本会議 第13号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2022/04/01
会議録
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。 日程第一 国務大臣の報告に関する件(G7首脳会合に関する報告について) 内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。岸田文雄内閣総理大臣。 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 私は、三月二十四日にベルギー・ブリュッセルで開催されたG7首脳会合に出席をいたしました。その概要を報告いたします。 今回のG7首脳会合は、ロシアのウクライナ侵略に関し、G7首脳が対面で議論する最初の機会となりましたが、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くとの強い決意を確認する大変有意義な会合となったと考えております。 私からは、G7首脳は、国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路に立っており、連携して毅然と対応していく必要があること、我が国は、ロシアによる平和条約交渉中断宣言にひるむことなく、今後とも断固とした対応を取っていくことを説明いたしました。また、ロシアによる大量破壊兵器の使用を深刻に懸念しており、核兵器による威嚇、ましてやその使用は許されないこと、生物化学兵器の使用も決してあってはならないことを述べました。G7として、ロシアによる大量破壊兵器使用の威嚇に関し警告を発しました。 また、私からは、G7と緊密に連携してロシアへの外交的、経済的圧力を一層強める旨述べ、一、ロシアの最恵国待遇の撤回のための法改正に向けた準備、二、輸出禁止対象団体の更なる追加、三、オリガルヒやその家族等の資産凍結対象への更なる追加、ぜいたく品の輸出禁止措置の導入、あっ、四、ぜいたく品の輸出禁止措置の導入、五、デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対するための法改正に向けた準備を進める旨表明しました。 さらに、G7以外の諸国との連携については、私自身が先頭に立ってアジアなど各国に対する働きかけを行っている旨述べ、先般のインド及びカンボジア訪問の成果などを説明いたしました。こうした我が国の取組についてG7首脳から高い評価を得ました。 G7として、制裁の回避や迂回、バックフィルを行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をいたしました。 世界経済については、ロシアの侵略はエネルギーや食料の価格高騰に拍車を掛けており、G7が協調し、影響を受けている国々への支援を含め、エネルギー安全保障や食料安全保障の確保に取り組むことで一致をいたしました。エネルギー市場の安定化に向け、私自身がサウジアラビアやアラブ首長国連邦といった産油国の首脳と電話会談を行い、増産を含め原油市場の安定化に向けた積極的な協力を呼びかけたことを紹介いたしました。 G7として、ウクライナ及び周辺国への支援を強化することで一致いたしました。私からは、追加で一億ドルの緊急人道支援を行うことを説明し、さらに、周辺国に滞在する避難民支援のため、物資協力や医療、保健等の分野での人的貢献を行うことも検討していること、加えて、避難民の受入れを促進していることを述べました。 以上に加え、私からは、G7首脳会合の直前の北朝鮮によるICBM級の弾道ミサイルの発射について、国際社会の安全保障上の深刻な脅威である旨述べ、G7として、北朝鮮の核開発とともに連携して対処していくことを確認しました。 また、この機会に、バイデン米国大統領を始めEU、英国、ポーランド、カナダの首脳及びNATO事務総長ともバイ会談で膝を突き合わせて率直な意見交換を行い、ウクライナ情勢等について緊密な連携を確認することができたことは、有益だったと考えております。 我が国は、G7の来年の議長国として、ロシアの侵略に対する国際的取組について、本年の議長国ドイツを始めG7各国と緊密に連携して取り組んでまいります。(拍手) ─────────────
○議長(山東昭子君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石井浩郎さん。 〔石井浩郎君登壇、拍手〕
○石井浩郎君 自由民主党の石井浩郎です。 自由民主党・国民の声を代表して、G7首脳会合総理帰朝報告に対して、岸田総理に御質問いたします。 まず冒頭、ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みにほかなりません。これ以上ない強さの言葉をもって抗議いたします。ロシアは、国際社会から寄せられた強い非難をしっかりと受け止めて、即時に攻撃を停止し、今すぐに撤退すべきです。 政府には、引き続き、国際社会と連携して、速やかな平和の実現のため、迅速かつ厳格な対応を取るよう求めます。 それでは、質問に入ります。 岸田総理は、G7首脳会合にゼロ泊三日の強行日程で出席いたしました。ブリュッセルには半日に満たない滞在でしたが、G7首脳会合のほか、米国、英国、カナダ、ポーランド、EUの首脳、NATO事務総長とも会談した非常に濃密な訪問となりました。G7首脳がロシアによるウクライナ侵略について議論するために急遽集まり、首脳声明を発出したこと自体、今回の暴挙が国際秩序の根幹に関わる大問題であることを示しています。 そこで、まず岸田総理に、急遽開催されることとなった今回のG7首脳会合の意義と成果についてお伺いします。 今回の会合で、岸田総理は、ロシアによる平和条約交渉中断宣言にもひるむことなく、今後とも断固とした対応を取っていく旨説明しました。また、唯一の戦争被爆国、被爆地広島出身の総理として、大量破壊兵器の使用への深刻な懸念と核兵器による威嚇や使用、そして生物化学兵器の使用も決してあってはならないと強調されました。生物化学兵器や核兵器への警戒感が強まる中、これらを決して許さないという強い覚悟を示されたと思います。 そこで、今回のG7首脳会合での議論を踏まえ、ロシアによる生物化学兵器や核兵器等の使用に関する威嚇、さらには原子力施設を危険にさらす行動に対して、我が国を含むG7各国はどう連携し、対処していくつもりでしょうか。伺います。 今回、G7各国は、既に課されている厳しい経済・金融制裁措置の完全な実施を強調した上で、制裁の回避や迂回、抜け穴を防ぐため、緊密に連携して各国への働きかけを続けていくことを確認しています。 また、同日開催されたNATO加盟国による緊急首脳会合の声明では、中国を含む全ての国に対して、ロシアへの軍事的支援や制裁回避の協力を牽制し、中国当局の発言に懸念を示すと明言しています。 日本としては、ロシアによる侵略が終わるまで、G7の連携の中で、経済・金融制裁措置の強化、同時に、制裁回避等を防ぐための対応策等を講じていくべきですが、アジアから唯一のG7メンバーとしてどう対処していく考えでしょうか。 ロシアによるウクライナ侵略は世界経済にも影響を与えています。 世界各国とも資源価格や穀物相場の高騰に直面しています。天然ガスなどのエネルギー資源の多くをロシアに頼る欧州では、光熱費が大きく上昇し、生活に深刻な影響を与えています。日本においても、エネルギーや食料、生活必需品の価格上昇による経済や生活への影響から、コロナ禍で傷んだ家計や事業を守るための対策を速やかに講じなければなりません。また、現在のようなロシアであれば、戦略物資として突然供給を打ち切りかねないことから、エネルギーや希少金属、穀物等におけるロシアへの依存度を低減させることで安全保障的側面も考えなければなりません。 そこで、総理は、我が国においても、G7と足並みをそろえながら、エネルギーや食料におけるロシアへの依存度をどのようにすべきとお考えでしょうか。同時に、エネルギーや食品価格等の上昇からどのようにして経済活動や国民生活を守っていくつもりでしょうか。併せて伺います。 ウクライナでは、妊産婦や新生児がいた産科病院、子供たちが避難していた劇場、住宅やショッピングセンターが攻撃され、大勢の犠牲者が出ています。 民間施設、民間人への攻撃が続く中、ウクライナから避難せざるを得ない人々が増えています。UNHCRによれば、ウクライナ国外に逃れた人の数は人口の一割に迫り、西隣のポーランドには二百万人を大きく超える避難民がいます。G7首脳会合では各国がウクライナ及び周辺諸国への避難民支援を拡大するための更なる措置を講ずることで一致を見ていますが、日本はどう支援策を強化していく考えでしょうか。 今回のG7首脳会合直前に、北朝鮮は射程に換算するとワシントンを含むアメリカ東海岸にも届くICBMを発射するという暴挙に出ました。この点についてもG7首脳会合やバイデン米国大統領との協議において議論されましたが、その成果を踏まえ、我が国としては今後どのように北朝鮮に対処していく考えでしょうか。伺います。 日本は、来年のG7議長国であり、本年は、現在の議長国であるドイツとともにG7各国の更なる連携に努め、ロシアのウクライナ侵略に対する取組をまとめ上げていく立場であります。 岸田総理には、前回日本がG7議長国であった際、外務大臣として築き上げたG7各国との信頼関係や経験等を最大限に生かし、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く先頭に立っていただくことを期待して、私の代表質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井浩郎議員の質問にお答えいたします。 G7首脳会合の意義及び成果についてお尋ねがありました。 今回の会合は、ロシアのウクライナ侵略に関し、G7首脳が対面で議論する最初の機会であり、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くとの強い決意を確認する大変有意義な会合となりました。 私からは、我が国の対ロ追加制裁措置、そしてウクライナ及び周辺国への追加の一億ドル緊急人道支援、保健医療分野の人的貢献の検討、避難民受入れ促進のための追加措置などの取組を紹介するとともに、先般のインド、カンボジア訪問の成果を含め、アジアを代表してG7に参加する日本の第三国への働きかけについても説明し、高い評価を得ました。 議論の結果、ロシアに対する制裁、大量破壊兵器使用の威嚇に関する警告、ウクライナ及び周辺諸国への支援、エネルギー安全保障及び食料安全保障の確保といった様々な点について、G7で引き続き緊密に連携することで一致をいたしました。 我が国は、G7の来年の議長国として、ロシアの侵略に対する国際的取組について、本年の議長国ドイツを始めG7各国と緊密に連携して取り組んでまいります。 ロシアによる大量破壊兵器の使用に関する威嚇等への対処についてお尋ねがありました。 三月二十四日のG7首脳声明においては、化学兵器、生物兵器、核兵器の使用に関する威嚇に対し警告を発しました。また、ロシアが国際的義務を遵守し、原子力施設を危険にさらすいかなる行為も控えるべきとの見解で一致をいたしました。 今般のロシアによるウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しています。唯一の戦争被爆国として、核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないということを引き続き強く訴えていきます。もちろん、生物化学兵器の使用もあってはなりません。 また、今般のロシアによるウクライナの原発への攻撃は国際法違反であり、決して許されない暴挙です。福島第一原子力発電所事故を経験した我が国として、強く非難をしています。ロシアに大量破壊兵器を使わせず、侵略をやめさせるために、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、ロシアに対して強い制裁措置をとっていく考えです。 対ロ制裁の強化と、制裁回避を防ぐ対応策の方針についてお尋ねがありました。 我が国は、一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、G7各国、国際社会とともにロシアに対して強力な制裁措置をとっていくことが必要だと考え、迅速に厳しい措置を打ち出しています。 G7首脳会合においては、制裁の回避や迂回、バックフィルを行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をしました。 アジア諸国との関係では、先般、私のインド、カンボジア訪問の際に、力による一方的な現状変更はいかなる地域においても許してはならないこと、国際法に基づき、紛争の平和的解決を求める必要があることが重要であることを確認いたしました。 中国とロシアは、近年緊密な関係を維持しています。我が国として、中国に対しても責任ある行動を呼びかけてきており、引き続き、G7を始めとする関係国と緊密に連携して対応していきます。 アジアから唯一のG7メンバーである我が国としては、制裁の抜け道が生じないよう、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの外交的、経済的圧力を一層強めるべく、適切に対応してまいります。 エネルギーや食料のロシアへの依存度低減と価格上昇を踏まえた対策についてお尋ねがありました。 エネルギーについては、G7の方針に沿って、再エネ、原子力を含めたエネルギー源の多様化やエネルギー供給源の多様化に向けた取組、主要消費国と連携した生産国への増産の呼びかけ及びIEAなど国際機関との連携を一層強化、一層強力に進めることで、エネルギーのロシア依存の低減につなげてまいります。 食料については、ロシアやウクライナは小麦やトウモロコシの主要輸出国ですが、我が国は両国からの輸入はほとんどありません。一方、食料安全保障の観点から、国内で生産できるものはできるだけ生産してまいります。 ウクライナ情勢に伴う原油価格や食品価格など、物価高騰による国民生活や経済活動への影響に対しては、原油価格・物価高騰等総合緊急対策を四月末をめどに取りまとめ、緊急かつ機動的な対応を進めることにより、新型コロナからの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。 ウクライナ避難民に対する支援策の強化についてお尋ねがありました。 ロシアによる侵略が継続する中、ウクライナにおける人道ニーズが高まり、周辺諸国が困難な状況に直面していることを踏まえ、ウクライナ及び周辺国に対する支援をG7を始めとする国際社会とも連携して強化していく考えです。 具体的には、先般のG7首脳会合において、私から、人道状況についての深刻な懸念をG7首脳と共有した上で、日本は、ウクライナ及び周辺国に対して、これまで表明した一億ドルの緊急人道支援に加え、保健医療、食料等の分野において、追加で一億ドルの緊急人道支援を行うこと、さらに、周辺国に滞在する避難民支援のため、物資協力や医療、保健等の分野での人的貢献を行うことを検討していることも表明いたしました。既にモルドバにJICAの調査団を派遣し、ニーズ調査を行うとともに、WHOと連携し、現地の医療データ管理等に貢献をしています。 避難民の方々の我が国への受入れについては、三月三十日時点で三百三十七人を受け入れています。本日、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の第二回会合を開催し、ウクライナ避難民への一時滞在場所の提供や生活費、医療費の支援、日本語教育、就労支援等、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を決定いたしました。さらに、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けるとともに、近く総理特使を派遣し、避難民受入れのための作業を促進してまいります。 我が国は、今後もG7を始めとする国際社会と連携しながら、現地のニーズを的確に把握しつつ、困難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。 そして、北朝鮮についてお尋ねがありました。 三月二十四日、北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過できない暴挙です。 また、本土から約百五十キロという日本海上に着弾させたことは、極めて問題のある危険な行為です。許せない暴挙であり、断固非難をいたします。 三月二十四日のG7首脳会合においては、今般の発射について、北朝鮮の核開発とともに、連携して対処していくことを確認し、その後、北朝鮮を非難するG7外相声明が発出されました。 また、G7首脳会合に先立ち、バイデン米国大統領と短時間協議をし、今般の発射を始めとする北朝鮮の核・ミサイル活動について非難するとともに、北朝鮮への対応について、引き続き日米で緊密に連携していくことを確認いたしました。 今般の発射を受けて、北朝鮮に対する追加の制裁措置として、本日、資産凍結等の措置の対象者を追加いたしました。 政府としては、引き続き、情報収集、警戒監視に全力を挙げ、我が国の平和と安全の確保に万全を期していくとともに、今後の対応について、国連安保理での対応も含め、米国、韓国とも連携しつつ対応してまいります。(拍手) ─────────────
○議長(山東昭子君) 福山哲郎さん。 〔福山哲郎君登壇、拍手〕
○福山哲郎君 立憲民主・社民の福山哲郎です。会派を代表して、総理に質問いたします。 ロシアのウクライナへの侵攻が始まって一か月以上が経過しました。まだ武力行使が続いています。国連憲章二条四項違反であり、民間人や子供への爆撃も続いています。さらには、病院、劇場、原子力発電所への攻撃もあり、これはジュネーブ条約違反です。常軌を逸しています。 侵略行為、武力行使は、いかなる理由があっても許されるものではありません。戦争は最大の人権侵害であり、即時の武力行使の停止、停戦を強く望みます。 たとえ、今、即時の停戦が実現したとしても、この二十一世紀に、こんな戦争で、なぜ、これほど多くの人が命を落とさなければならなかったのか、なぜ、砲弾で歴史ある町が破壊され、女性、子供、高齢者は第三国への避難を強いられなければいけないのか。余りにも不条理過ぎます。自らの無力さと人間の愚かさを感じざるを得ません。 まずは、岸田総理がNATOやG7に出席され、各国首脳と会談され、首脳声明を発出されたこと、追加制裁や新たな一億ドルの緊急人道支援を表明されたことにも敬意を表します。また、お疲れさまでした。 G7では、各国から中国によるロシアへの経済的、軍事的支援について懸念が示されました。日本は、これまで中国にどう働きかけてきて、今後どう働きかけていくのか、総理の具体的な方針を伺います。 岸田総理は、アジアなど各国に対する働きかけを行っている旨も述べられました。しかしながら、対ロシア制裁を実施及び表明している国、地域は世界で四十八にすぎません。アジアでは一部にすぎません。残念ながら、総理が行かれたインド、カンボジア、共に制裁をしていません。 ゼレンスキー大統領は、日本への演説で、アジアのほかの国々とともに力を合わせ、状況の安定化に取り組んでくださいと切実な言葉で呼びかけられました。 岸田総理は、ウクライナ情勢に対するアジア各国の姿勢をどのように分析しているのでしょうか。また、どういった成果を目指していこうと考えているのでしょうか。具体的にお答えください。 加えて、国連改革についても、具体的なお考えがあれば言及ください。 また、可能な限り避難民の受入れに協力する旨も述べられました。既に三百人を超える人が日本に避難しています。報道によれば、キーウ在住の年金生活者夫婦は、成田ではスマホを借りることを強要され、日本円で支払うよう指示されたとのことです。日本円を所持していなければ一体どうなっていたのでしょうか。 どのような支援のスキームをつくるのか、早急に詰めていただきたい。先日の予算委員会で、渡航費についても前向きに検討すると総理は答弁されましたが、どうなっているのでしょうか。お答えください。まさか一度きりの政府専用機だけではないと考えます。 総理は、一億ドルの追加人道支援も表明されました。歓迎します。 ジャパン・プラットフォームは、いち早く、ポーランド、モルドバ、ルーマニアなどの周辺国で初動調査、物資配布などの支援活動を展開しています。是非、日本の協力が周辺国に見えることも含めて、日本のNGOへの拠出を更にお願いしたいと考えています。総理、御検討いただけますでしょうか。 NATOは、ロシアによる生物化学兵器の使用に対し、深刻な結果を招くと警告し、軍事的対応の可能性も示唆しています。ましてや核兵器の使用などは絶対あってはなりません。 NATOが何らかの軍事的対応を行うような事態が発生した場合、日本政府はNATOの姿勢を支持するのでしょうか。その場合、存立危機事態や重要影響事態に該当する可能性はありますか。国連決議等があれば、安保法制で後方支援ができるとされる可能性はあるのでしょうか。総理の見解を伺います。 一方、岸田総理がG7に向かうさなかに、北朝鮮はICBM級のミサイルを日本のEEZ内に発射しました。極めて遺憾です。トランプ政権時、北朝鮮は核・ミサイル開発のモラトリアムを約束していましたが、これをほごにしました。特に、ICBM発射はアメリカとの関係でレッドラインでした。これを越えたということは、近い将来の核実験の可能性も危惧されます。 残念ながら、G7における日米首脳会談は立ち話でした。なぜでしょうか。バイデン大統領とどの程度この件について議論をされたのでしょうか。お答えください。 また、岸田総理、北朝鮮のICBM発射について、G7で更なる厳しい制裁の可能性について議論をされましたか。お答えください。 残念ながら、G7の共同声明には、北朝鮮の核、ICBMには言及がありませんでした。なぜですか。ウクライナ情勢が焦眉のテーマであることは承知をしています。しかし、唯一のアジアからの参加国である日本が、これまでの一連の発射とは次元の異なる深刻な脅威とまで評した北朝鮮に対する懸念を何らかの形でG7の首脳で発出をしてほしかったと考えます。総理の認識を伺います。 さて、三月二十九日、トルコで五回目の停戦協議がありました。ウクライナの中立化、NATOに代わる新たな集団安全保障の枠組み、クリミアの主権についても今後十五年間協議を続けること、ロシア側もキーウ周辺での軍事作戦の縮小、今後の動向に注視が必要です。 この協議後、バイデン大統領と欧州の首脳五人が電話会談をされています。岸田総理は、協議の内容をどのように報告を受けましたか。そして、どのように評価をされていますか。見通しを含め、お答えください。 政府は、ロシアに対する様々な制裁を提示しながらも、令和四年度予算には、ロシアとの協力関係を促進する八項目の協力プラン約二十一億円を計上しました。G7で欧米諸国との約束を再確認した後においても、これらを見直す考えはないんでしょうか。お考えください。 侵攻直後にシェルとエクソンがサハリン・プロジェクトからの撤退を表明しましたが、日本は、木原官房副長官、萩生田経産大臣らが日本の権益は守る等の発言をされています。総理も撤退せずと表明されました。日本にとってガス供給が重要なことは理解しますが、G7の一員として足並みをそろえるべきではないでしょうか。経産大臣が株式の五〇%を所有していること、総理の地元のガス会社が五割をサハリンからの供給に依存していることを含めて、国際社会からどう見られるのか、総理の御見解を伺います。 ロシアは、天然ガスの供給についてルーブル建ての支払を要求しましたが、G7はこれを拒否しました。日本も当然、ルーブル建ての支払を拒否するのでしょうか。プーチン大統領が大統領令に署名をしました。拒否すれば、供給を止められる可能性も否定できません。現在、ロシア側と何らかの交渉は始まっているのでしょうか。それでもサハリンは守ると言うのでしょうか。お伺いします。 ロシア側から止められれば、権益を失ったのも同じです。また、よく言われるアザデガン油田の権益ですが、中国が日本の代わりに手に入れましたが、今はゼロになっています。 北方領土は我が国固有の領土です。 一九四五年八月九日、日ソ中立条約が有効だったにもかかわらず、ソ連は対日参戦。八月十四日、ポツダム宣言を受諾し、十五日に終戦しましたが、ソ連は八月十八日、千島列島に侵攻します。そして、九月五日、北方領土を占領します。いまだに北方四島を不法に占拠しています。これが、これまでの日本の立場でした。 二〇一四年のクリミア併合で米欧が制裁を強め、ロシアへの警戒感を強めているときに、当時の安倍政権はお付き合い程度の緩やかな制裁で批判を浴びました。北方領土について二島返還にかじを切り、シンゾー、ウラジミールと呼び合い、二十七回もの会談をし、ただ信じる、それがロシアとの付き合い方だとスピーチをし、ロシアと蜜月の関係であることを国際社会に示し続けました。 ところが、残念ながら領土返還交渉は全く進まず、外交青書からは、北方領土は日本固有の領土で、ロシアの不法占拠が続いているという表現が消えました。挙げ句には、領土割譲しないというロシア憲法の改正までやられました。六年間で約二百億円の経済協力は一体何だったのでしょうか。 しかしながら、安倍元総理は、先日、日本はウクライナ国民と共にあるとし、ゼレンスキー大統領とのツーショットの写真をツイートされました。さすがにあきれ、驚きました。余りにも変わり身が早過ぎる。 総理、お伺いします。 平和条約交渉中断は不当とのことですが、日本政府としては、現在の一九五六年の日ソ共同宣言を基本とする二島先行返還という安倍政権のときの立場を維持されているのでしょうか。異なるなら、答えてください。どういった立場に、今、日本はあるのでしょうか。また、安倍元総理の対ロシア外交についてどのように評価されているのでしょうか。そして、たとえ停戦に至っても、このプーチン大統領と何らかの交渉の環境が整うとお考えですか。お答えください。 私は今、核共有を議論する場面ではないと思います。 核共有はNATOにしかありません。平素は自国の領土に戦術核を配備し、有事に戦闘機に搭載、自国防衛のために核抑止を共有することです。フランスを除くNATO諸国が入る核計画グループが核政策を策定し、アメリカ大統領と英国首相が承認した場合にのみ使えるということです。米英には事実上の拒否権があります。 現在、日本は、日米同盟の下、アメリカのICBM、SLBMの核弾頭が拡大抑止力として機能しているので、日本の領土内に戦術核を配備する意味はほとんどありません。また、唯一の被爆国であり、非核三原則を国是とする日本の自衛隊が、核を搭載し攻撃するなどというのは現実的ではありません。 二〇一〇年、民主党政権のときから、拡大抑止の協議は定期的に日米で行われています。日米の信頼関係を醸成したいなら、事務レベルの拡大抑止協議のレベルを上げていけばいいのです。 日本が核共有の議論をすることで、NPT体制に傷を付け、アメリカを信頼していないと誤解を与え、恐らく、中国、北朝鮮、韓国も黙っていません。アジアの安全保障環境は、より不安定化します。この議論にくみするべきではありません。核共有の議論よりも、どう世界を核軍縮に向かわせるのかを議論するべきです。 バイデン大統領も、さすがに今のウクライナの状況下で、核の使用制限、ソールパーパスの議論を封印されたようですが、諦めず、中長期的には日本が主導して、核の数を減らす、役割と意義を減らしていくことが重要だと思います。総理の認識を伺います。 敵基地攻撃能力の保有について伺います。 日本政府のこれまでの答弁をまとめると、次のようになります。 敵基地攻撃のためには、他国の領域において、移動式ミサイル発射機、地下に隠蔽されたミサイル基地の正確な位置を把握し、まず防空用のレーダーや対空ミサイルを攻撃して無力化します。相手国の領空における制空権を一時的に確保、その上でミサイル基地を破壊してミサイル発射能力を無力化することが必要である。 日米安保上、アメリカは矛、日本は盾の役割を担ってきた頃から、ことから、日本はこれらの装備を保持してきませんでした。攻撃的な面では、通常兵器に加え、核の拡大抑止でアメリカが担っています。一概には否定しませんが、日本が敵基地攻撃能力、つまり打撃力を保有する場合、どの程度の規模で、どのぐらいの期間で、何のためにどのような装備を保有するのかを明確にしなければなりません。また、日米の役割、周辺国の理解も必要です。憲法上の必要最小限度、専守防衛との整合性も問わなければなりません。これらについて具体的に、総理、お答えください。 その上で、総理、自衛隊を他国領域に送って攻撃する能力が専守防衛の範囲にとどまる理由を明確にお答えください。また、日米の役割分担を変えずに、日本が敵基地攻撃能力を保有できるのはなぜなのか、お答えください。先制攻撃になってしまうおそれと、それを口実に攻撃されることのリスクをどうお考えなのか、お答えください。 外国為替市場では、円安が加速しています。 景気が回復して利上げを決めたアメリカとは異なり、日本では賃金の上昇は鈍く、経済成長も長く低迷しています。アベノミクスは明確に失敗でした。 そうした中で、欧米の経済回復とウクライナ情勢により、原油や穀物等の価格が急騰しています。日本では、賃金が上がらない中で物価だけが上がる悪い物価上昇の傾向が強まり、四月からも物やサービスの値上げが国民生活を直撃します。国民生活を少しでも豊かにするには、最も公正である消費税を時限的に二から三年程度、五%に減税するべきだと考えます。最も国民生活にインパクトを与え、経済を刺激すると思います。 総理、現在の円安への評価及び消費税減税への見解を伺います。 また、コロナ禍で苦しむ中小企業救済のため、インボイス制度の中止又は延期を求めますが、総理の見解を求めます。
○議長(山東昭子君) 時間が来ております。
○福山哲郎君(続) 次に、総理は先日、緊急経済対策の取りまとめを指示し、財源について、今年度予算の予備費で賄う方針を示されました。
○議長(山東昭子君) 時間が超過しております。
○福山哲郎君(続) 自民党内から予備費の活用をとする一方で、公明党代表は今国会での補正予算の編成を求めておられます。白紙になった年金生活者の五千円給付と同じで、与党はばらばらではないですか。 そもそも五兆円のコロナ対策予備費は、変異株による感染拡大等に備えるためのものです。新規感染者数は高止まりしており……
○議長(山東昭子君) 時間がオーバーしております。
○福山哲郎君(続) 予断を許さず、第七波の兆候とも言えます。予備費を目的外使用することは、財政民主主義の根幹に関わる問題であり、適切ではありません。 予備費で対応するのではなく、補正予算を編成し、迅速にしっかりと国民生活や企業活動を支える対策を講じるべきです。いかがでしょうか。 もう終わります。 私が尊敬する国際政治学者高坂正堯先生は……
○議長(山東昭子君) 超過しております。
○福山哲郎君(続) その名著「国際政治」で、戦争は、恐らく不治の病であるかもしれない、しかし、我々はそれを治療するために努力し続けなくてはならないのである、我々は懐疑的にならざるを得ないが、絶望してはならないと結ばれています。 一日も早い停戦を願って、質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 福山哲郎議員の御質問にお答えいたします。 中国の対ロシア支援に関する中国への働きかけ、ウクライナ情勢に対するアジア各国の姿勢、国連改革についてお尋ねがありました。 中国とロシアは、近年、緊密な関係を維持し、軍事協力も緊密化しており、その動向を関心を持って注視をしています。ウクライナ情勢に関し、我が国として、中国に対して様々なレベルで責任ある行動を呼びかけてきており、引き続き、G7を始めとした関係国と緊密に連携して対応してまいります。 ウクライナに関する国連総会決議へのアジア諸国の投票行動を見ても、アジア各国の立場は必ずしも一様ではありません。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略を止めるために、侵略をやめるためにも、アジア各国を含む国際社会が連携してロシアに対して強い措置をとっていくことが重要です。G7を始めとした関係国と連携し、引き続き、アジア各国に対し働きかけを行ってまいります。 安保理を含む国連全体の改革は、各国の複雑な利害が絡み合うなど決して簡単ではありませんが、多くの国々と協力し、実現に向け、引き続きリーダーシップを取っていきたいと考えております。 ウクライナ避難民の受入れについて、支援のスキーム、渡航費や政府専用機の派遣、NGOへの更なる拠出についてお尋ねがありました。 避難民の方々の我が国への受入れについては、三月三十日時点で三百三十七人を受け入れています。本日、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の第二回会合を開催し、ウクライナ避難民への一時滞在場所の提供や、生活費、医療費の支給、日本語教育、就労支援等、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を決定いたしました。 また、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けるとともに、近く総理特使を派遣し、現地のニーズあるいは課題、これを現地において的確に把握した上で、御指摘の渡航支援の在り方についても政府全体として早急に調整を進め、避難民受入れの作業を促進してまいります。 御指摘のような日本のNGOを通じた支援についても重視をしており、これまでにウクライナ及び周辺国に対する支援として決定した一億ドルの緊急人道支援には、日本のNGOを通じた支援も含まれています。 また、追加で行う一億ドルの緊急人道支援についても国際機関や日本のNGOを通じて実施する予定であり、今後とも、日本のNGOと緊密に連携しながら、困難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。 なお、現在、入国後の防疫上の措置のため、必要なアプリを利用できるスマートフォンの所持をお願いしていますが、検疫所が確保する宿泊施設で待機いただく場合にはその必要はなく、御負担とならないように対応しております。引き続き、こうした丁寧な対応を考えていきたいと思っております。 そして、NATOが軍事的対応を行うような事態が発生した場合の日本政府としての対応等についてお尋ねがありました。 仮定の質問にお答えすることは差し控えなければなりませんが、我が国として、ロシアによる大量破壊兵器の使用の可能性を深刻に懸念しており、生物化学兵器の使用は、いかなる場所、いかなる主体、いかなる状況においても容認されないと考えております。 また、いかなる事態が存立危機事態や重要影響事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなっているため、一概にお答えすることは困難です。 国際平和支援法の下での我が国による後方支援についても、要件となる国連決議の存在に加えて、我が国が国際社会の一員として主体的かつ積極的に寄与する必要があるか等を含めて、法律に定めた要件を満たすか否かを個別具体的に判断することとなります。 いずれにせよ、我が国としては、今後の状況を踏まえつつ、法律に従い、引き続き、国際社会と連携して適切に取り組んでまいります。 北朝鮮によるICBM発射、日米関係、G7首脳会合についてお尋ねがありました。 三月二十四日、北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白な、明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過できない暴挙です。 三月二十四日のG7首脳会合に先立ち、バイデン米国大統領と協議をいたしました。日米両首脳の都合により短時間の協議となったものですが、今般の発射を始めとする北朝鮮の核・ミサイル活動について非難するとともに、北朝鮮への対応について引き続き日米で緊密に連携していくこと、これを確認した次第です。 G7首脳会合においては、今般の発射について、北朝鮮の核開発とともに、連携して対処していくことを確認いたしました。その後、北朝鮮のICBM発射を強く非難し、大量破壊兵器を放棄するよう求め、安保理による更なる措置を求めるG7外相声明が発出をされました。 政府としては、引き続き、米国を始めとする国際社会とも緊密に連携をしながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の完全な非核化を目指してまいります。 ウクライナ、そしてロシアによる停戦協議についてお尋ねがありました。 ウクライナ情勢については、御指摘の停戦交渉を含め、日々しかるべく報告を受けております。御指摘の停戦交渉については、一定の前進があったとの報道もありますが、実際の停戦に結び付くかは依然不透明なままで、予断は許しません。 例えば、バイデン大統領も、ロシアが首都キーウ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小するとの提案を実行に移すかどうかを見守る旨発言をしているほか、ロシアはキーウ周辺から撤退しているのではなく部隊を再配置しているにすぎないとの見方を複数の米国政府関係者も示しているものと承知をしています。 我が国としても、一日も早く実際の停戦に結び付くことが重要と考えており、引き続き、高い関心を持って事態の推移を注視しています。 なお、議員が言及されました三月二十九日の米英仏独伊首脳の電話会談においては、ロシアに対する更なる措置やウクライナへの支援の継続が確認されたものと承知をしています。 一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、国際社会が連携してロシアに対して強い措置をとっていくことが必要です。我が国として、引き続き、今後の状況を踏まえつつ、G7を始めとする国際社会と連携し、適切に取り組んでまいります。 ロシアとの経済協力についてお尋ねがありました。 現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアの侵略により、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはできず、八項目の協力プランについて、今後、新たにロシア経済に資するような取組を行うことは考えられません。 他方、当該予算事業の中に、撤退を含めた難しい判断を迫られる我が国の企業に対する情報提供などの事業が含まれており、また、ウクライナ情勢は刻一刻と変化していることから、今後の事態の動向や国際的議論の展望を現時点で予断を持って判断することは困難です。 したがって、八項目の協力プランに係る予算の執行については、今後の状況を踏まえて検討してまいります。 サハリン1、サハリン2については、自国で権益を有し、長期かつ安価なエネルギー安定供給に貢献しており、エネルギー安全保障上重要なプロジェクトです。G7でも、各国それぞれの事情に配慮し、持続可能な代替供給を確保するための時間を提供するということになっていることから、我が国としましても撤退はしない方針であります。 今後とも、G7を含む国際社会とも連携しながら、G7の方針に沿って、ロシアへのエネルギー依存を低減すべく、更なる取組を進めてまいります。 ロシアからのルーブルでの支払要求については、先日開催された臨時のG7エネルギー大臣会合で採択された閣僚声明の方針に沿って、我が国としてもロシアからの要求を拒否する方針です。 ロシア側との交渉状況については、外交上のやり取りのため答えることは控えますが、引き続き、G7で緊密に連携し、適切に対応してまいります。 そして、平和条約交渉を含む対ロ外交についてお尋ねがありました。 北方領土は我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土です。政府としてこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが我が国の一貫した立場であります。 そして、ロシアの、クリミア占拠後の国際社会の動きでありますが、当時の国際社会は、共にロシアに制裁措置を行うと同時に、ロシア、ウクライナ双方に働きかけ、緊張緩和に取り組んでいた、これが当時の国際社会のありようでありました。我が国としましても、インド太平洋地域の戦略的環境が大きく変化する中で、ロシアと安定的な関係を構築することは、日本の国益のみならず、地域の安定と発展にとっても重要との考え方の下、取り組んだ次第です。 具体的には、安倍政権を含め、ロシアとは、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化など、幅広い分野で日ロ関係、日ロ関係全体を国益に資するよう発展させるべく、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、これまで粘り強く平和条約交渉を進めてきました。このような取組は適切であったと考えております。 しかしながら、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアとの関係はこれまでどおりにしていくことはもはやできません。ウクライナ侵略が継続をし、停戦の見通しが付かない現状においては、平和条約交渉を含む今後の日ロ関係について申し上げる状況にはないと考えております。 核軍縮に向けた日本の役割についてお尋ねがありました。 御指摘のあった核共有については、これまでも御説明しているとおり、我が国においては、非核三原則の堅持や原子力基本法を始めとする法体系との関係から認められず、政府としては、議論を行うことは考えておりません。 現下のウクライナ情勢は、核兵器のない世界への道のりの厳しさを示しています。しかし、こうした中にあっても、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしていかなければなりません。 我が国としては、八月に予定されているNPT運用検討会議が意義ある成果を収めるよう全力を尽くしてまいります。また、CTBTの早期発効やFMCTの即時交渉開始といった効果的な核軍縮措置に向けた取組を積み重ねるとともに、新たに立ち上げる国際賢人会議など核軍縮に向けた国際的な機運を高め、核兵器の数、役割、動機、この三つの低減によって、核兵器のない世界に向けて一歩一歩近づくべく努力をして、続けていきたいと考えております。 そして、いわゆる敵基地攻撃能力についてお尋ねがありました。 急速なスピードで変化、進化しているミサイルなどの技術に対しても、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討しているところです。 この今議論を行っているさなかでありますので、検討の結果を含めて、これ具体的にお答えできる段階ではありませんが、これまでるる申し上げているとおり、憲法及び国際法の範囲内で、日米の基本的な役割分担を維持しつつ進めていくものです。 その上で、いわゆる敵基地攻撃とは、昭和三十一年の政府答弁で述べられているように、我が国に対して急迫不正の侵害が行われ、誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば、誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことであり、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能とされています。この見解と専守防衛の考え方、これは整合するものです。また、あくまで抑止力を高め、ミサイルなどによる攻撃の可能性を一層低下させるために行うものです。 なお、我が国の防衛政策は、これまでも透明性を持って進めてきているところです。 消費税率の限定的な引下げ等についてお尋ねがありました。 消費税については社会保障の財源として位置付けられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。 また、為替についてコメントすることは差し控えますが、為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくないと考えております。 インボイス制度については、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置を設けるとともに、事業者への必要な支援と周知、広報を行ってまいります。 そして、御指摘の緊急経済対策については、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、先月二十九日に原油価格・物価高騰等総合緊急対策の策定を指示いたしました。 その際、新たな財源措置を伴うものについては、まずは一般予備費、コロナ予備費を活用した迅速な対応を優先してまいります。コロナ予備費については、本予備費の趣旨に該当しているか否かなど、個別具体の政策の内容に基づいて判断されることになると考えております。 今後、与党とも十分連携しながら、具体的な施策の検討を進め、四月末をめどに本対策の取りまとめを行ってまいります。(拍手) ─────────────
○議長(山東昭子君) 高橋光男さん。 〔高橋光男君登壇、拍手〕
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。 私は、ただいま議題となりました岸田総理のG7首脳会合出席に関する帰朝報告について、会派を代表して質問いたします。 冒頭、ウクライナの無実の市民の尊い命を奪い、愛する祖国を破壊するロシアの侵略を最大限非難するとともに、ロシア軍の即時撤退を強く求めます。お亡くなりになられた方々に深い哀悼の意を表します。 国際秩序の根幹を揺るがす今回の事態に対処するには、国際社会、中でも主要国G7の連携と協力が不可欠です。この度の首脳会合において、ロシアの不当かつ不法な侵略及びプーチン大統領が開始した戦争から平和と安定を取り戻すため、G7が断固たる結束の下で行動する意思が確認されたことを高く評価します。 まず、岸田総理に対し、改めて今回の欧州訪問の意義及び成果とともに、停戦合意に向けた現状認識、そして、一日も早く平和と安定を実現するために我が国が果たすべき役割について見解を伺います。 また、三月二十四日のG7首脳会合当日には、北朝鮮が新型ICBM級と主張する弾道ミサイルを発射し、我が国EEZ内に着弾させました。我が国のみならず、地域及び国際社会の平和と安全に対する深刻な脅威であり、一連の安保理決議に明白に違反する行為に対し、断固抗議します。 本件に関しては、首脳会合直後にG7外相による非難声明が発出されたと承知します。国民を守るための備えとともに、朝鮮半島の平和という国際秩序の構築にどう取り組むのか、総理の答弁を求めます。 さて、ロシアの暴挙を止めるためには、制裁による外交的、経済的圧力の強化が重要です。総理は首脳会合において、我が国の対ロシア追加制裁措置を紹介されました。他方、首脳声明でも確認されたように、制裁の効果を軽減するための回避、迂回及びバックフィル、すなわち穴埋めが行われないようにすることは、制裁の実効性を担保し、向上させるために不可欠です。我が国による追加的制裁の執行並びに各国への働きかけも含めた実効性確保のためにどのように取り組むのか、総理の答弁を求めます。 今後、仮に事態が長期化したとしても、ウクライナに残留する邦人、あるいは孤立するロシアやベラルーシに在留する邦人の安全確保は政府の責務であります。ロシアから撤退する日本企業、法人等が所有する財産を保護するため、国際法に基づく厳格な対応を求めます。この点、現在政府として講じている緊急時の邦人保護や財産保護のための対策並びに今後の取組について、外務大臣にお尋ねします。 ロシアの侵攻を止め、国際秩序を立て直すためには、我が国として不断の外交努力と多国間主義に基づく対話による平和的解決が必要です。G7の中で唯一非NATO国である我が国だからこそ中立的な立場で関与し得ることから、ウクライナの安全を保証するために、NATOとロシア、関係諸国との間の交渉が前進するよう、働きかけを強化すべきではないでしょうか。また、総理は先立って、クアッドの一角を占めるインド、ASEAN議長国のカンボジアを訪問され、その成果をG7首脳に共有されました。では、アジアの代表国である我が国として、今後、G7以外の国々と連携した外交をどのように展開していくのか、併せて総理に答弁を求めます。 また、国連総会の緊急特別会合において圧倒的多数で二度採択された対ロシア非難決議の内容を実現していくことも重要です。しかしながら、棄権した国の約半数がアフリカ諸国であり、二度目の決議では二十か国にも上りました。夏のTICAD8、第八回アフリカ開発会議に臨むに当たり、そうした棄権国の態度転換を通じた国際秩序回復に取り組む一方で、今回の事態で食料や医療面で危機に瀕している国々には支援をしていく、こうした均衡あるアフリカ外交が重要と考えますが、外務大臣の見解を求めます。 今回、ウクライナ及び周辺国に対し、これまで表明した一億ドルの支援に加え、追加の一億ドルの緊急人道支援を行うことを表明したことを高く評価します。総理は、周辺国滞在の避難民に対する医療、保健等の分野での人的貢献の検討について触れられ、モルドバにはJICA調査ミッションを派遣中と承知します。同国は小規模にもかかわらず多くの避難民を受け入れていることから、継続して支援してほしいとの切実なお声を、先週、我が党と周辺国の在京大使団との会合で伺いました。 そこで、国際機関経由の支援のみならず、無償資金協力を通じた物資提供やJICA調査を踏まえた技術協力などの二国間援助も迅速に実施すべきと考えます。我が国による人道支援の早期かつ着実な実施及び周辺国政府とも連携した避難民への支援等の取組状況について、総理にお伺いします。 ウクライナ避難民の円滑な受入れも喫緊の課題です。そのためには、国内向けの相談窓口のみならず、現地でのウクライナ語での情報発信、迅速な査証発給、日本への渡航支援、避難民受入れを表明している国内自治体、企業とのマッチングなど、希望される方々が円滑に日本に来られるようにするための体制構築が急務です。具体的には、避難民支援チームをポーランド以外の周辺国にも設置するとともに、政府専用機の活用のみならず、民間チャーター機等を活用した継続した渡航支援なども行うべきです。 同時に、日本到着後の教育支援、医療や保険、雇用機会の提供などの支援も欠かせません。その際、在留資格認定には行政書士会、人権擁護には弁護士会等の諸団体、就学に当たっては大学や日本語学校、就労や生活支援には企業やNGO、NPO等のお力も借りて、まさにオールジャパンで受け入れていく枠組みを早急に構築すべきです。是非総理の力強いリーダーシップを求めたいと思いますが、答弁を求めます。 本年は、日・ウクライナ外交関係樹立三十周年です。一刻も早く戦禍を終息させ、両国が手を携え、次代の展望を開いていかなければなりません。その意味で、ゼレンスキー大統領が国会演説で二度言及された復興に対する我が国への期待を重く受け止めるべきと考えます。そこで、ちょうど二十年前、そして十年前も苦境にあえぐアフガニスタンのために国際社会を主導して行ったように、我が国としてウクライナの人々に希望を届けるためにも、有志国、国際機関等にも呼びかけ、適切なタイミングにおいてウクライナ復興支援国会合を開催する用意があることを表明すべきと考えますが、総理の御所見を伺います。 最後に、国民生活にもたらす影響への対応について伺います。 ロシアの侵略はエネルギーや食料の価格高騰に拍車を掛けており、我が国の国民生活への影響を軽減していかなければなりません。今日から新年度を迎え、新生活が始まる方々も多い中で、今後、食品、生活用品、交通運賃などの物価高への対処は差し迫った課題です。総理は今週、そのための緊急対策を四月末までに取りまとめるよう指示をされました。その検討は、公明党が総理指示前日に行った緊急提言を十分踏まえていただくことを求めます。 一方、我が党は、国民生活の不安を取り除くのに真に必要で実効性のある対策を講じていくため、現場のお声を踏まえた更なる提言を行ってまいります。この点、ウクライナ情勢等による影響が完全に見通せない中、しかるべき対策を行うには補正予算の編成が必要と考えますが、我が党の提言及び特に財源措置に関する総理の御認識とともに、国民生活を守り抜くための総理の御決意をお尋ねして、質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 高橋光男議員の御質問にお答えいたします。 欧州訪問の意義、成果、停戦合意、そして平和、安定を取り戻すための我が国の役割についてお尋ねがありました。 G7首脳会合は、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くとの強い決意を確認する大変有意義な会合となりました。 私からは、追加制裁措置、追加の一億ドルの緊急人道支援、避難民支援のための物資協力や保健医療分野等での人的貢献の検討、避難民受入れ促進のための追加措置などの取組を紹介し、また、インド、カンボジア訪問の成果を含め、アジア唯一のG7メンバーである日本の第三国への働きかけについても説明をし、高い評価を得ました。 ロシアとウクライナの間の停戦交渉については、一定の前進があったとの報道もありますが、実際の停戦に結び付くかは依然不透明なままで、予断は許しません。我が国としても、一日も早く実際の停戦に結び付くことが重要と考えており、引き続き、高い関心を持って事態の推移を注視していきます。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめ、平和と安定が取り戻せるよう、国際社会と連携して、ロシアに対して強い措置をとっていくことが重要です。 我が国として、引き続き、今後の状況を踏まえつつ、G7等と連携し、適切に取り組んでまいります。 朝鮮半島の平和と国際秩序の維持に向けた取組についてお尋ねがありました。 三月二十四日、北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとっても重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過することができない暴挙です。 三月二十四日のG7首脳会合においては、今般の発射について、北朝鮮の核開発とともに、連携して対処していくことを確認し、その後、北朝鮮を非難するG7外相声明が発出されました。 今般の北朝鮮による弾道ミサイル発射を始め我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、あくまで現実的に検討した上で、新たな国家安全保障戦略等を策定し、日本自身の防衛力を抜本的に強化し、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。 また、引き続き、日米、日米韓で緊密に連携をし、国際社会とも協力をして、北朝鮮の核・ミサイル問題に取り組むとともに、同時に、地域における同志国とも連携し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた外交的取組を戦略的に推進し、地域の平和と安定を目指し取り組んでまいります。 追加的制裁の強化と、制裁の実効性確保の方針についてお尋ねがありました。 我が国は、一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、G7各国、国際社会とともに、ロシアに対して強力な制裁措置をとっていくことが必要だと考え、迅速に厳しい措置を打ち出しています。 G7首脳会合においては、制裁の回避や迂回、バックフィルを行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていく、こうしたことで一致をいたしました。我が国としても、暗号資産を用いたロシアの制裁回避に対応し、制裁の実効性を更に強化すべく、今国会で外為法の改正を行うための準備を進めているところです。 アジア諸国との関係では、先般、私のインド、カンボジア訪問の際に、力による一方的な現状変更はいかなる地域においても許してはならないこと、国際法に基づき、紛争の平和解決を求める必要があることが重要であることを確認いたしました。 中国とロシアは、近年緊密な関係を維持しています。我が国として、中国に対しても、責任ある行動を呼びかけてきており、引き続き、G7を始めとした関係国と緊密に連携して対応してまいります。 我が国としては、制裁の抜け道が生じないよう、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの外交的、経済的圧力を一層強めるべく、適切に対応してまいります。 我が国の仲介努力の強化やG7以外の国々との連携についてお尋ねがありました。 ウクライナとロシアとの間で行われている停戦交渉が断続的に続いておりますが、その先行きは不透明であり、予断は許しません。このような状況において、ロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、ロシアに対して強い制裁措置を講じていくことが必要です。同時に、制裁の抜け道を防ぐための外交努力も重要です。引き続き、我が国として、NATOを含む国際社会と連携して、適切に取り組んでいく考えです。 G7以外の国々との連携について申し上げれば、三月だけでも、私は、インド、カンボジアを訪問したほか、ラオス、ポーランド、インドネシア、ケニア、サウジアラビア、UAEとの首脳電話会談を行うなど、アジア唯一のG7メンバーとして第三国への働きかけを行い、積極的な外交努力を続けています。 力による一方的な現状変更を許さず、国際秩序の根幹を守り抜くため、G7各国とも連携し、積極的に取り組んでまいります。 ウクライナ及び周辺国に対する人道支援、そして避難民支援などについてお尋ねがありました。 我が国は、既に実施中のウクライナ及び周辺国に対する一億ドルの緊急人道支援に加え、先般、追加的に一億ドルの人道支援を行うことを表明いたしました。これらの緊急人道支援は、ウクライナ及びモルドバを含む周辺国に対して、UNHCR、ユニセフ等の国際機関や日本のNGOを通じて実施する予定です。 ウクライナ周辺国の支援については、最も規模が小さく、人口の一割を超える避難民が流入して非常に厳しい状況にあるモルドバへの支援が重要です。我が国は、いち早くJICAの調査団を派遣し、保健医療分野のニーズの調査を行うとともに、WHOと連携し、現地の医療データ管理等に貢献し、モルドバから高く評価されています。同調査の結果も踏まえ、具体的な二国間支援策を迅速に検討してまいります。 そして、ウクライナ避難民の円滑な受入れのための現地での体制構築、日本到着後の受入れ枠組みの構築についてお尋ねがありました。 ウクライナ避難民の日本への受入れを迅速に進めるため、査証申請書類を可能な限り簡素化し、また、査証取得に関するウクライナ語での必要な情報について、在ポーランド日本大使館のホームページに加え、ドイツ、ベラルーシ、ルーマニア等の日本大使館でも案内するなど、避難民の円滑な受入れに向けた情報発信を行っています。 また、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けるとともに、近く総理特使を派遣し、現地のニーズや課題を的確に把握した上で、御指摘の渡航支援の在り方についても、政府全体として早急に検討、調整を進め、避難民受入れの作業を促進してまいります。 我が国への、我が国へ受け入れた避難民の方々への支援については、本日、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の第二回会合を開催し、ウクライナ避難民への一時滞在場所の提供や生活費、医療費の支給、日本語教育、就労支援等、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を決定いたしました。 ウクライナ避難民の状況に心を痛めた多くの自治体や民間企業、団体の方々から避難民の受入れに協力したいとの声が上がっていることは大変心強く思っており、そうした協力を得つつ、まさにオールジャパンで、避難、困難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。 日本が主導するウクライナ復興支援国会合の開催についてお尋ねがありました。 ウクライナにおけるロシアによる侵略が続き、停戦やロシア軍撤退の見通しが立たない中で、国際社会が支援できるようなこの復興の見通しを描くことは容易ではありません。まずは、ロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、国際社会が団結していく必要があります。 今後、国際社会が支援できるようなウクライナの復興が見通せる段階になった暁には、ウクライナと協力しながら、国際社会が一丸となって復興を力強く後押しする必要が出てくるものと考えます。 議員御指摘のとおり、我が国は、これまでもアフガニスタン等において、紛争による混乱から復興を支援してきた経験を有しています。ウクライナにおいても、そのような経験を生かし、我が国として積極的に役割を果たしていきたいと考えております。 そして最後に、ウクライナ情勢の国民生活や経済活動への影響についての対応策についてお尋ねがありました。 先月二十九日に策定を指示した原油価格・物価高騰等総合緊急対策については、今後、御党の緊急提言を始め与党とも十分連携しながら具体的な施策の検討を進め、四月末をめどに取りまとめを行ってまいります。その際、新たな財源措置を伴うものについては、まずは一般予備費、コロナ予備費を活用した迅速な対応を優先してまいります。 本対策により、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
○国務大臣(林芳正君) 高橋議員にお答えをいたします。 ウクライナ、ロシア及びベラルーシにおける在留邦人の安全確保についてお尋ねがありました。 ウクライナでは、在留邦人の方々に対し、自身の身の安全を最優先とした行動を取ることを呼びかけながら、出国先の入国要件等の情報提供を含む様々な形で情報提供を行い、退避を支援しているほか、個別の相談や問合せに応じてきています。今後とも、在ポーランド日本国大使館及びジェシュフ連絡事務所等を拠点として、在留邦人に対する情報提供や安全確保、出国支援に最大限取り組んでまいります。 また、ロシア及びベラルーシでは、両国全土の危険情報をレベル3に引き上げるとともに、在留邦人の方々に対し、商用便による出国について検討するよう呼びかけています。 現時点では、両国より中東諸国等への航空便が通常運航を続けており、大使館及び総領事館では、こうした両国からの商用便や陸路での出国手段等について日本国大使館等のホームページに掲載するとともに、領事メールを発出して在留邦人の方々に情報提供を行っています。 状況は流動的であり、政府としましては、引き続き、細心の注意を払い、機敏に対応して、両国の在留邦人の安全確保に万全を期す考えです。 次に、ロシアから撤退する日本企業等が所有する財産保護についてお尋ねがありました。 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。 そうした中で、そのロシアが日本の国民や企業に不利益が及び得るような方針を示していることを、強い懸念を持って注視をしています。既に、外交ルートを通じてロシア側に対し、その懸念を伝達の上、日本国民や企業の正当な利益が損なわれないよう求めてきています。また、在ロシア日本大使館や総領事館を通じて現地の日本企業とは緊密に連絡を取っております。 ロシア側において、ロシアから撤退する外国企業に対して具体的にいかなる措置を講じるかについて検討が行われていると承知をしておりますが、現時点で実際に外国企業の財産が接収された例があるとは承知をしておりません。 政府としては、引き続き、ロシア側への働きかけを含め、日本企業の利益を保護するために適切に対応をしてまいります。 次に、TICAD8の機会も見据え、ウクライナ情勢に関し、アフリカ諸国と今後どのように協力していくのかについてお尋ねがありました。 三月二十六日及び二十七日に開催いたしましたTICAD閣僚会合において、私からアフリカ諸国に対し、今般のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更であり、国際秩序の根幹を揺るがす国際法違反行為として断じて認めることはできない旨述べた上で、国連憲章や基本的人権など、国際社会がよって立つべき原則を守ることが重要である旨説明をいたしました。これに対し、アフリカ諸国からは、ウクライナ情勢とその影響についての懸念が述べられ、国際社会が協力することの必要性について認識を共有したところです。 本年八月のTICAD8を含む様々な外交機会を通じ、ウクライナ情勢がアフリカ経済に及ぼす影響も考慮しながら、引き続き、アフリカ諸国に対し、国際社会として一致して事態に対処していく必要があることをしっかりと働きかけていきます。(拍手) ─────────────
○議長(山東昭子君) 大塚耕平さん。 〔大塚耕平君登壇、拍手〕
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 会派を代表して、総理のG7首脳会合報告に関連して質問します。 総理のロシア対応には基本的に賛意を示しますが、幾つかの発言について真意等を伺います。 総理は、首脳会談等において、ロシアに甚大なコスト、高い代償を払わせるという発言を繰り返しています。甚大なコスト、高い代償とは具体的にどのようなことを指すのか、伺います。 国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路という表現も繰り返し使っています。歴史の岐路をどのように認識し、どのように日本をかじ取りしようとしているのか、伺います。 G7唯一のアジアの国として、アジアでもロシア包囲網の形成に貢献すると述べていますが、これについても具体的にどういうことか、伺います。 来年のG7議長国として、ロシアに対する国際的取組をリードしていくとも述べています。具体的にどういうことかをお伺いします。 二月二十七日の会見では、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはもはやできないと述べています。今後どのようにロシアと向き合うのか、方針を伺います。 制裁について質問します。 ロシア金融機関のSWIFT排除によって、日本の金融機関が現在までに対ロシア決済を止めた規模について、財務大臣に伺います。 対ロシア最恵国待遇撤回のために今国会で法改正を行うようですが、ロシアも日本の最恵国待遇を外すでしょう。日ロどちらに関税上の影響が大きいのか、財務大臣に伺います。 経済制裁には反射効果が伴います。反射効果をどの程度と想定し、対策をどのように考えているのか、総理に伺います。 財務大臣に伺います。 仮想通貨を用いた制裁回避を防ぐための外為法改正案において、交換業者に対する規制強化の内容、有効性、チェック体制について伺います。 次に、総理に伺います。 八十一の軍事関連団体を輸出禁止対象としたほか、ロシア政府関係者及びプーチン政権に近いオリガルヒと呼ばれる財閥関係者等を制裁対象に指定したと聞きますが、開示可能な範囲で詳細を伺います。あわせて、日本側の企業等がそれを遵守しているか否かのチェックをどのように行うのか、伺います。 次に、ウクライナ支援等について総理に伺います。 人道支援二億ドル、借款二億ドルは、それぞれ具体的にいつ実行するのでしょうか。 ポーランド等周辺国への避難者支援のために、自衛隊医官の派遣等、保健医療分野での人的貢献を表明していますが、具体的に、いつ、何人の体制で派遣するのでしょうか。 避難民受入れ方針も表明しました。日本語教育、就労支援、定住支援を行うと報道されていますが、具体的に、いつから、何人ぐらいを受け入れる方針か、伺います。ウクライナ滞在中の邦人数及び退避等の検討状況についても伺います。 次に、ロシア情勢について質問します。 プーチン大統領には三つの支持基盤があると言われており、第一は、シロビキと呼ばれる軍、諜報、警察組織です。ところが、全ロシア将校協会が、ウクライナ侵攻計画中止、プーチン辞任を求める公開書簡を発表したと報道されています。つまり、支持基盤の軍が反旗を翻しています。 諜報機関では、ウクライナ情勢を報告する立場であったFSB、連邦保安庁局長が軟禁されたと報道されています。これらの事実関係を外務大臣に伺います。 第二は、オリガルヒと呼ばれる新興財閥集団です。関係者が欧米諸国に蓄積している金融資産、不動産等にも差押えの動きが広がっています。そうした中、二〇二〇年のロシア第一位の富豪であるオリガルヒ有力者が外国企業の資産接収に反対したと報道されています。この事実関係についても、外務大臣にお伺いします。 第三は、メディアです。 プーチン大統領は三大テレビ局を完全支配していますが、メディアでも反プーチンの動きが見られます。三月十四日、国営テレビのニュース番組中、女性スタッフが反戦プラカードを持って抗議活動をした様子が全世界で放映されました。 欧米政府、西側メディアはプーチン大統領のウクライナ侵攻は判断ミスという論調ですが、大統領を支える支持基盤、シロビキ、オリガルヒ、メディアの実情を含め、プーチン政権の現状をどのように分析、認識しているのか、総理に伺います。 総理は、エネルギーや食料価格高騰の影響を受けている国に対し、G7が支援に取り組むことが重要と述べていますが、日本自身が最も影響を受けている国かもしれません。総理の認識を伺います。 経済制裁の余波で事業不能となった企業があるほか、ロシアから撤退する企業も相次いでいます。トヨタ、日産等のサンクトペテルブルク工場稼働停止など、実例は枚挙にいとまがありません。しかも、プーチン大統領は撤退企業の資産を国有化する方針を示しました。 日本企業の動向及び今後の影響、それに対する政府の支援策等、現状の認識と対応を総理に伺います。 食品も影響が直撃しています。ロシアとウクライナが世界の輸出量の約三割を占める小麦価格急騰も顕著です。幅広い食品価格に影響が出ています。食品への影響、量の確保、価格対策について、総理に伺います。 制裁の反射効果が大きい典型例が日ロ共同事業、サハリン2です。サハリン2のLNGは三日で日本に届き、量も価格も安定し、ホルムズ海峡のような危険海域も通りません。ちなみに、中東産の輸送には約三週間掛かります。サハリン2からのLNG供給が途絶えれば、高騰するスポット市場での調達を余儀なくされ、電気代やガス代が上がり、国民生活に影響が出ます。 二月二十八日、サハリン2からシェルが撤退を表明しました。撤退外国企業の資産接収が予測される中、出資している三井物産と三菱商事がシェルを追随することは困難です。サハリン2を手放せば、電力安定供給やエネルギー安全保障が脅かされ、中国に権益を奪われるでしょう。伊藤忠商事、丸紅等が参画する原油開発事業、サハリン1も事情は同じです。 ロシア制裁に関してリーダーシップを発揮する決意の総理は、サハリン1、サハリン2について、総合的な国益の観点からどのように対処するのでしょうか。お考えを伺います。 日本以上にロシアの化石燃料依存度が高いのはEUです。原油の約三割、天然ガスの約五割をロシアに依存しているため、エネルギー分野を制裁の例外にしたままです。 ロシアからの化石燃料輸入が止まればEUは苦しくなりますが、ロシアも収入を失います。しかし、ロシアは中国と結ぶパイプライン、シベリアの力を二〇一九年末に開通させ、モンゴル経由のシベリアの力2も建設中です。 さきの本会議でも、SWIFTに代わるロシアのSPFSや中国CIPSのことを質問しました。決済網、エネルギーとも、中ロ両国は周到に次の展開を想定していると言えます。むしろ、西側諸国の方が中ロ両国に政治的に厳しい姿勢で臨みながら、経済、資源的には依存している構図です。 日本は、中ロ両国とどのような外交通商関係で臨み、安全保障戦略を取るのか、欧米諸国にどのような意見を述べるのか、総理の考えを伺います。 ゼレンスキー大統領はさきの国会演説の中で、国連改革について日本のリーダーシップが大きな役割を果たせると述べました。 三月二日、四十年ぶり、国連史上十一回目のESS、緊急特別会合が開催され、ロシアに軍事行動即時停止を求める決議案が圧倒的賛成多数で採択されました。ESSは、拒否権濫用防止のために一九五〇年に編み出された手法です。ロシアの今後の動き次第では、日本が主導して更なるESS開催を模索することを含め、非民主的な拒否権制度の見直し等、国連改革、安保理改革に取り組む総理の方針と決意を伺うとともに、ウクライナ国民に連帯の意を表して、質問といたします。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員にお答えをいたします。 対ロ外交や来年のG7議長国としてロシアに対する国際的な取組等についてお尋ねがありました。 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて許すことはできません。 ウクライナによる、失礼、ロシアによるウクライナ侵略に国際社会が毅然と対応し、国際秩序の根幹を守り抜けるかが今後の国際社会の行方を左右する試金石であると考えます。こうした意味で、国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路にあると考えています。 そして、国際秩序の根幹を守り抜くためにも、こうした暴挙には高い代償を伴うこと、すなわち、国際社会が結束し、厳しい対ロ制裁措置が課されることを示していく、これが必要であると考えています。我が国として、国際社会との連携を強化し、引き続き、アジアを含む他国にも結束を呼びかけていく考えです。 来年のG7議長国として、現議長国ドイツや他のG7諸国と連携して、ロシアの侵略に対する国際的取組をG7が主導するよう取り組んでまいります。 そして、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはもはやできず、そして今後の日ロ関係については、今この現在、この現下の状況において申し上げる状況にはないと認識をしております。 そして、対ロ制裁の反射効果について、効果への対策についてお尋ねがありました。 今日のロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、我が国は、G7各国、国際社会とともに、ロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出してきています。 今回の事態を受けて、国民の皆様や日本企業を含め、国際社会に様々な影響が及ぶことは避けられません。G7首脳会合では、ロシアの侵略はエネルギーや食料の価格高騰に拍車を掛けており、G7が協調し、影響を受けている国々への支援を含め、エネルギー安全保障や食料安全保障の確保に取り組むことで一致をいたしました。 政府としては、原油価格の、原油価格や物価の高騰による国民生活への影響に対し緊急かつ機動的に対応するため、四月末をめどに原油価格・物価高騰等総合緊急対策、取りまとめてまいります。 対ロ制裁の対象の詳細、また遵守体制についてお尋ねがありました。 我が国は、G7各国、国際社会と連携し、ロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出してきています。これまでに資産凍結等の対象としたロシア政府関係者の氏名や輸出禁止措置の対象とした軍事関連団体の名前などの情報につきましては、関係省庁のウエブサイト等で発表をしております。 資産凍結に関する金融機関の遵守体制については、送金を取り扱う金融機関に対し、制裁対象者向けの送金でないかを確認する義務を課しており、その履行状況を検査等を通じてモニタリングをしております。 また、輸出禁止措置については、税関において輸出される貨物が経済産業大臣の承認が必要な貨物であるか否かの確認を行うなど、厳格な水際取締りを実施しております。 我が国としては、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの外交的、経済的圧力を一層強めるべく、引き続き適切に対応してまいります。 人道支援については、二月二十七日に他国に先駆けてウクライナ及び周辺国に対する一億ドルの緊急人道支援を行うことを表明し、三月十一日の閣議で、保健医療サービスの提供や食料の配布等の具体的内容を決定し、そして既に実行に移しております。これらに加え、三月二十四日のG7首脳会合において、私から追加で一億ドルの緊急人道支援を行うことを表明し、現在こちらについては具体的内容を詰めているところであります。 借款については、同じくG7首脳会合において、世界銀行と協調する形で一億ドルを速やかに供与する旨表明しており、ウクライナの経済を下支えするため、可及的速やかに供与ができるよう、引き続き取り組んでまいります。 保健医療分野での人的貢献については、既にモルドバにJICAのニーズ調査団を派遣しております。そして、保健医療分野のニーズ調査に加え、WHOと連携した形で現地の医療データ管理等に貢献しています。現地のニーズも踏まえ、更なる貢献も速やかに具体化してまいります。 避難民の方々の我が国への受入れについては、三月三十日時点で三百三十七人を受け入れています。本日、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の第二回目会合を開催し、ウクライナ避難民への一時滞在場所の提供や生活費、医療費の支給、日本語教育、就労支援、受入れ後の各場面に応じたこの具体的な支援策を決定をいたしました。 そして、三月三十日時点において確認されている在留邦人は約五十人です。在留邦人の方々とは連絡を取り合って、現時点までに邦人の生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接しておりません。 そして、プーチン政権の現状についてお尋ねがありました。 ロシア国内では、一般市民による反戦デモ、平和を訴えるオリガルヒの存在や、シロビキ、いわゆる力の省庁の一部の幹部が退職を希望する動きなどが報じられています。 他方、ロシア軍の活動に関連した虚偽の情報を公に拡散した者に対して刑事罰及び行政罰を科する法律が成立し、ロシアでの活動を停止せざるを得ない国内、外国メディアもあり、また、反戦の動きも現段階では大きな流れとなっていないと承知をしています。実際、ロシア世論調査会社によれば、ロシアによるウクライナ侵略以降、プーチン大統領の支持率が上昇し、八割を超えたという調査結果があります。 政府としては、引き続き、ロシア国内内政の動向を注視していきたいと考えます。 経済制裁を踏まえた在ロ日系企業の動向や今後の影響、食品価格高騰による影響への対応などについてお尋ねがありました。 今般のウクライナ情勢を受けて、我が国においても、ガソリン価格の上昇などが国民生活や日本企業に与える影響を最小限にとどめる必要があります。このため、四月末をめどに原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめ、緊急かつ機動的に対応し、新型コロナからの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。 ロシアに進出している日本企業の対応については、部品等の供給制約による操業停止や金融決済面のリスクによる事業停止、風評リスクを考慮した事業停止などが生じていると承知をしています。引き続き、政府としても、各企業との意思疎通を図りつつ、その影響を最小限に抑えられるよう、国際社会や産業界と連携しつつ、適切に対応してまいります。 さらに、食料については、ロシアやウクライナは小麦やトウモロコシの主要輸出国ですが、我が国は両国からの輸入、ほとんどありません。一方、食料安全保障の観点から、国内で生産できるものはできるだけ生産してまいりたいと考えます。価格高騰による影響についても、今回の緊急対策で対応してまいります。 サハリン1、サハリン2への対処、今後の中ロ関係、中ロ両国との関係などについてお尋ねがありました。 サハリン1、サハリン2については、自国で権益を有し、長期かつ安価なエネルギー安定供給に貢献しており、エネルギー安全保障上、重要なプロジェクトです。そして、G7においても、各国それぞれの事情に配慮し、持続可能な代替供給を確保するための時間を提供するということとされています。そうした方針に従って、我が国として撤退はしない方針であります。 今後とも、G7の方針に沿って、ロシアへのエネルギー依存を低減すべく、更なる取組を進めてまいります。 ロシアについては、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、我が国を含め国際社会は、経済、通商分野を含め、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはもはやできないと考えています。 中国については、近年、ロシアと緊密な関係を維持し、軍事協力も緊密化しています。我が国としては、中国に対し責任ある行動を呼びかけており、G7を始めとした関係国と緊密に連携して対応していきます。 我が国としては、特に東アジアにおいて、力による一方的な現状変更はあってはならないとの立場から、同盟国、同志国と緊密に連携して戦略的に取り組んでまいります。また、経済安全保障についても、同盟国、同志国と連携をしてまいります。 そして、国連改革に向けた方針と決意についてお尋ねがありました。 国際社会の平和と安全の維持に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアが国際秩序の根幹を揺るがす暴挙に出たことは、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しています。 先般開催された国連総会の緊急特別会合は、我が国を含む加盟国の要請によって開催されたものです。同会合は、ロシアによる拒否権行使による安保理の機能不全に対し、総会を活用すべく国連加盟国が築いてきた制度が一定の役割を果たしたものと受け止めており、必要に応じ、今後も同盟国、同志国と連携し、開催を要請する考えです。 その上で、安保理改革については、我が国は、長年、その改革の必要性を訴え、積極的に活動してきました。先般の私のインド、カンボジア訪問の際にも、安保理改革の早期実現に向けた協力について首脳間で確認をいたしました。 各国の複雑な利害も絡み合う安保理改革は決して簡単ではありませんが、多くの国々と協力をし、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向け、引き続きリーダーシップを取ってまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。 まず、SWIFT排除によって日本の金融機関が止めた対ロシア決済の規模についてお尋ねがありました。 EUの決定により、三月十二日をもってSWIFTからロシアの七行が排除されたものと承知をいたしております。その上で、日本の金融機関がこれら七行との間で停止した決済の額につきましては、個別金融機関の取引に関する内容であることからお答えすることは控えますが、いずれにせよ、SWIFTからの排除を含め、ロシアに対する一連の経済制裁は、G7各国等と緊密に連携することにより、力による一方的な現状変更は認めないとの強いメッセージを国際社会に与えるものと認識しております。 次に、最恵国待遇の撤回に係る関税上の影響についてお尋ねがありました。 日ロ間で互いに最恵国待遇を撤回した場合、その際にロシアが代わりにどのような関税率を日本に対して適用するかが不明であることから、日ロどちらに関税上の影響が大きいのかについてお答えすることは困難であると考えております。 最後に、外為法改正案についてお尋ねがありました。 暗号資産については、三月二十四日のG7首脳会合において、岸田総理から、暗号資産を用いたロシアの制裁回避に対応するため、金融面での制裁の実効性を更に強化するための法改正案を今国会に提出する旨表明されました。これを受け、現在準備を進めているところであります。 法案の内容につきましては、速やかに検討を進めているところでありますが、制裁の実効性を更に強化できるよう、チェック体制も含め、適切に検討をしてまいりたいと思っております。(拍手) 〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
○国務大臣(林芳正君) 大塚議員にお答えをいたします。 全ロシア将校会議による交換、公開書簡及びロシア連邦保安庁局長軟禁についてお尋ねがありました。 本年一月末、ロシアの退役軍人団体、全ロシア将校会議のイバショフ代表は、ウクライナに対する軍事力行使を批判し、大統領に辞任を要求する旨のプーチン大統領への呼びかけを行ったと承知をしております。 また、ロシア連邦保安庁の対外情報部門の幹部が自宅軟禁になったとの報道は承知しておりますが、ロシア当局はその事実関係を公式には認めていないと承知をしております。 オリガルヒ有力者が外国企業の資産接収に反対したという報道の事実関係についてお尋ねがありました。 個々のオリガルヒの動向の一つ一つについて、事実関係を含め、その評価を述べることは差し控えますが、御指摘のオリガルヒ有力者であるポターニン氏は、ロシア市場からの撤退を宣言した企業の資産を没収することは、私たちを百年前の一九一七年に戻すことであり、こうした措置の結果は、投資家からの世界規模のロシアに対する不信感であり、何十年も味わうことになると述べたと承知をしております。 いずれにせよ、政府としては、オリガルヒの動向を含むロシア国内の関連の状況について、引き続き、高い関心を持って注視をしていく考えです。(拍手) ─────────────
○議長(山東昭子君) 浅田均さん。 〔浅田均君登壇、拍手〕
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。 会派を代表し、G7首脳会合に関する報告について岸田総理に質問いたします。 我が党は、改めてロシアの侵略と無差別殺人を最も激しく最も厳しい言葉で非難するとともに、犠牲になられたウクライナの方々に心より哀悼の意を表し、プーチン政権に対しては、即刻武器を置き、撤退するよう強く求め、世界と日本の平和を守り抜く固い決意を表明するものであります。 さて、ロシアの一方的なウクライナ侵略、攻撃が始まってから既に一か月が過ぎました。この間、世界の国々がプーチン大統領の自制を求めて努力していますが、いまだ戦火はやまず、幼い子供を含め、分かっているだけで少なくとも千百人を超える罪のない命が犠牲になっています。 総理、国際社会の様々な戦争阻止活動にもかかわらず、なぜ、いまだにロシアの侵略、無差別殺人をやめさせられないのか、その理由をどう考えていますか。総理の認識をお答えください。 一九九四年、欧州安全保障協力機構会議において署名されたブダペスト覚書では、ウクライナが核不拡散条約に加盟したことに伴い、核兵器をロシアに譲渡する代わりに、一、ロシア、英国、アメリカはウクライナに対して何ら武力を用いて脅したり侵攻したりしないこと、二、万が一いずれかの当事国がウクライナに軍事力を用いようとしたときには、国連の安全保障理事会に働きかけてウクライナを軍事的に支援することとされました。 国際約束であるブダペスト覚書が署名国であるロシアによってほごにされていることは最大限非難されるべきと考えますが、総理の見解をお示しください。 これまで国際社会が実施してきた経済制裁、金融制裁、資産凍結は、まだまだプーチン大統領の侵略の野望をくじくまでには至っておらず、更なる制裁の強化が求められます。 総理はG7会合において、デジタル資産、つまり暗号通貨を利用したロシアの制裁逃れを防ぐために外為法の改正を準備していると表明されました。実現すれば大きな効果が期待できるものですが、しかし、暗号通貨は元々匿名性が高く、所有者を特定することが果たして可能なのか、外為法改正案とはどのようなものを検討されているのか、御説明ください。 プーチン大統領の蛮行を止めるには、ロシア国内の世論の動向が大きな鍵を握っていると考えます。 三月八日の国際女性デーでプーチン大統領は、戦地に派兵されるのは契約軍人だけで、徴兵された若者は戦地に送らないと演説したといいます。これは、国内世論に大きな影響力を持つ、通称ロシア兵士の母の会を意識した発言だと言われています。 一方で、ロシア政府は、メディアや個人のSNSへの規制を強め、厳しい言論統制をしいており、ロシア国内の反戦世論を高める国際的な支援が必要になっています。我が国も、民間団体とも協力しながら、ロシア国内での反戦機運を醸成するため、ロシア国民向けのメッセージを発信するなど、できる限りのことを工夫して行うべきと考えますが、何ができるとお考えか、総理の見解をお尋ねいたします。 同時に、ロシア非難の国際世論の拡大も重要です。 総理が、ロシアとの経済的な結び付きが強く、国連での非難決議に棄権したインドを訪問されたことには大きな意義があったと考えます。しかし、大事なのはその中身です。 三月十九日の日印首脳会談において、総理はモディ首相に対してプーチン大統領に対する更なる働きかけを要請したと聞いていますが、更なる働きかけとは何か、具体的内容をお示しください。 ゼレンスキー大統領は、日本の国会での演説で、日本はアジアのリーダーになりましたと語り、我が国に大きな期待を寄せています。 しかしながら、対ロシア制裁は欧米諸国が主導しており、まだまだアジア諸国とは温度差がある状態です。大統領からの期待を受け、アジアのリーダーとして、総理自らが対ロシア制裁の輪をアジアに広げていくため、何が必要であり、それを実現させるためにどのような役割を果たしていくお考えなのか、答弁を求めます。 ロシアへの経済制裁が長期化することにより、今後、世界経済がブロック経済化されていく、されると予想されます。グローバル経済を目指してきた我が国として、今後どのようなスタンスを取っていくお考えなのか、併せてお伺いいたします。 今回のロシアの侵略行為は、国連の平和維持機能の限界を浮き彫りにしました。ロシアが拒否権を行使することで、制裁はおろか非難決議すら発動できず、今こそ抜本的な国連改革を断行すべきと考えます。 ロシアが安保理常任理事国に居続けていることに対する我が国のスタンス、考えを明確に示してください。また、現状を変えていくには、日本としてどのようなアクションを具体的に起こすべきとお考えか、併せて答弁願います。 総理は、昨日の衆議院本会議において、我が党の藤田議員のロシアの投票権剥奪を日本として明示的に支持すべきとの提言に対し、手続上の難しさや各国の利害も複雑に絡んでいるので簡単ではないと答弁しました。 安保理改革も進まず、今回のような事態にも国連が機能できないのであれば、かつて国際連盟から国際連合に移行したように、理事国や拒否権の在り方を抜本的に見直した第二国連のような組織を新設することも一つの選択肢だと思いますが、総理の見解はいかがですか。併せて答弁を求めます。 ウクライナ危機は、我が国の国民生活、経済活動にも大きな暗雲を広げています。 我が国へのエネルギー供給源の一つであったロシアの油田、天然ガス田であるサハリン1、2から開発主体企業であるシェルやエクソンが事業からの撤退を表明して一か月となります。現時点で操業及び供給に支障はありませんか。現状と今後の見通しをお答えください。 また、ロシアが天然ガス代金の支払はルーブルしか認めないと表明したことに対して、三月二十八日のG7エネルギー相会合では契約の一方的変更で受け入れることはできないと確認されましたが、これを端に供給が止まった場合には、サハリン1、2から撤退するのかどうか、撤退をした場合には、金融制裁の対象にエネルギーの支払を含むよう取扱変更することは考えているのか、総理の見解を求めます。 今回のような事態は、資源を外国に依存せざるを得ない我が国の脆弱性を改めて浮き彫りにするものとなりました。 今後、エネルギー、食料、あるいは中国依存度の高いレアメタル等の分野での新たな安全保障を構築していく必要があると考えますが、総理はどのような体制で、いつまでをめどに取りまとめられていかれるつもりなのか、総理の認識と決意をお示しください。 今回の戦争は、ウクライナにとっては自衛戦争です。我が国が侵略を受けた場合は一体どうなるのかという疑念と不安を多くの国民に呼び起こしています。 そこで、総理にお尋ねします。 一般論として、侵略軍に対し私人逮捕は認められるのか、また、警察権を行使できるのか、総理の見解をお示しください。 ウクライナにおいては、一般の住民らが民兵組織をつくり、軍隊経験のない民間人が対戦車ミサイル、ジャベリンを使ってロシア軍の戦車を撃退しています。日本も他人事ではありません。尖閣諸島周辺では、武装した外国船によって日本の漁民が脅かされています。 日本で、ウクライナのように、民間人が侵略国あるいは武装民兵に対する武器の携行、使用は正当防衛の範囲となるのか、総理にお尋ねいたします。 我が党は、昨年六月、自衛隊の部隊による警戒監視の措置について定めるとともに、海上保安庁の任務として領海警備が含まれることを明記する自衛隊法及び海上保安庁法改正案を提出しています。 今こそ、こうした領海警備に係るグレーゾーンを見直すべきと考えますが、総理の我が党提出の法案に対する見解をお尋ねいたします。 総理の真摯な答弁を求めて、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浅田均議員の御質問にお答えをいたします。 ロシアの侵略を止め、侵略をやめさせられない理由、ブダペスト覚書がロシアによってほごにされていることに対する見解についてお尋ねがありました。 ロシアが一刻も早く国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、G7を始めとする国際社会は緊密に連携し、迅速に厳しい措置を打ち出してきていますが、ロシアは、平和解決に向けた各国の働きかけを聞き入れず、侵略をやめるに至っておりません。ロシアは、ウクライナ侵略の継続を様々な理由で正当化していますが、いかなる理由であれ、侵略を正当することはできないと考えています。 ロシアは、ブダペスト覚書に反し、ウクライナ侵略を行いました。こうしたロシアの行いは、国際秩序の根幹を揺るがすものであり、明白な国際法違反として厳しく非難されるべきものであると考えます。 外為法改正案の内容等についてお尋ねがありました。 三月二十四日のG7首脳会合において、私から、暗号資産を用いたロシアの制裁回避への対応を強化することで、金融面での制裁の実効性を更に強化するべく、早急に関連法案の改正を行う旨を表明いたしました。 政府、法案については、今国会提出に向けて、外為法による暗号資産に対する規制の内容の検討を速やかに進めているところです。規制の実効性を高める方策についても、御指摘の暗号資産の匿名性も踏まえ、国際連携の下、民間セクターとの情報共有の促進などの取組を進めてまいりたいと考えます。 我が国としては、制裁の抜け道が生じないよう、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの経済的圧力を一層強めるべく、適切に対応してまいります。 ロシア国民向けのメッセージの発信についてお尋ねがありました。 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をいたします。 今回の事態は、プーチン政権によるウクライナ侵略であり、ロシア国内外に居住するロシア国民の一部からも侵略に反対する声が上がっていると承知をしています。 我が国の立場についてはこれまでも様々な機会に積極的に発信をしてきていますが、議員の御指摘のような点について、これは実際簡単なことではありませんが、政府としましても、何ができるか、これは考えてみたいと思っております。 そして、インドとの首脳会談でのやり取り及び対ロ制裁についてお尋ねがありました。 先日の日印首脳会談では、ロシアによるウクライナ侵略に関して、モディ首相との間で、戦闘の即時停止と対話による事態の打開に向けた働きかけを行うことの重要性で一致をいたしました。 その上で、私から、ロシアによる侵略はアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、モディ首相に対して、自由で開かれた国際秩序を維持するためにも、インドの独自の立場に基づいて、プーチン大統領に対する働きかけを含め、更なる協力を求めたところです。 我が国として、ゼレンスキー大統領の国会演説におけるメッセージをしっかりと受け止め、今後ともウクライナを最大限支援していくとともに、ロシアの侵略を止めるべく、G7を始めとする各国と連携し、引き続き、アジアを含む他国にも結束を呼びかけていく考えです。 世界経済への我が国の今後のスタンスについてお尋ねがありました。 今回のロシアによるウクライナの侵略は、世界が連帯して築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、断じて許容できません。国際社会が団結して、ロシアに対して毅然として対応していくことが必要であります。こうした観点から、G7を始めとする国際社会は、ロシアに対して厳しい制裁措置を迅速に講じてきています。 我が国としては、不透明性の高まる世界の中でも、これまで世界経済の発展を支えてきた多角的自由貿易体制を基礎として、G7諸国を始め法の支配や民主主義といった普遍的価値を共有する国々と緊密に連携していく考えです。 安保理改革についてお尋ねがありました。 国際社会の平和と安全の維持に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアが国際秩序の根幹を揺るがす暴挙に出たことは、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しています。 安保理改革については、我が国は長年その改革の必要性を訴え、積極的に活動してきました。先般の私のインド及びカンボジア訪問の際にも、安保理改革の早期実現に向けた協力について首脳間で確認をいたしました。 常任理事国の権利及び特権の停止は、国連憲章上、ロシアを含む安保理常任理事国の同意が必要であるという手続上の難しさがあります。また、各国の複雑な利害も絡んでいます。このように、安保理改革は決して簡単ではありませんが、多くの国々と協力し、日本の常任理事国入りを含め、現在の国連における安保理改革の実現に向け、引き続き、リーダーシップを取っていく考えです。 そして、御指摘の第二国連のような新しい組織をつくるということは考えておりませんが、同盟国、同志国との連携を更に深めるため、様々な取組、これらは進めていきたいと考えています。 サハリン1、2及びエネルギーや重要物資の安定供給確保のための体制構築についてお尋ねがありました。 サハリン1、サハリン2については、現時点では操業や供給に支障が生じているとは聞いていませんが、今後とも、供給途絶が起きることがないよう、官民でしっかり連携して、万全を期してまいります。 ロシアからのルーブルでの支払要求については、先日開催された臨時のG7エネルギー大臣会合で採択された閣僚声明の方針に沿って、我が国としてもロシアからの要求を拒否する方針です。拒否した結果、供給が止まった場合には撤退するのかという点については、仮定の質問にお答えすることはできません。 ただし、いずれのプロジェクトについても、自国で権益を有し、長期かつ安価なエネルギー安定供給に貢献しており、エネルギー安定保障、安全保障上重要なプロジェクトであり、今後とも、供給途絶が起きることがないよう、官民でしっかり連携して、万全を期してまいります。 また、エネルギーや重要物資の安定供給を確保することは重要です。 このため、私の指示で、関係省庁から成る戦略物資・エネルギーサプライチェーン対策本部を立ち上げました。石油、石炭、LNGのエネルギー及び半導体製造用の希少なガスやパラジウムなど七品目について、早急に対策を講ずる必要のある物資として特定し、供給源の多角化、リサイクル装置の導入など、安定供給のための対策を取りまとめました。今後、速やかに実行に移してまいります。 我が国が武力攻撃を受けた場合などにおける対応についてお尋ねがありました。 我が国に対する武力攻撃への対応について、一般論として申し上げれば、武力行使の三要件を満たす場合、自衛隊は、当該武力攻撃を排除するため、必要な武力行使をすることになります。また、警察は、武力攻撃事態に至った場合には、所定の国民保護計画にのっとり、住民の避難、被災者の捜索、救助等、国民の保護のために必要な措置を講ずることとしております。 その上で、私人による逮捕、警察権の行使及び正当防衛に関するお尋ねについては、いずれも個別具体的な状況に即して判断すべき事柄であり、一概にお答えすることは困難です。 いずれにせよ、政府としては、あらゆる事態に適切に対応し、国民の生命、財産及び領土、領海、領空を断固として守り抜くため、引き続き万全を期してまいります。 そして、最後に、領海警備の見直しについてお尋ねがありました。 武力攻撃に至らない侵害に適切に対応するためには、警察機関と自衛隊との連携が極めて重要であり、現行の法制上、海上警備行動等の発令手続の迅速化を図ったほか、海上保安庁等関係機関の対応能力の向上、情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を推進しています。 今後の取組については、お尋ねの法案を含め、法整備が必要という声もあります。その中で、各機関の連携を充実させ、円滑にさせるために必要なものがないか、訓練等を通じて、なお一層検討を進めてまいりたいと思います。 政府としては、今後とも、あらゆる事態を想定し、我が国の領土、領海、領空、そして国民の生命と財産を断固として守り抜くとの強い覚悟を持って、冷静かつ毅然と対応してまいります。(拍手) ─────────────
○議長(山東昭子君) 山下芳生さん。 〔山下芳生君登壇、拍手〕
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。会派を代表し、岸田総理に質問します。 冒頭、ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略に強い憤りを込めて抗議し、ロシアの軍事行動の即時中止を求めます。 ウクライナに対する人道支援が急務です。我が党はウクライナ支援募金に取り組み、これまでに九千二百四十五万円が寄せられ、UNHCRとユニセフに順次お渡ししています。その際、四百万人を超える国外避難民のほとんどが女性と子供であり、家族ばらばらにされることへの深い心の痛みを抱えていること、心のケアも含めて国際社会の支援が必要となっていることも伺いました。こうした点や避難民の受入れも含め、政府として非軍事の人道支援を強化すべきではありませんか。 国際社会がどうやって侵略を止めるのか。何より重要なのは国際世論です。世界中の国々と市民社会が、ロシアは侵略をやめよ、国連憲章を守れ、国際人道法を守れの一点で声を上げ、力を合わせることこそ侵略を止める最大の力です。プーチン政権が、政権に批判的な非政府組織などを一方的に外国の代理人と決め付け、報道機関にその明示を強要するなど、異常な言論、報道の統制、弾圧を行っているのは、国内外の世論の批判を何より恐れているからにほかなりません。 この点で、国連総会で三月二日、ロシアの侵略を国連憲章違反と断罪し、即時無条件撤退を求める非難決議が加盟国百九十三か国の七割を超える百四十一か国の賛成で採択されたこと、続いて三月二十四日、ジュネーブ条約など国際人道法の尊重を強く求める決議が百四十か国の賛成で採択されたことは、ロシアによる侵略と戦争犯罪を非難し、その中止を求める国際社会の揺るがぬ意思を示したものとして大きな意義があります。 また、二十四日の決議採択の過程で、ロシアによる侵略という事態の性格を曖昧にし、ロシアを名指しせず、全ての当事者による敵対行為の即時停止だけを求める決議案も浮上しましたが、多数の反対で、採決にかけられないまま廃案となりました。ロシアによる侵略という事態の本質に目をつぶる議論が国連総会の場で通用しなかったことは、国際社会でのロシアの孤立ぶりを明確に示すものとして重要であります。 総理、こうした国際世論による包囲こそ、ロシアの侵略を止める最大の力であると考えますが、総理の認識はいかがですか。 総理は、G7首脳は国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路に立っていると述べましたが、総理の言う国際秩序の根幹とは何ですか。 私は、二度の世界大戦を経て、主権の尊重、領土の保全、武力行使の禁止などを加盟国に義務付けた国連憲章こそ国際秩序の根幹であり、国連憲章に基づく平和の国際秩序を守る一点で国際社会が大きく団結してこそ歴史の岐路を前向きに打開できると考えますが、総理の見解を伺います。 我が党は、国際世論による包囲をより強固にするために、国会議員団が手分けして、駐日ロシア大使、駐日ベラルーシ大使と面会し、侵略とそれへの加担を即時中止するよう、直接申し入れました。また、ロシア非難決議に棄権、退席した駐日ベトナム大使などに、ロシアを非難する立場に立つよう、要請を開始しました。政府として、ロシアを包囲するための外交活動を強化すべきではありませんか。答弁を求めます。 ロシアによる生物化学兵器の使用、核兵器使用の危険が現実的に生まれています。二月二十四日、プーチン大統領はウクライナ侵略に当たっての演説で、ロシアが核兵器大国であることを誇示し、ロシアに対する通常兵器による攻撃に対しても核兵器を使用することを示唆しました。さらに、三月二十二日、ペスコフ・ロシア大統領府報道官は、ロシアが存亡の危機に陥った場合には、核兵器使用もあり得ると発言しました。 これらの発言は、決して偶然のものではありません。プーチン政権は、二〇二〇年六月二日に公表した文書、核抑止の分野におけるロシア連邦国家政策の基礎において、国家の存立が脅かされるような通常兵器によるロシア連邦への侵略などに対しても核使用はあり得るとして、核の先制使用を行うことを国家の基本姿勢として公言しています。 総理、核兵器の非人道性を知る唯一の戦争被爆国である日本から、ロシアは核兵器の使用もその威嚇もやめよの声を上げることが極めて重要だと考えますが、いかがですか。 これまで核兵器保有国が核を持つ最大の理由にしてきたのは、核を持てば核抑止が働いて戦争を止められるという理屈でした。しかし、プーチン大統領のような先制核使用を公言する、自分の国の国民が報復によってどんなに犠牲になろうと核兵器を使うことをためらわない指導者が出てくる下で、核抑止はいよいよ無力だということが明らかになっています。総理、その認識はありますか。 こうした状況を打開し、核兵器使用の危険から人類を救う道はただ一つ、全世界から核兵器を廃絶することしかありません。しかも、それは急務です。被爆国である日本が核兵器禁止条約に参加することは、核廃絶への道を加速する大きな力となります。総理、真剣に検討すべきではありませんか。 総理は、ロシアによる平和条約交渉中断宣言にひるむことなく、今後とも断固とした対応を取っていくと述べました。しかし、今、世界で、ロシアとの経済関係を重視し、覇権主義への態度を曖昧にする親ロ路線がプーチン氏に誤ったメッセージを送ったなどとして、これまでの対ロシア外交、対プーチン政権外交への反省が起こっています。 翻って、日本はどうでしょうか。ロシアによる一方的なクリミア併合にEUが経済制裁を行っている同じ時期に、プーチン大統領に対し、ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ていると言い、二十七回も一緒に食事したとアピールし、日ロ領土問題で、四島返還という従来の政府の立場からも後退して、事実上の二島返還へ一方的に譲歩したのは一体誰か。安倍政権ではありませんか。その中で合意された、北方四島でロシアの主権の下に進む共同経済活動の予算二十一億円を、ウクライナ侵略が起こった後も削除せず強行したのは誰か。岸田政権ではありませんか。 こうした対ロ外交の破綻は今や明瞭です。総理、歴代政権がロシアにこびへつらう外交をやってきたことへの真剣な反省が必要ではありませんか。この反省なしに、今後とも断固とした対応を取っていくと言っても全く説得力がないと考えますが、いかがですか。 ましてや、これまでの対ロ外交の反省なしに、危機に乗じて、核共有や敵基地攻撃、九条改憲を唱えるなど、断じて許されません。 日本共産党は、旧ソ連の時代から、ロシアの覇権主義と正面から闘い抜いてきた政党です。旧ソ連によるチェコスロバキア侵略、アフガニスタン侵略に断固反対し、北方四島はもちろん、全千島が日本の歴史的領土だと主張するなど、自主独立の立場を貫いてきました。そのためにソ連から乱暴極まる干渉攻撃を受けましたが、党の生死を懸けて闘い、頑としてはねのけ、ソ連が崩壊したときには、世界の巨悪の崩壊をもろ手を挙げて歓迎するとの声明を出したのは日本共産党であります。 この党の歴史に懸けて、どんな国であれ覇権主義を許さず、世界平和のために奮闘する決意を述べて、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山下芳生議員にお答えをいたします。 ウクライナの人々の心のケアを含めた人道支援の強化についてお尋ねがありました。 ウクライナの人々の心のケアについてですが、三月十一日に決定済みの一億ドルの支援の中で、国際機関を通じた支援として、紛争の影響を受けた人たちへの心のケアとして最初に行うべき心理社会的支援などを実施することとしております。また、先般、追加的に一億ドルの人道支援を行うことをG7の場で表明いたしましたが、この追加的緊急支援、緊急人道支援においても、議員御指摘の心のケアといった点にも対応すべく、国際機関や日本のNGOと内容の調整を行っているところです。 我が国は、今後も、G7を始めとする国際社会と連携しながら、現地のニーズを的確に把握しつつ、困難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。 国際世論によるロシアの包囲等についてお尋ねがありました。 国家の主権や領土一体性の尊重及び武力の行使の禁止といった原則は、国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げた国際秩序の根幹です。 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、欧州のみならず、アジアを含む国際社会の秩序を根底から揺るがす暴挙であり、国連憲章第二条四が禁ずる違法な武力の行使です。断じて容認、許容できず、厳しく非難をいたします。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、国際社会が結束してロシアに対して強い制裁を課していくことが重要です。 我が国として、ウクライナに対する侵略決議を棄権、退席した国を含め、引き続き、各国に対して様々な機会を捉えて粘り強い外交努力を続け、また国際世論を喚起してまいります。 ロシアによる核兵器の使用に関する威嚇への対処等についてお尋ねがありました。 今般のロシアによるウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しています。唯一の戦争被爆国として、核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないということを引き続き強く訴えていきます。 現下のウクライナ情勢により、核抑止は無力だと明らかになったとの御主張は当たりません。むしろ、現下の情勢は、核兵器のない世界への道のりの厳しさを示していると考えます。核兵器のない世界を目指すとの私の決意は変わりません。 核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておりません。御指摘のような対応よりも、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかなければなりません。 そのためにも、核兵器のない世界に向けて、唯一の同盟国である米国と信頼関係を基礎としつつ、現実的な取組を進めてまいります。 対ロ外交についてお尋ねがありました。 北方領土は我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土です。我が国としてこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが我が国の一貫した立場であります。 また、二〇一四年のロシアによるクリミア併合に対しては、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害するものであるから、我が国としても国際社会とともに対ロ措置を課しました。そして、我が国を含む国際社会は、こうした措置を課す一方で、ロシア、ウクライナ両国に対して様々な働きかけを行い、協力を行うことで緊張緩和に努めたというのが国際社会全体の取組でありました。 その中で、ロシアとは、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、粘り強く平和条約交渉を進めてきたものであり、ロシアにこびへつらう外交をやってきたという御指摘は当たりません。ロシアによる今回の侵略後の現在の基準でもって、当時の我が国の対応について評価することは適切ではないと考えております。(拍手)
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十七分散会