外交防衛委員会 第7号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2022/11/22
会議録
○委員長(阿達雅志君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、安江伸夫君、堀井巌君及び小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君、山本佐知子君及び若林洋平君が選任されました。 また、本日、山添拓君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房故安倍晋三国葬儀事務局次長原典久君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西でございます。 議案に先立ち、幾つか質問をいたします。 まず、国葬儀についてなんですが、先般の安倍元総理の国葬儀について、岸田総理はいわゆる弔問外交を国葬、内閣葬ではなくて国葬でなければいけない柱の理由にしておりましたが、政府参考人に事実関係の確認をいたしますけれども、二百十七の国や国際機関等と国葬の前後で会談等をしたと。で、うち国の数は百七十四ということなんですが、これらのうちに事前の準備によって具体的な新しい外交案件が成果として得られたものは、岸田総理のUAEとの会談、この一件のみであるという、その事実関係について簡潔に答えてください。
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。 国葬儀の際に新たに署名した文書や協定に実質的に合意したものは、アラブ首長国連邦との諸案件のみと承知しております。
○小西洋之君 実はこれが事実なんですね。内閣葬で十分なわけですね。つまり、新しく成立した外交案件というのはUAEとのもの一件しかないんです。これはもう明確な、今、政府答弁ですから。そういう意味でも、国葬にしなければならなかった必要性、合理性はなかったということでございます。 さらに、ちょっと前回の関連なんですけれども、政府参考人にお越しいただいておりますけれども、この国葬については、政府は安倍元総理に対する敬意と弔意を国全体で表す儀式などと説明をしていたわけでございますけれども、そうした国葬儀の実施は、国を構成する国民一人一人の個人の尊厳の尊重、憲法十三条、あるいは思想、良心の自由を定めた憲法十九条に抵触するのではないでしょうか。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 今般の国葬儀は国の儀式として行う葬儀であり、前回の質疑の際に、議員から、日本国というクレジット、言わば日本国という名義を使ったと指摘いただいたように、国の名において行う葬儀でありますが、それを実施したことのみをもって国民一人一人が弔意を表したことを意味することにはならないと考えており、したがって、国民一人一人の個人の尊重を定めた憲法十三条や、思想、良心の自由を定めた憲法十九条に抵触するものではないと考えております。 なお、国葬儀の実施に当たっては、国民一人一人に喪を服することや何かを自粛することを求めておらず、このことからも御指摘の憲法の規定に抵触するものではないと考えております。
○小西洋之君 ちょっと今の答弁の関連ですが、おっしゃったその国民一人一人、あるいはその国会などの機関が敬意や弔意を表したことを意味することにはならないということは、要するに、そうした弔意等を表す、弔意等を持つということを国民などにおいて生じせしめる法的効果、あるいは国民などがそういう弔意等を表したということを擬制する法的効果、そうした法的効果はこの国葬儀の実施によってはないし、またそうした法的効果を生む法的な根拠も我が国にはないと、そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 今般の国葬儀の実施によって故人に対する国民の敬意や弔意に法的な効力を及ぼすものではなく、また法的な効力を及ぼすための法的な根拠もないものと考えております。
○小西洋之君 明確な、まあ国葬儀が議論になっていたときであったら共に新聞の一面を飾るような質疑だと思うんですが、次の質問に行かせていただきます。 外務大臣に伺わせていただきます。 大きな三の問いの二番なんですが、前回、外交力の戦略的な強化ということで、いわゆる幹部職員ですね、審議官や局長の外務省の人数が四十名余りでずっと変わっていないと。私は、これはやっぱり外交の本質的な在り方からして極めて重大な問題だと思っております。やっぱり外交というのは、熟練の外交官のその能力によって成し遂げられるものが非常に大きいと思います。かつての小泉総理の北朝鮮への拉致被害者を連れ戻す訪朝ですとか、あれも田中さんという外交官の努力ということが本人の陳述等でも明らかになっております。 ただ一方で、政府は年末に向けて三文書の、国家安保戦略などの三文書を改定し、防衛費を、まあ倍近くなんでしょうか、増大するという大きな議論がなされていますが、あくまでその国防というのは国家究極の手段、もちろん抑止力はありますけれども、そういう紛争の種を摘んで日本の平和と安全を守るその第一の力はやはり外交でございますので、こうした安全保障政策の、まあ政府は抜本的な見直しと言っている中で、外交の本質的な力であるいわゆる熟練外交官の、幹部外交官の人員体制について議論がなされていないということは極めて私は問題だと思います。 外務大臣に伺いますが、いい機会だと思いますので、年末に向けて、いい意味での焼け太りは私はするべきだと思いますので、いわゆるこの定員要求、幹部の定員ですね、横並びの規律があるわけですが、そうしたものも変えることも含めて、幹部の外交官の人員を増やすということについての外務大臣のお考え、決意をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 大変有り難い御質問を賜ったわけでございますが、まさにおっしゃるように、対外交渉、外交の場において、幹部職にある者、これは日本外交に関して重要な役割を果たしていると認識しております。さきにお答えも申し上げましたけれども、この幹部職ポストの増員についても適時検討しなければならない論点であるというふうに認識しております。 令和四年の六月のこのいわゆる骨太方針、経済財政運営と改革の基本方針二〇二二にも、人的体制等の整備を図って、邦人保護体制等を含めて外交・領事実施体制を抜本的に強化すると明記されております。外務省としてもこれに努めているところでございます。現下、非常に厳しい国際状況の中で、総理や私以下外務省幹部を含めて一丸となって取り組んでおります。 国家間競争の時代に本格的に突入する中で、先ほど申し上げたように、外務省として外交力の戦略的強化、努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○小西洋之君 さっきおっしゃった骨太は、いわゆる在外公館の体制を増やすとかそういうことが力点にあるような気もするんですが、そうではなくて、まさに国策を背負った外交を切り開き、実現する外交官を戦略的に外交力の強化として養成して、またそうした体制をつくっていくということが今求められているんだというふうに思います。 私も官僚経験者なんですが、こうした仕事は何とか局長とか何とか審議官をやりながらできる仕事ではありませんので、やっぱり重大な、かつてこの委員会で、ロシアが今ウクライナに侵略する中で、私も沖北の委員長を務めたことがございますが、北方領土を奪還する、奪還というか、北方領土を平和裏に取り戻す何十年に一度のチャンスではないかというような問題提起、そのためのしたたかな外交、それは成果を生むかどうか分かりません、ただ、それを目指すのが外交ですので、そうした戦略的な外交、熟練の外交官をやっぱり張り付けて、戦争の行方がどうなるかも分かりませんが、ただ、北方領土を取り戻すためにあらゆる方面で戦略的な外交を展開する、そうしたことは、何とか審議官、何とか局長をやっていてできる仕事じゃありませんので、そうしたことはしっかりとお願いをしたいというふうに思います。 続いて、外務大臣に、先般の日中首脳会談、外務大臣も大変お疲れさまでございました。ちょっとその関連で質問させていただきます。 私は、中国、習近平の体制は、非常に難しい体制、一種の独裁と言ってもいいような体制、また、それが五年だけでなくて十年も続くのではないかという、いろんな意味で私も憂慮するところはあるんですが、やはり中国は大切な隣国であり、日中平和友好条約等々、両国間には基本的な関係、枠組みがございますので、その下で間違っても両国が紛争を構えるような、そのような緊張関係に陥らないように、あの手この手でまさに外交を頑張っていただかなければいけないと思います。 そうした観点で伺いますが、今の日中関係は、岸田政権、その前の菅政権からでしょうか、かつての戦略的互恵関係に代わって建設的かつ安定的な日中関係なることをおっしゃっていますが、これは日中間の共通の基本理念、方針のものであるのか、あるいは、かつての戦略的互恵関係に代わるような、今そうした理念、共通の理念、方針などがあるのか、これについて御答弁いただきたいのと、済みません、あとまとめてお願いさせていただきますが、十一月十五日の中国と韓国の首脳会談では、習近平国家主席は韓国に訪問するとの意思表示をしております。習主席の国賓来日がコロナで延期されたことは皆さんも周知のとおりでございますけれども、習主席の国賓来日について首脳会談の場で日本側から言及などしたのか、あるいは今後それに向かって調整を進めるお考えはあるのか。そして三つ目でございますが、先ほど申し上げましたが、かつてはこの戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明など、日中間で累次の共同声明、共同宣言、まあこれは経済だけではなく文化や多方面にわたる協調関係の方針を、計画を決めていったんですが、そうしたことを今後なさるつもりがあるのか、まずこの三つの点をお願いをいたします。
○国務大臣(林芳正君) この戦略的互恵関係でございますが、これは共通の戦略的利益に立脚した互恵関係、こういう趣旨でございまして、二〇〇八年五月の日中共同声明において、これを包括的に推進していくことで一致をしているものであります。こうした考え方は現在の日中関係においても変わりがないと考えております。 その上で、現在、日中関係は、様々な協力の可能性とともに多くの課題や懸念にも直面しておるということでありますので、同時に、日中関係は、この地域、日中関係、日中そのもののためだけではなくて、地域と国際社会の平和と繁栄にとっても共に重要な責任を有する大国であると考えておりまして、そうした中で、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、共通の課題については協力するというのが建設的かつ安定的な日中関係と、これを双方の努力で構築していくということが重要だというふうに考えておるところでございます。 今回の首脳会談において、二番目の御質問ですが、習主席の国賓訪日については議論にはなりませんでした。この習近平国家主席の訪日については、現時点においては具体的な日程調整をする段階にはないというふうに考えております。 また、かつての戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明などの累次の共同声明のような新たなものと、こういうお尋ねでございましたが、新たな共同声明や宣言につきまして現時点で今議論しているということはございません。
○小西洋之君 続いての丸の四番の問いなんですが、今おっしゃられたように、例えば、かつての共同声明、共同宣言などについての今検討はないということなんですが、やはりそうしたような取組を行って両国間の緊張を除外していくということは非常に必要だと思うんですが、軍事的には防衛当局間のホットラインの早期運用の開始などが一致、合意されたというふうに伺っておりますけれども、全体的な方針として、東シナ海情勢の安定に向けて、政府として、外交としてですね、今後どういう取組方針にあるのか、外務大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 私も同席をさせていただきましたこの岸田総理と習近平中国国家主席との初めての日中首脳会談においては、日中関係の大局的な方向性とともに、課題や懸案、協力の可能性について率直かつ突っ込んだ意見交換を行っております。 その中で、尖閣諸島を含む東シナ海情勢、また中国による我が国近海への弾道ミサイル発射等の軍事的活動について深刻な懸念を表明するとともに、今御指摘のありました防衛当局間のホットラインの早期運用開始、また日中安保対話等による安全保障分野における意思疎通の強化、これで一致をしております。 隣国であるがゆえの問題様々ありますけれども、今後も、首脳レベルを含めてあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行って、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含めて対話をしっかりと重ねて、共通の課題については協力するという、先ほど申し上げましたけれども、建設的かつ安定的な関係、この構築を双方の努力で進めてまいりたいと思っております。
○小西洋之君 政府においては戦略的な取組をお願いしたいところですが、問いの四番なんですが、今度は台湾ですけれども、台湾をめぐる問題については対話による平和的解決を期待するという政府方針になっているわけですが、その実現のために、政府として、中国あるいは東アジア等の地域内、あるいは国連などにおいてどのような外交戦略を方針として持ち、実施されようとしているのか。あるいは、現時点でないのであれば、どうやった体系立った外交戦略を作成する、どのような戦略を作成する考えにあるのか。例えば、その一環として中国の軍拡の軍備管理交渉の国際枠組みの構築、これはいろんな方面から指摘されておりますけれども、まあアメリカもそういうことを言及しておりますけど、そうしたことなどに取り組む戦略はあるのか、外務大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) この台湾海峡の平和と安定、これは、我が国の安全保障はもとよりでございますが、国際社会の安定にとっても重要であると考えております。 台湾をめぐる問題、これが対話によって平和的に解決されるということを期待するというのが従来からの我々の一貫した立場でございます。この点、これまでも、日米また日米韓、日豪、G7を始め各国との間で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致をしております。 私から王毅国務委員に対しても、五月の日中外相テレビ会談などの機会に台湾海峡の平和と安定の重要性について述べてきておりまして、先週の日中首脳会談においても、岸田総理から習近平国家主席に対してその重要性について改めて強調したところでございます。 やはり、こうした立場を中国側に直接伝えるということ、そして各国の共通の立場として明確に発信をしていくこと、これが重要だと考えております。引き続き、両岸関係の推移を注視しながら、しっかりとこうした外交努力を続けていきたいと考えております。
○小西洋之君 では、防衛大臣に問いの五番伺いますが、今日にも有識者会議の国家安保、新しい安保戦略等についての提言がなされるやに聞いておりますけれども、自民党が四月にまとめられた提言においては中国を軍事的な脅威というふうに位置付けているわけですけれども、政府として、この中国を軍事面で見たときに、今どういうような認識でいらっしゃるのか、脅威というふうに思っていらっしゃるのか、それについて答弁をお願いいたします。
○国務大臣(浜田靖一君) 外務大臣からも述べられたとおり、中国は、この国防費の高い伸びの背景に、核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、宇宙、サイバー、電磁波領域といった新たな領域に関する能力の強化や、いわゆるゲームチェンジャー技術の開発にも注力をしていると見ております。また、東シナ海、太平洋、南シナ海などにおける活動を引き続き拡大、活発化させております。こうした中国の軍事動向などは、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっております。 新たな国家安全保障戦略の策定については、岸田総理の指示を受け、現在、政府部内で議論が行われているところであり、その具体的内容について予断をすることはいたしませんが、御指摘を含む様々な観点を踏まえ、内閣官房を始めとする関係省庁とともに検討してまいりたいと考えております。
○小西洋之君 じゃ、ちょっと飛ばして、四の問い一、防衛大臣に伺いますが、これは繰り返しなので結論だけを答えていただきたいんですが、今、いわゆる敵基地攻撃能力、反撃能力の保有について政府は検討されているわけですけれども、その検討に当たっては、従来の日米同盟の基本的な役割分担、これは変えるつもりはないと、これは維持するということでよろしいですね。それだけ答えてください。
○国務大臣(浜田靖一君) いわゆる反撃能力を含むあらゆる選択肢については現在検討中であり、具体的な内容等はお答えできる段階にはありませんが、新たな国家戦略等を策定していく過程で検討を進めてまいります。 この検討は、憲法及び国際法の範囲内で日米の基本的な役割分担を維持しつつ進めており、今後とも専守防衛は堅持してまいりたいと考えておるところであります。
○小西洋之君 先生方、配付資料の一ページ、二ページが、今答弁があった日米の基本的な役割分担、これを正確に理解している方はほとんどいないと思うんですが、これはいわゆる平成二十七年の日米ガイドラインの中から、これまとまって記述されているんじゃないんですね、いろんなところに書いてある記述を寄せ集めてこの二番の項目を構成しているんですが、政府参考人に伺いますが、この日米ガイドラインの、通告してますが、文言のどこで敵基地攻撃能力、これをかつてはアメリカの打撃力に委ねる、いわゆる盾矛という言い方もありましたけど、アメリカの打撃力に委ねるということが、言っていたわけですけれども、それ、どこにそれが書いてあるんですか、日本語として。
○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。 日米の基本的な役割分担の下、今先生から御指摘ございましたように、日米のガイドラインにおきましては、日本は防衛力を保持し、米国は引き続き核戦力を含むあらゆる種類の能力を通じ拡大抑止を提供すること、日本は日本の国民と領域の防衛を主体的に実施し、自衛隊は日本及びその周辺海空域、その接近経路における防勢作戦を主体的に実施すること、米国は適切な支援を行い、米軍は日本を防衛するため自衛隊を支援し補完すること、米軍は自衛隊を支援し補完するため打撃力の使用を伴う作戦を実施することができることといった記載がなされているところでございます。 その上で、政府は、いわゆる敵基地攻撃については、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存していると説明してきているところでございます。 御指摘のあった盾と矛の役割のような用語につきましては、政府として確立した定義はございませんが、一般的にはこうした趣旨で用いられてきているところでございます。
○小西洋之君 ちょっと時間があるのでこれ以上追及しませんが、日本が敵基地攻撃能力をやるということは日本語で書いてないわけですよね、この基本的な役割分担の中には。 政府参考人に伺いますが、今回の政府における敵基地攻撃能力、反撃能力の保有においては、アメリカから何らかの形でそうしたものを保有するべきだというふうに要請、求められたことが事実としてあるのか、これが一つ。もう一つ、今、政府が行っている保有の検討は、アメリカからそういう要請を受けたことが理由の一つとなって行っているのかどうか。この事実関係について明確に答えてください。
○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。 日米間で平素から様々なやり取りを行っているところでございます。その個別具体的なやり取りについてはお答えを差し控えますが、今般の検討が米国から要請を受けて行うようなものではございませんで、我が国として主体的に行うものであるところでございます。 その上で、極超音速滑空兵器や変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術は急速なスピードで変化、進化しているところでございます。こうした中で、ミサイル防衛体制を始め、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのかという問題認識の下、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討しているところでございます。
○小西洋之君 確認ですが、今の答弁ですね、アメリカから要請を受けて行うものではなく、我が国として主体的に行うものである。かつての集団的自衛権の行使の容認に当たっては、あの七・一閣議決定の当時から、また岸田政権になってからも私も毎回確認しているんですが、アメリカから、憲法規範、憲法解釈を変えるなり、あるいは憲法規範を変えるなりして行使を容認するということを求められたことが一度もないと、あくまで我が国が全部主体的にやったことだというふうに答弁しているんですが、それと同じ状態ということでよろしいですか。要請を受けて行うものではないということは、我が国としてやっているもので、別にアメリカから言われたことがあるわけでもないし、言われたからやっているわけでもないと、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(安藤敦史君) 日米間では平素から様々なやり取りを行っているところでございます。その個別具体的なやり取りについてはお答えを差し控えますが、今般の検討が米国から要請を受けて行うものではなく、我が国として主体的に行うものであることは当然でございます。
○小西洋之君 ちょっと答弁してないと思うので、大事なことなので、理事会協議、委員会に報告してもらえますか、事実関係について。
○委員長(阿達雅志君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○小西洋之君 防衛大臣に伺いますが、このいわゆる敵基地攻撃能力、反撃能力ですが、今導入を政府として検討しているわけですが、その前提として、日米同盟の下の日本に対する武力攻撃に対処するアメリカの集団的自衛権の発動、敵基地攻撃あるいは報復攻撃、大事な同盟国を武力攻撃した国に対するアメリカの敵基地攻撃あるいは報復攻撃の実行について疑問があるんでしょうか。アメリカがそういうことができない、やらないというようなことが、疑問があってそういう前提で行っているのか、それについて答えてください。
○国務大臣(浜田靖一君) 米国は、累次の機会に日米安保条約下での自国の対日防衛義務や日本への拡大抑止の提供を確認してきており、日本政府として、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いております。 その上で、我が国周辺においては相当数の弾道ミサイルが開発、配備されており、それらは一たび発射されれば極めて短時間で我が国に到達し、国民の生命、財産に甚大な被害を与えるおそれがあります。また、最近では、超音速滑空兵器や変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術は急速なスピードで変化、進化をしております。 こうした状況を踏まえ、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのかどうかという問題意識の下、ミサイル迎撃能力の向上だけでなく、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討しているところであります。
○小西洋之君 今の答弁なんですが、アメリカのこの拡大抑止、あらゆる戦力を用いて、それ全幅の信頼を置いている、まあ私もそうだと思います。何回も言っていますが、アメリカにとって世界最重要の同盟ですから、日本をいざというときに守らなければもうこの地球上からアメリカとの関係で同盟関係というのは消えますから、そういうことなんだと思うんですが。 そうすると、大臣、通告の後段の部分なんですが、アメリカの敵基地攻撃能力あるいは報復攻撃の実行について疑問がないのであれば、なぜ日本が、我が国として敵基地攻撃能力、反撃能力を保有する必要があるんでしょうか。日本に対して攻撃した国はアメリカから報復攻撃を受ける、世界最強の戦力を有するですね、あるいは、その日本に対する攻撃拠点は、敵基地攻撃能力、アメリカによって撃破される、そうしたものであると、なぜ日本が自らのものを持つ必要があるんでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今お話し、御答弁したとおりでございまして、我が国の周辺においては相当数の弾道ミサイルが開発、配備されており、それらが一たび発射されれば極めて短時間で我が国に到達して国民の生命、財産に甚大な被害を与えるおそれがあるということ、そしてまた、あらゆる兵器が大変そういう意味では急速なスピードで変化しておるわけでございますので、この問題意識の下に、我々とすれば、十分な備えができているかどうかを含め、反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せずに現実的に検討しているところであります。
○小西洋之君 笑っていらっしゃる自民党の先生方もいらっしゃるんですが、これって実は、今までの日本の国防政策の考え方の大転換、実はしているんですね。もちろん私も、日本に万が一撃ってくるミサイルがあったら、それを日本の迎撃能力で撃破すべきだと思いますが、同時に、日本は日米同盟をもって、日本に手を出す国は世界最強のアメリカの戦力によって攻撃を受けると、そういうリスク、そういうばかげた国益上の損失を冒してまで日本に攻撃する国は出ないようにするというのが日米同盟を結んでいる理由なわけでございますが、にもかかわらず、なぜそれを持つのかということについて合理的な説明がないわけでございます。これは有識者会議の、私、議事概要見ましたけど、そういう議論は全くありません。 防衛大臣、次の問いの四、その関連で伺いますけれども、仮に我が国が敵基地攻撃能力、反撃能力を持ってそれを宣言すれば、それはやはり、中国を始め北朝鮮、北朝鮮、ロシア、中国について私は大きな影響を与えるものと思います。日中首脳会談、この間行われたばかりですけれども、そうした協調、協力関係、確認された協力、協調関係にも影響を及ぼす可能性もある。あるいは同時に、安全保障のジレンマというものがあります。こちらが一定の武力を持てば向こうも更にそういうものを持って、かえってこちら側の安全環境が悪くなるというのは、もう歴史上何度も繰り返してきた史実でありますので。 防衛大臣に伺いますが、今私が申し上げたような、中国も含めた他国への影響、また安全保障ジレンマの問題、これ、有識者会議の会議録見ましたけど、こうした議論全くなかったと思います。ただ、少なくとも防衛大臣の問題意識としては、そういう問題意識を持って、今、敵基地攻撃能力、反撃能力の保有について防衛大臣は検討されているということでよろしいでしょうか。検討されているのであれば、今申し上げた安全保障のジレンマ等について防衛大臣はどういう考え方を持っているのか、それを答弁をお願いいたします。
○国務大臣(浜田靖一君) いわゆる反撃能力については現在検討中でありますし、また、これを保有した場合の北朝鮮、ロシア、中国の反応や日中首脳会談の結果等への影響について予断を持ってお答えすることは困難であることを御理解いただければと思います。 その上で、いわゆる反撃能力については、我が国周辺においては相当数の弾道ミサイルが開発、配備されており、また、最近では、超音速滑空兵器や変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術は急速なスピードで変化、進化をしている状況を踏まえ、国民の暮らしを守るために十分な備えができているのかという問題意識の下、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討しているところであります。こうした状況が近年特に顕著になっている安全保障環境の変化であるところ、政府としては現実を直視して対応を検討する必要があると考えております。 また、一般論として、安全保障のジレンマを防ぐ上で重要なことは、諸外国に対して防衛政策の具体的な考え方を明確にするなど、自国の安全保障政策の透明性を確保することであると考えております。防衛省としては、引き続き透明性の確保に積極的に取り組んでいく考えであります。 いずれにせよ、政府としては、いわゆる反撃能力について、憲法及び国際法の範囲内で専守防衛は堅持しつつ検討しているところであり、様々な議論を踏まえながら年末までに結論を出してまいりたい、考えておるところであります。
○小西洋之君 いや、防衛大臣がこういう大事な観点を問題意識を持って検討されているかという質問なので答えていただかなきゃいけないんですが、安全保障のジレンマの基本的な考えについて御説明されただけなんですが。 配付資料の五ページ以降ですね、平成十六年に防衛政策研究所が、当時の検討において、敵基地攻撃能力は政策的に不要であると、必要性かつ合理性がないということをまとめた報告書です。ガチンコの正規の報告書です。私は、ここで論じている中身がそのまま今日の状況に通じる、適用されるとは私も思っていませんが、基本的なこのアプローチというものは、この安全保障のジレンマも含め、政府として死に物狂いで検討、必死になって検討していただかなければいけないというふうに思います。 今、防衛大臣、安全保障のジレンマ、質問しますが、大臣は我が国のこの防衛政策の具体的なありようについて、透明性を持ち説明することが重要だというふうに言ったんですが、透明性を持って具体的に説明しても安全保障のジレンマは起きるわけですよね、起きる。だから、重ねての質問ですが、敵基地攻撃能力、反撃能力の保有について、安全保障のジレンマという問題について防衛大臣として問題意識を持ち検討されているか。もうイエスかノーかだけで答えてください。
○国務大臣(浜田靖一君) それは当然、今委員から指摘のあったことというのは我々の考えの中にはあります。
○小西洋之君 林外務大臣、同じ問いなんですが、有識者会議の林外務大臣の発言要旨を私は拝読しているんですが、何かちょっと余り防衛大臣と変わらないようなことを変わらないようなトーンでおっしゃっているんだと思うんですけれども、やっぱり外交というのは第一義的に重要でございますので。 林外務大臣は、このいわゆる反撃能力の保有において、日本の関係の国ですね、北朝鮮やロシアや中国との関係で、それぞれの両国間に何らかの変動をもたらす可能性はある、そのような認識でいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 防衛大臣から答弁があったとおり、反撃能力そのものについては現在検討中でございますので、周辺国等の反応を含めて政府としてお答えすることは差し控えたいと思いますが、一般論として今御議論されているという前提で申し上げますと、安全保障のジレンマというのは常々我々は頭に置いておかなければならないことだと。 浜田大臣から御答弁があったとおりでありまして、これを防ぐ上でやはり透明性を確保する、これはお互いに確保するということが大事であるというふうに考えておりまして、そういう意味で、やはりしっかりとお互いに透明性を確保する上では、あらゆるレベル、首脳を含めたレベルで、この間の日中首脳会談も含めて、直接会って対話を重ねると、こういうことが非常に大事であるというふうに考えております。
○小西洋之君 先ほどから質問させていただいているこの日米同盟の本質、あるいは日米間の基本的な、それに基づく役割分担のありよう、あるいは相手国への影響、あるいは安全保障のジレンマ、こうした論点が政府の中の議論で確認されないし、申し上げますが、あの自民党さんの提言も私はよく読んだんですが、そういうことを触れられていないんですね。政府・与党でこうした安全保障の本質論について真っ正面から議論をしていない、している痕跡が見られないということは、私は極めてゆゆしき問題だと思います。 そうした観点で、次の問い、防衛大臣ですが、今、いわゆる敵基地攻撃能力、反撃能力の保有を検討されているんですが、かつて昭和三十一年にあの有名な敵基地攻撃能力についての政府統一見解を出したときには、国会との関係を十分に踏まえて、国会への説明責任を果たす形でそうした見解が出されたんですが、今回政府は三文書の改定を行う、まあ予算の決定も行うとしておりますが、このいわゆる反撃能力、敵基地攻撃能力の保有について、その憲法との、あるいは専守防衛との整合性、あるいは先ほどから御質問させていただいているような政策的な必要性、合理性、そうしたものについて国会で事前に十分な審議を受ける私は必要があると思うんですが、そうした考えがあるか、防衛大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(浜田靖一君) いわゆる反撃能力については、国会での議論を含め様々な御意見を伺ってきておりますが、現在、政府として、国民を守るために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速しておるわけでございます。今後、新たな国家安全保障戦略等を策定する上で、与党間の協議における議論も踏まえながら、年末までに結論を出していきたいと思っております。 いわゆるこの反撃能力を含め、国家安全保障戦略等の策定に関わる検討状況については、これまでも国会における質疑にお答えする形で随時説明してきているところでありますが、引き続き、議論の推移に応じて説明を行っていく考えであります。
○小西洋之君 我が国の安全保障政策、国防政策の敵基地攻撃能力の保有というのは大転換で、かつて太平洋戦争の契機になった南ベトナムへの仏印進駐ということもあって、あれも当時、あんな恐ろしい状況をもたらすということは当時の政府、軍の関係者は十分考えられていなかったということでございますので、やっぱり安全保障、外交、防衛というのは国策を誤るということが現に起きますので、そうしたことがないように我々国会としてもしっかりとした責任を果たす、それに政府を応えることを要請をさせていただきたいと思います。 ちなみに、自民党の四月の報告書なんですが、私が、いわゆる核共有を封じるために三月七日に私が行った予算委員会の会議録、岸田総理の答弁が載っているんですね。同じ日に、憲法前文の平和主義に基づいて、林外務大臣にも答弁いただきましたけど、憲法前文の平和主義を生かしながら日本外交を行うという決意も述べられたので、そういうことをしっかり載せていただきたいと思います。 済みません、ちょっと時間を会派の中で、同僚議員の協力でいただきましたが、議案に関する質疑は同僚議員に譲って、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。 時間がございませんので、まず最初に、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について質問させていただきます。 自動車、自動車部品について、TPP協定においては米国側が関税撤廃を約束していたにもかかわらず、米国はTPPを離脱してしまいました。そして、日米貿易協定に合意した際、自動車、自動車部品の関税撤廃に関して更に交渉するという、米側の附属書に示されていますが、二〇二〇年一月に協定が発効してから間もなく丸三年がたとうとしています。 実質的に米国の中間選挙も終わりましたので、そろそろ自動車、自動車部品関税の撤廃について具体的に進める時期ではないかと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この二〇一九年九月の日米貿易協定交渉妥結の際の共同声明におきまして、今後の交渉については、どの分野で交渉するのか、まずその対象を日米間で協議するということになっております。また、同共同声明に書かれております四か月以内に協議を終える意図というのは、四か月以内に交渉の結論を出すということではなくて、日米間でどの分野を交渉するかについての協議、これを終える目途を示したものでございます。その協議が終わった後に日米間の交渉が行われると、こういうことになっております。 現状、この交渉の範囲を決めるための協議、これがまだ終わっていないわけでございます。その背景といたしましては、米国でバイデン政権に交代してから通商政策の大幅な見直しが行われまして、米国内の競争力を高めるための投資を行うまでの間は新たな貿易協定は結ばない方針であると、こういうふうに理解をしておりますが、そうした中で、アメリカとしては、日米貿易協定に関しても今後の交渉に向けた日米協議をまとめられる段階に至っていないと、こういう事情があるわけでございます。 我々としては、引き続き、自動車分野を念頭に米側に協議の進展を求めてまいります。交渉事であり、相手があることではありますけれども、今、羽田委員からの御指摘のありましたこの一九年九月の日米共同声明、これらを踏まえて、あらゆる機会を捉えながら米国政府としっかり協議を続けていきたいと思っております。
○羽田次郎君 是非、日本としてもその果実を取れるような交渉を今後とも御尽力いただければと思います。 次に、今月十日から十九日に行われました十六回目となる日米共同大規模統合演習、キーンソードについて、まず浜田防衛大臣にこの統合演習の成果や評価についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 自衛隊と米軍は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、今月十日から十九日までの間、グレーゾーンから武力攻撃事態等における一連の状況を想定した日米共同訓練として最大規模の令和四年度日米共同統合演習、いわゆるキーンソード23を実施をしました。本演習を通じて、島嶼防衛などの作戦を実施する場合における自衛隊の運用要領及び日米共同対処要領を演練し、自衛隊の即応性及び日米の相互運用性の向上を図れたものと考えます。 防衛省・自衛隊としては、あらゆる事態に即応するための抑止力、対処力を強化するとともに、日米の強固な意思と連携を示すことで、我が国の防衛及び地域の平和と安全の確保に寄与してまいります。 以上です。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 自衛隊と米軍の指揮命令系統について、それぞれ独立していると伺っておりますが、日米共同演習ですから、当然それぞれの部隊が連携されていると思います。 その際のコミュニケーションというのは、ちなみに何語で行われているんでしょうか。
○政府参考人(安藤敦史君) ちょっと申し訳ございません。通告がございませんでしたので、ちょっと今即答しかねるところでございます。
○羽田次郎君 コミュニケーション、日本語で行われているとは思えないので、きっと英語で行われているんじゃないかと思うんですが、いずれにしましても、自衛隊の持つ兵器の多くはアメリカ製ですし、有事には米国の、米軍の指揮下になることを想定しているというような話をされていたことを聞いたことがあります。 有事の際の実際の指揮命令系統というのはどういう形になるのでしょうか。
○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。 自衛隊による全ての活動は、米軍との共同対処を含め、我が国の主体的な判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われており、自衛隊及び米軍は、各々独立した指揮系統に従って行動しております。 自衛隊が米軍の指揮下に入ることは想定しておりません。
○羽田次郎君 一九五二年七月二十三日に吉田茂元首相とマーク・クラーク大将が行った会談について、本国の統合参謀本部に宛てて報告書を送っていることが米国の公文書で明らかになっていまして、有事の際、単一の司令官が不可欠で、現状ではその司令官はアメリカが任命すべきであるということが、吉田茂首相が同意したというふうに読み取れる文書が残っているんですが、日本国民に与える衝撃を考え当分の間は秘密にしておくということもその話の中で吉田首相から発言があったと。 この密約について、一九八七年の十二月十一日の参議院予算委員会ですとか二〇二一年四月二十八日の衆議院の内閣委員会でも、自衛隊及び米国は各々独立した指揮系統に従って行動しているという趣旨の政府答弁がなされていますが、そして、日本が独立して僅か三か月後の会談ですので、この密約があったのかなかったのか、若しくは有効性などについて今日議論することはございませんが、これまでの当委員会での様々な議論をお聞きしていても、米軍が自衛隊に、指揮下に置かれることは、まあないんじゃないかと思いますが、もしあったら困るなということも含めて、日本として主体的に防衛力を高めていただくことをお願いし、私の質疑を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。 現在、政府・与党内では、台湾有事に備えることを目的に、総力戦を準備するような大軍拡に向けた防衛費の倍増を検討しています。仮に台湾有事が生じれば、あらゆる海上航路が機能不全に陥る危険性があります。議定書案は、米国産牛肉のセーフガード水準を大幅に緩和して国内の持続可能な農業生産基盤を犠牲にするもので、食料安全保障と矛盾するものです。 それでは、台湾有事は差し迫っているのでしょうか。 まず、台湾ケーブルテレビ局TVBSの今年三月の世論調査では、中国大陸はこの機を利用して台湾に侵攻すると思うかとの問いに、不安はないが五七%、不安に思うの三七%を上回っています。 また、今年九月に台湾留学サポートセンターが主催した台湾有事は日本有事というオンライン講演会で、台北市にある私立銘伝大学の劉廣華准教授は、個人的には台湾有事はないと考えると述べています。理由として、有事が起きれば中国経済に多大な影響を及ぼす。仮に中国が台湾を占領すれば、台湾の人の対中意識、特に悪意が生じ、中国は台湾をうまく統治できない。仮に中国が台湾を支配するようになっても、中国への敵意を増大させる、台湾の人をうまく中国がうまく統制できるかは大いに疑問、として、ミサイルで台湾側の資産や人命に損害を与えても、それで台湾を得ることにはならないと結論しています。 一方、日本の世論調査は、おおむね七割以上が台湾有事の不安を感じているという結果になっています。日本政府は、台湾有事や台湾海峡をめぐる情勢について、冷静な世論形成をリードするような情報を国民に伝えていないのではないでしょうか。 防衛研究所が発行している安全保障戦略研究に、二〇二二年三月に掲載された「中国の軍事的脅威に関する認識変化と米軍作戦コンセプトの展開」という論文によれば、二〇一六年に正式承認された米国の戦略、グローバルコモンズにおけるアクセスと機動のための統合コンセプト、JAM―GCは、「敵のA2/AD能力が及ぶ「係争環境における作戦」を行うことを前提」に、具体的には「敵のA2/AD能力を破壊するには「高いレベルのリスク」を伴うことを「認めたもの」であると説明」され、中国の長距離精密打撃能力の急速な増強により、武力紛争が生起した場合、早期にこれを排除することは非現実的となり、その脅威圏の内部で作戦を行うことに軌道修正を図ったもの、とされています。 このJAM―GCの下で、米海兵隊は遠征前方基地作戦、EABOが、米空軍では機敏な戦力展開、ACEが開発されてきました。台湾有事では、中国による攻撃の第一段階で深刻な被害を避けるため、中国の先制攻撃の兆候を察知した時点で、米軍は前方展開地である日本の各地から急いでグアムより東に退却します。これを空軍は機敏な戦闘運用、ACEと呼び、横田、岩国、三沢、嘉手納基地などで、常駐基地から突然に部隊を移動する訓練を繰り返しています。 一方、体制を立て直した米海兵隊は、敵の脅威圏内である第一列島線上に進入し、インサイド部隊として活動する遠征前方基地作戦、EABOを展開します。配付資料二ページ目に示してあります。海兵隊は日本にいないので、後方から遠征してきて、南西諸島などの脅威圏に進入して戦力を前方に展開するわけです。これは、米軍が制海、制空権を失った想定で、レーダー探知が困難な超低空飛行で進入したオスプレイが少数の海兵隊部隊を輸送し、飛行場を確保し、同じく低空で進入した米空軍特殊作戦機、MC130Jから高機動ロケット砲システム、HIMARSを降ろして展開し、敵を射撃して撤収します。小規模の部隊が四十八から七十二時間ごとに島から島へ移動し、中国艦艇の通航、特に台湾への着上陸を阻止する目的で、この間の日米共同訓練ではこのHIMARS展開訓練が実施されています。 十一月十日から十九日まで、台湾有事を想定して、日米合わせて約三万六千人、艦艇三十隻、航空機三百七十機が参加し、沖縄県と九州各地の基地で日米共同軍事演習、キーンソード23が実施されました。また、キーンソードに先立って、資料三ページのように、十月には、米海兵隊と自衛隊計三千人が参加して、北海道の矢臼別演習場などでレゾリュート・ドラゴン22が実施されました。いずれも領域横断作戦と海兵隊のEABOの実動訓練だったという理解で間違いありませんね。
○国務大臣(浜田靖一君) 本年十一月十日から十九日までの間、自衛隊と米軍が実施したキーンソード23は、グレーゾーン事態から武力攻撃事態等における自衛隊の運用要領及び日米共同対処要領を演練し、自衛隊の即応性及び日米の相互運用性の向上を図ることを目的としたものであります。 その上で、本演習は、米海兵隊に加え、米陸軍、米海軍、米空軍なども参加する様々な事態を念頭に置いた統合演習であり、領域横断作戦と海兵隊の機動展開前進基地作戦、EABOに関係する訓練も含まれておりますが、領域横断作戦と海兵隊のEABOの実動訓練を主眼に置いたものではありません。 一方、本年十月一日から十四日までの間に実施したレゾリュート・ドラゴン22は、陸上自衛隊の島嶼防衛作戦における陸自の領域横断作戦と米海兵隊のEABOを踏まえた連携要領の具体化を図るために実施したものであります。
○伊波洋一君 領域横断作戦というのは、陸海空、宇宙、サイバーなどのマルチドメインを舞台にした中国との全面戦争を意味しています。 台湾有事における米軍戦略では、海兵隊などインサイド部隊は脅威圏の外から内側に進入して作戦を展開しますが、これら米軍を支援することを期待されているのが第一列島線上に展開する自衛隊です。 笹川平和財団のホームページには、マサチューセッツ工科大学のエリック・ヘギンボサム氏の「役割と任務を巡る新たな概念:精鋭「インサイド部隊」としての日本の自衛隊」という論文が掲載されています。ここで、自衛隊は米軍部隊とともに脅威が最も高い地域内で作戦行動を行うインサイド部隊となることが求められています。インサイド部隊は、残存可能性がより高く、比較的短距離の兵器で武装し、より消耗可能、例えば、より小規模で、より安価で、一部が失われてもそれほど壊滅的ではない、部隊とされています。 つまり、中国による攻撃に耐え忍んで時間を稼いで中国による既成事実化を防止し、空域、海域の支配を阻止するために戦いなさいということなのです。求められているのは、台湾防衛の時間稼ぎのために自衛隊が犠牲となり日本を戦場にすることであり、一体どこに日本の国益があるのか大いに疑問です。JAM―GCのインサイド部隊としての自衛隊というのは、自衛隊にやられ役になれということではありませんか。日本政府はこうした米軍戦略を受け入れているのですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 御指摘の論文については承知をしておりますが、民間の研究者が執筆された論文の逐一について防衛省としてお答えすることはいたしません。 その上で、台湾有事という仮定の質問について我が国政府として予断を持ってお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと考えます。 いずれにせよ、米国は、先般公表された国家安全保障戦略にも明記されているように、累次の機会を捉えて日本防衛に対する揺るぎないコミットメントを示してきております。 政府としては、自らの防衛力を抜本的に強化しつつ、幅広い日米間の安保・防衛協力を着実に進め、日米同盟の抑止力、対処力を強化してまいりたいと考えております。
○伊波洋一君 ちなみに、ヘギンボサム氏は、昨年末の朝日新聞でのインタビューに、尖閣の占領は全くないとは言えないが、台湾に対する行動の一環としての占領はありそうもない、政治、軍事の両方の理由から、可能性の低いシナリオだ、と述べています。まさに、南西シフトは尖閣防衛ではないのです。 二〇一五年ガイドラインにおける作戦構想の記述では、米軍は日本に対する弾道ミサイル防衛に関して、敵基地攻撃を行わないと記述が変更されています。元空将の織田邦男氏も、資料五のように、雑誌「正論」、平成三十年三月号の論文で、二〇一五年に改定された新ガイドラインについて、「弾道ミサイル防衛に関しては、旧ガイドラインにあった「敵基地攻撃能力」に関する記述、つまり」「必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する」という一文は、新ガイドラインではもはや消滅している。消えた意味を我々は直視しなければならない。」と主張されています。 政府として、米軍による打撃力の使用について、個別の作戦様相の一つ一つではなく、領域横断的な作戦の項にまとめて記述したと、新ガイドラインとの書き方が違うだけで内容は変更がない、と繰り返すのではなく、誠実に国民に説明すべきではありませんか。
○国務大臣(浜田靖一君) 御指摘の論文については承知しておりますが、公職を離れた方が執筆された論文の逐一について防衛省としてお答えすることはいたしません。 その上で申し上げれば、米軍が打撃力を使用する作戦を実施する場合、様々な領域において様々な様相を取ることがあり得ます。そのため、二〇一五年に策定した日米ガイドラインにおいては、ISR活動や宇宙、サイバー空間における脅威への対処等を個別の作戦様相の一つ一つにおいて記述していないのと同様に、米軍による打撃力の使用についても、個別に記述するのではなく、領域横断的な作戦の項にまとめて記述することとしたものであります。御指摘のような方針変更がなされたという事実はございません。
○伊波洋一君 さきの質疑でも出た、台湾有事を想定した日本戦略研究フォーラム主催の二〇二一年八月の机上演習が「自衛隊最高幹部が語る台湾有事」という新書に示されています。この新書ですけれども。(資料提示)この日本側の内閣総理大臣を演じられたのは浜田防衛大臣です。 この机上演習の中で、台湾有事において、国民多数の反対にもかかわらず、日本政府が米軍の支援や在日米軍基地の使用を許可することによって、特に、核であるか非核かを明らかにしない米軍中距離ミサイルの日本持込みを許可することによって、日本が中国と戦争状態になります。結果として、空自南西方面隊の戦闘部隊に壊滅的な被害、海自艦艇十隻の沈没と約八百名の死傷者、潜水艦三隻、約二百十名の消息不明、陸自の石垣、宮古のSSM部隊が戦闘機能を喪失など、多数の犠牲を出すばかりか、中国による尖閣諸島と与那国島の占拠という極めて深刻な被害を受けます。特に記述はありませんが、戦場となった南西諸島や九州の基地周辺でも多くの住民が犠牲になっているはずです。 その後に、浜田さんが演じる総理大臣が、米国に中国本土への基地の攻撃を要請して、そして、いよいよ米軍が領域横断作戦の実施を決断し、自衛隊とともに中国本土の海軍基地への攻撃を開始するというその前日に、中国が武力行使を収拾するための即時停戦提案を国連安保理に行い、戦争が終結するというシナリオです。資料六に掲げてあります。 防衛大臣役の、「なぜ、このタイミングで中国は停戦を提案したのか。作戦発起日の情報が洩れた可能性、もしくは、考えたくはないが米中が秘密交渉しているのか。」、「わが国としては停戦前に尖閣・与那国の奪還が必要だ。」、「日本単独で奪還作戦を決行することも難しいとすれば、少しでも日本に有利な条件となるよう、米国には同盟国としての英断を懇願するしかないのか……。」というせりふでこの机上演習は終わります。 日本は米国の台湾防衛に巻き込まれ、国土を戦場にされた挙げ句、多くの人命が失われ、結局、尖閣と与那国を失うことになります。台湾有事への日本の軍事的関与は、このような悲惨な結末にならざるを得ません。 この机上演習でも、最後の最後の段階で、中国本土への攻撃を決断した最後の段階で米国は領域横断作戦実施を決断したという記述があります。 まさに現在演習でいろいろ行われていることもこの領域横断作戦の一部なんです。それが行われるときにアメリカは中国と全面戦争をする。しかし、本当にするかどうか、最後の段階でその判断はアメリカに委ねられているということなんですね。 シナリオで米国が紛争の初期に中国本土へ策源地攻撃を行ってないのは、もはや全面戦争、いわゆる領域横断作戦でないと中国本土への打撃力を行使しないと合意しているのではないですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 御指摘の机上演習については、民間団体により実施されたものであり、政府として参加しているものではなく、また、我が国政府や米国政府の考え方を代表するものでもないため、その内容についてお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
○伊波洋一君 そもそも、発端として、米国が台湾有事における攻撃を日本の基地から行い、中距離弾道ミサイルを日本に持ち込むという日米安保条約第六条の実施に関する交換公文、いわゆる岸・ハーター交換公文において、事前協議の対象となる行為を日本政府が容認することによって台湾有事に日本が軍事的に関与することになってしまいました。また、台湾有事において、仮に日本から米軍がHIMARSを撃てば同様の結果を招きます。 外務大臣にお聞きしますが、そもそも事前協議において、このような米軍施設・区域の使用を容認すべきではないのではありませんか。
○国務大臣(林芳正君) 委員から今御指摘のありました机上演習でございますが、政府外の民間団体が行ったシミュレーションでございまして、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。 その上で、一般論として申し上げますれば、事前協議に際しましては、我が国の国益確保の見地から、具体的事案に即して我が国が自主的に判断して諾否の決定をすることになっております。
○伊波洋一君 浜田大臣は、多大な人的被害を出しつつ、結局、与那国と尖閣を取られて、米中で手打ちを行うという総理大臣役を務めました。 この台湾有事への軍事介入という日本政府の行動のどこに日本の国益があったのでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 繰り返しになりますが、御指摘の机上演習については、民間団体により実施されたものであり、政府として参加しているものでもなく、また、我が国政府や米国政府の考え方を代表するものでもないため、その内容についてお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
○伊波洋一君 もはや中国を攻撃しないというアメリカ、それが日米安保において拡大抑止というときの担保にはなっているかもしれませんが、拡大抑止というのは、今、最後の戦争ですね、それがそうなるんです。だから、ある程度防衛力を整備したとしても、実際に抑止が破綻してそれを使用することになれば壊滅的な被害を被るという、当然の結論がこの机上演習で改めて確認されたのではないでしょうか。しっかり外交で危機をコントロールすることこそが我が国ができる唯一の安全保障政策です。 台湾問題をめぐる日本政府の立ち位置について、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之氏は、今年十月の「台湾問題をめぐる米中対立の深刻化」という論文、資料七から十で示してございます、の中で、欧州の専門家は、「日本政府は米国と常に同一歩調で中国に対する強硬姿勢を執り続けているが、それで日本は大丈夫なのか」、「欧州から見ると、日本政府の姿勢は自国の国益と米国への配慮の両方を考慮したバランスの取れたものではなく、米国追従一辺倒に見える。」、「日本としてすぐに着手すべきことは、米中対立の鎮静化を働きかけ、台湾有事のリスクを軽減することである。」、「仏独と連携し、日本はアジア諸国を巻き込む一方、仏独はEU諸国を巻き込んで、日仏独が中心となり、アジア・EU諸国が一致団結して米中両国に対して対立を鎮静化するよう働きかけることが望ましい。」と書いています。 この見解に対する外務大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この御指摘の論文について政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。 その上で、台湾海峡の平和と安定、これは我が国の安全保障はもとより国際社会の安定にとっても重要でございます。台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来からの一貫した立場であります。この点、これまでも、日米、日米韓、日豪、G7を始め各国との間で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致をしております。 また、私から王毅国務委員に対しても、五月の日中外相テレビ会談などの機会に台湾海峡の平和と安定の重要性について述べてきておりまして、先週の日中首脳会談においては、岸田総理から習近平国家主席に対し、その重要性について改めて強調したところでございます。 こうした立場を中国側に直接伝えるとともに、各国の共通の立場として明確に発信していく、このことが重要だと考えております。引き続き、両岸関係の推移を注視しつつ、しっかりとこのような外交努力を続けてまいります。
○伊波洋一君 また、台湾有事において米国の協力要請を受けるであろうフィリピンや韓国とも一致して、米中両国に対し対立を鎮静化するよう働きかけることも重要だとも考えます。先ほどの机上演習でも、日本と同時期に米国の中距離弾道ミサイルの国内持込みを要請された際にフィリピンはこれを拒否したと書かれていました。 なぜ日本政府はこうした対応を取れないのでしょうか。日本政府もフィリピンと同一歩調を取り、こうした毅然とした対応を取ることが必要ではないでしょうか。外務大臣の所見を伺います。
○国務大臣(林芳正君) 繰り返しになって恐縮でございますが、御指摘の論文につきまして、このコメントすることは差し控えたいと思います。 先ほども述べさせていただきましたように、この日米、日米韓、そして日豪、G7を始め、各国との間で台湾海峡の平和と安定の重要性については一致をしてきておるところでございます。こうした取組を今後ともしっかりとやってまいりたいと思っております。
○伊波洋一君 最後に、先日、岸田総理は、三年ぶりに対面で中国の習近平国家主席と日中首脳会談を実現しました。林大臣も同席されています。 対中外交を強化し、林大臣の対面会談の実現も含めて日中の首脳級の交流を一層増やして、米中両国の対立鎮静化と米国の軍事的な介入に巻き込まれないような日本独自の外交的立ち位置を確立すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 私も同席をいたしました習近平中国国家主席との初めての日中首脳会談では、日中関係の大局的な方向性とともに、課題や懸案、協力の可能性について率直かつ突っ込んだ意見交換が行われるとともに、建設的かつ安定的な日中関係の構築に向けまして、引き続き首脳レベルを含めて緊密に意思疎通を行っていくことで一致をしたところでございます。 日中関係は様々な協力の可能性とともに多くの課題や懸案にも直面しておりますけれども、同時に、日中関係は地域と国際社会の平和と繁栄にとって共に重要な責任を有する大国であります。中国に対しては、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めながら、諸懸案も含め対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力するという建設的かつ安定的な関係の構築、これ双方の努力で進めていくことが重要であると考えております。
○委員長(阿達雅志君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○伊波洋一君 今回、日中の首脳会談が行われました。新たな正常軌道に向けて、やはりその努力を期待したいと思いますし、何よりも二〇一〇年以来起こっております尖閣の問題をやはり解決をすべきだと、このように思います。 是非、その方向に向けて、また私もこの委員会で質疑をさせていただきたいと思っております。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山本佐知子君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。 ─────────────
○金子道仁君 おはようございます。日本維新の会、金子道仁でございます。 まず、日本維新の会としましては、今回、日米貿易協定に、改正に対して賛成の立場であるということを表明した上で、御質問させていただきます。 また、今回このような難しい交渉に関わってくださった皆様に本当に御礼申し上げるとともに、私自身、このような条約の批准の過程に参画させていただけることを、本当に緊張も持ちながら、しっかりと、限られた時間ですけれども、質疑をさせていただきたいと思っております。 最初に、二〇二一年三月、米国からの牛肉の輸入量がセーフガード発動水準を超えたためにセーフガードが発動された、これが今回の改正のきっかけになったという理解です。 今回の協議によってセーフガードの基準が新たに三つになりました。新しい基準が二つ追加されたわけですけれども、これによって実質的にセーフガードの発動がしにくくなったという理解でございますが、日本の牛肉生産業者に対して不利益が生じることにならないんでしょうか。まず、その点からお聞かせください。
○政府参考人(坂勝浩君) お答え申し上げます。 本議定書による改正後の枠組みの下で実際のセーフガードの発動がどうなるかにつきましては、その年の各国からの輸入状況にも左右されますため、一概に評価することは困難であると考えております。 その上で、今回の合意内容につきましては、米国一国からの輸入量の水準を従来どおりの基準に維持した上で、新たな発動水準として米国及びCPTPP締約国からの合計輸入数量を設定しております。この基準につきましては、米国、豪州、メキシコ、ニュージーランドといった我が国への牛肉の主要輸出国からの輸入量の合計を対象としておりまして、これらの国からの我が国への牛肉の輸入量が急増した際に国内産業を守るために機能するものであると考えております。
○金子道仁君 ありがとうございます。 最初にこの説明を伺った際に、非常に基準が複雑だな、日米なのになぜCPTPPの基準が入ってきているのかな、そんな印象を持ったわけです。先般の参議院の質疑の中で、このような質問に対して、実質的に当初のTPP協定下のセーフガードと同様の効果であるというような答弁がなされていて、TPPの範囲ですとはっきり断言なされない、実質的であったりとか同様のといった、そういった曖昧さをすごく答弁の中で感じております。 もう一度外務省にお聞かせいただきたいのですが、TPPの範囲内というのはどのような趣旨でしょうか。また、どうしてTPPの範囲内に収まるという判断をされたか、その根拠についてお聞かせください。
○政府参考人(鯰博行君) お答え申し上げます。 今般の協議におきまして、我が方は、米国の単独発動水準を維持することに加えまして、当初のTPP協定の下で米国も含め合意した枠組みの範囲内に収めたいという一貫した立場を取りました。これに対し、米側は、米国単独発動水準の大幅な引上げを主張いたしました。約一年にわたり米側と粘り強く交渉した結果、米側はそのような主張を撤回し、今回の改正議定書の内容に同意するに至りました。 そのような意味で、政府としては、今回の改正議定書の内容はTPPの範囲内と言い得る内容というふうに考えてございます。
○金子道仁君 本当に難しい外交交渉があって、その米国の要求を何とか抑えながらまとめて妥結されたそのところ、非常にすばらしい働きだと思っております。感謝しております。 資料の一を御覧いただければと思います。この資料、外務省からいただいた資料を私どもの事務所で少し加工させていただいて、仮定の話として考えておりますが、二〇二二、二三、これは私どもの方で追加させていただいた部分でございます。 二〇二二、仮にこのような輸入、牛肉の輸入状況になった場合、米国は青い基準、単独の発動水準を超えています。①の基準はクリアしている。②、つまり米とCPTPPの十一か国の輸入量は赤い六十三・七万トンを超えていない、②の基準はクリアしていないので発動をしない。そして、③、アメリカは前年度の輸入量より多い。この場合は、日米の貿易協定によってはセーフガードは発動されないという理解でございます。 じゃ、この次の年、来年、もしこのようなことが起こった場合、アメリカはこのオレンジの部分、二十五・七万トンはクリアしている。そして、アメリカとCPTPP十一か国を合わせると、緑の部分を合わせると六十四・九という赤い基準をクリアしている。けれども、アメリカが前年度より少ないということであると③の基準はクリアしていないので、日米の協定上、セーフガードは発動されない。そしてさらに、この緑の部分は、CPTPP十一か国分が六十四・九を満たしていないということは、CPTPP協定上もセーフガードが発動されない。つまり、これだけの急激な牛肉の輸入増になったにもかかわらず、日米もCPTPP上も、いずれもセーフガードが発動されないという事態が可能性としてあるという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(鯰博行君) 委員御指摘のような仮定を設定しますと確かにセーフガードが発動されないということになりますけれども、他方におきまして、現在の輸入環境が継続する限り、米国や豪州を始めとする外国からの輸入量やその内訳が劇的に変動する可能性は高くないと考えており、御指摘のケースはやや極端な前提による例外的なものではないのかなというふうに認識しております。 いずれにせよ、今般の改正議定書の定めるセーフガードの仕組みによって、セーフガードの目的である国内産業の保護を達成できるというふうに考えてございます。
○金子道仁君 確かに、おっしゃるとおり、円安でそんなに急激に伸びることはないかもしれません。ただ、セーフガードというのは、そういう緊急の事態を想定して、そのような急激な輸入量の増加から国内生産者を守る、それがセーフガードの趣旨ですので、まさにこういう想定外の輸入増に対してこそセーフガードが発動されるべきだと考えるんですけれども、にもかかわらずこのような事態で発動されないというのは、いかんせん、少しこの立て付けというのが、難しいというか、しっかりとした国内保護に至っていないのではないかという危惧は正直持っております。 このような最悪の事態こそセーフガードでカバーすべきだと考えますけれども、質問元に戻します、これがまさにTPPの範囲内という趣旨でしょうか。TPPの範囲内で合意をしたというのは、こういった想定でも発動されない、これがTPPの範囲内という理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(鯰博行君) TPPの範囲内と言い得ることができるということは、このような制度の説明でございます。
○金子道仁君 このTPPの範囲内、私たちの印象としてはこの赤い折れ線のセーフガードより超えないというような印象は受けるんですけれども、実際はこの日米貿易協定を作った際から既にこのような場合でもセーフガードが発動されないという、それがまあTPPの範囲内という趣旨なのかなと私自身は理解しております。それは、非常に、可能性として、このようなことが起こった場合に国内の牛肉生産者に対しては非常な負担が掛かるというおそれも感じております。 そのようなことも含めて、農水省の方で牛肉の生産者に対して十分な説明等は行われているんでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(伏見啓二君) お答え申し上げます。 今回の合意内容の説明に当たっては、発動の仕組みがどのように変更されるか全て説明しておりまして、正確に理解されるよう努めているところでございます。 今回の合意内容について国内の関係者の理解を得るため、合意内容発表の翌日、三月二十五日でございますが、生産者団体を含めた説明会を開催したほか、それ以降も説明の機会を設けてきたところでございます。その際、生産者団体から本合意内容について懸念や反対の声はなく、これらの説明を通じて今回の合意内容に対する理解を得ていると考えております。引き続き、懸念の声があれば丁寧に対応してまいります。 また、総合的なTPP関連政策大綱に基づきまして、肉用牛の生産基盤の強化のための支援のほか、経営安定対策の充実などの対策を講じているところでありまして、今後も、関税削減が進んでいくことを踏まえ、引き続き畜産農家をしっかりと支援してまいります。
○金子道仁君 ありがとうございます。こういうことがあってほしくはないですけれども、仮にこういうことがあった場合には、しっかりと農家の方々へのサポートをお願いしたいと思います。 そして、このような複雑なセーフガードの仕組みになっているそもそもの問題の根本にあるのは、アメリカがTPPから離脱しているという、そこから始まっていることだと思います。その最初のボタンが掛け違っているからこそ、このような複雑な結論しか出てこないのではないかと推察しております。 外務大臣は米国のTPP復帰が非常に望ましいと既におっしゃっておられますけれども、今後、まあ難しい交渉になるとは思いますが、是非、チャンスを見据えて、可能性があるときには米国のTPP復帰に向けて強く働きかけていただきたいと思いますが、最後に外務大臣の御意見お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 委員おっしゃるとおりでございまして、我が国としては、米国によるインド太平洋地域の国際秩序への関与と、こういう戦略的な観点からも米国のTPP復帰が望ましいという考え、これを一貫して米国に伝えてきております。 具体的に少し申し上げますと、今月十三日の日米首脳会談の機会を含めて、岸田総理からはバイデン大統領に、そして、私からは、個別の会談や経済版2プラス2というのもございましたので、こうした機会を活用して、ブリンケン国務長官、そしてレモンド商務長官、さらにはタイ通商代表に対して、米国のTPP復帰、これをずっと直接求め続けてきております。さらには、米国の上下両院議員や有識者との面会の機会も活用してこういうことを累次申し上げてきております。 今後も引き続き、あらゆる機会を捉えて、様々なレベルで米国に対してTPP復帰、これ粘り強く働きかけてまいりたいと思っております。
○金子道仁君 ありがとうございます。難しい交渉が続くかと思いますけれども、是非その方向で進めていただければと思います。 続いて、前回の質問の継続になります開発協力大綱の改定について御質問をさせていただきたいと思います。資料の二枚目を御覧いただければと思います。 前回の質疑の中で、NGO等の市民社会組織の重要性について、外務省としても重要なパートナーだと認識しているという発言をいただきました。三つの理由が挙げられておられます。顔の見える担い手であるということ、現場のニーズを細かく把握できる存在であるということ、そして迅速かつ柔軟な対応ができる、だから重要なパートナーだというふうに認識されています。ただ、重要だという言葉の割には余りお金が付いていないというのが今日の質問の中心になりますけれども、是非その点、外務大臣のリーダーシップをお願いしたいと思って質問させていただきたいと思います。 資料の二枚目、上の段、前回も配らせていただいたものですけれども、日本の主なNGOと欧米の主なNGO、財政規模、スタッフが約二桁違う、百倍の差ができてしまっているわけです。これはもう元からそうなのかというと、そういうわけではございませんで、中段にありますように、アメリカのこの国際NGOの成長というのは、一九九〇年から二〇一〇年までの二十年間で大きく成長しているわけです。 じゃ、どのようなことが行われたか。日本の政策とUSAIDの取った政策と比較してみると分かりやすいかと思って、その資料の下のところ、これ私のまとめた、事務所でまとめたものでございますけれども、日本の施策、これはNGO活動環境整備支援事業、N環と言うそうですね、二〇二一年度の予算が八千四百万円。やっていることは、一つは一般管理費、つまり事業費ではなくて間接的な事務の経費に対して事業予算の五%から一五%を充てることを認めている。二つ目は、研修をしている。この二つについて年間八千四百万円の予算が充たっています。 〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕 じゃ、アメリカはどうかというと、間接費に対する補助は日本と一緒で、一五から三〇%を充てているということ。三つ目の支援、研修、これも同じです。二つ目のマッチグラントプログラム、この組織自体に対して直接的な援助をするということが特色として、違いとしてあると思いますけれども、この二のマッチグラントプログラムだけで二〇一〇年度予算は約十二億ドル、日本からすると一千倍強の予算がここに充たっているわけです。 政府としてこのNGOが開発協力の重要なパートナーと認識しておられるのであれば、せめてこれアメリカの十分の一程度でも予算を充ててこの足腰強化をしていただければ、本当にこの重要なパートナーとなっていくのではないでしょうか。 政府としても、そのような方々とパートナーになることで、例えばアフリカ等の人員が限られた大使館において、大使館員ではないけれども同じ思いを持った働き人がその周りにいるようになる。また、ウクライナであれば、国際機関に、国連機関に金銭的な拠出をされていると思いますけれども、顔の見える援助としてそのような日本のNGOに分業的に発注していく、より顔の見える支援ができるということ。また、政府の大使館員が常駐できないような地方、その国々の地方に人が行くことで情報収集をする。USAIDの場合は、必ずそのNGOが帰国するたんびに、また、大使館のある本国に帰るたんびに必ずその情勢報告をするようにという、そういうフローをつくっておられるそうです。非常に有益な情報収集源が各地に散らばる、これも大きなメリットだと思います。そして最後に、政府として関われない地域に関わっていただく。アメリカであれば、シリアにそのような派遣をして、実際は政府チャンネルができなくても民間のチャンネルから情報が入ってくる。これも非常に重要じゃないかと思っております。 是非、外務大臣に、このマッチンググラントプログラム、このNGOを直接的に組織基盤強化するような、そのような強化策、また、それに関連する様々な強化策を開発協力大綱に盛り込んでいただきたいと思いますが、外務大臣の見解をお聞かせください。 〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
○国務大臣(林芳正君) この大変興味深い御提案をいただきまして、ありがとうございます。 このNGO等の市民社会組織、これは、顔の見える開発協力、これ委員からも御指摘があったとおりですが、そうしたものの担い手として、開発現場の多様な考え方、それからニーズ、これをきめ細かく酌み取って、状況に応じて迅速かつ柔軟に対応されておりまして、ODAを実施する上での重要なパートナーでございます。 九〇年代にマッチンググラントプログラムがあったということ、今御指摘があったとおりでございまして、我々も承知しておりまして、NGOの組織基盤強化ということが重要であるということは認識をしております。 他方で、日本のNGOにとってどのような施設、施策が適切かということにつきましては、各国のNGOの置かれた状況、異なること等も踏まえながら、個別に検討していく必要があると考えております。 こうした認識に基づいて、これまで外務省としては、資金協力、能力強化、対話、この三点を柱としてNGOとの連携を強化してきたところでございます。特に、二の能力強化について、NGO活動環境整備支援事業等、先ほどちょっと触れていただきましたが、これにより取り組んできているところでございます。 開発協力大綱の改定に当たって、こうした取組、そして有識者懇談会での議論、さらには幅広い関係者の御意見踏まえながら、NGOとの連携の強化の在り方についてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○金子道仁君 外務大臣からそのようなお言葉いただいて、本当に感謝しております。 一九九〇年、アメリカではゴア副大統領が、USAIDの開発援助の四〇%をNGO経由で実施すると数値目標を立てた、これがこの一九九〇年から二〇一〇年までの大きな成長のきっかけになったと思います。外務省という一つの大きな組織の中で、重要な戦略的パートナーであるということを、言葉として言うだけではなくて、数値目標を出すことによって組織全体にそれが徹底していく、例えば大使館の末端の職員であってもそのような意識を持って地域のNGOの方々と協力していく、これが非常に大事だと考えておりますけれども、そのような大胆な数値目標を立てることを是非外務大臣にお願いしたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) クリントン大統領が選挙で勝たれたのが九二年、で、九三年からと。その時代、先ほど委員からお示しいただいたグラフもこのようにこの伸びが立ち上がってきているということ、今いろいろと教えていただいたわけでございます。 途上国の開発協力は、無償資金協力や技協、有償を含んだ二国間、国際機関経由、またNGO経由の支援など、それぞれの強みを生かして組合せによってバランスよく支援を実施していく必要があると思っております。 この数値目標ということですが、各国のNGOの置かれた状況が異なること等も踏まえて検討していく必要があると考えております。NGO向けのODA予算に関しては、外務省としてもこの二十年間で実績を約八倍に拡大してきておるところでございます。 日本のNGOに対する必要な支援、今後もしっかりと確保していけるように努力をしてまいりたいと思っております。
○金子道仁君 ありがとうございます。 じゃ、最後の質問とさせていただきます。 開発教育に関して前回も質問させていただきました。二〇一五年の開発協力大綱で、開発協力を学校教育の場を始めとして行っていくと。その一つの例として、国際協力出前講座、JICAがしていることを教えていただいて、中学校で約四万、高校で約六万の子供たちに開発教育をしたと。ただ、四万、六万というと多いように見えますけども、中学生でいうと一・三%、高校生も一・七%と、二%に満たない子供にしかその教育が届いていないということです。 是非、学校教育の場で開発教育の実践をするということであれば、文科省と協力しながら、学習課程、教育課程の中にどのように盛り込むか、そのような検討を進めていただきたいと思いますが、最後に文科省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(安彦広斉君) お答え申し上げます。 平成二十七年の開発協力大綱にあるとおり、子供たちが世界の直面する様々な開発課題の様相や我が国との関係を知り、それを自らの問題として捉え、主体的に考える力や課題解決に向けた取組に参加する力を養うことは重要でございます。 このため、学習指導要領では発達段階に応じて国際協力や政府開発援助等について指導することとしております。例えば、高等学校の地歴、地理歴史におきましては、アジアの諸地域の経済発展の背景、経済の自由化や技術革新の影響、資源・エネルギーと地球環境問題が世界経済に及ぼした影響などに着目して主題を設定し、日本とその他の国や地域の動向を比較するなどして、市場経済のグローバル化の特徴と日本の役割などを多面的、多角的に考察し、表現することとし、また、この指導を行う際に、政府開発援助や国際連合平和維持活動、持続可能な開発のための取組などを扱い、日本が国際社会における重要な役割を担ってきたことについても指導することとされております。各学校におきましては、こうした学習指導要領の記載に基づきまして教育活動が行われているところでございます。 先ほど議員の御指摘いただいたようなJICAにおけます国際協力出前講座、また外務省職員によるODA出前講座、こういったことも、こういった学習課程に加えて取組を実施しているところがございます。こうした学校教育における開発教育の更なる充実が図られているものと承知しております。 文部科学省としましては、今後とも、こうした取組を通じて、子供たちの国際理解が進み、子供たちが持続可能な社会の担い手として育まれていくよう取り組んでまいります。
○金子道仁君 ありがとうございました。 是非、その教育を学校の先生だけでするのではなくて、JICAのOB、OGというすばらしい経験のある方々が生かされていないので、それを組み込むその仕組みをつくっていただきたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。
○榛葉賀津也君 国民民主党の榛葉賀津也でございます。 冒頭、さきの私の委員会での答弁に対して外務省から訂正があるようですので、発言を求めたいと思います。
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。 十一月十日の本委員会におきまして、榛葉委員からの御質問に対し、外務省においては、近年において、いわゆるサービス残業はないものと認識しており、一〇〇%の超過勤務手当を支給している旨、答弁いたしました。これは、外務省では、職員が超過勤務をした際に、その全ての時間数に対して超過勤務手当を支給していることを答弁したものでございました。 他方、平日深夜及び週休日、祝日の勤務に係る割増率の適用につき、システム上の問題があることが確認されております。詳細は確認中でございますが、問題を是正すべく、現行システムの改修も含めて可及的速やかに対応を進めているところでございます。 事実関係に関しまして、御質問の趣旨に照らして十分ではない答弁であったことを重く受け止め、今後このようなことがないよう注意を払ってまいりたいと考えております。
○榛葉賀津也君 ありがとうございました。 いずれにせよ、公務員は、とりわけ国家公務員は我が国の宝でございますから、しっかりとお給料を払って、いい仕事をしていただきたいということを申し述べたいと思います。 それでは、本題に入ります。 総理が十一月十二日から十九日までのG20とAPEC首脳会議から御帰国されました。寺田大臣をタケダ大臣と言い間違えるくらいですから相当お疲れなんだなと思いますが、だからこそ、私は官房副長官が外遊に随行するということが大事なんだろうと思います。 一般論でお伺いしたいと思いますが、安倍元総理、菅前総理、岸田総理の外遊に官房副長官が同行しなかった例というのはあるんでしょうか。端的にお願いします。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 安倍元総理、菅前総理及び岸田総理が行った外国出張のうち、二〇一五年、平成二十七年三月に安倍元総理が故リー・クアンユー元シンガポール首相の国葬に出席するためシンガポールに出張した際、官房副長官が同行していなかったというふうに承知をしております。この例でございます。
○榛葉賀津也君 官房副長官、総理の外遊に官房副長官が同行する意義というのは何なんでしょうか。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 総理大臣が行う外国出張への官房副長官の同行は、主に総理大臣の業務の補佐、また外国出張に関する内外への情報発信及び緊急事態の発生に備えた危機管理といった重要な意義があるというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 今回、岸田総理の外遊で十二日から十六日の夜まで磯崎官房副長官が御同行されて、十七日からは木原誠二官房副長官がそれに代わるという予定だったというふうに聞いております。ところが、木原さんが外遊に同行されてないんですね。 なぜ今回のAPECで木原官房副長官が外遊に同行されなかったのか、その理由は何なんでしょうか。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 今お答えさせていただいたとおり、官房副長官の総理への出張の同行、非常に重要な意義があるというふうに考えております。他方で、内閣官房副長官としまして、官房長官を補佐する立場から国会との連絡調整を行うということも非常に重要な職務であるというふうに考えております。 今般、両官房副長官、総理が述べておられるとおり、被害者救済新法の調整を始めとして国会対応に万全を期するため、APEC首脳会議に同行しなかったということでございます。
○榛葉賀津也君 いえいえ、木原副長官、元々行く予定だったんです。救済法が忙しいというのはもう最初から分かっていることなんです。 行くのをキャンセルしてまで総理をお一人にしたというのはどういう理由ですか。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) この新法の調整を始めとして、国会の運営ということにつきましては都度いろんな状況があるわけでございますので、そういったその状況の変化というものに対応したということでございます。
○榛葉賀津也君 いや、このとき総理は外遊先で寺田前総務大臣の更迭をお決めになったり、私は、与野党激しく対立することは国会、国民の、国益のために当然あると思いますが、やっぱり政局は水際までなんです。外遊されて、外交やっている際はいいパフォーマンスを国の代表としてやっていただきたい。しかも、今回はAPECやG20、とても大事な首脳会談で、そこでどうベストのパフォーマンスを我が国の代表として党派を超えてやってもらうか。しかし、ここに木原さんがいらっしゃらなかった。 私、官房副長官にとって総理に同行するというのは、単なる同行ではなくて、政治的にとても大事だと思っているんです。役人や官僚の皆さんの目線ではなくて、政治家の感覚で各国や我が国内のマスコミや世論に対してブリーフをしたり、政治家の目線で総理にアドバイスをしたり。ましてや、今回は内外共に極めて重要なアドバイスを副長官がするべきだったんですね。ところが、ここに総理をお一人にしたというのは、私は政治の側として極めてゆゆしき問題だと思います。 この点、今後こういうことをなくすべきだと思いますが、副長官、どのようにお考えでしょうか。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 榛葉委員の御意見、しっかりと受け止めさせていただきたいというふうに思います。 今後とも、総理の海外出張につきましては官房副長官が同行することを基本とするということで、基本としつつ、同行の適否については、国会の状況などその時々の状況を踏まえながら、政府として適切に判断をしてまいりたいというふうに思っております。基本とするということはしっかりと認識をしております。
○榛葉賀津也君 磯崎副長官が本当に頑張っていらっしゃることは私も評価していますので、是非頑張っていただきたいと思います。 それでは、日米貿易協定について幾つかお伺いしたいと思いますが、今般の改正を受けた今後のセーフガードの発動水準の引上げ見込みについてお伺いするんですが、その前に前提として、私は、基本的にセーフガードを発動する水準になったら発動するべきだと思うんです。それは、我が国の産業を守るためと、そのためのセーフガードなんですから。しかし、先ほど金子先生の御質問にあったように、相当現場の外交官は御苦労されたんだなということを強く感じます。 それで、今後、今回の改正を踏まえた三条件に基づいて再びセーフガードの措置が発動された際には、交換公文の規定上、更に高い水準に引き上げる、そのための協議を行うんでしょうか。
○政府参考人(鯰博行君) お答え申し上げます。 仮に、今後、米国産牛肉に対するセーフガード措置が再度適用された場合、日米貿易協定に関連する日米政府間の交換公文上の義務に従いまして再度協議が行われることになります。 その際にも、政府としては、当然国益が確保されるようしっかりと協議に臨むということだと思います。
○委員長(阿達雅志君) 磯崎内閣官房副長官は御退席いただいて結構でございます。
○榛葉賀津也君 その際、またこの発動水準を引き上げるようなことになる、そういう交渉になるんでしょうか。どのような態度で我が国はこの交渉に臨むんでしょうか。
○政府参考人(鯰博行君) それはそのときに、今後セーフガード措置を再度適用したときに考えるべき、決めるべき問題だと思いますけれども、一般論としまして、政府としては、当然国益が確保されるようにしっかり協議をするということだと考えております。
○榛葉賀津也君 我が国の農業や畜産を守るためのセーフガードが形骸化して、どんどんどんどん交渉によって引き上げられるということのないように、しっかりと交渉していただきたいと思います。 次に、先ほどの金子委員の質問に若干かぶるんですけれども、今回のこの我が国の牛肉の輸入というのはほとんどが英国とオーストラリアなんですね。先ほど金子先生の表でいうと、このグリーンのところはほとんどは実はオーストラリア産でございます。今回は、オーストラリアの干ばつの影響でオージービーフが激減をして、その代替手段として米国からの輸入量が急増したためセーフガードが発生したと理解をしております。 これ、逆のケースで、オーストラリアからの牛肉輸入が急増した場合、どのような対応になるんでしょうか。
○政府参考人(鯰博行君) オーストラリアからの牛肉の輸入の急増については、CPTPP及び日豪の経済連携協定に従って措置がとられるということになります。
○榛葉賀津也君 いずれにせよ、今回、初めてこの日米貿易協定改正議定書で、CPTPPのセーフガード、この発動水準が追加されたということで、今後、日豪のセーフガードについても極めて発動しにくい状況になったと考えるんですけど、この点はどうでしょうか。
○政府参考人(鯰博行君) 今般の日米間の改正議定書は、豪州からの牛肉の輸入とは直接は関係しておりませんで、先ほど答弁申し上げましたように、豪州からの牛肉の輸入につきましては、CPTPP及び日豪の経済連携協定が規律するところでございます。
○榛葉賀津也君 ありがとうございました。 それでは、防衛副大臣、お待たせしました。追及ではありません。 先日、自衛隊音楽まつりに行ってまいりまして、防衛副大臣と御一緒させていただきました。いい顔していましたね。すばらしい音楽まつりでありまして、感動しました。 副大臣、防衛の政務三役というのは明るくなくちゃ駄目です。浜田大臣を見習って明るくやっていただきたいと思いますし、副大臣は、お父様が群馬県庁で、お母様が小学校の先生で、群馬県の政治家はもうそうそうたる家柄の方ばかりですけれども、副大臣はたたき上げでここまで頑張ってこられましたから、是非頑張ってほしいと思います。 今回、私、感動したのは、パプアニューギニア軍の軍楽隊、これ、日本が、二〇一五年からずっと能力構築支援事業として陸上自衛隊が音楽隊の創設と育成を支援してまいりました。まさに生みの親である日本に初めてパプアニューギニアの軍の軍楽隊が演奏されて、「ふるさと」と「上を向いて歩こう」を演奏されて、本当に皆さん感激していました。 加えて、裏方でこの国を支える自衛隊を更に裏方で支えていた演技支援隊、東部方面隊から選抜された裏方部隊が本当に頑張っていらっしゃって、司会の方々がその方々をスポットライトを当ててくださったことにこれまた私の仲間たちも感激をしておりました。 三年間、苦労に苦労を重ねて、我慢に我慢を重ねてできなかったこの自衛隊音楽まつりですが、副大臣、これ、どう評価されていますか。
○副大臣(井野俊郎君) 榛葉先生には本当に過分なる御紹介をいただきまして、ありがとうございます。 この音楽まつり、今回、三年ぶりに実施することができました。今回の開催に当たっては、この新型コロナ感染防止対策という観点から、観客数の制限であったり、出演部隊の縮減、また参加者数も縮減という意味では、様々な課題を、また対策を講じた上で行いました。その結果として、観客数は少なくなってしまいましたけれども、三年ぶりにできたということは大変大いなる意義があったと思います。 また、実施要領やプログラムなどもこれまでとは違ったものにしていくという意味では、現場の部隊といいましょうか、自衛隊の皆様には大変いろんな御苦労があったと思いますし、それに対して、本当に我々も大変そういった努力に対して敬意と感謝を申し上げている次第であります。 また、先生御紹介ありましたパプアニューギニアの音楽隊にも参加いただいたり、もちろんそのほかにも、パキスタン、アメリカの音楽隊、様々な国と交流できたということも重要な意義がございました。 こういった活動、外交だけではなくて防衛分野でも様々な国との協力関係を築いていきながら、我が国のプレゼンスといいましょうか、平和と外交に尽くしてまいりたいと思っております。 本当に貴重な御指摘をありがとうございました。
○榛葉賀津也君 是非、国民に信頼され愛される自衛隊になるためにはこういうイベントもとても大事だと思いますので、しっかりと引き続きの対応をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 日米貿易協定の経過を振り返りますと、最終合意が二〇一九年九月二十六日、国会承認は十二月四日でしたから、僅か六十九日というスピード承認でした。 この僅かな審議でも、日本にとって屈辱的な協定であることが明らかになりました。特に、農業を犠牲にして自動車関税を先送りしたこと、農産物についてはアメリカが特恵的な待遇を追求することを認めたことです。 協定の交換公文で、セーフガードについては発動水準を一層高いものにするため協議を開始するとなっています。昨年、二〇二一年の三月にセーフガードが発動されてから協議が開始されて、今年合意したわけです。 新たな基準によって、アメリカは単独の発動水準を超えて日本に牛肉を輸出することが可能になります。発動水準は一層高いものにするという約束に沿ったもので、アメリカの利益にかなう改定になったんではありませんか、外務大臣。
○国務大臣(林芳正君) この議定書に基づく新たなセーフガードの枠組みの下で実際にセーフガード措置が発動されるか否かにつきましては、年々の各国からの輸入状況にもよるため、一概に評価することはできないと考えております。 その上で、新たなセーフガードの枠組みの下では、三つの条件が全て満たされた場合にセーフガードが発動されるという意味で、日米貿易協定が元々定めていたセーフガード発動水準を超過した場合であっても、その他二つの要件を満たさなければセーフガードは発動されず、通常時の税率が適用されるということは、今おっしゃられたとおりでございます。 他方、今回の合意内容、これは米国単独の発動水準を維持した上で、当初のTPP協定の発動水準、これを合計輸入数量に適用することによって、実質的に当初のTPP協定の下でのセーフガードと同様の効果を持つと言い得るものであるというふうに考えております。
○紙智子君 TPPの諸国からの輸入もあるわけですけれども、アメリカ単独の発動水準を超えて輸入することが可能になるということは間違いないと思うんです。 その一方、新基準はTPP範囲内に収まったからよかったという見方もあるんですけれども、しかし、アメリカとTPP諸国からの牛肉の輸入量の総量はTPPの範囲内に収まるわけではないと思うんです。なぜなら、これ、日米貿易協定とTPP協定というのは別物であって、それぞれにセーフガードの基準があるからです。 それで、ちょっと配付した資料を御覧いただきたいと思うんですが、青字の②のところですね、TPP諸国とアメリカのセーフガードの基準、こんなふうに推移していくということです。 ③は、二〇二七年度、五年先です、二七年度のアメリカとTPP諸国からの輸入可能量ということで試算したものです。 セーフガードは年度ごとの基準ですから、アメリカからの輸入量が四月から九月にかけて三十万トンに達したとします。その時点でTPP諸国から三十九・六万トンの輸入があれば、合計輸入量は六十九・六万トンですから、新基準に基づく発動基準に達します。一方で、TPP諸国の基準六十九・九万トンは変わらないので、九月以降、年度内の二月と三月にかけて輸入量が三十万トンを超えないと、このTPP諸国に対してセーフガードは発動されません。 つまり、アメリカとTPP諸国から合わせて九十九・六万トン、約百万トン近く牛肉の輸入が低関税で認められるということになるんじゃありませんか。
○国務大臣(林芳正君) この日米貿易協定におきましては、先ほど申し上げましたように、米国単独発動水準とCPTPP発動水準が併用されているということは事実でございますが、後者につきましては、当初のTPP協定の下で米国も含めて合意した枠組みと同様のものでございまして、米国単独発動水準の大幅な引上げ、これを求める米国側に対して約一年にわたり粘り強く協議をした結果、TPPの範囲内と言い得る内容で合意したものと考えております。 CPTPPの牛肉セーフガード措置に係るCPTPP参加国との協議については、様々な機会を捉えてこれらの国々に対して我が国の考え方を伝えてきているところでございまして、引き続き関係国にしかるべく働きかけてまいりたいと考えております。
○紙智子君 CPTPPの参加国に話をしていくということなんだけど、結局それぞれ別物ですから、そういう意味では、それぞれがこういう形で想定でなったときには、百万トン近く入ってくるということは可能だと思うんですよね。 それで、資料の①の方見てください。これは国産と輸入を合わせた国内の消費量なんですけど、二〇二一年度で八十八・七万トンです。多い年度でも九十三万トンだと。つまり、九十九・六万トンには届かないわけですよね。国内消費量以上に入ってくる可能性もあるわけです。 約百万トンもの輸入が可能になったら、これ、アメリカにセーフガードが発動されたとしてもTPP諸国から低関税の輸入を抑えることはできません。輸入の急増を抑えて国内生産を守るセーフガードの意味がなくなるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(鯰博行君) 委員の御指摘の二〇二七年度の例を取ってまいりますと、二〇二七年度にTPPのセーフガード発動水準が六十九・六万トン、アメリカ単独のセーフガード発動水準が二十七・六万トン、このとおりでございます。 このことの意味するところは、アメリカからの牛肉の輸入数量とCPTPP諸国、オーストラリア等ですね、からの牛肉の輸入数量の合計が六十九・六万トンを超えた場合、かつアメリカからの輸入数量が二十七・六万トンを超えた場合、かつアメリカからの輸入数量が前年度を超えていた場合にはアメリカに対してセーフガードが発動されるというのが今回の改正議定書の内容でございます。 それと、諸外国からの牛肉の輸入数量につきましては、当然ながらそれを買う側が国内にいてということですので、国内消費量にある種見合った、あるいはそれを見通した上での輸入量ということになるのではないかというふうに承知しております。
○紙智子君 今の答弁じゃ全然よく分からないなという感じなんですけれども、セーフガードが無力化されていくというふうに思うんですね。一番大きな影響を受けるのは、輸入肉と競合する国産の乳用種、交雑種です。 そこで、農林水産省から、牛肉の部位で肩ロースの価格を出していただいたんですけど、それ紹介したいと思うんですが、今年は円安が進んだために、九月時点の輸入牛肉が一キロ当たりで千五百二十四円です。国産は、交雑種で二千六百九円、乳用肥育の雄牛で千九百五十七円ということで、円安が進んでいても輸入が安くなっているんですよね。コロナ前や円安になる前はどうだったかというと、もっとこの輸入と国産の差があったわけですよ。今は円安で輸入と国産の価格は縮まっているわけですけど、いずれにしても国産より輸入が安い状況には変わりないんですね。 日米貿易協定とTPP協定で百万トン近くの低関税の牛肉の輸入が可能になるのに、TPPの範囲内だから畜産、酪農への新たな影響はないなんということを言えるんでしょうか。
○政府参考人(伏見啓二君) お答え申し上げます。 我が国の牛肉の輸入量は、為替、国内外の需給動向、現地価格等様々な要因に左右されますが、二〇二二年度の牛肉輸入量、四月から九月まででございますが、円安等の影響によりまして、日米貿易協定発効前、二〇一八年度と比べますと九五%と減少しております。農林水産省としては、セーフガードの発動いかんにかかわらず、引き続き牛肉の輸入動向や国内生産への影響を注視してまいります。 国内生産への影響の観点からは、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、肉用牛の生産基盤の強化のための支援のほか、経営安定対策の充実などの対策を講じているところでございまして、今後も関税削減が進んでいくことを踏まえ、引き続き畜産農家をしっかりと支援してまいります。
○紙智子君 質問に答えていないですよね。影響ないなんて言えるんですかと聞いたんですよ。影響出てきますよ、絶対。 北海道で、酪農経営は壊滅的だということを何人からも聞いているんですよ。酪農の経営というのは、餌代の高騰、畜産クラスターを活用した人は設備投資のために借りたお金の返済が今始まっていて、出費が増えているんですね。一方で、生乳の需給、需要が減少していて、生産抑制で収入が減っているために、これ資金繰りが困難になっていて、年越し、どう越せるかというんじゃなくて、今月をどうするかという危機的な状況にあるんですよ。だから、アメリカとの新しいセーフガードの基準というのは、TPPの範囲内だから影響ないなんて言っている場合じゃないというふうに思うんですね。 今の国内の酪農や畜産経営の状況を見れば、これコロナや為替相場の影響を想定していない日米貿易協定やTPP協定の見直しこそ、今すべきじゃありませんか。外務大臣。
○国務大臣(林芳正君) この今般の日米貿易協定の改正は、協定に関連して作成された日米政府間の交換公文に基づきまして、米国産牛肉に対してセーフガード措置を発動するための条件について米国側と協議した結果を踏まえて行われたものでございます。 委員御指摘がありましたように、為替変動による飼料価格を始めとする生産資材の高騰、また新型コロナ影響等によって、国内産業が大変厳しい状況にあるということは認識をしておるところでございます。 この為替変動、またコロナの影響と、こういうものに対しては柔軟かつ迅速に対応していくことが必要であるということから、この既存の協定の改正、今回も一年掛かりましたけれども、時間も掛かるものでございますので、こういった改正で対応するというよりは、国内の関係者の皆様も聴取しながら国内対策等によってこの対応していくということが適切だというふうに考えております。
○紙智子君 コロナやウクライナの危機を受けて、経済連携協定の在り方そのものも問われていると思うんですよね。 それから、次に行きますけれども、成長ホルモンを使用した牛肉の輸入についてです。 アメリカやオーストラリアでは、成長ホルモン剤が使われています。成長の速度を一〇%から二〇%改善をして、牛肉の生産コストを五%から一〇%下げることができて、生産効率を高めるんだと言われています。TPPや日米貿易協定の国会審議では、人体への影響の懸念からEUでは輸入を禁止しているのに、なぜ日本は成長ホルモンを使用した牛肉の輸入を認めるのかということが議論になりました。 既に、アメリカ国内でも、成長ホルモン剤不使用の肉をホルモンフリーと表示して、これ販売するスーパーや飲食店が増えています。アメリカ国内でもそうなんですよね。アメリカやオーストラリアで生産されている肉用牛の何割程度でホルモン、成長ホルモン剤が使用されているのかということで聞いたら、政府に確認しましたら、使用実態は把握していませんという回答でありました。 それで、アメリカやオーストラリアはEUに輸出できませんから、アメリカでもホルモンフリーの販売店が増えれば、これ、ホルモン剤を使用した牛肉の行き先というのは、日本に来る可能性があるんじゃないでしょうか。厚生労働省にお聞きします。
○政府参考人(佐々木昌弘君) お答えいたします。 まず、前提になりますEU以外の諸外国では、アメリカ、オーストラリア等といったところでは、残留基準値、肥育ホルモンの残留基準値が設定されております。よって、このことによって、仮に肥育ホルモンを使用した牛肉が国内に入っていても、そのことによる安全性については確保できているものと思っております。 一方で、委員の今の直接の御指摘である、じゃ、国内に入ってくるのではないか、流通するのではないかという点については、流通のことですので、消費行動に関わることですので、厚生労働省としてはお答えいたしかねます。
○紙智子君 それで、その、厚生労働省は輸入牛肉の検査結果を公表しているんだけれども、しかし、公表しているのは違反件数だけなんですよね。違反件数は、その基準が下回っているからないと、ゼロですという公表になるんだけれども、やっぱりこれ、不検出だったり、ND含めて検出数値を公表すべきじゃないですか。
○政府参考人(佐々木昌弘君) お答えいたします。 まず、海外から輸入される牛肉等に対するホルモン、肥育ホルモンの検査の実施状況につきましては、このことそのものは公表、厚生労働省のホームページで公表しております。 一方で、この公表状況につきましては、これもまた今御指摘いただいたところですけれども、基準値を超える量の肥育ホルモンが仮に検出された場合については、これは速やかに公表をすることとしております。 よって、この基準値を満たしているものまで、つまり基準値を下回っているものまで検出状況を公表するかという点については、そこまでは考えておりません。
○紙智子君 検査した数値を公表するということ、別に問題ないと思うんでやったらいいと思うんですよ。むしろ、消費者は情報提供求めています。成長ホルモン剤を使用した牛肉は食べたくないという動きは、ホルモンフリーの関心も高まっているわけですよね。 それで、やっぱり成長ホルモン剤を使用した牛肉の輸入を拡大するんじゃなくて、やっぱり国産の牛肉の生産を増やす政策に力を入れるべきだということを強く求めて、質問終わりたいと思います。
○委員長(阿達雅志君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、日米貿易協定改正議定書に反対する討論を行います。 新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機を受けて、経済連携協定の在り方そのものが問われています。 本議定書は、二〇二一年三月に日本による米国産牛肉へのセーフガードが発動したことを受けて、現行の日米貿易協定で定める発動要件を新たに見直すものであり、その内容は、二〇二二年度以降、米国産牛肉の輸入量が拡大してもセーフガードが発動しにくい仕組みに改めるものです。 我が党は、二〇一九年に現行の協定を審議した際、同協定に関する二国間の交換公文には、セーフガードが発動された場合、基準数量を一層高くするための協議を開始することが義務付けられていて、米国からの輸入量が歯止めなく拡大するおそれがあると厳しく批判しました。 本議定書による新たな発動要件は、この交換公文に基づき、セーフガードが持つ関税削減に伴う輸入の急増に歯止めを掛けるという本来の役割を実質的に無力化するものにほかなりません。 日米貿易協定の改正は、国内の畜産農家に及ぼす影響を顧みない措置であり、到底容認できないということを申し上げて、反対討論とします。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。 会派を代表して、日米貿易協定改定議定書に反対の立場から討論します。 議定書案の主な内容は、米国産牛肉の輸入量が一定水準を超えると関税を引き上げるセーフガード水準を、米国産とTPPの合計輸入量が米国産とTPPのセーフガード水準合計を超えた場合に初めて適用するよう大幅に緩和し、TPPに加盟しなかった米国に過剰に便宜を図るものです。 TPPのセーフガードは、元々、米国産牛肉の輸入を想定した水準を設定していたため、日米貿易協定のセーフガード水準自体が米国産牛肉の二重計上であるとして問題になっていました。 今回の緩和は、米国産牛肉の輸入を更に増やし、国内の農業者に大きな犠牲を強いるものです。日米貿易協定案の審議において政府は繰り返し国益に反する合意はしないと答弁をしていましたが、政府の約束にも反しています。また、実質的に米国にTPP加盟のメリットを献上するもので、米国のTPP加盟に向けたインセンティブを弱め、米国のTPP復帰を求める日本政府の方針とも反します。 岸田政権は、現在、台湾有事に際して南西諸島や西日本を戦場にする自衛隊の軍事介入を想定し、防衛費を二倍増するという国運を懸けたような大軍拡を打ち出しています。その一方で、食料安全保障には一切考慮を払わず、国内農業の持続可能性を大きく傷つけるような今回の措置は、安全保障論議が火遊びに近い極めて不真面目なものであることを証明しているのではないでしょうか。 日本独自の敵基地攻撃能力保有論に見られるように、既に多くの皆さんは日本有事に際して米国が中国本土の敵基地を攻撃してくれるとは考えていません。そうした中で、国内における農業生産基盤を更に破壊するようなセーフガード水準の緩和を認め、日本の食にまで米国に貢ぐことにどれほどの国益があるというのでしょうか。 米国追従に偏った政策の転換を求めることを強く申し上げて、議定書案に反対の討論といたします。
○委員長(阿達雅志君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿達雅志君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会