内閣委員会 第26号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2021/06/10
会議録
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動につきまして御報告申し上げます。 昨日までに、吉川沙織さん及び清水真人君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君及び高橋はるみさんが選任をされました。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案について、外交防衛委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう計らいます。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時三十分に再開することとして、休憩をいたします。 午前十時七分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、高橋はるみさん及び山添拓君が委員を辞任され、その補欠として加田裕之君及び市田忠義君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官木村聡君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。質疑の機会をありがとうございます。 重要土地等調査法案が内閣で、閣法で提出されました。充実審議が進んでいることに深く感謝をし、また、ここに至るまでどれほどの丁寧なプロセスが重ねられたか、お察しをいたします。 私、超党派の日本の領土を守るために行動する議員連盟、領土議連の会長を長く務めまして、平成二十年には団長として対馬の海上自衛隊基地周辺を皆で視察、国会で取り上げました。また、参議院の全国を選挙区とする議員として、ここ十数年、全国を歩くたびに各地の森林組合などの皆様から森や水源地が心配だという声をいただいてまいりました。自民党が野党となったときには、安全保障と土地法制に関する勉強会を立ち上げ、会長となって、国境離島を守ることも含めて法整備の必要性を訴えてまいりました。 担当の役所、林野庁なども調査のレベルを上げてきておりましたけれども、これはとてもとても議員立法ではできない法案でございます。今般、内外無差別の制度とし、安全保障を取り巻く環境が不確実性を増していることから、政府から現実的で覚悟を持った法案提出に至ったわけでございます。 まず、平成二十五年の国家安全保障戦略の閣議決定から今日に至るまでの、法案に至るまでのプロセスを御説明ください。
○国務大臣(小此木八郎君) まずもって、今議論されております法案あるいはこのおっしゃった課題について、山谷委員がまさに先頭に立って活動されましたことを改めて心から敬意を表します。 我が国の防衛施設、関係施設等の周辺あるいは国境離島において外国資本が土地を買収していること、安全保障の観点から長年問題視されてきた課題であります。 政府は、平成二十五年十二月に策定された国家安全保障戦略を踏まえ、防衛施設の隣接地や国境離島の領海基線の近傍の土地について所有状況等の調査を行いました。しかしながら、これら調査は不動産登記簿等の資料の確認にとどまり、土地の利用実態を十分に把握するには至りませんでした。 こうした状況を踏まえて、政府は、令和二年七月の骨太方針二〇二〇におきまして、安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用、管理等の在り方について検討し、所要の措置を講ずる方針、これを閣議決定いたしました。その後、国土利用の実態把握等に関する有識者会議を開催して、いかなる対応が適切か検討を行い、本法案を取りまとめ、提出いたしました。
○山谷えり子君 様々な調査の積み上げ、また、地方議会や地方公共団体の声も踏まえながら、また、社会的要請を踏まえながら、様々な有識者会議等々の意見を踏まえてということでございますけれども、安全保障をめぐる環境、非常に不確実性増しておりまして、沖縄の米軍基地近くの住宅地を中国が組織的に買っているのではないか、アメリカの議会に報告書が上がって、ハリス司令長官も注意喚起をされたということも聞いております。 私は、北海道も随分歩きました。航空自衛隊千歳基地が一望できる中国人専用の別荘地、その他中国企業のソーラー用地、外からは中が全く様子が見えません。それから、中国企業が買収した塩漬け状態のゴルフ場や、手前で立入禁止になってしまっている住宅地とか、キャンプ場、そのキャンプ場の中には川が流れています。森林など、本当に買主が誰なのか、そしてまた、その意図が何なのか明らかでなく、地元の人が不安がっている場所が幾つもありましたけれども、過疎地では十分な調査力も権限もありませんでした。今回の法案、そういう意味で大きな前進であります。 しかし、立入調査ができない。現地・現況調査というのは外をぐるっと回るだけで、本当に中が見えないんですよね。立入調査ができない。不明の点があれば利用者等から報告を受けるとしていますけれども、しかし、外国人の所有で、海外で転売しても法人登記はそのままということもございます。誰が真の持ち主なのか、固定資産税等も払われないというケースもあります。徴税人が追いかけるといっても、海外までどうやって追いかけるのか。非常に困難を極めるわけでありまして、利用者等から報告を受けるといっても、調査は本当にどこまでできていくのか、不明の場合はどうやっていくのか、お聞きしたいと思います。 また、六月八日のこちらの参議院の内閣委員会で、政府参考人から、地方公共団体や地域住民等から対象区域における土地等の利用状況に関する幅広い情報提供をいただく窓口を内閣府に設置することも検討中という答弁がございました。どういう窓口で、受けた情報をどういうふうに扱っていくのか。 以上二点、お伺いいたします。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 御指摘のあった立入調査につきましては、大臣から申し上げました有識者会議の提言において、対象となる者の負担が大きいことから、調査の手法としては現地・現況調査や公簿の収集等までの対応とすることが適当とされたことを踏まえ、本法案では導入いたしておりません。一方、本法案に基づく調査では、不動産登記簿や住民基本台帳等の公簿の収集、現地・現況調査に加え、土地等の利用者等からの報告徴収を行うこととしております。 また、内閣府に新設する部局には、防衛関係施設等の重要施設を所管する関係省庁等から、土地等の利用状況に関する相談や情報提供を受ける、御指摘のあった窓口のような機能を持たせることも検討してまいります。この窓口には、地域の住民の方々から、あくまで自発的なことで、強制するものではございませんけれども、情報をいただくということも十分想定しながらしっかりとした窓口をしいてまいりたいと。また、いただいた情報は、もちろん情報の管理に十分注意しながら、しっかりと分析等を行っていくということを想定しているところでございます。 このような多様な手法を通じまして具体的な実態把握に努めまして、機能阻害行為の兆候等を把握した上で、適時適切に利用規制を実施することによって重要施設等に対する機能阻害行為の防止に努めていく考えでございます。 なお、本法案の附則第二条には、五年後の見直しに係る規定を置いております。見直しの過程では、本法案の執行状況や安全保障をめぐる内外情勢などを勘案しつつ、御指摘の点を含め、更なる政策対応の在り方について検討してまいりたいと考えております。
○山谷えり子君 自民党では、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるものとして、発電所、ガス、鉄道、水関連施設等々についても該当するのではないかという議論も随分やってまいりました。国民の安全、安心のために目配りの必要感じておりますので、続けていただきたいと思います。 衆参の委員会でも多くの指摘ありましたけれども、私も水源地を対象にするようにしてもよかったと考えるものであります。二十世紀は石油の時代でしたが、二十一世紀は水の時代と言われています。日本は資源のない国ではなく、実は世界一すばらしい森と水に恵まれている二十一世紀の資源大国です。安全・安心でおいしい地下水サミットに、私は、平成二十二年、参議院の環境委員長としてスピーチをしましたときに、日本の名水を地元に持つ市町村長らが、中国が森が欲しい、水が欲しいという話が来ているということを聞きました。今、水資源の保全を目的とする土地取引についての条例を定める道府県、十八と聞いておりますが、その十八道府県の名前と、それぞれ主な条例の類型といいますか中身について御説明ください。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 水資源の保全等を目的として、水源地域における森林等の土地取引について事前届出義務を課すこと等を内容とする条例を令和二年十月末時点で十八道府県で制定しておられるというふうに政府として把握をしております。具体的には、北海道、秋田県、山形県、茨城県、群馬県、埼玉県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府、徳島県、宮崎県であると承知しております。 条例の内容は道府県ごとに異なりますが、水源地域における森林等の土地取引の事前届出制度以外の規制を講じているものとしては、例えば、福井県では開発行為や地下水取水に係る事前届出制度が、京都府では一定の取水に係る許可制度が、それぞれ定められているものと承知いたしております。
○山谷えり子君 有識者会議では、森林法のような既存の措置があることを踏まえて水源地の取扱いについては慎重に検討していくべきとしたことは承知しておりますけれども、今後、条例を定めた道府県の関係者等とも意見交換しながら、それで十分なのか、またそれ以外の自治体でもどうなのか、目配り、現状把握の努力を続けていただきたいと思います。 諸外国で起きている水メジャー会社との裁判もございます。国土保全、農業、漁業への影響、環境、食料自給率向上の視点も踏まえながら、山間部の水資源保全、大規模な土地取引について、関係各省との連携を視野に入れながら取り組み続けていただきたいと思います。 今般、収用はしないけれども国の買取りはあるという法律でありますが、国への買取りの申出、様々な判断に委ねられるところがあるかと思います。いろんなケースあるでしょう。ある種の意図を持った人、組織はいろいろな手口を考えます。ですから、今般の制度の実施状況と有効性、安全保障をめぐる国際情勢、諸外国の取組などをしっかりとフォローして、検討を更に進めてほしいと思います。 買取り価格は時価ということですが、スムーズに行われるのでしょうか。また、様々所有移転が行われた後、その後の継続調査というのは行われていくのかどうか、お聞きします。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 まず、本法案は、第二十三条において、国に対して、国が適切な管理を行う必要があると認められる注視区域内の土地等の買取り等について努力義務を定めております。また、本規定に基づき国が土地等の買取りを行う場合においては、時価によることとなるものと考えております。 第二十三条は、有識者会議の提言において、安全保障の観点から政府としてリスク顕在化への備えとして前広に対応することが求められるとして、土地の買取りを申し出る措置を設けておくべきこととされたことを踏まえて措置したものでございます。また、議員立法でございますが、有人国境離島振興法を参考にさせていただいてこのような規定を設けたところでございます。 この措置の実効性についてのお尋ねがございました。 土地等利用状況調査による土地等の所有状況の反復継続的な把握、特別注視区域における土地等の事前届出を通じた状況把握を契機として、国が適切な管理を行う必要があると認められる土地等について、その買取り等を検討することとしたいと考えております。 また、注視区域内のおける土地について、継続的な調査を行うのかという御質問もいただきました。 先ほども申し上げましたけれども、この注視区域内の土地につきましては、事前届出がない注視区域もございますので、この土地等の所有状況については、しっかりと反復継続的に常時把握していくといったようなことを考えておるところでございます。
○山谷えり子君 内閣府に新設する部局の規模、人員、予算、非常に重要であります。基本方針の策定は、この新部局と国家安全保障局が連携して行うこととなっています。現在、太陽光やリゾート地、雑種地、原野等買収事例の統計はなくて、また日本法人等のダミーのケースも分からないということですが、関係省庁の所管業務と包括的調査の在り方、仕組みをしっかりとつくっていただきたいと思います。 本当に調査は難しくて、私、平成二十六年、二十七年と海洋政策・領土問題担当大臣の任にありました。日本の島は全部で六千八百五十二、国境離島四百八十四、そしてその島々の所有者がどうなっているかというのを調べたんですね。一年掛けてエネルギーを注ぎながら調査しまして、結局二百七十三島が所有者不明だったんです。もう、これ調査するの本当に大変でした。で、その二百七十三島を関係省庁と協議をしながら所管を決めていったんですけれども、非常に難しい作業で、今回はもうそれ以上でございます。大臣の強いリーダーシップと、例えばそれ専門に扱う政治家、大臣補佐官のようなものを担当として付けるとか、あるいは関係省庁の政務官会議を開いて進めるなど、政治家の後押しが必要だと思います。 法案成立後、いつ頃までに新組織を立ち上げ、また調査の仕組みづくり、組織づくり、まあこれからということなんでしょうけれども、調査の難しさを踏まえながら、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 山谷委員が海洋政策担当、この立場にあられたときの話も含めて、そのお仕事も今拝聴いたしました。まさに、政治の重要な責任感を持ってこの仕事に当たらなければならないと思っております。この法案の成立に向けて改めて皆さんにお願いをするとともに、私どもも一生懸命前に進めてまいらなきゃいけない責任を痛感しているところでございます。 本法案は、土地に関する安全保障上の懸念が現実のものとなることのないように、土地等を利用した重要施設等の機能阻害行為を未然に防ぐために必要なものであり、本国会で御審議の上、是非とも成立させていただきたいと改めてお願い申し上げます。 その上で、御指摘のとおり、本法案に基づく調査等を適切かつ確実に実施できる体制を構築することが重要であって、本法案に基づく調査や利用規制については内閣府に新設する部局が一元的に実施することとしており、法案成立後、関係省庁とも調整しつつ、関係部局における必要な人員や予算の確保に向けた検討を進めてまいります。また、政治がリーダーシップを発揮すべきだとの先ほどの山谷委員の御指摘についても、改めて重く受け止めてまいります。 いずれにせよ、法案設立の暁には、施行に向けた準備を確実に進めて、国民生活の基盤の維持、我が国の領海の保全、そして安全保障の確保に全力で取り組んでまいります。
○山谷えり子君 アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスなど、安全保障上重要な土地の利用について取引規制にまで踏み込んだ法改正をしています。また、中国、韓国も非常に厳しい。こうした諸外国の内容あるいは法改正の状況を見ながら、何かお考えありましたら。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、諸外国では、安全保障をめぐる国際環境が緊迫化する中、土地の所有、利用をめぐる問題意識が高まり、安全保障の観点から投資管理を強化する動きが見られております。米国では、外国資本等による米国企業や事業への投資管理を行うCFIUSの機能が強化され、二〇二〇年二月から、直接投資に加え不動産投資も審査の対象とされることとなっております。また、オーストラリア、イギリスでも最近動きが出ております。 なかなか、これらの国が講じております取引規制というところまでは、我が国の私権制限と安全保障の確保のバランスからまだ将来の課題だと思っておりますけれども、今後とも、安全保障をめぐる環境、諸外国の状況なども十分踏まえながら、引き続き問題意識を持って取り組んでいく必要があろうかというふうに考えております。
○山谷えり子君 本当に、中国はそもそも土地買えませんし、また韓国は許可申請制度を取っているということであります。 この法案、私権の制限は必要最小限にして個人情報保護に配慮する、また、これまでの法体系とのバランスを取って関係省庁の情報を集約しての調査を可能にしたということは非常に大きな前進だと思います。国と国民を守る大きな一歩と信じております。 改めて大臣から、最後に御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 国で必要な防衛施設等々の阻害行為をしっかりと調査を、あれば調査をして、国民の不安がしっかりと除去できるように努力をして、前に進めてまいります。
○山谷えり子君 よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾でございます。質問の機会をいただき、ありがとうございます。 前回の審議でも触れられておりましたけれども、本法案、参議院に送られてくるのが余りにも遅過ぎた。会期末までもう一週間切っております。あり得ないというふうに思います。 そして、ここに来て法案の問題点というのが徐々に国民の間にやっぱり知られ始めている。新聞の社説も批判的な論調が目立ってきております。率直に伺いますけれど、小此木大臣、何でだと思われますか。
○国務大臣(小此木八郎君) 新聞の報道全般ですけれども、それぞれのいろんな考え方、報道にはあろうかと思います。様々な議論がこの国会だけでなくて外でも行われていることも事実でありまして、様々な報道はあろうかと思いまして、それを一つ一つ私今ここで申し上げる立場にございません。
○杉尾秀哉君 やっぱり、今日の午前中のやり取りもそうでしたけれども、衆議院の議事録を読み返してみても、余りにも中身がすかすかというか、全て政令、そして基本方針、さらには審議会等々に丸投げされていて、本当にこのままこの法案を通していいのかと。安全保障上の懸念は我々も十分共有している、そういうつもりです。何らかの法的措置も必要であろうと、これももちろん否定しませんけれども、やっぱりそれにしても今回の法案は問題が多過ぎるんじゃないか。 例えば、これ衆議院の審議の中でもそうでしたけれども、立法事実自体が問題になりました。その典型が、外国資本による土地買収の例として挙げられている、元々この今回の法制の整備のきっかけにもなったと言われている航空自衛隊の千歳基地、そして海上自衛隊対馬防衛隊周辺土地の外国資本による土地の取得。これ、これまで政府一貫して、合法で問題ないとか、自衛隊の運用に支障はないと、こういうふうに終始一貫答弁してきたんじゃないかというふうにも思っておりますけれども、これまでの政府見解、これ変えたんでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 防衛省による隣接地の調査ですが、防衛施設の隣接地に限られるとともに、調査の手法も土地登記簿謄本等の公知の情報のみを収集した限定的なものでありましたことから、登記登録上の所有者等の確認にとどまっていました。この調査の結果からは、自衛隊や米軍の運用等に具体的に支障が生じているような事態は確認されていない旨が説明されたものと認識しています。 他方、この調査では、本法案が対象とする防衛関係施設等の隣接地以外も含めた重要施設の周辺において、本法案が想定している機能阻害行為が全くなかったとこれ予断することはできなかったと。したがって、政府見解を変えたとの御指摘は当たらないと考えております。 政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることに鑑みれば、土地を利用した形で安全保障上重要な施設の機能阻害行為が行われるリスクが現実のものとなる可能性はあると認識しています。そのため、重要施設の周辺等における土地等の利用状況をしっかり調査した上で、重要施設等の機能阻害行為が認められた場合に利用規制を行えるよう本法案を取りまとめました。
○杉尾秀哉君 そういう説明は何度も繰り返し伺っておりますけれども、もう一度聞きますけれども、これまで問題とされてきたものが、ここに来てなぜその安保上の懸念材料になるのか。例えば、その対馬のケース、千歳のケース、これ立法事実に入っているんですか。
○国務大臣(小此木八郎君) 御指摘のあった千歳市及び対馬市の事例ですけれども、防衛関係施設周辺の土地を外国資本が取得し、それぞれの議会において、安全保障の観点から国に必要な対応を求めるということについての議論が行われた事例として政府が把握しているものであります。これも説明してまいりました。 こうした中、全国各地の地方公共団体から国に対して、安全保障の観点からの土地の管理に関する法整備等を求める意見書が提出されているものと承知しています。これは、安全保障の観点から土地等を管理することの必要性について、広く国民の皆様が問題意識を共有されたことを示しているものと認識します。 我が国は安全保障の観点から土地等を管理する制度的な枠組みが存在いたしません中で、そうした社会的な要請があることは、本法案の必要を裏付ける重要な要素であると考えております。
○杉尾秀哉君 いつの間にか、地方議会で問題になった、意見書が上がっている、こういうふうに話がすり替えられているんですよね。 そもそも、千歳のこの問題の土地なんですけれども、これ、その外国資本による買収ということなんですが、事実関係どうなっているんですか。把握している限りで教えてください。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 御指摘の航空自衛隊千歳基地周辺の事例については、防衛関係施設周辺の土地を外国資本が取得したことに関し、地方議会において、安全保障の観点から国に必要な対応を求めることについての議論が行われた事例として政府が把握しているものでございます。 具体的には、平成二十六年六月の千歳議会において、同市から、平成二十六年一月に新千歳空港の滑走路南端に隣接する森林約八ヘクタールが外国資本に取得されたことが確認され、その利用目的は資産保有のためとの情報提供を得た旨の答弁があったと承知しております。
○杉尾秀哉君 いやいや、そういうことじゃなくて、これちょっとこの間の質疑で、山添委員だったと思うんですけれども、出ていましたけど、これ、その中国資本、香港資本で、IR投資が目的だと、こういうふうに言われていて、確かにその千歳の、あっ、ごめんなさい、苫小牧ですか、IR予定の隣接地なんですよね、今、投資目的という話がありましたけれども。しかも三キロ離れていると、こういうことなんですが、一般論なんですけれども、こうしたIR目的の外国資本による土地取得、これは安保上の懸念材料と、こういうふうに言っていいんですか、どうですか。
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。 経済活動のグローバル化の中で、外国資本に対内投資、これは、これ自体は我が国経済の成長に資するものと考えておりまして、これまでの海外からの投資を、失礼しました、これまでの外国資本による対内投資の促進といった政府の経済政策の転換を図ろうとするものではございません。 他方で、御指摘のあった航空自衛隊千歳基地周辺の事例は、あくまで資産保有の目的というふうに私どもは聞いておりますけれども、先ほど大臣も御答弁させていただきましたように、防衛関係施設の周辺、距離はいろいろございましたけれども、防衛施設周辺の土地を外国資本が取得したことに関して、地方議会において、安全保障の観点から国に必要な対応を求めることについての議論が行われた事例として御説明しているところでございます。
○杉尾秀哉君 地方議会で一回取り上げられたこと、それしかないじゃないですか、事実関係として。 しかも、これ、IRって、安倍政権、そして今の菅政権もそうだと思いますけど、コロナで止まっていますけど、これ肝煎り政策ですよ。IRに中国資本が入ってくるということについて排除していないというふうに思います。 外資の受入れに積極的な一方で、こういう外国資本の安保上の懸念というものも声高に言って、結局この法案が中途半端になっているのもその辺に原因があるんじゃないか。結局、この千歳、それからその対馬も韓国資本によるリゾートホテルということなんですけれども、こうしたことを問われて、衆議院の審議で小此木大臣が、リスクが確かなものかどうかしっかり調査するのがこの法案の目的なんだ、何があるか分からないことについてしっかり調査するんだと、こういうふうに答弁されていますけれども、結局この今回の法案提出というのは、立法事実を探すための法案提出なんじゃないか。何か出てくるかも分からないから調べた方がいい、とにかく調べさせてくれ、こういうことなんじゃないですか。
○国務大臣(小此木八郎君) この審議を通して申し上げてまいりましたように、地方からの、リスク、懸念、そういった不安、こういったものが大きなものとしてあるのは事実であります。機能阻害行為については、これは、いつ、どこで、どうやってということがあったかということまでは申し上げられないということを申し上げてまいりました。その理由については申し上げてまいりました。
○杉尾秀哉君 何か漠然としたその不安感をもって、今回の立法事実が明確でない、地方議会で不安の声が出ている、意見書が出ている、それしかないんですね。先ほど、山谷委員がいろいろ調べられた、敬意を表します。こうしたことというのは確かに重要なことだと思いますけれども、ただ、今回の一連の法案の審議を見ていて、どう考えても、この対馬にしても千歳にしても立法事実とは認められないんですよね。結局突き詰められると、いや、とにかく調べさせてくれ、調べなきゃいけないんだと、こういうことなんですけれども、こういう法案の在り方でいいのかどうか。 ちょっと質問の通告の順番を少し変えまして、先ほど午前中に小西委員が市ケ谷について質問しておりましたので、私もちょっと市ケ谷について、これ通告、後の方になっておりますけれども、更に聞いてみたいと思います。 先ほどの小西委員の質問に対して、市ケ谷も重要施設に該当し得ると。重要施設であるとは言わないんですよね。該当し得るという可能性しか答弁していません。また、先日の吉川委員の質疑で、市ケ谷の防衛省が特別注視区域はおろか注視区域に指定されないこともある、こういうふうに答弁されたというふうに思います。 市ケ谷の防衛省は、もう言うまでもなく、指揮機能、そして司令部機能等々、最重要施設です。この市ケ谷の防衛省が重要施設であると、こういうふうに指定されなければ、じゃ、一体全体ほかの施設でどこが指定されるんですか。
○政府参考人(川嶋貴樹君) 防衛省でございます。 先生御指摘のとおり、市ケ谷は唯一の指揮中枢機能を持つ施設であると。あと、そのほか、御承知のとおり、大臣もおられますし、陸海空自衛隊の最高の機関もございます。内部部局もございます。あるいは、情報本部等もございまして、警戒監視、情報機能を持つ側面もございます。また、最近の御時世によれば、PAC3という防空機能を有する施設でもあります。したがいまして、特別注視区域として指定の検討対象になるものと防衛省としては認識をしてございます。 他方で、注視区域等の指定に関しましては、安全保障と自由な経済活動の両立を図るため、指定に伴う区域の社会経済活動への影響を安全保障上の要請に基づく合理的かつやむを得ない範囲に限定する必要があるものと考えてございます。この観点から、区域指定に当たりましては、経済的社会的観点から留意した上で、例えば特別注視区域の法定要件に該当する区域について注視区域として指定されるような場合があり得るものと承知してございます。 他方で、今申し上げた場合であっても、その後の法施行の状況によっては、必要に応じ審議会の意見を伺った上で特別注視区域又は注視区域に指定し直すことも想定され得ると承知しておりまして、状況に応じて柔軟な法運用がなされるものと防衛省としては理解してございます。
○杉尾秀哉君 経済的社会的観点という言葉が入って、余計訳が分からなくなっている。 この市ケ谷の施設が重要施設であるのは、これは間違いないです。しかも、前回の話によれば、注視区域にすら指定されない可能性がある。こういう答弁をされたんでは、国会の審議が到底成り立たないんですよね。 対象施設、いずれ公示されます区域指定に当たっては、一覧性のある公表にならないように、これ前回の答弁だったと思いますけれども、ばんと一遍に出さないようにするとか、これ、どういう意味ですか。全く意味不明ですよ。 市ケ谷が対象になるとかならないとか、こういう基本中のキの話でさえ答弁していただけないならば、明確に考え方を示していただけないなら法案審議なんかできません。大臣はどうでしょう。
○政府参考人(川嶋貴樹君) お答え申し上げます。 公示のやり方につきましては、それが一覧性を持たないような形で公示が行われますように、様々工夫の余地はあろうかと思います。 そこで、私、前回申し上げましたのは、例えばある一地方、北海道なら北海道、九州なら九州でもいいんですが、その地方の自衛隊の施設が全て出てくるような出方、あるいは、ある種の機能、通信なら通信、こういう機能ならこういう機能ということで全国のその機能の施設が全て一どきに出てくると。そういたしますと、縦にも横にも一覧性のある形というふうになってしまいますので、そうはならないような形で工夫した公示の仕方というものがあるのではないだろうかと前回申し上げた次第でございます。
○杉尾秀哉君 いや、そんなことをしたって、結局、後になって全部見てみたら一覧性のあるものになるわけですから、そんな詭弁を言っても全然通用しないと思うんですけど、角度を変えます。 さっき聞きましたけれども、どうしてこんなに法案提出が遅れたんですか。
○国務大臣(小此木八郎君) これ、一昨日の質疑でもお話をいたしましたけれども、遅れたことについては国会に御迷惑をお掛けいたしました。与党としての様々な見地からの議論を熱心に重ねていただきました結果、私どももそのような経過を見守る中で遅れたことについて、おわび申し上げます。
○杉尾秀哉君 遅れたことより以前に、もうちょっと正直に言っていただきたいんですが、これ、政府案に対して、公明党さんおられるので申し訳ないんですけれども、公明党の方から非常に強い異論が出されたと、こういうふうに聞いております。そして、いろんなやり取りの末、個人情報保護に十分配慮し、必要最低限にすること、これはいいと思います。そこで、経済的社会的観点に留意すること、これが盛り込まれた。これ、先ほどの答弁も何度もこの言葉が出てきているんですけれども、極めて曖昧な概念なんですよね。 そこで、自民党と公明党の協議の中で、市ケ谷の防衛省周辺のような市街地を対象から外す、こういうことが申し合われた、再三メディアで報じられています。これは事実ですか。
○国務大臣(小此木八郎君) この特別注視区域、注視区域というのは、私どもがまず提案をいたしますけれども、これは土地等利用状況審議会に意見を伺うということになっております。 今委員がおっしゃいました、この約束があったのかと、これは衆議院でも問われましたけれども、そんなことはございません。
○杉尾秀哉君 そういう申合せがなければ何でこういうメディアの報道になるんですか。政府としては知らないということですか。聞いていないんですか、協議の内容は。
○国務大臣(小此木八郎君) 私が約束したと今おっしゃったように聞こえましたので、そういうことはございませんと申し上げました。
○杉尾秀哉君 じゃ、合意はあったんですね。
○国務大臣(小此木八郎君) 私としてはございません。
○杉尾秀哉君 いや、これ、政府知らないとか私は知りませんで済むんですか。こういう合意が与党の中で行われていて、これ、将来審議会にかけるんでしょうけれども、この合意に縛られるんじゃないですか。 そもそも、さっきの小西委員の質問もそうでしたけれども、そして吉川委員のときの質問もそうでしたけれども、市ケ谷について本当に曖昧な答えがずっと繰り返されている。こんなところでこの法案止まっているんですよ。 この基本的な事実関係、これぐらい政府としてちゃんと言っていただけないですか。自公で合意があったんでしょう。合意があったんだったら、これ本当に外すんだったら大変なことですよ。本当に市ケ谷外していいのかという問題なんです。これを国会で話さずして、どこで話するんだと言っているんですよ。国会でこの法案が通っちゃったら、みんなあとはもう審議会の方に丸投げされちゃうんだから、ここで市ケ谷が入るか入らないかということを、自公の合意があったかなかったかも含めてちゃんと政府として説明していただかなければ、我々は到底この法案を通すわけにはいきません。
○国務大臣(小此木八郎君) 自公というのは与党ですからね、与党の中で様々な議論があることは当然のことだと思います。そこで何か、私、担当大臣として、約束事があったのかと、そういうことはないということを申し上げております。
○杉尾秀哉君 じゃ、これ、市ケ谷が外れた、最終的にですね、だったら。(発言する者あり)ないんですか。
○国務大臣(小此木八郎君) 我々が土地等利用状況審議会にこういうことでよろしいかどうかという意見を伺います。その後決定をされるということで、今もう現時点で決まっているようなお話をされていますけれども、そういうことはございませんということを申し上げております。
○杉尾秀哉君 土地等審議会にはいろいろ意見は言わないんですか、政府として。
○国務大臣(小此木八郎君) それは、この法案が成立させていただいて、意見を伺うということでありますから、私どもから審議会にお話をすることはございます。
○杉尾秀哉君 じゃ、やっぱり政府として意見を言ったら、いやいや、これ自公の間で、というか与党内でこういう合意があるからこういうふうに考えていますと言ったら、審議会もそちらの方に流れていくんじゃないんですか、結局。今回は本当にその経過が不透明なんですよ。 時間がないんであれなんですけど、ちょっともう一つだけ聞きたいことがあるんですけれども、産経新聞が五月十四日の朝刊で、「安保重要地 外資買収七百件」と、こういう一面でスクープ出しています。これも衆議院でちょうど審議のさなかにこの記事が出ました。この記事は事実じゃない、調べていないと、こういうふうに答弁をしていて、事実確認をすると、こういうふうに言っていましたけれども、事実じゃない、調べていないと言うんだったら、当然、産経新聞社に対して抗議したんですよね。
○国務大臣(小此木八郎君) そうしたマスコミ報道について、本法案に関し、政府としてその都度確認を行うことはしておりませんが、御指摘の記事については、御党の今井議員、衆議院の、御質問の関係で、内閣官房より、五月二十五日、産経新聞に対して事実関係の確認は行いました。同社からは、正確性や信憑性について十分な取材と検討を重ねた結果、記事化していますと、取材過程や取材源に関しては回答を差し控えさせていただきますとのことでありました。これ以上の事実確認は難しいと考えられることから、同社に対してそれ以上の問合せは行っておりません。
○杉尾秀哉君 抗議できないと思いますよ。 こんなでたらめな作文書けないですよ。ディテールが書いてありますもん。神奈川県では中国政府に関係がある可能性がある人物が米軍基地周辺の土地を購入していたことが判明、アメリカ軍基地が見える沖縄県の宿泊施設に中国国営企業の関係者と見られる人物が買収を打診。私もメディアにおりました。産経新聞さんは公安筋にすごく強くて、何度も私やられたという記憶があります。 これ、自衛隊が調べたのか、公安、外事が調べたのか分かりませんけれども、これ、先ほどからどこがその情報、個人情報を収集するんだという話がありましたけれども、こういうことというのは、実はもう現行の法制下で警察含めてこれもう日常茶飯的にやっているはずなんですよね。そうすると、今回みたいな、ああいうふうに外資も日本人も一遍に投網に掛けて、その一キロの範囲を、二百平方メートル以上のものは網羅的に出させて、こんなことをやってもそんなに意味がないんじゃないかという、実際にやっているわけですから。 そういうことを考えると、今回の本当にその法案の実効性、そして、先ほど来何度も指摘させていただいておりますけれども、余りにも今回の法案に関する答弁、やり取りが曖昧模糊としていて、我々としては、趣旨については賛同するけれども、これは到底この法案には賛成できないと、こういうふうになってくるわけなんですよね。 そこで、最後に大臣に伺いますけれども、今回の法案の機能阻害行為にしても、そしてこういう重要施設にしても、こういう曖昧な状況のまま国会を通して、あとは全部丸投げと、こういうふうなそのやり方というのが国民の理解を得られるのかどうなのか、メディアも含めて。これについて最後聞かせてください。
○国務大臣(小此木八郎君) 機能阻害行為については申し上げられないということは安全保障上の理由から申し上げました。いつ、どこで、どんなことについては特に申し上げられませんが、機能阻害行為を、例えば電波について混線をさせたようなことがあったときに、この行為自体がですよ、行為自体が、行為した者に対してこれは成功だったか失敗だったかということを教えること自体が安全保障上これは許されないことだという意味で、この機能阻害行為そのものは、いつ、どこであったかということは正確には申し上げられませんけれども、それを助長するような、類似行為を生むようなことはできないということを申し上げました。 まさに、そういう実態が更にあるかどうかということをしっかりと調査することが私たちの責任であると感じ、この法案を提出させていただきました。
○杉尾秀哉君 時間が来ましたけれども、結局、さっきから何度も言っておりますけれども、そんな安全保障上のディテールを我々は教えてくれなんて言ってるわけじゃないんですよね。ただ、基本中の基本の市ケ谷が入るか入らないかぐらい、こんなことぐらいは明確に答弁していただかなければ、質疑続けられません。 また残りの質疑は後日に残したいと思います。ありがとうございました。
○塩村あやか君 立憲・社民の塩村でございます。大臣、今日はよろしくお願いいたします。 まず最初に、私も述べておきたいと思うんですが、安全保障は非常に重要だと思っています。しかし、法案を見て、今回、非常にやっぱり不思議だなと思ったのが正直な感想です。私は、現実的な安全保障は重要だと考えているため、基本的にフラットな視線でこの法案、読み進めていきました。衆議院の議事録もある程度読ませていただきました。結果として、この法律は結局何を目的としているんだろうかということで、よく分からなかったんですね。何でこんな構成になってしまっているんだろうというふうに私は思っています。 その理由の一つが、恐らく、会期末、時間切れに近いところで出してきてこんな形になったのかなというふうに感じたのが一点と、もう一点は、非常に意地の悪い見方で申し訳ないんですが、そう思わせておいて、事後的にどうとでも使えるような魔法のカードのような法案を出してきたのではないか、押し込んできたのではないかというふうに思ってもいます。これは私の考え過ぎであればいいなというふうにも思っていますが、それにしても、趣旨に理解をする私でも、やっぱり、うんっと思うような法案だというふうに思っています。言葉が悪いかもしれませんが、誤解を恐れずに言えば、対象がすり替わる疑念がある上に、気持ちの悪い整合性が取られた法案だなと私は思っています。 今日は、この気持ち悪さ、私が感じる気持ち悪さを是非大臣には払拭をしていただきたいというふうに思っています。これまでの国会質疑で、納得できる答弁かは別として、議論も論点も出尽くしていると思います。ということで、今日は質疑に加えて、これまでの議論を踏まえて、大臣の御意見、そして意見交換もできたらいいなというふうに思っています。よろしくお願いします。 この法案の問題点なんですが、私なりに五点あります。五点の気持ち悪さがあると思っています。 最初、一点目なんですが、法案提出と、これ採決するときに、いわゆる実質的な構成要件が示されていない、これは基本方針で示すということでした。 二つ目が、本法案、違反判明後も土地の所有は対象者ができるということで、本質的な土地規制ができていないのではないかというふうに感じています。 三つ目ですが、これは調査法案でもあると思います。それが主眼の法案だというふうに今思うんですが、外資の脅威とか安全保障上と言っていますが、結果として、ほぼ自国民が対象となりかねない気持ち悪さがあるというふうに感じています。WTOとかその関係で内外無差別となったと説明も受けているんですが、そのほかの国はきちんと手続踏んで、外国資本の土地所有規制になっているんですね。日本はそれ踏んでいないんですよ。何でしなかったんだろうというふうにも思いますし、ちょっといろんな疑問が、レクでいろいろ聞いても残っています。 四つ目なんですが、調査をされても永遠に本人は分からないままだということでした。これ、具体的な歯止めをどこで掛けるんだろうという、その具体性が今までの審議で私は感じることができていません。 五つ目なんですが、先ほど来ずっと議論になっていますが、司令部機能がある市ケ谷が特別注視区域から外れるという可能性が否定をされていないという大変気持ちの悪い状況が残っています。ここ外したらほかにどこが該当するんだというような気持ち悪さがあって、ちょっとここ、この五点どうなのかなというふうに思っているところです。 まず、施設機能と離島機能を阻害する行為が一体何なのか。これが実質的な本法案に違反となる構成要件に当たると思うんですが、条文に例示すらされず、今後策定をされる基本方針に示されるということでした。しかも、全てを例示することは、その類型を潜脱する行為や明示をされた類型以外の機能阻害を助長するおそれがあると考えているということなんですね。一応、その構築物の設置とか、電波障害とか施設侵入準備行為ということは言っているんですが、具体的なことはいまいちよく分かりませんと。 そこで、お聞きしたいんですが、閣議決定をする基本方針に想定される行為をできるだけ具体的に例示をしたいと大臣お答えになっています。その類型を潜脱する行為や明示された類型以外の機能阻害を助長するおそれがあるという御答弁からすると、基本方針にも全ての類型は例示しないということになるんでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 機能阻害行為については、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性等に応じて様々な態様が想定されます。このため、想定する行為の類型を網羅的にお示しすることは困難だということを申し上げてまいりましたが、例えば、重要施設に関してはその施設機能に支障を来す構造物の設置など、国境離島等に関しては領海基線の根拠となる低潮線に影響を及ぼすおそれのあるその近傍の土地の形質変更など、それぞれ機能阻害行為に該当し得るものと考えております。予見可能性を確保する観点から、これらの類型は閣議決定する基本方針において、できるだけ分かりやすく例示する予定であります。 なお、例えば、一般的日常生活や事業活動の場として土地等を平穏に利用すること自体は、機能阻害行為として勧告及び命令の対象にはならないと考えております。
○塩村あやか君 その全て類型を明示しないとなってくると、罪刑法定主義に実質的に反することになっていると思うんですよね。だから、また気持ちが悪いわけなんです。刑法は、拡張解釈は許されていても、類推解釈は許されていないわけです。特にその類推解釈というのは、刑事裁判で被告人に不利な形でなされることはされてはならないとなっているわけなんですよね。だから、やはりその類型はちゃんと示すべきではないかなというふうに思うわけなんです。 先般、この委員会で大臣とストーカー規制法の改正の議論をさせていただきました。改正の理由は、これまで当然だと思ってきたGPSを使ったストーカーの行為が、類型が法文に明示しておらず、罪刑法定主義に反すると最高裁判決があったからなんですよね。つまり、拡張解釈でいけるんじゃないかなと思っていたんです。これは類型ではなかったということで、類型が明示されていないということで駄目だったということだったわけですよねと。その判決を受けて、ストーカー規制法は、条文にGPSなどの機器を用いた位置情報の無承諾取得と書き込む形で改正がされました。 一方、この法案どうなのかなと思ったときに、本来例示を幾つか並べて予見可能とすべきなのに、これ一切せずに、基本方針に託しているわけなんです。その基本方針に法的拘束力があるのかをお伺いいたします。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 機能阻害行為を例示させていただきます基本方針でございますが、これは閣議決定でございます。先生からるる御指摘ございましたけれども、私どもの法案で採用しております仕組みでございますが、機能阻害行為がありますれば、まず政府の方から勧告をさせていただくと。その勧告に正当な理由なく沿った対応を取っていただけない場合は命令を発出させていただいて、それに従っていただけない場合は刑事罰の対象になり得ると、こういう仕組みでございます。 その点について申し上げますと、勧告をさせていただいた段階でその名宛て人の方に取っていただくべき行為は明確になっていると、こういうことでございますので、先ほど来御指摘ございました法案とは仕組みが違うのかなと、このように認識をしているところでございます。 以上でございます。
○塩村あやか君 ちょっとその後、これはその後聞こうと思っていたことなので、先にちょっとお伺いします。 そもそも、なぜ法的拘束力のある政令とか省令じゃなくて、基本方針にしなくてはいけなかったのか。私が聞いているのは、法的拘束力がないものでやっていると、だからこっちでやった方がいいというものを聞いているわけではなくて、なぜそうしたのかということを聞いています。そうしなければいけなかったのか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 機能阻害行為を法律に規定させていただくことにつきましては、これ内外情勢が、安全保障をめぐります内外情勢が目まぐるしく変化するということ、そういう中で、機能阻害行為として想定されるものも随時変わってくるということでございますので、そういった状況の変化に即応して機動的に対応させていただくということで、今回は基本方針で例示をさせていただくということを考えているということでございます。 以上でございます。
○塩村あやか君 ちょっと私の聞いたことにストレートには答えていないなと思います。それ省令で託しているケースってたくさんありますよねと、そこは答えていただいてないなというふうに思うんですよねと。 基本方針、閣議決定されるわけですが、法規命令ではないので一般的に法的拘束力はありませんと。中央ロー・ジャーナルとか、法律関係のジャーナル誌には基本方針についての考察が幾つか掲載されていて、私も読みました。こういう、何というんですかね、いわゆるニッチなんだけど、すごい調べている人がいるんだなと思って感心して読んだわけなんですが、こう書いてあるんですね。基本方針は、政省令の立法指針、規定の解釈運用指針、主務大臣、地方公共団体の防除指針の機能を果たしているということで、法制度設計者にとって極めて便利な運用ができる作りになるということが書いてあるわけなんですね。行政機関の判断に委ねることが国民にとって望ましいものに限定すべきであると。 となってくると、今回のこの法案の基本方針というのは、行政機関に委ねることが国民にとって望ましい法案なのかというところに私は疑問符があるなというふうに思っているわけです。趣旨、法案の趣旨、本来趣旨とは関係ない、自国民を対象にせよみたいな質疑が衆議院であったのを見て、私は仰天したわけなんですよ。だから、こういうのをここに託していいのかというところが私は非常に疑問が湧いているところなんです。 話を戻すとなんですが、本法案での基本方針では、罰則を科すに当たっての命令、勧告を行う構成要件を定めるものなんですが、今述べたロー・ジャーナルでいえば、規定の解釈の運用指針に当たってくるというふうに思います。つまり、実質的な構成要件が解釈運用指針で決まってしまうということになるわけですよねと。これって実質的な専断主義になってくるんじゃないかというふうに疑問が湧くわけなんです。 次の質問に入りますが、先ほど奇しくも御答弁いただいた形になると思うんですが、勧告、命令を介して、そのときに分かると言いましたよね、自分が何でそういうふうに言われているのかというのが。これ、間接罰の手法を取っているというのがこの法案のスキームなんだということで、これまでのレクチャーでも説明を受けたところです。 私は、本来、ストーカー規制法のように、ちょっと種類が違うとおっしゃっていて、そこは私も理解はするんですが、本来は、きちんと、やっぱり近代法の大前提である罪刑法定主義の観点からも、条文に構成要件の類型をある程度やっぱり明示しておくのが筋ではないかというふうに考えています。なぜ法的拘束力のない基本方針に実質的な構成要件託して、こうした間接罰を取る必要があるのかというふうに思うんです。 これお聞きしようと思っていたんですが、先ほど御答弁が半分あったようだというふうに思っておりますので聞きませんが、もしもうちょっと明快に答えていただけるならば、なぜこのような形を取らなくてはいけなかったのか教えていただけますでしょうか。ここにちょっとヒントがあるような気もしています。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 先ほどの答弁に不十分な点がございまして、大変申し訳ありませんでした。 機能阻害行為の類型は、閣議決定をさせていただく基本方針におきましてできるだけ分かりやすく例示をさせていただくということでございます。ただし、これは、御指摘のような機能阻害行為の要件を定めるのではなく、機能阻害行為の態様が安全保障をめぐる内外情勢等に応じまして目まぐるしく変化し得るものであるということを踏まえまして、時機に応じて機動的に国民の皆様の予見可能性を確保することを目的といたしました対応であると、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○塩村あやか君 そこの部分、分からなくもないけれども、省令でやっているところもあるだろうし、全て私たちがチェックできないからそうしたというのも分かるんだけれども、余りにもそちらに任せ過ぎだというふうに私は思っているところなんですよ。 ちょっと私が聞きたかったことというのはそういうことではなくて、間接罰にしたのは安全保障上の観点からワンクッション置いた方がいいのではないかという御答弁があるのかなというふうに思っていたんですが、そういうわけでもないということで、ますますちょっと私はよく分からないなというふうに思っています。直接的にその類型まで幾つか書くというところも安全保障上良くないということではないかなというふうに思っていたんですが、そういうわけでもなさそうだということで、何かちょっと本当によく分からないんですね。 今回、いろいろとそのレクチャーでもお話しさせていただいて、そして法制局の方ともいろいろ話をして聞いてきました。やっぱり極めて、何というんですかね、ストレートではない法案の作りになっているんですよ。だからこそ、丁寧に私はやらなくてはいけないというふうに思っているんですが、全て政令、省令、そして基本方針ということで、謎が疑念を生むというスパイラルに入っているのではないかなというふうに私は思っています。 先ほど伝えたように、刑法では、拡張解釈はあるが、類推解釈許されないと。その点も踏まえて、基本方針にはない類型の場合、政府はあえて手のうちを見せないために全ての類型を示さないということだったんですが、となると、必要な予見可能性や本質的な罪刑法定主義にも疑問符が付くことになるのではないかという疑問があるわけです。明確性の原則を欠かないように基本方針が作成できるかが問われているというふうに思いますので、そこはしっかり留意をして作成をしていただきたいというふうに思っています。 阻害行為に関連をしてお伺いをいたします。 法律に予見可能性を示して基本方針を作成するのが、もうこれは私は本当に基本中の基本だと思っています。そもそも政令や省令も多くて、実質的な構成要件は基本方針に委ねるというのは、やっぱり立法府を軽視し過ぎではないかと。国民に矛先が向きかねない法案である以上、大事な部分が分からないままでは政府の方針やこの法案が持つ力というのが見えず、賛成するということが非常に難しいと私は感じています。無責任に賛成をしていいものかどうか、ここにやっぱり私は疑問符が付いています。 これ、ちょっと大臣にお伺いしたかったんですが、ちょっと時間の関係で、はしょらせていただきます。私は、やっぱりこの法案、説明不足が多いというふうに思っているので、是非大臣にはその辺りをちょっといろいろと私たちの懸念を拭えるように今後対応していただきたいというふうに思っています。 大事なことを確認させてください。 措置の実施状況は毎年国会を含めて広く国民に公表するということですが、調査の対象となった人数や件数、これは公表されるのか、伺います。されるのであれば、その調査対象となった理由などはある程度類型などに沿って発表されるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(小此木八郎君) 本法に基づく措置の実施状況については、その透明性を確保する観点から、毎年その概要を取りまとめた上で、国会を含め広く国民に対して公表することを検討いたしております。このことについては基本方針に明記する方向で考えています。 御指摘のあった勧告、命令や調査の実施状況についても、本法案の措置の実施状況の一部として何らかの形でそれらの実施件数など明らかにすることとし、今後、具体的な公表の在り方について検討してまいりたいと存じます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 調査のされた人数については、明確な答弁というか、問合せをした中ではなかったんですが、今の御答弁を聞くと、しっかりと人数などは発表されるというふうな今御答弁だったと思うので、良かったなというふうに思っています。 続きまして、自衛隊の基地、米軍基地の周辺のことについてお伺いをしたいと思っています。 五月二十一日の答弁に、重要施設への機材等の搬入や搬出を阻止する行為については、例えば、注視区域内にある土地などにおいてその利用者がそうした行為を恒常的に行っている場合には、本法案に基づく勧告、命令を行うことになりますとあります。利用者と御答弁されていますが、これ、利用者というのはどこなんだろうというふうに思ったりもするわけなんですよね。 で、基地の入口、例えば公道の前、基地の入口、公道上ということだと思うんですが、反対活動をしている人たちはたくさんいます。例えば、トラックの搬入を阻止するために人垣をつくって一定時間等阻止をするとか、午前中の連合審査で提出された資料のケースもやっぱりありますよねと。で、御答弁とおりであれば、重要施設の機材等の搬入や搬出を阻止する行為に当たって、調査の対象、これになるのではないかと思うんですが、確認をさせてください。
○国務大臣(小此木八郎君) この法案ですが、所有権、賃借権などの土地等の利用等を行うための権原を有する者を対象としています。御指摘のあった運動は、一般に道路や公園のような公共の土地で行われると承知しております。そうした運動に参加している方々ですが、自らが所有や賃借等をしていない土地を利用しており、権原に基づく利用者には当たらないものと考えております。御指摘のあった公道での物資の搬入阻止活動行っている方も、公道について権原を有しておらず、そこでの行為は本法案に基づく勧告、命令の対象とはなりません。 本法案の勧告、命令の対象となり得る行為としては、例えば、重要施設に関してはその施設機能に支障を来す構造物の設置など、国境離島等に関しては領海基線の根拠となる低潮線に影響を及ぼすおそれがあるその近傍の土地の形質変更などがそれぞれ該当し得るものと考えております。 本法案は、安全保障の観点から、土地等の利用状況を調査して、重要施設等の機能を阻害する利用行為を規制するものであり、御指摘のあった基地反対運動への監視、対応を目的とするものではありません。このため、単に外部から防衛関係施設を見ている場合、平穏に集会やその準備を行っている場合については、機能阻害行為として本法案に基づく勧告、命令の対象とはなりません。
○塩村あやか君 私はそこのその御答弁でまた不安になるわけです。その平穏にそういう集会に参加しているとかって、私はそういうことを聞いているわけではなくて、現実的に阻止をしている人たちがいるわけですよね、日々。時間決めてやっているようなんですが。そうした方たちが対象になることはないですよねと、今活動している人たちが絶対に対象になるわけないですよねということを聞かせていただいています。
○国務大臣(小此木八郎君) その方々がまさに平穏にその集会やその準備を行っている場合については、全くありません。
○塩村あやか君 ちょっと改めて聞かせてください。午前、こちら、井上委員が出した資料のケースは、これは平穏ではないということになるんですが、落とし物を返したんだけれども対象になってしまったみたいな、これはちょっと別の法案ですが、こうした方が対象になるということはないのかということはちょっと改めて聞かせてください。
○委員長(森屋宏君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(森屋宏君) じゃ、速記を起こしてください。
○国務大臣(小此木八郎君) このチョウ類の研究者のことだと思いますけれども、この方が所有権、賃借権といった土地等の利用の管理を行うための権原を有している方ではないという認識の下、そういうことはございません。
○塩村あやか君 調査の対象にもならないということでよろしいですか。
○国務大臣(小此木八郎君) この方が所有権、賃借権といった権利を、権原を持っていないということであると考えますので、調査の対象となりません。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 だとすれば、いろんなことを疑われる前に、破壊活動防止法第二条、第三条には書いてあるわけですから、こうしたところ、誰が対象にならないというところもやっぱり書くべきではないかなというふうに思っています。 あと一分なので、これだけ聞かせてください。 海軍の少将だった大田実氏が激戦地沖縄から本土に送った電報、「沖縄県民斯く戦えり、県民に対し、後世、特別の御高配を賜らんことを」と、皆さん御存じだと思いますが、戦後七十六年となります。特に、沖縄の基地で反対運動をしている皆さんの多くは、日本の主権を主張しておられます。そうした沖縄の方々に対してこうした法案が決して牙をむくことがないよう大臣に万全の対応をお願いしたいですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 戦後七十六年ということで、先ほど伊波議員のところでもお答えいたしましたように、そういった沖縄の感情、問題、まだ残っていると思いますし、現実的なものであると思います。そういった方々の権利しっかりと守ってまいりながら、この法案成立させていただいて、仕事を進めてまいりたいと思います。
○塩村あやか君 ちょっと一分延びたので、感想だけ述べさせてください。 この法案、本当に気持ち悪いというふうに私何度も言わせていただいています。それだけ、その外資の危険というよりも、自国民が対象になるという危険性の方が非常に高いというふうに感じています。決して自国民を対象にするような法律の使い方を絶対にしていただきたくないなというふうに思っています。特に、基地の関連とか、そうした形で活動されている方たちのもう既に結構な抑止効果になってしまっているわけなんですよね。ですから、決してこの法案がそうした方たちに牙をむくことがないように、大臣には切にお願いをしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。一昨日に続きまして質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。 〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕 先日も訴えさせていただきましたが、やはり我が国を取り巻く安全保障環境、一層厳しさを増しているというふうに認識をしております。また、グローバルな経済活動、これが相互依存的に活発に展開される中で、諸外国においても安全保障の観点から土地の管理を強化する制度的な対応を進めているさなかにあります。 こうした状況に鑑みれば、安全保障上の懸念を払拭するための今回の法的枠組みの必要性については、多くの国民の皆様の理解を得られるものと考えます。また、今日も午前中から、各先生方の質疑の中でも、この必要性について理解するという御発言が非常に多かったなというふうに私も印象を持っているところでございます。 一方で、この安全保障を確保するという狙い、これを強調する余り、私権が過度に制限されるようなことがあってはならないと。特に、全国各地の自衛隊の基地は、言うまでもなく周辺住民の皆様の御理解と御協力があって円滑に任務が遂行できていることを我々は決して忘れてはならないというふうに思います。 先日も申し上げましたが、周辺住民の皆様の生活や自由な経済活動に過度な負担が掛かることで、自衛隊の施設が周辺住民の皆様から忌避されるようなこと、また、自衛隊施設がいわゆる迷惑施設となるような事態は断じて避けなければならないというふうに思っております。安全保障か自由な社会経済活動、いずれか一方を選択するという議論ではなく、両者の調和点、また均衡点を追求しながら我が国の平和と安全、そして繁栄を実現することが必要ではないかというふうに考えております。 私ども公明党は、そうした基本認識に立ちまして、自民党やまた政府関係当局とともに議論し、真摯に調整を重ねてまいったところでございます。自民党関係議員の皆様、先生方、そして大臣始め役所の皆様にも、この協議を丁寧に受け止めていただいて議論をしてこれたことに、この場をお借りをして深く感謝と御礼を申し上げたいというふうに思います。 その結果、当初原案にはなかった、必要最小限の原則、あるいは個人情報の保護という法案全体を貫く重要な理念が明文化されたほか、様々な調整が行われたところでございます。先日の質疑でも一部述べさせていただきましたが、政府・与党間の協議を経て最終的に確定した事項の主なものを改めて述べさせていただきたいというふうに思います。 第一に、先ほど申し上げました総則の第三条に必要最小限の原則と個人情報保護の規定が盛り込まれたこと。第二に、第四条に区域の指定に当たって経済的社会的観点からの留意が盛り込まれたこと。第三に、第二条の生活関連インフラの定義を、安全保障上、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるものにしたこと。第四に、同じく第二条の有人国境離島地域離島の定義から、領海の利用に関する施設を除外し、領海の保全拠点に限定したこと。第五に、第八条の報告徴収は、行政による公簿の収集等の調査を行った上で、なお必要がある場合に限って所有者等からの報告徴収を行う二段構えとしたこと。第六に、第九条の勧告、命令に当たる対象として、機能阻害行為に供する単なるおそれだけでなく、明らかなおそれとし、蓋然性が顕著に認められる場合にしたこと。第七に、第十二条の特別注視区域の要件として、重要性、脆弱性の要件に加えて、代替困難性の要件が加わったこと。第八に、国会を含め、広く国民に対してこの法律の執行状況を毎年公表することとなったこと。 こうした様々な協議の結果、本法案は、安全保障への備えと、そして自由な経済活動とのバランスが十分に取られた内容となっているのではないかと確信をしております。 そこで、小此木大臣に、本法案の政府・与党間での法案審議プロセスとまた協議内容への御評価をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 内閣提出法案については、本法案に限らず、閣議決定、国会提出に先立って、政府・与党の間で丁寧かつ建設的な議論、調整を行うことは当然で、必要であると私は考えております。 本法案では、そうした経過、過程を通じて、安全保障と自由な経済活動の両立を図る観点を中心に、現下の安全保障をめぐる厳しい内外情勢の中で、国民の皆様の御要請に応え、国益をしっかり守るものとして、成案を得ることができたと認識しております。担当大臣として、改めて皆さんに熱意を示し、御礼を申し上げたいと思います。
○石川博崇君 御丁寧な御答弁、大変ありがとうございます。 その中で、先ほど杉尾議員からも御指摘がございました、経済的社会的観点から留意すべき事項が盛り込まれたことについて少し質問をさせていただきたいと思います。 対象区域の指定に当たっては、政府を挙げて安全保障上のリスクをできるだけ精緻に分析することが求められます。また加えて、対象区域の指定がその区域の様々な社会経済活動に対しどのような影響を及ぼすのかといった点にも十分な目配りが必要で、その点から今回、この経済的社会的観点から留意すべき事項が盛り込まれたところでございます。 改めて、この規定の趣旨、また考え方、そして区域指定に当たってどのような要素を考慮するのか、その結果、指定の実務がどのようになるのか、政府の御答弁をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 本法案は、安全保障と自由な経済活動の両立を図るということを大前提とさせていただいているところでございます。このため、注視区域又は特別注視区域の指定は、指定に伴います社会経済活動への影響を、安全保障上の要請に基づく合理的かつやむを得ない範囲に限定する必要があるものと考えているところでございます。 御指摘ございました経済的社会的観点から留意すべき事項でございますが、そうした基本的な考え方を閣議決定させていただきます基本方針に明記するという方針を示すものとして法律に規定をさせていただいているところでございます。 次に、その運用の考え方についてお答え申し上げます。 例えば、土地等の取引に関する事前届出が必要となります特別注視区域の指定に当たりましては、法定するその要件に該当する区域でありましても、経済的社会的観点から留意すべき事項、これは例えばその施設の周辺に密集市街地が形成される場合等々を想定してございますけれども、こういった事項に照らして評価した結果として、これは一般論でございますが、その区域を注視区域として指定することもあり得ると、そういうことで考えているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 この経済的社会的観点の留意規定が盛り込まれたことで、衆参共に様々指摘がなされております。 先ほど杉尾議員の御指摘にもありましたけれども、市ケ谷本庁の話がよく出てくるわけでございます。まだ何も決まっていない、今後のデュープロセスを経て指定区域というのは決まってくるわけでございますが、その市ケ谷が特別注視区域に指定されないのはおかしいという御指摘がされているところでございます。 まず、冷静に考えていく必要がありますのは、今回の区域指定の目的はあくまでも機能阻害行為の防止であるということでございます。 そこで、防衛省にお聞きしたいと思いますが、これは市ケ谷に限りませんけれども、そもそも防衛省・自衛隊は、この法案の区域指定があろうとも、あるいはなかろうとも、なかったとしても、あらゆる事態を想定して各施設の機能を確保、発揮するために万全の施設整備を行っていかなければならないと考えておりますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(川嶋貴樹君) 防衛省でございます。お答え申し上げます。 防衛関係施設の機能発揮を万全とするためには、防衛省・自衛隊としてあらゆる措置を実施することが重要であると考えてございます。先生御指摘のとおりでございます。 委員御指摘の施設整備の観点で申し上げれば、施設自体の防護性能の確保として、例えば建物の構造上の強化、堅固化、建物の地下化、覆土化による隠蔽措置といった措置を、可能な範囲で措置を講じてございます。 いずれにいたしましても、重要施設周辺の土地等の利用規制を行うこととしている本法案は、防衛関係施設の機能発揮を万全にする観点から意義があるものと考えておりまして、自助努力と相まちまして、本法案が施行された場合には、施設自体の防護性能の確保といった措置等も併せて防衛関係施設の機能発揮に万全を期してまいりたいと防衛省としては考えてございます。
○石川博崇君 今防衛省から御説明ありましたとおり、防衛省として、自らの努力として各防衛施設の機能を万全としていくこと、確保、発揮していくための施設整備をしっかり行っていくこと、このことは当然であろうというふうに思っております。 そうした施設整備の守りを徹底して自衛隊・防衛省が行うとともに、行った上で今回の法案における区域指定をどう考えていくのか、さらに、万全な措置として区域指定が必要なのかどうかということを冷静に議論する必要がございます。 特に、最重要施設であることはもう間違いございません、代替機能も、失礼しました、代替困難性の要件も兼ね備えていることは疑いありません、市ケ谷の管理においてでございますけれども。この市ケ谷は、その重要性に鑑みて従来から防衛省として相当な取組を行っているものと考えております。 その上で、この市ケ谷の指揮中枢機能を阻害するような行為が周辺の土地から行われるとすれば、仮にそういったことがあるとすればそれは一体どういう行為なのか、それを未然に防ぐための必要最小限度の規制とは一体何なのか、また、周辺一千メートルの土地取引全てに罰則付きの事前届出を義務付けることが必要となるのか、こうしたことを各防衛施設ごとに精緻に分析をして、そして今回の経済的社会的観点から留意すべき事項も含めて冷静に検討する必要があると思いますけれども、小此木大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 御指摘の市ケ谷の防衛関係施設、これは指揮中枢機能を始め我が国を防衛するための基盤として極めて重要なものであり、その管理には従来から防衛省が十分な取組を行っていると認識しています。 市ケ谷の防衛関係施設に関し想定される機能阻害行為については、安全保障の観点からお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにせよ、安全保障をめぐる現下の厳しい内外情勢にあっては、その機能の確保、発揮に万全を期す必要があるものと考えています。 政府としては、こうした認識に立ち、市ケ谷を始めそれぞれの防衛関係施設の周辺の取扱いについては、法施行後に、各施設が有する機能を踏まえ、法定する要件や、経済的社会的観点から留意すべき事項を含む基本方針に照らして検討をいたします。 そして、新設する土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、指定の要否、指定する場合に注視区域とするのか、あるいは事前届けが義務付けられる特別注視とするのか、敷地からいかなる距離、範囲を設定するのかといった点について、第三条に規定する必要最小限の原則を踏まえ、慎重かつ適切に判断をしてまいります。
○石川博崇君 是非、今の御答弁を踏まえて慎重に御判断をいただきたいというふうに思います。 続きまして、一問飛ばさせていただいて、事前届出の意義についてお伺いをしたいと思います。 特別注視区域における事前届出、これは多くの善良な住民あるいは不動産等事業者に手続負担をもたらすことになります。この負担を軽減するために制度的にどのようなことを措置しているのか、そして法施行に向け運用上どのような工夫をしていくのか、政府に伺いたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 特別注視区域におけます事前届出につきましては、行政関係手続に不慣れな方でありましても円滑に事前届出を行っていただけますように、例えば届出書類の簡素化、あるいは記載マニュアルの作成、内閣府における相談体制の整備、そういった対応について検討を進めていきたいと考えてございます。 また、不動産取引を仲介されます事業者の方々に御協力をいただきまして、宅地建物取引業法に基づきます重要事項説明として、対象となる土地等の買手の方に対しまして事前届出の手続について御説明をいただくということも検討しているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 今御説明いただきました事前届出、これは義務違反に対しては罰則が六か月以下の懲役又は百万円以下の罰金というふうになっております。政府は、類似する法律の前例を参考にしたと説明をいただいております。しかし、今御説明のあった例えば宅建事業者を介するような場合には重要事項説明できちっと手続がなされると思いますが、そうした宅建事業者を介さない相対取引のような場合には単に届出を手続として失念するようなケースも考えられようかと思います。 政府もこうした単なる失念等のケースを積極的に立件、処罰するとは考えていないと思いますけれども、罰則の適用、抑制的な対応としてどのように考えていくのか、政府の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答えを申し上げます。 御指摘ございました、故意でなく事前届出を忘れてしまったまま取引をされたような場合の取扱いについてでございます。 こういった場合でありましても罰則の対象にはなり得るものと考えてございます。ただし、運用上、そのようなケースにつきましては、事後となりましてもできるだけ速やかに御提出をいただくように、届出を御提出いただくように丁寧にお願いをさせていただくということを考えているところでございます。 重ねて答弁になりますけれども、先ほど御答弁させていただきましたような、行政関係の手続に不慣れな方でありましても円滑に届出の手続を行っていただけるような様々な工夫と併せて、できる限り丁寧な周知広報活動に努めさせていただきたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 是非この点、特別注視区域に指定された区域の住民の皆様、また関係事業者の皆様に事前の周知、これ徹底して行っていただくよう強く要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、今回の法案の中で盛り込まれます、設置されます土地等利用状況審議会についてお伺いをしたいと思います。 この審議会は、重要インフラに係る政令の制定、改廃、あるいは区域指定、機能を阻害する利用中止の勧告の実施等に当たって意見を聴取するために内閣府に設置されるものでございます。委員は十人以内、法律、国際情勢、内外の社会経済情勢、土地等の利用及び管理の動向に関して識見を有する者の中から内閣総理大臣が任命することとなっておりますが、どのような方針で人選を行う考えなのか。また、想定する委員の構成、情報公開など運営の在り方どう考えているのか。さらに、法律上は地域性というのは考慮事項とはされておりませんけれども、在日米軍多く抱える沖縄県の事情に明るい有識者など地方の専門家を加えることも重要ではないかと考えますけれども、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答えさせていただきます。 御指摘ございました土地等利用状況審議会でございますが、この審議会は、公平中立な立場から本法案に基づきます措置について調査審議を行う大切な機関であると考えてございます。本法案の適切な運用を確保する上で大変重要な役割を担うものでございます。 こうした審議会の位置付けに鑑みまして、その委員につきましては、先生から御指摘ございましたように、法律、国際情勢、内外の社会経済情勢、土地等の利用及び管理の動向等に関して優れた識見を有する方の中から内閣総理大臣が任命をさせていただくということにしているところでございます。 一方、全国各地に広がります対象区域の指定など本法案に基づく措置を実施するに当たりましては、できる限り地方あるいは地域の視点からの意見も反映することが重要でございます。このため、委員には地方行政、経済に関する識見を有する方を任命させていただくということも検討したいというふうに考えてございます。 具体的な人選につきましては、公平中立な立場から制度全体の適切な運用を確保することを前提として法施行までに決定したいと考えているところでございますし、また、御指摘ございました審議会自体の運営につきましても、これまでも御答弁させていただいておりますけれども、できる限りの透明性を確保させていただくということで努力をしていきたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 今、御答弁で、地方、地域の視点からの意見も反映することが重要であるというふうに明確にお答えいただいたこと、評価をしたいというふうに思います。 この土地等利用状況審議会には、委員のほかに、専門の事項を調査させる必要があるときには専門委員を置くことができることとされております。この委員と専門委員の役割分担、どのような運用を考えているのか、御説明をいただければと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 法に規定しております審議会の専門委員でございますが、こちらは、審議の内容に応じまして、専門性のある事項を調査する必要があるときに任命され、その事項に関する調査が終了したときにはその任を解かれる身分の審議会メンバーでございます。 その具体的な人選につきましては、例えば、審議対象となります重要施設や機能阻害行為に関する専門的、技術的な識見や、先ほども御答弁させていただきましたけれども、地方の行政、経済一般に関する識見など、個別の分野、領域に関する高度な識見を有する方などを任命するということを想定しているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 今の専門委員でございますけれども、例えば、この土地等利用状況審議会が勧告、命令を行う審議の際、機能阻害行為に対する勧告、命令を行う際に、そうした阻害行為について詳しい知見のある、専門的、技術的な知見を有する方を任命することが大事だと思っております。例えばですけれども、当該基地で勤務経験のある自衛官OBなどが一例として挙げられると思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 御指摘ございましたケースにつきましては、先ほど御答弁させていただきましたけれども、審議対象となる重要施設や機能阻害行為に関する専門的、技術的な識見と、こういう範囲に入ってくるということだと認識をしてございます。御指摘いただいた点も含めて、適切に任用に向けた準備を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 この審議会の委員について、民主的統制という観点からは国会同意人事にするという考え方もあったかというふうに思いますけれども、今回、そのようにはなっておりません。なぜ国会同意人事にしていないのか、また、他の審議会の委員の任命との比較も含めて政府の御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 審議会委員の任命につきましては、本法律の趣旨、目的に照らして内閣総理大臣が責任を持って判断をするものとして、国会同意人事とはさせていただいておらないところでございます。審議会の委員任命に当たっての国会同意は、内閣から独立した機関、いわゆる三条委員会やいわゆる八条委員会のうち、常勤の委員がいるもの、行政処分に対する不服申立ての審査を行うものなどが一般的でありまして、本法案には必ずしも適合しないものと考えているところでございます。 なお、他法についても先生の方から御指摘ございましたけれども、外為法におきましては、国の安全を損なう等のおそれのある投資に適切に対応する観点から、株式取得の変更、中止の勧告や命令等を行うことができるという仕組みになっているところでございますけれど、当該措置を行うに当たって諮問する関税・外国為替等審議会の委員の任命につきましては財務大臣が責任を持って行うこととされており、国会同意が必要とされないということとなっているものと承知しているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 また、罰則の量刑の考え方についても御説明をお伺いをしたいと思います。 政府は、類似する他法令の前例も踏まえて今般罰則の量刑を法定化したというふうに説明しておりますけれども、機能阻害行為の中止命令に対して従わなかった場合、また、事前届出を怠った場合、また、報告徴収に対して、求めに対して虚偽の報告をした場合などについての罰則、どのような考え方について量刑を定めているのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 本法案に基づく罰則についてでございますが、第一に、重要施設等の機能を阻害する土地等の利用の中止命令を受けてなおこれに応じなかったときには二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すること、第二に、土地等の取引の契約に先立つ届出、すなわち事前届出を行わなかったとき又は虚偽の内容を届け出たときには六か月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処すること、第三に、土地等の利用に関する報告等の求めに応じなかったとき又は虚偽の報告を行ったときには三十万円以下の罰金に処することを定めているところでございます。 これらはいずれも、本法案に基づく措置の実効性を担保し、法目的を達成するために必要な措置でございます。そして、それらの内容は、類似する他法令の前例を踏まえ、慎重に検討を行った上で決定してございまして、過度な水準にはなっていないものと考えているところでございます。 以上でございます。 〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕
○石川博崇君 済みません、今おっしゃった類似する他法令、もし説明できるようならお願いできますか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 例えば事前届出につきましては国土利用計画法を参考にしているところでございまして、同法に基づく取引の事前届出は、土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去し、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るために設けられた措置でございます。対象区域内の一定面積以上の土地について、取引を随時把握するため、都道府県知事への事前届出が義務付けられているものと承知をしているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 改めて大臣に、今後の運用の透明性の確保についてお伺いをしたいと思います。 この法案は、重要施設の周辺土地に限定しているとはいえ、先ほど政府からの説明にもありました状況把握を確実にするための調査権限、罰則を伴う利用規制の権限を付与するものでありますので、法律の運用に当たってはその透明性が確保されることが何よりも重要でございます。その運用に当たり、いやしくも恣意的な運用を行っているといったような国民からの指摘があってはなりません。その運用透明性を確保するために、大臣の御決意をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) この法案で言います防衛関係施設等の機能を阻害する行為を防止するという法目的を確実に達成するためには、国民の皆様から本法案に導入する新たな制度への信頼、これは、これをいただくことは不可欠でございます。そのためには、委員御指摘のとおり、本法案の運用に際して政府の恣意性を徹底して排除すること、そして国民の皆さんに対して運用状況に関する説明責任を果たして透明性を確保していくことが必要不可欠であると改めて考えます。 このため、例えば、生活関連施設の政令の指定、注視区域、特別注視区域の指定、区域内にある土地等の利用者に対する勧告、機能の阻害防止に関する重要事項については、土地等利用状況審議会の意見を聴取するという運用の適正さを担保する仕組みを取り入れました。また、区域の指定に当たっては、十分な時間的余裕を持って関係する地方公共団体と意見交換を行うなど、国民の皆様の多様な御意見も伺うという丁寧な対応に努めてまいります。その上で、本法案に基づく措置の実施状況については、その概要を取りまとめ、毎年国会を含め広く国民の皆様に公表するなど、制度運用の透明性の確保、向上にも積極的に取り組んでまいります。 そうした国民の皆様から制度への信頼をいただくための取組に真摯に対応するよう、私から事務方に対しこの指導も徹底したいと考えております。
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。 最後の質問とさせていただきます。 今日も質問が幾つか出ておりましたが、各地方自治体におきましては、様々な条例を制定している自治体もございます。この法律案では森林は直接の規制対象とはされておらず、これは、森林法等の既存の措置があることから慎重に検討していくべきとの有識者会議の提言があったことを踏まえて、本法案の調査対象には森林は含めないものとしたと承知をしております。一方で、水源地を抱える地方公共団体におきましては、外国資本が森林等の土地を取得している問題が契機となりまして、水源地域の土地取引、利用を規制する目的で事前届出を課すなどの条例を制定している自治体がございます。 もちろん、本法案は国家の安全保障の観点から立案されたものでございますので、これらの条例とは目的が異なるものでありますけれども、この法律が成立した場合に、こうした独自の取組を行っている地方公共団体の各条例、これらが法案と整合的なものになるよう条例を改正する必要などがある場合もあるのか、その場合に政府として地方自治体をどのようにサポートをするのか、見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、水資源の保全等を目的といたしまして、水源地域における森林等の土地取引の事前届出義務、開発行為の事前届出等を内容とした条例を定めている地方公共団体があるものと承知をいたしているところでございます。 一方、この法案は、安全保障の観点から、防衛関係施設等の重要施設や国境離島等が有する重要な機能を阻害する土地等の利用を防止することを目的といたしまして、土地等の利用状況を調査した上で、必要に応じてその土地等の利用規制を行おうとするものでございます。 条例の内容は地方公共団体ごとに違いがございまして、それらの概要を包括的に整理して御説明することは困難でございます。各地方公共団体の条例は、本法案とは異なる目的、対象、措置等を盛り込んでいるものが多いと承知しておりますが、本法案との関係で既存の条例を見直す必要があるか否かということにつきましては、最終的には各地方公共団体において個別に点検をしていただく必要があると考えてございます。 その際、地方公共団体の方から何がしかの相談等がございますれば、私どもの法案の趣旨、内容等できる限り丁寧に御説明をさせていただくと、このような取組を考えているところでございます。 以上でございます。
○石川博崇君 大変ありがとうございました。 この法案成立後も、今後の基本方針の策定、あるいは実際の運用に当たって、しっかりと政府を支え、そしてまた注視をしていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。 今日はありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。 先般の本会議質疑でも申し上げたところでありますが、自衛隊や海上保安庁の施設、あるいはまた原発など重要インフラの施設の周辺や国境離島といった安全保障上の重要な土地を敵対的な国家や勢力等から守ることは、世界では常識なわけであります。しかしながら、我が国においてはこの土地取得を規制する法律がなかったがために、安全保障上の要衝地が外国資本や外国人等に野方図に買いあさられてきたという実態があったわけであります。そこで、この地域住民の皆さんの中でも不安が広がって、この法整備を求める意見書などが提出をされてきたところであります。 こういった事態を受けて、私ども日本維新の会は、先ほど外防との連合審査でも浅田議員も言及をしましたが、二十八年秋の臨時国会からこの国会に至るまで五つの国会で、五国会にわたって、国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案というものを提出をし続けてきたわけであります。 どこの党よりも早く、また大変強い問題意識を持ってこの問題に取り組んできたと自負をしているところですが、しかもこの政府案よりも、取引規制であったりあるいは土地収用であったり立入調査であったり、非常にこの実効性の担保が大変重要だという観点で、厳しい、政府案よりも厳しい措置を含む法案になっていると思っていまして、いまだに正直我が法案の方が実効性が十分担保できると確信をしておりますが、修正協議も行わせていただきましたが調わなかったので、残念ではありますが、この政府案、一歩前進であると、今までのように何もないことから比べるとやっぱり一歩前進であると我々も認めるところであります。 ただ一方で、残された課題も多いですし、後でまた触れますけれども、この見直し規定というんですか、検討規定がございます。五年と言わずに、大臣も、必要があれば、本会議でも言及はされておりましたが、必要性が高まったものがあれば見直しをやっぱり随時していってもらいたいと、このことは申し上げておきたいと思います。 今日は、そういう認識の下に、これまでの質疑の中で私自身が聞き漏らしているところがあるかもしれませんし、私自身の理解が十二分にないところもあるかと思いますので、確認の意味も含めて幾つか法案に関してお聞きをしていきたいと思います。 まずは、政府によるこの実態の把握についてお聞きをしたいと思いますけれども、平成二十五年十二月十七日に閣議決定をされました国家安全保障戦略、ここでは、国家安全保障の観点から国境離島、防衛施設周辺等における土地所有者の在り方について検討するとされているわけですが、お聞きをしたいのは、実際に政府においてはこれまでこの土地所有の利用実態等についてどのような調査を行ってきたのか、そしてどの程度この実態が把握をされているのか、お聞きをまずしたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 我が国の防衛関係施設等の周辺でありますとかあるいは国境離島等におきまして外国資本が土地を買収していることは、安全保障の観点から長年問題視された課題でございます。 御指摘ございましたような国家安全保障戦略における記述を踏まえた形で、これまで、防衛省は平成二十五年度から防衛施設に隣接する土地につきまして、そして、内閣府の海洋事務局は平成二十九年度から国境離島の領海基線の近傍の土地につきまして、それぞれ所有状況等の調査を行ったというふうに承知してございます。しかしながら、それらの調査は不動産登記簿等の一般にも入手可能な資料による確認にとどまったと、その結果、実態上の所有者と登記記録上の所有者が不一致する、あるいは不動産登記簿の地目以上の利用実態までは把握できなかったなどの課題があったと承知をしているところでございます。 こうした状況を踏まえまして、政府は、昨年七月の骨太方針二〇二〇におきまして、安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用、管理等の在り方について検討し、所要の措置を講ずる方針を閣議決定させていただいたところでございます。そして、小此木担当大臣の下に国土利用の実態把握等に関する有識者会議を設置させていただき、必要な政策対応の在り方について御提言をいただいたところでございます。今回御審議をいただいております本法案は、その提言をベースに取りまとめたところでございます。 以上でございます。
○柴田巧君 ありがとうございます。 政府としても一定の努力をされてきたのは認めるところですが、やっぱりなかなか難しいというのが正直、把握をするというのは難しいと思っているわけですが。 そこで、お聞きをしたいと思いますけれども、この法案が成立すれば土地等利用状況調査などをこれから行っていくということになるわけで、その調査の実施体制についてお聞きをしたいのですが、この法律案の所管は内閣府ですので内閣府が中心になってやられるんだということだと思っていますが、現実問題、なかなか内閣府の職員の方だけでは非常に難しいものがあるので、他の省庁等々と連携しながらやられるということだと思っていますが、十分な、ちょっとこの質問の表現はちょっと変えることになると思いますが、十分なこの調査体制をしっかり組めることになるかどうか、その点をまずちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 我が国の安全保障をめぐる内外情勢が厳しさを増している現状に鑑みますと、法施行後でございますけれども、可能な限り早急に対象区域の指定を行った上で、スピード感を持って利用状況の調査を進め、機能阻害行為としての土地等の利用規制を適時適切に発動できるよう準備を整える必要があると、このように考えているところでございます。 そのためには、先生からも御指摘ございましたように、まず、内閣府に新設をさせていただきます予定の部局において必要な人員体制を整備するということが重要であると考えてございますし、内閣府の方は沖縄総合事務局以外の地方支分部局を持っておりませんので、防衛省など重要施設を所管する省庁及びその地方支分部局との連携体制を構築していくということも重要な課題であると認識しているところでございます。 以上でございます。
○柴田巧君 心配をしているのは、先ほど最初にお述べになったように、その防衛省の周りの調査もなかなかうまくいかないという部分があって、今、この法案が成立をして、まあ内閣府だけでは現実難しい、そしてまた、防衛省の皆さんとも協力等々してということですが、本当にそれで十二分に体制が組めるかということを懸念をしているということなんですね。 本当に大丈夫かともう一回確認をしたいのと、これ、こういうふうには書いていないのでそれは無理な話なんだろうと思いますが、場合によれば民間の何かしらサポートをもらうと、そんなことは想定を頭の中にあるのか、併せてちょっと参考のためにお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 まず、必要な人員体制についてでございますけど、こちらにつきましては、対象区域の選定と並行する形にはなりますが、必要な人員体制の整備に、関係省庁の御協力もいただきながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。 その上でということになりますけれども、調査に当たりましては、個人情報の取扱いには十分留意する必要があると考えてございますが、例えば一般にも公開されているような不動産登記簿の収集、整理など、そういった事務につきましては、事務の一部を民間に委託することを含めまして、効率化を図る方策も併せて検討したいというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど答弁させていただきました関係省庁との協力の在り方なども含めまして、適切かつ効果的、効率的な調査の進め方につきましては、法案成立後に、執行のための準備を行う中でしっかりと検討させていただきたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○柴田巧君 分かりました。しっかりと体制を組んでいっていただきたいと思います。 次に移ります。 事前届出についてでありますが、本法律案第十三条第一項における事前届出の対象となる権利は、所有権又はその取得を目的とする権利とされているわけですね。まず、この貸借権等の利用権を事前届出の対象としなかったのはなぜか。 また一方で、この有識者会議の中においては、不適切な利用については、土地等を所有しているケースだけではなく、土地等を貸借しているケースも考えられることから、制度的枠組みの対象とする権利としては、所有権に加え、貸借権等の利用権も含めることが必要であると指摘がなされていますが、このような指摘についてどのように考えているか、併せてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答えさせていただきます。 御指摘ございました特別注視区域における事前届出についてでございます。 特別注視区域内にある土地等の所有権の移転等については、その状況を適時に把握し、機能阻害行為を可能な限り早い段階で防止するために、契約の際に当事者に事前届出をお願いさせていただくということにさせていただいております。 御指摘ございました賃借権でございますが、通常の場合、その期間は限定され、また契約の解除等によって消滅し得るものでございます。所有権と比較するとその保障の程度は必ずしも大きくないというふうに認識をいたしております。このため、事前届出では、法第三条に規定してございます必要最小限の原則を踏まえまして、この事前届出の対象とはしないこととさせていただいたところでございます。 一方で、重要施設等の機能を阻害する行為を防止するためには、所有権のみならず賃借権を含むその他の権利に基づいて土地等を利用している方につきましても、利用状況の調査や勧告、命令等を行うということで制度全体の実効性を確保したいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○柴田巧君 次に、事前届出の効果についてお聞きをしたいと思いますが、本法律案に基づく事前届出をせずに所有権等の移転を行った場合、罰則の適用はあるわけですが、この所有権等の権利の移転自体は有効となるのか、仮に有効となるとすれば事前届出の効果はどの程度あるのか、内閣府にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 事前届出に関する罰則についてでございます。罰則につきましては、特別注視区域の土地等の取引に関しまして、届出をせずに売買契約を締結した場合や、あるいは虚偽の内容を届け出た場合等につきまして、六か月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処することを定めさせていただいているところでございます。 一方、この事前届出は、特別注視区域内の土地等の権利移転の実態を随時把握いたしまして、重要施設等の機能を阻害する行為をできる限り早期に防止するということを目的とした措置でありますことから、仮に事前届出義務に違反した場合でありましても、私人間で締結された契約の効力に影響を及ぼすものではございません。 本法案では、事前届出を受けまして更に必要な調査を行い、重要施設等の機能を阻害する土地等の利用の中止の勧告、命令を行いますほか、国による土地の買取りの申出等を行う等の措置を講ずることとさせていただいているところでございまして、重ねての答弁になりますけれども、全体としての実効性を確保するような努力を重ねていきたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○柴田巧君 全体として実効性が担保されるという言葉をよく使われるわけですが、私どもの考え方として、さっきもちょっと触れましたが、やっぱり事前審査、取引規制というものはやっぱり大事なのではないかと思っていまして、問題がある、その事前届出は義務付けて、なおかつ、やっぱり問題がある場合は取引前にこの変更、中止の勧告や命令が出せる、あるいは必要があれば収用を、ことができるようにしていくというのは非常に大事なことであって、そういったやっぱり手だてが本来は必要なんだろうと思っていますが、残念ながらこの政府案では盛り込まれていませんが、今後の課題として我々もこのことは引き続き関心を持っていきたいと思います。 次に、大臣にお聞きをしますが、この注視区域の範囲であります。 御存じのとおり、この範囲は各施設からおおむね一キロメートルということになっているわけですが、よく知られているように、アメリカの対米外国投資委員会による規制では、軍・政府施設の場合、陸上で周囲約最大百六十キロメートルを対象としており、その差は歴然であります。 日本は国土が狭いとはいえ、やはりこれ、もう少し広く、明確に範囲を広げることをやっぱりこの検討課題として考えていくべきではないかと思っているんですが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 御指摘のとおり、本法案において、重要施設の周辺区域においてその機能を阻害する行為が相当に懸念される範囲として、その敷地からおおむね一千メートルの区域を対象とすることとしております。このように区域指定の範囲を設定したのは、調査や利用規制の対象となり得るものの予見可能性を確保するとともに、機能阻害行為のリスクとの具合でそれらの措置の対象とする範囲を過大に設定しないことといたしました。 おおむね一千メートルの範囲で対象区を指定した上で適切な調査及び利用規制を行えば、物理的な機能阻害行為、例えば重要施設の機能に支障を来す構造物の設置などについては相当程度対応することが可能であると考えられます。なお、このおおむね一千メートルという距離を設定するに当たっては、銃器の有効射程距離等も参考としております。 当面は、本法案に規定する距離の範囲内で調査を徹底するとともに、必要に応じ勧告等の措置を適切に講じてまいりたいと存じます。その上で、附則第二条に基づく五年後の見直しでは、本法案の実施状況を検証した上で、御指摘のあった区域指定の範囲を含め、望ましい制度の在り方を検討してまいりたいと存じます。
○柴田巧君 是非この問題も今後の検討課題の一つに挙げていただいて、状況を見ながら、必要ならばまた措置をとっていただきたいと思います。 法案については取りあえず今日はこの辺にとどめさせていただいて、日本を取り巻く安全保障問題等についてお聞きをしたいと思います。 この法律案の趣旨説明でも大臣はこのように述べていらっしゃるわけで、我が国を取り巻く安全保障をめぐる環境が不確実性を増している状況に鑑みと、こうおっしゃって、この法案の必要性を述べていらっしゃるわけですが、本当にこの日本を取り囲む安全保障は非常に不確実性が高まってきていまして、いろいろありますが、昨今非常にこの関心が高まってきているのは、先ほどの午前中の外防との連合審査でもありましたが、台湾有事だと思っております。 この土地の外国資本等による取得というのは静かなる国土の侵攻と言われたり、あるいは武器を持たない侵略だという、評する方もいらっしゃいますが、台湾有事は、単に台湾の有事にとどまらず日本有事に直結をして、また、それこそ本当の武器が飛び交う、そういう事態も想定をされ得るものです。 平和的な解決が望ましいわけですし、そのために日本も努力をしなければならないと思っていますが、残念ながら中国内外で起きていることは、話合いではなくて、力ずくで人権を弾圧したり、あるいは民主主義を妨害、壊したりですね、力の現状を試みたりしているのが現実であるとすると、最悪の事態も想定をしたことをやっぱり国も当事者意識を持ってやっていかなきゃならないと思っていまして、そんな観点で幾つかお聞きをしたいと思いますが。 三月の九日に、アメリカのインド太平洋軍司令官のデービットソン大将が、今後六年以内に中国が台湾に侵攻する可能性がある、こんなことも証言をし、俄然注目を集めるようになりましたが、中国側にも、習近平主席にも大きな動機があるわけで、やはりあの毛沢東ですらできなかった台湾の統一を果たしたいという願望があるやに聞こえてきます。実際、武力の行使は放棄しないと明言をしていますし、侵攻準備もどんどん進んでいまして、一万人体制だった海兵隊は三万人に、潜水艦も五十六隻から来年には七、八十隻になると言われているわけで、先ほど言いましたように、もし本当にドンパチがあれば、台湾海峡は我々にとっては大変重要なシーレーンですし、この国自体が、先島諸島等々が戦場になり得るということも否定できないわけでございます。 そこで、まずお聞きをしたいのは、防衛省にお聞きをしたいと思いますが、防衛省・自衛隊はこれまでこの南西地域で防衛体制の強化をやってきたわけですが、これ、我が国の島嶼部に対する侵攻の対処を目的にしたものというふうに理解をしていますが、もし不幸にしてこの台湾有事が起きるとすれば、それの抑止、対処というコンテキストの下でこれまでの南西地域における防衛力の整備の在り方を見直す必要性が出てくるんではないかと思いますが、この点どう考えているか、お聞きをします。
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。 台湾をめぐる情勢の安定は、我が国の安全保障はもとより国際社会の安定にとっても重要であると考えていますが、台湾をめぐる問題につきましては、我が国といたしましては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するとの立場でございます。 また、台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控えますが、中台をめぐる問題につきましては、近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、その軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化し、その差は年々拡大する傾向が見られるところ、引き続き関連動向を注視してまいります。 委員御指摘の防衛力整備の考え方という点でございますが、我が国の防衛力整備は特定の国を対象とするものではございませんが、我が国周辺の厳しい安全保障環境を踏まえれば、南西地域の防衛体制の強化は我が国の防衛にとって喫緊の課題でございます。 防衛省・自衛隊といたしましては、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、警戒監視活動や対領空侵犯措置に万全を期すとともに、海上優勢、航空優勢を確保するため、平素から安全保障環境に即した部隊配置を行い、南西諸島における防衛体制を目に見える形で強化してきております。このような部隊配置は我が国への攻撃を抑止する効果を高めるものであると考えております。 このため、南西地域における航空自衛隊の編成強化や、奄美大島及び宮古島への警備隊、中SAM部隊、SSM部隊の配備を行っているほか、石垣島へも同様の部隊を現中期防期間中に配備できるよう取り組んでまいる所存でございます。また、南西諸島への機動展開能力の向上のため、現中期防期間中に中型級船舶一隻及び小型級船舶三隻を取得するとともに、海上輸送部隊を新編する予定でございます。
○柴田巧君 そこで、本年三月の日米2プラス2で、台湾海峡の平和と安定について明記をされました。平和的な解決を望む一方で、先ほど申し上げたように、最悪の事態を想定するのは危機管理の要諦であるとすると、そういう台湾有事が起きても対応できるように、やっぱり日米共同計画の立案、訓練の実施などが必要ではないかと考えますが、この点はどうですか。
○政府参考人(大和太郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、先般の日米2プラス2では、台湾海峡の平和と安定の重要性について日米間で確認をいたしました。台湾をめぐる情勢の安定は、我が国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要であると考えております。 ただ、台湾をめぐる問題について、我が国といたしましては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するという立場に変わりはありません。 その上で申し上げれば、いかなる事態においても、我が国の領土、領海、領空、そして国民の生命、財産と平和な暮らしを守り抜くことは政府の責任であります。防衛省・自衛隊としても、あらゆる事態において我が国の法令の範囲内で適切に対応できるように、不断に検討しております。 御質問にありました日米の共同計画につきましては、二〇一五年の日米ガイドラインの下で、これを策定、更新することとしております。共同計画の策定の状況でありますとか、あるいは内容などの詳細につきましては、事柄の性質上、お答えは差し控えさせていただきますが、引き続きこの作業については米国との間でしっかり取り組んでまいります。 日米の共同訓練についてお話がありました。これも一般論として申し上げますが、日本とアメリカは、日米の共同対処能力の向上を図るため、また我が国の安全と地域の安定に向けた日米の能力と意思を示すため、様々な共同訓練に取り組んでいるところであります。これにつきましても、今後とも着実に実施をしていきたいというふうに考えております。 以上です。
○柴田巧君 まあ公にできない部分も確かにあると思いますが、着実な準備はしておいていただきたいと思います。 それで、この台湾有事が発生すれば、日本の領土であるこの、先ほど言った先島諸島等々も、尖閣諸島も含めですね、戦闘に巻き込まれる可能性が高いわけです。先に台湾に侵攻する前にそういったところを、中国からすれば、台湾の一部が尖閣だということになりますので、自分の領土だと主張すると思いますが、そこら辺をしっかりと押さえた上で侵攻計画を練ると、あるいはいろんなサイバー攻撃などをするということなどなどもあるわけですが、したがって、関係機関と連携をして住民の確保やあるいは避難などを図る必要が出てくると思いますが、大臣は国家委員長でもあり、この領土問題担当でもありますが、大臣の御所見があれば、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 私は、領土担当、あるいは海洋政策担当しております。しかし、今日はこの法案、議題としていただいております担当大臣として、その台湾有事の仮定の御質問には控えさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、政治家として、日本政府として、我が国周辺の様々な安全保障に関わる内外情勢、こういったことについては常に緊張感を持って対応する気持ちも持っていなきゃいけないと、こういうふうに思っています。 本日、安全保障を確保するために、政府を挙げて、土地等の管理を含め万全の対策を講ずる必要があると考えておりますので、本日のこの課題について説明をいたしながら、御理解をいただく努力を更に続けてまいりたいと存じます。
○柴田巧君 先ほど浅田議員が午前中の質疑でもお話ししたように、無人島がドローンのこの発着のそういった施設になったりすることなどなども想定もしなきゃいけない。そういう意味で、領土をしっかり守っていく、あるいはそういった無人島等、国境離島をしっかり守っていくのは非常に大事なことだと思っています。 この台湾有事が起きれば、台湾の在留邦人の安全をいかに確保し、避難させるかも問われてきますし、台湾からも大量の避難民が来るかもしれません。そういう有事に際してあらゆる情報を総合して判断を行うには、台湾当局との直接の情報交換が重要だと思いますが、日台間のやっぱりハイレベルの交流、公的交流協議、こういったものが必要になるんじゃないかと思いますが、外務省にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。 仮定のことについて申し上げるのは控えさせていただければと思いますけれども、その上で申し上げさせていただきますと、海外に渡航、滞在する邦人の保護は外務省の最も重要な責務の一つでございまして、一般に平素から在外邦人の保護や退避が必要となる様々な状況を想定し、必要な準備、検討を行っております。 台湾とのやり取りにつきましては、我が国民間窓口機関である日本台湾交流協会を通じ、邦人保護を含めて、平時から様々なやり取りが行われておるというところでございます。例えば、先週の台湾へのワクチン百二十四万回分の供与も極めて迅速な対応ができたというふうに考えております。こうした問題も含めて、日本と台湾との間での意思疎通は緊密に行われているものと考えております。 引き続き、台湾との関係につきまして、基本的な立場を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 ありがとうございました。 済みません、大臣、通告はしてないんですけど、今のこの問題に関連して、この法案の見直しの規定については、政府ではこう答弁しているわけですね。見直しの過程では、安全保障をめぐる内外情勢等を勘案しつつ、更なる政策対応の在り方について見直していくというか、そう述べていらっしゃるわけで、先ほどもそう室長おっしゃっていたと思いますが、となると、これ、仮にですが、台湾有事など、そういう本当に大きな、日本を取り囲む安全保障上の問題が起きたら、当然この法案もいろいろと見直しを即座にする必要性が出てくると、そういう理解でよろしいかどうか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 直接的に台湾有事についてのこの法案についての関連性は今現在は申し上げることができませんけれども、様々な、この数年の間でも、この国を取り巻く安全保障の環境が変わってきたということを申し上げてまいりました。 この法案については、この数年来の地方、あるいは様々、私たち政治家としてのその認識について、不安、懸念、リスクがあることを申し上げ、そして防衛施設等の機能阻害行為を何とか防がなきゃいかぬということでございますので、今の仮定の御質問については改めてお答えは差し控えたいと存じます。
○柴田巧君 時間が来ましたので今日はこの辺で終わらさせていただきますが、やはり危機管理というのは非常に、最悪の事態を想定してやっぱり準備をしていくという必要があると思います。大地震は直前じゃないと分かりませんが、こういう有事はだんだん予見できる、不幸にして、なりつつあるということも頭に入れていただいて、そういう、最後は、しっかりと国家国民を守れるように努力をしていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。 午前中、連合審査ございまして、私どもの大塚からも、大塚委員からも質疑ありましたとおり、この法案につきましての必要性については私たちも理解をしているんですが、やはり今までの質疑を通じましても、まず一つに、本当にこの法案が、一番皆さん懸念しているとおり、ほとんどのことが、後々、基本法令、基本方針とか政令に委ねますということで、その中で、やはり過度な監視が行われないのかという懸念がどうしても強くあるということを思っております。一方で、この法律をやっぱり出す最大の目的である国防というか安全保障がこの法律によってきちんと高められるのかという、この二つがしっかりと担保されなければ、法律制定してもなかなか意義を感じられないということになってしまうと思います。したがって、今日は特に、過度な監視になっていないのかというところから是非質疑をしていきたいと思います。 まず一つ目に、法の包括委任と国会報告ということについてであります。 近年の政府に提出される法案が、どうも条文に政令、省令で定めるというものが増えているように思えます。特に、前回の委員会で立憲民主の吉川議員も指摘をされましたが、この法律に定めるもののほか、この法律の規定の実施に関し必要な事項は、政令、省令で定めるとする包括委任規定を置く法案が、この法律でも第二十四条でこの規定が入っているということであります。 本法案では、資料一にお示ししましたとおり、土地関連施設の具体化や損失補償に関わる収用委員会への裁決申請の手続、特別注視区域の指定に関わる関係地方公共団体の長への報告事項等々、記載のとおり、政令に委任されるということや、第五条、第十二条に定められている注視区域や特別注視区域の指定方針など対策方針も、政府が決める基本方針に委ねられております。 かつてIR法案を検討したときのこと少し思い返してみていたんですが、あのときも、三百三十一項目です、この政省令に委ねられるという項目が。もう採決を目前にした朝の五時です、朝の五時に関連の内閣府から私ようやく受け取りまして、そこから時間を本当にもうなかった中で整理をしながら、じゃ、この政省令どうなっていくんだろうかということを質問組み立てた記憶があります。 それでも、この国会の中の質疑においては、その三百三十一が出てくる前にも、懸念される事項として、予定されているこの政省令の内容についてかなり深く政府ともやり取りをさせていただきました。 例えば、特定の複合観光施設とはということの中に政令で定める基準に適合するものと書いてあるんですけれども、それでも、例えば国際会議場というのが指定されていたんですが、どれぐらいの面積なんですかと聞いていたときに、答弁で、ほぼ収容一千人以上を想定しておりますと大臣から答えていただいたり、宿泊施設としか書いていないものなんですが、どんな宿泊施設をイメージしていますかと言うと、十万平米以上ですとお答えがあったり、いわゆるゲーミングエリアというんですけど、それは全体の施設の何%、三%、これ全部答弁の中でいろいろと具体例が出てきてイメージができたので、質疑が深まっていったという経過があります。 私は、本当はこの法案でも、やり取りをする中で、ある程度でも結構なので、今考えていらっしゃる方向をやっぱり示していただいて、国会の役割としては、立法府の役割としては、法律制定に当たっては、やっぱり具体的に審議を深めていく役割があるのではないかなと思っているわけであります。このままいくと、具体的な方針が余りにもなさ過ぎて、立法府が軽視されているというふうにも思えて仕方がないわけです。 本法案では、経済活動の規制、私権の制限、個人情報保護に関わる行政の執行を規定するものであるために、これらの政令や基本方針の決定に関しては、是非公表前にやはり国会に対して報告をしていただきたいと思いますし、できれば、やっぱりここの内閣委員会で審議を皆さんとともにしてきているわけですので、内閣委員会、理事会でも結構ですが、何らかの形で国会の関与をということを是非必要と考えますが、大臣、御答弁お願いします。
○国務大臣(小此木八郎君) 国会報告についてですが、本法案に基づく措置の実施状況について、その透明性を確保する観点から、毎年その概要を取りまとめた上で、国会を含め広く国民に対して公表することを検討いたします。
○矢田わか子君 やはり皆さんの懸念は、もう法律が通ってしまうと、一応その審議会ですか、審議会にも意見を聴取しますということになっていますが、政令、省令というものでほとんどが決められていってしまうというふうなことに対する懸念なわけですね。 ですから、是非審議会の議事録の公開も求めたいと思いますし、とにかく民主的な運営を求めたいんです、大臣。是非お願いできませんか。
○国務大臣(小此木八郎君) 審議会の内容の公開についても、先日の内閣委員会において、広く国会を含めまして国民の皆さんに公開していくよう努めてまいりますとお答えをいたしました。 生活関連施設を定める政令の制定や区域指定について、安全保障上の問題がない限り審議内容、議事録を公開することを想定している一方、勧告等についての議論には、対象者の個人情報が含まれていることから非公開とすることを考えておりますけれども、先ほど申し上げたように、議事録公開することを想定して進めてまいりたいと存じます。
○矢田わか子君 議事録の公開も含めてやっていただけるということで今答弁いただきました。是非、今日は内閣府の役人の方も聞いていらっしゃると思いますので、是非透明性高めるということについては力点を置いてお取組をお願いしたいなと思います。 それで二つ目は、やはり皆さんがとても心配している機能阻害行為が不明確なことについての課題を質疑していきたいと思います。 具体的な事例が明確にならないために、今回の法律が目指すものがやっぱり曖昧、様々な解釈が成り立つということになっているのかと思います。立法事実の問題、そして法の実効性についての議論が生じています。三点、これに当たって質問したいと思いますので、可能な限り具体的な答弁をお願いしたいと思います。 まずその一として、サイバー攻撃など新たな技術による安全保障リスクとの関係についてお伺いします。 機能阻害行為については、安全保障をめぐる内外情勢、施設の特性等に応じて様々な態様が想定されることから、全ての類型を示すことは困難ということが何回も何回も御答弁には出てきますが、そして、それは基本方針にということなんですが、例えば、電波妨害の例示として想定されることとして自衛隊の無線交信での傍受、妨害電波の発信というものがありますが、こうした行為は、ポイントとなるこの土地が一キロというのが一つの数字でありまして、その重要施設とされるところから一キロなんですが、一キロ以上のところからでもこうした電子戦に関しては関係なくできるということがありますので、この土地規制が成立してもどれほど効果があるんだろうかという疑問があります。 かつ、野外の無線の暗号化、現在、宇宙戦争と言われるように、偵察衛星を使った情報戦、強化を防衛省もしていると思いますけれども、この防衛関係の官庁や企業が狙われる、そのサイバーセキュリティー対策、安全保障の対策としてやはり本当は本来であればもっと優先されるべきだし、強化されるべきだというふうに思います。 情報技術とか宇宙科学の技術が本当に進展しています、日進月歩であります。その中で真に安全保障に必要なもの、何が必要なのかということが議論の中心になってくると思いますが、その外国人の行動規制がどのような意味を持つのか、防衛省、お願いします。
○大臣政務官(松川るい君) 防衛省・自衛隊としては、社会全般におけるサイバー空間の安定的利用の確保は極めて重要であると認識しております。そのような認識の下、サイバー防衛隊などの体制拡充やサイバー人材の確保、育成などの各種取組を通じてサイバー領域の能力強化を図っているところです。 他方、防衛施設周辺における外国人あるいは外国資本による土地の取引、取得に関しては国家安全保障に係る重要な問題と認識をしており、防衛施設周辺の土地の利用状況を把握することは防衛施設の機能発揮を万全とするために必要であると考えています。 この点、本法案は、土地等の利用により安全保障上重要な施設に対する機能阻害行為が行われるというリスクに対応することを目的としていると承知しています。我が国を取り巻く安全保障環境が不確実性を増している状況に鑑みれば、こうしたリスクがあるものと考えており、事後的な対応では安全保障上取り返しが付かない事態となるおそれがあるものと認識しているところ、安全保障上のリスクとなる機能阻害行為を未然に防止できる本法案は、防衛関係施設の機能発揮を万全にする観点からも意義があるものと考えております。
○矢田わか子君 サイバー攻撃等に対する対応はきちっと強化をされるという一方で、これ地上戦ですよね、一キロというのは。午前中の質疑を聞いていても、この一キロの意味が分からなかったんですけど、銃器の防衛範囲ということで一キロなんだというお答えがあったかと思いますので、どちらも強化していくという考え方でよろしいということですね、はい。 一方で、ただ、防衛の強化という意味は分かるんですが、皆さん一番心配しているのは、住民の運動ですよね、こういったものの介入をこれによってされないのかという懸念だというふうに思います。 これまでの審議の中ででも、やはり自衛隊の活動に関する安全保障の観点から具体的な機能阻害行為などなかなか明らかにならないという中で、国民の間では、やはりこの法の目的が何なのかと、基地反対運動を抑制したり、在日の外国人への管理強化をするのに利用されないのかというふうな声も上がっております。在留外国人の人権の尊重、それから、基地や飛行場など重要施設の周辺に住む国民のプライバシー保護に万全の対策を講じるという姿勢をより明確にする必要があるのではないかと思います。 大臣、こういった国民のこの懸念ですね、私たちを取り締まるためなんじゃないかという懸念に対して、しっかりとそうではないという姿勢をもっと強固に打ち出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 度々申し上げますけれども、自衛隊施設等に対する市民の活動がございますが、この取締りを目的とした制度ではございません。安全保障の観点から、土地等の利用状況を調査して、重要施設等の機能を阻害する利用行為を規制するものであると重ねて申し上げます。このため、単に外部から防衛関係施設を見ている場合、平穏に集会やその準備等を行っている場合については、機能阻害行為として本法に基づく勧告、命令の対象となることは想定していません。 御指摘のあった基地反対運動、これは一般に、道路や公園のような公共の土地で行われる場合があると承知しておりますけれども、そうした運動に参加している方々は、自らが所有や貸借等をしていない土地を利用しているにすぎず、権原に基づく利用者に当たらないものと考えております。 また、本法第三条において、この法律の規定による措置を実施するに当たっては、個人情報の保護に十分配慮しつつ、必要な最小限度のものとなるようにしなければならないと、この規定を設けており、御指摘の在留外国人の人権の尊重、国民のプライバシー保護についても徹底してまいります。 こうした調査を行う過程で収集した個人情報については、内閣府に新設する部局が一元的に収集、管理することとしており、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づき、例えば、目的外使用は行わない、情報漏えい対策を講じるなど、厳格な管理を徹底してまいります。 なお、昨年、内閣官房で開催した国土利用の実態把握等に関する有識者会議において、過度な私権制限や個人情報の不適切な収集が行われることのないよう、目的に即した抑制的な制度設計とすることが求められるとの意見を、提言をいただいたことを改めて申し上げます。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 全労連さんからも、この参議院の参考資料にも載っているとおり、声明が出されております。特に沖縄なんです。沖縄では多くの住民が軍事基地周辺一キロ以内に居住している、基地負担に苦しむ沖縄県民を監視対象とするんじゃないかというふうなことの懸念がやっぱり表明されているわけですよね。そうじゃないんだというふうなことも含めて、しっかり沖縄については特に、私は知事も含めて地方公共団体の皆様ともお話をしていただけないかなと。これから基本方針に示される注視区域に、もしもですよ、万が一でも指定されるようなことがあるのであれば、やっぱりきちっと話合いもしていただかないといけないかなというふうに思いますので、それは私たち国民民主からの提言とさせていただきたいと思います。 それから、勧告、命令、九条、それから損失、十条の補填の流れについてお聞きをしていきます。 今回、特にやはり罰則が付くということが、刑事罰が付くということが重くのしかかってきている法案だというふうに思います。注視区域内の土地利用者、注視区域ってどこになるんですかということも明確にならない中で、その土地利用者が機能阻害行為をする場合、この機能阻害行為も明らかにならない中で、でも、何かあったときに勧告され、命令、それに従わなければ罰則、罰則じゃない、刑事罰ですよ、付きますということなので、皆さんやはりこれに対する懸念があるんだと思います。損失がしかも生じた場合には、損失の補填とか買取りも、国が買取りができるということまでも規定をされているわけなんですが、やっぱり機能阻害行為そのものが明確でない中で、具体的なイメージが湧きにくいんですよね。 通常、例えば、生ずべき損失があったときに損失補填しますとありますが、その通常生ずべきというのは何を指しているのか、若しくは特別な事情がない限り国は買い入れますとあるんですが、その特別な事情って何なんだろうかというふうなことも含めてなんですが、どんなケースを想定されているのか、少し御説明いただければと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 本法において、勧告や命令を受けた者が勧告等に係る措置をとったことにより損失を受けて又は他人に損失を与えた場合には、損失を受けた者に対して通常生ずべき損失を補償することとしています。また、勧告等に係る措置をとったことにより土地等の利用に著しい支障を生じる場合に、土地等の所有者から買入れの申出があれば、特別の事情がない限りこれを国が買い入れる旨を規定しております。 損失補償の範囲については、例えば、防衛関係施設の周辺にある土地の利用者が当該施設の機能を害する意図なく構造物を設置したところ、当該構造物が施設の機能を阻害していると認められる旨の勧告を受け、当該構造物を撤去した場合、その費用等を補償することが考えられます。また、土地等の所有者からの買入れの申出については、例えば、特段当該施設の機能を害する意図なく設置した構造物について勧告を受け、当該構築物の撤去を行ったために目的とする事業が営めなくなる場合等が考えられます。
○矢田わか子君 大臣、いろいろ今例示をしていただきましたけれども、私、そういう例示がすごく大事だというふうに思っています。 例えば航空法における安全阻害行為禁止規定というのが出されていまして、今日資料二でお配りしたんですけど、これなんかはもうきちっとやっぱり何が安全阻害行為なのかという例示があるわけですね。乗降口又は非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為とか、便所において喫煙をする行為とか書いてあるわけですよ。 だから、今大臣が読み上げていただいた、おっしゃっていただいたようなものをやっぱりしっかり文書化して残して、こういう行為を指すんですよという、可能な限りで結構なんですが、やはり例示をしていくということが大事なんじゃないのかなと思っています。今後の基本方針、政令、内閣府令の策定において、より具体的なものを出して、やはり国会にも報告をしていただきたいということを御要請申し上げておきたいと思います。 ちょっと最後、時間がありませんので、有人国境離島のことに移りたいと思いますが、午前中の質疑でも、有人国境離島が、今、国境離島として四百八十四、有人が百四十八という御答弁がありまして、注視、特別注視区域の候補としてこれ挙げられております。 そんな中で、一つの法律が先に先行して出されております、この特措法ですね、韓国資本の土地買収が続き、過疎化が止まらない対馬について、現状の離島振興法では不十分という認識から、対馬だけでなく有人国境の離島を振興することを主眼とした特別措置法が二〇一六年に成立、二〇一七年四月に施行されております。資料四にお示しをいたしました。 対象は八都道県、計七十一島となっておりますが、この七十一島に対しては、様々な施策を通じて、人がやっぱりいるということそのものが、公的な機関、国の行政機関が設置しているということそのものが抑止力になって、住民が生活することによって不法入国を防ぐという効果があると考えられます。 この特措法による予算の執行状況、それから過疎化を食い止めるためのこれまでの政策効果、まとめていらっしゃるようであればお聞きしたいですし、私は、これ七十一島しかないんですが、ほかの、じゃ、有人の七十六島、残り七十六島はそういう指定せずにこれからどういう方向なのかなということも気になっておりますので、答えれる範囲でお願いしたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) 今おっしゃいました交付金を送っておりますけれども、これについては、私自身も就任直後、長崎県の福江島を訪問しました。 内閣府において、有人国境離島法に基づく施策を推進するため、離島住民向けの航路、航空路の運賃の低廉化、農水産物やその原材料等の移出入に係る輸送コストの低廉化、雇用機会の拡充、滞在型観光の促進に係る支援等を行っています。毎年、五十億円の予算のうち例年九割程度が使われており、本交付金を通じて特定有人国境離島地域の地域社会の維持を図っているところであります。 交付金等を活用してワーケーションの設備を整えたホテルや廃校を改修したグランピング施設を視察したほか、島外から移住した方々と意見交換をいたしましたが、そうした中で、交付金が有意義に活用されることが重要であったと感じられます。特に、昨年の人口の社会増、これは転入が転出を上回るという現象が、長崎県の五島列島や島根県隠岐諸島の島々ではこの現象があったということで一定の効果があったものということで、今後もこうした取組を着実に実施をしてまいりたいと存じます。
○矢田わか子君 有人国境のこの特措法の活用も含めて、地域振興だけでなくて、人がいるということが防衛にもつながりますので、是非活用をお願いしまして、質問を終わります。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 まず、先ほどの塩村議員に対する大臣の答弁を確認したいんです。 塩村議員は、沖縄での基地周辺の座込みなど、そういう参加者が調査の対象になるかという質問をしました。大臣は、土地等の所有などの権原を有する者に限られると、調査の対象はとお答えになった。ということは、六条、土地等の利用の状況についての調査、これ現況調査も含まれますね。これは土地等の権原を有する者のみが対象であって、その他の土地等の利用者を対象とすることは六条に違反する調査だと、そういうことになるんですか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 御指摘のとおりでございます。
○田村智子君 もう一度確認します。六条は条文上調査の対象を何も限定していませんが、この六条の調査というのは、土地の所有、賃借、こういう権原を持つ者だけの調査ということでよろしいんですね。(発言する者あり)
○委員長(森屋宏君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(森屋宏君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(木村聡君) 大変失礼いたしました。お答え申し上げます。 御指摘ございました第六条に基づきます調査でございますけれども、土地等につきまして、所有権、賃借権等についての権原を持っていらっしゃる方を対象にするというのが基本でございます。 ただし、ここはちょっと訂正をさせていただきたいんでございますけれども、例えば、土地等の利用者の方が法人でいらっしゃる場合、その法人の役員の方というのは、これは厳密な意味では、その役員個人としてはこれ権原を持っておられないんですが、そういう場合は六条に基づく調査になり得るものと考えているところでございます。 一方で、先ほど御指摘等ございました、基地に対する反対等の活動をされておられる方、こういう方は通常、土地等に関する権原を持っておられない方というふうに受け止めておりますので、そういった方は六条の調査の対象にはならないと、こういうことでございます。 以上でございます。
○田村智子君 これ、現況調査は六条に基づくという説明を受けているんですよね。現況調査、実際にどう使われているのか、その土地に行っての調査。そのときに、そこの人が、所有者なのか、賃借権を持つ人なのか、法人の役員なのかなんて分かりようがないじゃないですか。分かりようがないんですよ。現況調査、現地に行って、どういうふうに土地が使われているかという調査。 それと、六条というのは、八日の日に山添議員質問しましたけれども、何の対象の限定も置いていないんですよ。土地等の利用の状況についての調査としか書かれてないんですよ。ここに現況調査が含まれると答えているんですよ。だから、答弁と条文が違うんですよ。もしもそう言うんだったら、条文にそう書くべきですよ、調査の対象を。書いてもいない。これ、本当にちょっと審議の前提を欠いているんですよ。どうやって現況調査やるんですか、これで。 午前の審議でも防衛大臣が、注視区域と特別注視区域について、自衛隊の施設どうなんだ、どうなんだと詰められていく中で、審議会が決めるということまで言われたんですね。審議会にそんな権限ないですよ。ちょっと余りに不正確で不誠実で、条文にのっとってないんです、答弁が。ちょっとこれ本当に法案の審議の前提を欠いています。 本当はもう止めてくれと言いたいところなんですけれども、今日はちょっと質問はやりますけれども、ちょっと次回の審議までに会議録精査してくださいよ。 それから、現況調査というのが、じゃ、何なのか。現況調査って実は法文上も出てこないんですよ。だけど、皆さんのポンチ絵、その説明資料の中には現況調査という言葉出てくるんですよ。これが一体何を指しているのか、分かるように、次回までにきちんとした報告を本委員会に求めたいと思います。
○委員長(森屋宏君) 後刻理事会において協議いたします。
○田村智子君 では、私は、今日は、注視区域がどのように指定されるのかということですね。 法案の立て付けをまず押さえておきたいんですけれども、まず第二条で重要施設それから国境離島等を定義する、その中から第五条にのっとって注視区域を指定し、さらに注視区域の中から第十二条にのっとって特別注視区域を指定するんですね。だから、まず重要施設というのが何かということが重要になってくるんです。 この二条二項では、一で自衛隊の施設、安保条約の地位協定に定める米国の施設、つまり在日米軍の施設、二で海上保安庁の施設、さらに三としていわゆる生活関連施設というふうに置いているんですね。 これまでの答弁では、その三の生活関連施設については、原子力発電所と、自衛隊との共用する空港と、それ以外は考えていないという答弁が繰り返されているんです。ここまで限定するのであるならば、なぜ三に原子力発電所、自衛隊との共用空港と、こういうふうにお書きにならなかったのか、なぜ条文で規定しなかったんでしょうか。
○政府参考人(木村聡君) お答えさせていただきます。 法律に規定しております防衛関係施設と海上保安庁の施設は、安全保障の観点から普遍的な重要性を有するものだと考えているところでございます。一方、御指摘ございました生活関連施設、私ども重要インフラ施設と呼んでおりますけれども、こちらにつきましては、安全保障をめぐる内外情勢でありますとか施設の運営の在り方などに応じまして安全保障の観点からの重要性が変化し得るものと、このように考えてございます。 このために、政府の方におきまして迅速かつ適切に類型の変更、これは追加であったり削除であったりということが考えられるわけでございますけれども、そういった変更が行えますように、法律の規定といたしまして、「その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるもの」という要件を設けさせていただきました上で、具体的な施設の類型は政令で定める仕組みということにさせていただいたということでございます。 この仕組みの下では、例えば、安全保障の観点からの重要性が低下した施設の類型を機動的に政令指定の対象から外し、区域の指定を同時に解除いたしますれば、速やかに調査や利用規制等の対象外とすることが可能となると、こういうことでございます。 以上でございます。
○田村智子君 それは、国際情勢や安全保障上の理由で拡大し得るという答弁なんですけれども。 国民保護法第百二条は生活等関連施設を規定して、その施行令二十七条で具体的に発電所、変電所、ガス精製施設等、浄水場など水道施設、一日平均十万人以上が利用する鉄道施設、電気通信施設、国内放送の施設、港湾、空港、河川管理施設、危険物取扱所、これらを具体に指定をしています。 既に安全保障上の理由でこれだけの施設を政府は生活関連等施設というふうに定めているわけですね。そうすると、今後これらを重要施設というふうにすることはないんでしょうか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 先生御指摘ございました国民保護法につきましては、これ有事を想定したものであると認識してございまして、平時をベースとしております私どもの法律、法案とは趣旨が異なるのかなというふうに認識をいたしているところでございます。 したがいまして、生活関連施設、生活関連等施設と、微妙な呼び方の違いがあるわけでございますが、私どもの法案の中では、国民保護法にはございません、先ほども御答弁させていただきました「その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるもの」という要件を付加させていただいているところでございます。 現時点におきましてこの政令で指定を考えておりますものは、御指摘ございました原子力関係施設と自衛隊が共用する空港と、この二つの類型を考えさせていただいているところでございますが、この先の安全保障の、めぐります環境の変化に応じますれば、その他のものにつきましてもこれ指定する可能性がないというわけではございませんけれども、いずれにしましても、そういう事態になりましても、法定しております審議会に付議をいたしますなど、適正な手続に従って慎重に判断をさせていただくと、こういうことでございます。 以上でございます。
○田村智子君 今言われたとおり、国民保護法の方は有事の立法だと。今回、これは平時の土地等の利用状況の調査なんですね。 ちょっと、大臣お答えいただきたいんですけど、だったら、条文上、原発と自衛隊共用空港と、こう書いて、それでいろんな情勢の変化が起きているんだったら、法改正で提案するのが筋なんじゃないでしょうか。 これ、生活関連施設って非常に影響大きくなるんですよ。例えば鉄道、一日平均的な利用者十万人以上の駅は、これはホームドアの設置対象でもあるので、国交省が出している資料を見ると百二十五駅にも上るんですよね。この対象がどうなるかというのは国民に対して大変大きな影響を与えます。だから、国会審議は私は必要だと思います。 なぜ条文で書かないのか。なぜ政令に委ねてしまうのか。いかがですか。
○国務大臣(小此木八郎君) 生活関連施設については、安全保障をめぐる内外情勢と施設の運営の在り方などに応じて安全保障の観点からの重要性が変化し得ます。 このため、政府の責任において迅速かつ適切に類型の変更が行えるよう、法律の規定として、「その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるもの」という要件を設けた上で、具体的な施設の類型は政令で定める仕組みといたしました。 この仕組みの下では、例えば、安全保障の観点からの重要性が低下した施設の類型を機動的に政令指定の対象から外し、区域指定を解除すれば、速やかに調査や利用規制等の対象外とすることが可能となります。
○田村智子君 これ全然おかしいんですよ。だって、予防的措置であって、しかも時間を掛けて調査をする対象ですよ。区域の周りの広大な区域を時間掛けて調査しなきゃいけないでしょう。そんな、そんなもう国会にかけるゆとりもないと。あり得ないですよ。あり得ないですよ。これ政令に委ねるなんて本当にあり得ないですよ、法の体系からいったって。 ちょっと次行きます。二条二項一、自衛隊の施設、在日米軍の施設、これはつまり二条二項の一で言うところでは、全ての自衛隊の施設と在日米軍の施設が重要施設ということでよろしいですか。
○政府参考人(川嶋貴樹君) お答え申し上げます。 本法案第二条二項第一号に規定している防衛関係施設としては、自衛隊施設の全てが該当し、その数は、宿舎施設、公務員住宅施設を除くと約千三百施設でございます。 また、米軍施設につきましては、地位協定第二条第一項(a)によるいわゆる米軍専用施設・区域の全てが該当し、その数は七十七施設でございます。
○田村智子君 全てが重要施設だと。そのうち、第五条で、周囲おおむね一千メートルの区域内で重要施設の施設機能を阻害する行為の用に供されることを特に防止する必要があるものを注視区域として指定することができるということなんですね。 それで、この間、この入らない自衛隊の施設って何なんだという答弁については、自衛隊の宿舎が例として挙げられました。ここは対象外となるんじゃないのかと。米軍基地については、自衛隊施設の周辺区域の指定の考え方等を踏まえて指定していくという、米軍と、アメリカと協議の上という答弁もありました。 それでは、この自衛隊の宿舎は対象外という考え方に立てば、米軍住宅の周囲というのも入らないという方向になるかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青木健至君) お答え申し上げます。 在日米軍施設・区域につきましては、自衛隊施設に関する指定の考え方等を踏まえつつ、管理者である米軍との間で施設の運用状況や重要性等の詳細を確認した上で区域の指定を行う必要がございます。このため、在日米軍施設・区域の指定の在り方について予断を持ってお答えすることは差し控えます。 その上で、指定に際しては、米軍との間で施設の詳細を確認しつつ、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、政府の判断として、必要最小限の原則の下、真に措置が必要となる施設・区域を特定していくというふうに考えております。
○田村智子君 この米軍基地の周辺というのでどこが指定されるのかというのは、これ沖縄にとっては、午前中の伊波議員の質問を聞いても本当に重大問題なんですけれども、これは東京も人ごとではないと思っているんです。 資料でお配りしました一枚目は、東京都内の在日米軍基地の一覧です。港区にある赤坂プレスセンター、これは星条旗新聞社、宿舎、ヘリポートが入っています。五市一町にまたがる横田飛行場、府中通信施設、多摩サービス補助施設、これゴルフ場、キャンプ場ですね。清瀬市の大和田通信所、硫黄島通信所、港区のニューサンノー米軍センター、これ宿舎。羽田郵便管理事務所。この中で、周囲が注視区域とはならないと考えられるもの、なかなかお答えにくいかもしれませんけれど、例えばゴルフ場、キャンプ場なんていうのは、これは除外して当然じゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(青木健至君) お答え申し上げます。 今お答えにくいというふうにおっしゃっていただきましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、在日米軍施設・区域の指定の在り方、これにつきましては、この段階で予断を持ってお答えすることは差し控えたいというふうに思っております。
○田村智子君 宿舎だけでなく、ゴルフ場、キャンプ場についても、なかなか対象にはなり得ないという答弁もできないということなんですよね。 これ、私これまでの議論を聞いていても、全ての自衛隊の施設、在日米軍施設はまず重要施設なんですよね。その上で、機能を阻害する行為を特に防止する必要がある施設は周囲を注視区域にする。さらに、その中から、他の施設による機能の代替が困難、代替が困難という施設は特別注視区域に指定すると。 そうなりますと、機能阻害を防ぐ特段の必要がない施設、その必要がある施設、とりわけ必要性が高い施設という三段階で自衛隊の基地と米軍基地を言わばランク付けすることになるんじゃないかというふうに思うんですけど、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(小此木八郎君) この法案に基づく区域指定は、その機能を阻害する行為を防止することが必要な重要施設についてそれぞれの周辺を指定するものであって、自衛隊施設の機能ランクを付ける趣旨で行うものではありません。 自衛隊の施設に関し、機能を阻害する行為の用に供されることを特に防止する必要があるとの要件に該当し得るものとして、部隊等の活動拠点となる施設、部隊等の機能支援を行う施設、装備品の研究開発等を行う施設、我が国の防衛に直接関連する研究を行う施設が注視区域の検討対象になるものと認識しています。 また、機能が特に重要なもの又は阻害することが容易であるものであって、他の重要施設による機能の代替が困難であるものとの要件に該当し得るものとして、指揮中枢機能及び司令部機能を有する施設、警戒監視、情報機能を有する施設、防空機能を有する施設、離島に所在する施設が特別注視区域の検討対象になるものと認識しています。 実際の区域指定については、法律の要件や基本方針の内容に照らして、経済的社会的観点から留意すべき事項も勘案しつつ、個々の区域を評価、そして新たに設置する土地等利用状況審議会の意見を伺った上で指定の要否、範囲等をそれぞれ判断してまいります。
○田村智子君 大臣はランク付けじゃないと言いますけど、防衛省が区域指定の候補リストの提示を拒んでいるのも、まさにその理由が施設ごとの機能の重要性を示すことになってしまうということを理由にしているじゃありませんか。事実上のランク付けだと認めているようなものですよね、防衛省は。 そうすると、私は、米軍基地に対して、自衛隊はまだ自分たちの施設だから、この国の施設だから、そうやって司令機能があるとかいろいろ類型立てることができるかもしれませんけど、アメリカ軍の基地に対して、言わば施設の重要性のランク付けを内閣総理大臣が行うに等しいような区域指定を行う、これ、そんなことできるのかなというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(青木健至君) お答え申し上げます。 繰り返しになりますけれども、在日米軍施設・区域の指定の在り方については予断を持ってお答えすることは差し控えますが、その上で、実際の指定に際しては、米軍との間で施設の詳細を確認しつつ、審議会の意見を伺った上で、その上で、政府の判断として、必要最小限の原則の下、真に措置が必要となる施設・区域を指定していくというふうに考えております。
○田村智子君 在日米軍は今、低空飛行とか夜間離発着訓練とか市街地でも行って、どんな危険な訓練しても、安全保障上米軍が必要だと判断すれば国内法はお構いなしだし、日米協定でさえもお構いなしという状況で、それに対して政府は事実上何の意見も言えない状況ですよね。政府が意見言って改善されるなんてことないような状況ですから。そうすると、区域指定の対象にならないという米軍基地が果たしてあるんだろうかと。私は、広範囲に特別注視区域に指定されることにならないかというふうに疑念も持たざるを得ないんですよね。 資料の二枚目は、赤坂プレスセンター周囲一キロメートルを記したものです。これ、その一キロの中に、地名で言いますと、六本木と南青山のほとんどが入り、西麻布は全域が入り、南麻布、元麻布、広尾、赤坂も一部が入る。六本木ヒルズなど高層ビル、土地、建物の権原有する者、利用する者、膨大な人たちがいる、そういう地域になるわけですね。 こういうところまで不動産売買の事前届出が義務付けられる特別注視区域に指定されるということはあり得るわけですよね、確認しますが。いかがですか。
○政府参考人(青木健至君) お答え申し上げます。 実際の指定に際しましては、米軍からしっかりと運用状況を確認しつつ、政府として、法の趣旨、この今法案御審議いただいています法の趣旨に照らして、その妥当性につきまして様々な要素を総合的に勘案をしまして主体的に判断をするというふうにしております。
○田村智子君 あり得るんですよ。それで、アメリカ軍の運用状況をどこまで細かくそんな精査することができるかということですからね。 それで、ただ、この注視区域、特別注視区域では、市街地をめぐって、経済的社会的観点からという要素が、基本方針について定める第四条の中で括弧の中に入って出てくるわけですよね。これ公明党からの要望で入った文言で、経済的社会的観点から、その周囲を特別注視区域に指定する機能を持つ施設であっても、特別注視区域に指定する機能を持つ施設であったとしても注視区域にし得るという答弁が八日の日には公明党の議員の質問に対して示されてもいます。 ますます訳が分からないんです。この経済的社会的観点というのは何なんでしょう。条文上何の説明もありません。何を意味しているんですか。
○国務大臣(小此木八郎君) この法案自体が、安全保障と自由な経済活動の両立をまず図ることを大前提としているということ、度々申し上げてまいりました。注視区域又は特別注視区域の指定は、指定に伴う社会経済活動への影響を安全保障上の要請に基づく合理的かつやむを得ない範囲に限定する必要があると考えております。閣議決定する基本方針においては、そうした考えを明らかにするため、法第四条第二項第二号に規定する、おっしゃった経済的社会的観点から留意すべき事項を示すことといたしました。 具体的な内容について基本方針で定める予定でありますが、現時点で、例えば、重要施設の周辺に密集市街地が形成されている場合、その区域における社会経済活動への影響、施設機能の阻害行為の兆候等の把握が困難であるかどうかといった重要施設の周辺の実情、重要施設自体の形状や周辺区域における地形、国有地の所在状況などを考慮し、区域指定の要否、区分、範囲を判断するという考え方を明らかにすることを想定しております。 この経済的社会観点から留意すべき事項を踏まえて評価した結果として、土地等の取引に関する事前届出が必要となる特別注視区域の指定では、法定するその要件に該当する区域であっても注視区域として指定することがあり得るものと考えていると申し上げてまいりました。 具体的な区域の指定については、施行後に、個々の重要施設の周辺や離島ごとに法律の要件や基本方針の内容に照らして評価し、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、必要最小限の原則を踏まえ適切に判断してまいります。
○田村智子君 これ、説明できないですよね。なぜこの地域が注視区域で、なぜここの地域が特別注視区域か、これ説明できなくなってくるんじゃないですか。結果で、結論的に言えば、アメリカ軍の意向等、米軍基地周辺でいえばアメリカ軍の意向等、それ以外のところでいえば内閣総理大臣のさじ加減だと言わんばかりですよね。 それで、この法律、本当に安全保障上必要な法律だといいながら、基地機能のランク付けを言わば公にすることになってしまって安全保障上の問題が浮上してきていると、さらには、安全保障上とは異なる基準で特別注視区域が指定され得るという、この政策的にも法律としても、私は、ちょっと矛盾が余りにひど過ぎる、法体系として破綻しているんじゃないかというふうにちょっと率直に指摘せざるを得ないんですね。 次に行きます。土地等利用状況審議会についてです。 今言った基本方針で定めること等々も含めてなんですけど、生活関連施設をどうするのか、あるいは注視区域、特別注視区域の指定、その変更、それから勧告、これらは事前に土地等利用状況審議会の意見聴取が義務付けられています。これ、国民主権に関わる重要事項の意見聴取になるんですね。ところが、その委員は内閣総理大臣の任命だと。 先日、吉川議員からも質問ありましたけれども、国会同意人事にしないのはなぜなんでしょう。
○政府参考人(木村聡君) お答えさせていただきます。 委員の任命につきましては、本法律の趣旨、目的に照らしまして内閣総理大臣が責任を持って判断するものでございまして、国会同意人事とはさせていただいていないということでございます。 なお、委員の任命に当たりまして国会同意を要するものは、内閣から独立した機関、これ会計検査院でございます。そして、いわゆる三条機関、これ公正取引委員会あるいは国家公安委員会などでございます。そして、いわゆる八条委員会のうち、常勤の委員がいるもの、行政処分に対する不服申立ての審査を行うものなどが一般的でありまして、この法案には適合しないものと考えているところでございます。 以上でございます。
○田村智子君 そうなんですよ。結局、審議会を置いても総理の判断だからという答弁なんですよね。 確かに国会同意人事を必要とする審議会等々見てみますと、審議会などを見てみますと、答申とか勧告、事前審査、不服審査、あっせん、こういう機能を持っているんですよ。一切そんな機能ないんですよ。審議会に意見をあらかじめ聞くという定義はありますけれども、その審議会の意見を尊重するともなければ、参酌するともないんですよ。ただ聞くだけなんですよ、あらかじめ聞く。 国民の主権やプライバシー権に関わる法律です。しかも、実施に関わる事項は法律でほとんど何にも縛りを掛けずに全て政令に委ねている、あるいは内閣府令にまで委ねている。その審議会さえも意見聞くだけ、そのメンバーは総理大臣の任命。何ら民主的統制などないですね。内閣総理大臣の判断だけで幾らでもいろんなことができてしまう、そういう法案だと言わざるを得ないんです。 最後に、残る時間、五年後見直しの問題での土地収用についてお聞きします。 八日の審議では、土地収用が今後必要になってくるんじゃないかという質問に対して、今後の検討、五年後の見直しに向けてというような答弁がありました。これ、五年後に向けて土地収用について検討するということがあるんでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 土地収用の措置については、有識者会議の提言において、今般の制度的枠組みの実施状況、有効性等を見極めた上で、安全保障をめぐる国際情勢、諸外国の取組等も踏まえ、慎重に検討していくべきとされてまいりました。 このため、本法案では土地収用は導入しないこととし、重要施設等の機能を阻害する土地等の利用に対し中止等の命令を行う利用規制の枠組みを採用いたしました。政府としては、土地等の利用状況の調査と利用規制を柱とする本法案によって、安全保障上のリスクとなる重要施設等の機能阻害行為の防止に努めてまいりたいと存じます。 その上で、衆議院の内閣委員会の附帯決議において、「収用を含め、更なる措置の在り方について、附則第二条の規定に基づき検討すること。」とされたことも踏まえつつ、附則第二条に基づく五年後の見直しの中では、措置の要否を含め、更なる政策対応の在り方について検討していく必要があると考えております。
○田村智子君 否定はされないわけですね。 法案の内容を知った市民団体からは土地収用の危惧の声が上がっています。 茨城県百里基地の資料を最後のページで付けました。ここは滑走路の横に並行している誘導路がくの字に曲がっているんですね。国際的にもこういう誘導路を持っているのはここだけではないかというふうに思うんですけれども、なぜくの字になったのか。それは、農民が基地建設に反対して土地を売らなかった、そして今その運動を引き継ぐ皆さんの所有地として平和公園になっているからなんですね。 土地所有そのものが基地の機能を阻害しているとみなされて収用の対象となることがないのか、済みません、ちょっと時間が来てしまったので、ちょっとその答弁をお願いします。
○国務大臣(小此木八郎君) この御指摘のあった経緯等は必ずしも明らかではございませんが、いずれにしても、仮に民有地を避ける形で重要施設が設置されたという経緯があったとしましても、その民有地が平穏に利用されているのであれば、その土地の存在自体を理由として隣接する重要施設の施設機能を阻害する行為の用に供し又は供する明らかなおそれがあるものとは認められず、機能阻害行為として本法案に基づく勧告、命令の対象とはなりません。
○田村智子君 この土地収用についてはちょっと次回も一言述べておきたいというふうに思いますが、戦前から戦後に大転換が法律上あるわけですから、そのことを踏まえた議論というのが必要だと思います。 以上で終わります。
○委員長(森屋宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案の審査のため、来る十四日午後一時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十八分散会