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211回国会参議院2023/02/06

行政監視委員会 第1号

発言数
93
登壇者
12
会派数
8
開催日
2023/02/06

会議録

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三日までに、衛藤晟一君、山本博司君、青山繁晴君、石井正弘君、三浦靖君、橋本聖子君及び小沢雅仁君が委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史君、塩田博昭君、山本啓介君、赤松健君、生稲晃子君、加藤明良君及び羽田次郎君が選任されました。  また、去る一月十八日、一名欠員となっておりました本委員会委員として大島九州男君が選任されました。     ─────────────

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に岐阜県輪之内町長木野隆之君、東京都立大学大学院法学政治学研究科教授伊藤正次君及び日本経済新聞社編集局編集委員谷隆徳君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のうち、国と地方の行政の役割分担に関する件を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、木野参考人、伊藤参考人、谷参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず木野参考人からお願い申し上げます。木野参考人。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) 全国町村会で行政委員長を務めさせていただいております岐阜県輪之内町長の木野と申します。どうかよろしくお願いいたします。  参議院行政監視委員会の先生方におかれましては、日頃から町村自治発展のために格別の御理解、御高配を賜っております。この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 御着席ください。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) はい。  また、このような意見を述べる機会をいただいて、心から感謝を申し上げます。  本日は、住民に最も身近な地方自治の現場において行政を預かる町村長の立場で意見を申し述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。  それでは着座で失礼します。  現在、全国に九百二十六の町村がございます。七百四十三町、百八十三村でございますが、町村部の人口は全国の一割程度ではありますけれども、国土の約四割を支えております。食料やエネルギーの供給、水源涵養、国土の保全など、国民生活を支える重要な役割を果たしながら、我が国の伝統文化を守り、継承し続けておるところであります。それぞれの町村が、地域が持つ個性豊かな特性を生かした町づくりを通して、住民一人一人の存在の尊さを心から実感できる地域社会を実現すべく邁進しておるところでございます。  初めに、岐阜県輪之内町の御紹介をちょっとさせていただきたいと思います。  輪之内町は、濃尾平野の南西部に位置しておりまして、揖斐川、長良川の清流に囲まれております。本町は、東西に約六キロ、南北に約七キロに広がっております二十二・三三平方キロメートルの総面積、まあ比較的小さなところでございます。平均標高は二・五メーターほどですので、御多分に漏れずほぼ低地だということになります。先ほど申しましたが、総面積自体は県内四十二市町村の中で三十五位という低位にあるんですけれども、可住地の割合は極めて高いところでございます。  西濃穀倉地帯の一角を成して、米作りが盛んで、町面積の約半分を占める広大な農地が広がって、きれいな水と豊かな自然に恵まれております。現在、本町の自然環境を生かして生まれたブランド米、徳川将軍家御膳米や、輪中堤に咲き誇る輪中堤の桜のトンネル、あじさいロードなどの自然が自慢でございます。  本町は、名古屋市や岐阜市などの都市部への通勤圏内であり、各地へ向かう高速道路へのアクセスも良く、新幹線岐阜羽島駅まで車で約十五分ほどの地域でございます。地価や賃借料が周辺の市町村に比べても安価であることなど、工場設置についても好適な立地条件を持っておりまして、優良企業の誘致のための各種補助、支援制度等も整備しておるところでございます。本町の基幹産業である農業や自然豊かな居住環境との共存を目指した企業誘致を進めております。町民の雇用の創出と地域経済の活性化を図るという意味でございます。イメージとしては都市近郊の農工混在の自治体というイメージで、住民の意識自体はかなり都市的な傾向があるところでございます。  さて、それでは、本日の大きなテーマであります国と地方の役割分担について申し上げます。  国による制度の創設や拡充等が行われる際、地方自治に対して新たな計画の策定や専任職員の配置、窓口の設置等を求めることは、政策の方向性を示す上で一定程度必要性があることは理解をしております。しかしながら、各自治体の行政需要や先行的な取組の状況を考慮せずに全国一律にこれらを求められることが多くなってしまっているように思います。  実際、私が委員を務めております地方分権改革有識者会議には、平成二十二年から令和二年までの十年間で、計画策定等に対する法律の条項数が約一・五倍になっている、三百四十五件から五百五件という状況でございます。そんな報告がなされております。  町村などの小規模自治体では、行政改革で人員削減が進み、少ない職員が幾つもの業務を担っております。そのような中で、計画策定等によって生じている負担について申し上げますと、例えば、多くの町村では、健康福祉関係の業務は都道府県や大都市と異なっておおむね一つの課が所管しており、福祉、介護、子供、子育てなどに係る様々な計画の策定や見直しの作業にごくごく少数の職員で対応しているという実態があります。現場からは、こうした作業に多くの時間を費やすことで本当に必要な住民サービスの実施等に支障が出ている、そんな声も上がっておるところです。  また、町村では、複数の施策を結び付けて総合的な行政として実施しております。例えば、孤独・孤立対策や子供の虐待、いじめ等の複雑な問題への対応は、都市自治体のように施策ごとに担当を置いているわけではありません。顔の見える関係を生かした総合的な対策を講じた方がより効果的である場合が多いからです。小規模な自治体では、地域の実情に応じて適切な課題解決の方策を見出し取組を進めていくことが重要だと考えており、このような現場目線の柔軟な施策が実施できるような裁量の確保と国による支援の必要性を強く感じておるところであります。  こうした計画策定等の義務付け、枠付けについては、地方団体からの強い要望を受け、地方分権推進委員会勧告や地方分権改革有識者会議の提言等を踏まえて、骨太の方針二〇二二には、計画等の策定の義務付け、枠付けは必要最小限度のものとし、できる限り新設しない旨の基本原則が明記をされたところであります。  そして、この骨太の方針二〇二二の基本原則に沿う形で、令和四年の地方からの提案等に関する対応方針が昨年十二月閣議決定され、国、地方を通じた効果的、効率的な計画行政の進め方を示すナビゲーションガイドが作成されることになりました。  これら一連の動きは地方にとって大きな前進であると受け止めておりますが、今後、こうした効率的、効果的な計画行政推進の取組を形骸化させないためにどのように実効性を担保するかが重要になってくると思われます。骨太方針の基本原則にのっとり新しい計画等を策定しないことはもちろんのことなんですが、既存の計画等についても重複等により必要性を欠くものは統廃合をしていただくようにお願いしたいと思います。  次に、調査・照会業務について申し上げます。  国からは、公式のものばかりではなく、電話やメール等による非公式な照会等もあるため、業務が増大しております。加えて、関係府省により似たような調査等が実施されていることも職員の大きな負担になっていると思われます。  資料の三ページにもありますように、私どもでは、緊急性や必要性に乏しいものや重複しているものがあるため、廃止、統合を含めた必要な見直しを行うこと、これを従来から要望しておりますが、なかなか改善の兆しが見えません。国において、調査・照会業務の簡略化、廃止、統合に向けた抜本的な対策を講じていただくようにお願いしたいと思っております。  四ページ以降に政策分野ごとの要望を取りまとめております。時間が限られておりますので、特に重要な事項に絞って申し上げたいと思います。  初めに、少子化対策についてです。  それぞれの町村が子育て支援を始めとした少子化対策に取り組んでおりますが、出生率の増加に結び付けることは非常に難しいと感じております。少子化対策には、若い世代が家庭を持つための安定した雇用や収入の確保も含め、全国どこに住んでいても安心して結婚、出産、子育てができる環境を整えることが極めて重要であります。また、各自治体の財政力の違い等によって子育て等の支援策に地域間格差が生じていることも解消すべき大きな課題であると感じております。  次に、五ページのデジタル技術の活用について述べさせていただきます。  デジタル技術は、業務の効率化に資するだけではなく、医療、教育など様々な分野において都市部との格差を解消する重要なツールになるとともに、地域の振興や活性化に活用できる大きな可能性があります。行政のデジタル化の推進や、デジタル田園都市国家構想に町村が積極的に取り組むことができるように、情報通信基盤の整備を始め、財政措置の拡充強化、人材育成に係る支援等をお願いしたいと思っております。  最後に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  政府からは五月に五類移行の方針が示されたところでありますが、町村からは、住民や医療現場の混乱を招かないように、救急搬送体制の維持等も含め、段階的な移行を進めるとともに、医療費やワクチン接種に係る費用の公費負担の継続を求める声が上がっております。また、地方自治体が引き続き担うことになる業務については、是非とも必要な財源措置を講じていただくようにお願いをしたいと思います。  最後になりますが、昨今、我が国は、ウクライナ情勢等による経済の低迷や物価高騰等により社会全体に閉塞感が漂っております。依然として新型コロナウイルスが私たちの暮らしに深刻な影を落としております。  このような中、町村は、人口減少、少子高齢化の進行や頻発する自然災害など、極めて厳しい状況に置かれていることは御案内のとおりであります。私ども町村長は、こうした状況をしっかりと受け止め、東京一極集中の是正や分散型国づくりの必要性を訴えながら、持続可能な地域社会の構築に向けて鋭意取り組んでまいります。  本委員会の先生方におかれましては、以上申し上げました現下の町村が直面する課題を御理解いただき、その解決に向けた積極的な御支援をお願いいたします。  私からは以上です。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) ありがとうございました。  次に、伊藤参考人、お願いいたします。伊藤参考人。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) 東京都立大学の伊藤と申します。  本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。  私は、行政学、地方自治を専門としております。この専門の観点から、国と地方の行政の役割分担について、本日は大きく三点申し述べたいと存じます。  第一は、地域の自主性、自立性と行政サービスの質保証との関係です。  私は、内閣府地方分権改革有識者会議提案募集検討専門部会の構成員として、提案募集方式に基づく地方分権改革に関わる機会をいただいております。その中で、あくまで個人的な意見ですけれども、幾つかのケースで地方分権とサービスの質の関係が焦点になってきたと認識しております。  提出資料の例一は保育所の面積、人員配置等の基準、例二は都市計画の広域調整とあります。いずれも、市町村の自主性、自立性を尊重し、自主的、自立的な意思決定を行うべきだという立場と、国や都道府県が国家的あるいは広域的な観点から関与する、そしてサービスの質を保証すべきだという立場が対立した例と捉えられます。  これら二つの立場にはいずれも理があると思いますが、やはり国による義務付けや都道府県による事前の関与によって行政サービスの質を保証するという考え方は、市町村が地域の実情を踏まえた行政を展開する上で支障になる側面があると思います。国と地方、自治体間が協議や調整を重ねながら地域の実情に応じて行政サービスの水準を決定していくという在り方が望ましいと考えます。  ただし、自治体の個々のサービスの水準の決定過程が住民から見て不透明であるという場合には、やはり国や都道府県が関与して決めてほしいということになりかねません。自治体の意思決定過程の透明性を確保すること、ガバナンスを強化して住民の不信を招かないようにすることが重要であると考えます。  第二は、国、地方を通じた行政資源の柔軟な利活用の可能性についてです。  人口減少が進む中で、国も地方も人材や財源など行政運営に用いるリソース、資源を確保することが難しくなってきています。特に、小規模な自治体では、議員のなり手不足が深刻であるという事態になっていますけれども、行政の担い手である職員についても確保することが難しい状況になることが想定されます。こうした状況は、いずれ比較的規模の大きな自治体でも進行していくことが見込まれます。  先ほど木野参考人からのお話にもございましたとおり、現に、地方分権改革に関する提案募集では、国が実質的に策定を義務付けている計画が増加しており、計画策定に係る業務負担が過大であると、こうした状況を改善してほしいという切実な提案が多数寄せられ、重点テーマとして対応してきたところです。特に、人口減少社会においては、今後、人材不足は国や自治体といったパブリックセクターのみならずプライベートセクターでも深刻になっていくことが想定されます。国、自治体とも優秀な人材を確保するためには、無駄な業務を省き生産性を向上させ、働きやすい職場づくりを行うことが重要だと考えます。  さらに、今後の人口減少を踏まえますと、これまで我が国が当然としてきた社会の仕組みや運用を大きく変えていく必要があるのではないかと思います。これまで国の行政官や自治体の職員は一つの組織に新卒者として採用され、出向などはあるとはいえ、基本的には一つの組織の中で職業人としての人生を完結させるというのが原則でした。しかし、特に専門性を持つ人材については今後ますます希少性が高まるために、一つの主体が丸抱え、単独で採用、育成するというこれまでの慣行は限界に達しつつあるのではないかと思っております。  むしろ、こうした専門的な人材を地域や組織の枠を超えてシェアするような仕組みを考えていかなければならないのではないかと考えております。一人複役ですとか、あるいはクロスアポイントメントといった言葉も、あるいは仕組みも試行的に導入されているところです。これは、国、地方というパブリックセクター内部だけではなくて、プライベートセクターを含めた人材のシェアというものを進めていくというのも一つの考え方なのではないかと思います。実現に向けては公務員法制や労働法制の壁を突破する必要がございますけれども、将来的な課題であると認識しております。  第三は、行政のデジタル化、DXに伴う国、地方関係の変化についてです。  人口減少社会では、国も自治体も余計な業務に資源を振り向ける余裕がなくなってくると考えられます。地域の住民のために真に必要なサービスを自治体が提供する体制を維持するためには、国と地方、あるいは自治体間で集約できる業務についてはデジタル化やDXによって一元的に処理することが望ましいと考えます。  現在、国も地方もデジタル化、DXに向けて様々な取組を行っていると承知しておりますけれども、長期的には、例えば給与計算といった庶務的な内部管理業務ですとか各種の証明書の交付といった定型的な住民サービスについては国、地方を超えて集中処理する組織をつくり、外部化するといったことも考えられます。  繰り返しになりますが、国、自治体とも貴重な人材を割いて余計な業務を行うという状況から解放される必要があると考えます。市町村が住民に向き合い、サービスの質を高める余裕を持つためには、不要な負担から解放されて今より身軽になることが必要なのではないかと思います。それでも、人口減少社会では市町村単独では対応できない状況というものが増えていくと思います。インフラの整備ですとか、あるいは様々な対人サービスの提供という面でもかなりの限界が来ているというような声を伺うことがございます。  こうした単独の市町村では対応できない状況については幾つか対応策があると思います。市町村間の連携というのも一つの方策かと思います。他方で、都道府県という広域的な自治体が対応するという道もあると考えております。今後、都道府県の役割はますます重要になっていくと個人的には考えております。市町村では対応できない状況を補完するということが今以上に求められるというふうに考えております。  このように、市町村は、今より身軽になりつつも、住民に寄り添う存在としてその責務を果たすとともに、市町村単独では対応できない状況については都道府県が補完の手を差し伸べるという形での役割分担が求められるのではないかと考えております。国は、こうした地域の実情を真摯に酌み取りながら、人口減少社会における国と地方の役割に関する制度設計全般を担っていく、現場を踏まえた制度設計を考えるということが国には求められているのではないかと考えております。  やや抽象的なお話になり誠に恐縮ですけれども、私からの意見を申し述べたということにさせていただきたいと思います。  やや時間早いですけれども、これで終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) ありがとうございました。  次に、谷参考人からお願いいたします。谷参考人。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 日本経済新聞の谷でございます。  本日、このような発言する機会を与えてくださいまして、ありがとうございます。  私は、この三十年近く、自治体の行財政ですとか町づくり、それに関連する中央省庁の政策などを取材してまいりました。また、いわゆる地方分権に関しても、第一次の分権改革の頃から継続して取材をしております。  本日、国と地方の行政の役割分担について、A4一枚のこのレジュメに沿って、大きく三つのことをお話しさせていただきたいと思います。一つはコロナ対応、二つ目は、今、木野町長や伊藤先生からもお話がありました自治体の計画漬け、三番目は最近の地方分権に関してでございます。  まず最初にコロナ対応ですけれども、まあこの話は、当初は国と自治体の役割、責任が曖昧だという批判がたくさんございました。実際、政府と自治体の首長さんの間で、何といいますか、そごを生じるような場面もございました。ただ、私、外から取材している印象なんですけれども、昨年ぐらいからは双方の連携とか協力もこなれてきたのではないかと感じております。  もう一つ、メディアの論調なんですけれども、やはり当初の頃は、どちらかというと自治体寄りといいますか、自治体の自主性を尊重すべきだという話が多かったと思うんですけれども、その後、病床の逼迫ですとか情報共有の目詰まりが深刻化して以降は、国の司令塔機能を強化しろと、そういう声が強まったと思います。  確かに、国がリーダーシップを発揮し総合調整を務めるということは必要なんですけれども、例えば、既に感染症法などいろいろな法律に国が自治体に指示をするという権限は明記されております。ですので、例えば、病床を増やせと指示をしても、医療人材の確保という具体策がなければ余り効果を上がらないのではないか。  私は、国の権限を強化するというよりも、必要なのは国による補完、代行体制の整備だろうというふうに考えております。例えば、ある地域で医療が逼迫したら、政府が機動的に人材ですとか物資を提供する。そういう意味では、あの東京にあるワクチンなどの大規模接種センター、あれはまさに国による代行、とてもいい施策だったのではないかと思います。  ある程度コロナに絡む国、地方関係というのは整理されてきたんだろうと思うんですが、なおちょっと気掛かりなのは保健所の部分でございます。というのは、保健所そのものは、感染症に伴う疫学調査から食中毒の対応、乳幼児の健診、健康相談まで幅広い業務を担っておりますので、国、都道府県、保健所設置市のいわゆる指揮命令系統の整理というものを運用しながら考えていかなきゃいけないんではないかと思います。  次に、ここまで参考人のお二方も話されていた自治体の計画漬けについてお話をさせていただきます。  国が法令で自治体に策定を求める行政計画が増えています。法律の条項数でいうとざっと五百、十年間に五割増えました。ただし、その五百のうち二百強は法律上には計画を策定できると書いてあるんですね。ですので、自治体は作っても作らなくても構わない、そういう意味で自治体の裁量は確保されているんですが、ただ、実際、その四分の三は計画を作ることが国による財政支援の条件になっております。  もちろん、計画的に行政を進めることは大事ですし、計画を作ってそこに数値目標を設定してPDCAサイクルを回すということも重要なんですけれども、計画の数が増えてくるとちょっと問題なんだろうなと思います。  では、なぜこういう状況になるのかと私なりに考えると、日本の行政システムは、やはりその特徴は融合型だということなんだろう。国、都道府県、市町村の役割や業務を明確に分けるのではなくて、内政上のいろいろな仕事を一緒にやる、それがまあ一つの日本の行政システムの特徴なんだと思うんですが、そうしますと、新たな行政課題が発生して国が対策を打ち出そうとしても、それを自治体にやってもらう仕掛けが必要になる、それが計画なんだろうというふうに捉えております。かつてのように機関委任事務があれば、これをやれと言えば済んでしまうわけですけれども、今はもうそういう時代ではないので、計画を通じて誘導するという形になっているんだろうと捉えております。  政府が昨年末にこの計画漬けの改善案というものをまとめました。お隣にいる伊藤先生始め関係者の方々の御努力で一定の成果はあったんですけれども、廃止される計画は一つだけです。自治体側は十七の計画の廃止を求めていたんですけれども、一つしか廃止されなかった。このまま計画が増えると、自治体はまさに計画倒れになるのではないかと私は心配しております。  いずれにしても、もう小規模な町村では対応できない。私、昨年の十二月に人口が全国で最も少ない青ケ島村を取材しました。青ケ島村、人口は百七十人です。元々、私、取材に行ったのは、自治体として存続し得る人口規模は何人なのかというのを考えたくて取材に行ったんですけれども、青ケ島村、村役場にいる行政職の職員さんは、課長さんも含めて十二人、十二人で全ての業務をこなすという形になっております。こういう市町村に対して、この計画を作れ、あの計画を作れと言ってもなかなか厳しいのではないか。  じゃ、どうするというと、基幹的な計画とそれ以外に分けられないかと考えております。基幹的な計画、ここに三つほど並べましたけれども、国民の安全や保護に直結するような計画、例えば地域防災計画のようなもの、二番目は、私人の権利を擁護、制限する上で必要な計画、都市計画法上の都市計画のようなもの、三番目、行政サービスの需給調整など全国的な制度運営に必要な計画、例えば介護保険の事業計画のようなもの、こういう当然必要な計画ございます、基幹的な計画として。そうしたものに関しては、策定経費も含めて国がしっかりと支援する。それ以外の計画に関しては、作るか作らないかも含めて、作る場合のその形式も含めて自治体に任せられないか。そして、計画を作ることを財政支援の条件にするのはできる限りやめた方がいいのではないかと思います。  より根本的な対策として思うのは、日本の場合、やっぱり法律の数が多いのではないか。似たような趣旨の法律、賞味期限を終えた法律というのを統廃合できないか。私はそれを法律のリストラと呼んでいるんですけれども、例えば、地域振興関係で見ると、過疎法、山村振興法、半島振興法などいろいろあります。立法の趣旨はもちろん微妙に異なるんですけれども、目的は条件不利地域を守ろうというので同じです。それぞれの法律ごとに計画を作ることになっています。これを統合できれば、作らなきゃいけない法律も減りますし、自治体はもちろん、霞が関の職員さんの仕事も減るのではないかと思います。  ただ、今の事例でいいますと、過疎法は総務省、山村振興法は農水省、半島振興法は国交省が所管しております。統合しようと思っても省庁の壁があるんですね。ですが、幸いなことに、これらの法律は議員立法で作られておりますので、先生方のお力で一本化できるんではないかと考えております。  最後に、地方分権に関して最近思うことを話しさせていただきます。  一つは、分権といっても、基礎自治体に横並びで一律で権限移譲するのは既に難しい、むしろ市町村が権限を移譲するような時代に入ってくるんだろうと思います。例えば、福岡県の大牟田市が数年前に保健所事務の権限を県に返したりしています。同じく、これからは行政事務の実施主体を再編成する時代に入るんだろうと、そういうふうに思います。  ただ一方で、政府での地方分権に対する取組というのは、最近やや、やはり小粒なんだなと、小粒なような印象を受けております。地方版ハローワークの創設など、もちろん成果は上がっているんですけれども、分権改革というよりも行政事務の簡素化、運営面の微修正という感じの内容が多いと思います。  一律で分権するのは難しいんですけれども、受皿を整えて、仕事を担う意欲がある団体には更なる権限移譲に取り組むべきではないかと。例えば、都道府県を超える唯一の団体である関西広域連合です。現在は、二つ以上の都道府県に絡む仕事というのは国の出先機関がやっているわけですけれども、そうした仕事の一部を財源も含めて広域連合に移せないかというふうに思っています。例えば、国土形成計画、今、政府が作っておりますけれども、それが終わりますと広域地方計画というのをブロックごとに作ります。そういう広域地方計画は、関西に関しては関西広域連合に任せていいのではないかと私は思います。  今年は、衆参両院で地方分権を推進しようという決議がされてちょうど三十年になります。是非その分権改革を再起動させていただきたいと申しまして、私の冒頭の発言を終わらさせていただきます。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

長谷川英晴自由民主党

○長谷川英晴君 自由民主党の長谷川英晴でございます。  三名の参考人の皆様、本日は大変ありがとうございました。  それでは、早速質疑に入らせていただきます。  私は、昨年の七月に初当選をさせていただきましたけれども、それ以前は千葉県の片田舎で居住をしながら郵便局長として約三十年間仕事をしていました。その間に、地域の商店街は大きく崩れ、中学校は統合、私が中学校の頃は小中合わせて千人もいた生徒数も今は小学校では七十名弱と、こういう状況になっています。  自分自身が政治の道を目指す、このことを決めた背景としては、その一つの要因に、この地域間の格差の問題であったり、国と地方との関係の中でどうしたらもう一度生き生きとした地域社会がつくれるのかということも大きなものでありました。このような自分の自身の思いも含め、質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。  まず、三人の参考人の方全員に質問をさせていただきたいと思います。  本日の御説明、それから資料等々を拝見させていただきますと、行政計画策定の在り方や、それに伴う財政の問題等大きな課題として挙げられていると思います。  それプラスもう一つの課題としては、各種施策を担う人材の問題もあろうかというふうに思います。今日の参考人の皆さんの説明の中にもこの一部人材の問題は説明がありましたけれども、まずは、この人材、地域事情に応じたこの人材の確保であったり育成の仕方であったり、こういったことについてお聞きをしたいと思います。  令和四年十一月十七日の全国町村会要望の中のデジタル施策の推進の中で、財政支援と併せて、専門人材の確保、育成が将来にわたる課題となっていることから、現場ニーズを踏まえた更なる人的支援が要望されています。  また、伊藤参考人の論壇、人口縮減社会における地方分権と広域連携の中の地方分権と広域連携の両立に向けての中において、今後の展望として、一つは財政支援、もう一つは、特に中心都市にとっては、連携の連携を担う人材の育成、確保が今後の人材育成戦略の要だというふうに書かれてありました。  また、今日の説明の中では、人材、これをその一つの組織として丸抱えをするのではなくて、枠を超えたそういうシェアする仕組みというものも必要ではないかという話がありました。  この辺もう少し詳しく説明をいただければと思います。  そして、谷参考人、小規模自治体の困難にどこまで応えるのかという文献の中で、ハード整備はそれなりに進んだけれども、人口当たりで見た小児科医や産婦人科医などは少なく、専門人材の不足が一段と深刻となっているという話を読みました。  そこで、地方における施策の実現に向けて、人材育成、そして確保、それに対する地域の課題、国の支援の在り方等々に関しまして、三人の参考人の皆様にお聞きをしたいと思います。  木野参考人から順次お願いできればと思います。よろしくお願いします。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) 御質問ありがとうございます。  幾つかの切り口での御質問でございます。どこまで答えられるかあれですけれども、まず、順次お答えさせていただきたいと思います。  基本的に、人口減少というのは日本全国の問題でもありますし、各自治体にとっても避けて通れる問題ではないと思っております。その中で、地域格差の問題、行政計画の課題云々という話がございました。  主に、地域格差そのものについては、今まで実施している施策そのものにも原因はあろうかと思いますが、基本的には、やっぱりそれぞれのところで格差が生ずる要因というのは、それぞれの要因があると思っています。その中で、これからどういうふうにそれを是正していくのか、若しくは振興、発展させていくのかという話になります。  そこで、先ほど行政計画の課題の話がございました。  私ども、小さな、特に町村といっても大小いろいろありますけれども、平均的な部分で申し上げますと、やはり、行政計画の総量というものはもう既に今地方自治体が抱える人員ではオーバーフロー状態になっていると、そんなふうに思っています。  そこをどうするのかという話になりますと、先ほどそれぞれの参考人の方からもお話ありましたように、要は、行政計画そのものをもう一回その位置付けを明確に再定義して、やっぱり要るもの、要らないもの、そしてどうしてもやらなきゃいけないものというものを整理をする必要があると思っております。  私ども全国町村会としても、行政計画そのものを全部否定しているわけではありません。やはり、目的を明確にして、そのそれぞれに、いつまでに何をやるかという目的の部分においてそれを否定するつもりは全くありませんし、むしろ住民の方への説明責任という意味では、行政計画というものを前提にして説明するのが非常に説明しやすいことは事実でありますので、そういったことなんですが、それをいかに効率的にやっていくかということだろうと思っています。  それから、もう一つ、最後、人材の関係でございます。  これは、それぞれ基礎的な部分でやっている限りにおいて、人材、それから能力において劣るところは、町村においても劣るところはないと思っておりますが、やはり最近のように、福祉の高度化、それからDXの推進等々、なかなか今までの切り口で職員が対応してこなかった部分、これらについては決定的に人員が不足しております。  特に、最近の介護の人材等については、そもそも介護に従事する人材そのもののマスが足りないというか、その部分をどうするのかという部分があります。それを、当然現場で何らかの対応は必要なわけですので、苦慮をしておるところでございます。  それから、DXの関係については、やはり今非常に、もうよく言われますが、単純にそのデータを電子化するというデジタルゼーションの分野から、もう既に今言われておりますDX化、デジタル化することによって何を変えていくのかというフェーズに移ってきていると思うんですね。そうすると、その部分について決定的に人材が不足しております。もうそれは、民間の人材育成等々も絡めて、どのようにその関連性を我々として探っていくかと、そういったことがこれからの大きな課題になっておりますし、これをいかに成功させるかが我々自治体にとっての将来を決めることにもなってしまうと思っております。そこは頑張りたいと思っております。  私からは以上です。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) ありがとうございます。  人材の確保策あるいは育成策についての御質問だというふうに理解しております。  まず、全国町村会も御提言されているということで、デジタル人材に関してです。恐らく、デジタル人材といっても、純粋なその技術者を求めているというよりも、様々なその技術革新を行う上でそれをサポートできる、あるいは理解できるようなリテラシーを持った人材というのが一番足りないということなのではないかと思っております。  ですので、そういった人材を市町村あるいは都道府県独自で確保するというのはなかなか大変だというふうに認識しております。この点につきましては、都道府県が採用した人材を派遣するといったような形でのシェアということが考えられるのではないかと思っております。また、民間の人材を臨時で雇うと。それによって民間との間での人事交流を図るということで進めていくということが必要になってくるのではないかと考えております。  この点と関連いたしまして、御質問にありました、私が提出した論文の中で連携の連携を担う人材ということに言及いたしました。これは、今日のお話はまたちょっと違う文脈ですけれども、自治体間の連携を行う中で、やはりその組織のマネジメントを担うような人材というものが自治体にとってはこれから非常に重要になってくる部分もあると考えています。つまり、専門的な分野、土木ですとか保健衛生といった専門的な分野を担う人材だけではなくて、そうした人材の配置あるいは運用、さらには組織全体のマネジメントを担うようなコアな人材というものもこれから減少していく可能性があるということの認識です。  そこで、この連携の連携という場合には、その中心的な役割を果たす自治体がそうした人材の育成を担いつつ近隣の市町村に派遣をする、あるいは、より協力して行政をする中でその組織マネジメントを任せるということを想定しております。  本日お話しした人材をシェアする仕組みというのは、例えばそうしたものに加えまして、現在では、地方公務員というのは一つの団体の地方公務員として働くということになっております。あるいは、国家公務員は各府省の職員として働くという形になっております。その部分を例えばもう少し柔軟にできないのかという問題認識がございます。週の二日はある自治体の職員として働き、残りの三日は県庁の職員として働くと。これ、物理的に移動することができるかどうかという問題もございますけれども、テレワークなどが進む中でそうした働き方も不可能ではなくなってきているという認識を持っております。その点、現在の法制度ではなかなか対応ができないという部分がございますので、そうした点を将来どう考えていくのかというのも一つの課題なのではないかと認識しております。  ちょっとお答えになっているかどうか分かりませんけれども、私からは以上です。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 御質問ありがとうございます。  今、小規模な市町村というのは二つの人材が足りないと考えております。一つは、お話がありましたデジタル化を含めた高度な知識が必要な専門人材、もう一つは役場の外で地域の活性化に取り組む人材。  そして、お話にあった前者の人材に関しては、やはりそれぞれの地域だけで育成するのも限界がございますので、例えば都道府県などがプールして派遣するような、また指導するような仕組みが必要なんだろうと。で、後者の方は、もう今は役場の職員とか地域にいる人かを分ける時代ではなくなってきていると考えています。例えば、島根県の海士町なんかですと、半官半Xという形での職員採用をしています。役場で働いてもらいながらも、半Xの部分で実際に地域の外に出て自分に合った活性化策に取り組んでもらうという仕組みです。  で、御質問にございました国による支援策というのは、そういう仕組みをしやすくするような制度づくりですとかそれを後押しするような仕組みが、まあよく一人複役といいますけれども、そういう仕組みが必要だと考えております。  以上です。

長谷川英晴自由民主党

○長谷川英晴君 今日は、実は地域、エリアの中での郵便局の活用等々も御質問をしようと思っていましたが、時間となりました。一つの質問で終わってしまいましたけれども、以上をもちまして私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。

宮口治子立憲民主・社民

○宮口治子君 立憲民主党の宮口治子と申します。  今日は、木野参考人、そして伊藤参考人、谷参考人、本当にお忙しい中、ありがとうございます。  それでは、早速質疑に入らせていただきます。  まずは、人口の流入についてお三方にお尋ねしたいと思います。  まずは、木野参考人にお尋ねします。  輪之内町の統計資料をちょっと拝見させていただきました。昭和六十年の人口が八千二百九十五人だったことに対して、令和二年の人口が九千六百六十四人と減っておりません。輪之内町のどういう政策が功を奏して人口減を防げているというふうに評価されておりますか。  また、高齢化が進んで、まあ私の住んでいる地域もそうなんですけれども、空き家や高齢者の方の独り暮らし世帯の増加がかなり目立っております。輪之内町の現状は今どのようになっていて、この空き家や独居老人の問題に対して国にはどのような政策を求めるか、御意見があれば教えていただきたいです。  そして、続いて、ちょっと質問を変えて、伊藤参考人と谷参考人にお尋ねします。同じ人口の流入についてです。  一つの自治体の努力、例えば輪之内町は、高校生世代までの医療費の無償化である、あるいはこども園での給食費の実質無償化などを行っているようですが、これらについては自治体間で差がありますから、そのサービスがより良い自治体に人が流入していくということが考えられるかと思います。一方で、総人口が変わらない若しくは減っていくような現状では、周囲の自治体では人口流出して過疎化が進んでしまう、人の奪い合いやサービス合戦のような状況が起こり、自治体が疲弊していくことも考えられるかと思います。  先ほど輪之内町の資料四ページにも、やはり自治体の財政力の違いで地域間格差が生じているというふうに書かれてありましたけれども、国はこれに対してどういった政策を考えていく必要があるとお考えでしょうか。お二方、お答えいただけたらと思います。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  まず、私ども輪之内町の人口の変移ということでございますが、確かに、これ元々、三町村合併した輪之内町でございます。これは昭和二十九年の合併で誕生しております。その後、順調に人口を増やしております。先ほどデータ的に議員おっしゃったとおりの状況です。  これは、基本的には、やはり高度経済成長の中で、先ほども申しましたけれども、比較的地価の安い、しかも生活環境としては非常に住みやすい、特に若者に関して言えば、ちょっといわゆる地域公共交通に問題はありますけれども、車を使うという意味において生活上の不便は全くない状況だったものですから、どんどんと、周辺の工場だとか会社に勤める方が私どものところに良好な生活環境を求めて、アパート、それから自分のおうち、持家ですね、そういったものを造って住まわれたということで、徐々に増えてきております。  一番ピーク時には、それは先ほどお話はありませんでしたけれども、ピーク時には一万人超していました。国勢調査の人口で一万人超していた時代があります。そこから現在は、今九千四百人程度まで落ちてきております。これは、残念ながら日本全国同様の状況の中での傾向ということでございます。  で、空き家の問題ですけれども、空き家は当然のことながら私どもの方でも徐々に増えてきております。特に後継者がいないという話ではないんですけれども、後継者は実はほかのところに居住しながらという、就業の機会を求めているという状況があって、なかなか輪之内に親子何代かにわたって住むという状況がだんだんなくなってきているという、そういう状況でございます。  そういう状況を踏まえますと、結果として生ずるのは、高齢化率が進行するという結果にならざるを得ません。ただ、周辺に比べますと、まだ高齢化率は全然低い状況ではあります。まあ二十数%、三〇%にはまだ行っておりませんので、町村部としては高齢化率は低いと思っております。  これからどうするかという話になるわけですが、やはり、冒頭にも申し上げましたように、ある意味、都市に囲まれた居住環境的には非常にいいところでありますので、ここの近在との、いわゆる農業、工業、商業のバランスある発展の中で、私どもに住んでいただきたいという思いがございます。そういう意味では、今、企業誘致等も一生懸命やっておりまして、それなりの成果が出ておりますので、早く人口減少が緩やかになり、若しくはバランスすることを願っておるところでございます。  当然のことながら、高齢者が増えるということは高齢者対応というのが当然必要になってまいります。いろんな施策の中で高齢者の対応をやっているわけですけれども、高齢者の対応そのものがというよりも、全体、各年代にバランスよく政策の展開をしないとやっぱり減少は止まらないと思っています。  それ、学校だとか、要するに、就業の機会だけじゃなくて、学業といいますか、その辺、高等教育機関へのどういうふうなアクセスができるかとか、そういったことも含めて今後の対応になってくるかと、そんなふうに思っております。  以上です。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) ありがとうございます。  大変難しい御質問だというふうに認識しております。  やはり基本的に、人口が減少していく社会において、自治体が人口の奪い合いのような状況になっていく、都市間競争、自治体間競争のような状況になっていくというのは、現象面で見ると事実としてそう見ざるを得ない、あるいはそういった状況にならざるを得ないという部分がございます。だからこそ、国全体としてこの少子化にどう歯止めを掛けるか、人口減少にどう歯止めを掛けるかということが必要になってくるのだと思います。  現状、やはりその子供の医療費の無償化などに関して、財政的に余裕がある自治体において相当大胆な政策をする一方で、そうではない自治体においては対応に苦慮しているというのが現状だというふうに考えております。このようなところでその自治体間競争が起こるというのは私個人としては望ましくないと考えています。  もちろん、医療費が無償化されたからといってその自治体に引っ越すかどうかというのはデータとして確実に検証してみないと分からないんですけれども、やはりある程度の評判というのがありまして、あそこではかなり子育てがしやすいとか、あるいはそうではないといったようなことが生まれてしまいますと、恐らくその自治体あるいは地域のブランド力に関係してくるということがあって、その部分の差というのを容認するというのはなかなか難しいというふうに考えております。  理想を言えば、やはりその部分は国が支援をするというのが理想だと思います。もちろん、財政的な負担というのがございますので、どの水準で国一律の部分を決めていくかというのはまさに立法府の皆様の御決定ということになろうかと考えております。  ですので、解決策というのはなかなかないんですけれども、ただ、子供の医療費だけの指標で恐らく子育て世代は自治体を、居住する自治体を選んでいるわけではなくて、ほかのいろいろなサービスを見比べながら子育て環境の良さというものを考えているというふうにも思います。  単に財政的な負担、経済的な負担が軽くなるからというだけではなくて、例えば学校教育の充実度でありますとか、地域におけるアメニティーといいますか、住環境等、様々な部分で自治体間には取組の差があると思いますし、そこの部分はそれぞれの地域が個性を生かして地域の魅力を発信していくという形で解決すべき部分だというふうに認識しております。  ちょっとなかなか難しくて明確なお答えができておりませんけれども、私からは以上です。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) おっしゃられたように、人口の奪い合いですとか財政力における地域格差というのはあるのだと思うんですけれども、裏返せば、それはどうしても個性という部分もあるので、それぞれの自治体ごとにどの分野で訴えるかということなんだと思います。  それで、あと、国はどのように支援するのかという部分に関して言うと、そういういろいろな支援策というのは、だんだんだんだん競い合ってくる間にこなれてくるといいますかね、例えば乳幼児の医療費の助成制度などそうですけれども、だんだんだんだん水準が上がってこなれてくるので、そうした段階でそれを一種のシビルミニマム的に捉えて、国が支援に乗り出すのか乗り出さないのか、そういうことを検討するのかなというふうに考えております。

宮口治子立憲民主・社民

○宮口治子君 ありがとうございました。難しい質問で申し訳ありません。  それでは次に、ちょっと時間ないんですけれども、広域連合についての質問をさせていただきたいと思います。  広域連合の実施については、地方分権と地域連携とで対立が生じる案件も出てくると思われます。その点について調整するなど圏域マネジメントが必要となりますが、現在の広域連合の制度がその点うまく調整できているかとお考えでしょうか。もし調整できていないとすれば、どこに問題点があるかと思いますか。  私は、広島県の福山市というところに住んでいるんですけれども、文化圏域に隣の岡山県の笠岡市や井原市との連携の必要性があることをすごく感じることがあるんです。このような県をまたいだ広域連携というのも考えられると思いますが、総務省の発表している令和四年四月一日現在の広域連合の一覧を見ましたら、複数県をまたいだ広域連合というのは関西広域連合のみとなっているようです。  令和三年七月一日現在、二つ以上の都道府県にわたる市町村相互の共同処理方法としては、事務の委託という形で九五%以上行われています。このような現状になっているのは、各自治体が県をまたいだ連携を行う場合は事務の委託で十分と考えていますか。それとも、県をまたいだ広域連合をつくるには例えばどのような障壁があるのかを教えていただきたい。これは、伊藤参考人と谷参考人にお願いいたします。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) 広域連合の制度ですけれども、かなり幅広く市町村間においても使われている一方で、今御指摘のとおり、県をまたぐというのはなかなか難しいという形になっております。  私の認識としては、広域連合というのは、一つの地方公共団体、特別地方公共団体を新たに設立するということでありますので、関係の市町村にとってはかなり重たいといいますか、非常に意思決定の仕組みが重層化するというところがなかなか運用が難しい部分があるのかなと思っております。しかも、それを県をまたぐということになりますと、行政サービスの仕組み上、基本的には国、都道府県、市町村というつながりで行政を行っている部分がございますので、その部分がやはりネックになっていると思います。  今、福山市を中心とした取組ということでお話しいただきましたけれども、現在、連携中枢都市圏という取組、この広域連合ではなくて、より柔軟な連携の仕組みとして取られている、これは県をまたいで設置されている例があるわけですけれども、そういった取組を積極的に活用していくというのは一つの方策ではないかと思います。  ただ、連携中枢都市圏等は、中心的な役割を果たす自治体と近隣の市町村が一対一で協定を結んで連携するということで、なかなか、中心的な役割を果たす市とその近隣の市町村との役割分担についていろいろと問題も、課題もあるというふうに認識しておりますので、もう少しその連携の仕組みを密にするような制度化というのも一つ考えられるのではないかと思っております。  以上です。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 広域連合及び広域連携に関して、基本は市町村間の連携なんだと思うんですけれども、なかなかそれがうまくいかないことというのはありますので、最近私が思っているのは、場合によっては都道府県も関与するような仕組みがいいのかもしれないなと思っております。  それと、おっしゃられた福山と笠岡、そういう県境などを越えた連携というのは是非進めたいと思うんですが、伊藤先生からございましたとおり、今の行政システムの中だとやりづらい部分もあるので、まずは連携中枢都市圏とか定住自立圏とか、そういう緩い仕組みの中で考えていくのかなというふうに考えております。

宮口治子立憲民主・社民

○宮口治子君 ありがとうございました。

竹内真二公明党

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。  本日は、三人の参考人の皆様、お忙しい中を御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  私も、この国と地方の行政の役割分担ということに関しては、当委員会で二年前に、地方自治体の負担軽減という角度から、行政計画、あるいは通知、事務連絡の在り方、そして調査・照会業務などについてもこの委員会でも取り上げさせていただきました。そのときに、やはり自治体の首長の皆様からも、今の負担というものが大変であると、更にこの先増えていくと一体どうなってしまうんだろうという、そういう危機感から様々な御提案又は要望等もいただいて、それを受けて質問等もさせていただきました。  そして、最初に木野参考人にお聞きしますけれども、この三ページ目の資料のところで、町村に対する調査・照会業務について、緊急性や必要性に乏しいものや重複しているものがあるため、廃止、統合をしてほしいと、こういう御要望をいただいております。これ、確かに私もこの調査・照会業務というのは大変だなという実態をお聞きしたことがあります。以前、本当にメールとかたくさん、それを確認するだけでも大変で、そこでお答えするというのも更に大変ということもお聞きしました。  今でもこれは、実感としては、調査・照会業務というものが増えるような実感があるのかどうかと。省庁側でも、できるだけ市町村等の負担がないようにということで、少し町村もデジタル化の流れに沿って簡略化、できるだけ簡素化するような形でも取り組まれてきてはいるんですけれども、そうした実感というのはあるのかどうかをまずお聞きしたいと思います。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  行政計画から調査、照会、電話照会に至るまで、あらゆる形の中での負担の問題をどう考えるかということだろうと思っております。まさしく、先ほどもお話ありましたように、やっぱり何百件にも及ぶいろんな行政計画をどのように進行管理していくのかという問題は、小さな町村にとっては非常に大きな課題であります。  残念ながら、そもそも何で町村の側から行政計画の多過ぎるとかボリュームの問題が議論されるかというと、結局は各省庁がそれぞれのお立場、それが財政にもリンクされる形の中で計画作られるんですけれども、その計画をじゃ立案するところの、誰がやるのという話になると、結局、幾つかの省庁から来ても、担当している課は、小さな町村に行けば行くほど同じところでやるという話になってしまいます。言ってみれば、頭でっかちで逆三角形が生じてしまって、やるのは一緒、一人だよという話に、端的に言えばそういう話になってまいります。そうするとどうなるのかというと、やっぱりどうしても形骸化してしまうんで、そこを形骸化しないための工夫として、やっぱり行政計画そのものの整理だとか統合という話が話題になってくるんだろうと思っております。  そこで、現状についての認識はどうなのというと、確かに、結論からいうとまだまだ多いと思っていますし、整理統合する必要があるんだろうと思っています。ただ、決してその行政計画の全部を否定しているわけではありません。どこかでも申し上げたとおりで、やっぱり説明責任なりなんなりという意味からいうと、計画なりなんなりがあった方が説明しやすいことも事実でございます。それをどのように効率化してやっていくかということになります。  そこで、今の省庁の状況はどうなんでしょうかということについては、今、地方分権の有識者会議等々でもいろいろ行政計画の在り方についても議論がされておりますし、一つ、その行政計画をどのようにこれから扱っていくかということについては、今はナビゲーションシステムをつくって、そこで少し整理しながら分かりやすくしていきましょうという議論になっていますので、それに期待をしたいと、そんなふうに思っております。  いずれにしても、これは各省庁がやっぱりもう少し意思的に減らす努力、それから我々も、要らないものは要らない、要るものは要るというその峻別をしていく時期に差しかかっているのかなという気はしております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございました。  次に、伊藤参考人にお伺いをいたします。  行政計画などの策定については、提案募集方式で、令和三年それから四年と、計画策定等が重点募集テーマとして取り扱われてきております。この二年間の提案内容とそれに対する政府の対応について、御専門でいらっしゃる立場からどのように見られているのか、まずはそのことをお伺いをしたいと思います。  それから、もう一点なんですけれども、資料の三の行政のデジタル化、DXのところにあるんですけれども、上の矢印、黒矢印のところに、長期的には内部管理事務や定型的な住民サービス等は国、地方を超えて集中処理可能かという非常に大事な御指摘があるんですけれども、これ、長期的にはというのは、伊藤参考人のそういう専門的な立場からいいますと、どのような、どの程度の、もう少し具体的に言うと時間軸で見られているのか。また、こうした国、地方を超えての集中処理、管理、集中処理というものが、例えば海外等ですね、そういう先行事例みたいなものというのがあるのかどうかをお聞きしたいと思います。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) ありがとうございます。  一点目の提案募集方式で扱われた行政計画に関するものについてです。  私も審議に参加しておりまして、やはりその実態がまず分からなかったというところから、内閣府の地方分権改革推進室が御尽力されて、どのぐらいの計画があるのかというのを洗い出しながら作業を進めて、これほどあるのかというのが一つ驚きであったということがございます。  その中で、専門部会としてもいろいろな計画を洗い出して、各自治体からの御提案に基づいて対応してきたわけですけれども、一つは、関連する計画を統合するという対応につきましては比較的進んできたというふうに認識はしております。ただ、やはりどうしても残ってしまう計画というのがございまして、それはまだ将来的な課題かというふうに認識しております。  また、本日この場で申し上げるのが適切かどうかということもございますけれども、いわゆる議員立法の中で計画が、策定が実質義務付けられているものがございます。こちらにつきましては、各府省の担当者に折衝したとしても、やはり議員立法であるということでなかなかちょっと、なかなか真剣な御検討をいただけない部分というのも若干あるというふうに認識しております。こちらについても今後は対応が必要なのではないかと個人的には思っております。  二点目のデジタル化に伴う集中処理ということですが、こちら、長期的にはと書きましたのは、一つは技術的な面で課題があるということだろうと思います。これは、システム上の問題として果たしてそのような巨大な情報処理の仕組みが可能かというのは、私個人はそういった専門ではございませんけれども、技術的な課題をクリアできるのかというのが一つ長期的にはと申し上げた点です。  もう一つは、法制度の面でも、それぞれの自治体の固有の業務として行っているものを統合して、更に国の業務も統合するということが法制的にどういう課題があるのかというのがまだ見えてこない部分がございます。時期的に技術革新は非常に速いので、例えばもうすぐにでもできる可能性ございますけれども、法制度的な対応というのが果たして可能なのか。しかも、これ、各自治体間でのコンセンサスというのも取らなければいけないということなので、やはり一定のタイムスパン、十年、二十年ということは視野に入れて考えなければいけないと思いますが、こうした課題自体は早く検討する必要があると個人的には認識しております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 済みません、それでは、伊藤参考人、もう一問、少し細かい点なんですが、先ほど言っていました行政による、国からのこの通知とか事務連絡の発出というのが、例えばコロナのこの三年間ぐらいの間でも、もう総数がどのぐらいか非常に分からないぐらい多数のものを発出されているわけですけれども、こうした通知や事務連絡の在り方については、伊藤参考人、どのようにお考えでしょうか。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) 恐らく、この通知や事務連絡は、むしろデジタル化、メールなどの多用によって国の側ではやりやすくなってしまっていて、一斉に出せばすぐに現場に通知、通達するだろうという認識の下に大量に通知を送るという傾向がもしかしたらある部分があるかもしれないと考えております。  ただ、やはりその現場の状況を考えずに国から一方的に様々な通知や連絡をするという傾向は、特に緊急時ということでコロナ禍では致し方なかった部分もあるかと思いますけれども、やはりその現場でどう受け止められるかを考えずに通知や通達を発出するという傾向が近年あったのではないかと思っております。この点は、検証の上、適切な対応を取るべきだというふうに認識しております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 それでは、次に谷参考人に御質問をいたします。  谷参考人のいただいた資料の黒丸の二つ目の計画漬けのところですけれども、この真ん中辺にあります基幹的な計画とその他に分けるという御指摘なんですけれども、この基幹的な計画の方に、これ一、二、三と分けたことによって、今五百五程度の行政計画の条項があるわけですけれども、これは例えばどの程度絞られるようなものなのか、その規模感みたいなものまである程度想定されているのか、もしそうであれば少しそうした考え方をお聞きしたいということと、それが一つです。  それからもう一つ、今こうした議論の中で、行政計画のやはり総量というものを規制する、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド、そうした考え方を主張される意見もあると思うんですけれども、そうした考えがどうなのか。また、新規の行政計画の策定というものはできるだけ、今もナビゲーションガイドみたいな形で避けるというような方針にはなっておりますけれども、こうしたものは、新規というものはこれからどういうふうになっていくのか、少しその点についてお伺いしたいと思います。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 最初の基幹的な計画、まあこの言葉は私自身が作っているので厳密に幾つというのは難しいんですけれども、今義務付けている計画というのが二百強ございますので、そうしたものがベースになって捉えるのだろうというふうに思っております。一方、できる規定というのはまあやらなくてもいいとなっているんだけれども、中途半端なのは、努めなきゃいけないという計画をどう分類するのかというのは一つの課題なんだと思います。  続きまして、その総量管理というのも、上限を置くなんというのはなかなか難しいので、私、計画を新たに求めること全てが悪いとは思ってはおりません。場合によっては国の立法作業を通じて自治体に気付きを与えるというような側面もございますので。ただし、いろいろ制度をつくって一定期間がたったならば、他の計画との統廃合をするなり、それをスクラップ・アンド・ビルドと呼ぶかどうかは分かりませんけれども、まあ言葉は悪いですけど、つくりっ放しにしないというんですかね、そういうふうな試みが必要なんではないかというふうに考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございました。  時間が来ましたので、以上で終わります。

梅村聡日本維新の会

○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。  今日は、三人の御参考人の皆様、貴重なお話をありがとうございました。  先ほどから行政計画についての議論が続いておりますので、ちょっとこれを更に幾つか別の観点から質問をさせていただきたいと思います。  国が法令で自治体に策定を求めるこの行政計画についてですけれども、もう一つのこの課題は、先ほど新規という話がありましたけれども、いとも簡単に法律にするっと入ってくるという、そういう面も僕は非常に大きいと思うんです。  例えば閣法なんかでも、行政計画のことが実際に法律の中にあったときに役所の方に聞くわけですね。これ本当に必要なのですかとお聞きすると、多いパターンは、似たような法律を持ってこられまして、こちらの法律でもこういう行政計画というのは入っていますから今回についても作ることが妥当なんですという説明もありますし、あるいは、努力義務だから、あるいはできる規定だから必ずしも強制はしていないんですという説明もされますけれども、だけど、現実的には、議会が、じゃ首長の方に、隣の市は作っていますと、よそはやっていますけど、うちはなぜやっていないのですかと、こう言われると、なかなか役所として、自治体としてもつらいところがあるんじゃないかなと思いますので、これ、新規のものをどのように整理していくかということは非常に重要な観点じゃないかなというふうに思っております。  この点でちょっとお三方に一つずつ御質問をさせていただきたいと思いますが、まず木野参考人にお伺いをしたいんですが、実際に、人口一万人弱の基礎自治体でこういった新しい行政計画が降ってきたときに、なかなかその人材の方が、複数のテーマに取り組まれることもあるかと思いますし、逆になかなかマッチした専門家の方が見付からないということも非常に多いかと思うんですが、新しいものが出てきてなかなかマッチをしないときに、これ今どのような御苦労があって、実際にそれをどうクリアされていくのか、ちょっとこの現状についてお話をお伺いしたいと思います。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  先ほど来、行政計画のボリュームの問題等々いろいろ議論されております。確かに多いわけですが、でも、やっぱり我々にとっても必要なものをどうやって処理していくかという話の中で、やっぱり対応する人材というのはたくさんはおりませんし、専門的知識というか、新しく行政計画を作るということの意味は、それに対応する専門人材がいないと目的どおりの計画はなかなか作りづらいという実態あります。そこで、それ職員個人の資質の向上策は当然なんですけれども、今町村で行われている状況は、それに対応するコンサルタントにまあ言ってみれば計画作りを任せるという部分が結構あります。  そういうことで、何とか計画作りそのものについてはできるんですけれども、我々が自前で作る計画と比較したときにどの程度の品質のものが確保できるかというと、なかなか難しいというか、私たちが思っているとおりのものができるかというとなかなか難しい部分はありますが、それはやっぱり行政内部の中におって、それぞれの部局の横連携する中で、全部が分かっている人と、いわゆる基礎知識はあるけれども現場との乖離がある程度出てしまうコンサルタントでは、やはりその質的な差は出てしまう可能性あります。でも、我々としては、そういう対応もしないことには計画を全部作ることがなかなか難しい状況だということは御理解いただけたらと思います。

梅村聡日本維新の会

○梅村聡君 ありがとうございます。  今、外部のコンサルタントの方にもお願いすることがあるというお話でしたけれども、やっぱり参考人がおっしゃるように、それをどうフィードバックをしていくかと。それを更に検証していくという中ではやっぱり内部の人材の方とのコミュニケーションも必要だと思いますので、やっぱりある程度基幹的な、先ほどからお話がありますように、基幹的なものをしっかり確認していくということが大事なことじゃないかなと思います。  その中で、行政計画に関しては、その計画がないとにっちもさっちもいかない計画というのも当然ありまして、例えば介護保険計画なんかは、計画がなければ保険料も決まらなければ提供サービスも決まりませんし、計画も何も進まないということですから、これ非常に基幹的なものだと思うんですけれども。  例えば、議員立法という話を先ほど伊藤参考人からいただきました。これも、議員立法、私も幾つか関わる中で、これは国が規制するものであって、自治体のいわゆる行政計画とは余り関係ないんじゃないですかという話も実はその議員立法を作成する中では話をするんですけれども、やはり、いや、場合によったら、県立のあるいは市立の、そういった行政が一部関わる可能性があるから、だからやっぱり作る必要があるんだよと。  ただ、この論理でいくと、基本的にはちょっとでも関われば、自治体が少しでも関われば、これ計画を法律に入れないといけないということになって、もう際限なく法律ができるたびに増えていくわけでして、そういった意味からいえば、ちょっと基幹的にという言葉は谷参考人からお伺いはしたんですけれども、そこの基準とか、あるいは立法府側が努力できる、その点についてどういう点があるのかということ、これを伊藤参考人にお伺いをしたいと思います。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) ありがとうございます。  計画、行政計画というのをなぜ自治体が負担に感じているかというところからお話しいたしますと、一般にその計画を策定する際には、その専門家などを招いた審議会などを立ち上げまして、そこで審議を経て計画という形を詰めていくと、計画案を詰めていくという一連の作業が一般的に行われます。そうすると、やはり自治体によっては、その専門家の方がなかなか確保できないですとか、あるいは審議会を開催する負担が非常に重いというような問題がありまして、その計画という形式自体を何とか再考できないかというような御意見もございます。  そうした観点からしますと、計画的に行政を進める、あるいはその分野に関して何らかの指針を示すということは必要だというケースは多々あると思いますけれども、それを果たして計画という形式で一律に求めるというのが望ましいのかというのが問われていることだと思っております。  ですので、例えば国の方ではもちろん計画を策定するとしても、都道府県や市町村に関しては、その計画に類似した何らかの指針的なものでありますとか、あるいは、場合によってはその計画を作るとしてもその手続を簡素化するといったような形で負担を軽減するということが考えられるのではないかと思います。立法される場合にも、そういった点に配慮をしていただくと負担軽減につながる部分があるのではないかと考えております。

梅村聡日本維新の会

○梅村聡君 ありがとうございます。  これは立法府側もそういうことを非常に意識して取り組まないといけない課題じゃないかなというふうに思います。  同じ内容のことを谷参考人にもお伺いをしたいと思うんですが、先ほどちょっとこのレジュメの中のお話の中で、青ケ島村に知見を求めて調査に行かれたというお話をお聞きしましたけれども、ちょっとその話の続きで、自治体のいわゆる行政機能ですね、これ具体的にどれぐらいの人口規模が一つの目安として求められるのかということの知見で、ちょっともし知見がおありになればお伺いしたいことと、それから、行政計画に関しても、やっぱり人口の規模によって対応できる能力、自治体側のキャパシティーが変わってくるかと思いますので、この自治体の規模と今回のこの行政計画ですね、こういったものも関連があるのかどうか、この辺りお伺いしたいと思います。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 一律でその自治体として存立する人口規模というのは言いづらい部分はあるんですけれども、青ケ島村などを取材して思ったのは、やはり小中学校が存続し得るかという部分なのかなと。青ケ島村ですと、ちょうど去年の春、もう中学生がいなくなるかもしれないという事態が起きまして、結果的に外から島留学みたいなような形で二人のお子さんが来てくれたので中学校を維持できたんですが。  ちなみに、青ケ島村ですと、小中学校、元々統合されているんですけれども、例えば中学生がいなくなると、当然移住してくる方も、もう今でも高校になると島を出なきゃいけないんだけれども、小学校を卒業したら島出なきゃいけないというとやっぱり移住するのも難しくなりますし、あとは、現実的なことを言うと、ちょっと前まで、青ケ島村ですと、小中学校に通う生徒さんの倍教員の方がいらっしゃって、その教員の方も家族とかもおりますのでそういう方々が来る、人事異動で来るということが人口を維持する上でもとても大きい事態なので、全体の人数として何人かというのは言いづらいですけれども、やっぱり義務教育の学校を維持できるかどうかというのが基準だと思います。  そして、計画の策定に関してですけれども、青ケ島村でも幾つか計画作っているんですね。公共施設の管理計画ですとか国土強靱化の計画とか作っているんですけれども、ちょっと見て思ったのは、かわいそうだなと思ったのは、そんなに公共施設なんて、こう言っちゃなんですが、そんなに数ないんだけれども、計画はもう様々なデータを、国のマニュアルに沿った、何といいますかね、フルスペックの計画を求められていて、もっと簡素化したもの、小規模の自治体ならば簡素化したものを場合によっては総合計画みたいなものにちょっと位置付ければいいとか、そういう取組にしないと、多分ああいう計画も先ほど出たコンサルタントの方に頼んで作ったと思うんですけれども、ちょっとかわいそうだなというふうな印象がありました。

梅村聡日本維新の会

○梅村聡君 ありがとうございます。  キーワードとして簡素化というお話があったかと思いますので、やっぱり人口減少の時代でこういうものをきちっとやっていくためには少し簡素化ということが一つのテーマになるんじゃないかなというふうに思いました。  時間の関係もありますので最後の質問になりますけれども、伊藤参考人に、事前にいただいた資料の中で、二〇一四年以降は提案募集方式という新たな手法による地方分権改革がこれ始まったわけなんですけれども、この書いていただいた論文を拝見していますと、この方式による首長さんの評価としては、人口規模が大きくなるにつれて肯定的な回答の割合が高くなる傾向があるという、そういう記述があったんですけれども、ちょっとこの背景について教えていただければと思います。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) 実際に、データのその傾向にある背景というのはまだ分からないところがあるんですけれども、一般的には、やはり提案募集方式を行っておりますと、その提案を行う団体というのは人口規模が多い団体、都道府県、政令指定都市、それから比較的人口が多い市が当初各種の提案を行う傾向がございまして、町村の提案というのは当初は余り行われていなかったというケースがございます。  これはやはり、職員の方の数も足りず、日常的に様々に総合的に行政を行っていらっしゃる町村の方々にとって、何か日常的な支障を見付け出して提案につなげるということが非常に難しかったということも背景にあるのかなというふうに思っております。ただ、近年では町村からも積極的に提案が出ておりまして、その中には、その町村ならではといいますか、地域の実情に応じてこういう支障があるので対応していただきたいというような提案も出てきております。  ただ、首長さんのやはり意向がですね、大規模な自治体の方が積極的に評価をしているというのは、先ほど言った提案募集のその提案している数が多い団体が人口規模が多い、多いところほど多いという傾向がございますので、そういったところを反映しているのではないかと思っております。

梅村聡日本維新の会

○梅村聡君 終わります。ありがとうございました。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司でございます。  三人の参考人の皆様には、本日は誠にありがとうございます。貴重な意見をいただいているところでございます。  早速ですので、私も権限移譲の問題についてお伺いしたいことがございます。  今、アマゾンに代表されるように、巣ごもり需要を始め、夫婦共働きあるいは一人世帯の関係もあり、カタログであるいはパソコン等で、スマホで買物をして送っていただくと、こういう仕組みが極めて大きな傾向になっているところでございます。  したがって、各関係の物流企業は、各地区に拠点をどんどんつくりたい、つくろう、つくっているという現況がございますが、なかなか、御案内のとおり、広大な土地を必要としておりますので、一般的に言えば、農地を転用して物流基地をつくりたいという希望が多いところでありますが、農水省は基本的に農地を守れと、できるだけ農地を守っていくという考え方に立っておりまして、なかなか農地転用を認めたがらない傾向がございます。  この点に関して、私は、やっぱり市町村における総合計画の枠の中、あるいはこの町づくり全体の枠の中で、そうした物流基地が有効であるならば、例えば、税収確保、雇用確保のために必要である、また、立地的に極めて有効なエリアであるとか、そういう条件が整えば権限移譲されるべきではないかというふうに思っていますが、現実には、市町村は県を通じて、都道府県を通じて農水省にお願いをしていくという仕組みになっております。  こうした点に関して、多分に木野参考人も大変御尽力をされながらも歯ぎしりされるような思いがあるのではないかというふうに思いますので、木野参考人、また、伊藤参考人、谷参考人にも、兵庫県にも特区が一つあるわけですけれども、こうしたことも踏まえて、どのようにこの権限移譲を市町村が推進すべきものと、そして国が確保しておきたい考え方とのすり合わせをしていくのか、この点について御意見を賜れば大変有り難いと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  もう本当に地方自治のど真ん中で一生懸命お仕事に尽力されておられた方ですので、よくお分かりのことでございます。  私どもの方から申しますと、例えば一例として物流拠点云々という話は、要はこれは大規模農地転用についてどのような考え方で整理すればいいのかということだと思います。そういう意味では、私どもも実は、冒頭に申しましたように、企業誘致等をしておりまして、ほとんどが平場でありますので、何かしようと思えばすぐ農地法の規制に引っかかる地域でございます。そこでどのようにクリアしていくのか。  私どものところは元々既に農村地帯でしたので、何回かの土地改良事業等農水省の事業が入っておりまして、それの中で、時代の変化といいますか、都市的な利用がだんだん増えてくる、住民の考え方も都市的な考え方が増えてくるということです。冒頭に申し上げたとおりなんですけれども。  そうなると、産業構造自体も変わってこざるを得ないという、そんな状況の中で、どういう正当性を持って農外の利用を担保していくのかというのは非常に難しい状況がございます。ただ、それは時代の変化の中で我々が生き残っていくために必要な施設整備、若しくは必要な産業育成というのは、当然何らかの形で育成する必要がありますので、私どももそれに向かって努力していきました。  最近はかなり大きな企業誘致もしておりますけれども、これは転用規制の権限移譲という部分もありますけれども、いわゆるその農水省の、いわゆるその土地改良事業に対するいろんな物の考え方の中で農外利用を絶対排除するという状況でもなくなってきていることも事実ですので、そういったことをうまく利用しながら我々の思っているような町づくりにそれを生かしていくかということに尽きるんだろうと思っております。  それにプラスして、じゃ、何かその総合計画に決めたら、もうその部分については、その決めた範囲内においてはむしろ現場に近いところに権限移譲した方がいいのではないかということになってきますと、これ、結局はどこがどのような投資をしてどのようにそれを保全していくべきかという議論と真っ向から対立することにもなりかねません。  そういう意味では、ちょっと私どももどの部分について何が起きれば権限を移譲すればいいのかということ、ちょっと私自身はまだ整理をし切れておりませんけれども、いずれにしても、正当性を持った何らかの計画に裏付けられているものであるならば、権限の移譲ということも考え方の整理としてはあり得るのかなという気はしております。現に、農地転用については、農水省もいろんな形で都道府県、市町村への権限移譲もしておりますので、そういったことをもう少し精査していけば新たな方向が出てくるのかなと、そんなふうに思っています。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) こちらの今の御質問は、大変やはりお答えするのもなかなか難しい課題だというふうに認識しております。  一方では、人口減少によって農業の担い手自体もかなり厳しい状況になってきて耕作放棄地等も増えてきているということの一方で、優良農地はきちんと確保しなければいけないというニーズがあるということは認識しております。また、御指摘のとおり、物流基地、物流倉庫のニーズが高まっていて、かなり大規模な土地利用を促進していきたいという自治体の側の御意向も十分認識しております。  現状では一部の権限は市町村にも転用権限が下りているところですけれども、基本的には農地転用というのはなかなか難しいという状況にあると思います。これは、やはりその地域全体として将来的な土地利用をどう総合的に考えていくかという課題とも関連すると思います。  一方では、私も先ほど申し述べましたとおり、市町村の意思決定というのは非常に重要だというふうに思いますけれども、他方で、広域的な土地利用の調整のニーズというのもないわけではない、重要性がなくなるわけではないというふうに認識しております。  私個人としては、基本的には広域的な土地利用の調整ということの必要性があるというふうに考えておりますので、そこを基本としつつ、地域の実情によっては権限移譲を認めて、よりその現代的なニーズに即した土地利用を進めるという、まあ言わば折衷案と言うと語弊がありますけれども、両者のニーズを地域の実情に応じて判断するというような仕組みが重要なのではないかと思います。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 今の伊藤先生のお答えに近いんですけれども、一般論として言えば市町村が直接農地転用の手続ができるようになる方がいいのだろうと思うのですが、結局、そこに物流拠点ができる場合、周囲の、その該当の市町村だけでない周囲にも何らかの影響を及ぼすこともあり得ますので、ある程度エリアとしての、何といいますか、土地利用の在り方、そういう意味では、その調整みたいなものは、広域的な調整のようなものは欠かせないのではないかというふうに考えております。(発言する者あり)

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 上田清司君。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 失礼しました。  谷参考人にお伺いしたい件があります。  先ほどから議論になっております自治体の計画漬けの是正について、国が法令で自治体に策定を求めている計画が増加していると。これも財政支援が裏側にあるので、やむを得なくそうした計画策定のための時間と労力を割いていると。ならばと。どういう形で、先ほど仕分を、二百強の部分は言わば基幹的なものなのでやむを得ないとしても、それ以外はいいのではないかというようなお話でありますが。  実は、そういう計画書を省略してより薄っぺらなものにすると文句言われるんですね、結構文句言われて、何か厚くないと落ち着かないような人たちもいましてですね。できればそういう簡素なものを出すことで自治体側の負担が少なくなるんですが、この計画書、一定程度この部分をクリアしていればいいというような項目だとか、そうしたものを逆に自治体側から要求するようなことは可能なんでしょうか。これが一点です。  もう一点は、先ほど権限移譲がもう限界だから返上していると。この返上している実例なんかはどんなものがあるのか、御教示いただければ有り難いと思っておりますが、この二点お願いいたします。(発言する者あり)

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 谷参考人。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 済みません。  自治体側からやっぱり計画の簡素化に関しては要求していかなきゃいけないと思います。  というのは、具体例になってしまうんですが、今、コンパクトシティーするために立地適正化計画というのがあるんですけれども、すごく重い計画です。策定するのが大変な計画で、自治体が何でそれを作っているのかというと、まあ平たく言えば補助金を欲しいからみたいな部分があるんですね。にもかかわらず、すごく丁寧な、データもいろいろ分析した計画を作っていると。そういう計画があることが悪いというんじゃないんですけれども、例えば都市計画マスタープランみたいなものがあるわけだから、そこでちゃんとしたものを作って、それ以外はもう少しコンパクトなものに変えていく、そういう提案などをすることは可能なのではないかというふうに思いますし、自治体側から声を上げないとなかなか変わらないのではないかというふうに感じております。  二点目の権限の返上に関してなんですけれども、丸々返上されるというよりも、先ほど福岡県の大牟田市が保健所事務を県に返上したというお話をしましたけれども、今はそれを準備している段階なのかなと思います。  例えば、今、四十七都道府県の中で一番都道府県から市町村に権限移譲が進んでいるのが静岡県なんですけれども、静岡県では個別の、まああそこは村はないので市と町なんですけれども、そこからもう担えないという声が出てきたので、今の計画だとそれを返上するための手続みたいなものを計画の中に盛り込んでいる、そういう準備が始まっております。というのも、市町村が返上するといっても県が受けられるかという問題もありますので、今そういう検討がされていると聞いております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。  時間になりましたので終わります。ありがとうございました。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  今日は、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。  最初に、木野参考人に質問したいと思います。  高校生までの医療費の無償化、あるいはこども園での給食費の実質無償化、さらには国民健康保険料でも保険料の据置き等様々な取組がされているということで、このような取組に充てる財源をどんなふうに確保されているのか。まあ優先的に配分しているんだということなのかもしれませんが、どう確保しているのかということをざっくりでいいんですがお聞かせいただきたいということと、あと、国に対して財政支援の要望ということで出ているんです。充実を図ることという御要望あるわけですが、具体的な財政支援の中身についてもう少し御紹介いただければと。  で、自治体間の格差解消のために、格差の解消を図ってほしいという御要望もあるんですけれども、そのために何をすれば解消が図れるとお考えか、まず教えてください。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  まず、私どもがやっていることについて財源は何かという話ですが、これは当然のことながら私どもが一生懸命捻出した一般財源から出しているということになります。要は、これはどういうふうに言っても、要は施策のその重点をどこに置くかということに尽きるわけで、私ども、財源に他市町に比べて余裕があるわけでは決してありませんが、それを重点的にやっているということでございます。  それから、財政支援についてですが、これについて、まあこれも結局国が重点をどこに置くかということにつながってくるとは思いますが、ただ一方で、先ほど申されましたことについては、結局のところは、国としてどの辺のレベルで、そういった子育てにしても医療にしても介護にしても、いろんな部分でナショナルミニマムとしてどの辺にレベルを置くかということに尽きてくるのかなという気がしております。  そういう意味で、どの部分を、先行的にやっている部分、地域が先行的にやる部分、それから最終的にどこかが責任を持って全国一律にやるべきなのか、そういう議論がどこかで整理されてくることは必要かなと思っております。  私どもは決して先行してやることをちゅうちょしているわけではありませんので、そういった部分は残しながらも、最終的にはやっぱりどこに住んでも同じような、特に子育てとか医療とかそういったものについての給付は住民の方がどこに住んでも同じような給付を受けられるのが一番大事だろうと、そんな思いをしながら日々行政を執行しております。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 ありがとうございます。  国のレベルでナショナルミニマムどこに置くのかと、そういう合意づくりに我々も貢献していかないといけないというふうに改めて思いました。  続いて、重ねて木野参考人にお伺いしたいんですけれども、これ十年前の全国市町村会のホームページで町長がおっしゃっていることが紹介されていたんですけれども、地方の時代と言われながらも、残念なことに地方自治体の在り方について制度対応が追い付いていないと感じていると。まあ、あれから十年ということなんですけれども、進んだ部分はあるのか、追い付いていないと感じたところは具体的にどういうところだったのかと御紹介いただければと思います。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  多分どこかでお話ししたことが何かに載っていたと思うんですけれども、私もちょうど、この仕事に就かせていただいて今年ちょうど十六年目になりますか。ちょうど十年前というと、大体全体が分かってきてその限界を分かってきた頃に発した言葉だろうと思っています。  そういう意味では、先ほど来の権限移譲の話と絡んできますけれども、やりたいと思ったことがなかなかいろんな制約の中でできない。例えば、まあこれ、もう少しその財源の裏付けがあればできるかなと思いながらなかなかできなかったこと、例えば医療費の十八歳までの無償化にしても、財源どうするかという中で、頭の中で苦労しながら、特に国や県の医療費の無償化についてのなかなか壁は固くて、裏財源の拡大というのがなかなかできない中で十八歳までやったと。そういうものを考えてきますと、やっぱりもう少し、そういう後押しがあるともう少し早くほかの事業も含めてできるのかなという思いの中で発した言葉だろうと、そんなふうに思っています。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 言いにくいところをありがとうございました。  私も京都で地方議員を五期プラスアルファぐらいやっていまして、ちょうど三位一体の改革ということで地方の財源が一般財源化すると、補助金が。そういう中で、地方交付税で来るのは来る、来ているんだけれども、総額減らされるということで財源確保が本当に大変になったという記憶があります。財源確保ということでの裏付けという町長の声はしっかり受け止めないといけないと改めて思いました。  続いて、伊藤参考人にお伺いしたいと思います。  全国市長会から、特に福祉施設等の従うべき基準の速やかな廃止又は参酌基準化を求めるとともに、地方が担うべき事務と責任に見合う税源移譲ということで提言があると。で、今日もお話の中で、改めてこの問題についても御説明が、御説明というか、お話ありました。  私ね、ちょうど学童保育が地方からの提言によって従うべき基準から参酌すべき基準へと見直しがされたと。そのときにたくさんの署名も寄せられまして、これを従うべき基準として守ってほしいという声が国会にも届けられたという経過もありました。  そういう意味でいいますと、これ地方ほど福祉人材確保の困難さが逼迫しているので基準が守れないという事態があると思うんですね。配置しなければならないけれども確保ができないというような実態が地方ほどあると。特に福祉の現場、まあ介護もそうですけれども、そうだと思うんですね。基準の廃止と、基準を廃止して参酌基準となった場合、そういう状況をつくると安全とか福祉の質が保てるのかというところが本当に問われると思うんですね。  地方からの提案だからということで、地方自治というようなことで、これ本来国として果たすべき責任の後退があってはならないんじゃないかという思いを持っているわけですけれども、その点については改めて伊藤参考人の御意見伺いたいと思います。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) ありがとうございます。  今御指摘の点は、私の提出資料の一のところの例一というものに関わるところかと思います。  この間、私も提案募集方式に関わらせていただく中で、放課後児童クラブの参酌基準化というものにもコミットしたということでございます。もちろん、全国一律の基準によって安全などの質が担保されるという考え方は私も理解できる部分がございます。ただ、やはりその地域の実情に応じてその全国一律の基準では対応できない部分というのがどうしてもあって、その部分は自主的に判断させてほしいという自治体が幾つか提案を寄せてきているという実情がございます。  私個人の考え方といたしましては、やはり全国一律の基準で質を保証するという考え方からはむしろ脱却すべきだと思っております。これ、参酌基準にしたとしても、例えば自治体がそれによって質を低くするということであれば、やはり地域の住民は当然許さないということでありまして、その自治体の自主的な判断は常に住民から見られているということが地方自治、地方分権ということの趣旨でもございます。ですので、基準を緩めたからといって質が直ちに低下するということは言えないと思いますし、また、自治体の担当の方々、職員の方々、首長さんや議員の方々も、そうしたことがないように、住民から見られているということは認識して日々行政に携わっていただいているというふうに認識しております。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 ありがとうございます。  そうあるべきという御指摘はそのとおりだと思うんですけれども、やっぱり、その従うべき基準ということについてのやっぱり財政的な裏付けもあるのかと。そこ、とっても大事で、財政的な裏付けがないために処遇の改善とかができずに必要な人材確保ができていないという実態もあるということで、そこでやっぱり国の責任はどう果たすのかということが問われるのではないかなということも併せて考えていきたいと思います。  最後に、最後になると思いますが、谷参考人に伺いたいと思います。  先ほど来、行政計画の問題が議論になっています。行政計画を作らないといけないという法律を作っているのが我々立法府であるわけですけれども、その立法、要は議員立法のところでの計画が減らないと。減らないというか多くなっているという御指摘だったかと思うんですけれども、やっぱり議員立法を作る場合も、やっぱり縦割りに我々もなっているんじゃないかなと改めて思ったんですが、そういう地方レベルで、計画の負荷とかも含めて、総合的に見える化というのもしていかないと認識にもなっていかないんじゃないかと。今の立法目的を達成するために、やっぱり計画で担保取りたいよねという議論になりやすいと思うんです。  町村の併任とか専任ができないというような、専門家確保しにくいというような状況をいかに見える化しながらその実効性、法の実効性を担保していくのかということと、あわせて、その計画が乱立すると、それがすごい負担になるだけじゃなくて、コンサルに丸投げになっちゃって、自分のところの自治体にとって必要な計画、適切な計画になっているのかという点でもずれてくるというようなことはやっぱり避けるべきだというふうに改めて思いました。  で、立法府のところでのそうした重複や自治体の負担が見えるようなことも努力としては必要なのかなということを改めて思ったんですけれども、谷先生、谷参考人から、こういう工夫やこういう努力がもっとできるんじゃないかと、立法府に対する議員立法するときの御意見、御提言ございましたらお願いしたいと。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) ありがとうございます。  おっしゃられたとおり、見える化というのがとても重要だと思います。そして、議員立法の場合、いわゆる閣法と違うのが、自治体に伝わるのが遅いというか、最後の段階で、また、自治体側から意見を吸い上げるというプロセスが、一般的な閣法に比べると、もしかするとしっかりとないのかなと。事前情報通達制度みたいなもの、地方自治法上ございますけれども、議員立法でもそういう、なるべく早い段階で、私たちはこういうことを考えていますと、それに対して自治体はどう考えるのかというようなやり取りをすると随分違うのではないのかなというふうに私は思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 広域化の問題で水道とか消防とか動きもあるので、本当はお聞きしたかったんですけれども、時間が参りましたので終わります。  ありがとうございました。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 どうも参考人の皆さん、本日は誠にありがとうございます。  まず、基本的な考え方について三問ちょっとお伺いしたいんですが、最初に二問。ふるさと納税。  私、ふるさと納税というイメージは、私が田舎から出てきて、それで東京で仕事をしていると、そして、田舎に、お世話になった田舎にお返しがしたいと、だから、その税金をちょっと田舎の方にというものが非常にふるさと納税としてはいいかなと。  まあ、でも現実は、今もう非常に返礼品のすばらしいところに何か集中していくみたいな。これ、総務省とかにもちょっと言ったんですけど、ある程度見直すべきじゃないと、いやいや、今回ちょっとこういうふうに変えましたからなんという話あったんですけれど。まあ、せめて、自分の生まれたふるさとの概念がどうかという議論もあるということではありますが、生まれ育った縁のあるところに税金が還流されると少し恩恵があるみたいなことをしながらでも、今言う余り返礼品で動くようなことがないような制度にしていった方がいいんじゃないかという認識を持っていて、それに対する御意見を伺いたいというのが一点。  もう一つは、要は、教育費の絡みでいうと、給食ですね。特に、小さい自治体なんかは、センター方式とかではなくて自校給食とかでやれるとするならば、私は、もうこれ教育だから、食育なので、もう教材なんだと、だから、もう国がしっかりそこに手当てをして、それこそ今は男女平等で、男の子もちゃんと料理ができなきゃ駄目だという時代でございますので、そういう意味からしたら、教育費としてこれは完全に無償化する。だから、もう給食費という概念をなくしていくということが私は必要だというふうに思っているところがございまして、参考人の御意見を伺いたいと。まず、この二点、お一人ずつお願いします。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) 少々、なかなか難しい問題かとは思いますけれども。  実は、ふるさと納税、私どもの状況だけお話ししますと、ほぼほぼ出と入りがニュートラルの自治体です。そういう意味では、ちょっとその判断を緊急にしなきゃならないという状況では、私、私どもの自治体に関してはそうだと思っております。  一般論として、ふるさと納税にいろんな課題があるということは皆さん御承知のとおりで、今議員もおっしゃったようにいろいろ課題はあろうかと思いますが、そこのところはちょっと、個人的な部分を抜きにすれば、今まだちょっと全国町村会として判断する時期では、まだちょっと早いかなという感じはしております。  それから、給食については、これはまさしく、私どもも今、自分の団体の状況を申し上げますと、給食費については基本的にはいただいておりますが、こども園については実質無償化しております。これは、今の状況を見ておりますと、順次この給食についても公費負担の方向がちょっと見えてきているのかなという気はしております。  ただ、これは全体の中で、財源も踏まえて、これ結構、経常経費になりますので、すごいお金が掛かることになります。そういう意味では、どこまでそれが認められるかというのは、かなり各自治体によっても負担感は違うと思いますので、慎重に考える部分もあるのかなとは思っております。ただ、方向としてどうかと言われれば、そういうことも以前に比べると声が大きくなってきているということは地元の実感として感じております。  それから、そうですね、まあ教育費の範疇、どう捉えるかという話だと思います。こういう考え方もあるのかなという思いで聞いておりました。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) 個別の政策の是非に関わる部分というのはなかなか判断がしづらいところがございますけれども、お答え申し上げます。  一点目のふるさと納税に関しましては、私、個人的には、財源、税源の配分の見直しといいますか、大都市部とそうでない地域との間でのその税源の配分にも関わる部分、税、厳密には税源ではないんですけれども、税源にも関わる部分かなと思っております。  ただ、やはり返礼品競争の問題もございますし、やっぱり個人的には、やはり所得が高い方でも相当有利になるという言わば逆進的な性格を持っているという課題があるというふうに認識しております。その点をどう判断するかという問題だと思っております。  二点目の給食費につきましては、やはり理想としては給食費も無償化する、あるいは何らかの手当の中に入れ込むということは考えられると思っております。  ただ、地域によっては給食がまだ普及していない地域という、自治体というのもございまして、その面での、全国的な制度としたときに、全国一律の仕組みとする場合の公平性あるいは平等性という課題をどうクリアするかという問題があるのではないかと思っております。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) まず、ふるさと納税に関しては、私も返礼品競争という状況は当然好ましくないと思います。自治体主導型のネット販売みたいなような、ございます。もしそれが改まらない、さらに、それをやり過ぎるような自治体がなくならないならば、私は、いわゆる控除額そのものを元に戻すというか、縮小してもいいのではないかと個人的には考えております。  もちろん、こういうことを言うと一生懸命やっている町村さんとか市町村さんからは反発はあるかもしれないんですが、いつかそういうことを考えることも視野に入れていいのではないかと思っております。  給食費に関しても、私も基本的には実質的に無償化していくような方向に向かっていくんだろうというふうに捉えておりますけれども、個々の自治体ごとの事情があると思うので、一言こうすべきだというのはなかなか言いづらいなというふうに考えております。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 ありがとうございます。  基本、やっぱり財源の問題になってくるわけですよね。じゃ、政府が地方にどういう配分するか。地方交付税なのか何なのか。  私、先日の防衛費、じゃ防衛費というのはどういう考え方か。人もやっぱり国の財産で、人が国を守る。国土保全、その他交通基盤整備、特に過疎地域の交通移動、そういった部分を整備するのも私は防衛費でいいんじゃないかと。  だから、こういう発想を持って、地域、地方の活性化とか教育やその国土保全に予算を使っていく。そして、特に食の安全保障ですね。農林水産業、特に過疎地域の農林水産業とか、そういった部分に手当てを厚くしていくのに防衛費を使うんだという、こういう発想について御感想を一言ずついただければ。お願いします。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) 全国町村会としては、今まででも、地方分散型の国づくりとか、将来にわたって持続可能で安全、安心な地域社会を実現するという前提の中で、各分野にわたる施策を積極的に推進するように国に対して要請をしてきておるところです。  そういう意味で、町村というのは、相対的に立ち遅れている地域のインフラ整備だとか地域活性化のための産業振興、雇用の場づくりというもの、いろんな政策をやっております。そういう意味では、大変そういったこと一つ一つ重要な課題を解決していくことが多分ベースとして必要なんだろうと、そんなふうに思っております。  答えになるかどうかはちょっと分かりませんけれども、引き続き国に対して、町村に対しての必要な財源支援というものをいろんな形でお願いしていきたいなと思っているのが現実でございます。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) これは、予算の費目とその政策の内容をどう連関させるかという議論かというふうに思っております。  これ、なかなかお答えしづらいところございますけれども、やはり本筋でいえば、国土保全であればやはり国土保全のための予算を使う、あるいは食の安全保障ということであれば食ということで農林水産に係る予算を使うというのが私個人としては本筋かなと思っております。  国防、防衛という観点からしますと、やはりいろいろと課題が、現状我が国を取り巻く課題というのが非常にいろいろある中で、そこの部分と結び付く政策であれば当然、国防費、防衛費から支出するということは考えられると思いますけれども、そうでない目的に使われる可能性というものがないわけではないというふうに思いますので、そこの部分はしっかりと仕分をした上で検討すべき課題だというふうに認識しております。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 国土保全とかインフラ整備に幅広く例えば防衛費の活用をと言われますと、私もよく分からないんですけれども、ただ、一つ、離島振興のようなものは一つの安全保障の一環なのかなというふうに捉えております。  先ほど私、冒頭の発言で、法律のリストラをということで過疎法とか山村振興法とかいろいろ挙げましたけれども、離島振興法はちゃんと残していかないと良くないと思っているので、そういうエリアに関しては、防衛費を離島の何かインフラ整備に直接使えというのは、まあどう言えばいいか分からないんですけれども、安全保障の一環として取り組む余地はあるのではないかというふうに御質問を聞いて思いました。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 伊藤参考人がおっしゃるように、費目があって、それで限られた中で使っていくというのがこれ常識ですけれども、今、政府が防衛費はどんどんどんどん増額をしていくと。これは武器を買うためにやっていくという発想でいくと、やはりこの国の平和が守られないだろうと。  だから、そういった観点でいったときに、過疎地域であったり、そういう北海道、沖縄の交通基盤の整備をするというのは有事の際には当然必要なことだというふうに認識をしているところでございまして、最後、伊藤参考人に、そういった費目関係なく、有意義に使えるような制度をつくっていくというようなことに対する御意見はどうでしょうか。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) 今御発言いただいたような中身、御趣旨ということは私も十分理解しております。  具体的にどういうふうな財政的な手段で行うかというのは、まさに政治が決めることだというふうに認識しております。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 以上です。ありがとうございました。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ハイサイ、参議院沖縄の風の伊波洋一であります。  今日は、御三人の参考人、よろしくお願いいたします。  まず最初に、木野参考人の方にお伺いしたいと思います。  いろいろ御紹介を読みますと、二十二平方キロに一万人で、さらに岐阜市や名古屋までの通勤圏にあって、ブランド米もあるという、そういう農業、農地が基本の基幹産業であるということなんですけれども、今少子高齢化の中で、やはりそれを後継する人たちが確保できているのだろうか、いくのだろうかということがまず一点です、現状ですね。  農業というのは、かなり日本の米作はいわゆる機械化農業だから、つい最近見た「ポツンと一軒家」という番組で二回ほど、その農家の中に本当にこれほどの農業機具があるのかと思うぐらいありまして、何か二千万円ぐらいのものが置かれているとかという話が、テレビで見ていましたので、そういう農業をどのようにこの町では継承されようとしているのか、あるいは農地が農地法上で転用が難しいという中でどのような形で新たな産業立地をさせていらっしゃるのか、そこら辺のことについてちょっとお聞かせいただきたいと思います。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) どなたに御答弁は。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 木野さんに、まず。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 済みません、失礼しました。  木野参考人。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) ありがとうございます。  御多分に漏れず、私どもの方も少子高齢化の波というのは避けて通れない状況出ております。人口減少もだんだん見えてきているという状況の中で、特に、冒頭に申し上げましたけれども、私どもは、工業と商業、農業をうまくバランスよく充実させて住みよい町づくりをしようというふうに考えております。  そんな中では、特に従来からある農業、これを産業としてどのように継承していくのかというのは大きな課題になっています。  一つは、やっぱり後継者の問題。これ、実は私どものような農村地帯と言われるところでも農業専業者というのは極めて少なくなってきておりまして、しかも、今特に米価を中心にしてなかなか値段が通らないという状況の中でどうやって農業経営していくのかと。  一つの方向としては、圃場整備をして生産性を向上させ、そこにいわゆる営農組織というものをどのように育成しながらやっていくかという方向の中でずっともうここ十数年やってきておるわけですけれども、もうそれもだんだん限界が見えてきたと申し上げた方が正解だろうと思っています。  そういう意味では、農業を生き残らせるためにも、土地利用の農外利用との調整をどのようにしていくかというのがまさしく今の課題になっています。そこで、冒頭にも申し上げたように、農業と工業というものを混在というか、整理しながらそこに同時並立的にさせていくために何ができるかと。  今、私どもの方は、農水省の補助事業の中で非農用地設定型の土地改良事業というのがありますが、それを利用しながら工業立地と農業振興というのを両立させる政策を今やっております。そこで、その新型の土地改良事業の中で生み出した工業用地を企業誘致の用地に使うというような形で今進行中ということでございます。  そういう意味では、就業の機会を与えて農村に住まわす、住んでいただくということが一つありますし、従前からの農業振興という部分も、当然、非農用地に設定するということは農地の売却につながってまいります。いわゆるその財産の再配分的な部分も含めて、それが新たな産業の糧にもなるというような形の中でどうやってバランス取っていくかという話になりますが、ただ喫緊の課題としては、農業後継者というものをもう少し育成していかないと、なかなか今の立ち位置での農業というものが立ち行かなくなる可能性というおそれは感じております。それに対してびしっとした回答が出るといいんですけれども、なかなか今の状況では回答が見出せていないということではあります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 それで、今のその産業誘致というものが思うように進んでいらっしゃるのか、あるいはまた、その産業というものはどういう種類のものが立地していただいているのかというのをちょこっとだけでもお話しいただけませんか。(発言する者あり)

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 木野参考人。

木野隆之岐阜県輪之内町長

○参考人(木野隆之君) 失礼しました。  産業的にはいわゆる製造業が中心です。特に、今ですと自動車部品、機械製造ですね。あとは物流の部分が一部あるかとは思います。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ありがとうございました。  次に、伊藤参考人にお伺いしたいと思います。  今回の委員会の資料の、調査室からの資料に行政改革のことを書かれたものがございまして、主に国家公務員のことなんですけれども、やはり、小泉内閣の中で行われた行政改革の取組で、かなりそのときはどの自治体も、国もそうですけれども、人員削減、定数削減をということで強く強いられたわけです。ただ、今日もうこれが過ぎて、今では総務省も定数を増やすなとはもう言っていませんよと、そういう状況になっているんですが。  私は、やはり、今の日本の行政がこの行政改革によって大きく傷んでいると思います。本当にこれはどこでも傷んでいるんです。つまり、教育でも、それから保育でも、実際に人は来ていませんし、制度はつくるけれども、それを回す人が集まらないという状況になっています。  特に、二重構造の雇用形式で非正規を多く雇い入れてしまって、結局半分ぐらい非正規にしないと成り立たない行政になってしまっているんですね。だから、箱物から人への投資とか、コンクリートから人へというような議論があるように、今日、日本は、やはり、本来、自治体や行政が人へやはりしっかり投資をすることが大事じゃないかなと思うんですね。何しろ公務員の人数が多くの国と比べてはるかに少ないんですよね、日本の社会はですね、それは切ったからなんですけれども。そういう中で、今のような、定数を切って、そして極端にした上で、更に非正規を入れてそれを賄っていくと。  つまり、例えば今、今では司書もいない、あるいは保育士も採用しない、あるいは学芸員もいない、そういうところで、建物だけが残って、制度がどんどんつくられていくと。そのたんびに非正規職員を雇い入れていくと。まあ国が日々雇用から予算雇用になって、それから今、地方自治体は会計年度任用職員があるわけですけれども、六十二万人になっているんですね、自治体だけでもですね、地方自治体だけでも。こういう中で、やはり転換するべきじゃないかと思うんですよね、いわゆる岐路に立つ行政改革と提起をされておりますけれども。  伊藤参考人にお伺いしますが、やはり本来、公務サービスの充実をですね、制度はつくっていくんですよ、法律で、あるいは無料化も含めて。でも、その制度を受け入れるための人をつくっていないんですよね。そこはやはり変えていくべきじゃないかと思うんですが、御意見を伺いたいと思います。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) ありがとうございました。  今御指摘の内容については私も基本的には賛成でありまして、やはり人づくり、特に公務を担う、パブリックセクターを担う人づくりの視点というのは非常に重要だというふうに認識しております。やはり、現状、かなり減らし過ぎたのではないかと個人的には思っております。  他方で、私、先ほども申し上げましたけれども、やはり今までのとおりパブリックセクターの中、一つの組織の中だけでずっと働いていくという働き方というのは、今後人材不足が想定される中では非常に難しくなっていく、維持することが難しくなっていくんだろうと思っております。  非正規という考え方が、正規、非正規というその区分の仕方というのは非常に今の状況ではかなり明確な差があるという状況にありますけれども、同一労働同一賃金というお話もありますが、もう少しその働き方を柔軟にする、今までどおり必ず正規でフルタイムで働かなければならない、一つの組織の中で働いていくという形だけではなくて、パブリックセクター、プライベートセクターまたぐような形で、自分の専門性を生かして働くような雇用形態あるいは任用形態というものも許されるような仕組みを導入していくべきだと考えております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ありがとうございます。  先ほどの連携して仕事をするという、そういう流動的な、流動的なというよりは、専門性を持っていろんなところに入っていくというような提起だと思うんですけれども、そういう意味では、自治体は自治体でそういう組織をつくることもできはするんですが、例えば国保連合会や国保の今の国との統一なども含めてですね。例えば、具体的なプラン、例というものがあれば教えていただきたいと思いますけれども。

伊藤正次東京都立大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(伊藤正次君) まだ具体的にそういった柔軟な取組というのは制度化されていないというふうに認識しております。ただ、専門人材、土木建築関係の採用をプールしてそれを派遣するというような形で柔軟化をしていると、始めているという取組は承知しております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 次に、最後に、谷参考人にお伺いしますけれども。  やはり、簡素化の問題とか、本来、それぞれ町村なら町村に、自治体に合った、実態に合ったようなその整理の仕方、あるいは、大きな、もう何百万という市があるわけでありますから、そういうところと、百人単位の町村がある中が、これと一緒になっていると。  そういう中で、やはり無理なことをさせられている。コンサルの話がさっき出ましたけど、コンサルは本当にコピーみたいに作っていくんですよ、そういう計画を。でも、それを本当にやっても何の、その自治体にとっては得でもないし、ただもう予算を取るために作っていると、そういうことだと思うんですね。  やはりそういったことを抜本的に変えていかなきゃいけないと思うんですが、是非御意見をいただきたいと思います。

谷隆徳日本経済新聞社編集局編集委員

○参考人(谷隆徳君) 今のお話を聞いていて一つ感じたのが、今やっぱり一番問題なのは、一般市というのはかなり幅広い、人口の規模の幅が広いので、ちょっと今、日本の場合、市町村制度で市と町村を分けていて、市には政令市と中核市、一般市と分かれているわけですけど、一般市の部分がかなり広いので、その人口とか、分かりませんけど、面積とかそういうものでもしかしたら区分けして、人口が少ないところには余りその計画、何か特例的に求めないとか、そういうふうな制度を考える余地はもしかするとあるのではないかなというふうに今お話を聞いていて感じました。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 今日お伺いをしていろいろと感じておりますが、やはり制度をつくるということはいいことだけれども、制度に人が伴わないと、それが生かされないだけじゃなくて、元あったことも阻害、何かスポイルしてしまうような場合だってあるというのは実感として感じるんですね、私も一度市長をしておりましたので。  だから、そういう意味では、やはり今日のお話をお伺いをして、私たちが国会の場で、国が決めることが地方自治体に大きな影響を与えますから、そのときにそれなりにその地方自治体が人を含めてちゃんと動けるようなものにする、そういう思いを持ってお伺いしました。  ありがとうございました。

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。     ─────────────

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木愛立憲民主・社民

○委員長(青木愛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十六分散会

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