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208回国会参議院2022/03/23

憲法審査会 第1号

発言数
65
登壇者
23
会派数
7
開催日
2022/03/23

会議録

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  幹事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在幹事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  幹事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 御異議ないと認めます。  それでは、幹事に柴田巧君を指名いたします。     ─────────────

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。  本日は、憲法に対する考え方について意見交換を行います。  まず、各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。  全体の所要は一時間四十五分を目途といたします。  発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。  また、御発言は着席のままで結構でございます。  なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。  それでは、まず各会派一名ずつ、各五分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。  石井準一君。

石井準一自由民主党・国民の声

○石井準一君 まず、今国会最初の参議院憲法審査会が円満に開催されたことを大変うれしく思っております。ここに至るまでの与野党幹事の皆様方の御理解、御協力に深く敬意と感謝を示したいと存じます。また、衆議院において憲法第五十六条第一項の「出席」の概念について議論を行い、例外的にいわゆるオンラインによる出席も含まれると解釈することができるとの意見が多かったとする報告書をまとめられたことに敬意を表したいと思います。  昨年五月の参議院憲法審査会でも申し上げたところでありますが、憲法は国民のものであります。国民投票で憲法改正について最終的に判断を下すのは国民の皆様方であります。であるからこそ、国民の皆様方に憲法についての案を示す役割を持った国会における参議院憲法審査会では、憲法、そして憲法に関する課題について、それぞれの意見を率直に開陳をし、じっくりと議論を深め、その議論を通じて国民の皆様方に広く理解を得る努力を続けていかなければならないと考えております。  その上で、私が参議院憲法審査会で議論を深めていかなければならないと考えている事項について申し上げます。  まずは、国のあるべき姿を示す憲法はいかにあるべきかという議論を進めることが大事だというふうに考えております。  私ども自民党は、改正の条文イメージとして、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実の四項目を提示をしております。  我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを一段と増しております。ロシアによるウクライナ侵略は、二十一世紀の時代においてもこのような国際世論を無視した力による現状変更が行われ得る脅威があることを改めて突き付けました。さらに、感染力の強い新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、高い確率で発生が想定される南海トラフ地震や首都直下型地震などの巨大地震と並んで、国会が機能すべき事態のときに国会機能が麻痺してしまう憂慮すべき事態を顕在化させてしまいました。いつ感染力や病原性の強い新たな変異株や巨大地震、津波がやってくるか分かりません。  そこで、衆議院において報告書をまとめたオンライン審議につきましては、参議院改革協議会において、主な論点における検討項目案と具体的検討としてデジタル化、オンライン審議が挙がっていることから、そちらで議論をしながら、本憲法審査会では、まさに現行憲法に規定のない緊急事態対応に関して、緊急事態における議員任期の延長等について早急に検討していく必要があると考えております。  我が国の社会経済環境、そして国民の意識も、憲法施行後七十五年になろうとしている歳月の中で大きく変化をしております。とりわけ参議院は、地方代表、職域代表から成る院として二院制の一翼を担ってきたわけでありますが、大都市圏への人口集中と地方の過疎化により、投票価値の平等の追求の中で政治的、経済的、社会的、歴史的に一体性を持つ都道府県、そこから参議院議員を選出できない制度になっております。  この点について、全国知事会など地方六団体からも見直しの要望が出され、合区対象県での投票率の低下などの弊害も現れております。投票率の低下は民主主義の危機と言われていることから、現在、参議院改革協議会において、参議院の在り方、それを踏まえた選挙制度について検討が進められておりますが、それはそれとして、憲法審査会では、憲法の観点から合区解消についても議論すべきであると考えております。  毎年、マスコミ各社は、憲法記念日の前後に憲法に関する世論調査を行います。昨年の結果を見ると、国会、とりわけ憲法審査会でしっかり議論すべきという国民の声であったというふうに受け止めております。  激変する環境の中で、国のあるべき姿を示す憲法はいかにあるべきか。参議院憲法審査会での議論をしっかりと進めていくことが国民の期待に応えるものであると申し上げたいというふうに思います。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之です。会派を代表して、憲法に対する考え方を述べます。  まず、全ての論議の前提として、憲法審査会が担う憲法及び国会法上の法的任務について共有をお願いしたく存じます。  お手元の資料ですが、憲法九十九条は、当審査会に集う全ての議員に憲法尊重擁護義務を課しています。そして、憲法審査会の所掌事務を定めた国会法百二条の六は、日本国憲法及び憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行いと明記し、この趣旨について、次のページですが、去る二月二十四日の本院予算委員会で、衆参の議会法制局長は、憲法違反に関する調査はまさしく含まれ得る、憲法違反の事実などが生じていないかといった事項も当然に含まれていると明言しております。  すなわち、本審査会は、各議員の憲法尊重擁護義務の下に、主権者国民の最高法規憲法について、議会や政府はそれに違反していないかを調査審議する法的責務を国会法により課せられたただ一つの委員会なのであります。言い換えれば、憲法審査会は、憲法違反問題の調査審議により主権者である国民の手に憲法を取り戻し、同時に、憲法がよって立つ法の支配と立憲主義を立法府において守り、再生するための委員会であるのであります。  そして、まさにこの実践として、本審査会においては、平成二十八年より、集団的自衛権行使の容認などを始めとするあまたの憲法違反問題に関する幹事会協議事項が積み上げられております。  したがって、私ども会派は、憲法審査会が開催されたときは必ず、臨時国会召集義務違反などを含め第二次安倍政権以降の様々な憲法違反問題の調査審議を求め、憲法違反を犯した政府の存立に責任を有する与党の先生方などに対して見解を質問等させていただく所存です。こうした本審査会の運営こそが、平成二十六年本審査会附帯決議一項、二項の立憲主義及び憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義に基づいて徹底的に審議を尽くすの趣旨にかなうものと考えます。  さて、与党や一部野党の改憲提案は、憲法の基本原理そのものを毀損してしまう、政策的に不要と思われる、法律で対処できるものなどに属するのではと考えておりますが、立憲民主党は、立憲主義に基づく論憲との方針に基づき、種々の憲法問題について主体的な検証を重ね、必要と考えるものは本審査会での議論を求めてまいります。  具体的にはオンライン国会がありますが、衆院憲法審の議論の大勢の報告は、与党や一部野党による不合理な毎週開催の要求のためと解されますが、国民主権原理などとの関係や根拠とした議院自律権に係る論究がうかがえず、慎重な精査が必要と解されます。  また、最高裁判決への対応が必要な合区問題については、我が会派はこの間、参議院に地方問題を調査審議する機能を付与する国会法の改正などにより憲法改正を行わずに合区を廃止する方法を提案しておりますが、これは複数の憲法学者が支持するものであり、本審査会で議論を深める用意があります。  さらに、衆院憲法審で議論の要求がなされている国会議員の任期延長の憲法改正、すなわち衆議院議員の任期満了後に参院緊急集会が使えないとする問題については、任期満了までに必ず総選挙を終えるようにする国会法及び公選法の改正によって憲法改正によらずに解決できるものと考えております。  加えて、日本維新の会の安保法制を理由とする憲法裁判所の設置については、行政事件訴訟法を改正し、憲法九条に関する民衆訴訟を設ければ解決すると考えます。  以上のような我が会派の論究は、立法措置によって解決可能とすることができるかどうか徹底的に審議を尽くす、すなわち憲法改正の必要性及び合理性に係る立法事実がないものは憲法論議の対象としないと定める本審査会附帯決議三項の実践と認識しております。  さらに、我が会派は、当然に、国民投票法附則四条のCM広告規制、あるいは宿題となっている最低投票率制度などの附帯決議事項の議論も求めてまいります。  最後に、さきの衆参の議会法制局長の答弁にあるように、憲法がその趣旨どおりに実施されているかどうかに関する調査も本審査会の任務とされております。すなわち、国難のコロナ禍やそれ以前の格差社会の広がりなどにおいて、憲法十三条の個人の尊厳尊重、二十五条の生存権確保、必要な医療あるいは今日明日の衣食住に欠く国民、論理的説明が拒否された、憲法二十四条は同性婚を想定していないとの政府解釈の下で基本的人権を侵害されている国民などが多数生じております。  立憲主義に基づく論憲の力によって、改憲ありきの不要不急の改憲論議等に真っ正面から対峙し、かつ憲法違反を正し、憲法の価値を具現化していく、そうした審議を求める決意を申し上げて、私の意見とさせていただきます。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 矢倉克夫君。

矢倉克夫公明党

○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  会派を代表し、憲法に対する考え方との議題に関し、本日は新たな課題として、まずデジタル社会と憲法について、そして参議院として特に重要である緊急集会について述べさせていただきたいと思います。  まず、デジタル社会と憲法について。  急速なデジタル技術進展の中、人権や民主主義という憲法価値がどう守られるかが議論になっております。背景に、いわゆるGAFAに象徴される巨大プラットフォーマーが情報分野における新たな統治者として存在感を増していることが挙げられます。  特に、これらプラットフォーマーによりユーザー個々の移動や検索の履歴、思考、関心事項、その他の個人情報がプロファイリングされ、その特定された個人情報を基に利用者の関心度が高いものを購入させるマイクロマーケティングが行われているのみならず、ネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴をアルゴリズムにより分析し学習を重ね、個々のユーザーが見たいであろうと推測される情報を優先的に表示させ、逆にユーザーの考え方に合わないと推測される情報からは遮断させるといったことがなされていることも指摘をされております。結果、ユーザーは自身の考え方や価値観のバブルの中に孤立してしまうフィルターバブルに置かれる。  これらは意思形成過程に大きな影響を及ぼすものであり、憲法上の人権の観点から見た場合、第十三条前段の個人の尊重の観点、とりわけ十三条後段の幸福追求権に基づくプライバシー権や個人情報保護法制も併せ考えた場合における情報自己決定権、自己の個人情報の開示及び使用について原則として自ら決定する権利への抵触の懸念が出ています。また、十九条の思想及び良心の自由の規定においては、自律的、自発的な意思形成過程への阻害要因となる可能性もなしとしません。  さらに、AIによる採用面接への振り落とし等、プロファイリングによる差別は十四条の関係でも議論し得ます。この人権の観点に加え、十五条の選挙権、二十一条の言論の自由という民主主義社会形成の基本となる人権の行使に対し、今後更に発展するであろう巨大プラットフォーマーがどのように影響を与えていくのか、今の我々が想像も付かない問題点も出てくる可能性もございます。  一方、では、憲法の基本的人権の規定を改定し対応すべきかについて、巨大プラットフォーマーの出現という民間権力との関係を人権一般の普遍的課題として捉えるべきか否か。そもそも、日本国憲法のように規律密度が相対的に薄い成文において、この問題をあえて明文で規定すべきか否かなど、様々考慮すべき事情はあるかと思います。憲法レベルではなく法律による規制でもいいのではないかという御意見もあるかと思います。今後、プラットフォーマーがどのような発達や変貌を遂げるかを見極めつつ、慎重に議論を進めるべきと考えます。  次に、参議院の緊急集会について意見を申し述べます。  まず、日本国憲法が参議院の緊急集会を認めていることは、参議院が衆議院と同じ全国民の代表であることを表したものであるということをまず強調いたします。  その上で、近時の甚大な自然災害の増加や安全保障上の緊急事態の発生可能性の増大を踏まえ考えたとき、今後、参議院の緊急集会の意義はますます高まることが考えられます。私たちは、院の自律性に関わる問題として、この参議院の緊急集会の開催の要件や手続、権能や効果等について更に議論を深めていく必要があります。  特に、参議院の緊急集会の開会要件については、憲法は明文的に、衆議院が解散されていること、国に緊急の必要性があることの二つを規定します。一に、このうち、近時、解散による衆議院の不存在と、その任期満了による不存在についての質的な差異がなく、憲法の規定はあくまで衆議院の存在がない例として解散を定めたにすぎないとする有力な説もあります。この説によれば、解散のみならず任期満了時も衆議院が院を構成できない場合として参議院の緊急集会を開催できることとなります。これは、大規模自然災害等において衆議院の任期を延長できるかという議論にも影響を与えるものですが、傾聴に値すると考えます。  次に、後者について。国に緊急の必要性があることの判断は内閣のみに専属するのか、また緊急集会による参議院の承認を衆議院が次の国会の開会後十日以内に承認しなかった場合の効果をどのように考えるのか。特に、自衛隊法第七十六条に基づく自衛隊の防衛出動の承認の場合、仮に不承認となったときの影響、予算の執行などとこれは違うものがあるわけであります。  どう考えるかなど、今後、参議院の緊急集会の開会における要件や手続、権能等は更に議論すべき課題は多く、これらについても参議院の院の自律権の問題として真摯に議論すべきことが重要であることを述べ、党を代表しての意見表明といたします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 足立信也君。

足立信也国民民主党・新緑風会

○足立信也君 国民民主党・新緑風会の足立信也です。コロナ禍ではありますが、体調は万全でございます。  それでは、我が会派の憲法に対する考え方を申し述べます。  憲法は国民のものである。である以上、国民の議論への参加が不可欠です。憲法第九十六条では、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で国会が発議することになっています。しかし、改正内容への国民の参加こそが重要であると考えます。その狙いは、国民とともにこの国の形をつくり上げることにあるからです。そこには、人権尊重、国民主権、平和主義という価値の継承が土台となります。  憲法施行後間もなく七十五年という中で紛れもなく大きく変化したのは、デジタル社会、サイバー空間の拡張です。現行憲法が人権尊重をうたいながら、個人の尊厳がデジタル社会、サイバー空間の中で保たれているか。具体的には、AIの利用によって個人をある類型に当てはめてしまうといったこと、遺伝子や遺伝情報の利用、第三者への情報提供を利用した、例えばGAFAなどが実質的な統治者になり得ること、デマやフェイクニュースあるいは社会の分断をあおる行為等、デジタル社会、サイバー空間の拡張に対応したものになっていないのではないかと思います。それは、日本国籍を有する国民に限らず、永住権を持たない入国者や外国人にも及んでいません。  現行憲法には、法律で定めるという条文が二十五か所、単語数は僅か四千九百九十八しかありません。地方自治に至っては、僅か四か条にすぎません。平和安全法制の議論を挙げるまでもなく、政府解釈の積み重ねと変更を繰り返してきました。明文規定をする必要性が高いと考えます。  このことは、三権分立とはいえ、内閣の権力強大を招いており、平時はもとより、緊急時における三権の確立も保障されなければなりません。  まず、緊急事態の要件としては、さらに強毒性の感染症パンデミックや、経済危機、武力攻撃などが挙げられます。内閣の権限の強化とその限界の明記、国権の最高機関としての国会の機能の維持、これは召集義務や任期、解散権に及びます。  行政、立法分野での憲法適合性を一般的に評価する司法システムなどが緊急事態において必要性の高いものであると考えます。  以上が、憲法に対する考え方の、基本的な我が会派の考え方の一部を表明いたしました。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 柴田巧君。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  憲法審査会の開催の在り方、また憲法改正に対する我が党の基本的な考え方を申し上げます。  今般、憲法審査会がようやく開かれることになりました。開催に当たり御苦労された関係の皆さんには敬意を表しますが、私どもは、たとえ予算委員会等が開かれていても、定例日にはこの審査会を開くべきだと主張してまいりました。なおも出口が見えないコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻など、日本を取り囲む環境が大きく変わったときだからこそ、憲法に関わる諸問題や改正をめぐる論議を活発化させることが国会の使命だと考えます。  今後は、粛々と定例日にこの審査会が開かれることを強く要望をしておきます。  また、どれだけ開催することに意義があるとはいえ、同じような内容ばかりいつまでも意見表明し合っても意味を成しません。早急に具体的なテーマを定め、分科会等で集中的に討議をして、一定の取りまとめがなされるべきであります。  したがって、この憲法審査会に名前を連ねている会派におかれては、憲法改正項目があるのかないのか明確に意思表示をして、あるのであれば、なぜその項目なのか、またどのように具体的に変えるのかを憲法審査会に持ち寄り、議論のテーブルにのせるべきです。このことを特に強調しておきたいと存じます。  さて、憲法、日本国憲法が公布をされて七十六年がたとうとしていますが、憲法が国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という基本的価値観を定着させた点を正当に評価しつつ、未来に向けた課題解決型の憲法論議を深めていく必要があります。  日本維新の会は、特定のイデオロギーを表現するためではなく、日本が抱える具体的な課題を解決するために憲法改正を行うべきと訴え、平成二十八年三月には、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の三項目から成る憲法改正原案を取りまとめました。  第一の教育の無償化については、近年与野党共に積極的に取り組むようになってきましたが、所得制限なしの教育の無償化、高等教育の無償化などは実現していません。全ての国民は経済的理由によって教育を受ける機会を奪われないことを憲法に明文化します。これにより、学問を修めたい子供たちが経済的な理由で進学できないことはなくしていく必要があります。  第二の統治機構改革についても、東京一極集中を打破して地域の自立を確保し、多様で豊かな多極分散型の国家を築いていくものであり、多くの会派に賛成していただけるものと願ってやみません。  第三は憲法裁判所ですが、政治、行政により恣意的な憲法解釈を許さないよう、法令又は処分その他の行為が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する一審の憲法裁判所を設置します。安保法制等の憲法適格性といった違憲立法審査を公権的に行うことのできる憲法裁判所の必要性については、立憲主義を標榜される皆様にも御理解いただけるものと存じます。  今申し上げた三点以外にも議論すべきテーマがあります。緊急事態条項です。今回のコロナ禍において様々な課題が浮き彫りになりました。公共の福祉の制限の在り方や、主権を制限した場合の補償の問題も議論すべきです。  加えて、国会の機能維持の観点から、議員任期延長の問題にも正面から向き合い、憲法改正の論議を進めていくことが不可欠だと思量します。  さらに、国会議員の免責特権についても取り上げるべきです。  御存じのとおり、国会内における国会議員の発言は、議員の自由な議論を確保するために院外で責任を問われないとする免責特権が憲法五十一条で定められています。免責特権自体は必要な制度でありますが、免責特権の濫用の扱いについては真剣に議論するテーマと考えます。  国会議員同士であれば、意見を闘わせることにより、もし間違っていれば正すことが可能ですけれども、国会議員以外の一般の方への誹謗中傷は、その方が国会で反論する方法がありません。院としての品位を保ち、国民の負託に応えるためにも、国会議員による一般人への誹謗中傷は厳に慎むべきであり、国会議員は一般人への批判が根拠なく単に誹謗中傷に当たると分かった場合には、速やかに発言を謝罪、撤回し、発言の残る議事録については院としても速やかに発言の削減を行うべきです。  以上、日本維新の会の憲法審査会の進め方並びに憲法改正についての基本的考えを申し上げました。いずれにせよ、憲法を国民の手に取り戻すために、我が党はこの審査会での議論をリードしていくことをお誓いし、私の意見表明といたします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 山下芳生君。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  ロシア・プーチン政権のウクライナ侵略に強く抗議し、軍事行動の即時中止を求めます。  プーチン政権の行為は、第一に武力行使の禁止などを加盟国に義務付けた国連憲章をじゅうりんする侵略であり、第二に原発、病院、民間人を攻撃するなど国際人道法に背く戦争犯罪であり、第三に通常兵器に対して核兵器で対抗する核の先制使用による世界への威嚇であり、平和の国際秩序を大きく脅かすものとなっています。  プーチン政権の無法に国際社会がどう対応するか、今、人道支援が急務です。我が党は募金運動に取り組み、先日、四千万円をUNHCRとユニセフにお渡ししました。その際、三百万人を超える国外避難民のほとんどが女性と子供であり、心のケアも含めて国際社会の支援が必要となっていると伺いました。日本政府に対し、非軍事の人道支援の強化を求めます。  何よりも重要なのは国際世論です。世界中の国々と市民社会が、ロシアは侵略をやめよ、国連憲章を守れ、国際人道法を守れの一点で声を上げ、力を合わせることこそ侵略を止める最大の力です。プーチン政権が異常な言論、報道の統制、弾圧を行っているのは、国内外の世論の批判を何より恐れているからにほかなりません。  今、世界で戦争反対の声が広がっています。ロシアでも弾圧に抗して広がっています。国連総会では、ロシアの侵略を国連憲章違反と断罪し、即時無条件撤退を求める非難決議が加盟国百九十三か国の七割を超える百四十一か国の賛成で可決されました。ロシアによるクリミア併合強行に対する国連総会非難決議への賛成が百か国だったことを見ても、世界は着実に進歩しています。  国際世論でロシアを更に包囲するために、今回の非難決議に棄権、退席した四十七か国に対し、侵略を非難し軍事行動の中止を求める立場に立つよう働きかける外交が重要です。我が党は、この立場から駐日ベトナム大使との会談などを開始しましたが、日本政府にこの点での外交活動の強化を強く求めたい。  ロシアのウクライナ侵略を見て、日本の平和は大丈夫かと心配する声もあります。しかし、相手が軍事、核兵器、力の論理で来たときに、こちらも軍事、核兵器、力の論理で対抗すればどうなるか。軍事対軍事の果てしない悪循環になり、一番危険なことになります。我が党は、日本、米国、中国、ロシアを含む東アジア・サミットを強化し、東アジア規模での友好協力条約を展望しているASEANと協力し、東アジアを平和と協力の地域にしていく憲法九条を生かした外交戦略こそ必要だと提案し、岸田首相も否定できませんでした。  ところが、岸田政権の対応は軍事一辺倒となっています。岸田政権の言う敵基地攻撃が、相手国の領空に入って爆撃することも自衛の範囲として排除しないものであることが明らかとなりました。憲法九条と到底相入れるものではなく、九条改定が日本を軍事対軍事の危険な道に引き込むことは明瞭です。  さらに、この機に乗じて、一部の政治家や政党から核共有の議論が起こっていることは看過できません。プーチン政権の核による威嚇を目の当たりにして、今世界が痛いほど感じているのは、核兵器は人間に持たせてはいけない絶対悪の兵器だということです。そのときに、核による脅威に核で対抗するとの議論を行うことは、プーチン政権と同じ立場に身を置くことになります。世界がこんな対応をすれば、人類は破滅のふちに追いやられてしまいます。核兵器の脅威をなくす方法は、核兵器を世界から廃絶することしかありません。プーチン政権の言動を見るなら、それはいよいよ急務となっています。  唯一の戦争被爆国である日本の政府が、核共有などという議論を退け、核兵器禁止条約に参加することを強く強く求めて、意見表明とします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 渡辺喜美君。

渡辺喜美みんなの党

○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美であります。  本日、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の演説がございます。何をおっしゃるか、大変関心を持ってお聞きをしたいと思います。  ウクライナは非核三原則を持っている国でありました。また、バイデン大統領が副大統領の当時、六回ウクライナを訪問をし、NATO加盟をさんざん勧めた経緯がございました。しかし、それはかなわなかった。非核三原則や非同盟ということでロシアの侵略は止められたのかと、残念ながらそういう具合にはならなかったわけですね。  ゼレンスキー大統領は、ウィンストン・チャーチルの言葉の魔術師と言われる演説に大変感化を受けておられるようであります。何年か前に、ゲアリー・オールドマン主演の「ウィンストン・チャーチル」という映画がありました。その中で、チャーチル首相とルーズベルト・アメリカ大統領が電話で会談するシーンがあるんですね。チャーチル首相がアメリカから購入した戦闘機を早く手渡してくれと言うんですが、ルーズベルト大統領は、いや、中立法というのができちゃって駄目なんですよ、カナダ国境まで馬車で取りに来てくれないかみたいな話が出てくるんですね。  どうも今のやり方見ていると、そんな状況をほうふつとさせる。情報は提供する、武器もある程度提供する、しかし空域禁止の設定はしない。でも、チャーチル、ルーズベルトの電話会談、一九四〇年の五月頃だったらしいですけれども、もう既にそのとき第三次世界大戦は始まっていたんですね。後世の歴史家は、もしかしたらもう第三次世界大戦が始まっていたと言うかもしれません。  日本は、不戦条約、ケロッグ・ブリアン条約の系統の憲法第九条を持っております。しかし、現実の国際状況というのは必ずしも憲法九条どおりにはなっておりません。昨日も岸田総理に申し上げたんですが、リアリズム外交というものを徹底してやるのであれば、バランス・オブ・パワー、力の均衡というのは抜きに語れませんよと申し上げました。日本では、憲法九条が示すように、半人前の国家と。こうしたことで、一人前の国家戦略というのは到底立てようがありません。  なぜ日本で憲法改正が遅れたのか。それは、党派性が余りにも強過ぎた、政争の具に憲法改正が成り下がってしまったからであります。憲法四十三条では、国会議員は全国民を代表する議員と規定しています。憲法改正の発議権というのは各議員、個人個人の議員が持っている。この際、各党とも憲法改正の発議に関しては党議拘束を掛けないという宣言を出すべきではなかろうかと思います。  私からは以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 以上で各会派の意見表明は終了いたしました。  次に、委員間の意見交換を行います。  一回の発言時間は各三分以内でお述べいただきたいと存じます。  なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。  西田昌司君。

西田昌司自由民主党・国民の声

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  我が党の基本的考えは先ほど幹事の石井先生がお話しになりましたけれども、自衛隊の明記とそれから緊急事態条項、さらには教育の充実と合区の解消ということでありますが、特に自衛隊や緊急事態条項というのは、考えてみれば独立国家なら当然の話で、自分の国を守り自分の国民を守る仕組みを憲法に明記しておくのは当たり前の話ですが、なぜそれが書かれていないのかと。  それは特に憲法ができた最初の出足のところからあるわけですが、御存じのように、日本のこの憲法は昭和二十一年の十一月三日に公布をされて二十二年の五月三日から施行されていますが、これはあの敗戦の真っただ中であります。GHQに占領されていた時代に作られたと。そして、それがために自分たちに主権がないわけですから、このいわゆる緊急事態条項も自衛権も認められないというような形で作られてきたと。  これが、独立を回復してからは、いわゆる解釈改憲的な形で自衛権は当然あるんだという形になっていますけれども、それをもう一度しっかり憲法上に明記をしようというのは当然のことだろうと思います。  しかし、それだけではなくて、私は、この日本国憲法に書かれている内容そのものがそもそもGHQに作られたものですから、日本人の伝統、精神とかなり懸け離れたところにあるというのを随分前から感じておりました。  なぜそうなったのかなということを考えると、実は元々の明治憲法、明治憲法が作られたのは明治二十二年の二月十一日で、施行されたのが十一月、二十三年の十一月二十九日ですが、同時にこのときから帝国議会が始まりました。そして、その中でいろんな議論がされてきましたが、そのときに、この明治憲法作られたときに同時に作られたのが実は教育に関する勅語なんですね、いわゆる教育勅語。これが明治二十三年の十月三十日に公布されています。ここに、法律事項ではありませんけれども、日本人の伝統的な価値観というのをそこに並べて、日本人のこの考え方がずっと長らく保つことができたんですが、これも実は終戦によって昭和二十三年の六月十九日に無効確認ということがされてしまっております。  憲法を論じるときには、こうした歴史的経緯を含めて考えていかないと私は議論することはできないんじゃないかと思います。  ウクライナ問題も、力による現状変化は当然否定しますけれども、その背景にある歴史的事項を我々考えないと、軽々に発言するものではないと思っております。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 熊谷裕人君。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。  私の方からは、現行憲法下で、第四十五条、四十六条の衆参議員の任期についてというところから議論を始め、解散との関係で憲法七条、六十五条、それから六十九条の関係等整理をしていきたいなというふうに考えております。  また、四十七条の国会議員の選挙と法律の関係、先ほど会派の小西議員の方からもありましたが、衆議院の選挙については、任期内での選挙、国会法、公選法の改正等で対応できるんではないか、そういったことから五十四条の参議院の緊急集会についても併せて考えることができるんではないかなというふうに思っておりますので、その辺の議論を、先ほど公明党の矢倉議員の方からも言及がありましたが、しっかりとこの憲法審査会で議論をしてまいりたいと思っております。  そして、地方議会の議員の出身でもございますので、やはり地方自治につきましても、先ほど足立議員の方から僅か四条しかないという話がございました。国会と地方自治体の関係ということも経験者として整理をしていかなければいけないと思っております。特に九十四条の地方公共団体の権能の中で、私自身は財産管理という観点で自主財源というものが地方自治体に必要ではないかなというふうに思っておりまして、そういった議論をさせていただければと思っております。  また、小西幹事の方から、当会の権能には憲法違反についての調査、審査をする権能があるということでございました。臨時国会の召集権の五十三条の件、そして安保法制、憲法違反だと私どもの会派は断じておりますが、秘書の時代から大変懇意にしておりました藤末議員におかれましては、この安保法制の考え方について、かつて、集団的自衛権の行使を認めるには憲法の条文改正が必要であるといったことであったり、解釈変更、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更は明らかに憲法上の疑義があるというような発言をされているので、大変お世話になりました議員でもありますが、議論をしてみたいと思っております。  よろしくお願いいたします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 藤末健三君。

藤末健三自由民主党・国民の声

○藤末健三君 誠にありがとうございます。  私は、渡辺先生がおっしゃるように、この憲法審査会、各議員議員が自分の主張を繰り広げ、まさしくこの国の在り方を議論すべきだと私は考えております。  私が今日お話しさせていただきました、したいのは、本日、ゼレンスキー大統領のネットによる演説がございますが、今般のロシアによるウクライナへの侵攻、侵略については、国際法、国連憲章を無視した力による一方的な世界平和の破壊であり、多くの民間人をも巻き添えに、多大なる尊い命を犠牲にした許されない違法行為であります。  これから恐らく、国際秩序や国際連合を含むこの安全保障の体制、大きく変わっていきます。そのような中で、日本国憲法は前文において、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する」ことをうたい、そしてまた、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」と、この平和の理念をうたっております。  過日、参議院において、ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議が採択されました。この我々が作成しました決議においても、「ウクライナ国民が有する戦争による恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」が明記されています。また、プーチン大統領が核兵器の使用を前提とするような発言を行ったことに対しまして、「言語道断であり、唯一の被爆国として非難する。」と強く書いてあります。  今後、ウクライナの平和、一日も早く取り戻し、再び平和な世界が訪れるように、立法府の一員として、我が国ができる人道的支援など平和貢献を惜しみなく推進するとともに、このように世界が、平和が混乱したときこそ平和憲法の理念の下に国際平和への貢献を行うべきであります。  そして、繰り返しではございますが、憲法前文にありますように、世界各国と連携しながら、戦争や暴力、そして核兵器の恐怖から免れる、食事ができない、水が飲めない、薬がない、学校に行けないという欠乏から免れるように世界を変えていくことが我々の役割と思います。  今こそ、世界における日本国の役割をこの平和憲法に基づきどうするか、議論をさせていただくことを期待しております。  以上でございます。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。  国会法百二条の六は、憲法審査会の役割について、「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する」と規定しています。まさに、憲法及び法律について広範かつ総合的に調査を行うことがこの憲法審査会の重要な役割です。  では、日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的な調査が今まで行われたでしょうか。行われていません。まさに、そのことこそやるべきです。安保関連法、戦争法、秘密保護法、共謀罪、秘密保護法など、違憲の法律が存在をしています。まさに、広範かつ総合的に調査を行うことを強く提案します。  コロナ禍の中、憲法二十五条の生存権が保障されていない人たちが多数存在します。今日のお米、明日のお米がないのです。また、コロナ禍で亡くなられた人たちが多数存在しています。  生存権、平和的生存権、幸福追求権、表現の自由、学問の自由、思想、良心の自由、法の下の平等など、日本国憲法が守られていません。札幌地方裁判所は、同性婚を認めないことは憲法十四条の法の下の平等に反すると判決を出しました。日本の中に存在する女性差別、外国人差別、障害者差別、部落差別、アイヌの人たちに対する差別、LGBTQの人たちに対する差別など、法の下の平等に反しています。  憲法改正ではなく、憲法が生かされることこそ追求されるべきです。憲法が生かされていないのに、なぜ憲法改正の議論なんですか。憲法五十三条は、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」と規定しています。四分の一以上の要求があったにもかかわらず、当時、安倍内閣は国会を召集しませんでした。明確に憲法違反の行為をしています。憲法尊重擁護義務を持つ国務大臣が憲法を守らない状況で、なぜ憲法改正の議論なんですか。まず、憲法を守ることこそやるべきです。  ロシアのウクライナ侵略の中で、戦争反対の声が世界中で、日本で広がっています。武力で平和はつくれません。軍備増強の競争の中でこそ戦争が起きます。戦争をしないと決めた憲法九条、平和的生存権をうたう日本国憲法前文の価値は今こそ輝いています。  日本としてロシアに国際法を守れと主張していくのであれば、国会や憲法審査会は、九条改正の議論ではなく、憲法九条の理念である武力の行使を止めるよう求めていくことこそ必要です。  日本人で三百万人、アジアで二百万人と言われるたくさんの犠牲の上に獲得した憲法九条、日本国憲法です。憲法改正の議論ではなく、今こそ九条始め日本国憲法の価値を生かしていく政治を行うべきであり、憲法審査会はそのことこそやるべきだと強く申し上げます。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 岡田広君。

岡田広自由民主党・国民の声

○岡田広君 自由民主党の岡田広です。  我が国の憲法は七十五年以上前の制定で、当時と、今日の社会も経済も国際情勢も憲法制定当時とは大きく変わっています。ロシアによるウクライナ侵攻など、国際情勢は日々厳しさを増しており、新型コロナウイルス感染症の蔓延の状況もいまだ予断を許しません。さらに、災害も多発です。  今こそ時代の要請に応えられる日本国憲法を制定し、国際社会に対し現代社会の諸課題に対応しようとする日本の姿勢を示すべきです。少なくとも、時代に合った国の在り方が議論されるべきであり、憲法審査会における議論を通して国民の理解を深めていくことは我々国会議員の重要な責務と考えます。  日本国憲法の基本原則は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の三つです。このうち、基本的人権の尊重については、現行憲法の前文において明確な言及がありません。情報化社会の進展に伴い、プライバシー権等の新しい人権への関心も高まっており、人権保障の重要性に鑑みれば、基本的人権の尊重を前文に明記することについても議論されるべきです。  私は、地方議員と地方公共団体の長を経験して国政に参画させていただいております。現行憲法の地方自治に関する規定は非常に簡潔です。憲法第九十二条の地方自治の本旨には、地方自治が住民の意思に基づいて行われるという住民自治と、地方自治が国から独立した団体に委ねられ、団体自らの意思と責任の下でなされるという団体自治の二つの要素があると言われていますが、条文上は単に「地方自治の本旨」としか書かれていません。地域の自主性を尊重し生き生きとした地域社会を実現するために、地方自治に関する憲法の規定をより具体的で充実したものにすることが検討されるべきです。  同時に、地方の声を国政に反映するため、参議院議員を都道府県代表として位置付けるなど、合区解消の方策についても喫緊の課題として議論されるべきです。  また、諸外国と同様に、緊急事態における対応を憲法上明記することについても議論が必要です。緊急事態における政府の権限や私権制限の在り方など議論すべき項目は多岐にわたりますが、特に国会議員の任期延長は重要な検討項目と考えられます。  憲法については様々な考え方がありますが、これらの諸課題に対して与野党の枠を超えて憲法審査会における議論を深めていくべきであると思います。  ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小沢雅仁君。

小沢雅仁立憲民主・社民

○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁でございます。本日は、発言の機会をいただき、ありがとうございます。  私は、本日、参議院の憲法審査会が開かれ、このように憲法問題について議論することはとても大切で重要だと思っております。  しかし、衆議院では、予算委員会で新年度予算の審議中にかかわらず、憲法審査会が開催されたことには違和感があります。憲法審査会は、与野党の合意の下、静かな環境で議論を積み重ねてきた歴史があり、冒頭、その良き伝統を大事にすることをお願い申し上げておきたいと思います。  立憲民主党は、立憲主義に基づく論憲の立場を取っています。憲法に関する議論は、ステレオタイプな護憲論、改憲論によることなく、立憲主義をより深化、徹底させる観点から進めるべきです。  私たちは、日本国憲法を一切改定しないという立場は取りません。立憲主義に基づき権力を制約し、国民の権利の拡大に寄与する、国民にとって真に必要な改定を積極的に議論、検討いたします。  その際、立法事実の有無が重要です。安倍改憲四項目に通底する考えは、権力者を制約するのではなく更に強化しようとするものです。教育無償化のように憲法改正をしなくてもできるものも含まれています。改憲ありきの議論には断じて応じることはできません。  憲法審査会には、まずもって、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行うことが期待されています。  昨年七月、私たち野党は、憲法五十三条に基づき臨時国会の召集要求をしましたが、自民党の改憲草案で、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならないとしながら、およそ八十日間もたなざらしにされました。二〇一七年には当時の安倍内閣が約三か月間も応じず、広島高裁岡山支部は違憲と評価する余地があると判示しています。御都合主義の議論ではなく、現行憲法を尊重しながら、実施状況についても積極的に議論すべきです。  最後に、昨年の通常国会では、広告規制などについて施行後三年をめどに、法制上の措置を講じるという修正で合意し、改正案が成立いたしました。憲法改正の中身の議論に入る前に、残された宿題である広告規制などについての国民投票法の再改正が不可欠であることを強調し、私の発言を終わります。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 片山さつき君。

片山さつき自由民主党・国民の声

○片山さつき君 自民党の片山さつきです。  ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、もちろん国際法違反、力による一方的な現状変更でございまして、絶対に許すべきではないと断固抗議をいたしますが、国民の多くがこれを自分事として大変強い危機感をお持ちだと思います。  このことが中国による台湾や尖閣諸島への武力行使を誘発すると懸念される方が共同通信の近年の、最近の調査で七五%、日本の安全保障上の脅威になるという方が読売で八一%いらっしゃいますし、この中で、アメリカの核兵器を共同運用する核共有について、日本でも議論はすべきという方と核共有はすべきではないが議論はすべきというのを合わせると八割に達するという調査もあります。  この核シェアリングの用いる戦術核は、五〇年代ぐらいまでは通常兵器の延長と見られていた射程五百キロメートル以下のものと言われておりまして、ロシアは巷間二百発持っていると言われており、米国の軍事関係者の分析によれば、最終的な戦争終結のシナリオの中に限定使用を含めているという説も強いです。  もちろん、行政においては、先日も岸田総理が何回も答弁されているように、非核三原則を堅持する立場、原子力の平和利用を規定している原子力基本法の基本的な考え方から認めるのは難しい、これはもう当然そうなりますが、議論をしてほしいという国民の声はどこから来ているのか。つまり、憲法上の制約があるのかないのか、どこまであるのかが今の議論で国民にふっと落ちているというふうには思えないということがこの数字になっていると思います。  もちろん、日本は抑止力、米国の拡大核抑止の中にいるということでございますが、急激に今安全保障環境が悪化していると国民は感じているわけで、その中で徹底的に現実の安全保障戦略を見直し、戦略的に核共有が必要ということになったときにどうするのかと。  法制局の過去の解釈、答弁は一貫しておりまして、核兵器であっても自衛のための必要最小限度にとどまるものがあり得るという路線で答弁をしておりまして、これは新三要件の下でも基本的なラインは変わっていないと思います。つまり、防衛に必要不可欠な核というものが理論的にはあり得るという考えの中で、かつては保有し得るものの例として核地雷というのも取り上げられたことがあると元法制局長官が近年インタビューで言っておられました。  NPT条約に……(発言する者あり)はい。NPT条約に加入している以上、針の穴を通るような限定的な議論になることは当然でございますが、ここまで厳しい状況の中では議論は避けるべきではないと強く思います。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 打越さく良君。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。  先ほど藤末健三委員がおっしゃった憲法前文の平和的生存権の意義、私も改めてかみしめております。  藤末委員は、二月二十八日、予算委員会で、「世界に唯一の、人類に歴史上唯一の、戦争をしない、軍隊を持たないという平和憲法の理念の下、ハリネズミのような徹底した専守防衛政策を構築していきます。そして、平和憲法を私たちの子供たち、孫たちにつなげさせていただきます。」とおっしゃいました。そして、核兵器の廃絶等についても言及なさいました。私も全く同感です。このように立派な識見をお持ちながら自民党に行かれたこと、大変不思議です。  藤末委員は、平成十七年十二月の中央公論で、九条改正が確実なものとなったら、それは我が国にとって不幸な状況と言わざるを得ないと書かれています。これも同感です。また、藤末委員は、集団的自衛権を伴うと見られる日米同盟の強化、そして武力行使を伴う国際協力活動は憲法改正がなされていないと実現不可能とし、集団的自衛権には反対していくつもりであると書かれています。この点も全く正当です。  平成二十六年までの九条の政府解釈は、憲法上許される武力行使を我が国に対する急迫不正の武力攻撃に限定していました。ところが、解釈変更後は、憲法上許される武力行使かどうかを挙げて政府の判断に委ねる枠組みとなりました。たとえ他国への攻撃でも、政府が我が国の存立に関わる事態と判断しさえすれば、反撃し紛争当事国となり得ることになってしまいました。  平成二十六年から二十七年にかけてなされた様々な政策転換により、自衛隊の米軍との一体的な運用、武器輸出への積極的な姿勢などが進んでいます。かつての平和国家が政府によって、積極的平和主義により上書きされているかのようです。  戦争をしない、軍隊を持たないという平和憲法の理念を大切にする藤末委員であれば、許される武力行使かどうかを政府の判断に委ねる枠組みとすることは、本来ならば憲法改正がなされていない以上認められないというお考えと思われますが、それでよろしいでしょうか。また、集団的自衛権を認めた安保法制は違憲だとお考えということもよろしいでしょうか。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 山田宏君。

山田宏自由民主党・国民の声

○山田宏君 自由民主党の山田宏でございます。  ウクライナ人の国際政治学者グレンコ・アンドリー氏は、今回のロシアによるウクライナ侵略を招いたのはウクライナ人の平和ぼけと指摘をしています。一九九一年のロシア崩壊後の独立時には大きな軍事力を保持していたウクライナは、一九九四年のブダペスト覚書の米英ロ三国による平和保障の紙約束を信じて、丸腰になれば攻める国はないと軍事力を七分の一まで削減し、非同盟、軽武装の政策を取ってきたのです。しかし、プーチンは、その軍事力を背景に、戦争で脅せばウクライナは妥協すると見て、覚書をほごにし、侵略に踏み切ったのであります。  翻って、我が国の憲法前文は、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我が国の安全と生存を保持しようと決意したと記し、九条は戦力不保持を定め、丸腰になれば攻める国はないとばかりの現実離れした主張もこれまで繰り返されてきました。そして、他国の侵略から国の安全と国民の生命を守るという最も重要で崇高な責務を担う自衛隊が憲法条文ではなく憲法解釈上の存在に据え置かれ続け、今なお自衛隊の合憲、違憲の争いが後を絶ちません。  このようなことで、ウクライナのような事態に直面したときに国を守れるのでしょうか。私は、今こそ国際社会の現実に目を見開き、自分たちの国は自分自らが守るという国際社会の常識に基づき、我が国の最高法規である憲法に、我が国の安全と国民の生命、財産を守るために自衛隊を保持すると、自衛隊を明記すべきと考えます。そうすることで、国民の自衛隊に対する信頼がより確かなものとなり、自衛隊員が一層誇りを持って職務に取り組んでいくことにつながるのです。  本院憲法審査会では、昨今の国際情勢を踏まえ、我が国の平和と安全を危惧する多くの国民の声に応え、自衛隊の憲法上の規定の在り方について議論を早急に進めていただくよう強く要望いたします。  憲法改正に反対だから国会で議論もしないならば、憲法改正に賛成をする一方の主権者の声を言論の府である国会が圧殺する、民主主義にも反する国会の自殺行為であります。反対ならば堂々と国会において国民の前で議論すべきことであることを改めて申し上げ、私の意見表明といたします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 平木大作君。

平木大作公明党

○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  私からは、デジタル時代の新しい人権について発言をさせていただきます。  間もなく施行から七十五年を迎える日本国憲法は、その記述の量が少ない言わば余白の多い憲法であることもあり、制定当時想定をされていなかった環境権やプライバシー権などのいわゆる新しい人権の多くを幸福追求権を定めた憲法十三条の中に包摂させることで補い、議論を通じて発展をさせてきた歴史があります。  私は、現時点において、こうした新しい人権のうち、憲法改正を通じた明記が必要不可欠なもの、つまり、明記しないことで損なわれる人権は基本的にはないと考えておりますが、一方で、先ほど矢倉委員の方からも言及がありました、データとアルゴリズムが私たちの暮らしを劇的に変え、もはや真の意味で自由で自律的な意思決定というものに確信が持てないデジタル化の潮流の中にあって、自己情報決定権については憲法に明記すべきものとして検討してもよいのではないかと考えております。  この自己情報決定権は、自己情報の流れをコントロールする利益こそが現代的プライバシー権の中核を成すとして理解が形成をされてきたものでありますが、こうした議論が残念なことに憲法論の中に閉じてしまっているために、近年整備が進むデジタル社会関連法制やあるいは個人情報保護法の議論の中にきちんと反映をされていないのではないかという問題意識を持っております。  デジタル社会のルール形成において憲法論が足りていないことを端的に示すのが、昨年九月に施行されたデジタル社会形成基本法であるとの指摘があります。基本法一条では、その法の目的として、我が国経済の発展と国民の幸福な生活の実現を規定しておりますが、一方で、個人の尊厳と自由や民主主義社会の基盤形成といった憲法的価値の記述はありません。  また、法施行に先立って開催をされた有識者ワーキンググループ、ここで基本原則十項目というものが作られたわけでありますが、その中に言及をされていたアルゴリズムのフェアネス、公平性と自己情報コントロール権が法律からすっぽりと抜け落ちてしまいました。  欧米に目を転じれば、デジタル技術の社会実装と並行して、その潜在的な脅威について憲法的価値との関係を積極的に議論し、今ルールづくりが行われているさなかであります。  EUにおいてはGDPRが有名でありましたが、本年一月には、デジタル時代のデジタル権利及び原則に関する宣言が公表されました。米国においても、AI権利章典の提案が今なされております。  今後、この審査会においても、皆様とともにデジタル社会の新しい人権について是非とも議論を深めていきたいと申し上げて、私の発言を終わります。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 高木かおり君。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。  当審査会で討議時間が持たれたのは、昨年六月の改正国民投票法成立以来九か月ぶりのことです。それ以前にも、過去三年の間、七国会も実質審議ゼロという空白をもたらしてきました。この間、我が党は憲法審査会長に事態打開を繰り返し申し入れましたが、開かずの扉は固く閉ざされたままでした。  ようやく本日、参議院においても憲法審査会が開催となりました。憲法に真摯に向き合い、この国の在り方について不断に議論を重ねていくことは立法府の責務であります。これまでの有様は国会の怠慢にほかなりません。  現行憲法の前文にはこう書かれています。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とあります。この一文は、今までの歴史から学んだ英知を前提にしているのです。  しかしながら、今現在は、隣国ロシアがウクライナを軍事侵略し、子供たちを含む何の罪もない人々を殺りくし続けています。平和を愛するどころか、平和を破壊する行為です。中国と北朝鮮も、平和の希求とは無縁の、国際法を無視した動きを繰り返しています。  激変する時代に憲法を照らし、改正すべき点は早急に改正することが政治に課された重大な使命であります。そもそも、国民主権を掲げる憲法が一度も国民投票を経ていないのは大いなる矛盾です。国民投票を実施し、国民の手によって憲法を定めることが、国民の憲法のあるべき姿ではないでしょうか。  先ほど柴田議員が述べたように、日本維新の会は三項目の憲法改正項目の条文案を提示しています。ここで特に私が強く申し添えたいのは、家庭の経済格差が教育格差にならないよう、幼児教育から高等教育までの教育の無償化を急ぐべきだということです。国づくりは人づくりと申します。これからの日本にとって、人材こそが国の支えになることは言うまでもありません。  さらに、党内では、憲法九条の在り方や緊急事態条項の創設についても真っ向から議論を進めています。我々が活発に議論することが国民の憲法への理解を深め、国民投票する際の判断につながると確信しています。  以上、皆様の御理解を賜るとともに、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございました。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 吉良よし子君。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  初めに、ロシアによるウクライナ侵略に断固抗議をいたします。  国連憲章違反の武力行使はもとより、原発、そして産科や小児科も含む病院などへの無差別な攻撃は国際人道法違反です。そして、核兵器の使用まで示唆する威嚇行為も含め、プーチン政権による蛮行はいかなる理由があったとしても絶対に許されるものではありません。即座に侵略をやめ、ウクライナから撤退することを求めます。  今回のロシアに限らず、自衛などの名目で自国を正当化し、始められた戦争は少なくありません。  阪田雅裕元内閣法制局長官は、今回のロシアの所業は、満蒙は生命線であるとして国際世論に背を向け、無謀な戦争に突き進んだ日本の過去を思い起こさせますと語っています。そのかつての日本の侵略戦争への反省が込められているのが憲法九条です。どのような政権になっても、日本が他国へ軍事侵攻できないようにする歯止めです。  今、ロシアによる侵略行為を前にして、憲法九条で日本が守れるかという声が出てきていますが、攻め込まれたらどうするかという議論は、軍事的な緊張を高める議論です。この機に乗じて九条を変える動きは、力には力、軍事には軍事、核には核という力の論理にひた走ることにほかならず、それはプーチン大統領と同じ思想であり、戦争を止めることはできません。だから、国連憲章でも、力の論理、武力による紛争解決を否定し、禁止しているのです。  この国連憲章とともに、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」という日本国憲法前文、そして、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という憲法九条こそ、今世界中に広がる戦争反対の世論に響き合うものです。ここに二度にわたる世界大戦を経験した人類の目指すべき理想が込められているのです。  だから、今この理想を捨てるべきではありません。むしろ、この憲法九条を生かした外交こそが必要であり、政治の優先課題として改憲が世論に求められていない中、憲法九条を含めた改憲を議論するための憲法審査会はこれ以上動かすべきでないということを申し上げ、発言といたします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 矢田わか子君。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。  以下、二点について意見を述べます。  一点目は、オンライン審議の解禁についてであります。  デジタル社会へ大きくかじを切る中で、国会は遅れています。オンライン審議は、緊急事態や感染症の対応時のみならず、個人事情とされる妊娠、出産、病気への対応を含め、是非とも実現すべき課題と考えます。  特に、ジェンダーギャップ指数百二十位のこの国日本は、政治分野での女性参画が顕著に遅れています。ネックとなると言われている妊娠期、妊産期、産褥期における活動においてオンライン参加できることは、女性の活動参加への障壁を下げ、結果として女性議員の参画につながると思います。  衆議院で議長に提出された報告書については、その内容に賛同し、具体化されることを期待したいと思います。  二点目は、ロシアのウクライナ侵攻という新たな国際情勢の変化における安全保障の論議についてであります。  衆議院の憲法審査会では、安全保障に関する憲法九条の改正問題や、戦争や大災害など緊急事態への対応における国会議員の任期延長に関わる憲法四十五条、四十六条の改正問題などについて活発な議論が交わされました。  ここでは、自然権として認められる自衛権の行使について、自衛隊の軍備増強、アメリカとの核兵器の共有、さらには敵基地攻撃能力の保有などの意見も交わされています。軍事大国による隣国への軍事侵略の実態が映像やネットでどんどん流れている、可視化される中で、我が国の国民の防衛に対する意識も大きく変化していると思われます。  今後、軍備を増強し必要に応じて憲法を改正すべしという主張と、一方で、憲法九条は平和と核兵器廃絶を世界に訴える武器となるという主張がぶつかり合っている、今日もぶつかり合っていますし、そういう主張がこれからもぶつかり合うことになると思います。これまでも、憲法改正論議は有識者の見解を含め国論を二分するテーマとなっていますが、国会としても、今後の国際情勢の推移を見極めながら、いかに我が国の安全保障を保っていくのか、我が会派の足立幹事が述べたとおり、国民の皆さんとともに、参画を促しながら、論議を加速していくべきと考えます。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 有田芳生君。

有田芳生立憲民主・社民

○有田芳生君 立憲民主党沖縄県連の有田芳生です。  私は、先週の土曜日に沖縄市民会館で開かれたノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会、命どぅ宝というのは、命こそ大切だと、その結成集会に参加をしました。  本土ではなかなか感じられませんけれども、沖縄では、もう一度戦場になるのではないかというおそれが非常に広まっております。  今年は沖縄の本土復帰五十年ですけれども、ということは、自衛隊が進駐して五十年ということになります。南西諸島で今、与那国、宮古、そして石垣では自衛隊が強化をされていて、ミサイルの配備も行われている。陸上自衛隊と海兵隊との共同訓練も行われている。沖縄戦の教訓として沖縄の人たちが今実感として思っているのは、戦争になれば軍隊は住民を守ってくれない、それが戦争中の、沖縄戦の教訓なんですよね。だから、そういうおそれが広がっているときに、今、日本国憲法というのは、やはりアジアと日本の民間人、戦闘員の莫大な犠牲の下に、それを背景として、当時の国際法の到達点、それが結晶したものが日本国憲法だと思います。  しかし、今この日本では、戦後生まれが八五%を超えて、戦争経験者は一五%を割るようなところまで来ました。  思想史家の藤田省三さんは、戦争経験なき戦意はひたすらに高進する、興奮して進んでいくという言葉を述べましたけれども、やはりそういう時代に今進みつつあるのではないかというふうに思います。  私、京都生まれですけれども、野中広務さんとは何度もお話をさせていただきました。野中さんは、憲法は不磨の大典とは思わない、だけど憲法九条一項、二項にしてももう定着しているものであるから、これを変えるのは難しいだろうと、有田君、もう戦争だけは絶対にいかぬよとおっしゃっておりました。  ですから、今私が思うのは、この日本国憲法の精神というのは具体化されていない状況ですから、それをいろいろ議論するのは当然必要かも分かりませんけれども、日本国憲法の精神を実現するというのが今一番大事なのではないかと、そのように考えております。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 発言の機会をありがとうございます。  冒頭の会派代表意見で申し上げましたように、我が党は具体的な解決策を幾つも提言をさせていただいております。憲法改正が必要であるというふうに皆さんがおっしゃっているものは法律で解決可能であるということを申し上げておりますので、堂々とした議論をお願いしたいと思います。  その上で、先ほどの藤末幹事の発言なんですが、三月二日の参議院本会議の決議の中で、ウクライナ国民の皆さんが平和的生存権を持っていることを宣言したことについて、我々が作成したというふうにおっしゃいましたが、あれは事実として私が起草させていただいたものでございます。外交防衛委員会でも紹介しておりますので、我々が自民党会派という意味であるのであれば、事実に反することと申し上げます。  その上で、この場に臨む以上は、憲法尊重義務を背負い、同時に、国民の生命、そして国の在り方を背負って国会議員として真剣勝負の議論をしていただかなければなりません。  その観点で、藤末議員に伺わさせていただきます。三つのことを伺います。端的に必ず答えてください。  藤末幹事は、安保法制の集団的自衛権行使を合憲と考えているのか、それとも違憲と考えているのか、白か黒かで答えてください。  また、藤末幹事は、かつて自民党の会派代表意見で、この集団的自衛権ができる自衛隊の憲法への明記、自民党の四項目を議論するように言っておりますが、藤末幹事はこの集団的自衛権ができる自衛隊を憲法に書くことを賛成している、支持しているのか、それを答えてください。  最後に、集団的自衛権と平和的生存権の考え方、関係ですが、集団的自衛権というのは、他国に、同盟国に対する武力攻撃を排除するために自衛隊がその相手国に対して武力行使をするものでございます。日本を守るための武力行使ではございません。他国、同盟国を守るための武力行使を行うことによって、相手国の兵士ら国民を自衛隊は殺傷してしまうことになりますが、そのことが全世界の国民が有すると確認されている平和的生存権、憲法前文の平和的生存権とどう整合するのか、集団的自衛権と平和的生存権は矛盾しないのかどうか、それについてお考えを明確に述べていただきたいと思います。  また、先ほど西田幹事から大変興味深い御見解をありがとうございました。日本国民の伝統、精神が教育勅語と言われてしまうと、まさに国会決議で教育勅語を無効にしているわけでございますけれども。  お手元の五ページの、我が憲法審査会の幹事会協議事項で、立憲主義や平和主義の各会派の考え方についてちゃんと述べようということになっております。つまり、憲法を議論をする前提として、立憲主義やあるいは憲法の三原理について各会派がどのように考えているのか、いま一度議論をする必要があると思います。  その上で、先ほど維新の高木委員より、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」という平和主義の御指摘がありましたが、あの文言は、最高裁砂川判決において日米同盟を合憲であると根拠付けるために使われている規定でございます。また、諸国民であって、国家、北朝鮮などの国家を信用しろとは言っておりません。こうしたことは、この憲法審査会でこの間何度も何度も指摘し、議論されておりますので、どうかこの憲法審査会のきちんとした議論を踏まえた上で、審査会の在り方についての御批判をお願いをしたいと思います。  最後、片山委員がおっしゃっておられた核共有と九条の関係ですが、三月十八日、私、代表質問で、政府統一見解まで求めて質問をしているんですが、答弁拒否をされました。  会長にお願いでございますが、今申し上げました過去三回の幹事会協議事項、また今申し上げました核共有と九条との関係、そして平和を愛する諸国民とのこの平和主義、これらについて憲法審査会でしっかりと議論をすることを求めます。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会において協議いたします。  打越さく良君。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。  言うまでもなく、憲法改正は、憲法の下では対処できない必要性がある場合に、その必要性のためになされるものです。その必要性は、改憲をおっしゃるどの委員からもいまだ明らかにされていません。  再び藤末健三委員に伺いたいんですけれども、昨年五月十九日の憲法審査会で、憲法に災害緊急事態の章を新設しようとする議員連盟の資料を御紹介なさいました。その資料には、災害緊急事態において、地方自治体における首長の専決処分のように、国会審議を待たずに政府が行動規制や財政出動を行えるよう、緊急政令及び緊急財政支出の規定を設けたとしていますが、そもそも専決処分は二元代表制における首長の権限として認められているところであり、議院内閣制である国会に持ち込む根拠はあるのでしょうか。  また、国権の最高機関である国会自身が自らの権限をそぐという提案は、議会人としての自殺行為ではないでしょうか。ナチ独裁の成立期、緊急事態条項が議会政治の形骸化を招いたことに鑑みれば、国会の存在意義を失わせる提案には重大な疑義がございます。  大地震や大規模な感染症など災害緊急事態に適正に対応するためには、スピーディーな法令の制定や財政支出は不可欠であるとされています。東日本大震災時の平成二十三年度補正予算は約百十日もの国会審議を要したとしていますが、それは一次補正から四次補正まで要した百十一日間のことです。また、藤末委員も御承知のように、それは野党だった自民党の審議引き延ばしによるものであり、国会における与野党調整の問題です。  感染症対策も、法律を整備拡充すればいいのに、政府・与党は今国会での感染症法改正案の提出を見送りました。改憲を唱えるのはつじつまが合いません。  災害緊急事態における国会議員の任期延長についてですが、憲法五十四条二項ただし書、三項には参議院の緊急集会が規定されています。それにもかかわらず、災害緊急事態における国会議員の任期延長を求めることは、本院議員としての自己否定ではないでしょうか。憲法上の参議院の存在価値を著しく毀損するものとして看過できません。  そもそも、内閣が緊急時に的確な判断をできるわけがありません。アベノマスクや一斉休校に見られるように、熟議なしの緊急措置が決して有効でないことは、このコロナ禍で明らかになったのではないでしょうか。  以上です。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 藤末健三君。

藤末健三自由民主党・国民の声

○藤末健三君 立憲民主党の熊谷委員、そして打越委員、小西委員に御質問いただきまして、本当にありがとうございます。  まず、私の立場についてお話しさせていただきますと、私は今、国民の声という会派でございまして、約三年四か月前に自民党と統一会派を組まさせていただきました。そのときに自民党と約束しましたのは、一つは憲法改正推進本部を含め全ての会議に私が参加できるということ、そしてもう一つありますのは私の主張であります、憲法九条を子供たち、孫たちに伝えるという、このことを強く発言していきますということについては合意の上で、私は自民党と統一会派を組まさせていただいています。  私は思いますのは、やはり自民党は懐が深く広い政党だと私は思っております。また、自民党の、先ほど石井委員から話がございました改正案につきましては、これはその自民党の条文、イメージ、たたき台、素案ということで、これから議論されるということを是非御理解いただきたいと思います。  私は、引き続き、この参議院と同時にその自民党内で行われます憲法の議論につきまして、この憲法の平和主義が大切であるということを仲間の議員とともに議論を進めていきます。  また、集団的自衛権につきましては、私は、集団的自衛権は九条の解釈からするとできないというふうに考えていますので、それも御理解いただきたいと思います。  また、先ほどのその災害対策の憲法改正の案でございますけど、これはあくまでも大地震や水害、そして感染症といったもののみを対象にしているということは是非御理解いただきたいと思います。  私自身の考えを申し上げますと、私はやはりこの九条は大事だと思っている。ただ、憲法改正反対というのではなく、九条が大事である、否定ではなく肯定の意見をずっと述べ続けていきますので、是非御理解いただきたいと思います。  よろしくお願いいたします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小沢雅仁君。

小沢雅仁立憲民主・社民

○小沢雅仁君 立憲民主党の小沢雅仁です。  一九五五年、昭和三十年に発刊された憲法学者佐藤功さんの「憲法と君たち」という本を拝読いたしました。佐藤功さんは、日本国憲法の誕生と成長を見守ってきた偉大な憲法学者です。一九四六年二月、完成したGHQ草案に沿って日本政府は新しい憲法を作ることにしました。内閣法制局が中心となって、GHQ草案を日本に合うように整えることになりましたが、このとき佐藤功さんは、内閣法制局長官入江俊郎氏に依頼されて、説明資料を作ったり、外国憲法の事情を調べたり、憲法改正草案作りに力を尽くされた方です。  昨年四月二十八日の本憲法審査会において、西田昌司議員は、「この憲法を作ったのは、占領中にGHQが占領目的を完遂するために作ったという歴史的事実がある」という発言をされ、先ほども同様の発言をされたと思います。  確かに、日本国憲法はGHQ草案が原案になっています。しかし、GHQ草案には、日本人から見て使いにくい条文があったり、是非とも入れてほしいと思う内容が中、入っていなかったり、例えば参議院の制度は入っていませんでした、英語で書かれた草案をそのまま日本語に翻訳しただけでは憲法にすることができなかったのです。  日本国憲法は、佐藤功氏を含む当時の政治家や役人たちが日本のために良い憲法を作ろうと大変努力をしてきたものです。当時は、資料を作るのも外国のことを調べるのも本当に大変だったと思います。  原案をGHQが作成したことだけで、政治家や役人の努力、思い、さらには新たな憲法の制定について議論すべき国会議員を選挙によって選んだ国民の思い、それらを全て無視して、日本国憲法は押し付け憲法だなどというのは、私は当時の日本人への侮辱だと思います。佐藤功氏は、押し付け憲法論を聞かせられるのは決して愉快ではないと率直に言っています。  佐藤功氏は、憲法保障と呼ばれる分野の専門家でした。憲法保障とは、憲法が破られようとしたとき、それを押しとどめ、憲法を守らせることをいいます。  六十七年前の子供たちに作られたこの本は、今の子供たちにも通ずるメッセージを残しています。憲法が君たちを守る、君たちが憲法を守る。偉大な憲法学者の考え抜いた結論です。  まずは憲法を守らせる、私はこのスタンスで憲法審査会の議論に今後臨む決意を申し上げ、二回目の発言を終えたいと思います。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 衛藤晟一君。

衛藤晟一自由民主党・国民の声

○衛藤晟一君 機会をいただきまして、ありがとうございます。  まあずっと議論を聞いておりましても、私はやっぱりいろいろ日本人らしい議論だなという感じを持っています。  例えば、憲法前文をめぐって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、これ、よく言われますけれども、「を」じゃなくて「に」になっていると、日本語としておかしいよなということを石原慎太郎さんが言っていましたけれども、に信頼し、我が国の安全と生存を保持しようと決意したという文があります。非常にある意味では理想を掲げた文でありますけれども、これも一つの仮説であります。  現在のウクライナの問題等が起こって、これが現実ではないということは冷静に見なければいけないと思います。だから、一つの理論だとかあるいはイデオロギーに全部乗っかって、それから現実を切っていくというのは、逆の方向ではないのかという具合に思っています。  もし本当にこれを理想とするんであれば、いわゆる諸国民がこの公正と信義を信頼して、各々の生存と安全を保持できるような国に努力したいという具合にするのが本来であります。  現実が、これは平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我が国の安全と生存を保持しようと決意したということの文章になっています。だから、これがやはり押し付け憲法の一つであるということは間違いありません。  それは、この諸国民の中には日本人は入っていないからであります。これは国会答弁でも明らかになっています。要するに、日本が戦前悪いことをしたから、だから、周りの国々の国民はみんないい人、国はいい人ばかりだから、それに従ってやりましょうという、一つのこれは理論であり、イデオロギーであります。  しかし、現実はそうなっていないということであります。そういう中で、本当にこの国の生存や安全をどうするのかということは我々が真剣に考えなければいけないことであるという具合に確信をいたしております。  マッカーサーが占領を始めた翌年の一月に出した例のマッカーサー三原則という文があります。  一つは、天皇についてであります。天皇は国の中心であって、そして元首にすべきであるという具合に当時マッカーサーは言っています。マッカーサーが来日したときは、天皇制をなくするべきだという具合に思って来日したようでありますけれども、そうにはならなかったわけであります。  二つ目が、マッカーサーが指示したのは、日本には一切の自衛権を持たせる必要もないと、これから起こる世界の理想に身を委ねさせるべきであるということを彼ははっきり言ったわけでありまして、だから、そういう意味ではこの憲法と合っていたわけでありますけれども、しかし、現実に、彼はその後、朝鮮動乱が起こって、そして私の考えは間違っていたといってこれを撤回するのであります。  三つ目は、先ほど福島さんも言われましたけれども、いわゆる戦前に行われていた、もうちょっと人権についての意見をはっきりしろと、旧来の陋習を破れというのがマッカーサーの三原則であります。  そういう中で、このマッカーサーも考えていた当時の、これから起こる世界の理想に身を委ねるべきだと思っていたけれども、そういう具合にはならなかった。ヤルタ協定において、スターリンそれから……

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 時間です。

衛藤晟一自由民主党・国民の声

○衛藤晟一君 三国は、いわゆるこれから領土については拡大しないという約束を戦勝国はしたのでありますけれども、しかしながら、それを最初に打ち破ったのはソ連でした。  そして、それからがこういう状況になったわけでありまして、この平和を愛する諸国民の公正と信義を打ち破ってきた国はどこなのか、そしてまた、それが今現実にウクライナで起こっているという、その現実を見ることなしに、真実を見ることなしにこんなイデオロギーに、イデオロギーあるいは理論だけによってやっては駄目だと思います。  理論というのは百でも二百でも三百でも立ちます……

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 時間です。

衛藤晟一自由民主党・国民の声

○衛藤晟一君 それが現実に合っているかどうかで判断すべきだというように思いますから、真剣な議論を我々は行いたいと思っています。  どうぞよろしくお願いします。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 西田昌司さんにお聞きをいたします。  大日本帝国憲法下で侵略戦争が起きたことをどうお考えになられますでしょうか。ロシアのウクライナ侵攻を見ていると、満州事変と非常に似ている構図を感じたりしています。大日本帝国憲法下で侵略戦争が起きたということをどうお考えでしょうか。  今の日本国憲法下において、少なくとも日本は侵略戦争をやっていません。集団的自衛権の行使をやっていません。少なくとも海外で人を、武力行使をし、人を殺りくすることはやっておりません。ですから、やっぱり九条の意味というのは大変あるというふうに思っております。  二つ目ですが、先ほど、日本の文化、伝統ということをおっしゃいました。文化やそういうものは本当に大事です。しかし、大日本帝国憲法下でまさに日本の女性たちは選挙権も被選挙権もありませんでした。政治活動も制限されていました。非常に男性たちだけの部分的な民主主義であって、女性にとっては男たちだけの国会、男たちだけの民主主義だったわけです。  戦後、憲法十四条と二十四条ができ、二十四条ができたので、最高法規、憲法は最高法規ですから、民法の親族編、相続編と戸籍法が改正になります。民法の中で、女性は、戦前はまさに、妻は無能力者であると書いてありました。行為能力がなかった。結婚は家と家との結婚で、妻は婚姻によりて夫の家に入るとなっており、戸主が強い権限を持ち、そして結婚には同意権が必要であり、居所指定権も戸主は持っておりました。女性は行為能力すらなかったんですよ。  憲法が、日本国憲法ができて、女性は初めて選挙権、被選挙権を持ちます。  だから、私は、日本国憲法下、日本国憲法の下で十四条、二十四条ができ、そしてここ国会に女性がいるのも日本国憲法下で初めて可能になったわけです。日本国憲法の意味は大変大きい。また、とりわけ民法の中の親族編、相続編、戸籍法が憲法二十四条、家族の中の個人の尊厳と両性の本質的平等の下で変えられたということは極めて大きいと思います。  ですから、西田昌司さんにお聞きをいたします。日本の文化、伝統とおっしゃいますが、では、日本の文化、伝統はとおっしゃって、日本国憲法について問題があるとおっしゃるんですが、日本の文化、伝統は女性の選挙権、被選挙権、これを否定するものなんでしょうか。どうなんでしょうか。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 西田昌司君。

西田昌司自由民主党・国民の声

○西田昌司君 御質問ありがとうございます。  まず、押し付け憲法が押し付けじゃないという話をおっしゃったんですけれども、それは全く歴史の事実の一部しか見ていない。確かに、日本人が意見を言って付け加えたところもあるんですが、大体はそもそも日本を無力化させると、占領目的が完全にそうなっているわけですからね。だから、そこでできたということはもう揺るぎない事実であります。だから、そのことはまず大前提として我々知っておかなきゃならないと思います。  それから、戦争、大日本帝国憲法下で戦争が起きて、日本国憲法ではないというのは、それは全く意味がない話で、つまり、戦争当事者であった、あの大東亜戦争のときの戦争当事者であったマッカーサー司令長官、元帥が、アメリカの上院に後に彼が宣言しているんですね。つまり、満州事変も含め日本にとってあの戦争は自衛の戦争であったということははっきり宣言しています。そういう歴史的事実も考えてみるときに、要は、日本は戦争したくてやったんじゃなくて、結局、戦争せざるを得ない事情があったと。それは何かというと、最終的にはハル・ノートということになりますがね。  だから、同じようにウクライナの話を考えると、先制攻撃したのはロシアだから、そういう意味では力でやって何だという話になるんだけれども、それまでの経緯があるわけですよね。だから、今、もうこれ時間短いからウクライナの話までは述べませんけれども、そういう全体像を見て議論しないと、一部のそういうイデオロギー、一部の固まった考え方だけで世界情勢を論じたり見たりするのは非常に危険で、私も、私の母の遺言として、有田先生と同じでね、戦争だけは絶対、昌司、やったらあかんよと、それはもうそのとおりなんですよ。  だから、私は、そうならないようにするためにウクライナ情勢も考えなきゃならないので、要するに、今の、ただ単にウクライナと一緒にやっていきましょうなんという形でやっていって、これどんどんやっていくと何が起こるかというと、まさにこれは第三次世界大戦になってしまいますよ。だから、我々、そういうことも含めて冷静にやっていかなきゃ。NATOがどんどん大きくなっていったら、ワルシャワ条約機構がないところで何でNATOが今要るのかという話ですよ。それはまさに戦争をつくる道具にさせられてしまっているんですよ。そこに我々が同調する必要は全くないと思います。  それから、文化の話でいうと、大事なのは、日本の文化の一番大事なのは、先ほど言った教育勅語に書いてありますけど、要するに家族主義なんですよ、家族主義。家族と伝統を大事にするということです。それの、女性の参政権とは否定するものでは全くない。歴史的には、そういうところからだんだん時代が進んで、ほかの国でも女性が政治に参加することはあるわけで、今の、前の憲法下でも当然そういうことはあったと思っています。

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 議論の充実のため、重ねての発言をありがとうございます。  ただいまの西田幹事の御発言なんですが、先ほど、憲法の平和主義あるいは基本的人権の尊重について幹事会協議事項を改めてお願いしておりますので、そうした中でしっかりと議論をさせていただければというふうに思います。  それで、先ほどからの憲法の前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」ですが、この前にこう書いてあります。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する」とあります。今私が読み上げた部分ですが、この「人間相互の関係を支配する崇高な理想」、歴代政府の解釈によれば、国境、国家の垣根を越えて、人間であればみんな持っている愛し合う気持ち、お互いを思いやる気持ち、そして協調し合う、そうした人間関係を支配する最高の道徳律をいうと言われております。  三月七日の予算委員会で、私の質問に対して岸田総理は、ロシアの侵略直後から世界各国で沸き起こっている、侵略を許さない、ウクライナ国民の皆さんへの生命、尊厳への思い、連帯への思い、これはまさに憲法前文の「人間相互の関係を支配する崇高な理想」、これがまさに具体的に表れているものであると、岸田総理がそのような答弁をしていただき、その答弁は外務省の手によってウクライナ大使館に届けられ、そして全世界の日本の大使館に届けられることになっております。  憲法は、その制定過程において、いわゆる個別的自衛権を放棄した議論はしておりません。同時に、日本国憲法は、今申し上げたような平和主義の力で、外交の力で平和を創り守っていく平和創造、そのことをうたっている世界唯一の憲法である、その下で我々は国民の平和を考え、そして世界の平和を実現していく、そのことを同僚の皆様に呼びかけたいと思います。  また、最後に、先ほど藤末議員に三項目お尋ねしましたが、お答えをいただいておりません。安保法制の集団的自衛権は違憲なのかどうか、このことについて、集団的自衛権が憲法でできないとしたら、フルスペックはできないということも言われてしまいますので、安保法制の集団的自衛権は違憲なのか合憲だとお考えなのか。また、それを憲法に明記する自民党の四項目を支持されているのか。そして、全くお答えになりませんでした、なぜ限定的な集団的自衛権を含め他国の軍隊を守る集団的自衛権の行使が全世界の国民の平和的生存権と論理的に成立し得るのか、明確に答えていただきたいと思います。  憲法の議論を国会議員が逃げるのであれば、憲法審査会で真っ当な議論はできません。憲法しか国民を守るものはないわけでございます。我々国会議員は、憲法の議論をする以上は命懸けで、文字どおり、政治生命だけではなくて、本当の意味で命懸けで議論する必要があると思いますので、藤末議員の明確な答弁を求めます。(発言する者あり)

中川雅治自由民主党・国民の声

○会長(中川雅治君) 予定の時刻も参りましたので、意見交換はこの程度といたします。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時四十二分散会

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