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208回国会参議院2022/01/21

本会議 第3号

発言数
23
登壇者
12
会派数
8
開催日
2022/01/21

会議録

山東昭子各派に属しない議員議長

○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男さん。    〔山口那津男君登壇、拍手〕

山口那津男公明党

○山口那津男君 公明党の山口那津男です。  私は、公明党を代表して、施政方針演説等政府四演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大から三年目を迎える本年、足下では、新たなオミクロン株が猛威を振るい、感染は急拡大しています。まずは、新たな脅威から国民生活を守るため、昨年の教訓を踏まえた実効性ある医療提供体制の確保やワクチン追加接種の前倒しなど、政府を挙げた迅速な対応が必要です。  また、本年は、回復が遅れている日本経済の立て直しも大きな課題です。総理が言及された成長と分配の好循環を実現するためには、コロナ禍で拡大した格差の是正や深刻化する気候変動問題の解決など、資本主義の弊害に対応する新たな取組も重要です。  ポストコロナの新しい日本の構築に向け、子育て・教育支援を始めとする全世代型社会保障の強化や、潜在成長率の底上げを図るデジタル・グリーン投資、命を守る防災・減災対策など、将来不安を払拭し、成長期待と持続可能性を高める改革を強力に進めなければなりません。  コロナ禍で停滞する外交面においては、大国間の対立が懸念される中、我が国が対話による国際協調をリードし、核軍縮など地球規模課題の解決に積極的な貢献を果たしていくべきです。  公明党は、コロナ禍で浮き彫りとなった諸課題を克服し、安心と希望あふれる日本の未来を開くため、一人一人の力を引き出す人への投資を強化し、新たな活力と発展につなげていくべきだと考えます。女性や高齢者、非正規雇用労働者など全ての方々が活躍できる多様性と包容力のある社会の構築を目指して、本年も全力で働いてまいります。  以下、当面する重要課題について質問いたします。  総理が施政方針演説で言及されたとおり、本年も国民の命と健康を守る新型コロナ対策は最優先課題です。  感染力の強いオミクロン株への対応では、予防、検査、早期治療のための体制強化を急がなければなりません。  まずは、ワクチン三回目接種の前倒しが喫緊の課題です。自衛隊による大規模接種センターの早期再開とともに、都道府県などによる大規模接種会場の確保を強力に促すなど、ワクチン接種のスピードを高めるとともに、自治体の希望する供給量を確実に確保し、前倒しによる混乱などが生じないよう総力を挙げていただきたい。  また、早期発見、早期治療には更なる検査体制の強化が不可欠です。発熱等の症状のある人が速やかに検査を受けられるよう、診療・検査医療機関の拡大や診療時間の延長などを促進するとともに、感染が拡大傾向にある地域では、都道府県知事の判断で無料検査ができるようになったことを踏まえ、積極的な検査の活用と陽性者には医療機関への速やかな受診を周知徹底することが重要です。  一方で、感染拡大を想定すると、宿泊・自宅療養者の増加も懸念されます。政府は、昨年夏の教訓を踏まえ、全ての宿泊・自宅療養者について、陽性判明当日ないし翌日に連絡を取り、健康観察や診療を実施できる体制を都道府県に要請していますが、それぞれの地域で確実に整備できているか、確認が必要です。あわせて、承認された飲み薬を迅速に届けられる体制を急ぐとともに、パルスオキシメーターの配備や地域医療機関と連携した取組など病状急変の対応にも万全を期すべきです。  予防、検査、早期治療の体制強化について、総理に伺います。  こうした取組と並行して、中長期的には感染症に強い国づくりを進めることがより重要です。  これまで国内で接種された三種類のワクチンや昨年末に承認された飲み薬がいずれも海外製であることを踏まえると、我が国のコロナ対策は海外に依存せざるを得ない状況にあることを厳しく直視すべきです。その上で、今後、オミクロン株に替わる新たな変異株や未知の感染症が発生した場合の備えとして、ワクチン、治療薬を国内で開発、生産できる体制を整えていくことが大切です。  あわせて、国産ワクチンの実用化や普及に向けては、これまでの経験を踏まえ、緊急時における薬事承認制度の議論も急ぐ必要があります。ワクチン、治療薬の実用化にスピード感を持って取り組む一方、緊急時においても安全性の確保や有効性を適切に評価できる薬事承認制度の創設が求められます。  国産ワクチン、治療薬の早期実用化に向けて、どのような財政支援を行い、必要な法整備を進めるのか、総理の答弁を求めます。  総理は、経済再生の要として新しい資本主義を掲げ、その実現によって気候変動問題を克服し、脱炭素の実現と新たな成長を生み出すエンジンとする考えを述べられました。  昨年のCOP26で合意された一・五度目標、摂氏一・五度目標の達成に向けた取組が世界で加速する中、我が国もグリーン化など成長分野への大胆な投資を通じて、低迷する潜在成長率や国際競争力の底上げを図り、持続可能な社会経済構造への転換と本格的な経済再生を目指すべきです。  具体的には、二酸化炭素の排出量が大きい発電部門の技術革新に加え、国民生活と経済活動を支えるインフラの省エネ化やグリーン化を促す取組を加速すべきです。官民が連携して、次世代の蓄電池や太陽光パネル、水電解装置や貯蔵設備など水素を活用した発電技術の開発に取り組むとともに、環境性能に優れた住宅、自動車の普及や充電設備の整備などを急ぐ必要があります。  また、地域における脱炭素化の促進に向け、地方自治体の再エネ設備の導入支援や、地域資源を活用した分散型エネルギーシステムの構築、地域間の送電網整備等を強力に進めるべきです。  あわせて、国民一人一人の意識改革と行動変容を促すためには、公明党の強い主張で令和三年度補正予算に盛り込まれたグリーンライフポイントの発行と普及拡大が有効と考えます。  既に静岡県では、アプリを使って環境配慮行動をポイント化し、たまったポイントを地域の商品券などに交換できる取組を行っており、好評を得ています。こうした好事例を参考に、他の自治体や事業者へ展開し、脱炭素化につながるグリーン消費の大きな流れを生み出すことが重要です。  グリーン化を通じた社会経済構造の転換について、総理の答弁を求めます。  デジタル社会の構築に向けた基盤整備も急がなければなりません。  総理は、成長戦略の第一にデジタルを活用した地方の活性化を挙げられましたが、都市と地方の格差を是正する上でも、地方のデジタル化は極めて重要です。  特に、今後のデジタル社会を支える5Gは、自動走行や遠隔医療などの実現を可能にするとともに、高齢化や人口減少が進む地方の生活機能を維持し、地域経済を活性化させる重要なインフラとなります。どの地域においても5Gの恩恵を実感できるよう、環境整備を急ぐとともに、地域課題の解決のために、効果的にデジタルを活用できる人材を地方でも育成しなければなりません。  マイナンバーカードの普及拡大もデジタル社会の構築に向けた大きな課題です。その中で、今月から開始したマイナポイント第二弾は、カードの更なる普及拡大を始めポイントによる消費喚起、デジタル化で増した家計負担の軽減などに資する重要な取組です。  まずは、高齢者等が円滑にカードを取得できるよう、申請手続の支援や交付体制の強化が必要です。  次に、カード取得者が漏れなくポイントを利用できるよう、マイナポイント手続スポットの周知徹底や、デジタル活用支援員の増員など、各地域できめ細やかなサポート体制を強化すべきです。  誰もがデジタル化のメリットを享受できるよう、地方の5G整備や、マイナポイント事業のサポート強化について、総理の答弁を求めます。  総理は、分配戦略の第一に賃上げを掲げていますが、この三十年間、日本の実質賃金は伸び悩んでおり、政府として、その要因をいま一重、分析すべきです。  その上で、先進国と比較して人的投資が進んでいないことが生産性向上に影響しているとの指摘もあることから、公明党が強く主張し、従業員の教育訓練費を増やした場合に法人税の控除率を更に引き上げる仕組みが令和四年度税制改正に盛り込まれました。企業が賃上げの原資を生み出せるよう、グリーンやデジタルなど成長分野を担う人材の育成につなげていくべきです。  あわせて、企業間の構造的な取引慣行にメスを入れることも必要です。  下請企業からは、材料価格や労務費の上昇分が取引価格に転嫁されないなどの切実な声が寄せられています。また、デジタル化の進展に伴い、取引条件の不透明化や取引構造の複雑化も進んでいます。こうした問題に対処するため、下請Gメンによる実態調査など既存の対策強化とともに、独禁法等の在り方についても抜本的な検討を行うべきです。  賃上げの課題解決に向けた取組について、総理に伺います。  新しい資本主義を支える基盤となる女性の活躍について伺います。  内閣府によると、役員に女性がいる企業のパフォーマンスは高いとされている一方、いまだに企業の女性役員比率は低く、給与の男女格差も解消されていません。  女性リーダーの方々から話を伺うと、口をそろえて社会における意識改革が必要だと強調されます。そのために、企業や組織の男性リーダーが率先して意識改革の先頭に立ち、男性も家庭や地域への参画が当たり前の社会へ取り組んでいくべきです。  公明党は、女性の活躍を広げ、多様性が尊重される社会を目指しています。コロナ禍では、様々な機会に女性の悩みを伺ってきました。特に女性委員会、我が党の女性委員会は、昨年、一昨年と全国で合計二百五十回を超えるウイメンズトークを開催し、苦闘する女性の声を聞き、生理用品の無償提供などの実現に結び付けてきました。  私も話を伺う中で実感したのは、女性の経済的な自立が何よりも重要であるということです。公明党は、その解決策の一つとして、不足するデジタル人材の裾野を広げ、働く場を確保し、新しい働き方を実現するために、女性デジタル人材育成十万人プランを提案しています。  女性活躍の推進策について、総理のお考えを伺います。  コロナ禍が長期化する中、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を開く観点から、令和三年度補正予算には子供一人当たり十万円相当の給付が盛り込まれましたが、あくまでこれはコロナ禍での特例的な支援策です。子育て支援に関する日本の公的支出は、対GDP比でOECD諸国の平均値を下回っており、国際的に見ても十分な水準とは言えません。子育て、教育を国家戦略に据えて、恒久的な支援策を中長期的に充実していくべきです。  公明党は、今月から全国で子育て・教育支援に関するアンケート調査を実施し、その結果を踏まえながら、子育て支援策の充実に向け、子育て応援トータルプランを策定いたします。  総理は、子供政策を我が国社会のど真ん中に据えていくため、こども家庭庁を創設すると述べられましたが、その観点から、こども家庭庁の役割や課題について国民に分かりやすく説明すべきです。  そのためにも、政府の全世代型社会保障構築会議などにおいて、子育て・教育支援の中長期的な充実を議題とし、検討を開始すべきと考えますが、総理の御決意を伺います。  人への投資で重要となる教育訓練の充実や非正規雇用労働者等のセーフティーネット強化について伺います。  厚生労働省などの調査によれば、日本企業のOJT、いわゆる職場内訓練以外の人材投資はGDP比で諸外国と比べて著しく少なく、社外学習、自己啓発を行っていない方の割合も半数近くに上ります。学び直しを希望し、興味を示す方は五〇%を占めるものの、仕事が忙しくて余裕がない、費用が掛かり過ぎるなどの課題に加え、社内制度や情報不足も指摘されています。  こうした中、昨年十一月に決定した経済対策では、三年間で四千億円の予算を大胆に投入する施策パッケージを講じるとされています。労働者や企業など現場のニーズに即した制度設計を行い、オンラインでの受講などデジタル時代にふさわしい内容にすべきです。また、求職者支援制度など非正規雇用労働者等のセーフティーネット強化も重要です。  政府の取組について、総理の答弁を求めます。  本年から団塊の世代が順次後期高齢者入りし、医療・介護ニーズはますます高まります。政府は、病気や介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいますが、新型コロナにより、その必要性は一層高まりました。  都道府県は再来年度に次期医療計画や介護保険事業計画を策定することになっていますが、国においては、これらの計画策定に当たっての基本理念ともいうべき大きな方向性を示していただきたい。当面は、感染症対策に配慮しつつ、二〇二五年を目指した地域医療構想などを着実に進め、その先の中長期的な視点に立った医療、介護の提供体制の再構築についても、全世代型社会保障構築会議などで議論を深め、我が国の進むべき明確なビジョンを提示すべきです。  地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの構築、中長期的な医療、介護の提供体制の再構築について、総理の答弁を求めます。  これまで社会に内在していた孤独・孤立の問題が、コロナ禍で顕在化、深刻化しています。十代、二十代の自殺者数は令和二年度に約二割増加し、児童生徒の自殺者数も過去最多を更新しました。これまで光の当たらなかったヤングケアラーを始め当事者の立場に立ったきめ細かな支援が不可欠です。  政府が昨年十二月に初めて策定した孤独・孤立対策の重点計画には、公明党の提言を踏まえ、当事者の目線や立場に立って、切れ目がなく息の長い、きめ細かな施策を推進することが明記されています。  今後、この重点計画を着実に実行することが大切です。その上で、住まいのセーフティーネットの強化や、ワンストップの相談窓口等の一元的な相談支援体制、相談と支援をつなぐ体制の整備、NPO等が利用しやすい支援の在り方など、重点計画に明記された検討課題について早期に検討を開始すべきと考えますが、総理の答弁を求めます。  日本が重視する核兵器不拡散条約、いわゆるNPT運用検討会議がオミクロン株の影響で四度目の延期となりました。しかし、その機会に核保有国である米中ロ英仏の五か国が核戦争の回避や核不拡散への協力を鮮明にした共同声明を発表したことは、世界の核軍縮を進める上で歓迎すべき出来事でした。この声明を、今後のNPT運用検討会議の具体的成果や核兵器禁止条約における核保有国の参画につなげていくことが極めて重要です。唯一の戦争被爆国であり、核保有国と非保有国の橋渡し役を自負する日本がその役割を積極的に果たすべきであり、そのプロセスをしっかり示すことが賛同者を広げることにつながります。  公明党は、その重要なステップとして、核禁条約締約国会合への日本のオブザーバー参加を訴えてきましたが、今回、施政方針演説で総理は、核兵器のない世界に向けた国際賢人会議を立ち上げ、第一回会合を年内に広島で開催すると述べられました。こうした試みに私たちも賛同いたします。  その上で、この賢人会議は、具体的に何を目標に、いつ、どのような方々の参加を得て開催するおつもりでしょうか。そのことを含めて、核廃絶に向けた日本の役割と貢献について、総理の答弁を求めます。  先週、ウクライナ情勢の緊張緩和に向けて、米ロや欧州諸国などが加盟する常設の欧州安保協力機構、すなわちOSCEで協議が行われました。厳しい状況はあるにせよ、事実上対立関係にある国が参加し、対話を重ね、問題解決に努力することは極めて重要ですが、一方で、アジアにはそのような常設の枠組みは存在しません。  今後、アジアにおいて緊張が高まった際に、外交によって平和裏に問題を解決するため、OSCEのような取組が必要と考えます。日米同盟を基軸にしていくことは論をまちませんが、その上で、米中ロなども参加する形で、アジアにおける多国間の安全保障対話の枠組みづくりを日本が主導して検討してはどうでしょうか。総理の御見解を伺います。  総理は、昨年十二月、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団のビル・ゲイツ氏と対話協議をされ、オミクロン株への対応も含め、同財団との連携を強化したい考えを示されました。日本はこれまで、公明党が後押ししてきたCOVAXへの支援を始め国際保健分野で世界をリードする貢献をしてまいりましたが、本年もCEPIやグローバルファンドの増資会合が開催される予定です。Gavi、ポリオ撲滅なども含め、これまで以上に力強い支援が必要と考えます。  また、施政方針演説で総理は、国際開発協会への拠出やTICAD8にも言及されました。  今や、開発途上国における感染症対策などグローバルヘルスへの取組は、国内、国際社会、ひいては経済や安全保障にも大きな影響を与える重要課題です。こうした観点から、中長期的な戦略をしっかりと持った支援も必要です。  国際保健分野における日本の更なる取組について、総理に伺います。  昨年の流域治水関連法の完全施行を受け、本格的な取組がスタートする流域治水について伺います。  近年の台風災害では、水害リスクの情報が明らかになっていない中小河川や下水道などがある地域で多くの浸水被害が発生しました。これを受け、令和四年度予算案では防災・安全交付金による財政支援が強化され、中小河川におけるハザードマップ等の水害リスク情報の充実や整備、市街地の浸水対策の加速が期待されます。  また、水害リスクを踏まえた町づくり、住まいづくりの積極的な推進も盛り込まれています。まずは次の出水期に向けた対策を加速するとともに、流域治水の新たな対策が効果を発揮できるよう取組をお願いしたい。国土交通大臣の答弁を求めます。  昨年、熱海で発生した土石流災害を受けて実施した盛土の総点検を踏まえ、令和三年度補正予算や来年度予算案には、災害危険性が高い盛土の撤去等を行う地方自治体への支援策が盛り込まれました。  昨年の臨時国会で私の質問に対し、政府は、対策強化のための新たな法整備を進める考えを示されました。住民の命と暮らしを守ることを第一に、危険な盛土等の造成に係る規制を抜本的に強化し、再発を確実に防止する仕組みが必要です。  斜面に設置された太陽光パネルなどによる土砂災害も相次いでいます。  再エネの導入拡大に向けては、地域環境への配慮や住民の理解醸成を含めた合意形成が重要ですが、同時に、自然災害での事故を受けて、太陽光施設をめぐる住民トラブルや、災害リスクの高い地域での再エネ導入を条例で制限する自治体も増えています。国として、安全対策の在り方について更なる検討が必要です。  盛土対策や再エネ施設の安全対策について、総理の答弁を求めます。  私は、気象災害情報の専門人材を生かした地域防災力を強化するため、気象防災アドバイザーの周知と活用を訴えてきました。  先月までに、全国で八十七名の方が気象防災アドバイザーとして委嘱され、今月十七日、気象防災アドバイザー推進ネットワークも設立されました。群馬県渋川市では、気象防災アドバイザーが、昨年八月の大雨災害で早期の避難情報の発令などを市に助言するとともに、平時においても地域防災計画の見直しや市民向けの防災講座に携わっています。  防災担当職員が不足する中で、災害発生が見通せる人材が必要であり、職員の人材育成や住民の防災意識の向上にもつながると高い評価を得ています。  先日は、南太平洋のトンガ付近で発生した火山噴火に伴い、日本でも津波が観測されましたが、いわゆる空振によるこれまでとは異なる潮位変化に、警報、注意報の発出をめぐり混乱もありました。この教訓を生かし、今後は、こうした事態の予測や防止、避難などについても気象防災アドバイザーの活用が対策の一助になると考えます。  気象防災アドバイザーの全国市町村への周知や普及、活用しやすい環境づくりについて、総理の答弁を求めます。  これまで公明党は、全国と地方のネットワーク力を生かし、各地の離島で行った現地調査を基に、党として離島振興ビジョンを策定するなど法改正を含めた離島振興に全力で取り組んできました。しかしながら、人口減少の進展や離島航路の維持など従来からの課題に加え、コロナ禍の影響による打撃も大きく、深刻な状況が続いています。  一方で、近年、魅力的な地域資源を生かした農水産品のブランド化や、交流・関係人口の増加にもつながる離島留学など新たな取組も広がりつつあります。加えて、遠隔医療の導入やリモートオフィスの整備などデジタル化の推進とともに、離島の持つ豊富な地域資源を活用した再生可能エネルギーなどグリーン産業の展開による雇用創出も期待されています。  離島振興法の期限が令和四年度末に到来することから、延長を含めて新たな視点で対策を盛り込んだ法改正を行うべきと考えます。  今後の離島振興対策について、総理に伺います。  以上申し述べたとおり、本年は、岸田内閣として、これまで取組が遅れていた日本の構造改革を本格的に進める年にしなくてはなりません。  長きにわたりコロナ禍と闘っている国民の皆様の御奮闘に報いるためにも、我々政治家が襟を正し、国民生活を守り豊かにする政治の責任を果たしてまいりたい。  公明党は、大衆とともにという不変の立党精神を胸に、本年も生活者の声を政治に届け、コロナ克服と力強い日本の再生に全力を挙げることをお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

岸田文雄自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山口那津男議員の御質問にお答えいたします。  予防、検査、早期治療のための体制強化についてお尋ねがありました。  ワクチンについては、必要なワクチンの更なる確保に努めつつ、高齢者への接種を加速するとともに、高齢者以外の一般の方五千五百万人についても一か月前倒しし、余力がある自治体では、順次、できるだけ多く、更に前倒しを行ってまいります。このため、自治体に対し大規模接種会場の設置などの取組を要請するとともに、政府としても自衛隊による大規模接種会場を設置するなど、自治体の取組を後押ししてまいります。  検査については、必要な方が確実に検査を受けられるよう、各都道府県に対し、全国で約三・五万ある診療・検査医療機関の更なる指定や対応期間の拡大を依頼するなど、体制の拡充を図ってきました。また、感染不安がある方が無料で検査を受けられる体制を全国で確保しており、検査体制が、検査結果が陽性になった方については速やかな医療機関の受診を周知徹底しています。  医療提供体制の確保については、在宅・宿泊療養に対応する地域の医療機関を全国で一・六万、全体像の計画を更に三割上回る体制を準備し、陽性と判断されれば、直ちに健康観察や訪問診療を実施するとともに、必要な方へのパルスオキシメーターの迅速なお届け、経口薬等へのアクセスの確保を徹底いたします。  国内におけるワクチン、治療薬の開発、生産体制等についてお尋ねがありました。  今後の感染症危機に備えるため、新たな創薬手法による産学官の実用化研究を集中的に支援するとともに、世界トップレベルの研究開発拠点の形成、ワクチン製造拠点の整備などに取り組み、ワクチン開発、生産体制の強化を進めてまいります。また、国産の治療薬の研究開発などを積極的に支援するとともに、国民の安全、安心を確保できるよう、治療薬の確保に最大限取り組んでまいります。  薬事承認制度については、息の長い感染症対応体制の強化策として、まずは、安全性の確認を前提に、迅速に薬事承認を行う仕組みを創設いたします。  クリーン化、失礼、グリーン化を通じた社会経済構造の転換についてお尋ねがありました。  気候変動問題は、新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題であると同時に、世界が注目する成長分野でもあります。この分野への投資を早急に、少なくとも倍増させ、脱炭素の実現と新しい時代の成長を生み出すエンジンとしていきます。こうした観点から、クリーンエネルギー戦略を策定し、経済社会変革の道筋の全体像をお示ししてまいります。  具体的には、送配電インフラ、蓄電池、再エネ始め水素、アンモニアなどの非炭素電源、需要側の産業構造転換、環境性能に優れた住宅や自動車の普及、地域社会が主体的に進める脱炭素化の取組の後押しや、企業、地域による環境に配慮したポイントの発行などを通じたライフスタイルの転換、こうした多くの論点に方向性を見出してまいります。  気候変動問題に対応し、我が国の経済社会を炭素中立型にしていくという歴史的な変革を実現するため、政府一丸となり検討を進め、実行に移していきます。  そして、地方の5G整備、マイナポイント事業のサポート強化についてお尋ねがありました。  5G基地局の全国展開は、デジタル田園都市国家構想を実現するためにも重要です。三月までに策定する整備計画において、現在三割程度の人口カバー率を二〇二三年度には九割以上に引き上げる計画を盛り込んでまいります。  あわせて、地域で活躍するデジタル推進人材について、経済界や教育機関等と協力し、二〇二二年度末までに年間二十五万人、二〇二四年度までに年間四十五万人育成できる体制を構築し、二〇二六年度までに累計で二百三十万人確保いたします。  マイナンバーカードについては、二〇二二年度末までにほぼ全国に行き渡ることを目指して取り組んでおります。市区町村における申請サポートの取組や臨時交付窓口の設置に対する財政措置を講じており、申請促進や交付体制の強化、支援してまいります。  マイナポイント第二弾に際しては、スマートフォン等によるポイント取得が困難な皆様のサポートのため、コンビニエンスストアなど全国約九万か所に配置してきた端末を充実強化するほか、現在、携帯ショップなど全国約二千か所で開催しているマイナポイントの申込方法などに対する講習会を年度内、あっ、来年度は約三千か所に拡充するなど、身近なところでの取組を強化します。  賃金の現状と賃金を上げるための対策についてお尋ねがありました。  我が国の低い経済成長と長引くデフレにより、賃金は、失礼、企業は賃金を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制した結果、需要が低迷し、デフレが加速、企業に賃上げを行う余力が生まれにくい悪循環であったと考えます。その後、アベノミクスによりデフレではない状況をつくり出し、二%程度の賃上げを実現したものの、二〇二〇年以降は賃上げ率が再び低下傾向となっています。賃上げに向けては、まずは国が先導して公的価格を引き上げるとともに、賃上げ税制の大胆な拡充を行います。  さらに、中小企業が賃上げの原資を確保できるよう、転嫁円滑化施策パッケージに基づき、公正取引委員会と中小企業庁の連携強化、下請法や独占禁止法の執行強化、下請Gメン倍増による監督体制強化等の下請対策の強化に取り組みます。  さらに、人への投資の抜本強化にも取り組むこととしており、三年間で四千億円規模の施策パッケージにより、民間ニーズを反映しつつ、デジタルやグリーンなど成長分野への労働移動の円滑化や人材育成を強力に推進してまいります。  女性活躍の推進策についてお尋ねがありました。  女性活躍、男女共同参画は、全ての人が生きがいを感じられる、個性と多様性を尊重する社会を実現するために極めて重要です。また、我が国の経済社会の持続的発展にもつながるものです。他方、議員御指摘のとおり、現状では、企業の女性役員比率が低い、男女の給与格差が存在するなどの課題も存在いたします。  政府としては、第五次男女共同参画基本計画を着実に実行するため、女性デジタル人材の育成や男女の賃金格差の是正など女性の経済的な自立、DV対策の抜本的強化など女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現、男性の育児休業取得の強力な推進など男性の家庭、地域社会における活躍、公共調達を活用した女性活躍企業の優遇など女性の登用目標達成、この四つを柱とし、女性版骨太の方針として本年夏までに具体策を取りまとめ、女性が直面する課題を政府全体で一つ一つ全力で解決してまいります。  こども家庭庁の役割等についてお尋ねがありました。  子供政策は、議員御指摘のとおり、中長期的視点に立って強力に推進していくことが重要です。そのための基盤として、今般、子供目線に立って、縦割りを排した行政を進めるための司令塔としてこども家庭庁を創設することといたしました。  子育て・教育支援は、政府の最重要課題の一つとして、これまでも安定財源を確保しつつ、ライフステージに応じた様々な支援を充実させてきたところです。  今後、こども家庭庁の下、子供政策を我が国社会のど真ん中に据えて進めていく中で、子供政策を更に強力に進めるため、必要な政策について国民各層の理解を得ながら幅広く検討を進め、安定財源の確保を図りつつ、支援を充実させてまいります。  人への投資と求職者支援制度等のセーフティーネットの強化についてお尋ねがありました。  人への投資を抜本的に強化するため、三年間四千億円規模の施策パッケージを創設し、デジタルなど成長分野への労働移動の円滑化や人材育成を強力に推進してまいります。パッケージの実施に当たっては、民間の企業や働く労働者の皆さんからアイデアを広く募り、教育訓練の内容の充実や受講しやすい環境の整備など、民間ニーズに即した支援を行ってまいります。  また、非正規雇用労働者等のセーフティーネットを強化するため、無料の職業訓練と月十万円の給付金を支給する求職者支援制度の要件緩和をする特例を設けており、制度の積極的な活用を進めてまいります。  医療、介護の提供体制についてお尋ねがありました。  次期医療計画や介護保険事業計画については、各自治体における策定に先立ち、国において基本方針等を示すこととしており、今般の新型コロナ対応で得られた知見や課題も踏まえ、必要な検討を進めてまいります。  また、地域医療構想の推進や地域包括ケアシステムの構築については、二〇二五年に向けて、地域の実情を十分踏まえつつ、地方自治体と連携して取組を着実に進めてまいります。  あわせて、全世代型社会保障構築会議において、持続的な社会保障の構築に向けて、中長期的な視点に立った医療、介護の提供体制を含め総合的な検討を行ってまいります。  孤独・孤立対策についてお尋ねがありました。  孤独・孤立対策については、昨年末に政府として初めて取りまとめた重点計画に沿って、ヤングケアラーを始め当事者の目線や立場に立って施策を推進してまいります。その中で、御指摘の検討課題についても、早期の実現に向け、政府一丸となって検討を進めてまいります。  核兵器のない世界に向けた国際賢人会議及び核廃絶に向けた日本の役割と貢献についてお尋ねがありました。  私が施政方針演説において立ち上げを表明した核兵器のない世界に向けた国際賢人会議では、核兵器国と非核兵器国、さらには核兵器禁止条約の参加国と非参加国からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて知恵を出し合い、核兵器のない世界の実現に向けた具体的な道筋について自由闊達な議論が行われるようにしたいと考えています。  私が外務大臣時代に立ち上げた賢人会議には、各国からの有識者に御参加いただきました。今回の国際賢人会議には、内外の有識者の参加に加え、各国の現職や元職の政治リーダーにも何らかの形で関与していただき、核兵器のない世界に向けた国際的な機運を高める会議にしていきたいと考えております。  本日、唯一の同盟国である米国との間で、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であるNPTに関する日米共同声明を発出いたしました。今夜のバイデン米国大統領とのテレビ電話会談でも、核兵器のない世界に向け、共に取り組んでいくことを確認したいと考えております。  アジアでの多国間の安全保障対話の枠組みについてお尋ねがありました。  アジアでは、ASEANが地域協力の中心として重要な役割を担い、東アジア首脳会議、EAS、ASEAN地域フォーラム、拡大ASEAN国防相会議など、米中ロも参加する多層的な地域協力の枠組みがあります。  また、ジャカルタにおいては、EASメンバー間の大使級会合が設立され、常日頃意見交換が行われるなど、この地域においても常設の対話のメカニズムがつくられています。  我が国としては、ASEAN中心性を尊重しており、引き続き、こうした枠組みへの積極的な貢献及びその強化に取り組み、地域の安全保障枠組みの強化に取り組んでいく考えです。  国際保健分野での日本の取組についてお尋ねがありました。  議員御指摘のとおり、グローバルヘルスへの取組は、国内外、さらには経済や安全保障といった幅広い分野に大きな影響を与える重要な課題です。  新型コロナ対応などグローバルヘルスで重要な役割を果たしているCEPI、Gavi、グローバルファンドなどに対して、我が国はこれまで世界をリードする貢献をしてまいりました。今後いかなる貢献が可能かについて、引き続き真剣に検討してまいります。  いずれにせよ、我が国は、中長期的な戦略的観点を踏まえ、新型コロナ対応にとどまらない幅広い保健分野における国際的な取組を牽引していく決意です。こうした取組を通じて、人間の安全保障の理念に基づき、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指してまいります。  盛土対策や再エネ施設の安全対策についてお尋ねがありました。  危険な盛土に対する規制については、これまで規制を掛けることができなかった地域も含め、全国一律の安全基準により盛土行為を許可制にするなど、危険な盛土を包括的に規制する法制度を構築することとしています。また、この法制度では、太陽光パネルの設置のための盛土についても規制対象に含めることとし、安全基準への適合を求める予定です。  こうした地盤の安定性に加え、太陽光発電設備の設置者には、電気事業法に基づく設備としての安全確保のための技術基準への適合が求められるところですが、更なる設備の安全対策についても検討してまいります。  気象防災アドバイザーの周知等についてお尋ねがありました。  災害が激甚化する中で、全国の自治体の防災力を向上することは、地域の住民の安全を守るために重要です。気象防災アドバイザーは、専門的な知見に基づいて防災気象情報を読み解き、自治体の防災対応について助言できる人材であり、住民の命と生活を守るため重要な役割を担っています。  今後も、自治体への周知、普及を図るため、気象防災アドバイザーの活用に関する自治体トップへの働きかけを行ってまいります。  また、気象防災アドバイザーとなり得る人材を確保し、自治体が活用しやすい環境づくりを進めるため、気象、予想、予報士を対象とした育成事業を刷新するとともに、気象防災アドバイザー推進ネットワークによる人材確保の取組も新たに進めてまいります。  さらに、頻発する災害を教訓とした防災気象情報に関する新たな気象庁の取組などについても気象防災アドバイザーに情報共有し、より一層自治体で活躍いただくよう取り組んでまいります。  今後の離島振興対策についてお尋ねがありました。  離島は、多様な文化の継承や自然環境の保全など重要な役割を担う一方、人口減少の進展やコロナ禍の影響などによって厳しい状況にあります。このため、医療、介護、教育の確保、離島航路の維持など住民生活を支える取組はもちろんのこと、魅力的な地域資源の磨き上げやデジタル化による遠隔医療などの導入、風力、潮力などの再生可能エネルギーの活用といった離島の新たな試みを推進していくことが重要です。  政府としては、離島振興法改正に向けた各党の議論も踏まえながら、今後の離島振興にしっかりと取り組んでまいります。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕

斉藤鉄夫公明党国土交通大臣

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 山口議員から、流域治水の本格的な実践についてお尋ねがありました。  まずは、今年の出水期に向けて、今年度の補正予算も活用して河道掘削等の事前防災対策を加速してまいります。さらに、近年、内水被害が頻発している中上流域や支川合流部における対策として、流域のあらゆる関係者と協力しながら、協力して働きながら、遊水地や輪中堤、雨水貯留施設や排水ポンプ等の整備を進めてまいります。  あわせて、土地利用や住まい方の工夫として、浸水頻度を示した水害リスクマップを新たに整備し、家屋の居室の高さを浸水が想定される深さ以上に確保する区域の指定や企業の事業継続計画の策定に活用できるよう取り組んでまいります。  これらの抜本的な対策により流域治水を本格化し、水災害に強い国土づくりに全力で取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────

山東昭子各派に属しない議員議長

○議長(山東昭子君) 舟山康江さん。    〔舟山康江君登壇、拍手〕

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。  会派を代表し、政府四演説に対して、岸田総理に質問します。  初めに、新型コロナ対策についてお伺いします。  新型コロナウイルスとの闘いも、はや三年目となりました。ほんの一月前までは収束への明るい兆しが見えていたのもつかの間、オミクロン株の出現で感染が再拡大し、過去最多の感染者数の更新が続いています。  一方で、オミクロン株に関しては、感染力は強いが重症化率は低いとの報告が相次いでいます。総理も、過度に恐れることなく、最新の知見に基づく対応を冷静に進めたいとしていますが、政府としてオミクロン株の特性をどのように分析しているのか、具体的にお聞かせください。  弱毒ウイルスを相手に強毒ウイルス対策を適用し続けると、医療、社会、経済は崩壊してしまいます。客観的に分析し、重症化率が低ければ、これまでの対策を根本的に見直す必要があると考えます。  今般、ワクチンの接種証明やPCR検査などによる陰性証明を確認して行動制限を緩和するワクチン・検査パッケージの一時停止の方向が決まり、現場では混乱が広がっています。ワクチンによるオミクロン株の感染予防効果が薄いということが停止の理由とされていますが、ワクチン接種の目的は、感染自体の予防よりも発症、重症化を防ぐためではなかったのですか。官邸のホームページにもそのように書いてあります。  国民民主党は、感染対策を徹底しながらも、豊かな人間社会の回復こそが必要との観点から、動かすことに重点を置くべきだと昨年から主張を重ねてまいりました。その観点からも、ワクチン・検査パッケージは感染対策と社会経済活動の両立を図るための有効な手段であり、むしろ検査はエッセンシャルワーカー、一般の国民それぞれでもっと拡充すべきです。そして、陰性を確認して動かす。重要なのは、感染者数ではなく、重症者数やその割合、死亡率であり、この数値こそ大きく取り上げるべきです。いかがですか。  また、現在、十六都県でまん延防止等重点措置が適用され、飲食店への時短要請が行われていますが、その効果と根拠をお示しください。  感染症から身を守ることも大事ですが、心の健康、社会の健康をどう取り戻すのか、これこそが大事な視点です。とりわけ、総理にお願いしたいのは、子供たちへの配慮です。専門家の研究では、長引くマスク生活や行動制限による運動能力の低下や、不安やストレスなど精神的問題、発達の遅れなどが強く懸念されており、子供の活動の制限はできるだけ行わないように十分な配慮をお願いします。また、文部科学省が対面授業をできるだけ推進している中、依然としてオンライン主体の大学も見受けられます。  コロナ禍から豊かな人間社会を回復するためにどう取り組むのか、とりわけ、子供たちの健全な成長に向けてどのような方針で取り組むのか、見解をお伺いします。  次に、岸田政権が掲げる新しい資本主義についてお伺いします。  さきの施政方針演説を始め総理は、新自由主義的な考え方が生んだ様々な弊害を乗り越えと再三述べ、これまでの経済政策の間違いを認めています。間違いを認め、正しい方向に修正する姿勢には敬意を表します。  格差や貧困の拡大、気候変動問題の深刻化、健全な民主主義の危機などを新自由主義的な政策や政治姿勢の弊害の典型と位置付け、是正する具体策として新しい資本主義を唱えているものと理解しています。  新しい資本主義にかじを切る上で、安倍政権、菅政権のどのような新自由主義的な政策が間違っていたと考え、どう改めるのか、具体的にお聞かせください。  当初、総理は、是正策として分配を強調されていましたが、最近は、まずは成長と強調するようになりました。これでは、これまでの政策との違いがよく分かりません。  昨年末、フランスに拠点を置く世界各国の経済学者などによる研究グループがレポートを公表しました。この中で、世界の一%の富裕層だけで全体の四割近くの個人資産を保有し、同様に日本では二五%保有しているとの最新の調査結果を示した上で、大規模な富の再分配なくして二十一世紀の課題に取り組むことはできないとして、高額所得者を対象にした富裕税や多国籍企業への課税が必要だとの指摘を行っています。成長も分配もと欲張るのではなく、まずは分配を行うべきではないでしょうか。  また、こうした現状の格差は成長のためには容認すべきものか、是正すべきものか、認識をお伺いします。  総理は、格差是正のために、総裁選において一億円の壁の問題を指摘し、金融所得課税の見直しにも言及していました。一億円を境に実質負担率が大きく下がる今の不公平税制を早く是正するべきであることは全く同感です。  金融所得課税の見直しの検討状況はどうなっていますか。また、国民民主党が提案している金融所得の総合課税制度への移行、あわせて、所得税の累進強化に対する総理の見解をお聞かせください。  続いて、社会保障、社会給付の在り方についてお尋ねします。  昨年末の補正予算審議において、クーポンか現金かで物議を醸した子育て世帯への臨時特別給付は、政策目的がよく分かりませんでした。困窮者対策なのか、子育て支援なのか。困窮者対策なら十八歳以下の子育て世帯に限定する理由が不明であり、子育て支援なら所得制限九百六十万円未満の根拠が不明です。  いずれにせよ、制度の目的と手段の整合性が取れていないと考えますが、子育て世帯への臨時特別給付の政策目的は何か、その手段として年齢制限、所得制限は妥当だったのか、答弁をお願いします。  そもそも、日本は子育てに厳し過ぎると指摘されています。少子化対策や子供政策を積極的に進めていくことも喫緊の課題であり、また、中間層の維持が必要と施政方針演説でも言及されていますが、そうであれば、子育てや教育への支援に対する所得制限は撤廃し、どのような所得階層であっても子供を産み育てることが経済的な負担にならないよう、いや、むしろ経済的恩恵を付与するぐらいの思いで、まさに社会全体で支援するべきではないですか。  この観点でいえば、昨年五月の児童手当法の一部改正により、今年十月から年収一千二百万円以上は特例給付がなくなることも大問題です。  昨年七月、内閣官房兼内閣府の規制改革・行政改革担当大臣直轄チームのメンバーによる、政府による社会給付に関わる所得制限の横断的整理と課題というレポートが公表されています。この中では、所得制限の根拠が不明である給付や、給付後の実質的な収入の逆転現象について指摘されています。給付に当たって所得制限を付ける場合の根拠や考え方があれば教えてください。  加えて、トータルコストを考えた場合、仕分けなどに人的・物的経費が掛かる制限付給付と一律給付と、どちらが効果的なのかも比較検討すべきです。  また、百三万円の壁など、税制や社会給付が働き方の抑制や不公平の原因になっている側面もあります。いわゆる中間層に対しては、所得制限によって給付も限定的である上、平成二十三年から年少扶養控除も廃止されるなど、社会の支え手として大きな貢献をしている割には受益が余りに少ないと、こんな不公平感もあります。  総理、全世代型社会保障構築会議において、所得制限の矛盾や逆転現象のほか、制限付給付に要するコスト、第三号被保険者の在り方も併せて御議論いただき、本当の意味で子育てしやすい環境の整備、中間層の復活に向けた大胆な支援へとかじを切っていただきたいと考えますが、いかがですか。  続いて、給料が上がる経済についてお伺いします。  格差とともに問題なのは、賃金が上がっていないことです。この三十年間、欧米や韓国などで賃金が上昇する中、日本の実質賃金はほとんど上がっていません。OECDの調査によると、時間当たりの名目賃金上昇率は過去二十一年間でマイナス八・二%、このように日本の賃金が上がらない理由は何か、また、これを改善するにはどのような具体策が必要と考えるか、お伺いします。あわせて、派遣労働や外国人技能実習生が賃金水準に与えている影響をどのように分析し、今後の対策に生かしていくか、お聞かせください。  また、賃上げを促進するために、賃上げ税制の拡充が検討されていますが、これまでの賃上げ税制の効果をどのように分析していますか。法人税からの税額控除では、赤字法人や、既に自助努力で高い賃金を実現している事業者には恩恵がないとの批判の声を耳にしています。このため、国民民主党は、年末にまとめた令和四年度税制改革についての考え方の中でもお示ししているとおり、賃上げ税制に関して、過去の賃上げの状況を加味しつつ、法人税を対象にするよりも、法人事業税、固定資産税を対象にした方が効果的と考えますが、総理の見解をお聞かせください。  コロナ禍により、リスクを引き受けながらも最前線で仕事を続ける医療、介護、保育、流通などに携わられているエッセンシャルワーカーの方々に、私たちの生活、日常生活を支えていただいていることを再認識することになりました。本当にありがとうございます。にもかかわらず、そうしたエッセンシャルワーカーの待遇は、残念ながら決して高くありません。  この点、看護師や介護職員、保育士などの賃金引上げという政策の方向性は評価します。ただ、今年の二月から九月までコロナ医療を担う医療機関の看護師等の賃金を一%、月四千円程度、介護士、保育士は三%、月九千円程度の引上げを図るだけでは金額的にまだまだ不十分であり、また、実際に処遇改善に充てられるかも疑問です。看護師や介護士、保育士などの賃金を抜本的に引き上げるには、本来は労働分配率の引上げで対応すべきと考えますが、総理の所見を伺います。  賃上げへの期待が高まる一方で、ここに来て物価は上昇に転じています。特に企業物価指数は、昨年十一月にプラス九・二%、十二月にプラス八・五%になるなど、十か月連続で前年の水準を上回り、昨年の企業物価指数は前年比四・八%、比較可能な昭和五十六年以降最大の伸び率を記録しました。  しかし、今般の物価上昇は資源価格高騰と円安によるものであり、望ましいものとは言えません。何より賃金が上がらない中で、消費者の購買意欲は低く、企業は価格転嫁できず、ますます経営が厳しくなる現状に直面しています。消費者物価指数は上昇とはいえプラス〇・六%で、企業物価指数に比べれば低く、日本は今や先進国でも物価が安い国になっています。原材料価格の高騰を適正に価格に転嫁できる環境整備を進めるとしていますが、物価、特に原材料価格高騰対策と価格転嫁に向けた具体策をお聞かせください。  構造的な経済の低迷に対処するため、国民民主党は、賃金上昇率が安定的に物価上昇率プラス二%になるまで、消費税率を一〇%から五%に引き下げることを提案しています。給料が上がらないから物が売れない、物が売れないから企業収益が上がらない、だから給料を上げられない。景気低迷の悪循環を断ち切るために消費税減税を行うべきと考えますが、総理の御決断をお願いします。  給料が上がる経済を実現するためには、産業や企業の発展も不可欠です。今や避けては通れないデジタル化やカーボンニュートラル化を進めるという方向性は示されているものの、具体策が見えません。国民民主党は、この分野の投資促進のため、ハイパー償却税制を提案していますが、いかがですか。  国民民主党は、給料が上がる経済の実現を目指し、消費税率引下げや投資や賃上げの促進税制、金融所得課税を含む所得税の総合課税化など、税制改正法案の提出を予定しています。中小企業者に大打撃となるインボイス制度の導入中止も盛り込んでいることを併せて申し添えます。  続いて、コロナ禍を教訓にして、目指すべき社会像について順次お伺いします。  コロナ禍により、人間の生命や暮らしを守る上で、利益の追求を図る資本主義の原理だけでは成り立たない分野があることも痛感させられました。  世界的な経済学者で、晩年はTPPを考える国民会議代表世話人を務めていただいた東京大学名誉教授の故宇沢弘文先生は、社会活動全体を、自由な経済活動に委ねる分野と、医療や教育、農業、自然環境など人間の暮らしを支える分野に分け、後者を社会的共通資本と位置付け、利益を追い求める対象にすべきではないと主張されました。まさに、教育や福祉などの社会的共通資本を充実させている北欧諸国は、先端技術が発達し、国際的な大企業も多く、幸福度も高いことは注目に値します。  日本も、医療や教育、農業、自然環境などを社会的共通資本として制度的に位置付け、充実を図る方向を目指すべきと考えますが、総理の認識をお伺いします。  コロナ禍により、食料についても海外依存のリスクを痛感させられました。にもかかわらず、経済安全保障から農業が抜け落ちていることに非常に違和感を覚えます。食料が自給できない国は真の独立国ではない、かつてフランスのドゴール大統領が述べたとおり、食料自給こそ最大の安全保障ではないのか、総理の見解を伺います。  また、政府は依然として規模拡大を目指していますが、完全に世界の潮流に乗り遅れています。欧米では既に、経済活動、つまり農業生産への支援から、農地すなわち国土の保全への支援、さらには農地に付随する気候変動対応や生物多様性保護といった公益性支援に移行しており、条件不利地域政策や中小規模農家への支援が充実しています。毎年のように豪雨などによる災害が多発する中、流域治水で果たす農地の貢献も大いに評価されるべきです。  いつまでも競争力強化の呪縛にとらわれることなく、欧米では当たり前の直接支払の充実を図るなど、まさに社会的共通資本として農業を位置付ける方向へとかじを切るべきではないか、見解をお聞かせください。  さて、企業経済活動において欠かせないのは、環境への負荷軽減に加え、人権への配慮です。自社や取引先の企業において人権侵害発生リスクの特定と対処が求められており、今や人権への配慮なくしてビジネス自体が成り立ちません。  国連では、二〇一一年にビジネスと人権に関する指導原則が採択され、イギリス、フランス、オーストラリア、オランダ、ドイツは既に法制化、他国も法制化の動きが加速しています。これに対して、日本においては、国別行動計画がようやく策定されたものの、国際的に見ても人権問題に対する取組が立ち遅れています。  現在、超党派の議員連盟で、これらに対応する人権デューデリジェンス法案を準備していますが、本来、政府の責務として取り組むべきと考えます。総理の御決意をお願いします。  人権問題は対岸の火事ではありません。昨年七月、アメリカ国務省の人身売買報告書で、日本の外国人技能実習制度が人身売買に当たるとし、低賃金労働の問題に加え、母国の送り出し機関への多額の借金問題について政府が放置していることも併せて指摘されていますが、政府の対応状況についてお聞かせください。  また、外交演説では、表現は弱いものの、ウイグル自治区の人権状況についても深刻に懸念と表明しています。政府としてウイグルの人権状況をどのように把握し、何について懸念しているのか、そしてどのように対処するのか、総理の決意をお願いします。  国民民主党は、さきの衆院選の公約で、積極財政への転換と並んで、給料が上がる経済や人づくりこそ国づくりを掲げました。施政方針演説で総理が表明した賃上げや人への投資は、私たち国民民主党の公約を参考にしていただいたのかと思うぐらいであり、大きな方向性に異論はありませんが、具体策がまだ弱いと感じています。その実現に向け、私たちは現場の声に耳を傾け、その声をしっかり受け止め、これまで同様、様々な政策提言を行っていきます。  総理におかれましては、聞く力を持って柔軟に私たちの提案を受け入れていただきますことをお願い申し上げ、私の代表質問といたします。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

岸田文雄自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 舟山康江議員の御質問にお答えいたします。  オミクロン株の特性についてまずお尋ねがありました。  オミクロン株については、厚生労働省の専門家組織から、感染力が高いが、感染者の多くは軽症、無症状であり、重症化率は低い可能性が高い、他方で、高齢者等で急速に感染が広がると重症者が発生する割合が高くなるおそれがある、こうした分析が報告されており、政府としても、このような見解に基づき必要な対応を進めています。  そして、オミクロン株の対策についてお尋ねがありました。  ワクチン・検査パッケージについては、オミクロン株による感染が急速に拡大する中、ブレークスルー感染の増加等が指摘されていることを踏まえ、当面一時的に停止することを原則としつつ、知事の判断で引き続き適用することも可能とさせていただいております。  検査については、感染不安がある方が無料で検査を受けられる体制を全国で確保しています。より多くの方が検査を容易に受けられるよう、政府として、都道府県や関係団体と連携しながら、検査拠点の増加に取り組んでいるところです。  また、オミクロン株について、専門家から、社会経済活動の広範な制約ではなく、マスクを着けずに大声で会話をするリスクの高い場面での人数制限などが諸外国の例を見ても有効である、こうした指摘がありました。そのため、大人数、長時間の飲食や酒を伴う飲食など感染リスクが高まる行動をできる限り避けるといった観点から、飲食店の時短要請等、オミクロン株の特性を踏まえためり張りの利いた対策を講じることとしております。  コロナ禍での子供の健全な成長についてお尋ねがありました。  新型コロナの流行下においても、乳幼児健診や予防接種、母子保健事業など子供たちの健康を守る事業は、オンライン化や個別化をしながら継続をしています。また、特に二歳未満の乳幼児はマスク着用が奨励されないことや、就学前の子供に無理にマスクを着用させる必要がないことなどについて、厚生労働省のホームページ上で周知をしています。  学校については、学校の衛生管理マニュアルを作成し、学校の教育活動が継続できるよう、地域の感染状況に応じた具体的な感染症対策を示しています。  大学についても、学生の学修機会の確保と感染対策の両立を図ることが重要であると考えており、学生目線での教育活動を継続いただくよう、引き続き促してまいります。  今般のオミクロン株の流行下では子供の感染も比較的多く発生していますが、日常生活を継続しつつ感染拡大防止を図ることが子供の健全な成長という観点からも重要であると考えています。  新しい資本主義についてお尋ねがありました。  アベノミクスは、デフレでない、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、そして雇用を拡大しました。  岸田政権では、アベノミクスなどの成果の上に、市場、競争に全てを任せるのではなく、官と民が協働して、格差を含む市場の失敗、外部不経済を是正する仕組みを成長戦略と分配戦略両面から、資本主義の中に埋め込み、そうした課題を解決しながら成長と分配の好循環を生み出してまいります。  このように、岸田政権は、成長か分配かではなく、成長も分配もが基本的なスタンスであります。増税ではなく、分厚い中間層を復活させるための十分な分配の原資をつくり出すため、まずは成長戦略、これを実行いたします。デジタル化、気候変動問題への対応などの社会課題の解決を図るとともに、これまで日本の弱みとされていた分野に官民の投資を集め、成長のエンジンへと転換をしていきます。  その上で、成長の果実を広く国民お一人お一人に分配することで、成長を支える新たな需要を創出し、次の成長につなげてまいります。分配を成長の道筋としてど真ん中に位置付け、分配や格差の問題にも正面から向き合ってまいります。  金融所得に対する課税の在り方については、令和四年度の与党税制改正大綱において、税負担の公正、公平性や、確保、あっ、税負担の公平性を確保する観点や、一般投資家が投資しやすい環境を損なわない観点などを踏まえ、総合的に検討することとされているところであり、今後、与党の税制調査会等の場で議論が行われていくと考えております。  また、所得税の累進性を更に引き上げることについては、これまでも所得再分配機能の強化を含め様々な改正を行っており、今後も、成長と分配の好循環の実現に向け、総合的に検討を続けてまいりたいと思います。  子育て世帯への給付についてお尋ねがありました。  子育て世帯への給付は、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を開く観点から、新型コロナが長期化し、その影響が様々な人々に及ぶ中、特に影響の大きい子育て世帯を対象として、ゼロ歳から高校三年生までの子供たちに一人当たり十万円相当の給付を行うこととしたものです。迅速に支給するため児童手当の仕組みを活用しており、所得制限を設けた場合でも、給付を行う必要性の高い子育て世帯に対しては幅広く支援を行うことができると考えております。  こうした取組を通じて子ども・子育て支援を推進し、少子化の克服と子供を産み育てやすい社会の実現、しっかり目指してまいりたいと考えています。  児童手当の見直し等についてお尋ねがありました。  子育て世帯に対する支援としては、安心して子供を産み育てられる環境を実現するため、これまでも保育の受皿整備や幼児教育、保育の無償化などを行い、子育て世帯全体への支援を拡充してきたところです。  児童手当の特例給付の見直しについては、総合的な少子化対策を進める中で、長年の課題である待機児童問題の解決を図ることと併せて行った、全体のバランスを考えた上での対応だと考えています。また、各制度において所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれ判断されるものであると承知をしています。  全世代型社会保障構築会議では、男女が希望どおり働ける社会づくり、若者世代の負担増の抑制、女性の就労の制約となっている制度の見直し、また子育て支援など、社会保障制度を支える人を増やし、能力に応じてみんなで支え合う持続的な社会保障制度の構築に向け議論を進めてまいります。  賃金の現状と賃金を上げるための対策についてお尋ねがありました。  この三十年間の我が国は、バブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレにより、企業は賃金抑制をし、消費者も将来不安などから消費抑制をした結果、需要が低迷しました。その後、アベノミクスにより二%程度の賃上げを実現したものの、近年、賃上げ率が再び低下傾向となっています。  その中で、全雇用者に占める派遣労働者の割合は二〇二〇年平均で二・三%、技能実習生の割合は二〇二一年六月末の時点で〇・六%であり、これらの方々の全体の賃金水準に与える影響は限定的と考えられます。  賃上げは、税制のみならず、企業収益や雇用情勢等に影響を受けるものであり、税制の効果だけを定量的に測ることは難しいものの、アベノミクスの取組の中で二%程度の賃上げを達成してきており、税制も寄与してきたものと考えております。賃上げに向けては、賃上げ税制の拡充に加え、公的価格の引上げ、中小企業が適正な価格転嫁を行うための環境整備など、あらゆる施策を総動員し、国民一人一人の所得を引上げに取り組んでまいります。  そして、看護師等の賃上げについてお尋ねがありました。  医療や介護、保育等に従事する方々の勤務環境や処遇の改善は大変重要な課題であると認識をしており、本年二月から九月までの補助金による処遇改善については、現場の方々に確実に行き渡るよう、補助金を全額給与引上げに充てたことを自治体において確認する仕組みとしております。  また、今般の措置が継続的なものになるよう、本年十月以降、看護、介護については診療報酬改定、介護報酬改定により、保育については公定価格の見直し等により措置することとしております。その際、例えば給与引上げの実績報告を求めている介護の処遇改善加算の仕組みを参考に、予算措置を確実に賃金に反映させるための措置を講じてまいります。  原材料価格高騰対策、そして価格転嫁に向けた具体策及び消費税率引下げについてお尋ねがありました。  原油価格高騰対策としては、国民の皆さんが春先まで見通せるように、農業や漁業等に対する業種別対策をきめ細かく実行いたします。加えて、ガソリン、灯油の過激な、失礼、急激な値上げに、値上がりに対する備えとして、激変緩和事業を行う体制を構築いたしました。また、灯油購入費の助成など、地方自治体が行う原油価格高騰対策に要する経費に対し、特別交付税措置を講ずることとしております。  また、中小企業が賃上げの原資をしっかりと確保できるようにするため、価格転嫁円滑化のための施策パッケージに基づき、公正取引委員会、中小企業庁と関係省庁が連携して対応するスキームの創設、下請代金法や独占禁止法の執行強化、また下請Gメンの倍増などにより取組を進めてまいります。  なお、消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から社会保障の財源として位置付けられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。  そして、ハイパー償却税制についてお尋ねがありました。  デジタル、環境分野における民間企業の投資を促進するため、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制やカーボンニュートラル投資促進税制など、必要な税制措置を講じております。  ハイパー償却税制の御提案をいただきましたが、政府としましては、今申し上げたような税制の取組によって、デジタル化や気候変動問題への対応といった成長分野における民間投資を促していきたいと考えております。  そして、目指すべき社会像についてお尋ねがありました。  岸田政権では、市場に任せれば全てがうまくいくという考えが生んだ貧困や気候変動問題など、様々な弊害を是正する仕組みを、成長戦略と分配戦略の両面から、資本主義の中に埋め込み、社会課題を解決しながら成長を実現することで持続可能な経済社会を目指してまいります。  御指摘の医療や教育、農業、そして自然環境などについては、こうした新しい資本主義に基づく持続可能な経済社会を目指す上でも基盤となる重要なものであると考えております。  また、食料安全保障と農業への直接支払についてお尋ねがありました。  食料の安全供給に、供給を将来にわたって確保していくことは、国家の国民に対する最も基本的な責務の一つであり、私の内閣においても、食料を含めた総合的な観点から安全保障の取組を進めていく考えです。食料安全保障の確立に向け、輸出促進体制の整備や、デジタル技術の実装を通じたスマート化による生産性向上により農林水産業の成長産業化を進め、国際競争にも負けない足腰の強い農業を構築してまいります。  あわせて、多面的機能法に基づく日本型直接支払制度を着実に実施するとともに、地域ぐるみで脱炭素化、化学農薬・肥料の低減に取り組む農業者を支援し、農業の多面的機能を維持してまいりたいと思います。  そして、人権デューデリジェンス法整備、そして米国国務省人身取引報告書及び新疆ウイグル自治区の人権状況についてお尋ねがありました。  私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しており、初めて任命した専任の補佐官とともにしっかり取り組む覚悟です。  人権デューデリジェンスについては、二〇二〇年十月に政府が策定した行動計画において、企業による導入促進を期待する旨を表明しており、そのために政府として企業の意識啓発などの取組を行うとともに、昨年十二月に中谷総理補佐官の下に設置した関係府省庁会議も活用しながら、必要な施策、検討し、そして推進してまいります。  米国国務省人身取引報告書については、同報告書は米国が国内法の基準に照らして独自に作成したものであり、報告書の個々の内容についてコメントする立場にはないと考えております。  その上で、技能実習制度については、平成二十九年十一月に施行された技能実習法に基づき、外国人技能実習機構による実地検査、不適正な受入れ企業等に対する技能実習計画の認定の取消し、技能実習生からの母国語相談対応、二国間取決めによる送り出しの適正化、こうした取組を行っており、政府としては、これらの取組を通じて制度の一層の適正化、努めてまいります。  そして、新疆ウイグル自治区に関しては、重大な人権侵害が行われているとの報告が数多く出されており、我が国としても、同自治区の人権状況については深刻に懸念をしています。  我が国としては、人権を始めとした普遍的価値が中国においても保障されることが重要であると考えています。こうした我が国の立場は、これまでも様々なレベルで中国側に直接働きかけています。私自身も、昨年十月の習近平国家主席との首脳電話会談で、新疆ウイグルの人権状況について直接提起をいたしました。  引き続き、深刻な人権侵害については、省庁横断的に取り組むとともに、米国などの同盟国、同志国と緊密に連携して、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)

山東昭子各派に属しない議員議長

○議長(山東昭子君) これにて午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十六分休憩      ─────・─────    午後一時一分開議

小川敏夫各派に属しない議員副議長

○副議長(小川敏夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  国務大臣の演説に対する質疑を続けます。浅田均君。    〔浅田均君登壇、拍手〕

浅田均日本維新の会

○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。  私は、会派を代表して、岸田総理に質問いたします。  まず、新型コロナ関連の質問です。  今回のオミクロン株による感染は、東京、大阪で五千人、全国で三万人を超えたのが三日前の十八日。そして、昨日二十日、全国の感染者は五万人に迫る数となりました。もはや、これまでの保健所による積極的疫学調査、濃厚接触者の確定、囲い込みによる拡大防止対策では対応できない感染の規模です。  例えば、大阪では、濃厚接触者の調査と検査の実施を高齢者施設等、重症化リスクの高い施設に重点化し、家庭内、一般事業所等に対しては濃厚接触を自ら判断し、自主的な検査受検、待機をしていただかざるを得ない状況だと聞いております。  そこで、以下六点、総理に質問いたします。  一点目。今や、市中に感染が蔓延しているという前提で、感染疑いがあれば誰でも検査できるという流れで対応すべきと考えますが、見解をお聞かせください。  二点目。オミクロン株に軽症患者が多いという事実を踏まえ、保健所を介さずとも患者自らが医療にアクセスできるよう、診療所やクリニックが検査に加え、抗体治療、経口治療薬などによる治療、健康観察を担っていただけるよう、国として強いメッセージを出すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。  三点目。社会経済機能を維持できるよう、濃厚接触者の待機時間を十日から更に短縮すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。  四点目。帰国者に対する入国後の自宅待機時間は十四日から十日となりましたが、潜伏期間などの実情に合わせて、より短縮して帰国しやすくするとともに、帰国者の社会活動の早期化を図るべきと考えますが、見解を伺います。  五点目。政府は、三回目接種実施について、二回目からの間隔を従来八か月としていましたが、医療従事者、高齢者施設等入所者は六か月、その他の六十五歳以上の方については、二月以降は七か月、三月以降は六か月に変更しました。しかし、その一方で、ワクチンの供給スケジュールは前倒しされていません。国からのワクチン供給スケジュールを前倒ししないまま、ワクチン接種スケジュールだけを前倒ししたことにより、現場でワクチン切れということになりませんか。現場の心配を払拭するためにも丁寧な説明をお願いいたします。  六点目。高齢者の多くは、初期に承認されたファイザーを接種しています。ファイザー接種者からすれば、三回目の接種もファイザーを希望する方が多いことは、調査で明らかです。政府はモデルナ社ワクチンとの混合接種を認めていますが、高齢者の気持ちに寄り添ったものにはなっていません。ファイザー接種者に対してモデルナのワクチンを接種するのでは、接種希望者が減少するおそれがあります。どのような対策を講じますか。答弁を求めます。  次に、経済対策について質問します。  令和元年、二年度予算におけるコロナ関連予算は、約二十二兆円が未執行という結果に終わりました。これは会計検査院の指摘であり、政府は重く受け止める必要があります。補助金や給付金を軸とする我が国のコロナ対策には無理と無駄があったことを認めるべきではないでしょうか。  諸外国では、積極的な財政出動とともに、減税による経済対策で国民経済を活性化させる努力を行っています。しかしながら、我が国では、減税によるコロナ対策は、テレワーク等のための中小企業の設備投資税制など極めて限定的なものにとどまっています。  予算が余るのであれば、国債発行を抑制すべきか、むしろ減税すべきではないでしょうか。短期の経済対策にとどまらず、国民負担はできるだけ軽くし、小さな行政機構でもって大きな民間経済を支えていくことは、我々が結党以来主張してきたことでもあります。  今からでも遅くありません。国難と言えるコロナ禍において、事業復活支援金や子育て世帯への臨時特例給付だけでなく、飲食や運輸、観光等、また打撃が強まることが想定される方々への支援強化に加え、消費税大減税の経済対策を行うべきと考えますが、総理の見解を伺います。  総理は、施政方針演説で、経済再生の要は新しい資本主義の実現であると高らかに宣言されました。しかしながら、同じ演説で、今春、新しい資本主義のグランドデザインと実行計画を取りまとめると、いまだに新しい資本主義が具体性に欠けるものであることをお認めになりました。  一方で、今月十四日に発表された中長期の経済財政に関する試算における成長実現ケースには、新しい資本主義の核となる科学技術立国の実現、デジタル田園都市国家構想、経済安全保障の三つの柱が掲げられています。この成長実現ケースとは、名目三%程度を上回る成長率の実現という具体的なケースのことを指しているのだと理解しています。  しかしながら、グランドデザインも実行計画も立てられない中で、この三つの柱を掲げるだけで名目三%を上回る成長実現ができるものなのでしょうか。新しい資本主義と中長期の経済財政に関する試算とに整合性があると言えるのでしょうか。総理に伺います。  総理は、政府の経済財政諮問会議で、プライマリーバランスを二〇二五年度に黒字化する目標について、変更が求められる状況にはないと述べ、維持する方針を表明されました。一般的に、プライマリーバランス黒字化は財政再建の一歩と考えられます。経済成長率が長期金利より高ければ、税収が金利払いより多くなり、財政赤字部分が減少していくからです。  そもそも、二〇二五年プライマリーバランスに総理がこだわる理由は何でしょうか。この目標があるために、中長期の経済財政に関する試算という我が国の経済財政のロードマップまで非現実的な試算となり、ゆがめられているのではないでしょうか。総理に伺います。  次に、中長期の経済財政について質問します。  内閣府が一月十四日、経済財政諮問会議に提出した中長期の経済財政に関する試算は、現実離れしたというよりは、むしろフィクションに近い前提に立っています。例えば、成長実現ケースでは、全要素生産性、TFP上昇率が、日本経済がデフレ状況に入る前に実際に経験した上昇率とペースで、足下の水準〇・四%から一・三%まで上昇することが前提になっています。  潜在成長率は、この全要素生産性と資本投入、労働投入を足し合わせたもので、二〇二二年度から二〇三一年度まで一・〇%から二・〇%の間で推移されるとされています。このうち、全要素生産性、TFP寄与度も、資本投入、労働投入とも一九八〇年代をピークに減り始め、特に労働投入は既に一九九一年時点でマイナス〇・三になっています。ここから透けて見えるのは、潜在成長率を一・〇%にするためには全要素生産性を一・三にせざるを得なかったということです。潜在成長率が上昇しなければ名目成長率も上昇しないからです。  まず、総理大臣にお尋ねします。この中長期の経済財政に関する試算に対する私の評価を述べましたが、私の評価に対する総理御自身の御見解をお聞かせください。  次に、この中長期の経済財政に関する試算に関し、総理に以下五点質問いたします。  一点目。全要素生産性を向上させるためには、例えば企業による新しい機械の導入、つまり、資本投入を増加させることによってAIやIoT技術等の利用によるデジタルトランスフォーメーションが進み、それがTFPの向上につながれば、実際のGDP成長率の上昇につながることが期待されますが、全要素生産性、TFPを一・三%とした根拠をお示しください。  二点目。成長実現ケースで、名目成長率は二三年の二・八%を除き三一年までずっと三%を超えています。こういう経済成長が実現可能だと本当に思っていますか。  三点目。名目三%成長を達成しているということはデフレを脱却したということです。そうであれば、デフレ脱却を目的とする異次元緩和は終了しているとの理解でよいのでしょうか。  四点目。二〇二二年以降、名目GDP成長率より名目長期金利の方が低い前提となっていますが、異次元緩和を終了し、日銀が国債の大量買いをやめているのに名目長期金利が名目GDPより低い、こういうことがあり得ると考えているのでしょうか。  五点目。名目三%成長を達成しているときに異次元緩和を継続していることになりますが、普通の経済常識では考えられないことなので、総理に御説明をお願いいたします。  同じく、中長期の経済財政に関する試算においては、税収に関しては二一年度から伸び続けるという高成長モデルを前提としています。しかしながら、税収増が今後も続くことを前提とするには、その根拠が必要です。ここ二年の税収増について、コロナ禍で講じたどの対策が税収増に結び付いているのか、分析結果はありますか。大胆にばらまいた、使った分に見合う税収増になったと判断しているのでしょうか、総理に伺います。  アメリカの物価上昇率が四十年ぶりの高い水準になり、日本にもその影響が出てくる可能性もあります。現在は日銀も、二%の物価目標達成のため、バランスシートの拡大を続けています。しかし、二%の物価上昇を達成しても、賃金上昇が伴わないのであれば、それは悪性インフレであり、意味がありません。金融緩和というマクロ経済政策は、構造改革による生産性を向上させなければ、賃金上昇を達成することは困難です。  まさに、アベノミクスで飛ばなかった第三の矢、成長戦略、構造改革が今こそ求められています。金融緩和の継続は無制限に続けられるものではなく、改革なくしては物価高だけを招きかねず、その限界と出口は着実に迫っています。ところが、岸田総理は新自由主義的な政策の是正を掲げ、依然として改革に後ろ向きのように見えます。  金融政策の出口戦略を構築するためにも、労働市場や電波、農業などの規制改革を行って、生産性を上げるための改革に強く踏み出すべきと考えますが、総理の見解を伺います。  次に、外交について質問します。  当初、オミクロン株の感染拡大が顕著となった地域は、沖縄県、山口県、広島県でした。米軍基地がある近傍地域で感染の拡大が見られます。日米地位協定においては、米軍関係者の入国が日本の水際対策の対象外となっています。感染拡大対策を実施する上では、国の不作為の責任を地方自治体に押し付けることになり、大きな問題です。  日米地位協定は、基地を置く自治体に十分配慮するよう改定を重ねていくべきであって、今回の感染症が持ち込まれたことも改善すべき事項です。また、米軍人、米軍属等の犯罪行為に対しては厳正な態度で臨み、取調べの可視化も進めるべきです。米国に過度に遠慮するより、日本国民の米軍に対する信頼を確立することの方がよほど日米同盟関係の強化に寄与するのではないでしょうか。  総理に質問します。オミクロン株が基地経由で侵入した可能性が大きいことを受けて、日米地位協定を見直すのでしょうか。見解を伺います。  原子力発電所等の設置には手続法があり、自治体と住民の意見が反映される機会があります。しかし、米軍基地については手続法が存在しません。他国の軍隊が基地を置くことについて自治体が関わることができないことが、解決する見込みが見られない基地問題を抱える原因なのではないでしょうか。  総理に質問します。米軍基地の設置に関わる手続法を制定することに関する見解をお願いします。  日本の外交の基軸は日米同盟であり、一番重要である国は米国ですが、岸田総理就任以来、早期の訪米と直接対面しての日米首脳会談の実現を訴えてきましたが、いまだ実現しておりません。  総理に質問します。これまで対面でのバイデン大統領との会談が遅れている理由は何でしょうか。本日オンラインでの日米首脳会談が行われる予定ですが、総理の成果として描く獲得目標は具体的に何でしょうか。お答え願います。  次に、少子化対策について質問します。  総理が施政方針演説で少子化対策に触れたのは、原稿にして僅か六行、こども家庭庁の創設だけでした。安倍元首相は少子化を国難とも言える状況とも表明したのは出生数が初めて九十万人を下回った二〇一九年ですが、二〇二〇年、二〇二一年と出生数は更に前年を下回るという危機的状況は変わっておりません。少子化は国難であり、施政方針の中核に据え、各論だけではなく抜本的に対策を行うことを国民に伝えるべきであり、総理から強い決意が示されなかったことは甚だ遺憾と言わざるを得ません。少子化対策には国のリーダーからのメッセージも必要だからです。  そこで、総理に伺います。この国難である少子化対策について、総理はGDPの何%を対策費として使うべきとお考えですか。GDPの一定割合を必ず子供のために配分することを指示するおつもりはありませんか。総理に伺います。  また、抜本的な少子化対策の一環として、子供の数が多いほど税負担の軽減が大きくなるN分N乗方式、世帯単位課税を採用し、子育てによる経済的負担を軽減することも一案と考えますが、総理の見解を伺います。  次に、国会同意人事について質問します。  国会同意人事は、衆参両院の同意が必要な約四十機関の人事を対象とするものです。多くの場合、政府から国会の議院運営委員会に人事案として任命予定者の略歴や主な活動などが記された資料が配られて、議決することが慣例化されています。  国会で所信聴取するのは、人事官、日銀総裁と副総裁など限られた人事に限られます。それも当人だけです。重要な政府人事においては、公聴会を開催し、当人だけでなく広く意見を聞いて国会が判断、決定するものではないでしょうか。  総理に質問します。国の重要人事について公聴会の制度を導入することについて見解を伺います。  次に、トンガの海底火山噴火について質問します。  一月十五日にトンガ諸島近海で起きた火山噴火は大きな被害を出しています。トンガなど被害を受けた諸国への救援措置は発表されましたが、国内での津波による被害への対応を求めます。  また、今回の津波発生のメカニズムがこれまでとは異なることにより津波発生の予測が遅れたことは看過できません。  総理に質問します。トンガの海底噴火後に生じた津波発生メカニズムはどこまで分かっているのでしょうか。また、今年及び来年生じる可能性がある冷夏に対する備えについてはどうお考えでしょうか。さらに、火山噴火による太陽光発電への影響についてはどのように考えていますか。見解を伺います。  次に、エネルギー政策について質問いたします。  欧州委員会は、本年一月一日、持続可能な経済活動を分類するEUタクソノミーにおいて、原子力や天然ガスを含める方向で検討を始める方針であることを公表しました。これまで、原子力と天然ガスについては、EU内ではいまだ原発廃止を主張する国もあるため意見が分かれてきましたが、EUが一定の方針を示したものと言えます。  日本国内でも、小型原子炉、SMRに関する議論が始まっています。従来のように遠隔地で大規模発電をして、電力ロスを多量に出しながら消費地に電力を引っ張ってくるのではなく、地産地消型の電力として小型原子炉を検討する時期が来ていると考えます。  総理に質問します。小型原子炉という新しい技術が進行しています。原子力発電に対する考え方を改めるべきではないでしょうか。御回答願います。  経済産業省が提示するエネルギーミックスにおいては、原子力の位置付けがはっきりしておりません。政府の将来の原子力技術に対する姿勢が曖昧なままでいるため、新技術を開発したい企業も、その企業に投資をしたい投資家も姿勢が定まらない状況にあります。資金と技術開発が滞っている状況にあるのではないでしょうか。  総理に質問いたします。政府は、旧来の原子力に関する姿勢と将来の原子力技術に対する姿勢をはっきり指し示すべきであると考えますが、総理の見解を伺います。  私たち日本維新の会は、小さな行政機構が大きな民間経済を支える、それこそが日本の将来の姿だと考えております。その将来を実現するために、私たち、全力で国民の皆さん方に夢を届けるためこれからも精進していく、そういうことをお約束いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

岸田文雄自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浅田均議員の御質問にお答えいたします。  オミクロン株の対策についてお尋ねがありました。  検査については、これまで、症状の有無にかかわらず、必要な方が確実に検査を受けられるよう、検査の充実を図るとともに、オミクロン株の感染が拡大する中で、感染不安がある方が無料で検査を受けられる体制を全国で確保しています。より多くの方が検査を容易に受けられるよう、都道府県や関係団体と連携しながら、検査拠点の増加に取り組んでいるところです。  また、自治体に、各自治体に自己点検を依頼し、医療提供体制の確保に万全を期すよう要請をしています。さらに、陽性と判断されれば、直ちに健康観察や訪問診療を実施するとともに、必要な方へのパルスオキシメーターの迅速なお届け、そして経口薬等へのアクセスの確保、これを徹底しています。  引き続き、内外のオミクロン株に関する科学的知見を集約しつつ、各都道府県や関係団体との密接な連携の下、高い警戒感を持って対応に当たってまいります。  濃厚接触者や帰国者の待機期間についてお尋ねがありました。  濃厚接触者の待機期間については、オミクロン株に関する科学的知見に基づき原則十日とした上で、地域における社会機能の維持のために必要な場合に、自治体の判断により、社会機能維持者について、検査で陰性を確認の上、待機期間を短縮することを可能としました。また、帰国者に対する入国後の自宅等待機期間についても、国内の濃厚接触者の待機期間と同様に取り扱うこととし、十四日間から十日間に短縮したところです。  さらに、引き続き、社会活動維持のために科学的知見の集約を急ぎ、オミクロン株の特性を踏まえためり張りのある対応を検討していきたいと考えます。  そして、ワクチンの三回目接種についてお尋ねがありました。  ワクチンについては昨年から既に供給を進めており、また、接種間隔の前倒しに伴い更に必要となるワクチンについても必要な時期に供給することとしており、その旨を自治体にお示しをしています。  また、高齢者への三回目接種の前倒しをペースアップするために、モデルナワクチンの活用が不可欠です。交互接種の有効性、安全性については英国の研究でも確認されており、こうした情報を国民お一人お一人に丁寧にお知らせしてまいります。  必要なワクチンの更なる確保に努めつつ、一月、二月に山場を迎える高齢者など三千百万人を対象とする前倒しの加速化を図るとともに、高齢者以外の一般の方五千五百万人についても一か月前倒しをし、余力のある自治体には、順次、できるだけ多く、更に前倒しを行ってまいります。  そして、コロナ対策予算の執行についてお尋ねがありました。  新型コロナ対策につきましては、感染の影響が不明な中で万全な対応を期すため、十五か月予算として切れ目のない支援を行うべく十分な措置を行ったこと、また、地方自治体や事業者等から申請を受けて支出するものが多かったことから、予定した年度内に支出に至らなかったものもありますが、足下では、令和三年度へ繰り越された予算について、一部を除き、おおむね着実に執行が進んでおります。  なお、消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うというような観点から、社会保障の財源として位置付けられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。  そして、新しい資本主義と中長期試算の整合性及び財政健全化目標についてお尋ねがありました。  新しい資本主義の下、デジタル化、気候変動問題への対応、経済安全保障、イノベーション・科学技術など、これまで日本の弱みとされていた分野に官民の投資を集め、成長のエンジンへと転換する成長戦略を実行してまいります。中長期試算においては、そうした取組を強化していく中で力強い成長が実現することを見込んでおり、ゆがめられているという指摘は当たらないと考えます。  その上で、骨太方針に基づく取組を継続した場合には、国と地方を合わせた基礎的財政収支は二〇二五年度に黒字化する姿が示される結果となり、現時点で財政健全化の目標年度の変更が求められる状況にはないことが確認されたということであります。  いずれにせよ、経済財政運営の基本は経済あっての財政です。経済を立て直し、そして財政健全化に向けて取り組んでまいります。  中長期試算の前提についてお話があり、お尋ねがありました。  中長期試算の成長実現ケースにおける成長率は、デフレ脱却、経済再生に向け、成長戦略などの政策効果が過去の実績も踏まえたペースで発現していく、さらには政府として目指すべき経済の姿をお示ししているものであり、この潜在成長率の操作をしているという指摘は当たらないと考えます。  中長期試算における成長性と、あっ、生産性と経済成長についてお尋ねがありました。  成長実現ケースの生産性上昇率は、日本経済がデフレ状況に入る前に実際に経験した上昇幅とペースで、足下の〇・四%程度から二〇二六年度までの五年間で一・三%程度に上昇するとの想定を置いて試算したものであります。  新しい資本主義の下、デジタル化、気候変動問題への対応等を成長分野として民間の投資を促す成長戦略をしっかり実行し、力強い成長戦略、あっ、経済成長を実現するべく全力で取り組んでまいります。  中長期の経済財政に関する試算と金融政策についてお尋ねがありました。  成長実現ケースでは、消費者物価上昇率が二%程度に到達する時期を二〇二五年度以降と見込んでおります。その前年度まで金融緩和策が継続される下でゼロ金利が続くと想定をしており、その間、名目長期金利は名目GDP成長率より低くなるとの試算結果が出ております。  なお、実際の金融政策については、金融緩和の出口の考え方も含め、具体的な手法は日銀に委ねるべきであると考えます。日銀におかれては、二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しております。  そして、税収についてお尋ねがありました。  ここ二年の税収増につきましては、新型コロナから国民の命と暮らしを守り抜くことを最優先に、かつてない規模の経済対策を実施する中で、各般の感染症対応の効果もあって、雇用、賃金が下支えされたこと、好調な輸出やデジタル化の進展などを背景に全体としては企業業績が改善していること、こうしたことによるものであると考えています。  足下、財政状況は大幅に悪化していますが、今後、成長と分配の好循環の実現に向けた取組を強化していく中で力強い成長が実現し、それに沿って税収も増加していくと見込んでいるところであります。  そして、金融政策の出口戦略と規制改革についてお尋ねがありました。  金融政策の具体的な手法については、金融緩和の出口の考え方を含め、日銀に委ねられるべきと考えておりますが、引き続き二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しております。  規制改革については、私もデジタルの活用を成長戦略の最も重要な柱と位置付けており、そしてデジタルによる成長を実現するためにデジタル改革、規制・制度改革、そして行政改革、これを三位一体で進めていきたいと考えています。そして、規制する側、規制される側、国民の皆さんから歓迎される三方よしの制度見直しが新しい資本主義を実現する観点から重要だと考えています。単に規制を緩和すればよい、市場に任せればうまくいくというわけではありません。  御指摘の労働、電波、農業の分野も含めた規制改革の推進に当たっては、新しいルールを作ることで地域社会に新たなサービスを生み出し、日々の暮らしを豊かにするとともに、成長を実現し、人への投資につなげていくという考え方で取り組んでまいります。  新型コロナを受けた日米地位協定の見直しや米軍基地の設置に関わる手続法の制定についてお尋ねがありました。  在日米軍施設・区域内及びその周辺自治体で感染拡大が起こっていることを踏まえ、私の指示で、米側に対して強く申入れを行いました。その結果、米側は、必要不可欠な場合以外の外出は認めない、夜間の外出を禁止するなど、在日米軍の感染拡大防止措置を発表しました。  日米地位協定の見直しは考えておりませんが、在日米軍の駐留に関わる保健衛生上の課題に関し、日米地位協定に基づく日米合同委員会において、感染拡大の防止や地元の方々の不安解消に向けて、日米間での連携をより一層強化してまいります。  米軍の安定的な駐留のためには地元の理解と協力は不可欠です。米軍基地の設置に関わる手続法の制定は考えておりませんが、米側と緊密に連携しつつ、地元の要望に可能な限り耳を傾ける努力を続けていきたいと思っております。  日米首脳会談についてお尋ねがありました。  早期に対面でバイデン大統領と会談すべく調整をしていましたが、内外の新型コロナの感染拡大状況などに照らし、今回、テレビ会談という形でじっくりと会談を行うことといたしました。  今晩の日米首脳テレビ会談では、率直な議論を行い、バイデン大統領との信頼関係を深めるとともに、日米同盟の更なる強化、自由で開かれたインド太平洋の実現、また、核兵器のない世界に向けた取組を含む地球規模の課題への対応に向け、連携を深めていくことを確認いたします。日米同盟の揺るぎないきずなを世界に示し、日米同盟を更なる高みに押し上げる機会としたいと思っております。  少子化対策についてお尋ねがありました。  少子化の進展は、我が国の社会、経済の根幹を揺るがしかねない喫緊の課題としての認識の下、安定財源を確保しつつ、支援を充実させてきたところです。  今後、こども家庭庁の下、子供政策を我が国社会のど真ん中に据えて進めていく中で、少子化対策を強力に進めるため、規模ありきではなく、必要な政策について、国民各層の理解を得ながら幅広く検討を進め、安定財源の確保を図りつつ、支援を充実させてまいりたいと思います。  いわゆるN分N乗方式の御提案については、共働き世帯に比べて片働き世帯が有利になるという点、あるいは高額所得者に税制上大きな利益を与えることになるなど様々な課題があるということも承知をしております。  国会同意人事についてお尋ねがありました。  任命に当たり両議院の同意を得ることとされている、いわゆる国会同意人事の在り方については、両議院の議院運営委員長の申合せで定められており、例えば、所信聴取の対象もその中で示されていると承知をしております。国の重要人事について公聴会の制度を導入するかどうかを含め、国会における手続に関することでありますので、国会において議論をお願いしたいと考えております。  そして、トンガの海底噴火に伴う津波発生メカニズム等についてお尋ねがありました。  トンガ諸島近海の火山噴火に伴う潮位変化は、地震に伴い発生する通常の津波と異なると考えられるものでしたが、今回観測された潮位変化のメカニズム等については、気象庁において有識者等の知見も踏まえながら分析を行い、そして今後の予測に生かしていきたいと考えています。  また、御指摘の天候や太陽光発電への影響については、現時点では明らかではありませんが、引き続き情報収集、分析を進め、その結果を踏まえ、関係省庁で適切に対応してまいります。  そして、今後の原子力技術開発に対する考え方についてお尋ねがありました。  今ある原子力発電所については、安全性の確保を大前提に、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合には、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めてまいります。そして、更なる安全性の向上に向けて、技術開発などに不断に取り組んでまいります。  その上で、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するため、あらゆる選択肢を活用するという考えの下、日米間の協力が様々な形で進んでいることも含め、小型炉や高速炉を始めとする革新原子力の開発などの取組を着実に進めてまいりたいと考えております。(拍手)     ─────────────

小川敏夫各派に属しない議員副議長

○副議長(小川敏夫君) 小池晃君。    〔小池晃君登壇、拍手〕

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。会派を代表して岸田文雄総理に質問します。  新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株への変異で爆発的な広がりを見せています。  本日、まん延防止等重点措置が十六都県に拡大されました。この二年間、感染拡大のたびに営業自粛などを求められてきた中小業者やフリーランスの皆さんからは、まともな補償もないことに怨嗟の声が広がっています。  昨年十一月には月次支援金が終了し、必死の資金繰りで年を越したにもかかわらず、年明け早々に感染拡大。再び時間短縮を要請されても、新たな制度である事業復活支援金は受付すら始まっておらず、現時点では中小業者への支援策は何もありません。総理は総選挙で持続化給付金並みの支援を公約したのに、金額も半分にすぎません。緊急の支援策とともに、持続化給付金並みへの増額と、審査の改善、スピードアップに全力を挙げるべきではありませんか。  私は年末、都内で行われた相談会で、明日の食事にも事欠く人たちから深刻な相談を受けました。年末年始に行われた女性による女性のための相談会にも、四日間で延べ四百人の女性たちが相談や物資の配給を求めて参加しました。  大阪でシングルマザーへの宅配支援を続けている団体が毛布の配布を始めたら、ずっと子供用の小さな毛布を使っている、ずっと使っていてカビだらけ、毛布が欲しいと切実な声が寄せられたそうです。寒空の中、小さな毛布にくるまって、親子で肩寄せ温め合う世帯が存在する。それが今のこの国の姿です。  ところが、子供への支援金は、昨年九月以降にDVなどで避難した方や離婚したシングルマザーには届いていません。総理は制度の不備を認めました。ならば、自治体任せにせず、国の責任で直ちに是正すべきではありませんか。  政府は個人向けの十万円の給付金があると言いますが、対象は非課税世帯に限られ、非正規雇用で仕事を失った課税世帯には、幾ら収入が減っていても届きません。緊急支援のため、十万円給付の対象を大幅に拡大すべきではありませんか。  感染力の強いオミクロン株に対して、感染抑制と社会経済活動の両立を図るために鍵を握るのがワクチンと検査、そして保健所や地域医療機関への緊急支援です。  しかし、ワクチンの三回目接種は遅れに遅れています。接種の六か月後から抗体価は下がります。政府が当初、三回目接種を原則八か月後としたことには医学的な根拠はなかったのではないでしょうか。そのことを認めますか。このままでは、第六波のピーク前の感染抑制には到底間に合わないのではありませんか。  検査の拡充も待ったなしです。  医療や介護、教育、保育の現場などで感染拡大を防ぐためにも、国の責任で頻回の無料定期検査の計画を立てて実行すべきではありませんか。  現在のPCR検査能力は一日約三十八万件ですが、これを大幅に拡充し、いつでも誰でも無料で検査できるようにするとともに、当面、抗原検査キットを家庭や職場に無料配布すべきではありませんか。  感染の急拡大によって保健所の業務も逼迫しています。自治体任せにせず、緊急の体制強化を行うとともに、恒常的に保健所の数と人員を増やしていくことを明確にすべきではないでしょうか。  総理がG7で最も厳しい水準と胸を張る水際対策には、米軍基地という大穴が空いていました。  昨年九月以降、米軍は出国前と入国直後のPCR検査を取りやめ、行動制限期間中も基地内を自由に動き回れる状態でした。政府は今回の感染拡大後に米側に照会して明らかになったと説明していますが、米国政府は日本政府に何の連絡もせずに勝手に水際対策を緩めていたということですか。  沖縄県の玉城デニー知事は、米本国等からの移動停止や基地からの外出禁止などを昨年から何度も政府に要請していたにもかかわらず、日本政府は、日米同盟の抑止力を毀損するとして入国停止を拒否し、外出制限を米側に要請したのは年明けになってからでした。市中への感染拡大を防ぐために一刻も早い対応が必要だったにもかかわらず、余りにも遅過ぎたのではありませんか。  日米地位協定では、在日米軍は入管法の適用外になっており、検疫は米軍任せで、日本側は関与できません。独立国にあるまじき主権の侵害ではありませんか。  日本政府の権限の下で出入国管理と検疫を実施できるように日米地位協定を抜本改定し、国内法を適用すべきです。ドイツなどほかの米国の同盟国でやっていることがなぜ日本ではできないのですか。  沖縄は、五月十五日、祖国に復帰して五十年の節目を迎えます。沖縄返還協定が国会で審議されていた一九七一年、当時の屋良朝苗琉球政府主席の下でまとめられた復帰措置に関する建議書にはこう書かれています。  異民族による軍事優先政策の下で、政治的諸権利が著しく制限され、基本的人権すら侵害されてきたことは枚挙にいとまありません、基地あるがゆえに起こる様々な被害公害や、取り返しの付かない多くの悲劇等を経験している県民は、復帰に当たっては、やはり従来どおりの基地の島としてではなく、基地のない平和の島としての復帰を強く望んでおります。  そして、今もこの県民の苦しみは続いているのです。  九六年の橋本・モンデール会談から四半世紀。いまだに普天間基地の返還が実現しないのは、復帰に懸けた県民の願いに背き、将来にわたって沖縄に基地を縛り付ける辺野古の新基地建設を条件としてきたからではありませんか。  米軍占領下で住民の土地を奪って構築した国際法違反の基地は無条件で返還することを米国に求めるのが沖縄県民に対する政府の責任ではありませんか。  鹿児島県馬毛島の米軍・自衛隊基地化も、種子島住民に耐え難い被害をもたらします。西之表市長を始め地元の同意は得られておらず、建設を強行することは断じて許されません。基地建設は中止すべきではありませんか。  総理は、施政方針演説で、経済再生の要は新しい資本主義の実現と述べ、公平な分配が行われず生じた格差や貧困の拡大などの問題を挙げ、新自由主義的な考え方が生んだ様々な弊害を乗り越えると意気込みました。しかし、公平な分配が行われなかったのは、自然現象ではありません。総理は、今までの政策のどこにどのような問題があったと認識しているのですか。  格差や貧困を広げたのは、労働法制の規制緩和であることに疑いの余地はありません。不安定な非正規雇用が四割を占め、ワーキングプアを激増させました。ところが、施政方針演説には、非正規雇用の是正も、雇用という言葉すらも、一言もありませんでした。新自由主義が生んだ弊害を乗り越えるといいながら、新自由主義の申し子ともいうべき雇用の規制緩和路線をなぜ改めようとしないのですか。  年金、医療、介護など社会保障の負担増、給付削減も貧困と格差を広げました。しかし、来年度予算案には、七十五歳以上の窓口負担の十月からの二倍化とともに、年金の更なる削減が盛り込まれています。  今日発表された来年度の年金減額は、安倍政権が導入した賃金マイナススライドによるもので、二〇二〇年度の実質賃金が消費税増税やコロナの影響で下がったからとされています。しかし、この間、食料品や灯油などの価格は上がり続けています。生活必需品の価格が高騰するさなかに年金を減額するのは、生活実態を無視するものではありませんか。さらに、公的年金は高齢化が進む多くの道府県で県民所得と家計消費を支える土台となっており、その削減はコロナ危機にあえぐ地域経済に追い打ちを掛けると考えませんか。  物価が上がるのに年金は下げる、この現行の年金スライドの仕組みは、生活の実態も経済の動向も反映しない欠陥制度であることは明らかです。削減ありきで国民を苦しめる仕組みを見直し、減らない年金に改革すべきではありませんか。  消費税の相次ぐ増税の一方、大企業や大富豪への減税で格差と貧困を広げたことも、新自由主義的な考え方による弊害そのものです。  消費税の創設とその後の相次ぐ増税で実質賃金が低下し、家計消費が冷え込んだ結果、景気が悪化するという悪循環が続きました。消費税は、税制における新自由主義の大きな弊害ではありませんか。消費税減税でこの悪循環を断ち切るべきではありませんか。  中小零細業者やフリーランスを苦しめるインボイス制度の導入も中止すべきです。答弁を求めます。  新自由主義の農政によって、農林漁業と農村も疲弊しています。農家も農地も減り続け、生産基盤の弱体化は、TPP、EPAなど輸入自由化で一層加速されています。  施政方針演説で総理は、農林水産物の輸出について力説しましたが、戦後最低の三七%に低下した食料自給率には一言も触れませんでした。閣議で決めた食料自給率四五%の目標をどのように達成するのか、答弁を求めます。  まともな雇用を破壊し、社会保障を貧しくし、不安、不公平な税制を広げ、地域を支えてきた農業を破壊してきたのが新自由主義です。強い者がより強くなれば経済も強くなるという新自由主義の政策によって、日本経済は逆に弱く、もろいものになり、日本社会を冷たいものにしてしまいました。  何でも自己責任、弱肉強食の新自由主義を終わらせて、優しく強い経済を実現しなければなりません。そのために総理が真っ先に行うべきことは、アベノミクスへの反省と抜本的転換ではありませんか。  総理は、男女の賃金格差も大きなテーマとし、是正に向け、企業の開示ルールを見直すと述べました。年間二百四十万円に上る男女の賃金格差を是正すれば、そのこと自体が大きな賃上げになるし、賃金の平等はジェンダー平等社会の土台中の土台になります。  昨日、総理は、我が党の志位委員長の質問に、男女の賃金格差については、その是正に向けて、有価証券報告書の開示項目にすると答弁しました。これは一歩前進です。女性活躍推進法でも男女賃金格差の把握と公表を義務付けるべきです。更なる答弁を求めます。  職場におけるジェンダー平等実現のために、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントの根絶も極めて重要です。  二〇一九年六月のILO総会でハラスメント禁止条約が採択されたときには日本政府も賛成しましたが、いまだに批准されていません。国内法でも、日本は先進国で唯一ハラスメント行為の禁止規定がない国になっています。  連合の調査によれば、職場でパワハラの内容、方針の明確化や周知啓発に関して何も行われていないと答えた方が四〇%、三二・四%が職場でハラスメントを受けたことがあると回答しており、事態は深刻です。  総理には、職場でのセクハラ、パワハラが被害者の心身に重大な打撃を与える人権侵害であり、直ちに是正すべきという認識がありますか。一日も早くハラスメント禁止条約を批准し、法律にもハラスメント禁止を明記すべきではありませんか。  国土交通省による統計の不正が二〇二〇年一月に会計検査院から指摘された後も、国交省は改ざんと二重計上を続けていました。組織ぐるみの意図的な隠蔽、改ざん行為であったことを認めますか。二重計上によって建設業者の受注実績がどれだけ過大になり、GDPにどのような影響を与えたのか、再計算と検証が必要ではありませんか。  公文書や統計は民主主義の基礎であり、国民のための公共財です。ところが、安倍政権以来、桜を見る会の名簿はシュレッダーに掛けられ、森友疑惑でも公文書改ざん、虚偽答弁が繰り返されました。こうした異常な体質に徹底的にメスを入れ、うみを出し切るべきではありませんか。答弁を求めます。  核兵器の製造や保有などを禁じた核兵器禁止条約が発効してから明日で一年になります。日本世論調査会による昨年夏の調査で、禁止条約に日本が参加するべきだと答えた人が七一%、締約国会議にオブザーバーとして出席するべきだとした人は八五%に上っています。しかし、総理は施政方針演説で、被爆地広島出身の総理大臣として、勇気を持って核兵器のない世界を追求していきますと述べながら、またもや広島の悲願である核兵器禁止条約について一言も触れませんでした。  総理は、まずは米国との信頼をと言いますが、米国のバイデン政権が検討しているとされる核先制不使用宣言に対し、なぜこれを妨害するのですか。  広島に本社を置く中国新聞は社説で、期待されるのが、唯一の戦争被爆国を掲げ、保有国との橋渡し役をうたう日本政府の役割、ところが、禁止条約には背を向け、米バイデン政権が検討していた核の先制不使用政策に懸念を示す、核の傘依存の姿勢が、むしろ強まっているように見えると書きました。  総理は地元のこうした声にどうお応えになるのですか。  核兵器禁止条約の締約国会議に、NATO加盟国のドイツとノルウェーがオブザーバー参加を表明する中で、なぜオブザーバー参加すらしないのですか。これでどうして核なき世界実現への橋渡しができるというのですか。核兵器の非人道性を国際社会に訴え、核兵器禁止条約に参加して、世界の国々や市民とともに核兵器国に核廃絶を迫ることこそ、唯一の戦争被爆国の政府として、そして被爆地出身の首相としての責務ではありませんか。  総理の明確な答弁を求めて、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

岸田文雄自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小池晃議員の御質問にお答えいたします。  中小事業者への支援についてお尋ねがありました。  足下でも、政府系金融機関による実質無利子、無担保融資や事業再構築補助金など、中小事業者のための各種施策を実施し、事業継続を支援しております。  また、事業復活支援金については、事業規模に応じて支援上限額を最大二百五十万円としていることに加え、新たに売上高の減少割合が三〇%以上の事業者も支援対象にするなど、持続化給付金よりも手厚い支援となっています。  現在、経済産業省において、一月三十一日の週にも申請の受付を開始する予定です。さらに、類似の支援金では給付件数の約半数が申請から二週間以内に給付されていることも踏まえ、できる限り早い給付に努めてまいります。  子育て世帯への給付や住民税非課税世帯等に対する給付金についてお尋ねがありました。  子育て世帯への給付については、迅速に支給するため、児童手当の仕組みを活用しており、基準日以降に離婚した世帯への制度的な対応は難しい面がありますが、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、この場合の現在養育者への給付金の支給を検討することを自治体にお願いをしています。  また、配偶者からの暴力を理由として対象児童とともに避難している場合には、配偶者に支給決定される前に一定の手続をすることで給付金を受け取ることができる仕組み、これも設けております。  住民税非課税世帯等に対する給付金については、新型コロナの影響を受け、令和三年一月以降に収入が非課税水準相当まで減少した家計急変世帯についても支給を行うこととしております。非課税、失礼、非正規雇用で失業した課税世帯の方であっても、この要件を満たせば給付金の対象となります。  ワクチンの三回目接種等についてお尋ねがありました。  二回目の接種完了から三回目の接種までの接種間隔については、ワクチンの予防効果に加え、自治体の準備期間やワクチンの供給力など、厚生労働省の審議会での委員の意見を総合的に勘案した上で、原則八か月以上といたしましたが、オミクロン株の流行が懸念される状況になったこと等を踏まえ、接種間隔の前倒しを行ってまいりました。  政府としては、必要なワクチンの更なる確保に努めつつ、高齢者への接種を加速化するとともに、高齢者以外の一般の方五千五百万人についても一か月前倒しをし、余力がある自治体では順次、できるだけ多く、更に前倒しを行ってまいります。  そして、検査については、まん延防止等重点措置区域等において、自治体に対し、医療機関や高齢者施設等の従事者等に対する集中的検査の計画を策定し、定期的な検査を実施するよう要請をしているところです。また、感染不安がある方が無料で検査を受けられる体制を全国で確保しています。さらに、家庭で体調が気になる場合等にチェックできるよう、薬局における抗原検査キットの販売を可能とするとともに、職場においても抗原検査キットを活用するよう促しております。  そして、保健所体制については、各自治体において保健・医療提供体制計画に基づく人員体制強化を行っていただいているほか、感染症対応業務に従事する保健師の増員に係る地方財政措置を講じております。  在日米軍の水際対策についてお尋ねがありました。  米側からは、出国前の検査について、以前は実施していたが、米軍のワクチン接種が進んだことや世界的な感染状況の緩和を受け、全世界を対象とした米国防省の方針に基づき、在日米軍は、昨年九月三日にワクチン接種者については出国前検査を免除したとの説明を受けています。  日本側から強い申入れも踏まえ、在日米軍は、昨年十二月三十日以降、出国前検査を改めて導入し、現在では在日米軍関係者に対する出国前及び入国時検査を行っています。  また、在日米軍の外出制限については、できるだけ早期に実施されるよう、私の指示で米側に対し強く申入れを行い、その結果、米国は、必要不可欠な場合以外の外出は認めない、また、夜間の外出を禁止するなど、在日米軍の感染防止措置を発表いたしました。  在日米軍の駐留に関わる保健衛生上の課題に関し、日米地位協定に基づく日米合同委員会において、感染拡大の防止や地元の方々の不安解消に向けて、日米間での連携をより一層強化してまいります。  検疫と日米地位協定の見直しについてお尋ねがありました。  日米地位協定と米国が他国と締結している地位協定との比較については、実際の運用や安全保障環境等の背景等も踏まえた全体像の中で検討する必要があると考え、単純に比較することは適当だとは考えておりませんが、その上で申し上げれば、米軍関係者に対する入国時の検疫に関しては、例えば英国、韓国においても、我が国と同様、米軍基地から入国する場合については米軍が検疫を行うこととなっていると承知をしており、独立国にあるまじき主権の侵害である、又は我が国が他国と比べて米軍に特別な扱いをしているという指摘は当たらないと考えております。  日米地位協定の見直しは考えておりませんが、在日米軍の駐留に関わる保健衛生上の問題に関し、日米地位協定に基づく日米合同委員会において、感染拡大の防止、地元の方々の不安解消に向けて、日米間で連携をより一層強化してまいりたいと考えております。  普天間飛行場の返還及び辺野古移設並びに馬毛島における自衛隊施設の整備についてお尋ねがありました。  戦後七十五年以上経た今もなお、沖縄の皆様には大きな基地負担を背負っていただいております。到底是認できるものではありません。この事実を重く受け止め、国を挙げて基地負担の軽減に一つ一つ結果を出していかなければなりません。  普天間飛行場は、一九七二年の沖縄の本土復帰以降、米国が我が国から適法に提供を受け、使用しているものですが、沖縄の米軍施設・区域の形成過程について様々な議論があるということは承知をしております。世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされていることは絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通の認識であると思っています。  米国とは、閣僚間を含め様々なレベルにおいて、日米同盟の抑止力と、抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策であるという方針について、累次にわたり確認をしてきております。この方針に基づき着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。  また、馬毛島における自衛隊施設の整備について、我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中で、自衛隊の活動、訓練拠点となるとともに、日米同盟の抑止力、対処力の維持強化にも資する施設を南西地域に早期に整備することが必要です。このため、政府として、馬毛島における自衛隊施設の整備を着実に進めていく考えです。  その際に、地元の皆様の理解と協力、これは重要であり、防衛省において説明を積み重ねてきました。今後とも、地元の皆様の声を受け止めながら、丁寧な説明に努めてまいります。  新自由主義の弊害についてお尋ねがありました。  新自由主義は、世界経済の成長の原動力となった反面、市場に依存し過ぎたことで格差や貧困が拡大し、また、自然に負荷を掛け過ぎたことで気候変動問題が深刻化するなど弊害も生んだと承知をしています。  我が国では、一九九〇年代のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレにより、停滞の時代を経験しました。企業は投資や賃金を抑制し、消費者も将来への不安から消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷し、デフレが加速、競争力も低下するという悪循環であったと承知をしています。  そして、その中で、労働法制の規制緩和について御質問がありました。  非正規雇用労働者の待遇改善については、同一労働同一賃金の導入など、労働者の保護に欠けることのないよう十分留意しつつ、多様な働き方を選択できるようにするため、必要な制度整備を行ってきたところです。労働局による助言、指導等により、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保に努めてまいります。  また、加えて、人への投資を積極化させるため、非正規雇用の方を含め、再就職や正社員化に向けた学び直しや職業訓練の支援、これを強力に進めてまいります。  そして、年金制度についてお尋ねがありました。  公的年金制度については、将来世代の負担が過重なものとなることを避けつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保する仕組みとしており、この仕組みの下で年金を支給してまいります。その中で、来年度の年金額改定率はマイナス〇・四%となっておりますが、これは、この物価、賃金がマイナスとなったことを反映している数字であります。  消費税の引下げ等についてお尋ねがありました。  税制については、これまでも所得再分配機能の強化を含め様々な改正を行っており、今後も、成長と分配の好循環の実現に向け、総合的に検討してまいります。  消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から社会保障の財源として位置付けられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。  インボイス制度については、複数税率の下で、適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置を設けるとともに、事業者への必要な支援と周知広報、これを行ってまいります。  食料自給率についてお尋ねがありました。  令和二年度の食料自給率は、カロリーベースでは前年度から一ポイント低下し、三七%であった一方、生産額ベースでは六七%と、前年度から一ポイント増加したところであります。令和十二年度にカロリーベース四五%、生産額ベースで七五%の目標達成に向け、農林水産業の成長のための投資と改革を更に大胆に進め、国際競争や災害に負けない足腰の強い農林水産業を構築してまいります。  このため、二兆円目標に向けた輸出品目別のオールジャパンでの輸出促進体制の整備を進め、成長する海外市場を取り込むとともに、デジタル技術の実装を通じたスマート化、推進してまいりたいと思います。  また、アベノミクスの評価と今後の経済政策についてお尋ねがありました。  アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、そして雇用を拡大しました。岸田政権では、アベノミクスなどの成果の上に、新しい資本主義の下、市場や競争に全てを任せるのではなく、官と民が協働して成長と分配の好循環を生み出していきます。その中で、デジタル化や経済、気候変動問題への対応など、社会課題を投資分野として、官と民が協働し、社会課題を解決しながら成長を実現することで持続可能な経済社会、これを目指してまいります。  男女の賃金格差についてお尋ねがありました。  女性活躍推進法においては、男女の賃金格差は、管理職比率と勤続年数の差異を始め複合的な要因があること等の理由により、現在では情報公開の対象としてはおりません。政府としては、更なる格差の改善が必要だと考えております。その是正に向けて取り組んでまいります。  ハラスメントについてお尋ねがありました。  職場におけるセクハラ、パワハラの防止対策は重要な課題であると認識をしております。  ハラスメントに関するILO第百九十号条約については、条約の趣旨はおおむね妥当であると考えますが、批准との関係では、ハラスメント禁止規定を設けることとした場合のその定義、また労働者以外の方に対するハラスメントの取扱いなど、国内法制との整合性の観点からなお検討が必要であると考えております。  政府としては、まずは職場におけるハラスメント防止対策の強化を図る改正法の着実な施行に取り組み、その上で、改正法の施行状況や諸外国の動向も踏まえ、必要な対応を検討してまいります。  国土交通省における統計の不適切な処理についてお尋ねがありました。  先般公表された検証委員会の報告書において、長年にわたり複数の不適切な処理がなされていたことや、問題発覚後に国土交通省内部における不適切な事後対応があったことが明らかとなりました。  この報告書では、組織的な隠蔽や改ざんであるとはされていませんが、調査票の書換えによって収集された有用な情報の活用を損ねた点、二重計上問題について発覚後も事実を明らかにせず問題が表沙汰にならない形で収束させようとした点などについて大変厳しい指摘をいただいており、極めて遺憾であると思っております。  二重計上の影響については、国土交通省が昨日立ち上げた統計の専門家から成る検討会議において、過去の統計の遡及改定に向け検討を進めてまいります。  GDPへの影響については、今般の建設工事受注動態統計はGDPの推計に直接用いられておらず、直接の影響はないと承知をしております。  桜を見る会の名簿及び森友学園案件についてお尋ねがありました。  桜を見る会の招待者名簿については、公文書管理法等のルールに基づき、会の終了後、遅滞なく廃棄することとしたものと承知をしております。  森友学園案件については、財務省において自ら非を見詰めた、あっ、認めた調査報告書を取りまとめており、会計検査院も二度にわたる検査報告を国会に提出をし、さらに、第三者である検察の捜査も行われ、結論が出ていると承知をしております。  こうした内容については、これまでも国会等において様々なお尋ねに対して丁寧に説明を行ってきたところと承知しており、今後も必要に応じてしっかりと説明をしてまいります。  大事なことは、行政において国民の疑惑を招くような事態を起こさないことであり、今後も国民の信頼に応えるために、公文書管理法に基づき文書管理を徹底してまいります。  そして、核の先行不使用宣言、核兵器のない世界に向けた取組に関する地元広島の声にどう応えるかということについてお尋ねがありました。  現在、バイデン米政権では新たな核態勢の見直しの策定が進められており、日本政府としてもその結果を注視しています。  日米両国間では日頃から安保・防衛協力に関連する様々な事項について緊密かつ幅広く意見交換を行っておりますが、やり取りの内容や今後の対応の詳細については、まさに我が国の安全保障に関わるという事柄の性質もあり、また米側との関係もあり、お答えは差し控えます。  いずれにせよ、現下の厳しい安全保障環境に鑑み、国の安全を確保することは総理として最重要な課題であると考えており、今後とも日米間で緊密な意思疎通を図ってまいります。  同時に、私は、被爆地広島出身の内閣総理大臣として、核兵器のない世界に向けて引き続き全力を尽くす決意です。  本日、唯一の同盟国である米国との間で、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であるNPTに関する日米共同声明を発出いたしました。今夜のバイデン米国大統領とのテレビ電話会談でも、核兵器のない世界に向け、共に取り組んでいくことを確認したいと考えております。  核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。  我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。  この核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約に核兵器国は一か国も参加をしておりません。  御指摘のような対応よりも、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器国の関与を、核兵器国に関与させるよう努力していかなければなりません。  そのためには、まず核兵器のない世界の実現に向けて、唯一の同盟国である米国との信頼関係を構築していかなければなりません。今夜のバイデン大統領とのテレビ電話会談でも、核兵器のない世界に向けて共に取り組んでいくこと、これを確認したいと考えております。(拍手)     ─────────────

小川敏夫各派に属しない議員副議長

○副議長(小川敏夫君) 福島みずほ君。    〔福島みずほ君登壇、拍手〕

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  私は、立憲民主・社民の会派を代表し、総理に質問いたします。  まず、年末年始、聖イグナチオ教会の大人食堂相談会、女性による女性のための相談会、池袋で行われたTENOHASIの支援の現場、大久保公園での支援の現場など、様々な現場に足を運びました。仕事がない、お金がない、住まいがない、地面の底が抜けるような人たちにたくさん会ってきました。お金がない、お米がない、暮らしていけない、そんな人たちです。横浜の寿では延べ三千人ほど来たということなので、全国では何万人という人たちが様々な支援の現場に足を運んだと思われます。しかし、これは氷山の一角です。民間NPO、NGOは人々の命を守る、救うために奮闘し続けていますが、その現場から政府が見えません。公助の出番なのに公助がありません。  総理、このような現実をどう受け止めていますか。何がこの状況を生み出したと分析をしていますか。  一九九四年、非正規労働者は九百七十一万人で全体の二〇・一%でした。それから二十五年後の二〇一九年、非正規労働者は二千百六十五万人、約四割になり、倍増しています。二〇二〇年はコロナ禍で、雇用の調整弁的に非正規雇用の人は七十五万人も減少しています。  総理の新しい資本主義は、人への投資や賃金を上げた企業への減税という従来と変わらない政策で、非正規労働者への対策は不足をしています。使い捨て可能な非正規雇用を増やしてきた政府・与党の責任は極めて大きく、転換が必要だと考えますが、いかがですか。  日本の実質賃金は、一九九六年、七年頃をピークに、約四半世紀の間、下がってきています。OECD調査によれば、二〇二〇年の世界の平均賃金比較で、三十五か国中、日本は二十二位です。実質賃金は下がっているにもかかわらず、二〇年度末の大企業の内部留保は四百八十四兆円にもなっています。二〇二〇年の民間給与実態統計調査によると、男性の非正規労働者の年収は二百二十八万円、他方、女性の非正規労働者の年収百五十三万円です。  男女とも賃金を上げていくこと、女性への賃金差別をなくすことが急務です。正社員を増やす法制度、同一価値労働同一賃金の徹底、最低賃金を大幅に上げていくことなど必要だと考えますが、いかがですか。  女性の低賃金も深刻です。日本は、ジェンダー平等指数、世界で百二十位です。政治の場における女性の政治進出が少ないことと、女性の低賃金が大きな要素です。女性による女性のための相談会に何度も参加をしてきました。女性の貧困と女性への暴力の両方が相まって、多くの女性たちが深刻な生きづらさを抱えています。  また、子供の七人に一人が貧困です。大きな理由は、シングルマザーの年間就労所得が低いことがあります。  四歳と五歳の子供を連れたシングルマザーに相談会で出会いました。コロナ禍で飲食店の仕事がなくなり、生活相談に来ていました。このコロナ禍で深刻化する貧困によって苦しんでいる女性は、一人ではありません。  女性の貧困、女性の低賃金をなくすために、より具体的で、かつ効果的な政策を実行すべきではないですか。また、シングルマザーに対する恒久的な支援策を根本的に考えるべきではないですか。  生活保護制度の立て直しも急務です。二〇二〇年十一月十六日、渋谷のバス停のベンチにいた六十四歳の住居を持たない女性が殴られて亡くなりました。彼女の所持金は八円でした。試食販売などで働いていた彼女がなぜ生活保護などの支援に結び付かなかったのか、本当に残念でなりません。  様々な支援の現場で、生活保護を受けることもあり得ますよと言っても、生活保護だけは受けたくないという声を随分聞きました。生活保護は、憲法二十五条が規定する健康で文化的な最低限度の生活を保障するための役割を果たしていません。  二〇一二年に自民党のある国会議員は、生活保護を受けることを恥だと思わなくなったことが問題だと言いました。生活保護バッシングが広がり、生活保護を受けることが恥だという意識は驚くほど人々の中に浸透してしまったと考えています。  厚生労働省は、生活保護は国民の権利ですと言っています。しかし、これだけでは生活保護を受けることに対する否定的なイメージを変えることはできていません。総理が率先して、責任を持って偏見を払拭するため取り組むべきではないですか。    〔副議長退席、議長着席〕  申請の際にためらう理由は、親族への扶養照会をすることにもあります。疎遠になった親族に対して、そもそも扶養照会をすべきではありません。二〇二一年三月三十日、厚生労働省は生活保護の扶養照会に関する事務連絡を出しました。扶養照会について、要保護者の意向を尊重するという内容です。しかし、なかなかこれが現場で徹底していません。生活保護の現場で扶養照会をやめるよう徹底すべきではないですか。  看護師、介護士、保育士など、女性に多いケア労働の現場で働く人たちの賃金がいまだに低く、コロナ禍でエッセンシャルワーカーの人たちの雇用を守ることが必要です。月額四千円や九千円の賃上げが二月から始まりますが、そもそも賃金が安いことが問題です。一時的で一貫性のない賃上げでは不十分です。総理の見解をお聞かせください。  今年の十月以降、看護師は診療報酬で、介護士は介護報酬で賃上げの分を賄うということになっています。それでは介護における利用者負担が増えることになります。介護における利用者負担増は利用抑制を招く点で問題ではないですか。  住宅支援についてお聞きします。  非正規雇用なのは自己責任、賃金が安いのは自己責任、コロナ禍で職を失ったのは自己責任、住まいが得られないのも自己責任だと思わされてきています。しかし、そうではありません。政治の貧困であり、政治の責任です。  健康で文化的な最低限度の生活が保障されるならば、最低限度の居住も保障されるべきです。住まいは権利であるというハウジングファーストという理念が政策に必要です。  諸外国に比べて公営・公団住宅が少ないため、コロナ禍での一時的な給付金だけでは住まいの保障にはなりません。公営・公団住宅の確保や住戸確保給付金制度の拡充のほか、恒久的な制度として家賃補助を含めた住宅支援をすべきだと考えますが、いかがですか。  選択的夫婦別姓についてお聞きをします。  姓はその人の人格の一部です。長年生活や仕事で使ってきた姓を結婚によりどちらか一方の変更を強制することは、人格権の侵害です。選択的夫婦別姓は、自分の姓を選択できる制度であって、同姓を選択もでき、別姓を認めたところでほかの人の権利を侵害するものでは一切ありません。  総理は、車座集会において子供の氏はどうなるのかという質問が出たことを、選択的夫婦別姓については慎重な検討が必要だという理由にしています。しかし、法制審の議論で既に、あらかじめ子供の氏を決めることで問題とならないということで決着が付いています。  また、通称使用では限界があります。パスポートの記載など、通称では難しい場面に直面します。選択的夫婦別姓の実現によって、そうした問題は解決することができます。もはや別姓を拒む理由はありません。  選択的夫婦別姓の実現が必要だと考えますが、子供の氏、通称使用をすればよいという理由以外で総理が実現できないと考える理由を具体的にお答えください。  政治の私物化、公文書改ざんについてお聞きします。  安倍、菅政権の下で、森友学園、加計学園、桜を見る会、国土交通省における改ざん問題、日本学術会議の任命拒否といった問題が起きてきました。この政治の私物化、公文書改ざんの問題について、自民党総裁として解決をすべきではないですか。  森友学園についてお聞きをします。  赤木雅子さんにお会いしました。改ざんを強制され、自殺をしてしまった赤木俊夫さんについて、総理は十分な説明を果たしたと考えていますか。  当時の安倍総理が、二〇一七年二月十七日、国会で、私や妻が関係していたなら国会議員も総理大臣も辞めると答弁しました。改ざん指示のメールが本省から近畿財務局に来たのは二月二十六日です。安倍総理の答弁が引き金となって改ざんに至ったのではないですか。総理の見解をお聞かせください。  赤木雅子さんが提訴した国家賠償請求訴訟において、国は答弁書で棄却と主張しました。しかし、赤木雅子さん、弁護団の頑張りで赤木ファイルが出てきました。裁判に負けると思ったのか、証拠調べをさせないために幕引きを図ったのではないですか。  国が一億円以上もの税金を使うことは、納税者である国民に対して説明責任が発生します。国民に対する説明として、今回の裁判を認諾としたことを税金の使い方としてどう説明するのでしょうか。  国家賠償法一条二項は、公務員の行為が故意又は重過失でなされた場合は、国は自ら賠償した後にその公務員に求償できると規定しています。赤木ファイルからは、当時の局長であった佐川宣寿氏の指示であったことが明確です。佐川氏には故意があります。政府が国家賠償法一条二項に基づいて佐川氏に一億数千万円求償するのが当然です。いつ求償するのか、答弁ください。  国土交通省の統計改ざん問題についてお聞きをします。  建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る検証委員会の報告書が出ましたが、過大な数字を導く目的で作為的に二重計上を生じさせたことは確認できないとしています。しかし、このように長期的に継続したことは全く不自然です。いつ、誰が、どのような目的で改ざんを命じたのか、改めて調査すべきではないですか。  日本学術会議の問題についてお聞きをします。  総理大臣がどの学者を排除するかを判断することは、憲法二十三条が規定する学問の自由を明確に侵害するのではないですか。  今年は、沖縄復帰五十周年の節目の年に当たります。  復帰当時、沖縄県民が復帰を望んだ理由は、日本国憲法の下に戻り、平和で人権の尊重される暮らしを送りたいということであったと言われています。しかし、日本国憲法の上に、事実上、日米安保条約、日米地位協定があると言われるほど、県民の生存権、平和的生存権、幸福追求権が過重な米軍基地負担によって侵害されています。総理はそのことをどうお考えですか。  復帰五十年もたつにもかかわらず、県民所得は全国最下位であり、本土との経済格差が厳然と存在しています。翁長前知事は、基地は経済の阻害要因だと言いました。そのとおりです。返還された跡地に建設された新都心などの地域では、雇用が拡大し、経済も大きく成長しています。総理は、強い沖縄経済をつくるための取組を進めると施政方針演説で述べました。沖縄の経済を強くするために、政府として最優先すべきことは、これ以上新たな基地を造らず、宜野湾市の中心を占拠する普天間基地を、飛行場を即時返還させることではありませんか。  また、沖縄の南部戦跡の遺骨の混じった土砂を辺野古新基地建設に使う計画が進められています。防衛省が土砂採掘予定地としたために採掘が始まっています。遺骨収集を妨害することは絶対に許されません。非人道的です。南部の土砂を使うべきではないという意見書が全国百七十八の自治体から二〇二二年一月十九日までに参議院に提出されました。本島南部地域を土砂採掘予定地から外すべきではありませんか。  沖縄、山口、広島の米軍基地周辺自治体で新型コロナの感染が拡大しています。特に、沖縄で深刻です。在沖米軍の累計感染者数は二〇二二年一月二十日時点で七千九百五十三人にも上ります。日米地位協定の規定により、海外から米軍基地へ直接入る米軍関係者は米側が検疫を行うことになっていますが、これが水際対策の大きな穴となって、国民の暮らしや命を脅かしています。沖縄で指摘されてきながらも放置し、感染拡大を招いた政府の責任は甚大です。どうお考えになりますか。  総理は、今回、日米地位協定の改定には言及されませんでした。しかし、日米地位協定は明らかに日本の主権を脅かしています。同じように地位協定を結んでいる韓国やドイツは地位協定を改定しています。日米地位協定の第二十七条に「いずれの政府も、この協定のいずれの条についてもその改正をいつでも要請することができる。」とあります。国民の命と暮らしより日米地位協定が重要ですか。いつでも改定を要請できるなら、今すぐ要請すべきではありませんか。バイデンさんとの会見で、まずそれを言うべきではないでしょうか。  西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画について伺います。  石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島、屋久島、そして種子島、そして馬毛島にも行きました。2プラス2で馬毛島が候補地から整備地に正式決定しましたが、地元西之表市への説明がなく、八板市長は、住民を置き去りにしていると反対表明しました。国として、地元に対する説明はどうなっているのでしょうか。結論ありきの強引な進め方は問題ではないですか。  憲法改正についてお聞きします。  コロナ禍で苦しむ国民は憲法改正など望んでいません。憲法九条を改正することは、戦争のできる国にすることです。戦争をしないようにすることこそ政治の役割ではないですか。広島出身の総理大臣として、平和への思いをお聞かせください。  緊急事態条項は、国会の承認なく内閣のみで法律と同じ効力を持つ政令を作ることができるものです。唯一の立法機関である国会を無視して、内閣のみで基本的人権を制限できるようにするものです。国会を無視すべきではありません。総理としての責任はどうお考えですか。  今求められていることは、憲法が規定する生存権、表現の自由、思想、良心の自由、学問の自由、労働基本権、幸福追求権等を保障し、人々の命と暮らしを守ることです。憲法を生かすことこそ必要であり、憲法改正ではありません。憲法を守らない政府・与党に憲法改正を言う資格はありません。  憲法尊重擁護義務は、国務大臣、国会議員にこそ向けられていることを私たちは考えるべきです。憲法改悪ではなく、憲法を生かしていく政治を実現していくと申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

岸田文雄自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 福島みずほ議員の御質問にお答えいたします。  NPO等の現場についてお尋ねがありました。  長引くコロナ禍により、貧困を抱える世帯の生活が厳しくなるとともに、孤独・孤立の問題が深刻な社会問題となる中、困難を抱える方々と行政の橋渡しをするNPOへの支援は非常に重要です。  令和四年度予算と令和三年度補正予算を合わせて約六十億円を活用し、孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動を積極的にきめ細かく支援をしてまいります。  昨年、車座で子供食堂や困窮者支援を行うNPO等の方々のお話を伺いました。こうした現場の声を反映し、昨年末に政府として初めて取りまとめた孤独・孤立対策の重点計画に沿って、官、民、NPOが緊密に連携しながら、貧困や孤独・孤立を抱える方々に支援を届けてまいります。  非正規労働者、雇用労働者への対策についてお尋ねがありました。  政府としては、誰もが納得した待遇の下で、一人一人の希望に応じて、多様で柔軟な働き方を選択できる社会を実現していくことが重要であると考えております。  非正規雇用の方の正社員化については、キャリアアップ助成金等による支援に加え、今般、人への投資を抜本的に強化するため、三年間で四千億円規模の施策パッケージを創設し、非正規雇用の方を含め、再就職や正社員化に向けた学び直しや職業訓練の支援を強力に進めます。  また、女性が七割を占める非正規雇用労働者については、同一労働同一賃金の導入など、必要な制度整備を行ってきたところであり、労働局による助言、指導等により、公正な待遇の確保に向け、法の履行確保を図ってまいります。  最低賃金については、できる限り早期に、全国加重平均千円以上となるよう、最低賃金の見直しにも取り組んでまいります。  女性の貧困対策、一人親支援についてお尋ねがありました。  長引く新型コロナにより深刻な影響を受けている女性への支援は重要な課題であると認識をしています。特に、一人親の方は、子育てと仕事を一人で担い、経済的にも厳しい状況にあると認識をしています。  政府としては、女性の貧困、低賃金をなくすため、また、一人親に対する支援として、非正規雇用労働者の待遇改善や正社員化、資格取得に向けた訓練中の生活費の支援、子育て・生活支援、養育費確保支援及び児童扶養手当の支援等の経済的支援などを進めており、引き続き、貧困に苦しむ女性への支援に取り組んでまいります。  生活保護についてお尋ねがありました。  生活保護の申請が国民に認められた権利であることは、厚生労働省のホームページ等で周知を行っているところであり、引き続き、保護を必要とする方が申請をためらうことがないよう、呼びかけを行ってまいります。  また、扶養義務者の扶養が保護に優先して行われることは生活保護法に明記された基本原理であり、扶養照会は必要な手続ではあります。他方、自治体に対し、要保護者が扶養照会を拒んでいる場合には、その理由について特に丁寧に聞き取ることを求めており、こうした扶養照会の弾力的運用について引き続き周知徹底に努めてまいります。  看護師等の賃上げについてお尋ねがありました。  医療や介護、保育等に従事する方々の勤務環境や処遇改善は大変重要な課題であると認識をしております。  今般の措置が継続的なものになるよう、本年十月以降、看護、介護については診療報酬改定、介護報酬改定により、保育については公定価格の見直し等により措置することとしております。  介護保険制度は、保険料負担、そして公費負担、利用負担、これらの適切な組合せによって国民皆で支え合うことで持続可能なものとしており、こうした組合せの下で対応していくことが適切であると考えております。  住宅支援についてお尋ねがありました。  住まいは生活の基盤であり、様々なニーズに応じた住まいの確保を支援しております。具体的には、公営住宅等の供給やセーフティーネット住宅の登録の推進、また住居確保給付金の拡充、福祉施策と一体となった住居支援等に取り組んでいるところです。引き続き、こうした取組を推進し、関係省庁が一体となって住まいの確保に取り組んでまいります。  そして、選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。  選択的夫婦別氏制度は、広く国民全体に影響を与えるものであり、現在でも国民の間に様々な意見があると承知をしております。それゆえ、その制度の導入については、しっかり議論をし、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えているところであります。  森友学園案件等についてお尋ねがありました。  森友学園案件に関する今般の訴訟においては、裁判所の訴訟指揮に従い、真摯に対応してきたところであり、認諾の際にも、赤木さんが亡くなった経緯をできる限り詳細に記載した書面を提出し、御遺族の求めにも可能な限り対応するなど、丁寧な対応に努めてきたと認識をしております。  また、同案件における決裁文書改ざんなどの一連の問題行為について、これまでも財務大臣から、国会審議において案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的であり、安倍元総理の答弁が問題行為の出発点やきっかけになったとは考えておりませんとの答弁がなされていると承知をしています。  今後は、行政において国民の疑惑を招くことがないよう、公文書管理法に基づく文書管理の徹底等に取り組んでまいります。  森友学園案件に関する訴訟についてお尋ねがありました。  今般の訴訟については、財務省において、昨年十月に示された原告側の主張を踏まえて方針を検討した結果、赤木氏が当時様々な業務に忙殺され、決裁文書改ざんの指示への対応を含め厳しい業務状況に置かれる中、精神面、肉体面において過剰な負荷が継続したことにより自死に至ったことについて国の責任は明らかであるとの結論に至ったことから、損害賠償義務を認めたものと承知をしております。  なお、国が今回負うことになった損害賠償義務は、赤木氏が当時厳しい業務状況に置かれる中、国として安全配慮義務を十分尽くせなかったことに係る責任によるものと承知をしております。  国家賠償法に基づく求償については、当事者たる財務省において、国が個々の職員に対して求償権を有するとは考えていないと判断していると承知をしております。  そして、国土交通省の統計問題についてお尋ねがありました。  今般、建設工事受注動態統計調査における不適切な処理が検証委員会の調査により明らかになり、極めて遺憾であると考えております。  検証委員会では、統計の学者のみならず、元検事や弁護士から成る第三者委員会として、今回の不適切な処理について、調査票の合算や二重計上の原因を含め、徹底的に検証が行われたと考えております。  今回の報告も踏まえ、政府統計に対する信頼回復に全力で取り組んでまいります。  日本学術会議会員の任命と学問の自由についてお尋ねがありました。  憲法第二十三条に定められた学問の自由は、広く全ての国民に保障されたものであり、特に大学における学問研究及びその成果の発表、教授が自由に、発表、そして教授が自由に行われることを保障したものであると認識をしております。  これまでも、当時の内閣総理大臣や官房長官が繰り返し国会で答弁しておりますが、一昨年の日本学術会議の会員の任命は、憲法第十五条一項の規定の趣旨を踏まえ、任命権者である当時の内閣総理大臣が、日本学術会議法により、推薦に基づいて国の行政機関として職務を行う会議の一員として公務員に任命したものです。  こうした考え方に基づく任命権の行使が、会員等が個人として有している学問の自由を侵害することになるとは考えておりません。  沖縄の基地負担についてお尋ねがありました。  戦後七十五年以上たった今もなお、沖縄の皆様には大きな基地負担を背負っていただいております。到底是認できるものではありません。この事実を重く受け止め、国を挙げて基地負担の軽減に一つ一つ結果を出してまいります。  また、強い沖縄経済をつくるため、沖縄の優位性、潜在力を生かした競争力のある産業の振興、また各種の人材育成、産業を支えるインフラの整備などの取組を進めてまいります。  世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。  日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたときに、辺野古移設が唯一の解決策との方針に基づいて着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。  これからも、日米同盟の抑止力を維持しながら、沖縄の皆さんの心に寄り添い、沖縄の基地負担軽減に取り組んでまいります。  普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。  沖縄防衛局が沖縄県に提出していた変更承認申請書においては、変更承認後の埋立てに使用する土砂の調達の候補地として沖縄本島の南部地区が記載されていますが、採掘については変更承認申請書の提出以前から行われているものと承知をしています。  この変更承認申請については、昨年十一月の不承認処分を受け、現在沖縄防衛局が国土交通大臣へ審査請求を行っているところであり、この変更承認後の土砂の調達先について、現時点でお答えすることは控えなければなりません。  いずれにせよ、さきの大戦で悲惨な地上戦を経験した沖縄では、御遺骨の問題は大変重要であると考えております。  在日米軍における新型コロナ感染事案及び日米地位協定の見直しについてお尋ねがありました。  米国関係者に対する入国時の検疫に関しては、例えば英国、韓国においても、我が国と同様に、米軍基地から入国する場合には米軍が検疫を行うこととなっていると承知をしており、我が国が他国と比べて米軍に特別な扱いをしているとの指摘は当たらないと考えています。  今回の新型コロナ感染拡大の事案においては、速やかな対応が求められます。このため、私から、在日米軍の外出制限ができるだけ早期に実施されるよう強く申入れを行うよう指示をいたしました。その結果、米国は、必要不可欠な場合以外の外出は認めない、夜間の外出を禁止するなどの在日米軍の感染拡大防止措置を発表いたしました。  在日米軍の駐留に関わる保健衛生上の課題に関し、日米地位協定に基づく日米合同委員会において、感染拡大の防止及び地元の方々の不安解消に向けて、日米間で連携をより一層強化してまいります。  鹿児島県の馬毛島における自衛隊施設の整備についてお尋ねがありました。  我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中で、自衛隊の活動、訓練拠点となるとともに、日米同盟の抑止力、対処力の維持強化にも資する施設を南西地域に早期に整備することが必要です。このため、政府として、馬毛島における自衛隊施設の整備を着実に進めていく考えです。  その際には、地元の皆様の理解と協力が重要であり、防衛省において説明を積み重ねてきました。今後とも、地元の皆様の声を受け止めながら、丁寧な説明に努めてまいります。  なお、今般の2プラス2の結果等についても、鹿児島県及び西之表市等の地元に対し防衛省から説明を行っています。  そして、私の平和への思いについてお尋ねがありました。  私は、国民の命と暮らしを断固として守り抜くとともに、地域そして国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に積極的に貢献していく覚悟であります。そのために、被爆地広島出身の総理大臣として、未来への理想、これはしっかり掲げつつも、同時に、急速に厳しさを増す我が国を取り巻く安全保障環境等も直視をし、徹底的なこの現実主義を貫く新時代リアリズム外交、これを展開してまいりたいと考えております。  そして、憲法改正についてお尋ねがありました。  国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関であることに鑑み、御指摘のような緊急事態で国会の機能が確保できない場合における国民の生命、財産の保護のための行政権限の一時的な強化の在り方についても重要な論点であると考えます。  内閣総理大臣の立場からは憲法改正についての議論の進め方あるいは内容について直接申し上げることは控えなければなりませんが、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかどうか、与野党の枠を超え、積極的な議論が行われることを心から期待をしております。(拍手)     ─────────────

山東昭子各派に属しない議員議長

○議長(山東昭子君) 宇都隆史さん。    〔宇都隆史君登壇、拍手〕

宇都隆史自由民主党・国民の声

○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  私は、自由民主党・国民の声を代表して、岸田総理の施政方針演説等に対し、質問いたします。  変異を繰り返し、伝播力を高める新型コロナウイルスは、いまだに世界中の人々の生活や企業の経営を苦しめています。  岸田総理は、施政方針演説の中で、一度決めた方針でも、より良い方法があれば、ちゅうちょなく対応を改め、柔軟に対応を進化させていくと述べられましたが、その姿勢に大いに賛同いたします。  ただ、その場合に重要なのが、方針を変更した根拠と決心に至る思考過程の丁寧な説明です。総理は、判断の背景をしっかり説明する努力をしてきたと言われます。国政の場で政府から説明を聴取している私どもの立場からすれば、そのとおりだと理解をいたします。  しかし、市中の声に耳を傾けると、具体的データの開示とそれに基づく政府の判断の説明が圧倒的に足りないという批判の声もあります。  コロナウイルスは未知のウイルスではあるものの、発生初期の一昨年と比べ、最近では徐々に様々な特性がデータ等により明らかになってきました。コロナ対応に対してもEBPMを徹底し、科学的根拠に基づく政策判断を行うべき時期に来ていると考えます。人々の権利や行動を抑制する緊急事態宣言やまん延防止措置の発出は、空気で判断してはなりません。発出や解除に当たっては、地方自治体の首長とよく連携し、その数値基準等を明確に示して国民の理解を得ていかなければ、宣言を発出しても、期待した効果を得ることができないおそれもあります。  現在オミクロン株による感染が拡大している地域では、症状は比較的軽い方が多い一方で、昨年までと変わらぬ対応となっていることから、保健所等での業務は膨大となり、職員は慢性的に疲弊して、機能不全に陥っています。  そこで、現在のオミクロン株を含めたコロナ感染状況は、科学的に見て、エボラ出血熱、ペストなどの一類感染症、結核、SARS、MERSなどの二類感染症、コレラ、赤痢などの三類感染症や新型インフルエンザ等感染症と同等の危険性があるという政府認識なのでしょうか。また、どのような条件を満たせば、あるいは課題をクリアすれば、季節性インフルエンザ並みの五類感染症相当に下げられるとお考えでしょうか。総理の御見解をお伺いいたします。  オミクロン株の感染拡大により、全国の新規陽性者数は一月十八日に三万二千人を超え、これまでに最も多かった昨年八月二十日の二万五千九百九十人を上回り、その後も増加しています。しかし、全国の重症者は、一月十九日時点で二百八十一人と増加しているものの、十月二十日以来の低水準となっています。陽性者数が爆発的に増加しても、重症者の数はそれよりも低い伸びとなっているのが分かります。  陽性者数が増えても、症状が軽く医療逼迫に至らない状況であれば、必要以上の経済的制限を掛けるのは過剰反応とも言えます。総理は病床の稼働状況の見える化を強化すると言われますが、マスコミの報道等により日々の陽性者数だけが独り歩きすることで、国民の間には不安といら立ちが募っています。  国民自身が判断できる数値情報を適切に提供するという観点から、日々の陽性者数については病床使用率とセットで示し、医療逼迫度を国民に分かりやすく可視化することが大切であり、報道機関も活用した情報発信の工夫に努めてはいかがと思いますが、総理の御所見をお聞かせください。  ワクチンによる感染予防効果や発症予防効果等は、オミクロン株に対しても、三回目接種で更に高くなることから、政府は三回目のワクチン接種を積極的に推進しています。  ただ、我が国がG7の中で最も高い二回目ワクチン接種済率となっているのは、国を挙げたワクチン接種体制の整備等があったことは確かですが、ワクチン接種に関する情報を広く提供したことで、国民の皆様からワクチンへの信頼を得ることができたのも大きいと感じています。  しかし、三回目接種については、一回目、二回目と異なるワクチンを接種する交互接種が一定数想定されていることなど、これまでとは違う環境となっています。また、既に三回目を接種した者からの情報では、三回目の副反応はかなり強く出たという話を耳にしたこともあります。また、既に罹患した者は抗体数値がワクチン接種者よりも数倍も高く、同量のワクチンを二回も接種する必要がないことも分かってきました。  そこで、三回目以降の接種については、これまでの副反応等の症例を広く開示するとともに、既に罹患した者には抗体数量検査も推奨しつつ慎重に進めるべきだと考えますが、この点について、総理の御所見をお聞かせください。  また、ワクチンパスポートについて、ワクチン接種からの時間が経過すれば感染予防効果が逓減することから、回数を基準とした接種証明書の発行は意味を成さなくなるのではないかという意見もあります。今後は回数のみにこだわらず、抗体数量もワクチンパスポートによる行動緩和等の条件に加えるべきではないかという意見もありますが、総理の見解を問います。  さらに、十二歳以下のワクチン接種について、海外のデータでも健康な若年男性を中心に心筋炎、心膜炎の発症例が報告されているという情報もあることから、その安全性や必要性に対して保護者も不安や疑問を抱えてしまい、接種をためらってしまうことも考えられます。昨日、新型コロナウイルスワクチンの接種対象を五歳から十一歳までに広げる特例承認が出され、三月にも接種が始まる見通しですが、保護者が十二歳以下のワクチン接種について正しい判断ができるよう、政府による科学的根拠を伴う説明とリスクに関する情報開示の徹底が必要と考えますが、総理のお考えをお聞かせください。  各自治体がワクチン接種を行える状況にあるとすれば、自衛隊による大規模接種会場を再設置する必要性があるのでしょうか。一、二回目の接種時は、自治体も混乱し、急を要する感染拡大状況でもあったため致し方ないと思いますが、三回目のワクチン接種については、前回の経験や知見もあることから、自治体で十分に対応できるのではないかと考えられますし、基本的に自由接種ですから、三回目の接種に一体どれほどのニーズがあるのかも掌握できていないと聞きます。  しかも、前回の自衛隊による大規模接種会場は三か月間と撤収期限を示して行いましたが、今回は現時点でも七月末までと報じられており、活動期間は半年と、大幅に長くなっています。撤収の頃には四回目接種の時期とも重なり、自衛隊による大規模接種が常態化していくことを懸念します。仮に自治体や民間で十分にできるにもかかわらず安易に自衛隊を使えば、自衛隊活用のあしき前例となるばかりでなく、国防という本来任務の妨げにもなります。  そこで、今回の自衛隊による大規模接種を再開しなければならない理由を説明いただくとともに、具体的なその規模と撤収時期の考え方について、総理の所見をお聞かせください。  在日米軍が、本年、九月三日以降、米国出国時も日本入国時もPCR検査を省略し、我が国の水際対応と比べずさんな対応となっていたことは極めて遺憾です。ワクチン接種や感染状況に鑑み、日米共に行動制限が一時緩和されていたとはいえ、オミクロン株の脅威が世界的に広がる中、双方の水際対処で同調が図れていなかったことは、同盟の信頼性にも関わる問題です。米軍の入国時の検査等について、適正な処置が実施されていることを日本政府として確認できる体制構築が求められます。地位協定に基づく日米合同委員会にて具体的な改善策を提示すべきと考えますが、総理の見解を伺います。  総理が新しい資本主義の重要な柱とされた経済安全保障について伺います。  中国製アプリ、ティックトックが利用者の個人情報を収集、管理していた問題で、米国商務省はこれらアプリに対して国家安全保障上のリスクを唱えています。また、インド政府は国内使用を禁止し、オーストラリア政府も警戒しているとの報道があります。また、昨今、韓国にサーバーを持つLINEの閲覧履歴が委託先の中国企業の技術者により閲覧可能となっていた問題が発覚し、改めてこれら海外SNSアプリの安全保障上の危険性がクローズアップされています。  政府や地方公共団体の中には、機密性を要する情報を取り扱う業務や個人情報を取り扱う業務についても、これら海外SNSアプリを使用していた例もありました。機密性や個人情報に関連しない業務であったとしても、情報量や他の情報との組合せによっては国民の安全を脅かすことにつながりかねません。  そこで、日本政府として、海外SNSアプリの危険性をどのように評価しているのでしょうか。また、日常的に秘密に指定される情報を扱う政府職員等に対し、このような海外アプリの使用制限についてはどのような指示がなされているのでしょうか。総理に伺います。  総理は、研究開発投資先としての成長分野に、AI、量子、バイオ、ライフサイエンス、光通信、宇宙、海洋を挙げられました。しかし、航空産業もこれらの成長分野と引けを取らない有望な投資先です。  今後の研究開発投資は、コロナ収束後も見据えた中長期の経済情勢を考慮すべきであり、数年後に国際的な物流、人流が回復すれば、航空産業は今後も成長発展を続ける重要産業です。三菱スペースジェットの開発凍結に見られるように、日本の航空産業技術は戦後大きく立ち遅れてきました。その反省に立ち、コロナ禍で世界の航空産業が足踏みしている今こそ、遅れを取り戻し、攻勢に転する最大のチャンスと捉えるべきです。  また、ビフォーコロナにおいては、安全、静寂、エコな日本の航空産業技術は世界から注目されており、十分な国際競争力を秘めています。気候変動問題への対応、脱炭素社会への実現は、世界が注目する成長分野であり、新しい時代の成長を生み出す可能性を秘めた国内航空産業への戦略的な投資を図るべきです。  航空産業への国としての積極的な投資をお願いしたいと考えますが、総理の見解を伺います。  我が国は、戦後、工廠を持たず、自衛隊を支える防衛装備品の生産、開発、整備の基盤を国内民間企業に依存してきました。  しかし、近年、国内企業の防衛産業からの撤退が相次ぎ、重大な問題となっています。既に、防弾性能などを持つ軽装甲機動車の開発や陸自向けの新規の機関銃、航空機のパイロット緊急脱出装置の生産からの国内企業の撤退が決まっています。自国の防衛産業が衰退してしまうと、自衛隊が使用する装備の機動的な導入や保守整備に影響が及びかねません。  政府は、今国会にて、民間汎用品のサプライチェーンを保護するための経済安全保障に関する新たな法案提出を予定していると聞きますが、国内防衛産業の維持強化についてもこの法案でカバーできるのでしょうか。国内防衛技術基盤を安全保障上の重要分野として位置付け、国家として保護し、企業の撤退リスクを回避すべきと考えますが、小林経済安全保障担当大臣の見解を問います。  また、現行の防衛省の契約方式には、企業努力により契約価格よりも安く納入できた場合でも差額の国庫返納を求めるという、企業側に全くインセンティブが働かない制度になっているものがあります。早急に改めるべきだと考えますが、この点について総理の御見解をお伺いします。  昨年十月、徳島県の公立病院がコンピューターウイルスによるサイバー攻撃を受け、実質的な機能停止状態に陥りました。大阪府や奈良県内の病院でも、サイバー攻撃によりカルテが暗号化され、診療に支障を来しました。犯罪集団による脅迫か、国家的レベルの攻撃なのかはっきりしませんが、デジタル化の進展と併せてサイバー攻撃が急増していることは確かです。  二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会では、期間中、ロンドン大会を超える四億五千万回のサイバー攻撃があったと承知しています。政府が民間とも連携し、このサイバー攻撃を完全に阻止して大会を安全に成功させることができたことを高く評価いたします。  さらに、政府は、今国会において警察法の改正案を提出し、新たにサイバー警察局と自らサイバー捜査を行うサイバー特別捜査隊を新設し、国のサイバー能力強化を図ることを検討していると伺っています。  そこで、今回の法改正の意義とその必要性について、二之湯国家公安委員会委員長に伺います。  また、重要インフラに関するサイバーセキュリティー強化については、政府機関だけでなく民間にも高い基準を求め、国としての財政支援と指導監督を強化すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。  新時代リアリズム外交について伺います。これまでの外交と何が違い、どのように変えていくのか、具体的な中身を確認したいと思います。  総理は第一の柱で普遍的価値の重視を掲げていますが、中国の人権問題に対して日本の強い姿勢が全く見えてこないとの声が多くあります。また、中国とは国交正常化五十周年という節目ではありますが、尖閣を含めた地域内での許容できない示威的な活動、香港、ウイグル、チベットといった人権弾圧状況を見れば、日中関係を友好的に祝うような環境にはありません。  そのような中、普遍的価値を守るという理念を曲げて、中国を刺激しないようにと、建設的、安定的といった表面的対応を優先すれば、日本の国益を損なうばかりでなく、同盟国や諸外国にも誤ったメッセージを与え、約十年掛かりで進めてきた自由で開かれたインド太平洋が瓦解するおそれすらあります。  そこで、総理が初めて任命した専任の国際人権問題担当の補佐官には具体的にどのような指示を与えているのでしょうか。政府として、人権侵害に対して独自の制裁を科すような日本版マグニツキー法の制定を目指すお考えなのでしょうか。総理の認識をお伺いします。  岸田総理は、新時代リアリズム外交の第二の柱に地球規模課題への取組を掲げられました。世界が新型コロナウイルスからの脅威にさらされる中、日本がこれまで推進してきたユニバーサル・ヘルス・カバレッジの重要性がますます大きくなってきています。  我が国は約九十年前に公的保険制度を導入し、一九六一年に全ての国民が加入する公的医療保険制度を確立させました。さらに、保健医療へのアクセスの改善を進め、早期にユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成し、世界有数の健康長寿国を実現しています。この経験をアジアやアフリカで役立て、国際的な議論をリードしてきました。  その上で、我が国が国際社会におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進という役割を一層果たすために、その母体となる機関としてWHOユニバーサル・ヘルス・カバレッジセンターを日本に設置すべきだという提言を参議院自民党の武見敬三先生が中心的に取りまとめ、昨年末に自民党政務調査会として政府に提言したところであり、早期に実現すべき重要なプロジェクトであると考えております。  そこで、WHOユニバーサル・ヘルス・カバレッジセンターの日本設置についての総理のお考えを伺います。  本年は、日本においてクアッド首脳会議が開催されると報じられています。二〇一三年に安倍総理が提唱したインド太平洋構想から実に十年越しの国際戦略が実を結ぼうとしています。  そこで、日本での開催を機に、岸田政権の外交レガシーとして、四か国の外相、防衛相を同時に招いての初のクアッド外相・防衛相合同会合、クアッド2バイ4と言えると思いますが、この開催と定例化を提唱してはいかがでしょうか。外交・安全保障分野において四か国の外相、防衛相が一堂に会し、インド太平洋を取り巻く様々な問題に関して議論することは非常に大きな意義があり、また、国際社会に対してもクアッド四か国の結束とFOIP推進の力強いメッセージを発することができると考えております。  そこで、総理のクアッド首脳会議に対する意気込みとクアッド2バイ4の開催の意思について見解を問います。  台湾承認国が二十一か国から十四か国に激減しています。昨年十二月、ニカラグアが台湾との国交を断絶し、中国との国交を樹立しましたが、同時に、中国からコロナワクチン百万回分を受け取ったとの報道がありました。中米では昨年十一月にホンジュラスの大統領選挙があり、台湾と国交断絶し、中国との国交を結ぶとの公約を掲げた左派野党連合のシオマラ・カストロ女史が選挙戦に勝利しました。背景には、ワクチンを確保できない中道右派与党政権のコロナ対応に国民の批判が高まっていたことがあります。  日本は、海外と比べ比較的コロナ感染をコントロールできている状況にありますが、世界の誰一人取り残さないとの方針の下、複数の国、地域でワクチンを購入し、公平に分配するための国際的な枠組みであるCOVAX等を通じて中低所得国へのワクチン供給にも力を入れてきました。しかし、いまだ十分とは言えません。地球規模で交流がある現代社会で感染収束を実現するためには、世界の全ての国、地域においてコロナを抑え込む必要があり、そのためにも途上国を含めたワクチンへの公平なアクセスと十分な量を確保することが必要です。  そこで、国産ワクチンの開発、製造を急ぎ、一日も早く中低所得国等へのワクチンを供給する側に回る必要があると考えますが、現在の政府の国産ワクチン開発取組状況と国産ワクチン使用承認の目標時期について、総理にお伺いします。  新時代リアリズム外交の第三の柱である国民の命と暮らしを守る安全保障政策について伺います。  北朝鮮は、極超音速ミサイルなど迎撃の難しいミサイル開発を進めています。一月五日に発射されたミサイルはマッハ六、十一日はマッハ十と性能を増しており、しかも変則軌道を取るなど、我が国への脅威は著しく高まっています。さらに、十四日にも鉄道機動ミサイルの訓練、十七日は戦術誘導ミサイル実験を行ったと公表し、既に今年に入ってから四度も弾道ミサイル発射を行っています。  中国も、十分な透明性を欠いたまま軍事力の強化を進め、ミサイル防衛システムの突破が可能な打撃力を獲得するための超音速滑空兵器の開発も急速に推進しており、去年八月の発射実験は、米軍制服組トップにスプートニク・モーメントにかなり近いものだと言わせるほどのインパクトがありました。  これら北朝鮮、中国におけるミサイル開発の進展状況を見れば、ミサイルが発射された後の迎撃対処のみで我が国の国民の命を守り切ることは既に不可能であり、リアリズムにのっとった安全保障政策を早急に構築すべきです。  日本独自の攻撃力を保有することは現実問題として必要不可欠であり、総理が、あらゆる選択肢を排除せずに現実的に検討する、その姿勢を示されていることを高く評価します。新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防に関して、現実的に国民の命と暮らしを守り切るためには何ができるのか、自民党政調会でも徹底した議論を尽くし、今国会会期内には取りまとめて政府に提言したいと思います。  また、国家安全保障戦略、防衛大綱等の改定に伴い、当然、継続を見直し、損切りを決断すべき事業もあり得ると考えます。特に、地上イージス・アショアシステムの断念と混乱により、海上自衛隊の任務を軽減するという本来の目的からも外れ、予算的にも青天井に膨れ上がりかねないイージス搭載新造艦については、事業の打切りも選択肢としてあり得るという意見もあります。  そこで、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の改定についての総理のお考えと、それに伴う継続事業の見直しに関して、総理の見解を問います。  次期中期防衛力整備計画の予算規模について伺います。  自民党は、さきの衆議院総選挙にて、NATO諸国の国防予算の対GDP比目標二%以上も念頭に防衛関係費の増額を目指すとの政策を訴え、国民の信託をいただきました。これは、岸田総裁以下、私たち自民党議員全員が国民に対して示した公約であり、民主主義国家にとって何にも増して重たい主権者との約束です。また、これは我が国だけの安全や平和だけでなく、同盟や地域全体の安定のためにも必要不可欠な財政支出です。  総理は、施政方針演説の経済再生の項において、経済あっての財政と述べられましたが、安全保障の面からいえば、国の独立、平和あってこその財政であることは疑いもありません。特に、自衛隊は、長年GDP比一%程度に限られた予算制約から、正面装備品の購入を優先せざるを得ず、整備、補給といった後方分野、燃料、弾薬等の貯蔵、新たな防衛技術の研究開発、勤務環境、訓練環境の整備といった分野を犠牲にして先延ばしにしてきました。  この改正のタイミングで運用と後方のバランスを取るためにも、次期中期防においてはGDP比二%を目標とした大規模な防衛予算の増額、確保を行うべきと考えますが、総理の認識を伺います。  尖閣含めた南西諸島における安全保障環境は、これまでで最も厳しくなり、自衛隊、海上保安庁によって昼夜を分かたぬ警戒監視が続けられています。  総理は、島嶼防衛力強化のために、海上保安体制の強化、海上保安庁と自衛隊の連携を掲げられました。しかし、現状においては、海上保安庁法には平時における警戒監視任務は規定されておらず、また、武器の使用に関しても、一般犯罪を念頭に海上警察権の行使を前提としたもので、尖閣周辺海域でも領海に侵入する中国漁船に対し威嚇射撃や警告射撃は行われず、放水による対処しか行われていないのが現状です。  自民党の中では、これまでも、保安庁法を改正し、平時における海上警戒監視任務を付与し武器の使用要件を明確にすること、また、グレーゾーンや有事の際に自衛隊と連携して任務を遂行できるようにすること、それが必要ではないかとの議論を重ねてまいりました。  そこで、以上のような趣旨の海上保安庁法改正の是非について、総理の御見解を伺います。  最後に、総理が、政治の最大の原動力は国民の声であると喝破されたことに大いに賛同いたします。民主主義と権威主義の最大の違いは、政治の側が主権者たる国民の良識を信じることに尽きると考えます。  総理が目指される信頼と共感の政治は、忍耐力と謙虚さに加え、国民を粘り強く説得する強い信念が必要不可欠です。私たち参議院自民党も、関口議員会長、世耕幹事長の下、一丸となって、国民の不安に寄り添い、声なき声に丁寧に耳を傾け、そして日本の繁栄と国民の幸福を政治的に実現するために、必要な政策を分かりやすく説明、かつ粘り強く説得し、国民とともに日本の民主主義をより良いものとすることに全力を傾注することを改めてお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

岸田文雄自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 宇都隆史議員の御質問にお答えいたします。  新型コロナの感染症法上の位置付けについてお尋ねがありました。  御指摘の五類感染症は、感染力及び罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から危険性が高くない等の要件に該当する感染症が指定されており、仮に新型コロナウイルス感染症の分類を五類感染症に変更した場合、そうした要件に該当する必要があります。  オミクロン株については、専門家から、感染力が高い一方、感染者の多くは軽症、無症状であり、重症化率は低い可能性が高いといった分析が報告されているものの、まだその特性は十分に明らかになっているとは受け止めておりません。  このため、オミクロン株が今急拡大しているこの時点で、このタイミングでこの感染症法の位置付けを変更することは現実的ではないとは思っておりますが、新型コロナの感染症法の位置付けについては、変異を繰り返す新型コロナの特質をしっかり考えた上で、今後の感染状況等も踏まえ、厚生労働省の審議会等において、専門家の意見を伺いながら議論を行っていきたいと思っております。  そして、医療逼迫の可視化等についてお尋ねがありました。  国民の皆さんの安心を取り戻し、国民の命と健康を守り抜くため、昨年十一月に取りまとめた全体像に基づき、ITを活用した病床の稼働状況の徹底的な見える化を強化してまいりました。  御指摘の医療の逼迫状況の可視化については、政府のホームページにおいて、日々、感染が拡大している自治体の陽性者数や病床使用率をまとめて示しているところです。  引き続き、国民の命を守ることを第一に、先手先手で、報道機関への積極的な情報提供を含め、迅速かつ分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。  ワクチン接種等についてお尋ねがありました。  ワクチンの接種については、今後もワクチンの有効性や副反応に関する情報など、接種の判断をするに当たって必要な情報を国民に丁寧に説明しながら、着実な実施に万全を期してまいります。  行動制限緩和の条件に抗体の数量を用いることについては、この現在の科学的知見において、どの程度の抗体の量があれば感染を予防できるか等、まだ明らかになっていないことがある、こうしたことを考えますに、慎重な対応がまだ必要ではないかと考えます。  そして、十二歳未満の子供への接種に関する有効性、安全性については、専門家による確認など必要な手続を進めています。接種を開始することとなった場合には、国民の皆様に丁寧に情報提供を行ってまいります。  自衛隊による大規模接種についてお尋ねがありました。  ワクチンの三回目接種のペースアップに向けて、厚生労働省から各自治体に対して、大規模接種会場の設置、あるいは接種券の前倒しでの送付といった取組を進めていただくよう要請をし、そして自治体の取組も本格化してきているところです。  国としても、必要なワクチンの確保に努めるとともに、自衛隊による大規模接種会場の設置を行って、自治体と、地方自治体と連携しながら、希望する国民が円滑に接種できるよう、一丸となってワクチン接種の加速化の取組をやはり強化していかなければならないと思っております。  自衛隊による大規模接種会場の具体的な規模については、接種規模、接種、施設の規模を勘案し、現時点では、東京会場で一日当たり二千百六十回、大阪会場で一日当たり九百六十回の接種能力を確保できると考えております。  撤収時期については、三回目の対象者数を踏まえて、御指摘のように、七月三十一日までを予定しておりますが、接種予約等の状況により、これ柔軟に対応していかなければならないと考えております。  そして、米軍の入国時の検査体制についてお尋ねがありました。  在日米軍施設・区域内及びその周辺自治体で感染拡大が起こっていることを踏まえ、米側に対して強く申入れを行い、その結果、米国は、必要不可欠な場合以外の外出は認めない、夜間の外出を禁止するなど、在日米軍の感染拡大防止措置、これを発表いたしました。  在日米軍の駐留に関わる御指摘のようなこの保健衛生上の課題に関し、日米地位協定に基づく日米合同委員会において、感染拡大の防止及び沖縄県を含む地元の方々の不安解消に向けて、日米間で連携を一層強化していきたいと考えます。  そして、海外SNSアプリの危険性評価、政府職員の使用制限についてお尋ねがありました。  政府においては、サイバーセキュリティー対策のため統一基準を策定し、各府省庁はこの基準に沿って対応しているところです。  統一基準においては、海外の事業者に限らず、民間事業者が提供するSNSアプリでは、要機密情報を取り扱う上で必要十分なセキュリティー要件を満たすことが一般に困難であることから、原則として要機密情報を取り扱うことはできないこととしています。  また、要機密情報を取り扱わない場合であっても、サービスの提供形態によって外国の法令が適用される場合があるなど様々なリスクがあることから、責任者がリスクを十分検討した上で、サービスの利用を許可する業務の範囲を決定しており、職員は定められた利用手続を遵守するものとしているところであります。  航空産業への国の支援についてお尋ねがありました。  航空産業は、足下では新型コロナにより大きな影響を受けておりますが、中長期的には新興国の経済成長や国際物流の増加等を背景に持続的な成長が見込める重要な産業です。  同時に、国際的な脱炭素社会の潮流の中で、温室効果ガス排出削減のための革新的な技術導入が求められております。こうした変革は、我が国航空産業の国際競争力を強化するチャンスでもあります。  政府としても、グリーンイノベーション基金等も活用し、特に我が国が高い技術基盤と競争力を有する複合材料、水素エンジン、電動化技術といった分野に積極的に支援を行うなど、官民が連携して戦略的な取組を進めてまいります。  防衛産業と防衛省の契約方式についてお尋ねがありました。  防衛産業は、我が国の防衛力の一部であり、基盤強化が急務です。御指摘の防衛省における契約方式については、企業の側にもインセンティブが働く制度とするよう、防衛省にも検討をさせていきたいと考えます。  そうした点も含め、新たな国家安全保障戦略等の策定に際しても、防衛産業の厳しい現状を踏まえ、防衛生産・技術基盤の在り方に焦点を当てて議論をし、防衛産業活性化のための抜本的な対策を検討してまいります。  重要インフラに関するサイバーセキュリティー強化についてお尋ねがありました。  我が国の経済社会は様々な重要インフラサービスの継続的な提供に依存しており、安全で安心な社会実現には、脅威が年々高まっている重要インフラのサイバーセキュリティーを確保し、強靱性を高めることが不可欠であります。  サイバーセキュリティ基本法においては、重要インフラ事業者は、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティーの確保に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するサイバーセキュリティーに関する施策に協力するよう努めるものとされています。また、国は、重要インフラ事業者におけるサイバーセキュリティーに関し、基準の策定、演習及び訓練、情報の共有その他の自主的な取組の促進その他の必要な施策を講じるものとされています。  政府としては、重要インフラに関わる各主体それぞれの責務を踏まえつつ、昨年九月に策定したサイバーセキュリティ戦略に基づき、官民が一体となって堅牢な重要インフラの実現に向けた取組を推進してまいります。  国際人権問題についてお尋ねがありました。  私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しており、初めて任命した専任の補佐官とともにしっかり取り組む覚悟です。  総理補佐官には、外務大臣や経済産業大臣など関係閣僚と緊密に連携をし、全体を見つつ、大所高所の観点から、私に対して適切な助言や提言を行ってもらいたいと指示をしており、国際人権問題について、補佐官の下に二つの会議体を設置して検討を進めています。  深刻な人権侵害については、省庁横断的に取り組むとともに、米国などの同盟国、同志国と緊密に連携して、しっかり取り組んでいきます。その上で、法整備については、幅広い理解が重要との観点から、超党派での議論をよく見守るとともに、これまでの日本の人権外交を踏まえ、引き続き検討をしてまいります。  そして、WHOユニバーサル・ヘルス・カバレッジセンターの日本への設置についてお尋ねがありました。  全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを支払可能な費用で受けられる状態、これを目指すユニバーサル・ヘルス・カバレッジについては、国民皆保険をいち早く達成した我が国の外交の重要テーマとして推進し、国際的な取組を主導してまいりました。  今後、同センターの日本への設置については、WHOと検討を行うためのタスクフォースの立ち上げに向けて取り組んでまいります。  日米豪印の取組についてお尋ねがありました。  私の内閣では、同盟国、同志国と連携し、自由で開かれたインド太平洋を力強く推進する決意であり、そのために日米豪印も活用をしてまいります。  今後、毎年、日米豪印の首脳会合を開催していくことで一致をしています。私自ら先頭に立って、四か国で緊密にすり合わせを行い、ワクチンやインフラといった種々な分野での協力を深め、自由で開かれたインド太平洋を共に力強く推進してまいります。  これらの協力の進め方については、議員御指摘のような点も含めて不断に検討をしていきたいと考えます。  そして、国産ワクチンについてお尋ねがありました。  新型コロナワクチンについては、国内で開発、生産できる体制を確立しておくことは危機管理上も極めて重要です。このため、政府としては、PMDA、医薬品医療機器総合機構において、後発ワクチン向けの評価に関する新たなガイドラインを策定したほか、開発、生産に取り組んでいる国内企業に対し、生産体制の整備や補助、あっ、整備への補助や有効性を検証する臨床試験の実施費用に対する補助などを行っています。  この薬事承認の時期について予断を持ってお答えすることは難しいものの、引き続き、国内での開発、生産の基盤整備、しっかり後押しをしてまいります。  そして、国家安全保障戦略等の策定等についてお尋ねがありました。  極超音速滑空兵器や変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術は急速なスピードで変化、そして進化しています。  こうしたミサイルの問題や一方的な現状変更の試みの深刻化、また軍事バランスの急速な変化、また宇宙、サイバーといった新しい領域、経済安全保障上の課題、これらの現実から目を背けることなく、政府一丸となって、我が国の領土、領海、領空、そして国民の生命と財産、守り抜いてまいります。  このため、おおむね一年掛けて、新たな国家安全保障戦略等を策定いたします。この中で、ミサイル防衛体制を始め国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのかという問題意識の下、いわゆる敵基地攻撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいります。  なお、事業の見直しについて御指摘がありましたが、何よりも大事なことは、国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか、これを突き詰めていくことだと考えております。  そして、防衛産業、あっ、防衛予算についてお尋ねがありました。  何よりも大事なことは、国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか、こうした議論をしっかりと突き詰めていくことです。防衛費についても、金額、そして結論ありきではなく、現実的な議論の結果として必要なものを計上してまいります。  今後、おおむね一年掛けて、新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を作成していく中で、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいります。  そして、島嶼防衛力強化のための海上保安庁法改正の是非についてお尋ねがありました。  武力攻撃に至らない侵害に適切に対応するためには、警察力と自衛隊との連携が極めて重要であり、現行の法制の下、海上警備行動等の発令手続の迅速化を図ったほか、海上保安庁等関係機関の対応能力の向上、また情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を推進しています。  今後の取組については、法整備が必要という声もあります。その中で、各機関の連携を充実させ、円滑にさせるために必要なものがないか、訓練等を通じてなお一層検討を進めてまいります。  政府としては、海上保安庁と自衛隊の連携を含め、海上保安体制を強化して、我が国の領土、領海、領空、そして国民の生命と財産を断固として守り抜くという強い覚悟を持って、冷静かつ毅然と対応してまいります。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)    〔国務大臣小林鷹之君登壇、拍手〕

小林鷹之自由民主党内閣府特命担当大臣(科学技術政策・宇宙政策)

○国務大臣(小林鷹之君) 経済安全保障に関する新たな法案と国内防衛産業の維持強化の関係についてお尋ねがありました。  経済安全保障は我が国にとって待ったなしの課題であり、その推進に向けた新たな法制については、現在、有識者会議を立ち上げた上で、様々な分野の有識者の皆様に議論を行っていただき、検討を進めております。  また、防衛産業を始めとする防衛生産・技術基盤は、我が国防衛力の重要な構成要素であり、その維持強化については新たな国家安全保障戦略等の策定に係る議論の中で政府全体として検討を進めているものと承知をしております。  厳しさを増す安全保障環境や技術革新の急速な進展等の状況を踏まえますと、経済安全保障、そして防衛生産・技術基盤の維持強化いずれもが極めて重要な課題であると認識しており、経済安全保障の取組が防衛生産・技術基盤の維持強化にも資するよう、防衛省を始めとする関係省庁とも適切に連携してまいります。(拍手)    〔国務大臣二之湯智君登壇、拍手〕

二之湯智自由民主党・国民の声国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策)

○国務大臣(二之湯智君) 宇都隆史議員より、今回の警察法改正の意義とその必要性についてお尋ねがありました。  最近におけるサイバー空間の脅威は極めて深刻であり、サイバー空間の安全、安心を確保することは国民が安心して暮らせる社会の実現のために不可欠であります。  こうした情勢を踏まえ、警察庁にサイバー警察局を設置するとともに、重大なサイバー事案の捜査を行うサイバー特別捜査隊を関東管区警察局に設置するなど、サイバー事案への対処能力の強化に必要な組織改正を実現するため、今国会に警察法改正案を提出する準備を進めております。  この組織改正により、サイバー事案の厳正な取締りや国内外の関係機関との連携を更に推進し、サイバー空間の更なる安全、安心の確保を図ってまいります。(拍手)

山東昭子各派に属しない議員議長

○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十五分散会

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