農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/04/13
会議録
○委員長(山下雄平君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月三十日、三上えり君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠智君が選任されました。 また、同日、吉田忠智君が議員を辞職したことに伴い一名欠員となりましたが、去る四月七日、大椿ゆうこ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山下雄平君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、個人情報保護委員会事務局審議官山澄克君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山下雄平君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○若林洋平君 おはようございます。自由民主党静岡選出の若林洋平でございます。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 今回、一般質問ということでありますので、団体の聞き取りと現場の意見と要望を基に幾つか質問をさせていただきたいと思います。 全国茶業組合に出向いていろんな話をお聞きしてまいりました。全国の中山間地域における農業については、配送料や気温の問題から、燃料代が余計に掛かる状況にございます。また、果物やお茶などは更に肥料代がかさむ、また、お茶は蒸したり乾燥したりということで更に余計に燃料代が掛かるということであります。 なかなか価格の上乗せが難しい中、国が支援するしかないというふうに思われるんですが、中山間地域に対します支援をどうお考えか、また実際にどのような支援が行われているのか、野村大臣にお聞きさせてください。よろしくお願いします。
○国務大臣(野村哲郎君) 今、若林委員からありましたように、生産資材が、肥料にしても油にしてもいろんなものが上がっておりまして、総理の方から物価対策として一番最初に指示が出ましたのが肥料でありました。まだ秋肥が出ておりませんでしたので、秋肥と春肥については上がった分の七割を補填しなさいというのが総理の指示でありまして、それで私どもは事務的なことをずっと整理してきましたけれども、多分、一番、油よりも早かったんじゃないかなと思うぐらいに肥料対策は総理の指示で私どもは動いたわけでありますが、そのほか、堆肥等のことにつきましても支援をするということで現在行われているわけでありますが、燃料につきましても、ハウスやそれからおたくのお茶、私の鹿児島のお茶もそうでありますが、を含めてこれも施設園芸等の燃料価格高騰対策による支援を行っておりますが、本年からはガスもその対象に加えるということになっておりまして、セーフティーネット機能の強化を図ったところであります。 また、これらに加えて、政府としては、これは全体でありますが、農業だけじゃありませんけども、電気・ガス・食料品等高騰重点支援地方交付金を、これを措置しておりまして、自治体によってはこれをまた上乗せをして、そしてまた農家の皆さん方の支援もしているということがあります。 また、これから物価のこの高騰につきましては、今後もどうなっていくのか、特に生産資材についてもどうなっていくのかまだ見通しが立っておりませんが、生産資材の価格高騰が農業現場に及ぼす影響を注視しつつ、必要な対策は今後も打っていきたいと思っております。
○若林洋平君 御丁寧な答弁をありがとうございました。 土地改良の効果も、今静岡でいうと清水区の中山間、かなり土地改良が進んで、で、若い人が結構やっぱり集まってこられているので、その辺も再認識をいただいて、中山間地域の農業、更なる活性化をお願いしたいと思います。 続きまして、その中山間も含む山肌への再エネの在り方についてお聞きします。 林地開発許可につきましては、一ヘクタールから〇・五ヘクタールに引き下げられた、このことは大きな一歩であり、大変に評価されるとは思うんですが、やはり災害や景観、海の幸にも関わる、まあ海の汚染ですよね、それまで影響が出ることが考えられます山肌のメガソーラーについては、これ以上の許可は、再エネ特措法の改正もセットで、できれば中止の方向に行くべきだと考えますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(織田央君) お答えいたします。 農林水産省におきましては、水源涵養や災害防止など、公益的機能の発揮のために特に重要な森林については保安林に指定をしてございます。この保安林では、原則、太陽光発電施設の設置ができないなど、開発行為を厳しく制限しているところでございます。それ以外の民有林につきましては、一定規模を超える開発について、林地開発許可制度によりまして、都道府県知事が災害の防止措置などの要件について審査をし、クリアしたやつを許可するということとしてございます。 この林地開発許可制度でございますけれども、太陽光発電に係る開発行為の適正化を図るために、令和四年に有識者検討会を設置をし、近年の災害の発生状況の分析ですとか降雨形態の変化等を踏まえた許可基準等の見直しの検討を行ったところでございます。 この検討結果を踏まえまして、今ほど委員の方からお話ありましたように、太陽光発電に係る林地開発の許可を要する規模を一ヘクタール超から〇・五ヘクタール超へと引き下げますとともに、適切な工事を行うために必要な資力、信用、能力があること、あるいは、より強い雨量強度に対応できる防災施設を設置することなど要件等の見直しを行い、本年四月から措置をさせていただいたところでございます。 また、経済産業省等関係省庁が共同で立ち上げました検討会において昨年十月に取りまとめられました再生可能エネルギー発電設備の適正な導入、管理の在り方に関する提言、この中で、土地開発前から施設の廃棄に至る各段階に応じた課題と制度的対応に、対応すべき内容を整理をし、現在、今、その具体化を進めているところでございます。 今後、見直しました林地開発許可制度の厳格な運用とこの関係省庁が連携した取組を通じまして、森林への太陽光発電施設の設置が適切に行われるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○若林洋平君 御答弁ありがとうございました。 静岡でいうと、今、函南町のメガソーラーというのが非常に地元からもいろんな要望が出ていて、何とか阻止してもらいたい、これは、酪農が非常に盛んなところで、景観も含めてとても褒められたものじゃないなというふうには思っていますので、災害等の心配もありますので、是非また厳しくやっていただければ有り難いと思いますし、また最近、阿蘇ですよね、阿蘇もかなりメガソーラーできているということになると、放牧の関係ですとかまた馬ですとか、いろいろなことが心配されるんで、その辺ももうしっかりと見ていただければ有り難いなというふうに思っております。 次に、水産関係の質問をさせていただきます。 先日の予算委員会では大臣の方からお答えいただいたんですけれども、今日は副大臣もいらっしゃいますので、副大臣からも聞きたいなと。 尖閣を始め南西諸島など離島における漁業については、国防の一端を担っていると私は考えているんですが、勝俣副大臣の御見解と、何かしら支援を行っているのであれば、その内容をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(勝俣孝明君) ありがとうございます。 これまで、漁業者が出漁中に不審な行動を伴う外国漁船を発見し通報した例や、離島に設けた漁業用の作業場に密入国外国人が隠れているところを発見した事例などが報告されておりまして、離島を中心に漁業者が国境監視の役割も担っていると認識しております。 こうしたことから、農林水産省としましては、離島における基幹的産業である漁業の振興や、漁業の持つ国境監視の機能の推進の取組を進めているところでもございます。また、農林水産省では、違法操業を防止するため、違反が頻発する海域に漁業取締り船を配備し、侵入防止を図っているところでもございます。 今後とも、外国漁船による違法操業の防止のため、適切に対処をしてまいりたいと考えております。
○若林洋平君 御答弁ありがとうございます。 次に、漁港漁場整備法の一部改正についてお聞きしたいと思います。 今後の海業の大きな起爆剤となり得る非常に画期的な改正であり、漁協にとりましても大きな収入源になるかと思いますが、熱海、沼津、伊東を始め伊豆半島全てを選挙区に持つ勝俣副大臣の期待あふれる御見解をお伺いいたします。
○副大臣(勝俣孝明君) ありがとうございます。 農林水産省では、令和四年三月に閣議決定された水産基本計画及び漁港漁場整備長期計画において、海や漁村に関する地域資源を生かした海業等を漁港、漁村で展開し、地域のにぎわいや所得と雇用を生み出すことを目指し、漁港における新たな海業等の取組を五年間でおおむね五百件展開する目標を立てるとともに、漁協や民間事業者が漁港において長期安定的に事業運営できる仕組みを検討することとして、今般、漁港漁場整備法の改正法案を国会に提出したところでございます。 若林先生の地元でも私の地元でもございます静岡県伊豆半島では、例えば西伊豆町仁科漁港において直売所や食堂を整備するなど海業に取り組んでおり、それ以外の漁港においても今後海業に取り組んでみたいという声を多く聞いているところでもございます。特に今後国会での審議が予定される漁港漁場整備法の改正は、民間の方の漁港での活動の幅が広がるとして大変期待されているところでもございます。 農林水産省としましては、地域の理解と協力の下、漁業場の利用を確保した上で海業を推進していきたいと考えております。
○若林洋平君 御丁寧な答弁をありがとうございました。 今日は、多分、水産の日だと思いますので、また魚も、あと毎月三日から七日はさかなの日ということで、ここにいらっしゃる皆様と御清聴いただいている皆様、是非とも積極的に広めていただき、また国消国産の方も推進いただければ有り難いと思います。 次に、水産加工関連のことについてお聞きします。こちらも団体及び現場で確認をした意見を幾つか、基に幾つか質問させていただきたいと思います。 加工業についても、冷凍等の電気代が半端なく、非常に厳しい状況にあるのですけれども、一次産業と違って直接的な支援が少ないと嘆いておられました。現在の直接的な支援と、今後どうお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 電気代などの高騰対策という点に関しましては、政府は、電力・ガス・食料品など価格高騰重点支援地方交付金を創設し、都道府県及び市町村へ交付金を交付し、中小企業に対するエネルギー価格高騰対策支援を行っているところでございます。 これに加えまして、水産庁といたしましても、水産加工業者の省エネルギーなどの取組に対しましては水産加工・流通構造改善促進事業におきまして、魚種転換を行うなどの要件を満たす場合にはエネルギー効率の高い加工機器の整備や浜の活力再生・成長交付金におきまして自然冷媒などを使用した共同利用の冷凍冷蔵庫などの導入を支援しているところでございます。
○若林洋平君 ありがとうございます。 水産加工業というか、加工業を始めほかの食材加工業については、できれば準一次産業として今後更なる支援の検討をお願いしたいなというふうに思います。 次に、人手不足についての質問なんですが、どの業界においても今の人手不足は課題は深刻ではあるんですけれども、加工の現場においても、外国人の技能実習生を始め外国人労働者が多い業種でもあります。 対応を含めどうお考えなのか、お聞かせを願います。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 水産加工業において人手不足が課題の一つとなっており、厳しい状況に置かれていると認識しております。これら労働力不足の対策といたしましては、特定技能外国人については、昨年八月に水産加工業を含む飲食料品製造業の受入れ上限を五万三千二百人増枠し八万七千二百人としたほか、先端技術を活用した省人化、省力化のための機械の導入の支援などを行っているところでございます。 引き続き、水産加工業者の人手不足に対応し、経営を維持できるよう支援してまいります。
○若林洋平君 御答弁ありがとうございました。 次に、ALPS処理水の風評被害対策についてお伺いをいたします。 本会議場や予算委員会の中でも、まだいまだに汚染水と言われる方々がいらっしゃるんですけれども、まず我々国会議員が風評被害をあおるような発言というのは慎むべきであり、そのような発言そのものが風評被害に結び付く危険性を自覚し、やめるべきだと私は申し上げます。 その上で、現場の皆様からは、風評被害が起きてしまったときの損害支援も有り難いんですが、やはり福島の魚を食べていただくことが生きがいでありやりがいであると、お金だけの問題ではなくて、もう風評被害そのものが出ないような対策をしてほしいとの声が上がっております。 対策をお伺いいたします。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 ALPS処理水の処分に伴う対策といたしましては、ALPS処理水の処分に係る行動計画に基づき、各国・地域などへの情報発信や国際会議の活用など、国際社会への戦略的な発信を政府全体で行うとともに、水産関係対策といたしましては、風評を生じさせないため、水産物のモニタリング検査にトリチウム検査を追加するとともに、被災地の水産加工品の魅力を発信する取組など、生産、加工、流通、消費、それぞれの段階におきまして各種支援策を講じております。 トリチウム検査につきましては、ALPS処理水が海洋放出される場合、生産者、消費者の皆さんに早期に情報を提供できるよう、これまでの検査より更に短時間で検査が行える手法を導入いたしまして、迅速に分析結果を公表してまいりたいと考えております。 また、被災地の水産加工品の魅力発信につきましては、三陸、常磐エリアの水産加工品情報を作り手の思いとともに発信する取組や、外食店を活用したフェアの開催、量販店やECサイトなどを通じた被災地水産加工品の販売の取組などを実施しております。 今後とも、関係省庁と連携し、風評対策に取り組んでまいります。
○若林洋平君 ありがとうございました。 科学的根拠の下、はっきりと伝えていくことが非常に大切かと思いますので、引き続きの対応をお願いしまして、次の質問に移ります。 遠洋漁業についてお伺いをいたします。 国内の燃料については、政府の対策のおかげさまでほとんど影響がないというそういう状況で、心から感謝を申し上げたいというお褒めの言葉もいただきました。 一方、国外での燃料補給についてはなかなか厳しいものがあって、国内と同じように支援があると有り難いと申しておりましたが、現況をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 燃油高騰対策につきましては、漁業者と国が拠出して基金を設け、燃油価格高騰時に経営への影響を緩和するための補填金を交付する漁業経営セーフティーネット構築事業を実施しておるところでございますが、国外で給油する漁業者につきましても、世界的に燃油の価格が高騰している状況を踏まえ、国内で給油する漁業者と実質的な支援が同等となるよう手当てしているところでございます。 本年度も引き続き、燃油価格の動向を注視し、国外で給油する漁業者に対しても支援を行ってまいります。
○若林洋平君 ありがとうございました。 次に、人材、こちらも人材不足なんですが、遠洋漁業については何よりも人材不足が本当に深刻のようで、要は、船長、機関士など漁師ではない船員というのは日本人でなければいけないということもありまして、中には七十歳を超える方も続けていただいている状況もあるとのことで、水産学校を四百人ぐらい卒業したとしても、この業態に来てくれるのはもう十人程度しかおらないと、ほとんどが陸上での業務に就職してしまうようであります。 対策としてやっていることと、今後に向けて取組があればお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 遠洋カツオ・マグロ漁船に乗り組む日本人船員数は、五年に一度の漁業センサスによりますと、二〇一八年で千三百四十七人と、ここ十年で四六%減少しております。このうち、六十歳以上の方が約七割を占め、特に機関士は委員御指摘のように七十歳以上が約四割となっており、就業者の減少だけでなく高齢化も深刻化しておりますので、人材の確保、育成は大きな課題となっております。 このような状況を踏まえ、経営体育成総合支援事業などを活用いたしまして、水産高校卒業生を対象に、海技士免許取得に必要な乗船履歴を短期に取得するコースの運営、海技士確保に要する掛かり増し経費の助成、漁業者などが各地の水産高校を訪問し、水産高校生に対し漁業の魅力を直接伝える漁業ガイダンスの取組への支援などを行っているところでございます。このうち、漁業ガイダンスにつきましては、平成二十九年度の開始以降、令和三年度までの五年間で延べ九十五回開催し、三千四百十四人の生徒に参加していただいており、漁業の魅力を直に伝えることができ、生徒及び漁業関係者双方から好評をいただいているところでございます。 引き続き、関係団体と連携いたしまして、これらの施策の的確な実施を通じ、特に遠洋漁船の乗組員確保に向けた取組を後押ししてまいります。
○若林洋平君 済みません、時間がありませんので、最後に、酪農について現況をお聞かせいただきたいんですけれども、大分状況は良くなってきたのではないかなとは思っているんですが、需要そのものというのを、やっぱり需要がないから減らすという、生産を抑制するのではなくて、やっぱり需要そのものを増やす政策を考えたらいかがかなというふうに思っております。 特に、子供食堂やフードバンクの提供に加えて、新たな需要をつくるために貧困世帯への配給、海外支援は、お金よりも食料とかそういうことを是非考えていただければ有り難いと思いますが、政務官の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○委員長(山下雄平君) 申合せの時間が来ておりますので、答弁は簡潔に願います。
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。 生乳需給が緩和をする中で、牛乳・乳製品の消費拡大により需要の底上げを図ることが極めて重要だと考えております。このため、三月の二十八日に取りまとめをいたしました畜産・酪農緊急対策パッケージにおいて、在日外国人観光客や子供食堂等への、子供食堂などを対象とする牛乳・乳製品の消費拡大対策を新たに実施することとしたところでございます。 また、これまでも農林水産省では、乳業メーカーによる販売促進キャンペーン、新たなレシピ開発などの取組への支援や、国も参画した牛乳でスマイルプロジェクトにおいて、官民の三百を超える幅広い参加者が共通ロゴマークの下、販促、PR活動などを行い、消費拡大の輪を広げる取組を行っております。 引き続き、関係者と連携をしながら、牛乳・乳製品の消費拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
○若林洋平君 ありがとうございました。以上でございます。
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣のりこです。会派を代表して質問させていただきます。 さて、現在、農政の憲法と言われる食料・農業・農村基本計画の見直しが行われております。基本法の検証部会では、毎回テーマごとに多くの資料が配られておりまして、非常に多様な統計データが活用されております。本日は、あらゆる政策を裏付ける資料として非常に重要な統計データの観点から質問をしてまいります。 まず、大臣、この統計に関して、特に農林水産大臣としては農林統計ということになると思いますけれども、この重要性についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 石垣委員にお答え申し上げますが、最近、農林水産省の統計の仕方についていろんなことが報道されました。この統計について大変関心を持っていただいたのは有り難いことだったなと、こんなふうに思っておりますが、この統計は、農林水産政策の目標設定とそれから評価、それから農産物の需給安定対策等の発動基準、あるいはまた経営安定対策等の算定根拠等に活用されておりまして、必要不可欠なものだと、こういう認識をいたしております。また、地方自治体等の関係機関、団体の活動や学術研究など、国民の公共財として広く活用される社会の重要な情報基盤というふうに認識をいたしております。
○石垣のりこ君 今、野村大臣からも非常に重要なものであるという認識を示していただいたと思うんですが、でも実際に、じゃ、大事にちゃんと認識されて、それが、統計がしっかりと国家の基本として取られているのかどうかということを具体的な数字から見ていきたいと思います。 農水省本省と地方農政局の統計関係職員の推移について伺います。 特に、ここ二十年ぐらいの流れ、全部言っていただくと時間が幾らでも掛かってしまいますので、二〇〇〇年から十年ごとと最新の数字をお願いします。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 農林水産省の統計職員につきまして、各年度末の定員の数で捉えさせていただきますと、二〇〇〇年は、本省三百七十一人、地方五千五百二十七人、二〇一〇年は、本省二百九十一人、地方二千三百七十四人、二〇二〇年は、本省二百四十五人、地方千二百五十八人、最新年、二〇二二年は、本省二百四十九人、地方千四十人となってございます。
○石垣のりこ君 ということで、皆さん、お手元の資料一を御覧いただきますと、一覧がございます。このように、およそ二十年で本省では三分の二、地方ではおよそ五分の一ぐらいにもうぐんとこの統計に関わる職員が減らされているという現実がございます。 その上で更に伺いますが、二〇〇〇年以降、特に直近でですね、二〇〇〇年以降から直近で廃止された農林水産省の一般統計の数、そして新規統計、新しくできた統計の数を御紹介ください。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 農林水産省の一般統計調査におきまして、二〇〇〇年、平成十二年でございますけれども、以降に廃止された調査の数で申しますと二十六、そして新設された調査の数で申しますと七というふうになってございます。
○石垣のりこ君 中でも、廃止された農林水産省統計のリスト、二十六リスト、こちらを資料二として皆様のところにお届けしておりますけれども、ここからさらに、新しくできたもの、二〇〇〇年以降が七つということで御紹介をいただきました。もちろん、こちらのリストに載っているもの全てがこれを廃止してはいけなかったということではないと思うんですが、数としては具体的にこれだけ廃止されているということが御覧いただけると思います。 で、これ統計の人員削減、これだけ削減されて、統計、農林統計に影響というのは出ていないのかどうか。大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 今、石垣委員から御指摘がありまして、またこの表が出ておりますが、農林水産省の統計の職員数につきましては、これは全体に関わる話でありまして、国の行政機関のスリム化の一環として累次の合理化が図られてきたものと認識をいたしております。 ただ、頭数がこれでは足らないということもありまして、農水省としては職員による対応と組合せをしまして、一つは、これは統計調査員、これは非常勤の国家公務員でありますが、非常勤のこの統計調査員の活用をして民間委託の推進によります、一つはアウトソーシング、外部化であります。それからもう一つは、やはりこれは、やっぱり今どきのやり方なんですが、人工衛星データの活用による調査技術の高度化、これがあります。それからもう一つは、行政情報の活用による効率化を図ってきたところでありまして、この人数が減っておりますところをいろんな形でカバーしながら統計のその正確性、あるいはまた迅速性について対応しているところでございまして、このような取組を今後も進めまして、ニーズに対応した適正な品質が確保された統計を作成するように留意してまいりたいと思っております。
○石垣のりこ君 様々な、職員が減った分、様々な対応をされて何とかそこを補おうとされているという努力というのももちろんあるんだと思います。また、時代とともに精査されてなくなる統計というのももちろんあるということは承知しているんですけれども、しかしながら、やはり、あらゆる政策、先ほど冒頭に大臣お答えいただきましたけれども、非常にこの統計のデータ、数字を基にいろんなことが決められて、また政策評価もなされるということで、本来国が責任を持って対応すべき統計に問題が出ていないかというと、これは非常に、そうは言い切れないと、むしろ非常に問題を抱えながら対応しているのではないかということを一例をもって伺っていきたいと思います。 これ、前国会でも問題になりましたけれども、廃止方針が撤回をされました農林水産省所管の基幹統計、農林業センサスにおける農山村地域調査のうち、農業集落調査について伺っていきます。 昨年十一月一日の参議院農林水産委員会で本委員会の舟山委員からの、廃止が検討されるに至った理由についての質問に対し、農林水産省からは、個人情報保護条例の関係で非常に難しくなった、前回、二〇二〇年の農林業センサスにおいて、およそ十四万集落のうちおよそ五万集落で調査対象となる集落精通者を把握できなくなったことが主な理由であると答弁されておりますが、この点、間違いないでしょうか。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 石垣委員御指摘のとおりでございます。昨年十一月一日の参議院農林水産委員会におきまして、政府参考人の答弁でございますけれども、二〇二〇年農林業センサスにおきまして、集落精通者を把握することが個人情報保護条例の関係で非常に難しくなったということ、それから約十四万の農業集落のうち約五万集落で集落精通者を把握できなかった旨をお答え申し上げたところでございます。
○石垣のりこ君 農林業センサスの調査というのは五年ごとですけれども、では、二〇二〇年以前のセンサスの調査では、先ほどのような状況というか、個人情報保護条例によって非常に把握しづらいというような状況というのはなかったんでしょうか。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 この農業集落調査でございますけれども、従前から地方公共団体の御協力をいただきまして集落精通者を把握してきたところでございますけれども、委員の御指摘ありましたとおり、個人情報保護意識の高まりなどにより、二〇二〇年より前の調査でもこの集落精通者の把握が困難という状況は生じていたところでございます。 これまで様々な方法で御努力を、御協力をいただきまして調査の努力をしてまいりましたが、二〇二〇年調査では、今お話ありましたとおり、約十四万の集落のうち五万集落におきまして精通者を把握できないというような事態となったところでございます。
○石垣のりこ君 十四万のうち五万で把握できなくなった、その理由が個人情報保護条例の壁に阻まれたという御答弁なんですけれども、本当にその個人情報保護条例だけなのか。もちろん、皆さんの意識の高まりがあって出しづらくなったということがないとはもちろん申し上げないんですけれども、この理由に関してやはり、冒頭でも申し上げましたように、この職員数の大幅な削減というのが影響しているのではないだろうかというふうに私は考えました。 実際に、これ昨年の七月二十八日に行われました第一回二〇二五年農林業センサス研究会の議事録にはこのようにあります。委員の竹田委員からの農業集落調査の廃止に関する御意見に対して、清水センサス統計室長がこのように答えています。やめざるを得なくなった理由が二つございまして、これまで地方農政局の支局というものが各都道府県にあって、そこに統計調査の国の職員がいましたので、そこで調査をやってきたのですが、その職員がいなくなるという調査実施者側の問題が一つと回答されています。もう一つは、個人情報保護の観点から我々には情報を提供してもらえないということがあり、そこが設定しづらいと、この二つの理由を大きく挙げているんです。 さらには、今年二月二十一日に開催されました、第五回、同じく二〇二五年の農林業センサス研究会で配付の資料、二〇二〇年農林業センサスにおける農業集落精通者の把握状況の資料によれば、集落調査が継続困難な理由としまして、地方農政局職員による対応が困難な状況ということで職員の減少数を部分的に示して理由とされていらっしゃいます。 これ事実確認として伺いたいんですけれども、これ、職員が減ったことによって調査の継続が困難になったということは、これ大きな理由なんじゃないでしょうか。お答えいただけますか。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 職員数の減少ということにつきましても、委員御指摘ございました農林業センサス研究会について御説明を申し上げたところでございます。 これまでは、そのような職員数、職員の足で稼ぐような形で何とか調査をさせていただいたということはございます。しかしながら、この十四万のうち五万というような、この調査の精通者を把握できないというような事態に至ったことを踏まえまして、次回、二〇二五年の調査でございますけれども、より確実に集落精通者を選定できる方法に変更した方がいいんではないかというふうに私ども判断させていただきまして、農林水産省が把握している農林業経営体等の名簿の中から市町村に自治会長等の代表者を御教示いただくと、こういう方法でより確実に把握し調査をするという方法に変更させていただきたい、こういうふうに方針を定めておるところでございます。
○国務大臣(野村哲郎君) 今、石垣委員の方からありましたが、この職員の減少のみで、我々はこれを変更しようとしたわけでありまして、実は、大変個人情報の問題もあるということで、五万件のこの情報がなかなか取りにくいというような実態もありました。 したがいまして、じゃ、どうするかということで、ほかの統計、いわゆるこのセンサスで取っているほかの統計で活用できるものは活用しようというようなことを考えて、一応この統計については廃止しようかということでお出ししましたら、いろんな研究者の方々から不平といいますか、評判が悪くなりまして、見直しをいたしました。 ですから、今回続けるんですが、ただ、やっぱり、なかなかそれを引き受けてくれる集落のリーダーがいらっしゃらないということがもう一つあります。ですから、これはまた個人情報との関連で人のことをあんまり書けないよというようなこともあったものですから、じゃ、そこは、なっていただける人を、役場の方とも話をしながら、そして適切な人を選定してやり直そうということで、学識経験者の皆さん方からもそれならばよかろうということで理解をいただいて継続するということになったわけでありますが、当初は人手不足だけでということではありませんで、先ほどおっしゃいました、委員の中で、まあ三つぐらい理由があったわけでありますが、そういうことが重なりまして、これはまた。 もう一つは、余り表に出ておりませんが、利活用の問題。 じゃ、この統計でどういう活用をされておるかというのがあるわけですよ。今まで二十幾つ廃止されたというのは、あんまり活用されていないんじゃないかというのがありまして、その利活用との程度の問題もありまして、この集落調査につきましては、じゃ、今回やめようじゃないかということを内部では検討したわけでありまして、まあちょっとこれは勇み足だったなということを私自身も反省いたしております。
○石垣のりこ君 いや、もちろん個人情報の保護条例の問題もあったと思いますし、集落の状況が変わってリーダーが誰か分からないような状況も出てきていると、若しくはもう人がいなくなっているという状況はもちろんあると思うんです。 ただ、大きな理由として、センサス室長がですよ、人がいなくなったことが非常に大きいという、二つの柱のうちの一つとしてその研究会の委員の皆さんにお話をされているわけです。これは非常にやっぱり大きな理由の一つであったと思わざるを得ないわけですよね。 実際大きな影響も出ていると思いますし、あとは利活用に関して申し上げると、これはもちろん省庁内でどのように活用されているかという、省庁をまたいだ活用の把握というのはされていると。あとは、政府とつながりの深いようなところではこういうものを使っているという調査は把握しやすいと思うんですけども、やはり民間の大学の研究者の方であるとか、幅広くどのように使われているかということに関しては、廃止を決定した後にようやく、話を聞いて、あちらでも使われていた、こちらでも使われていたということが把握されたわけですよ。で、千二百人を超える研究者の方の署名が集まって、今回このような異例の廃止方針の撤回ということに至ったということですので、もう少し、やっぱりちゃんと現場でどのようにこの調査が活用されているか、ましてや、これは六十年を超える歴史のある調査であるということも皆様御承知のことだと思います。 なお、この農業集落調査に関して、法政大学の平田英明教授、統計の専門でもいらっしゃいますけども、今後も負担やコスト削減の点から調査の簡略化が検討される中で、統計の量と質が保てるかが課題であるとした上で、統計を従来のように作っていくのが難しくなっているからこそ、作る側の行政と研究者ら使う側が議論する場がこれまで以上に重要になるというふうに指摘をされています。 どうしても、どの業界も人が少なくなっていて、スリム化しなきゃいけないということはあると思うんですが、やはりこれ、安易に物事を決め過ぎたのではないだろうかということは指摘せざるを得ないと私は考えております。 その上、個人情報保護条例に阻まれてという話がありましたが、今日、内閣府の個人情報保護委員会の方にお越しいただいております。 本年度、今月です、四月一日から、各自治体の個人情報保護条例は個人情報保護法の対象になったということで、変わっております。ここで、農水省が自ら行う調査、特にこれ基幹統計です、調査に関して、個人情報保護法上の個人情報の取扱いの対象の整理、是非ともこういう調査に関しては御協力をいただくというような、そういう整理ですよね、ついて、内閣府としては何らかの助言というのを行うことは可能なのか、御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(山澄克君) お答え申し上げます。 一般論といたしましてですが、個人情報保護法におきましては、行政機関の長が保有個人情報を第三者に提供する際には、原則として利用目的の範囲内で行うということになっておるんですけれども、法令上の別途の根拠がある場合ですとか、提供先の行政機関において法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で当該情報を利用し、かつ、当該利用について相当の理由があるというような場合などは、その例外ということで提供することができるというのが一般論としての法律でございます。 また、個人情報等を取り扱うに当たりましては、政策目的に照らしまして個人情報等の取扱いが必要最小限の範囲であるのか、安全管理が必要かつ適切になされているかといった点も重要な観点でございます。 いずれにいたしましても、この本日議論になっております調査に関しまして農林水産省から個人情報保護法上の整理に関して御相談ありました場合には、私どもといたしまして、今申し上げましたような観点を中心に必要な検討を共に進めてまいりたいと考えてございます。
○石垣のりこ君 今、必要な検討を共に進めてまいりたいということで、是非とも、こういうのもちゃんと働きかけが、お互いのちゃんと理解を深めていく必要があると思いますので、是非ともこの辺の整理をしていただいて、個人情報をしっかりと守っていくということをもちろん大前提にした上で、より協力をしていただける体制づくりをしていくべきではないかと。 その上で、情報の取扱いの安全性、確実性ということの話がありましたが、やはり地域にお互いの顔が見える、分かる関係の職員が一定数いるということがその信頼の醸成にもつながると思います。そういう意味で、ここまで二十年で五分の一以上地域の統計に関わる職員の方たちが少なくなっているというのは、やはりこれ、やっぱりこういう調査を進めていく上でも、信頼関係の中でお話しいただけることというのも多分あると思うんですね。こういうところにやっぱり影響をしているのではないかと。 これは農水省だけの問題ではなくて、国としての統計をどういうふうに考えるかという大きな話の中でもありますので、野村大臣お一人で決めることではないとは思うんですが、非常に、この統計の部分が揺らいでしまいますと、ありとあらゆる政策の立案で問題がやっぱり出てくると私は思いますので、是非とも、この個人情報保護条例に関しても、各自治体が御協力いただけるような体制をつくるために、今後、前向きに取り組んでいただくことはできますでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 個人情報との関連で申し上げますと、農水省のもちろんこの業務に携わっている人たちが直接行きますけれど、その人を選定してもらうのは役場の人たちにお願いをしておりました。その役場の人たちが、個人情報の問題だから我々は選定できませんと、こういう話だったんですよ。だから、我々がこの廃止をしていこうという、ほかのものに変えていこうとしたのは、個人情報の話をしたわけでありますけれども、その個人情報というのは、さっきお話がありましたように、実際にその役場の人たちが、集落の誰に頼めばこのことはよく分かっているからという、その話をしに行ったところが、なかなかこれは個人情報だからできませんということで、役場のところでこれはストップしてしまったと。これ以上はもうできませんというのが言わば農水省側の言い方だったんですが。 しかし、そこはみんなで知恵を出せばいいじゃないかということで、先生たちにも集まっていただきまして研究会を設置して、そしてどの方法がいいのかと。それは、もう選定については集落精通者の選定方法を見直せばいいじゃないかということで、今現在それで進んでいるわけでありますから、ようやくそういった形で今後継続できると。今までは、もう大体決めて、あの人に、例えば集落の区長さんに頼めばいいじゃないかということなんかが、充て職みたいな形で頼んでいたのが難しくなってきたと。それで、今回からこの選定を変えようということで今話が付いたところでございます。
○石垣のりこ君 現場で自治体の担当の方としっかりとコミュニケーションを取っていただいて、ちゃんと理解をしていただくというのももちろん重要なことだということは申し上げましたけれども、そこの個人情報保護条例を盾に、役所の方が、いや、情報は出せないということを、御本人に確認もすることがあったかもしれないし、なかったかもしれない、その辺分かりません、を盾に、単純にもうしゃくし定規に駄目だというようなことがないように、今回、四月一日から自治体もその対象に、個人情報保護法の中に自治体、行政も入っていますので、何らかの形でいい方向に協力いただけるような調整をしていただくことの方が今後調査を進めていく上で非常にいい後押しができるのではないだろうかということを申し上げたので、是非とも内閣府の個人情報保護委員会の皆さんと話をしていただきたいんですけどどうですかということを野村大臣に伺ったんです、私は。ちょっと時間がなくなるので、是非とも御検討を、前向きに御検討をいただきたいなということを申し上げて、次の質問に行きたいと思います。 このように、先ほどからこの職員の数というのを、全て数がということではないですが、明らかにやっぱり減り過ぎだなというのがこの数字を見て皆さんが抱く印象ではないかと思います。 この統計の情報の正確さということに関してなんですが、農業統計から農業を支える人々についてお尋ねしたいと思います。 総務省の労働力調査によれば、農業労働力は、二〇〇〇年には二百九十七万人、十年後の二〇一〇年には二百三十七万人、二〇二一年には百九十五万人と減少傾向にございます。また、労働力、農業労働、ああ、基幹的農業従事者の数、これは資料の三にございますが、二〇一〇年で二百五万人、二〇一五年で百七十六万人、二〇二〇年には百三十六万人と減少して、高齢化が顕著になっているということなんですけれども、大臣、これ、将来にわたって農業生産を維持するために、人材の確保についてどのようにお考えか、御見解をお願いいたします。
○国務大臣(野村哲郎君) 大変重要な問題でございまして、農業者が減少している、あるいは高齢化が進んでいる、こういう中にあって、将来、食料なりあるいはまた農業を安定的に営んでいくためには、生産を支える担い手がしっかりとやっぱり育成、確保していかなければなりません。 このために、令和五年度予算においては、就農に向けた研修資金あるいは経営開始資金、雇用就農促進のための資金の交付、あるいはまた経営発展のための機械、施設等の導入、それから三つ目に、研修農場の整備あるいは先輩農業者による技術指導など地域におけるサポート体制の充実、それから四つ目が、農業大学校あるいは農業高校に対する農業教育の高度化の取組を引き続き支援することといたしておるところでございます。また、これに加えまして、幅広い世代の農業人材を地域に呼び込むための社会人向け農業研修等の取組について新たに支援することといたしております。 これらの総合的な取組によりまして、農業を担う人材の育成、確保を一層推進してまいりたいと思っております。
○石垣のりこ君 もちろん、人の確保のために様々な施策が打たれているということは御承知のことかと、皆様も御承知のことかと思いますし、私も様々なその施策を見ておりますけれども、じゃ、どのぐらい成果が上がっているかというところで、地域の活力創造プランにおける、二〇二三年、四十代以下の農業従事者を四十万人に拡大するという目標が立てられておりますけれども、最新の状況、およそ五年間の推移について御紹介いただけますでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。 今委員から御指摘ございましたように、地域の活力創造プランにおいて四十代以下の農業従事者の拡大目標を掲げております。直近、令和三年の数字で申しますと、二十二万六千人ということでございます。 五年間の推移ということで申しますと、平成、これですね、今から申し上げます数字、実はそれぞれベースとなっている統計なりその統計を基にした推計というような数字が混在をしますので、若干、ちょっと比較というところで申しますと非常に数字、見づらい数字になってしまいますけれども、まず平成二十九年から三十一年の数字、これは平成二十七年のセンサスをベースにして推計した数値ということになりますけれども、その数値で申しますと、二十九年三十二万六千人、平成二十九年で三十二万六千人、平成三十年で三十三万四千人、平成三十一年で三十三万九千人という数字になります。令和二年で申しますと、この令和二年のセンサスがございます。このセンサスで少し、ちょっと数字がかなり下がったというような形になっておるんですけれども、令和二年が二十二万七千人、令和三年は、これは今御紹介をした数字、令和三年の農業構造動態調査の数字になりますけれども、この数字で二十二万六千人ということになっております。
○石垣のりこ君 こういう目標を掲げて、じゃ、今どういう状況にあるのかという、把握する数字がこれだけの結構大ざっぱなものというのか、推計で五年の間に十万人ぐらい差が出てしまうという物すごい数字なわけですね。少なくとも、四十万人達成する、四十代以下四十万人達成するという目標を二〇二三年に掲げていて、最新の数字が、二〇二一年、令和三年の二十二・六万人ということですから、目標にはまだまだ程遠い状況だということは辛うじて分かったかと思います。 済みません、時間の関係上、少し飛ばさせていただいて、こちら、資料、皆様のお手元ですと資料の六になりますが、さらに今後、より力を入れていかなければならない農業就業者のうち雇用者の動向についてもちょっと分からない点があるんですね。 農水省が食料・農業・農村政策審議会の基本法検証部会で配付している資料でも、また農業経営をめぐる情勢についての資料としても、まあいろんな資料に使われているものなんですけど、この資料六、農業分野における雇用者数の推移においてと、推移というデータがございます。 農業就業者のうち、雇用者の動向と農業就業者全体の動向というのが示されているわけなんですけれども、これ総務省の労働力調査でございますが、農業就業者のうち、この上の方の図です、雇用者の動向についてまずは簡単に御説明いただいていいでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 まずは労働力調査の関係ということでよろしいですね。 総務省の労働力調査におきます常雇いの雇用者につきましては、平成十二年、二十二万人であったところ、令和二年には三十七万人となっております。 なお、直近五年の動向で申し上げますと、横ばい傾向で推移をしておるところでございます。
○石垣のりこ君 常雇いは横ばいになっているんですけれども、この全体のグラフ自体は一応増加傾向にあると、近年は常雇いに関しては横ばいであるという数字が出ているわけなんですけれども。 一方、この資料の七にございます、この農林業センサスにおける、平成二十七年、二〇一五年と令和二年、二〇二〇年のセンサスにおける常雇いの数字について御紹介いただいていいですか、動向について。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 平成二十七年、それから令和二年の農林業センサスにおける常雇い数につきましては、平成二十七年には二十二万人であったところ、令和二年には十五万七千人となっております。
○石垣のりこ君 資料を見ていただけると分かるんですけど、常雇いの方も減っているんですよね。これ総務省の資料ですと横ばいになっているんですけれども、これ常雇いの方はセンサスを見ると六万三千人減っていると。 これ、傾向が分かれているということなんですけど、この乖離をどのように解したらいいのか、御説明お願いします。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 農業経営体の常雇いの数につきましては、今御指摘ございましたよう、総務省の労働力調査と農林水産省の農林業センサスでは調査手法あるいはその調査の対象が異なることから、調査結果が異なって出てきているというふうに考えておるところでございます。 具体的には、労働力調査は毎年把握される標本調査である一方、農林業センサスは五年に一度把握される悉皆調査であるということ、それから、労働力調査の対象は、常雇いの中に役員や有給の世帯員を含み、かつ一年を超える期間で雇われている者を対象としている一方、農林業センサスは、役員や世帯員を含まず、かつ七か月以上の期間で雇われている者を対象としているなどの違いがあるということでございます。 ただ、いずれにいたしましても、どちらの調査によっても、農業就業者全体は減少傾向で推移をしてきたということには違いないというふうに我々認識しております。今後も我が国の人口減少が確実に見込まれる中、農業従事者の数も大幅に減少していくことが見込まれます。少ない農業従事者でも農業生産をしっかりと維持拡大できる農業構造を実現していくことが重要であり、本年六月の新たな施策の展開方向の取りまとめに向けてしっかり議論をしていきたいと考えております。
○石垣のりこ君 一応御説明はいただいたんですけれども、結局、センサスは非常に重要だ、いろんな統計の、農林業統計の基本になる、五年に一度ではあるけれども、悉皆調査で非常に重要なものだというところに示されているものと、今回、食料・農業・農村基本計画の様々な、今後の、農政の憲法と言われるものを審議しているところにはこういう総務省の労働力調査の結果が出されていて、横ばいになっているという数字が示されているわけです。何を基本に何を見て政策を決定していくのかということが、私、済みません、調べれば調べるほど本当に分からなくなりまして、今日このような質問をさせていただきました。 これ、一体どの部分の農業に携わる方たちを増やしていこうとして、それに対してどういう政策をしていくかということが、多分、定義と概念とが、もちろん個別に様々あることは分かりますけれども、余りにもばらばらで、その場しのぎで、ちょっと御都合よく使われ過ぎているんじゃないかという私は懸念を持ちましたので、大臣、ここしっかりと、やっぱり限られた、非常に、もっともっと私はこれ農林水産業に予算掛けていいと思っているんですけれども、せいぜい三兆円程度じゃないですか、全体の。今年は百十四兆円の予算が組まれた中で三兆円ですよ。もっと、食料安全保障は、食べるものがなかったら私たち死んでしまうわけですから、しっかりと一次産業支えていくためにもっとお金掛けなきゃいけないのに、政策の方向性が、そもそも判断するものがちょっと変わっていたりとか、ちょっとこれ信用に足りるものになり得ていないということに本当に私、懸念を感じます。 大臣、この統計調査の点で、しっかりと力を入れて取り組んでいただきたいと思うんですが、お考えを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野村哲郎君) 石垣委員から大変有効な指摘をいただきました。 いいところ取りじゃありませんけれども、いろんな統計の数字だけを使って皆さん方にお示しするというのは、これはやっぱり不親切だなというふうに思います。だから、きちっとやっぱり、そのセンサスを自分のところでやっているわけですから、センサスをベースにやるとか、あるいは、ここの部分はセンサスの中にないんで統計情報から取りますとか、総務省の方からの資料でやりますとか、やはりそこの仕分をしておかないと、いいところ取りみたいでつまみ食いをするようなふうに見えておられるんじゃないかなと思うんですが、これは、余りいい数字が出ていないんで、いい数字を出そうと思って意図的にやっているわけじゃありませんので、これから気を付けたいと思います。私もちょっと監視してみたいと思います。
○石垣のりこ君 是非とも注視していただきたいと思います。 かつ、やはり、郵送で突然送られてきて、それにちゃんと答えていただけるかというと、なかなか難しい調査もたくさんあると思いますので、お互いのちゃんと関係性が分かる中で、機械的にやれないからこそ、よりその実態を表した信頼の置ける統計というものができるんだということで、やっぱり現場の人の力、そこをやっぱり、その統計の専門性ということに非常に敬意を持って今後とも農林水産省としても取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。 冒頭、四月の二十二日、二十三日に開催をされますG7宮崎農業大臣会合について、野村大臣にお伺いをします。 〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕 二〇二二年二月に始まったロシアによるウクライナ侵略が穀物価格や資材価格の上昇を引き起こしており、食料の安定供給や食料安全保障の確保が世界的な課題となっていることを踏まえれば、このタイミングで宮崎農業大臣会合が開催される意義は非常に大きいものと考えております。今回の会合を絶好の機会と捉えて、食料安全保障、とりわけ持続可能な農業、持続可能な農業を世界各国の連帯の下で推し進めていくというメッセージを世界に向けて発信をしていただきたいと思います。 また、開催地の宮崎県でG7関係閣僚会合が開催されるのは実に二十三年ぶりというふうにも伺っております。各国の方々を最高のおもてなしでお迎えをし、宮崎を始め九州、そして日本の魅力を世界に発信をしていただきたいと思います。 農業大臣会合成功に向けては、野村大臣のリーダーシップに期待するところが大であります。開催まであと九日となった今、G7宮崎農業大臣会合でどのような成果を得ようとされておられるのか、また成功に向けた大臣の御決意をお伺いします。
○国務大臣(野村哲郎君) 今委員から御指摘がありましたように、いよいよ今月の二十二日からこのG7の農業大臣会合が開かれるということで、今大変事務方はばたばたして、ばたばたというのは失礼な言い方ですが、大変精力的に今詰めております。 そこで、私どもが各国に、七か国に申し上げておりますのは、やはり食料の安全保障を主要テーマにしたいということで御了解をいただいておりますので、このことを中心にやっぱり議論をしていきたいというふうに思っておりまして、七か国の農業大臣と議論を深めた上で、一つは農業の生産性向上、それからもう一つは持続可能な、の両立を、持続可能性の両立を実現させる、これが大きなテーマになってくると、こんなふうに思っているところでございまして、これは今後の世界各国の農業生産の在り方についてターニングポイントになる、得るというメッセージになると思っておりまして、いずれにしろ、G7各国大臣の意見をよく聞いた上で議論を進めていく考えでございまして、今その準備に事務方の皆さん方は大わらわでございまして、しっかりとした発信をさせていただきたいと思っております。
○安江伸夫君 大臣、ありがとうございました。 ターニングポイントとなるという位置付けで、大変強い意気込みを感じたところでございます。是非大成功させていただきたいというふうに思います。 次の質問に移らせていただきます。 今日は、以下、ブルーカーボンを中心にお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。本日は、農水省さんのみならず、国交省、環境省からも政府参考人の方に御足労いただき、ありがとうございます。 さて、ブルーカーボンとは、二〇〇九年の国連環境計画の報告書におきまして、藻場、浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素がブルーカーボンと命名をされ、吸収源の新しい選択肢として提示をされたものです。このブルーカーボンを推進をしていくことは、地球温暖化対策ということだけではなくて、海草や海藻の藻場をしっかりと育んでいくことを通じ、海洋生態系、海洋資源の保全、海の多様性など海の豊かさを守っていくことにもつながります。 四方を海に囲まれ、海岸線の長さも世界第六位の我が国にとってはCO2の吸収源として大きなポテンシャルがあることから、我が党といたしましても、昨年の一月に、横山信一参議院議員を座長として、ブルーカーボン利活用推進プロジェクトチームを立ち上げております。私もその事務局長を務めさせていただいておりまして、同PTの下でこれまでも会合や現地視察等を行うとともに、昨年の八月には、農水省、環境省、国交省、そして文科省に対して、このブルーカーボンの活用を推進する地球温暖化対策等の提言も行わせていただいております。 その上で、現在、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、政府においては、ブルーカーボンについて、国連に提出する我が国の排出・吸収量目録、インベントリーへの掲載を目標に、ブルーカーボン生態系からの排出・吸収量の算定に向けた検討が続けられているものと承知をしております。 環境省にお伺いします。 昨年三月、参議院の予算委員会の審議において、我が党の横山参議院議員の質疑に対して、最速で二〇二三年に提出するインベントリーに掲載することを目指して取組を進めているとの御答弁がありました。我が党の提言でもこの点強く求めているところでございますが、その進捗について確認をさせていただきます。
○政府参考人(角倉一郎君) お答え申し上げます。 環境省におきましては、マングローブ林やアマモ場といった、いわゆるブルーカーボン生態系のCO2吸収量を我が国の温室効果ガスインベントリーに計上できるように関係省庁と検討を進めてきたところでございます。 こうした中で、必要なデータや算定方法の学術的裏付け等ができたマングローブ林のCO2吸収量について、第一弾として、今月中を目途に国連の気候変動枠組条約事務局に報告することを予定しております。また、本年一月からは、国土交通省や農林水産省に呼びかけ、関係省庁連絡会議を立ち上げたところでございまして、政府一体となったブルーカーボン生態系に関する取組を進めております。 今後、マングローブ林以外のアマモ場等の海草につきましても、国連の気候変動枠組条約事務局に報告することを目指し、関係省庁連絡会議等を活用しつつ、CO2吸収、固定量の評価を進めてまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 ありがとうございました。マングローブについてはまずはよかったかなというふうに思っております。引き続き、政府一体となった取組ということをいただきましたので、推進をしていただきたいと思います。 〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕 続いて、国交省さんにもお伺いをさせていただきます。 ブルーカーボンのインベントリーへの追加を加速化するためには、CO2吸収量の算定に必要な体制構築が急務でございます。政府におきましては、日本全国のブルーカーボン生態系の分布を把握をし、CO2の吸収量を算定するためのデータアーカイブの構築が検討されていると承知をしておりますが、この検討状況と運用の見通しについてお伺いします。
○政府参考人(遠藤仁彦君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、ブルーカーボン生態系によるCO2吸収量をインベントリーに計上するためには、我が国の沿岸域におけるCO2吸収量の測定やその計測データのデータベース化を進めることが必要であります。 このため、国土交通省では、令和六年度の完成を目指し、ドローン等を活用しブルーカーボン生態系を上空から高精度に把握するとともに、取得したデータをリアルタイムでデータベースに集約するシステムの開発を令和四年度より行っているところでございます。本年度におきましては、試作したドローンを用いて現地の藻場等を的確に計測できるかなどの検証作業等を行う予定にしてございます。 引き続き、ブルーカーボン生態系のCO2吸収量の把握に向けた環境整備に関係省庁とも連携しながらしっかり取り組んでまいります。
○安江伸夫君 ありがとうございました。令和六年度までの見通しについて確認をさせていただきましたが、今いろんな様々な、ドローンを使っての最新の技術駆使していただいていることも御説明いただきましたけども、更にその先も見据えながら、令和六年度もすぐ参りますので、しっかりとその成果を踏まえながら、次の展開も力強く推進をしていただきたいことをお願いしたいと思います。 続きまして、農水省にお伺いをさせていただきます。 令和四年の三月に閣議決定をされました水産基本計画において、漁村活性化とカーボンニュートラルへの対応という観点から、藻場、干潟等の保全を図ることが掲げられております。その中で、ブルーカーボンの重要性についても触れていただいております。 先ほど指摘させていただきましたが、藻場、干潟等の保全は、炭素の貯留のみならずに、水産資源の保全や海の豊かさを守ることにもつながるという観点から、農水省、水産庁においてもしっかりと取り組んでいくべきテーマであると考えております。 まず、農水省におきまして、ブルーカーボン、これをどのように位置付けておられるのかをお伺いします。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 農林水産省におきましては、令和三年五月に策定いたしましたみどりの食料システム戦略におきまして、カーボンニュートラルの推進に向け、海藻類による二酸化炭素の固定化の推進、実効性のある藻場、干潟の保全、創造を位置付けたところでございます。 また、委員からも御指摘ございましたように、令和四年三月に策定いたしました水産基本計画におきましては、藻場は二酸化炭素の吸収源としてカーボンニュートラルの実現の観点からも重要であることから、効果的な藻場、干潟の保全、創造を図る必要があると位置付けております。
○安江伸夫君 ありがとうございました。非常に重要な位置付けを持って、農水省、水産庁の下でもしっかりと進めていただきたいというふうに思います。 その上で、ちょっと具体的な取組状況についても水産庁に確認をさせていただきたいと思います。 水産庁においては、これまで、藻場、干潟の保全等対策につきまして、水産基盤整備事業でまずはハード面での支援、また水産多面的機能発揮対策事業でソフト面の支援を中心に行っているものと承知をしております。 後者の水産多面的機能発揮対策事業では、藻場のいそ焼け対策やサンゴ礁の保全、干潟、ヨシ帯の保全などを行う漁業者等の取組を支援する事業と承知をしておりますけれども、その事業目標としては、令和七年度までに対象水域での生物量を二〇%増加をさせるということが掲げられております。 このような藻場、干潟の保全等に向けた事業の成果、また水産多面的機能発揮対策事業のその目標達成に向けた進捗状況についてお伺いします。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、水産庁といたしましては、藻場、干潟の保全対策といたしまして、水産基盤整備事業及び水産多面的機能発揮事業、ハード、ソフト両面から対応しておりますが、これらの成果といたしまして、平成二十八年度から令和三年度までの五年間でおよそ七千八百ヘクタールの藻場、干潟を保全、創造しております。 特に、水産多面的機能発揮事業にありましては、令和二年度までの取組の成果といたしまして、平成二十八年度に対する対象水域内の生物増加量は目標値と同程度である二〇・三%でありまして、現在は令和三年度を基準に更に二〇%の増加を五年間の成果目標としているところであり、引き続き目標達成に向けて取り組んでまいります。
○安江伸夫君 着実に成果を上げていただいていることを確認させていただきました。 これらの事業につきましては、もちろん水産業の振興が主たる目的であることは言うまでもありませんけれども、やはり、海こそやはり地球温暖化の影響を大きく受ける場だというふうに思っております。環境問題は公益性の高いものとして、更なる内容の充実、推進に力を注いでいただくことをお願いしたいと思います。 さて、私の地元、愛知県の三河湾では、以前からアマモ場の再生の取組が行われておりまして、漁業関係者だけではなくて、小学生や水産高校の生徒らが一緒になって、アマモの種の植付けなどの再生活動を行っております。 このような取組は全国各地で行われております。例えば、兵庫県の兵庫運河では、汚染が深刻化した運河の自然再生に地域の方々が取り組み、小学校もその活動に加わって、アマモの学習、干潟の生き物調べなど、子供たちの学習環境の機会にもなっております。こうした取組は環境問題を入口とした海への関心を高め、水産業の担い手確保と育成にもつながっていくものと期待をされます。また、兵庫運河の取組はJブルークレジットとして認証もされており、企業等とのクレジット取引も行われているところでございます。 このほかにも、横浜市も同様の取組を行っていたり、また、同僚の下野議員の福岡県博多湾には、これJブルークレジットではないんですけれども、カーボンオフクレジット制度が行われるなど、様々な自治体等でもこのクレジット利用されておりまして、こうした企業の参画のインセンティブを高めていくことも重要であるというふうに考えております。 あるいは、藻場、干潟の維持管理には、海草や海藻の供給、ウニなどの除去、造成した藻場のモニタリングなど、継続的な取組が必要でありまして、これまで主体的な役割を果たしてきた漁業者だけではなくて、地域住民、NPO法人等の多様な主体が連携をしていくことが不可欠であると考えております。ブルーカーボン推進のためには、漁業者や地域の方々など多様な主体が一体となった取組が広く継続的に行えるようにすべきでありますし、我が党もこうした観点での支援を訴えてまいりました。一つの手段としても、先ほど御紹介したカーボンクレジット制度の取組を活性化していくことも重要と考えます。 以上を踏まえまして、国交省と農水省、それぞれに見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤仁彦君) お答え申し上げます。 国土交通省では、命を育むみなとのブルーインフラ拡大プロジェクトを昨年末からスタートをしてございまして、全国の港湾で、藻場や干潟等のブルーカーボン生態系の拡大に向けた取組を進めているところでございます。藻場や干潟等の保全、再生、創出に当たりましては、多様な主体が協力し、担い手の活動が持続可能なものにする必要があることから、Jブルークレジットの活用促進や、NPO等の環境団体、漁業関係者、ブルーカーボンに関心のある企業、港湾管理者等が一体となって取り組みやすくするための支援等を行ってまいります。 国土交通省といたしましても、引き続き、関係省庁や港湾管理者等とも連携をし、ブルーカーボン生態系の拡大に向けてしっかり取り組んでまいります。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 藻場の保全活動に当たりましては、既に委員からも御紹介がありましたように、ダイビングショップ、地元水族館、小学生や大学生などの多様な主体の参加による活動が各地で行われております。 農林水産省といたしましては、この動きを加速化していくために、昨年三月に閣議決定されました漁港漁場整備長期計画において、企業による社会貢献の取組など様々な活動にも働きかけを行い、藻場保全の取組を一層強化していくと位置付け、今後、企業の参画による連携の強化も推進していくこととしたところでございます。こうした多様な主体による活動を推進するために、ハード、ソフト一体的な取組を支援することとしております。 引き続き、関係省庁とも連携し、多様な主体の参画による藻場などの保全を通じ、ブルーカーボンの推進に努めてまいります。
○安江伸夫君 それぞれ御答弁ありがとうございました。 続きまして、藻場のタイプに応じたブルーカーボンの貯留量を的確に算定できるようにするとともに、海草、海藻の新たな利活用の可能性を探るなど、そのポテンシャルを最大限に発揮できる研究開発、これを支援すべきというふうにお願いをしたいというふうに思います。藻場の回復、造成に向けた手法の研究、これも進めていただきたいと思いますし、産官学の連携も重要と考えております。 この点、既に農水省の下で、二〇二一年度から、ブルーカーボンの評価手法及び効率的藻場形成、拡大技術の開発を行っているものと承知をしております。その研究の進捗状況を確認をさせていただくとともに、ブルーカーボンに関する研究、藻場の造成技術の開発に向けた更なる取組を体制整備と併せて強化をしていくべきと考えております。 農水省の御所見をお伺いします。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 農林水産省では、委員御質問のブルーカーボンの評価手法と効率的藻場形成、拡大技術の開発プロジェクトを実施しております。ブルーカーボンにつきましては、国際的に未確立であります海草、藻場の二酸化炭素貯留量の評価手法を開発しているところであります。現在、IPCCガイドラインに準拠しまして、藻場の種類や海域ごとに二酸化炭素の貯留量の算定を進めているところでありまして、評価モデル式が確立され次第、科学者の議論に資するよう論文化を進めることとしております。 また、藻場の造成技術につきましては、全国十一か所におきまして、県の水産試験研究機関などと連携しまして、地域に応じた効果的な藻場形成、拡大技術の開発を進めております。 農林水産省ではみどりの食料システム戦略を推進しておりまして、引き続きブルーカーボンの研究にしっかり取り組んでまいります。
○安江伸夫君 どうか引き続きの取組を進めていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。 最後、大臣にお伺いをさせていただきます。 ブルーカーボンの推進は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた重要な要素であり、豊かな生態系の維持や水産資源の保護にもつながります。こうした多様かつ重要な価値を有するこのブルーカーボンの利活用を農水省としても更に積極的に推進をしていくべきものと考えております。 ブルーカーボンに対する野村大臣の御認識とその推進に向けた決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(野村哲郎君) ブルーカーボンは、二酸化炭素の吸収源として委員おっしゃるように世界的に注目を集めておりますが、その基盤となる藻場は、水産生物の産卵場やあるいは育成の場として大変重要であるという認識をいたしております。 農水省としては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現及び豊かな水産環境の保全に向けまして、引き続き、関係省庁と連携しながら、藻場の保全あるいは創造の積極的な取組を通じたブルーカーボンの推進に努めてまいりたいと思っております。
○安江伸夫君 大臣、力強い御答弁、ありがとうございました。 繰り返しになりますけれども、ブルーカーボン、海業をしっかりと振興していく、子供たちの興味をしっかりと集め、担い手を確保していく、また地球温暖化をしっかり防止をしていく、こうした重要な意義があります。どうか引き続き強力に推進をしていただきますことをお願いをさせていただき、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○串田誠一君 日本、日本維新の会の串田誠一でございます。自分の党を間違えてしまうといかぬ。 今日は、アニマルウエルフェアが投資に非常に強く関連しているということについて質問させていただきたいと思うんですが、その前提といたしまして、世界動物保護協会の直近の日本の動物畜産福祉に対する評価、これ農水委員会の、前にも質問させていただいたんですが、再確認させてください。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 委員お尋ねの件でございますが、世界動物保護協会、ワールド・アニマル・プロテクション、これ海外の民間団体が独自に行いました二〇二〇年の評価結果が公表されているものと承知をしてございます。 我が国につきまして、飼養、輸送、屠畜を含む農業で飼養される動物に関する法令の有無について評価結果されてございますけれども、Gの評価というふうになっております。 当該評価結果でございますが、A評価とされた国はなくて、EU諸国もBからFと、豪州、米国はE評価とされているところでありまして、総じて厳しい評価結果になっているものと承知をしてございます。
○串田誠一君 ほかの国は低いと言いながらも、日本は最下位という、中国とロシアと肩を並べて世界で最下位という評価なんですが、まずこれの評価に対して野村農水大臣の感想をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(野村哲郎君) 串田委員からはこの農林水産委員会で何回かアニマルウエルフェアについての御質問いただきましたが、家畜を快適な環境で飼養し、ストレスを減らす取組でありますので、このアニマルウエルフェアは、科学的知見を踏まえたアニマルウエルフェアの向上をしっかり進めていくことが必要であるというふうに考えておりますが、この評価については私の方からコメントすることは控えさせていただきたいと思います。
○串田誠一君 この二〇二〇年の前の二〇一四年、何年かごとに評価しているんですけど、二〇一四年の日本の評価はどうなっていましたでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) 同じ団体でございます世界動物保護協会が、二〇一四年の日本のアニマルウエルフェアでございますが、同じく飼養、輸送、屠畜を含む農業で飼養される動物に関する法令の有無についての評価でございますけれども、その結果はD、Dの評価であったというふうに承知をしてございます。
○串田誠一君 先ほど統計の質問もございましたけれども、こういう、国内のそういう統計だけではなくて、世界的な有名な団体からの日本に対する評価というのもやはり非常に重要な、参考にしていかなければならないと思うんですが、Dから最下位のGになった要因、農水省としてはどのように分析されているでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 民間団体の評価でございますので詳細を承知をしておるわけではございませんけれども、二〇一四年と二〇二〇年では評価の方法が変更されておりまして、これが評価が変更になった原因ではないかと理解をしてございます。 我が国の二〇二〇年の評価結果でございますが、アニマルウエルフェアの観点から家畜の種類ごとの飼養方法などを規制した法律がないことからG評価となったようでございまして、我が国では、五つの自由の普及を図ることなどを目的として、アニマルウエルフェアに配慮した家畜の飼養管理の基本的考え方について畜産振興課長通知を発出をいたしましたり、あるいは、公益社団法人でございます畜産技術協会がアニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針を作成するという、そこへの支援を行っていることなどが評価されていないことはちょっと残念だなというふうに考えてございます。
○串田誠一君 評価というのは、ほかの国も同じように評価しているわけですから、やっぱり正面からそういう評価が受けているということは真摯に受け止める必要があるかと思うんですが、そうしますと、これに対する何か改善をしようというようなことは農水省は考えていないんでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 農林水産省では、OIEが策定しております国際基準、いわゆるOIEコードを踏まえまして、公益社団法人でございます畜産技術協会が策定をいたしましたアニマルウエルフェアに対応した家畜の飼養管理の指針の普及、定着を図るということですとか、あるいはアニマルウエルフェアの実践も含めましたGAPの取得の推進などを行ってきたところでございます。 また、施設や設備に対する国の補助事業におきましては、乳用牛の自発的な行動を促す飼養管理システムでございます搾乳ロボット、あるいは採卵鶏の平飼い方式などを含めまして、生産者の皆様が多様な生産方式を選択できるようにしているところでございますし、また、特に、強い農業づくり総合支援交付金におきましては、アニマルウエルフェアの要素を含みますGAPなどの認証を取得している場合には、加算ポイントを設けまして採択されやすくするといったような措置を講じてございます。 また、アニマルウエルフェアの推進に国といたしましても主体的に取り組むこととするために、現在、民間団体が作成、公表している飼養管理指針につきまして、OIEコードに沿った形で改めて見直しまして、国として、国が新たな指針を示す方針でございます。
○串田誠一君 冒頭、アニマルウエルフェアが投資にすごく強く関連しているという話をしたんですが、ESG投資というのはどのようなものでしょうか。
○政府参考人(高橋孝雄君) お答えいたします。 委員からただいま御指摘ございましたESG投資は、環境、社会、企業統治のそれぞれの頭文字を取ってESG投資と呼んでおりますけれども、投資家やあるいは投資機関が投資を行う際に、利益率といった財務の情報に加えまして、環境であれば例えば温暖化の防止対策を取っているかどうか、社会への対応として人権尊重対策を取っているかどうか、あるいはガバナンスに関しましては役員が率先してこれらの取組を進めるような体制になっているかどうかと、そういった要素を考慮して行う投資であると承知しております。
○串田誠一君 今のESG投資に関する全運用資産、そして全ての世界の投資に対するESG投資の割合についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋孝雄君) お答えいたします。 日本を含む世界各国のESGの調査機関で構成されます機関といたしましてグローバル・サステナブル・インベストメント・アライアンスという組織がございますが、そちらの調査によりますと、世界の主要市場におけますESGを考慮したサステナブルの投資残高、これは、二〇二〇年で三十五・三兆ドルとなっておりまして、投資残高全体で九十八・四兆ドルの約三六%を占めているというふうに承知しております。
○串田誠一君 日本の円に換算すると四千五百兆円から五千兆円の間ぐらいになって、すごい金額がESG投資として行われていて、今まではプロダクト、商品の良さだけだったのが、今はプロセス、どういうような過程でその商品を作られているのかというのが投資の非常に目安になっていると言われているんですけれども、そういう意味で、ESG投資というのにアニマルウエルフェアというのは非常に深く関わっていて、NHKの番組でも取り上げられているんですけれども、ESG投資にアニマルウエルフェアに取り組む企業が対象になっているという認識は野村農水大臣にはおありなんでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) アニマルウエルフェアに取り組む企業に対する具体的な投資につきましては承知しておりません。ただ、一般論で言えば、アニマルウエルフェアに着目する投資機関は拡大傾向にあると、こういう認識はいたしておりまして、国際的にはアニマルウエルフェアに取り組む企業も増加傾向にあるというふうに思っております。このような観点からも、アニマルウエルフェアにしっかり取り組むことが今後重要であると考えております。
○串田誠一君 要するに、アニマルウエルフェアに取り組んでいない企業というのは世界の投資対象からどんどん外されていると。ですから、日本の企業というのはハイリスクという認定されているんですよね。 ですから、そういう意味で、農水省の役割というのはすごく国の国力を維持するのに大事なんだと思っているんですけど、残念ながら、今回の所信にもアニマルウエルフェアという言葉は入っていなかったと思うんですよね。農水省として、国を何とか立て直そうとして、四千五百兆円という、世界中の投資額の三分の一以上を超えている、その基準におけるアニマルウエルフェアがその投資対象になっているという、そういう状況を農水省が全然重視していないというふうに思われること自体がG評価にもなっていくのではないかなと思うんですけれども。 一番直近では、二〇二五年、マクドナルドはどのような卵を利用すると宣言していますでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 マクドナルドは、これ二〇一五年でございましたけれども、十年以内、つまり二〇二五年までに、アメリカやカナダにおけます卵の調達につきまして、ケージフリーの卵に移行すると発表したというふうに承知をしてございます。
○串田誠一君 それ以外にも、世界のもう大企業ですね、セブンイレブンやネスレ、米国ウォルマート、あとホテルもマリオネットとかインターコンチネンタル系とかフォーシーズンとか、いろんな世界の企業が二〇二五年にケージフリーの卵しか使わないという宣言をしているわけです。日本にもインバウンド、ますます来ていただきたいんですけど、そういうホテルに泊まってしまうと思いますし、そういう食料を選んでしまうのではないかと。 農水省としてどんどん消費を増やしたいと言っている割には、世界の動向のアニマルウエルフェア、それも投資に関しても、企業に対して非常に重要であるにもかかわらず、非常に、私自身として、所信にもないし、農水省としての予算額もアニマルウエルフェアへとほとんど掛けていないというのが非常に残念ではないかなと思うんですけど、農水省、こういう世界的な潮流についての意識あるんでしょうか。そして、所信にないのはなぜなんでしょうか。お聞きしたいと思います。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 世界的な潮流を意識しているのかというお尋ねでございますが、二〇二一年五月に開催をされましたOIE、国際獣疫事務局の総会でございますけれども、これ、多様な飼養形態が認められる採卵鶏のコード案が議論をされまして採択に付されましたけれども、各国の意見の隔たりが大きくて採択に至らなかった経緯がございます。また、ケージフリーの卵への完全移行を宣言をいたしましたアメリカの大手スーパーでも、コストあるいは消費者の意向を背景に、移行期限や割合を見直すような動きも一部あるというふうなことも承知をしてございます。 このような状況からすれば、鶏卵の調達をケージフリーにするということが世界的に大規模な、支配的な潮流であるとまでは言えない、必ずしも言えないというふうに考えているところでございます。 また、所信に盛り込まなかったことにつきましては、私から答弁するのはあれかもしれませんけれども、決して軽視をしているというわけではございませんで、アニマルウエルフェアについてはしっかり推進をしていくという立場でございます。
○串田誠一君 所信ですから本当は大臣が考えたものなんだろうなと思うんですけど、ここはあえて質問はしないでおきたいなと思うんですけれども。 今の答弁も、いろいろ言い訳というか理由はあるんだとは思うんですけど、世界がどういうふうに評価しているのかというのは、機関投資家というのが世界動物保護協会のG評価というのもちゃんと見ていて、そして日本の企業はハイリスクだといって投資対象から外していっているわけですよね。これ本当にもったいないなと思うので、そこの部分ですね、これは、動物福祉というのは動物と人間が豊かに共存していくということ自体がやはりこれからの世界的な消費者も含めまして求めていることだと思うので、日本ももう少し動物のことを考えていただきたいというふうに思うんですけれども。 ちょっと質問を変えさせていただきます。 競馬法が昨年、臨時国会で成立をいたしまして、附帯決議に引退馬のことが書かれております。この附帯決議に書かれたことに関して関係者はどのような評価をしているのか、農水省としてはお聞きなさっているでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 昨年、臨時国会におきまして競馬法の一部を改正する法律案が議決していただきましたけれども、附帯決議におきまして、引退競走馬に対する競馬関係者による支援の拡充を促すということと、取組内容の充実が図られるよう指導する旨が記載をされているというのは御指摘のとおりでございます。 JRAなどの競馬関係者は、これまでも引退競走馬に対する必要な支援を行ってきたところでございますけれども、附帯決議の趣旨をしっかり踏まえて、引き続き必要な支援を行うべきものと認識しているというふうに理解をしてございます。 また、現場で引退した競走馬の支援に取り組まれる方々におきましても、附帯決議によりまして、引退競走馬に対する支援の拡充が図られることを期待をしているものというふうに承知をしてございます。
○串田誠一君 私のところにも、附帯決議に引退馬が書かれたということで、大変、皆さん、高評価というか喜んでいらっしゃいましたし、政府としても、やっぱり引退馬に関して、目配り、国も目配りしてくれているなということを実感していただけたということなんですが、国としてこの引退馬支援に関して、すぐにどうのというのは難しいのかもしれませんが、野村大臣としてどういったようなことをお考えいただけますでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 私のところにもそういった方がおられまして、鹿児島の人じゃなくて北海道の方なんですけれど、霧島の山麓に競走馬の引退馬を今飼育されております。ですから、そこの担当の方に聞きますと、一番やっぱり金が掛かるのが飼料代だと、餌代だということでございました。 そういったことで、先ほど部長の、局長の方からも答えましたけれども、平成二十九年では、JRAから一億八千万、九千万ぐらいの補助だったんですが、今年の、R五年にしますともう十三億になっておりまして、三十八団体に今支援をいたしておりますので、今後ますますJRAにももうかっていただいて、そして、やっぱり、こういったようなやっぱり対策をしていただこうと、こういうふうに考えております。
○串田誠一君 JRAは三兆円でもうかっているようなので、お金もそういう掛けたいという気持ちもあるんですが、それをどうやって生かしていくのかということもJRAさんすごくよく考えていらっしゃるので、是非、農水省としてもJRAと連携しながら進めていただけるということをお願いしたいと思います。 野村大臣の鹿児島もすごい引退馬抱えている団体があって、もしかしたら日本で一番、引退馬応援しているのが鹿児島なんじゃないかなと思いますので、是非そういった意味でこの点に関しても野村大臣も注視していただきたいなと思うんですが、最後に、この引退馬、農水省所管だよというのを明言していただけますか。
○政府参考人(渡邉洋一君) 農林水産省といたしましては、これ、競馬の監督、あるいは競馬や畜産に対する助成に関する事務を所管をしております。その中で引退競争馬に関する事務を実施しているところでございます。
○串田誠一君 所管ということでいいんですか。今まで、皆さん心配しているのは、競馬の、競走馬の時点までは競馬の対象だから農水省なんだと、でも引退した時点では農水省から離れるんだというような説明を受けているものですから、引退馬も農水省の所管だということをはっきり明言していただけませんか。
○政府参考人(渡邉洋一君) 農水省の所管する立場は先ほど答弁申し上げたとおりでございます。 他省庁におきましても、例えば、動物愛護の法律というのは環境省が所管しておりまして、これは引退馬についても適用されているということでございますし、農林水産省は競馬の監督、あるいは競馬や畜産に対する助成という観点で引退競走馬に関わらせていただいているものでございます。
○串田誠一君 競馬は競走馬あってですからね。引退馬もその競馬の私は延長線上としてしっかりと農水省として所管していただきたいと思いますが、これについては、またこれからもしつこく質問させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。 今日は、まず食品表示の在り方について質問したいと思います。 食品表示に関する消費者庁と農水省の所掌分担について、まず消費者庁にお聞きします。
○政府参考人(依田学君) お答え申し上げます。 平成二十七年度から施行されております食品表示法におきましては、内閣総理大臣が食品表示に関する基準の策定からその遵守等の執行に至るまで制度を一元的に所管することとされておりまして、同法による食品表示の適正確保に関する事務は消費者庁設置法により消費者庁が所掌することとされてございます。 他方、農林水産省は、農林物資の品質や生産、流通、消費の増進、改善、調整、あるいはJAS規格との整合の観点から、食品表示法第四条の規定に基づく食品表示基準の策定、変更に当たって内閣総理大臣から事前協議を受けることとされておりますほか、内閣総理大臣に対しまして、酒類を除く食品の品質に関し食品表示基準の策定を要請することができることとされております。 また、同法に基づく執行に関する内閣総理大臣の権限は消費者庁長官に委任されておりますけれども、消費者庁は御案内のとおり地方支分部局を有しておりませんので、効率的かつ効果的な監視指導を行う観点から、食品表示基準の表示事項あるいは遵守事項のうち酒類を除く飲食品の品質に関する事項について、立入検査、指示など、是正命令を除く監督指導に関する措置について、ノウハウとこれらの措置について経験豊かな職員を擁する農林水産省と連携して実施することとされております。 以上のような役割分担で食品表示の適正確保を図っているところでございます。
○舟山康江君 ありがとうございました。 資料、表側一枚目を御覧ください。 この食品表示に関しての消費者庁と農水省の役割について、ちょっと表、図表を作ってみました。それぞれの資料を基に作ってみましたけれども、やはり農林水産省、この設置法にも所掌事務ありますとおり、一般消費者の利益の保護、これは農林水産省の大きな仕事でありますので、そういった意味ではこの食品表示に関してもしっかりと、様々な策定に対しての要請とか、それからやはり生産、流通、消費の増進、改善、こういったことに対してやはりきちっと意見を言う、こういった大きな責任があるのかなと思っております。 ですので、食品表示というのは、何か一義的には、資料を見るとやっぱり消費者庁がいろんな対策を講じておりますけれども、やっぱり農林水産省は不断に連携をしながらやっていくということ、これ大事なのかなと思っています。 そういう中で、ゲノム編集技術応用食品の現状について、これ今四種類認定されているんですけれども、この現状について農水省からお聞きします。
○政府参考人(森健君) お答えいたします。 ゲノム編集応用食品、あっ、ゲノム編集技術応用食品の表示につきましては、食品表示制度を所管いたします消費者庁において考え方が整理をされているところでございます。 具体的には、ゲノム編集技術応用食品のうち遺伝子組換え食品に該当するものにつきましては、食品表示基準に基づく遺伝子組換え食品に関する表示制度に基づき表示が義務付けられているところでございます。 一方、遺伝子組換え食品に該当しないものにつきましては、ゲノム編集技術を用いたものか従来の育種技術を用いたものかを判別するための実効的な検査方法の確立が現時点での科学的知見では困難であり、表示監視におけます科学的な検証が困難であること、また、表示を義務付けている国がないということで、輸入食品等について書類による情報伝達といった社会的な検証が困難であるといったこと等の課題があるということでございまして、表示の義務付け、罰則の伴うようなものでございますけれども、こうした表示の義務付けは行われていないという状況でございます。
○舟山康江君 これ、消費者庁が作った資料でもそのことは書いてあるんですけれども、一方で、消費者の中にはゲノム編集技術応用食品に対して選択のための表示を求める声があると、こんな記載もありました。 そう考えたときに、まさに先ほど示させていただきましたけども、やっぱり消費者の利益の保護、そういった観点から、これは、消費者庁で決めたことに対して農水省としてやはりこういった様々な提案とか声を踏まえた意見を表明する、そういったことも必要ではないのかなと思っています。 ほかの国で義務付けたところはないと言われましたけども、EUでは今、今現在は、私の調べたところでは遺伝子組換えの一部として扱っていると、今現在鋭意検討が進められていて、今後どのような結果になるかまだ不明ではありますけれども、現在は遺伝子組換えと同じ枠組みになっていると私は理解しております。 そういう中で、こういった声を踏まえて、消費者庁としても、やはり表示の義務はないとはいえ、一応、ちょっと確認、消費者庁、確認なんですけれども、一応任意で求めるということですよね。積極的な情報提供に努めるように求めてはいるという、そういった理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(依田学君) あくまでも制度上の義務付けはできませんけども、実際に厚労省の方に届出をしている業者さんに対しては、自主的なゲノムの表示を推奨するというか、呼びかけを行っているところでございます。
○舟山康江君 できるだけ情報提供をするようにと。まさに先ほど紹介させていただきましたけれども、やっぱり消費者のためには選択のための表示を求める声があるということ、そういったことを踏まえての措置かと思います。 そういう中で、私は、やっぱり農水省はもっと積極的にそういった推進若しくは何らかのこの表示を任意ではなくて義務付けるような提案をするべきではないかと思っています。 裏面御覧ください。 これ、今、先ほどちょっと言及しましたけれども、安全性等を確認、公表したゲノム編集農林水産物は今四つあります。一つはギャバ高蓄積トマト、そして可食部増量マダイ、高成長トラフグ、そして、最近ですけれども、いわゆるもちもち感が強いという、これ初めて、外資系の企業ですね、外国の企業からの申請があったワキシートウモロコシというものなんですけれども、こういったものに対して、これトラフグ、まあ私は、この上がいわゆるゲノム編集、下が通常という中で、まあ見方によっては、大きくて立派だなという見方と、えっ、こんなに成長したのはちょっと気持ち悪いなということと、まあいろんな感想があると思うんですよね。その感想はともかく、でもこれ明らかに違うと思うんです。 そういった違いに対してやはりしっかりと情報開示をする。例えば切り身のDNA鑑定なんかをすると同じかもしれませんけれども、どう見ても何かが違うというところの中で、これ専門家の中にも、やはり、一つは、誤ったDNAの切断、マーカー遺伝子の残留などのリスクがあるんじゃないか。そういった意味で、やっぱりそこを明らかにするべきではないかという声とか、この記事の後段の方にありますけれども、やはりこの先端技術の評価というのは、中長期的な社会に対する利益、リスク、そういったことも含めてしっかり検証するべきではないかとか、いろんな声がある中で、少なくともやっぱり安全な食を提供する、安全、安心な食を提供する責務のある農水省、また食に関して消費者に選択肢を提供するべき役割を担っている農水省、まさにここの、一枚目の方ですけれども、ここの所掌義務にあるような様々な任務がある中で、やっぱり私は、こういった表示の在り方を提言するなり再検討する、こういったことが必要ではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 先ほど来、舟山委員のお話を全部聞いておりまして、なるほどなという面もございますが、ただ、先ほど局長の方からも答弁いたしましたように、この表示の問題につきましては、やはり消費者庁において考え方が整理をされていると。我が省としても、やっぱりこれは、その責任の一端はあるんだよというのが舟山委員のお話なんだろうと思うんですが、ただ、ゲノム編集技術で得られた農林水産物については、農水省なり厚労省なりの連携の下で、その安全性や生物多様性の観点から問題がないことの確認が行われた上で流通しているものだと、こんなふうな理解をいたしております。 さらに、実際の販売については、ゲノム編集技術を利用したことについて消費者に対する情報提供に自発的に取り組んでいるというふうに認識をいたしておりまして、そういう意味でも、このゲノム編集技術を利用した食の流通実態などを注視するとともに、新たな知見が得られた場合には、必要に応じて消費者庁と連携して対応してまいりたいと、このように思っております。
○舟山康江君 私、この食品表示、それから食の安全、こういった問題について、連携というのは非常に聞こえがいいんですけれども、他省庁にまたがっている場合に、どうしてもエアポケットに落ちてしまうというか、漏れてしまうところがすごくあるんじゃないかと思うんですね。もっと言えば、これ表示は消費者庁と農水省ですよ。で、食の安全、いわゆる安全基準といった場合には厚労省。ここともまた役割が分かれていく中で、でも、この農水省設置法第四条、一般消費者の利益の保護、これは紛れもなく農林水産省の責務だということの中で、私は消費者のその知る権利とか、そういったものをきちっと、に応えていく、その必要はあるんじゃないかと思うんですね。 このフグ、このいわゆる高成長トラフグですけれども、「22世紀ふぐ」というような名前を付けて今結構売られていて、ふるさと納税の商品にも使われています。ゲノム編集というのが、もう最初のページは、ずうっと下の方に確かにゲノム編集って書いてあったんですけれども、これいろんな問題提起をする中で、最近、ゲノム編集によってというのが上に来ました。でもやっぱりこういった情報はしっかり付けた上で、それでも、ああ、大きくて立派、すばらしいといって買う人、ゲノム編集だったらちょっと、まだ分からないからちょっと怖いというような、まさに消費者の選択、いい悪いじゃなくて、確かに安全性の確認、それは大前提です。そういう中で表示をしているんでしょうけれども、それ以外にやっぱり情報提供というのは必要だと思いますし、まさにその食を担う、食料の流通、販売、消費、そういったものを担うこの農水省が、やはりこういった今の問題点、この共管、他省庁との共管の中で、役割分担ではなくて、やっぱりそこをもっと前向きに取り組んでいかないと、何かこうそれぞれの、いや、これは消費者庁ですから、これは農水省ですからということで抜け落ちてしまう。こういった傾向がやっぱりあると思うんですよ、共管事業というのは。 だから、そこでしっかり農水省として議論の提起をいただきたいということのお願いでありましたけれども、大臣、是非、今の問題認識について御見解、そして何かこういった手だてですね。やっぱり少なくとも、悪いとは言わないにしても、まだよく分からない、新しい技術だから分からない、分からないからこそやっぱり情報提供ということぐらいはもっと積極的に農水省として取り組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 今おっしゃいましたように、一般的に食品表示基準を考えるに当たっては、消費者の皆さん方の意向はどうなのか、あるいはまた表示制度の実行可能性、すなわち実際に表示を行う事業者がきちっと対応できるのかどうか、あるいはまた、いや、行政として表示違反の食品を検証できるかどうかなどを十分に検討する必要があるというふうに考えておりまして、遺伝子組換えも全く同じ問題を持っておるわけでありますから、そういう意味から考えますと、各省庁とやっぱり連携していかないと、農水省だけではこれはやっぱり責任が重過ぎると、こういうふうに思います。
○舟山康江君 農水省だけというわけではないですけれども、是非そういった、あちらですからという、所掌を押し付けるんではなくて、しっかり積極的に前向きに取り組んでいただきたいと思います。 今大臣から遺伝子組換えの表示の話もありましたけれども、これ四月から、今月から表示の方法が変わりました。まあ詳細は時間がないので申し上げませんけれども、逆に分かりにくくなっているところがあると思うんですね。意図せざる混入が五%以下の場合に今まで表示できたものが表示できない。例えばそこの数値をもっと低くして、それ以下だったら表示するとかということもあったのかなと思うんですけれども、何か不分別とか分別とか、ちょっと多分分からないと思うんですよ。そういった分かりにくいよという提案もしっかり消費者庁にしていただいて、やっぱり不断に改善を求めていただきたいということを是非、大臣、お願いいたします。 続きまして、担い手の定義についてお聞きします。 現行基本法が効率的かつ安定的な農業経営に担い手を絞った、そこに担い手を絞り、またそこを中心に農地の集積も、集中したということですけれども、このことをどのように評価していますでしょうか、大臣。
○国務大臣(野村哲郎君) この現行の食料・農業基本法では、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、必要な施策を講ずるものとすると規定をされているのはもう御承知のとおりでございます。 したがいまして、経営規模なり、あるいは家族なり、あるいは法人など、経営形態の別にかかわらず、経営意欲のある農業者を幅広く支援することといたしております。その結果、中小・家族経営を含め、効率的かつ安定的な農業経営である農業所得で生計を立てる担い手が各地で育ち、食料・農業・農村基本法で目指した担い手が農業生産の多くを担う構造を多くの品目で実現していることは、もうこれは委員も御承知のとおりでございます。 他方、我が国全体で生産年齢人口が減少する中で、農業についても、個人経営体を支える基幹的農業従事者が稲作を中心に高齢化が進んでいるなどにより、基幹的農業従事者の数は基本法制定時の二〇〇〇年と二〇二〇年の二十年間で半分程度に減少いたしております。 特に、私はやっぱり気になりまして、統計部の方に、さっき統計の関係での質問がありましたけれども、統計部に指示しまして、日本の、もう御承知のとおりのことなんですが、この農業従事者の平均年齢は六十七歳とか八歳とか、非常に高齢化が進んで、あと十年もしないうちにほとんどいなくなるよという話が出ております。 基本法を今検討する中で、作目別のそれでは年齢構成を出してみろということで統計部の方に資料を提出させてもらいました。そうしますと、驚くことなかれ、例えば、施設園芸、それから養豚、これは平均年齢五十歳代です。五十歳代です。あと何十年も続きます。だけれども、稲作は七十を超えているんですよ。だから、一番問題は稲作だろうと、水稲が一番今後問題にしていかなければならないことで、ほかのものまで全てひっくるめてオール農業で六十八歳だとか、こういう声高々に言わなくてもいいだろうがということを実は申し上げておるところでありまして、そういう今分析をしながら基本法の策定の議論を今いたしているところでございます。
○舟山康江君 そうしますと、今、中小・家族経営など多様な経営体も大事なんだというお話がありました、これは基本計画にも書いてありますけども。今後、基本法の見直しに当たっては、そこも含めて担い手を少し拡大していこうと、そういった方向であるという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 拡大する部門もあるでしょうし、あるいはまた集約をしていかなければならない部門もあると。 先ほど言いました水稲等については、今後、その労働力不足というのも出てくる。担い手もあるいはその次いないということになってきますと、じゃ、それをどうするかということで、場合によっては集約していかなきゃいけない作目も出てくるだろうと、こんなふうに思いますし、ましてや、ほかのものでいきますと、まだ分散させながら、あるいは個人経営に移行させていく、あるいは場合によっては法人化していく、まあいろんな形態を考えていかなけりゃいけないというふうに思います。
○舟山康江君 まあいずれにしても、やっぱりこの担い手を小さく小さく一部に集中したことのやはりその成果を検証していただいて、今後どこにどういう人を担い手として位置付けるのか、どこに施策をきちっと集中していくのか、場合によって、今お話がありました、稲作に関しては高齢化が進んでいると、なぜなのか、そういったところに対してきちんと分析した上で、だから稲作は駄目なんだではなくて、ちょっと今日質問しようと思ってまた時間がなくなっちゃったんですけども、でも、水田に関しては、前々回の局長の答弁でも、優れた生産装置だという、こういった御答弁がありました。まさに日本、このアジア・モンスーンに位置する中で、気候変動に比較的強い、それから病害虫にも強い、連作にも強い、更に言えば多面的機能があると。やはりこの水田をどういう形でどれだけ守っていくのか。またちょっとこれ次回に譲りますけれども、そういう観点で、やっぱり何か、畜産頑張っている、施設頑張っている、でも稲作は、じゃなくて、やっぱりそこにきちっと若い方々が取り組めるような、そういう政策にしていかなきゃいけない。その際に、やっぱり所得の確保をどうしていくのかと、これ何度も申し上げていますけども、そこをトータルとして是非御議論の中でしっかり進めていただきたい。 せっかく今、大きな基本法見直し、私はもうちょっと様々な検証をした上で少し時間を掛けてやるべきだと思いますけれども、いずれにしても、こういったことも含めた検証を是非お願いしたいということで、時間が来ましたので終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 まず、北海道の網走市の能取湖でホタテの稚貝のへい死が確認をされました。原因は不明で、今究明中ということなんですけれども、へい死が確認されたのはいつなのか、そして、へい死の個体数と率、想定される被害額について説明をお願いします。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 現地の網走市が設置した能取湖ホタテ稚貝へい死対策本部によりますと、令和五年三月二十三日に、漁業者が籠釣りで養殖していたホタテ稚貝のへい死を確認したとのことでございます。へい死したホタテの稚貝は、四月十一日現在の情報では一億八千二百万枚、死骸の割合は九一・一%、被害額は約六億八千万円余りと聞いているところでございます。
○紙智子君 今、被害のその総額で、約、六億八千円だから七億円近いわけですけど、一人当たりの生産者の被害額ということでいうと一千万円を超えるというふうに聞いているんですね。 能取湖では、稚貝の入った養殖の籠を九月から湖内に沈めて、越冬させて、翌年の五月から六月に引き揚げて、道内の各地で放流をして、その三年後が水揚げということです。 そこで、幾つかの課題があるんですけれども、まず、ホタテの死骸処理への支援というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。 へい死したホタテは一般廃棄物に該当いたしますので、廃棄物処理法に基づき、事業者の責任において処理する必要がございますので、その処理は市町村が所管する処分場で行われることとなっております。
○紙智子君 市町村が所管するんですけど、支援ってあるんですか。
○政府参考人(神谷崇君) 廃棄物処理法に基づきまして、事業者の責任において処理するということでございます。
○紙智子君 まあ事業者の責任ということですよね。 じゃ、生産者の支援策なんですけど、今年、能取湖の生産者の収入は激減するわけです。稚貝の供給量が減ると、ほかの地域の漁協や生産者にも影響が出ます。紋別漁協は放流の三分の一に当たる一億五千粒を西網走漁協から購入しているというふうにいいますから、その三年後の水揚げの激減というのが心配されるんですね。 稚貝生産者と稚貝を購入している生産者への支援、さらに原因究明、そして再発防止策ですね、これらの課題に国がしっかりと支援することが必要だと思うんですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(野村哲郎君) 私もテレビで、ニュースで見てびっくりしていたんですが、何年か前にも一回こういったことがあったということもちょっと聞いたんですけれども、ただ、北海道によりますと、あるいはまた水産庁の方に聞いても、まだ原因は特定されてないと、こういうお話でありまして、現在、北海道庁やあるいは市が関係者と連携して今原因究明に取り組んでいると、こんな今状態でございます。 農水省としては、関係者からの要請に応じて、水産研究あるいは教育機構を通じて必要な助言を行うなど、原因究明や再発防止に向けて協力をしていきたいと、こういうふうに思っておりますが、今お尋ね、その救済措置につきましては、漁業共済なり、こういうのに入っておられなかったということも伺っておりまして、まあどういう対策ができるか、原因究明なりあるいは再発防止に向けて協力をしてまいりたいと、こういうふうに思います。
○紙智子君 まだ原因究明がはっきりしていないということでもあり、現場からの声を聞いていろいろ協力という話なんですけれども、ホタテでいうと、北海道の漁業生産額の約四割弱占めるんですよね。かなり大きく占めているんです。引き続き、この点重視していきたいと思いますし、注視もしていきたいというふうに思っています。 次に、鳥インフルエンザについて質問をします。 今シーズン、鳥インフルエンザの発生が続いていて、二十六道県八十四事例で約千七百七十一万羽が殺処分の対象になりました。それで、北海道でも百二十万羽を超える採卵鶏が殺処分になりました。 一方で、卵の供給不足が発生をしているということですね。帝国データバンクが、卵メニュー休止、それから外食大手の三割に拡大と、調達難の影響深刻化というふうに題して、卵メニュー休止状況調査というのを公表しています。 それで、鳥インフルエンザのこの感染拡大に伴う卵の供給不足、そして価格高騰ですね、いわゆるエッグショックと今言われているんですけれども、この影響が外食産業で拡大をしていると。JA全農たまごの情報によれば、鶏卵一キログラム、東京、Mサイズ、これらの卸売価格が二〇二二年の二月は百七十五円だったものが、今、二〇二三年四月五日時点で三百五十円と二倍に跳ね上がっているわけですね。都内のケーキ店は、小まめに電気を消すとか節約をしているんだけれども、これはもう値上げせざるを得ないというふうに言っていますし、先日たまたま入った食堂があるんですけど、ここでは五月からオムライスは中止ですということで書いてありました。中華料理やパンケーキや茶わん蒸しなどにも影響が拡大をしていると。 卵の供給不足やこの価格高騰に鳥インフルエンザのこの感染拡大があるということも指摘されているわけです。鳥インフルエンザのこの感染拡大はちょっと従来とは違った新たなステージに入っているんじゃないかと思うんですけれども、大臣、これどのように思われるでしょうか。
○国務大臣(野村哲郎君) 今の紙委員のお話、同じ認識をいたしておりまして、これは生産者だけじゃなくて消費者にも大変迷惑を掛けているなという思いがしてなりません。 今現在、五十七経営体が鳥インフルに、が感染して、そして殺処分をしたということでございますが、五十七経営体のうち、有り難いというか少ないというか、採卵鶏の八経営体がようやくひなの導入をいたしました。これから徐々にきちっとしたクリーニングをしながらひなを導入していくと思うんですが。 私的なことで申し訳ないんですが、私のところに昨日地元から卵を送ってきまして、ようやく再開できましたといううれしいニュースでございました。これは大体六か月すると卵を産み出すんですが、昨日もらったのはまだ産み始めて非常に小さい卵なんですよね。だから、もう少ししないと店頭に出せるような卵にはまだならないということでありますが、こうしておいおい出てくるということで、ただ、完全に感染したところの農場に卵を産める鶏が成長していくには、あとやっぱり一年近くは掛かるだろうというふうには思います。 ただ、ブラジルからの殻付卵が今月以降到着するということで、先ほど食堂のお話がありましたが、いろんな加工、卵の加工をしている皆さん方が大変お困りのようですから、これは生では食べられません、一か月掛けて日本に来るわけでありますから、これは加工用に向けての殻付卵が今月中には到着すると、こういうふうに聞いておりますので、少しずつ今までの不自由さからすると良くはなっていくというふうには思いますが、ただ、これは今年はそうであっても、また来年同じようなことが起こっていきますので、農家の皆さん方にはやっぱり飼養管理はきちっとしていただかなきゃいけないというふうに思っております。
○紙智子君 認識は大体同じですって言うんだけど、ちょっとその、いろいろ私も資料をいただいて、すごいんですよね、日本列島全体にあっちこっちで発生して感染しているということで、ちょっと今までと、延長線というよりはちょっとステージが変わっているんじゃないかなというふうに思うんですけど、その辺も一致するということでよろしいんですか。
○国務大臣(野村哲郎君) 今、ブラジルからというお話をしましたが、輸入は、もうどこも輸入できる国はありません、全世界に広がっておりますから。ただ、南米で唯一ブラジルだけが感染地帯になっていないんですよ。ですから、ブラジルから日本の商社の皆さん方がようやく手に入れて、今こちらに運んでくる途中なんでございますけれども、もう世界的な問題で、どこも同じ問題、今度G7があと一週間すれば始まりますので、そういった話もしていかなきゃいけないなというふうには思っております。 日本だけの問題ではないということだけは、紙委員、是非御理解ください。
○紙智子君 それで、ちょっとその感染の広がりがやっぱり従来と違う段階だと思うんですけど、二〇二二年の十一月二十八日に家きん疾病小委員会が行われて、高病原性鳥インフルエンザの続発を踏まえた緊急提言というのが出されて、全国的に環境中のウイルスの濃度が非常に高まっている状況にあるとしています。 一月三十一日に、高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チームの検討会では、発生農場において、肉用の鶏よりも採卵鶏での発生が多い傾向にあったというふうに書いてあるんですね。これ、なぜ採卵鶏で多いのか、その辺の分析はどのようにされているでしょうか。
○政府参考人(森健君) 今シーズンにおけます高病原性鳥インフルエンザ発生事例数は本日時点で八十四事例ということでございますが、このうち採卵鶏農場での発生が六十一事例、経営体としましては、先ほど大臣が答弁申し上げましたように五十七経営体ということでございますが、一方、肉用鶏農場が十一事例、そのほかアヒル農場等での発生が十二事例ということでございます。 採卵鶏と肉用鶏では、例えば農場への人の出入りの頻度でございますとか飼養期間の長さなどが異なるという違いがございますけれども、これがその採卵鶏農場での発生が多い傾向につながっているのかといった原因については、現時点においては明確な理由は不明ということでございまして、引き続き疫学調査の結果を分析してまいりたいと考えているところでございます。
○紙智子君 ちょっと今まだ分析中ということではあります。 それで、感染拡大でやっぱり生産者の方々は物すごく緊張していると。ある生産者の人は、対策として、消石灰を地面の色が見えなくなるまでもう真っ白に散布して、外から履いてきた靴と鶏舎で履く靴とを履き替えて、壁の穴とか金網の破れとかこういうものにも神経をとがらせていて、それでも完璧と言えるんだろうかということで、それで、毎朝その鶏舎のドアを開ける段階で、死んでないかというふうに思って鶏舎に入ると、物すごい緊張感に襲われるというふうに言っているんですね。衛生管理みんなやっているのに何でなんだろうかということも言われていて、こうした思いにやっぱり応えていく必要あると思うんです。 国は、殺処分した鶏の評価額の全額は手当金として支払う制度はあるんですけども、新しく鶏を導入しても、出荷できるまでの時間、さっき紹介ありましたけど、出荷できるまでの時間が掛かると。すぐに再開できるわけではなくて、再開しようと思っても、さっきひなの話がありましたけど、足りないって、ひなが足りないというのが結構出されているので、これ現状についてはどうなっているのかというのをちょっと報告をお願いしたいんですけど。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 農林水産省におきましては、種鶏ふ卵業者の団体を含めまして、関係団体に対して、高病原性鳥インフルエンザの発生農場におけます飼養再開に向けた適切な対応をお願いをしているところでございます。大臣から説明があったとおり、再導入も始まりつつあるという状況、段階でございます。 現時点で全体としてのひなの供給量が不足しているという話は聞いてございませんが、ふ卵施設の能力を短期間に急に増加させることは困難でございますので、引き続き、関係者の協力を得ながら、地域的な偏在がないような形でひなの安定的な供給が行われるように努めていきたいと考えてございます。
○紙智子君 それじゃ、高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チームの検討会の今後の防疫措置において、施設及び飼養管理を完全に分けることによって農場を複数に分割し、別農場として取り扱われることについては、現場で検討し得るものと考えるというのが書いてあるんですけども、いわゆるこの分割管理を提案したというのは初めてでしょうか。
○政府参考人(森健君) お答えいたします。 御指摘の本年一月の専門家会合におきましては、大規模農場における対応として、例えば、施設及び飼養管理を完全に分けることにより農場を複数に分割し、別農場として取り扱うことについては、現場で検討し得るという考え方が示されたところでございまして、こうした点、都道府県にも通知をしておりますし、また、既に大規模農場で、この経営再開への影響を勘案して、この発生時のリスクを回避するためにこうした分割に取り組もうとしている事例もあるというふうに承知しているところでございます。 こうした分割の管理につきましては、これまでの飼養衛生管理基準や特定家畜伝染病防疫指針に基づき行うことが可能となっておりましたけれども、農水省といたしましては、例えばその分割の場合には人や物の動線を分けるなど、飼養衛生管理を一体的に行う衛生管理区域の範囲を完全に分けることが必要だというふうに考えておりまして、今後こうした考え方を改めて整理をして説明していきたいと考えております。
○紙智子君 初めて今回これ言っているということですね。
○政府参考人(森健君) お答えいたします。 初めてということではなく、こうした分割管理の考え方自体は現在の飼養衛生管理基準あるいは防疫指針の方にも言わば読み得るものという状況でございます。
○紙智子君 それで、その分割管理というのはどういうものかというのがなかなかイメージが、もう既に大きい規模のやつがあるわけですけど、一つ一つ棟分かれているんだけど、分割管理というのはどういうことなのかというのをちょっと説明をお願いしたいんですけど。
○政府参考人(森健君) お答えいたします。 やはり、人、物、動線を分けるなど、飼養衛生管理を一体的に行います衛生管理区域の範囲を完全に分けるというのが分割管理の基本的な考え方でございまして、例えば、衛生管理区域の境界を明確にするためにその敷地を防護柵等で区切るでございますとか、原則としてその衛生管理区域ごとに作業者を分ける、作業をする人を分けるといったようなことですとか、車両や作業者の出入口を衛生管理区域ごとに設けてそれぞれで消毒を行うといった、などの要件を満たすことが必要と考えております。
○紙智子君 そうすると、割と大規模な経営のところのイメージのような感じがするんですけども、小規模の家族経営でもそういうことって可能なんでしょうか。
○政府参考人(森健君) 個々の農場においてどのような整備、体制の変更等が必要になるのかというのは、まさに個々の農場の飼養形態等によって異なるということでございます。 そういった点では、私どもとしては、こうした分割を希望する農場が、相談があった場合、規模の大小にかかわらず都道府県とともに対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 規模の大小にかかわらず相談には乗っていくということだったと思います。 経営再建の支援と同時に、やっぱりこの鳥インフルエンザの感染拡大が、空気中にちりやほこりに付着して感染を広げている可能性があるという指摘も専門家の中でされています。 こういう対策とともに、この防疫措置に携わる自治体というのが、JAの職員であったり自衛隊含めて相当強いストレスがあると。ちょっと心の病気になってしまったりということもあるということなので、そういうメンタルケアの対策も必要だというふうに思うんですけど、こういう支援も含めて、あともうちょっと時間ありそうなんですけど、万全の対策を取っていただきたいんですけど、これについて最後、じゃ、一言お願いします。
○政府参考人(森健君) 委員御指摘のとおり、一旦鳥インフルエンザが発生しますと、その農場における防疫作業に大変多数の方々に参画、作業をしていただいているわけでございまして、そういった方々の心、体もそうでございますし、身体的な負担と、あっ、心理的な負担というものが大変なものになると、御苦労いただいているという状況でございます。 いわゆる特定家畜伝染病防疫指針におきましては、都道府県の公衆衛生部局等と連携をしまして、防疫措置の前後に従業者の健康状態を確認する、あるいはメンタルヘルス等も含めた相談窓口を設置するといったようなことを規定しているところでございまして、各都道府県におかれて、こうした心身、作業者の心身の健康維持に努めていただけるよう私どもからも働きかけていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 時間になって終わりますので、是非、万全の対策ということで、まだ続いていますし、現場は大変ですので、よろしくお願いをして、質問を終わります。
○委員長(山下雄平君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ─────・───── 午後一時四十分開会
○委員長(山下雄平君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○須藤元気君 昼休憩後の一発目の質問となります。 今日は昼御飯にスッポンを食べてきました。たまに豊洲市場でスッポンを仕入れて自分でさばくんですが、ちょっと議員会館だと血みどろになってしまうので、さばいてある冷凍物をスープにして食べました。すごい精が付くので、野村大臣も是非スッポンお勧めしますので、是非たくさん食べていただければと思います。(発言する者あり)大好きですか、よかったです。ありがとうございます。 スッポンパワーで元気もりもり須藤元気、頑張って質問をしていきたいと思います。オッス。 さて、本日は、学校給食の場を活用した食育、地産地消、有機農産物の利用拡大についてお伺いします。 農業の環境負荷の低減を目指すみどりの食料システム戦略において拡大が目指されている有機農業ですが、有機農業が広まるためには有機農産物の安定した販売先があることが重要です。地元の小中学校の学校給食の食材として公共調達されることは大変有効な選択肢ではないでしょうか。子供たちにとっても、地元の生産者と顔の見える関係が構築できれば、地元の農業や自然循環機能を学べる食農教育ともなります。それがきっかけで将来の農業の担い手に成長してくれることも期待できます。米飯給食の提供回数は文部科学省の二〇二一年度調査で週平均三・五回となっていますが、有機米の利用で更に回数が増えれば日本型食生活を次世代に伝えることにも貢献できます。 このように良いことずくめの学校給食のオーガニック化ですが、いざ実現しようと思うと、食材費やメニューと生産物、収穫時期とのマッチング、地元での有機農産物の生産量など様々な課題があると聞いております。そこで、学校給食への地元の有機食材の利用推進に向けて政府の支援策が求められています。 ここでまずお伺いしますが、オーガニックビレッジを宣言している又は宣言に向けて取組に着手している市町村の中で、学校給食のオーガニック化を実施しようとしている市町村はどれくらいあるのか、教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 農林水産省では、地域ぐるみで有機農業を実践する先進的な産地でありますオーガニックビレッジの創出を進めておりますが、現在、五十五市町村で取組が開始されたところであります。そのうち、有機農産物の学校給食への利用を取組計画に位置付けている市町村は四十七市町村となっております。
○須藤元気君 ありがとうございます。 それ、今後はやっぱり増えていくものなんでしょうか。学校給食がベースになっていくということにはなっていくんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 現在五十五ですが、近いうちに、近いうちにというか、近年のうちに百、さらには二百にという目標を持っておりますし、そのうち、五十五のうち四十七というのはかなり取組としては多いというふうに思っておりますし、この勢いで伸びていっていただければなというふうに思っております。
○須藤元気君 農水省のみどりの食料システム戦略緊急対策交付金において、学校給食での地元の有機食材の利用に向けて具体的にどのような取組が交付対象となっているのか、お伺いします。
○政府参考人(平形雄策君) 学校給食に有機農産物を導入するに当たっては、納入の時期、それから品目、量に加えまして、食材の形、それから納入のときの体制、場所など、様々な条件を生産者、それから給食事業者等の関係者間で調整していただく必要があります。多くの課題を解決する必要があるというふうに考えております。 このため、みどりの食料システム戦略緊急対策交付金のオーガニックビレッジの取組への支援の中では、地域の関係者の連携体制の構築ですとか検討に要する費用のほか、給食メニューに有機農産物を導入する際に必要な費用についても支援対象というふうに考えております。
○須藤元気君 ありがとうございます。 文部科学省の令和五年度当初予算には、学校給食における地場産物等の使用促進に四千五百万円が措置されております。その中に、みどりの食料システム法成立に伴い、有機農産物の学校給食への活用を一層促進するため、自治体における有機農産物を使った学校給食を提供する取組なども支援するとあります。 具体的な支援メニューをお伺いします。
○政府参考人(安彦広斉君) お答え申し上げます。 令和五年度学校給食地場産物使用促進事業におきましては、これまでは、学校給食における地場産物の使用に当たっての課題解決支援に加えまして、有機農産物についても対象拡大したところでございます。 具体的には、学校側や生産、流通側の調整役としての仕組みづくりを担うコーディネーターの配置に必要となる経費、また、行政や学校関係者、またコーディネーター、生産者等による協議会等の開催に必要となる経費、また、大量調理に当たり必要となる備品の購入に係る経費、また、学校で有機農産物等に係る指導を行うために必要となる生産者側の人材派遣等の経費、こういったものの支援を行っているところでございます。
○須藤元気君 物価高騰により食材の仕入価格も高まっていることから、多くの自治体で給食費が値上がりしています。文部科学省の二〇二一年度調査によりますと、全国の平均給食費は月額で、小学校四千四百七十七円、中学校五千百二十一円と、三年前の前回調査よりもそれぞれ三%、三・六%の増加となっており、過去最高額が更新されました。 新型コロナ臨時交付金が二〇二二年度から学校給食の食材調達費などにも使えることとなりましたが、学校給食の無償化が実施された自治体は全国約千六百の市区町村の三割に上り、そのうち六割が政府の臨時交付金を財源としています。無償化していない自治体でも、臨時交付金を活用して半額程度の補助など軽減策が講じられています。 ただ、どの自治体も財源が最大の課題であり、自治体の大半は、令和五年度の交付金の扱いが不明瞭であったため、この四月以降の継続を未定、徴収再開予定としている状況でした。一方で、東京や千葉など首都圏を中心に自主財源から捻出する自治体もあり、財政事情を背景に判断が割れる見込みです。 先月二十八日に令和四年度の予備費の使用が閣議決定され、その中で臨時交付金の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金が七千億円増額されました。推奨事業メニューには学校給食費等の支援が掲げられております。このため、四月以降も学校給食の無償化に取り組む自治体の数は恐らく維持されるのではないかと期待できます。 自治体の取組に対する国の支援が行われることになったのは本当に良かったと思うんですが、今回のように新年度の始まるぎりぎりになって決定ではなく、もっと恒常的に、将来的な見通しを持って環境の整備が必要ではないでしょうか。 先ほども申し上げましたように、学校の給食のオーガニック化には様々なメリットがあります。有機食材の調達を国として恒常的に支援していくことは、同時に自治体の財政事情に左右されない学校給食の無償化にもつながり、子供たちの食料安全保障ともなります。安心して子育てできる環境になることは人口減少を防ぐことにもつながるんではないでしょうか。 そこで、政府として、この学校給食の献立の開発のときだけではなく、通常のメニューの食材に地元産有機食材を利用することへの支援策を講じるべきだと考えますが、農林水産省、文部科学省としてそれぞれの立場から御見解をお聞かせください。
○副大臣(勝俣孝明君) ありがとうございます。 学校給食で有機農産物を利用するに当たりましては、食材の形や納入の方法等について生産者や給食事業者を始めとした関係者で調整を行うなど、まずは導入段階における多くの課題を解決することが必要となっております。 このため、市町村が中心となって生産から消費まで一体的に取り組むオーガニックビレッジへの支援の中で、関係者の話合いや物流の検討のための費用等、学校給食への有機農産物の導入段階で必要となる費用に対しても支援を行っているところであります。 農林水産省としましては、有機農業の拡大に向けてオーガニックビレッジを二〇二五年までに百市町村、二〇三〇年までに二百市町村に拡大する目標を掲げており、その中で学校給食における有機農産物の利用も進めていく考えであります。
○政府参考人(安彦広斉君) お答え申し上げます。 学校給食は食に関する指導を効果的に進めるための生きた教材でありまして、有機農産物を学校給食の食材として活用することは、環境への負荷低減や食料生産における自然環境の保全の重要性などへの理解を深める、こういったことに有効だと考えております。 一方、学校給食における有機農産物の使用に当たっては、例えば域内で必要な有機農産物の数量の確保やコスト等の課題があると承知しております。このため、先ほどお話ししました学校給食地場産物使用促進事業におきまして、学校給食における地場産物や有機農産物の活用を促進するとともに、引き続き、農林水産省とも連携しつつ、有機農産物を活用した学校給食や食育の事例の発信、共有など必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○須藤元気君 しっかり足並みをそろえてやっていただければと思います。 他方で、政府は先月末、異次元の少子化対策のたたき台となるこども・子育て政策の強化についての試案をこども政策担当大臣の名において発表しました。先週末には、こども未来戦略会議が発足し、具体的な内容と財源について議論が行われ、今年六月の骨太の方針に反映させたいとのことであります。たたき台の今後三年間で加速化して取り組む子ども・子育て政策の中に学校給食の無償化が掲げられていますが、是非無償化を実現していただきたいです。 そして、お願いしたい大事なポイントとしては、家計負担の軽減の視点のみならず、子供の健やかな成長という食育の視点を落とさないでいただきたいということです。学校で口にする食材が地元で収穫された有機農産物であることによって、子供たちは地元に農業があることの大切さを学ぶ機会にもなります。先ほど串田先生も午前中にアニマルウエルフェアの質疑をされましたが、子供たちに平飼いの鳥から卵をいただくことなど、本当に大切だと思いますし、日本の農村、漁村を子供たちが守り育てていくことが必要です。 実は、私も数年前に調理師の資格を取りましたが、改めて食を学ぶことにより自分の健康状態や体力の向上にもつながりました。ですので、子ども・子育て政策全体の中で子供たちの食育の重要性を位置付け、学校給食の無償化とオーガニック化を支援していくことをお願いしたいと思いますが、子ども・子育て政策を取りまとめる立場として、こども家庭庁に御見解をお伺いします。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 給食費の無償化は、小倉大臣が取りまとめました試案におきまして、学校給食費の無償化に向けて、給食実施率や保護者負担軽減策等の実態を把握しつつ、課題の整理を行うといたしております。今後、速やかに課題の整理が進むよう、文部科学省と連携して取り組んでいきたいと思います。 また、議員御指摘の食育や地元産食材の学校給食への活用につきましては、令和三年に決定されました子供・若者育成支援推進大綱におきまして、学校給食における地場産物の活用を始めとした食に関する学習や体験活動の充実等を通じて、家庭、学校、地域等が連携した食育の取組を推進するとされており、食育は子供の健やかな成長にとって重要であると考えております。 今後、子供政策につきましては、幅広い施策について議論を進めていくこととなっておりますが、引き続き、農林水産省や文部科学省とよく連携して取り組んでまいりたいと思います。
○須藤元気君 ありがとうございます。 この子ども・子育て政策を取りまとめる立場として、こども家庭庁にも是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 最近、ちょっと仲間の議員たちで僕一緒にトレーニングをして、その後、私が作った高たんぱく質ランチを食べてもらうことを一週間に一回やっているんですが、週一回でも体を動かして、自分の健康や食について語り合うことにより、何かみんな健康意識が芽生えたというふうに言ってくれています。ですので、子供だけでなく、大人もこの食育というものをもう一度学び直す時期にあるんではないでしょうか。 さて、昨年十月に開催された全国オーガニック学校給食フォーラムでは、学校給食に有機食材を活用するための様々な情報交換、連携づくりが行われました。 有機米の栽培技術は既に確立されており、有機米一〇〇%を実現した千葉県いすみ市においても、慣行農業から有機農業に移行して成功できたとのことであります。 また、全国の水田の二%で有機米を生産すれば、全国の学校給食に必要な量を賄えるとの推計の発表もありました。 このお話のように、全国の水田の二%で有機米を生産して学校給食に活用することを是非とも実現できたらと思いますが、この推計について、政府の見解についてお伺いします。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 御指摘の推計値でありますが、全国オーガニック学校給食フォーラムで一定の前提を置いて推計されたものというふうに承知しております。この中では、全国で有機米の学校給食を実施するために必要なお米の作付面積を約四・四万ヘクタール、全国の水田が二百万、二百二十万ヘクタールぐらいございますので、それの約二%というふうに試算されたものというふうに承知をしております。 一方、実は、過去に農林水産省が試算をして、本参議院農林水産委員会で平成三十年に答弁をした試算というものもございます。ここでは、同じように全国の学校給食での有機米の給食を実施するために必要な作付面積は約二万ヘクタール、全国の水田の一%というふうに、ちょうど半分ぐらいの形で当時は試算をしておりました。 こうした推計のところに差が出てくるのは、学校給食の回数を、実際は今三・五回ぐらいが米飯学校給食なんですが、これを四回と見るか、あるいは五回全部、学校給食、有機米でやるというふうに見るか、あるいは一食当たりの重量なんですけれども、これを、大人の人だと大体百グラムぐらい食べるんですけれども、そこを、お子さんのところを五十グラムと見るか七十グラムと見るかとか、あるいは有機米の単収をどう見るかと、そういった前提の置き方によって試算結果がそれぞれ異なってくるので、いろんな試算が今されているところだというふうに承知をしております。 先ほど委員の方からも、技術の確立が有機米についてはある程度できているというお話がありましたけれども、農林水産省では、まずは現在確立されている有機農業の技術の普及を図っておりますし、またオーガニックビレッジの横展開、これを進めることによりまして、まず有機農業の取組面積を二〇三〇年までに六・三万ヘクタールまで拡大したいというふうに考えております。 さらに、二〇四〇年までに、病害の抵抗性の品種ですとか、除草ロボット等、次世代の農業技術を確立するということをして、より多くの農業者が経営の選択肢の一つとして有機農業に取り組むことができるような環境を整えると、それによりまして、二〇五〇年までには百万ヘクタール、まあお米だけじゃないんですけれども、そこまで有機農業を拡大したいというふうに目標を掲げておりまして、これをしっかり実現していきたいというふうに考えております。
○須藤元気君 私、実は学校が本当に嫌いで、給食と好きな子に会えるってだけで学校に行っておりました。この学校給食の時間が楽しみだった人って多いと思います。 今の子供たちがその楽しい思い出とともに有機米を食べて育っていけば、十年、二十年後には有機農業を支える意識を持った消費者になっていくんではないでしょうか。そうすれば、二〇五〇年の有機農地の二五%も夢ではないと思いますので、先ほど大臣もスッポンが好きだと言ってくれましたので、同じスッポン好きとして、是非気合を入れて取り組んでいただければと思います。 私の質問は以上になります。ありがとうございました。
○寺田静君 無所属の寺田と申します。本日もよろしくお願いいたします。 私は、本日は、二〇一九年から始まった国連家族農業の十年について質問をさせていただきたいと思います。 まず、冒頭、国連の家族農業の十年とは何かを簡潔に御説明をいただければと思います。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 国連家族農業の十年は、世界の食料生産額の八割以上を占める家族農業が食料安全保障の確保や貧困の撲滅、飢餓の解消等のために果たしている重要な役割を認識した上で、二〇一七年に国連総会が決議したものです。同決議では、二〇一九年から二〇二八年までの十年間を国連家族農業の十年と定めた上で、各国に対しては、家族農業に関する政策を策定し、改善し、実施すること、家族農業に関する各国の経験や優良事例を他国と共有することなどが求められております。
○寺田静君 ありがとうございます。 愛知学院大学の関根氏も、この国連家族農業の十年に関して、国際社会として家族農業支援に取り組むことを日本を含む百四か国が共同提案をして全会一致で可決をされたことは、世界の農業・食料・農村政策の新たな時代の幕開けを感じさせると述べておられます。 国連は、二〇一四年を家族農業年として、その方向性を堅持するのがこの家族農業の十年であると思います。この背景には何があったかということを遡りますと、これも関根氏の指摘でありますけれども、二〇〇七年から八年に発生をした世界の食料危機を受けて、それまでの新自由主義的な農業発展モデルやそれに基づく政策、例えば、経営規模拡大を推進する構造政策、貿易の自由化と輸出促進政策、規制緩和、民営化などの有効性を問い直す機運が各国で高まった。また、政策的視点からこぼれ落ちていた小規模家族農業の役割を再評価し、支援強化をする運動の象徴として、国際NGOである世界農業フォーラムが二〇〇八年から国際農業年の設置を国連に求める運動を始めてきて、世界の団体、政府などがこれを支持して立ち上がったものだとされています。 また、既存の政策を見直す国際的な動きは十年前から顕著になっていて、その一連の流れの中で、国連貿易開発会議は、二〇一三年、手遅れになる前に目覚めよと、気候変動時代における食料保障のために、今こそ真に持続可能な農業への転換をと題した報告書を発表をして、大規模企業的農業から小規模家族農業による農業への転換が急務であることを訴えています。このように、世界では、この農業・食料・農村政策をめぐる基本的パラダイムが大きく変化したというのがこの関根氏の指摘であります。 これに関してですけれども、日本でも農業、済みません、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンというこの団体、この団体は、国連の家族農業十年に基づく、小規模家族農業の再評価と仕組みを支援する、再評価と支援する枠組みづくりを日本で進めるために結成されたネットワークですけれども、この団体が日本の農業政策に関して様々な提案をされています。 今日お配りをしている資料が私の手違いで一部切れてしまっているので口頭で紹介をさせていただきたいと思いますけれども、家族農業の強化であるとか、若者を支援して家族農業の持続性を確保すること、家族農業における男女平等と女性のリーダーシップの推進、気候変動対策としてサステナブルな農業への転換、多面的機能関連の法制度の充実、技術や農法についての工業的なものから生物多様性の保全などを目的とした多面的機能関連法制度の充実、また大規模畜産を見直すこと、農薬を前提とする技術政策などからの脱却を求めています。 そこでお伺いします。 この家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンから先月十七日に農水省に提出されたこの要望書、提言に関する農水省としての受け止めをお伺いできればと思います。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘がございましたように、先月、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンから農林水産省に対して、二つの提案書をいただいております。 一つは、食料・農業・農村基本法の改正に際して盛り込むべき視点、もう一つが、国連家族農業の十年国内行動計画案の提言、この二つの提案書をいただいたところでございます。 まず、食料・農業・農村基本法の改正に際して盛り込むべき視点につきましては、徹底的な議論と納得により国民の合意を形成すること、農と食の基本理念の徹底的な再検討を行うことなどを内容とされているというふうに認識をしております。 また、国連家族農業の十年国内行動計画案の提言につきましては、家族農林漁業を強化する政策体制、若者を支援し、家族農業の世代間の継続可能性の確保、こういったことが柱になっているというふうに認識をしております。 提出いただいた提言等の内容も含め、現在、基本法の検証ということで各界各層から幅広く御意見を頂戴しているところでございます。提言いただいた、提出いただいた提言の内容も含めて、この基本法の検証の中で政策全般の検討を進めてまいりたいと考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。是非、真摯に受け止めて検討していただきたいというふうに思っております。 また、国連の家族農業の十年に関する行動計画では、家族農業の支援強化のための国内行動計画の策定が呼びかけられております、先ほども教えていただいたとおりですけれども。二〇二四年までに世界百か国が国内行動計画を提出することが目標とされていると思います。 また、今し方述べた団体からもこの計画の策定を求めていますけれども、求める要望が出ておりますけれども、日本においてはこの国内行動計画が作成をされていないと承知していますけれども、それはどうしてでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。 今委員から御指摘ございました国連家族農業の十年の世界行動計画でございますけれども、国連食糧農業機関、それから国際農業開発基金が策定をしたものということで、御指摘あったように、この中で、二〇二四年までに百の国内行動計画の策定を想定するというふうに記載をされているものと承知をしております。 この国内行動計画の策定につきましては、各国に義務付けをされているものではないというふうに考えております。いわゆる努力目標ということで認識をしておりまして、現時点で我が国として作成の予定はございません。また、策定した国は現時点で一部の国にとどまっており、G7各国の中に策定済みの国はないと聞いております。 一方で、我が国の家族農業経営は農業経営体の約九六%を占めております。大変重要な存在であるというふうに我々も認識をしておるところでございます。 このため、我が国におきましては、農政の根幹であります食料・農業・農村基本法に基づき、直近の基本計画で申しますと令和二年三月に閣議決定をした基本計画ということになりますけれども、この食料・農業・農村基本計画におきまして、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、経営規模や家族、法人など、経営形態の別にかかわらず、経営改善を目指す農業者を幅広く担い手として育成支援すること、家族経営が地域社会の維持に重要な役割を果たしている実態に鑑み、生産基盤の強化などに取り組むことを明確に位置付け、必要な施策を講じているところでございます。 今後とも、引き続き家族農業をしっかりと支援してまいりたいと考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 努力義務であるとして、日本では計画を作らないし、作る予定もないというお答えであったと思います。その理由としては、日本は既に十分家族農業を支援しているんだということだと思いますけれども。 日本農業新聞は、昨年の夏、小規模の価値、家族農業を再評価せよという論説の中で次のように述べています。 生物多様性の保全や、持続可能な地域づくりに重要な役割を果たす小規模農業が世界で見直されてきた、日本は国土の七割が中山間地で、経営体の九割以上が家族農業を占めると、規模拡大や経済優先の農業政策を見直して、地域を支える中小家族農業の価値を再評価すべきだとされています。 その中で、欧米では、気候変動や生物多様性、農村の過疎化などを背景に、近年は小規模な農業、農村を評価する、再評価をする流れが出てきていることを紹介をしています。特に、アメリカの農務省は、真のコストを考慮した場合、大規模農場は小規模農場よりも効率的に農産物を生産しないと指摘して、災害時の食料安全保障の危険性や長距離輸送に伴う化石燃料消費の増大などの問題点を指摘しています。また、韓国は、二〇二〇年、農業の多面的機能を守るために、農業、農村の公益機能を増進する直接払い制度を施行して、〇・五ヘクタール以下の小規模農家に対して直接払いを行うこととして、小規模農家を対象とした直接払いの割合は、金額ベースでは、円換算で法施行前の百三十一億から五百三十九億円となって、四倍以上も拡大したということが紹介をされています。 また、先ほどの家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンによれば、これまで、先進国、途上国を問わず、小規模家族農業は時代遅れ、非効率、もうからないと評価をされて、政策的に支援すべきは、効率的で、もうかる、近代企業農業とされてきたけれども、ここに来て農業の効率性を測る尺度自体が変化をしているとしています。農業の効率性は労働生産性のみで測れるものではないとして、土地生産性は大規模経営よりも小規模経営で高いことが知られているとしています。特に今最重要視されているのがエネルギー効率性で、化石燃料等の農場外部の資源依存度が低い小規模家族農業の隠れた効率性が注目されているとされています。 前回の、以前の質疑でもお話をさせていただきましたけれども、秋田のシイタケ栽培の農家の話ですけれども、温度の維持管理のために灯油を使っている規模の大きいところはもうコストに見合わないからとやめてしまって、まきを使っている友人のところは変わらず生産ができているということで、はるか遠く海外から運ばれてくる石油を使った農業と裏山のまきを使用した農業、エネルギーの効率のみならず、価格変動に左右されず安定的に確保できるものを用いていること、しかも、環境に優しい農業が、どちらかだということは明白であって、こうした家族農業を支援することが持続可能な農業をつくっていくのではないかと私自身は考えております。 先ほどの御答弁では幅広く支援をしているんだということでしたけれども、小規模家族農業も対象だとしながらも、集約化、効率化を条件としているものも見受けられて、実際に平均的な家族農家では利用できないものも多いんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。 先ほども触れたところでございますけれども、現行の食料・農業・農村基本法、それから令和二年三月に閣議決定をした食料・農業・農村基本計画では、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、そうした農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、認定農業者、認定新規就農者、それから将来法人化して認定農業者になることが見込まれる集落営農などの担い手の育成、確保を進めることとしております。その際、このような経営意欲のある農業者については、経営規模の大小ですとか、あるいは法人か家族経営かの別は問わずに、幅広く育成支援をしているところでございます。 例えば、農地利用効率化等支援交付金という事業ございます。この事業につきましては、融資を受けて経営改善の取組に必要な農業用機械、施設を導入しようとする経営体を支援すると、そういった内容の事業となっておりますけれども、この農地利用効率化等支援交付金におきましては、経営規模の大小や、法人かあるいは家族経営かなどは要件にはしていないということでございます。 一方で、限られた予算の中で予算が効果的に使用されるよう、採択に当たっては、助成対象者が取り組もうとする経営改善の目標等に応じポイント制により配分を行うこととしておりますが、規模拡大等は要件とはしておらず、付加価値の拡大ですとか、あるいは経営コストの縮減等、様々な経営改善の取組を支援対象としておりまして、平均的な家族経営であっても支援の対象となるということで御理解をいただければと思います。
○寺田静君 ありがとうございます。 議論が多少平行線のところがあるので、ちょっと一問飛ばさせていただきたいんですけれども。 指摘をさせていただくだけにしたいんですけれども、この団体、さっきの団体の指摘によれば、規模拡大や生産性向上を要件とする事業が増えているとしていて、私も同じように感じております。先ほどからも、この効率的かつ安定的という言葉であるとか経営力のある農業者という言葉が何度も出てきます。秋田県議会でも、機械の購入などに際し、補助はあるといっても、やっぱり三十ヘクタール以上が規模要件とされていることなどが議論をされています。ここにも、国連家族農業の十年が定められ、求めてきたことと、少なくとも国内の、現在の国内政策には大きな矛盾があるように私には感じられます。 先ほどの指摘を繰り返しますけれども、時代遅れ、非効率、もうからないと評価をされ、政策的に支援すべきはこの効率的、もうかる、近代的企業農業というところ。ただ、ここに来て農業の効率性を測る尺度自体が変化をしているというところ、農業の効率性は労働生産性のみで測れるものではないというところなんですね。 その効率的かつ安定的という言葉、レクの中でも何度も出てきたんです。安いから、ただ安いからといって、その肥料や飼料などを海外からCO2を排出しながら運んでくることはどうなのかと。少なくとも、今の農業、畜産業などが苦しくなったのは、こうしたことを経済効率に任せて、過度に経済性のみを重視をして海外に依存してきたのではないか、なんだろうかという問題意識が私の中にはあります。これが本当に効率的かつ安定的と言えるのかと。 この効率的の概念は変化をしているんだと言うべきなのか。むしろ私は、農水省がこの効率的という言葉を使うときには、この効率的という言葉の定義が単に短期的な経済合理性のみを指しているのではないかというふうに感じられます。土地生産性は大規模経営よりも小規模経営で高いとも指摘されていますけれども、限られた国土の有効利用という観点からも家族農業の支援は一層大切であって、大臣も、家族農業は日本の農業の中心であるとか、規模にかかわらず幅広く支援をするということをおっしゃっていると承知をしています。 もちろん、人口減少社会の中で、午前中の質疑の中で御答弁でも、二十年で半減したんだというお言葉もありましたけれども、担い手が減ることから、規模拡大は一定程度は進めなければいけないことは理解はしているんです。ただ、様々な支援策に規模要件のようなものを設けて、結果としてあまたの小規模の家族農家、小規模の農家が苦しんでいて、ここを切り捨てて規模拡大を図っていくようなやり方だからこそ耕作放棄地が増えているのではないかと私は感じます。 あらゆる経営体、あらゆる規模の農家をあまねく支援対象とすべく、新自由的な農業発展モデルを反省しているというこの世界家族農業の十年をしっかりと踏まえて、家族農業を基軸とした政策の転換が必要ではないかと思いますけれども、この一連の議論を踏まえて、大臣の受け止めを最後にお伺いできればと思います。
○国務大臣(野村哲郎君) 我が国の家族農業経営というのは、農業経営のこれは基本、経営体の基本でありまして、これは全国の九六%は家族農業経営であります。ですから、大規模経営だけをこの農政の中で進めているということは、これはまた誤解だと思いますが、この九六%という数字は、これはほかの国、先進国、EUでもアメリカでもやはり家族農業経営が中心になっておりますので、その辺の御認識はあると思いますが、要は、やはり大規模だけに特化した形で政策をやっているのではないかというような御批判をよく受けるんですが、それは決してそういうことはありませんで、九六%の家族農業経営に対して私どもは農政を推進していると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。 このため、令和二年三月に閣議決定しました基本計画を踏まえまして、効率かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するために、経営規模や家族、法人などの経営形態の別にかかわらず、経営改善を目指す農業者を広く担い手として育成をしていると、こういうふうに御理解をいただきたいと思いますし、さらに、家族経営が地域社会の維持に重要な役割を果たしているという実態に鑑みまして、品目別対策なり、あるいは多面的機能支払制度なり、あるいは中山間地の直接支払なり、こういったようなこともやっておりまして、それから農業機械の導入支援等も行っているわけでございます。 今後とも、そういう意味では、委員おっしゃいましたような家族経営が地域農業の果たす役割というのは非常に大きいということも理解いたしておりますので、それらの役割も踏まえながら必要な施策を講じてまいりたいと、こういうふうに思います。
○寺田静君 時間が来たから終わりたいと思いますけれども、個別の政策に落とすと家族農業は支援が受けられないと皆さんが感じているところを十分に意識をして政策の転換を進めていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○委員長(山下雄平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時二十一分散会