内閣委員会 第14号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2022/04/28
会議録
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、吉田忠智君及び市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として塩村あやか君及び吉良よし子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(徳茂雅之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官高村泰夫君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(徳茂雅之君) 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○江崎孝君 立憲民主党の江崎でございます。 大臣に質問させていただきます。 委員長、そして上月筆頭理事の計らいで、大分この参議院でも本法案の質疑が深化してきたものだというふうに感謝いたします。衆参合わせて大分質疑時間もあって、その中で、この法案の様々な法目的も、あるいはその課題ももう見えてきたのではないのかなと。ただ、残念ながら時間も限られていますので、私の大臣に対する質問も多分これが最後になるだろうというふうに思います。そこで、いろいろ、少々大臣にとって耳障りというか、余り気持ちの良い質問じゃない部分もあるかもしれませんけれども、どうぞお答えいただきたいなというふうに思います。 まず、本法案は岸田首相の肝煎りで重要法案となりました。ただ、動き出したのは、私の記憶するところでは安倍政権時代、つまり安倍さん、菅さん、岸田さんの、この経済安保という考え方でいくと、三内閣を経て今回こういう経済安全保障的な法案として出されていると思うんですね。その安倍、菅、岸の三つの内閣を貫通するというか、基底に流れている経済政策というのは、もちろんこれはアベノミクスですね。岸田首相も、アベノミクスの批判も否定もされておりません。 本法案は、大臣おっしゃったとおり、経済安保推進法というふうに言われていますが、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保という、こういう名目ですので、経済の基本的施策、経済施策の法案と言っても過言ではないわけでありまして、そう考えると、本法案提出に至った背景と、これまでの経済施策の基本であるアベノミクスは無関係ではないと私は思います。 特に、後からお話ししますけれども、今回のこの法案というのは極めて産業振興的な色彩が強い。とすると、今後この法案によって様々な助成、支援が半導体も含めてされるということになりますならば、当然今の経済状況というのをある程度大臣としても把握しておく必要があると私は考えます。 そこで、円安が相当進んでいます。この円安というのを、まず大臣、大蔵省出身ですからお考えになっていると思いますけれども、この円安というのは今の円安ですね、アベノミクスの想定内であると思いますか、それと、今の円安状況を大臣どう捉えていらっしゃいますか。 これ、所管じゃないからというお答えを杉尾委員の質問にもされていましたけれども、是非、そういう答えじゃなくて、率直な思いを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) 今、経済安全保障に、この法案を含めて施策を進めています。それは、やっぱり我が国を取り巻く内外の環境というものがやはり近年大きく変化してきているからだと思っています。 例えば、国際社会におけるパワーバランスが変化してきておりますし、経済はグローバル化していく。それに伴って、当然サプライチェーンは複雑化していきます。また、社会はデジタル化が進んでいく、DXが進んでいく中で、サイバー攻撃の脅威というものも高まってくる。また、この審議でもお話しさせていただきましたが、AIですとか量子、こうした革新的な技術が出てきている。また、今、目下コロナ禍の状況ですけれども、大規模感染症の出現、こうしたものも出てきている。 こうした背景の中で、外交、防衛という手段によって国民の命、暮らしを守るということは当然重要なんですけれども、それだけではなくて、やっぱり経済面からのアプローチというものが極めて重要になってきている。そういう問題意識の下に、この法案も含めて施策を進めてきているというところでございます。 この法案との兼ね合いとは別に、この法案が全てではないということはこの場でも何度も申し上げさせていただきましたけれども、既にこれまでも既存の法体系の下で外為法の取組を含めてやってきているところでございますけれども、今回、この経済安全保障推進法案、これまで検討を重ねてきた中で、分野横断的に法整備が必要であって、かつ喫緊のものということで四項目挙げさせていただいて今回提出したと、これが法案提出の背景でございます。 議員お尋ねのアベノミクスでございますけれども、これがちょっと、どういう文脈でお尋ねになられているのか、ちょっと私の方でまだしっかりと把握はできておりませんが、法案の提出の背景というのはそういうものでございます。 為替相場の話についても委員から御指摘ありました。同じ答弁はちょっと繰り返さないようにということなんですけれども、これは、やはり為替政策というのは財務大臣の専権事項であって、これはお言葉一つで為替相場に影響を与えかねない、そういうことも踏まえた上で、私からの言及、具体的な言及というのは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、円安によって輸出企業あるいは海外に進出している業者の収益というものは改善する一方で、輸入価格というものは上昇しますから、仕入価格の上昇を通じて企業の収益の悪化ですとか消費者への負担の増加となり得るものと承知をしています。 円安が経済に対してどのような影響を与えるのか、今申し上げたような観点、プラスの面もありますし、マイナス面もあろうかと思いますので、その両面の影響を総合的に勘案していく必要があると考えております。
○江崎孝君 私がなぜこんな質問をするかということなんですけれども、一つの法律で社会を変えることがあるんですね。 例えば、私が記憶しているところによると、一九九八年だったと思いますけれども、それまで派遣は原則禁止だったんですね。それを自由にしたという法律が一つできました。そして、二〇〇〇年過ぎたと思うんですけれども、最終的に製造業に派遣をオーケーしたんですね。いわゆる、このときにその後の社会がどうなるかというのは、当時提案をされた、多分公明党の大臣だったと思うんですけれども、その後の記者会見で、想定していなかったと、こんな状況になるのがというのをどこかで私は聞いた、見た記憶があるんですけれども。 今、我が国は派遣大国でして、派遣会社が実に六万社超えるんですね。アメリカは一万ちょっとだと思うんですよ。唯一、一万超えているのがイギリスとアメリカで、いわゆるアングロサクソン系の国、それ以外で六万社を超えてというのも、前代未聞の今の社会状況になっている。これもやっぱり法律が、そういう将来を見通せずに経済界の要請だけで変えたことによって今の状況を生んでいるわけですね。 だから、今回のこの安全保障法案も、安全保障とは言っているけれども、極めて経済的な施策の色彩が強いので、どんな影響を与えるか僕は分からない。だから、今の経済の状況をある面では大臣としてもはっきり把握をしている必要があるんじゃないかという思いで質問させていただいたんですね。 じゃ、ちょっと言い方変えますけれども、悪い円安というのはどういう状況だと大臣お考えですか。これ質問通告していませんけれども、大臣だったらお答えできるのではないかなと思って聞いています。
○国務大臣(小林鷹之君) お尋ねの件についてでございますが、ちょっと繰り返しになって恐縮なんですけれども、為替政策につきましては財務大臣の専権事項ですので、私からの答弁は控えさせていただきます。
○江崎孝君 いやいや、大臣、大臣のお気持ちだけで、これまでの知見で結構です。 それは別に、担当大臣じゃないから答えられないという話じゃないと思うんですね。誰でも考えていることであって、今、経済界で悪い円安だというふうに言われているわけですから。じゃ、悪い円安ってどういうものですかというのを別にその専権事項じゃないからということでお答えいただけないというのは、私はちょっと腑に落ちないんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(小林鷹之君) 先ほど申し上げましたとおり、これはプラスの面、マイナス面、円安であれ円高であると思いますので、それを総合的に判断するということだと、そこに尽きると考えます。
○江崎孝君 それはちょっと悪い円安、まあ、じゃ質問を変えます。 今の円安というのは想定内ですか、大臣の。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 それが想定内なのか想定外なのか、それについてもこの為替政策について関わる話ですので、大変恐れ入りますけれども、私からのコメントは控えさせていただきます。
○江崎孝君 そういう極めて慎重なお答えになるのは、もうこれ分かります。本当はおっしゃりたいんだろうと思うんですけれども、それぐらい今、経済状況というのは非常に深刻になっているということの表れですよね。 悪い円安というのはやっぱり物価に転嫁できない、あるいは賃金が上がらないという状況下で円安が進んでいくということは、やはり国民にとっては自国通貨がどんどん毀損していくわけですから、当然これは国民の暮らしが良くならないですよね。だから、僕さっき話をしたんですけれども、やっぱりこれだけ非常勤職員が増えるという状況を生んだのも法律なんですよ、やはり。やっぱり経済界の要請だけで物事を動かしていったら、国民、普通の暮らしをしている人たちに対して極めて深刻な社会が生まれてくるというのが、もう既に今我が国の実態が証明しているんですね。 これは与党の皆さんにも是非お願いしたいんですけれども、やっぱり経済界からの要請だけで、だけでと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、法案を作っていくと、やっぱり十年後、二十年後にとんでもない社会ができてしまう。もうこれ動かないですよ。例えば、六万社以上派遣会社ができたということになると、これもう一つの産業になっていますので。本当にこれ、僕、深刻。その中でこれほどの円安が来ている。 この円安もアベノミクスの一つの成果と言っていいかもしれませんけれども、これどうせ大臣お答えいただけないと思うんだけれども、アメリカでは既に金融引締めに入っていると思います。政策金利を上げ出したんですけれども、相変わらず、今日、日銀総裁の報告が午後あるようですけれども、アベノミクスの柱である大胆な金融政策は転換しようとしていません。 私は、株価をある程度維持する思いでというふうに思っているんですけれども、その株価さえ今下がってきている、そして円安は放置したままという、こういう状況はもうどう考えても、安倍、菅、岸田、そして新しい資本主義という通底に流れているアベノミクスの行き詰まりだと思うんですけれども、これ、大臣、どうお考えですか。賛成だったら、うんと答えていただいたらいいんですけど、なかなか言えない部分でしょうけどね。
○国務大臣(小林鷹之君) 為替のお話、またアメリカの金融政策の話がございましたが、その点についての私からのコメントは控えさせていただきますが、ただ、先ほど来、経済界だけというか、そこからの声だけでというお話も委員からございましたが、この法案を作るに当たっては、当然やっぱりメーンプレーヤーというのは企業であり、あるいはアカデミアの方だというふうに思っておりますので、そうした産業界、アカデミアの方からも様々御意見もいただきましたが、それに加えて例えば労働組合の皆様からも御意見いただきましたし、これから制度、法案、これが仮に成立したということを前提にしますと、その後、この基本指針ですとか政省令作っていくに当たりまして、幅広い方たちからのその意見を、まあ最終的にはパブコメということも含めてやっていきたいというふうに思っています。 また、一般論として申し上げれば、経済情勢というのは当然変化していきます、経済というのは生き物ですから。そういう意味で、この法案の附則の四条に、この法律の施行状況をしっかりと三年後をめどに検討を加えた上で、必要があればしっかりと見直しをしていくということも規定させていただいておりますので、その国際情勢、また国内の情勢、動向もしっかりと踏まえながら、この法案、しっかりと運用していきたいと考えます。
○江崎孝君 私は、アベノミクスは行き詰まったとは言えませんかという質問をしたんですけれども、違うお答え返ってきたんですが、まあ分かりました。これでこの流れは一応変えさせていただいて。 さて、その本法案ですけれども、前回ですけれども、第七条の第一項、外部から行われる行為により国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止するためということで、安定供給確保を図ることが必要と認められる物資を特定重要物資として指定することができると、この辺の議論をさせていただいて、外部から云々、全部読みますと、外部から行われる行為により国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止する事態、を損なう事態とはどういうものかと大臣にお聞きしました。大臣は、重要物資の供給が途絶え又は不足することによって国民の生存に直接的に支障が生じる状況、及び国民生活、経済活動、例えば幅広い産業のサプライチェーンに甚大な影響を及ぼす状況と答えられたんですね。 私は、そのときも、この二つの状況が経済安全保障の重要なポイントだと言いました。つまり、これがなければ、私のイメージからすると、ただの経済施策になると思うんですね。経済安保ということは、外部からのある程度の行為によって国民や国民の生活、まあ国民としたら、国民の安全が損なわれる事態になる場合、それを前提にこの法案は立て付けになっているはずです。 そこで、衆参の議論の中で特定重要物資の例示を問われた場合、大臣は、骨太方針の二〇二一のサプライチェーンの強靱化で、半導体が特定物資として該当し得ると答えていらっしゃいます。私もこの場でお話を、その話をしました。そのときも、骨太の二〇二一ができたときは確かに経済安保という枠組みの中で議論されていると思いますが、今言った二つの状況、大臣が言われた、もう申し上げませんけれども、極めて、安全保障という概念で国民の生活が支障を来すという極めて重要な状況を二例言われて、本法案の特定重要物資の指定はそういう状況の場合だというふうに言われた。 改めてお聞きしますけれども、骨太方針二〇二一の中において言われた半導体というのは、本法案が成立した暁には特定重要物資と指定され得ますか、もう一度お聞きします。
○国務大臣(小林鷹之君) 今回この審議を通じまして、経済安保とは一体何ぞやという御質問を数多くいただきました。端的に申し上げれば、国益を経済面から確保することということを申し上げてきた中で、じゃ、その国益とはまた一体何ぞやということで幾つか申し上げましたが、その国益の中で中核的な国益というのは、やっぱり国家国民の安全、ここの国家国民の安全だというふうに考えていて、例えば我が国の主権や独立、また国民の生命や財産といったものだというふうに考えております。 このうち、委員が生命というところは分かりやすいというふうに今おっしゃいましたけれども、例えば経済面から国民の財産といった国益を確保する観点からは、サプライチェーンの強靱化につきましては、今二つ例示していただきました、生存に不可欠な物資のみならず、もう一つ、広く国民生活若しくは経済活動が依拠している物資も支援対象となると考えております。 具体的に、じゃ今それは何なのかということはこの時点で予断を持って言及することはできませんが、例えば、江崎委員の問題意識でございます半導体の供給途絶が国家及び国民の安全を損なう事態を招くのかという点についてお答えするとすれば、半導体が、その供給が途絶した場合に、例えば電子機器だけではなくて、例えば自動車、耐久消費財からインフラに至るまで幅広い産業のサプライチェーンに甚大な影響を及ぼして、また結果として国民生活、経済活動に重大な影響を及ぼすおそれがございますので、国家及び国民の安全を損なう事態を招く可能性があると考えています。 したがって、この時点で半導体を特定重要物資として指定するかどうかということは断言はできないですけれども、こうした条件に合えばその対象となり得るものと考えております。
○江崎孝君 大臣はそういうふうに少しストレートな回答じゃないんですけれども、そのときも僕お話をしたと思うんですが、熊本にソニーとTSMCが工場建設をいたしました。四千億円以上の国の補助金というか助成金が出るという話なんですけれども、ヒアリング、政府とこの質問のやり取りしたときに、この法案ができたらこういう工場の建設は可能かと聞いたら、すぐに可能だと答えた、できますという話になったんですね。ちょっと、ううんと思ったんだけれども、私はそれはそれで、まあヒアリングですから、そうです。 だから、私のところに来られる方も含めて、やはりそういう半導体は特定重要物資に指定し得るし、熊本にできた工場のようなものもこの法案の範疇内でできるんだというイメージが普通に通底しているような気がしているんですけれども、これは僕が間違っているかもしれません、私の思いですから。話をしている中で、余りにもできますよという話だったので。 もう一度大臣に聞きますけれども、この法案が成立すれば、この法案を基にして、熊本に建設をしたような半導体の工場が造られる場合は支援法人を通じて助成が可能なんですか。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 この法案では、助成金による支援ですとか、あるいは金融支援などを通じまして、生産基盤の整備、供給源の多様化、備蓄、生産技術の開発、また代替物資の開発、こうした物資の特性に応じた多様な取組を総合的に支援するための法的な枠組みでございます。 したがって、今委員が言及された半導体が特定重要物資に仮に指定をされて、そして新たな半導体工場の建設などを内容とするその供給確保計画、これが民間事業者から申請をされて、これが主務大臣が定める各種の要件に合致をし、認定が行われるとすれば、新たな半導体工場の建設などに対する支援を行うことは可能だと考えております。
○江崎孝君 やっぱり可能なんですよね。前回の経産との連合審査の場合も、蓄電池に関して支援が必要なんだという要請もされました。しかし、私みたいに産業界から出身していない者にとっては、やっぱり経済安保という法案の立て付けの中でそういう産業支援ができるということは、ちょっと僕は違和感を実は感じているんですね。だから、こんなお話をさせていただいているんですけれども。 その前に、もう一つ、これはやっぱり自民党の皆さんにも是非深掘りしてほしいなと思うんですけれども、自民党に昨年の春、半導体戦略推進議員連盟というのができました。会長に甘利さん、前幹事長が就任されていて、安倍総理も麻生元総理も最高顧問なんです。つまり、首相経験者が二人最高顧問にいらっしゃるので、多分自民党の中では相当これは大きな、あるいは結構力があるといったらいいのかどうか分かりませんけれども、結構大きな議連だと思うんですね。 二〇二一年の末に東京でマイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会が起きて、そこでセミコン・ジャパン二〇二一ハイブリッドという、何かそういう名前らしいです、そこでグローバル半導体産業における日本の国家戦略というところに甘利前幹事長が登壇をされて、半導体強国復活に向けてと題した講演を行っているんですね。これはネットで調べていただくと出てきますので。 その中で、ネットのマイナビニュースというところで、今年の二月二十一日にこんな配信しているんですよ。日本政府が目指す今後の十年間の半導体国家戦略、甘利氏が語った二つの課題とは、こういう見出しなんですね。そのときの講演記事を配信しているんですけれども、そのニュースによると、同氏の話を改めて聞き直してみると、TSMCとソニーの合弁半導体製造会社における、ちょっと中略します、略します、半導体製造への拡大などは甘利議員の思惑どおりに進んだことが分かる、そしてさらに、課題の一つとして今後十年間に七兆円から十兆円規模の資本投入が必要である、これは甘利前幹事長語っていらっしゃるんです、その講演の中で。今後十年間に七兆円から十兆円規模の資本投入が必要である、官で五兆円、民で五兆円を十年で投資する必要がある、政府はこの最終目標達成のために十年計画の一年ごとの時系列の戦略を構築中であるというふうに言われていらっしゃるんですね。 私がなぜこの法案で半導体工場ができるんですかというのに固執するのはここなんです。特定重要物資に半導体を指定して、安定供給確保のための支援をすると。そして、今言ったように工場まで造れるということですから、これ、どう考えても、甘利前幹事長の講演内容と何となく僕は併せて考えてしまうんですけれども、大臣、その辺の所見というか、私のこのもやもやした感覚を払拭していただけませんか。
○国務大臣(小林鷹之君) 甘利議員含めまして、政治家の方々がそれぞれの個人的な見識の下に発言されていると思いますので、その内容について政府の立場から一つ一つコメントすることは控えますけれども、半導体については既にもうグローバルサプライチェーンのリスクが顕在化しつつあって、リスクが高まっていると私は認識しています。 我が国において半導体の供給不足を要因として主要産業に影響が及んでいる中で、主要各国は何をしているかというと、やはり巨額の予算を投じてこの先端ロジックの半導体の製造拠点というものを各国が誘致している、誘致合戦になっている状況だと私は認識しています。その先端半導体の安定供給体制の構築というのは、先ほど半導体の重要性については申し上げましたが、我が国にとっても喫緊の課題だと認識をしています。 その上で、この法案そのものについては、半導体というその具体的な特定の物資にとらわれることなく、重要な物資について、全般について、そのサプライチェーン、本当にこの国の、あるいは国民の安全の、あるいは安全のために、先ほど二つ委員御指摘いただきましたが、そうした観点から重要な物資のサプライチェーン強靱化を図ることとしておりまして、今後、具体的なその指定につきましては、基本的な考え方は基本指針において明記をし、また個別物資ごとに指定の必要性というものを判断していきます。したがって、その特定の物資ですとか特定の企業への支援などの連携というのを念頭に置いたものではないです。 ただ、その半導体産業についても、これは経済産業省を中心にやられていますけれども、やはりこうした重要産業で、基盤産業であることは間違いないと思いますから、足下だけではなくて、その先を見据えて全体像を描いていくということは、やはり民間企業の予見可能性などを高める上でも大切なことなのではないかと考えます。
○江崎孝君 まあ分かるんですけれども、ただ疑念が更に深まるんですが、やっぱり造れるわけですよね。 「選択」という月刊誌がございます。四月号、今月号ですね、そこに「醜聞続き「経済安全保障」の暗部」という記事が載っていました。それによると、そもそも経済安保とは米国が強く唱えてきたことで、中国企業排除を念頭に、米国のNIST、これは米国国立標準技術研究所というんですけれども、米国のNISTが定める技術安全標準などを強調して米国製品を日本に調達させようというもので、多分これ、ファウンドリーというのをつくらせようということだと思うんですね、TSMCみたいなようなやつですね、受注してこれだけ生産すると、それさせようというもので、米国系コンサル企業が積極的に働きかけてきた。そのロビー活動で活発に動いていたのが、当時、米国のデトロイトトーマツコンサルティングでNIST推進部門を担当していた、現在は多摩大学ルール形成戦略研究所所長の國分俊史氏であると、こう言っているんですね。これは、御存じのように、非違行為で処分されましたあの藤井さんと頻繁にメールのやり取りをされていた方なんですよ。 これには当然、甘利前幹事長がやっぱり積極的に動いたことによって、二〇二〇年に国家安全保障局に大臣も御承知の経済班ができます。初代班長が藤井さんですね。つまり、何を言いたいかというと、つまり半導体という動きをされていた國分さんと密接に関係があった藤井さんが国家安全保障局の経済班の初代班長に就くんですね。その後の状況はもうお分かりのとおりです。 記事では、そもそも日本政府で経済安保の推進に積極的に動いていたのは、國分氏と関係の深かった甘利明元経済再生担当大臣と藤井敏彦前経済安保法制準備室室長だったと。ついこの間までそうです。つまり、こういう流れで思っているジャーナリスト陣もあるということですね。 衆議院の、さっき言いましたね、藤井氏のメール等のやり取りからして問題視されています。この二人に甘利前幹事長が加わって経済安保が推進されたわけですね。これはもう御承知のとおりだと思いますね。そのターゲットはもう半導体なんですよ。半導体に対して税金どう投入するかなんです、先ほどの甘利前幹事長の講演の中でもはっきりしたとおり。 そうすると、大臣おっしゃっていた、本法案が経済安保推進法というふうに言われていますけど、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案、この経済と安保と推進を取って略称経済安全保障推進法案と呼んでいるんだと。つまり、定義もない、経済安全保障の、中には。おっしゃっていますけど、それは。法案の中に定義もないわけですね。様々なものが主務省令に落とし込まれていっている。私は、ずうっとこの議論しているんですけれども、何となくこの法案が経済安全保障推進法案とは思えなくなってきました。似て非なるもの。 大臣は、前回の私の質問に答えて、先ほど言った、経済、安全保障、推進の三つを取った法案の略称で、取り急ぎとおっしゃいましたね。取り急ぎ四項目、まず急がなきゃいけないということで今回手当てしたものと答えられた。私もそれは当たっていると思うんです。取り急ぎなんですよ。つまり、しかも、全九十九条の法案中半分がこの特定重要物資ですからね、約。余りにも特定重要物資の比重が大きいんですよ。様々な基幹インフラだったり、まあこれは、特許非公開というのは昔から議論されていましたから、その部分については極めてちょこっとで、いろいろ問題があるということを指摘されていたと思うんですけれども。 そこで、質問なんですが、経済安全保障推進法案と言われる法案がなぜ定義もなく、重要部分はほとんど政省令に丸投げしています。そして、そうやってでも、取り急ぎそうやってでも今国会に提出しなければならなかった理由というのは、安全保障とは冠かぶっていますけれども、産業競争力推進法的な意味合いがあるんじゃないんですか。仮に、参議院選挙後に岸田総理がつくるという新しい資本主義という政策の中の柱にする必要があったからじゃないか、取り急ぎされたのは。 これ、僕の思いなんですけれども、どう答えられますか。
○国務大臣(小林鷹之君) まず、先ほど「選択」という雑誌の記事を何か御紹介いただきました。一つ一つこの記事のことについて論評は控えますけれども、断言させていただきたいのは、特定の誰かとか特定の企業のために、あるいはそういう人たちだけによってやられたものではなくて、あくまで国益という視点に立って、この国の未来、将来のために何が必要なのかというのを徹底的に考えた上で今進めているということは御理解いただきたいと思います。 この法案のかなり大部分がサプライチェーンの規定ということは御指摘のとおりだと思います。これは、その国家国民の安全を損なう事態を未然に防止する必要があるということ、また有事になってからではなくて、したがって平時からしっかりとその枠組みをつくっておくのだということで、経済安全保障の観点、すなわち国民の生命や財産といった国益を経済面から確保する観点から各種の措置を講じているものであって、委員が御指摘されたその産業振興策、これを直接の目的とするものではありません。 そして、この法案というのは、各省庁の所管にとらわれることなく、やはり重要な物資についてサプライチェーンの強靱化を図るためのものでございますので、やはり今回、そういう意味で各省に対して横串を刺していく必要がありますので、岸田内閣においてこうした経済安全保障担当の閣僚というポストが設置されたというふうに理解をしております。
○江崎孝君 是非、さっき僕、言いましたね、その経済界からだけのという表現は悪いんですけれども、ある一定の側面だけで法律作っちゃうと、先ほど言いましたとおり、とんでもない社会をつくってしまいますよと。だから、非常に慎重にやっていただきたい。大臣、そこは、この間の、お人柄というか、会話の中で十分伝わってきますから、ある面ではそういう政治の、何か経済との関係の、こういう、何というかな、そういうところに踏み込まれないように是非しておいてほしいと思うんですけれども。 ちょっとまだ議論があるんですけど、もう時間がなくなってきたんですけれども、先ほど甘利さんは、日本は同盟国である米国に働きかけて、米国企業、今はこの場でどこかは明らかにできないんですがと言われているんです、さっきの講演で。米国企業と協業してそこの最先端技術を引き込んで、日本の強みの製造装置、材料技術を生かしたハイエンドの最先端ファウンドリーを国内に設置しなきゃいけないと言われている。ぴったしなんですよ。 で、さっきの「選択」です。済みません、また戻りますけれども。これ、内閣府の関係者が言っているということで言っているんだけど、日本経済と安全保障を海外の影響から守ろうとして進められた経済安保は、結局、米国製品を導入するという米コンサル系らの思惑どおりに動いている、本来、日本のための経済安保というのであれば日本企業の製品を入れるのが当然なのだがと内閣関係者が嘆いている。まあこれはどうか分かりませんけれども。 つまり、そういうふうに見られている部分もあるということは、これは是非承知をしていただきたいし、先ほど僕が議論してきたとおり、産業振興とするならば、やっぱり半導体をもう一回競争力を上げなきゃいけないんだと。だったら、真っ当にそこで議論をすればいいわけです。経済安全保障という枠を付けなくても国民は理解するはずです。 それが、この間の流れの中で藤井さんの問題もあった、國分さんの問題もあった、そういう自民党内の極めて大きな半導体議連という流れもあった中で経済班がつくられて、そして、この経済安全保障法案が取り急ぎ四項目という状況で、この法案、この国会でこれだけ短期間に審議されるということに対する違和感は私は極めて強いので、これ今後成立していくんですけれども、大臣、そこは是非はっきりしておいてほしい。 法案が成立した後に、仮に僕が言ったとおり新しい資本主義の中に盛り込まれて、近い将来、この法案を基に支援法人が半導体の工場を造って支援をしていく、途方もないお金が動いていく、こういう状況になったときはですよ、これ、大臣、大臣のやっぱり国民からの目線は相当厳しくなると思うし、新しい資本主義という枠組みさえも国民からこれはもう見透かされてしまいますので、是非そこは注意をしておいていただきたい。 最後に、もう時間が来てしまい、あと二分ありますけれども。 そこで、僕、重要なのがやっぱり第二条第二項第三号だと思うんです。安全保障の確保に関し、総合的かつ効果的に推進すべき経済施策に関する基本的な事項。これを、大臣答弁は、法案に基づく措置が効果的に施行されるよう他の施策も統一的に整合的に講じるべきこと、これるる言われました、例えばセキュリティークリアランスも含めて。 本来だったら、経済安全保障の法案であったら書き込むべき、あるいは議論すべきものがない。ないから、これを整合的にどうするかといったとき、私は、期待感を持って、ここの基本方針のところに、今後どういう議論をするのかも含めて、本来の経済安全保障の考え方に基づいた様々な問題点というのをある程度洗い出していただけるものだというふうに思っておりました。 それで、最後に、これはもう要望ですけれども、時間が来ましたので、是非、この経済安全保障法案は、経済安全保障という定義からすると極めて生煮えです、先ほど言ったとおり。いろんな問題ができていません。技術流出あるいはセキュリティークリアランス、様々な問題が。例えばエコノミック・ステートクラフトをどうするかとか、本来の経済安全保障の問題点として。そこをやっぱりこれから私は国民の皆さんにも危機感を、危機感という言葉はいいかどうか分かりません、国民の皆さんにもしっかりとここを理解していただくのであれば、私は、国会に報告をしていただいて、この総合、全体が分かったら、やっぱり是非そこで国会で議論をしていただきたい、是非報告していただきたいと思うんですが、どうですか、大臣。
○国務大臣(小林鷹之君) まず、先ほど、これが全てではなくて技術流出の防止などたくさんあると、クリアランスの話も触れていただきました。既にもう法整備なくしてやっていることもありますが、先般、附帯決議、衆議院でいただきまして、御党、立憲民主党からも、セキュリティークリアランスについてしっかりと検討していくべきだというようなこと、賛同をいただいておりますので、しっかりとそうした趣旨を踏まえてやっていきたいと思いますし、国会との関係につきましても、例えば基本方針などの策定に当たりましては、この審議をしっかり踏まえたものにしていきたいと思いますし、またタイムリーにこの施策をしっかりと公表していく、国会を含めて広く国民の皆様に対して必要な説明を尽くしてまいりたいと考えます。
○江崎孝君 大臣の就任は甘利人事と言われていました、産経新聞で見たら。そういう見られ方もされているわけですね、大臣。 是非、私が言ったこと、将来そういう状況にならないように改めてお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 今、江崎委員とのやり取り、最後、また改めて経済安全保障の大きなテーマとしてお話、やり取りされていました。私も改めて聞かせていただいて、だからこそ我々国民民主党としては、総合的な安全保障、こうした推進の必要性というのを訴えて、自分たちなりにも法案の準備もして話をしてきました。やはり、これは重ねてのお話になってしまいますので御答弁はとは思いますけれども、改めてこの経済安全保障、今回の四本だけではなくてしっかりと総合的なもの、これ政府としては是非構築を私はしていっていただきたいというふうに思っております。 一点ちょっと気になったのが、今の、これも済みません、江崎先生のやり取りを借りてしまって申し訳ないんですが、産業競争力が主眼になってないかという、こういうやり取りの中で、大臣、決してそうではなくて、もう横串をしっかりと刺して、このサプライチェーンの強靱化ですとかそういった点にしっかりと取り組んでいくという、そういったお話ではありましたけど、でもこれはもう表裏一体の関係で、サプライチェーンの強靱化をしていく、あるいは特定技術、そうしたものをしっかりと国内でも育てていく環境を整える、あるいはそれを、特許もしっかりと守っていくというのは、これは結果的には競争力を高めていく土壌をつくっていくということにほかならなくて、ですから、ここの経済安全保障の推進法案が、それはちょっと違うんですよと言ってしまわれると、それはそれで私、少し違うのかなというふうに思うんですけれども、やはりそこはもう表裏一体の関係であって、ただ、あとはそこの特定の産業を強化をしていくものではないというふうに思います。 トータルで、日本として、この国に住んで安心して暮らしていける、そして事業が行っていける、そうしたまさに大きな横串を刺して、それをしっかりと推進していくというのが経済安全保障の考え方だというふうに思いましたので、ちょっと先ほどの大臣の御答弁の部分、私、気になったんですけれども、その辺の御認識をいま一度確認をさせていただいてよろしいですか。
○国務大臣(小林鷹之君) 二点ありまして、後ろから申し上げますけれども、その特定の産業を何か応援、だけを応援するものではないということはそのとおりです。特化しているわけではないと。 最初の御指摘の話で、この表裏一体という話については、よりもう少し具体的に私のイメージを申し上げますと、先ほどは産業振興というものを直接の目的とするわけではないということを言って、あくまでその国家国民の安全を確保することは極めて重要なのだということを申し上げました。 でも、これは当然、二律背反のものではなくて、どこから見るかということだと思います。安全保障の視点から見るのか、また産業振興の観点から見るのか。それは、結果として同じことをやっているということも十分あり得ます。 例えば、半導体でいえば、今このサプライチェーンの話、ここの話というのは、やはり国家国民、国民経済あるいは国民生活に極めて重要なものですので、そこを強化しなきゃいけないということで今アプローチしようとしています。 その中で、いろんな多様な取組というのがあります。これは、半導体がまさに、まだ物資として決まったわけではないですけれども、仮にそうなったとした場合、そうすると、例えばその代替物資の開発というのもアプローチの一つとしてあり得ると思います。その代替物資が仮に開発をされて、これが本当に世界、国際社会における非常に大きな強みとなった場合は、当然その産業振興に結果としてつながっていくこともあり得ると思います。 でも、全てが重なるわけではないとも思っていまして、半導体の産業を今後本当に振興させていこうとすれば、サプライチェーンの話だけではなくて、どうやって新たなマーケットをつくっていくのか、新たなニーズ面からの需要をどうやってつくっていくのか、そういう視点というのはまさに産業政策だというふうに思いますし。 なので、結論を申し上げますと、完全にかぶるものではないですけれども、その安全保障のアプローチからとしてやっていたものが結果として産業振興につながるということは当然あり得る話でありますので、そこは整合的に全体を見ながらやっていくということが重要なんだろうと考えています。
○礒崎哲史君 大臣、ありがとうございます。まさに、その視点の違いというのは、私もすごくそこは共感できるところのお話ですので。 それで、もう一つ、その観点でいきますと、ただ、そうはいっても、どうしても、それこそ重要特定物資ですとか、ああしたものを特定していくと、そうしたところに政府としても支援というのは当然、前回、私はするべきだというお話をさせてもらったので、するべきだと思うんですが。 やはり、昔のビジネスモデルと今のビジネスモデルの違い。昔は、やはりトレンドがあって、そのトレンドが少しずつ変わっていく。それに対して企業もいろいろ考えながらそれぞれ事業モデルをつくって、そこに対して投資をしながら経済活動を進めていくというふうにやりましたけれども、今はその一つのトレンドの期間が物すごく短くなっていて、しかもそれが同時に一つ、二つ、三つと、こう同時に発生するような。そうすると、一つの企業が全てに対して同時に対応するというのは、これはもう人員的にも金額的にも、やはりそこはもうどだい無理な状況になってきているというのが、やはりこの二十年間、特に第四次産業革命という言葉が言われるようになってから、まさしくそういう状況になってきているんだというふうに思います。 その意味で、昔のようなビジネスモデルで、基本的には企業が責任持ってやるんですよというような形がやはりできなくなったので、やはりそこには政府からの支援が必要になったと。それが如実に今のアメリカですとかヨーロッパですとか中国ですとか、まあ中国はまたちょっと違う形で進めていますけれども、国策で進めていますが、そうした国が何兆円、何十兆円、何百兆円という金額を国として準備をし、そしてそれをもって企業家の投資を促していくという、こういう形につながっているんだというふうに思います。 ですので、その意味では、先ほどの視点の違いというお話、大臣からもいただきましたけれども、この点は踏まえながらもしっかりと進めていかなきゃいけないと思うんですが、特に私、気になっているのが、政府が、じゃ支援をするから、企業家ができるだけ政府に出してもらって自分が投資しないというような、そういう安心感といいますかね、リスクを取りながらしっかりと進めていくという、そういうフロンティア精神がなくなってしまうと、それはそれでまずいのかなというふうにも思います。 ちょっと済みません、これも通告はしていないんですけれども、しっかりと、そういう企業家のフロンティア精神というのもしっかりとこういう安全保障を進めていく中では取り組んでいくべき課題なのかなというふうに思いますが、もし大臣、御所見いただけるようでしたらお願いします。
○国務大臣(小林鷹之君) おっしゃるとおりだと思います。認識は共有しておりまして、サプライチェーンの強靱化というところでいっても、別に政府が無理やり何かをやってもらうわけでもないですし、とにかくお金出すから、もう本当に重要なもので、どうしても経済合理性が働かないものについてはそういうことがあり得るのかもしれませんが、基本的には民間企業の主体性、主体的な取組というものをしっかりと後押しするということで、それはやはり、その支援の在り方についてもその辺はしっかりと考えていかなきゃいけないと思っています。 一方で、冒頭おっしゃっていただいたようにトレンドがどんどん短くなっている、重要技術なんてまさにその最たるものだと思いますけれども、そこでやっぱり民間企業が抱えられない、どうしても抱え切れないリスクは国がしっかりとそこはカバーしていく必要はあると思いますが、当然その前提となっているのは民間企業がしっかりとリスクテークをするということだというふうに思っておりますので、そこを失わせるようなこういう運用というのはあってはいけない、そういう思いを持ってこの法案の制度設計もやっていますし、今後の運用についても気を付けていきたいと考えます。
○礒崎哲史君 そういう意味では、政府と産業の対話というものが大変重要になるというふうにも思いますので、是非その点、大臣のリーダーシップ、引き続き発揮をいただきたいというふうに思います。 それでは、通告をしております質問に移りたいと思います。 今日は、先端的重要技術の開発支援ということで、主にシンクタンクに関連して質疑をさせていただきたいと思います。 この六十四条にシンクタンクの件、書いてありますが、ここに関しては、内閣総理大臣は、調査研究の全部又は一部を、その調査研究を適切に実施することができるものとして次に掲げる基準に適合する者に委託することができるということで、シンクタンクに委託ができるということが今回のこの法律の立て付けの中身ということになります。 一方で、これまでも多くの委員の先生方がシンクタンクについての議論はされていて、その中で、度々といいますか、これもよく大臣がおっしゃられていた、令和五年にシンクタンクをつくるんだというお話をされていました。法律上はシンクタンクに委託をすることができるというのが今回の法律の立て付けの中身ですが、このお話で出てきます令和五年の新たにつくられるシンクタンクというものがあります。 この二つの方向性がそうするとこの答弁の中には存在しているというふうに思うんですが、このシンクタンクの活用に関して今後どのように実際にされようとしているのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) ありがとうございます。 この六十四条第一項に規定する特定重要技術に関する調査研究につきましては、この二項に基づいて、一定の基準を満たす法人に委託することによって、先ほどお話出ていました、短期的に技術の進化というのは進んでいきますけれども、長期的視点からの継続的な調査分析を実施し、シンクタンク機能を構築していこうとするものであります。 他方で、この令和五年度をめどに立ち上げようとしているシンクタンクというのは、今申し上げたこの法律に基づく委託調査を含めて、そこを含めて、国内外の技術動向、社会経済動向、そして安全保障など、多様な視点から科学技術イノベーションに関する調査研究を行うこととしています。 具体的には、国内外の研究機関とのネットワークを活用しながら、先端技術をめぐる国内外の情勢、研究開発動向に関する調査分析や政策提言、また、国内外の関係機関などとしっかりと連携した上で情報を集約するハブとしての機能、また、先端的な技術の動向について高度な知見を有する人材を確保、育成する機能を発揮させていきたいと考えているところであります。
○礒崎哲史君 一つ確認なんですけれども、今回のこの法案でシンクタンクに委託することができるという、そのシンクタンクは、例えば非常にその分野において優れている海外のシンクタンクがあったら、そこに依頼することというのはあり得るんでしょうか。
○国務大臣(小林鷹之君) 基本的には、今まさにどういうシンクタンクがあり得るのか、どういう機能を果たすべきなのかというところを今委託調査でやっているところでございますので、それを踏まえた具体的な設計になっていくかと思います。 ただ、この審議を通じても、最初から何か大きなものがどんとできるわけではなくて、まずは小さなところから中心となるものをつくって、国内外の研究機関などとしっかりと連携をしていく機能、それを国内でしっかり設けていこうとするものでございますから、この中心となる研究機関を、いきなり海外の研究機関に全てそこを委託するというようなことは一般的には想定しにくいというふうに思っています。あくまで我が国としての研究開発能力、このシンクタンクとしての能力を高めていく必要があります。 ただ、そのハブとなるこれからつくるシンクタンクが、じゃ国内のパートナー、関係機関とだけ連携していれば何かいいアウトプットが出るかというと、そうは思いません。したがって、国内外のそうした機関との連携を大切にしていくというふうに考えております。
○礒崎哲史君 より幅広い情報を収集をし、調査分析をしていくという意味では、海外との連携というのは当然これはあるんだというふうには思います。今大臣からお話がありましたけれども、全てを委ねるというのは、確かにそれは、経済安全保障で取り組んでいるのに全てを委ねるということに対してはあり得ない、なかなかないというお考えはそのとおりかというふうに思います。 今お話の中であった、具体的に、そうしますと、このシンクタンクに求められる適合要件、具体的に必要とされる能力ですとか、じゃ、その能力を持っているシンクタンクを誰がどうやって判断するのか、この点について具体的なことが決まっていればお答えいただいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(小林鷹之君) まさにこれ、これから閣議決定する基本指針の中で、そのシンクタンクの調査研究の方向性について一定の具体化を図っていくこととなりますし、今委員からお尋ねいただきましたこの能力の具体的な内容につきましても、その指針を踏まえて今後具体化していかなければならないと、そういう段階でございます。 じゃ、例えば、その委託先の選定について誰が判断するのかというところにつきましては、一義的には内閣総理大臣が行うと考えております。
○礒崎哲史君 一義的には、もちろん法律上は内閣総理大臣にはなりますが、実務的には別の方というふうになろうかと思います。その点についても今後お決めになっていくということになるというふうに思いますので、しっかりと、このプロセスも透明性を持ってしっかりと説明ができるように、そうした形でこの後、細部についてはお決めをいただきたいというふうに思います。 それと、あともう一つ、シンクタンクで確認をしておきたいのが、今回法律の中では、この特定重要技術、この点についてシンクタンクを活用していくと、業務委託することができるということになったんですけれども、これ特定重要技術だけに絞った理由は何なのかということなんです。例えば、特定重要物資なんかも、この物資がどういうふうに使われていくのか、あるいはどういう理由でこれ、今後世の中でどういうふうにこの物資が活用されていくのかというのも、かなり専門的な調査ですとか分析というものはあってしかるべきなのかなと。 特に、この間の参考人質疑でも、これはもう特定重要技術でしたけど、参考人質疑の中でも、今後そのエンドユースとエンドユーザーが分からない世界がやってくるというお話もありました。そうすると、これは技術だけにかかわらず、物資なんかにも適用されてくることかなというふうに思うんですが、なぜこれ特定重要技術だけに絞り込まれているのか、その理由についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げる前に、先ほどの私の答弁が若干舌足らずだったと思います。一義的には内閣総理大臣ということを申し上げたんですけれども、済みません、もう少し細かく申し上げると、実際には国家安全保障局や、この法案が通れば設置することとなる内閣府の新しい部局、そしてCSTIの事務局がございますので、そうしたところが実態としては連携をして決めていくことになるかと考えています。 今委員からお尋ねのあったこのシンクタンク、何で技術だけなのかという御質問だったと思うんですけれども、これまず、このシンクタンクというのは、先ほど来お話出ているように、この重要技術の動向が常に変化し続ける中で、政府としては、この調査分析の業務というのを中長期的な視点を有して実施することのできる最適な形態として、一定の基準を満たした法人に委託できるように、今回この技術のパートに法的には位置付けております。 また、この委託を受けるシンクタンクについてですけれども、この特定重要技術の協議会の構成員に必要に応じて加えられることを想定しておりまして、協議会においては、その研究開発などに関する必要な情報を提供する役割というのを担っていくというふうに想定しています。 こうした中で、委員から今御指摘いただいたように、例えばサプライチェーンの強靱化のための技術開発というのは当然行われることもあり得るわけであって、そのサプライチェーンの強靱化の過程でその技術の、開発された技術の先端性の高さなどが仮に認められれば、この特定重要技術としての支援を受けることは可能だと考えております。 将来依存するおそれがある特定重要物資の指定ですとか新たな代替品の生産技術の開発の場面におきましても、委員御指摘のように、必要に応じてこのシンクタンクの知見が活用され得るものだと私どもは考えているところでございます。
○礒崎哲史君 そうしますと、今大臣お話しの中で、この特定重要の技術の部分と物資の部分、またサプライチェーンの強靱化という部分は、今回、法律上は柱としてそれぞれ立てられていますけれども、実はそこまで明確にばしっと切りづらいところもあって、物によってはそこをどちらかにまたがるといいますか、両方にまたがる、あるいは、あるところを境にしてこれはやはり技術的に非常に重要なものだということで切り替わっていくという、ある意味そこは、グレーと言うと言葉がおかしいですね、両方にまたがるような分野というのも当然あると、その際にはシンクタンクの活用も発生していくということで理解をしてよろしいんですかね。
○国務大臣(小林鷹之君) 今委員御指摘の点は非常に重要なポイントだと思っておりまして、だからこそ、この法案の名前にあるんですけど、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進ということを申し上げて、こう名前を付けています。 なので、この基本方針の策定、第二条のところに中身が書いてあるんですけれども、この第二号の、第二条の第二号のところにも、今回その盛り込ませていただいた四つの項目を一体的に実施する必要があるということでその具体的な中身を書き込んでいますけれども、今の事例が一つでございまして、特定重要、サプライチェーンの強靱化のところとこの重要技術の育成、当然連携してやっていかなければいけないし、グレーというよりも当然重なってくる部分はあると考えておりますので、まあグレーと言うと何となく響きが悪いんですけれども、そこをいかに有機的に一体化して連携させながらやっていくかというところが極めて重要だと認識しています。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。 なので、やはり今日シンクタンクのお話をさせていただきましたけれども、さっき一つ前の質問に戻るんですが、やはり、より幅広くこのシンクタンクを活用できる、そういうふうに当初から考えていった方がいいんだろうなというふうには思っています。 そうしますと、先ほどお答えをいただきました令和五年につくろうとしているこのシンクタンクですけれども、先ほど、広く社会経済動向についての調査をする、あるいは政策についての検討もすると、提案もしていくと、こういったお話もあったんですけれども、この令和五年につくろうとしているシンクタンクというのは、これは政府内につくろうとされているんでしょうか。それとも、いろいろ民間で、法人であるシンクタンク、これを有機的に政府としては活用をしていくということをイメージされているのか、これはどういう姿を考えられているんでしょうか。
○国務大臣(小林鷹之君) この点につきましては、まさに今、先ほど申し上げた委託調査の結果などを踏まえて、具体的な、本当詳細な制度設計はこれからということになります。 したがって、この間も、前回質疑に出たような気がしますが、じゃ必ず民間企業なのか、政府の中なのか、それが今、別に決まっているわけではなくて、ただ言えることは、どういう形にしても最初はそれほど大きなものにはならないということで、それをハブとしながら国内外の機関としっかりと連携をしながらやっていくということでございます。最適な形態というものを、今の委託している調査を踏まえて考えていきたいと思います。
○礒崎哲史君 人数規模として百人規模なんという具体的なものも出てきているので、この点については、こうした専門的な知識を持っている方が日本に物すごいいっぱいいて、いろいろと人材については集めることができるという環境であれば政府の中でというのはあるのかもしれませんが、これ相当やっぱり専門的な知識ですとか、あるいは分析をする能力ですとか、こうしたものが求められる世界なんだと思います。 そうしますと、政府の中で、そうやって何か百人規模でなんというふうに言われると、本当にできるのかなというふうにも思いますし、やはり広くこういうシンクタンク活用していく意味でも、その体制をまずつくっていくということも大変重要なのかなというふうにも思いますので、是非その点も御検討いただきたいというふうに思います。 ちょっと時間の関係もありますので、あと、多分最後になるかもしれません、基幹インフラの安全性、信頼性の観点で質問をさせていただきたいと思います。 今後、この基幹インフラに関しては、この基本方針、それから指針、あるいは政省令、こうしたものを決めていく際に、しっかりと有識者あるいは事業者、この意見を丁寧に聴取をしていきますというお話をしていただいています。またあわせて、パブリックコメントなどの活用もしていくということでこれまで御答弁はいただいているんですが、こうしたプロセスはもう是非やっていただきたいんですけれども、そのプロセスをたどったときに、じゃ、そのプロセスそのものはどういうふうに、誰から意見を聞いて、どのような意見が出されて、そしてそれをどのように取りまとめたのかというものが、やはり事業者サイドあるいはその関係している人たちに分かるようにしていかないと、やはり透明性を持って進めていかないといけないのではないかなと。 その必要性、透明性の必要性というのを感じているんですけれども、この一連の決定プロセスにおけます議事録の作成ですとか公開についてのお考えについて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) 今後、規制対象に関する政省令などを策定する際には国民や事業者の意見を幅広く聞くことが重要だと考えておりますので、例えば行政手続法にのっとったパブリックコメントを実施して、その提出意見や考慮した結果などを公表するなどして透明性の確保には配慮していきたいと考えます。 また、基本指針の策定に当たっても有識者から意見を聞くことになりますが、プロセスの透明性の確保を含めて、適切な意見聴取の在り方を検討していきたいと思います。 この行政文書として保有する議論の内容の記録などにつきましては、いわゆる情報公開法の対象となって、この同法に基づいて文書を保有する行政機関において適切に対応することになると考えております。
○礒崎哲史君 これで終わりますけれども、現場からも、こうした選定によって新たな負担が現場に発生するんじゃないかと。企業目線というよりも現場目線で、新たな規制が掛かって我々の仕事の負担が更に増えていく、なし崩し的に増えていくんじゃないかと、こういう不安の声も実は出されておりますので、しっかりと透明性を持って説明責任を政府としても果たしていただけますことをお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いします。 恐らくこれが私にとっても最後の質疑の場になるのかなと思っておりますが、これまで本会議あるいはこの当委員会で質問をして答弁はいただいていますが、改めて確認したいところもございますし、また、他の委員の、議員の方が取り上げた問題でおいても意味合いをもう一回確認をしたいという、などなどもございます。よろしくお願いをしたいと思います。 まず最初に、地方自治体との連携についてお聞きをしたいと思います。 改めて言うまでもありませんが、この基幹インフラである上下水道や港湾、医療機関、鉄道など、地方は多くのものを保有をしております。また、地方においては、大企業の研究所であったり、重要な先端技術を有して大企業を下支えする、そういう中小企業も多数ありますし、外国企業の誘致に熱心な地域もございます。また、この前、江崎先生もちょっと触れておられましたが、海外の姉妹都市との間で技術的な提携や連携をしているという地域もあるわけで、このように地方自治体はこの経済安全保障上極めて重要でございます。 本会議で岸田総理に、この地方自治体における経済安全保障上の対策について、国においても必要な支援と調整を行っていくべきと質問をいたしましたら、総理からは、地方自治体が地域におけるインフラ整備や産業育成に役割を担っていることなどを踏まえ、政府としては、地方自治体や地方公共団体ともしっかり連携をしながら、経済安全保障の取組を推進をしていく考えですという答弁があったのですが、ちょっと漠として、具体的に実際どのように進めていこうという考えなのか、ちょっと十二分に分かりませんでした。 したがって、大臣に、どのようにこの連携、調整を進めていこうという考えなのか、大臣にお尋ねをしたいと、こう思います。
○国務大臣(小林鷹之君) 今委員おっしゃるとおり、経済安保の取組を進めていく上で、この地方公共団体との連携というのは私も重要だと思っています。 例えば、今委員から幾つか事例を出していただきましたけれども、例えば水道事業などは地方公共団体が原則実施しますから対象となり得ること、基幹インフラに関する制度では対象となり得ることとしていて、この施行に当たっては、当然地方公共団体とも連携する、意見をしっかり聞いていく必要があると思っていますし、それぞれの地方公共団体が担っている地域におけるその産業育成につきましても、経済安保上重要な技術の育成ですとか流出防止といった観点から、地域の実情に応じて必要な取組を進めることが必要になってくるかと思います。 で、具体的なその地方公共団体との連携とか調整の在り方についてなんですけれども、今後、仮にこの法案が成立すれば、まずは大前提として、この法案も含めた経済安全保障の取組につきまして、地方公共団体を含めて、説明会などを通じた、説明会などを通じた周知や広報というものは積極的にやっていかなければいけないと思いますし、そうした場で自治体からの具体的な御意見というものを承る必要があると思っています。 また、今何をしているかというと、これから本当に自治体の声を聞かなければいけないという段階なんですけれども、先月からもうスタートしております各省からの局長クラスの皆様と経済安保に関する重点課題を検討していく会議立ち上げていますけれども、先日、前回二回目を開催したんですけれども、そのときに、今後の地方公共団体との調整を見据えまして総務省の関係部局とも連携しつつ開催をさせていただいたところでございますので、地方公共団体に期待される役割として何が考えられるかということをしっかりと踏まえた上でこの経済安保の取組を進めていきたいと考えております。
○柴田巧君 ありがとうございます。 ちょっと確認ですが、今、そうすると、具体的に広報や周知をしていくという段において、今総務省というお話も、名前も出てきましたが、例えば、今だったら国家安全保障局の経済班が中心的なこれからも役割を担うものだと、この経済安全保障の推進していく上でですね。それで、まだ内閣府にも新たな組織をつくりますね。これらはどういう役割を果たすということになるんでしょうか。まあ、果たさないのか、今おっしゃったように総務省が中心となってやっていくのか、そこら辺はどういう役割分担とかいうイメージがおありなんでしょうか。
○国務大臣(小林鷹之君) 今新しい内閣府の部局というのは当然ないので、先ほど申し上げたこの関係省庁の局長クラスの会議というのは、国家安全保障局の経済班が中心となって、事務を含めてですね、やっています。全てそこでやるというわけではないですけれども、当然その地方自治体とのことといえばその窓口は総務省になるというふうに考えておりますので、当然総務省含めた関係省庁としっかりと情報を共有しながらやっていくという意味でそういう場をつくったということであります。
○柴田巧君 ありがとうございます。 で、次に、地方自治体との連携も大事ですし、もう一方において、やはりこの経済安全保障政策を進めていく上で、民間企業、中小企業の理解と協力といいますか、そういったものも必要になってくると思っています。 では、そういう観点で幾つかお聞きをしたいと思いますが、これまでの質疑の中でも、この基幹インフラの安定供給確保に関して、中小規模の事業者を特定社会基盤事業者に指定するかどうかの考え方については、基幹インフラの対象事業者としてこの中小企業を指定するということは基本的には考えていないと、しかし、提供する役務に特殊性があり、それに支障が生じることによって国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい場合には、例外的にこの中小規模の事業者が対象となることがあり得るという答弁がございました。 そこで、じゃ、この例外的に対象になる場合としては具体的にどういうものが想定されているのか、事例があれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。 基幹インフラに関する制度につきましては、法律において、事業の外縁として十四事業分野を条文上お示ししております。それで、役務の安定的な提供に支障が生ずることによって国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きいものを対象事業者として指定するということとしておりますから、中小規模の事業者を規制対象とすることは基本的には想定しておりません。 その上で、例えば銀行間の決済ネットワークの中心を担う全国銀行資金決済ネットワーク、全銀ネットですね、こういったもののように、事業者の職員数は中小規模であるものの、提供する役務に特殊性があると、こういったものについては例外的に対象となることがあり得ると、こういうふうに考えてございます。 それで、こういったものについて、具体的には、今後、特定社会基盤事業者の指定基準については、今後、基本指針ですとか主務省令によって個別事業分野の特性等に応じて具体的な内容を定めていくと、こういうことでございまして、今時点で確たるお答えをすることは困難でございますが、よく検討をしてまいりたいと、こう考えてございます。
○柴田巧君 それでは次の質問に移りますが、中小企業が保有する技術やデータ、製品などもこの外国の標的となる可能性が多分にあるわけです。これらが流出した場合、この日本の技術的優位性が損なわれるおそれがあると同時に、場合によれば思わぬ形で大量破壊兵器等の研究などにも転用されかねないわけでありますが、今までのところ、我が国の企業の多くは、とはいえ、この政府渉外部署や経済安全保障部署を設けるなどの対策が決して十分ではないと専門家も指摘をしているところですし、この経済安全保障の専門知識も十分ではないというところがあります。 特にこの中小企業は、日本の企業の大多数を占めるにもかかわらず、この経済安全保障対策が今申し上げたように十分になっていないということですが、先ほど申し上げましたように、中小企業も保有する技術やデータ、製品も大変な高いものもありますし、それが我が国の経済安全保障を推進をする上で非常に重要なところもあるわけで、そういう意味でもこの中小企業への支援というものをしっかり進めていくことが大事だと思いますが、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) まず、政府としては、中小企業を含めて、民間事業者に対する情報提供を通じてその現場で経済安全保障に対するその意識が醸成されるということが非常に重要だと思っています。政府がいろいろ取組をしてもそれだけで、やっぱりプレーヤーは企業ですから、その意識を高めていただけるように、そこは積極的に広報や情報提供というのをやっていきたいと思っています。 その上で、この法案の中におきましては、例えばサプライチェーンの強靱化を図るその枠組みにおきましては、例えばその中小企業の中にはニッチな技術を持っている企業もありますし、また重要な部品や原材料を製造している中小企業、こういうのは全国に多数存在していると思って、考えます。したがって、そういう現状を踏まえまして、要件を満たせば、中小企業信用保険制度の特例を始めとしまして、この中小企業に対する支援施策を講じることを可能としております。 また、技術の育成のところにつきましても、研究開発を進めていくためのこの協議会におきまして、例えばスタートアップが参加しやすいような間口を備えた制度としていく考えでございますので、中小企業を含む経済界と緊密に連携しながらこの経済安保の取組を進めていきたいと考えます。
○柴田巧君 正直なところ、なかなか今、中小企業の皆さんにとってはこの経済安全保障の問題が十二分にまだ認識をされていないというところなどなどもあろうかと思いますが、今おっしゃったように、この中小企業などといわゆるコミュニケーションもしっかり取りながら、情報も共有しながら、また支援策もしっかりしていただいて取組を行っていただきたいと思います。 この経済安全保障関連法令でいうと、もう一つ、他国によるこの経済安全保障関連法令の域外適用、これは非常に我が国の企業にとっても、非常に不透明なところもあり、この予見可能性が難しいところもあって、場合によればこの企業活動を萎縮させかねないと思っています。 そこで、この域外適用に直面するこの我が国の企業の保護やあるいは事業環境の維持向上などについてどのように取り組んでいこうとしているのか、これは経産省にお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。 米中による覇権争いの中で、その域外適用、御指摘の域外適用ですね、これを含めた両国による輸出管理に対して、産業界、特に影響が大きい半導体関連業界から、事業の先行きを見通すことができないという懸念の声が上がっていると承知しております。 こうした企業の声を踏まえ、経済産業省としては、事業の予見可能性や競争環境の公平性の確保が重要であることを米中両国に対して強く申し入れております。さらに、産業界に対しても、各国の措置について積極的かつタイムリーに情報を発信するということとともに、第一に、自社のサプライチェーン上のリスクについて精緻に把握し、必要に応じて規制当局に許可申請を行っていただきたいこと、第二に、各国の輸出管理上求められる内容を超えて過度に萎縮していただく必要は全くないこと、第三に、仮にサプライチェーンの分断が不当に求められるようなことがあれば、経済産業省は前面に立って支援していくこと、こうしたことをお伝えしてきているところでございます。 引き続き、関係国との対話やこれらの取組等を通じて、日本企業の事業環境の維持向上に努めてまいります。
○柴田巧君 本当に企業にとっては、この域外適用というのは、今、先ほど申し上げたように不透明で予見不可能なところがあります。しっかり経産省としてもバックアップできるようにやっていただきたいと求めておきたいと思います。 続いて、この経済インテリジェンスについてお聞きをしたいと思いますが、これも本会議などでも取り上げてきたところでありますけれども、この経済安全保障上の脅威を見極めるためにはこの今言ったインテリジェンス機能が重要でございます。 情報を活用して、我が国に迫るこの脅威であったり未来の予測などを分析する能力を備えた人材育成を図っていくことが非常に必要不可欠だということですが、で、各省庁において、短期間でこのポストを異動させるのではなくて、そういった人材育成をしていく上でですね、また長期にわたって一つのテーマに専従できる情報分析の専門官を多く育成するということなどが大事だと考えますが、いずれにしても、このインテリジェンスがこの我が国の経済安全保障を推進する上で非常にその強化が不可欠だと思いますが、そのためにも、これまでの言わば縦割りであったものをどう解消していくのか、あるいはそれに係る人員の専門性をいかに高めていくのか、併せて、まずは内閣官房ですかね、政府参考人にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(柳淳君) お答えいたします。 現在の我が国政府の情報コミュニティーは、内閣直属の情報機関として内閣情報調査室が設置され、また、情報コミュニティー各省庁が内閣の下に相互に緊密な連携を保ちつつ、情報収集・分析活動に当たっております。 具体的には、内閣官房長官が議長である内閣情報会議やその下に置かれる合同情報会議を通じるなどして、各省庁が収集、分析した情報が集約され、総合的な評価、分析を行う体制が整備されており、情報コミュニティーとして機能していると認識しております。 また、インテリジェンスに係る人材は極めて重要であると認識しております。これまでも政府においては、情報コミュニティーの機能強化、連携に役立つ人材を育成するため、情報分析や情報保全に関する各種研修を行うとともに人事交流を推進してきております。 我が国を取り巻く国際環境が一層厳しさを増す中で、情報の収集や分析などは極めて重要であると認識しており、政府といたしましては、今後とも関係省庁が互いの有する情報を共有し合うことや人材の育成等により経済インテリジェンスを含めて情報機能の更なる強化を図ってまいりたいと考えております。
○柴田巧君 そのような答弁をこの前からもお聞きはしているんですが、そこで大臣に、ちょっと通告していなくて申し訳ないんですが、今の答弁を私も聞きながら、大臣はどうお考えになるかなと。この法案が成立した場合に執行していく立場で、本当にこの日本の経済インテリジェンスの在り方、大きく見直さなくてもいいんだろうかという基本的に問題意識が私はあるわけですけど、何か今のままだとなかなかインテリジェンス機能が向上しないのではないかと答弁を聞いていても感じてしまうのですが、大臣はこれ実際施行されて執行されていく立場で、こういうふうな工夫があったり、あるいは、この専門家というかそのインテリジェンスに実際に当たる人員も、キャリア形成やキャリアパスがこんなものがあった方がもっとインテリジェンス機能を発揮できるんではないかというようなことなどが、お考えがあればお聞かせをいただければと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(小林鷹之君) 今、答えは政府参考人からあったとおりだと考えておりますけれども、まずその体制をしっかりと強化をしていく、これは、常にどういう時点におきましても、やっぱり要はその機能強化、これ体制も含めて強化をしていくことは重要だというふうに思っています。 したがって、既にお認めいただきました令和四年度の予算におきましても、このインテリジェンス関係、経済インテリジェンスの関係の部局の定員を約百三十名増員をさせて、認めていただきまして、そのまず体制の強化を図っていくと。 当然、先ほど来から議論になっている技術も含めて、やっぱりその技術の進化のスピードというのも速いですし、どんどん新しいものが出てきますので、そういう知見というものもやはり蓄積していく必要があるし、当然、人材育成の観点からもそうしたものも含めてやっていく必要があろうかと思っています。 常に、これインテリジェンスに限った話ではないと思いますけれども、その現状に満足することなく、しっかりと不断に検証、見直しをしていくことが大切だと考えます。
○柴田巧君 ありがとうございます。 今、経済インテリジェンスということでお聞きをしましたが、この国のインテリジェンス機能全体の、インテリジェンスの機能の全体的な底上げというか見直しが非常に必要だと思っています。これはまた別の機会にお聞きをしたいと思いますが、縦割りを乗り越えてしっかりとこのインテリジェンス機能が発揮できるように、また大臣としても御努力をいただきたいと思います。 では次の質問に移りますが、官民技術協力についてお尋ねをしたいと思います。 アメリカでは、国防高等研究計画、いわゆるDARPAが、高いリスクを伴う技術開発に潤沢なベンチャー資金を提供して、民間企業が取れない巨額の開発リスクを負って、市場で成熟した民生技術が国防技術として吸い上げられるというようなことなどを行っているということですが、日本でも内閣府を中心に、言わばこのDARPAをまねて、革新的研究開発推進プログラム、ImPACTですね、などによって高いリスクを取ろうとする動きがありましたが、軍民両用技術研究は一切しないという学界の立場もあって、安全保障に関する技術は全く結び付いてこなかったということになるわけですが、本法律案で可能となる官民技術協力については、ここでちょっと確認をさせて、教えていただきたいんですが、この官民協力による技術開発の成果として、社会実装に向けたどの程度のレベルや内容を目指そうとするものなのか、また今例に挙げましたアメリカのDARPAが行っているような研究開発を目指そうとするものなのか、具体的なイメージが持てるように併せて答弁を願えればと思います。
○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。 本法案の官民技術協力の枠組みでございますけれども、将来にわたって我が国としての優位性を維持確保する観点から、民生利用や公的利用への幅広い活用を目指して先端的な重要技術の研究開発を推進するものでございます。 具体的には、宇宙、海洋、量子、AI、バイオなどの分野において、現時点では実用化には至っていない先端的な重要技術を対象に、将来の社会実装に向けて特定の用途にとらわれず多様な用途での応用を目指すもの、こういうことになります。 主要国におきましては、こうした市場経済のメカニズムに委ねていては投資が不十分となりがちな、投資リスクを伴うような先端技術の研究開発を行う大型プロジェクト、またこれを支える官民協力体制の構築などが行われておりまして、DARPA型と呼称されることがしばしばあると承知しております。 本法案は、同様の問題意識から、我が国として諸外国と伍する形で研究開発を進めるための制度の整備を目指すものでございまして、本法案に基づく先端的な重要技術の育成にしっかり取り組んでまいりたいと、こう考えてございます。
○柴田巧君 ありがとうございます。 ちょっと時間がなくなってきましたので先に進みます。 ちょっと一つ飛ばして、先ほどもありましたが、シンクタンクの調査研究などについてお聞きをしていきたいと思います。 このシンクタンク、先ほどもありましたが、数十人規模からスタートして、将来的には、大臣も衆議院のこれは内閣委員会で答えていらっしゃいますが、将来的にはこの例えば百人を超える規模感で活動していくことが想定されるというふうに述べていらっしゃいますが、この新たなシンクタンクの調査研究の内容については、当初はこの経済安全保障重要技術育成プログラムの実施に資する調査分析を中心に行うということのようでありますが、将来百人になる段階では具体的などのような分野でどのようなレベルの調査研究を行っていくことを想定をしているのか。 また、このシンクタンクの頭に安全、安心に関する新たなシンクタンクなどというくくりがされているんですが、であるならば、調査研究の対象は必ずしも経済安全保障に限られないということも考えられるんですが、そのような理解でいいのか、小林大臣に併せてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小林鷹之君) このいわゆるシンクタンクですけれども、これは委員御指摘のとおり、まずは指定基金として想定しております経済安全保障重要技術育成プログラム、この実施に関する、資する調査分析を行うこととしています。 ただ、将来的には、今申し上げたこのプログラム以外にも、特定重要技術に関する研究開発を行う事業におきましてこの法律に基づく協議会が設置されることも想定されるところでございまして、そうした事業に対しても公募領域の設定ですとか事業運営などの点で貢献していくことが想定されています。 この特定重要技術の対象については、今後具体化を図っていくことになるので、現時点で具体的にどの分野、領域において調査分析を行うのかということはこの立て付け上難しいんですけれども、この経済安全保障重要技術育成プログラムだけでなく、それ以外の特定重要技術に関する研究開発を行う事業にも貢献していくことになりますので、規模としては、百人ということ、必ずなるというわけではなくて、将来的にはその連携する外部の専門家なども含めまして、例えば百人を超える程度、その規模で活動していくことが必要ではないかと想定しているところでございます。
○柴田巧君 ありがとうございます。 時間がちょっと迫ってきましたので幾つか飛ばさせていただいて、科学アタッシェの活用について大臣にお聞きをしたいと思います。 有識者、この法案を作る際に有識者会議でいろいろ議論があって、その提言の中にあるわけですが、この調査研究機関に求められる能力として、国内外の情勢や研究開発動向等の調査分析等を行う能力、情報集約、連携のハブとなる能力に加えて、人材の確保、育成等を実施する能力を挙げているわけでありますが。 また、こうしたこの委託においては、社会実装に関して政府が保有するニーズの情報等の取り込みを始め、政府との緊密な情報連携を求められることから、それを可能にすべきだと。その際、海外ネットワークの形成の観点も踏まえ、例えば、この在外公館の科学アタッシェの活用など、政府との具体的な連携体制の構築が望まれるというふうにしているわけですが、この科学技術の発展には、国内外にとどまるネットワークでは限界が、国内にとどまるネットワークでは限界があるわけで、海外の研究者とのネットワーク、研究ネットワークあるいは交流が不可欠だと考えます。 そこで、この有識者会議の提言において指摘された科学アタッシェの活用、これはこの経済安全保障の観点から政府としてどのように取り組んでいくお考えなのか、大臣にお聞きをします。
○国務大臣(小林鷹之君) シンクタンクは、この関係行政機関に要請をして、調査研究に必要な情報や資料の提供を受けることができるとされています。 今委員御指摘のいわゆる科学アタッシェにつきましては、平成二十年七月以来、現在までに五十三の在外公館でこの担当官、アタッシェを任命しております。 今後、その調査研究の方向性、やり方については具体化はこれからやっていきますけれども、その上で申し上げますと、こうした科学アタッシェの活用というのは海外ネットワークの構築という点でも重要なツールであると認識しております。外務省を通じてそのアタッシェが各国で集めた情報というのは提供を受けることを想定しておりますけれども、しっかりと連携体制を構築し、効率的、効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、今お話をされ、答弁された方向でしっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、ハイリスク研究のスキームについてお尋ねをしたいと思いますが、先ほどの質問ともちょっと関係をするところではありますけど、近年、このいわゆる主要国においては基礎研究から応用研究段階までを対象にこの先端技術の研究開発を行う大型プロジェクトが順次立ち上げられていますが、その中でもそのハイリスク研究を推進するスキーム導入の拡大が進んでいます。それは、先ほど答弁にもあったように、国としての優位性を維持確保するために、市場経済のメカニズムのみに委ねていては投資が不十分となりがちだということから、そういうもの今立ち上がっています。 海外でも幾つか、イギリスでもドイツでもいろいろ立ち上がっているわけですが、その一方、日本では、時間がないので少しはしょって言いますけれども、そういったものが十分になされずに来ました。そういった枠組みというのはこれまで存在をしなかったと言ってもいいかと思いますが。 そこで、本法律案のこの指定基金の規定によって経済安全保障に関わるハイリスク研究に対しても資金配分を行うスキームがつくれるようになると考えるんですけれども、その指定基金による支援を行うに当たっては、先端技術の研究開発等に伴うリスクは政府が負うことになるのか、また、政府と民間企業の負うリスクとリターンのバランスはどういうふうに考えているのか、お尋ねをします。
○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。 指定基金による支援につきましては、中長期的に我が国の国際社会において、我が国が国際社会において確固たる地位を確保し続ける上で不可欠な要素となる先端的な重要技術の育成を目指して、政府がリスクを取って投資を行い、知見を有する企業、大学等との官民協力の下で研究開発を強力に推進するものでございます。 こうした技術としましては、先ほど申し上げましたとおり、宇宙、海洋、量子、AI等の分野における先端的な重要技術が想定されますが、これ、社会実装に結び付けば企業等にリターンをもたらす一方で、先端性の高さがゆえに投資に見合う成果を得られるか不確実性が高いということ、また、多様な主体や用途での社会実装を念頭に研究成果の公開が、公開が重要であることから、市場経済のメカニズムのみに委ねていては投資は不十分となりがちなものであると考えてございます。 さらに、先端的な重要技術の担い手としては大学やスタートアップ企業等が果たす役割は拡大していることも踏まえまして、主要国においては官民協力体制による政府主導の大型プロジェクトが順次立ち上げられるなど、政府が果たす役割への期待が大きくなってございます。 本法案の枠組みは、こうした状況認識の下で官民技術協力のための制度の整備を図ろうとするものでございまして、政府が果たすべき役割や官民協力の在り方を十分認識しながら先端的な重要技術の育成に取り組んでまいる、こういう考えでございます。
○柴田巧君 最後に本当は大臣にお聞きをしようと思いました。済みません、時間が来てしまいましたが。 この法案、非常に守りの姿勢が色濃く出ていますが、やはり攻めの姿勢がやっぱり大事だと思っています。その我が国の技術的優位性の確立はもちろん、国際ルールの形成での主導権を確保を目指すということをしっかり目指してまた頑張っていただきたいことを申し上げて、終わります。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 おとといに続いて、特定重要技術研究についてお聞きします。 第六十四条では、この研究促進と研究成果の適切な活用を図るために内閣総理大臣が調査研究を行うとした上で、二項で法人への委託を可能としています。これまでの審議では、委託を前提としてシンクタンクについて議論されてきました。国内外の関係省庁や専門家との緊密な連携、あるいは諸情報のハブ機能という答弁もありました。 政府の機微情報を取り扱う、そしてハブ機能もある。ならば、政府直轄の組織にするのが自然と考えますが、なぜ外部委託を前提としているんですか。
○政府参考人(泉恒有君) お答え申し上げます。 特定重要技術の研究開発の促進を図る上では、第六十四条第一項に規定する調査研究、これを行うことが必要でございまして、こうした役割を政府として果たしていくと、こういうことと考えてございます。他方、こうした調査研究におきましては、最先端の科学技術に関する高度な知見を結集していく一方で、技術等の動向が常に変化し続ける中で、中長期的な視点から継続的に調査分析を行うこと、これも必要だと考えてございます。 このため、政府内部のみに閉じた取組ではおのずと限界があることから、政府の外の知見の活用を可能とすべく、こうした調査研究の全部又は一部を一定の基準に適合する者に委託することを可能としたと、こういうことでございます。
○田村智子君 十九日、福島みずほ議員の質問に、一般法人への、一般の法人への委託を想定していると。情報公開はそれぞれの組織ごとに判断される、独立行政法人の場合にはそれに関する情報公開の法律に服することになるだろうという答弁がありました。 独立行政法人、国立大学法人は情報公開法に服します。しかし、公益法人やその他の民間法人であれば、情報公開は制度的に担保されません。内閣総理大臣が行う調査研究であるにもかかわらず、どのような調査研究をしたのか国民への説明責任の保証がない、それでよいのかと思いますが、どのように透明性を保証されるんですか。
○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。 本法案第六十四条第二項に基づく調査研究委託に関しましては、その契約状況やその成果物について、他の委託事業と同様に、平成二十五年に閣議決定されました行政の透明性向上のための予算執行等の在り方について及び予算執行等に係る情報の公表に関する指針に基づきまして、原則公表されることとなります。 こうした取組を通じまして、委託により行われた調査研究の透明性を確保してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。
○田村智子君 シンクタンクが行う調査研究を考えると、これ開示が難しいということも想定されると思うんですよ。一般的な報告、概括的な報告、これにとどまることがあり得るんじゃないかと。また、行った研究というものが結果として論文として公開されないということも十分あり得るというふうに思います。そうすると、シンクタンクがどういう調査研究をしているのか、国民には具体には全く分からないということが起こり得るんですよ。 第六十四条には、調査報告、調査研究の報告について、報告についてさえも何の定めもありません。調査研究の概要、研究体制、予算の配分など年次報告を行うこと、また情報公開を義務付けるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 今政府参考人から御説明させていただきましたとおり、平成二十五年の閣議決定、そしてこの閣議決定に基づく指針がございます。予算執行等に係る情報の公表に関する指針でございますけれども、これに基づきまして、委託契約の状況につきまして、調査の名称、そして相手方の名前、そして契約の形態、また契約の金額、契約締結日、成果物などにつきまして公表されることとされております。今申し上げたこの委託の成果物につきましても原則公表されることとなります。 こうした取組を通じまして、調査研究の透明性を確保してまいりたいと考えます。
○田村智子君 なかなかそうですかと納得は難しいんですよね。透明確保法ですよね、いわゆるね。それ自体も様々な問題がこれまでも指摘されてきたことですからね。 シンクタンクと政府との人材交流が予定されていますけれども、機微な技術情報を取り扱う典型的な組織である自衛隊との人材交流、また情報流出の対策を行っている警察との人事交流も排除されないと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。 シンクタンクがその機能を十全に発揮するためには、産学官における様々な分野の専門的な人材を確保、育成していくことが不可欠でございます。他方、シンクタンクに求められる専門性、国際感覚、俯瞰力、目利き力を有する優秀な人材は限られております。そのような中で、シンクタンク自らが優秀な人材確保に努めるのみならず、それぞれの分野で優れた知見を有する国内外の大学、研究機関、政府機関等との連携やネットワーク化を模索することも考えているところでございます。 このようなことから、令和五年度から本格的なシンクタンクの立ち上げに向け、大学、研究機関、政府機関等との人事交流の具体的な在り方も含め、現在シンクタンクの具体化に向けた検討を進めているところでございます。現時点で委託先や人事交流の在り方については何ら決まっているものではございません。 以上でございます。
○田村智子君 国内外ということですから、前回、協議会に米国の関係者もあり得ますよねと言ったら、排除されないということがあったんですけど、シンクタンクも同じだと。 そうすると、例えば、防衛省の職員などが元の身分を離れて、シンクタンク職員の肩書で軍事研究を忌避する大学との交流を進めることや研究動向の把握を進めることも可能な制度となっているわけです。もちろんこれは防衛省の職員に限定されることではないと思います。 昨年三月に閣議決定された科学技術・イノベーション基本計画で、総合的な安全保障の基礎となる科学技術力を強化するためとして、新たなシンクタンク機能を立ち上げると既にされていて、試行事業が政策研究大学院大学に委託されています。政府ではない研究機関や大学が介することで、デュアルユース技術の研究開発、その動向の把握、この委員会でも軍事研究に消極的である大学が名指しされるかのように取り上げられたことを考えますと、そういうことを含めた動向の把握、こうしたことがより容易になっていく、それを期待しての委託ということになるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 この法制の先端技術に関する調査研究を外部委託としておりますのは、技術などの動向が常に変化し続ける中で、長期的視点から継続的に調査分析を行うことが必要であると考える一方で、また政府内部のみに閉じた取組ではやはりおのずと限界があるだろうということから、政府の外の知見の活用を可能とするためでございます。 また、AIですとか量子といった先端技術は、公的分野、そして民生分野での様々な利用可能性を有するものでもございます。このように多義性があることをもってこうした技術の動向などの把握を単純に否定するとすれば、特定重要技術の研究開発の促進、そしてその成果の適切な活用に支障が生じて、ひいては我が国の科学技術またイノベーションが世界から立ち遅れていくおそれがあると考えます。 いずれにしても、シンクタンクを通じまして、我が国の国民生活の向上にとどまらず、世界が直面する様々な課題への積極的な貢献にもつながるよう、先端的な重要技術の動向の把握に努めてまいりたいと考えます。
○田村智子君 従来、日本学術会議が、各学術団体から日本のアカデミアを代表して科学技術政策に関して提言を行ってきました。 例えば、二〇二〇年七月、化学、これバケガク、ちょっと紛らわしいのでバケガクと読みます。「化学・情報科学の融合による新化学創成に向けて」との提言が出されていますが、日本の科学データベースの脆弱さを指摘し、AIの利用による化学の研究手法の変革や教育改革を具体に提言しています。この分野での米国の研究状況も分析し、未知物質が知財化される危険性も指摘して、化学産業構造への影響も視野に入れて新たな研究投資、新たな研究体制の構築、官民共同の体制の提言も行っているんですよ。既に外部から、アカデミアの立場からこういう提言は行われている。果たして、これがまともに検討されてきたのかという疑問も湧いてきますね。 本委員会では、こうした学術会議の役割に焦点を当てることなく、軍事的安全保障研究に関する声明を出した、このことで繰り返しの批判が行われています。 この声明は、軍事的安全保障研究では、研究の期間内及び期間後に、研究の方向性や秘密性の保持をめぐって、政府による研究者の活動への介入が強まる懸念があることを表明していて、科学者の意図から離れて軍事目的への転用があり得るだけに、研究資金の出どころについて慎重な審査、そのためのガイドラインが必要などの提起を行っているんですよ。これは、私は科学者の自主性、自律性、研究の公開という原則的な立場からの当然の声明だと思います。 ところが、この声明やり玉に上げて、学術会議の役割を否定するに等しい議論が繰り返され、政府も大臣も事実上それを容認している。私が指摘することに対して、大臣はそれは違うと言うが、自民党などからやられるこの学術会議等に対する批判について、何ら批判的な答弁はなされていないですよ。ただただそれを受け止めているだけですよ。 安全保障と言うとき、政府にとって防衛装備や軍事的戦略は最重要課題です。研究活動も安全保障の枠組みに組み込めば、軍事目的を排除しないデュアルユース技術のプロジェクト研究を国策としてそこに重点化していくと、これ必至だと思います。そうすると、先ほどの声明も出し政府から独立したアカデミアの代表たる日本学術会議ではなく、内閣総理大臣直結の、より政府が直に関与できる新たなシンクタンクを立ち上げて、新たなシンクタンク機能からの政策提言を踏まえながら、必要に応じ研究開発プログラムやファンディング等と連動させて重点的な研究開発につなげる仕組みを構築すると、これは科学技術イノベーションの提言の中に書かれていることですけどね、これを目的としているということではないんですか。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます。 シンクタンク機能の目指すところは、今委員が言及いただいた第六期の科学技術・イノベーション基本計画、繰り返しませんけれども、今委員がおっしゃったとおりだと捉えています。 この法案の第六十四条第二項の調査研究委託につきましては、この基本計画、科技イノベ基本計画も踏まえて、特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用を図るために内閣総理大臣が行う調査研究の全て又は一部を一定の調査能力等を有する者に対し委託するものでございまして、その成果につきましては、特定重要技術の研究開発に関する国の施策の検討に活用することを想定しております。 この法制の先端技術に関する調査研究を外部委託としているのは、先ほど申し上げたとおりで、政府の内部だけだとおのずとやっぱり限界があるので外の知見を活用していくということでございますが、シンクタンクにつきましては、既存の様々な機関とも連携をしつつ、ネットワークのハブとなることによりまして、個別分野にとどまらない幅広い分野における国内外の情報の収集や集約、そして関係各省の政策ニーズに対応した技術の探索や重要技術の絞り込み、そして政策提言といった一連の調査分析を多様な視点から行う新たな組織、これがシンクタンクでございますけれども、これを立ち上げることが必要だと認識しております。 なお、委員が今言及されていた日本学術会議は独立した我が国のアカデミアを代表する機関でございまして、国からの委託を受けてこうした調査研究を実施するような機関ではないと認識をしております。
○田村智子君 安全保障という枠組みでの新たなこうした大きな資金をどこに付けるかということについて、言わば、権限と言ってしまったら違うかもしれませんけれども、重要な情報を政府に提起できるシンクタンクが政府と本当に官民共同でつくられていくということについては、私は様々な危惧をやっぱり持たざるを得ないんです。 それから、この委員会の中では、中国の千人計画が、経済安全保障政策がなぜ必要かという意味合いで度々取り上げられてきましたので、私もこれ質問しないわけにいかないと思って質問いたします。 前提として、他国の主権を踏みにじる覇権主義はいかなる国であろうとも我が党は厳しく批判してきたし、その立場は一貫しています。サイバー攻撃など中国人民解放軍の関与が疑われる事例は厳格に捜査されるとともに、中国政府に対して外交的に解決を求めるべきだとも考えます。また、知的財産などの窃盗も国際的なルールによって裁かれるべきです。しかし、漠とした不安をあおって中国を排除するかのような議論や政策は、日本にとって果たして有益なんだろうかということを冷静に考えたいんです。 二〇一八年、トランプ政権によって、米国政府はチャイナ・イニシアチブ、中国戦略をスタートさせ、中国本土の機関から受けた研究資金の報告がなかったとして著名な科学者が起訴されるなど、科学者への取締りが強化されました。 今年二月、米国司法省のオルセン司法次官補は、この政策を変更するということを大学での講演で表明したと報道されています。どのように変更されるのか、またその理由をどのように説明されているのか、御説明ください。
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。 米国政府の政策でございますので、日本政府として越権的にお答えする立場にはございませんが、米国政府のウエブサイトによれば、オルセン米国司法省司法次官補は、本年二月二十三日の講演において、御指摘のチャイナ・イニシアティブについて、本イニシアティブが非寛容と偏見に基づく見方を助長しているとの懸念が人権団体から示されていること、学術研究界から、こうした取締りが科学者たちの雰囲気を萎縮させ、米国の科学研究にダメージを与えて、与えるとの声が出ていること等を挙げた上で、昨年十一月に同次官補が就任した直後に本イニシアティブの戦略的な見直しを開始した旨発言したものと承知しております。 また、見直しについて同司法次官補は、中国政府がもたらす重大な脅威を引き続き注視していくが、より幅広いアプローチが必要であると述べていると承知しております。
○田村智子君 事実上、科学者の取締りとしてのチャイナ・イニシアチブは終了するという旨が語られたという報道なんですね。 チャイナ・イニシアチブは、科学者や大学に何をもたらしたか。ネイチャーダイジェスト版、二〇二〇年三月十二日に、FBIとの関係を深める米国の大学という記事が掲載されています。長いものですので、抜粋して事実だけ紹介します。 ワシントン州立大学など四校の副学長は、FBIの担当者と定期的に会合を持っていることを明らかにした。FBIによる突然のドアノックを避けるのに役立つためだという。サウスアラバマ大学では、引退したFBI捜査官を情報技術とリスク管理、法令遵守の責任者として雇用した。また、米国エネルギー省は、同省の研究者に中国の人材募集計画に参加することを禁止した。こういった、もっとたくさんの事例が書かれているんです。 千人計画に参加した米国研究者が逮捕、起訴されたことは本委員会でも取り上げられました。これ、多額の研究資金などを報告していなかったことが理由です。 一方で、捜査の根拠の曖昧さが米国内では問題になってきました。MIT、マサチューセッツ工科大学テクノロジービューの調査では、起訴された被告のうち有罪は三分の一にも満たない、特に、研究不正に関わる事件の多くは腰砕けに終わっている、ピュー研究所が連邦政府の統計を分析したところ、通常は大多数が有罪答弁に終わる連邦政府の刑事事件の結果とは著しく対照的だなど指摘しています。また、容疑者、被告となった百四十八人のうち八八%が中国系であることも指摘をして、人種プロファイリングとの批判を退けていないんです。 十九日の委員会質疑で、私は、大川原化工機事件を取り上げて、経済安全保障の名の下に大学や企業への警察、国の情報機関による監視が強まるという懸念をただしました。大臣は否定された。しかし、アメリカで経済安保の名の下で何が起きているか。研究者への監視、規制、これ大臣はどういう認識を持たれますか。
○国務大臣(小林鷹之君) お答え申し上げます前に、ちょっともう中国の方、チャイナ・イニシアチブの方に話題が変わってしまいましたが、ちょっと誤解をいただくとちょっとまずいと思いまして、よろしくないと思いまして、先ほどちょっと学術会議との関係について、一点だけちょっと申し上げさせていただいてよろしいですか。 学術会議と政府が歩調を合わせて社会の大きな課題に取り組んでいくことが私は重要だと思っていて、そのことが国民のためにもなるし、国際社会における我が国のプレゼンスを高めることにもなると考えています。 したがって、梶田会長とはこうした問題意識共有してコミュニケーションを今未来志向で取っていまして、例えば、先日、政府からの分野横断的なテーマとして研究力の強化というテーマと、オープンサイエンスやデータ利活用の観点から研究DXの推進ということで、学術会議の知見をお借りしたいということでボールをお渡しさせていただきました。そういう形でキャッチボールしていくということは、ちょっと委員にはそこは御理解をいただければと思います。 その上で、チャイナ・イニシアチブの今米国の話がございました。他国の刑事司法につきまして私の立場で論評することは差し控えさせていただきますが、いずれにしても、経済安全保障の推進の名の下に不当に企業等の活動に対する規制、監視を広げるようなことがあってはならないと考えております。 この法案におきましても、安全保障の確保と経済活動やイノベーションとの両立、これを図ることの重要性を十分念頭に置いておりまして、この法案によって研究者などの活動が不当に規制されたり監視されたりするということはございません。
○田村智子君 先行しているとも言われるアメリカの状況をもうちょっと見てみたいんですけど、MITテクノロジーレビューは、中国イニシアチブの、チャイナ・イニシアチブの結果、中国系の研究者が米国を避けるようになっており、これは科学の発展のためにも米国のためにも良くないとの専門家のコメントを載せています。実際、アメリカでスター級の研究者となっていた中国の研究者が中国に戻るという、こういう事例がいろいろに報道されているわけですよ。 アメリカのサイエンスのソープ編集長は、科学的進歩は、協力、可能な限りの最高の才能を重要な科学的問題のために採用すること及び全世界にこれらの発見を公表することによっている、科学を他国の有能な科学者らとの競争であり広く共有されるべきでない秘密を隠すものであると設定することは科学界の核心的価値に真っ向から対立していると述べて、米国連邦政府が直ちにチャイナ・イニシアチブを緩和して、少数の正当な課題を事例ごとに管理することに回帰することを求めるという論説まで出しているんですよ。具体に起きた問題は具体に解決をする、私もそれが当然だと思います。 ところが、日本でも、在中国日本人研究者を国益に反すると言ってやり玉に上げるような傾向が、インターネット上でも、また国会議員の発言でも強まってしまいました。この法案の審議の中でもそうした傾向が拍車を掛けていると思います。既にそれらが在中国日本人研究者や中国人留学生の活動に悪影響をもたらしているという指摘も聞きます。 経済安保政策によってアメリカで起きた問題が日本でも引き起こされるのではないのか、それは日本の科学技術の発展にとってむしろ阻害要件になるんじゃないかと危惧しますが、いかがですか。
○国務大臣(小林鷹之君) まず、これまでも繰り返し申し上げておりますけれども、我が国が今進めている経済安全保障政策というのは、特定の国を念頭に置いたものではございませんし、ましてや特定の国との研究協力というものを忌避するといったものでもございません。 また、アメリカが日本に先行して取組をやっているということでございましたが、その評価は私から申し上げることはしませんが、それぞれの国の実情に応じて政策を決めるわけであって、我が国は我が国の立場として正しいと思う、その我が国の実情に応じた政策を進めていくということだと考えています。それが基本的なスタンスです。 その上で、留学生や研究者などの受入れ時の審査強化などの技術流出対策を含めまして、経済安全保障に関する様々な取組を進めるに当たりまして我が国の国益確保の観点から主体的に判断することは当然の前提だと考えています。 なお、今、田村委員御指摘の留学生について申し上げますと、コロナ禍におきまして、我が国の高等教育機関、これは高専以上ですけれども、この外国人留学生の総数は減少している一方で、留学生全体の四割強を占める中国人留学生の数につきましては減少していないものと承知をしています。 いずれにしましても、経済安全保障に関する様々な取組を進めると同時に、科学技術の更なる発展を図る観点から、留学生や研究者の受入れ、また国際共同研究の促進などに取り組んでいきたいと考えます。
○田村智子君 特定の国ではないと言いながら、なぜこの委員会でこれほどまでに中国の千人計画が自民党から指摘されるんでしょうか。 二〇二一年九月に、光触媒反応の発見で知られ、ノーベル賞候補にも挙がる東京理科大学名誉教授の藤嶋昭氏が研究チームごと上海理工大学に移籍することが明らかになると、すぐに自民党の甘利明氏や当時科学技術政策担当大臣だった井上信治氏が危機感を表明し、中国への頭脳流出だとして大騒ぎにされました。国益という言葉も使われました。 しかし、日本学術振興会が二〇一八年四月、中国の高度人材呼び戻し政策に関する調査レポートを出しています。二〇一五年までに千人計画によって海外の研究機関から中国に呼んだ五千人超の研究者のうち、九五%は中国人。客観的に見ると、中国は、研究環境整備によって海外に流出していた自国の人材を呼び戻したということになります。 東洋経済、こういう、この問題も詳しく報道していまして、上海の名門大学、復旦大学に渡っている服部素之氏が取材に答えているんですけど、同大学の生命科学学院の場合、約百ある研究室で外国人研究者は二人だけと、三十代から四十代の若手、中堅の場合、年収は日本円換算で五百万から八百万円程度で、日本の教授職より高額ということはないとも述べておられます。 私たちが考えて議論すべきは、日本の研究者が第一線のベテランも若手も中国を含めて海外に渡っているのはなぜかということだと思うんですよ。この間、私何度も質問してまいりました。 中国は、流出した研究人材呼び戻すために二十年ほど前から研究環境に莫大な投資を行って、研究者の常勤ポストを増やしてきた。復旦大学では五年間で五割ぐらい増えたと言っているんですよね。日本では、同じ時期、国立大学や研究所を独法化し、運営費交付金を減額し、研究力を奪い、国立大学では二万人もの常勤ポストが奪われてしまった。働ける場がなくなってしまった。 私は、日本の研究力の自律性、不可欠性、これを議論するならば、万単位で常勤職を減らしたことの反省に立って、万単位で増やすという政策転換、これまでの政策への反省こそが求められていると思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(小林鷹之君) まず、この基本的な研究者の移動などにつきまして申し上げれば、若手研究者が海外で研究するということは、それ自体は海外の優れた研究者とのネットワークが構築できますし、また、異なる研究文化や環境で研さんあるいはその経験を積むということは、私は国際頭脳の循環の観点から望ましいものだと考えています。 一方で、近年では、あらゆる研究活動がグローバル化している中で人材の国際的な獲得競争というものが非常に激化している。その中で、我が国として若年研究者の方が腰を据えて研究できる環境に課題があるということは感じておりまして、その点では、この環境の改善というのが重要だと考えております。そこは委員と問題意識は共有できていると思うんです。 今御質問をいただいた、この万単位で減少した、反省と転換こそが必要ではないかという点につきましては、例えば、量子などの先端技術というのは進歩が目まぐるしくて、かつ国家的ニーズの極めて高い研究を推進するためには、プロジェクト期間の都度最適な人材を集めて知見を結集することが求められておりますので、人材の流動性をやはり一定程度確保するということと同時に、優秀な研究者の方がふさわしい境遇を得て我が国で研究したいと思うような環境を整備することが重要だと考えています。 したがって、政府としては、研究の魅力向上を図りつつ、また大学などにおいて研究者が良好な環境で研究に専念できる環境の構築に取り組んでいきたいと考えておりますし、我が国が何で勝負するのか、育てるべき重要技術分野を明確化して、効果的に先端技術の研究開発を推進していきたいと考えているところであります。
○田村智子君 研究開発環境を崩してきたことについては、日本学術会議も始め、繰り返しの批判をしてきた。そういうことに耳を傾けずに、そういう政策に反省もなく、国家安全保障に、まさに研究閉じていくかのようなこういう議論が本委員会で行われていたということはとても残念です。 まだまだ質問しなければならないことは多々あるということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(徳茂雅之君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、塩村あやか君及び吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君及び武田良介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(徳茂雅之君) 休憩前に引き続き、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案を議題といたします。 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。 今日は総理質問の機会をいただきました。本当にありがとうございます。 経済安全保障推進法案、いよいよ審議も大詰めになってまいりましたけれども、私は、この法案は四つのパーツの有機的な連携によって経済安全保障と同時に成長戦略も実現し得る優れた枠組みを提供するものであり、我が国が経済安全保障を構築していく上で大変重要な第一歩になると考えております。特に、第四章の先端的重要技術の開発には指定基金として二千五百億円の基金が設けられ、シンクタンクや協議会の活動と相まって官民技術協力が進み、経済安全保障とともに新たな成長への起爆剤となることも期待されます。 ただ、どうでしょうか、総理。科学技術イノベーション投資を刺激していくということのためには、今回大学ファンドも設けられましたし、NEDOの二兆円基金もございますけれども、これらを足してもまだまだ世界標準には遠いのではないかと私は思っております。 例えば米国では、昨年から今年にかけまして三十兆から四十兆円の規模でのイノベーション・競争法案が審議中であり、既に上院では可決をされたと聞いています。また、EUも二〇三〇年に向けて、デジタル移行に約二十兆円、そして半導体に官民で約六兆円の投資計画が発表されていまして、いずれも戦略的な産業支援の方向性を鮮明にしておられます。 資料一は、これちょっと古いお話になるかもしれませんけれども、私も実は広島県で生まれております。池田内閣の所得倍増計画前後の経済と財政の状況でありますけれども、これを見て明らかなように、日本の高度成長は民間投資とそしてインフラ等への公的投資、これに支えられてきたものであったこと、そして生産性が上がってそれが所得倍増に結び付いていったということだと私は理解をしております。 成長には投資が必須であります。これはいつの時代にも真理だと思っております。そして、総理が掲げておられます新しい資本主義において、私は、産業政策と科学技術政策の結合によって長期のハイリスクな技術開発投資を人材育成を含めてしっかりと進めていくことが重要ではないだろうかと、そして基金等への財政支出はその呼び水になるものというふうに考えております。 成長なくして財政再建なしと総理も明言しておられます。指定基金への積み増し、そして思い切った財政支出を行って、研究開発、設備投資、人材育成へと民間資金を向かわせるその呼び水としていくべきと考えますが、御所見はいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、諸外国が科学技術イノベーションへのこの投資を大きく伸ばしている中で熾烈な国家間競争を勝ち抜くため、先端科学技術の研究開発などに大胆に投資を行っていくこと、これは極めて重要なことであると考えます。 このため、政府では、二〇二一年から五年間の研究開発投資を政府全体で約三十兆円、そして官民合わせた総額は約百二十兆円という目標を定めたほか、特に経済安全保障強化に向けては人工知能、量子等の先端的な重要技術の研究開発を迅速かつ機動的に推進するための予算、五千億円規模とすることを目指すなど、大胆な政策、これを進めてまいります。 今後とも、政策全体を俯瞰した上で、経営、基礎研究や人材育成への投資を始め必要な予算を確保するとともに、民間投資、これをしっかりと誘発させて、官民が連携協力して科学技術立国の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
○太田房江君 私は、新しい資本主義におきましてもこの投資の活性化ということが一番大事になってくると思いますし、その中では、科学技術イノベーション分野、これを大いに刺激をして、そして諸外国に後れを取らないようにしっかりと成長させていくということだと思っております。二千五百億円をまず五千億円にするところから、是非とも総理の御理解と御英断、お願いしたいと思います。 次に、経済安全保障にとっての基盤でありますエネルギーの安定供給に関連して、電力安定供給のための原発の再稼働についてお伺いをさせていただきます。 昨今の原油価格の高騰に加えまして、ロシアのウクライナ侵攻により、世界的にエネルギーの供給不安が広がっております。特に我が国は火力発電への依存度が比較的高いので、我が国の電力安定供給が今揺らいでいると言っても過言ではないと思っております。 東京電力は、三月十六日の地震で火力発電所が停止をしたことを受けて、二十二日には初の電力需給逼迫警報を発しました。今後世界的なエネルギーの需給逼迫が続くことになれば、電気料金の方にこれが響いていくと、上昇していくということも大いにあり得ることで、これが国民生活や経済活動に重大な影響を及ぼすことは免れないと思います。 こうした中、ロシアからの天然ガスの供給を大幅に縮小しました欧州を中心に原発見直し論が起こっていることは総理も御承知ではないかと思います。 フランスのマクロン大統領は、二月、温暖化対策を進める上での原子力発電所の有用性を訴えられまして、原発六基の新設を表明されました。フランス国民の温暖化による異常気象への不安、風力発電が止まっちゃったとか、そういうことがあったようでございますし、それから電気・ガス料金の上昇への不満というものも背景としてあったと伺っています。また、アメリカも革新原子炉への開発に三十二億ドルの資金支援を行うというようなことや、イギリスも原子力基金を設立するというふうに発表しておられます。 現下のエネルギーをめぐる危機的状況を乗り越えるためには、現在稼働中の原子力発電所の運転継続に加えまして、停止中の原子力発電所を安全確保を優先しつつ速やかに再稼働させ、国民生活と産業活動を守るための措置を講じるべきではないでしょうか。 報道機関の世論調査も変化をしてきていて、再稼働に賛成とするところが増えております。まずは原子力規制委員会にこれまで以上に迅速な審査、検査を努めていただくように要請する必要があると思いますし、また、安全の確保を優先しながら停止中の原発を速やかに稼働させるということのためには、例えば、特定重大事故等対処施設、いわゆる特重と呼ばれるものの五年以内に設置しなさいという規制を一時的に除外するというようなことの措置を講ずることが早期再稼働につながる近道というふうに私は考えます。 政府から規制委員会に、審査の更なる迅速化、そして今申し上げた特重施設の規制除外等の措置を要請、直接要請していただくおつもりはないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) ロシアによるウクライナ侵略などの影響を受けて、電力需給の逼迫のリスク、また電力・ガス料金上昇による家計、産業への打撃、こうしたものが急速に強まっています。こうした中で、既存の原子力発電所の活用は、需給、価格の両面での電力のこの安定供給のために重要であると認識をしております。 この点を含めて、あらゆる事態を想定しつつ、必要な対策検討していくことが重要であると考えておりますが、原子力発電所の再稼働については、御指摘の特定重大事故等対処施設の設置を含め、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合に地元の理解を得ながら進める、こうした政府の方針に基本的に変わりはありません。 しかしながら、その中にあっても、この原子力発電所の審査及び検査については、過去の審査における主要な論点などを公表することによる事業者の予見性の向上ですとか、審査内容が共通する案件を同じチームで担当するなど審査官の機動的な配置を行う、さらにはリスクの程度に応じた安全上重要な機器、設備の重点的な検査、こういった取組、この原子力規制委員会において行って、これまで以上に効率化に努めていく、こうした姿勢は重要であると認識をいたします。
○太田房江君 ありがとうございました。 今年の冬に向けて更に電力需給の逼迫が心配されている中、事態の推移を見ながら、総理の御英断を私は期待したいと思います。 これで質問を終わります。
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。 六百秒しかありませんので、総理、いきなりでぶしつけなのではございますが、経済安全保障における安全保障政策という観点から聞いてみたいと思います。 先日の経産委員会、内閣委員会の合同審査会におきまして、外為法、機微技術管理についての問題点を取り上げさせていただきました。噴霧乾燥器に係るものでございます。国際約束に基づいて、技術的、客観的に一義的に決まるはずのリスト規制か否かの解釈が、残念ながら、いわゆる通達行政ということによって曖昧になってしまっていた、この点の問題点を指摘させていただいたところでございます。経産大臣からも、実際にトラブルが起こるのだとすれば、できるだけないように方向を変えていくのは必要なことだと思いますので、不断の検討、見直しをしてまいりたいという答弁があったところでございます。 総理、この点を踏まえて、今回の安全保障貿易管理の実効性を確実に担保していく、そのために、外為法に行われている現状の通達行政、これを改めることによって、政府と民間企業等との認識のギャップ、これを埋めていくことが必要なのではないか、その方向で見直しをすべきだと考えますが、これについての御見解をお願いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 外為法によるこの安全保障貿易管理は、その目的である国際的な平和及び安全の維持を確保するためにも、輸出者にとって明確な制度であること、これは重要であると認識をいたします。 その上で、御議論いただいておるこの安全保障貿易管理のこの制度、この本制度においては、規制対象の品目や詳細な仕様は既に政省令で具体的かつ明確に規定されているものと承知をしています。 そもそも、この御指摘の審査基準等の通達ですが、通達というもの自体が、一義的には、法令解釈の統一を図り、安定した制度執行を行うため輸出管理の関係行政機関に向けられたものでありますが、輸出者において解釈に紛れが生じないようにするものとして活用されている、こういった側面もあるということはしっかり説明していかなければならないと思います。 しかしながら、引き続き、輸出者にとって明確な制度となるよう、制度を所管する経済産業省において、法令の規定ぶりを含めてこれ制度を不断に見直し、そして明確な制度であるというこの実態を維持していく、こうした不断の検証、努力を続けていく、こうした姿勢は大事であると認識をいたします。
○小沼巧君 通達の中で、及びというのをいきなり又はというのに変えたり、何々を含むというように変えているわけですよ。通達というのは法令ではありませんから、本来法的拘束力はないはずなのであります。ということを踏まえれば、それこそ法治国家ということの前提を貫徹するために、今の通達行政の在り方自体を今後見直していくということは引き続き御提言申し上げたいと思います。 その上で、経済政策、産業政策としての観点も、これについて伺ってまいりたいと思います。 総理は、経済安全保障を成長戦略の一分野であると、成長戦略の一要素であるというように位置付けておられます。私自身も、様々成長戦略振り返っておりますと、経済安全保障は何なのかという、要すれば社会の様々な課題を解決することによって成長に結び付けていくんだの一要素であると思います。 しかし、十二年前、民主党政権というのがありましたけれども、あのときに成長戦略で何をうたっていたのか、課題解決による成長戦略というのをうたっていたんです。十二年たった二〇二二年、この政党においても課題解決による経済成長ということの内容は変わっていないのではないか。そういう意味で、この国の、我が国の経済成長を実現する手だてになるのか、どうにもこうにも私、確信が持てないのであります。 予算委員会で小林大臣とも議論したところ、経済安全保障という文脈で成功した成長戦略はあったのか、要はないということでありました。潜在成長率はゼロに下がった、実質賃金などなどについても韓国に追い抜かれてしまっている、こういう現状に対して抜本的に反転攻勢を掛けるような成長戦略になっているかというと、どうにも確信が持てない。 そこについて、総理大臣からの、そうじゃないのだということなのであれば、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今、新しい経済モデルとして説明をさせていただいております新しい資本主義という考え方ですが、これは、市場や競争に全てを任せるのではなく、官と民が協働して、市場の失敗あるいは外部不経済を是正する観点から、デジタルや気候変動等の社会課題を解決することを成長のエンジンとすることで成長を実現するとともに、持続可能な経済社会を目指すものであります。 委員の方から、こうした考え方、かつてもあったではないかということでありますが、こうした考え方は重要であると思いますし、何よりもこれをどう実行するか、結果を出せるかどうか、これが重要であり、委員もまさにそれを御指摘になられたんだと思います。 そうしたことから、今言った考え方に基づいて、こうした新しいこの経済モデル実現に向けて呼び水となる予算、あるいは規制改革、新たなルール整備、こうしたことによってこのマーケットをつくり、さらにはこれらの分野における将来の市場規模を示す、国がこういった呼び水をまずしっかりと用意をした上で、何よりもその課題となる分野に民間の投資をどれだけ集められるか、これが大きなポイントになっています。今申し上げた呼び水に基づいて、民間の投資を促すインセンティブが与えられるように工夫をしていく、官と民が協働して成長を実現していく、こうしたことをやっていきたいと思っています。 そして、具体的な社会課題に対しては、例えばこの価値創造の源泉である人への投資の抜本強化に向けた三年間で四千億円の施策パッケージの創設ですとか、賃上げ加速については賃上げ税制の拡充などの環境整備、デジタル化の推進については5Gや光ファイバーといったデジタルインフラの整備計画の策定、気候変動に対してはクリーンエネルギー戦略、こうした政策を用意してそれぞれ具体的に物事を動かしていく、それによって経済成長を実現していきたいと考えております。
○小沼巧君 失礼を承知で申し上げますが、当時の、十二年前と言っていることが全く同じなのでありまして、本当に意味があるのか、違いが分からないのかというと、違いは私は全く分かりませんでした、実際にそういったところもありますので。そういう意味で、変えていくしかないのではないかなと思っておりますが、最後、もう時間もありませんので、出張に行く前に一つ聞いてまいりたいと思います。 まさにこのコロナ禍や物価高、円安の状況というもの、相当国民生活に打撃を与えておるところであります。生活安全保障という観点からはしっかりと予算措置をしていかなければならないと考えておりますが、今回何をやったかというと、国会開会中に自ら予備費を使って、で、補正予算なので予備費を積み増すということの決定を、先日でありましたか、関係閣僚会議でやったというところであります。 予備費をなぜに積み増すのか。具体的な措置に伴って予算の費目を付ける、このことがまさに国民生活を守っていく上で必要な施策だと思いますが、それが分からないから予備費を積み増すということ自体、失礼を承知で申し上げますが、政府に、このコロナ禍、物価高に対してどのように予見して対処する手だてを打っていくのか、予見する能力がないということになってしまうのではないかと私自身は考えます。 政府の独断専行に決したいからしてですよ、白紙委任状を国会に突き付けて、ろくに確かめさせもせず、いいかげんな決裁印を押してもらいたい、国会における開会中の予備費の使用ということについてはこれよりほかに形容することはないものではないかと私自身強く思います。 改めて、補正予算の中で具体的な費目付けを行う、事業付けを行う、このような編成をするということを是非とも徹底して御判断をお願いしたいと思いますが、総理大臣の御見解、御意見をお伺いします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、基本的には、政府として国会にしっかりとした説明を果たす上からも、補正予算において様々な費目等を明らかにして御審議をお願いする、これが基本であると考えます。 しかしながら、今、私たちの置かれているこの状況を考えましたときに、新型コロナ、自然との闘いの中で、今後、この感染の状況について、これは最大の警戒を続けて対応していきたいとは思いますが、これは、どういった状況になるか、これは専門家であっても十分把握することはできない、また、ロシアによるウクライナ侵略の状況が今後どういった道筋をたどるのか、そしてその影響が国際市場にどんな影響を与えていくのか、これは十分に把握することはできない、これが現実ではないかと思います。 ですから、今回の補正予算においては、燃油価格のこの激変緩和措置、六月から九月分についてはしっかりと項目を立てて計上するということにいたしましたが、それ以外の部分、今申し上げたような部分については、いかなる状況が生じたとしても迅速に対応していかなければいけないということで、予備費について、まずはこの総合緊急対策を用意して、予備費のこの使用を今日の朝の閣議で決定したわけですが、その使用した部分について補充する形で予備費を一応用意し不測の事態に備えておく、こうした備えも、現下の状況ですとか予備費のこの意味ということを考えた場合に、政府として国民の安心、安全のために取るべき方策ではないか、こんなことを考え、補正予算について国会にお願いしようということを決断した次第であります。
○小沼巧君 今の御発言は、国会なり政党を余りにもばかにした発言である、暴挙であるということは厳しく追及しなければいけない。 しかし、時間が参りました。今までの厳しい発言は在野精神の発露ということで御容赦をいただきまして、質問を終わりたいと思います。 本日はありがとうございました。御質問、ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 本日は対総理質疑でございます。この経済安全保障推進法案につきましては、四本柱について、私自身、百三十分、それで質問させていただいて、逐条でやりました。今日は、その大前提でもあります、私、我が国の安全保障そのものにつきまして質問させていただきたいと思います。 ロシアによるウクライナ侵攻におきまして、核威嚇をロシアは行いました。このことにつきまして、防衛政策研究室長の高橋さんは、三月二十四日の読売新聞でこういう論文を書かれました。「「第三の核時代」の始まり」。第一の核時代はアメリカと旧ソ連の冷戦期。両国の対立を安定化させる役割として、相互確証破壊、MADにより核兵器は秩序の兵器だったと。第二の核時代は、冷戦に勝つためにアメリカが核の役割を減らした時期。だが、同時期に中ロ両国が核戦力の増強を着々と進めた。第三の核時代は、核抑止の考え方も、冷戦期に主流だった核は存在していれば抑止力になるから、使用を前提にしなければ抑止力にならないに変わりつつあると。アメリカの介入を阻むためにロシアが核の使用をちらつかせているのは、まさにこうした抑止観に基づいていると。こういう論文だったんですね。 このように核使用や核威嚇の閾値が下がってしまったことに対しまして、北朝鮮への影響を含め、我が国を含めた世界の安全保障環境にどのような懸念を持ち、どのように対応されていくのか、総理の見解をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、ロシアによるウクライナ侵略の中で核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しています。唯一の戦争被爆国として、核兵器の使用も威嚇も、これは決してあってはならないと引き続き強く訴えていかなければならないと考えます。 その上で、我が国の周辺には質、量とも強大な軍事力が集中し、北朝鮮による核・ミサイル活動を含め、軍事力の更なる強化や軍事活動の活性化の動きも見られます。こうした厳しい安全保障環境の下、我が国の安全保障を確保するに当たっては、我が国自身の防衛力を強化することに加えて、これ、日米安全保障体制の下、通常兵器や核抑止力を含む米国の拡大抑止が不可欠であると認識をいたします。 現在、新たな国家安全保障戦略などの策定に取り組んでいるところであり、我が国の防衛力を抜本的に強化するとともに、日米同盟の抑止力、対処力、これを一層強化していく考えであります。
○浜田昌良君 まさに、核の使用や威嚇の閾値が下がっていると。この言わば核使用を前提とするような第三の核時代におきまして、一九四五年の広島、長崎の原爆投下から七十七年の核の不使用の歴史をいかに延長させていくか、これが新冷戦の喫緊の課題でございます。 この点については、短期的対応、中長期的対応、あると思います。順番変えまして問い三の方からお聞きしますが、短期的には、この六月二十日にウィーンで第四回の核の非人道性国際会議が開かれます。とても重要と思っています。過去の三回も日本は積極的貢献をしました。 つまり、今は戦術的に、売り言葉に買い言葉的に核の威嚇がなっていると。そうではなくて、むしろ、一旦本当に核が使われたらどんなに非人道的兵器なのか、一番知悉しているのは、知っているのは我が国だと思います、唯一の戦争被爆国。 そういうデータもあるわけですよね。例えば長崎のいわゆる原爆後障害医療研究所では、七万人亡くなった方のデータ、また七万人のその障害を受けた方々のデータを、ありながら、その後、その方々がどういう苦しみを味わったのか、こういう被爆の実相というところからもう一度発信をして、単なる戦術論、観念論で核を議論するではなくて、そういうことにこの第四回国際会議、我が国の貢献を考えるべきと考えますが、総理のお考え聞きたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 現下のウクライナ情勢は、改めて核兵器のない世界への道のりの厳しさを私たちに示していると思っています。私も被爆地出身の総理大臣として、核兵器のない世界に向けてこれからも全力を尽くしていきたいと考えております。 そして、委員御指摘の核兵器の人道的影響に関する国際会議については、議題を含む詳細情報についていまだ明らかになっておりませんが、過去に同様の会議に参加した実績があります。それも踏まえて対応を検討していきたいと思っております。 いずれにせよ、被爆の実相に関する正確な認識を持つということ、これは、核軍縮あるいは核兵器のない世界を目指すに当たって、これは取組の原点であると認識をいたします。唯一の戦争被爆国である我が国として、被爆の実相を世代あるいは国境を越えて世界に発信していく、これは重要な責任であると認識をいたします。
○浜田昌良君 是非、この第四回非人道性国際会議につきまして、日本からその被爆の実相について具体的データに基づいて積極的発信をお願いしたいと思います。それによって核兵器が使われないという歴史を更に延ばしていくと、これは我が国の与えられた使命だと思っています。 次に、これに対する長期的対応でございますが、先ほども総理は、このアメリカの拡大抑止につきまして、通常兵器や核抑止力などを含むという話をされました。この核抑止力をどう捉えるかという話なんですが、総理が外務大臣時代に設置されました賢人会議、議長報告でこういう表現があるんですね。核抑止あるいは拡大核抑止に依存する国は、核抑止が特定の環境における安定性を向上させる可能性はあるにしても、ここ第一の核時代ですね、それが世界の安全保障にとって危険な基礎と断定しているんですよ。やっぱり、デンジャラス・ベーシス・フォー・グローバル・セキュリティーと、こう書いてあります。であり、したがって、全ての国はより良い長期的な解決策を模索すべきであることを認識すべきであると、これがその議長レポートの最初に書かれているわけです。二〇一九年十月に出されたものでございます。 この点につきまして、総理の後任の茂木外務大臣は予算委員会で、この核抑止に代わる安全保障の在り方については検討しなければならないという答弁もいただきました。確かに長期的、短期的にはこれすぐできる話じゃありませんけれども、いわゆる核の廃絶を目指している我が国としては、これは検討しなきゃいけない課題だと思っております。 そこで、総理は、この広島で今年中に国際賢人会議を開催されるとおっしゃっています。是非、このことについて、長期的課題ではありますけれども、検討のスタートをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、委員御指摘の点が、賢人会議、前回の一連の賢人会議の最終報告で掲げられているということ、これは私も十分認識をしております。 核軍縮については、近年、核兵器国と非核兵器国の間のみならず、非核兵器国の間でも核兵器禁止条約の参加国と非参加国のこの間で分断が深まっています。そして、今回のロシアによるウクライナ侵略においては、核兵器の使用の可能性が深刻に懸念されている。これがこの核軍縮をめぐる今の国際社会の厳しい現実だと認識をいたします。 だからこそ、今回の会議、すなわち委員御指摘の前回の賢人会議、その後、昨年からは後継会議として一・五トラック会合がスタートしていますが、この一・五トラック会合を更に深化させて、内外の有識者に加えて各国の現職や元職の政治リーダーにも何らかの形で関与していただくことで核兵器のない世界に向けた国際的な機運、これを高めていきたいと思っています。 そして、今、この国際賢人会議の詳細について、これいろいろな検討をし、また準備をしているところでありますが、今委員の御指摘のこの点、これも新たなこの会議においてしっかりと議論を深めていけるような準備を検討していきたいと考えます。
○浜田昌良君 ありがとうございました。 あと、この経済安全保障推進法案に関しましては、九か月で法施行する部分がありまして、これについては、来年度予算を待つことなくこの参議院選後の補正予算をということで質問を前回小林大臣にさせていただいて、検討したいという前向きな答弁もいただきましたので、この点につきましても総理の御検討をお願いしまして、私の質問を終わります。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 この経済安全保障の審議、私もほかの委員の皆さんのお話も聞かせていただきながら、ますますこの重要性、改めて認識を深めた、そういった審議になったと自分なりには受け止めています。 そこで、総理に少し総括的な、そういった観点での御質問をさせていただきたいと思うんですが、まず、今のこの世界の経済の状況、方向性、この点について大変不透明な状況にあるというふうに思います。特に、ウクライナへのロシアの侵攻によって更にその不透明感は増したんだというふうに思います。 私は、この委員会の中で、これまでのグローバリズムの話と、あとはブロック経済的な動きと、こういったこと、これは小林大臣にもお伺いをさせていただいたところなんですが、先日の参考人質疑の中で、参考人の方からは、お二人にお伺いしましたけれども、一方の方は、グローバリズムの時代は終わって二極化が進むと、こういった御意見を述べられました。もう一人の方は、グローバル化によって中国が急成長をし、その結果に危機感を持ったアメリカがアメリカ本位のグローバル化の修正に入っていて、日本も日本なりのグローバル化の修正が必要なんだと、こういった御意見を述べられています。 今後のこのサプライチェーン強靱化に当たっては、企業の意思をしっかりと尊重していくということがこの法案の大きな立て付けになっているというふうには思いますけれども、日本の国益に資する取組をしっかりと政府としても進めていく上では、この世界経済の動向などに対する判断も、これは企業に委ねていくことになるのか、それともその判断においては政府としての考え方をその企業に対して示していくことになるのか、こういった点について総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の国際経済、国際社会のこの大きな方向性については、政府もしっかりとこの方向性を示す役割を果たしていかなければならないと思っています。 本法案は、国民の生存や国民生活、経済活動にとって重要な物資を特定重要物資に指定し、民間事業者が主体となって行う多様な取組に対する支援を通じてサプライチェーン強靱化を図るものでありますが、このため、民間事業者への支援を通じてサプライチェーン強靱化を図ること、これは基本ではありますが、大きな方向性については政府が示す、こうした姿勢は重要であると認識をしています。 具体的には、この法案の運用に当たりまして、特定重要物資のこの指定の考え方等を基本指針で定める、あるいは特定重要物資を政令で指定をする、また、特定の方向性や実施する施策等については特定重要物資ごとに取組方針で定めていく、こうした指針等の策定、こういったことを通じてこの方向性について示していく、こうした役割は政府としてしっかり果たしていかなければならない、このように認識をしています。
○礒崎哲史君 総理、もう少し具体的なところもお伺いしたいんですが、その特定物資を指定をする、技術を指定していく中に、その政府の方針として意思が入るということではありますけれども、方向性としては確かに意思としては入るのかもしれませんが、経済はやはり生き物でもあります。どこでどうなるか分かりません。シナリオとしてやっぱり幾つものシナリオも考えて、その中で臨機応変に対応もしていかないといけないというふうにも思います。 そうしたときに、最初に物資として指定した中で政府としては方針が示されているということで、そういう意味でいきますと、今の総理の御答弁でいきますと、その指定をした時点である意味政府の思いが入っているので、あとは企業に任せるというふうにも聞こえるんですけれども、そういったお考えでよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) もちろん、この法律の運用としては今申し上げた形で大きな方向性を示していく、これは重要なことだと思います。 ただ、民間企業の皆さんはこうした法律をしっかり活用していただきながら経済活動を行っていただくわけですが、やはり全体としては、こうしたこの、こうした法律に関わる部分だけではなくして、大きなこの経済の方向性、国際社会の動き、こういったものを念頭に置きながら全体の企業活動を考えていくということになるんだと思います。 その部分については、この法律を通じて今申し上げた形で政府も方向性は示していきたいと思いますが、ただ、これだけではなくして、政府として、その他の施策も含めた大きな経済政策ですとか、あるいは国会における議論に対してどのような説明をしていくのであるかとか、そうしたことを通じて政府としての考え方、方向性を示すことによって、日本経済全体をどうリードしていくのか、こうした責任も果たしていくことは重要なのではないかと思っています。 是非、この具体的な法律の運用においてもしっかりと責任を果たしていかなければならないと思いますが、是非大きなこの経済の方向性ということについても、今申し上げた形で様々なこの政府としての考え方を明らかにしていくことは重要であると認識をいたします。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。 やはり海外も含めてどういったことを、それこそ政府が、海外の政府が考えていること、こうしたことも含めて、やはり政府の中には大変様々な情報があると思います。そうしたものも含めてやはり企業としっかりとコミュニケーションを取っていただくということ、もうこれまで以上に取っていただくということ、私は大変重要ではないかなと思いますので、是非この点も含めた形で今後この経済安保を進めていただきたいと思います。 二つ目の質問としましては、今申し上げましたその情報をしっかりと密にコミュニケーションを取っていくという意味では、そもそもどうやってその情報を集めていくのか、あるいはそれを分析をしていくのか、こうした観点、体制を整えていくということが大変重要だと思います。今日の午前中の質疑でも、小林大臣とはシンクタンクでやり取りをさせていただいたわけでありますが、この経済インテリジェンス体制の強化というものが私は大変重要だと思っています。 国民民主党で考えました総合的な経済安全保障推進法案の中にも、この経済安全保障インテリジェンス体制の整備というものを我々も入れさせてもらっています。やはりいかに知恵をしっかりと集めて、集めるだけではなくて、それを分析をし、的確に処理をし、そして幾つもシナリオをやっぱり描いていくと。その状況状況に合わせて的確な方向性を、方針を定めていくということが大変重要だと思っていますので、このいかにシンクタンク機能を強化していくかというものが大変重要だというふうに思っています。 その意味では、政府で将来的に、令和五年に向けてシンクタンクを整えるということも一つ分かるんですが、しっかりと裾野を広げていくという意味では、民間のシンクタンク、こうしたものも育成していくということ、これが大変重要かなというふうにも思うんですけれども、こうした民間のシンクタンクも含めて、全体、日本全体のインテリジェンス機能を高めていくということに対しての政府のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、経済安全保障の取組の実効性を担保するためには、それを下支えする幅広い情報収集あるいは分析、こうした機能や体制の強化、これが重要だと認識をいたします。 このため、まずは政府として経済インテリジェンスを担う人員の増員を図ったところでありますが、さらには、それに加えて、本法案では、重要技術の育成に必要な技術動向の調査研究等を行うシンクタンク機能を位置付け、そしてこれを国内外のこのシンクタンク等との連携機能にしっかりと結び付けることによって、この民間のシンクタンクの育成、こうしたものにもつなげていくことは重要だと認識をいたします。 更に言うと、民間のシンクタンクに加えて人材育成、これが重要だということで、十兆円の大学ファンドを始めとした資金を活用して、博士課程学生を含む若手研究者の処遇向上やキャリアパスの確保を行うなどによって優れた人材の育成、確保に向けた取組、これも強化していかなければならないと認識をいたします。
○礒崎哲史君 人材についても質問しようかと思いましたが、今総理から御答弁ございましたので、しっかりその点も取り組んでいただきたいと思います。 かつ、そもそもの年度予算でいきますと、やはりこの文教科学振興費についてはやはり総額として予算増えていなかったということからすると、まだまだこうした点についての、こうした点についてしっかりと人材育成やっていくという意思が私はまだ政府の中では弱いのではないかなというふうにも受け止めています。しっかりこの点について強化を図っていただきたいというふうに思います。 ちょっともう時間がないので質問を取りやめたいと思いますが、さっき総理の中で、シンクタンク、海外との連携というお話もされていました。海外との連携の中でしっかりと情報収集していくためにも、きちっと、情報はきちんと漏えいしない、日本はしっかりと守るんだというやはりセキュリティークリアランス、これしっかりやっていかないと、今言ったせっかくシンクタンク育てても情報取れなくなりますので、こういった点も引き続き政府にはしっかりと検討をしていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。 本日は、総理への御質問ということで大変貴重な時間をいただきまして、本当にありがとうございます。 早速、質問に入らせていただきたいと思います。 ウクライナの侵攻から二か月がたちまして、本当に世界におけるこの政治情勢も、金融経済、そういったところに大きな影響が及んでおります。今、全世界的に物価高が生じておりまして、私たちの生活にも多大なる影響が起こってくるということで、今回のこの経済安全保障の中で食料という観点、この視点がなかったということで、この点、国家レベルで私は大変重要だということから、この食料についての部分をちょっと総理に今日は質問させていただきたいというふうに思います。 この食料の面でいいますと、我が国は、パンや麺やお菓子類、こういったもの、本当に私たちの生活に身近な食品、その小麦が約九〇%近く輸入に頼っているということで、この輸入の小麦の価格制度というのが、国の一元化によって価格が統一されていて、この買い付け価格と港湾諸経費を足した金額がこの輸入価格になっている、そしてここに日本独自のマークアップということで輸入差益が積み増しをされているということなんですね。で、その上乗せされたものが製粉会社等に売り渡されて政府売渡価格というものになっているということで、これを踏まえた上で今日資料を付けさせていただいています。 一番左のところに赤く大きく書かれていますけれども、ここが今年の四月期、現在一トン当たりこの小麦は、輸入小麦は七万二千五百三十円ということで、前期よりも一七・三%も上がっていっているということなんですね。もうこれはまさに私たちの国民の食生活に影響があるということで、総理は、二十六日の原油価格・物価高騰等総合緊急対策の第二の柱として、この輸入小麦について言及されています。 このウクライナ情勢で国際価格は一割以上、足下で上昇していますが、九月までの間、政府の販売価格を急騰する前の水準に据え置きますというくだりがあったかと思います。これは、現行の仕組み、いわゆるこの政府の輸入小麦の政府売渡し制度について、二回にわたって基本的なルールとして価格を設定するという仕組み、いわゆる既存の仕組みを説明されたということになるかと思います。 それでは、その急騰する前の水準に据置きするということがどういうことなのかという、私自身も気になって調べさせていただいたんですけれども、そもそも、その総理の緊急対策に対する御発言というのが、制度の説明をしたにすぎず、物価高騰対策になっていないのではないかというふうに思いまして、その確認をまずさせていただきたいと思います。 私が先ほど申し上げたように、今期、四月に決定した政府の輸入小麦の政府売渡し制度で決まった価格と、総理がおっしゃった、緊急発表でおっしゃった、政府の販売価格を据え置きますとおっしゃった価格、これは同じでよろしいんでしょうか。お答えください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) ですから、今委員が御指摘があった部分、これについては、まさに多くの国民の皆さんがこうした政府の売渡価格の制度というものを御存じでない方たくさんおられると思いますので、改めて制度を説明し、そして、ウクライナ情勢の影響が出る前と変わらない価格が維持されるということを説明させていただいた、こういった部分であります。 そして、それと併せて、この輸入小麦から米粉や国産小麦などへの切替えですとか、あるいは国産小麦の生産拡大などを強力に支援する、あるいは、小麦の国際価格の急騰の影響を緩和しつつ、輸入依存度を下げて、食料安全保障の観点から危機に強い経済構造を実現していく、こうした政府の取組を説明させていただいた。 二十六日の会見は、そういう順番で、構図で説明をしたものであると認識をしております。
○高木かおり君 国民の皆さんは、この輸入小麦の価格設定のやり方というのは、なかなか一般の方々というのは御存じない方多いと思います。そこに総理が説明をしてくださったというようなことをおっしゃっていただいたんですけれども、逆に誤解を招くというようなこともあったんではないかなというふうに思います。 というのは、これが七万二千五百二十円、これがこの四月に価格設定されたということで、これはウクライナ情勢ということもありますし、昨年のアメリカの小麦の不作が原因ということもあったかと思います。その中で、このウクライナ情勢で物資の輸送、そもそもこの小麦を調達できない場面もあったり、価格が徐々に高騰する可能性を予測して四月の金額を九月まで維持すると、こういった発言が出てきて、こういった解釈というのもあるかもしれないんですけれども、ただ、この四月二十六日の総理の会見の時点でこの小麦の価格を据え置いたというふうにやはり受け止めるという方がいらっしゃる。 そして、これ過ぎてしまったことを言っても仕方がないんですけれども、やはりこの緊急対策を、この四月ではなくこの三月の時点、このときも原油価格がどんどん上がってきているということもありましたから、予測をして、三月の時点で決断をし、発表して、その図を見ていただいたら前回は六万一千八百二十円となっておりますので、このせめて六万一千八百二十円、ここに据え置くというような御決断をしていただいていれば、もう少し国民の皆さんに負担が掛からなかったんではないかというふうに思うわけです。 そこで、総理にお願いをしたいんですけれども、この輸入小麦の実効性のある価格高騰対策として、先ほど申し上げたように、四月はもう既に過ぎているんですけれども、今後この物価の上昇が予測、これからまだまだこの国際情勢を考えれば上昇が予測される中で、例えば先ほど申し上げたマークアップの部分を一時的に下げるですとか、例えば今日も話題に上っていました予備費等を使って輸入価格の部分を下げるなどの対策をしていただけないでしょうか。そうすることによって実効性のある、実効性を担保できる対策になるんではないかというふうに思います。 やはりこの小麦、輸入小麦、先ほど総理は、国産小麦とかまた米粉とか、そういう代替のものに切り替える、そういった施策も今政府の方でも検討していただいているのかもしれませんが、圧倒的に輸入小麦が今多いということで、そういう中で国民の皆様への影響をできるだけ緩和するために、先ほど申し上げた対策を是非総理にはお考えをいただきたいと。 もう一つ付け加えますと、これ今、四月からまた九月の間に価格が、平均価格が設定される。恐らく、次のまた価格が設定されるときには大変この価格がまた上がっている可能性も予見されるわけです。そういった価格に対しても是非、政府の売渡価格、これを総理、是非検討していただいて、国民の皆様の負担にならないような価格設定になるように、是非この点をお願いをしたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、現下のこの国際価格、この小麦に関してはウクライナ情勢によって一割以上上昇しています。しかし、その中にあっても、小麦の価格についてはこうした上昇前の価格を四月一日から九月三十日までこれずっと維持するということ、これは、国民の皆さんの生活の安心ということから考えてもこれは大切な説明であったと思っています。 そして、この小麦の価格については、これ、例えば食パンなど小麦製品の価格は、その原料小麦の価格だけで決まるものではなくして、例えば食パンですとか、食パン一斤の場合ですね、この小麦、原料小麦が占めるこの代金の割合、これ八%程度ということであります。また、それ以外にも、うどんですと一%、中華そばですと一%。ですから、小麦製品の価格というのは、小麦、原料小麦だけではなくして、それ以外の油ですとか様々な価格の上昇が反映されるということでありますので、小麦の値段についてもこれはしっかりと説明をしながらも、それ以外の原材料についても、高騰対策、物価高騰対策、しっかりと用意する形で全体としての引下げを考えていく、こうした政府の方針を説明することは大事であると思っています。 この政府売渡価格により、マークアップについてもこれ引き下げたらどうかという御意見もありますが、こうした辺りは国内産麦の振興経費に充てられている部分でありますから、ここを下げるということは、また生産体制全体への影響を考えると、これは慎重でなければならないと思っています。 いずれにせよ、小麦製品をできるだけ価格を引き下げることによって、生活に影響が出ない、こういった努力は続けていきたいと考えます。
○高木かおり君 是非、先ほど、トータルで考えていただけるということだと思いますけれども、様々な視点から国民生活に影響がないように是非取り組んでいただけるようお願いを申し上げまして、時間が参りましたので終わります。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 経済安全保障については、我が国の経済構造の自律性の向上、技術などの優位性、不可欠性の確保ということが強調されていますが、かつて日本の強みであった半導体産業がなぜ衰退したのかの検証抜きには、この議論、あり得ないと思うんです。 日本は一九七〇年代に、将来のコンピューター産業の礎となる超LSI、大規模集積回路を日本が独自開発するという目標を掲げ、七六年には富士通、日立、NEC、三菱電機、東芝、電総研で構成する超エル・エス・アイ技術研究組合を立ち上げるなど、官民共同でこの分野の推進をしてきました。一九八〇年代には、世界の売上げトップテンのうち六社が日本企業、半導体市場の五三%のシェアを占めるまでになりました。 ところが、日本脅威論が浮上し、米国半導体工業会が日本メーカーによるダンピングをUSTRに提訴し、その後約一年にわたる日米の協議の上で、八六年、日米半導体協定が締結されました。その中身には、日本政府は外国製の半導体購入拡大を勧奨すること、日本製半導体のコスト、販売データの開示を前提として米国政府が公正販売価格を決定することなどが含まれていたわけです。九一年の新協定では、外国製半導体購入二〇%という数値目標まで明記をされました。 これで何が起きたかと。例えば、企業の中では、半導体部門が同じ企業内の他部門に互換可能な外国製品を紹介するという屈辱的なことまで起こった。また、当時、韓国の半導体産業が成長を始めていて、日本メーカーが日本の顧客に対して弊社製品よりもお得な韓国製の方をお勧めしますという光景まで見られたというんですね。 こういう分析はたくさんの本の中に示されていますよ。資料でお示しした数字も見てみてください。日米半導体協定が存在した十年間で日本企業から海外市場へのシフトは金額ベースで三兆円と、こういう試算まであります。この十年間がボディーブローとなって、協定終了後も更なる半導体産業の凋落を招いたのは明らかです。 経済構造の自律性と言うとき、では、この日米半導体協定をどう評価しているのか。アメリカの圧力によって戦略的産業である半導体産業の凋落を招いてしまった、この検証、反省はあるのでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 日米貿易摩擦を契機に積極的な産業政策を後退させたことが、半導体産業の凋落の一因でもあったと考えております。一方で、当時の日の丸自前主義に固執したこと、あるいは当時の関連企業が世界の半導体産業の潮流を見極められなかったことなど、そうした様々な要因もあったと認識をしております。 半導体産業はグローバルなサプライチェーンが構築されており、全ての工程を日本国内で整備をするということは現実ではないと思います。このため、半導体の安定供給の確保に向けては、米国を含めた有志国、地域との連携を強化していくことが重要です。こういった観点を踏まえて、安全保障の観点から、不可欠な技術を他国に依存するリスクをいかに低減できるか、これがまず鍵であり、政府としては、まずは我が国のミッシングピースとなっている先端半導体の製造基盤整備に取り組んでいるということであります。 過去を検証しろという御指摘でありますが、引き続き、過去の教訓を踏まえて、国内での産業基盤の確立と国際連携、これを組み合わせながら、そして自律性を確保していく、こうした目的に向けて努力をしていきたいと思っています。
○田村智子君 アメリカが日本を脅威と言ったのは、半導体というのはやはり兵器にも使われると、国防上の問題でもあるということで、まさに日本が標的にされて、経済安全保障政策をまさに仕掛けられたんですよね。やっぱりアメリカとの関係での自律性ということをしっかりと検証することが私は求められていると思います。 同時に、アジアの半導体産業の立ち上げに日本の優秀な半導体技術者が深く関わったことも周知の事実です。昨年の東洋経済に、富士通で半導体部門のトップを務め、現在は半導体の設計ベンチャーの経営者である藤井滋氏のインタビューが掲載されました。 サムスンや現代、現SKハイニックスですね、の半導体事業は、当時の日本の技術者が週末に韓国へ行って指導して立ち上げた。ただ、中国に関しては、早期退職で首になった日本の技術者が現地に渡って立ち上げた。そうした構図は液晶もプラズマディスプレーも同じ、エレクトロニクス全般に当てはまる。技術者が持つノウハウを将来にわたって国がどうキープするかは労務政策であり、産業政策でもある。日本はそれを各社に任せてきた。そして、各社は年寄りの技術者を要らないと捨ててきた。TSMCの創業者モーリス・チャン氏は、新技術を立ち上げるためにIBMや日立などからキーマンを大金で一本釣りしたと。 バブル経済の崩壊後、人件費をコストとみなしてリストラの嵐が吹き荒れました。リーマン・ショック後も同じです。電機情報産業での大規模リストラは、技術者にも早期退職を迫り、圧迫面談、追い出し部屋まで問題になって、産業の衰退をもたらすということを私も含めて我が党は繰り返し国会で質問してきましたが、政府はまともな対策を取ろうとしませんでした。今国会で、私は、研究者の非正規雇用化、大量の雇い止めの問題を質問しましたが、まともな対策が取られようとしているとはとても思えません。 技術者、研究者の使い捨て、不安定雇用、ここを規制しないで、どうして日本の技術の不可欠性、これが確保できるんでしょうか。いかがですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、人材育成の重要性についての御指摘については、私も同感であります。そして、近年、イノベーションの源泉として人材の重要性が高まる中、世界的に研究者や技術者の獲得競争、これますます過熱していると認識をしています。 この半導体産業について言うならば、我が国産業界の凋落によって、今や若い世代にとって必ずしも魅力的な仕事として映らなくなっていること、これは大きな問題であると認識をいたします。 このため、まずは国がコミットメントを示し、大胆な支援策を講じていくことで優れた人材を国内外から引き付けるとともに、支援対象の企業には、技術者等に対する大幅な処遇改善、これを働きかけてまいります。さらに、大学や高専と政、産業界の距離を縮め、即戦力となる人材、次世代技術の研究開発を担う人材、これを育成してまいります。 こうした取組を通じて、我が国に半導体産業の基盤を根付かせ、イノベーションの中心地とすることで、人材を育み、外からの人材を引き付け、それが更なる人材の厚みにつながる、こうした好循環生み出していきたいと考えております。
○田村智子君 目の前で行われようとしている研究者の使い捨てに対しても、いまだまともな対策は取られようとしていないんですよ。理化学研究所、六百人を超える雇い止め、このままだったら進みますよね。研究者や労働者、この人の力こそが日本の経済の自律性であり、技術やその産業の不可欠性、優位性、それはもちろん総理の言うように私も閉じられた世界の話じゃないと思う。開かれた世界の中で、海外からの人材も含めて、日本の中で成長できるよという環境が必要だと思う。 ところが、経済安全保障の議論というのは、今度は中国の経済力、軍事力の急拡大の下でアメリカが中国の脅威を唱え、対立を深める下で急浮上しているんです。中国に対して外交的に物を言うこと必要です。しかし、脅威をあおって対立を深めるという道を日本も歩むのかということが問われていると思います。その対立に企業活動や研究、技術開発まで巻き込んでいけば、それは政府による監視、介入をもたらし、その活動を萎縮させ、経済も研究も発展が阻害されかねないということを強く危惧します。 ここでもう質問の時間終わってしまいましたが、私、基幹インフラの問題、重要物資の確保の問題についての質問に届きませんでした。更なる質問が本来求められているということ申し上げて、質問を終わります。
○委員長(徳茂雅之君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十七分散会