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208回国会参議院2022/05/19

外交防衛委員会 第13号

発言数
147
登壇者
27
会派数
8
開催日
2022/05/19

会議録

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、若松謙維君、北村経夫君、三宅伸吾君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君、堂故茂君、宮島喜文君及び羽生田俊君が選任されました。  また、本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として杉久武君が選任されました。     ─────────────

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長長田敬君外二十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、二千二十五年日本国際博覧会に関する特権及び免除に関する日本国政府と博覧会国際事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件及び万国郵便連合憲章の第十追加議定書、万国郵便連合憲章の第十一追加議定書、万国郵便連合一般規則の第二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第三追加議定書及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子です。本日もよろしくお願いいたします。  まず、二千二十五年日本国際博覧会に関する特権・免除協定について伺います。  この条約改正案では、非商業的活動の範囲で法人税等の直接税の免除、また関税の免除などが規定されています。大阪・関西万博の会場建設費の原資には国民の税金も含まれています。今、日本では、やはり国民の税負担が適切であるか、こうした視点というのが非常に大切になってきていると思うんです。  こうしたことの検証をするためにも、万博終了後、本協定で免税された総額、これを国民に明らかにするべきと考えますが、政府の見解を伺います。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 博覧会後に免除総額を明らかにするかどうかにつきましては現時点で決まっておらないわけでございますが、今後どのような形で対応することができるのか、関係省庁とよく相談をしてまいりたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 国民のやはり税の使い方、この負担が適切であるか、この視点というのは非常に世論で高まってきていると思いますので、政府の皆さんに関しましても、この協定の免除額ですね、これを可能な限り明らかにしていただきたい、これ要望させていただきたいと思います。  次です。万国郵便条約ですけれども、これは、電子商取引、これからどんどんどんどん広がっていくと私自身も思いますけれども、大型郵便物や小型包装物、この到着料率を今後自己申告していこうということが改正案の一つの目玉になっています。  現在、日本では、国内の配送コストというのがこの到着料よりも高くなっていて利益というものが削られているんじゃないかという指摘というのがあります。今回の法改正によって、例えば日本郵便の収支、一年で十一億円改善するということなんですね。  こうした日本郵便の方々、今十九万人従業員の方々がいらっしゃるんです。こうした法改正によって従業員の方々の負担というものが増えていかないということをお約束していただきたいということと、それから、この自己申告制度、いかに評価しているか、今後どう取り入れていくか、この点についても政府の見解を伺いたいと思います。

赤堀毅外務省大臣官房地球規模課題審議官

○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  到着料の自己申告料率制度は、我が国を含む先進国等において国内配達コストを十分賄えていないことを受け、今般導入されることとなったものでございます。自己申告制度の導入により、他の加盟国からの郵便物の受取は、実際の配達コストに見合った高い水準の自己申告料率を適用できるようになります。  日本郵便も、各国の郵便事業体に請求する到着料について自己申告料率を適用する予定であると承知しております。これにより我が国の到着料収入は増加し、日本郵便の国際郵便収支の改善につながるものと考えられます。  具体的には、一定の条件下で試算したところ、現行条約が適用される二〇一九年と比較して、二〇二三年は年間約十一億円の到着料収支の改善が見込まれ、我が国に到着する外国からの通常郵便物の配達処理に係る費用負担が改善される見込みでございます。  既存の制度におきましても、到着料の算出に当たっては、日本郵便が郵便物に関する所要のデータ抽出を行っていると承知しております。自己申告料率制度を導入することで、より実態に即して国内コストが賄われることとなる見込みでございますが、日本郵便において行っているデータ抽出の業務に変更は生じません。このため、自己申告料率の導入により現場の職員の御負担が増加することはないと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 ありがとうございます。  この現場の郵便局職員の皆さんの負担が増えないよう、しっかりと対応させていただきたいと思っております。  次です。来週、アメリカのバイデン大統領が来日されます。副大統領になってから随分時間がたっていて、私も非常に訪日を歓迎したいと思います。  今報道で、IPEF、インド太平洋経済枠組み、この発足が表明されていまして、日本も参加を表明する方針と報道に出ております。  まず、IPEF、それからTPP、これは一体何が一番違うのか、これについて御説明いただけますでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 日本は、バイデン大統領の提唱するインド太平洋経済枠組み、IPEFでございますが、これをアメリカのインド太平洋地域への積極的なコミットメントを示すものとして歓迎し、参加に向けて前向きに検討を進めておるところでございます。  TPPとIPEFの違いについてでございますが、このIPEFは、現時点ではインド太平洋地域における経済面での協力について議論するための枠組みでありまして、将来的にTPPのように国会の御承認をお願いする必要があるような国際約束につながっていくかどうかは決まっていないというふうに認識をしております。  日本としては、アメリカによるインド太平洋地域の国際秩序への関与という戦略的な観点から、アメリカのTPP復帰が望ましいという我が国の立場には変わりはないわけでございます。首脳を含む様々なレベルで引き続き米国のTPP復帰、これを求めていくとともに、IPEFも活用しつつ、米国を含む形でこの地域の望ましい経済秩序の構築に向けまして日米で緊密に連携して取り組んでまいりたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 今年三月一日、米国通商代表部が作成した資料によりますと、このIPEFの内容、一つに税、これも一つの柱になっていると思うんですね。もし税を変える場合に、やはり国会の承認、また国会の説明責任、これが発生すると思いますが、こうした点についていかがお考えになりますか。

小野啓一外務省経済局長

○政府参考人(小野啓一君) お答えいたします。  米国が明らかにしているところでは、四つの柱がございまして、そのうちの一つに、委員御指摘のとおり、税、腐敗防止というものがございます。  実際に国会の御承認を得る手続をお願いするかどうか、これについては、今後の議論の結果、その内容に応じてしっかりと検討していきたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 国会への説明責任、しっかり果たしていただきたいと思います。  今回アメリカが初めてこのIPEFについて言及したのは、昨年の十月二十七日、東アジア・サミットです。この東アジア・サミットには中国も参加しているんですよね。この参加国なんですが、中国も含めて考えている、これは正しいでしょうか。

小野啓一外務省経済局長

○政府参考人(小野啓一君) お答えいたします。  IPEFの実際のその参加国、これにつきましては、現在アメリカを中心に最終調整されているところであると承知しておりますので、現時点で今の点についてお答えすることは困難でございます。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 会談終わった後、しっかり国会への説明責任果たしていただきたいと思います。  このバイデン大統領との会談で、岸田総理、これ、核兵器なき世界への共通認識、これについてバイデン大統領と話すおつもりはあるかということを伺いたいと思うんですね。  一月の二十一日、日本の外務省及び米国国務省は、NPTに関する日米共同声明を提出しています。この会談後、何かこの核に対する共同声明また合意、こういったことを行う予定というのはあるんでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この日米首脳会談でどういったことが議題として取り上げられるかということ、これを現時点で予断することは差し控えたいと思いますが、我が国としては、核兵器のない世界に向けまして、唯一の同盟国であるアメリカとの信頼関係を基礎に現実的な取組を進めていく考えでございます。  岸田総理は、一月の日米首脳テレビ会談でございましたが、バイデン大統領との間で、核兵器のない世界に向けて共に取り組んでいくということを確認をしております。同時に、我が国を取り巻く安全保障環境、これが一層厳しさを増す中で、日米同盟はこれまでになく重要なものとなっておりまして、拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることの確保、これを含めて、日米同盟の抑止力、対処力の強化、これにもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 ウクライナ侵略というものについて伺いたいんですが、この長期化ということが懸念されております。米国の国家情報長官、これが五月の十日に、長期戦の準備しているんじゃないかということを証言されていて、核兵器の使用についても議論されています。  日本政府の、このウクライナ侵略戦争に対する核兵器の使用、これはどの程度リスクを分析されていらっしゃるんでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 五月十日でございますが、今、田島委員からお話がありましたように、ヘインズ米国家情報長官が上院の軍事委員会におきまして、プーチン大統領はウクライナでの長引く紛争に備えつつある、プーチン大統領が核兵器の使用を許可するのは、恐らくロシアの国家や体制に対する存亡の危機を察知した場合のみであろう等の発言を行ったと承知をしております。  プーチン大統領は、以前から、最初に設定された目的が完遂されるまで軍事作戦を継続すると、こういう旨を述べております。侵略の長期化の可能性について予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思いますが、侵略の長期化のおそれがあるとすれば、その原因はプーチン大統領の意思にあるというふうに認識をしておるところでございます。  今まで、国連事務総長を始めとして幾つかの国、フランス、トルコ、ドイツ等でございますが、この仲介努力を行ってきておるわけですが、プーチン大統領からは、自らの強硬な立場、これを和らげて歩み寄ろうとする兆しが見られないわけでございます。五月九日の演説においても、プーチン大統領はウクライナ侵略を重ねて正当化をしておるわけでございます。こうした状況において必要なことは、ロシアが侵略をやめるようにロシアに対して強い制裁措置を講じていく、そして侵略の対象となっているウクライナ、これを支援していくことであると考えております。  また、日本としては、今般のロシアによるウクライナ侵略の中で核兵器が使用される可能性を深刻に懸念をしております。先週、ドイツでG7外相会合に参加してまいりましたが、その場で私から、ロシアによる核の使用、威嚇は決して認め得ず、国際的な核軍縮・不拡散体制の維持、強化が重要であるという旨を強調させていただきまして、G7の連携を呼びかけました。  引き続き、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないということを様々な国際場裏において強く訴えてまいりたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 ありがとうございます。  唯一の被爆国と今大臣の口からおっしゃっていただきましたけれども、やはりそうだと思うんですね。まずは核兵器なき世界というのがやっぱり日本が目指すべき到達点であるということを前提に、しっかりとアメリカのバイデン大統領とも会談していただきたいと思っております。  次に、アメリカのバイデン大統領が訪日されたときに、ウクライナへの更なる防衛装備品移転を要請された場合、日本政府、どのように対応されるんでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この国際法違反の侵略を受けているウクライナに対しまして、現在までに、防弾チョッキ、防護マスク、防護衣等の装備品等を支援してきておりまして、自衛隊法に基づきまして、防衛装備移転三原則の下で適切に提供がされております。  欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為に対しまして国際社会と結束して毅然と行動するということは、我が国の安全保障の観点からも極めて重要であると考えております。  仮定の質問にお答えすることは困難でございますが、我が国はウクライナの国民と共にあり、米国を始めとする国際社会と連携しつつ、強力な対ロ制裁措置、人道支援、財政支援、装備品等の提供等、我が国としてできる限りの支援をタイムリーに行ってまいったところでございます。  引き続き日本として適切な形でウクライナの人々に寄り添った支援、これを実施していく考えでございます。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 今月五月十七日、韓国の元陸軍中将で現在国会議員をされている申源シク議員のインタビューが出ております。この申源シク議員はこう言っていますね。詳細は説明できませんが、米国は水面下で韓国に攻撃用兵器の支援を要請していますと、バイデン大統領が今月訪韓する際、この話が提起されるでしょう、こういうふうにおっしゃっています。  韓国、先に行かれるということですけれども、日本ももしこれ本当にバイデン大統領から要請された場合、どうされますか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この御指摘の情報、報道については私自身まだ接しておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、要請された場合という仮定の質問は大変お答えすることは困難でございますが、先ほど申し上げましたように、今までも、防弾チョッキや防護マスク、防護衣等の装備品等は提供してきておりまして、今後も日本として適切な形でウクライナの人々に寄り添った支援、これを実施していきたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 私、先日、火曜日のこの委員会で、日本政府のウクライナ政府に対するドローンの提供について取り上げさせていただきました。市販品であれば武器ではないと、こういったような解釈をされて運用されているんですよね。本当に、適切というふうにおっしゃいましたが、やはり防衛装備品移転三原則の趣旨にのっとってきちんと厳格に対処していただきたいなというふうに思っております。  次です。今、地球規模の課題を解決するために、これまでの資金調達の在り方だけではやはり我々難しい部分というのは非常に大きくあるのではないのかなというふうに思っております。  今週の火曜日には国際連帯税について伺わせていただきました。  本日は、IMFというものが各国に対してSDR、特別引き出し権というのを出しております。二〇二一年、昨年の八月には約六千五百億ドル規模のSDRというのを各国に出資比率に応じて案分しています。日本政府は、これ、IMFに対して六・四八%出資していますから、大体日本円にして今の為替レートで五・五兆円、この規模の特別引き出し権というのを受けているんですね。  これに対して鈴木財務大臣は、途上国支援に使おう、こういったことを表明されております。四月二十二日、国際通貨金融委員会で、このIMFから受けたSDR、この二〇%途上国に融資しようということをおっしゃっているんですが、これもうちょっと、二〇%以上出してもいいんじゃないのかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。

吉田昭彦財務省大臣官房審議官

○政府参考人(吉田昭彦君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、四月のIMFC、国際通貨金融委員会等の場におきまして、長引く新型コロナウイルスの影響や気候変動等リスク等に直面する途上国を支援する観点から、日本として、G7を始めとする各国と連携し、昨年八月に新たに配分されたSDR、特別引き出し権のうち二〇%をIMFに設置された基金に融通することを表明をいたしました。  もう少し出せないのかという御趣旨のお尋ねだと思いますけれども、日本といたしましては、IMF理事会等における議論を踏まえ、G7各国等と緊密に連携した上で、他の多くのG7と同様二〇%の融通を表明したものでございます。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 ほかの国では二〇%以上途上国に出している国もあるんですけれども、日本はなぜ二〇%にこれ決めたんでしょうか。

吉田昭彦財務省大臣官房審議官

○政府参考人(吉田昭彦君) 他国の対応について詳細にコメントすることは差し控えたいと思いますが、他のG7、例えばイギリス、フランス、イタリア、カナダ等も日本と同様二〇%の融通を行う旨を表明していると承知をしております。  繰り返しになりますが、日本といたしましては、こうした他国の動向も踏まえ、二〇%の融通を表明したところでございます。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 私も国際機関で働いていたときに、いつも日本の拠出金は他国と横並びで出すんですよね、同じ額をね。そうではなくて、やっぱりリーダーシップ取って、こういうところは日本がリードを取ってやるんだという気概というのを見せていただきたいなと思っております。  最後です。万国郵便連合、今日の条約改正の対象にもなっておるこの国際機関なんですけれども、ここの事務局長は日本人であると、目時氏という方が事務局長務めていらっしゃるんですね。日本も世界の中で影響力をどんどんどんどん増やしていくためには、こうした幹部、日本人幹部で国連機関で働く方々を増やすことは大事だというふうに思っております。JPO制度、私も利用させていただきましたけれども、それだけではなくて、やはりこの幹部レベルを増やす、これも非常に大事だというふうに考えています。  今後、国連や国際機関でこうした重要な任務に就く日本人の幹部職員、どのように政府は増やしていくか、方針お聞かせいただきたいと思います。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この万国郵便連合事務局長に、今年の一月ですが、目時政彦氏が就任をしたわけでございます。この国際機関のトップポスト獲得するためには、知識経験、語学力、マネジメント能力と、こういったものを兼ねそろえた人材の育成が必要でございます。  そういった人材が一人でも増えるように、国際機関の若手人材派遣制度であるJPO、また将来の幹部候補になり得る中堅レベルの邦人職員派遣、こういうものを進めております。そして、日本人職員の昇進に向けて、これらの制度による派遣であるか否かにかかわらず、外務省や在外公館、これ一体となって後押しをしておるところでございます。  引き続き、我々といたしましては、内閣官房と外務省が共同議長として開催しております関係省庁連絡会議、この枠組みも活用しながら、国際機関のトップポストの獲得に向けて戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。

田島麻衣子立憲民主・社民

○田島麻衣子君 現場の方の意見とかを聞きますと、リボルビングドアといいまして、国連で一回働いてきた方々をもう一回省庁の中で経験を積んでもらってまた出す、こういったことというのも非常に重要だというふうに伺っておりますので、是非積極的にこうした議論もしていただきたいと思います。  以上で質問を終わりにさせていただきます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。再び質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  まず、今日は三件一括の議題について質疑を進めさせていただきますが、まずは日・スイス租税条約改正議定書について外務省にお伺いいたします。  日・スイス租税条約に関しては、一九七一年の締結後、二〇一一年にも改正議定書が発効し、課税の減免等の措置が図られています。前回の改正から十年を経過し、再び改正議定書が署名されるに至った具体的な背景と理由を伺います。

宇山秀樹外務省欧州局長

○政府参考人(宇山秀樹君) お答え申し上げます。  スイスとの間では、委員御指摘のとおり、二〇一一年の改正議定書によりまして、投資所得に対する源泉地国における課税の減免等の改正が行われましたが、今回の改正は、国際標準でありますOECDモデル租税条約の最新の改定を反映しつつ、国際的な二重課税の除去、脱税及び租税回避への対処を一層強化することを通じて、両国間の投資交流の更なる促進を図るために行われたものでございます。  具体的には、例えば投資所得に対する源泉地国における課税を更に減免するということによりまして、日本からスイスに、またスイスから日本に投資する企業あるいは個人にとって二重課税のリスクを更に低減すると、これによりまして日・スイス間の経済交流を一層促進するという目的がございます。  また、条約の特典を受けることが取引等の主要な目的の一つであったと判断されるような場合には条約の特典を与えないという規定を設けることによりまして、脱税、租税回避への対処を強化することとしております。  さらに、条約の適用に関する紛争の円滑な解決を図る観点から、新たに仲裁手続に関する規定も設けております。  このような規定を設ける必要性につきまして、日・スイス双方が一致をいたしまして、今回の改正議定書の作成に至ったものでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 詳しい御説明をいただき、ありがとうございました。  スイスと日本の経済的な関係が深まっていくことと、不正を防止していく、そういったものであるということを承知いたしました。  そのスイスですが、一八一五年に開かれたウィーン会議以来、軍事的な非同盟、外交的な中立を国是としてきました。先日配信されたスイス国防省の安全保障政策責任者に対するインタビュー記事を読みましたが、昨今の国際情勢を境にスイスが中立の方針を変えつつあると感じられます。  先日のカシス大統領との会談等も踏まえて、スイスの外交政策についての林外務大臣の御見解というか、大臣が受けた印象というものをお聞きできればと思います。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 今、羽田委員から御指摘がありましたように、スイスは中立政策というのを憲法に規定をいたしまして、それに基づく外交政策というものを取ってきたわけでございます。  一方、今般のロシアによるウクライナ侵略を受けまして、EU加盟国ではないスイスも、二月二十八日でございましたけれども、EUが科した対ロ制裁、これをスイス国内で全面的に適用するという旨を発表をいたしました。また、今週、スイス国防大臣が、スイスはNATOに加盟しないが、より緊密な関係を築いていくべきだと、こういう考えを明らかにしたということでございます。  これは、国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきました国際秩序の根幹、これがロシアの侵略によって脅かされている、そういった今、基本的価値を共有する国々の結束を強めることがますます重要となっているということをスイスとしても明確に認識をしているということの表れであると理解をしておるところでございます。  四月十八日に、今御指摘いただいた、訪日されておられましたカシス・スイス連邦大統領兼外務大臣との間で会談及びワーキングディナーを行った際でございましたが、先方からは、中立というものは、推定される戦争犯罪や国際法の基本的規範の違反に無関心であるということを意味するわけではないと、意味しないという旨の発言がありまして、改めて共に国際社会と連携しつつ対ロ制裁措置を継続していくということを確認をしたところでございます。  我が国としても、このスイスを含む基本的価値を共有する同志諸国との連携、これを更に強化していきたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  中立が無関心を意味しないという、スイスにとって大きなもしかすると方向転換になり得るのかもしれないような、そうした局面にあるのかなというふうに感じております。  次に、二千二十五年日本国際博覧会に関する特権及び免除協定についてお伺いいたします。  本協定は、公式参加者である陳列区域代表事務所、博覧会国際事務局、BIE等に付与される特権・免除等について規定していますが、その範囲は、先ほど田島委員からのお話もありましたが、博覧会に関連する非商業的活動とし、具体的には博覧会の準備、運営及び広報に関する活動などであり、飲食物や商品の販売など営利目的の活動を含まないこととなっています。  衆議院の外務委員会でも議論されましたが、特権や免除の対象について、事前に非商業的活動の範囲内に該当するか否かというその判断方法はどのようになっているのでしょうか。

澤井俊経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(澤井俊君) お答えいたします。  御質問いただきました非商業的活動につきましては、議員の御指摘のとおり、二千二十五年日本国際博覧会に関する特権・免除協定第一条の中で規定をされておりまして、これも議員御指摘がありましたように、博覧会の準備、運営、広報に関する、並びに関連するその他活動をいい、逆に、飲食物の販売、商品の販売、入場料を伴う行事の開催、その他営利目的の活動は含まないというふうに規定されておりますので、これが判断基準になってくると。  今後、これを更に明確にするために、具体的にどのような活動がこの非商業的活動の範囲内であるかということを、ガイドラインを関係各所と調整の上策定する予定でございます。その上で、税務当局や地方自治体、それから各参加者の皆さんに周知をして実施してまいりたいというふうに考えてございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 先ほど田島委員の質問の中でも、免除、税の免除額について明らかにするかどうかまだ決めていないというような御答弁もいただいておりますが、事後に何らかの形で確認をしたり申告を受けたりという、そういった仕組みというのはあるのでしょうか。

澤井俊経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(澤井俊君) そこは、先ほど外務省から答弁があったとおりというふうに認識してございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 物を売ったりするような場所で、その商品、そういった商業的な部分もある博覧会の中で、どれが商品でどれがサンプルなのかというのを判断するのはなかなか難しいんじゃないかという印象は拭えませんが、いずれにしても、しっかりとした管理をお願いできたらと思います。  一つ飛ばしまして、次に、万国郵便条約及び国際郵便をめぐる情勢について質問させていただきます。  新たな万国郵便条約においては到着料が全体的に引き上げられることが盛り込まれていまして、到着料は外国の郵便局から受け取る通常郵便物を配達した際にその国から受け取る手数料ということですが、国際郵便の差し出しが多いとされている途上国にとって、差し出し先の国に支払う到着料というのが増大して、収支、先ほど日本の収支は改善するという御答弁ありましたけど、途上国にとっては収支の悪化につながる懸念というのがあると考えられますが、二〇二一年に採択されたアビジャン郵便戦略には郵便事業の発展における格差を縮めることが掲げられていますが、到着料率の上昇というのは、先進国と途上国の到着料の差をなくすだけで、経済力の差を鑑みるとむしろ格差を広げるようなことにならないのか、この点について御認識を伺います。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この到着料につきましては、従来、途上国に配慮した低廉な額が設定をされておりまして、我が国を含む先進国等におきましては、万国郵便連合の設定する到着料の制度では国内配達コストを十分に賄えないということが問題視をされていたわけでございます。  こうした状況を踏まえまして、この今次到着料改正では到着料を引き上げたところでございますが、同時に、この料率が急激に上昇しないための上限の設定、また一部途上国に引き続き低い料率の適用を認めるなど、途上国に配慮した例外規定を設けたところでございます。その結果、途上国の理解を得た上でコンセンサスで採択をされたと、こういう経緯があるわけでございます。  今、羽田委員から御指摘があったアビジャン郵便戦略でございますが、郵便事業の発展における格差を縮めるという戦略を掲げて、SDGsの文脈でより大きな格差是正や途上国等各国の能力強化を目指すものでございます。その戦略も踏まえて、我が国は、途上国の災害対応能力の向上を目的としてUPUが行う災害対策プロジェクト等への拠出、またスタッフ派遣等も行っておるところでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 途上国とのコンセンサスを得られているということで、少し安心いたしました。  今年二月、日本郵便は、ウクライナ宛ての送達手段が確保できなくなったことから、ウクライナ宛ての国際郵便物の引受けを停止したと発表いたしました。また、三月には、ヨーロッパ各国とロシアの双方が領空内の飛行を禁止するなどして、一部を除いたヨーロッパ向けの国際スピード郵便と航空機を使う国際郵便の新規引受けが停止されました。  さらに、ウクライナ情勢を背景としたインフレ加速や燃料費の高騰が報じられており、国際郵便に係る輸送経費の増加が懸念されておりますが、そうしたウクライナ情勢が国際郵便に与えている影響について、現状を伺えればと思います。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  従来からの新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に加えまして、今委員から御指摘のございましたウクライナ侵攻に伴うロシア上空の飛行制限などによりまして、船舶や航空機の運航に支障が生じております。国際郵便物の輸送に必要なスペースの確保が困難な状況となっております。  そのため、本日時点で、二百四十の国・地域のうち、七十一の国・地域宛てについて船便や航空便など全ての国際郵便物の引受けが停止されております。またさらに、五十六の国・地域宛てについて航空便の引受けが停止されている状況となっております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 今お答えいただきましたが、こうした影響に対して取り得る対策というか、そういうのは今のお答えの内容ということでよろしいんでしょうかね。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  今御説明申し上げました国際郵便の状況を踏まえまして、総務省としては、航空会社に対して郵便物の輸送力確保の要請を行うなど、事態の改善に向けた取組を行っております。  また、日本郵便におきましても、航空会社との間の直接の交渉を通じて、国際郵便の引受維持、再開に向けて努力を行っております。その結果、例えばヨーロッパの主要国宛ての一部国際郵便の引受けを再開するなど、一定の成果も見られる状況となっております。また、あしたからは、委員からも御指摘ございました、ウクライナを含む三つの国・地域宛ての国際郵便物の引受けを一部再開する旨を日本郵便が本日午後、報道発表すると聞いております。  引き続き、総務省として国際郵便の輸送力確保に向けて最大限取り組んでまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  時間もありませんので、最後に、ウクライナのミサイル攻撃能力について防衛省に伺います。  ウクライナ軍は四月中旬に黒海艦隊旗艦の巡洋船モスクワをミサイル攻撃で撃沈いたしましたが、その際使用された対艦ミサイルについての情報を分かる範囲で教えてください。

増田和夫防衛省防衛政策局長

○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  ロシア黒海艦隊ミサイル巡洋艦モスクワを撃沈したとされるウクライナの対艦ミサイル、これはウクライナ語でネプトゥーンと申しますけれども、このネプトゥーンは、二〇二一年三月に試験配備が開始されたウクライナ国産の地対艦ミサイルでありまして、約二百八十キロの射程を有するとの指摘がございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 今ネプトゥーンというお話ありましたが、それと同時期に戦術弾道ミサイルの、グロム2とかサンダー2とかいろいろ呼び方あるようですが、戦術弾道ミサイルを開発したとの情報も聞いておりますが、そうした情報について教えてください。

増田和夫防衛省防衛政策局長

○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。  ウクライナ語でフリム2と申しますけれども、これはウクライナが現在開発中の地対地弾道ミサイルでありまして、ウクライナ軍向けは最大五百キロの射程を有する計画があるとの指摘がございますが、今般のウクライナ侵略において実戦で使用されたとの発表や報道はないと承知しております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 今、ウクライナ軍に、そうしたミサイルがロシア軍に対して使われたという現状はないということでしたが、今のウクライナの防衛の現状について、岸大臣の御見解を伺います。

岸信夫自由民主党防衛大臣

○国務大臣(岸信夫君) ウクライナ軍によるロシアへの攻撃等について今申し上げることは困難でございますが、地理的に地続きのロシアによる大規模かつ多方面からの領内への侵略が続いている状況でございます。  我々としても高い関心を持って注視しているところでございますが、ウクライナに対しても引き続き国としてできる限りの支援を行っていく予定であります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ウクライナの都市からモスクワまで最短で七百キロぐらいという射程の中で、ある程度のミサイル能力を持っているウクライナが二千発以上のミサイルをロシアから撃ち込まれる中でも対抗するようなそのミサイルを撃とうとしないというのは、これがもう本当にまさに戦争の現実というか、それに対するまた報復というのがどれだけ来るかということを考えると、やはり簡単に敵基地攻撃というようなことを議論するのは私は難しいんじゃないかというような疑問を呈した上で、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

高橋光男公明党

○高橋光男君 公明党の高橋光男です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。  本日は、三件の条約審議です。その一つ、万国郵便連合憲章等の改定について、まず総務省にお伺いします。  本件は、Eコマースの市場規模拡大を始めとする国際郵便分野を取り巻く環境変化を受けまして、憲章等の見直しを行うものと承知いたします。こうした取組を通じて安定的な国際郵便業務の環境整備を図ることは重要と考えます。  そこでまず、今回の改正が、我が国の、日本の郵便事業者にとって持つ意義、また裨益効果について政府の見解をお伺いします。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、憲章や条約などの適時適切な見直しを通じ国際郵便業務の安定性を確保することは重要と考えております。  今般の万国郵便条約の改正では、デジタル化などの時代の変化を踏まえ、国際郵便の受取国における国内の配達コストを賄う手数料である到着料の制度の見直しが検討されました。この到着料については、途上国による支払負担への配慮から上限値が設けられており、我が国を含む先進国において実際の配達コストを適切に賄うことができない状況となっておりました。デジタル化により電子商取引が進展する中で、途上国から先進国へ送られる国際郵便が増加し、先進国にとってこの問題への対処がより重要な論点となってきておりました。  このような状況の中、今般の条約改正が行われることで、受取国において実際の配達コストを踏まえた適切な水準の到着料を差し出し国から受け取ることが可能になります。我が国の場合、国際郵便の差し出し物数よりも到着物数の方が多い、いわゆる入超国となっておりまして、到着料収入が増えることにより日本の郵便事業体の収支の改善が見込まれているところでございます。

高橋光男公明党

○高橋光男君 ただいま御説明いただいたように、今回の改定は、国内の事業者にとっても収益改善、また、先ほど林大臣の御答弁ございましたように、途上国への負担にも配慮された内容となっている点は評価したいというふうに思います。  続きまして、お配りした資料一を御覧ください。これは近年の日本の郵便事業の収支を示したものです。  このうち、国際郵便業務につきましては、近年、小包郵便物またEMS郵便物などの収支が大幅に悪化しています。これはコロナ禍による国際的な人の往来制約が背景にあるものと考えますが、ポストコロナを見据えて、国際郵便業務の回復と質の改善に向けてどのような課題があると認識して国として支援していくのか、お答えいただければと思います。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や国際情勢などの影響によりまして、航空便の減便などのために国際郵便の引受けが停止となっている国が多く存在しており、物流コストの上昇などもある中、国際郵便の収支が一時的に悪化している状況となっております。  今後、国際郵便の引受けを再開できる国を可能な限り増やしていくことで、コロナ禍で困難な状況にある国際郵便サービスの正常化を図り、収支の回復につなげることが急務であると認識しております。  このような中、総務省としては、先ほども御答弁差し上げましたとおり、航空会社に対して郵便物の輸送力確保の要請を行うなど、日本郵便とも連携して事態の改善に向けた取組を行ってまいります。  また、国際小包などをめぐる競争が進展している中では、例えば、早く届く、追跡ができるといったような、利用者に満足していただけるような質の高い国際郵便サービスを提供していくことが重要となっております。そのためには、各国の郵便事業体が適切に連携することで世界全体での質の底上げを図ることが重要であり、国際郵便サービスに関する国際的なルール形成を担う万国郵便連合における議論が重要となります。  具体的には、UPUでは、各国の郵便事業体における標準的な送達日数の遵守率や郵便物の追跡サービスに対する反応率を高めるためのルール策定を行っていますが、こういった国際郵便業務の質の向上に向けて加盟国が協力して取り組んでおります。その上で、我が国として、標準的な送達日数の遵守率の向上などに向けて各国への働きかけを積極的に行ってまいりたいと思います。  総務省においては、引き続きUPUの活動を支援していくとともに、本年一月に就任した目時事務局長のリーダーシップの下、UPUにおける各種の議論に積極的に貢献し、国際郵便業務の質の向上に努めてまいります。

高橋光男公明党

○高橋光男君 詳細な御答弁ありがとうございました。収支悪化の背景には国際路線の制限があるということなんですね。  国際郵便というのは、主に旅客機が使われています。先ほど御答弁ありましたように、現在、七十一か国・地域が航空便の引受けを停止していると。国際路線の再開、つまり、我が国にとってみれば、この水際対策の緩和が我が国発着の国際郵便事業の回復にもつながるという点も踏まえて、是非とも政府としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、おとつい質疑させていただいたように、今日は通告していませんので要望にとどめますけれども、日本への入国への査証申請に実は必要な戸籍謄本、これ三か月以内の有効期限とされていまして、実はそれが短過ぎるという声をいただいていまして、こうした郵便事情を踏まえて、申請書類の簡素化も含めて柔軟な対応を是非ともよろしくお願いいたします。  続きまして、クアッドにおける防災協力、特に消防飛行艇の活用に関しましてお伺いしていきたいと思います。  来週、日本でクアッド首脳会談がございますが、ウクライナへの対応、これももちろん最重要課題でございますけれども、同時に、各国共通の課題への幅広い協力を深化させていくことも重要と考えておりまして、その一つが防災協力と考えます。  実際、特に地球温暖化の影響によりまして、米国や豪州などでは毎年のように森林火災に悩まされています。そこで、防衛省保有の救難飛行艇US2を新規に改造した消防飛行艇を活用して貢献できる余地が大いにあるのではないかと考えます。  本件につきましては、先月十三日、地方創生・デジタル社会形成特別委員会で取り上げました。その際、国は現在、昨年二月の足利林野火災を受けての林野火災の消火に関する検討会、これ昨年、我が党伊藤孝江議員が質疑をしたことを受けて立ち上げられたものですけれども、その中で消防飛行艇の有用性を検証する最終報告をお取りまとめ中と承知いたします。消火活動の高度化は喫緊の課題ですので、消防飛行艇の早期実用化が必要と考えます。  そこで、今、世界での消防飛行艇を取り巻く状況について御紹介したいと思います。  お配りした資料の二の②を御覧いただければと思います。現在、全世界では百九十三機の飛行艇が運用されています。そのほとんどがカナダのCLシリーズという機材ですが、老朽化のため更新時期にございます。  一方、次の資料二の③にございますように、中国がAG600という新しい機材を開発しておりまして、近く実用化されると見込まれています。同機材は、US2に比べると性能は劣りますが、いざ実用化されれば周辺国への売り込みが激しくなると予想されます。  そうした中、既にUS2開発メーカーには米国や豪州などから、森林火災に悩まされているこうした国々から引き合いがあると聞いておりますので、我が国として早く実用化を図り、中国の機材が席巻するようなことがないようにしていくべきと考えます。  三月に当委員会におきまして、我が国は災害対処能力向上に資する装備品をまだ海外移転した実績はないと承知しますが、そうした、このような装備品を展開していくに当たり、先月、防衛装備庁の中には国際装備企画室というものが新たに設置されたというふうに承知しますけれども、国としていかなる体制でこうした民間のメーカーを支援していくお考えなのか。私は、この窓口機関に責任と権限を付与して、そして人員、予算など必要な政策資源を投入していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

岩本剛人自由民主党・国民の声防衛大臣政務官

○大臣政務官(岩本剛人君) お答えさせていただきます。  委員も御承知のとおり、防衛装備品の海外移転につきましては、諸外国との安全保障協力を進めるとともに、防衛産業基盤の強靱化を図るため、官民連携の下、様々な取組を進めさせていただいているところであります。その一環として、防衛装備移転の推進を組織面からも強化するべく、本年四月に防衛装備庁国際装備課に国際装備企画室を新設し、防衛装備移転の推進に係る総合的な企画立案を行うこととしているところであります。  この中での具体的な事業としましては、まず一つ、商社の持つネットワークを活用し、潜在的なニーズを把握して提案に向けた活動を行う事業実現可能性調査、さらには、防衛装備移転に関するポータルサイトの整備、相手国のニーズを踏まえた効果的な情報発信の実施などについて一層推進してまいるところでございます。加えて、防衛関連企業がより魅力的な提案を行い得るような、公的金融の利用を含め、企業リスクに対応するための施策について個別の案件に応じて今後検討してまいる所存であります。  いずれにしましても、防衛省としましては、国際装備企画室を核として、委員御指摘の災害対処能力の向上に資する防衛装備品を含め、防衛装備移転の更なる促進のため、今後も必要な政策資源の確保に努めてまいりたいと考えております。

高橋光男公明党

○高橋光男君 ありがとうございます。  続きまして、国のこの検討会の最終報告で消防飛行艇の有用性が確認された後の具体的なステップについてお伺いしたいと思います。  実は、昭和五十年代には、消防庁がメーカー企業との間で委託研究契約というものを結びまして、お配りした資料二の①にございますように、当時の海上自衛隊PS1飛行艇を改装しまして、防衛庁と共同で空中消火の有効性を確認する実証試験を行った実績があると承知します。  以来、様々な技術というのは進歩しておりまして、また同時に、現在クアッド諸国等の引き合いがあるということも踏まえて、そうした国々との間で共同の実証試験計画ということをやっていくことも私は有益ではないかというふうに考えますが、その可能性につきまして消防庁の答弁お願いしたいのと、あと続きまして林大臣にお伺いしますけれども、そうしたクアッド間の国際協力始め、またさらには、そういう装備品の移転、そうしたことを考えたときに、この消防飛行艇というものが実用化されましたら、是非そうした機材を我が国の国際緊急援助活動においても活用していき、クアッド諸国などとも協力して、この森林火災等で非常に悩まされている途上国でのオペレーションも含めて行っていくべきかというふうに考えますが、是非その点につきまして大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

荻澤滋消防庁国民保護・防災部長

○政府参考人(荻澤滋君) お答え申し上げます。  昭和五十一年度に、委員の方から御紹介いただきましたとおり、消防研究所の研究事業として飛行艇からの放水実験を行ったところでございまして、一定の水量、密度で地表面に散水できるということを確認しておるところでございます。近年実際に運用されている飛行艇の製造事業者からの聞き取りなども行っておりまして、それによりますと、消防用途に改造した場合、大きな取水量を確保できるなど一定の散水能力を見込めるものというふうにも伺っております。  今般の検討会では、こうしたことを前提に、では実際に火災現場で運用をできるのか、運用の可能性、またその効果も含めてシミュレーション取り組んでいるところでございます。  実際の林野火災の現場で飛行艇を運用しようとした場合には、内陸の現場であれば取水地をどのように確保するのか、また人家が近接するような市街地で安全運航どのように確保するのか、また、近年の林野火災ではヘリコプター活用しているところでございますけれども、そうしたヘリコプターなど他の部隊との連携、そういった課題があるというふうに考えておるところでございます。  今般の検討会、シミュレーションでは、こうした運用上の様々な課題を踏まえまして、林野火災の実例であります足利市林野火災で運用したと仮定した場合の効果を検証しているところでございました。まずはこの取りまとめにしっかり取り組んでまいりたいと思います。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 高橋委員から今御指摘のありましたこの消火活動の分野でございます。  最近、我が国は、森林火災対応を行った国際緊急援助活動として、次の二件の事例があります。まず、二〇一五年のインドネシアの森林火災ですが、緊急援助物資として消火剤を供与し、またその円滑かつ効果的な活用の指導のために専門家チームを派遣しました。また、二〇二〇年の豪州の森林火災に対しては、緊急援助物資としてマスクを供与し、さらに、自衛隊部隊を派遣して、現地において消火活動また復旧活動に関連する人員及び物資の輸送を行っております。  このように消火活動の分野で国際緊急援助活動を行った実績が既にありますので、こうした実績も踏まえつつ、クアッドも含めた他国との協力の可能性、これも念頭に置きながら、地球温暖化問題に対する我が国としての国際貢献をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

高橋光男公明党

○高橋光男君 力強い御答弁ありがとうございました。  まさに来週、そうしたクアッド首脳会談がございまして、我が国とそうした本当に重要な国々との間の幅広いこうした防災協力も含めたこうした連携が更に深化、深まっていくことを強く期待申し上げまして、私の質疑を終わります。  ありがとうございました。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。  案件の三条約のうちの万国郵便関係について質疑をさせていただきたいと思います。  今回、到着料制度の見直しについて大きく変化したことでありますが、まさしく到着料は外国の郵便局から受け取る通常郵便物の国内の配達に係る手数料でありますが、従来、先進国の方がどうしても国内配達コストが高くなって、大きくなって、発展途上国が国内配達コストは比較的少なくて済むという、このような構造ができていたわけでありますが、今回の改善、改革によって、極めて、配達料の、到着料の料率の引上げが実現し、各国が、しかも、各宛名国が自国内の配達コストに合わせて差し出し国から徴収する到着料の料率を独自に設定できる自己申告料率制度を新設したり大幅な改善がなされたところでありますが、こうした背景というのは、いつぐらいから議論されてこの条約に掛かる事態になったのか、こうした時間軸も含めてどのような議論がなされてきたのか、教えていただきたいと思います。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) 委員御指摘の到着料につきましては、従来より、途上国による支払負担への配慮から上限値が設けられておりました。済みません、明確な年はここではちょっと申し上げられないんですけども、これまでも四年に一度、万国郵便連合の大会議というのが開催されておりまして、累次この到着料の上限値の見直しが行われてきたというところでございます。  昨今、デジタル化によりまして電子商取引が拡大することによりまして、途上国から先進国への国際郵便物の増大がございまして、そういったことで、受取国、主に先進国になってまいりますが、そういったところにおいて実際の配達コストを適切に賄うことが難しい状況となっておりまして、そちらが拡大を、増大をしてきたということを踏まえまして、今般のUPUの大会議でこういった見直し、到着料制度の見直しに至ったという背景でございます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 この見直しについては日本国がリードしたんですか。それとも、どの国がリードしたんですか。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) この到着料の見直しにつきましては、大会議の中で加盟国の中で議論されてきたものでございます。アメリカなどからこういった到着制度の見直しが提案をされたこともございますが、日本としてもこの議論に対しては積極的に貢献をしてきたところでございます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 それでは、例えば直近三か年、これはもう通告しておりますので出していただきたいんですが、三か年の到着料制度による国内配達コストの具体的な損失というんでしょうか、これ、年度、直近の三年でいいですけど、どの程度この差引きで損失になるのか、年度ごと、ちょっと三か年だけで結構ですので教えてください。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  日本郵便に確認をいたしましたが、実際の国内配達コストは非公表となっております。しかしながら、二〇一八年から二〇二〇年の三か年において、各国から受け取る到着料によりこの国内配達コストの約七割を賄うことができていた状況ということでございますので、残りの約三割が日本郵便による負担となっていたということでございます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 正式な数字は総務省としても掌握していないということですか、こういう理解ですか。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  国内配達コストについては、経営に関わる重要な情報ということで非公開となっておりまして、総務省としても把握をしているところではございません。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 非公開の根拠は。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  経営に関わる重要な情報ということでございまして把握はしておりませんが、私ども、必要がある場合には、そういった数値を日本郵便に対しても求めていきたいというふうに考えております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 それでは、非公開ではなくて、ちゃんと求めることが可能なんですね。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) はい。  繰り返しになって恐縮でございますけれども、日本郵便にとって経営上の重要な情報ということで公開を前提としているものではございませんけれども、必要に応じまして総務省の方からそういった日本郵便に対して情報を求めるということは可能だと思っています。それは公開をするという意味ではございませんで、政策的に必要な場合にはそういった情報を求めてまいるということでございます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 公開しないというのも何かおかしな話ですが、個々の名前が出てくるとか個々の取引業者の扱い高が出てくるわけじゃありませんから、総額で出す話をなぜ公開しないのかというのもいかがなものかというふうに思いますが、ちょっとこればっかりしていてももったいないんで先に進みますが、これちょっと問題だと思いますよ。何でも発表しないという悪い癖が付いていますよ。何でも発表するといういい癖を付けてください。  二つ目に、この到着料の制度の見直しによって、例えば二〇二三年、来年のことでありますが、どのような収支改善がなされる見込みなのか、これ教えてください。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  我が国は、国際郵便の差し出し物数よりも到着物数の方が多い入超国となっておりまして、実際の配達コストを踏まえた適切な水準の到着料を受け取ることで到着料収入が増えるということになってまいります。  一定の条件の下で日本郵便が試算したところでは、今般の条約改正の効果が通年ベースで現れる二〇二三年において、年当たり約十一億円の収支の改善が見込まれているところでございます。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 最終的にいろいろなものが整理される二〇二五年の収支額の見込みはどのような状態を予想されておられるのか、教えてください。

今川拓郎総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。  委員御指摘の二〇二五年における収支額の見込みにつきましては、日本郵便にも確認をいたしましたが、特に現時点で推計は行っていないとのことでございます。  しかしながら、国際郵便の収支については、日本郵便において国内の配達コストを十分に賄える水準の到着料を設定することとしておりまして、仮に国際郵便の取扱数量が現在と同水準で推移した場合には、二〇二五年にも二〇二三年と同様の収支の改善、すなわち年当たり約十一億円が見込まれることになります。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございました。  それでは、残り時間僅かでありますが、林大臣に。  前回の速記録をちょっと取り寄せてみましたところ、見落としたというんでしょうか、私、十分把握できなかったところが一か所ありまして、一連の外交青書の表現の仕方によってその時々の判断がありますと、政策的判断があるという御答弁で、とにかく北方領土問題については、これ林大臣のお言葉でありますが、政府の法的立場に変わりはないわけでございますが、その法的立場に基づく説明についてその時々の政策判断によって異なり得るものでございます、御指摘の理由についてあえて申し上げますと、外交的な観点から、かかる言葉を使用せず、日本が主権を有する島々という表現を使用させていただいたと、このように御答弁をされました。要するに、北方四島は日本の固有の領土だということを十年にわたって表現してきたものを、外交的な観点から、日本が主権を有する島々という表現になさったと。  私はこの席では、これは曖昧な表現だからよくないのではないかというようなことを言いましたけれども、外交的な観点からと、かかる言葉を使用された。この、外務省的には外交的な、このときは林大臣ではなかったわけですが、外務省的には外交的な観点というのはどのような外交的な観点だったのか、このことについてお伺いしたいと思います。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 五月の十七日の委員会でお答えをしたとおりでございまして、今御紹介いただきましたように、この外交青書の記載内容、これ一般に、その年々に起こった様々な外交に関わる事象を総合的に考慮した上で決定をしているものであり、この記載内容や表現ぶりが変わることはあり得るということでございます。  北方領土問題については、北方領土が我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土であるという政府の法的立場には変わりはないわけでございますが、その法的立場に基づく説明につきまして、外交青書を含め、どのような場や文書でどのような表現を使うかは、その時々の政策的判断により異なり得るものでございます。  今お話のあったように、この近年の外交青書において日本が主権を有する島々という表現を使用しておりましたが、これは外交的な観点から、すなわち、その時々の国際情勢、また二国間関係等を考慮して政策的判断を行ったものでございます。その上で、外交青書二〇二二年版におきましては、総合的に判断して、「北方領土は日本が主権を有する島々であり、日本固有の領土である」と記載することとしたものでございます。  その時々のこの国際情勢、二国間関係等を考慮するということでございますが、外交青書を含めまして、政府の対外的な説明に当たっては、一貫した我が国の法的立場に基づいて説明を行うことの重要性というのは委員がおっしゃったとおりでございまして、よく御意見は承ったところでございます。  この外交青書を含めまして、政府の対外的な説明に当たっては十分に意を尽くしてまいりたいと考えております。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 あと二分しかありませんが、大臣、丁寧に御説明をされたんですが、肝腎なところをおっしゃっていただいていないような気がいたします。  つまり、十年にわたって、北方四島は日本に帰属するというような形で法的立場を文章化されていたわけでありますが、必ずしも法的な立場を文章化しないで二〇二〇年には表現をしてきたわけでありますが、そして、今回、しっかり法的立場も記述され、なおかつ従来の部分も加味されているというような表現になっているわけですが、この変わり目の外交的判断というのは、一体どうこの二国関係が変わっているのか、これをお伺いしたいんです。  どのように日本政府としてはそういう二国関係に関して基準を設けていらっしゃるのか、表現に関してですね。例えば、良好であるときは、もし、法的な立場をきちっと、帰属、表現すると、少し良好でなくなったら何か云々とか、何かあるんでしょうか、そういうものが。ちょっと、最後に申し訳ないです。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 簡潔にお答えいたしますが、かかる表現ぶりをいろいろ使用していった理由と、いろんな表現ぶりをですね。先ほど申し上げましたように、外交的な観点から、すなわち、その時々の国際情勢や二国間関係等を考慮して政策的判断を行ったものでございます。  その政策的判断は何だと、こういうことでございますが、まさにその時々の国際情勢に関する政府内部の分析や二国間関係という他国との外交上のやり取りに深く関わってくることにもなりますので、お答えがしづらいということは御理解いただきたいと思います。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) おまとめください。

上田清司国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。  私がここをしつこくお尋ねしているのは、結局、この表現などは尖閣の問題あるいは竹島の問題にも響いてきますので、きちっとそういったところをやっていかないと相互に関連していきますので、そのことについて是非御考慮いただきたいということを申し上げまして、終わらせていただきます。  ありがとうございました。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。  私からも、議題の条約、協定について質問をさせていただく前に、少し初めに韓国の国営企業の船舶が無許可の海洋調査を実施していたのではないかとされる件について簡単に確認と質問をさせていただきたいと思います。  報道によりますと、島根県竹島周辺の日本の排他的経済水域、EEZ内で、九日以降、韓国の国営企業が海洋調査を実施した疑いがあるということを政府が自民党の部会で明らかにしたということでありまして、具体的には、海上保安庁が九日、竹島の南約八十五キロの海域で船尾からケーブルを下ろして低速で航行する調査船を確認したということであります。  この問題が翌週になるまで国民に対して隠されていたということが大きな問題となっているわけでありますが、前提となる事実関係をまず確認したいと思います。  海上保安庁に来ていただいておりますので、海保が韓国の調査船を確認したことは事実なのかどうか、また、韓国の調査船が船尾からケーブルを下ろして低速で航行する姿を確認したという報道もありますが、実際どのような状況であったのかを併せてお伺いをいたします。

白石昌己海上保安庁警備救難部長

○政府参考人(白石昌己君) お答えいたします。  五月九日午後三時頃、島根県竹島の南の我が国排他的経済水域内におきまして、海上保安庁の航空機により、ノルウェー船籍の海洋調査船ジオ・コーラルが船尾からワイヤーのようなものを下ろしまして低速で航行しているところを確認いたしました。海上保安庁におきましては、現場海域において巡視船、航空機が無線交信や外観調査等で確認した情報を直ちに関係省庁に共有しております。  政府としての総合的な判断の結果、海洋調査の実施の確認には至らなかったことから、巡視船により、当該船舶が我が国排他的経済水域を出域するまでの間、注意喚起を継続して実施しております。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 総合的な判断によって海洋調査を行っているという確認までは至らなかったということなんですが、これが、日本政府、外務省が踏み込んだ調査結果や結論というのは出されておりません。  外務省として、この無許可の調査を行ったのかどうか、韓国の確認できていないという回答などに基づいて済ませるのではなくて、実態把握にしっかりと努めるべきであると考えますが、外務省の見解をお伺いいたします。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この御指摘の船舶の件につきましては、その航行に係る情報に接したことを受けまして、現場海域において、海上保安庁の巡視船から当該船舶に対して直ちに行動目的の確認及び注意喚起を行うとともに、警戒を行うなどの対応を行ったと承知をしております。  また、韓国側には、直ちに外交ルートを通じて当該船舶の航行について説明を求めるとともに、仮に我が国排他的経済水域において調査活動を行っているのであれば認められないという旨を伝達したところでございます。これに対し、韓国側からは、そのような調査は実施していない旨の説明があったところでございます。  その上で、現場における情報等に基づき政府全体として分析、検討した結果として、当該船舶が我が国の排他的経済水域において海洋調査を行っていると判断するには至らなかったところでございます。  いずれにいたしましても、政府として、国際法及び国内法に基づき今後とも適切に対応してまいります。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 速やかに外交ルートを通じて韓国には御連絡いただいたということで、その動きについては是としたいと思いますが、この無許可の調査はなかったと結論付けたことに対して、大統領就任のタイミングでこれは事を荒立てたくなかったからではないかと、何かしら外交上の理由でそういう結論に至ったのじゃないかとこれはまことしやかに言われているところでありますが、そうした疑念を抱かれても現状では致し方のない面がございます。  というのも、この無許可調査じゃないと結論付けられた、早々に結論付けられたことに加えて、実際にはじゃ何が行われていたのかが説明されるということがなく、さらに、この海上保安庁が韓国の調査船を現認した、そして政府が動いた、この事実も積極的な公表がなされなかったからです。これ、遅きに失したタイミングでこれが公となって、公開となって一つの問題になっているわけでありますが、少なくとも、これ、我が国固有の領土である竹島周辺海域で行った事実については、これは早晩、広く国民に早急に共有するべきであったのではないでしょうか。  そこで、この情報公開についても外務大臣に伺いますが、こうした国際情勢が緊迫し、また韓国の政局も大きく動く時勢において、我が国と韓国の関係性に関わりかねない本件を速やかに公表しなかったことは不適切であって、今後このような事態が万が一あった場合は速やかな公表が求められると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この本件につきましては、現場からの情報等に基づき政府全体として分析、検討した結果として、当該船舶が我が国の排他的経済水域において海洋調査を行っていると判断するには至らなかったため、従来の対応どおり、現場海域での注意喚起にとどめたものでございます。  通常、このような注意喚起の場合は対外公表は行っておらず、御指摘は当たらないと考えます。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 注意喚起にとどまる場合は公表しないという慣例自体も、いささかこれは問題があるのではないかと思います。  結果として、今回はこうした公表の遅れがあらぬ疑念、まあ、あらぬ疑念かどうかもまだ分かりませんけれども、疑念を持たれる原因になったと思っておりまして、これはやはり改善を検討する必要が今後あるのではないかというふうに思います。慣例や内規ということもあるかと思いますけれども、とりわけ韓国をめぐってはこれから大事な正念場迎える関係もあるかと思いますので、外務省内部でも適切な対応を引き続きよろしくお願いを申し上げます。  次に、議題にあります万国郵便連合憲章と、それに関連する国連改革について幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。  国連の専門機関である万国郵便連合は、国際機関の中でも長い歴史を持ち、Eコマースの発展等を踏まえ、今後もますます重要な役割を果たしていくであろう国際機関であります。この万国郵便連合の事務局長に、目時政彦氏が本年一月から我が国唯一の国際機関の事務局長として就任されました。  まず、外務大臣に、氏に対する期待を伺うとともに、政府としてどのようなバックアップをしていくのか、大臣の所見をお伺いいたします。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 国際機関の職員は、中立的な存在であることが求められる一方で、日本人幹部が世界で活躍するということで、国際機関との連携がしやすくなるわけでございます。また、そうした職員は日本の顔ともなっていくことから、政府としても国際機関のトップポストの獲得を重視しておるところでございます。  万国郵便連合は、郵便に関する国際的なルール作りを担う国連の専門機関であり、現在はグローバル物流の分野で重要な役割を果たしておりまして、この分野で経験、知見を有する目時政彦氏のリーダーシップに寄せられる期待は大きいわけでございます。我が国政府としては、現在、事務局長補佐官等の日本人職員の派遣、またUPUのウクライナ支援等への協力を通じまして目時氏をバックアップをしております。  日本の経験、技術、人材等の一層の活用を通じて、引き続き国際郵便に関する公正で開かれたルール作りに貢献していくということがこの目時事務局長への支援となるというふうに考えております。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 ありがとうございます。  済みません、先ほど申し遅れましたが、海上保安庁さんは以上で質問は終わりでございますので、退席いただいて構いませんので、お願いいたします。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 白石部長は御退席いただいて結構です。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 大臣の御答弁にもありましたように、これ、中立機関とはいえ、国際機関のトップに日本人が就任することは、これは喜ばしいことでありますし、国際貢献の観点に加えて、日本のプレゼンスを高めるという観点からも、外交戦略として重視をしていくべきです。  そこで、外務省のこれは参考人に伺いますが、国際機関における要職に日本人を送り出し、財政的貢献だけでなく人的貢献を図る必要があると考えるところ、この人的な貢献面、人的な人材の派遣面で何か目標を設けているか、例えば幹部の数等に目標値があるのかどうか、こちらを伺います。

股野元貞外務省大臣官房参事官

○政府参考人(股野元貞君) お答え申し上げます。  政府といたしましては、二〇一五年六月の閣議決定におきまして、二〇二五年までに国連関係機関の日本人職員を千人にすることを目指すとの目標を掲げております。  この点、二〇一五年当時に国連関係機関で働く日本人職員数は七百九十三人でございましたが、二〇二〇年末の最新の調査では九百十八人となっておりまして、着実に成果を上げていると考えております。また、幹部につきましても、二〇一五年の七十名から、最新の調査では八十八名まで増加しております。  外務省としましては、引き続き、内閣官房、外務省が共同議長として開催している関係省庁連絡会議の枠組みも活用しながら、国際機関職員全体及び幹部職員の更なる増加に向けて戦略的に取り組みたいと考えております。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 職員、幹部数共にこれは増加の傾向にあるということを評価をいたします。これ、職員数については千名という目標に向かって着実に進んでいるということですが、この幹部クラスについても一定の目標を設けるなどとしてより一層の言わば戦略的な努力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  我が国が果たす役割としては、国連改革を提案し、リードしていくことが必要であると考えております。今回のウクライナ危機においては、国連が常任理事国の暴走を止めることができないという創設当初から想定されていた言わば限界事例がとうとう現実のものとなってしまいました。  大臣も先日、衆議院において、我が党の青柳議員の質問に対し、今回のロシアの一連の行動、これは、国連憲章上、常任理事国であるロシアの同意なくしてはロシアの権利及び特権の停止や国連憲章の改正ができないという国連が抱える問題を改めて提起するものと評価、答弁をされております。  そこで、改めて大臣に伺いますが、このウクライナの危機において、国連安全保障理事会は世界の平和維持システムとしてこれは機能不全を起こしていると我々は考えておりますが、林大臣の見解をお伺いいたします。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この国際社会の平和と安全に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアの暴挙は、国連が抱える問題を改めて浮き彫りにするとともに、新たな国際秩序の枠組みの必要性、これを示しているというふうに考えております。  同時に、現在の国連が一定の役割を果たしていることにも留意をしております。例えば、ウクライナに対する人道支援の実施につきましては、国連の存在は不可欠でございます。また、法の支配の確立、人権、開発といった幅広い分野での活動においても重要な役割を果たしているということでございます。また、百九十三の加盟国のうち多数を占める中小国や途上国がこうした国連の役割には引き続き大きな期待を持っているとも認識をしております。  こうした認識も踏まえながら、政府としては、安保理改革について具体的な成果を目指して各国との議論を積極的にリードしてきておりまして、国連全体の機能強化に積極的に取り組んでいく考えでございます。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 御答弁に出ました人道の支援やあるいは人権、開発など、確かに国連が果たす役割というのはあることは承知をしております。しかしながら、少なくとも現在の安全保障理事国の、この安保理の仕組みは限界を迎えているということではないでしょうか。  そこで、我々日本維新の会は、この拒否権の廃止といった抜本的な国連改革、あるいは、それがかなわないのであれば、国連に代わる新たな国際秩序の形成といった目標を日本が主体的に掲げること、こちらも提案をしており、代表質問などでも政府にスタンスを伺ってきたところです。  政府としてはまず現状の取組の中で国連改革を徐々に進めていくということだと思いますが、この拒否権の廃止や国連に代わる新たな国際秩序の形成、すなわち第二国連の創設といった目標を我が国が主体的に掲げる場合に想定されるハードルやリスクについて、何か現時点で検証することがあるのかどうか、どういった見解をお持ちかどうか、あればこれ、外務省の参考人にまず伺いたいと思います。

股野元貞外務省大臣官房参事官

○政府参考人(股野元貞君) お答え申し上げます。  国連憲章の手続上、常任理事国の同意なくしては、拒否権など常任理事国の権利及び特権の停止や国連憲章の改正はできません。  また、現在、拒否権の廃止を求める声が国連加盟国の大勢を占めているとは認識をしておりません。むしろ、拒否権の存在を前提として、安保理常任理事国が拒否権を行使する場合に、その説明を求める国連総会の会合を開催することなどを主な内容とする国連総会決議が、先月、コンセンサスで採択されたところでございます。  また、大臣からも御発言ありましたように、現在の国連は一定の役割を果たしておりまして、多くの国がそうした国連の役割に引き続き大きな期待を持っていると認識しております。  国連憲章は、加盟国の主権平等や武力の行使の禁止といった国際秩序の根幹を成す原則を規定しておりまして、国連に代わる新たな組織の創設を我が国として提案することは、我が国がこうした国連憲章を軽視していると受け取られかねないおそれもございます。  こうした認識を踏まえまして、政府としましては、まずは今ある国連の改革が重要でありまして、直ちに国連に代わる新たな組織をつくることは考えておりませんが、同時に、安保理改革や国連全体の機能強化に積極的に取り組む考えでございます。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 大臣の御答弁も参考人の答弁も、基本的には今ある枠組みの中で国連改革を進めていくということでありまして、新たな国際秩序の形成を目指すといった場合の想定、ハードルやリスクについての検証はしていないということでございます。  しかし、繰り返しになりますが、今回のウクライナの危機において、国連の在り方そのものを問う声というのは国際的に高まっています。これは、政治的な手段、戦略としても、大きな目標、言わば高めの球というのを日本が投げ込んでみると。今ある国連の改革必要と、それは多くの国が自覚をしていますけれども、ただそれを言うだけでは物事は進まないと。そこで、やはり我々日本がもう一つ高い球を投げてみるというのも一つの手なのではないかというふうに考えます。  そこで、このテーマ、大臣にもう一度伺いますが、これやはり、国連改革のために拒否権の廃止などの抜本的な改革、そして国連に代わる新たな国際秩序の形成といった言わば大目標をこれ国際社会に一度提示しながら、併せて目下の課題についても日本がリーダーシップを持って取り組むと、こうしたスタンスが重要であると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 今般のロシアによるウクライナ侵略は、国連が抱える問題を、先ほど委員からも御指摘があったように、改めて浮き彫りにするというものであり、新たな国際秩序の枠組みの必要性というものを示していると考えております。  安保理でございますが、創設以来もう七十五年以上が経過をしておりまして、現在の国際社会、国際社会の現実、これを反映するように改革をし、増大する国際社会の諸課題、これにより効果的に対処できるようにすべきであり、そういった方向性で国連の議論をリードしてきておりますし、今後もリードをしてまいりたいというふうに思っております。  先ほど政府参考人から答弁いたしましたように、国連憲章に定めるとおり、拒否権など常任理事国の権利及び特権の停止というのは常任理事国の同意なしにできないと、こういうことでございます。また、政府として国連に代わる新たな組織ということは考えていないわけでございますが、今ある国連の改革の重要性、そして安保理改革の実現や国連全体の機能強化に向けて、引き続きリーダーシップを取ってまいりたいと考えております。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 この国連改革、並大抵のことではないと我々も承知をしておりますが、引き続き我々からも積極的な提言をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  では、残された時間で、日・スイス租税条約改正議定書に関連して、スイス政府の政策への評価について質問させていただきたいと思います。  今月の十五日に、いわゆるネットフリックス法という法律がスイスで成立をしました。これは、ネットフリックスなどのオンライン動画配信サービスに対し、国内で得た収益の四%をスイスの映画やシリーズ制作に出資することを義務付けるという法律であります。  私も同法の全てを精査したわけではございませんので、直ちに日本でも同内容のものを制定するべきであるとかそうした具体的な意見までは持ちませんが、国内産業保護政策、文化政策の研究対象として、これは非常に興味深い、斬新なものではないかと考えているところであります。  そこで、こうした法律を我が国が制定することになった場合、非関税障壁や内外差別違反といった国際的な取決め、ルールに抵触することはないかどうか、これ、まず外務省の参考人にお伺いいたします。

小野啓一外務省経済局長

○政府参考人(小野啓一君) お答えいたします。  御指摘のように、スイスにおきまして、映画文化・映画制作法の改正案、いわゆるネットフリックス法というものが国民投票で可決されたものと承知をしております。この改正案のようにサービス提供者に一定の義務を課す制度につきましては、WTOのサービスの貿易に関する一般協定、GATSや経済連携協定等の国際約束における規定、例えば外国のサービス提供者に対して日本のサービス提供者と同様の待遇を与える義務、内国民待遇義務や、外国のサービス提供者の間で同様の待遇を与える義務、最恵国待遇義務などが関係し得ると考えます。  仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、我が国が締結をしました国際約束におけるこのような規定との整合性を考慮する必要があると考えます。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 ルールについては考慮する必要があるという御説明をいただきました。  今日、文化庁さんと経産省さんにも来ていただいておりますので、済みません、残り時間僅かですが、このネットフリックス法、文化政策という観点から、文化庁、どのように受け止めていらっしゃるか、また、こうした法律を国内で成立させた場合、文化保護や国内映画産業の保護に資すると考えるかどうか、こうした点と併せて、文化庁とそして経済産業省、それぞれの御見解を最後にお伺いいたします。

中原裕彦文化庁審議官

○政府参考人(中原裕彦君) お答え申し上げます。  文化庁におきましては、我が国の映画文化の振興を図るために、映画制作への支援、海外映画祭へのその出品支援、若手映画作家等の育成などの施策に取り組んでいるところでございます。  御指摘の法律は成立したばかりの法律でございまして、一概に申し上げることは困難ですが、一般論としては、映画文化の振興を図るために官民が様々な立場で取り組んでいくということは重要であるというふうに考えてございます。

江口純一経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官

○政府参考人(江口純一君) お答えいたします。  スイスのいわゆるネットフリックス法は、動画配信サービスの収益の一部を特定目的に使用することを義務付けるものと承知いたしております。  外務省からの答弁にもございましたけれども、一般論として申し上げますと、このような措置を設けようとした場合、WTOなど国際的な取決めに照らして、内外無差別の原則に沿った対応が必要になるというふうに認識しておるところでございます。このようなことから、現時点で一概に評価をするというのは困難であるというのが現状でございます。困難であると考えております。  経済産業省といたしましては、今回のスイスによる試みが同国の映画産業全体に与える影響について今後注視してまいりたいというふうに考えております。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) おまとめください。

音喜多駿日本維新の会

○音喜多駿君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  租税条約の質疑に併せて、多国籍企業による国際的な課税逃れを防ぐBEPSプロジェクトについて毎年聞いてまいりました。  まず、昨年十月に合意された経済のデジタル化に伴う新たな国際課税ルール、デジタル課税について聞きます。  今回のデジタル課税の新たな国際ルールの概要及びこれによって国際的に新たな税収の見込額はどれだけなのか、まず財務省、いかがでしょうか。

武藤功哉財務省主税局国際租税総括官

○政府参考人(武藤功哉君) お答えいたします。  OECD、G20のBEPS包摂的枠組みにおきまして、昨年十月、経済のデジタル化に伴う課税上の対応として、まず第一の柱として、物理的拠点を置かずにビジネスを行う多国籍企業に対しても市場国で課税を行えるようにするための国際課税原則の見直し、それから第二の柱として、法人税の国際的な引下げ競争に歯止めを掛ける観点等からのグローバルミニマム課税の導入について合意がなされました。この合意の実施に向けて、現在、詳細なルールや多国間条約の策定に向けた国際的な議論が進んでおります。  日本政府としましては、引き続き国際的な議論に積極的に貢献するとともに、今後の議論の進展を踏まえつつ、令和五年度以降の税制改正における国内法の整備に向けて検討を行ってまいりたいと考えております。  第一の柱、第二の柱による税収への影響につきましては、昨年十月にOECDが発表した試算では、第一の柱により市場国に配分される利益は年間千二百五十億米ドル超であり、第二の柱に……

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) ちょっとマイクを、マイクを近づけてみて。

武藤功哉財務省主税局国際租税総括官

○政府参考人(武藤功哉君) 第二の柱により世界的に生じる追加的な税収は年間千五百億米ドルとされておりますが、この試算は、あくまでもその時点で議論されていた制度設計を前提に、一定の仮定を置いて機械的に全世界としての税収を算出したものと承知しており、その詳細は把握しておりませんことから、日本政府として税収への影響について確たることは申し上げられないと考えております。  また、その後、制度設計の詳細に関する議論を踏まえた試算は行われていないものと承知しております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 今回の新たな国際課税ルールは、歴史的に画期的と評価もされております。  一つは、国際連盟が成立以来、百年間構築されてきた国際課税システムからの歴史的転換だと。恒久的施設、PEなしに課税なしというこれまでの大原則からの転換であり、この租税の課税権の配分の基準を転換をしたこと。もう一つは、やっぱり国家主権の専決事項とされていた課税権に対して、国際社会によって提起をされた租税ルールが各国税制を制約する存在として台頭してきたということが言われております。  これまでの課税ルールは専らOECDだけで検討されてきましたけど、今回は百三十を超える国の参画と合意が得られました。そのことの意義及びこの多くの国が参画、合意するに至った背景についてどうお考えでしょうか。

武藤功哉財務省主税局国際租税総括官

○政府参考人(武藤功哉君) お答え申し上げます。  日本政府はBEPSプロジェクトの立ち上げ時から国際課税改革に関する議論を一貫して主導してきたところでございまして、委員御指摘のとおり、百年近くにわたり築き上げられてきた国際課税原則の見直しが今般グローバルな枠組みで合意されたことを高く評価しております。  このように多くの国が合意するに至った背景として、約百四十か国が参加するBEPS包摂的枠組みにおきまして、経済のデジタル化に伴う課税上の課題について各国で問題意識を十分に協議、共有し、その対応について十分に検討してきた成果であると考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 先ほどありました、今後実施に向けて多国間条約や国内法整備もあるわけでありますが、着実に進めていただきたいと思います。同時に、今回の合意については、対象企業が狭過ぎるんではないかとか最低税率が低過ぎるという意見もありました。そういうことも踏まえて、今後更に実効性あるものにするための努力を政府に求めたいと思います。  今回、合意に至る最終段階でコロナパンデミックになりました。先ほどありましたように、新たな税収が増えるということは企業の負担増になるわけですが、コロナで国際経済が厳しいときにそういうことは行うべきでないと、こんな議論で合意が遅れたというような影響はあったんでしょうか。

武藤功哉財務省主税局国際租税総括官

○政府参考人(武藤功哉君) お答えいたします。  経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応につきましては、BEPS包摂的枠組みにおきまして過去数年間にわたって議論が行われてきたところでございます。  こうした検討が始まった背景としましては、現在の国際課税ルールが世界経済の急速なグローバル化、デジタル化に十分対応できていないのではないかという問題意識の高まりに加えまして、リーマン・ショック等を契機とした世界的な経済危機により各国の財政事情が悪化したことなどがあったものと考えております。  また、これに加えまして、委員御指摘の新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして各国で多額の財政需要が生じたことも、昨年十月の合意に至った背景の一つだというふうに認識をしております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 つまり、コロナパンデミックというものがむしろこのデジタル課税を推進をしていく言わば追い風になったということだと思うんですね。  そこで、外務大臣にお聞きしますが、このコロナパンデミックは、このSDGsの柱の一つである保健福祉分野で掲げられた感染症対策や途上国支援、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成の重要性を一層明らかにしたと思います。政府は、このSDGsの推進のための課題に革新的資金調達を挙げておりますけれども、なぜこの資金調達が必要なんでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) SDGsの達成には世界全体で年間約二・五兆ドル、これが不足すると言われておりましたが、この新型コロナの影響でこの資金ギャップはより一層拡大しているという推計も出てきておるところでございます。  この不足分を埋めていくためには、従来の資金調達のみでは困難であるところから、革新的資金調達というものは重要であるというふうに認識をしております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 この資金ギャップの克服の革新的資金調達が求められている、その検討のために当時河野外務大臣が二〇一九年七月に立ち上げたのが、SDGsの達成のための新たな資金を考える有識者懇談会でありました。この懇談会のテーマの大きな一つが、先日も議論のありました国際連帯税なわけですね。当時の河野大臣も導入への意欲を度々表明されましたし、多くの報道も、懇談会の設置で国際連帯税も検討というふうに見出しでも大きく書かれました。  先日の質問の際に林大臣は国際連帯税創設を求める議員連盟の会長も務められてきたということでありますが、大臣はこの連帯税の意義、必要性というのをどのように把握をしてこられたんでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 前回もお答えしたように、初代の会長であられました津島先生の後、津島会長の御指名もあって会長をお引き受けした経緯があったわけでございます。  議連でも随分いろんな議論をいたしたところでございますが、この、まさに先ほど申し上げましたように、革新的な資金の調達というものは大変重要であるわけでございまして、このSDGs達成のための資金ギャップを埋めるということで、この税に加えて民間資金の導入を含む様々な手段を活用するということが重要であるというふうに考えております。  前回も御答弁いたしましたように、外務省の要望することをしておりませんけれども、この新型コロナの影響による経済状況等を見極めながら、引き続き適切な資金調達の在り方について検討してまいりたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 外務省は、二〇一〇年度の税制改正要望として国際連帯税の新設を提出して、以来十年間これを出してきたわけですね。そういう経過の中で設置された有識者会議でしたから、国際連帯税実現への役割が非常に期待されました。私も大いに期待いたしました。  ところが、先日の答弁ありましたように、逆に、二〇年七月の報告書で、新型コロナ感染症の流行により日本経済全体が大きな打撃を受けている状況下での新税の導入が現実的と言えるのかと、こう述べて、それを受けて外務省はこの国際連帯税の税制改正要望の提出をその年見送ったわけですね、それ以来。しかし、UNCTADの世界投資報告書における資金ギャップに関する分析は、資金ギャップは後発開発途上国や脆弱な経済を持つ国々においてより大きくなると指摘していますし、先ほども大臣から、むしろコロナパンデミックでこの資金ギャップが拡大していると、こういう話もあったわけですね。  元々、従来のやり方では資金調達が困難だから新しい資金調達が求められてきたのに、コロナ禍を理由にその大きな柱である国際連帯税、検討もやめるということになりますと、ますます資金不足になると思うんですね。  先ほどのデジタル課税の経緯の中でも、むしろコロナパンデミックの下での経済の国際化で利益を上げている企業への適切な課税の必要性が高まったと思うんです。そうした下でこの国際的な合意の下でデジタル課税も実現した、大変重要だと思うんですね。  今、国際連帯税も、むしろコロナ禍だからこそ私は必要性が高まっていると思いますけれども、大臣の見解はいかがでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この国際連帯税につきましては、平成二十二年度から税制改正要望を行ってきたところでございましたが、制度の具体化には至らなかったところでございます。  先ほどお触れになっていただきました有識者懇談会でございますが、まさにこの二〇年の七月に提出した報告書に、新型コロナ感染症の流行によって日本経済全体が大きな打撃を受けている状況下での新税の導入が現実的と言えるかという指摘がなされておりまして、この提言を踏まえて、令和三年度及び令和四年度税制改正要望においては提出を見送っておるところでございます。  一方で、冒頭にお答えしたように、このSDGsの達成のための資金の不足分について埋めていくためには革新的資金調達は重要であると、こう認識しておりますので、外務省として引き続き適切な資金調達の在り方について検討してまいりたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 二〇一九年五月のODA特で、TICADに向けた決議を全会一致で上げているんですね。  この中で、SDGs達成に向けて、国際連帯税等の革新的資金調達メカニズムの検討において、我が国が議長国を務めるG20や開発のための革新的資金調達に関するリーディンググループの機会も活用し、議論が行われるように努めることと、こうしております。これは、全会一致で与野党一致で上げた決議なわけですね。こうした流れに沿った議論が期待された有識者会議だったのに、先ほど申し上げたような、ちょっと違う結論になってしまったと、逆になったと。  実は、この有識者会議の最後の段階で、メンバーであったグローバル連帯税フォーラム代表理事の田中徹二さん、辞任されているんですね。彼はブログの中で、率直に言って九月に外務大臣が替わる前後から懇談会の性格が変わったと、自民党税制調査会の幹部から税制に対する圧力があり、外務省がこれに抵抗できない面もありましたと率直に述べられております。外務大臣が替わったと。誰かとは言いませんが、茂木大臣ですよね。こういう経緯もあるんです。  だけど、やっぱり今コロナ禍の下で一層国際連帯税の必要性高まっていると、そういう中、改めてしっかり検討して要望にも上げるべきだと思うんですね。この意義について、国際連帯税の意義についてよく御存じの大臣の、私、リーダーシップ大いに今発揮していただきたいと思うんですけれども、改めて、再び要望に上げていくという点で、いかがでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) この有識者懇談会は、その報告書で、出入国時の課税は新型コロナウイルスの流行により国際航空事業が危機を迎えている状況を考慮する必要があるとかいろんなことについて提言をしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、現在のこのコロナ禍の状況、現在というのはこれ二〇年でございますので、あくまでその時点での判断と、こういうことでございますので、冒頭申し上げましたような革新的資金調達の必要性というのは重要であるという認識は変わっておりませんので、状況も踏まえながらしっかり検討してまいりたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 改めて大臣のリーダーシップ、強く求めまして、質問を終わります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  条約案については、特に異論はありません。  日本政府が一九二三年に締結したワシントン海軍軍縮条約には、要塞化禁止条項が入っていました。また、二〇〇四年に締結したジュネーブ諸条約追加議定書の第五十九条には無防備地区、六十条には非武装地帯の規定があり、外務省は前回、現在も有効だと答弁しています。  一般論として、当事国間で合意すれば、現在でも、ワシントン海軍軍縮条約のような島嶼の要塞化禁止や、ジュネーブ追加議定書の無防備地区や非武装地帯などの合意は可能ですね。

海部篤外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長

○政府参考人(海部篤君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げますれば、国家間で合意を行えば、委員御指摘のような内容を含む条約を当該国家間で締結することは妨げられないというふうに考えております。  念のためあえて補足して申し上げれば、ある特定の時点において実際にそういう合意を形成することが国家と国家の間で可能かどうかということにつきましては、個別の状況、それぞれの置かれた国の立場、認識、意図といったものを総合的に考えて個別具体的に判断されるべきものであるということを念のため申し上げさせていただきたいと思います。  以上でございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 かつて我が国がそういう条約を持っていたということ自体をやはり理解していただきたいと思います。  林大臣は昨日、中国の王毅国務委員兼外相とテレビ会談を実施されました。こういった機会を通じて中国への外交的働きかけを行うことは非常に大事だと思います。  この間の日本の安全保障政策は、外交努力が後退し、圧倒的に抑止力一辺倒に偏っています。特に、二〇一三年に当時の米国オバマ大統領が米国はもはや世界の警察官ではないと宣言し、二〇一六年にトランプ大統領が在日米軍を撤退させると発言してから、何とか米国に見捨てられまい、米国が対中抑止に取り組んでほしいという思いから、安倍政権は日本版NSC、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法、菅政権は土地規制法など、様々な有事法制を強行制定してきました。自衛隊による米軍防護、給油の拡大や集団的自衛権、自衛隊の基地の共同使用や民間空港、港湾などの米軍の使用など、米国に日本周辺での自由な軍事活動を認める様々な環境整備を行ってきました。  日本政府の米軍への貢献によって最大の被害を被ってきたのが沖縄です。沖縄では、辺野古新基地建設の強行や自衛隊基地の建設など南西シフトが進められ、米軍機の夜間・低空飛行などの訓練は日常化し、環境汚染は放置され、米軍人等による犯罪や事故への対応も緩和され、新型コロナ禍ではノーチェック、検疫なしでの入国が放置されています。日本政府は、県民の犠牲の下に、米軍にとって世界で最も都合の良い駐留、訓練場所としての沖縄を提供しています。  こうした米軍の対中国戦争の訓練活動による負担は、沖縄県だけでなく、今では九州、四国などの西日本にも及んでおり、やがてはミサイル配備なども含めて全国に広がっていくでしょう。その頃には、安倍、菅元総理や岸田総理並びに林大臣を含め、我々も国政に関わっていないかもしれません。しかし、今ここにいる私たちは、未来の子供たちに米軍最優先の演習場としての日本を残すことが本当に良いことなのかどうか、軍事ではなく外交によって緊張を緩和していくという他の選択肢を追求しなくてよいのかどうか、立ち止まって考えるべきです。  現在、日本は、失われた三十年という経済の低迷にあえいでいます。中国との関係を軽視し米国との関係のみを重視するということは、経済的にも国益にかなうものではなくなっています。  財務省にお聞きします。  最新の貿易統計では、対米貿易、対中貿易、対アジア貿易はどのようになっていますか。

小宮義之財務省大臣官房審議官

○政府参考人(小宮義之君) お答え申し上げます。  本年三月に公表いたしました二〇二一年の貿易統計によりますと、我が国の対世界の輸出入総額は約百六十八兆円となっております。このうち、対米国は約二十四兆円で全体の約一四%、対中国は約三十八兆円で全体の約二三%、また中国を含むアジア全体では約八十九兆円で全体の約五三%となっているところでございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 輸出入を合計すると、米国との貿易が一四%。一方、中国は二三%、日本の全貿易総額の四分の一を占める最大の貿易相手国です。  本年の一月一日には、地域的な包括的経済連携協定、RCEPが発効しました。RCEPについて今後どのような効果を見込んでいますか。

小野啓一外務省経済局長

○政府参考人(小野啓一君) お答えいたします。  RCEP協定は、ASEAN十か国並びに日本、中国、韓国、豪州、ニュージーランドの計十五か国が参加し、物品、サービスの市場アクセスを改善するとともに、知的財産、電子商取引等の幅広い分野での新たなルールを構築し、地域の貿易投資を促進することなどを目的とした経済連携協定であります。RCEP参加十五か国のGDPの合計、参加国の貿易総額、人口は、いずれも世界全体の約三割を占めます。また、RCEP協定参加国と我が国の貿易額は、我が国貿易総額の五割弱を占めます。  我が国といたしましては、RCEP協定により、世界の成長センターであるこの地域と我が国とのつながりがこれまで以上に強固になることや、これを通じて我が国及び地域の経済成長に寄与することを目指し、協定の履行確保にしっかりと取り組む考えでございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 RCEPは、中国、韓国との初めての経済連携協定であり、今後、日本の貿易に大きなインパクトがあると同時に、東アジアにおける交流がより一層進展していくことが予想されます。  また、日中の経済関係は、日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、中国にとっては日本は米国に次ぐ第二の貿易相手国です。また、中国に進出している日系企業は三万三千拠点。ジェトロの調査では、今後一、二年の事業展開を拡大と回答した企業は四〇・九%、第三国への移転、撤退を回答した企業は三・八%にすぎません。  日本政府は、日中の様々な懸案について、軍事力、抑止力のみで対抗しようとしています。台湾有事への日本の自衛隊による軍事的関与は、日本の最大の貿易相手国である中国との交流を途絶えさせ、日本の国民生活、日本経済を困難なものにすることは明らかです。また、沖縄や西日本の国民の生命は戦争によって危機にさらされるでしょう。これらが果たして本当に国益にかなったものかどうか、真剣に考えるべきです。  日本と中国の間には、「すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えない」とする、一九七八年日中平和友好条約があります。日中平和友好条約第一条第二項の規定について、外務省はどう評価していますか。

石月英雄外務省大臣官房参事官

○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。  委員御指摘の日中平和友好条約の第一条第二項は、国連憲章の原則に基づき、日中両国が、相互の関係において、全ての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認したものであると考えております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 これは確かに国連憲章第二条第四項の文言をなぞっただけということかもしれませんが、五十年前の日中共同声明、そしてそれから六年を掛けて作った中で様々な議論がされています。いわゆる侵略された、日本に対して果たしてそういう平和条約を作るべきかどうかというのは、中国の中できちんと議論されています。そういう意味では、単なる国連憲章のコピーではない、国境を接し様々な問題を抱える周辺諸国との間にこうした約束があることは非常に重要だと考えます。日中の間で武力による威嚇、武力の行使をしないということは、二国間条約で再確認した意義は決して小さくないと考えます。  日中平和友好条約について、外務大臣の評価はいかがでしょうか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 日中間では、一九七二年の日中共同声明、そして九八年の日中共同宣言、二〇〇八年の日中共同声明といった基本文書と並びまして、この七八年の日中平和友好条約に記された精神と方針の下で日中関係を発展させてきており、我が国としてこの立場に何ら変更はないところでございます。  その上で申し上げますと、昨十八日でございますが、王毅国務委員兼外交部長とテレビ会談を行いまして、私から、昨年十月の日中首脳電話会談で達成をされました建設的かつ安定的な関係という重要な共通認識を双方の努力で実現していく必要がある旨述べ、王毅国務委員兼外交部長から同様の考えが示されたところでございます。  日中両国間には、隣国であるがゆえに様々な懸案が存在しております。同時に、日中関係は、日中双方にとってのみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄にとって重要であります。中国との関係については、普遍的価値を共有する国々としっかり連携しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、共通の課題については協力するという建設的かつ安定的な関係、これを双方の努力で構築していくことが重要だと考えております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 林大臣、今の答弁のようなことを具体的に実践をしていただきたいと思います。  現在のロシアによるウクライナ侵略は国際法に違反するもので、特に市街地への攻撃、非戦闘員である文民への攻撃は、国際人道法、ジュネーブ諸条約違反です。ブチャやマリウポリを始め、ロシア軍による住民虐殺や強制連行は絶対に見過ごすことはできません。国際的な調査による徹底的な真相解明と責任追及は必要不可欠です。そのための支援に日本政府としても取り組むべきです。  中国は、現在、ウクライナ戦争をどのように対応していますか。

石月英雄外務省大臣官房参事官

○政府参考人(石月英雄君) 第三国の立場の詳細についてコメントする立場にはございませんが、その上で申し上げれば、中国の習近平国家主席は、本年三月の仏独中首脳オンライン会議におきまして、中国の立場として、一、各国の主権、領土の一体性は尊重されるべき、二、国連憲章の趣旨と原則は遵守されるべき、三、各国の理にかなった安全保障上の懸念は重視されるべき、四、危機の平和解決に役立つ全ての努力は支持されるべきという、いわゆる四つのべきについて発言したと承知しております。  また、中国の王毅国務委員は、本年三月の第三回アフガニスタン隣国外相会議等の終了後の記者会見におきまして、ウクライナ情勢に関し、中国の立場として、一、和平交渉促進という正しい方向、二、国際関係の基本準則を守ること、三、冷戦思考の回帰の防止、四、各国の正当な権益の擁護、五、アジア太平洋の平和と安定を打ち固めること、この五点を堅持する旨発言したと承知しております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ウクライナ戦争に対して、中国には、国際社会向けの、建前かもしれませんが、公式見解を守ってもらって、国内向けの、ロシアに同調的な非公式見解に基づいた行動を取りづらくしていく、そして抑制していく、こういうことが重要ではないでしょうか。  ウクライナ戦争は、今後数か月、長ければ年単位で続くのではないかとも懸念されています。日本と中国の間に様々な課題があることは承知していますが、もし仮に今後ロシアとその他の国々で世界が二つのブロックに分断されるようなことになっても、なるべく中国をロシア側に追いやらないこと、中国をロシア側に立たせないようにする努力が国際社会に求められ、日本外交としても一つの大きな目標ではないでしょうか。  ロシアと中国の二正面で日本が安全保障を取り組まなければならなくなるような愚かな外交政策を取るべきではありません。林大臣、そのための中国に対する外交によるアプローチを求めたいと思いますが、いかがですか。

林芳正自由民主党外務大臣

○国務大臣(林芳正君) 中国の立場や対応の一つ一つについてコメントすることは差し控えますが、中国は、ウクライナ侵略を非難する国連安保理決議案や国連総会決議案が採択に付された際、棄権票を投じております。また、ロシアが提出したウクライナの人道状況に関する独自の安保理決議案に理事国の中では唯一賛成するとしており、今なおロシアを非難しておらないわけでございます。  この国際秩序の根幹を守り抜くために国際社会が結束して毅然と対応することが必要であると考えておりまして、そうした観点から、昨十八日に行ったテレビ会談で直接、王毅国務委員に対しまして、ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章を始め国際法の明確な違反であり、中国が国際の平和と安全の維持に責任ある役割を果たすよう求めたところでございます。  引き続き、G7を始めとした関係国と緊密に連携し、中国に対して直接訴えかけてまいりたいと思っております。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) おまとめください。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 いずれにせよ、今、アメリカに引きずられて中国と戦争をするような日本にはならないよう、是非気を付けていただくことをお願いしたいと思います。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 他に御発言もないようですから、三件に対する質疑は終局したものと認めます。  これより所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び二千二十五年日本国際博覧会に関する特権及び免除に関する日本国政府と博覧会国際事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日本・スイス租税条約改正議定書及び二千二十五年日本国際博覧会に関する特権・免除協定の承認に反対の立場から討論を行います。  日本・スイス租税条約改正議定書は、投資所得に対する源泉地国での課税限度税率を軽減又は免除する措置を講ずることを内容とするものです。これは、日本の大企業とその海外子会社が、当該国での外資優遇税制の利益を十二分に受けつつ、その上で条約によって源泉地国での課税が劇的に軽くなるなど、税制優遇措置を二重三重に享受することを可能とするものであります。また、国際課税分野での大企業優遇税制を国内外で拡大、強化するものであり、容認できません。  日本国際博覧会に関する特権・免除協定は、二〇二五年に大阪の夢洲で開催予定の関西万博の整備のため、公式参加者の陳列区域代表事務所や博覧会国際事務局の代表者に対して特権及び免除等を付与するものであります。  しかし、関西万博は、政府及び大阪府と大阪市がカジノを核とした統合型リゾートとセットで夢洲に誘致をしたものであります。賭博であり、賭博依存症の拡大の懸念のあるカジノと一体の関西万博の夢洲開催は中止をし、カジノ誘致のための関連設備計画は抜本的に見直すべきであります。  以上を述べて、討論とします。

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 他に御意見もないようですから、両件に対する討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、二千二十五年日本国際博覧会に関する特権及び免除に関する日本国政府と博覧会国際事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、万国郵便連合憲章の第十追加議定書、万国郵便連合憲章の第十一追加議定書、万国郵便連合一般規則の第二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第三追加議定書及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  万国郵便連合憲章の第十追加議定書、万国郵便連合憲章の第十一追加議定書、万国郵便連合一般規則の第二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第三追加議定書及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

馬場成志自由民主党・国民の声

○委員長(馬場成志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時九分散会

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