であります。 (1)にありますとおり、Jミルクが実施します酪農乳業乳製品在庫調整特別対策事業、脱脂粉乳の過剰在庫対策事業に協力し、くみあい飼料の製品である牛代用乳について、原料を全て国産脱脂粉乳に置き換えをいたしました。左下の図一にありますとおり、本日の日本農業新聞の別紙にこの記事を掲載させていただいております。需要が減少した脱脂粉乳の販路を確保し、需給改善にこれでもって幾分寄与したと考えております。 (2)、酪農を取り巻く厳しい現状を改善すべく、引き続き、国産牛乳・乳製品の需要拡大に取り組み、生産者が安心して搾乳できる環境を確保してまいりたいと考えております。生乳生産を増加させる場合には、乳牛を増やす場合には、図二にありますとおり、種付けをして搾乳開始までの期間が約三年、期間を要するため、生乳が足りないという状況の中で生産量を短期間で増やすことはできません。そのため、できるだけ生産基盤を維持しつつ、需要拡大を図る必要があります。 我々JA全農は生産者団体であります。今、生産者は歯を食いしばって生産抑制に取り組んでおりますが、でき得れば、輸入乳製品が生乳換算で四百六十九万トンございます、こちらを調整弁としてお使いいただければ、生乳生産基盤は毀損しないものというふうに考えているところでございます。 四ページ、あっ、失礼しました、七ページを御覧いただきたいと思います。生乳・乳製品の消費拡大と理解醸成のJAグループの取組の二つ目でございます。 酪農の理解醸成や牛乳・乳製品の消費拡大のため、関係部署や協力会社と連携して、商品開発を始め様々なことに取り組んでおります。コロナ禍の影響などから生乳・乳製品の需給が緩和する中、消費者の皆様に現状の酪農家のことを知ってもらい、応援消費をいただけるよう、日本の酪農を応援シリーズ、牛乳を五〇%以上使用したミルクティー、カフェオレ、抹茶ミルクの三種類の商品を開発し、順次販売をしております。令和三年十二月販売、発売の以降のシリーズ累計で百二十万本でございます。これをどう評価するかでありますが、百二十万回、目に触れていただき、この酪農の事情について理解を深めていただいたというふうに考えております。 手前どもの営業開発部と連携をし、ニッポンエールブランドの商品として、大手飲料社ともコラボをし、牛乳・乳製品を使用した商品を開発し、全国販売をしております。これが図二に示された商品でございます。 (6)にありますとおり、子会社である協同乳業を通じまして、五十周年を迎えた農協牛乳の販売を中心に農協シリーズ商品を販売するほか、ファミリーマートと協業した農協ミルクについてもシリーズ化し、販売をしております。 八ページがJAグループの取組③でございます。 協同乳業と連携し、酪農と牛乳・乳製品の魅力を発信する酪農の輪プロジェクトの一環として、本会のアグベンチャーラボを中継して酪農家と消費者をリアルタイムでつなぐオンライン牧場体験を図四のとおり開催をしております。これは、コロナ禍の中で、いかに酪農に親しんでいただくかということで企画したものでございます。 令和三年夏、四年春並びに四年の夏、五年の春にそれぞれ六十組、四回を抽せん招待、応募総数は五千六百を超える家庭となりました。また、令和四年春は、子供食堂、十二か所四百名を無料招待し、オンラインで同じプログラムを実施しております。 八にありますとおり、牛乳の消費促進を後押しするため、協同乳業を始めとした本会出資の農系乳業及び関係県本部と連携し、令和四年十二月十一日に牛乳無償配布を開催。全国的な牛乳無償配布や酪農などの理解醸成の取組を図五のとおり強化をしております。 (9)として、酪農家のつぶやきと題して、実際のスーパーにある農協牛乳の販売スペースにPOPを展示して、酪農家の思いや豆知識について発信をしてございます。図の六にありますとおりでございます。 九ページは、今後の取組というものであります。 農林水産省のあふ食堂を始め、厚生労働省、財務省、法務省の食堂で国産の牛乳・乳製品を使ったフェアメニューの提供、あるいは牛乳の飲み比べ、四十七都道府県の給食牛乳パックの展示などを行う牛乳月間フェアを実施しているところであります。 また、大人気の絵本とのコラボレーションによりましてスペシャルパッケージの農協牛乳を発売するなど、取組を強化しております。 (12)のとおり、六月十八日の父の日にも、同様に、Jミルク土日ミルクコンテンツと連携した理解醸成を実施する予定でございます。 最後に、国産農畜産物の理解醸成の広告を載せてございます。この①から④の広告について、三月二十七日と二十八日の両日、日経新聞を始め、地方紙も含め全国二十四紙にこの記事を掲載をいたしました。内容は、御覧のとおり、SDGs版、生産者の声、消費者の声、そのコンビネーションというものでありますが、反響でありますが、ヤフーニュースや全国紙にとどまらず、地方紙に一部掲載されたこともあって、ツイッターでは、好意的なものとして、悲しく苦しい気持ちになりました、日本の農家を守りたいです、農家の悲鳴が聞こえるようだ、一方、批判的なものとして、コスト反映した日本産に勝ち目はないのではないかという御意見ありましたが、おおむね、好意的なものと批判的なものでは七対三であったというふうに認識をしてございます。 また、四月二十七日に、日本新聞協会の広告委員会が十八歳から六十九歳以下の男女三百人を対象に毎日のメディアに接しているか調査しており……
○委員長(山下雄平君) 齊藤参考人、時間ですので、御意見をおまとめいただければと思います。
○参考人(齊藤良樹君) はい。 今後、全農グループは、このような理解醸成の取組を更に徹底していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○委員長(山下雄平君) ありがとうございました。 次に、小林参考人、お願いいたします。小林参考人。
○参考人(小林信一君) ただいま御紹介いただきました静岡県立農専大学の小林と申します。よろしくお願いいたします。 私は、一枚のこのレジュメを基にお話ししたいと思うんですが、既に日本経済新聞の五月二日号に今日お話ししたい内容、書いてあります。これは、今日はお持ちじゃないかもしれませんが、既に配付されていると思います。 それでは、このレジュメに従ってお話ししたいと思います。 まず、一番の酪農、畜産の現状ということについては、ここに書いてあるとおりですが、次の金谷参考人から具体的なかなり厳しいお話というものがあると思いますので、そちらに譲りたいというふうに思います。 まず、御確認いただきたいのは、酪農、畜産の存在意義ということで、食料供給以外に、農地や環境の守り手ですとか、酪農教育ファームに代表されるような命の教育、もちろん雇用創出といったような様々な役割を持っているということ、これが前提だと思います。 そして、これちょっと三番ですけれども、現在、酪農、畜産に起きていることというのは、地域の集中化、そして大規模少数化ということです。 例えば北海道では、酪農の約、生乳生産の四割というのが北海道のしかも東半分、道東、道北が担っているということで、このことはすばらしいことではあるんですが、一面非常にリスクを持っているというふうに考えております。 例えば、首都圏周辺の生乳生産が減少している中で、北海道からのフェリーによる生乳移送が今恒常化しております。ところが、二〇一八年に地震があって、全道ブラックアウトがありました、九月の五日でしたけれども。その結果、特にまた台風シーズンであったということで、フェリーが欠航するとか運べないということで、あわやスーパーで、首都圏のスーパーで牛乳が欠配されるという、そういうリスクがあったということで、それは全農さんを始めとして様々な生産団体の御苦労で、全国から牛乳を集めるということで何とか欠配は免れたというふうに聞いております。 もう一つ、例えば肉牛繁殖経営、これも今、子牛価格が下落しておりまして、多くの経営者がやめていくということがあるんですけれども、その繁殖経営というのは、中山間地域で高齢者の方が、もう八十、九十の方がやっていらっしゃるという、それが今、価格下落に伴ってやめていかれるということが非常に多くなっているということで、これは中山間地域の農村の維持ということに非常に大きな問題になるんではないかと思います。 それから三番目としましては、今問題になっております感染症の蔓延ですね。口蹄疫、先ほど、先日、韓国で再び出ましたけれども、二〇一〇年の宮崎では三十万頭以上の牛、豚を殺処分にしたということがありますし、鳥インフルエンザは、御案内のように、卵の価格が高騰する、供給が足らないというような状況がある。そして、豚熱が蔓延して、これも供給にかなり影を差しているということで、こういった地域集中あるいは大規模経営を行うということが非常にリスクがあるんだということをやはり知らしめているんではないかというふうに思います。 四番目は、特定地域において、ふん尿問題で環境負荷への増大が高まっているということ。これは、例えば、道東なんかでは以前から水産業者とのあつれきということがありますし、九州地域では地下水汚染ということがやはり取り沙汰されているということで、畜産、酪農というのは、実は全国に散在する多くの方たちが畜産、酪農を行うということが正しい姿ではないかというふうに私見しております。 四番目としましては、こうした畜産、酪農を支える現行の政策というのがこの三十年、四十年の間にどう変化してきたかということを私なりに考えました。残念ながら、そういう経営を支えるセーフティーネットの機能というのが徐々に失われているんではないかというふうに考えます。 例えば、酪農について言うと、一九六六年に不足払い制が成立しました。これは、乳価紛争で大変なときに、生産者団体と乳業メーカーと、そして国、農林省が一生懸命話し合って、その着地点として不足払い制度というものをつくったと。これによって、それ以後の酪農が非常に発展していたというふうに考えております。 それが、二〇〇一年の酪農・乳業対策大綱を受けて固定支払に変わってしまいました。この結果、所得補填機能というのは大幅に低下しまして、二〇〇八年、九年でやはり同じように餌高があって酪農家が非常に苦境に陥ったんですが、あのとき不足払い制度があったならば、当時の八倍ぐらいの補填を受けられたということで、あれほどひどい経営的なダメージはなかったんではないかというふうに思います。 そしてもう一つは、先ほどの首都圏での生乳の需給調整といいましょうか、台風でなかなか、首都圏のスーパーで牛乳がなくなるんじゃないかという問題があるんですけれども、こういうものを調整していた指定生乳生産者団体の機能というものが弱まっているんではないかと。 実は私は、二〇一八年の改定畜安法のときも参考人として意見を述べさせていただきました。そのとき、法案に対して危惧の念を表したんですけれども、結果的にはそのときのおそれが現実のものになっているんではないかというふうに思います。生産者団体の力が弱まってしまったということによって、過剰基調にある中で生産者による需給調整機能が失われるということで、更に経営が混乱していくということがあり得るというふうに思います。 そして、資材や餌の高騰あるいは負債問題が繰り返し行われております。一九八〇年代にも、負債固定化の問題で、北海道の酪農家の三分の一が実質的に倒産したというふうに言われていました。そして、二〇〇〇年の、二〇〇七、八、九年ぐらいの餌高のときもそうです。 こういったことが繰り返し行われているということに対して、セーフティーネットというのがやはり機能をしていないんではないかと。これは是非、肉牛ですとか養豚にはマルキンというのがあります。これ、まあいろいろ課題はあるというふうに思いますけれども、しかし酪農はマルキンさえもないと。是非、酪農マルキンというものを実現していただきたいというふうに思います。酪農は収入保険がありますけれども、これほとんど入っていませんし、酪農経営の悪化の要因というのはやはり餌ですとかそういう資材ですので、それをカバーするようなものに是非していただきたいということです。 五番目は、畜産の持続的発展に必要な政策ということで、今、基本法農政の、基本法の見直しが行われていて、みどりの食料戦略システムとの合体というふうなことも言われているようですけれども、それに対しては全く賛成でございますが、どういうふうにみどり化していくかということであります。 以下述べる提案といいましょうか提言は、実は二〇一三年に、今日資料でお付けしましたけれども、全国酪農協会等から提言ということで、これが三回目の提言だったんですけれども、行っておるものとほとんど変わらないものです。十年前に提案したものが依然として現実化されていないということに本当に残念で無力感を感じるんですけれども、是非今回それを実現、先生方のお力で実現させていただきたいというふうに思います。 内容的には、先ほど申しましたように、所得を補填するような、補償するような制度で、これは諸外国、例えば米国においては乳価と飼料費の間の所得を補填する、補償するような保険制度があります。EUにおいてはもう三十年以上直接支払ということで、価格支持政策と切り離した直接的な所得を補償するというような制度があります。日本も直接支払、部分的にはあるんですが、それを全面的に展開していただきたいというふうに思います。 もう一つ、みどり化との関係でいうと、自給飼料に基づいた畜産生産ということで、農地利用を基準にした直接支払制度、EUでは品目横断的な直接支払というふうにもう既に変わっておりますが、すぐには無理かもしれませんが、日本においても農地を利用するということに対して、農地を確保するというのは今の基本法の見直しの中で入ると思いますけれども、平時における食料安全保障というものの要でございますね、その農地を確保するためには、私は畜産的な利用というのが最もあるいは唯一の手段ではないかというふうに思っております。 で、濃厚飼料依存からの脱却ということで、大変恐縮ですけれども、餌基金というものをやはり見直すということも場合によっては必要であろうと思いますし、あるいは、自給飼料生産の振興ということで、畜産的な活用というのは飼料生産だけではなくして耕作放棄地や林地を活用した放牧というものも当然考えられますし、あるいは、今問題になっているのは、例えば飼料米ですとか飼料用のホールクロップサイレージを作っても家畜の口に入るまで非常にだんだんと遠くなってしまっていると、輸送費だけでもう販売額が、販売費がなくなってしまうというふうなばかげたことが起こっているんですね。 やはり、生産したところで使うということが一番であるということでいうと、集落営農で家畜を導入して耕畜連携を図るという方向が一つの方向ではないかと。具体的に、もう既に、例えば鳥取県の八頭船岡農場、これは旧村が一つの法人経営として行っておるんですけれども、余り条件の良くないところは耕作放棄地を放牧にして和牛を取り入れる、あるいはほかのところでも耕種生産を取り入れて多くの新規就農者を迎え入れているということがあります。 事例の二としては、山口県の杵崎の里というところですが、ここは、耕作放棄地、今は二十五ヘクタールになっておりますけれども、そこを放牧によって再生して、しかも、ここでは地域の焼き肉店と連携して、放牧肥育、濃厚飼料をほとんどあげない肥育を行って、それを焼き肉店で提供して、非常に消費者の好評を得ているというふうに言われております。 つまり、農地政策というのは、我々の目から見ますと、やはり米政策中心であると。例えば、飼料用稲ですとか、飼料用米ですとか、青刈りトウモロコシを水田で作った場合、飼料用稲の場合は、まあ収量によって違いますが、十万五千円、飼料用米は十万五千円、ホールクロップサイレージの場合は八万円、ところが、青刈りトウモロコシの場合は三万五千円というふうに大きな差があります。 例えば、中山間地域直接支払においても、地目別の交付単価が、水田の場合は二万一千円に対して、畑は半分、採草放牧地は僅か千円というふうに大きな差がありまして、水田のあぜを切ったらこれ半分になってしまうんじゃないかというふうに現場の危惧する声も聞こえております。 これは、段々畑を、水田を例えばオーナー制度で利用するというのが一つの手かもしれませんが、やはり畜産的に放牧するとか、そういう形で農地として利用していくというのが合理的な方法ではないかというふうに思います。 それから、③としましては、先ほどの山口の例のように、これまでは輸入牛肉との差別化ということで霜降り重視ということで一生懸命やってきたんですが、そろそろそれを見直すような契機になっているんではないかと。いわゆるみどり化というものの内実としまして、霜降りをそれほど重視しないような肉牛生産の在り方というものも誘導するということも必要だと思います。それには、格付制度の見直しということもあるんではないかと。 それから四番目としましては、クラスター事業で今一生懸命生産を拡大してきたんですが、それが残念ながらややもすると箱物行政になって、今は多額の借金を負って、この収益性が悪い中で再び負債問題が顕在化するということになりつつあるということを非常に恐れております。 このクラスター事業というのは、本来は地域で畜産経営を支えるという言わばソフト事業だったはずなんですね。そこに立ち返っていただきたいと。そして、特に、経営を見守るようなコンサル事業というものをやはりもう一回充実していただきたいと。 それから五番目には、余り畜産では言われていないんですけれども、種鶏、種畜ですね、国産化。これ、種苗法の改正の問題、改悪というか廃止の問題というのは様々問題になって、県が頑張っていらっしゃるわけですけれども、例えば養鶏は国産は数%しかありません。海外から輸入し続けなきゃいけないんですね。これはまさに食料安保にとってゆゆしき問題で、その海外の種畜会社も世界で数社しかないわけですね。独占状態です。ここを何とかメスを入れていただきたいと思います。 最後に、担い手育成。これは新規就農者。やはり平時における食料安全保障の問題としましては、農地の確保と技術を持った担い手、若い人の確保ということで、これが充実、重要です。我田引水ですけれども、我が静岡県立農林環境専門職大学は、我が国初めての専門職大学であります。 そして、最後に一点だけ。私たち……
○委員長(山下雄平君) 小林参考人、時間が来ておりますので、御意見をおまとめください。
○参考人(小林信一君) はい。最後です。 馬頭農村塾というNPOをつくって、耕作放棄地を耕して、今、新規就農者の夫婦を受け入れて、そこを農地として活用するということをやっています。民間ができることを是非国がやっていただきたいと。国は農業者大学校を潰しました、残念ながらですね。それを今、農協ですとか生協、メーカーが一緒になってつくっておりますけれども、再度、国がそういう学校をつくっていくというようなこともやっていただきたいなと思います。 以上です。失礼しました。
○委員長(山下雄平君) ありがとうございました。 次に、金谷参考人、お願いいたします。金谷参考人。
○参考人(金谷雅史君) こんにちは。千葉県の酪農家の金谷と申します。ありがとうございます。 私は酪農家で、今日も搾乳してきたんで、何でしょう、こういった資料を基にプレゼンテーションするというのは苦手ですので、文章を書いてきましたので、読み上げますので聞いていただければと思います。 最初にお伝えしたいことは、私の意見は、千葉県のみならず、SNSなどを通じて広く酪農家から聞き取りを行っての意見です。集めた意見は全て別紙に配っておりますので、折を見て拝読いただければ幸いです。 加えて、金谷牧場の青色申告決算書を過去から遡って六年分添付いたしました。生の数字を是非御覧になってみてください。加えて、過去三年間の乳価の推移と輸入飼料の推移も添付いたしました。全て私の経営の数字です。牛飼いがまとめた数字ですので、見づらい部分も多々あるかと思いますが、見てみてください。 あと、ネット中継などもございますので、読み上げての説明は割愛させていただきます。御質問いただく際もお気遣いいただくよう、お願い申し上げます。 先に一点だけお願いがあります。 先月十日にお隣韓国で口蹄疫が発生したとの報道を見ました。既に注意喚起はされていることと思いますが、先生方も襟を正す気持ちで、周りにも注意喚起をしっかりお願いします。 参考までに、当時、宮崎口蹄疫を経験した方の声を御紹介します。薬殺するときの牛のもがき苦しむ姿が頭から離れない、牛を売ることもできず、ただただ借金だけが膨れ上がり、牛との自死を考えた、口蹄疫終息と言われるまでの約五か月、人間の行き来も制限され、周りの牛も殺され、ぼろぼろなのに、その後の風評被害で牛も売れなくて、口蹄疫から免れた人たちも離農や自死をしていったということでコメントをいただきました。 私自身も、ニュースしか聞いておりませんでしたが、生の声を聞いて大変心苦しく思いました。厳格に対応いただきたいです。特に、韓国からの渡航客には全員消毒槽を踏んでもらう、手荷物検査で肉類を没収するくらいの気持ちで対応いただきたいです。よろしくお願いします。 さて、まず、今現状の酪農情勢について振り返りたいと思います。我々酪農家の収入の基礎となる乳代ですが、昨年十一月、飲用乳価十円値上げ以来、再度の飲用乳価十円の値上げが本年八月に控えています。時間は掛かっておりますが、乳価へのコスト反映は着々と進んでいます。当初求めた三十円の乳価値上げも残り十円ですので、八月以降は来年の四月の値上げを目指して指定団体には交渉を進めてもらいたいと思っております。 しかし、またも為替が百四十円台の円安で、不穏な動きを見せています。もうこの酪農危機の底は脱したと思っていましたが、また悪化するのではないか、そんな不安が拭えない状況です。輸入乾草や配合飼料の価格もこれから落ち着いていくと思っておりましたが、為替の浮き沈みによってまた値上げ基調になっていく可能性は否定できません。ですが、子牛、成牛の販売価格は一時期より良くなったので、そこだけが救いだと感じています。いつになったら終わりが来るんだろうかとほとんどの酪農家が思っています。早くしっかりもうけが出るようにしてほしい、そこに尽きると思います。 つきましては、今現在、国の農政に関して御意見を述べさせていただきます。 最初に、世界情勢や為替の影響を多大に受けている我々酪農家ですが、更に厳しいのは消費者ではないかと思います。我々がコスト転嫁を乳価に求めますと、必ず市場価格が上がります。幾らコストを転嫁したところで、消費が落ちてしまっては意味がありません。最近では、牛乳類よりも価格の安い低脂肪乳などが販売を伸ばしていると聞いております。ならば、消費者支援ももっと力を入れていただきたいと思います。北海道では、子育て世代に牛乳券、お米券が配られているそうです。そういった支援はできないでしょうか。消費者の皆様が国産農産品を消費したくなるような農政を是非ともお願いいたします。 また、理解醸成活動ももっと力を入れるべきかと思います。農水省もユーチューブにて発信しておりますが、まだまだ日本の国産農産品を選んでいただけるには足りないと感じています。国として行うのは難しいかもしれませんが、国産農産品をもっと食べていただきたいと思ってもらえるテレビCMなど打てないでしょうか。その際は、是非とも現場の人間を出演させて、同じ日本人が頑張っている姿を見てもらうことでより農業者の立場も向上すると思いますので、一層創出にもつながると思いますので、需要の創出につながると思いますので、御検討ください。 次に、酪農経営改善緊急支援事業、いわゆる早期リタイア事業についてです。 こちらの事業は、低能力牛を一頭屠畜すると国庫から十五万の補助金をいただける事業です。この事業は、農水省にも先生方にも、後ろ向きな評判と耳に入っているのではないでしょうか。減産の一助になればということは分かりますが、要件にしている廃業者が使えないことと二年間減産目標を達成することの二点と、一頭十五万という額が問題だと感じています。 まず、廃業者がもらえないのはなぜなんでしょうか。当然ながら、廃業者も減産に一役買っています。営農を続けてほしいという意味での廃業者は使えないという要件だと思いますが、この要件はない方がよかったのではと思っております。恐らく廃業補助金というのは認められないだろうと思いますが、業界全体で減産を推進しているのなら、廃業希望者もやめやすい環境づくりは必要かと思います。 加えて、二年間の減産目標ですが、これも厳しいです。低能力牛の牛を一頭屠畜したら二年間は牛の補充ができないのがこの要件だと思います。二年間一頭分の枠を空けて減産するならば、二十万円ではとても足りません。私が思うに、四十万くらいであれば検討に値するといったところでしょうか。若しくは、二年ではなく一年にしていただくことも有効かと思います。 今からでもこの事業の要件緩和をしてみてはいかがかと思います。せっかく付けてくれた予算が未達で終わってしまうようでは、納税者の方らに申し訳が立ちません。やめたい人がやめられる、続けたい人が続けられるような補助金要件を期待します。 蛇足ですが、北海道で生乳廃棄が行われていることがテレビで流され、大変話題になりました。このことについて、特にどこの団体からも調査報告などがありません。世間が注目したのに、このまま何もなく過ぎ去ってしまっていいのでしょうか。関係団体に、このことを調査して報告するよう、先生方から御進言いただけないでしょうか。でないと、心配されている消費者の方も留飲も下がらないと思います。 今後も、こういった減産のための補助金が必要なことが、幾ら需要の創出をしようとも、また来ると思います。酪農危機は必ず需給ギャップと飼料高騰のセットで起こっております。そのときのために、しっかり業界全体で効率よく減産に取り組めるシステムづくりが必要ではないかと感じています。 また、北海道にばかり需給の調整弁をさせているのが忍びないと思っている全国の酪農家がたくさんいます。だからといって、全国的に一律に減産をすると、地域に根差した都府県の乳業メーカーなどは販売量が落ちてしまうので収益が落ちてしまいますし、元々生乳が足りない地域は更に足りなくなります。ですから、どうしても北海道にそのしわ寄せが行ってしまうわけですが、ここに強力に支援するべきだと思っております。可能かは分かりませんが、北海道のみに向けられた減産支援政策があってもいいと思いますし、生産者が協力して拠出金を集めて北海道に向けるといいのではないかと思います。これについては全国的な協議が必要かと思います。私一人の意見ではそう思っているんですけれども。 ひとまず需給ギャップと、あっ、ごめんなさい、一たび需給ギャップと飼料高騰が起これば速やかに減産して、いち早く乳価を上げやすい状況をつくることが最も酪農危機に対して効率的な防御策なのではないかと私は考えます。ですが、あわせて、需要の創出も強力に進めていくような政策を期待します。 次に、酪農家の離農が加速度的に進んでいる問題についてです。 もう中酪のアンケート結果などから御存じかと思いますが、毎日赤字を積み上げているような現状では、離農を選ぶのも無理はないと思います。ただし、離農の中身に関しては、高齢を理由に離農された方が多いというのを目にしました。この点についてですが、私は決して高齢だから離農したわけじゃないのではと思います。つまりは、自分の子供に酪農を継がせられないと思ってのことで、結局、後継者問題なのではないでしょうか。働いたら働いた分だけもうけが出るならば、皆一様に後継者に継がせたことと思います。 せっかくつくり上げてきた生産基盤が日に日に失われています。地域によっては、牧場がなくなれば町、村の消滅につながるという地域があります。特に小規模牧場でもうけが出づらい状態が長く続いていたと思います。頭数飼って何ぼ、スケールメリットといった、大規模化したなら利益が出やすくなるのが酪農業界だと思います。ならばこそ、小規模牧場若しくは新規就農者こそ手厚い支援をするべきではないでしょうか。 酪農業界は、昨今のクラスターによる大規模化が進んでまいりました。ですが、この大規模牧場も永遠ではないと思います。次の大規模牧場がどこから生まれるのか、それは中規模牧場から。中規模牧場はどこから生まれるのかは、小規模牧場からといった具合に、裾野産業であることを御理解いただきたいです。今、その裾野の麓も麓、足下の家族経営の小規模牧場がどんどん減っています。これは、二十年、三十年たったときに大きなデメリットになると思います。 若者の業界参入を強力に後押しできるような体制になっていなければ、酪農の未来は衰退すると思います。形としては戸別所得補償のような形がいいのではないかと思いますが、先ほど不足払いとか酪農マルキンの話がありましたが、私としては戸別所得補償のような形がいいと思いますが、先生方の深い考えにお任せいたしますので、御検討いただければと思います。 最後に、以前から、酪農家の社会的地位がとても低いと感じている酪農家が大変多いです。三百六十五日休みのないこの仕事をボランティアでやっているわけではありません。生活があります。ですから、人並みに休みたいし、その上でもうけが欲しいです。しかしながら、現状はその逆。休みはなく、もうけが出ない。今、営農している私たちがしっかり休みを取れる、その上で、人よりも多く働くのだから、その分のもうけが確保できないと、胸を張って若い人らに勧められません。今、新規就農希望者がいても、掛ける言葉は、今はやめておけという人がほとんどです。 百年後の日本酪農のありようを想像しても、ネガティブな想像しかできません。遠い未来では、日本人の手で搾った牛乳はほんの一握りになってしまい、日本は酪農業が盛んだったと昔話にならないでしょうか。 ですから、明るい日本酪農の未来を見据えて今の酪農業界をどう進めていくべきか、先生方の深い議論と更なる御支援をお願いいたします。そのためならば、私自身、骨身を削って協力することを惜しみませんので、どうぞお声掛けください。 最後の最後でもう一つだけお願い申し上げます。短期的な支援がいまだ必要な酪農家が多いので、是非とも一頭十万円の補助金を御検討いただけるようお願い申し上げます。 百年後も日本酪農が存続し、子孫らが酪して生き抜いている明るい未来を期待します。先生方、本日は世界牛乳の日です。今日は是非牛乳で乾杯をしていただければと思います。よろしくお願いします。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(山下雄平君) ありがとうございました。 次に、新村参考人、お願いいたします。新村参考人。
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。東京農工大学の新村と申します。 私の方からは、アニマルウエルフェアの現状と課題について説明させていただきます。 ページめくっていただきまして、スライド少し多いですので、前半飛ばしぎみで説明させていただきます。 まず、アニマルウエルフェアとは何かというところなんですけれども、基本的な、いろんな考え方があるんですけれども、アニマルウエルフェアは基本的には人が動物を利用するということは許容しますということで、お肉も食べますし、ペットも飼うというのは許容します。だけれども、最終的に殺されるからといって何をしてもいいかというわけではなくて、生きている間は生活の質を高めてあげようというのが動物福祉の基本的な考え方になるということになります。 主体は動物です。人ではないということで。ですので、人が動物をかわいそうだと思うというのは動物福祉ではなくて、動物の側から客観的に動物の状態を評価して、動物の状態を向上させていくというのがアニマルウエルフェアになります。ですので、客観的で科学によって動物の状態を理解していくということが非常に大事になってきます。科学ですので、やはりぶれにくい、基準になりやすい、ですのでグローバルスタンダードにもなりやすいという性質もあるかと思います。 その下にありますスライド、右上に番号が振ってありますけれども、三枚目の鶏の、動物の状態と書いてある写真ですけれども、図ですけれども、動物福祉というのは、定義としては動物の状態という定義になります。ここに書いてあるマイナスの例えばストレスですとか、プラス、喜びですとか、そういったものをひっくるめて足し算した例えば二十点、四十点という点数を動物の状態、すなわち動物の福祉だという定義がすることができるというような定義になっております。 ページめくっていただきまして、スライド番号四番目になりますけれども、じゃ、その動物の状態をどうやって理解するか。一つの動物の状態を五つに切り分けて考えるというのが五つの自由という考え方になります。五つの項目がありまして、例えば、餌をあげましょうですとか、痛みをなくしましょう、それから、動物が持っている正常行動を発現させましょう、こういった五つを満たすことが、動物の状態、すなわちアニマルウエルフェアにとって大事だということになります。 その下の鶏の写真は、その動物の正常行動をやはりしっかり理解していくということが大事になってきます。これは行動学的な、オーソドックスな写真、行動学的な実験なんですけれども、こういった、例えば二十四時間おなかをすかせた鶏を右側に置いて、左側に餌をあげますと、この鶏はこの写真のように透明な扉をかなり重くてもぐいっと持ち上げることができますと。こういった形で行動欲求を調べることができると。 今度は、例えば満腹な状態の鶏を右側に置いて、左側に止まり木を置いたとすると、例えば止まり木の場合ですと、先ほどの空腹の状態が百点だとすると、七十五点ぐらいの扉の重さを鶏は持ち上げて止まり木に止まろうとすると。つまり、鶏にとって、そういった止まり木に止まりたいという動機付けというのは、非常に行動欲求が強いということが言えるかと思います。 ページめくっていただきまして、スライドナンバー六になりますけれども、こういった観点で、アニマルウエルフェア、家畜ごとにもうたくさんの課題があります。 今日は、採卵鶏の中でも特に批判の的となっているケージについて中心に説明させていただきますけれども、このケージがまずなぜ問題かというと、先ほど申し上げたとおり、鶏が例えば巣箱で卵を産むとか止まり木に止まって休む、そういった行動欲求が満たされない環境だから批判の的となっているという状況になります。 じゃ、ほかに代替になる飼い方、飼育システムとは何かというところで、写真でまとめてありますけれども、大きく分けますとケージとケージフリーということになります。ケージは、バタリーケージ、それからケージに止まり木などを入れたエンリッチドケージ。それから、ケージフリーは、いわゆる平飼いですとか放牧、そういったものがケージフリーになるということになります。 スライドめくっていただきまして、ナンバー八になります。 こちらは世界地図なんですけれども、家畜の福祉という観点から世界を評価した世界地図になります。緑になれば評価が高くなるわけですけれども、やはり一見してヨーロッパ、EUは評価が高い。一方で、アジア、それから南米、アフリカというものは評価が低くなっているという現状になっています。これはいろいろな見方ができると思うんですけれども、どちらかといえば、世界が一枚岩になって放し飼いに向かっているというよりかは、どちらかというと二分化しているような感じさえ見受けられると思っています。 その下の同じく世界地図なんですけれども、これは鶏のケージなのかケージフリーなのかという世界地図になりますが、これもやはり同様で、ヨーロッパはケージフリーが、たくさんオレンジ色のケージフリーが増えていますけれども、やはり、アジア、南米、アフリカというものはまだまだケージだというような状況になっています。 めくっていただきまして、スライド十になります。 こちらは、各飼育システムの長所、短所を端的に示したものです。福祉は五つの自由の観点から評価しておりまして、これ信号機をイメージしていただきまして、青は安全、赤はリスキーだということで理解していただきたいんですけれども、例えばケージを見てみますと、やはり病気のリスクというのは、ふんが全て下に落ちますので、衛生的な環境、それから物理環境も空気の質が高いような環境は維持できるということです。ただ、やはり正常行動の自由というところだけが非常にリスクだということになります。 ケージフリーは、正常行動の発現の自由というものは十分満たされるわけなんですけれども、やはり自分のふんの上を歩くリスクも増えますし、たくさんの鶏がいるところに管理されるわけですので、病気のリスク、それから痛みのリスクというものは必然的に高くなってしまうというデメリットがあるということがあります。もちろん、リスクですので、こういったリスクが、病気のリスク、痛みのリスクが除くことがもしできれば、ケージフリーは全体として福祉レベルが高いということも言えると思います。 ここで申し上げておきたいのは、もうとにかく完璧な飼育システムというのはないということですね。ですので、ケージフリーイコール動物福祉ということでもないということをここでお示ししたいと思っております。 それから、生産性につきましては、やはりケージは一番生産性が高いです。ケージフリーはどうしてもその活動量が増えます。行動の自由も増えますので、同じ餌を食べても、どうしても卵、出てくる卵の、生産される卵の量というものは少なくなってしまう。ですので、卵の価格というものが必然的に高くなってしまう。これはそうかなと思います。下の例でも、今、卵の価格がかなり高くなっておりますので、これはちょっと前の話になるかもしれませんけれども、一年前の研究ですと二倍の価格に、ケージから放し飼いにすることで二倍の価格差になってしまいますということで、こういったときに、じゃ、アニマルウエルフェア、いいけれども、じゃ、価格が二倍になっちゃいますといったときに、やはりなかなか消費者に買ってもらえないという状況もあるのかなと思っております。 スライドめくっていただきまして、国際基準になりますけれども、国際基準があります。OIEが制定しておりまして、日本も加盟しております。国際基準は基本的にはあらゆる飼育システムを認めているということで、日本は賛成の立場にありますと。 その下のスライドはEUとアメリカの状況を端的に示したものですけれども、EUはもう五十年ほど前からファイブフリーダム、五つの自由というものを考え始めていまして、バタリーケージというものはもう十年前ほどから法律で禁止になっております。今後は完全に放し飼いに移行すると。ケージフリーに対する高い消費者ニーズというものも存在して、まあ高くても買いますよという消費者がほとんどです。 アメリカは、州の法律もあるんですけれども、特徴的なのは、やはり投資というものを背景としまして、企業がケージフリーの卵を一〇〇%扱うという宣言をして、アニマルウエルフェアが進んでいるというのがアメリカの特徴になります。基本的にバタリーケージからケージフリーに、およそあと数年後で五〇%になるということが予想されております。 めくっていただきまして、スライド十四枚目、これが非常にギャップに苦しむところなんですけれども、日本の現状になります。 消費者アンケートの結果としまして、アニマルウエルフェア知っていますかという質問で、知らないと答える消費者が八二%、名前は聞いたことあるけど内容は知らないというのが一二%、合わせて九四%の日本の消費者というのはやはりアニマルウエルフェア知りませんと、これがやはり現状かなと思います。それから、生産者アンケート、これも採卵鶏ですけれども、ケージ飼いというものが今現状九四%になっております。ですので、ここもいろいろな見方ができるんですけれども、アニマルウエルフェアを知らない、安くて質のいい卵を求める消費者ニーズと供給のニーズというのがある意味でバランスが取れている現状だとも捉えることができるかもしれません。 その下行きまして、まとめに少し入っていきますけれども、先ほど申し上げましたとおり、EU、アメリカ、オーストラリアはもうケージフリーに移行しているという一方で、やはり国によってはケージが主体でいるということで、世界が一枚岩になってケージフリーに向かっているということではないということになります。 日本の現状としましては、アニマルウエルフェアの問題は、これまで説明させていただきましたとおり、もう間違いなく不可避であります。対応をもう絶対にこれはこれからやっていかなければいけないという現状にあるということだと思います。 ただ一方で、やはり消費者意識が低いということですとか、日本の生食文化ですね、非常に独特な、生卵を食べるという文化がありますので、本当に、衛生的に少しリスキーなケージフリーというものが本当に日本の食文化に適合したものなのかというのは、やはりまだまだ検討の余地があるだろうと考えております。 めくっていただきまして、スライド十六枚目です。 こちらは、じゃ、どこを目指していけばいいのかというところで、私も答えは持ち合わせていないんですけれども、一つのポイントとしましては、ケージフリーイコール動物福祉ではありませんので、どの飼育システムで飼うのかというよりかは、その飼育システムの中でどうやったら動物の状態を向上させるかというところが重要だということで、それぞれの飼育システムの管理の最適化、これが一つ、目指すべきポイントの一つじゃないかなと考えております。 この下の、何か二次関数のようなグラフがあるんですけれども、こちらでちょっと説明させていただきますと、これは横軸が生産性で縦軸が福祉レベルになっております。生産性と福祉のレベルの関係性を表しますと、おおよそラージ点AからB、C、ラージ点Dの曲線になると考えられます。 重要なのは、まず、ラージ点A、ラージ点Bのところはバタリーケージ、ラージ点C、ラージ点Dはケージフリーと理解していただきまして、重要なのは、まず、そのケージの中でも福祉も生産性も向上させることができるポイントというのがあると。それがラージ点Aからラージ点Bだということで、例えばラージ点Aは、やはり、まだケージの中でも非常に過密な飼い方をしている生産者はやはり一定数います、二割、三割いますので、ラージ点Aからラージ点B、最適な密度、最適な羽数、そういったものを完全に最適化することによって、生産性も福祉もその両方が上がるポイントというのがあると。なので、ケージの中ではまたラージ点Bをまず目指していくというのが一つのポイントかなと思っています。 同様に、ケージフリーも、ずさんな管理をしている農家さんもいらっしゃいますけれども、やはりラージ点Dではなくてラージ点C、ここは生産性と福祉レベルが両方上がるポイントですので、まず目指していただくというところかなと思います。 それから、ラージ点Bからラージ点Cのところにつきましては、なかなか、右上にあります、やはり需要と供給のバランスを見ながら、ラージ点Bからラージ点Cを少しずつ微増させながら目指していくというところが重要になってくるかなと考えております。 めくっていただきまして、これは課題になりますけれども、まず重要なのは、EUは五十年にわたるいろいろな研究、教育の上に今の現状がありますので、日本は、やはり今のその畜産体系を基盤として、きめ細やかな管理の上に日本版の動物福祉というものを少しずつ確実に導入していく必要があると考えています。 で、五つ、少し書いたんですけれども、まず一つは研究ですね。科学的なエビデンスというものがないに等しいですので、当然、そのヨーロッパの研究を見てこの研究がこうなんだけどと言われても、温暖湿潤な気候の日本で本当にそれがそのとおり起こるんですかと言われても、やはり分からないですね。現状も把握し切れていないということで、やはり、じゃ、どういう方向に進むべきかという、そもそものそのエビデンスがないんですね。やはり議論になかなか進みにくいというところがありますので、研究費を確保をしていただきたいというのが、できれば研究センターをつくりながら、研究費を継続的に額も増やしながらやっていただくというのが重要かなと思います。 めくっていただきまして、対話の場ですね。これは、やはりこういった場も本当に非常に重要で、農水省の方でもいろいろなステークホルダー間の対話の場を設けておりますので、これは非常に画期的で、是非継続して分科会なども検討していただきたい。 その上で、やはり重要なのはガイドラインの制定になります。こういった国際基準を満たすようなガイドラインの制定をしていくということです。具体的に、何年後に例えば過密な生産農場を何%減らすですとか、具体性も示していただく。 それから、四番の認証制度は、統一的な認証制度をつくって、で、ヨーロッパ、写真のように、韓国のように一つ一つの卵に印字するような方法によって消費者への理解を増やしていく。 それから最後に食育ですね。そもそも、子供たちがどうやって自分たちが食べている動物が飼われているかって知らないですね。なので、やはり動物福祉の重要性に気付けない。EUはもうほとんどの人が知っている。ですので、こういった中長期的に見て重要になる食育というものを推進していただく場を提供していくことが重要と考えます。 以上です。ありがとうございました。
○委員長(山下雄平君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構です。 質疑のある方は順次御発言願います。
○船橋利実君 自由民主党の船橋利実でございます。 今日は、参考人の皆様には、お忙しいところ貴重なお話をお聞かせをいただきまして、本当にありがとうございました。今いただいたお話を踏まえながら、質問させていただきたいと思います。 まず、飼料の高騰対策ということでお尋ねをいたしますが、私は地元が北海道でございまして、北海道の酪農、畜産の皆様方も府県の方々と同様に大変厳しい経営環境下にあるということは認識をいたしております。これも、新型コロナウイルス等の影響によって大幅に需要が減少してしまった、生乳の需給が緩和傾向、これが続いてきたと。そして、飼料、これが円安の進行によって価格が上がる。また、電気料金もそうでありますけれども、生産コストそのものが大きく上昇してきている。こうしたことが経営の圧迫要因になっているというふうに思っております。 こうした状況の中では、生産コストを賄っていくというためには、まず早期に生乳の需給ギャップ、これを解消していく必要性がある。生産者団体の皆様には本当に苦渋の選択であろうかというふうに思いますが、自らが生産抑制に取り組んでいただいているということについては本当に恐縮に思っております。 また、飲用向け、金谷参考人からもお話ありましたけれども、昨年十一月と本年八月、乳製品向けは本年四月にそれぞれキロ当たり十円アップの価格改定がなされておりますし、酪農苦境というものを、これを乗り越えていくために、生産者、そして団体が一丸となって取り組んでいただいていることに心から感謝を申し上げます。 私ども政府・与党の立場としても、これまで予備費などを活用して、生産コストの上昇により畜産経営の影響を緩和するための飼料価格の高騰対策などを行ってきており、畜種横断的な対策としては、配合飼料は、先ほど全農の齊藤常務からも御紹介ございましたけれども、配合飼料価格安定制度の異常補填基金に計七百六十八億円積み増しを行い、令和四年度第三、第四・四半期においては、配合飼料一トン当たり全額国費でそれぞれ六千七百五十円、八千五百円の補填を行うなど、特別対策を措置してまいりました。 さらに、令和五年度第一・四半期以降、配合飼料価格の高止まりによって補填が減少していかないように、農家の実負担額を段階的に抑制をする新たな特例、これを設けさせていただくこととしておりまして、政府はその財源に予備費を措置をいたしております。 そこで、齊藤参考人にお尋ねをいたしますが、政府・与党として、これまで飼料対策は酪農家を始め多くの畜産農家の皆様の支えとなるという思いの下に対策を講じてきておりますけれども、これまでの政府・与党が進めてきた飼料対策について、現場における受け止めということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問いただき、ありがとうございます。 それでは、回答をいたします。 先ほど、船橋議員より御紹介ありましたとおり、令和三年度、四年度において異常基金の積立て、さらには配合飼料価格高騰緊急特別対策など実施をいただきました。これらの対策の現場での受け止め方でございますが、総じて緊急的に講じていただいたことに対して心より感謝をするという声を聞いております。 具体的には、例えば西日本や鹿児島では安定基金の補填と国費による飼料高騰対策による酪農、畜産経営の負担軽減に心から感謝をしているですとか、あるいは北海道、東北、北九州からは資金繰りに欠くことのできない最も重要な制度の一つであるということ、国に実施していただいた飼料高騰対策について、安定基金の財源が枯渇している状況下、一定レベルの補完をいただいて非常に感謝をしている、あるいは令和五年度の安定基金制度について特例を設けていただいたことは非常に感謝している、これは北海道からの御意見でございます。 このように、総じて現場からは、このような緊急的な、かつ迅速な対策に感謝の気持ちが伝えられております。 以上でございます。
○船橋利実君 ありがとうございます。 次に、消費拡大についてお伺いをしたいと思いますが、生乳の需給緩和改善に向けて、国としても乳製品の在庫低減対策や早期リタイアに対する支援などを進めてきているところでありますけれども、国民の皆様に理解をいただきながら消費拡大に取り組んでいくことが重要というふうに認識をしております。 現在の生乳の需給緩和の改善、もっと牛乳・乳製品を飲み、そして食べていくためにはどれだけの消費増進が必要かというと、国民一人当たり一か月にプラスコップ一杯、これだけの需給緩和の解消に向けて大きく動くことができれば相当改善が進んでいく。こうしたことは、国民の皆さん方の御理解をいただければ、私はさほど難しいことではない数字ではないかなというふうに思っております。 全農の齊藤常務からもお話があったとおり、全農グループでも様々な牛乳の消費拡大に資する取組を進めていただいていることには感謝をいたします。 実は私、私の祖父母、母方の祖父母の家には、私が子供の頃、まだ乳牛がおりまして、当時、牛乳缶を荷車に積んで運ぶ手伝いをした記憶があります。ただ、手伝いをしていたのか邪魔をしていたのか分かりませんけれども。あと、搾りたての牛乳が常に家の中のまきストーブの上に置いてあってそれを飲んでいたという記憶もありますし、ばあちゃんや母親が作ってくれる牛乳ようかん、これが非常にうまかったなというのが私の幼い頃の思い出であります。 ただ、今は時代が変わったといえばそれまでなんですけれども、生産者とそれから消費者の距離感が随分と変わってしまったな、そういうふうに感じることがあります。生産者からも消費者がなかなか見えないし、消費者からも生産者がなかなか見えないという感じがいたします。こうしたところをつないでいただいているのは全農の皆さん方のお取組ではないかなというふうに思いますけれども、齊藤参考人にお尋ねをいたしますが、これから更に消費拡大に取り組んでいく上にあって、これまでどのような状況で進めてきておられるのか、好事例あるいは今後新たな取組としてお考えのことがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。 手前どものスタンスといたしましては、引き続き、消費拡大、理解醸成に取り組む所存でございます。 好事例ということがございましたが、ミルクティーやカフェオレなど、先ほど御説明をしたような酪農を応援する製品を発売しておりますが、その中で、JAタウンや一部のAコープの店舗だけでのそもそもの販売でございましたが、SNSやニュース番組にも大変好意的に取り上げられていただき、予定の販売量を超えたこと、あるいはまた鉄道系のコンビニさんから販売、取扱いのお声掛けをいただいたことなど、非常に好評を、総じて好評をいただくことができました。 また、オンライン体験牧場などは、コロナ禍でも実際の牧場で体験ができるということで、酪農や牧場、乳牛のことを学べる取組として、これからも参加者からもっと応援したい、少し牛乳苦手だったけど好きになったという酪農家への温かい言葉もいただきました。非常に手前どもとしてはうれしいことだと思っております。 それと、先生から先ほどありました生産現場と消費の現場が非常に遠くなっているということを私自身も感じる場面がございます。先ほど乳牛のサイクルをお示しをいたしましたが、乳牛はお乳を出す動物だというふうに思われている方がおります。したがって、蛇口をひねったり締めたりすると出たり出なかったりというふうに調整ができるというふうに考えておられる方が意外に多い。それを非常に私としては、もっともっと理解を深めていただかなければいけないことだと思っておりますので、こうした取組について更に今後強化をしてまいりたいというふうに思っているところです。 ありがとうございます。
○船橋利実君 ありがとうございます。 金谷参考人にお尋ねをいたします。 私は、酪農家の方々が、自分たちの生活が豊かだ、そして酪農というのはやりがいがある、そのためには、必要なもの、それは収入なのか、暮らしなのか、周りの環境なのか、どうお考えですか。
○参考人(金谷雅史君) まず、意見を先ほど言ったときにも結構言っていたのは、やっぱり働いた分のもうけが伴っていないというところが一番大きいと思いますので、どれほど豊かかというのは別として、ある一定の豊かさというのはやっぱりもうけが伴っていないというところで出ていないと思いますので、それが働いた分だけ、例えば最低賃金ぐらい、働いた時間掛ける最低賃金ぐらいちゃんと取れるのであれば、それはそこから豊かになっていくというような気持ちになると思います。今のところはそれが伴っていないというところですね。 御質問ありがとうございました。
○船橋利実君 ありがとうございます。 私どもとしても、今日参考人の方々からいただいた御意見あるいは御要望も含めて、我々政府・与党の責任の中で、また御期待に沿えるような対策を進めていきたいというふうに思っております。 次に、鳥インフルエンザについてお尋ねをいたします。 今シーズンの鳥インフルエンザにおいては過去最大の発生となり、二十六道県、殺処分数は約一千八百万羽に及んでおります。また、スーパーで卵が品切れとなる事例が出ており、今シーズンの鳥インフルエンザの拡大というものは消費者の食卓にも影響が及んでおります。 もちろん、生産者一人一人がしっかり飼養衛生管理を徹底し、農場にウイルスを持ち込まないということが基本ではありますけれども、一方で、今シーズンのような局面にあっては、防ごうとしても防ぎ切れないという現実もあろうかと思います。 国としても、鳥インフルエンザが発生した生産者が殺処分を行った場合、基本的には評価額の全額を手当てする措置をすることにはなっておりますけれども、齊藤参考人にお尋ねいたしますが、鳥インフルエンザについて、過去最多となった今年の現場の実情、それを踏まえた来シーズンに向けた課題などについてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(齊藤良樹君) お答えをいたします。御質問ありがとうございます。 手前どもといたしましては、先ほど御紹介をいたしました防疫に対する対策の徹底を図るための啓発活動など、取組を進めているところでございます。 現場での今大きな課題の一つとして取り上げられますのは、埋却地の問題でございます。埋却地が確保できませんと営農が継続をできないという問題がありまして、養鶏生産者の方にもまだ見付かっていないというふうな方もいらっしゃるところでございます。 行政や団体とも協議をしながらこの課題をやはりしっかりと解決をしていかなきゃいけないわけなんですけれども、やはりこの問題については、やはり焼却なども含め、別の手法も引き続き検討を重ねていっていただければというふうに思っている次第でございます。よろしくお願いいたします。
○船橋利実君 ありがとうございます。 私もせんだって地元の養鶏業者の方々と意見交換いたしましたけれども、今、齊藤参考人からお話があったような要望なども承った次第でありますので、我々としてもできる限りの努力をしていきたいというふうに思っております。 以上で終わります。
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣のりこと申します。よろしくお願いいたします。 本日は、四人の参考人の皆様、それぞれのお立場から本当に貴重な御意見、誠にありがとうございました。 時間もございませんので、順に伺っていきたいと思います。 まずは、小林参考人に伺います。 酪農において、セーフティーネット機能が弱められてきた政策という御指摘がございましたけれども、例えば、こちらの資料にもございますように、酪農にはマルキン制度もないと、飼料高騰などには対応できないというような御指摘がございましたが、なぜこの酪農にこういう仕組みが取り入れられなかったのか、どのように分析されていますでしょうか。
○参考人(小林信一君) 多分それは先生方の方がお詳しいんではないかと思うんですけれども、私たちが十年前に酪農マルキンのようなものを導入してほしいという要望を出しましたときに、様々な、農水も含めていろんな反応が返ってきたんですけれども、その中に、例えば価格が公的に決められていないですとか、例えば子牛ですとか肉牛のような卸売市場がないとかというような話がありましたけれども、全く理由になっていないんではないかというふうに私は思いました。 なぜ酪農だけそんなにじゃけんにされるのかというのは、実に私もよく分からないところでありまして、不足払い制度のときは、あのときは旧畜安法というのがありまして、それがなかなかうまくいかない。あのときは、当時は養豚と乳製品の、指定乳製品にあったんですが、その中で、指定乳製品についての畜安法の機能というのがなかなかうまくないということで不足払い制度というものが入れられたということで、そういう意味では、当時は酪農に対して格別なといいましょうか、その当時の様々な苦境に対するカバーというものを、生産者団体、そして乳業メーカーも、さらに国も知恵を絞って考えていただいたというのがなぜ今ないのかというのは私はよく分かりません。教えていただきたいほどです。
○石垣のりこ君 ありがとうございました。 では、その酪農を実際に今なさっていらっしゃる金谷参考人に伺います。 休みもなくもうけもないということで、本当に次代に継いでいくこと自体のためらいというようなお話もございましたけれども、この休みがないという点において、今何があると助けになるというふうにお考えですか。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 休みがないことに原因、問題点ということですけども、休みを取るための制度自体はヘルパー制度とかそういったものがありますので、今日も傍聴席にそういった方が来てもらっていて応援はしていただいているんですけれども、それを取る、雇うためのもうけが出ていないと、単純にお金がなくて休めないというのが現状だと思います。 ありがとうございます。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 もうけがないという、若しくはその何か収入補償の部分がないという点はいろんな参考人の皆様からも御指摘があったところだと思いますが。 続いて、新村参考人に伺いたいと思います。 先ほど、小林参考人の御指摘の中に、霜降り信仰からの脱却という御指摘もございました。霜降りのものももちろんおいしいと、世界にもちろん評価していただけているという現状もありつつ、そこに余りにも偏り過ぎてはいないだろうかと。みどりの食料戦略の観点からも、この赤身の、できるだけ低価格で、今の日本の持っている資源を有効活用した肥育の在り方があるんじゃないだろうかというようなことだと思いますが。 今日のお話の中では、どちらかというと養鶏の点でのアニマルウエルフェアの御指摘が多かったとは思いますが、もしアニマルウエルフェアの観点から、この現状の霜降り牛偏重の肥育の在り方に関して御意見があったら是非教えていただきたいと思います。
○参考人(新村毅君) 霜降り肉とアニマルウエルフェアって余り議論がされていないので、どちらかというと、牛だと、例えばその角を切るときにどうするかとか、痛みですとか、そういった飼い方の問題ですので、遺伝的にもう霜降りになるという遺伝的なものに対してアニマルウエルフェアどうのこうのというのは余り議論、まあ遺伝的なところでかなり決まっているので、それをしっかり生産体系としてやるというのが一つなのかなと思います。ちょっと別な問題なのかなと思います。
○石垣のりこ君 飼育の点から問題になるようなことというのは今のところないというような認識でよろしいですか。
○参考人(新村毅君) そうです。その点についてはそうですね。しっかり生産されているはずですので、牛については問題ないと思います。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 続いて、齊藤参考人に伺います。 様々な資料を御提示いただきましたけれども、消費者の方向けの広告ということで、これは十ページに、SDGsの時代に、日本の農畜産物が持続可能な価格で売られていないのはなぜだろうというような、この広報がございました。 齊藤参考人は、この持続可能な価格で売られていない理由をどのように認識されていて、その負担をどこがどのように負うべきであるというふうにお考えでしょうか。
○参考人(齊藤良樹君) まず、牛、豚、卵につきましては、コスト積み上げではなくて、いわゆる需給によって価格が決定していくという仕組みがございます。したがって、コストを賄えている場合もあれば、コストを賄えていない場合も需給によって決定されてしまうということでございます。 また、酪農においては、毎年乳価交渉が生産者団体と乳業メーカーの間で行われるわけですけれども、その場面において決定したものが大きく変動した場合に、なかなかそれをすぐにコスト反映できる仕組みがないということがございます。現在、酪農家が非常に厳しいのは、やはり今現状のコストがすぐに反映できていないところで、しかもそれが余りにも急激にコストが上がっているというところで非常に苦しい状況に陥っておられるというふうに考えているところでございます。 したがいまして、今後については、そういったコスト変動をしっかりと反映できるような仕組みづくりや、あるいは、反映する仕組みをつくるにおいても、ただ単に乳業メーカーと生産者団体だけで決めていては、これは意味がないことで、やはり小売や消費者の方々、サプライチェーン、バリューチェーン全体で理解醸成をし、納得をいただいた上で値段を上げさせていただくような仕組みづくりが今後必要ではないかというふうに考えているところであります。 以上です。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 もちろん、消費者の方が理解をしていただいて、その価格の上乗せというところで受け入れられるというところもあると思うんですが、その受け入れられる幅がどの程度であるのか。ふだん日常生活で私たちが消費する食べ物が余りにもやっぱり高くなり過ぎても問題があると思いますし、そういう点で、先ほど金谷参考人のお話からもありましたけれども、結局、乳価が上がれば経営は楽になるかもしれないけども、乳価が上がるイコール牛乳の小売価格が上がる、それが消費抑制につながってしまう、それが牛乳余りになる、更に経営が苦しくなるという、そういう悪循環に結局は陥ってしまうというところで、もちろん、生産者の方がその現場で努力をされているということはもちろんですけども、やはり国が営農できる状態を保障する必要というのは私は確実にあると思います。その点に関しては参考人の皆様からも御指摘をいただいておりました。 さらに、小林参考人に伺いますけれども、地域集中化、大規模少数化することのリスクという御指摘がございましたが、この点に関して、現状、ちょっとどの程度今そのリスクを抱えていて、どの程度までちょっと分散をしていったらいいのかという、これは小林参考人の御認識で結構ですので、教えていただければと思います。
○参考人(小林信一君) ありがとうございます。 例えば酪農においても、先ほど申しましたように、北海道が四割ということですけれども、北海道でも東半分が八割ですので、地域集中がかなり進んでいるということなんですね。一方、例えばある県、具体的に言いますと和歌山なんかは数軒ぐらいになってしまうという形で、酪農以外にも畜産農家が非常に減少していく。養鶏でも二千を切るですとか、養豚でも三千幾つですとかですね、酪農経営も全体で一万一千とか二千ぐらいの数字になって、一万を切るんじゃないかというぐらいになっていると。ということは、当然、各地域においてはもう既に、私も何年か前に各市町村ごとに酪農とか畜産がいない市町村の割合も出したんですが、今ちょっと覚えていないんですが、そういうのがかなりあるような状況になってきているということがあります。 そのことが、やはり一方では特産地化するということのメリット、いわゆる効率化ですとかそういう、あるいは産地がブランド化するというふうなことはあるんですけれども、それは今まではメリットだったんですが、これからは、農地の利用ですとか、あるいはいろんな感染症なんかも含めた天変地異に対するいわゆる強靱性という面では相当リスクが高いという、そこをやはり考えながら推進していくということが必要ではないかということなんですね。 ですから、政策の力点というのがこれからはリスクヘッジということにかなり重きを置いてやっていただきたいと、その一環として、畜産経営が全国に、市町村にどこにもあるということを実現していただけるような政策をやっていただきたいということがお願いでございます。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 そのどこにでもというところで、例えば耕作放棄地になった場所であるとか、そういうところを活用して集落営農の中で農畜連携をやっていくというような御指摘もございましたけれども、先ほどアニマルウエルフェアの観点から伺いましたが、霜降り信仰からの脱却という点に関して、今政府で掲げているみどりの食料戦略の観点から、どういうふうにメリットがあるのかということをもう少し御説明いただいてよろしいでしょうか。
○参考人(小林信一君) 霜降りの生産、過度な生産に対して、みどりの問題との絡みということですよね。 霜降り、要するに肉牛ですとA5ランクというふうな最高なランク、これは何を基準にするかといろいろあるんですけれども、やはり一番が霜降りの度合いということで、これは生産者が非常に苦労をされて、その割合を、A5の割合というのを非常に高めてきたわけですね。 これは、安価な、そして品質が急速に良くなっている輸入牛肉、例えば和牛というのは、今、日本の和牛じゃなくてオーストラリア和牛の方が世界的にはスタンダードになっているという状況の中で、差別化を図るという意味で霜降りをどんどん高めてきたということが、それは一定の成果なんですけれども、次のフェーズを考えた場合は、濃厚飼料を多給するというのは当然コストが掛かりますし、実は消費者もそれほど好んでいないんではないかというのが私たちの調査の結果なんですね。 むしろ赤肉で肉を感じるようなものを、おいしい赤肉を食べたいという、そういうふうに変わってきているわけですから、それをやはりきちっと捉えた生産の仕方というのをやっていくというのが、濃厚飼料依存ではない自給飼料に、あるいは草に依存するような生産の仕方というのは、これから消費者にも受けるような時代が来るんだろうと、それを先取りしていくということが必要ですし、EUはそういった政策的に農法を転換してきたという、そういう、三十年、四十年の中でですね、そういうものを日本もこれからやっていただきたいということであります。 以上です。
○石垣のりこ君 ありがとうございました。 私も個人的な嗜好では赤身の方が好きですので、そういう生産を含めて、日本の畜産も含めて、より振興していけるように、参考人の皆様からいただいた御意見を基に、今後も審議を進めていきたいと思います。 今日はありがとうございました。
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。 四人の参考人の先生方、本当に今日は大変貴重な、重要な御意見を賜りまして、ありがとうございます。 早速ですが、質問させていただきたいと思いますが、まず、齊藤参考人と、また金谷参考人にも同じ質問をさせていただきたいと思います。 先ほども船橋委員の方からも御質問があったところでもありますが、様々この配合飼料の価格高騰対策、政策を打ち出させていただいているところでもありまして、直近では、令和五年度の第一・四半期以降の新しい配合飼料価格高騰対策を打ち出させていただいているところでもございます。 先ほど齊藤参考人の方からは、感謝の声、喜びの声を挙げていただいたところでもございますが、まだまだ予断を許さない状況かとも思いますので、今後の課題認識についても併せてお答えをいただきたいとともに、金谷参考人についても、この価格高騰対策を始めとした政府の対策に対しての評価と今後の課題についてお答えをいただきたいと思います。
○委員長(山下雄平君) まず、齊藤参考人。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。 今お話のありました令和五年度第一・四半期以降の対策につきましては、生産者の負担軽減につながる措置としてこの取組に賛同し、国の御指導の下、手前どもとしても一緒になって取り組んでいく所存でございます。 一方で、この取組は、JAグループや生産者の積立金で運営する通常基金の借入金を増やすことになります。その借入金の返済は通常補填と同じ財源から行いますので、返済に当たっての金利助成や無理のない返済計画、しっかりと補填ができるような返済計画が組めるようにお願いをしたいというふうに思っております。 間もなく制度の詳細が決まると聞いておりますので、生産者、組織への周知、理解を進めてまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 配合基金、もうここ最近ずうっと出していただいていて、有り難くいただいております。ありがとうございます。 ただ、現場で配合を食べさせている身としては、やっぱり高止まりしたときに補填金が少なくなってくるというのは以前から問題視されていたと思うんですけれども、それが今まさに起こっているというところで、上がっているのに対して補填金が、ちょうど今ぐらいですね、少なくなってきているのかなという実感があるところでございます。 そこに対して新しい制度があるようなニュースも聞いておりますが、詳しくは承知していないのでちょっとコメントは差し控えますけれども、先ほど齊藤参考人が言ってくれたとおりで、餌屋さんなんかもお金を借りて赤字を積んで積み増しをしていただいているというのも聞いております。関係会社の方、皆さんにありがとうございますということはお伝えしたいんですが、まだまだ足りないというのが実情です。
○安江伸夫君 ありがとうございました。 続きまして、この飼料の自給率の向上に関連をしまして、これは齊藤参考人と、また小林参考人にも御意見を伺いたいと思います。 今後、食料の安全保障を強化していくという流れの中で、輸入依存度が高く価格高騰も続く飼料作物の自給率をこれ高めていくことが重要と認識をしております。 その上で、畑地化による飼料作物の生産性を高めようとする生産者への支援の拡充や、あるいは耕畜連携に対する更なる支援が必要ではないかというふうにも考えているところでもございますが、これらに関する課題認識と、また国への政策要望があればお伺いをしたいと思います。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。 まさに、食料安全保障リスクが顕在化をしてきたというふうに認識をしております。こうした中で、飼料米、子実トウモロコシ、稲わらといった飼料作物の自給率向上は非常に重要であるというふうに考えております。飼料米については一定程度生産側では定着をしてきたところでございますが、子実トウモロコシにつきましても、本会として、各地で生産及び飼料用途としての利用実証を進めていきたいと思っております。 本会は、子実トウモロコシの生産、流通、飼料利用におけるメリットや課題を確認をするために、令和四年度から宮城県のJA古川と連携をし、子実トウモロコシと大豆の輪作による大規模実証に取り組んでおります。令和四年度の作付けは約九十二ヘクタールであり、現在実証結果を取りまとめているところですが、栽培基準を遵守して作付け、栽培管理した圃場の収量はおおむね六百キロ以上というふうなことで良好となっております。 低収圃場については、減収要因として、播種量の不足ですとか、あるいは排水不良、あるいは虫害、鳥獣害が明らかになっておりますので、次年度は基準徹底、各種対策を図っていきたいというふうに思っているところでございます。 また、耕畜連携についても、資源循環の観点から、家畜排せつ物及び稲わらの有効利用が重要であると認識しております。もちろん地域内での循環が理想なんですけれども、耕種と畜種の農家数あるいは資源発生量については地域ごとに偏りがございます。したがって、地域内だけではなくて、食料安全保障を強化していく流れの中では、全国域で捉えた耕畜連携も固めていく、基盤を固めていく必要があるというふうに考えているところであります。 昨年度は、本会宮城県本部と鹿児島経済連が宮城の稲わらと鹿児島の肥料を、堆肥入り肥料を交換する事業に着手をいたしました。ただ、いかんせん、千五百キロの輸送を主にJRコンテナを利用してやるわけで、そうしますと運賃増嵩がかなり課題となっておりまして、この支援を是非お願いをしたいということで、国の方に要請をしているところでございます。 いろいろ課題ありますが、これからしっかり取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(小林信一君) 御質問ありがとうございました。 飼料自給率が二五%からなかなか上がらないということで、やはりその内容としては、粗飼料自給率を一〇〇%にするというのは政策目標にしているはずなんですけれども、それがなかなか行かないという面が一つあります。特に酪農家にとっては、輸入濃厚飼料だけではなくして、輸入粗飼料が濃厚飼料よりも高いというような、そして基金制度もないという、そういう問題があるわけですから、そこに手を掛けるという必要がありますし、本当は国産のいろいろまだ未利用、低利用の資源というのはたくさんあるわけですから、それをうまく活用するという手がまだあるんではないかと。 それから、濃厚飼料については、やはり飼料用米、飼料稲の活用、ソフトグレーンなんかも含めて、そこがまだまだ目標にはるかに到達していないというのは一体なぜなのか。先ほど申しましたけれども、山形の餌米なんか、遊佐で先駆的に行われていたところがありましたけれども、生活クラブなんかがですね。結局、あそこで作ったものを太平洋の工場まで運んでまた運び直すというような、そういうことをやっている。それでは全然効率、あるいは生産性が上がらないということで、やはり取れたところで使うということをきちっとやっていくということが必要だと思います。私が先ほど申しましたように、耕畜連携というものが地域の中で完結するような形を是非取っていただきたいというふうに思います。 食料自給率が三八%で、また、なかなか四五という目標、自民党さんの目標にも行っていないという。ところが、木材自給率は一八%から四十数%まで行っているんですね。だから政策、あそこはやはり固定支払を導入したということで、そこまで政策いかんによって自給率は上がっているということをやはり参考にしていただければ、食料自給率ももっともっと上がる可能性はあるんではないかというふうに思います。それはやはり水田の使い方ではないかというふうに私は思います。 以上です。
○安江伸夫君 貴重な御意見ありがとうございました。 続きまして、適正価格の形成に関連をしてお伺いをしたいと思います。この質問につきましては、齊藤参考人、小林参考人、また金谷参考人にも御意見があればお伺いしたいと思います。 端的にお伺いをいたしますけれども、やはり適正な畜産物価格、乳価を実現をしていくことが重要だというふうに考えておりまして、流通事業者や消費者も含めた理解醸成を一層進めていくことが必要だというふうに考えておりますし、先ほども質問にもありましたけれども、飼料価格の高騰を生乳取引価格に反映をする新たな仕組みを構築していく必要性があるかというふうにも思っております。 適正価格の形成に関して、お三方から御意見を順次お伺いできればと思います。
○委員長(山下雄平君) では、齊藤参考人。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。お答えをいたします。 現下の厳しい畜産、酪農経営の状況は我が国の食料安全保障に支障を来しかねないことから、生産者の再生産に配慮をした適正な畜産物価格、乳価形成の実現に向けた仕組みの構築は大変重要というふうに認識をしております。一方、御指摘のとおり、生産者の窮状、あるいは価格転嫁の必要性を消費者や流通、小売の皆様にもしっかりと御理解をいただくことが重要で、食のサプライチェーンを全体でこの仕組みを構築する必要があります。 それと、その中で、こういうことを実現していく上で、先ほど石垣先生もおっしゃいましたが、一方で、今後は穀物価格というのは中長期的には上がっていくであろうと。世界の人口増もございます。そういう中で、上がっていくだろうということの中で、やはり価格反映をしていくと需要が落ちてくるというリスクが伴います。やはり、これには、あわせて、しっかりとした需給対策、とりわけ生乳の場合は日もちがしませんので、それを加工品に置き換えていく、加工していく必要性が出てまいります。そういった面での需給対策というものがセットでないと、なかなか機能してこないのではないかなというふうに私は思っているところでございます。 したがって、そういった点について、国の方にしっかりと需要が落ちたときの対策を併せて要請をしてまいりたいというふうに思っておるわけですし、この民民の努力の範疇を超える事態が起きた場合においては、生産者に対する新たな仕組みづくりということを是非御検討いただきたいというふうに考えているところであります。 ありがとうございます。
○参考人(小林信一君) ありがとうございます。 適正な価格というのは非常に難しいと思うんですね。それで、今回も飲用乳について値上げをした結果、消費が落ちていくということで、そこをやはりEU並みに価格支持と所得支持を切り離す、デカップリングするというのは、大きな意味においては必要ではないかというふうに思います。 例えば、牛乳・乳製品について言うと、唯一消費が拡大しているのはチーズなわけですね。ところが、チーズ、伸びているのは、実は国産ではなくして輸入なわけですね。そこが代替できるのかどうかということでいうと、実は今、関税が引き下がってきている、TPP11ですとか日EUのEPAの結果として徐々に下がってきて、一番問題なのは抱き合わせ関税が有名無実化するということで、もうそろそろ、あと数年のうちに、抱き合わせ関税というのは御存じだと思うんですけれども、国産を使えばその二・五倍ぐらいの輸入品を無税で使えるという、国内のメーカーにとってもメリットがあるということで国産を使うという面があるんではないかと思うんですね。 それが、それを使わなくても安く輸入チーズが使えるということになると、国産をどこまでやるかと。せっかく四十万トンまで行った国産のチーズというのがなくなってしまう、まあなくなることはないと思うんですが、相当減ってしまう、あるいは伸びないということがあるわけですね。そこをどうするか。 実は、これチーズ乳価の中で、かつては、チーズ乳価が一番低いので、酪農家としてはそれを使いたくないわけですけれども、かつては補助金がチーズに対しては厚かったんです。それを今回は全部フラットにしてしまったので、チーズの拡大というのにマイナスの作用をしているという、その辺の政策的な展開ということもやはり細かく考えていただいて、国産チーズをもっともっと増やしていくという、輸入代替するというふうなことも考えていただくということが必要なんではないかというふうに思います。 以上です。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 適正な畜産物価格、乳価ということですけども、先ほど意見言ったときにもお伝えしたんですけど、昨年十一月に飲用乳価値上げがあって、今年の八月にもあると。本当に着々と進んでいるというのが現状で、現場の人間の意見を聞いていますと、遅いというのは聞いております。 ですけども、先ほどの意見でも言ったとおり、それを急に上げていけばやっぱり消費はその分落ちていくというのは、小林参考人が言っていたとおり、上げた分落ちるという反動は出てくると思いますので、だから、適正な価格をすぐに反映するという方よりも需給ギャップをなくす方を急いで、なくしてすぐに上げられる状態をつくる方がいいのではないかと思います。 需給ギャップがあって乳価が上げられない状態が長く続いていて、今大変苦しいのが私の、生産者としての思いだと思いますので、適正な価格反映も重要なんですけれども、それよりも、上げやすい環境づくりというような方が大切かなと思います。 ありがとうございます。
○安江伸夫君 貴重な御意見ありがとうございました。新村参考人に御質問できず、申し訳ありませんでした。 以上で終わります。
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一です。 今日はどうもありがとうございます。 酪農に関して、海外から輸入を十三万七千トンですか、していて、日本の牛を殺しているということで、おかしいんじゃないかという声も私いただいて、この委員会でも質問させていただきましたし、ほかの委員会からも質問があったんですが、これに関して、金谷参考人と齊藤参考人に、現場の声ですね、今日、政府の方々も聞いていらっしゃると思うので、現場の声として、この輸入はずっとしているのに国内で酪農家を守っていないことに対しては、酪農家の御本人と、また全農の齊藤参考人としては、政府との関係でどんなような交渉が行われたとか周りからの声というものを、金谷参考人、齊藤参考人にお聞きをしたいと思います。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 私もその点については、去年、もうかなり早くから、問題だなというか、かなり気になっていたことで、名前を出しますと鈴木宣弘先生とかが輸入乳製品をやめろというようなことを訴えておられたりしていて、それを聞いていて私もやっぱり同じ気持ちになっていたんですね。それが果たして本当なのかということが分からなくて、二つ返事で信用していいものかというところ分からなくていろいろ自分で調べたんですが、結果として輸入乳製品は決して悪者ではないというふうに私は思っていまして、添付資料にあるんですけど、ノートというのを私、書いているんですけど、そこで輸入は決して完全なる悪ではないということを書き上げていますので、是非読んでいただきたいんですが。 例えばで言いますと、平成二十九年で申し上げますと、国内の商社が輸入のカレントアクセスで十三万七千トン買っていただいたときに、マークアップとして収入が酪農家はいただいておりまして、それが加工原料乳補給金制度の一部になっております。それはちゃんと数字見て調べたんですけど、百三十六億円その年は入っていたと。全部で三百七十億円ぐらいだと思うんですけれども、その三分の一近くマークアップで入っていたという事実は、私、見たときは愕然としまして、だから、決して悪者ではない、輸入乳製品をやめろということは間違いではないと思っていまして、ただ、心情的なところでやっぱり日本の農産物を売っていただきたいという気持ちだけあります。 以上です。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問いただき、ありがとうございます。 十三万七千トンが変わらない、減らないという問題については、私は生産者団体としてゆゆしきことであるというふうに考えております。今の、特に北海道を中心とした酪農家は、元々はバター不足があって、そこからクラスター事業なんかを使いながらどんどんこれまで拡大をしてきた経過があるわけですね。そういう中でしっかりと拡大をして、さあこれから回収といった瞬間にこの事態がやってきて、そして非常に厳しい状況が来ている。今やもう七%、まあ通常四%程度の廃業だったのが七%まで直近では上がってしまっているという状況があるというふうに考えているところです。 そこで、やはり、これは先ほど言ったことの繰り返しになって誠に恐縮ですが、やはり本当にルールをそういう意味でしっかり日本は律儀に守っていかなきゃいけないのか、そこはしっかり交渉をしていくべきではないかというふうに考えていますし、少しでもやはり需給調整の中で輸入物のところでできるのであれば、そちらをしっかり追求していくべきであるというふうに考えていますし、もう一つ繰り返しになって恐縮ですが、先ほど言った乳牛のサイクルからいって、一旦毀損した基盤は三年間返ってきませんので、そこを十分に理解醸成した上で取組を進めていただきたいなというふうに思っているところです。 以上です。
○串田誠一君 ありがとうございます。 是非、政府の方でももう検討、再検討していただきたいなと私自身としては思っているんですが。 新村参考人にお聞きをしたいんですけれども、私もこの委員会でアニマルウエルフェアを取り上げることが多いんですが、この資料の中でアニマルウエルフェアの問題は不可避と書いてあるんですけど、この不可避というのはどういうことが前提としてこのような文言になっているんでしょうか。
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。 まず、国際基準がやはりできたということで、やっぱり先ほどから議論になっているその畜産物の輸出入の中でアニマルウエルフェアというのが国際基準の一つになって評価されていくということですので、今のところその協定の中でアニマルウエルフェアというようなものは入り込んでいないんですけれども、例えば、国と国との協定の中でアニマルウエルフェアを一つ例えば入れたというときに、非常に大きな日本としても多分不可避の課題になってくるんではないかなという意味で不可避と申しました。
○串田誠一君 先日、NHKで「闘うタマゴ」という番組がありまして、親子で、お父さんがバタリーケージで子供が平飼いというのをやっていて、たまたまその番組の中では子供の方がその売上げが上がっていたというようなことがあったんですけど、売上げが上がったということは消費者の認知度が高まってきているのかなと思うんですが、それでもこの資料によると日本はアニマルウエルフェアの認知度が非常に低いという感じなんですが、欧米とアジアを比較されているということは、欧米はアニマルウエルフェアの認知度が高いということなのかなと思うんですけど、この違いというのはどういう過程の中で生まれてきているんでしょうか。
○参考人(新村毅君) 私もそこをかなり長年いろいろ調査してきたんですけれども、特に何か一つの答えがあるというわけじゃないんですけれども、やはり多くの方が言うのは、やはり長年の中で、教育とかそういったものでしっかりやってきたと。 まあ幼少教育もそうですし、例えば認証制度によって、スーパーマーケットレベルで消費者がちゃんと選んで、アニマルウエルフェアって何だろうというのを選んで、価格とともにちゃんと選べる体制を整えたというところが、やっぱりその長年の蓄積があるというところがかなり大きな違いを今生んでいるのかなと思っています。
○串田誠一君 先日、伝統行事ということで、三重県の多度大社の上げ馬神事というのをちょっと質問させていただいたんですが、例えばスペインのバルセロナだと闘牛が二〇一一年にできなくなったということで、伝統行事に関しても動物福祉というか虐待はなくしていこうというのもありますし、韓国では動物園・水族館関連法が昨年改正されて、イルカショーが今年の末から見られなくなったということもあって、欧米とアジアと比べているんですけど、アジアの中でも日本はかなり遅れていってしまうんじゃないかという認識を持っているんですが、新村参考人はその点の感想はどうでしょうか。 〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。 私も全くのそれは同感でして、そうですね、おっしゃるとおり、イルカのショーというのが日本でも当然のごとく皆さん見られているんですけれども、やはり科学的に調べてみると、例えばその繁殖行動ですとか事故のリスクというのは非常に高いというところで、今ヨーロッパ、アメリカでは多分ほとんどなくなっていますし、そういったその文化というのがもうそもそも通用しなくなる。 日本のイルカ漁の話もそうなんですけれども、そもそも、文化だからという説明がもうそのアニマルウエルフェアというところではほとんど通用しなくなってきているというところで、やはり何というか、そこら辺をしっかり、文化だからとかなんとかというところではなくて、しっかり科学的に、動物の状態はこうだから、やっぱり、ここまではいいですよね、駄目ですよねというところを、しっかり基準作りをやっぱりしていくのが大事なのかなと思っています。
○串田誠一君 その点では、大人がちゃんとそのアニマルウエルフェアを理解してやっていかないと、それを見た子供が認識していないまま成長してしまっているのが今の日本かなと、ちょっと私は感じております。 金谷参考人にお聞きをしたいんですが、先ほどの話の中で、廃業するということが多いということなんですけど、廃業するかしないかという分岐点というか、周りの同じ業者がいらっしゃると思うんですけど、相当な覚悟と、まあ自死という話もちょっと出て、本当につらい言葉があったんですけど、どういうようなことで最終的には判断するのか、そのときには誰に相談をしていたのかというのをちょっとお聞きをしたいと思うんですけど。
○参考人(金谷雅史君) 廃業、損益分岐点からその先はどうするのかという意味だと思うんですが、今現在でいえば、完全に損益分岐点は過ぎていると、廃業するかしないかを判断するべきな酪農家というのはかなり多いと思います。 なぜそれを続けているのかということですけども、私の場合は三代目なんですね。祖父が始めた牛飼い業ですので、そこから父が継いで、私が継いでいると。結局、牛飼いをやめたときに何をするのかとか、そういった話は考えていけば切りがないんですけども、この牛飼い業はやめたらもうできませんので、先ほどお話あったと思う生産基盤、もう戻せないということは、本当にこの一軒一軒がやめたら戻れないというところにあるんだと思います。 なので、私はそういったところで生産基盤を失いたくないと、祖父、父がつくったものを失いたくないというところで頑張っております。 以上です。
○串田誠一君 ちょっと個人的な質問になってしまうんですが、金谷参考人は今三代目ということなんですけど、お子さんがいらっしゃるんであれば、四代目に同じ仕事をさせたいと思いますか。
○参考人(金谷雅史君) 今現在はやめておけというのがもちろんのところですが、心情的にはやっぱりやってほしいですね。ですけども、そういった状況をつくっていくのが役目かなというところです。
○串田誠一君 そのためにも、しっかり政府が支援してほしいなというふうに思うんですけど。 小林参考人にお聞きをしたいんですが、北海道にこの酪農が四割ということなんですけど、これがうまくいかない場合に廃業したりするところが増えてしまうということは、北海道としてはその後どういうような地政的なというか、地域的な問題が発生すると思われるでしょうか。
○参考人(小林信一君) 済みません、北海道の全体の生乳生産量の割合は今六割近くなっていて、道東、東半分が約四割ということですけれども、御質問の趣旨というのは、あれですか、ここまで集中化していくと……。(発言する者あり)北海道の酪農が廃業してしまうとどうなってしまうかということですか。 それはもう日本の酪農がもう終わりということになってしまうのだと思うんですけれども、ここまで北海道が営々と築いてきた、そして北海道の道東というのは中山間地域の対象、つまり酪農しかやれないという地域が大きいわけですから、そういうところを、きちんと生産活動をしているという、そこが失われるというのは非常に大きいですよね。 〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕 ですから、そこが環境を破壊するような形で農業を継続するんではなくして、農地と畜産、家畜がうまくバランスを取れたような形で継続的に、持続的に農業を進められるような体制を維持するというところが必要ですし、そういうことができるような環境、経営環境を整えていただくということが必要だというふうに思います。
○串田誠一君 質問はこのぐらいにして、大変参考になりましたし、政府としても、是非この緊迫した状況を必死に、やっぱり解決できるような支援にしていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江と申します。 今日は、四人の参考人の皆様、ありがとうございました。 畜産、とりわけ酪農は、本当に政策に長い間翻弄されてきたと、そんな印象を持っています。余れば廃棄や廃業、足りなくなれば畜産クラスターでどんどん増産しろと、その繰り返しの中で、本当に今非常に厳しい状況に追い込まれているのではないのかなと思っています。 これ、畜産、酪農のみならず、全てがそうなんですけれども、やっぱりこの農業、再生産可能な所得をどのように実現していくのか、それが問われているんだと思うんですね。その際に、価格、すなわち消費者負担型でいくのか、所得、すなわち納税者負担型でいくのか、又はコストを補助する、今の配合飼料価格安定基金なんかそうですけれども、やはりそういった様々な手法の中でどれを選んでいくのか、こういったことをどう考えていくのかということに尽きるのかなと思っているんですね。その際に、果たして今国が進めているような大規模化、地域集中型でいいのか、この辺りも考えていかなければいけないと思っています。 その面から、まず金谷参考人にお聞きしたいんですけれども、資料を拝見いたしますと、大体五十頭規模だということを聞いております。そういう中で、今のその規模を選んだ背景というんですかね、五十頭をもっと増やしたい、いや、これ適正だ、いや、少なくて、その辺、ですから、規模拡大のコスト低減効果も含めて、今の規模とその規模拡大という方向の正当性について、実体験としてまずお答えいただきたいと思います。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 大規模化についてなんですけど、私の経営でいえば、父の経営を継いだ状態で、その後、頭数を増やしていません。そのままの状態で来ておりますので、そういった背景があってその頭数になっています。 ただ、やっぱり頭数を増やしていくというのは、おっしゃるとおり、経営の安定だったりとか、利益が出やすくなってきますので、それで大規模化というところですけど、それってやっぱり、私が就農してからもやっぱりはやりで、例えば、うちでいうと三十頭牛舎なんですけど、そういった状態から、例えば十五頭増やして四十五頭にするとか、五十頭牛舎の人が七十頭とかいうふうに増やしていたのがもうずっとはやりというか、やっぱりその分利益が出やすくなるよと、スケールメリットとかというところで言われていましたよね。 だから、それでクラスターで大規模化するというところで、私の知っている、千葉県内でも一、二、三軒、大規模化しているところがあります。百頭から三百頭とかいうふうになっていますけど、聞く話としては、今現状ですと、やっぱりそのスケールメリットというのは確かにあるみたいですけども、それが十円、一日一頭十円なのかとか、そのぐらいの話で、それが例えばマイナス一円になったときにとんでもないことになるぞという話は聞いておりますので、やっぱり海外の情勢に左右されるような状況で大規模化を一択で進んでいくようなことはかなり危険ではないかというふうに思っているのと、あと、大規模化自体は、やっぱりその利益を、コストを下げて利益を上げるというので大変いいことだと思うんですよね。ただ、さっきも言ったとおり、海外の情勢に左右されないというところで、やっぱり自給飼料であるとか国産飼料をもうある程度使うような計画で、その基準がかなり高い計画でないとクラスターで採択を出さないような要件で大規模化は復活していくといいのかなというのは思います。 以上です。
○舟山康江君 ありがとうございました。 小林参考人にも今のこの規模拡大についての御見解をお伺いしたいんですけれども、今、金谷参考人からもありました、やはりこの輸入飼料に依存している今の現状の中で、果たして本当に、要は、規模拡大をするということは投資も大きくなると、そういう中で、この規模拡大のコスト低減効果というものが果たしてどこまであるのか。むしろリスクが大きくなるんではないかという、そういった疑問もあるんですけれども、小林参考人、ずっと学問的にも研究された立場でお答えいただければと思います。
○参考人(小林信一君) ありがとうございました。 実は、日経新聞にも書かせていただいたんですけれども、収益性ということでいうと、規模拡大によって農家は総所得を拡大していった、それしかなかったんですね。ところが、最近はいわゆる薄利多売になっているんです。ある程度販売価格も伸びていますけれども、コストもそれ以上高くなっているので、この幅が狭くなっているんですね。幅が狭いということは、ちょっと飼料価格が上昇するとか乳価が下がったら赤字になってしまう。赤字が大きくはなるわけですよ、規模拡大だと。何千万、何百万、何千万という赤字になってしまうという、おっしゃるとおり、リスクが非常に大きな形になってきていると。 しかも、今、規模拡大をどんどん進めていって、それもクラスター事業のような形で借入れによって行って、私の知っているところでも、何億、四億、五億、十億とかというちょっと考えられないような借金をして規模拡大をしているというところがある。これ、本当に返せるんだろうか、こういう収益状況の中でですね。 やはり、私、実は全農さんの酪農コンクールをずっと審査させていただいているんですけれども、最近は、結果として小規模な家族経営が優秀賞を獲得しているんですね。四十頭規模でも一千万円を獲得するような、そういう基本的な、規模がそんなに大きくなくてもきちっとやれるという経営が、もちろん環境によっていろいろ違うんですけれども、まだ残っているというところで、昨日、私、静岡の東部の酪農家の経営診断をずっとやってきたんですけれども、同じ環境、非常に悪い中でもいい人もいるし悪い人もいるという、それぞれがあるわけで、そういう酪農家のいろんな知恵とか苦境というものを地域の中で情報交換してみんなで高め合うというような、そういう機会ですね、これはまさにクラスターの本業だと思うんですけれども、クラスター事業というのを展開していただくということが、もちろん政策的なバックアップも必要なんですが、生産者の中でそういった情報交換なり、あるいは政策支援というものをやるということが必要だと思います。 だから、ただ単に規模拡大すればいいということではありませんし、規模拡大することのリスクというのが今どんどん大きくなっているというところを注目して経営を行っていくという必要があるんじゃないかというふうに私は思っております。 以上です。
○舟山康江君 ありがとうございました。 私も、地元の養豚農家も、養豚も何千頭というところが多い中で、本当に百頭ぐらいの養豚経営で非常にいい成績を上げているというところもありますので、本当にそこは、やっぱり規模拡大の方向も少し見直して、まさにどうやったら再生産可能な所得の確保、安定経営につながっていくのか、ここを考えなければいけないと本当に強く思っています。 そういう中で、やっぱり餌ですね、金谷参考人は自分のところで自給飼料も大分作っていらっしゃるということですけれども、その飼料の中の自給飼料率というのは、多分生産の豊凶で変わっていくと思うんですけれども、おおむねどのぐらいなんでしょうか。また、もう少し増やしたいなとか、これ面積の制約もあると思いますけれども、やっぱりそこをもっと、畜産、酪農全体として自給率の向上というのは本当に大きな課題かなと思うんですけれども、実際の今の経営について教えてください。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 自給率みたいのをちゃんと計算はしていないんですけど、肌感として大体三割超えだと思いますね、四割まで行っていないんじゃないかなというところです。配合飼料はがんがん使っていますし、搾乳牛の方は輸入乾草も与えております。ただ、育成牛の方は、草に関しては全部、全自給、自分で作ったイタリアンライグラスを食べさせております。搾乳牛も、デントコーンを七・五町、七・五ヘクタールやっておりますので、その分を通年で一日一個から二個、ちょっと出来高によって変わるんですけれども、食べさせております。 で、ごめんなさい、何でしたっけ、自給率と……(発言する者あり)ああ、そうですね。面積に関しては増やしたいというのが実情です。 父がやっていた時代に関しては十ヘクタールやっていたんですけれども、それが全部借地、ああ、全部じゃないですね、ほぼ借地の十ヘクタールなんですけど、それが相続の関係で、持ち主が亡くなった、で、相続人の子供が返してくれというところで、もう種まかないでくれよという話がたくさんありまして、それが年々減って七・五ヘクタールになっております。 だから、農地に関しても非常に問題を感じておりまして、私の千葉県の周りの話ですけれども、もう畑として置いておくよりも、借地、砂利敷いてトラックの置場にするとか、どこかに貸してしまう若しくは売ることが得であるというところで、農地がどんどん減っているのは非常に問題だなと思っておりますので、それを乗り越えて増やしたいと思っております。 ありがとうございます。
○舟山康江君 ありがとうございました。 齊藤参考人にもお聞きしたいんですけれども、やはりこの最大の生産者団体として、その辺り、やはり私は、飼料自給率をどのように増やしていくのか、これは非常に大きな課題だと思いますし、もう一つまとめてお聞きしたいと思いますけれども、いろんな消費喚起の取組もすばらしいと思いますけれども、もう一つは、やはりこの価格交渉、それから集送乳経費の削減、こういったことに対してどのような取組をされているのか、その辺り教えていただけますでしょうか。
○参考人(齊藤良樹君) 自給率の向上の取組については、まだまだ緒に就いたところ、緒に就いたというのは、主原料であるトウモロコシというものを子実トウモロコシで何とか置き換えをしようということで進めているわけですが、ただ、一千二百万トンの今原料をどれぐらい置き換えられるかというところはありますが、やはりそこはしっかりと、できるところを、先生方の言葉にもありますとおり、余りにもこれまでは輸入飼料に頼り過ぎたというふうな言い方をされるわけで、そこをどれぐらい、程度の問題はあるかもしれませんが、置き換えていけるかというようなことが大事だろうというふうに思っているところであります。 それから、集送乳についても非常にこれから大きな課題で、やはり合理的にやろうとすると、設備の集約化をしていかなきゃいけないという課題があろうかと思います。 ただ、それによって、今度は逆に足が延びると、非常に今度はコストが掛かるし、また二〇二四年というものを見据えたときに、余りこの運送会社やトラックの運転手さんに負担も掛けられないと。そこも配慮しながら、全体の老朽化した施設の整備、クーラーステーションですとか、あるいは物流の体系などをやはり整理していかなきゃいけないというふうに思っております。 これからしっかり取り組みたいと思います。よろしくお願いします。
○舟山康江君 ありがとうございました。 あと、畜安法が二〇一八年に改正されまして、一元集荷体制、そして需給調整機能、その辺りが随分変わりました。この影響を現下のこの酪農をめぐる課題と照らしてどのように見ていらっしゃるのか、小林参考人と齊藤参考人、お一人ずつお願いします。
○参考人(小林信一君) ありがとうございました。 畜安法によって二股出荷ということがオーケーになったというところの影響がやはりじわじわと出ているというのは、こういう過剰基調になると、生産者がこれまで需給調整機能を果たしてきたということが果たせなくなってきていると。要するに、指定生乳生産者団体に出している農家はそれに従うということになりますけれども、二股やっている方は、一方では需給調整に協力するけれども、他方、もう一方のところでは協力しないというところで、全体としては需給調整機能が失われるということですよね。一方では安売りが蔓延するということで、ますます市場が混乱していく。 ということは、かつて養鶏でも闇増羽問題というのがあって、もう全然その需給調整がかなわなかったという時代がありましたよね。それが今酪農においても起こりつつあるのではないかと。 これは、何とかもう一度畜安法を見直して元に戻していただきたいと。元に戻っても駄目なんだと、元に戻らないんだというふうに言われるぐらい、実は生産者の間で対立関係だとか不信だとか、そういうものを呼んでしまっているんですね。それが最大の問題だと思いますよね、この法律のね。ですから、ここを何とかしていただきたいというふうに切に思っております。 以上です。
○参考人(齊藤良樹君) 畜安法、五年で検証する、検証が進んでいる時期と認識をしております。 そういう中で、先ほどもありましたとおり、不公平感ですね、いいとこ取り、こういうものが横行しつつある、とりわけこういう事態においてはその傾向が強いというふうに考えているところであります。 そういう中で、不公平感の一つとして、いろんな、やはり先ほどのその需給調整もそうですけれども、いろんなコストを負担、公平に負担できないような仕組みになってしまっている面があると。それを公平にやはり負担できる仕組み、例えば、これは思い付きですけど、チェックオフみたいなね、そういったことで、みんなからお金が取れるような、義務的に取れるような仕組みづくりだとか、やはり公平に何かそういうコストだとか、いろんなところに使うお金を集められるような仕組みづくりみたいなものも併せて検討する必要が出てきている時期なのかなというふうな感じがしております。 まだまだ認識不足の点があるので、しっかり勉強したいと思います。
○舟山康江君 時間となりましたので、終わります。 短期的にはいろんな飼料価格の補助等ももちろんですけれども、やっぱり中長期的には畜産の在り方そのもの、しっかり見直していくということの必要性を改めて感じました。 本当に今日はありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 四人の参考人の皆さん、それぞれの本当に貴重な御意見を聞いているというふうに思っております。 それで、二〇一七年のときにこの畜産経営安定法、畜安法の改正の審議がありまして、小林参考人はそのときに来てくださっているんですけれども、そのときに私質問で、農水大臣、当時は山本農水大臣だったんですけど、畜産物の需給の安定を通じて畜産経営の安定を図ることを明記しているんだというふうに言われました。そして、無秩序な輸入は防止させていただくんだということも言われていたんですね。 ところが、あれから僅かまだ五年なんですけれども、実際にはこの国内の酪農家がずっと減ってきている状況で、日経新聞の最近の記事を見ても、二〇二二年度末に前年度対比で七%減の、この戸数ですね、一万九百六十二戸と過去最少を更新していると、調査を始めたのが二〇〇八年で、それ以降でいうと最大の減少率なんだということが書いてあって、そこには、ずっとお話あったように、飼料高などで多くの農家の採算が悪化しているということなわけですけれども。 で、生産者の皆さんから、今日来られている金谷さんも、酪農やばいですという話がずっと出されてくるということで、それで、どうして有効なこの対策が取れないのかというふうに思うわけです。現状というのは、まさにこれ、本当に歴史に残るような令和の大失政と言われても仕方がない状況じゃないのかなというふうに、ちょっと厳しい言い方すればね、私はそんなふうにも思うわけなんです。 それで、最初に金谷参考人にお聞きしたいんですけれども、今日は大変リアルな資料を出していただいて、まさに自分自身の経営の、平成三十年からですか、令和一年、二年、三年、四年までの収支っていうか決算ということで出されているので、物すごくリアルに、どのぐらいお金が掛かってきているのかという採算の状況がすごくリアルに分かって、それで、やっぱりどんなふうに、まあ赤字になっているわけですけど、当初は大体四百万ぐらい黒だったわけだけど、それが四百万ぐらい赤になっているという過程で、やっぱり非常に経営やっている本人としてはすごく不安になっていたと思うんですよ。 当初もらっていたこの資料の中にも書いてあるんだけども、毎月毎月追って書いてあって、やばくないかというのを周りの人に声掛けて、みんながそうだっていうふうに話してて、何とかしなきゃいけないんじゃないかという気持ちになって、声掛けながら、やっぱり署名集めたりとかして、いろいろ打開しようという取組があるリアルな状況がすごくかいま見えて、胸が苦しくなってしまうんですけれども。 そこで、二つお聞きしたいんですけど、一つは、金谷さん自身が、お話もありましたけど、二〇一三年に実家の酪農に就農されて、今、十一年目だと。実際に酪農をやってこられて良かったなと思うことだとか、それからやりがいだとか、それからやってみて十一年の中で実感していることということについて一つはお聞きしたいのと、その上に立って、やっぱり、やばいというふうに訴えてこられているその今の危機というか、酪農の危機ということがどういうことなのかということを話をしていただきたいんです。入ってきたお金が、九月ですかね、振り込みが金額がゼロ円だったということだとか、それから、やっぱりそういう中で、これから希望を持てるっていうふうに思う政策というのが端的に言うとどういうことなのかということ。 ちょっといっぱい聞いちゃいましたけど、大きく分けて二つのことでお答え願いたいと思います。
○参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。 まず、最初御質問ありました、就農から、良かったこと、やりがいだとか実感としてということですけども、まず、良かったことは、私、それまでは会社員でしたので、建築系の会社勤めということで、実家からでも、アパート、借家からでも会社に通っておりました。それが、実家に就農することになって、家の目の前の牛舎が職場になるということですけど、職場が起きて一分で行けるというところが最高だなと思ったところです。 あと、やりがいというところでは、個人事業主ですから、誰に文句を言われることもなく、ずっと働けるんですね。なので、例えば機械が壊れてしまった、直さなければいけないと、あしたの朝の搾乳までに直さなければいけないというときに、夜の三時まで機械をいじってみたりとか、それに関して誰も文句を言わないで、ずっと働けるんですね。ある意味ではかなりブラックな仕事ですけども、やりたいようにできるという自由さがやっぱりいいのかなと、それが個人事業主であるというふうに実感しております。 やばいということで訴えてきましたけども、酪農危機の真相というか、今そういう窮状を訴えることをずうっとやり続けておりますが、何よりも、SNSとかネットでやばいですということを訴えていますと、消費者の方がありがとうと言ってくれるんですよね。いつも、あっ、ごめんなさい、ちょっと済みません、いつも牛乳を搾ってくれてありがとうというところで、ごめんなさい、何でしょうね、やりがいがあったのをそういうありがとうで感じたというのがすごく思います。それぐらいそのやりがいが、やりがいしかなかったというのがすごい今までですね。ありがとうという言葉を実際にいただいたのが非常に最近の話なので、そこでやっと実感が得れたという感じですかね。 だから、みんな多分そういうふうになっていると思います。だから、そういう意味でも、理解醸成とかそういうところで酪農家自身が表に出ていってありがとうと伝えると、で、逆に返ってくるありがとうがすごい今みたいにうれしいので、そういうふうにやっていけば、まあおごりおごられじゃないですけど、消費に一定の寄与するのかなというふうに思っております。 政策ですね、希望が持てる政策ということでお伺いがありましたけども、さっきの意見発表のときの最後にお伝えしたことがまず大事かなと。それは、全国的にみんなが困っていることではないんですけども、かなり多くの人がもう一頭当たり十万円以上の赤字を被っているというのが事実かと思います。それは、はっきりした数字は私持ち合わせてはいないんですけども、そういったところで、もう既に被ってしまっている赤字の補填という意味で、一頭十万円というのはいい数字なのかなというところです。それがなければ、それをこれから自身で稼いでいかなければいけないというところですので、まず需給ギャップが埋まって乳価が上げやすくなって、乳価が上がって、そこからさらにその一頭十万円分の借金を返していくというすごい厳しい道のりですのでね。 だから、予算規模的に非常に大きなものになると思いますので、実質的に可か不可かと言われると、自分でも結果としては難しいというのは分かってはおりますが、それをお伝えしないと、今現状困っている酪農家みんな下を向いてしまいますので、今日はそれをお伝えしたいと思って来ました。 済みません、お時間いただいて、ありがとうございます。
○紙智子君 そうしたら、次、小林参考人にお聞きします。 二〇一七年の畜安法のときも来ていただいたんですけれども、やっぱり酪農政策について今必要なことって希望の持てる政策を出すということなんだと思うんですけれども、一時的な対応じゃなくて、やっぱり長期的な見通しのある政策が示されることだというように思うんです。 それで、例えば、畜産経営安定法が畜産物の需給の安定を図るということを目的にしているということなんだけど、だとすると、需給調整のシステムをどうするかというのは、これは問われているというように思うんですよね、需給調整どうするかと。その際、今のように、やっぱり常に生産者の負担を伴うやり方ってなっているんですけど、それがいいのかなというふうに思ったりもするんです。 それから、国内の需給動向に関係なく入ってくるこの生乳換算で約四百五十万トンもの乳製品、これをどうするのかということについてどう思われるかなと。以前にも提案されていて、なかなかそれが、すごく、私としてはすごい同感して見ていたんですけれども、なかなか実行されていないという中で、その辺りについてどうかということをお聞きしたいと思います。
○参考人(小林信一君) ありがとうございます。 畜安法の目的として需給安定ということはあると思うんですけれども、不足払い法からいわゆる再生産を保障するようなというようなこともあったと思うんですね。だから、生産を確保できる、つまりは生産者が安心して後継者も持てるような、そういうような経営環境をつくるというのが国の役割だというふうに思います。それがあって初めて需給安定というのがあるんじゃないかというふうに思うんですね。 それは、ですから、私、一言一句覚えてはいないんですけど、目的の中で、それだけじゃなくて、たしか再生産ということもあるのかなというふうに私は思っているんですけれども、ですから、長期的な形での、私が申し上げたような所得補償をするようなものが必要であろうと。 その中で、輸入をどう考えるか。先ほど十三万七千トンの輸入義務のお話があったんですけれども、日本は非常に真面目で、何でも律儀に守ってきて、結果的には不足払い制度をなくしたというのも、国際的に約束だというふうに言って固定支払にしたということがあるんですが、ほかの国を見ると、EUとかあるいはアメリカなんかは、ある意味では、何というんですか、政策的に真っ赤に近いようなものをやり続けているということで、構わないという、そういうことであれば、もっと日本も、何というんでしょうか、したたかにというんですかね、したたかに国を守る、したたかに国、国内の生産者を守るような施策を是非していただきたいと。 ですから、輸入を全くやめるとか、あるいはこれからまた輸入障壁を高くするというのは多分無理だと思うんですけれども、そうでなければ、やっぱり国産をきちんと生産し、それが、消費者がきちんと価値を見出して、国産がいいということで食べるというような方向に持っていっていただくということで、価格的にも、今実は日本は非常に貧乏になっていますけれども、価格的には競争できるような状況に逆になっているというところもあるわけで、そういう苦境をメリットにする、武器にするという、そういう戦略もあるのではないかというふうに思います。 なかなかこれという回答はないんですけれども、今考えていることはそういうことです。 ありがとうございました。
○紙智子君 ありがとうございました。 じゃ、ちょっと時間も迫ってきたので、齊藤参考人にお聞きします。 先ほどのこの資料での説明の中でありましたけれども、齊藤参考人の主張の中でも、今までやってこられた中でも、畜産、酪農の販売事業を担当されたり、酪農の理解醸成、牛乳や乳製品の消費拡大の取組もやってこられたと思うし、それから脱脂粉乳の在庫対策とか出口対策なんかも取り組んでこられたと思うんですよね。 それで、このさっきの資料の中で、こちらを調整弁に使ってほしいといって輸入乳製品のところを言われていて、実は私も全く同感で、この前質問したときには、国内の生産者を調整弁に使っちゃ駄目だということで、むしろこっちを調整弁に使うべきだという話をしたんですけど、そうすると、例えば、さっきもチーズの話あって、チーズの消費というのはすごく高いと。私もチーズ大好きなのでいろんな種類のチーズを買っている方なんですけれども、例えば、ピザって大体外国のチーズ使ってやっているんじゃないのかなと思うんですけど、もっと国産でそういう商品化していくというか、商品開発なんかも含めていろいろやられているとは思うんですけど、そういう更に消費を拡大していく上での、みんなが好んで買っていくような、そういうアイデアとか開発の面での提案みたいなことがあれば教えていただきたいなと思います。
○参考人(齊藤良樹君) この輸入されているものの中で、かなりチーズが大宗であるということなんですね。 その中でも、やはり問題は、特にナチュラルチーズの場合の品質ですね。やはり技術的な問題と、それからコストの問題。例えばそれに日本産を使った場合に、どれぐらいお金を使わなきゃいけないのか、同じ、同等のものができるのか、そういうところをこれからしっかりやはり追求していく中で、ここの部分をしっかりと置き換えていくことが大事かなというふうに思っています。 実は、私どものことで恐縮なんですけど、昨年の六月に、協同乳業という会社をグループ会社化しました。 この目的は、先ほどの説明の中にもあるとおり、いわゆる乳価、農家にとって一番手取りの高いのは牛乳等の飲用向けなんですね。その飲用向けの市場四百万トンをしっかりと守り、しっかり拡大していくことが酪農家の所得向上につながるということで、そこを核に農系乳業、いわゆる我々なりJAグループが出資をしている農系乳業、中小が多いんですけれども、しっかり合理化、効率化をしながら牛乳の市場を拡大していこうという取組をしていくために子会社化したわけなんですけれども、その中に実はフランスのチーズを扱っている会社も入っているんです。その中の子会社のグループ会社みたいな感じで。 で、そういったところの技術というものをしっかりと我々としても手に入れる中で、国産のやはり品質をしっかり上げていく取組をこれからやっていきたいなというふうに思っているところです。
○紙智子君 ありがとうございました。 ちょっと時間になってしまって、済みません、新村さんにも用意していたんですけど、時間なくなって申し訳ありません。 終わります。
○須藤元気君 こんにちは。無所属の須藤元気です。 今日は、貴重なお時間をありがとうございます。 まずは、金谷参考人にお伺いします。 いやあ、ちょっと先ほどの涙にぐっときてしまいました。もうその涙を無駄にしないように、ちょっと気合を入れて頑張りたいと思います。 正直、私、今までプロテインパウダーを水で割っていて飲んでいたんですが、もうこれからちゃんと牛乳で割ろうというふうに思いました。 この参考人のお話、この文章を読んで、酪農家が抱く危機感を強く受け止めました。個人の努力ではいかんともし難い状況にあること、その中で何かできないかと行動に移してきた決意に敬意を表します。 私が特に金谷参考人の文章で響いたことは、牛はモノではないと書き込まれていることです。この参考人の思いを改めてお聞かせください。
○参考人(金谷雅史君) ありがとうございます。 牛はモノではない、これについての思いをというお尋ねでございます。 それ多分、ノートですよね、私が書いた。その牛はモノではないの直後に書いている文面を読みますと、厳密に法的に言うと牛は物ですと書いたのがその直後にあると思います。ですけれども、実際は、私らは物として飼っていないと、家族同然に飼っているというところで、牛はモノではないとお伝えしております。 ですけれども、間違ってはいけないのは、家族同然ということで、家族ではないというところですね。ですから、ある程度、しっかり愛を持って接するんですが、最後は食卓に並んでもらうという、その家畜の運命というのを必ず全うさせてやるというのが非常に大事かなというふうに思っております。ただ、その上で、家族同然に飼うと、愛を持って接するというのを大切にしたいと思っています。 ありがとうございます。
○須藤元気君 ありがとうございます。 その愛を持って接する、本当に大事だと思っております。 次に、新村参考人にアニマルウエルフェアについて幾つかお伺いしたいと思います。 EUでは、補助制度が確立されており、アニマルウエルフェアに対応した飼い方をするための導入コストや減収が補填されるとのことであります。このような制度は、EUの消費者がアニマルウエルフェアの改善を求めているためだと理解しております。 私は、これまで、沖縄県の比屋根牧場、山梨県のぶぅふぅうぅ農園、そしてアメリカのバージニア州にあるポリフェース・ファームというアニマルウエルフェアに取り組んでいる農場に視察に行ったことがあります。視察したポリフェース・ファームは、とにかく規模が大きかった印象があり、アニマルウエルフェアや有機畜産に対する意識の高さを感じました。 そこでお伺いしますが、日本のアニマルウエルフェアについて、諸外国と比較した場合に、生産現場での取組にどのような特徴が、違いがあるのか、教えてください。
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。 そうですね、日本の特徴としては、やはり精密な管理ができるというところだと思うんですね。やはり、非常に動物に対して、金谷参考人が申し上げられたとおり、鶏とか豚、牛の生産農場へ行っても、動物を憎くて飼っている人って多分一人もいないと思うんですね。やっぱり愛情を持って精密に、きめ細やかなやっぱり管理をしているところがやはりほとんどなのかなと思います。 ただ、やっぱり、一つだけ足りないのがやっぱりアニマルウエルフェア、持続可能性って何だろうというところがやはりまだまだ考えられていない。やはり、当然そうなんですけれども、結果的な経済性ですとか、それにとにかくやはり目が向きがちというか、それがまず大事というのは分かるんですけれども、やはり諸外国と比較すれば、諸外国はその結果だけではなくてやっぱり過程も大事にしている、持続可能性、それからアニマルウエルフェアというのを、直近の課題としてじゃないんですけれども、しっかりやっていこうということで長期的にやってきた違いが今、日本と諸外国で現れているなと思っています。
○須藤元気君 ありがとうございます。 続きまして、消費者意識の喚起についてお聞きします。 アニマルウエルフェアの認知度はまだまだ低いかなと思っていたんですが、まさか消費者の九割以上が知らないとは思いませんでした。視察に行ったポリフェース・ファームは、何か自分の牛が毎日牧草地で草を食べ放題ということで、自分の飼っている牛のことをサラダバービーフという変わった名前を付けてプロモーションをしておりました。この認知度を上げるには本当に良いやり方だなと思います。 実は私、日本オリンピック委員会の強化スタッフをやっておりましたが、東京オリンピック・パラリンピックを機にアニマルウエルフェアを更に推進すべきではないかという議論が国会でも幾度となく行われてきました。その背景は、アスリートは自分が成長するためにはもうかなりシビアでして、何を食べて自分が体が変わるということを知っているからです。その世界中から来日するアスリートの意見を尊重し、国際水準のアニマルウエルフェアの実現が不可欠との認識に基づくものであったと考えております。 このように、アニマルウエルフェアを推進するに当たっては、消費者の視点というのは大変重要だと思います。この点、日本の消費者は家畜の飼い方への関心が薄い現実を見ると、大きな課題だと感じております。 そこで、消費者が家畜の飼い方に注意を向け、ひいてはアニマルウエルフェアに関心を持つにはどのような方策が考えられるのか、御意見をお伺いします。
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。 まず、短期的なところでやっぱり、短期的なところでは、やはり一つは、例えば、大きな動きをできる、でき得るものとしては例えば認証ですね。 例えばヨーロッパですと、やっぱり先ほど申し上げたとおり、一つ一つの卵にもう全て印字されていて、その生産物がどうやって飼われたかというのをちゃんと、スーパーマーケットでパネルでちゃんと説明して、消費者側も、こういう飼い方で幾らだから、じゃ、これを買うというのをやっぱり納得してやっていると。それはやっぱりすごいいい制度で、まず消費者意識が低い日本でそれをやると、まずアニマルウエルフェアって何だろうってところから、ああ、アニマルウエルフェアというのがあるんだなと、こういう飼い方されているんだなと、知らないところからまずそこをやっていくというには、認証というのは短期的にやはり効果がある。 あともう一つは、やはり中長期的に見て腰を据えてやっていかなければいけないのは、やはり食育ですね。 ヨーロッパはやはりそこら辺をかなり戦略的にやって、家族全員で農場に行って、将来の消費者である子供に対しても、自分が食べている動物たちがどうやって飼われているのかというのをやっている。もう七割以上、ほとんどの人が、ヨーロッパの人は自分の食べているものがどう飼われているかというのを実際に見ていますから、そういった、実際見れるかどうか、知れるかどうかというところを、短期的な視点でいえば認証、中長期的な視点でいえばいわゆる食育というところをしっかりちょっとやっていかないと、この先ちょっと厳しいんじゃないかなと思っています。
○須藤元気君 新村参考人、もう一問聞きたいんですけれども、その今後の対応等なんですが、訪日外国人の増加は、ベジタリアン対応やムスリム対応といったように、生産者から流通、食品産業に至るまで、食に関して日本社会に変化をもたらしていると思います。同様に、アニマルウエルフェアに関しても、日本社会は更なる対応が求められることとお話しされておりました。 訪日客に日本の食をアピールするためにも、社会全体でアニマルウエルフェアの理解と対応が必要になってくると考えますが、その今後の対応の在り方についてはどうお考えでしょうか。
○参考人(新村毅君) そうですね、今ですと、やはり例えば、こだわりを持って作っている生産者のところから買うというのを例えばレストランがかなり個別にやって、それでお客さんに説明しているというところになってしまっているんですけれども、やはりそういった中、認証ですとかそういったものがあればもうちょっとそれが広くなって、例えばスーパーマーケットですか、もうちょっと拡大することによって認知度もどんどんどんどん多分広がっていくのかなと思います。今現状それがやはりできていないので、やはりおっしゃるとおり、海外の人がやってきたときに、こういう飼い方で生産されたものはやっぱり食べたくないという人はかなりやっぱりいらっしゃいます。 今現状検討されているのが、じゃ、もうそういった福祉的な畜産物を輸入しちゃいましょうという話に検討も始まっているぐらいですので、やっぱりそういったものを何か中長期的にちゃんと見たときに、今個別でやっているものをもうちょっと国の力で何とか拡大するようにできるような例えば認証ですとか、そういった畜産物の普及というのもしっかりやっていかないといけないのかなとは思いますね。
○須藤元気君 ありがとうございます。 続きまして、小林参考人にお伺いします。 畜産業がアニマルウエルフェア等の批判にさらされていることから、その在り方を見直す時期ではないかと新聞の記事で述べられております。そのアニマルウエルフェアに関してどのような方向性で見直しを行っていくべきか、小林参考人のお考えをお聞かせください。
○参考人(小林信一君) 御質問ありがとうございました。 まず、アニマルウエルフェアについて、私の考えなんですけれども、日本でやっていないわけではなくして、例えば酪農生産の場合はカウコンフォートという概念があって、牛が非常に環境よく、気持ちよく過ごしているということが牛がたくさんおっぱいを出してくれるということにつながるわけですから、当然生産者も、牛が気持ちよく牛舎の中あるいは牧草で生活してくれるということを一生懸命やってきているわけですね。 一つ問題なのは、先ほど新村さんのプレゼンテーションにありましたけれども、アニマルウエルフェアと生産性とのバッティングのところがあって、これが割と問題になるのはやはり養鶏のところで、例えば密飼いすると、デビークという、くちばしを切らなくちゃいけないとか、豚なんかを犬歯を切るとかそういうような、あるいは断尾だとかいうようなことをやらなくちゃいけないというような、その辺の問題で、そうすると、それは飼い方の問題で、ケージ飼いがいいのか、ストール飼いはどうするのかというような飼い方の問題になっていくと思うんですね。 私が主に申し上げたのは、肉牛とか酪農、肉牛のことなんですけれども、肉牛も、先ほどちょっとお話があったように、過度に霜降りを志向する。そのために濃厚飼料を多給して、今はそれほど大きな問題にはなっていないのかもしれませんが、かつて、やはり霜降りを出すために、肥育中期にビタミンA欠乏症というのにさせるんですよ、わざと。それによって霜降りが、霜降りというのは一種の生活習慣病みたいな、我々の、私もたっぷりあるかもしれませんけれども、そういう状況というのは余り健康的ではないというふうに思うんですけれども、それで突然死するというふうなことがあって、そういうふうな飼い方ということも、知られてはいないんですけれども、知っているところは批判するというところがありました。 やはり草食動物ですから、草食動物というのは、人間が食べられない食料を牛が自分のおなかにある牧場で草を分解して、微生物によって分解してもらってたんぱくにするという、そういうすばらしい働きを持っている生き物ですから、その、何というんですかね、特徴を最大限生かすような飼い方をするということが必要ではないかと。 特に、日本は農地がないないと言いながら、今もう本当に耕作放棄地の統計なくなったんで分かんなくなっちゃったんですが、まあ四十万ヘクタールとか、あるいはかつて六百万ヘクタールあったのが二百万ヘクタール減っているわけですから、それだけもったいなくしている。これをもっともっと活用するということが、放牧ですとか、牛もヤギも羊も、あるいは私、鹿もやっているんですが、鹿の放牧というのもあるんじゃないかと思っているんですが、そういう形でいろいろ考えることができるというふうに思います。 鹿の肉は非常にいいですよ。鉄分豊富ですし、是非食べていただきたいと思います。余計なことで失礼しました。
○須藤元気君 ありがとうございます。 鹿肉、私も好きなんで、高たんぱく低脂肪で、食べさせていただきます。 では、最後に齊藤参考人にお伺いいたします。 持続可能な畜産、酪農事業を目指した取組をされていると承知しておりますが、この持続可能性を追求するに当たり乗り越えるべき課題があれば教えていただきたいのと、あとは、この畜産、酪農を、若者たちが夢を持って取り組めるような状況を私たちがつくっていかなければいけないと考えますが、国や全農が取り組むべき課題がありましたら最後に教えてください。
○参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。 手前どもも、この四月から畜産サステナビリティ推進室という畜産に特化したそういう機構を設けまして、畜産に係る課題、大きく三つですね、地球環境の問題、それから耕畜連携の問題、それから三つ目はアニマルウエルフェアの問題、これについてしっかりと取り組んでいこうという体制をつくったところであります。 先ほど来須藤委員がおっしゃっているとおり、このアニマルウエルフェアの問題については、やはり社会全体でのアニマルウエルフェアについての理解醸成というのも欠かせないというふうに思っているわけですけれども、そのためには、やはりもっと小さい頃から、それこそ学校給食にそういったものを取り入れた給食の素材を入れるだとか、そういうところから取り組むような中長期的な長い取組をしていかなきゃいけないのかなというふうに認識を私自身はしているところであります。 また、学校給食については、そうはいっても、いろいろ、高いだとか払えないだとかいろんな問題が内在しているというふうには聞きますけれども、やっぱりこの学校給食自体をもっと低コストに、あるいは無償化をすることによって、こういった問題についてももっともっとPTAの方、父兄の方やいろんな社会の声がそこに反映をされていくというふうに思います。 ある県では、ある市町村では、無償化をしたところで、これまで高いとか払えないとか言っていたところが、いや、何で国産を使わないんだとか、何で地元のものを使わないんだというようなことを言う地域が出てきているそうです。やっぱりそういう意味でも、できるだけ低コストで、そういった小さい頃からそういう取組をしっかりできるような体制づくりがこれから必要なのかなというふうに思っているところです。 それから、将来に向けた……
○委員長(山下雄平君) 済みません、時間が参っていますので、手短によろしくお願いいたします。
○参考人(齊藤良樹君) 若者が魅力ある畜産、酪農をやはりつくっていくためには、これからやっぱりしっかりと、先の見えた、やはり将来的に、まあもうかるということじゃなくてもいいけれども、安定した所得がしっかり入って、自分が頑張ればそれだけの収入が得られるというような仕組みづくりが必要だというふうなことを考えていまして、全農としても、それの実践、実証事業を始めたところであります。また紹介する場面があればお話をさせていただきたいと思います。 以上でございます。ありがとうございます。
○須藤元気君 ありがとうございます。
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。本日はよろしくお願いいたします。 まずは、畜産、酪農に関して、それぞれのお立場で日頃御尽力を賜っていただいていることに心から感謝を申し上げます。また、本日はお忙しい中、事前の御準備から、また時間を割いてこの場に足を運んでいただきましたことにも重ねて感謝を申し上げたいと思います。 冒頭、齊藤参考人にお伺いをしたいと思います。 最初の意見陳述の中で時間切れとなってしまったところですね、若者の意識調査というような御発言があったかと思いますけれども、そこをお聞かせをいただけたらというふうに思います。
○参考人(齊藤良樹君) あれですか、この記事のことで……(発言する者あり)
○委員長(山下雄平君) 寺田静君、指名されてからお話しください。
○寺田静君 申し訳ありません。 冒頭のまとめて十五分の中で御意見をいただくところで、恐らくどこか割愛をされた部分があったかなというふうに思っておりまして、若者の意識調査とか何か、そういうお話だったかと思うんです。(発言する者あり)
○委員長(山下雄平君) 齊藤参考人。
○参考人(齊藤良樹君) あっ、済みません。 どういうふうなことを申し上げたか、ちょっと失念をしておりまして、申し訳ございません。このことではないんですね。
○寺田静君 恐れ入ります。 その前の、そこに、そこが最後のところで、その手前のところだったかと思うんですけれども、申し訳ありません、私も……(発言する者あり)
○参考人(齊藤良樹君) 余計なことを申し上げたのかもしれません。済みません。
○寺田静君 恐れ入ります。私も今もう少し見返してみたいと思いますけど、また後ほどお伺いできればと思います。恐れ入ります。 それでは、小林参考人にお伺いしたいんですけれども、おっしゃっていただいたことと、また、事前にいただいていた資料などにも大変深く共感をしております。 私自身は、効率的かつ安定的という農水省がいつも言っているようなことのお題目の下に、過度に輸入飼料に依存をしてきたり、また、国際的な様々な状況の変化であるとか、あるいはこの為替の変化によって影響を受け続けてきていることが持続可能なのかどうかということを日頃思っております。薄利多売になってしまっているというようなお話もありましたけれども、その規模拡大をすると赤字も拡大をしてしまってリスクも大きくなっているというようなお話もあったかと思います。 この効率を追求してきた結果が逆に多くのリスクを負うことになったというような矛盾があるのかなというふうに私自身は感じておりますけれども、今、今の政策に関して様々な御提言をいただいておりますけれども、また数日前には食料・農業・農村政策の基本法の検証会の中間取りまとめも発表されております。 今のこの政策に関する御提言、細々いただいておりますけれども、そこから少し離れて、今のこの畜産とか酪農、あるいは農政全体を通して流れるべき哲学のようなもの、先ほどしたたかに生産者を守るという御発言もあったかと思いますが、今の農政に足りていないと思われるような哲学のようなものがあれば教えていただければというふうに思います。
○参考人(小林信一君) 農政に足らないことを私が言えというのは、たくさんあるといえばたくさんあるんですけれども、やはり、農は国の基ということをやはりきちっと考えていただきたい。農林水産委員会にいらっしゃる先生方はそのことをよく御存じだからここに来ていらっしゃるというふうに私は思っているんですね。ですから、農林水産省も考えていると思うんですが、変な横やりがあって政策がかなりこれまでの流れと違うような形になってきているのではないかというふうに、まあこれは私の私見ですけれども、思っております。 ですから、今回、基本法を変えていくということで、私は当初、そんなことをしなくて早くきちっとした具体的な政策をしてほしいというふうに思ったんですが、今のまとめを見させていただくと、やはり平時の食料自給率を向上していくために必要なことを考えるとかということがありますので、その辺をきちっとやっていただくような政策ですね。ですから、繰り返し言っていますけれども、農地を守る、そして、それを耕す人たち、その技術を持った人たち、若い人たちを迎え入れられるような、そして国産をきちんと愛用していただけるような国民、消費者がいるという、そういうある意味では基本的な当たり前の世の中をもう一度実現していただきたいというふうに思うんですね。 畜産というのは、確かに安い濃厚飼料を依存して急激に発展してきました。これは戦前からそうだったと思うんですけれども、でも、フェーズが変わってきたんですよ、やっぱり。効率重視、大規模ということではこれからは駄目だという、いわゆるそのレジリエンシーというんですかね、強靱性という、社会の強靱性というのが必要なことになってきたと。そこをやはり考えて農政を展開していただきたいというふうに思います。 消費が拡大しないのは、私は国民が貧しくなっているからだと思うんですね。残念ながら、残念ながらというか、一人当たりの食肉で、豚肉を抜いて鳥肉がトップになりました。これは健康志向だというんですが、私は安さだと思うんですね。そういう形になってしまったというのは残念ですね。やっぱりもっと食べたいものを食べられるような所得水準にしていただきたいなというふうに思います。 済みません。以上です。
○寺田静君 ありがとうございます。 私自身も同じようなことを思っております。やっぱり余裕があるといろいろなことを考え、そのアニマルウエルフェアも恐らくそうかと思いますけれども、余裕があればいろいろ自分の消費行動を選べても、余裕がなくなってくるとそうはいかないというところがやっぱり私もあるのかなというふうに思います。ありがとうございます。 次に、新村参考人にお伺いをしたいと思います。 私も、このアニマルウエルフェアのところを恐らく少し考えているというふうに思って、スーパーで卵を選べるときにはケージフリーのものを選んで、それがアニマルウエルフェアに資するのだろうというふうに思っておりましたら、今日の資料、あとお話の中でも、動物福祉イコールケージフリーということではないというふうな御発言もあったかと思います。 この資料の十ページのところに、信号と同じような感じで赤、黄色と青で示していただいておりますけれども、これで従来型のケージだとその正常行動ができないというところが赤くなっていて、それ以外は黄色と青だということで、でも、ケージフリーになるとこの赤が増えてしまうということだと思うんですけれども、このケージフリー・イコール・アニマルウエルフェアではないということを一般の消費者の方にどういうふうに理解していただいたらいいのかなというところをもう少し詳しく教えていただければというふうに思います。
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。 非常に難しいところだと思うんですけれども、例えば、そうですね、一つの案としては、端的に言えば、やはり科学的な評価によって認証される。今だと、例えばケージかケージフリーかという、とにかくケージフリーで飼えば何でもいいというやはり話になってしまっているので、じゃ、実際にそのケージフリーにいる鶏たちがどういう状態かというのは全く評価されていないと。 実際、本当に、ケージフリーの中でも、これはちょっと本当にひどいなというやはり飼われ方をしている生産者というのもやはりいますので、これに比べればケージですごい精密に飼っているところの方が福祉レベル高いんじゃないかってやっぱり思うところもあるんです。 ですので、一つの何か端的な案としては、認証を先ほどから申しているんですけれども、その認証を、例えばケージかケージフリーかではなくて、例えば一つ星、二つ星、三つ星のような形で科学的にちゃんと動物の状態を基に評価していくというのが一つの解決案なのかなと思っています。
○寺田静君 ありがとうございます。 済みません、一つ細かなことなんですけれども、この表の中にある物理環境というところはどのようなものなんでしょうか。
○参考人(新村毅君) 物理環境は、空気の例えば質とかですね。 従来型ケージですと砂浴び場もないので非常にクリーンな空気環境で維持管理することができるわけなんですけれども、ケージフリーだとやはり砂浴びがあって、まあ砂浴び行動をするという点では非常にいいんですけれども、やはり粉じんが非常にたくさん出てしまう。それはやはり動物、鶏自身にとってもネガティブに働くこともありますし、それ以上に、やはり管理者にとって粉じんが多くてちょっと管理しづらいというところもあるので、そういった動物、鶏だけじゃなくて人の管理上の福祉というところでもネガティブに働くところが出てくると。それは解決できるとは思うんですけれども、今のところちょっとリスクとしてはあるということになります。
○寺田静君 ありがとうございます。 今のお話をお伺いしてきても、正常行動、動物としての正常行動が発現をできないというところが赤くなっていると、そのほかのところがカバーされていたとしても、やっぱり、動物として自然な行動ができないということがやっぱりすごくその動物の幸せを損ねているのではないかという一消費者としてのこの感覚ですね、そういうものがあって海外ではやっぱりケージフリーが主流になってきているのではないかというような思いもあるんですが、いかがでしょうか。
○参考人(新村毅君) おっしゃるとおりです。 ケージでいえば、この正常行動の赤くなっているリスキーなところは、もうどうやっても基本的には解決できないというところがあるんです。ケージフリーのところでは、幾つかやはり赤になっているところ、黄色になっているところあるんですけれども、やっぱりその飼育システム自体の進化、あるいは管理の洗練によって、こういったところもかなり解決されつつあるんですね、ヨーロッパとかですと。 そういうことで、やはりケージ、比較すれば、従来型ケージのすばらしいところ、ケージフリーのすばらしいところで比較してしまえば、福祉レベルはもうやはりどう考えてもケージフリーの方が上になってしまいますので、そういったヨーロッパのもう管理もすごい洗練されたケージフリーというのはやはりいいものだというのは、それは間違いではないと思うんですけど、日本は必ずしもそうなっていないというところですね。
○寺田静君 よく理解できました。ありがとうございます。 もう一点、細かなところですけれども、ビークトリミングという言葉も資料の中に出てきておりますけれども、日本の愛護団体の調査では、日本は八三・七%が唇をトリミングをされているというようなデータも二〇一九年のところであると思うんですけれども、これ海外はどういうふうになっているんでしょうか。 むしろ、ケージフリーだとトリミングをしなければいけないんじゃないかというような感じがしますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(新村毅君) ありがとうございます。 おっしゃるとおりで、ケージフリーですと、やはり鶏、恐ろしいことに共食いもするんですけれども、ビークトリミングでそういった共食いを防ぐことができるということになっています。 ヨーロッパは、原則、もう実はビークトリミングも禁止になっていまして、やはりそれは痛みを伴ってしまうからという理由になります。 国際基準としましては、ビークトリミングは容認しています。ただ、大きくなってからくちばしを切るというのは非常に痛みを伴うので、生まれた後一週間以内にくちばしを切るということで、そういった共食いをしないプラス痛みが余り感じない小さいときにやるというので、将来的な効果を見据えながら、福祉的にもまあまあここまでだったらぎりぎりいいよねというところで基準が作られているので、それは非常にリーズナブルな基準かなと思っています。
○寺田静君 ありがとうございます。 恐らく、洗練されたケージフリーの飼い方の中でトリミングをしなくてもいいようになっているということかなというふうに理解をいたしました。ありがとうございます。 金谷参考人の方にも質問を用意させていただいていたんですけれども、それは、子供にどういうふうに今の御自身の仕事の魅力を、魅力は何ですかという質問を用意していたんですけれども、先ほどすごくいいお言葉を須藤さんへのお答えの中でいただいたように、いただいたかなというふうに思っております。好きなように働けて、やりたいようにできて、ありがとうという言葉も掛けてもらえるということだったと思います。 私は、何も代表する立場になくて、委員の方々の専門性に比べると、私などは一消費者でしかないというふうに感じますけれども、私からも心からのお礼を申し上げたいと思います。牛乳もヨーグルトもバターもチーズも、本当に毎日の食卓にもおやつにも子育て中の身ですと欠かせないもので、本当に、日頃申し上げる機会がなかなかありませんけれども、本当に心から感謝をしております。この感謝をきちんと、それに、コストに反映させて、きちんと皆さんを絶対に搾取をすることがないような制度づくりのために、今日いただいたそれぞれの方々の御意見を生かして頑張ってまいりたいと思います。 本日はどうもありがとうございました。
○委員長(山下雄平君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 また、申合せの時間がありまして、御意見の途中で遮ってしまったこと、大変申し訳なく思っております。申し訳ございません。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時六分散会