外交防衛委員会 第11号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2022/04/28
会議録
○委員長(馬場成志君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、北村経夫君、山口那津男君及び福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として塩田博昭君、小沢雅仁君及び長峯誠君が選任されました。 ─────────────
○委員長(馬場成志君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(馬場成志君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に和田政宗君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(馬場成志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁出入国管理部長丸山秀治君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(馬場成志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(馬場成志君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田政宗君 皆様、おはようございます。自由民主党・国民の声の和田政宗です。 早速、質問に入ります。 今日は、国連改革、国連安保理改革と政府の取組についてお聞きをしたいというふうに思います。 まず、二点確認をさせていただきたいというふうに思いますが、まず、日本が対象になっている国連憲章の敵国条項の撤廃に政府はどのように取り組んできたか、お答え願います。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 いわゆる旧敵国条項については、一九九五年の国連総会で既に死文化しているとの認識を示す国連総会決議が圧倒的多数の賛成により採択されております。また、二〇〇五年の国連首脳会合では、国連憲章から敵国への言及を削除するとの全加盟国首脳の決意を示す成果文書がコンセンサスで採択されております。したがって、いかなる国も旧敵国条項を援用する余地はもはやないと考えております。 日本政府は、これらの決議や成果文書の採択に際し、関係国に対して積極的に働きかけを行い、その後も機会を捉えて働きかけを引き続き行っているところでございます。 一方で、旧敵国条項の削減を実現するには国連憲章の改正が必要であり、憲章の改正には厳格な要件が設けられていることも事実でございます。 政府としては、同じく国連憲章改正が必要な安保理改革に積極的に取り組んできております。将来の憲章改正の機会には、安保理改革等と併せて旧敵国条項の削除も実現すべく、今後も地道に関係国への働きかけを続けてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 死文化しているということでありますが、この後の私の質疑の中でも述べていきますが、もうこれ、国連全体の改革をしなくてはならないというふうに思っておりますので、国連憲章からの削除ということも念頭に政府においてはしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、この質問については上田委員もこの委員会で繰り返しされています。これ、与野党共にまさにそういった国連憲章からの削除ということを切望しているわけでございますので、政府においては一層取組を進めていただきたいというふうに思います。 そしてもう一点、その国連安保理改革、政府はこれ、どのように取り組んできたでしょうか。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 一九四五年に国連が創設されて以来、七十五年以上が経過し、加盟国の数は約四倍に増えるなど、国際社会の構図は大きく変化いたしました。しかし、安保理の構成はほとんど変化しておりません。安保理の構成が現在の国際社会の現実を反映するよう改革し、安保理の正統性と代表性を向上させ、増大する国際社会の諸課題により効果的に対処できるようにするべきであると考えております。 そのために、特に重要なのは、常任及び非常任の双方の議席を拡大することだと考えており、このような問題意識を共有するブラジル、ドイツ、インドとともにG4という枠組みでも安保理改革に取り組んできております。G4は二〇一〇年以降、毎年G4外相会合又は首脳会合を開催し、連携を強化してきております。 各国の複雑な利害も絡み合う安保理改革は決して簡単ではございませんが、多くの国々と協力し、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向け、引き続きリーダーシップを取ってまいりたいと考えております。
○和田政宗君 G4という枠組みのことについて言及がありましたが、これ、国連というのはユナイテッドネーションズでありまして、元々連合国から派生をしている。まさに中国においては国際連合と訳さずに連合国というふうに訳しているということも含めて、これは紛れもなく実質的には戦勝国の枠組みから始まっているわけであります。ですので、五大国、常任理事国として拒否権を五国が行使をできるということになっているわけでありますが、その中のロシアがまさに侵略を始めた。戦後秩序、戦勝国によって平和を守っていくというようなことが念頭にあったんだとは思いますけれども、もうその枠組みは崩壊をしている。 先ほど敵国条項に対しての言及もありましたけれども、平和を希求する国として自由と民主主義をしっかりと構築している日本が、やはりG4などの枠組みを使ってこの国連改革、国連安保理改革、リーダーシップを取っていかなくてはならないというふうに思っています。 そこで、質問をいたしますけれども、安保理はロシアのことを含めて硬直化しているというふうに見ることができます。国連総会というものをしっかり使っていかなくてはならないというふうに思っておりますが、国連総会の補助機関として安保理のような意思決定機関を創設するなど、安保理に頼らない意思決定方法を国連に構築することは可能かどうか、答弁願います。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 国連憲章第二十二条では、国連総会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができると規定されており、国連の創設以降、人権理事会など多くの補助機関が設立されてまいりました。多くの加盟国の意思が結集すれば、新たな総会の補助機関を設けることは可能ではございます。ただ、御指摘のような新しい意思決定機関を国連総会の補助機関として創設するといった議論は現在行われていないと承知しております。
○和田政宗君 これも研究をしていただければというふうに思うんですが、補助機関の創設につきましては、これ国連憲章をしっかり直していくことが必要なのか。必要であるならば、またそのほかの方法ということも、国連憲章の改正によらないということも考えていかなくてはならないというふうに思っております。 この国連憲章の改正というのは、まさに安保理の常任理事国が反対をするとできない、全ての五国の同意が必要だということが前提でありますので、ただ、もうその部分が、私はもうロシアのウクライナ侵略によって機能していないというふうに思っておりますので、日本がこれもリーダーシップを取って、しっかりと国連改革というものを取り組んでいかなくてはならないというふうに思っております。 そこで、林大臣にお聞きをしたいというふうに思います。 この硬直化した国連安保理に頼らない国連の意思決定の枠組みの必要性について、またどのようにリーダーシップを取っていくのか、政府の答弁を願います。
○国務大臣(林芳正君) この国連における意思決定が効果的に機能するための枠組みの必要性というものはまさに検討されるべき課題だと考えますが、まずは今ある国連の改革が重要であると考えております。 この観点から、安保理常任理事国が拒否権を行使する場合にその説明を求める国連総会の会合、これを開催すること等を主な内容とする国連総会決議がコンセンサスで採択をされたということは歓迎すべきことであると考えております。この決議は、ロシアの暴挙によって浮き彫りとなった拒否権の問題の一定の手当てとなり得ると受け止めております。また、拒否権行使は一般に最大限自制されるべきとの政府の問題意識にも合致をいたします。このため、岸田総理の指示により共同提案国入りしたものでございます。 もちろん、安保理自体の改革も重要であり、引き続き、多くの国々と協力して、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向けて全力を挙げてまいりたいと考えております。 引き続き、国連の改革を不断に検討するとともに、国連の場において積極的にリーダーシップを取って貢献をしてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 特に安倍政権以降、日本の外交力というのは私は高まっているというふうに思っています。私も、各国の閣僚、また政治家、外交官とも交流をし、話しますけれども、日本の外交力、リーダーシップに対しての期待というのは極めて強いものがあります。私は、今こそこれを発揮すべきであるというふうに思っています。 繰り返しになりますが、元々国連というものが連合国、戦勝国の枠組みで始まり、それが全く今機能しなくなっている。であるならば、さきの大戦において我々は敗戦国になったわけでありますけれども、その後、平和を希求し、またそのために国際社会でのリーダーシップというのは様々取ってきた。そして、今その外交力が一番発揮できる状態まで高まってきているというふうに思っておりますので、日本がやはりもうこれ積極的に国連の改革というものを、一番のそれを牽引する国として発揮をしていただきたいというふうに思いますので、外務省、政府におかれましては、何とぞ取組を一層強めていただきますようよろしくお願いをいたします。 時間が参りましたので、終わります。
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西でございます。 まず、ウクライナ問題を中心に質問をさせていただきます。 外務大臣にお伺いしますが、先般、ロシアの副首相が、我が国固有の領土である北方領土に対して、完全に開発し、投資も行うというような不届きな発言をしたというような報道がありますが、これに対する政府の見解をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) この北方四島は、我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土であります。 今、小西委員から御指摘のありました、このトルトネフ・ロシア副首相、この発言を含め、あたかも北方四島がロシアの領土となったかのようなロシア側の主張、これ全く受け入れられないわけでございます。また、ロシア法令に基づくことを前提として、北方四島を含む地域の経済開発を行うこと、そして日本企業及び第三国企業にそのような経済開発への関与を広く呼びかけることは北方四島に関する日本の立場と相入れないわけでございます。このような日本側の立場については、これまでもロシア側に対して累次申入れをしてきておるところでございます。
○小西洋之君 前回、こちらの委員会でも申し上げたことがあるんですが、日本固有の領土の北方領土を武力で不法占拠を始めてきたという歴史的な事実でございますので、また、それ、当時ソ連のことですが、またロシアが今同じことをウクライナに行っているわけでございますので、もちろん人類の歴史において自由は必ず最後は勝利をいたしますので、ロシアが今回ウクライナの侵略を反省し、また国際社会の中で立ち直っていくときに日本が力を貸すことも必要になると思います。そうしたときに、この北方領土問題というものをしっかりと解決するように、今から外務省は、もうまさに外務省の総力を挙げてしっかり戦略的な取組を行っていただきたいというふうに思います。 次の質問でございますが、報道を見ていますと、ロシアの日本大使館の職員が八名ですか、退去処分を受けるというようなことが報道されておりますが、それについて政府の見解を大臣にお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 四月二十七日、平野在ロシア大使館の次席公使は、ジョスキー・ロシア外務省第三アジア局次長に招致をされまして、八名の我が国の在ロシア大使館員の五月十日までの国外退去要求を受けたところでございます。 ロシアによるウクライナ侵略は明白な国際法違反であり、また多数の無辜の民間人の殺害、これは重大な国際人道法違反、戦争犯罪であり、断じて許されないわけでございます。軍事的手段に訴えて今回の事態を招いたのはロシア側であり、日ロ関係をこのような状態に追いやった責任は全面的にロシアにあるにもかかわらず、ロシア側が今般このような通告を行ってきたことは断じて受け入れられないと考えます。平野次席公使からもこうした日本政府の立場をロシア側に伝達し、抗議をしたところでございます。
○小西洋之君 私も、今大臣がおっしゃったとおり、責任はロシアにあるというふうに思います。ロシアが本当に、まさに今、世界から非難を受けているからこそロシア外交のその重要性というものをロシア自身が深く考えて、外交の一番の資源であるその大使館員というものは、やはり両国では、ロシアにおいてはしっかりと保持しなければいけないと思うんですが、非常にロシアの対応、私も残念に思うところでございます。 次のでは質問、ちょっと飛んで通告の五番なんですが、やはり外務大臣にですが、ウクライナの外務省の正式のツイッター上の動画で各国にこの支援の感謝の言葉と、あとその国の名前を伝えていくという動画があるんですが、その中に日本の名前がないということが報道等されておりますが、これがどういう動画で、という事実関係で、それに対する政府の見解を答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) このこれまでの日本の各種の支援については、累次にわたってウクライナ側から謝意が表明されております。 例えば二十六日の岸田総理とゼレンスキー大統領との電話会談でも、同大統領から繰り返し深い感謝の意が表明されて、会談後も同大統領はその旨ツイートで発信をされておられると承知をしております。また、四月にワルシャワにて行いました外相会談でも、クレーバ外相から私に対しても同様に謝意の表明がありました。 今御指摘のありました動画ですが、ウクライナ外務省の二十五日付けのツイッターへの投稿において、ウクライナ軍関係者からのメッセージとして、この困難なときにあって揺るぎない支援に感謝するという旨の文章とともに、約三十か国の国名を含む動画が掲載をされたものであると承知をしております。この動画ですが、武器支援の文脈において支援を行った国々への謝意が示されたものという説明がウクライナ側からありまして、ウクライナ政府として、我が国がこれまで行ってきたウクライナへの人道支援、財政支援、そして防衛装備品の供与等の最大限の支援に対して改めて謝意が表明をされております。ウクライナ国防省の二十七日付けのツイッターで新たに投稿された各国への感謝の動画には日本の国名が含まれているものと承知をしております。 引き続きウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいりたいと考えております。
○小西洋之君 武器支援の文脈の動画だったということで、先般、両大臣も御出席の下のゼレンスキー大統領の国会での我々が受けたあの演説でありますけれども、あの中でも、日本にはそういう軍事支援への期待ではなくて、既に行っている様々な支援についての感謝の言葉、また特に、戦争の後、先ほど御質問もございましたけれども、国連改革などについて日本がリーダーシップを取ってほしいという、ほかの国ではない日本への期待というものが寄せられていたわけでございますので、ウクライナへの侵略を止めてウクライナ国民にまた復興などをもたらすに当たって、この武器や武力ではない大きな支援、まさに戦争を止めることができるのは、今止めることができるのは外交でございますので、明日にでもウクライナ軍がロシア軍を打倒することができるのであればですが、そうでないのであれば、今止める力は外交でございますので、そうした外交面で日本はより強い力を発揮していかなければいけないと思います。 その観点で、次の質問なんですが、ようやく国連事務総長のプーチンとの面談がようやく実現したわけですが、過去二回、そうしたことを行うべきではないかということで、日本政府の取組を、私、大臣にお願いをしていたんですが、二十六日にプーチン、今日ゼレンスキー大統領というふうに聞いておりますが、このグテーレス事務総長のプーチン大統領らへの、まず会うことですね、このことについて日本政府がどのような取組をしてきたのか、何か貢献をしているのか、それについてまずお答えをお願いします。
○国務大臣(林芳正君) このグテーレス事務総長は、これまでもロシアによる侵略を批判し、人道支援の実施や文民の安全な移動のための人道的停戦の呼びかけなどに取り組んできているものと承知をしております。 我々といたしましては、G7首脳声明において国連事務総長の取組を支持し、また外交上のやり取りでございますので詳細をお答えすることは困難ですが、国連事務局とも様々な機会を捉えてやり取りを行うなど、適切に対応してきているところでございます。
○小西洋之君 ただ、事務総長が動きがないということは、世界の各国、あるいは世界のこういう国際関係に、元国連の高官とか、いろんな方々が発信があったので、日本政府が国連に対して事務総長動くべきであると、政府も、日本国もこういう支援をするということをしているんであれば、むしろそれは世界に対して発信していただいて全然構わないことだと思いますし、国会でもそのように答弁していただいて構わないと思うんですが。 それで、プーチン大統領とのこの、私は和平の仲介を事務総長に期待していたんですが、中身を見ると、和平の仲介、何か停戦について提案ができていない。今マリウポリのこの鉄工所に閉じ込められている、閉じ込められているというか追い詰められている人たちの人道的な救出について国連の役割などを提案したというようなことではあるんですが、プーチンとのこの面談とあえて言葉を使いますが、これについて大臣としてどういう所感を持っているか、あるいは政府としてどのような見解を持っているか、評価ですね、それについて答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 今御紹介いただきましたように、現地時間の二十六日、グテーレス国連事務総長がロシアを訪問してラブロフ外相、そしてその後プーチン大統領と会談をしたと承知をしております。国連事務局の発表によれば、今触れていただきましたように、プーチン大統領はグテーレス国連事務総長との会談において、マリウポリのアゾフスタール製鉄所に取り残された民間人の退避に向けて国連及び国際赤十字委員会が関与することに原則として合意をしたと、こういうふうに承知をしております。 我々として、政府といたしまして、このような事務総長による首脳レベルでの仲介の努力を評価をしております。 二十八日、本日ですが、事務総長によるウクライナ訪問を含めまして、引き続き関心を持って状況を注視してまいりたいと考えております。
○小西洋之君 これはゼレンスキー大統領も批判されているんですが、本来ウクライナを先に訪問して、戦争犯罪始め、まさにその現地を事務総長が見て、その説得力を持ってプーチン大統領に臨むと。ロシア側は、まさにこれプロパガンダとして、プーチンが、東部で虐殺があって、それを救うために始めた、軍事行動を始めたんだというような荒唐無稽なことを言っているわけでございますので。ただ、ロシアが先でないと会わないというふうに言われていたのかもしれませんが、そこは私は分かりませんが。 事務総長の動きというのが率直に非常に物足りないといいますか、まあ元々そういう方なのかもしれませんが、すると世界の人類が救われないことになってしまうんですが。ただ、これ別に一回で終わる必要はないと思いますので、事務総長がやはり今国連憲章の下で責任者、国連の最高責任者でありますから、その最高責任者が国連の設立の目的である侵略戦争を許さない、無辜の市民を殺すことを許さないということをやはり体現して動くことがやっぱり必要だと思いますので、今日はゼレンスキーとの会談がございますが、その以降も日本政府として、大臣もさっきおっしゃいましたけど、この事務総長がしっかり動くということが大事であり、それを日本政府も強力な政治世論を主体的につくっていって頑張るという大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 答弁すべきことを既におっしゃっていただいたような感じがいたしますが……(発言する者あり)ええ、まさにそのとおりだと思っておりまして、やはり国連事務総長がこの停戦実現に向けていろいろな動きをすると、報道されている部分に加えて水面下の動き等もいろいろあるんではないかと、こういうふうには思っておりますけれども、しっかりこの国連の事務総長、トップがですね、この活動をするということは当然のことですし、我々としてはこれをしっかりと支えてまいりたいと思っております。
○小西洋之君 是非頑張っていただき、そこに日本の日本外交ここにありという姿を世界に発信していただくということが大事だと思います。 昨日追加で出させていただいた最後の質問なんですが、問題があるこの安保理事国、先ほど和田先生からも御質問がありましたけれども、この拒否権に対して、それに対して説明を求めるという総会決議が成立をしていますが、これ日本も八十二のうちの共同提案国になっているということなんですが、リヒテンシュタインが主導したというこの取組について、日本としても主体的な取組があったと期待したいところなんですが、申し訳ありませんが、ゼレンスキーがこういう国連改革をやってほしいと、私も何度かここの質問で申し上げたことがあるんですが、今回のこの総会決議に当たって日本が行ってきた取組と、あとこの決議についての政府の評価を大臣にお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 現地時間の四月二十六日でございますが、安保理常任理事国が拒否権を行使する場合にその説明を求める国連総会の会合を開催すること等を主な内容とする国連総会決議がコンセンサスで採択をされました。 政府としてこれを歓迎をしております。この決議は、ロシアの暴挙によって浮き彫りとなったこの拒否権の問題への一定の手当てとなり得ると受け止めております。また、拒否権行使は一般に最大限自制されるべきという政府の問題意識にも合致をいたします。このため、岸田総理の指示を受けて共同提案国入りをしたわけでございます。 今後は、この決議の実施、これを注視してまいります。引き続き、国連の改革を不断に検討するとともに、国連の場において積極的に貢献をしてまいりたいと思っております。
○小西洋之君 この総会決議、昨日ですかね、おとついか、ニュースを見ていたら、この主導したというリヒテンシュタインの国連大使、二十年ぐらい国連大使をやっている方だそうなんですが、たしか人口数万人の国だったと思うんですけれども、そうした国がこういう取組を主導するのであれば、やはり日本国、大臣の下の官僚の皆さん、もちろんいろんなことを頑張ってくださっているんだとは思うんですが、是非、日本外交ここにありと、まさに憲法で国際協調主義、平和主義をうたっている国でございますので、取組を頑張っていただきたいというふうに思います。 重ねてちょっと大臣に伺いますが、これ三回目の質問なんですが、問いの三番なんですが、ちょっと時間があれですので簡潔に申し上げますが、とにかく戦争犯罪を絶対にすぐ止めなければいけない。それを止める圧力を、このやはりプーチンやロシアの軍首脳に掛けていかなければいけない。本来は国連の事務総長がそのことを言わなきゃいけないはずなんですが、殺すなと。 そうしたことを各国政府がやっぱり連携して外交文書をプーチンに、まあ言うと突き付けるとかですね、これはまあ一つのアイデアで、ほか、もっといいやり方があればそれをやっていただければいいんですが、戦争犯罪を止めるために主体的に日本が各国と一緒に行っていく取組、どういうことを今検討されているのか。いつも連携していますというのはいただいているんですが、簡潔に答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 無辜の民間人の殺害が続く中で、このロシアによる侵略を一刻も早く止めさせるための外交努力の必要性というのは、今御指摘があったとおりであります。 三月四日のG7外相会合の共同声明ですが、更なる侵略によってプーチン大統領は世界においてロシアを孤立させたとし、また、一般市民に対する武器の無差別使用を含む戦争犯罪について責任を問うとしております。 また、四月七日のG7外相共同声明では、プーチン大統領等に対してこの戦争の代償を更に高めていくとした上で、ロシアに対して改めて軍事作戦の停止、軍の完全な撤退、国際人道法の下での義務の遵守と、これを強く要求して、ロシアの指導者は市民が安全を得ることを可能にしなければならないと、こういう旨求めてきております。こうした取組を首脳や外務大臣のレベルで数多く積み重ねてきております。 まさに、この侵略を一刻も早く止めさせなければならないという思い、委員と共有をしておると思っておりますが、主体的に我々が国連も含む国際社会と緊密に連携して、ロシアによる侵略を直ちにやめさせ、戦争犯罪の責任を追及するための外交努力を続けてまいりたいと思っております。
○小西洋之君 答弁は本当にごもっともな答弁のような気がするんですが、もっと姿が見えることが今世界で日本が求められているし、それがまさにできる、アメリカですらこの拒否権について説明を求める総会決議に賛成するというような今世界の動きでございますから、是非、日本外交は果敢にこの侵略戦争を止めて、そして二度と起こさせない世界秩序をつくるために主体的な取組を頑張っていただくことをお願いをしまして、時間ですので質問を終わります。 ありがとうございました。
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。 今やはりウクライナ情勢が緊迫しておりますので、どうしてもウクライナ問題中心の議論となっておりますが、今日はあえてアフガニスタンをめぐる問題について質問させていただきたいと思います。 昨年八月末、同時多発テロから二十年となる日を目前にして米軍がアフガニスタンから撤退し、タリバンが再び権力を掌握しました。米兵を含む多国籍軍で数千人、民間人を含むアフガニスタン人は十数万人とも言われる途方もない犠牲者を出したアフガニスタン紛争、国際社会が支援した政権は、迷走の末、ガニ大統領が国外へ逃れたことで事実上崩壊しました。 そこで、林大臣に質問です。 日本政府として、対テロ戦争以降の米国のアフガニスタン政策、そして米国の駐留と撤退をどのように評価しているのでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 二〇二一年の八月末に、バイデン大統領は、二十年間にわたるアフガニスタンでの駐留が終了した旨の声明を発表いたしました。日本政府としては、米国のかかる決定を理解し尊重するとともに、この間、米国がアフガニスタンにおいて、テロ対策、民生の向上、和平に向けた努力など、様々な取組を行ってきたことに関し、日本政府としてこれを評価をしております。 アフガニスタンの安定、これは国際社会の平和と安定にとって引き続き極めて重要であると、こう認識しておりまして、日本政府としても、過去二十年間の支援の成果、これを維持しながら、今後とも、アフガニスタンの平和と安定に向けて、米国を含む国際社会と緊密に連携しつつ取り組んでまいりたいと考えております。
○羽田次郎君 御答弁ありがとうございます。 和平交渉が進展せず、将来の見通しが立たないままの撤退について、バイデン大統領は、他国の再建のために大規模な軍事作戦を行う時代は終わった、撤退が最良の選択だったと御説明されています。今後、米国の政府機関、学界、メディア等で詳細な分析がなされると思いますが、米国史上最長の戦争は日本にとっても他人事ではありませんでした。 我が国が旧テロ対策措置法に基づき行った給油などの支援内容及び人道支援として行った取組内容、そしてそれらの総額についてお答えいただければと思います。
○政府参考人(北村俊博君) お答えいたします。 日本は、二〇〇一年以降、アフガニスタンに対しまして、同国の持続的、自立的発展のため、人道、保健、教育、農業、農村開発、治安維持向上のため、あるいは女性の地位向上など、様々な分野での支援を実施してきました。 二〇二一年八月以降のアフガニスタンの危機的な人道状況を踏まえて実施を決定しました人道支援を含めますと、これまでの支援総額は約七十一・三四億ドル、日本円で約七千二百三十八億円となっております。 これに加えまして、委員御指摘のとおり、NATO傘下の地方復興チームに対する文民支援チームの派遣や、テロとの闘いの一環として、インド洋における補給支援活動等も実施した実績がございます。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 米国主導で、二十年間、日本を含む国際社会が一体となってアフガニスタンの立て直しに取り組み、支援を続けてきたことが水泡に帰すような結果となり、残念でなりません。 今再び、より深刻な危機に陥っているアフガニスタンに対し、今年一月、国連は、五十億ドル以上の支援金が年内にも必要だとして、国際社会に拠出を求めております。日本政府として現在も国際機関やNGOを通じて食糧支援等様々な支援をされていると思いますが、まだまだ足りない上、必要とされている方々に食料等がきちんと届いていないと報じられています。 また、先日、NHKの番組でも、銃撃で亡くなられた中村哲医師がかつて現地代表をされていたペシャワール会が、農地のためのかんがい用水路を造るために必要な重機のレンタル料金や支援物資購入のためにアフガニスタンに送金しようとしているが、送金もできないという問題に触れていました。経済制裁下でありますが、認められた人道支援団体であれば米国も送金を許可しているそうですが、政情が不安定という理由で日本の銀行は許可してくれないというお話でした。 政府として、現在、飢餓状態にあるアフガニスタン国民に対してどのような人道的支援をしているのでしょうか。その支援は必要な方々に届いているのでしょうか。あわせて、送金に関して何か政府として支援ができないのか、お分かりになる範囲内でお答えください。
○政府参考人(北村俊博君) お答えいたします。 我が国は、先ほどと重なりますけれども、アフガニスタンの人道危機への対応としまして、昨年十月に約七十一億円規模の国際機関経由での緊急人道支援を決定しております。また、令和三年度補正予算によりまして、アフガニスタン及び周辺国に対しまして、同じく国際機関経由で約百十八億円規模の追加的な支援を今現在実施しているところでございます。 それぞれの拠出先の国際機関からの報告によりますと、現下のアフガニスタンにおきましても、各国際機関、独立、中立的な立場から、食糧支援や医療支援など、アフガニスタンの人々の人道状況の改善に直結する仕事を着実に実施しているというふうに報告を受けております。例えば、食料につきましては、アフガニスタン国内あるいは近隣諸国で調達をしてアフガニスタンの人々に届けるというような形で、国際機関側も効率的な支援の実施に努めているというふうに承知しております。 あと、委員御指摘の送金の件でございますけれども、これは去年の十二月に国連安保理決議が採択されておりまして、その中におきまして、アフガニスタンにおけます人道支援あるいは基本的人道ニーズに係る支援活動につきましてはタリバン関係者等への制裁決議には違反しないという形で定められておりますので、御指摘も踏まえまして再度確認をさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、引き続き、国際社会と連携しつつ、アフガニスタンの人々に寄り添った支援を実施してまいりたいと思っております。
○羽田次郎君 やはり、アフガニスタン、様々な部族がいるということで、また、その部族の長と関係が深い方たちにどうしても、御家族とか親族とか、そういったところに支援が行き届くけど、なかなかそうじゃない方々、特に弱者に届かないというような状況がやはりあると思いますので、そうした現地のNGO等としっかりと連携して、本当に必要とされている方たちに届くような支援を是非していただきたいと思います。 昨日の政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会でも、林大臣が、魚を与えるのではなく魚を捕る方法を教えることが大事だというお話を引用されていましたが、まさにそのとおりだと私も考えます。支援に頼らず、自立することを誇り高いアフガニスタンの方々も望んでおられますが、自立のためのサポートをするのが今、日本に求められていることだと考えております。 ところで、現在、在アフガニスタン日本大使館の状況はどのようになっているのでしょうか。今も大使館としての機能は続いているのでしょうか。
○政府参考人(長岡寛介君) お答えいたします。 在アフガニスタン日本大使館は、昨年九月以降、カタールに臨時事務所を置きまして業務を継続しております。岡田駐アフガニスタン大使は、これまでカブールへの出張などを通じて、現地情勢の情報収集、それから、邦人、現地職員等の安全確保を始めとする我々として関心を持っている様々な事項につきまして、タリバーンに対して直接の働きかけを行っているところでございます。
○羽田次郎君 本当に限られた情報量の中で、岡田大使を始めとして現地スタッフの皆さんが奮闘されていることには本当に敬意を表します。 今回、タリバンとも直接お話を大使がされたというふうに報道もされていましたが、もしその内容についてお話をいただければと思います。
○政府参考人(長岡寛介君) お答えします。 先ほど委員から御指摘ありましたように、岡田大使はカブールへの出張の際にタリバーンの幹部とも意見交換をしております。その際には、私どもから、日本だけではなくて国際社会が強い関心を持っている事項、例えば女性や少数民族を含めたアフガニスタンの人々に対するその人権をきっちり尊重するように、あるいはアフガニスタンの全ての人が包摂的に政府等の中に入れるような、そういう政治体制の構築、それから、先ほど申したように、日本人あるいは私どもの大使館の現地職員、その他日本にゆかりのある人たちの安全の確保、ないしは希望する人の安全な出国、そういったことを繰り返し求めてきておると、そういう状況でございます。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 翻って、在日本国アフガニスタン大使館はどのような状況にあるのか。そして、現在、タリバン臨時政府を日本として承認していないと思うんですが、日本が承認していたガニ政権は既に崩壊している、そんな状況で、大使館についての現状の御認識と御対応について教えてください。
○政府参考人(長岡寛介君) 日本にございますアフガニスタン大使館について、そのステータスに関して、現在までアフガニスタン側から特段の連絡は受けておりません。したがいまして、駐日アフガニスタン大使館の現在でのステータスというものは変更はないというふうに考えております。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 今も多分その大使館の大使含めスタッフの方と連絡を取り合っているのだと思いますが、関係者の方のお話を先日伺ったところ、臨時政府からの送金もなく、資金が枯渇していて、大使館スタッフは次々に退職して、公共料金の支払さえ困る状況というふうに聞きました。非常に心配しております。 大使館として接遇している以上、困窮しているのであれば何らかの支援をすべきと考えますが、そもそもそういうことが可能なのでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 現在も駐日アフガニスタン大使館とは必要なコミュニケーションを取ってきておりますが、委員御承知のとおり、アフガニスタン情勢、依然として大変流動的でございまして、今後のことに関して予断をするということが困難な状況にございます。 日本政府として、この今の駐日アフガニスタン大使館に対する具体的な支援の検討というのは行っておらないところでございます。
○羽田次郎君 なかなか政府として何もできないというのは、大臣もきっともどかしい思いでいらっしゃるんだと思いますが、それこそアフガニスタンで日本に避難された方たちがお金を募って何とかそういった支払に充てようなんという動きもあると聞いておりますが、何か本当に日本としてもしてあげられることがないのかというふうに考えてしまいます。 今、迫害を恐れてイランやパキスタンなど隣国に逃れているアフガニスタン避難民が大勢いらっしゃいます。ウクライナ避難民に対して行われているように、隣国へ逃れた避難民に対して、短期間で渡航証明書を発行し、日本へのフライトの座席を確保するような支援を政府としては行っているのでしょうか、若しくはそうした御検討はされているのでしょうか。
○政府参考人(長岡寛介君) 昨年夏にアフガニスタンの情勢が悪化した後、政府としては様々な外交努力を継続し、現在までに日本の支援を受けて六百名以上の日本関係のアフガニスタン人が日本に入国をしている状況でございます。 こうした日本関係のアフガニスタン人のアフガニスタンからの出国、ないしは日本への渡航につきましては、個別の事情を踏まえて必要に応じた支援を行ってきてはいるところでございまして、例えば近隣のイラン、パキスタン、そういった在外公館も含めて、退避に関する要望とか照会が寄せられた場合には、それぞれの事情に応じてできる限りのことを政府全体としてきめ細やかに対応しているというところでございます。 具体的には、それぞれの事情が違いますので一義的に申し上げることは難しいんですけれども、例えばオミクロン株が流行しまして水際対策が非常に厳しい状況のときに、外国人の入国というのはかなり一律難しい状況ございましたけれども、そういった制限があった場合でも、アフガニスタンから日本に逃れてきたいという方については特段の事情ということで入国を認めるよう政府全体として対応したということがございます。
○羽田次郎君 今のお話を聞いて少し安心しましたが、どうしてもウクライナに対する支援というのが急激に大きく政府としても行っているので、アフガニスタンとかミャンマーとか、先日質問させていただいた北朝鮮に残されている人々、そうした人々に対してもウクライナと同じような支援を行わないと、逆に日本は差別的だなんというふうに言われかねないので、是非引き続き変わらぬ支援をいただけたらと思います。 そうした思いも踏まえてお聞きしますが、現在、日本で難民認定を受ける要件と受入れ状況、簡単に御説明いただければと思います。
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。 入管法第二条第三号二におきまして、難民とは難民の地位に関する条約第一条の規定又は難民の地位に関する議定書第一条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうとされております。一般論として申し上げれば、我が国で難民認定申請がなされた場合には、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、条約の定義に基づき難民と認定すべき者を適切に認定することとなります。もっとも、難民とは認められない方であっても、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる方には、入管法の規定に基づき、我が国に在留を認めているところでございます。 お尋ねの認定状況でございますが、令和二年の数字で恐縮でございますが、令和二年に難民と認定した者の数は四十七人でございます。そのうち、アフガニスタン国籍の方は五人となっております。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 同じ時期のデータですが、ドイツでは四一・七%の難民認定率で六万三千四百五十六人、そしてアメリカでは二五・七%で一万八千百七十七人。日本の四十七人というのは僅か〇・五%という難民認定率となっていて、日本のこの認定が低いこと、これは、逃れてきた政府から個人として把握され、個別に標的とされていない人は難民に当たらないとする個別把握論が取られているからだと言われています。ただ、UNHCRは二〇一六年に、戦争、武力紛争であっても条約上の難民に該当すると明記したガイドラインを出しております。 幾つか質問ありますけど、ちょっと時間となりそうなので、こうした今ウクライナ情勢の中で、今こそ国際的スタンダードの人道支援、苦しい状況に置かれた方々に寄り添う対応に変えるチャンスだと思いますので、是非、林大臣のリーダーシップで新たな局面に一歩踏み出されることをお願い申し上げ、私の質問とさせていただきます。
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。 ロシアのウクライナ侵攻によって、一方的な攻撃を避けるために抑止力を高めなければならないという論理がヨーロッパを中心に世界中に広がっているところであります。もとより、力の論理にも限界があることもこの間の国際世論の高まりや国際的な支援の中でも明らかになってきているわけでありますが、間違いなく、もう抑止力を高めなければならないという大きな流れがあると思っています。日本憲法の前文に、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し、我らの安全と生存を保持しようと決意したという有名な前文があるわけですが、なかなかこういうわけにはいかないだろうというのが今日の状況ではないかと。そこで、改めて、日本の独立と平和を守るために適切な抑止力を整備しなければならないと。 ただ、こういう危機の時代に、時として冷静さに欠け軍事バブルに陥ってしまうという問題もあるのではないかと思っております。大事なことは、外交、防衛の大枠をしっかり築いて、そして制服組の皆さんたちがしっかり働けるような環境づくりをしていかなければなりません。自衛隊の能力を点検し、速やかな行動が取れるようにする、そういう意味では、この防衛上の曖昧な定義、そういうものをしっかりしておかないと制服組にとってはマイナスではないかというふうに思っております。 そのマイナスにならないようにするには、国会の論戦を通じて曖昧な定義をクリアにしておく。特に、私気になりましたところでは、武力行使の新三要件のうち、密接な関係にある国、この密接な関係にある国というのはどういう国を指すのか、きちっと明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 いわゆる新三要件の第一要件に言う我が国と密接な関係にある他国については、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようする意思を表明する国を指すものと考えております。いかなる国がこれに当たるかにつきましては、あらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において個別具体的な状況に即して判断されるものであり、一概にお答えすることは困難です。 その上で、我が国の平和と安全を維持する上で、日米同盟の存在及びそれに基づく米軍の活動は死活的に重要であり、同盟国である米国は基本的にこれに当たるであろうと考えております。他方、米国以外の外国がこれに該当する可能性は現実には相当限定されると考えられると、考えておりますが、いずれにせよ、個別具体的な状況に即して判断されることになります。
○上田清司君 状況に応じてという判断もあると。しかし、それでは、例えば制服組にとって適切なシミュレーションや行動計画などを通じて訓練ができないんではないんでしょうか。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 政府の今の基準が曖昧若しくは対象が際限なく広がるという御懸念でございますけれども、我が国と密接な関係にある他国については、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すと考えております。武力の行使を伴う対処を共に行うという重大な決断を行うものであり、このような国の範囲はおのずと相当限定されるものと考えております。 いずれにせよ、憲法上武力の行使が許容されるのは、単に我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃があれば足りるというものではなく、新三要件全てを満たす必要がございます。新三要件は国際的に見てもほかに例のない極めて厳しい基準であって、憲法上の明確な歯止めとなっていると考えております。
○上田清司君 例えば、台湾などは大変親日的であり、東日本大震災でも一番日本に対して寄附をして支援をいただいた国でもあります。これ共通の、何というんでしょうか、問題になるような密接な関係国になるんでしょうか。当然答えられないと思いますが。何やらこの定義というのは、その時々で変わるような形になりかねないような状況があると思います。 クアッドもありますね。インド、オーストラリアあるいはアメリカ、日本というこの四か国の大きな枠組み。これはこれでまた一つの安全保障の枠を広げるという意味でいいと思っております。 いろんな形でマルチに囲み込むことでより安定が増してくるというのは、これはもう安全保障上の重要なものだと思っているところですが、この密接な関係というのは、これは良くないと思っていますね。いかなる言辞を弄しても、このような定義で物事を測るということは極めて防衛政策上、外交上も良くないと思っていますが、もう一度、どういう国を想定されるのか。分かりませんよ、これでは。
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。 繰り返しで恐縮でございますが、我が国と密接な関係にある他国につきましては、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指しております。武力の行使を伴う対処を共に行うという重大な決断を行うものであり、このような国の範囲はおのずと相当限定されるものと考えております。 いずれにせよ、憲法上武力の行使が許容されるのは、単に我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃があれば足りるというものではなく、新三要件全てを満たす必要がございます。新三要件は、国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準であって、憲法上の明確な歯止めとなっていると考え、なっております。
○上田清司君 基本的には、我が日本に対する攻撃に対してまさに自衛力があると。 日本は、他国の防衛のためにその能力を使うということにはなっていない。日米安保条約においてもそのような規定になっているはずですが、この点についてどうなるんですか。密接な関係にある国が攻撃されれば、日本も合わせて攻撃しなくちゃいけないんですか。
○政府参考人(有馬裕君) 繰り返しの答弁で申し訳ございませんが、新三要件の第一要件に、我が国と密接な関係にある他国につきましては、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すものと考えております。いかなる国がこれに当たるかについてはあらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において個別具体的な状況に即して判断されるものであり、一概にお答えすることは困難でございます。 その上で、我が国の平和と安全を維持する上で、日米同盟の存在及びそれに基づく米軍の活動は死活的に重要であり、同盟国である米国は基本的にこれに当たるであろうと考えております。他方、米国以外の外国がこれに該当する可能性は現実には相当限定されると考えられますが、これ、いずれにせよ、個別具体的な状況に即して判断されることになります。
○上田清司君 では、米国が攻撃されれば、日本も一緒になって反撃するという考えですか。
○政府参考人(有馬裕君) 新三要件は我が国の自衛権の発動の要件でございまして、我が国としては、我が国の防衛のために武力を行使することとなります。
○上田清司君 そのとおりだと思います。 そこで、最近では、例えば自衛官が国籍不明の国から攻撃される、これに反撃するのが自衛のための能力を発揮する、こんなふうに私は理解しております。 ミサイルから攻撃されます。そうすると、ミサイルを発射させる意思を持った、中枢機能を持ったところをたたかなければ次から次に攻撃されるのではないか、だから、中枢機能を持った、意思決定機能を持ったところをたたくという考え方があるわけですが、これは自衛になるんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この国際法上、自衛権の行使に当たっては、武力の行使の態様、これが相手の武力攻撃の態様と均衡が取れたものでなければならないと、均衡性というものが要件の一つとされております。 その上で、国際法上、自衛権の行使として認められる武力の行使の態様については個別具体的な状況に応じて判断すべきものであり、あらかじめ定型的、類型的にお答えすることは困難であると、こういうふうに思っております。
○上田清司君 林大臣が言われたとおりだと思います。 国際法上、比例の法則、極端なこと、一発撃たれたら一発だけ撃ち返しておく。これは、誤射というのもありますから、念のためにその程度でとどめておくと。それ以上のことをするとそれ以上発展していく可能性があるということで、まさに今の答弁どおりだと思いますが、そういう意味では、ミサイルが発射された、それを指揮命令を持ったところの中枢機能をたたくという話までなってくると、これは国際法上で言うところの比例の法則に反する話ではないかというふうに思いますが、こういう議論に関しては、今、林大臣が言われたような考え方に私も立つべきだというふうに思っております。 出どころだけをしっかり掌握して、時と場合によっては出どころをまずはたたくと、そこが比例の法則ではないかというふうに私は理解しておりますが、岸大臣、この比例の法則における反撃能力、自衛能力というのは今のような判断でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(岸信夫君) 一般論として申し上げますと、まず、その昭和三十一年の政府答弁における誘導弾等の基地というものについて、必要最小限度の措置の例示の中で述べられていますけれども、法理的には、その対象を攻撃することが誘導弾による攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置か否かという観点から、個別具体的に判断をされます。 政府としては、急速なスピードで変化、進化しているミサイルなどの技術に対して、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、現在の新たな国家安全保障戦略を策定する中で、あらゆる選択肢を排除せずに現実的に検討してまいります。 このため、現時点でお答えできる内容、段階ではありませんが、今般の検討はあくまで抑止力を高め、ミサイルなどによる攻撃の可能性を一層低下させるというために行うものでありまして、引き続き安保戦略を、国家安保戦略を策定する過程で、憲法、国際法の範囲内でしっかり検討してまいります。
○委員長(馬場成志君) おまとめください。
○上田清司君 ありがとうございました。終わります。
○鈴木宗男君 外務大臣も岸大臣も御苦労さまです。 最初に、林外務大臣にお礼を申し上げます。 サケ・マス漁業交渉がこれ妥結されました。今厳しいこの日ロ関係の中で私はまとまったところに大きな意味があると思うし、先につながる出来事だったと、こう思っております。 そういった意味で、水産庁の藤田資源管理部長が中心となって進めて、外務省がサポートしてくれたという流れでありますけれども、今回の妥結を受けて、林大臣の受け止め、認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今回の漁業交渉に関しましては、我が国の漁業活動に係る権益の維持、確保の観点から、政府全体の判断として交渉を行ったところでございます。 我が国漁業者の要望を踏まえ粘り強く交渉した結果、漁業者にとって重い負担となっている漁業協力費につきましては、その下限額、これを引き下げることができまして、日本の漁業者の皆さんに受け入れていただくことが可能な操業条件等が確保できたものというふうに考えております。
○鈴木宗男君 今まさに大臣おっしゃられたとおり、これ六千万円も減額されたということは大きなことであって、私はそこにまたロシアの配慮というものも感じ取れるわけです。 そこで、大臣、六月には貝殻島昆布漁というのが通常ならば始まるんです。今までですと四月中に大体話が付いていたんですけれども、今のところ、これは見通し立っていません。 そこで、これはもう民間協定ですから北海道水産会が窓口でありますけれども、ロシア側は連邦漁業省であります。ですから、政府が関わってまいります。貝殻島昆布についても、関係者は今年も通常どおりやりたいと。去年、おととし、コロナ禍であっても対面での交渉を東京でやって、無事事業できたわけでありますので、今年もこの貝殻島昆布についても是非ともまた外務省の側面からのサポートをしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、鈴木委員からお話のありましたこの貝殻島昆布交渉でございますが、今年の交渉につきまして引き続きロシア側と日程調整中であると承知をしておりますが、今後とも水産庁と連携しながら交渉実施に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。
○鈴木宗男君 是非ともよろしくお願いする次第です。 そこで、大臣、二十五日、私もこれ報道等で知ったんですけれども、ウクライナが公式ツイッターで昭和天皇とヒットラー、さらにはムッソリーニを並べて動画を出していたということを知りましたけれども、大臣はこれ、いつ承知したでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 記憶が必ずしも正確でございませんが、こうした報道がございましたので、そこで承知をしたというふうに覚えております。
○鈴木宗男君 この公式、ウクライナの公式ツイッターで昭和天皇とヒットラー、ムッソリーニを並べることについて、大臣はどういうお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) ヒットラーと昭和天皇、これを同列に扱うということは、全く不適切であり、極めて遺憾であります。
○鈴木宗男君 大臣のおっしゃるとおり、極めて遺憾であるということは私も当然だと思うんですが、そこで、外務省はどういう処置をしたんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この在京ウクライナ大使館及びウクライナ大統領府に対しまして、不適切であり、直ちに削除するように申入れを行ったところでございます。 その結果、現在では当該動画の関連部分が削除をされております。ウクライナ政府側からは、外交ルートで謝罪の意が表されております。また、謝罪のツイートも投稿されたというふうに承知をしております。
○鈴木宗男君 これ、大臣、私は、昭和天皇とヒットラー、ムッソリーニを扱うことに非常にこれ憤りを感じております。日本全体がばかにされた話でありますから、これは看過できません。 そこで、外務省としては在京のウクライナ大使館のどのレベルを呼んで、外務省はどのレベルで対応したんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 二十四日でございますが、松田駐ウクライナ大使から大統領府の副長官に対して申入れを行ったほか、ウクライナ外務省等にも申入れを行ったところでございます。
○鈴木宗男君 国内では、在京大使館に対してはどうだったんでしょう。
○政府参考人(徳田修一君) この件につきましては、欧州局の参事官から在京ウクライナ大使館の次席に対して同様の申入れを行ったところでございます。
○鈴木宗男君 在京大使館の誰ですって。
○政府参考人(徳田修一君) お答え申し上げます。 欧州局参事官から在京大使館の次席公使に対して申入れを行ったところでございます。
○鈴木宗男君 これ、大臣、少なくとも大使を呼び付けるべきじゃないでしょうか。これ、日本国全体がばかにされている話でないですか。いや、ばかにというか、失礼な話だと私は思いますよ、これは。 これ、その参事官か審議官か知りませんけれども、そのレベルの話じゃないでしょう。国を代表する大使を呼んで、しっかり大臣なり、まあ事務的でも事務次官か最低でも局長がここの在京の大使に言うのが当たり前じゃないでしょうか、皆さん。どうです。そんな参事官とか審議官が対応する話じゃないと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(林芳正君) この現地での対応とこの日本での対応は今申し上げたとおりでございますが、今、鈴木先生からの御指摘も賜ったところでございますので、しっかりと何が適切なのか検討いたしたいと思います。
○鈴木宗男君 大臣の誠意ある答弁で私は理解はしますけれども、是非とも大臣、少なくともここの大使を呼んで、しっかり日本国の総意としてかくかくしかじかであるということは言っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、適切に対応すべく検討したいと思います。
○鈴木宗男君 私の知る限り、大臣、ここの大使は様々に好き勝手なことを言っていますよ、ウクライナ大使は。私なんかも、名指しでいろいろ事実でないことを言われていることもあります。私はそのレベルだと思って対応にはしていませんけれども、私は、過去の言動を見てもいろいろ国を代表している大使とは思えないような言動がありますので、これしっかり大臣、対応方お願いしたいと、こう思っています。 そこで、大臣、私は今、ウクライナの状況を見ていて、制裁あるいはG7の連携、提携、これも必要かと思いますけれども、制裁をいかほどしても停戦にはならぬと思います。かつて日本もそうでしたが、戦争をする場合、それぞれの理屈があります、これは。どのときもそれぞれの主張はするものであります。私は、今大事なのは、絶対やめなさいと、ここは自制して停戦だと、こう強く訴えるべきだと思うんです。 そこで、先ほど各委員からもこの停戦についてのお話ありましたけれども、日本は、G7との連携を言うけれども、日本独自でこうだという発信が私はちょっと足りないんじゃないかと思うんです。少なくとも、日本はロシアとも関係良かったし、アメリカともいいわけですから、ウクライナにも三千百億円も経済協力をしているわけでありますから、物を言えるんですよ。 もっと自信を持って、ここは逆にG7をリードする、G20をリードしてですね、停戦だと、理屈抜きに、お年寄りや女性や小さな子供たちを犠牲つくってはいかぬということを強く言うべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(林芳正君) このロシアによるウクライナ侵略は歴史に刻まれるべき暴挙でございます。力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をするところでございます。こうしたことを受けまして、ロシアが国際社会の声に耳を傾けて侵略をやめるように、国際社会と連携して、事態の展開に合わせてこの対ロ制裁措置を講じてきております。 ウクライナとの更なる連帯ということで、ウクライナ及び周辺国に向けた合計二億ドルの緊急人道支援を実施しておりまして、これは国際社会からも高く評価をされております。さらに、ウクライナに対する財政支援も三億ドルへと増額することといたしまして、ウクライナ側から深い謝意の表明があったところでございます。さらに、我が国はウクライナから第三国に避難された方々の受入れを進めておるところでございます。この避難民の方々が一日も早く元の生活を取り戻せるように、日本政府全体としてウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。 国際社会が国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路に立っておると考えております。このロシアの侵略に対しては毅然と対応していくとともに、危機に直面するウクライナへの支援を続けてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○鈴木宗男君 大臣、私は、その制裁あるいは協調、これも一つですよ。ただ、武器の供与します、財政支援もしますといったら戦争長引くんじゃないんでしょうか。止めらせるのが一番じゃないでしょうか。それを何で、日本が堂々と世界に私は声を掛けて打って出るべきだと思うんですけれども、しないんでしょうか。私は、今の答弁聞いても、それは一つのやり方ではあるけれども、戦争を終わらせることが私は一番だと思っているんですよ。 特に大臣、私は今考えるとき、委員の皆さん方も振り返ってほしいんです。さきの大戦で、半年前に和平交渉なり停戦しておけば東京空襲はなかったんです。沖縄戦もなかったんじゃないでしょうか。いわんや、広島、長崎の核の投下もなかったと思います。 いいですか。だから、ここは理屈抜きに私は一にも二にも停戦だと、その声をやっぱり日本が、岸田総理、林外務大臣のラインで平和の歴史をつくってほしいんですよ。私は、二月の二十八日の予算委員会でも岸田総理にこのことを言いました。あるいは、三月二十二日の予算委員会でも同じく、一にも二にも停戦だと、犠牲者を、なくさないためにも停戦だと言ってきました。そのために堂々と日本は発信すべきだとも言ったんですけれども、どうか大臣、G7との連携より私はやっぱり、停戦させる、そこに日本が大きな役割を果たす、それが平和国家日本の私はリーダーの役割だと思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(林芳正君) この大きな目標としてこの停戦を実現しなければならないというのは、もちろん我々もそうでございますし、世界中の全ての国がそういう大きな目標は共有できているというふうに思っておりまして、先ほど国連事務総長の動きについてもやり取りをさせていただきましたが、これに加えて、幾つかの国がプーチン大統領に対して直接の働きかけを行っております。 残念ながら、現段階でプーチン大統領は自らの強硬な立場を和らげ、歩み寄ろうとする兆しは見られないどころか、プーチン大統領が停戦交渉に関心を失っているというような報道もあるところでございます。そうした状況でございますので、ロシアが国際社会の声に耳を傾けて侵略を止めるよう、やめるように、ロシアに対して強い制裁措置を講じていくことが必要だと考えております。 この力による一方的な現状変更の試みを許さずに国際秩序の根幹を守り抜くために、このG7を始めとする国際社会、また国連とも連携しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○鈴木宗男君 今大臣からも、プーチン大統領の今における立ち位置というか頭づくりの話もありました。一方で、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、武器をくれ、しかも重火器だと、こう言って世界に協力を求めているんですよ。これって、じゃ、私からすればどっちもどっちではないかと思うんです。違いますか。そういった意味では、やっぱり両方やめろと、ここは停戦なんだと、犠牲者出させないのが一番だというのが私は筋でないかと思いますが、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、この停戦の実現に向けての努力というのは、国連事務総長に加えて、幾つかの国が働きかけも行ってきているところでございます。 そして、重ねて、この間ずっと申し上げてきたことでございますが、今回のロシアによるウクライナへの侵略というものは、やはり国際的に先人がずっと築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがす行為であるという認識、これをしっかりと持ちながら対応していかなきゃいけないということは併せて申し上げておかなければいけないことであろうと思っております。
○鈴木宗男君 私は、林大臣、必ず将来、この日本を担う政治家、リーダーになり得る人だと、こう思っています。そのためにも、ここは裂帛の気合を持って、乾坤一擲の思いを持って、とにかく停戦だということを是非とも、林大臣が歴史に名を私はとどめていただきたいなと心から願っている一人であります。どうか大臣、とにかく停戦が一番だと、こう思いますので、よろしくお願いします。 そこで、話変わりますけれども、先般、四月十四日のこの委員会でも私お尋ねしたんですけれども、ロシア人外交官を国外退去しました。今回、ブーメランと言っていいでしょう、ロシア側が反応を示しました。私は、これは当然あり得るべきことであって、逆にしばらく時間を置いただけでもロシアはいろいろ考えたんでないかと、こう思っていますけど、それはそれで私は一つの、過去の例から見ても当然の流れでありますからいいんですけれども、確認したいのは、前回の委員会でも、私は、この国外退去を要請して、ロシアは予定どおり帰っていきましたね。前回の委員会でもこれちょっと曖昧になっているのは、PNGの指定を掛けたかどうか。 私は確認したいのは、一部マスコミではPNGだと、こう受け止めている人がいるんですよ。これは、私は、これからの日ロ関係においてもいいことじゃないと思うんです。正確性が必要です。国外退去と大臣が答弁されて、それが正確だと思うんです。ただ、外務省の皆様方も知っているとおり、テレビ、新聞ではPNGの指定も掛けたと受け止めているところもありますから、ここは、正確には国外退去をお願いした、お願いしたというか日本として判断した、国外退去してもらうというのが正確であって、PNGの指定はないという理解でよろしいですね。
○委員長(馬場成志君) 答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(林芳正君) これは、先般、こちらがやったことに関する御質問だと思いますが、今回対象とした八名の中には外交官としての地位を有する者とそうでない者がいるところ、それらの者に対してまとめて国外退去を求めたということから、ペルソナ・ノン・グラータの通告は行わなかったということでございます。
○委員長(馬場成志君) おまとめください。
○鈴木宗男君 はい。 今の大臣の答弁が極めて明快であります。PNGは掛かっていなかったということを、委員の皆さん方も、これはしっかり協議をしていきたいなと思っています。 大臣、とにかくしっかりと停戦に向けて頑張ってください。 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、ミャンマーの国軍からの留学生の受入れについてお聞きします。 三月十六日に当委員会で質問いたしました。文民統制を踏みにじって軍事クーデターを行った国軍からの留学生の受入れは、ミャンマーの国民からも日本の国民からも国際社会からも信頼を失うと指摘をして、中止を求めました。ところが、驚くことに、一昨日、岸大臣は今年度も受入れを明らかにいたしました。どういう受入れをするのか、このことによって日本がミャンマー軍政を容認していると取られる、そのことについてはどう考えますか。
○国務大臣(岸信夫君) 防衛省・自衛隊では、自衛隊法の規定に基づいて、平成二十七年からミャンマー留学生を防衛大学校あるいは各自衛隊の教育機関等に受入れをしているところです。令和四年度においては、防衛大学校の本科で二名、研究科で一名、航空自衛隊幹部候補生学校で一名のミャンマー人留学生を受け入れることとしております。 ミャンマー情勢について申し上げますと、政府としては、国際社会から度重なる呼びかけにもかかわらず、暴力によって多くの死者が出ている状況を強く非難しています。その上で、ミャンマーは我が国にとっても戦略的に重要な地域である東南アジアに位置しており、ミャンマー人留学生の受入れは、留学生が厳格な文民統制の下で運用される自衛隊の中に身を置くことにより、実力組織の在り方について様々な視点から考えるといった過程を経て、将来的に民主主義や文民統制について正しい認識を持った人材として成長することという効果があると考えています。こうした意義を踏まえて、令和四年度においてもミャンマー人留学生を受け入れることとしておるところでございます。 留学生の受入れを含む今後のミャンマーとの防衛交流については、引き続きその意義や今後の状況の推移等を踏まえて適切に判断してまいります。
○井上哲士君 将来的効果とおっしゃいましたけど、今、軍政がやられているんですよ。今、市民が殺されているんですよ。それに対してどうなのかということだと思うんですね。 昨日、超党派のミャンマーの民主化を支援する議員連盟とミャンマーの民主派の国民統一政府、NUGとの第五回のオンライン会議を行いました。閣僚から、国軍による市民への弾圧が続く状況や、市民の暮らしの状況などをお聞きしました。その中で、日本政府が国軍寄りだと厳しい批判の声も出されましたよ。その上、今回の新たな受入れなんですね。 私、クーデター後の去年の受入れも、昨年度の受入れも問題だと思いますけど、今回は昨年六月に参議院として決議をした後なんですよ。全会一致で国軍による残虐行為や、そして不当な拘束を非難をして、早期の民政回復を求める決議を全会一致で上げたんですよ。その後にまたこういう受入れをするというのは全くこれにも反するものだと厳しく批判して、受入れの中止を強く求めます。 その上で、自民党が昨日、国家安全保障戦略など三文書改定に向けた提言を政府に提出いたしました。極めて重大な中身でありますが、その主な内容の一つが、敵基地攻撃能力の名称を反撃能力とした上で保有して、その対象をミサイル基地に限定されるものではなく、相手国の指揮統制機能等も含むとしたことであります。 防衛省に、防衛大臣、一般論で聞きますけれども、これまで防衛省としては、この軍事上の指揮統制機能というのはどういうものが当てはまると考えてきたんでしょうか。
○国務大臣(岸信夫君) 防衛省として、一般的に指揮統制機能とは、軍事上のオペレーション等において、上位部隊が隷下部隊に対し指揮命令の伝達や情報共有を行うための機能であると考えております。
○井上哲士君 昨日の衆議院の外務委員会で、我が党穀田議員の質問に鬼木防衛副大臣は、日本の防衛省の本省に設置された中央指揮所は自衛隊の指揮通信に必要不可欠と認めました。そして、中央指揮システムとは防衛大臣が指揮統制を行うシステムであり、官邸、関係省庁、在日米軍と連結しているとの指摘に、そのとおりだとも答えられました。 となりますと、先ほど、今の大臣の答弁と重ねますと、指揮統制機能ということになりますと、相手国の軍の司令部や政治中枢に対する攻撃も排除をされないということになるんじゃないですか。
○国務大臣(岸信夫君) 政府として、急速なスピードで変化、進化しているミサイルなどの技術に対しても、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、こうした観点から、いわゆる敵基地攻撃能力も含めて、いわゆるあらゆる選択肢を排除せずに現実的に検討しているところでございます。 検討中でございますので、内容等のお答えをできる段階にはございませんけれども、国家安保戦略を策定していく過程において、憲法、国際法の範囲内で検討を進めてまいります。
○井上哲士君 もう一回確認しますけれども、検討と言われましたけれども、指揮統制機能も対象だということになれば、相手国の軍の司令部や政治中枢に対する攻撃も排除をされないということで確認できますね。
○国務大臣(岸信夫君) 政府としては、従来から、誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとることは、例えば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他の手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、憲法上、法理的には自衛の範囲内に含まれて、可能と考えておるところでございます。 その上で、ここで言う誘導弾等の基地については、他国の領域における武力の行使が憲法上許容される場合の例示の中で言及されているものであり、法理上は、その対象を攻撃することが誘導弾等による攻撃を防ぐのに万やむを得ないか否かという観点から個別具体的な状況に即して判断されるものと考えております。
○井上哲士君 そうなりますと、時の政府が相手の国の軍の司令部や政治中枢に対する攻撃も万やむを得ない必要最小限度の措置と判断をすれば、攻撃ができるというのが今の答弁ですね。
○国務大臣(岸信夫君) 先ほども申し上げましたけれども、政府としては、現在、国家安全保障戦略等の策定をしていく過程において、憲法及び国際法の範囲内でしっかり検討してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 結局、否定されませんでした。結局、時の政府の判断次第でどんどんどんどん拡大をしていくと。 誘導弾等の基地というのは、六十五年前に答弁をされて、言わば極めて限定的に言われたものですよ。それを時の政権の判断で幾らでも広げれる、そして、その場合に相手国の軍の司令部や政治中枢に対する攻撃も否定をされませんでした。まさに全面戦争の道ですよ。しかも、これ大軍拡そのものなんですね。 政府は、これまで、平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところでないと、こういう明確に答弁をしてまいりました。岸大臣も三月二日の予算委員会で、この憲法解釈は変えていないと、これも明確に答弁をされました。 しかし、日本が反撃能力、敵基地攻撃能力の保有を掲げて、相手国の指揮統制機能まで攻撃するような装備を持つということになれば、明らかに他国に攻撃的な脅威を与えることになるんじゃないですか。
○国務大臣(岸信夫君) 先ほどからも申しておるとおりでございますけれども、政府は、従来から、憲法九条の下で我が国が保有、保持することが禁じられている戦力の中に、自衛のための必要最小限度の実力を超えるものを指すと解されております。 これに当たるか否かは、我が国が保持する全体の実力についての問題である一方で、個々の兵器のうちでも、性能上専ら相手国の国土のせん滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは、これにより直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることになるので、いかなる場合においても許されないと考えてきているところでありまして、この一貫した見解については変更する考えはございません。
○井上哲士君 いつもそっちの答弁使われるんですけど、今私が読み上げた、平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは憲法の趣旨とするところでないと、この答弁もずっと維持されてきているんです。三月二日に大臣も認められました。 日本が反撃能力、敵基地能力の保有を掲げて相手国の指揮統制機能まで攻撃すると、そういう装備、兵器を持つことは相手国に脅威を与えるんじゃないですかと、この答弁に反しないですかということを聞いています。
○国務大臣(岸信夫君) 個々の兵器についても、攻撃的な兵器を保有することは直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えるという場合においては、いかなる場合においても許されるものではないということは、これまでも一貫した考えであります。 自民党の提言の内容の一つ一つについて政府として申し上げる立場にはございませんけれども、万やむを得ない必要最小限度の措置か否かという観点で個別具体的に判断をされるものでございます。 先ほど委員からございましたけれども、歯止めがないという御指摘は、この万やむを得ない必要最小限度の措置と申し上げているとおり、御指摘には当たらないものであります。
○井上哲士君 いや、その万やむを得ないをですよね、結局そのときの政府の判断ですることになれば、歯止めがないわけですよ。 この自民党の提言でも、そして政府も、専守防衛は維持をすると、こう言っています。だけど、実際には、防衛白書では、専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限ると言ってきましたけどね、実際には、その判断が時の政権になってしまえば、まさに私は歯止めがなくなっていくと。敵基地攻撃能力を反撃能力に変えると、名前だけ変えても、実際には、行使の態様も保持しようとする防衛力もこれまでの政府の憲法解釈を大きく踏み越えたものになっているんじゃありませんか。いかがですか。
○政府参考人(増田和夫君) お答え申し上げます。 いわゆる敵基地攻撃と憲法の関係につきましては、政府は従来から、誘導弾等による攻撃を行われた場合、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限の措置をとること、例えば誘導弾等による攻撃を防御するのにほかに手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であると解してきております。 このような見解と、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう専守防衛の考え方は整合するものと考えております。 いずれにしましても、専守防衛は憲法の精神にのっとった我が国防衛の基本方針でございまして、今後ともこれを堅持してまいります。
○委員長(馬場成志君) おまとめください。
○井上哲士君 まとめますが、相手国の指揮統制機能まで対象とし、それをするための装備を持つということは全く反すると思います。今後も追及してまいります。 以上、終わります。
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。 昨年十月、沖縄県那覇市内において面識のない女性に性的暴行を加えようとしてけがを負わせたとして、那覇地検は十二月に米海兵隊の上等兵を強制性交等致傷罪で起訴しました。女性の人権を踏みにじり、地域住民に恐怖を与える米軍人によるこうした事件に強い憤りを覚えます。 警察庁によれば、国内でこの十年間に認知された米軍人等による凶悪犯罪は、殺人一件、二〇一九年、強制性交等は十九件、一二年に二件、一三年一件、一四年二件、一五年四件、一六年三件、一七年三件、一八年一件、二一年三件でした。 沖縄県内でも、昨年来、米軍人等による性犯罪が相次いでいます。戦後七十七年、復帰後五十年を経過してもなお、このような事件が米軍基地の集中により日常的に繰り返されています。強く抗議します。 地元の沖縄県警のまとめで、一九七二年から二〇二〇年の四十八年間で米軍関係者の検挙件数は六千六十八件もあり、うち強姦や殺人、強盗、放火、強制性交罪、旧強姦罪の凶悪事件は五百八十二件発生しています。一九九五年の九月の三米兵による少女暴行事件の発生後、身柄引渡しが大きな問題になり、日米合同委員会合意として、「合衆国は、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合」は、「起訴前の拘禁の移転について」、「いかなる要請に対しても好意的な考慮を払う。」とされました。 今回、当該米兵の身柄は起訴後に日本側に引き渡されました。九六年に合意された起訴前の拘禁の移転は行われなかったわけです。日米地位協定第十七条5項の(c)によれば、日本側が裁判権を行使すべき米軍人等について、被疑者の身柄を米側が確保した場合には、日本側が被疑者を起訴するときまで米側が引き続き被疑者を拘禁するとされています。すなわち、十七条5の(c)が復活しているわけです。 この点、本件に関し、なぜ外務省は合同委員会合意に基づく起訴前の身柄引渡しの要請を行わなかったのですか。
○国務大臣(林芳正君) 外務省といたしまして、捜査当局における個別の対応についてお答えする立場にはございませんが、本件については、米側から必要な協力を得て所要の捜査が行われたものと承知をしておりまして、起訴前の拘禁の移転を要請していないところでございます。 米側も本件を深刻に受け止め、地元の捜査当局の捜査に対して十分な協力がなされたものと承知をしておりまして、日米地位協定は捜査の支障にはならなかったものと認識をしております。 いずれにいたしましても、このような事案が発生したことは極めて遺憾であり、昨年十二月の本件起訴を受けて、外務省から米側に対し遺憾の意を申し入れるとともに、綱紀粛正及び再発防止の徹底について申し入れたところでございます。
○伊波洋一君 外務省によれば、一九九五年の日米合同委員会合意に基づいて、これまで平成八年から平成二十年三月までの六件の事件について起訴前の身柄引渡しの要請が行われ、そのうち一件は米側に拒否されましたが、五件は起訴前の身柄引渡しが実施されています。 しかし、平成二十年、二〇〇八年の神奈川での強盗殺人事件を最後に、その後の起訴前の身柄引渡しは行われていません。〇八年以降、外務省は合同委員会合意に基づく起訴前の身柄引渡しの要請を行っていないのですか。
○政府参考人(金井正彰君) 事実関係についてお答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、一九九五年の刑事裁判手続に関します日米合同委員会合意によりまして、殺人、強姦等の犯罪で我が国として重大な関心を有するものにつきまして起訴前の拘禁移転を可能にする道が開かれ、実際に移転が行われるなど、運用上の改善が図られてきているところでございます。 起訴前の拘禁の移転を要請するか否かに関しましては、個別具体的な事件ごとに、まずは捜査当局におきまして捜査上の必要性等を勘案し、起訴前の拘禁移転の必要性を判断してきていると承知しております。 委員御指摘のとおり、同合意に基づきまして、これまでに強盗殺人事件など計五件、起訴前の拘禁移転が行われてきているところでございます。
○伊波洋一君 冒頭お話ししましたように、この十年間で殺人事件一件、強制性交等が十九件、凶悪事件が発生をしております。 今回の事件については、事件の発生も公表されず、昨年十二月に起訴された際も公表されることなく、身柄が引き渡されたことも報じられていません。この事件、一体いつ起訴され、引き渡されたのでしょうか。
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。 一九九七年に日米合同委員会で合意された在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続というのがございます。この通報手続の運用に関しましては、個別具体的な事案の内容に応じて適切に判断して対応してきているところでございまして、特に本件のような被害者のプライバシーに関わるような事案に関しましては慎重な対応が求められているところでございます。 本件に関しましては、米側から情報提供がございまして、その詳細については米側との関係もございますため差し控えたいと存じますけれども、米側から提供された情報は適切な関係者に共有したところでございます。 なお、日本側の捜査当局におきまして米側とも連携し必要な捜査が行われていたということにつきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおりでございます。
○伊波洋一君 米側との協議というのは、それは捜査の段階でしょう。起訴したのは検察庁でしょう。身柄を移管したのは皆さんでしょう。なぜそのことを明らかにしないのですか。
○政府参考人(金井正彰君) 繰り返しの御答弁で恐縮でございますが、それぞれの個別具体的な事案の内容に応じまして適切に判断して対応してきているところでございますが、本件のような被害者のプライバシーに関わるような事案に関しましては慎重に情報共有をさせていただいているところでございます。
○伊波洋一君 起訴自体がプライバシーですか、あるいはその米兵の身柄の移管がプライバシーですか。どうしてそういうことを理由にするんですか。
○政府参考人(金井正彰君) 私ども外務省といたしまして、捜査の実態、捜査の手続、そして起訴に関わる事案に関しまして詳細に御答弁申し上げる立場にはございませんけれども、先ほど来繰り返し御説明申し上げておりますとおり、本件のような被害者のプライバシーに関わるような事案については政府全体として慎重な対応をしてきているところでございます。
○伊波洋一君 唯一、日米地位協定上の項目について好意的配慮を行う、あの九五年の少女事件のことによって合意された起訴前の拘禁の移転ですよ。そのこと自体も何も話さない。つまり、皆さんは、先ほど申し上げたように、既にこの拘禁の移転そのものも諦めているんですか。
○政府参考人(金井正彰君) 拘禁の移転に関しましては、委員御指摘のとおり、九五年の合同委合意によってその道が開かれたところでございます。 先ほど来、この捜査に関しまして、私ども外務省としてお答えする立場にはございません旨御説明申し上げているところでございますが、本件、個別具体的な本件に関しましては、米側から必要な協力を得て所要の捜査が行われたものと承知しておりまして、それを受けまして、起訴前に拘禁の移転を要請していないという事実関係でございます。 いずれに関しましても、米側からは十分な協力がなされたものと承知しておりまして、御指摘のような日米地位協定が捜査の支障になったということはなかった、捜査の支障にはならなかったというふうに認識しているところでございます。
○伊波洋一君 日米地位協定の支障云々じゃないですよ。起訴されたこと、事件が起こったこと、そして拘禁の移転が行われたこと、そのことをただ聞いているんですよ。今のようなことすら答え切れないんだったら、米軍犯罪、どう起こっても何もかも分からなくなります。 これは、そもそもこの報道自体は、政府が報道した、明らかにしたわけじゃないんです。これは、このとき事件起こったのに、民家の通報で警察が来て、容疑者も特定しながらという調査をやった、そんなことにすら話をできないということではおかしいですよね。既に、そして十二月には、そもそも防衛省、防衛大臣や外務大臣は米側に強く抗議しているでしょう。さらに、2プラス2協議でもそのことを外務大臣は申し入れているでしょう。 そういう意味で、私は思うのは、これは積極的にですね、この十年間十九件あったんですよ、積極的に合同委員会合意を日本政府が空文化、死文化させているような現状じゃないですか。外務省の姿勢、問題ではありませんか。
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。 委員御指摘の2プラス2での御議論は、まさしく大臣がこの一月に岸防衛大臣とともに御参加いただいた2プラス2での議論でございますが、この際の日米2プラス2での御議論というのは、本件事案を含めまして、米軍人等による事件、事故全般の防止の徹底について申し入れたところでございます。 個別の本件の事案に関しまして申し上げれば、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、必要な捜査というのが米側の協力も得て行われたところでございまして、起訴前の拘禁の移転ということを要請していなかったという事実関係があるわけでございます。
○伊波洋一君 私は事実を明らかにしなさいと言っているんですよ。国の正当性がまた問われます。さらに、女性の人権がこれほど踏みにじられたにもかかわらず、国としてやるべきことをやったとすら言えない、こういうことで本当に。 じゃ、日本政府は沖縄県民の人権、どう思っているんですか。沖縄県民の人権より米軍を守っていく、米軍の日米合同委員会の話は何か守っていく、そんなことなんですか。大臣、どのように考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど来御答弁しておりますように、まず捜査当局における個別の対応について外務省としてお答えする立場にはないわけでございますが、本件については米側から必要な協力を得て所要の捜査が行われたものと承知をしておるところでございまして、そうしたことで起訴前には拘禁の移転を要請していないところでございます。
○伊波洋一君 韓米地位協定では、二〇〇一年に身柄引渡しというものを判決後から起訴前、起訴後に変えました。さらに、二〇一二年には、起訴前の身柄引渡しの障害となっていた二十四時間以内の起訴というものを、条件をなくして、早めに変えています。 政府として、二〇一二年五月の韓米地位協定の運用を把握していますか。また、実際の事件において、この運用改善に基づき起訴前の身柄引渡しが行われた事例について把握していますか。
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。 政府といたしましては、日米地位協定と米国が他国と締結しているその他の地位協定等の比較に関しまして、地位協定等そのものの規定ぶりのみならず、各国における米軍駐留の在り方、実際の運用、安全保障環境等の背景等を含めた全体像の中で検討する必要があると考えておりまして、単純に比較することが適当だとは考えておりません。 その上で申し上げれば、委員御指摘の二〇〇一年の米韓地位協定第二十二条五項に関する合同議事録というものがございまして、これには、犯罪が拘禁を正当とする十分に重大な事案で、同規定の定める十二の分類、具体的には、殺人、強姦、身の代金目的とする誘拐、非合法薬物の取引、非合法薬物の流通目的の生産、放火、凶器を使用しての強盗、これら七つの犯罪の未遂、傷害致死、飲酒運転による致死、致死に至る交通事故後の逃走、これら犯罪を含む他の罪名の犯罪、これら十二の分類に当てはまり、そのような拘禁の相当な理由や必要性が存在する場合には、起訴前ではなく、韓国当局による起訴時に韓国側当局に被疑者の拘禁を移転しなければならない旨定められていると承知しております。 その上で、二〇一二年には、韓国政府は、米韓の間で米韓地位協定の刑事分野における運用改善が合意され、二十四時間以内に起訴する義務というものを、これに関する条項が削除されたというふうに発表したと承知しております。 しかしながら、我が国として、この米韓間での運用改善の合意に基づき、その後、起訴前の身柄引渡しが実際に行われた事例があるかについては承知していないところでございます。
○委員長(馬場成志君) おまとめください。
○伊波洋一君 まとめますけど、今日の議論を通して分かったのは、一九九五年のあの少女事件で合意されたまさに拘禁の移転というものが、現実的には元に戻ってしまっていると。それ以上に後退しているのは、事件の存在すら明らかにしない、そういう状況に我が国が今なっているということですよ。そのことは重大な責任があると思いますよ、現の政府に。 だから、この間のこの米軍重視というものが沖縄は被害になっているわけです、とても。そのことを深く、やはり外務省、防衛省、そしてまた内閣として、首相としても、岸田首相も考えてもらわなきゃいけない。他国はちゃんと前進しているんですよ。我が国は後退している。そのことを指摘して、終わりたいと思います。
○委員長(馬場成志君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会