農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2021/06/10
会議録
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、林野庁長官本郷浩二さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(上月良祐君) 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院農林水産委員長高鳥修一さんから趣旨説明を聴取いたします。高鳥衆議院農林水産委員長。
○衆議院議員(高鳥修一君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。 本案は、脱炭素社会の実現に向けて、建築物等における木材の利用の一層の促進を図ることを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、法律の題名及び目的の改正についてであります。 法律の題名を脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律に改めるとともに、目的に脱炭素社会の実現に資することを追加することとしております。 第二に、基本理念の新設についてであります。 木材の利用の促進は、森林による二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化が十分に図られること、二酸化炭素の排出の抑制その他の環境への負荷の低減が図られること、森林の有する多面的機能が持続的に発揮されること及び山村その他の地域の経済の活性化に資することを旨として行われなければならないものとしております。 第三に、責務規定の改正等についてであります。 国は、建築用木材等の適切かつ安定的な供給の確保のために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとしております。また、林業及び木材産業の事業者についても、基本理念にのっとり、建築用木材等の適切かつ安定的な供給に努めるものとしております。 第四に、木材利用促進の日及び木材利用促進月間の新設についてであります。 国民の間に広く木材の利用の促進についての関心と理解を深めるため、十月八日を木材利用促進の日、十月を木材利用促進月間とすることとしております。 第五に、基本方針等の対象の拡大についてであります。 基本方針、都道府県方針及び市町村方針の対象を公共建築物から建築物一般に拡大することとしております。 第六に、建築物における木材利用促進のための協定制度の創設についてであります。 国又は地方公共団体及び事業者等は、事業者等による建築物における木材の利用の促進に関する構想及び国又は地方公共団体による当該構想の達成に資するための支援に関する事項を定めた協定を締結することができるものとしております。また、国は、当該協定に係る構想の達成のための事業者等の取組を促進するため、必要な支援を行うものとし、地方公共団体は、国の措置に準じて必要な措置を講ずるよう努めるものとしております。 第七に、木材利用促進本部の設置についてであります。 農林水産省に、特別の機関として、木材利用促進本部を置くものとし、同本部は、基本方針の策定及び木材の利用の促進に関する施策の実施の推進等に関する事務をつかさどるものとしております。 なお、この法律は、令和三年十月一日から施行することとしております。 以上が、本案の趣旨及び主な内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(上月良祐君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代でございます。 今日は十分お時間をいただきました。いつもみたいにいろいろ言っていると時間がなくなるなと思いながら、冒頭、今日、長官にお越しをいただいたので、御答弁結構ですが、昨日、私たちの部会でもウッドショックについてお話聞かせていただきました。今後の見通しがなかなか立たないという中で、収まるのが年内なのか、それとも海上輸送のコンテナ不足が解消されるのがもっと早いのかもしれないという、見通しが立たない中で、今日地元の新聞でも、やっぱり関係業界団体からもう悲鳴が上がっています。ですので、是非、現場の状況をしっかり把握をしていただきながら必要な対策打っていただきたいというふうに思いますので、これ要望にとどめたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 一方で、そういう中で、じゃ国産材をどんどん利用する方向に、中長期的には、これを、こういうことも、機会に進んでいけばいいなというような思いもあると思うんですけれど、そこで今回この法案が提出をされて、今までの公共事業だけではなくて一般にも国産材を使った建築物進めていこうと。今日、実は私の付けているアクセサリー、イヤリングは木でできておりまして、もう本当に、名刺入れも木でできておりまして、いろいろこういういい物がというか楽しい商品も出ているわけですけれども、是非木の良さを広く国民の皆さんにも知っていただきたいと思います。 最初にこの法案ができたときには、ここにおられる郡司委員なんかも積極的に森林・林業再生プランの策定から始まって、山の整備、路網の整備、そして人材育成、川上だけではなくてそれを使うところまで一体的に整備をして木材利用を促進していこうという、こういう考え方の下で進んできたので、今回ちょっと名称が変わることには若干寂しさを感じるんですね。公共建築物等だったので別にあえて名前を変えることもないし、何も、これがカーボンニュートラルとかこれからのそういうことに資するだけではないので、山の持っている役割や意味というのはもっともっと広く大事な意味があるので、何かこういうことが限定的に受け止められるんじゃないかなという寂しい思いはありますけれども、是非これを、この法律が成立することによってより利用の促進につながっていくよう、与野党協力をしてやっていきたいなというふうに思います。 質問に入ります。 まず、木材の利用を促進する意義についてどのようにお考えになられるか、お答えください。
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。 戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎える中で、林業の成長産業化に向けて豊富な森林資源を持続的に循環利用することが重要な課題となっております。切って使って植えるというサイクルを定着させるために国産材の需要拡大が必要と考えております。 とりわけ、木材の最大の需要先は建築物での利用であり、建築用木材は燃料材やパルプ・チップ用材と比べ高値で取引されていることから、建築物における木材の利用を促進することは、山元への利益還元と、それに伴う再造林の促進につながる最重要課題と考えております。 また、木材は炭素貯蔵機能を有すること、省エネ資材であることなどから、その利用の促進は二〇五〇年カーボンニュートラルの実現にも寄与しており、加えて、木材は調湿性に優れ、断熱性が高く、リラックス効果があるなど、人に優しく、心休まる素材です。 このように、木材利用を促進することは我が国の社会経済や環境の持続性の確保、国民の豊かな暮らしを実現する上で意義深いものと考えております。
○田名部匡代君 公共建築物等木材利用促進法が施行されて十年経過するわけですけれども、その成果についてはどのように評価されていますでしょうか。
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。 公共建築物等木材利用促進法に基づき、国土交通省とともに毎年度国の機関における低層の公共建築物木造化等の検証を行うとともに、毎年二十三府省庁等による関係省庁等連絡会議において木材利用促進に向けて情報共有を行うなど、政府一体となり、公共建築物における木材の利用に取り組んできたところです。 公共建築物全体の床面積ベースの木造率は、法制定時の平成二十二年度の八・三%から令和元年度には一三・八%に上昇しております。積極的に木造化を促進することとされている低層の公共建築物の木造率は、平成二十二年度の一七・九%から令和元年度には二八・五%に上昇しており、公共建築物の木材利用は一定程度進んできているものの、更なる向上が必要と考えております。
○田名部匡代君 長官、答弁急いでいただいてありがとうございます。 今回この法案の議論、私たちからもいろいろと修正とか要求もさせていただいて、その多くは盛り込んでいただいています、さっきの名称のところ以外は。ありがとうございました。 これ議員立法で法改正を検討した理由、また、この法律が成立した場合にどのように木材利用が進んでいくというふうに考えておられるのか、提出者お願いします。
○衆議院議員(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 まず、本改正の理由ですけれども、主に森林資源の充実、そして脱炭素社会の実現という世界の潮流、そして今年になって仙台駅近くに七階建ての木造のビル完成をいたしましたが、現行法が制定してから十年を経過する中で、耐震性、耐火性能の確保に係る技術革新、建築基準の合理化等により木材の利用の可能性がかなり拡大をしてきているという状況があります。 こうした中で、なぜ議員立法であったのかという御質問でありますが、当時、私も農林水産省の職員で田名部政務官にも大変御指導をいただきましたが、当時、私も記憶をしておりますが、閣法で元々出された現行法であったというふうに思いますが、その出された後に、かなり与野党を含めて、当時の、議論がかなりなされて現行法ができているという経緯があります。こうした経緯もよく踏まえまして、また今回も御党を始め各党の皆様においても、関係事業者、団体からのヒアリングも含めて、法改正に向けた検討が行われた上で各党間の協議が行われて議員立法に、の改正に、提案に至ったところであります。 木材利用がどう進んでいくかという点であります。 本法案では、国や地方公共団体と事業者とが協定を締結し、協定事業者を支援する仕組み、これを設けるとともに、設計、施工に係る先進的な技術の普及や人材育成、強度等に優れた建築用木材の製造技術や製造コストの低廉化、技術の開発、普及の促進等の施策を規定をしております。これらを通じて、民間建築物も含め広く木材利用の促進が図られることを期待しています。このほか、木材利用促進の日、そして木材利用促進月間、表彰制度等を定めまして、大切なことは国民全体で建築物等に木材を使うことの意義を共有をして、この裾野を広げていくということだというふうに考えております。
○田名部匡代君 ありがとうございました。 私も、最初この法案ができたときに、随分大胆な法案だなと思ったんですよね、公共建築物に国産材使おうというわけですから。でも、これが一定程度成果を上げてきて、それを更に広げていくということなので、本当にそのことには賛同します。 ただ、やはり課題もあると思うんですね。国産材需要拡大に向けてこれまでいろいろ取り組んできたけど、課題、やっぱり大きな課題、更に進めるために残されている課題というのは何だというふうにお考えでしょう。
○政府参考人(本郷浩二君) お答えいたします。 これまで農林水産省としては、建築物における更なる木材利用に向けて様々取り組んできたところでございます。一方で、非住宅分野や中高層分野において、施主となる事業者に木造化のメリットなどが浸透していないことや一般的な工法や仕様が確立されていないためコストが掛かり増しになりがちであることなどから、木造率が低位にとどまっております。 今後、人口減少に伴い、これまで最大の木材需要先であった新設住宅の着工戸数の減少が見込まれることから、本法案も契機として、木材が余り使われてこなかった非住宅分野及び中高層分野における木材利用を促進し、新たな木材需要を創出することが重要であると考えております。
○田名部匡代君 ありがとうございます。 是非、最後に大臣から一言いただきたいというふうに思っていますが、山を見れる人、そして木を上手に扱える人、そういうプロフェッショナルな人たちが、人材がいなくなっているということで、人材育成も非常に重要だと思っています。大臣、木材利用促進に向けて大臣の決意を一言聞いて、終わります。
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり豊富な森林資源を循環利用して林業の成長産業化を実現するためには、木材の最大の需要先である建築物における木材利用を促進することが重要であると考えております。 今般の改正案でも、この脱炭素社会の実現を位置付けることですとか、あるいは基本方針等の対象を公共建築物から建築物一般へ拡大する、あるいは建築物木材利用促進協定制度の創設を行う等々、いずれも建築物における木材利用を促進する上で極めて重要な事項であると受け止めております。民間建築物を含む建築物全般にこの木材利用を促進するための施策を一層推進をしまして、森林資源の循環利用の促進、そして林業の成長産業化を全力で進めてまいりたいと考えております。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。 公共建築物等木材利用促進法は、先ほど田名部委員からもありましたけれども、二〇〇九年の民主党政権発足後、直ちに取り組みました森林・林業再生プラン、これはコンクリート社会から木の社会へを掲げて、森林・林業を基軸とした雇用の拡大を図るとともに、我が国の森林・林業を早急に再生していくための指針と位置付けたものですけれども、この指針の実現に向けて翌年の通常国会に提出した法律です。この頃から既に低炭素社会の実現という目標を掲げ、大きく踏み出したものだと自負しております。 私も当時、農林水産大臣政務官として郡司当時の副大臣とともにプランの作成、そして法案作成にも関わってまいりましたので、大変思い入れのある法律です。要は、川上の森林整備と同時に川下の木材需要をつくる必要があり、その一環としてまずは国や自治体が率先して公共建築物を木造に置き換えていこうと、これを推進する法律です。 法律ができてから、先ほど長官からも御答弁ありましたけれども、木材の需要量も増加に転じておりますし、木造率も低層を中心として徐々に増加していると。まだ道半ばなのかなと思っていますけれども、一定の成果があるのかなと思います。 法律施行から十年が経過をいたしまして、今般、先ほどありましたけれども、閣法ではなくて議員立法での修正案が提出されたわけですけれども、まず大臣にお聞きします。 一般論として、この法律の目的規定にも関係するんですけれども、木材の利用を促進することで得られる効果は何だとお考えでしょうか。
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり、戦後造成されました人工林が本格的な利用期を迎える中で、木材利用を促進することは、森林資源の循環利用を進めるとともに、やはり燃料材よりも高値で取引される建築用材への利用の促進によりまして、山元への利用還元、利益還元と、それに伴う再造林の促進につながる効果があると考えております。 また、木材は炭素貯蔵機能を有するほか、森林から再生産が可能でありまして、環境への負荷が高い資材ですとかあるいは化石資源に代替して利用することによりまして、我が国が目指す二〇五〇年カーボンニュートラルの実現にも寄与する効果があるものと考えております。 加えて、木材は調湿性に優れまして、断熱性が高く、またリラックス効果があるなど、木材を利用する方々にとっても心休まる素材として利用価値が高いものと考えております。 このように木材利用を促進することは多くの効果があるものでありまして、本法案を契機として更なる木材利用の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○舟山康江君 ありがとうございました。 今大臣からもありましたけれども、たくさん木材利用促進によって様々な効果が得られる、山元の利益還元、それから森林の適正な整備、あと温暖化防止等、様々な効果があるということでありまして、この法律の第一条、目的規定にも、地球温暖化の防止、循環型社会の形成、森林の有する国土の保全、水源の涵養その他多面的機能の発揮及び山林その他の地域の経済の活性化に貢献するということが書かれております。 そういったことで、やっぱりいろんな効果があるからこそ木材利用を促進していこう、整備とともに使うことでその効果を発揮していこうというのがやはりいい循環につながっていくのかなと思うんですね。 そういう中で、私、今回、とにかくもっと、公共建築物のみならず、今までも等としては規定していましたけれども、そこに限定するんではなくて、幅広く木材の利用を促進して、さらに、そのための施策として様々な本部をつくるとか、いろいろ施策を更に進めるということは本当に大歓迎でありますけれども、一点、先ほど田名部さんからも質問の中で、意見表明の中で若干懸念を表明されておりましたけれども、私も違和感が残るのがこの題名なんですね。 今大臣からも御答弁ありましたように、そしてまた既に目的規定にもありますように、様々な分野に貢献しているにもかかわらず、なぜ、脱炭素社会の実現に資する等のためのと、まあ後から等ということで、一応私も強く主張させていただきましたので等が入りましたけれども、なぜこの限定的な枕言葉を置くのかというところ。これだと目的があたかも非常に限定的に見えるんではないかと、そんな疑念がございます。 そういう中で、なぜあえてこの限定的な枕言葉を入れたのか、それがなくても十分この木材利用促進の意義が伝わるんではないかというふうに、むしろ伝わるんではないかと思う中で、限定した理由についてお答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(稲津久君) お答えさせていただきます。 今般の法改正によりまして木材利用の促進の対象を公共建築物から民間建築物を含めた建築物全般に拡大をするということから、木材利用の促進と広く国民運動として推進していくことが重要であると考えています。そのためには、木材利用促進の意義を国民にアピールするためにも、脱炭素社会の実現という分かりやすい標語を題名にすることが適切であると考えた次第であります。 その上で、この木材利用の促進については、この脱炭素社会の実現のみならず、循環型社会の形成や森林の持つ多面的機能の発揮、そして地域経済の活性化等にも貢献するものでありますので、与野党協議の結果も踏まえて、題名を脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律と、このように改正することとしております。
○舟山康江君 脱炭素社会の実現というのは今の政府の目的でもありますので、分かりやすいといえばそうかもしれませんけれども、逆にその森林の持つ多面的機能とか木材利用促進の、先ほど大臣からも御答弁ありましたけれども、様々な役割自体の認識がむしろ広がりにくくなるんではないのかなという懸念は私持っております。 そういう中で、まあ総論として私も賛成でしたので、それ以上、一応のみ込みましたけれども、等ということだけでくくるというのもいかがなものかなという疑念が残ることだけ申し添えたいと思っております。 その上で、恐らくこれ、先ほど林野庁からも成果等のお話がありましたけれども、発議者が今回法案提出をした背景として、多分成果がありながらもまだまだ課題があるということだったのかなと思いますけれども、発議者が考えるこの成果と現行法の課題、そして法改正によってその課題をどう克服しようとしているのか、その辺りについてお答えいただきたいと思います。
○衆議院議員(亀井亜紀子君) お答えいたします。 まず、公共建築物等木材利用促進法ですが、舟山議員が政務官でいらして積極的に関わられた、また、法律ができた当時、私自身は参議院の農水委員でしたので、私自身にも大変思い入れのある法律です。 そして、この現行法の成果というのは、先ほどの長官の御答弁にもありましたとおり、明らかにあった、一定程度面積、木材の利用面積が広がったと考えております。特に低層の公共建築物を中心に積極的な木造化が進められてきました。 一方で、中高層の建築物や面積規模の大きい建築物においては、設計、施工やコストの面で木造化が困難な場合もあり、木造化が進んでいないという課題がありました。 そこで、本法案は、現行法の制定から十年が経過し、耐震性能や耐火性能等の技術革新や建築基準の合理化により木材利用の可能性が拡大していること、戦後植林された国内の森林資源は本格的な利用期となっていること、木材の利用は造林、伐採、木材利用、再造林という森林循環を通じて森林のCO2吸収作用を保全及び強化し、脱炭素社会の実現に貢献すること等から、民間の建築物を含む建築物一般における木材利用を促進する必要があると考え、提出した次第であります。 また、中高層の建築物や面積規模の大きい建築物の課題については、設計及び施工に係る先進的な技術の普及の促進、強度等に優れた建築用木材の製造技術や製造コストの低廉化技術の開発、普及の促進等の施策を規定することとしております。 以上です。
○舟山康江君 ありがとうございました。 十年たって更に範囲を拡大し、様々な施策も前に進めるということで、更に、木材利用の促進によってその森林の持つ多面的機能、様々な役割を発揮するためにしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。 一方で、先ほど、これも田名部委員から少し指摘がありましたけれども、ウッドショック、海外からの外材が非常に入りにくくなっていると、価格が上がっているということがありました。ある意味、これ現場では今、直近大変なんですけれども、やっぱりこれをチャンスに変えて国産にしっかりシフトしていく、そんな必要もあるのかなと思っています。 この法律とともに、今の状況に対応する、そしてこれをチャンスに変えていくために、今林野庁ではどのようなことをお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。 我が国の製材品需要の約五割を占める輸入木材については、米国や中国の木材需要増大等を背景に、原産国における産地価格が高騰し、輸入量が減少しています。輸入材の代替としての国産材製品の引き合いも強くなっております。国内の加工工場も既に稼働率を上げて対応しておりますけれども、品目によっては製品市場で価格が競り上がるなど、原木を含め全体的に木材価格が上昇しております。 こうした状況において、正確な情報を把握し、需給の変動に適切に対応することが重要と考えており、四月十四日に関係団体による意見交換を実施し、川上から川下までの情報共有を図るとともに、四月三十日に業界団体に対し、実際の需要に基づいた適切な発注や過剰な在庫保有の抑制、これらに関連した木材流通に係る情報提供に対する協力要請を行ったところでございます。需給の状況は地域によって差異があることから、川上から川下までの関係者から成る全国七地区における地区別の需給情報連絡協議会を五月二十七日以降、九州地区から順次開催しているところでございます。 輸入材の動向や国産材の需給動向について情報共有を図りつつ、不足する材を代替するために生産品目を転換する事例を共有するなど、川上から川下の関係事業者間における対応策の検討を促しているところでございます。輸入材からの転換も含めて、需要の拡大に向けて更なる国産材の安定供給体制を構築することが重要と考えており、川上から川下までの信頼関係の下、効率的なサプライチェーンの構築を推進していく考えでございます。
○委員長(上月良祐君) おまとめください。
○舟山康江君 はい。 ありがとうございました。 日本、森林大国でこれだけ山があって使える木がまだまだある中で、逆に言えば、輸入材に頼ってきた、輸入材に押されていたということ自体がある意味ちょっと異常だったのかなと思いますので、やはりこれを機にしっかりと国産材が使える仕組みをもう一度構築する、それが大きな課題なのかなと思いますので、この法律を生かしながら取り組んでいただきたいと思っております。 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 木材利用の促進改正法案についてお聞きします。 法案は、公共建築物から民間建築物へと木材の利用を促進するものです。我が党は国産材の需要拡大は賛成です。第三条の基本理念で、木材の利用の促進は、造林、保育、伐採、木材利用伐採後の造林という循環が持続的に行われるように事業者は尊重するんだということになっていますよね。 今、現場で起きている問題として、アメリカや中国での木材需要の増加とコンテナ不足による輸送費の値上がりなどで主要な木材がアメリカや中国に流れて、カナダや欧州から日本に輸入木材が減少しています。ハウスメーカーなど、価格の高騰などで外国産材が手に入らないと、住宅の建築現場が停滞をしているということがあります。 今回の事態を受けて、輸入木材から国産に切り替えるという動きも出てきています。原木の取り扱っている業者の方で言われていたんですけれども、輸入木材から国産に切り替える、業者が、国産に変えてきている中で、国産材を売ってほしいと、木を出せというふうに言われるんだけれども、いつも日頃の取引先のそういう扱いが、提供なんかがあるし、信頼を失っても困るので、出せ出せと言われてもそう簡単ではないんだと、そんなに、量も限られているんだということも言われています。 今まで輸入木材に頼ってきたハウスメーカーなどが今は国産材にかじを切っているけれども、輸入木材の価格が元に戻ったらまた依存するというふうになるんじゃないのかと。そうなったら国産材の需要が減退するし、そのことを危惧されるわけで、過去にもそういう繰り返しがあるわけなので、是非、これはやっぱり持続的な国産材の安定供給ができないし、そういうことでいいのかというところがちょっと一つ大臣にお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(野上浩太郎君) 今般の輸入木材の不足に対しまして、御指摘のとおり、需要側から国産材の更なる供給量の増加を求める声がある一方で、国産材の供給側からは、今後の安定的な需要が確保されないと増産のための設備投資や労働力確保が難しいとの声も聞かれております。 このため、現在、地域ごとに、川上から川下までの関係者による意見交換会、きめ細かく実施をしておりまして、やはり共通認識の醸成を図った上で、関係者間で一定の信頼関係の下にこの輸入材からの転換も含めた国産材の需要を定着させていくこと、そして更なる国産材の安定供給体制を構築することが重要であると考えております。
○紙智子君 新型コロナを経験して、改めて輸入木材依存から国産材の利用に切り替えて定着させていく必要があるんじゃないかと。そういう政策的な転換という点では、ポイントというか、必要だと思うんですけど、どうでしょうか。
○国務大臣(野上浩太郎君) 今回の事態を受けまして、今申し上げましたとおり、関係者で一定の信頼関係の下に輸入材からの転換も含めた国産材の需要を定着をさせまして、川上、川中、川下の相互利益の拡大を図りつつ、更なる国産材の安定供給体制を構築することが重要と考えております。 具体的には、川上では路網整備等による森林施業の効率化、川中では製材工場等の生産性向上、川下では輸入材を国産材で代替するための技術開発や普及等を推進をして、川上から川下までの関係者をつなぐサプライチェーンの構築を進めつつ、やはり国産材が適正に評価をされて安定的に供給をされる、そういう取組を進めていくことが重要であると考えております。
○紙智子君 では、立法提案者にお聞きします。 今回のウッドショックに対して国産材の置き換えを進め定着させる上で、この法案が役立つものになるのか、どんな役割を果たすのかということについてお答えください。
○衆議院議員(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 外材の価格が高騰している現下の状況におきましては、やはり国産材の安定供給を確保し、国内の木材需要にしっかりと応えていくということは私も必要不可欠であるというふうに認識をしています。 その中において、本法案でありますが、建築用木材の供給に関しましては、建築用木材等の適切かつ安定的な供給に関する国の責務、そして林業、木材産業の事業者の努力を定めまして、基本方針等においても、建築用木材の適切かつ安定的な供給の確保に関する基本的事項を定めることとしております。そして、具体的な施策といたしまして、強度又は耐火性に優れた建築用木材の製造技術及び製造コスト低廉化技術の開発、普及の促進等を行うといった内容を盛り込んでおります。 また、本法案は、国、地方公共団体と事業者等による建築物における木材利用促進のための協定制度を創設をしまして、そこに対して支援をするということになっております。この協定制度を活用いたしまして、建築主となる事業者だけではなく、供給側である林業、木材産業の事業者も当事者となる三者協定を締結することもできます。これによって安定的な国産材の供給を確保していくということも可能となるというふうに考えております。
○紙智子君 もう一点、立法提案者にお聞きします。 木材の利用の範囲がどこまで拡大されるのかということなんですけど、木材の利用に当たってやっぱり国民の暮らしやなりわいに密着したものになることが望ましいと思います。例えば、空き家対策で地方創生などで進められているような農泊とか古民家農泊とか、それから、都会から農業や林業を行うために地方に移住した人がこの空き家を借りて居住するというケースもあるんですけど、その場合の住宅のリフォームとか、そういう取組も含めて幅広く活用できるものになるんでしょうか。
○衆議院議員(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 まず、現行法におきまして、木材の利用の定義には、建築物の主要構造部のほかに、天井、床、また壁などの内装部分に木材を使用することも元々広く含まれているものであります。 本法案は、木材の利用のこのような幅広い定義を維持した上で、対象となる建築物を公共建築物から建築物一般に拡大しようとするものであります。したがいまして、本法案で念頭に置いている建築物における木材利用の在り方は幅広く、木造建築物を建築する場合はもちろん、鉄骨などほかの資材と木材を併用する場合や、また御指摘のように、既存の建築物のリフォームにより内装、外壁等に木材を利用する場合も当然に含んでおりまして、まさしく建築物における木材利用に関し幅広く活用できる法案となっております。 また、先ほど申し上げました協定制度も、うまく今先生御指摘のようなことも盛り込んでいただいて、工夫する余地もあるというふうに考えております。
○紙智子君 地域にもやっぱり広く還元できるようにすることが大事だと思います。 建築物の木造化を促進するために、木造建築の設計者、施工者の育成が求められていると思うんです。施工者である大工さんなんかも国勢調査を見るとすごく減っているわけですよね。一九九五年で七十六万人いたのが、二〇一五年、三十五万人まで減っていると。 職人さんをどう確保するかというのも大きな課題ですけど、これ国土交通省なので、木造建築物のやっぱり良さ、木のぬくもりとか香りとかですね、そういう木材特有の良さがあって、今後、そういう木造建築に関わる設計者をどんなふうに育成し、増やしていくんでしょうか。
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。 木造建築物について、お施主さんに提案して、こういう建築物を設計できる技術者等の確保、育成が大変重要であると考えており、農林水産省では、木造建築物に携わる設計者等に対する建築用木材に関する研修の実施、企画から設計段階に至る課題を解決するための指導、助言を行う専門家の派遣などの取組を支援しているところでございます。 引き続き、これらの取組により、木造建築物に携わる設計者等の育成を進めてまいります。
○紙智子君 最後、第六条で、森林及び木材産業の事業者は、建築用木材など、安定的な供給に努めるということで、この木材供給するに当たっては伐採後の再造林を確実に行うことが重要だということで、木材価格を下げることなく山元に利益をどう確保するかってすごく大事なんですよね。 この点、最後にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。 木材の利用に当たっては、できるだけ高い価値での木材利用を促進することで山元により多くの利益が還元され、それが再造林を進める上での原資となることから、燃料材と比べて高値で取引される建築用木材の利用を促進するとともに、素材生産や原木流通コストの縮減を図り、安定供給体制を整備する中で、川上から川中、川下までの相互利益を拡大するなどの取組を推進していくことが重要であると考えております。 引き続き、山元の利益を確保し、再造林の促進や持続的な林業の推進につながるよう、木材利用の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(上月良祐君) おまとめください。
○紙智子君 時間になりました。終わります。 ありがとうございました。
○委員長(上月良祐君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上月良祐君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田名部さんから発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代さん。
○田名部匡代君 私は、ただいま可決されました公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員須藤元気さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 木材の利用を促進することが森林の有する多面的機能の発揮及び山村その他の地域の経済の活性化に貢献すること等に鑑み、建築物における木材の利用の促進及び建築用木材の適切かつ安定的な供給の確保に関する措置を講ずること等により、林業及び木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、もって森林の適正な整備及び木材の自給率の向上に寄与するとともに、脱炭素社会の実現に資することは極めて重要である。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 木材の利用の促進による森林資源の循環利用の確立に向けて、確実な再造林をはじめ、森林の適正な整備が図られるよう、森林整備事業に係る予算の確保及び支援措置を拡充すること。また、木材の利用の促進・確保を通じた山元への一層の利益還元を推進するとともに、内外における木材の需給状況を踏まえ、建築用木材の安定的な供給体制の構築に努めること。 二 木材の適切な供給及び林業の持続的かつ健全な発展を図るためには、人材の育成・確保が喫緊の課題となっていることに鑑み、林業就業者の所得の向上、労働安全対策をはじめとする就業条件改善に向けた対策の更なる強化を図ること。 三 持続可能な社会の実現に向けて、木材の利用の拡大による炭素貯蔵、二酸化炭素の排出削減効果の最大化により二千五十年カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、循環型社会の形成、自然との共生等を統合的に推進するため、本法の措置に加え、建築物等における木材の利用の促進のみならず、公共土木分野での木材の利用の促進、熱利用など高効率な木質バイオマスエネルギーの活用を推進すること。その際、森林の有する多面的機能が十分に発揮されるよう、森林の適正な整備を図るとともに、森林の適正な保全に支障を及ぼすような伐採及び開発行為を防止すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(上月良祐君) ただいま田名部さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上月良祐君) 全会一致と認めます。よって、田名部さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、野上農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野上農林水産大臣。
○国務大臣(野上浩太郎君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重させていただき、関係省庁と連携を図りつつ、今後最善の努力をしてまいる所存でございます。
○委員長(上月良祐君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十一分散会