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208回国会参議院2022/04/06

憲法審査会 第2号

発言数
111
登壇者
15
会派数
7
開催日
2022/04/06

会議録

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、憲法に対する考え方について(特に、憲法第五十六条第一項の「出席」に関する議論を中心として)について、本日の審査会に九州大学大学院法学研究院教授赤坂幸一君及び早稲田大学大学院法務研究科教授長谷部恭男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。  本日は、憲法に対する考え方について(特に、憲法第五十六条第一項の「出席」に関する議論を中心として)について、参考人の皆様から御意見を伺います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本審査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見を賜り、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  議事の進め方でございますが、赤坂参考人、長谷部参考人の順にお一人十五分程度で順次御意見をお述べいただいた後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、御発言は、質疑、答弁とも着席のままで結構でございます。  それでは、まず赤坂参考人にお願いいたします。赤坂参考人。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 九州大学の赤坂でございます。  本日は、五十六条の問題、端的にオンライン国会の導入の可否というお話であると思いますので、そこに焦点を当てて、比較憲法の視点や、あるいは衆議院の側での議論を補完するような、新しい視点をそこに加えるような話題を提供させていただきたいと思います。  このようなオンライン国会を導入するに当たって一つ参考になるかなと思いましたのが、私がよく参照する先でもあるんですけれども、ドイツ連邦議会の問題で、そこではこのパンデミックに対応するために二つの憲法改正の構想が出されて、そして消えていきました。  簡単にかいつまんで申し上げますと、現在、五十三a条というものがあって、これは、外敵がもし攻めてきたときに連邦議会に代わるある組織をつくる、合同委員会というのをつくるという、こういう規定なんですけれども、これをモデルとして五十三b条というのを作ろうという構想がドイツ連邦議会の事務局の内部から、経緯はよく分からないんですが、出ました。読み上げませんが、そこにあるような意味での緊急事態が発生したときには、この緊急委員会が連邦議会に代わるという規定でございます。  もう一つの構想というのは、バーチャル議会というのを導入できないかということで、この諮問を受けたドイツ連邦議会の中に学術局という部門があります。そこが文言をいろいろ精査した結果、今のままでは駄目で、憲法三十九条三項を変える必要があるということで、下線を引いてある部分を付け加えるような憲法改正案を出しました。バーチャル議会のことについては明記されていませんけれども、法案の提案理由を見ますと、これはバーチャル議会を主に導入するためのものであるということが分かります。  ただ、先ほど申し上げましたように、これは構想は実現しませんでした。何が問題とされたのかといいますと、緊急委員会というものについて、まずこれ、伝染病とか大規模事故、あるいは自然災害といったもの、幅広く対象にして緊急事態の法制を設けようとするもので、一つはその対処すべき問題が過度に広範に及ぶと。そのため、それぞれの事態に応じて対処すべき中身というのは変わってくるはずであるのにもかかわらず、そのような広範な規定になってしまっており、そこに問題があると。とりわけ、ドイツの場合は定足数が議事規則で定まっていますので、そういった定足数の調整とか、あるいはディスタンスの確保というものは技術的な、それ自体が問題であるということで、この憲法改正は必要ないという議論が一つありました。  もう一つは、五十三a条というのは、これは東西の冷戦のときにそれを背景として作られたもので、例えば核シェルターの中に議員さんたちがいて出てこれないと、そういうときにどうやって議会の機能を確保するかという観点から設けられた規定でして、そして、だからこそ審議は非公開で行われるわけですが、パンデミックの場合はこういった議論が当てはまらないはずであると。にもかかわらず、五十三a条をそのままモデルにして導入していると。  次のものがより本質的なんですが、そういった危機的な状況においてこそ、議会に代わる組織ではなくて議会自身が審議するということが、国民代表がそこにいるということが重要であるという話が、批判がございました。危機においては執行部の比重というものがどうしても増大しがちでありますので、それに対して検証を重ね、批判をし、オルタナティブを提示するという役目の組織というものを確保しなくてはならない、それが議会であるというわけです。  バーチャル議会につきましても、第二の構想ですけれども、会議の開催方法というのは、自己組織権、これは我が国でいう議院運営自律権と組織自律権どちらも含むような権限ですけれども、これの問題であって、ここに、三十九条三項に書かなくとも、既に他の条項を根拠にして自己組織権というものは承認されていますので、なら、その自己組織権に基づいて組織すればいいじゃないかという批判がありまして、その結果、次の二ページ目にありますような、一つは百二十六a条というものが設けられました。そして、議事規則の附録というものが作られ、もう一つは慣行として書記役議員が除外されると。  この辺り、ちょっと詳しくは申し上げませんけれども、これら全てが議事規則自律権の話であると考えられています。すなわち、議事規則を定めるかどうかという話だけではなくて、慣行も含めて議事の秩序ですね、これを定めるというものがここでいう議事規則自律権とか自己組織権の内実であるということです。  具体的な規律ですけれども、この百二十六a条を御覧いただければお分かりになるとおり、このパンデミックに、コロナの問題に特化した、それだけに特化した規定でして、そして第一項、第二項、かつては本会議の定足数を四分の一に縮減し、委員会も同じようにしていたんですが、現在ではそれが廃止されています。本会議については電子的なオンライン出席というのは最初から認められていませんで、第二項で委員会についてはしかしそれを認めるという規定が当初より設けられ、今もなお継続しています。この辺り、衆議院の審査会の資料辺りは少し以前のものですので、こちらでアップデートしていただければと思います。  また、出席だけではなくて、投票や採決につきましても、コミュニケーション、電子的なコミュニケーション手段を用いることができるし、また公衆の参加というものも電子的な手段を用いてすることができると。そして、最後のところ、二〇二二年七月十五日と書いていますが、これは半年ごとに更新されているようで、このように時限的なものとして、また対象を限って、一定の対処を議事規則レベルでしているということです。  どうしてこのような対応がなされたのかということですが、一つは本会議と委員会の役割分担、あるいは委員会の中でも作業を、法案修正を行う、切った張ったの議論を行う場としての委員会と、外部に対して自分たちの各会派の見解、姿勢を示す、討論する場としての議会と、この役割分担という考え方があります。  本会議は原則としてこの討論の役割を果たし、また委員会も一部はこの役割を果たすんですが、主な委員会の機能はこの作業議会にあると考えられています。これが、今三ページの頭辺りのことを申し上げましたけれども、本会議は認めないが、委員会は電子的な関与、参加を認めるという背景にはこういった区別もあるのだろうと思います。  以上を踏まえまして、これが我が国の議論にどういった示唆をもたらすのかということをもう少し深く立ち入って、新しい視点も入れながらまとめてみたのが三ページ以下ということになります。  ここでその議論をちょっと整理させていただきたいのですが、幾つかのオンライン審議といっても、幾つかの局面、段階というものがあろうかと思います。一つは本会議と委員会の区別もそうですし、また委員会の中でも幾つかの段階があると、そういった区分が必要であろうと。  それから、個々の議員や参加者が例えば妊娠、出産、障害といった特別の個別の事情を持っており、それに基づく例外措置をとらなくてはならない場合というのが要請されている場合があると。そういった主観的な事情から離れて、今回のコロナのように客観的な特別の事情があって、それに基づいて例外措置が要請されている場合があると。  最後に、そういった特別の客観的事情はないんですけれども、このオンラインのツールを用いることでより効果的に手軽に審査することができるという立場からの活用も述べられて、提案されているところです。  このうち、上から二つ目のポチにあります個々の議員や参加者の事情に基づく例外措置につきましては、これは我が国でも主張されているところですけれども、国民代表としての職責を十分に果たすために、むしろこのオンラインに限らず、点字の問題とか社会的障壁の問題ですとか、むしろ積極的に国民代表としての職責を果たし得るための環境を整えることが、これが求められるのであろうと。このオンラインが認められるかどうかというよりも、このオンライン参加というものも、必要に、個々の必要に応じて、必要であれば積極的に措置する必要があるであろうというわけです。まあ同じようなことは参考人についても準じて考えることができるのかなと思われます。  これに対して、後述しますような理由から、本会議につきましては、国民代表と、この代表という理念に照らしまして、オンライン審議はごく限定的にのみ認められると私自身は考えておりまして、これは特別の事情がどれぐらい重大なものであるのかと、これとのバランスで考えるべきだという話ですが、これは下の(3)以降で述べさせていただきます。  で、次のところ、矢印ですが、委員会審査のうち先ほど申し上げました作業議会としての性格を持つ部分といいますのは、これはその特別の事情が、例えばコロナのような事情があるのであれば、とりわけそのオンライン参加を認めることによって切った張ったの議論、これを効率的に進める余地があるだろうと。  我が国、その定足数の話とかが出てきますのは主にその本会議のことを念頭に置いていますが、注の七にもありますように、委員会審議でオンラインツールを利用している国が大半で、先ほど見ましたドイツの場合も、本会議は最初からそういったオンライン審議というものは本会議については認めていないというわけです。それはなぜかというのは、この(3)以降で指摘させていただきます。逆に言うと、委員会の段階では、効果的な効率的な作業ツールとしてこのオンライン審査というものを認める余地があり得るのではないかという問題提起をさせていただきたいと思います。  (2)に参ります。  そのオンライン審議というのも一つの手続でありますけれども、その手続というのは単に効率を追求するだけでは駄目でございまして、慎重さ、熟議の確保、公開性、公正性などなどですね、幾つかのその理念というものを背後に持っているわけです。そういった手続を履践するからこそ、単に議会で決まったというだけではなく、議会でこういった手続を踏んで決まった決定である、だからそれが受け入れられると、受容される、アクセプタンスされるということになるわけです。  で、このような議場は、議事手続と議場構造というのは実は一体的な関係にありまして、詳細は注の九の文献に譲りますが、この議場構造とその議事手続、例えばフランスモデルの議事手続、イギリスモデルの議事手続というのは、それぞれの議場構造と密接に一体のものとして形成されてきております。それぞれ重点は違いながらも、効率性とは異なる手続の価値というものを追求しているわけなんですが、このことだけ見ますと、他面から見れば、たとえオンラインの審議ないし審査であったとしても、こういったもろもろの価値を体現するような議事手続やオンラインでの構造というものが実質的に確保されるのであれば、必ずしも憲法の禁ずるところではないと、これだけ見れば言えるようにも思われます。  ただ、しかし、本会議という政治空間についてはもう少し別途の視点も必要であろうというのが(3)以降になります。  本会議という政治空間というのは、元々、中世以来の政治的身体という理念から実は出てきておりまして、フランス革命のときに国王が倒れたと、そうすると公共体の統一性というものがばらばらになってしまって、今まで統合していたものがなくなってしまうわけですから、そこで国民代表体というものがそこで初めて創出されて、それが正統性原理を獲得しようということで、公共体の国民共同体の統一的な声を、意思を示すための組織としてこの議会空間というものが組織されたという背景があります。  その構造とか議事手続や構成員の身分保障、いろいろな側面でこの問題が出てまいります。我が国の議会に見られる半円型の議場構造も、またそして演壇というものも、全体として実は国民代表体というものが統一的なボイスを語るための演出装置として実はつくられたという背景があります。  こういった政治空間というのは意味の世界を成しておりまして、単にそこで議論が行われているというだけじゃなくて、そういう場でそういう議論が、国民代表の声が出されていると、統一的な声が語られているということが重要で、ですから、参考資料、これ十六ページ以降になりますけれども、近年そういった政治空間における発話行為ですね、これへの関心というものが深まっているわけです。  そこにあるのは、端的に申しますと、世界をコミュニケーションを通じた構築物として捉える、意味の世界として捉える立場であると。こういった背後の理念を踏まえて、そこに位置付けて今回の問題を眺めてみますと、四ページの下のようにまとめられるのではないかと思われます。  一つは、この対面優位説と呼ばれているものが議場における現在性とか身体性を強調して、オンライン審議を例外的な場面に限るべきだと考えるのは、こういった基底的な代表理念というものを背後に恐らく置いているからであろうと。そして、私もその立場に立つわけです。  また、五十六条の出席というのを機能ではなく物理的出席に限定するという解釈も、こういった国民代表体の代表機能の重要性に着眼するからこそで、それゆえに説得力を持つというわけです。  ただ、それだけで済むのかというと、そうではないというのが最後のところで、特定の事情のゆえに議会が物理的にそもそも集会できないという場合には、議事手続上の価値を追求しようにも、あるいは相互コミュニケーションを議事空間でしようにも、そもそもそれ自体ができない状況に置かれています。そういった緊急事態においてこそ、実は議会審議というものが、国民代表の議論というものが必要であるということに鑑みますと、そういった状況において例外的ないし限定的にオンライン審議手続を採用するということも、審議手続の議会の形成権の範囲に入っているんであろうと私自身は考えております。  これとは別に、最後の一行ですが、先ほどの、個々の議員の個別的な主観的事情に基づく例外措置や、作業議会としての委員会審査におけるバーチャルなツールの使用というものについては、積極的にまた違った観点から推進していく余地もあるのではないかと私自身は考えております。  少しオーバーしてしまいましたが、ひとまず以上でございます。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) ありがとうございました。  次に、長谷部参考人にお願いいたします。長谷部参考人。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 長谷部でございます。  本日は、発言の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。  私のペーパーでございますが、国会議員の出席の機能的代替についてという、そういうテーマになっております。  実は、国会議員の皆さんの出席というものの意義ですが、これは実は全国民を代表するという国会議員の職責と切り離して議論することができません。  憲法には、両議院は、各々総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができないとあるわけなんですが、国会議員は、実は、会議に出席をする、これは英語で言うとプレゼントになります、出席をすることで統一体としての全国民を代表している、これを英語で言うとリプレゼントになります。議員の方の出席と、そして議員による全国民の代表という観念の間には、実は密接でかつ有機的な連関がございます。  代表、リプレゼントするということは、これは今の赤坂参考人のお話にもありましたとおり、その場に存在しない、したがってその場では目に見えない何者かを代わって現前すると、プレゼントさせるということを意味をしております。したがいまして、代表する者はその場にやはり目に見える形で物理的に存在をすると、現前していないとこれは話にならないということになります。  ジャン・ジャック・ルソーというフランスの政治哲学者が、主権は代表され得ないのだということを彼の社会契約論で言っておりますが、これも同じ文脈で理解をすることができます。ルソーの構想するところでは、主権者たる人民は、自ら集会することによって主権を行使するというふうに考えられています。そうすると、主権者たる人民は既にその場に現前していると、そうである以上は、それが更に代表される、リプレゼントされるということはあり得ないということになります。  国会議員が代表するのは、これは統一体としての全国民です。国会議員が全国民を代表するようになる以前、これまた赤坂参考人が御指摘のとおりですが、全国民を代表したのは国王でした。国王は、目に見える形で一般大衆の前に姿を現すことで目に見えない政治体、ボディーポリティークとしての国民全体を代表します。そして、その国王の権威を打倒し、国王に代わって全国民を代表するに至ったのが議会であります。その議会は誰の目にも見える形で集会をする必要があります。したがいまして、現実の出席、プレゼント、目に見える形での集会が必要になります。それは国王が自ら人民の前に姿を現したのと同様です。  個々の国会議員が現実に会議に出席することには、統一体としての全国民を目に見える形で代表するという象徴的な意味合いがございます。象徴的な意味にすぎないのだからといって、それをそぎ落として電子通信技術による出席を機能的に可能とすることは、実はプレゼントであるはずの出席をリプレゼントである代表に変容させることになります。というのも、その場に現に存在しない、現前しない者を現前したことにしているというわけですから。これはやはり出席という概念の意義を根底的に、かつ言わばキマイラ的に変容することになると思われます。そうであれば、少なくともそれを可能とする明文の憲法の規定が必要になるのではないでしょうか。  ただ、国会議員の方々には、肝腎の採決の場に、その場にいなければならないという職務の特殊性があると、そういう観点もあり得るのかもしれません。しかし、その場合は、国会議員の出席の意味は記名投票、要するに投票をする人の数として機能的に縮減されてしまうと、そういう懸念はないでしょうか。議員の職務の意義を単なる投票上の計数、数へと切り下げることになりはしないかということです。  仮にそういった形で、議員の職務は単なる投票上の計数であるという形で割り切るのでありましたら、これはイギリスの議会でも見られるような与野党間のペアリング、つまり、与党の議員が病欠したときは、例えばですが、同数の野党の議員も欠席をするように約束をするという、そういう慣行がございますが、これを実施する方がはるかに簡便でコストも掛からないと考えられます。  外国の憲法を見ると、議員が病気等で出席できない場合の代理でありますとか、議員が欠けた場合の代替の議員の確保につきましては、憲法の明文で定めている例がございます。もし病欠等で出席できない議員が出た場合に対処する必要があるというのであれば、やはり本来は憲法を改正して対処をするというのが筋のように思われます。  しかも、こうした機能的な出席の扉を一旦開けてしまいますと、その場面を例えば産前産後の女性議員に限定をするという実質的な理由はどうも見当たらないように思われます。こういった形での機能的な出席の概念の拡大、果たして歯止めはあるのだろうか、そういう懸念が出てまいります。  実は、以上、私が申し述べましたのは、二〇一八年の時点での、国会議員の方々が病気の療養あるいは妊娠、子育て等で出席が困難である場合にオンラインでの出席を認めることはできないだろうかという、これは衆議院の法制局の方々からの問いかけに対する応答として私が考えたところをまとめたものでございます。  しかしながら、パンデミックが蔓延した等の特殊な事情で国会議員全体がそもそも議場に集会することが困難だ、そのために、オンラインでの会議開催を認めない限り、国会としての最低限の機能も果たすことができない、そうなった場合にどう考えるべきなのかというのは、これはおのずと別の問題になると私は考えております。  ちなみに、我が国日本では、コロナウイルスに関する限り、オンラインでの会議開催を認めないと国会としての最低限の機能をも果たすことができない、そうした事態には少なくとも現在までのところは立ち至っていないと考えられますが、今後そうした極めて異常な事態が発生した場合にどのように対応するべきなのか、これを考えておくことにはやはり意味はあると考えます。  そうした異常な状況においても、憲法改正なくしてはオンラインでの会議開催は認めないという考え方は、私は良識に反するように思われます。一国の憲法というのはその国家の良識の表れでもあります。異常な状況においてもあくまで文言にこだわって良識に反する結論を導くというのは、憲法解釈の在り方としては適切とは言い難いように思われます。  憲法改正には、当然ながら多くの時間とコストが掛かります。とはいえ、前述した物理的な出席によって初めて全国民を代表することができるという近代議会政治の原則論から申しますと、オンラインによる出席の代替が認められるのは、それを認めない限り国会としての最低限の機能をも果たすことができないという例外的な事情、これが客観的に認定される場合でありまして、しかも必要最小限の範囲内のみのことと考えるべきではないかと思われます。そうした事情がないにもかかわらず、オンラインによる出席の代替を認めるということは、やはりこれは憲法に違反をしているものと思われます。  このように、オンラインによる出席の代替を、例外的な状況において、しかもやむを得ない必要最小限の場合に限定しないということになりますと、これは、事は憲法五十六条の出席には恐らくとどまらないでありましょう。解釈によって五十六条に言う出席をオンラインによる出席へと一般的に拡大をしてしまいますと、六十三条の定める内閣総理大臣その他の国務大臣が出席を求められた場合の出席についても、同様に解釈によって拡大することとしなければ整合性が取れません。さらには、六十二条の定める議院による国政調査としての証人の出頭そして証言を求める際にも、やはりオンラインでの出頭や証言で代替し得るのか、そういった問題にも直面しなければならないのではないでしょうか。  それらを含めて、各議院が適当と考えるのであれば、全てオンラインによる出席や出頭を認めるというのもこれは一つの割り切り方ではございますが、それでは冒頭に述べた近代議会政治の原則論は吹き飛んでしまうことになります。  結論といたしましては、パンデミックの蔓延といった特殊な事情で国会議員が議場に実際に集会すること自体が困難となり、そのためオンラインでの会議開催を認めない限り国会としての最低限の機能も果たすことができない、そういった極めて例外的な事情の存在が客観的に認定される場合に、必要最小限の範囲内においてオンラインでの会議開催を認める、これはあり得るのではないかというのが私の結論でございます。  以上、御清聴どうもありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。  参考人の方々におかれましては、答弁の際、挙手の上、会長の指名を受けた後、御発言をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は、二巡目以降の質疑を希望される方も含め、氏名標をお立てください。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一回の質疑時間は答弁及び追加質問を含め八分以内といたします。  元榮太一郎君。

元榮太一郎自由民主党・国民の声

○元榮太一郎君 赤坂参考人、長谷部参考人、大変貴重な御説明ありがとうございました。  憲法五十六条の出席の解釈というようなところでのお話が中心だったかと思いますけれども、まず赤坂参考人に伺っていきたいと思いますが、赤坂参考人は御説明の中で、本会議についてのオンラインの出席についてはごく限定的な場合にのみ認められるというふうにお話をされておりましたけれども、誰がどのような基準で判断するのかというところを伺いたいと思います。まずお願いします。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 赤坂でございます。  その例外的な場合の線引きをどうするのかというのが確かに実際難しいのですね。で、今回例に挙げさせてもらったようなコロナに、コロナという事象をもう目にした後で、それに対するのに必要な限りで対策を議事規則で例えば導入するというのであれば、例えばその通常の議事規則委員会が、日本でいえば議院運営委員会が議論してルールを定めるということでよいだろうと思います。ただ、その緊急的な事態、ごく例外的にのみオンライン審議が認められ得るような例外的なケースがどういう事情で生じるかというのは、あらかじめ予見することがなかなか難しいのですね。  そこで、こういう考え方はどうなのかと思うのですが、特例ルールを定めること自体が、具体の場合が分からないので、対処のためのルールを定めるのが難しいので、そういった場合の備え自体を設けておけばどうかと。例えば、一定の場合には議長が議院運営委員会の議を経て暫定ルールを定めることができると、例えばそれだけ定めておいて、じゃ、どのような暫定ルールでそれが本格ルールになるのかというのは自律権に委ねると。  そういった、また特例といいますか、議長が場合によっては議会全体の議論ではなく、議院運営委員会の議を経て暫定ルールを定めることができるということ自体を、そういう定め方自体を自律権でもって定めておくという形でしないと、その実際に起きた事態に対して適正な対処というのが、あらかじめぴたっと分からないので、難しいことになるんではないかと考えます。

元榮太一郎自由民主党・国民の声

○元榮太一郎君 ありがとうございます。  客観的事情については今の御説明だったかと思いますけれども、もう一つ、赤坂参考人のお話として、主観的事情に基づく例外措置については積極的にというようなお話であったわけですけれども、本会議について、このオンライン参加で、個別事情によるオンラインの参加を積極的というところですと、例えば、お話にありましたとおり、病気とか妊娠、出産と、こういうような事例もあるかと思いますけれども、それ以外ではどのようなケースまで、この憲法上、出席に含めることができるとお考えなのか、また、その具体的な基準などあれば教えていただきたいと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) そうですね、起きる前に基準を定めるというのはなかなか難しいのですが、例えば目が見えないといった場合に、今オンライン参加の話に焦点が当たっていますが、そのとき申し上げたとおり、こういった個別の主観的事情に基づく例外措置としてのオンライン参加というのはその対策の一つであると。いろいろな側面から支援、まあ支援と言っていいんですかね、この環境整備が必要である、その中の一つにオンラインというものがあると。その他の事情で何らか、オンライン参加でないと難しい何らかの理由があれば同様の対処ができるのではないかと。  しかし、問題は、これはオンライン参加の問題に限らない、目が見えない場合の、その方の場合の、点字をどうするとかですね、そういった総合的な取組の一つとして、その場合はたまたまオンライン参加の話が出てきて、それがここに今取り上げられていると、そういう扱いです。したがって、その基準というのはなかなか事前に申し上げるのは難しいのではないかと思います。

元榮太一郎自由民主党・国民の声

○元榮太一郎君 ありがとうございます。  長谷部参考人にお伺いいたしますけれども、長谷部参考人もこの本会議へのオンラインの出席については例外的な場合には認められるということで、お話の中では、オンライン出席が認められるのは、それを認めない限り国会としての最低限の機能を果たすことができないという例外的な事情が客観的に認定される場合であり、かつ、必要最小限の範囲内のみでのことと考えるべきとおっしゃっていますけど、こちらについても、誰がどのような形でそれを判断していくのかというところについてお聞かせいただきたいと思います。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 御質問どうもありがとうございます。  例えばですけれども、これを改めて本会議を開いて決めなくてはならないということになってしまいますと、それは開けないはずなのではないかということになりまして、これはキャッチ22になってしまいます。  私は、このように申し上げましたのは、誰が見てもこれは本会議に国会議員の先生方、集会できるような状況ではないと、そこまで例外的な事情であればそれほど異論は起こらず、多くの方々の間にコンセンサスは元からある、そういうものではないかと思います。  したがいまして、そういった場合には、わざわざ本会議を招集してそこで決めることなく、全ての会派の方々の代表が集まって運営の仕方を決める、そういった場で容易に合意を取ることが可能なのではないかというふうに考えております。実際にそういった例外的な状況が起こったその場では、恐らくはそんなに難しい話にはならないのではないかというのが私の予想でございます。

元榮太一郎自由民主党・国民の声

○元榮太一郎君 質問終わります。ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。  本日は、両参考人の先生方から貴重な御意見を賜りましたことを心より御礼を申し上げます。  私は、この憲法五十六条の出席にこのオンライン出席が法解釈として認め得るのかという観点について、両参考人に、中心に質問させていただきたいと思います。  まず、長谷部参考人にお伺いをさせていただきます。  いただきましたレジュメにおいて、例外的な事情が客観的に認定されるような場合等々の要件を課されておりますが、私も国会議員として今十二年務めさせていただいているんですが、私は、憲法五十六条のこの出席というのは、まさに国民に選ばれた国会議員がこの本会議場という空間、場所に集まって、まさに五感をもってして国民のそれこそ命すらも預かる重要な議題について、議案について審議、採決を全身全霊で行う、そうしたものが当然の前提になっているというふうに感じております。  今、控えめに落ち着いた声でしゃべらせていただいておりますけれども、思いを同僚議員に伝えるために声を発したときに、その波動が伝わることがございます。その波動をもって同僚議員の心を動かして、国民のための審議あるいは採決をしたいというような活動が議員活動、そして国会、憲法が定めている国会ではないかというふうに考えている次第でございます。  そうした意味で、私なりに考えさせていただきまして、オンライン出席が認められる要件として三つのことが言えるのではないかと思います。  まずは、そのオンラインを通じて出席する議員が、完全な自由意思で現に議場に存在しているのと同じ権能、発言権なり表決権なり、また、それが、今しゃべっていることが何の滞りもなく実際その場にいるのと同じような態様をもって行うことができること。あと、もう一つは、長谷部参考人がおっしゃったことと通ずるかもしれないんですけど、それを国民から見た場合に、私たちの代表が議場に現にいるのと同じ権能を同じ立場で行使をできている、そのことが保障されなければいけない。で、三つ目は、この同僚議員、このほかの国会議員との関係、合議体を構成している議員との関係で、ほかの議員から見てオンライン出席をしている議員というのは、その場にいる議員と同じような相互作用といいますか、関係性を現に持つと。  この三つが保障されない限り、憲法五十六条のこの出席というものにオンライン出席は含まれ得ないのではないかと考えるんですが、先生の御見解をお願いいたします。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) どうもありがとうございます。  小西先生のおっしゃることは、私が申し上げました、国会議員というのは議場に現前をするという意味で出席をすることで初めてそれで全国民を代表すると、全国民の利益と見解を代弁をすると、そして、議論を闘わせて那辺にその全国民の中長期的な利益があるか、それを発見をしていくと、そういう場であるという私の考え、通ずる、僣越な言い方になりますけれども、径庭のないことをお話をいただいたというふうに考えておりますし。  ですから、仮に例外的な形でオンライン審議を認めるといたしましても、まさに小西先生がおっしゃったとおり、それが本当に本来的なその場に現前をする形での全国民の代表と全体として機能的に等価値と言えるような、そういったオンライン審議の場が用意されなくてはならないんだろうというふうに考えております。おっしゃるとおりではないかと考えております。  以上です。(発言する者あり)

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 はい。あっ、失礼しました。  赤坂先生にもお伺いをさせていただきたいんですが、今申し上げた三つのことが保障されなければ、解釈上、五十六条の出席と言えないのではないかということについて、先生としてはどうお考えになるかということと、先生はとりわけ、いただいた、今日、レジュメの中で、この本会議場という政治空間が政治的身体を持つ、実は私も同じような思いでございまして、戦前はまさにこの場で他国を侵略し国民に悲惨な惨禍をもたらした戦争を政治家が始めてしまったと、まさに同じ場なんだと。であるならば、その反省の下に、日本国憲法の定めに従って、政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こさない、そういう決意を我々はかみしめながら仕事をしなければいけないというふうに考えているんですけれども、その先ほど三つのことは解釈上どのように先生はお考えになるのか、お願いをいたします。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 御質問ありがとうございます。  その原則と例外という位置付けからします、その原則としてこのような政治空間において議員が現前していることが大切で、仮にそのオンライン参加を認めるにも、そういった条件が、要件が充足されていないといけないというのは、原則論として全く同意いたします。  最後に、ただ、申し上げていましたのは、その何らかのこれは予見できない事情でありますけれども、何が起こるか分からないですね、津波でどうなるかとか、皆さんが核シェルターに入らないといけないとか、様々な、何が起きるか分からない。そういう中で、しかし、そういう緊急事態においてこそ議会審議を何とか確保する必要があるという場合に、では、その今御指摘になられたような要件を完全に満たさないとおよそ五十六条の出席として認める余地が全くないのかと言われると、それはそうではないのではないかと思うわけです。だから、原則の部分としては同じように考えますが、例外事態においてはそれを貫けない場合も出てくるのではないかと。  そこで、先ほど……(発言する者あり)以上にします。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 先生、ありがとうございました。  では、続いて長谷部先生に、今配付資料をお配りさせていただいておりますが、一ページ目に、お目通し先にいただいておりますが、衆議院の憲法審査会の見解のまとめでございます。  一番に、五十六条でオンライン国会が認められるというふうに書いてあるんですが、先ほど先生から、私が申し上げた三つの観点のような要件が何も書いていない。これが果たして、はっきり端的に法解釈と言っていいものかどうか。二番目が、議院自律権によってこれを認めると。で、この援用という意味を私確認したんですが、確認したところ、もうそのままだと、根拠であると、議院自律権を根拠に、議院自律権を適用して認められるという法解釈をしているそうなんですが、本来、議院自律権というのは三権分立及びほかの院との関係の独立性のための権能であって、国民の憲法の国会のルールを議院自律権の名の下に拡張するということは議院自律権が本来想定していないことではないかと思うのですが、その二点について率直に、二院制ですので、衆議院の在り方を審議するのも我々の重要な役割ですので、率直な御意見をお願いいたします。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 前者の論点でございますが、これは、最終的な帰結の内容をどのようにまとめるかというのは恐らくいろいろ御苦労があったところではないかと思います。私としては、御指摘のような要素も取り入れた方が望ましいとは思いますけれども、そこでのコンセンサスが取れるかどうかと、そういう問題も一方ではあろうかと存じます。  それから第二の論点、これはなかなか難しい論点で、議院自律権に基づくのだというのが間違っているとまでは私は思わないのですが、それをわざわざこのように表立って書くことが適切かどうかという問題は私はあるように思います。例えば、裁判所が判決を下すときに、これは我々に与えられた司法権に基づいて判決をするのだとわざわざ言わないわけ、それはもう当たり前のことだから言わないということもあるとは思いますが、そういった、表立って言ってしまいますと、我々がそう言うからそうなんだという、そういうことなんだろうかというふうに何か妙に誤解を受けるおそれもないではないと思います。  これ、ちょっとこういうことを言うのはちょっとまだ早いので、もし本当にそういう例外的な状況が起こりまして、いざオンラインの審議を始めようという、そういう判断が下ったときに、それでも異論があるということはあるかもしれません。場合によっては訴訟になるかもしれない。その場では、やはり裁判所としては、いや、これは議院自律権の問題なので、裁判所として各議院と別の判断はいたしませんということは私は十分あり得るだろうと思います。議院自律権の概念はそういった場面で後から出てくるものではないかというのが私の考えです。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 どうもありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 西田実仁君。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  本日は、両先生、本当お忙しい中、ありがとうございます、急遽のお願いにもかかわらず。  まず、赤坂先生にお聞きをしたいと思います。  レジュメの最後の四ページの、一番最後の米印が恐らく今日の御発言の一つの柱だと思います。主観的事情に基づく例外措置、あるいは作業議会としての委員会審査については積極的にオンラインをというお話でございました。  そこでお聞きしたいんですが、この出席する議員の現在場所についてどのように限定すべきかということであります。これはまあ言うまでもなく議長警察権との関係で、その点についてはどのようにお考えかをお聞きしたいと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) そうですね、確かに議長警察権の問題もあるのですが、その個別の、二つそこに並んでいますけれども、個別の主観的事情に基づく例外措置という以上、そして、その一環としてのオンライン審査だと、参加だという以上は、その主観的事情によりどのような事情に置かれているかにより対処すべき方法とかあるいは現在できる場所というのも限られてくる、決まってくる可能性がありますので、それも併せて考える必要があるのではないかと。だから、その議長警察権が当然に及ぶその議事堂空間等に限定するとまでは言えないのではないかとひとまず考えます。  委員会審査については、議長警察権との関係がそれほど問題生じないと思うのですが、それはよろしいでしょうか。

西田実仁公明党

○西田実仁君 それから、長谷部先生にもお聞きをしたいと思います。  先生の御主張では、客観的に、例外的な事情が客観的に認定される場合には、オンラインによる出席の代替を認めるというお話であろうかと思います。  そして、その客観的に認定される場合、例外的な事情の存在が客観的に認定される場合ということになりますと、定足数を要は満たさない、国会の機能が維持できない、そういう場合には認めていいんではないかということで、という理解でよろしいんでしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 定足数が満たされないということで一体どういう具体的な状況のことを考えるかということなのだろうと思います。  具体的に、例えばそのパンデミックが、とても強力なパンデミックが蔓延をしていると。したがって、同一の空間に多数の国会議員の方々が集会、物理的に集会するということ自体がとてもとても危険なことであるという、そういう事態のことを考えますと、それはひいては定足数を満たすこともできないということには当然になってくるだろうと思いますが、ただ、それは定足数を満たすかどうかというところが判断の基準になるというよりは、そういった物理的な集会がそもそもとてもとても困難であると、そういう状況があるので、その論理的なコロラリーとして定足数も満たされなくなると、そういう論理の順番なのではないかというふうに考えております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 全く違う観点ですが、両先生にお聞きしたいと思います。  代理投票についてでございます。代理投票についてどうお考えかということです。憲法上可能かどうか、あるいは院の自律権で解釈が可能かどうか。  この新型コロナ対策におきまして、アメリカの下院においては議会議決で、またフランスの下院では憲法上、さらにはスペインの下院では規則で、それぞれ代理投票というのを可能にしているようでございます。  諸外国ではそういう事例もございますが、日本国憲法下においてこの代理投票についてどのようにお考えかをそれぞれ先生方にお聞きをしたいと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 御質問ありがとうございます。  要するに、どこまでを有効な投票と認めるかということになろうかと思いますが、それ自体が各議院の判断で、自律で判断すればよいのではないかと思います。したがって、その代理投票が認められるケースであると、あるいはその代理投票というものをそもそも認めるんだという、そういう議事手続を議院として採用するという御判断であれば、それは自律の範囲であると私は考えます。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) ただいまの御質問に関してなんですけれども、私が冒頭の報告で申しました、やはりその場に現前をすることによって初めて全国民を代表するという近代議会政治の原則論からいたしましても、それからまた、これは衆議院の審査会で高橋和之先生が強調しておられた点ですけれども、憲法五十六条というのは、やはり準則としての性格、文言によって結論を明確に方向付けようとする性格が強い規定であるというふうに考えますので、やはり代理投票まで認めるということになると、憲法をどう変えていくのかということまでやはり考えなくてはいけないのではないかというのが私の考えでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 終わります。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 足立信也君。

足立信也国民民主党・新緑風会

○足立信也君 国民民主党・新緑風会の足立信也でございます。  お二人の先生方、大変勉強になりました。ありがとうございました。  お二人の発言をお聞きしていて、まずは長谷部先生にお伺いしたいんですが、赤坂先生は本会議と委員会というものを比較的分けて論じられていたと思うんですけれども、長谷部先生の御意見から考えると、出席と代表の不可分、まあ切り離せない関係ですね、プレゼントとリプレゼント、その考え方。あるいは、委員会というのは単に本会議から付託されてやるものだということを考えると、この本会議と委員会の区別は特に必要ないという考えなのかなと私は思ったのですが、長谷部先生、その点はいかがでしょう。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 御質問ありがとうございます。  おっしゃるとおりでございまして、両議院の議員は全国民を代表するというのは、本会議でも全国民を代表し、委員会でも全国民を代表しているものだろうと思います。その点で本会議と委員会とを区別するのは私は難しいのではないかと思っております。

足立信也国民民主党・新緑風会

○足立信也君 これは赤坂先生に、まあお二方に聞くようになるかもしれません。  今、長谷部先生からありましたように、明確に区別する考え方と、いや、全国民の代表なんだと、同じだという考え方、当然あると思うんです。  そんな中で、赤坂先生は、規則で、議院自律権によって規則あるいは国会法で決められる部分があるのではないかと、オンライン審議についてですね、定足数についても、そういう主張だったと思うんですが、これは、長谷部先生の場合は、やはり個別、個人的な理由にせよ、あるいは物理的に参加が不可能な場合にせよ、憲法に明文化する必要があるという主張だったと私は思います。  そこで、まずは赤坂先生にお聞きしたいのは、六十三条の出席の件もございました。それも含めて、これは議院自律権で、委員会についてはですね、委員会についてはオンラインを認めるべきであるということの御意見を、その本会議との違いを説明していただきたいんですが。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) これも釈迦に説法ですけれども、本会議では最終的な決定が議場という場で行われるわけですね。その下準備というものを委員会に付託して行うわけです。この委員会の審査というものは、これは国によって様々ですけれども、切った張ったの議論をそこで確保するためにむしろ非公開にしたり、様々な仕組みを設けております。  その切った張ったの議論をするというのが作業議会という考え方ですけれども、同じ委員会の中でもそういった作業議会としての性格が強く出るところと、そして、そういった作業が終わった後になお残る立場をお互いに対外的に明らかにする場を設ける、例えば拡大公開委員会というシステムとかがあるんですが、そういった場に応じてその出席の意味もきっと変わってくるのであろうと思うわけです。まあ、そうですね、思う、思います。その中身をどう形成するのかというのは審議の、あっ、いや、違いますね、今のところで回答を終えたいと思います。そう思いますというところで。だと思います。

足立信也国民民主党・新緑風会

○足立信也君 それでは、長谷部先生にお聞きしたいと思います。  特に個人的なものは除いて、物理的に不可能なような緊急事態。私どもは、緊急事態においてなお三権の機能を保つこと、そのためには何が必要かということを議論すべきだという主張をしております。  その中で、緊急事態の条件であるとか、あるいはどこまでの出席やオンラインを認めるかということももちろん大事ですが、緊急事態において三権の機能をしっかり保つ、行政も、それから国会も、司法もですね、そういう緊急事態でも異例の措置をとるんだという明文化する場合の、目的をしっかり書くべきだと私は思うんですが、その点についていかがでしょう。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 緊急事態についての憲法上の対処の仕方というのは、これは国によって様々です。  ドイツの、ドイツは赤坂参考人が御専門です、ドイツのようにあくまで議会中心で緊急事態に対処をする。なぜ緊急事態条項を憲法上置くかというと、やはりドイツは連邦国家であるということが、これが非常に大きいです。各州に分割されている、配分されている権限を連邦政府に吸い上げないと緊急事態には到底対処できないだろうと、それがあるのでドイツはそういった規定を置いている。  それから、フランスの場合は、それは現在の第五共和制憲法成り立ちの経緯があって、何しろアルジェリア危機という国を覆すような大騒動の中ででき上がったものですから、専らそれを念頭に置いてフランス憲法の第十六条というのはでき上がっているというところがございます。  ですので、フランスやドイツ、それぞれ違っておりますように、日本でも緊急事態というのを考えるのであれば、一体どういう事態のことを想定できるのであろうかということが何となく分かっていないと、どういう緊急事態の条項を作るのかというのは、なかなかここは議論をすることが難しいのではないかというふうに私自身は考えております。  なかなか、その抽象論でこういうものがいい、ああいうものがいいというのは、少し難しい問題のように思っております。

足立信也国民民主党・新緑風会

○足立信也君 憲法上、明文化する必要があるとお二方もおっしゃられたと思うので、その場合にどういう、何のためにどういう状態でということがしっかり明文化されるべきだなと私は思いましたもので、そういう発言をさせていただきました。  以上で終わります。ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 浅田均君。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 日本維新の会、浅田均と申します。  本日は、両先生、貴重な意見ありがとうございました。  私は、もう既にかなり議論になっているんですけれど、最初、長谷部先生がおっしゃいましたプレザン、プレザンですよね、フランス語で出席を取るときに、日本やったら、はいとか言うんですけど、フランスなんかだったらプレザンと言います。だから、その国会という空間において、いてますよというのがルプレザンで、そこにいる人がルプレゼンタというのが代議制の本質だと思っています。  だから、本会議で何か決定するときは、その議場にルプレザンすることが必要だけれども、例えば委員会というのは分かれて議論するわけですよね。だから、全員がそこにいるわけではないと、あてがわれた委員会に、所属する委員会にいて、そこでまた議論が行われていると。だから、そういう場合は、言わば空間の拡張であって、本会議場というところでなしにその委員会室というところに議員がそれぞれ分かれておるわけなんで、だから、そういう場合は、オンラインが可能であればオンラインであっても構わない。  だから、赤坂先生がおっしゃっている理屈と大体同じような理屈が成り立つんではないかなと思っているんですけれども、長谷部先生の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 申し訳ありません。先ほどのお話の繰り返しをするような感じになってしまうのですけれども。  それぞれ委員会に分かれて先生方活動しておられる、それは確かにそのとおりなんですけれども、それぞれの委員会ごとに分かれた途端に全国民の代表でなくなるのかということになりますと、それはやはりそうではないのではなかろうか。やはり、それは何か特定の団体でありますとか、特定の例えば選挙区とのつながりを持って、そこの代弁をしようと思って委員会で活動するということでは全くないはずでございます。あくまで全国民を代表するという、そういう性格においては、私は本会議においても委員会においても変わりはないのではないかというのは考えているところでございます。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 ありがとうございます。  そうすると、長谷部先生の御見解によると、ドイツの解釈というのはちょっと違うんではないかという御意見でしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) ドイツの議論あるいはドイツの実務にも、参考にすべきところもあればそうでないところもあるのではないかと私は考えております。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 ありがとうございます。  結論的に申し上げますと、長谷部先生も赤坂先生も例外的にそのオンラインというのは認められるけれども、これは常態ではないですよと、極めて例外的なときに限ってですよという、まあ皆さんとほぼ同じような御見解だと思うんですけれども、そうであれば、例外的な事情の存在ということですよね。元榮委員が先ほどちょっとお触れになったんですけれども、これは例外的な事態ですよというのは議会が認定していいということではないという、先ほど長谷部先生のここに、小西さんの意見に関して御意見があったと私は承知しておるんですけれども、この例外的な事態であるということの認定者は誰であるべきであるとお考えでしょう。  長谷部先生、赤坂先生のお考えを聞かせていただきたいと思います。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 私が先ほど申し上げましたのは、議院の自律権に基づいてそれを認定するというのは間違いであるというふうに申したのではないんです。それはやはり各議院が御判断になることだとは思いますが、議院の自律権に基づいてそうする、そう考えるのだということを余り表立っておっしゃらない方がよろしいのではないだろうかというのが私の申し上げたところで、これまた既に申し上げたところですけれども、実際にそれほどの異常事態だということになれば、それほど議会内の各会派の方々の間で意見が異なるということはないだろうと、恐らくコンセンサスを形成するのも容易なことなのではないだろうかというふうに私は考えております。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 赤坂でございます。  さはさりながら、どういった場合に認定するのかということの手続が定められていなくては、その場その場の判断になってしまうと。それが一番緊急事態に対する備えとしてはよろしくないことですので、先ほど元榮先生のお返事の中で少し申し上げましたように、今回は例えばコロナのための対策だから、こういう特例をつくるということを議会が、例えば議院運営委員会で議論して決めると。  それはそれでいいんですけれども、じゃ、将来、今度何が起こるのかといったときに、まだ分からないわけですね。で、分からなくて、今回は議論して決めることが、こうやって検討してできる余裕がありますけれども、そういったことができないケースだってないとは言えないわけですね。  そこで、そういった場合の特例ルールの決め方の特例ですね、これぐらいは定めておくべきなのではないか、それも議院自律権の範囲ではないかということで、一例として挙げたのは、議長が例えば議運の議を経て暫定ルールを定めるといった手続ぐらいまでは定めておいて、その中でどういったものが実際に例外事態に当たるのかということはその手続の中で判断する、それに委ねるのがよいのではないかというお答えをしたところです。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 時間が参りましたので、終わらせていただきます。  両先生、ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  赤坂参考人、長谷部参考人、今日はありがとうございました。  お二人に伺います。  憲法は、国民の自由と権利を保障し、三権分立の下で権力を縛っています。国会も国家権力の一つでありますので、憲法五十六条一項が三分の一の出席を求めているのも、特に多数派が審議や採決をないがしろにするのを防いで、濫用、暴走させないための規定だと言えると思います。したがって、国会の特に多数派による立法権行使の濫用や暴走を防ぐ上で、条文の解釈は厳格になされるべきだと考えます。  一方で、今日も議論になっております議院自律権というのは、国会の多数派の意思を強く反映するものかと思います。議院自律権を根拠に五十六条の文言解釈を緩めるのは、この意味でふさわしくないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 赤坂参考人からでよろしいですか。赤坂参考人。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) まあおっしゃる側面も確かにあると思うのですが、これはよく指摘されてきたように、その議事運営の在り方を決める、これはできるだけその全会一致によると、全会派の承認、合意が得られて初めて変えると。こういうその運営の在り方ですね、これとやはりセットで考えていく必要があるのではないかと思います。  この三分の一の定足数というのが確かにそういう機能を果たし得る側面もあるのは確かですけれども、しかし、冷静に比較的に見れば、憲法上そういった定足数が厳格に定められて、それが文字どおり守られていると、運用されている国というのは少ないわけで、ある教科書にはもう定足数という観念自体捨てられつつあると書かれているぐらいで、むしろその合理的な運営ルールとして定足数をどう考えるかという問題も別にあるのではないかと。  そして、その運営の在り方として、そこでその全会一致ルールというようなものを併せ考える、それを、その重要性をいま一度意識するということが重要なのではないかと考えます。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) どうも御質問ありがとうございます。  御指摘のとおり、憲法五十六条、大変準則としての性格が濃い、そういう色彩が濃くて、答えを明確に決め切っている規定なのだという、そういう考え方は妥当な考え方なのだと思います。ただ、答えを決め切っている準則の規定であるからといって、いつもいつもそのとおりにしなくてはいけないかという、そういう問題なんだろうと思います。  これ、外国の話で恐縮ですけれども、一九七一年にイギリスでバッコーク判決という有名な判決があるんですが、これは、当時のイギリスでは、道路の交通規則で緊急車両が赤信号を通過しても構わないという明文の規定がなかったんですね。それじゃ消防車はどうするんだ、救急車どうするんだということが問題になって、当時のロンドンの消防局が消防署員に対して赤信号でも事故が起こらないように気を付けて通過するんだという通達を出したところ、これが違法なのではないかということが議論になったので、裁判があります。  ただ、そこでは裁判所は、やはり通過しても構わない、すぐそこで火事になって上の階で助けを求めている人がいる、目の前の信号が赤だからといって止まるわけにはいかないではないかという、そういうわけでございまして、やはり準則としての性格が強い規定であっても、それをいつもいつも守るべきなのかというのはやはり時と場合によるのではないかということではないかと思います。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  私が文言解釈を緩めることに慎重であるべきだと考えますのは、明文規定に反する国会の在り方が既に存在しているからであります。  憲法五十三条は、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」としています。召集派の召集要求権、少数派の召集要求権であり、内閣に召集義務があります。ところが、二〇二〇年七月と二一年七月、野党が求めた臨時国会の召集を安倍内閣、菅内閣は拒み続けました。  赤坂参考人は、危機的状況においてこそ議会審議が重要だという指摘をされました。私もそのとおりだと思います。しかし、これに反する実態が現在あります。このことについて両参考人の御意見を伺いたいと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) おっしゃるとおり、危機的状況においては審議すべきだというのはそのとおりで、その臨時会の請求というものが、召集要求というものが、じゃ、その危機的な状況と関係するかというと、それはまた一つの別次元の話ではないかと思います。  ただ、その憲法上定められた臨時会というものを確かに開催しなかったというのは、これは私、私個人としては問題があると考えております。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 五十三条に関わりましては、実は幾つか訴訟が提起をされておりまして、実はその一方の、原告側の、原告側で意見書を提出している人間なものですから、余り個別の問題について申し上げない方がよろしいのではないかと。  ただ、学界の通説は、赤坂参考人がおっしゃったとおりであるというふうに私は考えております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 最後に、もう一点伺います。  オンライン国会、オンラインによる出席を解釈で可能とした場合、どのような場合に憲法上許され、どのような場合許されないか、その判断の基準が曖昧にならざるを得ない点はあるかと思います。  オンラインが不要な場合にもオンラインでやるとか、オンラインでも不可能な場合にまでオンラインでやれるようにすると、それが議会の多数派によってそういう事例が生じ得るかと思います。その歯止めについて、既に議論もされていますが、それぞれ御意見を伺えればと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 歯止め、歯止め。議院自律権というものは、議会が自らの議会の審議の在り方について適切と思うように組織できるために認められた権限ですので、それが違うように行使される場合の明確な歯止めというのは設けられておりません。そこで、先ほど申し上げた、手続を決めるときの全会一致ルールの重要性といったものを指摘させていただいたんですけれども、こういったものと併せることで御指摘のような懸念を少しでも軽減するという方策しか現実的にはないのかなと考えます。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 大変難しい問題ではございますけれども、この種のやはりぎりぎり例外的な状況でどうするのかということについて、やはりこの国会議員の各会派の先生方の間でそれ相応のコンセンサスが形成できないというのは、これ、それ自体が日本の議会制の危機ではないかと。そこは、壊れないように先生方に御努力をお願いをするということなのではないかなというふうに私は考えております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 浜田聡君。

浜田聡みんなの党

○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。  本日、お二人の参考人の先生方、どうも勉強になりました。ありがとうございました。  私の方からは、両参考人の先生方に共通の質問、二つさせていただきたいと思っております。まず、こちらで質問を二つ申し上げまして、御答弁の時間配分についてはお二人にお任せしたいと思います。  今回の回の議論の中心が憲法第五十六条第一項の出席に関するものでありますから、それと密接に関連するものとして、緊急事態の対処方法、そして現行憲法の前の憲法である大日本帝国憲法について両先生の御意見をお聞きしたいと思います。  時間も限られておりますので、端的に私の意見を申し上げますと、緊急事態への対処については大日本帝国憲法がよく制度設計されていたのではないかと考えております。現行憲法が未来永劫危機が訪れないことを前提にしているように思われます。だからこそ、緊急事態条項が話題となって注目されるのではないかと思われます。一方で、帝国憲法は、危機の想定について憲法の秩序そのものが崩壊するような危機のことを想定しているように思われます。  では、帝国憲法について具体的にどのように制度設計されているのかについて端的に申し上げますと、議会が開けなくても内閣と枢密院という天皇の顧問機関がありました。議会が開けないと本来は法律が作れないんですが、そんなときこそ法律を作らなければいけないときがあります。そこで、緊急勅令という制度がありました。これは内閣と枢密院だけで作ることができました。さらに、その内閣と枢密院も機能しないときは、最後の手段として天皇自らが緊急勅令を出すということも可能であったわけでございます。このように、様々なレベルの危機に備えて何段構えにもなっていました。  ただし、この緊急勅令、議会の許可なく国民の権利を制限するものであることが、できるものでありますので、緊急事態であろうとも政府が勝手に国民の権利を侵害してはならないと考えられましたので条件が付けられていました。それは一時的であることでございます。次に議会を開くまでの暫定措置という条件が付いておりました。  様々な意見があるとは思いますが、私はこのような帝国憲法の制度設計は優れたものではないかと考えております。もちろん、現行制度では枢密院はありませんし、天皇に対する考え方についても国民の意見は明治時代とは異なっていることを考えられますので、これをそのまま今後の制度設計することは難しいと思いますが、緊急事態への対処という意味では大いに参考にすべき点はあるのではないかと考えております。  そこで、両参考人に二点お伺いしたいこととして、一点目が、このような帝国憲法の、究極的には憲法秩序そのものが崩壊するような危機も含めて、様々な危機に対して何段構えにもなっている制度設計、そして緊急時にできた権利制限が暫定的とされている制度設計について御意見をお聞きしたいということが一つ。  もう一点が、憲法というのはその国の歴史、文化、伝統そのものと言っていいものでありますから、仮に憲法改正草案を作る際には帝国憲法も大いに参考にすべきではないかと私は考えているのですが、仮に憲法改正草案作る際には帝国憲法を参考にすべきという意見についての御意見をお伺いしたいと思います。  時間も限られておりますので、一点、二点のうち一点のみでも構いません。赤坂先生、長谷部先生の順番でよろしくお願いします。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) かなり広範な御質問をいただいたように思いますけれども、そのうち引っかかった一点だけお答えしますと、特に緊急事態というのは、その執行部の力ないし動きというのは強くなる時間なんですね、ときなんですね。そういうときこそそれを抑制する組織というものが必要で、執行部というものは特定の目的に向かって資力を総動員して、リソースを総動員して目的を達成する傾向があると。それに対して、それを常に検証し、批判し、オルタナティブを提示する組織というものがやはり必要であると。  緊急勅令というものは、その観点からすると議会ではなく執行部の手段ですので、私の観点から、それを緊急時においてこそ統制、更に別の観点から統制する議会的組織を確保するということの視点がやはり更に重要なのではないかと考えます。  私の方からは以上で。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) まず、緊急勅令との関係です。  これ、歴史的な事実をちょっと申し上げますが、現在の日本国憲法の制定の過程におきまして、実は総司令部案を受け取った日本政府側は、この緊急勅令に当たる条項を新しい日本国憲法の中に取り込めないかということを総司令部との間の折衝の場に持ち出したんですが、そうすると総司令部の側はどう答えたかと、必要ないだろうと。現在、憲法七十三条になりますが、内閣は法律の委任を受けて政令を制定することができるので、緊急事態に対応するような法律を作っておいて、その法律で政府に対しある程度広範な権限を与えておけばそれで十分対処はできるはずだというのが総司令部の考えで、だとすると、これは日本政府の側ですが、政令でもちゃんと刑罰を科することができるように、そういうことにしてもらいたいということで、それは明文で、現在七十三条で法律の委任を受けて刑罰を規定することができるという、そういう罰則を規定することができるという、そういう仕組みになっております。  この考え方自体については、第九十回の帝国議会においての日本側の政府の説明も変わっているところはないと、特に緊急事態を設ける必要はないのではないかということであったというふうに考えております。  以上でございます、取りあえず。

浜田聡みんなの党

○浜田聡君 大変参考になる御意見、ありがとうございました。  私から質問の方、終わります。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 引き続き質疑を行いますが、これより一回の質疑時間は答弁及び追加質問を含め五分以内といたします。  丸川珠代君。

丸川珠代自由民主党・国民の声

○丸川珠代君 ありがとうございます。  まず、長谷部先生にお伺いをしたいと存じます。  貴重な御意見ありがとうございます。先生のお話では、全国民を代表する議員の職務、職責というのは、その場に現実にいる、出席をするということは極めて重要であるという御認識でございました。現実にそれができない議員は、今、本会議では欠席という扱いになりまして、代表としての職責を果たせないということになっております。  さて、どういう人を我々国民の代表に選ぼうかというときに、恐らくは多くの国民は職責を果たせない代表を選ぼうとはしないと考えます。例えば、妊娠、出産などのライフイベントを見込まれる女性、あるいは治療が必要な疾患や進行する疾患を抱えている方は欠席するリスクを抱えている存在とみなされて、結果として残念ながらそういう方が選ばれにくいということは現実に世の中に起こっているのではないかという受け止めをしております。  多様な代表が選ばれにくくなるということについて、他方には、全国民の声を代表する国会議員というのは多様な声を代表すればよいのであって、その者自身が必ずしも多様な課題の当事者である必要はないという考え方もあるかもしれませんが、一方で、現実に国民の要請は、より多様な当事者の議会への参画を求めていると、そのように少なくとも私は感じております。  このような国民の要請あるいは思いがある中で、出席をめぐる近代議会の政治ルールというのは、たとえ電気通信という手段で国会の議論及び手続の正当性や公正性などを確保することが合理的に可能な場合でも、なお国民の思い、あるいは多様性、議会の多様性ということを上回って重要なのでしょうか。その場合、どのようなケースが重要だとお考えになりますか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 御質問どうもありがとうございます。  これは、当初そういったケースについて私は衆議院法制局の方から御質問を頂戴をしたのですが、そのときの私の率直な印象は、普通の職場でも育休、産休あるいは病気療養で仕事ができない、休まれる方というのはごく普通にいらっしゃるわけですね。そういう場合は、代わりの方が見付かれば代わりの方に仕事をしていただく、仕事が代わりの方が見付からないのであれば、現有の勢力で何とかお互いに助け合って穴を埋めていくということになっております。  私の考えでは、育休、産休あるいは病気療養ということであれば、きちんと休んでいただいた方がよろしいのではないかというのが私が受けた印象でございまして、そのときに、やはり代理を立てるまでの必要があるというのであれば、それはそのための憲法の改正をするということになるでしょうし、代理はそう簡単には立てられないということでありましたら、それは冒頭の私の報告の中で申し上げたように、ペアリングという形で何とか数のバランスは取るということはあり得るように思います。  そして、御指摘の代表という概念の多様性、多様化というのは、確かに今、憲法学上問題になっている話でして、全国民を代表するというのが、一体としての政治体の声が何なのかというのを決めるという意味での代表なのか、それとも全国民の方々の多様な意見を代弁するという、そういう意味での代表なのか、あるいは社会のいろいろな要素を反映するという意味での代表なのか。  この三つの要素は、実は相互に矛盾するところが様々な側面で出てまいります。ただ、実定憲法学者として申し上げますと、最高裁の判例が度々指摘しているのは、まず第一の、全国民の、いかなる特定の団体や出身母体にもとらわれないで、全国民の意思を決定するというのが本当の代表だというふうに言っていますので、まずはそこが柱であろうというふうに考えております。

丸川珠代自由民主党・国民の声

○丸川珠代君 ありがとうございます。  赤坂先生に一問だけ伺います。  審査ということがこのドイツの議論の中にございますが、これは採決を含みますか。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) いや、審査し、それは、本会議でいう審議ですね、これに対応する概念として使っているんですけれども、審査し表決するというふうに用いております。

丸川珠代自由民主党・国民の声

○丸川珠代君 ありがとうございます。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 打越さく良君。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 赤坂参考人、長谷部参考人、ありがとうございました。大変勉強させていただきました。  それで、いま一度、五十六条一項の出席の解釈について長谷部参考人に伺いたいと思います。  衆議院憲法審査会のまとめでは、ちょっとその五十六条一項の出席の概念についてと、小西委員の配付資料にありますけれども、一枚目にありますけれども、概念についてというまとめがあるんですが、その中では解釈の論理というものがいまいち、いま一つ不明確かと思われます。  そして、五十八条の議院自律権を援用してオンライン出席を出席という議論が大勢だったということなんですけれども、そこで伺うのは、小西委員の資料の三ページ目に、高橋和之東京大学名誉教授の方で、衆議院憲法審査会でお話しされたことが載っているんですが、議院自律権は運用の柔軟性を認める根拠とはなるとしても、憲法条文の解釈の柔軟性を認める根拠とはなりませんということをおっしゃっています。  そうすると、議院自律権はあくまでも憲法五十六条の規範の範囲内でのみ行使できるという理解でよろしいかどうか、教えていただければと思います。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 高橋先生はこうおっしゃるんですが、まあ高橋先生はこうお考えだという、そういうことなんだろうと思います。つまり、五十六条という、五十六条の規定というのは準則としての性格がとても濃い、であるから、あくまで文言にこだわって例外は許さないと、そういう考え方でいくべきだというのは、高橋先生はそうお考えなんですが。  ただ、先ほどイギリスのバッコーク判決の事例も出してお話を申し上げましたが、準則だからといっていつもいつも文字どおりに律儀に従うべきか、だから消防車も赤信号は通過しないということでいいのかと、そういう問題は私はやはりあるんではないかと考えております。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 ありがとうございます。  赤坂参考人に伺います。  議会が政治的な正統性を確保し文化的な意味構築を行う場所という御指摘は大変興味深く拝聴いたしました。「政治空間と法」という論文についても拝読させていただいたんですけれども、統治行為が、統治構造が作動するためには具体的な場が必要であると御指摘されて、審議の場、さらには国権の最高機関としての権威を象徴するという権能を備えた場は国会議事堂であり、オンラインでは困難であるということに導かれるのではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。象徴的な権能を備えた場という意義に着目すると、そもそも改憲の要否以前に国権の最高機関であることとの緊張関係というものが生じるのではないかと思ったんですが、いかがでしょうか。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) いや、そこ、ちょっとよく分からないですが、国権の最高機関として機能するということと、そこに象徴、国民代表としての象徴的な意義が帰属するということとは特段矛盾しない話だと思われます。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 済みません。その統治行為が作動するためには具体的な場が必要であるということだったので、その議事堂というような場所というものと離れたオンラインということでそれが可能なのかという質問です。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 分かりました。  これは、今日も申し上げましたとおり、原則としてそのような場が可能な限り確保されないといけないと。ただ、一番最後のところで、それだけで本当に全てが済むのかということで、ごく例外的な場合には、議会自体が存立が難しいというような場合には、例外的なオンラインでの本会議審議という戸も閉ざされているわけではないと、禁じられているわけではないと、こういう趣旨で申し上げました。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 ありがとうございます。  その例外的な場とは何かということを伺いたいんですけれども、もうお時間なのでこれで終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 伊藤孝江君。

伊藤孝江公明党

○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。  長谷部参考人、赤坂参考人、今日は本当に貴重な御意見ありがとうございました。  まず、長谷部参考人にお伺いをしたいと思います。  今回のそのオンライン審議を認めるかどうかというところの結論部分として、オンラインでの会議開催を認めない限り、国会としての最低限の機能をも果たすことができないという極めて例外的な事情の存在が客観的に認定される場合というふうにあるんですけれども、先ほども、個人的なというか、主観的な事情をどう考慮するかというところについての言及も少しされていたのかなと思うんですが、そもそも、定足数を充足すると、三分の一は出席可能、集まることが可能ですという状況であれば、もう必要性としては認めないと、オンラインの開催のというふうな形で考えておられるのかどうかというところについて、まず一点確認をさせていただければと思うんですが、いかがでしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 三分の一の国会議員の方々がどの党派かということも限らずに、とにかく用意できるから定足数は満たされているというのは若干乱暴な感じがしないでもないんですね。  そこはやはり、どうも、例えばパンデミックの蔓延というように客観的な事情があって全員はちょっと集まれないと、せいぜい三分の一、あるいは多くて二分の一だというときには、そこは先ほどのイギリスのペアリングの話ではございませんけれども、やはり各会派バランスを取った出席を求めると、そういう考え方はやはり当然出てき得る話でありましょう。  以上でございます。

伊藤孝江公明党

○伊藤孝江君 ありがとうございます。  今の御答弁に対してですけれども、定足数が充足するということで、国会として開かれます、議決ができますという形式的なことだけではなくて、きっちりと実質的な審議をすることができるのか、国会、国民の代表としての機能をそこで実質的に果たすのができるのかどうかということも含めた最低限の機能というところを求めるというお考えということでしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) おっしゃるとおりであろうかと思います。

伊藤孝江公明党

○伊藤孝江君 ありがとうございます。  次に、赤坂参考人と長谷部参考人とお二人にお聞きしたいと思っています。  先ほど議院自律権ということもありましたけれども、どんなふうに判断を、オンライン審議を認めるに当たり判断をしていくのかというところについて、それぞれルールを決めていく、で、誰がか判断をするというときに、結局、参議院、衆議院でそれぞれが決めるということになれば、違う要件をそもそも決めるということもあれば、同じ条件を見ながら違う判断をするという可能性もあるかと思うんですけれども、この国民の代表という位置付けで民意をしっかりと反映した審議をしていくというようなことを考えたときに、衆議院と参議院がオンライン審議を認めるかどうかについて、それぞれ別の判断をしてしまう可能性がある要件を規定するとかということについてはどのようにお考えなのか、教えていただければと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) それは各議院の自律権なので、当然にあり得ることではないかと思います。  実際には、お互い議論をにらみ合いながらするでしょうから、そうならない可能性が高いですけれども、ずれたからいけない、直ちにいけないということにはならないのではないかと考えます。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) これは、例外的な場合にはオンライン審議もあり得るという場合に、それを果たして議院規則の形に落とすかどうかというのは、もう一段階考えなくてはいけないことだろうと思います。  議院自律権として議院規則の制定権とあるんですが、あれについては、実は形式的な議院規則と実質的議院規則という観念が二つ分かれると。実質的には、何らかの議決であるとか、場合によっては慣行で議院の運営の在り方は決められるのではないかという考え方がございます。  そうすると、こういうとてもとても例外的な場合と、そうは起こらないだろうという場合についてあらかじめ規則を定めておくのかという、そういう問題はやはりあるんだろうと思います。ですから、そこはやはり基本的な考え方だけを議決で定めておきまして、実際にそれをどうやって動かすかについては、それはやはり衆議院と参議院とでよく御相談をいただいた方がよろしいのではないか。そういった形でより良い運営というのをできそうな感じが私はしております。

伊藤孝江公明党

○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 浅田均君。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 先ほどの続きの質問をさせていただきたいと思っております。  今、たまたまこういうコロナという病気がはやっていると、三密を避けろという大前提条件がある。他方、通信回線だけは生きていると。二つの条件が合わさって、オンライン国会とかオンライン集会とかいうことが問題になっているわけなんですけれども、この例えばオンライン網、電気通信網、通信網も破壊されているというような場合に、これ、そういう事態は想定していたのか。  赤坂先生に特にお伺いしたいのは、ドイツのその緊急事態というとき、単にコロナというのとそれからオンラインが可能であるということからこういうことを議論されているのか、あるいは、もっとその通信網自体も破壊されてしまっている場合に、緊急事態としてどういうことが必要なのかという議論がされたのかどうか。されたとしたら、その結論はどうだったのかというのを御教示いただきたいと思っております。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 御質問ありがとうございます。  今回のさっき御紹介したものはあくまでコロナ対策限定での話ですけれども、その他御紹介しなかった幾つかのシステムというのがありまして、これ、著名なその防衛上の緊急事態が発生した場合に合同委員会が議会に代わるとかですね。それ以外にも、これは議会に対しての規律ですけれども、執行部が自然災害などの場合に警察、まあ連邦国境警備隊の軍事力を使うことができるとか、ラントの存立に対する危険の防止とか、まあこれも連邦制との絡みで設けられているものですけれども、こういった緊急事態についても想定はしています。  ただ、ネットワークそれ自体が今度うまく機能しないという具体的な状態について、それに特定の対処が、固定的に、具体的に定められているかというと、現状ではそうなっていないですね。  以上です。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 ありがとうございました。以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。  今日、赤坂参考人、そして長谷部参考人、ありがとうございます。御両人の憲法改正する必要はないという点に関しては、私も同じ意見です。  長谷部参考人にお聞きをいたします。  議院の、というか、今日、出席ということを、やっぱり極めてそのプレゼンスという概念を使われて非常に大事なものだとおっしゃったことは、またそのとおりだと思います。取締役会も持ち回り決議駄目ですし、裁判所もやっぱり直接主義、口頭主義です。その意味で、そうだと思いますし、また、これを緩めることによって、大臣の出席、証人の出席などが本当にオンラインで可能となったら大変なことになりますので、それは本当にそのとおりで、示唆をいただいたと思います。  ただ、例外を認める、つまり議院の自律権によって決めることには限界があるんじゃないか。何でも決められるわけではない、議院が決めれば何でもできるわけではないと思います。その限界というのは一体何でしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 限界が何かというのをあらかじめ申し上げるのは大変難しいんですけれども、まず一つ申し上げたいのは、議院の自律権に基づく決定ですということは余り表立っておっしゃらない方がよろしいのではないかと、何度も申し上げますが、そういうふうに考えております。  それからもう一つ、私がこの冒頭の報告の中で申し上げておりますのは、やはり物理的な出席は不可能だと誰もがそう思う客観的な事情があるという場合にのみ、その例外的にオンラインでの審議を認めるということはあり得るのではないかという話ですので、そういった事情では大体の人が、こういう事情だな、無理だなと、大体の、大体と申すのは全ての会派の方々がそういうふうに納得をする場合、それがこういった場合に当たるのであろうと思います。  そういった場合にしか認めないということであれば、そんなにどんどんそういったオンライン審議が拡大をしていくということにはならないだろうというふうに私は考えております。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 国会による、五十六条出席の運用解釈による五十六条規範の範囲内でしか議院に自律権は行使できないということが本当に必要で、そうでないと、本来の規範を超えて、何でも議院自律権でできるということになるのではないか。改めてお聞かせください。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 議院自律権で決めるというのは、先ほども申し上げましたけれども、何だか我々がそう言うんだからそうなんだというふうに言っているかのような、そういうふうに誤解を受ける可能性もあるだろうと思います。  裁判所の例を出しましたけれども、裁判所が判決を出すときにも、我々は司法権があるんだからこういう判決を出すんだとは言わないわけで、なぜこの判決が正しいのかというその理由を、実質的な理由を判決理由の中で述べるものだと思います。ですので、その実質的な理由をきちんと明らかにした上で例外も認めますということであれば、やはりどんどんそれが広がっていくという歯止めにはなるのではないかというのが私の考えでございます。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 長谷部参考人は、パンデミックが蔓延した場合ということに極めて例外的に書いていらっしゃいますが、これ感染症の蔓延、大規模災害による交通途絶で考えるのか、各議員の個別事情などで判断するのか。それ、いかがでしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) 各議員というのは、メンバーという意味での議員でありましたら、それは私は認めないという考え方でございます。ハウスという意味での議院が、もう集会が困難だという場合であれば、これは別にパンデミックに限定しなくてはいけないという理由はないだろうというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 議会は公開しなければなりません。公開というのは、オンラインの場合、どうなるとお考えでしょうか。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) これ、実際に技術的な問題になってまいりますので、ですから、どれだけの人がそこに傍聴者として参加できるようなネットワークを本当に具体的に構築できるかという話になってくると思うんですね。これは、私、素人ですからはっきりしたことは何も申し上げられないんですけれども、セキュリティーもきちんとしていて、しかも傍聴人が誰でも見ようと思えば見られるようにして、そして、小西先生がおっしゃったとおり、それぞれの議員が自由闊達に議論を繰り広げられるという、そういうネットワークを実際に構築するのには恐らくとてつもないコストが掛かるのではないかと思います。  ですから、法理論として例外的には可能なのではないかということだといたしましても、現実にこれをどういう形で進めていくのか、いかないのかというのは、それこそ各議院の御判断ではないかというふうに考えております。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 柴田巧君。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございます。日本維新の会の柴田巧です。  今日は、両参考人の先生方には、本当にどうもお忙しい中、ありがとうございました。  まず最初に、長谷部参考人にお聞きをしたいと思いますが、オンライン審議の具体的な要件についてお尋ねをしたいと存じます。  先ほどのレジュメの中にも、オンラインでの会議開催を認めない限り、国会としての最低限の機能も果たすことはできないという極めて例外的な事情の存在が客観的に認定される場合に、必要最小限の範囲においてこのオンラインでの会議開催を認めることはあり得るということでございました。  既に一部お答えになっている部分もあるというふうに認識をしておりますが、改めて、この極めて例外的な事情の存在が客観的に認定される場合の具体的な要件というのはどういうことなのか。その後に続くその必要最小限の範囲内というのはどのレベル、どの範囲をお考えになっていらっしゃるのか、教えていただければと思います。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) どうもありがとうございました。  これは基本的な考え方を示しているところでございまして、これは、ですから、おっしゃるのは、どこまでブレークダウンすることが可能なのかという、そういう御質問なんだろうと思います。  こういう、めったに起こらないだろう、果たして起こるかどうかもよく分からないという、そういう状況が一体どういう要件なのであって、それに対応するためにどの範囲が最小限、必要最小限と言えるのかと。あらかじめこれをブレークダウンしていく形で事細かに判断をしていくというのは、これは本当に困難だろうと思います。  先ほど私が、果たしてこれを議院規則という形に落とすことがよいのかどうかという点について疑問を申し上げたのもそれが一つの理由でございまして、議院規則に落とすことができるほどまでは、そういった要件とか、どういう場合なのかとか、何が必要最小限なのかと、あらかじめ詰めておくことはとてもとても難しいだろうというふうに考えております。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございます。  それでは次に、両参考人にお尋ねをしたいと思いますが、今日のいろいろ議論もお聞きをして、また昨今、この今のパンデミックもそうですし、毎日のように日本列島が揺れております、この東京始め大きな地震がいつ来るとも限りません。そして、今ウクライナで起きていることは決して対岸の火事ではないと思いますと、これまでの想定を超えるやっぱり事態に備えるために、憲法上、その緊急事態において国会機能の維持についてのやっぱり規定を置く必要があるのではないか。  国会を麻痺させない、先ほど赤坂参考人も緊急時こそ審議の充実というお話もされましたが、やはりそういうことをしっかり想定をして、憲法に、この国会の機能を麻痺させないで維持させるというものを、条項をやっぱり盛り込んでいく必要があるのではないかと、そういう議論を始める必要性が高いのではないかと思いますが、両参考人に基本的な御認識をお聞かせいただければと思います。

赤坂幸一九州大学大学院法学研究院教授

○参考人(赤坂幸一君) 御質問ありがとうございます。  この集まれないからどうするという、このオンライン会議の問題に限って、仮に限って申し上げますと、どういった事情で今集まれないのかによって対処策も異なります。その要件をあらかじめ広く設けて定めると、あるいは具体的に設けて定めるということはなかなか困難ではないかと思われます。  もっと広く、そもそも議会自身が麻痺してしまうと、まあ何らかの外敵かもしれませんし、そもそも津波が襲うとか、いろいろ何が起こるか分かりませんが、そういった場合に、もし議会に例えば代わるような組織を設ける、暫定的に代わるような組織を設けるとかいう話になれば、これはやはり憲法改正が必要になると、その是非はともかくとして、憲法改正が必要になる話であろうと考えます。

長谷部恭男早稲田大学大学院法務研究科教授

○参考人(長谷部恭男君) どうもありがとうございます。  先ほどのドイツ、フランスの緊急事態条項、憲法上の緊急事態条項の例も申し上げましたけれども、要するに権限をどこかに集中をしていくと、連邦国家なので各州に分かれている権限を集中しないといけない、あるいはフランスの場合で申しますと、行政権にいろいろな権限を集中をしていくということなんですが、日本の現在の憲法の下でどこまでそういう集中を特別に規定する必要があるのかどうかと、そういう問題なんだろうと思います。  先ほど、七十三条の制定の経緯との関係で申し上げましたけれども、緊急事態がありそうだというのであれば緊急事態に対応する法律をあらかじめ作っておくと、法律の中でどういう対処をしなければいけないかということを規定をしておくということが今でもできるわけですので、それはやっていいんだろうと思います。  それから、国会をその場合、召集をして、ちゃんと審議をし、機能しておくような状態にしなくてはいけない。内閣はいつでも臨時会を召集できますし、国会議員の方々が召集を要求することもできるわけですから、本当に緊急事態条項を特別に作る必要があるのかという点も含めましてお考えいただく必要がありそうな気が私はしております。  以上でございます。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 他に御発言もないようですから、参考人に対する質疑は終了いたします。  参考人の皆様には貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。審査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時散会

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