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210回国会参議院2022/11/09

憲法審査会 第2号

発言数
69
登壇者
28
会派数
7
開催日
2022/11/09

会議録

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。  本日は、憲法に対する考え方について意見交換を行います。  まず、各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。  全体の所要は二時間を目途といたします。  発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。  また、御発言は着席のままで結構でございます。  なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。  それでは、まず各会派一名ずつ、各七分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。  山本順三君。

山本順三自由民主党

○山本順三君 自由民主党の憲法審査会筆頭幹事を務めております山本順三でございます。  本日、今国会最初の参議院の憲法審査会が開催できることになりました。与野党幹事の皆様方の御尽力にまずは心から感謝を申し上げたいと思います。  本憲法審査会は、さきの国会でも、憲法第五十六条第一項の出席に関する議論や、あるいは合区問題を中心に極めて有意義な議論を重ねてまいりました。今国会でも更に活発な活動となることを期待をいたしております。  日本国憲法は前文で、主権が国民に存すること、そして日本国民はこの憲法を確定することを表明するとともに、憲法第九十六条では、国民投票を通じて憲法改正について最終的な判断を下すのは日本国民であるというふうに規定をいたしております。まさに憲法は国民のものということだと思います。  日本国憲法は施行後七十五年を経過をいたしました。その間、社会も人々の考え方も大きく変化をいたしております。このような状況の中にあるからこそ、国民の皆様お一人お一人に今憲法はどうあるべきなのかとお考えを深めていただくことが大切だと思っております。そのためにも、憲法改正原案等の審査機関である参議院憲法審査会は、憲法についてそれぞれの意見を率直に開陳し、じっくりと議論を深めていかなければならないと考えているところでございます。  続いて、我が会派が議論を深めるべきと考えている四つの項目について申し上げます。  私ども自由民主党は、改正の条文イメージとして、一、自衛隊の明記、二、緊急事態対応、三、合区解消・地方公共団体、四、教育充実の四項目を提示をいたしております。  北朝鮮によるかつてない高い頻度での弾道ミサイル等の発射や一向に止めない核開発、中国の海洋進出や軍事力の急拡大、さらにはロシアによるウクライナ侵略を見れば、我が国の安全保障環境は極めて厳しい状況にあると言えます。国際秩序を根底から覆す事態が東アジアで発生しないと言い切ることはできません。そのような中で、憲法における自衛隊の位置付けが今のままでよいのか、ますます考えなければならない時期にあると感じております。  また、感染症や自然災害の脅威が現実のものとなったことからも、万が一のときにどう国会や行政の機能を維持させるのかという緊急事態条項の問題についても、憲法第五十六条第一項の出席との関係も含めて議論を進めていかなければならない問題です。  教育の充実も、将来世代の未来を切り開く上で考えていかなければならない課題でございます。  そして、とりわけ参議院において議論を進めるべき項目は、合区解消・地方公共団体であります。  そもそも、参議院は、地方代表、職域代表から成る院として二院制の一翼を担ってまいりましたが、今から七年前、大都市圏への人口集中と地方の過疎化が進む中、投票価値の平等を追求していくためにやむを得ず一部に二県合区を導入いたしました。しかしながら、導入後、合区対象県では投票率低下や無効票の増加などの弊害が明らかになっております。投票価値の平等は重要ではありますが、それを追求する余り、合区が有権者の選挙離れを引き起こし、投票率を低下させたとすれば、民主主義の根幹に関わる問題でございます。  全国知事会など地方六団体、そして三十五もの県議会からも見直しの要望や決議が出されております。いずれも、このままでは人口の少ない地方の声が国政に届かなくなるのではないかという切実な危機感の表れであります。  現在、本年七月の参議院議員選挙における投票価値の平等をめぐる高裁判決が出されているところです。各高裁は、それぞれ合憲判決や違憲状態判決、違憲判決といった判断を下しておりますが、最終的には最高裁判決を待つことになると考えます。ただ、ここまでの高裁判決の幾つかは、参議院改革協議会や参議院憲法審査会での議論を事情に含めて、立法府の較差の是正を施行する姿勢について判断しています。  参議院改革協議会では、立ち上げられた後、本年六月に取りまとめられた報告書を土台とした議論が始まることになろうと思いますが、同時に、参議院憲法審査会としても、引き続き、憲法との関係において、合区解消についての議論を進めていくべきと考えております。  我が党といたしましては、抜本的には憲法を改正して合区を解消してはどうかと考えておりますが、地方の府としての参議院の特徴に着目し、その独自性を法的に位置付けることで衆議院の機能と差別化すれば、毎回の選挙において全ての都道府県から少なくとも一人は議員を送り得る可能性があると考える憲法学者の意見もあります。  さきの国会での参議院憲法審査会でも、参考人から、投票価値の平等ということからこぼれ落ちる利益を確保する観点で、参議院の役割を制度化してはどうか、あるいは、参議院の役割を制度化し、都道府県との結び付きが衆議院と異なることを示すことができれば、最高裁の今の判決法理にのっとっても違う結論が出るのではないかといった趣旨の発言もございました。  このような意見があることを踏まえながら、参議院憲法審査会では引き続き憲法との関係において議論を深めてまいりたいと思います。  最後に、参議院だからこそ全会派そろって粛々と、憲法は国民のものという考えの下、憲法審査会での議論を進めていくことでその責務を果たしていくべきだと申し上げて、私の発言を終わります。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之です。会派を代表して、憲法に対する考え方を述べます。  まず、改めて、全ての論議の前提として、憲法審査会が担う憲法及び国会法上の法的任務について共有をお願いしたく存じます。  お手元の資料ですが、憲法審査会の所掌事務を定めた国会法百二条の六は、日本国憲法及び憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行いと明記し、この趣旨について、次のページですが、去る十月十九日の本院予算委員会を始め、衆参の議会法制局長は、憲法違反に関する調査はまさしく含まれ得る、憲法違反の事実などが生じていないかといった事項も当然に含まれていると繰り返し明言しています。  すなわち、本審査会は、全議員の憲法九十九条の憲法尊重擁護義務の下に、主権者国民の最高法規憲法について、議会や政府がそれに違反していないかを調査審議する法的責務を国会法により課されたただ一つの委員会であり、言い換えれば、憲法審査会は、憲法違反問題の調査審議により主権者である国民の手に憲法を取り戻し、同時に、憲法がよって立つ法の支配と立憲主義を立法府と行政府において守り、再生するための委員会であるのであります。  そして、まさにこの実践として、本審査会においては、平成二十八年より、集団的自衛権の行使の容認などを始めとするあまたの違憲問題に関する幹事会協議事項が積み上げられています。  したがって、私ども会派は、憲法審査会が開催されたときは必ず、昨年のデルタ株に続く今夏のオミクロン株の惨禍の中での臨時国会召集義務違反などを含め第二次安倍政権以降の様々な憲法違反問題の調査審議を求め、憲法違反を犯した政府の存立に責任を有する与党の先生方などに対して見解を質問等をさせていただく所存です。こうした本審査会の運営こそが、平成二十六年本審査会附帯決議第一項、二項の、立憲主義及び憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義に基づいて徹底的に審議を尽くすの趣旨にかなうものと考えます。  この点、旧統一教会、国葬をめぐる問題は、法の支配、立憲主義の逸脱のあしき例であり、我が会派として本審査会での徹底した調査審議を求めます。  すなわち、岸田総理が全面撤回した宗教法人法の解散命令に係る違法な解釈は、憲法七十三条の政府による法律の誠実執行義務の違反であり、東京高裁決定の曲解という司法判断の潜脱による暴挙であり、真相究明と徹底した再発防止策を講じなければなりません。  さらに、旧統一教会と政府・自民党の政教分離問題、違法な名称変更や刑事捜査回避などの特権付与の疑い、さらには、自民党の改憲案や改憲運動そのものが旧統一教会の影響を受けたものではないのか、同性婚などのLGBTの権利擁護や、家族や教育政策の在り方がゆがめられていないのかなど、極めて深刻かつ多岐にわたる旧統一教会をめぐる憲法問題を指摘しなければなりません。  また、国葬儀は、安倍元総理への敬意と弔意を国全体で表すとされるなど、その法的根拠がないことを含め、国民、国会、裁判所との関係で、国民主権、議院内閣制、三権分立、さらには個人の尊厳尊重、思想、良心の自由など、重大な違憲、違法問題を生じています。さらには、日本国憲法の下で天皇、上皇の大喪の礼以外の国による葬儀が法的に可能なのか、徹底した論究が必要です。  他方、立憲民主党は、立憲主義に基づく論憲によって、種々の憲法問題の主体的かつ真摯な検証を重ね、必要と考えるものは本審議会での議論を求めてまいります。  具体的には、衆院での国会議員の任期延長の改憲議論については、参院緊急集会の実施及び衆院議員の任期満了までに必ず総選挙を実行する国会法及び公選法の改正によって、改憲によらずに法律で解決できると考えます。  加えて、日本維新の会の安保法制を理由とする憲法裁判所の設置は、行政事件訴訟法改正による九条の民衆訴訟にて対処できると考えます。  以上のような我が会派の論究は、立法措置によって可能とすることができるかどうか徹底的に審議を尽くす、すなわち改憲の必要性及び合理性に係る立法事実がないものは改憲論議の対象としないと定める本審査会附帯決議第三項の実践と認識しております。  さらに、冒頭の議会法制局長答弁にあるように、憲法がその趣旨どおりに実施されているかどうかに関する調査も本審査会の重要な任務です。すなわち、物価高騰、格差社会、ツインデミック危機のコロナ禍における生存権、少数者の権利保障など、真摯な調査審議が求められます。さらに、我が会派は、当然に国民投票法附則四条のCM、広告規制の法改正も求めてまいります。  最後に、さきの通常国会において、衆参憲法審の四名の憲法学者の全員が、衆議院のオンライン出席の見解文書を憲法五十八条の議院自律権の濫用と指摘等されたように、衆議院の憲法審査会の改憲ありきの毎週開催は憲法を軽んじる行為と言わざるを得ません。この点、本審査会の自民党会派の代表意見において、衆議院とは異なる議院自律権の考え方を表明されたことは深く敬意を表する次第です。  さらには、さきの本審査会において、地方問題や災害対策などをより十全に調査審議する機能を参議院に付与する国会法改正などにより、憲法改正を行わずに合区制度を廃止する方策について、高名な二名の公法学者の参考人より、違憲判決は想定し難いとの旨の陳述がなされたことは誠に意義深く、この改革の憲法論議を一層深めていく必要があるものと考えます。  中曽根会長の下に、良識の府にふさわしい格調高い本審査会の運営を実践するとともに、立憲主義に基づく論憲の力によって改憲ありきの不要不急の改憲論議等に真っ正面から対峙し、かつ憲法違反を正し、憲法の価値を国民生活に具現化する審議を求める決意を申し上げて、私の意見とさせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 西田実仁君。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁です。  憲法審査会が活動を開始したのは二〇一一年です。それから十一年が過ぎました。その間、私は、参議院の在り方については、特にその役割と選挙制度について議論してきました。この審査会でもたくさんの発言の機会をいただきました。その際、いつも心にあったのは、主権在民、党派を超えてということです。  そこで、一番記憶に残っている発言を会議録で再度読み直してみて、今日皆様にお話をすることにしました。二〇一六年十一月十六日の発言です。一部そのまま会議録を読み上げさせていただきます。  国民主権に基づく二院制と議院内閣制という仕組みの中で、第二院の参議院は第一院の衆議院を具体的にどうバックアップすればよいのか。国民主権が参議院改革の基本の視点であり、改憲論議においてはなおさら国民主権の徹底が必要です。  そう考えれば、当然、衆議院議員も参議院議員も全国民の代表という性格付けが適切ではないかと私は考えます。主権は国民全体にあるからです。参議院議員も全国民の代表であるからこそ、参議院には、衆議院が解散されていても、国に緊急の必要がある場合の緊急集会の規定が置かれていると言えます。緊急集会が参議院に置かれることとなった経緯や規定の制定理由を見れば、緊急集会は第二院の参議院が第一院の衆議院をバックアップする典型であることは明らかです。  参議院改革については、これまでも様々な議論がありました。二院制を支持する者の共通認識は、参議院は行政監視機能をより重視すべきであるということです。良識の府である参議院は、公共の利益の実現を目指し、党派を超えて努力すべきです。特に、解散のない六年という長い任期を与えられている参議院は、行政の組織、人事に対する統制という観点が重要であり、政府と官僚機構をつくる衆議院、それを監視する参議院という新たな視点から国会の行政監視機能を見直すべきではないか。  この考え、特に行政監視は参議院を中心とすべきという点については全く変わっておりません。しかし、幾つかの点で憲法審査会として注目すべき議論の進展が見られますので、それについてお話をします。  第一に、行政監視とは何か、定義についてです。驚くべきことですが、学説で行政監視の定義がないというのであります。これは大変におかしな話でありますので、この憲法審査会の場で定義を明らかにすることにしました。  行政監視とは、簡単に言えば公務員の働きぶりを見張ることを意味しますが、これを憲法規定と法令用語に合わせて言えば次のようになります。行政権の行使について国会に対し責任を負っている内閣が、法律を誠実に執行するという憲法上の義務に違反していないかどうかを国会が常時注意して見ること、これが行政監視の定義ですが、更に本質的な説明がされています。公共の利益の実現のために、主権者である国民に代わって国権の最高機関である国会が政府と官僚機構の活動を法の誠実な執行の確保の観点から常時注意して見ること、これが日本国憲法の下での行政監視であると。以上は、二〇一六年二月十七日、参議院憲法審査会で参考人出席した荒井達夫元参議院憲法審査会首席調査員、現千葉経済大学特任教授によるものです。  荒井説による行政監視の定義と本質的な説明で、行政監視はどのような活動をどのような体制で行えばよいか具体的に考えられるようになります。例えば、行政監視機能において、行政監視強化において、衆参でどのような役割の違いがあるかという非常に重要な問題を議論できることになるわけです。  第二に、行政監視と参議院の選挙制度の関係についてです。  参議院を行政監視のための院とすることで選挙制度との関係が明らかになります。投票価値の平等と全国民を代表する議員を基本条件とする選挙制度です。行政監視は、公共の利益の実現のために、主権者である国民に代わって国権の最高機関である国会が行う活動であるからです。  この点、参議院を地方のための院であることにして、一票の較差拡大も認めようとする意見も一部にありますが、疑問です。  参議院が地方のための院なら、衆議院は国のための院としなければなりませんが、衆議院で国の問題だけに限定する議論が可能とは考えられないからです。その必要性もなく、コロナ対策一つ取っても不合理で、公共の利益に反する結果を招きます。  また、一票の較差拡大を認めることを基本とする考えは、主権が国民にあるとの憲法思想に反します。全ての国民は憲法の下に対等の条件で政治参加が保障されるというのが民主主義の基本の考え方であり、そうでなければ本当の主権在民とは言えないからです。  第三に、憲法保障の議論の重要性について触れたいと思います。  私は、参議院の将来像を描くに当たり、行政監視と並んで憲法保障の議論が非常に重要ではないかと考えています。行政監視はすなわち法律の誠実な執行の監視、憲法保障はすなわち憲法の誠実な執行の監視で、どちらも法が主権者国民に対して誠実に執行されているかどうかを見張るという意味があるからです。  憲法保障に関しては、参議院憲法審査会の客員調査員をされた桃山学院大学の田中祥貴教授が著書「参議院と憲法保障」で、本年度、日本公共政策学会の著作賞を受賞されました。間違いなく参議院改革のための有益な資料になると思いますので、ここで紹介させていただきました。  私の発言は以上でございます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 猪瀬直樹君。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会、猪瀬直樹です。  最近、インターネットで、ウクライナに千羽鶴を贈ったと、ウクライナ側では迷惑しているというのがネットで炎上しているんだけれども、そもそもそのウクライナに千羽鶴を贈ったという話自体がフェイクニュースっぽい。まあそういう混乱したその世論が起きているのは、国際貢献ということについて、ウクライナで戦争がある、日本は何をしているのかということの議論が足りないからだというふうに思うんですね。  そこで、世界の中の日本としての国際貢献をどのように憲法に位置付けるべきなのかについて考えを述べたいというふうに思っています。  かつて、一九九一年の湾岸戦争のときに、日本は多国籍軍への財政支援として百三十五億ドル資金援助を行いました。当時の為替レートで一・七兆円、年間防衛費の四・二兆円の実に四割に当たる大きな金額でした。にもかかわらず、当時のアメリカ・ブッシュ大統領が一般教書演説で言及した貢献に感謝する国々や、湾岸戦争終結後にクウェート政府が発表した感謝国リストの中に日本の名前は存在しませんでした。金だけ出して人的貢献をしない日本の姿勢に対して世界各国から批判を浴びることになったわけであります。  このことを機として、国際貢献をどう出すべきか国内でも議論となり、紆余曲折の結果、一九九二年にいわゆるPKO、PKO協力法が成立、施行されました。その後の安全保障環境の変化に伴って数度にわたり改正も行われ、戦闘状態にない各国に対しては様々な人的、物的国際協力が行われるようになりました。  内閣府の資料によれば、一九九二年のPKO協力法施行以来、日本はこれまでに二十九の国際平和協力業務に対し、延べ一万二千七百名の要員を派遣してきたということです。また、二〇一五年の国際平和支援法の成立により、国連決議に基づく諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等が実施できるようになりました。  このように、我が国の国際貢献の幅は徐々に広がりつつありますが、この間、憲法九条の制約との兼ね合いは常に議論の種となってきました。  一方、世界情勢は近年急速に緊迫の一途をたどり、本年三月にロシアがウクライナに対して侵略戦争を仕掛けるに至りました。このウクライナ戦争に対する日本政府の対応について、問題点を指摘したいと思います。  今回の戦争で、日本は民主主義陣営の一員として一体どれだけの貢献をしてきたのかと。外務省がまとめた日本政府による対ウクライナ問題支援資料によれば、自衛隊による装備品の提供として、三月八日より、防衛装備移転三原則にのっとり、防弾チョッキ、ヘルメット、防寒服、テント、カメラ、さらには衛生資材、非常用糧食、発電機等、ウクライナに提供されました。その後、四月十九日に民生用ドローンの提供、また、八月四日に新たに民生車両をウクライナ政府に提供し、小型ドローンの追加提供も発表されています。  自衛隊は、自前の装備品の中から分け与えることしか許されておらず、しかも、防衛装備移転三原則により、その品目は非殺傷の物資、つまり相手を殺してはいけないという、そういう物資に限られています。このような制約の下、車両はたったの数台、小型ドローンも追加分合わせて僅か四十数台、微々たる規模でしか貢献することはできません。  一方、外務省は、ODA予算を活用した総額約五億ドルの緊急支援を行ってはいるが、物的支援は国際機関を通じた生活必需品や保健医療、衛生関係などの物資にとどまっています。ほかに、ウクライナ政府に対する六億ドルの借款、民間から寄贈された物資の輸送協力、避難民の受入れ支援などが行われていますが、現状の制約条件の中で事務方に任せていてはこの程度の支援にとどまざるを得ないのが自明であります。  事務方の判断ではそれしかできない、厳しい言い方をすれば、ただのアリバイづくりでしかない。このようなときに必要なのは、政治の決断がなければいけないけれども、全く見えてこないです。こんな程度で本当に目に見える国際貢献を日本が果たせるかということが問題なんです。  ウクライナでは、武器弾薬はNATO諸国が支援をしています。また、報道によれば、現地の民間支援団体がウクライナ軍に対してピックアップトラックの提供を行っているとのことです。言うまでもなく、自動車は日本が世界に冠たる基幹産業の一つであります。トヨタを始め世界的なメーカーが幾つもあります。これこそが日本が貢献すべき分野ではないでしょうか。  自動車は民生品であり、防衛装備移転三原則には抵触しません。また、提供した車両が現地で何を装備されるか、どう改造されるかは現地のニーズ次第です。特に、世界中で評価の高いトヨタのいわゆるランクル、ランドクルーザーや日産のパトロールのようなクロスカントリー車、あるいはトヨタのハイラックスや日産のナバラのようなピックアップトラック、こうしたオフロードに適した車両は、前線と後方をつなぐ人員輸送や物資の補給など、幾らでも活用方法は見付かるはずです。例えば、思い切って一千台の車両をウクライナに送っても、一台一千万円としてたったの百億円です。  湾岸戦争から約三十年たちました。あのときの屈辱を二度と味わうことがないよう、機を捉えて国際的プレゼンスを向上させていくことが肝腎です。  この話は岸田総理にも届かないといけないんですが、防衛大臣や外務大臣にも勇気を持って決断していただきたい。今、具体論の話をしていますが、なぜそうしているかというと、ウクライナ戦争で日本がどれくらい国際貢献をしているのかということですよね。  北朝鮮が連日のようにミサイルを日本海に向けて発射して日本を威嚇している、中国は台湾併合への意欲を隠さなくなってきている。これらの事態に対して、何となく遠くの他人事と思っている国民に向けて今なし得る現実的な政策を提示し、その実現を目指していくことが必要なんです。  そうした国際的な視点を持たずに、憲法九条の改正に対する賛成、反対を幾ら議論しても、それは観念的なイデオロギー論争にとどまり、何をゴールとしてなぜ改正を進めていくのかの具体的なコンセンサスは決して得られない。具体的にどんな課題に対処するために憲法の何をどう変えていくのか、それを考えることが議論の前提であると強くお伝えし、私の話を終えたいと思います。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 大塚耕平君。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。  憲法審査会での議論を始めるに当たり、国民民主党として今年の参議院選挙時に公約集に明記した内容に基づいて発言します。  基本的スタンスは、人権、国民主権、平和主義を守るために憲法の規範力を高める議論を進めるという立場です。  人権分野では、憲法制定時には予測できなかった時代の変化に対応するため、人権保障のアップデートが必要と考えます。特に、人工知能とインターネット技術の融合が進む中、国際社会では個人のスコアリングや差別の問題、国民の投票行動に不当な影響を与えるネット広告の問題などが懸念されています。デジタル時代において個人の自律的な意思決定を保障し、データ基本権を守るための憲法上の議論が必要です。  統治分野に関しては、憲法上の定めが少なく規律密度が低いため、権力による恣意的な解釈、運用を許しやすいという問題があります。その弊害を是正するため、総理の解散権制限、臨時国会の召集期限明文化、憲法裁判所設置などの工夫が考えられます。  コロナ禍で顕在化した課題を解決する観点から、緊急時における行政権限を統制するための緊急事態条項を創設し、いかなる場合であっても立法府の機能を維持できるようにすることが必要と考えます。とりわけ、議員任期満了時に、外国からの武力攻撃、内乱、テロ、大規模災害、感染症の大規模蔓延等の緊急事態に直面し、選挙ができない場合を想定し、議員任期の特例延長を認める規定の創設について議論すべきと考えます。  憲法九条については、これまで九条が果たしてきた役割に配意しつつ、自衛権行使の範囲、自衛隊の保持、統制に関するルール、戦力不保持、交戦権否認を規定した二項の在り方の三つの論点について議論が必要と考えます。  国民民主党は、護憲、改憲という二元論に陥ることなく、国民の皆さんと憲法対話を続け、国会で建設的な憲法論議を進めていきます。  以上の公約集に明記した内容に加えて、二点申し述べます。  第一は、参議院の合区問題に関してです。  本年六月十日の本会議で発言した内容を要約して申し上げます。  国民民主党は、合区はやめるべきだという立場です。その論拠として、憲法に定める法の下の平等は、国民は自らが居住する都道府県代表を最低一人は参議院に選出できることだと考えるからです。法の下の平等が人口割りの単純平等であるとは、憲法にも法律にも明記されているわけではありません。  最高裁平成二十九年判決においても、各選挙区の区域を定めるに当たり、都道府県という単位を用いること自体を不合理なものとして許されないとしたものではない、議員定数の配分に当たり考慮を要する固有の要素があると指摘しているほか、令和二年最高裁判決も、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮することを是認しています。  合区によって県代表を参議院に送り出せないことが間接的に当該県の行政機能や行政サービスの内容や水準に影響を与え得るという観点から、司法が法的根拠の明確ではない人口割り、単純平等だけで立法府の構成について見解を述べることは三権分立の観点から問題があると考えます。  憲法上の三権分立は、相互牽制にこそ意味があります。立法府、行政府の至らざる点は司法府の見識をもって臨むべきである一方、立法府の意思、行政府の責任に及ぶ問題を司法府が明文上の法的根拠がない判断基準をもって臨むことには、立法裁量権、行政裁量権の侵害という面もあります。裁判官に専門的知識が十分ではない問題や、住民に対する行政サービスやライフライン提供に関して責任が持てない問題に関して、司法が国民世論を二分するような判断を示すことは適当ではありません。  以上のような観点から、三権分立に関する議論も必要だと考えます。  第二に、中央銀行と憲法の関係についてです。  一九九八年の日銀法改正時に私自身は日銀側で仕事をしていましたが、中央銀行の独立性と憲法第六十五条の関係も論点の一つでした。すなわち、同条において「行政権は、内閣に属する。」と定めていますが、中央銀行の権能は行政権に属するか否かという議論です。  現在の日本銀行が大規模な財政ファイナンスを行っていることに加え、日銀は自力で短期間のうちに金融政策を正常化することができない状況に陥っていること、その一方で、今後の諸施策のために財源捻出も不可欠であること等を鑑み、国民民主党は、日銀保有国債の一部永久国債化という技術的手法を提案するに至っています。  加えて、ウクライナ戦争等の影響から物価高騰が恒常化する懸念がある中、今後は中央銀行の独立性と憲法第二十五条との関係も議論する必要があります。  第一項では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、第二項では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定していますが、中央銀行の政策が手詰まりに陥っている中で、自己正当化のために憲法第二十五条に抵触するような金融政策を続けようとする場合、第六十五条に定める行政権の帰属との関係で、中央銀行の独立性を憲法上どのように位置付けるかという論点です。  他にも憲法審査会で議論すべき論点は多岐にわたりますので、国民民主党としては、今後も憲法審査会で闊達な議論が行われることを期待します。  以上で発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 仁比聡平君。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。  日本国憲法は、今年、施行から七十五年を迎えました。大日本帝国憲法下、幾多の戦争によって我が国とアジア太平洋諸国民の自由と平和が侵害された歴史を振り返るとき、日本国憲法と戦後日本の歩みには計り知れない重みがあります。  ところが、岸田政権にはその認識が驚くほど欠けています。安倍元首相の国葬強行はその一つです。戦前、国葬は、大日本帝国が国民の自由と権利を圧殺し、植民地支配と侵略戦争へ突き進む中で発せられた大正十五年十月の勅令、国葬令に基づいて、戦争遂行へ国民を精神的に総動員するてことされました。だからこそ、日本国憲法の下、国葬令は失効し、国葬の法的根拠は失われたのです。それは、天皇絶対の戦争国家から主権在民、恒久平和を希求する平和日本へという我が国の歴史の根幹に関わる問題であり、それを一閣議決定で行えると考えたこと自体、驚くべき浅はかさと言うべきです。  反社会的不法行為を続けてきた統一協会と自民党の底なしの癒着はどうでしょうか。  国民の怒りと不信が沸騰する中で、岸田政権は、関係を絶つと言いながら、これまでの関係のどこが問題で、なぜ関係を絶たなければならないのか、何度聞かれても自らの言葉で語れず、政府・自民党としての責任ある調査を行おうとしません。その根本には、岸信介元首相以来半世紀を超える深い闇があります。  一九七八年四月、福田赳夫首相は本院予算委員会で、統一協会と関係を絶てと迫る我が党議員に、勝共連合というのは、自由民主党といろいろ反共という点で共通する点があるんです、そう悪いことを一般的にしておるというような認識ではございませんので、調査するということは考えませんと開き直りました。  一九八七年七月、中曽根康弘首相は本会議で、自民党は縁を切れとかなんとか言っておられますが、これは思想と行動の自由に対する重大なる侵犯発言であると私は考えていますと居直りました。  政府・自民党が統一協会と反共、改憲、ジェンダー平等への敵対で一致し、相互に利用し合い、重大な人権侵害の後ろ盾、広告塔になってきたことは重大な憲法問題です。  既に、一九九九年、日本弁護士連合会は、統一協会による人権侵害を民法上の不法行為と断じた幾つもの判決やヨーロッパの取組を踏まえ、宗教的活動に係る人権侵害についての判断基準を示していました。そこからでも四半世紀以上、全く反省のない岸田政権に憲法改定を語る資格はありません。  立憲主義を取り戻し、日本国憲法が求める人権、平和、民主主義を全うならしめることこそ国会の責任です。ウクライナ危機に乗じて日本の政治に起こっている敵基地攻撃能力保有や核共有など、大軍拡と憲法九条改悪の大合唱は重大です。それは、専守防衛を捨て、戦争をする国へ、逆に戦火を呼び込み、暮らしと自由を壊す危険な道にほかなりません。  戦争に勝者はありません。戦争は政治の敗北にほかなりません。ロシア・プーチン政権が核兵器で世界を威嚇し、ウクライナ侵略を続ける中、六月、ウィーンで開かれた核兵器禁止条約第一回締約国会議は、核兵器の非人道性を再確認し、核兵器のない世界に向けた希望あるメッセージを発して、画期的な成功を収めました。そこには、植民地体制の崩壊、百を超える主権国家の誕生という世界の構造変化の下、全ての国々が対等、平等の資格で国際政治を動かす生きた力を発揮する新しい時代が開かれつつあることが示されています。  米国と軍事同盟を結ぶドイツ、ノルウェー、ベルギー、オランダ、オーストラリアの五か国がオブザーバー参加し、例えばドイツが、ロシアによる核威嚇には核使用を禁止する規範の強化が必要だとし、心を開き誠実に対話することが必要不可欠だと述べるなど、立場の違いはあっても建設的な対話を続けていこうという姿勢は注目されました。  唯一の戦争被爆国日本には特別の役割と責任があります。戦後七十七年、被爆者がどれほど苦しめられてきたか、その非人道性を世界に訴え、核兵器禁止条約を批准し、核兵器のない世界へ先頭に立つときです。力ずくで他国の領土や民族を支配しようとする歴史の逆流を決して許さず、何としても二度の世界大戦を経て人類が到達したどんな紛争も戦争にしないという国連憲章に基づく平和の秩序を取り戻し、強化する平和外交こそ必要です。  私は、弁護士として、目の前の一人の被害者の後ろには同じように苦しむ千人の人たちがいると肝に銘じ、被害ある限り絶対に諦めないと力を合わせてきました。憲法は国民のものです。国民は改憲を求めていないのに、上から押し付けようとするところに根本的な矛盾があります。この憲法審査会を動かすことは、勢い改憲項目をすり合わせ発議への地ならしとなる重大な危険をはらんでいます。  審査会は動かすべきではないことを改めて強く申し上げ、意見表明といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。

山本太郎れいわ新選組

○山本太郎君 れいわ新選組代表の山本太郎です。  コロナで危機感を持った国民がいる間に憲法改正を進めようという声が聞こえてきます。そのやり口を詐欺と呼びます。災害便乗型の詐欺です。本審査会の尊敬する諸先輩方の中にはそのような火事場泥棒的発想を持つ人はいないので、今日は安心して発言できることを感謝申し上げます。  憲法改正は、立法府が取り組むべき優先順位としてかなり低いものであることをしっかり政治家が認識しなければなりません。  二〇二二年参議院選挙後の七月に行われた共同通信世論調査、選挙で投票する際、最も重視した政策を見てみると、一位が物価高、経済対策四二・六%、二位が年金、医療、介護一二・三%、三位が子育て、少子化対策一〇・四%、四位が外交や安全保障九・六%、五位以降にコロナ対策、原発、エネルギー対策と並び、憲法改正五・六%。国民が求める国政における重要課題は憲法改正ではないと分かります。  国民にとっての最重要課題は、目の前の生活です。不安しかない将来、老後です。改憲を直ちに進めたいという人には申し訳ない話なんですけれども、憲法を変えなければ直ちに不都合がある状態ではございません。逆に、現行憲法が遵守されなければ、命や暮らしが脅かされる事態が存在します。二十五年間に及ぶ経済不況、そこにコロナの感染拡大、そして輸入物価高という三重苦の中で、明らかに生存権や幸福追求権が脅かされ続けている。  本年、岸田政権の経済財政報告の資料にあった所得の中央値、全世帯で所得の中央値が二十五年間で百三十一万円も減少したと。先進国の中で唯一不況が続き、衰退し続ける国が日本、先進国の中で唯一日本だけが賃金が上がらない国、高い所得から低い所得、全て並べて真ん中の値、中央値が百三十一万円も低下、一部の勝ち組以外は多くが貧しくなった、それが日本なんですね。  この三十年近くの間、ほぼ一部資本家のためだけに政治は機能してきた。直間比率の是正の掛け声とともに、大企業に対する大減税を行い、それと両輪で消費税を減税、働き方の流動化の名の下に、労働環境を不安定にし、いつでも首を切れる非正規労働者を増やす、海外からの低賃金労働者も流入させ、賃金が上がりづらい圧力を強める。人々の収入を減らし購買力を奪い、事業者の収益を減らし国内の需要を落ち込ませる無限ループ。国内産業は新たな需要を求め国外に移転、国内の空洞化は加速しました。一方で、資本家は過去最高益を上げ続ける。賃金を削り、未来への投資、設備投資も削り、株主への還元を最大化する株主至上主義に転換、内部留保は十年連続過去最高、昨年は五百十六兆四千七百五十億、一一年度からの増加率は約八割です。  その一方、国民生活どうなっていますか。コロナの前、二〇一九年、厚労省大規模調査を見れば、生活が苦しい、やや苦しいと答えた割合、全世帯で五四・四パー、母子世帯で八六・七パー。コロナの前から憲法二十五条違反なんですよ。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と、憲法二十五条守られていませんよね。憲法改正云々言う前に、やるべきことあるんです。  将来に不安しかない、そういった人々の認識が広がれば生きる希望も失われます。厚労省人口動態統計を見ると、二〇一九年時点で、十五歳から三十九歳の若者の死因、死ぬ原因の第一位は自殺です。  子供から大人まで死にたくなる社会を広げたのは、紛れもないここ永田町。社会不安を自分たちの手でつくっておきながら、その責任も感じない政治家たちが今もあぐらをかいている状態ですが、自分たちがまいた種により、見捨てられた就職氷河期、老老介護、介護離職、介護殺人、ヤングケアラーなど、社会問題は肥大化しています。  個人として尊重されるどころか、自助、共助で何とかしろ、甘えるな、国にもたれかかるなという憲法十三条違反はずっと前から続いています。まさにこの世が地獄、そこにコロナの感染拡大、打撃を受けたのは、ここの三十年で最も政治が切り捨ててきた弱い立場の方々です。  特に、女性の貧困と自死が加速。二〇二一年、横浜市が行ったロスジェネ、非正規女性の調査。年収はほぼ二人に一人が二百万円未満、貯蓄は十万円未満が最も多い。収入の低さから病院にもなかなか行けないという実態が明らかに。二〇二一年自殺対策白書、飲食サービス業など非正規女性が多い現場の雇用環境が悪化。二〇一九年までの五年間の平均と比べ、女性の自殺者数は三割近く増加。学生も困窮、親の収入が減少、バイト先の仕事もなくなり、経済的事情で退学を余儀なくされた者もいる。  これらは過去の話ではありません。毎週土曜に民間が行う新宿都庁前での食料配布、受け取る人の数はコロナ前で四十人から七十人程度でした。今年の十月二十九日には、過去最高六百三十一人、コロナ以前の十倍もの状態。永田町の政治家が想像するよりもはるかに時代は悪化の一途をたどっている。  政府は、目の前の物価高騰に策を打つと言いますが、見当違いも甚だしい。二十五年以上の不況、そしてコロナ、そこに輸入物価高騰、この三重苦を何とかする意識と気概と政策がなければこの国は立て直せない。そして、この憲法違反の状況は是正されません。消費税を廃止、悪い物価高騰が収まるまで一律の現金給付は、緊急対策としてマストです。  本審査会は、憲法がその趣旨どおりに実施されているか、憲法違反が生じていないかを調査する役割を持つと先日の理事懇談会でも確認されました。憲法を通しての行政監視を行える唯一の本審査会で、本日私が発言した二十五条違反、十三条違反はもちろんのこと、それ以外にもほごにされ続けている憲法違反及び疑いに関する調査を徹底的に行い、しっかりと是正するよう政府を導き監視する、そのような本審査会の本来の本格的活動に期待して、私からの発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 以上で各会派の意見表明は終了いたしました。  次に、委員間の意見交換を行います。  一回の発言時間は各三分以内でお述べいただきたいと存じます。  なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。  牧野たかお君。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 自由民主党の牧野たかおでございます。  私は、合区解消と地方公共団体、特に地方公共団体の憲法上の位置付けの明確化について申し上げたいと思います。  現在の日本国憲法では、第八章として、第九十二条から第九十五条までに四条を設けて、地方自治の基本原則、地方公共団体の機関、直接選挙、地方公共団体の権能及び特別法の住民投票について規定をしております。  同じ統治機構について記述している国会、内閣、司法、それに財政の部分に比べてもその分量は極めて少ないものであり、広域地方公共団体の都道府県と基礎的な地方公共団体としての市町村の位置付けも憲法上明確ではありません。  全国知事会がまとめた報告書でも、基礎的な地方公共団体と、これを包括する広域的な地方公共団体と明示する条文改正を含む地方自治に関する憲法の改正草案が提示されております。  地域の自主性を尊重し、多様な魅力を生かすことができる社会を実現していくためには、現代における分権型社会の在り方も念頭に置きつつ、現在の都道府県と市町村を広域の地方公共団体と基礎的な地方公共団体として憲法に位置付けることで、都道府県と市町村の基盤の安定化と地方自治の強化を図っていくことが必要だと考えております。  同時に、都道府県が災害対応や感染症対策などを政府と連携しながら進めている現実を直視しますと、国と一体となって救出や復旧活動に当たり、また、地域の民意をまとめて責任を持って国政につないでこれを反映させる機能を持っている都道府県という単位に代わる存在は、現時点ではほかにありません。  また、我が国が明治以降育み、今も住民になじんでいる都道府県という区分を無視した二県合区の弊害についても、憲法に投票価値の平等の規定があるから仕方がないといって諦めることはできません。  参議院としての責任を果たすべく、この憲法審査会においても、与野党を超えて、合区解消と地方公共団体の憲法上の位置付けの明確化について一日も早く具体的な議論を進めていき、国民の皆様に最終的な判断を委ねるべきだと考えております。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 熊谷裕人君。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。  去る十月二十五日に自民党は、党改革実行本部のガバナンスコード改訂案を総務会で正式に決定をし、旧統一教会及びその関連団体との関係遮断を徹底し、活動を助長する行為及びこれらの組織、団体からの不当な政治的な影響を受ける行為については、厳にこれらを控える方針を明確に打ち出しております。  裏を返せば、これまでこれらの行為が行われてきた可能性を認めるものではないかと私は思っております。  そこで、本審査会で憲法議論を進めていく前に、自民党の委員の皆さんがこの選挙で世界平和連合から推薦確認書の提示を受けたり、それに署名をしたことがあるかの確認、そして、旧統一教会、世界平和統一家庭連合の推薦を受けていないかということの確認、そしてさらに、昨年六月に発足し、本年八月末に解散した自民党の日本・世界平和議員連合懇談会という議員連盟への所属などについてまずは確認をさせていただきたいなというふうに思っております。  というのも、統一教会の構成団体と関連団体に関しては、平成十三年六月二十九日の札幌地裁の確定判決で国際勝共連合は統一教会の構成団体と認定をされているからであります。そして、その国際勝共連合と姉妹団体である世界平和連合と付き合っていると、先ほど述べました日本・世界平和議員連合懇談会の会長代行であります奥野信亮衆議院議員は付き合っていると明言をしており、そして会議には国際勝共連合の幹部も出席しておりました。委員の皆さんが様々な形でこれらの団体からの推薦や議連の所属ということであれば、政策的な影響を受けたのではないかという疑念が拭えないからであります。  国際勝共連合が訴える憲法改正条項と、先ほど山本幹事も言及しておりました自民党の改憲四項目は近似している上、家族観やLGBTQ、性教育に関する考え方なども近似しているので、残念ながら憲法議論へは進めないのではないかというふうに考えております。  私は、まず、小西幹事も言及していた憲法違反問題の議論を進めるべきと考えており、そして憲法審査会は、この憲法審査会を速やかに進めていくためにも、委員の皆さんへ、先ほど述べた推薦確認書や推薦、議連への所属に関することについて一人一人確認をさせていただきたいところでありますが、時間がないので資料の提出を求めたいと思っております。  後ほど幹事会の協議事項として取り扱っていただくように会長へお願いをさせていただいて、私からの意見表明とさせていただきたいと思います。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会において協議いたします。  堀井巌君。

堀井巌自由民主党

○堀井巌君 憲法審査会は、憲法調査会及び日本国憲法に関する調査特別委員会を引き継いで設置された機関であり、一つ、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制についての広範かつ総合的な調査、一つ、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等の審査を行う審査会であると認識しております。  国民からの負託を受け、その代表として審査会に出席している我々は、憲法上の重要な論点について国民に分かりやすく各々の考え方を示すことが重要であると思います。憲法について多様な意見があるのは民主主義が機能している証左でもあります。私は、多様な意見に真摯に耳を傾け、他の委員の方々とともに国民の方々に論点をお示しをしていきたいと考えています。  憲法九条について一言述べたいと存じます。  国家の最大の目的は、言うまでもなく国民の生命、身体、財産を守ること、すなわち平和を守り抜くことであります。第二次世界大戦後において、我が国は最も厳しい安全保障環境に置かれており、またロシアによるウクライナ侵略に見られるように、国際法を無視した力による一方的な現状変更の試みが多くの人々の命を奪っている現状を鑑みたとき、安全保障の核である自衛隊の存在を憲法上どのように考えるのか国民に示していくことは政治の責任であると思います。  現在、政府において、いわゆる安全保障三文書の改定作業が行われています。与党においても精力的に議論をしています。その中で、議論の土台というべき憲法上の自衛隊の位置付けについて、いまだ多くの憲法学者が違憲論としているのが現状です。有事の際に自衛隊の存在や活用を前提しているのであれば、憲法上の自衛隊の解釈を確定することが重要と考えます。  私は、自民党案のとおり、憲法九条に実力組織である自衛隊を明記し、合憲であることを明確にすべきであると考えます。もし九条を改正すべきでないという会派があれば、なぜ自衛隊を明記せず、違憲論がある状態を継続することが我が国の平和を守り抜くことになるのかを分かりやすく説明をいただきたい、そして議論を深めたいと考えております。  憲法制定以来、最も大きな争点でもある憲法九条について、各党各会派が現在の安全保障環境に照らしつつ各々の考え方を示し、平和を守り続けるためにいかなる規定ぶりが適切なのか、国民とともに考えるきっかけとなる建設的な憲法審査会になることを切望しています。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 音喜多駿君。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。  我が党の猪瀬委員より具体論について申し述べましたので、私からは総論について意見を申し上げたいと思います。  我々日本維新の会は、二〇一六年に公表した憲法改正原案、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の三項目に加えて、今年に入り、平和主義、戦争放棄を堅持しつつも、自衛のための実力組織として自衛隊を憲法に位置付ける憲法九条の改正及び緊急事態条項の制定を公表しております。これは、ウクライナ情勢や新型コロナ対策という直近の事態で明らかになった日本社会の課題にも対応するために加えたものであります。  ところで、直近の衆院選、参院選において、ほぼ全ての政党が日本の課題として挙げていたものが幾つかあります。例えば、人口減少、少子高齢化はどの政党も課題と捉え、政策を掲げておりました。あるいは、東京一極集中と地方の衰退や我が国の安全保障を取り巻く脅威といった点も多くの政党が共通課題と考え、解決に知恵を絞っているという状況です。  一方で、憲法はその間に何をしていたかというと、制定以来一度も改正を経験していない。すなわち、政治、経済、社会や国際情勢の変化に対して憲法は何らの応答をしてこなかったという敢然たる事実がございます。この点を主張いたしますと、憲法改正をしなくとも、立法や行政権の行使により課題解決を図ることは可能であるという反論もございます。確かに、憲法に求められる高度の安定性を踏まえれば、傾聴に値する御見解です。  この安定性を礎に、憲法改正をしなくても課題解決ができることもあるし、そうした時代もあったことでしょう。しかしながら、憲法には政治、経済、社会の動きに適応する可変性もまた不可欠です。可変性を失った硬質過ぎる憲法は、その硬質度ゆえに内閣法制局や時の政権によって恣意的に解釈、運用され、結果的に軟性的な憲政へ向かっていきます。これは、いわゆる護憲派と呼ばれる方々にとってもむしろ最も忌避するべき事態ではないでしょうか。  そして、憲法制定時には想定していなかった現代社会の課題を解決するには、憲法にふさわしいグランドデザインを書き込むことが必要です。例えば、我が党が改正案として提示している教育の無償化、これが実現すれば、時の政権が替わったとしても、教育の機会平等を国民の総意による普遍の理念として位置付けることができます。今は極端に少ない教育予算についても、憲法事項として政策実施することになり、そのための予算の確保においても最優先事項となり得ます。  イデオロギーに関係なく、現代社会の課題解決のために必要となる憲法事実について、衆参の憲法審査会の場で審査をし、国民に選択肢を示すべく結論を出すこと、このことこそが現代社会の課題解決という職務を担っている国会議員、憲法審査会のメンバーの重大な職責であるということを強く申し上げて、私からの意見とさせていただきます。  ありがとうございます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 片山さつき君。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 ありがとうございます。  自由民主党の片山さつきです。  今年の三月は、国民の多くが核共有についての憲法上の制約の有無を含め議論は避けるべきでないとお考えであるということを申し上げました。今回は、自衛隊の処遇面での改善において、自衛隊の憲法九条明記が果たし得る役割に触れさせていただきます。  自衛隊を評価される国民は九割にも達しておりますけれども、いざ、じゃ、自衛隊は合憲なのか、あるいはそういう質問については分からないとか、まあまあ否定的な答えもあります。政府解釈では自衛隊の合憲性を一貫して言っているわけでございますが、憲法に明文の根拠規定がありません。  だから、ここで神学論争に終止符を打とうというのが提案の一つの理由ですが、その一つの切り口として、現状の自衛官の俸給の在り方があります。つまり、発足前に警察予備隊であった自衛隊であることもあってか、自衛官の俸給表は二佐クラスでは警察官、刑務官等と同等の公安職がベースでありまして、一佐になりますと、行政職の(一)というのは、もう私もそうでしたけれども、役所の課長さんとか課長補佐さんとか、そういう俸給表に並びになり、さらに、将とか将補になりますと、行政の指定職、局長とか審議官と並びになるんですね。で、危険を伴う業務がいろいろ多様化してきたことによって、特殊勤務手当をとにかく増やして積み上げてきて、イラクのときにはついに日額二万四千円まで行ったわけですが、今、防衛力強化に七割から八割の国民が御賛成をいただいて、三文書の議論もしているわけでございます。  そして、処遇の改善には非常に多くの割合の国民がポジティブな反応をいただいているわけですから、今この状況で、若者が少なく人手不足の日本では募集は非常に困難になっております。  自衛隊の憲法明記は自衛隊の地位を高めることにもつながりますが、新たに任務や権限を与えるわけではありません。いろいろ御懸念の皆様が心配されるようなことなく、基本的な処遇を、そして俸給体系を引き上げるきっかけになり得ることと思います。  先般来日された元太平洋司令官のブレアさんは勲一等旭日大綬章なんですね。ただ、自衛隊のトップの統合幕僚長になっても勲二等瑞宝章であります。万が一の場合の功労金や報償金も、警察の方は九千万円ですが、自衛隊は今六千万円までになっており、ミサイルの能力も向上し核実験も取り沙汰されているこの状況の中、防衛力強化に国民の八割が賛成している今、何とか自衛隊の九条への明記について本審査会でもできるだけ早く議論としていただきたいと考える次第です。  ありがとうございます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  参院選後のNHK世論調査で、政府が取り組むべき政策課題として憲法改正を挙げた人は六%にすぎませんでした。改憲は政治の優先課題ではありません。  憲法審査会は、憲法改正原案及び改憲発議の提出と審査を任務とする機関であり、国民が求めていない中、動かすべきではありません。安保三文書の改定を見据え、憲法を壊す動きが加速していることこそ大問題です。  政府・自民党は、敵基地攻撃と言いながら、相手国の指揮統制機能等を含むとし、日本でいう総理官邸や防衛省本省などをも攻撃できる能力を持とうとしています。攻撃型の兵器は憲法の趣旨に反するため保有できないとしてきた従来の立場を大転換し、専守防衛を投げ捨て、事実上先制攻撃まで可能にしようとするものです。  安保法制、集団的自衛権の行使とセットで使われる危険は深刻です。日本が攻撃されてもいないのに、アメリカが戦争を始めると、自衛隊が米軍と一体に敵基地攻撃能力で相手の国に攻め込む、相手にとっては先制攻撃となり反撃を招きます。日本を守るための抑止力などではなく、米軍を守るために使われ、日本を戦争に巻き込むものと言わなければなりません。軍事費をGDP比二%、この先五年で四十八兆円もの大軍拡に突き進めば、増税か他の予算の削減か国債発行か、いずれであれ暮らしと経済を圧迫することは明らかです。  軍事的抑止力への依存は、いざというときには戦争し、勝てるだけの能力を保有し、誇示することにほかなりません。それは安全保障のジレンマに陥り、緊張関係を高めるばかりです。  日本共産党は、米中をも包摂した平和の枠組みが必要だと提起してきました。ASEAN諸国は、軍事同盟ではなく、東アジア・サミットの枠組みを強化することで紛争の平和的な解決を目指しています。この枠組みを米中を含む東アジア全域に広げる、こうした外交ビジョンを持つべきです。  日本国憲法前文は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意しています。今行うべきは、空前の大軍拡に突き進むことでも憲法を変えることでもなく、憲法九条を生かし、対話と協力の地域をつくるために知恵と力を尽くすことだと強調し、発言といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 浅尾慶一郎君。

浅尾慶一郎自由民主党

○浅尾慶一郎君 自由民主党の浅尾慶一郎です。発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  私は、日本国憲法の前文について取り上げていきたいというふうに思っておりますが、まずその前に、この日本国憲法が制定した過程、もう皆さん、先生方御存じのとおりだと思いますけれども、帝国憲法を全面的に改正したものであるということを改めて申し上げておきたいと思います。  そして、この憲法が制定されたときは、我が国は主権が制限された中で制定されていたものであり、なおかつ国際社会に目を向けた場合には、まだ米ソ冷戦という状況ではなかった、そういう中で制定された憲法であるということをまずもって申し上げておきたいと思います。  加えて、その後の変化、特にロシアがウクライナを侵略するといったようなことが起きておりますし、あるいはまた、日本の近郊においても北朝鮮が日々様々な核開発あるいはミサイルを発射する、そして、中国と台湾との間で様々な緊張があるというようなこと、そうした国際情勢の変化があるということも併せて付言をさせていただきたいと思います。  大切なことは何かというと、先ほど来お話がありますけれども、国民が求めているかいないかということとは別に、どういう国際情勢の中で、冷静に判断をしながら私たちが取り組むべきことに取り組んでいくことが必要なんではないかなというふうに思います。  時間の関係で、前文のところで一つだけ申し上げておきたいと思いますが、例えば前文の中で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」という文言がありますが、この平和を愛する諸国民の公正と信義の中に、では果たしてロシアや北朝鮮が含まれるのかどうか。こうしたことを考えた場合には、様々な議論をして正しい憲法に変えていくということは私は当然のことではないかと思いますんで、是非委員の皆様方の御議論をお願い申し上げたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 吉田忠智君。

吉田忠智立憲民主・社民

○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智です。  日本国憲法が施行されて七十五年になりますが、一度も改正されていません。私は、改正されなかった理由が三つあると思っています。  第一は、改めて申すまでもありませんが、日本国憲法の内容がよくできているからであります。  第二は、国民が改正することを望まなかったからであります。  第三は、これまでの社会経済情勢の変化を踏まえ、多岐にわたる法律の制定や改正で補完してきたからであります。  例えば、自衛隊の活動についても、国際情勢の変化を踏まえ、厳しい議論を経て幾多の法整備が行われてきました。もちろん、二〇一五年の安保関連法における集団的自衛権行使容認は明らかに憲法違反であり、立憲民主党は安保法制の違憲部分の廃止を求めています。また、災害に備えて災害対策基本法が制定されています。  よく、ドイツでは六十三回も改正が行われていると比較されますが、ドイツでは本来法律に書き込むような細かい事項まで憲法に入っているため、改正回数が多くなったと言われています。一方、日本国憲法は基本的で重要な事項を体系的かつ論理的に網羅しているため、立法で対処してきたと言えます。  私は、参議院憲法審査会が議論すべきことは、憲法を変えることではなくて、憲法を生かす、活用することだと思っています。  憲法九条違反については先ほど触れましたけれども、日本においても、貧困、格差の拡大によって、二十五条の生存権や十三条の幸福追求権が脅かされている厳しい実態がございます。  参議院憲法審査会では、これまでも憲法違反事案について議論され、幹事会協議事項として積み残された課題も多くあります。  また、新たな課題も出ています。安倍元総理の痛ましい銃撃事件をきっかけに浮上した旧統一教会問題、政治と宗教の問題、旧統一教会が自民党改憲案に与えた影響、また多くの問題のある国葬についても、憲法との関わりについてしっかり議論しなければなりません。  さらに、参議院独自の課題として、参議院選挙区合区問題、参議院緊急集会についても議論すべきです。  国民投票に関する課題についても積み残しになっています。CM、インターネット規制、最低投票率、公務員の国民投票運動など、二〇〇七年参議院附帯決議に盛り込まれた課題についても、今後の取扱いについて議論する必要があります。  参議院憲法審査会では、これまで同様、良識の府、熟議の府として冷静かつ慎重な憲法議論を行うべきであると申し上げ、意見表明とします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 佐々木さやか君。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。  私からは、参議院の緊急集会について申し上げたいと思います。  日本国憲法第五十四条二項ただし書は、参議院の緊急集会について定めております。緊急集会は、芦部先生の「憲法」によりますと、衆議院が解散されて総選挙が施行され、特別会が召集されるまでの間に、法律の制定、予算の改定その他国会の開会を要する緊急の事態が生じたときに、それに応えて国会を代行する制度であって、参議院の基本的かつ重要な権能であります。衆議院が解散されて存在しない場合にも、緊急時には参議院が国会の意思決定を行うことが予定されており、後の国会で衆議院の同意を必要とする臨時の措置とはいえ、参議院の果たす役割の中でも特に重要なものと考えます。  ところで、緊急集会は、参議院議員が全国民の代表であることから成り立つ制度であります。すなわち、憲法は、第四十二条で「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」と定め、第四十三条で「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」としております。衆議院と参議院はいずれも全国民の代表であって、両院は基本的に対等であり、第六十条、これは予算案に関する衆議院の優越についての規定ですけれども、こうした衆議院の優越というものも一定の事由に限られております。  このように、参議院が全国民の代表であることから、緊急時において、緊急集会の制度により参議院が国会を代行する民主的正統性を有すると言えるのであります。そのため、仮に参議院の性格を地域代表と考えることは、全国民の代表であることから導き出される参議院の権能を始めとして我が国の二院制の根本に関わることとして注意深く捉え、議論する必要性を指摘したいと思います。  緊急集会は、参議院の独自性の観点からも重要な権能であるとともに、大規模災害や感染症の大規模流行など、緊急事態への対応が今日的な国政における課題となっている中にあって、この憲法審査会においてもより議論を深めるべきテーマであると申し上げて、意見とさせていただきます。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。  統一教会のことが問題になっています。自民党日本国憲法改正草案と統一教会の主張の親和性、同一性について申し上げます。  憲法九条改悪、緊急事態条項の新設、家族条項についてなど、重要な点で全く同じです。自民党日本国憲法改正草案は憲法ではないと私は思っております。憲法は国家権力を縛るものなのに、国民を縛るものになっています。憲法尊重擁護義務に国民を付け加えていることもその表れです。国民は常に公益及び公の秩序に従わなければならないとしています。  憲法二十四条一項に、家族は社会の自然かつ基礎的な単位であり、尊重される、家族は互いに助け合わなければならないとしています。公助ではなく自助の強調です。統一教会も家族条項を重要視し、自民党議員との推薦確認書に家庭教育支援法及び青少年健全育成基本法の制定を挙げています。  霊感商法で何十年と多額の被害を出し続けてきた統一教会が自民党の政策に影響を与え続けてきたことは看過できません。そして、自民党日本国憲法改正草案がその大きな影響の下にできたのではないかと考えられ、このような日本国憲法改正草案に一切くみすることはできません。  統一教会は、選択的夫婦別姓や同性婚など、多様な生き方や家族を認めることに反対をしてきました。さらに、様々なジェンダー平等政策が進むことを止めてきました。  文芸春秋に鈴木エイトさんが書いています。天宙平和連合、世界平和超宗教超国家連合の「二十一世紀 世界平和の為の日本女性指導者セミナー」の中のレジュメに、現在の課題となすべきこととして、第二次五か年計画、基本計画においてジェンダーという文言を使用させない、安倍晋三官房長官と山谷えり子内閣府政務官でチェックできるように関係省庁、議員に積極的に働きかけるとあります。  そこで、山谷えり子議員にお聞きをしたいなと思います。  第二次男女共同参画基本計画においてジェンダーという言葉を使わせないというようにチェックをするということがあったんでしょうか。どのように関与されたんでしょうか。推薦確認書を交わしたことがあるのでしょうか。性教育やジェンダー平等教育、選択的夫婦別姓、同性婚について、統一教会構成団体と意見を交換したり講演をしたり議論をされたことというのはあるのでしょうか。  自民党日本国憲法改正草案の策定には多くの方が関与をされていらっしゃいます。この憲法審査会の中にも重要な方がいらっしゃると思います。統一教会との間で推薦依頼書などの確認、交換があったのか、どういう議論をされてきたのか、是非教えていただきたいと思います。  憲法を生かすことこそ重要であり、憲法破壊や、それから基本的人権を制限するようなことは日本国憲法の下であり得ないというふうに考えておりまして、憲法尊重擁護義務を持つ国会議員こそ憲法を……

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 福島君、申合せの時間を過ぎております。おまとめください。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 はい。  憲法を尊重するようにということを申し述べ、私の意見といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 中西祐介君。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。  これまで憲法における選挙制度の議論を重ねていただきまして、感謝申し上げます。二度目の合区選挙を経た私から、改めて合区対象県の思いを代弁したいというふうに存じます。  手段にかかわらず、一刻も早く合区解消を求める、まさに有権者の切実なる率直な思いであります。当該県知事も指摘する最も悪い影響は、投票率でございます。徳島は、前回より七・二%上昇したものの、最終的に四五・七%と全国最低が二回連続続き、また二県では四六・五%と、合区導入以来低迷が続いています。  これらを受けて、全国知事会を始め地方六団体全てから合区解消の決議を毎年取り続けていただき、また、七年がもう経過をして、いまだ解消されぬままでございます。これらは各会派に対して決議文の交付もしていただいているところでございますけれども、切実なこうした民意を参議院として厳粛に受け止め、二〇二五年までに解消すべき問題でございます。  南海トラフ等大規模災害に備えた国土保全の観点や、明治以来の歴史的、経済的一体性、また、平時に加え緊急時のコロナ対策などは、自治体単位で行政推進していく中で、我々だけなぜ参議院選挙、お隣二県合区でなければならないのか、県民感情として到底受け入れられない、打ち捨てられたような悲哀に近い複雑な感情がございます。  徳島・高知選挙区での公開討論会では、立候補された日本共産党、日本維新の会、国民民主党、参政党、NHK党の公認候補者から、全員から合区解消を求める明確な主張が相次いでおります。また、先日の参考人や立憲民主党の小西幹事、また、先ほど国民民主党の大塚幹事からも傾聴に値する御提言もいただいておるところであります。  参議院定数訴訟における最高裁のリーディングケースとされます昭和五十八年判決での、投票価値の平等を選挙制度の仕組みの決定における唯一、絶対の基準としているものではないとの言及を踏まえ、正当に考慮できるほかの政策的目的ないし理由を示し、国会における裁量権の行使として法改正で都道府県単位選出を考えるのは大いに検討すべきアイデアの一つであると考えます。  私は、目先の較差是正だけの取組では、今後の最高裁でより厳しい判決が下される可能性があると懸念を持っています。平成二十四年判決では、都道府県を参議院選挙区の単位にしてはならないという憲法上の要請はなくとの言及まで及んでおりますので、さらには、先日の二十二年参議院選挙の一連の高裁判決の中でも、合区導入以来、三倍台前半の低水準の較差でありながら、更なる是正と具体的なアクションを求める姿勢を強めています。背景には、参議院の意思として、抜本的に院の在り方、また参議院の位置付けを明確にした上で参議院選挙改革を進めよとのメッセージがあると思っております。  私は、これらを踏まえ、必ず二五年次期参議院選挙に向けて、有権者の思いに寄り添う法律改正、加え、憲法四十七条や九十二条、第八章の議論も深めていただくことを本審査会に求めて、発言といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 石川大我君。

石川大我立憲民主・社民

○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。  婚姻の平等、同性婚について申し上げます。  同性婚については、二〇〇一年、オランダにおいて世界で初めて制度が採用されて以降、急速に世界に広がり、今ではG7加盟国で法的保障を付与していない国は日本だけになりました。  日本国憲法二十四条が、婚姻は両性の合意のみに基づき成立しと規定していることから、憲法が同性婚を禁止しており、憲法を改正しないと同性婚制度を創設できないとの誤解が一部で見られますが、そのようなことは全くありません。政府は同性婚について想定していないと答弁をしていますが、違憲であるとする答弁は一度もなされていません。  また、婚姻の平等を求めた訴訟の判決を見ますと、まず、二〇二一年三月の札幌地裁判決では、同性愛者に婚姻によって生じる法的効果の一部ですらこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは差別取扱いに当たり、憲法十四条一項に違反するとの違憲判決を出しつつ、立法府は同性間の婚姻及び家族に関する事項を定めることについて広範な立法裁量を有していると解するのが相当と述べています。  また、二〇二二年六月の大阪地裁では、合憲判決を出しつつも、憲法二十四条一項が異性間の婚姻のみを定めているからといって同性間の婚姻又はこれに準ずる制度を構築することを禁止する趣旨であるとまで解すべきではないと判示しています。  今こそ私たち国会議員は、民法改正によって、婚姻の平等、同性婚を可能とする法律を制定すべきと考えます。同性婚に肯定的な意見は日に日に増しています。二〇二一年の朝日新聞の世論調査を見ても、六五%の賛成、若年層では、十八から二十九歳は八六%、三十代は八〇%が賛成をしています。しかし、残念ながら、政府・自民党、公明党の動きは非常に否定的なものがあります。理解促進のための法案ですら自民党の反対で提出することができませんでした。  今問題になっている旧統一教会の推薦確認書には五つの確認事項があり、その一つにLGBT問題、同性婚合法化に関しては慎重に扱うとする一文がありました。多くの自民党員がこうした推薦確認書に署名をしていることが報道される中、旧統一教会の意向を酌んだ議員が同性婚の法制化を阻んでいたのであればゆゆしき事態です。日本に対して敵対的な態度を取り、日本国民から多額の金品を奪取している反社会的集団である旧統一教会の教義で同性婚に反対している議員がいるのであれば、国会がゆがめられていると言わざるを得ません。  この憲法審査会のメンバーの中にも、少なくても七人の自民党議員と旧統一教会に関する報道がなされています。旧統一教会の教義に従って、あるいは旧統一教会からの支援を期待して、LGBTの人権、同性婚に否定的な態度を取ってきたのか、自ら明らかにする責任があることを申し上げ、発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 赤池誠章君。

赤池誠章自由民主党

○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。  昨年発言の機会をいただいたときにも同様のことを申し上げたのですが、本来、憲法とは、国家の基本的な体制を定め、国民を守るためにあるのだと思います。しかしながら、戦後、現行憲法を現行のままに維持するために国民が憲法を守るように、国民を守るためにはそもそも現行の憲法のままでよいのかという視点での議論が残念ながら十分進んでこなかったのがこれまでの国会の状況ではないかと今でも思っています。  我が国の安全保障は、先ほど自民党同僚議員からの指摘もあったとおり、まさに重大な岐路に立たされております。我が国を取り巻く安全保障環境には元々地政学的リスクがありますが、昨今、我が国の安全保障上のリスクは増大の一途をたどり続けております。  チャイナは、力による一方的な現状変更やその試みを続け、近年ではロシアと軍事的な連携を深化させており、北朝鮮は、過去に例を見ない頻度でミサイルの発射を繰り返し、一方的な挑発をし続けております。  一方、サイバー空間を始めとした新たな領域が加わったことで、我が国や企業等へのサイバー攻撃の脅威は深刻なものとなり、さらに、技術革新に伴う軍事技術の進展を背景に、先端技術等をめぐる経済安全保障の重要性が高まっております。認知戦や情報戦が展開され、平時でも有事でもないグレーゾーンという事態が顕在化する中で、安全保障の在り方は今まさに根本から問い直されております。  安全保障の分野において従来の在り方が通用しなくなってきている中、本年、ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす事態が起こりました。そして、ロシア同様の専制主義とされる隣国チャイナでは、習近平体制が三期目、二〇二七年まで延長され、我が国としては台湾有事に最大限の緊張感を持って備えなければならない状況にあると言っても過言ではありません。我が国が不断の努力で築き上げた平和と安全、そして自由と民主主義を断固として守り抜くためには、よもや憲法が足かせになるようなことがあってはならない、心底そう思っております。  そして、我が国においては、コロナ禍という感染症の大流行、頻発する自然災害による緊急事態にも備えておかなければなりません。いかなる緊急事態であろうとも、国民を守るためには国家体制が機能し続けなければなりません。行政府に委任しない、でも議員の任期は、定足数は、公開原則など、現行の憲法規定のままで緊急事態下でも我が国会は開会し続けることができるのでしょうか。国会が開会できない場合はどうするのか等、根本的な問題が残念ながら議論されておりません。  もちろん、教育の充実等、議論することは忘れてはなりませんが、今や喫緊の課題となりつつある緊急事態下の様々な課題に対し、現行憲法で国民を守ることができるのか、そのことを憲法審査会で不断に議論することを私たち国民代表の責務であることを強く訴え、私の意見表明といたします。  最後に、先ほど山本太郎議員の詐欺というのは刑法犯罪者のことであり、それが国権の最高機関として、そしてこの憲法審査会でふさわしいかどうか、議事録を精査していただいて、幹事会で御検討いただきますよう提案いたします。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議いたします。  舟山康江君。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。  私は、現法の日本国憲法は、人権尊重、国民主権、平和主義といった基本原理の下、政治プロセスの合理性、正統性を確保するため、国家権力の構成、統制と個人の人権保障を定めており、全体として高く評価すべきであって、今後もこの基本原理や体系は維持すべきであると考えています。  一方で、現行憲法制定時には想定もしていなかった時代の変化に対して、例えばデジタル化に対応したデータ基本権など新たな議論が必要だと考えています。  加えて、先ほど大塚議員からも言及がありましたけれども、統治機構分野におきましては、そもそも日本国憲法は規律密度が低い、すなわち条文の抽象度が高く、また条文の分量が少ないため、法規範として規律統制する力が弱く、解釈あるいは不文律で補わなければならない余地がたくさんある、このことがむしろ問題だと考えています。広い余地を解釈ないし不文律で埋める際に恣意性が働き過ぎると、法の支配ではなく人の支配に陥るおそれがあります。  だからこそ、この御都合主義で解釈変更を許さないためにも、私は、それぞれの改憲案を示す前に、また改正を決め打ちする前に、なぜ解釈変更が起きたのか、この解釈でいいのか、そのテーマごとに原因を分析し、対応を議論すべきであると考えています。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 青山繁晴君。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴です。  発言の機会に感謝し、傍聴される主権者にも感謝します。  私は、憲法を守るということを改めて考えたいと思います。  日本国憲法は、その九十六条に改正の手続を定めています。国会議員の過半数ではなく、総議員の三分の二以上の賛成があって初めて国民の皆さんに改正を発議できる規定です。ハードルを高くすることによって、丁寧で謙虚な姿勢を立法府に求めつつ、同時に、必要が生じたときは憲法を修正することを立法府は主権者に問いかけなさいという定めだと考えます。  かつて、このハードルが高過ぎるから、まずそれを修正しようという動きが一部に生じましたが、私はそれに反対です。法治国家を貫くためにも、ためにこそ、あくまでも現在の規定によって国民にお尋ねするべきです。  では、今変えるべきときが来ているのか。  現在は、言わば破壊の時代です。この破壊とは、国際社会がようやく曲がりなりにもつくり上げた常識が破られるという意味の破壊です。例えば、ウクライナ戦争によって、国連の決議や同意なく他国に武力侵攻してはならぬという常識は丸々破られ、核の先制使用で脅してはならぬという常識も破られました。これは国連の無力化の進行であり、第二次大戦後の国際秩序が壊れていく一環でもあり、その国際秩序を前提にしてきた現憲法の安全保障に関する規定を見直すべきときが来ていると考えます。  私たちは、時代の現実に即して、戦争が起きないよう抑止し、平和を守り、国民と国家を守り抜く憲法を常に持っていなければなりません。敗戦後の祖国再建に当たられた先人は、当時の人々が作った定めである憲法がいつの日か時代に合わない日が来ることを深くよく知り、九十六条を置くという知恵を発揮されました。その知恵を生かすことこそ、憲法を真に守ることだと考えます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 辻元清美君。

辻元清美立憲民主・社民

○辻元清美君 立憲民主・社民の辻元清美です。  私は、この憲法審査会の前身の憲法調査特別委員会、それからその前の憲法調査会、これ二〇〇〇年に設置されましたけれども、そのとき衆議院でしたが、そのとき以来のメンバーです。そこで、この二十年来、憲法改正議論には二つの原則があるんじゃないかということを言ってまいりました。  一つ目は、法律で対応できることは直ちに法律で対応しよう。そして二つ目は、国論を二分するような問題は憲法改正になじまないということだと思います。これは国際的に共通していると思うんです。  例えば、教育の無償化、これは憲法を改正しなくとも、高校授業料の無償化など、民主党政権のときにも法律改正や予算措置で実行することができました。OECD諸国でも、教育に掛ける予算は非常に低い。今すぐにでも法律と予算措置で実現できます。ただ一方、高校授業料無償化のときには、教育の無償化と今言っていらっしゃる自民党の皆さんは、ばらまき政策だということで反対をされておりました。整合性が付きません。  緊急事態もそうです。この緊急事態も、コロナについて、例えばPCRの検査が遅かったとか、これは政策的な問題です。むしろ、東日本大震災のときも緊急事態条項についての議論が出ましたけれども、地方の知事たちは反対した人が多かったです。むしろ、国家で権力を統制するよりも、各自治体ごとに権限を強めてほしい。今回のコロナでも、各自治体によって感染の状況や現状が全く違う中で、緊急事態条項と逆行していると思います。ですから、これらは法律や施策でしっかりとやっていく。  そして、国論の二分です。  これは、特に憲法九条については国論を二分していると思います。慎重に扱うべきだと思うんです。  仮に、これが国民投票に付して否決されたらどうなるんでしょう。自衛隊は憲法違反になるんでしょうか。これを私は衆議院で安倍元総理とも相当議論をいたしました。国論を二分していることを、例えば国葬も最初は賛成が多い空気だったんですが、あっという間に反対が多くなるんです。ですから、国論を二分するような案件を安易に憲法にかけるということは、国家の安定基盤を崩す。特に、安全保障や国の存亡を懸けるようなこと、安易にするということは、相当慎重に検討しなければならない、軽々しく言えるような話ではないというように思います。  そして、これ、ヨーロッパに調査に行った折に、衆議院の中谷元さんが自衛隊の明記について、憲法改正を何回もやっている人たちに言ったことがあるんです。そうしたら、何が変わるんですかと、そうしたら、中谷さんは、変わりませんと。変わらないことをなぜ憲法改正しなきゃいけないんだと、それは大半の人が賛成しているのか、いや、二分しております。やめた方がいいと言われました。  私は、安全保障環境が厳しいときだからこそ、国論を二分するような、国葬のときもそうでした、ことを安易にこの憲法改正という論議にかけることは、むしろ安全保障上も非常に、否決されたときのこともよく考えなければ、私たちは立法府にいる者として、いけないと思っています。  最後に、主権……

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

辻元清美立憲民主・社民

○辻元清美君 もう。済みません。  最後に、主権在民ですから、国民が求めることをしっかりと議論していく。政教分離については今一番の関心事であると思います。政権与党が一部の宗教に支配されてたんではないか、この点はこの憲法審査会でもきっちり……

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 辻元君、時間を過ぎております。

辻元清美立憲民主・社民

○辻元清美君 明らかにしていただきたいと思います。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 松川るい君。

松川るい自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。自民党の松川るいです。  憲法は国の基本法であり、時代に合わせ改正していくことは当然のことと考えます。事実、一度も憲法改正をしたことのない国は、世界において我が国以外にほぼ皆無でありますが、憲法九十六条に改正条項が規定されているとおり、我が日本国憲法もまた時代に合わせて改正をすることをそもそも予定している法典であります。  なお、別に六十五回改正しているドイツだけではなく、日本同様ざっくりした規定ぶりの米国も戦後だけで六回憲法改正していることも付言させていただきます。  コロナ禍にロシアによるウクライナ侵略と、世界情勢は一層厳しさを増し、時代を画する変化に直面しており、時代に合わない憲法条項の不備はもはや看過できないレベルだと感じます。  まず、我が国の独立と平和を守る能力を有し、任務を負う唯一無二の組織である自衛隊がいまだに憲法上の位置付けを与えられておりません。どの国の憲法でも軍隊又は自衛権はきちんと規定されています。この七十年の日本の平和を守ってきたのは自衛隊と日米同盟です。自衛隊は国際法上は軍隊であり、それにふさわしい処遇や手続が必要です。ロシア、北朝鮮、中国という安全保障上の懸念が日本を取り巻く中で、これ以上自衛隊が違憲かもしれない状態を続ける余裕は日本にはないと思います。最低限、自衛隊の憲法上の明記を求めたいと思います。  また、自分の国は自分で守る、その重要性については、ロシアによるウクライナ侵略を目の当たりにし、多くの国民の皆様が感じているところであります。その観点から、主権国家として到底看過できない不適切な記述が前文にあります。平和を愛する諸国民の公正と正義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した。これは、他者に自国の生存を依存するという主権国家として恥ずべき規定、記述であり、削除、改定が何としても必要であると思います。  また、東日本大震災、コロナ禍においても、緊急事態において国家が主導的な役割を果たす重要性が認識されました。憲法に緊急事態条項が存在しない世界の憲法はほぼ皆無です。緊急事態において国家が権力を濫用しないためにも、緊急事態条項の規定を置くべきであります。  と申し上げた上で、私は、各人がこの意見をただ述べ続けるだけでは成果が得られないと思うんですね。この議論の結果、どういう点についてどういうふうに改正をしていくのか、その議論を収れんさせていくのかについて具体的に検討を進めるべきだと考えます。  国民の過半数は憲法改正を支持しています。参議院選挙後に行ったあの朝日新聞の世論調査でさえ、憲法九条改正、自衛隊明記の賛否については、五一%賛成、反対三三%を上回っています。  また、優先度が低いという御指摘もミスリーディングです。物価高対策と比べて憲法改正の優先度が低いのは当然ではないでしょうか。  私は、政治の役割は国民に迎合、後追いすることではなく、国家国民にとって必要なことについてリードしていく、そういう役割もあると考えます。是非、この憲法審査会におきまして、しっかりと国民の期待に応え、時代に合った憲法改正に具体的につなげる審議を行うべきことを改めて申したいと思います。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 打越さく良君。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 立憲民主党の打越さく良です。  日本国憲法の下で国葬儀についての法律はありません。岸田内閣は、安倍元総理の国葬儀の実施は国の儀式に関する事務に関することとの内閣府設置法四条三項三十三号が根拠となるとしましたが、同法は組織法にすぎません。もっとも、岸田総理は、国民に義務を課したり行為を強要したりすることがない限り具体的な法律は必要はないという学説に基づくとし、根拠法がなくても組織法を理由に国葬儀を実施することができるとの見解を取られています。  しかし、国政上の重要事項に関しては、全国民を代表する国会での審議と決定を必要とする見解に立てば、たとえ国民に行為を強要するものではないとしても、閣議決定で決められる事項ではなかったことになります。そもそも岸田総理は、安倍元総理が憲政史上最長という首相在任期間を務めたことなどを挙げて例外的に国葬儀を執り行うべきとした以上、国政上の重要事項ではないと言うには無理があります。  衆院法制局と衆院憲法審査会事務局によれば、憲法四十一条により国会は国権の最高機関であり、六十六条三項により内閣は行政権の行使について国会に対して連帯して責任を負うことなどから、国葬儀実施の判断が恣意的にならないためにも、国民の合意を得る手続として国会の関与が必要とのことです。岸田内閣が内閣葬ではなく国を持ち出す以上、憲法四十三条に基づき、主権者たる国民の代表の国会が関わるべきです。  さらに、国葬儀の予算が予備費から支出されたことは財政民主主義から問題です。憲法八十七条によれば、予備費は予算の事前議決の原則の例外であり、予見し難い予算の充足に充てるため認められ、不意の災害など、予算を組んで国会で審議する時間がない場合を想定しています。国葬儀に使うなら、予算を組み、国会で審議すべきであったにもかかわらず、それをしなかった岸田政権はこの点でも民主主義を軽視するものです。  民主主義を断固として守り抜くと岸田総理はおっしゃいましたが、全く逆です。巨額の予備費を設けて政府に支出を委ねてしまうこと自体が、旧憲法の緊急財政処分や予算外の国庫剰余金支出を日本国憲法の下で認めているに等しいです。  国葬儀については、単に基準の策定にとどまらず、憲法に遡った十分な議論が必要であると申し上げて、発言といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 安江伸夫君。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。  日本国憲法等に関連をして、所見の一端を述べさせていただきます。  第一に、参議院議員選挙における一票の較差の問題についてです。  さきの参議院議員選挙についても定数訴訟が全国で提起をされ、既に複数の裁判所において違憲状態ないし違憲の判決が下されているところです。もちろん、合憲の判断もなされているところではありますが、立法府としては、司法の判断がこの憲法判断において分かれている、このこと自体を重く受け止めるべきものと考えます。  定数訴訟の判決期日は今後も予定されており、明日十日には名古屋高裁金沢支部、あさって十一日には福岡高裁と続きます。十五日までに高裁の判断が出そろい、最終的には最高裁判所の統一的な判断を仰ぐことになりますが、判決の名宛て人ともいうべき立法府、とりわけ参議院としては、座してそのときを待つのではなくして、まずは各判決の内容を虚心坦懐に受け止めて、判示された違憲状態等の理由を分析をし、改革に向けた継続的な努力を怠ってはならないと考えます。  具体的な対応につきましては参議院改革協議会などにおいて着実に議論されるものと存じますが、その上で、本審査会における議論の成果も生かされるべきものと考えます。すなわち、さきの通常国会の本審査会でも、合区問題を中心的なテーマとして二回調査が行われ、一票の較差問題等についても質疑や意見交換がなされたところです。今後の議論の場でも、本審査会での議論を積極的に生かされることを期待したいと思います。  我が会派としても、参議院選挙における一票の較差問題の抜本的な解消に向けて、憲法が求める投票価値の平等と地域の代表的な性格の調和が本質的な視座であるとして、これを両立させる有効な方策として、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大ブロック制を提唱しております。  この問題については、国会、とりわけ参議院の責務として、会派を超えた積極的な改革論議が不可欠です。そして、応急処置的、急場しのぎ的な対応のみならずして、選挙のたびに違憲のそしりを受けることがなくなるような抜本的な改革に向けた議論が必要であることを強調をさせていただきます。  また、第二に、憲法第五十六条第一項の出席に関する議論についても、さきの国会における本審査会でも行われたところでございます。こうした議論を無駄にしないためにも、より具体的な規定の整備に向けた議論が深化されることを求めまして、私の意見表明とさせていただきます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 古賀千景君。

古賀千景立憲民主・社民

○古賀千景君 立憲民主・社民の古賀千景です。  私は、公立学校の教員として三十年勤めておりました。そのうち二十年は非正規、臨時採用教職員として勤めてまいりましたので、二十を超える小学校、中学校でたくさんの保護者、子供たちと出会ってまいりました。  今、感染症や物価高で多くの皆さんが生活が困窮しています。今日は、教育そして生活という視点で憲法に対する意見を述べさせていただきます。  憲法第二十六条では、「義務教育は、これを無償とする。」とうたわれています。一九六二年以前、今子供たちに無償で配付されている教科書は有料でした。当時、高知の母親を中心とした運動が始まり、それが全国に広がりました。そして、教科書無償法案が一九六二年二月に国会で可決され、今の教科書無償給与制度があります。そのよりどころとなったのが、憲法二十六条の言葉、「義務教育は、これを無償とする。」でした。今も教科書は無償です。しかし、義務教育が無償だと言えるでしょうか。  私は、三十年間学級担任をしてきました。毎月、給食費、学級費を保護者から徴収しました。学級費は、ノート、画用紙などの紙代、様々な教材等の購入に使います。担任として、できるだけ節約し、購入していきました。しかし、保護者の負担はこれだけではありません。体操服、リコーダー、裁縫道具、修学旅行などの旅費、卒業アルバムなどは別途会計です。  様々な家庭環境の子供たちが学校にはいます。ぼろぼろの上靴を履いている子、冬でも破れた半袖の体操服を着ている子。寒くないとって、全然。子供たちは、お金がなくて買えないということを口にしません。  皆さんの御自宅にも卒業アルバムがあると思います。卒業アルバムをめくって様々な思い出に浸られることがあると思いますが、その卒業アルバムさえ買うことができない子供たちがいました。みんなが買っている卒業アルバムが欲しいけど買えない。その子の気持ちがお分かりになりますか。  そのようなことを考えたときに、本当に憲法がうたっている「義務教育は、これを無償とする。」が守られていると言えるでしょうか。私はそう思いません。教育の無償化を達成するには憲法改正は必要だと言われる政党もありますが、憲法改正の必要はないと思います。教育予算を増額すればできることです。  OECDが発表した調査によると、初等教育から高等教育の公的支出がGDPに占める割合は、日本が二・九%と、比較可能な三十八か国中三十七位。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 古賀君、時間を過ぎておりますので、おまとめください。

古賀千景立憲民主・社民

○古賀千景君 はい。  下から二番目です。この結果を見ても明らかです。まずは、早急に教育予算を増やすことに着手すべきです。そのことは、今生活に困窮している人々を救うことにもつながります。  憲法に挙げられている義務教育の無償化も達成できていないのに憲法改正は必要ありません。憲法改正ではなく教育予算の増額を求め、私の発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 先ほどは、尊敬する中曽根会長の下、代表意見としては私は控えたんですが、岸田総理の自民党は現時点において改憲議論を求める資格がないと思います。証拠を示します。  私の資料二ページですが、十月十九日の予算委員会の会議録。私は、テレビ中継の中で、岸田総理に対して、国葬の違憲問題、憲法問題、そして統一教会と国葬問題について憲法審査会で審議するので、是非、岸田総理、出席していただけますかと質問したんですが、全て松野官房長官に答弁をさせました。安倍元総理が内閣法制局長官に答弁を預けて逃げることはありましたけれども、官房長官に逃げたのは前代未聞でございます。  ですので、自民党の先生方は、改憲議論を求めるのであれば、皆様の総裁の岸田総理に対して、予算委員会のテレビ中継の中で堂々と私を始めとする立憲民主党の議員の憲法論戦に答えろと、そのように言っていただきたいと思います。  その上で、皆様、安倍元総理に国全体で敬意と弔意を表す、この意味を説明できる自民党の先生方がいらっしゃるでしょうか。それがなぜ国民や国会の了解を取らずに内閣において国葬儀なるものをすることができるのか、説明できる方がいらっしゃるでしょうか。こうした質問をしても、政府は答弁拒否なわけでございます。ですので、憲法審査会を開くのであれば、政府の存立に責任を有する自民党の先生方にこのことを是非御説明をいただきたいわけでございます。後で会長に幹事会協議事項をお願いいたします。  それから、先ほど、自衛隊を明記せずに自衛隊違憲論を解決できるかという問題提起がありますが、議論の仕方が間違っております。よろしいですか。安倍政権の七・一閣議決定の冒頭はこうやって始まります。憲法九条は、その文言からすると、国際関係における武力の行使を一切禁じているように見える。安倍政権を含めた政府の九条解釈の文理解釈は違憲論から始まるんです、全否定から始まるんです。  しかし、憲法十三条などがあるので、九足す十三で、個別的自衛権の、専守防衛の自衛隊だけが合憲だと言っているわけです。なので、九条に自衛隊を明記するとこの文理解釈は壊れるわけです。にもかかわらず、自民党の皆さんは、いや、我々の改憲主張は、自衛隊明記改憲は、従来の政府の九条解釈は変えませんって言っているんですが、はっきり言います、うそを言っているわけでございます。なので、まともな憲法議論になりませんので、しっかりと、申し訳ないですが、憲法のことを勉強してからですね、政府解釈を、憲法審査会をお願いしていただきたいということと、先ほど松川先生がおっしゃった、諸国民の公正と信義に信頼して、もうこのことについては何回も何回もこの場で議論をされています。諸国民であって、北朝鮮やロシアという国家権力を信頼しろとは言っていないんです、国民なんです。そして、この言葉の前には、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、そしてこの言葉の意味について、岸田総理がさきの通常国会において、このロシアの侵略に対して国内外の、全世界の国民がこの侵略を反対し、そしてウクライナ国民やあるいはロシア国民を含めてその命の尊厳を思う声を上げている、その全ての行為がこの憲法前文が示しているんだと言っていることなんです。  皆さん、自民党総裁の、総理の憲法前文の解釈を否定するんでしょうか。  ですので、松川さん、松川さんは今の御意見を平成二十八年、平成三十年、二回にわたって言っています。そして、平成三十年には白眞勲先生、二十八年、私が今のことを説明しています。憲法の議論を求めるのであれば、真剣に憲法に向き合って、申し訳ありません、もう言わせてください、憲法をちゃんと勉強してから憲法審査会の開催を求めていただきたいと野党筆頭幹事として申し上げなければいけません。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの小西君の要望につきましては、後刻幹事会において協議いたします。  山本太郎君。

山本太郎れいわ新選組

○山本太郎君 憲法十四条に関わる一票の較差問題です。  合区の解消は必要、憲法改正は必要なしと私たち考えているんですね。一方で、議席を微増、微減で調整するというのは小手先と言わざるを得ません。対症療法ではなくて、根本治療が必要なんじゃないですかというお話です。国家戦略の誤り、又は国家戦略なき政治によって生み出された一票の較差問題だと捉える必要があるだろうと。  人口が東京を含む三大都市圏に集中している。集中の裏には、国の持つリソースの多くを大都市に注ぎ続けたことがあると。  例えば、東京オリンピック。人口爆発が起こっている東京に更に金と人を集める儀式。そこに何の伸び代があるんですか。大都市のみ、限られた仲間のみうまみを享受する話でしかありません。高知、徳島でオリンピックなんて聞いたことないですもんね。  国からのリソース配分は薄くて、人口減少と衰退の一途、選挙区も合体、声を届けようにも届きませんよ。地方は国家レベルで行われる金もうけからもいつだって蚊帳の外です。切捨ての連続、構造改革の名の下で地方を疲弊させてきたのは誰ですか。自民党です。  地方に十分な予算を配分してこなかった緊縮財政。政府は二〇〇五年から一〇年にかけて集中的に定員管理の名の下に地方の正規の公務員数を大幅に削減してきた。その結果、地方は公務員も十分に確保できず、賃金カット、非正規化、長時間労働が常態化。人事院の資料、人口一万人当たりの公務員の数を世界と比較、日本は圧倒的に数少ないですよね。フランスは日本の三・二倍の公務員、イギリスは三・一倍、アメリカ二・二倍、ドイツ二・一倍。安定した雇用の受皿としても必要なのが公務員です。公務員バッシングでガス抜きする政治勢力もございますが、是非とも恥を知っていただければ幸いです。  最低賃金を見ても、小泉政権の二〇〇二年、昨年二〇二一年で見ると、東京、神奈川では三百三十円台の上昇、一方で、高知、愛媛、鳥取は二百十円前後、百二十円近くの格差。一九九一年、二〇二一年で見ると、東京都の出生数は八・三%減少、一方、秋田は六〇・六%減少。格差はなくなるもんじゃない。けれども、一方で、それを埋められるのが政治でしょう。全国どこで働いても最低賃金は一律千五百円、不足分は国が補填する。そのような地方自治体に様々な大胆な財政政策を徹底的に行い、それぞれの経済圏を厚く太くしていく。そうしなければ地方の人口減少、少子化、衰退にブレーキ掛かりません。  議員の数を増やす必要があります。人口百万人当たりの国会議員の数、イギリス二十二・五人、フランス十四・三人、ドイツ八・六人、日本はたった五・七人。今国会における公職選挙法の改正、十増十減、議席が増えるのは大都市、減るのは地方です。  現在の地方自治体は、国家観なき中央政治の犠牲者。徹底した積極財政と議員定数増が必要です。憲法改正の問題ではないと申し上げて、終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 松川るい君。

松川るい自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  ただいま小西委員からわざわざ私の発言についてかなり長い言及がございましたので、一応私の方からも御説明を差し上げたいと思います。  これまでも二回も三回も同じ発言をしているというふうに御指摘あったとおり、同じ主張をしております。ですので、是非、小西委員には御理解をいただきたいと思うんですけれども、私は、まず、憲法は国民のものと言っている中で、憲法前文を読んだときに素直な理解が必要だと思います。私が言っているのは、諸国じゃなくて諸国民だからいいということではございません。北朝鮮だったら駄目なんだけど、頼るのは駄目なんだけれども、北朝鮮人だったらいいという話では全くございませんで、自分の国は自分で守る、自分の国の生存を保持する、そのことを他者に依存する、その態度が良くないということを申し上げているわけであります。  また、その私の発言は何回かあったということを捉まえて、立憲民主党さんはいつも言論の自由について多く発言をされる政党であると思いますけれども、そのような態度自体も、私からするといかがなものかと思います。  それぞれ、今日、皆様は御自身の意見を述べたはずであります。私は自分の見解について恥じるところは何らございませんし、何ら変更することはないということも申し上げたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 他に御発言もないようですから、以上で意見交換を終了いたします。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十分散会

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