法務委員会 第2号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2022/03/08
会議録
○委員長(矢倉克夫君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官森元良幸君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢倉克夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(矢倉克夫君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水真人君 自由民主党の清水真人であります。大臣所信に対する質疑をさせていただきたいと思います。 三月二日、参議院におきましても、ロシアによるウクライナ侵攻を非難をする決議を可決いたしました。その本文にもあるとおり、今回の事態は、平和のうちに生存する権利を侵害するものであり、武力の行使を禁ずる国際法の明確な違反であり、武力による威嚇及び武力の行使を禁ずる国連憲章の重大な違反であります。 また、大臣も所信にて、人の尊厳が尊重される社会を守るために、自由、基本的人権の尊重、法の支配、そして民主主義といった人類が獲得してきた原理に言及をされたところであります。 戦争、国際的武力紛争はこれらの原理を踏み潰すものであり、ロシアによる一方的な主張、今回のウクライナへの武力侵攻は、各国が積み重ねてきた国際社会の秩序を破壊するものでもあります。また、原子力発電所、核物質を扱う施設への攻撃が行われる、人道回廊においてもロシア軍の攻撃がやまず、住民が避難を行うことができなかったという報道もされているところであります。 まさに人道を踏み外すこういった行為が続いているわけでありますけれども、大臣の所感をまずお聞かせください。
○国務大臣(古川禎久君) 清水委員にお答えを申し上げます。 人というものは、やはり誰からも支配されず、誰からも管理されずに自らの人生を自己決定をする、自分で決めていく、こういう天賦の権利を有しておると思います。したがいまして、これを担保するために、自由であるとか、基本的人権の尊重であるとか、あるいは法の支配、民主主義、こういった価値観、あるいは人道という概念、こういうものを持って人類社会というものは一歩一歩、今日に至るまで歩みを進めてきたのだというふうに思っております。 また、こういうことは国際社会においても、今委員がお触れになりました国連憲章にも表れておりますとおり、やはりこのルールに基づく国際秩序、こういうものを通じて、やはりその自由であるとか人権というものを守るというような、そういう歩みを世界、人類社会というものはここまで進めてきております。今般のこのロシアによるウクライナ侵攻というものは、これに対する重大な挑戦であるというふうに私たち人類は、人類社会は受け止めるべきであろうというふうに思っております。 もう言うまでもなく、断じて許されないことでありまして、国際社会は一致結束をしてこの事態に向き合わなければならないというふうに考えております。
○清水真人君 ただいまの大臣の答弁のとおりであるというふうに私も思っております。 そうした中で我が国は、これまで司法外交においてその法の支配、基本的人権の尊重等の基本的価値を世界へと発信し、まさにルールに基づく国際秩序の形成や国際社会の安定、平和を構築する努力を行ってきたところであります。 今回のロシアの一方的な力による現状変更の試みというものは、ルールに基づく国際秩序を破壊するものでありました。たった一人、一部の独裁者による意思決定が秩序を壊したのが今回の件であるというふうにも思っております。 今回のことに照らし合わせれば、我が国を取り巻く現状の環境というものも非常に危うい部分があるんだろうというふうに感じております。東アジア、東南アジアにおいても、今あるルールによる国際秩序が今後一方的に、一部の独裁的な指導者によって、その判断によって、武力によって破壊される事態が起きないとは言い切れないわけであります。 やはり、東アジア、東南アジアにおいても、法の支配、基本的人権の尊重等の基本的価値を共有し、ルールに基づく国際秩序の形成、そして熟成を共にしている国々との連携の強化、さらに、同じ価値観を共有する国々を増加をしていくための啓発活動を現在の法の支配や基本的人権の尊重等が根付いていない国や地域に、地道にしかし確実に行っていくことがますます重要であると考えておりますが、司法外交の意義と今後の在り方、具体的な取組について大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(古川禎久君) お答え申し上げます。 このルールに基づく国際秩序、あるいは力による一方的な現状変更は認めない、こういうことを通じて世界の平和と安全を守っていく、それがこの司法外交の究極の目標、目的であろうかというふうに思っています。 我が国のこの司法外交の取組というのは大変多岐にわたるものでありますが、一例を挙げますと、これまで我が国は、長年にわたってアジアの国々を中心に法制度整備支援というものに力を傾けてまいりました。これは、その地域における法の支配の定着に貢献する取組であります。例えば法の立案でありますとか、あるいは手続法の整備であるとか人材の育成とかですね、そういう協力を通じて、その地域に法の支配という考え方がしっかりと根付いていくような、そういう取組を長年にわたって地道に続けてきております。 そして、ASEAN各国とのこの普遍的な原理、価値観との共有というのは進んできているというふうに認識しておりますが、折しも、来年、来年はですね、日本とASEAN友好五十周年を迎えることになっておりまして、これに合わせて、この地域における法務大臣、司法大臣の会合を我が国が主導して主催をしていきたいと、準備を今続けておるところであります。 このように、この司法外交を積極的に進めることによって、インド太平洋、自由で開かれたインド太平洋において法の支配があまねく浸透していくように、これからも力を尽くしていきたいと考えています。
○清水真人君 本当に今回の件というのは、同じ価値観を共有する国々の必要性というのを感じさせるものであったというふうに思っております。 先般、会館の事務所に、委員長も呼びかけ人になっておりますが、自民、公明の、法の支配を推進するため司法外交を展開する議員連盟の設立、こうした案内が投げ込まれておりました。非常に、時、タイミングが非常にすばらしいものだなというふうに思っておりますし、やはり、これから更に司法外交を議員それぞれが進めていけるように知見を高めていく、そうしたことが非常に重要な時期であろうというふうに思っております。私も是非参加をさせていただいて、学ばせていただいて、共に皆様と活動を進めてまいりたい、こんなふうに思っているところであります。 そして、国際脅威ということが今回の件でも新たになったわけであります。今回のウクライナの侵攻は、本当に、多様化する国際脅威に対して柔軟に対応するための体制整備、国民意識の醸成、こうしたものの必要性を考えさせられるものでありまして、特に経済安全保障という分野においては公安調査庁が積極的に取り組んでいただいているということで、評価をさせていただくところであります。 さきの質問でも取り上げたとおり、可能性という部分では予断を持って論じることはできないものの、東アジアでの不安定化が今後更に助長される事態が生じ得る可能性があることは言うまでもありません。実質的な攻撃ということは余り考えたくはないわけでありますが、考えられる攻撃の一つがサイバー攻撃というものであります。 サイバー攻撃には幾つかありますが、情報搾取型、機能妨害型、機能破壊型、金銭目的型、これがトヨタなんかに行われたものとも言われているところでありますが、そのほか、情報操作型、軍事的サイバー攻撃などがあります。 今回のロシアのウクライナ侵攻においても、まず侵略の前にウクライナに対して行った攻撃というものは情報戦、心理戦、情報操作でありました。これは、敵視する相手方に対して、代理主体を用いて真の発信者を隠匿し、SNS等に偽ニュース、いわゆるフェイクニュースを流布し、世論操作を意図するものであります。いわゆる人の認知領域への攻撃であり、個人の感情や行動に影響を与えるものであります。 こうした方法が当たり前に行われているのが現在の国際的武力紛争前夜の状態でもあります。こうした攻撃というのは各国の首脳の選挙でも行われているというふうな情報もあるところであります。 日本を敵視する国があるとして、平時から国内での活動を秘密裏に活発化させ、日本の国内世論やいわゆるインフルエンサー、ネット接続者が使用する様々なアプリへのアプローチ等を通して当該国にとって有利な状況をつくり出そうとする工作、特に経済安全保障に関わる分野へのサイバー攻撃など、こうしたものの活動も予想をされるところでありますが、今回のウクライナ情勢を受けての今後の公安調査庁の取組についてお伺いをいたします。
○政府参考人(横尾洋一君) 議員御指摘のとおり、ウクライナ情勢が緊迫化する中で、サイバー攻撃や経済安全保障上の懸念の高まりなど、我が国を取り巻く国際情勢は複雑多様化しているものと認識しておるところでございます。 公安調査庁では、ウクライナ情勢を含む対外動向等に関する情報の収集、分析を行い、関係機関へ情報提供を行ってきたところでございます。 なお、公安調査庁における情報収集、分析機能を一層強化するため、来月から経済安全保障特別調査室及びサイバー特別調査室を立ち上げることといたしたところでございます。 今後も、先端技術、データなどの流出懸念、サイバー攻撃の脅威主体や予兆などに関する情報収集、分析、関係機関への情報提供、産学官の連携、情報発信等について一層取り組んでまいる所存でございます。
○清水真人君 様々な国際的な事案が起きると、やはり様々な物質が入らなくなったりとかいうことも言われているところでありますし、今経済安全保障の法案もあるわけで、審議されるわけでありますが、やはり経済安全保障という分野については今後非常に重要視、今まで以上に重要視をしていかなければいけない分野であろうというふうに思っております。新しく調査室が立ち上がるということでございますので、しっかりと活動をしていただきたい、このようにお願いをするところであります。 続いて、ウクライナの避難民の受入れについてお伺いをいたします。 三月二日、ドイツ、ポーランドの首脳との電話会談後、岸田総理が、困難に直面するウクライナの人々のための緊急人道支援や国外に避難される方の日本への受入れを進めていくことを伝えた、まずは親族、知人が日本にいらっしゃる方を受け入れることを想定しているが、それにとどまらず人道的観点から対応するとの発言をいたしました。また、大臣も答弁等で同趣旨のお話をされていたと記憶をしております。こうした総理の英断を心から支持をするところであります。 総理からは、避難民受入れについて、基本的には水際対策とは別に考えるべきだと述べられたところであり、ウクライナの方々に寄り添ったスムーズな対応というのが必要であろうというふうに思っております。 避難民については、ウクライナの国情が安定するまではというふうに私自身は思っているところでありますが、そうなってまいりますと、入国が短期滞在査証になるのかとかいろいろな形はあろうかと思いますが、例えば、今まだコロナ禍であります。新型コロナウイルスに対するワクチン未接種者、ウクライナ等でも多数いるというような話も聞いておりますが、こうした対応、また避難をしてきた子供たちへの教育の環境、こうしたことも人数が増えれば考えなければいけないんだろうというふうに思っておりますが、それぞれ厚労省と文科省にお伺いをしたいと思います。 また、ウクライナから入国された方がどのような資格で滞在するのか、難民申請するのかということもあろうかと思いますが、日本の難民認定制度については、我が国での就労を目的としていると思われる申請が相当数あることから、難民条約の定義に基づき適切に審査し、真の難民の迅速かつ確実な保護をするための取組を行っていると認識をしているところであります。 東アジアでの争いがもし起きて、そしてそれが内戦ということであった場合、多くの方が日本に避難をしてくることも想定をされるところであります。 難民条約の適用をめぐっては、人権、宗教、国籍、特定の社会集団の構成員であること、政治的意見により自国にいると迫害を受けるか、あるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた方を指すということでありますので、適用されないということもあるんだろうと思います。 こういったことに備え、廃案になった入管法改正案では補完的保護対象者認定というものを提案をしていたところでありますが、補完的保護対象者認定というものの意義について、改めてどういうものか、そのお考えについてお伺いをいたします。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。ワクチンの接種の関係についてお答え申し上げます。 一般論として現時点ではお答え申し上げるのを御容赦いただければと思いますが、在留の外国人に対するワクチン接種につきましては、接種主体の市町村の柔軟な判断を認めておりまして、接種機会の確保に配慮をしているところでございます。 原則としては、住民基本台帳に記録されている方を対象に市町村において接種を受けることが原則ではございますが、住民票のない在留外国人につきましても、市町村において我が国での居住実態があると認められた場合は、予防接種を受けることが可能としております。この中には、例えば、資格として短期の在留資格で入られてくる方におかれましても、在留実態あるいは在留する見込みがあるという場合には市町村の判断で接種することを認めているところでございまして、こうした仕組みの中で考えていくことになると思います。 また、その場合には、例えば、日本国内で薬事承認がされていないワクチンを既に接種されている場合では、未接種者として国内で認められているワクチンを接種するということも可能となっているところでございます。
○政府参考人(出倉功一君) 避難してきた子供たちへの教育環境についてお答えを申し上げます。 委員から御指摘がありましたように、ウクライナからの避難民の受入れが行われた場合、避難してきた子供たちに適切な教育機会が確保されること、これは重要なことであると、こういうふうに認識はしてございます。その上で、事態が動いている状況でございますので、現時点では一般論としてのお答えになることをお許しください。 我が国では、外国人の保護者がその子供を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合には、国際人権規約等を踏まえまして、日本人児童生徒と同様に、無償で受け入れるところでございます。このため文部科学省としては、日本語指導が必要な児童生徒のための特別の教育課程、これを制度化するとともに、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法の規定に基づく着実な改善、これに取り組んでいるところでございます。 また、これらの児童生徒に対するきめ細かな指導体制を整備するため、外国人児童生徒、保護者を対象としたプレスクールの実施、日本語指導補助者や母語支援員等の外部人材の配置、ICTを活用した教育支援の充実などに取り組む自治体を補助事業で支援をしているところでございます。 文部科学省といたしましては、このウクライナからの避難民受入れについて、法務省等の関係省庁や受入れ自治体等と連携をいたしまして、学校における外国人児童生徒の受入れ体制の整備、これに努めてまいる考えでございます。
○国務大臣(古川禎久君) 現行の入管法上では、難民というのがいわゆるこの難民条約の言うところの難民ということになりまして、今委員からも御披瀝いただきましたように、条件が五つの理由に基づく場合ということで、その要件が狭くなってしまいます。結果、例えば本国が内戦状態にあって戦闘に巻き込まれ命を落とすおそれがあると、こういう方々を必ずしもこの条約上の五つの理由をもって難民として該当させることにならないというようなことがございます。 そこで、法務省としては、さきの通常国会に提出をいたしました入管法改正案、残念ながらこれは廃案となったわけでございますけれども、その中で、補完的保護対象者の認定制度を創設することといたしておりました。この制度は、この条約上の五つの理由以外の理由によって迫害を受けるおそれがある者を補完的保護対象者と認定をしまして、難民に準じて保護をする制度でございます。例えば、内戦で戦闘に巻き込まれて命を落とすおそれがあると、こういう方々を想定していたものでございます。ここにこの補完的保護対象者認定制度の意義がございます。 法務省としては、やはりこの真に庇護を必要とする者を確実に保護するために必要な法整備を進めていきたいということを考えています。
○清水真人君 総理が人道的観点含めてしっかりと日本国内に避難してきた方については対応するという話をしている以上、様々なケースを考えなければいけないんだろうというふうに思っています。 例えば、この現在の状況が、アフガニスタンなんかでいえば非常に長期化したわけですよね。恐らく避難した方も物すごい長期間にわたって国外にいらっしゃる方がいるという状況があるんだろうと思います。これは、今後の状況によってどう変わるかは分かりませんが、そうした可能性もあるという中でありますので、しっかりとした対応ができるように体制整備を進めていっていただければというふうに思っております。 また、補完的保護対象者認定につきましても、様々この東アジアの状況も移ろい行く中で、非常にこれは重要な意味を成すものなんだろうというふうに思っております。こうした法整備の必要性というのはもちろんあろうかというふうにも思っております。 今後、様々な状況を見ながら、また委員会等でも議論をすることになろうかというふうに思っておりますが、私自身はこうしたものはあるべきものだろうというふうに思っているところであります。 続いて、出入国管理に関する課題についてお伺いをいたします。 名古屋入管におけるスリランカ人女性ウィシュマさんの死亡事案について、参議院においては、十二月二十七日、当委員会の委員長、理事、オブザーバーらにて一部ビデオ映像を約六時間半にわたり視聴をしたところであります。職員の不適切とされる言動、問題と見られる対応等についても確認をされたところであります。これらのことは真摯に反省をしていただかなければいけない、このように感じている一方で、昼夜を問わない介助、本人とのコミュニケーションを必死に取ろうとする努力、また励まし等を行う、そうした映像も見られたところであった、こんなふうに記憶をしているところであります。しかし、いかなる理由があろうとも、人が亡くなったという事実があることだけは間違いがありません。 調査報告書で示された問題点を踏まえた改善策の具体化、そして入管庁の組織業務の改革が急がれているところであると思いますが、その取組状況についてお伺いをさせていただければと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘の名古屋局における事案を受けまして、入管庁においては、外部有識者に客観的、公正な立場から御意見、御指導をいただきつつ、問題点を広く抽出して検討を行い、その結果として十二項目の改善策を含む調査報告書を取りまとめ、その着実な実施に取り組んでいるところでございます。 調査報告書で示された改善策のうち、まず名古屋局における組織体制の強化として、非常勤委員の、失礼、非常勤医師の増員、被収容者の健康状態等について幹部と現場職員及び現場の関係職員相互の情報を共有する体制の構築などを実施いたしました。また、組織意識改革のため、全職員及び外部有識者の意見を集約して、人権と尊厳を尊重し礼節を保って職務に従事すること、風通しの良い組織風土づくりに努め、セクショナリズムに陥らず、組織が一体となって課題に対応することなどを内容とする出入国在留管理庁職員の使命と心得を策定し、現在その浸透に取り組んでいるところでございます。 そのほか、十二項目の改善策のうち、医師、学識経験者、弁護士による有識者会議において、医療体制の強化に関する提言の取りまとめに至ったほか、体調不良の訴えがあった場合や医師による診察を受ける際における通訳の一層の活用、体調不良者等につき本庁へ速報等の上、仮放免を判断する新たな運用指針の策定など、十項目につきまして実施をしたところです。残りの二項目についても早期の実施に向けて検討を進めているところでございます。 引き続き、改善策の着実な実施、適正な運用を徹底してまいりたいと考えております。
○清水真人君 様々な改革等について取り組んでいただいて、残り二項目についても順次進めていくという話で、しっかりとこれは対応していただいて、同じような事案が起こらないというようになるように取組を進めていっていただければと思います。 続いて、外国人との共生でありますが、ちょっと時間の都合でこちらは後に回させていただきたいと思います。 若者の再起への取組についてお伺いをいたします。 大臣所信にもありましたとおり、四月一日には成年年齢の十八歳引下げに係る民法の一部を改正する法律及び少年法等の一部を改正する法律が施行をされます。 様々な理由により犯罪を起こすに至った若者の立ち直りを支えることは、社会にとっても我が国の未来にとっても重要なことであると考えております。 罪を犯した若者、特に少年院在院者の立ち直りについては、社会に出たときのことを考えると、既存の職業指導だけではなく、現在のデジタル化の進む社会環境、情勢に合ったIT等の職業指導等も重要であると感じているところでありますが、どのような取組を進めているのか、お伺いをいたします。 また、若者に限らず、再犯防止には就職先や住居などを含め居場所という環境を確保していくことが重要であるということはかねてから言われているところでありますが、その取組についてお伺いをいたします。
○副大臣(津島淳君) 御質問ありがとうございます。 まず、少年院の職業指導等の充実についてのお尋ねでございます。清水委員より大変重要な御質問、御指摘をいただいたと思っております。 委員御指摘のとおり、成年年齢が引下げになります。それにより、十八歳、十九歳の少年院在院者は、自律的な権利義務の主体として積極的な社会参加が期待される、そういう立場になります。そこで、少年院の職業指導についても、十八歳、十九歳を含む在院者を対象に、時代のニーズに対応し、自ら考える力を養い、出院後の幅広い職業選択を可能とするように工夫していく予定であります。 具体的には、令和四年度からICT技術科を新設し、これまでも行ってきた情報リテラシー教育に加えて、プログラミングを始めとしたICTの知識を学ぶ機会や、従前から行っている農園芸、木工等の物づくりにマーケティングの視点を取り入れ、在院者自らが企画や展示、販売などに関わる製品企画科を設置することを考えております。 このように、職業指導に自ら考える視点を加えることは、大人としての自覚を高める観点から重要と認識してございます。 次に、再犯防止のための居場所の確保でございます。 刑務所出所者等が就労を継続し、安定した居場所を確保するためには、協力雇用主や更生保護施設の方々の協力が必要不可欠でございます。 法務省においては、就労継続が困難な若年者の職場定着を促進するため、令和四年度から、十八歳、十九歳を雇用した協力雇用主に対し、一定の条件の下、就労奨励金を加算してお払いし、より手厚い指導、助言をお願いすることを考えてございます。また、刑務所や少年院等を釈放された者等に対する息の長い見守り支援を行うため、令和三年度から、更生保護施設を退所した者等の自宅を訪問して支援を行う訪問時支援事業を開始したところでございます。 今後も、罪を犯した若年者が立ち直り、健全な社会の一員として活躍できるこれらの一層の、施策の一層の充実に取り組んでまいります。 以上です。
○清水真人君 特に、新しいICT技術の部分の職業指導がされるということでありますから、そうした方々が就職できるような場所というものも、今までそうしたところまで手が伸びていなかったということもあろうかと思いますが、新しい分野についてもしっかりとそういった居場所が確保できるような御努力を進めていっていただきたい、このようにお願いをしたいと思います。 また、再犯防止という観点では、刑務所出所者等の立ち直りのための様々な環境が必要でありますが、そのことを地域で支えているのが保護司であります。 その保護司が年々減少しているということは、保護司が保護観察官とともに出所者の立ち直りを支えることのみならず、地域の中で犯罪や非行の芽を摘むという活動をしているという点、また犯罪被害に遭われた方々に対しての相談支援をしている等の点からも危惧すべき事柄であろうというふうに考えておりますが、減少している原因、また、保護司については誰でもいいというわけにはいかないわけでありますが、その確保対策についてお伺いをいたします。
○副大臣(津島淳君) ありがとうございます。 御指摘のとおりでございまして、保護司の確保は喫緊の課題でございます。 まず、そのなり手を確保しにくくなっている原因の一つとしては、犯罪や非行の背景要因が複雑化する中、保護観察対象者の指導や支援に関わることへの不安感が増大していることや、地方公共団体の福祉サービスにつなぐに当たり負担を感じていることが考えられます。 そこで、これまで、保護司の適任者確保のため、更生保護サポートセンターの設置、保護司複数指名の積極化、保護司活動のデジタル化などの取組を進めてきたところでございます。また、地方公共団体からの協力確保が特に重要だと考えておりまして、地方公共団体に対しては、保護司候補者の推薦、自宅以外の面接場所の確保等について協力を求めてきたところでございます。 社会復帰に困難を伴う保護観察対象者について、保護司、保護観察所と地方公共団体等の関係機関が連携して処遇に当たる仕組みづくりを検討するなどし、保護司の不安感や負担感を軽減しながら適任者確保に努め、保護司制度をしっかり持続できるようにしてまいります。
○清水真人君 この保護司制度については、京都コングレスでしたか、世界に対してもこの日本のすばらしい制度を紹介をして出していくということで、司法外交の面でもこうしたものを広げていくことも大切なんだろうというふうにも感じているところでありますが、やはり立ち直りには欠かせない方々であろうかと思いますので、あらゆる方策を考えて対応していただきたいというふうに思っております。 次に、法教育について伺いたいと思います、最後に。 大臣も、所信にて、これからの時代を担う若者たちが自らの考えをしっかりと持ちながらも他者を尊重し共に生きていく力を身に付けることは共生社会の礎となる、法の役割やその基礎となる諸原理を理解し法的な物の考え方を身に付けるための法教育の浸透に積極的に取り組むと発言をしております。 法務省の冊子によりますと、学習指導要領においても、法の基本的な考え方、国民の司法参加の意義や契約の重要性についての学習内容が図られているとのことであり、法務省としても、法教育推進協議会において学校で使用する法教育教材の作成等も行っていただいているようであります。 司法制度が国民によって確実に支えられていくためには、国民一人一人が司法に能動的に参加していく意識を持つことが欠かせないにもかかわらず、例えば裁判員裁判一つ取ってみても辞退率が大変高いという現実があります。成年年齢の引下げもあるわけでありますし、義務教育課程からしっかりとした順序立てをした法教育を行うための更なる取組をしていかなければいけないと考えておりますが、加田政務官にお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(加田裕之君) 清水委員が冒頭に質疑し、そして古川大臣が答えましたように、ロシアのウクライナ侵略のことについて人類への重大な挑戦と言われました。やはり、私、そういうときだからこそ、我が国の国民一人一人の義務教育の課程からこの学校教育における法教育の充実というものは大変重要であると思います。 自由、基本的人権の尊重、法の支配など、法や司法制度の基礎となっている価値をしっかりと理解しまして、法的思考を身に付けるものであります。また、法教育は民主主義教育の一翼を担うものとしまして、一人一人が選挙を通じて立法権に関与します。そしてまた、裁判員となることを通しまして司法権に関与することの意義を理解させるものでもあります。価値観が多様化、複雑化する現代社会におきましては、法教育を通じまして、自らの考えをしっかりと持ちながら、他者を尊重し、社会の一員としまして共に生きていくことができる若い力を育むことは極めて重要であると考えております。 御指摘のとおり、これまで法務省は、成長過程に応じました法教育教材の作成、配付、教員に向け法教育セミナーの開催、法律専門家による出前授業の実施など、学校現場においてより充実した法教育が実践されるよう取組を進めてまいりました。 また、平成十五年、法教育の検討に着手した当初から文科省と連携いたしまして、検討の成果は随時学習指導要領にも反映してきたところでございます。 本年四月からは、高校の学校指導要領上、公共という科目が必修化され、裁判員制度を扱うとされております。これを受けまして、法務省では、教育専門家の人たちの意見をしっかりと取り入れていきながら、子供の成長過程に応じまして司法の制度の意義等についても理解を深めていくプログラムを今検討しているところであります。 法務省としましては、引き続き関係機関と連携していきながら、子供の成長段階に応じた法教育をより一層充実させ、法や司法制度についての理解や、社会の一員としての自覚を深められるように、委員の御指摘のとおり、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
○清水真人君 時間ですので、質疑を終わりとさせていただきます。
○真山勇一君 立憲民主・社民の真山勇一です。古川大臣には初めての私、質問の機会になりました。どうぞよろしくお願いします。 私も、ロシアのウクライナ侵攻について取り上げたいというふうに思います。 ロシアが侵攻したのが二月の二十四日ですから、あしたでちょうど二週間、もう二週間たちました。ただ、いろいろ休戦協定などの話合いやっていますけれども、事態、やっぱり現地は悪化の一途じゃないかというふうに私は認識しております。ロシアの攻撃が民間へ及んだり、あるいは原発、核施設、こうしたものを目標にするという、これは本当にあってはならない暴挙だというふうに思っています。 そして、こうした中で、ウクライナの人たち、もう既に百万人超える人たちが国外へ脱出したと言われています。周辺国へ出たと言われています。ポーランドが多いようです。そして、最終的には四百万人にも及ぶんじゃないかという予測も出ています。これは、ウクライナの人たちにとっては本当に国の危機、人々の危機という状況ではないかというふうに思うんですけれども、先ほども大臣述べられたこともありますけれども、やはり緊急、人道的にやはり日本は何をすべきか、国際的な協力という、連帯ということが必要じゃないかと思います。 岸田総理大臣は、三月の二日に避難民の受入れということを表明しました。表明したということで、やはり、あとはその現場で具体的にどんなふうなことをやっていくのか、これがやはり問われてくるんじゃないかと思って、私は今日はこの辺をいろいろお伺いしていきたいというふうに思っています。 まず、この岸田総理大臣の避難民受入れ表明を受けてどのような対応を行う予定か、あるいは今、現状どんなふうな対応をしているのか、これについて、これはウクライナの現場ということになるので外務省になるんでしょうか、お答えをお願いいたします。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 まず、ロシアによるウクライナ侵略により、多数の避難民が生じております。国連難民高等弁務官事務所、UNHCRによれば、先週末、三月五日の段階で避難民の総数は約百五十三万人に及ぶとされております。また、UNHCRは、委員御指摘のとおり、今後四百万人まで増加する可能性も指摘しております。 このような中、我が国としましては、困難に直面するウクライナの人々のために支援に力を尽くし、避難民の受入れを進めていく所存でございます。政府全体としてスピード感を持って対応してまいる所存です。
○真山勇一君 岸田総理大臣の表明の中に、まずその親族や知人が日本にいらっしゃる方たちについて受け入れることを想定しているということがありますが、これはどういうような状況なんでしょうか。日本には何人ぐらいウクライナ人の方が在留していて、それがどんなふうなことになるというふうな予想を立てていらっしゃいますか。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 現在、我が国には、在留資格を有するウクライナ人の方が約千九百人いらっしゃると承知しております。 まずは、その方々の親族や知人の方の受入れを行っていくことを想定しておりますが、それにとどまらず、人道的な観点から対応してまいる所存です。
○真山勇一君 受入れに当たってはいろんな条件とかその何かあると思うんですが、そのどういうことが整えば受け入れるか、可能かどうか。それから、もうそういうことに対する問合せが来ているかどうか。この二点、お伺いします。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 まず、手続についてですが、日本に親族や知人がおられる方につきましては短期査証を発給し、入国を認めることになります。その短期査証の発給に当たりましては、現地の方で査証申請をしていただくんですが、査証申請書、本人の写真、パスポート、身分保証書などが必要となりますが、もちろん現地の情勢を受けまして旅券を所持していない場合の方もいらっしゃいますので、そういった方は最寄りの在外公館にて個別の相談に応じることとさせていただいております。 以上です。
○真山勇一君 今の答弁の中にパスポートの問題、やはり普通だとパスポートって必要じゃないかなと解釈するんですけれども、今回のこういう緊急の非常時にパスポートは必要なのかどうか。伝え聞くところによると、かなりウクライナから脱出してきた人たちの中にはパスポート持っていない方もいらっしゃるということで、その手続どうするかということがあって、私は仕入れている情報では、外務省が出しておる書類の中でこの、皆さんにお配りしております、身元保証書っていうのがありますね、この身元保証書があればパスポートはなくてもビザ、短期ビザ出すという話もありましたが、この辺の確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 まず、査証申請に際しましては、通常、査証申請書、本人写真、パスポートに加えて、今委員がお示しいただきました身分保証書、こういったものが必要となります。 しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、パスポートをお持ちでない方がもちろんいらっしゃいますので、そういった場合には、この身分、身元保証書をもって代えるということではなくて、個別に相談に応じて柔軟に対応してまいると、そういうふうに考えております。
○真山勇一君 個別に対応していくということですが、パスポート所持っていうのはどのぐらいなんでしょうね。例えば、ウクライナから国外へ出てきた人たちのパスポートどのぐらい持っているのかっていうのは、まあ分かりにくいと思うんですけれども、一般的に例えばパスポートの所持率っていうのはどんなふうに捉えているんですか。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 今まさに事態が推移しているところでございまして、現地からその数字、そのパスポートを持っている持っていないという詳細な情報が入っておりませんけれども、こういった状況の中で命からがら退避していらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますので、そういった方がパスポートを用意できずに国外に出てくる場合は当然あるかと思っております。具体的な数字は持ち合わせておりません。
○真山勇一君 やっぱりなかなか、ヨーロッパの場合は国境を越えて移動するのがビザが必要ないところが多いですよね。だから、場合によっては持っていない人っていうのはかなり多いのかなとそんな感じもしているんですけれども。 今、そのケース・バイ・ケースと、それで応じて対応しますということだったんですが、それで、それでもこの身元保証書というのは、これは例えば、ウクライナの方が日本に千九百人いらっしゃる、親類とか知り合いですね、こういう方がこの身元保証書というのを出す必要というのはあるんですか。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 日本に親族や知人がいらっしゃる方につきましては、この身元保証書のような形で申請していただいておりますが、そうでない方は当然いらっしゃいます。そういった場合には、この身元保証書がなくても人道上の配慮の要否を個別に判断いたしまして、適切な場合、配慮が必要な場合には原則として短期査証を発給するという方針でおります。 以上です。
○真山勇一君 今非常に対応を広く応用して取られるという答弁じゃないかというふうに思うんですね。通常ならば必要なものがなくても対応するよと。 それから、今お答えの中には、例えば親族とか知人がいない身寄りの人でも、例えばそういうことがあればそれには対応しますよというふうに解釈してよろしいですか。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 日本に親族や知人がおられない方につきましても、人道上の配慮の要否を個別に判断して、配慮が必要な場合には原則として短期査証を発給すると、このように考えております。
○真山勇一君 それから、こういうような総理のその受入れ表明を受けて、国内のウクライナ、住んでいるウクライナの方からの問合せ、そんなものは既にあるんでしょうか。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 国内においてもそうですし、現地周辺国のそれぞれ、ポーランド、ルーマニア、モルドバ等に大使館ございますけれども、そういうところも含めていろいろと問合せ、照会はあると聞いております。
○真山勇一君 やっぱり、本当に繰り返しになりますけど、緊急非常時、しかもやっぱり命に懸けて国外退去しているという人たちですから、いろんな意味で配慮していくという必要はあると思います。 やはり、こういう書類、例えばパスポートがあるかないか、身元保証書があるのかないのかということも、これ普通のあれで、手順として大事なことだと思いますが、そういうものがない場合はどうするかと、今お答えにありましたようにやはり柔軟に対応していく、これは本当に大事なことじゃないかというふうに思いますので、総理のその受入れ表明を受けて、是非現場ではそういう形でやっていただきたいというふうに思います。 それからもう一つ、先ほどの清水委員の質問でも出ましたけれども、コロナ対策ですね、やっぱり、入国に当たってコロナ対応、PCR検査を受けて、受けられなかったり陰性証明持っていなかった人というのはいると思うんですが、その辺りは、先ほどの答弁の確認になりますけれども、こういう方たちには特別に配慮されることがあるということで解釈してよろしいですか。
○政府参考人(武井貞治君) お答え申し上げます。 現在、空港検疫においては、全ての入国者に対して出国前七十二時間以内の検査証明書の提出を求めており、この検査証明書を提出できない場合は、検疫法に基づき、原則として日本への上陸は認められないこととしています。ただし、これまでも出発地で検査証明書を取得できない等の特殊な事情がある場合には、人道上の観点から必要な対応を行っているところです。 お尋ねのウクライナからの避難民の受入れについては政府全体で検討が進められていると承知しているところ、国内外の新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、防疫上の観点から必要な対応について、ウクライナの方々の置かれている状況に十分配慮しながら、関係省庁と連携して適切に対応してまいります。
○真山勇一君 関係省庁と連携して適切に対応してまいりますというのをもう少し具体的に。つまり、国外、ウクライナから国外に出たと、それで、日本へ行きたい、でもPCR検査を受けていない、陰性証明持っていない、予防注射もワクチン注射も受けていないという方がいらっしゃったら、それは、柔軟に対応というのはそういうことも受入れの対象になるということでしょうか。もう少し具体的に分かりやすく答えてください。
○政府参考人(武井貞治君) お答え申し上げます。 具体的にというお尋ねでございましたので、例えばですけれども、出発地で検査証明書を取得できない等、そういった事情がある方がいらっしゃいます。そうした方々に対しては、人道上の観点から柔軟に対応してまいりたいと思います。
○真山勇一君 また柔軟に対応ということで、それをそのまま言葉どおり解釈させていただきます。なかったら、それはそれなりに対応するのだというふうに解釈させていただきたいと思います。 そこで、止められたり何かということはなくて、つまり、やっていなければ、やはり国内の感染も心配ですから、その時点で例えば留め置いて検査をするとか、そういうことと解釈してよろしいんですね。
○政府参考人(武井貞治君) お答え申し上げます。 今、コロナウイルスの感染状況、それから検査についてお尋ねがあったところでございます。 感染状況については時々刻々変化しておりますので、そうした感染状況を十分踏まえた上で、なおかつ、防疫上の観点から必要な対応を取っていくということでございます。実際、検査を受けず、検査証明書を持たずにいらっしゃる方もいられますので、そうした場合については空港でしっかり検査をしているというのが現状でございます。
○真山勇一君 分かりました。是非その柔軟な対応をお願いしたいというふうに思っております。 こうしたことで、受入れということで日本へ例えば来ると、そのやっぱり受け入れて国内へ入りますけれども、その国内の受入れ、これは入管庁になるんじゃないかと思いますけど、これどのような、入国した後の対応というのはどうなるのか、教えてください。
○国務大臣(古川禎久君) ウクライナからの避難民と申しますか、この退避してみえる方に対しては、これも総理も重ねて申し上げておりますとおり、これはもう受入れにおいて、積極的にこれは受け入れるんだというようなことを表明されております。 ビザが取得できて本国に見えた方に対しては、その方々のこの御希望にも添いながらふさわしい在留資格を付与いたしまして、そして、本国における生活が可能になるように、万全のできる限りの対応をしてまいります。
○真山勇一君 ただ、現在のやはりウクライナの情勢を見ていると、そう簡単に解決できないんじゃないか、そういう予感もします。長期化するんじゃないか。そうすると、ウクライナから出た人たちも、なかなか例えば国へ戻りたいと言っても戻れない場合もあるし、あるいは日本に入国して、日本の親類の方とか知り合いの方と一緒でやはり日本で生活したいとか、長期的な滞在ということも考えるようなことになると思うんですね。先ほどございました子供の教育なんかも含めてね。 そうした場合、法務省、入管庁としては、そういう人たちの扱いというのはどんなふうにすると考えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) この受入れを積極的に進めるということのみならず、その方々の生活に対する支援、これは非常に大事なことだと思っております。具体的にどのようにして支援をしていくかということについては、これはもう政府全体で調整をして進めていくことになろうとは思いますが、やはりその生活支援というのは非常に大事なことだというふうに考えております。 その一部として、在留資格につきましては、その御本人の希望、いろいろあるでしょうから、この短期滞在ということのみならず、やはり例えば、御本人が例えば仕事をしたいだとかいうような御希望があれば、それに見合った在留資格を付与するなどして、この日本における生活ができるように、そこはできる限りの支援をしていくんだという考え方でございます。
○真山勇一君 是非、古川大臣には、入管を管理する責任者として積極的に、ほかの省庁にもまたがっているので、いつもこれ縦割りでなかなか進まないことがあると、もうこれも繰り返し繰り返し言っていることなんですが、そういうものを乗り越えて是非進めていただきたい。しかも、今回は、こうした本当に緊急事態である、それから、やはりこの逃れた人たちのことを考えれば、人道上的にも絶対にこれは見逃すことできないというふうに思うんですね。 今回は、ウクライナから出国したいわゆる戦争避難民、まあ言ってみれば戦争による避難民ということですね。こうしたことのときによく取り上げられる難民ということとはこれは違う、全然違うものであるというふうに私も思うんですが、ただ、日本をやっぱりこれまで見ていますと、こうした国際的な紛争とか内戦で命の危険を感じた方が国外へ出たときになかなか受け入れることが難しかったということで、今回の、これ非常事態でいろいろ通常じゃないことが行われると思うんですが、やはりこうしたことは今後国際的な立場から見ても必要なことじゃないかというふうに思うんですね。 例えば、アフガンからなんかも先日ありました。これ、大分出国した方を日本で受け入れたという話も聞いています。そのほかにも、例えばミャンマーの問題もあるでしょうし、それからシリアからの話もあるでしょうし、やはり紛争とか戦争があるところからの逃れてきた人たちというのは常に出ているわけですから、日本もこういうことを、やはりどう対応しているかということを、やはり今回のことをきっかけにしてやっぱり考えていく。 やはり、新しいこういうやり方を、世界の中のスピード感とかそれから国際的に連帯をするとか、そういういろんなことがあると思うんですが、こういうことをやっていかなくちゃいけないと思うんですが、この辺の見解について古川大臣のお考え、伺いたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) 委員の御懸念というのもよく理解をいたします。 そこで、先ほど清水委員の御質問の中でもお答えをいたしましたけれども、この補完的保護対象者制度というものを創設しようということで、実はさきの通常国会におきまして残念ながら廃案になってしまいましたけれども、入管法改正案ございました。この中に盛り込んでおったわけですけれども、いわゆる難民条約上の難民ということに当てはめた場合に、なかなかこれは狭く、対象者が狭くなってしまう嫌いがあります。そこで、それに準じて受け入れることができるように、認定することができるようにということで補完的保護対象者制度というものを考えておりました。もう委員御案内のとおりだと存じますけれども。 このようなことも、これは全てやはりこの庇護を必要とする方々をきちんと保護するんだと、受け入れるんだという、そういう考えに基づいて考えていることでございますけれども、御指摘のようなことは今後法整備という形でやはり導入していくべきだという考え方を持っております。
○真山勇一君 時間になりました。 今回のことは、そうした将来のことに向けて非常に大事なケースになるんじゃないかと思います。是非スムーズな受入れをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 今日は、日本におけるヘイトクライム、差別的な動機による犯罪について伺いたいというふうに思います。 これは日本だけではなくて、この数年間、特にアメリカでもヨーロッパでも差別犯罪が広がっている。例えば、ニューヨーク市警が去年の十二月に公表した数字でいいますと、一年前に比べてヘイトクライムが二十八件から百二十九件に増えている。サンフランシスコでも、一年間で九件から六十件に増えている。これ、ヘイトクライムというのは、警察が捜査をして明らかになるだけではなくて、自分から訴えるという件もありますから、普通は訴える方々が実際の一〇%から三〇%だと言われていることを考えると、世界に差別犯罪というのが今広がりつつあるという現実だと私は考えております。 バイデン大統領も副大統領もヘイトクライムの現場に行って、そういうことがあってはならないんだということを強く非難すると同時に、例えばアメリカでは、パンデミックで増えていったヘイトクライムに対して、新型コロナウイルス・ヘイトクライム法というのを新しくアメリカでは作りまして、その法律ができたときのバイデン大統領の記者会見では、沈黙は加担である、そして私たちは加担することはできない、私たちは声を上げなければならない、私たちは報道しなければならないという非難のコメントを出されたんですよね。そのバイデン大統領と、昨年の四月だと記憶しておりますけれども、菅義偉元総理が面会、対談を行いまして、共同記者会見の中でも、菅総理もそういう犯罪があってはならないんだということを表明されました。そうした公人、総理であるとか大臣であるとか、あるいは行政であるとかも含めて、そういうヘイトクライムは許されないというスピーチがやっぱり日本ではまだまだ遅れていると私は思っているんです。 そこで、まず警察庁にお伺いしますけれども、昨年の八月三十日に京都府宇治市のウトロ地区、これはウトロというのは、戦争中には京都飛行場が造られていて、そこに朝鮮人が動員をされて飯場になって、戦争が終わってからやはりそこが在日朝鮮人の集住地区になって今に至っているんですが、去年の八月三十日にそこで事件が起きました。警察庁、説明していただけますか。
○政府参考人(森元良幸君) お答え申し上げます。 委員御指摘の事件でございますけれども、令和三年八月三十日、京都府宇治市伊勢田町ウトロ所在の家屋に火を付け、七棟を焼損させた非現住建造物放火事件でございます。
○有田芳生君 七月二十四日、愛知県でも同じような事件が起きていますね。
○政府参考人(森元良幸君) お答えいたします。 委員御指摘のとおりでございまして、昨年七月二十四日、愛知県名古屋市中村区所在の在日本大韓民国民団愛知県地方本部及び学校法人愛知韓国学園名古屋韓国学校におきまして、それぞれ建物の一部に火を付け、焼損させた器物損壊事件も発生してございます。
○有田芳生君 それでは、七月二十九日、奈良県大和高田市の韓国民団支部で何が起きましたか。
○政府参考人(森元良幸君) お答え申し上げます。 お尋ねの奈良県の事案でございますけれども、昨年七月二十九日、奈良県大和高田市日之出東本町所在の在日本大韓民国民団奈良県地方本部北葛支部建物敷地内におきまして、点火された着火剤様のものが発見されたものでございます。 この点につきましては、現在、奈良県警察において捜査中でございますので、事件の詳細はお答えを差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 この一連の事件について、被疑者は逮捕されましたよね。
○政府参考人(森元良幸君) お答えいたします。 この被疑者でございますけれども、最初に御説明申し上げました二つの事件、京都府宇治市の事件と愛知県名古屋市の事件におきまして検挙されております。同一犯でございます。これらは、この二つの事件は、いずれもそれぞれの地方検察庁に送致してございます。
○有田芳生君 私はこの宇治市のウトロに去年の十二月に行ってまいりましたけれども、どういう被害がありましたか、もう一度お答えください、具体的に。
○政府参考人(森元良幸君) お答え申し上げます。 具体的な被害の詳細につきましては差し控えさせていただきたいと思いますけれども、家屋七棟が焼損いたしまして、展示を予定していた、ウトロ祈念館を開業が予定されているということでございましたけれども、そこで展示を予定していた保管品などが焼損したというふうに承知をしております。
○有田芳生君 ある家はもう半焼して、ふだんならば二人のお子さんがいる時間帯だったんです。たまたま外に出ていて命も奪われることがなかったんだけれども、本当にあっという間に火が回ってしまったというとんでもない事件が起きましたけれども、この逮捕された人物は二十二歳、病院勤務だったわけですけれども、警察庁に伺いたいんですけれども、この動機についてどのように報道されていますか。
○政府参考人(森元良幸君) お答えいたします。 お尋ねの件につきましては様々な報道がなされているものと承知をしてございますけれども、報道内容につきまして警察の方からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○有田芳生君 端的に言って、韓国人が嫌いだったというのが動機と本人は言っているんですよね。朝日新聞の大阪本社の記者がこの本人に直接会っています。報道されていますけれども、その動機としたら、デモを起こしたところで聞く耳は持たれないだろうし、住民の命に及ぶリスクはあっても、それくらい、つまり放火ですよね、放火しないと伝わらない、後悔はないと語っているんです。これは、私の判断ではもう明らかな差別的動機によるヘイトクライム、犯行だというふうに思います。 今でも住民の方々、不安な日々を暮らしておりまして、例えば住民たちの声は、また放火されるのではないかと思い、よく眠れない、六十代の女性。物音がするだけでもびくっとしてしまう、七十代男性。ネットを見て刺激された人が模倣犯になるのではないかと怖い、四十代女性。ウトロ地区出身の女性弁護士も現場に行って、私そのものがもう攻撃されているんだという恐ろしい思いをしていると同時に、子供時代から遊んでいた土地が焼かれてしまっているんですよね。だからその恐怖というのは日々感じているというふうにおっしゃっておりましたけれども、これがヘイトクライムなんです、端的に。日本でも増えているんです、一々例挙げませんけれども。 そこで、次に法務省に伺いますけれども、ヘイトクライムについての定義というのはありますか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えをいたします。 お尋ねのヘイトクライムにつきましては、政府としてその定義について特定の見解を有していないものと承知しております。
○有田芳生君 私が出した質問主意書にもそういうお答えですけれども、更に伺いますけれども、二〇一三年にこの法務委員会でもヘイトスピーチについての議論が始まりました。そのとき、ヘイトスピーチって何ですかとお聞きをしたときには定義はありませんということでしたけれども、その後、ヘイトスピーチ解消法が二〇一六年にできて、法務省から幾つかのこれがヘイトスピーチだということが今ではもうホームページにも出ている状況ですけれども、確かに一般的に今ヘイトクライムについての定義はないにしても、一般的な了解というのはあるんじゃないですか、定義はなくても、一般的理解といいましょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 委員御指摘のように、ヘイトクライムあるいはヘイトスピーチという言葉、これは世の中で使われている言葉でございますので、そういう意味での了解というものはあるいは委員の御指摘のとおり一般的な形であるのかもしれませんが、私ども政府の立場といたしましては、繰り返しでございますが、先ほど申し上げましたように、ヘイトクライムについては特定の見解を有していないというところでございます。
○有田芳生君 じゃ、ヘイトスピーチについては、議論の当初は定義がなかったんだけれども、今はあるわけですよね。
○政府参考人(川原隆司君) 失礼いたしました。 人権擁護局のホームページ上におきましては、ヘイトスピーチにつきまして、「特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動が、一般に「ヘイトスピーチ」と呼ばれています」というような記載があるところでございます。
○有田芳生君 つまり、社会問題になっていくときに、初めは定義がなくても、議論が進む中で、あるいは法律ができる中で確定していっているというのがこの日本における現実だと思うんです。 そこで、法務省に伺いますけれども、人種差別撤廃条約第四条の、日本政府もそこに加盟しているわけですから義務がありますけれども、そこには、「人種的優越又は憎悪に基づく思想のあらゆる流布、人種差別の扇動、いかなる人種若しくは皮膚の色若しくは種族的出身を異にする人の集団に対するものであるかを問わずすべての暴力行為」、その後省略しますけれども、「法律で処罰すべき犯罪である」と宣言している。これ日本政府の義務でもあるわけですよね。 そうすると、二〇一七年ですけれども、人種差別撤廃委員会の第十、十一回日本政府の報告書、その五に、人種差別的動機の刑法上の取扱いが日本政府の回答としてもう既にありますけれども、どういう内容なんでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 御指摘の報告書におきましては、人種主義的動機は、我が国の刑事裁判手続において動機の悪質性として適切に立証しており、裁判所において量刑上考慮されているものと認識していると記載しているところでございます。
○有田芳生君 今述べられましたように、二〇一七年の段階では、日本政府の見解として、人種主義的動機、つまり犯行のですね、それは我が国の刑事裁判手続において動機の悪質性として適切に立証しており、裁判所において量刑上考慮されているものと認識されているわけだから、だからヘイトクライムについての定義に近いような認識おありなんじゃないですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。 繰り返しで大変恐縮でございますが、御指摘のヘイトクライムについては、政府としてその定義について特定の見解を有していないところでございます。 その上で、一般論として申し上げれば、御指摘のような人種差別的な動機で犯罪が行われた場合を含め、犯行の動機や態様等に悪質性が認められる場合には、我が国の刑事裁判手続において動機や態様の悪質性などとして適切に立証されており、裁判所において量刑上考慮されているものと承知しております。
○有田芳生君 これは、二〇一七年の日本審査のときから、今現在の政府の先ほどの御回答あるいは私に対する質問主意書の定義はないという、切り捨てるんではなくて、やはり二〇一七年の段階を出発点とすれば、やはりもっと進んでいなければいけないと私は思っているんです。 その上で警察庁に伺いますけれども、二〇一六年にヘイトスピーチ解消法ができた直後に、警察庁は全国の警察に対して指示を出されましたけれども、どういう内容でしょうか。
○政府参考人(森元良幸君) お答えします。 警察庁におきましては、いわゆるヘイトスピーチ解消法が公布及び施行された日に、全国の都道府県警察に対しまして通達を発出しております。この通達におきまして、全国の都道府県警察に対し、警察職員に対する教育を推進すること、いわゆるヘイトスピーチと言われる言動やこれに伴う活動について、違法行為を認知した場合には厳正に対処することなどによりまして、不当な差別的言動の解消に向けた取組に寄与するよう指導したところでございます。
○有田芳生君 これ、非常に大事なことだと私は思っておりまして、ヘイトスピーチ解消法ができた直後に、警察庁からそういう指示が出されたことによって、直後に福岡市内で事件が起きているんですよね。どういう事件かというと、商業施設内のトイレなどに在日コリアンを中傷する内容のビラを貼った六十代の男性がいたんですけれども、建造物侵入罪で起訴しているんです。そのときに福岡地方検察庁は、この上記の、今の通達が発出された直後の七月、二〇一六年七月に記者会見開いて、ヘイトスピーチ解消法の意義を踏まえて立件したというふうに地検は言っているんです。だから、警察庁のやはり通達が物すごく効果があったと私は思っているんだけれども、ただ、それ以降、そういう件がないんですよ。つまり、ヘイトクライム的なものだという判断での検挙なり裁判の実態というのは残念ながらないんですよね。だから、日本で今そういうヘイトクライムが増えつつあるときに、やはり皆さん、法務省当局が、ヘイトクライムというものはこういうものだよというような議論を、やはり私たちも含めて進めていく段階に残念ながら来ているんだというふうに思っておるんです。 川原刑事局長、いかがですか。御感想で構わないんですが。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 先ほど来御答弁申し上げておりますように、一般論ではございますが、その人種差別的な動機で犯罪が行われた場合を含めて、犯行の動機や態様等に悪質が認められる場合には、我が国の刑事裁判手続においてこれらが適切に量刑上考慮されているというところでございまして、この悪質性が何かということにつきましては、今委員御指摘のありました、例えばヘイトスピーチ解消法が国会で成立したなどと、そういった国の全体的な法秩序あるいは社会情勢などを踏まえて、こういった悪質性は検察当局において適切に判断して動機等として適切に立証するものと考えております。
○有田芳生君 例えば、二〇一九年の十一月から二〇年の七月にかけて、川崎市の多文化交流施設、川崎市ふれあい館や周りの学校に対して、在日韓国人をこの世から抹殺する、爆破するなどという文書が届いたんですよね。結局、警察が適切な捜査をやってくださって、ある、これも六十代ですけれども、元川崎市に勤めていた男性が逮捕されて、威力業務妨害罪によって懲役一年の実刑判決受けているんです。だから、そういった差別的動機に対するやはり判断というのは司法の場でもあると思うんです。だから、こういった日本の今、現状、ヨーロッパやアメリカのようにヘイトクライムが起きてきている状況の下で、もっともっと議論をしなければいけない。 もう時間が来たので、最後に大臣に、菅総理、前、元、前総理か、前総理ですね、菅前総理もこんなことは許されないんだとコメントをしてくださったように、大臣としてウトロの件を一つ頭に入れていただいて、こういった事態に対する、最後に一言いただけますか。
○委員長(矢倉克夫君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。
○国務大臣(古川禎久君) はい。 やはり私たちが目指すべき社会というのは、人がそれぞれ違いを認め合って、そして尊重し合って助け合って生きていく、そういう共生社会を私たちは目指しております。 そのときに、その特定の民族や国籍を有する者をこの社会から排除しようというような意図を持ってこの不当な差別的な言動を行うという、まあ定義の話もありましたけれども、そういうことは私は断じてあってはならないことだというふうに思っております。
○有田芳生君 終わります。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典と申します。古川大臣にはよろしくお願いいたします。 私の方からは、いわゆる昨年の名古屋入管で起きた事件に関して、その後のいわゆる入管行政の見直しに向けた議論がどういった進捗をしているのかということについて、幾つかお伺いをまずさせていただきたいと思います。 昨年、名古屋入管における事案が発生しましてから、私、一貫して、客観的な事実がどういうことだったのかということをいろいろと質問をさせていただき、その上で再発を防止するために入管行政における医療提供体制を始めとする体制の整備の必要性について、昨年六回、七回、委員会で上川法務大臣に対して繰り返し質問をさせていただき、指摘をさせていただいてまいりました。 昨年の法務委員会における審議からは既に九か月が実はたっておりますので、したがいまして、その後どういった取組を今入管行政の見直しに向けて行っていただいているのかということについて、まず確認をさせていただきたいと思います。 まず、昨年以降の入管施設における長期収容者の人数の推移、これは一体どうなっているのか。これをまず教えてください。
○政府参考人(西山卓爾君) 退去強制令書に基づき収容される者のうち、収容期間が六月を超える被収容者数は、令和二年十二月末現在は二百七人、令和三年六月末現在は八十九人となっております。また、これは速報値ではありますが、令和三年十二月末現在では三十九人となっております。
○川合孝典君 次長に確認をさせていただきますけれども、この間、長期収容者、六月以上の長期収容者の人数は減っているということでありますけれど、この人数が減っていることについては、仮放免や例えば国外退去を含めた、どういった措置を講じていらっしゃる結果としてこの数字になっているのかということを具体的に少し、もう少し詳しく教えていただけますか。
○政府参考人(西山卓爾君) あくまで推測も交えますけれども、仮放免の柔軟な運用を行っていた結果がかなり影響しているものと考えられます。
○川合孝典君 常に流動的にフロー、数字はフロー、流れておりますので、どこで数字を取るのかというのが極めて難しいんだろうと思いますが、いわゆる退去をされた方とそれから仮放免をされた方等の人数の推移状況というものは把握していらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 退去強制令書に基づいて収容された後に仮放免許可を受けている者の人数でございますが、令和元年十二月末現在で二千二百十七人、令和二年十二月末現在で三千六十一人でございます。 また、その年に送還が実施された被送還者数でございますが、令和元年は九千五百九十七人、令和二年は五千四百五十人となっております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 コロナがあるということで通常の状況とは単純に比較できない話ではありますけれども、外国人の入国が規制されている状況の中でいわゆる仮放免をされている方が増えてきているということについては、これ恐らく密対策の問題も含めていろいろ御配慮いただいているんだろうと思いますけど、そのこと自体は率直に評価はしたいと思います。 今後、私自身の問題意識としては、入国が緩和される、入国条件が緩和される状況の中でまた新たに様々な問題が生じてくることも懸念されておりますので、その辺りのところについても今後しっかりとウオッチして対応していただきたいと思います。 次のちょっと確認をさせていただきたいと思います。 入管施設における医療提供体制の議論のいわゆる進捗状況について、特に常勤医師の関係について、先ほどもちらっとお触れになっていらっしゃいましたけれども、具体的に、昨年問題が生じて以降、この入管施設における常勤医師の配置についてどういった改善がなされているのかということをもう少し詳しくお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 名古屋入管局におきましては、被収容者の死亡事案が発生した令和三年三月時点では、非常勤医師二名、非常勤職員である看護師一名、常勤職員である准看護師二名が勤務していたところでございます。 本月、すなわち令和四年三月現在におきましては、当時と比較しまして非常勤医師が二名増えて四名の勤務となっております。また、看護師と准看護師の数は変化はございません。
○川合孝典君 常勤医師ではないわけですよね。非常勤医師で対応している理由を教えてください。
○政府参考人(西山卓爾君) 常勤医師が確保できないという状況にあるということでございます。(発言する者あり) 今般、医療体制の強化に関する有識者会議でも指摘をされているところでございますが、常勤医師の待遇の面で、一つには給料が、収入が民間に比べるとやはり低いという点を指摘されているほか、それから兼業、常勤医師は国家公務員と同じ扱いになりますので兼業が認められていないという点も処遇としてデメリットがあるといった点も挙げられているところでございます。
○川合孝典君 古川大臣、今お聞きいただいたと思いますけれども、本来、医療提供体制を整備する上では、常にいわゆる収容されている方々の健康管理を行っていく上で、同じ方が経時変化、経過観察をきちっとしていただかなければいけないわけであります。その上で常勤医師の配置の必要性というものをこれまで指摘し続けてきたわけでありますが、残念ながら、今の枠組みでは常勤医師を入管施設に配置することが極めて困難である。その理由がいわゆる公務員医師と、いわゆる処遇が、入管の常勤医師をやることで処遇が極めて低くなってしまうという問題、そのことと同時に、兼業規定等の縛りがあることが結果的に常勤医師になりたくてもなれない、探したくても見付からないという、こういう問題につながってしまっております。 この問題を解決するためには、従来のルールを見直すことで、常勤医師をどう配置、どう見直せば配置できるのかということの議論を政治の方でしていただかなければいけないと思うんですけど、この点について今現時点での大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 この入管収容施設におきます医療体制というものは、これは強化をしなければならないというふうに考えています。今委員から御指摘をいただいたような点を含めて、やはり改めるべき点、論点が幾つかございます。 そこで、この名古屋事案を受けて、二度とこういう事案を起こしてはならないという決意の下に調査報告書をまとめまして、様々な改善策を今進めておるところでございます。それに平仄を合わせて有識者会議というものを置きまして、そこで専門家、有識者を含めたその会議の中から、会議の中でしっかりした議論をいただきまして、先日提言をいただいたところでございます。今委員からいただきました御指摘を含めまして、医療提供体制を、収容施設における医療体制を強化するための様々な提言をいただいております。こういうものをしっかり受け止めて実行に移していくということが大事だというふうに考えております。
○川合孝典君 前向きな御答弁頂戴しまして、ありがとうございます。 この名古屋収容施設における医療体制の強化に関する提言と、こちらですよね、中身拝見させていただきまして、昨年、上川前法務大臣に問題提起をさせていただいてきたこと等も踏まえて、いろんなお取組を法務省の中でやっていただいていることについては私自身は率直に評価をいたしております。是非そうした議論を進めていただきたいと思います。 その上で、改めて、これ上川前大臣には何度か御指摘させていただいたんですが、古川大臣にも是非知っておいていただきたいということなんですが、実は、スリランカ人女性がお亡くなりになられたあの一連の経過というのを去年の法務委員会で随分皆で議論させていただいたんですが、その中で明らかになってきたこととして、お亡くなりになる直前に、いわゆる外部の診察を行われた際に抗精神薬の処方を実は受けていらっしゃいました。この抗精神薬の処方を受けて二日後だったと思いますが、にお亡くなりになったということなんですね。 実は、この抗精神薬、調べてみましたところ、このいわゆる添付文書、能書の一番冒頭の部分に赤字で警告がなされているんですよ。この警告の内容というのが重大な副作用が発現する可能性を指摘するような文面の内容で、血糖値等の経過観察を十分に行う、もし何らかの問題が生じた折には、例えば昏睡といったような症状が生じた場合には速やかに投薬を中止して診断をしなければいけないということで、投薬に当たっては医師の管理下で要は処方しなければいけないという、そのぐらいの実は極めて高い警告を発している薬剤だったんですね。これが、結局、そういう薬剤を、もちろん医師の判断で投薬をされているということでありますから、そのこと自体については私も云々するつもりはないんですけれども、投薬をされた方がそのまま施設にお戻りになって、施設で結局投薬を受けるという状況になって、その症状の経過観察も十分できていないという、こういう状況に置かれてしまっていたわけであります。 したがって、そうしたことも含めて、医療提供体制、いわゆる決裁のシステムをどうつくるのかということとは別に、要は医療を提供するということに対して、どういう要は枠組みで入管庁の職員の方が医療を提供するかどうかの可否を決めるですとか、外部診療、外部機関に診察を受けさせるかどうかを判断するということではなく、常に医師の判断でもって要は医療提供行為というものが実施されるというような枠組みにもう一回見直していかなければいけないということなんだと私は実は考えております。 したがって、この医療提供を行うに当たって誰がそのことを判断して動くのかということについて、ここの部分については、役所が判断ということとは別に医療の判断というものの、判断の責任の所在というものをドクターにしっかりと持たせなければいけないんじゃないのかというのが実は私の問題意識でありまして、その点についてちょっと指摘をさせていただきたいと思います。 突然の話なので大臣もお困りかもしれませんけど、今の指摘についてどうお感じになるかだけお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) まず、一年前の名古屋事案、亡くなられたウィシュマ・サンダマリさん、改めて謹んで哀悼の意を表したいと存じます。 私、その調査報告書もよく、当然よく読みましたし、あるいはその改善すべき点、提示を受けておりますけれども、それもしっかり見ております。 やはり、調査報告書を見て思いますのは、やはり当時、その入管の現場において足らざるもの、欠けているものがやはりこれはあるなと、これはもう間違いのないことだと思います。それは、今委員から御指摘をいただきました点を含めて、様々これは改善すべき点があるということは間違いありません。 ですから、それを私としては二つのアプローチで解決をしなければならないと思っておりまして、一つは、この調査報告書、いわゆる調査報告書で示された十二の項目がございます。これを着実に実施していくということでございます。 その中でも、先ほど、この医薬品、薬品のですね、この薬の服用なりちゃんとするというのは、入管においてお医者さんからの指示もしっかりとこの現場で反映されるようにということも徹底するようにということも含まれておりますけれども、このような調査報告書に基づく改善策をしっかり確実に実行するということが一つであります。 それともう一つは、やはり現在のこの制度あるいは運用、どこかに何か不具合があると私は思いますから、それを調査報告書とは別途ですね、やっぱり広い視野から改めるべきは改めると、そういう姿勢が極めて大事だというふうに思っているところです。 いずれにしましても、この収容施設というのは人の命を預かる施設でありますから、その医療の在り方というのは非常に重要な要素でございますし、そういうことに対して、責任の所在というのは当然この制度上はその所長ですね、センター長でありますとか所長がその責任を負うということになっておりますけれども、しっかりそこが制度として機能して、おかしな運用にならないように、そういう気持ちをしっかり持ちながら今後のこの対応、改善に向き合っていきたいと思っております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 法の厳格な運用というところと医療提供というのは柔軟かつスピーディーな対応が求められる部分ですから、ある意味極めて相入れない部分というものが両者の間には存在しているんだと思います。そこをどう整理していくのかということが求められていると思いますので、是非、古川大臣の下、こうした取組についても前に進めていただくことをお願いしたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので、ちょっと次の質問少しだけさせていただきたいと思います。 外国人、コロナ禍における外国人の受入れの状況についての少し確認をさせていただきたいと思います。 これまで長く日本は大変厳しいいわゆる外国人の受入れのいわゆる制限を行ってまいりましたが、ここへ来て五千人、そして七千人ですか、に入国者数の緩和が行われて、ようやく少しずつではありますが、日本人それから外国から日本に入ってこられる方々が入国を始められているという状況だと伺っております。ちなみに、現在どのぐらいのペースで外国から人が日本に入国していらっしゃるのか、その辺りの数字をちょっと、直近の数字で結構ですので教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 本年の二月と三月の一日当たりの入帰国者数の平均を申し上げます。いずれも速報値ではございますが、二月は二千二百七十二人。その内訳として、外国人は千十五人、日本人が千二百五十七人。続いて三月、これは六日まででございますが、三千八百十人、平均でございます、三千八百十人。内訳は、外国人で千五百五十四人、日本人が二千二百五十六人となっております。
○川合孝典君 五千人という、それまでは五千人までを上限としての入国ということだったと思いますし、今回七千人までその枠を引き上げられたということでありますが、現状その数字には達していないということであります。その現在の状況をどのように分析されているのか、それから今後いわゆる希望される方の入国を促進するためにどういった取組を行おうとしていらっしゃるのかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) まず、まだ水際措置の見直しが行われて間もないところもございます。今後、引き続きこの政府の対応につきまして周知徹底をいたしまして、皆さんにこういう状況であるということを迅速にお伝えするということがまず対応として必要なのかなというふうに考えております。
○川合孝典君 ちなみに、今外国から日本への入国を希望していらっしゃる外国人の方はどのぐらい待機していらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 入国の前提としまして在留資格認定証明書、これを交付するというのが一般の手続でございますが、令和二年及び令和三年に在留資格認定証明書の交付を受けた外国人で未入国の方、これが約四十万八千人ございます。
○川合孝典君 周知不足でそうした方々が入国のいわゆる手続が取れないということではなくて、受入れ側のキャパシティーの問題なんじゃないんですかね。そうじゃないですか。
○政府参考人(西山卓爾君) それぞれ、未入国で待機されている方、それぞれの御事情があると思います。周知が足りなくて御存じないという方もおられる一方で、そのキャパシティーの問題でと言いましても、飛行機の便の運航状況、これもかなり影響するというふうに考えられますので、それぞれちょっと一概にその辺りの分析を申し上げるのはちょっと困難でございます。
○川合孝典君 入管庁としての御説明、大臣にちょっと確認、認識だけ御確認させていただきたいと思いますが、入管庁としての説明は今お聞きいただいたような話ということなんですが、実際に四十万人ほどの方が日本への入国を求めていらっしゃって、現状では一日千五百人、千五百五十四人というのが一日平均の外国人の入国者数ということになったときに、今後いわゆる待機されている方で日本への入国を希望する方が入国、しっかり皆さんができるまでの間に相当な実は日数を要するということなんだろうと思います。私自身は、日本で学びたい、日本でスキルを身に付けたいという思いで日本にお越しになられる方々については、やはり積極的に受入れを行って、感染予防対策をしっかり行うということは前提ではありますが、速やかに受入れを行った上でそれぞれの分野で活動をしていただけるような環境を整えるべきだと思っておるんです。 一日のその入国者数の制限の数の設定自体が適切かどうかということの議論はさておき、今後世界と比べたときに、日本だけが相当に厳しい入国管理を今でも行っているというのはこれ事実でありますし、そのことの結果として、世界から、ある意味経済的にもそうでありますが、立ち遅れることを私自身は実は懸念をしております。 したがって、是非その法務、いわゆる入国管理をする立場として、この外国人の方々の日本への受入れの迅速化についてのお取組についてもこれから行っていただきたいと思っておるんですけれど、大臣、御認識いかがでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) この国際的な人の移動、受入れというのは、これはその重要さというのは私もよく認識をいたしております。 そこで、この水際対策というのは、これ政府全体で行うことでありますし、様々この配慮しなきゃいけないことはございます。しかし、それらを総合的に勘案しながらも、やっぱり機動的にスピード感を持ってこの水際対策を打っていく。その中で、申しましたように、その外国人受け入れるということは大変重要なことでございますから、そこには前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 航空便がかなり減便されていて飛行機の便がないといったような御指摘もありましたけれども、実際に、条件が合わずに、なかなか日本に入国できるだけの資格をうまく取得できない方々が大勢いらっしゃるということも海外からの情報ではやはり入ってきているということも事実であります。したがって、その入口のところのいわゆる入管のところでの手続上の問題で滞ってしまうということはやはりないように心掛けていただくことがとても大切なのではないのかというふうに認識しておりますので、指摘をあえてさせていただいたということであります。今後の動向についても折に触れて質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 古川大臣に質問を初めてさせていただくわけでありますが、今日も冒頭、ロシアとウクライナの問題について質疑もありました。私も非常に、この問題についてちょっと大臣に質問しようとは思わなかったんですが、まあ通告もしていないので、答えるか答えないかは大臣にお任せしたいなと思っておるんですけれども。 今回、ロシアとウクライナの問題、これ自由が大切だとか、そしてまた法の支配が大事だとか、こういったものが全く通用しない国がロシアなんだなということが、つくづくこれ思うわけです。 国際社会が向き合っていかないといけないと大臣答弁されておりましたけれども、まあ確かにそうなんですけれども、今、世界の国々が、国際社会が経済制裁をやっていっておりますけれども、このプーチン大統領にはこの経済制裁というのは一向に効かない。軍事侵攻はどんどんどんどんと日に日に増していっているという状況にあります。 じゃ、一方、国際連合はどうなのかというと、安全保障理事国であるロシアですね、非難決議も拒否権を発動すると。じゃ、今度、国連総会を開いて決議しましたけれども、今度こっちは法的拘束力がないというような現状である。また、本当に、ウクライナ軍もゼレンスキー大統領ももう本当に命懸けで日々日々戦っておりますが、非常に厳しい状況です。そんな中、武器の供与はしているところはありますけれども、日本も防弾チョッキとヘルメットですかね、提供するということを決めたそうですが、これはロシア軍の勢力から考えればまあなかなか太刀打ちできない。特に、やはり上空からミサイルを攻撃されると非常にやっぱり打撃が大きいということで、これは防空識別圏もNATOにやっぱりやってほしいということを言っても、なかなか、これは全面戦争になるというふうなことが考えられるんだと思うんですけれども、なかなかこれもできない状況。もう本当に国際社会は今見ているだけ。 本当に今、子供が百六十人亡くなったとか、民間の人たちが四百人亡くなったとか、これ報道でありますけれども、非常にこれつらいなと、見ているだけでつらいなというふうに私は感じておるんですが、もう古川大臣がどのように感じておられるのか、是非お聞かせいただけるんであれば聞かせていただきたいなと思います。
○国務大臣(古川禎久君) 歴史というものは一本の大河のようなものだと私は思っておりまして、やっぱりこのとうとうと流れるその流れの中に、これ、よどむこともあれば激流になることもあるし、渦を巻いて逆流することもある。しかし、そのとうとうたる流れの中には本流というものがあるというふうに私はかねて思っています。 今回、やはりこのルールに基づく国際秩序でありますとか、力による一方的な現状変更は認めないと、こういう到達点、これは人類社会が歴史の中で勝ち得てきた言わば本流だろうと思います。その本流に対して、今ロシアによるウクライナ侵攻というのは、この巻き起こった渦であり逆流なんだというふうに私は思うんです。 ですから、確かに今目の前で起きているこの激流というのは、この大変な不祥事、人類にとってですね、大変な不祥事、重大な事態でありますけれども、しかし、私ども、国際社会、あるいは人類社会と言っていいかも分かりません、この本流というものをしっかりとやっぱりこの大義として掲げてこの事態に向き合わなければならないというふうに思っております。そのような意味で、国際社会が今こそ結束するべきだというふうなことを先ほど申し上げたわけでございます。 それで、経済制裁、これはなかなか効かないのではないかというような、委員は先ほどちょっとそういうお触れになりましたけど、しかし、やはり例えばその経済制裁によって、時間は掛かるかも分からない、けれども、私は確実なやっぱり一つの大きな手だてだというふうに思っております。 例えばその制裁を打つことによって、その反射といいますか、その影響として、例えば国際的にエネルギーや食料の高騰ということがあるのかもしれないし、あるいは、国際経済、世界の経済にいろんな不安材料も起きるでしょう。どの国にとっても、国際社会にとってこれは非常につらいことであります。でも、このつらいことを、やっぱりこの先ほど申し上げたような人類共通のやっぱり理想の下にここは結束をして乗り越えていかなきゃならないと、そういう場面だというふうに思っています。非常に重要な場面だというふうに捉えているところです。
○東徹君 いや、経済制裁は私も必要だと思うんですよ。必要だと思うんですけれども、それが、そのことによってロシアの侵攻が止まるわけではないと。止まるどころか、更に激化していっている状況が今の一日一日の出来事だということだということです。 じゃ、これを止めるには、今、今止めるにはどうしたらいいのかといったときに、なかなかこれは本当に無力感を感じるなというのが私の感想だということであります。 法の支配といいましても、そうですね、国際司法裁判所に訴えても、これまた答えが返ってくるのが相当先になるとかですね、ロシアの見ていても、報道ももう完全な報道の弾圧がされていますよね。もう本当に、そういったことが堂々と行われる国がロシアなんだということが非常に分かったということであります。 そんな中で、じゃ日本にできることは何なのかといったところで、今日も質問がありましたけれども、ウクライナから逃げてくる人たちが隣の国のポーランドなどに行っているということで、今日の報道では百七十三万人という報道がなされておりました。これは高等弁務官からの数字だということでありますけれども、そういった避難民がおられるわけでありますが、これはもちろん政府としても、在留資格も、先ほども出ていましたけど、千九百人のウクライナ人の親族や知人の方を想定しているということで、それに対しても何らかの対応をするということだと思いますし、そしてまた、岸田総理も避難民の受入れについても表明しておりました。 これ、多数の避難民を迅速にこれを受け入れる、受け入れようとする場合ですけれども、これ、今の難民制度では、難民認定制度では十分ではないというふうに思います。特別な受入れ制度をつくる必要があるというふうに考えますが、具体的にいつからどのように受入れをしていこうと考えているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) お答え申し上げます。 ウクライナからの避難民の方につきましては、岸田総理ももう累次にわたってこれを積極的に受け入れるのだという趣旨の発言をしておられます。そして、まずはこの我が国に親族や知人がおられる方の受入れをまずは想定をしておると、しかし、それにとどまらずに人道的な観点から対応していくということを繰り返し述べておられるわけでありまして、まさにそのとおり、これ政府一丸となって、起きていることは非常事態でありますから、まだなお事態は流動的、ますますこれから混乱の度を増していくことも十分予想されています。それに対応して、やはりこれ柔軟に、積極的に、速やかに受入れを可能とすべく、関係省庁とここは一体となって、政府全体として臨んでいきたいと思っております。 繰り返しになりますけれども、起きていることは大変重大な案件でありまして、我が国はこの受入れということに対して、ここは全力を挙げて積極的に向き合っていく、そういうことでございます。
○東徹君 いや、まず一つは、いつ頃から受け入れようと考えているのかという具体的な話、そしてまた、特別な受入れ制度をつくる必要があるというふうに考えますが、どのような制度をつくろうと考えているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) その総理が受入れの表明をされてから今日までに八人の方の受入れが済んでいるというような話を聞いて、報告を聞いておりますが、今後ということですけれども、これは、今申し上げましたように事態は大変流動的でありますから、この状況も見ながら適時的確に対応していかなきゃいけないと思います。 その際に、制度としてということでございますけれども、本来は、例えば過去においてインドシナ難民を受け入れたことがございました。あのような形で、例えば、その制度と委員おっしゃいましたけれども、やはりこの特段の事態に鑑みて、やはりこの政府を挙げて特段の受入れ体制をしくということは今後議論になってくるかもしれません。そういうことも含めて、今流動的なこの事態に柔軟に、そして大胆に向き合っていかなきゃならないと、そういう覚悟は私どもは持っております。 現時点で具体的にいつ、このような規模でこういうことをやるということを今の時点で申し上げるのはなかなか難しゅうございます。
○東徹君 いつというのはなかなか申し上げられないということですが、じゃお聞きしますけれども、今の難民制度では受け入れられないということですよね。だから難民制度を、受け入れることをやるために何か考えていかないといけないんじゃないですかと、その辺はどうなんでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) 今委員が御質問のとおり、そういう問題意識は持っております。 先ほど来、答弁の中でも申し上げましたとおり、残念ながら廃案になってしまいました入管法改正案、さきの通常国会で提案をさせていただいたわけですけれども、この中に補完的保護対象者の認定制度を創設するということを織り込んでおりました。 御指摘のように、難民条約にのっとった形での難民受入れというのは非常に狭い判断になりがちでございますから、やはりこういう事態に柔軟に対応するためにはそういう制度の整備が必要であろうという考えがございます。そういう考えの下に、この廃案になった入管法改正案の中では制度の創設を盛り込んでおったわけですけれども。 いずれにしましても、そういう御趣旨の制度というのは私は、私どもは必要だと考えておりますし、必要な法整備を進めていきたいと考えています。
○東徹君 その廃案になった法案と言いましたけれども、これ我々は、例の入管法はこれは必要だというふうに考えて、我々としてはこれはもう賛成すべく、もう党内手続はしてやっぱり進んでおったところ、いきなり引っ込められて、あれっと、こう思ったわけでありますね。それがきちんと今回でも本来法案を提出すべきだったんじゃないんですか。
○国務大臣(古川禎久君) この出入国在留管理を私どもお預かりしておるわけですけれども、やはりここで大事なことは、外国人をルールにのっとって受け入れて、そして適切な支援をして、しかし一方でルールに違反する者に対しては厳正に対処すると、こういうことでもってこの出入国在留管理ということに対するきちんとした行政を行うという責任を私どもはお預かりをしておるわけです。そういう観点から、そのくだんの改正案においては様々な観点から論点を盛り込みまして改正を目指したわけでございます。 しかし一方で、その改正について様々な意見がありました。ですから、そういういろんな御指摘、御意見にもしっかりと耳を傾けながら、やはり私ども、しっかりしたこの責任を全うするために必要な法改正を進めていく、その考えに変わりはございません。しかしながら、しっかりしたいろんな御意見を聞きながら進めていくということでございます。
○東徹君 入管法の改正について質問はまた別途用意はしておるんですけれども、今日ずっと質疑を聞いておりまして、その補完的保護対象者の受入れというところをきちっと入れていれば、今回、本来法案を提出しておけばこれが審議できたということですよね。そうなると、今回法案提出していないということは、ことはですよ、これ難民受入れには物すごく時間掛かるんじゃないんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘のとおり、今回のウクライナ人の方で避難をされた方が必ずしも難民に、入管法上の難民に該当するかというと、なかなか要件に当たらない場合も考えられるところでございますけれども、その場合におきましても、つまり、難民に認定することが困難な場合でも、人道的な配慮からしかるべき在留資格を付与して日本に受け入れるということは、政府一体としての取組の中で入管庁としても柔軟に対応していくということでございます。
○東徹君 そうしたら、もう一度確認しますが、今回、その前の、昨年、法案提出しようとして廃案になった法案がなくても、なくてもですね、今回のウクライナからの難民認定制度にはこれ合わないと私も思うんですけれども、非常に難しいと思うんですけれども、合わないかもしれないけれども、受入れは行っていくことができるということでよろしいんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) あくまで緊急事態としての対処としてのその人道的な配慮に基づく対応ということでございまして、通例、例えばですけれども、もしそのウクライナから避難されたウクライナ人の方が我が現行法上の例えば就労資格に該当する要件をお持ちであれば、その在留資格を認めることは可能なんですけれども、必ずしもそういう方ばかりではないと思われます。そういった場合に、法務大臣が個々に活動内容を指定して在留資格を与える特定活動という資格ございます。それを付与するということで在留を認めるということも方策として考えられるところでございます。 ただ、この特定活動というのは何にでも使える実は資格ではございませんで、これを一般的に何にでも使えるようになると在留資格の制度そのものがなくなってしまうというか、根底から崩れるような話になりますので、これの特定活動を付与するについても、実はこういう緊急事態における人道的配慮として行うというものでございまして、その辺りを御理解いただければと思います。
○国務大臣(古川禎久君) 今起きていることは、冒頭、今日、私が御答弁の中で申し上げてまいりましたように、これは非常にこの国際社会が結束をして臨まなければならないというほどの重大な事態が今発生しておるわけでございます。 我が国がこの事態とどう向き合うかというときに、岸田総理が表明されましたように、この逃れてこられる方々の受入れにできる限りの万全の努力をするということを、積極的なこの意思を表明しておられるわけです。 ですから、制度としては、確かに先ほどの補完的保護対象者の認定制度というのがあれば、それはそれでよかったのですけれども、残念ながら今それがございません。それでは、じゃ、今起きているこの緊急事態にどう対応するかというときに、やはり総理が、そういう政治的な判断も含めて政府一丸となって前向きに取り組むんだということを表明しておられます。具体的には、いわゆる難民認定の制度に該当しない、難民と認定されない者であっても、その人道上の配慮から、人道上の観点からやはり受入れを積極的に進めていくということをもって対応することとしております。 したがいまして、この具体的な時期とかその時点における規模とかというのを今予断を持って具体的に申し上げることはできませんけれども、政府の姿勢としてそのように積極的に受入れをしていくということでございます。
○東徹君 じゃ、法改正ができていなくても今回難民を受け入れることができると、先ほどの特定活動なのかどうか分かりませんが、できると。 ただ、これもう今百七十万人、日に日にもう何万人単位で増えていっているわけですので、迅速にやらないとやっぱりいけないというふうに思うんですね。だから、いつからかまだ分からないではやっぱり駄目だというふうに思いますので、早く結論を出していただきたいというふうに思います。 あともう一個だけ質問させていただきたいと思いますが、これ、古川大臣は御自身のブログで、核兵器禁止条約の締約国になるべきだというふうに書かれておられます。 今これロシアの、私もこれ核兵器のない世界というのは、これ理想論として、日本はやっぱり唯一の被爆国としてこれは掲げていくべきだというふうに思いますけれども、思いますけれども、今現実的に起こっているこのロシアが核兵器の使用をちらつかせるような、そういった言動でもってウクライナを武力でこれ侵攻している現状を見て、核兵器禁止条約への対応をこれどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(古川禎久君) 今お触れいただきました私自身のホームページに書いております記事は、私が責任を持って書いた記事でございます。 その上で、この条約をどう考えるかという御質問ですけれども、私は今、法務大臣としてここに立っておりまして、この所管外のことについて発言をすることは控えさせていただきたいと思っております。
○東徹君 所管外のことですから控えるということですから、私は大臣の思いも別に発言しても問題ないのではないのかなというふうには思うわけでありますが、非常に私は、これは今回のようなやっぱりロシアのこの行動、言動見ておりまして、非常にやっぱりこれ、理想論は理想論として掲げながらも、やっぱり現実は現実として考えていくということも必要だというふうに思います。 日本は非核三原則というのを国会決議でやっておりますけれども、もちろんほかの法律とか条約があって造るとかそれから保有するとかいうのはできませんが、持ち込むとか、そういったことの議論だけは、議論だけは、頭の体操は常にやっぱりやっておかないと、何かのときが、起こったときにやっぱり対応ということも考えることも、考えていくことは必要だというふうに思いますし、また、そうやって考えることが非常に抑止力にもつながっていくのではないのかというふうに思います。 考えることまでやめてしまってはいけないというふうに思いまして、私のその質問の、私も大臣に聞いた以上は、私の考えも述べさせていただいたということでございます。 もうほぼ時間がありませんので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(矢倉克夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(矢倉克夫君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。 まず初めに、私の質問の順序につきまして、予算委員会の公聴会の関係で委員長を始め理事の皆様には御配慮いただきましたこと、感謝申し上げる次第でございます。 それでは、通告に従いまして順次御質問させていただきます。 まず、私からも、ロシアによるウクライナへの侵略について取り上げたいと思います。 二月の二十四日、ロシアがウクライナに対して侵攻し、民間人を含む多数の死傷者が発生をしております。事態は依然として緊迫し、ますます困難な様相を呈しているところでございます。 改めて、武力による現状変更は断じて許されません。ましてや核による威嚇などあってはならない暴挙であることを明言をしておきたいというふうに存じます。先ほど、清水委員が午前中にもおっしゃっておられたとおり、平和のうちに生存する権利を脅かす行為であるということを重ねて強調しておきたいと思います。 今月の二日、本院におきましてもロシアのウクライナ侵略に対する非難決議が採択されたところでありますが、改めて、同決議文にありますとおり、ロシアの即時攻撃停止、部隊の撤収を求めるとともに、日本政府におきましては人道支援を含めた迅速な対応ということをお願いしたいと思います。 さて、ウクライナからの避難民の受入れにつきまして御質問させていただきます。 ウクライナからの避難民の受入れ、その制度的対応につきまして、我が公明党の衆議院議員である大口善徳議員も三月一日の衆議院法務委員会でこの制度的対応というものをいち早く求めさせていただいているところでありまして、その上で、古川法務大臣からは御答弁で、その要否も含め早急に積極的かつ適切に対応していくと明らかにしていただきました。そして、翌二日には岸田総理からも、第三国に避難したウクライナ人を我が国でも受け入れていく方針を表明されたと承知をしているところであります。個人の人権擁護のためにも、また、国際社会における日本の責務を果たしていくという意味でも、重ねて可及的速やかな対応を求めます。 質問ですが、この避難民の受入れにつきまして具体的にどのような要件、手続で対応していくのか、今後の見通しも含めて可能な範囲で御答弁をお願いいたします。
○副大臣(津島淳君) 御質問ありがとうございます。 安江委員が、誰もが守れる社会の実現のために御尽力され、そして議員活動をされていると、その中でのこのウクライナ避難民の受入れについての御質問というふうに受け止めております。また、今質問の中で御紹介がございました三月一日の衆法務委員会における大口善徳委員からの御質疑、その中では、過去の日本政府の対応、とりわけインドシナ難民受入れに関するスキームについてお触れがございました。こうしたこと、私一個人としてもしっかりと受け止めた上で、やはりウクライナからの避難民については可及的速やかに受入れというもののその体制の構築をせねばならないと、さよう考えているところでございます。 そこで、じゃ具体的にどのように進めるのかというお尋ねでございますが、我が国では、困難に直面するウクライナの人々のための支援に力を尽くし、我が国への避難民を受入れを進めていくと、これは大方針だということでございます。その上で、まずは我が国に親族や知人がいる方の受入れを想定しておりますが、それにとどまらず、人道的な観点から対応してまいります。これについては、関係省庁と連携をした上で早急に検討し、積極的かつ適切に対応すべきと考えてございます。既に法務大臣から入管庁に対して必要な指示を出したところでございます。 今後、政府全体での検討を踏まえまして適切に対応してまいります。
○安江伸夫君 力強い御答弁を津島副大臣からいただきました。ありがとうございます。 公明党としても、こうした避難民の受入れ等につきましてしっかりと、また与党としてもサポートしていくということを山口代表自らも発言されているところでございますので、引き続きどうぞよろしくお願いを申し上げます。 次の質問に移らせていただきます。 今回の侵略の主体、それは言うまでもなくロシアでございます。しかし、その意思決定は、国家として、またその最高責任者であるプーチン大統領が終局的な意思決定を行ったということは想像に難くないところであります。 こうした観点から今回のウクライナ危機を見ましたときに、私個人の中で想起されたのはユネスコ憲章の前文にある言葉。すなわち、戦争は人の心の中で生まれるものであると、したがって、人の心の中に平和のとりでを築いていかなければいけないという一文でございました。今こそ国際社会が協調をし、団結をし、人類の心の中に平和のとりでを今こそ築いていかなければいけないという、こういう決意で臨んでいく必要性があるというふうに考えております。 そして、その上で、政治的には、我が国でその平和のとりでを築くための主要な実践を行っていくのは内閣総理大臣であり、外交的には外務大臣、そして国内に向けては、人権擁護をつかさどる法務省であり、また法務大臣、また法務副大臣、法務大臣政務官の皆様であるというふうに思っております。 この観点から、津島副大臣にお尋ねいたします。 戦争の本質とは、他国の主権及び個人の生存、生活を脅かすことにあり、戦争は最大の人権侵害行為であるというふうに思います。人権擁護の旗手である法務省として、戦争と人権侵害についての御認識をお伺いをいたします。
○副大臣(津島淳君) お答えを申し上げます。 まず、今回のウクライナへのロシアの侵攻についての受け止めから申し上げたいのですが、これは、力による一方的な現状変更を認めないとの国際秩序、この根幹を揺るがすものでございます。ですから、委員の御指摘のとおり、ロシアの行動は断じて許すことはできません。引き続き、国際社会と連携して迅速に対応していく必要があるものと認識をしてございます。 その上で、国際秩序の基盤となるべきは、大臣も所信で申し述べましたが、自由、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的原理でありまして、国内はもとより、広く世界の国々とも分かち合う姿勢を持ち続けてまいりたいと、そう考えるところでございます。 そして、戦争と人権侵害という大変深遠な御質問がございまして、私の考えを申し述べさせていただきたいと思うのですが、人権とは人間が人間らしく生きる権利などと言われます。一政治家として本当に申し上げるならば、戦争が人権侵害であるということは、まさに委員御指摘のとおりであると、私も共感をするところであります。 私の祖父は、作家、太宰治でございまして、御存じの方いらっしゃるかと思うんですが、戦争のさなか、第二次世界大戦のさなかにあっても人のきずなによって執筆活動というものを続け、「十二月八日」という作品、これはまさに太平洋戦争開戦の日の庶民の受け止めというものを小説にした作品でございます。そういったものを、執筆活動というのを続けてまいることができ、また我が家族としても何とかああいう戦争を生き延びることができたということでございます。しかしながら、そのさきの大戦では多くの方が犠牲になった。それは、人と人とのきずなというものが無視され、その結果、我が国を含めて多くの人権侵害が起こったと、そのように認識してございます。 そういった経験を有している以上、これを踏まえますと、まさに今、人とのきずなが語り続けられることや人間が人間らしく生きる権利の実現を我が国として目指していかねばならぬと考えるところです。 私は、法秩序の維持、国民の権利擁護等を任務とする法務省の副大臣として、古川大臣をしっかり支えながら、この度の、まずウクライナから、ウクライナ侵攻から逃れてくる方々の支援も含め、対応を始め、法務行政の諸課題にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○安江伸夫君 津島副大臣、重ねて、御自身のバックグラウンド等も踏まえながら、大変実感のこもったお話をいただきました。本当にありがとうございます。 それでは、続きまして、人権啓発というテーマに関連してお伺いをしていきたいというふうに思います。 古川法務大臣におきましても、さきの所信で、まず、何よりも、不当な差別、偏見は断じてあってはなりません、お互いを尊重し合える社会を目指し、人権相談や調査救済活動を充実強化するとともに、効果的な人権啓発活動等の取組を推進してまいりますというふうに、第一に人権啓発の重要性を訴えていただいたところで、大変心強く思っております。 コロナ禍における人権侵害やネット上の誹謗中傷なども取り沙汰されておりますし、また、多様性を尊重し、包摂性のある社会の構築が世界の潮流となっていく中、大臣がおっしゃるお互いを尊重し合える社会を実現するために、人権啓発を担う法務省の役割はいま一層重たくなっているのではないかと、こういうふうに考えます。 私自身も、先日、この人権啓発の重要性を実感する場面がございまして、公明党の青年委員会という若手議員の委員会がございますが、そこで多様性をテーマに、障害を持っておられる方、あるいは性的マイノリティーの方、あるいは国籍などについて多様なバックグラウンドをお持ちの方々との少人数の懇談会の席がございました。それぞれが当事者として持っておられる生きづらさ、悩み、こうしたものを意見交換をさせていただくと、やはりそれぞれの各参加者の皆様からは、それは気付かなかったと、そんなふうに思うんだと、まさにアンコンシャスバイアスを払拭する、そうした懇談会の席でありました。このアンコンシャスバイアス、無意識のうちの偏見を払拭していく人権啓発、重要性を痛感した次第です。 その上で、具体的な政策実践が当然重要なわけでありますが、そこで、各種人権啓発活動の基礎とも言える人権教育・啓発基本計画に関連してお伺いをしたいと思います。 平成十四年の三月、閣議決定されたこの人権教育・啓発に関する基本計画、改めてその制定の経緯、意義、法務省にお尋ねしたいと思います。また、同計画に基づき毎年の年次報告がなされているものと承知しております。その意義についても改めて確認させてください。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 人権教育・啓発に関する基本計画は、平成十二年に公布、施行されました人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づいて策定されたものでございまして、同計画は、国が人権教育及び人権啓発に関する施策を総合的かつ計画的に推進する上で基本となるものでございます。 次に、お尋ねの年次報告でございますが、こちらは同法に基づきまして毎年政府が講じた人権教育及び人権啓発に関する施策につきまして国会に御報告するものでございまして、その作成、公表を通じて施策の実施状況を点検し、その結果をその後の施策に適正に反映させる上で重要な意義を有するものと認識しております。
○安江伸夫君 ありがとうございました。 要するに、人権教育、また人権啓発の基礎となるものだということで確認をさせていただきました。 その上で、今日は、この平成十四年三月に閣議決定されたこの基本計画のアップデートが今日的には必要なんじゃないかということを問題提起させていただきたいというふうに思います。 同計画が策定されてから変更が行われたのは平成二十三年の四月でございまして、そしてその変更内容を申し上げますと、これは北朝鮮当局による拉致問題等に関する項目を加えた変更となっております。当然この点も相当重要な変更点であったわけでありますが、そのほかの点はどうかというと、手は着けられていないというのが現状でございます。したがって、計画全体と見れば、実質的な見直しは策定から二十年近くなされていないということになります。 しかし、この間の取組や、あるいは社会的な変化、国際的な取組の進展など踏まえる必要性があるのではないでしょうか。例えば、この間、法務省が所管をする人権啓発に関しても様々な取組を進めていただいているところでございます。法務省自らが積極的に取り組んできたこの人権啓発の二十年の歩みを総括して、基本計画に反映する必要性はないのでしょうか。 また、世界の情勢に目を向ければ、現在の基本計画で冒頭にも論及されている国連の人権教育のための国連の十年、これはもう既に二〇〇四年には完了しているところであります。現在は、そこから更に進んで、人権教育のための世界計画の第四フェーズまで進んでいるところでございます。 参考までに、配付資料として外務省のホームページ、コピーしたものを委員の皆様にもお配りをさせていただいております。この経緯の冒頭のところに、一九九五年―二〇〇四年、人権教育のための国連の十年というところからスタートをして、以下、人権教育等のための様々な取組が記載をされているところでございまして、こうしたような世界計画に関しては現在の基本計画には一切論及がないところであります。 さらに、もう一点申し上げますれば、平成十四年当時には記載が十分ではなかった今日的な人権課題、ごく一例を挙げますと、例えばSNS上の人権侵害、あるいはLGBTQの性的マイノリティーの皆様の問題等も重要な人権問題として指摘されているところであります。 実際、先ほど御説明いただいた年次報告の方には、こうした新たな人権問題群については指摘されているところでありますが、その前提となっている基本計画にはこうした点は明示的には掲げられていないという問題があります。 以上のような、様々指摘させていただきましたけれども、こうした時代の変化、これまでの取組を踏まえてこの基本計画の見直しを検討すべきものというふうに考えておりますが、法務省の御所見をお伺いいたします。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 基本計画の見直しにつきましては、基本計画の中でも、年次報告書の作成、公表等を通じてフォローアップを行うとともに、国内の社会経済情勢の変化や国際的潮流の動向等に適切に対応するため、必要に応じて見直しを行うということとされております。 一方で、基本計画は、広く国民一人一人が人権尊重の理念に対する理解を深め、これを体得していくためには粘り強い取組が不可欠であるとの観点から、中長期的な展望の下に策定するものともされておりまして、そうした観点から、国内において重要かつ基本的な人権諸課題について取組方針等が定められておりますため、基本計画を見直す際にはこうした観点からの検討も必要であると思われます。 委員御指摘のSNS上の人権侵害につきましては、基本計画の各人権課題に対する取組の項目の一つといたしましてインターネットによる人権侵害という項目がございまして、この中で問題点の本質やこれに対する基本的な啓発の方向性が記載されておりまして、昨年度の年次報告においても、インターネットリテラシーの向上等を目指した人権教室を開催したことなどの関係各省における取組を記載しているところでございます。 また、LGBTQの問題につきましても、同じく基本計画における取組項目のその他の中ではございますが、課題として明記されておりまして、その問題状況に応じ施策の検討を行うものとされております。そして、昨年度の年次報告書におきましても、差別の防止を呼びかける啓発動画を配信したことなどの関係各省における取組を記載しているところでございます。 このような状況を踏まえますと、現時点において、これらの人権課題に対する教育や啓発を推進していく上で、現行の基本計画を直ちに変更するべき状況とまでは言えないのではないかと考えております。 今後とも、社会経済情勢の変化や国際的な動向等に留意しつつ、当面は現行の基本計画に基づき、関係省庁とも連携して、各種の人権啓発活動等にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 様々、現状を御説明いただき、ありがとうございます。 そうした取組をしていただいているということも私も重々認識をした上で、やはりその土台となっている計画をしっかりと強固なものにしていくべきではないかという問題提起をさせていただいたところであります。 その上で、津島副大臣にも、今の論点、すなわち同基本計画の見直し、文科省等との共管であるというふうにも承知しておりますが、やはり人権擁護の旗を法務省が振っていただくことが適切ではなかろうかというふうに思っております。この点、いかがでございましょうか。
○副大臣(津島淳君) 全ての人々の人権が尊重される共生社会というものを実現させていかなければいけないわけで、そのためには、国民一人一人のまずはその意識を高めていくことが不可欠でございます。そのために人権教育あるいは人権啓発が重要であるということ、これはもう委員の御指摘のとおりでございます。 今ほど局長より、今日的な課題、SNSであるとかLGBTQに関する基本計画見直しについては御答弁申し上げました。私からは全体として見直しというところで、そういう観点からお答えをしたいんですが。 基本計画の位置付けについては、この人権教育や人権啓発に関する施策を推進する上でまさに基本となるものでございますから、その見直しの必要性などの検討は、委員もお触れになりました、人権教育を所管する文部科学省とともに行う必要がございます。 その上で、年次報告書の作成、公表を通じて把握した基本計画の推進状況等からいたしますと、国内外の情勢や潮流等を踏まえてもなお、現時点において、全体として直ちに基本計画の見直しが必要な状況とまでは言えないのではないかと考えてございます。 いずれにしても、法務省としては、様々な人権問題に適切に対応するために、基本計画に基づいて各種の人権啓発活動等にしっかりと取り組んでまいります。
○安江伸夫君 ありがとうございました。 こうした問題提起を今日はさせていただきましたが、いずれにしましても、この時代の潮流、また現下の我が国における人権問題、こうしたものをしっかり踏まえた不断の検討ということを重ねてお願いをしておきたいというふうに存じます。 それでは、次のテーマに移らせていただきます。養育費の不払問題に関しまして取り上げていきたいというふうに思います。 古川法務大臣はその所信におきまして、父母の離婚等に伴う子の養育の在り方について、法制審議会における調査審議が進められており、制度の見直しについての検討とともに、運用上の対応にも取り組んでまいりますというふうに述べていただいたところでございます。 この点、公明党といたしましても、大口善徳衆議院議員を座長とし、そして伊藤孝江参議院議員を事務局長とした下で、不払い養育費問題対策PTを立ち上げ、有識者からのヒアリングを重ね、現場の声を基として政策提言なども行ってきたところでございます。 一昨年の話になりますが、令和二年九月には現行の運用面で対応できる範囲で改善内容、当時の森法務大臣に提言をさせていただきまして、例えば、離婚届の用紙の改定や、動画、SNSの積極的な活用、養育費等についての広報啓発活動の推進、自治体との連携強化等々、様々な点にわたって申入れをさせていただいたところでございます。 この運用面につきまして、法務省は既に令和二年の六月、厚生労働省と連携してタスクフォースを設置をしていただきまして、養育費の確保に向けた施策の推進をしていただいているものと承知をしております。既に昨年二月にはその成果の全体像が公表され、その実施がなされているところかというふうに思いますが、改めてその概要と実施状況について確認をさせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 御指摘のとおり、法務省及び厚生労働省の不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォースでは、運用面の取組といたしまして、自治体内部における戸籍担当部署と一人親支援担当部署の更なる連携強化の在り方が検討されたところでございます。 その成果といたしまして、戸籍担当部署において、離婚届用紙を配付する際あるいは離婚届を受理する際に養育費に関する支援が必要な方を能動的に把握をして、これを一人親担当部署に情報提供し、一人親支援担当部署においてプッシュ型の支援を行うということを中心とする連携モデルが作成、策定されたところでございます。 これを踏まえまして、令和三年二月に法務省から各法務局宛てに、また厚生労働省から各自治体のひとり親家庭施策担当部局宛てにそれぞれ事務連絡を発出し、この連携モデルを活用して自治体内部における更なる連携強化を推進するようにお願いをしたところでございます。 また、法務省では、令和三年度に養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究を行っておりまして、その中で自治体と連携したモデル事業を実施しているところでございます。 この中でも、先ほど御説明をした連携モデルを活用した部署間連携が施行されているところでございまして、効果の検証や更なる改善に向けた検討が行われているところでございます。
○安江伸夫君 ありがとうございました。 今御説明いただいた点を含めての資料が二枚目の方に配付をさせていただいているものでございます。 厚生労働省との連携の下に、今あった様々な、パンフレットとかあるいは動画ですね、分かりやすい親ガイダンスの動画の作成、また離婚届等の様式の改定を含めた様々な能動的な支援、周知広報、こうしたことが総合的に現在実施をしていただいているというところであります。 また、こうした動画やネットによる広報につきましても、当時の森大臣は大変精力的に推進をしていただいたこと、この場をお借りして感謝を申し上げたいというふうに思います。 この取組の一環として、離婚届の用紙について質問をさせていただきたいというふうに思います。 この取組によって、離婚届のその書式に面会交流や養育費に関する取決め状況を記載できるようになったものと承知をしております。皆様のお手元に参考としてその離婚届の書式をお配りをさせていただいております。この書面の右側の下の方の点線のボックスのところがその該当箇所になりまして、面会交流、養育費についての取決めの状況や、それがどういった制度なのかということが簡単な説明とともに、QRコードでインターネット上の情報にアクセスできるという大変手厚い体制が取られたというふうに認識をしています。 さて、私も一弁護士として離婚の実務に携わってまいりました。その際、クライアントからは、養育費とはそもそも何なのかとか、面会交流についてそもそも知らない、そんな取決めした方がいいんですかとか、そうした基本的なところがやはり御存じない方が一般の市井の方であるというふうに実感を持ってまいりました。今回の離婚届の改定、それはそうした全ての離婚を考えられる当事者の方に情報を提供していく重要な取組だというふうに思っております。 また、ともすれば、離婚という場面に直面した際に、やはり相手がどうしても憎いと、怒りとか憎しみとか恐怖とか、そういった感情が先走っているのがほとんどの方でございまして、こうした書面などでボックスを設けることによって、ちょっと待てよと、子供の考えを、子供のことを考えて一瞬、一旦アイスブレークしてもらうという、こういう機能もあるんではないかなというふうに思っております。 さて、この離婚届、チェック欄を設けていただいたことは、その取決めを促すという効果が期待でき、子の福祉のために有益と考えますが、改めて、法務省のこの記載の変更の趣旨と、また、現在、この記載を設けた上で実際に何らかの効果が確認できているのかということをお伺いしたいと思います。またさらに、離婚の際の取決めの状況を把握する上でも、このボックスのチェック、これが数としてどうなっているのかを集計することも非常に重要だと考えます。現在の対応状況について確認させてください。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 御指摘のとおり、民事局長通達で定める離婚届の標準様式につきましては、平成二十三年の民法改正の趣旨を踏まえまして、協議離婚時の養育費や面会交流の取決めを促進する観点から平成二十四年に様式変更がされ、養育費、面会交流のそれぞれにつきまして取決めの有無を尋ねるチェック欄が設けられたところでございます。 直近では、令和三年四月に養育費の取決めなどに関しまして、公正証書での養育費の取決めを促す観点から、その有無を尋ねる欄を加えるとともに、チェック欄の趣旨等を説明する動画にアクセスすることができる二次元バーコードを加える、あるいは法テラスにおいて相談窓口等の情報提供を受けられる旨の記載を追加するといった様式変更をしたところでございます。 離婚届のチェック欄の集計結果の概要につきましては法務省のウエブサイトで公開をしているところでございますが、未成年の子を有する父母の離婚届のうち取決めをしているにチェックされているものの割合は、チェック欄創設後上昇傾向にありましたが、近時は養育費及び面会交流のいずれについても六〇%中盤で推移をしている状況でございます。
○安江伸夫君 ありがとうございました。 今御説明していただいた点も、我が公明党の提言をよく反映していただいたものだというふうに認識をしているところであります。引き続き、その効果の検証、より良い方策がないかということで共に進めてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 また、今、離婚届の用紙の点について取り立てて取り上げたわけでありますが、それらの施策の総体が、養育費の支払状況の好転や一人親支援の強化に効果的であるかという総合的な検証が不可欠であろうかと思います。このタスクフォースの成果が実施されてからまだ一年程度ではございますが、法務省として、この養育費、面会交流の取決め率の向上など、成果をどのように見ているのでしょうか。あるいは、現時点での評価が難しいとすれば、その政策評価をどのように行おうとして考えておられるのか、確認をさせてください。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 離婚届の様式変更につきましては、市区町村長において、従前の様式で既に印刷済みの用紙の在庫の問題があったことなどから、移行期にあったものと考えられるところでございます。また、市区町村の部署間連携につきましても、現時点では、それぞれの市区町村においてその特性に応じた連携の在り方について検討が行われているところではないかと考えているところでございます。 したがいまして、この一年間で実施した取組についての成果を検証するには、もうしばらく時間を要するのではないかと考えているところでございます。 もっとも、御指摘のとおり、施策の効果検証は重要であるというふうに認識をしております。例えば、先ほど申し上げました離婚届のチェック欄のうち、養育費の取決めに関しては、法務省に設けられた養育費不払い解消に向けた検討会議の中間取りまとめにおきまして、七〇%程度を直近の目標として掲げて取り組むべきであるといった指摘がされているところでございます。また、公正証書での取決め率につきましても今後経過を見ていく必要があるものと考えております。 法務省といたしましては、このような客観的な数値によって実態を把握しながら、面会交流や養育費の取決め率の向上を目指して、引き続き実効性のある周知広報等に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○安江伸夫君 続いて、自治体連携のモデル事業についても確認をさせていただきます。 先ほども御説明で触れていただきましたとおり、法務省は自治体と連携したモデル事業を進めているものと承知をしております。兵庫県の宝塚市やあるいは三重県伊賀市等の五市におきまして昨年十一月から順次スタートしているものと承知をしております。例えば、自治体が当事者に弁護士によるオンラインでの法律相談を支援したり、あるいは養育費の取決めについての公正証書の作成費用についても補助をしたり、裁判手続への付添いを支援したりといったことが実践されていると承知をしております。我々公明党といたしましても、さきの提言でこのモデル事業を推進をしてまいったところであります。しっかりとその成果を養育費制度の見直しに生かしていただきたいというふうに思います。 改めて、このモデル事業の狙い、そしてその成果を今後どのように反映をしていくのか、法務省の御所見をお答えください。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 法務省では、令和三年度の委託事業として、御指摘がありました養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究を実施しておりまして、人口規模や司法へのアクセスなどの条件の異なる五つの市と連携をいたしまして、様々な支援策を試行するモデル事業を行っているところでございます。これは、現在、法制審議会家族法制部会において養育費等に関する法制度の見直しが行われていることも踏まえまして、現行制度の下での支援の在り方について、一人親にとって最も身近な相談先である自治体と連携をして検討するものでございます。 このモデル事業におきましては、自治体内の戸籍、一人親支援の関係部署間の連携、オンラインでの弁護士による無料法律相談、オンラインでの家庭裁判所職員による家事調停等の手続案内、司法書士による裁判手続書類の作成補助、自治体職員による家庭裁判所への付添い支援などを行っていただいているところでございます。 このうち、例えば、養育費の相談のために来庁した方にオンラインで弁護士の法律相談を提供したり、あるいは裁判手続の申立ての作成を補助したりといった施策につきましては、利用者の方から肯定的な評価を受けたとの報告を受けているところでございます。 同調査研究につきましては、現在、受託者において報告書を作成しているところでございますが、今後提出される報告書も参考にしながら、実効性のある法的支援及び紛争解決支援の在り方について、他の自治体への紹介を含め、引き続き検討を進めるとともに、これらの運用上の工夫では十分に改善されない点につきましては制度の見直しを検討してまいりたいと考えているところでございます。
○安江伸夫君 どうか十二分にこのモデル事業の成果を子の福祉の未来のために生かしていただくことをお願いを申し上げます。 さて、今運用面に関しての質問をさせていただきましたが、法制度そのものの改正も議論が進行しているところでございます。 昨年二月、法務省は、法制審議会の家族法制部会に対し、子の利益の確保等の観点から離婚及びこれに関連する制度に関する規定の見直し等を諮問しているものと承知をしております。公明党の不払い養育費問題対策PTにおきましても、令和二年の十二月にはなりますが、当時の上川陽子法務大臣に、法改正も視野に入れた政策提言を多岐にわたって提出をさせていただいているところでございます。 既に十二回の会議が重ねられ、既に二巡目の議論に入ったというふうに承知をしておりますが、どういった論点について現在議論が重ねられているのか、今後の見通しについて併せてお尋ねいたします。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 離婚等に伴う子の養育の在り方につきましては、現在、法制審議会家族法制部会において調査審議中でございまして、その中では、親権概念など子の養育に関する基礎的概念の整理や離婚後の子の養育への父母の関与の在り方、あるいは養育費の確保や安全、安心な面会交流の在り方のほか、未成年養子縁組の在り方、あるいは財産分与制度についても検討を行っているところでございます。今後は、本年夏頃に中間試案を取りまとめた上でパブリックコメントの手続を行うことを目指しておりまして、その結果を踏まえまして、最終的な取りまとめに向けた調査審議が行われることになる見込みでございます。 この問題は、子供の利益を図る観点から大変重要な意義を有する喫緊の課題であるものと認識をしておりまして、引き続きスピード感を持って取り組んでまいる所存でございます。
○安江伸夫君 公明党といたしましては、多岐の問題意識を持っているところでございますが、特にその養育費の履行を確保していくための裁判所の後見的機能の強化ということを訴えさせていただいているところであります。具体的には、資力があるにもかかわらずに養育費の支払に協力をしない、義務を履行しない者の金融資産の把握、これを公的機関がしっかりと後押しをする必要性を強調させていただいているところでございます。 この家族法制部会におきまして、こうした義務者の財産の把握についてどういった議論がされているかを教えてください。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 養育費に関する民事執行手続の利便性を向上させるということは重要な課題の一つであると認識をしているところでございます。また、養育費の義務者に対する強制執行手続の場面におきまして、権利者がマイナンバー制度を利用して義務者の預貯金口座を把握することができるようにするなど、強制執行手続における権利者の負担を軽減すべきであると御意見があることも承知をしているところでございます。 養育費の不払解消を含め、離婚及びこれに関連する制度の見直しにつきましては法制審議会家族法制部会において調査審議中でございますけれども、マイナンバー制度の活用の可能性を含め、幅広く検討が行われているところでございます。 引き続き、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、事務局を担う立場から必要な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○安江伸夫君 ありがとうございました。 最後に、養育費不払問題の解消に向けた副大臣の御決意を伺いたいというふうに思います。 養育費不払問題の解消は喫緊の課題でございます。子供の力ではどうすることもできない問題で、子供の権利がないがしろにされることがあってはなりません。 公明党は、一貫して子供を養育費の権利者に位置付けた上、子供の利益を中心とし、養育費制度を抜本的に見直すことを求めております。公明党の参議院議員の伊藤孝江事務局長も昨年のこの法務委員会でこの点を強調させていただいておりますが、改めて私からも同趣旨のことを強く求めたいというふうに思います。どこまでも子供の権利を擁護するという観点で養育費不払問題の解消に全力で当たっていただきたいと思います。 御決意、あっ、済みません、加田政務官にお尋ねいたします。済みません、失礼しました。
○大臣政務官(加田裕之君) 先ほど来、安江委員からの多角的な観点からの質疑のとおり、養育費の不払問題は、離婚後の子供の生活の安定や、そしてまた心身の成長に直結する問題でありまして、子供の利益を守る観点から非常に重要な課題であると私も認識いたしております。 養育費の問題も含めまして、離婚等に伴う子の養育の在り方については法制審議会家族法制部会において調査審議されています。できる限り早期に取りまとめがされるように、しっかりと検討を加速化させていく必要があると認識いたしております。 また、運用面におきましても、養育費の不払解消に向けまして、先ほど来、質疑答弁ありました地方自治体と連携したモデル事業による調査研究を実施したり、これは私の地元宝塚の方も入っておりまして、山崎市長も大変これは、運用面についてももちろんですけれども、モデル事業として、役所とそして住民との距離も近くなったとか、伴走型の、寄り添い型のやり方で効果が非常にあったと皆さんおっしゃっております。 それからまた、この養育費調停の簡易な申立書の様式を作成したりするなど様々な取組を行ってきたところでございます。この点についても、更なる運用改善を目指して検討を進める所存でございます。 御指摘のとおり、この問題につきましてはスピード感を持って検討を進める必要があると考えておりまして、引き続き制度面及び運用面のいずれにおいてもしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○安江伸夫君 力強い御答弁をいただきました。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 ロシアによるウクライナ侵略が続き、国連人権高等弁務官事務所は、子供二十七人を含む四百六人の民間人の死亡を確認したとされます。これは断固糾弾しなければなりません。 国外への避難者が既に百七十万人を超えているとされる中、岸田総理はこの間、日本でも人道的な対応として避難民を受け入れると表明してきました。 基本的なことを確認したいと思います。 政府は、一九七六年十月十三日、難民の定義について統一見解を示しています。いわゆる難民や亡命者とは、英語でレフュジーと呼ばれる者に当たるとし、通常は、広く戦争、内乱、自然災害等により、あるいは政治上、宗教上等の理由による迫害の危険を逃れるために、本国や本来の居住地を離れ、これらの国による保護を受けることができないか、又は受けることを望まない人々を指すとしています。 この部分は今も維持しておりますか。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 御指摘の答弁は、我が国が難民条約を締結する以前のものであり、当時の外務省の条約局長が、難民や亡命者について一義的な定義を行うことは困難であるが、あえて一応の輪郭とも言うべきもので述べればとして答弁したものと承知しております。その後、難民条約の締結の際に整備した入管法において、難民とは難民条約の適用を受ける難民をいうものとされております。 難民条約は、第一条において、難民を人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができない者又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者等として定義しており、我が国では入管において、かかる定義に基づき申請者ごとにその申請内容を審査した上で難民と認定すべき者を認定していると承知しております。
○山添拓君 難民条約の定義については承知しているんですけれども、このとき示された政府統一見解を今改めているわけではないですね。
○政府参考人(有馬裕君) 今委員が御指摘いただきました答弁につきましては、繰り返しでございますけれども、我が国が難民条約を締結する以前のものでございまして、難民の定義というものは、その後、我が国が締結した難民条約、難民条約の際に整備した入管法において、難民条約の適用を受ける者を難民というものとされるというふうに整備されております。
○山添拓君 これ、昨日伺ったときには別に変えていませんよという答弁だった、お話だったんですけれども、その後変えたんですか。
○政府参考人(有馬裕君) 当時の答弁を、当時の答弁は、難民条約を締結する以前に、あえて一応の輪郭、その一般的、一義的な定義を行うことが困難であるがとしつつ、難民や亡命者について一応の輪郭と言うべきものをということで当時の条約局長が述べたものでございます。その、当時述べた認識が当時の外務省の認識であったかということであれば、それは外務省の認識ではございました。 ただ、難民の定義をということについての統一見解というふうに御質問でございますると、それは、その後我が国は難民条約を締結いたしまして、その際に整備した入管法において、難民とは難民条約の適用を受ける難民をいうものとしております。
○山添拓君 重ねますけれども、それは分かっているんです。難民条約上の、条約上の難民というのは分かっているんですけれども、しかしこのとき、今答弁されたように、あえて一応の輪郭とも言うべきものを述べれば、この当時もう既に難民条約については存在はするわけですよね、日本は締結前ですけれども、あっ、参加の前ですけれども。しかし、我が国で一般的に難民や亡命者として論じられる者は英語でレフュジーと称される者に当たると思われると、そういう下で述べているんですね。で、これを変えているのかと伺っているんです。
○委員長(矢倉克夫君) 有馬審議官、大丈夫ですか。有馬審議官。
○政府参考人(有馬裕君) 申し訳ございません。 この当時の答弁を変えているのかという御質問でございますけれども、当時、一般論として、一般論というか、申し訳ございません、一義的な定義を行うことは困難であるけれども、あえて一応の輪郭と言うべきものとして述べた答弁の内容を今変更しているということではございません。
○山添拓君 変更しているわけではないという答弁だと受け止めました。ちょっと改めて確認もしたいと思いますが。 今その避難民と難民を殊更区別する発信をされている与党の政治家などもおられますけれども、今度のウクライナからの避難者というのは、これは明らかに難民だと思います。もちろん条約上の難民にも該当し得ると思いますが、基本的には難民だという対応で人道上の対応をお願いしたいということを述べておきたいと思います。 ちょっとこの点については、今日これだけをやるつもりでおったわけではありませんので、また後に譲りたいと思います。 スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなって一年、亡くなられた三月六日は全国各地で追悼のデモや集会が行われました。私も東京のデモに参加をしました。外国籍の方も含めて多くの方が収容やめろと声を上げました。 入管庁の報告書は、外国人や支援者など、現場を知る人には到底納得できるものとなっていません。真相解明は道半ばであり、だからこそ怒りの声が湧き上がっています。大臣はこのことをどう認識されるでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) まず、衆議院本会議に呼ばれておりまして、約束の時間に遅れましたことをおわびを申し上げたいと思います。御迷惑掛けました。 さて、委員の今のお尋ねでございます。いわゆる名古屋事案、ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなられて一年がたちました。これはもう本当にあってはならない悲しい出来事でありまして、改めて心からお悔やみを申し上げる次第です。 この出来事以降、二度とこういうことがあってはならないという決意の下に、私ども再発防止に取り組んでおります。まずは、この取りまとめられましたいわゆる調査報告書、この中に様々な改善すべき項目が挙げられております。現在これを鋭意、速やかに確実に実行するべく取り組んでいるところでございます。
○山添拓君 私、デモで東京入管の周りを一周したんですね。それで、声を上げていますと、被収容者の方にも声が届いたようで、中から手を振る姿が見えたり、あるいは、おおというふうに応じる、そういう悲痛な声も聞こえました。 ウィシュマさんの事件は、それに象徴される入管の問題というのは今も続いているんだということを認識されるべきだと指摘したいと思います。 最終報告書について伺います。資料の二枚目を御覧ください。 ウィシュマさんが亡くなる三週間前、二月十五日の尿検査の結果は、入管庁の調査チームが依頼した総合診療科の医師が飢餓状態にあることを示唆していると指摘したほど深刻な状況を示すものでありました。ところが、この尿検査の結果、このページは昨年四月の中間報告にはなく、後から見付かったとされています。私が昨年十一月に名古屋入管を訪れた際の説明では、PDF化する際にこれだけ漏れていたという説明だったんですね。このページだけ漏れていたと。これは本当ですか。
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねの点につきましては、尿検査の結果が送られてこなかったことについて確認をした際に、故意に外したのか、漏れたのかについては私どもなりに調査をいたしましたが、結論としてはコピーの作成、それから送付を漏らしたということでございます。
○山添拓君 この一枚だけたまたまですか。
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねのその尿検査報告書は一つづりの紙、冊子の中でファイル、ファイリングされていたものですが、そのファイルの中で漏らしていたのはその一通だけでございます。
○山添拓君 これはにわかに信じ難い説明です。意図的に省いたのではないかという疑念すら抱く説明と言わなければなりません。 報告書は、この尿検査の結果について、二月十八日の診療の際、看護師が医師に伝えたとし、一方、医師は、この日、尿検査の結果を把握したかどうか記憶は定かではないと述べたとしています。私が知人の医師に伺いますと、医療関係者なら一目見て異常を感じるような数値だそうですが、名古屋入管の医療体制ではそう受け取られなかったということです。 二月十五日のこの尿検査の結果を軽視したと、この対応は、大臣、適切ではなかったですね。
○国務大臣(古川禎久君) この事案の後、様々、何が起きたのかということを明らかにする必要がございます。そのために、様々な客観的な資料、それから外部の有識者も交えた上で広く、幅広く論点を抽出して、その上でこの調査報告書、いわゆる調査報告書というものがまとめられております。 この調査報告書がまとめられる過程において私は様々な議論が行われたんだろうと思いますけれども、その上でそういう一定の報告書という結論に至っておるわけでありまして、私どもはその報告書を正面から重く受け止めさせていただいて、そしてこの内容に沿って二度とこういうことが起きないように取り組んでいるというところでございます。
○山添拓君 報告書には、この検査の結果を受けて内科的な追加の検査等がなされることが望ましかったものの、その原因は医療体制にあったのだとして医療体制の問題に展開しているわけですけれども、望ましい検査がされなかったわけですから、それ自体対応としては不適切だったのではありませんか。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘のように、報告書にもございますように、尿検査結果を踏まえて内科的な追加の検査等がなされることが望ましかったということでございます。
○山添拓君 ですから、望ましいことができなかったというのは、それ自体不適切ではありませんか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員おっしゃる趣旨であれば、不適切だったということでございます。
○山添拓君 いや、私はウィシュマさんが亡くなる前二週間の映像記録を理事懇談会で拝見をいたしました。まともに見ているのがつらくなるような映像でした。最初の二月二十二日から、自分で何もできないと訴えています。翌二十三日には嘔吐を繰り返し、セーライン、これは点滴のことを指しています、救急車呼んでと懇願する。しかし、職員は、死ぬはない、死ぬなんてことはない、トイレ行こうかと、こういうふうに聞き流して対応しているんですね。映像が開示されたその期間の間、ほとんど寝たきりか、あるいは車椅子です。誰が見ても尋常ではない状態だと言えます。 大臣も映像を御覧になったとおっしゃいますので、一つ伺います。 この状況を踏まえてなお、三月四日の精神科の記録には、日本にいたくてヒステリーや詐病の可能性と記録されているんですね。報告書は、職員は詐病という言葉は使っていないとしていますが、仮放免されるために体調不良のアピールと考えていたと。だから、本当ではないけれどもアピールしたんだと、こういうことは認めています。 大臣、御覧になって、このウィシュマさんの様子が何らかのアピールだと、そういうふうにはとても言えないと思うんですけれども、どういう感想をお持ちになったでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) 私も、このビデオは調査報告書で言及されている箇所を中心としまして私も拝見をいたしました。閲覧をいたしました。大変胸の潰れるような思いで拝見をしたわけです。 やはり、感じたことと申しますのは、この入管行政、この収容施設における在り方というものがどこかやはり欠けているものがあると、足らざるものがあるというのはこれは率直に思うところでございます。 委員の今の御指摘を始め様々な方から様々な御指摘もいただいておるわけですけれども、それはそれで私は真摯に受け止めなければならないというふうに思っております。
○山添拓君 真摯に受け止めていただいて、それは必ず改善に直ちに生かさなければならないと思うのですが、この体調不良が仮放免を受けたいためのアピールなどでないということは二月十五日の尿検査の結果を見ても明らかであります。 今大臣は、入管行政に欠けているもの、足らざるものもあるんだということをおっしゃいました。私は、この映像記録を見る限り、ウィシュマさんが深刻な体調不良であったことは明らかだと思います。これを体調不良のアピールだと認識していたことに象徴されるように、問題は、入管庁が、名古屋局がウィシュマさんの状況をどう認識して、それを踏まえてどう対応するという方針を持っていたかと、ここにあると思うんです。 その入管職員がどういう認識にあったかというのは、看守勤務日誌や被収容者診療簿に記されているはずです。ところが、報告書ではこの基礎的資料が示されていません。大臣、明らかにするべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) 可能な限り客観的な資料に基づいて、外部の有識者の御意見も交えてまとめられたこの調査報告書というものがございます。様々な論点からの議論がなされた上でまとまりましたこの調査報告書、私としましては、そこで示されております改善点、これを誠実に、着実に、できるだけ早く実行するということが私に与えられている責務であると考えております。
○山添拓君 全然お答えいただいていないので。 私が求めていますのは、看守勤務日誌、被収容者診療簿。これは、入管の職員の皆さんがウィシュマさんの状況を見て、それをどういうものだと認識し、今後の対応方針どう進めていくのかと、そこに記しているわけですね。報告書はビデオに基づいて作られていますから、事実経過としてはビデオとそう大きな矛盾がないように作っていますよ。過小評価とか、ちゃんと書いていないところがあるというのはありますけれども。 問題なのは、この一つ一つの事実を踏まえてどう受け止めたかということにあると思うんですね。ですから、これを開示していただくべきだと思うんですが、入管庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘の資料には、ウィシュマさんやそのほかの被収容者、関係者等のプライバシーに関わる情報や収容施設における保安上の支障等を生じさせ得る情報等、情報公開法上の不開示情報に該当する情報が含まれているため、開示はなかなか困難であるというふうに考えております。
○山添拓君 プライバシーがとおっしゃるんですが、ウィシュマさんの命を奪っているんですね。 外部の病院のカルテは開示しました。施設内のカルテや日誌については開示できないというのですか。それは余りに矛盾していると思います。 委員長、開示を求めたいと思います。
○委員長(矢倉克夫君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○山添拓君 ウィシュマさんについても問題になりました仮放免について、次に伺いたいと思います。 仮放免をされても、就労制限や移動制限でその生活は厳しい、著しい困難を伴います。特定NPO法人北関東医療相談会がちょうど今この時間に記者会見を行って、仮放免者の生活実態調査の結果というものを公表しています。これ日本で初めての実態調査です。貴重なものだと思います。支援団体が支援している仮放免者など、二十七か国の百四十一人から回答が寄せられたものだと伺っています。 これ私も拝見して、大臣も後ほど見ていただきたいと思うんですが、生活が苦しい、とても苦しいと答えたのは八九%でした。就労が禁止されているために、年収ゼロ円という方が七〇%です。借金があると答えたのが六六%。家賃、服や靴、生理用品、子供の教育費、生活の全てにおいて困難があるという実態が語られています。 大臣、こういう仮放免者の生活実態についてどのように認識されていますか。
○国務大臣(古川禎久君) 一般論として、入管法に違反して退去強制が確定した外国人は速やかに日本から退去することが原則であります。仮放免中の生計は、本人の資産や身元保証人や家族の支援等によって賄われることをこれは想定しております。仮放免された外国人につきましては、退去強制手続中という立場に鑑みまして、これは基本的に就労を認めておりません。また、入管行政の一環として、国費による生計等の支援を行うことも困難だというふうに考えています。 しかし、もっとも、これ、生活ですとかあるいは健康上の問題を抱える方々に対する人道上の支援の必要性というものはもとより承知をしておりまして、これまでも入管庁としては、この仮放免中の外国人から連絡や御相談があれば個別に対応させていただいているところであります。
○山添拓君 個別に対応していると言うけれども、その結果がこうして、生活苦しい、生きていけない状況だという実態に現れています。 日本に家族がいるとか、あるいは母国では迫害される、にもかかわらず日本で難民認定がされない。帰らないのには理由があるわけです。しかも、今コロナの感染拡大の状況もあります。送還忌避だと決め付ける入管の姿勢そのものが問われていると指摘したいと思います。 とりわけ医療の問題は深刻です。経済的な問題で医療機関を受診できないと答えた人が八四%、経済的余裕があれば治療したい病気やけががあると答えた人は七九%に上りました。 国民健康保険に加入できませんので、窓口負担一〇〇%ですね。難しい手術を必要とするような場合は大きい病院を紹介してもらうわけですが、健康保険に入っていませんので医療ツーリズム扱いとなって、高いところでは二〇〇%、三〇〇%、これはもう支援の皆さんも支え切れない、そういう実態があります。 無料低額診療事業を行っている医療機関が仮放免者を受け入れる場合があります。しかし、その医療費は医療機関の負担となって、医療機関自体の経営に影響を及ぼします。コロナで経営難ですからなおさらです。 これは厚労省に伺いますが、無料低額診療を行っている医療機関が高額な治療費を要する無保険者を受け入れた場合に、医療費を補填するような仕組みはありますか。
○政府参考人(山本麻里君) お答えいたします。 無料低額診療事業は、社会福祉法第二条第三項第九号の規定に基づき、生計困難者のために無料又は低額な料金で診療を行う社会福祉事業でございます。委員御指摘になりました無料低額診療事業を実施する医療機関に対して当該医療機関が負担した医療費を補填する仕組みはございませんけれども、法人形態によっては税制上の優遇措置を講じているところでございまして、私ども、この事業につきましてしっかりと周知をしていきたいと考えております。
○山添拓君 税制優遇は一定の役割果たしていますけれども、受入れの規模に応じて変わるものではありませんので、受け入れれば受け入れるほど赤字がかさんで経営に影響を及ぼすという状況があります。 入管施設ではまともな医療を受けられず、仮放免者は就労を禁止されて、医療費も高額になり、生活保護の適用もないという実態を、その一端をお伝えしましたが、これはやはり、一人の人間として尊重する、そういう制度とその運用への改善が必要だと、このことを述べまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。 少し紹介したい文書がありまして、ロシア、午前中からずっとこのロシアの侵攻の話がありますが、ウクライナに武力行使をしたことについて、私の地元の沖縄県議会が三月二日、沖縄県は、県民を巻き込んだ地上戦を経た経験から、我が国を始め、世界に向けて恒久平和を希求し発信してきた、戦後七十七年を経た現在においても、凄惨な戦争を体験した県民の心は癒えず、戦没者の遺骨収集、不発弾処理、軍事基地の返還と跡地利用など、戦争に起因する問題を抱え今日に至っていると述べた上で、ロシアによるウクライナ侵攻は許し難い蛮行であるとして、ロシア軍の撤退と早期解決を求める決議を行いました。 いろいろ違った表現がありますけれども、一緒くたにこの沖縄戦の問題というのが今回すぐに沖縄の防衛とかあるいは軍事的な強化ということに走ることを要求しているわけではないということを申し上げて、ウクライナの方々の平穏な生活ということに対して本当に願いをしながら質問にしたいと思います。 就任直後、いきなり古川大臣にということですが、もう話題が完全に変わりまして、就任直後の死刑執行についてお伺いします。 法務省は十二月二十一日、死刑囚三人の死刑を執行しました。衆議院法務委員会で古川大臣は十二月十七日に命令書に署名をされたと答弁しましたが、就任して一か月余りで、委員会での所信表明も行わないうちに行われたことに驚きを禁じ得ません。 死刑制度については様々な議論があるところで、法務委員会で度々質問してきました。なぜそれほど急ぐ必要があったのか、適正手続の観点からも疑問があるので、明確に御答弁ください。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 まず、私、就任後一か月余りということでございましたが、就任から約二か月半ぐらい経過しております。それをまずはお断りをさせていただきます。 そして、個々の死刑執行の判断に関わる事項につきましてはお答えを差し控えさせていただきます。 その上でお答え申し上げますと、死刑というのは、人の命を絶つ、これはもう極めて重大な刑罰であります。したがいまして、その執行に際しましては慎重な態度で臨む必要があるものというふうに考えております。それはもう本当に言うまでもありません。慎重な態度で臨む必要がございます。 しかし一方で、それと同時に、法治国家でございます。法治国家においては確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないということもまたこれは申すまでもないことだと考えております。特に死刑の判決というものは、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対しまして裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものでございますから、法務大臣としましては、この裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処すべきものだというふうに考えているところです。
○高良鉄美君 この三名の死刑囚の方のうち二人は再審請求中であるということと、それから、これ緊急性とか必要性というのはもう最低限の基準ですよね、要求されるものだと思うんですね。それだけやらなきゃならないと、今じゃなきゃいけないとか、そういう問題が含まれていることを指摘しまして、今回、次の法の支配の問題に移りたいと思います。 法治国家と法の支配は違うということを、まずこれ憲法論とか基本だと思います。そこを指摘していきたいと思いますけれども、古川大臣は所信表明で、人類社会は、人の尊厳が重視され尊重される社会へと、一歩ずつではありますが、着実に進んできました、自由、基本的人権の尊重、法の支配、そして民主主義は、そうした社会を実現するために、人類があまたの困苦を乗り越えながら獲得してきた原理と言ってもよいでしょうと述べられました。所信表明では五回も法の支配に言及されております。 憲法を研究してきた私にとっても、この法の支配というのは最も大切な原理だと思っておりますので、これまで歴代の大臣に、法務大臣に質問をしてきました。古川大臣の法の支配についての御認識をお示しください。お願いします。
○国務大臣(古川禎久君) お答え申し上げます。 法の支配というのは、元々、専断的な国家権力の支配、人の支配を排斥して、権力を法で拘束することによって国民の権利、自由を擁護することを目的とする原理であると認識をしております。現在、この法の支配の内容として重要なものは、憲法の最高法規性の観念、権力によって侵されない個人の人権、法の内容、手続の公正を要求する適正手続、権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重などと考えられているというふうに認識しております。
○高良鉄美君 今、法の支配の内容を言っていただきましたけれども、問題は、法の支配といったときの、その法の支配に基づいて法務行政が行われるという形でずっと所信でも表明をされております。 それはやっぱり、法の支配が貫徹されているかどうかということが非常に重要で、先ほどの緊急性や必要性ということを死刑制度において求められているということは、例えば、これは法律上こういう権限があるように書かれている、だからやったというのが必ずしも法の支配に適合しているかというと、先ほどの適正手続からいったら、法務委員会もまだ一回も開かれていない。たしか二か月前、二か月間だったと思いますけれども、二か月前に就任をしていたということかもしれませんが、やはりこの問題を、じゃ、しないのは法の支配に違反するのかというと、そうではないと思いますね。 だから、そういった部分を、法の支配といったときには人の支配との対決でおっしゃいましたので、そこが人の権限でやるのが、この人の場合にはこういう権限でやってしまおう、この人の場合にはこういう権限で全く逆のことをやってしまうというのが、内容にするのが法の支配であるということなんですね。 だから、その辺を少し指摘をしてここはもう終わりたいと思いますけれども、これからも法の支配の問題というのはまた大臣にお聞きをするという機会があると思いますので、よろしくお願いします。 次に、技能実習生及び特定技能一号、先ほども、特定活動の話が午前中も出ましたので、その外国人の子供の、要するに技能実習生の、それから特定技能一号外国人の子供の在留資格について伺います。 技能実習及び特定技能一号では、その在留期間に上限があるため、家族滞在の対象から除外されています。そのため、このような外国人の子供の在留資格については必ずしも保障されていませんでした。これまでの国会での議論や質問主意書への回答では、およそ個別の事案ごとに諸般の事情を考慮し、人道上の観点も踏まえて、在留資格、特定活動により例外的に配偶者又は子の在留を認める場合があるとされてきました。 この趣旨を具体化する形で、昨年六月九日、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課長名での通知が出されました。子供の在留資格に関する部分について、この通知の内容及び従来の国会答弁等との関係がどのようになるか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘の通知でございますが、令和三年六月、入管庁から地方入管宛てに、技能実習生である親について、在留資格、技能実習を維持したまま産前産後休業や育児休業を取得などし、その後復職する場合、在留期間の更新を許可すること、在留期間の上限に達している場合に特定活動への在留資格変更を許可すること、また、その子について、出生した時点で何らかの在留資格を決定できない場合には、一時的に特定活動六月を付与することなどを指示したものでございます。 この取扱いは、従来答弁してきた、個別の事案ごとに諸般の事情を考慮して、人道上の観点を踏まえて、在留資格、特定活動の付与を判断するとの取扱いを具体的に示したものでございます。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 次に、この通知の内容について質問しますけれども、子供の在留資格として特定活動六か月を許可する場合に、在留期限内に他の在留資格への変更又は帰国することを誓約させとし、また、やむを得ない事情がある場合を除き原則として在留期間の更新は認めないとしているのはどのような趣旨でしょうかと。さらに、やむを得ない事情として想定される具体例をお示しください。
○政府参考人(西山卓爾君) 現行入管法上、技能実習生の子については家族滞在が認められていないことから、本件特定活動については、在留期限内に他の在留資格へ変更すること又は帰国することを誓約させた上で、やむを得ない事情がある場合に限定して在留期間の更新を認めることとしております。 やむを得ない事情が認められる類型を一概にお示しすることは困難ではございますが、在留期間内に他の在留資格への変更又は帰国ができなかった理由、本国における子の監護者の有無等、個別の事情を踏まえ判断することになると考えております。
○高良鉄美君 その前に質問した線に沿っていて、人道上の問題を含めて、この理由を聞きながら、まあやむを得ない事情として判断をするというふうに捉えました。 技能実習及び特定技能一号は、確かにこの在留期間に上限があるとはいえ、技能実習で最長五年の在留が認められ、特定技能一号でも通算五年の在留が認められます。 したがって、技能実習から特定技能一号に移行した場合は通算して十年になり得るので、もはや一時的な在留というわけではありません。この長期間に及ぶ在留を家族と離れさせ、あるいは家族形成ができないままにさせておくというのは人権の観点からも大いに問題があります。 技能実習及び特定技能一号において一律に家族滞在を認めないこととしている入管法について再検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。法務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 技能や技術・人文知識・国際業務などのいわゆる就労資格の外国人の家族に対しましては、家族滞在の在留資格を付与しているところであります。この家族滞在の在留資格は、入管法上、日本に在留する者の扶養を受ける配偶者又は子に対する独立した在留資格でありまして、在留期間に上限のある技能実習、特定技能一号や長期の滞在が想定されない短期滞在の在留資格で滞在する者の家族につきましては家族滞在の対象から除外をされております。 これは、この家族滞在の在留資格は扶養者に十分な扶養能力を求めるものでございますけれども、一定期間の在留後出国することが予定されている在留資格で滞在する外国人につきましては、子弟の教育等、家族に係るコストを含め、社会全体としてそのコストを負担することのコンセンサスが得られているとは認められないためでございます。 もっとも、この人道的見地から、在留資格、この特定活動というこの在留資格によりまして例外的に配偶者又は子の在留を認める場合がありまして、引き続き、外国人の方が置かれているその状況を踏まえて適切に対応していきたいと考えています。 それから、この特定技能及び技能実習制度の在り方につきましては、実は私の下で法務大臣勉強会というのを今立ち上げて、いろいろ在り方について総合的な検討を始めているところでございます。 いずれにしても、様々な御指摘がありますけれども、虚心坦懐にいろんな御意見をいただいた上で総合的な検討をしていくことといたしております。
○高良鉄美君 この外国人の技能実習あるいは特定技能一号の問題というのは、やはりいろいろ日本全体のこの外国人法制、あるいは入管の関連ですね、そういったのがあって、日本の仕事の中の問題で人手不足ということから始まっているということを考えると、やはりその政策をもっと議論をしながらきちんと検討するということで今お答えいただきましたので、また今後もフォローをしていきたいと思います。 民法の嫡出推定についてお伺いします。 法制審議会は二月十四日、女性だけにあった再婚禁止期間の撤廃や、生まれた子の法律上の父親を決める嫡出推定を見直す民法改正案要綱を古川大臣に答申しました。体罰、虐待を助長すると指摘されてきた懲戒権の削除も盛り込まれ、法改正は待ったなしだと思いますが、今国会にはまだ上程されてはおりません。今国会での上程に向けて取組を加速させるべきだと思いますが、大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 先月、二月十四日に法制審議会から民法等の改正に関する要綱が答申をなされました。この答申の内容なんですけれども、今幾つか委員からも御指摘をいただきましたけれども、無戸籍者問題の解消を目的とする民法の嫡出推定制度に関する規定等の見直し、児童虐待を防止する観点からの親権者の懲戒権に関する規定の見直し、それから女性のみに存在する百日間の再婚禁止期間の廃止などの内容が盛り込まれております。 これらはいずれも国民生活における大変重要な課題に対応するものばかりだというふうに考えております。これらの答申の内容は、これは大変重要な意義を持つものだというふうに考えておりますので、できる限り早期に改正法案を国会に提出をしていきたいというふうに考えています。
○高良鉄美君 ありがとうございます。 同じ関連で、ジェンダー平等と選択的夫婦別姓についてお伺いをしたいと思います。 私は今日、こういう花を胸に付けておりますけれども、今日は国際女性デーということで、一九〇八年に、参政権のなかった女性労働者が労働条件の改善を求めてデモを行ったことが契機とされています。国連は一九七五年に、三月八日、今日ですね、日付、を国際女性デーと定めました。この年、第一回世界女性会議がメキシコシティーで開催されました。一九七五年以降、女性への差別撤廃、ジェンダー平等は進み、日本も一九八五年に女性差別撤廃条約を批准し、国際的なジェンダー平等の取組と歩調を合わせてきました。 実は、この選択的夫婦別姓を求める請願が初めて国会に提出されたのも一九七五年です。以降四十七年間も、請願が出されながら実現には至っていません。法制審議会が一九九一年、もう三十年以上前ですけれども、審議を開始したのもそこが原点だったはずですが、大臣の答弁を伺っていると、そのことが余り認識されていないのかもしれないなというふうな危惧をしているところです。 そこで、法制審議会が一九九一年に議論を開始した背景や経緯、審議内容や答申についてお伺いします。その点については、前の民事局長が私の質問に対して丁寧に答弁をされています。 法務大臣は、法制審答申を受け、それを引き継ぐ立場であり、国会で理解が深まるよう働きかけを行う立場だと思います。広く御理解をいただくために、改めて政府参考人にこの経緯等々を御説明を求めたいと思います。
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。 平成八年に選択的夫婦別氏制度の導入に関する答申をした法制審議会の審議は、平成三年一月に開始をされたものでございます。当時、政府におきましては、昭和五十九年に国連において採択されたいわゆる女子差別撤廃条約を批准したことや、総理府の婦人問題企画推進本部に設置された有識者会議において、男女平等の見地から、婚姻及び離婚法制の見直しについて提言がされることが見込まれていたことなどを踏まえまして、法務省における検討を開始したものでございます。 法制審議会の審議の過程では、それまでの審議によって明らかとなった問題点とこれに対する意見を取りまとめて公表をし、関係各界に対して意見照会を行っており、そこでは多数の幅広い意見が寄せられたところでございます。これらの意見を踏まえまして、法制審議会は平成八年二月に民法の一部を改正する法律案要綱を決定し、法務大臣に答申したものでございます。
○高良鉄美君 法制審の答申というのはそれほど長い期間を掛けてきたということで、この選択的夫婦別姓を求める質問に対して古川大臣は、選択的夫婦別氏制度というのは、これは広く国民全体に影響を与えるものでありますから、それこそ現代でも、現在でも国民の間に様々な意見があると承知しておりますと述べられた上で、合意形成されるということも期待したいと答弁されました。 夫婦同姓の義務付けは、長い間、多くの女性に負担や不利益という影響を与えています。最高裁もそのことを認めた上で、国会に議論を託しました。法務大臣は、合意形成に期待ではなく、女性に偏る不利益を解消するために努力する立場であると思います。 先ほど政府参考人から、法制審議会が長期間にわたる慎重な審議の上、各界の意見や世論も参考にしてまとめ、答申された経緯が説明されましたが、大臣は法制審議会の答申をどのように受け止めておられるのかをお伺いします。
○国務大臣(古川禎久君) いわゆるこの選択的夫婦別氏制度の導入を含む、導入を要綱とする、この民法の一部を改正する法律案要綱、ごめんなさい、法制審の答申が出たのは、今説明がありましたとおり、平成八年でございました。 その後、もちろんこの法制審の答申に基づいて法務省としては改正法案を準備したわけでございます。しかしながら、この平成八年、それから平成二十二年、それぞれこの提出に向けて準備を進めるのですが、やはり国民の間にまだ様々な意見がございましたことや、あるいは当時の政権内、これは平成八年の場合は自民党を中心とする政権ですし、平成二十二年は民主党を中心とする政権でございましたけれども、当時のこの政権内においても様々な意見があったことから改正法案の提出にまで至らなかった、こういう経緯がございます。 したがいまして、この法制審に諮問する立場にあります法務大臣としては、もちろんこの現時点でも、法制審における、法制審からいただきました答申は、これは重く受け止めるべきものだというふうに考えております。 ただ、申し上げましたとおり、様々なこの経緯を見ましても、この制度を導入するか否かということについては、やはりより幅広い国民の理解を得る必要があるというふうに考えておりまして、したがいまして、法務省としては、より活発にこの議論がなされることを期待して様々な情報提供を行っているところであります。今後も積極的に努めていきたいと思っております。
○高良鉄美君 もう時間が参りましたので、一言だけ。 世論も参考にしたということは、様々な意見も当然考えた上での法制審の答えだったと思います。そして、人権であるということを最高裁の方でも訴えているということがあって、最初にありました法の支配ということと結び付けて考えていただけたら、また古川大臣の今の御答弁の中で、今後の取組ということに前向きということを考えまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にもお時間をいただきまして、ありがとうございます。 先ほど来、高良議員が今日は国際女性デーと言われました。実はこのミモザ、今日会合がありまして、そこには本日のドレスコードはイエローということで、私もイエローのマフラーを巻いてきましたけれども、あわせて、森議員もイエローで、しかも水色とイエローはウクライナを思っております。 私、今日、主に、子供の幸せを生み出すにはどうしたらいいかということで、家族法の問題議論させていただきたいと思います。 先ほど来、安江議員が公明党さんとして離婚後の養育費の問題をずっと積み上げてきていただきました。私も、ちょうど二〇一九年に参議院に来させていただいてから、振り返ってみますと、この子供の養育費、家族法に関わること、三十一回質問しておりました。そのうち半分ほどが森法務大臣のときでした。そういうところで、いろいろ無所属ながら、組織はないんですが、特に、現場で知事をやっていた時代、あるいは私自身も子産み、子育てしながら、今の日本の子供たちが置かれている状況は、見えないところで家族法とかあるいはかなり法的構造に規定されているのじゃないのかと思って、この問題ずっと議論させていただいております。 今、ウクライナの子供たちを見ますと、本当に子供は生まれる親が選べないだけではなくて、国も、それから、もちろん地域も選べません。地下ごうで泣いている子供さんの姿を見ると胸が張り裂ける思いでございます。 実は、ユニセフが調査をしておりますけれども、先進国三十八か国中、日本の子供たちの満足度、健康あるいは教育は比較的高いんですが、精神的満足度が三十八か国のうち三十七位、これはかなり深刻でございます。それから、自殺率も、これは世界で、特に去年など、コロナの中で一番高いということで、その中でも特に私が気にしているのは、離婚の後、今日もずっと養育費の問題がありましたけれども、面会交流もありますけど、離婚の後、経済的、精神的、社会的に、言わば片親放棄というか、そういう状態になる子供が大変多い。大体、毎年二十万組ほどの離婚の中で、十五万人から十八万人くらいが片親と会えない、あるいは養育費もらえていないというようなところでございます。このことは、直接、法制度と子供の福祉と関係ないじゃないかという意見も一方でありますが、私自身は、本当に精神的な問題あるいは社会的な問題考えると大きな課題だろうと思っております。 その根本は、日本が単独親権制度を取っているということです。民法八百十九条、これはもうそれこそ明治民法から、子供は家の跡取りということで単独親権。それが、男性が子供の親権を取る、その後、昭和三十六年以降は女性が親権取る方が多くなっているんですけど、いずれにしろ、親が離婚しても子供にとって父子、母子の関係は変わらないはずなんですけれども、ここが法的に切られてしまう。 子供自身はそのことを知りません、意識していません。日本がそうだから世界中がそうだろうと思っている。あるいは、大人もそうなんですけど、実は、法務省関係のところで調べていただきましたら、本当に先進国で片親親権制度を取っているところは日本だけと。もうアジア圏でも韓国、中国、台湾、共同親権制度、それからヨーロッパ、アメリカの国ですね、その辺のところが背景にございます。 ちょっとおさらいでしたけれども、そういう中で古川大臣に、まず、最近、あるお父さんから、ちょっと長いんですが、相談を受けました。紹介させていただきたいと思います。北陸地方に住むAさんという方です。 私は、昨年七月にコロナ感冒予防のために、妻と子供二人、四歳とゼロ歳を妻の実家に行かせていました。その際に私が妻や妻の義父の悪口などをLINEで送ったことから、現在、妻から離婚調停と婚姻費用の調停を申し立てられています。 妻には代理人弁護士がいますが、私はまだ弁護士を代理人にできていません。複数の弁護士に相談をしましたが、弁護士によってはいわゆる実子誘拐ビジネスに前向きな方もいると聞いて、なかなか代理人弁護士を選べずにいる状況です。 今のところ、月一回の面会交流は実施されていますが、先日は、ゼロ歳の長女については少し顔を見るだけで触れさせてももらえず、妻の義父母が出てきて、どなられ、追い返されてしまいました。 私の妻への悪口というのは、常態化したものではなく、妻が離婚を決めるきっかけにはなりましたが、本質的には反りが合わなかった義父母との私との関係が離婚の大きな要因だと思っております。妻は結婚まで一度も実家を出たことがなく、義父母の言いなりのような状態で、親害と呼ばれる問題も含んでいるものと思います。義父母は感情的になりやすい性格で、面会交流の際にどなり散らした録音データもあります。 子にとって今不健全な環境ですが、義父母、妻も自分たちが不健全な状態であることに気付けずにいるのだと感じています。この後どうしたらいいか、議員としての意見を聞かせてくださいという相談を受けました。 実は、私が今、もちろん養育費の支払も大事なんですけれども、父も母も離婚しても親子関係は切れないだろうという共同養育、共同親権を表向き法務委員会でもずっと聞かせていただいておりますので、全国から今までに、そうですね、百を超える人からこういう相談を受けております。このことが意外と隠れているところだろうと思っております。 今、もちろん個別の事情で、また表現も少し厳しいところがあるんですけれども、こういう子供と会えない父親あるいは子供と会えない母親、それも片親親権、民法八百十九条が隠れた構造になっているわけですけれども、こういうことに対して、大変生々しい事例で申し訳ないんですが、古川大臣、どのような感想を持たれるでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) 今委員からメッセージを御紹介いただきまして、私の身近にも様々なそういう事例がございますので、よくふだんから聞くことも多うございます。ですので、そういうものを思い出しながら、連想しながらお聞きをしておりました。 やはり、この人生の中で、なかなか夫婦の不和とか、いろんなことがやっぱり現実問題として様々あるなということと同時に、やはり子供に罪はないということでございます。子供にとって、決してこの将来のために、何か将来の可能性をそぐような、傷を残すようなことにならないように、制度の見直し、あるいは運用の、運用上の対応、こういうものが必要だなということを感じております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 子供にとってということですよね、本当に。子供は親も選べないし、社会も選べない。 そういうところで、先ほど安江議員が、離婚届のところに養育費と面会交流のチェック欄のこと、御説明いただきました。これ、ようやくここ、民法七百六十六条が二〇一一年に改定されてからこれが入るようになって、先ほど六割がチェックをしている、ということは残り四割ができていないということと、あわせて、私自身は、その養育費と面会交流のチェックだけではなく、共同養育計画、つまり、これ、アメリカ、ヨーロッパでは当然なんですけれども、父母が離婚するときには子供の共同養育計画、経済的にはどうするんだ、それから、それこそ一年の、お正月一日から十二月三十一日まで一年間どういうふうに親子がペアレンティング、親子が一緒に過ごすか、誕生日はどうする、そのときのプレゼントはどうする、かなり細やかに、三、四ページにわたって共同養育計画を作り、そこに弁護士さんなりがサインをして、それを履行すると。今、養育費の方はそこが始まっているんですけど、全体、子供の暮らしにとって全体の共同養育計画という方向になればいいですねということをこの離婚届のところにも提案もさせていただいております。 そういう中で、国際的な問題なんですが、実は、国際的な子の連れ去り問題、連れ去りという言葉はちょっときついんですけれども、婚姻中に、父あるいは母が知らない間に、配偶者が子供を連れ去ってしまうと。あと、置き去りにされてしまう。父か母、父が多いんですけど、母が置き去りにされることもあります。 去る一月二十三日ですが、新たに米国駐日大使が着任されました。ラーム・エマニュエルさんという方です。このエマニュエル大使は、米国の議会上院での承認前の昨年十月二十日の上院外交委員会のヒアリングで、ボブ・メネンデス議員が、四百七十五人以上の合衆国の子供たちが日本に連れ去られている、合衆国は日本を国際的な子の連れ去りを犯すワーストスリーに挙げていると言っております。このワーストスリーのほかは、インドとブラジルです。つまり、日本、インド、ブラジルが子の連れ去りのワーストスリーと言われているわけです。 そして、このボブ・メネンデス議員は、日本政府に条約を遵守しなければならないことを理解させる、これハーグ条約ですね、ことを大使の優先事項の一つとするように求めたのに対して、その点を強調すると答弁されています。 国際的な子の連れ去り問題は日米間だけの問題ではありません。これまで日本政府の対応に対しては、従来から、EUの議会、あるいはEU諸国の大使からも強い懸念が表明されております。 そこで、世界の中の日本という視点の大切さを強調され、共生社会の理想の追求を掲げる古川法務大臣にお聞きしますが、国際的な子の連れ去り問題の解決、どのような御決意をお持ちでしょうか。また、日本に対する国際的な批判を高めていることについてどのように認識なさっておられるでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 ただいま委員から御指摘もありましたけれども、エマニュエル駐日大使が米国議会の上院外交委員会公聴会において発言されたこと、あるいは、二〇二〇年七月、欧州議会において子供の連れ去り事案に関する決議が採択されたこと、これは承知をいたしております。ただ、この米国国務省の二〇一九年以降の年次報告書におきましては、我が国、日本は現在、不履行のパターンを示す国には分類されていない、二〇一九年以降は、二〇一九年以降はですね、そのように分類されていないものと承知をいたしております。 我が国はハーグ条約を誠実に遵守しておりまして、ハーグ条約締結国から我が国に不法に子が連れ去られた場合についても現在適切に対応しているものと承知をいたしております。 今後も、この条約の対象となる事案の適切な解決に向けて、中央当局を務めております外務省などの関係省庁と適切に連携をしながら向き合っていきたいというふうに思っております。
○嘉田由紀子君 今まで中央当局からは適切に対応という答弁はいただいております。ただ、それに合わないものもたくさんございますので、今日はもうこれ以上この点は申し上げませんが、ハーグ条約、これは本当に国際法上の大事な履行すべき条約ですので、海外から言わば後ろ指を指されないようにお願いをしたいと思います。 全体として、実は先ほど来いろいろ言及されておりますけれども、この離婚後の子の養育の在り方、制度の見直しが今進められております。さきの大臣所信のところ、三月三日でも、制度の見直し、運用上の対応を取り組んでいるということですけど、この制度の見直しはいつくらいまでに、どのような内容で見直すことを検討なさっておられるでしょうか。また、運用上の対応とは何を想定していらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) お答え申し上げます。 この離婚等に伴う子の養育の在り方の見直しにつきましては、現在、法制審議会家族法制部会において様々な角度から調査審議がなされているものと認識しております。今後、今年の夏頃に中間試案を取りまとめることを目指しているというふうにお聞きしているところです。 これは、制度面の見直しについては法制審にこうして今議論していただいておりまして、それを見守りたいということでございますが、もう一つ、この運用上の取組についてのお尋ね、今ございましたけれども、この運用上の取組としては、養育費の不払解消に向けて地方自治体と連携したモデル事業による調査研究を実施しております。実証的な調査研究を実施しております。それから、安全、安心な面会交流の実現に向けて、民間の面会交流支援団体の皆さんおられますけれども、この支援団体の皆さん向けの参考指針の作成をいたしましたり、あるいはこの面会交流支援団体の周知、世の中に対してですね、そういうこの面会交流支援団体の周知を行ったりという形で取組をいたしておるところです。 先ほども申しましたとおり、子供の利益を図ると、これは一番大事な観点だと思います。制度の見直し、今後進められていくことになります。あるいは運用上の取組、こういうものを通じて、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○嘉田由紀子君 御答弁ありがとうございます。 運用上の対応のところで、先ほど来出ております養育費の問題あるいは面会交流の問題、その頭のところに付いている安全、安心な面会交流というのは、面会交流というのは危険なものだというような前提があるように思われますね。もちろん面会交流で、かなり関係が悪くてお父さんが子供さんをあやめてしまったというような事例もあります。 しかし、本来、親子というのはもっと、共同養育計画と申し上げましたけれども、全体として、父母が別れても父子、母子の関係をよりフレンドリーに、そして全体として安心の仕組みをつくる、これが子供にとって一番大切だと思います。ですから、共同養育計画と。 そして、部分的ではなくて全体的に、お父さん、お母さん離婚しても、あなたの暮らしは不安はないのよということを自治体でもモデル的に進めていただけたらと。 先ほど来、宝塚なり五地域でなさっているということを、私もいろいろ現場で聞かせていただいておりますけれども、もっともっと全体としての、離婚をしても子供にとってはフレンドリーな共同養育計画が作れる、これ海外で皆やっています。日本人だけが、日本人の父と母だけがそんなに精神が狭いのかということにもなりかねませんので、私は、法制度、そして全体として共同養育は日本の文化にするんだと。離婚したらどっちかの片親を選ばなきゃいけないという民法八百十九条を変えることで、その辺の精神的な、社会的な意識は変わると思います。これは一種の文化的改変だと思っております。 そういうところで、是非、古川大臣、今日初めてですけれども、大変、言い方はおかしいんですが、御自分の思いを持っておられるので、是非、子供さん、日本の子供にとって未来開けるような法制審の方向をリーダーシップ取っていただけたらと期待をしております。 最後に一点だけ、これ司法修習生の問題なんですけれども、いわゆる谷間世代というのがございます。修習専念義務があるにもかかわらず、給付金の支給を受けられなかった新六十五期から七十期のいわゆる谷間世代の法曹の皆さんの中には、修習期間中の貸与金の返済に苦しみ、現在の業務、公益的な活動に影響があると訴えておられる方がたくさんおられます。 このような不平等な状況を解消するために、貸与金の返済免除など、事務的な救済措置を内容とする谷間世代の法曹に関する一律給付措置を一刻も早く講じることが必要だと考えております。現場の弁護士の皆さんの日常の活動に敬意を表しながら、こういう問題もあるということを大臣どのようにお考えでしょうか、お願いいたします。
○国務大臣(古川禎久君) お答えいたします。 この件につきましては、これまでも国会において度々いろいろ御要望といいますか、御意見というものが出されているというふうに承知しておりますけれども、この件につきましてはこのように考えております。 つまり、この従前の貸与制下で司法修習を終えたいわゆる谷間世代の司法修習生に対して貸与金の返済免除などの事後的な救済措置を講ずるということについては、これは既に法曹となっている者に対して国による相当の財政負担を伴う金銭的な給付等を意味することとなりますから、これは国民的理解を得ることは非常に難しいというふうに考えております。仮に、何らかの救済措置を講ずるとしましても、従前の貸与制下において貸与を受けていない者などの扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題もございます。 また、現在、これまでも、この従前の貸与制下の司法修習生が経済的な事情によって法曹として活動に支障を来すことがないよう、そのための措置として貸与金の返還期限の猶予も制度上認められております。 このような理由から、いわゆる谷間世代の司法修習生に対して立法措置による抜本的な救済策を講ずることは困難であると、救済策を講ずるということは考えておりません。
○嘉田由紀子君 法務大臣の公式見解受けさせていただきました。また関係の皆さんといろいろ意見を聞かせていただきたいと思います。 私の方、ちょうど時間ですので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(矢倉克夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時五十九分散会