法務委員会 第13号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2022/05/19
会議録
○委員長(矢倉克夫君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、堀井巌君及び石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として山崎正昭君及び山本博司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(矢倉克夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官吉住啓作君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢倉克夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(矢倉克夫君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。 今日は、ひき逃げ死亡事故の公訴時効の問題について取り上げたいと思います。具体的な事件を例に議論していければというふうに思います。 二〇一一年、私の地元佐賀県小城市出身の平野隆史さんという二十四歳の会社員の方が山梨県甲斐市でひき逃げされ、死亡するという事件がありました。事件発生が日付を大きく超えた未明ということもあり、物証や目撃情報が少なく、非常に残念ながら、昨年の二月に過失運転致死罪の十年の公訴時効が成立してしまいました。 先日、私は、平野さんの佐賀県小城市の御実家に伺い、お母様から、お母様の平野るり子さんからお話を聞いてきました。その悲しみは、察するに余りありました。お母様は、理不尽な形で子供を奪われた気持ちは体験した人にしか分からないとおっしゃっておられました。そして、過失運転致死罪の公訴時効十年について、交通死亡事故の罪の軽さに驚いたというふうに言われておられました。平野さんの事件は時効となってしまいましたが、今も公訴時効の撤廃を望んでおられました。 法律を改正して公訴時効をなくすというのは簡単ではないことではありますけれども、過去に例がないことではありません。 二〇一〇年に、殺人罪の時効は廃止されました。殺人の時効を撤廃する法改正の審議で、公訴時効という制度が存在している意義について、当時の法務大臣は、時の経過による法的安定を図る必要と説明されておられました。そして、その要素として三点挙げておられて、一、時の経過によって証拠が散逸する、二、被害者を含む社会一般の処罰感情が希薄化する、三、犯人が処罰されることなく一定の期間が経過した場合には、そのような事実状態を尊重すべきという三点を挙げておられます。 公訴時効を制度として存置、維持する三つの理由について、それぞれ伺っていきます。 まず、一番目の時の経過によって証拠が散逸するという点についてです。 公訴時効が撤廃された殺人罪と過失運転致死罪とを比較したときに、時の経過によって証拠が散逸する可能性が殺人罪の方が低いと言えるのでしょうか、考えをお聞かせください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 時効制度の趣旨、それから法的安定性を図るべき要素ということについては、委員御指摘のとおりでございます。その上でお尋ねに関してでございますが、委員が御指摘された三つの要素のうち、時の経過によって証拠が散逸する可能性という点につきまして、殺人罪と比較して過失運転致死罪がより高いと言えるかどうかについては一概にお答えすることは困難でございます。
○山下雄平君 一概に言えないということは、それを認めることもなかなか難しいということでもあろうかと思います。 二点目、被害者を含む社会一般の処罰感情が希薄化するという点です。 公訴時効が撤廃された殺人罪とひき逃げによる過失運転致死罪とを比較したときに、殺人罪の方が被害者を含む社会一般の処罰感情が希薄化する場合が相対的に少ないと認識されているのでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、殺人罪につきましては公訴時効制度の対象から除外されておりますが、その理由につきましては、人の生命を故意の犯罪行為により不可逆的かつ永続的に絶つものであって、現行法においては、そのような事犯の重大性を考慮すると、被害者を含む社会一般の処罰感情が犯人の処罰を一律に免れさせるまでに希薄化することは考えられないことから、公訴時効制度の対象から除外されているものと理解をしております。 他方、過失運転致死罪につきましては、人の生命という重大な結果を生じさせるものでございますが、人の生命を奪うという重大な結果を生じさせるものでございますが、過失による犯行でございまして、法定刑は、殺人罪の法定刑の上限が死刑であるのに対しまして、過失運転致死罪は七年以下の懲役若しくは禁錮となっておりまして、類型的な当罰性に格段の差が設けられていることから、公訴時効制度の対象とするかどうかについて同様に取り扱うこととはされていないものと考えられるところでございます。
○山下雄平君 この感情において、被害者の方は、被害者の家族の方は、件数が非常に少ないからそれが伝わってないんじゃないかということを、政府に伝わってないんじゃないかというふうな意見もありましたけれども、この十年で過失運転致死罪で時効を迎えた件数というのは何件あるのか、お聞かせください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 お尋ねのような観点から統計を取っていないところでございまして、網羅的に把握しておらず、お尋ねにお答えすることは困難でございます。
○山下雄平君 これ、ほかの犯罪では時効の件数というのは統計を取っています。このひき逃げ死亡事故をめぐり、被害者家族から政府に時効撤廃の要望が出されているのに件数も把握していないというのは、非常に私は問題だと思います。 技術的にも不可能ではなく、難しいことでも私はないと思います。統計の取り方を見直して、過失運転致死罪の時効件数を把握するように検討すべきではないでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 どのような統計を取っていくかということにつきましては、委員の御指摘も踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
○山下雄平君 いや、本当にネットを調べてニュースを当たるだけでも相当な確度の件数が取れるので、是非前向きに検討していただければと思います。 次に、理由の三点目、犯人が処罰されることなく一定の期間が経過した場合には、そのような事実状態を尊重すべきという理由についてです。 ひき逃げ死亡事故に限らず、一般論として、犯人が処罰されることなく一定の期間が経過した場合には、そのような事実状態を尊重すべきと考える理由はどこにあるのでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えをいたします。 公訴時効制度の趣旨に関しまして、法的安定性を図るべき要素の一つとして事実状態の尊重が挙げられておりますのは、公訴が被告人を危険に直面させるものであることに鑑み、人をいつまでも不安定な状態に置くべきではなく、一定の期間訴追されていないという事実状態を尊重し、国家の訴追権を時間的に制限すべきと考えられるという趣旨であると理解しております。
○山下雄平君 人を不安定に長い期間置くべきではないという点について、家族の、被害者家族においては、加害者側の人権は守られているけれども被害者の人権は守られてないんじゃないかというふうなことを、叫びも、お声も聞きました。その声にどのように反論されますか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 反論というものではございませんけれども、公訴時効制度の趣旨に関しましては、法的安定性を図るべき要素の一つとして、先ほど委員からも御指摘のありました事実状態の尊重が挙げられているところでございます。 もっとも、公訴時効制度は、御指摘のように、加害者側の人権は守られているが被害者側の人権は守られていないというものではなく、制度の趣旨は、先ほども申し上げておりますが、法的安定性の要請と処罰の必要性の調和を図ることにありまして、被害者が事件の当事者として関心を寄せる当該事件の犯人の処罰の必要性も踏まえたものであると考えております。
○山下雄平君 では、この殺人罪の公訴時効を撤廃する際の法務大臣の答弁では、殺人罪においては事実状態の尊重という必要性の度合いが弱くなるというふうに答弁されております。 車で人をひき、助けもせずに逃げてしまった事件と殺人罪を比較したときに、その度合いに差があると考えておられるのでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 公訴時効制度の趣旨に関しまして、法的安定性を図るべき要素の一つとして事実状態の尊重が挙げられているところでありますが、犯罪が重大であるほどその処罰を確保する必要性は大きくなることから、比較考量の結果として、事実状態の尊重の趣旨は後退することとなるところでございます。このことを前提として、現行法においては、人を死亡させた罪であって死刑に当たるものは、その事犯の重大性に鑑み、特別に公訴時効制度の対象から除外されているところでございます。 これに対しまして、いわゆるひき逃げ死亡事故、すなわち過失運転致死罪及び道路交通法の救護義務違反の罪につきましては、それぞれの罪の法定刑から併合罪加重をいたしましても処断刑の上限は懲役十五年でございまして、当罰性は類型的に見て殺人罪と比較して格段の差があることから、公訴時効制度の対象とするかどうかについて、同様に取り扱うこととはされていないものと考えられるところでございます。
○山下雄平君 格段の差があるというふうにおっしゃいましたけれども、この犯罪の重大性について、平野さんのお母様は、車でひいたのに助けずに逃げるのは殺人したのと同じだと訴えておられました。 ひき逃げ死亡事故においては、特別に公訴時効を撤廃するべきではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 いわゆるひき逃げ死亡事故につきましては、先ほども申し上げましたとおり、殺人罪とは類型的に当罰性に大きな差が設けられているところでございます。 その上で、いわゆるひき逃げ死亡事故につきまして、公訴時効制度の対象から除外すべきでないかという点でございますが、公訴時効制度の趣旨につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、このような公訴時効制度の仕組みにおきまして、人の死亡を伴うものを含めてほかにも様々な罪がある中で、過失運転致死罪等の罪についてのみ公訴時効制度の対象から除外すること、あるいは罪を犯した犯人が逃げている事件のうち、救護義務違反を伴う過失運転致死罪等の罪についてのみ公訴時効制度の対象から除外すること、これらについては、公訴時効制度の趣旨との関係や他の犯罪との均衡等の観点から慎重な検討を要すると考えているところでございます。
○山下雄平君 ほかにも様々な犯罪があって、その均衡という話もありましたけれども、そうであれば、そうした法、刑法の体系のバランスが崩れるというのであれば、私は、人を奪って逃げているような事案については一律公訴時効を撤廃すればいいというふうに思います。 今日度々引用いたしました殺人罪の時効を撤廃するこの法改正されたときの法改正の審議のとき、古川法務大臣は衆議院の法務委員会のメンバーでもおられたので、当時の議論は私よりよく御存じだというふうに思います。 殺人罪においても、二〇〇四年の時点では、その当時の法務省の刑事局長が、事案によっては、時効によって打ち切って、捜査機関はまたほかの捜査に振り向ける、本人は安定した地位で社会的に生活していく、そういう必要性のある場合もあろう、殺人罪の公訴時効制度を撤廃することはちょっと困難ですというふうに述べられています。つまり、以前も殺人罪においても公訴時効の撤廃は困難ですと法務省が答弁しておったけれども、その後には改正されているわけです。 私は、平野さんのお母様にお話を伺いまして、亡くなった命は戻らないが、せめて人の命を奪った罪を認め謝ってほしい、自分の家族の事件は時効となってしまったけれども、制度として時効が撤廃されたら天国で喜んでくれると思うというふうにおっしゃっておられました。この思いに法務大臣として応えられる余地というのはないでしょうか。お考えを法務大臣にお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(古川禎久君) ひき逃げ死亡事故の御遺族の方からは、これまでも、この公訴時効を撤廃すべしという趣旨での嘆願書等をいただいております。まさにこの切実な思いをしっかり受け止めなければならないというふうに思っております。 ただいま刑事局長から答弁がありましたとおり、救護義務違反を伴う過失運転致死罪等の罪についてのみ公訴時効の対象から除外するということについては、公訴時効制度の趣旨との関係や他の犯罪との均衡等の観点から慎重な検討を要すると考えております。 また、今委員がおっしゃったように、ならば一律変えればいいではないかということも含めて、これはその以外のものとのバランスということも、これは考えなければなりません。 そのような様々な事情、犯罪の性質や被害の実情等を踏まえた上で、これは不断に検討をしてまいりたいというふうに思います。
○山下雄平君 是非、不断に検討して、前向きに動き出していただければと思います。 時間ですので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 先日、アメリカのニューヨーク州で、十八歳の白人青年が銃を乱射をして十人の黒人が命を奪われました。十八日にバイデン大統領と副大統領はその遺族にお会いをされて、そして事件の現場に立って、さらには演説を行いました。白人至上主義は毒だ、その毒はこの国にはびこっている、一部の政治家が人種差別をあおっている、こういう大統領としてのヘイトクライム、差別犯罪に対する非難を行いました。これまでにもバイデン大統領はそういう行動を取っております。さらに、その翌日の五月十八日、今度はカリフォルニア州で、白人の男性が台湾系の住民が集まっている教会に入り込んで、また銃を乱射をして六人が死傷をするという事件がありました。この事件について、NHKは報道するときに、ヘイトクライムかという表現をいたしました。 この日本でも、銃社会ではありませんけれども、同様の事態というのが続いております。 例えば、二〇二〇年一月、川崎市のふれあい館、多文化共生施設ですけれども、そこに宛てて、在日コリアンの虐殺宣言、爆破予告等の連続脅迫文書が送られました。以前もこの委員会でそのときのはがきについては資料としてお示しをいたしました。さらには、翌年二〇二一年の三月、川崎市ふれあい館の館長へコロナウイルス入りと称する脅迫物が送付され、さらには、二一年の七月から八月にかけては、韓国民団愛知、名古屋韓国学校、京都府ウトロのコリアン集住地区の民家が放火をされるという事件がありました。さらに、今年に入ってロシア料理店に対する大量の脅迫ツイートというものが続いております。 まず、外務省に伺いますけれども、菅前総理とバイデン大統領との共同記者会見の場でそういう人種差別的犯罪についての発言がありましたけれども、どういう内容だったでしょうか。外務省、お願いします。
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、菅前総理は昨年四月十六日にバイデン・アメリカ大統領と日米首脳会談を行ったわけでございますが、首脳会談での本件の議論に関しまして、菅前総理は会談後の共同記者会見におきまして、首脳会談で全米各地でアジア系住民に対する差別や暴力事件が増加していることについて議論し、人種などによって差別が行われることはいかなる社会にも許容されないことでも一致した、バイデン大統領の、差別や暴力を許容させず、断固として反対するとの発言を大変心強く感じ、アメリカの民主主義への信頼を新たにしたということを紹介されたところでございます。
○有田芳生君 実は、菅前総理がこのバイデン大統領との会談に行かれるときに、実は、アメリカでのヘイトクライムの現状だけではなくて、先ほど御紹介しました川崎市ふれあい館への様々な脅迫内容についても御存じで、それを意識して、この資料にもお示ししましたけれども、共同記者会見での発言に実はなっているんです。菅前総理は、日本における一連のヘイトクライム的動向について非常に憂慮されておられた前提で、バイデン大統領との共同記者会見に臨まれたんです。 警察庁に伺います。 先ほど紹介いたしましたけど、昨年の八月三十日の京都府宇治市のウトロ、在日コリアンの集住地域でどんな事件がありましたでしょうか。あるいは、その前にどんなことがあったでしょうか、名古屋などで。
○政府参考人(森元良幸君) お答え申し上げます。 お尋ねの京都府で発生した放火事件につきましては、令和三年八月三十日、京都府宇治市伊勢田町ウトロ所在の家屋に火を付け七棟を焼損させたとして、同年十二月、被疑者を非現住建造物等放火で逮捕しております。 また、同一犯による関連事件といたしまして、令和三年七月二十四日、愛知県名古屋市中村区所在の在日本大韓民国民団愛知県地方本部及び学校法人愛知韓国学園名古屋韓国学校におきまして、それぞれ建物の一部に火を付け焼損させたとして、同年十月、被疑者を器物損壊で逮捕しております。 また、令和三年七月、奈良県大和高田市日之出東本町所在の在日本大韓民国民団奈良県地方本部北葛支部の建物を焼損しようと企て、建物付近に火を付けた着火剤を置きましたが、建物に延焼しなかったとして、この事件は、令和四年三月、非現住建造物等放火未遂で書類送致をしております。 そのほかの事件につきましても、それぞれの地方検察庁に送致をしておるところです。
○有田芳生君 資料にもお示しいたしましたけれども、放火現場、七棟が焼けたわけですけれども、幸い子供たちが外に出ていて、大変な命に関わることは避けられましたけれども。 実は、この京都府宇治市ウトロというのは、戦前に陸軍が飛行場を造るんですよね。飛行場を造るために朝鮮人の人たちをその場に来てもらって、働いて、それで飯場ができて、戦争が終わって、その方々が更に暮らして今に至っているんです。 これ、ウトロというのは、実は、かつては宇土口って言ったんです、宇土口。宇土口って言ったのが、行政上のミスで、いつの間にかウトロというふうになってしまった土地なんですけれど、今でも在日コリアンの方々が暮らしていらっしゃいます。 そして、その事件の初公判がこの十六日、五月十六日に京都地裁で行われました。検察側の冒頭陳述では、犯行の動機について、韓国人への悪感情を抱いていたということが述べられております。そして、この悪感情って検察は言うんだけれども、いい感情か悪い感情かではなくて、朝鮮半島にルーツを持つ人たちならば理不尽な対応をしていいという差別的な犯罪なんですよね、明らかなんです。 この冒頭陳述によりますと、憂さ晴らしをするなら社会から注目を浴びたいといって放火をするんですけれども、先ほど警察庁に伺った名古屋での事件、それがニュースとして大きく取り扱われず物足りなさを感じていた。そして、資料でお示ししました上の方の写真がウトロ平和祈念会館なんですけれども、ここにウトロの歴史などを展示する予定だったんです。検察の冒頭陳述によりますと、被告人は、展示予定の資料を燃やせば社会から注目を浴びることができると考えた、そして事件を起こしてからはSNSにテロファイヤーが起きているというようなことを本人述べているんですよね。明らかに差別犯罪なんです、典型的な。 問題なのは、このヘイトスピーチ、ヘイトクライム問題にずっと携わってきた師岡康子弁護士が最近東京都二十三区の人権担当者の研修を行ったんです、三時間講演やったんですけれども。その人権担当の人たちに集まってもらって、このウトロの放火事件について知っているかと聞いたら、約三十人のうち二人しか知らないんですよね。大きく報道されていても人権担当者さえそういう現実があるということは、やはりもっともっと深刻さというものを明らかにしていかなければいけないと思うんですが。 法務省に伺いたいんですけれども、前もお聞きしましたけれども、ヘイトクライム、定義されていますか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えをいたします。 お尋ねのヘイトクライムにつきましては、政府としてその定義について特定の見解を有していないものと承知しております。
○有田芳生君 それがおかしいんですよ。もう世界的に一般的了解は少なくともありますよね。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 委員がお尋ねのように、その世界的な意味で一般的な了解がというところは私ども存じ上げないところでございますが、ヘイトクライムという用語が一般的に用いられていることは承知しております。
○有田芳生君 じゃ、なぜ定義にしないんですか。その理由を答えてください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 一般的な用語が用いられることは承知をしておりますが、その概念の正確な定義や外延につきまして、政府として特定の見解を有しているものではないということをお答えしているところでございます。
○有田芳生君 外務省に伺います。 二〇二一年三月二十六日の領事メール、アジア系住民に対するヘイトクライムについてという文書の説明をお願いします。
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。 昨年三月二十六日、在アメリカ合衆国日本国大使館から在米の在留邦人に対しまして御指摘の領事メールを発出して注意喚起を行ったところでございます。 その領事メールの中におきましては、米国においては、アジア系住民の外見的特徴を背景とすると思われる傷害等の事件が各地で確認され、新型コロナウイルス感染拡大等を起因するとされるアジア太平洋島嶼系米国人に対するヘイトクライムやヘイトインシデントの発生増加を危惧する声が高まっている、こうした状況を踏まえて、地域の安全情勢について情報収集に努め、安全対策を励行するよう注意喚起を行ったというところでございます。
○有田芳生君 もうアメリカでは普通に外務省もヘイトクライムという言葉を使って領事メールが出されているんですよね。その中には、ヘイトクライム被害の報告をしなさいとか被害状況を示す関連統計なども示されているんですけれども、これ、外務省は、ヘイトクライムの定義がなくてもこういう言葉を使われるというのはなぜですか。
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。 ヘイトクライムの定義につきましては、先ほど法務省参考人から御答弁あったとおりでございますけれども、この領事メールにつきましては、米国に在住する在留邦人に向けて注意喚起をするという趣旨で発出したというものでございます。 米国において一般的に使われる言葉の意味、人種、宗教、性的指向、民族への偏見などを動機とした犯罪といった意味で使用させていただいているというところでございます。
○有田芳生君 川原刑事局長、アメリカでは日本人に対してそういう今おっしゃった定義で文書が発せられているのに、何で日本で定義確定しないんでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 御指摘のそのアメリカにおけるメールの趣旨につきましては、今外務省の参考人から答弁があったところでございます。 その上で、再三のお答えで恐縮でございますが、先ほど来、ヘイトクライムというものについて、特定の定義、定義に関して特定の見解を有していないというのは、ヘイトクライムの概念の正確な定義やその外延について政府として特定の見解を有するものでないということでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○有田芳生君 アメリカでは、例えばカリフォルニア州の法務省、ヘイトクライムという文書を作って日本人に配布している、ニューヨーク州でもそのようなヘイトクライムについての警告を日本人に行っているんですよね。 定義がないというのは前もおっしゃっておりましたけれども、検討する予定はないんですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 刑事事件、私どもその刑事の部分を所管しているところでございまして、その刑事との関係におきましてお答えいたしますと、具体的な事案におきまして、その犯行の動機や態様が悪質性が認められる場合には、我が国の刑事裁判手続において、動機や態様の悪質性などとして適切に立証しておりまして、裁判所において量刑上考慮されていると、そういった実情にありますので、刑事裁判におきましては、ヘイトクライムという定義の有無にかかわらず、適正な事件の量刑がなされていると承知しているところでございます。
○有田芳生君 いや、端的に、今後検討されるおつもりはありませんかという質問なんです。
○政府参考人(川原隆司君) 私どもの立場としては、刑事事件の処理に当たってどうかということで先ほどお答えしたところでございます。 その上で、今後必要があれば、その必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
○有田芳生君 必要があればというのはどういう事態を指しているんですか。
○政府参考人(川原隆司君) 繰り返し申し上げますが、私どもの担当は刑事事件の処理でございますので、その刑事事件の具体的な処理に当たりまして、そういった必要性があればということが、私どもがもし検討を開始するということになれば、私どもとしてはそういった点を考慮することになろうかと思います。
○有田芳生君 更に伺いますけれども、ヘイトクライムを差別犯罪とすると、諸外国では、そのヘイトクライムと量刑との関係、例えばイギリスやアメリカやドイツではどういう関係になっていますでしょうか。量刑が重くなりますよね、外国では。
○政府参考人(川原隆司君) 先ほども申し上げたとおりでございますが、政府としてお尋ねのヘイトクライムの定義につきまして特定の見解を有していないところでございまして、それを前提といたしまして、ヘイトクライムであることを理由として量刑を重くした海外の事例、あるいは国内においてヘイトクライムであることを量刑に反映させた事例、こういった形での事例の把握はしていないところでございます。
○有田芳生君 それ、おかしいじゃないですか。前もお聞きしましたけれども、人種差別撤廃委員会、二〇一三年、政府は、人種主義的動機に基づく犯罪に対して、現行法でも動機の悪質性として適切に立証しており、裁判所において量刑上考慮し、裁判において適切に対処している。これ、二〇一三年の日本政府の報告書じゃないですか。そういう、刑事裁判において対応取っていらっしゃるわけでしょう。 これまでどういう例がありました。
○政府参考人(川原隆司君) その個別の例について、今、済みません、直ちに申し上げることは困難でございますが、今委員の御指摘のとおり、一般論として申し上げますれば、人種差別的動機で犯罪が行われた場合も含めて、犯罪の動機や態様等に悪質性が認められる場合には、我が国の刑事裁判手続において、動機や態様の悪質性などとして適切に立証されており、裁判所において量刑上考慮されているものと承知をしております。
○有田芳生君 昨日も質問通告でお聞きしましたけれども、具体的にどういう裁判で人種主義的動機による犯罪について考慮されたんですか、これまで。二〇一三年にこう答えているわけだから、日本政府は。それからもう十年たつわけでしょう。これまでどんな裁判で人種主義的動機による犯罪行為が量刑上、現行法でも考慮されたんですか。具体的に教えてください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 大変申し訳ございません、個別具体的な事案、個々の事案におきまして、裁判所の量刑の要因につきまして法務当局においてお答えすることは差し控えたいと存じます。
○有田芳生君 何で差し控えるんですか。もう終わっている裁判でしょう。そういう例がないんじゃないですか、言葉だけで言っていて、国際的には。どうなんですか。具体的に言えないというのはなぜなんですか。終わっている裁判でしょう。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 終わっている裁判、確かにそのとおりでございますが、その個々の量刑的な要因につきまして、私ども法務当局といたしましては、裁判所の判断に関わることについて具体的にお答えすることは差し控えたいと存じます。
○有田芳生君 だから、人種主義的動機が認定されて重く処罰された例というのはないはずなんですよ。国際的にやっていますよと言っているだけなんです。 もう時間が来ますから、最後に大臣に伺います。 大臣は、被害者の方も含めて、ヘイトクライム対策の提言をお受けになったと思います、公明党さんの御尽力で面会されて。大臣として今後どうされますか、こういう問題について。
○国務大臣(古川禎久君) 私は、そのいわゆるヘイトクライムと言われるこういう事柄に対して、以前この委員会でも御答弁申し上げたことがありますけれども、特定の人種や民族等々を理由として不当な偏見や差別などあってはなりませんし、ましてや暴力、犯罪というようなことは、断じてあるまじきことだというふうに考えております。 やはり私たちが目指すべき社会というのは、人というのはそれぞれが違うわけですから、ですから、その違いをお互い認め合って、尊重し合って、助け合っていく社会というものが私たちの目指すべき社会だというふうに私はかねて思っております。 今日、委員からはいわゆるこのヘイトクライムということをテーマに質疑、御質問をいただきながら質疑が進められてきたというふうに思いますが、私は、やはりこれは、法務大臣として具体的に何をするかという前に、やはり一人の人間として、政治家あるいはおよそ責任ある人は全て、いいものはいい、悪いものは悪いということを言えるような、そういうものでありたいというふうに思っているところです。
○有田芳生君 終わります。
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。 まず、ウクライナからの避難民の方々に対する支援につきまして、大臣にお伺いをしてまいります。 ウクライナから避難民の方々が来日されております。避難の長期化も見据えた継続的な生活支援が重要であることは言うまでもありません。 公明党といたしましては、ウクライナ避難民支援対策本部から、四月の二十八日に緊急提言を古川法務大臣宛てに提出をさせていただいております。その中で、身元引受人の有無にかかわらず、生活相談サポート、通訳、翻訳機の提供、生活や就労に必要な日本語教育の提供、職業相談・紹介、職業訓練、子供教育等は国が責任を持って支援を行うこと等をお願いを申し上げたところでございます。 そこで、古川大臣にお伺いいたします。今申し上げた点、現状の対応状況及び今後の見通しについてお答えをいただきたいと存じます。
○国務大臣(古川禎久君) 政府では、身元保証人の有無にかかわらず相談窓口での相談に応じていますほか、就労、医療、介護や子供の教育に関する利用可能な制度等についての情報提供を行っているところであります。 先月二十八日には地方出入国在留管理局にウクライナ避難民受入れ支援担当を配置しまして、各都道府県におきましても同様の情報提供を行っているところでございます。また、駐日ウクライナ大使館と連携し、希望者に対する翻訳機の提供、企業等からの支援物資やサービスを避難民の方々につなぐマッチングサイトの開設などの取組も開始したところでございます。 避難民の方々のニーズに応じて生活に必要な日本語教室などを実施していくことも重要と考えておりまして、日本語教育を所管する文化庁とも緊密に連携して対応してまいります。 就労支援につきましては、難民等に対する就労支援の実績のあるアジア福祉教育財団難民事業本部やハローワークと連携しつつ、地方自治体等とも連携協力しながら適切に取り組んでいるところであります。 さらに、身元保証人の有無にかかわらず、身元引受人、身元引受先のない避難民の方々に対しては、既に一時滞在場所の提供、生活費や医療費の支給、日本語教室を始めており、今後、カウンセリング、就労支援等、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を実施していくこととしております。 引き続き、関係機関とも緊密に連携協力し、政府全体として、ウクライナ避難民の方々の個々のニーズに応じた、避難民の方々に寄り添った支援に努めてまいりたいと存じます。
○安江伸夫君 網羅的にお答えいただき、ありがとうございます。 決してあってはいけないことではありますが、今、ウクライナの情勢、我が国でも大変注目が集まり、今政府を挙げて支援に取り組んでおります。しかし、これがかりそめにも長期化をしていってしまったときに、その注目が薄れ、その支援の手がやはり手薄になってしまう、こういうことは決してあってはなりません。引き続き丁寧に寄り添った支援、これをお願いしたいと思います。 今、大臣の御答弁の中で、あらあら網羅的に触れていただきましたところですが、少し深掘りをさせていただきます。 きめ細やかなサポートの提供に当たって、前提として、大臣も触れていただいたとおり、そのニーズの把握、これを適時適切に行い続けていく必要性がございます。当事者やまた支援者の方々にも丁寧に耳を傾け、適切な支援を打っていただきたいと思います。 そこで、入管庁にお尋ねをいたしますが、現在、避難民の方々の支援ニーズをどのように把握をしていらっしゃるのか、その把握に努めていただきたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) まず、外国人在留支援センター、いわゆるFRESCのヘルプデスクにおきまして、今般のウクライナ情勢の緊迫化に伴い同国から日本に避難してきた方からの電話相談に対応しており、その際、ウクライナ語での相談も受け付けているところでございます。 また、一時滞在施設に滞在中の方々からは、希望する支援内容や居住環境などの詳細について聞き取りを行うとともに、自治体等が対応可能な支援項目の詳細等についても聞き取りを行った上でマッチングを行っております。 さらに、各都道府県の地方出入国在留官署にウクライナ避難民受入れ支援担当を配置しておりまして、必要に応じて、その担当が対面で相談に応じたり、あるいは地方自治体との情報共有を進めるなど、各地域に居住しているウクライナ避難民の方々にしっかりと寄り添う支援に努めているところでございます。 今後とも、避難民の方々の生活状況、ニーズ等を的確に把握しながら、関係省庁や自治体等と緊密に連携し、避難してこられた方々が安心して日本に滞在できるよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 今、情報提供のことにも触れていただきましたが、その支援施策の情報、これを迅速、かつまた、避難民の方々、支援者、関係者等の方々、幅広い対象者へ分かりやすく提供していくことが重要です。 私自身、五月の上旬に、地元の愛知県でウクライナ避難民の方々を支援しているNPO法人のスタッフから様々ヒアリングも行わせていただきました。その時点におきましての話でありますけれども、やはり国からの情報等が適切に伝わっておらず、一部誤解等も見受けられたところでございます。 現時点にあっては一定程度改善されたかと思いますが、今後も更に当事者等に対する丁寧な情報の提供、分かりやすい情報の提供を徹底していただきたいと存じます。先ほど申し上げた我が党の緊急提言でもその旨を明記させていただいております。 改めて、支援情報の提供につきまして、現在の取組状況をお伺いします。
○政府参考人(西山卓爾君) 母国を遠く離れた日本においてウクライナ避難民の方々は様々な不安を抱いておりまして、その中で、ウクライナ避難民の方々にできるだけ、できる限り早期にかつ幅広く我が国の支援内容や相談窓口を知っていただくことは非常に重要であると認識をいたしております。また、多くの方々に支援施策への御理解をいただき御協力をいただくためにも、地方自治体を始め支援者や関係者の方々にも分かりやすく情報提供することも重要であると考えております。 まず、避難民の方々に対しましては、これまで政府から五回にわたり、郵送でございますが、就労が可能な在留資格、特定活動一年への変更許可申請を受け付けていること、あるいは、就労、医療、介護、子育て及び教育に関する情報、ウクライナ避難民であることの証明書に関する情報、支援サイト開設に関する情報などをウクライナ語によって提供をいたしているところです。今後とも、必要な情報についてこのように適宜案内資料を送付していくこととしております。 他方、政府では、ウクライナ避難民に対して住居や就労機会の提供等の支援を検討されている方々からの情報を一元的に把握するための窓口を設置し、メールや電話で情報や相談を受け付けているところでございます。 加えて、避難民の方々を支援する地方自治体との情報共有のために、地方自治体向けに各府省連絡先一覧を事務連絡で配付し、入管庁のホームページにも掲載しているほか、内閣官房及び入管庁を含みます関係省庁の出席の下で、地方自治体向けのオンライン説明会を既に開催したところでございます。さらには、先ほど申し上げた、政府から避難民の方々に情報提供したその支援の内容を地方自治体へも情報共有を図ったというところの取組を行ったところでございます。 更に申せば、出入国在留管理庁のホームページにおいて、政府から避難民の方々に情報提供した支援の内容を広報しているほか、同ホームページについてSNSやメール配信サービスで広報する取組も実施しております。 引き続き、支援に関する迅速かつ幅広い情報提供に努めてまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 先ほどもお話で触れていただきましたが、マッチングサイトについても確認をいたします。 五月九日、ウクライナ避難民の方々が日本の企業等からの支援の申出があった支援物資やサービスの提供を受けることができるようにするための専用マッチングサイトを開設したものと承知をしております。必要な方に必要な物資を公平かつ迅速に届けることが重要と考えます。このサイトの概要をお伺いするとともに、今日までの実績を御説明いただければと思います。また、同サイトは専用のID等が認証で必要となっておりますが、かかる仕様になっている趣旨についても併せて確認させていただきます。
○政府参考人(西山卓爾君) ウクライナ避難民の方々が日本の企業や自治体等からの支援の申出がありました支援物資やサービスの提供を受け、日本での生活に役立てていただくため、委員御指摘のように専用のマッチングサイトを五月九日に開設したところでございます。 マッチングサイトには、入管庁の支援申出窓口に企業等から情報提供のあった様々な支援物資及びサービスを登録いたしております。また、マッチングサイトの利用に当たっては、現在のところ、入管庁の職員が避難民の方々から希望する支援物資等を電話で受け付けて企業等と調整することとしております。 五月十八日現在でマッチングの実績はございませんけれども、ウクライナ避難民の方々からの支援の希望件数は十一件ございまして、現在、その希望を踏まえ、マッチングに向けて調整を行っているところでございます。 また、委員御指摘のように、ウクライナ避難民の方々に対して、マッチングサイトにアクセスするための専用のIDとパスワードを発行しております。これによりまして、アクセスできる者を避難民の方に限定し、マッチングサイトのセキュリティーを高め、避難民に必要な支援が届くようにするとともに、あわせて、支援ニーズを把握するなどの利用状況の分析をも行えるようにしているところでございます。 引き続き、企業等の支援物資やサービスを避難民の方々の日本の生活に役立てていただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 引き続きの取組をお願い申し上げます。 済みません、時間の関係でちょっとテーマを一つ飛ばしまして、法テラスの関係を先に伺わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 法テラスによる民事法律扶助の償還払い制度の在り方について伺います。 法テラスは、経済的に余裕がない方が法的トラブルに遭ったとき、必要な民事裁判等の手続を行うための弁護士、司法書士の費用の立替え、償還払いを行う民事法律扶助を実施しております。もっとも、原則として全額償還払いとなっているため、そのことがこの制度の利用の障害となっているということが日本弁護士連合会からも指摘をされております。 この償還払い制度が民事法律扶助制度の利用の障害となっている、この指摘につきまして、法務省は現在どのような御認識を有しているか、お答えください。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、法テラスの民事法律扶助における弁護士費用等の援助につきましては、法テラスが立て替えた上で、原則、援助終結後三年以内に分割で償還をしていただく償還制となっております。この点につきまして、委員御指摘のとおり、日本弁護士連合会等から、償還制であることが利用の障害になっているとの指摘があることについては承知をしております。 このような指摘があることを踏まえまして、法務省としては、民事法律扶助を利用する上で、償還制であることによる実際上の障害の有無あるいは程度を含め、現行制度の課題の有無、内容等について必要な調査検討を行ってまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 この民事法律扶助制度の原則の全額償還払いという制度の在り方、これは例えば生活が苦しい一人親世帯にとって深刻な課題をもたらしていると認識をしております。例えば、養育費の請求で民事法律扶助を利用して何とか毎月の支払の合意を結べた、しかしながら毎月この償還払いをしなければならない、非監護親から支払われる貴重な養育費を含む生活費から償還をしていかなければいけない、これは非常に苦しいという声も頂戴をしているところでございます。 我が党の不払い養育費問題対策PTからも、こうした問題意識から、法テラスの償還払いの在り方に関連して政策提言を行っております。すなわち、養育費案件での民事法律扶助の無料法律相談回数制限の見直し、あるいは子の福祉の観点から償還免除の要件の緩和などを求めさせていただいております。 民事法律扶助の現在の償還制度の在り方を、子の福祉を充実させるという観点を踏まえ、再検討を行っていただきたいと考えます。法務省の御所見をお伺いします。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、資力の乏しい一人親に対する法的支援によりまして子の福祉の充実を図っていくことは重要であると認識をしております。 法テラスにおきましては、民事法律扶助業務として、一人親を含め資力の乏しい方に対して無料法律相談や弁護士費用等の立替えを実施しておるところでございます。これらに加えまして、一人親等の経済的負担を軽減するため、令和四年三月には利用料無料の弁護士による全国一斉養育費お困りダイヤルを実施したところでございます。 また、弁護士費用等の償還に関しましては、利用者の経済状況に応じ柔軟に償還の猶予を行っておりますほか、生活保護を受けている方等、特に経済的に余裕のない方に対しましては、必要に応じて適切に償還の免除を行っているものと承知をしております。 法務省といたしましては、資力の乏しい一人親に対する法的支援につきまして、子の福祉を充実させる観点を踏まえて、現行制度取組の運用状況やその課題あるいは法的ニーズ等を検証いたしまして、その見直し、改善の要否等を含めた必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 様々な工夫や取組を行っていただいていることには感謝を申し上げたいと思いますが、更に使いやすい民事法律扶助制度ということで、更に進んで一つ御提案をさせていただきたいと思います。 現在の償還制度を見直して、原則給付制度あるいは一部応能負担とすることの可能性についても検討されるべきではないでしょうか。弁護士等の法律専門家へのアクセスを保障することは、国民等の権利利益を擁護する上で極めて重要と考えます。 他方で、諸外国におきましては、応能負担の原則を採用している国もあれば民間団体と共同で給付の原資を調達する制度を採用している国もあるなど、その在り方は国によって様々であるというふうにも承知をしております。 弁護士等の法律専門家へのアクセスに際し、著しい経済的格差が生じないよう、より利用しやすい民事法律扶助の構築を目指す、こうした観点から、諸外国における類似の法制度、それらのメリット、デメリットを含めて十分な調査研究を行うべきと考えております。法務省の御所見をお伺いします。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、諸外国におきましても様々な形の法律扶助制度が存在しておるところでございます。 諸外国におきましても、我が国と同様にそれぞれ制度や運用上の課題を抱え、その国の法的ニーズや財政状況等をも踏まえながら必要な対策、対応策を講じてきた結果、各国の実情に即した制度となっているものと考えられます。こうした諸外国の取組の中には、我が国の民事法律扶助の在り方を考える上で参考になるものはあるというふうに考えております。 したがって、法務省といたしましては、こうした諸外国の取組についても必要な調査を行い、参考とすべきものは参考として、我が国の実情に即してより利用しやすい民事法律扶助制度となるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 是非、海外の状況、よくよく調査して、参考にしていただければというふうに思います。 済みません、残りの時間で、戻りまして、養育費の不払問題についても指摘させていただきます。 三月の当委員会でもこのテーマ取り上げさせていただきました。その際、自治体のモデル事業についても伺い、今後の見直しについて生かしていただきたいと御質問したところでございます。 先般、この自治体のモデル事業の調査研究の報告書が公表されたというふうに承知をしております。今回の調査から、一人親の支援につきましては地方自治体の支援が重要であり、かつ弁護士、司法書士といった法律専門家へのアクセスの向上の重要性が確認されたものと承知をしております。 法務省にお尋ねいたします。今回の研究成果を踏まえ、一人親支援に当たって弁護士などの法律家の活用を更に促すべきと考えますが、いかがでありましょうか。
○政府参考人(金子修君) 法務省では、令和三年度の委託事業としまして、養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究を実施し、人口規模等の異なる五つの市と連携しまして、オンラインによる弁護士の法律相談など様々な支援策を試行するモデル事業として調査研究を行いました。それらの支援策につきまして利用者から肯定的な評価をいただいており、一人親にとって身近な存在である地方自治体を起点とした取組を進めるに当たり、御指摘のとおり、法律家への更なるアクセス向上の重要性が明らかになったと思っております。 そこで、法務省では、令和四年四月に厚生労働省との連名で、日本弁護士連合会に対し、地方自治体における取組への弁護士の更なる協力を依頼する通知を発出したところでございます。これにより、地方自治体を起点として当事者による法律家へのアクセスが向上することを期待しております。 また、令和四年度も引き続きモデル事業としての調査研究を実施する予定であり、その際には、当事者による法律家へのアクセス向上に向けた方策を含めて様々な支援策を試行することを検討しております。調査研究において有効と認められた成果につきましては、公的支援等を所管する関係府省による今後の施策の立案にも適切に反映させるよう、関係府省と引き続き連携協力を図ってまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 この調査研究、各自治体によっても取組内容が異なってくるという前提でありますが、総じて自治体が起点となって、関係機関との連携が非常に有益であるということが確認されたと承知をしております。 そこで、自治体が起点となる関係機関との声掛けや集まりを今後保ち続けるためにも、その連携の要となるコーディネーターあるいはコンシェルジェといったことの制度化を御検討いただきたいと思います。今回の実証的な調査研究の成果を踏まえて、法務省の御所見をお伺いします。
○政府参考人(金子修君) 先ほど申し上げたモデル事業としての調査研究の中で、地方自治体の職員から、関係機関との連携会議などを通じて、それまで関わりが少なかった弁護士会等との、関係機関とのネットワークを形成することができたことが大きな成果であり、今後もその関係を維持発展させていきたいといった御意見もいただいており、地方自治体が関係機関と連携を取ることが一人親の支援にとって重要なものであることも明らかになったと思っております。 令和四年度も、引き続きモデル事業を通じた調査研究を実施する予定でございます。コーディネーターやコンシェルジュの制度化といった今御指摘の点に直接お答えするものではございませんが、地方自治体と関係機関との連携を更に図ることを含めて、支援の幅を拡大することも検討していることでございます。こういった調査研究において有効と認められた成果については、公的支援等を所管する関係府省による今後の政策立案にも適切に反映させるよう、関係府省と引き続き連携協力を図ってまいりたいと存じます。
○安江伸夫君 終わります。ありがとうございました。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。 本日、私からは、古川大臣に外国人の基本的人権に対する御認識をお伺いをさせていただきたいと思います。 名古屋入管の事案が起こったことで、入管行政に対して国民の皆さんの注目が非常に集まっております。今回の名古屋の事案は、これが日本人であればもっと大きな問題になっていたかもしれない事案であり、外国人だからああいった問題が起こったのではないのかということについて様々な方面から御意見が寄せられている状況ということでありまして、なぜ外国人の基本的人権が、ちなみに私自身は、日本人と外国人で当然有する権利に違いが生じるということについては、私はそのことを認めている立場でありますので、無制限に外国人の権利が日本国内で認められるということではないと考えておりますが、その上で、なぜ外国人の基本的人権が守られていないのかということについて私なりにいろいろ調べさせていただきました。 在留資格のない外国人の人権をめぐるこれまで裁判が何度も行われておりますが、先例となっておりますのが一九七八年のいわゆるマクリーン判決というものでございます。これは、この判決は、ベトナム戦争の反対のデモに参加するなどの政治行動の、活動の自由を訴えたアメリカ国籍のマクリーンという方に対して、当時最高裁が、外国人に対する憲法の基本的人権の保障は在留制度の枠内で守られているという、こういう判決を出しておりまして、この最高裁判決を基準として、これまで外国人の基本的権利を認めない判断が繰り返されてきているということであります。 素朴な疑問として、本来在留制度の立法の趣旨は、日本国内での居住と労働の権利の制約を定めるものであるにもかかわらず、外国人には出入国在留管理法の枠内でしか憲法に定められた基本的人権が認められていないということ。これはすなわち、入管法が憲法を制限している運用になっているということだと考えます。 こうした運用について、古川大臣は、出入国在留管理法が憲法を制限する運用に現在までなっていることについて、どのような御認識をお持ちなのかということについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 憲法九十八条は、この憲法は国の最高法規であって、その条規に反する法律、国務に関するその他の行為については効力を有しないと規定しておりますから、入管法も入管行政も、憲法の規定に従った適切なものでなければならないということは当然のことであるというふうに考えております。 入管行政におきましては、いわゆるマクリーン事件最高裁判決が指摘する、憲法第三章の基本的人権の保障は、権利の性質上、日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対してもひとしく及ぶものと解すべきとの点を重く受け止め、外国人の人権を最大限尊重していかなければならないと認識をいたしております。 入管法が憲法を制限しているのではないかというこの委員の御指摘についてでございますが、先ほど委員もお触れ、引用されましたけれども、この最高裁判決の中に、外国人に対する憲法の基本的人権の保障は外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎないというところがございますけれども、この点に委員は御注目になったのだろうというふうに推察、というふうにお聞きいたしました。 しかし、これは、外国人在留制度と憲法が定める基本的人権の保障との間で調整が必要となる場合には、外国人の基本的人権が一定程度制約される場合もあり得ることを述べたものと受け止めておりまして、入管法が憲法を制限しているという趣旨とは認識をしておりません。
○川合孝典君 昨日、いわゆる質問のレクをさせていただいたときに入管の担当者の方とも意見交換させていただいたんですが、いわゆるその日本国民のみが持つ権利というものは当然あるわけでありまして、したがって、その権利に制限が生じるということについては、当然それは出入国在留管理法の枠内で権利が判断されるという運用になっていること自体が私はおかしいとは思っていないんですけれど、基本的人権に関わる部分が守られていない運用になっているということについて古川大臣がどう思われるかということについての御質問であります。
○国務大臣(古川禎久君) その入管行政あるいは入管法の運用というものが憲法の精神を何か否定するとか、あるいは、何と申しましょうか、制限するものではないと、何と申しましょうか、その運用が、入管法上、入管法の運用あるいは入管行政が憲法を超えたものであると、逸脱したものであるというふうには考えておりません。
○川合孝典君 つまり、ここで議論がループするんですけれども、最高裁は、外国人に対する憲法の基本的人権の保障は在留制度の枠内で守られているという、こういう司法判断を一九七八年に下しているわけです。この文言は明らかに憲法を制限する文言なんですよ。これをどう読むのかという読み方の問題でこの四十数年間ずっと運用してきているわけでありまして、そのことの結果、様々な問題が生じているということの指摘をさせていただきたいんです。 ちなみに、この外国人のいわゆる強制送還の関係に関して、これは二〇一四年でありますが、難民申請を不認定されたスリランカ人の男性が、入管側にいわゆるその認定を求める裁判を起こす、提訴をするということの訴えを起こされました。なんですが、弁護士と連絡が取れないまま強制送還になるということを入管から告げられた上で、その場で携帯電話も取り上げられた上、翌日スリランカに送還されたという、こういう事例があるんですよね。 要は、この対応というのは、こうした事例に対して東京高裁が、この男性が裁判を起こすかどうかを検討する時間すら与えずに送還した入管の対応について、司法審査の機会を実質的に奪うことは許されないという判決を出しています。憲法三十二条の裁判を受ける権利を侵害したと認定し、憲法十三条の個人の尊重や三十一条の適正手続の保障に反するとも判断しているということでありまして、つまりは、要は、憲法に定めた事項を要は逸脱した対応が現実問題として入管でなされているという、こういう事実があります。 では、なぜ、大臣がおっしゃったことが正しいのであれば、なぜこういう問題が入管の行政の現場で起こるのかということなんですけど、これは大臣じゃなくて入管でも結構です。よろしくお願いします。
○政府参考人(西山卓爾君) ただいま御指摘の判決につきましては、平成二十六年当時の運用を前提としたものでございまして、委員御指摘のとおり、裁判の機会を実質的に奪うということで判決が出たところでございます。 同種の訴訟で名古屋高裁の判決が既に出ておりまして、令和三年一月でございますけれども、この名古屋高裁判決も同様の、厳密に言うとちょっと違うところもございますけれども、裁判の機会を実質的に奪うという点を指摘されたという意味では同じでございまして、その名古屋高裁の判決を踏まえて、令和三年の六月に通達を発出して、このような運用を改めるというふうに既に改善をいたしているところでございます。
○川合孝典君 大臣、お聞きいただけたと思いますけれども、つまりは判断基準が物すごくこの問題に関しては曖昧なんです。何を守らなければいけないのかという最低限の外国人の権利、失礼、基本的人権を守るということ、守られるべき権利が何なのかということが明示的に示されない状況の中でこの間ずっと運用がされてきているわけであります。 今次長から御答弁がありましたけど、平成二十六年当時の判断なんですよ。それ以前は、こうしたいわゆる強制送還を行うということについても、入管としてはその運用を認めて運用していたということであり、裁判所の判断に基づいて現在ではそうした運用はしていないという、ただそれだけの話ということでありまして、そうした一連のこれまでの経緯というものを考えたときに、その外国人の権利ということとは別に、憲法に定める基本的人権が、外国人、要は、日本が認めて日本に受け入れた在留外国人に対して基本的人権が認められるのかどうなのかということを明確に定義しないといけない、そのことの必要性について私は問題提起をさせていただいております。 大臣は、日本に入国を認めた外国人の基本的人権というベースの部分は守られるべき、そういう運用を行うべきだと思われますか。
○国務大臣(古川禎久君) 先ほど次長からも答弁いたしましたように、判決を受けて見直しをしたと、そういうことも一つの理由として見直しをした事例というのは確かにございます。それは、現実の行政の中で、やはりふさわしくないものは改めていくという姿勢でこれまでも日々の行政には取り組んでいるところでありますが、そのことと、この制度そのものに対する考え方として、私は先ほども御答弁申しましたように、この外国人の在留制度と憲法が認めるところのこの基本的人権というものの関係性については、これは、これはもう日本人と外国人とに基本的な考え方として異なるわけではないわけですけれども、ごめんなさい、外国人在留制度とこの基本的人権との間で何か調整が必要となる場合、その場合には外国人の基本的人権が一定程度制約、場合もあり得ます。しかし、これは、外国人に限らず、日本人であってもいわゆるこの基本的人権は絶対というものではなくて、様々な、例えば公共の福祉の前には当然この制限を受けるものであります。 いろいろ、例えば表現の自由だって、これは人を傷つけてでも、どこまでも、何を言ってもいいということではありませんし、おのずとその制約というものはあるわけでして、外国人在留制度というものも基本的人権はもちろん当然保障されるわけです、人ですから。しかし、それがぶつかる場合には一定の制約を受けることは私は当然のことだと思いますし、それを憲法は、元々その前提で憲法というのは書かれているというふうに考えております。 したがいまして、何か外国人に対するこの制度が日本国憲法と何かバッティングをして、この何か憲法の定めるものに対してそれを制限する、あるいはそこに対して何か欠けるものがあるというようなものではないというふうに考えています。
○川合孝典君 しつこいようなんですけれども、最高裁のその判決文に、在留制度の枠内で外国人の、在留制度の枠内でのみ外国人に対する憲法の基本的人権の保障がなされているという、そういう判決なわけですよ。これ、読み方によっていかようにも解釈できる内容ということなんです。 ちょっと質問、時間の関係がございますのでちょっと質問変えたいと思いますが、日本人であっても基本的人権が無制限に保障されるということについて今言及されました。それはもちろんそのとおりだと思っているんですが、ということは、基本的人権の保障という意味で日本人と外国人の間に差はありますか、差はあると思われますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘のいわゆるマクリーン判決にも記載がございますように、国民が享受すべき基本的人権、外国人に認めることが相当でない人権、基本的人権というのもございます。典型的には国政に対する参政権ということになろうかと思いますけれども、そういったものを除き、基本的に趣旨が外国人にあっても保障すべき基本的人権を守るべきであるということは、判決文もそのとおりでございますし、我々もそのような認識でおります。
○川合孝典君 時間がございますのでこれで終わりにしたいと思いますけれど、大臣、憲法二十二条、釈迦に説法かもしれませんが、国民という主語がないんですよね、何人もと書かれているんです。何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転、移動及び職業選択の自由を有するという、こういう書き方になっておりまして、この何人もの中に日本人、外国人が含まれるのかどうなのかといったようなことも含めて、これまで、そこの部分も含めた解釈でこれまで判例が積み重ねられてきているというのがこれまでの実態であります。 で、マクリーン判決は一九七八年でありますが、その後日本は、国際人権規約、一九七九年、翌年に批准しておりますし、拷問禁止条約は一九九九年に効力を発効する、これにも批准をしております。つまりは、マクリーン判決の判決が出されて以降に国際条約、いわゆる、を批准をしているということであり、そのことを受けて対応を変えていかなければいけない必要性にそもそも迫られていたということなわけであります。 したがって、今、外国人の人権の問題について様々な指摘がされている状況でございます。今後、入管法自体の見直し等についての議論もなされるやに伺っておりますので、そうした議論を行う上で、この人権の問題をどう扱うのかということについては今後も極めて大きな課題になるということだけ御指摘させていただきまして、私の質問を終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 今日は一般質疑ということで、まず障害のある方の性被害についてお伺いをさせていただきます。 私、十年近く前だったと思うんですが、大阪で、ある知的障害者のグループホームがありまして、そこに、そこを利用している利用者の知的障害者の方がそのグループホームのスタッフの方から性被害に遭ったというような話を聞いて、こういう問題に関心を持ちました。 まずですけれども、刑法第百七十八条一項では、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、わいせつな行為をした者を処罰する準強制わいせつ罪がこれ定められております。この心神喪失でありますけれども、この心神喪失とはどのようなことを言うのか、また障害のあることも含まれているのか、お伺いをさせていただきます。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 お尋ねの刑法百七十八条における心神喪失の意義につきましては、裁判例の中には、例えば、無意識又は前後不覚の状態にあるような場合に限られず、精神障害に基づく精神遅滞により性行為について意思決定をする正常な判断能力を有しない場合をも包含するものと解するとしたものがあるものと承知をしております。
○東徹君 ということは、今の御答弁では、知的障害の方というのは、これは入るんですか、入らないんですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 知的障害の方が一律にということはちょっと個別の事情によってでございますが、先ほども申し上げましたように、精神障害に基づく精神遅滞により性行為について意思決定をする正常な判断能力を有しない場合も、これも含むんだという裁判例があるというところでございます。
○東徹君 じゃ、知的障害で、一部入らないものはありますけれども、知的障害の恐らく重さによって入るものもあるということですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 端的に申し上げますと、その程度によって、先ほど申し上げましたような性行為について意思決定をする正常な判断能力の有無というところが判断されまして、それによって判断されるということでございます。
○東徹君 心神喪失というこの要件に障害のあることを含めることに対しては、これ、国連の障害者の権利に関する委員会からもこれは批判があります。 現在、刑法改正に向けた法制審議会の議論で心神喪失及び抗拒不能に代わる列挙事由として心身の障害が挙げられております。この心身の障害とはどの程度の障害を考えているのか、またそれが今の心神喪失の意味する範囲と異なるのかどうか、この点についてお伺いをさせていただきます。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 性犯罪に対処するための刑事法の整備につきましては、昨年九月、法務大臣から法制審議会に諮問をして、現在刑事法(性犯罪関係)部会において調査審議が進められているところでございます。 お尋ねの点につきましては、強制性交等罪の暴行、脅迫要件及び準強制性交等罪等の心神喪失、抗拒不能要件を改正することという項目において御議論が行われているところでございます。 具体的な意見としましては、例えば、処罰範囲を明確化し、規定の安定的運用を可能とする観点から、行為者が用いた手段や被害者の状態を例示列挙した上、その実質的な意味を示す包括的な要件を設けるべきではないかといったものがあり、その上で、具体的な例示列挙事由については、知的障害のために意思を形成できない場合や精神障害のために意思の表明ができない場合があることを踏まえ、心身の障害を列挙することが考えられるのではないかといったものが示されているところでございます。 具体的な要件の在り方やその意義については更に御議論が行われるものと承知しておりまして、障害の程度や心神喪失との差異についてのお尋ねに現時点でお答えすることは困難でございますが、法制審議会において充実した御議論が行われるよう、引き続き適切に対処してまいりたいと考えております。
○東徹君 では、次にお聞きしますが、これ、心身に障害のある人の中には、性被害に遭いそうなときに抵抗する意思を示すことができない、また、その示し方が、抵抗の意思が相手に伝わらないと、こういったことも考えられるわけであります。 そのため、被害者は同意したと加害者が主張することによって、加害者を罪に問うことができなくなるという事態もこれ考えられるわけでありますが、こういった障害のある人の特性について、性犯罪をなくす観点から刑法上どのように考慮すべきとお考えなのか、お伺いいたします。
○国務大臣(古川禎久君) 性犯罪に対処するための刑事法の整備につきましては、先ほど刑事局長から答弁がありましたけれども、現在、法制審議会の部会におきまして調査審議が進められているところでございます。 お尋ねのこの心身に障害がある方を被害者とする場合の要件の在り方につきましては、性犯罪被害に遭った障害者の家族や障害者への性暴力に関する啓発活動を行う団体等からのヒアリング結果、このヒアリング結果を資料として配付するなどして、その特性も踏まえつつ今御議論が行われているというふうに承知をしております。 性犯罪への適切な対処は喫緊の課題であります。国民の関心も高いことですから、今後もこの法制審議会における充実した議論が行われていくことを期待しているところです。
○東徹君 ありがとうございます。 続いて、代表者聴取についてお伺いをさせていただきます。 昨年の四月から、障害のある人が性犯罪の被害を受けた場合に、事情聴取を受ける際の精神的な負担を減らす観点から代表者聴取が試行されております。私も、あれNHKの報道番組だったと思うんですが、その被害に遭われた方というのは女性で、場面緘黙症といって、家庭では普通に話すことができるんですけれども、例えば職場であったりとか学校であったり、そういったときにはなかなかきちんと話ができない、そういった場面緘黙症という方でありました。 障害のある人への代表者聴取というのは、昨年の四月から九月までに全国で八十九件これ行われたようでありますけれども、どういった場合に代表者聴取が行われたのか、基準のようなものがあるのか、このことについてお伺いをさせていただきます。
○政府参考人(川原隆司君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、検察当局におきましては、政府の性犯罪・性暴力対策強化方針を受けまして、令和三年四月一日から、知的障害、精神障害、発達障害等の精神に障害を有する被害者に係る性犯罪事件につきまして、警察と連携して、検察及び警察のうちの代表者が被害者から聴取を行う、いわゆる代表者聴取を行う取組の試行を行っているものと承知をしております。 その上で、お尋ねの判断基準についてでございますが、事件の内容、証拠関係、被害者の障害の程度等を考慮いたしまして、その負担軽減及び供述の信用性確保の観点から、代表が聴取を行うのが相当と認められるか否かという観点から判断することとされているものと承知しております。
○東徹君 まあ、なかなか明確な基準がないと、現場の被害者の状況などを見て判断するということだろうと思うんですけれども。 障害のある人への代表者聴取について、どのような効果があったとこれ法務省は評価しているのか、また、現在試行中でありますが、将来本格導入するお考えあるのかどうか、このことについてお伺いさせていただきます。
○国務大臣(古川禎久君) 委員御指摘のとおり、障害がある性犯罪被害者を対象とした代表者聴取の試行に関しましては、これまでに令和三年四月一日から同年九月三十日までの半年間の実施状況が取りまとめられているところでございますが、今後とも、更なる事例の集積を待ち、その分析が行われるものと承知をしておりまして、引き続きこの試行の実施状況の推移を見守ってまいりたいというふうに考えています。 いずれにしましても、検察当局におきましては、警察との協議の上、本試行に基づく代表者聴取の実施に努めるものと承知をいたしております。
○東徹君 現在、年間、まあ年間でですね、昨年四月から九月までで全国で八十九件ですから、それなりの私はニーズがあるんだなというふうに思います。是非、しっかりと御検討いただいて、やっぱり本格的に導入することができるように進めていっていただきたいというふうに思います。 続いて、成年後見制度についてお伺いをさせていただきます。 この成年後見制度でありますが、日本はもう本当に超高齢社会でありまして、認知症の高齢者というのは二〇二〇年で約六百万人ということでありますが、これが二〇二五年には七百万人まで増えていくということであります。 この成年後見制度の利用者でありますけれども、二〇二一年末時点で約二十四万人ということになっております。これ、利用がなかなか進まない、低調な一つの理由に、家庭裁判所によって弁護士など家族以外の後見人が選ばれた場合の後見人への報酬がかなり結構な金額がするので負担だというふうなことも言われておるわけであります。 この報酬はどのように決められているのか、また相場としてこの報酬というのは一体どれぐらいなのか、お伺いさせていただきます。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、成年後見人等の報酬に関する負担の点が成年後見制度の利用をちゅうちょする要因の一つになっているという御指摘があることは認識をしております。 成年後見人等の報酬額は、裁判官が個別の事案ごとにその事案における諸事情を総合的に考慮して判断すべき事項となってございまして、何らかの基準に沿った一律の運用がされるという性質のものではございません。したがいまして、具体的な数字を申し上げるのは難しいところでございますが、成年後見制度の利用促進に向けた取組と併せまして、全国の各家庭裁判所において、利用者にとっての予測可能性を確保するといった観点も踏まえながら、報酬の在り方について検討を行っているところでございます。 最高裁判所としても、引き続き各家庭裁判所での検討を支援してまいりたいと考えております。
○東徹君 いや、大体、家庭裁判所の方でもこの報酬の金額というのはもうこれ把握してないといけないと思うんですよ。把握していて、大体、こういった金額からこれぐらいの金額まで、幅がありますけれども、こういった状況ですということがしっかりとここで説明できないとおかしいんじゃないですか。是非ちゃんとそこは御説明いただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 後見人等の報酬に関しましては、御本人の状況によりましてもいろいろなところでございますし、算定の在り方につきましては、その成年後見人等を選任する際に期待した役割を後見人がその時期においてどのように果たしたのかという評価の問題になってございます。 繰り返しになり恐縮なのですけれども、具体的な数字をここで申し上げるというのはなかなか難しいところがございます。
○東徹君 いや、そんなこと言ってたら、ここでの議論にならないですよ。 これ、東京の家庭裁判所のこれはホームページから取った、成年後見人等の報酬額の目安という、これ出ているじゃないですか。出していますよ。で、ここに書いてあるんですね。五千万円以下の場合には基本報酬額は月額三万円から四万円、管理財産が五千万円を超える場合には基本報酬額を月額五万から六万円としますというふうに書いてあるじゃないですか。 何でここでちゃんとそういったことが説明できないんですか。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 報酬の目安について、各庁において一定のホームページ等での目安を載せているところがあるというのは承知をしております。 ただ、その場合につきましても、これまでの審判例等、実務の算定実例を踏まえた標準的な報酬額の目安は次のとおりですというような形で示しておりまして、そこのところはなかなかこちらの方で一律にここからここまでという形で示すのは難しいところと承知しております。
○東徹君 御家族にしてみれば、この報酬額が高いから、高いから利用できないということが言われているわけですよ。で、一旦これ決まってしまうと途中でやめれないわけでしょう。やめれないんですよ、これ。例えば五万円で決まったとします。年間六十万円掛かります。これが負担になる。でも、負担になって、じゃ、やめようと思っても、やめれないんですよ、これ。ずうっと続くんですよ。だから、これちゅうちょして、なかなかこういった成年後見制度にならないということがあるわけです。だから、そういったことをきちっとここで議論したいのに、そんな答弁だったらこれ議論できないですよ。 委員長、ちょっとこういうことをやっぱりなくしていただきたいと思いますし、法務大臣、きちんとこういったことをしっかりとここで議論できるように答弁していただきたいと思います。 もう時間が来ていますので、一応これで終わりにします。ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 成年年齢の引下げに伴い、十八、十九歳の未成年者取消し権が奪われ、アダルトビデオへの出演契約を取消しできないことが支援団体などから訴えられ、国会でも議論されてきました。 若い女性がAVに出演する意識がないままプロダクションと契約し、仕事を断れば違約金などと脅され、出演を強要され、事実上断れない状況に追い込まれる。あるいは、もうそれしか道がないと思うほど生活に困窮し、AVと分かっていて応じる。しかし、撮影、公表、拡散によって深刻な被害を受ける事態が後を絶ちません。AVというのはあくまで演技のはずですけれども、実際に性交をさせる本番行為、避妊なしのケースも当たり前のように存在します。 売春防止法二条は、対価を受け、不特定の相手方と性交することを禁止しています。まず、法務省に伺います。なぜ禁止しているのでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、売春防止法二条は、売春を、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することと定義しておりまして、同法第三条は、売春をし、又はその相手方となってはならないと規定しております。この第三条の規定は、一般に、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗を乱すものであることに鑑みて、売春の禁止を定めたものとされております。
○山添拓君 この売防法というのは、性売買に従事する女性の取締りあるいは保護更生を目的としており、人権の理念が欠如したものだとして、見直しが必須だと指摘をされてきています。本来は買春行為こそ問われるべきだろうとも思います。ただし、今お話のあった、お金を払って性交させることが尊厳を害する、女性の尊厳を傷つける、それはそのとおりだろうと思います。 売防法二条が禁止するのは、不特定の相手方との性交です。不特定とはどういう意味か、最高裁判例に照らして説明をお願いします。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 委員、一般に、売春防止法第二条における不特定の相手方とは、不特定の人間の中の任意の一人、すなわち、売春をする者は性交の対価に主眼を置いて、相手方の特定性を重視することなく、不特定の者の中から任意に選定した相手方を言うと解されております。
○山添拓君 最高裁の一九五七年九月二十七日の判決に基づく解釈かと思いますが、現在もその解釈でよろしいということですね。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 現在の解釈も、私が先ほど答弁したとおりでございます。
○山添拓君 性交の対価に主眼を置いて、相手方の特定性を重視しないということを意味すると、それが判決の判例です。この解釈に照らせば、例えば、売春契約を結んで、契約の相手方が書面で明記されていたとしても、対価の方に主眼があって、特定性を重視していないという場合、今回はこの人、終わったら別の人と、こう次々変わっていくような場合は、これは不特定ということになりますか。
○政府参考人(川原隆司君) 今委員は具体的な事例として挙げられましたけど、委員御指摘のような例がこの不特定の相手方に当たるかどうかということになりますと、これは、私ども法務省としてお答えをすることは差し控えたいと存じます。 ただ、もし、委員の御指摘のような事例が、先ほど申し上げました一般的な解釈、これに該当するということになれば、まさにそれは不特定の相手方ということになるところでございます。
○山添拓君 念のため伺いますけれども、契約を結べば、契約書があれば特定されるということにはならないですね、先ほどの解釈によれば。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 不特定の相手方という、がどう解釈される、先ほど申し上げたとおりでございまして、それは、具体的な事案におきまして、その事実関係に基づいて認定される事柄でございます。で、契約書があるかないかということは、その事実関係の一つとして、その認定に当たってどうなるかということでございまして、私どもの方からこれだと、特定の、具体的に申し上げることは困難でございますが、いずれにしましても、その事実関係が先ほどの解釈に当たる場合は、これは不特定の相手方となるものでございます。
○山添拓君 事実関係によるけれども、契約書の有無によってその結論が確定されるわけではないということですね。
○政府参考人(川原隆司君) 済みません、その契約書の有無というのは、具体的な個別の事情がどうなのかということになりますと、私どもとしてお答えをすることは困難なところでございます。
○山添拓君 お答えになりたがらないんですけれども、AVへの出演も女性にとって相手が誰であるかということは重要ではないはずです。 一作目を撮影した後、二作目、三作目、別々の男優と撮影することによって囲い込んで、売上げにもつないでいくと。本番行為を含むようなAVは、対価を伴って不特定の相手方と性交し、これを撮影する、そういう意味で売防法違反となるケースもあると考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) 委員のお尋ねもかなり具体的な事例を設定してのものでございますので、それが当たるか否かということに関しましては私どもとしてはお答えを差し控えたいと思います。
○山添拓君 そんなに具体的じゃないですよ。普通に考え得るAV撮影のケースだと思うんですね。特定しているか不特定かという問題なんですけれども、当たるケースもあり得ますね。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 どういった場合が当たるかというのは、それぞれの事案の個別的な事情がございますので、私どもとしては、それらの個別的な事情が先ほど申し上げた定義に当たるならばそれは当たるというところがお答えでございます。
○山添拓君 そういうことだと思います。 職業安定法六十三条二号と労働者派遣法五十八条は、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での職業紹介や労働者派遣を禁止し、刑罰の対象としています。 警察庁に伺います。AV出演について、これらの違反を理由に摘発した事例の件数と特徴的な事例について御紹介ください。
○政府参考人(住友一仁君) 答弁申し上げます。 まず、アダルトビデオへの出演強要に関しましては、労働者派遣法第五十八条違反として平成三十年に三件三名を、職業安定法第六十三条第二号違反として、これは平成二十九年の四月から十二月までの間に一件一名、平成三十年に一件五名、令和元年に二件二名、そして令和二年に一件一名の検挙事例を把握しているところでございます。 また、これらの事例の内容として、労働者派遣法違反について申し上げますと、アダルトビデオ女優の派遣管理等を業とするプロダクションの元従業員らが、アダルトビデオ企画制作会社に対し、同社がアダルトビデオを制作する際、出演女優として男優を相手方に性交、性戯をさせることを知りながら、雇用した労働者である女性を派遣し、アダルトビデオ女優として稼働させた事案というのを把握しております。 また、職業安定法違反について申し上げますと、スカウトらがモデルを志望する女性に対し、アダルトビデオ出演は芸能界の登竜門であるなどと述べて説得をし、不特定の男優を相手方として性交、性戯を行うアダルトビデオ女優の業務に就かせる目的でアダルトビデオ制作、販売業者に同女を紹介して雇用させた事案というのを把握しているところでございます。
○山添拓君 ありがとうございます。 資料をお配りしています。全国の検挙件数としては極めて少数だと思います。刑法の淫行勧誘、わいせつ物頒布、強要など、ほかの罪名を含めても年に数件という状況です。 警察庁は、二〇一七年以降、アダルトビデオ出演強要問題専門官を各警察に置いています。取締りを強化するとしてきたわけですが、余り強化されている状況ではないように思えますけれども、いかがですか。
○政府参考人(住友一仁君) 今先生御指摘いただきましたとおり、我々警察においても、各都道府県警察でこのアダルトビデオ出演強要問題専門官と指定された統括責任者というのを中核として、各種法令を適用し、厳正な取締り、被害防止のための広報啓発、相談体制の充実等を推進しているところでございます。 その結果等について、我々の方としてこれは多い少ないという形で申し上げるのは、これ差し控えたいと思いますが、いずれにしても、我々としては、こういった各都道府県警察における取組が進められますよう、警察庁として引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと考えているところでございます。
○山添拓君 一方で、多くの被害があるわけです。 厚労省に伺います。職業安定法や労働者派遣法が有害業務を禁止し、罰則規定を設けているのはなぜでしょうか。特に、性交させる目的で業務に就かせたり派遣したりすることが禁止されているのはなぜでしょうか。
○政府参考人(富田望君) お答え申し上げます。 労働者派遣法や職業安定法におきましては、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣や職業紹介等を行うことについて罰則を規定しております。 この公衆道徳上有害な業務というようなことでございますけれども、これは社会共同生活上守られるべき道徳を害する業務とされておりまして、その適用については個別の事案によるわけでございますけれども、例えば、芸能プロダクションとその代表者らが、雇用する労働者である女優をアダルトビデオ制作会社に派遣した事案について、アダルトビデオの出演行為が労働者派遣法第五十八条の公衆道徳上有害な行為に該当するとした裁判例があると承知しておりまして、そういった行為に該当した場合には罰則が適用となるということでございます。
○山添拓君 その判決は、性交の場面を露骨に演じ、その場面が撮影されるのを業務内容とするものであって、有害業務であることは疑いの余地はないとしています。また、その判決では、労働者派遣法は労働者一般を保護することを目的とするものであるから、この業務に就くことについて個々の労働者の希望ないし承諾があったとしても、犯罪の成否に何ら影響がないとも述べております。 業務として性交することについて、本人の同意があったとしても、そのような業務は違法であって罪に問われるということだと考えますが、厚労省、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(富田望君) この規定の解釈でございますけれども、繰り返しになりますけれども、この目的としましては、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務は健全な社会共同生活を維持する上から存在は望ましくないというふうなことでございましてこういうふうな罰則規定を設けているところでございまして、それについては、その業務自体を規制しているものであって、それは同意しているかどうかについては関わらないということでございます。
○山添拓君 少なくとも、職安法や派遣法上、性交させ、撮影する業務は刑罰の対象となっていると。個々の労働者の同意の有無にかかわらず、刑罰の対象になるということであります。 法務省に伺います。先ほど答弁のありました売防法の解釈に照らせば、AV出演契約の契約書上、誰と性交するかということが明記してあったとしても、不特定の相手方に当たり得ると。売防法で禁止される売春に当たる可能性が、まあ事案に応じてという答弁でしたけれども、売春に当たる可能性があるということだと思います。この場合は、民法上も公序良俗違反で無効だと、そう言うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(金子修君) 一般には、公序良俗違反とされる行為の一類型として、社会通念上、性道徳や人倫に反する行為があるとされております。 他方、委員御指摘のアダルトビデオの出演内容には様々なものがございますので、出演者が具体的に行う行為の内容も様々であると考えられます。これが性道徳や人倫に反し、公序良俗に反するものとして無効になるかどうかは、個別のアダルトビデオについてその個別の事情を考慮して最終的には裁判所によって判断されるものであり、一概にお答えすることは困難であると考えております。
○山添拓君 売防法違反に当たるような場合でも、必ずしも公序良俗違反で無効とはならないという御答弁ですか。
○政府参考人(金子修君) 売春防止法二条の定める売春は、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の者と性交するものとされておりますので、この売春を内容とする契約につきましては、一般的に性道徳や人倫に反するものとして公序良俗に反するということになろうかと思います。
○山添拓君 同様に、職安法六十三条二号や労働者派遣法五十八条に違反するAV出演契約は、これもやはり公序良俗違反で無効と言うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(金子修君) これも答弁として同じになりますけれども、労働者派遣法あるいは職業安定法が禁じている公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務を内容とする契約が公序良俗に反するかどうかについて一概にお答えすることは困難ではございますが、その業務の具体的内容等によっては公序良俗に反すると判断されることはあるものと考えております。
○山添拓君 ここは当然公序良俗違反であろうと答弁いただきたいところですよね。有害業務だと認定している判決は、これは社会生活において守られるべき性道徳を著しく害するんだと、公衆道徳上有害な業務だと、そのことは疑いの余地はないと判決をしているわけです。 この被害に遭った女性、お話を伺えば、初めは大丈夫だと言われると。そのときは撮影に同意していても、いざ撮影に入ると自分が何をしているのか分からなくなると言います。そして、終わった後は眠れなくなる。公表されると取り返しの付かない被害に心身の深い傷を負うものであります。 私は、売防法や職安法、派遣法の解釈に照らせば、やはり対価を支払って性交をさせる、そしてそれを撮影する、いわゆる本番行為を含むようなAV出演契約は無効と言うべきだと思います。性的自由を侵すものであり、政治はそれを明確にするべきだと思うんですね。現在、AV出演契約を規制する法案が超党派で議論されておりますが、今日の答弁を踏まえたものになるように求めていきたいと思います。 ありがとうございました。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。 本日は、選択的夫婦別姓について内閣府に伺いたいと思います。 選択的夫婦別姓について、歴代の法務大臣は、法制審答申を重く受け止めていると答弁しながら、国民の間に様々な意見があるとして民法改正に後ろ向きな姿勢を示しています。これは、法制審答申を重く受け止めているのではなく、軽視していることを示す発言です。 一九九一年に、婦人問題推進本部が新国内行動計画に、男女平等の見地から夫婦の氏や待婚期間の在り方等を含めた婚姻及び離婚に関する法制の見直しを行うとしたことを受け法制審が議論を開始したことや、五年の歳月を掛けた世論調査、パブリックコメント、ホットラインを行うなど、国民の声を十分に聞いて答申したことなどを民事局長が丁寧に説明をしたにもかかわらず、法務大臣が様々な意見があるなどと繰り返し答弁することは、法制審答申だけでなく、政府の長年の男女共同参画の取組をも軽視することになります。 とりわけ、民法を所管する法務大臣が、民法改正ではなく、通称使用の拡大で事足りると考えるのであれば、法制審が通称使用の法制化はしないと決め、民法改正を答申したことを根底から覆すことになります。 改めて、男女共同参画を所管する政府参考人から政府の取組について伺います。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 政府においては、平成八年二月に法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を答申した事実を重く受け止めており、これまで五回にわたり閣議決定されてきた男女共同参画基本計画においてもその姿勢は一貫しております。 旧姓の通称使用については、現行の夫婦同姓制度の下で婚姻により改姓した方が不便さや不利益を感じることのないよう、政府においてこれまで二十年以上にわたり取組を進めてきたものですが、選択的夫婦別姓制度が導入されるまでの暫定的な措置と認識しております。 政府が現在の夫婦同姓制度に代わる制度として承知しているのは、平成八年の法制審議会の答申で導入が提言された選択的夫婦別姓制度のみであり、内閣府として旧姓の通称使用についての法制度を政府方針とすることは考えておりません。 夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方については、これから結婚して家庭を築くとともに、社会の第一線で活躍する世代の方々の思いをしっかり受け止めることが重要であり、内閣府男女共同参画局としてこの問題についての議論を加速させていく必要があると考えております。
○高良鉄美君 政府の取組、内閣府の取組ということで、姿勢、その積極的な姿勢というのがよく分かりました。 今回、資料一として、私、資料二枚ありますが、これは九一年当時に官房長をされていた方が出した談話ですけれども、インタビューの内容ですけれども、やはり法務省は頑張っているというふうなこと、あるいは、今回もありました内閣府も取り組んでいるということがよく表れております。 大臣も先ほど、違いがあってそれを個々にそれぞれが尊重し合う社会ということをおっしゃいました。やはり、この問題はそういう根本的な違いを認め合うということが重要だと思います。選択的というのは、何も同姓をすることを強制、まあ保つことを強制しているわけじゃないんですね。保っても結構ですと、しかし、選択をしたい人は選択していいんじゃないかという制度なんですよ。だから、これが違いはあってもいいんじゃないかと。相手を尊重して、相手と一緒にするんじゃないと思っている方はそうしていいし、同姓に賛成の方は同姓でいいという、そういう制度です。 次に、家族の法制に関する世論調査について少し伺いますが、三月二十九日と四月十九日の本委員会でも指摘したところですが、法務省の答弁でも、先ほどもありました、内閣府の方でもそうですが、若い層で賛成が反対を大きく上回っていることが示されました。特に五十歳未満の女性では全ての年代で、夫婦同姓を維持した方がよいと答えたのが一〇%台ということです。婚姻改姓で苦しんだり、不便、不利益を感じたりする若い人たちが選択的夫婦別姓を求めていることが分かりました。 これについてどう思われているのか。また、内閣府はさらにジェンダーの視点で分析をされていると思いますので、特に注目すべき調査結果等がありましたらお示しください。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 今回の世論調査で注目される論点である、夫婦の氏に関する具体的な法制度の在り方については、現在の制度を維持した方がよいとする回答が全体の三割を下回ること、特に、委員御指摘のとおり、二十代から四十代では現在の制度は一〇%台の低い支持にとどまっていること、また、二十代から四十代のおよそ四割が選択的夫婦別姓制度を支持していることなどから、これから結婚して家庭を築くとともに、社会の第一線で活躍する世代を中心に新しい法制度を求める声が高まっているものと受け止めています。 特に、新しい法制度を求める割合は、男性六七・八%より女性七四・〇%の方が高く、この背景には、夫婦の約九五%において妻が夫の姓に変えているという現実などがあるものと考えております。
○高良鉄美君 やはり、正確な分析をされていると私は思います。特に若い世代の考え方というのが反映されるべき、それが政治の役割だろうと私は思っております。 資料の二の方に、これA3のちょっと、これまでのアンケートの流れが分かると思うんですけれども、中途で、中途といいますか、最後の二つのところで質問事項がちょっと増えたり、あるいは一番最後になりますとちょっと変わったりしているところがあるんですね。ところが、その前の四回、五回、四回ですね。四回分に関しては、九六年から一貫した質問なんです。だから、こういう点も含めて、今回、調査の分析というのは非常に重要な意味があると思いますし、現在の内閣府の参考人のお答えも非常にその点も見ているんじゃないかなと思います。 そもそも、人権を所管する法務大臣が人権政策を世論の多寡に委ね続けていること自体が問題だと思います。様々な意見があるからといって法改正しないのであれば、少数者、この場合は少数者というわけじゃないかもしれませんが、少数者の人権はいつまでたっても放置されてしまいます。 障害を持つ人から車椅子が入れないからスロープにしてほしいと言われて、大方の人は通れるし、困っていないから変える必要はないとは言わないわけです。それなのに、夫妻とも名前を変えられず、法律婚ができないから選択的夫婦別姓にしてほしいと言っているカップルには、大方の方は困っていない、様々な意見があるからその必要はないと法律婚を断念させるという状態になってしまいます。 今回の世論調査は、様々な問題を可視化しました。世論調査の取り方、結果の使われ方も問われていると思います。今後、世論調査の方法も含めて検討する必要があると思いますが、内閣府の意向を伺います。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 御指摘の夫婦の氏の問題については、昨年九月の男女共同参画会議の専門調査会において、有識者委員から、個人の尊厳に関わる問題であり、旧姓の通称使用拡大は根本的な解決策になり得ない、結婚後も自らの姓を名のれるかどうかは人権に関わる問題である、人が自分の名前を使う、呼ばれることは人格の本質的な権利であるなどの指摘が行われています。 今回の世論調査は、七十歳以上の回答者の構成比が四分の一を超える一方、結婚する者の割合が高い三十代以下の回答者の構成比は四分の一にも届いておりません。世論調査の結果については、総数だけではなく、性別、年齢別等の内訳に注目する必要があります。 今後の議論に当たっては、この問題に関する当事者である、これから結婚する若い世代の意見を的確に把握するとともに、客観的なデータに基づき議論を進めていくことができるよう、しっかりと検討を進めてまいります。
○高良鉄美君 今、今後のアンケートの在り方についても検討を進めていくということで、是非若い世代ということで、これから結婚していくという世代に対するアンケートの在り方というのも重要だと思います。 これ、今朝ですけれども、選択的夫婦別姓制度の早期導入を求める要望書ということで、これは日本女性法律家協会の方から要望を受けました。もちろん、この女性法律家協会というところ、組織は、女性の裁判官、検察官、弁護士及び女性の法学者から成る組織です。そういった方々から、この点についてもいろんな指摘がありました。そして、ここでタイトル、そうでありますように、選択的夫婦別姓制度の早期導入を求めるということが、御答弁にもありましたように、九一年から始まっているわけですし、この当時の官房長の方も九一年からその検討をということで入っている実に長い期間のものでございます。 そこで、最後の質問になりますが、日本の女性差別撤廃が進まないことや男女格差が大きいことが国際社会から厳しく指摘されています。日本のジェンダーギャップ指数は、先進国どころか、世界経済フォーラム、WEF加盟の全ての国と比較しても低い位置にとどまっています。 例えば、二〇一八年に政治分野の男女共同参画推進法が施行されました。しかし、その後の衆議院選挙では、女性割合は前回を下回る結果となりました。これは昨年の衆院選です。それから、二〇一九年の参議院選挙でも女性割合は増えませんでした。法律はできましたが、実効性がなく、更なる制度の見直しが必要ということだと思います。 なぜ、男女共同参画局の取組にもかかわらず、女性への人権侵害や差別撤廃が解消されないのかということについて、内閣府に意見を、御見解を伺います。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 御指摘のとおり、我が国の男女共同参画の現状は、ジェンダーギャップ指数が百二十位であることに表れているように、諸外国に比べても立ち遅れていると言わざるを得ません。男女間の賃金格差や固定的性別役割意識といった構造的な問題がその背景にあると考えており、女性が直面する課題を一つ一つ解決していく必要があります。 そのためには、あらゆる政策決定過程に男女共同参画の視点を取り込むことは極めて重要と認識しております。このため、男女共同参画会議の下で専門調査会を開催し、各省の幹部を呼んで、女性の経済的自立や教育など様々なテーマで議論を積み重ねているところです。今後、第五次男女共同参画基本計画に基づき五月から六月にかけて策定する女性版骨太の方針においても、各府省の関係施策をしっかり盛り込み、各省横断で男女共同参画に資する施策を実施してまいります。 また、男女共同参画に関する取組について、政策決定過程に携わる者を含め、全ての方に一層の御理解をいただけるよう、あらゆる機会を捉えて説明や周知に努めてまいります。
○高良鉄美君 この男女共同参画局を中心に各府省横断的にということで、やはり柱となるのが、先ほどの推進法がありましたけれども、男女共同参画社会の実現と大臣もおっしゃいました。まだ大臣はおっしゃっていないか。立法目的がとにかく明確ですね、この法律が。つまり、男女共同参画社会を目指すということですので、この男女共同参画局、内閣府ですね、ナショナル、ナショナリーという形でしっかりと国家機関として機能するためにはそれに見合う権限とマンパワーが必要だということで、その取組をまた今後もしっかりやっていただきたいと要望しまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水会の嘉田でございます。 一般質問ということで、本日、子供の幸せ、家族の幸せについて引き続き質問させていただきます。 思い起こしますと、二〇〇六年、私、滋賀県知事に就任したときの県民との約束の一つに、子供の暮らしやすい、子供が生まれ育ちやすい地域をつくろうということで、子育て三方よしという仕組み、生まれた子が幸せ、産んだ親も幸せ、結果として、世間が、社会が幸せという子育て三方よしという政策をつくらせていただきました。そして、子ども・青少年局という子育てに専ら横串を刺すという仕組みをつくらせていただきました。 昨日、参議院の本会議で、ようやく子ども家庭局の議論が始まりました。遅きに失した感がありますけれども、少なくとも動き出したことは歓迎したいと思います。ただ、残念ながら、その中に法制度的なところの項目がほとんど入っておりません。子供のサービス、そして財源、これは大事ですけれども、法制度的なところがほとんど、子ども家庭局の担当者に伺っても、対象になっていないということで、今日はそちらのところを。 まず、子供の立場からということで、資料を出させていただきました。東京都内の教育委員会が主催をした中学校生徒意見発表会発表文集から抜粋をさせていただきました。資料一です。少し長いんですが、四分ほどで終わりますのでお付き合いいただけたらと思います。 中学校二年生、「パパもママもの社会に」。 私の父と母は私が三歳の頃離婚しました。その後ずっと母と一緒に暮らしていますが、私は父も母も大好きです。 今回、社会を明るくする運動というテーマを与えられ、母に相談してみました。そうしたところ、母は、日本の社会には共同親権を求める運動があり、このテーマに合っているのではと教えてくれました。 母は弁護士をしていて、子供に会えないお父さんやお母さんのために働くことが多いです。私も幼いときから、母や休みの日に、子供と一緒に住んでいないお父さんやお母さんの方たちが集まる場所に行くことが多かったです。そうした場所では、本当に多くの大人の方が、共同親権や子供と会うことを求めて一生懸命でした。私は幼かったのでそうした活動の意味はよく分かりませんでしたが、そこで知ったことはごく簡単なことで、自分の子供と会いたくても全く会えなかったり、一か月か二か月に一回数時間しか会えなかったりするということでした。そこで会う大人の方は、たまたま会った私と一緒に遊んでくれて、私もとても楽しかったです。幼い頃は何も思っていませんでしたが、今思うと、このような大人の人が自分の子供とは余り遊んでいないなんて、とても不思議な気がします。 母に教わったのは、簡単に言うと、親権とは、子供を育てるために、子供がどこに住むかなどの様々なことを決める親の立場のことです。日本では、親同士が結婚していると、親の両方に認められています。しかし、親同士が結婚していないと、必ず親の片方にしか親権が与えられないということです。これが単独親権というルールです。ほとんどの外国ではこのようなことはなく、親同士が結婚をしていない場合でも、親の両方が親権を持つことができる共同親権になっているようです。そのため、単独親権者になろうと子供を連れて別居して監護を独占し、片方の親が会えなくなるようなことがないように、海外では子の連れ去りが犯罪として禁止されています。 最初に述べたように、私の両親は私が幼い頃に離婚をしています。私は、父も母も好きで、両方と一緒に過ごしたいと願っています。だから、私は共同親権になればよいと思います。 では、何で日本だけはなかなか共同親権にならないのでしょうか。母に聞いてみたところ、いろんな意見があるとのことでした。例えば、こんなことを主張する人がいるようです。まず、共同親権になると、もう一人の親の意見を尊重しなければならず、困ってしまうことがあるということです。この意見は、理解はできたのですが、私は少し変だなと感じます。確かに、親の立場を独占している人から見れば、もう一人の親の意見も対等に扱われると邪魔かもしれないです。でも、それは親権を得られた立場からだけ見た話であって、ルールとしてどちらがよいかという話とはちょっとずれていると思いました。私が将来、親になることができたとしたらと考えます。そのとき、親権が持てるかどうか分からないよりも、自分の子供のことを親として決められると分かっていた方が、私は安心です。学校でも男女は平等で、仕事も対等と習ってきました。これが普通のことだと思っています。家のことだって子供のことだって対等であって、どちらかが独占したり押し付けたりしてはいけないのは普通のことです。 もう一つ、母から聞いたのは、親同士が結婚しているときだけ共同で子供を子育てするべきという意見があるようです。これについては、私の場合、想像しにくいのですが、親同士が結婚して仲よく一緒に暮らしていてくれていたら、私だってうれしいと思います。でも、そうではないときでも、両方の親と一緒に遊んだり、御飯を食べたり、一緒に寝たりすることはやはりうれしいことです。 私は、離れて暮らす父のことが大好きです。父はいつも穏やかで私に優しいです。立川の漫画パークで一日中漫画を読んだり、カードを集めて遊んだり、私の好きなおすしや海鮮丼のお店に連れていってくれたりします。私と父の趣味は合っていて、本当に安心できる良い時間です。 実は、本当はもっと父と会って一緒に過ごしたいです。今はたまに遊びに行くくらいですが、これがもっと多くなったり、香川県の父の実家で一緒に泊まったりできれば最高です。 私の願いが母の言う共同親権でかなうのかどうかは分かりません。法律の仕組みも分かりません。でも、親がどういう関係であっても、父か母かよりも、父も母もがよいです。私のような単純な願いのために、パパもママもを求める活動をすることは、社会を明るくする運動だと思います。 法務大臣、この中学生の作文、少し長くなりましたけれども、御感想、お聞かせいただけたら有り難いです。
○国務大臣(古川禎久君) 父母の離婚後の子の養育の在り方は、子供の生活の安定や心身の成長に直結する問題でありますから、子供の利益の観点から大変重要な課題だというふうに考えています。 父母の離婚後の親権制度につきましては、いわゆる共同親権制度を導入すべきであるとの意見がある一方で、共同親権制度を導入することに慎重な意見もあるなど、様々な意見があるものと承知をいたしております。 父母の離婚後の子の養育の在り方につきましては、法制審議会において様々な角度から幅広く調査審議中でございますが、そのような議論をする際には、自らが未成年のときに父母の離婚を経験した方々の意見にも耳を傾けるということも重要だというふうに思います。今の御紹介いただいた作文も、まさに両親が離婚された、そういう中学二年生のお声でありました。 そのため、法務省では、これまでにも、子に関する実態調査として、未成年期に父母の離婚を経験した方を対象としてアンケート方式による調査を実施し、令和三年三月に公表したところであります。また、令和四年度にもこのような方々を対象としてインタビュー形式による調査を実施する予定でございます。 法制審議会におきましては、こういった調査も踏まえた上で、引き続き、子の最善の利益の確保等の観点から充実した調査審議が行われることを期待しております。
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。今年はインタビュー調査をしてくれるということですけれども、是非その結果を待たせていただきます。 二点目ですけど、これは言葉の問題なんですが、民法七百六十六条、ここで、面会及びその他の交流という言葉が使われているんですけれども、この親子が出会うのを面会交流と法律の用語から使われているんですけど、ちょっと言葉自身が、ある意味で刑務所の受刑者に対して使用するようで冷たく感じます。私ども共同養育支援の議連では親子交流と言い換えているんですけれども、法務大臣のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) 民法七百六十六条一項は、父母が協議上の離婚をするときは、父又は子と、失礼、父又は母と子との面会その他の交流についてその協議で定めることと規定しております。 この面会とは、一般に人と直接に会うことを意味する用語でありまして、刑事施設で受刑者と会う場合のみで使用されるものではありません。例えば、病院に入院患者をお見舞いするときも面会というような言葉を使うわけでございます。 もっとも、現在、法制審議会では、父母の離婚後の子の養育の在り方について幅広く審議中、調査審議中でございますが、調査審議の結果を踏まえて具体的な条文案を立案する際には、御指摘の点に限らず一般に、法制審議会が取りまとめた実質的な規律の内容を適切に表現することができる文言の在り方について、法制的な観点も踏まえて検討する必要があるというふうに考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。法律の文言というのは大変重要な意味を持っておりますので、是非御検討お願いいたします。 三点目ですが、実は昨日、共同養育支援議連の方から、配偶者により子供を連れ去られた方のための共同養育総合的パッケージ概要をお届けさせていただきました。 先ほど法務大臣もおっしゃっておられたように、共同親権、共同養育に慎重な方の意見のかなり強いところに、DVから、夫のDVから逃げられない、危険だという意見が大変強いということも私どもも伺っております。 ということで、まずこの資料の二ですけれども、本文は大変十ページ近く長いんですが、一ページにまとめたもので、子を連れ去られた方、それから真のDV被害者の状況を左側に整理させていただきながら、じゃ、これに対してどういう対策を取ったらいいのかという共同養育総合的パッケージを提案させていただいております。 この中で、特に右側の方の一番上のところに、様々な相談窓口、あわせて、検察における国会答弁を踏まえた運用、これはちょうど昨年の四月十三日です、同居中の父母のうちどちらかが相手の配偶者に無言で了解を得ずに子供の居所を変えた場合に、刑法の二百二十四条の誘拐、略取誘拐罪に当たるかどうかということで御答弁いただきました。そのときの答弁は、上川大臣とそれからあと川原刑事局長からいただきましたけれども、ここの保護法益は、子供の自由が奪われることと併せて監護者の監護権も奪うおそれがあるだろうということで、はっきりと刑法二百二十四条の対象にもなり得るということをお答えいただいております。ところが、現場の警察などではなかなかそのことが理解されていないということで、今、共同養育議連の方では問題とさせていただいております。 それから、継続性の原則、あるいは住民票の写しということで、この総合対策パッケージ、議連から出されたものを今後法務省さんとしてはどう対応策を講じていただけるか、少し時間も迫っておりますので短くて結構です、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(古川禎久君) 昨日、委員も所属されております議連から御提言をいただきました。法務省として御提言をしっかり受け止めて、今後の検討、取組に生かしてまいりたいというふうに考えております。 先ほども御紹介しましたとおり、法制審議会で今調査審議が進められておるわけですけれども、今年の夏ぐらいに中間試案が取りまとめられるというふうに聞いております。 法務省としましては、引き続き関係府省庁とも協力しながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
○委員長(矢倉克夫君) 時間が参りました。
○嘉田由紀子君 お時間になりましたので、ありがとうございました。 以上です。
○委員長(矢倉克夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時十六分散会