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208回国会参議院2022/06/07

外交防衛委員会 第15号

発言数
156
登壇者
27
会派数
7
開催日
2022/06/07

会議録

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、河野義博君、佐藤啓君、高良鉄美君、滝沢求君及び福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君、伊波洋一君、宮崎勝君、小沼巧君及び武見敬三君が選任されました。     ─────────────

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  刑事に関する共助に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣人事局内閣審議官松本敦司君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 刑事に関する共助に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結について承認を求めるの件及び千九百七十七年の漁船の安全のためのトレモリノス国際条約に関する千九百九十三年のトレモリノス議定書の規定の実施に関する二千十二年のケープタウン協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 皆様おはようございます。自由民主党・国民の声の和田政宗でございます。  早速質問に入ります。  漁船の安全のためのケープタウン協定についてお聞きをいたします。  二〇一九年に本協定の二〇二二年までの締結を目指す宣言が発出をされており、同宣言に署名した未締結国が全て締結をすれば十分に発効要件を満たす見通しとなっておりますが、その見通しはどうでしょうか。

赤堀毅外務省大臣官房地球規模課題審議官

○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  二〇一九年十月に、各国による漁船の安全のためのケープタウン協定の締結を促進し、早期発効を目指すための閣僚級会合が開催され、最終的に五十一か国が二〇二二年十月までの締結を目指すトレモリノス宣言に署名しました。委員御指摘のとおり、同宣言に署名した未締結国が全て締結すれば十分に本協定の発効要件を満たす見通しでございます。  実際に、同宣言の署名国につきましては、これまで十五か国が締結済みであり、さらに、外務省が昨年実施した調査において十六か国が締結予定である旨回答するなど、締結に向けた動きが進んでいると認識しております。例えば、韓国は二〇二一年十二月に本協定締結のための国内手続を開始する旨を発表しております。日本に加え、これらの十六か国が締結すれば発効要件が満たされる見込みでございます。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 次に、日・ベトナム刑事共助条約についてお聞きをいたします。  本条約は、両国間の人的往来の活発化に伴い、在留ベトナム人による我が国での犯罪検挙数が増加していることから、刑事共助のニーズが一層高まっているとして締結をされます。  ベトナム人の犯罪検挙数、残念ながら、二〇一一年に千七百四十九件であったものが二〇二一年には六千三百二十九件と十年間で三・五倍以上になっております。  この在留ベトナム人による犯罪が増えている要因は何かということをお聞きしますとともに、それを防ぐための方策は何か、また現在どのようなことを行っているか、お答えください。

渡邊国佳警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(渡邊国佳君) お答えいたします。  令和三年中、ベトナム国籍を有する者の検挙件数、人員は、委員御指摘のとおり、刑法犯、特別法犯合わせまして六千三百二十九件、四千七人となっておりまして、ベトナム人犯罪の検挙件数、人員は十年前に比べまして増加しております。  増加の要因につきまして一概に申し上げるのは困難でありますけれども、ベトナム人による犯罪の特徴について申し上げれば、刑法犯では万引き等の窃盗犯が多数を占めております。特別法犯では、正規の在留期間を経過した後、就労目的でそのまま不法に残留し、又は偽造在留カードを入手して正規滞在者を装うなどの事案が多く見られるところでございます。  警察といたしましては、こうした犯罪を検挙しつつ、ベトナム人に偽造在留カードを提供したり、あるいは就労先をあっせんする国内外の悪質なブローカー等の取締りも強化するとともに、出入国在留管理庁を始めとする関係機関とも情報共有をさせていただいております。  一方で、ベトナム人を始めとする在留外国人の方々が犯罪に巻き込まれたり関与することのないよう、外国人の方々との共生を図る観点も含めまして、関係行政機関、住民団体、企業等と協調させていただきまして防犯講習あるいは交通安全教室といった各種の警察活動を行っておるところでございます。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 御答弁にありましたように、この犯罪に巻き込まれないようにする、またそういった誘惑にとらわれるようなことのないように、御答弁にあったようなことをしっかりやっていただければというふうに思います。  次に、強制労働の廃止に関する条約についてお聞きをいたします。  我が国では現在このように審議をいたしまして条約の批准が目指されておりますけれども、この条約の理念を広めていくため政府は行動されることと思います。四月には中国が全国人民代表大会常務委員会で本条約の批准を決めましたけれども、中国はウイグルを始めとして強制労働を続けていると見られています。日本政府は中国に強制労働をやめるようどのように働きかけていくのか、答弁願います。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 委員御指摘のように、四月の二十日に全人代の常務委員会におきましてこのILOの第二十九号条約及び第百五号条約の批准が決定したものと承知をしております。  また一方で、この新疆ウイグル自治区に関しまして、この強制労働の問題含め重大な人権侵害が行われているとの報告が数多く出されており、我が国としてもこの新疆ウイグル自治区の人権状況については深刻に懸念をしております。  国際社会からの関心が高まっている中国における人権状況について、強制労働の問題も含め、国際社会が引き続き緊密に連携をし、中国側に強く働きかけていくことが重要と考えております。我が国としても、人権の尊重に資する取組を積極的に行うよう、今後とも中国側に対して強く働きかけてまいります。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 しっかりと働きかけていただくとともに、これは、我々日本人としてしっかりと考えていかなくてはならないのは、やはりそのウイグルにおける日本企業がしっかりとした労働環境というものの下、労働をお願いをしているのかどうか、搾取につながる、強制労働につながるというようなことは絶対にあってはならないということでございますので、御答弁にありましたように、政府の姿勢とともに、我々国民がしっかりとそういったところも関心を持ち、それをさせないということをやっていかなくてはならないというふうに思っております。  次に、ウクライナ避難民の受入れについてお聞きをしたいというふうに思います。  ウクライナから避難してきた方たちが日本に滞在し仕事に就くには在留資格の変更が必要であり、在留資格変更許可を受けた際には四千円を手数料として納付する必要があります。在留資格の変更につきましては、言葉の問題などで避難者本人が手続を行うことは難しいことがありますので、手続のサポートを日本行政書士会連合会が行っておりますけれども、日本行政書士会連合会からは、この四千円についてウクライナから避難してきている方々については無料にすることができないかとの提言が佐々木出入国在留管理庁長官宛てに出されております。  ウクライナから避難されてきた方に接し、その状況をよく知る方々からの提案でありますが、政府の考えはどうでしょうか。

君塚宏出入国在留管理庁在留管理支援部長

○政府参考人(君塚宏君) 四月末にいただきました日本行政書士連合会からの提言書につきましては、様々な問題意識、意見が含まれておりまして、それを踏まえつつ、例えばでございますけれども、申請の受付から許可までの期間短縮など、可能な限りの対応を図っているところでございます。  御質問のございました在留資格の変更などの許可時におきまして手数料を納付いただくことにつきましては、出入国管理及び難民認定法第六十七条に定められておりまして、その中に一部の方々を対象にこの同手数料を免除するという規定はございませんで、したがいまして、制度の見直しにつきましては慎重な検討を要するものと考えております。  政府では、身元引受人のないウクライナ避難民の方々を対象に在留資格変更許可申請の支援などソフト面でのサポート体制を確保してございまして、身元保証人のない、身元引受先のない避難民の方々によりきめ細かな支援を実施しておりまして、この支援の中には、在留資格の変更許可時の手数料を負担することにつきましても含まれているところでございます。  また、日本に身元を引き受ける親族や知人がおられる場合には、これらの方々が身元保証人となりまして避難民の生活等に一定程度支援がなされることを想定しているところでございまして、在留資格変更許可時の手数料納付につきましても必要に応じて身元保証人に支援いただくことを想定しているほか、日本財団による生活費等の支援対象になるものと承知しております。  もっとも、避難民の方々が本邦に滞在していく上で更なる支援が必要な事態が生じた場合には、今、現時点で提供されている支援の状況も含めまして、個別の状況に応じ政府としても必要な支援を行ってまいります。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 これ日本行政書士会連合会の要望、これ当然法律の専門家でありますからそういったものも重々理解をした上で、ただ、この四千円というものについてどうなのかということで、私も法律、また政令を見させていただきましたけれども、これ政令の改正ですとか特例を設けることはできないのでしょうか。

君塚宏出入国在留管理庁在留管理支援部長

○政府参考人(君塚宏君) 御指摘の点も含めまして慎重な検討が必要だというふうに考えてございます。いろんな平等性の問題だとか公平性の問題、様々な観点からの慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございます。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 それではお聞きをしたいというふうに思いますけれども、この在留資格の変更手続に関しまして、手数料を自治体が肩代わりをする、又は何らかの形で自治体が支援するということは可能でしょうか。

君塚宏出入国在留管理庁在留管理支援部長

○政府参考人(君塚宏君) ウクライナ避難民を個々に受け入れていただいている地方自治体などがウクライナ避難民に係る在留資格変更時の手数料相当分を補填することにつきましては、出入国在留管理行政上、特段の支障はないものと考えているところでございます。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 ありがとうございます。  法令における平等性というのは、これはもう当然法治国家では必要なことではありますけれども、しかしながら、このように戦乱に巻き込まれて非常に困難に置かれている状況にある国民がいるということに対して、我々は自由と法と人権を守る国でありますので、そういった方々の困難に応えていく法令の運用ということも私は重要であるというふうに思っておりますので、引き続きしっかりとした検討を行っていただければというふうに思います。  次に、外国人観光客の受入れ再開についてお聞きをしたいというふうに思います。  外国人観光客の受入れが十日から再開をされます。そこでお聞きしますのは、空港での外貨の両替についてです。  政府は、二〇三〇年に訪日外国人観光客六千万人を目指しており、日本国内でのキャッシュレス化を進めてきました。これも私、観光担当の政務官のときに、インバウンド受入れのためにはやはりそのキャッシュレス化が重要であるということで、官公庁の職員の皆さんとともに取組進めてまいりましたけれども、一方で、まだやはり現金の両替の需要というものがあります。そうしたときに、空港での両替窓口ですとか外貨両替機が少ないのではないかというふうに私は考えております。また、二十四時間対応ということを考えた場合に外貨両替機の導入というものが有効であるというふうに考えますが、政府はどのように考えますでしょうか。

大野達観光庁観光地域振興部長

○政府参考人(大野達君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、インバウンドにつきましては、まずは一定の添乗員付きツアーの受入れが今週の十日から開始される予定となっております。このインバウンド復活によります地域活性化の期待も高まる中で、その本格的な再開を見据えて、外国人観光客の満足度や利便性を高める観点から、改めて受入れ環境整備にしっかり取り組んでいくことが必要だと認識しております。  また、観光庁におきましては、これまでも、各種の支援策の活用等を通じまして、コロナ禍にありましてもWiFi等の通信環境、キャッシュレス対応を始めとした受入れ環境の着実な整備の促進を図ってきたところであります。  一方、全般的に受入れ環境の整備が進捗しているものの、委員御指摘のとおり、空港での両替の円滑化など個別の課題につきましては改善の余地があることも承知しているところでございます。  引き続き、ニーズをしっかり踏まえつつ、関係部署とも連携をして、外国人観光客の満足度や利便性を高めるための受入れ環境整備を進めてまいります。

和田政宗自由民主党・国民の声

○和田政宗君 これ、両替窓口は外国人観光客が増えますとやはり並ぶ、それが日本への観光のストレスになってしまう、こういったことは避けなくてはならないというふうに思っております。ですので、外貨両替機をしっかりと設置を空港内にしていけば、そういった混雑の解消ということにも私はなってくるのではないかなというふうに思っています。  大野部長も真っ先にその先頭に立って今インバウンドの受入れということをやってくださっているわけでありますけれども、まさに新型コロナが始まる前の空港内の混雑というものは、もう本当に、うれしい悲鳴ではあるんですけれども、この混雑というのはかなりのものがあって、外国人の方々にとっては、入国までにどれだけ時間が掛かるんだというところはやはりストレスに感じる方というのは多くおりましたので、観光庁、国土交通省、そして外務省、また検疫、また様々な検査等においては厚生労働省なども絡んでくるわけでありますけれども、しっかりと連携を取ってやっていただければというふうに思っております。  この観光の再開というものは、やはり私は日本経済の復活、反転攻勢のかなり強い柱になってくるというふうに思っています。円安も、行き過ぎたところというのは、これは私は行き過ぎたものはいけないというふうに思いますけれども、現在の水準であれば外国人観光客が、では日本を観光してみようというような為替の水準でもあるというふうに思いますので、しっかりと、国内においては物価高騰対策であるとかそういったものはしっかり燃油のことも含めて手を打ちながら、この水準の円安が続くのであれば、こういったものをうまく利用しながら外国人観光客受入れということを進めていければというふうに思っております。  時間が参りましたので、以上で終わります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。今国会最後となると思いますが、質問のお時間をいただきましてありがとうございます。  今日はまず、議題となっている条約の一つ、刑事に関する共助に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約について質問いたします。  ベトナムは既に二十三の国及び地域との同様の条約や協定を締結していると承知していますが、日本は、ベトナムに加え、米国、韓国、中国、香港、ロシア、そしてEUにとどまっております。タイとの交渉が進んでいるとのことですが、ほかに交渉が進んでいる国や地域はあるのでしょうか。今後の方針も含め、外務副大臣にお伺いいたします。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 委員御指摘のように、現在我が国は、タイそしてまたブラジルとの間で刑事共助条約の締結に向けて交渉を行っております。なお、タイに関しましては、この締結に向けて正式交渉会合を開催すべく調整を行っているという段階でございます。そしてまた、国際捜査共助法等に基づきまして、刑事共助条約を締結しなくとも、我が国に共助を要請してきた国等との間で相互主義が保証されることを条件に、当該国等から要請をされた共助を実施することが可能となっております。  しかしながら、政府としましては、近年の国際犯罪の増加に伴いまして捜査、訴追その他の刑事手続に関する国際的な協力の重要性が高まっていることに鑑みまして、先ほど申し上げた国や地域との間の刑事共助条約の締結についても引き続き積極的に検討してまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  先ほど和田委員の議論の中でもございましたが、コロナ禍でインバウンド、アウトバウンドの交流がまだ低迷しているとはいえ、今後再び人的往来が増えることは十分予想されていますので、いざというときの備えとして是非前向きに取り組んでいただけたらと思います。  共助請求は原則書面で行われるとのことですが、書面以外の信頼し得る通信の方法による請求も可能との規定がありますが、これが具体的にどういった方法を指すのか、まず教えていただけたらと思います。

加納雄大外務省アジア大洋州局南部アジア部長

○政府参考人(加納雄大君) お答え申し上げます。  御質問にありました書面以外の信頼し得る通信方法というものが何に該当するかは本条約上具体的に特定されてはおりませんが、例えばファクシミリや電子メール等が想定されます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 十年ほど前に日・EUで結ばれた刑事共助協定においては、第三条で、「共助の範囲」として「共助には、次の措置をとることを含む。」ということで、具体的に、「映像及び音声の送受信による通話(以下「ビデオ会議」という。)を通じた聴取を可能とすること。」というふうにしっかりと明示されておるんですが、そういう中で、今コロナ禍で首脳会談を含めてオンラインでの各種協議が活発に行われているにもかかわらず、どうして今回、具体的にオンライン会議等の規定が明示されなかったのか、その理由と、条約の規定内でオンライン会議等が可能なのかどうか、外務省の御見解を伺います。

加納雄大外務省アジア大洋州局南部アジア部長

○政府参考人(加納雄大君) お答え申し上げます。  委員御指摘の日・EU刑事共助協定でございますけれども、ここではビデオ会議による聴取の規定というのがございます。これは、EU側から求めがあったこと等を踏まえて設けられたものでございますが、ビデオ会議による聴取に係る共助を相互に義務付ける規定ではございません。  なお、本条約には御指摘のとおりビデオ会議に関する規定はございませんが、条約上の規定がなくとも、対象が任意に応じ、我が国の主権との関係等が問題とならないことが確保できることが確認できた場合には、御指摘のようなビデオ会議を通じた聴取のために協力することは可能でございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 EUとの場合はEUから求められたというお話でしたけれども、今このコロナ禍の状況を考えたら日本側からオンライン等についても求めてもよかったんじゃないかなと思いましたが、きっと、それも可能だということで承知いたしました。  先ほども触れましたが、日本がこうした条約を締結している国・地域は非常に限定されています。締結国が相互に相応の便宜を図る内容だからなのかと勝手に推測しておるんですが、今、数々の経済制裁を行って外交官の退去まで求めているロシアとの条約を見直す可能性とかお考えは政府にあるのでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 委員からも、今般のいわゆる二月二十四日以降のロシアによるウクライナ侵略というこの状況下においてという御質問だと、このように承知をしております。  ロシアの力による一方的な現状変更の試みというものは断じて許されるものではありません。日本としても、引き続き国際社会と連帯をして強力な措置、制裁措置を含めて講じてまいりたい、このように思っております。  ただ一方で、こうして我が国が毅然とした態度をロシアに対して取っていく中においても、何が我が国の国益に資するのかという観点だけはぶれてはならない柱であるとも考えております。  そういったことを鑑みますと、この近年の国境を越えた犯罪の増加等に伴い、捜査、訴追その他の刑事手続に関する国際的な協力の必要性というものは高まっている、このように思います。また、刑事共助条約は、我が国での犯罪に関しロシアに共助を請求する必要がある場合に相手国による共助の迅速かつ確実な実施を確保するという意義があります。  また、そういった観点からも、ロシアによるこのウクライナ侵略によって直ちにその必要性であるとか意義というものが否定されるべきものではないと考えており、したがいまして、このロシアとの間での捜査協力というものは引き続き維持されるべきと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 岸田総理がG7との協調、協調ということを繰り返しおっしゃっているのでどうなっていくのかなという部分が心配ではあったんですが、実際、知床の事故においてもロシアとの連携というのもございましたし、こうした共助などによってロシアとの意思疎通を続けて、停戦へと導く外交努力というのも同様に大切じゃないかなと感じておりますので、引き続き対話の継続をお願いできたらと思います。  次に、日本の外交・防衛戦略について伺います。  岸田総理は、今国会冒頭の施政方針演説の中で、新時代リアリズム外交の第一の柱として、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値や原則を重視すると表明されています。その後、ロシアのウクライナ侵攻によって日本を取り巻く状況も大きく変化しました。しかし、だからこそ、今、周辺国の軍事的脅威の抑止のために日本が何ができるのか。新時代リアリズム外交の第二の柱として、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとか貧困削減、賢人会議等に総理大臣触れられておりますが、日本にしかできない国際貢献を追求し、それを日本の安全保障につなげていく確かな戦略を持って一歩踏み込んで行動していくことが、そういうときが来たと私も考えております。  日本の役割としては、周辺の専制主義的な国家に付け入る隙を与えない、老朽化も指摘される防衛力の整備や更新を図りながらも、日本だからこそ果たし得る平和構築とか民主化支援、また紛争仲介の役割をより積極的に担っていく、日本がリーダーシップを発揮して、軍事的な脅威を受けている国々、平和を追求する同志国と連携して紛争の平和的解決を目指す枠組みを構築する、力による現状変更の野心を持った国家に口実を与えない、武力攻撃しにくい環境を積極的につくっていくことも日本の安全保障にとって大事なのではないかと私は考えております。  平和を追求する日本が今後どのような国際貢献に力を入れていくべきか、日本の強みとは何なのか、鈴木外務副大臣にお伺いいたします。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 委員もおっしゃられておりますように、日本は戦後一貫してこの平和国家の歩みを進めてまいりました。このアジア太平洋地域や国際社会の平和と安定に貢献してきたという自負も持っているところでもございます。  例えばでありますけれども、国連平和維持活動、そしてまた、平和分野構築、平和構築分野における人材育成等にも取り組んでまいりました。また、ODA、そしてこの紛争の予防、緊急人道支援、さらには平和の定着、国づくりの支援、こういったものにまさにシームレスな取組をしてきたところであります。こういった取組の積み重ねというものが、今日、世界から寄せられているいわゆる日本のその信頼、これのまさに礎になっていると、このようにも認識をしております。  こういったこれまで脈々と培ってまいりましたこの強みというものを生かしながら、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を始め、また、同盟国、同志国との連携を重視しながら、委員御指摘のように、その日本ならではの外交というものを積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 先日来、同僚の鈴木委員も、片方だけの言い分ではなく、バランスの取れたやはり外交というのも日本には必要じゃないかというような御指摘をされていたように私は感じておるんですが、そういったバランスの取れた外交というのを、日本ならではの外交というのを是非進めていただければと思います。  次に、山口原子力防災担当大臣が、ミサイルが飛んできて、それを防げる原発はないと、世界に一基もないと、これからもできないと五月十三日の会見でおっしゃっていますが、これは、政府として、防衛大臣としても同じ御認識ということでよろしいのでしょうか。

岸信夫自由民主党防衛大臣

○国務大臣(岸信夫君) 我が国に飛翔します弾道ミサイルに対しましては、まず海自のイージス艦による上層での迎撃、それから空自のPAC3による下層での迎撃、これらを組み合わせた多層防衛で対処するということとしています。また、巡航ミサイル等については、航空機、艦艇、地上アセットから発射します各種の対空ミサイルで対応している、することとしております。  迎撃の回避については、我が方の能力が察知されるおそれがあるためお答えすることは困難でございますが、急速なスピードで変化、進化するこのミサイル技術が、迎撃能力を高める不断の努力が必要ではございます。その上で、PAC3の能力向上や衛星コンステレーションの検討といったもの等、取組を引き続き進めてまいります。  ただ、いずれにいたしましても、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、武力攻撃と認定し、日米で共同対処する必要がありますが、そもそも我が国に対する武力攻撃等が発生しないようにしていくことが何より大切でございます。  今後とも、様々な取組を通じて、日米同盟の抑止力、対処力を強化してまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 その山口大臣の、担当大臣のその記者会見のお話だと、今後も迎撃というか、ミサイル攻撃から守れることはないというふうにおっしゃっているように感じたんですが、その認識とは防衛大臣とは違うということでよろしいのでしょうか。

増田和夫防衛省防衛政策局長

○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  五月十三日の山口大臣の会見の中で、委員おっしゃるとおり、ミサイルが飛んできて、それを防げる原発はありませんと、世界に一基もありませんと、このように申しておりますが、この趣旨がどういう趣旨なのかと。例えば原発の構造上の問題なのかどうか、ちょっとここだけの発言だけ見ると分からないんですが、その前の段階で質問、記者から質問を受けて山口大臣は、原発の防衛を高めるということということはもう当然のこととして受け止めておりますと、これはもう防衛省に関わることでありますと。  ですから、原発の防衛という観点から申し上げますと、先ほど岸大臣が申し上げたとおり、我々としては、上層、下層での弾道ミサイル防衛、そして巡航ミサイルに対しては各種のアセットで対応すると、その中には当然原発の防衛というのも入っていると、こういうふうに思っているところでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 結局、明らかに、ミサイルが飛んできてそれを防げる原発はない、これからもできないというふうに明言されているのとは何かちょっと違うような感じはしますが、防衛省、そして防衛大臣がしっかりと守っていけるとおっしゃるんであれば、その言葉を信じたいとは思いますが。  ただ、当然、原子力発電所に対する攻撃というのはジュネーブ条約違反であるのは明白ですし、それをこれからも防げる、防ぐことはできないというふうに原子力防災担当をする大臣が明言されますと、発電所を有する自治体や地域住民は不安な日々を過ごさざるを得ないというふうに思っておりますので、原発を攻撃する暴挙が現実に起きる中で、今後その原子力発電所どうしていくのかという、これは国民的な議論をしていかなければならないと私は改めて感じております。  ロシアは、病院、学校、劇場、原子力発電所などあらゆる施設に無差別的な攻撃を続けていて、多くの子供も犠牲となっています。ウクライナ軍は、侵攻してくる部隊に対して抗戦、反撃をしていますが、ロシア国内の民間施設に対する無差別的な反撃をしているとは聞きません。  新時代リアリズム外交の第三の柱として、岸田総理は、いわゆる敵基地攻撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討する、スピード感を持って防衛力を抜本的に強化するとおっしゃっています。  私は、日米同盟の役割分担として、日本は盾、防御する力を整備し増強すべきだと思いますが、抑止力は米軍に頼るというのが日米安保の基本だと考えています。敵機や敵艦の探知能力を上げる、静かな潜水艦の建造をする、サイバー、宇宙の人材を育てるなど、日本が得意とする分野に注力して技術力を向上すべきで、他国の兵器を購入してそこに膨大な予算を費やすことは賢明でないと私は思っております。八発ミサイルを撃たれたら八発撃ち返す、そういうことに日本が注力するべきではないと私は確信しております。  そう申し上げた上で伺いますが、プーチン大統領は先日のインタビューで、ウクライナに長距離攻撃兵器が供与された場合、攻撃対象を拡大するという趣旨の発言をされました。この発言に対する防衛大臣の受け止めと、岸田内閣が整備を検討されているいわゆる敵基地攻撃能力の実効性についての御見解をお願いいたします。

岸信夫自由民主党防衛大臣

○国務大臣(岸信夫君) まず、ロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナの強固な抵抗やロシアの作戦面における様々な失敗などによりまして、首都キーウを含む電撃戦を狙った全面侵攻から東部等における消耗戦へと移行しつつあり、ロシア軍においても相当な犠牲が出ております。  御指摘のプーチン大統領の発言は、米国等による装備品の支援が効果を発揮している中で、より射程の長いロケット砲の供与によりロシアの領内への攻撃が可能となり得ることへの強い警戒感を示したものであると考えております。  他方、今般の侵略は、無差別攻撃によりまして多数の民間人が犠牲になるなど、そもそも事態をエスカレートさせているのは侵略を強行しているロシア側であることをいま一度想起する必要があります。  いずれにせよ、政府としては、急速なスピードで変化、進化しているミサイルなどの技術に対して、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、いわゆる反撃能力を含めて、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討しているところであります。今般の検討は、あくまで抑止力を高め、ミサイルなどによる攻撃の可能性を一層低下させるためのものであります。  引き続き、新たな国家安全保障戦略の策定をする過程で、憲法、国際法の範囲内でしっかりと検討してまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 先日の委員会でも、敵基地攻撃能力と反撃能力の違いについての質問に対して、特に違いはないというようなお答えだったから、今大臣も反撃能力というふうに言い換えてお話しされたのだと思いますけど、近い将来、日本がその反撃能力というのを持つとすると、ちょっとこれ通告していないんですけど、関連として言えば、その装備するミサイルというのは日本製になるんでしょうか、それとも海外からのミサイルを導入するということになるのか、もしお答えになれればお伺いしたいと思います。

岸信夫自由民主党防衛大臣

○国務大臣(岸信夫君) 我が国の国民の命と暮らしを守っていくために何が今必要とされているのか、そういったことをしっかり議論した上で装備を整えていくことになります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 いや、日本製かどうかということは、まだこれから検討するということでよろしいのでしょうか。

岸信夫自由民主党防衛大臣

○国務大臣(岸信夫君) 今の時点で、どこ製のものか、日本製なのか外国からのものなのか、そういう議論ではなくて、国民を守るために何をすべきかということについてまずしっかり検討してまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 いずれにしましても、ミサイル攻撃というのは民間人を巻き添えにする可能性も高いですし、その撃ち合いになるような事態は絶対に避けていただきたいと、このことだけははっきりとお願い申し上げます。  岸田総理の施政方針演説で、深刻な人権問題への対処として初めて国際人権問題担当の補佐官を任命されたとおっしゃっておりました。  そこで、中谷元補佐官のことだと思うんですが、そこで改めてアフガニスタンからの退避者について質問をさせていただきます。  駐アフガニスタン日本大使館のスタッフやJICAの関係者など、我が国に協力し連携してきたアフガニスタン人の受入れ状況について、現在の受入れ人数やその内訳、そして支援状況について教えてください。

西永知史外務省大臣官房参事官

○政府参考人(西永知史君) お答え申し上げます。  昨年のアフガニスタン情勢悪化後、政府といたしましては様々な外交努力を継続してきておりまして、現在までに我が国の支援を受けて七百名以上の日本関係のアフガニスタン人が本邦に到着しております。そのうち約百七十名が在アフガニスタン日本大使館の現地職員及びその家族でございまして、約二百名がJICA現地事務所の現地職員及びその家族でございます。  日本に入国したアフガン人、アフガニスタン人のうち、今御答弁申し上げました大使館やJICA事務所の現地職員につきましては、それぞれ日本政府及びJICAとして、住居や食事、日本語教育の機会の提供等の支援を行ってきているところでございます。  大使館やJICA事務所の現地職員以外のアフガニスタン人につきましては、一義的には身元保証人の方々に日本における生活全般を支援していただいておりまして、日本政府といたしましても、個別の事情を踏まえ、必要に応じて支援を行ってきているところでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 その日本に来日されているアフガニスタン人の中で、既にアフガニスタンに帰国された方というのはいらっしゃるんでしょうか。

西永知史外務省大臣官房参事官

○政府参考人(西永知史君) 日本に退避した大使館現地職員及びその家族のうち約十五名が、また、JICA事務所の現地職員及びその家族のうち約十名が自ら希望してアフガニスタンに帰国しております。そのほかにも複数の現地職員が帰国を検討してございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 タリバンと同じパシュトゥーン人はそれほど身の危険を感じられなかったかもしれませんけど、宗教上の理由でハザラ人とかは帰国が難しいということも伺っておりますが、帰国された方の内訳としてはどういうふうになっているんでしょうか。

西永知史外務省大臣官房参事官

○政府参考人(西永知史君) 今御答弁申し上げました、現在までにアフガニスタンに帰国した方あるいは帰国の意思を表明していらっしゃる現地職員の中には、少数民族であるタジク系やハザラ系の者も含まれているということでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 それぞれ希望されて帰られたということだとは思いますが、日本が受け入れられている方々について、ウクライナからだと避難民、アフガニスタンからだと退避者というふうに呼称が使い分けられているように感じますが、使い分けをする理由ですとか支援内容の違いがあるのであれば御説明をお願いします。

君塚宏出入国在留管理庁在留管理支援部長

○政府参考人(君塚宏君) 今御質問ございました退避という言葉と避難という言葉は同義であると考えてございまして、アフガニスタンからの退避された方、ウクライナ避難民というように呼称が異なることについて特段の意図を有するものではございません。  その上で、我が国といたしましては、この度のロシアによる軍事侵攻という極めて重大な国際法違反の暴挙によりまして近年において未曽有の人道危機が生じていることに際しまして、この一連の危機的かつ緊迫した状況を踏まえ、難民条約の難民に該当するか否かにかかわらず、このウクライナから逃れてきた人々を人道的な観点から幅広く柔軟に受け入れて、我が国における避難生活の場を提供する方針としているところでございます。そこで、こうした政府方針の下、我が国がウクライナから緊急に避難されてきた方々を積極的に受け入れることを的確に表現するものとして、この避難民という言葉を使っているものでございます。  その上で、支援のことでございます。  支援内容についての違いにつきましての御質問でございますけれども、このアフガニスタンあるいはウクライナ、それぞれの国から我が国に入国してきた今回の事態を踏まえて、入国してきた方々につきましては、申請に応じまして在留資格、特定活動の在留資格を付与しておりまして、これによりまして、一住民といたしまして社会保障の対象ということについては変わりはないわけでございます。  ただ、それに加えまして、ウクライナ避難民の方々につきましては、先ほど申し上げた経緯も踏まえまして、日本への渡航を切に希望するものの自力で渡航手段を確保することが困難である方々に対する渡航支援でございますとか、避難民の方々の在留資格についての柔軟な対応でございますとか、自治体や企業、NPO、NGO等からの支援申出を一元的に把握するための窓口及び物資、サービスの支援に関するマッチングサイトの開設がございますし、それから、これに加えまして、身元保証人が現にない方々につきましても、私どもの方において、一時滞在施設の確保、生活費や医療費の支給、日本語教室、カウンセリング、受入先となる自治体、団体等とのマッチングなど、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を実施しているということでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 今の後半の御説明いただいたのは、ウクライナ避難民に対するその支援ということでよろしいんですか。それとも、国に関わらずということでしょうか。

君塚宏出入国在留管理庁在留管理支援部長

○政府参考人(君塚宏君) 失礼いたしました。  先ほどるる申し上げましたこの出入国管理庁における、るるの対応につきましては、ウクライナ避難民に対する支援ということでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 先ほど和田委員からのお話の中で、ウクライナ避難民ですらまだまだその支援内容、不十分な部分ある、先日の予算委員会でもそうした質問がされていたと思いますが、ただ、やはり確かに人道上大変な問題で、命からがら逃げてきたというのは、ウクライナ避難民の方々はもちろん、ただ、日本に協力してきた、そうした外務省の、大使館の職員ですとかJICAの関係の方とかというのは、それも命からがら逃げてきて、その人たちとウクライナの避難民との待遇が違うというのはなかなかどうなのかなというふうに思いますが。  現在、政府の施設で受け入れているアフガニスタン人の方々と実は先日、金曜日ですけど、私、直接お目にかかってお話を伺ってまいりました。大使館スタッフとJICA関係者で待遇が結構違うな、JICAの方が比較的手厚い支援をされているなというふうに感じました。その施設にいらっしゃる方々は、グループとしてではなく個別に外務省の職員の方から呼ばれて面談して、八月末までに、施設から退去をするか有償で施設にとどまるか、早めに申出があれば日本側で渡航費用を負担するのでアフガニスタンに帰国するか第三国に移動するか、選択を迫られているそうです。繰り返し、日本では難民認定が難しい、言語や習慣の違いで永住するのは困難だと、そういったことも繰り返し繰り返し話されているそうで、先行きについて皆さん本当に不安を抱かれていました。  日本のために働いて命からがら日本にいらっしゃった方々にそうした申出をしているとするならば、岸田総理の人道外交に傷が付くと思われますが、そうした事実はあるのでしょうか。

西永知史外務省大臣官房参事官

○政府参考人(西永知史君) お答え申し上げます。  日本に退避をいたしました在アフガニスタン日本大使館及びJICA事務所の現地職員に対しては、これまで給与の支給を伴う雇用を継続するとともに、その家族も含め、居住先や食事の無償提供といった各種支援を提供してきているところでございます。  一方、退避から一定期間が経過するにつれまして、現地職員の個々の方々の状況や意向は次第に多様化している状況にございます。日本に退避した大使館現地職員及びその家族のうち約十五名が、またJICA事務所の現地職員及びその家族のうち約十名が自ら希望してアフガニスタンに帰国しているほか、複数の現地職員が帰国を検討しているところでございます。また、日本において長期的な滞在を希望する現地職員の中でも、日本において新たな雇用先を確保したり身元保証人を見付けるなどして新たな生活の基盤を手に入れた者もいらっしゃいます。  我々としましては、現地職員の個々の意向を最大限に尊重しつつ、今後の支援の在り方についても並行して検討を重ねているところでございます。  外務省といたしましては、引き続き可能な支援を提供しつつ、適切に対応していきたいというふうに考えてございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 先ほど申し上げたような、八月中に退去するか若しくは家賃を払うか、そんなような質問というか、そういうことを促していったとすると、それが適切な対処なのかどうかというと、何か、私、ちょっと適切じゃないように感じるんですが、その辺の事実関係はいかがでしょう。

西永知史外務省大臣官房参事官

○政府参考人(西永知史君) 現在我々が行っておりますような現地職員の方々との個々のやり取りにつきましてはお答えを差し控えたいと思いますけれども、住居にいたしましては、将来的に現在の滞在先からの移転が必要となる場合には、住居面でどのような支援を行うべきかにつき、現地職員の個々の意向や状況も踏まえ、個別具体的な検討を重ねているところでございます。  いずれにいたしましても、外務省といたしましては、個々の現地職員の意向や状況も踏まえながら可能な範囲の支援を行っていきたいと、そのように考えてございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 その個々の意向を私も伺ったんですけど、急に今、一定の給与は、もちろん突然日本も撤退したので、急に仕事がなくなるということで、受け入れた方たちに給与を支払うのは当然、それは当然のことだと思うんですが、ただ、突然出ていって普通の家賃を払ったりとか、あと、どれぐらい滞在するかも分からないのにその住居の契約をするというのは現実的に難しいですし、しかも、日本語の教育とかもそれほどされていない中で仕事を見付けたり保証人を見付けたりということを独自に退避してきた皆さんがするというのは現実的じゃないと思います。  そうですね、今入国された御家族の中には、中学生までの子供たちは地域の学校に通っているけど、高校生以上は教育も受けられないで、例えば地域でサッカー教室とか課外活動をしたいと言っても、それも禁止されているというふうに伺いました。  日本語の習得もできず、環境になじめない状況に置かれていて、ただただ無駄に時間を過ごしていると感じているそうです。そうした子供たちや家にとどまっている女性たちへの支援は何かお考えでしょうか。

西永知史外務省大臣官房参事官

○政府参考人(西永知史君) いずれにいたしましても、今委員が御指摘された日本語教育、身元保証、就業等の観点も含めて、個々の、現地職員の個々の意向やその個々の状況を踏まえながら、外務省としては、可能な支援の提供をしつつ適切に対応していきたいと、そのように考えてございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 先ほど来申し上げているとおり、先ほど和田委員のお話にもありましたけど、在留資格について、大使館とかJICA関係で雇用関係があった方は、現在、指定書の範囲内での特定活動資格が六か月ごとの更新ということで付与されているそうですけど、今後、長期滞在、私がお目にかかった方たちは長期滞在を希望されてはいるんですが、御家族を含めて指定書の定めがない特定活動が認められるべきだと思います。  そして、日本語の習得ができないで地域社会との関わりが薄い方々に身元保証人を自前で用意しろというのは、そして就職活動をしろというのはなかなか酷な話だと思いますが、外務副大臣、こうしたアフガニスタン避難民の方々が抱かれているこの先の見通しが立たない現状の不安に対し、政府として今後どのような支援をされていくのか、お考えを伺います。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 先ほど参考人からも答弁をさせていただきましたが、若干私からも補足をさせていただければ幸いです。  実際問題、小中、いわゆる義務教育の場合には学校へということもありますが、委員御指摘のように高校となりますと、いわゆる試験があっての進学ということで、今現在、実情として高校に進学をしている者、つまり生徒はいないということであります。ただ一方で、これも全てその個別の、個々人の意向によるところなんですけれども、社会の中で日本語をより学びたいという意向のある者に関しては、実際、そういったその就労希望を、又は日本語学校に独自に通っているという生徒といいますか、そういう若い世代もいるというように伺っております。  また、先ほどサッカー教室の話も出ましたが、これを、課外活動を禁止をしたという事実はありません。ただ、それぞれのサッカー教室では、そのサッカー教室に入るための、何というんでしょうか、入団テストという技量テストのようなものがあって、その中でいわゆる公正公平に、そのサッカー学校のルールにのっとっての合否というものは存在すると思いますが、外務省としましてそれを禁止をしているという事実はございません。  また、今後の見通しというところでありますが、もうこれも退避をされてから一定程度の時間が経過をし、まさにその中で個別の意向というものが出てきているということは事実であります。この事実に鑑みながら、外務省といたしましても、これまでもそうでありますが、これからも個別の皆さんの御意向というものをより細かく丁寧に酌み取りをさせていただきながら、しっかりと支えてまいりたいと思っております。  なお、外務省のみならず、必要に応じまして他省庁ともしっかりと連携をして取り組んでまいりたいと思います。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) おまとめください。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 時間となりましたのでまとめさせていただきますが、岸田総理が特に力を入れていられる国際人権問題ですので、一層の御尽力をいただきたいということと、あと、先日来聞いている小松基地での訓練機の事故については、先日報道発表で調査報告されまして、空間識失調という結論だったと思いますが、いずれにしましても、精鋭の隊員が命を落とされたことに対して改めて御冥福を申し上げると同時に、こういった事故が二度と起こらないように、そういう対策しっかりと行っていただきたいということをお願い申し上げ、私の質問を終わります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。  今日は、日本・ベトナム刑事共助条約に絞って質疑をさせていただきます。  まず、日本とベトナムの間の人的交流関係が非常に強くなって在留ベトナム人による我が国の犯罪検挙数が格段に増加している、もう既に御指摘のとおりでございますが、この刑事共助のニーズが一層高まっているわけでありますけれども、そもそも、この在留ベトナム人の検挙状況、特にどういう形での犯罪が多いのか、このことについての中身をまず教えてください。

渡邊国佳警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(渡邊国佳君) お答えいたします。  お尋ねのベトナム人による犯罪情勢でございますけれども、令和三年中、ベトナム国籍を有する者の検挙件数、人員は、刑法犯、特別法犯合わせまして、先ほども申し上げましたけれども、六千三百二十九件、四千七人となっておりまして、来日外国人犯罪全体を国籍別に見ると、件数、人員共に最多となっております。  犯罪の特徴でございますけれども、正規の在留期間が経過した後に就労目的でそのまま不法に残留する事案、あるいは万引き等の窃盗が多数を占めております。また、これ以外にも、覚醒剤等の売買等の薬物事犯ですとか殺人や強盗といった凶悪犯の検挙も見られ、多岐にわたっております。  警察といたしましては、今後ともこうした犯罪の取締りに努めてまいりたいと思います。  以上です。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 不法残留というのは、なぜ期間が過ぎても残留をしているのか、この理由が一つ。もう一つ、やはり万引きなど、あるいは非侵入型の窃盗などというのは、一般的には出来心というのもよくあるんですが、そうではなくて、生活苦、つまり食べるものがない、あるいは着るものがない、取りあえずという気分で、何というんでしょうか、やむを得ざる選択というんでしょうか、そういう形になっている、こんなふうな考え方があると私は思っているんですが、その辺の中身。  どのような状態でこの非侵入型の窃盗、あるいはまた万引き、あるいはなぜ一定期間を過ぎても残留しているのか、このことについての理由を述べてください。

渡邊国佳警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(渡邊国佳君) お答えいたします。  不法残留の理由をお尋ねかと思いますが、一口で申し上げるのはなかなか難しいところもございますが、私どもが扱っている事案の中では、やはり就労目的でそのまま在留期間が経過した後も不法に残留する事案が多うございますし、また、万引きについての理由といったものもお尋ねかと思いますけれども、おっしゃるような生活苦といったことも考えられはしますけれども、一方では、組織的に万引きを行ってこれを売りさばくと、あるいは輸出するといったような犯行形態もございますので、一概に万引きの動機、理由等が生活苦というものによるというふうにはなかなか申し上げ難いというふうに思っております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 組織的な犯罪と生活苦による犯罪、この仕分というのはどのくらいに分けられているんですか。例えば、今申し上げた万引き、あるいは窃盗、非侵入型の窃盗などの中での割合はどんなふうな形になっているんですか。

渡邊国佳警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(渡邊国佳君) ベトナム人犯罪を検挙いたしまして、その者の動機なり犯行の理由につきましては、一般論になりますけれども、正直に供述する者もあれば、ある種虚偽のことを申し述べる者もおりますし、あるいは一切語らない者もいるということで、これを統計化してちょっと数値としては持っておりませんので、なかなか一口にカテゴライズして数値なりはちょっと申し上げることは困難ということを御理解いただければと思います。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 悪いことした人をどんどんしょっぴけばいいと、で、日本国の警察のみでは大変だから、ちゃんとベトナムでもきちっとやっていただくという、そういう意味での条約なんですが、物事にはやっぱり原因があるはずでありまして、原因がなくして結果はないというのは当たり前ですので、ばくっとした理由で物事を推移していればなかなか解決に結び付かないと私は思っております。  基本的には、やっぱり送り出し機関が、きちっとした送り出し機関で行われているかどうかということと、受入れ機関がきちっと技能研修生、実習生をですね、受入れしてきちっとやっているかどうか、この辺がやっぱりポイントだというふうに私は認識しているところの一人でありますが、この受入れ側の方にもし問題があるとすれば、その状況についての認識と、対策についてはどのようになさっておられるのか。

君塚宏出入国在留管理庁在留管理支援部長

○政府参考人(君塚宏君) 今お尋ねございました受入れ側の問題ということでございます。  まず、数字でございますが、令和三年における失踪技能実習生の数は七千百六十七人でございまして、前年の五千八百八十五人と比べまして約二〇%増加をしているところでございまして、依然として多くの失踪者を発生していることについて私ども重く受け止めているところでございます。このうち、ベトナム人につきましては四千七百人余りということでございます。  この技能実習生の失踪原因を明確に特定することはなかなか困難な面もあるわけでございますけれども、この一部の実習実施者の不適切な取扱い、当初見込んでいた入国後の収入額等が実際と異なり、入国前に支払った費用を返済するため新たな就労先を求めるなどの技能実習生側の経済的な事情など、様々な原因があり得るものと考えております。  私ども技能実習制度を共管する立場といたしまして、この失踪技能実習生の問題を含めまして、この適正化に向けて、平成二十九年十一月に施行されました技能実習法に基づく措置を進めてきているところでございます。  また、平成三十一年三月に法務省内の技能実習プロジェクトチームが取りまとめた改善方策に基づきまして、この実習実施者、要するに受入れ機関でございますけれども、これに対しまして、外国人技能実習機構が定期に行う実地検査に加え、同機構が失踪事案発生時に臨時の実地検査を速やかに実施するなどの施策を行ってきたところでございます。  さらに、令和元年十一月には、失踪技能実習生の減少に向けた更なる改善方策として送り出し国におけるブローカー対策を求めるなど、二国間取決めに基づく対応の強化や在留カード番号を活用した不法就労などの摘発強化の施策を実施しているところでございます。  出入国在留管理庁といたしましては、引き続き、制度を共管する厚生労働省や外国人技能実習機構等の関係機関とも連携しながら、この技能実習制度の適正化に取り組んでまいりたいと考えております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 時間は節約していただいたんですが、議事録見ないと今の答弁じゃ分かんないですね。  それでは、外務副大臣、この送り出し機関にもやっぱり課題があるのかなというふうに私は思っております。三、四年前、クオン大使と、ベトナムの大使と私話していたら、何か大使は、今、自分の一番の仕事は失踪した人たちを捜すのが一番の仕事ですなんというようなことを言っておられて、これは気の毒な話でありまして、大使の仕事はもっと大事な仕事があるはずだと思ったんですが、そういうことを言っておられました。  そうすると、今受入れ機関の課題について御答弁をいただいたわけですが、送り出し機関に課題があるとすると、そういう課題を抽出してちゃんとベトナム側にこれを言わなくちゃいけないと思っていますが、そうした課題を抽出した上でちゃんとベトナム側の方に述べておられるのか、あるいはきちっと対応を求めておられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) まさに日本とベトナムの間ではこの二国間取決めというものを行っております。まさに相互で連携をし、しっかりと国際協力を果たしていく、円滑なこの技能の移転というものを進めていくというものであります。  その上で、ベトナム人技能実習生の送り出しに関して認定を受けている送り出し機関の中で取決め上の認定基準に反する場合には、ベトナム側が送り出し機関の認定を取り消すなど、必要な措置を講じるものとその取決め上で決まっております。  一方で、委員からは日本としてどのような調整、働きかけを行っているかということでありましたが、例えばですが、先月の一日には日越首脳会談が行われました。その際に、技能実習生をめぐる失踪の、委員御指摘のようにこの失踪の問題、不法残留の問題、悪質なブローカーの介在等の問題に関して、この問題ある慣行を抜本的に変え、技能実習生等の適切な訪日が実現するよう両国間で更に協力を加速化させることを確認をいたしました。また、具体的にですが、ブローカーを介さずに技能実習生が自ら送り出し機関や求人情報にアクセスできるサイトを構築することで合意をしたところであります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 今副大臣のいい答弁をいただいたところですが、今朝、たまたまNHKのニュースで、ベトナム技能実習生の負担軽減へと、求人情報入手の仕組みづくりについても考えていこうという話が出ておりました。  このニュースによれば、来日前に、外務省などによりますとということですので、外務省の調査というふうに理解をしていけば、来日前に五十万から百万程度の費用が必要になって、一般的に借金を背負ってから日本に来ていると。こういう困難な状況からしていると。そこで、送り出し機関への手数料や日本語の学習費用だけではなく、ベトナム国内に多数存在する日本の求人情報を紹介する仲介業者への支払などが含まれ、高い場合には十万から二十万ほどに上がり、実習生の負担を増やす要因になっているというような、外務省から得たような情報がニュースとして流れておりました。  まさに、こうした仲介業者を通さなくても求人サイトを、ベトナムの方々が日本の求人サイトをしっかり見れてきちっとアクセスができるという仕組みづくりができてしまえば、この多大なというか、高額な仲介料を払わずに来ることもできる。  あるいはまた、送り出し機関の要求する内容などについてもきちっと識別ができるようになると思いますが、この点について、今サイトを作るというお話をされましたところですけれども、それ以上のものがあるのかないのか、この点をお聞きした上で質疑を終わらせていただきたいと思います。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) おかげさまで、日本とベトナムの間ではもう既に、二〇一七年だったかと思いますけれども、この二国間の取決め、結ばせていただいております。  共通の約束の中の一つとして、まさにこの送り出し機関、いわゆるベトナム側、そしてまた受入れ側、その日本、受入れ機関ですね、まあ日本側によるその両国の法令違反というものがあった場合には相互に通報をする、そしてまた管理をする、そしてまた善処をしていくということが共通の理念といいますか、約束になっているところであります。  今委員御指摘のように、様々な具体的な問題というもの、指摘をされております。我が方といたしましても、先ほども申し上げましたが、求人情報にアクセスができる、より公平で適切な情報というものが、それを個人個人でしっかりとアクセスができるように担保できるサイトというものを構築で合意をしております。  引き続き、外務省のみならず関係省庁とも連携をさせていただきながら、この問題、委員御指摘のように、原因をしっかりと、それに対しての適切なアプローチというものを、引き続き、不断の努力を取り組んでまいりたいと思っております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございました。  せっかく親日のベトナムの方々が嫌日にならないように御尽力を賜りたいと思います。関係省庁の皆様の御尽力に御期待いたします。  ありがとうございました。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 二条約一協定については、もう既に和田委員、羽田委員、さらにただいま上田委員からもお話ありましたので、重複は避けたいと思います。  そこで、この日・ベトナム刑事共助条約について、二〇一八年から昨年まで三年掛かっていますけれども、これ時間掛かったのは私的にはコロナのせいかなと、こう思っていますが、そういう認識でよろしゅうございますか。

加納雄大外務省アジア大洋州局南部アジア部長

○政府参考人(加納雄大君) お答え申し上げます。  御指摘のとおりでございます。本条約の交渉開始から署名まで約三年の期間を要しましたけれども、その一因といたしましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い対面の交渉が困難となりまして、交渉の実施が遅れたという事情がございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 分かりました。  強制労働のこの廃止に関する条約についてですけれども、我々はこのILO二十九条があったなと、こう思っているのですが、これは、今度の第百五号条約というのは二十九条を補完する意味合いもあるという認識でよろしいでしょうか。

赤堀毅外務省大臣官房地球規模課題審議官

○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  ILO条約二十九号に加えまして、この条約によって、我が国が締結することで、国際労働基準に対する我が国の遵守姿勢を示すもので、強制労働の廃止に向けた国際的な取組を促進する観点から有意義であると考えております。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 分かりました。  次に、この漁船の安全のためのケープタウン協定でありますが、これ十年掛かっておりますけれども、十年掛けたのはどういう理由なんでしょうか。

赤堀毅外務省大臣官房地球規模課題審議官

○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  各加盟国が本協定を締結するためには、各加盟国の国内において、締結に向けた国内の業界との調整、協定の内容を担保するための国内法令の整備、見直し等の準備が必要でございましたので、こうした準備のためこれまで発効要件を満たすまでには至っていなかったものでございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 分かりました。  時間掛かったのは、日本を始め、特にアジアの国が多いわけですね、加盟国。だから、そこの意見調整というか、業界の声をよく聞いたという理解でよろしいんですね。

赤堀毅外務省大臣官房地球規模課題審議官

○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  各国に事情ございますが、それぞれの国内調整のための時間が一定程度必要であったということでございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 三本とも大事なものだと思いますので、しっかり進めていただきたいと思います。  そこで、この委員会での質疑も今日が恐らく実質最後だと思いますので、私は、委員会で質問してきたことについて確認をしていきたいと思うんです。  総務省さん、来ていますか。五月三十一日の予算委員会で、私は金子大臣に、KAZUⅠの事故で二十六人の人が犠牲になっている。まだ十二人が見付かっていない、確認できていないという状況なんですね。そこで分かったことは、携帯電話がつながらないということですね。そこで金子大臣には、アンテナを立てていただきたい、知床は世界遺産でもあれば国立公園です、北方領土隣接地域でもあるんです、その兼ね合いからも是非ともやってほしいとお願いしたら、金子大臣はしっかりと進めてまいりますとはっきりと答えてくれました。その後、どうなっていますでしょうか。

中西祐介自由民主党・国民の声総務副大臣

○副大臣(中西祐介君) 鈴木宗男先生にお答えを申し上げます。  まず、今回の事故によりましてお亡くなりになられました方々、また御家族の方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、また行方不明者の方々がおられますので、御家族の方々にもお見舞いを申し上げる次第であります。  先生の御質疑、予算委員会の質疑も承知をしておりまして、大変地元からも強い要望があるということも伺っておりますけれども、この携帯電話というのは非常に重要なインフラでありますもので、総務省では今、居住地域に加えまして、道路や自然公園などの携帯電話のエリア化につきまして、基地局整備に関する補助金支援などを通じて積極的に今推進をさせていただいているところであります。  当該地域の知床におきましても、国立公園の区域内に基地局を整備するためには自然公園法に基づく手続等が必要になりますので、環境省としてもしっかり、環境省ともしっかり連携をして進めていきたいと考えています。  また、この当該地域におきましては、携帯電話事業者が基地局設置に適した場所や手法について、現在、既存構築物である灯台への設置可否を含めて技術検討を実施をして検討しているところでございますので、こうした取組について事業者の後押しをしっかりとしてまいりたいというふうに考えております。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 副大臣、私、予算委員会では、今あなたが答弁したことに触れて金子大臣に駄目押ししたんですよ。その上で金子大臣はしっかりやると言ったんです。だから、やるかやらないか、どういうスケジュールで事業者には声を掛けたのかどうか、それをはっきり答えてくれればいいんです。

野崎雅稔総務省総合通信基盤局電波部長

○政府参考人(野崎雅稔君) お答え申し上げます。  携帯事業者にも声を掛けまして、携帯電話基地局の設置に当たりましては、どのような場所にどのような高さでどのような方向にアンテナを設置するかとか、専門的な知見が必要でございます。また、基地局設置に必要となる無線設備をどこに置くかと、あと電源をどうやって確保するかと。あと、基地局建設に当たって必要な資材をどうやって運搬するかと、道路もございませんので。また、自然公園法等の関係法令に関する許可をどう取っていくかというたくさんの課題ございます。  我々、携帯電話事業者とか環境省を含め、関係省庁入りまして、今しっかりと検討を進めているところでございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 とにかくやるという理解でいいですね。それだけ教えてください。

野崎雅稔総務省総合通信基盤局電波部長

○政府参考人(野崎雅稔君) 関係者ともしっかり前向きに検討しているところでございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 これはもう、今回こういう犠牲があったわけですからね。特にあそこは熊も出るんです。外国人が来ても、連絡取れぬといって困っている。しかも、来年はアドベンチャー・ワールド・ツーリズムか何かの大きなイベントもあるんですよ。それに外国人もたくさん来ますので、是非とも早くやっていただきたいと思います。  外務省にお尋ねします。  国後島に漂着した二人のこの遺体、KAZUⅠの乗っていた人でないかと思われる遺体ですけれども、DNA鑑定等、ロシア側からの要請には応えているのかどうか、今どうなっているか、教えてください。

宇山秀樹外務省欧州局長

○政府参考人(宇山秀樹君) お答え申し上げます。  国後島西岸において発見されました身元不明の二人の御遺体につきましては、現在、外交ルートを通じて事故の行方不明者との関連を調べているところでございます。  委員御指摘のとおり、ロシア側から、このDNA情報の提供、あるいは行方不明者の身体的特徴について日本側から提供してほしいという要請がございまして、可能な限り速やかにロシア側にこういった情報を提供できるように、御家族に御協力を求めながら進めているところでございます。現状はそういうことでございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 局長さん、家族の協力を得ながらといっても、家族は協力しているはずですけれども。今の答弁、ちょっとおかしいんじゃないんですか。  ロシア側から言われて日本は送ったわけですよね。あるいは、どういう調べをするかというのも詰めているわけですよね。家族が協力しているから、逆に家族サイドから私のところに来ているんです、どうなっているかというのを。  もっとしっかりした答弁、これ隠す話じゃないんですよ。外務省、これ、うそつきにいい外交できませんからね、はっきり言っておきますけれども。遺族の人からも昨日、電話も来ているんですよ、どうなっているんだということで。もっと国民にしっかり知らせた方が外務省のためになると思いますよ。海上保安庁も困っているんですから。

宇山秀樹外務省欧州局長

○政府参考人(宇山秀樹君) これ、個人情報ということもございまして、先ほど申し上げたような、行方不明者の方々の身体的特徴、DNA情報等の集約、失礼しました、収集、集約、これ関係省庁において行っておりますけれども、一定の時間を要していると承知しております。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 個人情報という言葉使っていますけれども、個人情報という言葉、委員長、聞いていて、今の該当しますか。遺体の確認が先なんですから、そのときに何が個人情報ですか。  そういう勘違いした答弁はいけないと思うんですが、委員長、どうです。ちょっと止めてください、委員会を。時間もったいないから。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) ただいまの件につきましては、委員長としてお答えする立場にないと判断いたしますので、答弁は差し控えます。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 速記を起こしてください。

宇山秀樹外務省欧州局長

○政府参考人(宇山秀樹君) 現在、海上保安庁、警察庁等と連携しながら、できるだけ速やかにロシア側に提供できるようにという調整を行っておりますけれども、まだ私ども外務省にこの情報が届いていないというのが現状でございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 時間ないからこのやり取りだけしませんけれども、宇山さん、海上保安庁も私の方には連絡来る、いわゆる遺族と思われる方からも、精神的にもいらいらされて私の方へ連絡来て、私もそれなりに情報入っていればロシア側にも確認はしているんですよ。もっと正直に、私は、これ困ったときの、その亡くなった方の遺族の気持ちをもっともっと察して配慮してほしいなと、こう思います。  そこで、宇山さん、この二人の遺体を捜してくれた人、ドミトリー・ソコフさんといいます。私も知っている人ですけれども、ビザなし交流にも大変協力してくれている人なんですよ。遺体が確認されて、これ日本人だと分かった場合、この人は今も捜索してくれているんです。感謝状なり何か謝意を私は示すべきだと、こう思っているんですけれども、いかがでしょうか。

宇山秀樹外務省欧州局長

○政府参考人(宇山秀樹君) 今委員から御指摘のありましたように、現地で御遺体の捜索等に尽力されている方がいらっしゃるということ、私ども承知しておりますので、委員の御指摘を踏まえて、その感謝の形をどう表すかということはよく検討いたしたいと思います。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 くれぐれもよろしくお願いをいたします。  私は、四月の二十八日、当委員会で林大臣に、ウクライナの公式ツイッターで天皇陛下とヒットラーとムッソリーニを同列に扱っている、けしからぬ、しかるべきルートで抗議せいと。そうしたら、参事官だとか次席公使でやり取りしたという話でした。それじゃ駄目だと、日本の天皇陛下に対して失礼な話だということで言いました。ハイレベルでやれとお願いしたら、林大臣も検討しますと言ってくれたんですけれども、その後どうなっているでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 鈴木委員御指摘のとおり、このまさにヒトラーと昭和天皇を同列に扱うということは全く不適切であり、大変許し難いことで、行為であったと、このように認識をしております。  その上で、結果でありますけれども、後日、四月の二十八日に林大臣から、自ら直接在京の大使でありますコルスンスキー大使に対して本件について強く申入れを行わせていただきました。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 その申入れをして、ウクライナ側の答えはどうだったんでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 既に、時系列になりますけれども、二十四日のうちにウクライナ政府に対して、不適切であり、また直ちに削除するように申入れを行いました。結果として、それを受けまして速やかに削除がなされていたということであります。ですから、二十八日に大臣から直接改めて、まさに鈴木委員御指摘もありましたので、大臣からハイレベルで直接申入れを改めて行わせていただきました。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 約一か月載っていたわけですから、これだけでも私は大変な不作為だと、こう思っております。ただ、林大臣が直接大使に言われたということは重いことでありますから、この点は評価したいと思います。  二月二十八日のこれは予算委員会になりますけれども、在留届について私は質問しました。何か問題起きたら日本人はすぐ公館に飛び込むようでありますけれども、三か月滞在すれば届出の義務があるけれども罰則がない、これが問題だと、こう思うんですね。改善が必要だということで答弁もいただいているんですけれども、その後どういう改善にしたでしょうか。

安藤俊英外務省領事局長

○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。  外務省といたしましては、これまでも在留届の届出率の向上に向けまして、本省や在外公館におきまして、企業関係者や留学生を含め、在留届の提出促進に努めているところでございます。  先般の委員の御指摘を踏まえまして、本年の三月以降、新たな取組といたしまして、インターネットの検索サイトやフェイスブックへのバナー広告を掲載したり、羽田、成田両空港ターミナルの電子掲示板へ広告の掲載、さらには日系航空会社の機内誌への広告掲載等を行ったほか、大学等の教育機関における海外安全対策の講演におきまして、海外に滞在する際に在留届を提出するようお願いいたしました。  今後とも、海外の邦人向け情報サイトへの広告掲載、これも予定してございます。引き続き、在留邦人保護の観点から、届出率の向上に向けて努力してまいりたいと考えてございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 一生懸命在外の人らやっていて、急にまた何かあって来られてもまた迷惑だと、するわけですから、やっぱりしっかりとふだんから定例化させていった方がいいなと、私はこう思っているし、また、これ委員の皆さん方にも、やっぱり予算ですから、この点、予算、外務省に対する支援を私は心からお願いしたいものだと、こう思っております。  内閣府来ていますか。先般、脇千島歯舞居住者連盟の理事長さん始め北海道知事、私も同行しましたが、岸田総理に、いわゆる今、墓参ができない、ビザなし交流できないという中で、それに代わる措置で、代替の慰霊をお願いされていました。私は洋上慰霊しかないと思うのですけれども、その洋上慰霊については今どういうことになっているか、教えてください。

黄川田仁志自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(黄川田仁志君) 北方四島交流等事業が当面実施できないことを踏まえまして、洋上慰霊につきましては、現在関係団体におきまして具体的な内容が検討されているものと承知しております。  先日も、六月二日木曜日に、北海道知事等から総理への要請も、慰霊祭の支援について求めがありました。総理からは、政府として必要な措置を実施する旨の御発言があったところでございます。現時点では、七月の下旬から、船舶「えとぴりか」を用いまして十回程度実施することで調整をしております。  関係団体と引き続き連携しながら、政府として必要な支援を行ってまいる所存でございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 元島民が一番強く要望していることですからしっかりと、今十回程度と言いましたね、逆に返せば、私は増えるんでないかなという気もしますけれども、さらに、始まる時期はいつと考えていますか。

黄川田仁志自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(黄川田仁志君) 今のところ七月下旬、まだ確定した日程は調整中でございますが、七月下旬を目途に開始したいというふうに考えております。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 速やかに実行していただきたいと、こう思っております。  鈴木副大臣にお尋ねします。  副大臣が就任のときの挨拶の中で、外務省には影響力のある政治家に対してはマニュアルが存在するらしいと、都市伝説かどうかも含めて確認したい。あわせて、自分も将来、マニュアルを作られるような政治家を目指したいという挨拶されておりますけれども、マニュアルはあったんでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 日々、まさにそのマニュアルの存在について私も不断の探求をしているところでありますが、一部、その中において、マニュアルではなくて取扱注意書だと御丁寧に御指導いただいた諸先輩もいるところでございます。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 私は、役所にはそれぞれの文化あるいは伝統もあっていいと思いますけれども、私は、日の丸を背にして劣悪な自然環境なり生活環境で頑張っているの、外務省の職員だと思っているんです。今もこうした話をしながらも、みんな働いている人が多いんですね。やっぱりそういった人たちに勇気と誇りを与えるのが私は政治であると思っているんです。  そのために、やっぱり協力してくれている政治家なり、当委員会の先生方もそうであります、やっぱりきちっと信頼関係結ぶのが私は外交にとってプラスになる、日本の国益につながっていくと、こう思うんですね。  その点に対し、副大臣はどういう認識でしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) まさに外交というものは、つまるところの人と人との関係であると思っております。どんなに技術等が、様々なものが発展若しくは新しくつくられようとて、それをまた動かすのも、そしてまたそれを使うのも人であります。つまるところの人であるという観点からは、委員御指摘のように、信頼関係というものが何よりであると、このように思っております。  そういった意味でも、引き続き、鈴木先生始め、他の委員の皆様方からの日々の御指導を元に、外務省としても、真摯な外交努力というものを引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) おまとめください。

鈴木宗男日本維新の会

○鈴木宗男君 私は声が小さくて気も弱くて失敗したことが多々ありますので、鈴木副大臣はしっかりと気を強く持って職責を全うしていただきたいなと、このことを申し上げて、終わります。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  今日議題のILO百五号条約を批准しますと、ILOの八つの基本条約のうち日本が未批准の条約は、第百十一号条約、雇用及び職業についての差別待遇に関する条約のみとなります。この百十一号条約は、一九五八年に採択されてから六十四年たっておりまして、私と同い年なんですが、加盟国百八十七か国のうち、約九四%に当たる百七十五か国が批准をしております。日本は常任理事国でありながら批准をしておりません。早期批准が求められております。  ILO創設百周年の二〇一九年には、衆参両院で、八つの基本条約のうち未批准の案件については、引き続きその批准について努力を行うという本会議の決議を全会一致で可決、採択をしております。  日本国憲法第十四条で法の下の平等を明記し、労働基準法第三条及び職業安定法第三条で均等待遇を定めております。にもかかわらず、なぜこの条約が批准をできていないんでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) ILOの第百十一号条約は、人種、皮膚の色、性、宗教、政治的見解、国民的出身又は社会的出身の七つの事由に基づく雇用及び職業における差別待遇の除去というものを目的としております。  ILO第百十一号条約の締結の重要性というものは認識をしておりますが、公務員の政治的見解の表明の制限や、肉体的また生理的な差異を考慮して、就業、労働条件について、性に基づく保護を設けること等に係る国内法制と条約との整合性を慎重に検討する必要があります。  引き続き、このILO第百十一号条約を締結する上での課題について、関係省庁とともに検討を進めてまいりたいと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 あの採択から六十四年、政府は同じような答弁を長い間繰り返してきました。姿勢が問われると思うんですね。そして、むしろ私は、姿勢は後退していると思います。  例えば、一九七四年の五月十六日、参議院外務委員会での当時の国際連合局長の答弁、できるだけ早く国会の承認を仰ぐ手続を進めるようにということで、目下鋭意努力しておりますとなっています。同様の答弁は労働大臣も含めて数多くされております。その後、二〇〇四年の第二回ILO懇談会の場でも、政府は、基本条約なので早期に批准すべきとは考えておりますと答弁をしております。  しかし、今の答弁は、重要だとはおっしゃいましたが早期批准が必要という言葉はなくて、慎重な検討という大変後ろ向きの答弁に変わっております。政府の立場は変わったんでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 先ほど申し上げましたように、まさにこの国内法制と条約との整合性というところが非常に重要になってくる、この観点から、関係省庁との協議というものが必要である、このような趣旨で先ほども答弁をさせていただきました。  しかしながら、この締結、第百十一号条約の締結の重要性というものは、政府としては認識をしております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 国内法制との整合性はかつてから問題だったんですね。それでも早期批准が必要だと言っていたんです。その言葉がなくなったというのはどうなのかと。  じゃ、重要性は変わらないというのであれば、早期批准が必要という立場は政府として変わりないということでよろしいですか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) このILO第百十一号条約に対しての政府の方針というものは基本的に変わりはございません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 つまり早期批准が必要だということでいいですね。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 繰り返しになりますが、政府の見解、立場、重要性の認識という点に関しましては変わりはございません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 答えていただいてないんですね。これ、大事なんですよ。  第五次男女共同参画基本計画で、女性差別撤廃条約の選択議定書について、早期締結について真剣な検討を進めると書いてあります。これ実は、この検討の途中でこの言葉を削除するという動きがあったんですね。私も質問しましたし、各方面から意見が出て、政府は、これを削ったら政府の姿勢が変わったような誤解を招くとして、早期締結という言葉を残したという経緯があるんです。  ですから、変わらないと言うのなら、早期締結が必要だとはっきり言葉で言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木貴子自由民主党外務副大臣

○副大臣(鈴木貴子君) 政府の方針に変わりはありませんし、早期締結というスタンスに変わりはございません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 早期締結が必要だということは大変私は重要な答弁だと思います。  是非その立場でやっていただきたいんですが、実際どうなのかと。この条約に抵触する可能性のある法律は何があって、項目としては幾つあると政府としては整理をしているのか、また、この条約との整合性の検討は具体的にどのような体制と頻度で行われているのでしょうか。

村山誠厚生労働省大臣官房総括審議官

○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。  まず、御質問の第一点、抵触する可能性のある法律についてでございますが、具体的には、例えば労働基準法第六十一条におきまして、満十八歳未満の年少者を深夜業に使用してはならないと規定する一方で、同条のただし書におきまして、交代制によって使用する満十六歳以上の男性については深夜業に使用することを許していることでありますとか、妊産婦以外の方を含む女性一般に対しても、例えば、特定の危険有害物の取扱いなど一部の業務への就業を制限している規定などがありますほか、また、先ほど副大臣から御答弁ございましたように、公務員の政治的見解の表明の制限を定めている複数の法律などがございまして、これらについて一つ一つ条約との整合性を検討する必要があるものというふうに考えております。  その上で、委員から、それは幾つかということでございますが、この義務を担保するために廃止、改正が必要か否か、引き続き精査、検討が必要ではございますが、現時点におきまして検討対象となる法律といたしましては少なくとも七本ございまして、また、その下位法令についても精査が必要であるというふうに考えております。  そして、第三点として、検討体制、またその頻度についての御質問がございました。厚生労働省におきましては、これまで条約と国内法制の整合性の検討のため、例えば御指摘の第百十一号条約も含めました未批准条約につきまして、毎年、先ほど委員からも御紹介のございました労使を参集した意見交換の場であるILO懇談会を開催し、その際には関係省庁とも緊密に連携を取りまして、条約と国内法制との整合性について検討を行い、資料等を提出しているほか、また他国における条約の実施状況等についての調査等を行ってきたところであり、こうした取組についてしっかり進めてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 様々述べられましたけれども、遅々として進んでいないわけですよ。同じ答弁を繰り返されている。  今国家公務員法との関係を言われましたけれども、日本が、ILO八十七号条約、結社の自由及び団結権の保護条約、九十八号条約、団結権及び団体交渉権条約を批准しながら公務員に労働基本権が確立されていないことこそが問題だと思うんですね。  ILOは、二〇〇二年に、日本の法令及び慣行、又はいずれか一方が条約第八十七号及び第九十八号の条項に違反しているとして、団体交渉権やストライキ権などの具体的な七項目を挙げて、全ての関係者との全面的で率直、意味のある協議を速やかに行うように勧告をいたしましたし、二〇一八年にも勧告が行われております。このILOからの勧告をどう受け止めていらっしゃるんでしょうか。

松本敦司内閣官房内閣人事局内閣審議官

○政府参考人(松本敦司君) お答え申し上げます。  先ほど委員が御指摘されたものも含めまして、ILOから公務員の労働基本権について御指摘をいただいているということは承知してございます。  一方で、我が国は、条約の批准に当たりましては国内の関係法制との整合性を確保したということで批准をしているところでございまして、今後とも、ILOに対しましては、我が国の法制度や実情等に関しての必要な情報を提供しまして理解を深めていただくことに努めたいと、努めてまいりたいと考えてございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 これ、二〇〇二年に勧告受けて、その後、特にこの自律的労使関係制度に関して必要な措置について、意味のある前進が欠けていると、こういう勧告が、同じようなものが十一回上げられているんです。二〇一八年にも勧告されているんですね。ですから、必要な情報を伝えるとおっしゃいましたけど、その上でこういう勧告を受けているということを、私、ちゃんと自覚する必要があると思いますけれども、いかがですか。

松本敦司内閣官房内閣人事局内閣審議官

○政府参考人(松本敦司君) お答え申し上げます。  自律的労使関係制度につきましては、これまでも様々な機会を捉えて職員団体との意見交換というのを実施しているところではございます。ただ、自律的労使関係制度につきましては、多岐にわたる課題や議論があるということでございまして、引き続き慎重に検討を進めてまいりたいと考えてございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 結局、慎重な検討といって先延ばしにしているんですね。  もう一つ聞きますけれども、母性保護に関する規定も先ほど挙げられました。しかし、日本は、ILO百三十五号条約、母性保護条約が未批准なんですね。母性保護はむしろ国際的に見て遅れているんです。母性保護の強化こそ求められているのに、現行の不十分な母性保護の諸規定が逆に差別になるといって百十一号条約を批准できない、そういう理由には私はならぬと思いますけれども、いかがでしょうか。

村山誠厚生労働省大臣官房総括審議官

○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。  ILO条約や勧告が定めます保護や援助に関する特別の措置に関しましては、第百十一号条約第五条第一項において差別待遇には当たらない旨明示されているところでございまして、したがいまして、ILO百八十三号条約において締約国が講じることとされている、例えば女性の産前産後休暇等に関する国内法令の規定に関しましては、第百十一号条約の適用上、問題にならないものというふうに考えております。  以上でございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 その百八十三号条約を日本は批准していないんですね。これ、元々あったものに女子差別撤廃条約を始めとする国際的な取決めを含めて四十八年ぶりに改定をされたわけでありますけれども、元についても批准しなかったし、この改定の際にも採決に棄権をしているんですよ。そういう、むしろ世界から遅れているのに、それが差別になるといって百十一号条約を批准できない理由にはならないということを申し上げたいと思います。  日本のジェンダーギャップ指数は、世界百五十六か国中百二十位、特に経済と政治の分野が遅れております。政府の第五次男女共同参画基本計画でも、企業における女性の参画拡大や女性の能力開発、発揮のための支援などについて盛り込まれております。雇用等における男女共同参画の推進も盛り込まれていると。  こうした男女共同参画の課題、ジェンダーギャップ克服の課題を進めるためにも百十一号条約の批准が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

林伴子内閣府男女共同参画局長

○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。  雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保は、ILO第百十一号条約を批准するか否かにかかわらず、働きたい人が性別に関わりなく活躍できる社会の実現に不可欠であります。  ILO百十一号条約の批准につきましては、国内法制との整合性の観点から、関係省庁、具体的には厚生労働省、内閣人事局、総務省、人事院、外務省において検討が行われているものと承知をしております。  二〇二〇年十二月に閣議決定をいたしました第五次男女共同参画基本計画におきましては、このILO第百十一号条約も含め、男女共同参画に関連の深い未締結の条約につきまして、世界の動向や国内諸制度との関係を考慮しつつ、締結する際に問題となり得る課題を整理するなど具体的な検討を行い、批准を追求するための継続的かつ持続的な努力を払うとしているところでございます。  私ども内閣府といたしましては、関係省庁の検討状況を注視していくとともに、雇用及び職業についての男女の差別待遇のない職場づくりに向けて、厚生労働省を始めとする関係省庁とともに取り組んでまいります。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 慎重な検討といってずっと先延ばしをしてきたことと、今読み上げられた男女共同参画基本計画の批准を追求するための継続的かつ持続的な努力を払うというのは、僕、大分大きな差があると思うんですね。  国際的にも最下位クラスになっているジェンダーギャップを克服する上でも早期の批准が必要でありますし、慎重な検討という答弁で先延ばしするんじゃなくて、国際水準から遅れた事態を打開するためにも、具体的な検討を促進をして早期批准すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  三条約については、特段異論ありません。  五月三十日の予算委員会で有田議員も取り上げた沖縄におけるPFAS汚染水の問題について伺います。  PFASは自然環境に存在しない有機フッ素化合物であり、発がん性など人体の健康への毒性が指摘されています。国際的には残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約において、PFOSは二〇〇九年、PFOAは二〇一九年に製造、使用、輸出入が原則禁止され、PFHxSについても議論されています。  国内でも、二〇二〇年に環境省、厚労省が一リットル当たり五十ナノグラムをPFASの暫定指針値と定め、規制を強化しています。  配付資料一の五月二十六日の琉球新報のスクープでは、二〇一六年の米軍が普天間飛行場の基地内で実施した調査で、暫定指針値の五百七十六倍に上る二万八千八百ナノグラムのPFASが検出されていたことが判明しました。これまで指摘されているように、沖縄のPFAS汚染は基本的にPFAS入り泡消火剤によるものであるとされています。普天間や嘉手納では毎週のように墜落火災訓練が行われ、その都度、この泡消火剤が使われております。もう五十年も前から使われている、これが原因であろうと思います。  六月三日、沖縄県環境保全課は、米軍基地周辺で実施したPFASの二〇二〇年の冬季調査結果を公表しました。嘉手納基地周辺の井戸など七地点では、PFOSとPFOAの合計値が最大値で環境省の暫定指針値の三十八倍に当たる千九百ナノグラムに上りました。二〇一九年四月の普天間基地周辺の住民に対する血液検査では、全国平均の四倍もの血中PFAS濃度が検出されました。比謝川や嘉手納井戸群など、嘉手納飛行場周辺から取水している北谷浄水場の水を利用している中南部四十五万人の沖縄県民、特に子育て世代は、有害物質の混入が指摘される水道水を子供に飲ませるか、ペットボトルの水を購入するかの選択を迫られ、日々不安に苦しんでいます。  予算委員会で岸田総理は、検出状況の把握、毒性の評価など、最新の科学的知見を確認した上で、政府として県とともに何ができるのか考えたいと答弁しています。  検出状況の把握ですが、令和元年度と二年度調査で、嘉手納と普天間の周辺で暫定指針値を超える値が検出されたのは何か所ですか。

森光敬子環境省大臣官房審議官

○政府参考人(森光敬子君) 御質問ありましたけれども、環境省は令和元年度及び二年度に有機フッ素化合物につきまして、河川及び地下水等の水環境におきます全国的な存在状況を把握するため、水環境中のPFOS及びPFOAの全国調査を実施いたしました。  御指摘いただきました嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺の地域における河川及び地下水等の調査結果につきまして、令和元年度と二年度の調査を合わせまして、当該飛行場が立地いたします市及び隣接する自治体において暫定的な目標値を超過しました地点数は十地点、最大値は、令和元年度の沖縄市の河川、大工廻川で、PFOS及びPFOAの合算で千五百八・一ナノグラム・パー・リットルでございました。  なお、河川の超過地点のうち浄水場の原水として使用されている地域については、浄水中では目標値以下であることを確認しております。また、地下水及び湧水の超過地点については飲用用途の水でないことを確認済みであることを申し添えたいと思います。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 総理は毒性評価など最新の科学的知見をお知りになりたいようですが、令和二年度防衛白書には、「分解されにくく、人体や環境に蓄積して悪影響を及ぼすおそれがある」と記述されています。  毒性評価など最新の科学的知見について防衛省はどのように認識していますか。

岡真臣防衛省地方協力局長

○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  PFOS等につきましては、これまで泡消火剤を含む様々な製品に使用されてきたところでありますけれども、環境中で分解しにくく、生物への蓄積性及び毒性が指摘されており、引き続き毒性評価等の科学的知見の収集が必要な物質であると承知をいたしております。  その上で、これは先ほど委員からも御指摘ございましたけれども、厚生労働省や環境省において、水道水や水環境中のPFOS等の暫定目標値を設定するとともに、水道水におけるPFOS等の検出状況の把握や水環境中における全国的な存在状況を把握するための調査を行っていると承知をいたしております。  防衛省といたしましては、このような取組が行われる中で、引き続き、事実関係の把握に努めるとともに、厚生労働省や環境省を始めとする関係省庁、また関係自治体と連携してまいりたいと考えているところでございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 米国では、国防総省が二〇一九年七月にPFASタスクフォースを設立して、全ての米軍基地に共通する、解決を要する国家的な課題としてPFAS汚染の問題に取り組んでいます。  国防総省のPFASタスクフォースの進捗、PFAS対処の状況について防衛省は把握していますか。

岡真臣防衛省地方協力局長

○政府参考人(岡真臣君) ただいま委員から御質問ございましたアメリカ国防省のPFASに関するタスクフォースの件でございますけれども、アメリカの国防省は、二〇一九年七月に、有機フッ素化合物の総称であるPFAS、これに関するタスクフォースを設置して様々な検討を行っていると承知をいたしております。  その上で、現在、米国防省は、全ての米軍施設について、訓練におけるPFASを含む泡消火剤の使用を禁止し、新たな泡消火剤の開発を進めるとともに、PFASを含む泡消火剤の交換を進めていると承知をいたしております。また、米本国の軍施設の汚染状況の確認や有害性に関する調査研究などに取り組んでいると承知をいたしております。さらに、二〇二一年七月から、環境・エネルギーレジリエンス担当の国防次官補代理が主宰となって活動報告を実施していると承知をいたしております。  PFOS等をめぐる問題につきましては、米国内における取組も踏まえながら、関係省庁及び関係自治体と連携し、引き続き政府全体で取り組んでまいります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 米国防総省のホームページによれば、研究によりPFASが健康に影響を与える可能性が指摘されており、PFASの健康影響について懸念がある者は医師への相談を推奨されています。また、国防総省は、連邦クリーンアップ法にのっとり、PFAS調査とリスク評価によって順位付けを行った上でクリーンアップを行うということを明確にしています。  沖縄の米軍施設で米国防総省によってどのような調査がいつ行われましたか。調査結果について情報提供を受けていますか。

岡真臣防衛省地方協力局長

○政府参考人(岡真臣君) 米国防省は、PFASが使用された、あるいは放出された可能性のある約七百の施設において浄化のための評価を実施しておりまして、昨年十月に、米国、具体的にはホワイトハウスの方で公表している資料でございますけれども、これによりますと、二〇二三年末までに全ての初期評価を完了する予定であるというふうに記載されているものと承知をいたしております。  他方、この評価の対象となりますのは、基本的に米国内に所在する米軍施設であるというふうに承知をいたしております。  いずれにいたしましても、引き続き、PFOS等をめぐる問題全般に取り組む中で、米国内における取組も踏まえながらアメリカ側と議論をしてまいります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 米国が、国家的解決を要する、国家的な課題としてタスクフォースを行い、そして調査をして、七百近く調査しているのに、まあ沖縄、日本にはいっぱい米軍基地があるんですね、それをただ傍らで見ていてはいけないでしょう。  やはり、そういう意味では、国としても、当然その調査をさせて、そしてしっかり報告を受けるという形でなきゃいけないと思いますが、いかがですか。

岡真臣防衛省地方協力局長

○政府参考人(岡真臣君) PFOS等の問題につきましては、日米間では、例えば日米のいわゆる2プラス2といった閣僚レベルのやり取り、あるいは日米合同委員会の下に設置されております環境分科委員会での実務者間でのやり取り等に至るまで、様々なレベルで米側と議論をしているところでございます。  このような中で、PFOS等をめぐる問題全般に取り組むに当たっては、米国内における取組も踏まえながら引き続き米側と議論してまいりたいと考えております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ただいまの報告では、米国防総省のPFAS調査の概要とかあるいは状況について明確にされませんでした。  是非、委員長には、国防総省のPFAS調査の概要、汚染状況、クリーンアップの優先順位等、それらについて防衛省から理事会に報告することを求めていただきたいと思います。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 沖縄県には、名護浄水場、久志浄水場、石川浄水場、西原浄水場、北谷浄水場がありますが、北部ダム水を使用している北谷以外の四浄水場ではPFASは検出されていません。嘉手納基地の地下井戸群や、あるいは周辺の比謝川など中部河川水から取水している北谷浄水場の水道水から検知、検出されるPFASが米軍由来であることは明らかです。  岸田総理は、政府として県とともに何ができるかを考えたいと答弁されていますが、そんな悠長な話で済ませてはなりません。何ができるか、やるべきことは明らかです。  まず、国の責任で比謝川や嘉手納井戸群などの取水を停止し、北部の国管理ダムからの取水に切り替えて安全な水を供給することです。その上で、米国でも実施されている、懸念のある住民に対しては健康調査、具体的な血液検査で血中のPFAS濃度を測定すること、適切な医療を保障すること、最後に、真相究明を行い、米軍、日本政府の責任で湧水汚染の原因である土壌のクリーンアップ、原状回復を行うことです。  北部国ダムの取水への切替え、水の融通については、二〇二〇年三月の沖縄北方特別委員会で当時の衛藤沖縄担当大臣から、国も積極的に県と協議することを約束していただきました。しかし、現在のところ増量はいまだされていません。そもそも、県の水利権は日量四十三万トンですが、県が実際に使用しているのは三十七万トンです。残りの日量六万トンの水について、国は環境行政や厚生行政の立場からも、県に対して北部ダム水を優先的に提供すべきです。  改めて、沖縄県に対し北部ダム水を優先的に提供できるということを確認していただきたい。

水野敦内閣府沖縄振興局長

○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。  二〇二〇年三月十九日の沖縄北方特別委員会でのやり取りは承知しておりまして、議員御指摘の課題につきましては、二〇二〇年四月以降、沖縄総合事務局において沖縄県と十一回の協議を重ねたところでございます。その結果、一日当たりに必要な取水量約四十四万トンに対し、沖縄県企業局は、国又は沖縄県が管理するダムから一日当たり最大約四十八万トンを取水可能であるということが国、県の相互で確認できたものと聞いてございます。  どの水源から取水するかにつきましては沖縄県企業局が判断するものでございますけれども、引き続き県等から相談があれば協力してまいりたいと、このように考えてございます。  以上です。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 これは国としても積極的にやらなきゃいけないです。  昨年、今ちょうど福地ダム水からの導水路の工事が十一月から一月まで毎年行われています、東水系。西水系の方の導水路ができるから水は来ているんですが、そこで心配しているわけです、半分の道しか使えないから。  それで、昨年十二月から漢那ダム、金武ダムからの増量を求め、そしてそれは即時に実現させました。しかし、肝腎の福地ダムからの増量できていません。それをしっかりさせていくこと、そしてその工事期間中も十分に水が取れるようにする。つまり、県ダムや、あるいはさっき言った金武ダム、漢那ダムから水を取れるように、そこをためておけばできますので、是非改めてこの皆様方の対応をお願いしておきたいと思います。  さて、沖縄県のPFAS汚染から市民の命を守る連絡会は、今後、宜野湾市と金武町の住民に血液検査を実施し、結果を県と共有して問題解決につなげたいと言っております。  住民が実施する血液検査を国として支援し、結果を共有して問題解決を図るべきではありませんか。

岸信夫自由民主党防衛大臣

○国務大臣(岸信夫君) 先月三十日の参議院予算委員会におきまして、総理からは、まずPFOS等の検出状況を把握し、毒性評価などの最新の科学的知見をもう一度しっかり確認した上で、政府として何ができるのか検討したいという旨の発言がございました。防衛省としても、PFOS等をめぐる問題に関しまして、地域住民の皆様の不安を受け止めております。  引き続き、事実関係の把握に努めるとともに、いかなる対応ができるか、厚労省や環境省を始めとする関係省庁、関係自治体と連携して検討してまいります。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) おまとめください。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 資料の三の方に新聞記事がありますが、今言いましたように、現在、中部河川からは取っておりません。ですから、そういう意味では、東水系の水の工事がまた十一月から始まります。その際に再度取るかもしれないと書いてあるんですけれども、取らなくても済むように、つまり、汚染水を原水にしなくても済むようにやはり国としてもしっかり応援をしていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。よろしくお願いします。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 他に御発言もないようですから、三件に対する質疑は終局したものと認めます。  防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。  これより三件について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、刑事に関する共助に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、千九百七十七年の漁船の安全のためのトレモリノス国際条約に関する千九百九十三年のトレモリノス議定書の規定の実施に関する二千十二年のケープタウン協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時九分散会

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