財政金融委員会 第11号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2021/05/18
会議録
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長古澤知之君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) 新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮島喜文君 おはようございます。自由民主党の宮島喜文です。 本日は、銀行法等の一部を改正する法律案の審議だということでございます。今朝の読売新聞を見ていますと、地銀が減益、赤字、三月期決算、国の補助制度を活用しても四割が赤字、減収であるということが載っておりましたが、そんなこともございますので、私からは地域の金融機関と地域の経済にフォーカスを当てて質問をさせていただきます。 三月十六日、本委員会で質疑の際にも申し上げましたが、地域においては、以前から人口減少、またそれに伴う地域経済、これが縮小、規模が縮小してきているという、こういう現実がございまして、大きな問題ということでございましたが、ここに加えて今回の今般のコロナ禍ということで、状況が変わってまいりました。海外や都市部からの旅行客も減って、地方では非常に観光客が来ないと、また地域の住民の皆さんも移動が少なくなるということがございますから、やはり観光業、宿泊業、そして飲食業、非常に打撃を受けているというふうに皆様もお感じのことだと思います。 そこで、当然、そうなりますと、地域の企業においても地域の金融機関においても厳しい状況が置かれるということになるわけでございますが、これは以前の、過去にこれは、それこそ私もこの委員会に入っていろいろ教えていただいた中でも、一九九〇年代ですか、いわゆるバブル後の不良債権の問題、また、二〇〇八年頃ですか、リーマン・ショックの、こういうことで金融危機というのがあったわけでございます。今回のコロナ禍というのはそういうものではないと、これまでの危機とは違うということで麻生大臣もおっしゃっているわけでございまして、そういう点から考えますと、私もそうかなという認識を持っているところでございます。 そこで、最初に大臣にお伺いしたいんですが、コロナの今の状況、もう発生して一年四か月たちます、そして緊急事態宣言が現在も出ている、こういう時点におきまして、企業と経済、それを支える金融機関に与えている影響を現在どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは宮島先生御指摘のとおり、いわゆるアジア通貨危機と言われた九七、八年のときには、いわゆるIMFには金がないと、そういう時代で、御存じのようなことになって、日本がインドネシア、タイ、韓国等々の金融を支えたという時代がありました。二〇〇八年のリーマンのときには、これまた銀行というかマーケットにキャッシュが全くなくなって、一日のオーバーナイトコールが五%の金利が付くというような全く異常事態が発生したのと違って、今回は金融機関には金があります。 そこがもう今までとは全く違っているんで、したがって、リーマンのときとか通貨危機、アジア通貨危機と違って、金融機関が一軒も倒産をいたしておりませんから、そういったのははっきりしているんだと思いますが、このコロナウイルスの場合は、幅広い事業者、今言われましたように観光業とか輸送業とか、ほかにも飲食業等々、イベント、業種いろいろありますけれども、そういった幅広い事業者の間で売上げが減少、また個人消費も減少しているということでありますので、政府、また日本銀行といたしましても、その点を考えていろいろ政策をやらせていただいているんだと思いますが。 今、私ども、金融の中で見ました場合に、地方銀行等々、人口減少等に伴ってなかなか経営基盤が今までとは違ったものになってきた、加えて今回の話になってきておりますので、コロナ以前から、いろいろな大きな流れとしては、人口減少等々によって金融業の仕事がやりにくくなってきている、また金余りに伴って低金利という時代にもなっておりますので、いろいろあるんだとは思いますけど、しかし、今の地方銀行の資本勘定等々を見ましてもそれは総じて安定しておると、これはもうはっきりしておりまして、前回の二つの金融危機なんという、ああいったような状況にはございません。 しかし、私ども、今後この感染症が長引いていく可能性も考えておかなきゃなりませんから、そういったことを考えますと、業者の中で引き続き資金の提供等々が出てくる可能性は十分にありますので、金融庁としては、そういった事業者がアフターコロナとかポストコロナというときに再生をしていくのに、それではここから設備投資をとかいうときになったときに、地元の金融機関がその事業者に対して適切な資金援助ができるか否かというところは十分に考えておかないと、いざ今からというときになって、引き続き支援をしなきゃいかぬときに、なかなかそういう具合にならなかったというような事態は避けたいと思っておりますので、そこらも考えながらきっちりモニタリングしていかないかぬなとは思っておりますけれども、今直ちに具合が悪いというわけではございません。
○宮島喜文君 ありがとうございました。確かに、現在、国が下支えする、政府、日銀が金融機関を下支えというか、これ、事実ございますし、それによって保たれているということは分かりました。 やはりそうはいいましても、地域金融機関、やはり第一に、これは本業に取り組むということが基本的にこの仕事としてあるわけでございます。融資を含めた銀行業ということになりますから、地域に対して適切に資金を供給していくということはこれからも必要なことだと私は思います。 そういう中で、先ほど大臣からお話がございましたように、政府や金融による下支えがある中ではございますが、今後まだまだこのコロナが収束するのが見えない中、引き続いて大変厳しい状況にある中小事業者もございます。こういうところをきちんと地域金融機関が支援していっていただきたいと思うわけでございますが、金融庁として、やはり監督官庁でもございますから、再度、この金融機関、地域金融機関をしっかり資金繰りを取り組むように促していただきたいと思うわけでございますが、副大臣、その辺はいかがでしょうか。
○副大臣(赤澤亮正君) 委員御指摘のとおり、新型コロナの影響が継続し、事業者に大変深刻な影響を与える中で、資金繰り支援を更に更に徹底していくという必要があると考えてございます。 金融庁においては、金融機関に対し、政府の施策も活用しながら、新規融資や条件変更などを柔軟に実施するように累次にわたり要請を行ってきております。 これまでのところ、民間金融機関においては、中小企業者への貸付条件の変更の実行率が九九%ということでありますし、いわゆる実質無利子無担保、ゼロゼロ融資も、本年四月末時点の累計で、金額で約二十三兆円、件数で約百三十六万件が実施されております。また、プロパー融資を含め銀行の貸出金全体も、本年四月末時点で前年同月比で二・六%の増加となっているなど、総じて事業者の資金繰り支援への取組は積極的に進められているものと認識をしております。 なお、フローという意味での短期的な資金繰り需要に対応することに加えて、コロナ禍が長引くことで自己資本が薄くなり、ストックという意味で中長期的な財務基盤の増強が必要となってくる事業者の皆様については、政府系金融機関等とも連携をして、資本性劣後ローンやファンドなどを活用した支援に積極的に取り組むよう、これも金融機関に繰り返し要請をしているところでございます。 金融庁としては、引き続き、事業者の資金繰りに支障が生じることのないよう、金融機関の取組をしっかりと促してまいります。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 資金繰り支援、徹底して進めていくという回答をいただきまして、本当にありがとうございます。 地域の金融機関でございますが、融資を通じて資金面で事業者を支えるという、こういうことに加え、個々の事業者が抱える様々な問題がございますが、これについても丁寧に向き合ってコンサルティングをやらなきゃいけないというふうに私は思うんですが、そうする中で様々な問題を解決していくということを導いていくことが重要だと考えております。コロナの、こういうコロナ禍の中、地域の金融機関における経営支援という観点、これは一層重要だと思います。 金融庁においても、金融機関が経営相談に積極的に応じるように促していただきたいんですが、これについてはいかがでしょうか。
○副大臣(赤澤亮正君) コンサルティングなどの経営支援の重要性についての委員の御認識はもう完全に共有をさせていただいているところでございます。新型コロナの影響で厳しい状況が続く中で、地域経済の担い手である事業者の事業の継続、発展を図っていくことはもう極めて重要でございます。 地域金融機関においては、政府の施策も適切に活用しながら、地域の関係者と連携をし、地域における個々の事業者に寄り添って、その実情に応じて経営改善、事業再生、事業転換支援などを適切に実施していくことが重要であり、金融庁としても、こうした趣旨を繰り返し金融機関に要請をさせていただいております。 まさに本日御審議いただいている法案においても、銀行などの本体における業務として、その経営資源を活用して営むデジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に資する業務を追加をし、具体的内容は内閣府令において定めるということとしております。その本当に考えている意図は、従来監督支援において明記してきたコンサルティング業務を、今後定める内閣府令において業務として明確に位置付ける、そういう予定でございます。 地域金融機関においては、地域の事業者に寄り添った支援に積極的に取り組んでいただきたいと考えております。 金融庁としては、引き続き、地域金融機関による事業者支援、コンサルティング業務を含め適切に行われるようしっかりとフォローしてまいります。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 やはり、地域においては、経営が悪化した中小企業の再生、又は事業承継の課題を持っているというところもございますし、さらには、やはり起業家を支援して地域発のこういう新しい企業を育てていくという、こういうこともやっぱり期待されているし、その役目があるんじゃないかというふうに私は思うわけでございます。そんな意味でいいますと、更に地域金融機関の重要性が認識されると考えております。 事業者を支える立場ということにあるこの金融機関においても、先ほど申しましたように、人口減少によってこの資金の需要も継続的な需要が減ってくる。また、現在の低金利の政策が続く中、貸付金の収益でございますが、こういうものも地域の金融機関、大手の銀行よりも非常に構造的な中で非常に貸付けの率も高いから利ざやも今は減っているという、こういう状況になってきているかと思いますが、厳しい状況の中、これを打開していくために合併だとか経営統合も一つの選択肢になると、これは私もそう思うわけでございます。 今回の法案で、地域銀行のこの合併や経営統合に、後押しするために資金交付制度を創設するということになっておるわけでございますが、この資金交付制度の創設に当たって、政府はどのようなこれを期待を持って進めているのか、狙いとかこの概要について御説明をお願いします。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、地域金融機関の経営環境を見ますと、人口減少、低金利ということで厳しさを増しているというところでございます。 こういった中で、御指摘の資金交付制度でございますけれども、地域金融機関による合併、経営統合を通じた経営基盤の強化に向けた取組を後押しするということで、地域経済を支える金融機能の維持を図るということを目的としてございます。 具体的な制度でございますけれども、まず、そういう取組を実施する金融機関は実施計画というものを策定いたしまして、国がその計画を審査するという枠組みでございます。その上で、計画について国の認定を受けた金融機関でございますけれども、そちらにつきましては預金保険機構との間で資金交付契約というものを結んでいただいて、預金保険機構の方からシステム統合費用といった事業の抜本的な見直しの実施に要する経費の一部というものを充てるための資金を交付を受けることができるという枠組みでございます。 さらに、国は、資金の交付を受けた金融機関が先ほどの実施計画を適切に履行しているかどうかというものについてモニタリングを行うといった枠組みにしているところでございます。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 国がきちんと審査し認定し、そして契約を預金機構と結んで進めると、これはサイクルで見ていくというそういうお話でございましたが。 じゃ、これを実際進めていく中で、一つこの資金交付制度の財源でございますが、これは預金保険機構の金融機能強化勘定の余剰金を活用しているというふうに聞いているんですが、これは、この勘定というのは廃止されれば当然国庫に戻すということになりますし、そもそも預金保険機構、これは政府と日銀と、それこそ銀行の皆さんで出資してつくっているものですから、ある意味で、そういう意味でいうと、直接の税というものが入っているというものではないとは思いますけれども、公的な資金という考え方もできないわけではないと思います。 この資金交付制度を活用した地域金融機関が、地域のそれぞれ企業の活力や、そのいわゆる利用者又は住民を含め、その人たちが利便性を損なうような形で合併や統合というものが進んでいくということは、これは非常に適当なことではないと私は思うわけでございますし、そのようなことを生じないようにこれは進めなきゃいけないと思うわけでございます。 そこで、お聞きするのは、この資金の交付の基準又は、先ほどもサイクルで見ていくとは言いましたけれども、それをする、した後のモニタリングというか、これは中長期的になろうかと思いますけれども、これについての枠組みとかその進め方はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、地域金融機関による経営基盤の強化に向けた取組というものは、利用者の利便性の維持向上と、それから、何よりも地域の企業の活性化に資するものが重要と考えているところでございます。 その観点から、今般の資金交付制度でございますけれども、まず、金融機関が提出いたします実施計画という中で、地域経済の活性化に関する方策ということについて記載を求めた上で、審査基準ということでございますけれども、こうしたその地域金融機関による方策が当該地域における活性化のために適切かどうかといったことですとか、それから、実際のその経営基盤の強化のための取組が実施されると見込まれるかどうかといった点から、国においてあらかじめ審査するという枠組みでございます。 こういった中身につきましては、必ずしも貸出しだけではなくて、地域における創業支援、事業再生、事業承継支援といった内容についても記載を求めて確認するということを考えているところでございます。 また、その後のモニタリングということでございますけれども、資金の交付を受けた金融機関については、計画の履行状況を定期的に求めるといったことによりまして、計画の進捗状況を一定期間しっかりとモニタリングしたいというふうに考えてございます。 このような枠組みを通じまして、制度を利用する金融機関による地域経済への貢献が図られるよう適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 今回のことでは、金融機関による地域活性化のための柔軟な出資という、こういうことも可能にするということで、出資規制の緩和ということ、これを行うというふうに聞いているわけでございます。これは銀行業務の業務範囲が拡大するということになるわけでございますよね。そうなりますと、これ随分この自由度が増してくるというふうに思うわけでございます。 先ほど申し上げましたけれども、コロナの中で人の流れや行動が大きく変わってくると、これ事業者の財務状況にもどんどん影響を与えているということがございます。そこにおいて、やっぱり資本性資金の供給が不足するということも出てきているわけですから、この銀行のグループが必要に応じて出資していくと、自らの出資を含めて地域の活性化に貢献していくと、そういうことで、財務面の課題への対応とか、ビジネスのこの新しいモデルなどもつくれるのかなというふうに考えているし、また、そういうところを支援していくという、こういうことが求められているというのも事実だと私は思います。 今回のこの出資規制の緩和について、これを、金融庁はこの狙いをどのようなふうに考えているかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 御指摘の出資規制の緩和でございますけれども、元々現行制度上、銀行が一般事業の、一般事業会社の議決権を五%を超えて取得、保有するということは原則禁止という枠組みでございますけれども、例外といたしまして、投資専門会社を子会社としてつくった上で、それを経由いたしまして、例えば地域活性化事業会社ですとか、それから事業再生に取り組む会社、それからベンチャー企業といったところについて取得、保有することが例外的に認められているという枠組みでございます。 今回の法案につきましては、今申し上げました地域活性化事業会社、今五〇%までというふうになってございますが、それを一〇〇%まで取得、保有できるというふうにするとともに、今度、内閣府令でございますけれども、先ほどの事業再生の要件を緩和して、早い段階から再生に取り組めるようにするとか、ベンチャーの要件を更に広げるといった見直しを考えているところでございます。 こういった見直しを行った上で、銀行においては、適切にリスク管理を行いつつ、更に重要性を増しております地域の面的再生の取組といったものですとか、御指摘ございました地域企業がビジネスモデルの転換といったものについても支援をしていくということを一層地域金融機関が積極的に取り組んでいただくということを期待しているものでございます。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 非常に自由度が高まるということで、これは悪いことではないんですが、ただ、私、懸念も若干するわけですね。 隣の銀行もやっている、あっ、こっちもやっている、こっちもやっている、百家争鳴のごとく新しい事業にと手を挙げてやっていくということ。これ、そうなると、本体のその人的なり、財源も、財政的にもですね、資源として、経営資源が、これをそんなところに力、余り同じような形で入れていくと弱まってしまう、疲労してしまうだろうということもございますから、ある意味で、やはり新規事業というのはやっぱりきちんと検討する中で慎重に進めていかなきゃいけないだろうというふうに思うわけでございます。そんな意味で質問させていただきました。 では次に、今回の法案では、銀行業務の中にでございますが、地方創生ということがなっておりまして、先ほども話がございましたけれども、この地方の中の抱えている課題というのは、これは地域ごとに違います。また、地方自治体なんかも必ずしも銀行の区分と同じではないという、そういう問題も多少出ているわけでございます。 ただ一方で、金融機関には地域の情報も集まりやすいということも事実でございますから、それぞれの地域の実情をきちんと細かく分析すると、把握して分析する、これが、こういうことをすること自体も地域創生に貢献していくことにもつながってくるんじゃないかと思うわけでございます。 今回の法案が改正後、銀行が具体的にどのような業務を本当にできるのかということなんですが、それをやることによって、地域の企業の方、現在あるような企業にどのような恩恵がもたらされるかということに関してはどんな見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 今先生御指摘ございましたように、今回の法案では、銀行本体につきまして業務範囲を拡大するということで、地域の活性化、それから産業の生産性の向上といった持続可能な社会の貢献に資する業務というものを追加することとしてございます。 具体的には、中身は内閣府令で定めますが、自行用の、銀行が自分用につくってございますITシステムを顧客に販売するですとか、それから先生の御指摘もございましたデータ分析ですとか、それからさらに、マーケティング、広告、それから人材派遣、見守りサービスといったものを規定するという方向で調整してまいりたいと考えてございます。 こういったことで、銀行が元々自行用に開発いたしましたデジタルツールを地域企業に提供するとか、それから地域企業の商品、サービスの販路拡大といったマーケティング、広告を行うといったことで地域企業の発展に貢献するということで考えているところでございます。企業にとっては融資にとどまらないサービスということを受けることができるということで、利便性が向上すると考えているところでございます。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 私は、地域金融機関が今後地方創生に資するような新たな業務を営んでいくことを期待しているわけでございますが、ただ、留意しなきゃいけないということで、これは銀行はそのもの、そのものというか、本来的に預金を預かるということが基本でございますから、それを財務の健全性をきちんと確保する中で考えていってもらいたいと思うわけでございます。銀行法が一九二七年に公布されているということを聞いておりますし、第一次世界大戦の後、統合するとかそういうことを促したような時代もありますし、一九八一年ですか、法改正を全面的にして、銀行の公共性や何か、そして預金者の保護又は業務の健全化ということを基本に据えておりますが、これは変わっておるわけではございませんので、是非その辺を踏まえた地域創生の取組が一歩でも進むことを期待して、質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君が選任されました。 ─────────────
○勝部賢志君 おはようございます。立憲・社民の勝部賢志でございます。 麻生財務大臣におかれましては、三月十三日で在任期間三千日を超えられたということでございまして、この間の御労苦に心から敬意を表しますとともに、今後ますますの御健康を御祈念を申し上げたいと思います。 大臣は、既に二〇一八年に戦後最長となり、戦前を含めても歴代三位となりました。首相を二度務められました松方正義元大蔵大臣が通算五千三百二日で歴代最長でありますけれども、今年十月までもしあと大臣任期が続きますと、二位の高橋是清元大蔵大臣を抜くことになります。 大臣は、三月十二日、閣議後の記者会見で、こんなに長くやるつもりはなかった、記録を目指すつもりはないとお話しになられたそうですが、いずれにいたしましても、長きにわたって国の財政に目を光らせてきた麻生大臣には、赤木ファイルの開示を決定されたこの機に森友学園国有地売却問題と文書改ざん問題を徹底的に明らかにし、一旦は地に落ちた財務省の信頼回復を是非御自身の手で成し遂げ、歴史に名を残す財務大臣となられますように切に願っているところであります。 そこで、質問に入らせていただきますが、まず、森友問題に係るいわゆる赤木ファイルについてお伺いをしたいと思います。 初めに、このファイルの存在を麻生大臣がいつ知ったかということについて伺いたいと思いますが、五月十日の衆議院予算委員会で麻生大臣は、山井委員のいつ大臣はこのファイルがあることをお知りになりましたかという質問に対し、赤木ファイルを赤木ファイルと言われるものであろうということを私どもが知ったのはかなり前の方だったという答弁をされておりますが、お知りになったのはいつか、改めてお伺いをします。
○国務大臣(麻生太郎君) 勝部先生の今の御指摘のとおり、先月というか先日の、十日の予算委員会で、何党でしたっけね、山井先生の方から、これは通告はなかったんですけど、いきなり御質問がありましたので、赤木ファイルという、についての御質問だったんですが、この話は、一年、一年ほど前にこれは訴訟というものが提起をされて、いわゆる赤木ファイルという言葉が出始めたのはその頃だったと思いますが、訴訟の中でその存否というものを明らかにしてきちんとしていかにゃいかぬということで、訴訟に提出をしてほしいと、赤木ファイルなるものをというのを裁判所の方から要求をされたということで、基づいて、私どもはその時点で、赤木ファイルという名前というものを認識したというのはその時点、だから約一年ぐらい前。だから、かなり前と言ったのは、そのことをもってかなり前から知っていた旨を答弁をさせていただいたというのが経緯ですが。 この文書そのものというものはどんなものなのかというのは、今に至るも、いろいろな述べられた話とかテープとかいうのを全部まとめてということ、その段階ではありませんから、私どもとしてはこの文書がという自体を作って、裁判所に言われてそれを作って、正式に文書というものが分かったというのは、連休前だったので四月二十日、どこかそのぐらいだったと記憶しますけれども、事務方から報告があったのが、いわゆる赤木ファイルというものに形として出てきたのが。 というので、二つちょっと違う形になりますけれども、名前を知ったのは訴訟がありました一年ぐらい前。訴訟が提起されましたので、何だそれという話になって、それからの話で、実際にそういった形のものを作り上げまして、裁判所に言われて作り上げましたのが四月の二十日ぐらいだったと記憶をいたしております。
○勝部賢志君 ファイルを知ったのはというか、あるということを知ったのはいつかというふうに山井委員はお聞きになったんだと思うんですね。それを一年前というふうにお答えになったものだから、これは随分前から知っていたんだなというような疑義が我々にも起きたということなんです。これはその頃から知っていたんじゃないですかと、こう聞いてもなかなか水掛け論で、それ、大臣言われるとおり四月二十日には間違いなく知ったということなんですけれども、ちょっとその答え方にごまかしがあるのではないかというような声もあるのは事実でありますので、そのことは指摘をしつつですね、指摘をしつつ、四月の二十日に、もうそのファイルとして、物としてあるという認識をお持ちになり、もうそれから既に四週間経過をされているんですが、大臣はそのいわゆる赤木ファイルというものを御覧になりましたですか。
○国務大臣(麻生太郎君) その赤木ファイルというもの、私自身はファイルそのものというものを見たわけではありませんけれども、概要については、これはもうこういうの説明を作って、赤木ファイルというものは多分こういうものになりますという形の話はずっと聞かされておりますので、その実物はもう裁判所ということになりますので、私どもとしてはそのものを見たことはありませんけれども、概要というのはかなり詳しく事務方の方から説明を受けたというのが経緯です。 具体的には、原告が指摘されておられる文書の内容につきまして、改ざん等の過程が時系列にずっと書かれているというものの文書なんですけれども、改ざんについては、私どもとしては財務省の理財局と近畿財務局との間で送信されております、受信もされておりますメール等々のその添付資料と思われる資料等々がとじられているということで、その一部というものを見させていただいたし、そういうものがあるというのは知っておりますということで、そのものと言われると、その提出したそのものというわけではありませんけれども、内容はそのものを見ております。
○勝部賢志君 ちょっと確認させていただきたいんですけど、その赤木ファイルなるものはもう既に裁判所にあるんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 四月何日に提出させて、四月何日に提出予定になっておりますので、その内容につきましては個人の話がいろいろありますので、いろいろマスキング等々をして、いわゆる個人情報の最たるものになりますので、きちんと、なるべく真っ黒にならないように、いろいろマスキングせにゃいかぬところありますので、そういったことを今させていただいているという最中であります。
○勝部賢志君 まだ裁判所には提出されていないと思うんですね。それは間違いないですか。
○政府参考人(大鹿行宏君) 今大臣がお答えしたとおりでございますけれども、私ども、五月の六日に裁判所の方から、このいわゆる赤木ファイルについての取扱いについての、原告側から文書提出命令の申立てが出ていましたので……(発言する者あり)はい。私どもの方で今マスキングの作業を鋭意進めているところでございまして、六月二十三日の、次回の公判には提出するということで裁判所の方からも御了解をいただいているところであります。
○勝部賢志君 ちょっとこの話題だけで時間を全てというわけにはいかないものですから、ちょっと指摘をさせていただきたいと思うんですけど、四月の二十日にもう既に物があるということが分かり、今マスキングを含めた作業をしているんですけれども、もう既に四週間たっていると、それから六月の二十日というと更にこれから一か月後ということですよね。 ですから、私はもっと早く、あるのであれば開示をすべきだし、国会からも開示を求めているんですね、衆議院の委員会では措置をしていますので。ですから、そういう意味ではできるだけ早く開示すべきだと思いますし、大臣におかれましては、是非その中身を見ていただいて、その中身から新たな事実が分かったりすれば再調査もすべきだというふうに私思っていますので、その点についていかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃっているところは、私は見たことがあるかと言われればその内容をかなり見させていただいておりますが、赤木ファイルというものが一応ありますので、それはもう内容で、私自身がファイルそのものというものを見たわけじゃありませんけど、先ほど御説明しましたように、概要についてはかなりよく見させていただいたということだと思っております。 いずれにしても、私どもとしては、これまで検察当局とも長い間協調するというか一生懸命やらせていただいて、応接録とか、それから改ざんの前の、何というか、決裁文書等々の問題についても責任を果たすためにこれは徹底して調査をさせていただいた上で、更に調査を進めて、平成三十年でしたか、調査結果をまとめて、関与した職員に対する処罰等々を厳正にやらせていただいたということで、従来から御説明申し上げているとおりであります。 したがいまして、今私どもとしては、できる限りの調査というものをきちんとやらせた上で改めて今提出をさせていただいているということで、見ておけというんであれば、かなりこの種の資料を見させていただいたと思っております。
○勝部賢志君 先ほど申し上げましたように、財務省の信頼回復を含めて、この問題の全容解明と再発防止に向けて、麻生大臣には全力を尽くしていただきたいと。そのためには、今、赤木ファイルと言われたものを含めてもう一度しっかり精査をしていただいて、国民の皆さんに説明責任を果たしていただきたいということを今日は指摘をさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。 今日は銀行法の審議ということでありますけれども、後ほど古賀委員の方から詳しく質疑をさせていただきます。私からは一言指摘をさせていただきたいというふうに思いますけれども、銀行側からすれば、超長期間に及ぶ低金利、ゼロ金利政策の影響で、本来の収益率は低迷の上に、ベンチャー企業から他業、大企業までが金融サービスへの参入という現状は、恐らく銀行にとってはさんざんな思いをされているのではないかというふうに思います。 しかし、銀行には兼業、他業への進出に厳しい規制、制限が掛けられてきました。それは、優越的な地位を利用しての寡占、独占の排除、あるいは国民生活、国民経済の基礎である金融システムの中核を担う銀行がまさに公器として役割を強く求められてきたからにほかなりません。 そういった意味からすると、今回の銀行法の改正でその基本中の基本理念をいささかの揺るぎも生じさせることのないように、政府、日銀におかれましては、今まで以上に責任を持って施行、運用に当たっていただきたいということを指摘をさせていただきます。 次に、財政審の議論に関する課題について伺いたいと思います。 ちょっと資料をお配りをさせていただきました。文部・科学技術と書いた、二ページ目というか、一枚めくっていただいて、外部人材の活用①という資料がありますが、この資料は財政審の議論の中で使われているわけですけれども、この資料で何を言わんとしているのか、財務省にお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 資料で出していただいている資料は、四月二十一日の財政制度審議会の資料でございますが、OECDの調査を基に、日本の教員の年間の授業時間数というのが主要先進国に比べて低い水準であるということを示しますとともに、あと、連合の総合生活開発研究所という研究所の調査を基に、教員の方の負担感というのは、主に事務作業ですとか保護者、地域からの要望への対応、さらに部活動の指導、そういったことに起因するところが大きいということを示した資料でございます。
○勝部賢志君 この資料の右側に教員一人当たりの平均担当授業時数と書いてあって、下の方に中学校で平均十八・二、小学校で二十四・五とこま数書いてあるんですけど、これは文科省の資料だと思いますが、この平均の授業時数を算出する方法というのは、これ随分大ざっぱというか、実態を踏まえたものになっていないというふうに思っているんですね。 どのような手法で算出をされたのか、また、担当するこま数の平均値を基に財務省が言うような結論を導き出していくというのは余りにも短絡的ではないかというふうに思えます。文科省の見解を伺います。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 御指摘いただきました教員一人当たりの平均担当授業時数につきましては、学校教員統計調査における中学校のデータを示したものでございまして、授業計画に基づく平常の週における一週間の教科等担任授業時数の平均を示したものということになっております。 この時数だけで考えてよいのかということでございますけれど、教員の業務につきましては、当然ながら授業だけではなく、授業に付随する授業準備や成績処理のほか、生徒指導や学級経営等に関わる業務など、児童生徒への指導、学校運営等に関わる多様な業務があると認識しております。 ですので、また、その業務の負担もそれぞれの教員によって一律ではないということというふうに承知しておりますので、こうした多様な観点から実態というものについては把握することが重要と考えております。
○勝部賢志君 平均のこま数を比べてそれを基に議論すると、私は全く意味のないことだなと思っているんですね。 といいますのも、小学校の担任であっても学年によって授業の時数って違います。それから、例えば中学校でいうと、数学とか社会とか理科とか英語は週四回授業があって、美術とか音楽は週一回と。だから、この担当する教科によっても全然授業時数って違いますよね。逆に授業が少ないという方には、例えば生徒指導だとかその他の分野で結構学校の中で役割を与えられていて、授業だけでその業務が全て終わりという話ではありませんので、そういう意味で、こま数を比べるというのは極めて、何というか、ちょっと的外れな気がします。 それで、今日ちょっと資料をお配りしていますが、次のページ、BCGと書いた緑色の表紙のあるものですけれども、これは経産省が委託して調査をしたBPR調査というんですけれども、これの方がよほど実態に即した調査になっているなと私は思います。つまり、その平均授業数を比べるんではなくて、実際の教員一人一人の実態がより分かるような調査になっていて、例えばですが、三枚目ちょっと御覧ください。実態調査にて確認した業務の粒度・分類と、こう書いていますが、学習指導のところ見ていただきたいんですけど、授業のこまだけじゃなくて授業準備とか採点・評価を加えて学習指導としています。 次のページ見てください。 小学校における実態ということで、これ、よく見ていただくと、週八時間勤務だと五、八、四十時間が普通なんですけど、大体これ実態六十とか七十とかですね。既にもう二十時間、三十時間の超過勤務をしているという実態なんです。 それを今日言いたいんではなくて、この緑色の濃い部分が学習指導ですので、例えばですけれども、教師歴三年未満の方は、七十時間の週時間の勤務のうち四十時間ぐらいはもう学習指導に充てているわけですね。それに比べて十年以上の経験のある方、どういう役割を果たされているか分かりませんけれども、この方は二十四・二時間、授業の準備だとかに充てているという、人によって様々状況違うということです。 で、左の方を見てください。主幹教諭とか指導教諭とありますね。この人たちも授業を持つんです。持つんですけれども、主幹教諭は特に学校の運営などに関わることも多いものですから、この方は七・五時間しか授業やっていないんですね。こういった人たちを全部合わせて平均でこま数を出しても、本当に全く何の意味もないということなんです。だからといって、主幹教諭が七・五しか時間持っていませんけれども、忙しくないかといったら、やっぱりこの方も六十七時間ほど週に仕事をしているという、こういう実態なんです。 ですから、財務省、あっ、財務省にお話を聞く前に文科省、こういうデータがあるんで、是非こういうものを活用しながらと思いますけど、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたとおり、教員の業務負担というものは一律ではなく、経験年数でありますとか役職等に応じましても異なっているものと認識しております。 ですので、こうした教員の業務の実態については多様な観点から把握する必要があると考えているところでございまして、文部科学省としましては、学校における働き方改革を進めるために、令和四年度に予定しております次回の教員勤務実態調査におきまして、教員の授業時数以外も含めた多様な業務の実態をより正確に把握し、今後の教職員配置の在り方等の検討に生かすことができるよう、有識者の御意見等も踏まえながら調査の制度設計を行ってまいりたいと考えております。
○勝部賢志君 教員の働き方がまさに議論をされていて、財政審でもこういったことを議論するのはもちろん必要なことだと思うんですけれども、先ほど言ったように、もっと実態に即したデータを基に議論をすべきだというふうに思います。 それから、今文科省からありました勤務実態調査というのも来年行われるということなので、今年の議論は今年の議論として、先ほどの資料だけでは不十分だということを言わせていただきますので、是非いろいろな観点でもう少し実態をしっかり把握されて議論をしていただきますように指摘をして、私の質問を終わります。
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士でございます。 では、本日のまさに本丸でございます金融強化法の改正案、これについて、まず麻生金融担当大臣にお尋ねをいたします。 この金融機能強化勘定の余剰金を利用した資金交付制度について、これは先ほども宮島委員からも御指摘がありましたけれども、この金融機能強化法によって資本参加を受けた金融機関を見ますと、いまだにこれ未決済、未返済の機関がほとんどだという実態がございます。この段階で余剰金、本来は国庫に返さなければならない余剰金を目的外使用ということに対して、納税者の皆さん、どのように御説明をされるおつもりなのか、麻生大臣にお尋ねします。
○国務大臣(麻生太郎君) 古賀先生、目的外使用という御指摘ですけれども、御存じのように、この金融機能強化法に基づく資本参加というのは、もうよく御存じのとおりなんですが、経営強化計画の履行をする状況等々をいろいろ検討させていただいてフォローアップをするということを通じて、これまで資本参加に約六千八百、六千八百四、五十億資本参加をされた資金のうちで既に返済がされておりますのはそのうち約二千億ちょっと、二千五億円ぐらいだと思います。そういった金融機関から返済されて、いわゆる損失が生じないようにせにゃということは、これはまずもって重要なこと、これはもう当然のことだと存じます。 したがいまして、金融庁としては、まずは現時点で資本参加をした資金の返済に懸念があると考えているわけではございません。一応このとおりには進んでおりますので。その上で、今般創設をさせていただきますいわゆる資金交付制度というものの目的というものは、これは、資本参加制度の目的である地域経済の活性化というようなものと同じ趣旨のことをやろうといたしておりますので、金融機能強化法に基づいて資本参加をした金融機関からの配当収入である同勘定の利益剰余金ですか、あれが約三百五十億ございますので、そういったものを使わせていただく。 そして、ポストコロナの地域経済の回復とか再生とか更なる経済発展とかいう課題に対応するための施策であります資金交付制度というものに活用するということを御提案をさせていただいておりますので、本来の目的は全く同じでありますので、私どもとしては、目的外使用という観点には当たらないと思っております。
○古賀之士君 言わば目的外使用ということで御理解いただければと思っております。 ちなみに、今現状のコロナ禍で、なおかつ、今厳しい状況にある特に地方の金融機関並びに中小企業、こういったものをしっかりとお支えをしていくという立場は、これはまさに同じというふうに御理解いただいて結構だと思います。 ただ、その中でも、やはり公的な資金、その中には当然税金も含まれています。そういった部分も含めて、果たしてこれでいいのかどうかというのを幾つか御指摘をさせていただきます。 金融機能強化勘定について、毎年の今ございました配当収入、今大臣からも三百五十億円ということがありました。この配当収入による余剰金をこの制度で継続的に使用できるかどうか、これ参考人にお尋ねします。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 御指摘の配当収入、令和三年度二十四億円というところで見込んでございますけれども、継続的に使用できるのかという御質問につきましては、まず、法律の今回の枠組みで、積立金の一部をもって資金交付に充てるというふうに規定してございますのと、あわせまして、積立金があるときは、政令で定める金額の範囲内で内閣総理大臣、財務大臣の承認を受けた金額を資金交付に充てることができるという枠組みでございます。この政令につきましては、三百五十億円ということを予定しているわけでございます。 そういう意味では、継続的に配当が入ってきて、それが三百五十億円を超えて、配当収入によりこれが上限が増えるという枠組みになっているわけではないというものでございます。
○古賀之士君 つまり、継続的ではなく一度きりだという理解でよろしいわけですね。端的にお願いします。
○政府参考人(古澤知之君) まさに、たまっていったその三百五十億というものを上限とするというものでございます。
○古賀之士君 一度きりかどうか、継続的に使用しないということは一度きりかどうかと、これ明確にお答えください。
○政府参考人(古澤知之君) 三百五十億というのは時限措置でございますので、まさに時を限った措置ということでございます。
○古賀之士君 一度きりという理解でよろしいんですね。そうさせていただきますが、異議がなければそういうこと。 では、銀行のIT開発の現状についてちょっとお尋ねします。 この制度によって、いわゆる銀行に当然資本を注入して今の銀行、金融機関をある程度下支えするという意図は分かります。と同時に、これ、先ほど御説明がありましたように、様々なITの分野におけるシステムのバージョンアップですとか、より使い勝手がいい形に持っていくというようなものにその多くのお金が使われるということです。となると、勘定系でシェア四割とも言われる例えばNTTデータ、IBM、日立、ユニシスといった特定の大手ベンダーに対して公的資金が言ってみれば使われるということになるかと思います、結果的にですね。 これは、ある意味、金融機関の皆さんたちにとっては手助けになるかと思いますが、これを使って、じゃ、地場の中小企業の皆さんたちをストレートに、ダイレクトにきちんとお支えできるのとは若干趣旨が異なってくるような使い方になるのではないかという疑念も生まれてくるわけですね。その点について、参考人、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申します。 まさに、今回の資金交付制度でございますけれども、金融機関の経営基盤を強化すると、それによって地域経済を支えるという枠組みでございます。結果として、先生がおっしゃったように、地域金融機関の経営基盤を支える中で、それが、システムですとか、それから場合によっては例えば店舗の統廃合の経費、様々なワンショットの経費ございますけれども、そちらに充てられる中で、そちらの経費というのは実は地域金融機関に行く、地域の経済に行く場合もあるけれども、例えばそれはコンピューターのベンダーに行く場合もあるじゃないかというところでございますが、あくまで施策の本源は地域金融機関の経営基盤、それを通じて経済を支えるというところが目的でございまして、主眼と、それから結果としてそういうふうにお金が流れる部分もあるという考え方の整理かというふうに感じてございます。
○古賀之士君 その辺の分、割合といいますか、その考え方というのもしっかり皆さん方の中で共有していただいて、これから先、やっぱり地場の特に厳しい中小企業の皆さんたちにとっては、何で銀行だけみたいなところがこれ以上余り大きくならないようなやはり手だてというのも必要じゃないかと思います。是非その辺は御検討いただければと思っております。 資料一の、御覧いただきます、これ、福井市にあります福井銀行と福邦銀行に関する記事なんですけれども、これ、二〇〇九年に福邦銀行は六十億円の資本参加を受けておりますが、福邦銀行は福井銀行から五十億円の出資を受けて子会社化されます。 その際、六十億円は繰上げ返済されると聞いておりますけれども、このスキームを見てみますと、資金交付制度の三十億円が下りてくるという前提で考えるならば、公的資金が実質五〇%引きの言ってみればセールになる、こういう印象を受けるんですが、このような仕組みで本当に監督官庁の金融庁としてよろしいのか、確認を込めて参考人にお尋ねします。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 本件の福邦銀行の件につきましては、委員御指摘のとおり、まず福邦銀行が公的資金を返していただいて、その上で福井銀行が出資するというスキームでございますけれども、あくまで我々といたしましては、公的資金をしっかり返していただくということがまず大前提でございまして、そのために他の金融機関の助けを借りるということは、それはそれで否定されるものではないというふうに考えております。
○古賀之士君 では、ちゃんと一旦は返してくれるというのは、それは分かるんですよ。分かるけれども、その後にすかさず、しかもルール上は今まで以上に甘いルールでと言ったら怒られますけれども、これはもうコロナ禍だからやむを得ない部分もあるでしょうが、そういうところで融通していったら、あっ、我も我もと、こういうことを使いたいと、やらせてくれるならというようなことが起きてしまうんじゃないかという危惧が生じてくるわけですね。それも是非御理解いただければと思います。 昨年の金融機能強化法の改正で、新型コロナウイルス感染症に関する特例が設けられております。この特例では、例えば収益性や効率性の目標は求めておりません。経営の責任も追及しておりません。十五年以内の返済期限もございません。この特例を利用した金融機関はあるんでしょうか。現行の資本参加から借換え、住宅ローンなどでいえば借換えですね、乗換えというのは可能かどうか、参考人、お答えください。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 現時点におきまして、この新型コロナウイルス感染症等に関する特例に基づく資本参加の実績はございません。 また、既に新型コロナに係る特例以外の規定に基づき資本参加を受けた金融機関が新型コロナの特例に基づき新たに資本参加を受けることについては、一律に排除する仕組みとはなってございません。 仮にこれらの金融機関から新型コロナの特例により申請が行われた場合には、まず過去の資本参加後これまでの業務運営の状況について、金融機関がその資本参加を生かして地域活性化に貢献してきたかどうか、こうした取組を通じて金融機関としても収益性を確保して返済原資の蓄積が進展してきたかどうかを確認させていただきます。その上で、更に新たな資本参加を行うことで地域経済の活性化への更なる貢献が見込まれるのかと、資本参加を活用して金融機関としても更なる収益力強化、経営改善を図って公的資金の返済原資が確保できるのかという点について、二重にしっかりと確認するということになると考えております。
○古賀之士君 ですから、こういう特例を利用して本当に経済が活性化されるということであればもうウエルカムなんですが、逆にこの制度を使ってそれこそこういう条件が緩くなる、あるいはうやむやな責任の状況になる、さらにはいつ返していいか期限もない。これ、そうなると、一斉に乗換えとか借換えとか、皆さんも住宅ローンをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、こういう条件だったら皆さん借り換えますよ、もうこちらの方に。だって、返済期限もないし、責任も問われないんですから、個人であればですよ。 ただ、逆に言うと、銀行という公的な機関であるがゆえに、しかもコロナ禍だからと、だからこそ今申し上げたように、決して、このコロナ禍の中で政府の下支えは必要だとは申し上げているんです。必要だけれども、しっかりとその辺をチェックしていかないと、大切な税金をどのように使っているかというのがはっきり分からない、うやむやになったまま看過されてしまうというその危惧をしっかりと、まあ言い方はちょっと上から目線になるかもしれませんが、くぎを刺させていただくということに御理解ください。 さて、時間が余りなくなりました。あと五分ぐらいでございますが、銀行等の保有株式取得機構によります株式等の買取り期限等の延長についてお尋ねをします。行けるところまで伺います。 まず、機構が保有する株の議決権行使の基準というのはどうなっているんでしょうか。機構自身が行使しないとすれば、企業ガバナンス上問題があるのではないでしょうか。参考人にお尋ねします。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 御質問の株の権利行使の件でございますけれども、そもそも銀行の保有制限に関する法律という根拠法の三十五条という規定がございまして、業務の一部をこの保有機構は委託することができるということで、取得した株式の管理については信託銀行に委託しているという枠組みになってございます。 その上で、御指摘の株式の議決権の行使につきましては、取得機構自らが議決権を行使するのではなく、まず信託銀行、管理をしてございます信託銀行に対して基本的考え方というものを示し、信託銀行がそれに基づいてガイドラインを策定する、そのガイドラインに従って議決権を行使するという枠組みになっているということでございます。
○古賀之士君 それでは、通告はしておりませんけれども、麻生財務大臣にお尋ねをします。 印象だけで結構です。資料の二から四を、済みません、御覧いただければと思っております。委員の各位の皆様方もどうぞ御覧ください。 これ、それこそ銀行等の保有株式の取得機構が出している基本的な考え方を公表しているんですが、三行なんですよ、三行。それで、これ、例えば地方公務員共済組合の場合は、これ七ページにも及んでいるんですね。それから、資料の三、これはスチュワードシップ・コードについても、機構は僅か二行です。その次のページをめくっていただいて、資料の四、地方公務員共済組合は四ページにわたっております。さらに、地方公務員共済組合は、スチュワードシップ活動の報告という五十三ページにもわたる報告書も提出しているんですね。 これだけ差異があると、やっぱり、今お答えはいただきましたけれども、麻生大臣、かなりその考え方に対する見劣り感というのが、これ文章の量だけでも、最大五十三ページ、最小、こちらは二行、こういう形で、この大切な金融強化並びに地域の再生を行っていく上で本当に大丈夫なのかという思いがいたします。 印象だけで結構ですので、麻生大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(麻生太郎君) 急な御質問ですけれども、いわゆる銀行等保有株式取得機構でしたかね、のしています情報開示の件を今聞いておられるんですけれども、これは今までも、いわゆるこの開示に、話につきましては、処分するという株式の数と、処分の実績額というものを、いわゆる市場売却とか、このほかに何がありますか、自社株取得とかいろいろなのありますが、よく分けて開示する、取扱いをするなど、この開示のやり方等々についてはきちんと出せという話を努めてきたところなんですが、今後とも、そういった御懸念等々いろいろあると思いますので、開示に努めていくというのはこれ極めて大事なことだと思っております。 同時に、その内容によりましては、これ同時に株価の形成にえらく影響しますので、そういった意味で影響を与えるということも踏まえて、ちょっとその検討はちょっとうかつにやると、意図的にやられたり組まれたりすると非常に影響が出ますので、そこのところも十分注意をしながらやっていかないかぬところだろうと思います。
○古賀之士君 通告なしの質問なのに丁寧にお答えいただいて、ありがとうございます。 と同時に、資料の五を御覧いただきたいんですが、これはいわゆる機構の議決権行使に関して銀行等の保有株式等の機構が出している、これ役員のメンバーでございますけれども、言ってみれば機構の理事長及び理事がほとんどこれメガバンクのトップ、これというのもやはり問題だと指摘する方もいらっしゃるわけですね。もう当然、その売る側と買う側が同じ立場の皆さんなんで、これはやはり問題がないわけないじゃないかという方もいらっしゃるわけです。ここは今日はちょっと問題の提起だけにさせていただきますので、是非、こういったことがあると、やはり、えっ、これでいいのという思いが出てきますので、この辺もひとつ、今大臣からも慎重に検討しなけりゃいけないというお話はありましたけれども、しかし、これで疑念が生じたり、そして、なおかつ議事録も出てこない、出てきても本当に割愛された部分だ、こういう問題もやっぱりあるわけですので、是非この辺はしっかりと検討をしていただきたいと思います。 時間が迫ってましたが、とにかくこれから先、麻生大臣ともう少しお話を伺いたかったんですが、終わりますが、いわゆる利ざやを稼ぐというやり方、あるいは皆さんたちの資金の供給だけでこれから果たしてその地場を支えていくのはいいんだろうか、ある意味、この二十一世紀の後半に向けて銀行の在り方というのをしっかりと考えていかない時期に今来ているんじゃないかと思います。今大臣もうなずいていらっしゃるように、これはやはり共有の認識として、与野党関係なくしっかりとお話、意見交換をさせていただく機会をまた設けていただければ幸甚でございます。 質問を終わります。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 銀行法改正質疑の前に、一問、ワクチン接種についてちょっとお伺いをしたいと思います。 沖縄県石垣市にて高齢者施設におきましてワクチン接種を行った際に、一バイアルから五名分取った後に僅かに残るワクチンをかき集めたところ、十五人分作れたので、接種業務に当たる職員に接種をしましたということで、石垣市の中山義隆市長さんから御連絡をいただいたところでありますけれども、これ、同一ロットで同時に解凍した複数のバイアルの残余分で、仮に副反応が起きた場合にもロットの特定を行うことができて、同時解凍ですから品質に差がないということで、メーカーの方にも問い合わせたそうでありまして、それもそうだという、問題ないという回答もあったそうでありますが、お伺いをしたいのは、この接種業務に当たる職員に万が一健康被害が発生した場合、これは是非とも被害者救済制度の対象としていただきたいとお願いをしたいわけでありますが、厚労省の御見解、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(度山徹君) お答え申し上げます。 今御質問のあった事例に関しては、予防接種法に基づく臨時接種として行われております。ということについて違いはございませんので、同法に定めます健康被害救済制度の対象となります。
○秋野公造君 今回大丈夫ということですね。ありがとうございます。 度山審議官、委員長のお許しいただければ、退席いただいて結構であります。
○委員長(佐藤信秋君) 度山さん、退席、どうぞ。
○秋野公造君 それでは、銀行法の改正について質疑したいと思いますが、今回の制度改正では、銀行等の子会社、兄弟会社に障害者雇用促進法に係る特例子会社が追加をされます。 よって、銀行グループにおける障害者雇用についてちょっとお伺いをしたいと思いますが、この障害の世界、障害者の中で働きたいと、銀行でおいてもこういう機会を生かして働きたいといったようなお声がありまして、誰もが希望や能力に応じて職に就き社会に参加をすることができる共生社会を実現するという理念の下に、今全ての事業主に対して一定以上の割合で障害者雇用をすることが義務付けられているわけでありますけれども、金融分野で働きたいというお声も聞かないわけではありません。 まずは、銀行グループにおける障害者の雇用状況についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 厚生労働省において本年一月に公表されました令和二年障害者雇用状況の集計結果によりますれば、ちょっと銀行グループに限定した結果は集計をされておりませんが、銀行グループも含みます金融業、保険業千四百六社の雇用障害者数は二万四千八百三十四・五人、実雇用率は二・一五%となっていると承知しております。 なお、個別銀行グループの状況として申し上げますと、例えば三メガグループにおける障害者の実雇用率は二・四から二・五%程度と承知しております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 これまで障害者雇用について関わってきたわけで、特に在宅就労も推進をしてきたわけでありますけれども、例えば沖縄型神経原性筋萎縮症という病気でありますと全身の筋力が落ちてしまって、そういった状況でも、例えば家でも働くことができる。過去に、薬害エイズでなかなか社会に出れなかった人がそのままになっていたりしまして、もう五十歳ぐらいになっても社会復帰がかなわないような、だけど在宅だったら働くことができるといったような、働きたいというそういったお気持ちに応えていくということは非常に私重要だと思っているんですが、なかなか、この銀行において在宅就労を行うということはなかなかないと私聞いておりますが、せっかく今回の法改正を機会といたしまして、共生社会の実現に向けて、銀行グループも在宅就労も含めて前向きに行っていくべきではないかということを、これ大臣にお願いをしたいと思いますが、御見解お伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは秋野先生、今、現状においてですけれども、銀行グループというか金融業関係で、障害者が主な仕事というか、そういうのになりますと、これは公的機関から取引照会のあったようなものに関する、事務所に設置された端末を使った調査回答というものとか、書類の搬入とか配送とか、そういったような出社を要する業務、そういうような端末は自宅にありませんから、そういったものだと承知しているんですけど。 政府全体として、働き方改革の実行計画というのを、三年だから平成二十九年か、二十九年に決定をされたんですけれども、この障害者の在宅就業の推進というものを含みます働き方改革を進めているということなんですけれども、金融庁としても、銀行等々、地域金融機関含めますけれども、働き方、業務内容、必ずしも固定的に捉えるんじゃなくて、やることはいっぱいほかにもあるんじゃないのという、何というか、在宅就業というんですかね、在宅就業に方向に、活用を含めて、障害者の雇用もこれでやると、実際在宅ならできるということにもなってくると思いますので、そういったものに取り組むよう、更にこれを周知させてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 地域銀行が地域活性化のために中核的な役割を担うということでありますけれども、この低金利の状況や地方経済の疲弊といったような環境の要因から経営基盤が非常に揺らいできていると。まず、この現状の認識について確認したいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 まさに委員御指摘のように、地域銀行につきましては、地域における人口減少ですとか高齢化の進展、あるいは地域の企業数の減少などの構造的な課題、それから低金利環境の継続、さらには、デジタライゼーションの台頭によります新たな競争の進展など様々な要因を背景といたしまして、近年経営環境は厳しい状況が続いているものと認識しております。 一方、地域銀行におきましては、足下、総じて充実した資本基盤を有しておって健全であると考えておりますけれども、早め早めに自らの将来を見据えた経営改革に取り組んで、経営基盤を強化していただく必要があるというふうに考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 私、これまで金融庁で例えば具体的な経営基盤の強化、この手法はそれぞれの金融機関の経営判断で検討すべきと。金融庁としては規制緩和とかこういう環境整備を行いますと、こういうスタンスで取組を行ってきたと。 ですから、昨年の独禁法の特例などはこのスタンスに沿ったものということだろうと思うんですけれども、昨年十一月に導入が発表されました地域金融強化のための特別当座預金制度とか十二月のワーキング・グループの報告書に盛り込まれました資金交付制度とかには、金利の上乗せなどを経営統合とリンクをさせてちょっと補助金的なインセンティブを与えることで、今までおっしゃってきた単なる環境整備という観点からはちょっと踏み込んでこられるように思います。 それはとてもいいことだと思っているんですが、ただ、この制度が数年程度の時限措置ということを考えると、例えば再編に乗り遅れるなみたいなメッセージとも捉えかねないこともあり、この経営基盤強化の手法というのはこれまで金融機関の経営判断ということでありましたけど、その方針を大きく変えるものなのか、その御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 地域銀行を始めといたします地域金融機関につきましては、自ら経営改革を進め、経営基盤を強化し、地域に貢献していただくということが重要だという基本的な考え方でございます。 その上で、先生の御指摘のまさに経営基盤強化をどう進めるかということでございますけれども、そこにつきましては、置かれている地域経済の状況と、それから地域金融機関自身の規模、特性といったことでどういう具体的な手法を取られるかということは様々ということで、どのような手法を選択するかにつきましては経営判断に基づくものというところでございます。 先生から御指摘ございました今般の資金交付制度、それから日銀の特別当座預金制度、御指摘ございましたけれども、こうした考え方を前提といたしまして、幅広い金融機関の経営基盤強化に向けた取組に対して支援を行うというものでございまして、その意味で、経営基盤強化の手法は各金融機関の経営判断だという方針を変更するものではございません。地域銀行におきましては、資金交付制度の活用などによって経営基盤の強化を図り、地域に貢献していただくということを期待するものでございます。
○秋野公造君 幅広い支援ということでありますけれども、今回のコロナ禍の中小企業の資金繰りの急速な悪化ということで、民間金融機関による無利子無担保融資ということで物すごい膨大な利用がなされているわけですけれども、これらは三年後には利払いが始まり、最長五年の据置きが終わりますれば元本返済も求められるということで、この期間の間に返済能力を整えるということでありますけれども、ますます銀行が地方においてコンサルティング的な、地域企業を支えるような、そういう役割というのが更に更に求められるんだろうと思っています。 大和総研のレポートを見せてもらったんですけれども、地域銀行が公表している経営改善支援取組率が四%から八%ということで、これ過去に遡れば、地域密着型金融機能強化の推進に関するアクションプログラム、十年以上にわたってこういう取組が行われてきたわけでありますけれども、今後こういう経営改善に取り組んでもらうための方策として、改めてお伺いしますけれども、何らかのインセンティブを与えていくようなそういう方向性というのを更にお考えになっておられるか、このことをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 今委員御指摘のありました経営改善取組支援率は、債務者区分が要注意先等に分類された取引先に対する債権健全化等に向けた金融機関の取組状況を数値にしたものでございます。 金融機関におきましては、このような取引先に限らず、幅広い企業に対してそれぞれの実情や課題に応じた支援に取り組むことが重要であって、金融庁といたしましても、地域金融機関等に対しまして、顧客企業への経営改善、事業再生、事業転換支援などを積極的に行うよう累次にわたり要請を行っているところでございます。 また、企業に対するアンケート調査などを見ますと、多くの中小企業が金融機関による経営改善支援に期待を寄せておられると、さらに、そうした支援の実施は金融機関にとっても取引の継続をしていただけるという形で安定した顧客基盤の確保につながるということが分かってきております。 我々といたしましては、こうしたアンケート調査結果などを還元して、中小企業が金融機関にどういうことを求めているのかということを金融機関にお示ししているほか、金融機関の事業者支援の能力向上に資するように、金融機関の営業職員が知見を共有し合うウエブサイト等の場を創設する。あるいは、インセンティブということで申し上げますと、特に中小企業等のニーズが強い経営人材の確保につきまして、地域経済活性化支援機構に整備する人材リストを活用した地域企業経営人材マッチング促進事業ですとか先導的人材マッチング事業なども活用して地域金融機関の企業支援推進を図っておりまして、この点については補助金も用意しているということでございますので、こうした施策をしっかりと推進してまいりたいというふうに考えております。
○秋野公造君 そうなりますと、ますます金融機関が地域に密着をしてそれぞれの地域に求められるサービスを適切に提供するといったようなことが求められていくわけで、この法案において金融機関の業務に地方創生などに資する業務を追加するというのは非常に重要なことでありますので、それぞれの地域の実情に応じて求められている業務を一層積極的に営んでほしいということを願うわけでありますけれども、更に密着度を上げるという観点でちょっと私お伺いしたいんですが。 地域金融機関に銀行と信用金庫と信用組合があって、銀行は株式会社で、信用金庫と信用組合は協同組織形態を取る協同組織金融機関ということで、地域のステークホルダーと連携をして地域と一緒に仕事をしていく上では株式会社の形態よりもこの協同組織形態の方が優れている場合も多々あるんじゃないかということを考えると、銀行の合併とか子会社化というのは確かに一つの選択肢なのかもしれませんけれども、地域密着型の経営を営んでいこうということであれば、地方銀行が信用金庫や信用組合に対してこの経営形態を変更するということも一つの選択肢としてあってしかるべきではないかと私は思うんですが、そこについての御見解をお伺いとするとともに、現時点で信用金庫や信用組合に経営形態の変更を検討しているような動きがあるかどうか、併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 銀行から信用金庫や信用組合といった協同組織金融機関に移れるかということでございますけれども、現行制度におきましても合併転換法という枠組みがございまして、当局の認可を受けますと、銀行は、改めて信用金庫の免許ですとか、それから信用組合の認可ですとかということを取り直さなくても、信金、信組として営業を続けるということが可能だという枠組みがそもそもございます。 また、先生の地域密着型経営を一歩進めるという観点もございまして、実は金融審議会のワーキング・グループにおきましても、銀行が、例えば地域金融機関、株式会社になっていると同時に上場している場合が多いわけでございますけれども、銀行が非上場化する場合には例えば既存株主に十分説明をするといった留意点を取りまとめていただいているところでございます。 いずれにいたしましても、銀行から信用金庫への転換、非上場化といった経営戦略の在り方は各金融機関の経営判断に属する事項ということでございますけれども、一般論として申し上げますと、地銀、信用金庫、信組共に地域における金融機能の重要な担い手でということでございますし、それから、金融機関が自ら将来を見据えた経営改革に取り組んでいただいて、地域機関、地域企業の価値向上を図るということが大切だと考えてございます。 なお、先生からございました、現在、現時点でどうだというところでございますけれども、具体的に銀行から信金や信組への経営形態の変更を検討しているという金融機関があるとは承知してございません。
○秋野公造君 もしもそういう話がありますれば、また改めて支援をお願いをしたいと思います。 やっぱり地域を支援するということで、コロナのこともありますので、もう本当に待っていられないというのがやっぱり観光だったり飲食だったり、特に文化的な価値を持つものが一度失われてしまったならば、なかなか取り返せないということで、今日は、赤澤副大臣、是非お願いをしたいことは、一月末には葛飾柴又のあの川甚が閉店をいたしました。夏目漱石の「彼岸過迄」とか、幸田露伴、谷崎潤一郎といった文豪たちの作品に登場するような名店であります。青森県弘前市の奥膳懐石翠明荘、これ登録文化財でありまして、これも影響を受けるということで、相次ぐ閉店が続いています。 長崎においても、親しみのありました、坂本龍馬が訪ね、伊藤博文が命名をしたと言われるあの富貴楼、これも国の文化財でありましたけれども、もう今や建物もなくなってしまう状態でありまして、同じく春海、これも国の登録文化財で、建物は何とか残りましたけれども、それ以外の文化は失われてしまうというようなことは大変残念でありまして、この文化を守るという観点も含めて、地方銀行がコンサルティング、あるいは経営改善計画の策定支援、こういったことを行って、料亭というか、特にこういう文化的な価値の高いものについてはきっちり寄り添って再生支援をすることということは非常に重要だと考え、是非お願いをしたいところでありますが、副大臣の見解、お伺いしたいと思います。
○副大臣(赤澤亮正君) 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続く中、文化的にも価値の高い老舗料亭などの閉店は心から残念に思うところであります。同時に、委員の思いにも大変共感するところでありまして、地域経済の担い手である事業者の事業の継続、発展、図っていくことは極めて重要でございます。 政府としても、日本政策金融公庫などによる資本性劣後ローンや、事業転換などを進める事業者に最大一億円補助する事業再構築補助金とか、あるいは時短の関係の協力金、飲食店と取引を行う事業者の一時支援金、信用保証協会による再挑戦支援保証制度など様々な補助事業、またREVIC等のファンドを通じた地域企業の経営改善支援などの取組を進めているのは、こういう思いを込めてでございます。 地域金融機関においては、こうした施策も適切に活用しながら、地域の関係者と連携し、地域の個々の事業者に寄り添うと。その実情に応じて委員御指摘の経営改善、事業再生、事業転換支援などいわゆる本業支援を適切に実施していくことが重要であり、金融庁としても、こうした趣旨を繰り返し金融機関に要請をしております。 本日御審議いただいている法案においても、銀行などの本体における業務として、その経営資源活用して営むデジタル化や地方創生など、持続可能な社会、まさに地域社会の構築に資する業務を追加し、具体的内容は内閣府令で定めることとしております。従来、監督指針において明記してきたコンサルティング業務も業務として明確に位置付ける予定です。 地域金融機関においては地域の事業者に寄り添った支援に積極的に取り組んでいただきたいと考えており、金融庁としては引き続き地域金融機関による事業者支援が適切に行われるよう全力でフォローしてまいります。
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 残った時間で、外貨建て保険の規制強化についてお伺いをしておきたいと思います。 この外貨建て保険に関する規制、監督を行うということで、この準備積立金のルールを設けることで保険会社の財務の健全性を高めて契約者を保護しようとする狙いということでお聞きをしているところでありますけれども、この規制強化の検討をしようとした背景、目的、それからもう一つ、どういった利益を期待をするかということをちょっとこれお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 今お話がありましたように、金融庁におきましては、外貨建て保険を標準責任準備金制度の対象とするという制度案を先月公表させていただきまして、現在パブリックコメントを募集しているところでございます。 この背景について申し上げますと、保険会社におきましては、将来における保険金の支払等に備えるため、保険業法に基づき、引当金の一種であります責任準備金の積立てが求められております。このうち、長期の保険契約につきましては、責任準備金の積立てに用いる予定利率を含めまして、監督当局が定める積立て方法に基づいて責任準備金を計算する標準責任準備金制度を設けておりますけれども、現在、外貨建て保険はその対象外とされております。 こうした中で、外貨建て保険につきましては、予定利率の高さを売り物にして近年販売量が増加傾向にあるわけでございますけれども、各保険会社においては、自由な競争を行っていただきつつも、将来の保険金を確実に支払うための原資を責任準備金として確保していただく必要があると考えておりまして、こうした認識の下、健全な競争環境を整備し、保険契約者等を保護する観点から外貨建て保険を責任準備金制度の対象にすべく検討を進めているところでございまして、まさに今申し上げましたように、保険契約者等の保護ということが第一というふうに考えております。
○秋野公造君 ちょっと先走りし過ぎているわけですけれども、これがもしもかなったならば保険会社の販売行動にどのような影響があると思われるか、ちょっとこれもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) 今回の制度整備におきましては、保険会社各社の販売やリスク管理等の実態にも配慮をいたしましてルールを設けましたことから、これによりまして直ちに販売停止が起こるとかそういうような大きな影響が出るものではないというふうに考えております。 我々といたしましては、新たなルールの下で、保険会社各社が価格面だけではなくて商品内容、サービス面で顧客満足度を競い合うことで、ひいては外貨建て保険市場の健全な発展につながるということを期待しておるところでございます。
○秋野公造君 ありがとうございました。 大臣には、そして財務省、金融庁の皆様には、しっかり地域及び国民の皆様、守っていただきますよう改めてお願い申し上げまして、質疑を終わります。 ありがとうございました。
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。 今日、文化庁さんに来ていただいていますので、先に暗号資産の件につきまして順番入れ替えて質問させていただきます。 今回の法案でもうたわれているデジタル化やグローバルな拠点再配置の加速への対応を実現するためにも、ブロックチェーン技術の普及、暗号資産ビジネスの発展を目指すことは重要です。 この枠組みでいえば、ブロックチェーンの仕組みを使って、アートや音楽などのデジタルデータを唯一無二の本物と証明できる非代替性トークン、すなわちノンファンジブルトークンのマーケットも急速に発展しており、国際的に注目がされております。日本のアニメ、漫画のキャラクターや、あるいはそのコンテンツは国際的に大変人気があり、こうしたノンファンジブルトークンを用いた取引を発展させることは、日本の文化の理解と関心を高めるのにも役立つのではないかと考えます。 そこでまず、文化庁にお伺いいたしますが、ノンファンジブルトークンがデジタルアートの世界で注目を集めているところ、こうしたブロックチェーン技術の活用は文化、芸術振興の観点からも重要であり、後押ししていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。 文化庁では、本年二月より文化審議会文化政策部会のアート市場活性化ワーキンググループ、ここにおきまして、アート市場活性化に関する議論を進めてまいりました。 委員御指摘のブロックチェーン技術などの最新技術の活用につきましては、このワーキンググループの取りまとめにおきましても、アート作品の来歴管理等に活用することにより、作品の真贋の見極めや作品の収益のアーティストへの還元などが可能となることから、アート市場の活性化に有用と、こういうふうにされてございます。 文化庁といたしましては、文化と経済の好循環を通じた文化芸術立国の実現に向けまして、このアート市場の活性化の取組を引き続き進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○音喜多駿君 有用であると前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。これ是非とも研究して、民間の取組の後押し、普及をしていただきたいと思います。 あわせて、麻生大臣にもお伺いしたいんですが、一昨年、このノンファンジブルトークンについて伺った際、いわゆる資金決済法上の暗号資産には該当しないというお答えをいただきまして、ブロックチェーン技術の発展そのものについては大臣からも重要性をいつも前向きに御答弁いただいております。 このノンファンジブルトークンは、日本の文化コンテンツ、世界に売る武器にもなり、社会的に今後有用に活用され得ると考えますが、ノンファンジブルトークンをどのように評価されているか、暗号資産ビジネス、フィンテックに関わる方も注目しておりますので、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる非対立性トークン、まあ指標ですかね、このノンファンジブルトークンというものの話に関しては、これは、そのコンテンツというものの管理とか、またいわゆる取引に今言われたように有用、非常にインチキがしにくいとかいろいろな理由があるんですけれども、そういったものでありますので、これは通称NFTと言われるこのノンファンジブルトークンとかいわゆるブロックチェーンとか、そういったようなものは、これは技術だけの話がよくされますけれども、これは一般論として、様々な主体というものが安全性の確保とか、何でしょうね、利用者の保護というものを十分に考えておかないと、分からない人は簡単に乗せられちゃう、だまされちゃうという話は十分にあり得ますので、この新たな技術をもってしてイノベーションとかいうようなものに挑戦していくということは望ましいんだと私どもはそう思っていますので、このNFTとかいうものの、そんなようなわけで、まあ一応コンテンツというようなものが極めて高額に取引なんかされていますからね。そういったものを見ると、これは音喜多さん、下手すると投機マネーというようなことになってきますので、そういったものも考えられるという声があるということも私どもは知っておかないかぬとは思っています。
○音喜多駿君 ありがとうございます。 このノンファンジブルトークン、NFTは日本社会にとって有益になる可能性が非常に高いものでありますから、これイノベーションの方を是非促進する形で取り組んでいただきたいと思います。 一方で、今大臣がまさに御指摘された保護の面の方なんですが、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会、FATFは、先日、マネロン対策の一環として、NFTなど革新的な分野についても監視対象となる可能性がある暗号資産関連ガイダンスの修正を行っています。これに対して、日本暗号資産ビジネス協会がパブリックコメントを行った上でFATFに意見書を提出するなど、極端な規制などを懸念する声も上がっています。 例えば、中でもFATFの暗号資産のサービスプロバイダー、VASPの定義が曖昧であるという声もあり、事業開発者もVASPに該当することになれば開発者の開発意欲を阻害することにもなりかねません。 この点、事業開発者はこのVASPに該当すると考えるかどうか、これをまず金融庁の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(白川俊介君) お答え申し上げます。 先生御指摘のFATFにおきましては、暗号資産サービスプロバイダーについて、顧客のため又はその代理として暗号資産の移転、交換等の行為を業として行う者というふうに定義しているところであります。 FATFの考え方では、このノンファンジブルトークンの事業開発者がその暗号資産サービスプロバイダーに当たるかどうかについては、マネーロンダリングやテロ資金供与対策の観点から、支払などに用いられるかというNFTの性質やNFTの移転、交換等を行うかという当該事業者の行為に従って個別具体的に判断するということと認識いたしております。 議員御指摘のその定義の曖昧さにつきましては、まさにFATFにおきまして暗号資産に関するガイダンスの改訂の中で定義の明確化に向けた作業を進めているものの、依然不明確であるという意見が寄せられていることも承知いたしております。 金融庁といたしましては、ガイダンスの最終化が適切に行われますよう、FATFでの議論に貢献してまいりたいと思います。
○音喜多駿君 個別に判断していくということで、まさに御答弁ありましたように、このFATFの規制内容、これ、今の現段階でそのまま受け止めると、極めて曖昧かつ際限なく拡大していくおそれがあります。産業育成を促進しつつ、FATFの要件を満たす形での規制、ここの落としどころと申しますか適正値を模索すべきであり、このまま行くと、先ほど文化庁からも前向きな答弁があったNFTの育成について、このFATFが阻害の要因ともなってしまいかねません。 最後、大臣、この曖昧なFATFの定義の是正を促して、今後有望な革新的技術、産業を育てる観点からも、金融庁として主体的にFATFに働きかけ、適切なルール作りを導く必要があると考えますが、麻生大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 一般にいわゆる暗号資産、何となく名前からして怪しげな名前に聞こえるんですけれども、いわゆる低いコストでの金融取引等々といった極めて安くうまくいくという肯定的な面がある一方に、何でしょうね、インターネット等々を尽くしてクロスボーダーでいろいろ安易に金が移動するということから、いわゆるテロの資金の供給になるとかマネーロンダリングに使われるとか、いろいろな、実施していくというに当たりましてはそういった点も両方考えにゃいかぬというのが事実なんだと思いますが。 これを踏まえて、FATF、ファイナンシャル・アクション・タスク・フォース、FATFの議論にもこれ積極的に我々もこれ参加させてもらっているんですけれども、今政府が申し上げましたように、バーチャルアセットのサービスプロバイダーというようなものに関して定義というものをきちんと明確化してもらわないとということをやらせていただいているんですが、これがなかなか、世界中いろんな御意見があってなかなか難しいんですけれども。 いずれにしても、ここがきちんとしないと、いろいろな新しいものが今出てきますから、そういったものに対して、これはいいけどこれは駄目という、じゃ定義はどこという話がなかなかできないので、そういった意味では、いろいろ御意見を踏まえながら、マネロンとかテロ資金の供給対策とかいうのの双方がやりながら、ちゃんとイノベーションもという、これ両方やっていくというので、これを私どもとしてはFATFに対してこの点を、片っ方の新しい出てくる芽を潰すんじゃなくて、こちらの方を抑えるという、両方、大変だろうけど、これやってもらわにゃしようがないということを我々としては、我々というか日本としてはFATFに対してそう申し込み続けてもう一年以上になりますかね、もう大分前になりますけど、今現状それが続いておるというのが現状です。
○音喜多駿君 ありがとうございます。まさに世界各国様々な事情や思惑があると思いますが、このルール作りを主導していくと、そしてイノベーションを促進していくこと非常に重要だと思いますので、是非麻生大臣のお力で更なる後押しをよろしくお願いしたいと思います。 では、残された時間で、法案のうち金商法に関する改正について質問させていただきます。 本改正案において、国際金融センターの実現のため、海外で当局による登録を受け、海外の顧客資金の運用実績がある投資運用業者及び海外のプロ投資家を顧客とするファンドの投資運用業者について、簡素な手続による参入制度が創設されました。このうち海外当局の登録を受けている業者については、最大で届出から五年間業務が可能となります。しかしながら、日本の市場ルールや監督方針と大きく異なる海外での登録では、投資家保護の観点、そして経済安保上の観点からも一抹の不安が残ります。 そこで、海外当局の範囲についてどのように定めることを予定されているか、金融庁の方針を伺います。少なくとも、我が国が行う調査協力の要請に応ずる保証がある外国金融商品取引規制当局である必要というのが一定程度あると考えますが、こちらの見解も併せて伺います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 今御指摘のございました今般の法改正で予定してございます一定の海外投資運用業者についての届出で業務を行ういわゆる移行期間特例制度でございますけれども、先生から御指摘がございましたように、海外当局に、そこから調査協力の要請に我々が何かあったときに応じてもらうということが大事でございます。 その観点からいたしまして、具体的な調査協力の要請に応じる保証がある外国金融商品取引規制当局というものにつきましては、例えば、国際的にIOSCO、証券監督者国際機構というものがございますけれども、そこが策定した枠組みでございます監督当局間のマルチMOU、協議・協力及び情報交換に関する多国間覚書というものがございます。その署名当局などを考えているところでございます。 その上で、海外当局の具体的な範囲につきましては、今後内閣府令で定めますけれども、現時点では、一般的に国際金融センターとされているような国・地域から定めることを想定しているところでございます。
○音喜多駿君 やはり経済安全保障の観点というのは重要だと思いますので、是非慎重な御検討をお願いしたいと思います。 お時間なくなりましたので、最後にこのテーマでも大臣、一つ、安全保障のこうした観点から、対内直接投資に係る対応強化の流れが国際的に見られる中、我が国の安全を脅かす可能性がある投資については、内外の情報収集に鋭意努めるとともに、実効的かつ機動的な対応を行えるよう、外為法を所管する財務省及び金商法を所管する金融庁は国益を踏まえた必要な措置を講ずべきと考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) この外国為替管理法につきましては、これは経済の健全な発展、健全な発展につながる対内直接投資というものを促進する上で、国の安全保障を損なうというようなおそれがある投資に対して適切に対応するべく、令和元年ですから、二年前の令和元年にこれ改正を行ったところであります。 国の安全を損なうということのないように、今後、関係省庁と適切に連絡をしていくんですが、その上で、日本に拠点を開設しようとしている海外の投資運用業者等々を念頭にして、今般の改正案で創設いたします移行期間特例業務と海外投資家等特例業務についても、これはあえて申し上げさせていただければ、移行期間特例業務の主な運用対象というのは海外企業。また、いずれの特例業務につきましても、通常の投資運用業者と同じ、いわゆる人的構成とか体制整備とかいったような参入要件とすることなどのいろいろ措置をやらせていただいておりますので、私どもとしては、これ、今御懸念のありました点についても十分に配慮した上で、新たな運用状況についてしっかりと注視をしていくと同時に、参入事業者に対して必要な規制、監督等々を併せて行ってまいりたいと考えております。
○音喜多駿君 ありがとうございます。終わります。
○委員長(佐藤信秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として石井正弘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤信秋君) 休憩前に引き続き、新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上田清司君 国民民主党・新緑風会、新緑風会の上田清司でございます。 大臣には、毎日御苦労さまです。 本論に入る前に、法案の名称についていかがかなと思いましたので、二年で二%の物価上昇を実現するという日銀の異次元の金融緩和、超低金利政策の長期化によって、メガバンク並びに地域の、地方の金融機関が本業が相当ダメージを受けたわけであります。本法案は、コロナウイルス感染等の影響による社会経済情勢の変化に対応するためと、主たる理由にコロナウイルス感染等と言っておりますが、主たる理由はほかにある以上、法案のタイトルは問題ではないかと。元々、日銀による異次元の金融緩和と超低金利政策の長期化に加えて、コロナウイルス感染症に対応して金融の機能強化及び安定確保を図るための銀行法の一部を改正する法律案とすべきだったのではないかと。 先ほども宮島議員が質問されていて、麻生大臣も、コロナ感染症は一年四か月の間だと、その前からいろいろ課題があったとはっきり言っておられて、物事には主と従がありますが、何かコロナにかこつけてという感じがしないでもありませんので、率直に、法案の趣旨は、やはり金融機関が収益を上げられなくなっている状況だと、低金利によってですね、ゆえにいろんな形で業務を拡大することを、縛りを解こうじゃないかというのがこの法案の趣旨でありまして、コロナ感染症対策からきたものでは基本的にはない、これは従であると、物事には主と従がありますが、主は本当は何なのか、副総理、財務大臣兼金融担当大臣の率直な意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 上田先生の御指摘、前から同じような御意見などほかの会議でも伺っておりましたけれども、御存じのように、この低金利、超低金利の環境の中にあります金融機関を救済するため、いわゆる銀行、特に地銀、第二地銀等々に対して収益を得やすいような体制にしてやるためにやるということではありません。 これは、あくまでも地方創生とかこれからデジタル化とか、いろいろな意味で地域社会にとりましては極めて重要な問題が幾つも抱えておるんですが、それに対応していくためには地域の金融機関もこれは積極的な関与をやっていかぬと地域の事業というのは伸びていきませんので、私どもとしてはその点が主でありまして、御指摘のとおり、銀行をめぐりましては、資金の需要の、そうですね、継続的な減少、企業が資本を、かつてに比べて自己資本比率は極めて高くなっておりますから、そういったものもありますし、超低金利環境というものも長く続いておりますので、経営環境が厳しさを増しておりますのも事実。また、日本全体でいえば、人口減少もありましょうし、少子高齢化もありますし、いろいろなものがいわゆる重なり合いまして、地域が活性化していく、若しくはさせていくということが喫緊の課題となっておると思っております。 加えて、御指摘のとおり、昨年からいわゆるコロナによって社会経済が大きな影響を与えられているのは事実でありまして、まあ日本に限りませんけれども、企業の中では財務面に対する対応をやらないかぬ。借金でこらえてきていますけど、財務体質としては悪くなっているわけですから。 また同時に、デジタル化というんで、デジタルトランスフォーメーションなんてにも取り組まなきゃならぬということもありますので、銀行にしてみればそういったものに対しては今までとはちょっと違った意味で支援してやらないかぬということになっておりますので、私どもとしては、金融機関というものをきちんと、今別に相対的に決して悪いわけではありませんけれども、きちんとさせておくということをやらないとポストコロナの時代にはなかなか対応し切れないということになると思っておりますので、そういった業務がしやすいように、デジタル化とか地方創生、そういった業務にしやすいようにするということの措置を基本的に考えているというふうに御理解いただければ幸いです。
○上田清司君 失敗したと思いました。答弁が長くなってしまって、余計なことを聞いてしまったと思いました。でも、法案のタイトルは大事でありますので、是非今後は注意をしていただきたいと思います。 本法案が示すデジタル化は時代の趨勢、あるいはまた地方創生は元々地域金融機関の得意とするところでございますし、情報、人材の宝庫でもありますし、地方においてはむしろメガバンクよりも地域の金融機関の方がそのシェアも多い。改めて確認させていただければ、大体、大都市圏を除くと九割が、メガバンクじゃなくて地銀を始めとする地域の金融機関が実務を担っているという状況がございます。私の出身の埼玉県でも、実は八割が地元の金融機関で、メガバンクは二割しかありません。そのような状況を考えると、今回の法案は時宜には合っている。 反面、もうこれまでにも、地域金融機関は収益の悪化、人口減などによって既に支店の統廃合、人員削減などやって、地方の衰退にある意味では一役買っているんですね、もう既に。本法案の業務範囲の見直しにあって、ともすれば地域金融機関の関連会社だけが拡大してその他は衰退するというような、まさに一将成って万骨枯れるような状態になってしまっては何の利益にもならないと思います。 そこで、これはもう細かい話になりますので政府参考人にお伺いしたいと思います。 他業務認可について、個別列挙がなく、内閣府令によって実地状況を踏まえ追加と、こういうふうな考え方が出ているところですが、後で内閣府令によって実施状況を踏まえて追加と。いろいろ課題が出てくるだろうと。もうこの法案は課題だらけだと私は思っているんです。その課題が出てくることを予測された上で、他業務認可のポイントはどんなふうに考えておられるのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 まさに先生からも御指摘ございましたように、状況はまさに制度が実際に実施されて以来いろいろ変化をしてくるというふうに考えてございます。既に顕在化している課題のほか、社会経済環境、地域の状況、利用者ニーズというものが変わってまいりますので、適時適切にその中身についても見直していくということかと思ってございます。 具体的な認可の対象となります業務の範囲、例えば子会社で今回、銀行業高度化等会社というものが考えられるわけでございますけれども、こういった業務につきましては、必ずしもその担い手が十分に存在しないで銀行グループが営むことへの期待が高いという業務ですとか、それから銀行グループが営むということについて社会的にも合理的だというふうに認められている業務というものを対象としていくという考え方でございますし、その際には、御質疑の中でもいただいてございます他業リスク、それから優越的地位の濫用、利益相反取引の著しいおそれといったものについてもチェックして、先生の御指摘どおり内閣府令に列挙していくということを考えているところでございます。
○上田清司君 加えて、もう一つお伺いしたいと思います。 従属業務会社について、法令上の個別認可は不要で、必要に応じてガイドラインで考え方を示すということですが、このガイドラインのそもそもの考え方というのはどのようになっているか、それをまず伺いたいと思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 先生御指摘の従属業務と申しますのは、銀行グループが、例えばいわゆるバックオフィス業務、印刷とか製本を考えている、念頭に置いてございますけれども、それを自社グループのために行う場合という場合に従属業務会社を保有するということが認められているわけでございます。 そのガイドラインというお尋ねでございます。 元々は、法令の中で数値基準、つまり、グループのためのものでございますので、収入の一定割合をそのグループから得るというものがございまして、それがあったわけでございますけれども、この数値基準がございますと、実際のその運用上、過度に保守的にならざるを得ないというような指摘もあるということでございましたので、この数値基準を廃止いたしまして、今度はガイドラインということで考えているところでございます。 具体的には、銀行グループが、バックオフィス業務について柔軟に合理化、効率化が図られるように、グループのためにその業務を営んでいるということのみがはっきりするように、その考え方をガイドラインで示すということでございまして、数値基準を撤廃した、要は過度に保守的になるようなことが行われないような形に配意しながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○上田清司君 この法案は、ある意味では銀行は何でもできると言っても過言でないぐらい業務範囲が広がるわけであります。そんなことも意識して、この法案の附則の四十四条に、検討状況を踏まえ、必要があると認めるときは、施行後五年をめどに見直すとありますね。まさに、この課題というものがあり得るということを前提にした形で附則も設定されているわけであります。私は、早ければ、これ、五年という話ではなくて、二年、三年ぐらいでもう既にハレーションが現場で起きてくる可能性が高いんではないかというふうに思っております。そのときは、五年を目途に見直すという形では間に合わない感じがあります。 そういう意味で、私は、ここを大臣にちょっと最後に、時間になりましたので聞きたいんですが、今言ったように、様々な形の部分において、今すぐの形での基準とかそういうものは余りなくて、事実上、このガイドラインであるとか、あるいは内閣府令で決めていくとか、そういう考え方になっておりますので、五年を目途に検討するということだけでは現実にどこかでいろんなハレーションが起きたときに間に合わないではないかと。そこからガイドラインを作りますとか、そこからちゃんと、きちっと内閣府令によって個別列挙をしますとかじゃ間に合わないので、やはりこれは何かハレーションが起きたときに何らかの形できちっと指導ができるような仕組みづくりについて何か担保を持つようなことができないかということを、例えばアイデアとしてこんなことだってできるんじゃないかとかそういうものがあれば、大臣の言葉の中で確認をさせていただければ大変有り難い。要するに、問題があればすぐ対応しますよという、こういう答弁をいただきたいと思っています。
○国務大臣(麻生太郎君) これは埼玉県でも、大都市になるとよくある話ですけど、銀行って、例えば、町の中のいいところの角地にあるんですけれども、土地が扱えないものですから、銀行って一番低い建物なのよ。その上、空いている。上、使えばいいじゃないですかと、都心部にと。今使えませんから、というようなことをやれるようになると。一つの例ですよ。だんだんだんだんこれ止めどもなくなると、あのビルもこのビルも全部自分でやるという話になってくると不動産業に対する圧迫になると、簡単に言えばそういう例だと思いますけれども。 そういった意味では、優越的な地位というのの濫用ということになり得る可能性がある。これは、一九八〇年代、よく言われたところに基づいて銀行法というのは改正しておりますので、私どももそういったところはよく考えて、内閣府令というのを列挙して認可基準というのを緩和することにしておりますけれども、御存じのように、逆に言えば内閣府令というものは課題が顕在化した場合はすぐまたやり直せると、やり直せるというか、変更することができるということになっておりますので、そういった事態になりましたら機動的に対応するということは当然のことだと思います。
○上田清司君 適切な答弁ありがとうございました。 終わります。
○大門実紀史君 法案に関連して、株式市場における個人投資家の保護についてお聞きをいたします。 金融庁は、若者を含めて一般個人の投資を増やそうとされてきました。特にこの間、ネット証券の各社も手数料ゼロを売りに若者を取り込もうということに力を入れております。ネット、スマホを使った二十代、三十代の若者の株投資が急増しております。こういう素人といいますかね、よく分からない人まで呼び込んできているわけですが、今の株式市場は個人の、あるいはもうはっきり言って素人の投資家に向けて公平公正なものになっているかと、むしろそういう個人、素人投資家がプロ集団の食い物にされてはいないかという点が大変懸念されるところでございます。 この点で、この間、問題が指摘されているのが高速取引ということであります。資料をお配りいたしましたけれど、これは日経新聞の資料でございますが、まず金融庁、この高速取引、HFTと書いていますが、どんなものか簡潔に説明をお願いします。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 御指摘の高速取引、HFT、ハイ・フリークエンシー・トレーディングというものでございますけれども、一般に、コンピュータープログラムなどにおいてあらかじめ定められましたルール、いわゆるアルゴリズムと申しておりますけれども、それに従って、株式ですとかそれからデリバティブの取引市場において、高速かつ高頻度で株式などのそういった取引、自動売買を繰り返す取引手法というものを指しているということでございます。 こういった者につきましては二〇一八年に登録制を導入させていただいて、現在五十五社が高速取引行為の登録を受けているという状況でございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 HFT、ハイ・フリークエンシー、フリークエンシーというのは回数ですね、トレーディングですから、回数の多い、高頻度で繰り返される取引というようなことかと思います。 コンピューターを駆使した超高速の金融取引で、おっしゃったように、説明あったように、アルゴリズムを、つまり、過去の株なら株の価格の動きを統計的に分析をして、百ミリ秒から三百ミリ秒の超高速で、一秒間に千回以上の高頻度で売買を繰り返すんですね。当然、生の人間にはできませんので、コンピューターが自動売買をすると。その僅かな値幅、瞬時の動きを捉えて売買やって、その利益を積み上げるということであります。これはやっぱりミリ秒での取引ですから、専用のアルゴリズム、高速演算できる、計算できるコンピューター、あと回線ですね、超高速回線などの設備が必要でありますので、誰にでもできるわけではありません。 ここに、そこに、そういうシステムの下に独自の情報源とか銘柄選定、予測などを行うと、それをAI、人工知能が連動して、そこに巨額の投資資金を背景に利益を上げているというような仕組みで、これが実は現在の投資の世界の現実でございます。 この委員会で東京証券取引所の視察も一回やりましたし、私もニューヨークの証券取引所、参議院の調査団で行かせてもらって見ましたけれど、今や立会い取引、人がいないんですよね、もうほとんどいないんですよね。もうみんなコンピューターがやっているという世界でございます。 図にありますように、一般の投資家というのはそういうことをできませんから、証券会社を通じて取引するだけですけれども、ヘッジファンドとかHFT、高速取引業者は、今申し上げた専用の設備、特別のコンピューターシステムを持って売買を繰り返しているわけであります。この記事の下の方に線を引いてございますけれども、このことについて、やっぱり不公平感といいますか、批判的な声が出ているということで、株価情報をいち早く取得し、ほかの投資家に先駆けて取引をする手法について批判的な声もあるというふうに記事ではなっております。 ちょうど四日前に、五月十四日に、テレビ東京の「ガイアの夜明け」という番組がございますけれども、その中で今の株価バブルのことを特集しておりましたけれども、今、株式市場に、先ほど申し上げたように、たくさんの若者、特に女性も増えております。そういう新人の、素人の新人投資家が急増しているということを放映しておりました。その中で、株式市場の知られざる主役、知られざる主役ということで紹介されていたのがこの高速取引業者でございます。今や、東証一部の売買代金三兆円のうち半分以上がこの超高速取引業者が占めているということでございます。当然、一般の投資家からは、まねができないスピードのHFTに対して不公平だと、ずるいという声が出ております。圧倒的なスピードでほかの投資家が得られるべき利益をもうかすめ取っていくということの不満が出ているわけでございます。 ですから、こういう今このHFT、高速取引業者が席巻している中で、一般の個人投資家、ましてや若者や素人の、新人、素人が太刀打ちできるわけがないと、それどころか食い物にされているんじゃないかと。 ある有名な投資家は、名前言えばすぐ分かる方でございますけど、ブログでこんなことを書いておられました。個人投資家というのは無抵抗な養分にすぎないと。つまり、個人や素人が投資してくれたお金の分、パイが広がるし、流動性が高まって、いろんなチャンス、隙が生まれる、その動きの隙を利用してHFT業者がもうかると、もうけているということで、個人、素人はうまみともうけをもたらしてくれる養分だというようなことをもう専門家が言っているという、そういう世界になっております。 このHFT、高速取引業者については様々な問題点が指摘、既に指摘されてまいりまして、金融審議会も、昨年十二月、最良執行のあり方に関するタスクフォースを立ち上げられました。資料の二枚目に、その中に端的にこの高速取引事業者に、問題点が端的に書いてございますが、金融庁、この資料について、概略で結構です、簡単に説明をお願いします。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 先生の配付資料にございます高速取引行為に関する規制のまず背景でございますけれども、先ほど来御指摘のございます高速取引業者、日本におきましては、二〇一〇年の一月に、東京証券取引所の取引システム、アローヘッドと申しておりますけれども、そこが導入されまして、注文処理速度が、スピードが非常に速くなりましたのと、それから、先生の御指摘にもございましたけれども、設備を置かなきゃいけないということで、その取引所の売買システムに近接した場所に取引参加者、HFTなどのサーバーを置けるというサービスも提供されております。そういう背景がございまして、資料にございますようなHFTの広がりというのが見られたところでございます。 元々、二〇一六年の金融審議会でございますけれども、一方で、HFTにつきましては、市場に流動性を供給すると申しますか、取引がしやすくなるということですとか、スプレッド、売りと買いのスプレッドが縮まるんじゃないかという恩恵も指摘されている一方で、市場の安定性、効率性、それから、先生の御指摘にもございました投資家間の公平性と、それから本当に中長期的な企業価値に基づく価格形成がなされるのだろうかといったような観点からの懸念も指摘されたところでございます。 こうした状況を踏まえまして、当局や取引所が高速取引を行う者から直接情報を収集するという枠組みを構築するということで二〇一七年の五月に金商法を改正いたしまして、高速取引を行う者の登録を義務付けるとともに、義務付けて体制整備やリスク管理を求めるとともに、当局への情報提供といった枠組みを整備したところでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 その流動性が供給されているという点も、結局、誰のための流動性なのかという点があるわけでありますね。 その上で、問題点がここに書かれているようにたくさん指摘されております。市場で何かがあると加速度的に反応してマーケットが一方的に動くと、市場を混乱させるおそれ。さっきから言った、太刀打ちできないですよね、一般投資家は、そういう不公平感。個人や中長期的な投資をやろうとする人たちを市場から遠ざけてしまうと、本来的な意味の投資家を遠ざけてしまう。あるいは、高速取引業者は短期売買でもうけようとしますから、価格形成が、本来の株価の価格形成が阻害されるおそれがあると。瞬時に、何かあると瞬時に市場全体に異常な事態が伝播するとか、あるいはアルゴリズム用いた相場操縦、アルゴリズムで相場操縦するというような不正取引の事案も出ているということで、要するに、余りいいことはないということですね、いいことはないということでございます。 どういう事業者が具体的にやっているのかというと、次の資料ですけれど、高速取引行為者登録一覧表ということであります。 ちなみに、このコンピューター売買というのは株取引においてそもそもなぜ最初に始まったかというと、これはリーマン・ショックのときが特にそうだったわけですけど、株が暴落して急落していくと、お客さんはみんな株を売りたがりますよね、もっと下がる前にと、そのときに証券会社に電話するわけですね。ところが、証券会社でその売買に応じるとまた株が下がるので、証券会社の社員が、アメリカの話ですけれども、電話を取りたがらないと、注文を受けたがらないというようなことがあって、それが後で指摘されて、そういう恣意的なことは駄目だということでコンピューター売買というものが最初始まったと言われております。 それが今やアルゴリズム、AI、高速回線、全部乗っかって、もうモンスターのようなものになってしまったと。それがこの高速取引、HFTだということなんですね。それをやっているのがこの一覧表の事業者でありまして、一つだけ日本の企業が出てきております。ダルマ・キャピタルということで、これは「ガイアの夜明け」でも取り上げられておりましたけど、そういう世界でございますから、物理とか数学の専門家がシステムをつくるわけですね。国際金融都市を目指すという福岡がこの取引所を活性化させるためにダルマ・キャピタルを誘致したということでございますが、あとはもうみんな海外の事業者でございます。 金融庁に伺いますけど、今回の法改正の目玉の方向ですが、日本が国際金融都市を目指すということになりますと、こういう海外の、海外のHFT、高速取引業者を更に呼び込むということになるんではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。 国際金融センター確立に向けた取組は、約千九百兆円の家計金融資産、そのうち約千兆円が現預金で保有されているという実態を踏まえ、これを生かす観点から、海外資産運用業者等の参入促進を目指すものであります。 委員御指摘のとおり、国内HFT業者のダルマ・キャピタルが福岡に拠点を設けたと、設けるということは承知しておりますが、国際金融センター確立のための施策は資産運用業者等を対象とするものでありまして、高速取引行為者、いわゆるHFTは、今般御審議いただいている金融商品取引法上の簡素な参入手続の創設や、法人税、所得税といった税制上の措置、在留資格の緩和等の今般の諸施策の対象とはしていないところであります。
○大門実紀史君 それは知っておりますが、国際金融取引というのが、私はそれがそもそもちょっと疑問なんですけれども、いずれにせよ、こういうHFT事業者が、高速取引事業者が更に入ってくる方向になるのは間違いないと、そういう流れだというふうに思います。 そういう、こういう危ない、何といいますかね、自分たちだけもうけるような、モンスターのような事業者が増えるということが、冒頭申し上げました日本の投資家に、特に個人投資家にとって、あるいは健全な市場の発展にとってどうなのかということが懸念されるわけであります。この点では、既に日本で起きた事件といいますか、問題がございますので、それを振り返っておく必要があると思います。 資料の四枚目でございますが、これは二〇一九年十月に、SBI証券がこの高速取引を通じて、高速取引を通じて一般の投資家に不利益を与えたので大問題になったことであります。 御存じのとおり、SBIグループの創業者は、もう有名な方でございますが、北尾吉孝さんでございまして、金融庁ともいろいろ関係が深いといいますか、やり手の事業者の方でありますけれども、何をやったかといいますと、要するに、SBI証券が、SBI証券がその自分たちの、SBI証券を利用していただいている一般の投資家の、SBI証券を利用している一般の投資家の売り買いの情報をHFT、高速取引業者に情報を開示したと、開示した。で、HFT、高速取引業者はその情報を基にして先回りして売り買いをして利益を得たと、一般の個人投資家が損を被ったという事件といいますか、問題だったわけであります。 記事の冒頭にも書かれておりますけれども、株の売買注文を出したら何者かに瞬時に先回りされていると、個人投資家から最近こんな声が上がるようになったと。その不満はSBI証券の利用者からのものだと。探ると、高速で売買を繰り返すHFTの業者の関与が見えてきたと。これは、アメリカの作家マイケル・ルイスが二〇一四年に著書「フラッシュ・ボーイズ」で描いた米国株市場の状況が日本でも繰り返されようとしていると。ちなみに、「フラッシュ・ボーイズ」というのは、ここにありますけど、今、文春文庫になっていますが、アメリカの高速取引業者の姿を描いた実話小説でございまして、大変サスペンスとしても面白い本でございますので是非一読されたらよく分かると思いますが、こんな話題になった話が、日本でももう始まっているということでございます。 この記事ではないんですけど、当時の記事を見ますと、いろんなこと、この記事にも書かれていますね。十月以降は、十月以降というのはこのSBI証券が方法、方式を変えて情報を見せるようにした以降なんですけれども、露骨な先回りで利益をかすめ取られるようになった、注文を出した途端、さっきまで見ていた最良の板、気配値が奪われると。体感では、体感では約三分の一の注文が誰かに先回りされているという感じを持ったということが書かれておりますし、当時の関連記事ではもっといろんな不満の声が出されております。例えば、まるで人気店のお店の前で並んでいたら突然割り込まれたような感覚だとか、とにかくこのアルゴリズムを使いこなす一部の業者が利益を得て、大多数の投資家は損をしていると。株式市場は公平ではないということが、当時、いろんなそういう声が、新聞記事を見ると出ております。 少し詳しく、この図が、図表が分かりやすいので簡単に仕組みを申し上げますと、SBIは、東証、東京証券取引所だけで取引をしているわけではありません。関連会社が運営する私設取引所、いわゆるPTSですね、PTSでも取引をしております。この図の真ん中にありますジャパンネクストというのがSBIの関連会社、SBIグループの関連会社の私設取引所、ジャパンネクストPTSでございます。 どういうことが行われたかというと、SBIは、投資家から注文を、投資家が注文を行ったときに、複数の市場から、東証でもいいし、このジャパンネクストでもいいんですけれども、複数の市場から自動的に、自動的に最も利益が出る市場を選択して発注するシステムを持っております。その際、ごく短時間、注文が即座に約定しない際に、板情報、売りと買いのこの情報が百ミリ秒から三百ミリ秒といった、もう瞬時、非常に短い時間に板情報がHFT業者に見られる、注文データが見えるという状態にしたわけであります。HFT、高速取引業者はそれを見て、もう瞬時のうちに、個人投資家が買おうとしている、売ろうとしているその情報を見て、先回りして取引を行って利益を得たということでありまして、言い換えれば、SBIが意図的にこういう高速取引業者が見られるように一般顧客の注文データを高速取引業者向けに解除してあげたと、先回りできるようにしてあげたということでございます。 というのは、実はこのときまでは、二〇一九年十月の以前はSBIもこういう注文データがほかの人に見られない仕組み、システムだったんですが、わざわざやり方変更して、見られる方向に変えたから、SBIを利用していた個人投資家は、十月以降急におかしなことになっていると、先回りされているということになったわけであります。当然目的は、SBI証券にこのHFT、高速取引業者を呼び込んで、呼び込むことによってSBIは売上げを伸ばそうとしたということに、それが目的でこういうことをやったということになります。 ただ、この問題で批判を、もう当たり前ですけど、わあっと批判を受けまして、SBIは、この百ミリ秒から三百ミリ秒、一瞬ですけど、見える状態というのをゼロミリ秒に設定して見えないように変えました。元に戻したということになります。 ただ、それだけで済ましていい問題なのかということがあるわけでありまして、個人投資家に損害を与えたSBIの責任はどうなるのかということであります。 これは、先月、四月七日の金融審議会のタスクフォースでもある委員の方が、このSBIがこういうことをやっておいて元に戻しましたと、もうそれでいいんだみたいな開き直りをしていると、こんなことほっといていいのかということを金融審議会のタスクフォースでも指摘をされております。 これは参考人にまず聞きますけど、金融庁としてこのSBI問題をどう考えているのか。今後こういうことはないようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、一般論として、先生御指摘のように、高速取引行為者が、例えば、例にございましたけれども、取引所とそれからPTSという、複数ございますそこの価格差、時間と価格がずれてくるわけでございますけれども、それを利用いたしまして、一般投資家よりも有利な価格で注文を約定されるという場合があると指摘されてございます。 こういった時間差から生じる複数の取引施設間のその価格差を利用したHFTの投資戦略、一般にレーテンシーアービトラージという用語で呼ばさせていただいています。このレーテンシーアービトラージをどういうふうに取り扱うかというのが先生の御指摘のございました金融審議会の最良執行のあり方に関するタスクフォースでも議論させていただいているところでございます。審議会の議論の中では、こういった戦略に対して、どうした方向、どういうふうに保護するかというやり方も今まさに様々なものが出てきているところであるというふうに承知してございます。 そういう、どういうふうにして顧客の利益を確保すべきかといった点につきましては、タスクフォースの専門家の意見も参考にしながら、是非検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○大門実紀史君 至急検討していただきたいと思います。 そのSBI証券は、先月、二十五歳以下の若者に対して株の売買手数料無料化を打ち出して、若者を取り込もうということで戦略を練っておりますので、この問題、こういうことをうやむやにして顧客の拡大、特に素人の人たちを引き寄せるというのは大変不安だということを申し上げておきたいと思います。 麻生大臣に、SBIはちょっとおいておいて、この全体ですね、高速取引事業者全体どう見るかという点で一言伺いたいと思うんですけど、今日、ちょっと今申し上げたように、素人というか個人投資家だけではなくて、いろんな人が食い物にされていると。関係者でさえ養分だと、そういう人たちはというような、言われるようなことが続くようでは、やっぱり健全な株式市場の発展とか、ましてや国際金融都市云々もないんじゃないかと思います。 まず、もうちょっと健全な市場にするためにもいろいろ考えなきゃいけないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) このハイ・フリークエンシー・トレーディングというこの話は、これは結構長い話なんですけれども、流動性が厚くなりますからいいんじゃねえかというのも当然一方にあるんですけれども、これ、一種の特殊技能を持っている人以外の人はそのゲームに入れませんから、そういった意味では太刀打ちできないということになりますので、これは、何でしょうね、投資家間の公平な機会の平等というのは、明らかにこれは偏ったことになりますので、そういった意味ではいかがなものかということで、あれは二年ぐらい前だったかな、登録制をこれ採用して体制の整備したところというところぐらいなんだと思いますが、今後、これ引き続きこの実態把握をやっていかないと、これはとてもじゃない、もっと速くなってくるなんということになってくると、いろいろな意味で、ちょっと間違いがあってもぼおんと行って、それ影響が、株価全体に与える影響にも響いてきますし、二つ、三つの言葉を入れるとそれで、それで反応しますので、そういったようなものを見ますと、ちょっとこれ、いろいろ、今後こういった問題点があるということをよく理解をしておいた上でこの種の問題に対応していく必要があるだろうと思って、更に技術が進むとちょっと恐ろしいことになりはせぬかなと、いろんなことをちょっと考えております。
○大門実紀史君 時間が来てしまいましたので、次の資料とか、このダークプールの問題もまた非常に闇の世界でございまして、大変な問題があるわけでございますが、次回質問したいと思いますが、いろいろ、このダークプールも含めて、高速取引も含めて、今の株式市場が誰かの、誰か力のある人に有利になって一般の人たちはただ巻き込まれて養分にされているだけみたいなことが指摘されるぐらいの状況になっておりますので、健全化ということを引き続き努力していただきたいということを申し上げて、時間になりましたので終わります。 ありがとうございました。
○浜田聡君 参議院みんなの党会派所属、浜田聡です。最後の質問、よろしくお願いします。 昨日、私の所属する政党では党名変更を行いました。二〇一九年の参議院選挙でNHKから国民を守る党として議席をいただきましたが、その後、党名変更を繰り返させていただきまして、新しい党名は古い政党から国民を守る党でございます。 これまでの衆参の国政選挙におきましては、既成政党の方が非常に有利な制度になっておりまして、新たに国政に挑戦しようとするいわゆる諸派と言われる方にとってはハードルが高い状況でございます。そういった諸派の皆様の力を結集して、我が党が持つ国政政党としての選挙上のメリットも利用して、何とか国会で影響力を増していけるよう目指していきたいと思い、今回、党名変更もさせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。 今回の審議対象となる法案について幾つかお聞きしていきたいと思います。 まず、先ほど上田委員の指摘もありましたが、法案の名前についての質問をさせていただきます。 この法案の名前ですが、新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案というものでございます。まず感じることなんですけど、法案の名前がいささか長過ぎるのではないかと思いました。 今回の法案の内容については、第二次安倍政権時の日本経済再生本部の産業競争力会議によって提案されてきたものを、二〇二〇年の菅政権も成長戦略会議において継続して提起されてきた事項ではないかと思います。仮にコロナ禍にならなくても、今回の改正案の内容というのは導入予定で、ある意味、既定路線であったんではないかと推察します。コロナ禍というのは確かに大変なんですけど、一方で、この法案内容、これまでの経緯を考えると、あえてコロナ禍に絡める必要もないようにも思いました。 今回法案提出された金融庁の麻生大臣にお聞きします。 今回のように長い法案名でなく、ただ単純に銀行法等を改正する法律案でもよかったのではないかと思ったのですが、このような法案になった理由を教えてもらえますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 法案の名前が長いって、別にこの法案に限らずほかの法案も長いのがいっぱいあるのは確かなんですが、今おっしゃるようなところ分からぬわけではありませんけれども。 金融制度審議会のワーキング・グループにおいて検討の場がありまして、私の方から昨年の九月にこれ諮問を、九月だったかな、諮問を行ったんですが、新型コロナウイルス感染症の影響によって、このデジタル化とか地方創生とかいう話がこれからやらにゃいかぬという、地方経済を活性化するためにやらにゃいかぬ大事なところなんですが、その際に、いろんな変化が生じているということに対応して、地方の金融機関が特に社会経済において発揮する機能というものをこれ強化をしていかないと、デジタル化とか地方創生等やるときには企業の、銀行の方も体質がないとかいろんな、力がないとかいうことになりかねません。 金融システムの安定の確保を図るための改正というのを提案するものなので、こうした考え方を明らかにするので、長過ぎて不適切という、説明がそこまでする必要がないとかいろんな理由は考えられるとは思いますけれども、不適切という考えではなくて、長過ぎるというのは分からぬことはありませんけれども、不適切と考えているわけではございません。
○浜田聡君 ありがとうございます。 名前を長くすることで、説明が加わって分かりやすくなる場合もあると思いますが、余計な文言が入ってかえって分かりにくくなる場合もあると思います。今回の法案名についてはちょっと後者のように感じたため、質問させていただきました。 続きまして、法案内容を提案してきたと思われる成長戦略会議について質問させていただこうと思います。 この成長戦略会議の議員のメンバーであるデービッド・アトキンソン氏について二つほど質問させていただきたいと思います。 この方は、日本に愛着を持っておられるようで、茶道など造詣が深いと聞いております。日本の文化財であったり観光政策に関する提言を積極的にされておりまして、実績を買われて現在の立場におられることと思います。 この方がおっしゃる意見の中で次のようなものがあります。大企業の生産性が次第に向上している一方、中小企業の生産性は長年低迷しており、成長や再編によって大きくなれない中小企業は消えてもらうしかないというものでございます。規模の経済であったりスケールメリットという言葉がありますので、この方の言うように、企業統合で生産性が向上するという主張についてはある意味一般的な考え方と言えるかと思います。個人的には、生産性向上を目指すことについては賛同いたします。 一方で、多くの中小企業というのは得意な分野があるいはニッチな分野でその才能を発揮しているとも言えます。したがって、経営統合を行ったからといって簡単にシナジー効果が生まれるほど単純でないケースもあると思います。それどころか、統合に伴うコストであったりリスクの方が経営にダメージを与える可能性もあると思います。生産性の低い中小企業を淘汰していくべしという旨の意見に不安視する声が多くあるのではないかと思います。 そこで、中小企業庁の方にお聞きします。 このようなデービッド・アトキンソン氏の主張を不安視する意見に対する反論があれば教えていただきたく思います。
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。 ちょっと特定の個人の方々、御本人がいらしているわけでもございませんので、ちょっと特定の個人の御見解ということでなく、一般論として申し上げたいと思います。 中小企業の数が多過ぎるために合併や淘汰を進めるべきというふうには考えてございません。もちろん、その中小企業の生産性を向上させるという部分でございます足腰を強くしていくという、ここの部分の施策はやっぱり推進していくということが政府の役割だと思っております。今委員から御指摘ありましたように、中小企業・小規模事業者の役割も多種多様だと思っております。 例えば、海外で競争を目指すという中小企業の方もいらっしゃいます。こういった方々については、中堅企業への成長を支援していくということが大事だと思っておりまして、経済産業省、関連する法案を今国会に提出をしております。 また、地域の経済や雇用を支える中小・小規模事業者につきましては、持続的に発展できるようにするということを大事だと思っておりまして、地方自治体とも連携して、地域課題の解決とビジネスの両立を図ると、こういったような事業も応援してまいりたいと思います。 それから、休廃業を検討せざるを得ない方々もいらっしゃると思いますけれども、これによって地域の貴重な経営資源が散逸するということを回避する必要がございまして、むしろ生産性向上を図るとの観点も含めて、希望する方々にはMアンドAによる経営資源の集約化も支援してまいりたいと思っております。 引き続き、中小企業の役割に応じてきめ細かく支援を行ってまいります。
○浜田聡君 ありがとうございます。 賛否両論あるとは思いますけど、個人的には、この方によって、国家の成長戦略会議など国の方針を位置付ける、方向付ける会合がこの方を通じて注目が集まるというのは非常に望ましいことであるとは思います。 もう一つ、アトキンソン氏についてお聞きしたいと思います。それは、日光東照宮についての件でございます。 この方が社長を務める小西美術工藝社が、以前に日光東照宮の陽明門修復手掛けたと聞いております。その修復された姿が、問題が指摘されておりまして、あちこちの塗装が剥げたりカビが繁殖したりということで、見るも無残な姿というような指摘もあります。 こういった指摘について、文化庁の見解をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(榎本剛君) お答えいたします。 東照宮陽明門の塗装修理は、平成二十五年度から二十八年度の四年間、公益財団法人日光社寺文化財保存会及びデービッド・アトキンソン氏が代表取締役社長である株式会社小西美術工藝社の施工により実施されました。 その際、陽明門の修理は、門の中央を通れるように通路両側にアクリル板による養生を行ったことなどによりまして、湿度が高い環境での施工となりました。修理は主任技術者の監督の下に施工されまして完了しておりますが、施工後、高温、高湿度の状況が続きまして、修理に天然素材を用いたこともありまして、陽明門の唐獅子の胡粉塗りの一部にカビの発生と塗装の剥離、また金剛柵の胡粉塗りの一部に塗装剥離が生じました。 カビの発生及び塗装の剥離が事業後すぐに生じたのは残念であり、文化庁からは、設計監理を行った日光社寺文化財保存会に対して、カビの除去と部分再塗装の実施を指導し、これまで施工業者がカビの除去を行っております。塗装が剥離した箇所につきましては、施工方法を検討の上、閑散期である本年冬頃に修理することとしております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 報道されている記事の写真見ておりますと、確かに塗装が剥げているものが目立つようで、今回文化庁の見解を聞かせていただきました。 この方の主張の是非はさておいて、生産性を重視するというのであれば、せめて自身の手掛ける仕事の質というのは優れたものを発揮していただきたいと思うのは私だけではないと思います。 続きまして、法案の内容についてお聞きしたいと思います。 法案の出資規制についてでございます。 これまでは、法案の詳細にまで踏み込むのはちょっと控えますが、事業会社に出資する場合は五〇%まで制限されていたところですが、今回の法改正で、その対象が非上場企業であれば一〇〇%まで拡大されるとのことです。 銀行が一〇〇%の議決権を持つ形で出資も可能になるということで、その際に銀行が優越的な地位を濫用したり、利益相反になる取引を強いたりしないように、投資専門会社がコンサルティング業務を負うことを内閣府令事項で明確にする案となっていると承知しております。そのような案の場合、心配点として指摘されることとして、投資専門会社のコンサルティングが出資の前提となるような場合、出融資先の顧客企業が投資専門会社の顔色をうかがうようにならないでしょうかということが挙げられます。 そこで、政府参考人の方にお聞きします。 出資も融資も投資専門会社次第だという概念が顧客企業に生まれると、健全な事業活動や正確な事業判断を阻害するおそれもあるのではないでしょうか。この懸念についての見解を伺いたく思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 銀行による出資の件でございますけれども、現行制度では、銀行が一般事業会社の議決権を五%を超えて取得、保有することは原則禁止ということになってございまして、その例外といたしまして、事業再生会社ですとか事業承継の場合、そしてベンチャーといった例外がございます。その枠組み自体は今回の法案でも堅持するということでございます。 その中で、先生の御指摘がございました投資専門会社のコンサルティング業務の件でございます。これにつきましては、銀行グループは従来、出資、融資とそれに附帯する業務のみを行ってきたということでございまして、投資専門会社もそういう枠組みの中にあったわけでございますけれども、単にお金を出すというだけではなくて、必要に応じて出資先の地域企業に寄り添って経営相談などに応ずることができるという趣旨で今回コンサルティング業務を行うというものを追加するという形にしているところでございます。先生の御指摘のように、コンサルティング業務が出資の前提となるという枠組みではないというものでございます。 同時に、御指摘のとおり、銀行業の優越的地位の濫用とか、それから利益相反、体制の懸念というものは存在してございます。そういったことがないように、制度改正後も金融庁といたしまして銀行による体制整備といった点についてしっかりとモニタリングをしてまいりたいというふうに考えてございます。
○浜田聡君 ありがとうございます。 引き続き、一〇〇%出資が可能になったことについてお聞きします。 議決権一〇〇%の出資が可能となったことで、そうなった場合、融資の取引のある銀行が経営権を持つことで、出資された会社において銀行の債権回収が優先される可能性が挙げられます。 そこでお聞きします。このように債権回収が優先されるような状況になると正常な事業活動ができなくなるおそれがあるのではないかという懸念についての御見解を伺いたく思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたとおり、出資と、一〇〇%の出資というものはあくまで例外という枠組みでございまして、事業再生会社、事業承継の場合、ベンチャーの場合といった枠組みになっている、そこは今回も変わらないわけでございます。 その上で、先生から御質問ございました銀行の債権回収が優先されて事業に、事業活動に問題が生じないかという点でございます。 例えば、今例外と申し上げました事業再生会社のケースでございますけれども、例えば、典型的には、地域企業が過剰な債務を負っていて、それを削減するという中で一定の計画に従って貸付けの一部を出資に転換する、デット・エクイティー・スワップなどと申しますけれども、そうやって出資をしているという枠組みがございます。そういった場合、例えば念頭に置いていただきますと、銀行はその計画に従って地域企業の事業の再建を通じて、そして残っている債権の健全化を図ろうとするのが基本でございまして、そういった場合につきましては、必ずしも出資とそれからその債権者としての立場についての利益相反ということではございませんで、どうやって事業を再生していくかということに注力するものと考えてございます。 他方、でも、そういう場合も含めまして、銀行業につきまして優越的地位の濫用、それから利益相反取引の懸念というのはあるところでございまして、そういった点につきましては、銀行による体制整備などしっかりとモニタリングしてまいりたいというふうに考えてございます。
○浜田聡君 ありがとうございます。 この法案について、最後に麻生大臣にお聞きしたいと思います。 銀行というのは、本来その業務として、預金であったり融資を中心に事業展開するのが本分ではないかと思います。今回の法案というのは銀行の業務内容を拡大するものと承知しております。銀行が拡大した業務権限をうまく利用できるかについては個人的には懐疑的なところもあります。 法改正によって、今後、中小企業淘汰につながるような可能性もあるのではないかと思いまして、この法律施行後、果たして銀行が拡大した権限を適切に行使して経済発展に貢献できるのかどうか、麻生大臣に見解を伺いたく思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう浜田先生おっしゃるとおりでして、いろんな業務はできるようになる。それは、本来の目的は地域を活性化させるためとかデジタライゼーションを更に促進させるため等々、いろんな理由によって積極的な関与が求められる業務というものを銀行に認めるという話なんですけれども、今後も、本来の本業というものは、融資とか、いろんな意味での資金の融通とか、いろんな預金のサービス等々いろいろありますけれども、そういったものをやっていただく必要があるのはこれは当たり前の話なので、そこはやっていただくんですが、いずれにとっても、これは、規制の緩和というのは銀行にとっても預金者にとっても借りている企業にとってみましても、皆それぞれプラスのものになるためにやっていかにゃいかぬわけですけれども、一般企業においてもこれは大きな損失を被って、預金者などに、影響ですかね、深刻な影響を与えたり、また、銀行が優越的な地位というものを利用して一般企業者の事業の機会を取っちゃう、そういったような事態が生じるということは、これはないわけじゃありませんよ。これは十分にあり得る話なんであって、そういった意味では、制度を改正後もこういったようなことがないように、これ、いわゆるモニタリングとかいろんなことを我々金融庁としてはやっていかにゃいかぬところだと思いますので、私どもとしては、銀行ぐらいの大きなところがITのシステムを開発されると、一般の企業にこれやっていいよと、これ使ったらどうというような話のサービスの拡大とかマーケティングをとか、そういったようなことの貢献ができることを期待していますけれども。 いずれにしても、銀行自らの収益改善というものと持続可能なビジネスというのを両方やって、かつ、いわゆる事業のチャンスというものを占有的な力を利用して取っちゃうというようなことは我々としてはモニタリングしていかねばいかぬという大事なところだと思っております。御指摘は正しいと思います。
○浜田聡君 ありがとうございます。 今回の法案については規制緩和の観点から賛成する方針ですが、世間の声聞いてみると、賛成意見のみならず、反対意見が結構多いようでしたので、今回調べた懸念点を挙げさせていただきました。そのような点に注目し、今後の推移を見守っていきたいと思います。 次に、銀行法改正案に引き続きまして、銀行についての話です。 LINEとみずほのスマホ銀行設立について金融庁にお聞きしたいと思います。 今年の二月に、LINE Financialとみずほ銀行が両社共同出資によるスマホ銀行提供に向けたLINE Bank設立準備会社への追加投資と経営体制変更を発表しました。二〇二二年度中の新銀行設立を目指すとのことです。これについて、大きな期待があるとともに、一方でLINEもみずほも最近問題を起こしていることで、両社が協力しての新銀行設立には不安があるところでございます。 金融庁にお聞きしたいと思います。 LINEは先般、個人情報に関して問題、その取扱いについて問題が明らかになりました。また、みずほ銀行は、これまでシステム障害を繰り返しているところでございます。両者による銀行設立をこのまま認めていいと考えるのかどうか、不安視する声に対する金融庁の見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 LINE社の子会社でありますLINE Financial及びみずほ銀行において、二〇二二年度中に共同出資によるスマートフォンを顧客チャンネルとする銀行の設立に向けた準備が行われていると承知しております。 今御指摘ありましたように、LINE社につきましては、先般、個人情報管理に不十分な点があったとして個人情報保護委員会や総務省から指導を受けており、また、LINE社の各金融子会社においても同様に不十分な点があった旨を公表し、現在、各社において改善策を鋭意検討中と承知しております。 金融庁におきましても、LINE社の各金融子会社において、個人情報保護法等を遵守し、情報の適切な管理が図られるよう適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。 また、みずほ銀行のシステム障害につきましては、社会の重要なインフラである金融機関の信頼を大きく損なうものであり、誠に遺憾であって、今回の一連のシステム障害に係る顧客対応、原因究明及び再発防止策について現在集中的にフォローアップを進めているところでございます。 こうした状況の下で新銀行の免許申請がなされた場合には、当然のことながら、こうした情報管理、システムリスク管理の適切性の観点も含めまして、銀行法に規定されている審査基準に照らして、厳正に審査をしてまいりたいというふうに考えております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 LINEもみずほ銀行も大きな企業でございまして、それだけに社会的責任も大きいと思います。今後しっかりとその運営がなされるかチェックしていきたいと思いますが、金融庁としてもチェックの方よろしくお願いいたします。 次に、党関係、NHKの話に移らせてもらいます。 NHKから国民を守る党として、我が党は二〇一九年の参院選で議席をいただいて、また国政政党にさせていただきました。NHKを見ていないから受信料を支払わないといったNHKを見ない方の権利を守っております。 ただ、一方ですね、現在の受信料制度ですと、NHKを見ているのに受信料を払わない方が非常に多い状況でもあります。我々としては、NHK見ているのであれば受信料を払うべきと考えておりまして、そういう観点からは、NHKの掲げる受信料の公平負担の原則には賛同できるところでございます。我々としては、NHK、スクランブル放送をすればいいと常々訴えておりますが、それがすぐにはかなわない現状においては、本来払うべき者がしっかり払えば、今の受信料高いと指摘されておりますが、受信料は安くなるはずでございます。 今回、NHKがその受信料を徴収する場合の問題について、会計検査院にお伺いしたいと思います。 本来払うべき者がNHK受信料支払滞った場合には、ちょっと細かい話になるんですけど、滞った場合には、本来の受信料の支払額より高い額として、例えば延滞利息、あるいは割増金払うということが、放送法施行規則第二十三条であったり、日本放送協会放送受信規約第十二条などで定められております。ただ、NHKはこういった延滞利息、割増金については裁判以外は請求していないと我々承知しております。もしそれが事実である場合は、公平負担の原則からは問題があると考えるわけですが、会計検査院としてこの件に関する見解を教えていただきたく思います。
○説明員(原田祐平君) お答え申し上げます。 会計検査院は、これまでNHKが実施している業務等について合規性、経済性等の観点から検査を実施しており、その結果、不適切な事態があれば検査報告に掲記するなどしているところでございます。 一般論で申し上げれば、NHKの受信料の徴収業務は法令等の規定に従って適切に行われる必要があるというふうに考えておりますが、委員お尋ねの点につきましては、検査結果に基づかずに会計検査院としての見解を申し上げることは困難であることを御理解いただきたいと存じます。 いずれにいたしましても、会計検査院としては、国会での御議論等を踏まえて、受信料の徴収を含むNHKの会計経理について引き続き適切に検査を実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○浜田聡君 ありがとうございます。 現在のNHK受信料制度には様々な問題がありますが、その受信料が高いと指摘されているのも問題の一つだと思います。会計検査院の方には今回我々の問題意識を共有していただきたく思いまして、質問させていただきました。 数年前に会計検査院がNHKに対して調査した際に、その報告書には様々なNHKの問題が指摘されていたと思います。現在、我々はNHKと多くの裁判を闘っております。今後、NHKが弁護士法七十二条違反に関する裁判など敗訴した際など、再度会計検査院の調査が必要な機会もあると思います。そういった際には、是非とも会計検査院の方で多くの問題を抱えるNHKを徹底的な調査していただくよう、よろしくお願いいたします。 次に、ちょっと時間も少なくなってきましたが、三月下旬に中国の巨大IT企業であるテンセントが楽天に出資をして、テンセントが三%ほどの楽天の大株主となる件について発表がありました。 この件について、安全保障の観点からお聞きしたいと思います。 テンセントは楽天への経営参画の意図がないとして、外為法で定める事前審査が免除されていたと承知しております。ただ、テンセントが楽天への経営に口出ししない、出資者として口出ししないなどというのはちょっと考えにくいと思いますし、また、さらには、テンセントのバックには中国共産党が控えておりまして、楽天にその影響力を行使することも十分に考えられると思います。 楽天の持つ情報が中国共産党に筒抜けになる可能性もある中で、こういった懸念について、政府の見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。 個別の事案に関わることの言及は差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますと、外国投資家が指定業種を営む上場会社の株式を一%以上取得する場合は原則として事前届出を行う必要があり、この際、役員に就任しない、非公開の技術関連情報にアクセスしないといった基準を遵守する場合には事前届出免除制度の利用が可能となっております。 しかし、免除されれば野放しということでは、先生、ございません。外国投資家は、事前届出免除制度を利用する場合、株式を取得した日から四十五日以内に報告書を当局に提出するのみならず、免除基準を遵守し続ける必要がございます。 当局は、基準の遵守状況について任意の聴取や外為法に基づく報告徴求を通じて確認を行うことが可能でございますし、もしこれを遵守しない場合には、当局は外国投資家に対して遵守勧告及び命令を行い、従わない場合には株式売却を含む措置命令を行うことが可能でございまして、これらの措置を通じて国の安全等への影響が生じないよう対応することとされてございます。
○浜田聡君 ありがとうございます。 ちょっと時間の関係で質問一つ飛ばします。 楽天がテンセントから出資を受けたことで、今後楽天の信頼を損なう可能性について、最後お聞きしたいと思います。それは、米国政府の5Gクリーンネットワーク構想と楽天の関係でございます。 この5Gクリーンネットワーク構想というのは、米国が対中政策の一環として発表したものでございます。安全保障を守るため、信頼性に問題のある中国をネットから排除していこうというものと承知しております。 楽天はこの5Gクリーンネットワークに入っているわけですが、今回テンセントから出資を受けたことで、楽天がアメリカの5Gクリーンネットワーク構想から外される可能性について懸念があると思います。この懸念についての見解を伺いたく思います。
○政府参考人(渡辺健君) 委員御指摘の米国のクリーンネットワーク構想は、二〇二〇年八月に、前トランプ政権が提唱した米国の通信ネットワークの安全性を確保するための包括的な構想と承知しております。 他国政府の方針や個別事案に対するコメントは控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、総務省として、5Gを始めとする通信ネットワークの安全性は重要と考えておりまして、国内通信ネットワークにおけるサイバーセキュリティー対策や、米国等の同志国と連携した5Gのオープン化のための国際的な働きかけを通じてその確保を図っているところでございます。 先日の日米首脳会談の成果文書におきましても安全でオープンな5Gの推進等について一致をしておりまして、総務省としては、今後とも米国等とも連携をして通信ネットワークの安全性の確保に向けた施策を国内外で推進してまいりたいと考えております。
○浜田聡君 楽天モバイル、第四のキャリアとしてサービス開始しておりまして、多くの利用者がいることと思います。今後どうなるか、注意深く見守っていきたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(佐藤信秋君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、反対の討論を行います。 反対する最大の理由は、日本が国際金融センターとなるために、金融商品取引法改正案において海外ファンドが日本に参入する際の行政手続を簡素化するなど、規制緩和が行われることです。 そもそも、政府の言う国際金融センターの定義は曖昧で意味不明です。アジアの金融センターの一つである香港が中国との関係で政情不安だから、このチャンスに日本が香港に取って代われるのではないかという安易な発想はやめるべきです。中国と香港の関係を考えるならば、日本はむしろ香港の金融センターを支えるべきです。 国際金融センターの幻想の下で、とにかく海外の投資運用会社を招き入れたい、そのために規制緩和や税制上の優遇措置を設けようとしておりますが、彼らがタックスヘイブンでもない日本にセンター機能を移すことはあり得ません。結局、優遇措置だけ利用され、日本国民の金融資産を海外を含めた投機市場に誘導されるだけに終わることは目に見えております。 このほか、金融機関の経営健全化、また顧客本位の業務運営の立場からしても、銀行法改正案への懸念、金融機能強化法改正案への懸念も払拭できません。 本法案には賛成できる内容も含まれておりますが、以上の点から反対することといたします。
○委員長(佐藤信秋君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(佐藤信秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、牧山君から発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえさん。
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 銀行及びその子会社等の業務範囲規制や銀行等の出資規制を緩和するに当たっては、銀行法が銀行の業務の公共性に鑑みながら、国民経済の健全な発展に資することを目的としていることを踏まえ、利益相反取引の防止、優越的地位の濫用の防止、他業リスクの排除の観点から、銀行グループが自己の利益のみを追求することなく、国民経済の成長や地方創生のためにその役割を適切に果たすようモニタリングを行うとともに、本法附則第四十四条の検討条項を踏まえ、必要があると認めるときは、適時適切に制度の見直しを行うこと。 二 国際金融機能の強化に向けた海外の高度金融人材や金融事業者の受入れの促進においては、本法や税制上の措置など費用面からの取組だけではなく、金融教育やイノベーション促進のための成長資金需要の拡大といった期待収益面からの取組を積極的に進めること。 三 移行期間特例業務及び海外投資家等特例業務制度の運用においては、国内外の投資家保護のため海外当局とも連携し適切なモニタリングを行うこと。 四 銀行等保有株式取得機構が保有する株式の受託会社を通じた議決権行使においては、コーポレートガバナンスが機能するよう適切に監視すること。また、同機構の存続期限がこれまで幾度も延長されていることを踏まえ、市場の動向を見ながら、可能な限り早急に株式等の処分を進めること。 五 資金交付制度の運用に当たっては、制度上、勘定廃止の際に国庫に納付することとされている資金を活用することに鑑み、その交付により金融機関等が地域経済の活性化等に果たした役割などに関し、国会に対する説明責任を十分に果たすこと。また、資金交付額の算定の基礎となる対象経費や交付率等を定めるに当たっては、資金交付制度の適切な運用を確保する観点に十分配慮すること。 六 同じく資金交付制度の運用に当たっては、日本銀行が実施する「地域金融強化のための特別当座預金制度」との間で十分に連携することにより、地域金融機能の強化が効率的かつ効果的に実現されるよう努めること。 七 「物価安定の目標」を達成するための日本銀行による超低金利政策の長期化が、金融機関の資金利益の悪化を通じて金融仲介機能に悪影響を及ぼし得ることに鑑み、日本銀行との共同声明である「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携」に掲げる目的を早期に達成するべく、正規雇用を促進するとともに、企業の生産性向上分を賃金に反映することで労働分配率を上昇させるための取組を一層積極的に行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(佐藤信秋君) ただいま牧山さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(佐藤信秋君) 多数と認めます。よって、牧山さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、麻生内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえて配意してまいりたいと存じます。
○委員長(佐藤信秋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十二分散会