財政金融委員会 第4号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2022/11/17
会議録
○委員長(酒井庸行君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、星北斗君及び古賀千景君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君及び赤松健君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(酒井庸行君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長三浦章豪君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(酒井庸行君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(酒井庸行君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。 令和三年十二月十七日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。 報告対象期間は、令和三年四月一日以降令和三年九月三十日までとなっております。 御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和三年九月三十日現在、各勘定合計で一兆九千二百三十億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(酒井庸行君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅尾慶一郎君 おはようございます。自由民主党の浅尾慶一郎です。 今御報告がありましたFRCの、いわゆるFRC報告については、この間の大幅な金融緩和によって金融機関の破綻がないということでございますので、最後に過去の破綻処理について時間があれば聞かしていただきたいと思いますが、今日は主にこの政府と日本銀行との共同声明、いわゆるアコードに基づいて、この十年間にわたっていわゆる異次元の緩和を行ってこられました。今日は黒田総裁にもお出ましをいただきまして、この異次元の金融緩和、そしてこのアコードに基づいて実際にどういうふうになっているのかということについていろいろと伺っていきたい、そしてまたいろいろと御教示いただければ幸いに存じますので、よろしくお願い申し上げます。 申すまでもありませんけれども、一応アコードの内容について簡単に申し上げておきますと、この中身としては、日本銀行としては、金融政策をしっかりと行うことによって安定的に二%の物価目標を達成しようということでございます。その一方で、政府は、政府の責務の中で様々な、例えば革新的研究開発への集中投入とかイノベーション基盤の強化、大胆な規制・制度改革、あるいは税制の活用などといったようなことによって経済の構造を変えて、そしてお金が回っていくような仕組みをつくっていく、このことがこの政府と日銀との間のアコードの中身であります。そして、そのことの検証を経済財政諮問会議において行っていくというのがお手元に配付をさせていただいた共同声明の中身でありますけれども、まず、日銀の中において、この特に賃金が上昇し、安定的に物価が二%に上昇していく状況をつくっていくことにどういったことが必要なのかということについて、黒田総裁の方からもしお答えいただければ幸いに存じます。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のこの共同声明以来実施しております大規模な金融緩和が経済、物価の押し上げ効果を発揮してきたことは確かでありまして、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなりました。 日本銀行でも、昨年三月の点検で確認いたしましたとおり、大規模な金融緩和が行われなかった場合と比べますと、この間の実質GDPは平均プラス〇・九から一・三%程度押し上げられ、消費者物価の前年比は平均プラス〇・六から〇・七%程度押し上げられたという試算結果を得ております。同時に、労働市場のタイト化が進む中で、女性や高齢者を中心に雇用者数がはっきりと増加して、実質雇用者報酬も増加いたしました。 ただ、現在の物価上昇は三%に達しておりますけれども、コストプッシュが主因でありまして、年明け以降はこうした要因の押し上げ寄与が減衰することで物価上昇率のプラス幅が縮小していくために、来年度以降の、年度ベースで見ますと、物価上昇率は二%を下回る水準まで低下していくというふうに見込まれます。 日本銀行としては、現在の金融緩和を継続して我が国経済をしっかりと支えることで、何といっても企業が賃上げをできる環境を整えるということが最も重要であるというふうに認識しております。そうした下で、時間は掛かっても賃金の上昇を伴う形で二%の物価安定の目標を持続的、安定的に達成する必要があると考えておりまして、それは時間が掛かるとしても可能であるというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 私は、今、黒田総裁言われたとおりだと思っておりまして、基本的にこの間、日本銀行が行ってきた金融政策は一定程度の効果を出してきたんだろうというふうに考えております。 一方で、この例えば日銀のバランスシートを見てみますと、十年前と比べると約、そうですね、六倍ぐらいになっているんですかね、バランスシートの大きさは六倍になっていると。これ、一般の人が想像されるのとは違って、いわゆるお札、お札というものは、旧券以外で七十兆円だったのが今百十四兆円になっていますと。ところが、当座預金、十年前が、二〇一二年の三月末で三十四兆円だったのが今四百九十三兆円になっていると。ですから、預金が相当増えていると。要は、日銀がお金を出したものが結果として銀行から日銀に戻ってきているということであります。 同時に、その銀行券の方も、多分ほかの国の経済と比べると、いわゆるお金の回転率というんですかね、百十四兆円の現在の日銀券、実はその古いやつ、まあ古いやつと言うとちょっと、古いお札ですね、お札が、今でいうと六兆六千億円、聖徳太子とかまだ戻ってきてないと。戻ってきてないというか、この古いお札は使うと、仮に銀行に行けば裁断されるのでなくなるはずなんですが、使われていないでどこかにあるということでありまして、私は、基本はこのお金が回っていないということが一番の問題でありまして、日銀はやれることをやっているんだけどお金が回っていない、ここを変えない限りは、安定的に、特に人件費が上がっていくような形の物価安定目標の二%は達成できないんではないかなというふうに思っております。 この政府と日銀とのアコードを見ますと、第三項に、例えば、政府は我が国経済の再生のため、いろんなことが書いてありますが、イノベーション基盤の強化、これは大変重要なことでありまして、このことについては、私は、日本発の人工光合成をやって新たな技術を日本の中で生み出していこうと、これはかねて主張していますが、こういったことをやっていったらいいと思いますが、同時に、多分、すぐ効くものは何かというと、規制・制度改革の中で、特に労働市場の改革なんではないかなというふうに考えています。 今、労働市場、実はかなり逼迫をしておりまして、逆転現象と言ってもいいようなことが起きているんではないかと。具体的に言うと、非正規の方の給与の上昇率の方が長い期間にわたって正規の方よりも上がっていると。それから、正規の仕事であっても、ジョブ型と定義されているようなそういった仕事、例えばITの仕事なんかは割とその仕事の内容が定義されていてジョブ型になっておりますが、こういったものの上昇率が高いわけでありまして、いわゆる正規の中で、メンバーシップ型、終身雇用を前提とした大企業の雇用のところの賃金がなかなか上がってきていないということでありまして、この労働市場の改革、かなりドラスティックなことをやる場合には、いわゆる金銭解雇を中心としたようなことを認めていく、あるいは、例えば年間の給与の何倍、まあ例えば二倍ぐらいを払ったら労働が流動化していくというようなことをすると全体が市場的になっていくんじゃないかなというふうに思っておりまして、これは日本銀行の仕事ではなくてむしろ政府の方の仕事ということになりますが、こうしたことを政府の中で是非やっていっていただけたらいいのかなというふうに思います。 もう一つ、これは是非、今日は鈴木財務大臣に、お越しでいらっしゃるんで、是非御検討いただきたいことがあるんですが、実は、日本の場合はこの労働市場の中で国がお金を払っているところで働いている方の割合が多分比較的大きいんではないかなというふうに思います。これは公務員の数が多いということを言っているわけではありません。国のお金で働いている人の割合が多い。 具体的に言うと、医療、介護の世界、これは全て診療報酬でもって賄われておりますけれども、この診療報酬は国が点数を決めていると。今、介護の世界でいうと、なかなか人が集まらないので特別養護老人ホームでも廃業をしようというところも出てきているということも聞いておりますけれども、例えば思い切ってこの介護の人にその人件費を増やしていく。これは財政の支出ということ、特別会計からの支出という形になるかもしれませんが、ということにもなってくるかもしれませんが、そういったことを考える余地はないのか。 あるいはまた、今防衛費を増やしていこうということになりますが、例えば十八歳の人口を考えますと、十八歳で大体八十万人ぐらいということなんではないかというふうに思いますけれども、この防衛予算を倍にするときに、今の防衛予算の構成を見ますと半分弱が人件費ですが、じゃ、八十万人の中で、今でさえ定員の充足率が足りないところでそれを少しでも増やそうと思ったらどうやっていったらいいか。それは任期付自衛官の処遇をかなり大幅に改善していくということが必要なんではないか。 こういった、かなりドラスティックな政策ではありますけれども、思い切ったことをすることによって、言わば人件費型のクラウディングアウト、クラウディングアウトというのは民間の投資需要を国が借金をすることによって取り上げてしまうということでありますが、逆に国の方で高い人件費を払うことによって今の労働市場を改革していくということも、先ほど申し上げました労働市場の改革と併せてやれることなんではないかというふうに思いますが、できる範囲で、思い切って踏み込んだ御答弁を是非鈴木大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 人件費、賃上げについての御意見を伺ったところでございますが、賃上げは、成長と分配の好循環により持続的な経済成長を実現するために不可欠な取組であると認識をいたしております。 政府としては、成長分野における大胆な投資の促進によりまして生産性と賃金の高い産業、企業を創出するとともに、こうした成長分野への円滑な労働移動を人への投資の強化と一体的に進めることで構造的な賃上げを実現してまいりたいと考えております。 その上で、成長分野における大胆な投資の促進により生産性と賃金の高い産業、企業を創出する観点からは、令和四年度予算におきまして科学技術振興予算を過去最高の一兆三千七百八十八億円とするとともに、今回の経済対策におきましても、量子、AI等の研究基盤等の整備など成長分野における大胆な投資を促進することとしているところでございます。 あわせまして、成長分野への円滑な労働移動を人への投資の強化と一体的に進めるために、人への投資の施策パッケージを五年で一兆円へと抜本的に拡大するとともに、成長分野への大学、高専の学部再編成等を促進するなどの措置を今回の経済対策に盛り込んでいるところであります。 税制面でも、令和四年度税制改正において賃上げ税制を抜本的に拡充するなどの取組を行ってきたところでありまして、政府といたしましては、これらの政策を総動員いたしまして構造的な賃上げを実現してまいりたいと、そのように考えているところであります。
○浅尾慶一郎君 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今のいわゆる労働市場を見ますと、非正規の方の方が正規よりも賃上げ率が高い。具体的に言うと、例えば観光バス、まあしばらくコロナでなかなか大変だった状況でありますが少しずつ戻ってきている、そこで観光バスのドライバーが足りない、それで非正規の人を雇うと正社員よりも高い給料がもらえると。これは、そちらの方が完全に市場型になっているので高い給与になっているということでありまして、例えばこの、まあこれは財務大臣の所管ではありませんけど、労働市場をもう少し市場を反映させるような形にしていくといいんではないかというふうに思います。 あわせて、先ほど申し上げましたように、この労働市場は、でない理由として、国がお金を出している例えば介護、介護の職種もこれは人が足りないんです。足りないんですが、原資が出てこないから人を雇えないと。ここを変えていただかないと、多分その持続的にお金が上がっていく仕組みというのはつくれないんじゃないかなというふうに思いますので、是非財務大臣は、その要求するのは別の役所だと思いますけれども、そういう要求が来たときにはそうした要求をしっかりと、まあ財政のこと考えなきゃいけないというのはあると思いますが、削らないで出していただくと、結果、賃金も上がっていく形になるんではないかなというふうに思いますので、是非そういったこともお願いしていきたいと思います。 あわせて、財務大臣の所掌の中でできることだと思いますけれども、例えば今会社の中にいらっしゃる方の教育訓練、これは黒田総裁も、たしか経団連の演説の中でおっしゃっておりましたけれども、そのいろんな教育訓練、まあリスキリングというか、そういった形を会社がやっていくことの重要性を訴えておられましたけれども、そうしたことを例えば会社がやったら、いわゆる税制上の恩典を与えるということも考えていただけないか。これは他国の例で恐縮ですが、シンガポールは教育訓練をした場合に四倍償却をして、使った費用の四倍を費用として認めるということであります。シンガポールの税率が、多分法人税二〇%ですから、まあ日本でいえば税額控除をするということと同じで、短期的にその技能を高めた人にはその分の税額控除をするといった大胆なことをすることによってお金が動くような仕組みもつくっていただけたら有り難いなと思いますが、是非もう少し踏み込んだお答えをいただけると有り難いんで、よろしくお願いします。
○国務大臣(鈴木俊一君) これまでも、先ほども申し上げましたが、令和四年度の税制改正で賃上げ税制の大幅拡充をいたしました。そして、先生御指摘の公的価格、あるいは介護報酬、診療報酬による、方々に対するですね、公的価格による賃金の引上げ、一応三%相当額を目標に措置もさせていただいたところでございます。 このほかにもいろいろ示唆に富むお話もいただいたところでありまして、今後の経済対策、内閣府でつくっていくわけでありますけれども、一つの参考としてお伺いをさせていただきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 政府と日銀とのこの共同声明は、第四項で、経済財政諮問会議は、金融政策を含むマクロ経済政策運営の状況、その下での物価安定目標に照らした物価の現状と今後の見通し、雇用情勢を含む経済財政状況、経済構造改革の取組の状況などについて、定期的に検証を行うものとするというふうになっております。 来年の三月で、前回のこの委員会で大塚委員からの質問で、黒田総裁としては任期を全うするようなことをおっしゃっておられましたけれども、任期を全うするにしても是非、日本銀行の所掌は金融政策だけれども、その財政諮問会議等いろんな場を使って、日銀ができること、そして政府がやれること、それぞれが、お互いが遠慮なく、自分の庭先じゃないけれども発言ができるような、そんな環境をまずつくっていただきたいと思いますし、まず財務大臣に、そういった環境ができた、つくっていただけるように、これは政府としてお願いしたいと思いますが、一言お伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘のこの共同声明、四にございますこの経済財政諮問会議でありますけれども、そこでは、政府、それから日銀がそれぞれの取組状況を報告をしまして、幅広い観点から議論を行っているところでございます。 その上で、金融政策の具体的な手法は、日銀の独立性を尊重をし、日銀に委ねられるべきと、そのように考えますけれども、政府としては、引き続き、現在の政府、日銀の共同声明に沿って、政府、日銀が一体となって物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向けて取り組んでいくことが必要であると、そういうふうに考えております。 会議の在り方につきましては、財務大臣としての立場で何か申し上げるということは控えますけれども、政府、日銀が率直に意見交換を行うと、これは重要なことであると、御指摘のとおりだと、そういうふうに思います。しっかりと連携をしてまいりたいと考えます。
○浅尾慶一郎君 黒田日銀総裁には是非、自分の、金融政策のところはもちろんでありますけれども、それ以外のところについて、こういうところをもう少しやっていただけたらお金がもっと回るような仕組みになるんだということを様々な機会を使って政府にも発言をしていただきたい、これ表で言わなくても結構でありますけれども、是非そうしていただきたいと思いますが、その点について所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 共同声明では、御案内のとおり、政府は、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた取組を具体化し、これを強力に推進するというふうに記述されております。この点では、政府が推進してきました働き方改革などによりまして女性や高齢者の労働参加が大幅に進んだと、四百万人とも五百万人とも言われるぐらいの就業者の増加があったわけですが、人口減少社会における潜在成長力の下支えに寄与してきたというふうに考えております。 ただ、今や女性や高齢者の労働参加率が既に相応に高い水準にあることを踏まえますと、先行き、一人当たりGDPの持続的な成長を実現するためには、労働生産性の引上げがこれまで以上に重要になってまいります。この点では人的資本投資が重要な鍵を握っていると考えておりまして、現在、政府の成長戦略において、人への投資が重点政策として位置付けられているというふうに承知しております。 日本銀行としましても、今後とも、経済財政諮問会議その他を通じて、政府としっかり連携しながら適切な政策運営を行ってまいりたいというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 終わります。
○柴愼一君 おはようございます。立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。 議題であるいわゆるFRC報告について重要だというふうに思いますが、私からは、今の日本社会が直面する課題、物価高への対応に当たっての賃上げに向けた対応について申し上げたいというふうに思います。 アベノミクスで目指してきた二%の物価目標ですが、物価目標、日銀の金融政策では実現しなかったものが現在のコストプッシュ型の物価高騰によって起こっています。そして、賃金が上がらない中での物価高騰は、国民生活を直撃しているということです。来年春の春季生活闘争に向けてどのように賃上げを実現していくのか、そのことについて意見を申し上げ、政府の見解を求めたいと思います。 国際情勢の不安定化などによる物価高は世界的な傾向です。日本だけが違うのは、各国の賃金が上がっているのに日本だけが上がっていない、賃金が上がらないということ。そしてこれは、賃金上がらないのはここ最近のことではなく、もう二十年以上も続いているんだと。これまではデフレだったので余り大きく問題になっていなかったのかもしれませんが、この臨時国会の冒頭の岸田総理の所信表明演説でも、なぜ日本では長年にわたり大きな賃上げが実現しないのかということを言っていまして、そこにはやっぱり、好循環が機能しないという構造的な問題があるんだというふうにおっしゃっています。 大臣にお聞きします。なぜ日本では賃上げが進まないのか、政府の認識をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木俊一君) 柴先生がただいまお触れになりましたとおり、我が国では、一九九〇年代のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレによりまして、企業は投資や賃金を抑制をし、消費者も将来不安などから消費を減らさざるを得ず、結果といたしまして、需要が低迷をする、デフレが加速をする、企業が積極的に賃上げを行う環境が整わないということが続いたと考えております。 アベノミクスによりまして、デフレではない状況をつくり出しまして、二%程度の賃上げは実現をいたしました。ただ一方で、雇用者全体の一人当たりの賃金は、全体として雇用が増加する中で相対的に賃金水準の低いパートで働く方の比率が上昇したことなどを要因として、デフレではない状況でも賃金が伸び悩んでいると考えているところであります。 こうした中、長年にわたって大きな賃上げが実現しないという我が国の構造的な課題に対応するために、賃上げが高いスキルの人材を引き付け、企業の生産性を向上させ、それが更なる賃上げを生むという、そういった好循環が機能する状況をつくっていく必要があるんだと考えております。 政府といたしましては、こうした認識の下、今般の経済対策でも構造的な賃上げの実現に向けた取組を進めることとしているところでございます。
○柴愼一君 ありがとうございます。 失われた二十年がもう三十年というふうになっていますが、この間、バブルの後遺症、デフレからの脱出に向けて各企業が人をコストとして扱い、働くことの価値をおとしめてきたんだということ、就職氷河期もあり正社員の採用が極端に減ったと、子供の将来の夢が正社員というふうに言われていた年もあったというふうに記憶しています。多様な働き方という名の下に、非正規化、派遣労働の範囲を拡大し、人を安く便利に使ってきたことが日本だけが賃金が上がらない状況をつくってきたと、人件費を削減するのが良い経営者と評価されてきた、そんなこともあるというふうに思います。この状況を政治がつくり出してしまったんではないか。この状況を変え、どうやって好循環を生み出していくのか、そのための政策が求められているというふうに思います。 岸田総理は、物価高に負けない賃上げを経団連の十倉会長や連合の芳野会長などに要請をしています。労働条件の改善、賃金の引上げは、本来、労使自治、労使交渉で決定するべきものです。官製春闘とも言われ、これは安倍総理の時代から言われ始めたものですが、私自身、組合の役員として春季生活闘争、労使交渉に直接携わってきた者としては大きな疑問を感じていました。 労働条件改善に向けた労使交渉は、組合員の日々の努力や苦しい生活実態、企業の業績や成長戦略などを踏まえつつ、まさに真剣勝負、ぎりぎりの交渉の場であり、政府からの要請で賃上げが実現するようなものではありません。また、政府からの要請で賃上げをするんであれば、状況が変わって、給料高過ぎるんだと、賃下げしろと言われれば、その要請にも応えなければいけなくなってしまうんじゃないかというふうに思います。政府が行うべきは、労使交渉によって賃金、賃上げが実現できる条件整備、仕組みづくりです。 そのことを申し上げた上で、政府が求めている賃上げとは具体的にどのような姿を言っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。 コストプッシュ型の物価上昇が続く中、政府としては、来春の賃金交渉に向けて物価上昇を特に重視すべき要素として掲げ、これに負けない対応を労使に強くお願いしているところでございます。このため、民間企業の賃上げを支援する観点から、価格転嫁対策や中小企業の支援などに万全を期してまいりたいと考えております。 この際、賃上げ自体は、各企業の状況に応じて、御指摘のとおり、個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるものでありますけれども、経団連のようにベースアップを中心とした積極的な賃上げを働きかける動きがあることについては前向きに捉えております。 さらに、構造的な賃金引上げを進めていくため、労働者に成長性のある産業への転職機会を与える労働移動の円滑化、そのための学び直しであるリスキリング、これらを背景にした構造的賃上げの三つの課題の解決に取り組んでまいります。このため、リスキリングを始めとした人への投資の支援を五年で一兆円に拡充するなど、取組の抜本強化を図ってまいりたいと考えております。
○柴愼一君 賃金の引上げ、賃上げには様々な方法があります。労使も様々工夫しながらやっているということですが、年収ベースを上げるだけなら、一時金、ボーナスの改善でもそれが果たせます。しかし、今実現しなければいけないのは、ベースアップ、基本給の引上げだというふうに思いますが、そのような認識でよいか確認させてください。
○政府参考人(三浦章豪君) 経団連が言っているように、経団連のように、ベースアップを中心とした積極的な賃金水準の引上げを働きかける動きがあることについては政府としても前向きに捉えているということでございます。 一方、賃上げ自体は、各企業の状況に応じて個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるものであると、また、足下の物価上昇に対して賃金の総額の引上げも重要であるということから、物価上昇を特に重視すべき要素として掲げて、これに負けない対応というのを労使双方に強くお願いをしていると、こういうことでございます。
○柴愼一君 まあ、いろいろ言われて具体的にちょっとよく分からなかったんですが、文脈としては基本給の引上げが必要だというふうに思います。 労使交渉に携わってきた者としては、経営者は固定的な費用となる基本給の引上げには極めて慎重です。一時金、ボーナスは業績によって増減をしますが、基本給というのは増減するものではなく、今年調子悪いんで基本給下げさせてくれということはなかなかできないという固定的な費用となります。 バブル崩壊以降では、業績の向上分は一時金で応えるんだということでベースアップがほとんど実現してきませんでした。何とか定期昇給を確保するのが精いっぱい。中小企業では、もう俸給表、定期昇給の制度自体がないところも多いと、そんな状況です。しかし、今実現しなければいけないのは、そのハードルの高い基本給の引上げ、ベースアップの実現です。それを後押しする措置が必要だというふうに思います。 賃上げに向けた税制措置については、これまでも関係各位の真摯な議論により検討、実施されてきたものと認識しています。令和四年度においても、賃上げ促進税制として、継続雇用者の給与総額を一定以上、一定割合以上増加させた企業に対して、雇用者全体の給与総額の対前年度増加分の最大三〇%を税額控除できる措置が講じられています。 これらを含め、これまでに実施してきた賃上げ税制の効果についてお聞かせください。
○政府参考人(蓮井智哉君) お答え申し上げます。 御指摘ございました賃上げに係る税制に関する最新の適用実績、これは令和二年度の実績になりますけれども、こちらにおきまして、大企業と中小企業を合わせまして、件数約九万九千件、金額は約一千六百五十億円の適用実績となってございます。 御指摘のとおり、賃上げは税制のみならず企業収益や雇用情勢等に影響を受けるものでもございまして、税制の効果だけを取り出して経営者の賃上げ判断への影響を被ることですとか、税制の導入による賃上げの効果、こういったものを定量的にお示しすることはなかなか難しい面はございますが、本年七月に連合が公表された第七回春季生活闘争の回答の集計結果、こちらによりますと、三年ぶりに二%を超えた賃上げ率を達成されているということでございまして、税制も寄与している面があると考えております。 今後更に賃上げ水準のトレンドを上昇させるために、令和四年度税制改正において、御指摘のとおり、抜本強化をした賃上げ税制の活用促進を図るとともに、事業者の生産性向上に向けた取組に関する支援や価格転嫁対策など、取引適正化の強化にも全力で取り組んでまいります。
○柴愼一君 全く効果がなかったとは言っていないんですが、実際にどれだけの賃上げの効果があったのかというのは非常に分かりにくいんだということだと思います。 そして、賃上げがされている実態があったとしても、昨今の人材確保難もあって、初任給を中心に若年層の賃金引上げが中心となっているんじゃないかと。子育て世代や教育費負担の多い世代への賃金改善が置いていかれているという状況だと思っています。現在の物価高への対応に当たっては、若い人から中高年まで、全体の給与改善が必要だというふうに思います。 そして、今回実施された令和四年度の実施の制度については、具体的な効果についてはこの三月期、二〇二三年三月期決算に基づいて分かってくるということですが、具体的には、今年の春の春闘交渉で賃上げが実施されているその効果が出てくるものだというふうに思います。是非、個別企業にヒアリングや効果を把握する努力をしていただきたいというふうに思います。 そして、大企業向けの制度では、マルチステークホルダーへの配慮として、自社のウエブサイトに従業員への還元や取引先への配慮を行うことを宣言していることを適用要件としています。 宣言内容を公表したことを経産大臣に届ける状況になっていますが、その状況については把握されていますでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(蓮井智哉君) 御指摘のマルチステークホルダー方針についてでございますけど、これも、まさに適用年度ですね、令和四年度の事業年度が終わった後、四十五日以内に提出するということになってございまして、今のところまだ具体的にたくさん提出がされている状況ではございません。
○柴愼一君 ですから、結果論として給与総額が上がった、後出しにならないように、本来であれば、今回の春闘交渉、春の交渉の段階でそういう取組をして賃上げしたんだということを宣言させるというのが本当だったのかなというふうに思います。 これまでも様々な措置を講じてきたことは認めつつも、結果としては実質賃金は下がっている状況を脱していないということ。令和四年度改正の議論を横目ににらみつつ展開された今年の、二〇二二の春季生活闘争の妥結結果でその効果は一定程度分かっているはずだと、判明しているんだと言えます。結果として、物価高に負けない賃上げを今総理が要請しなければならない状況にあるということを確認したいというふうに思います。 政府が目指す構造的な賃上げに向けた実効ある措置が必要だということです。そして、それは労使交渉の結果として基本給引上げに資する制度が必要だということです。令和四年度の税制改正の議論においても、基本給の増加分、基本給の増加を要件とするべきとの議論があったというふうに認識していますが、いま一度このハードルの高い基本給引上げの労使判断にインセンティブを与える制度が必要です。 現在の制度は、二年間の時限措置であるということ、そして前年度からの増加分を対象とするので税額控除の効果というのは一年限りということです。そして一方で、効果は一年限りなんですけど、一方で、基本給上げたとしたら、その人件費負担というのは固定費、固定的費用としてずっと続くということから、やっぱり基本給引上げは経営者として判断しづらいものというふうになると思います。加えて、雇用者全体の給与総額の対前年度増加分を対象としていることから、一時金や時間外手当が結果として増えたということも含まれ、この措置の効果が分かりにくいというふうに思います。 そこで、目前に迫った来年春二〇二三春季生活闘争における労使交渉を後押しするため、恒久的な措置とすること、基本給引上げ部分については複数年での税額控除が受けられるなど、基本給引上げに対するインセンティブが働く制度とすることなどが必要だというふうに思います。恒久的な措置とするに当たっては、政府が目指す構造的な賃上げ、人への投資と企業の生産性向上の好循環を生み出していくため、法人税率の引上げとセットにした全体枠組みの検討が必要だと思います。大臣の見解、認識をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木俊一君) 賃上げにつきましては、先ほど来御答弁をさせていただいておりますが、成長と分配の好循環を実現していくために不可欠なものであると、そういうふうに考えております。 そして、もう既にお話にありましたけれども、令和四年度税制改正におきまして、賃上げ税制について、二年間にわたりまして企業の税額控除率を大幅に引き上げることといたしました。そしてまた、一定規模以上の大企業につきましては、従業員への持続的な還元などマルチステークホルダーに配慮した経営への取組を宣言すること、これを税制措置の適用要件とすることといたしました。 賃上げに向けて実効性のある税制措置、先生からいろいろな御提案もあったわけでございますが、政府といたしましては、まずは企業においてこの賃上げ税制を活用していただくこと、これが重要であると、そういうふうに考えております。もとより、税制、賃上げ税制を含む租税特別措置につきましては不断の見直しを行っていくべきものでありまして、必要性や政策効果、これをよく見極めながら必要な見直しを行っていきたいと考えております。
○柴愼一君 ありがとうございます。 令和四年度、今のこの措置の状況を見てから次の手を打つということでは、来年の春闘終わった後になっちゃうわけです。その状況を見てから次の手を打つのでは、まさにこれから始まる春闘の労使交渉を後押しすることができないということです。目指す賃上げが一年遅れることとなってしまいます。早急に検討に着手する必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど申し上げましたけれども、今の税制、この賃上げ税制、令和四年度税制改正において、二年度、二年間にわたって行うという租特の措置でございますが、先ほど申し上げましたとおり、租特措置につきましては不断の見直しを行っていくべきものであります。必要性、それから政策効果、それを見極めながら必要な見直しを行っていくというのが政府の基本的な考え方であります。
○柴愼一君 ありがとうございます。 もちろん、各労働組合は全力で労使交渉に臨みますし、企業の経営陣も現下の状況を踏まえて真摯に交渉に当たるというふうに思います。その上で、政府として実効ある措置を早急に検討いただくことが強く求められているということを重ねて申し上げます。 加えて、様々な制度を検討する場合にあっては、地方税としての法人事業税も含めて整合性あるものとする必要があるということも申し添えておきたいというふうに思います。是非前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 続いて、国民の安定的な資産形成に向けた取組についてお聞きします。 まず、私自身、私自身が金融所得課税の強化を図るべきとの基本姿勢を申し上げた上で、政府が打ち出している資産所得倍増プランとは具体的に何の、誰、どのような資産所得を倍増しようとしているのか、どのような姿を目指しているのか、お聞かせください。
○国務大臣(鈴木俊一君) 資産所得倍増プランでありますけれども、我が国の家計金融資産の半分以上を占めているのが現預金でございまして、この現預金を投資につなげることで、持続的な企業価値向上の恩恵が資産所得の拡大という形で家計にも及ぶ成長と分配の好循環を目指すものであります。そうして、そうした資産所得の拡大が中間層も含めた幅広い層に広がっていくこと、これが重要であると考えます。そのためには、少額ずつでも長期的な投資による資産形成を行っていくための環境を整備していくこと、これが重要であると考えております。 資産所得倍増プランにつきましては、本年末までに策定することとされておりまして、現在、新しい資本主義実現会議の分科会において検討が進められています。主な項目を申し上げますと、NISAの抜本的拡充、恒久化、中立的で信頼できるアドバイスの提供、金融経済教育の充実、国際金融センターの実現、顧客本位の業務運営の確保といった内容が検討をされているものと承知をしております。 金融庁といたしましては、貯蓄から投資を推進するため、資産所得倍増プランの策定に向けまして積極的に議論に貢献してまいりたいと考えております。
○柴愼一君 資産所得ゼロの人を幾ら倍にしてもゼロはゼロと。翻って、富裕層の資産所得を倍増しては格差は広がるばかりだということで、絶対に容認することはできないというふうに思いますが、金融所得課税の強化を前提として、賃上げ促進などの分厚い中間層の再構築を通じて、より幅広い層の安定的な資産形成を図っていく、日本経済の成長の果実をより多くの人が享受できる、そんなプランとすることを求めておきたいというふうに思います。 続いて、政府が進めてきた、今大臣もおっしゃられた貯蓄から投資、これ小泉政権時代からこう言われてきているということですが、思うように進まない現状について、問題意識、認識をお聞かせください。加えて、金融リテラシーや投資への積極度など、地域による格差が生じているのか、そのことについても認識をお聞かせください。
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、日本の金融家計、家計金融資産はその過半が現預金でございまして、アメリカ等と比較して株式や投資信託の保有割合が低くなっているということでございます。 その理由については、市場経済情勢の影響や家計のリスク傾向など、様々な要因が考え得るわけですけれども、現在、リスク性資産の保有に積極的と見られているアメリカにおいても、かつては家計の株式あるいは投資信託の保有比率は日本と同程度にとどまっておりました。しかしながら、その後、アメリカにおいては、家計の資産形成を支援する様々な政策的な対応、これを通じまして現在のような姿を実現したものだというふうに承知しております。 したがいまして、日本においても家計の安定的な資産形成を後押ししていく、こういう施策が重要なのであるというふうに考えております。 そうした中で、現在、国民の安定的な資産形成を実現するため様々な検討をさせていただいておるわけですが、この中に、金融庁としては、NISAの抜本的拡充や恒久化、あるいは国全体として中立的な立場から金融経済教育の機会提供に向けた取組を推進するための体制といったようなことを検討をしております。 他方、地域に関する、資産形成に関する情報提供や金融資産教育について、これまでも地域金融機関を含めまして民間の機関や業界において取組が実施をされているというふうに承知をしています。 特定の地域ということではなくて、全ての地域の国民に広く金融経済教育の機会を提供すると、こういうふうな観点から、こうした取組と連携をしていきたいというふうに考えております。
○柴愼一君 貯蓄から投資という表現自体にも問題があるんじゃないかというふうに思っていて、投資と聞くと、そんな知識がないんだとか投資自体が嫌いとか、そんな反応になるんではないのかというふうに思っていまして、資産形成の多様化とか、様々なちょっと工夫をされることも必要じゃないかというふうに思っています。 金融広報中央委員会が実施した金融リテラシー調査では、地域による格差というのは、各地域ごとの取組もあって有意な差は見て取れないというふうに言えます。一方で、投資に積極的な都市のランキングとかを見てみると、やっぱり大都市が上位に来るということ。ですから、これ金融リテラシーの差ではなく、取り扱う店舗へのアクセスのしやすさなどからこういう差が生じてしまっているんじゃないかというふうに思います。 国民の安定的な資産形成に向けてNISAの抜本的な拡充を検討されていますが、このアクセスのしやすさなどによる地域格差が生じることは大きな問題です。政府として、日本全国どこにいても安定的な資産形成を行える、そんな体制整備に向けた取組が必要です。そのことに対する見解、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、現在、国民の安定的な資産形成を実現するというために様々な施策を検討しておりますが、その中で重要なものとして、国全体として中立的な立場から金融経済教育の機会提供あるいは金融事業者による顧客本位の業務運営の確保と、そういったものについて検討しているところでございます。 こうした中においても、更に中立的で信頼できるアドバイスを提供するための仕組み、これも全体的に検討しているところでございまして、先ほども申し上げました民間の金融機関や業界との連携をしっかりと取りながら、国全体としての推進体制、これを検討してまいりたいというふうに考えております。
○柴愼一君 それぞれの地域でそんな体制、日本全国どこにいてもやっぱりそういう金融資産、安定的な金融資産の形成を行える、そんな体制をつくっていくためには、各地域の金融機関、もちろん郵便局も含めてですが、地域に根差した金融機関の連携が必要です。金融庁として連携体制の構築の支援をしていくことが必要だというふうに思います。 加えて、小口の積立て、つみたてNISAなどは、手間が掛かる反面、手数料水準が低いことから金融機関が取扱いに消極的になりやすいこと、そのことについても対応する必要があるというふうに思います。このことに対する認識をお聞かせください。
○政府参考人(堀本善雄君) 先ほどの民間の金融機関あるいは業界団体との連携強化、これは今回の我々の国全体としての推進体制を整備する、これの非常に重要なポイントになるんだろうというふうに思います。 そうした中では、当然のことながら、各地域にあります地域金融機関、これとの連携が非常に重要でありますし、加えて、様々なサービスを提供している金融機関の協力、理解と協力が重要だというふうに思います。 こうした推進をしていく中で、これらの民間との十分なコミュニケーションを図りながら連携して進めてまいりたいというふうに考えております。
○柴愼一君 全国どこでも安定的な資産形成の仕組みにアクセスできるよう、政府としての対応強化をお願いします。 貯蓄から投資が進まない現状の一因として、販売、取り扱う金融機関にだまされるんじゃないかとか、そんな金融機関に対する不信感を払拭していく取組も必要です。新たにNISA口座を開設する人たちには丁寧な説明が必要です。利用者目線に立った金融サービスの普及、顧客本位の業務運営を徹底することが必要です。 一方で、金融機関に過度の規制を課すということも、金融機関の負担を増やすことにもなり、体制整備の阻害要因となります。このことについての政府の見解をお聞かせください。
○委員長(酒井庸行君) 時間が来ておりますので、まとめてください。
○政府参考人(堀本善雄君) はい。 御指摘のとおり、安定的な資産形成を行うためには、金融事業者による顧客本位の業務運営を確保すること、これが非常に重要でございます。金融庁はこれまでも、顧客本位の業務運営に関する原則、これを策定をして、金融事業者とコミュニケーションを密に取りながら、顧客本位の業務運営に向けた取組を促してきてまいっております。 先ほど申し上げましたように、金融事業者による顧客本位の業務運営の確保に掛けた環境整備も今後検討してまいりますけれども、そうしたものも含めて、引き続き体制整備をしていきたいというふうに考えております。
○柴愼一君 金融所得課税の強化については、この後また別途求めていきたいと思います。 時間になりました。ありがとうございました。
○上田勇君 公明党の上田勇でございます。 先ほど大臣よりいわゆるFRC報告を伺いまして、この期間は特に大きな問題もなかったものと理解をいたしました。当面も大きな問題はないというふうには理解をしておりますけれども、まだ経済の動向というのは依然として先行きが特に不透明な面も多いわけでありますので、引き続き、金融システムの安定の確保に向けまして、金融庁としての万全の対応をお願いしたいというふうに思います。 今日は、金融情勢あるいは金融政策について何点か御質問させていただきたいというふうに思います。 まず初めに、いわゆる仮想通貨、暗号資産のことについてお伺いしたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事大家敏志君着席〕 最近、FTXという暗号資産交換業者の破綻に関して頻繁に報道されております。それの日本法人のFTXジャパンというのがあるということでありますけれども、においては、顧客の出金サービスが停止されているというような事態も起きていると。 FTXジャパンについて、国内の個人投資家などの顧客の被害等も含めた状況についてどの程度把握をされているのか、御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 このFTXジャパン社の利用者の資産につきましては、日本の資金決済法及び金融商品取引法に基づきまして、事業者は利用者の資産を事業者自身の資産から分別して管理、保全することが義務付けられておりまして、先般発出いたしました行政処分によりまして、このFTXジャパン社に対しまして、資産の国内保有、それから顧客資産を保全するとともに、会社財産を不当に費消しないということを求めております。 また、当社は資産超過の状態でございまして、利用者の財産も当社において管理、保全されていることが公表されているということでございまして、日本における利用者の保護は現時点で十分に図られているというふうに考えております。 現在はこのFTXジャパン社の出金サービスは停止されておりますけれども、これは米国でチャプターイレブンの申立てがなされたということなども関連しておりますので、当社におきましてこのチャプターイレブンの影響を確認するとともに、顧客財産の返還に向けた今後の対応策を検討されているというふうに承知をしております。 なお、金融庁といたしましては、顧客保護を第一にこのFTXジャパン社の対応を今後ともしっかり見ていきたいというふうに考えてございます。
○上田勇君 このFTXジャパンでは、その顧客の資産の保全は今のところ保たれていると。ただ、いわゆるアメリカにおける破産法の申請の関係でそういう障害は出ているけれども、顧客の安全は今のところ保全されているというふうに理解し、掌握されているということに理解をいたしました。是非、ここは引き続き、監督、モニタリングをよろしくお願いしたいというふうに思います。 金融庁の二〇二二年事業年度金融行政方針、今年の方針でありますけれども、には次のような記述があります。世界に先駆けて暗号資産等に係る制度整備、モニタリング等に取り組んできたとあります。これまでどのような取組をされてきたのかお伺いをしたいと。 そしてまた、昨年五月にはステーブルコインと言われている、比較的安定していると言われていた仮想通貨、USTの機能崩壊とか、それに伴ってルナというものの大暴落など、暗号資産に係る事件が頻発をしていると承知をしております。こうした状況を受けて、アメリカ、中国などの海外では監督の強化を含めた規制の見直し等についての動きもあるというふうに聞いておりますけれども、我が国として、今後の方針について御説明いただきたいというふうに思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、これまでの取組について申し上げますと、暗号資産につきましては、二〇一六年に法改正を行いまして、世界に先駆けて暗号資産交換業を登録制として、マネロン規制と一定の利用者保護のための規制を導入したところでございます。その後、日本の事業者において巨額の暗号資産の流出事案が発生をしたこと等を踏まえまして、二〇一九年に再度法改正を行い、利用者保護を強化するための制度整備を行ったところでございます。 また、この間、事業の急拡大に内部管理体制の整備が追い付いていない事業者に対しましては業務改善命令を出すなど、利用者保護の確保に努めてきたところでございます。 そして、我が国としての今後の方針はどういうことになるのかというお尋ねでございますが、この度のFTXグループの事案を踏まえた我が国の方針についてでありますけれども、FTXジャパン社の親会社でありますFTXトレーディング社につきましては、利用者の資産を分別管理せずに利用していたことや財務情報の開示が不十分であったことなどが指摘をされていると承知をいたしております。こうした点については、我が国では、先ほど申し上げましたけれども、制度整備を行う中で、暗号資産交換業者は、利用者の資産を事業者自身の資産から分別して管理、保全すること、財務の状況について外部監査を受けた上で毎年当局に報告し、かつ公表することなどが資金決済法及び金融商品取引法において既に義務付けられているところであります。 いずれにいたしましても、FTXトレーディング社にどのような問題があったのかについては、今後、海外当局等において検証されていくと思いますので、現時点で我が国の規制について見直しを行う必要があるかどうかにつきましては、予断を持って申し上げる段階にはないわけでございますが、金融庁としては、本事案を踏まえまして、課題について見極めながら、引き続き暗号資産交換業に関する利用者保護の確保に取り組んでいきたいと考えております。
○上田勇君 ありがとうございます。 このFTXの顧客というのがどういう人たちなのかというのも、まあ実態はなかなかよく分からないというのが本当のところなんだというふうに思います。そういう意味で、ここに一般の個人投資家などがその顧客となっているとすると、やっぱりそうした保護というのは重要だというふうに思いますので、引き続きそうしたモニタリングには、監督には十分留意をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 〔理事大家敏志君退席、委員長着席〕 次に、今度は、事業成長担保の制度についてお伺いしたいというふうに思います。 事業成長担保による中小企業等への融資についてでありますが、先日の当委員会では、政府として今推進をしている、経営者保証に依存しない中小企業融資やスタートアップの資金調達支援の重要性などについて取り上げさせていただきましたが、もう一つ、それとともに重要なのが、不動産などの有形の資産を担保とする従来型の融資から、事業価値やその将来性といった事業そのものや、また事業者の経営力、そういったものを評価する融資だというふうに考えております。 経済や産業の構造が大きく変化をする中で、革新的な技術とかアイデア、またサービスの新たなビジネスモデル、そうしたことをベースとした企業が、これからの日本経済、これは成長力を高めていくことが期待をされているところであります。 金融庁の先ほど言及しました金融行政方針にも、事業者支援のための、新たに事業全体に対する担保権の早期制度化ということが記述をされています。 十分な不動産担保などは保有してないけれども、成長の期待できる優れた技術やビジネスモデル、そういったものの無形資産を持っている中小事業者、特にこれから起業する、あるいは拡大をしていこうという事業者は多いんじゃないかというふうに思いますし、ただ一方で、資金調達に困難を来している、それが事業の成長の妨げになっているというケースも耳にしております。 こうした可能性の高い中小事業者に多様な資金調達の手段を提供する意義は大きいのではないかというふうに思いますが、改めて、この本制度の、今推進をしようとしているこの本制度の意義、またそれによって期待されている効果についてお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(井藤英樹君) 先生まさに御指摘いただいたとおり、成長の期待できる事業者が不動産などの有形資産などを持たなくとも必要な資金を調達できるよう、多様な資金調達の方法を提供していくことが重要だというふうに考えてございます。 事業成長担保権というものをまさにそうした観点から今検討させていただいているわけですが、この制度の導入ができますれば、金融機関が企業の事業性に着目した融資に取り組みやすくなることで、例えば企業の技術力を評価した融資など多様な取組が広がることを期待しているところでございます。
○上田勇君 ありがとうございます。 金融機関として、いわゆる有形資産ではなくて、事業の成長性を審査するということになりますので、そこには目利きの能力を養っていかなければならないことだというふうに思います。 また同時に、この融資をしている期間中、この企業が成長していくかどうかというのがまさにその融資が成功するかどうかということに懸かってくるわけでありますので、企業が必要としているそういった経営支援、それももっと適宜行っていくだろうという、そういうインセンティブも働くんじゃないかということが期待されるんじゃないかというふうに理解をしています。 そこで、ただ一方では、この技術、金融機関、いろいろと審査の目利きを養ったとしても、やっぱり技術とかアイデアなどのそういった価値を十分に理解できるのか、これはかなり難しいんだろうというふうに思います。それが不十分なまま過剰に経営に口出しすることになると、かえってその企業の成長を妨げるようになるということも、そういったリスクもあるんじゃないかというふうには思います。 これまで金融庁として、事業者を支える融資・再生実務のあり方に関する研究会、この研究会においてこの事業成長担保に関する議論を重ねてきて、去年、論点整理を改定、公表し、ちょうど今月からですかね、事業性に着目した融資制度を支える制度の在り方に関するワーキンググループの検討を始めたというふうに承知しております。必要な、ここのワーキンググループにおいても必要な検討を尽くしているのは当然でありますけれども、その上で早期に制度化していくべきであるというふうに考えておりますけれども、今後のスケジュールについて、今のお考えを伺いたいというふうに思います。
○政府参考人(井藤英樹君) 事業成長担保権の創設に当たりましては、労働債権ですとか商取引債権等を保有する他の債権者との優先関係など難しい問題もございまして、丁寧な検討が不可欠だというふうに私ども考えてございます。 一方で、本年六月に閣議決定されました新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画におきましては、スタートアップ等が事業全体を担保に金融機関から成長資金を調達できる制度を創設するため、関連法案を早期に国会に提出することを目指すとされてございます。 こうした難しい論点は多々ありますけれども、こうした閣議決定の趣旨も踏まえながら、私どもといたしましてはスピード感を持って検討していきたいというふうに考えてございます。
○上田勇君 是非そういったスピード感を持ってこれからも検討を進めていただきたいというふうに思います。 今御答弁にもあったんですけれども、この事業成長担保というのは、従来の担保というのは物権とか債権が対象になるわけでありますけれども、そういった担保制度とやっぱり大きく異なる、物がないわけでありますので大きく異なるわけでありまして、今若干お話もありましたけれども、担保権をどういうふうに設定をし、それを公示するという、していくのか、あるいは、今、先ほどにもありましたけれども、ほかの債権者との優先順位などの関係、あるいは、残念ながらその担保権が実行するといったときには、というような状況になったときには、その手続などもありますし、また、そうした手続等における従業員であるとか取引先とかという関係者とのその保護の問題、あるいは他の債権者の方の問題などという、いろんな課題はあるんだというふうに思います。 これから民法などの現行法制との関連で整理をすべき課題は多いんだというふうに考えておりますが、今のところ論点も整理はされ、ワーキンググループの検討が始まったわけでありますので、このワーキンググループで検討のベースとなっている、言わばたたき台のようなスキームについて、概要を御説明いただければというふうに思います。
○政府参考人(井藤英樹君) もう先生御指摘いただいたとおりであるわけですけれども、事業成長担保権につきましては、企業全体を担保として設定するということでございますが、そうした中で設定者や担保権のみならず、その他の債権者等を含む幅広い関係者の利害を適切に調整する必要があるということでございまして、本当に検討すべき論点は多岐にわたってございます。 例えば、先生も御指摘いただきましたけれども、担保権者の範囲について預金取扱機関というものはまず考えているわけですが、これ以外のその債権者をどうするべきか、あるいは公示の在り方について商業登記簿への登記でいいのだろうか、あるいは労働債権や商取引債権等を保有する他の債権者との優先関係をどのように取り扱っていくか、さらには事業価値を維持しつつ関係者間の公正な配当を実現するための実行手続の具体的な内容をどのように規定していくべきかなど、本当に多々の、たくさんの論点がございます。こうした論点につきまして、事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関するワーキング・グループで引き続き丁寧な検討を行っていくことが不可欠だというふうに私ども考えてございます。 一方で、この制度は是非早期に導入したいというふうにも考えてはおりますので、難題は多いんですけれども、是非ともスピード感を持って検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○上田勇君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいというふうに思います。 どうしてもかなり検討しなきゃいけない事項も多いですし、相当専門的な事柄が多いんだというふうに思います。とりわけ、その中でも、従業員とか取引先、その権利を保護するということも重要な視点であるというふうに思いますので、十分、各方面の専門家の方々からも十分議論をして、その上でやっぱりこの早期の実現を目指していきたい、いただきたいというふうにお願いをいたします。 もちろんこの経営者保証に依存しない融資もそうでありますし、こうした事業成長担保もそうなんですけれども、やはりこれから成長していこうという中小企業あるいはスタートアップの企業がいろんな形での資金調達ができる方法がやっぱりなければならないわけでありますので、是非この件も早期実現をしていただきたいと思いますし、もっとそういった企業が資金調達しやすい環境をつくっていく、そのために是非金融庁としても御努力いただきたいというふうに思います。これを是非お願いをいたしまして、時間となりましたので、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。 財政金融委員会での質問は初めてということになりますので、今日は政府への質疑ということですけれども、冒頭、ちょっとこの委員会のことでお話をしたいと思うんですけども。 私、日本維新の会のコロナ対策本部長をしていまして、今のテーマは、社会を、一刻も早く社会活動、経済活動を正常化していく、そのことを我々は一つのテーマとしてやっているんですが、このマスクですね、このマスクについては、もちろんこれは国会全体でのルールというのがあって、委員会でのルールというのがあるかと思うんですが、そろそろ、お話しされていない方がマスクをしてずっと座っているということは、これもう見直すべきじゃないかと思います。 まず、是非、さっき申し上げた国会全体のルールはありますけども、是非理事会でこのことは考えていただきたいと思いますが、委員長に申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(酒井庸行君) 理事会でその話は出ておりまして、順次協議をしておりますので。
○梅村聡君 是非よろしくお願いいたします。 よく言われるのは、国会がやっていたら、いつまでたっても国民は外せないと。まだ参議院はこれまだましなんですよ。この間、衆議院の財金委員会を見たら、鈴木大臣もマスクをしながら、答弁のときに衆議院はアクリル板に囲まれたおしゃれな電話ボックスみたいな中で、もう何をしているかさっぱり分からないと思いますので、よその院のことを言うのはあれなんですけど、是非国会全体としてはこれ取り組んでいく問題だということを皆さんと共有をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。まだ本論に入っていないのに拍手いただいてありがとうございます。 それでは、早速、今日、大臣に質問させていただきたいと思います。 まず、前半は消費税のことについて取り上げたいと思いますが、去る十月二十六日に、政府税制調査会では消費税が委員の間で話題となったという報道がなされています。この中では、複数の委員から消費税を引き上げる必要性についての意見が述べられたと、こういう報道があります。 もちろん、税制調査会、政府の税制調査会での委員の御発言ですから、それはまあもちろん自由だとは思うんですけども、少なくとも、この五%から八%への引上げ、そして八%から一〇%への引上げで何が起こったかといいますと、これはこの委員会でも指摘されていますけども、やはり民間の消費支出、これが悪影響、伸びなくなったと。その影響がいまだに残ったまま経済も本調子じゃないと。 そういう中で、自由な発言であるとはいえ、政府税制調査会でそのような議論がなされてメッセージが出ている。これは、やはり今物価高、高騰ですね、国民生活が非常に厳しい中でそのようなメッセージが出るということを大臣としてどのように受け止めておられるか、お答えお願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、政府税制調査会におきまして、これまでも、経済社会の構造変化等に応じたあるべき税制について中長期的な観点から議論を行い、その結果を答申として取りまとめてきたと承知をいたしております。 今回の議論も、前回の答申からもう既に三年余り経過をいたしましたことから、その間、グローバル化でありますとかデジタル化などのいろいろな面での進展がございました。それを踏まえて中期的な観点からの御議論が行われているということでございます。そして、消費課税のみを議題としているわけではなくて、個人所得課税、法人課税、国際課税、納税環境整備などの税体系全般にわたっての議論や意見交換が行われているものと、そのように承知をいたしております。 先般の消費課税を議題とした会議においては、政府税制調査会の役割でもある中長期的な観点からの議論の中で御指摘のような御意見もあったと、そのように報告を受けております。国民の皆様には、それによって様々な受け止めがあると、そういうふうに思いますけれども、いずれにしても、政府として将来の消費税の在り方について具体的な検討を行っているわけではないということ、これはこれまでも答弁の際に申し上げているとおりでございます。そういうことで御理解をいただければと思います。
○梅村聡君 現在、具体的な検討を行っているわけではないという御答弁だと思いますが、やはり国民との温度感というのは非常に大きい話なんだと、そういうことは是非御理解をいただきたいと思っております。 そんな中で、我々日本維新の会も十月二十一日に、物価高、物価高騰等に関わる総合経済対策ということで、我々も提言書を出させていただいております。その中では、やはり短期的には、この今の国民経済あるいは物価高に対しては一時的に消費税を減税していくべきだという、そういう申入れをさせていただいているんですが、一方で、そのときの反論としては、いや、消費税は社会保障に関わる四経費に使われているものだからそう簡単には減税ができないんだと、まあそういう反論というのは当然出てくるわけなんですが、今日、改めて、消費税が本当に社会保障に充てられているということができているのかどうかということ、これをちょっと今日は御質問をしたいと思っております。 私が、消費税が、社会保障の四経費、年金、医療、介護、そして少子化対策、ここに使われている証拠はどこにあるのかというと、まあ二つほど考えられるんですね。一つは、毎年の予算総則に書かれてあると、これが一つであると。それからもう一つは、消費税法第一条の二項ですね、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとすると。まあ文章ではこの二つだと思うんですけども、これ以外に、消費税は社会保障費に使われているという証拠というか国民への説明があれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村英正君) お答えいたします。 消費税につきましては、委員おっしゃるように、急激な高齢化を背景に社会保障給付費が大きく増加するということがございますので、国民が広く受益するこの費用をあらゆる世代が広く公平に、そして安定的に分かち合うという観点から、いわゆる今おっしゃられた社会保障四経費に充てることとされております。 仕組みといたしましては、今委員がおっしゃいましたとおり、消費税法第一条第二項の規定、また毎年の一般会計の予算総則におきまして、明示的に消費税をこの社会保障四経費に充てるということを、そういう仕組みとしております。 その下で、分かりやすく国民に対しても説明していきたいと、引き続きしたいというふうに考えております。
○梅村聡君 だから、まあ紙には書いてあるけども、じゃ、実際にどうやって充てられているかということは、まあよく分からないというか、法律上はそうなっているということだと思うんですけども、これ現状追認だと思うんですね。大体、今の消費税収、地方と国合わせて令和四年度当初で二十七・五兆円と。社会保障四経費が四十五・三兆円ですから、要するに、社会保障経費の方が消費税より高いから、だからバーチャルとしては全部入っているでしょうという、そういう後追いの説明なんじゃないかなと、国民側はそう思っているわけなんですね。 じゃ、逆に、じゃ、この場合はそういう説明でいくと思うんですけども、仮に何らかの経済変化があって社会保障経費を消費税の方が上回った場合、この場合、じゃ、一体どうなるのかって議論もこれ同時にやって初めて社会保障費に充てられていると言えるんだと思います。 それで、実はこの議論は、令和三年二月に衆議院の財政金融委員会で実はこの議論をされていまして、このときの政府の答弁は、消費税収に余りが生ずるというような事態は想定をされていないと。だから、社会保障四経費を消費税が上回るということは想定していないんだけども、もし仮にそういうことが起こった場合は、今の法律であれば必然的に繰り越されると。だから、翌年に、消費税が上回った、社会保障四経費を上回った場合は繰り越されて、それは四経費以外には使えないものとしての性質は引き継がれていくことということだと思いますと、こういう答弁があるんですけども、まず、この答弁が正しいのかどうかという、今日、確認と、そして、でも繰り越されたら、それは余剰金ですから消費税じゃないんですよ。翌年になったら消費税じゃないですよね。そうしたら、今の第一条二項、ここに書いてある消費税は社会保障に充てられるという話は余剰金に対しては適用されないはずなんですけども、ここの整理というのは国民に対してどう説明をするのか、お答えをお願いしたいと思います。
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。 消費税法第一条第二項では、先ほどもお触れいただきましたが、この消費税収の使途につきまして、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費、いわゆる社会保障四経費に充てることとされておりまして、他の経費には使われないこととされているところでございます。 その上で、現状を申し上げますと、令和四年度予算におきましては、国の社会保障四経費は三十二・二兆円であるのに対しまして、地方交付税分を除いた国分の消費税収は十七・四兆円となっておりまして、社会保障四経費が消費税収を大幅に上回っている状況にあり、消費税収が社会保障四経費を上回ることが想定される状況にはないということは前回御答弁申し上げたとおりでございます。 その上で、仮にその剰余金が生じた場合についてのお尋ねでございますが、まず、消費税収については、消費税法第一条二項において社会保障四経費に充てられることとされており、現在、四経費が税収を大きく上回る状況にあるということは申し上げたとおりでございます。 したがいまして、御指摘のような事態は想定し難い状態ではございますが、仮定の話としてお答えするとすれば、消費税収が社会保障四経費を上回る部分につきましては、消費税法第一条第二項の趣旨に鑑みまして、翌年度以降の社会保障四経費に充てるような取扱いをその際には検討していくべきものではないかと考えられます。これは前回御答弁したとおりでございます。
○梅村聡君 そういう事態が起きたときには、そこで改めて検討をするということですから、少なくとも現時点では、じゃ、四経費を消費税収が上回ったときに、必ず翌年以降の社会保障四経費に使われるということは法的には現時点では担保されていないことなんだというふうだと思います。 ですから、何が申し上げたいかというと、やっぱり今これだけ国民生活が疲弊をしていて、そしてまた経済的にも、アクセルとブレーキを両方踏むのがどうなのかという議論がある中で消費増税の話が出てきて、で、経済対策として消費税減税をやろうといったときに、いやいや社会保障四経費に充てるものだから下げれないよという話だけで、それ以上の議論が進まないということが、私は、社会保障四経費を人質にしてその議論が封じられているということに問題意識を持っているということを、是非これ御理解をいただきたいと思います。何か社会保障を悪者というか、これがあるから消費税の議論ができないんだというのは、私はそれは、何ていうか、国民は理解しにくいんじゃないかということを是非皆さんに考えていただきたいと思っております。 ちょっと、話題もう一つ行くんですけれども、交際費課税制度、租税特別措置なんですけども、これについてちょっとお伺いをしたいと思います。 本当は、今日、宮沢先生がおられたら更に聞いていただきたいなと思っていたんですけども、企業における交際費については、これ企業会計上は全額費用だという扱いになっておりますけども、法人税の計算においては、これ、損金に扱える金額っていうのは制限をされています。もちろんこれ、損金算入は拡大する方向で検討が進められてきておりまして、現実的にはそういうふうにされてきました。 今日、資料をお配りをしておりますけども、損金に算入できる範囲としては、平成十八年には交際費等の範囲から一人当たり五千円以下の飲食費を除外したと。ですから、この資料でいえば左側の部分になると思いますけども。それから、平成二十五年には、中小企業の定額控除限度額が六百万円から八百万円に引き上げられたと。平成二十六年には一人当たり五千円を超える飲食費の半分までは損金に算入できるようにするということで、損金に算入できる交際費を徐々に拡大はしてきているんですけども、これ、この制度ができたっていうのは昭和二十九年、一九五四年ですから、もう七十年ほど前になります。 改めて、こういった交際費を損金に算入できないようにしている、これ、趣旨はそもそも何なんでしょうか。
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、このいわゆる交際費課税制度につきましては、昭和二十九年度に乱費の抑制などの観点から創設をされたものでございまして、現在もその趣旨は変わっていないわけでございます。 その上で、特例といたしまして、先ほど御説明いただきましたように、現在では、例えば資本金百億円以下の企業について、飲食費の五〇%までの損金算入を認めるなど、一定の損金算入を認める改正が行われてきているところでございます。
○梅村聡君 今の御説明だと、要は企業がもうけたときとか、そういったときに無駄金というか無駄遣いを会社にさせないためにこういう制度をつくったということなんですが、これもう今会社は、正直コンプライアンス、監査制度、こういったものが、もう世の中、昭和二十九年に比べたらはるかに今できるようになってきています。そういったときに、会社が無駄遣いをするからこういった税制をつくっているというのは、僕はもう正直、余計なお世話なんじゃないかというふうに正直思います。 それから、どっちかというと、今企業は内部留保がどんどん積み上がっている。これに対してどうするんだという議論がしている中で、交際費をとにかく使い過ぎたら課税するよという制度というのは、私は、もうこれ歴史的にはやはりなくしていくべきだというふうに思います。今の経済政策見ていても、今、ちょうどいい時期なんですね。今、コロナから飲食店やあるいは観光業が立ち直ろうとしているときに、全国旅行割とかそれからGoToイートと。でもこれ、税金を要するに真水で出しているわけですよ。これ、いつまでもできるわけではないと思うんですね。いつかこれは社会活動を正常化させてお金が回るところに変えていかなければいけないにもかかわらず、一方で、アクセルとブレーキじゃないですけども、税制上は企業はいまだに交際費ちゃんと使うことができない。 ここをやっぱりなくしていくこと、私は、最終的にはこの交際費課税というのはなくしていくことによって経済が回るようにしていくべきだと思いますし、少なくとも損金算入ができる範囲を拡大することで、コロナ禍を抜け出した後の経済政策あるいは景気対策に資するような税制に私は変えていくべきだと思いますが、財務省の見解、お伺いしたいと思います。
○副大臣(秋野公造君) 交際費の課税制度につきまして御提案をいただいたところであります。 現在の仕組みにつきましては、先ほど政府参考人の方から御答弁をさせていただいたものでありますけども、今後の交際費課税の在り方につきましては、一つ目に大多数の中小企業が損金算入の枠を使い切れていない状況であるということ、二つ目に本制度による企業の交際費支出の判断に及ぼす影響、三つ目に財政的な影響と、こういったものを踏まえながら慎重に検討をしていく必要があると考えているところでございます。
○梅村聡君 時間が来たら終わりますけども、確かに中小企業がその枠を使い切れてないと、そういう現状はあると思いますが、一方で景気は気なので、やっぱり楽しくそして元気よくお金を使っていただく制度を用意して景気を盛り上げていく、まさに気が大事だと思いますので、こういった税制が残っていること自体がいろんな人の気を暗くしてしまう。 だから、私は、ぱっと明るくコロナ後の経済を活性化していく、このことを提案申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 今、梅村さんが交際費課税の話してましたが、副大臣はお帰りになったので、大臣、後でお伝えいただきたいんですが、今の枠が使い切れてないので梅村さんの提案は必ずしも適切ではないという、いかにも財務省ロジックなんですよ。今の枠を使い切れてないということは、その先を決めている税制は不要だということですよね。だから、枠を取って物すごい使われ方をし始めたら、それはちょっと行き過ぎじゃないですかって改めて考えればいいものを、今の枠は使われてないから税制の見直しは必要ないというのは、もう本当に、もう古典的な財務省のロジックだと思いますので、後でよく御議論をいただきたいと思います。私も梅村さんに賛成です。 さて、今日は、FRC報告で金融機関の経営にそう問題はないという御報告を受けたんですが、一方で、為替や金利が乱高下し始めていて、九月末の地銀九十八行の国債と外債の含み損は二・三兆円と、半年で六倍になったって、こういう数字も出てます。 まず金融庁にお伺いしたいんですが、簡単で結構なんですけども、今後、こういうマーケットの乱高下が起きると金融機関経営にどういう影響が出るか、現状の認識を聞かせてください。
○政府参考人(栗田照久君) 金利ですとか為替の変動が金融機関の経営健全性に与える影響につきましては、これはプラス面、マイナス面、様々あって、一概にこうだということを申し上げるのは非常に困難なわけでございますけれども、現下の情勢の下でも、日本の金融機関は総じて充実した資本基盤を備えておりまして、金融システムは総体として安定していると評価しておりますけれども、当然、今後どのような動きがあるかよく分からないところもありますので、その辺は注意深く我々としても見ていきたいというふうに考えてございます。
○大塚耕平君 是非注意深く見ていただきたいと思いますが、前回の委員会で日銀の方からは、今後、出口戦略考えるときには、金利を正常化するか、あるいはバランスシートを正常化するか、手段は二つあって、どっちからやるかというのはその時々の判断ですという、理事からそういう御答弁があったんですが、一応確認なんですが、ということは、金利から先に引き上げていくような、こういうオペレーションも頭の中にはあるという理解でいいですか。
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。 まず、出口戦略について具体的に御説明するのは時期尚早だと申し上げた上ででございますけれども、御指摘のとおり、出口の際には長短政策金利の調整、それからバランスシートの調整、この二つがポイントになるということでございます。 その順序、組合せ、その他につきましては、前回申し上げましたとおり、その時々の経済、物価、金融情勢に応じて異なるということでございまして、御指摘のように、その政策金利の引上げを先行させるという選択肢も、それは現時点では排除されないというふうに思っております。
○大塚耕平君 ちょっと事実関係を確認させてください。実務の責任者に来ていただいていますので。 ということは、頭の体操ですけども、仮に金利から先に上げた場合に、これは今のマーケットの状況からすると、やっぱり国債には売り圧力が掛かると思うんですね。そうすると、さっき冒頭申し上げましたように、今の民間金融機関、それなりに債券いっぱい持っていますから、含み損につながる可能性もあるので、そういうときには、一方ではやっぱり債券を買い支えるという公開市場操作も必要になってくると思いますが、理屈の上ではそういう理解でよろしいですか。
○参考人(内田眞一君) マーケットの状況、それから経済、物価の状況に応じて必要な金利水準というのは決まってくるというふうに思いますし、当然のことながら、金融市場の安定ということは出口を考える際に最も重要なポイントの一つというふうに思っております。
○大塚耕平君 一応、私の方からお伝えをしたいのは、そういう操作が仮に必要になった場合には、前回も申し上げましたが、片方の手で金利引上げをやりながら片方の手では国債を買い増すということは、バランスシートは膨らませるということをやることになりますので、かなり矛盾が生じますよということはお伝えしておきます。 その上で、日銀は、そうすると、時々日銀がすごい含み損を抱えるという議論を聞くんですが、それは、日銀は償却原価法だと思うので、日銀が国債の含み損を抱えるということはないという理解でいいですか。
○参考人(内田眞一君) 会計上は償却原価法ですので、直接いわゆるPLをヒットするということはないということでございますが、含みということであれば、私どももその時々の含み益、含み損というのは、債券につきましても、それからETF等々につきましても公表しておりまして、その限りにおいては含みでは計算できるということだろうと思います。
○大塚耕平君 先週か先々週か、「日曜討論」に出られたエコノミストの方が、日銀には含み損が発生することはないので日銀の財務が毀損することはないと、日銀の財務が毀損すると言っている人は間違いですという発言をされた方がいて、結構私のところにも質問が来るんですよ。 だから、私が申し上げているのは、償却原価法を使っているという意味では決算に影響することはないかもしれないけど、マーケットはまず含み損を、それは理解しますよと、持っているということで、そういうことなので、まずそこは、事実関係はそういうことですと説明しているんですが、この説明はこれでよろしいですか。
○参考人(内田眞一君) 御指摘のとおりで、決算における会計処理の問題と、その下で生じるいわゆるマーク・ツー・マーケットでの評価、これは別な話ですので、当然、両方ともマーケットにおいて考慮されることはあるということだと思います。 ただ、中央銀行の財務というのは、一般の会計原則といいますか、一般の企業とはやはり違いまして、シニョレッジが存在するということですとか、それから円で我々政策をしておりますので、全く一般の企業と同じように考えるということは、これはこれでどうかなというふうには思います。
○大塚耕平君 後段の部分は理解できます。 それで、今日、浅尾委員が日銀の預金の話をしてくれたんですよ。現状、四百数十兆、約五百兆なんですけども、つまり日銀の財務の毀損の話は、債券の話ではなくて実は預金の方の話だということをちょっと確認させてほしいんですが。 例えば、頭の体操ですけども、一%利上げをすると、日銀の持っている預金にも当然利息が掛かるわけなので、五百兆だとすると年間五兆円の支払増になるという理解でいいですか。
○参考人(内田眞一君) もちろん、どの部分に付利をしていくのかということが問題になりますので、当然、準備預金の対象とならない部分に掛かってくるということでございます。 利上げをしていくということになりますと、そこに対する付利をしていくことで、大きなバランスシートの中で利上げをしていきますので、短期金利の方は支払が立つと。一方で、長期の方は既に我々が持っております長期国債あるいはETF、こういったものからの収益になってくるというふうに考えております。
○大塚耕平君 今後のために今ちょっと実務的な話をさせていただいていますので大臣には是非聞いておいていただきたいんですが、もう理事の説明のとおりですので、どの部分に付利をするかということはそのときの政策としていろいろ考えなきゃいけないんですが、今の仕組みだと、ざっくり五百兆、準備預金は僅かですからね、ざっくり五百兆とすると、仮に二%利上げをすると一年間で十兆円の日銀としては支払増になるんです。日銀の最広義の資本金、準備金まで入れた資本金は、ちょうどその十兆ぐらいなんですよ。ということは、二%の利上げをすると、オペレーションの仕方によっては一年間で日銀は債務超過になるということでありまして、「日曜討論」であるエコノミストの方がおっしゃったのは前半の話なんですよ。 後半の話というのは、これは今後、財政当局と日銀と、今日アコードの話も出ましたけども、いや、本当にきちっと詰めていかなきゃいけないと私も思っています。 まあ、まだそんな状況ではありませんので、すぐその事態がやってくるかどうかは分かりませんけれども、そろそろそういうことに対する認識を共有する時期に来ていて、浅尾さんが紹介をしていただいたのは政府と日銀のアコードなんですが、これ、今後は議会と政府のアコードが必要になってくると思います。 この金融政策と財政運営に関しては、まあ言わば政争の具にしないと、一定のストーリーに基づいて我が国は十年計画でこうしていきますと。もちろん、ある程度のアローアンスの幅は持たせた方がいいと思いますので、その中での日銀の操作はできるにしても、一定のストーリーは共有する必要があると思うので、私は今後政府と議会の間のアコードが必要になってくると思っています、財政金融に関しては。 その上で、最後に財務大臣にお伺いしたいんですが、日銀総裁は続投の御意思はないとおっしゃったので来年三月にはどなたかに替わるわけですが、私はもう次の日銀総裁は、金融の理屈とか、私は理論的にこうなると思いますとか、そんな答弁を国会でとうとうとされるもう局面ではないと思っていますので、次の日銀総裁に要求されるのは、政治力、いい意味での政治力ですね。ちゃんと議会と向き合う、各政党と向き合う。それから、胆力。もちろん、国際マーケットと向き合うと。 いろいろ考えると、非常に発言が安定的であること、信頼性があること、そして奇をてらったことを言わない。いろんなことを考えると、しかも財政のことが分かっているというメッセージを考えると、昔、日銀総裁を一緒にやった財務大臣は高橋是清さんがいたわけですが、まあ総理大臣もおやりになりましたけども、私は、これは私の勝手な思いですけども、例えば財務大臣が日銀総裁をおやりになるというのも一つの私は、これは同時にじゃないですよ、例えば、大変僣越なことを申し上げますが、鈴木大臣が日銀総裁にお就きになるというのも、私は、この局面、これは元日銀職員と今の財政状況を二十年間見てきた立場からすると、あっていい話だと思っているんです。 大変僣越なことを申し上げましたが、高橋是清さんのそういう例もありますし、今後の日銀総裁の在り方について、財務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 来年の春ですね、今の総裁の任期がやってくるということでございます。今の時点で私からお答えすることができるのは、その時点において、今、大塚先生がおっしゃられた条件等も含めて、総合的に最もふさわしい人を充てていくということだと思います。 もとより、日銀総裁人事は国会同意人事ですから、政府としてベストと思われる人を国会にお示しをして、そしてそれを国会でお認めいただけるかどうかということだと思いますので、ベストの方を御提示できるように政府としてしっかり対応しなければいけないと、こう思っています。
○大塚耕平君 大変安定的な御答弁で、次の日銀総裁には、発言が物議を醸すことのない、本当に安定した、財政のことも分かっている方に是非やっていただきたいと申し上げて、質問を終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 所得が一億円を超えると所得税の負担率が下がっていくという、一億円の壁の問題、これ、大門実紀史議員が初めて取り上げて、今や政府税調でも大きなテーマとなってきているわけです。この一億円の壁、大臣、税の公平性を保つという点でも税収を確保するという点でも、私はなくしていくべき壁だと思いますが、大臣、どう認識されていますか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生から御指摘がございました一億円の壁でございますけれども、まず、税負担の公平性を確保するという観点から、社会保険料も加味をいたしますと、かなりの高所得層の負担率の方が低所得者層よりも低い状況にありまして、所得税の負担構造として問題があるといった趣旨の御意見などが政府税制調査会においてもあったということを報告を受けております。 この問題につきましては、令和四年度与党税制改正大綱においても、税負担の公平性を確保する観点から、市場への影響も踏まえた上で総合的な検討を行うこととされておりまして、今後、与党税制調査会において幅広い観点から御議論をいただくものと承知をしております。政府としても、そうした御議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと思っております。
○小池晃君 今も御答弁ありましたが、資料一でお配りをしておりますけど、今回は初めて、十月四日の政府税調に新たに所得税に社会保険料を合算した負担率のグラフというのが出されております。 財務省にお聞きしますが、何で社会保険料を合算されたのか、合算した結果と、そこから見えてくる課題というのをどうお考えか、お答えください。
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。 今お示しいただきましたこの資料の①でございますが、この資料につきましては、九月の政府税制調査会の審議の際に、一億円の壁の問題に関連いたしまして、政府税調の委員の方から、高所得層の実態がどのようになっているのか、これについてしっかり把握するため、今後その議論を進める上でより詳細なデータの提示が必要ではないかという御意見がございまして、この御意見を踏まえまして、本年十月の政府税制調査会に様々な資料を提出させていただきましたが、その中の一つとして提出したものでございます。このデータ自体は、国税庁の申告所得税標本調査のデータから既に公表されているデータが基になってございます。 〔委員長退席、理事大家敏志君着席〕 この資料につきまして、政府税調において事務局から、所得税と社会保険料はその趣旨が異なっているという点については留保申し上げた上で、これらを合わせた負担感を比較いたしますと、低所得層を含む多くの納税者の負担率よりもかなりの高所得者層の負担率の方が低くなる状況が生じているといった点を事実関係として御説明申し上げましたが、これにつきまして委員の方々から、社会保険料については給付と一体として考えられるべきものであり、所得税は異なっている点には留意はすべきであるという御指摘があった一方で、社会保険料も加味するとかなりの高所得者層の負担率の方が低所得者層よりも低い状況にあり、所得税の負担構造として問題があるといった趣旨の御意見があったところでございまして、こういった点も踏まえて、国民的な議論が必要な課題であるというふうに考えております。
○小池晃君 これ、負担率見ますと、超富裕層といいますか、そこの負担率が逆にその中低所得者層より低いという数字も出てきているわけだし、中低所得者というか、一千万円ぐらいまでも含めてこれがかなり高止まりしちゃっているという、この負担率が、超富裕層に比べるとですね。非常にやっぱりいびつな構造があるということが見て取れると私は思うんですね。 これ、中低所得層の負担率が高めに出ているのは、これ社会保険料、特に定額である国民年金、これ申告納税者ですから、やはり国民年金の保険料定額ですし、それから国民健康保険料は人頭払いの要素強いですから、非常にやっぱり逆進性が反映しているという面もあると思うんです。 大臣、やっぱり社会保険料の逆進性については、これは厚生労働省を始め政府全体としても課題を共有して、是正を図るべきだというふうに思われませんか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 社会保険料につきましては、今、小池先生から御指摘がございましたとおり、例えば国民年金の保険料が定額負担であるということなど一定の逆進性が存在をすると理解をしておりますが、一方で、国民年金や国民健康保険の保険料については、所得に応じた免除でありますとか軽減の制度が設けられておりまして、所得の低い方々に配慮した制度になっているという点も考えなければいけないと思います。 社会保障制度の持続可能性を確保するためには、受益と負担のバランスを確保しつつ、国民の負担を適正で負担可能な範囲にとどめることが重要であると考えておりまして、厚生労働省など関係省庁とも連携をしながら、能力に応じて皆が支え合う持続可能な社会保障制度を構築していくこと、これが大事であると思っております。
○小池晃君 いろいろと減免した結果こうなっているわけですからね。私は、これ適正な負担だとは思えないんですよ。やはり、これだけ富裕層よりも中低所得者の方が負担率高いって、これ適正だと思われますか。
○国務大臣(鈴木俊一君) まさに、そういう点が財政審議会でも議論になっているということでありますので、あっ、政府税調ですね、失礼しました、政府税調でも議論になっているということでありますので、そうした議論をしっかりと注視していきたいと思います。
○小池晃君 それからもう一点、資料の二を御覧いただきたいんですけど、これは政府税調に出された米国、英国の所得税負担率のグラフなんですね、これも初めて出されたわけですけど、これ見ますと、このグラフを見る限りですよ、限りではですよ、これ一億円の壁のようなものは余りない。高額所得者の負担率、比較的高い水準で維持されていると思うんですが、財務省、これ、どうしてこういうふうに、米国、英国はこのようなカーブになっているんでしょう。
○政府参考人(住澤整君) お示しいただいておりますこの政府税調の資料でございますが、米国につきましては、日本円で申しますと十・九億円以上のところでブラケットが切れておりまして、英国につきましては二・八億円以上のところで切れているということでございますので、我が国に関連してお示しいただいた①の方のように、五十億とか百億とか、こういったブラケットまで示されているわけではございませんので、ちょっと比較する上でのこのデータとしては若干不足があるというところかとは思いますが、他方で、この四角の中の、米国、英国の制度についての説明がございますが、ここで株式の譲渡益についての課税として、米国の場合は、ニューヨーク州の場合、最高で三四・八%までの課税がなされているといったような点については留意する必要があると考えております。
○小池晃君 ここから先はデータがないので分からないというのは、それはそうなんだけども、やはり、これキャピタルゲインに対して累進的な課税をしていることであるとか、英国などはこれは総合課税的な掛け方をしている部分もあったりする。 私ね、大臣ね、この一億円の壁、解決しなきゃいけないと思っていますし、その点では、このままやれとは言いませんけども、やっぱり米国や英国がやっているような取組というのは、これ参考にすべきではありませんか。 〔理事大家敏志君退席、委員長着席〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 十月四日に開催されました政府税制調査会におけるいわゆる一億円の壁に関する議論の中では、諸外国の制度も踏まえた御意見というものもあったと報告を受けております。その中で、例えば、分離課税について所得全体で見た上で累進化を導入する段階課税の考え方は一つの参考になるといった御意見もあったとのことでありました。 いずれにいたしましても、いわゆる一億円の壁の問題については、今後、政府税制調査会のみならず、与党の税制調査会において幅広い観点から総合的な検討が行われるものと承知をいたしております。政府としても、そうした議論を踏まえて対応してまいりたいと考えます。
○小池晃君 それから、最後、資料の三、見ていただきたいんですけど、これも政府税調に出た資料ですが、フランス、一般社会税ですね、これ、給与だけでなくて金融所得にも課税されて、全額がこれはもう必ず疾病、年金、介護などに給付されると。規模は、二〇一九年決算で十五兆六千億と。 社会保障というと消費税、消費税って一本やりなんですけど、我が国財務省は。私は、こういう、低所得者に負担の重い消費税ではなく、フランスのように直接税をやはり社会保障目的税とすると。まあ、これもこういうやり方をそのままとは言いませんが、こういった考え方もやはり検討すべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 社会保障制度を支える財源といたしましては、各国それぞれの事情に基づいて定められているものと考えておりますが、急速な高齢化等が進行する我が国におきましては、負担が特定の世代に集中せず、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定していることから、消費税が社会保障に係る経費を賄うための財源としてふさわしいと考えているところであります。 したがいまして、現時点におきまして、御指摘のように、社会保障財源を確保するために所得税において新たな税の枠組みを創設することは考えておりませんが、安定的な税収基盤を確保するため、引き続き税体系全般の見直しを進めてまいりたいと思っております。
○小池晃君 もちろん、私も今すぐこういうことをやれと言っているわけじゃないんですね。やっぱり、将来、この社会保障の財源を考えていく上で、今みたいに消費税しか考えないということでいいのかという問題提起をさせていただいたということです。 消費税は増税し、法人税は減税し、所得税を最高税率引き下げてきたと、これが内部留保を増やして格差拡大してきた、デフレを長引かせた最大の原因だというふうに思います。前回、内部留保課税をこの委員会で求めまして、まあ大臣いらっしゃらなかったんですけども、やっぱりこういう税制改革の最重要課題として、この一億円の壁、この問題の解決ということを進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は、相続税について質問をいたします。 三つの基幹税、つまり消費税、所得税、法人税については、もう今日もそうですけども、至る所でいろいろと議論になりますけども、この相続税については世論も含めて余り話題になることがありません。ただ、社会における格差の固定化、そして富の世襲化を回避する上でも、私は、この相続税の抜本的な見直し、平成二十五年の見直しでよしとするのではなくて、国としての理念や方針を含めた本格的な議論を進めるべきだと考えています。たまたま親がお金持ちだった、又はその逆だったということで子供たちの将来が決まってしまう、同じスタートラインに立てないというのは、やはり社会の在り方としておかしいと思います。 まず、この相続税ですけども、令和四年度予算では、その税収規模は二兆六千億円となっています。最も大きな税収源である消費税、先ほどもありましたけども、地方分も含めて二十七兆円を超える金額ですから、今の相続税は決して大きいものではありません。 そこで、その相続税の税収規模、何とか拡大できないものかということで、その可能性について考えてみたいと思います。 年間でお亡くなりになられる方、つまり被相続人となり得る方は毎年百四十万人弱になります。このうち、実際に相続税が課税される被相続人の割合は全体の僅か八%程度となっています。つまり、ほとんどの方は相続税を支払っていないということになります。 これ、基礎控除の額が大きいためだと認識しています。基礎控除は今、三千万円プラス六百万円掛ける法定相続人数で算出されます。仮に、配偶者とお子さん二人を残して亡くなった場合には、四千八百万円までは簡単に言うと税金が掛からないということになります。 そこでお聞きします。 全体の僅か八%程度しか納められていない相続税の金額、繰り返しになりますけども、年間で二兆六千億円です。その金額は一〇%から五五%までの八段階から成る相続税の税率から最終的に算出されますけども、その課税対象となる元々の金額、合計課税価格と呼ぶと思いますけれども、その金額規模を教えていただけますか。
○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。 令和二年中に亡くなられた方の相続人等に課せられた相続税の課税状況を見ますと、相続等により取得した財産の金額から債務等の金額を控除した正味の遺産額、これは課税価格でございますが、約十六兆円となってございます。
○安達澄君 ありがとうございます。約十六兆円とのことでした。 一方で、年間約、先ほど言った百四十万人の方がお亡くなりになるときに実際に残す資産の総額の規模、これ、国会図書館の財政金融調査室に以前調べていただいたんですが、これはもうエコノミストの間でも幅があるんですけども、資産総額として残されるものが約五十兆円とか、多く見積もるエコノミストの方は八十兆円、過去のこの国会の議論では百兆円という数字も出ていました。 仮にですけども、じゃ、そのエコノミストの方の言う少ない見積りを使って、資産総額が五十兆円から、広く一律、ちょっと乱暴ですけども、全員から仮に二〇%を徴収したとすると税収は十兆円ということになります。そこからさらに、もう超富裕層に対しては今の税率構造を適用するという二段階論法もあり得ない手法ではないと思います。 あくまでも机上の空論、計算ですし、実際には、残されたその資産、住んでいる土地、家はもうすぐには売却できないなど、そういった現実的な問題もありますので、単純化できる話ではないというのは承知していますけども、ただ、見過ごすことはできない、財源として十分可能性のある税ではないかと思っています。 平成二十五年に基礎控除の引下げや最高税率の見直しも行われました。その結果、確かに課税対象も相続税収も増えましたけども、より抜本的な見直し、それにはもう本当、この発想の転換というか、世論の形成も必要だと思っています。時間が掛かる問題だからこそ、先延ばしせずに早く議論を始めるべきだと私は思っています。 財産をたくさんためることができたのも、また高額な所得を得ることができるのも、やはりこの日本の社会で生きて、公共の道路とか上下水道を使って、そして警察とか消防とか、そういった安心、安全な治安の下で暮らすことができて、仕事ができるからだと思います。どんな方も天国にはその財産を持っていくこともできません。天国で使えない資産、お金は国や社会に還元してもらう。例えば、子供たちの教育に使わせていただく。理想論に聞こえるかもしれませんけど、やはりそういった社会的認識の醸成も必要だと思います。 一方で、相続税厳しくすると海外に資産が逃げてしまうと、そういう話もよく聞きます。ただ最近は、OECDが策定した共通報告基準、CRS情報ですね、これで、各国、各地域間で、ちょっとアメリカがこれは抜けているのが非常に残念なんですけど、銀行口座の情報を確認し合うなど海外資産の申告漏れ防ぐ手だても講じられていますし、租税条約などによる体制の強化が進んでいるものとも認識しています。 また、過去の国会の審議では、所得税を取った後に残る財産、更にそれに税を掛けるのは二重課税だと、まあずっと出ている議論ですけども、という議論もありましたけども、先週の小池晃議員の特定同族の留保金課税制度の議論の中でもありましたけども、財務省の説明では、二重課税は法律上の明確な定義があるわけではなくて、どこかの団体からの指摘や反対の議論があると、そういった御説明でした。要は、二重課税論については最後は政策的な判断だと私も感じました。 確かに現実的な問題はあります。どうやって個人の全ての資産を把握できるかということです。たんす預金もたくさんあると認識しています。仮に、先ほどのエコノミストの方の数字、総資産五十兆円あったとしても、それをどう把握するか、それはもう本当に難しいところだとは思います。 確かにそういった現実的な手続論、実務面の壁もありますが、最後に鈴木大臣にお聞きしたいと思います。 格差が固定化していく社会の見直し、富の世襲化見直し、また、ストックからフローですね、つまり、お金をため込むんではなくてそれを使ってもらって社会にお金を回していく、そういった観点からも、相続税を抜本的に見直す、少なくともそのような議論を本格的にすべきではないかと思うんですけども、鈴木大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木俊一君) 安達先生が御指摘のとおり、相続税につきましては、平成二十五年度の税制改正において、まず、格差の固定化防止という等の観点から基礎控除の引下げを行いました。定額部分五千万円を三千万円に引き下げました。また、最高税率の引上げ、五〇%を五五%に引き上げる等の見直しを行ったところでございます。 相続税は、租税の基本的な機能である公的サービスの財源を調達するという機能のほかにも、課税を通じまして富の再分配を行うという機能も有しております。相続税の在り方につきましては、こうした機能が適切に発揮されるよう、政府税制調査会等の場における議論も踏まえまして、不断に検討を行ってまいりたいと、そういうふうに思っております。
○安達澄君 ありがとうございます。 先ほども出ました一億円の壁ですけども、あれも、これ財務省の試算によると、例えば、仮に今二〇%のものを五パー、二五%に上げた、五%上げてそれで増える税収はたしか二千五百億円という試算をされているかと思います。それと比較しても、やっぱり相続税、こういったものを抜本的に見直すことの方がより大きいとも思うんですね。もちろん、一億円の壁も非常に重要です。ただし、やはり相続税についても是非議論を進めていただきたいと思います。 ちょっと前までですけども、一億総中流とか言っていましたけども、今はその分厚い中間層がもう抜けてしまって、非常に格差も広がっているのが日本の社会です。そういった社会には、そんないびつな社会にはもう持続性もないと思いますので、その観点からも、是非相続税をめぐる議論を深めて、そして社会での世論喚起といいますか、そういうものを是非進めていただきたいと思います。 鈴木大臣にそうお願いして、私の質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。 私は新人ですので、今回テーマとなっている破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告、FRC報告がスタートした経緯を調べてみました。すると、この報告は、バブルの崩壊で金融機関の不良債権問題が深刻化していた一九九八年十月に議員立法で制定された金融再生法に基づく報告であるということが理解できました。つまり、いいかげんな融資をして経営不振になった金融機関を救うのに公金を使うのであれば、財政民主主義の観点から国民の代表で構成される国会に報告しなさいということでできたルール、報告であるということです。 この一九九八年といえば、日本長期信用銀行が倒産し、金融危機が叫ばれたときです。私は、この長銀の最後の頭取をされていた鈴木恒男さんの書かれた「巨大銀行の消滅」という著書を拝読したことがあるんですが、それを読んでいくと、長銀の破綻は厳し過ぎる財政評価とそれに伴う銀行の債務超過への公的資金の投入に対し当時のマスコミや一部議員が反対のキャンペーンを張り、国民世論が誘導されたことにも原因があるというふうに読み取れました。 もちろんこれは長銀側の方の言い分ですので、全てをうのみにするわけではありません。しかし、その後の結果を振り返ると、数兆円もの公的資金が投入された後、外資にたった十億円で売却されてしまい、長銀の資産を持っていかれてしまいました。今は新生銀行となってSBIの傘下となっていますが、まだこのときの公金の返済は終わっていません。こういった結果を見ると、破綻させずに国の公的管理を維持して資金を投入して独自で経営再建をさせた方が国民の富を守れたのではないかというふうに思われます。 もう二十年以上前のことですが、今後同じようなケースが全然起こらないということは限らないので、長銀に対する処置の総括と今後類似事案が発生した場合の政府の対処について、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、長銀に対する処置の総括でありますけれども、旧長銀の破綻処理を行った一九九八年頃は不良債権問題が深刻化していた時代でありまして、我が国の金融機関や金融システムに対する信用不安をいかに早期に払拭させていくかが極めて重要な課題であったと認識をしております。そうした中で、一九九八年のいわゆる金融国会におきまして、与野党の合意により破綻金融機関を一時国有化する内容を盛り込んだ金融再生法が創設され、旧長銀については同法に基づいて破綻処理されることとなったと承知をいたしております。 破綻状態に至った金融機関自体を救済するために公的資金を用いることは避けなければならないという考え方の下、旧長銀処理に関する一連の対応は当時の法的に定められた枠組みの中で最大限努力して行われたものであり、適切であったと考えております。 次に、今後類似の事案が発生した場合の対処方針でありますが、旧長銀への対応を含め、金融機関の不良債権問題は二〇〇〇年代にかけて克服いたしましたが、その過程で国民負担が生じ、また日本経済にも大きな影響が及びました。そうした反省を踏まえまして、金融行政としては、問題が大きくなる前に早期に動いていくことが肝要であると考えております。 金融庁としては、潜在的なリスクを早め早めに分析、特定をして、個別金融機関の健全性でありますとか金融システムの安定、これを確保するための対応を行っていく必要があると考えております。また、不良債権問題やリーマン・ショックの経験などを踏まえまして、債務超過ではないけれども資本の乏しい金融機関に対して資本増強を行う制度や、金融機能を強化するために国が資本参加する制度も整備をされております。 金融庁といたしましては、その時々の個別金融機関や金融システムの状況を踏まえまして、必要に応じこうした制度も活用しつつ、金融システムの安定確保に向けて適切に対応していきたいと考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 適切だったということですけども、トータルとしてやはり日本国としてはマイナス面は大きかったと思います。そうならないように、これからは未然に防ぐような措置をやっていくということで理解しましたけれども。 私は、今回、この長銀の話をなぜ出しているかというと、この長銀破綻時の政府の対応が過度なリスクを民間銀行に取らせる先例になってしまっていて、先日この委員会で指摘したとおり、この十年、日銀が異次元の金融緩和をしても、信用創造を行う銀行が融資を渋るような状況が起きているんではないかというふうに考えています。もちろん、長銀が全てよかったとは思いませんが、このときの政府の措置がやはり過度なものであったんじゃないかというふうなことを先ほどの本なんか読んでいると感じるわけですね。 今も未然に防ぐというためにチェックを厳しくするんだということはいいんですけど、必要なんですけども、逆に、金融庁による財政の健全化の立場からチェックが厳し過ぎると、逆に銀行が融資を抑制し、かえって国民経済を萎縮させているんではないか、駄目にしているんではないかというふうに考えることはないでしょうか。 国民経済の発展に向けて、民間銀行のリスクテークと金融庁の役割についてお考えのところを、担当者、お聞かせください。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 金融庁におきましては、バブル崩壊後、金融機関の不良債権問題への対応が最優先課題であると考えまして、検査マニュアルを用いたチェックリスト方式による厳格な検査を実施してまいりました。こうした対応によりまして、不良債権問題の解決と金融システムの機能回復に寄与したと考えておりますけれども、一方で、今御指摘がありましたように、金融機関を萎縮させ、リスクテークに消極的な姿勢を助長する面もあったというふうに考えております。 こうしたことを踏まえまして、金融庁では、従来の検査マニュアルを廃止するとともに、金融システムの安定を目標とする検査・監督の考え方と進め方という基本方針などを公表いたしました。その中では、金融機関の経営環境が厳しさを増している中で、リスクを取らないことだけを目指した経営では持続的な健全性を確保できないこと、今後、金融庁としては、引き続きゆがんだリスクの累積には注意を払いながらも、金融機関が自ら判断することによりまして、適切なリスクテークを通じて健全性を確保し、持続可能なビジネスモデルを構築しているかを確認することに重点を置くこと、それから、検査、監督に当たりまして、多様なビジネスモデルを念頭に置いた探求型の対話を進めていくことなどを明記しております。 こうした基本方針に従って、今後とも金融機関のモニタリングを実施してまいりたいというふうに考えてございます。
○神谷宗幣君 御回答ありがとうございます。 せっかく金融緩和を続けているので、そこでお金が止まっているといけませんので、是非力を入れてやっていただきたいと思います。 次に、先般も外国資本による日本経済への影響力が増しているんじゃないかという問題を取り上げましたが、九〇年代のバブル崩壊や金融危機、さらには構造改革などを通じて、日本の金融機関の力は国際的に見ると年々弱体化しているように感じられます。そして、日本の大手金融機関が外資の影響下に置かれてしまう傾向が強まっているのではないかというふうな懸念も持っているんですが、例えばメガバンクの株主構成を見てもこのことが指摘できるんじゃないかと思います。 経済の血液であるマネーの分野での外資の影響力の問題について、金融庁のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。 御指摘の外国法人による三メガバンクの議決権の保有割合でございますけれども、二〇二二年の三月末時点におきまして、三菱UFJフィナンシャル・グループが約三三%、三井住友フィナンシャルグループは約三四%、みずほフィナンシャルグループは約二四%という割合になっておりますけれども、一つの、一の株主、一人の株主による保有割合はいずれも五%を超えていないという状況になっております。 私どもの制度面での対応でございますけれども、銀行法では、銀行の議決権の五%を超える株を保有する株主に対して銀行法上の届出義務を課しておりまして、金融庁として銀行の経営に対する実質的な影響力のチェックを行うということになっております。さらに、銀行法では、銀行経営の健全性確保等の観点から主要株主規制というのがございまして、おおむね百分の二十と、二〇%ということでございますけれども、この基準値以上の議決権を取得しようとする者はあらかじめ金融庁の認可を受けなければならないとされているところでございます。 この規定に基づきまして、金融庁は、主要株主に係る認可の申請があったときには、当該申請者について、議決権の保有に関する事項に照らして銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと、財産及び収支の状況に照らして銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと、人的構成等に照らして銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ十分な社会的信用を有する者であることという基準に適合するかどうか審査を行っているところでございます。 また、認可後におきましても、金融庁は必要に応じて、この主要株主に対して報告徴求、立入検査を実施することができますほか、主要株主が法令違反や公益を害する行為などを行ったときには認可を取り消すことができるという制度に基づいて運用をしているところでございます。 金融庁といたしましては、こうした銀行法上のルールに基づきまして、銀行の健全、適切な経営が確保されるよう監督してまいりたいというふうに考えております。
○神谷宗幣君 詳しい説明をありがとうございます。 ただ、資本関係が一見外資に見えなくても、日本の企業が株主であったとしても、その背景にまた外国の資本が入っているとなかなか見えてこない部分もありますので、その部分も含めて厳しいチェックを引き続きお願いしたいと思います。 次に、昨年銀行法が改正されまして、株式保有規制が緩和されたことにより、各地の企業に対する銀行の影響力の強化を通じて、日本の地域経済に対してもまた外資による支配が拡大することを懸念する声が上がっています。 これについて金融庁はどのように考えているか、お聞かせください。
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。 今ほど申し上げましたとおり、金融庁といたしましては、銀行法の主要株主規制に基づき、銀行の健全、適切な経営が確保されるよう監督していることでございます。 今御指摘をいただきました改正銀行法におきましては、銀行が地域経済の面的な再生などを幅広く支援できるように地域活性化事業会社に対する議決権一〇〇%の出資を可能とする、そうした改正措置を講じるなど、出資規制の見直しを行ったところでございます。 ただし、この地域活性化事業会社につきましては、これは内閣府令におきまして、事業の計画の策定に地域経済活性化支援機構、官公署、お役所又は商工会、商工会議所などが関与している会社であることなどを要件として規定することで、銀行のある意味一存で事業が営まれることのないよう配慮した仕組みということにしておるところでございます。 金融庁といたしましては、金融機関が改正銀行法を適切に活用し、地域経済の活性化に一層貢献できるよう、モニタリングを行ってまいりたいというふうに考えております。
○神谷宗幣君 ありがとうございました。 最後に、もうこの二十年間、日本の金融見てくると、やはり外資の影響力、やっぱり強まっていると言わざるを得ないと思います。やはり、日本の企業の文化とか組織体とかも大分解体されてきて、大分経済弱まっているなというのは感じます。 もう一度、経済の在り方、内需の拡大ですとか国内回帰を図って、行政との話合いしっかりとして、かつて護送船団方式といって、大分マイナス面でやゆされているんですけども、あれ、防御型の陣形ですよね、護送船団方式というのは。ああいったものを模索しつつ、日本経済の底上げを皆さんと一緒に話し合っていきたいと思っております。 ありがとうございました。
○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。 本日は、令和三年度FRC報告を含む一般質疑ということではございますが、主に消費税、インボイス制度についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、軽減税率の導入による民間事業者の負担についてお伺いします。 私、小売業に就職して二十年以上、店頭に立ってお客様と接したり、また労働組合の役員をこれまでしてきました。そのような中、私が政治に対して関心を持ったのは、消費増税の対応をまさに働く現場で身をもって苦労して経験することができたからです。 生活者に最も身近な税である消費税は、私たちの社会保障費、また一部は地方へ還元されますけれども、小売業では販売する商品の値段に消費税を加えてお預かりしてきました。 この消費税に関わる制度が変わるたびに、店舗は上を下へと大きな対応を強いられて、幾つもの関連システムの改修、また表示の切替え、また、買い控えを防ぐため、消費税分を補うサービス、付加価値を付ける等々、また導入後は、今、お弁当やまた軽食、飲料など購入時にはお客様へ店内で召し上がるか持ち帰られるかといったところを確認しなくてはならない、こういった大変な費用と労力が掛かってきたというところであります。 消費税はできるだけシンプルな仕組みであってほしいというのが、消費税を預かり納める働く皆様、私としても、一納税者としても切実な願いであると言えます。 消費税は、一九八九年の導入当初から所得に対する逆進性が指摘されてきました。しかし、当時は一億総中流と言われる社会環境の中で、広く負担を分かち合うという考え方の下、消費税の導入が決定されました。三十年がたち、社会の格差が拡大し、税率が引き上げられる、その中で、二〇一九年に逆進性対策として軽減税率制度が導入されました。この軽減税率導入には流通業界を始め各界が反対の声を上げてきましたが、聞き入れられることはありませんでした。 逆進性対策としては、最低限の基礎的消費に係る消費税額を定額で給付する措置、また還付する制度によって対応をする方が消費税制はシンプルで済むと考えます。過去の政府税制調査会の答申においても、逆進性対策について、一税目の負担のみに着目するだけでは不十分であり、他の税目や社会保険料を含む負担全体、さらには社会保障給付等の受益全体も考慮に入れなければならないといった指摘もなされております。 利益が生まれる投資ではなくコストとして負担を強いられる、業界からは複雑怪奇とも言われるこの軽減税率の制度です。なぜ導入されなければならなかったのか、いまだに疑問が残ります。社会全体で見れば、事業者の事務負担の増加は商品の値上げ、また経費削減などを通じて国民負担の増加にもつながり、国民生活を圧迫しています。さらには、事業者の未来に向けた積極的な投資の余力を奪うということにもつながり、社会的な損失にもなります。 軽減税率の導入によって、民間事業者にシステムの切替え、また改修その他の事務負担など、どのくらいの追加的なコストが生じているのか、少なくとも政府として把握、分析されるべきだと考えますが、この点について財務省の認識をお伺いいたします。
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。 確かに、この消費税制度を運営していくに当たりまして、流通業に携わっていらっしゃる方々を始め事業者の方々の事務負担に負うているところは非常に大きいということは認識をいたしております。 その上で、この軽減税率制度、低所得者対策として必要だということで導入をされたわけでございますが、その導入に当たりましては、軽減税率対応レジの導入、改修を支援するための補助制度でございますとか、あるいは特例といたしまして売上げ又は仕入れの一定割合を軽減税率対象として税額計算をできる経過措置を設けたりでありますとか、こういったことで特に中小事業者の方々を中心にこの負担軽減措置を講じてきたところでございます。 他方、軽減税率の導入に伴う事務負担等々のコストについて把握すべきだという御指摘でございますが、この点につきましては、個々の事業者の方々によりまして、軽減税率の対象となる物品を売上げ、仕入れで取り扱っている割合でございますとか、あるいは、そもそもこの簡易課税を適用されているかどうかでありますとか、事業規模でありますとか、あるいは、システムの改修などにつきましても、様々な要因でシステム改修を行われる際に対応されている事業者も相当程度おられると思いますので、こういった事情を踏まえますと、全体として民間事業者にどのぐらいの追加的なコストが掛かったかということを定量的に把握、分析することはなかなか難しいのではないかと考えておりますけれども、いずれにしても、今後とも、この税制については簡素性でありますとか事務負担の面についても十分な配慮が必要であるというふうには考えております。
○堂込麻紀子君 では、大臣にお伺いいたします。 軽減税率制度導入によって新たに生じる事務負担、またコストについて、財務省として十分な手当てや取組を行ったと考えていらっしゃいますでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(鈴木俊一君) 軽減税率制度の導入に当たって、特に中小事業者の方に新たに生じる事務負担やコスト対応につきましては、今ほど住澤主税局長からお答えをしたとおり、レジ補助金でありますとか税額計算の特例というものを経過措置として設けることなどしたところでございます。また、様々な事業者団体を通じた説明会などを行いまして、事業者からの相談や質問に応じながら事務負担の軽減につながる柔軟な取組などもお示しするといった取組も行ってきたところでございます。 軽減税率制度の導入に当たっては、関係省庁と連携し、各業界の事業の実態を伺いながら、予算や制度によるきめ細やかな対応を行ってきたものと、そのように承知をしております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 制度導入によりどこにしわ寄せが起きるのか、導入後には実態を把握し、社会全体として費用対効果に合った施策となるよう、是非検証に取り組むべきだと考えます。業界だけではなく、税制行政に取り組まれる方々の苦労、また負担についても目を向け、あるべき姿を検討する必要があると考えます。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、来年十月からインボイス制度の導入が予定をされております。予想される免税事業者の苦境については既に多くの先生方から指摘をされておりますので、私はインボイス交付免除の特例についてお伺いいたします。 交付が困難な取引として、三万円未満の公共交通、また自動販売機、郵便、それから農協や卸売市場を通じた一定の取引について特例的にインボイス交付が免除をされるということです。 これだけ日本中がインボイス導入の困難さを訴えている中で、交付が困難な取引というのはほかにもあるのではないかと想像されますが、策定に当たり、ほかにはどのような取引形態を検討されたのか、今後必要に応じ特例を追加する考えはあるか、伺います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。 委員が御指摘されました特例につきましては、インボイス発行事業者が行う事業の性質上インボイスを交付することが困難な取引ということで交付義務が免除されているものでございます。この特例の検討に当たりましては、そもそも現行制度の下でも請求書等が商慣行上やり取りされていないものとして、公共交通機関、自販機、郵便サービス、こういったものが検討され、また資産の譲渡を行う方とその仕入れを行う方が直接相対して取引を行わないようなものということで、農協ですとか卸売市場といった取引形態を中心に検討が行われたものでございます。 この中で、協同組合、卸売市場による取引につきましては、共同計算方式、あるいは無条件委託方式ということで、組合や卸売市場が誰に売るか、あるいはその値段をどうするか、いつ売るかといった条件を付すことなく出荷者から委託を受けまして、売上げについては手数料を差し引いた上で共同で計算をして配分するという方式が取られている都合上、組合員や出荷者の方々が自ら出荷したその農産品等の買手を特定することができないという仕組みになっておりますので、インボイスの交付もまたできないと、こういった流通プロセスの特殊性に対応するために特例を設けたものというふうに承知をいたしております。 これらの形態以外に新たな交付義務の免除の特例を設けるかどうかということについては、多くの方々に交付義務が課されている中ですので、取引される事業者間の公平性の観点なども踏まえまして検討していく必要があるものと考えております。
○堂込麻紀子君 総じて消費税は庶民に厳しい税でもあると、また一方で、複雑にすればするほど社会的損失が増大するというふうに思います。それでも、これまで皆さんがルールに従って適切に取引をしてきたのに、今回のインボイス導入によって社会に不公平感を生じ、結果的に消費税に、消費税制に対する信頼を損なうのではないかという危惧を考えます。公平、中立、簡素の原則に立ち返り、課題の多いインボイス導入は一旦凍結とするべきではないでしょうかという御意見をさせていただきます。 済みません、最後の質問です。奨学金を自ら返済している方に対する支援策について伺います。 貸与型奨学金については、卒業後に返済が厳しい状況に置かれる人々の問題がこれまでもしばしば指摘をされてきました。政府においても、いわゆる出世払い型奨学金の制度整備に向けた議論が行われております。また、企業においても、近年、従業員の奨学金の返済を肩代わりして支援する動きが見受けられるようになりました。これまで従業員に返済のため原資を支給した場合には、実際に返済に使われるのかが分からないことから、従業員の給料の上乗せとして課税される可能性がありました。二〇二一年四月に日本学生支援機構で勤務先企業が直接返済できる代理返還制度を設けたことで、企業が肩代わりした返済分について従業員の所得税が非課税となり得るとともに、企業にとっても給与として損金算入できるものとされております。 一方、厳しい状況の中でも自ら返済を続けている方に対して、返済のインセンティブにつながるような、例えば毎年の返済額を所得控除するなどの税制上の支援策を講じることができないかといった意見も見受けられます。 所得控除など何らかの税制上の優遇措置を設けることはできないのか、財務省の認識をお伺いいたします。
○委員長(酒井庸行君) 時間が来ております。簡潔におまとめください。
○政府参考人(住澤整君) はい。 御指摘の仕組みにつきましては、かなりの所得を得ている方々には所得税の恩典があり得る一方で、所得が小さくて奨学金の返済余力が小さい方については、元々所得税の税額がなかったり、あるいは少なかったりという状態も想定されますので、効果が限定的であるといった課題もあろうかと思いますので、慎重に検討する必要があるのではないかと考えております。
○堂込麻紀子君 様々事情がある中で、意欲を持って進学、卒業後に真面目に返済を続けている方に対し、是非支援策を検討していただきたい、そのように思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(酒井庸行君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会