災害対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2021/06/09
会議録
○委員長(新妻秀規君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、平木大作さんが委員を辞任され、その補欠として高橋光男さんが選任をされました。 ─────────────
○委員長(新妻秀規君) この際、金子衆議院災害対策特別委員長から発言を求められておりますので、これを許します。金子衆議院災害対策特別委員長。
○衆議院議員(金子恭之君) 衆議院提出の災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案につきましては、案文中に誤りがあることが判明し、正誤をもって訂正させていただきました。 心よりおわびを申し上げます。 ─────────────
○委員長(新妻秀規君) それでは、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院災害対策特別委員長金子恭之さんから趣旨説明を聴取いたします。金子衆議院災害対策特別委員長。
○衆議院議員(金子恭之君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備に関しては、政府において、阪神・淡路大震災の経験等を踏まえ、病床や手術室を備えた艦船の整備等の取組が行われてきましたが、東日本大震災の際には十分に活用することができませんでした。このため、その教訓を踏まえた検討が行われ、これまで既存船舶を用いた実証訓練なども行われてきました。 一方で、今般の新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、感染症への対応においても船舶の活用に対する期待が大きくなっております。 四方を海に囲まれた我が国は、水産資源や海底資源の活用や海を通じた交流を図るため、古来、船舶の建造技術や操船技術を蓄積し、海洋国家として発展してきました。これらの技術の蓄積を災害時等の対応においても最大限に活用し、船舶を活用した医療提供体制を整備することは、今後発生が懸念される南海トラフ地震等の大規模災害等への備えとして極めて重要であると考えます。 本法律案は、海に囲まれた我が国においては災害時等における医療を確保する上で船舶を活用した医療の提供が効果的であることに鑑み、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、船舶活用医療推進本部を設置することにより、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備を総合的かつ集中的に推進しようとするものであります。 次に、本法律案の内容について御説明いたします。 第一に、基本理念として、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進は、災害が発生した地域等において必要とされる医療を船舶を活用して的確かつ迅速に提供することにより、当該地域にある医療施設の機能を補完し、国民の生命及び身体を災害等から保護することに資することを旨とし、行われなければならないこととしております。 第二に、国は、基本理念にのっとり、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有することとしております。 第三に、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備は、災害時等における船舶を活用して提供される医療と陸上の医療施設において提供される医療との適切な役割分担及び相互の連携協力を確保すること等の基本方針に基づき推進されるものとしております。 第四に、政府は、基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講ずるものとし、この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならないこととしております。 第五に、政府は、政府が災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関し講ずべき措置について必要な整備推進計画を策定しなければならないこととしております。 第六に、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする船舶活用医療推進本部を置くこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。また、船舶活用医療推進本部については、この法律の施行後五年を目途として総合的な検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすることとしております。 以上が、本法律案の提案の趣旨であります。 何とぞ、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(新妻秀規君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。 これ、病院船の推進ということだと思うんですが、まず、本法案で発議者が想定をしているこの病院船というものが具体的にどのようなものなのかを、これどういうものを想定しての法案提出であるかをお伺いしたいと思っております。 といいますのも、三月三十日に公表されました病院船の活用に関する調査・検討を踏まえた政府の考え方によれば、様々な課題があることから、当面、新たに病院船の建造に着手をするのではなく、既存船舶を活用した災害医療活動の具体化に取り組むと、こうしたことだったんですね。恐らくこれは、自衛隊に医療機能を持った艦艇が九隻ほどあることから、まずはこちらを活用するという考え方なんだろうというふうにも思います。 確かに、これまで自衛隊は、既に災害救助で実績があるんですが、実は医療機能を有する艦艇が災害救助に出て民間人を診療したという実績がないとのことなんです。 ということで、病院船には、医療従事者の確保とか、運航要員の確保とか、平時の活用の確保、これコストがすごく掛かるということなんですが、こうしたことを考えたとき、自衛隊艦艇の、艦船の活用も視野に入れているのかも併せてお伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(逢坂誠二君) 御質問ありがとうございます。答弁させていただきます。 今回のこの法案の中では病院船という文言は用いてはおりませんけれども、一般的に病院船とは、災害時において船内で医療行為を行うことを主要な機能とする船舶をいうと、そのように理解しております。 その上で、本法案の第四条第二号においては、災害時等における医療の提供の用に主として供するための船舶の保有について規定しているところであり、既存の自衛隊艦艇の目的は基本的に国の防衛ということになっておりますので、同号の船舶に該当するとは言い難いと理解をしております。 他方、同条八号においては、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関し必要と認められる施策を実施すること、この規定がございます。委員御指摘の医療従事者の確保、運航要員の確保及び平時の活用確保といった課題の解決に資するよう、災害時等において既存の自衛隊艦船艇の活用を図ることはこの施策に含まれるというふうに考えられます。 したがいまして、いずれにしましても、この船舶の保有及びその活用の在り方については、この法律の施行後に設置される船舶活用医療推進本部において適切に検討されるものと考えております。 以上です。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 続きまして、タイムスケジュールについてお伺いをしたいというふうに思っております。 本法案は、四条に掲げられた基本方針の法制上の措置を本法律の施行後一年以内を目途に講ずる義務を課しています。時間的な余裕が余りないのではないかと思うんですが、このように規定をした趣旨を教えてください。また、施行期日は公布後三年以内の政令で定める日とされているんですが、この理由、提出者として、政府において具体的にどのような取組がなされることを期待をしているのか、お伺いいたします。
○衆議院議員(逢坂誠二君) 御質問いただいた中で、まず施行期日を公布日から三年以内の政令で定める日とした理由について申し上げますと、まず、この病院船、いわゆる病院船を具現化していくためには様々な法制上の措置も必要になることも考えられますので、そのための準備も必要であろうということが一点。それからさらに、政府における病院船の活用に関する結果、検討の結果ですね、これを、新設される船舶活用医療推進本部の議論に生かすための時間を確保する必要があること。さらにもう一点、新型コロナウイルス感染症への対応から得られる知見も活用することが有益であること。こういった理由から、本法案が施行される前に十分な議論や整理の準備を行うための期間を設けるべきだろうと。そういう考え方から、公布日から三年以内で政令で定める日を施行日としたものであります。 しかも、事前に十分な施行期間を、あっ、施行までの期間を置いた上で準備を行った上で、本法案が施行された際にはできるだけ速やかに病院船を活用した医療提供体制の整備を進めていくことが必要であり、政府はそのための措置を講ずるものとしております。 体制整備には今申し上げたとおり様々な課題がありますけれども、体制の整備のために新たな法整備が必要となった場合には、その法律の施行までに更に一定の期間が必要となる可能性もありますが、少なくとも法制上の課題によって体制整備に遅れが生ずることのないように、必要な法制上の措置については施行後一年以内に講ずることを目途としたということであります。 それから、提出者としましては、政府において、課題の一つである人員の確保に向けた取組、あるいは船舶を活用した医療活動の本格的な訓練の実施とその知見の活用などの取組がなされることで、速やかに災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備が図られることを期待をしているところでございます。 以上です。
○塩村あやか君 終わります。ありがとうございました。
○武田良介君 日本共産党の武田良介でございます。よろしくお願いいたします。 本法案が目的とする船舶を活用した医療提供体制の整備の推進は、災害が発生し、あるいは感染症が発生し、またあるいはそのおそれがある地域において必要とされる医療を提供することで、国民の生命及び身体を守るために行われるべきだというふうに思います。 そこで、まず、本法案の基本理念について確認をさせていただきたいと思います。
○衆議院議員(額賀福志郎君) 武田委員にお答えをいたします。 先ほど金子委員長から趣旨説明がありましたけれども、この基本理念につきましては第二条に述べられております。災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進は、災害が発生をし、又は感染症が発生し若しくは蔓延し、若しくはそのおそれがある地域において必要とされる医療を船舶を利用して的確かつ迅速に提供することにより、当該地域にある医療施設の機能を補完し、国民の生命及び身体を災害又は感染症から保護することにあるということでございます。これはもう武田委員御承知のとおりであります。 ポイントは、災害が発生した地域において必要とされる医療を船舶を活用して的確かつ迅速に提供すること、それは、当該地域等における陸上の医療施設の補完的な役割を果たして国民の生命、財産を守るということに尽きると、こう思っております。 よろしくお願いします。
○武田良介君 船舶を活用して医療施設の機能を補完するということだというふうに思います。 内閣府の病院船の活用に関する検討会の報告書見ますと、様々な課題が指摘をされております。病院船が医療活動を行うまでのタイムラインを検討しますと、病院船は、災害が発生してから被災地周辺の海域に移動するまでに少なくとも七十二時間を要するというふうに想定をされております。さらに、病院船を接岸して活用するためには、被災地周辺の港湾、航路について船舶の運用に支障がない程度にまで機能を確保することが必要だというふうに指摘をされておりまして、東日本大震災の際には、瓦れきの撤去、接岸場所の安全確認、航路啓開等が必要となり、これらへの作業の着手は地震発生後七十二時間程度が経過した後となり、緊急物資輸送船が港湾の利用開始まで最短で三日間、多くの岸壁が利用可能となり、緊急物資以外の物資、燃料などを積載した船舶の入港は最短で五日程度を要したというふうにあります。 こうした課題について、今後どう検討されていくのか、提出者の考えを伺いたいと思います。
○衆議院議員(津島淳君) 御質問ありがとうございます。 武田委員の御質問にお答えをいたしたいと存じます。 私、東北、青森の選出、今日は滝沢委員もおられますが、東日本大震災はまさに地元で起きた大災害であり、まだいまだに脳裏に焼き付いているところであります。その震災というものがまさに船舶を活用した災害医療の提供ということに関わる端緒であったということでございます。 委員御指摘のとおり、この病院船の活用に当たっては検討すべき様々な課題があると認識をしております。特に、災害時における船舶の移動や入港等には制約があるということ、そして病院船の役割は陸上の医療機関を補完するものであるということには、これは留意が必要だと考えます。 その上で、地震であるとか津波であるとか、あるいは豪雨災害といった災害の種類、あるいはその規模に応じどのような機能の補完が求められるのかということを検討する、それが非常に重要なことであると考えております。 いずれにしても、この課題については、本法律の制定、成立後に設置される船舶医療活用推進、船舶活用医療推進本部において適切に検討されるものと考えております。 以上です。
○委員長(新妻秀規君) おまとめください。
○武田良介君 はい。 ありがとうございました。 医療従事者の方の確保というのも最大の課題だというふうに指摘をされています。その点についても力を注ぐ必要があるというふうに申し述べまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(新妻秀規君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(新妻秀規君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、吉田さんから発言を求められておりますので、これを許します。吉田忠智さん。
○吉田忠智君 私は、ただいま可決されました災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 陸上の医療施設において提供される医療との適切な役割分担及び相互の連携協力の確保を図るに当たっては、いわゆるドクターヘリやドクターカーなど多様な救急医療の提供手段も含めて考慮することにより、災害が発生した地域等において必要とされる医療の的確かつ迅速な提供が可能となるよう努めること。 二 保有する船舶を検討するに当たっては、我が国が長く多様な海岸線を持ち、大小様々な港湾が存在する中で、船舶を活用した医療提供が求められる様々な状況を勘案し、十全な機能が発揮されるよう、留意すること。また、船舶の保有・運用に係る経費や新たに建造する場合はその建造費などが過大とならないよう留意すること。 三 災害時等以外において、保有する船舶を国際緊急援助活動等に活用する場合には、「災害が発生した地域等」において必要とされる医療を船舶を活用して的確かつ迅速に提供するという本来の任務に支障を来すことのないようにすること。 四 船舶の運用主体が国以外の者となった場合には、その運用に係る人員の確保について、国民から公務員の天下りの手段との疑念を抱かれることのないよう、留意すること。 五 災害等から得られた教訓等を踏まえて、本法に基づく措置については、必要に応じて適宜見直すこと。 六 本法に基づく措置については、当委員会に適宜報告すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(新妻秀規君) ただいま吉田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(新妻秀規君) 全会一致と認めます。よって、吉田さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し、小此木防災担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小此木防災担当大臣。
○国務大臣(小此木八郎君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、関係省庁が連携し、適切な対応に努めてまいります。 ありがとうございます。
○委員長(新妻秀規君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(新妻秀規君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会