内閣委員会 第17号
- 発言数
- 264 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2021/05/11
会議録
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告申し上げます。 昨日までに、宮島喜文君及び大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君及び北村経夫君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 デジタル社会形成基本法案外四案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案、以上五案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。 デジタル関連法案、今日が多分、私の質疑最後になると思うんですけれども、連日、本当に機会をいただきまして、関係の皆さん、ありがとうございました。 まだまだたくさん聞きたいこと、詰めなきゃいけないことは残っていると思いますが、特に今日は、このデジタル化で効果を出すこと、それから、いろんな権利関係で難しい問題がまだ残っていると思いますので、その辺りを重点的に質疑させていただきたいと思っています。 まず最初は、デジタル化と著作権の関係の話を少し行きたいと思っております。 政府がクラウドに例えばデータを保存する場合に、新聞記事とか雑誌記事とか、著作物に該当するデータを載せることがあると思います。著作権法の問題が生じる可能性があるというふうに思っておりますが、クラウド・バイ・デフォルト原則ということで、これまでは、今、中でのLANという形を中心にこの辺はクリアしてきたと思うんですが、これがクラウド・バイ・デフォルトで、まさにクラウド上になると公衆送信の問題が発生すると思いますが、この辺り念頭に置いて今回検討されてきたのか、IT室さんの方から御答弁お願いします。
○政府参考人(成田達治君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、クラウド・バイ・デフォルト原則とは、各府省で政府情報システムの構築に当たりまして、効率性であったり柔軟性などの観点から、クラウドサービスの利用を第一候補として考える方針を示したものでございます。 その利用の際の具体的な検討に当たりましては、導入を検討する省庁におきまして、保存するデータの性質であったり、御指摘にありました著作権法などの関係法令を勘案してシステムの利用の在り方が検討されるべきものと、そのように考えてございます。
○山田太郎君 今、各省庁で考えなさいという答弁でして、ちょっとこれは私は驚くべきというか、これはやっぱりデジタル庁さんなり文化庁さん著作権課と、この後も答弁してもらいますけれども、議論をするべきじゃないかなと。 申しますのは、実はこれ先行して、社会保険庁の職員が雑誌等をLANシステムの掲示板に掲載して事件になっておりまして、これ平成二十年なんですけれども、著作権法四十二条の侵害ということ、適用外とされまして、損害賠償と差止めが認められたという大きな実は判決を持っているんですね。かつ、著作権法四十二条だと、行政の目的での複製は可なんですけど、公衆送信は認められていません。 そういう意味で、職員の個人用フォルダでの著作物の保存は、複製なのでそれ自身は可かもしれませんが、同一構内からのみアクセスできるLAN上の共有フォルダでの著作物も公衆送信に当たらず複製なので可だと、ただし、クラウド上での著作物を保存、アップロードは公衆送信に当たり不可だということなんだと思いますが、この辺り、文化庁さん、現行の著作権法上、職員が行政目的のために取得した著作物を多数の者が利用するクラウドに保存、アップロードして共有する、多数というのは、多数の、関係複数の部局だとか職員がいますのでそれに当たると思いますが、大丈夫なのかどうか、共有できるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。 先生御指摘のように、著作物を不特定又は多数の者が利用するクラウド上に保存し、アップロードする行為は、著作権法上の複製及び送信可能化ということに該当いたしまして、原則として著作権者等の許諾を事前に得る必要がある、こういうことでございます。この許諾のことにつきましては、例えば新聞記事等につきましては、事前に契約等で包括的に許諾を得た上でアップロードを行うと、こういう方法もあるところでございます。 また、先生御指摘のように、行政目的の内部資料として必要と認められる場合など一定の要件に該当する場合は、著作権法第四十二条第一項の規定に基づきまして許諾なくして複製することができますが、送信可能化することは認められていないと、こういうことでございます。
○山田太郎君 これはすごく大問題でありまして、複製はオーケーなんだけど公衆送信化が駄目と言っているのはどういうことかというと、インターネット上で流すのには事前許諾が必要だと、こういうことなんですね。そうすると、根本的にクラウド・バイ・デフォルトを進めようということ自身が実は崩れてしまう可能性があると思っております。 そういう意味で、この問題、大臣にお聞きしたいと思いますが、私は、早急にこの著作権法四十二条の問題をきちっとクリアすると。行政がそもそも法律を犯しているという状態にならないように、複製及び送信可能化ということに関してきちっと法の整備をつつがなく追加してやるべきだと、こういうふうに思っておりますが、この辺り、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) デジタル化が進むということは、当然著作物の保護と利用の在り方について常に考慮していかなければならぬというふうに思います。 政府が今原則としているクラウド・バイ・デフォルト、クラウドをベースに基本的にはシステムを考えていこうということですが、直ちにさっき言った複製をそこに格納してということは余り想定はしていなかったんですが、そういうケースもあり得るということを委員の今日の御指摘で分かりました。 基本的には、政府情報システムの構築、運用に当たっても、保存するデータの性質と著作権法との関係などを常に考慮しながら法にのっとった適切なシステム運用とかデータ利用を行わなければならないのは当然のことでありまして、今後とも、文化庁を含めた関係省庁がやっぱり積極的に連携して、そのような問題に事前にいろいろケースを想定してその解決策を考えておくということが必要だと思います。 デジタル庁においても、もう当然そのようなことに関しては積極的に議論に参加をさせていただきたいと、そのように思っております。
○山田太郎君 是非、当委員会でも個人情報保護法との関係そのものについてはすごく議論してきたんですが、もう一個の著作権法ということに関しても非常に重要な、いわゆる個人その他の権利を侵す可能性もあるというふうに思っておりますので、どうか対処をお願いしたいと思います。 さて次は、効果を出す意味において、医療分野について少し触れていきたいというふうに思っております。 私、いろんな党の方で、例えば医療分野でデジタル化、どこで効果を出せるかということで、いわゆる電カル、電子カルテを普及しつつ、かつ、それだけではなくて、お医者さん、それから患者さん関係も、あるいは看護師さんその他の人たちがスマホでもってその電子カルテに例えばアクセスできる必要があるんではないかと、こういうようなことをいろんなケースからも考えまして、特に愛媛県にある石川HITO病院さんがすごく全国でも先駆けてこの電子カルテとスマホをうまく使って対応して、例えばリハビリの提供時間が物すごく増えたとか、労働外時間が短縮相当された、これ年間二千五百万円以上の時間外手当の削減ができたとか、あるいは働き方の時間としても相当いわゆる効果が出てきて改善されたんだと、こういうような議論であります。まさに、医療、介護におけるDX推進を図るためにBYOD、私的なデバイスを使ってできないかと、こういうことなんですね。 今、実は私的なデバイスに関しては、医療情報システム安全管理に関するガイドラインというのがありまして、これ令和三年一月に出されているものでありますけれども、原則として行うべきではないと、こういうふうになっちゃっています。なので、先ほど申し上げた石川HITO病院さんも病院の方が多額の投資を、もう一個の例えばスマホを持っているにもかかわらず多額の投資をしているというような状況下でありまして、一方で病院の多くも赤字でこれ以上の投資ができない、こういうようなジレンマもあります。 私自身は、BYOD、もちろんセキュリティーには最善の努力をしつつ、ある種のそこにガイドラインを作って、いわゆるできるようにするというんですかね、そういう取組、検討がなされてもいいと思うんですが、この辺り、厚生労働省さん、お願いします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 委員御指摘のように、厚生労働省では、医療機関において医療情報を取り扱う際に留意すべき事項として、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを定めてございます。 スマートフォン等のモバイル端末、特に個人所有の端末、BYODという形で使用して院外等で情報を確認することについては、一つは、医師の働き方改革あるいは医療機関の業務の効率化に資するというメリットがあるというふうに考えております。それと同時に、やはり外部に持ち出すということですので、使い方を間違えますと、医療従事者により個人情報を含めた情報が漏えいするリスクがあるということで、さっきもそのような事件がある病院でございました。 その両面がありますので、適切な利用が行われるよう、今後、両者の観点からそのガイドラインの記載をしっかり検討していきたいというふうに考えてございます。
○山田太郎君 ありがとうございました。 次に、教育分野に関しても、もう本当に幾つもこのデジタル化で効果を出すところを質疑していきたいんですが、何点か絞っていきたいと思います。 GIGAスクール構想で小中学生に一人一台端末が貸与されるということなわけでありますが、これ自身は非常に歓迎すべきことだと思いますが、ただ、子供のデジタルデバイドをやっぱりなくすために、私自身は、貸与ではなく支給に切り替えるべきなんじゃないか、こういうふうにも思っております。 一部の学校では、びっくりしたんですけれども、小学生、一年生にですね、これから皆さんにこのパッドを渡すけれども、六年たったらちゃんときれいに返してねと、君たちの後輩が使うんだからと。六年前の機種をそのまま使い続けるのかと、こういうふうにも思いますし、一方で、家に持ち帰るのかどうかという議論がありまして、文科省さんの方の公立学校情報機器整備補助金のQA集の中では、これは自治体の判断になるということになっているんですが、私は、そうすると、結局、家にいわゆるパソコン環境があるかどうか、あるいは、お母さんのスマホ、お父さんのスマホを使うということになると、おうちに親御さん帰ってこないと実は宿題なんかもできないとか、そういう部分もあると思っております。 そういう意味で、貸与というよりも基本的に支給ということに、結局減価償却だったりそういうこともありますので、切り替えて考えていくべきじゃないかということを思っておりますが、この辺り、文科省さん、いかがでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 文部科学省では、学校ICT環境の違いによりまして子供たちの学びに差が生じることがないようにということで、GIGAスクール構想に基づきまして全国の小中学校における児童生徒の一人一台端末の整備に取り組んでまいりました。 また、学校のみならず、今御指摘いただきましたように、ICT端末を自宅等での学習において活用することも有効と考えておりまして、自治体を始めとする学校設置者等に対しまして、家庭への持ち帰りを含め、様々な場面で端末を適切に活用するよう働きかけているところでございます。 今回整備いたしました端末につきましては、学校の授業や家庭での学習において使用するということを念頭に学校に必要な備品として整備いたしましたので児童生徒個人に支給するものではございませんけれども、引き続き、学校設置者等とも連携しながら効果的な活用の促進に取り組んでいきたいと考えております。
○山田太郎君 それだと答えていないと思うんですね。学校の方針でもって判断されると、それによって差が出てしまうではないかということが論点なので、ここはガイドラインでも構わないんですけど、できれば、子供たちに、家に持って帰ってもセキュリティーのところだけ気を付けてねという、きちっと指導をすると。まあ学校にいたって別にセキュリティーの問題は関係しているわけですから、校内だと漏れない、校外だと漏れると、こういうこと絶対ないわけでありまして、理屈から考えても余り問題はないんではないかと思っています。 何度も言うようですけれども、いわゆる持っている子、持っていないかということによってデジタルデバイドが発生するということは大変大きな逆に課題になってしまうと思いますので、改めて答弁いただけないでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 先ほども少し申し上げたとおりでありますけれど、ICT端末、家庭でも是非使ってほしいということにつきましては、文科省でも設置者に対しまして通知等でも働きかけをしているところでございまして、是非、御指摘いただきましたセキュリティーの問題ですとか、あるいは安全に使うということ、健康面に配慮するということ、いろんなことに配慮しながら家庭でもしっかり使っていただきたいというふうに思っているところでございまして、我々としても、引き続きその旨お伝えをしていきたいというふうに考えております。
○山田太郎君 是非、おうちに持って帰ってでも使うということを前提としてこれは進めてもらいたいというふうに思っております。 さて、もう一つは、家でのインターネット環境の整備ということも大きな問題だと思っておりまして、デジタルの教材等は、今後、動画というのが中心になってきます。そうすると、やっぱり家の中でインターネットの環境があるかないかということで、これはまた子供のデジタルデバイドにつながってはならないと。 当委員会も、例えば高齢者の人だとか、そういう方についてのデジタルデバイドの議論をしてきたんですが、子供にもそういうことがあっては私はならない、家庭環境の差によってもならないと思っておりますが、この辺り、家庭でのインターネット環境の整備についての取組、これも考えていらっしゃるのか、御答弁ください。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 一人一台端末を活用した学びを進めるに当たりまして、家庭のICT環境の違いによりまして、御指摘いただきましたように、子供たちの学びに差が生じるということは、生じないようにしないと、しないようにするということは極めて重要なことと考えております。 このために、文科省としましても、これまで補正予算等を通じまして、経済的にICT環境整備が困難な家庭に学校が貸与するモバイルルーター等の整備支援でありますとか、あるいは低所得世帯への通信費の支援などの取組を行っております。 今後とも、GIGAスクール構想に基づき整備された一人一台端末が学校はもとより家庭におきましても効果的に活用されまして、全ての子供たちの学びの充実が図られるように支援していきたいと考えております。
○山田太郎君 その辺りの補助は多分これから始まったところだと思いますので、我々自身もしっかりそれが行き渡るようにしていただきたいというふうに思っております。 さて、最後になりますけれども、GIGAスクール構想で貸与された端末で今度は生徒自身が作った制作物とか動画が例えば保存、ダウンロードされた場合に、卒業後、その内容は引き継げるんだろうかという問題もあると思っています。小学校から中学校、中学校から高校、もしかしたら大学、あるいは個人として使えるのかどうか。例えば、端末の中にあるものは貸与されたものであるからそれが引き継げないということになると、例えば歴史でこれを、僕はこういう動画見て勉強したんだけどというものが全部クリアしなければならないということにもなるかと思っています。 一方で、実はこの問題難しいのは、先ほどのまた著作権の話にもなるんですが、今回、教育目的における公衆送信権、送信に関しては緩和されて使えるようになりましたが、その教育目的というところも難しくて、じゃ、成人になった場合、それを引き継ぐと、多分、教育目的送信としていわゆる取っていたものができなくなる可能性もあると。この辺の整理を是非していただきたいと思うんですが。 まず、卒業時にそのデータをきちっと個々人は引き継げるんだろうか。これ、学校はじゃなくて個人がですよ、個人が自分のものとして大事に学習の結果として引き継げるんだろうか。それから、公衆送信、教育目的における公衆送信においていわゆるダウンロードされたものというのは、今後、例えば成人等を含めたら、きちっと消さなければ直ちに著作権法違反になってしまうんだろうか。 その辺り、是非御答弁いただきたいと思います、文科省さん。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 GIGAスクール構想によって一人一台端末の環境が整備進んでおりますので、教育データを蓄積、活用していくことというのは、一人一人の学びの状況を継続的に把握し、指導や支援の充実を図っていく上でも大変重要と考えております。 学校の教育活動で蓄積される教育データをどのように児童生徒に引き継いでいくのかということにつきましては、紙の記録と同様に、学校設置者や学校におきまして個々の状況に応じて判断されるということになりますが、現状におきましては、児童生徒等の間ではありませんけれども、学校間でこの教育データを引き継ぐことによりまして、小学生の学力、体力、生活状況等のデータを中学校の指導や授業の内容に反映させているといったような事例もあると承知しております。 文科省としましては、引き続き教育データの引継ぎに関する好事例の収集や発信というものを行うとともに、児童生徒個人への引継ぎの在り方につきまして、その適切な在り方についても、御指摘いただきました著作権の問題なども生じてこようかと思いますが、引き続き検討させていただきたいと考えております。
○山田太郎君 時間になりました。 学校間というよりも、大切なのは、個人で作った大切な、やっぱりもう自分の財産だと思うんですよね。それがいわゆる法律のはざまの中におっこちちゃって、自分でずっと活用し続けないというのは問題だと思いますし、これ、教育目的の公衆送信の問題に関してはまだまだ詰めなきゃいけないことはたくさん、別のちょっと法案の議論されていると思いますが、これは著作権課さんも含めて是非お願いしたいというふうに思っております。 以上、ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉でございます。 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 私は、まず、マイナンバーカード関連で幾つか伺いたいというふうに思っております。 菅総理、デジタル庁創設の目的について、国、自治体のシステム統一と標準化を行うとともに、マイナンバーカードの普及促進を一気呵成に進める、こういうふうに発言をされておられます。 しかし、政府はつい最近まで、マイナンバーカードの取得枚数を目標に掲げることは適切ではない、こういう立場だったというふうに理解しております。例えば、平成三十年五月、衆議院の内閣委員会で内閣官房内閣審議官、取得枚数の目標を掲げることは適切ではないと、こういう趣旨の答弁をされていると思います。 ところが、菅総理が就任後間もなく、令和四年度末にはほぼ全国民に行き渡ることを目標に掲げ、普及策を加速すると、こういうふうに発表されました。 そこで、平井大臣に伺います。 なぜ突如としてこういう目標を掲げることにしたのか、まずその理由を教えてください。また、平井大臣、今年二月の記者会見で、この目標達成はなかなか難しいと、こういうふうな趣旨の発言をされておられます。その考えに変わりがないのか、またこの目標を変更するお考えがおありかどうか、聞かせてください。
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。 マイナンバーカードは、住民誰もが無料で取得できる公的な顔写真付きの本人確認書類であると同時に、オンラインでも安全確実に本人確認を行える極めて高い認証強度を持ったデジタル社会の基盤となるツールでございます。 新型コロナウイルス対策の経験から、また、今後の我が国の成長力、国際競争力を維持するためにも、社会全体のデジタル化を進めていくことの重要性が改めて認識されたと考えており、マイナンバーカードはそのための基盤となるものであることから、関係府省において連携しながらその普及に取り組んでおります。 令和三年五月九日現在で有効申請受付数の累計は約四千九百五十九万枚、交付実施済み数の累計は約三千八百四十二万枚となりまして、特に、令和二年度一年間における申請数、交付数はいずれも過去最高となってございます。四月におきましても、一か月で約三百八十四万枚の申請をいただいておりまして、今後、健康保険証としての利用、国等の機関が発行するカードとの一体化などの利便性向上等々によりまして、引き続き、申請、交付を加速することで、令和四年度末にはほぼ全ての国民に行き渡るように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○国務大臣(平井卓也君) 私も長い間、マイナンバー制度、マイナンバーカードに関わってきて、実は、目標というのは、その早い時点ではもっと前倒しの目標を自民党の方から政府に強く申し入れたこと等もありました。そういう経緯の中で、やっぱりマイナンバーカードに対する理解を国民に持ってもらうということが一番重要であって、これ強制ではなく、希望する方はボランタリーにカードを申請するということですが、ここに来てマイナンバーカードに対する理解が大幅に進んだということを実感しています。 令和四年度中に皆さんにカードを持ってもらうという基本的な方向は変わっておりませんが、それに対する努力は更にしていきたいと、そのように思っています。デジタル社会を安全にするためにマイナンバーカードが必要なんだということ、この点についてもっと国民の皆さんに理解をしていただけるように努力をしていきたいと考えております。
○杉尾秀哉君 ということは、目標達成はなかなか難しいと、こういう発言は撤回すると、こういうことでいいですね。
○国務大臣(平井卓也君) 御存じのとおり、目標は目標としてあるんですけれども、一気になかなか進まないということに関しても実感をしております。ですから、大変高い目標ではありますが、それに向けて努力をしていきたいと、そのように考えております。
○杉尾秀哉君 今も冒頭説明ありました。発行済み、交付済み枚数、三千八百四十万枚ということですね。交付率三〇%ということなんですが、ただ、残念ながら、私も持っておりません。私の周りで聞いてみても、持っているという人は非常に少のうございました。三人に一人近くが持っているという実感がないんですね。 総務省が公表している交付枚数、再発行を含めた延べ枚数だというふうに理解しておりまして、正確な数字ではないんじゃないか。実際に有効なカードを今の国民の何人に一人が持っているか、これどういう認識なんでしょうか。
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。 令和三年四月三十日時点でマイナンバーカードの交付実施済み数の累計は約三千八百十二万枚でございますが、御指摘のとおり、死亡や有効期限切れなどにより廃止されたものがございます。これを除きますと、有効なマイナンバーカードの枚数は約三千五百八十五万枚でありまして、人口に対する割合は約二八・二%となってございます。
○杉尾秀哉君 ちなみに、国の職員七十九万人ぐらいいると、こういうことなんですけど、カードの取得率何%ですか。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 令和二年三月末時点の行政府の国家公務員のマイナンバーカードの申請・取得率は五八・二%でございます。
○杉尾秀哉君 これ省庁別で見ますと、文科省、防衛省、法務省辺りが低くて、総務省なんかが高いと、こういうことなんですけど、本省と出先でこれ何%ずつぐらいとかって分かりますか。
○政府参考人(青木孝徳君) 済みません、手元に本省と地方支分部局を合わせたそれぞれの数字がないんですけれども、省庁別に申しますと、申請率、取得率の低い本府省は防衛省四八・七%、地方を含めた全体で低い省庁というのが厚生労働省で四八・四%、一方、余り地方支分部局がないところなんでありますが、会計検査院、内閣法制局、公正取引委員会、個人情報保護委員会などは一〇〇%の取得率でございます。
○杉尾秀哉君 聞くところによると、これ入館証は、本省の場合、これマイナンバーカードと一緒になっている、一体化されているということで、その場合はこれ取らなければ入館できないということなので、これは取るのは分かりますけれども、本省以外のところの取得率はそう高くないというふうに聞いております。 そうした中で、国の職員でさえ、やっぱり入館証など必要に迫られている、そういうケースでなければそれほどまだ高くはないという実態を考えると、家族を含めたカードの保有状況の調査を何か繰り返し行っているようなんですけれども、この交付申請をしない理由も含めてこういう調査をしているというのは、先ほど平井大臣が強制ではないと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、この趣旨に反するんじゃないか、事実上の強制じゃないか、こういうことをおっしゃっている公務員の方、結構いらっしゃるんですが、どうなんでしょうか。平井大臣、どうですか、見解は。
○国務大臣(平井卓也君) 御指摘の調査については、令和元年度において財務省より各府省に対して実施したものと承知をしております。 共済組合の健康保険証を利用している国家公務員とその被扶養者である御家族に対して取得の推進についての御理解と御協力をお願いすることと併せて、カードの申請、取得状況について把握を行うべく調査をしたというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 いや、やっぱりちょっと家族まで調べるのはさすがに僕は行き過ぎだと思うんですけれども、これはもう金輪際しないでいただきたい。 それから、先ほど説明がありました、これ健康保険証との一体運用なんですが、今年の三月からの運用は延期されたというのは皆さん御承知のとおりなんですけれども、ただ、実際に運用が開始されても、オンライン資格確認というのに対応した医療機関でないと使用できないというふうに聞いております。これが完全にできるようになるのはいつ頃なのか、また将来的には健康保険証というのはこれ廃止される方向なのか、これについてどういうお考えでしょうか。
○政府参考人(横幕章人君) お答え申し上げます。 マイナンバーカードを健康保険証として利用する、これを進めておりますが、目的は、医療機関での診療時に確実な本人確認、それから保険資格の確認、これらを可能といたしまして、医療保険事務の効率化、また患者の利便性の向上等を図るというものです。 この健康保険証利用、令和元年九月のデジタル・ガバメント閣僚会議におきまして、目標、二〇二三年三月末までにおおむね全ての医療機関等での導入を目指すということにしております。直近、四月二十五日の時点では、医療機関等での導入状況を申しますと、顔認証付きカードリーダーの申込みが約十三・一万施設、全体に対して五七・三%ということになっております。 もう一つ、将来的な健康保険証の取扱いということに関する御質問もいただきました。 今申し上げましたとおり、医療機関等におきましては、電子証明書を読み取るための端末などの利用環境の整備が必要になります。二〇二三年三月末におおむね全ての医療機関での導入を目指すということでございますので、まず、少なくともそれまでの間は従来の保険証とそれからマイナンバーカードの利用が併存するという形になります。 他方で、被保険者のサイドでもできる限り多くの方々にマイナンバーカードを取得いただくことが必要でございます。先ほどやり取りございましたとおり、令和四年度中にほとんどの被保険者の方にマイナンバーカードを取得していただくということでありますので、これに向けて関係府省協力しながら取組を進めているというところでございます。 また、医療保険の対象といたしましては、訪問看護ですとか柔道整復といったところ、従来の健康保険証でなければ資格確認ができないというところがまだ残っておりますので、こういったところ、領域でもマイナンバーカードを保険証として利用していくというための環境整備もこれ進めていく必要がある課題でございます。 でございますので、御指摘、健康保険証の在り方につきましては、今後のこうした環境整備の状況等を踏まえながら検討していくというふうにしております。
○杉尾秀哉君 先月の経済財政諮問会議の中で、民間委員から、もう健康保険証、紙の健康保険証はなくすべきだと、こういうふうな意見が出たという議事録がございます。ただ、これ、付いていけないという方もたくさんいらっしゃるはずですし、先ほど申し上げましたように、例えばこれ、令和四年度末までにかなりの国民に行き渡るとしても、やっぱりまだ持っていらっしゃらないという方が相当程度残るという可能性が相当あるというふうに思いますので、ここは慎重な対応をお願いしたいというふうに思います。 また、健康保険証と同様に、運転免許証、在留カードなどをマイナンバーカードと一体化する方針が示されております。免許証との一体化は二〇二四年度末に目標が前倒しをされました。免許証との一体化に一体全体どんなメリットがあるのか。この免許証も将来やっぱり一体化されると廃止の方向になるのか。また、カードに搭載される機能が様々増えてきますと、紛失時のリスクなどセキュリティー面での国民の不安というのが残ると思うんですけれども、これへの説明、対応というのはどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(高木勇人君) 運転免許証とマイナンバーカードの一体化につきましては令和六年度末から全国一斉に開始する予定であり、その態様といたしましては、現行の運転免許証の情報をマイナンバーカードのICチップに記録することを柱として検討しております。 一体化のメリットといたしましては、住所変更などの手続をワンストップ化すること、お住まいの都道府県以外での更新手続を迅速化すること、オンライン化された講習の受講を可能にするなど、更新手続をよりスムーズにすることが挙げられます。具体的な発行手続等につきましては、関係機関と連携しつつ検討を進めてまいりたいと考えております。 また、運転免許証の将来における在り方についてお尋ねがございましたけれども、マイナンバーカードと一体化した場合の従来の運転免許証の取扱いにつきましては、様々な場面を想定しながら慎重に検討していく必要があると考えてございます。
○杉尾秀哉君 幾つかメリットおっしゃいましたけれども、結局、だけどやっぱり更新のときには行かなきゃいけないわけですよね、オンライン講習を受けられたとしても。ということは、そんなに利便性が向上するとは到底思えないですよね。 平井大臣に一点だけ確認したいんですが、これ午後でも伺いたいというふうに思っているんですけれども、こうした健康保険証、もろもろいろんなアイデアがあるみたいですけれども、これ、マイナンバーカードの事実上、今は義務じゃないんですけれども、これ義務化につながっていくということになりませんか。どうですか。
○国務大臣(平井卓也君) マイナンバーカードの健康保険証としての利用も、マイナンバーカードを持たない方は従来の健康保険証を利用することになっているわけでありまして、マイナンバーカードの取得については本人の意思で申請するものであって、国民の皆様に取得義務は課されておるわけではありません。ですから、繰り返し申し上げますが、取得を強制するということではありません。 その上で、マイナンバーカードのメリットの拡大とか機能改善などを図って国民の皆さんにとって利便性を向上させることによってできるだけ多くの国民に取得をしていただきたいというふうに思っておりまして、それは、安全で安心なデジタル社会を構築していく上では非常に重要だと考えています。 そして、マイナンバーカードを持たないという方もたくさんいらっしゃるというふうに委員もお話しになっておりましたが、それをまずオフラインの状況で、アナログの世界で最高位の身分証明書を全国民持ちましょうよと。ですから、オンラインでチップは機能しますけど、オフラインのときに、今、日本の国民は身分証明書を持っていないわけですから、ある意味それは当然持っていただけるものだと、また、そういうものが必要だと国民は理解していただけると私は思っております。
○杉尾秀哉君 分かりました。 いずれにしても、これは午後にも伺いたいんですけれども、持っていない人が不利な状況にならないということは非常に大事だというふうにも思っておりますので、これについては一点指摘させていただきます。 J―LISの関係で質問通告しているんですが、ちょっと時間が難しそうなので、総務省、申し訳ないんですけど、転職時の個人情報提供について次に伺いたいと思っております。 現行法では、マイナンバーを含む個人情報の場合、基本的に本人の同意があっても第三者に提供することは、これは禁止されております。しかし、本法律案では、従業員等が転職などをした場合、本人の同意があるときは、必要な限度で前職の前後の法人間でマイナンバーを含む個人情報の提供が可能となると、こういうふうに改正されます。 その場合、前職の使用者が転職先の使用者に提供できる個人情報、特定個人情報とは具体的に何なのか、説明してください。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 今回の改正法案におきましては、従業者等の転籍、退職があった場合に、本人の同意があったときは、転職、退職前の勤務先から転職、再就職した勤務先に対し、マイナンバーを含む個人情報の提供を可能としております。グループ間企業などが想定されるケースでございます。 マイナンバーを含む個人情報の提供につきましては、個人情報保護の観点から、委員御指摘のように、マイナンバー法に規定された場合を除き認められないため、転籍による従業員の雇用先の変更に際し、事業者は従業員からマイナンバーの提供を再度受ける必要があり、事業者あるいはその従業員双方の負担が大きいとされているところでございます。 御質問ございました具体的な提供可能な範囲の、情報の範囲でございますけれども、今回提出した法案では、その個人番号関係事務を処理するために必要な範囲といたしております。そのため、具体的に、社会保険の資格届や給与支払報告書等の提出に必要な氏名、住所、生年月日等が想定されるほか、これらの届出書の提出に必要な範囲で、前職の給与なども含まれると考えております。ただ、この提供可能な情報につきましては、現状においても、再就職された後で御本人さんから転職、再就職した勤務先に対し提出している情報でございまして、新たに提供されることになるものではないと承知しております。 今後、個人情報保護委員会が定めるガイドラインにおきまして、事業者が実施する個人番号関係事務の内容を踏まえ、提供可能な特定個人情報について説明されるものと承知しております。
○杉尾秀哉君 そうしますと、賃金額、それからその賃金額の推移、退職理由など、こうしたセンシティブ情報が含まれるということなんですか、それとも含まれないということなんですか。どうですか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 ただいま申し上げましたとおり、現在、その本人から、御本人さんが再就職あるいは転職された場合に、その当該再就職先あるいは転職先に対しまして提出している情報がございますので、それ以外に新たに提供されるということにならないと承知しています。 御指摘の前職の給与額というのは、社会保険の資格届や給与支払報告書等々の中で提出されることになるのではないかと考えております。退職理由につきましては、今後精査する必要はございますけど、現時点では含まれないのではないかと考えております。 いずれにしましても、個人情報保護委員会が今後定めるガイドラインにおきまして、事業者が実施する個人番号関係事務の内容を踏まえ、提供可能な特定情報について説明していくことになると承知しております。
○杉尾秀哉君 今の答弁ですと、賃金額は含まれる、退職理由などは含まれないのではないかと、こういうふうなことでしたけれども、ここでいう本人の同意なんですけれども、どの時点での同意を指すのか。採用時の同意なのか、それとも転職先が決まった後なのか。これはどうなりますか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 基本的には、本人同意につきましては、従業員のマイナンバーを保有する転職、退職前の事業者が転職、再就職先の事業者に直接従業員のマイナンバーを提供したいと考える場合に、具体的な提供先を明らかにした上で求めるものでございますので、その時期は転職先が決定された後になることが通例と考えております。
○杉尾秀哉君 転職先が決定された後だったらいいんですけれども、それ決まる前に出すということになると、これ本当に使用者側にとっては不利益、使用される側にとってですね、不利益を被る可能性がありますので、ここは慎重にしていただきたい。 それともう一つ、資格関係で、国家資格の登録情報の利用なんですけれども、本法律案では、各種国家資格のマイナンバー制度を利用した登録手続がこれ規定されております。これによって行政機関による正確な資格情報の管理が可能になって人材確保などに資すると、こういう理由が説明されておりますけれども、ただ、情報連携を通じた行政機関からの人材確保の呼びかけ、これに望まない方というのも当然いらっしゃるわけで、職業選択の自由に関わる問題じゃないか、有資格者に対する国家統制の強化、自由な業務活動の阻害になるのではないか。これについてはどういう見解でしょうか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 国家資格の統制という話でございますけれども、現在各省庁におきましては、当然、所管する各種免許、国家資格等につきまして資格者の登録情報を保有しております。それにつきまして、現在、紙ベースの場合あるいはデジタルベースの場合があろうかと思いますけれども、デジタル化が進んでいないケースもございまして、紙ベースの処理が行われているなど、資格者にとっても行政機関等にとっても、コスト、労力の面での負担が少なくないところと考えているところでございます。 また、今回の改正法案では、添付書類の省略等の登録手続の簡素化、行政機関等における登録等の処理の効率化、登録情報の正確性の確保、最新化、マイナポータルを活用した資格証明ということで、マイナポータルを活用した資格証明などは御本人さんが当然されることでございますので、そういうことで登録データへのアクセス、また登録データへのアクセス記録も残るようになりまして、データ管理の透明性の向上にも資すると考えているところでございます。 このように、マイナンバーを利用した国家資格のデジタル化は資格保有者の利便性の向上や資格管理者の業務効率化等を目指すものでございまして、今回の改正法案により資格保有者に対する国家の統制が強化されたり、あるいは自由な営業が阻害されるものではないと考えているところでございます。
○杉尾秀哉君 これも午後に更に追加で伺いたいんですけど、現在、税と社会保障に係る三十二分野が対象になっておりますけれども、これも将来拡大される可能性があるんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 各省庁が所有する各種免許、国家資格等は現在必ずしもデジタル化が進んでおらず、紙ベースでの処理が行われているため、資格者にとっても行政機関等にとっても、コスト、労力の両面で負担が少なくないところであります。先ほども政府参考人からお話がありましたとおり、住基システム等との連携を図ることによってその登録データのアクセス記録が残るようになって、データ管理の透明性も向上するというふうに思います。 今回の改正法案では、看護師、保育士等、まずは現在マイナンバーの利用が認められている社会保障、税、災害分野における三十二の国家資格について、マイナンバーの利用と情報連携等を可能として国家資格のデジタル化を進めていくということでありますが、社会保障、税、災害分野に該当しない国家資格については、登録手続の簡素化等を図るべく、今後どのようにデジタル化を行うかを含め、昨年十二月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画に基づいて、令和六年度の開始に向けて検討するということになっております。
○杉尾秀哉君 時間が来ましたので終わりますけれども、まずはという言葉ということは、これから税と社会保障の関係しない分野にも広がっていく可能性があるということを指摘して、質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任をされました。 ─────────────
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。 二十五分の限られた質問でございますが、通告の順番、恐縮でございますが入れ替えて、まずは個人番号の利用による預貯金口座管理法案についてお伺いしてみたいと思います。 さて、本法案の趣旨、災害時とか相続時のときのための創案をということの措置でございますけれども、立法事実を伺います。 直近五年間で構いませんので、この法案がなかったことによって困った事例をどのように把握しておるか、定量的にお答えいただける範囲でお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 立法事実ということでございますので、委員おっしゃいますように、必要性とかそういうことの定量的な把握ということかと思います。 直近五年間ということで、定量的に把握しているかとのお問いかけに対しましては、大変申し訳ございませんが、定量的には個別に具体的な事例を把握しているわけではございません。 ただ、例えば、相続時におきまして、被相続人が自らを名義人とする預貯金口座に関する情報を相続人に伝えずに死亡し、亡くなられですね、相続人が口座の所在の把握に苦労したというような御指摘があったことは承知しておりまして、そのような方々が、被相続人が生前に付番しておけば、相続人のこうした負担が軽減されると考えているところでございます。 ただ、委員御指摘のような、五年間定量的にどれぐらいあったのかみたいな把握はしておりません。申し訳ございません。
○小沼巧君 五年間では具体的な事実が確認されていないということでありました。おかしいですね。立法事実が本当にあるのかということに対しては、本当、把握していられないと。じゃ、何でこの法律が必要なのかということの議論になってしまうわけであります。 更問いとして伺いますが、じゃ、十年間に引き延ばしたときに何か事例って把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 これも具体的に調査を行っているわけでございませんですけれども、例えば災害時等に通帳、キャッシュカード等を携帯せずに避難した場合等におきまして、その預貯金口座の把握が困難であったということが、例えば東日本大震災のときとかにそういうことがあったということは承知しております。
○小沼巧君 東日本大震災は十年よりも前の話でありまして、直近におきましても様々災害があったところであります。豪雨災害でありますとか地震とか。そこにおいては、これの法律がなかったから困った事例があったのかと推察しておったら、どうやらないと。何でこの法律が必要なのか、この法律をせねばならぬ一般的な事実は一体何があるのかということは正直疑問なのであります。ということは、立法事実がないのでは、このような思いを抱かざるを得ないということは強く皆様にも御共有していきたいと思います。 さて、これに関連いたしまして、マイナンバーをひも付けると、付番してひも付けるというような制度でございます。これは、預貯金者からの申請がベースとなっておるということが六条の一項でございますが、前言撤回、思い直した、やっぱり付番したくない、取消しをしたいということに対して、その手続については法文上に明文の規定がございません。 取消しをしたいという場合の手続は、どのような法律上担保されるんでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) さっきの話の、立法事実の話にちょっとだけ触れさせていただきますと、相続時に恐らく相続すべき口座が分からない方というのは結構いらっしゃるということは事実でございまして、私もそうでして、随分後になってこんなの出てきたというようなこともありました。 一方で、それだけが理由とは思いませんが、休眠口座と言われる口座が年間に約五百億円程度出てきて、その利用のための法律等々も皆さんで作ったということですが、誰のものか分からない口座がこの国ではそれだけ出てくるということも、基本的な立法事実にすぐにつながる話ではありませんが、一つの事実として我々受け止めなければならないというふうに思います。 この取消しの話につきましては、個人番号の取得に当たって、預貯金者の意思を適切に確認するために、個人情報保護法において一般的に求められる利用目的の本人通知又は公表にとどまらず、預貯金付番を行った場合の利用目的を詳細に説明することを、具体的な説明事項を列挙して規定しているということでございます。 マイナンバー制度は、行政の効率化と国民の利便性向上の上、公平公正な社会を実現するデジタル社会の基盤であると。こうした制度の趣旨は、より多くの国民の皆さんが預貯金口座に付番していただくことで実現できるものであることから、同意に基づき付番された預貯金口座についての付番の取消しは実は想定しておらず、現行の預貯金口座への付番に関する制度においても取消しについて規定はしておりません。 また、本法律案は、預貯金口座への付番により、相続時、災害時における国民の負担軽減を実現するなどメリットを充実させる一方で、デメリットを生じるものではないことからも、付番の取消しは想定していないということであります。 もとより、利用目的を超えて金融機関が個人番号の利用を行う場合等には、預貯金者は個人情報保護法に基づいて登録した番号を取り消すことができるということでございまして、こうした取扱いは個人情報の保護の観点から問題ないというふうに考えております。 基本的には想定していないということでございます。
○小沼巧君 まずは、立法事実に関してなかなか苦しい答弁であるということは私も理解しますが、ただ、提出者としてそのようにおっしゃらねばならないという事情、人情的にも理解はするところでありますが、災害と相続と言っているにもかかわらず、一番上におる災害が正直ないんじゃないのかということはあります。休眠口座の話もございましたけれども、この法案に位置付けられているかといったら、そうではないだろうと。 そういう意味で、引き続き、何でこの法律がしなければいけないのかという立法事実については、残念ながら、一つ抽象的なものとしては分からなくはない、だけれども、具体的な事実がどれほど存在しておいて、わざわざ法律を改正してまでやる必要があるのかということについては議論の余地が十分に残っておるのではないかと思うところであります。 今の口座の付番の取消しの話でございました。想定をしていないということでありますけれども、ということは、解釈するに、一回自分でリクエストをして、リクエストをいたしました、で、ひも付けられました、そうすると、もう自分の意思としては取消しができないんだと、要はルビコン川を渡るような状況になってしまうというようなことになるのかなと、このように理解をいたしますけれども、実害がないのであれば、わざわざ、じゃ、取消しの規定も含めて入れてみても、反対解釈でも実害もないのではないかと、このように思いますが、あえて、引き続き、一回やったらもうそれっきり、前言撤回は認められない制度にしてしまう、このような制度にしておることの理由をもう一度御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 大臣も御答弁されましたけれども、本制度につきましては、やはり預貯金者に、先生もおっしゃいましたように、よく御理解いただいた上でやはりしていただく必要がございますので、個人情報保護法に求められているよりも、預貯金付番を行った場合の利用目的を詳細に説明して、具体的な説明事項も列挙させていただいて、それによって理解をいただいて、付番をしていただける方には付番していただくし、付番していただけない方には付番していただかないというような仕組みとさせていただいておりまして、そういう形でマイナンバー制度、行政の効率化、国民の利便性の向上、公正公平な社会を実現するデジタル社会の基盤としてこの制度を創設してまいりたいと考えているところでございます。
○小沼巧君 それはデジタル社会における経済の在り方の観点として間違っていると思います。 あるべきデジタル社会の在り方はネットワーク型というものでありまして、これはもう経営コンサルにでも聞いていただければいいと思うんですが、参加する、ないしは退出する、このルールをちゃんと整備しておくということが、ネットワークにいろんな人たちが自由に参加する、そして様々な知恵、多様性を持ち寄って新たなイノベーション等々を起こすということの根本でありまして、それを怠るようなことであったとすれば内実は得られないんじゃないだろうか、このように思うわけでありますし、自己情報コントロール権、この概念について今議論する気はありませんけれども、自分の情報がどう取り扱われるのか、自分で管理できる、チェックできる、それで場合によっては引き返せる、そういうような仕組みを入れていくべきなんじゃないのかということで物申してまいったところでありますが、これは欠落している法案になっているということを指摘せざるを得ないと思った次第でございます。 さて、次に、通告の順番戻しまして、デジタル社会形成の整備法案のところについて伺ってまいりたいと思いますが、前回、理事会協議事項としてお願いを申し上げたところでございますが、個人情報保護の法律百六十六条二項の具体的運用イメージについて、正直答弁が分からなかったところがございました。この件につきまして、今の検討状況、どのようになっているのかということについて改めて御説明をお願いいたします。
○政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。 改正法の個人情報保護法第百六十六条第二項におきまして、個人情報保護委員会は、地方公共団体からの求めがあったときは、必要な情報の提供又は技術的な助言を行うものとされてございます。 当委員会としましては、同項の規定の運用につきまして、規定の趣旨を踏まえまして、地方公共団体からの照会について可能な限り迅速な対応に努めてまいりたいと考えてございます。 そのための取組の一環としまして、今後、地方公共団体との意見交換の機会を通じまして、地方公共団体からの照会が想定される事項をあらかじめ把握をし、今後策定するガイドライン等にそれらの事項に係る解釈を類型的に記載していく予定でございます。このような事前の準備を深めることによりまして、多くの事案について短期間での情報提供が可能になると考えてございます。 他方、これらの取組を尽くした上でも、複雑な法的検討を要し、事前の類型化が困難な一部の事案については一定の検討時間を要する可能性もございまして、また、これらは類型化が困難であるがゆえに一律の処理日数等をあらかじめ示すことが困難なケースも考えられます。このような場合におきましては、事務処理期間全体については当該地方公共団体の責任の下、管理されると考えてございますが、地方公共団体から情報提供の求めを受け、それに回答するまでの当委員会における対応状況について、検討期間も含めまして、当委員会において当該地方公共団体に対して説明責任を果たすべきものと考えてございます。 いずれにしましても、今後、専門的知見を有する人材の活用など、体制面の整備を進めることによりまして、地方公共団体に対する情報提供等について迅速化を図ってまいりたいと考えてございます。
○小沼巧君 御答弁ありがとうございました。内容及びリードタイムについて説明責任を果たすのだということが明らかでありました。 要は、個人情報保護で、情報公開をする人と公共団体とあとは個人情報保護委員会、この中の間で検討をしていくということでありますけど、実際、サービスを求めた個人と地方公共団体の間で、例えば二週間だとしましょうと、二週間でやってくださいと言われたんだけれども、ちょっと分からないから個人情報保護委員会で検討して、例えば三週間掛かっちゃったと、その間でですね。で、結果的に返すのが四週間になっちゃったというような場合が仮にあったとするのであれば、個人情報保護委員会と自治体の間で検討しておった二週間分については、その分について個人情報保護委員会の検討が結局遅れちゃったんですよというようなことの説明を果たすということであると理解をいたしました。 その説明の果たし方のイメージ、例えばどういうものなんでしょうね。紙を配付する、ないしはメールなどの電磁的記録でもって通知をする、様々あろうと思いますけれども、今私が申し上げた説明の果たし方の役割、説明責任を果たすべき分担の理解が今申し上げている程度で合っているか否か、そして、果たす内容においての具体的なイメージ、これから検討なさると思うのでイメージで構いませんけれども、どのようなことをイメージとして考えているのか、更問いで恐縮ですが、お答えいただければと思います。
○政府参考人(福浦裕介君) まず、前段の先生の御質問でございますが、類型化が難しいケースを例に出されての御質問だと思います。その場合については、今申し上げたとおり、検討期間も含めまして当委員会の方で説明責任を果たしてまいりたいと、役割分担については、先生おっしゃったような役割分担が基本であろうかというように思います。 あと、説明責任の果たし方でございますが、文書を発するかどうかも含めまして、地方公共団体と十分その実務、ニーズの把握をした上で、どういう対応が一番可能かと、効率的かということを含めまして今後検討してまいりたいと思います。
○小沼巧君 御答弁ありがとうございました。ようやくこの点については問題、疑問が解決されたと思っておるところであります。 実際問題、類型化したとしても、私も役人だったときによくあるんですが、こういう法案審議のときに想定問答集、百問二百問作るんですよ。でも、何で残業しちゃうかというと、そうじゃない問題が飛んでくるからなんですね。ということを考えると、実際、実務上、類型化したとしても、そうは簡単にうまくはいかないかもしれないということだと思いますので、引き続き、これは仏作って魂入れずにならないような運用を期待するものであります。 さて、個人情報保護法に関連しまして、前回五月六日、参考人質疑を行われたところでございますので、これの議論、指摘を援用しながら、本当に大丈夫なのかということを関連してお伺いしてまいりたいと思います。 一つあったのが、平均的な自治体個人情報保護条例の水準切下げ、これが行われるんじゃないかということが指摘がありました。例えば、原則の例外適用の場合、第三者機関たる審議会等の意見を聞くことを要する場合があるということが平均的な自治体条例であって、改正法案はこれが欠落していると、こういう指摘がありました。 これは水準の切下げに当たるのではないかという指摘についてでありますが、この指摘に対する御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 改正後におきましては、地方公共団体における個人情報の取扱いに関する規律は個人情報保護法に共通ルールとして規定され、その解釈は個人情報保護委員会が一元的に行うことになります。 このため、個別の個人情報の取扱いの判断につきましては、国が策定するガイドラインも作られますし、個人情報保護委員会の先ほどもお話がございました助言等もございますので、そういったものを参照することで解決する場合、あるいは不明確な部分がクリアになっていくことが多いと考えられます。したがいまして、地方公共団体が個別の個人情報の取扱いの判断につきまして審議会に諮問する必要性は減少していくものと考えております。 ただ一方、地方公共団体がその諮問機関である審議会の意見を聞くこと自体を否定されるものではございません。したがいまして、改正後におきましても、地方公共団体は、特に必要と考える場合には審議会の意見を聞くことが可能であり、個人情報保護水準の切下げにつながるとは考えていないところでございます。
○小沼巧君 要は、法改正によりますけれども、今平均的なものとしてやっておる、審議会を設置すると、そこの意見を聞くということの手続、これも駄目になるのかというような懸念がありますが、そうではないのだと、許されるのだという答弁でありました。 さて、その次についてであります。訂正請求とか利用停止の請求についてであります。 これも、要は、平均的な自治体条例におきましては、訂正手続や利用停止請求は開示請求により開示された個人情報以外にも認められている条例があるということが指摘でありましたが、今回の改正によって、開示請求により開示された個人情報のみ訂正請求、利用停止請求が可能となるということであり、理解をするのであれば、開示されなければそれら訂正したり利用停止をしたりする権利が使えなくなってしまうという意味で、自治体の保護条例の水準切下げに当たるのではないかというような指摘がござったところでございます。 これについての御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 改正案におきましては、現行の行政機関個人情報保護法の規定を引き継ぎまして、保有個人情報の訂正請求や利用停止請求につきましては、開示請求を経て開示された情報を対象として行う仕組みといたしております。 これにつきましては、開示請求がなされた場合に不開示となる情報につきまして訂正請求や利用停止請求を認めますと、結果として当該情報が開示されたのと同じ効果をもたらし得ると考えられますこと、また、開示請求を経ずに訂正請求や利用停止請求を行うことを認めますと、請求された情報が開示対象となる情報かどうか等、法定外の手続で判断する必要が生じ、制度の安定性を損なうことなどを理由としているものでございます。 また、委員御指摘のとおり、現行の自治体の個人情報保護条例の中には、改正請求を経ずに訂正請求や利用停止請求を行うことを認めているものもございますが、それらの条例も保有個人情報の訂正等をするか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することになるときは当該請求を拒むことを認める旨を規定している場合もあるなど、開示請求がなされた場合に不開示となる情報についてまで訂正請求や停止請求を認める趣旨では必ずしもないと考えているところでございます。 また、開示請求がなされた場合に開示される情報につきましては、まず開示請求を行うことを求めるわけでございますけれども、本人に対して過度の御負担を課すというところまでは至らないのではないかと考えているところでございます。 このため、今回の改正におきまして、本人からの訂正請求や利用停止につきまして、自治体における保護水準を切り下げることにつながるとは考えていないところでございます。
○小沼巧君 時間がなくなってきてしまいました。済みません、今日も時間配分を間違えてしまいまして、経産省及び大臣に聞こうと思っていたことはちょっと聞けなさそうかなと思うところであります。その点については御容赦いただければと思います。 これの法律の関係で、もう一個だけお伺いしてまいります。 いわゆる自治事務を第一号の法定受託事務にするということが今回の改正になっているところであります。公的個人認証法の関係でございますけれども、元々は市町村が行っている自治事務、これを第一号の法定受託事務に変更することということの法制改正になっておるところでございます。 ここについてお伺いしてまいりたいのが、いわゆる地方分権一括法、これの附則の二百五十条におきましてこう書いてあります。第一号の法定受託事務についてはできる限り新たに設けることのないようにするということの記述と若干ちぐはぐなのではないかと思うのであります。 そこでお伺いするのは、本件が自治事務であることによる弊害の実例、これはいかなるものがあるのか、そして、今申し上げた地方分権一括法との関係性をどう整理するのか、この点についての答弁を求めます。
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。 マイナンバーカードとその電子証明書につきましては、令和元年五月のデジタル手続法の制定や、昨年十二月に閣議決定されましたデジタル・ガバメント実行計画等により、オンラインで安全確実に本人確認を行えるツールとして、デジタル政府・社会を支える基盤と位置付けられてございます。 このようなマイナンバーカードの発行、運営体制の抜本的強化を図るため、今回の法改正におきまして、J―LISのマイナンバーカードとその電子証明書に関する事務を一体として、国による目標設定や計画認可、財源措置等の規定を整備するなど、国の責任と関与の下でその安定的運用を確保するとされてございます。 委員の御指摘のとおり、法定受託事務の創設は将来にわたり抑制されるべきものでございますが、何を法定受託事務とするかにつきましては、地方自治法における法定受託事務の定義等に照らし判断されるべきものと考えております。 電子証明書の発行に係る市町村の事務につきましては、市町村が行うマイナンバーカードの交付事務と一体として行われるものであり、マイナンバーカード交付と同様に、地方自治法が法定受託事務の定義として規定する国が本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものに当てはまるものと考えられるため、法定受託事務として整理することとしたものでございます。
○小沼巧君 弊害の実例が語られませんでした。これも立法事実大丈夫なのかという疑念が残る次第でありますが、時間になりましたので終わります。 どうもありがとうございました。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。 本日、このデジタル改革関連法案の質疑、参議院の内閣委員会で連日やってきたわけでございますけれども、恐らく最終日ということになろうかというふうに思います。平井大臣、また関係省庁の皆様、大変にお疲れさまでしたというふうに申し上げたいところでございますけれども、これからが大変、これからが非常に大事だというふうに思っております。 早速、低所得世帯の子供たちに対する生活支援給付金、これの支給事務に関して、二人親の家庭であっても申請を不要にする手続も取っていただく必要がございますし、九月のデジタル庁発足、それから、今回多くの法案が改正されるわけですけれども、それぞれ一つ一つその施行に向けて関係省庁の尽力を期待をしたいというふうに思いますし、平井大臣のリーダーシップを御期待を申し上げたいというふうにまず申し上げたいと思います。 私の方から通告させていただいた質問を少し順番を変えさせていただきまして、まず平井大臣にお聞きをしたい質問からさせていただければと思います。 まずは、書面、押印の見直しに関してでございます。 今回の法改正によりまして、押印そして書面の見直し、様々な行政手続のデジタル化が大きく進むことを期待したいと思います。押印でいうと二十二の法律、そして書面でいうと三十二の法律、これが見直しをされるというふうになっております。しかしながら、残される課題もあるというふうに認識をしております。 例えばでございますが、例を挙げると、通関業法に基づいて通関士が審査する通関書類への押印、これは改正されて廃止されるわけですけれども、その押印が押されていた書面、これについては今回法改正の見直しにはなっていないけれども、どうなっていくのか。あるいは、社会保険労務士法に基づいて申請書を提出する際に添付する根拠資料を省略するための付記印、これは押印が廃止されるんですけれども、そこに署名をする、あるいは記名をする、こういう手続は法改正内容には入っておりません。 押印だけ廃止しても書面が必要なのであれば完全なデジタル化というふうには言えないわけでございまして、手続を最初から最後まで完結、デジタルで完結させるという方向を目指していかなければ完全なデジタル化とは言えないわけでございます。このような残された課題について不断の検討をしていくべきだというふうに思いますけれども、平井大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 私も先生と問題意識は全く同じでございます。エンド・ツー・エンドでやれてこそデジタルのメリットというものが大きいと考えておりまして、デジタル社会を活用した社会の実現へ向けては、書面、押印、対面を前提した我が国のその制度、慣習の見直しということが不可欠です。 特に、行政手続について、押印を求めていた全ての手続を調査した上で押印義務を廃止すべきとしたものを今回の改正対象とまずさせていただいています。 行政手続については、デジタル手続法の規定により、書面、対面の見直しのための法律上の処置は基本的に不要であることから今回の対象とはしておらず、御指摘の今回の押印の見直しを行う社会保険労務士法及び通関業法に係る書面についても、現にオンラインで提出を行うことが可能だというふうには承知しています。 加えて、民民間の手続については、その網羅的な調査は行っていないわけですが、デジタル化を迅速に進めるべく、関係省庁で検討して、現時点において押印義務の廃止や書面の電子化をしても支障がないと判断できたものを改正対象としております。 委員の御指摘のとおり、押印義務を廃止しながら書面を電子化せずに維持する手続とか、押印義務を廃止しても署名や記名が残る手続等もありますが、いずれにせよ、書面、押印、対面の見直しはこれで終わりではなく、河野規制改革大臣と連携して、デジタル社会の形成に向けて、業務の見直し、BPRを前提に行政手続の更なるデジタル化を図るなど、必要な取組に全力を尽くしていきたいと考えております。
○石川博崇君 ありがとうございます。 書面、押印、対面の見直しはこれで終わりではないという明快な御答弁をいただきましたので、引き続き御尽力をいただければと思います。 もう一点、平井大臣にお伺いをしたい点について先に質問させていただきたいというふうに思っております。 まず、内閣官房にお伺いをしますけれども、昨年、一人一律十万円の特別定額給付金の給付の際、大変に自治体の業務が混乱をいたしました。マイナポータルからのオンライン申請は可能にしたものの、マイナンバーを介した情報連携が行えないということから住民基本台帳との照合に大変作業が追われて、多くの有権者の皆様、国民の皆様から、口座番号、行政に届けている口座番号がなぜ使えないのかということや、給付が遅いというような御批判も大変多くあったわけでございます。 今後、今回の法改正で、公的給付支給等口座登録法案で、災害や感染症など考えた場合に、公的給付預貯金口座の登録をマイナンバーにひも付けていくということになっているわけですけれども、これは非常に重要なことだと思いますが、具体的にどのように預貯金口座の登録数を増やしていくのか、その目標あるいは見通し、そのスケジュール感について内閣官房からの御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。 本法案におきましては、国民の皆様に利便性を感じてもらい、希望して登録していただくというふうな仕組みとなってございます。このため、この登録のいろんなルート、マイナポータルのほか、金融機関、行政機関、様々なチャンネルを通じて行えるようにするということで、簡単に登録できるような、可能とする制度となっております。 登録自体が希望に基づくものであるために、トータルで幾らとかというのはなかなか難しいところもございますけれども、まず、データがどこにあるか、個人がそれぞれ持っているものについてはマイナポータルを通じて吸い上げようと、それから、それ以外に金融機関が持っているものについては金融機関にお越しの際に希望を聴取するとか、そういったルートごとに細かく、どういうデータベースがあり、どういうルートでどうやれば一番できるのかというのをそれぞれしっかり設定した上で、それらの目標的なものも含めて今後検討していくというふうになろうかと思います。 それらの際には、登録を促進するような何らかのインセンティブみたいなことも検討する必要があると思っておりますけれども、これらを細かくやっぱり目標的なものも含めてしっかりやっていくということが必要だと考えてございます。
○石川博崇君 任意の登録なので具体的な目標を今の時点で示すのは難しいという御答弁でございましたけれども、今後、インセンティブも含めて検討をしていきたい、目標も含めて検討していきたいという政府からの御答弁でございました。 平井大臣、是非、やはりここ、目標を設けていくということが大変大事だというふうに思っております。特に、今回のような感染症の拡大、あるいは災害の発生時に使うということを考えますと、やはり待ったなしで進めていくべきだと私は思っております。 デジタル社会形成の重点計画は、定める施策については原則具体的な目標及びその達成期間を定めるものとするとされておりますけれども、これにつきましても、やはり今直ちには難しかったとしても、是非KPI、具体的な目標を定めるべきだと思いますが、平井大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(平井卓也君) まずは、今の取組を強力に進めていくということが重要だと思いますが、御提案の将来的な登録の目標設定については、その登録促進の取組を進める中で検討していきたいというふうに思っています。 そして、今回のこの公金受取口座の登録に関してですけれども、これができるようになりますと、今までの日本の行政スタイルとは違うプッシュ型に近いことが初めてそこで可能になるんですね。そのことも国民に理解をしていただきたいと。そういう意味で、これはデジタルに関係なく、デジタルを意識せずにデジタル社会の恩恵を受けられるといった側面が今回ありますので、これらを含めて国民にそのメリットを分かりやすく説明してまいりたいと考えております。
○石川博崇君 よろしくお願いいたします。 それでは、順番を戻しまして、通告順に従って質問させていただきたいと思います。 マイナンバーカードについてお伺いをしたいと思います。というよりもJ―LISですね、マイナンバーカードの発行業務を行っているJ―LISですけれども、今回国のガバナンスを抜本的に強化することとなっております。地方自治体と国が共同で管理する法人に転換をするとともに、マイナンバーカード関係事務について、国による目標設定、計画認可、業務評価等を行う、国の役割が抜本的に強化されると。また、このJ―LISの財務や業務の方針を決定する機関、代表者会議というものがありますが、この委員にも国側の委員を加えるということになっております。 このように、国のガバナンスが強化される一方で、J―LIS法第三十三条には、機構の運営に要する費用は地方自治体、地方公共団体が負担するというふうに規定されている。この機構の運営費用は地方公共団体が負担するという規定の見直しは行われないということになっております。 国の関与を強化する中で、この運営費用の負担の見直しをしなかった趣旨は何なのか。また、国がこのように関与を強化する中で、やはりJ―LISに対する補助あるいは支援、財政的な面も含めてしっかりやっていくことが必要なのではないかと思いますけれども、総務省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。 今回の法改正は、マイナンバーカードとこれに搭載される電子証明書がデジタル政府・社会を支える基盤となるものであり、国の責任において安定的運用を確保する必要があることから、その発行、管理を担っているJ―LISに対する国のガバナンスを強化することとするものでございます。 御指摘のとおり、J―LISの意思決定機関であります代表者会議の委員につきまして国が選定する委員を加えることとしてございますが、地方三団体が選定する委員でありますとか有識者委員との合議によって意思決定をすることとしてございまして、これにより、国と地方公共団体の共同のガバナンスの下で運営することができると考えてございます。 また、J―LISが処理する事務でございますが、マイナンバーカード関係事務も含めまして、地方公共団体の事務であることには変わりございません。それを共同で実施する主体であるJ―LISの運営費用の負担の規定は改正してございません。その上で、マイナンバー法は改正してございまして、J―LISの担うマイナンバーカード関係事務につきまして、国による目標設定、計画認可等の規定を整備するとともに、その事務のために国が必要な財源の措置を講じることができる旨の規定を新設してございまして、安定的に財政措置を行ってまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 別の条項で安定的に財政措置を行うという答弁をいただきましたので、地方自治体の皆様に丁寧に御説明をいただければというふうに思います。 続きまして、自治体の検診業務について少し伺いたいと思います。 自治体の検診情報をマイナポータルで提供することが拡充されております。昨年の六月からは、自治体中間サーバーを用いて乳幼児の健診等情報について、健診情報について提供されるようになっておりますし、また自治体の検診情報、例えばがん検診あるいは肝炎ウイルス検診、骨粗鬆症検診、あるいは歯周疾患といった自治体が行う検診情報についても、令和四年の六月からマイナポータルでの提供を開始する方針が示されているところでございます。 今回の整備法でも、この自治体検診に関して規定がなされておりまして、住民が転居した場合、自治体から転居先の市町村にこうした情報を電子的に引き継ぐことを可能にするためのマイナンバー法の改正が規定されているわけですけれども、転居ですから、前回の質問でもちょっと申し上げましたけれども、転居前の自治体と転居後の自治体、いずれもシステムの対応が完了していなければならない、これがしていなければ引っ越しされる方が大変苦労されるということになります。 この規定の施行期日にそれが果たして間に合うのか、検診の情報を転居先の自治体に引き継ぐサービスが一刻も早く全国の千七百を超える市町村で実現できるように、政府としてどのようなスケジュール感を持って支援していくのか、政府の方針、厚労省の方針を伺いたいと思います。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。 委員御指摘の仕組み、健康増進法に基づき市町村が実施するがん検診、肝炎ウイルス検診、骨粗鬆検診、歯周疾患検診につきまして、転居前の市町村から転居先の市町村に電子的に引き継ぐことのできる仕組みですけれども、これにつきましては、全国の市町村の参加、御協力を得て、二〇二二年度の早期に実現をしていく予定としております。 このために、現在御審議いただいているデジタル改革関連法案におきまして必要な法制上の整備を行うとともに、各市町村に対しましては、システム整備に係る必要な財政上の支援を実施していくこととしております。また、各市町村において円滑に御対応いただけるように、昨年末に全市町村を対象にウエブでの説明会を実施をいたしましたほか、随時質問等へ丁寧に回答を行うなど、緊密に連携を図っているところでございます。 委員御指摘のとおり、全市町村の御協力、御参加が大事でございますので、この自治体間で検診結果が引き継げる仕組み、遅延なく実現できるように、各市町村の御協力もいただきながらしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。
○石川博崇君 今、二〇二〇年度早期に実現という御答弁でございました。もうそれほど時間残されておりませんので、各自治体に対して丁寧に対応をお願いしたいというふうに思っております。 続きまして、個人情報保護制度関係について御質問させていただきたいと思います。 今回の法案改正では、EUのGDPRに基づく十分性認定、国際的な制度の調和、これを図るということが一つの立法事実として示されてきたわけでございます。 平成三十一年の一月二十三日には、我が国の民間部門においては個人情報保護制度がEUのGDPRに基づく十分性認定を受けたものでございますが、公的部門につきましては、引き続き、独立規制機関による監視が及んでいないことから、十分性認定の対象とはなっておりません。 また、現行の個人情報保護法では、大学その他の学術研究機関等が学術研究目的で個人情報を取り扱う場合については一律現行では適用除外としているために、我が国の学術研究機関等にEU圏から移転される個人データについても十分性認定の効力が及んでいないという状況でございます。このような事態から、特に研究者の方々からは、EUの研究機関と個人データを用いた共同研究を行う場合に支障となっている、これを改善していただけないかという声が多数寄せられていたことから、今回見直しが図られることになったわけでございます。 この見直しによりまして、我が国の学術研究機関等にそのEUのGDPRの十分性認定が果たして及ぶようになるというふうに考えていいのかということをお伺いをしたいと思います。当然、これは十分性を判断するのはEU側でございますので、これからのEUとの交渉というものが必要になってまいりますが、具体的にどのような交渉を展開をしていくのか、是非今の段階での御見解をお伺いできればと思います。
○政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。 現行の個人情報保護法は、学術研究機関等が学術研究目的で個人情報を取り扱う場合には包括的に各種義務の適用を除外しておりまして、それらの取扱いに対しましては当委員会の権限が及ばないものとなってございます。 このため、現行の個人情報保護法の下で我が国の学術研究機関等にEUから移転される個人データにつきましては、EUのGDPRに基づく十分性認定の効力が及ばないこととなってございます。このことから、我が国の研究機関がEUの研究機関と個人データを用いた共同研究を行う際の支障となっているとの御指摘がございまして、この点に関して、十分性認定を取得するニーズがあるものというふうに認識をいたしております。 この認識の下、今回の改正案では学術研究機関等に対して一定の範囲で当委員会の権限が及ぶこととなりますため、当該改正によって我が国の学術研究機関等が十分性認定を得るための協議に着手することが可能になるというふうに考えてございます。 現時点で、EUから我が国の学術研究機関等に対しまして十分性認定を得ることができるかどうかにつきましては予断を持つことはできませんが、これまで日EU間での対話等を通じて築いてきた良好な関係を基に、またEUとのこれまでの議論を踏まえた上で協議を進めていくことが重要であると考えてございます。
○石川博崇君 今御答弁ありましたとおり、この法案の改正によって直ちにEUの十分性認定が得られるということではないということはきちんと認識した上で、予断を持つことはできないけれども、これまでの対話等を通じて築いてきた良好な関係を基に交渉を進めていただくということでございます。しっかりその行方は見守ってまいりたいと思いますが、取組を強化していただきたいということを要望させていただきたいと思います。 続きまして、DFFTについてもお伺いをしたいと思います。 我が国は、プライバシー、データ保護あるいは知的財産及びセキュリティーの課題に対処することにより、信頼を強化しつつ、自由なデータ流通を促進するDFFT、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストを二〇一九年のダボス会議で提唱いたしました。また、同年のG20大阪サミットで大阪トラックを立ち上げて、各国首脳からも賛同を得たところでございます。デジタル経済の機会を生かすためにはデータの自由な流通に必要となるルール作りが極めて重要でございまして、この我が国の取組、非常に大事な注目される取組だというふうに認識をしております。 しかしながら、このデータの流通に関しましては、各国あるいは各地域で考え方が異なるというのも現実でございます。自由なデータ流通を志向するアメリカ、あるいはプライバシーやセキュリティーの保護を重視するEU、国家主権に基づくデータ管理を主張する中国など、こうした各国の立場の違い、考え方の違い、文化的背景の違い、これをどう埋めていくのかという、そして、それによってどうルールメーキングをしていくのかというのは並大抵のことではございません。 実際、我が国が近年締結しておりますTPP11、あるいは日米デジタル貿易協定、日英EPA、これらでは、データローカライゼーション要求の禁止規定や、あるいは情報の越境移転制限の禁止規定、こうしたものを盛り込むことができましたけれども、EUとの間で結んだ日EU・EPAでは、データの自由な越境移転を認める規定は盛り込まれていなかったということになっております。 DFFTを掲げる我が国として、各国との懸け橋になっていくと、それによって国際社会のルールメーキングの先頭に立っていくということが求められるわけでございますが、大阪トラック・プロセスを含めて、デジタルデータの流通及び保護に関する国際的なルール形成に向けてどのように交渉を主導していくのか、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。 我が国は、G20大阪サミットにおきまして、信頼性のある自由なデータ流通、DFFTを重要なコンセプトとして提唱いたしまして、多くの国から賛同を得たところでございます。 また、昨年末、そのデータ活用につきまして、我が国初のデータ戦略としてデータ戦略タスクフォース第一次とりまとめを公表いたしました。その中におきまして、個人情報を始めとして、データ保護と利活用のバランスを図ることが重要であると、それから、誰がいつアクセスした等のアクセス情報を本人が確認できるようにするなど、データ運用における利用者の信頼性の確保を図る必要があるというふうなことも書き込まれてございます。 今後、デジタル庁になりますと、そのデータオーソリティーとして、データ戦略の実行を含めて、DFFTの基本的考え方や理念を共有する国々との間からまずは連携を図りつつ、G7、OECDなどの枠組みを活用して、信頼性のある自由なデータ流通に資するルール作りの具体化を図ってまいりたいと思ってございます。 具体的には、先月末に開催されましたG7デジタル・技術大臣会合におきまして、DFFTを具体的に推進するためのロードマップが策定されたところでございます。今後、このロードマップをG7各国と協力して実行できるように関係省庁と連携してまいりたいと考えております。 また、デジタル貿易に関しましては、我が国はDFFTの提唱者としてグローバルなルール形成にリーダーシップを発揮しております。TPP、日米デジタル貿易協定、日英EPA、これらにつきましては、先生御指摘のとおり、ニュアンスの差というのはどうしても生じておりますけれども、これらをどういうふうに今後日本が主導してまとめていくのかというのも含めまして、国際的なルール作りを主導してまいりたいというふうに考えております。今後とも、WTOにおきまして電子商取引に関する国際的なルール作りの交渉を共同議長国として推進するように、関係省庁と連携してまいりたいと考えております。 また、さらに、個人情報の保護に関しましても、OECDプライバシーガイドラインに係る取組の推進に加えまして、日米欧を中心に個人データ流通に関する相互運用可能性の向上などにつきまして取り組んでまいりたいと考えております。
○石川博崇君 是非、外務省、経産省、関係省庁と連携してしっかり取組を進めていただければというふうに思います。 時間の関係で最後の質問になろうかというふうに思いますが、書面交付を求める手続のデジタル化が今回大きく進むわけですけれども、その際に様々な混乱からトラブルが生じて被害が発生してしまうのではないか、この点についての懸念がございます。書面交付をデジタル化することで、それを受け取る側、受領される方々が不慣れであったりあるいは不注意であったり、それに伴って被害やトラブルに巻き込まれてしまうのではないか、あるいは悪質事業者がこれを悪用して不当な契約行為等を助長させることにならないか、こうした懸念があります。 例えばですけれども、サ高住、サービス付き高齢者住宅に関する契約締結前説明書面に代えて、今回は電磁的記録によって契約することも可能となります。高齢者の方々が多く利用されるサ高住で、こうした電磁的記録の契約というものが果たしてスムーズに展開できるのか。また、宅建業法に基づく売買契約等で重要事項説明書がありますけれども、これについてもデジタル化がなされ、また、振り込み詐欺の救済法に基づいて被害回復分配金が支払いされることがありますけれども、この支払決定の書面もデジタル化の対象となっているところでございます。 この書面のデジタル化自体については、利用者の利便性向上という観点から非常に推進していくべきと思いますけれども、このデジタル化に係る承諾が本当に真の利用者の意思に基づくものであるのかどうかということの確認、これを担保することや、あるいはトラブルや被害を招いた場合に、救済措置、それぞれの制度を所管する省庁において対策を徹底していく必要があるのではないかというふうに思っております。是非、省庁一丸となって横串で内閣府先頭に取り組んでいただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。 デジタル社会の形成、また書面、押印、対面の見直しに当たりましては、国民の安全、安心の確保が大前提であると認識しております。こうした大前提の下、今回の整備法案における書面のデジタル化の要件である相手方の承諾は形式的なものではなく実質的なものとするなど、デジタル化によるトラブルが生じないよう必要な対策を講ずるべきものと考えております。 以下、委員御指摘の書面のデジタル化に向けた対策の概要を申し上げますと、まず、高齢者住まい法に基づく説明書面につきましては、国土交通省におきまして、対面書面をデジタル化して提供する場合においては入居予定者の事前承諾を得ることを義務付けるほか、登録事業者による入居予定者への内容の説明も引き続き義務付けることとしており、この義務等について、サービス付き高齢者向け住宅の登録主体である地方自治体や業界団体に対して周知徹底されるものと承知しております。 宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書につきましては、同じ国土交通省におきまして、改正法の施行までに社会実験を十分行い、承諾に係る手続に限らず、重要事項説明時のトラブル防止のための詳細な手続をガイドラインとして定めるとともに、業界団体等への周知徹底をされるものと承知しております。 最後に、振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の支払決定に係る送付書面につきましては、金融庁において、対面書面をデジタル化して提供する場合においては申請人の事前承諾を得ることを義務付けるほか、万が一、申請者、申請人への被害回復分配金の支払に係る決定表の送付が完了しない場合であっても申請人への被害回復分配金の支払は実行される手続となっておりまして、本件の電子化に伴い申請人の利益が損なわれる懸念はないと考えているものと承知しております。
○石川博崇君 ありがとうございます。 冒頭申し上げましたけれども、これからが非常に大事でございます。私ども公明党といたしましても、政府をしっかり後押しをしながら、誰一人取り残さないデジタル社会の構築に向けて全力を尽くしていくことをお誓い申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。 今日は、まず最初に、いわゆるEBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策立案ということについてお聞きをしていきたいと思います。 最近、このEBPM、しばしば耳にするようになってきたわけですが、政策手段と目的の論理的なつながりを明確にし、このつながりの裏付けとなるようなデータ等のエビデンスを可能な限り求め、政策の基本的な枠組みを明確にする取組と言われているところです。 しかし、一見すると、これまでやってきた政策評価であるとか行政事業レビューというものがあるわけですが、これらと似通ったところもあるんではないかというふうに思えたりもするわけで、一緒のものであれば、この同じようなものを三つも四つもやっているのも非常に負担が掛かるわけで意味がないことですから、結局どこが違うのかということをまず確認をしたいと思います。 そこで、このEBPM推進の意義は何か、また、今申し上げたように、政策評価や行政レビューとの違いは何か、併せて内閣官房に説明を求めたいと思います。
○政府参考人(小森敏也君) お答えいたします。 EBPMは、今先生おっしゃったとおりでございますけれども、政策目的を明確化させ、その目的達成のため本当に効果が上がる政策手段は何かなど、政策手段と目的の論理的なつながりを明確にし、このつながりの裏付けとなるようなデータ等のエビデンスを可能な限り求め、政策の基本的な枠組みを明確にする取組であると考えております。限られた資源を有効に活用して国民から信頼される質の高い行政を展開していくためには、このEBPMの取組を進めていくことが非常に重要と考えております。 政策評価、行政事業レビューでございますけれども、政策評価は、各行政機関がその所掌する政策の効果を測定、分析し、評価を行う制度でございます。また、行政事業レビューは、事業に係る予算の執行状況等について必要性、効率性、有効性等の観点から検証する取組でございます。 EBPMというのは、これらの政策評価、行政事業レビューと別個の取組として行うのではなくて、この政策評価、行政事業レビューの中でこのEBPMの実践が行われて、そして政策や予算の質の向上につながっていくことが重要と考えております。
○柴田巧君 今、最後にもおっしゃったように、政策の質を上げていくというところに一つの大きな重点があるんだろうと思いますが。 我が国においては、いわゆる統計不正が一つの大きな契機としてこのEBPMが進められてきたという経緯があると承知をしていますが、二〇一七年五月に統計改革推進会議の最終とりまとめにおいて、このEBPM推進に係る取組を総括するEBPM推進統括官(仮称)を置く、また、この政府横断的なEBPM推進機能を担う推進委員会、EBPM推進委員会を官民データ活用推進委員会の下に置くということなどの推進体制の構築が定められました。 その年の八月に正式にこの推進委員会が発足をし、翌年の四月にはこのEBPMを推進するための人材の確保、育成に関する方針、また、統計等データの提供等の判断のためのガイドラインが決定をされるとともに、政府におけるEBPMの取組方針が決定をされたわけであります。 それを受けて、各府省では、このEBPMの推進を担当する、後でまた触れますが、政策立案総括審議官を設置をしてEBPM取組方針を作成し、EBPMの観点から新規政策の立案や見直しに反映した実例の創出などを行っているというふうに承知をしているわけですが、いずれにしても、この統計等のデータや導き出せる知見に基づいた議論がなされれば、政策の実効性に関してより根拠のある説明が可能になるというのは間違いないと思っています。 そこで、このEBPMの基となるデータ等のエビデンスの収集について、その真正性を確保する取組はどのようにやっているのか、また、真に活用できるデータの収集に向けた取組はどのように進められているのか、併せてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(小森敏也君) お答えいたします。 政策の立案、評価、見直しは、確かなロジックとそれを裏付ける客観的データ等のエビデンスに基づいて行われていくことが重要でございますが、これまで各府省においては、ロジックモデルの作成、活用を中心としたEBPMの実践を進めてきたところでありまして、統計的手法を活用した精度の高いエビデンスに基づく政策の効果検証というのは一部のごく限られた取組にとどまっております。 今後は、各府省の取組の実情も踏まえつつ、より質の高いエビデンスの収集、活用による政策の効果検証などの取組を進めて、政策の質の向上を図っていきたいと考えております。
○柴田巧君 次に、先ほどもちょっと触れましたが、このEBPMの推進に当たって中心的な存在となるのは各府省に設置された政策立案総括審議官でありますが、この活動に対してどのような支援が行われているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(小森敏也君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、各府省におきましては、平成三十年度にこのEBPMの取組を総括する政策立案総括審議官などを設置いたしまして、EBPMの観点から具体的な政策の立案、見直しの実践に取り組んでいるところでございます。 各府省のこれらの取組を支援するため、先生から御指摘ありましたけれども、各府省の政策立案総括審議官等から構成されるEBPM推進委員会におきまして具体的な取組事例の共有を行うことなどにより、政府全体の取組の底上げを図っているところでございます。 また、私ども内閣官房行政改革推進本部事務局におきまして、各府省にEBPMの知見を有する有識者を派遣して具体的な取組について指導、助言を行っております。そのほか、府省横断的な研修などを実施しているところでございます。
○柴田巧君 この数年の間、今答弁されたようなEBPM推進がされてきたところでありますが、このEBPM、大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、これを推進していくということは、政府のデータ戦略に基づくデジタルガバメントの実現であったり、あるいは情報の活用による公共分野におけるサービスの多様化などを掲げる、いわゆるデジタル社会の形成に大いに資するものと考えますが、どういうふうに考えていらっしゃるか。 また、このEBPMの推進を、これからデジタル庁ができると、この前からいろいろ取り上げておりますが、重点計画というものを作るということになりますが、やはりこれを重点計画の中に盛り込んで明記をして、政府を挙げて取り組むデジタル政策の柱に位置付けていくということが必要なのではないかと考えますが、併せて大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 委員御指摘のとおり、EBPMの推進は、デジタルガバメントの実現とか公共サービスの多様化及び質の向上等に寄与して、もってデジタル社会の形成に資するものであるという考えは全く同じであります。 この点、昨年七月に閣議決定されたIT戦略においても、統計等データの利活用促進や人材の確保、育成等に努めるほか、EBPMの実践に取り組み、EBPMの浸透、定着を図る旨記載させていただいたところであります。 関連法案が成立した後に新たな重点計画の作成に当たるわけですが、関係省庁と連携してEBPMの推進を記載し、政府を挙げて取り組んでいくことについて前向きに検討したいと考えております。
○柴田巧君 是非お願いをしたいと思います。 とにもかくにも、この最良の知見を生かさないまま、いわゆるエピソードベースで事実が踏みにじられたり、あるいは政策判断が故意にゆがまされたりすることが続くと、民主的な政策議論というのも進化をしてこないと思っています。 やはり、いわゆる勘とか経験あるいは思い込みから、エビデンスに基づく政策形成というものを図る時代に来たと思っていますし、このEBPMを推進することが政策決定における透明性を向上させ、国民の多くの納得ができる政策を決定していけると確信をするところでありまして、今大臣も重点計画に盛り込むことに言及されましたが、是非、この法案が成立をしデジタル庁ができれば、そういったところにも力を入れていただきたいと思っているところであります。 そこで、今の大臣の答弁もありましたが、具体的なことを、今後の取組をお尋ねをしたいと思いますが、政府内のCDO、最高デジタル責任者体制の整備につきましては、データ戦略タスクフォース第一次とりまとめにおいて次のように記載されてあります。政府のデジタル化推進体制においても、データ、プラットフォームの整備と進捗状況の管理のためCDOの体制を整備していく必要があるということでありますが、今大臣の答弁もありましたが、このデジタル庁、今後発足するであろうデジタル庁において、政府内のCDO体制の整備を含め、このEBPM推進におけるデータガバナンスの確保のためにどのような取組を強化していくべきだと考えているのか、内閣官房にお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 EBPM推進におけるデータガバナンスの確保に向けましては、デジタル技術を単に利用するだけではなく、データ活用、分析を積極的に取り入れたデータ視点でのデジタル改革を行っていく必要があると考えております。 その具体的な取組といたしましては、まず、データに基づく行政のための文化の醸成が必要だと考えております。これは職員のデータ活用に対する意識改革も含むと考えております。また、これに加えまして、活用、共有を前提としたデータの設計や整備、それからデータの品質の確保、さらにはデータ資産の整理など、データを現実の行政の場面で回していくためのエコシステムの構築が必要であると考えております。これらの在り方につきまして、データ戦略タスクフォースにおいて現在議論をしているところでございます。 お尋ねのCDOでございますが、デジタル庁に設置予定のCDOにおきましては、こうした議論を踏まえた上で、データで行政を変えていく視点を持ちましてデータ戦略を着実に実行していく必要があると考えております。
○柴田巧君 このデータガバナンスを確保するために、今ちょっと触れられましたが、一つ大きなあれは、やっぱりこのEBPMに係る人材の確保、育成というのは非常に大事な点だと思っております。この点はどういうふうに取り組んでいくのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(小森敏也君) お答えいたします。 EBPMを進める上では、実際に政策立案に携わる担当者がEBPMの考え方、基本的スキルを習得するとともに、データ等を活用した専門的な分析を行うことのできる人材が確保、育成されていくことが重要でございます。 このため、先生御指摘いただきましたけれども、平成三十年四月にEBPM推進委員会におきましてEBPMを推進するための人材の確保・育成等に関する方針を策定いたしまして、府省横断の勉強会の開催等によるEBPMの実践に係る知見の共有、それからキャリアパスの各段階に応じた政府横断的な研修などの取組を進めてきたところでございまして、引き続きこれらの取組の充実を図ってまいりたいと考えております。
○柴田巧君 これからEBPMを更に推進をしていくということになれば、今申し上げたように、データガバナンスをしっかり確保していく、そして人材の育成、確保していくというのは非常に重要なことだと思っております。 とにかく、政府内のデータの品質を管理、保有、保存というか、していくと同時に、これは民間ホルダーとのいろんな連携もこれから大事なことになりますから、そういう意味でも非常に行政の側にレベルの高いデータサイエンティストといいますか、そういったスペシャリストが必要になってくるだろうと思いますし、また、一般の行政官においてもデータセンスを底上げしていくという取組、これから研修もするということでありましたが、そういったことが必要になってくるだろうと思っています。 いずれにしても、デジタル庁ができてデジタル社会を形成していく上で、このEBPMの推進というのは、先ほども大臣がおっしゃったように、浸透、定着を図っていくということでありますが、このガバナンス、そして人材、非常に重要なところだと、両輪だと思っていますので、しっかり取り組んでいただきますことを改めて求めておきたいと思います。 次に、ワクチン接種システムというか、これに関連してお尋ねをしたいと思いますが、高齢者への接種も始まって、先月からですかね、いわゆるVRSと言っていますが、このワクチン接種の把握のリアルタイムでやるシステムが開始をしているわけですけれども、大変大きな期待もされているわけですが、これ、いろいろ報道などでもありますけれども、自治体によってはそのまま使われずに積み上がっていたり、あるいは接種券が汚れなどによって読み切れなかったという事例などなどもあります。また、タイムラグが本当にアップされるまでにはあるようで、物によっては。そうすると、これから本格化していくわけですが、接種が、この接種記録が本当に正確に把握できるのか大変心配もするわけですが、これまでの活用状況も含めてお尋ねをしたいと思います。 そしてまた、非常に使用しにくい、あるいは現場も非常に煩雑だ、複雑だ、負担が多いということであれば、あるいはまた不具合が、今、先ほど汚れで読み取れないという、読み切れないということなどもありますが、そういう不具合が続くようならばシステムの何らかの修正、改善も検討するということになるのか、併せて、これは内閣府でしょうかね、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。 ワクチン接種記録システム、VRSにつきましては、先ほど御指摘ありましたように、四月の十二日の高齢者接種の開始に合わせて運用を開始し、これまで大きな不具合は生じておらず、一昨日、九日までに三十四万一千百四十七回分の記録を入力いただいているところでございます。 システムの利用状況については、事前に必要となるIDのパスワードの設定、入力に使うタブレットの必要台数等の申請にほぼ全ての自治体に対応いただいているところでございまして、現時点で個別の事情によりこれらの手続が済んでいない自治体につきましても、VRSへの記録を入力いただく方針であることを確認してございます。 システムの記録の入力については、専用のタブレットの端末を配付して、接種券に印字された十八桁の数字を読み取ることで簡単に登録できる仕組みとしてございますけれども、議員の御指摘のとおり、仮に接種券に汚損があるような場合などにつきましては、汚損の程度によっては読み取りができない場合がございます。そのような場合には、担当者の目視による手入力で対応できる仕組みとしてございます。 また、このVRSにつきましては、システムの開発段階からオンライン説明会等で自治体等の御意見を伺い、必要な仕様の改善に取り組んできたところでございますし、運用の開始後もオンライン説明会等で自治体の御意見を伺いまして、例えば利用方法をヒントの形で分かりやすく画面に表示する、あるいは土日祝日も含めてヘルプデスクによる問合せを受け付けるといったシステム面、運用面の改善を行っているところでございます。 引き続き、自治体や医師会等と緊密に連携してシステムの円滑な運用に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○柴田巧君 システムというものは、いろんな改善もしながらよりいいものにしていくというものですが、役所の方は、一回決めたのはこれもう正しいんだといってなかなか誤りを認めないという文化があるわけですが、これからデジタル化できれば変わっていく部分もあるかもしれませんが、いろんな現場の声もしっかり聞いて、直す必要のところがあればちゅうちょなく直していくというのは非常に大事なことですし、今日はちょっと厚労省は呼んでいませんが、また改めてどこかでお聞きをしたいと思います。 非常にコロナの情報共有のシステムが乱立をしていると、部署ごとに何かこうあって、現場の人たちにいろんな意味で負担も掛け、場当たり的に開発が進んで連携が十分取れていないというところが見受けられます。これは、こういうものこそデジタル庁ができてしっかりと正してもらいたいものだと思っていますが、いずれにしても、このシステム、今のシステムも必要があればまた見直していくということもしっかり頭の中へ入れて進めていただきたいと思います。 次に、ワクチンのデジタル証明書についてお尋ねをしますが、これも、報道によれば、発行する方向で政府は調整に入ったという記事も見ます。 この問題、私は本会議でも、あるいは予算委員会でも、あるいはこの内閣委員会の一般質疑でも取り上げてきましたが、既に世界では広がってきているわけです。実際、EUなどでは、仕事や観光で域内の移動制限を緩和するためにこのデジタル証明書を発行する方針で、そしてまた域外でも機能するよう国際機関と協力をしていると。あるいは、中国やシンガポールあるいは北欧の国々などでも国際的な移動再開に向けて複数の国と協議が実際始まっているわけで、この流れは恐らくどんどんどんどん広がっていくものと思います。 日本では、残念ながら、これまではこのワクチンパスポートなどの普及を想定した本格的な準備が進んできませんでしたが、今、政府の、報道によればですが、この準備に入るやに見えたり聞こえたりするわけですが、やっぱり具体的な対応策を加速すべきときに来たのではないかと思います。 ただ一方で、この打たない人、打てない人もいるのも事実であって、それに当たっては配慮もしていかなければならないと思うわけですが、そこで、どのような証明書を、発行するとするならばすることになるのか、また、いつまでにそれが使用可能になるのか、そして今申し上げたように、ワクチンを接種できない、しない人への差別が生じないようにどのようなことが、もし発行するとしたら必要だと考えているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。 国際的にワクチンを接種したことを示す証明書の導入については、各国、各地域で議論が行われていることは承知してございます。政府といたしましては、国際的な情勢を注視をしているところでございまして、各国の検討状況を踏まえて、関係省庁間で連携をしながら対応を検討することになるというふうに考えてございます。 なお、アレルギー等によりワクチンを接種できない方もいらっしゃいますので、接種の有無により不利益な取扱いを行うことは適切ではないと考えてございますが、いずれにせよ、各国の検討状況を踏まえて対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○柴田巧君 今も答弁では各国の状況を注視してというお言葉でした、答弁でしたが、ずっとこの二か月ぐらい同じ答弁です、基本的には。 しかし、先ほど申し上げたように、どんどんどんどん世界はそういうものが広まっているのは事実であって、心配しますのは、このワクチンでいうと、国内開発も遅れている、接種も遅れている、そしてこのパスポートも遅れるということになると、もうワクチン三連敗になると言っても過言ではないわけで、やはり配慮すべきところ、気を付けなければならないところはもとよりやっていかなきゃいけませんけれども、もう具体的な準備に入っていい頃だと思います。そして、このワクチン接種のスピードアップをすると同時に、今申し上げたこのワクチンパスポートについても本格的な準備に入るべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。 次に、誰一人残さないデジタル社会についてお尋ねをしたいと思いますが、先ほどもありましたけれども、やっぱり一つのこの法案の、今回の法案の一つのポイントは、この誰一人残さない、取り残さない、そして人に優しいデジタル社会をどうつくっていくかということだと思います。大臣はたまに日本流のという言葉も使われるときもありますが、いずれにしても、この誰一人取り残さない、そういうデジタル弱者に手を差し伸べるというか、こういうことが非常に重要であるのは間違いありません。 いずれにせよ、デジタル技術の恩恵を受けられる層と受けられない層との間で社会の分断が生じてしまっても仕方がないわけでありまして、そうさせないための手だてをしっかり講じることが大事です。 このデジタル社会形成基本法第八条には、経済的な状況に基づくネットワークの利用、情報の活用に係る機会、能力の格差の是正とありますが、どのような施策によりこれを実現をしていくのか、また、高齢者、障害者、外国の人、地方、中小零細の事業の人たちなどなどを含め格差が生じないように、この誰一人取り残さないとする理念の実現に向けた取組をどのように進めるのか、併せて大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) その答弁の前に、先ほどワクチン接種の話で、ちょっと私から、今日の記者会見でもいろいろお話しさせていただいたんですが、確かに、ピントが合わないとか、手ぶれで難しいとか、バーコードが読み取れない等々のいろんな御指摘に対してはいろいろ対応させていただいています。バーコードを読もうとしちゃうんですが、こっちはOCR、その数字を読んでもらう。ついついバーコードあるとそっちに合わせちゃうんですね。これがやっぱり非常に混乱を招いた一つの原因だと思って、その十八桁の数字を入れていただく赤枠を表示するように改修させていただきました。これも本当にバーコードでやるならバーコードでやればよかったんですけど、これ途中からこういう形になっているので、OCRの読み取りということです。 あと、焦点距離の問題があって、それに関しては、こっちで焦点が定めやすいようなものを御希望に応じて送付するというようなことをしておりますし、何か不具合等々がありましたら全部その都度お聞きして改修するという体制でおります。 そして、先ほどワクチン接種のパスポートのお話もありましたが、このVRSを開発するときに、将来そのような要請があったときに対応できるデータを出せるようにしてあります。ですから、そういう御決定をいただいたらそのようにシステム改修する準備は内々に当初からしてあったということであります。あとは、その判断をどなたかにしていただく必要があるということでございます。 デジタル社会形成基本法が目指す社会では、全ての国民が情報通信ネットワークの利用や自由かつ安全な情報の活用を通じてデジタル社会の様々な活動に積極的に参加し、能力を最大限に発揮できることが重要だと考えています。 委員の、基本法案の中で引用していただきました誰一人取り残さないデジタル社会の形成に関しては、様々な要因による情報活用等の機会又は必要な能力の格差是正が必要とされ、こうした情報の活用の機会等の格差が生じないよう必要な処置が講じられるべき旨を定めており、御指摘の経済的な状況による格差の是正も含め、デジタルデバイドの対策にしっかりと取り組んでいくつもりでございます。 政府としては、これまでも経済的な状況に対する取組として、例えば、高等学校の低所得世帯等の生徒向け端末整備支援を講じているほか、低所得世帯で障害のある子供のオンライン学習の通信費支援も行っておりますし、必要な施策を引き続き実施していくとともに、ニーズを踏まえた充実を図ってまいりたいというふうに思います。 そのほかの要因に対する格差について、具体的には、高齢者や障害者等に対する使い勝手が良い行政サービスの刷新、UI、UXですね、デジタル活用支援といったリテラシー向上に関する取組の充実、また、多言語音声翻訳システムの利用拡大の推進、情報通信ネットワークの全国な整備の推進など、関係府省と連携して取り組みながら、行政機関内での情報のやり取りが簡素化されることで、究極的には利用者にとってデジタルを意識しないデジタル社会、全ての人にその恩恵が届けられるようにしたいというふうに考えております。 誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向けてきめ細やかに対応をしてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 大臣、ワクチン接種のシステムのこと、あるいはパスポートのことについても御答弁いただきまして、ありがとうございました。是非しっかりとそのことについても対応していただきたいと思います。 いずれにしても、時間が来ましたので、おおよそ来ましたので終わりますが、このデジタルデバイドが起きないように、デジタル弱者が発生しないように、しっかりとこの面の取組もやっていただきますことをお願いを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(森屋宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、北村経夫君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君が選任をされました。 ─────────────
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。今日、最終日になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、マイナンバーカードのスマホ搭載についてお聞きをしていきたいと思います。 私は、行政のデジタル化を進めるに当たって、このマイナンバー制度の活用、大きな意味を持っていると思っています。特に、個人個人がしっかりとそのマイナンバーカードを所持し、様々なサービスに活用できれば利便性が上がるということを実現していかなければいけない。民主党政権の時代に思いを持って入れたこのマイナンバー制度、機能していないこと自体が問題だというふうに思っています。しかし、現在はなかなかこのマイナンバーカードの普及率も上がらず、先ほどお聞きしていると、やはり附帯率というと二八%にしかなっていないということなんですが、これが様々な逆に言えばそのサービスの足かせにもなっているんじゃないかと思います。この問題の解決策の一つとして期待されているのが、スマートフォンにマイナンバーを搭載することであります。 現在、一にお示しをしましたとおり、資料一、お配りしましたが、政府内でこれ検討中だということですが、大きく三つぐらいの課題があると思っています。一つは、対応機種がシャープや富士通、サムスンのアンドロイドに今検討が限られているということ。それから二つ目には、いわゆる紛失した際や機種変更等々、その失効の管理がどうなっていくのかということ。三つ目には、マイナンバーカードの所持が前提となっているという問題であります。 この検討状況について簡潔に総務省から御説明をお願いします。
○副大臣(熊田裕通君) 本改正で創設する移動端末設備用電子証明書は、国際的なセキュリティー基準を満たした安全なICチップを有するスマートフォンに搭載されることを予定しており、その対応機種は今後普及が見込まれるところでございます。 また、その発行をマイナンバーカード所持者に限っている理由につきまして、マイナンバーカードの電子証明書を信頼性の基礎としてオンラインで簡便かつ確実に発行することを可能としていること、仮にカードを所持していない者に発行することとした場合、発行時の本人確認のために窓口で対面での手続が必要となり、利用者及び行政機関双方にとって過度な負担となること、マイナンバーカードはデジタル社会の基盤としてその普及を進めることが重要であることと、よるものでございます。 不正利用対策につきましては、本改正で、移動端末設備の使用者に対し、機種変更時等の際に電子証明書の失効申請を行うことを義務付けるとともに、携帯キャリアや中古端末取扱い事業者に対し、窓口で電子証明書が失効、削除済みであることを確認するよう要請するなど重層的な措置を講じる予定であり、さらに、移動端末設備の紛失時にはJ―LISのコールセンターへの連絡により電子証明書の機能を一時停止する運用としてまいります。 いずれにせよ、法案成立後は、現在、総務省で設置している有識者検討会の議論などを踏まえ、実運用に向けて丁寧に検討を行い、令和四年度中の円滑な施行に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○矢田わか子君 マイナンバーカードの普及が進まないということのやっぱり根本要因に、残念ですけど、やっぱり政府に対する信頼の不足が私はあると思っています。 スマホに搭載できればすごい便利なんですけど、これもカードを発行してわざわざ搭載するんじゃなくて、本当はカードを発行せずとも、当然のことながらスマホに搭載できるようにしていくべきだと思うんですね。まだ一年半先のことですので、是非そういう検討をお願いしたいというふうに思います。 加えて、元々そのマイナンバーカードの制度導入の目的は、やっぱり行政運営の効率化、そして利便性の向上、何よりも公正な給付と負担の確保だったはずなんですよ。そこが、その三つの目的が達成するために何の課題があるのかということをやっぱりやっていかなくちゃいけないわけなんですけれども、私たちは、先ほど質疑聞いていると、平井大臣からもプッシュ型支援という言葉がありましたが、何の手続せずとも本当に困っている人たちにきちっとこの給付が行われるというふうなことを含めて求めていきたいというふうに思っていますし、その公平公正な税制、所得再配分機能ですね、私たちがずっと伝えている給付付きの税額控除、これも最大目的として持っていますので、是非この辺りの論議もまたお昼からも含めてやりたいなと思っております。 二つ目の課題に行きます。新システム構築におけるセキュリティーの確保についてです。 行政におけるシステムのセキュリティーに関しては、どうしてもサイバー攻撃とか、そういうシステムを守る大きなセキュリティー構築というのが目に付きやすいんですけれども、私は、アナログ的ですが、やっぱり担当者の情報の漏えいとか部外者の侵入などの対策の強化というのも同時にやっていかなければいけない大きな課題だというふうに思っています。 これは、官庁や自治体にシステムのメンテナンス等に出入りしているベンダーの御意見でもあるんですが、システム発注におけるそのセキュリティーの対策、例えば仕様書ですね、やり取りするときの、そういうのをぽんと置いておかれたり、鍵が掛かっていないところに置かれたりなんてことが散見されるというような報告も受けておりまして、やっぱりそのきちっとしたセキュリティー対策、基本となるところからやっていかなくちゃいけないというふうに思います。 情報セキュリティーの脅威、五大脅威と言われているものの第二位は、実は内部不正による情報の漏えいなわけです。その辺に置いている資料をぱっと持っていってしまったりとか、部外者が持ち出したり、若しくは内部の方が漏えいしたりということですので、基本中の基本のところもしっかりとやっていただきたいと思います。 今後、デジタル技術者、民間登用も進んでいきますので、いろんな会社からセキュリティーに対する意識が様々な方が集まってくる集合体にもなりますので、その中におけるやっぱりルール作りとか仕組み構築、大事だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 全く先生の御指摘のとおりだと思っています。行政システムの整備、運用を含めて、デジタル庁の組織の運営に当たっては、あらゆる面で情報の管理を徹底していきたいということで、各省の模範になるようなやり方を今回、サイバーフィジカルに考えているというところでございます。
○矢田わか子君 令和二年度の一月の会計検査院の報告、指摘で、きちっと、平成二十七年、二十八年含めて、各自治体に対して情報セキュリティー強化の補助金もしっかり出しているにもかかわらず、一部の自治体が国の求める対策を怠っているというような報告もなされておりますので、デジタル庁が模範となり、やっぱり各自治体に対してもしっかり司令塔となって指示していただけるようにお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 続きまして、生体認証導入の検討状況について、これ総務省ですね、また済みません、お聞きしていきたいと思います。 今後、マイナンバーを活用した行政手続、拡大していくと思います。また、民間事業者における公的個人認証サービスで利用される事例も増加していくでしょう。こういったマイナンバーカードを活用した手続においては、まず本人確認するわけですけれども、もう皆さんも当然やったことがあるように、一般的には、対面で手続するときに、お顔を見てカードを提示して、そしてそのお顔が本人なのかどうかという、この顔写真との目視による確認なんですね。そして、パスワードを打ってくださいという、これが通常だと思います。 オンライン上においても、今されているのは、カードをカードリーダーで読み取り、その後、必要だったら顔写真を送付して、また画面上で写真との突合、目視による確認をしていると。ただ、マスクもしている時代に、本当に一〇〇%成り済ましを見抜くことができるのかなというふうなことも疑問なわけであります。また、パスワード忘れというものも散見される。 今回、三月から健康保険証利用始まりましたけれども、ようやく顔認証付きのカードリーダー、医療機関に設置されていくということですが、患者が顔認証を選択すればパスワードを打ち込まなくて済むというメリットもあります。ですから、言いたいことは、認証のためのその精度を高めていけば、より利便性は高まるし、カードの持参が要らなくなるということでもあります。 インドに、平井大臣、行かせていただいたときに、インドは既に、もう三年、四年前ですよね、指紋と虹彩、そして手のひらの静脈、この三つの生体認証でもって確認をする、で、附帯率が何と九八%を超えていたということでもありますので、ああいったアドハーのようなものをしっかりと私はつくっていくべきだということを思っていまして、更なる生体認証の活用が必要だと考えています。 資料二に今の生体認証の技術を一覧でまとめさせていただきました。かなりやっぱり進んでいっているんですね。指紋、顔、虹彩のみならず、今は音声だとか、それから眼球、耳の形とか、DNAまで含めて、これだけいろんな技術革新が進んでいます。しかも、世界で最先端を走っているNECさんの顔認証の技術は、もう今や誤作動を起こす率が〇・三パー以下ということでもありますし、マスクをしていても九九%、その人だということが目の周りのデータだけで分かるというような技術革新まで今進んでいる状況にあります。 是非、この日本最先端の技術、インドには使われているんです。でも、日本には使われていないということでもありますので、是非活用を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(熊田裕通君) お答えいたします。 マイナンバーカードにつきましては、オンラインで確実な本人確認を行うための基盤となるものであり、不正取得等を防ぐため、申請時又は交付時に市町村の職員による対面での厳格な本人確認を経て交付することを原則としております。 その上で、マイナンバーカードの利用に当たっての生体認証の活用につきましては、暗証番号を記憶する必要がないという便利な面がある反面、一定の確率で本人を拒否したり他人を本人と誤認してしまうこと、指紋や虹彩などの通常視認できない身体、行動情報は本来他人が知り得ない機微な個人情報であること、暗証番号とは異なり、取り替えることや流出時に消去することが困難であることといったセキュリティー上や利用面での課題もあるところでございます。 このような点を考慮し、マイナンバーカードの電子証明書の利用に当たっては、一定の性能や機能を持つ端末の設置などの設備、体制と総務大臣許可を要件とした上で、顔認証を利用する方式を令和元年に制度化し、マイナンバーカードの健康保険証利用でも活用することとしております。 また、署名用電子証明書の暗証番号の初期化、再設定手続について、顔認証技術を活用したアプリの開発に取り組むとともに、スマートフォンに搭載される電子証明書の利用における顔認証技術の活用についても、課題を整理しつつ検討を進めているところでございます。
○矢田わか子君 やはり日本で、最先端技術を持っているわけですから、それを活用して、不正使用とか成り済ましだとかそういうものを防ぐ、そしてまた利便性を高めるということにも是非活用を検討していただければと思います。 一方で、顔認証が監視社会につながらないのかという懸念も出ております。利便性が上がる一方で、特に顔認証については、事業者等の入退室の管理に活用されるという程度では問題ないと思いますが、やはり中国等で実施しているように、顔認証データと防犯カメラが連動すると、個人の行動履歴、データ化して監視するような目的で使うと、完全にプライバシーの侵害だということも起こり得るわけであります。 アメリカでは、警察が顔認証AIを活用した捜査、実施しておりますが、誤認捜査や人権のそのプロファイリングに利用されることへの批判が高まりまして、IBMが顔認証のAI事業から撤退したというニュースもありました。IBMは、顔認証技術も含めたあらゆるテクノロジーが大衆監視や人種によるプロファイリング、基本的人権や自由の侵害に使われることに強く反対し、容認しないという声明まで出されています。 したがって、やっぱり生体認証技術、あくまでも国民の利便性向上に使われる、利用されることに限定されるべきであって、監視社会を導くような、そんなありようとはならないようにしていただきたいと思いますが、御見解をお願いします。
○国務大臣(平井卓也君) 顔認証データの取扱いについては、本人を判別可能なカメラ画像を撮影、録画する場合には個人情報の取得となるため、その利用目的をできるだけ、できる限り特定し、原則として利用目的の範囲内で利用することが必要となります。また、外部提供の制限とか安全管理措置などの規律も遵守する必要があります。 改正後の個人情報保護法では、独立規制機関である個人情報保護委員会が行政機関や地方公共団体を含む我が国全体における個人情報の取扱いを一元的に監視、監督することになるため、個人情報保護委員会が個人情報の適切な保護のため必要な法執行を行うことになります。 また、この個人情報保護法の内容については、今後のいろんな技術革新等々の進展も勘案しながら定期的に見直していかなければならないものだと、そのように思っております。
○矢田わか子君 大臣最後おっしゃったとおり、今現在は利便性が高まるようにこうした技術の活用ということをお願いするにとどまるんですけれども、これから先々を見越すと、一覧表でお渡ししたとおり、本当にいろんな技術革新が私たちの想像を超えて多分進んでいくというふうに思われます。 それによって、場合によってはですけど、こういうものを行政機関が活用する際に、今は想定していないんですけれども、それに伴う法整備等もしていかなくちゃいけないというふうなことも予測されるんですが、これについてはいかがですか。
○国務大臣(平井卓也君) もう私も全く同じ認識で、未来予測がなかなかできない状況の中で、できるだけやっぱり法律も素早く対応できるように、改正できるようにしていかなければならないと、そのように考えております。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 続いて、ビッグデータの利活用についてお聞きをしていきたいと思います。 ビッグデータの利活用、民間企業のマーケティング、商品開発に役立つばかりではなくて、医療や介護、教育など、本当様々な場面で私は社会的な課題の解決にも必要であると思っています。 一方で、ビッグデータは当然個人的領域に関するデータ、つまりセンシティブ情報を含むものもありますので、データ利活用には厳格なルールをやっぱり設定して、これを扱うスタッフについても一定の能力、その技術力だけじゃなくて、倫理観を持った方々に当たっていただかなければいけないんじゃないかと思います。 このために、そのビッグデータの技術者、現在、国家資格をちょっと一覧表で、資料三のように、お配りをしてみました。 現時点でですけれども、このデータの処理に関する試験としては、一番のこの国家資格である有名な情報処理技術者、安全確保支援士試験のみならず、二、三、四はこれ民間の資格になりますけれども、統計検定やオラクルマスター試験、これ国内の約半数のデータベースを扱う技術者ですね、技術を有すること。四番目は、オープンソースデータベースという、このデータベースに関する技術力と知識。そして五番目、これがまた新しくできたデータベーススペシャリストですけれども、こんな専門家を有する資格までできているということなんですが。 ビッグデータを扱うには、先ほども申し上げたとおり、ちょっと違った観点で、総合力というか、それから倫理観というか、そういうものも含めたものが要ると思っていまして、こうしたものを統合したような資格制度を考えられてはと思いますが、これ提案ですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。 データを活用してビジネス始め様々な分野に生かす人材を育成していくことは、先生御指摘のとおり大変重要でございます。 経済産業省では、デジタル分野の国家試験、それから資格としては、今御指摘ありました情報処理技術者試験、それから情報処理安全確保支援士制度を実施しております。これらの試験、資格制度については時代に合わせた見直しが必要だと考えております。データ利活用が進むデジタル社会の到来に向けて、本年二月から有識者検討会を立ち上げ、国家資格も含めたデジタル人材政策の在り方について議論を始めたところでございます。 さらに、民間の試験、資格制度、たくさんあるわけですけれども、こういったものも活用して、データサイエンスも含めたデジタルリテラシーをあらゆる職種において向上していくため、先月、官民協力の下でデジタルリテラシー協議会を立ち上げたところであります。協議会では、国家試験である情報処理技術者試験に加えて、データ活用に係る民間試験についても受験を推奨し、官民のデジタル試験を双方活用しながらデータを扱うスキルの向上を図ることとしているところでございます。 引き続き、高い能力と倫理観を有するデジタル人材の育成に向けて、国家資格制度も含めて様々なデジタル人材育成政策を活用して取り組んでまいりたいと思います。
○矢田わか子君 是非、AIの技術者のみならず、こういうデータの取扱いについても資格制度設ける中で育成を早期に進めていただきたいというふうに思います。 最後に、システム調達と民間出向者の関与の在り方についてお聞きします。 これ、ちょっと報道もありましたのでお聞きせざるを得ないと思いましたが、J―LISで社員を出向させた企業を中心に発注をそのシステム運営上されたというふうな報道がありまして、多くが随意契約だったというふうなことですが……
○委員長(森屋宏君) 申合せの時間が来ておりますので、おまとめください。
○矢田わか子君 はい。 こういうことについて、ちょっと対策が必要だと思います。一言だけ、対策についてお願いします。
○国務大臣(平井卓也君) 民間の人材を組織で受け入れるというときには、公務の公正性に疑念を抱かれるようなことがないように十分留意するということが必要で、デジタル庁もそのような形で進めていきたいと考えております。
○矢田わか子君 しっかりとルール作りをし、透明性を高めて、民間の力も活用しながらの推進をお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 五月六日に行われた参考人質疑でも、監視社会とならないための監視ができるかどうかが非常に重要だということが参考人の方々からも述べられていたわけです。 それで、具体に今日は警察行政についてお聞きします。 刑事手続やそれ以外の警察行政によって警察は膨大な個人情報を収集しています。本法案によって、警察を含む行政機関の個人情報の取扱いは個人情報保護委員会の監督対象となるわけです。 まず確認します。被疑者の要配慮個人情報であるDNA、指紋、そして外見から個人を容易に識別し得る顔写真、このデータベースに登録されている件数がそれぞれ何件か、お答えください。
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。 令和二年末現在、被疑者写真の件数は約千百七十万件、被疑者の指紋の件数は約千百三十五万件、被疑者のDNA型の件数は約百四十一万件であります。
○田村智子君 今答弁していただいた数字というのは個人が特定されている件数なんですね。つまり、顔写真で言えば一千百七十万人分、指紋は一千百三十五万人分。これ、どちらも全人口の約一割に及ぶということになります。 逮捕されたとき、顔写真や指紋を取られる。DNAは原則として任意提出ですけれども、令状で強制的に採取される場合もあります。朝日新聞の報道を見てみますと、DNAの登録というのは年間約十五万件増加していると報じられていまして、これ年間検挙件数は、逮捕と任意の取調べの合計が二十五万件弱ですから、その多くでDNA採取も行われているということになると思うんですね。 これらの個人情報は、死亡した場合や九十九歳になった場合には削除されるということなんですけれども、それ以外は削除はされないんでしょうか。不起訴となった場合、無罪判決が出された場合、どうなりますか。
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。 警察庁が保有しております被疑者写真、指紋、DNA型の抹消につきましては、被疑者写真規則、指掌紋取扱規則、DNA型記録取扱規則において、それぞれ、当該被疑者が死亡したとき又は保管する必要がなくなったときに抹消しなければならないと規定されております。保管する必要がなくなったときに該当するか否かにつきましては、個別具体の事案に即して判断する必要があり、一概にお答えすることは困難であります。 なお、警察が保有する被疑者写真、指紋、DNA型の中には、無罪判決が確定した方や不起訴処分となった方のものも含まれるところ、誤認逮捕といった場合には、その方の被疑者写真、指紋、DNA型を抹消することとしております。
○田村智子君 無罪が確定しても不起訴であっても削除されないんですよ。 今答弁で、誤認逮捕の場合は削除ということなんですけれども、じゃ、そのことを示す方針文書などはあるんでしょうか。確実に削除がされるという保証、これはどこにありますか。
○政府参考人(猪原誠司君) 被疑者写真等につきましては、各規則において、これを保管する必要がなくなったときには抹消しなければならないと定められているところであります。保管する必要がなくなったときに該当するか否かにつきましては、個別具体の事案に即して判断する必要があるため通達等で一概に定められていないところでありますが、同規則に基づく適正な運用がなされているものと承知しております。 お尋ねの誤認逮捕につきましては、保管する必要がなくなったときに該当するものとしてこれまでも様々な機会において指導してきたところであり、そのように運用がなされているものと承知しております。
○田村智子君 これ、文書上ないんですよ、規則に定め、ないんですよ、明文化されたものが。 誤認逮捕というのは、そもそも逮捕や被疑者として扱われることがあってはならないんですね、あってはならないんですよ。削除されるべきでしょう。ところが、削除を指示する文書もない。個別の判断というふうになれば、これは問題、削除しなければならないんじゃないですかというふうに求めるときの根拠となるものがないということにもなりかねないんですね。 現行法の適正運用という観点から、まず総務省にお聞きしたいんですけれども、現行法の五十一条に基づいても、これ意見を述べるべき事案ではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(阪本克彦君) お答えいたします。 誤認逮捕の場合は、その者のDNAなどの情報は削除されるものと聞いておるところでございます。そういったことであれば、その削除の指示に係る文書がないことをもって、直ちに行政機関個人情報保護法の目的を逸脱し、同法五十一条による意見陳述を行うこととはならないものと考えております。
○田村智子君 じゃ、個人情報保護委員会にお聞きします。 法改正後には警察庁に対する監督も行うことになりますけれども、これは私、きちんと対応すべき事案だと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(福浦裕介君) 現行の行政機関個人情報保護法におきましては、個人情報を保有するに当たりまして、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を保有してはならない旨の規定がございます。 この規定と同様の規定が改正後の個人情報保護法にも置かれているところでございまして、警察においては、誤認逮捕等があった場合には被疑者から取得したDNA等を削除することとしているとのことでございますが、個人情報保護委員会においても、こうした改正後の個人情報保護法の規定にのっとって、行政機関等において適切に個人情報の取扱いが確保されるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○田村智子君 文書上、規則として示されているのは個別の判断しかないんですよ。これ、ちゃんと指導できるか、監督できるかだと思うんですね。 警察庁にもう一点お聞きします。不起訴、無罪となった場合でも、なぜデータベースから削除されないんですか。
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。 警察が保有する被疑者写真、指紋、DNA型の中には、無罪判決が確定した方や不起訴処分となった方のものも含まれるところでございます。この点、無罪判決が確定したこと等をもって直ちに検挙時の撮影や採取自体が違法になるものではなく、そうした被疑者写真、指紋、DNA型を引き続き保管することについて法的な問題はないものと認識をしております。
○田村智子君 取得時に適法であったとしても、保有し続けることが適当であるかどうかというのは違うと思いますよ。検察官が処罰を求めなかった、犯罪の証明ができなかった、無罪となった、こういう個人について、データベースから削除されず、言わば終生容疑者扱いするということになりますよね。 警察のDNAデータベースについて、朝日新聞のデジタル版に短期連載があったんです。こういうケースが載っています。警察署に向かうと、犬を捜すためのチラシを電柱に九枚貼ったことが市の屋外広告物条例違反だと伝えられた。経緯を聞かれ、チラシを貼った現場では指さし確認の写真を撮られた。一か月後、再び聴取を受けた。鑑識の部屋に入ると、写真撮影され指紋を取られた。次はDNAを取りますと言われ、綿棒で口の中から取った。ついに犯罪者になってしまったと落ち込んだ。数か月後、女性は不起訴処分となった。これ、電柱に迷子の犬を捜すためのチラシを貼っただけでDNA採取なんですよ。 愛知県内の三十代男性が立入禁止の場所で釣りをしていたとして、軽犯罪法違反の容疑で県警から事情聴取を受けDNAなどを採取された。その後、不起訴処分となった男性は、データの抹消を求めて国や県を相手取り訴訟を起こしていると。 両件とも、データベースの削除を求めて訴訟が提起されているということなんです。 迷い犬のチラシを貼った、立入禁止の場所で釣りをした。そもそもこれらがDNAの採取が必要な事件なんでしょうか。その事件の捜査では必要性がないのに、余罪があるかもしれない、将来の犯罪調査のためだとしてDNA型の採取を行ってデータベース化しているということなんじゃないんですか。
○政府参考人(猪原誠司君) 警察では、犯罪捜査に資することを目的として、DNA型を作成し、管理し、及び運用しているところであります。なお、この目的につきましては、DNA型記録取扱規則においても定められているところであります。
○田村智子君 警察の方針というのはどんどんエスカレートしてきたと思うんですよ。これ、従前は、強姦や強制わいせつなどの性犯罪あるいは強盗や窃盗などで被疑者を逮捕した場合であっても、同種の犯罪について余罪を具体的に把握していなければDNA採取やDNA型データベースとの照合というのは実施していなかった。しかし、二〇一〇年四月一日からは、余罪を具体的に把握していない場合でも余罪が疑われれば積極的にDNAの任意提出を求め、データベースと照合するという方針になった。 さらに、二〇一二年九月十日、被疑者資料、これDNAのことです、被疑者資料の積極的な採取とDNA型鑑定の実施をするよう通達が出されています。性犯罪以外の罪種についても、余罪を犯しているおそれを限定的に解釈することなく、DNA型鑑定によって余罪の有無等を確認する必要性がある被疑者については、身柄拘束の有無にかかわらず積極的に被疑者から採取し鑑定を実施するようという指示なんですね。 さらに、二〇一六年十二月一日の通達、DNA型鑑定資料の採取等における留意事項についてでは、被疑者資料、これDNAですね、採取時の留意事項として、本件や余罪捜査のために必要な場合には積極的に被疑者から鑑定資料を採取して鑑定を実施するというふうにされているんです。余罪を犯しているおそれを限定的に解釈することなく積極的に採取を行う、保管する。この方針の下で、究極の個人情報であるDNA採取が大多数で検挙者に対して行われていることになると思うんですね。 行政機関個人情報保護法は、行政機関が取得し保有する個人情報は利用目的に照らして必要最小限の範囲内で行わなければならないというふうに規制していますけれども、警察行政においては言わば有名無実化しているというふうに私言わざるを得ないと思うんです。これは、警察の中に規則があるからそれでいいんだということでは終わらすことのできない問題だというふうに指摘をしなければなりません。事実、弁護士会の人権救済勧告が出されていたり、法律の規制もなくこうした膨大な採取が終生保存されるという状況は非常に問題だということを指摘せざるを得ません。 次に、顔認証についてもお聞きをします。 昨年三月から全国の警察で、過去に逮捕した容疑者の顔写真データベースと犯行現場などの防犯カメラ、事件関係者のSNSなどの顔画像をAIによって照合する顔認証システムの運用が始まっています。AIを使ったプロファイリングですね。顔認証を治安維持に広く活用している中国だけでなく、米国、英国などでも既に広く犯罪捜査や防犯に顔認証は活用されています。 昨年一月、米国ミシガン州でデトロイトの警察が顔認証によって黒人男性ロバート・ウィリアムさんを誤認逮捕したことが大きな問題となりました。これ、顔認証による誤認逮捕の初の事件だというふうに報道されたんです。逮捕の理由は、窃盗事件現場の防犯カメラ映像とロバートさんの運転免許の顔写真が顔認証ソフトの判定で一致したということだけだった。聞き取り捜査も、顔認証ソフトの結果を裏付けるために行われた。自宅で子供の目の前で手錠を掛けられて連行され、三十時間の拘束の上、アリバイが確認されて釈放となったと。ロバートさんは昨年六月、米国自由人権協会ミシガン支部とともに、デトロイト市警察に対して、捜査における顔認証ソフトの利用停止を求めたと報じられています。 警察庁はこの顔認証ソフトによる捜査の問題点をどのように認識されていますか。
○政府参考人(猪原誠司君) 海外におきまして顔認証の誤判定やその活用の在り方についての報道がありますことは承知しておりますが、海外の報道や事例についてお答えする立場にはないと考えております。 なお、我が国の警察では、あくまで個別の事件において、防犯カメラ等に映っている被疑者の顔画像を管理者等の協力を得るなどして提供を受けた場合に、必要に応じ警察が保有する被疑者の写真と照合し、他の捜査結果も踏まえて犯人を特定するなどの捜査に活用しているところであります。
○田村智子君 防犯カメラからは被疑者の顔写真でしょう、あっ、顔のデータでしょう。だけど、それを、警察が持っている膨大な顔写真データ、先ほど言ったように、無罪の人も起訴されなかった人も全部持っているわけですから、それに機械的にAIに掛けているという捜査ですよね。 容疑者としての何らかの証拠があった上で、特定の人物について防犯カメラの画像と一致するのかどうかを確認しているわけではないんですよ。言わば、顔写真のデータベースは全員容疑者の可能性ありというふうにして顔認証ソフトで計測をさせているわけですよ。一致率によって容疑者とされれば、すぐに逮捕ということが行われなかったとしても、通信傍受とか周辺の聞き込みとか尾行とか、犯人扱いとも言えるような捜査の対象となり得るわけですよ。これが捜査手法の当たり前になってしまっていいのかというふうに私は思います。 アメリカでは、先ほどもありました、IBM、アマゾン、マイクロソフトなど、多くの企業により顔認証のためのAIシステムが開発され、警察、警備会社、小売業などでも活用されていますけれども、マサチューセッツ工科大学などの調査によって、顔認証の認識率には、性別、年齢、人種で大きな差があるということが指摘をされています。男性に比べると女性の一致率が低い、白人に比べて黒人の一致率が低い。IBMのAIでは白人男性と黒人女性とで一致率には三四・四%もの開きがあったという調査結果なんです。誤認される確率が黒人及び女性で高いということが示されて、これはマイノリティーへの差別にもつながるということで問題になった。先ほど矢田議員の質問の中で、IBMがこの顔認証を一旦停止しているというのも、こうしたことの批判があってのことだと思うんですね。 こうした調査や研究も受けて、さきに紹介した事件だけでなく、公民権運動団体、人権擁護団体、プライバシー問題の研究グループなどがアメリカの各地で警察捜査での顔認証ソフトの使用停止というのを求めているわけです。顔認証そのものに技術的な欠陥がある。これはロンドンでも物すごい防犯カメラ設置してやっているんですけど、これ、実際に顔認証ソフトで犯人とされた人の確率が極めて低いということがやはりロンドンでも大学の研究で明らかにされているんですね。 そうすると、この顔認証そのものに先進的に行っている国であっても問題が起きている、そうすると、技術的な欠陥が現状ではあるというふうに指摘せざるを得ないと思うんですけれども、警察庁の認識、いかがでしょう。
○政府参考人(猪原誠司君) 繰り返しになりまして恐縮でございますが、海外の報道や事例についてお答えする立場にはございません。 なお、我が国の警察では、あくまで個別の事件において、防犯カメラ等に映っている被疑者の顔画像を管理者等の協力を得るなどして提供を受けた場合に、必要に応じ警察が保有する被疑者の写真と照合し、他の捜査結果も踏まえて犯人を特定するなどの捜査に活用しているところであります。 警察で行う顔画像の照合につきましては、照合する被疑者の写真の画像と似ている被疑者の写真が順に表示される仕組みでありまして、指紋のように高度に個人を特定するものではなく、警察では他の捜査結果も踏まえて犯人を特定するなどの捜査に活用しているところであります。
○田村智子君 だから、似ていれば容疑者扱いとなって、さっき言ったみたいに通信傍受とか尾行とか、そういう対象になり得るということじゃないですか。警察に登録された顔写真は、生きている限り、生きている限り削除されないんですよ。そうすると、じゃ、年取ってもその若いときの写真そのまま残っていたら、誤認される確率だって、私、高くなると思いますよね。 では、個人情報保護委員会にお聞きしたいんですけれども、個人情報の利活用による人権侵害等を防ぐ目的で、開示、訂正、利用停止、削除の権利、これ個人情報保護法で認められています。警察の保有する顔写真、DNA、指紋のデータベースについて、こういった権限を行使するということはできるんでしょうか。
○政府参考人(猪原誠司君) お尋ねのような開示請求等の手続は基本的に行政機関個人情報保護法で定めておりますところ、警察が保有しております被疑者写真、指紋、DNA型につきましては、行政機関個人情報保護法第四十五条第一項の規定に基づき、開示請求、利用停止請求等をすることのできる対象から除外されているものと承知しております。
○田村智子君 今の個人情報保護法では救済のすべがないということですね。 欧州人権裁判所が昨年二月、英国に対し、二〇〇八年、飲酒運転で逮捕、起訴された男性の顔写真、DNA、指紋などを無期限で持ち続けていたことについて、罪の軽重を考慮せずに永久に保持し続け、実質的に見直しの機会も与えないのは私生活を尊重する権利侵害を構成し、違法であるとの判決を出しています。その理由の中では、民主主義社会では許容できないという言及もあるわけですね。 平井大臣にもお聞きしたいんです。 警察が、犯罪の軽重などを全く考慮せずに、無罪となっても、一たび被疑者となれば顔写真や指紋、DNAを無期限に保有する、犯人の生体情報と照合し続ける、実態としては容疑者として取り扱い続ける、こんなことが民主主義社会で許されるのかということなんですよ。 こういう個人情報のことについてお聞きすると、すぐ個人情報保護委員会に聞いてくれと言うんですけど、立法提案は個人情報保護委員会できるわけじゃないですからね。それは個人情報保護法を所管する大臣にお答えいただかなきゃいけないんですよ。やっぱり法制化によって警察による個人情報の濫用を防ぐ厳格な仕組み、これ、私、検討されるべきだと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) まず、個人情報保護法では、独立規制機関である個人情報保護委員会が行政機関や地方公共団体を含む我が国全体における個人情報の取扱いを一元的に監視、監督することとなるため、個人情報保護委員会が個人情報の適切な保護のために必要な法執行を行うことが重要と考えています。 今先生が御指摘されたいろいろな件に関して、これも個人情報保護委員会が適切に判断をしていくものと考えております。
○田村智子君 じゃ、個人情報保護委員会にお聞きしますけど、今警察庁から、適用除外だから、無罪になった方が、私のものを、私のデータはもう削除してくれというふうに求めることできないという答弁だったでしょう。どうやったらこれ、権利の救済できるんですか。現行法では難しいんじゃないですか。これ、個人情報保護委員会、お答えいただきたいんですけど、どうですか。
○政府参考人(阪本克彦君) 現行法のことについてお答えいたします。 まさにその先生御指摘の行政機関個人情報保護法四十五条一項の規定でございますが、これは、刑事事件に係る司法警察職員が行う処分等に係る保有個人情報につきましては、開示請求に始まります一連の規定を適用除外としております。これは、これらの保有個人情報は個人の前科、逮捕歴、勾留歴などを示す情報を含んでおりまして、開示請求などの対象としますと悪用されて前科などが明らかになる危険性があると、そういったことから、逮捕留置者、被疑者などの社会復帰あるいは更生保護上の問題を考えまして、その者の不利益にならないようにしておるものでございます。
○田村智子君 だって、結果として、刑事処分受けなかった人のデータまでずっと持ち続けられているということなんですよ。だから大臣に聞いているんですよ。 個人情報保護委員会は現行法の下で監督するしかないんですよ。現行法でそれ救済の手段がないんですもの。だから、何らかの警察に対する個人情報の濫用、不起訴となった、刑事処分受けていない、無罪となった、こういう人に対して救済するような法の仕組みが新たに必要なんじゃないですかというふうに大臣にお聞きしているんですよ。
○国務大臣(平井卓也君) 現行は、さっき総務省がお答えしたというか、現行法は所管しているのは総務省ということだと思います。 改正個人情報保護法の下においては個人情報保護委員会ということでございますが、委員がいろいろ御指摘されておりますが、そういうことを濫用されたケースというものが私自身は思い当たることがございません。ですので、その辺りのことも含めて御指摘いただければ有り難いと考えております。
○田村智子君 顔認証による捜査というのは、だって始まったばっかりですもの。DNAの採取なんて、迷子の犬のチラシ貼っただけでDNA採取なんですよ。私は、これを濫用と言わずして何と言うんだろうかというふうに思うんですけどね。 それで、やはりアメリカ見てみますと、ブラック・ライブズ・マター運動による警察による人種差別や暴力の是正を求める世論に押される形で、IBM、アマゾン、マイクロソフトは、警察への顔認証AIシステムの販売の一時停止、中止などに今踏み出さざるを得なくなっているんです。これが今国際的な動向なんです。 マイクロソフト社は、開発が初期段階にある現状を考えれば、顔認証テクノロジーの特定の利用法が法に違反するような差別を含む意思決定をもたらすリスク、これがあると。また、人々のプライバシーを侵害する可能性もある。政府による大規模監視が民主主義の自由を損なう可能性がある。こういう問題を指摘して、法整備を政府に求め、健全な市場の発展のために法による企業への監視が必要だという見解を二〇一八年に公にしているんですよ。 サンフランシスコ市では、二〇一九年五月、顔認証システムを使った警察や市当局による監視を禁止する条例が作られています。 一方、日本では、何の規制もされないままに、顔認証が数年間で急速に普及しています。マイナンバーカードの顔写真もデータとして登録されて、今後、顔認証による本人確認のやっぱり基盤となっていくわけですよね。こうやって顔認証の普及に言わば政府が旗を振っているんですよ、今。 デジタル社会が監視社会にならないというのならば、私は、顔認証システムの規制、その利用を監視する仕組み、特にこれ一番使われるのは私は警察行政だと思いますから、それを監視する、行政の側を監視する仕組み、これ不可欠だと思います。それが個人情報保護法の中で今、穴にもなっている。この検討をやはりやるべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。
○委員長(森屋宏君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後一時七分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、デジタル社会形成基本法案外四案を一括して議題といたします。 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○酒井庸行君 自由民主党の酒井庸行でございます。総理に対して質問をさせていただく機会をいただきましたこと、ありがとうございます。 まず初めに、総理にお願いをしておきたいと思います。 新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が延長をされます。これまで東京、京都、大阪、兵庫県が延長し、新たに愛知県と福岡県が入ると。そして、まん延防止等の重点措置が、これが宮城県、沖縄、埼玉、千葉、神奈川、愛媛県ということであります。引き続き総理にはしっかりと前を向いて対応していっていただきたいことをお願いしておきたいと思います。 それでは、質問に入ります。 私どもの人口の減少というのは非常に深刻で実はあります。高齢者の人口が大変にこれからピークに移ってまいります。超高齢化社会時代に入って、これらの日本の経済社会構造というのが大きな変化を起こしていると、そういうふうに思います。これまでの人口増を前提としてつくられてきた現行の社会のシステムではもう駄目で、見直さなければならないという事態にあるというふうに思います。新しい資源を発掘、活用して、社会全体の効率化を図ることが本当に必要だというふうに思います。 こうした中において、地方行政体制の在り方についても大いに検討していかなければなりません。 総務省の自治体戦略二〇四〇構想研究会の第一次報告に、二〇四〇年頃にかけて迫りくる我が国の内政上の危機というのがあります。これにありますけれども、一つは若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏、二つ目が標準的な人生設計の消滅による雇用、教育の機能不全、三つ目がスポンジ化する都市と朽ち果てるインフラ、この三つに整理をされております。これ、役所としては大変厳しい判断をしてやったんだなというふうに私は思っております。 その整理の中で、行政のデジタル化が経済社会の各分野と比較をして遅れているということは、と同時に、そのことがデジタル社会の実現を阻む要因になっているということは前から指摘されているところでもありました。持続可能で個性豊かな地域社会を形成していく上では、その地域課題に総合的に対応する自治体に求められる役割は大変に大きくて、社会福祉関連業務の増加だとか、それから災害対応、今回のコロナ対策などもそうですけれども、そうした変化やリスクに適応したものへの転換が必要になってまいりました。 高い能力が求められる業務を限られた職員で担っていかなければならないというのが今の現状です。現在の状況では非常に厳しいものがあると私は思います。例えば特別定額給付金のケースでありますけれども、本委員会でも何度も質疑がありました。自治体ごとに構築されているシステムでは、遅延やトラブルの発生は避け難いものだというふうに思います。国際競争力の強化や国民の利便性、新型コロナウイルス感染症対策への対応を含めて、社会の変化に伴う新しい社会システムの構築のためには、デジタル社会の形成は不可欠であります。今、スピード感を持って進めることが大変に重要だというふうに考えます。 社会全体で徹底したデジタル化が進めば、東京一極集中による人口の過度の偏りが緩み、そして、これによる大規模な自然災害だとか感染症リスクの低減も期待できると私は考えました。 デジタル社会形成の基本原則に十項目を挙げております。このうちの一つ、オープンで透明、二つ目、安全が大事、安心が大事、三つ目がいわゆる継続、安全、強靱、四つ目、新たな価値の創造、この四つは大変に私は重要だというふうに考えております。 ただ、しかしながら、デジタルによるシステム化を進めていくにおいて、いまだ納得がいかない点もたくさんあるだろうと思います。例えば、マイナンバーの制度による個人情報の扱い、国が情報を管理するのは怖い、自分の情報がどのように取り扱われるのか、目的外に使われ漏えいしてしまうんではないかなどの国民には不安感もあると思います。 こうした不安を払拭し、国民の理解を得るために、デジタル社会の形成に向けてこれから先もしっかりとした説明が必要だというふうに思います。どのように説明をしていくのか、総理の御見解をお願い申し上げます。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回の感染症では、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れ、こうしたことが、様々な課題が浮き彫りになったと思っています。私自身、思い切ってデジタル化を進めなければ日本を変えることはできない、そういう思いを強くしたものであります。 役所に行かずともあらゆる手続ができる、地方にいても都会と同じような仕事や生活ができる、こうした社会を目指して、誰もがデジタル化の恩恵を最大限受けることができる、世界に遜色のないデジタル社会を是非つくり上げていきたい、このように思っています。 そうした中で、今回の法案は、個人情報の一元管理を図るものではなく、国や自治体において引き続きそれぞれの個人情報を保有する、そのことを前提として、システムやルールを標準化、共通化し、データも利活用しようとするものです。 今委員から御指摘をいただきましたとおりに、政府としてもこうした点を丁寧に説明をしてまいりたいと思います。そのことによって国民の皆さんの不安を払拭をしていきたい、このように考えています。
○酒井庸行君 今、ありがとうございます、総理から、一元化を図るものではないというお言葉をいただきました。 その上で、次の質問をしたいんですけれども、これまでこの内閣委員会のデジタル関連五法案をやっていく中で平井大臣の答弁をずっと伺っておりまして、野党の皆さんも平井大臣に対する期待は非常に私は大きいのではないかというふうに思います。 デジタル庁は予算も一括計上することとされておりますけれども、既存の省庁には権限や予算を手放すことへの警戒感があります。抵抗する省庁もあるのではないかというふうに指摘もあります。こうした点を踏まえると、他省庁などとの調整が非常に必要になってきます。各分野からいろんな意見があることは私も承知をしております。 参考人のとき、委員会での参考人の方からこんな御意見がありました。デジタル化がどういうふうに経済に及ぼすかというと、その効果についてはまだ誰も分かっていないという御意見がありました。ならば、そんなに慌てることはないんじゃないかという方がいるかもしれませんけれども、というわけにはいかない、そんなわけにはいかないというのが、私は思います。 日々進歩するデジタル技術については、これで終わりというものではありません。特に日本のデジタル化がまだまだ遅れているという現実、そしてデジタルというものが漠然としているという現実、ゆえに多くの議論を積み重ねながらとにかく前に進む、一歩踏み出さなければ日本の未来は見えてこないというふうに私は思います。 総理も多分そう思っていらっしゃると思っておりますけれども、今国会にこの法案を提出し、国民の御理解をいただいて一刻も早く行政改革等を進めることで、一人一人のニーズに合わせたサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会、さらに国民が安全で安心に日々を過ごせるようにしたいと、そんな強い思いだと総理は思います。 また、先ほども触れましたが、デジタル化の進展は、個人のプライバシー侵害のおそれを高める価値もあり、個人情報の体制、運用が不十分なものであれば、行政のデジタル化に対する国民、住民の理解を得ることはできません。 平井大臣は常に、現場の声が大事だというふうに言っておられます。現場が一番大事だというのは総理も同じだというふうに思います。私の経験から申し上げますと、熊本での経験でありますけれども、どれだけ官房長官のときに私は総理に救われたか分かりません。現場を大切にしていらっしゃるのは、私は身をもって感じております。そういう意味で、国民に納得してもらえる仕事を、現場を預かる平井大臣の手腕が本当に十分に発揮できるように、是非とも総理が先頭に立ってリーダーシップを取っていただきたい、デジタル社会の実現を図っていただきたいと思います。総理の御決意をお願い申し上げます。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたとおりに、誰もがデジタル化の恩恵を最大限受けることができる、世界に遜色のないデジタル社会を実現したいと思っています。 このような改革の象徴として、デジタル庁を始動させます。デジタル庁は、御承知のような組織の縦割りを排し、強力な権能と、初年度は三千億円の予算を持つ組織として、国全体のデジタル化、ここを主導するものであります。デジタル庁のトップとしてデジタル庁の司令塔機能を遺憾なく発揮をさせて、国、地方、民間を通じたデジタル化、こうしたものを強力に進めてほしい、こういうふうに思っています。
○酒井庸行君 ありがとうございます。 平井大臣に一言もらいたかったですけど、ありがとうございました。頑張ってください。お願いします。
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。 デジタル改革の重要性、必要性は我々も自覚しているところです。一方で、この内閣委員会は、コロナ対策、そして特措法を所管する委員会でもあります。このデジタル改革法案の審議、今日質疑が終われば二十五時間五十五分になりますけれども、我々様々な、複雑な思いでこの質疑に当たってきたのも事実であります。是非総理には、コロナ対策、そして影響を受ける個人、事業者への支援、暮らしの現場、仕事の現場にしっかり寄り添って対策にしっかりと当たっていただくように強く要望をいたしたいと思います。 日本の個人情報保護制度について、平井大臣から、GDPRの十分性認定が日本も認められたことから、日本とEUは個人情報保護の水準が同等であると答弁がありました。一方でEU側からは、日本における公的部門の個人情報の在り方、とりわけ捜査関係事項照会について問題視されていたのは事実であります。午前中もそういう質疑が田村委員からありました。法務大臣の署名で説明文書、弁明書をEUに提出しているということも事実であります。 今回の個人情報保護法改正においてこの点について制度上どのように担保されているのか、私はEUにも説明責任があるんだと思います、対してですね。また、今回の改正により個人情報保護委員会の権限が都道府県警察にも及ぶこととなりますけれども、個人情報保護委員会は都道府県警察による個人情報の取扱いについてどのように監視、監督を行う方針か、総理のお考えをお伺いいたします。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず冒頭、コロナ対策に政府を挙げて全力で取り組むことをお誓いをさせていただきます。 今、EUと同じレベルで個人情報保護が担保されているか、EUが確認をする十分性認定に係る交渉の過程で先方から、捜査関係事項照会による個人情報取得の範囲が明確ではない、そうした指摘があったのは、ここは事実であります。その後に、日本側との対話を得て、我が国の法制度が十分である、そうした理解を今得られているところであります。 法改正においては、都道府県警察を含む行政機関などが必要な場合に限って個人情報を保有し、その利用目的、できる限り特定するなど、引き続き適切に個人情報を取り扱う、このことが求められているというふうに思っています。 さらに、独立性を有する個人情報保護委員会が必要に応じて行政機関等に報告を求めるなどの方法を通じて適切な取扱いというものを確保していきたい、このように思います。
○木戸口英司君 EUから留保付きであるということはやはり事実だと認識しなければいけないと思います。政府には説明責任が伴うということをしっかりと任じていただきたいと思います。 そして、基本法第一条の目的には、経済の発展、国民の幸福が掲げられております。プライバシー権は、憲法第十三条、幸福追求権に基づいた権利であり、基本法には、憲法第十三条にある個人の尊重と生命、自由及び幸福追求権の尊重から導かれる個人の権利利益の保護をしっかりと規定するべきであると私たちは衆議院の審議からずっと主張してまいりました。 政府案第十条においては、個人及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにと受動的に規定されているものの、積極的に個人の権利利益を保護する旨を規定すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。少なくとも本条文はそのように解釈すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今般の法案の目的に掲げる国民の幸福な生活の実現には、今御指摘をいただきました個人の権利利益の保護も含まれていると考えます。また、法案の第十条においてもその趣旨を規定をいたしています。 なお、第十条の条文が受動的な規定であるとの御指摘でありますが、デジタル社会の形成に当たっての基本的な理念を定める規定であり、この法案を運用する政府として、その理念の下に積極的に個人の権利利益の保護に取り組んでいく、このことは当然のことであるというふうに考えています。
○木戸口英司君 法文にどう書くかということもですけれども、実効性が問われるところでありますので、様々な疑念が今回の委員会でも示されたところであります。しっかりと受け止めていただきたいと思います。 そこで、個人情報保護法において本人による開示、訂正、利用停止等を可能とする規定が設けられているというところですけれども、本人の関与する権利、これが十分という認識でしょうか。今後、GDPRで認められている消去権、データポータビリティー権等、個人情報保護法に規定し、本人の関与する権利の強化に向けて検討する考えはございませんでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回の法案では、御指摘の消去権、データポータビリティー権を権利として規定はしておりませんけれども、本人による個人情報の開示、訂正、利用停止等を可能とする規定を設けるとともに、既に昨年の法改正において利用停止請求の要件拡大などを行っており、国際的に見ても、これ、遜色のない本人関与の仕組みを実現をしている、このように認識をしています。 さらに、将来的に個人情報保護をめぐる社会情勢の変化等があった場合には、個別の規定の内容について必要な見直しというものを行ってまいりたいと思います。
○木戸口英司君 まあここは指摘とさせていただきますけれども、今回の委員会の中でも個人情報保護委員会の体制の強化ということは随分議論がありました。その必要性は平井大臣も認め、これから検討していくということでありますけれども、是非その工程とその規模感、あるいはその機能というところをしっかりと説明をしながら取り組んでいただきたいと、ここは指摘とさせていただきます。 また、もう一つ、公的部門における個人情報保護委員会の監督、監視権限は十分に機能すると、そのことのために、個人データの公共政策での利活用においては政府等による徹底した情報公開、説明責任が求められると考えますので、ここも強く指摘をさせていただきたいと思います。 デジタル監について質問をさせていただきます。 デジタル監、民間人採用であります。特別職の国家公務員、まさに政治任用ということでありますけれども、政治的中立、これはしっかりと守られるのか、総理からお伺いをいたします。 また、デジタル監に利益相反等の重大な問題が起こったとき、内閣総理大臣に任命責任が伴うと思いますが、この認識をお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(菅義偉君) デジタル監は、デジタル社会の形成の推進を担うデジタル大臣に助言を行うとともに、デジタル大臣を助け、各部局が行う事務全体の監督を行うものであります。そのため、デジタル監には、情報通信技術の活用に係る高い識見に加えて、高い組織マネジメント能力が求められると思っています。広く各界から適格な人材を求める必要があることから、政治任用の特別職にいたしました。 デジタル監は、他の特別職と同様、国家公務員法上の政治的行為の制限は受けませんけれども、職務専念義務や信用失墜行為の禁止、守秘義務、兼職制限などが課せられ、公職選挙法により、地位利用による選挙運動の禁止が課せられます。これらの規定により、政治的な中立性というのは確保したいと思います。 利益相反となる行為についても、当然、これらの規定に反するものであり、そのような行為を行うおそれがない者を任命権者である内閣の責任において任命をしたい、このように思います。 いずれにしろ、デジタル監について適切な人材の登用を行うことができるように努めてまいりたい、このように思います。
○木戸口英司君 今回、デジタル庁が内閣の下に置かれて、総理がトップ、そしてデジタル大臣、副大臣、政務官、そしてデジタル監も事務方トップとして政治任用であるということ。非常に大きな力を持った、それはデジタル改革を進めるのにそれが必要だという認識なんだと思いますが、それに比して、個人情報保護委員会についてはこれからの体制強化ということ、そういったアンバランスなスタートがいろいろな疑念を持たれているということでもありますので、しっかりと個人情報保護について力を入れて、これから体制強化に向けていただくことをまず要望して、質問を終わらせていただきます。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。 本日は、最後の質疑に総理にお越しをいただきました。大変にありがとうございます。 そこで、改めてになりますけれども、基本的な点を幾つか確認をさせていただきたいと思います。 総理のリーダーシップによって急速に進められておりますこのデジタル改革につきまして、デジタル社会の理念、そしてビジョンについてでございます。 公明党は、一貫いたしまして、豊かな国民生活と誰一人取り残さない社会を実現させるということを訴えてまいりました。昨年の十一月にも、菅総理、そして平井大臣にも私どものそうした思いを込めた提言を申し入れさせていただいたところでございます。 今回のデジタル改革関連法案は、また、そして今後築かれていくデジタル社会というのはこうした我が党の訴えも十分に踏まえていただいたものと認識をしておりますけれども、これら法案の意義について改めて菅内閣から御所見を、そしてデジタル社会の理念、そして総理のビジョンをお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私としては、役所に行かなくともあらゆる手続ができる、地方にいても都会と同じような仕事や生活ができる、こうした社会を目指して、誰もがデジタル化の恩恵を最大限受けることができる、そして世界に遜色のないデジタル社会を実現したいと思っています。 今回の法案は、委員から御指摘をいただきました、御党の御提言にある司令塔としてのデジタル庁の設置、マイナンバーを利用した国民の利便性向上、アクセシビリティーの確保、こうしたことを盛り込んだものであり、今回の法案を成立させることで、デジタル社会の実現、全力で取り組んでいきたい、このように思います。
○石川博崇君 ありがとうございます。 続きまして、個人情報保護制度の一元化の意義についても確認をさせていただきたいと思います。 昨年六月、当委員会における個人情報保護法案の改正案の質疑の中で、私は当時の衛藤担当大臣に、官民を通じた個人情報保護に関する法制の一元化、これを進めることをお訴えをさせていただき、衛藤大臣からは、スピード感を持って取り組むと御答弁をいただいたところでございます。 今回の個人情報保護制度の見直しによりまして、いわゆる二千個問題の解消、また国境を越えたデータ流出の増加を踏まえたEUのGDPRの十分性認定への対応も図られることになります。 また、今回のデジタル社会形成整備法案の中で、個人情報保護法の改正は最も重要な柱に位置付けられているとも認識をしております。 個人情報保護法は、データの活用により新たな価値を生み出す一方で、個人の権利利益を最大限保護していくための基盤であると考えますけれども、今回の関連法案における個人情報保護制度の一元化の意義について総理の御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回の個人情報保護制度の一元化については、個人情報保護関連の三本の法律を統合するとともに、各地方公共団体が個人情報保護について異なる規律やその解釈を採用しているいわゆる二千個問題、ここを解消すべく、地方公共団体における個人情報の取扱いについても法律で全国的な共通ルールを、これを設定するものであります。これによって、例えば複数の病院が連携して治療や研究を行う場合には、データの連携を今よりも円滑に行うことができるようになります。 また、国の行政機関や地方公共団体における個人情報の取扱いについては、個人情報保護委員会が独立した立場から監督を行うようになることから、GDPR、EU一般データ保護規則を始めとする国際的な制度の調和を図ることができるようになります。 今御指摘をいただいていますこのGDPRの十分性認定の対象範囲の拡大については、個人情報保護委員会を中心に関係省庁が連携をして、今回の改正法案を基にEUとの協議を通じてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○石川博崇君 最後に、マイナンバー制度に対する国民の信頼の構築について総理の御所見を伺いたいと思います。 マイナンバー制度普及を始め、デジタル化を今後進めていくためには、国民からの信頼、そして理解を得ていくことが極めて重要でございます。しかし、残念ながら、今なお国民の間にはマイナンバー制度に対して様々な懸念の声もあるのも事実でございます。個人情報の追跡、名寄せ、突合が行われて、その個人情報が外部に漏えいするのではないか、あるいは、成り済まし等によって個人の財産その他の被害を負うのではないか等の懸念が今なお残っているのが事実かと思います。また、近年、個人情報漏えい事案も発生していることから、こうした国民の懸念がなかなか払拭されておりません。 マイナンバー制度を今後しっかりと運用していく上で、このような国民の不安をいかに払拭していくのか、総理の御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(菅義偉君) マイナンバー制度は、デジタル社会のインフラとして行政の効率化と国民の利便性を実現するものであります。 マイナンバー制度では、個人情報保護の観点から、マイナンバーを取り扱う者について、本人からマイナンバーの提供を受けるときは顔写真付きの本人確認書類による本人確認を行う、このことが義務付けられるとともに、不適切な取扱いに対し個人情報保護委員会が立入検査できる、また外部からの不正アクセス、こうした行為に対する厳格な刑事罰を科する、こうした対策をしっかり講じていきたい、このように思います。
○石川博崇君 ありがとうございました。 これから、本当に重要なデジタル社会の構築に向けて、私ども公明党といたしましてもしっかり政府を後押しをし、また誰一人取り残さないデジタル社会の構築に向けて全力で取り組んでまいることをお誓い申し上げまして、質疑とさせていただきます。 今日は大変にありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。本日は、デジタル関連法案について総理に伺いたいと思います。 デジタル化によってより良い方向へ社会が変革していくためには、まずこのデジタル社会におけるオンライン議会の実現についてやはり議論をさせていただきたいというふうに思っております。 このデジタルの技術は、社会が変革していく中で、特にこの議会においても重要な役割を果たしているというふうに考えています。この点には、大変我が党としても、私個人としてもこだわりを持って質問をさせていただいているんですが、既にこれ、地方議会ではオンラインを活用した議会の出席を可能にさせているところも幾つかございます。 オンライン議会を国会で議論する必要性の意味においてですが、やはりこのコロナ禍においてデジタル庁を設置する、国会の場で様々な、もちろんこれ課題はいろいろあるということは承知しているんですが、この課題を乗り越えていく姿勢というのが大変大切であって、これが国民のメッセージにもなるんではないかというふうに思っております。 そういったところから、このコロナ禍において、非常時での議会制度の在り方ですとか、これ男女限らずですけれども、介護であったり、妊娠、出産、育児、こういったことを抱える女性が政治分野に参画していく、そういった、その進出を促すことにもつながっていくのではないかというふうに考えております。 先日の四月二十二日の内閣委員会では、今日お越しいただいている平井大臣にも同じような質問をさせていただきました。大臣の立場では踏み込んだ答弁は避けられたかとは思いますけれども、私自身、思った以上に前向きな御答弁をいただきまして、このデジタル改革を進める立場として、オンラインのメリットは大きいんだと、多様な議論期待しているというふうにおっしゃっていただいたかと思います。 また、五月六日の内閣委員会の参考人質疑におきましても、本会議の出席を、一定の条件を付けた上で本会議への出席とみなせるような解釈というのは可能なんではないかというような御意見もいただきました。その参考人の方はなかなか少数派の意見だというふうには付け加えておっしゃっておられましたけれども、そういった中で総理に伺いたいと思います。 私たち国会議員は、今このデジタルに対して意識を変える転換期に来ているんではないかと捉えまして、このデジタル庁設置を機に国会においてもオンライン議会を真剣に考える、そういった時期に来ているのではないかというふうに考えるんですが、総理の御見解をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(菅義偉君) これ、定番の答弁になるんですけれども、国会での議論の在り方というのは国会において決めていただくものであり、委員の御指摘の点も含めて各党各会派、ここでしっかり議論をしていただきたいというふうに思います。 その上で申し上げれば、国会のデジタル化を進めるということであれば、政府としては協力をさせていただきたい、このように思います。 また、国会においても、各省庁から国会議員への説明をオンラインでさせていただく、このことが増えていると承知しております。業務の効率化が進むことが期待されます。 また、デジタルをうまく活用することは、議員御指摘のように、多様な働き方を実現するために、その大きな手段にもなるというふうに思います。 今回の感染症では、霞が関や永田町はもとより、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れなど様々な課題、これが浮き彫りになりました。私は、思い切ってデジタル化を進めなければ日本を変えることができない、そういう強い思いでこの法案を提出をさせていただいて、そうした社会を実現したいと思っています。
○高木かおり君 総理、ありがとうございました。 やはり、今本当にこの転換期に来ている中で総理がこのデジタル庁設置ということを掲げられたというのは、やはり大きな意味があるんだというふうに思っております。 法律を変えるというのはかなりハードルも高かったり、総理としては本当に、本当は心の中ではもうやるべきだと思っていてもなかなかお立場上言えないというのもあるのかもしれませんが、私自身は、こういったことも、今までやったことがないからできないんだではなく、どんどん改革を進めていく、そういった中で解釈で可能な部分はスピード感を持って進めていくということは大変大切なことだというふうに思っておりますので、この国会におけるオンライン化については引き続き議論させていただきたいというふうに思います。 次にですけれども、このオンライン議会の限定的利用と、何度も食い下がってお聞きして大変申し訳ないんですが、先ほど聞いたのは、通常時でのオンライン議会を念頭に御質問させていただきました。今コロナが本当に私の地元の大阪でも大変危機的な状況で、変異株も蔓延しております。大規模なこういった有事のとき、それからほかには大災害が起こったとき、こういった国家の存立を脅かすくらいのこういった有事が発生したときのみ限定的にこのオンライン議会を開催するという、やはりこういった危機管理としての準備、こういったことも必要なんではないかというふうに思うんですけれども、その点について総理はどういうふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今般の感染症の状況を踏まえて、国会においてもオンライン採決などを行うべきではないかとの意見が与野党の議員から上がっているということは承知をしています。 国会での活用の在り方について各党各会派でしっかり議論をしていただければと、このように思います。
○高木かおり君 既に、今まではできなかった省庁間との例えばレクなどもオンラインを使ってですとか、我が党も完全オンラインで勉強会を開く、そういったところから少しずつ進んでいるとは思います。そういったところもやはり議論をしていく。そしてスピード感を持って、やはり有事、大変私も心配しておりまして、そういった危機管理というのも、常にやるということではなく、もしそうなった場合のために備えておくという、できる状態を準備しておくということは重要なんではないかなというふうに考えております。 続いて、マイナンバーを用いたインターネット投票についても伺いたいと思います。 デジタル庁設置の動きに伴いまして、マイナンバーカードの活用についても議論がされております。その中で、国政選挙においてインターネット投票もこれ検討の余地に来ていることではないかと思います。 これ、投票所へ出向くのが大変難しい方々の投票環境の整備、これが、例えば仕事であったり育児であったり介護であったりいろいろ、また山間部であるとかいろいろな環境の差はあるかと思いますが、投票所に行って投票することがなかなか難しいという方々、そういったことは容易に想像ができるわけですが、ここで総理に伺いたいと思います。 マイナンバーカードを活用した国政選挙でのインターネット投票、可能にするという考えについて、総理の見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(菅義偉君) インターネットの投票については、現在、総務省において、遠方に出向くことが困難であるなどの理由で投票をしにくい場合がある在外選挙人の利便性など、その観点から、マイナンバーカードの海外利用を前提にその導入の検討をしているということを承知しています。導入に当たっては、システムのセキュリティー対策のほかに、確実な本人確認や投票の秘密保持など選挙の公平公正、その観点から検討すべき課題が残っているということであります。 さらに、国内の選挙についてインターネット投票、ここを導入することについては、有権者の規模が極めて大きいことに伴う一斉アクセスがあったときのシステムの安定性の確保だとか、あるいは立会人不在の投票を認めることの是非、こうした課題があるというふうに考えています。 いずれにせよ、新たな投票方法の導入については、選挙制度の根幹に関わるものでありますので、各党各会派の中でしっかり御議論をいただければというふうに思います。
○高木かおり君 御答弁ありがとうございました。 先ほど総理もおっしゃっていただいたような課題は、在外においても、また国内においても、幾つか課題というのはもう浮き彫りになってきていると思います。そういった課題をしっかりと議論し、どういうふうに解決ができるのか、スピード感を持って進めていくことが必要だと思います。 時間が参りましたので、私からの質問は終了させていただきます。本日はありがとうございました。
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。 今日は、総理、ありがとうございます。 ただ、先ほどもあったとおり、本来であればこの内閣委員会はコロナ対策、今これを論議すべきだと私も思っています。けれども、このデジタル社会の実現をすることが今のこの感染のようなパンデミックが起こったときにも必ずや貢献するというか、社会に対して効果的な施策が打てる最大の方策であるというふうな認識からこの審議を進めているということを冒頭申し上げて、質疑に入りたいと思います。 何よりも、まずはデジタル格差なんです。私がすごく懸念するのは、このデジタル社会を実現していくということにおいて、今までもいろんな論議をしてきてある程度課題が浮き彫りになってきていると思いますが、最終的には、このデジタル社会というのは、利便性を高めて、そして産業力を強化し、また多様な働き方を後押しし、所得を上げて、ひいては国民生活を向上させるということの最大限の手段になり得るのではないか、こういう観点から、早くその世の中をつくりたいという思いがあります。 ただ、このまま行くと、やはり置いてきぼりになってしまう、総理が一番懸念されている取り残しが起こるんじゃないかという懸念があるわけです。デジタルの格差はやはり情報の格差につながり、そしてその情報の格差が働き方の格差や、そして産業力、生産性の格差、生活の格差、所得の格差にまでつながっていくのではないかというふうな懸念が持たれております。 政府としてどのようにお取組をされていくのか、御見解をお願いします。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたように、このコロナ禍の中でデジタル化の遅れというのが、ここが浮き彫りになっています。 そういう中で、今回の法案では、誰一人取り残されない、その考え方の下に、情報の格差を着実に是正をする処置を講じることにいたしております。例えば、誰にとっても使い勝手が良いサービスへの刷新、身近な場所で身近な人から機器やサービスの利用方法を学べる環境づくり、また中小企業に対するIT導入の補助など、個人においても企業においてもデジタル格差がないように、そこはしっかり対応していきたいと思います。
○矢田わか子君 法整備をするというのは一つの手段でしかなくて、その後が私は大事なんだというふうに思います。ありとあらゆる資源を投入して、しっかりとこの取り残されないような社会、言葉だけではなくて是非お願いをしておきたいというふうに思います。 二点目、デジタルにより公正公平な世の中をつくるということについてであります。 税と社会保障の一体改革において公平性や公正性を確保するという政策は、私は国家的政策課題の一つであると認識をしております。現在、やはりこの緊急事態時、様々な個人や事業者に対する支援金等の給付、あるいは社会保障、そして教育関係の各種給付金の支給において、残念ながら、その所得や資産、状況に応じた段階的な給付を求める声が多いものの、対応できていないし、迅速性にも私は欠けているというふうに思っています。 資料一、資料二をお配りしました。これ、過去からどういったことをしてきたかということも含めてなんですが、過去、トリクルダウンというのを予測しながら、市場が成長すれば分配も好循環できるんだということを理想として描きましたが、これは実現していなかったというふうに思いますし、実質的に賃金は下がり続けており、中間所得者層との二極分化が進んでいる。結果として今格差が拡大する一方です。 一方で、この所得格差の是正、していかなくちゃいけないわけですが、そのためにこのマイナンバーを民主党政権のときにつくったわけであります。きめ細かい、本来であれば所得や資産の把握をし、富裕層には更なる負担への理解をいただき、困窮者には効果的な支援をしていくというふうな背景があったというふうに理解をしております。 これを実現していくためにはということで、私たちは、資料三のように、日本維新の会とともに共同提出し、この預金口座の管理に関する法律案の修正案を国会に提出させていただいております。 当然、金融資産の把握までするのかと、個人のプライバシーに属するだろうという声もあるかと思いますが、当然そこには個人情報の保護という対策講じながらも、このことによって、結局、今どこで誰が本当に困っているのか、資産もないし所得もないんだと、フローだけじゃなくてストックがないんだという、本当に大変な方々を救い出す手だてが本来であれば必要なんだと思います。災害時、それから感染症対策に関わる給付金の迅速な支給、今回できなかったのは、やっぱりこのひも付けができていなかったからなんじゃないかと思えてなりません。 一方で、大変恐縮ですが、やっぱり大きな資産を持つ人いるんです。この間でももうけて収入が上がっている人たちもやっぱりいらっしゃる。そういう方には御理解いただいて、しっかりと税として社会に還付してもらう、そういうことも進めていかなければいけない。そうすれば、今疲弊している、だんだん層が薄くなると言われる中間所得者層、ここに対しても一定の減税を施策として打てるかもしれません。 いわゆる社会のこの格差が広がる中においてこういった政策にも一歩踏み出すべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 預貯金口座にマイナンバーを付番することによって、公正な給付の実現や所在の分からない口座情報の把握に資するようになります。かつて証券口座について個々人にマイナンバーカードの告知を義務付けたものの、結果として付番が進まなかったこともあって、今回の法案では、全ての預金口座を付番することまではせずに、まずは新規口座開設時に金融機関がマイナンバーの告知を求めることを義務付けることにいたしています。 まずは本法案を成立させていただいて、円滑に実施をしてまいりたいと思います。
○矢田わか子君 まず第一歩だと捉えています。緊急事態宣言下、一人親のみならず、困っている人がどこにいるのか、今あぶり出すことすらできないんですよね。一人親だったら資産何千億あったって五万円振り込まれるんですかという話ですよね。だから、やっぱり最終的にはしっかりと、資産と所得です、把握した上で、どこに対して出すのかということを判断していかなければ私はいけないというふうに思いますので、是非そこも含めた検討をこれから御期待申し上げておきたいと思います。午前中も平井大臣と質疑しました。それが要するに個人として申請せずにプッシュ型の支援につながるわけです。プッシュ型の支援の先には給付付き税額控除が私たちあるというふうに思っておりますので、是非その御検討もお願い申し上げておきたいと思います。 続いて、三つ目の懸念、自己情報コントロール権についてであります。 衆議院においては、憲法改正に関わる国民投票法の改正案が可決されました。デジタル化によって個人を取り巻く環境大きく変化しております。人権に関する新たな議論、憲法改正議論の中で必要となってきたという認識を総理もお持ちだと思いますが、それでは、この自己情報コントロール権、つまり自己の情報がどのように集められているのかを知って、そしてこれが不当に使われないように自己管理したり破棄を要求することができる権利、私ども国民民主党も憲法論議には賛成の立場でありますが、こうした項目も重要な項目の一つとして位置付けていくべきだというふうに考えておりますが、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今回の法律については、いわゆる自己情報コントロール権を権利として規定はしておりませんが、本人による個人情報の開示、訂正、利用停止などを可能とする規定を設けており、これらの規定により個人権利利益を実効的に保護するもの、このように認識をしています。 なお、この憲法改正については、国会でお決めいただくことでありますが、内閣総理大臣としてお答えすることは控えさせていただきたいと思います。 その上で、あえて申し上げますと、政府としてはこれまで、個人情報保護法や情報公開法といった法律を制定するなど、国民のプライバシーだとかあるいは知る権利を保護するための施策を行ってきました。御指摘のように、これらの権利を憲法に位置付けるかどうか等については様々な議論が必要だと認識しています。 いずれにしろ、憲法審査会において与野党の枠を超えて議論をしていただければと思います。
○矢田わか子君 憲法十三条、基づくプライバシーの権利には、こうした伝統的なプライバシーの権利を拡張して自己情報コントロール権も含まれるのかと、含まれるんじゃないかという憲法学者の多くの意見もありますので、是非その辺も含めて今度憲法審査会でも論議をさせていただければと思います。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 マイナンバーカードについてお聞きします。 マイナンバーカード普及のために、昨年、自民党は、健康保険証発行義務の緩和と将来的な健康保険証の廃止を提言しています。さらに、経済財政諮問会議で民間議員が、来年度中にほぼ全国民にマイナンバーカードを配付するとの目標を是非とも実現すべき、そのため、健康保険証、運転免許証との一体化を早急に進めるべき、各企業の健保組合において単独の健康保険証交付を取りやめ、完全な一体化を実現すべきとまで提言しています。菅総理も、経済財政諮問会議でこうした一体化を進めることを明言していますし、三月三十一日の衆議院内閣委員会では、健康保険証については、厚労省を私、説得して、ここをマイナンバーカードでできるようにしたと答弁もされています。 デジタル社会の基盤整備と位置付けられているマイナンバーカード普及のため、健康保険証の廃止を目指すというのが菅総理の目指している方向なんでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) マイナンバーカードの健康保険証利用の目的は、診療時の確実な本人確認と保険資格確認を可能とし、医療保険事務の効率化や患者の利便性の向上のためのものであります。 マイナンバーカードの健康保険証利用のための医療機関等での環境整備について、二〇二三年の三月までにおおむね全ての医療機関での導入を目指す政府としての目標を実現すべき、全力で取組を進めていきたいと思います。 健康保険証の在り方については、今後のこうした環境整備の状況を踏まえながら検討していく、こういうことになると思います。
○田村智子君 そのマイナンバーカードの健康保険証としての使用、本人確認というのは、これ顔認証が原則なんですよね、顔認証。厚労省の国民向け資料を見ますと、暗証番号の使用ということは隅の方に小さく書かれていて、顔認証で自動化された受付ということが大きく目立つように書かれているんです。これが利便性向上策だというふうにされているわけですね。 しかし、午前の審議でも取り上げたんですけれども、顔認証については、米国ではAIによる誤認証などの問題点が指摘され、法規制のうねりが起きています。EUでもAI規制案の具体の議論が始まっています。 総理は、誤認識という問題も含めて、AIによる顔認証には様々な問題が解決されていない、世界的にも様々な議論がされている、このことは御承知でしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 顔認証付きのカードリーダーについては、患者の方がマイナンバーカードを健康保険証として利用する場合に、医療機関等の窓口で確実な本人確認や資格確認を効率的に、かつ簡便に行うために整備をするものであります。 御指摘のような様々な議論があることは承知しております。そうしたものを踏まえて、認証の精度やセキュリティー対策、保守体制に関する一定の基準を満たしている、こうしたことを求めるところであり、引き続いて適切な実施に向けて様々な点に留意しながら対応していきたいと思います。
○田村智子君 様々な問題が起きていることは認識をされていると、それでもこんなふうに急いでマイナンバーカードと健康保険証を一体化させて顔認証自動受付、これをやらなければならないほどの問題が今何か起きているんでしょうか。私、それ全く理解できないんですよ。 医療保険証の本人確認というのは、この人が医療保険の給付の資格があるかどうかということであって、それは医療を受けるという人間の生命に関わる、権利に関わる事柄なんですよ。それをAIに顔認証で判断させると。これは、例えばEUのAI規制案であれば、こうした本人の生命に関わるような重大事項をAIに委ねるということについては高リスクと判断されるでしょう。高い規制の対象になるような事柄だというふうに思うんですね。 これ、もし誤認証ということが起きれば暗証番号を打ち込むんだということなんですけど、例えば認知症の高齢者が果たしてそれを打ち込むことができるのか。機械が誤認証だという、三回打ち間違える、そうしたらもうシステムストップですよ。医療が受けられなくても、いや、あなたを確認することができませんといって医療が受けられないということもあり得るわけですよね。そうすると、これは国民が医療給付から排除される可能性がある。 あるいは、私はそこまで顔認証というのが国民的な合意があるとはとても思えません。やはり極めてセンシティブな生体、私の情報であって、もう取替えのない、マイナンバーという番号だったらまだ何か使われ方に問題があったら番号そのものを取り替えるということはあるんだけれども、顔は取り替えられないですから。 そうすると、こういうことを様々な本人確認の公的なやり方としてもう普及しちゃうんだと、全国民的に行うんだと、こういう国民的な合意が果たしてあるんでしょうか。それが嫌だという国民は、そうすると今度は排除されていく、そういうことにもつながっていくんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今後のこの健康保険証の在り方については、マイナンバーカードの普及状況や医療機関での環境整備の状況などを踏まえて検討することにしております。 ただ、いずれにしろ、医療を必要とされる方が必要な医療を受けられなくなることがないように、患者の利便性に十分考慮して行うということは当然のことだというふうに思います。
○田村智子君 これは、普及する側の経済財政諮問会議の民間議員見てみれば、もうだって、健保組合などは紙の健康保険証の交付やめろということまで言っているわけですからね。これ非常に重大な問題なんです。 マイナンバーカードは交付のときから顔認証です。総務省は、全自治体で交付の際の本人確認に先立って、顔認証することを求めています。二〇一五年九月二十九日、総務省自治行政局が取りまとめたQアンドAには、問い十七、申請者が顔認証システムの活用を拒んだ場合にどうするのか、答え、日常的に多くの場面で本人確認書類として活用される個人番号カードに添付される顔写真については、申請者との同一性を容易に識別できる適切なものとすることが重要であることを説明し、理解を求める、それでも理解されない場合には交付しないこととする。顔認証を拒否すれば、マイナンバーカードは交付されないんですよ。 行政による顔認証システム、だから、医療だけじゃありません、行政全般について顔認証を原則とする。先ほども言いましたけど、私はここに国民的な合意があるとは思えません。デジタル化が進むことによってプライバシー侵害に危惧を覚える人は少なくありません。そのことが一つの理由となってマイナンバーカードは私は普及が非常に遅れてきた一つの要因だと思います。そのことをまともに見ないで、一体化一体化、とにかく使わせるように使わせるようにすると。そうすると、顔認証が嫌なら、やっぱり排除されていく、様々な公的手続から排除されていく、こういうルートが今しかれようとしていると言わざるを得ないんですよ。 いかがですか。顔認証そのものにそこまでの国民的な合意があると総理はお思いですか。
○国務大臣(平井卓也君) まず、間違いない本人確認というのは、健康保険証の場合やっぱり必要だと思うんです。それと、今回、マイナンバーカードは、申請してそれを作るということ、これ任意ですからね。本人の意思によって作るということだと考えています。そして、マイナンバーカードは、オンライン以外、オフラインでも要するに日本で最高位の身分証明書として使えるんです。 ですから、国民は、それぞれの自分の場面に応じて、自分の自由意思でそういうことを選択できるというふうになっていると私は考えております。
○田村智子君 それは二枚舌の言い方なんですよ。だって、大量に普及させて、それが原則にならなかったら費用対効果としても成り立たないですもの。私はそういう意味でも、監視社会という声が市民の中に起きていることは、これはやっぱりしっかり受け止めるべきだと、このことを指摘して、質問といたします。
○委員長(森屋宏君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。 引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○杉尾秀哉君 午前中に引き続いて質問させていただきます。 新型コロナウイルス拡大に伴う経済危機というのは甚大でございまして、コロナ禍においては所得が低い人ほど大きな打撃を受け所得格差が拡大しているというのは、これは周知の事実でございます。先ほどの質問にもありましたけれども、テレワーク、それからデジタル化の推進では、環境が整った大企業とそうでない中小企業、また正規雇用者と非正規雇用者など、格差の拡大も指摘されております。 そうした中で、政府が進めようとしているデジタル改革も同じことだというふうに思っておりまして、その意味では誰一人取り残さないデジタル社会の実現というのは単なるお題目になりかねないということなんですが、そこで平井大臣に伺いますけれども、デジタル改革がもたらす格差拡大のおそれ、これについての大臣の認識をお伺いします。
○国務大臣(平井卓也君) この格差の拡大というのを容認してしまいますと、恐らく中国のような状況になってしまうんだろうと思います。アメリカもやっぱり、デジタル化はやっぱり格差を生むということはいろいろな所得の階層を見ていても私も感じています。日本ではそういうことが起きないようにするために、したいという思いがこの誰一人取り残されないというところに来ているわけでございます。 〔委員長退席、理事酒井庸行君着席〕 その意味で、格差が広がらないようにアクセシビリティーをちゃんと確保しながら、そしてまた、あらゆる人にいろいろなチャンスが与えられるようなデジタル化を進めてまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 問題意識は同じです。 そこで、今回の一連のデジタル改革が、その配慮は、デジタルデバイドに対してですね、本当に十分なのかということなんです。これについての大臣の見解はどうでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 基本法案では、誰一人取り残さないデジタル社会の形成に関して、様々な要因による情報の活用等の機会又は必要な能力の格差是正が必要とされ、こうした情報の活用の機会等の格差が生じないよう必要な措置が講じられるべく旨を定めており、デジタルデバイドの対策にしっかり取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っています。そのために、高齢者とか障害者とか、住んでいる場所であるとか所得であるとか、いろんなことがその要因になり得るので、そういうことに細やかに対応していきたいというふうに思っております。 そして、デジタルはあくまでも手段であって、目的はやっぱり国民のより良い生活ということを考えますと、このデジタル技術が社会の裏で動くことによって多くの皆さんにそのメリットがある、恩恵が届けられるというふうに思います。私は、究極的に目指しているのはデジタルを意識しない便利で安全な社会というふうに思います。
○杉尾秀哉君 法律にもその趣旨は書いてございます。 今回の質疑でもしばしばそういう答弁をされているということは私も十分認識しておりますけれども、具体的にはそれをどういうふうに実現するのかということが、今回の法案審議の中でも具体策がよく見えなかったんですよね。 そのうちの一つに挙げられているデジタル活用支援員制度、これ昨年度は全国十一か所で実験をやったというふうに聞いております。今年度は一千か所の予算が付いていると、こういうことなんですけれども、果たしてこのデジタル活用支援員なるもので、これで例えば高齢者であったりとか地方にいらっしゃる方とか、本当にデジタルデバイド対策にこれが決め手になるのか。これしかないんですよ、これまでの答弁の中では。いかがでしょう。
○政府参考人(辺見聡君) デジタル活用支援員の取組につきましてお答えを申し上げます。 内閣府の世論調査によりますと、七十歳以上の高齢者の方の六割がスマートフォンなどの情報通信機器を利用していないという状況がございます。こうした状況を踏まえまして、高齢者などのデジタル活用への不安の解消に向け、総務省では、携帯ショップなどの事業者や地方公共団体と連携し、特にオンラインによる行政手続の利用方法に関する講習会を行うなどのデジタル活用支援事業の推進に取り組んでいるところでございます。昨年度は、全国十一か所で支援の基本的な枠組みについて実証を行ったところでございます。 その成果といたしまして、教えやすく、また受講者にとって理解しやすい教材ですとか、支援員の育成を図るための研修手法、講習会を効果的に実施するためのマニュアルなどのモデルを作成したところでございます。 本年度からは、昨年度の実証の成果を踏まえ、全国的に講習会を開催することで、多くの高齢者等がデジタルを使いこなせるように知識やスキルの効果的な習得につながる取組を進めてまいることとしております。本年度事業の実施箇所数や参加人数の規模等につきましては、現在計画を作成中でございます。確実に成果が得られるよう、計画的に事業を展開してまいります。 総務省としては、適切な支援が行き渡るよう、取組の充実を行ってまいります。
○杉尾秀哉君 全国千か所でやったって、四十七都道府県で、一自治体、一都道府県当たり二十か所とかそんなもんですよ。こんなことでデジタルデバイド対策やっていますなんて本当に胸張って言えるんですか。 現に、今その新型コロナワクチン、接種をめぐって相当混乱しています。高齢者の方困っていますよね。つながらない、電話がつながらない、ネットのやり方が分からない。ようやくつながったら分かったんだけれども、書き込みの仕方が非常に難しいといって本当に困っていらっしゃる。こういう身近な問題一つ一つから、大臣、片付けていかなきゃいけないんじゃないんですか。どうですか。
○国務大臣(平井卓也君) 今言った新型コロナワクチンの接種の予約に関しては、私もいろんな方々からいろんな指摘を受けております。 はっきり言って、これはもっと準備ができていればこうはならなかったというふうに思っておりますし、デジタル庁を創設したという一つの理由だと思っています。これ、やっぱり各自治体に任せてしまっていて、はっきりとこういう緊急時に十分な対応できるリソースがなかったということだと思っていて、ここら辺りのことは、今回我々VRSというシステムを開発する中で十分に意識しているところでございます。 〔理事酒井庸行君退席、委員長着席〕 やはりこれ、人が人を助けるということを同時に用意しておかないと、デジタル社会を健全に進めていくというのはデジタル社会の中だけで完結しないということです。ですから、デジタル社会を進めることによって窓口業務等々がやっぱり軽くなる部分もあるので、そういう方々にマンツーマンで人を助けるというような仕事に就いていただくというのも一つの方法だと思いますし、エストニアのデジタル化の過去の歴史を振り返ってみても、やっぱり一気に進んだわけではなくて、そこで社会全体、多くの方々ができない人を助けようというふうに思い始めて、そういう方々が活躍されて進んだというふうに聞いております。日本もそのようになればいいなと考えております。
○杉尾秀哉君 いいなではなくて、そういうふうにしてください。 それと、今、人が助けるという話だったんですけれども、今回、地方行政もオンライン化を進めるということなんですが、こうしたことの進展で窓口業務が例えば無人になったり省力化されたり、それから、自治体職員の削減につながるのではないか、これは自治労なんかの辺りも懸念を示されています。これは自治体関係者の間からもそういう声が上がっていますけど、こういうことはないですね。どうですか。
○国務大臣(平井卓也君) 仕事の内容が変わるというケースはあると思います。ですから、今まで過去ずっと続けてきた窓口業務というものも、業務の見直しの対象に当然なっていくんだろうと。 市民側から見れば、国民側から見れば、新たな選択肢が増えるわけですね、行政手続に関して。そうなりますと、かつてのやり方以外に流れる方々がいらっしゃるので、そこの人員はやっぱり少なくなっていくんだろうと思います。 しかし、基本的にそれによって職員の削減を目的のためにやっていることではございませんので、そういう方々に、ハイタッチで人が人を助けるということが更に行政サービスの向上につながると思っておりますので、全体として行政サービスの向上を目指したいと、そのように思います。
○杉尾秀哉君 私もそれを望みます。 午前中の質疑、それから先ほどの田村委員の質疑にも通じるんですけれども、保険証との一体化、免許証との一体化、これ突き詰めれば、先ほどオフラインという話がありましたけれども、マイナンバーカードの万能身分証明書化を狙ったものだと、こういうふうにも受け取れるんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 万能身分証明書というのが、ちょっとよくその詳細を承知しておりませんが、マイナンバーカードは、マイナンバーと違って、官民において分野を問わず幅広く活用することが可能です。カードに記録された電子証明書を用いてオンラインでも確実な本人確認を行うことができる最高位の身分証明書であると思います。各種手続をオンラインで完結できる、安全、安心で利便性の高い、言わばデジタル社会のパスポートのようなものであると思います。 安全で安心なデジタル社会をつくっていくためには、オンラインで確実な本人確認を可能とするマイナンバーカードというものはまさにその基盤だというふうに思っておりまして、全国民に行き渡ることを目指してこれから取組を進めていこうというふうに考えております。 このマイナンバーカードについては、ICチップには電子証明書とか本人の基本情報が記録されているわけで、それ以外の情報は入っておりません。それで、また、カードを紛失しても、二十四時間三百六十五日体制のコールセンターに連絡することでその機能が停止することもできますし、今回のICチップは不正に情報を読み出そうとするとすぐ壊れる仕組みになっておりますので、基本的な個人情報保護には十分配慮をしているということだと思います。 健康保険証とか運転免許証の一体化ということに関して言えば、これはもう国民の利便性の向上と本人確認機能の更なる向上を目指しているものでございます。
○杉尾秀哉君 日本最高位の身分証という表現を最近になって使い始めたと思うんですが、資料をお配りしましたけれども、平成二十七年五月、官邸、IT総合戦略本部マイナンバー等分科会に提出された資料によりますと、マイナンバーカードのワンカード化の促進というのが大目標として掲げられておりまして、今言った運転免許証、それから健康保険証など以外にも、先ほど国家資格で出てきました医師免許、教員免許、学歴証明等々等々いろいろ並んでおります、具体的な項目ですね。 時期的にはずれておりますけれども、基本的にこのロードマップに沿った考え方というのは現在も踏襲されているということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 委員お配りのこのロードマップというのは、私もこれ何度ももう拝見させていただいたし、自民党で当時担当のときに同様の提言もさせていただいたということだと思います。 スケジュール的には大分、ちょっと遅れてしまったこともあるし、この資料の考え方についても引き続き生かされているというふうに思っております。
○杉尾秀哉君 そこで、ここに書かれているクレジットカード、キャッシュカード、デビットカード、こうした金融系のカードも含めたワンカード化の促進というのは、これは念頭にあるんですか、今もあるんですか。
○国務大臣(平井卓也君) ワンカード化の促進というのは、当時、自治体の図書カードであるとかその他のカードとの一体化みたいな話はありました。このときの公的個人認証の活用、ですから、ICチップの公的個人認証の活用によってマイナンバーカードをクレジットカードやキャッシュカードなどとして利用するワンカード化というものの促進が提案されていたものであります。 マイナンバーカードは民間サービスにおいても利用可能であって、これまで、オンライン証券、オンラインバンクの口座開設とか住宅ローンのオンライン契約などにおいて、オンラインでの本人確認のためのマイナンバーカードの利用が進んでいます。 現在のデジタル・ガバメント実行計画では、クレジットカードやキャッシュカードとの一体化について具体的に定めておりませんが、カードの普及に伴って民間サービスでの利用ニーズも高まると考えておりまして、今後、民間サービスでも幅広い分野におけるカードの利活用の促進に取り組んでいきたいと考えています。
○杉尾秀哉君 時間になりましたけれども、本来、マイナンバー制度、マイナンバーカード、税と社会保障の一体改革の推進が目的でありまして、今回の一連の法案もそうなんですけれども、どうも火事場泥棒的に見える、いろいろなものを一気呵成にこの際進めちゃおうと。 危うさを指摘させていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。午前中に引き続いて、よろしくお願いをします。 この法案の最後の十五分の質問ということになりますので、これまで質問をさせていただいて答弁を頂戴している中で、改めて更にお聞きをしたいということなどもありますので、よろしくお願いをしたいと思いますし、ちょっと時間の関係がございますので、お手元の質問要旨の十二番の方から、行政の手続コストの削減の方からお聞きをしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 改めて言うまでもありませんが、この行政のデジタル化を進める意義は、行政の業務の簡素化、効率化を実現するとともに、その手続コストを削減をして国民の負担を軽減するということにもあると思います。 本会議でも申し上げましたが、二〇一九年十二月に公表された経済産業研究所のレポートによれば、国の行政手続だけでも、民間は年間に作業時間三億三千三百三十七万時間を要し、金銭に換算すると八千二百八億円も掛かっているとのことです。これ、都道府県、市町村を入れると物すごい額に、時間になるんですが、国だけでもそれだけあると。 したがって、この行政手続コストを削減をして、それらを本来投資すべきことに投資できれば、民間は新たな価値を生み出していくことが可能だと、経済の活性化が図られるということだと思いますが、ただ、これ、いつまでにどれだけ、そしてどのようにこの削減をしていくかというのはちょっと判然としませんでしたので、四月の十四日の本会議の際に次のように総理に申し上げた、質問をしたわけです。 政府を挙げてコスト削減に取り組むには、明確な数値目標を設定するとともに、実現に向けた具体的な工程表を策定すべきだと、こう申し上げましたところ、総理からは、今後、デジタル庁において全ての政府情報システムについて統合、監理を行う中で、具体的なコスト削減効果も含め、明確な数値目標や工程表を策定してまいりますと、こういう答弁でございました。 やはり目標とスケジュールというものが明確になっていませんと事は進まないと思っていまして、いつまでにどのように、じゃ具体的に策定することになるのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) デジタル庁では、全ての政府情報システムを対象として統括、監理を行うこととしております。このため、昨年度から実施している一元的なプロジェクト管理によって、プロジェクトの方向性、費用対効果、仕様どおりの調達、運用が行われているかなどを検証しております。 デジタル庁では、この一元的なプロジェクト管理を強化するというふうにしておりまして、そのプロジェクト管理の中には、もうこのシステムをつくらないという、やらないということも含まれると私自身は思っています。 そして、現時点でいつまでに策定するかということはなかなか言いづらいんですが、これまでも、要するにサーバーを減らすということで維持管理コストを約三割下げてきたということをやりました。今回は、さらにクラウドに進める、また統合するというようなことを考えておりますので、今後、その方向性が決まりましたら、早期に検討していきたいというふうに思います。 そして、今回、もう一つ、コスト削減と同様以上に求めておりますのが、利用者視点での付加価値を生むイノベーションを促進して、つまり、経済の成長や文化の発展につながること等による新たな価値の創造と、これもどこか目指す指標の中に入れていきたいと、そのように思います。
○柴田巧君 ありがとうございます。 やはり物事は初めが肝腎でありまして、デジタル庁が、そこができるだけ早期にしっかりとした目標とその工程表、スケジュール感をしっかり示してやっていただきたいと思います。 次の質問に移りますが、今、最後に大臣、後半でおっしゃったところともちょっと関わるかもしれませんが、大臣はあるインタビューの中で、デジタル庁は規制改革の象徴であり、成長戦略の柱というふうに述べておられます。前にもお話ししましたように、海外で、デンマークとか韓国とか、成功している国のデジタル庁などをよく見ると、行革を進める組織と一体になってやっているというところなどなどもあるわけでありまして、大臣がおっしゃるような方向で進めていくということは非常に重要だろうと思います。 そこで、お尋ねをしますが、この法案成立後、そうであると、まずどのような規制を改革をして、このデジタル庁は成長戦略をリードしていくべきだというふうにお考えになっているか、大臣にお聞きをします。
○国務大臣(平井卓也君) 河野大臣と連携して2プラス1を順次開催して、各省に対していろいろなスピード感を持ってデジタル改革を進めるように要請をしています。 ですから、デジタル改革とその規制改革というのはまさにコインの裏表の関係だろうというふうに思っておりまして、今回のデジタル改革関連法案では、押印を求める手続についてその押印を不要とするとともに、書面の交付等を求める手続について電磁的方法により行うことを可能とすることとしています。 これから、デジタル庁設置後は、情報のシステムを統括、監理する中で、例えば対面原則の抜本的見直し、情報システムの導入による効果を最大化するために必要となる規制や制度上の課題の見直し、これを内閣府規制改革推進室と関係府省と連携して進めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 河野大臣とまた二人三脚で是非規制改革を進め、この成長戦略をリードしていけるように是非お願いをしたいと思います。 次に、これも大臣に四月の二十日のこの委員会でお聞きをしたことに関連をするものですが、非常に、国民目線というか利用者目線に立っていくためには、デジタル施策の検証、評価が非常に重要だと。いろんなことを透明性を高めて公開をして、次の施策に、反省すべきところがあれば次の施策に展開をしていくということが大事かと思いますが、その中にあって、ややもすると、よくあるのは、これだけ利用者が増えました、利用率が高まりました、それも非常に重要な指標であろうとは思いますけれども、このデジタル法案が目指すところは、幸福な社会はつくっていくと、先ほどから大臣もおっしゃっているところがあるわけですが、この施策の、デジタル施策の認知度、満足度、これもしっかり測定をして、それがどうであったかというのを公表していくというのは非常に重要なことだと思っていまして、それで満足度が低ければこれを高めるためにこういう改善をする、そういうチャレンジをしていかなきゃならぬと思うんですが、この点はどういうふうに考えていらっしゃるか、お聞きをします。
○国務大臣(平井卓也君) もう委員と全く同じ問題認識です。デジタル社会形成基本法案では、徹底した国民目線でデジタル化を進めるということを明確にしておりまして、その推進に当たっては、施策の状況を適切に検証、評価して次の施策に反映、改善していくことや、国民にそのプロセスをちゃんと分かるように公開していくということが非常に重要だと思います。 この点、同法案では、デジタル社会の形成に関する施策について、原則として、施策の目標や達成期間を明記した重点計画を作成して、計画の伸長状況のフォローアップを行い、その結果を公表するということにしております。 言うまでもなく、デジタル化は手段であって、その目標は、その目的は国民の幸福であるということですから、もう御提案の満足度についてはサービスのUXと直結するものであるため、非常に重要だと思っております。 御指摘を踏まえながら、計画の策定とその検証、評価に適切に取り組んでまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非、この利用者の認知度、あるいは満足度を気にするというのはまさに利用者目線そのものだと思いますので、これがこれまで欠けていたところだと思いますと、なおさらしっかりそういったことに取り組んでいただきたいと思います。 次の質問に移ります。 このデジタル社会形成基本法第九条においては、法案の第九条においては、このデジタル社会の形成に当たって、民間が主導的役割を担うことを原則として、民間の活力が十分に発揮させるための環境整備として公正な競争の促進について規定をしておりますが、これは具体的な内容はどのようなものを想定、考えているのか、これ内閣官房でしょうか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、デジタル社会形成基本法案第九条におきまして、デジタル社会の形成に当たっては、民間が主導的役割を担うことを原則とし、国及び地方公共団体は、民間の知見を積極的に活用しながら、公正な競争の促進、規制の見直し等デジタル社会の形成を阻害する要因の解消その他の民間の活力が十分に発揮されるための環境整備等を中心とした施策を行うものとする旨規定をされているところでございます。 この公正な競争の促進についてでございますけれども、例えば、二十一条に規定をいたしております情報の流通の物理的な基盤としての高度情報通信ネットワークの形成を促進するための事業者間の公正な競争の促進とか、さらには多様な主体が保有するデータを活用して新たな価値を創出するためのデータ連携に係る基盤、さらにはルールの整備の推進などが考えられているところでございます。
○柴田巧君 いずれにしても、先ほどからも触れていますように、この改革によって民間の活力がもっともっと引き出していけるような、そして新たな価値を生み出していけるような、経済の活性につながるようなことにつながっていくように是非していかなければならないと思っていますが。 次は、先ほどもどなたかからも質問あって、ちょっと重なる部分もあるんですが、同じくデジタル社会形成基本法案では、この実印や印鑑の証明の制度が、これいろいろ前に進んだのは事実なんですが、それでもこの商業・法人登記申請書の百十八の契約申請で実印や印鑑証明の制度は残されるということになりました。 二〇二〇年度の世界銀行のビジネスランキングによれば、我が国は二十九位というところに位置していますが、その理由の一つがこの法人成立や不動産登記の煩わしさと指摘をされています。 総理も今国会の施政方針演説で、この国際金融拠点を日本は誘致をしていくという構想も示しておられましたが、ビジネス環境というものが整わなければ、いろんな障害というのが除去されていかなければ、金融であれ何であれ、なかなか企業は日本にやってこない。ビジネスがしやすい環境をつくらなければそういうことは難しいわけで、そのような観点からも、大分進んだのは事実ですが、今後更なる押印廃止や書面の電子化に取り組む必要があるんではないかと思いますが、お尋ねをします。
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。 委員御指摘の法人設立や不動産登記の手続は、書面で申請を行う際には押印義務が存続する一方、既にオンラインによる申請等は可能となっております。特に、法人設立につきましては、本年二月には法人設立登記も含めた全ての手続をワンストップで申請できるようになったと承知しております。 ただし、その利用率は、少々古い数字ですが、それぞれ六割程度にとどまっていることから、規制改革推進会議では、利用者目線でシステムの使い勝手を改善するなどによりオンライン利用率を大きく引き上げていく取組を推進しております。また、政府全体として、法人設立や不動産登記を始めとするビジネス環境の更なる改善に向けた取組を推進しているところでございます。 今回の見直しでは行政手続における押印義務の九九%超が廃止され、本法案では合計で百程度の民民間の手続の押印義務の廃止や書面の電子化が実現されますが、書面、押印、対面の見直しがこれで終わりだとは考えておりません。デジタル社会の形成に向けて、手続の単なるデジタル化ではなく、手続の内容やフロー自体を根本的に見直すなど、不断の見直しを進めてまいります。
○柴田巧君 是非更なるこの見直しも考えていっていただきたいと思います。 最後になると思いますが、この押印廃止によりいろいろな手間暇が省ける、あるいは役所などに行かずに行政手続が済ませることになるのは結構なことなんですが、一方において、このことによって成り済ましや文書偽造というものも起きる可能性があるという心配があります。この点はどういうふうに防いでいくのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。 まず、今般の押印の見直しは、各府省において全ての行政手続を対象に、書面で申請を行う場合における押印の必要性を再検討し、本人確認や意思の担保の手段として押印を求める合理性がないと判断したものについて押印を不要とするものです。すなわち、そもそも成り済ましや文書偽造を防いでいたとみなせなかった押印を不要とするものであります。ただし、押印を見直した手続であっても、その性質や内容等に応じまして、押印以外の方法、例えば署名や身分証明書の提示等で必要な本人確認等を行い、適正な行政執行に影響がないよう各府省において整理されております。 また、行政手続のオンライン化やオンライン利用の促進に向けた取組を進めておりますが、成り済まし等を防ぐため、各手続の特性や利用者の利便性を総合的に勘案いたしまして、マイナンバーカードの公的個人認証機能の活用など、各手続に見合った本人確認のオンライン化を行ってまいります。
○柴田巧君 時間が来ましたので終わりますが、この法案成立がゴールではありませんので、デジタル敗戦からしっかり立ち上がれるように頑張っていただきますことをお願いして、終わります。 ありがとうございました。
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。 もうずっとこのデジタル改革関連法案、質疑をしてきまして、最後、締めくくり総括的な意味での質問に入りたいと思います。 この間、いろんな課題もあることが明らかになってきたというふうに思いますが、積み残された課題に向けて、やはりどのように真摯に取組をしていくのかということが一つ問われていくと思います。先ほど総理への質問で、時間の関係でできなかった課題から少し触れていきたいと思います。個人情報保護の課題で、目的外利用についてということであります。 既に衆議院の審議でも議論となりまして、野党から修正案も提出されていますが、行政機関による個人情報の目的外利用、個人情報保護法改正案の第六十九条で規定されていますが、この内容について、プライバシー権を侵害する懸念が持たれるということから、特に現行法、別紙四お配りしまして、改めて整理をしてみたんですが、利用、提供ができるケースということを書いてみたんですけれども、一番の法令、二番、本人の同意又は本人に提供する場合を除いても、やはりこの相当な理由があるときという文言と特別の理由があるとき、この二つが一体それは何やねんということが課題になっているわけです。 したがって、ここをやはりできるだけ限定し制約していく必要があるというふうに思いますが、これについての見解をお願いします。
○国務大臣(平井卓也君) この改正案では、現行の行政機関個人情報保護法の規定を引き継いで、行政機関等における個人情報の目的外での利用や提供は、本人の同意がある場合のほか、相当の理由がある場合に限り行い得ると。この相当の理由ということに関しては委員会でも何度も質問をしていただきました。 この相当の理由というのは、個人の権利利益の保護の必要性と個人情報の有用性を比較考量し、個人情報の有用性が上回ると考えられる場合に限り認められるものであって、決して個人情報の無限定な利用や提供を認めているものではありません。 相当の理由の有無については、第一義的には当該個人情報を保有する行政機関等が判断することになりますが、その判断が適正であったかどうかを個人情報保護委員会が監視するということになっています。 例えばどんな場合なのかということだと思うんですが、これは政府参考人に詳しく聞いていただければと思うんですけれども、現行法の下で相当の理由に基づく保有個人情報の提供が行われた事例としては、例えば、外務省が在外邦人の連絡先等のデータを地籍調査の遂行のために市区町村に提供した例であるとか、国土交通省が日本の船舶に関する登録データを固定資産税の税額決定のために総務省に提供した例等々があると承知しております。 詳しくということであれば、政府参考人にお聞きいただければと思います。
○矢田わか子君 いろいろ例を並べていただきましたけど、やはりもう根本的には政府に対する信頼というところに行き着くと思うんですね。したがって、きちっと今おっしゃっていただいたように厳格に行うことといっても、なかなかその厳格さが見えないので、是非、行政機関が行った判断が本当に正しかったのかどうか、個人情報保護委員会できちっと判断をし、チェックをしていくという機能の強化をお願いしておきたいと思います。 予算を見ると余り、今現在ですけど、個人情報保護委員会の予算が増えていないですし、体制も何か十人ぐらいしか増えていないんですね。そんなんでできるのかというようなこともございますので、是非体制強化をしっかり図っていただきながら、できればやっぱりガイドラインみたいなものを示していただいて、皆さんにこういう場合なんですよということを、安心感を与えるように運用していただきたいなということで御要望をします。 続いて、地方公共団体のシステムの標準化についてであります。 これは、もうとにかく進めていくということで、地方公共団体、システムを標準化していくわけですけれども、前にもこれ取り上げたとおり、これによって本当に自治体の業務改善につながるのかというのが最大の課題であります。逆に、やっぱり今、業務が増えるんじゃないかという声が上がってきているわけです。 今、現実的にこのコロナ感染対策をする中で、各地方自治体は、給付の申請の受付からワクチンの予約のこの受付、もう現場がひっくり返っている中で、いわゆるそのHER―SYS、V―SYS、しかもまたワクチン予約システムまで入ってきて、シスハラやと言われているぐらいに現場混乱を起こしています。 したがって、しっかりとこのシステムが役立って、本当は業務を効率化するものなんだよと、今は過渡期だよということを提示していかなくてはいけないというふうに思いますし、第二には、やっぱりこの現在運用されている地方のシステムがあるわけですから、それが投資したのに無駄やということが生じないようなシステムの改善ができるかどうかということでやっぱりやっていかなくちゃいけないんですが、どうしてもベンダーに丸投げしてやってしまうことが懸念されるわけです。 そうした場合に、今現実的に、ベンダーの方も情報もない中でいきなり投げられても、その期日間に合わせるの無理だろうというふうな御意見も出てきています。一方で、ベンダーロックインというふうなことも懸念される中で、なかなか業者というかに情報を出せないのも分かるんですが、ちょっとこの矛盾したことではありますけれども、しっかりとこれをやり切るためのロードマップを示していただいて、受注したその事業者も能力を超えた対応とならないようにしていただきたいというような要望ももう出てきております。 システム改善、スムースに行うための取組について御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 今は緊急時で、今各自治体も大変だと思いますし、確かに委員が言われたシスハラですか、システムハラスメントですね、に近いような状況があったと私自身も思います。 やっぱりここは十分に準備をして、やっぱり納得いただけるシステムをつくっていくということが必要だというふうに思いますが、一方で、自治体の皆さんも、話を聞いていますと、今のままのシステムで今のままの仕事のやり方ではやっぱり駄目だと思っておられる方もたくさんいらっしゃいます。 今、今後、このガバメントクラウドへの移行等々に関して、先行する自治体という方々が出てきます。そういう方々と一緒になって、良いベストプラクティス、事例をつくっていくと。これも、大きな自治体、また中くらい、小さな自治体、それぞれやっぱり違いますので、また、その自治体のシステムを運用しているベンダーさんの状況も違いますので、あらゆるケースを一緒になって想定しながら進めていきたいというふうに思います。 ただ、今回もつくづく思ったんですが、今回のワクチンの全ての関連するいろいろな業務に関して、このままのやり方をずっと続けるということだと、将来のパンデミックに備えるという意味でやっぱり問題が大きいと思います。その意味で、今回のことは今回として、今後のことに関してはやっぱり本気で考え直さなければならないし、そのことは、要するに国と自治体で問題意識は今回共有できたというふうに考えています。
○矢田わか子君 やはり、本当は課題対処型ではなくて、川上からということよく言われるんですけど、ただ、システムについては、多少バグが起こっても、そのバグを改善することによって新しい構築をしていくというのが通常のルートなんだということも、国民にもやっぱり理解いただかないといけないと思うんです。何かちょっと起こったらばあっと騒ぎ立ててしまっては違うんだと、こういうものが普通なんだということの認識もやっぱり広げていかなくちゃいけないなというふうに技術者の方々とお話ししていて思いましたので、付け加えておきたいと思います。 その一方で、やはりこのシステムの構築に携わるデジタル技術者の働き方については、今かなり問題視されてきております。大きな社会構造としてデジタル社会つくっていく上ですから、自分たちが使命感持って、責任感持って、多少は過重労働になってもやり遂げたいという意思もありますけれども、やっぱりその中で、これは官であれ民であれなんですけど、やっぱり発注の仕方によってはSEなどが健康や命に関わる過重な労働を強いられているというような現実もあります。 申し上げたくないですけど、ある省庁からのそれこそ強い圧力で、ハラスメントで、実質的に私たちの仲間が一人過労死しています。これは事実であります。したがって、こんな悲しいことをやっぱりもう二度と起こさないということを是非大臣にも約束していただきたいんです。 システムが障害を起こすと、その責任の重圧、IT企業に発注すれば何でも可能にしてくれるというわけではなくて、やっぱりそこは、働く人は人間ですから、きちっとその人たちの生活や命も守る発注の仕方を是非お願いしたいと思いますし、発注の仕様書にそのことが本当は織り込まれるような、各自治体が制定しているような公契約条例というものがありますので、そういったものに倣って、公契約に係る業務に従事する者の適切な労働時間、労働環境の確保、事業者の経営環境の維持改善といったような視点が何か盛り込まれるような契約というか発注の仕方をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) デジタル技術者に過度な負担が生じないように計画的に進めるということは非常に重要だと思います。その事業者との技術的な対話を行いながら調達仕様書を策定することで、開発中に事業者が予期していなかった追加負担が掛からないようにするということや、事業者から提案のあった開発スケジュールや履行体制に無理がないか、発注者においてしっかりと確認すること等々が非常に重要だと思います。 今までもやっぱり、発注者が途中でいろいろまた付け加えたり、追加でいろんなことを物申したり、さりとて締切りだけは全然延びなかったりとかいうことで、その事業者の皆さんが大変苦労なさっているということはよく聞いております。 今後、デジタル庁が開発していくシステム等々に関して言えば、要するに一緒にリスクをしょってつくっていくというスタンスにしたいと思っています。そうじゃないと、もうこれ丸投げで、全部あとはやれと、責任は全部取れというようなことでは、本当にその新しい価値を持つシステムというのはつくれないということはもう本当に十分に認識しておりますので、発注者のその能力向上を進めるということと同時に、デジタル技術者の適正な労働環境の確保によって皆さんのやる気を引き出せるようにしていきたいと、そのように思います。
○矢田わか子君 この国の新しい形づくりに皆貢献したいと思って頑張っておりますので、是非とも御配慮のほどお願いしたいと思います。 最後に、セキュリティー技術者の育成についてお伺いをしていきたいと思います。 先ほどもセキュリティー対策のこと申し上げましたが、一方で、そうした人材不足というのは、企業だけではなくて、当然行政においても言えることですし、DX技術者とともに、これからセキュリティー対策を担う人材の不足というのが大きな課題となってくると想定されております。 経済産業省、二〇一六年に、情報セキュリティー人材二〇二〇年度に十九万三千人不足するという予測を発表されました。資料一お配りしております。五年経過しました、それから。現在の状況、政府としてどのように把握されているのか、確認したいというふうに思います。 現在のところ、公的機関においてはNISCが機能しているというふうにお聞きしておりますが、民間においては、中小企業を中心にシステムのやはり脆弱性指摘され続けておりまして、IPAによる中小企業の支援策も講じられているが十分ではないという認識です。この辺り、どのように人材確保をしていくのかも含めてお願いします。
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。 民間企業におけるサイバーセキュリティー人材の不足に関しては委員御指摘のとおりかと思います。主にはIT企業ではない一般企業、ユーザーの方々、ユーザー企業での不足感が大きいものというふうに認識をしております。 このような状況を踏まえまして、政府全体として、サイバーセキュリティ戦略に基づきまして、こういう人材を配置をいただくために必要な経営層の方の理解、意識改革の推進、そして実務者、技術者の育成、こういうものに加えまして、自社におけるリスクを認識をした上で経営戦略を踏まえて対策を立案できる戦略マネジメント層の育成、こういう柱、三つの柱で施策に取り組んでおります。 今後、社会のデジタル化が進展をしてまいります。実務者、技術者向けのプログラムの強化、改善に取り組むということはもちろんでございますが、技術者、実務者以外、いわゆる一般の利用者の方々が、時機に応じプラスをして、セキュリティーに関する知識、そしてリテラシーを身に付けるということが重要かというふうに思っております。このためのプログラムの普及等を進めてまいります。 このように、それぞれを対象にした官民、私ども自身もそうでございます、それから企業においても取組の継続、進化をさせつつ、関連する府省と連携をいたしまして、セキュリティー人材の確保、育成にしっかり対応してまいります。
○矢田わか子君 企業も懸命に人材育成取り組んでおりますので、是非国としても、平井大臣、中高生も含めて、いわゆるホワイトハッカーといいますが、こういう分野に対して興味持つような方々を早い時期から一本釣りしてやはり育て上げていくというようなことも是非お願いを申し上げておきたいと思います。 終わります。
○田村智子君 四月二十二日、大門実紀史議員が質問の最後に、EUは、GAFAによる個人データの独占ではなく、個人が自分自身のデータを安全かつプライバシーが保護された状態で管理できる分散型データエコシステムのプロジェクトを始めているということを取り上げました。 平井大臣は、問題意識は同じというふうに答弁されたんですが、現実には、第二期政府共通プラットフォームはアマゾンウェブサービスとの契約で運用が開始されています。政府が保有する個人情報は、GAFAの一角である米国アマゾンを親会社とする企業のデータセンターで管理されているということです。これまでの答弁では、また、これまでの答弁やこのアマゾンウェブサービスのプレスリリースを見ても、これは日本国内のデータセンターだということは私も理解をしております。 まず基本的な点を確認いたしますが、政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針では、我が国の法律及び締結された条約が適用される国内データセンターと我が国に裁判管轄権があるクラウドサービスを採用候補というふうにしているのはなぜですか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 先生御指摘のとおり、政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針におきましては、クラウドサービスに保存される利用者データの可用性の観点から、我が国の法律及び締結された条約が適用される国内データセンターと我が国に裁判管轄権があるクラウドサービスを採用候補とするものとする、ただし、データの保存性、災害対策等からバックアップ用のデータセンターが海外にあることが望ましい場合、又は争訟リスク等を踏まえ、海外にあることが特に問題ないと認められる場合にはこの限りではないとされているところでございます。 これにつきましては、クラウドサービスを含め情報システムの運用に当たっては、継続的にシステムが稼働され、かつ取り扱う情報の性質に応じたセキュリティーを確保することが必須との考え方に立っているものであり、こうした考え方を踏まえ、御指摘の点につきましては、データの国外流出や急遽のサービス停止などのリスクに対処する観点から定めたものでございます。
○田村智子君 セキュリティーというふうに言われましたが、やはり国内法以外の法令が適用されるリスクを排除するための対応だというふうに思います。 それでは、日本国内のデータセンターだから、アマゾンウェブサービスが米国資本であっても米国による執行管轄権は完全に排除されるのかどうか。 二〇一八年三月、米国では海外データ合法的使用明確化法、いわゆるクラウド法が成立しています。米国の提出通信記録法には、これ以前には、米国の通信事業者やクラウドサービスプロバイダーに対して米国当局によるデータの開示手続等、これ定めているんですけど、海外保有のデータの扱いについての明示がなかったんです。 FBIが薬物密売事案の捜査のために米国の裁判所から令状を取り、マイクロソフトに対して、アイルランド・ダブリンのデータセンターに保存されていた電子メールの提出を求めた。しかし、マイクロソフトは応じず、係争になった。マイクロソフトは一審で敗訴したが、控訴審で勝訴し、連邦最高裁での係争中に先ほど紹介したクラウド法が制定されました。これによって、アメリカ国外で保存するデータについても提出通信記録法等が適用されることになったわけです。 そうすると、日本国内のデータセンターであっても、米国が管轄権を有するアマゾンのような事業者については、米国当局の執行管轄権、これがあるということになりませんか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。 米国クラウド法につきましてでございますけれども、私どもの承知している範囲で申しますと、データが米国内に存在するか否かにかかわらず、米国政府が米国の管轄権に服するプロバイダーに対して、犯罪捜査において米国の裁判所が発付した令状がある場合に、当該企業が所有、保護及び管理するデータの提供を求めることができるとしていると承知しております。 このため、データの提供につきましては、米国の管轄権に服するプロバイダーにおいて、ただいま申し上げましたような、犯罪捜査において米国の裁判所が発付する令状がある場合という適正な手続に基づく犯罪捜査という極めて限定的なケースのみ、そういう可能性があるものと承知しております。
○田村智子君 あるんですよね。犯罪捜査という限定的であれ、日本の国内にあるデータを提供させる法の仕組みがアメリカにはあるんですよ。 アマゾンウェブサービスに対するアメリカ政府からのデータ提出要請、二〇一九年上期には、前年下期との比較で七七%増えているんです。二〇二〇年下半期には、提出要求された情報は三百九十件に及ぶということをアマゾンがプレスリリースしています。 昨年九月、アマゾンの取締役には、米国国家安全保障局、NSAの元長官、キース・アレクサンダー氏が就任をしています。NSAは米国防省直下の組織で、エシュロンと呼ばれる国際的傍受システムの存在で世界的にも知られているわけですね。アレクサンダー氏は、二〇〇五年八月から二〇一四年三月まで、NSAの長官として国家ぐるみの不法な大量監視プログラムを指揮、実行してきた人物でもあります。 こうしたこともいろいろ考えると、私は、やはり何らかの、国内法が優先されるということも含めたやはり法規制というのが、あるいはそのアマゾンウェブサービスとの確約といいましょうか、文書上の取決めといいましょうか、そういうものが求められてくるのではないかと思いますが、平井大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 先ほど政府参考人から答弁がありましたとおり、データの提供については、米国の管轄権に服するプロバイダーにおいて、適正な手続に基づく犯罪捜査という極めて限定的なケースのみ可能性があるというふうに承知しています。 加えて、仮にそのような要請があった場合でも、外国政府からの要請に対して無断で日本政府の情報を提供することを避けるために、クラウド事業者の異議申立てや日本政府への通知を求めること、外国政府に情報が提供されるような場合であっても、その内容にアクセスできないようにするための暗号化を行うことなどの措置を講じることで対応することが可能であると考えておりますが、これもまさに極めて限定的なケースのみで、そういうケースにまだ遭遇しておりませんのでまだ何とも言えませんが、対応は可能であると考えております。
○田村智子君 もちろん、米国のクラウド法に基づいてアマゾンウェブサービスが、いや、それはできないというふうに抗弁するということもアメリカの法律上では認められているんですよ。それによって捜査令状が取り消されるという場合もあるとは思います。 しかし、日本の場合も、犯罪捜査というときに何をもって犯罪とするのか、先ほど午前中の審議でも警察行政のことをいろいろ取り上げましたけれども、何をもって犯罪捜査とし、何をもって容疑者とするのかというのは、これは外からなかなか知りようがないということにもなるんですね。 また、アマゾンウェブサービスについて言えば、日本の国内法に基づけば第三国に勝手に提供することはできません。日本政府が認めたものでなければできない、こういう法の規制がある。だけど、クラウド法との関係でいえば、求められれば求めに応じるという相違ですね、そういう法の規制と。こう、何というか、どっちかを守ればどっちかの違法状態を生むということにもなりかねないわけですよ。 これは衆議院でもこの参議院でも、LINEの問題が大分議論になりました。中国のことが大分問題になったわけですよね。中国はデータ取ることできるじゃないかと。その場合に、事業者というのは、中国に提供することによって中国政府から保護をされるわけですよ。たとえ日本の国内の事業者だったとしても、中国の要請によって情報を提供して、そのことが日本国内によって違法というような扱いになって何らか裁かれるような危険性がある場合には、徹底してその事業者を守るということまで中国はやるわけですよね。 もちろん、アメリカのクラウド法がそれと一緒と言っているわけではありません。そういう危険性を既に衆議院でも参議院でも議論をしてきた。日本の国内データについても、政府が保有するデータについても、米国資本の企業が管理している以上は、私はやはり、これは何らかの明示された取決めなりなんなり、日本の国内法が優先される、あるいはアメリカとの協定でもいいですよ、アメリカとの関係で、日本政府に通知なくこういう情報提供を求めることはないという約束とか、明示的なものが必要ではないかというふうに思うわけです。先ほど答弁でその危険性、危惧を大臣も言われたわけですから、いかがですか。
○国務大臣(平井卓也君) 今我々が検討しておりますガバメントクラウドに関しては、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAPに登録されたサービスから調達することをまず原則としています。 その上で、一切の紛争は日本の裁判所が管轄するとともに、契約の解釈が日本法に基づくものであることを契約等々によって担保するということや、データセンターの物理的所在地を日本国内として、情報資産についても日本国内で管理するというようなことをその選定基準として、それを契約の中に織り込んでいくということでございます。 他国政府の執行管轄権に服する事業者が選定された場合でも、そもそも外国政府がクラウド事業者に対して執行管轄を行使するような場合は極めて限定的であり、そのようなことが求められたとしても、まずは、外国政府からの要請に対して無断で日本政府の情報を提供することを避けるために、クラウド事業者の異議申立てや日本政府への通知を求めると。外国政府に情報が提供されるような場合であっても、その内容にアクセスできないようにするための暗号化を行うということなどの措置で対応はできると思います。 今後、ガバメントクラウドの取組を進めるに当たっては、扱う情報の重要性、機密性などを勘案し、最新の動向を注意しつつ、クラウドサービス提供事業者との契約内容とその実効性を担保するための手法等についても、今後とも慎重に検討した上で適切に対応していきたいと考えております。
○田村智子君 EUは、先ほど紹介したアメリカ政府とマイクロソフトの訴訟の判決時に、GDPRに違反するということを米国の裁判所に伝えると、毅然とした対応を取っているわけですよ。そして、GAFA支配ではない、個人データの主権を個人に取り戻すという方向に向かっているわけです。 私は、二十二日に大門議員が指摘したことは本気で受け止めてほしいんですよ。GAFA頼みでいいのかと。やはり日本がデータ主権を持つ、個人が主権を取り戻す、こういうことに本気で取り組むべきだということを指摘しておきます。 それからもう一点、ワクチン接種の記録システム、VRS、新たに開発されました。これ、マイナンバーそのものを自治体間で情報連携する仕組みなんですね。これまでは、システム上の安全性からも、マイナンバーそのものではなくて、機関別符号を使った情報連携ネットワークを介した分散管理システムが強調されていました。しかし、VRSはマイナンバー直接用いると。 その根拠は何かと聞いたら、マイナンバー法十九条十五号、人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるとき、これ、災害とか救命救急とか、こういうときだと思うんですけど、これを適用の根拠だというふうに言われてしまうと、これちょっと法の潜脱ではないのかと。 特定個人情報を守るための法審議っていろいろやってきたんですよ。こうやって直接使えるときには、それを特別に規定する法案審議って毎年のようにやってきましたよ。それやらずにこんなことされちゃったら、何のためにそういう法案審議してきたんだということになると思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。 マイナンバー法におきましては、マイナンバーを含む特定個人情報の提供の制限について定めておりまして、マイナンバー法十九条の各号に該当する場合のみ提供を行えることとなっております。 ワクチン接種記録システムにおきましては、各市町村がそれぞれ情報を保有し、それぞれ区分して管理することとした上で、住民がほかの市町村から転入してきた場合に、本人の同意を得て、従前の市町村の接種情報についてマイナンバーをキーに照会し、提供を受けることができるようにしております。 この情報照会、提供につきましては、今回の新型コロナウイルス感染症対策ワクチン接種履歴の確認について高い緊急性が認められることから、本人同意を前提に、先生御指摘のございましたマイナンバー法十九条十五号、人の生命、身体の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるときに該当し、供されるものと考えております。 この十五号につきましては、特定個人情報の提供の必要性が高く、また、ほかの号に書かれています情報提供ネットワークのシステムの使用をするいとまがないほどの緊急性が必要と考えております。今回につきましては、その緊急性と特定個人情報の提供の必要性が高いということで、第十九条第十五号の場合に該当すると考えております。
○田村智子君 緊急性と言いますけど、このワクチン接種の体制、いろいろ何か月も議論してきたわけでしょう。それで、個人情報保護法の扱いがこんなずさんなやり方だと。 これ、全体、今回のデジタル改革についても、やはりコロナ禍に乗じて、ちゃんとした議論もなくですよ、特に個人情報について、国民的な説明も国民的な合意もなくこういう形で進めていくということは非常に問題だということ申し上げて、質問を終わります。
○委員長(森屋宏君) 他に御発言もないようですから、五案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより五案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小沼巧君 私は、立憲民主・社民会派を代表して、デジタル庁設置法案及び公的給付迅速化のための口座登録法案に賛成、デジタル社会形成基本法案、デジタル社会形成整備法案並びに個人番号利用による口座管理法案に反対の討論を行います。 現内閣が推進せんとするデジタル改革は、コロナ禍の終息にいかなる役割を果たし得るのか、いかなる問題がいかに解決されるのか、ついぞ不明なままに質疑の終息を迎えてしまいました。これは、デジタル改革が論点設定を間違えて開始されたことに起因している。真に解決すべきは、霞が関の政策のつくり方、業務処理のやり方というオペレーション課題であります。 しかし、現内閣のデジタル改革は、現場の意見や担い手の業務プロセスを信頼していません。権威主義的に標準化を進めて例外を認めない改革は、現場での創意工夫を否定して、民間の活力を失わせるものであります。 誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化と言いながら、講じられるデジタルデバイド対策と銘打つ事業は全国一千か所のデジタル活用支援員による講習会程度で、本当に誰一人取り残さないが実現できるとお考えでしょうか。 デジタル庁が民間人材を大量に抱え込んだところで、しゃくし定規的な制度のはざまで苦しむ国民の不条理が救われるのか。真になすべきは、様々な事情に思いをはせて不条理を正す国民本位の行政のデジタル化であるとの観点から、個別法案ごとに賛否理由の勘どころを申し述べます。 まず、デジタル庁設置法案は、行政サービスが複雑なコングロマリットと形容すべき事業であることに鑑み、既存組織とは全く異なる組織の論理の言わば出島としてスモールスタートを始めるものと理解します。これは、経営戦略として合理的と考えられるため、賛成いたします。 また、公的給付迅速化のための口座登録法案も同様に、言わば出島でのスモールスタートの一要素であり、その参加は自発的意思に立脚しているため、賛成であります。行く行くは給付付き税額控除や個人単位での給付に結び付くことを期待するものであります。 他方、デジタル社会形成基本法案は、地方自治体の創意工夫を抑圧する危惧が残るのであります。確かに、情報システムの共同化又は集約自体が義務ではないこと、重点計画の策定に当たっては自治体職員や現場のオペレーションを重視して幅広く意見を聞くこと、かかる法令解釈をするという言質が取れたことは大いに歓迎すべきであります。しかし、検察官の定年延長という閣議決定による解釈変更、このあしき前例が撤回されていない以上、立法府の意思を行政府がひっくり返すおそれが排除されたとは確信を持てず、あえて反対するものであります。 また、デジタル社会形成整備法案は、個人情報保護の懸念が残るのであります。確かに、監視社会や一元化の手段にはしないとの言質が取れたところは歓迎すべきではありますが、実際の担い手たる個人情報保護委員会の体制強化の中身はついぞ語られなかったのであります。センシティブな個人情報が、利便性の美名に隠れて、自らあずかり知らぬところで悪用されないか、運用段階での具体論が固まっていない現状ではリスクを管理できないとのそしりを免れ得ず、これも反対するものであります。 そして、個人番号利用による口座管理法案は、立法事実自体が机上の空論に聞こえるのであります。政府は、直近の実例をまともに答弁できなかった。広報予算の膨張を正当化するためのロジックにしか聞こえず、もう一度考え直した方がよいとの叱咤激励を込めて反対いたします。 以上、二法案に賛成、三法案に反対する討論といたします。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、デジタル改革関連五法案に反対の討論を行います。 デジタル技術の発展と普及によって行政等の業務や手続を効率化すること、国民生活の利便性を向上させることは大切です。しかしそれは、行政機関が保有する膨大な個人情報の利活用を国民自ら監視、監督できる法整備、体制整備と一体に行われなければなりません。 本法案には、個人情報のビッグデータ化、顔認証などAI活用を前提とするデジタル社会を急いでつくろうとする一方、AIの普及の下での個人情報保護、プライバシー権、自己情報コントロール権など、個人の基本的人権の尊重のための新たな規定も、その考え方さえも欠落しています。 安全性と信頼性なきデジタル社会の形成には断固として反対いたします。 本法案は、デジタル庁の設置とともに、国の行政機関だけでなく、自治体においても個人情報のデータ管理システムを統一することで、データ利活用を一層促進しようとしています。既に、国や独立行政法人は、大量の個人情報ファイルを非識別加工し、民間利活用の提案募集に掛けています。横田基地騒音訴訟原告、国立大学の授業料減免を受ける学生の個人情報ファイルなどがその対象であることを指摘した私の質問が大きく報じられたのは、このような利活用への大きな批判の表れだと考えます。ところが、こうした利活用を都道府県、政令市に義務付け、市町村においても積極的に推奨する、このようなことはやめるべきです。 地方自治への影響も重大です。現行の自治体クラウドでもカスタム制度を認めないことが問題となっています。本法案の情報システムの共同化、集約の推進によって、自治体は国がつくる鋳型に収まる範囲の施策しか行わないことになりかねません。強力な権限を持つデジタル庁は、国の省庁にとどまらず、自治体や準公共部門に対しても予算配分やシステムの運用について口を挟むことができるようになります。監督権限を強化する個人情報保護委員会も自治体の条例作りに口を挟めるようになります。自治体の独自施策を抑制させることは地方自治への侵害であり、認めることはできません。 また、本法案では、個人の預貯金口座のマイナンバーひも付けなどを盛り込んでいますが、そもそもマイナンバー制度は国民の所得、資産、社会保障給付を把握し、国民への徴収強化と社会保障費の削減を進めるもので、この制度に反対です。 また、デジタル庁は、約五百人のうち百人以上を民間出身の非常勤職員とします。これら職員は企業に籍を置いたままであり、特定企業の利益を優先するような施策の推進などに官民癒着が広がる懸念があります。このようなデジタル庁は必要ありません。 最後に、本法案の審議中に、EUがAI規制案を公表しました。AIによるプロファイリング、それを基に、基づいたターゲティング広告などによってAIが人間を監視しコントロールする社会ではなく、人間がAIを監督するためにどのような法制度や体制が必要か真剣な議論を行うことを求め、反対討論といたします。
○委員長(森屋宏君) 他に御意見もないようですから、五案に対する討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、デジタル社会形成基本法案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、デジタル庁設置法案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 この際、木戸口君から発言を求められておりますので、これを許します。木戸口英司君。
○木戸口英司君 私は、ただいま可決されましたデジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、デジタル改革関連五法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。また、政府は、地方公共団体における運用等についても次の諸点の趣旨にのっとり行われるよう、必要な助言を行うこと。 一 デジタル改革関連法案の要綱等に多数の誤りがあったこと及びその事実が判明した後、直ちに国会に報告しなかったことを深く反省し、再びこのようなことが起こらないよう、再発防止策を徹底すること。 二 デジタル社会形成基本法の施行に関し、以下の事項について配慮すること。 1 本法は国民に義務を負わせるものではないことに留意すること。また、事業者に課される努力義務は、事業者に過度な負担を課すことのないよう十分留意すること。 2 本法第十条の「デジタル社会」の形成に当たっては、高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報の活用により個人の権利利益が害されることのないようにするとともに、高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保を図ること。 3 本法第二十九条は地方公共団体に「共同化及び集約」の義務を負わせるものではないことに留意すること。 4 地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について重点計画を作成するときは、地方六団体のみならずその他の関係者の意見を幅広く聴取すること。 5 本法の運用に当たっては、デジタル化の推進が国民を監視するための思想信条、表現、プライバシー等に係る情報を収集し一元的に管理する手段として用いられることのないようにすること。 6 デジタル化の推進に当たっては、年齢や障がい、経済的状況、地理的条件等にかかわらず誰もが不自由なく行政とのやり取りを行える機会が得られるよう必要な措置を講ずるとともに、地方公共団体等の窓口における対面業務、電話対応等、従来の機能を求める国民のニーズに十分配慮すること。また、これらの条件にかかわらず誰もが不自由なく事業者のサービスを利用できるようにするため、事業者の責務として自ら必要な取組を行うよう促すこと。 7 地方公共団体のデジタル化を推進するに当たっては、各地方公共団体による独自の自治事務の遂行を妨げることのないようにすること。また、地方公共団体のシステムの共同化又は集約を行うに当たっては、適切な財源措置を講ずること。また、国が提供するシステム及び地方公共団体のシステムの改修作業が短期間に集中し、システム改修を行う事業者及びIT技術者への過度な負担が生じないよう計画的に作業を推進すること。 8 国の行政機関、独立行政法人、地方公共団体の機関及び地方独立行政法人等の行政機関等(個人情報の保護に関する法律第二条に定める行政機関等をいう。以下同じ。)が保有するデジタルデータについては、データの性質を踏まえつつ、その管理を外部に委託した場合を含め、データを国内に置くなど個人情報の保護に関する法律の趣旨にのっとり適切な管理を行うこと。 9 行政機関等が保有する情報のうち国民生活に有用なものについては、積極的にホームページ等で公表するなど国民が容易に活用できるようにするための環境整備について検討すること。 三 デジタル庁設置法の施行に関し、デジタル庁への民間からの人材確保に当たっては、特定企業との癒着を招くことがないよう配慮すること。併せて、今後継続的に民間からIT技術者を含む有能な人材が確保できるよう人事及び給与の面で適切な処遇を図ること。また、デジタル庁の体制の整備に当たっては、政府全体として行政の肥大化につながり行政改革に逆行することのないよう、十分留意すること。 四 デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に関し、以下の事項について配慮すること。 1 個人の権利利益の保護を図るため、自己に関する情報の取扱いについて自ら決定できること、本人の意思に基づいて自己の個人データの移動を円滑に行うこと、個人データが個人の意図しない目的で利用される場合等に当該個人データの削除を求めること及び本人の同意なしに個人データを自動的に分析又は予測されないことの確保の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずること。 2 地方公共団体が、その地域の特性に照らし必要な事項について、その機関又はその設立に係る地方独立行政法人が保有する個人情報の適正な取扱いに関して条例を制定することができる旨を、地方公共団体に確実に周知するとともに、地方公共団体が条例を制定する場合には、地方自治の本旨に基づき、最大限尊重すること。また、全国に適用されるべき事項については、個人情報保護法令の見直しを検討すること。 3 行政機関等が保有する個人情報の目的外での利用又は第三者への提供については、その要件である「相当の理由」及び「特別の理由」の認定を、厳格に行うこととし、行政機関等が行った判断の適否を、個人情報保護委員会が監視すること。 4 行政機関等が個人情報を利用する際、個人が自己の情報の利用状況を把握できる仕組みについて、情報通信技術の進展を踏まえた見直しを検討すること。 5 個人情報保護委員会による行政機関等の監視に当たっては、資料の提出及び実地調査を躊躇なく行うとともに、必要があれば勧告や報告の要求を遅滞なく行うことにより、監視の実効性を確保すること。 6 大量に個人情報を保有している事業者が我が国の個人情報に関する法令を遵守するよう徹底するとともに、必要な場合には立入検査、報告徴収等の権限を躊躇なく行使し、遵守状況について監視すること。 7 個人情報保護委員会が民間部門と公的部門における個人情報保護に関する業務を所掌することにより業務量が増大すると見込まれることに鑑み、その任務を果たすことができるよう、必要な人材の確保を含め体制強化を図ること。また、個人情報保護委員会は、地方公共団体から必要な情報の提供又は技術的な助言を求められた場合には、迅速に対応すること。 8 学術研究目的における個人情報の取扱いについては、個人の権利利益を不当に侵害する場合は個人情報の取扱いに係る制限の適用除外とならないことに鑑み、要配慮個人情報を含む個人情報の適正な取得や提供等の保護の取組を強化すること。 9 転職者等について事業者間で特定個人情報の提供を行う場合には、本人の同意を事実上強制することにならないよう、また転職者等が不利にならないよう、十分に配慮すること。 10 地方公共団体情報システム機構が署名利用者の性別、最新の住所情報等を署名検証者に提供するための本人の同意については、同意後に事情変更があることも踏まえ、同意の取消しを可能とするとともに同意の有効期限を設けるなど、慎重な運用を行うこと。 11 地方公共団体情報システム機構において生成した署名利用者符号については、マイナンバーカードへの記録後に復元不可能な形で確実に廃棄されるよう、省令等において明記すること。 12 移動端末設備用電子証明書が記録されている移動端末設備の譲渡又は紛失等によって、電子証明書及び署名利用者符号等が悪用されることのないよう、国は、これらを迅速かつ確実に失効・削除する仕組みを整備するとともに、移動端末設備の買取り等を行う関係事業者に対して電子証明書が失効済であること並びに電子証明書及び署名利用者符号等が復元不可能な形で削除済であることを確認するよう要請するなど、万全の措置を講ずること。 13 地方公共団体情報システム機構において、情報システムに関する高度な専門的知識を有する人材の確保及び育成が円滑に図られるよう適切な支援を行うこと。また、同機構については、一層の情報公開を推進するなど、透明性の高い運営が行われるよう、必要な措置を講ずること。 14 契約において書面の交付に代わり電磁的記録を提供する場合においては、契約内容に係る電磁的記録を消費者が容易に保存できる手段を確保する等、適切な取組を事業者に促すこと。 15 押印手続の見直し等に伴い普及しつつある電子署名等のトラストサービスについて、その信頼性の確保が重要であることに鑑み、デジタル庁を司令塔として、国際的な相互運用性を踏まえつつ、信頼性を評価するための基準の策定及び評価に関する包括的な仕組みの構築に取り組むこと。 五 公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律の施行に関し、本法による預貯金口座の登録が、国民の資産把握のために用いられることがないようにすること。 六 預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律の施行に関し、以下の事項について配慮すること。 1 預貯金口座への個人番号の付番により個人資産が国により把握されることに対する国民の懸念があることに鑑み、税務調査等の法令に基づく調査以外で国が預貯金口座の利用状況を確認することがないようにすること。 2 預金保険機構が本法の規定により提供を受けた本人特定事項、個人番号、口座情報等については、その目的のための使用を終了した後は、直ちに復元不可能な形で削除することを預金保険機構に徹底すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(森屋宏君) ただいま木戸口君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、木戸口君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し、平井国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平井国務大臣。
○国務大臣(平井卓也君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(森屋宏君) なお、五案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十七分散会