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208回国会参議院2022/03/29

法務委員会 第4号

発言数
281
登壇者
22
会派数
9
開催日
2022/03/29

会議録

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動につきまして御報告いたします。  昨日までに、真山勇一君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。     ─────────────

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官吉住啓作君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。  今日は、まずウクライナ問題についてお伺いしたいと思います。  ロシアのウクライナ侵略をめぐり、ウクライナ避難民の受入れに向けて古川法務大臣が総理の特使としてポーランドに派遣されるということになりました。今朝の報道では、一日からポーランドに政府専用機で行かれて、そして帰りの便に希望者を乗せてくるというような報道もされておりますけれども、固まっていらっしゃること、そしてまた古川法務大臣のポーランド派遣の意義、狙いについてお伺いさせていただければと思います。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) ロシアによるウクライナ侵略は、法の支配あるいは基本的人権の尊重、こういったものを踏みにじる大変許し難いことでございます。そしてまた、この度の事態は、ウクライナの方々にとってこれはもう耐え難い苦痛を与えている事態でもあります。  我が国としましては、ウクライナ避難民を支援するため、官房長官をヘッドとしますウクライナ避難民対策連絡調整会議が設置をされまして、ウクライナからの避難民について政府一体となって必要な支援を行っていくということを確認をいたしております。  この会議において、周辺国に避難しているウクライナ避難民の支援策等について詳細かつ具体的に検討する必要があるということから、今御指摘をいただいたとおり、この連絡調整会議の共同副議長であります法務大臣の私が特使として、最も多くの避難民を受け入れているポーランドに出張するよう総理から御指示があったところでございます。  出張スケジュール等につきましては、日本時間四月一日金曜日夜に政府専用機で東京羽田空港を立って週明けに帰国する予定で調整を進めさせていただいているところです。まだ確定いたしておりません。  可能な限り速やかに現地に赴きまして、ポーランドにおけるウクライナ避難民受入れの状況や課題、これらを直接見聞をして、ポーランド政府要人と会談するなどし、現地のニーズを的確に把握することによってウクライナ避難民に対する必要かつ効果的な人道的支援につなげていきたいというふうに考えております。  また、委員から今ちょっとお触れになりました帰りの便に避難民を乗せてくるのかというようなことについては調整中でございまして、まだ確定的なことを申し上げられるような段階にはございません。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 是非、国際社会が連帯しているんだという姿勢を見せるためにも、法務大臣には御尽力いただければと思います。  次に、交通事故問題についてお伺いしたいと思います。  自動車運転致死傷行為処罰法は事故を起こした人を処罰するのが主眼の法律だと思いますけれども、不幸にして被害者になってしまわれた方を救済する、被害者の思いに寄り添うことも非常に重要だと思います。  この自動車運転致死傷行為処罰法の立法の過程で被害者の声を取り入れたのかどうか、そのことについてまずお伺いしたいと思います。

加田裕之自由民主党・国民の声法務大臣政務官

○大臣政務官(加田裕之君) 御質問にお答え申し上げます。  お尋ねの自動車運転死傷処罰法につきましては、平成二十五年三月の法制審議会から法務大臣に対する答申を踏まえて立案したものでございます。その答申に先立つ法制審議会の刑事法部会におきまして、被害者支援に精通した弁護士の先生や被害者支援団体で活動されている方にも委員として常時御出席していただきました。  議論の前提といたしまして、まず、合計十三の交通事犯の被害者団体の方々から、二日間にわたりましてヒアリングを行いました。そして、罰則整備に関する御意見、御要望を直接お伺いいたしまして、それらを踏まえつつ、考え得る対応そして方策案を抽出した上で審議が行われ、要綱が取りまとめられたものでございます。  当時、社会的に大変関心がありまして、迅速さも求められておりましたが、委員の御指摘のように、被害者の御家族の皆様方の声や団体、専門家の方の方に寄り添うようにしっかりと慎重審議して反映したところでございます。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 この被害者の思いに寄り添うという観点で看過できないことがあります。交通事故が刑事事件として決着した後も、事故の民事的な責任をめぐって、加害者側が契約する損害保険会社の対応、言動によって被害者やその家族の心と尊厳を傷つける精神的な二次被害が起きているというふうに耳にしています。その全体像を把握するのは難しいと思いますけれども、損保会社と被害者側との間で民事訴訟に発展した事案では特にそうしたことが多いのではないかというふうに推察します。  人身事故において被害者側と損保会社側が民事訴訟になった割合というものを政府として把握されているかどうかをまずお聞かせください。

有泉秀金融庁総合政策局審議官

○政府参考人(有泉秀君) お答え申し上げます。  主要損保各社によりますと、自動車保険における対人賠償のうち民事訴訟になっておる割合につきましては、保険金の請求件数の一から二%程度と承知しております。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 一から二%が訴訟にまで発展しているということです。損保会社というのは民間の会社なので、支出を増えないように保険金を抑えようとするのは仕方がないことなのかもしれませんけれども、行き過ぎた対応、言動、主張によって被害者やその家族が苦しんでいる場合も少なくないということです。  この交通事故をめぐる精神的な二次被害の実態、現状を把握していらっしゃるでしょうか。まずは警察庁にお聞きしたいと思います。

新田慎二警察庁長官官房審議官

○政府参考人(新田慎二君) 都道府県警察におきましては、交通事故が発生した場合、所要の捜査を行うとともに、交通事故被害者等に対して必要な支援を行っております。  支援に当たりましては、被害者の手引を交付するなどし、その中で損害賠償等に関する相談窓口も紹介しているところですが、警察では個別の相談内容について把握しているものではありません。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 では、法務省ではどうでしょうか、お聞かせください。

松下裕子法務省人権擁護局長

○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。  法務省の人権擁護機関におきましては、交通事故を含む様々な人権相談に応じておりますけれども、委員御指摘の損害保険会社の保険金支払対応に関わる精神的な二次被害の実態や現状等については把握しておりません。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 では、損保会社を所管する金融庁としてはどうでしょうか、お聞かせください。

有泉秀金融庁総合政策局審議官

○政府参考人(有泉秀君) お答え申し上げます。  金融庁では、金融サービスに関する一般的な御相談を金融サービス利用者相談室で受け付けており、相談者に寄り添った対応に努めているところでございます。  他方で、委員御指摘の交通事故の被害者の方や、あるいはその御家族の方の精神的な二次被害に関しては、必ずしも十分な把握ができているとは言えない点は金融庁としても課題として認識しております。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 政府として、関係省庁で把握ができていないということも非常に問題だと思います。  そもそも、被害者も被害者家族も、事故のことを思い出したくもないと思っている方が少なくないと思われます。そうした中で、民事で争うことになり、心ない言葉、主張で当事者が萎縮している、萎縮どころか心を傷つけられ、自殺未遂や自殺にまで追いやられた方もいるということも伺っております。言葉の暴力が横行している、常態化しているという指摘もあります。こうした問題は、訴訟にならなかった事案でも起きているのではないかというふうに想像します。  損保会社を所管する金融庁として、更に現状を把握し、改善を図っていくべきではないでしょうか。考えをお聞かせください。

有泉秀金融庁総合政策局審議官

○政府参考人(有泉秀君) お答え申し上げます。  被害者の方への対応につきましては、金融庁では保険会社向けの総合的な監督指針というのを作っておりますけれども、この中で、被害者側の主張をよく聞いた上で、丁寧かつ分かりやすい説明を行うなど、被害者の方の保護にも十分に配慮して示談交渉を行うよう求めているところでございます。これを受けまして、損害保険各社においては、被害者対応に係る心構えや留意点を自社のマニュアルに定めまして、研修などを通じて職員へ周知徹底を図るなど具体的な対応を進めているものと承知しております。  他方で、委員御指摘の精神的な二次被害への対応につきましては、先ほども申し上げましたとおり、より一層の取組が必要だと認識しておりまして、金融庁としては、被害者の方からの御相談に真摯に耳を傾けましてより一層丁寧な対応を行っていくとともに、損害保険業界に対しても、被害者やその御家族の心情面に寄り添った対応を促してまいりたいと考えております。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 是非とも強力に促していただかないとこの現状は変わらないと思いますので、より一層の努力をお願いしたいと思います。  また、実態について法務省は把握していないという話もありました。誰もが交通事故の被害になる可能性があります。民事の問題は金銭賠償の話なので、被害者の方はなかなか進んで話しづらいという側面もあろうかというふうに思います。交通事故を含めて、犯罪被害者やその家族の救済、支援は法務省の役割でもあろうかというふうに思います。  これまでのこの質疑のやり取りを聞いて、法務大臣はどのように感じられたでしょうか。また、法務省として今後この問題にどう取り組んでいくべきかと考えていらっしゃるか、大臣のお考えをお聞かせください。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。  これまで政府においては、犯罪被害者等基本法の理念に基づきまして、様々な施策を推進するために計画を定めております。その計画も累次にわたって見直しをして、鋭意この取組を現在も進めておるところでございます。  損害保険会社を監督する立場には、法務省はその立場にはないわけでございますけれども、一般論として申し上げれば、この交通事故を含めて、犯罪の被害に遭われた方、それからその御家族、御遺族が置かれた状況をよく理解するとともに、それらの方々が被害から回復をし平穏な生活を取り戻すことができるように、よりきめ細やかな支援をすることは、これは大事な観点であると思っておりますし、それこそが犯罪被害者等基本法の理念であるというふうに思っております。  法務省は、今後も、政府の一員として、その被害者あるいは御家族、御遺族のお声に常に耳を傾けながら、関係府省庁と連携をして犯罪被害者等を支援する取組の更なる推進、充実に努めていきたいというふうに思っております。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 是非とも、情に厚い大臣ですから、そうした声にじかに、直接耳を傾けていただいて、その思いに応えられるような行政に努めていただければと思いますし、ともすれば刑事事件が終わったら決着というふうな形になりがちですので、そこがこれまで見過ごされていたのではないかと思いますので、是非留意をお願いしたいと思います。  また、刑事事件を担当した裁判所が有罪判決後に引き続き損害賠償請求についての審理を行い、加害者に損害の賠償を命じることができる損害賠償命令制度という制度があります。この制度は、現在は故意犯に限ってしか利用できないので、交通事故のほとんどは過失犯なので対象となっていません。交通事故の被害者の方とお話しすると、確定した刑事事件の内容とは違うことを民事訴訟で主張されることもあると伺いました。損害賠償命令制度の対象を拡大してほしいという声も上がっております。  損害賠償命令制度を過失犯の交通事故にまで拡大することが難しい理由、課題があるのであれば、課題についてお聞かせいただければと思います。

川原隆司法務省刑事局長

○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。  委員御指摘の損害賠償命令制度は、犯罪被害者等による損害賠償請求に係る紛争を刑事手続の成果を利用して簡易迅速に解決することを目的とする制度でありまして、同制度を円滑に運用するためには、救済の必要性が強く認められ、かつ、簡易迅速な手続で審理するのが相当と思われる犯罪を対象とすることが相当であると考えられたところでございます。  そこで、対象犯罪としては、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪など、被害者等が類型的に身体的、精神的に疲弊して通常の民事訴訟を提起することが困難であると思われる犯罪であって、救済の必要性が強く認められ、かつ、刑事手続において認定された事実を基に簡易迅速な手続で民事上の請求についての判断をすることができる犯罪が選定されているところでございます。  委員御指摘の交通事故に係る過失運転致死傷罪につきましては、交通関係の民事訴訟におきましては、過失割合などの審理に時間を要し、現に交通事件の専門部や集中部が設けられている裁判所もあるなど専門的な判断を要する事項が多いと思われること、保険会社が絡むような事件については加害者と被害者だけでなく保険会社も含めて解決を図る必要があることなどからすると、刑事手続を利用して簡易迅速な審理により紛争の解決を図ることとする損害賠償命令制度にはそぐわないと考えられたため、同制度の対象犯罪とはされなかったものでございます。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 恐らく故意犯でも専門的に審理しなければならないと思いますし、簡易迅速に救済するという思いは、恐らく先ほど大臣がおっしゃった、一日でも早く平穏な日常を取り戻せるようにという主眼にも合致していると思いますので、是非とも省内でも更に検討をいただければというふうに思っております。  事故後に被害者と加害者側の紛争を避けるためには、事故直後の速やかな捜査、現状の把握が必要だと思いますけれども、そのためには警察がすぐに現場に駆け付けられる対応が不可欠だと思います。けれども、全国的には警察署や交番の削減、縮小が進んでいます。私の生まれた町、呼子町、現唐津市でも、警察署が幹部派出所に変わってしまいました。  調べてみると、地方部だけではなくて、神奈川や大阪、奈良や宮崎など、全国複数の府県で交番などの統廃合、縮小が進んでいますけれども、警察庁として予算や人員などの削減を進めてこうしたことになっているんでしょうか、お聞かせください。

住友一仁警察庁長官官房審議官

○政府参考人(住友一仁君) 御答弁申し上げます。  交番、駐在所の設置、再編や勤務員の配置といったものにつきましては、これは各都道府県警察において、その予算の範囲内で、地域警察運営規則、これに基づきまして、治安情勢等を総合的に判断をして、適正、合理的なものとなるよう絶えず見直しが行われているものと承知しておりますが、これについて、警察庁において、交番、駐在所の設置に係る予算ですとかその勤務員の削減を進めるといったことは指導しておりません。  いずれにいたしましても、各都道府県警察において、住民の要望等を踏まえ、安全、安心の確保に向けた取組が進められるよう、引き続き警察庁として指導してまいります。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 それでは、警察庁として、交番などの再編や市民への説明について都道府県県警をどう指導していかれるおつもりなのでしょうか、お聞かせください。

住友一仁警察庁長官官房審議官

○政府参考人(住友一仁君) お答え申し上げます。  今も申し上げましたが、交番、駐在所の再編ということにつきましては、これ各都道府県警察において、地域警察運営規則に基づいて、治安情勢等を総合的に判断して、適正、合理的なものとなるよう、これは絶えず見直しが行われているものと承知をしているところでございますが、この交番、駐在所の再編に際しては、地域住民の意見を聞き、地域住民の方々が不安を感じることのないよう配慮するなどし、そして地域住民の理解を得た上で交番又は駐在所の設置が適正、合理的なものとなるように、引き続き我々としても都道府県警察を指導してまいります。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 最後、一分だけですけれども、スリランカ人女性の名古屋入管の死亡事案について、ビデオも私も見ましたけれども、通訳の体制が若干大丈夫なのかというふうにも思いました。そのことについて、最後お聞かせいただければと思います。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘の点につきましては、調査報告書におきましても、看守勤務者らとウィシュマさんとの間の意思疎通に問題が生じることがあったという指摘がございます。これで、これを踏まえまして、調査報告書では、改善策として、速やかに基準を定めて通訳等を積極的に活用することという点を示したところでございます。  これを受けまして、当庁におきましては、医師による診療時には原則通訳人を手配すること、被収容者からの体調不良の訴えを職員が聞き取る際には機械翻訳機器を活用するなどして意思疎通を図ることなどを内容とする指示文書を発出したところでございます。  今後も、適切に運用するよう、適切に必要な指導を行ってまいりたいと考えております。

山下雄平自由民主党・国民の声

○山下雄平君 以上、質問を終わります。ありがとうございました。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが、昨年の三月六日に名古屋入管で三十三歳でお亡くなりになりました。もし彼女が生きていたならば、恐らくスリランカに戻っていても今青春を謳歌をして、人生がまだまだ可能性あふれるものとしてこの世界に存在したんだと思うと、名古屋入管のこの死亡事案というのは大変な出来事だと思います。  ウィシュマさんが亡くなったことによって、全国各地で集会などがこの一年間行われてきましたけれども、その大きな特徴は、若い人たちが非常に怒りを感じて集まっている、二十代、三十代の方々、十代の方々とかも含めて。どうして日本の入管というのはそんなとんでもない出来事を起こしてしまったんだろうか。  これ、私は、スイスのジュネーブの人種差別撤廃委員会、日本審査にも二回参加しましたけれども、そこでも、ヘイトスピーチの問題だけではなくて、日本の入管体制というのが国際人権基準に基づいて大きな問題があるという指摘が再三なされてきたにもかかわらず、ウィシュマさんの、あえて言えば事件が起きてしまったと私は考えております。  今日は、二度とそういうことが起きないために、入管体制がどのように大きく変わっていくことができるのかという視点から質問させていただきたいですけれども、前提として、入管が把握している、例えば二〇一七年以降、入管で何人の方が亡くなったのか、その内容についてお示しください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 二〇〇七年以降の件数の御照会でよろしければ、その件数をお答え申し上げますが、二〇〇七年以降、入管収容施設における被収容者の死亡事案の発生件数は十七件でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 もう少し詳細に語っていただけませんか、人が亡くなっているんですから。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 死因につきましては病死等もございます。  それから、特に死因の究明、あるいは原因、あるいはその防止策ということにつきまして、十七件のうち、ウィシュマさんの案件のほかに四件につきまして報告書を作成して公表しているところでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 二〇〇七年から今まで入管施設で十七人の方が亡くなっていて、なぜ報告書は四件しかないんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 特に検証の必要があると認められたものについて検証を行い、報告書を作成したということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 検証の必要がないというのはどういう意味なんでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) これは、例えばではございますが、被収容者の中に自殺をされた方がおられます。その場合、自殺をした経緯等につきまして、その検証というところまで、報告書を作成するというところまではやっていないということで、もちろん、その経緯とそれから自殺の原因になったものについて調査を行いましたし、それに応じた対応は行っているところでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 十七人の方が亡くなっていて、四人の方は検証された、報告書を作った。ほかの方はなぜそういう調査報告書を作る必要がなかったんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 繰り返しになりますが、報告書を作成するまでは至らなかったと、そこまでの必要を認めなかったということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 去年の十二月二十七日に参議院の法務委員会の理事懇で、ウィシュマ・サンダマリさんの映像について、六時間二十八分、私たち拝見をいたしました。その後、理事懇で私は質問しました、同じことを。そのとき、五人の方がたしか亡くなっているという発表でしたけれども、何でその五人の自殺された方の報告書がないのかということに対して、当時、責任者の一人の方は、人の心は分からないからだというふうにおっしゃった。  だけど、人が自ら命を絶つというのは大変なことだと思うんです、病死も大変だけれども。でも、そのことについて一件も報告書はないんですよね。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 申し訳ございません、私が先ほど報告書、報告書と申し上げたのは、公表した報告書が四件ということでございまして、もちろん庁内における必要な報告は書面によって行われております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 ウィシュマ・サンダマリさんについての報告書というのはこれだけ膨大なものがあるわけですけれども、今おっしゃった四件の報告書というのはどのぐらいのものなんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) ちょっと、突然のお尋ねでございます。  どのぐらいと分量でお尋ねでありますと、今手元にございます二十九年の事例でいきますと、報告書、公表の報告書が全部で十ページ、それからもう一件、令和元年十月付けの調査報告書につきましては、別添を除きますと本文だけで十六ページ、例えばそのような分量でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 入管施設で人が亡くなっても十ページ程度の報告書はこれまで作られてきたんだけれども、それでは、なぜウィシュマ・サンダマリさんの件についてはこれだけ膨大な報告書は作られたんでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 私どもとしましても、この案件につきましては非常に重大な問題を含んでいるというふうに考えまして、だからこそ、前例はないことでございましたが、調査チームに外部の有識者、医師も含めた外部の有識者も加わっていただいて、できる限り事実関係を明らかにしつつ、その問題点と改善策を探るという作業を行ったがためにそれなりの分量になったというふうに考えております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 しつこいようで申し訳ないんですけれども、これまで十七人の方が亡くなっていて、そこではこれまでこれほどの報告書は作られなかったのに、なぜウィシュマ・サンダマリさんのケースは、それほど入管が大きな体制を取ってこういう報告書を作らなければいけないと判断、どういう判断されたんでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) もとより、先ほど申し上げたように、今回のウィシュマさんの事案につきましては、大変重大であるとともに社会的にも大きく注目をされたところでございますので、それに応える必要があるということで、それなりの調査体制を組んで詳細に調査を行ったということでございまして、もとより、被収容者の死亡事案について、軽重を判断して報告書の厚み、薄みが決まっているということではございません。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 ちょっと前提として、本当しつこく、申し訳ないんですけれども、やっぱり気になりますのは、昨年十二月二十七日に質問させていただいた理事懇で、自殺者についての調査できないっておっしゃったんです、当時。人の心は分からないからそういう報告書は作っていないということを言われたので、びっくりしたんです、正直言って。  自殺者についての調査報告書というのはあるんでしょうか、五件。公表していなくてもあるとおっしゃっていましたけれども、どうなんでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 先ほど申し上げたとおり、庁内に報告するための書面というのは作成をいたしております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 次に行きます。  端的に聞きます。ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなったその責任の所在というのはどこにあるんでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告書におきましては、ウィシュマさんの死因につきましては、司法解剖の結果や専門医二名の見解を踏まえて、死因は病死と認められるものの、詳細な死因に関しては、複数の要因が影響した可能性があり、専門医らの見解によっても、各要因が死亡に及ぼした影響の有無、程度や、死亡に至った具体的な経過、機序を特定することは困難であるとの結論に至っているところでございます。そのため、ウィシュマさんの死因についての責任の所在につきましては、明らかにすることは困難であると考えております。  当庁といたしましては、今回の報告書で示された改善策を速やかに、かつ確実に実施していくことが重要と考えておりまして、取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 死因が最終的に細かくこれだと特定できないにしても、私が聞いているのは、今少しお話しになりましたけれども、ウィシュマ・サンダマリさんは名古屋入管で亡くなったわけでしょう。責任の所在は名古屋入管にあるんじゃないですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) その点につきましては、既にこの案件につきまして訴訟が提起されている状況でございます。責任につきまして、ここで言及するのは差し控えさせていただきたいと存じます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 まあ、いつもの御答弁なんですけれども、訴訟が提起されていなかったら何と言っていたんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 仮定の質問にはお答えするのは困難かと存じます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 名古屋入管に責任あったって明らかじゃないですか。だから、全国各地で若い人たちが集まって、入管の問題には興味なかった人たちが、何でこの日本でそんなことが起きてしまったのかという怒りと関心が広まっているわけでしょう。  じゃ、具体的にお聞きしましょう。中間報告と最終報告がありました。その調査チームがありましたけれども、いずれもどういう体制で調査をなさったんですか、お答えください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査チームにつきましては、出入国管理部長を責任者として、本庁内の職員のほか、地方出入国在留管理局の職員の応援を得てチームを構成いたしまして、そのチーム体制は、調査報告書公表時点においては約三十名程度参加していたものでございます。  なお、お尋ねの中間報告時点など特定の時点における人数につきましては、調査チームの構成等、事態が流動的でもございますので、明らかにすることは困難でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 流動的であっても、合計で何人ぐらいの中間報告の調査チーム体制だったんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 申し上げたとおり、中間報告時点での人数を特定することは困難でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 いや、おかしいでしょう。だって、中間報告しなきゃいけないということでチームをつくられて、それで入管の方々が、何人かは分からないけれども、入れ替わり立ち替わりかも分からないけれども、チームがあったわけでしょう。  延べ何人なんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 済みません、延べ人数となりますと、確認をしないと、なかなかお答えがこの場では困難でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 じゃ、また教えてください。  最終報告書は三十人。それは延べなんですか、チームとして三十人なんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 最終報告書公表時点において約三十名、チームに参加していたということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 細かいことなので次に行きますけれども、その例えば中間報告書を作成するのに、人数は、今お答えになったように、いいです。どのぐらいの期間、調査をされて中間報告書というのはできたんでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査チーム自体は本件発生後間もなく構成しまして調査を始めておりますので、約一か月、中間報告までの間、約一か月調査をしたということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 そこには名古屋入管以外の方も加わっていましたでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 加わっております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 中間報告において医師あるいは看護師さんは入っていましたでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 中間報告までの間においては、今御指摘の医師等の外部有識者は入っていなかったということでございます。  委員長、済みません、あっ、済みません、ただいまの答弁、訂正させていただきます。  外部有識者も入っていたということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 済みません、外部有識者の中に医師あるいは看護師が入っていたという理解でいいんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 医師は入っていたということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 それでは、核心部分についての質問を続けていきます。  ウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管で三十三歳でお亡くなりになった。どこが生死を分けるポイントだったのか、具体的にお聞きをしていきます。  ウィシュマさんの体調はいつから悪化していたと入管は把握されていましたでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告書によりますと、一月中旬頃から体調が徐々に悪化していったというふうに判断しております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 一月十八日の看護師記録、何て書いてありますでしょうか。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。  失礼、速記を止めて。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。  西山次長、失礼しました。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 看護師記録の全部をお読みすると結構な量ではございます。どの点を読み上げればよろしいか、もし限定いただければ。済みません、恐縮です。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 つまり、名古屋入管あるいは皆様が、ウィシュマ・サンダマリさんの体調が悪化した、それは看護師記録に出ているわけですけれども、ポイント部分です。例えば、一週間ほど前から食欲不振、吐き気、腹痛を繰り返しているというような、ああ、悪化してきているんだなという、そのポイントはあるわけですよね。  それ以外にも体調悪化の記述があるんですけれども。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 客観的状況として、悪い、悪い点といいますか不調な点というところを挙げますと、胃部不快、吐き気、胃液様のものが上がる、食欲低下等々がございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 一週間ほど前から食欲不振、吐き気、腹痛を繰り返している、食べると胃が痛くなるので食べられない、薬は飲みたくないが看護師のアドバイスが欲しいなどと述べて、薬は投与せずに経過観察中だったんだけれども、その後も体調が良くならないわけですから、看護師の勧めで、初診、初めて庁内の内科医に診察受けていますよね。それはすぐ分かります、今お持ちの資料、難しい。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) どの点をお尋ねか、ちょっと聞き漏らしたかもしれません。申し訳ございません。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 時間もありますから。  内科医師の診療記録には、十日前から胃腸症状、入所時八月二十日から十二キロ体重が痩せている、最終的には二十キロ痩せてしまうんですけれども、初診のときに既に医師は体重が物すごく減っているという認識されているわけですよね。しかし、その初診のときに医師が行ったのは、採血、心電図を取る、それから検尿のみなんですよ。薬は出されてない。それで間違いないですね。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘のとおりでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 しかも、それだけの症状が既に出ているにもかかわらず、点滴をやるわけでもない、外部医療機関に連れていくわけでもないというのが行われて、続いていって、一月二十五日に初めて採血なさいましたよね。その結果、教えていただけますか。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 報告書にも記載がございますが、数値が挙げられておりまして、白血球数が百、赤血球数四百九十、ヘモグロビン量十六・〇、ヘマトクリット値四九・六、MCV百一・二、MCH三十二・七、MCHC三二・三、血小板数三十一・四等々でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 その採血の翌日に尿検査行っていますよね。その結果、教えていただけますか。ここは非常に重要なポイントになってくるんですが。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) すぐ出ますか。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 失礼いたしました。  ウロビリノーゲンプラスマイナス、ケトン体プラス、たんぱく質プラス、ブドウ糖マイナス、潜血三プラス、色調褐色・混濁色、臭気アンモニア臭等でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 ケトン体というのはどういう意味なんでしょうか。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) ケトン体は生体維持に必要なグルコースが不足した際に体内で生成されるものであり、グルコース不足の原因として糖尿病又は飢餓状態が考えられるところという説明でございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 つまり、それなんですよ。飢餓状態を示すのがケトン体。  この一回目の検査ではケトン体プラスなんだけれども、重要なのは、二月十五日、二回目の尿検査行われておりますが、その結果を教えてください。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) ウロビリノーゲン三プラス、ケトン体三プラス、たんぱく質三プラスなどでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 それを当時の名古屋入管はどのように把握されておりますか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) この点につきまして、看護師は確認し、二月十八日の診療の際に庁内医師に対してこの尿検査を結果を伝えたということでございます。これは調査報告書に記載がございます。  他方、これも調査報告書にございますが、庁内医師の方は、調査チームの聴取に対し、二月十八日の診療時に尿検査結果を把握したかどうかの記憶は定かではないというふうに述べております。  結局、調査報告書においては、尿検査結果が庁内医師に確かに伝えられたか否かの判断はしておらず、医師である二名の外部有識者の御意見等を踏まえ、二月十五日の尿検査結果を踏まえた追加的な検査等を行うことが望ましかったが、それが行われなかった原因は医療体制の制約にあるとして、問題点、要改善点を指摘しているところでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 医療体制の不備が問題じゃないんですよ。異常値ですよ。ウロビリノーゲン三プラス、ケトン体三プラス、たんぱく質三プラス。異常値です。異常値だから看護師さんは大変だという判断をして医師に伝えたんだけれども、最終報告書によると、今答弁なさったように、尿検査結果を把握したかどうかの記憶は定かでない、異常値が出ているのに記憶がない。どこかの世界みたいな答弁というか発言している。これ問題じゃないんですか。そこがポイントなんですよ、生死を分ける。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 先ほど御答弁申し上げたように、調査結果では、看護師は医師に伝えたと言っている一方で、医師は記憶がないということで、それ以上の判断はされていないということでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 それで、最終報告書には、ケトン体の問題、それからウロビリノーゲン、たんぱく質、異常値が出ていることに対して、総合診療科医師の見解として、生体が、つまりウィシュマ・サンダマリさんが飢餓状態にあることを示唆しており、このような状態であれば、電解質異常や腎機能障害といった代謝障害を招来している可能性があったと、医師は最終報告書でそう判断されていて、たんぱく質三プラスについては、可能性として慢性腎炎等による腎機能障害が生じていたことが考えられる。  だけど、この最終報告書でも、二月十五日の尿検査の結果であるウロビリノーゲン三プラスについては何にも触れていないんですね。触れていない。ウロビリノーゲンが検出されるのは肝炎や肝硬変といった肝疾患が代表的だけれども、それだけではなくて、心不全や溶血性貧血といった病態も可能性としてはあった。つまり、ウロビリノーゲン三プラスという結果だけでも、すぐに採血をもう一回やって異常の有無を確認すべきだったんだけど、やっていないんですよね。  だから、最終報告書にも、この総合的な所見でも、ウロビリノーゲン三プラスについては評価されていない。だから、最終報告書には大きな欠陥があるんですよ、生死を分けるポイントにおいて。そう思われませんか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の二月十五日の尿検査結果を踏まえた追加的な検査等が行われなかったことについては、医師以外の二名の有識者から、尿検査の結果を踏まえ、更なる検査の実施や体調への配慮等の対応がなされるべきであったと指摘はされております。  他方、医師である二名の有識者からは、庁内医師は週二回各二時間という限られた時間で診療を申し出た被収容者に受動的に対応していたのであり、こうした制約された医療体制にこそ問題があったと指摘しているところでございます。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 医療体制に問題があったのは事実なんだけれども、医療体制を改善すれば入管が抜本的に今の体質を変えられるとは思わないんですよ。  時間がないので、入国管理局長が平成三十年、二〇一八年ですけど、三月五日に発出した「被収容者の健康状態及び動静把握の徹底について」という指示について、これはなぜこういう指示を出されたのか、教えてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねの文書でございますが、平成二十九年三月に東日本入国管理センターにおいて発生した被収容者死亡事案に関する調査結果報告書において、新たな死亡事案の発生を防止する観点から取りまとめられた項目を踏まえ、作成されたものと承知しております。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 死亡事案が起きると、こういう文書が出される。ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなると、新たな医療体制あるいは報告書が出る。  だけど、二〇一八年のこの文書を見て分かるとおり、被収容者から体調不良の訴えがあった場合は、その内容を十分に聴取することとともに、体温測定や血圧測定により身体状況を的確に把握した上、次です、診察の要否について医師等の判断を仰ぐ又は速やかに医師の診察を受けさせるなどの病状に応じた適切な措置を講じること。次が一番大事なんですが、時間帯による看守責任者等が当該被収容者への対応を判断せざるを得ない場合は、もう時間ないので中略します、安易に重篤な症状にないと判断せず、ちゅうちょすることなく救急車の出動を要請すること。  二〇一八年にこういう指示出しているのに、ウィシュマさんの場合は全く放置じゃないですか。だから、名古屋入管の責任が本当に問われているんだと私は思うんです。  今日いろいろ準備してきたんですけれども、もう時間が来ましたのでやめますけれども、最後、簡単に、法務大臣、今日のやり取り聞いて、御感想をお聞かせください。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間ですので、御簡潔にお願いします。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 今、有田委員から、平成三十年の報告書についても触れられました。あのときの反省は生かされていないのではないかというような趣旨の御指摘がございました。私は、これは大変重く受け止めたいと思っています。  この名古屋の事案は、もうあってはならない事案です。二度とこういうことが起きないように、固い決意で、改めるべきは改めていくという姿勢で臨んでまいります。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 終わります。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  私からも、昨年のスリランカ人の女性、ウィシュマ・サンダマリさんの死亡事案を受けて、その後の対応等についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。  私の方も、報告書と、またビデオ、一部でございますが閲覧をさせていただきました。報告書等にもございますとおり、また先ほどの御答弁にもありました、死亡に至る機序が具体的には特定はできないという前提に立ちつつも、私自身、率直に改善すべき点が多々あったんだというふうに確信をしております。  国家賠償訴訟も提起されておりますので、法的な判断は最終的には裁判所においてなされることになろうかと思いますが、国といたしましては、御遺族のお気持ちにしっかりと思いを致し、誠意ある対応をお願いしたいというふうに存じます。  改めまして、古川法務大臣にお伺いをいたします。  本件事案を受けて、どのように思い、感じ、どのようにしていくべきと考えておられるか、率直なお言葉をお聞かせいただきたいと思います。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなって、三月六日で一年となります。改めて、亡くなられたウィシュマさんに哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様にも心からお悔やみを申し上げます。  このような被収容者の命を預かる施設において、収容施設において、あってはならない出来事でありまして、このようなことが二度と起きないように、今後もこの入管施設における入管行政のあるべき姿のために、しっかりあるべき姿になるように、より良いものになるように、そういう誠実な姿勢で向き合っていかなければならないというふうに思っております。  調査報告書については、先ほどの議論でも出ておりましたけれども、この調査報告書は、可能な限り客観的な資料に基づきまして、医師や弁護士など外部の識者も交えて、御意見、御指摘をいただきながら幅広く論点を抽出して、そして改善点を取りまとめていただいたものだというふうに受け止めています。ここで示されております改善項目十二項目があるわけですけれども、これを速やかに確実に実行していく、これが何よりも重要だというふうに考えております。  その上で、やはりこの収容施設における在り方あるいは入管行政全般、こういうことについても様々な御意見があることは私もよく承知をいたしております。こういう御意見に虚心坦懐に耳を傾けながら、先ほども申しましたが、改めるべきは改めていく、より良いあるべき姿に近づけていく不断の努力を欠かさないと、こういう姿勢で向き合ってまいりたいと思っております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 大臣もおっしゃっていただきました、二度とこうした悲劇を起こさないという、こういう決意で徹底的に改善を進めていただきたい、このようにまず冒頭お願い申し上げます。  続きまして、組織風土の改善の必要性についてお伺いいたします。  今回の事案を受けまして、入管庁としても、既存の法制度の枠組みの中で様々な再発防止対策をもう既に行っているものと承知をしております。しかし、個々の具体的な改善策を着実に実行することはもちろん重要ですが、入管庁の職員及び入管行政に携わる関係者の一人一人がしっかりと収容者等への人権意識を本当の意味で深めることを通じて、組織風土そのものを改善することが不可欠だというふうに存じます。  その意味で、改善策の一環として出入国在留管理の使命と心得が策定されたことには、私は大きな意義があるというふうに考えております。もっとも、理念的な標語にとどまる部分もあり、その理念を実際の職務の遂行に当たって現場に徹底させるための不断の取組がより重要だと考えます。  例えば、具体的には、その要旨を定期的に職員の皆様が唱和をしたり、あるいは日頃の職務遂行の在り方を振り返ってその整合性を確認する機会を設けたりするなど、将来にわたって本件の教訓を風化させず、また当該使命と心得の内容が形骸化しないように努めていただきたいと存じます。  以上を踏まえまして、入管庁に対し、当該心得を策定した趣旨、目的をお伺いするとともに、その周知徹底に向けての取組をお伺いいたします。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の使命と心得は、入管庁の全ての職員がウィシュマさんが亡くなられた事案を自らの問題として捉え、改革を主体的に実行していくため、全職員及び外部有識者の意見を集約して策定したものであり、人権と尊厳を尊重し礼節を保って職務に従事すること、風通しの良い組織風土づくりに努め、セクショナリズムに陥らず、組織が一体として、一体となって課題に対応することなどを内容としております。  全職員からの意識集約や意見交換の過程で、自ら考え議論するというプロセスを経ながらこのような内容の使命と心得を策定したことが職員の意識改革の大きなきっかけとなったものと認識をしております。  入管庁においては、既に各課、部門執務室内等への掲示、携行用のカードサイズ版の作成、配付といった取組を行っているほか、今後、研修等を通じた職員への指導などの方策も講じていくこととしておりまして、このような方策を通じて、使命と心得の着実な浸透を図ってまいりたいと考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 引き続きの浸透、これを徹底していただきたいと思います。  医療提供体制等についてもお伺いをいたします。  本件の事案を受けまして、名古屋局における組織・運用改革の一環として、医療体制の強化、被収容者の健康状態の情報共有体制の構築、そして看守勤務体制の強化等が掲げられ、実行されているものと承知をしております。その概要とこれまでの実施状況について確認をさせていただきたいと存じます。  また、絶対に同種悲劇を起こさないためにも、名古屋局のみならずに全官署を挙げての取組が重要だと考えます。全官署におきましても同様の観点からの総点検を行うべきというふうに考えております。この点も既に実施が進んでいるというふうに伺っておりますが、その結果、またその結果を踏まえての対応状況について入管庁に確認をさせていただきます。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告書では、被収容者に対する医療について、週二回各二時間勤務の非常勤内科等医師しか確保、配置できていなかったという名古屋局の医療体制の制約、被収容者の体調等を的確に把握し、医療的対応を検討して対処するための体制が構築されていなかったという組織的な対応体制などが指摘をされています。  それらの指摘を踏まえ、まず、名古屋局におきましては、組織体制の強化として、非常勤医師の増員、被収容者の健康状態等について幹部と現場職員及び現場の関係職員相互の情報を共有する体制の構築などを実施したところでございます。  また、入管庁では、昨年八月以降プロジェクトチームを設置し、調査報告書で示された十二項目の改善策を中心に組織、業務の改革を推進し、これまでに十項目が実施済みとなっております。  御指摘の総点検につきましては、全官署に対し過去の再発防止策の実施状況の点検を指示し、不十分な取組の官署がないかを確認し、その上で、参考事例の共有を図るとともに、改めて再犯防止策の徹底を指示したところでございます。  残る改善策二項目につきましても、早期の実施に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 ありがとうございます。  指示をされたということでありますが、その実がしっかりと伴っているように、不断のフォローアップ、またチェックも重ねてお願いをしたいというふうに存じます。  続きまして、先ほど山下委員の方からもありましたが、意思疎通の関係についても指摘をしておきたいというふうに思います。  実際に私もビデオの閲覧を行わせていただきました。私自身も全体を通じて思ったことは、そのウィシュマ・サンダマリさんと入管庁の職員等とのコミュニケーション、これが十分にやはり図られていなかったということを実感をしております。現場の看護師等の方々も所与の条件の下で懸命に御対応いただいているという印象も併せて持ちましたけれども、サンダマリさん本人はたどたどしい日本語で御自身の思いを実際に本当の意味で周りの方に伝えられていたか、あるいは、看護師等の皆様が発せられる言葉の意味をウィシュマ・サンダマリさんが十分にどれだけ理解できていたのか、私は疑問なしとはできませんでした。  積極的にコミュニケーションを図ることは、適切な対応につなげる前提条件であります。大変重要なことであります。今回の教訓を十分に踏まえ、日頃から、また、特に今回のような体調不良なときにおいては殊更、本人の状況を正確に把握するべく、通訳人あるいは翻訳機器等の配備の強化が不可欠だと存じます。  既に入管庁はこの点の対応を指示しているものというふうに承知をしておりますが、通訳人や翻訳機器の配備の実施状況、これがどうなっているのかを確認をするとともに、入管の被収容者は様々な母語を、言語を有する方がいらっしゃるであろうことにも鑑みまして、少なくともその時々の収容者の言語に対応できる通訳人等が配備されていなければならないというふうに考えます。  この観点からの現状の対応状況についてお答えください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告書では、体調不良を訴えるウィシュマさんとの間のコミュニケーションについて、言葉の問題により体調不良に関してウィシュマさんが訴えたかった内容が看守勤務者らに正確に伝わらないなど、看守勤務者らとウィシュマさんとの間の意思疎通に問題が生じることがあったと指摘しております。  入管収容施設で利用する通訳人については、あらかじめ本庁で取りまとめた通訳人名簿に基づいて、必要の都度各官署において依頼しているところでございますが、調査報告書では、改善策の一つとして、外国人である被収容者の体調等を正確に把握できるようにするため、速やかに基準を定めて通訳等を積極的に活用することを示したところでございます。  これを受け、当庁では、医療に関するコミュニケーションが被収容者との間で適切に取られるよう、昨年九月、医師による診察時、診療時には原則通訳人を確保すること、被収容者からの体調不良の訴えを職員が聞き取る際には機械翻訳機器を活用するなどして意思疎通を図ることなどを内容とする指示文書を発出したところでございます。  改善策を踏まえ、全ての入管収容施設では、医師による診療時は原則通訳人を確保するとともに、機械翻訳機器を配備し、活用しているところでございます。  なお、御指摘の少数言語への対応につきましては、通訳人の確保に難渋する場合もございますけれども、電話による通訳を活用するなど、事案に応じて個別に対応しているところでございます。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 また、仮放免の関係についても確認をさせていただきたいというふうに思います。  本件において、仮放免の判断が適切に行われていたとすれば結果は異なっていたかもしれないとも指摘されているところであります。本件は、仮放免のこれまでの運用等の在り方についても重要な問題提起がなされたものと考えております。一層柔軟な対応が、運用がなされるべきと考えております。  また、仮放免の意思決定にいたずらに時間を要して取り返しがつかないという事態も絶対に避けなければなりません。殊に人の生命また健康に関わる重大局面にあっては、現場の判断を尊重し、柔軟かつ迅速に仮放免を積極的に認める方向での対応が検討なされるべきです。  この点につきまして、入管庁は既に令和三年十二月二十八日付けの通達で新たな運用指針を策定等を行っているものと承知をしておりますので、その内容についてお答えをいただきたいというふうに思います。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘のとおり、入管庁では、昨年十二月二十八日、体調不良者等に係る仮放免運用指針を策定、発出したところでございます。  この新たな運用指針では、収容継続によって健康状態を大きく害する恐れがある旨の医師の所見が付された被収容者については、原則として仮放免を許可するなど、医師の所見を踏まえた判断を行うように定めております。また、各官署の幹部による被収容者の体調把握や体調不良者等に関する本庁への報告を義務付けるなど、仮放免の判断における情報共有のための方策も定めているところでございます。  このような運用指針によって、現在、医師の所見に基づき、仮放免すべき者については仮放免するなど、改善策を踏まえた適切な運用がなされるものと考えてございます。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 続きまして、本庁における監督体制の強化についても確認をしておきたいと思います。  本件の事案に関連しまして、現場の対応について本庁の方も十分に把握をしていなかったということも課題の一つとして挙げられているものと承知をしております。問題が発生した場合、当該官署のみにとどめ置きたいというふうに思ってしまうのが人間の心理である以上、当該組織以外の目がしっかりと入っていく仕組みづくりがまた重要だというふうに思います。  現場の不適切な対応等に関する情報が本庁に速やかに共有されるとともに、本庁からも調査、指導を行うことができる、そうした体制の構築が必要だと考えます。  入管庁は、既に改善策の一環として本庁における情報提供窓口及び監察指導部署の設置を掲げ、いよいよこの四月から新たな部署が設置予定というふうに承知をしております。当該部署の設置の趣旨と今後の運用、在り方についてお尋ねをいたします。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告書では、改善策の一つとして、被収容者や支援者が本庁に対し、職員の違法又は不適切な行為などについて情報を提供できる窓口を設けるとともに、提供された情報等を踏まえた調査、指導を行う部署を設けることが示されたところでございます。これを踏まえ、職員等の職務上の違法又は不適正な行為等について本庁が直接情報を受け付け、事実関係の調査、必要な措置を行うため、本年四月一日付けで本庁総務課に出入国在留監査指導室を設置することとしております。  今後、この出入国在留監査指導室を適切に運用、機能させることにより、出入国在留管理行政の更なる適正化に努めてまいりたいと考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 この新たな部署がしっかりと有用に機能するように、また今後も注視をしていきたいというふうに思います。  改めて、大臣にお伺いをいたします。  本件事案を受けて、入管行政における様々な課題が浮き彫りになったというふうに考えます。改めて、法務大臣におかれましては、冒頭も力強い決意をいただきましたけれども、その改善に全力を挙げていただきたいというふうに思います。  また、世界に目を向ければ、現下のウクライナ危機や、まして、国境、国籍を超えた諸国あるいは諸国民との連帯、法の支配、基本的人権の尊重といった普遍的で確かな理念の共有が叫ばれております。それらが我が国の足下から揺らぐようなことが決してあってはならないというふうに思います。その意味においても、我が国におきまして人権擁護の旗振り役である法務省そして入管庁こそ、人権尊重について模範の姿を示していただきたいと考えます。  出入国管理行政の改善に向けた法務大臣の御決意を改めてお聞かせください。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 人の尊厳、人権の尊重というものは、私ども人類社会が追求していくべき最も重要な価値だというふうに考えております。また、私どもの預かっております入管行政におきましても、この人権の尊重ということは非常に大事な理念であるというふうに考えております。  現在、この入管行政につきまして、様々な方面から様々な御指摘、御意見がなされている、出されているということはよく承知をいたしております。私自身、今回の名古屋の事案を踏まえましても、やはりどこか足らざるもの、どこか欠けているものがあるというふうに考えております。そのような問題意識を持って、この入管行政、より良いあるべき入管行政の実現のために努力をしていきたいと思っています。  特に、名古屋事案の調査報告書、この中でも幾つか指摘をされているわけですけれども、その中の一つに、やはり職員の人権意識が不十分であったという指摘がございます。これはやはり重く重く受け止めなければならないというふうに私も思っております。  そこで、この項目、改善項目の中にもあるんですけれども、この度、入管の全職員が外部の方の意見も聞きながら取りまとめた使命と心得というものがございます。これは、やはりこの人権の尊重、ここをしっかりと肝に銘ずるべく、私は今後、入管行政の言わば土台になる、人権意識という意味でこの土台になるべきものだと思っておりまして、極めて大事なことだというふうに思っております。  この使命と心得、そこに明らかになりましたその考え方をしっかりと体現して入管行政を行っていくように、繰り返しになりますけれども、より良いあるべき入管行政の姿を不断に、何といいますか、目指しながら、不断の努力を続けていくと、そのために私も先頭に立って努力をしたいと思っております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 大臣、ありがとうございました。  ウィシュマさんは三十三歳で命を落とされました。私自身も今三十四歳でありますけれども、本当にこれからいろんな人生の夢や希望を持っておられた方であろうと思います。そのウィシュマ・サンダマリさんの死を絶対に無駄にしてはならない、本当にこれにしっかりと報いていく、そういうような決意で真摯に対応していく、こういう思いで臨んでいただきたい。改めてお願いを申し上げる次第であります。  入管の関連のテーマについては以上とさせていただきまして、ちょっと順番前後いたしますが、人権相談等に関連して法務省にお尋ねをしたいというふうに思います。  インターネット上の誹謗中傷の問題がクローズアップされてから、政府は関連する法改正等を積極的に進めていただいているものと承知をしております。今国会におきましても、侮辱罪の法定刑の引上げ等を含む刑法改正法案の審議が予定されておるものと承知をしております。  もっとも、こうした罰則強化による一般予防の強化を図ることのみならず、被害を可及的速やかに軽減するためには、プロバイダー等による自主的な削除の促進、あるいは削除要請の実効性を高めていくことも重要と考えております。  これに関連しまして、既に二〇二〇年九月、総務省から発表された政策パッケージには、法務省人権擁護機関からの削除依頼に対する事業者の円滑な対応を促進する旨明記され、さらに本年一月には、インターネット上の誹謗中傷をめぐる法的問題に関する有識者検討会の中間取りまとめも発表されたものと承知をしているところであります。私たち公明党といたしましても、迅速な削除とその実効性を確保することをかねてより強く求めてまいった次第であります。  以上の点を踏まえまして、法務省人権擁護機関が行うネット上の削除要請等の実効性確保に向けた取組状況についてお答えをいただきたいと思います。

松下裕子法務省人権擁護局長

○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。  法務省の人権擁護機関におきましては、インターネット上の投稿による被害について相談を受けた場合、相談者の意向に応じまして削除依頼の方法等を助言したり、違法性を判断した上で投稿の削除を要請するなどしておりますが、御指摘のとおり、要請は任意でございますので、削除されたりされなかったりということがございます。  現実に、インターネット上の誹謗中傷に関する相談を受けるなどして人権侵犯事件を立件した件数は、令和二年が千六百九十三件、令和三年が千七百三十六年と、事件数が高止まりしている状況にございます。  近時、法務省の人権擁護機関に寄せられる相談には、内容的に複雑困難な事案が増えているように感じているところでございます。  そこで、法務省では、任意の措置である削除要請の実効性を確保するべく有識者検討会というものに参加しておりまして、そこで、その削除の実効性を上げていくために法的な観点からどのようなものが削除されるべきであるかといった論点についての御議論に参加しておりますほか、総務省とともにプロバイダーとの意見交換の場である実務者検討会を継続的に開催し、法務省としてしかるべき法的判断をした上で削除要請を行っているんだということをプロバイダー側に御説明するなどして粘り強く対話を続け、削除要請に対する理解を求めているところでございます。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 引き続き、この実効性の強化というところで、有識者検討会のこの要請等も踏まえながら対応をお願いしたいというふうに思います。  もう一問、相談窓口の対応強化の状況についても確認をさせていただきます。  先ほど紹介した政策パッケージの中には、法務省を含め相談窓口の周知、他の相談機関との連携強化も掲げられていると承知をしております。公明党としても、この相談窓口等の体制の強化、積極的に求めた点であります。法務省におきましても相談体制の強化を推進していただいていると承知しておりますが、その現状、また成果について確認をさせていただきます。

松下裕子法務省人権擁護局長

○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。  先ほども申し上げましたとおり、私ども、相談をお受けしていることにつきまして広報に努めておりますけれども、実際に御相談の件数についても七千件余りということで高止まりしておりまして、人権侵犯事件として立件した件数も高止まりしているような状況にございます。  こうした中で、他機関との連携についても深めるよう努めておりまして、相談者の意向に応じて、そのニーズが様々でございますので、ニーズに合った相談先を紹介しておりますほか、例えば、総務省が運営委託をされている違法・有害情報相談センターが組織している組織有害情報相談関係機関連絡会というのがございまして、そこに参加をし、ほかの相談機関とともに相互補完や相互調整等の連携の在り方を検討するなどの取組を進めているところでございます。  引き続き、こうした取組を通じまして、インターネット上の誹謗中傷の問題の解消に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 ありがとうございました。  このネット上の人権侵害、誹謗中傷、大変深刻化してきているということが指摘されてから時間も経過しておりますが、今回の法定刑、侮辱罪の法定刑の引上げといったいわゆる威嚇的な予防効果ということももちろん重要な観点なんですが、総合的に表現の自由にも十分に配慮しながら自主的な削除の実効性を高める、また被害救済につなげていく相談窓口をしっかりと体制強化していく、こうした総合的な観点からでの取組を重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。  委員長、ここで人権擁護局長につきましては御退席いただいて結構でございます。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 松下人権擁護局長、御退席いただいて結構です。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 続いて、ちょっとまた別のテーマに移りますが、アダルトビデオの出演強要の問題についても一問取り上げさせていただきたいというふうに思います。  いよいよこの四月から成年年齢の引下げ、十八歳からの成年という形になります。前回、私自身も、この当委員会におきまして、テーマ、取り上げさせていただいて、消費者被害が増大する懸念に対し、消費者教育、法教育の一層の強化等を取り上げさせていただいたところでございます。  その大きな問題のテーマの中の重要な懸念事項として、いま一つ指摘をさせていただきたいというふうに思います。  十八歳、十九歳がアダルトビデオの出演強要の被害に遭うリスクが高まっているという、こうした問題意識でございます。十八歳、十九歳が未成年者取消し権を行使することができなくなってしまう。そうすると、十八歳、十九歳が、真意でないにもかかわらずに、そうしたアダルトビデオへの出演契約を結んでしまって、取り返しの付かない被害が増加してしまう、こうしたことは絶対にあってはならないということは言うまでもございません。  様々国会でもこの論点について議論がなされ、法整備の議論等も出ているというところも承知をしておりますが、性的な被害に関する相談窓口の普及といった、いわゆる既存の法制度の中でできることも徹底してやっていただくことも必要かと思います。AVの出演契約、またそれに限らず、契約一般に当たっての民法上の錯誤、詐欺、強迫などを理由とした法的な主張について可能であるということも現場に周知、普及徹底していくことも引き続き重要であるというふうに考えているところでございます。  政府といたしまして、このAV出演の強要、その被害の防止に向けて、青少年に対する普及啓発、積極的に行っていただきたい、強く行っていただきたいというふうに考えます。  現状の取組についてお伺いをいたします。

吉住啓作内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。  内閣府では、成年年齢の引下げに伴い、若年層のAV出演強要などの被害予防のため、本年四月の若年層の性暴力被害予防月間に合わせ、ポスター、リーフレットを作成し、大学等に配布するとともに、チラシを作成し、文部科学省に対して各教育委員会を通じて高校等についても周知を依頼したところです。  また、啓発動画を作成し、十八歳、十九歳の方に直接届くように、若い方がよく見るツイッター、インスタグラム、フェイスブック、ユーチューブなどのSNSで周知を実施するほか、広く一般に向けて、首都圏の主要な路線のトレインチャンネルにおいても動画による周知を行ったところです。  さらに、先般、若年層に影響力を持つインフルエンサーを登用し、十八歳、十九歳を含む十代から二十代を対象にした若年層の性暴力被害予防に関するオンラインイベントを実施したところです。  引き続き、AV出演強要問題の根絶に向けて、関係省庁と連携しながら積極的に広報啓発を行ってまいります。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

安江伸夫公明党

○安江伸夫君 断じて、AVの出演強要による被害者が決して増えることが絶対にあってはならない、こういう観点での徹底的な対策を求めてまいりたいと思いますし、私たち公明党もこの問題に取り組んでまいりますことを申し上げて、私の質問を終わります。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。  まず、本日は最初に、前回、三月十六日の法務委員会の質疑の中で指摘をさせていただきました刑事施設における収容者のワクチン接種の対応状況について確認をさせていただきたいと思います。  前回、三月十六日の質疑において、刑事収容施設における収容者のワクチン接種にばらつきがある、また大変遅れているということについて指摘をさせていただきましたところ、古川大臣の方から、ワクチン接種の今後の推進の取組に関して自治体と調整を綿密に進めるよう指示をするといった趣旨の御答弁をいただいております。  その後のこのワクチン、刑事収容施設収容者のワクチン接種の対応状況について確認をさせてください。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) お答えいたします。  刑事施設における被収容者のワクチン接種の推進のための対応につきましては前回お答えさせていただいたとおりでございますが、前回の答弁後も引き続き各刑事施設におきましてワクチン接種を進めております。  令和四年二月末現在の刑事施設被収容者数、これ速報値で四万三千九百八人でございますが、この二月末までに二回目の接種を終えた人は二万六千百七十七人でございまして、前回お答えした一月末現在と単純に比較しますと、二回目の接種を終えている人は千二百十四名増加している状況でございます。  引き続き、刑事施設におけるワクチン接種を希望する被収容者が速やかに接種を受けられるよう、関係機関、関係自治体との連携を一層強化して進めておるところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 関係機関と調整とおっしゃいましたが、具体的に何をやっていらっしゃいますか。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) 自治体との関係ということが基本でございますが、例えば厚生労働省とも何らかの方法が取れないかということについては協議をさせていただこうということで進めているところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 具体的にどういう協議をしていらっしゃるのかを教えてください。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) 現時点では成果という形のものはございませんので、ここでお答えすることはちょっと控えさせていただきたいと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 控えさせていただく、控える理由を教えてください。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) 現時点でこういう形というものが、まだ結果が出てございませんので、お答えできるものがございません。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 もう一件確認させてください。  これ、大臣、御記憶におありになろうかと思いますが、施設ごとで対応がかなり違うと。前回も指摘させていただきましたが、収容者の御家族が、その所在、地元自治体で入手したワクチンの接種券を差し入れてもらった場合にはワクチンの接種ができる方がいらっしゃる一方で、このワクチン接種券がなかったら自治体対応していないケースが極めて多いといった、こういうことを指摘をさせていただきましたところ、前回、矯正局長は、そういった詳細な実態は把握していない旨の御答弁をいただいております。  改めて矯正局長に確認しますが、この施設ごとのワクチン接種の取組状況についての確認、進んでいるでしょうか。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) 随時状況は確認させていただいております。  それで、各施設に対しましては、前回御指摘いただきましたが、釈放がごく間近な人に対して接種ができていないのではないかというようなことがございましたが、こういった人も接種の対象とするということを改めて指示をさせていただいております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 具体的に調査は施設ごとにやっているという理解でよろしいですか。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) 随時といいますか、常時把握できているわけではございませんが、定時に接種の人員といったものについては確認をいたしております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 三月十六日以降、指摘をしたことを受けて調査しているのかということです。ごまかさないでください。随時とは何ですか。

佐伯紀男法務省矯正局長

○政府参考人(佐伯紀男君) 基本的には月末現在の数で把握をしておりますので、済みません、三月十六日以降の施設ごとの数字というのは把握できておりません。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 数字の把握をお願いしているわけではなくて、ワクチンの接種を推進するために一体各施設でどういう対応しているのかを調べているのかということを聞いているんですよ。  先ほど数字をおっしゃっていただきましたが、ワクチンの接種回数は、これは累積の接種回数であって、入所者の方は入れ替わりがあるわけですから、おっしゃった四万三千九百八人よりもっと多いはずなんですよ。となると、ワクチンの接種率というのは極めて低いわけです。  私、東北のある少年院施設から出所された方を引受け、受取に行かれた方から話を聞きましたが、一回もワクチン接種の話が施設内でなかったという話が出ています。これが現状なんですよ。そういうことを把握されていますかということを言っているんです。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 先日の委員会の場で、委員からの御質問の中で、私は、この接種をなかなかはかどらないことについて、これを前に進められるように現場に指示を徹底するというふうにここで申し上げました。大変恥ずかしいことですけれども、指示が徹底しておらないようですから、改めて徹底をしたいというふうに思っております。  申し訳ありません。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 大臣から御答弁いただきましたのでこれ以上この問題については質問いたしませんけれども、法務省から正式に刑事施設収容者のワクチン接種について推進してほしいということを、厚生労働省も当然のことですが、ワクチンの接種を推進する主体である各自治体に対して通達していただかないと具体的にこれ動かないと私は思っておりますので、是非そういった対応も含めて速やかに進めていただきたいと思います。  それでは、次の質問に参ります。  名古屋入管における死亡事案について、私からも幾つか質問させていただきたいと思います。  何度も委員会で、衆参の委員会で指摘をされておりますが、まず、二回目の二月十五日の尿検査についてでありますが、この尿検査が行われたデータ、事実が中間報告書で公表されなかった理由をまず教えてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 中間報告前に御指摘の尿検査の資料が送付漏れであったことから、検査の結果がこの中間報告書に記載されなかったものでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 その説明を受けたんですが、正直申しまして、私、解せなくて、失礼しました、ちょっと理解し切れなくて。  客観的にこの事象を見たときに、当初からこの問題は、入管施設における医療行為の不足が極めて問題視されて指摘され続けてきたわけです。そうした意味では、この二回目の尿検査をやっていたということを、検査をやっていたということ自体が数少ない医療行為なんですよね。要は、入管にとっては医療行為を行っていたということを本来アピールできるはずの資料であるわけですが。  したがって、これを意図的に入管が隠蔽することのメリットが正直言って、客観的に見て、ないわけであります。にもかかわらず、後から出てきたというのが単なる、いわゆる資料の送付漏れという一言で済ませていいものなのかということを私は感じているんですけど、なぜ後から出てきたんですか、具体的に教えてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 当時の調査チームにおきましても、今委員が御指摘のとおりの問題意識を強く持ちまして、関係者からの聴取、資料の確認などを行ったところでございます。  その結果でございますが、まず、二回目の尿検査結果の意味合いは医療の専門知識がなければ把握困難であることから、職員があえてこの尿検査結果を選んで隠蔽行為に及ぶとは考えにくいという事情がございますほか、医師が再検尿を指示した旨が記載された診療録はほかの資料とともに送付されていたということ、調査チームによる指摘後、直ちに名古屋局から尿検査結果が追加送付されたこと、尿検査結果の編綴された診療録は資料のサイズがまちまちのため、数回に分けてまとめて自動原稿送り機能を使用したり、サイズの差異や紙質に応じて一枚ずつ手作業で写しを作成したりしたということでございまして、取り違いなどによる作成漏れ、写しの作成漏れも考えられたこと、そのほか、関係者の聴取等においても隠蔽をうかがわせる事情は認められなかったことなどの事情から、名古屋局の職員が意図的に送付しなかったとは考えていないところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 この異常値を示している尿検査のデータというのは、正直言って、入管の方にはその内容が何なのかということは多分理解できないんだろうということを、今の次長の御説明は私も納得できるんですけれども、このデータが後から出てきたことで、若しくはサンダマリさんがお亡くなりになったということで、その後検証することで、この数字が極めて悪いものであるということを、このことを、一番これが出たら困るのはむしろ診療に当たられたドクターじゃないかというふうにも私は考えられるんですけれども、ドクターがこの尿検査の記録、数値について記憶が曖昧であるということをおっしゃっていることについて、その説明でよしとされているんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) ちょっと御質問の趣旨が、その趣旨でよしという、その趣旨というのが、ちょっと済みません、申し訳ございません。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 要は、記憶がないと、記憶が曖昧であるという要は医師からの説明で、入管はそれで、その説明で了解したと認識されているということでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査した結果、医師は記憶が定かでないとおっしゃっているところでございまして、それ以上に詰めようがなかったということではございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 先ほど有田委員からも御指摘ありましたけれども、この異常値を把握できていれば、普通のドクターであれば、血液検査等を行った上で何らかの治療を始めなければいけないというのがごくごく医者であれば常識だということらしいです、有識者の話を聞いていると。  こういった点について、この検査結果について外部の有識者の方が、この治療を行わなかったということ、治療を行い得なかったと、データが開示されていなくて、そのことについてはどうおっしゃっていますか。責任の所在はどこに求めていらっしゃいますか、第三者機関は。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 医師である二人の外部有識者の御意見を踏まえた調査結果、調査報告書によりますれば、二月十五日の尿検査結果を踏まえた追加的な検査等を行うことが望ましかったが、それが行われなかった原因は医療体制の制約にあるということで、その点を問題点とし、改善点として指摘したところでございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 だから、医療行為に抜け落ちがあったと、行うべき医療行為が行えなかったということがつまりは外部有識者の方の御意見ということですね。そういう理解でいいですね。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 文字どおり、望ましかったという御意見でございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 望ましかった。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 尿検査結果を踏まえた追加的な検査等を行うことが望ましかったというのが有識者の御意見でございます。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 必要であったではないわけですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 文字どおり、望ましかったというふうに報告書上摘示されております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 古川大臣、今のやり取り少しお聞きいただいていて、報告書等の話もこの間、この委員会だけでも何度か話が出てきておりますけど、今この問題に対応するために非常勤の医師を全国の入管に配置を少し増やしていただいてということで御対応いただいているということなんですけれども、急性増悪期の患者さんの症状管理とかを行うということを考えたときに、週に二回、僅か二時間ずつしか来ないような要は非常勤のドクターでは、患者さんの病状の管理が、変化が分からないんですよね。同時に、急に症状が悪化した患者さんに対して例えば服薬の指導をしても、服薬した薬の効果について、若しくは副作用の管理についても、それを診ることは、医者の立場で診ることができないということなわけです。  そうした意味では、長期収容を、要は、法務省として、入管として行うということを今実際にやっている以上は、責任を持って長期収容者の健康管理もしなければならないわけです。これを、要は、非常勤医師を少し増やしましたということで対応しても、これ正直言って、根本的な問題の解決には全くつながらないわけであります。  恐らく、こういった症状の患者さん等が今後も出てくる可能性は十分に考えられるわけでありますし、そうした方に対して速やかに適切な医療行為を行うということを考えたときに、やはり常勤の医師を長期収容を行う施設には常に配置をするということを速やかにやっていただく必要があると思うんですけど、この点について、大臣、御認識いかがでしょうか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) この名古屋事案に関しまして、この調査報告書、もちろん私読みましたし、ビデオももちろん見ました。そして、様々な感想を私持ちました。やはり一言で言うならば、欠けているもの、足らざるものがこれはあると、これはもう率直に認めて、その上できちんと改めなければならないという思いを強くしているところでございます。  この名古屋事案については調査報告書がまとめられています。この報告書そのものは、やはりできるだけ客観的な資料に基づいて、そして医師や弁護士、そういう外部の方の御意見や御指摘もいただきながら、幅広く論点を抽出した上で改善すべき点をまとめたものだというふうに思っておりまして、私は、ここで示された改善点をまず実行することということが何よりも求められている責務だというふうに考えているところです。  それと一方で、この名古屋事案の一つを受けての調査報告書、そして改善策ということですけれども、もとより、私がかねてから感じておりますことは、この収容施設の在り方のみならず、やはりこの入管行政全般にわたって各界からいろんな御意見や御指摘がなされておりますけれども、私はそれ承知しておりますけれども、やはりそういうことを含めて、やはり改めるべきは改める、そういう姿勢が大事だという思いをかねてより強く持っております。  そこで、今委員のお尋ねの件でございますけれども、まずはこの名古屋事案、このようなことを二度と起こしてはならないということの下に、この調査報告書を基にしっかりと対策をまず打っていくこと、これが何よりだと考えています。  そして、その上で、実は省内にも、これは技能実習、特定技能ということでの看板掛かっていますけれども、勉強会を始めておりますが、やはりそのあるべき姿を目指して、よりいいものを目指して不断の努力をするというような努力は今省内でも続けさせていただいております。  こういうことを通じて、より良いもの、あるべき姿を追求して、頑張ってまいります。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。  時間がなくなってきたのでこれで最後にしたいと思いますが、改めて大臣の御認識をお伺いしたいんですけれども、外国人の、日本にいらっしゃる外国人の方々の基本的人権について大臣はどうお考えになられているのかということ、同時に、不法在留者の基本的人権についてどう考えていらっしゃるのかということについて最後お聞きして、私の質問を終わります。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間ですので、御簡潔にお願いします。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 日本人であれ外国人であれ、人権は最も尊重されるべきものであります。これは、いわゆる不法滞在者においてもこれは同様であります。  一方で、私は、法務大臣として出入国在留管理行政を預かっております。この私が預かっております責任を全うするためには、やはり人権に配慮しながらもルールにのっとって外国人を日本に受け入れて、そして適切な支援を行い、そしてルールに違反する者に対しては厳正に対応すると、これが私の責務だと思っております。ここをしっかりと両立させながら努力をしたいと思っております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 大臣がおっしゃったそのルールについて、また次の機会に議論をさせていただきたいと思います。  終わります。

東徹日本維新の会

○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  まず、古川大臣に御質問をさせていただきたいというふうに思います。  三月の二十三日、国会でゼレンスキー大統領の国会演説が行われました。私もそれを聞かせていただいて、やはり日本でできることは、何でもやれることはやっぱりやらないといけないなと、そういうふうな気持ちになりました。  そんな中で、夕方の報道だったと思うんですけれども、古川大臣が二十六日からポーランドの方に行くんだと、ウクライナ難民の支援策などについて具体的に検討するため行くんだというふうな報道がありました。今日の報道では、四月の一日、先ほど山下委員からも質疑があって、四月の一日から行かれるんだというふうなことだった、お聞きしましたけれども、このとき、二十六、二十七と行く予定をされていたと思うんですけれども、延期されたのはなぜなのか、お伺いしたいと思います。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 報道されたその日程につきましては、確定していない情報が報道に載ったということでございまして、私自身としては、与えられたこの特命、使命からいきましても、できるだけ早く現地に伺いたいという思いは持っておりますけれども、これは様々、様々な調整が必要なことでございまして、それがまだ確定をしていないということであります。その意味では、延期したというのではなくて、日程がまだ固まっていないということでございます。

東徹日本維新の会

○東徹君 何か大臣のその行く報道、もちろんそうですし、私も議運におりましたので何かいろいろ分かるんですが、飛行機の関係と向こうでのアポの関係、そういったことが理由でというふうな話でありましたけれども。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 現地に滞在できる時間が限られておって、その限られた時間の間にできること、お会いできる方であるとか、ニーズの把握をしに行くわけですけれども、そのために十分な時間が確保できないというようなことが主な理由でございます。

東徹日本維新の会

○東徹君 現地の時間の、滞在時間が短いというのは、なぜ短いんですか。なぜそんなに短いんですかね。延ばすことできなかったんでしょうか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) それは、委員よく国対の方でも御存じのとおり、やはり国会日程との調整がございまして、そこはやっぱり国会のお許しもいただかなければかなわないことでございます。

東徹日本維新の会

○東徹君 そこ、本当に大事だと思いますよね。恐らく、昨日ですか、昨日は関係ないか、でも、それも関係あったかもしれませんね、決算委員会、テレビ入り、全大臣張り付きという。  私は、もう本当にこういうときは、私は、国会よりもやっぱりそういった、特に今回ウクライナという、本当に戦争が起こっている中で人道支援策をやっぱりやっていくという本当に大事な使命を担っている古川大臣であれば、私は、やっぱり本当はそっちを、国会日程よりもそっちが優先されるべきことだというふうに思います。ここはやっぱり国会の改革が本当必要ではないのかなというふうに改めて思ったわけであります。  そんな中で、是非、四月一日から行かれるということで、これはもう本当に行っていただいて、向こうの避難民を一日も早く避難できるように、また日本にも来ていただけるようにしていただきたいと思いますが、私としては一日も早くポーランドへ向かうべきだったというふうに思いますが、改めてそこはいかがでしょうか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 委員の御指摘のとおり、これは内容から、ミッションの内容からいたしましても、できるだけ速やかに現地に立って、そして直接つぶさに状況を見てまいりたいと、あるいは聞いてまいりたいと、このように思っております。

東徹日本維新の会

○東徹君 ゼレンスキー大統領の演説を聞いて、すぐにやっぱり大臣が行動してくれたと、こうなれば、私は、本当に日本に対する評価も大きく変わったんではないのかなと、更に良かったんではないのかなというふうに思って、ちょっと残念に思いました。なので質問をさせていただきました。  また、そういったことについては、やっぱり国会でしっかりと議論をしていくべき課題だというふうに我々も思って取り組ませていただきたいというふうに思っております。是非、四月一日から気を付けて行ってきていただきたいというふうに思います。  それでは、ウィシュマさんの事案についてお伺いをさせていただきたいと思います。  先週二十四日に、この事案に関するビデオを私もこれ初めてこのとき見させていただきました。ウィシュマさんの体調の悪化というところがもう本当によく外から分かる内容でありました。  特に、私、気になったのが血圧の数値なんですね。例えば、二月二十七日には血圧が最高八十三、最低が四十六。血圧、非常に低いわけですね。ウィシュマさんの死亡する二日前の三月四日午前七時の血圧測定では、脱力して測定できずと、こうあるんですね。脱力して測定できずって、脱力していても測定はできるはずだというふうに思ったわけですね。で、午前十時に測り直したところ、血圧は最高が八十、最低が六十一という、これ非常に低い数値になっていたわけであります。  また、脈拍については、二月二十七日に一分間で五十回、二月二十八日も一分間で五十一回。これ、徐脈性不整脈の可能性が非常にあるわけですね。これ、場合によってはペースメーカーを付けろとか、そういったケースもこれぐらいの数値だとなってくる可能性があるんじゃないのかと思うような脈拍だったということだったんですね。  こういった血圧とか脈拍の状況について、三月四日の夕方に診察した精神科のお医者さんにこれ伝えられていたのかどうか、この点についてはいかがですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 精神科医の医師に対する伝達状況でございますが、報告書に記載しておりますように、庁内医師が作成した診療情報提供書や当時服用していた処方薬の一覧表が交付された上、受診に至るまでのウィシュマさんの状況について名古屋局職員からの説明がなされたということでございますが、当該医師に対して血圧や脈拍の状況が伝達された事実は把握しておりません。

東徹日本維新の会

○東徹君 ここは、診療情報提供書というのはもちろんこれあったわけでありますけれども、これは日頃診ていただいているお医者さんが書いたんだと思いますが、本来、ふだん脈拍とかそういったことも精神科のお医者さんにきちんと伝えておくべきだったというふうに思います、一緒に連れていかれた方がおられるわけですから。  この異常値をやっぱりしっかりと、これはおかしいというふうにやっぱり気が付かなかった、まあ気が付いていたのかもしれませんし、気が付いているんだったらちゃんと精神科の医師に、精神科の医師だって精神科しか診れないわけでは何でもないわけですから、これはもう当然診せるべきだったというふうに思います。  もう一点、調査報告書によりますと、この精神科の医師ですけれども、念のため頭部のCTを行ったわけですね。私も見ていて、ちょっと手に麻痺が出ているのかなというふうな思いもありました。だから、この精神科の医師も頭部のCTを行ったんだというふうに思います。まあ脳梗塞の疑いとかそこを診たんだろうと思いますけれども、検査結果は異常が見当たらなかったということでしたですね。  当時のウィシュマさんですけれども、見た目も非常にこれ体調が悪化していることもはっきりと分かる状況で、血圧の数値も相当低いことなどを踏まえると、医師としては、これ、抗精神薬とか睡眠導入剤の処方をして二週間後の再診を指示したわけでありますけれども、このときも、えっと思うわけですね、私も。あの状況を見て、抗精神薬か睡眠導入剤、これを処方するのかなと、本当ちょっと疑いたくなるような、素人ながらですけれども、思うわけですけれども。  本来、頭部のCTを見て異常なかったということになれば、やっぱりこれは内科だというふうに思って、すぐに別の科で診察を受けてもらうような、そういった対処というのが必要ではなかったのかというふうに思いますし、その精神科のお医者さんも、やっぱりこれは内科の先生にすぐ診てもらった方がいいとか、そういうことにはならなかったのかどうか、ここが非常に不思議で仕方がないんですけれども、そこはいかがですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の点、調査報告書では、精神科医師の診断、すなわち抗精神病薬クエチアピンや睡眠誘導剤を処方の上、二週間後の再診を指示した診断について、医師である外部有識者二名からは、幻聴や不眠の症状を緩和するために抗精神病薬及び睡眠誘導剤が処方されたものと思われる、医師として、薬を出してみて症状が緩和したことを踏まえて後から診断を付すこともあるなどの指摘がなされ、その判断に問題があったと評価することはできないというふうに結論付けられております。

東徹日本維新の会

○東徹君 いや、その処方をしたことに対しては問題なかったと結論付けているかもしれませんが、頭部のレントゲンを見ても問題なかったと、じゃ、これはちょっとやはりほかの別の、例えば内科のお医者さんに診てもらった方がいいとかですね、そういったところは、じゃ、どうだったんですかね。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 従前からその内科の医師に診ていただいて、器質的な、内科の医師に従前診ていただいて異常が見当たらなかったという経過もございまして、ここは精神科医の先生の専門的な判断もあったかと思いますので、その委員御質問の点についてちょっとお答えすることは困難でございます。

東徹日本維新の会

○東徹君 私は、非常にお医者さんの対応を見ていて、ちょっとこれはおかしいよなと、正直、この調査報告書を見ていると思うわけであります。  ここからはちょっと通告していませんけれども、このお医者さんも、診療中、名古屋局の職員に対して、このウィシュマさん、仮放免されるまでは治らないのではないかとか、仮放免すれば良くなるんじゃないかとか、身体障害あるいは詐病の疑いとかいうふうな話が出ていて、患者が仮釈放を望んで心身の不調をしるしているなら仮釈放してあげれば良くなることが期待できる、患者のためを思えばそれが一番良いのだろうが、どうしたものだろうかと。  いや、そうじゃないんじゃないのかなと、もう本当に重症化している状況だったんじゃないのかというふうに思うわけですね。それがあって、三月五日がもう死亡日の前日になるわけですから、これは本当にちょっと、このときの対応がもうちょっときちっと医者的な、医療的な対応がしていれば死亡には至らなかったんじゃないのかなというふうに思うんですが、通告していませんけれども、いかがでしょうか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。  様々問題があるからいろんな不祥事が起きまして、それに対する反省、再発防止という思いの下にこの調査報告書が提出され、そこで示されたものを確実に実行していくということでございます。  したがいまして、この名古屋事案、いわゆる名古屋事案のこの経緯の中にいろんなことがあったというのは、もうそのとおりでございます。しかし、今委員がお尋ねになっております件はまさに訴訟の対象となっていることでありまして、ここで具体的にお答えすることは差し控えをさせていただきます。  いずれにしましても、私どもが、この事案の後に調査報告書がまとめられました。この調査報告書は、先ほども申しましたように、できるだけ可能な限り客観的な資料に基づいて、医師や弁護士という外部識者も交えた上で論点を幅広く抽出して、そしてこの改善すべき点を挙げております。で、それを実行すると、確実に実行するという下に今進めているところでございます。  委員の御指摘の部分については、司法の判断を待ちたいと思います。

東徹日本維新の会

○東徹君 私は、今後の改善点についてここで議論ができればと思って、そこをちょっとお話をさせていただいたということです。  だから、やっぱりバイタルチェックって誰でもできることですから、数字に対することが、きちっと調べる、チェックする人が分かっていれば、もうちょっと医療機関との連携もできたと思いますし、お医者さんもちょっとこれは、僕は、このお医者さんも、抗精神薬を出して二週間様子見ましょうというのはちょっと違うんではないのかなと本当に思いますし、また、それで三月五日、翌日には、もうこれ死亡の前日になってしまうわけでありますけれども、患者が仮釈放を望んで心身の不調をしるしているなら仮釈放してあげれば良くなるだろうと。そんな良くなるような体の状態じゃないじゃないというふうに正直思うわけです、私はですね。  だから、今後の改善策として、やっぱりそういったところも含めて、お医者さんの対応も含めてやはり改善が必要ではないのかなというふうに思ったので、そこをちょっと議論したかったなというふうに思って質問させていただきました。もしあれば。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) まず、報告書でも、先ほど委員からバイタルチェックの運用に関しての問題意識をお伝えいただきました。報告書でも、看守勤務者にバイタルチェックを行わせるのであれば、その目的や意義を看守勤務者によく理解させるなどすべきであったといった問題点の指摘がございますし、また、改善策として、基準やマニュアルの策定が必要であるというふうに示されております。  この結果を踏まえまして、昨年六月、看護師における健康状態把握に関する研修を実施したほか、九月にはバイタルチェックについてのマニュアルを策定しております。また、当庁が本年一月二十七日に策定した救急対応マニュアルにおいては、バイタルチェックにおける注意点や異常値の目安を定めた上、異常値があった際には上司への報告や一一九番通報を行うように定めているところでございます。  また、このような勤務者の意識の向上と能力の向上ということも含めて、医師との情報共有、これをもっときちんとやるべきだということで、この点については、医療体制強化に関する有識者会議ございまして、そこの中でも、医師と職員との間のコミュニケーションをしっかり取るというような体制についても提言がされているところでございます。

東徹日本維新の会

○東徹君 今後の対応としてそういったことも是非検討していただければと思いますし、私、今回コロナで非常にいいなと思ったのがやっぱりオンライン診療ですよ。オンライン診療も、やっぱり医療的なそういったバイタルチェックの数字とか、そういった情報とかがあれば、あとはまたそういった診断もやっぱりできることもあるだろうというふうに思います。そういったこともやっぱり活用しながら、今後、医療体制の充実というところに向けて取り組んでいっていただければというふうに思います。  時間になりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  ロシアによるウクライナ侵略を受けて、避難を目的に日本に入国する方も増えております。最新では何人になっているでしょうか。また、そのうち、難民認定の申請と認定、また就労可能な在留資格、特定活動への変更申請と認定の状況についてもお示しください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 避難を目的として本邦に入国された方につきましては、三月二日以降、三月二十七日までで二百八十八人となっております。また、この中で、お尋ねの不法残留者は生じておりません。在留特別許可の対象者もございません。また、ウクライナからの避難民のうち、難民認定申請者数、難民認定者数、あるいは特定活動への在留資格変更許可申請者数につきましては、現在調査中でございまして、この時点ではお答えすることが困難でございます。御了承ください。

山添拓日本共産党

○山添拓君 特定活動へ変更された方は把握できていないということですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 現在調査中ということでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 受入れ開始から一か月近くがたちますので、これ迅速に対応していただく必要があると思います。  私が、特定活動、就労可能な在留資格である特定活動への変更について伺いましたのは、もちろん就労という問題もありますけれども、それだけではありません。八日の当委員会でも指摘しましたが、就労可能な在留資格がないと無保険者となり、医療は自由診療で高額の負担を強いられます。  資料をお配りしました。これ、文科省と厚労省に調べていただいたんですが、国立国際医療研究センター病院、国立病院機構大阪医療センターでは、日本人の無保険者は自己負担一〇〇%ですが、外国人は二〇〇%です。東京大学や千葉大学の医学部附属病院、日本人一〇〇%に対して外国人は三〇〇%を請求しています。これは、訪日外国人であれば自由診療などで高額請求して構わないと、むしろ医療ツーリズムとしてもうけの手段にしていこうと、そういう国の施策に基づくものでもあります。一方、名古屋医療センターのように、日本人と外国人で区別せず自己負担一〇〇%としているところもありますが、十割負担でももちろん厳しい負担になります。  戦火を逃れて着のみ着のまま日本までたどり着き、持病の治療ができず、悪化の発見が遅くなるというケースもあるだろうと思います。短期滞在のビザのために医療費が高額となる、そういう事態には対応が必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) それは医療という意味でお尋ねですか。医療について。済みません、もう一度具体的に御質問いただけますか。

山添拓日本共産党

○山添拓君 これはこのとおり質問通告しているんですけれども、医療の面で問題が生じるわけです、ビザがどういうビザかによってですね。就労できない短期滞在のビザの場合には、就労資格はなく、無保険となり、自由診療で高額の医療費が掛かっていくと、こういう事態が生じているわけですから、在留資格の付与という点でも対応が必要ではないかという質問です。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 今回のウクライナ避難民の方々について、入国時においては、在留を希望する理由を含む個々の事情を踏まえ、発給された査証に基づき短期滞在等の在留資格を付与するように決定しております。一方、入国後において、希望する方々については、個別事情を考慮しつつ、在留資格、特定活動一年での滞在を認めるというふうに、そういう仕切りにしてあります。  したがいまして、お尋ねは、自由診療、つまり保険の適用があるかないかということだと思います。この国民健康保険制度自体は、これはもう法務省の所管外ですからここでコメントはできませんけれども、ただ、三か月超の、今申しましたように、特定活動であったら一年なわけですよね、こういう三か月超の中長期在留が認められる、そういう在留資格の方に対しては保険の適用対象とされるということになっているというふうに承知をいたしております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 大臣、今、所管外とおっしゃったんですけれども、そういうことが起こらないようにするために連絡調整会議つくられているわけでしょう。ですから、こういう問題起こってくるときにどう対応していくのかと、迅速に対応していくということが必要だと思うんですね。  現に、私、医師の皆さんから伺うと、来日したウクライナ人で困っている方がいると、既に高額の医療が必要になるということで困っている方いらっしゃるということを伺っているんですね。ですから、直ちに在留資格の変更を案内して、速やかに対応するべきだと指摘をしたいと思います。  これは、同様の問題はウクライナからの避難者には限らないですから、在留資格が認められずに仮放免で就労が禁止される、そういう多くの方にも共通するわけですね。入管庁は、先ほど大臣のお話にもあったように、厚労省の問題だということをおっしゃるんですけれども、こういう問題、厚労省にも担当部署がないんですよ、私、伺うんですけれども。だから、これは入管行政の問題として対応いただきたいと。  大臣、答弁ありますか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 先ほど私は、法務省の所管外で厚生省の問題だというような趣旨で申し上げたのではなく、制度としては、厚労省においてこの中長期滞在の者に対しては保険の加入ができるというような制度になっているということを御紹介をして、その上で、それに対応するべく、法務省としては適切な在留資格を付与する用意があります、そのことを申し上げているんです。ですから、委員が御指摘になりましたとおり、調整をしながら進めているということでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 進めていただきたいと思いますが、特定活動への変更をされた方の人数も把握されていないということがありますから、実際には現場で困っている人がいるということはお伝えしたいと思います。  名古屋入管、ウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件について伺います。  報告書によれば、名古屋入管は、亡くなる約三週間前、二月十五日、ウィシュマさんが拒食者に該当し得ると認識したとあります。  前提として伺いますが、被収容者を拒食者と認定する基準はあるのでしょうか。また、いかなる事実に基づいてこれを認定するのでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 入管庁におきましては、当該被収容者が官給食の摂食を拒否する場合、拒食者として取り扱っております。摂食の拒否には、官給食その他一切の摂食を拒否する場合のみならず、官給食の摂食を拒否しつつ、自費購入品や差し入れ品は摂取する場合も含めております。  入管庁では、被収容者が拒食を行った場合、拒食中の被収容者への対応に係る通達及び同通達の実施等に関する指針を示す通達に基づきまして、職員が面接をするなどして拒食に至った理由の把握に努め、拒食が生命や健康に危険を生じさせることを説明の上、拒食をやめるよう説得を行うとともに、状況に応じて医師の診察を受けさせているところでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 入管庁の言う拒食というのは、いわゆる摂食障害のことではありません。一九五八年七月二十五日付けの「被収容者がハンストを行った場合の措置について」という通達があります。つまり、拒食というのはハンストのことなんですね。  ウィシュマさんはハンストしていたんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) そのような事実は把握はいたしておりません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 二月十五日、摂食状況を見ますと、官給食について、朝食のかゆを半分食べたものの、昼食は食べない旨、夕食は自費購入したものを食べるので下げてほしい旨述べ、食べなかった。そのほかに、A氏は、ウィシュマさんは、バナナ、ロールパン及び砂糖を食べたと。OS―1、コーヒーや水を飲んだだけです。  ハンストではありませんね。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) いわゆるハンストとは把握しておりません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 名古屋入管が拒食者として扱うことを決定したのは十七日です。十六日も三食とも食べず、体調不良を訴えています。十六日ですね。十七日も三食とも食べず、食べることができない、歩けない、体がしびれている感じがすると訴えました。看護師には、食事ができず、食べると吐いてしまうとも述べています。  ハンストではない者をハンストと扱い、拒食者として扱ったと。これ、どういうことですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 委員も御指摘がございましたように、拒食者はイコールハンストではございません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 いや、入管の通達では、拒食者とはハンストのことを指していると思います。それは従前の通達をそのように改めてきているからです。違いますか。  ちょっと止めてください。ちょっと止めてください。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 平成十三年の通達と、先ほど御答弁申し上げたように、それと、令和二年の三月、これを併せまして、先ほど申し上げたような拒食者に対する対応を取り扱っているということでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 後から説明をいたします。  その後もウィシュマさんは体調不良を訴えていますが、二十二日、名古屋入管は本庁に対して拒食者として扱う旨を報告しています。  資料をお配りしました。二枚目以降を御覧ください。  二〇〇一年十一月二日付けの「拒食中の被収容者への対応について」という通達です。三ページを御覧ください。留意事項の(6)、本庁への報告に当たっては、拒食者の身分事項、退去強制手続状況、拒食理由、健康状態及びその他参考事項を報告するとされています。  ウィシュマさんについて、どのような情報が報告されていたのでしょうか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 名古屋局からは、二月の二十二日、本庁に対して拒食者としての報告があったというふうに把握しております。その後、二十三日に官給食の摂食を再開したということで、翌二十四日、名古屋局から当庁に対して拒食者ではなくなったとの報告があったと承知しております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 拒食の理由、健康状態についてはどう報告があったんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 済みません、そこについて、現時点で私としてつまびらかではございませんので、お答えが困難でございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 これは報告書に記載がありません。この通達によると、報告というのは電話等でするとされています。報告について記録はありますか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 電話等による報告ということでございまして、今、記録があるかどうかについて、現時点で、今、私、把握しておりませんので、お答え困難でございます。申し訳ございません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 記録があるか探して、委員会に報告をお願いし、提出を求めたいと思います。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 後刻理事会で協議をいたします。

山添拓日本共産党

○山添拓君 留意事項の(2)を御覧ください。  拒食中の被収容者の動静には特に注意を払い、飲食物の摂取状況、看守勤務者等による説得状況、発言内容、特に摂食、診療の拒否に係る発言等について勤務日誌に記録するとあります。  こういう記載からも分かるように、拒食とはハンストのことを想定しているんですね。ウィシュマさんについて、名古屋入管、どういう記録をしていたんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 記録内容につきまして、ここでつまびらかにすることは個人情報にも関わることでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 いや、今更個人情報ですか。どういう記録をしていたのか。そんなこと言い出したら、これ全部個人情報ですよ。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) ただいまその記録が私の手元にございませんので、内容について御説明が可能かどうかも含めて、お答えすることが今時点では困難でございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 拒食者として扱う決定をしておきながら、どのような対応を行ったのかについて報告書には何の記載もありません。  この期間の看守勤務日誌の開示を求めたいと思います。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 後刻理事会で協議をいたします。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ちなみに伺うんですけれども、全国の入管で拒食者は過去何人報告されたか把握していますか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 拒食者について網羅的な統計は取ってございませんので、お答えすることは困難でございます。  なお、ここで御紹介できる把握している数字として、全官署において官給食の摂食を拒否している者の人数について、いずれも年末時点の数としては、令和元年が四人、令和二年が五人、令和三年が〇人となっております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 今挙げられた数字は、十二月三十一日時点に何人いたかというだけですね。つまり、これまで拒食者が全国の入管でどれぐらい報告されたかについて網羅的な把握はされてないという答弁でした。本庁への報告事項としているのに、これまで何人が拒食者として報告されたかすら分からないと。報告についても、電話等とされていて、記録があるのかないのかもよく分からない。  これでは報告を求めていても本庁は何もしていないのと同じだということになってしまうと思います。いかがですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 当庁に報告を受けていることはそのとおりでございますけれども、それを数字で統計として把握していることでは、あっ、把握はしていないということをお答えした次第でございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 これは当然把握してしかるべきだと思います。  名古屋局が拒食者ではないかと疑ったまさにその日に尿検査が行われています。先ほど来議論のある、資料六でお示ししています。ケトン体三プラスについて、報告書では飢餓状態を示唆していると書かれています。  有田委員の質問にもありましたウロビリノーゲン三プラスという記載もあります。これはどういう意味ですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 今委員御指摘の意味付けといいますか問題点について、調査チームの有識者から特段の御指摘は受けてございません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 それ自体が大問題だと思うんですよ。急性肝炎、赤血球が壊れて起きる溶血性貧血などの疾患が疑われる数値です。これだけでも、すぐに採血などして異常の有無を確認するべき結果です。  報告書によれば、二月十八日の施設内での診療の際、看護師はこの結果を医師に伝えたとされています。どのように伝えたのですか。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 報告書によりますと、看護師によれば、この診療の際に甲医師に対し、前記9、(10)記載のということで、尿検査結果でございますが、二月十五日に実施した尿検査結果を伝えたとのことであるというふうになっております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 尿検査結果の異常さについてどのように伝えたと看護師は言っているのですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) そこまで現在のところ、私としてはつまびらかではございません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 報告書に書いていないんですね。看護師のメモにもありません。  なぜ看護師に確認していないんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 検査結果を伝えたということは、お尋ねをして、伝えましたという、あっ、伝えましたというか、伝えた旨回答があったということでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 これは看護師も含めて、この尿検査の結果についてどういう認識を持っていたかということを示す大事な問題です。  看護師自身に確認をしていただいて、この委員会にも報告をいただきたいと思います。委員長、お願いします。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) ただいまの件、後刻理事会で協議をいたします。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 補足でございますけれども、調査過程で、御説明を漏らしたかもしれませんが、庁内医師と看護師の双方については、複数回調査の上でこのような報告書の結果になっているということを御理解いただければと存じます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 それではその調査自体が極めて不十分だということです。  資料五ページ。ケトン体は既に一月二十六日の尿検査でも陽性と出ています。どんな対応をされたんですか。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 一月二十六日の。  これにつきましては、ここにお示しの資料にもございますように、混濁等の、粉のようなものが沈んでいるということもありまして、尿の再検査を指示したということでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 生理中のために再検査の指示になったんですが、しかし、ケトン体の数値には関係ないと医師からは伺います。  ケトン体というのは、脂肪が分解されてエネルギー源として利用される際に出てくる物質です。普通に食べているときは、炭水化物などの糖質がエネルギー源として代謝されますので表れないと。食べられない、あるいは食べられたとしても嘔吐して、炭水化物など糖質が不十分なときに体内の脂肪がエネルギー源として分解されて出てくると。これ、陽性と出ただけで異常を認識すべき数値とされていますけれども、入管庁としてはそういうものとして認識されていますか。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間ですので、簡潔にお願いをいたします。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告、あっ、失礼、調査チームに加わっていただいた医師を含む有識者からは、この点について問題点を指摘されていないところでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 問題点が指摘されていないことが多過ぎると思います。  本来、この経過を踏まえれば、改めて確認しなければならない点、医学的にも問題点、指摘するべき点が多数あります。ですので、ビデオの全面開示とともに、今日お願いをしました看守勤務日誌などの開示を改めて求めて、真相究明をより徹底するべきだということを指摘して、質問を終わります。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。  四日前、三月二十五日に公表された家族の法制に関する世論調査についてお伺いします。  選択的夫婦別姓について導入を求める回答は、前回二〇一七年の四二・五%から今回二八・九%に減少しましたが、これは質問方法が前回までと変更になったことが影響したと思われます。  九六年の法制審の答申以来行われた過去五回の調査でも、賛否のほかに通称使用容認の選択肢がありましたが、今回は、夫婦同姓を維持した上で旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよいと、そういう通称使用の容認を選択的夫婦別姓の反対に位置付けた問いで、これまでと比較しにくい問いになっています。  年齢別に見ますと、七十歳以上が全回答者の二七・七%を占め、婚姻年齢層に当たる十八歳から三十九歳の二二・四%を上回ります。七十歳以上の五割近くが夫婦同姓維持を選択したことが今回の回答に影響しています。民間の選択的夫婦別姓の賛否のみを問う調査で賛成が圧倒的多数になっていることと比較して、この調査結果は実態を反映していないと言わざるを得ません。  そこで、古川大臣にお伺いします。  今回の世論調査では、選択的夫婦別姓の賛否の設問が変わっています。設問を変えると経年比較ができなくなるにもかかわらず、なぜ設問を修正されたのでしょうか。また、今回の世論調査では、前回の調査と比較すると選択的夫婦別姓に賛成する意見が減少していますが、選択的夫婦別姓に賛成する意見を減少する意図があったのではないかと受け止める国民も少なくありません。そのような意図がなかったのか、お伺いします。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。  今回の調査では、前回までの調査とは調査方法が異なりまして、また設問等にも修正を加えております。そのため、この回答の割合が増えたとか減ったというような意味での、この両者を単純に比較して論じることは必ずしも相当ではないというふうに考えています。  なぜ、ではその設問を変えたのかということなんですけれども、これは夫婦の氏の在り方について、前回までの調査の設問につきましては、その設問の内容が分かりにくいという指摘がございました。そこで、今回の調査を実施するに当たりまして、より分かりやすいものとするために、調査の実施主体であります政府広報室等とも十分な調整を行った上で設問等を見直すこととしたということでございます。  したがいまして、当然のことですけれども、選択的夫婦別氏制度に関する賛成意見を減少させようといった意図は全くございません。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 あるわけないということもありましたけれども、全くないということですけれども、設問の修正をされた理由が、設問内容が分かりにくいとこれまで言われたと言っているけれども、しっかりと、ぱっぱっぱっと、こう結果が出ているわけですね。ところが、今回、分かりにくくなっているんですよ、逆に。(発言する者あり)いえいえ、これですね、これ言いましょう。  今回の世論調査で、夫婦同姓制度を維持すること、夫婦同姓制度を維持した上で通称使用について法制度を設けること、選択的夫婦別姓を導入すること、この選択肢なんですね。  しかし、夫婦同姓制度を維持するというのと選択的夫婦別姓制度を導入するについては、今現在、法制度ではない通称使用の取組を続けることを前提にするものかどうかというのは不明確であり、それゆえ、今回の設問は分かりにくくなっているということです。そしてまた、この夫婦同姓制度を維持した上で通称使用についての法制度を設けることという選択肢については、じゃ、この通称使用についての法制度を民法のほかにもつくるのかということになると、この通称のいわゆる中身ですね、氏の方と、民法上の氏と、この関係は一体どうなりますかと。法制度であるんです、両方ともですね。そういうような問題があります。  したがって、今後、この世論調査を実施する場合には、これ突然変えるわけではなくて、国民の意識を適切に把握していくという調査でしょうから、この観点から選択的夫婦別姓に関する賛否のみを問うなど抜本的な見直しをする必要があるのではないかと思いますけれども、政府参考人にお伺いします。

金子修法務省民事局長

○政府参考人(金子修君) お答えいたします。  前回までと設問の仕方の細かいところ変わっておりますが、大きく言えば、今、高良委員の御指摘にあった三つの選択肢、夫婦同氏制度の維持、それから夫婦同氏制度を維持した上で旧姓の通称使用についての法制度を設ける、それから選択的夫婦別氏制度の導入、この三つの選択肢を挙げて一つを回答してもらうという前回までの大きな枠組みは、今回もこれを踏襲しているものと理解しています。  もっとも、今回の世論調査に関して、本日の高良委員からの御指摘も含めて様々な御指摘があることも今後想定されます。設問の内容、設問の仕方につきましては、今後も的確な設問となりますよう、不断に検討していく必要があるとは考えております。  今後、世論調査を実施する場合には、様々な御指摘を踏まえた上で設問の在り方について検討してまいりたいと思います。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 世論調査は、人権の問題を考える場合の手段になってはいけないということですね。  これは三月二十二日、先週ですね、第二次夫婦別姓訴訟の最高裁決定がありましたけれども、そこで五人の裁判官のうち二人が夫婦同氏規定は憲法二十四条違反としましたが、請求は棄却しておりますけれども。この渡邉惠理子裁判官は、世論調査では四十歳以下世代で選択的夫婦別姓に賛成が半数を超えていることについて、比較的若い世代の意見の状況に鑑みれば、家族制度の維持という名の下での制約が彼らの将来にとって足かせとならないようにすべきとの意見を付しております。まさに、世論調査で反対が賛成を上回った七十歳以上の価値観が、これから結婚しようとする若い人たちの足かせにならないことを願っています。  そして、この憲法二十四条違反というのは、これ、第三章の憲法でいう国民の基本的人権の規定なんですよ。そこには、やはり法の支配という、大臣もずっと強調しておられますけれども、基本的人権、適正手続と、このアンケートの手続も含めて、やはりこれだけの重いものがこの夫婦同氏規定にはあるんだという、最高裁の判事の考え方にもそれがあるんだということを我々意識をしながら、これ立法府に今投げています。立法府がこれを、これから結婚する、影響を受ける人たちのことを考えて私たちは立法しなきゃならないと。  これ、裁量の問題というよりも、私たちが基本的人権というのをどう捉えるかという問題になっているということを指摘して、次の質問に入りたいと思います。  名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告と法の支配についてちょっとお話をしたいと思います。  先ほど来、この報告書については、衆議院の法務委員会でも、そして本日も委員会の中で多くの委員が、実態と懸け離れているんじゃないかとか、あるいは非常に中身も個別に細かく御質問されておりました、指摘ありました。  法の支配、とりわけ適正手続の観点から問題があったと私は考えているんですが、この報告書は実態に即している、あるいは適切であるとお考えでしょうか、古川大臣にお伺いします。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) いわゆる名古屋事案、これはもうあってはならない悲しい出来事でありまして、二度と同じことは繰り返さないということのためにこの調査報告書がまとめられております。ここでは、可能な限り客観的な資料に基づきまして、医師や弁護士を含む外部有識者の御意見もいただきながら、幅広くこの論点を抽出してまとめられています。そして、そこで改善すべき点を幾つか項目として挙げておりまして、現在、それを着実に速やかに実行すべく鋭意努力中であります。  この調査報告書で、この本事案の評価はこの調査報告書に尽くされているというふうに考えております。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 今日、いろんな御意見が出ました。そして、指摘もありました。問題ありという指摘なんです、今日のですね。  それから考えますと、私は、この法の支配の中に、ずっと大臣の御指摘の中には人権の問題、そして適正手続というお話もありました。このデュープロセスという適正手続は、手続のことだけを言っているんじゃないということですね。手続が適正であればあとはいいのかというと、そうじゃないわけですね。法にのっとった手続を取ったからいい、調査報告書を出したからいいではなくて、内容自体が適正か、つまりデュープロセスという、デュー・プロセス・オブ・ローのデューというのは、あるべき当然の、そして公明正大に言えることを言うわけですね。ですから、この公明正大というのは誰が見てももう正当だろうというような形なので、今回これだけの指摘があるということは、やっぱりそこに、実態的な中身が問題があるという指摘なんですよ。  それを今後是非とも、今回改善も含めてというお答えでしたので、今後もそこをまだ掘り下げながら、この問題というのを入管全体の問題、そして収容の全体の問題、そして外国人の人権全体の問題として捉えていただくようお願いしたいと思います。  続いて、関連しまして、入管関係だと思いますので、技能実習生の多額の債務を負って来日するという問題、これは先般もお伺いしましたが、技能実習生に対する暴行について話しましたけれども、岡山の事件の被害者は、朝日新聞の取材に、来日のために貯金を崩し、百万もの借金をしましたと、暴行を受けても最初は相談せず我慢していました、もし相談したら会社の人に嫌われ、退職、帰国せざるを得なくなり、借金が返せなくなってしまうだろうと思ったからですと答えています。  また、昨年六月の米国国務省人身取引報告書においても、送り出し機関による過剰な金銭徴収について指摘され、国際的な批判の大きな要素ともなっています。  同報告書では、政府と送り出し国との協力覚書は、借金を理由に技能実習生を強要する主な要因の一つである外国に拠点を持つ労働者募集機関による過剰な金銭徴収を防止する上で効果を発揮していないとされています。アメリカから見た日本のこの二国間の協力覚書のことを言っているわけです。  三月十六日の法務省の答弁では、二国間の取決め、技能実習計画の審査、実地検査等により対処しているとのことでしたけれども、現状を見ますと、とても実態に迫られているというふうには思えません。この点、有効に実態を把握して対処できるようにするため、今後、法務省としてどのような施策を検討しているか、古川大臣にお伺いいたします。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 技能実習にまつわる様々な人権に関する御指摘というのは、大変これは、私はこれは問題だというふうに受け止めております。いろんな要因があるのだろうと思います。その中に、委員が御指摘のその送り出し機関による不当に高額の手数料等の徴収という問題があって、それがいたずらに技能実習生本人を弱い立場に立たしめることによって起きる様々な問題というものが、やはり事実として問題があると認識しています。  前回も申しましたように、様々、その相手国との二国間取決め等も駆使したりしながら、様々指導や、あるいはその処分、取消しといった処分を含めてやっていることはやっておるのですけれども、十分ではないという御指摘でありまして、それは率直に認めたいというふうに思っております。  それで、では、どうするのだということでございますが、現在、特定技能等、技能実習に関しまして、法務大臣勉強会というものを省内に置いて今動かしております。そこで、様々な論点について今幅広く御意見をいただきながら、これは精力的に今検討を進めているところであります。  やはり、この今日の委員会でも人権の尊重というのは大事であるという一貫した考え方を共有させていただいておりますけれども、そのような観点から、あるべきこの技能実習制度の姿、それを目指して、今改めるべきは改める、言わばそのチャンスが到来してきていると、到来しているというふうに思っておりますので、このチャンスを逃さないようにしっかり努力をしたいと思っております。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 古川大臣の方から力強いお言葉でした。もうチャンスだと、これは。日本の今海外からの評価の問題も含めまして、外国人からの取扱い、そして基本的人権の問題、それに前向きに取り組んで改善をしていくということですので、これはまさにそれを改めて見せるためのチャンスだと私も思っています。  今年一月から四月末にかけて、出入国在留管理庁及び厚生労働省による来日時の費用負担に関する実態調査が技能実習生を対象に、技能実習機構による実地検査の際に実施されていると伺っています。  この調査を行う趣旨、目的、調査内容、調査対象の抽出基準及び対象数、調査方法等を明らかにしてください。また、調査結果の公表時期はいつ頃になるんでしょうか。技能実習制度及び特定技能制度の見直しとの関連はどういうふうにお考えでしょうか。こうした手法で技能実習生から本当の実態を確認できるのか。多額の債務の実態が明らかになると技能実習が継続できないと思えば、事実と異なる回答をする技能実習生が多いことも想定されるのではないでしょうか。その点についてどのような配慮がなされるのか、政府参考人にお伺いします。

西山卓爾出入国在留管理庁次長

○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘の調査は、技能実習生については来日前の多額の費用負担などの問題が指摘されていることから、今般、費用負担の実態把握を目的として、技能実習生およそ二千人規模で、来日前に送り出し機関等に支払った費用、実習実施者や監理団体に対して支払った費用などについて、外国人技能実習機構の実地検査等の機会を捉え、調査票を用いて技能実習生から直接ヒアリングを行うこととしたものでございます。  調査結果については、不適正事案の個別具体的な内容にわたらない限度でできる限り公表することを検討しているところでございますが、現時点でその時期をお示しすることは困難でございます。また、本調査によって得た結果については、制度の在り方を検討するに当たり、適切に分析、活用してまいりたいと考えております。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 実態調査ということですから、実態と離れてしまっては余り意味がないということなので、是非とも、今のちょうど答えのように、いろんな形で関係団体も含めまして、そして主に技能実習生の二千人規模ということですので、分析も非常に重要だと思います。是非ともこの点を考慮していただきまして、よろしくお願いしたいと思います。  もう時間がなくなってまいりましたので、この問題、実はILOの関係もありまして、民間職業仲介事業所条約というのがありまして、その関連のことは次回に回して、私の質問はこれで終わりたいと思います。  ありがとうございます。

嘉田由紀子碧水会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水会の嘉田由紀子でございます。  先日来、古川法務大臣に子供の幸せづくりと家族法制度の関係について質問させていただいております。今日もその続きでございます。  私自身、滋賀県知事時代から、子供の虐待問題、真剣に取り上げてまいりました。そこで発見したのは、実母や実夫が虐待の当事者になっている場合が大変多いということです。先日も、滋賀県の大津市と埼玉県の本庄市の虐待事案、紹介させていただきましたが、最もつらいのは虐待死亡です。  厚労省などがその調査結果を示しておりますが、資料一を御覧いただけますでしょうか。これは第三次から第十七次、二〇〇三年から二〇一九年までの虐待死亡例、心中を除いたものでございますが、この十五年間で七百七十人もの子供さんが殺されていると、本当にもう何ともつらい数字でございます。平均すると一年間に五十人、子供にとっては親を頼るしかない、その中で殺されてしまうという本当につらい事案でございます。  そこで、この報告書の中から養育者の世帯の状況を見ますと、実父母が最も多くて、十五年間の総計で四七・四%となっています。半分近くが実父母です。次いで一人親、四つのパターンでここでは統計になっていますが、離婚、未婚、死別、別居の四つのカテゴリーで、一人親の加害者が二七%です。この比率がどれほど高いかということをちょっと数字で比較させていただきますと、例えば二〇一九年の国民生活基本調査では、児童のいる世帯は千百二十二万世帯です。その中で、一人親の世帯は七十二万四千となると、約六・五%です。その六・五%に対してこの二七%というのは大変高い。つまり、虐待死させてしまった一人親の比率は高いと言わざるを得ない。これだけハイリスクだということです。  これは一人親を差別するということではなくて、それだけ一人親が苦しい子育て環境に追い込まれているということだと理解できます。言わば、自分の腹を痛めて産んだ子供を手に掛けてしまう、これは、私自身も母親として、当事者の母親はよほど苦しい状況に追い込まれたと判断できます。  二人に一人の一人親が貧困状態という、そういう経済的困難の問題もございます。今日も厚労省さんの方から虐待あるいは家族関係の関係者お越しいただいておりますけれども、なぜ一人親が苦しい状態なのか。そして、この一人親の国際的な比率の統計データというのは余りないんですけれども、背景としては、日本では離婚後の単独親権が法制度として決められております。言うまでもなく、民法八百十九条です。ですから、多くの日本人が、大人も子供も親が離婚したらどちらかを親権者として選ばないといけないと思い込んでいるところがございます。法律もそうなっておりますので。  そこで、この第十七次報告書を見まして、厚生労働省さん、警察庁さん、文部科学省さんにお伺いしますけれども、児童虐待の防止に向けた関係機関の間での情報共有の現状と課題につきまして、それぞれどのように認識なさっておられるでしょうか。よろしくお願いいたします。

岸本武史厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  児童虐待の対応に当たりましては、児童相談所、市区町村、警察、学校などの教育機関など関係機関が、児童やその家庭の養育環境等に関する情報、考え方を適切に共有し、連携して対応していくことが重要でございます。  このため、児童福祉法の規定に基づきまして、市区町村において要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協を設置いたしまして、地域の実情に応じ、警察、学校など様々な機関が参画をし、関係機関の連携強化、情報共有を図る仕組みとしてございます。  しかしながら、個々の虐待事案の対応の検証の中におきましては、関係者との連携が十分になされていなかったのではないかといった課題が指摘されておりまして、先ほど御指摘ございました第十七次の検証報告でもその旨報告をされているところでございます。  厚生労働省といたしましては、要対協で個々の事案が確実に議論をされ、方向性を決することが重要であると考えておりまして、要対協の実効性を高めるため、必要な調査研究につきましてこれを実施するなど、関係者の連携強化に向けた支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。

池田佳隆自由民主党文部科学副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(池田佳隆君) 児童虐待のおそれのある事案につきましては、学校と児童相談所や警察等の関係機関とがしっかりと連携をして情報共有を図って対応することがまず何よりも重要である、そのように認識をいたしておるところでございます。  このため、文部科学省では、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの活用等による日頃からの関係機関との連携促進や、要保護児童対策地域協議会を通じた児童相談所等との要保護児童の状況に係る定期的な情報共有のほか、児童虐待による深刻な事態を未然に防ぐために、児童生徒に明らかな外傷があり、身体的虐待が疑われる場合は警察へ通報すること等についても学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きに明記しているほか、学校現場における虐待防止に関する研修教材を作成、周知して、適切な対応の徹底を図っているところでございます。  虐待による痛ましい事案が今なお生じていることは誠に遺憾でありまして、文部科学省としては、学校、教育委員会と関係機関との日頃からの連携や必要な情報共有の実施が徹底されるよう、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

住友一仁警察庁長官官房審議官

○政府参考人(住友一仁君) お答え申し上げます。  警察庁ですけれども、我々も、その児童の安全を確保するためということでは、児童相談所や学校、自治体等の関係機関と警察が連携をして取り組むことが重要であると認識をしております。  そして、警察においては、児童虐待が疑われる事案の情報を全てこれ児童相談所に通告し、又は情報提供を行っているほか、児童相談所からの援助要請に対して確実に対応しているところでございます。  また、児童相談所から警察に対しては、平成三十年七月の政府の緊急総合対策において示された虐待による外傷があると考えられる事案等、児童に対する危険性が高い三類型の情報について共有がされているところでございます。  さらに、学校からは、明らかな外傷があり、身体的虐待が疑われる場合等に警察へ情報が共有されているほか、保護者から威圧的な要求や暴力の行使等が予想される場合にも、学校、児童相談所、警察等が連携をして対応しているところでございます。  警察においては、引き続き、市町村が設置する要保護児童対策地域協議会の活用を図りつつ、児童相談所や学校、自治体等の関係機関と緊密に連携をし、より具体的なリスクに関する認識等を共有して対応の徹底強化に取り組んで、児童の安全確保を最優先にした対応を推進してまいります。

嘉田由紀子碧水会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  それぞれに、厚労省さん、文部科学省さん、そして警察庁さん、それぞれに情報共有をしているということでございますが、私、現場で知事をしているときに、例えば児童相談所、当時二つしかなかったんです。今三つに増やしました、滋賀県で。派出所は二百三十あるんです。  そして、今日、山下委員も派出所がどんどん減っているということでしたけど、やはり地域のお巡りさんが地域地域で本当に子供たちにケアをしていただいている。そして、学校も、ほぼ小学校二百三十。小学校と派出所、警察がもっともっと日常的につながることで、例えばアメリカの学校では子供たちのファミリーカルテというのを作っているんです。この子供さんは親御さんがどうなっている、ここは、日本では個人情報だからと、親が離婚したとかあるいは一人親だとか、そういう情報は余り学校には出さないということもあると思うんですが、ここのところは子供目線で、厚労省さん、警察庁さん、文部科学省さん、現場に即してもっともっと協力していただけたらと思います。  まだまだ福祉の中には、警察との連携あるいは警察との全件共有ということ言われているんですけど、なかなかできておりません。その辺りのところ、是非、子供目線に立ってこのローカルなところから情報共有をしていただけたらと思います。  今日、二点目ですけれども、実は子供の虐待と併せて、先ほども申し上げました離婚、親が離婚をした子供たちが大変つらい状況の中にあると、経済的にも精神的にも社会的にも。これを改善するために、私自身は、共同養育、共同親権ということを二〇一九年以来三十一回、もう三十二回ですね、質問してまいりました。  ただ、法制審議会の議論を見てみますと、今回で十三回目になっているんですが、共同養育や共同親権は配偶者からの暴力を防げないので慎重にすべし、あるいは共同養育、共同親権には反対という意見も法制審の中でかなり強くございます。  今日、資料二をお出ししておりますけれども、配偶者からの暴力に関するデータです。これ、内閣府の男女共同参画局です。  まず、グラフ一ですけれども、相談件数が二〇〇二年から近年本当に大変増えていると。三万五千から十一万、三倍近くに増えている。また、警察における配偶者からの暴力事案の相談、これは三千件から七万二千。逆に、こういう問題を警察に持っていってもいいんだという世論が変わってきたので、潜在的な被害が警察にも届くようになったんだろうと思います。  一方で、婦人相談所、これは売春防止法に基づく女性の言わばシェルターでございますけれども、ここの相談は、あるいは保護件数は下がっているんですね。この辺りが、言わば配偶者暴力の実態と統計に出てくることの様々なずれがあるということを私どもは理解しなければいけないと思います。  特に五のところを見ていただきたいんですけれども、配偶者間、内縁を含む配偶者間における犯罪の性別被害者の割合、これ警察庁調べですけれども、暴行や傷害は九割以上女性が被害者です。ところが、殺人になりますと、女性が五五・六ですけど男性が四四・四。これ皆さん、あらっと思われるかもしれませんが、意外と配偶者暴力の中で男性が殺されている、つまり、夫が殺されている事案が普通の一般常識に比べて多いということでございます。  それから、アンケート調査による被害経験でも、女性の方が、身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要、いずれか一つでも受けたことがあるか、女性の場合には三割ですが、逆に、男性、夫側も二割あるということで、この辺り、どうしても家庭の中のことは表に出にくいんですけれども、この辺りのことを是非、先ほど来の民法の単独親権制度と併せて法務大臣にお伺いしたいんですが、離婚後の単独親権制度の立法趣旨には、配偶者からの暴力を防止するという意図があるのでしょうか。法務大臣の御見解をお聞かせください。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。  戦後の民法改正において離婚後の単独親権制度を採用した理由について、これは詳細は明らかではないんですけれども、当時の社会情勢とか生活状況を踏まえて、共同生活を営まない父母が共同で親権を行使することは現実ではないという当時の考え方があったのではないかというふうに考えられるところであります。  父母の離婚後の親権制度につきましては、離婚後も父母の双方が子供の養育の責任を持つべきであるとの意見がある一方で、父母の双方が子供の養育に関わることで、離婚後に子供の養育に関する事項について適時に必要な判断をすることが困難になるといった意見もございます。いろいろ議論が出ているところです。  現在、委員も御承知のとおり、法制審議会の家族法制部会におきまして議論がされておるところですけれども、この離婚後の親権制度の在り方につきましては、離婚に伴う子の養育の在り方に関わる非常に重要な課題の一つだというふうに考えているところです。

嘉田由紀子碧水会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  今の質問は、単独親権制度の立法趣旨には配偶者からの暴力を防止するという意図があるのかという質問なんですが、それに対してはどうですか。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) そのような趣旨ではないと思います。恐らく、想像しますに、当時の社会情勢や生活の状況等を考えたときに、共同生活を営まない父と母が共にその親権を行使するということは難しいんじゃないかというシンプルな、言わばシンプルな考え方に立ったのではないかなと想像しているところです。

嘉田由紀子碧水会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  実はこれ、大変確かにシンプルなんです。明治の民法では、家制度ですから跡取りは一人ということで単独親権を決めて、それが明治民法の立法趣旨になっているんですけれども。  今法務大臣がおっしゃったように、昭和二十二年当時も、実は子育ては女性がしているのに、この親権は圧倒的に男性が取っているんです。ですから、共同生活ができないからではなくて、家の都合で単独親権が残ったと。当時の男女同権ということを見ると、昭和二十二年前後に半年ほど、離婚後は男女同権だったら共同養育、共同親権だろうというところで、そういう時期も半年ほどあったんです。その辺り、また後ほど詳しくお調べいただいたら結構なんですが。  ですから、この配偶者からの暴力と単独親権制度、共同親権制度というのは直接立法趣旨には関係ないという御理解でよろしいでしょうか。

金子修法務省民事局長

○政府参考人(金子修君) その点……(発言する者あり)その点に関してもいろんな御意見があろうかと思いますが、少なくとも現行の単独親権制度を導入した当時の文献等に今御指摘のような趣旨は見当たらなかったということでございます。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) それに、この明治憲法、じゃない、明治民法ですね、明治の民法においては、もう委員も御存じのとおり、婚姻中も単独親権、原則として父が親権者ということになっておったわけですね。それが戦後、戦後の憲法の下で新たに民法が要するに制定されていくときに、要は一人という、単独親権という意味においては原則的にそれを踏襲したのかなというような印象を持っておりますけれども、つまびらかに私が正確にここで答弁することはちょっと難しゅうございますが、いずれにしても、その暴力ということとはちょっと結び付かないなという印象です。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

嘉田由紀子碧水会

○嘉田由紀子君 時間来ております。  大臣も民事局長も、この配偶者からの暴力と単独親権、直接立法趣旨に関わるものではないという答弁と御理解させていただきます。  最後、現行民法の離婚後の……(発言する者あり)あっ、はい。子供の虐待死との関係で単独親権、この点については、法務大臣、短くて結構です、よろしくお願いします。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間過ぎておりますので。  じゃ、法務大臣、一言。

古川禎久自由民主党法務大臣

○国務大臣(古川禎久君) 今ちょっと、非常にこれ、ちょっと丁寧に御答弁をした方がよろしいのではないかと思いますが。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 時間過ぎておりますので、意見をおまとめください。

嘉田由紀子碧水会

○嘉田由紀子君 済みません、時間過ぎていますので、また次回に回させていただきます。申し訳ございませんでした。  以上で終わります。ありがとうございました。

矢倉克夫公明党

○委員長(矢倉克夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時八分散会

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