議院運営委員会 第3号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2023/01/26
会議録
○委員長(石井準一君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。 事務総長の説明を求めます。
○事務総長(小林史武君) 御説明申し上げます。 本日の議事は、日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)でございます。去る二十三日の国務大臣の演説に対し、水岡俊一君、山本順三君の順に質疑を行います。両君の質疑が終了いたしますと、議長は、残余の質疑を次会に譲ることを異議の有無をもってお諮りいたします。 以上をもちまして本日の議事を終了いたします。その所要時間は約一時間五十分の見込みでございます。
○委員長(石井準一君) ただいまの事務総長説明のとおり本日の本会議の議事を進めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、予鈴は午前九時五十五分、本鈴は午前十時でございます。 暫時休憩といたします。 午前九時四十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(石井準一君) ただいまから議院運営委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 検査官及び公正取引委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・検査官田中弥生君及び公正取引委員会委員長候補者として公正取引委員会委員長古谷一之君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 次に、検査官及び公正取引委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。 まず、田中弥生君にお願いをいたします。田中弥生君。
○参考人(田中弥生君) 田中弥生でございます。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。 近年、我が国の社会経済は、今後本格化する人口減少、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、潜在成長力の伸び悩み、大規模自然災害の頻発などの難しい課題に直面しております。そのような中にあって、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、我が国の社会経済に甚大な影響をもたらすとともに、行政のデジタル化の遅れなどの問題を顕在化させており、これらへの対応が喫緊の課題となっております。 会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえつつ、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されています。 会計検査院の組織は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で構成されており、三人の検査官から成る検査官会議は、合議によって会計検査院としての意思決定を行うほか、事務総局を指揮監督しております。 私は、昭和五十七年に大学を卒業後、民間企業、財団法人研究員、国際協力銀行参事役、東京大学大学院工学系研究科客員助教授を経て、独立行政法人大学評価・学位授与機構、現独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の教授などとして研究を行い、東京大学公共政策大学院では十年以上にわたって非営利組織論を教え、また、芝浦工業大学の特任教授として研究を行ってきました。 私は、検査官として、前回の所信で申し上げましたように、これまでの研究活動や行政との関わりにおいて、一貫して民間が担う公共領域とその運用、運営及び評価という課題に取り組んだ中で、政府には政策の有効性の検証という点や公正で効果的な資源配分という点に重要な課題があることを常に意識しながら、現在の社会経済の動向、また、国民の関心や国会での御審議の状況などにも注意を払って検査官の職務に専念してまいりました。 この間、「新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について」など七件の国会及び内閣への随時報告、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について」など十件の国会からの要請に係る検査結果の報告などを行い、また、昨年十一月七日には、令和三年度決算検査報告を取りまとめて内閣に提出したところです。これらに当たって、私は、学識経験者出身の検査官としての視点も取り入れながら、その意思決定に携わってまいりました。 そして、令和五年次の会計検査において、国会における審議の状況に常に留意するなど、引き続き国会との連携に努めることとするなどの基本方針を定め、これに基づく検査の実施について事務総局の指揮監督に当たっております。 仮に検査官に再び任ぜられるならば、私は、非営利組織論や政策評価に関する研究及びこれまでの任期中に検査官として職責を果たしてきた中で培った知識、経験を生かし、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献することによって検査官としての職責を担ってまいりたいと考えております。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。
○委員長(石井準一君) 次に、古谷一之君にお願いをいたします。古谷一之君。
○参考人(古谷一之君) 古谷一之でございます。 本日は、所信を述べる機会をいただきまして、ありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。 まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきます。 公正取引委員会が所管をしております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。 公正取引委員会の任務はこの目的を達成することであり、そのトップである委員長には、ほかにも増して国民全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正中立に職務を遂行していくことが求められていると考えております。 次に、取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを申し述べたいと思います。 グローバル化やデジタル化など、我が国を取り巻く経済社会環境が急速に変化する中で、我が国は人口減少、少子高齢化という大きな課題を抱えています。また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、エネルギーコストや原材料価格の上昇などにより、日本経済は厳しさを増しております。 こうした中、公正かつ自由な競争を促進し、活発なイノベーションを引き出す環境をつくることで我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えます。また、公正な競争が担保された市場の機能を通じて適正な分配が行われ、成長と分配の好循環を実現するためにも、競争政策の果たす役割は小さくないと考えております。 このように、公正かつ自由な競争を確保する公正取引委員会の役割は、我が国経済の成長、発展と社会の活力を維持する上で極めて重要な基盤を確保するものであるというふうに認識をいたしております。 私は、令和二年四月に両院の御同意をいただき、同年九月に着任して以来、公正取引委員会の委員長として、ただいま申し上げた基本的な考え方の下で他の委員とともに競争政策の推進に努めてまいりましたが、今後も、これまでの経験を生かしつつ、経済社会の変化に的確に対応し、国民経済の発展に資する競争政策を引き続き積極的に推進していきたいというふうに考えております。 具体的な施策といたしまして、五点申し上げます。 第一に、厳正かつ的確な独占禁止法の執行を行っていくことが重要です。独占禁止法が禁じる競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するものであります。したがいまして、国民生活に影響の大きい価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処していくとともに、合併などの企業結合事案につきましては、迅速かつ的確な審査を進めてまいります。 第二に、公正な取引環境を確保する観点から、中小企業に不当に不利益を与える行為の取締りをしっかりと行うことが必要であると考えております。中小企業にとって事業環境が厳しい中、優越的地位の濫用、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為などに厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要であると考えております。 特に、公正取引委員会は、政府の価格転嫁円滑化施策パッケージに基づき、一昨年来、中小企業が労務費、原材料費、エネルギーコストなどの上昇分を適正に価格に転嫁できる取引環境の整備に向けて、緊急調査、自主点検の要請など、従来にない規模の取組を進めてきております。これらの取組の成果を踏まえ、引き続き中小企業に不当に不利益を与える行為に厳正に対処するとともに、関係省庁とも連携しながら、サプライチェーンの垂直的な競争環境の整備に取り組んでまいります。 第三として、デジタル経済の進展、グリーン社会の実現など経済社会の変化に的確に対応して競争環境を整備し、イノベーションを引き出していくことが必要であると考えております。 デジタル分野については、実態把握を引き続き行い、独占禁止法上の問題点や競争政策上の考え方の整理を行っていくほか、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為には厳正に対処してまいります。また、デジタル分野におけるルール整備につきましては、デジタル市場競争本部を中心に政府全体での取組が行われておりますので、公正取引委員会も引き続きこの取組に積極的に参画してまいります。 さらに、デジタル分野以外の分野における競争環境の整備のための取組も行っていく必要があります。公正取引委員会は、現在、グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方の策定に取り組んでおりますが、引き続き、様々な経済社会の動きやビジネスの実態を捉え、実態調査、提言、ガイドラインの策定等を通じて競争環境の整備に取り組んでまいります。 加えまして、第四には、国際的な連携の推進も重要であると考えております。経済が急速にグローバル化し、企業活動が国境を越えて行われている中で、大規模なデジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為や国際的な企業結合事案への対応等で、海外競争当局との連携協力の必要性がますます増大しております。このため、二国間、多国間の様々な枠組みを積極的に活用して、競争当局間の国際的な協力関係の強化を図っていくことが重要になっております。引き続き、日本の競争当局としてふさわしい貢献を行ってまいります。 最後に、これまで述べました具体的な施策を着実に実施し、公正取引委員会に期待される役割を的確に果たしていくためには、公正取引委員会の体制の強化、能力の向上にも努めてまいります。 終わりに当たりまして、両院の御同意をいただくことができて公正取引委員会委員長に任ぜられました暁には、その職責をしっかりと認識し、国権の最高機関である国会における御議論を始め、様々な御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を果たすべく、他の委員とともに力を尽くしてまいる所存でございます。よろしく御指導賜りますようお願いを申し上げます。 以上、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございました。 よろしくお願いをいたします。
○委員長(石井準一君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 古谷参考人は一旦御退席いただいて結構です。 まず、検査官候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。田中参考人、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず、一期目の総括と二期目への意気込みについてお伺いをいたします。 田中参考人は、民間企業を経て研究職に従事され、NPO評価、マネジメント研究を通し国民の視線に立った行政運営への見識をお持ちであるとの点から、令和元年九月に検査官に就任し、以来約三年四か月にわたり検査官を務めていると承知をしております。 この在任期間中に重点的に取り組まれてこられたこととその成果についてまずはお聞かせいただきたいと思います。それとあとは、二期目にさらにどのような点に取り組まれたいとお考えか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 御質問ありがとうございます。 一期目の重点的に取り組んだことと成果、さらに今後の抱負についての御質問と承りました。 まず、一期目の成果でありますが、私の御紹介いただきました専門の観点から、それに絡めて御説明申し上げたいと思います。 まず、政策評価という観点なんですが、これは検査と非常に密接な関係がございます。一つには、我々は有効性の観点を持っておりまして、いわゆる施策や事業の目的達成度やあるいは効果の検証を行うというものがございます。ここについては、アウトカムの観点をできるだけ取り入れて対象を把握するようにということを指導してまいりました。 それから二番目に、最近は、検査対象として非常に大きな政策そのものを検査をするようにという御要請を受ける機会が多くなってまいりました。そういった場合には、まず対象を、政策体系をつくって、そこからKPIの設定状況を見るというような方法ですね、これを導入をいたしました。 それから、多くのデータを扱うという場面はやはり増えております。それについては、分析をする際にはどうしても統計解析の手法が必要になってきますので、これも導入するようになり、先日御提出申し上げたコロナ病床確保事業においてはこの統計解析の方法を反映させていただいております。 それから、もう一つの専門である非営利組織論、これはまあ平たく言えばマネジメント論になります。ここにおきましては、会計検査の計画を策定する際に中長期の観点をより積極的に取り入れて議論をするようにしております。これによって検査計画の全体の見晴らしが良くなったり、あるいは将来の予測ですよね、これを付けやすくなったように思っております。 また、もう一つは、国民の皆様にいかにこの検査報告をお届けをするかという情報発信、広報の課題がございます。これにつきましては、まだまだ改善の余地があるのではないかと職員と話しまして、現在、改革のプロジェクトチームが走っているところであります。これについてはまだ始まったばかりですので、今後、成果を出していくべく進めてまいりたいと存じます。 そして、今後の抱負でありますが、まず会計検査院は憲法九十条に根拠を持つ組織でありまして、そして会計検査院法第一条で内閣から独立した組織である、これをもって他から影響を受けることなく検査に従事することができますので、今後も厳正、公正に検査を進めるために職責を全うしてまいりたいと思います。 その上で、少し具体になりますけれども、三つ挙げたいと思います。 一つは、まず検査報告の質を上げていくことです。今も、手前みそになりますが、いい報告書ができたなと思うこともあるんですけれども、まだまだ質を上げることはできるだろうと思っておりますので、上げていきたいと思います。 そして二つ目に、より分かりやすく検査報告を国民の皆様に、あるいは国会にお届けするということを心掛けたいと存じます。 そして三番目に、私どもの職員が、非常にモチベーションの高い職員でありますけれども、その能力、機能を十分に発揮できるように業務改革を進めていきたいと存じます。
○横沢高徳君 田中参考人、ありがとうございます。 それでは、次の質問ですが、予備費と財政民主主義についてお伺いしたいと思います。 ここ数年、予算編成では多額の予備費が積み上げられている状況が続いております。田中参考人は、就任時の新聞インタビューで、検査院は日本の財政民主主義を支えるインフラと言えるのではないかという記事を拝見しました。令和四年度でも約十一兆七千六百億円という現在多額の予備費が積み上げられている。これに対して、田中参考人の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(田中弥生君) 予備費に係る御質問と承りました。 予備費に関しましては、コロナ禍を一つの契機にして、その額が急増しているということは会計検査院も認識しております。ただ、予備費の場合には使用決定というものがありますけれども、これは計画であります。予算の決算から検査を行うという会計検査院にとっては難しいところもありますけれども、検査をこれまでも実行してまいりました。 例えば、令和二年度の決算検査報告においては、コロナ関連予算の総括的な、全体を見るという検査を行っておりますが、そこの中で予備費に関して掲記をしております。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 それでは、ちょっと、御緊張もされていると思いますので、軟らかい質問になるんですが、検査官は責任の重い仕事だというふうに思います。田中参考人が職務を遂行するに当たりまして、特に体調管理や健康管理、そしてまた心と体のリフレッシュなど、特に取り組まれていることがありましたら教えていただきたいというふうに思います。
○参考人(田中弥生君) 心と体のリフレッシュに関する御質問と伺いました。 体の方は筋トレをしております。毎週励んでおります。 それから、心の方は、猫を二匹飼っておりまして、これが非常に癒やしになっております。 以上です。
○横沢高徳君 筋トレをなさっているということで、私もアスリート出身として筋トレも頑張りたいと思います。 それでは、次の質問になります。 昨年十二月に報告されました東京オリンピック・パラリンピックに関する総括的な検査結果を受けてお聞きします。 これまで、イベント全体の経費の総額を明らかにする仕組みを改めて整備するなど、イベントの招致及び実施に対する国民の理解に資するような十分な情報提供を行う姿勢を検討することとされておりました。これから、今後も大規模イベントに対する国民の理解を得るために、会計検査院という職務からどのようなことが重要なポイントだと考えられるか、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(田中弥生君) 昨年十二月に、国会要請を受けたものでありますが、三回目の報告になりますが、東京オリンピック・パラリンピックに関する検査報告を提出させていただきました。特に、三冊目において大事だと思ったのは、国費も踏まえてですね、全体像を、幾ら使ったのかということを明らかにするということを念頭に置いた上で、国費分についての検査を深く進めていったということであります。 その中で、全体像はそのものが把握しにくいということが分かりました。 また、国費については、決算報告がなかなか提出されていないということもありましたので、こういうことを踏まえまして、使った国費については決算情報も含めて国民にきちんと開示をすること、また加えて、このような大規模イベントを次に行う際には、やはり予算の全体像が明らかになるための、そのための仕組みをつくるようにということを所見で申し上げております。 したがいまして、次にこのようなイベントがなされるときには、本院の所見が反映されているかどうかについてはフォローアップをしていきたいと存じます。
○委員長(石井準一君) 時間ですので、おまとめください。
○横沢高徳君 私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。よろしくお願いいたします。 まず初めに、決算検査報告に掲載されました指摘事項の件数と金額の推移について伺いたいと思います。 この推移、グラフで見てみますと、全体的な流れとして額も件数も少々減少傾向にあるのかなというふうに見えます。例えば、一番額も件数も高かったのがこれ二〇〇九年度でして、このときは一件で一兆二千億円という指摘があったので、この額を比べるのが適切かどうか分からないんですが、この年は、指摘金額の総額、大体一兆八千億円ありました。対して、令和三年度指摘金額の総額は四百五十五億円です。件数を見ましても、その二〇〇九年度は九百八十六件、その後、令和三年度には三百十件ということですから、まあ減ってきているかなとも読み取れます。 ただ、この件数と額は多ければいいものではないというふうにも思います。ただ、これ何で減っているのかなというところで、検査が何らかの理由で十分に行えていない可能性がもしかしたらあるんではないかと。それとも、検査自体は変わっていないけれども指摘する事項というのが減っているとなれば、これはこれで政府としてはちゃんとしっかりとそのお金の使い道、取り組んでいるということです。 これはこれでいいことなのかもしれませんし、減ってきていると読み取れるこの傾向をどのように我々としては考えたらいいのかというところをまずはお聞きしたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 御質問ありがとうございます。 指摘件数と指摘金額の推移に関する御質問と承りました。 おっしゃるとおり、指摘金額と指摘件数というのは毎年変動いたします。それは、私どもで何をテーマにするかと何を対象にするのかによって大きく変わります。ですから、一件でも非常に細かいもので類似したものが一遍に指摘として上がってくるときには数は非常に増えたりしますし、一件でも非常に重い政策を扱っているときにはそれも一件ということになります。 したがいまして、先ほども御指摘ありましたけれども、特にストックみたいなものについては一件で物すごく金額が膨れ上がるというようなこともありますので、私どもとしては、この指摘金額と指摘件数、これを業績のパフォーマンスの指標としては扱っていない次第です。
○清水貴之君 その中で、これ、昨日、決算の本会議が我々参議院でありまして、その中で我が党でもこの指摘、会計検査院の指摘を基に政府に質疑をさせていただいた案件ですが、新型コロナウイルス感染症患者の病床確保事業における指摘というのをされています。令和二年度に交付を受けた百六の医療機関を検査したところ、九都道府県の三十二事業主体において交付金五十五億九百十八万円が過大に交付され、これを不当と認めたということですね。 様々、コロナ関連事業というのは本当にこの数年一気に行われて、額も多額になるものがたくさんあります。政府としてはスピード感を重視したということですからそういった事業になっていったと思うんですが、ただ、その中には、やっぱりもうスピード感を重視する余り、ちょっと内容がずさんであったりとか、このような指摘が生まれるということもあるのではないかというふうに考えています。 その中で、様々コロナ関連事業もありますけども、この病床確保事業というものをまず選ばれたその理由であるとか、このような結果を出されました、五十五億円余りが過大だという結果を出されましたが、この結果に対してどのような認識をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○参考人(田中弥生君) コロナ感染症対策、患者の受入れのための病床確保事業に係る御質問と承りました。 まず、この対象を選んだ理由でありますが、まず国民の関心が非常に高いこと、そして投じられている金額ですね、国費の額が大きいこと、あるいは国会で御議論をされていることなどを踏まえてこれを対象にさせていただいています。 そして、今五十五億円の指摘金額についていただいたのですが、じゃ、これは一つ関連性のある報告でございまして、一月なんですが、ここで随時報告としてもう少しまとまった形でコロナ、この病床確保事業について報告をさせていただいています。ここでは、三千四百七十七の病院がこのコロナの患者さんの受入れを行っていますが、このうち四百九十六の病院に対して検査を行いました。そのプロセスで、この交付金の補助金の算定式、算定ですね、この計算を誤ってしまったというもの、もう少し具体的に申し上げれば休止病床なんですが、これに関してが五十五億円だったということであります。これは昨年の秋の決算検査報告の中で御報告させていただきました。 一月に報告させていただいたものについては、むしろこういった病院の病床の利用率や、あるいは収支の状況、またこの交付金の算定、単価の算定の方法ですね、こういった制度の運営上の課題について所見を申し上げております。
○清水貴之君 そんな中、そのように具体的に指摘をされているということで、我々としても、やっぱりなかなか、我々議員としてもこういった行財政改革にしっかり取り組んでほしいという思いからこういうのを見ていっているんですが、やっぱりなかなかできない、限界がある中で、その専門性を持って独立した機関でされているということに本当に有り難い思いでいっぱいなんですが。 同じように、先ほど申したとおり、新型コロナウイルス関連事業というのは様々あります。厚労省関係で、ワクチンの接種体制確保補助金というのもほかにあったりとか、治療薬、新型コロナウイルス治療薬の購入、これも大量の今薬が余ってしまっているんじゃないかというような指摘もあります。あと、町中にもPCR検査センターというのも非常に多く広がっていますが、この運営が本当に適切に行われているのか、そこには本当に不必要なお金が入っているんじゃないかとか、これも是非見ていただきたかったですね。 あと、雇用調整助成金の問題もあって、経産省の補助金で持続化給付金とか家賃支援給付金とかですね、これは経産省自体も悪質なものは返還してくださいよと呼びかけをしたりはしています。ただ一方で、これ逮捕者も出るような事態にもなっていて、経産省の中からもこれ逮捕者出ていますから、それぐらい様々、先ほども申したとおり、スピード感を重視した余りにずさんになってしまっているところがあると。 こういったところも是非しっかりと今後見ていっていただきたいなという思いを持っているんですが、これはいかがでしょうか。
○参考人(田中弥生君) コロナ感染症対策全般の検査に係る御質問と承りました。 おっしゃるとおり、コロナ感染症対策については多額の国費が投入されておりますし、現在も続いております。国民の関心も高いと存じます。したがいまして、会計検査院では、令和五年度の決算検査、あっ、検査に関する基本方針というものを打ち出しておりまして、この中でコロナ関連の支出については重要なテーマと位置付けておりますので、今後も鋭意検査をしてまいりたいと存じます。
○清水貴之君 最後に、実地検査の在り方について伺いたいと思います。 コロナ禍ということもありまして、その現場に赴いて、出ていって検査をするというのはなかなか難しいこの数年だったんじゃないかというふうに思います。これによって、実際、実施率見ますと、ちょっとやっぱり数が減ってたりもしますけども、今後、そういったことで、検査のやり方とか体制とか、リモートということも今どんどん世の中に広がってきていますので、そういったことも活用するということも可能性としてはあるでしょうし、検査の在り方についての今後の課題であるとか展望とか、この辺りをまずお聞かせいただけたらと思います。
○参考人(田中弥生君) 実地検査とまたそれに代わる検査の在り方についての御質問と承りました。 実地検査に関しては、コロナ感染症が拡大している中については、私ども自らそれを制限をいたしました。理由としては、感染拡大に加担してはいけないこと、それから、何をいっても、検査対象が物すごく忙しかったんですね。その意味で、私どもの方でも制限をさせていただきましたので、実地検査率はいっとき下がっております。 ただ、それで検査を遅延させてはいけませんので、それに代わる検査の方法というのは相当工夫をいたしました。今おっしゃられたようなリモートですね、オンラインを使ったリモート検査、あとはデータを活用するということが随分進んだように思います。 現在、この実地検査の数については回復基調にはあるんですけれども、実はこのデータと組み合わせることによってより効果的、効率的な検査ができるということも分かってまいりましたので、今後は、このコロナ禍で培った工夫ですね、これを組み合わせてより生産性の高い検査を進めていきたいと存じます。
○清水貴之君 終わります。ありがとうございました。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 田中参考人に御質問をさせていただきます。 会計検査院の在り方についてお伺いをいたします。 一九九七年の法改正によりまして、会計検査院は国会からの検査要請に関わる検査を実施をして、その結果を報告する制度が整備をされました。それ以降四半世紀が経過する中、その制度の活用実績も踏まえつつ、会計検査院として今後の在り方を検討する場を設けてはいかがかというふうに考えるんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 国会要請による検査についての御質問と承りました。御質問ありがとうございます。 国会要請と私どもは呼んでいるんですけれども、この検査は、先ほどおっしゃった四半世紀で合計で五十二件の国会要請の報告を提出させていただいています。いつもいただくテーマが非常に幅が大きなもので、重要なものが多いんですね。そのために、私どもが経常的に検査を行っているのとはまた違う視点、観点をいただいていると思います。それは何を意味するかといえば、今までとは違う方法や体制を工夫をするという必要があります。常に国会から御要請いただいたものについてはそのような工夫を重ねてきたということがあります。 したがいまして、国会からの御要請にしっかりと応えられるようにこれからも見直しをしっかりとしてまいりたいと存じます。
○浜野喜史君 ありがとうございます。 少し私の質問の仕方がまずかったのかも分かりませんけれども、そういうことも含めて、日常業務に加えて、今後の会計検査院の在り方いかにということを自ら、結論は別として、検討するといったような場もあっていいのではないかと、こういう質問だったんですけれども、お答えいただける範囲でお願いいたします。
○参考人(田中弥生君) 会計検査院そのものの組織としての刷新の在り方に関する御質問と承りました。 おっしゃるとおり、会計検査院は常に自らの組織の在り方あるいは業務の仕方というのは見直していかなければいけないと思っています。なぜならば、検査の対象が非常に大きく変化をしていますし、またDXなどの様々な方法論ですね、これがすごいスピードで浸透しているというところです。あと、行政の役割というのも変わってきていますので、それに合わせて会計検査院も常にその検査の仕方あるいは検査の体制の仕方というのを見直す必要があると思います。 また、そういう見直しをするためには若干の余力というんですかね、それが必要になってくるんですが、そのためにも現在業務改革を進めております。これとセットで会計検査院を常に進化させる組織にしてまいりたいと存じます。
○浜野喜史君 次に、検査手法についてお伺いをいたします。 先ほども御質問がありましたので重複するかも分かりませんけれども、御容赦お願いしたいと思います。 コロナ禍の影響もありまして、会計検査院の強みであります実地検査の見直しが必要といったような指摘もございます。実地検査に代わる、若しくはそれを補完する新たな検査手法としてどのようなものがあるかなど、これまた検討が必要ではないかというふうに考えるんですけれども、御見解をお伺いいたします。
○参考人(田中弥生君) 御質問ありがとうございました。 実地検査とそれに代わる手法はどのようなものかという御質問と承りました。 おっしゃるとおり、実地検査につきましては、コロナ禍を一つのきっかけにして、その実地検査率というものは下がりました。ただ、検査を遅延させてはいけませんので、それに代わる方法というのはおっしゃるとおり相当工夫をさせていただきました。 一つが、オンラインを使ったリモート検査であります。 もう一つは、データを扱うということであります。これで大きくデータを使って網掛けをしますと、時にはより多くの課題が見付かったりすることもございまして、その効果は非常に大きいと思いますが、ただ、データの扱い方あるいはその処理の仕方、さらに分析の仕方については専門的なスキルを必要とします。 そのため、昨年より会計検査院では検査支援室というものを設けまして、そこで統計やあるいはプログラミングなどの、あるいは他の専門的な知識を有した職員で、まあ手は挙げてもらったんですけれども、そこを設置しまして、各検査に必要な方法論ですね、これを助言をするという活動を今始めているところです。
○浜野喜史君 次に、人材の登用についてお伺いいたします。 会計検査院と類似の業務を行う公正取引委員会や金融庁と比較いたしますと、任期付職員の採用実績が少ないというふうに考えるところであります。 社会の多様化、国際化やDXの進捗などにより検査すべき行政分野も複雑化していると思われる中で、高度の専門性や多様な経験を有する民間人材の検査業務への登用拡大が必要ではないかといったような指摘もございますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 民間人の登用に関する御質問と承りました。 おっしゃるとおり、検査対象は非常に多様化しておりますし、検査の手法も常に刷新をしていかなければならないとなると、専門知識をどういうふうに取り入れていくのかというのは私どもの大事なテーマでもあります。 そのために、DXだとかあるいは会計だとか、こういった専門知識を有した民間人の登用というのは私どもも行ってまいりました。現在、三十人の方々が民間出身で任期付きあるいはキャリア採用ということで働いています。 中には、室長クラスで、あるいは管理職クラスでお入りになる方もいらっしゃるんですけれども、こういった方は、公的な機関で仕事をすることが自分のキャリア形成に役立つということを認識しておりまして、民間に戻ることを前提でこちらで仕事をしていただきましたが、昨年ですかね、戻られまして見事に昇格をされているというケースも生まれておりますので、今後も積極的に民間人を登用していきたいと存じます。
○浜野喜史君 時間残っていますけど、以上で終わります。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 田中参考人、御苦労さまでございます。 まず、補正予算の在り方について。 この間、本来、本予算編成後、特に緊要となった経費についてのみ認められるべき補正予算の規模が巨額になって、当初予算からその様相が大きく変わるということが繰り返されているわけですけれども、四年間検査官をお務めになられて、参考人のこの問題についての、この問題についてどうお考えになっておられるか、まず伺います。
○参考人(田中弥生君) 御質問ありがとうございます。 補正予算に係る御質問と伺いました。これについては、会計検査の経験から申し上げたいと存じます。 おっしゃるとおり、補正予算については、毎年巨額の補正予算を投じているということは私どもも認識をしております。そのような中で、平成二十七年になるんですけれども、補正予算の執行状況にという報告をさせていただいております。この中で、補正予算の四六%が公債によって担われていたこと、また、その補正予算が、大規模な経済対策や災害対策が打たれた後にその補正予算がつくられますので、どうしてもその繰越しが多額になっているようなことについて意見を述べております。したがいまして、補正予算を適切、効率的に執行することが必要であるということを所見で申し上げております。 補正予算については、今もその額は相当な額が投入されておりますので、引き続き検査を進めてまいりたいと存じます。
○仁比聡平君 大変大きな問題を抱えているということも今のお話からも分かるんですけれども、続けて、予備費の問題についてお尋ねをしたいと思うんですけれども。 憲法八十三条は、国の財政処理権限というのは国会の議決に基づかなきゃいけないと。その例外として、予備費について八十七条で、「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」と求めているわけですけれども、会計検査院にとってみますと、この予備費の支出について、全てこれ検査しなきゃいけないということじゃないかと思うんですが、そういう理解でいいですか。
○参考人(田中弥生君) 予備費に係る御質問と承りました。 おっしゃるとおり、予備費は、歳入歳出に計上されている場合には、当然、歳入歳出決算の対象になりますので、これは会計検査の対象になります。ただ、使用決定というのは、予備費の使用決定というのはこれは計画でありますので、会計検査院は決算から検査をするということでございますので、やはり検査をする上では一定の困難を伴うことはそれは事実でございますが、実際には検査をしております。 例えば、令和二年度の決算検査報告においては、コロナの予算全体を俯瞰をして掲上しておりますけれども、この中で、予備費に関する経費の性質別の使用決定の状況や、予備費の予算で計算、計上された繰越しや不用額、これについても記載しております。 また、現在、昨年の六月ですが、国会から御要請をいただきまして、コロナ関連の予備費の検査、これを承っておりますので、鋭意検査を進めていきたいと存じます。
○仁比聡平君 この予備費の巨額計上というのは、安倍政権下の二〇二〇年、令和二年度の第二次補正予算で、補正予算編成の三分の一、十兆円というところから、もうその後、巨額の予備費が計上されるということが度々行われてきているわけですけれども、その積算根拠については明らかにしないと。状況の変化に応じた臨機応変な対応ができるよう、今後の対応に万全を期すと言うだけで、その審議の中で、国会に適時適切に報告するというふうに政府は言いましたけれども、現実には非公開で議事録も残らない、衆参の予算委員会理事懇談会にその使用に先立って報告をするということで説明責任を果たしていると言い続けてきたわけですね。 野党が予算委員会における集中審議あるいは臨時国会の召集ということを求めてもこれに全然応じないということで来たわけですが、その下で、憲法八十七条は、予備費の意味について、「予見し難い予算の不足に充てるため、」と定めています。 閣議決定では、予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費という定義をしているわけですけれども、予備費の検査に当たっては、この時間的に対処し難いとか緊急かどうかとか、それが基準になる、あるいは基準の一つになるということでよろしいんでしょうか。
○参考人(田中弥生君) 予備費に関する御質問と承りました。 まず、検査の基準につきましては、現在検査を進めているところでございますので、これについては意見を差し控えさせていただきたいと思います。 今、御説明に絡めまして、国会要請の中身について少し言及させていただければと存じます。 これはコロナ感染症対策のために打たれた予備費を対象にしておりまして、これは、予備費を使用して新たに設け、金額を追記をした項の執行状況、そしてもう一つとして、予備費の使用状況、特に使用理由及び使用額の積算基礎の状況、これが国会からいただいている検査の内容でございます。
○仁比聡平君 そのような検査要求を私どもがし、あるいは決算審査の措置要求決議をですね、に当たっての措置要求決議を全会一致で行っているんだけれども、これが正されないということになっているわけですね。 その下で、昨年四月の参議院決算委員会で財務省主計局がこういう答弁をしています。予備費は当初予算、補正予算に溶け込んで執行されると。つまり、本予算に計上していない新規事業について予算措置をするという場合は別だけれども、既に項、目がある事業に予算を追加するということになれば既定の予算と一体になって執行されると、そこで基本的には区分経理はされてないと。となると、予備費が執行されているということが本当に検査できるのかと、そもそも検査できないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○参考人(田中弥生君) 予備費の執行の検査に係る御質問と承りました。 令和二年度の決算検査報告、それから令和三年度の決算検査報告におきましては、コロナ予備費全体の推移について掲記をしております。 その中で、予備費に係るものも実は執行状況というのは見ているんですが、これは報告書にも記されていますが、おっしゃるとおり、一旦各省に配賦されますと当初予算と一体になって管理はされるのですが、それとは別に、自発的に区分管理をされている事業というものが令和三年度におきますと千三百七十七見付かっておりまして、これをベースに検査を進めさせていただいております。
○仁比聡平君 区分管理されているものは一部なんですよね。やっぱりそれは大問題だと。こうしたやり方を繰り返していくことは憲法と財政民主主義を没却するものにほかならないということを厳しく指摘して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。 これまでの質疑を聞かせていただいて、田中候補者は、現職の検査官として工夫、改革に取り組みながら職責を果たしていらっしゃるなというふうに感じています。 私からも幾つかの質問をいたしますけれども、これまでの経験を踏まえてお答えいただければ有り難いというふうに思います。 まずは検査なんですけれども、会計検査院の検査は大きく五つの観点からなされているというふうに思います。一つが正確さ、正確性ですね。もう一つが合規性といって、法律に従っているか。この観点は当然だと思うんですけれども、それに加えて、より少ない費用で実施できないかという経済性。さらに、同じ費用でより大きな成果を得るという効率性。もう一つが所期の目的を達成しているかといった点の有効性という観点でなされているということだそうです。 特にこの三番目の経済性、そして四つ目の効率性、それから五つ目の有効性については、わざわざパンフレットにも英語の頭文字を取って3Eというんですかね、3E検査として強調なさっていますので、それに対する思いが強いのかなというふうに思っていますが、実際に検査の結果を見ると、報告を見ると、どちらかというと、正確かどうかとか法律的にいいかとか、そういった観点が結構強い感じがします。 そもそも、その辺の一や二の正確性や合規性というのは、予算執行段階においてきちんとやっていくのは当然の話であって、むしろ会計検査は3E検査のようなものの充実に向かっていくことが好ましいかなと思っておりますが、そういったことをしっかりやるためには更に成果の分析方法の開発とか、また政策評価のための検査手法の開発とか、そういったものの取組が必要かと思っています。 田中参考人は行財政に関する政策評価についてお詳しいですから、ある意味この分野でリーダーシップを取っていくことを期待されているというふうに思いますけれども、御所見あれば聞かせていただきたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 経済性、効率性、有効性に係る御質問と承りました。御質問ありがとうございます。 まず、この三つの観点に関することでありますけれども、まず、何を見るのかというところがまず一番最初に大事になってくるかと思います。それで、私はよくアウトカムという言葉を使うんですが、これは、何かを実施して、例えば百人の人が集まりましたというだけではなくて、ただ、セミナーを実施したならば、教育を実施したならば、そこに集まった人たちが何を身に付けたのか、どういう知識を身に付けたのかというところが本来の教育だとかセミナーの目的だったはずです。ですから、何々を実施しました、予算を使いましただけではなく、まさに施策や政策の当初の目的に照らして、そこまで達成できているのかという観点を持つのは非常に大事です。 ただし、これは人の頭の中でもあり、計測はとても難しいのですけれども、昨今のEBPMなどが行政の中で議論されていますけれども、そういったものもできるだけ測定をしていく、できるだけ客観的に測っていくということが大事という議論をされています。会計検査院もこういった考え方を大事にしております。したがいまして、対象とその目的を正しく理解をして、それに基づいて適正な指標あるいはKPIを選定していくということがまず大事になっていくかと思います。 ただ、会計検査院の場合には、何かを分析して発見したら終わりではありません。そこから原因を究明をして、そしてそれを実行可能な改善策に結び付けて、で、それが相手との議論の中で所見というふうに落ち着くところでございます。その場合には、データだけでは分からないことが結構あります。その場合、そういうときに実は実地検査の強みというのが生かされることがありまして、まさにこういった実地検査とデータによる組合せというのが検査の質を向上させていくのではないかというふうに思います。
○石田昌宏君 ありがとうございました。 大変期待できるなと思いながら聞いていましたけれども、そういうことを実施するためにもやっぱり職員の在り方も重要かというふうに思います。 会計検査院は、活動の歴史を見ると、かなりやっぱり深く広くなってきたなというふうに思います。戦後、二十二年に現行法が施行されていますけれども、補助金の不当経理の摘発が主な仕事だったようですが、これに成果があって、三十年には補助金適正化法ができたということだそうです。そして、四十年ぐらいからはさらに有効性の検査が深まって始まりまして、さらに六十年以降を見ると、今度は場の拡大でしょうかね、最初は年金から始まって、医療費、ODA、消費税、公共調達、情報通信、国民の安全確保、そして最近の新型コロナと、どんどん検査の対象範囲が広がってきている感じがあります。 仕事量も相当増えているし、専門性がかなり高まっているような気がしますけれども、実際調べてみると結構ちっちゃい省庁で、職員数もかなり少ない中で専門性の高い高度な検査と、かつ、拡大していく検査に対して十分な仕事又はモチベーションを維持できるのかちょっと心配なんですけれども、検査官一期やってきた中でどういう御印象お持ちでしょうか。
○参考人(田中弥生君) 検査員のモチベーションと、それから人数ですかね、規模についての御質問と承りました。 まず、職員のモチベーションというんですかね、印象なんですけれども、本当にここに着任して良かったと思ったのは、職員が正義感が非常に強い、それに裏打ちされたモチベーションと、あと誠実であるということです。これは会計検査院の最大の誇りだと私は思っています。 ただ、このモチベーションを維持しながら、それをプロの検査として、検査者として生かすためにはやはり訓練が必要で、それが多様な分野を掌握でき、理解できる、消化できるために、常に自らを学ぶ姿勢というんですかね、それを持ってもらうようにしています。そのためには、研修の機会を設けたり、あるいは留学の機会を設けたりして、積極的に対象に取り組む姿勢を維持してもらっています。 あと、規模でありますけれども、欲を言えば、多いことはいいことなんですけれども、ただ、最近の行政機関の動向を見ますと、やはりそこに歩調を合わせながら、私たちも自助努力をまずしていく必要があると考えております。 そのためには、検査の方法、手法、あと体制の組み方に柔軟性を持たせるとか、まずは自分たちの検査のやり方についてを工夫をしてみたいと考えております。
○石田昌宏君 モチベーションにつきましては非常に良い職場風土があるのかなと思いながら考えていましたので、それを更に一層発展させていっていただいたら有り難いかなと思います。 最後に、新型コロナウイルスについてお伺いしたいと思いますが、基本方針の中に見ても、令和四年次、令和五年次もこれ作られているんですけれども、両年とも新型コロナウイルス感染症に対しては、各事業等の進捗状況等に応じて適時適切に検査を行うとあるわけですけれども、実はよく比較すると、四年次にはあった各事業等の実施に緊急性を求められていることに留意するとか、状況に応じて機動的、弾力的に対応するという、まあ言ってみたら留意事項のようなものが四年次はあるんですけど、五年次消えているんですね。これを単純に考えると、留意事項がなくなるのでより厳しい目で検査するという意思なのかなというふうに感じないわけではないんですけれども、この辺の意味について教えていただけたら有り難いと思います。
○参考人(田中弥生君) 基本方針に係る御質問と承りました。 確かに、昨年度の基本方針までは、この機動的、弾力的に対応するという言葉が記されておりました。これは、まさにコロナ感染症が拡大する真っただ中で、どの省庁もあるいは行政機関もこれに対応をしている中での検査でありましたので、やはり配慮が必要だということでこの文言があります。 ただ、状況がだんだん変わってまいりました。コロナの状況、また社会、経済の状況も変わってまいりましたので、この文言については令和五年度においては削除をしております。
○石田昌宏君 ありがとうございます。終わります。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。田中参考人に質問させていただきます。 まずは、田中参考人の一期目の活動についてお聞きしたいと思います。前の質問者の方々と多少重複するところもあるかもしれませんが、御容赦いただければと思います。 田中参考人におかれましては、初めてこの任期を始められる際の、以前の所信の際におきましても、これまでの参考人の研究活動や行政との関わりの中で、政府には政策の有効性の検証という点や公正で効果的な資源配分という点に重要な課題があるというふうに考えてこられたと、そういった問題意識に基づいて、この三年四か月ほどの間、非常に熱心にお取組をいただいたというふうに思っております。 やはり、参考人に期待をされていますのは、ほかの検査官が会計や税務の専門家であるところ、参考人におかれては、そうした学識経験を生かして是非この検査官として活躍をいただきたいというところであると思います。 そこで、改めて、この一期目の活動において御自身の政策評価や非営利組織論といったところの専門性をどのように生かしてこられたのかというところをお聞きしたいというふうに思います。先ほどの御答弁の中で、統計解析の手法を用いるようにされたとか、それからこのマネジメントという観点から中長期的な見晴らしの良い計画を作られたとか、そういったこともお話をされていましたけれども、もう少し具体的にといいますか、詳しく重ねてお伺いできればと思います。
○参考人(田中弥生君) 一期目を振り返って、自分たちの成果がどうだったのかというのをもう少し具体的という御質問だと承りました。御質問ありがとうございます。 先ほどの統計の話でいいますと、これは一月に御提出させていただいたコロナ感染症対策の患者さんを受け入れるための病床確保事業のことでございます。これは、そもそも患者さんを受け入れている病院は全国で三千四百七十七であります。このうち、皆さん、患者さんへの対応がお忙しいので御協力をいただけたベースになりましたけれども、四百九十六の病院から情報というんですかね、提供いただき、また検査をさせていただきました。 この中で、例えばなんですけれども、収支の情報、これを集めることができました。これはまあ一般論になるんですけれども、病院の収支情報は今開示されておりませんで、これを集めるというのもなかなか大変でありました。あわせて、社会的には、これが、この補助金をゆえに収入が黒字になっているんではないかというような議論が様々報道されて、なされていましたけれども、実際にどうなのかということを調べる必要があると思いましたが、サンプルが多いということなので、統計的に傾向を見るということを行いました。具体的には重回帰分析を入れて様々な因子を排除いたしましたけれども、結論から申し上げれば、この病床確保による収入は、やはりこの補助金は収入の増加に関係性が高いということは分かってまいりました。これもなかなか、初めての解析を行うとなるとなかなか勇気があることなんですけれども、これも記載したことによって次の展開につながっていくものと思われます。 それから、計画に関する御質問だったと思いますけれども、これにつきましては、例えば、今一つ一つある小さな補助金の検査をしたいといいますけれども、それが背景にある政策ってどういうものなのか、それを見てくるとマッピングができて、この政策に関してはもしかすると案件が多いけれども、こちらの政策についてはまだちょっと検査が足りないんじゃないかとか、そんなふうにしてマッピングができるんですよね。それによって、資源配分をどうするかとか、あるいは中長期に、今は、今年はあれだけれども来年はどうしていくかとかですね、ということの目安が付きやすくなったということでございます。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 実際に検査官としてお務めになって、何というか、思ったのと違うなというようなことももしかしたらあったかもしれませんし、実際に様々な会計検査の指揮監督を行う中で、そうした会計検査院の、先ほど職員の皆さんの、非常に有能であるということもおっしゃっていましたけれども、他方でやはり課題などもあると思います。そういったことを発見をして是非改善をいただくということも期待されている役割ではないかなと思っておるんですが、そういった、この一期目の間に会計検査制度の運営ですとか、そういったことに関する課題や問題、こういったことをどのように認識をされたでしょうか。そういったことについて、この改善の取組の事例ですとか成果について、もしあれば教えていただきたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 会計検査院の運営の課題、取組ですかね、これに関する御質問と承りました。非常に小さいことからちょっと大きめのことまであるんですけれども、三つほど挙げたいと思います。 一点目は、プレゼンテーションをするときの資料は全部一枚に簡潔にまとめることということにしました。会計検査院は正確性を非常に重んじます。そのために説明資料をたくさん重ねるんですけれども、やはり会議を効率的に進めるためにも一枚で論点をまずは挙げようというところで、今、会議の資料というのは変わっております。 また、説明資料がやっぱり紙文化なんですね。これをやっぱりペーパーレス化にするということをやりまして、恐らく、今システムを構築しているところですけれども、まあ一年ですかね、もう少し時間いただけるとペーパーレス化が進むと思います。 それから、会議を効率的に進めるということでありまして、会計検査院は会議の数がやはり多いです。これをいかに効率的に進めるかということで、今、業務改革推進室がございまして、こことともに進めているところであります。
○佐々木さやか君 非常に重要なことだと思います。国会もこの紙文化というものを非常に私も感じておりまして、業務改善ということを会計検査院でも是非これからも進めていただければというふうに思います。 時間がなくなりましたので質問としては以上にさせていただきますけれども、プレゼンテーションを分かりやすくということもございました。そういった観点というのは、私どもも、この国会と連携をしていただく際にも、私たちも会計検査についてはそこまで専門性はありませんので、やっぱり分かりやすい資料をいただくというのは非常に有り難いことでございますし、それから、ちょっと角度が変わりますけれども、女性のトップでいらっしゃるという観点から、職員の皆様の業務改善の中で、女性の管理職の登用ですとか、また男性の育休取得促進ですとか、そういった女性活躍や子育て支援というようなところについても是非取り組んでいただきますようにお願いを申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。 検査院検査官候補者の所信を踏まえまして、また、今回、田中参考人は、令和元年に検査官に就任され、この度は国会で承認されれば再任ということになりますので、一期目の実績を踏まえて、参考人の問題意識などを中心にお伺いを数点させていただきたいと思います。最後の質問者となりますので、重複している質問がありましたら失礼いたします。 田中参考人におかれましては、元々の御専門が非営利組織論ということでありました。令和元年の初任の際にも、御専門を検査官としての職務に生かされる旨その折の所信で語られておりましたが、御自身の御専門や御経験が検査官としての一期目の職務にどのように生かされたか、自己評価をお伺いしたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 一期目の成果と自己評価に係る御質問と承りました。御質問ありがとうございます。少し重複するかもしれませんが、お許しください。 まず、私の専門の観点から何をしたのかということを説明をさせていただき、その上で何が課題かということについても申し上げたいと思います。 一つ目は、私は自分で専門で勉強してきたものに政策評価とそして非営利組織論がございます。政策評価に関しましては、やはり検査の手法に関わるところですね、ここで幾つか観点を示し、また職員とともに検討してまいりました。その一つがアウトカムの視点でありまして、これは、単に何かを実施するだけではなく、対象者や地域にどういう影響をもたらしたのかという視点を持って検査に臨もうということであります。 それからもう一つは、これは農林水産分野のTPPの検査要請を国会から受けたときなんですけれども、物すごく幅が広いんですね。途方に暮れるほど検査対象が大きいものですから、どうやったらいいのかとみんなで悩んだんですけれども、取りあえず、大綱から個々の事業までどういう体系を描かれてつながっているのかということを、これはビジュアルに示してみようということをしました。もういろんな行政文書を洗い出しながら、一つ一つ原庁の方に確認をしながらですね、一つの体系図を作っております。これ昨年国会の方に報告させていただきましたので、是非御覧いただければと存じます。 さらに、この体系に基づいて、それぞれの大事なポイントのところで確認、それができているのかを確認するためにはどうしても指標が必要なんですね。これがまさにKPIと呼んでいるものなんですけれども、これについても、設定されているものも設定されていないものもありました。これらをまとめまして、検査報告の中では、まずは政策体系図を明らかにし、ごめんなさい、KPIですね、の設定をきちんとして効果の発現状況というものを確認できるようにすることということを所見で申し上げております。 それから、統計解析につきましては、先ほども申し上げたんですけれども、病床ですね、これに関しては世間でいろんなことが言われていましたので、実データを用いて、本当にそういう傾向があるのかどうかということを重回帰分析を行って明らかにしていったというものでございます。 それから、非営利組織の観点からですと、これは平たく言えばマネジメント論になりますので、やはり、今やることも大事なんだけれども、中長期で見晴らしを良くすることによって自分たちの方向性というものが見えたりしますので、この中長期の観点というのを積極的に取り入れるようにいたしました。 あともう一つは、やっぱり会計検査院は国民から負託を受けておりますので、国民に知っていただかなければというところは重要だと思っておりますので、それで広報改革のチームを立ち上げているというところであります。 課題を挙げれば、アウトカムの考え方って、理屈では簡単なんですけど、測定するのがすごく難しいんですね。そういう意味で、これが検査に具体に入ってくるというまでには時間が掛かってくるかもしれません。それから、広報もまだチームを立ち上げたばかりでありますし、広報って、一長一短で、すぐに知られるというわけではありませんので時間を有しますけれども、今、職員の目もより積極的になってきたのではないかと思いますので、これを今後の課題とさせていただきたいと存じます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。今後も御専門を積極的に御活用いただければと思います。 一期任期中の会計検査院の指摘、一期目に取り扱った検査の中で最も問題が大きい、ないし根が深いと思った事案について御説明いただければと思います。
○参考人(田中弥生君) 最も大事だというか、重要と思った事項は何かという御質問かと存じます。 これは、令和三年度決算検査報告、これ昨年十一月七日に内閣の方に提出させていただきましたけど、この中で、令和元年から令和三年度までの三か年に一体コロナ対策で幾らの予算が投じられたのかというのを総括しております。その金額は合計で百十四兆円に上っております。これも報告はさせていただいているんですけれども、なかなか多くの方にはまだ届いていないのかなと思っておりまして、やはりこの金額については私自身も非常に印象に残りました。
○牧山ひろえ君 会計検査院の組織、そして運営や業務遂行に関して最も問題だと思った点、改善が必要だと思った点について参考人の御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(田中弥生君) 会計検査院の業務運営に関する御質問と伺いました。 これはやっぱり紙が多いというところをいかにペーパーレスにしていくのかというところですね、これが一つの課題だと思います。あと、やっぱり会議が非常に多いというところで、まあ会議だけじゃなくて、会議をした結果として、いろいろ手戻りをして、やっぱり職員が大変な負荷が掛かっているのを見ていますと、これはもう少し何とかしなくちゃなというふうに感じております。
○牧山ひろえ君 会計検査院の予算や人員などの規模感の適切性についてはどのような御所見でしょうか。言い換えますと、人数を増やせば不適切事例はより多く発掘されるのか、あるいはそこまではないのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(田中弥生君) 職員の人数、規模に係る御質問と承りました。 欲を言えば、もう少し優秀な人材がいてくれれば助かるなと思う部分もございますけれども、しかし、人数を増やしたからといって、すぐに即戦力になるというのはなかなか難しいかもしれません。 会計検査院というのは、いわゆるDX等々の、あるいは統計の専門知識というのも身に付けなければいけないのですけれども、あわせて、検査を担当する者としての調査官のスキルというのを身に付けなければいけません。これは、まさに検査対象を理解をして、そしてそこから問題を発見をして、そこを深掘りをしていく、あるいは必要なデータを集めていく、そして報告書にきちんとまとめられるか、さらに、検査対象とこれについてコミュニケーションが取れるかどうかということですね。これを一つ身に付けられる、全うできるというのはなかなか時間が掛かることですので、やはり単に増やすだけではなくて、訓練をどうするのかということも併せて課題になるかと存じます。
○牧山ひろえ君 会計検査院の期待される機能からして、現在の定員、そして組織では十分な水準と言えないのではないかという懸念が有識者から指摘されております。 会計検査院については、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、そして検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告をするという重要な使命を課されております。今後も会計検査院の活動を期待を持って見守らせていただきます。 済みません、ちょっと時間ありますけれども、これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井準一君) これにて検査官候補者に対する質疑を終了いたします。 田中参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。(拍手) 田中参考人は御退席いただいて結構です。 次に、公正取引委員会委員長候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言をお願いをいたします。
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志です。 古谷参考人、どうぞよろしくお願いいたします。 公正取引委員会は、独占禁止法を運用するために設置された国の機関ですが、いわゆる三条委員会として、ほかから指揮監督を受けることがない高い独立性を有しています。それだけに、国民から注目される機関でもあり、厳正、適正、そして毅然とした対応が求められる機関でもあります。 そこで、まず初めに、経済のデジタル化、金融化、グローバリゼーションへの対応について伺いたいと思います。 近年の公正取引委員会の仕事をざっと拝見しますと、やはりとうなずけるのは、経済、社会経済の変化に伴い、デジタルやデジタルプラットフォーマー、グローバリゼーションに関わる仕事のウエートが増大しているということです。先ほどの古谷参考人の所信の中でも触れられておりました。 古谷参考人は大蔵省、財務省の御出身で、経歴を拝見いたしますと、主に主税畑を歩んでこられ、局長までお務めになられたということでございますが、私は今、財政金融委員会に所属をしておりまして、そこで、税制分野での近年の重要な課題となっている利益移転や租税競争への対処など、これもやはりデジタルが問題となっています。 また、金もうけのためなら何でもありの経済のデジタル化、金融化、グローバリゼーションには、従来の物やサービスとは異なり、集中、寡占、独占ということがまさにDNA化されているような状況であって、公正取引の世界とは水と油ではないかと思うところもあります。 そこで伺いたいと思うんですけれども、二期目を目指すに当たり、これら国内外にわたるデジタル化、グローバル化への対応状況と今後の課題や取組方針についてお伺いをいたします。
○参考人(古谷一之君) 御指摘いただきましたように、公正取引委員会、経済のデジタル化、グローバル化、あるいはそういう中での働き方の多様化といった経済社会の大きな変化に対応して、かなり積極的にいろんなことに競争政策のサイドから関わろうということで取組をしているところでございます。 特に、デジタル化に関しましては、御承知のように、大規模なGAFAと言われるようなデジタルプラットフォーマーというのはグローバルに経済活動をやっておりますので、国境を越えていろんな活動をしております。したがいまして、私ども公正取引委員会も海外の同じような競争当局も、この大規模なビッグテックの競争阻害行為に対してどういうふうに立ち向かっていくかということで、お互い情報交換をしながら協調して取り組むという場面がすごく多くなってきております。 一方で、グローバル化ということで、世界でいろんな社会の分断や格差が生まれている状況もありますし、私ども、イノベーションを活発にして経済成長を促進するためにも競争が必要だという考え方に加えまして、やっぱり公正な市場で適正な分配が行われるということも大変大事になってきておりまして、やっぱりきちっとした就労が確保できるとか適正な取引価格が設定されるとかそういう、政府が行ういろんな再分配政策の前に市場の機能がきちんと働いて適正な分配が行われるという点にも注意を払いながら競争政策を展開していかなければいけないといったような問題意識で、今いろんなところに、後ほど議論もあろうかと思いますが、価格転嫁の適正化といったことも含めて今取り組ませていただいているところでございます。
○勝部賢志君 次に、官の振る舞いによって起きた問題について伺います。 IT業界の古くて新しい問題であります多重下請ですとかベンダーロックインについて、公正取引委員会としてもいち早く調査をされて、二〇二二年の二月八日に公表された公官庁における情報システム調達に関する実態調査報告書では、情報システムの保守や改修に際して再契約があると回答した官公庁は、全回答数が一千十一のうち一千にも上り、九八・九%となっています。 公共調達に係る度重なる不祥事の反省から、政府を挙げて公共調達の適正化を進めることとし、透明な事業者選定とともに、一括再委託の禁止や再委託の厳正化が求められてきたはずでありますが、こういったことが起きていると。 さらに、コロナの対応として行われた持続化給付金の場合でも、この補助金を執行する一般社団法人の創設に関わって、経産省が意図的に関係の深い業者を束ねたのではないかということが問題となりました。 多くの国民が様々な受難を被っている中にあって、ごく僅かなグループ、例えば電通とかパソナ、トランスコスモス等々が懐を暖めるといった、官の振る舞いによって競争上不公平、不公正ではないかという疑念が生じたのも事実であります。 このような官の振る舞いが結果的に競争を阻害し不公正の疑義を招いている事案に対しては、厳しくその是正を図ることも公正取引委員会の当然の役割と考えるわけですけれども、御所見をお伺いいたします。
○参考人(古谷一之君) 御指摘のように、独占禁止法を厳正に適用して競争阻害行為については対応していかなければいけないと思っています。 昔は、もう御承知のように土木建設業を中心として入札談合みたいなものが多かったんだと思いますが、最近は医療分野ですとか教育分野を含めて、国民生活にかなり直結する分野で、私ども、カルテルの摘発を行ったりとかということを行っております。 一方で、官の振る舞いというお話がございましたけれども、そういった独占禁止法の厳正な執行をする一方で、私ども、いろんな取引分野の取引慣行ですとかビジネス実態について、実態の把握をした上でそれぞれの所管をする政策官庁の方に対して規制や制度や政策の見直しを提言するというようなことをかなり積極的にやってきておりまして、御指摘のあった官庁の情報システム調達の問題ですとかはその一例だと思いますけれども、そういうことを通じて各省の施策の改善にもつながっていくような、そういう対応にも努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
○勝部賢志君 時間がなくなりましたので最後の質問にしますけれども、国民の耳目を集める問題に適正に対処してほしいという意味で、例えば東京オリパラテスト大会における談合事件、それから関電や中電などのカルテル問題ですとか情報漏えいの問題、それから中小企業へのしわ寄せ防止や適正転嫁の取組、これはインボイス制度の導入とも相まって社会的な関心が非常に高まっています。 こういった問題に対して、是非国民、生活者の期待に応えられるような対応を望みたいところでありますけれども、どのように対処されるのか、お答えをいただきたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 御指摘をいただきましたオリンピックの談合の問題あるいは大手電力会社のカルテルの問題、現在、前者は告発を視野にやっておりますけれども、それぞれまだ捜査中の事案でもありますので具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、まさに、先ほども申し上げましたが、国民生活に直結する分野を中心に、競争を阻害するような行為の是正に力を入れていきたいというふうに思っております。
○勝部賢志君 終わります。ありがとうございました。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 冒頭、委員長から御発言がありましたマスクですね、今日、衆議院のこの同意人事ではもうマスク外してやっているわけですね。ですから、これ、本来マスクの対応については、議運では衆参合わせてやっていきましょうということだったと思いますので、是非次回からは参議院でもマスクを外してやっていただきたいというふうに思います。 古谷公取委員長に御質問をさせていただきます。 この日本というのは、今、僕は崖っ縁にあるというふうに思っていまして、失われた三十年、GDP上がらない、人件費も上がらないと、これは日本だけでありまして、こんな大変なときに公取委員長をもう一度再任されるということで、相当の御覚悟があって、今回総理に選ばれたのかなというふうには思っております。 お聞きしたいんですが、自動車業界のことなんですけれども、ロシアによるウクライナ侵攻で鉄鉱石の価格がやっぱりこれ上がっていましてね、自動車部品を製造している中小企業からは、鉄鉱石の価格の高騰分を価格転嫁したいけれども、その交渉に発注者がなかなかこれ応じてもらえないというお話をよく聞きました。自動車の部品であるねじ一本取ってみても、これ、強度を保つためにすごい技術力が結集されているんですよ。こういったことで、そういった企業がもたなくなってしまっては、これ、日本の損失だというふうに思っています。 公正取引委員会の価格転嫁に関する取組、これ、自動車業界については十分に私は機能していないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(古谷一之君) 一昨年来、政府全体で価格転嫁円滑化のためのパッケージというのをまとめまして、公正取引委員会も、ここ一、二年、これに力を入れて従来にない取組をしてきているつもりであります。 御指摘がありました自動車業界を含みます輸送用機械器具製造業についても、重点的な、これ、転嫁がなかなか進んでいない事例がかなり多く見られると我々がいろんな調査で把握している業種、四業種を選んで重点立入調査をしているわけですけれども、その対象にも入っております。 そのほか、優越的地位の濫用とか、下請法の買いたたきの事例がかなり多く見られそうだという業界を二十二選んで緊急調査に入っておりましたけれども、そこにも、そこでもこの輸送用機械器具製造業というのは対象になっているわけでありまして、そういった調査を重点的にやってきた結果を昨年暮れに公表させていただいて、四千社強の注意文書を交付するとともに、大変異例ですけれども、多数の受注者との間でちゃんと協議をしないで価格を据え置いていた業種、これ大企業になりますが、十三の会社を公表させていただきました。 そういうこともきっかけにして、今年になりまして、経済三団体からは、例のパートナーシップ宣言の実効性を向上させようということで、発注者側からもちゃんと協議を働きかけるとか、きちんと取引価格に反映をさせると、そういうことを徹底しようという動きが出てきていますので、私どもとしては、それにも期待しながら、更に実態の把握をやっていきたいというふうに考えております。
○東徹君 十三社公表されたと言いますけど、十三社公表の中には自動車入っていないでしょう。
○参考人(古谷一之君) どの会社、どういう名前の会社が入っているか、ここで具体的にコメントするのは差し控えますけれども、十三社の中には輸送用機械器具製造業、これが二社入っております。
○東徹君 これ、あともう一つは、やっぱり価格にちゃんと転嫁されたというところまで確認しているんですか。
○参考人(古谷一之君) 私どもは、コストが上がった分のどれくらいが転嫁されたかという観点もさることながら、取引のプロセスがきちんと公正に行われていたかということを中心に調べておりまして、要するに、協議をしないで据え置いたとか、要請があったのにきちんと対応しなかったと、そういう事実が確認されたところに注意を出したり公表したということでありまして、今回公表された十三社は、多数の受注者に対して協議をしないままに価格を据え置いていたということで公表させていただいたという次第でございます。
○東徹君 十三社ね、もうこれ報道で出ているんですよ。だから、分かっていて聞いているんです。だから、私は入っていませんよねと、こういうふうに言わせていただいたわけです。 で、これ、自動車業界なんですけれども、よくそういったところに聞くと、自民党の政治資金団体である国民政治協会ですけれども、自動車業界から合わせて年間二億八千万の献金がされていると、だから自動車業界は守られているんだと、なかなか公正取引委員会は自動車業界に対して余り厳しいことが言わないんだというふうなことを言われていますけど、いかがですか。
○参考人(古谷一之君) 私どもは、独立して職権を行使するという権限と責任を与えられております。今お話しになったことは、私どもがやっております業務とは必ずしも関係がないというか、そういうことで影響を受けていることはございません。 たまたま十三社の中に輸送用機械製造業の中の自動車製造業が入っていなかったというのは、多数のところを切る基準の中に入っていなかったということでありまして、当然、注意をした中には入っているというふうに思っています。
○東徹君 あとまだ質問ありますので、次、電気関係の質問させていただきます。 昨年、中部電力とか中国電力などが企業向けの電力供給のカルテルが結ばれているということが分かって、公正取引委員会、総額一千億円の課徴金納付を命じる処分、これやりました。 ただ、このカルテルなんですけれども、二十八年秋頃ですけれども、関西電力の役員らが中国電力や中部電力に持ちかけて、持ちかけたんですよ、関西電力が。で、自分たちが主導したにもかかわらず、公正取引委員会に打ち明けたということで、これは課徴金が全額免除になるんですね。これ関電以外の会社からは納得がいかないという反応もあるようですけれども、これ、違反を自主申告して課徴金減免を受けるのに、これリーニエンシー制度というらしいですが、仮に関西電力に適用されていれば幾らぐらいの課徴金が課されたのか、様々な意見のあるこの制度についてどのように評価されているのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 現在、私どもの処分案を伝達をして、企業からの意見聴取を行っているプロセスにあります。言わば捜査中の段階でありますので、今お話があった仮定の数字についてお答えは控えさせていただきます。 課徴金減免制度というんで、これはまさに自主的に企業のコンプライアンスの下に申し出ていただければ減免をするということで、秘密裏に行われておりますカルテルの真相を解明するための手段として大変有効でございます。 この場合、関電は、報道にありますとおり、第一番目に申請をしてこられたということで、独禁法の規定によって、私どもが立件をして立入調査をする前に課徴金の減免申請をされると全額免除をされるという仕組みになっているということでございます。 お話があった点について私はコメントを差し控えますが、この課徴金減免制度によってカルテルの真相解明に大変役に立っているという点は事実だと思います。
○東徹君 これ、もう報道出ているんですけど、関西電力が、もし課徴金課すとしたら一千億円程度だということなんですね。もうこれは報道出ていることなんで、もう言っていただきたいと思いますけれども。関電のこれ、不正閲覧もありましたですよね、御存じだと思いますけれども、新電力会社ということで。これはもう本当に、何ていうんですかね、利用者への背信行為そのものだというふうに思いますし、こうした電力自由化の理念を骨抜きにするようなことが実際起こっているということです。 是非、先ほど四千三十社もあるというふうにおっしゃっていました、注意喚起文書、こういったところに対してもこれから公表とかしていくおつもりがあるのか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 昨年、公表や注意文書の交付をさせていただきました。緊急調査をして私どもとしていろんな実態を把握をしておりますので、今年は独占禁止法や下請法違反事案の摘発を含めて更に厳正な対応を取っていきたいというふうに考えております。
○東徹君 本当に、まあ一番厳しいですね、戦後一番最も厳しい時代だというふうに、崖っ縁にある今のこの日本の経済だというふうに思いますので、それを是非御理解いただいて対応していっていただきたいなと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 古谷参考人にお伺いいたします。 価格転嫁について伺います。 中小企業が賃上げの原資を確保するためには、コスト上昇分を適正に価格転嫁することが極めて重要であるというふうに考えております。 一昨年十二月、政府は、パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化政策パッケージというものを取りまとめて、取組を進めております。 しかし、昨年九月に発表されました帝国データバンクの調査によりますと、価格転嫁率は四割を下回っており、中小企業が価格転嫁をするための仕組みづくりや実効性のあるガイドライン作成を期待するといったような意見もあります。 このような状況を踏まえ、適正な価格転嫁についてどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 日本は、企業の九割が中小企業でありますし、働いている人も七割は中小企業で働いておられます。そういう中で、コロナで一番打撃を受けておられるのも中小企業、下請企業であります。 そういう中で、最低賃金の引上げ、あるいは外から資材価格やエネルギーコストの上昇という形で、中小企業にとっては大変厳しい状況になっておりますんで、これを、価格転嫁を適正に行って、賃金が上がるような環境を中小企業においてもつくっていく必要があるということで、政府全体でこれは価格転嫁適正化ということで今取り組んでおりますので、公正取引委員会も、私どもの施策のかなりの部分をこれに当てておりまして、優越的地位の濫用や下請法の買いたたき、そういったものが起きないように、先ほども申し上げましたように、かなりの規模の緊急調査を行い、昨年末にああいう形で注意や公表をさせていただきました。 今後とも、引き続き調査をするとともに、独占禁止法や下請法での問題があるような事案について厳正な対応をしていきたいと思っておりますし、やはり大事なのは、発注者側からも転嫁の受入れについてしっかりと協議の働きかけをしていただくということが大事なんだということが改めて確認された面もありますので、経済団体の方ともよく意思疎通をして進めていくということで、経済産業省、中小企業庁ともよく連携をさせていただいて進めていきたいというふうに考えております。
○浜野喜史君 さらに、関連をいたしまして、適正取引についてお伺いいたします。 様々な産業の健全な発展、ひいては社会の安定、発展という面におきまして、適正取引は極めて重要なテーマであると認識をいたしております。 食品関係の労働組合の集まりであるフード連合とUAゼンセンは、取引慣行に関する実態調査を毎年行い、それに基づきまして公正取引委員会とも意見交換を行っていると承知をいたしております。この調査は、省庁や業界団体が行う調査とは異なっておりまして、取引現場で実際に働く者の立場で声を上げているという特徴があると認識をいたしております。 こうした取組は適正取引の実現に向けた重要な取組であるというふうに理解をいたしますが、どのように評価をしておられるのか、また、今後、調査結果をどのように活用していくのか、説明をいただきたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 御指摘がありましたフード連合とUAゼンセンの取引慣行に関する実態調査につきまして、昨年三月に公正取引委員会の事務方の方に御来訪いただいて、実態調査について御説明を受けました。あわせて、公正な取引慣行の実現に向けた要請書を受け取り、意見交換をさせていただいております。 もうこれは議員も御承知のとおり、中小企業、下請企業の方が親業者との間でこんなことが起きているんだというのは、親事業者との取引関係を維持しなければいけないといった制約の中で、なかなか具体的にはお話がしづらいとか情報提供がしづらいといった事情もございます。また、公正取引委員会は、どうしても、取締りをしている役所だと、こういうことで、敷居が高くてなかなか話がしに行きにくいといったようなことも聞くことがございます。 そういう中で、こういった事業者団体からもいろんなお話を聞いて意見交換をするということは大事だと思いますので、今後ともよくお話を聞いて、私どもの施策にも反映をしていかなければいかぬというふうに思っております。
○浜野喜史君 さらに、関連をいたしましてお伺いいたします。 フード連合やUAゼンセンの意見提起も踏まえまして、一昨年末、食品製造業者と小売業者との取引を広くカバーする食品製造業者・小売業者間における適正取引推進ガイドラインが農林水産省により制定をされました。 独占禁止法、下請法違反の疑いがあれば公正取引委員会が対応すると承知をしておりますけれども、具体的にはどのように対応するのか、説明をいただきたいと思います。また、ガイドラインは制定されましたが、それが遵守され適正な取引が行われることが重要です。今後、取引の適正化に向けては、当ガイドラインを軸に農水省と公正取引委員会が連携して周知、取締り等を行っていく必要があると考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○参考人(古谷一之君) 御指摘のとおり、令和三年十二月になりますけれども、農林水産省の方で食品製造業者・小売業者間における適正取引推進ガイドラインというのを策定をされまして、このガイドラインの中には、食品製造業者と小売業との取引関係において問題となり得る事例をたくさん提示をしていただいていまして、分かりやすい形で下請法や独占禁止法の考え方を示していただいております。 農林水産省の方でこのガイドラインの周知活動を進めていただいておりますけれども、公正取引委員会としても、そこで私どもの相談窓口を掲載をして、私どもの方にも相談をしていただけるような体制を取っておりまして、引き続き農水省とよく連携をしてやらせていただきたいと思います。
○浜野喜史君 以上で質問を終わらせていただきますけれども、委員長も冒頭おっしゃったように、経済の成長、そして経済の拡大ということを考えました際に、この適正な価格転嫁と適正な取引というのは極めて重要なポイント、鍵であるというふうに認識をいたしますので、強力に、再任をされた場合、取り組んでいただきますことを切に求めまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 古谷参考人に、中小・小規模事業者をめぐる問題についてお尋ねをしたいと思います。 コロナ禍に異常な円安と物価高騰が重なる中で、過剰債務という問題も深刻で、中小・小規模事業者をめぐる経営環境というのは極めて厳しいと思うんですね。 例えば、懇談をさせていただきますと、資材価格の上がり方が半端じゃないと。加えて、二度三度とこれ値上げされると、そのたびに値上がり分の交渉を二度三度と取引先とやらなきゃいけないんだけれども、それはもう極めて難しいとか、あるいは、得意先に単価交渉をしたんだけれども三か月もほったらかしと、挙げ句の果てに値上げはできないと言われたと。あるいは、建設資材など高騰している上に納期が極めて遅れますよね、で、そこに関する損失を全部かぶらなきゃいけないと。つまり、中小・小規模事業者は取引先との力関係で人件費や原材料費の上昇分を価格転嫁できないという、こういう構造的な問題がある。その下で利益が圧迫されて経営が一層困難になるという悪循環に陥っていると思うんですけども、いかがでしょうか。
○参考人(古谷一之君) 御指摘のとおりの場面が経済の実態には多いのだろうというふうに思っております。 したがいまして、先ほどから申し上げましたように、公正取引委員会としても、適正な価格転嫁を中小企業や下請の方ができる取引環境の整備ということでこのところ大変力を入れてやらせていただいているということで、もう具体的な話は省略をいたしますけれども、御理解をいただきたいというふうに思います。
○仁比聡平君 力を入れているとおっしゃっているわけですけども、下請法の違反行為に対する勧告の数を見ますと、二〇二一年、令和三年度で僅か四件なんですね。今年度どうだろうと事務局の方にお尋ねをいたしましたけれども、二二年度、令和四年度、これまでのところですが、一件と。現場で伺う深刻さからすると、もっとこの数が増えていてもおかしくないと思うんですけども、これまでのところ、僅か一件と。この取組についてはどんな御認識でしょうか。
○参考人(古谷一之君) 御指摘のとおり、令和四年度の四月から九月までの半年間での下請法違反の勧告件数は一件であります。 ただ、その時期は、先ほどから申し上げておりますけれども、緊急調査を、これは受注者側八万件、発注者側三万件という規模で、優越的地位の濫用のおそれがある件数に調査を進めてきておりますし、一方で、勧告までには至りませんけれども指導をした件数が五千件を上回っておりまして、その中で下請事業者が被った不利益については、下請代金の減額、返還といった指導をしておるんですけれども、総額で十億円弱の原状回復が行われておりまして、これは、令和三年度一年間で六億円ぐらいだったのに比べますと増えているというようなことで、下請法の勧告件数は取りあえず今年度上半期一件にとどまっておりますけれども、いろんな取組をしながら努力はしておるということは御理解をいただければと思います。
○仁比聡平君 そうした取組の中で、先ほど来御紹介いただいている緊急調査と企業名の公表と、これはインパクトあるものとしてもっと進め、もっとというかな、抜本的に強めていかないと実効ない、あらしめられないんじゃないかと私は思うんですけども。 先ほどもちょっと議論ありましたけども、自動車産業の関連でいうと、公表された十三社のうちデンソーと豊田自動織機があるんですが、これ、つまりトヨタ自動車の下請、一次請けなんですよね。トップのトヨタの原価低減という掛け声がある下で重層的な下請構造のこの価格転嫁できないという事態を正すには、トヨタ自動車そのものをきちんと正さないといけないんじゃないですか。そうした実効性ある取組が必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○参考人(古谷一之君) 年末に行いました公表というのは、独占禁止法四十三条というのがありまして、一般的な公表権というのを私どもいただいております。ただ、通常私どもが公表しますのは、命令を出したり警告をしたりという、違反なり違反のおそれを認定して処分をする場合に公表ということを行うんですけれども、今回は、価格転嫁が極めて大事な政策であるということも踏まえまして、多数の受注者との間で協議をしないで価格を据え置いているという事実が確認をされた企業十三社を公表したということでありまして、これまでの取組に比べるとかなり異例の対応をいたしました。 それを踏まえていただいたんだと思いますけれども、年明けになって経済三団体の方は、パートナーシップ宣言の実効性向上ということで、発注者側からもきちんと協議をして価格に上乗せをするんだと、それを、そういう行動を取っていこうじゃないかというような文書も会員企業に配っていただいておりますので、そういうことも含めて、本当の意味で価格転嫁が経済取引の中でうまく進むようなことになることを期待しながら、私ども、私どもがやるべきことを続けていきたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 業界での自主的な取組とか、あるいは政府からの要請などももちろん取り組んでいただきたいと思うんですけども、その下で、要請とか期待するにとどまらずに、権限ある公取がいかに独禁法やあるいは下請法、これに基づいて環境の公正をつくり出すかと、あるいはそれに違反する業者に対して、取引者に対して正すかということが大切だと思うんですね。 二二年十月四日の新しい資本主義実現会議に古谷委員長出席をされて、独禁法や下請法に違反する事案についてこれまで以上に厳正に対処したいと御発言なさっておられると思うんですけれども、るるお伺いをしたこれまでの取組を総括した上で、これまで以上に厳正に対処したいという、その具体的な取組についてお聞かせいただければと思います。
○参考人(古谷一之君) 一年掛けてやってまいりました緊急調査で注意文書を出したとか公表したと申し上げましたけれども、どういう実態になっているかということを、私ども、それぞれの企業ごとに把握もできております。 こうした調査結果も踏まえて、御指摘のありましたように、独占禁止法や下請法の本来の執行をやっていくということが大事なんだと思いますので、そこは、文字どおりこれまで以上にそこを強化をして取り組んでいくということだと思っておりまして、そういうことも期待されてだと思いますけれども、この年度中に五十人の増員をいただきましたし、来年度予算でも更に定員を増やすということで、八百五十人の公取の定員を、九百二十人を超える約七十人、異例の定員増もお認めをいただきました。それだけの体制強化を厳しい予算の中でやっていただけるということでありますので、私どもとして更に力を入れていかなきゃいかぬというふうに思っております。
○仁比聡平君 今最後にお話しになった下請Gメンの抜本的な強化も含めて、中小企業・小規模事業者の経営しっかり守っていただきたいとお願いして、質問を終わります。
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。 古谷候補者は、二期目の公正取引委員会の委員長ということですね、の候補者ということですし、以前は国税庁長官とか内閣官房長官補をなさっていたという大変見識の広い、深い方だというふうに考えております。 そこで、まずは御意見をちょっといただきたいというふうに思います。 今、全世界レベルで、サプライチェーン上のいろんな脆弱性の課題ですとか、基幹インフラに対するサイバー攻撃が増えているとか、先端技術がすごい、覇権争いと言ったらいいんでしょうかね、競争の激化があったりして、こういった様々な課題に対して、これを背景にして、昨年の五月、いわゆる経済安保法という法律が、まあ我々可決したわけですけれども、これによってやりたいことは、重要物質の安定的な供給の確保や基幹インフラの役務の安定的な提供の確保、さらに先端的な重要技術の開発を支援する、もう一つ、特許出願の非公開、こういったことをやっていくことになりました。 この法律の議論、結構難しくて、片方で、自由かつ公正な経済活動を前提にして、事業の活動を過度に制約しないこととか、健全な競争環境や経済合理性に基づくイノベーションというんですかね、そういったことを毀損しない、こういったことは当然配慮しなきゃならない、だけども同時に、安全保障を確保するという観点から政府が規制をするといったことで、議論の中ではどちらかというと、自由かつ公正な競争と規制を対立っぽく捉えて、どうバランス取っていくかということが結構盛んにあったかなというふうに覚えています。 一方、公取を見ると、冒頭、所信でもおっしゃっていたんですけれども、この自由かつ公正な競争を促進する、これが目的になっていて、そのために厳選かつ的確な対処をするという形で、対立というよりもどちらかというと、自由かつ競争の促進をするために、その手段として厳正にやっていくといった、こういったトーンでお話しなされているんですね。この考え方や経験というのは今後の経済安全保障の議論とかぶることがあって、更にこれを進めていく上では非常に参考になるんじゃないかなというふうに考えています。 そこで、ちょっと御意見お伺いしたいんですけど、公取の委員長としての経験も踏まえて、日本の経済安全保障の確立に関して、この促進していく議論を更に深めていくための御所見なり御見解をいただけたら有り難いと思います。
○参考人(古谷一之君) 経済安全保障ということについて、私、特に知見を持っているわけではないんですけれども、安全保障政策の大きな転換の局面に来ている中で、やっぱりほかの先進国を見ていますと、やっぱり安全保障というのは、外交、軍事、情報管理だけではなくて経済というのも大きな要素に入っている。ある意味ではこれ当然のことだったんだろうと思うんですけれども、日本でもようやく、経済安全保障振興、振興法でしたっけ、そういうのが立法をされて、こういう議論が具体的に企業側としても何をやらなきゃいけないかということで出てきているんだと思います。ただ、企業に一定の規制が掛かるということではありますけれども。 昔は、規制と公正取引委員会がやっています自由な競争というのは何かトレードオフのような形で私ども受け止めておりましたけれども、私は、この経済安全保障に関して言うと、ある意味で、何というんでしょうか、私どもが守らなければいけない資本主義下の自由な市場の基盤になっている、それを支えているものが安全保障だという面もあるんだと思いますし、権威主義の国の圧力がだんだん強くなってきている中で、やっぱり自由でオープンな貿易だとか経済を守っていこうという、ある意味で同じ考え方を持っている国々との連携をしながら、この経済安全保障なり自由な資本主義を維持していくということだと思いますので、私、私どもがやっている競争政策と経済安全保障というものは、決して、バッティングするというよりは、どうやって補完関係をつくっていきながらやっていくかということが大事なんではないかなというふうに思っています。 具体的には、御承知のように、経済安全保障推進法の中でも、海外からのサプライチェーンが寸断をされて日本で重要な物資を生産したりしなきゃいけないときに、そこを二者以上で共同でやるような場合もある、そういうときにカルテルというふうにいきなりなったら困るんで、そこは所管省庁と私どもで意見交換をして調整をするという規定も入っていますので、そこが、経済安全保障の問題と公正で自由な競争ということが両立、調整できるようなことを考えていく、そういうことが必要なのではないかと。やや、ちゃんとした認識かどうか分かりませんが、今そんな感じを持っております。
○石田昌宏君 貴重な御意見ありがとうございました。これからの意見交換の参考にも是非していきたいというふうに思います。 では、違う点、もう一点行きます。 医薬品の話ですが、今、後発医薬品のサプライチェーンがかなり傷んでしまっています。一部メーカーの不正によって生じまして、流通が混乱していて、今現場に薬が届かないといった声も起きています。 これはいろんな原因があるんでしょうけれども、やはり日本は後発医薬品メーカーが非常に多くありまして、百九十社ぐらいありますけれども、実際、保険収載の品目約一万五千のうちの五十以下しか作っていないような小さなメーカーが七割以上を占めていますし、毎年薬価改定の影響もあって、かなり経営状況も危なくなっています。こういった中で薬を作り続けているんですけれども、薬は欠品を起こすと患者さんの命にも関わりますし、赤字であっても製造を続けてほしいという思いもあります。 一つのメーカーで生産ラインが止まると、そこで作っていた薬を、じゃ、誰がやるんだといってほかのメーカーにお願いしたり、そんなことが玉突きで起きていて、業界全体に今混乱が生じているんだと思います。 品質の管理は当然ですから、しっかりとやらなければならないので不正はいけないわけですけれども、逆にそうなったときには業界全体で力を合わせてフォローしていくということがとても重要で、それは体力が弱いがゆえに余計やらなきゃならないことだとは思いますけれども。 実はここで独占禁止法の話が話題になっていまして、薬はどこでどのくらい作られているかということを、お互い情報交換をメーカー同士でやろうと思ったら、これが、情報交換そのものが独禁法に抵触するのではないかという懸念があってこれがなかなか進んでいないという声があります。 こういったことにつきましてちょっとどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 御質問を事前にいただいていましたのでちょっと聞いてみましたけれども、大変申し訳ないんですけれども、業界の中で価格だとか生産量だとか販売経路だとかそういうものの調整につながるような情報交換をなさると、カルテルということで独禁法に違反することになります。 したがいまして、厚労省の方からも御相談があったようでありまして、医薬品の安定供給ということは大事なので、私どもとも相談をされた上で、医療用医薬品の供給不足時の対応スキームというのを厚労省が発表をされて、そこでどの範囲なら情報交換ができるとかそういうことも伝えておられるようでありますので、まずはそういうスキームの中で業界としてどこまでの調整ができるのか、それはやっていただけると有り難いなと思いますが。 これ、医薬品の安定供給も、先ほどの経済安全保障ではありませんけれども、やっぱり国民生活や日本の存続にとって不可欠な物資になる場合も将来あるのかもしれません。そういう場合にどういう調整が必要なのかというのはまた新たな課題なのかもしれませんけれども、現時点で答えを言えと言われると、業界内で調整をするとカルテルになってしまいますので御用心くださいというふうに言わせていただきたいと思います。
○石田昌宏君 これは時間がないので、今日をきっかけにまたいろいろとお話をしていきたいというふうに思います。 じゃ、以上で終わります。ありがとうございました。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。どうぞよろしくお願いいたします。 古谷委員長は、令和二年四月の本委員会で、公正取引委員会委員長の任務についての認識及び七点にわたる取り組むべき施策の基本的な方針を述べられました。 一つが、国民生活に影響の大きい価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処する必要性。二つ目に、中小企業に不当に利益を与える、不利益を与える行為の取締り強化。三つ目に、消費税の円滑かつ適正転嫁の確保。四つ目に、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為に対する厳正対処。そして五つ目に、競争環境の整備へ向けた業界の実態調査、提言。六つ目に、独禁法、改正独禁法の定着。七つ目に、国際的なカルテルへの対応、企業結合事案等、法執行面での海外競争当局との連携強化。以上、七点でございました。 この任期期間の三年というのは、コロナ禍、そしてウクライナにおける戦争、物価高騰、内外情勢は予想外の展開になってきたわけですけれども、そうした中で特筆すべき成果をお聞かせいただきたいと思います。また、この任期の三年間はちょうどコロナ禍が進んでいく、そういう期間と重なるわけですけれども、業務の質の変化、近年の傾向、それについて教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(古谷一之君) 今言っていただいた七点、確かに私、就任をさせていただくときに所信として申し上げました。三年弱の間にどこまでの取組が進められたか不安な面はありますけれども、そうしたものを継続するという必要性もありますということで、先ほど所感を申し述べさせていただいたところでございます。 基本は独占禁止法を違反行為に対してきちんと執行するというのが公正取引委員会の変わらない役割だと思いますけれども、コロナ禍が続く中で、なかなか立入調査ですとか、事業者に来てもらって対面でヒアリングをするといったようなことが必ずしもうまく進まなかった、制約が多かった中で、先ほどからもございましたように、件数で余り増えてないじゃないかといったこともあろうかと思いますが、ようやくウイズコロナで平常に戻りつつありますので、そうした執行業務も平常化しつつあると思います。 そういう中で、先ほどから御質問もいただいておりますが、デジタル関係のルール整備ですとか、中小企業や下請企業の方が不当な不利益をこうじないように、不公正な取引や価格転嫁の円滑化に取り組むということを重点に取り組んできたということでございます。
○窪田哲也君 先ほども出ておりましたけれども、勧告については一件であったけれども、五千件の指導はしてきたということで、それはやはり、このコロナ禍において非常に業務的にも大変な中、努力をしてこられたんじゃないかなというふうに私は思っております。 二つ目に、物価高を上回る賃金の実現に向けた価格転嫁対策について伺いたいと思います。 物価高騰を上回る賃金の、賃上げの実現が急務となっております。原材料コストも高騰する中で、中小企業の多くが販売価格にこれは転嫁できないということで非常に苦しい状況です。大企業が下請に対して著しく低い価格での納入を求めるいわゆる買いたたきも横行しています。 こうした中で、帝国データバンクが昨年十二月十六日から今月五日にかけて、全国二万七千百六十三社対象に価格転嫁に関する実態調査をしておりまして、二十三日、その結果を発表しております。 それによりますと、約七割の企業が、先ほども出てきましたけれども、多少なりとも価格転嫁できているという一方で、価格転嫁率四割に届いていないという実態が浮かび上がっております。業種別では、医療、サービス、運輸などで転嫁が低水準にあるということです。また、価格転嫁できない理由については、取引企業から理解が得られないというのが約四割という、そういう結果が出ています。 私の地元の九州でも非常によく聞く声ですけれども、特に運輸関係なんですけれども、燃料代の上昇分を運賃に反映したいと言っても、なかなか荷主にお願いしても断られる場合が多いということです。 言うまでもなく、下請法は優越的な立場にある元請の大企業が下請に対して一方的に代金の減額を要求することを禁じておりますけれども、本年度、大手の不当な行為を調べる専門調査官、下請Gメンの体制も強化されてきているところですが、適正取引へ向けた動きも進んできていると思いますけれども、価格転嫁対策への今後の決意を伺いたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 円滑な価格転嫁を実現する取引環境の整備というのは、先ほどから申し上げておりますけれども、今公正取引委員会が取り組んでいる中で最も大事な取組だと思っております。 一年間緊急調査もやった結果を昨年末に発表させていただいて、四千件に上る注意文書の発付ですとか公表といったような異例な対応も取らせていただきました。 今後とも、それを踏まえて、独禁法、下請法の執行を強化しますとともに、今後春闘もございます。春闘でどのくらい賃上げが行われるのか、それが中小企業にきちんと波及していくのか、そういったことも調査をしていきたいと思います。 やはりお話を伺っていますと、資材価格が上がるのは比較的聞いてくれるんだけども、人件費が上がるのを転嫁したいというのは聞いてくれないと、そんなもののみ込めって言われるというような話もよく聞きます。ですから、今後、一過性の賃上げに終わらないためにも、そこは円滑な価格転嫁と賃上げの循環が起こるようなことが必要だと思います。 今起きています物価上昇というのはコストアップによる物価上昇ですので、これが、きちっと付加価値が増えて売上げが増え、それが賃金に回っていくという本当の意味の経済の循環にしていかなきゃいけない。これはなかなか口で言って簡単ではありませんけれども、長年日本経済ができなかったことを、この状況をそういうことのモメンタムにできるのかどうか、これは大事なポイントだと私は思っていますので、力を入れていきたいというふうに思います。
○窪田哲也君 持続的な賃上げが是非できるようによろしくお願いしたいと思います。 次に、フリーランスの保護のための取引適正化について伺いたいと思います。 総理が二十三日の参院本会議での施政方針演説で、フリーランスを保護するための取引適正化に意欲を示されました。 フリーランスは一人で事業を行う働き方。二〇二〇年の政府の調査では、国内に約推計四百六十二万人いるとされております。フリーランスは、立場が弱く、不利な契約を結ばれたり、結ばされたり、契約がきちんと履行されなかったりすることが多いというのが実態です。働き方が多様化していく中で、発注者とフリーランスとの間のトラブルは後を絶ちません。 政府が二〇二〇年に委託して始めたフリーランス一一〇番には月三百件以上の相談が寄せられているということでございますけれども、内容については報酬についてというのが最も多く、取引の適正化は重要課題でございます。 今国会に提出予定のフリーランス法案には、不当な契約の是正、そしてハラスメント対策、育児、介護との両立に向けた配慮も盛り込まれています。フリーランスの保護に向けた取引適正化への取組について所見を伺いたいと思います。
○参考人(古谷一之君) フリーランスと発注事業者との取引につきましては、令和三年三月に、私ども、厚生省や中小企業庁、関係省庁と連名で、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインというのを策定、公表いたしまして、現行の独占禁止法や下請法の中で何が問題になるかというのを明らかにしております。ただ、そこは、契約の内容なんかを書面できちんと交付しないと不適切ですよというようなことを言っているにとどまっております。 したがいまして、今、内閣官房を中心に検討中のフリーランスの取引適正化に関する法律では、そういう書面交付を義務付けるですとか、下請法と同じように買いたたきですとか減額ですとか、そういった、発注事業者、フリーランスに業務委託をする発注事業者がやってはいけない禁止行為なんかを定めた上で取引適正化の監視をしようといったような内容で議論しておりまして、その部分は私ども公正取引委員会が責任を持って担わなきゃいけない部分だとも思っております。 今後、具体化をして、まだ与党の議論も残っているんだと思いますけれども、国会に提出いたします、することになると思いますので、また是非御審議をいただきたいと思います。そういう方向で私ども関わっていきたいというふうに思っております。
○窪田哲也君 以上で終わります。
○森本真治君 立憲民主・社民の森本真治でございます。最後の質問者でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 古谷候補者におかれましては、現委員長さんということで、就任されて二年五か月ということでございますが、先ほど窪田議員さんもお話しされたんですが、この間、この二年五か月というのは、本当にコロナ禍、さらにはウクライナ問題もありました、あります、また物価高とですね、そういうような状況の中で、ある意味、経済、市場においても私自身は不正常な状況のこの間だったというふうに思う、まあ不正常という言い方が正しいのかどうか。それは、例えば、各国で例えば公的資金が市場に大量に投入をされていったりとかですね。本来、市場というのは、目的にもありますけれども、自由な競争ということですね。そういう中で、例えば事業者におかれましても、とにかく事業を持続してもらうために公的資金によって事業を継続してもらうとかというようなことで、健全なこの自由競争というような状況ではなかったのではないかなというふうに思います。 そういう中で、公取の役割というのは、大きな目標として、市場における公正かつ自由な競争を促進する、そして国民経済の民主的で健全な発展を促進するという、そういう目標を実現するための一端を公取が担っているということだと思うんですが、申し述べましたように、ある意味ちょっと正常ではないような状況が続く中でいろんな御苦労もあったと思うんですが、この二年五か月を振り返って様々思われること、課題等についてもお伺いできればと思います。
○参考人(古谷一之君) 課題と申しますか、御指摘いただきましたように、私が就任しましてからずっとコロナ禍の中にありまして、私どもの業務自体も必ずしも万全に展開できなかった、制約が多かったことも事実であります。 ただ、そういう中で、やはり日本経済、コロナ禍の後に、コロナ禍の中で、まさにその御指摘があったような世界の分断や変動の動きが資源高ですとか円安みたいな形で日本に波及をして、まさに三、四十年ぶりの物価上昇が生じている中で、なかなか、一方では低賃金、低金利、低成長ということでイノベーションも活発に起きないような経済状態だったということでありますので、やっぱり、人口が増えて、人口が減少して少子高齢化する中でやっぱり日本の経済成長を維持して社会の活力を維持するためには、やっぱりイノベーションが起きるような自由で公正な競争環境を整備するということが大事なんだということをかなり肝に銘じて、私もいろんなところで申し上げてきたつもりではありますけれども。 正常な状態ではなかったというお話がございますけれども、まあそこは経済の波動はいつもあるわけでございますので、私どもとしては、公正で自由な競争って、この三つの漢字それ自体が非常に含意がいろいろあるものですから、議論される方によっていろんな意見はありますけれども、私どもとしては愚直に公正で自由な競争を守るという仕事をやっていきたいということを申し上げてきたというのを、ちょっとつれづれなお話になってしまいましたけれども、そういうことを考えながらやっておりました。
○森本真治君 ちょっと概念的な質問になるかもしれないんですけども、先ほども申しました市場における公正かつ自由な競争によって国民経済の民主的な経済発展を促進するというこの考え方についてなんですが、ちょっと私が最近思うところがあるんで、是非参考人のお考えもお伺いしたいと思うんですが、本当にこの自由な競争の促進ということ、これが進むことが、競争が経済の健全な発展につながるのかというところの、いろんな実は、でも議論が今、我が国だけではなくて世界中で起きているんではないかと思います。それが行き過ぎた自由主義であったり行き過ぎた競争主義であったりという話になって、総理も、新しい資本主義の当初の問題意識、その観点から新しい競争主義というふうに言われたんだという、あっ、新しい資本主義というふうに言われたんだと思うんですよね。 それで、私は、その競争によって何を目指すのかという中で、一つは、良い商品をより安く提供していく、そしてまた一般消費者の利益を確保するという目的がありますが、じゃ、この一般消費者の利益とは何なのかといったときに、これまではより安く商品を提供することの利益ということを求め続けた結果が、まあマイナスの部分というか負の部分というか、今まさに、今期取り組まれてこられた公正取引の話であったり価格転嫁の話にもつながるんではないかというふうに思うんですね。 それで、実際に今期、その緊急調査の話ももうありましたけども、私自身はそのような取組をしていただいたこと自体は当然感謝、評価をさせていただきたいと思うんですが、新たな任期になられたときに、今回は調査をして実態を把握するというところ、もうこの間も議論はあったんだけど、ここでいいのかという話ですよ。更に踏み込んでいかないと問題の解決につながらないんではないかという問題意識もあります。 新たに再任をされましたら、次なるステップに向けて具体的にどのような取組をしていきたいというふうにお考えなのか、是非その思いも聞かせていただきたいと思います。
○参考人(古谷一之君) 新しい資本主義というお話がありました。これ、捉え方はいろいろあると思いますけれども、私も、自由過ぎる、効率性だけを重視するようなコロナ以前の考え方に戻るのではなくて、やっぱり総理も所信表明演説なんかでおっしゃっていますけれども、やっぱり資本主義の自由な市場を支えている制度ですとか社会の仕組み、あるいは健全な自然環境というのもそういうことだと思いますけれども、そういう中長期的に守らなければいけない社会的な価値というのを、市場と政府、まあ官民が連携をして、それを、そういう課題を解決しながら新しい市場を創設をして日本の持続的な成長を守っていくんだというような考え方だと思いまして、私も、そういうこととの関連では、私どもがやっています競争政策の在り方あるいは市場の在り方についても、そういう官民で連携をして中長期的な社会公益的な課題に対処しながら資本主義を守るという場合に、いろんな変化だとか調整が求められることがあると思います。 ただ、そういう中でやっぱり私が今思っていますのは、市場の効率性を尊重することも大事ですけれども、やはり公正な市場というんでしょうか、公正な競争環境を維持をするという、まあフェアネスみたいな言葉になると思うんですけれども、そういうことでやはりこれからの競争政策考えていかなければいけない。そういう考え方の下に、価格転嫁の問題ですとか、先ほどお話があったフリーランスの保護の問題ですとか、そういうものが出てくるんではないかなと、こう思っておりまして、そこは、独占禁止法というのは原理原則を書いたかなり一般的、抽象的な法律でありますので、いろんな価値を盛り込める法律にもなっているように思いますけれども、そこはそういうある意味で原理的なことも頭に置きながらですね、私どもが今やらなきゃいけない課題について、ここは、現実的、具体的な現実解を出すときにはそこが必要になると思いますけれども、取り組んでいきたいというふうに思っております。 ありがとうございました。
○森本真治君 是非、今の古谷候補者のお言葉、大いに期待をしたいと思いますが、公正取引を進めていく上で、様々な価格転嫁進めていく上で、事業者の皆さんに対する啓発などはいろんなパートナーシップ構築宣言を始めとする取組も進んできたんですけど、やはりさっきも言いましたけど、安い商品を選ぶという、でも、そこには人件費が掛かって輸送費が掛かってという中で、消費者の皆さんに対してもそういう啓発というものが非常に私は必要だと思うんです。 公取としても是非消費者に対する様々なこの実現のための取組というのも新たに展開していただきたいと思いますが、ちょっと時間ありませんが、最後にお願いします。
○参考人(古谷一之君) とかく公正取引委員会は広報が下手だと言われてもいます。取締り官庁だからそこは下手でもしようがないと思ってきた面がありますが、おっしゃるように、普及啓発を含め広報活動も分かりやすくやっていきたいと思いますし、先ほどのお話ではありませんが、より良い商品を適正な価格でというふうな言い方に最近は変えさせていただいております。
○森本真治君 よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(石井準一君) これにて公正取引委員会委員長候補者に対する質疑を終了いたします。 古谷参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会といたします。 午後三時三十六分散会