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204回国会参議院2021/02/02

内閣委員会 第1号

発言数
84
登壇者
12
会派数
7
開催日
2021/02/02

会議録

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会をいたします。  委員の異動について御報告申し上げます。  昨日までに、武田良介君、足立敏之君及び清水貴之君が委員を辞任されました。その補欠として柴田巧君、山添拓君及び今井絵理子さんが選任をされました。  また、本日、石川博崇君及び田村智子さんが委員を辞任され、その補欠として塩田博昭君及び伊藤岳君が選任をされました。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 国政調査に関する件についてお諮りをいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 御異議なしと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) この際、山本内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山本内閣府副大臣。

山本博司公明党厚生労働副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(山本博司君) 内閣府副大臣の山本博司でございます。  新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を円滑に推進するため、行政各部の所管する事務の調整を担当いたしております。  河野大臣を支え、力を尽くしてまいりますので、森屋委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願いいたします。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 山本内閣府副大臣は御退席いただいて結構です。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西村国務大臣。

西村康稔自由民主党・無所属の会内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(西村康稔君) ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  新型コロナウイルス感染症の発生の状況等に鑑み、感染拡大を防止し、国民の生命及び健康を保護するとともに、国民生活や国民経済への影響が最小となるよう、必要な法制を整えることが喫緊の課題であります。  このような状況に対処し、新型インフルエンザ等対策特別措置法等に基づく感染症対策を強化するため、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、新型インフルエンザ等緊急事態に至る前から、実効的な感染症対策を講ずることができるようにするため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を創設します。  第二に、国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者や医療機関等を支援するための必要な措置を講ずることとします。  これらの措置により、都道府県知事は、措置が必要な業態に係る事業を行う者に対し、営業時間の変更等を要請するとともに、必要な財政上の措置等の支援を行うこととします。正当な理由なく当該要請に従わない場合には、当該要請に係る措置を命令することができることとし、当該命令に従わない場合には過料を処することにより、実効性を担保します。  第三に、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置の創設に併せて、新型インフルエンザ等緊急事態措置を見直し、特定都道府県知事は、施設管理者等が正当な理由なく施設の使用制限等の要請に従わない場合には、当該要請に係る措置を命令することができることとし、当該命令に従わない場合には過料を処することにより、実効性を担保します。  第四に、新型コロナウイルス感染症を感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型インフルエンザ等感染症として位置付けます。  第五に、厚生労働大臣及び地方公共団体間の情報連携、電磁的な方法による届出等について、必要な規定を整備することとします。  第六に、厚生労働大臣及び都道府県知事等は、緊急の必要があると認めるときは、医療関係者、検査を行う民間事業者等に必要な協力を求めるとともに、正当な理由がなく当該協力の求めに応じなかったときは、協力するよう勧告するとともに、従わない場合は、その旨を公表することができることとします。  第七に、厚生労働省令で定める新型インフルエンザ等感染症及び新感染症について、患者等に対して宿泊療養又は自宅療養に関する協力を求めることができることとします。また、検疫法上も、宿泊療養又は自宅待機その他の感染防止に必要な協力を求めることができることとします。  第八に、入院先から逃げた場合又は正当な理由がなく入院措置に応じない場合及び積極的疫学調査に応じない場合の罰則を設けることとし、実効性を担保します。  最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して十日を経過した日としています。  以上が、この法律案の趣旨でございますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。  御審議の上、速やかに可決していただくことをお願い申し上げます。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員松本剛明君から説明を聴取いたします。松本剛明君。

松本剛明自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(松本剛明君) 衆議院議員の松本剛明でございます。  ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  本修正は、政府提出の原案における入院措置等に係る罰則及び積極的疫学調査に係る罰則並びに緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の際の命令に違反した場合の罰則の見直し等を求める御意見を踏まえ、また、迅速な対応が求められている現下の状況にも鑑みつつ、与野党において真摯な修正協議を行い、国民的見地に立った迅速かつ柔軟な合意形成に基づいて取りまとめたものでございます。  次に、本修正の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正に関する修正事項であります。  これに関しては、まず、入院の措置等により入院した者がその入院の期間中に逃げたとき又は入院の措置の対象者が正当な理由がなくその入院すべき期間の始期までに入院しなかったときの罰則について、政府提出の原案においては一年以下の懲役又は百万円以下の罰金の刑事罰とされていたものを、五十万円以下の過料といった行政罰に修正することとしております。  次に、新型インフルエンザ等感染症の患者等が、都道府県知事又は厚生労働大臣が行う積極的疫学調査に対して正当な理由がなく応じなかったときの罰則についても、同じように、政府提出の原案においては五十万円以下の罰金の刑事罰とされていたものを、三十万円以下の過料といった行政罰に修正することといたしております。  また、この行政罰である過料に前置する手続として、新型インフルエンザ等感染症の患者等が積極的疫学調査に対して正当な理由がなく協力しない場合において、なお感染症の発生予防又はまん延防止のため必要があると認めるときは、都道府県知事又は厚生労働大臣は、当該積極的疫学調査に応ずべき旨の命令を発することができる制度を設け、この命令に違反した場合に、初めて過料の対象となることとしております。また、この命令については、必要な最小限度のものでなければならないことを明記するとともに、書面による通知に関する規定を整備することとしております。このような規定を整備することによって、行政罰といえども、慎重かつ謙抑的な姿勢でもって対処するべきこととしているところであります。  第二に、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正に関する修正事項であります。これに関しては、緊急事態宣言時の特定都道府県知事による命令に違反した場合における過料の額を、政府提出の原案における五十万円以下から三十万円以下に引き下げるとともに、まん延防止等重点措置時の都道府県知事による命令に違反した場合における過料の額についても、政府提出の原案における三十万円以下から二十万円以下に引き下げる修正をすることとしております。  なお、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正については、感染症の発生予防又はまん延防止のための措置の実施に対する必要な協力の要請対象として、医師等に加えて医療機関を明記する修正もすることといたしております。  このほか、以上の修正に伴って生ずる条文整理等、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 速記を起こしてください。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国立感染症研究所所長脇田隆字君及び東京大学大学院法学政治学研究科教授米村滋人君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 御異議なしと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、大変御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。  お二人からいただきました忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、脇田参考人、米村参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたく存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきいただきたいと思います。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず脇田参考人からお願いをいたします。脇田参考人。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) 国立感染症研究所の脇田と申します。  今日は、このような機会をいただきまして、大変感謝申し上げます。  では、私の方からは、お手元に資料があると思いますけれども、新型コロナウイルス感染症の現状と今後の課題ということで、感染症の専門家の立場から御説明をさせていただきたいと考えております。  現在、国内では過去最大の流行が起きているということでございますけれども、緊急事態宣言発出以降、やや新規感染者については減少してきているところであります。  昨日も厚生労働省のアドバイザリーボード開催されまして、今日この資料の提出には間に合いませんでしたけれども、もし時間があれば、その現在の評価についても後ほど少し述べたいと思っております。  次のページの三ページ、四ページのところですけれども、新規感染者数はやや減少傾向となっておりますけれども、いまだ入院治療を要する方は非常に多くございまして、さらに、重症者についてはまだ減少の傾向が、やや頭打ちとも見えますけれども、まだ減少の傾向ははっきりと見えてこないというところでございます。  その下のところに示していますのは、この新型コロナウイルス感染症の重症度を示すピラミッドということで、非常に特徴的なのは、その下の方の、黄色から下の発症前無症状と無症候の方が半分ぐらいいらっしゃるということであります。これは、従来のSARS、MERS等でありますと発症した方はほとんど有症状であるということと違いまして、無症状の方が半分程度いるということであります。さらに、重症化をする方も一定程度いらっしゃるということになります。  次のページであります。少し分かりにくいものなんですが、この感染性がいつ生じるかということですけれども、一番上の左側の薄い青とピンクのバーを御覧ください。  これは、ブルーのところが無症状のところで潜伏期ですね。一番左のところに感染があり、そして真ん中のところで発症して、ピンク色のところは有症状というところです。その下の山みたいなのがありますが、いつ感染性があるかということを示していて、このシナリオの一、二、三とありますが、この新型コロナの場合は一番下のシナリオ三であり、感染してから発症するまでに既にその感染性があるという、つまり発症する前の方が感染性が強いということですから、感染性は発症の二日前からになるということで、その次の感染が既に起きてしまうということになります。  ですから、SARSであれば、右の上のところがSARSなんですけど、発症してから感染性が出ると。しかも、必ずほぼ発症しますから、その発症者を抑え込めばよいということになりますが、この新型コロナの場合は発症前から感染性があるので、その抑え込みが非常に難しいということになります。  その下のところですけれども、ただ、発症してからは六日以降の感染は非常に低下します。ですから、発症してから十日間で感染性がなくなり退院が可能となるということのこれが理由であります。  その次を御覧ください。  ただ、一方で、濃厚接触者はその発症する前の期間も含まれております、いわゆる潜伏期ですね。その十日間プラス平均四、五日というところで、二週間の健康観察が必要ということがこの理論的な背景になります。  この新型コロナウイルスの伝播の特徴ですけれども、もうこれは流行の初期から専門家会議等で議論してきましたが、左側の同じ実効再生産数、いわゆる一人の患者さんから何人に伝播するかという数字がインフルエンザでも新型コロナでもほぼ二だということであれば、インフルエンザの場合であれば一人から二人、二人から四人という形になってきますけれども、一方で、新型コロナの場合はそういう形ではなくて、一人から感染する場合は多くの人に感染する。ただ、右側の図に描いてありますけれども、五人に感染したとしてもそのうちの一人しか次の感染を起こさないという特徴がありますので、これをクラスター感染、つまりこのクラスターの対策が必要になると、そういうことになります。  そういったクラスターの場がどういうところで起こるかと、これが次のページでございます、九ページ。いわゆる三密と言っていました。初期の頃に、密閉、密集、密接の場所がこういったクラスター感染が起きやすい場所。つまり、SARSの場合でありますと、スーパースプレッダーといって、その感染者がたくさんウイルスを出す人から感染が起きやすいというふうに言っていましたけれども、この新型コロナの場合はいわゆる環境が非常に問題になるということを、これを明らかにしてきたということです。  その後、様々なクラスター対策を行ってきましたが、そこで分かってきたのが感染リスクが高まる五つの場面ということで、十ページのところですけれども、やはり飲酒を伴う懇親会であったり長時間に及ぶ飲酒、これが最もやっぱり感染の場としてはリスクが高い。それから、マスクをしないで会話をすること。それから、狭い空間での共同生活、例えば寮生活であったり部活の合宿であったり、それから外国人の共同生活をされているような場所、そういったところで感染が起きやすいこと。それから、いわゆる居場所の切り替わりというところで、職場での休憩場所で喫煙をされてマスクを外して会話をする、あるいは職場では気を付けている、現場では気を付けているんだけれども、そこへ移動する間の移動手段の中、車の中でマスクを外して会話をしてしまう、そういった場面で感染のリスクがあるということになります。  それで、その次のページ、めくっていただきまして十一ページは、昨年の緊急事態宣言の場合には、ただそういったリスクの高い場所が余り明らかになっていませんでしたので、接触の八割削減ということで広く行動制限をお願いしたというところで、八割削減をすると一定程度の期間で感染が低下するという、これ西浦先生の推計ですけれども、一定程度このような形で感染が低下をしていったということになります。  ただ、今回の場合は、社会経済活動を幅広く止めるのではなくて、感染リスクの高い活動に絞って制限を掛けるということで、急所を押さえたという形を申し上げておりますけれども、飲食に対する営業時間の短縮要請がまず最初にあり、そして昼夜を問わず外出自粛要請、そしてテレワークの推進、そしてイベントの制限と、大きく四つの柱でお願いをしているところです。  その理論的な背景なんですけど、次のページ御覧ください、十三ページ。  これはなかなか大都市では見えてこないんですけれども、地方の都市では、こういったクラスターの分析をしていきますとこういったパターンが見えてきます。これは縦軸にクラスターの発生事例数があり、横軸にその時系列があります。  まず最初に、流行が始まりますと、多くは飲食店あるいは接触を伴う飲食店で、緑色のところのクラスターが発生してきます。そこから会社であったり職場であったり、それから家庭内に持ち込まれ、黄色の部分ですね、その後、学校であったり、オレンジ色の高齢者介護施設、最後には病院というところに感染が伝播していって流行が収束するというパターンがございます。  何が言いたいかというと、その流行の起点になるのがこの飲食店を中心としたクラスターの発生ということで、大都市ではなかなかこのパターンが見えてこないということがございます。ただ、大都市では、何といいますか、飲食店のそこに集まっている人の匿名性が高いということであったり、それから、若者が多く集まっているために、感染をしても症状がないということで、家庭に持ち込んだり職場に持ち込んだりしてその次の感染が発生するということで、そういったところはやっぱりリンクがない感染になってしまうということですので。ただ、その最初の飲食のところでやはり感染が始まっているということに基づいて今回の飲食での対策、それと、七月、八月の流行のときにもその飲食店対策ということでかなり効果があったということが理論的な背景になっています。  その下のところですけれども、感染研におきましては、これまでの流行のこの新型コロナウイルスのゲノム情報を分析しています。これは、ちょっと分かりにくいんですけれども、一つの点々が一個一個のウイルスのゲノムを表していまして、一番左の紫色のところが最初期の武漢系統というのがございます。これはほぼほぼ封じ込められたんですけれども、三月中旬から欧州からの流入がありました。その後、右側の七月から九月の第二波と言われる系統になりまして、さらに、それが十月から十二月の第三波の主流系統、現在の流行しているのがこの系統になります。これはどんどん入れ替わっていくという特徴があるということが分かってまいりました。  次のページ御覧ください。十五ページになります。  武漢系統というのは、この一番、二月、三月の非常に少ないところなんですけれども、それが、水色の欧州系統が三月から始まり、それが一旦緊急事態宣言により抑え込まれて、その後、新宿、東京新宿からのその赤い株に入れ替わり、そして現在は紫色になっていると。  これ、十一月から十二月までの解析で、これ先週報告しましたが、まだ現在この流行続いていますので、更に解析は続けているという形で、要するに、この新型コロナウイルスというのは流行が起こるときに次々とこの株が入れ替わっていくという特徴があります。  その下のところですけど、一方で分かったことは、こういった国内で流行している株だけではなくて、ごく少数なんですけれども、その国内での流行株と違う系統のものがあるということが分かってきました。これが複数の地域から同時に検出された株でありまして、十二検体で検出されましたが、場所、どこから流入してきたかということははっきり分からないんですけれども、同じ系統のものがアメリカで流行しているということで、これは今現在言われている変異株とは違う系統が少数検出されているということであります。  その次の十七ページ御覧ください。  現在、感染性や伝播性が増加しているということが懸念されている変異株というものが取り沙汰されております。一番上のVOC202012/01というのがいわゆる英国株、その下の501Y.V2、これがいわゆる南アフリカ株、その下が501Y.V3というのがいわゆるブラジル株、というものが感染性あるいはその抗原性の変化、これが懸念をされている株になります。  こういった変異株の輸入と国内での蔓延リスクの考え方というものがありまして、これは変異株の脅威、それからその輸入のリスク、そして、さらにそれが国内で蔓延するリスクというものを今感染研の方では評価をしているということになります。ですから、そういった変異株が本当に感染性とか病原性が変化しているのか、そしてその変異株が流行している国でどの程度の流行状況にあるのか、そしてそういった流行国からの入国のボリュームが日本へどの程度あるのか、そういったことを評価をしてございます。  その次のページを御覧ください。感染研ではそういったリスク評価をしておりまして、それを随時公開しております。こういった表にまとめているところで、後で御覧になっていただければと思います。  以上述べたようなただいまの状況ですけれども、我々は専門家として、これまでこの新型コロナウイルス感染症の対策に関わってまいりました。今般の法改正に当たりまして、これまでも様々な課題とかそれから提言というのをしてまいりました。  一番最初にありますのが、これが、専門家会議が七月の頭に解散で組織が変わったわけですけれども、そのときに取りまとめたものであります。二十一ページ、二十二ページのところに、「はじめに」ということで、課題ですね、下のページには課題を掲げています。  組織の在り方等は今回省かさせていただいていますけれども、これまで見えてきた課題としては、新しい感染症に関する研究の実施体制というものが、なかなか十分に研究開発ができなかったということがありまして、専門家として、前は専門家助言組織として活動していましたけれども、どこで、日本のどこでどのような研究が行われているのか、それがよく分からなかったと。それから、様々なリサーチクエスチョン、疑問の解決に最適なパートナーと迅速に協働することが難しかったということがございます。  それから、次の二十三ページには、疫学情報のデータの公表という問題がございました。感染症対策には、疫学情報へのアクセス、それからその評価というのが非常に重要なんですけれども、そういった情報へのアクセスにもなかなか困難がございました。これは、もう個人情報の取扱いが地方公共団体ではかなり違うというところもあり、データの提供であったり利用であったり公表の合意を得ることは非常に困難であったということになります。そういったこともあり、迅速に流行状況のデータ公表あるいは研究、論文の発表ができなかったということになりました。  そして、その際にも提案として、その研究が迅速に進むようにしていただきたいと、そういった支援をしていただきたいということ、それからデータを迅速に共有をしていただきたいという御提案をさせていただいています。  その次のページでありますけど、そこでも、中長期的な課題として対応をお願いしたいこととしては、研究体制を計画的に整備をしていただきたいということ、それから感染症疫学の専門家の人材育成というものが必要であろうということを御提案させていただいています。  最後に、分科会の方でも今回の法改正に当たりまして基本的な考え方をまとめさせていただいていますけれども、私の方からは、三十ページの、今述べたようなその課題のところ、感染症法の改正、課題の部分で、クラスターや地方の流行状況に関する情報を得るということがなかなか迅速に行われなかったので、そういった情報共有体制ですね、それを迅速にできるような体制を取っていただきたいということであります。  時間になりました、私の方からは以上です。ありがとうございました。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 脇田参考人、誠にありがとうございました。  次に、米村参考人にお願いいたします。米村参考人。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 東京大学の米村と申します。本日、このような場にお招きいただきましたこと、大変光栄に存じております。  私は、序言のところに書かせていただきましたが、民法、医事法を専門とする法学者でございますが、元々は内科医でございまして、現在に至るまで医師としての診療業務を並行して行ってまいりました。そのような立場から、今回提出されている新型インフルエンザ等対策特措法、その他数個の法律に対する改正法案に関しまして意見を申し述べたいと考えております。  二のところで、改正案に関する意見というところに進ませていただきます。  まず、(1)改正時期に関する点でございますが、本法案の改正点のうち幾つかの点、具体的には宿泊療養の根拠規定の不存在や医療体制の不備などに関しては、既に昨年夏頃から複数の法学者が問題が存在するということを指摘しておりました。しかし、今日に至るまでその点に関する対応がなされず、本国会で初めて改正案が提出されたという状況であったということは大変遺憾に思っております。  昨年末から今年にかけてマスメディア等で盛んに医療体制の不備があるということが報道されるに至って、そういう対応がなされるということだったのだろうというふうに想像しておりますけれども、その結果として、昨年末から今年、現在に至るまでかなりの感染者数が出現し、入院の必要な患者が入院できないというような事態も発生し、多くの命が失われるということが起こっているというわけであります。  私としては、昨年の早い段階でこういった医療体制等の改善の対応が取られていれば、救えた命がかなりあったのではないかということを思っている次第であります。くれぐれも政府には迅速な対応をお願いしたいというふうに考えるところであります。  次、(2)特措法改正に関する意見のところに進ませていただきます。  まず、そもそも、現在の特措法において問題点として、私の方では、そこに書いてございますけれども、根本的な問題があるというふうに考えております。それは、都道府県知事の措置の内容が事前に何ら限定されていない、その結果として、感染症対策として有効な措置が実施される保証もないという点であります。  もちろん、私権制限がなされ得るというところも問題であるわけですが、それは必要性、許容性、相当性があれば認められるというのが一般理論の帰結でありまして、その感染症対策としての必要性、許容性、相当性があるかどうかというところが最も重要なポイントであるわけであります。ところが、そこの点を保証する仕組みが特措法の中にないというところが最も大きな問題であるということであります。  都道府県知事に措置の内容を白紙委任すると言うに等しいような状況があるとしますと、それは法治主義や罪刑法定主義との関係でも大きな問題があるわけですけれども、この点を克服するための制度的装置がかなり法律の中に乏しいということであります。  大きく手続的な問題と国と地方の関係性の問題の二つに分かれるということになります。  まず一つ目、手続的な問題として、やはり事前に国会が関与すること、それから専門家が諮問に対して一定の応答をすること、それから事後的な救済の手続を設けられること、こういったことが先ほど申し上げた感染症対策としての必要性、許容性、相当性を担保するための仕組みだと言えるわけでありまして、もちろん、事前に具体的な内容を法律に書き込むということができないというのは感染症対策の性質上やむを得ないところではありますが、こういった手続を整備することによって実質的な内容の適正性を担保するということがなされていなければ、感染症対策としても人権制限の観点からも問題があるという措置が出てきてしまう可能性が高いのではないかというふうに考えております。そういった手続的な整備がきちんとされているかどうかというところが問題であるのが一点目。  それからもう一つは、国と地方の関係性の問題であります。現在の特措法の枠組みで申しますと、緊急事態宣言が出されると同時に基本的対処方針という国の対策本部が作成する対処方針が緊急事態宣言に従って改められるということが法定されておりまして、恐らくはその中で都道府県知事の権限に外枠をはめるということが制度上は考えられていたのだろうというふうに思われます。  ところが、それが実際にどれぐらい機能しているのかということであります。その後に、実際に緊急事態宣言が出された後に各都道府県知事と政府の間で認識の相違や方針の違いが表面化して、マスメディアで報道されるというようなことも続いております。実際に行われる都道府県知事の措置というのが政府側から見て不十分だというふうに言われることもあれば過剰だと言われることもある。そういう状況が立て続けに起こっているわけでありまして、国と地方の権限関係の整理が十分ではないということを感じさせるところであります。  これは先ほど申し上げた感染症対策としての適正性の観点からも大いに問題があるわけでありまして、やはり国がきちんと緊急事態宣言であれば緊急事態宣言の際に、そうではなく、この後お話しするまん延防止等重点措置であればそれを定める際に、基本的対処方針等の中で、都道府県知事の権限としてどういった方向性での感染症対策を行うということが与えられるのかと、権限が付与されるのかということをきちんと定める必要があるのではないか。そういった運用が少なくとも現状の法律でも可能であるというところがありますので、徹底していただきたいというふうに考える次第であります。  次、②まん延防止等重点措置に関してですけれども、これは今回の改正で新たに提案されている点でございまして、緊急事態宣言発出前の段階で事業者、一般国民等への協力要請や命令ができるようにすることを意図するという改正であると考えられます。  国会報告の欠如について問題視する意見がありまして、それは一定程度当てはまる批判ではあると思われますが、絶対的なものかどうかはやや問題かと思います。先ほどお話ししたとおり、幾つかの手続がその対策の適正性を担保するためにはあり得ますので、国会の関与が仮に事後報告のような形になったとしても、ほかの手続が整備されていればそれでもよいのかもしれません。  したがって、その他の手続を含めて包括的に内容の適正性が確保される仕組みが取られているかどうかということが問題でありまして、その点での運用の改善をお願いしたいというふうに考えております。  今回の改正法案におきましては、まん延防止等重点措置の際には専門家に対する諮問の手続が明確に法律に書き込まれるということがされております。これに関しては一歩前進であるというふうに評価したいと思いますけれども、その専門家に対する諮問の手続がやはり実質化される必要がありまして、もう形式的にごく一部の専門家に意見を聞くだけで進んでしまうというようなことがないように、運用として適正を図っていただきたいというふうに考える次第でございます。  次、③事業者に対する行政罰、過料についてですけれども、危険性の高い活動を行っている事業者に対して制裁を科すということは許容されるわけですが、一律の営業禁止等の命令違反に対して制裁を科すことは、行政罰であっても比例原則違反等の問題が出る可能性があります。  この観点から、現在の、今回の緊急事態宣言においての飲食店対応というのは、私から見るとやや問題があるように思われます。と申しますのは、一律の時短要請というのが本当に危険な飲食の場のみを制限しているということになるのかどうかということであります。  先ほど脇田参考人からのお話にもありましたが、分科会は飲食の場を急所であるというふうに表現して今回の緊急事態宣言下での措置の対象としているわけでありますが、全ての飲食店における全ての飲食機会が全てひとしく危険があるということになるのかどうかというのが問題であります。危険な飲食とそうでない飲食がやはりあるのではないか。人数もそうですし、その飲食店の構造、設備によって換気の程度がどうなのかということもありますし、様々な要素によって感染のリスクというのは違ってくるわけでありまして、その点を全て無視して一律の規制を掛けるということが許容されるかどうかというのがここでの問題であります。  罰則を科すという以上はその行為に実質的危険性があると、法益侵害の危険性があるということが言えなければならないということがこれは刑事法の原則としてあるわけでありまして、それは行政罰であっても異なるところはございません。  したがって、そういった観点からも、きちんとその危険性の高い行為に限定した命令が出るという形を取っていただく必要があるのではないか。今般の改正案が可決、成立したとしても、その点に十分御注意いただいて運用していただきたいというように考える次第であります。  次、④事業者に対する補償についてですけれども、やはりこれも先ほどの危険性の問題と関係がございます。  危険性の高い活動に対してそれを制約する、規制するということを行ったとしても、補償の必要はございません。これは最高裁大法廷の昭和三十八年判決、有名な判決ですけれども、ため池条例判決と言われるものでありまして、ここで明らかにされていることであります。しかし、ここでも、この特措法上の措置というのが果たしてそういった危険性の高い行為に限定して規制するという構造になっているのかどうかというところの問題であります。  仮に危険性の程度によらず一律の営業停止の命令が発出されているといたしますと、危険性の低い事業者にとっては、危険性が高くないにもかかわらず、単に規制の効率性や国民の納得感のために営業をやめなければならないという状況に置かれているということになりますので、これは、憲法二十九条三項の特別の犠牲を払ったものとして損失補償が必要であると考えるのが合理的であろうというふうに思われるところであります。  したがって、この補償の点についても、従来の政府見解が果たして妥当するかどうかということはよくよくお考えいただきたいというところでございます。  次、ページ変わりまして、(3)感染症法改正に関する点でございます。時間の関係もございますので、簡単に進んでいくようにしたいと思います。  まず、改正全般に関する評価でありますけれども、本改正案にはかなり必要な法改正が多く含まれておりまして、その点に対応していただいたということ自体は率直に評価を申し上げたいというふうに思います。  ただし、内容的に子細に検討してまいりますと、不十分な点や、むしろ改正趣旨に逆行すると見られる改正点もあるところであります。率直に申しまして、かなり短期間の検討で出てきた法案でありまして、十分に練られていないのではないかということを疑わせる法案の内容になっているというところがございます。  やはりこれは早期の再改正が必要ではないか、もう一度きちんと全体を検討し直して、本当にこれで感染症対策にとって良い制度になっているのかということを検討していただきたいということを希望する次第であります。  個別的な点に進んでまいります。  ②宿泊療養、自宅療養の取扱いであります。  宿泊療養、自宅療養に法的根拠がないことで問題が生じているということは、昨年四月の緊急事態宣言の段階から指摘されてきたところであります。今回、四十四条の三という条文でこれに対する規定を追加するということがされているわけですが、このこと自体は適切であるというふうに評価いたしております。ただし、宿泊療養等を拒んだ者に対して入院勧告、入院措置を行う仕組みにしているということはやはり問題があると思われます。  つまり、本来入院が必要がないという判断されて、しかし宿泊療養でということが言われたにもかかわらず、拒まれると入院させなければならない、そういうような形になっているわけですね。必要であれば宿泊療養、自宅療養の義務化を検討するということが筋でありまして、入院病床数の不足や医療体制の逼迫が指摘される中、いたずらに軽症者で病床を埋める結果になりかねないこの改正は問題があるというふうに思われるところであります。  宿泊療養、自宅療養に対する直接の義務規定の創設を是非御検討いただきたいというふうに思います。  次、③入院拒否者に対する罰則。これはマスメディア等でもかなり関心を集めた点でありますけれども、これについては二つの大きな問題がございます。  まず一点目は、感染症法の理念に関する問題でありまして、旧伝染病予防法とは異なって隔離政策を取っていない感染症法の下で、強制入院というのは最小限度の措置でなければならないということが法律にも書き込まれているところであります。入院拒否に対する罰則を科すというのはこの法律の理念に反するおそれがあるというのが一点目であります。  それから二点目、罰則の存在を理由にかえって感染疑い者がPCR検査等を受けなくなる傾向を生むということになりますと、感染症対策としてむしろ有害であるというおそれが出てまいります。  結局、今回の新型コロナウイルス感染症は、発症者が感染を広げているというよりも、無症状者、未発症者が大量に市中にいて、その方々が大変よく動かれるので、また飲食の場にも行くので、それで感染が広がっている、そういうようなことが一般に言われているわけであります。そうであるとしますと、本来感染対策の中心となるべきはそういった無症状者対策であるべきでありまして、入院者に対してこういった措置をするというのは、かえってその無症状者を掘り起こしにくくするのではないかということを私は懸念するところであります。  感染症対策全体を見据えて、目の前にいる入院の必要な発症者に対する対応が不十分になっているというところだけにとらわれて、実際に目に見えていない大量の感染者、未発症者が捕捉できなくなるというようなことは是非避けていただきたいというふうに思う次第であります。  次、④積極的疫学調査拒否者に対する罰則。  これもやはり、調査自体を忌避する観点から受診を控える傾向を生む可能性があって、感染症対策に逆行する可能性があるということを指摘させていただきます。  さらに、一般的にこのプライバシーに関わる情報はあくまで本人の権利を害しないように慎重に取得、利用するということが原則になっているはずでありまして、こういった罰則の裏付けを持って本人のプライバシー情報を無理やり聞き出すということが果たしてよいのか。もしこれが許されるのだとすれば、ほかの手段で情報を利活用するということも本来許されてよいはずでありまして、なぜその前段階の情報利活用は許されず、この積極的疫学調査の場面だけでプライバシー情報を強制的に出させるということが許されるのか、その辺りがやはりちぐはぐではないかというふうに思われるところであります。  ⑤医療関係者等に対する協力要請、勧告でありますが、現在の医療逼迫状況の原因として医療体制、関連法制度の不備があるということについては以前から指摘されてきたところでありまして、一定の対応がなされたことは評価できるところであります。ただし、行政側で全ての医療機関の受入れ能力を把握しているとは限りませんので、各医療機関の任意の協力や人材派遣等を促進するということも大変重要であります。それが実現できるように、財政的支援を含めて運用による適切な対応を是非お願いしたいということを考えているところであります。  以上が各論的な意見ということになりますが、最後に新型コロナウイルス感染症全般に関する意見として二点申し上げて、終わりにさせていただきたいと思います。  まず第一に、これは途中でも何か所か出てまいりましたが、現在の規制の在り方というのは危険性の高い活動に焦点を絞った対策になっていない、そこをやっぱり再認識していただく必要があるのではないかということであります。危険性の高い活動に焦点を絞った有効な対策ということを取る必要があるということであります。対象が無限定であるということが法的制裁の障害、罰則の導入の障害にもなっておりますし、緊急事態宣言の法的許容性も具体的対策の有効性が前提であるというところがございます。  その前提として、もちろん科学的なエビデンスが必要だということもございます。一体どういう活動が感染の危険性の高い活動であるのかということを是非しっかりと科学的エビデンスを持って調査分析していただき、その危険性の高い活動に対象を絞った形の規制を進めていただきたいというふうに考えております。  次、第二の点でありますが、緊急事態宣言に依存した対策から脱却することが必要だということを申し上げたいと思います。  緊急事態宣言、今回二回目になりますけれども、二回目はなかなか国民の皆さんの協力が得にくくなっていて効果が十分ではないということはマスメディア等でも報道されているところであります。そういった緊急事態宣言のみを中心とする感染症対策というのはやはり無理があるというのが私の見解でございます。むしろ、緊急事態宣言に過度に依存する感染症対策というのは緊急事態宣言が解除された途端に感染の再拡大を招くということにもなるわけでして、果たして感染症対策として成立しているのかどうかすら怪しいというのが私の見解であります。  平時にも一貫した感染対策を行うことが重要であります。危険性の高い活動を割り出してそれに対する国民の理解を求めるというのは、やはりその観点からも大変重要だということでありまして、丁寧な説明と任意の協力のお願いということが重要なのではないかというふうに考えるところであります。  また、その一環としてCOCOAという携帯アプリがあるわけですが、これがほとんど感染対策の効果を発揮していないというのが現状でありまして、これは極めて問題であります。情報利活用を通じて国民の行動をある程度誘導、制御することを含めて、強制措置によらない感染対策というのは多数ございますので、そういった様々な対策を併用する形で感染対策を全体として進めていくということを是非お願いしたいというふうに考える次第でございます。  長くなりましたが、私からの意見は以上でございます。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 米村参考人、誠にありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

徳茂雅之自由民主党・国民の声

○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。  まず、脇田参考人、米村参考人、大変お忙しい中、また急なお願いにもかかわらず御出席いただき、貴重な御意見賜りました。まずもって御礼申し上げます。  早速質問させていただきます。  一月八日に一都三県、十四日に七府県に緊急事態宣言が発令されました。昨年以来増加を続けた新型コロナの新規感染症者数、ようやく歯止めが掛かってきたということでありますが、いまだなお重症者数については高止まりであり、医療の逼迫体制、医療提供体制の逼迫状況は変わらないわけであります。  いよいよ二月七日の宣言の期間が近づいてまいりました。今日、政府の方ではこの宣言の延長について、二度目での決断をされるというふうに承知をしております。  その上で、まず脇田参考人にお尋ねしますが、今回の年明け以降、緊急事態宣言を発令いたしましたけれども、具体的に感染拡大の防止、抑止にどのような効果があったのか、具体的にお教えいただきたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) お答えいたします。  まず、今回の感染の、サージといいますけど、急激な増加のピークは、現在見えている新規感染者数の増加においては一月の前半というところなんですけれども、実は、感染時期で見ますとやはり年末、十二月三十日、三十一日辺りがピークでありまして、発症時期で見ますと一月の四日程度というところであります。その後の実効再生産数を見ますと、やはり一月一日辺りをピークにして急激に下がってきています。  現在はその急激な増加というものが、年末におけるやはり宴会、忘年会の影響、それから帰省における、帰省の前の、例えば検査を受けに行って、その検査の結果が影響したりですとか、あるいは帰省をして、帰省といっても今回は長距離の帰省はなかったんだと思うんですけれども、近距離で帰省をして、それでふだん余り会わないような親戚に感染が広がるというようなところがあって急激な増加になったというふうに我々は考えていますけれども、それが下がってきたという影響がかなり出ていまして、実効再生産数は一月の八日には既に〇・八程度に下がってきています。  ただ、緊急事態宣言の後も徐々に下がり続けていまして、現在は〇・七五ぐらいのところを維持をしているということですから、現在の緊急事態宣言による措置が感染抑止の効果を十分に維持をしていると、そういった状況というふうに判断をしております。

徳茂雅之自由民主党・国民の声

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  今後ワクチンの接種が開始されるという中で、国民の間に一定のその集団免疫力が獲得されるまでの間は、やはり経済活動、社会経済活動の維持とともに、いかに感染拡大を抑止していくのか、このバランスというのが極めて重要だというふうに思っております。  今回の特措法の改正によって、例えば緊急事態宣言中の協力要請に実効性を高めることができる、あるいはその前段階でまん延防止等重点措置を講じることができるようになります。その一方で、事業者に対しては財政的な支援を必要的に行うことになります。また、感染症法の改正によって、自治体間の連携強化、あるいは先ほどありました宿泊・自宅療養の協力要請について法的にも位置付けられるという改正が行われるわけであります。  そういった中で、先ほどの社会経済活動、それの維持とそれから感染拡大の抑止、このバランスをしっかり取っていく上で、今回の改正内容がどのような効果があるんだろうかということにつきまして、これ両参考人にお尋ねしたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) これは様々な今現在シミュレーションが行われておりまして、感染対策とそれから経済的な損失のバランスというものがシミュレーションされております。やはり感染対策を一定程度継続をして新規感染者数をかなり下げていくと。例えば東京を例に取りますと、百人であったり二百人であったりというところで解除をしていくことによってGDPの損失も比較的少なく抑えられるというシミュレーションが出ております。  それが全てではないんですけれども、そういうところを見ますと、やはり感染流行をある程度抑え込むということが経済対策にも重要であるというふうに我々も認識していまして、そういった意味で、感染対策の実効性を高めるといった措置がとられるということは非常に重要なことだと思います。  さらに、緊急事態宣言の前においても有効な対策が取れるという改正だというふうに認識していますので、緊急事態宣言になる前できちんとその感染対策が行えるということは非常に重要なことだと考えております。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 私は、経済活動と感染症対策の両立というのは極めて重要であるというふうに考えております。  もっと申し上げますと、経済活動のみならず、人と人との接触というのは様々な活動において基本となっているわけでありまして、文化活動、芸術活動、学校教育、介護、様々な場面で人と人との接触がなければ成り立たないということがございます。そういった活動をなるべく制限しない形で感染症対策を進めていくということが現在求められているのではないかというふうに私は考えております。  その観点から最後申し上げたことがあったわけですけれども、緊急事態宣言になるべくよらないマイルドな形での感染症対策というのをより進めていくべきではないか、様々な対策のメニューがあり得るというふうに考えております。  例えばということで申し上げたのが情報利活用を通じた国民の行動の制御というものでありまして、COCOAよりももう一歩進んだ形で携帯電話情報が取得できる、あるいは利活用できるという仕組みをつくり、それによって国民一人一人に警告を発したり、あるいはそれを疫学調査に活用したりということができるようになれば、もう少し感染症対策が進めやすくなるのではないか、それによって緊急事態宣言が必要になるような感染者数の増加状況を防げるということであるならば、やはりその方が好ましいのではないかということを考えているところでございます。  以上です。

徳茂雅之自由民主党・国民の声

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  ただいま米村参考人からコミュニケーションの話が出ましたけれども、今回、新型コロナ感染症は飛沫感染、それから自覚症状がない段階で感染するというような特徴があります。そういう意味では、人同士の直接のコミュニケーションが取りにくくなる、とりわけ高齢者あるいは社会的弱者が取り残されるリスクが高い、そういう感染症だろうというふうに思います。  また、若い世代の死亡リスクが低くて高齢者ほど死亡リスクが高いということで、ある意味世代間で受ける影響が異なりますので、社会的な格差あるいは分断を生みやすい特徴があるというふうに考えられます。  その上では、国民に正しい情報を伝える、その上で国民一人一人が正しい行動を起こすということが重要だと思います。そのためのリスクコミュニケーション、これが大切と考えられますが、政府あるいは国会に対してどのようなことを求められるのか、これも両参考人にお尋ねしたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) 大変重要なポイントだと思います。これは、感染症対策においてリスクコミュニケーションというのは非常に重要なツールになっていると思います。  我々、専門家会議として昨年の六月末まで活動してきまして、何かというと専門家が全てを決めているのではないかというようなことを批判されたこともございました。ただ、この感染症の対策というのは、やはり専門家、そして政府が一体となってワンボイスで様々な情報をお伝えするということは非常に重要ですから、もちろん政府とそれから自治体も同じ立場に立ってそういった情報を発信していくということが重要になると思います。  一方で、その情報を伝えるターゲットというのは、今おっしゃられたように若者であったり、それから社会的な活動が活発な世代であったり、それからお年寄りの世代であったり、様々な世代であるわけで、それぞれの世代がどういったものを使って受け止めるのか、情報を、そこは非常に違うわけですね。若者はもう全くテレビも見ないし新聞も見ないという場合には、やはりSNSをしっかりと活用して情報を届けなければいけない。そういった様々なツールを活用していただく必要もあるということは考えているところであります。  それと、メッセージもその世代によって変わってくるというところがありますので、そこはきちんとお伝えをして理解をしていただいて、行動変容につなげるということが我々専門家の中でも常に議論をしているところであります。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) このリスクコミュニケーションの問題というのは大変重要でありまして、今回の新型コロナウイルス感染症対策において最もうまくいっていないものの一つであると言っても過言ではないだろうというふうに思っております。  基本的には、政府の専門家会議、分科会の専門家の先生方は大変な御尽力をされておられるとは思いますが、国民一般に対するコミュニケーションとしては余りお上手ではなかったというふうに思っております。その点をやはり今後は、きちんと政府が国民に対して分かりやすく、この新型コロナウイルスの危険性がどの程度であってどういうことが求められるのかということを伝える役割の人を、そういったリスクコミュニケーションの専門家と言ってもよいかと思いますが、そういう人をきちんと準備して、その人を通じて国民全体に対して発信していくという仕組みをつくる必要があるのではないかというふうに考えるところがございます。  その際に使うツールとしては、ただいま脇田参考人も御指摘のとおり、様々なツールが世代ごとに違うというところがございますので、そういったところに配慮した発信の仕方という工夫も必要だというふうに考えているところでございます。  以上です。

徳茂雅之自由民主党・国民の声

○徳茂雅之君 時間が参りましたので、終わります。

小沼巧立憲民主・社民

○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧です。  両参考人、本日はどうもありがとうございます。十分という限られた時間でございますので、早速質問してまいりたいと思います。  まず、第一問目、米村参考人にお伺いしたいと思います。  この法律案等々を検討するに当たって、条文を細かく見るということの大前提として、そもそもなぜ我がこの日本における医療崩壊なるものが起きようとしておるのかということをまず真剣に考えなければならないなと思っております。病床の数は欧米に比べても多い、感染者数の絶対数も欧米に比べると少ないというような状況の中、なぜ医療崩壊と騒がれるような事態が生じてしまったのか。これまでの様々な法制度、例えば医療法における制度の在り方といったこともあったかもしれません。あるいは、人員の確保といったような在り方についても、人材育成も含めてあったかもしれません。  そういったところに関して、例えば参考人は今年の一月十日、インタビュー記事をなさっておりますけれども、それらの御知見も踏まえまして、なぜ今この日本において医療崩壊と呼ばれる現状が起きてしまっているのか、それについての御所見をお述べいただきたいと思います。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 御質問ありがとうございます。  私もその点は大変重要なポイントだというふうに考えているところでございますが、幾つかの要素が複合してこの状況が発生しているというふうに申し上げるべきだろうというふうに考えております。  一つは、既にかなり一般にも知られているとおり、全ての医療機関が新型コロナウイルス感染症の治療を行っているわけではない、多くの民間病院では患者をそもそも受け入れていないということがあるわけでありまして、日本の医療資源のごく一部しか新型コロナ対策に振り向けられていないという点がございます。  それに加えて、私は、医療従事者、人の動きというのも非常に制約が大きいというのが日本の大きな特徴であるというふうに考えております。これは、医療機関が小規模のものが多いということとある程度関係しているわけでありますけれども、医療従事者も小規模の医療機関ごとに細分化される形で小さな箱に押し込められているということになりまして、大きな医療機関が一つどんとあれば、そこで、その箱の中で人のやりくりをして、かなりの人員をコロナ対策に振り向けるということが可能になるわけですが、小さな箱に分散している状況ですと、なかなか人を振り向けるということが実際上難しくなってしまうというところがございます。  したがって、日本ではそういったその医療機関の垣根をまたいだ形での人材の流動化というのをすることが本来は必要だということがあるわけでありまして、そこがうまくいっていないというのが現状だろうというふうに考えております。  ですから、病床の確保と同時に人材の確保と、この二つを同時に進めなければ、日本の医療制度の下で医療逼迫を防ぐというのはなかなか難しいというところがあるかなというふうに考えている次第であります。

小沼巧立憲民主・社民

○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。  それでは、今頂戴したことに沿って二つお伺いしたいと思います。  一点目が、まさにおっしゃった病床の確保に加えて人の話ということがございました。これ、そもそも我が国の医療を含めた感染症などの法体系をよくよく見てみますと、平時において、箱、すなわち医療機関という箱であったり、医療従事者等という人であったり、あるいは必要な物資という物であったりということを平時のうちから、感染症がもし起こった場合に対応できるようなものになっておるのかということを考えておくことが必要であったであろうし、仮にそれができていたのであれば、このような状況においても対応できたのではないかなと思うのであります。  そういう意味で、様々な、医療法の話、法令、制度の話があると思いますけれども、既存のこの特措法等々に問わず、別の法律体系の問題なので、何かしら法令上の制度整備が必要なのではないかというように仮説を思いますが、その点に関して御所見をまずお願いしたいというものが一点。  二点目、実際、じゃ、こういう緊急事態のようなことが起こってしまったような場合に、おっしゃるとおり、病院の規模、様々違うということは重々承知でおりますが、参考人は、二枚目の⑤、協力要請、勧告等の話のところでもおっしゃっておりますが、現在の特措法三十一条、インフルエンザ等対策特別法三十一条によりますと、医療の提供に関して要請のみならず指示までできるという規定になっております。  実際の教育まで含めると確かに難しい、何かトラブルがあってしまったら大変だからやりたがらないということも分かりますが、現行の特措法においては、例えば第六十二条におきまして、そういった指示、又は指示に従って、ということの場合に実費を弁償しなければならない等の損失補償等の規定が現行法もあります。これが、仮に、今、本会議、今朝の本会議でもありましたけれども、現行は三十一条の三に基づく指示を行わないということを解しております。仮に、この解釈を変えて、現行法第六十二条の三に基づくような、指示を行った、そしてさらには、万々が一があった場合に実費の弁償という損失補償も付いているということがセットであれば、この逼迫しておるような医療提供体制、医療の状況に対して改善を図れることはできるのではないかとも考えますが、この点に関して、法律的な観点及び内科医としての御見解、観点から御所見をいただければと思います。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 二つの御質問を頂戴いたしました。  まず一点目に関しては、私も平時からの備えが大変重要であるし、今までもそうであったということは考えているところでございます。  今回の新型コロナウイルスによるパンデミックが起こるということ自体は、昨年、一昨年までの段階ではほとんど予想されていなかったところでありますので、そこまでで対策ができていなかったのはある程度やむを得ないところかと思いますが、昨年夏頃以降は、感染の再拡大があるということが十分予想される状況でありましたので、きちんとした対応を取るべきであった、感染症病床をいざというときにはすぐに確保できるような形で医療機関も行政側も対応しておくべきだったのではないかということを考えているところでございます。  その上で、二点目の御質問でありますけれども、基本的に、今の特措法の規定にそのようなものがあるというのは事実なわけですが、感染症法の今回改正対象になっている十六条の二も協力要請というのができる仕組みにはなっておりまして、それらが残念ながらどちらも活用されたことはないというように私自身は認識しております。  これは、法律の条文がどうというよりは行政の体制の問題ではないかというふうに私は考えておりまして、やはり従来、医療機関に対して、おたくではこれをやりなさい、この患者を引き受けなさいというようなことを行政がやってこなかったということがありまして、なかなか行政側が医療機関に対して、そういった協力要請レベルであっても医療の提供内容について物を言う、介入するということがしにくいというふうに思われる何かがあるのだろうというふうに思います。  やっぱりこういう形で問題が白日の下にさらされ、法改正も若干ではあってもされるということで、もう少しそういった行政文化のようなものも改められていく、医療側も、行政からの要請に従って自分のやっている医療を変えていく必要があるんだと、そういう認識に立ってもらうという、そういう契機になればいいなというふうに思っているところであります。

小沼巧立憲民主・社民

○小沼巧君 ありがとうございます。  まさに平時からの、それこそ検査から始まる総合調整をどうするのかということが極めて大事な今後の課題だなということが分かったかと、そのように理解いたしました。  続きまして、時間も限られてしまい恐縮でございます、脇田参考人にお伺いしたいと思います。  このコロナの話、確かに非常に問題であろうと、怖いものであろうということは重々承知なのですが、我々は正しく理解したいと思っております。  その意味で、よく言われます、インフルエンザに比べてどうなんだろうか。母数、感染者数という母数のことについて、インフルエンザと比べてどうなのか。重症化、もちろん中には残念ながら突然命を落とす方々もいらっしゃるわけでございますが、その点につきましても例えばインフルエンザと比べて一体どうなのか。まずこの客観的なことを示していただいた上で、インフルエンザとの正しい比較ということを考えてみたい。  もう一つ。行動変容ということを先ほどおっしゃいました。  様々な分科会の中で、罰則について実効性の議論がございました。昨日の衆議院の委員会、一月十五日の会議との罰則の関係は繰り返し申しませぬが、罰則以外のアプローチ、例えばよくあるのが、行動経済学の仕組みを利用して、変化する行動を、適切な行動をやっておることに対してあめを与えるというようなアプローチの方が有効なのではないかという議論も中には専門家の中にあろうかと思います。その点も含めた上で罰則ということが適切である、より適切であるということがもし議論されたのであれば、その経緯及び結果を御教示いただきたいと思います。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 誠に恐縮ですけれども、時間が来ておりますので、おまとめをいただいて御答弁をいただきたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) インフルエンザに比べてというまず第一点目のところですけれども、やはり委員御承知のとおり、致死率を見ますと、このコロナウイルス感染症は一%から二%ございますので、そういった意味でインフルエンザに比べますとかなり重症度は高いというふうに認識をしています。ただ、インフルエンザの場合も実際の感染者数の把握というのは非常に難しゅうございますので、正確な致死率の比較というのは難しいんですけれども、我々としては重症度は高いであろうというふうに認識をしています。  それから、専門家の間でも、やはり行動変容に対してはインセンティブとディスインセンティブ、これ両方をきちんと検討するべきだとの意見が多くありました。  以上であります。

小沼巧立憲民主・社民

○小沼巧君 終わります。

塩田博昭公明党

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭です。  今日は、大変お忙しい中、脇田参考人、また米村参考人、御出席をいただきまして、大変ありがとうございます。  私は、脇田参考人を中心に何点か御質問させていただきたいというふうに思います。  今回、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案について、とかく刑事罰とか罰則についての議論や修正が注目されましたけれども、実際は、刑事罰、まあ行政罰の過料ありきということではなくて、基本的人権を重視した上で、さらには保健所等に負担を掛けないように配慮しつつ、この特措法の実効性を高めるためには政府や行政にとって一番何が必要であると、このように考えておられるのか、まず脇田参考人にその御所見をお伺いしたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。  今、委員の御質問の点ですけれども、やはり我々専門家の間でも非常に議論をしているところであります。ですから、我々は様々なこの感染症の状況を分析をして、このような対策が必要であるということを提言をするわけであります。  今回の場合は、特に飲食店を中心とした営業の時短の要請をお願いをしたということになります。そういったときに、やはり多くの飲食店の方々は協力をしていただくということになります。それには、やはり飲食店の方の経済的な損失を伴うわけですから、政府の方からは協力金というものが出されているということは承知しておりますけれども、一方で、いろいろな理由によって営業を続けるような飲食店の方もいるということもまた事実だろうというふうに思っていまして、ただ、本当に協力をしていただいている方がいる中でそういった方が、まあ協力しない方もいるというところで、やはり正直者がばかを見ないようなそういった政策といいますか、法律といいますか、それをきちんと整えるべきではないかと、そういった議論はありました。  以上になります。

塩田博昭公明党

○塩田博昭君 ありがとうございます。  感染症法の改正案をめぐって、その内容を審議いたしました一月十五日の厚生労働省の感染症部会で、脇田参考人はその部会長を務められて、いろんな意見もあるので反映する必要があるとしつつ、部会で了承をされました。  感染症法の見直しについて議論された中で、重要な項目というのは、入院措置に従わない患者などに対して罰則を設けることだけではないんですよね。例えばそれ以外にも、感染者情報把握の管理支援システム、HER―SYSですね、また宿泊療養、また自宅療養の実効性の担保など多岐にわたる意見があったと思いますけれども、脇田参考人が重要と思われる点についてその一端をお示しいただきたいと、このように思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。  確かに、先日の一月十五日の感染症部会で議論したのは、新型コロナウイルス感染症対策の今後の見直しと、感染症法、検疫法の見直しについてということで議論をさせていただきました。  その際には四つの大きな論点がございまして、新型コロナウイルス感染症の位置付けですね、これは先日、指定感染症を延長するという話がありましたけれども、しかし、新型コロナウイルス感染症を感染症法にどう位置付けるべきかというところは、しっかりと新型インフルエンザ感染症等というところで位置付けるという議論があり、ここはおおむね皆さん賛成であったというわけです。  それから、今御指摘のあったように、国や地方自治体の間の情報連携ですね、ここも我々がこれまで感染症対策を行う上でその疫学情報を十分に迅速に調査できないというような問題がありましたので、HER―SYSの活用を含めてしっかりと進めていただきたいという議論がございました。  それから、宿泊療養等の対策というところで、実効性の確保というところで、こちらは本当に罰則ありきという議論ではなくて、実効性を高めるためにどのようなことが必要なのかと。ただし、その運用においてはやはり慎重であり抑制的であると。これは、部会のメンバーがほとんどは感染症の専門家、それから法律の専門家であったり、あるいは病院で直接診療されている方々ということで、これまでもHIVの診療に関わったりとか、それから我々もハンセン病の歴史というものを知っていますので、そういったところを踏まえて人権をしっかりと、基本的人権の尊重ということを踏まえて、その運用には慎重であるべきだという意見が多くございました。  最後は、やはり調査研究をしっかり進めていただきたいということで、そこの点は異論がございませんでした。  以上です。

塩田博昭公明党

○塩田博昭君 ちょっと話は変わるんですけれども、既に世界では新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっておりますよね。例えばイスラエルでは世界最速のペースでワクチン接種が進んでおります。  報道によりますと、人口の二五%以上がワクチン接種を終えていると、ファイザー製のワクチンについて二回目の接種を終えて七日以上が経過した十二万八千六百人を調べたところ、新型コロナウイルスの陽性となった人は二十人にとどまる結果となっていると、またこの二十人も重症化しなかった可能性があると、このように言われています。  日本ではワクチン接種に対する不安を抱く人が多い中で、ワクチンの有効性や安全性について改めて脇田参考人の御所見をお伺いしたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。  これも、新型コロナウイルス感染症対策においてワクチンの接種というものが非常に重要な切り札になるということは我々も認識をしているところであります。  既にファイザー、それからモデルナ、アストラゼネカ等の臨床試験の結果が公表されているところであります。それぞれ、例えばファイザーでありますとその有効性が九五%程度と、これはまあ発症予防というところであります。それから、少数の例ではありますけれども、重症化予防もできるということが論文を見ますともう明確に分かっております。この九五%の有効性というのは、例えばこれまでのインフルエンザワクチンと比べればかなりの有効性であって、我々としてはかなり期待が持てるというふうに考えています。  一方で、副反応の方ですけれども、短期的な副反応に関しては、やはり筋肉注射をしますので、疼痛であったり、それから局所の反応というのは、もうこれも既に報告をされていますので、十分注意する必要があります。  それから、実際に臨床的に接種が始まってからは、アナフィラキシーショックというものが、まあアナフィラキシーですね、これがインフルエンザワクチンと比べますと多いということも分かっていますが、これまでのところアナフィラキシーになったとしても十分に対応できるということですので、そういった有効性や安全性の情報については政府の方から十分に国民の皆様にお知らせをしていただいて、もちろんこれは個人で接種の可否については判断をしていただくということになりますので、個人が判断ができる十分な情報を提供していくということが大事だと思っております。

塩田博昭公明党

○塩田博昭君 緊急事態宣言の延長がもう今日にも決定するようでございまして、二月七日以降宣言が延長される場合、どのようなことを再徹底すべきとお考えなのか、特に国民目線から注意すべきことは何であるとお考えか、脇田参考人に最後お伺いしたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。  緊急事態宣言が発出されて約四週間ということになりました。これは、多くの皆様の御協力によって、現在、新規感染者数は、東京を始めとして、多くの宣言下にある地域のみならず日本全国で低下をしてきているということであります。ただ、今拙速に解除をすると、やはり私も懸念するのは、すぐにリバウンドといいますか、また同じ感染拡大につながってしまうのではないかということは専門家の間では議論をしています。ですから、これが再拡大にすぐにはつながらないようなレベルまでしっかりと抑えていくことが必要であり、そのためには市民の皆様にもうしばらく御協力をしていただくことが必要かというふうに思っています。  ただ、それをお願いするに当たっては、我々としては、しっかりと目標を、こういったところまでは我々としては目標にしてやりたいんだということをお知らせすることも大事だというふうに考えております。

塩田博昭公明党

○塩田博昭君 ありがとうございます。終わります。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  今日はお忙しい中、この参考人質疑に両参考人には御出席いただきましてありがとうございました。また、それぞれに大変有益な、そして示唆に富む御提言やら御見解をお述べいただきましたことに私からも感謝を申し上げたいと思います。  まず最初に、米村参考人にお聞きをしたいと思いますが、日本の今のこの医療のというかコロナ対策で大変大きな課題になってきたのは、先ほどからもありますように、非常に、ベッド数もあるけれども医療逼迫を起こしているということで、やはり緊急時、非常時に医療資源を再配置する仕組みというのはやっぱり整えておくべきだったというふうに思っています。  先ほども、質問とかぶるところもあるかもしれませんが、私どもとしては、特措法の三十一条に、医療機関に指示、命令ができるということにするためにそこを明記するべきだということを申し上げてきましたが、それはなかなか政府としたら難しいところがあるということで、十六条の二項に今回そういう盛り込まれることにはなったのですが、やはり本来はこの特措法の三十一条に明記を、医療機関ということを明記をしておくべきだったのではないかと思いますが、先ほどの質問とちょっと重なる部分あるかもしれませんが、御見解をお聞きをしたいと思います。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 御質問ありがとうございます。  私も、基本的には特措法の改正で対応するというのが本筋だろうということを考えて、そういう意見をメディアの取材等に対しては申し上げたことがございます。  しかし、感染症法の十六条の二の改正でそれが実現できるのでそれでもいいではないかということをとある与党議員の方から言われまして、同じ結果になるのであればそれはそれで結構ですというふうに申し上げたところでありまして、どちらのやり方であっても、結局目指すべきところは同じということであるならば、それでもいいのかなというふうには考えているところであります。  ただし、一点注意すべきは、感染症法の場合には新型コロナの場合に限らず全ての感染症において適用されるということになりますので、そういうことを見据えた上での長期的な感染症対策という観点で法改正がされているという、そこは、特措法だけというよりはむしろこちらの方がよかったというふうに言えなくもないというふうに考えております。  以上です。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございました。  それに関連して、先ほども参考人の御説明の中に、各医療機関への任意の協力や人員派遣等を促進することも重要であり、財政的支援を含めということをおっしゃっているわけですが、この中には具体的に例えばどういうものがあり得るのか。そして、我々は、例えばそういうコロナ患者の方を受け入れてもらえるならば、あるいはいろんな病院に人が派遣するということになれば、それによって減収をする病院に対しては赤字補填をする、減収補填をする、そんなものが必要ではないかと、スキームが必要じゃないか、公的に必要じゃないか、担保が必要じゃないかということを主張しているわけですが、この点も含めて参考人の御見解をお聞きをできればと思います。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) ありがとうございます。  私としては、まさに委員御指摘のとおり、損失補償分も含めた財政的支援というのが必要ではないかというふうに考えているところであります。ただし、やっぱりそれにはある程度きちんとした形で新型コロナウイルス感染症診療に協力していただくということが重要かなというふうに思います。  実を言いますと、今、現状、昨年の何月でしたか、医療従事者に対する一律の給付金というのが出されたわけでして、新型コロナウイルス感染症の診療に関わっている人もいない人も全て一律に一人二十万円というような形の給付金が出ているんですけれども、このようなお金の付け方は私から見るとほとんど意味がないというふうに思われるところであります。もう少し新型コロナウイルスの診療に対してインセンティブを与えられるような、そういう方向でのお金の付け方を是非していただきたいというふうに考えるところであります。  以上です。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございました。  次に、脇田参考人にお聞きをしたいと思いますが、先ほどの御説明の中で、もちろん今、目下のことにいろいろ専念をしていかなきゃなりませんが、取り組んでいかなきゃなりませんが、これから近い将来、またいろいろとこういうことが起き得ることが考えられるわけです。そのためにも、感染症の専門家の育成でありますとか研究体制の充実のことについて言及をされましたが、日本から見て非常に参考になるというか、大変好事例というか、ほかの外国でですね、こういうことをやっている、これは非常に参考になるというものがあればお教えをいただければと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) ありがとうございます。  平時からの研究開発体制というものが重要であることは、多分皆さん御理解していただけることだと思うんですね。そういった研究体制で非常に参考になると私思うのは、例えば米国のNIHにありますけれども、そこでは、治療薬開発であるとかそれからワクチン開発に対して、新興感染症に対する開発プログラムというものがございます。それはBARDAというふうに申し上げますけれども、そこにおきましては様々なポートフォリオが組まれておりますが、例えばMERSであったりSARSに対するワクチン開発というもの、あるいは治療薬開発というプログラムがございます。ですから、そういった元々開発の基盤があったところに、今回のメッセンジャーRNAのワクチンとして新型コロナウイルスのワクチンの開発、非常に早く開発されました。  ですから、そこは、NIHというのは公的な機関ですけれども、企業とも連携をして、そこに政府が研究開発費を提供するという形で、通常、何といいますか、企業は利益が見込まれるようなものでないとなかなか開発のインセンティブがないわけですけれども、そういった新興感染症に対する研究開発というのは平時から政府がサポートして行うべきだというふうに考えますので、そういったプログラムが日本でも推進されるべきというふうに考えます。  以上になります。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございました。  続けて、脇田参考人にお聞きをしますが、先ほどの御説明の資料の中にも、データヘルスというかデジタルヘルスというか、これから日本も加速化していかなきゃいけないと思いますが、まずは特にどういうところからやるべきか、力点を置いて行うべきかとお考えになっていらっしゃるか、教えていただければと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) データヘルス、これは非常に大きな目標になりますけれども、ただ、今現在やらなければならないことは、我々の新型コロナウイルス感染症に関するデータの収集であったり検体の収集をしっかり行って、それの調査研究を行っていくということであると思います。  ですから、現在、なかなか臨床の現場にある検体であったり情報というものが集約をされていないということがありますので、そこは、検体の収集、それからデータをそれを突合して、しっかりとしたデータバンクをつくっていくと。これはもう既に、これまで東北大学であったり、それから東京大学にそういったバイオバンクというものが設立されております。そういうところと連携をしつつ、バイオバンクとそれから臨床のデータをきちんと統合したものを確立をして、それを臨床研究あるいは基礎的な研究に活用していくということが私の立場からいうと重要だというふうに考えております。

柴田巧日本維新の会

○柴田巧君 どうもありがとうございました。  時間が参りましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子と申します。本日はありがとうございます。  まず、脇田参考人、政府のいろんな専門家会議に入られて御活動なさったと思いますけれども、昨年八月、政府がまとめた今後の取組の方針の中に、冬場のインフルエンザ感染期におけるコロナ感染対策の大変さを想定した様々な対策が網羅されているというふうに思っています。保健所体制もしっかりと整備しなさいというふうなことも含めてなんですが。ところが、今日を見れば、感染また再爆発してしまったというふうなことを鑑みると、少し、まあその対策は立てたけれども、その取組の姿勢、やってきた内容に甘さがあったのではないかというふうにも見ております。  脇田参考人から見られて、この今日的な医療の供給体制や保健所の体制整備、どのように見ておられますか。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) 御質問ありがとうございます。  八月、まあ七月から八月にかけていわゆる第二波と呼ばれる感染者の拡大がございまして、それは、いわゆる、何といいますか、繁華街対策であったり、それから集中的な検査という対策である程度そこは収まってきたということはありました。ただ、多くの地域ではそれでかなり抑えられたわけですけれども、東京においてはその後百人あるいは二百人という感染者の数が続くというところで、そこで十分な対策が打つことができなかったということが今回の感染拡大にもつながってきたんであろうというふうに思います。そこに関しては、やはりあの時点でもう少し感染者数を減らす対策というものを強めるべきであったというふうには考えています。  それで、保健所の強化であったりとかそれから診療体制の強化ということで、例えば冬になったらインフルエンザとコロナウイルス感染症の同時流行といいますか、それをある程度予測をして、そういった検査体制の準備をするとかいうことがなされたわけですけれども、そこには実際にはインフルエンザはほとんど流行しなかったということで、これ、インフルエンザだけではなくて、コロナウイルス感染症以外の、本当に呼吸器感染症であっても、それから下痢症を起こす消化器的な感染症であってもかなり今抑えられているような状況になっていますので、ほぼほぼ今の対策がほかの感染症には非常に有効なんですけれども、コロナに対してはそれではまだ十分ではないというような状況であります。  ですから、これが、これだけの感染拡大が予測できたかというとなかなかそこは難しいところでありますので、十分なそこで準備ができなかったということはやはり我々としても反省をするべきだというふうに考えています。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 ありがとうございます。  米村参考人にも同じようにお聞きしたいんですが、特に先生は、この病床の多い日本でなぜ医療崩壊のようなことが起こるのかということについてもいろいろお書きになっておられると思います。  特措法の第三十一条三項で、必要があれば医療機関に対して医療等を行うべき指示をすることができるという、現行法でもそういう規定がありますけれども、実際厚労省に御確認をすると、一度もそういう指示したことがないという返答なんですね。いろんな事情も加味してなのかもしれませんが、やっぱり大手の民間病院だとか大学病院に対してもそういう指示をまずはすべき、で、そこのところの義務化をと先生もおっしゃっていたとおり、そこをなぜ今回しなかったのかということが極めて疑問なんですが、それも含めた医療体制の整備についてのお考えをお聞かせください。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 御質問いただきましてありがとうございます。  先ほども少し申しましたように、やはり日本の行政文化の問題として、なかなか行政が医療に対してこうせよああせよというふうに指示するということは今までやってこなかったというところがありまして、このコロナ禍にあってもそれは非常にやりにくいというふうに思う行政官が多いというのが実際のところなんだろうというふうに思っております。  やっぱりそれをもう一歩進めてできるようにする方がよいというふうに私も思っておりますが、ただ、それだけで全ての問題が解決するわけでもないので、やはりもう少し、硬軟両様と申しますか、マイルドな手段を併用していく必要があるのではないか。これはやっぱり、感染症対策全体、国民一般に対する感染症対策をお願いするという面でもそう、硬軟両様が必要だというふうに思いますが、医療機関に対しても両様が必要だというふうに考えておりまして、自発的な取組として、新型コロナウイルス感染症診療になるべく協力していただけるような環境を整える。一つには、先ほど申し上げた財政的支援が充実していること。  それから、ほかにもいろいろな形で地域ごとに医療機関の間の意思疎通を促進する取組というのが現状もされておりますので、それを活用するような形でそれぞれの医療機関の強みを生かして、例えばがん診療に強みのある病院にはがんの患者さんを一手に引き受けていただいて、現在新型コロナウイルス感染症の患者をたくさん引き受けている医療機関の負担をその分減らしていただく、そういうようなことも意味があるんだろうと思います。  そういう様々な形で医療機関の自発的な取組を促すということと、行政の指示、命令の仕組み、両方を今後促進していくということが医療体制逼迫の対策として重要であるというふうに考えているところです。  以上です。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 ありがとうございます。  政府は年末、予備費を活用して、重症患者を受け入れた病院に対し一千九百五十万まで出しますということも方針として出したんですが、これも、先生も少し触れられているとおり、柔軟な使い方ができない、特に損失補填ができないというところで、結局増えるのかなということで不透明な状況が続いているというふうに見ておりますが、先生のお考えをお聞かせください。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) やはり損失補填のような形の対策も最終的にはあった方がよいというふうに私は思っておりますが、どうしてもそれが難しいということであるならば、そうではない形での財政的支援でもないよりはましというところがありますので、是非、予備費を活用していただいて、現在の医療逼迫状況を少しでも改善していただくようにお願いしたいと思います。  とにかく、今、現時点で入院できない患者さんがたくさんおられる、その方々が今にも、毎日何人かずつは亡くなっているという状況があるわけです。この状況を放置するのはやはり政治の責任として大いに問題があるのではないかというふうに思っているところでございます。是非今できることをとにかく迅速にやっていただくということをお願いしたいというふうに思っております。  以上です。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 最後に一点、濃厚接触者の定義についてお聞きしたいと思います。  脇田参考人、濃厚接触者の定義が今でもやはり極めて曖昧だという御意見がありまして、そこが曖昧であるがために各自治体でもPCR検査を受ける受けないというところの判断が分かれている。これから罰則も付くわけなので、しっかりとその定義を確定し、分かりやすく発信すべきというふうに考えておるのですが、この辺りについて御意見があればお願いします。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) 御質問ありがとうございます。  確かに、濃厚接触者の認定というのは、我々も現場の意見を聞きますけれども、現場でかなり差があると。感染研からもFETPが現場に行きまして、そういったところを聞き取りをしたりとか、そういう状況がございます。  ですから、しっかりとした定義をきちんとお伝えをして、正しく、まあ何が正しいかというのはなかなか難しいところもあるんですけれども、そこははっきり感染症研究所としても打ち出していきたいというふうに考えております。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 それでは、米村参考人に最後に一つお聞きします。  宿泊療養者、自宅療養の取扱いについてということであります。  今回、宿泊療養拒んだときに、いきなりそこから入院勧告になり、入院措置というふうに飛ぶわけなんですね。私どもも、なぜそこで、まず家に、宿泊療養にいなさいということを義務化しなかったのか、極めて疑問であります。  法的にも、入院勧告から措置にすぐに飛ぶとするならば、自ら入院すべき法的義務の掛かるタイミングがないままに、もうすぐに行政罰が働くというふうなことで、問題なのではないかというふうに見ているんですけれども、先生のお考えをお聞かせください。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 私も全く委員御指摘のとおりであるというふうに思っております。  これ、どうしてこうなったのかと、私全く詳細を承知しておりませんけれども、もしかすると一つの理由として、入院拒否者に対する罰則というので一元化して対応するということが規制の効率性の観点からよいというふうに考えられたのかもしれません。  しかし、それはかなり問題の本質とずれた発想であるというふうに思います。宿泊療養者、自宅療養者に対する特別の義務、そして、もしも罰則を付けるとなれば別の罰則の形を使うというのが本筋ではないかというふうに思っているところです。  以上です。

矢田わか子国民民主党・新緑風会

○矢田わか子君 質問を終わります。ありがとうございました。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  お二人の参考人の御出席、御意見ありがとうございます。  米村参考人にまず伺います。  まん延防止等重点措置についてですが、法案では、発動の要件についても、また措置の内容についても政令で定めるということになっています。政府はその理由について、感染の状況や治療薬やワクチンなどによって変わり得るので、機動的に対応できるようにしようと、したいと、そう説明をしております。  しかし、営業の自由や移動の自由などの日常生活に密接に関わる基本的な権利について、どのような場合にどのように制約されるかが明示されないということは、国民にとっては予測可能性が欠けるのではないかと。また、そうした制限が、恣意的な、あるいは科学や事実に基づかない、あるいは米村参考人の言葉では危険性の程度によらないで行われる、そういう懸念がこれまで以上に大きくなるのではないかと考えますけれども、御意見いかがでしょうか。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 御質問いただきましてありがとうございます。  委員の御指摘は大変よく分かるところでありまして、私も、先ほど直接には言及しなかったかもしれませんが、法治主義や罪刑法定主義との関係でも問題があるということを本日配付資料の中で書かせていただいているところでございます。  要するに、本来はきちんと法律でその実体要件を明記して、どの範囲でどういう内容の命令、措置を行うことができるのかと、それを法律によって国の行政や地方行政に委任する、都道府県知事に委任するということでなければならないはずですが、それができないということで今の特措法はできているということになるかと思います。やっぱり本来の在り方としてはそこの点をきちんと法律上明示するということが望ましいということに間違いはないだろうと思います。  ただ、どうしてもそれが事前に提示できないと、実体要件としては提示できないというのであれば、せめて手続的な面でそこの点の適切性が担保されるような仕組みをつくってほしいと、それを私の方からは申し上げたところでありまして、その手続としても現状のところは余り十分ではないというところが問題としてあるのではないかということを申し上げたところでございます。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  もう一点伺います。  入院拒否や積極的疫学調査の拒否について、政府案の刑事罰が行政罰に修正をされ、特措法の休業命令違反と同じく過料とされました。しかし、これらの行為について取締りの対象とし、罰則という威嚇の下で抑止効果を狙うと。その点においては、刑事罰か行政罰かにおいて本質的な違いはないのではないかと思います。この点について御意見伺えますか。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 私も全く委員の御意見に賛成でございます。  少なくともこの点に関しては、刑事罰か行政罰かということの違いはないと、罰則である以上は同様に運用していくということが求められるということだろうというふうに思っております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 やはり、患者に対して罰則を設けることが差別や偏見を助長し得る、あるいは事業者に対して罰則で威嚇をするということが分断を持ち込む、そういう懸念を私たち持っています。これはやはり罰則ではない在り方が必要だと思います。  脇田参考人に伺います。  一月十五日の厚生科学審議会感染症部会では、入院や積極的疫学調査の拒否に罰則を科すことについて慎重ないし反対意見も多数出されておりました。特に、現場の保健所長や自治体の担当者から、保健所の負担が増えるのではないか、あるいは患者との信頼関係にひびが入るのではないかという具体的な懸念が表明されております。  脇田参考人は、こうした意見についてはどのように受け止められたでしょうか。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) ただいま委員の御質問の中にありましたような御意見がやはり感染症部会では多くあったと私も受け止めています。ただ一方で、実際に医療現場におられる方であったり、やはり、自治体の方であったり、何らかのその有効性を高めるような措置も必要なのではないかというような意見があったことも事実であります。  ですから、先ほども少し申し上げたんですけれども、この部会の委員というのは、やはり感染症の専門家であったり医療機関の先生であったり法律家の先生であったり、多くの感染症に関わる委員の先生方で成り立っておりますが、皆さん感染症法の理念というのは十分に理解をしていて、やはり基本的人権を尊重しつつ、感染症の蔓延とそれから治療をしっかりやっていくような法体系が必要であるということは十分に理解をされているんだと思います。その上での意見でありまして、さらに、やはり多くの先生方からは、そういった罰則については慎重な姿勢というものもありましたし、実際の運用についても、そこで、その点についてはやはり国会でしっかり議論していただくことが重要であるという御意見もいただきました。  その上で法改正がなされたのであれば、また感染症部会で実際の運用についてはしっかりと議論して、その際には、何度も言っていますけれども、慎重な運用がなされるような議論をしていきたいと思っております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 保健所の逼迫が更に深刻になり、感染経路の追跡を困難にするということになれば、これはもうむしろ実効性を損なうような事態だと思いますので、それは改めてこの参議院での審議でも深めなければならないところだと思います。  無症状や軽症で感染を拡大させるのがコロナの特徴で、今日も御指摘がありました。感染拡大防止の実効性、脇田参考人、今有効性という言葉を使われました。これを確保していくためにも、入院治療の必要のない感染者に宿泊療養などの徹底を求めていく必要があります。  しかし、自営業者やフリーランス、非正規で、仕事を休めば収入がなくなるという人もおります。感染拡大防止に協力したがために生活の基盤を失うという事態になりかねないわけです。同様のことは、休業や時短の要請に応じたくても営業と雇用を守るために応じられない、そういう事業者についても言えると思います。  結局、感染拡大防止を実効あるものとするためには、感染者や濃厚接触者の生活補償、あるいは事業者も安心して休むことができるような十分な補償を行うと、それが最も効果的なのではないかと思いますが、脇田参考人、米村参考人それぞれに御意見を伺いたいと思います。

脇田隆字国立感染症研究所所長

○参考人(脇田隆字君) 委員の御指摘、全くそのとおりだというふうには理解しています。  やはり、分科会、それから専門家の間での議論でも、先ほども述べたとおり、実効性、有効性を担保するためには、そういった措置に対するインセンティブとディスインセンティブ両方が必要なんではないかと、そういった議論をしておりました。  以上です。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 私も委員の御意見に非常に共感したところでございます。  やっぱり、こういった措置が本当に感染症対策として有効なのかどうか、そこのところをきちんと精査することなしに今回法案として出てきたのではないかというふうに私は考えているところでありまして、今後実際に運用する中でどういうことが起こるのかというのはしっかり見ていかないといけないだろうなというふうに思っているところであります。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 最後に、米村参考人に伺います。  医療機関がコロナ患者の受入れ勧告を拒否した場合に病院名を公表するという規定について、米村参考人はその効果は未知数だと述べられている資料を拝見しました。  コロナ患者を受け入れているか否かを問わず、病院や診療所というのは、役割分担をして、全体として地域医療を支えていると思います。受入れ病院を増やし、病院相互の協力を促して、かつ簡易、迅速にその支援が行き渡るようにしていくためには、やはり医療機関の全体を減収補填を行って支えていくことが大事ではないかと考えますけれども、この点についても御意見を伺います。

米村滋人東京大学大学院法学政治学研究科教授

○参考人(米村滋人君) 御質問ありがとうございます。  医療機関に協力を促すための仕組みというのは幾つかのものがありまして、それをやっぱり併用していく必要があるのだろうというふうに思っております。  もちろん経済的なインセンティブで動く病院というのもあるかと思いますが、必ずしもその経済的なインセンティブということではなくて、専門家がいないからできないとか、構造が非常に古いのでできないとか、そういうような病院もあるのだろうと思いますので、そういった点も踏まえて少しでも、様々な医療機関の現状をきちんと認識した上で、少しでも多くの医療機関に協力してもらえるような枠組みというのをつくっていくことが重要だろうというふうに思います。  経済的な支援というのももちろんそのうちの一つでありまして、損失分もきちんと填補できるような、そういうような仕組みがある方が望ましいというふうには考えているところであります。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。今後の審議の参考にしたいと思います。

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了をいたしました。  参考人の皆様に一言御礼申し上げます。  参考人の皆様方には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べをいただきまして、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。大変ありがとうございました。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 速記を起こしてください。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 連合審査会に関する件についてお諮りをいたします。  新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、厚生労働委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 御異議なしと認め、さよう決定をいたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森屋宏自由民主党・国民の声

○委員長(森屋宏君) 御異議なしと認めます。さよう決定をいたします。  申し訳ございません、皆様方、お手元に今日ありますペットボトルはそれぞれお持ち願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、本日はこれにて散会をいたします。    午後二時五十二分散会

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