財政金融委員会 第10号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2022/04/14
会議録
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、佐藤啓君、石垣のりこ君、足立敏之君、小池晃君及び宮島喜文君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君、難波奨二君、末松信介君、山下芳生君及び竹内功君が選任されました。 ─────────────
○委員長(豊田俊郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山本博司君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房行政改革推進本部事務局次長湯下敦史君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(豊田俊郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁若田部昌澄君及び同理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(豊田俊郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。 令和二年六月十九日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。 報告対象期間は、令和元年十月一日以降令和二年三月三十一日までとなっております。 御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和二年三月三十一日現在、各勘定合計で一兆九千六百三十二億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(豊田俊郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○自見はなこ君 おはようございます。参議院自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。 本日いただきましたお時間で、私が六年間取組をさせていただきました外国人観光客の医療問題について、医療費の問題につきましてお話をさせていただきたい、質問させていただきたいと思います。 皆様の資料、お手元にございますが、資料の一を見ていただければと思います。 二〇一七年の夏でありますが、沖縄県の医師会に呼ばれまして訪問した際に、まだコロナの前でありますが、自見さん、今大変なことになっていますよと。沖縄ではハワイより外国人観光客が来るようになっていて、その方たちのある一定の方たちが、おなかが痛くなったり交通事故になるということで医療機関を受診しますと。ところが、これ大変な問題がありますと。まず、言葉が通じないということもあって、時間も二倍、三倍掛かる、それから、医療費の請求が、保険に入っていない方が三割程度、入っていない方がいる、また、亡くなった方の御遺体の搬送をどうしようかという問題、あるいは生まれた赤ちゃんのパスポートをどうしようか、あるいはハラルなどの食事の対応、こういったこと一つ一つを病院の事務の方や医療従事者が時間外労働として大変丁寧にやっていますと。非常に頑張っているんですけど、そろそろ限界なんですよということから、私はこの課題に取り組み始めています。 その課題を持ち帰りまして、自民党の中で政調で、外国人観光客に関する医療PTというものを立ち上げさせていただきました。萩生田光一先生が座長で、私は事務局長でありました。 当時、オリパラがまだ二〇二〇に来るということでありましたので、二〇一八年の四月にまとめた提言がこちらでありまして、この提言に沿って国の方も順次対応を進めていってくださっている現状には感謝をしております。 我々がまとめました提言でありますけれども、それぞれの地域で観光を促進したいという人たちと、それから医療を守りたいという人たちが協議会をつくろうといった話ですとか、あるいは国がやらなければいけないこともあると。それは何かといいますと、マニュアル整備であります。外国人観光客が来たときのマニュアルの整備ですとか、あるいは多言語対応。タブレットを使って、今では、これ結果として十六億円お金いただきましたので、タブレットは配付していただきまして、医療通訳のオンラインの仕組み、あるいは多言語の中でも特に希少言語については、これは国が一括して面倒を見るという仕組みですとか、あるいは診療報酬の考え方や応招義務など様々な論点を整理していただきまして、本当に多くの対策を進めてきてくださっています。 また、医療保険につきましては、左側のブルーのところでありますが、日本に入る前から民間の医療保険に入ってくださいということの情報発信をしていただいております。そして、日本に入ったときに民間医療保険に入っていない方々については、入国したときに入れる民間医療保険の開発も行っていただいています。それが、ちょっと飛びますが、資料の四の一と四の二であります。忘れていませんか、安心への備えということで、このチラシ、今は動画にもなっていると聞いていますが、それぞれの言語に、多言語で対応していただいて、政府としても情報発信をしていただいている。 ただ、それだけでは足りないということから、厳格化ということをしていただいています。何の厳格化かといいますと、医療費の不払があったときであります。資料の二を御覧いただければと思いますが、ある一定金額、ここでは二十万ということで定めていただいておりますが、二十万以上の未収金が訪日外国人であった場合について、医療機関がこれを登録をして、そして次回以降、これ法務省にデータベースが送られますので、ここで次回の再上陸を拒否できる仕組みの構築、こう提言をいたしましたところ、この提言を受けて、このコロナ禍でありますが法務省も一生懸命汗をかいてくれまして、二年掛かりましたけど、システム構築もしていただいたところでもあります。 そこで、私からの一問目でありますが、この仕組みであります。現在、医療機関からの登録件数と、未払の、まあ今止まっておりますが、水際、それでもあるかなとも思いますので、未払の情報提供の件数など、現在の状況を教えていただければと思います。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 今先生から御紹介をいただきましたように、厚生労働省では、令和三年の五月の十日以降、医療機関から二十万円以上の医療費の不払の状態にあります訪日外国人の情報、これを収集するとともに、その情報を出入国在留管理庁に情報提供をいたしまして、次回入国する際の入国審査においてその情報を活用していただく取組を開始したところでございます。 昨日時点で確認しましたところ、二十万円以上の医療費の不払の状態にある訪日外国人の情報は報告をされておりません。 昨年度、この取組の概要ですとか医療費不払情報の登録方法に関しますオンラインの説明会を三回ほど開催をいたしまして、三百五十を超える医療機関から参加をいただいております。 今後も積極的にこの取組の周知を行ってまいりたいと考えております。
○自見はなこ君 日本には八千の病院がありまして、十万の診療所があります。三百五十の医療機関の登録というのは、まだまだ始まったばかりだとは思いますが、是非周知のほどを広げていただきたいと思いますし、仮に外国人観光客が日本に来るタイミングが来ましたら、これを是非とも活用していただきたいと思います。これの大きな抑止力になりますので、取組の強化をお願いしたいと思います。 続きまして、泉田政務官にも来ていただきまして、ありがとうございます。質問をさせていただきます。 このコロナでありますが、皆様御案内のとおり、二〇二〇年の二月に指定感染症ということでいわゆる二類相当になりまして、その後の法改正を経て、今は新型インフルエンザ等感染症という位置付けになっております。 これは、いずれはこのワクチンがこれは社会全体である一定以上になって、そしてインフルエンザで言うところのできればタミフルのような内服薬が出るとき、こういうタイミングが来れば五類ということも、いわゆる五類ですね、ということもあるのかなとも思いますが、実はこの五類になりますと、実はこの類型は、皆さん簡単におっしゃるんですけど、十数項目程度の細かな規定の中の類型別でありますので、分解して考える必要があるんですが、一つの大きな着目ポイントはやっぱり公費負担ですね。 今、五類でない、五類でないがゆえに、これは国が公費負担、全額お金を見てくれています。ところが、五類になりますとこの公費負担がなくなりますので、当然ながら、その五類になるであろうタイミングと水際で外国人観光客を再開するタイミングは、恐らくは政府の中でほとんど同じタイミングになると思うんですね。じゃないと、コロナでこんなに大変なのに、観光客わんわん来るのもそれも困りますので。そのタイミングのときが迫っていると私は思っておりますけれども、これは一体、観光庁としては、この五類にした場合、要するにコロナの前と後で考え方を変えなきゃいけないと思うんですが、五類にした場合のときの医療機関の負担と医療費の未払の対策はどのように考えているのか、お答えください。
○大臣政務官(泉田裕彦君) 先生御指摘いただきましたように、新型コロナウイルス感染症の拡大前、これ、訪日外国人旅行者が増加する中で、旅行保険に加入していない一部の旅行者によりまして医療費未払が生じ、その改善が課題になっていたということを承知をいたしております。このため、令和三年五月から医療費不払経歴のある訪日外国人に対して入国審査が厳格化されたところでございます。 国土交通省におきましても、入国審査の厳格化の一環として、保険加入勧奨の強化、これを図っているところでございます。また、医療費未払を回避し、現場の負担を軽減をさせるために、令和四年度から医療機関の翻訳機器の整備等に関する補助制度を設けております。 制度等変わりましたときには、今後とも、新型コロナウイルス感染症の分類の議論等にも注視をしながら、厚生労働省を始めとした関係省庁としっかり連携し、医療を適切に受診できる環境整備に取り組んでまいります。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 いろんな医療機器の整備とか、国交省、観光庁の財源充てていただいているのは本当に有り難い限りではありますが、やはりそれでも、外国人の観光客が再開されるときには、大体三割が医療保険に入っていませんので、加入促進という言葉がちょっとむなしく響くということも個人的には分かっていただいているんだと思います。 その上で、次の質問に入りたいと思いますが、皆様のお手元にあります資料の三を御覧いただければと思います。 こちらは、私は、二〇一九年の九月から翌年九月まで厚生労働大臣政務官を拝命いたしました。当時は労働担当で就任をさせて、着任させていただきましたが、コロナが始まりまして、当時の加藤大臣から、コロナに関しては担務にかかわらずに事に当たれという明確な御指示を頂戴いたしましてからは、医療側、すなわち厚生側も担当する政務官ということで、その数日後にダイヤモンド・プリンセス号の中に乗船して、三週間、船内で皆様、関係者の皆様に本当に大きな御協力いただきながら船内で活動させていただきました。 私自身は、水際というのには非常に重たい思いを持っておりますし、ここを食い止めるということが国の、国防にもなると思っております。 そういった中で、この資料の三を提示させていただいておりますが、これは、私が政務官を終えた後に自民党の中に戻ってまいりまして作りました提言のポンチ絵でございます。 訪日外国人観光客コロナ対策PTでありますが、これは当時まだ、コロナが来ていてもオリパラやるかもしれない、オリパラやる前提で、かつ、観光客も入れる可能性が非常に高かった時期に取りまとめたものでありますが、ある意味でいえば理想型であると思っていただければと思います。 まず、左側のグリーンのところを御覧ください。これは、それぞれの国を出国する前の取組であります。相手国に出国する前に、日本の在外公館がございますので、そこでいわゆるビザ、査証の発行ということをしていただくと思いますが、そのときにPCRが陰性であること、民間医療保険に入っていること、それから三は、今はもう現実化しておりますが、電子媒体ですね、国で入国した後に管理される電子媒体に入っていただくということ、また、日本に入った後には健康管理の報告の義務があると、これを守るよね、守りますということを誓約した人にしかビザを発給しませんと。このビザを発給された人が飛行機に乗って日本に来るわけでありますが、右上に書いてありますが、飛行場では検疫、入管、税関というものが関わります。 その後、入国した方には、このピンクの部分でありますが、外国の方には、毎日どこにいますか、毎日の健康状態はいかがですかということをデジタル的にも一元的に管理する仕組み、これを提言をしておりました。一旦ここで陽性になりましたら変異株が出てくると思いますので、その変異株についての情報も厚生労働省のHER―SYSの中に流し込む、これを当初から提言しておりまして、政務官のときからこれ取り組んでいたものでもあります。この取組が、本当に有り難いことに、一時期間、一時期の間、具現化していたときがあります。 資料の五を御覧ください。 いわゆるビジネストラックです。これは菅政権のときの二〇二〇年の九月から、まずシンガポールで始まりまして、韓国、ベトナム、中国と、一定期間始まっておりまして、実はその後、感染拡大いたしましたので、翌年、二〇二一年の一月十四日には、これ終了しております。 このビジネストラックの誓約書の中の二枚目を御覧ください。ここには、四番でありますが、民間医療保険に入っていることということを条件にしていただいていました。また、五、六、七は、この資料三のピンクの部分であります。電子的な媒体について御協力いただきますということが書いてありました。これはよかったんですが、これ今終了しておりまして、その後、水際を全般的に止めたということがありますが、実は今年の三月からこれ受入れ責任者という形で、これを再び、外国人を受け入れているんですね。 その中で、資料の六の一と六の二を御覧ください。 これがこの三月から行っております、これ厚労省が用意してくださっております誓約書です。受け入れる責任者がいて、その人が保証しますということなんですが、その中に、当然ながら要件としての民間医療保険の加入義務はないんです、残念ながら。ところが、それは問題ではないかと指摘いたしましたところ、右側の六の二、QAで書いていただいておりまして、前提として入ってくださいよねという優しい書き方になっておりまして、私から見ると、これは非常に不十分だろうなというふうに思っているところであります。 こういった現状がありますが、ここで、鈴木副大臣にもお越しいただいておりますので、お伺いをさせていただきたいと思います。 今後ですね、今ではありません、今後、国際的な人の往来を再開した際に、外務省の観点からで大丈夫なんですが、このコロナが五類になっても民間医療保険の加入義務ということを、これはビザの発給時の誓約要件にすることができるのかどうか、あるいは、その全体のそれ以外の考え方もあれば、お聞かせください。
○副大臣(鈴木貴子君) 自見先生がこの問題に長く取り組まれていること、私も承知をしておりますし、私自身もこの問題意識というものをしっかりと共有をさせていただいております。 今委員から御質問がありましたように、この観光目的を含む国際的な往来が再開することを想定をしてということでありますが、まず、その前段としてのイメージでありますけれども、二〇一九年の新規外国人訪日者数は約二千八百万人であります。そのうち約七割の外国人は査証免除対象国若しくは地域籍者であるために、短期滞在査証の発給を受けることなく入国ができております。若しくは、また以前に発給された数次査証で入国してきた外国人であるということが念頭に置く必要があると思っております。ゆえに、この査証申請時に民間医療保険への加入を義務付ける場合に、その効果というものが限定、今の現状においては限定的とならざるを得ない、これが課題の一つであると認識をしております。 いずれにせよ、この問題非常に重要であると思っておりますので、外務省としても関係省庁としっかり連携をさせていただきたいと思いますし、また、現状、外務省にできることといたしましては、この訪日外国人への医療保険の加入というものを、しっかりとこの必要性、意義というものを周知啓発をしていくことが重要だと思っております。在外公館のホームページ等を使いながら、引き続きその啓発等にも全力を尽くしてまいりたいと思います。
○自見はなこ君 皆様も今聞いていただいてお分かりになったと思うんですが、七割の方が査証免除ということでありますので、この方たちに対する手だてがなかなか厳しいということがお分かりいただけたんではないかと思います。ですから、今の日本の持っている外務省の仕組みの中では、なかなかこの民間医療保険の査証にひも付けた形での加入義務化というのは限界があり過ぎるということがまず分かっていただけるということが今日はすごく意味のあることだと私は思っております。 なぜそれを申し上げたかといいますと、この資料の七をちょっと御覧いただきたいんですね。 この資料の七の左下でありますけれども、実はヨーロッパには統一のルールが、シェンゲン協定というものがあります。これは、それぞれの国のルールをそろえているので、これ外交、外務省の多分努力といいますか、働きがこれから必要な部分ではありますけれども、大体七百万相当の民間医療保険に入っていないとまずビザが下りない仕組みなんですね。それは観光もそうなんですけれども、日本人はクレジットカードに医療保険が付いているんですが、これ実はグローバルスタンダードではないんですね。日本はそうなだけなんです。ですから、そういう国を調べ上げて、いわゆるビヘイビアが、医療保険の未払が生じない国についてはこれ抜いているんですね。それで、そうじゃない国に対してはきちんとこれを行ってからしか入国できないということになっていまして、こういった仕組みが必要ではないかと思っています。 右でありますが、ダイヤモンド・プリンセス号、大変私は貴重な経験させていただきました。結果として十三名の方がお亡くなりになられまして、本当に心からお悔やみを申し上げたいと思いますが、実際の船の中はすばらしいチームワークで、皆さんと一緒にお仕事をさせていただきましたが、この間、船に乗っている方々は皆さん大変裕福な方々でした。すばらしい方々で、本当に私も一人一人のお顔を思い出しますけれども、本当に仲のいい御夫婦の旅ですとか、それこそ四十年ぶりに再会した同級生のグループ旅行とかですね。 ところが、外国人の方に、私たちお命をお預かりしたのは三千七百人の方をお預かりしたわけでありますけれども、この方々たちの外国籍というのは五十か国以上の外国の方がおられまして、入院した方々を調べたところ、外国籍ですね、これ全てを拾い切れておりませんが、三百四十二、これ厚労省の研究班に調べていただいています。この方たちのうち、実はそのダイヤモンド・プリンセス号、全てコロナで入院ですから、全額公費負担なんですね。一応、二億七千二百十九万ということが調査で分かっているだけで公費負担ということになっています。 これが、コロナをいわゆる五類にして、外国人観光客が来たときに、私たちの国がこれ感染症法の枠組みから外れていく仕組みなので、公費負担が外れるということは医療保険の分野になるということでありますので、まさにこういった部分が医療現場の負担になるということは是非頭に置いておいてほしいというふうに思っております。 さて、このスライドも見た上で、問い四でありますが、厚生労働省については、こういった課題がありながらいずれ来るであろう水際の再開に向けての医療機関の負担感、ここについての軽減の措置、どんなお考えをお持ちでしょうか。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。 今委員、この間御指摘いただきましたように、感染症法上の位置付けが変わりますと公費負担医療等の取扱いが変わるということで、医療現場における負担感なり大分様子は変わってくるということでございます。仮に五類感染症に変更した場合には、この公費負担で、感染症法上の公費負担医療で行っているものが変わってまいりますので、一方で、これを何か医療費を予算措置により賄えるというようなことは、五類の他の疾病、例えば季節性のインフルエンザなどとの均衡等も考えますとなかなか難しいという課題がございますので、慎重に検討せざるを得ない部分がございます。 今後、この感染症法上の取扱いについては、専門家の意見も伺いながら今後の感染状況等も踏まえ議論していくという今スタンスではございますけれども、御指摘のような医療費の部分の課題につきまして、これはコロナ感染症の発生する前から、例えば訪日外国人受診者の未収金対応ということで大きな課題があったわけでございまして、例えば医療費不払の外国人に対する国保加入への促進のための取組ですとか、様々な取組行っておりますけれども、こうした取組、厚労省としての取組、あるいはこの間の議論の中でございました関係省庁の取組ともよく連携しながら、こういう課題についてどういう対応が必要か検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 コロナがあったんですよ、あっているんですよ。コロナの前の対応をそのままやりますと言われて、それは全く不十分ですよねという質問を今日はしています。 ですから、まず厚生労働省は、是非とも医政局中心になりまして、コロナが五類になったときの医療機関の悲鳴、想定されるであろう現場からの負担感の苦情、これを先んじて考えて、厚生労働省から、厚生労働大臣からそれこそ総理大臣に対して、こういう課題があるから先に取組をしてほしいと言うべきだと私は考えています。 その取組が厚生労働省から発されませんと、発していただきませんと、ほかの省庁もまごまごして、入管は僕じゃありませんと言いますし、観光庁は観光をやりたいんで別にそれは医療機関の課題ですと言いますし、みんな縦割りで、みんな本当に逃げちゃうんですね、この課題。ですから、まず厚労省が腹をくくることが非常に重要です。 その上で、私は提案したいのは、やはり自賠責のような、外国人観光客が来るとき、すべからく皆様がある一定のものに入っていただくような、そういった何らかの仕組み、何らかの新たな仕組みを考えていただいてから水際の開放をしていただきませんと、国民感情としても納得できません。 ですから、役所の皆様は、これそれぞれの省庁の縦割りと考え方の整理でいくと、絶対百年たっても進みません。スペイン風邪はインフルエンザの一種でありますけれども、タミフルができるまで八十年掛かっていますから、本気でウイズコロナを考えようと思ったら、来年もしかしたらいい薬ができるかもしれないから喉元過ぎるまで待っていようという発想では絶対駄目なので、是非ともここは考えを改めていただきたいと思います。 最後に、財務大臣にお伺いしたいと思います。 このコロナの医療と通常医療という、この二つを支えていくのが医療現場が求められていることでありまして、今、通常医療をもう維持することが本当に大変なんですね。進行がんも見付かっているという、こういう形でありますので、この通常医療とコロナを両方を守っていく、こういうかかりつけ医の先生方が非常に重要な役割を果たしています。財務大臣として、コロナがあってもこれをやっていくんだという覚悟を是非ともお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、この間、新型コロナ医療に関わる医療従事者の皆さんに深く感謝を申し上げたいと思います。 御指摘のかかりつけ医につきましては、財政制度等審議会の建議がございまして、ここに、平時において高齢化時代における地域包括ケア、在宅医療の担い手として、有事において発熱外来や自宅療養時の健康観察等を迅速に提供するものとして重要な役割を担うものであるという指摘をいただいているところでございます。 かかりつけ医の活用につきましては、昨年十二月二十三日に決定いたしました新経済・財政再生計画改革工程表におきまして、かかりつけ医機能の明確化と、患者、医療者双方にとってかかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的方策について検討を進めるとの方針が示されているところでございます。 今後、この改革工程表に沿いまして具体的な方策を検討する中で、建議の内容の反映を含め、しっかり議論を深めまして、改革を着実に実行してまいりたいと思っております。
○自見はなこ君 安心して医療がかかれるという患者様目線、国民目線での考え方の整理であってほしいということは強く申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。 本日は、政府基金、そしてESG投資について質疑させていただきます。よろしくお願いいたします。 新型コロナウイルス感染が広がった二〇二〇年から二一年度、政府が複数年にわたって事業の資金を支出できる政府基金に総額十二兆八千二百六億円の予算が投じられております。政府は、現在、予算の単年度主義是正の観点から、科学技術や経済安全保障の分野で政府基金の活用を図っているとされています。この二年間の総額は、コロナ禍前である二〇一八年から二〇一九年度の約七倍に膨張しています。機動的、そして弾力的な運用が可能という特徴から、基金の枠組みは公益性が高く、そして弾力的運用が求められる事業や、単年度では完結しない中長期的な事業を実施する場合に適しているというメリットは確かにあります。ですが、二〇一四年度から二〇一九年度の基金の六四%が補正予算でつくられているんです。二〇年から二一年の両年度に至っては、政府基金への支出のほとんどが当初予算ではなく補正予算によってなされています。 補正予算については、財政法第二十九条で緊要性が要件とされています。ここ数年急増した補正予算における基金支出は、その全てが本予算の成立を待てない緊急性を持ったものだと大臣は確信を持って断言できるのでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま牧山先生から御指摘がありますとおりに、補正予算に盛り込まれる事業につきましては、緊要性の要件を満たすか否かは、基金事業であるかどうかにかかわらず、それぞれの事業内容等に応じて個別に判断されるものであると考えております。 その上で、補正予算において計上された基金事業につきましては、例えば令和三年度補正予算では、経済対策に掲げられました新型コロナの拡大防止、ウイズコロナ下での社会経済活動の再開、未来を切り開く新しい資本主義の起動などを迅速かつ効率的に実施する上で必要であるとそれぞれ判断したものでありまして、緊要性の要件を満たすものと考えております。
○牧山ひろえ君 基金は計画的な運用が前提で、当初予算での対応が基本であるべきだと思います。補正予算は、本予算に比較し、議論の時間も少なく、そして国会による精緻な審査が及びづらい難点があります。個別に緊要性を評価しているとおっしゃっておりますが、補正予算での支出は緊要性を必要とする例外的な措置だということを考えますと、事後に補正予算による基金支出が本当に緊要だったかどうかということをやはり再検討すべきだったと私は考えます。経済成長に向けて継続的に必要な予算であれば、一過性の補正予算ではなく、当初予算での対応も検討すべきだったんではないかなと思います。 また、コロナ禍で生まれた基金には過去に低執行率で終わったものと類似するテーマもあることが指摘されています。コロナ禍に乗じて不要な事業まで政府基金で運用されていないか、やはり確認する必要があるんではないかなと強く感じております。むやみに新設する前に既存基金の棚卸しを実施し、選択と集中を進める取組を行うべきだったんではないかなと私は強く感じております。 さて、政府は、二〇〇六年八月に閣議決定した基準で、少なくとも五年に一回は定期的に事業を見直して、使う見込みの低い資金は迅速に国庫に返還するなど、厳格に運用するよう求めています。また、政府が二〇一四年に決めた財政運営指針で、基金の新造設や既存基金への積み増しについては財政規律の観点から厳に抑制するとはっきりと明記しています。この方針は引き続き維持されるのでしょうか。 それからもう一つですが、さきに、さきに述べましたように、基金への支出は膨張傾向にあるんですけれども、このまま基金への支出の比率が向上しても全く問題ないとお考えなんでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 基金の活用に当たりましては、御指摘のございました骨太方針二〇一四も踏まえまして、基金方式による実施が真に必要かどうか、事業の性質を踏まえつつ個別に精査した上で、必要性が認められる場合に限って予算計上をしているものであります。 また、予算を措置した後におきましても、所管する各府省自らが執行状況を継続的に把握するほか、行政改革推進会議による検証や二〇〇六年の基金に関する基準に基づく五年に一回の定期的な見直しも含め、各府省によるPDCAの取組を通じて不断の適正化に取り組んでいるところでございます。 基金への支出については、令和二年度及び令和三年度において確かに基金の予算措置額が増加したこと、これは事実でございますが、予算額の増減だけでなく、あくまで基金方式による実施が真に必要かどうか個別に精査した上で予算計上をしていくこと、これが重要であると考えております。
○牧山ひろえ君 岸田首相は、科学技術の振興や経済安全保障の担保に向けて、財政の単年度主義の弊害の是正を掲げています。ですが、単年度主義は憲法上の要請であり、軽く扱うべきではないと思うんですね。基金による運用は、単年度主義原則の例外であり、抑制的に取り扱うべきですが、安倍総理以来の自民党政権にはその抑制が見受けられないんですね。また、使途や要求額の精査を伴わなければ、基金に対する支出が抑えの利かないペースで膨張していくおそれも当然あります。 さて、日本経済新聞が二〇一四年から二〇一九年度の基金の運営状況を調べましたところ、取崩し型と呼ぶ主に補助金を交付する基金事業は二百二十四件に達しています。そのうち、執行率が五割未満、すなわち投入額の半分以上が使われていなかった案件が効果を検証できる基金の三割に及んでいました。執行率から計算した過剰な積立額は約二兆六千億円に上る計算になります。国の指針では、不要な資金は速やかに返すことになっています。ですが、国庫返納は一兆八千六百億円にとどまり、七千六百億円が塩漬けになっているんですね。そもそも、返せばいいというものではないと思うんです。 このように、国の基金をめぐっては、各年度における予算措置の場合と比べて事業の必要性や実施状況等についてのチェックが難しく、恣意的な運用がなされるおそれがあります。また、過大な余剰金を抱えるケースが見られることなどの課題が繰り返し指摘されております。政府基金の無駄をチェックし、余剰資金の返還や役割を終えた基金の整理につなげていく仕組みが十分に機能していないんではないかなと思うんですね。 これらについて、どのような仕組みで基金の状況についてチェックがなされ、そしてどのような成果につながっているのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(湯下敦史君) お答えいたします。 基金につきましては、適正かつ効率的に国費を活用する観点から、毎年度、各府省庁自らが執行状況等を継続的に把握し、使用見込み等の低い資金は返納するというPDCAサイクルを確立していくことが重要でございます。このため、行政事業レビューの枠組みの下、基金の適切な管理に向けた取組を実施しているところでございます。 具体的には、基金シートの作成、公表を通じた各府省庁の自己点検の取組の充実強化を図るとともに、秋のレビューにおける指摘も踏まえ、各府省庁において継続的に余剰資金等の点検に取り組んでおり、不断の適正に取り組んでいるところでございます。 こうした取組の結果、令和三年度及び令和四年度分として総額五千四百九十一億円が国庫返納される予定となっております。 引き続きPDCAサイクルが適切に行われるよう、不断に取り組んでまいります。
○牧山ひろえ君 今回の質疑におきましてレクを受けて気が付いたことなんですけれども、今御答弁いただいたように、行革事務局が担っていらっしゃる点検のメニューは確かにあります。そして、運用はされているということが分かりました。ですが、その運用と判断については管轄の府省庁の裁量に任されている側面が極めて強いということが分かりました。また、役割を終えた基金の整理も、行革事務局なり財務省なりがリーダーシップを持って積極的に行うというシステムには全くないということが分かりました。 財務省は、基金に対する支出を行う際には、事業の必要性や予算額について精査を行うでしょうけれども、基金という性質上、毎年度予算支出が、毎年度予算支出が行われるわけではないので、スクラップの機能は全くというか、十分に果たせていないと思うんですね。 管轄の府省庁が自らの権限、権益である基金を整理したり、あるいは縮小したりすることについて、強いモチベーションを持って断行するとは到底思えないんですね。総じて、基金に関しては客観的な評価に基づいたスクラップ・アンド・ビルドが十分に機能していないという問題点はやはりあると思うんです。 この政府基金の評価について、政府は基金事業の効果を検証する仕組みを二〇二二年度から始めると報じられております。まずは、四半期ごとに支出状況や残高などを公表し、成果が乏しければ予算削減も検討する、そして、経済財政諮問会議がまとめた新経済・財政再生計画の一環として取り組む、また、それぞれの基金の管轄府省がどのように検証するのか、具体的な仕組みを二一年度末までに決めるなどとされています。 二〇〇六年の閣議決定が空文化したような結末にならないことを要望するとともに、単に効果と象徴的に求めるのではなく、米国でなされているように、あらかじめ評価基準を定めて、政策や事業ごとに見込みと実績の比較表を開示し、ずれた場合にはちゃんと理由を明記する、事業の社会的な目標と成果も示すというレベルでの検証を是非求めたいと思うんですね。この提案に関しての当局の御所見をお願いしたいと思います。
○副大臣(黄川田仁志君) まず、牧山議員のおっしゃるとおり、二〇〇六年の閣議決定についてはしっかりと空文化しないようにやってまいりたいと思っております。 御指摘の政府の施策は新経済・財政計画改革工程表二〇二一に盛り込まれているものでありまして、その内容は、財政の単年度主義の弊害是正に向けて、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラ整備などの国家課題に計画的に取り組む基金事業のPDCAの強化を図るものでございます。 具体的には、該当する基金ごとに定量的な指標による取組の進捗や成果に関する評価基準を設けること、そうした取組の進捗から成果、そして政策目標へつながり、政策目標へのつながりを持った政策体系を構築すること、さらに定量的指標や事業の進捗の定期的な点検、評価を行い、その評価をその後で、その後の資金分配に反映させること、これらの仕組みに外部専門家の知見を取り入れること、こうした要素を取り入れたPDCAの構築を求めているところでございます。 このような枠組みに基づく評価を基金事業ごとに今年度から実施することとしておりますが、以上の方針は、委員の問題意識とも整合性、整合的な部分が多くあると考えているところでございます。 今後とも、関係省庁と協力し、取組を進めてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 先ほど指摘させていただいた、基金の評価を管轄府省の判断に任せ過ぎるという点は改善されていないように感じるんですね。また、評価の対象となる基金が限定されているところも懸念されます。 基金ごとにその特徴に合わせた評価も確かに必要だと思いますけれども、より必要性が高いのは、不要基金の整理、また縮小につなげられるような客観的な評価基準ではないかなと思うんです。今の日本の仕組みでは、基金の必要性を検証しないまま予算を使い切ることが目的となるおそれがあります。それを防ぐためにも、是非とも今後の検討の中で御考慮いただければと思います。(発言する者あり)
○委員長(豊田俊郎君) 質疑を続けてください。質疑を続けてください。質疑を続けてください。(発言する者あり) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(豊田俊郎君) 速記を起こしてください。
○牧山ひろえ君 近年、気候変動などの社会の持続可能性を脅かす課題に対応して、ESG投資やサステナブルファイナンスの推進に向けた取組が加速しています。投融資の意思決定プロセスに環境、社会、ガバナンスの視点を取り入れるESG投資の考え方は、二〇〇六年に国連が提唱した責任投資原則、PRIが契機となっており、日本でも、二〇一五年にGPIF、年金積立金管理運用独立行政法人がPRIの署名を行ったことや、二〇一六年に気候変動対策に関するパリ協定に署名したことなどで注目されるようになりました。 金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議が二〇二一年六月に取りまとめました報告書においては、こう述べられています。サステナブルファイナンスは、持続可能な経済社会を支えるインフラであり、民間セクターが主体的に取り組むとともに、政策的にも推進すべきとの基本的視点を示しました。企業情報開示の充実、市場機能の発揮、金融機関の投融資先支援とリスク管理について提言を行いました。 また、日本銀行は、気候変動対応を支援するための資金供給オペレーションの創設や金融機関への考査、モニタリングにおける対話等の取組を行っています。 昨年、二〇二一年には、コロナ禍により一年延期となったCOP26、国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議が開催されたところでありまして、改めて金融面での取組にも注目が集まっているものと思いますが、日本におけるESG投資やサステナブルファイナンスの現状について、鈴木大臣の総括的な評価をお願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) サステナブルファイナンスについての総括的な評価という御質問でございますが、気候変動等の社会的課題への対応が急務となっております中で、課題の解決に資する資金やアドバイスを提供する金融、サステナブルファイナンス、これの重要性が高まっていると認識をしているところでございます。 特に、脱炭素につきましては、世界全体で設備投資とか技術開発に官民合わせて巨額の資金が必要とされておりまして、企業の取組を支える民間金融の機能発揮が欠かせないと、そのように存じます。 我が国のESG投資残高は、ESG投資を推進する国際的な団体でありますGSIAの報告書によりますと、二〇一六年時点で〇・五兆ドル、二〇二〇年時点で二・九兆ドルと五・八倍に拡大しておりますが、我が国全体として二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた取組を進めていくに当たりましてサステナブルファイナンスを更に推進をしていく必要がある、そのように考えております。 金融庁といたしましては、成長を実現するとともに様々な社会的課題を解決し、持続可能な経済を実現していくという政府の基本的な方針の下で、市場環境の整備など、これからもしっかりと取り組んでまいります。
○牧山ひろえ君 金融情報会社によりますと、政府系を含む世界のESG債の発行額は、二一年に前年比七六%増の九千五百七十三億ドルでした。このうち日本の発行額は同五六%増の三百七十四億ドルと、全体の約四%でした。日本におけるESG投資にはまだまだポテンシャルはあります。ESG債の発行は日本でも増加しており、大手証券会社の集計では、二〇二一年に国内の企業などが発行したESG債は前年の一・六倍に当たる約三・八兆円に及んでおります。脱炭素に向けた設備投資のための費用を賄うための資金調達ですとか、ESG要素への積極的な取組のアピールなどが背景にあると考えられ、大手の証券会社が企業側の発行を支援する動きも現れております。 ESG債には日本銀行の気候変動対応のオペもあり、金融機関の買入れ需要が高まったことで、同じ条件の非ESG債よりも利回りが低くなるグリーニアムが生じていると言われております。利回りが低くても買いたいという投資家の需要が強いことを示しています。 一方で、アメリカのFRBの金融引締め姿勢などで世界的なマネーの収縮が見込まれる中で、ESG債の市場環境が変化していく可能性も指摘されております。 今後の経済金融環境の変化が企業のESG投資の姿勢やESG債市場の動向にどのような影響を与えると見込まれているのか、金融庁、また日本銀行にもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。 足下では、株式市場の変動のほか、商品市場の変動あるいは金利の変動等を含めまして様々な経済金融環境の変化が見られてございますが、ESG市場の動向等に与える影響につきましては、足下の様々な環境変化がエネルギー動向等にどのような影響を与えるか、あるいは、持続可能な成長可能性に着目して行われるESG投資について足下の市場動向がどの程度影響を受けるかといった様々な側面が考えられまして、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいというふうに考えてございますけれども。 いずれにせよ、金融庁といたしましては、ウクライナ情勢等もございます。こうした影響を含む金融市場の動向について引き続き注視しつつ、しかしながら、中長期的に持続可能な社会経済成長を促す観点というのは極めて重要でございますので、サステナファイナンス市場の環境整備については着実に進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。 気候変動問題あるいはSDGsにつきましては、将来にわたって社会、それから経済に広範な影響を及ぼし得るグローバルな課題でございますので、幅広い主体の取組が求められておりますが、金融分野も比較的早い時期から積極的に取り組んでまいりました。 その中で、ESG債市場でございますが、先生御指摘のとおり、企業の脱炭素化に向けた設備投資あるいは研究開発投資をファイナンスする上で重要な役割を担うというふうに期待されておりまして、年々順調に拡大しております。先行きにつきましても、根底はどちらかというと長期的な課題に対するトレンドというふうに考えられますので、その時々の金利あるいは資産価格などの状況にかかわらず、長い目で見れば発展を遂げていくというふうに考えております。 日本銀行といたしまして、こうした金融界の取組を支援するために、先生先ほど御言及いただきました気候変動対応オペ、これは気候変動に資する投融資を行った金融機関にバックファイナンスをするという仕組みでございますが、こういったことも導入いたしております。初回のオペでは四十三の対象機関に対しまして約二兆円の資金供給を行っております。 また、ソフト面でも、気候変動関連のESG債市場の現状、それから将来の発展に向けた課題などにつきまして、発行体、金融機関、それから投資家など幅広い市場参加者の御協力をいただきまして、その見方を伺うサーベイ調査を行っておりまして、こうしたソフト面の市場整備にも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 世界的な金融引締め懸念で株価が急落した一月、世界株の中から有望銘柄を選別するアクティブのESGファンドで運用資産上位三十本の成績を平均すると、二一年末に比べて八・七%下落しました。一般的なアクティブファンド三十本の平均下落率は七・三%でしたから、それより悪かったということです。ESG投資の盛り上がりがバブルだったとして買手が付かなくなるのか、投資家の選別は進み、健全な市場が形成されていくのか、ESG投資市場は分岐点に差しかかっているのではないかなと思います。注意深いかじ取りと環境整備が必要だと思います。 さて、ESG投資は、深刻化した気候変動等の課題を解決するために調達した資金を活用する目的で行われているものです。しかし、最近では、資金活用の実態が分かりにくい名ばかりESG投資が問題になっています。これは、そもそもESGやグリーンですとかサステナブルといった言葉、こういう用語の定義にどうしても曖昧さが出てしまうことや、現状では大半の企業が何らかのESG対応をしていることを理由として、必ずしもESGへの取組に優れた企業を選別せずに投資するESGファンドが組成されていることが要因と言えると思うんですね。 ESGと銘打たれたものに対する多額の投資が真に社会貢献につながっているのかという点については、人々の善意を土台とした投資ですので、より精度を上げた取組がやはり必要かなと思うんです。近時のESG投資増加の大きな要因として、既存ファンドのESGブランドへの変更、つまり看板の掛け替えであるとの分析もあります。このような環境を始めとするESGへの配慮を装った見せかけの金融商品、いわゆるグリーンウオッシュについては金融庁はどのような問題意識を持たれており、かつどのように対応なされる方針でしょうか。
○政府参考人(井藤英樹君) 先生御指摘のとおり、環境配慮をうたいながら実態が必ずしも伴っていないESG関連投資信託の販売などが増えているのではないかとの御指摘があるということは承知してございます。 この点については、投資家が投資内容、投資商品の内容を誤解することなく正しく理解し、その他の商品と比較を容易にするなどして適切な投資判断を行えるよう、資産運用会社による丁寧な説明や開示の充実を進めることが重要であるというふうに考えてございます。 金融庁といたしましては、現在この点に関しまして各資産運用会社の取組を調査、分析しているところでございまして、本年五月を目途に監督上の期待として商品の実態に即した説明や開示の在り方などについて整理の上、公表してまいりたいというふうに考えてございます。 投資者保護や健全な市場の発展の観点から、こうした取組についてはしっかりと進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○牧山ひろえ君 グリーンウオッシュを防止するために、EUはサステナブルファイナンスの法制化を進めているようです。鍵となるのは、グリーンと非グリーンの分類を明確化する、これをタクソノミーと呼びますが、このタクソノミーとサステナブル金融に関する情報開示規制です。これらのESG投資の先進地域の取組はやはり積極的に参考にすべきだと思うんですね。 今までの内容はESGという分類、言わば看板に関することですけれども、ESG投資の結果の検証、すなわちファンドに投じた資金がどう社会問題の解決につながるのか、投資家には判断しづらいと指摘されています。ファンドが環境や社会問題の解決にどの程度寄与しているのか、そして、ESG投資の効果を測定また検証する仕組みが不十分であると指摘されますが、この指摘に対して大臣の所見と今後の取組や方針について御説明いただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 投融資などを通じた環境や社会課題の改善への効果の把握、これは脱炭素等の社会的課題への対応が急務となる中で重要性が高まっていると考えております。 一方で、こうした効果の計測については、牧山先生御指摘のとおり、具体的にどのような指標で計測することが適当か、指標の実績データをどのように収集していくかといった様々な課題が指摘されているところであります。 金融庁においては、こうした指摘も踏まえまして、関係省庁と連携し、ソーシャルボンドに関して社会的効果を測定する指標集の案を今年の年央をめどに公表できるよう作業を進めております。インパクト投資に関する勉強会を開催し、実務的な課題について議論を進めるといった取組を進めておるところでございます。 引き続きまして、健全な市場の発展の観点から、ESG投資の効果の測定、検証について必要な検討を重ねてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 ESG投資に限らず、投資家が拠出した資金をどのように運用しているのかを正確に開示する、で、投資判断の材料として提供することは、これはもう当然のことだと思うんですね。まして、環境問題への意識の高まりを背景にしてESGという言葉を使うからには、グリーンウオッシュと呼ばれる環境への配慮を装った見せかけの金融商品が出回ることを防ぐためにも、目的に合致しているかどうかを検証できるようにすべきではないかなと思うんです。債券発行企業や投資信託の運用会社等による情報開示や適格性を審査する評価機関などの今後の在り方が課題となると考えます。是非しっかりお願いいたします。 さて、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出に関する権利を売買する排出量取引につきましては、これまでも政府部門で検討が行われてきましたが、現在の日本国内では東京都などで独自の制度があるにとどまっております。経済産業省は今年二月にGX、グリーントランスフォーメーション、GXリーグ基本構想を公表し、その中で、企業が自主的に排出量取引を行う場としてカーボンクレジット市場の考え方を打ち出しました。基本構想に賛同する企業を公募し、今年秋以降にカーボンクレジット市場も含む実証実験を行うとの方針も示されています。 今回提起されているカーボンクレジット市場の枠組みが、これまでに議論されてきた排出量取引とはどのような違いがあるのか、市場の担い手をどのように構築しているのかも含め、いくのかも含め、経済産業省に伺いたいと思います。
○政府参考人(木原晋一君) お答え申し上げます。 まず、排出量取引を含むカーボンプライシング全体に関する考え方でございますが、カーボンプライシングについては、成長に資するという観点から、産業競争力の強化やイノベーション、投資促進につながるのか、排出量取引を含め、政府内で幅広く検討しております。 カーボンプライシングの本質は企業等の排出削減に向けた行動変容を促進することであり、成長に資するという観点から、まずは自主的かつ市場ベースでのカーボンプライシングを促進し、その上で、排出量取引と炭素税については専門的、技術的な議論を進めていくことが政府の方針となっております。 この方針を踏まえ、野心的な削減目標を掲げる企業が自主的に排出量の取引を行うGXリーグ、グリーントランスフォーメーションリーグの具体化に向けた検討を進めております。今年秋以降にカーボンクレジット市場についての実証事業を実施し、市場の担い手も含む取引の在り方の検討を進め、GXリーグを二〇二三年度に本格稼働させることを目指した準備を進めております。排出量取引や炭素税については、このGXリーグにおける取組の進捗も踏まえつつ、専門的、技術的な議論を進めてまいります。 排出量取引とGXリーグの違いでございますけれども、排出量取引とされるものは政府や自治体等が制度全体や企業の排出上限を定めますけれども、GXリーグでは企業が自ら野心的な排出量削減、排出削減目標を掲げるということでございます。 また、GXリーグは、カーボンニュートラルに向けた挑戦を行う企業群が、議論と実践を通じて自社のみならず経済社会システム全体の変革を牽引することで、新たな市場を創出し、創造し、国際ビジネスで競争力を発揮することができるような枠組みとしていく考えでございます。 そのため、自主的な排出量取引とそのための取引所の整備に加え、排出削減に資する企業の新しいビジネスでの挑戦の支援や、新たな挑戦を行う企業に関する情報開示を通じた世界のESG資金の呼び込みにも取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(豊田俊郎君) 質疑終了時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○牧山ひろえ君 はい。 時間となりましたので、終わります。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。 それでは、通告に従いまして順次質問してまいりたいと思いますが、まず冒頭、ロシアのウクライナ侵攻について、戦禍の犠牲となられた多くのウクライナの皆様に心から哀悼の誠をささげ、私もウクライナ国民への連帯を示したいと思います。 既に報道等で御承知のとおり、ロシア軍が撤退したキーウ近郊にあるブチャで多数の民間人の遺体が確認されておりますが、他の地域でも非常に深刻な被害が出ているとの情報が日々刻々と入ってきております。これら民間人への攻撃や殺害は、国際人道法に反する明確な戦争犯罪であり、断じて許すことはできません。 アメリカのブリンケン国務長官は、これらロシア軍による民間人殺害の疑いについて、意図的な作戦との認識を示し、厳しく批判するなど、ロシアに対する国際的な非難は高まっております。しかし、ロシア側は確たる証拠も示さずに民間人殺害への関与を否定し続けておりますが、こうした強弁を繰り返すロシアの無責任な姿勢には、改めて強い憤りを禁じ得ません。 戦争犯罪の拡大を防ぐためにも速やかな戦闘の停止とロシア軍の撤退は必要不可欠であり、そのためにも、我が国を始め国際社会が結束してロシアに圧力を掛け続けることは、深刻化するウクライナの人道危機に歯止めを掛けるためにも極めて重要であると考えております。 そこで、まず冒頭、財務大臣に質問いたしますが、これらロシアによる戦争犯罪に対する大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) ロシアのウクライナ侵略によりまして、領土と主権の一体性が、これが崩される、そして力による現状変更を試みる、まさに国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると思っております。 しかも、その過程におきまして、先生からも御指摘のありますとおり、女性や子供を含む無辜の市民の皆さんが多数殺害をされる、虐殺をされる、こういうことは断じて許されないことでありまして、最高の強い言葉をもって非難をしなければならないと、そのように思っているところでございます。 先般、四月七日でありますが、G7首脳声明でも示されたとおり、G7で協調をしてロシアに対してこの戦争の代償を更に高めるとともに、ウクライナとの連帯を示すことが極めて大切なことであると、重要なことであると、そのように考えております。
○杉久武君 ほんの二か月前までは私たちと同じように普通の暮らしを営んでおられたウクライナの方々が未曽有の惨劇に巻き込まれる事態となっていることは、痛恨の極みであると同時に、海を隔てられているとはいえ、ウクライナへの侵略を企てた国が我が国の隣にあるという事実を鑑みたときに、私たちは座して静観することなどあってはならないと痛感いたします。 我々が今日当然と思って過ごしてきた自由で開かれた社会経済が一瞬にしてじゅうりんされる可能性があるということを、そして、国際秩序がいとも簡単に失われるという厳しい現実を目の当たりにしている今こそ、私たちもまた、自由主義社会の、世界の正義と秩序を守り、平和を回復するためにも、ロシアに対し毅然とした姿勢を内外に示すとともに、ロシアに対する経済措置を徹して実効性あるものにしていかないといけないと思っております。 そこで、我が国でも、G7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、ロシアに対して厳しい経済制裁措置を講じるとともに、ウクライナに対して様々な支援を行っていただいていると認識しております。 そこでまず、財務省に質問をいたしますが、ロシアによるウクライナ侵攻以降、我が国がロシアに対して行った金融制裁及びウクライナに対する支援について確認するとともに、ロシアへの金融制裁の効果について確認をしたいと思います。
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。 今、杉委員から御指摘をいただきましたように、G7と連携して協調しながらロシアに対する経済制裁、まさに先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、ロシアに対しまして戦争の代償を更に高めていく、その一方でウクライナへの支援、ウクライナとのしっかり連帯を示す、この両輪、重要でございます。 まず、ロシアに対する制裁の方でございますけれども、これまでG7の各国と緊密に連携をしながら、まず手始めにロシア政府による新たなソブリン債の発行に関しての、発行、流通の、我が国での発行、流通等の禁止、これ手始めに、その後、ロシアの中央銀行への制裁措置、それからロシアの銀行に対する資産凍結、これは直近では最大手行のズベルバンクも資産凍結の対象に加えたところでございます。それから、ロシアへの新規投資の禁止、こういった様々な制裁措置をこれまで講じてきたところでございます。 その結果でございますけれども、ロシアにおきましては、既に株価の下落でございますとか国債利回りの上昇といったことが見られてございますし、それから、足下、生活必需品も含めまして、消費者物価、これも若干足下、数字で見ますと少し鈍化の兆しもあるようではございますが、とはいえ、三月で前年同月比一七%と、こういう相当の消費者物価の上昇も見られるといったところですので、様々な面でロシアの経済への影響も出てきているのではないかと認識をしているところでございます。 もう一方の両輪でございますウクライナに対する支援でございます。まさに御指摘もございましたように、ロシアの侵略で最も困難な状況にあるのはウクライナの方々でございますので、この支援、重要でございます。 日本からの二国間支援としましては、これは外務省の方の所管ではございますけれども、緊急人道支援ということで既に合計二億ドル、これを表明し、実行に移しているところでございますし、それから、円借款で申し上げますと、私ども世銀との協調という形で一億ドルの借款、これを既に表明し、今速やかに供与するべく進めているところでございます。 いずれにしましても、ロシアへの制裁、ウクライナの支援、この両面、G7を始め国際社会と緊密に連携しながら、引き続きしっかり対応したいと考えてございます。
○杉久武君 ありがとうございます。 ウクライナへの支援は必要に応じて引き続き行っていただくとともに、残虐非道なロシアを世界経済から孤立させ、圧力を強めるべく、国際社会と連携して更に制裁の強化をする必要がございますが、先般のG7での決定を受けまして、我が国でもロシアへの制裁強化関連法案が国会に提出され、衆議院では昨日ですね、委員会で採決が行われ、本日の午後の衆議院本会議で採決される見込みと聞いております。 この法案は、制裁の抜け穴とされる暗号資産への監視を強化するほか、関税などでは最恵国待遇の取消しを可能にするものとなっており、これらの詳細については法案審議の際に譲りたいと思いますが、制裁の効力を早期に発揮させるためにも一刻も早い法案成立、これが不可欠であるということは言うまでもございません。 他方、ウクライナ侵攻の影響で石油や天然ガスなどの燃料資源が高騰しております。中でも、プーチン大統領が先月、アメリカやEU、そして日本など、ロシアが非友好国として指定した国の企業に対して、天然ガスを購入する際、自国通貨であるルーブル建てでの支払を求めるという大統領令に署名したとの報道がございました。 これに対し岸田総理は、四月一日の参議院本会議で、ルーブル決済を拒否する方針を明確に示すとともに、我が国が権益を持っておりますサハリン1、サハリン2からは撤退しないことを表明をされております。 このサハリン1、サハリン2につきましては、仮に我が国が撤退したとしても、中国に置き換わってしまえば経済制裁の効果は事実上意味をなさなくなることを考えますと、非常に厳しい判断であったと思いますが、この方針は評価したいと思います。 しかしながら、ロシア側はそれを見越した上で、我が国に輸出する天然ガスをルーブル建てで強要することは十分考えられます。ルーブル建ては、ルーブルを買い、外貨売りによるルーブルの価値を下支えするという行為にほかならず、経済制裁に反する行い、言わば踏み絵のようなものをロシアから我が国に迫ることは当然あり得るわけでございます。 そこで、経済産業省に今日来ていただいております。質問いたしますけれども、ロシアによる天然ガスのルーブル決済義務化についてどのように現状把握しているのか確認するとともに、現在までに我が国企業がロシア側からルーブルによる支払を求められたケースはあるのか、また、ロシア側からルーブル決済を求められた場合、どのような対応を考えているのか確認をしたいと思います。
○政府参考人(定光裕樹君) お答えいたします。 三月三十一日に、ロシアから天然ガスのルーブル払いに関する大統領令が発出されたところでございます。 現時点では、日本の企業がロシア側から天然ガス取引においてルーブルでの支払を求められたという事実は把握してございません。これは、その大統領令の適用対象がいわゆる気体状の天然ガスと、日本が引き取っておりますのはLNG、液体化した天然ガスでございます、でありますことと、それから、いわゆるガスプロムないしはその一〇〇%子会社から買う場合となっておりまして、日本がサハリン2からガスを買っていますが、このプロジェクト会社は、ガスプロムも出資はしているんですが、その他の国際コンソーシアム、複数国の企業が出資しているプロジェクトカンパニーであるということも影響しているのではないかというふうに推察してございます。 仮に今後、決して予断はできないと認識しておりますけれども、ロシア側からルーブル支払を求められた場合には、G7で合意しましたこれ方針がございます、に従いまして、ロシアからの一方的なルーブル支払に関する要求については、既存契約をしっかり遵守すべきということで拒否を行うと、加えまして、国内の企業に対してもこうした要求に応じないように呼びかけを行うということを基本方針として対処していきたいというふうに考えてございます。
○杉久武君 現在のところ、天然ガスのルーブル決済がどのように進んでいくのか不明瞭でございますけれども、今のところルーブル決済を求められた事例はないということがございますが、既に報道では、このルーブル決済の義務化が天然ガスのみならず他の輸出品にも広がる可能性についても取り沙汰されております。 したがいまして、今後ロシアとの取引でルーブルを値切らされた企業に対しては資金繰り等の万全の対策を講じる必要がありますが、他方、このルーブルが事実上紙くずになる、言わばデフォルトに対する警戒も続いております。 先ほども指摘したとおり、ロシアはルーブル相場の安定のためにあらゆる対策を講じておりますが、事実ロシアの実体経済を反映しているかどうかは別にしても、ルーブルの価値はウクライナ侵攻以前の水準に回復したという報道もございます。 そこで、財務省及び金融庁にそれぞれに御質問いたしますが、まず、現下のルーブル相場に対する認識及びデフォルトの可能性について伺うとともに、もしデフォルトに陥った場合、我が国の金融システムにどのような影響を及ぼすと考えているのか、またデフォルトに対する備えはどのようになっているのか、それぞれお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三村淳君) まず、私から、足下、このルーブル相場、それからデフォルトの可能性というところ、財務省としてお答えを申し上げます。 足下、先生御指摘のとおり、ルーブル相場、回復をしてきているという、レート上そういうことにはなってございますけれども、これ、御指摘もございましたけれども、ロシア側も様々な措置を講じてございます。先ほど御指摘のような原油の輸入という話に加えまして、例えばロシアの輸出企業に対する外貨の売却の義務付けでございますとか、あるいはロシアの国民に対してルーブルの外貨への両替を停止するですとか、こういった様々なロシア側の当局の措置もございまして、こういったことによりまして相場が支えられているという側面も大きいのではないかというふうに認識をしてございます。 他方では、いわゆる闇市場、ルーブルの闇市場というようなものもできてございまして、そこではそういった表面上のレートよりもかなり大幅に安値で実態としてはルーブルが取引されていると、こんな指摘も一方であるというふうにも認識をしてございます。これがルーブルの相場の現状かと存じます。 それから、ロシアのデフォルトの可能性というところでございますが、まず事実関係で申し上げますと、足下、ロシアの国債につきまして、この外貨建ての国債につきまして、四月八日に格付会社のS&P、ここが外貨建てのロシア国債につきまして一部デフォルトとみなすと、いわゆる選択的デフォルトというものに分類をするということで発表した上で、あわせて、それ以降もロシアの格付を、国債の格付を停止すると、こういうような発表もS&Pの方でしてございます。 このS&Pだけではございませんで、これで実は主要格付の三社これ全てロシアの国債の格付をもう停止という、こういう事態にもなってございますけれども、まさにそういった状況も認識をしながら、引き続き、このロシア国債の償還の状況につきまして、私どもとしても引き続きしっかりと緊張感を持ってフォローしてまいりたいと考えているところでございます。
○政府参考人(松尾元信君) お答え申し上げます。 日本の金融機関によるロシア向け与信は海外向け与信全体の〇・二%程度であり、個別の金融機関を見てもその与信割合は僅少にとどまっております。また、日本の金融機関は充実した資本基盤を備えていますので、現時点でロシア向けの与信が日本の金融機関の健全性に与える影響は限定的であると考えております。 いずれにいたしましても、今後のロシア、ウクライナ情勢がどのように推移し、波及していくのか確定的に申し上げることは困難ですので、金融庁としては、内外の経済や金融市場等に及ぼす様々な影響を注視し、日本の金融システムに与える影響をしっかりとモニタリングしてまいります。
○杉久武君 ロシアのデフォルトが我が国の金融システムに大きな影響を及ぼすまでには至らないということではございますが、先週、六日ですね、帝国データバンクの発表によりますと、ロシア企業との取引で関係性がある日本企業が最大で一万五千社以上に上るという調査結果がございました。具体的には、ロシア企業と直接取引を行う日本企業は三月現在で国内に三百三十八社あり、この三百三十八社と取引関係にある国内企業が一万四千九百四十九社あるということで、ロシアと直接、間接的に取引関係を有するサプライチェーンが日本全国で一万五千二百八十七社に上るという、こういう調査結果でございました。 そして、今回の経済制裁がこれら企業に与える影響として、輸出では、十数万台を超えるロシア向けの自動車の生産需要がなくなることや、輸入では、ロシアが木材の輸出禁止を打ち出したことから建築用の合板などが品薄になるおそれがあることが指摘されております。また、サケやカニ、エビやイクラ、ウニなどを輸入する生鮮魚介の卸売業者への影響も大きく、制裁による取引停止が長引いた場合、ロシアとの取引そのものがリスクとして認識され、取引の縮小や解消、あるいは商品の代替調達先の確保が迫られる可能性が高いと指摘されております。 さらに、今回の経済制裁は北海道経済に大きな影響が与えるおそれがあると考えております。ロシアと取引する企業の所在地を地域別で見た場合、東京に次いで北海道が二番目に多いと言われており、北海道にとって一番近い外国がロシアであることから、北海道では、銀行を中心に道内企業のロシア進出をサポートし、ロシアに子会社を設立するなど、対ロシア・ビジネスを支援してきた経緯があるとも伺っております。したがって、今後、経済措置の長期化に伴い、体力のない企業によっては、言わばロシア倒産といった事態も引き起こしかねないのではないかと大変危惧しております。 そこで、財務省に質問いたしますが、今回の経済制裁で影響を受ける企業や特定の業種、さらには北海道など地域経済に対しては資金繰り等の支援など、経済制裁による影響を最大限抑える取組を行うべきと考えますが、これら対応策について確認をしたいと思います。
○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。 おっしゃられるように、ロシアへの制裁、さらにはウクライナ情勢の変化によりまして影響を受ける事業者の方々、とりわけ中小企業への資金繰り支援を実施することは大変重要なことであると認識しております。 こうした状況を踏まえまして、政府といたしましては、官民の金融機関に対し、事業者の資金繰りに支障が生じないよう、きめ細かな支援を引き続き徹底するということを関係大臣の連名で要請しております。さらに、先月には、鈴木大臣の方から直接官民機関の、官民金融機関の代表に対しまして、厳しい経営環境にある事業者支援にしっかりと取り組んでいただくようお願いさせていただいているということでございます。 また、日本政策金融公庫等におきまして特別相談窓口を設置いたしまして、セーフティーネット貸付けというものがございますけれども、これにつきまして、ウクライナ情勢等によりまして影響を受けた方々についての要件緩和、金利の引下げといったようなことを実施いたしまして支援を図っているということでございます。 その上で、現在、先日、総理より策定指示のあった総合緊急対策というものを政府としても検討しておりますけれども、その中で、ウクライナ情勢に伴う原油価格、物価高騰等に苦しむ中小企業に対しまして資金繰り支援が万全となるよう、現在鋭意検討を進めているというところでございます。 こうした取組を通じまして、引き続き事業者の皆様の資金繰り支援に努めてまいりたいと考えております。
○杉久武君 しっかりと万全を期していただきたいと思います。 現在、ウクライナ危機に伴い、ガソリンなどの高騰が家計を直撃しております。我が国がコロナ禍からようやく回復に向けて動き始めようとしているやさきの物価の急騰に対しては、一刻も早い対応が不可欠でございます。 そうした点からも、緊急対応としての財政措置が必要であれば、本年度予算に計上された予備費を活用することはあってしかるべきと思います。しかし、ウクライナ危機が長期化の様相を呈している今、この先何が起こるか分からない、言わば混沌とした社会経済情勢が今後も続くことは火を見るより明らかでございます。 したがって、我が国を取り巻く国際情勢の急激な変化や押し寄せる物価高、また円安の傾向、さらには災害対策やコロナ対応にも視野に入れた、国民生活を守り、国民の皆様の不安を払拭するという政治の姿勢を示すためにも、経済危機対策をパッケージとした新たな補正予算の策定を行うことこそ本来のあるべき姿であり、筋ではないかというふうにも考えております。 既に我が党では、先月から国民生活総点検・緊急対策本部を立ち上げ、国民生活を守るための緊急提言を先月二十八日に政府へ提出いたしましたが、私どもも目下、連日のように業界団体からの御意見を聴取するとともに、全国三千名の公明党の地方議員がフル稼働して、津々浦々から国民生活の生の声、かなり悲痛な声が上がってきておりますので、これを集約して、今日にも第二弾の緊急提言を官邸に申し上げる予定というふうに聞いております。政府には我が党の緊急提言を踏まえた一刻も早い経済対策を策定いただくとともに、その経済対策を裏打ちする補正予算の編成は経済対策と一体不二であるということをこの場で表明をしておきたいというふうに思います。 そういった中で、最後、財務大臣に質問いたしますが、まず、ウクライナ危機による物価高騰に対しコロナ予備費を使用することは適切であるか、お考えかどうかと伺うとともに、我が党が主張する今国会中における補正予算の編成についてどのようなお考えを持っているか、最後、財務大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、コロナ予備費でございますが、これは、新型コロナに係る感染拡大防止策に要する経費その他の同感染症に係る緊急を要する経費の不足について、臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応するために計上されているものでございます。 三月二十九日に策定が指示されました総合緊急対策に盛り込まれる具体的な施策については、現在関係省庁において検討中でありまして、そのために、その財源についてはどうなるか、それは今お答えすることは困難でございますが、コロナ予備費の使用につきましては、各省庁から今申し上げた趣旨に該当しこれを使用したいというそういう要求があれば、その要求の個別具体の内容に基づいて使用の可否が判断されるものと、そのように考えております。 それと、補正予算についても御質問ございましたが、三月二十九日の総理指示によります、総理指示は、直面する危機に緊急かつ機動的に対応するため、まずはこれまでに成立した予算を迅速かつ着実に執行するとともに、新たな財源措置を伴うものについてはまずは予備費を活用した迅速な対応を優先していくこととされておりまして、決まっておりますのはそこまでということでございまして、今その指示に従ってこの対応、対策について検討しているところでございます。
○杉久武君 先ほども申し上げましたように、やはり今求められているのは、やはり国民生活を守り、国民の皆様の不安を払拭する政治の姿勢というのが大事だと思いますので、引き続き財務省としても万全の経済対策の立案に向けまして御尽力いただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 今、杉委員の質問を拝聴していて、最後のところで国民生活への対応が最も重要だとおっしゃられて、全くそのとおりだと思います。私の世代以上はインフレはよく理解しているんですが、私の世代より若い世代は本格的なインフレというのは初めてのことだと思いますので、ガソリンのみならずいろんなものの値上がりにどう対処していくのか、そして今為替も大臣御承知のとおりの状況になっていますので、この円安にどう対処していくのか。 そういう観点から日々報道や国会審議拝見していると、今日は日銀はお招きしていないんですけれども、今の円安についても黒田総裁はプラスの方が多いというふうに言い切っているんですけれども、どうプラスの方が多いのか、これは、日本銀行たるもの、定量的にこれを示さずして、総裁の定性的な言葉だけで、国会でそういうことを質問されて、いや、トータルではプラスの方が多いと思いますというようなことを言い続けているようではいかがなものかと思いますので、今日はいらっしゃいませんけれども、大臣からも日銀総裁には是非お伝えをいただきたいと思うし、やっぱり余り、ちょっとこの表現が難しいんですけれども、木で鼻をくくったような答弁を続けるようであればやはり日銀の在り方については十分な議論が必要だなと思って、最近懸念をしております。 余計なことを申し上げましたが、同時に、やっぱり今、杉委員の経産省との、エネ庁とのやり取りを聞いていて、エネ庁の課長さんがルーブル決済を求められたらそのときどうするのかということに対して応じないように呼びかけをすると言っておられたんですけれども、その呼びかけをしても、それ企業の方は困っちゃうわけですよ。だから、応じないように呼びかけをするのであれば、もしロシアが支払に応じない場合、つまりルーブルでは受け取れないといって、じゃ支払いませんといったときに、その企業の債権をどうするのかということについて政府として明確な方針を示す、あるいはこの準備をしておかないと、いよいよ本当にそういうことになったときに、いやいや、応じないようにしてくださいといってエネ庁が呼びかけるだけでは、これはやっぱり国民生活あるいは日本の企業を守ることにならないと思いますので、是非万全の対策を取っていただきたいと思います。 明日、私もまた例の関税法の改正の関係で本会議質問も立たせていただきますが、そのときにも大臣にるるお伺いしますが、大半の答弁は総理にお願いをするんですが、答弁書くのは財務省が中心だと思いますので、やはりここは一段と緊張感を高めて是非御対応をいただきたいということをお願いをしたいと思います。 といいますのも、今回、明日の法改正、関税の話もそうですし、それから外為もそうなんですけれども、質問の中にも多分盛り込みますが、最恵国待遇やめても、元々、大臣、ロシアからの原油には税金掛かっていませんから、だからこれ、意味がないと言うと語弊がありますけれども、アナウンスメント効果はありますけれども、実質的にはロシアは傷まないんですね。ところが、なかなか日本の国民の皆さん、報道ではそういうふうに伝わらないので、ああ、これで一段と厳しい姿勢を取っているというふうに受け止めるんですけれども、実態的には効果がないということ。 それから、さっきそのルーブルの話を杉さんが聞いておられたんですけれども、ロシアは引き続き、何だか知らないけど、どこかからドルを持ってきて決済に使っているわけですよね。元々、去年の段階で六千億ドルの外貨準備があって、その半分がドルとユーロ、残り半分は、たまたま今日の日経新聞が報道していましたが、人民元が二割ぐらいになっているというふうに出ていました。ああ、なるほどなと思いましたけれども。 そこで、今日の質問を限られた時間ですがさせていただきたいのは、外貨準備を減らしてロシアを経済的に追い詰めるということで今経済制裁やっているわけですけれども、どこかから外貨、ドルを調達している、これどこから調達しているんだろうかという話ですね。 経済制裁で資産凍結したのは大体一千億ドルぐらいというふうに見積もられると聞いていますし、私も限られた範囲で自分なりに情報を集めても、まあそのぐらいかなという気がいたします。ところが、凍結したのは各国中央銀行が持っているロシア政府の外貨準備が中心で、ロシアの民間銀行が持っている外貨は凍結していないんですよ。 そこで今日の質問になるんですけれども、日本に進出しているロシアの政府系金融機関、民間金融機関があるのかないのかということと、もしある場合にはその数、銀行の数と資金量について、財務省、金融庁が把握している範囲でお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 ロシアに本店を有します政府系の銀行あるいは民間銀行は本邦には進出していないと承知しております。
○大塚耕平君 同様に、中国の数字についてお答えください。
○政府参考人(栗田照久君) 中国に本店を有します銀行のうち、本邦に五行進出しているというふうに承知しております。この五行の日本拠点の直近決算の総資産額の合計は八兆四千六百三億円でございます。
○大塚耕平君 他国にあるロシアや中国の銀行のモニタリングやそれぞれの銀行に対するアプローチというのは、それは到底できませんのでそこまでは望みませんけれども、少なくとも日本に進出しているロシアと、まあ今はないという話でしたが、ロシアと中国の金融機関の動向については、これはよくフォローしていただきたいなと思います。 それから、金融機関同士じゃなくても、中国の銀行が五行あるということは、中国の銀行と例えば日本に進出しているロシア系の企業との、そこで決済が行われれば、間接的に、二段階経るのか三段階経るのか分かりませんが、これはドル資金調達することはまあ頭で考えると多分可能だと思いますので、どこまでをしっかり網を掛けるのかというのは本当に難しいことだと思いますが、今日の大臣のロシアの蛮行に対する厳しいお言葉も含めて、相当大臣も深刻に受け止めておられる、その雰囲気がもうしっかり伝わってきますので、全くそのとおりだと思いますし、ここはもう徹底してやらないといけない。しかし、徹底してやらないといけないけれども、さっき申し上げたように、最恵国待遇をやめても実際には何のロシアのマイナスにもならない。 あるいは、それぞれの国の立場があることは分かります。我が国もサハリン1、2はやめることができない。私も、さきの本会議でやめるべきではないというふうに申し上げました。 そして、ロシアからの原油を買わない、ないしは購入量を縮小すると言ったのは元々ロシアからの輸入量が少ないアメリカとイギリスとカナダだけで、ヨーロッパのほかの国は引き続き買わざるを得ないわけですね。そうすると、年間三千億ドルの収入がある。年間三千億ドルといえば四十兆円ぐらいですから、一日当たり一千億以上ロシアに入っているわけですね、円でいうと。 この流れは当然いろんなルートで生じているわけで、本当の意味で経済制裁をする、ロシアの蛮行に対して今回は徹底して対応するということであれば、日本国内の今申し上げましたような動きに対しても是非しっかりアンテナを張っていただきたいというふうに思います。 以上、るる申し上げまして、ロシアに対する経済制裁の効果が今どのぐらい出ているのかということについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) これまでG7各国等と緊密な連携をしながら、ロシア政府による新たなソブリン債の我が国における発行、流通の禁止、ロシア中央銀行への制裁措置、最大手行を含むロシアの銀行に対する資産凍結、ロシアへの新規投資の禁止など、厳しい制裁措置を迅速に講じてまいりました。 この結果、ロシアにおきましては、株価の下落、年初比でマイナスの三八%、国債利回りの上昇、年初比でプラス二・四%が見られるほか、生活必需品も含めた消費者物価が急上昇する、三月は前年同月比プラス一七%など、様々な面でロシア経済に影響が出ていると認めております。 重要なのは、大塚先生が御指摘になりましたように、様々なこの制裁措置を講じてその実効性を高めるということなんだと思います。これからは、その抜け穴がどこかにあるのかないのか、そういうことを含めて、この実際のところで実効性を高める、そういうようなこともしっかりとやっていく必要があると考えております。
○大塚耕平君 終わります。
○浅田均君 日本維新の会の浅田均でございます。 私も対ロシア経済制裁の効果について質問をさせていただきたいと思っておりますが、その前に、本日、先ほど財務大臣の方からお話がありましたこのFRC報告ですね、についてちょっと一言触れておきたいと思います。破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告で、今回の報告に関しては、管理を命ずる処分は報告対象期間中に行われていないということでございました。 それで、今回のそのコロナ禍と言われますか、コロナが発生して以来、一番最初問題になったのはこの流動性の問題で、手持ちのお金がなくなってしまうというところで貸し付ける、それから、消費の面だけやったらいいんですけれども、供給面でもそのサプライチェーンが傷んで、だから、需要と供給と両方の面で問題があったので、資本性資金を投入するという決断をされたんだと思います。それで、劣後ローンという形、五年間は自己資本というカウントできるそのローンを組んで企業救済に当たられているわけで、これは、それから、流動性リスクが、ソブリンリスクというか、そっちにまで行かないようにする措置を講じられたものだと思って、私はやるべきことはやられているんだなというふうに評価をしているんですけれども。 ただ、その経済停滞といいますか、コロナによる一部傷んだ経済がこのままずっと持続するとしますと、五年間は自己資本、このエクイティーの部分にカウントするということでいいんですけれども、それ以降は、パーセント、一〇〇%カウントされるということでいいんですけれども、その後はだんだん減っていくということで、会社の業績が余り順調に回復しないというところにおいては、それが要するに不良債権化、不良資産化する可能性があるということですので、二年前に始めて、五年間は一〇〇%自己資本としてカウントできるということですので、まだしばらくそういう問題は生じてこないだろうと思っているんですけれども、また三年後からこういう問題が生じてこないか心配しておりますので、その点もフォローを是非よろしくお願い申し上げたいと思います。 それで、対ロシア経済制裁について質問をさせていただきたいんですが、大概、もう何回か大塚委員と質問がかぶってしまっておりまして、今日は何とその前の杉先生のところから完全にかぶっておりまして、対ロシア制裁いろいろやっているけれども、その効果はどうですかという、通告に書かせていただいているとおりの質問をしようかなと思っているんですけれども、そこの質問の大部分は杉委員が既にされてしまっておりまして、どうしようかなと思って、コメントでもしようかなと思っていたところ、そのコメントを大塚委員がされたということで、まあ困っているといえば困っているんですが。 どういうふうな効果が、対ロシア制裁にどういう効果があったかというところで、鈴木大臣の方から、ソブリン債の発行の禁止とか中銀等の資産凍結、また新規投資の禁止とか、どういう種類の措置を講じたかというそれは御説明であって、その結果、物価が、株価が下がって物価が上がって、物価上昇率が一七%というお答えを今いただいた、聞いていたんですけれども、経済制裁を講じる究極の目的はというと、ロシア政府に対して、ロシア政府がやっている、ロシアがやっているその侵略戦争というものを国際社会は認めないよと、許さないよと、こんだけ国際社会が連帯してロシアに対して怒っていると、直ちにやめろと、そういう声を伝えるために懲らしめると。だから、政府でなしに、ロシアの人々が、物価が物すごく上がるとか、あるいはルーブル安になってしまうとか、そういう国民の生活にまで制裁の効果が及んで初めて、国際社会は私たちに厳しい目を向けているんだなということを理解してもらえると思うんですね。 今、株価が下がっているとか物価が上がっているとかいうところまでの御報告はいただいたんですけれども、実際の話、テレビの報道なんか見ていますと、ロシアの国民はプーチンの侵略戦争を支持していると、支持している割合が八割やというような報道もされていますんで、実際は国際社会がロシアのウクライナ侵略に対してこういう態度で臨んでいるということが国民によく伝わっているんかなという気がするんです。 だから、経済制裁がロシア国民一般に与えている影響というか、どういう効果をもたらしているというところをお尋ねしたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 一連の制裁の目的は、先生がお述べになられましたように、そのロシアの侵略をやめさせてウクライナから撤退をさせるということが、これが制裁の目的であります。 そして、制裁、一連の制裁は、先ほど申し上げたとおり、いろいろとG7始め国際社会と連携をしながら進めているわけでありますけれども、やはりその効果が発揮するまでには一定の時間が掛かるということもあるんだと思います。実際にロシアでの経済状況というものは確実に制裁の効果が出始めていると思いますが、これが更に時間の経過とともにしっかり行き渡っていく中で、ロシアの国民の人たちが、やはり自国がやっていることは国際社会から大変に非難を受けているんだと、そういうことが分かる、それがまたプーチン政権に対するロシア国内におけるまたいろいろな行動を抑えることにもつながっていくということを期待をしたいと、そういうふうに思います。
○浅田均君 丁寧な御答弁ありがとうございます。 それで、またちょっと繰り返しになるんですけれども、そのG7、日本を含むG7が目指したのは、やっぱりロシアの国民に対してそういうアピールをすることだと思うんですけれども、それに先立って、ルーブル安というのを一番目指していたと思うんですね。ルーブル安を目指していた、だから送金決済システム、SWIFTから大手七行を除外したと。で、除外しただけでは、何というのか、人民元とかそういうのに替えられてやられてしまうんで、次のステップとして中銀の資産凍結等に及んだと思うんですね。 ところが、先ほども杉委員と大塚委員御両名から指摘がありましたけれども、侵攻前の一ドル七十、八十ルーブル台から侵攻後に一時百五十ルーブル、一ドル百五十ルーブルまで下落したことがありましたけれども、また八十ルーブル辺りまで戻って安定していると。だから、外貨不足、高インフレ等で昔のソ連が崩壊する頃の経済を招来させることを目指していたと思われているんですけれども、実際はそうはなっていないと。 だから、これはなぜかというところが一番問題なんですけれども、これに関しましても先ほどもう既にある程度御答弁をいただいておりますんで、今後も、このルーブル安を目指したけれども結局はそうなっていないと、しかしながら、そのルーブル安を目指す目的は変わっていないんで、手を替え品を替え、ルーブル安を目指していきますというところで、次の一手というのはどういうことが考えられるんでしょうか。
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。 まず、ここまで経済制裁を講じてきた中で、先生御指摘のようなルーブル相場の動きがあるわけでございますけれども、これについて現状我々がどう見ているかというのは、先ほど杉委員にもお答えを申し上げましたので、繰り返すことは避けたいと思います。 それで、なかなか、今後ルーブルがどういう動きになっていくかというところはなかなか私どもの立場で申し上げづらいわけでございますし、また、時々刻々状況も変わりますので、これを今後どういう対応を取っていくのか、ここも制裁に関わる話でもございますので、今の段階で予断を持ってなかなか申し上げづらいところではございますけれども、当然、この様々な制裁、先生からも御指摘いただいたような目的を持ってやっているものでございますから、大臣からも御答弁申し上げましたように、G7と緊密に連携しながら引き続きやっていくということが極めて重要だと考えてございます。 もちろん、旧ソ連崩壊時とは様々な周辺の環境や事情も異なりますので、なかなか当時との比較は難しいわけでございますけれども、引き続き、るる状況を見ながら機動的に対応してまいりたいと考えてございます。
○委員長(豊田俊郎君) 時間です。
○浅田均君 時間となりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ほかの省庁から来ていただいて、質問できずに大変申し訳ございませんでした。また別の機会にあれしていただきたいと思います。 終わります。
○大門実紀史君 大門です。 中小企業の過剰債務対策について質問をしようと思っておりますが、ちょっと今、ロシアへの経済制裁ちょっとお聞きして、私もちょっとコメントしたくなったんですけど。 ロシアのプーチン政権というのはプーチンさんを取り巻く独裁的な体制で、しかも、余りロシア国民が困っても意に介さないような、そういうプーチン体制ですので、ロシアの国民に何か制裁を与えるようなことよりも、やっぱりダイレクトに、プーチンあるいはオリガルヒですか、そういうまさにこう、何というか、オリガルヒですから寡頭支配の体制ですけど、そこに直接打撃を与える制裁が大変大事で、その点で、あした私も本会議に立ちますけれど、今回の外為法の暗号資産ですね、あれを凍結してオリガルヒが資金移動できないとかプーチンができないとか、ああいうことも含めて、あしたはタックスヘイブンもちょっと取り上げさせてもらいますが、そういうロシア全体を経済混乱と、陥れるというよりも、プーチンとその取り巻く中枢に影響を与えるような経済制裁が必要だというふうに特に思うんですけれど、これ、済みません、通告しておりませんから、あしたの本会議でもいいんですが、もし大臣コメントあれば、一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 様々な制裁措置をする中で、プーチンさん、プーチン氏、プーチン大統領ですね、本人とか娘さんとか、それからその先生御指摘の取り巻きの新興財閥、そういうところに、個人的にもかなりの人数の制裁措置、資産凍結、それを行っているところでございます。
○大門実紀史君 済みませんでした。 それでは、通告している範囲で質問しますが、中小企業の過剰債務問題なんですけど、今まで何度か、このコロナ禍、あるいは今、ウクライナ危機で原材料の高騰も重なって大変な状況になっておりますけれど、まず中小企業庁に伺いますけれど、今の中小企業の、中小事業者の過剰債務の現状、実態についてどのように捉えておられますか。
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。 今委員御指摘ございましたように、新型コロナの長期化でございますとか、元々、飲食店や宿泊業など非常に厳しい状況になっていたわけでございますが、今般ウクライナの問題などもありまして、その原料あるいはその材料、こういったようなところが仕入価格が上がって非常に厳しい状況になっているという状況は認識をしてございます。こうした観点で、中小企業の債務は増加傾向でございまして、もちろんその返済は始めた方々もたくさんいらっしゃるわけですが、今後返済が厳しくなる事業者が増加する可能性もあるというふうに考えております。 こうした観点から、官民の金融機関に対しまして、事業者からのその条件変更の申出には柔軟な対応を行うことを要請しているところでございまして、足下の金融機関の条件変更の応諾率約九九%と、多くの事業者の申出に応じている、申出には応じている状況ではございますけれども、引き続き注視してまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 東京商工リサーチのレポートをずっと読んでいるんですけど、ちょっと変化が出てきておりまして、ゼロゼロ融資のおかげで倒産そのものは低水準で、まさに歴史的な低水準で推移してきたんですけれども、この三月、事業停止あるいは法的準備含む、まあコロナ関連破綻というんですかね、が急に増えたということ、これをどう見るかなんですが、中身を見ると、飲食業が破綻が増えて、あと、資材高騰で建設業。ですから、コロナ禍に加えて燃料高騰の影響を受けている、あっ、運輸業もそうですね、この辺でコロナ破綻発生しておりますので、幅広く広がり始めていると。 これがかねてからちょっと懸念すべき点で、ゼロゼロ融資が返済時期を迎えるとか、コロナが収束して仕事が出始めたときに資金繰りの手当てができないとかで、一気に企業倒産とか破綻が増えるんではないかという前兆なのかですね、ちょっと今までと違う数字が出ていますんで、そういう危惧があるわけであります。 資料をお配りしていただいた、これは経産省、金融庁、財務省の中小企業活性化パッケージですけど、簡単に言いますと、今までは資金繰り融資に対応が、過剰債務対応にシフトしてきたというような中身だと思うんですよね。ちょっとたくさんありますけど、簡潔に趣旨を説明してもらえますか。
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。 もう委員から資料を配っていただいておりますので、詳しくはもうこちらでございますが、簡単に御説明いたします。 三月四日に経済産業省、金融庁、財務省で発表したものでございますけれども、御指摘のとおり、増大する債務に苦しむ事業者様向けにこのパッケージに基づいた支援を行っております。この資料でいえば二ページ目でございますけれども、収益力の改善フェーズ、まだそこまで悪くなっていないけれども収益力を改善しなきゃいけないという方々、それから、もう事業再生に至ったフェーズの方々、それから、もう再チャレンジに踏み出していただく方々、この三つのフェーズに分けて主な対策を取りまとめたわけでございます。 一番左の収益力改善フェーズでございますが、全国三万以上の認定支援機関も活用した収益力改善に向けた計画策定の支援、それから伴走支援の展開といったことが記載してございます。それから、事業再生フェーズ、真ん中でございますが、こういった事業者の方々に対しては、中小企業再生ファンド、あるいは中小企業活性化による事業再生支援、民間の自主ルールである中小企業の事業再生等に関するガイドラインに基づく事業再生の促進、それから、再チャレンジフェーズの事業者に対しては、個人破産回避に向けたルールの明確化、あるいは経営ノウハウなどに関するセミナーや専門家支援の充実、あっ、拡充といった支援を総合的に講じるものでございます。 一番下の箱に書いてございますけれども、全国四十七都道府県において収益力改善、再生、再チャレンジを一元的に支援するという体制を整備するために、これまで中小企業再生支援協議会ってございましたけれども、これを関連の機関と統合いたしまして、この四月の一日から中小企業活性化協議会という形で設置したところでございます。 今後、こうしたパッケージに基づく支援を順次実行に移し、関係省庁とも連携しながら、中小企業の収益力改善、事業再生、再チャレンジ支援に万全を期してまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 これはこれで頑張っていただきたいんですけど、ちょっと小さな規模のところが、このスキームは別に全体新しいものではなくって、若干踏み込んでというのはありますが、こういうスキームからいつもこぼれてしまう人たちがたくさんいるわけなんですが、その点でちょっと幾つか確認だけ。 まず、一枚目の上の欄にありますけど、ゼロゼロ融資が六月末まで継続と。これ、六月末の時点でこのウクライナ危機も含めてなかなかいろいろ好転するとは思えないんですが、六月末以降はどういう対応になりますか。やっぱり状況を見て考えるべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。 六月の末まで延長ということでやらせていただいておりますけれども、今委員御指摘のとおり、今まだその実施中でございますので、そのときの状況、コロナの状況ですとか、あるいは、コロナの状況ですね、これはコロナの対策でございますので、コロナの状況を見ながらまた考えてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 もう一つは、二枚目の一番右側の再チャレンジフェーズで、一番上なんですけど、経営者の個人破産回避のルール明確化と。これ大変重要なことだと思うんですけれど、実効性が伴えばですね。これちょっと趣旨と、今までとどこがどう踏み込んでいるのか、説明してもらえますか。
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。 これ、中小企業の廃業時における経営者の個人破産の回避に向けまして、経営者保証ガイドラインございますけれども、これに基づく保証債務の整理の申出を受けた場合には金融機関が誠実に対応すると、身ぐるみ剥ぐとかいうことではなく誠実に対応するという考え方を明確化したものでございます。二二年の三月の四日にその経営者保証ガイドラインの基本的考え方として公表しております。 中身は、今申し上げましたように、債権者の対応の明確化、個人破産の回避に向けて保証債務の整理の申出、協議を受けた場合には、ガイドラインに基づく保証債務の整理に誠実に対応して、保証人の保証履行能力の状況によっては保証人が対象債権者に対し弁済する金額がない計画、いわゆるゼロ円弁済、これも許容され得るといったことに留意すると、そのような内容になってございます。
○大門実紀史君 それは分かるんですけど、今までも、要するに、企業が破産すると小さいところは代表者が個人破産に追い込まれるというのがずっと、これ何とかしなきゃいけないというのがずっとテーマだったわけですよね。それが今回、ルールは打ち出したかも分かりませんが、これ、例えばあれですかね、金融庁とかでもこれはどういう対応、これに基づいて更に今までより踏み込んで対応、何かされるんでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 この経営者保証ガイドラインというのはこれまでもございまして、それなりに使われてきたわけでございますけれども、なかなか金融機関によっては厳しい対応をするというような例もあるようでございまして、できるだけ企業が再生ということになった場合にでも保証人は個人破産をせずに再起を期するということができますようにするということが今回の趣旨でございますので、この点については金融機関との意見交換会などでも我々から強く申し上げているところでございまして、今後、そういうことがきちんとできているかどうかということもしっかりモニタリングをしていきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 是非実効性伴うようにお願いします。 一枚目に戻って、先ほど浅田先生からあった劣後ローンなんですけど、日本公庫の資本性劣後ローンも来年度末まで継続とあります。劣後ローンについては以前も質問させていただいて、なかなか劣後ローンというのは難しいところがあって、中小企業の経営者の方はなかなかその、要するに資本性ですから、出資に代わるということは銀行にお金を借りているだけではなくて、経営に口を挟まれるんじゃないかとか、そういうふうに思って嫌がるというか、いう中小企業の社長さんもいたり、使い勝手が良くないというようなことが言われてきたんですね、劣後ローンというのは。しかし、それだけの過剰債務状態になりますと、借金として、ずっと借金のままだとすると新しく借入れができないんで資本性に切り替えて考えていくというのは、非常に今、こういうときは有効な考え方だと思うんですよね。 そういう点でいきますと、これ、以前も栗田局長に御質問しましたけれど、この考え方をもうちょっと、もうちょっと小さな規模の中小企業にも使えるように、あるいは銀行も、もう少し積極的にこれを活用する方向。しかし、先ほどございましたように、当面は利息だけでいいですよとなると、後々どうなるか分からないと。そうすると、リスクが高いから貸付利息は高くなるということもあって、利息も高いからこの劣後ローンにしたくないという経営者もいるわけですね。 そういう点でいくと、もうこの非常事態だから利息ぐらいは私は政府が支援すべきではないかとかいう提案もさせていただきましたけれども、これ、民間金融機関でもこの劣後ローンに対してもう少し柔軟に対応していくということは引き続き特に重要になっていると思うんですが、金融庁、いかがですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 まさに御指摘のように、この資本性劣後ローンといいますものは、事業再生を必要とする事業者の財務基盤を強化することができると。それから、一つの金融機関がこの劣後ローンを出すことで他の金融機関からの融資を呼び込むことも期待できるということでございまして、事業者支援の非常に重要なツールの一つではないかというふうに考えております。 金利につきましては、金利がいささか高いのではないかという御意見があることは承知しておりまして、例えば日本政策金融公庫さんでは、随時この金利を見直して引下げを図っていただいておるというところでございます。 また、民間金融機関の取組につきましては、これは民間金融機関によってかなり差があるんですけれども、熱心にやっていただいているところはかなり熱心にやっていただいておりまして、まさに公庫さんだけではなかなか数が及ばないということもありますので、我々としては、民間金融機関にも必要に応じてこの資本性劣後ローンをうまく使って事業者の再生を図っていただきたいということでございまして、この点についても、我々、金融機関に何回も要請をしているところでございます。
○大門実紀史君 この問題、前回、去年ですかね、去年の三月ですかね、御質問したとき、栗田局長なかなかいい御答弁しておられまして、現場からは、とにかくこの劣後ローン、貸付利率を下げてほしいというのが要望あるんですけれど、栗田局長は、金融機関としてちゃんと目利きをして、その事業所、その会社の経営をきちっと見れば必ずしも高い貸付利息にする必要もないという面もあるわけですから、金融機関の努力でやれる部分もまだ大きいし、ただ、非常事態になってくればなるほど一気に、一気に頑張るところは支援しなきゃいけないというふうになるというときに、やっぱり政府の利子補給などもこれから検討していってほしいというふうに思います。検討しておくべきだと思いますね。 もう一点提案したいのが売掛債権担保融資でございまして、これも、現場の社長さんたちの話を聞くと、かなり現場の声としても上がってきております。 これ、以前、本会議ですかね、ちょっと申し上げましたけど、コロナが収束、まだちょっと見えませんが、収束してくると仕事が出てくると。仕事が出てくると、先に、売上げが入る前に、仕入れとか人を雇うとかで先に資金が必要になると。しかし、債務があるので借りられないと。と、その仕事がもらえない、あるいは資金繰りで倒産するというのが起こるわけですね。ですから、倒産というのは景気の悪いときよりも景気が良くなり始めたときに多発するというのがあるわけで、それは資金繰り倒産のことであります。 それをうまく軌道に乗せるために売掛債権担保融資、つまり仕事が出てきたと、今月の末に幾ら入ると、もうそれを前提に仕入れのお金が借りられるという、売掛債権を担保にしてお金を借りるということですね。 これは大変、もう取り組んでいるところも金融機関によってはあるわけでございますし、これは非常に、仕事が出るということは、それだけの力のある企業、小さくてもですね、そういうところにとっては、もう仕事が来ているんだから、仕事をやりたいけど、その資金繰りが手当てできない、だからもう駄目になっちゃうとかじゃなくて、仕事があれば借りられて、仕入れなり人を雇って仕事をこなしてお金をもらって、それ、そこで返して利益が残るというので、大変、具体的に言うと、現場的に言うと、この売掛債権担保融資はこういう非常事態には、非常時には力を発揮するんじゃないかと思うんですよね。 金融庁として、まずこの売掛債権担保融資についてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 まさに資金繰り支援が重要だという中で、この売掛債権担保融資につきましては、例えばその企業自身の信用力が必ずしも高くなく、担保にできるような不動産もないというような場合においては、資金調達の重要な手段になり得るというふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、金融機関はいろいろな手段の中から事業者のニーズ、それから実情に応じて最も適切な手段で支援をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
○大門実紀史君 もう最後に鈴木金融担当大臣、お聞きしますけど、先ほど申し上げました劣後ローンあるいはこの売掛債権担保融資、この形そのものが今民間の中であるわけですね、取引があるわけですね、実際に。しかし、ただ任せると、やれるとこだけやるみたいになってしまうんですけれど、これだけの過剰債務で、場合によっては相当の破綻が起きかねないというような数字になっているところでありますので、もう一歩進んで、公的なスキームとして、劣後ローンあるいはこの売掛債権担保融資に対する公的なスキーム、公的な支援のスキームですね、こういうものももう考えておかないと間に合わないんだと、間に合わないといいますか、重要な政策手段として検討に入るぐらいのことがもう必要になってきているんじゃないかと思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) コロナの影響、長期化しております。加えまして、原油価格や物価の上昇の影響もございまして様々な事業者が大変厳しい状況に置かれている中、機動的に資金繰り支援を実施すること、これは非常に重要なことと認識をいたしております。 また、大門先生から御指摘のありました売掛債権担保融資や資本性劣後ローンなども事業者を支える資金調達の手段と、手段の一つとなり得るものと考えております。 政府といたしましては、これまでも、官民の金融機関に対し、事業者の実情、ニーズに応じたきめ細かな資金繰り支援を徹底することや、政府系金融機関の資本性劣後ローンを積極的に実施、活用することなど、累次にわたって要請をしてきているところでございます。 また、先月は、中小企業活性化パッケージを策定をし、官民の金融機関の代表の方々にお集まりをいただきまして、私から直接、事業者支援にしっかり取り組むようお願いを申し上げたところでございます。 さらに、先日の総理からの指示を受けまして、総合緊急対策として、原油価格、物価高騰等に苦しむ中小企業への資金繰り支援が万全となるよう、今鋭意検討を進めているところでございます。 金融庁として引き続き、官民の金融機関が事業者に最大限寄り添った支援に取り組むよう、対応をしっかり進めてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。
○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。 今回は、鈴木財務大臣、総務省統計局の参考人の方、そして日本銀行若田部副総裁に質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 今回は、日本が長らく苦しんできた、そして今なおも脱却し切れないでいるのではないかと思われるデフレ、そしてそのデフレ脱却のための重要な施策の一つである金融政策などについてお伺いしていきたいと思います。 というわけで、まずデフレを話題としたいんですけれど、まずデフレの定義を確認しておきたいと思います。 IMFや内閣府は、デフレの定義として、物価下落が二年以上継続している状態と記載をしております。この定義の文の中で重要なポイント、二つあると思います。一つは、継続という部分でございまして、一時的な物価の下落はデフレではありません。そしてもう一つは、個別の商品価格ではなく、物価の下落を指しています。いわゆる物全体の価格のことです。つまり、デフレというのは、その定義からは物やサービスの全体の価格が下がり続けることが蔓延している状態と言えます。 価格が下がり続けるというのは、消費者からすると良い思いの方もいるかもしれませんが、物やサービスを提供する事業者側からするとたまったものではありません。売る量を増やし続けなければ、売上げを維持できないことになるわけです。この状態に耐えられる事業者はいるのかもしれませんが、耐え切れずに倒産する事業者が増えるのは容易に想像できます。倒産が起これば、リストラも起こります。従業員の新規採用や給料も減ります。すると、消費者は消費を控えるようになります。さらに、企業が物の価格を下げていきます。このように、物価の下落が不況を招き、更に物価が下落するという悪循環、デフレスパイラルといいます。 何が言いたいかと申し上げますと、デフレというのは、その定義を考えると、その国にとっては倒産、リストラ、減給、不景気などつながり、良いことは全くないということでございます。 そこで、デフレ脱却担当大臣でもある鈴木財務大臣にお伺いします。 通告のとおり、三点、恐縮ですが、まとめてお伺いしたいと思います。一つ目は、大臣のデフレに対する考えを教えていただきたいということ、二つ目は、現状がデフレか否か、その判断を教えていただきたいということ、三つ目は、デフレ脱却すべきと考えるのであれば、その決意を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(鈴木俊一君) 三点についてお尋ねがございました。 まず、デフレの下では、企業は投資や賃金を抑制して、消費者も将来への不安から消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷するという悪循環が生ずるものと考えております。 二〇一二年十二月の政権交代後、デフレ脱却に向けまして金融政策、財政政策、成長戦略を一体として進めた結果、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。ただし、デフレを脱却したという状況には至っていない、そのように認識をいたしております。 昨年十月の所信表明演説で岸田総理が述べているとおり、岸田政権のマクロ経済運営において、デフレからの脱却、これは最大の目標であります。今後とも、日銀と緊密に連携しながら、あらゆる政策を動員して、デフレ脱却、そして成長と分配の好循環を実現する、そして持続可能な経済成長、これを目指していきたいと考えております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 デフレではないけどデフレを脱却できているとは言えないということで、今後も御尽力いただきたいと思います。私としても、デフレの完全脱却という同じ方向に向かって共に頑張っていければと思います。 ここで、甚だ僣越ながらデフレ対策に関して注意を申し上げさせていただきますと、それは、デフレになってもその痛みを感じない人がそれなりにいるということだと思います。そういった方々の一部として例を挙げさせていただきますと、自身の、自身の所属組織の業績が良かろうが悪かろうが首にならない、いわゆる公務員の方々が挙げられると思います。もちろん、公務員の方々を目の敵にする意図は私としてないのですけれど、デフレへの危機感を感じにくい方々と一緒に仕事をしていくということについては、デフレ脱却についてうまくいくかどうかについては疑いを持つことは必要なのではないかと甚だ僣越ながら申し上げさせていただきます。 次に、デフレ脱却において非常に重要な指標である物価をですね、物価の変化を測る物差しである消費者物価指数について話を移していきたいと思います。 英語で申し上げますと、コンシューマー・プライス・インデックス、略してCPIと呼ばせていただきます。このCPIは経済政策を語る上で必要な数字です。測定方法などの限界などから様々な問題はありながらも使わざるを得ないのがこのCPIであり、世界各国、中央銀行もほぼほぼこのCPIを重視していると承知をしております。 このCPIを扱う際にはいろいろと注意が必要とのことで、それらについて総務省統計局の参考人の方にお尋ねしていこうと思います。よろしくお願いします。 CPIの問題の一つとして、その誤差が挙げられると思います。考えてみれば当たり前のことなんですが、世の中に存在する全ての物やサービスの値段を全て記録してその平均を求めるというのはほぼ不可能です。そこで、全てではなく、一部をサンプル調査してCPIを算出していると思うのですが、その過程で誤差が出てくることは当然想定されると思います。 そこで、参考人の方にお聞きします。CPIは五年ごとに基準改定というのがありまして、その基準となる年から時間がたつにつれて数値が大きめに表示されるとのことですが、こういった誤差について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。 我が国の消費者物価指数でございますが、ILO決議に基づき作成された国際的なマニュアルに沿って作成をいたしております。主要国と同様でございますが、ラスパイレス式の算式を採用してございます。 このラスパイレス式でございますけれども、その性質上、基準改定の年から離れるほど上方バイアス、委員おっしゃったような上方バイアスがあるというふうにされているところでございます。
○浜田聡君 ありがとうございます。 引き続きお伺いしていきたいんですけれど、そういった誤差に関して、誤差を減らす工夫などの取組があれば教えていただきたいと思います。また、総務省統計局の予算を増やすと、こういった誤差の是正効果というのは上がるのでしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。 我が国の消費者物価指数の基準改定、先ほど委員からもお話ございましたけれども、統計法に基づく統計基準定められておりまして、それに従って五年ごとに行っている、これによっても誤差を減らしてございます。 また、毎年の消費構造の変化を反映させるということで、ウエートを基準年で固定するのでなくて、毎年ウエートを更新して算出をいたす連鎖基準方式という指数がございまして、そちらの方も参考指数として別途作成しているところでございます。 今後ともこういった取組を続けてまいりたいというふうに考えております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 重要な指標ですので、これは多少お金を掛けてでもしっかりと出していくべきではないかなと思います。これによって政策判断が誤る可能性というのは多々あるわけですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、CPIについては引き続きお伺いしていきたいんですけれど、このCPIは三種類の指数があると承知しておりまして、それについてまた引き続きお伺いしていきたいと思います。 その三種類を紹介させていただきますと、総合指数としてのCPI、次に、生鮮食品を除く総合指数としてのコアCPI、次に、食料及びエネルギーを除く総合指数としてコアコアCPI、この三つがあります。除外される項目によって呼び方が変わってくるということでございます。価格変動の激しい食料であったりエネルギーを、そういった品目を除外した指数があるというのはもっともだとは思います。 ただ、こちら、日本での呼び方なんですね、コアCPI、コアコアCPIというのが。で、海外の基準とは変わってくるところがあります。日本と海外で用いられている基準の違いが少しややこしくて恐縮なのですが、日本で先ほど申し上げましたコアコアCPIとされている数値が海外ではコアCPIと呼ばれているとのことであり、また、日本でコアCPIとされている数値は海外では一般的には使われていないのではないかと承知しております。 そこで、一つ提案をさせていただきたいのですが、日本の消費者物価指数については、海外に合わせて、消費者物価指数と先ほど申し上げましたコアコアCPI、食料及びエネルギーを除く総合指数の二つに絞ってもいいのではないかと思うんですけれど、参考人の御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。 生鮮食品を除く総合指数でございますけれども、我が国におきましては、主要な報道でございますとか、例えば物価連動国債とか、そういったものにも用いられていると承知をいたしております、についてはやはり提供していくことは必要だというふうに考えております。 CPIのデータについては、この三種類以外にも様々なデータ提供しておりまして、利用者のニーズに応じてそれぞれの指数、適切に活用していただきたいというふうに考えております。 また、我々も引き続き、各指数の、例えばいろいろな対応状況とか、そういうものについては分かりやすい説明、引き続き努めていきたいというふうに考えております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 私の問題意識としては、それを積極的になくせというよりは、コアCPIの基準が日本と海外で違うことについては混乱を生む原因になると思いますので、その辺の対策をしてみてはということで、引き続き訴えさせていただこうと思います。 このように、CPIという数値については、誤差が存在していたり、消費者物価指数、種類によって日本と海外で違いがあったりなど、その数値を見る際にはいろいろとその特徴を知った上で見ることが重要であると思います。 今回、日本銀行の方から若田部副総裁にお越しいただいております。よろしくお願いします。 ふだんから副総裁は様々な経済データに触れておられるのではないかと想像しているわけなのですが、副総裁のCPIに関する御意見を賜れればと思います。
○参考人(若田部昌澄君) お答え申し上げます。 消費者物価指数につきましては、先ほど政府参考人からお話がありましたように、統計作成上、その方法的な問題から様々な誤差が出てくるというのは私どもも認識しております。例えば、基準年からの支出構造の変化あるいは新製品の取り込みに遅れが出るというようなことでございます。 ただ、このような一定の誤差は生じておりますけれども、先ほど政府参考人からもお話がありましたように、我が国を含めて各国の統計作成当局はこうした誤差をできるだけ少なくするように様々な工夫をしており、例えば代替的な参考情報を提供する、先ほどお話があったような連鎖基準方式の指数であったり、あるいは新製品の取り込みについても、五年ごとの改定だけではなくて三年目で見直すというようなことを行っているということでございます。 その上で、日本銀行を含む主要国の中央銀行が参考にしているのは、何といっても、金融政策上、人々の生計費を包括的にカバーする消費者物価指数でございますけれども、これにつきましては、やはり一時的な要因を取り除いて、その物価の基調的な変動を的確に見極める必要があると考えております。その際、各国の中央銀行は、それぞれの経済、消費構造の違いに応じて、生鮮食品を除く指数、先ほどのお話があったようなコアと言われるもの、あるいは生鮮食品とエネルギーを除く指数、コアコアと呼ばれるもの、さらには食料とエネルギーを除く指数などなど、様々な物価指数を、動きを点検しております。 また、中央銀行としましては、こうした様々な物価指数を、指標を点検することに加えて、物価の基調、その一時的な要因を除いた物価の基調を規定する要因である需給ギャップ、つまり経済に失業者であるとか遊休設備であるとか、そういったスラックがどれぐらい存在しているのかというようなことや、その人々、家計や企業の予想物価上昇率の動向など、あるいはその背景にある構造の変化などについて留意していきたいというふうに考えております。
○浜田聡君 どうもありがとうございます。 引き続き若田部副総裁に、CPIに関して、実際のデータを踏まえてお聞きしていきたいと思います。 先ほど出てきましたコアコアCPIなのですが、総務省統計局のデータを見たところ、令和四年二月は前年同月比マイナス一・〇%となっております。これをどのように評価されているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(若田部昌澄君) 委員御指摘のとおり、我が国の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価の前年比は二月にマイナス一・〇%と、やや大きめのマイナスとなっております。ただ、これは、委員も御承知のとおり、昨年春以降に実施された携帯電話通信料の引下げが、除く生鮮食品、エネルギーの前年比に対してはマイナス一・七%程度の下押し要因になっているということの影響が大きいです。 こうした一時的な要因を除いて見たときにベースの物価上昇率がどれぐらいになるかと計算しますと、プラスの〇・七%になります。ただ、これもやはり、まだプラスの〇・七%ですので、日本銀行が目標としている二%の物価安定の目標の達成にはなお距離があるというふうに評価しております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 引き続き、二%の目標をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 少し、一つ問題を、あっ、質問を飛ばさせていただきます。次は、円安と指摘されている現状の円相場についての御意見をいただきたいと思います。 昨日、円相場、一ドル百二十六円台まで値下がりしまして、約二十年ぶりの円安水準とのことでした。この最近の円相場について、副総裁の御意見をお聞きしたいと思います。
○参考人(若田部昌澄君) 為替相場について具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。 日本銀行としては、為替相場は経済、金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいと考えております。
○浜田聡君 御立場の方、御理解をさせていただきました。 私の考えを申し上げさせていただきますと、円・ドルに限らず、いろんな為替相場というのは様々な要因で増減するものとは思うんですけれど、一番重要な決定要因としては、それぞれの通貨供給量のバランスだと思うんですね。例えば、仮にドルが二倍供給されたとすると、まあそんなことないとは思うんですけれど、そうなると円は、それに応じて円は二倍高くなるということになります。そういった感じで、円・ドルに限らず、為替相場というのは、それぞれの通貨供給量のバランスを考えた上で、それとどれほど乖離しているのかということを考えるべきだと思います。 まあロシアのルーブルについてはそれが大きく乖離している可能性があると思いますので、現状、日本の円安については悪い円安論というのがあると思いますので、そういったこと、だまされないようにしっかりと判断していきたいと思いますし、日銀に対しては、そういう通貨供給量のデータを出した上で説明していくというのは一つの手なんじゃないかなと思いまして、提案の方をさせていただきます。 次に、副総裁も大いに尽力してきたアベノミクスについてお伺いしていきたいと思います。 ここでアベノミクスについて、その概要を簡単に振り返っています。首相官邸でのウエブサイト、アベノミクス三本の矢を解説したページの記載を少し紹介させていただきますと、どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならないという日本経済の課題を克服するため、安倍政権はデフレからの脱却と富の拡大を目指しています、これらを実現する経済政策がアベノミクス三本の矢です。で、三本の矢として、第一の矢として大規模な金融政策、第二の矢として機動的な財政政策、第三の矢として民間投資を喚起する成長戦略が挙げられております。 ここでデフレの原因について少し述べさせていただきますと、様々なデフレの要因というのはあると思いますが、その一つとして、世の中全体の物やサービスの量と流通しているお金の量のバランスによるものがあると思います。世の中全体に出回るお金の量が足りなければ、デフレになるのは当然と言えます。第二次安倍政権発足時以降、アベノミクス第一の矢として、異次元の金融緩和によって日銀は御尽力されたと思いますし、また、現在も引き続いて、今後も異次元の金融緩和は続いていくものだと思います。 ここで、私のアベノミクスに関する評価、三本の矢を踏まえて簡単に申し上げさせてもらいますと、第一の矢はしっかりと飛んだと思います。引き続き御尽力をいただきたいと思います。問題は第二、第三の矢だと思います。特に、第二の矢として機動的な財政政策とうたいながら、消費に悪影響を及ぼす二度の消費増税というのが最大の問題だと思います。第一の矢の効果を帳消しにするほどのものであったと思います。過去の財政金融委員会でも他の委員からこれに対する強い非難を出されており、私もそれに同調するところでございます。第三の矢についても飛んだとは言い難く、規制緩和よりも現在、むしろ規制強化が進んでいるのではないかと思います。 そこで、若田部副総裁にアベノミクスについて、その総合的な評価をお伺いできればと思います。
○参考人(若田部昌澄君) 委員から御指摘のとおり、二〇一三年以来、政府と日本銀行は政策連携に関する共同声明に沿って必要な政策を実施してまいりました。 その下で、我が国の経済情勢は、最近でこそ感染症という逆風に直面しておりますけれども、やや長い目で見れば着実な成果を上げてきたというふうに考えております。すなわち、企業収益は過去最高水準まで増加し、労働需給が引き締まる下で就業者数が増加しました。賃金は、デフレ期には見られなかったベースアップの実現を含め、緩やかながらも上昇傾向をたどってまいりました。物価面でも、先ほど鈴木大臣からお話がありましたように、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなったというふうに考えられます。 例えば、一九九〇年から、九九年から一二年度までの平均的な、その先ほどのコアコアのCPIの数字を見ますと、これはマイナス〇・四%でございました。それが、一三年から一九年度までのコアコアのCPIはプラスの〇・五%ということになってまいります。デフレからの完全脱却というのはまだ実現されていないかと思いますが、デフレではない状況になってきたと言えます。この間、労働需給の改善が進む下で政府が推進してきた働き方改革などの雇用関連施策により、女性や高齢者の労働参加が増加するなど、日本経済の中長期的な課題についても前向きな動きが着実に進んできたと考えております。 現状で二%の物価目標の安定的な実現には至っておりませんが、生産性が向上する下で物価と賃金が共に上昇する好循環の形成に向けて、政府と日本銀行の政策連携は着実に成果を上げてきていると考えております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 アベノミクスについて私の方で更に追加させていただきますと、やっぱりアベノミクスというのは第一、第二、第三の矢、全てをしっかり飛ばしてこそしっかりとした効果を発揮すると私は考えます。第一の矢はしっかり飛んでいるのですが、第二の矢、第三の矢がやはり問題があったかと思います。今からでも遅くはありません。第二の矢、第三の矢をしっかりと飛ばしていただきたいと思います。特に消費税については減税をしていただきたいと思いますし、第三の矢、規制緩和については私、この委員会でも二対一ルールなど提案の方させていただきます。適宜、取り入れていただきたいと思います。 時間が迫ってまいりましたので質問飛ばしまして、最後の質問にさせていただきます。来年決まる日銀の総裁人事についてでございます。 恐縮ながら、私の方で予想をさせていただきますと、現状、二人副総裁がおられまして、そのどちらかが就任するのではないかと考えております。このどちらが就任するかによって日本の運命が大きく変わるのではないかと思います。若田部副総裁は、その御自身の発表、公表しているものでは、異次元の金融緩和といいますか、黒田総裁の流れを引き継いでいると思うんですけれど、一方で、雨宮副総裁はちょっとそれが分からないところがありまして、そういったところについてちょっと懸念をしているところでございます。 そこでお聞きしたいんですけれど、次期日銀総裁について、現時点で若田部副総裁の御意見いただければと思います。御自身が後継者として名のりを上げてもいいのではないかと思います。よろしくお願いします。
○委員長(豊田俊郎君) 時間ですので、お答えの方は簡潔にお願いをいたします。
○参考人(若田部昌澄君) 総裁人事につきましては、日本銀行法第二十三条第一項に基づきまして、衆参両議院の同意を経て内閣が任命することになっておりまして、私の立場からコメントすることは差し控えさせていただきます。
○浜田聡君 終わります。
○委員長(豊田俊郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十五分散会