内閣委員会 第16号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2022/05/17
会議録
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として小沢雅仁君が選任されました。 ─────────────
○委員長(徳茂雅之君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に太田房江君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(徳茂雅之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澤田史朗君外二十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(徳茂雅之君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。早速質問に入らせていただきたいと思います。 ちょっと通告の順番をがらっとまるっと入れ替えさせていただきまして、NISAの質問は後にさせていただきまして、先にマンションの修繕積立金の問題、こちらを先にさせていただきたいというふうに思います。 資料の二から四を御覧ください。 最近、マンションの修繕金の問題が報道されることが多くなっているというふうに思います。私自身も、昨年、管理費が上がります、しかも、この先修繕積立金が不足するおそれがありますというお知らせを管理会社から受け取りまして、非常にびっくりしました。そして、分厚い資料といいますか、これちゃんとした計算ではないんですが、ボランティアで管理会社が作ったんだけれども、どう考えてもこの先足りなくなるんだというようなものが書いてあって、えっとびっくりしていたところに、こうした報道が多くなっておりますので、恐らく多くの方が不安を抱えているんじゃないかなというふうに思います。この先、本当にどこまで上がっていくのかということが本当に不安になりました。 資料二の左側、マーカー部分を御覧ください。 国交省さん、調査をされておりまして、大規模修繕に向けた修繕積立金が計画に比べて不足をしているというマンションが既に三四・八%もあるということなんです。国交省さんは、昨年、マンション管理の適正化についてガイドラインを見直しているんですが、問題をどのように認識しているのか、ちょっと詳しく教えていただけたらというふうに思います。
○政府参考人(石坂聡君) お答えいたします。 マンションの長寿化のためには、適切な時期に修繕工事を行うことが重要と考えてございます。先生御指摘のように、修繕積立金が計画に比べて不足している管理組合も存在していることは確かでございます。 修繕工事を適切に行うためには、必要な額の修繕積立金を確保する必要がございます。不足している場合については引上げなどの検討を進めていただく必要がございます。このため、国交省におきましては、管理組合において修繕積立金の額の検討に当たって参考になるように事例を調べまして、この事例に基づいて適切な修繕積立金の額を示した修繕積立金に関するガイドライン、こういったものを作成しておりまして、昨年の九月に近年の数値を踏まえてその見直しを行ったところでございます。 また、このガイドラインに沿った修繕積立金の設定は、今年四月から、二年前に改正いたしましたマンション管理適正化法を踏まえたマンション管理計画認定制度というのをつくっておりまして、その認定の要件の一つにも設定しておりまして、こういった制度の普及を進めることによって、管理組合における修繕積立金の積立方式の特徴とか留意点に対してしっかり周知を進めてまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 やっぱり問題があるというふうに認識をしていただいているなというふうに思っておりますし、ガイドライン見直したことで、少しずつ改善に向けて意識の改革を促していこうという第一歩なんだなというふうに感じました。ただ、私、やっぱり一歩としか受け止めていなくて、これで将来的に管理費に追われて住み続けられなくなるというようなことが改善できるのかというと、恐らくまだあのガイドラインではそこまでは行かないんだろうというふうに、そのような認識を受けているところなんです。 資料二の右側の部分のマーカーの方を御覧いただきたいんですが、高齢化する日本におきまして、マンションの修繕費の積立金がどんどんと上がっていく段階増額方式では高齢者の方が負担に耐えられない可能性があります。 資料四を御覧ください。「建物も住民も老いて マンション荒廃危機」という記事で、国交省の調査では、築四十年を超えたマンションは、二〇二〇年百三万戸から、二〇四〇年には四倍の百四万戸になるということなんですね。しかも、十から二十戸ほどの小規模物件、まさに私が住んでいるところなんですが、積立金が集まらずに、空室も増えて顕著にスラム化をしやすいということなんです。 金額の引上げをするときは、所有者そして住人から合意を取る必要があるんですね。これがすごく難しいとも聞いています。滞納も増えておりまして、私、マンションを、おととしかな、買ったんですね。前の所有者さん滞納していたので、それはそれは、どうなんだ、これはというようなやっぱり状況で、昨今のニュースが物すごく身にしみるところがやっぱりあるんです。そうなってくると、必要な修繕もできず資産価値が落ちて、それだけではなくて、周囲の環境とか様々なものに悪影響を与えて負のスパイラルに陥るということになると思うんです。 段階増額方式、これ、何と今六八%が段階増額方式というような徴収の仕方をマンションが取っている、管理組合が取っているということなんですが、私は、均等積立方式、均等に計算してできるだけその値上がりも抑えていくという、基本的には定額で納めていくんだよという方式、こちらのメリットを広く強く広めていって、均等積立方式に早期に転換を促していくべきではないかというふうに考えています。 マンションの管理計画認定制度を創設したということなんですが、今後の取組をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石坂聡君) 修繕積立金の積立方式のうち、段階増額積立方式は将来の負担増を前提としておりますため、均等積立方式の方がより安定的な制度であると我々も認識しているところでございます。ただ、どういったような方式を取るかについてはそれぞれの管理組合で決定されるものということでございます。 先ほども答弁させていただきましたが、マンション管理計画の認定制度を開始いたしました。この制度では、大規模修繕工事が適切に行われるということを担保する趣旨から、修繕積立金の額が長期修繕計画に基づいて設定された上で、積立金の額が総会で決議されていること、その積立金の額が一定以上であること、こうしたことを要件としているところでございます。 御指摘のように、将来の増額が決められていないというところにつきましては、この認定の対象にならないというふうに考えてございます。ただ、段階的積み上げ方式におきましても、将来増額することを既に決定している、皆さん合意して上げようということを決定しているんであれば、それは、それに見合った、長期修繕計画に見合った積立金がそれによって積み上がるのであれば、その場合には認定の対象となるかというふうに考えています。 いずれの場合につきましても、長期修繕計画をちゃんと作っていただくこと、それに見合った金額を確保していただくことをみんなで決めていただくこと、それが重要であり、こうしたことをちょっと普及してまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 どんどんちゃんと進んでいくというか、進めていくというような方針が見えてほっとしているところではやっぱりあるんですが、例えば、段階積立方式であったとしても、金額を上げていくことに関して組合の方で、管理組合の方で皆さんでその了承が取れているのであれば認定の対象にしていくということでもございました。 ただ一方で、それは本当に機能していくのかなという不安もやっぱりあって、途中から嫌だとか、やっぱり払えないとかという人が出てくる可能性があるんです。マンションどんどん高齢化していくというか、日本自体がどんどん高齢化していきますので、そうなったときに、そのときには合意をしていたとしても、払えないということが増えてくると思うんですよね。なので、やっぱり早めに均等の方に意識を切り替えてもらうことが必要だというふうに私はやっぱり考えているところなので、将来的に皆さんが合意をしていますよ、だから認定しますよ、ぽんと判を押してしまうのは、ちょっと将来的に立ち行かなくなる可能性があるのではないかというふうに、自分が住んでいるところとか周辺を見てみてやっぱり思うところがありますので、本当にそれでいいのかなとか、じゃ、その実効性はどうするのかとか、そのつもりはあっても払えなくなってくる高齢者は絶対に出てくると思うんですよ。今ですら何千円で済んでいるわけではないわけですから、それがどんどんと増えていって月に五万円とか六万円みたいな形になってくる可能性もあると、これってちょっともう住めないよねという形になってくるというふうに思うんです。 なので、絶対そういうことがないように私はしていただきたいなというふうに思っておりますので、その辺りもちょっと含めて考えて今後いただけるかというちょっと御確認だけもう一度させていただいてよろしいでしょうか。
○政府参考人(石坂聡君) 一義的には積立方式については管理組合で決定していただくべきものでございますけれども、やはり不足するケース、それでも不足するケースがあるかと存じております。 このため、住宅金融支援機構におきましては、修繕積立金が不足する管理組合を対象に、マンションの共有部分における工事に対する融資、こういったものを行っております。 また、高齢の方、こうした方が一時的に金額を負担しなければいけないケース、こうしたこともあるかと存じます。こういうケースにつきましても、リバースモーゲージ型の融資制度、こうしたことも活用することとさせていただいています。 さらに、ちゃんと長期修繕計画に基づく工事を行っていただくために、先ほど申し上げた管理計画の認定を行ったマンションについては、今年十月からでございますけれども、受け付けた分につきましては、金利の引下げ、こうしたものを併せてやって、適切な管理あるいは工事が行われるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 今でも様々な制度を準備してそれに備えているというふうなことだと思いますので、この先も何かあればしっかりと対応していきたいというふうに受け止めさせていただきました。 それで、積立てを均等にするということがすごい重要なので、この方式を促進するためにも、中古マンションというのは管理が重要である、この認識を広く国民の皆さんと一緒に共有していく必要があるというふうに思っています。管理がしっかりしていれば暮らしが安定するんだとか、その認識をみんなで共有しない限り、金額が一気に上がっていくというか、均等にすると今積立ての人上がる可能性があるわけなんですよね。その理解が得られない可能性がありますので、管理が重要であるという認識をみんなと共有する必要がありますので、ちょっとお伺いさせていただきたいと思います、政務官の方に。 今後、集中的にこうした施策に取り組む必要があるのではないか、ここをちょっとお伺いさせてください。
○大臣政務官(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 今、管理が重要である、中古マンションの管理の重要性について広く共有をしていく必要性について御質問いただきました。 私も、委員御指摘のとおり、本当に管理が重要だということには私も共通の認識を持っております。老朽化したマンションは今後全国的に増加することが見込まれていることもありまして、これまで以上にそのマンションの管理の適正化を図っていくことが重要だと考えております。 このため、国交省におきましては、一昨年のマンション管理適正化法の改正によりまして、地方公共団体がマンションの管理に主体的に関与する制度を新たに設けさせていただいたところであります。 具体的に申し上げますと、適切な管理計画を有するマンションの認定制度、先ほど来答弁に出てきておりますが、これに加え、管理が不適切なマンションへの指導、助言、勧告制度、こういったものを創設し、本年四月から施行しております。指導、助言、勧告が自治体等からできるということが一つのそういった安定的な管理に向けた一つのサポートになるのではないかというふうに考えてございます。 新制度によりまして適切な修繕積立金の設定を含めたマンション管理の適正化が効果的に行われるよう、引き続き地方公共団体と連携した取組を進めてまいります。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 是非、取組はどんどんと進めていただきまして、そして新たな制度とかしっかりと検討していただきたいなというふうに思っています。 恐らく、このまま行くと多くの人が三十年先にとか二十五年先に非常に困ってしまうと、恐らく私もその一人になるのではないかというふうに思っておりますので、特に私の世代なんか就職氷河期ですので、住まいの点には非常に不安があるんですね。自分が住んでいるところが老朽化したところほどどんどんとその積立て、どんどんと上がっていく方式で、賃貸であったとしても、古いのに管理費が高いとか修繕費が高いということで賃料は上がっていくわけですよねと。そうしたやっぱりデメリットもあると思われますので、いろいろと考えていただきまして、みんなで管理は重要であるのだとか均等の方が安定しているんだというのは是非広めていただきたいというふうに思っています。 なぜ、じゃ最初が安いのかというと、マンションのデベロッパーさんたちが、そっちの方が最初のローンの返済の金額が安くなるので売りやすいという事情があるというふうに皆さん口をそろえておっしゃっていますし、あとは、十五年ぐらいで結構不動産投資している方はぽんぽんと売り抜けると、その辺りまでが高く売れるということですので、やっぱりいろんな面勘案してみても弱い方にしわ寄せが行くというような今制度になっているんじゃないかなというふうに考えておりますので、是非二十年先、三十年先を見据えた政策を打っていただきたいというふうにお願いをいたします。ありがとうございます。 政務官、ここまでで結構でございます。ありがとうございました。
○委員長(徳茂雅之君) 加藤政務官におかれては御退席いただいて結構です。
○塩村あやか君 ちょっと残りが五分になってしまったんですが、就職氷河期の皆さんもちょっと期待をしているNISAの制度についてお伺いをしたいというふうに思っております。 資料一を御覧ください。総理、NISAの制度を拡充するということで、抜本的にNISA制度の拡充ということを発表されました。 就職氷河期ど真ん中である私は、私の友人たち、結構口をそろえて言うんですが、退職金もない人が多いんです、フリーランスとか非正規が多かったりとかして。NISAとかiDeCoでためてくださいというような方針も一つの方策として打ち出されているところがあって、本来は社会保障しっかりやってくれよという声が大きいんですが、一方で、世界的に見てみても金融教育というものは重要でありますから、この方向も一つは認められるであろうという声も多いんです。 みんな言っているんですけど、NISAの抜本的拡充と言われたんですが、抜本的拡充の意味するところを教えてください。
○大臣政務官(宗清皇一君) おはようございます。御答弁申し上げます。 約二千兆円とされております日本の家計金融資産の半分以上が現預金であると。こういうことを考えますと、貯蓄から投資への流れを促進することで資産所得の向上を図り、それが消費の拡大につながって更に次の成長に結び付くという好循環を実現をしていくことが重要であるというように考えております。 政府といたしましては、六月までに新しい資本主義のビジョンとその実行計画を取りまとめることとしておりますので、これらを踏まえまして、今先生から御質問いただきましたNISAの抜本的拡充も含めて、金融庁として今後どのような施策を講じていくべきか、幅広い観点から検討してまいります。
○塩村あやか君 御答弁ありがとうございます。 とどのつまり現状は何も決まっていないということだというふうに思っておりまして、であるならば、決まっていないなら是非考えていただきたいのが、特に氷河期というのは、NISA自体は、つみたてNISA自体は時間が味方をしないと複利の効果が効いてきませんので、そこをしっかり考えていただきたい。つまり、もう氷河期に関しては時間がないですので、時間を考えたときに、掛ける金額だと思うんですね。今の金額ではほかの二十代とか三十代の方よりも複利のメリットが効いてこないということになってきますので、また就職氷河期が割を食うだろうというふうに氷河期の方結構おっしゃっていますので、この辺りしっかり考えた制度設計にしていただきたいというふうに思っています。 もう一問だけ聞かせてください。 NISA拡充をしても、多くは日本に投資をしないんじゃないかというふうに私は思うんですね。伸びる企業とか産業は今見えない状況であり、例えば二十年前に買った日本株が半額になっている、そんな人もいるんですね。普通に考えると、個別株の短期の売買でリスクを取らないという方法で考えると、SP五〇〇とか全世界、オール・カントリーとかの投資信託になるんじゃないかなというふうに思うんです。 日本に投資ではなくて、単純に個人の金融資産を殖やすための制度の拡充なのか、どのように分析をしての政策発表だったのか、教えてください。
○大臣政務官(宗清皇一君) お答えを申し上げます。 総理が先日の講演の中で、国際金融センターとしての日本の復活が必要であると、眠り続けてきた一千兆円単位の預貯金をたたき起こし、市場を活性化するための仕事をしてもらうと、こういったことにも言及をされておりますので、国内外から日本市場へこの投資の重要について述べられたものであるというふうに承知をいたしております。 また、個人の預貯金が投資へシフトし、そうした投資資金が日本市場への投資につながっていくためには、貯蓄から投資へ誘導するための政策に加えまして、投資家にとって魅力ある日本市場をつくっていくことが大変重要であるというふうに思っております。 金融庁といたしましては、これまでも、日本企業の中長期的な価値向上を図る観点からコーポレートガバナンス改革を進め、また、東証の市場再編も後押しをしてきたところでございます。また、企業価値向上において重要な人的投資などの非財務情報の開示の充実に取り組むとともに、気候変動等の社会的課題の解決に資する金融の取組を進め、日本企業の強みが適切に評価される環境整備に努めるなど、持続可能な経済成長を牽引する魅力ある日本市場の構築に向けて取り組んでいるところでございます。 こうした取組を踏まえまして、総理が示された方針も踏まえながら、金融庁といたしまして、日本の資本市場の魅力向上に向けて、幅広い観点から検討してまいります。
○塩村あやか君 多分、適切に判断されているから今の状況だと思うので、更に力を入れて頑張っていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。 今日は、沖縄の基地の問題、そして馬毛島の問題、そしてLGBTの問題についてお伺いしたいというふうに思います。 松野沖縄基地負担軽減担当大臣にお越しいただきました。官房長官として記者会見が十分まであったということで駆け付けていただきまして、ありがとうございます。感謝を申し上げます。 一昨日、沖縄返還五十周年の式典が行われました。私も松野大臣と同じ東京会場で参加をさせていただきました。 沖縄の地元の新聞を見ますと、こんなことが書かれています。復帰後、沖縄は、道路などインフラ整備が進み、リゾート地として国内外から人気の場所となった、一方で、五十年前の復帰時に多くの県民が願った基地のない平和な沖縄は実現されず、いまだに米軍基地が集中する実態は変わっていない、米軍基地に絡む事件、事故や環境汚染も後を絶たないというふうに言っています。 玉城デニー知事も式典の中で、復帰時の沖縄を平和な島とするという目標が、復帰から五十年たってもなお達成をされていないというふうに訴えています。 まず、これ通告をしていないんですが、報道などでも大きく報道されております沖縄の若者のハンストについてお伺いをしたいと思います。松野大臣にお伺いします。 先週、五月九日の月曜日から、沖縄出身の元山仁士郎さんがハンガーストライキを行っていました。彼は、私たち沖縄の人々が抱える基地問題は日本に住む人々に忘れられてしまったのでしょうかと訴えて、当日は官邸前での抗議活動でした。松野大臣、まず、この件、御存じでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 石川先生にお答えをさせていただきます。 先生御指摘の件につきましては、報道等で承知をしております。
○石川大我君 ありがとうございます。 元山さん、九日には官邸前でハンストをしまして、十日の火曜日には自民党の本部前、そして水曜日には公明党前などでハンストをしていたということで報道されているところです。辺野古新基地建設の即時断念などを訴えて、署名サイトのチェンジオルグでは、先ほど、今確認をしたんですが、僅か開始一週間で二万八千筆以上、正確に言いますと二万八千百九十四まで私先ほど確認をしましたけれども、まさに沖縄基地負担軽減担当大臣として、元山さんの、そして多くの賛同者の皆さんの声にしっかりと耳を傾ける必要があるというふうに感じますけれども、五十年の節目ということもあります。是非、お言葉をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 沖縄の基地負担軽減の問題に関しましては、もう政府を挙げて取り組ませていただいております。様々な施策に関して御意見があるのは承知をしておりますが、個々の活動に関しては、逐一、政府としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、その原点として、国土の〇・六%の沖縄に七〇%を超える米軍基地が集中をしているという現状に関しましては、沖縄県民の皆さんに多大な負担をお願いしているということに関しては、しっかりと認識をしつつ、施策を進めてまいりたいと考えております。
○石川大我君 まさに多大な負担をしっかりと軽減させるための大臣ということでありますから、耳を傾けていただきたいというふうに思います。 国土の〇・六%に七〇%の米軍専用施設ということで、これ、東京二十三区に例えますと十三区の広さにも及ぶということで、米軍基地の中に沖縄があるというふうにも言われているところであります。 大臣、四月三日がこの沖縄の初訪問ということだったと思いますが、就任は昨年の十月ということで、四月三日に遅れた理由、そして、まさに基地負担軽減大臣として、誰の、どのような負担を、どのように軽減する大臣として昨年から活動されたのか。実績や成果など、分かりやすく御説明をください。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 昨年十一月に、着任後、初めて沖縄を訪問をさせていただきました。自来、私自身、これまで四回沖縄を訪問させていただきまして、地元自治体の皆様や住民の皆様と対話を重ね、基地の現場を視察するなどにより理解を深めてきたところであります。 また、沖縄の皆様の様々な御要望につきましても、可能な限りお会いをしてお話をお伺いをさせていただきますとともに、例えば、普天間飛行場基地負担軽減推進会議の作業部会などの場を通じて、沖縄県や地元自治体の皆様との意見交換も重ねてまいりました。 具体的には、米軍専用施設・区域の整理縮小については、本年四月、返還予定地となっていますキャンプ瑞慶覧のロウワー・プラザ住宅地区を視察した際に、当該土地の利用が早期に実現できるよう、私からも指示を行ったところであります。その結果、この度、返還に先立って緑地公園として県民等の皆様に御利用いただくことで近く日米間で合意をすることとなっており、今後、令和五年度中の利用開始に向け必要な準備が進められていくことになると承知をしております。 また、返還後の跡地利用をしっかりと進めることも重要であると考えております。例えば、西普天間住宅地区跡地におきまして、沖縄健康医療拠点の整備を進めているほか、牧港補給地区の一部の返還跡地においては、本年三月に国道五十八号線を六車線から八車線に拡幅した形で開通をさせるなど、県民の皆さんの利便性向上に資する取組を進めているところでございます。 引き続き、国を挙げて基地負担の軽減に一つ一つ取り組み、結果を出していくとともに、返還跡地が沖縄の発展のために有効に活用されるよう、地元の皆様の御理解を得ながら、国としてできることにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○石川大我君 沖縄の訪問が、初訪問が十一月というお話でしたが、済みません、辺野古の初訪問が先月、四月三日が初ということですか。この件について、なぜ辺野古に行くことが遅れたのかということをお聞かせください。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げましたとおり、昨年の十一月に、着任後、初めて沖縄県を訪問した際に、辺野古の代替施設建設に関わる問題の原点であります普天間飛行場を視察をするとともに、宜野湾市長との意見交換や周辺住民との皆様の車座対話において率直な御意見を伺ったところであります。 その際、併せて名護市長や地元の皆様ともお会いする機会がありました。日程の都合上、辺野古の代替施設建設現場を訪れることがその時点でできませんでしたけれども、その後、私としてもなるべく早く辺野古の代替施設建設現場を視察したいと考えていましたところ、日程調整の結果、本年の四月の訪問の際にキャンプ・シュワブ内の現場視察が実現をしたところであります。
○石川大我君 琉球新報は「変わらぬ基地 続く苦悩」という見出しで報じましたけれども、これは実は五十年前の昭和四十七年五月十五日の見出しと全く同じ見出しということで、現状は何も変わっていないということを琉球新報は訴えたかったんじゃないかなというふうに思います。 この元山仁士郎さんですけれども、二万八千筆以上の署名がチェンジオルグで僅か一週間で集まっています。これ、宛先が、岸田総理、林外務大臣や岸防衛大臣と並んで斉藤国交大臣、そして、五月の十六日に追加ということで、松野大臣、西銘大臣も宛先になっております。 ここ、しっかりとお会いをしてお話をするべきなんじゃないかというふうに思いますが、お会いする意向はございますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 現状、決定した日程はございません。様々な方々からの御意見を伺う機会はございますので、また調整をさせていただきたいと思います。
○石川大我君 一週間ハンストしたからこれ会ってくださいということを言っているのではなくて、県民投票の実現にも非常に尽力をされた元山さんでございますし、これだけ二万八千筆、もう一週間で集めたということですから、しっかりそこは基地負担軽減担当大臣としてお会いをいただきたいと思います。 今、日程の調整云々というお話ありましたけれども、これ前向きに捉えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 先生からお話をいただきました元山さんから現在申込み等をいただいておりませんので、また状況を踏まえて対応させていただきたいと思います。
○石川大我君 元山さんとは昨日お電話をさせていただきまして、お話をさせていただきました。是非聞いてほしいというお話がありました。多くの沖縄県民が考える本当の意味での基地負担軽減、多くの沖縄県民が考える本当の意味での負担軽減は何だというふうに担当大臣は考えるんですかというようなことを聞いてほしいというお話がありました。 改めて私から、本当の意味での負担軽減とは何だというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 先ほど申し上げましたとおり、国土の〇・六%の沖縄に今基地、米軍基地が集中をしているという現状の中におきまして、先生御指摘の本当の意味でのというのがどういった方面からお答えをさせていいのか今まだ整理が付いておりませんけれども、例えば経済面、また、今までに米軍基地に関わる様々な問題等も生じてきております。そういった中で、沖縄の方々に負担をしていただいているという認識でございます。
○石川大我君 元山さんは続けてこうも言っております。沖縄県民と、多くの沖縄県民と政府の言うところの負担軽減には大きな乖離があるんだと。多くの沖縄県民と政府との間には多くの大きな乖離があるというふうにおっしゃっています。 辺野古の基地建設を問う住民投票では、七割以上の方々が反対をし、賛成は一九%ということです。明らかに、沖縄の県民の皆さんの多くは、この辺野古の新基地建設、これ、松野大臣は沖縄の新基地建設という言葉を使って表現をされたというような新聞報道も私見ております。そういった意味では、今までの大臣とは違って、沖縄の皆さんに心を寄せる大臣だと私思っているんですね。そういった意味では、やはりこの辺野古の基地建設、これを断念をすべき、あるいは、少なくとも一旦立ち止まってこれを考えて、そして元山さんのような多くの県民の皆さんと対話をするということ、そしてこの住民投票の七割が反対をしている、七割以上が反対している、その現実としっかりと向き合って、沖縄基地負担軽減担当大臣として、まさにこの負担軽減担当大臣として活躍をしていただきたいと思うんです。そうでなければ、沖縄基地負担押し付け担当大臣になってしまわないようにしっかりと活動していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 この問題の原点は、市街地に位置し、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われている普天間飛行場の危険性の除去と返還にあるかと思います。普天間飛行場が固定化をされ、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であるかと思います。 日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたときに、辺野古移設が唯一の解決策であり、この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながるものと考えております。
○石川大我君 まさに繰り返されるその答弁と、沖縄県民の皆さんの思いというものが乖離をしているということを元山さんはおっしゃっているんじゃないでしょうかということを指摘をさせていただきたいというふうに思います。 ここまでで松野大臣、結構でございます。ありがとうございました。
○委員長(徳茂雅之君) 松野大臣は御退席いただいて結構でございます。
○石川大我君 基地関連で防衛副大臣にお越しをいただいております。質問させていただきます。 鹿児島県西之表市の馬毛島への米軍米空母艦載機の陸上離発着訓練、FCLP、いわゆるタッチ・アンド・ゴーの訓練ですけれども、この移転と自衛隊基地建設計画について伺いたいと思います。 先月四月十日に、野党有志議員でつくる沖縄等米軍基地問題議員懇談会で馬毛島を視察をさせていただきました。視察といっても、島の葉山港の入会地という小さな港の部分にしか上陸をできず、建設予定地には行くことができませんでした。国民の代表である私たち国会議員の視察を拒否するというあり得ない対応に強く抗議をしたいというふうに思います。 基地建設による騒音問題や水質汚染問題など環境への影響を心配されている住民の皆さんから直接お話を聞きまして、私二泊しまして皆さんとお話をさせていただきましたが、国会議員として視察をして、どのような問題点があるのか、解決方法があるのか、建設的な対話を行うためにもきちんと我々の目で現場を見るということが大切だと、視察をしたいんだということを防衛省には再三事務局を通じ申し上げてきたところですが、防衛副大臣、今回視察を受け入れなかった理由というのをお知らせください。
○副大臣(鬼木誠君) お答えいたします。 馬毛島における国有地は、取得したばかりであり、管理体制が整備途上にあることから、国以外の者の立入りに安全を保証できる状況にございません。そのため、万一事故等が生じた場合には国として国有財産の管理瑕疵を問われるおそれがあることなどから、原則として当該立入りを認めない方針を取らせていただいております。 先般、委員も含む国会議員の方々からいただいた馬毛島への国有地への立入りの御要望につきましても、かかる防衛省の方針を御説明させていただいたところでございます。 以上です。
○石川大我君 全くひどい話だというふうに思います。安全が確保できないから、危ないですから、先生方が馬毛島に上陸をすると、石や泥やぬかるみがありますから、転んでけがをされてしまっては大変ですから入らないでくださいというような御説明なんですけれども、本当にとんでもない話だと思います。 我々はしっかり、例えばそういった場所には、長靴を履くとかヘルメットをかぶるとか、そういった、着替えを持っていくとか、そういった安全対策をしていくんだということを言っても、再三そのような理由で拒否をされたということは、本当に国政調査権に対する侵害だというふうに思っております。 視察を受け入れないということの裏には、様々な不都合な真実があるからではないでしょうか。今回は時間の関係で全部はできないんですけれども、幾つか質問したいと思います。 まず、騒音の問題です。 昨年の五月十六日に現地で自衛隊機を使いデモフライトをしていますが、実際のタッチ・アンド・ゴーの訓練とは全く違う程遠いものでした。騒音のレベルも最高で七十七、七十一デシベルと極めて低く、四十から六十の間だというふうに出ています。ちなみに、七十を超えると人はうるさいというふうに感じるそうでして、この四十から六十、普通の大きさだということが言いたいということなんだろうと思います。 実際の訓練とは程遠いものだというふうに思いますが、副大臣の御見解を伺います。
○副大臣(鬼木誠君) 馬毛島における施設整備に関し、地元の皆様から、実際に馬毛島周辺で戦闘機を飛行させて音を体感したいとの御要望がございました。これを踏まえて、昨年五月、航空自衛隊の戦闘機によるデモフライトを実施いたしました。 このデモフライトは、施設整備後の戦闘機の飛行状況や音の状況について地元の皆様に体感していただくために実施したものであり、その際の音の測定結果を実際のFCLPで発生する騒音のものとして説明したという事実はございません。 防衛省として、航空機騒音については、環境アセスメントにおいて年間を通じて適切に予測、評価するという立場を当時から一貫してお示ししております。その上で、このデモフライトは、馬毛島における自衛隊施設整備の現状や防衛省の考え方等について御理解を深めていただくために大きな意義があったと考えております。 以上です。
○石川大我君 理解を深めるどころか、誤解が誤解を生んでいるんじゃないかというふうに思います。 実際に行われるのは、日中、夜間の米軍の空母艦載機、これによるタッチ・アンド・ゴーが行われるわけですね。余りの騒音で厚木、岩国からは、これはもう住民の方々からやめてくれというふうに言われて硫黄島に今移っている訓練が、この馬毛島に移ってくるわけです。この移転後も、平成二十九年の九月一日から六日まで厚木基地でこのタッチ・アンド・ゴーの訓練が行われていることを綾瀬市のホームページで確認をしました。 そして、馬毛島とこの種子島があります西之表市というのは十キロ離れているわけですが、この厚木基地からちょうど十キロ程度の場所というのを探しましたところ、相模原市がありまして、騒音計が設置されています。このタッチ・アンド・ゴーの訓練が行われた平成二十九年九月一日から六日までのこの計測の資料、皆さんにもお配りをさせていただきましたけれども、この資料ですけれども、九月のところを赤で囲んであります。ここを見ていただくと、四か所、まさに馬毛島から種子島と同じ十キロ圏内にあるこの四つの施設ですけれども、最高でやっぱり百を超えているんですね。そして、人間がうるさいと感じる七十デシベル以上のこの測定回数というところですけれども、四百二十八、五百十、三百六十、下、百五十一ですけれども、こういった回数、七十デシベル以上のうるさいという音が確認をされている。 まさに、こういった資料をきちんと、資料を提示する、あるいは硫黄島での資料を提示する、そういったことで、馬毛島での訓練がどういうものになるかということを種子島の皆さん、西之表市の皆さんに説明をするべきなんじゃないかというふうに考えますが、いかがですか。
○副大臣(鬼木誠君) 基地周辺自治体が騒音測定を実施し、その結果を公表していることは承知しております。 一方、一般的に騒音測定結果は音源からの距離等の条件に影響を受けることになると考えられるところ、防衛省として周辺自治体による騒音測定の詳細は承知いたしておりません。そのため、馬毛島における航空自衛隊戦闘機デモフライトとの、際の音と比較して論評することは困難でございます。 馬毛島周辺で実施したデモフライトは、施設整備後の戦闘機の飛行状況や音の状況について地元の皆様に体感していただくために実施したものであります。こうした取組は、馬毛島における自衛隊施設整備の現状や防衛省の考え方等について御理解を深めていただくために意義があったと考えております。 以上です。
○石川大我君 時間が迫ってきましたので、本来でしたら土地の問題ですね、土地の乱開発の問題、そしてマゲシカの問題もやりたかったんですが、デモフライトについて一つお伺いをしたいと思います。 そうしますと、この自衛隊戦闘機のデモフライトによる音の測定というのがありますが、副大臣として、基地が仮に整備されたとして、米軍の訓練が始まったとして、百デシベルとかそういったものにはならないんだと、そういうふうにお約束いただけますか。七十デシベル、このデモフライトと同じようなものなんだと、米軍によるタッチ・アンド・ゴーはこの程度なんだということが言えますでしょうか。
○委員長(徳茂雅之君) 答弁できますか。
○副大臣(鬼木誠君) 防衛省といたしましては、航空機騒音については、環境アセスメントにおいて年間を通じて適切に予測、評価するという立場を当時から一貫してお示ししているというところでございます。 以上です。
○石川大我君 約束できないということなんだろうというふうに思います。 この問題、まだまだたくさんありますけれども、引き続きお話をしていきたいというふうに思いますが、野田大臣にお越しいただきましたので、ここまでで鬼木副大臣は結構でございます。ありがとうございます。
○委員長(徳茂雅之君) 鬼木副大臣は御退席いただいて結構です。
○石川大我君 野田大臣にお越しをいただきました。 私もコロナに感染をしたんですけれども、その後、大臣もコロナに感染をされたということで、質問がそのときちょうどできなかったものですから、是非LGBTに関して施策を、LGBT施策に関して是非野田大臣にお伺いをしたいなというふうに思いまして、今日はお越しをいただきました。ありがとうございます。 LGBT施策について野田大臣にお伺いをします。 平成二十二年、二〇一〇年の第三次男女共同参画基本計画から性的指向や性自認に関する記述が加わりまして十年以上がたちます。当時、実は私、福島みずほ担当大臣の秘書をさせていただいておりまして、このときちょうど関わっておりまして、男女共同参画の基本計画にLGBTに関することが載るということで、大変みんなで喜んだことを覚えておりますが、なかなか、それから十年たちまして、これが進まないというような状況になっていると思うんですけれども、この件について、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 二〇二〇年、第五次男女共同参画基本計画、ここで、各省庁において取組を行う、性的指向、性自認(性同一性)に関する施策が盛り込まれています。 今後、第五次計画についてフォローアップを行うとともに、男女共同参画担当大臣として、男女共同参画社会の実現に向けて取組を進めることにより、男女にとどまらず、性的指向、性自認(性同一性)に関すること等も含め、多様な人々を包摂し、全ての人が幸福を感じられる、インクルーシブな社会の実現につなげていきたいと考えております。
○石川大我君 野田大臣のホームページを見させていただきますと、多様性社会を目指すということも書いておられますし、また社会の中でマイノリティーと呼ばれる人たちの気持ちも当事者として理解できますということで、お子さんに障害があることも語られながら、多種多様な人々の痛みや苦しみを理解できる私だからこそできる政治があるということで、期待をさせていただいているところであります。 先月、赤池さん、後ろにいらっしゃいますけれども、担当副大臣ということで質問をさせていただきまして、独自の取組をということをお伝えをさせていただきました。どうしてもこの問題、他省庁に、横串でということで他省庁にお任せすることが多くて、内閣府として独自に調査をしたりということがなかなか少ないように思っています。人数の調査ですとか困難な状況ですとか、残念ながら自殺される方も多くて、自殺念慮率の問題ですとか、そういったものを政府として、LGBTの統計を内閣府として取っていただくということがこれ大切だと思うんですが、是非大臣の御決断をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 私は、この担当大臣という形でLGBTの皆さんとの接点がないものですから、自分なりのバックグラウンドと、また内閣府の取組を学びながら、最近の男女局の話題の一つに、厚労省から、委員の働きかけ等々があって、履歴書の性別欄を書かないというような流れが今始まっていると。それはそれで、LGBTの皆さんのその書きづらさ、どっちにもないというときにそういうことがあれば楽になるといった反面、多様性というと、男女格差がまだまだすさまじい国の中にあって、女性にだけ及ぶ様々な問題点というのが逆に履歴書から抽出しづらく、そういうものが統計に出てきてしまうと確定的なものは分かりづらくなるなというような、本当に現実的な議論も始まっています。 まだまだ手探りのところもありますけれども、今の委員の御意見もしっかり踏まえながら、的確に、一人一人皆さん、全て違いますから、人は、そういう中で全ての人が幸福になれるような取組、多様性に取り組んでいきたいと思います。
○石川大我君 是非、独自の取組というのをしていただきたいということを、時間が参りましたので、最後に同性婚について伺います。 大臣は、同性婚を求める団体の……
○委員長(徳茂雅之君) 申合せの時間が参りましたので、質疑の方は簡潔にお願いします。
○石川大我君 はい。 そうしましたら、同性婚についてはまた次お伺いをしたいというふうに思っております。是非、アンケートではどちらかといえば賛成というふうに答えていらっしゃいますので、そういった意味では賛成というふうに、また一歩進んでいただきたいというふうに思っておりますので、お願いを申し上げて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。 大規模災害等における国政選挙について伺います。 憲法では、衆議院議員の任期を四年、参議院議員の任期を六年と規定しており、任期が満了するときは、公職選挙法の定めるところにより、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙を行うこととされ、また、衆議院が解散されたときは、憲法第五十四条第一項の規定により、解散の日から四十日以内に衆議院議員の総選挙を行うこととされています。 東日本大震災のときには、統一地方選挙等について、当初、期日どおりの実施が困難と考えられたため、特例法を制定、これにより県と市町村、五十七の団体が選挙を延期しました。一方、国政選挙に当たっては、憲法に照らして、これまで政府は、国政選挙の期日を延期するとともに、国会議員の任期を延長することはできないものと考えるという答弁に終始してきています。つまり、どんな大規模災害時においても国政選挙は公職選挙法の下で行われることとなると考えていると、もう木で鼻をくくったような答弁であります。 大規模災害などの緊急事態下にあって任期が来ていたり解散中であったとき、また、国政選挙の直前に発生して事実上選挙ができない事態であったとき、国会機能を維持し、国民を救う万全の体制が取れなくなります。国政選挙においても、期日どおりに実施できなくなる場合を想定して、憲法上の問題としてどうしても検討が必要であります。 例えば、平成二十四年三月、緊急事態に対する憲法の問題に関する質問主意書が近藤三津枝元衆議院議員から出されています。緊急事態下、衆議院議員が選出されない場合、参政権は保障されていると考えるかという質問に対して、答弁ですが、衆議院が解散されたときは、憲法第五十四条第一項の規定により、解散の日から四十日以内に衆議院議員の総選挙を行うこととされており、緊急事態においても公職選挙法の下で有権者の投票ができる限り確保されるべきものと考えるという答弁なんですね。できないときにどうするかというふうに聞いているのに、もっとましな答弁はできないものなんでしょうか。答弁お願いします。
○政府参考人(森源二君) お答えを申し上げます。 国会議員の任期につきましては、委員御指摘のとおり、衆議院議員は憲法第四十五条において四年、参議院議員は憲法第四十六条において六年とそれぞれ規定をされておりまして、憲法上、これらを延期する規定がないところでございます。 また、これらの任期が満了するときには、公職選挙法の定めるところによりまして衆議院議員総選挙又は参議院議員通常選挙を行うこととされ、また、衆議院が解散されたときは、憲法第五十四条第一項の規定により、解散の日から四十日以内に総選挙を行うことと規定をされているところでございます。 そして、公職選挙法第五十七条におきましては、天災その他避けることのできない事故により、投票所において投票を行うことができないとき、又は更に投票を行う必要があるときは、選挙管理委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならないとされておるところでございまして、当初の公示で定められた期日に投票を行うことができない地域においては、同条の規定により当初の選挙期日後に投票を行うこととなるところでございます。 このような公職選挙法上の繰延べ投票の制度もあるところでございまして、私どもとしては、同様の答弁になりまして恐縮でございますが、総務省、中央選挙管理会、各都道府県選管及び各市町村選管が互いに協力しながら、その管理執行に全力を尽くしていくことになるというふうに考えておるところでございます。
○山谷えり子君 国政選挙、国会議員の身分に関することなので、政府答弁としてはもうそれが精いっぱいで、僣越なのでちゃんとした答弁は逆に言えばできないと、また憲法問題でもあるからできないということだというふうに思います。受け止めました。 平成二十七年四月、私が防災大臣を務めていたときですけれども、シミュレーションをしてくださった代議士がおられまして、非常に詳しい丁寧なシミュレーションでございました。それによりますと、南海トラフのようなケースは、最大ケースで選挙の実施が困難となる選挙区が衆議院で百三十五人、参議院で七十一人に影響する。また、首都直下地震では、最大で衆議院で百十一人に、また参議院で六十三人に影響が出るということでありまして、これを私はしっかり受け止めましたけれども、しかし、防災大臣として、防災に関しては責任を持って当たりますが、国政選挙、任期延長、憲法問題については責任を超えておりますので、平成二十七年の十月に官邸に、これは憲法問題であるから検討してほしいということを申しました、依頼しました。 その後、もやもやした状態なんですけれども、松野官房長官、今のようなやり取りを聞いて、また憲法問題として検討してほしいと官邸に依頼した過去ということも踏まえまして、何か見解ありましたらお示しください。
○国務大臣(松野博一君) 山谷先生にお答えをさせていただきます。 総務省の政府参考人から答弁があったとおり、現行憲法の下では、大規模災害が発生した場合に、国政選挙の選挙期日を延期するとともに、国会議員の任期を延長することはできないものとなっております。したがって、これを前提として公職選挙法の下で選挙が執行されることとなると考えております。 いずれにしても、憲法上の問題につきましては、憲法審査会において各党各会派で御議論をいただくべくものと考えております。
○山谷えり子君 これは時の権力が恣意的に決められるものでもなく、憲法問題であるということでありまして、与野党しっかりと国民を守るために議論を進めていかねばならぬことというふうに考えております。 次に、国民を守る国民保護法について伺います。 ウクライナの状況を見て、このところ国民の皆様から、有事の際に日本は国民をどう救うのか、守れるのかという質問を受けます。国民保護法の下、国民を守る状況、どうなっているのか、まず国民保護法の説明からお願いします。
○政府参考人(澤田史朗君) お答えいたします。 国民保護法は、武力攻撃事態等におきまして武力攻撃からいかにして国民やその生活を守るかという視点に立って定められたものでございます。具体的には、国、地方公共団体等の責務、国民の協力、住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害の被害の最小化などについて定めております。 これらを定めることによりまして、国全体として万全の体制を整備し、もって国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することを目的といたしております。
○山谷えり子君 有事にきちんと避難するためには命令に従ってもらう体制をつくらなければなりません。国民保護法ではできないのではないでしょうか。避難命令や社会秩序維持のための強制力、政府の指揮監督権は曖昧だというふうに思っておりますけれども、どうですか、その辺は。
○政府参考人(澤田史朗君) 住民の避難につきましては、国の対策本部長の避難措置の指示を受けまして、都道府県知事が住民に対して避難の指示を行うことといたしております。 国民保護法第五十四条に基づきます避難の指示でございますが、当該指示を受けた住民に対して避難を行うべき法律上の義務を生じさせるものでございますが、この法律上の解釈といたしましては、避難の指示に従わない住民を強制的に避難させることはしないものとされております。避難の指示に従わない住民に対しましては、自らの生命、身体の保護のための避難を行うよう説得に努めることとなるものでございます。
○山谷えり子君 やはり命令ができないと、あくまで要請であるということでありまして、これもやはり更に考えていく私たちの宿題だというふうに思っております。 地方公共団体、指定公共機関、相互の連携実施、万全を期さなければなりません。都道府県、基本方針に基づき計画作成、また都道府県、市町村、国民保護協議会立ち上げていますが、これちゃんと機能しているんでしょうか。そしてまた、自衛隊、警察、消防庁、自治体、国民の協力体制どのくらいできているのか、お知らせください。
○政府参考人(澤田史朗君) お答えいたします。 国民の保護に関する基本指針を踏まえまして、指定行政機関、すなわち各省庁において国民保護計画を作成するとともに、都道府県及び市町村において国民保護協議会を設置し、そこに諮問した上で国民保護計画を作成しております。また、指定公共機関及び指定地方公共機関においても国民保護業務計画を作成いたしております。これらの計画におきまして、平素の組織体制や緊急時の人員体制を含めた組織運営のほか、関係機関との連携方法等を定めております。 国民保護訓練を重ねることなどによりまして、武力攻撃事態等が発生した場合には、関係機関が必要な体制を取り、相互に連携ができるよう万全の備えをいたしておるところでございます。
○山谷えり子君 現場いろいろ調べてみると万全の体制とはまだまだ言えないと思いますし、松野官房長官も先月、危機感を持って、住民避難訓練、これまで国と地方公共団体共同で行われたのは二十九か所でありますから、これをきちんと再開していくということをおっしゃられました。 どのような計画で、またどのような課題があると今御認識ですか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 国が地方自治体と共同で行う弾道ミサイルを想定した住民避難訓練につきましては、平成三十年六月以降実施を見合わせてきましたが、本年に入り、北朝鮮から弾道ミサイル等が高い頻度で発射されていること、三月二十四日のミサイルはこれまでの事例のうち最も我が国に近い落下のうちの一つであったことなどを踏まえ、この度、訓練を再開することとしたところであります。 現在、希望する地方自治体を公募中でありますが、できるだけ多く応募をいただき、訓練を実施していきたいと考えています。また、国と地方自治体が共同で行う訓練で得られたノウハウを周知することなどによりまして、地方自治体単独での訓練も広く実施されるよう取り組んでまいりたいと考えております。 また、Jアラートにつきましては、過去の訓練も踏まえ、定期的なJアラートを通じた全国一斉情報伝達試験を実施するなど、正常に動作させるために必要な取組を日々行っているところであります。 国民の安全、安心のため、こうした住民避難訓練やJアラートの整備などの取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○山谷えり子君 自民党でもいろいろ議論をしておりまして、地下施設指定済み何か所、そしてそこにはちゃんと生物化学兵器、核が搭載されたミサイルが飛んできた場合にフィルタリングの設備があるのか、水や食料どのぐらいあるのか、また輸送等々の力がちゃんとあるのか等々を議論しているところでありますけれども、地下施設指定済みの今の整備状況、そして、国民に、内閣官房の国民保護ポータルサイトありますけれども、それの周知徹底とか更にきめ細かくしていくとか、その辺については、お考え、お示しください。
○政府参考人(澤田史朗君) お答えいたします。 現在、国民保護法に基づきまして、避難施設としまして、弾道ミサイル等の攻撃の爆風等から直接の被害を軽減するための避難施設の整備をしてきております。大変これらは、地下施設へ避難することは大変有効と認識をしております。 政府におきましては、こうした緊急一時避難施設の指定を促進すべく、令和三年度から集中的な取組期間といたしまして、指定権者である都道府県等に働きかけをいたしております。 地下施設の指定につきましては、施設全体が約五万か所ある中で、地下施設の指定につきましては昨年の四月現在で千二百か所余でございましたが、この取組によりまして多くの指定都市におきまして地下施設、地下街、大規模地下道が新たに指定されるなど、大きな成果を上げてきているものと考えております。 いずれにしましても、これらの地下施設の整備の促進、そして訓練の充実に努めてまいりたいと考えております。
○山谷えり子君 体制整備、強化、急いでほしいというふうに思いますし、また、住民避難訓練ですね、きめ細かく、たくさんの地域で地域間格差出ないようにお願いしたいと思います。 松野官房長官、ありがとうございました。
○委員長(徳茂雅之君) 松野長官は御退席いただいて結構です。
○山谷えり子君 続いて、幼児教育についてお伺いします。 保育園、認定こども園、幼稚園、栄養士、管理栄養士など、保育、幼児教育など現場で働く方への処遇改善実施により、令和四年二月から九月までの間、月額実質九千円程度の引上げがなされています。岸田総理が掲げる分配戦略の大きな柱です。 令和三年人事院勧告により、令和四年四月から公定価格が〇・九%減額されている分についても九月までは上乗せ補助されているところですが、十月以降はこの部分についてどうなるのか、検討状況教えてください。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。 保育士等処遇改善臨時特例事業でございますけれども、補正予算により本年二月から前倒しをして実施をした上で、本年十月以降については公定価格の見直し等により措置をすることとしております。 委員御指摘のとおり、人事院勧告、令和三年の人事院勧告への対応につきましては、令和四年度から公定価格の人件費について〇・九%程度の減額改定を行った上で、令和三年度の補正予算におきまして、本年四月から九月までの間、人事院勧告影響の減額相当額も含めて補助を行っているところでございます。 御指摘のありました本年十月以降の公定価格見直しにつきましては、本年夏の人事院勧告の状況も見つつ、三%程度の引上げが継続されるように対応を検討してまいります。
○山谷えり子君 十月からどうなるのか、現場を回ると不安の声が上がっております。形は違っても継続するということで考えていいわけですね。 また、一時預かり、延長保育、子育て支援拠点の担当者など、働き方によって不公平が生じている現実もあります。現場の皆さん、大変な御努力の中でお働きでございますので、目配りをよろしくお願いいたします。 また、幼児教育の質を支える幼稚園教諭、保育士、力量のある幼稚園教諭等を確保するためにも、更なる処遇改善、そしてまた配置基準の改善などをどう考えていますか。
○副大臣(赤池誠章君) 山谷委員にお答えをいたします。 委員御指摘のとおり、教育、保育の質の向上には幼稚園教諭や保育士の確保や研修機会の充実などによる資質の向上が重要であり、そのためにも更なる処遇改善や職員配置の改善に取り組む必要があると考えております。 現状、保育士や幼稚園教諭等の給与が他の職種に比べて低い状況にあり、その人材確保に向けて処遇改善に取り組む必要があることから、これまで、平成二十五年度以降の累次の改善による月額四万四千円に加え、平成二十九年度からは技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施してきたところでございます。 これらに加え、先ほど参考人から答弁があったとおり、昨年の経済対策に基づき、成長と分配の好循環を起動するための分配戦略として、保育、幼児教育などの現場で働く方々の収入を三%程度、月額九千円引き上げるための措置を行っております。その継続に向けても、補正予算により本年二月の前倒しを実施した上で、本年十月以降も公定価格の見直し等により措置することとしております。 今後の具体的な処遇改善の方向性については、公定価格評価検討委員会の中間整理を踏まえて、職種ごとに仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されるといった観点から、関係省庁と連携して検討してまいりたいと存じます。 また、職員配置の改善については、三歳児までの配置改善に関して平成二十七年度から取り組んでおります。一方で、一歳児、四、五歳児の配置改善については、いわゆる〇・三兆円超の質の向上事項とされており、現在のところ未実施となっているところであります。 昨年末の閣議決定された基本方針において、子供政策を強力に進めるために必要な安定財源の確保については、政府を挙げて、国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め幅広く検討を進め、確保に努めていくこととしており、こども家庭庁の創設に当たっても、一歳児、四、五歳児の配置改善など、〇・三兆円超の事項についても引き続き委員各位の御指導をいただきながら財源確保に努めてまいりたいと存じます。
○山谷えり子君 私学助成を受ける園が取り残されることがないよう、政府に取り組んでいただきたいと思いますし、幼保小の連携、また質を高めていく体制整備、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。本日もよろしくお願いいたします。 今日は、女性活躍、男女共同参画を中心にお伺いをしたいと思います。 まず、女性版骨太の方針についてお伺いをいたします。 今回、初めて女性版骨太の方針を作るわけであります。私も大変期待をしております。この女性版骨太の方針の四つの柱のうち、男女間の賃金格差の解消など、女性の経済的な自立という項目がございます。この取組の具体策としましては、例えば、厚生労働省において、男女の賃金格差を見える化するために賃金水準の公表を義務付けるという省令改正、また、金融庁の下で有価証券報告書の中に女性管理職の比率、男性の育児休暇取得率の公表等を義務付ける等の検討が進んでいるものと承知をしております。これらは省令改正等でできる、言わば政府としてはお金の掛からない、しかし実効性のある取組であるというふうに考えます。 骨太の方針は予算と密接な関係にあるわけでございますが、この男女間の賃金格差の解消のために予算でどのように取り組むのか、この点についてお伺いをしたいと思います。 賃金格差の是正につきましては、女性が多い産業の賃金の底上げ、つまり飲食などのサービス産業、これ大変女性が多いわけでございます。また、介護、育児、看護などのいわゆるケアワーカーのいらっしゃる部分、ここも公定価格の影響する分野でございますが、女性が大変多く、この分野の賃金の底上げというのが必要でございますし、また女性の正社員を増やすことや、育児、介護などで仕事を離れた女性を再雇用することも積極的に進めるためには、企業側にかなり頑張ってもらう必要があると思います。 心ある民間企業は既に一生懸命取り組んでいただいておりますが、中小企業も含めて広く国全体で取組を進めていただくためには、企業側に適切なインセンティブを持たせる必要があると考えますが、大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 男女間の賃金格差については様々な要因がありますが、企業内での格差については、企業ごとに要因分析を行い、対策を立てることが有効と考えられます。このため、まずは賃金格差の企業ごとの開示について検討を進めてまいります。 その上で、委員御指摘のとおり、女性に非正規雇用が多いことや育児等によりキャリアの中断が生じやすいこと、大きな要因と考えられます。このため、女性活躍の前提となるワーク・ライフ・バランス等の実現に向け、公共調達において、女性活躍を推進するえるぼし認定、その認定企業等を加点評価する取組について、予算の適正な執行に留意しつつ、効果的な実施が図られることが重要と考えています。 また、厚生労働省において、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を促進するキャリアアップ助成金や、育児休業等の取得や継続就業を促進する両立支援等助成金も措置されているところです。 また、職種、業種による賃金格差への対応も重要です。四月二十六日には、男女共同参画会議で決定した女性デジタル人材育成プランを着実に実行し、公明党で主導的に取り組んでおられる経験年数に伴う収入の伸びが見込まれるデジタル分野での就労にしっかりつなげてまいります。 女性版骨太の方針については、現在五月から六月の決定に向けて取りまとめの最中であります。女性の経済的自立をしっかり後押しできるよう、よく各省と相談してまいります。 いわゆる骨太の方針である経済財政運営と改革の基本方針二〇二二、そして翌年度の各府省の概算要求にしっかり反映し、女性が直面する課題を政府全体で一つ一つ全力で解決してまいります。 次に、正規、正規か再雇用……(発言する者あり)もう答えて、じゃ、ちょっと待って、戻ります。
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。 今大臣からも丁寧に御説明いただきましたが、助成金の部分では既に存在するもの幾つかございまして、非正規から正規雇用にした場合のキャリアアップ助成金、大臣からも先ほど御説明ございました。ただ、これ補助金でございますので、このキャリアアップ助成金を受けるためにはキャリアアップ計画というものを各企業が作らなければいけませんし、また複雑な申請書類の準備というものも必要となってまいります。 もっと言いますと、補助金の制度を知らなければ、この補助金に該当することをやっていたとしてもこの恩恵を受けることができないというものでございますし、補助金は、よく言われることでございますが、事務経費が大変掛かります。そういった面で、この男女の賃金格差をなくすために、今大臣がおっしゃってくださったような様々な取組を進めていくためには、企業に対してしっかりとインセンティブを与える、その際には補助金ではなくて税制で対応するということも大事ではないかと考えますが、大臣の御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 先ほどはフライングして失礼いたしました。 先ほどの繰り返しになりますけど、賃金格差の要因というのは様々であって、その要因一つ一つに対応できるよう打てる手を全て打っていくことが必要です。企業へのインセンティブとして、先ほど申し上げた公共調達の活用等を進めていくことに加えて、女性本人への働きかけも極めて重要だと考えています。こうした観点から、先ほど申し上げた、女性デジタル人材育成プランの着実な実行を通じて成長産業への移行を支援すること、学び直しやリカレント教育を通じてスキルアップを支援することを各省と連携して推進してまいります。 今お話がございました特に税制については、税制、社会保障制度、企業の配偶者手当が一体として女性本人の就労意欲を阻害する制度になっていないかという観点から検討を行ってまいりたいと考えています。
○高瀬弘美君 例えば中小企業の投資促進税制ですとかカーボンニュートラルの投資促進税制ですとか、大きく企業側の行動を変えてもらおうというときには、この税制というのが大変大きなインセンティブとなり得ます。 今大臣からも阻害となっている税制の見直しというお話もございましたけれども、それとともに、プラスのインセンティブといいますか、企業側にしっかりやってもらうためのインセンティブ、これもまた、政府税調と与党税調とございますけれども、是非税制の議論の中でもこの点についても御検討を進めていただきたいと考えます。 男女の賃金格差の要因の一つとして、大臣からお話ありましたように様々要因があるんですけれども、女性管理職が少ないということをよく挙げられますが、もう一つ、シカゴ大学の山口教授によりますと、管理職のほか、医者や弁護士という高収入の専門職に女性が少ないことが少なからず響いているという、こういう御指摘もございます。これは、過日、日経新聞にも取り上げられておりましたけれども。 例えばアメリカを見ますと、アメリカのこの過去五十年間、経済成長を見ましたときに、順調に成長をしているわけでございますが、約五十年前を見ますと、アメリカの医者や弁護士、このいわゆる高収入の専門職というのはほとんどが白人で男性、九四%が白人男性でございました。それがこの五十年間の間に、この研究では二〇一〇年まで追っているわけでございますけれども、この白人男性の割合が六二%まで低下をしたと、残りの部分は女性とマイノリティーがこの高収入の専門職に入ってきたと、こういう大きな社会変化がアメリカにおいて起こったわけでございます。 そして、このアメリカの五十年間の経済成長、大変順調に成長しているこの経済成長を見ましたときに、その経済成長の要因の二〇%から四〇%が、今申し上げたような白人男性に独占されていた高収入の専門職が女性やマイノリティーに広がったことによってこの経済成長が行われたのではないかと、こういうふうに説明できるという論文がアメリカの方でございます。これ、スタンフォードの研究でございますけれども。 このことを日本に当てはめて考えますと、男性が今この高収入の専門職多いわけでございますけれども、そこに女性、そして現在マイノリティーであるLGBTQの方ですとかあるいは障害をお持ちの方ですとか、とにかく多様性を高めることでそれぞれの強みを生かした仕事に自由に就けるということ、これが経済成長には必要なのではないかというふうに考えます。 この高収入の専門職に女性が少ないというところについて、骨太の中で、また予算の中でどのように取り組まれるおつもりであるか、お聞かせください。
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘のとおりで、職種や業種に性別において偏りがあること、男女間賃金格差の要因の一つです。 まず、理系学部出身者の方が文系学部出身者より収入が高いとのデータがあります。理系学部の中でも理工系学部への女性の進出が特に少ない、このことは課題の一つだと考えており、大学等の協力の下、女子中高生等に対して理工系選択のメリット、理工系分野の仕事内容や出身者のキャリアに関する情報提供を行うこと等により、理工系選択を促進してまいります。 さらに、学び直し、リカレント教育といった女性のスキルアップの推進に加えて、女性の収入は家計の補助といった昭和時代の考え方の前提を変えていく必要があります。女性が経済的に自立して生きる力を付けられるよう、固定的な性別役割分担に関するアンコンシャスバイアスの解消に向けて取り組んでまいります。 このような認識の下、女性版骨太方針に盛り込む施策について関係省庁としっかり検討を進めてまいります。
○高瀬弘美君 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。 女性活躍、特に仕事と育児の両立という観点からは、女性に偏っている家事、育児の負担を減らす必要がございます。 本日お配りさせていただきました資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。これは、内閣府が割と最近に行った調査でございますが、人生百年時代における結婚に関する調査というものでございます。 これは、今後結婚をしたくないと答えた男女に対して、その結婚したくない理由は何ですかということを問うたものになりますけれども、その中に点線の枠で囲われたものがございまして、幾つか注目すべきところあるんですけれども、例えばその理由、女性の理由として多いものは、結婚に縛られたくないですとか、結婚するほど好きな人に巡り合っていないと、まあこれは個人の自由の部分が大きいと思います。ところが、この一番右の四角見ていただきますと、仕事、家事、育児、介護を背負うことになるから、だから結婚したくないという女性が一定数いるということ、これもこの調査から分かってまいります。この部分につきましては政策的に解決できる余地があるのではないかと、ほかの部分は個人の自由のところでございますけれども、そのように考えるものであります。 例えば、育児や介護につきましては公的なサービスというもの様々ありますけれども、家事の負担、ここでも家事の負担を背負うことになるからというふうに多くの女性、答えているわけでございますが、これについてどうかというふうに考えましたときに、例えば育児支援については、自治体が行っている各種サービスに加えまして、内閣府が行っている企業主導型ベビーシッター利用者支援事業など、所得制限もなく、小学校三年生まで費用をほぼほぼゼロにして使えるというものがありますけれども、家事サービスについて今現状どうなっているか、これを厚生労働省にまず確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 まず、児童福祉法に基づきます養育支援訪問事業におきまして、保育士等による指導と家事支援の提供がございます。このうち、家事支援につきましては、平成三十年度は約一万一千七百九十六世帯への提供となっているところでございます。 また、現在別途御審議をいただいております児童福祉法改正案におきまして、要支援・要保護児童やヤングケアラーのおられる家庭を始めとする子育て世帯に訪問をし家事支援等を行う子育て世帯訪問支援事業の創設を盛り込んでいるところでございます。
○高瀬弘美君 今御説明ありました一万六千世帯等が使っているサービスというのはこれ産後ケアの中にある家事支援サービスでございまして、子供さんが生まれて一年間の間にお母さんの身体的な負担を支えるために自治体が家事支援を行うというもの、これはもう既にあるわけでございますが、それ以外の家事支援、特にこの共働き世帯に対する家事支援というのは今現在厚労省としてはないと。で、今様々検討中であるというお話があったわけでございます。 配付資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。 これも内閣府が行った世論調査でございますけれども、家事に関する配偶者との役割分担の希望についてということで、この赤で囲ってある部分を注目していただきたいんですが、若い世代、四十歳以下の世代については、配偶者と自分で半分ずつ家事を分担したいと思っている方が過半数を超えております。さらに、その中には外部サービスを利用しながら半分ずつ分担したいと思っている方も二割ぐらいいらっしゃるわけでございます。 実は、同じような若い方々の声というのは私たちの下にも届いておりまして、公明党の若手議員でつくっております青年委員会におきましても、若い方々と懇談の機会持つわけでございますけれども、この家事の負担軽減のために民間サービスを使いたい、ここの部分を補助していただけないかという声、たくさんいただいております。 先ほど、産後ケアとしては家事サービスはあるけれども、それ以外のものはないというお話をさせていただきました。また一方で、育児については、内閣府の方でベビーシッター補助という制度があるというようなお話もさせていただきました。 今、自治体においてもこの家事サービスやっているところもあるんですけれども、自治体のやっている家事サービスというのは、例えば地元の高齢者の方を雇用して時給千円ぐらいでやっていただくというようなものが多くございまして、そうしますと使いたい側とのニーズが合わない、こちらの利用したい時間にないという問題点ですとか、選択肢が少ないというような問題点もございます。 そういうことを考えましたときに、今、民間の家事サービスの代行をやっている会社というのは大変数が増えてきております。タスカジですとかベアーズですとかカジタクなど、いろんな選択肢も多いわけでございますので、この男女共同参画という観点から、また少子化対策という観点からも、今後家事サービスの提供について民間の家事サービスの補助も含めて是非検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○委員長(徳茂雅之君) 時間が来ておりますので、答弁簡潔に願います。
○国務大臣(野田聖子君) 仕事と子育ての両立の難しさは子育ての希望の実現を阻む要因の一つとなっており、家庭内における子育て等に係る負担の軽減を図りつつ、男女共に仕事と子育てを両立できる環境を整備することが重要です。 内閣府では、女性の活躍促進や家事支援ニーズの対応、中長期的な経済成長の観点から、国家戦略特別区域内、いわゆる特区ですね、内において、家事支援活動を行う外国人を特定機関が雇用計画に基づいて受け入れる家事支援外国人受入れ事業というのを実は行っています。 厚生労働省から答弁のあった要支援児童のいる世帯等を対象とする子育て世帯訪問支援事業による支援も含め、今後、関係省庁とともに、そういう制度を連携しながら仕事と子育ての両立のできる環境整備に取り組んでまいります。
○高瀬弘美君 終わります。ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 四月二十六日に、コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策が決定されました。今次経済対策の意義につきまして、経済財政担当の山際大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) これは名前のとおりに、これまで二年数か月にわたってコロナ禍で大分社会経済が傷んでいるところに併せてウクライナの問題があり、エネルギーあるいは物価の高騰というものがございます。これらに対してきちんと対応しなくてはいけないという、そういう目的意識を持ってつくった総合対策でございまして、ですから、目的としては、コロナ禍から社会経済活動を一日も早く回復させていく、このことを目的として設定したものでございます。
○浜田昌良君 特に今回の経済対策は、コロナ予備費だけではなくて補正予算の編成が行われることになりました。その意義と効果につきまして、大臣から答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) これも今申し上げたとおりでございますが、緊急経済対策といたしまして、緊急対策といたしまして、まずは、総理の御指示もありまして、一般予備費並びにコロナ予備費を使って、そして、時機を逸することなく、タイミングを逸することなくしっかり対策を行わなくてはいけないということで、そのような形でやらせていただいておりますが、当然、これから先もどのようなことが起きるか分からないということもございますから、予備費を使いますので、その使った分を予備費を元に戻すということが必要ですし、また、これも先ほど御説明申し上げたように、コロナの問題だけではなくてウクライナの問題があって、原油価格が高騰し、さらに物価が高騰しているという状況がございますから、これらについてもしっかり、特に原油高騰対策に関しては六月以降の予算が必要ということになってくるということもあって、補正予算という形になりました。
○浜田昌良君 今大臣から答弁ございましたように、原油高騰対策、これが、今までも一般予備費でやってきたわけですが、どうしても予備費で活用するとなると一か月分しかできないということで、補正予算を組んで六月から九月までの四か月分計上することができました。あわせて、今大臣から答弁ありましたように、ウクライナの関係で何があるか分からないという不透明な状況でございますので、しっかり国民生活を守り切るという観点から補正予算も計上していただいたわけでございます。 あわせて、この補正予算によりまして、新型コロナウイルス感染症対策予備費というものを、今回、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費として改組した意義、このことはいかがなものでしょうか。また、それによりましてどのような使途が拡大するのか、大臣から答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) 今御指摘ありましたように、新型コロナウイルス感染症対策予備費から、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費という形に予備費を変えました。 これはもう名前のとおりでございまして、原油価格が高騰すること、あるいはそれに伴って物価が高騰すること、これらに対して緊急的に様々なことが起こり得ますので、それをしっかり対応するための使途を拡大させた予備費ということでございまして、要は、そういう可能性があると我々政府としても危機感を持った上で、このような名前の変更と使途の変更というものをさせていただきました。
○浜田昌良君 この点は大きいんだと思うんです。今までコロナ予備費だったものですから、コロナの関係でないと使えませんよというのを、現場では、結構会計検査院のことを気にしながらも使っているという実態があったわけですが、ウクライナ情勢の中で物価高騰がどういうふうに跳ねるか分からないという中にあっては、場合によってはもうコロナとは関係ないんだけれども、この価格高騰とか、そういういろんな、穀物の高騰もありますんで、そういうものに使っていけるというのは大きな決断だったと思っております。 一方の現下の経済情勢なんですが、円安がやっぱり進んできています、まあ日米の金利差等も反映しまして。この円安につきましては、大企業にとってみれば、まあマーケット、世界に広がっていますから、輸出の振興にもなりますし、海外の投資の、投資収益収支も円に換算すれば大きくなるという大きな効果が、逆にプラス効果があるわけですね。 東証上場企業の三月決算発表が五月十三日にピークでありましたが、上場企業の最高益、上場企業は最高益三十三兆円、過去の最高を更新したというニュースも出ておりましたが、一方で、中小企業の場合はマーケットがどうしても国内に閉じているということもありまして、原材料の高騰だけが効いてくるということもありまして、逆にそのプラスマイナスの効果があるわけですね。この効果をどう評価するか。 あわせて、大臣は新しい資本主義の担当でもあられるんですが、この格差を広げていったらどうしようもないわけですね。規模間格差をいかに収れんさせていくか、そのように、このような円安下での企業規模間格差を、広がろうとする中で、新しい資本主義の道筋をどのように描いていかれるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) これは先生御指摘のとおりで、円安によって輸出を主にやっている企業はプラスに効果があるということもありましょうし、今御説明のあったように、多くの中小企業は様々なものを輸入して業を営まなくてはいけないということもあって、そうなりますと、その物価、企業物価は物すごい勢いで高騰しているという現実はございます。そのことが続けば、当然その二者の間には格差が広がるという先生の御指摘はごもっともだと思っております。 新しい資本主義では様々なことをやらなくてはいけないと思っておりますが、この一月以降、目下取り組んできたものとしては、価格転嫁を円滑にするためのパッケージというものを進めてまいりました。これ、一月から三月までの間でかなり中小企業庁や公正取引委員会に調査をしてもらいまして、それらに基づいて、これから実際に立入調査等々も含めて、優越的地位の濫用を行っていないかどうか等々についてこれからしっかり注意深く見てまいりたいと思っております。 また、大企業の側からいたしますと、中小企業と一緒になって業を営んでいかないと自分たちの業の持続性というものが確保できないということもありますので、パートナーシップ宣言というものをこれまでも大分やってきていただいておりますが、宣言だけ、宣言の数も増やす必要があるんですが、宣言だけしても意味がないわけで、やはり本当にチームとしてきちんとその業を継続していくことができるかどうかということを、これ実は大企業も自分事として取り組んでいかなくてはいけないんだと思っております。 この視点を、当然我々はやっていくんですけれども、今までは、ともすると民間のことだから民間の皆様方だけにやっていただければいいという話だったものを、岸田内閣では官と民が協働してやろうと。特に、この外部不経済に当たるようなものというのはどうしても官の部分が相当出張っていかなきゃいけないというものがありますので、そこは民間任せにするのではなくて、先ほど申し上げた価格転嫁円滑化パッケージのように、官もなすべき仕事というものはしっかり役割として果たして、そして経済をしっかりと成長軌道に戻し込んでいくと、これを目指してやりたいと思っております。それが新しい資本主義の中で入ってくる主なメニューになると思います。
○浜田昌良君 新しい資本主義がこの円安の中で本当問われると思いますね。普通、ほっとけば余計格差は広がるんだと思うんですよ。それをやる、シェアホルダー重視じゃなくてステークホルダー重視だということで、下請企業であったり、そういうことが全体の中で成り立っているんだという、本当に資本主義に変われるかどうかでございますので、今回の経済対策は、予算を執行するだけじゃなくて、このパートナーシップ宣言をいかに根付かせるか、是非大臣のリーダーシップを期待したいと思っております。 続きまして、ちょっと一問、時間の関係で飛ばさせていただきますが、今日は小林大臣にも御出席をいただきました。 今、官民連携という話もございました。この官民の連携の中で、五月十一日、経済安全保障推進法、成立させていただいて、特にこの特定技術開発の、特定技術の研究開発支援については、まさに官民連携で進めていかなきゃいけない大きなテーマだと思っております。 これにつきましては、法案審議でも議論させていただきましたが、シンクタンクの調査研究はどういう進捗状況になっているのかと。これについては、施行時期が早いですから、そろそろ、もう法律成立したんでいろんな成果がどうなっているのかという関心も高まっておりますので、また、国内研究者への早期の効果を発揮するために調査研究の成果をどのような形で公表されていかれるのか、大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) 令和五年度に本格的に立ち上げていくシンクタンクですけれども、これ経済安全保障推進法に基づきまして、その委託調査を含めて、国内外の技術動向、また社会経済動向、そして安全保障といった多様な視点から科学技術イノベーションに関する調査研究を行うものです。 現在、内閣府においては、この令和五年度の立ち上げを目指しまして、令和三年秋から令和四年度にかけてシンクタンク機能に関する試行事業を実施しておりまして、調査分析に関する知見、経験、あるいはノウハウの蓄積ですとか国内外の研究機関との連携の在り方を含めまして、この人的ネットワークの構築に取り組んでいるところです。 この試行事業で得られた知見を令和五年度のシンクタンクの具体化に役立てていきたいと考えておりまして、またこれに併せて、この試行事業の成果につきましては、例えば経済安全保障重要技術育成プログラムの実施に当たりまして、幅広い分野の有識者の知見と合わせまして、政府が公募対象となる技術をファンディングエージェンシーに示していくビジョンの検討にも役立てていきたいと考えております。 また、この試行事業の公表に関する取扱いにつきましては、平成二十五年に閣議決定された予算執行に関する情報の公表に関する指針などを踏まえまして、調査研究の透明性の確保に留意しながら適切に対応してまいります。
○浜田昌良君 今大臣からも御答弁ございました経済安全保障重要技術育成プログラムの関連では、既に昨年度補正予算で先行分が手当てされているわけですね。これをどのような形で予算執行していくのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) 先生今御指摘いただいたとおり、この指定基金として想定される経済安全保障重要技術育成プログラムにつきましては、令和三年度補正におきまして、そのスタートとして二千五百億円を措置していただいたところです。 まずは、最初の公募につきましては、関係省庁のニーズ、また幅広い分野の有識者の知見、そして現在行っている、今申し上げた試行事業の調査分析の成果なども活用しまして、公募対象となる技術を示すビジョンを決定をして、できる限り速やかにこの公募を開始してまいります。将来的には、この令和五年度に立ち上げを目指しているシンクタンクによる調査分析の成果を活用して、このビジョンを更に発展をさせて、更なる研究開発を推進してまいります。 いずれにしても、このシンクタンクとこのプログラム、これを早期に連動させまして、先端的な重要技術についての調査分析、そして研究開発、そしてその先にある社会実装までつなげていくプロセスの構築を実現していきたいと考えます。
○浜田昌良君 今大臣御答弁ございましたように、シンクタンクとこのいわゆる指定基金による支援というのは連動がとても重要と思いますので、しかも、これがもう今後の我が国の国力を決めていくと思いますので、法律が通ってしっかりと、またあわせて、これ二千五百億付いておりますが、岸田総理の施政方針演説では五千億規模という御発言もございましたので、今回の補正には入っておりませんけれども、参議院選後の補正に向けてまた御検討いただきたいことをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は、まず、ゴールデンウイーク前ぐらいからでしょうか、ニュースで度々流れてきますが、マスクの着用という観点で質疑させていただきたいと思います。今日は、新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣ということで、山際大臣と質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず、先ほど申し上げたとおり、報道が、連日何らかの報道がされているような状態が続いていると思いますし、有識者の方あるいはコメンテーター、さらには閣僚の方からも、特に総理あるいは官房長官からもこうしたお話があります。 私がこれまで見てきた中で、きっかけといいますか、報道がされ始めたタイミングというのは四月の半ばぐらいだったと思いますが、山際大臣が今後マスクの着用について、これエビデンスですとか、そういったものの蓄積等に触れた上で、検討していく旨の御発言があった頃から少しこういった話が出てきたのかなというふうには思っています。 また、同時に、欧米諸国の動きですとか、あとは夏場の熱中症対策と、こういったことも捉えて様々意見が発信されているというふうに承知をしております。 こういう状況の中で、閣僚からもいろいろと発言が出ているということで、統一見解を出してほしいというような意見も出てきているということですので、改めて政府のマスク着用に関する見解をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) これは、総理から国民に、多くに対してお示しをしているのが統一見解でございますので、その枠の中で様々な御議論があるというふうに御理解いただければいいと思います。 ただ一方で、それが多少ばらばら感があるようにもし受け止められているのだとすれば、それは私たち反省して、しっかり国民に対して周知させていただかなきゃいけないなと、理解していただけるように更に丁寧に申し上げていかなくてはいけないなと思っております。 内容に関しましては、これはコロナウイルス感染症そのものが飛沫感染を起こす病気でございますから、当然、飛沫を飛ばさないこと、あるいは飛沫を受け取らない、すなわち吸い込まないということ、これが感染を防御する上で非常に大切なことでございます。その最も効果があるものの一つがこのマスクでございますので、マスクを着けている、マスクを着けて感染を防止していくという重要性は何一つ変わらないわけでございます。 その上で、私たちといたしましては、このコロナウイルス感染症そのものに対しては、どのような敵であるか、ウイルスがどのような特性を持っているかということをこれまでも科学的に知見を積み重ねてまいりましたから、その知見に照らして改善できるものに関しては改善していかなくてはいけないという基本的な考え方を持っております。 しかし、これも総理から申し上げていますとおり、今はその平時に向かっての移行期間でございますので、まだ政府としては最大限の警戒をもって当たらなくてはいけない、そのステージにあると思っておりまして、なので、このマスクそのものに関しての運用というものを今の段階で変えることは考えていないというのが総理から申し上げたとおりでございます。 一方で、先ほど熱中症の話ございましたけど、熱中症に関して、これは今すぐではなくて、去年も、その前の年も、どうしてもマスクを着けますと熱中症にかかりやすくなるということがございますから、政府としてのこれは公式な一定の見解としてどうするべきかというようなことはお示しをしております。 それ二つ、主にあるんだと思うんですが、一つは、屋外にいるときは、これは十分人との距離が取れるときはマスクは外すことを推奨しているということ、これはもう、これまでもずっとそう申し上げておりますので、これはなかなか周知されていないんですけれども、これから熱中症の季節になりますので、是非そのことをもう一度皆さん確認していただきたいということ。 それと、幼い子供たちに関しましては、特に保育所の現場等々におきまして、二歳未満の子供に関しては、これはマスクを着けるのはもうほぼ不可能だということもありますので、マスクは着けないということを推奨しているわけでございます。 二歳を超える子供に関しましても、これは発育に差がございますので、無理なくマスクを着けられる子もいれば、マスクを着けて生活をするのは難しいという子もいますので、そこは、見ていただいている保護者やあるいは大人の方がその子供たちの生活に支障がないように注意深く見守りながらマスクのことに関しては運用してくださいというのをこれまでも申し上げておりますので、そのことがなかなか周知されていないということだと思いますので、それを統一してこれからも申し上げていかなくてはいけないと思っております。
○礒崎哲史君 大臣、ありがとうございます。 今、周知されていないというようなところもありました。それで、この後また話をしたいんですけれども、今大臣からは丁寧に御説明をいただきました。平時に至るまでの移行期間が今なんだということで、私もこれまでいろんな人たちの発言を見てきていると、総理の発言自身も私は分かりにくいなというふうに一瞬思ったんです。何でかというと、着用の緩和は考えていないというふうに明言されました。でも、その後に、でも熱中症のリスクを踏まえて屋外では外してもいいんですよというふうに言われました。 最初の着用の緩和は考えていないというのは、これはアフターコロナのことを想定して多分総理言われていると思うんです。ところが、その後の、熱中症のリスクを踏まえて外してもいいですよは、ウイズコロナの環境下でのお話をされている。 だから、その前提条件を説明しないのに一つの発言の中で両方をお話しされるので、結果的にどうしたらいいんだということ、混乱するんだというふうに、混乱するんだと思いますし、あとは医師会の方でも、日本医師会の会長は駄目なんだというふうに言われました。あれは明らかに、私は、アフターコロナの状況。ですから、今すぐ全部緩和なんというのは考えられないんだと、それはそうだと思います。一方で、東京都医師会の会長は、夏場の感染症対策があるから外した方がいい、これはもう完全にウイズコロナの考え方。 それぞれが、前提条件が何か分からないままいろいろ発言されているということですので、今大臣はその辺をしっかりと前提条件を置いた形で御説明をいただきましたので、これ、是非そういう発信に努めていただきたいというふうに思うんですが。 その意味で、今後このマスク着用、まさに移行期間の今、これから、じゃ、どうしていくべきかということをきちんとお示しをしていただきたいと思うんですが、このガイドラインを今後示していくお考えというのがあるのかどうか、示すとすればいつぐらいをめどとして考えられているのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) これはもう繰り返しになりますが、現時点においては見直しをすることは考えていないということを総理から申し上げているわけですね。しかし、それは現時点においてはというのがあるわけなんですね。 それで、我々は、全体として平時に向かっていきたいという思いを国民全体で持っているわけです。政府も同じです。だから、平時ということになれば、ウイズコロナであってもいずれはマスクを着用しないで済むような状況になればいいねとみんな思っているわけですね。 それを実行せしめるためには、それは、科学的にそれで大丈夫だというその知見が積み重なっていかなくてはいけないと思うんです。ですから、その検討は今までもずうっと続けてまいりましたし、科学的な知見がどんどん積み重なってくることを踏まえながら議論も続けておりますので、それがいつその結論が出るかということを今この時点では申し上げられない状況にありますけれども、検討は続けてまいりたいと思っております。 それで、誤解のなきようにもう一度申し上げておきますが、総理が申し上げておりますのは、現時点においてはまだそういうことが言える状況にはないということを説明されたんだと、これもしっかり皆さんに御理解いただけるように説明を尽くしていかなくてはいけないと思っております。
○礒崎哲史君 まさに受け止める側は今なんですよ、今。今、マスクしていいの、しちゃ駄目なの、どっちなのなんです、求めているのは。でも、今時点ではとか前提条件をかなり細かく設定されてしまうと、受け止める側と発信している側が完全にかみ合っていない状態なんですよ、これ。ですので、やっぱり混乱になるということですから。 是非、今、受け止める側は、今していいのか、いけないのか、どういうシチュエーションだったら外せるのか、どういうシチュエーションはしておかなきゃいけないのか、やはりそこの情報を私は求めていると思うんですね。 それはやっぱり、今、政府の見解は、あくまでも強制ではなくてお願いベースになっている。あくまでもお願いベースでしていて、最終的には判断は個々人に求められているような状態で、雰囲気の中でするかしないかを判断せざるを得ないということになっています。 私、山際大臣は、ずっと科学的な根拠ですとかエビデンスということを言っていただいているのは非常に有り難くて、それを本当にやっていただきたいなというふうに思います。客観的なやっぱり判断材料がないと個々人も判断できませんのでね、そうしたものを是非出していただきたいと思うんですが。 今、先ほど屋外では外していいんだというお話がありました。具体的には二メーターという数字、これはもう昨年から政府としては出されているんですが、じゃ、何で二メーターならいいのと、一メーター半じゃ駄目なのとかですね、そういうことも含めて疑問に思うんですけれども、こうした政府として今認識している客観的なそういうデータ、根拠というのは、どういうものがあって、今後どういうデータを積み重ねていく必要があるというふうに今考えられているのか、その点も確認させてください。
○国務大臣(山際大志郎君) 今現在我々が持っているデータ、科学的な知見というのは、これまで二年数か月にわたって、まさに飛沫がどれぐらい飛ぶかということを実測で、マスクを着けているとき、マスクを外したとき、マスクの種類、不織布のマスクなのか布のマスクなのかということも含めて、それを実測で測ってきたもの、データがかなりあります。 さらに、私たちの日本が誇る富岳を使って飛沫がどう飛ぶかというシミュレーションを大分したものというものが科学的知見として積み上がってございます。これも様々な、例えばダクトがあるかどうか、あるいは窓が開いているかどうか、どれぐらいの距離に人が座っているか、あるいはしゃべっているのか黙っているのか等々、様々な場面というのが想定されますので、それらについて計算科学できちんと計算した結果というものも科学的データとして持っております。 そういうものに照らして、屋外にいる場合には二メートルを、二メートルの話が出ましたので二メートルを事例に取ると、二メートル離れたときには飛沫がほぼ掛からないところまで落ちるということが科学的に分かっているので、二メートルということをお示ししたということでございます。 もちろん、これから感染者数というものがどんどん減っていくということになれば、当然感染をしていらっしゃる方と接触する機会というものもまた数学的に減っていくわけですね。そういうことも踏まえた上で、要するに科学的な知見というのは、自然科学的な知見だけではなくて社会科学的な知見というものを加味した上でどのようにしていくかということを検討していかなくてはいけないものですから、私たちが持っているリソースというものをフル活用しながら検討を続けて、しかるべきところで発表できるときには速やかに発表したいと、このように思っております。
○礒崎哲史君 大臣、是非お願いしたいと思うんですが、先ほどもそうです、今の御説明でも飛沫のお話をされていました。ただ、もう今回のこのコロナに関しては、飛沫ではなくて現状ではもうエアロゾル感染あるいは空気感染、これ海外でもそういう話になっていますし、国内でももうそれを認めている状況ですので、そうすると分析の仕方ももう変わってくるというふうに思います。最新の情報に基づいて科学的な知見の積み上げを至急していただきたいと思いますし、これまた検討に一年掛かります、二年掛かりますと言われると本当にマスク外せなくなっちゃいますし、熱中症の危険性というのも出てきますので、この蓄積についてはしっかりとやっていただくと同時に、これはもう早急におまとめをいただき、そして分かりやすく国民に伝えていただきたいというふうに思います。 マスクはいきなりなくなるのではなくて段階的に緩和をしていくということだと思いますので、科学的根拠に基づいて、そしてどうやって周知をしていくか、その点についても是非大臣、リーダーシップ取っていただいて、しっかりと進めて、早急に進めていただきたいということをお願いをしておきたいというふうに思います。 マスクについては以上とさせていただきまして、ちょっと時間がかなり想定よりも押してしまったんですが、次の質問は、いわゆる収入の壁というテーマで質問させていただきたいと思います。 これに関しましても、山際大臣が新しい資本主義担当であり全世代型社会保障改革担当大臣ということで、山際大臣にお伺いをしたいと思います。 いわゆる収入の壁と言われる、まあ百三十万円の壁とかとね、こういう表現されるのが一般的かというふうに思うんですけれども、こうした表現されております税制等、こうした制度について、働く者の意欲、この時間が、収入として百三十万円までしか、それを超えると収入に影響があるからもうそこで働くのをやめようというふうに、働く者の意欲をそぐ要因になっているというふうに考えていますけれども、大臣の御認識をまず確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(山際大志郎君) 端的に申し上げるならば、そのとおりだと思います。その問題意識を私たちも共有してございます。
○礒崎哲史君 今大臣からも共有するということで御発言いただきました。 お手元にお配りをしました資料の二ページ目になるんですが、これ総務省が取りました統計です。平成二十九年ですので、今から五年前の資料になります。 五年前の統計データになりますけれども、就業構造基本調査ということで、もう質問を見ていただきますと、ずばりそのことを聞いている質問です。収入を一定の金額に抑えるために就業時間、日数の調整をしている者はどれぐらいいるかという、していますかと質問しているわけですね。それに対して、非正規で働いておられる方のうちの四分の一強、二六・二%の方がそうした働き方をしているということで、その金額においては五十万円から百五十万円の間で八割強に及んでいるということですので、政府としても、実はもうこの点についてはしっかりと認識をし、五年前に既にこうしたアンケートも行っているということですので、今大臣お話をいただきました、しっかりと認識しているということはまさにそのとおりで、進めていただいているんだというふうに思います。 それで、お手元にもう一枚資料の方、お配りをしました。一ページ目になりますけれども、いわゆるその年収の壁と言われているものにどんなものがあるか。これは、国会図書館の資料あるいはインターネットも含めてですね、私の事務所の方で調べたものということで、一般的にこうした、左に書いてあります五項目についてこうしたことが言われていると、認知されているということでここに列挙をさせていただいております。 そこで確認なんですけれども、用意していた質問ちょっと一個飛ばしまして、こうした制度が制定された背景の部分ですね、その理由の部分についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) 配偶者控除につきましてお答えをさせていただきます。 配偶者控除につきましては、合計の所得金額が一定金額以下の配偶者を有する場合に、その当該納税者御本人の税負担の、税負担能力の減殺を調整する趣旨から設けられたものでございます。
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。 私からは百六万円の壁と百三十万円の壁について御説明申し上げたいと思います。 まず、百六万円の壁の関係でございますが、被用者保険における被保険者の収入基準につきましては、社会保障と税の一体改革の中で平成二十四年に成立いたしました年金機能強化法によって、平成二十八年の十月から、一定の条件の下、短時間労働者に対する適用拡大が実施されたところでございます。 その際の一つの要件として、厚生年金保険法及び健康保険法におきまして、月額賃金が八・八万円以上、年収に換算いたしますと百六万円相当以上を要件としたというところでございます。この月額賃金八・八万円の水準でございますけれども、国民年金第一号被保険者の方々、負担と給付の水準とのバランスを図るという観点から、このような水準で定めているというものでございます。 それからまた、次に百三十万円の方でございますけれども、健康保険における被扶養者の収入基準につきましては、健康保険法上、主としてその被保険者により生計を維持するものとされておりまして、当初、この判断はそれぞれの保険者が個別に行っていたところでございますが、保険者間でその取扱いに差が生じていたという経緯がございます。このため、被扶養者の生計維持要件に関する具体的な指標として、昭和五十二年に年収七十万円の基準をお示しをしたというところがスタートでございます。その後、所得税との関係、また、その後は更に所得水準の伸びなどの要素を勘案をいたしまして数次にわたって改定を行い、平成五年より現在の年収百三十万円を基準としているというのが現状でございます。 以上でございます。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。 ちょっと財務省の方、一点確認なんですが、先ほどのはどちらかというと制度の、システムといいますか、その点についてだったものですから、そもそも、なぜ配偶者の控除というものを設定するに至ったのか、そうした背景というものは説明できますか。
○政府参考人(青木孝徳君) 配偶者控除が制定されましたのは昭和三十六年でございます。それまで、扶養控除、扶養控除でございますね、扶養控除の一人目の扶養親族という適用をされておりましたが、昭和三十六年に分離する形で配偶者控除になりました。この際の議論でございましては、夫婦というのは相互扶助の関係にあって、一方的に扶養している親族とは異なる事情があるというような考え方に基づきまして分離をされたと。その基になる考え方は、先ほど御説明しましたとおり、所得が一定金額以下の配偶者を有する場合は、当該納税者本人の税負担能力の減殺を調整するという趣旨でございます。
○礒崎哲史君 ありがとうございました。 こうした背景があるわけですけれども、先ほど申し上げたとおり、これが今の社会に実際合っているのかどうかということが大変重要な観点だというふうに思います。 もう時間がないので、最後ちょっと、大臣、一点だけお伺いしたいと思います。 実際、これ今、政府内で検討がなされているというふうには承知をしておりますけれども、この制度の見直しの方向性、方針について今後どのように話進められていくか、この点についてだけ、最後、大臣に確認させてください。
○国務大臣(山際大志郎君) 今御質問いただいたように、相当歴史がある上に複雑な制度になってしまっているということがございます。しかも、社会的に問題があるということを私たち全体で認識しております。 岸田内閣においては、誰もが自分の希望のとおりに働けるような、そういう環境を整備したいというのがその岸田内閣の思いでございますので、それを裏打ちするような全世代型の社会保障制度というものをつくっていかなくてはいけない。そこの中で、今日先生から御指摘いただいたように、働き方によって税制や社会保障やあるいは会社からの給付というものが変わるというような制度は中立的ではないので、それを見直していくという方向で議論を進めております。 具体的には、六月ぐらいを目途にこの全世代型社会保障制度の中間整理というものをきちんと骨太の方針に盛り込ませる方向で議論しておりますし、また、実際の制度設計については、その後一つ一つの課題について議論して、速やかに、特に税制に関わるようなものは今年の秋の、秋から冬にかけての税制改正に向けても議論をしなきゃいけないでしょうから、様々な議論というものを遅滞なく進めてまいりたい、それが岸田内閣としての方針でございます。
○礒崎哲史君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(徳茂雅之君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをします。 まず最初に、弾道ミサイル攻撃を想定した住民避難訓練などについてお聞きをしたいと思いますが、二〇一八年の六月以降ですかね、この弾道ミサイル攻撃を想定した住民避難訓練、国民保護法に基づく訓練は中断というか、してきておりましたが、最近、再び北朝鮮が弾道ミサイルの発射を続けているということなどもあって、再開の方向で今いろいろ進められていると思っております。 本当はこの間も毎年毎年、きちっきちっと訓練を積み重ねておくべきだったのだろうとは思っていますが、まあそれはそれとして、先ほども官房長官お答えになっていましたが、まずお聞きをしますのは、現在、この希望する地方自治体との間で、公募中ということでありますが、その状況はどうか、そして、実際いつ頃再開予定ということになるのか、併せて、内閣官房でしょうか、お聞きをします。
○政府参考人(澤田史朗君) お答えいたします。 国が地方公共団体と共同で行います弾道ミサイルを想定した住民避難訓練につきましては、委員御指摘のとおり、平成三十年六月以降、実施を見合わせてまいりましたが、本年に入り、北朝鮮から弾道ミサイル等が高い頻度で発射されていること、三月二十四日のミサイルはこれまでの事例のうち最も我が国に近い落下の一つであったことなどを踏まえまして、再開することといたしたところでございます。 議員お尋ねの実施を希望する地方自治体の公募の状況についてでございますが、都道府県に対しまして五月二十三日までに回答をいただくようお願いしているところでございます。また、訓練の実施の時期につきましては、公募の結果が都道府県から報告されました後に、訓練実施を希望した市町村等との調整を行った上で決定することとなりますため、現在のところ未定でございますが、できるだけ早く訓練が実施できるよう進めてまいりたいと存じます。
○柴田巧君 できるだけ早く再開に向けて準備を整えていただきたいと思いますが、かねがね見ていて、この弾道ミサイル攻撃を想定したいろんな訓練などをやる上で、この避難、具体的なやっぱり避難手順、あるいはこの訓練について定めたマニュアルというものがないというのは一つ問題ではないかなと思っていまして、この弾道ミサイルの、着弾して、まあいろんな、屋内にいるか屋外にいるか等々によってまたこの対処の仕方が変わってくるわけですけれども、具体的なやっぱり避難の手順、あるいはこの訓練について、やっぱりマニュアルというのをしっかり整備をしておく必要があるのではないかと思いますが、この点どういうふうに考えているのか、官房長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 柴田先生にお答えをいたします。 弾道ミサイルを想定した住民避難訓練につきましては、今後再開する国と地方自治体の共同訓練の成果などを踏まえて、地方自治体による単独の訓練を含め多くの自治体によって更に積極的に行われることが重要だと考えております。 そうした訓練の際に地方自治体にマニュアルとして使っていただけるよう、今後行われる共同訓練の様々なパターンでの実績やシナリオ、留意点等をまとめ、これを地方自治体に提供することを予定しており、こうした取組を進めることによりまして、政府としてより広く訓練が実施されるような環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今答弁ありましたように、地方自治体などでも具体的なまた訓練ができるような、そういう避難の手順であったりこのマニュアルというものを早急に作っていただいて、これが全国に広まって、いざというときにしっかり資するようなものを作っていっていただきたいというふうに思います。 訓練、近々恐らく四年ぶりに再開ということになるんだと思いますが、しかし、この四年の間に随分日本を取り巻く安全保障環境は変わりました。ロシアからウクライナへ侵攻して、短距離の弾道ミサイルがどんどん飛んでいっているというのもありますし、北朝鮮は極超音速のミサイルを開発をしていると、またそれには化学兵器なども搭載できるものもあるということですし、台湾有事も現実味を帯びているところであります。 したがって、これ再開をするとなると、今までどおりの訓練の中身で本当にいいのかということをよくやっぱり考える必要があるんではないかと思っていまして、これまでとはやっぱり異なる訓練の内容というのも検討してみる必要があるんではないかと思っていますが、この点、官房長官の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。 弾道ミサイル攻撃により的確に対応するため、政府として、令和三年度以降、爆風等から直接の被害を軽減するために有効な地下施設等のいわゆる緊急一時避難施設の指定の促進を促すとともに、住民避難と並行して行われる市町村の初動対処についての手引を作成して配付するなどの取組を進めているところであります。 住民避難訓練の具体の内容については、実施を希望した地方自治体と調整をする必要がありますが、今申し上げたような政府の取組も踏まえ、例えば住民の避難先を地下施設などの緊急一時避難施設とすること、市町村の初動対処についても、訓練も併せて実施をすること、避難訓練の実施について住民への周知をより強化することなど、様々な工夫を凝らすことにより、より効果的で実践的なものとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今答弁の中にもありましたように、実践的で非常にリアリティーに富んだものにやっぱりしていく必要があると思います。 一つは、この地下避難施設を十分活用したものもやっぱり検討していく必要があるだろうと思いますし、先ほどちょっと触れましたが、化学兵器を搭載したミサイルが落ちてくるということを想定した訓練も、これは韓国などは日本のサリン事件以降そういった訓練などもやっていますが、そういったことも見習って、もっともっと今おっしゃったように実践的でリアリティーのある訓練になるようにいろいろ工夫をまた凝らしていただきたいと思います。これは要望にしておきますが、よろしくお願いをしたいと思います。 官房長官並びに関係の皆さんには、これで質問ありませんので、御退席いただいて結構です。委員長、よろしくお願いします。
○委員長(徳茂雅之君) 松野長官、関係の政府参考人は御退席いただいて結構です。
○柴田巧君 続いて、治安の問題と犯罪の問題等についてお聞きをしていきたいと思いますが、犯罪情勢統計でしょうか、警察の発表によれば、刑法犯の認知件数は二〇〇二年の約二百八十五万件をピークに減り続けて昨年は五十六万件と、戦後最少を記録したということになりました。ある意味では戦後で最も安全で安心な社会になったということが言えないわけではないんですが、一方で、警察が同じく公表したアンケートによれば、ここ十年で日本の治安が良くなったかと思うかとの質問に対して、悪くなったと答えた人が六四%もあったということです。 いわゆる肌で感じる体感治安が悪化してきているというのが浮き彫りになったということかと思いますが、犯罪が減り続けているのに人々は安心して暮らしている実感を持てずにいるということなんですが、これはある意味ゆゆしきことであって、これ警察としても放置をしておけない問題だと思いますが、そこでまずお聞きをしますが、この体感治安、治安、なぜ悪化してきていると分析しているのか、まずお聞きをします。
○政府参考人(小島裕史君) お答えいたします。 令和三年に警察庁が実施したアンケート調査におきましては、日本の治安は良いと思うかという問いにつきまして、そう思う又はまあそう思うと回答した人が約七六%であった一方で、過去十年で日本の治安が良くなったか否かという問いに対しましては、悪くなったと思う又はどちらかといえば悪くなったと思うと回答した人が約六四%に上っております。 刑法犯認知件数は一貫して減少し戦後最少となっております一方で、特殊詐欺の認知件数が四年ぶりに増加に転じたこと、サイバー空間における脅威も極めて深刻な情勢が続いていること、児童虐待についても引き続き注視すべき情勢にあること等も踏まえますと、犯罪情勢は依然として厳しい状況にあり、こうした状況も先ほど申し上げたアンケート調査の結果に影響している可能性があるものと考えております。
○柴田巧君 いずれにしても、今、先ほど申し上げたように、これを放置しておくというわけにはいかないと思うんですね。 この実際のところと安心と安全の間に乖離があるというかギャップがあると言うべきか、実際との乖離があることをやっぱり埋めていく必要があると思います。それがやっぱり生活の質を上げていくということにもつながるでしょうし、放っておけば犯罪が減ってきているようにも、警察は何もしていないんではないかと、この信頼が低下したり、その正当性が問われるということにもなりかねないと思います。 したがって、犯罪を単に減少させるだけにとどまらずに、犯罪不安感を低減させていく、生活の質を向上させていくということが必要だと思いますが、そのためにもこの体感治安をどのように向上させていくか、これは国家公安委員長にお尋ねをします。
○国務大臣(二之湯智君) 依然として厳しい犯罪情勢を踏まえて、警察として的確な捜査を推進してまいります。 また、犯罪者は、検挙を免れるために他人名義の預貯金口座や携帯電話を利用することがございますので、こうした犯罪ツールへの対策にも取り組んでまいります。加えて、効果的な広報啓発等により、被害に至る前段階での犯罪被害の防止を図ってまいりたいと、このように思っております。 このように、引き続き、実効性のあるきめ細かな対策を推進いたしまして、国民が安全で安心を実感できるように警察を指導していきたいと、このように考えております。
○柴田巧君 今御答弁ありましたように、是非この実効性のある対策に取り組んでいただきたいと思いますし、警察の総力を挙げて体感治安が良くなるように努力をしていただきたいと思います。 そんな中で、やはりいろんな、今おっしゃったように、最近にはない犯罪が続いていて、それが体感治安を悪くさせている面があるのは間違いないだろうと思っていまして、この特殊詐欺が四年ぶりに今回は昨年の犯罪情勢統計によれば増加したということでございまして、警察庁によれば、この特殊詐欺の認知件数は前年より、前の年よりも九百十一件増えて一万四千六百六十一件、被害総額は二百七十八億円と言われております。今年に入ってもそれを上回るペースで伸びているという報道もありましたが、いろいろ警察としても努力をしているわけですけれども、なかなか収まっていかないというか、再びこの特殊詐欺が増加をしているということでございます。 この特殊詐欺の被害者は、約九割が高齢者で、うち八割は女性だということのようでありますし、特に、中身でいうと、医療費や保険料の払戻しがあると持ちかけて、いわゆる税金の還付金詐欺ですね、こういったものが件数あるいは金額共に過去最高になっていると。そして、この全体の認知件数の二七%強が還付金詐欺になっているということのようでありますが、いずれにしても、この特殊詐欺の増加の要因についてどのように見ているのか、警察庁にお聞きをします。
○政府参考人(渡邊国佳君) お答えいたします。 委員御指摘いただきましたとおり、特殊詐欺の認知件数につきましては、平成三十年以降は減少傾向にございましたけれども、令和三年中の認知件数は、暫定値でありますけれども、一万四千四百六十一件ということで、プラス六・七%、四年ぶりに増加に転じております。 増加の要因につきましては、先ほど委員からも御指摘いただきましたけれども、還付金詐欺の認知件数がこのうち四千一件と、前年比プラス一二一・八%と大きく増加したことが影響しておりまして、還付金詐欺の増加が全体の認知件数を押し上げた形となっております。 令和三年中の還付金詐欺の被害につきましては、従来から被害の多い大都市圏だけでなく地方にも拡散していることがうかがえますほか、依然として全国的に被害が多いオレオレ詐欺と併せまして、やはり高齢者を中心に被害が発生している状況にございます。 警察といたしましては、こうした情勢を踏まえまして、引き続き、予防、取締りの両面から各種対策を強力に推進してまいります。
○柴田巧君 この特殊詐欺はなかなか犯罪者の本丸に近づいていけないというちょっとところもあって、なかなか関係する人が多くて、関係する者が多くてたどり着けないということなどもあるやに聞いていまして、で、大本をたどっていくと暴力団の構成員が主導的な立場でこの特殊詐欺に深く関与して、有力な資金源になっているということも言われているところです。 今申し上げたように、昨年も、これ警察のデータによれば、逮捕、書類送検した関係で、二千三百六十五人のうち首謀者やリーダー格は四十五人にとどまっているということでありまして、なかなか難しい面はあるんですけれども、やはりいろんな、警察のみならず関係の機関とも連携をして、この特殊詐欺を減少させていく、この犯罪者の壊滅に向けてやっぱり強い意思で、取組でやっていく必要があると思いますが、国家公安委員長にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(二之湯智君) オレオレ詐欺を始めとする特殊詐欺については、依然として高齢者を中心に大きな被害が生じておりまして、深刻な情勢にあると認識をしております。そのために、警察といたしましても、各種予防対策を推進するとともに、いわゆる犯行拠点の摘発等による実行犯の検挙や、指示している上位者を突き止める捜査、さらに、特殊詐欺事件の背後にいると見られる暴力団、準暴力団等に対する多角的な取締り等、犯罪者グループの壊滅に向けた取組をこれからも真剣に推進してまいりたいと、このように思っております。
○柴田巧君 是非よろしくお願いしたいと思います。 この今の特殊詐欺でいうと、大本は暴力団なんですが、が多いわけですが、この受け子は結構若い子供たちが、若いというか若者とか少年少女とかいて、したがって、これ警察にもお願いをしておきたいと思いますが、そういう特殊詐欺に安易に関わらないように、やっぱりSNSなどで若者にいろんな啓発もしっかりしておいていただかないといけないかなと思いますので、いろんなこの手口、非常に巧妙にやっていきますので、警察を中心に社会全体で対抗していく力をやっぱりしっかりと高めていくということが大事だということを申し上げておきたいと思います。 次に、もろもろの犯罪防止や捜査力の向上のために、最先端技術の開発の必要性についてお尋ねをしていきたいと思いますが、近年はこの捜査においてデジタルデバイスの解析の重要性が非常に増していると思います。一方で、機器の故障や犯罪、不正アクセスなどにより消されたデータを復元し、証拠データやログの調査、解析を調査するため民間サービスを活用する事例もあるやに聞いています。 パソコンやスマートフォン等のバージョンアップに応じて、捜査を行う側も技術をブラッシュアップし続ける必要があると考えますが、そうした状況下において、警察としては、この警察自らの技術の確保をしていくと同時に民間協力の拡大もやっぱり求めていく必要があると思いますが、どのように取り組むのか、お尋ねをします。
○政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。 新たな電子機器の登場やスマートフォン等のアプリの多様化、複雑化等が進む中、警察捜査を支えるためには最新の技術に対応した解析能力の向上を図っていく必要がございます。そのため、警察では、技能レベルに応じた学校教養等による高度な解析技術を持つ職員の育成に加えまして、最新の技術を有する民間企業や研究機関との技術協力等の取組を推進しているところでございます。 今後もこのような取組を継続的に推進することで、引き続き最新の技術に対応した解析能力の向上に努めてまいります。
○柴田巧君 そういう中で、最先端の技術を持つ事業者が協力してくれればいいんですが、警察に協力してくれない場合も想定し得るわけですが、わけなんですけれども、その捜査力の向上に資する技術を保有する事業者の動向、そういう意味でも幅広く確認をし、活用できる技術の選択肢を広げておくというのもこれまた大事なことではないかと思いますが、この点はどう考えていますか。
○政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。 議員御指摘のとおり、警察において活用できる技術の選択肢を広げておくことは重要であると考えております。 警察におきましては、平素から、民間企業や研究機関との技術協力等を通じて最新の技術に関する情報を幅広く収集することや、実践的な演習を可能とする資機材を用いた高度な訓練の実施、研究機関との共同研究への従事等を通じまして高度な解析技術を持つ職員を独自に育成することによって、最新の技術に対応した解析能力の向上に努めているところでございます。今後も引き続きこれらの取組を進めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今ちょっと何か、一部答弁、次の質問にあったような気もしましたが。 いずれにしても、この民間の使えるところ、協力してもらえるところ、しっかり選択肢を広げておくというのと、やはり、警察の中での技術を活用できる人材の確保、育成というのは、これどんどんいろんなものが進歩していきますから、技術が日々更新されていきますので、警察においてもそれを、新たな技術を活用できる人材の確保、育成が大事だと思いますが、どうやって取り組んでいくか、これは国家公安委員長にお尋ねをします。
○国務大臣(二之湯智君) 警察として、サイバー事案のような情報技術を用いて行われる犯罪に的確に対処するため、高度な知見や技術力を有する人材を確保していくことは極めて重要なことだと認識をいたしております。 現在、各都道府県では、IT企業で働いた経験者のように、サイバー分野に高度な知見を有する者を中途採用等により登用をいたしております。また、警察庁では、不正プログラムの解析等を担う高度な技術を有する職員の採用や育成を推進をいたしております。さらにまた、中期、長期的、中長期的な観点から、職員の技能レベルに応じた教育、能力検定、民間企業への派遣、研修等による人材の育成にも努めているところでございます。 今後とも、社会における技術の発展等に適切に対応できるように、必要な人材の確保や育成の取組を推進するべく警察庁を指導してまいりたいと、このように考えております。
○柴田巧君 先ほどから申し上げておりますように、どんどんどんどん手口も巧妙になってきますし、最新、最先端の技術を用いて犯罪が行われてくる昨今ですので、警察としてもそれに負けないように、また、いろんなところと連携しながら犯罪の防止に、また捜査力の向上のために御努力をいただきたいと思います。 国家公安委員長には、この後質問がございませんので、御退席いただいて結構です。委員長、よろしくお願いします。
○委員長(徳茂雅之君) 二之湯委員長、御退席いただいて結構です。
○柴田巧君 では続いて、再犯防止の点について質問をしていきたいと思いますが。 犯罪を減らしていく上で、この再犯防止というのは重要だというのは言うまでもありません。犯罪白書によると、刑務所に入る受刑者の半数以上が再入所組と言われていますし、少年院の場合は、五年以内に再入院したり、まあ再び少年院に入ったりですね、刑務所に入ったりする割合は二割だと言われていますので、これをいかに減らしていくかというのも、治安を良くして犯罪を減らしていくということに結び付いていくものだと思っていますが。 そういう中で、昨年の秋から少年院を出院した若者を対象にしたこのプロジェクトがスタートしているということでございまして、複数の企業や法人が共同事業体をつくって法務省と成果連動型の委託契約を結ぶもので、ソーシャル・インパクト・ボンドと呼ばれる仕組みを用いるものでありますが、この事業は、国が主体となってSIBを活用する初めての事業であって、この再犯防止分野においては地方公共団体も含めた初めての取組になるということであります。 そこで、この若者の再犯防止の学習支援のためにこのSIBが採用されることになったわけですが、その狙いと具体的な方法というか仕組み、そして成果をどのように評価するかについて、併せて法務省にお聞きをします。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、法務省では、令和三年八月から令和五年度までの三年間を事業期間として、ソーシャル・インパクト・ボンドを活用した非行少年に対する学習支援事業を開始いたしました。本事業は、受託者である事業者に民間資金を活用しつつ質の高い一貫した学習支援を提供いただくことを狙いとしておりまして、これは再犯防止の取組に新たな民間のステークホルダーが参入することを促進することにも資すると考えております。 本事業は、具体的には、法務省が民間の事業者に委託して、少年院在院者のうち高等学校への復学を希望する者など出院後の継続的な学習に意欲のある者に対し、在院中から出院後にかけて最長一年間にわたる継続的な学習支援を実施し、事業の成果に応じて委託費を支払うこととするものでございます。また、本事業では、受託者が、事業の成果に応じた変動金利制による銀行からの融資や事業の成果に応じて償還、分配を行うクラウドファンディングなどの方法により、民間から資金を調達しております。 そして、成果の評価方法は、実績を評価するプロセス指標と効果を評価するアウトカム指標の二つの観点から合計六つの客観的な指標を設定しておりまして、これを測定することで事業の成果を評価することとしております。 法務省といたしましては、本事業が着実に実施されますよう必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
○柴田巧君 このSIBを活用した再犯防止の取組は、これは日本で初めてやるわけですが、イギリスが発祥の地で、他の国々では成果を収めてきているということで、成果がしっかり現れることを期待をしたいと思いますが、この学習支援で、SIBを活用することで学習支援で成果を収めれば、この少年院を出院した若者の就労支援などにも広げていくことができるのではないか、可能性が十分あり得るんではないかと思いますが、そういったところはどういうふうに考えているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 本事業は、国が主体となってソーシャル・インパクト・ボンドを活用する初めての事業でございまして、再犯防止分野では地方公共団体も含めて初の事業でございます。そのため、法務省としては、まずは本事業を着実に進め、その有効性や成果、課題などをしっかり検証してまいりたいと考えております。 その上で、学習支援以外へのソーシャル・インパクト・ボンドの活用可能性等について検討を行うとともに、地方公共団体に対しまして、再犯防止分野におけるSIBの手引を作成、公表したり本事業で得られた知見等を共有するなどし、これらの取組を通じて、国、地方の双方において再犯防止分野でのソーシャル・インパクト・ボンドの活用を推進してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 再犯防止のために、新たなこれまでにない手法を用いて、しっかりと成果出すべく努力をしていただきたいと思います。 それでは、ちょっと時間がないので一つ飛ばして、児童虐待のことについてお聞きをしたいと思いますが。 警察を介したこの児童虐待の通告件数も過去最高に去年なったということですが、この児童相談所の機能強化として、最近、その業務へのAIを始めとしたデジタル技術の活用が今少しずつ広がっているようであります。例えば、三重県ではAIが類似事例や再犯率を算出するシステムが導入されたり、江戸川区では業務効率化のためのリアルタイムでの文字化するシステムが導入されたりをしています。 そんな中で、国でも、三年度の補正、昨年度の補正予算において、AIを活用した開発を促進するということで、四億九千万ですかね、計上されていますが、そこでお聞きをしますけれども、厚労省が開発を進めるAIツールと地方自治体によるAIツールの違い、それぞれの運用の使い分けやツールの連携についてどのように想定しているのか、お聞きをしたいと思います。これによってこのいろんな事務作業が少なくなって向き合える時間を確保すればいいことだと思いますが、どのようにこれからやっていくのかお尋ねをします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 厚生労働省におきましては、児童相談所における一時保護の緊急性等の判断に資するためのAIツールにつきまして、令和四年度から設計、開発を行い、令和六年度に全国での運用を開始することを目標としてございます。 現在考えている具体的な内容でございますが、AIが過去の類似事例に照らして一時保護の必要性や再発の可能性を表示する機能などを考えておりまして、児童相談所において職員の経験の差が補正されることが期待されるなど、緊急を要する一時保護判断の一助となるものと考えているところでございます。 一方、御指摘のとおり、既に自治体独自でAIを活用して先進的な取組を行っていただいていることも承知しておりまして、例えば三重県の取組では、厚生労働省としても開発に当たって参考とさせていただいているところでございます。内容に大きな相違はないものと思っております。 また、江戸川区の取組は、電話相談をAIによってリアルタイムで文字情報に変換をいたしまして、虐待などのキーワードがあると他の職員にアラートとして情報が共有されると、こういう仕組みであると承知しておりまして、厚生労働省とはまた違った切り口の取組であるということでございます。 こういったその取組と厚生労働省の取組との使い分けや連携についてでございますが、例えばその江戸川区について、申しましたとおり、AIツールの機能や活用場面が厚労省の取組と異なるという場合には、双方それぞれの場面で活用いただくということで使っていただくことが可能であるというふうに考えております。 また、例えば三重県のように、機能が類似する場合には、互いのAIツールの連携が可能になるような観点、こういったものも含めて、今後、厚生労働省のシステムの設計、開発に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 三月八日の内閣委員会、二十五日の決算委員会に続きまして、日本の研究力について質問いたします。 日本の論文数の傾向について、まずおさらいをしたいんですね。研究論文は複数の研究者が関わっており、十人が関わっていたら、それぞれの人を一とカウントするのが整数カウント、十人それぞれを〇・一などとカウントするのが分数カウントと呼ばれています。この分数カウントで研究論文数見たとき、二〇〇〇年をピークに論文数の増加率が減少に転じています。 科学技術・学術政策研究所、NISTEPの分析資料をもう一度配付いたしました。 国立大学、私立大学、公立大学、研究開発法人、企業など、組織別に論文数の変化が示されています。一九九八年平均から二〇〇三年平均では、企業以外は論文数を伸ばしています。二〇〇三年から二〇〇八年で特に劇的な減少に転じているのが国立大学で、私立大学は論文数増加の傾向を維持しています。 三月八日、明確な答弁がなかったので、もう一度確認したいんです。二〇〇〇年以降、日本全体の論文数の減少傾向の一番の要因は国立大学での論文数の落ち込みである、私立大学は全体として論文数増加を続けて、論文数の減少に歯止めを掛けてきた、このこと、大臣もお認めいただけますか。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 今、田村委員御指摘のとおり、文部科学省科学技術・学術政策研究所、いわゆるNISTEPが実施したこの科学研究のベンチマーク二〇二一の調査によりますと、今委員が御指摘いただいた分数カウント法により算定した論文数は、国立大学につきましては、一九九八年から二〇〇三年にかけて増加したものの、二〇〇三年以降は減少しております。また一方、私立大学の論文数は、一九九八年以降増加を続けているという認識を持たせていただいております。
○田村智子君 事実ですから、そのことを確認をしたということになります。 NISTEPの研究を政策に生かすためには、これをどう分析するかが問われてくると思うんです。企業の研究論文数の減少傾向は、技術者を含むリストラ、人件費抑制政策の影響だと私は考えています。 経済安保推進法の審議でも、半導体産業の凋落について指摘しました。量子技術も、世界で初めて量子コンピューターの実現可能性を示したNEC基礎研究所は、リーマン・ショック後、NECのリストラ方針の下で研究チームは縮小、解散、最終的に研究所そのものが廃止されました。 では、国立大学はどうかと。資料の三ページ目ですけれども、二〇〇一年に常勤、これは、フルタイムの研究者は六万一千九人いた、それが二〇二一年、六万四千八百九十一人、これ微増です。ところが、このうち任期付き、言わば非正規雇用の研究者は一千六百六十六人から二万四千五百一人に大幅増加をしています。正規雇用は二万人近く減ったことになります。 一方で、私立大学は、非正規雇用の研究者、やはり大幅に増えているのですが、ほぼ同じ規模で常勤職員、フルタイム職員全体が増えています。正規雇用の減少は二千五百人程度だということが分かるんです。 国立大学で研究者の非正規雇用化が劇的に進んだ、このことが論文数の推移に影響を与えたのではないのかと考えますが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 国立大学の研究者数などが論文数の増減にどのような影響を与えているかにつきましては、まだ詳細な分析はなされていないと承知しておりますが、論文数減少の背景として考えられることを申し上げますと、例えば、まず、競争的研究費の申請などの複雑な事務手続などによって研究者の研究時間の減少を招いていることが挙げられると思います。 また、世界のトップレベルの研究大学が自己収入を含む様々な資金を獲得することによって事業規模を拡大している中で、海外の大学と我が国の研究大学との事業規模の差が拡大していることも挙げられると思います。その一方で、こうした世界と競争する研究大学だけではなくて、多様な大学の強みを引き出すための取組が十分でなかったこと、これを要因として挙げられると思います。 そして、若手の研究者が腰を据えて研究できる環境では十分でないということとともに、博士号取得者の多様なキャリアパスが十分開けていないこと、こうしたことがこの背景としてあるのではないかと認識しているところであります。
○田村智子君 非正規雇用化がどういうふうに影響を与えているかはまだ分析できていないということなんですが、八日の質問、文科省にも同じことを質問いたしました。 国立大学と私立大学で研究者の任期の有無が論文数に与える影響について更に分析したい旨の答弁がありましたが、二か月たって何か分析されたでしょうか。
○政府参考人(寺門成真君) お答えを申し上げます。 三月八日、内閣委員会で先生に御指摘いただきまして、その後、おっしゃるように着手して分析中でございますけれども、本日先生も改めてお配りしていただいています三ページのデータにございますとおりでございますが、任期の有無別の研究者に係るデータというのが今時点で必ずしも十分にそろっていないところでございまして、例えばそれに基づいて重回帰分析による分析等を行うということが困難な状況でございまして、今、現時点ではお伝えできるような明確な調査結果を得るには至ってございませんが、大変に重要な点でございますので、引き続き多角的な観点から、複合的な要因が影響している論文数の停滞の原因等については分析を続けて深めてまいりたいと存じます。
○田村智子君 先ほど大臣が指摘された要因というのは、別に国立大学と私立大学で差があるわけじゃないと思うんですよ。競争的資金に係る事務手続、資金の獲得、むしろ国立大学の方が資金獲得のための取組、様々にやっている大学がありますよね。 そうすると、私立大学は論文数維持している、減少傾向になっていない、だけど国立大学は劇的な減少なんですよ、何が違うのかと。明らかに非正規雇用化は国立大学なんですよ、明らかに。だから、こういう根本的な要因分析がやはり必要だと思いますよ。 非正規雇用化されると何が起きるか。研究時間の減少が起きるのは、短期契約だから競争的資金を常に取りに行かなければ研究ができません。そして、正規雇用そのものの人数が減ってしまっているから、正規の雇用の教員、研究者も大学の事務負担が増えてしまうと。やはりここは分析必要なんですよ、二万の規模ですから。是非やっていただきたい。 八日のときにも、大臣の答弁の中で、一方で、大学の現場が任期なし、無期雇用ですね、このポストの充実を促すことができるように支援の工夫を図っているという答弁ありました。また、特に優秀な若手研究者の安定的ポストの確保を図っていくことを促しているという答弁もありました。 それでは、無期雇用の研究者が減少しているということはやはり問題があるという認識なのか、また無期雇用のポストを増やすことは必要であるという認識なのか、確認したいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 若手の研究者の方が研究に専念できる環境をつくっていくことが重要だと考えておりますので、若手研究者が挑戦的な研究に取り組むことができる創発的研究支援事業などの施策を実施しております。また、これらのほかに、若手研究者の方への任期なしポストの充実も必要だと私は認識しております。 したがって、内閣府といたしましても、これ令和二年にいわゆるCSTIで決定されたものでございますけれども、研究力の強化、また若手研究者支援総合パッケージというものがございまして、このパッケージを踏まえて、間接経費ですとか、また競争的研究資金の直接経費から研究者の人件費を支出することで捻出した運営費交付金、こうした多様な財源を戦略的かつ効果的に活用することによって、特に優秀な若手研究者の安定的なポストの確保を図っていくということを研究現場に促しているところでございます。 引き続き、こうした取組を各大学が行うことを政府として後押ししていくことで、一定の流動性の確保を図りつつも、大学における優秀な研究者の安定的なポストの確保を図って、それをもって我が国の研究力の強化に取り組んでいきたいと考えております。
○田村智子君 高橋文科大臣政務官、科学技術・イノベーション計画にはキャリアパスの明確化やテニュアトラック制の積極的な活用が盛り込まれていること、また、国立大学運営費交付金で、今大臣の答弁のあった若手研究者割合の減少についての対策取ったということが説明をされました。 このテニュアトラック制度、五年間の審査期間を経て安定したポストを得るという制度なんですけれども、これを活用すれば若手の無期雇用研究者は増えることになるんでしょうか。正規の研究者の増員という方策なしには不可能だというふうに考えますけれども、そのための具体的措置はどのようにとられているんでしょうか。
○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えを申し上げます。 我が国の研究力向上のためには、一定の人材の流動性を確保した上で、研究者の方々が安定的なポストの獲得も含めた将来への見通しを持ち、研究に専念できる環境を整備することが重要と考えるところであります。 御指摘のテニュアトラック制度は、一定の期間、任期付きという競争的環境を経て、公正で透明性の高い審査を行い、任期のない安定的な職を得ることができるようにするものであり、まさに優秀な研究者が将来への見通しを持って研究に専念する環境づくりに資する制度であると、このように承知をいたしております。 文科省といたしましては、若手研究者のキャリアパスの構築と研究に専念できる環境の確保に向けていろんなことをやらせていただいておりますが、国立大学におけるテニュアトラック制度や若手ポストの確保などの人事給与マネジメント改革状況や若手研究者比率を考慮した、先ほど御指摘がございました運営費交付金の配分、また、各国立大学における年代構成を踏まえた持続可能な中長期的な人事計画の策定の促進、さらには若手研究者のキャリア構築や研究環境確保、能力開発に向けた取組への支援といった支援策を進めているところでございます。 今後とも、我が国の研究力の強化に向け、人材の流動性の確保と安定的な研究環境の確保の両立を図ってまいる所存でございます。 以上でございます。
○田村智子君 これ、問題は安定的ポストが増えるのかなんですよ。正規研究者の増員が図られるのかどうか。それには、やはり基盤的経費の増額をしなければ、退職者に見合う採用という既存の人事の在り方は変わらないということになってしまうんですね。 八日のやり取りの中では、地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ、これが若手の安定的ポストにつながるかのような答弁もあったんですけれども、実は、このパッケージに含まれるWPI、世界トップレベル研究拠点プログラムは二〇〇七年からスタートしていて、既に支援の打切りに伴う乱暴な雇い止めが起きています。WPIは、一か所当たり数億から十数億の支援を十年を基本に最長十五年まで行うもので、最初に五拠点選ばれました。そして、全て世界的研究拠点にふさわしい成果を上げたと評価をされましたけれど、結局五年間延長されたのは東大のカブリ数物連携宇宙研究機構だけで、ほかは国の支援が打ち切られて、新たにWPIアカデミーというプログラムで、交流に対する支援として一拠点当たり数千万円の支援だけとなったんです。これ、大幅な運営費の削減になってしまっているんですね、多くのところで。 東北大学原子分子材料科学高等研究機構、AIMR、ここは年間十三億程度の予算で運営されていましたが、打切りとともに年間八億円に縮小されて、任期付きの研究員の半数が解雇されました。契約更新しながら十三年間勤めた准教授が地位確認の訴訟を起こしました。裁判所は、この准教授の高度の技術、能力を評価し、世界トップレベルの研究成果を達成するにふさわしい即戦力として雇用され、任期中も相応の成果を上げたと認定をしています。この方は、大学側のホームページで紹介するほどの大変優れた研究者、だけど雇用を打ち切られたんです。 文部科学省は、この訴訟、承知していますか。また、WPIが終了した他の拠点でも同様の研究者の解雇があったのではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂本修一君) お答えいたします。 東北大学に確認したところ、東北大学AIMRの元研究者に関して、御指摘のような事案に係る裁判が行われたと聞いております。 世界トップレベル研究拠点プログラム、WPIにおいては、基礎研究における国際頭脳循環のハブとなる研究拠点の形成を目指し、十年間にわたり国際的な研究拠点の形成を支援することとしています。この拠点を採択するに当たっては、申請機関に対して、当該補助金による支援期間終了後の取組も含めた長期的な拠点構想を策定することを求めており、支援終了後も各機関が拠点活動の維持、継続を図ることとされています。 各拠点によって支援終了後の状況は異なりますが、支援期間終了後を見据え、大型の外部資金を獲得して拠点活動を継続、展開している拠点もあります。 例えば、東北大学AIMRを含めて、二〇一六年度に当該補助金による支援期間が終了した四つの拠点における研究者の合計人数は、支援の最終年度、十年目時点において計五百四十二名であったところ、翌年度、十一年目においては計四百五十名となっており、研究者数を八割以上維持して拠点活動を継続しております。これらの研究者の雇用については、各大学における雇用制度に基づき対応がなされていると承知しています。
○田村智子君 十二年以降も是非見ていただきたいと思いますが、一年たっただけで二割近くが切られているという意味ですよ、今のは、逆に言うと。 こういう研究大学総合振興パッケージは期限を切ったプロジェクトの寄せ集めなんです。大学にとってプロジェクトというのは横出しなんですよ。既存の枠組みとは別の新しい研究開発、新たに人を雇っても、プロジェクト終了とともにその研究者の雇用をどうするのかということが常に問題になってくるんです。確かに外部資金獲得できる大学もあるでしょう。でも、そうならない研究もありますよ、なりにくいものが、すぐに産業化できないような研究ですよね。そうすると、大学がそこを維持しようと思うと、ほかの運営費を削ってそっちに持ってこなくちゃいけないと。今度はほかにしわ寄せが行くということになってしまうんです。 やっぱりこの二万人規模で増えた非正規雇用の研究者を正規雇用にしていくというためには、こういうプロジェクト型の寄せ集めのようなことでは私は無理だと思う。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 任期なしポストを確保するなど、意欲と能力のある研究者が私は研究に専念できる環境を醸成していくということは、新規性の高い研究を含めて、優れた研究をじっくり腰を据えて取り組むために必要な方策だと私は考えています。 この国立大学法人の人事につきましては、各法人の経営判断で決定されるものでございますので、また、その業務運営については所管省庁である文部科学省において適切に対応いただくものではございますが、意欲と能力のある研究者の方がそれにふさわしい処遇を得て研究に取り組めるようにするということが、我が国全体の研究力を強化していくに当たって私は極めて重要なことだと考えています。 なので、内閣府といたしましても、先ほど申し上げたとおり、例えばその競争的研究費の直接経費からも人件費を支出することなどで捻出した運営費交付金など、こうしたいろんな財源を戦略的に活用することで任期なしのポストを確保をして、優秀な若手研究者の安定的なポストの確保を図っていくことを促す、こうしたことで政府として引き続き研究力の強化に取り組んでいきたいと考えているところであります。
○田村智子君 運営費交付金を戦略的に使えでは駄目なんですよ。増やさなかったら正規雇用は増えないんですよ。 今、国立大学では、非正規雇用の研究者が大量に雇い止めされようとしているんです、正規雇用を増やすという抜本的な対策がないから。国立大学法人、大学共同機関利用法人の非常勤職員のうち、科学技術・イノベーション法により労働契約法の特例の適用を受けていて、来年三月三十一日で契約期間が十年となる者、そのうち雇用契約が通算雇用期間を十年以下に制限されている者は何人か、お答えください。
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。 文部科学省におきまして、所管の国立大学法人及び大学共同利用機関法人に対しまして確認をいたしましたところ、本年二月時点で、有期雇用職員のうち、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律等による労働契約法の特例の対象者で、令和五年三月三十一日で通算の雇用期間が十年となる方の数は三千九十九人であり、そのうち各法人の労働契約で通算雇用期間を十年以内としている方の数は千六百七十二人となっております。
○田村智子君 十年超えれば無期転換の申込みをする権利が生じるんですね。その無期転換逃れのために雇い止めのおそれのある研究者が最大三千九十九人ということになります。東北大二百七十五、東大五百八十八、千葉大九十四、名古屋大二百六、大阪大百二十六、九州大八十七などですね。 五年前の事務職員等に対する雇い止め、また先ほど紹介した東北大学の対応を考えますと、このままでは大量の雇い止めの危惧が拭えません。既に一千六百七十二人はもう三月で契約打ち切りますよというふうに言われているわけなんですよね。この国立大学法人等の非正規雇用の常勤研究者は約二・五万人ですから、その一割を超える方々が雇い止めのおそれがあるということになります。 八日のこの委員会では、理研など国立研究機関について、一千三百九十名が同様に雇い止めの対象となり得るということを示しました。合わせますと最大四千五百人になります。まさに研究者の大量雇い止めが今年度起こるかどうかという瀬戸際を迎えています。この対象となる研究者は全て十年以上勤務している方々ですね。ですから、それだけの成果を上げているからこそ契約更新してきたという方だと思います。 研究者一人一人のキャリアにふさわしい次のポストが都合良く募集されているとは限りません。研究の蓄積が白紙に戻ってしまったら、これは社会的な損失になります。技術支援の方も、短期間に引継ぎをやったとしても、十年以上の蓄積というのが全て継承できるわけではないと思うんですね。そうすると、大臣、これは日本の研究開発に深刻な打撃を長期にわたって与えかねない事態だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小林鷹之君) 日本の研究力向上のためには、先ほど申し上げたとおり、その研究者が腰を据えて研究に打ち込む環境を整えることが重要であると考えておりまして、そうした観点からは、今委員が問題提起していただきましたこの研究者の雇用につきましては、その雇用の安定を確保する労働契約法の趣旨にのっとった運用がなされることが大変重要だと私は考えます。 個別の法人の業務運営については、各法人を所管する省庁において適切に対応いただくものではございますが、意欲と能力のある研究者の方がそれにふさわしい処遇を得て研究に取り組めるということは我が国全体の研究力の強化にとって不可欠だと考えます。 政府としては、その研究の魅力の向上とともに研究環境の改善を図って、結果として国際的に比較して我が国の研究力が更に向上するように取組を進めていきたいと考えます。
○田村智子君 大切な答弁でした。 そういう問題意識があるので、私の事務所で文科省に調査要求をして各大学について細かく聞き取ってもらったんです。そうやって要求しないとこういう調査もやらないですよね、文科省。 その回答を基にまとめた資料を皆さんにもお配りしているので、是非見ていただきたいんですね。この中で、たとえ十年の期間が来たとしても雇用継続の方針ありというふうに回答している大学が多いんですけれどもね、しかし、一部局の一人の職員について契約更新するのに全学レベルの合意が必要というケースが多くて、非常にハードルが高いんです。また、現場では、契約更新の必要性を現場から要求しても大学当局がはねのけているという事例が既に起きています。 九州大学、技術支援者のAさん、上司は何度も大学に契約更新できないかと問い合わせたが、大学は無理だと拒否をしている。そして、Aさんに対して大学の方から、期待を持たせないためにも早めに通達するようにと指示があった、来年度いっぱいで雇用は打ち切ります、どうにかできないかいろいろ聞いてはみたけど、どうしようも手だてがないらしいという説明を受けたというふうに私の事務所で聞き取りをしています。文部科学省経由で九州大学にそういう指示をしているのかというふうに問い合わせましたら、文書も指示も出していないと言うんです。 しかし、今年度の契約の際に、大学からの指示の文書を見ながら契約更新の作業が行われています。これ以上の契約更新はないということをAさんに伝えるために文書が読み上げられてもいるんです。そうすると、今年度の契約に当たって、年度末で確実に雇い止めをするための手順書あるいは指示書、その存在が疑われます。大臣の答弁のとおり、無期転換権によって雇用の安定を図るというのが労働契約法の趣旨です。これに真っ向から反します。 九州大学がどのような指示を出しているのか、あるいは同じような大学で同じようなことがやられていないか調査をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えを申し上げます。 各大学の教職員の雇用形態は労働関係法令に従って各大学が経営方針等に基づき適切に定めて運用すべきものであると考えております。 文部科学省におきましては、各大学の関係者が参加する会議等において、労働契約法の趣旨を踏まえて適切に対応いただくように繰り返しお願いを申し上げているところでございます。 引き続き、厚生労働省と連携をしながら、各大学に対して改めて無期転換ルールの適切な運用について周知徹底を図ってまいりたいと考えるものであります。 以上であります。
○田村智子君 周知徹底だけでは駄目なんですよ。それでは違法、脱法行為を許すことになってしまうんですよ。 これ、労働契約法第十九条、雇い止め法理に照らせば、雇い止めしてはならない人たちがほとんどだと思われるんですよ。裁判したら勝利するという可能性が高い事例がほとんどだと思います。 そして、こんなことやっていたら博士課程の学生の減少に歯止め掛からないですよ。だって、大学院に進学するまでに奨学金という名の借金一千万以上抱えると。ところが、十年雇い止め、これ当たり前になっていくと。これでどうして博士課程の学生を増やすことできますか。深刻な問題ですよ。 今、東北大学では、労働組合が雇い止めの危険を指摘して大学と交渉しています。河北新報がこの問題、五月十二日に報道しています。 三十代の理系の研究者、この方は数年前に公募によって採用されているんですけど、アメリカの有数の研究機関から移ったと。数か月後、部局の教授から、十年たつ前に外、つまり他の大学などに行ってもらうと採用して数か月後に言われているというんですね。一般的に、若手は大学や研究機関を移りながら実績を積み、経歴を高めていく、実力本位の競争が是とされる世界で、自身も国内トップクラスの大学院で博士号を取り、米国で技術を磨いたと、この方。この男性は、雇用期間が短ければ一流科学誌に載るような研究には手を出せない、次の職につながる程々の論文を目指すようになるというふうに明かしていると。既に結婚もして子育てもすると、そうすると、もっと長く働ける、そういう場が欲しいと。そうでなければいい研究生まれないということが、これだけ問題になっています。 大臣からは重要な認識も示されました。それが各大学に対して適切に指導として行われることを強く求めて、質問を終わります。
○委員長(徳茂雅之君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時十七分散会