東日本大震災復興特別委員会 第2号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2021/03/10
会議録
○委員長(杉尾秀哉君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。 議事に先立ちまして、一言申し上げます。 東日本大震災の発災から明日でちょうど十年となります。被災地に未曽有の災禍をもたらした今回の災害は、十年一昔や節目の年などという言葉では到底語られるべきものではなく、また、被災地の復旧復興は今なお途上にあると言わざるを得ません。 そうした認識の下で、本委員会としても、片時も震災の記憶を忘れず、被災者の皆様に寄り添い、次の世代に希望の光を差し続けられるよう、引き続き精いっぱい取り組んでまいりたいと、このように存じております。 ここに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りしまして、黙祷をささげたいと存じます。 御起立をお願いいたします。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(杉尾秀哉君) 黙祷を終わります。御着席ください。 ─────────────
○委員長(杉尾秀哉君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日、滝波宏文さんが委員を辞任され、その補欠として本田顕子さんが選任をされました。 ─────────────
○委員長(杉尾秀哉君) それでは、東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題といたします。 まず、東日本大震災復興の基本施策について、復興大臣から所信を聴取いたします。平沢復興大臣。
○国務大臣(平沢勝栄君) 復興大臣及び福島原発事故再生総括担当大臣を拝命しております平沢勝栄です。 東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から三月十一日で十年となります。震災によって亡くなられた方々に改めて心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々や被害に遭われた全ての方々に心からのお見舞いを申し上げます。 重ねて、先月十三日に発生した福島沖地震により亡くなられた方に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、復興大臣として所信を申し上げます。 この十年間、被災地の一刻も早い復旧復興を目指し、政府の総力を挙げて取り組んでまいりました。その結果、被災地の方々の御努力や関係者の御尽力と相まって、復興は着実に進んでいます。 地震・津波被災地域では、住まいの再建やインフラ整備が順調に進み、復興は総仕上げの段階を迎えております。 また、福島における原子力災害被災地域でも、帰還困難区域を除く全ての地域で避難指示解除が行われるなど、復興再生に向けた動きが本格的に始まっております。 一方、いまだ避難生活を送られている方を始め、様々な困難に直面している方々がいらっしゃいます。十年という時間の経過により被災者の方々や被災地の置かれた状況が多様化する中で、今後も引き続ききめ細かい対応をしていく必要があります。 こうした状況を踏まえ、復興の基本方針や新たな復興財源フレームの策定など、来年度から始まる新たな復興期間に万全を期してきたところであり、今後、これらの方針等に基づき、次の取組を進めてまいります。 避難生活の長期化に伴う見守り、心身のケア、住宅や生活の再建に向けた相談支援、生きがいづくりへの支援、災害公営住宅等でのコミュニティー形成など、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。 地震・津波被災地域においては、昨年、災害公営住宅や住宅用宅地の整備を完了したところであり、今後は防災集団移転促進事業の移転元地等の活用などについて、地域の個別の課題にきめ細かく対応し、被災自治体の取組を引き続き後押ししてまいります。 また、復興道路、復興支援道路について、一部区間を除き、本年度内におおむね完成予定となっています。被災地の発展の基盤となる交通物流網の整備完了に向けて、着実に事業を進めてまいります。 産業、なりわいの再生については、企業の新規立地、商業施設の整備、販路の開拓等の支援のほか、東日本大震災事業者再生支援機構で本年度末までに支援決定した事業者の再生に全力で取り組んでまいります。なお、再生に当たり、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける支援先も含め丁寧に対応できるよう、同機構の体制整備を図ります。 観光業については、新型コロナウイルス感染症の影響により、被災地においても厳しい状況にあります。引き続き、観光庁等の関係省庁と密接に連携しつつ、東北地方の観光振興支援にしっかりと取り組んでまいります。 また、被災地における中核産業である水産加工業については、販路の回復、開拓、加工原料の転換等の取組を引き続き支援してまいります。 福島については、避難指示が解除された地域において、医療、介護、買物環境、教育等の生活環境整備を進めるとともに、除染に伴い発生した除去土壌や廃棄物の中間貯蔵に係る事業を引き続き進めてまいります。 帰還困難区域においては、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意の下、引き続き特定復興再生拠点区域における除染やインフラ整備等を着実に進めてまいります。また、拠点区域外についても、被災地の御意見を丁寧に伺い、政府として責任を持って対応方針の検討を加速してまいります。 浜通り地域等において、新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想について、引き続き推進してまいります。この構想を更に発展させる国際教育研究拠点について、昨年十二月にその基本的な方針を策定したところであり、創造的復興の中核拠点として世界に誇れる拠点となるよう、引き続き検討を進めてまいります。 さきの通常国会において、福島復興再生特別措置法が改正され、住民の帰還に加え、新たな住民の移住、定住の促進等に資する施策が追加されました。地域の魅力や創意工夫を最大限引き出しながら、新たな活力を呼び込めるよう、地方公共団体の自主性に基づく事業への支援や移住、起業する者に対する個人支援などを講じてまいります。また、事業再開の支援、営農再開の加速化、森林整備、漁業の本格的な操業再開等、産業、なりわいの再生を図ります。 加えて、今もなお続く風評の払拭に向けて、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づき、政府一体となって取り組んでまいります。具体的には、復興が進む福島の姿や食品の安全性、放射線に関する正しい知識などについて、テレビ、ラジオ、インターネット等多くの媒体を活用した分かりやすい情報発信や、被災地産品の販路拡大、輸入規制の撤廃、緩和等に向けた諸外国・地域への働きかけ等を積極的に行ってまいります。 ALPS処理水の取扱いの方針については、関係者からの御意見を踏まえ、今後、適切なタイミングで政府として責任を持って結論を出すこととしており、その風評対策についても、徹底した情報発信等に積極的に取り組んでまいります。 福島の復興再生に向けて、今後も中長期的な対応が必要であり、引き続き国が前面に立って取り組んでまいります。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、被災地での競技開催や聖火リレーの実施等の取組が予定されており、復興五輪の理念に決して揺るぎはありません。大会を通じて、世界中から寄せられた支援への感謝と、被災地の復興しつつある姿や魅力を国内外に積極的に発信し、被災地の方々を勇気付け、復興を後押ししてまいります。 また、新しい東北の創造に資する観点から、人口減少等の地域課題の解決に向け、企業、大学、NPO等の多様な主体の連携を推進してまいります。 これまで十年間の復興の過程において蓄積した教訓やノウハウを関係機関と共有することで、今後の大規模災害への防災力向上に努めてまいります。 こうした各般の取組を進めるに当たっては、現下の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、被災地における影響の把握に努めるとともに、復興事業に支障が生じないよう対応に万全を期してまいります。 震災から十年となる重要な年において、復興の司令塔として、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、引き続き、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下、一日も早い東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。 杉尾委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御指導をよろしくお願い申し上げます。 失礼しました。先ほど、多様な主体の連携を推進と言ったんですが、促進してまいりますです。失礼しました。
○委員長(杉尾秀哉君) 次に、令和三年度復興庁関係予算について、復興副大臣から説明を聴取いたします。横山復興副大臣。
○副大臣(横山信一君) 令和三年度復興庁予算について御説明申し上げます。 復興庁におきましては、第二期復興・創生期間の初年度において必要な取組を精力的に進めるため、地震・津波被災地域においては、被災者支援などきめ細かい取組を着実に進めるとともに、原子力災害被災地域においては、帰還環境の整備や生活再建を始めとする本格的な復興再生に向けて取り組み、また、これらに加えて、福島始め東北地方が創造的復興を成し遂げるための取組を進めるための予算として、東日本大震災復興特別会計に総額六千二百十六億円を計上しております。 以下、その主要施策について御説明申し上げます。 第一に、被災者支援については、避難生活の長期化や恒久住宅への移転に伴う被災者の心身の健康の維持、住宅や生活の再建に向けた相談支援、コミュニティーの形成、生きがいづくり等の心の復興など、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援に必要な経費として、三百六十二億円を計上しております。 第二に、住宅再建と復興まちづくりについては、住まいと町の復興に向けて、災害公営住宅に関する支援を継続するほか、住民の安全、安心の確保等のために迅速に事業を進める必要があることから、災害復旧事業等について支援を継続するために必要な経費として、五百四十億円を計上しております。 第三に、産業、なりわいの再生については、水産加工業等へのソフト支援や福島県農林水産業の再生、原子力災害被災十二市町村における事業再開支援、避難指示解除区域等における工場等の新増設支援等の取組に必要な経費として、四百五十九億円を計上しております。 第四に、原子力災害からの復興再生については、避難指示が解除された区域での生活再建に必要な帰還環境の整備や帰還困難区域の特定復興再生拠点の整備等を実施するとともに、中間貯蔵施設の整備等を着実に推進するほか、風評払拭及び放射線に関するリスクコミュニケーションの取組の強化に必要な経費として、四千六百七十三億円を計上しております。 第五に、創造的復興については、単に震災前の状態に戻すのではなく、創造的復興を実現するため、右記の取組に加えて、福島イノベーション・コースト構想の推進、国際教育研究拠点の構築、移住等の促進、高付加価値産地の形成等に係る取組に必要な経費として、百三十二億円を計上しております。 なお、東日本大震災復興特別会計においては、復興庁予算に加え、震災復興特別交付税交付金など三千百二億円を計上しており、全体では九千三百十八億円を計上しております。 以上、令和三年度の復興庁予算の概要について御説明申し上げました。 何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で所信及び予算の説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 政府側は御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(杉尾秀哉君) この際、去る二月二十六日に行いました意見交換について、委員の報告を聴取いたします。森まさこさん。
○森まさこ君 御報告申し上げます。 去る二月二十六日、東日本大震災の被災地における復旧復興状況等について、福島ロボットテストフィールドの関係者及び福島県とオンラインによる意見交換を実施いたしました。 参加委員は、杉尾秀哉委員長、そのだ修光理事、羽生田俊理事、和田政宗理事、田名部匡代理事、若松謙維理事、石井苗子理事、舟山康江理事、紙智子委員、嘉田由紀子委員及び私、森の十一名でございます。 以下、意見交換の概要について御報告いたします。 最初に、福島ロボットテストフィールド及び同施設を利用している株式会社テラ・ラボとの意見交換を行いました。まず、福島ロボットテストフィールドの鈴木所長から御挨拶をいただいた後、細田副所長から説明を聴取いたしました。 福島ロボットテストフィールドは、福島イノベーション・コースト構想のうち、ロボット、ドローンと空飛ぶ車の研究開発拠点に位置付けられており、南相馬市と浪江町にサイトを有しています。南相馬市のサイトでは、ドローンや空飛ぶ車の試験、プールに保管されている原子力発電所の燃料を点検するための水中ロボット操作訓練、防災訓練、橋梁点検ドローン試験などが実施されています。また、貸し研究室を有し、入居事業者によるドローン、災害対応ロボットなどの研究開発が行われています。地元経済への波及もあるところであり、次世代育成、研究開発者の交流促進にも努めています。将来像に関し、世界をリードする産業の拠点を目標とし、ロボット、ドローンの国内ハブ拠点、ナショナルセンターを目指すとのことであります。 次に、株式会社テラ・ラボの松浦代表取締役から説明を聴取いたしました。 同社は、平成二十六年に愛知県の中部大学発の研究開発型ベンチャーとして発足し、南相馬市産業創造センターに開発拠点を置いております。同社は、災害対策に最先端テクノロジーを生かすことをテーマに、南海トラフ地震に備えた長距離無人航空機の実装化に注力しており、そのため、東日本大震災の被災エリアで検証を行い知見を得る必要性について実感しているとのことです。 同社は、令和元年に福島ロボットテストフィールドの研究室に入居し、研究開発拠点を南相馬市に移設させ、衛星通信を活用した目視外飛行に対応する長距離無人航空機の大型化、実用化、地上支援システムの構築に取り組んでいます。本年より、南相馬市復興工業団地に、高機能管制室を備えた格納庫、工場を新設することとし、災害発生時の情報収集拠点となる工場として、その建設と社会実装化に向けた準備を進めています。福島で得た知見を生かし、国内の多拠点配備を視野に入れ、将来的にはアジア圏への配備ができるような事業にしていきたいとのことでありました。 次いで、参加委員と福島ロボットテストフィールドとの間で、中央省庁の研究施設等との横の連携、地域経済や地域の教育機関との連携、同施設を防災・減災の発信基地としてのナショナルセンターに位置付けていく必要性、空飛ぶ車の開発状況と被災地での人の運搬に活用させる可能性などについて、株式会社テラ・ラボとの間で、コスト削減の観点から無人航空機の制御に無線通信を利用する可能性、南海トラフ地震対策として想定している長距離無人航空機の運用方法、被災地における雇用創出の見通し、被災地で事業を実施することにより得られる知見の内容などについて、それぞれ意見が交わされました。 次に、福島県との意見交換を行いました。最初に内堀知事から福島の復興に向けた支援に対する感謝の意が表されるとともに、帰還困難区域を有する地方公共団体の中には復興の入口に立っていないところもあり、復興の進捗には地域で差があることから、復興の途上という表現を使用していること、本年三月で震災から十年になることを区切りとして、国内外の関心、応援が弱まるなど震災の風化が懸念されることについて言及がありました。 続いて、橘企画調整部長から説明を聴取いたしました。まず、本年二月に発生した福島県沖を震源とする地震の被害状況と復旧に向けた支援への要望がありました。次に、国際教育研究拠点の整備について、浜通り地域の再生を加速させる新たなエンジンとして研究と産業の集積を行い、地方創生のモデルとして世界に誇れる福島の復興、創生を目指すこと、避難地域への移住促進に関し、移住希望者への情報発信、地域における受入れ体制整備の支援などに取り組むこと、帰還困難区域に関し、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた道筋を示すためにも、国の責任において、除染、家屋等の解体を含む具体的方針を早急に示すこと、風評払拭と風化防止に向けて、福島の今と様々な魅力が広く伝わるよう、直接思いを伝える取組等を進めること、処理水の取扱いについて、地方公共団体や関係団体等から示された様々な意見を踏まえ、本県の農林水産業や観光業に影響を与えることがないよう慎重に対応方針を検討すること等について言及があり、最後に、福島は今もなお有事であるとの認識が示されました。 次いで、参加委員との間で、ロボットテストフィールドに地元中小企業を参入させていく必要性、処理水対策の在り方、帰還等の意思の把握及び避難者が帰還できない理由の分析、福島の子供たちの内面世界を復興計画に位置付ける必要性、福島浜通りトライデックなど地域が主体となる取組を支援することの重要性、第二期復興・創生期間における福島の復興再生に向けた国の仕組みの在り方などについて意見が交わされました。 以上が意見交換の概要であります。 本委員会では、例年被災地への委員派遣を実施していましたが、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発令などの状況に鑑み、今回はオンラインによる意見交換を実施することとなりました。被災地で復興に直接携わっている皆様の様々な御意見、御要望等を伺うことができ、大変有意義な機会になりました。 最後に、今回の意見交換に御協力いただいた皆様に対し厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興が果たされますようお祈り申し上げまして、報告を終わります。
○委員長(杉尾秀哉君) 以上で委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会といたします。 午後零時五十三分散会