国民生活・経済に関する調査会 第3号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2021/02/24
会議録
○会長(芝博一君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会をいたします。 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。 本日は、「誰もが安心できる社会の実現」のうち、「困難を抱える人々への対応」に関し、「新型コロナウイルス感染症による国民生活・経済への影響」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を執り行います。 本日御出席をいただいております参考人の皆様を御紹介をいたします。全国商店街振興組合連合会副理事長山田昇参考人、どうぞよろしくお願いいたします。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事平田麻莉参考人、よろしくお願いいたします。及び、駒澤大学経済学部准教授井上智洋参考人、どうぞよろしくお願いいたします。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、大変御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、山田参考人、そして続いて平田参考人、後に井上参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただきます。その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず山田参考人からお願いいたしたいと存じます。山田参考人。
○参考人(山田昇君) 全国商店街振興組合副理事長、山田でございます。 全国商店街振興組合連合会は、四十七都道府県の連合会を直接の会員とし、傘下に約一千六百の商店街振興組合等を擁する全国団体でございます。本日は、商店街及び中小小売商業者の置かれている状況につきまして御説明をさせていただく機会をいただき、誠にありがとうございます。また、御列席の先生方には日頃より商店街、中小小売商業者の振興に御支援と御尽力を賜り、この場をお借りして心より御礼を申し上げます。 昨年より世界中が新型コロナウイルス感染症に翻弄される状況が続いております。国内感染者数も、春頃の第一波、夏頃の第二波に続き、昨年十一月以降も新規感染者数が急増をいたしました。多くの方が亡くなられました。心よりお悔やみを申し上げます。 地域の商店街と中小小売商業者も新型コロナウイルス感染症による影響を受け、今まで経験したことのない厳しい状況に直面しております。少しお時間をいただき、現状等につき御説明を申し上げます。 これまでの地域商店街、中小小売商業者は、地域住民の方々の日々の生活を支えるだけでなく、地域社会に深く関わり、雇用機会の提供、祭りなどの地域文化の伝承、防犯活動などの安全、安心の確保、災害時の復旧支援活動、高齢者の見守り、地域住民の子育て支援活動、町の美化活動など、多種多様な形で地域社会や雇用を支えてまいりました。 こうした中、令和元年十月に実施されました消費税率の引上げによる消費者の購買意欲の落ち込み、相次ぐ台風等の自然災害の発生に加え、昨年から新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるインバウンド需要の消失と国内の自粛ムードの継続により、国内消費の落ち込みに直面をいたしております。 初めに、新型コロナウイルスの感染拡大による需要面の影響が継続している点につき御説明を申し上げます。 昨年十月に大阪府の商店街にアンケートを実施したところ、七割から八割の商店街から、イベントの中止、来街者の減少、売上低下、店舗休業や閉店といった影響を引き続き受け続けているという回答がございました。新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中、前年に比べた来街者の減少傾向も続いております。売上げも三割から五割程度の減少とする事業者が多く、特に飲食と衣料品販売が厳しい状態でございます。その他の物品販売も減少しているものの、飲食等に比べ減少率は小さい結果となっております。 こうした中、私ども商店街におきましても、感染防止対策ガイドラインを作成、周知するとともに、各店舗の事業継続支援に関する情報を逐次提供するなど、感染拡大防止と事業経営の両立に向けた取組の支援を行ってまいりました。 例えば大阪の場合、新型コロナウイルス感染症の発生当時から感染症拡大防止に迅速かつ効果的に取り組んだ商店街が五五%、店舗ベースで見た場合は六一%でございました。その後も、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえた国、自治体の指導に従い、また、各種支援をいただきながら、消毒液設置を含む安全対策、街来者の啓発活動、キャッシュレス化を含むデジタル化などの推進による事業経営と両立支援を進めております。具体的には、啓発ポスターの掲示、共有スペースの消毒液の設置、感染症防止宣言のステッカーの掲示などを取り組むことで、消費者が安心して来街できるよう努めております。 こうした結果、九割近い商店街で来街者の周知度が高まりました。また、買物時の安心感が高まったとの声を聞いております。さらに、自治体の特設ホームページやSNSによる感染症対策や需要喚起の情報発信も行っておりますが、来街者の認知度も高く、消費者の安心感につながっております。 約九割の商店街が、身近にある商店街の良さを知っていただき、積極的に利用していただく消費者を更に増やしていきたいと考えております。新しい生活様式を踏まえた取組を推進することにより、更にお得意様を増やしていくことが重要でございます。約九割の商店街が来年度におけるイベント等の需要喚起事業の実施を希望する一方で、約八割の商店街は感染症対策が課題としております。再度の緊急事態発令もあり、将来への漠然とした不安を抱えているというのが現状でございます。 次に、統計データから全国の状況をお伝えしたいと思います。 小売業の状況につきまして、日本銀行の業況判断DIを見ますと、昨年六月より大きく落ち込みましたが、政府の各種支援の効果もあり、十二月には持ち直しの動きが見られました。 総務省の家計調査によりますと、緊急事態宣言が発令されました昨年四月、消費支出は前年同月比でマイナス一一%でございました。そのうち、食料は減少幅が比較的少なく、一定の消費者は取り込めたと思われます。一方で、外食や娯楽サービスなどは大きく減少し、衣服等も減少幅が大きい結果となっております。外出自粛、営業時間の短縮、テレワークの推進などによる来街者の減少の影響を受けたものと思われます。 その後、政府の各種支援策の効果があったためと思われますが、減少傾向は続くものの、徐々に減少幅は小さくなり、十月頃には持ち直しの兆しが見られました。こうした中、昨年十一月頃から、感染拡大に伴い、外食、娯楽サービス、衣服等が減少に転じており、今後の動向に不安を感じている業者が多いと思われます。 次に、小売業の資金繰りにつきまして、中小企業基盤整備機構の中小企業景況調査では、昨年の四月から六月期を底に、十月から十二月期には持ち直しの傾向にあります。小売業はサービス業と並んで悪い傾向にあることから、今回の緊急事態宣言の再発令を踏まえて手当てをいただきました金融支援につきましても迅速に実施していただくようお願いを申し上げます。 なお、昨年一月に民間の調査機関が公開しました調査結果では、コロナ禍の収束が長引いた場合に廃業を検討する可能性があると回答した中小企業の割合は約八%、可能性があるとした中小企業、業種別に見ますと、飲食業では四割、生活関連サービス業では約三割が可能性があると回答をしております。さきに申し上げましたが、家計調査での支出動向でも同様の傾向が見られており、営業時間の短縮、外出自粛等の影響を強く受けていることがうかがえます。 雇用面につきまして、厚生労働省の調査結果におけます雇用調整の可能性がある事業者数について、政府の支援効果もあり、飲食業と小売業では五月から七月をピークに徐々に減少傾向を示しております。 以上、統計データの指数から現況を説明させていただきましたが、それぞれ統計を見ましても、小売業の全体の傾向、業種としての傾向など、いずれも同様の傾向を示していることが分かります。 昨年の緊急事態宣言の発令直後は落ち込んだものの、御列席の先生方に大変な御尽力いただき、新型コロナウイルス感染症の収束に向けた各種の対策を講じていただくとともに、持続化給付金、家賃支援給付金、民間企業における特別融資、雇用調整助成金等の支援、国税等の納税猶予等の支援、自治体を通じた各種支援策などを実施していただきました。また、感染予防対策を講じた上でのGoTo商店街事業の実施等も、個人消費喚起策も講じていただきました。こうした各種の支援策の活用が功を奏し、全体として持ち直しの傾向は現実味が出てきたものと、この場をお借りして感謝を申し上げます。 民間の調査会社によると、調査に回答した中小企業のうち、新型コロナウイルスに関した国や自治体、金融機関の各種支援策を利用したのは約六割とのことです。そのうち、資金繰りの支援策の利用企業を業種別に見ました場合、飲食店が約九五%、衣料等小売業は約八七%と、高い比率になっております。また、利用した資金繰り支援対策としましては、民間金融機関の実質無利子無担保融資、雇用調整助成金及び持続化給付金等が半数近い利用率となっております。こうした支援措置により、先の見えないコロナ禍の中での事業継続を可能なものにしていると言えます。 今般の感染拡大に伴います再度の緊急事態宣言により、改めて先行きの不安を生じております。飲食店等に対する営業時間の短縮、外出や移動の自粛要請により影響を受けている中小零細事業に対し、資金繰り支援を中心とした支援策に万全を期していただくようお願いを申し上げます。あわせて、今後におけます不安解消に向けての御支援として、令和二年度第三次補正予算の迅速な実施と令和三年度当初予算の早期成立により、各種支援策が確実に実施され、事業者への影響が大きくならないようお願いを申し上げます。 地域社会に深く関わり、地域社会が抱える多くの課題解消に向けた商店街の活動を促進させるためにも、地元の店舗、そして商店街が持続的に発展することが重要でございます。地元や商店街等の良さを再認識し、地域社会の価値を見直すきっかけとなる取組を支援するGoTo商店街事業につきましても、昨年十二月までに約五百事業が採択されております。 さきに述べました大阪での調査結果におきましても、需要喚起事業への支援要望は強く、GoTo商店街事業への期待も大きいことがうかがわれます。感染拡大の現状を踏まえ、昨年十二月末より集客を伴うイベント等の実施を全国一斉に一時中止しておりますが、感染症の収束傾向を踏まえました緊急事態宣言の解除等を見据えた取組の再開に期待するとともに、第三次予算でのGoTo商店街事業の実施に大いに期待をしております。 次に、感染拡大防止と事業経営の両立に向けた取組を進めるに当たり解決すべき課題について御説明申し上げます。 初めに、地域中小零細事業者にとり、先の見えないコロナ禍での事業経営は大変苦しい、厳しい問題でございます。国におかれましては、新型コロナウイルス感染症の早期収束に引き続き御尽力をいただくとともに、影響の長期化を視野に入れました各種支援の充実、特に、官民金融機関によります特別融資の継続、返済期限の延長等、地域の中小・小規模事業者への支援継続、強化を是非ともお願いをいたします。 新型コロナウイルスの影響により、各地域も厳しい経営状況が続いております。感染症収束時におきましては、これまでも述べてまいりましたように、地域経済活性化に向けた商店街への来街効果を高める支援としまして、GoTo商店街事業、個店での直接購買ができる、期待をできるプレミアム商品券事業等の個人消費への需要喚起策の実施を是非ともお願いをいたします。 最後となりますが、地域の商店街が新型コロナウイルス防止対策と両立させる形で地域社会の課題解決に向けた各種活動を単独で進めることが難しくなっている状況でございます。地域の実情を踏まえた商店街の各種活動への御支援を是非ともお願いをいたします。 我々商店街におきましても、感染症対策ガイドラインに沿った取組を確実に実施し、地方自治体と連携を図りながら万全の体制で来街者を迎え入れたいと考えております。そのためにも、感染症に関する情報発信をこれまで同様に適宜適切に実施いただきますようお願いを申し上げます。 本日は、地域の現状につきましていろいろと御説明をさせていただきました。商店街、中小小売商業者が現在の厳しい状況から早期に脱却し、持続的に発展することが地域の繁栄と地域住民の皆さんのより良い暮らしにつながります。御列席の先生方には引き続き御支援を賜りますようお願いをいたしまして、私からの説明を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○会長(芝博一君) 以上、山田参考人からの意見陳述でございました。ありがとうございました。 それでは、引き続き、平田参考人にお願いいたします。
○参考人(平田麻莉君) ただいま御紹介いただきましたフリーランス協会の平田です。本日は、貴重な意見の場をいただきまして、誠にありがとうございます。(資料映写) 私からは、新型コロナウイルス感染症によるフリーランス、個人事業主への影響ということで、データも踏まえてお話しさせていただきたいと思います。 まず、私たちの協会について少しお話しさせていただきますけれども、現在、二月時点でフォロワー数四万五千人を超えていまして、国内最大規模のフリーランスネットワークということを自負しております。中には副業されている方や個人商店の方なども一部含まれておりますけれども、主にはビジネス系フリーランスの方ですとかアーティストの方などが中心になっている、いわゆるフリーランスの協会になります。 フリーランスの定義ですけれども、諸説ありますが、私たちの協会では、特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で御自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る方というふうに定義しております。つまり、雇用ではなく業務委託若しくは自営で働く方々ですね。大きく分けて、兼業している独立系のフリーランスと、会社員でありながら業務時間以外で業務委託のお仕事をしている副業人材といますけれども、今日は、主にこの左の独立している雇用関係を持たない方々についてお話しさせていただきます。 現在、広義のフリーランスは四百六十二万人と試算されておりますけれども、ギグエコノミーの発達などによって年々増えているというふうに考えられています。 前提なんですけれども、私たちはフリーランスは事業者であるというふうに考えておりますので、基本的には事業リスクを負う責任と覚悟を持った自律的な働き方というふうに考えています。一部、本来あるべき自律性ですとか、経済的な自立性だったり働き方としての自律性を持っていない方もいらっしゃいますので、そういった準従属労働者については労働政策上の保護も検討が必要だとは思っていますけれども、本日は、あくまでこの自律した自営業者として働いているフリーランスについてお話しさせていただきます。 これまで、二〇〇七年、私たちの協会立ち上がりましたけれども、それ以降、経済産業省、厚労省、公正取引委員会、内閣官房などの関係省庁において様々なテーマでフリーランスの関連政策の検討を進めていただいて、数々の御支援、御協力を賜っております。この場を借りて改めて御礼申し上げたいと思います。 直近ですと、例えばフリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインということで、これは昨年末に案が公表されてパブコメ募集が終わり、もうすぐ公開されるものですけれども、我々の協会でも契約トラブルの実態について問題提起を従前から行っておりまして、それに対してのガイドラインというのを今まとめていただいているところです。 また、ハラスメントなどの問題も、実態調査を行って、それに基づく提言させていただいていましたけれども、これもきちんと防止措置の中にフリーランスや就活生も入れていただくというようなことをしていただきました。 また、契約トラブル、いろいろなお仕事上のお困り事に対する公的な相談窓口というのもこれまでございませんでしたので、こちらも昨年末に運営を開始していただいております。 また、労災保険の特別加入制度の対象拡大というのも、議論、昨年行っていただきまして、これは引き続き対象職種を拡大する方向で御検討いただけるというふうに伺っております。 また、新型コロナウイルス感染症対策に伴う支援ということでいいますと、昨年、私たちの協会からも実態の速報調査とともに緊急要請というのを出させていただきまして、総理大臣始め大臣級の方々にお話しさせていただく機会もいただいたんですけれども、結果、御列席の先生方の御尽力もありまして、おかげさまでフリーランス向けの支援策、たくさん出していただくことができました。これは本当に私たちの協会の会員からも非常に助かったという声が多く寄せられていまして、改めて御礼申し上げます。 ということで、これがこれまでフリーランスに関連する課題として二〇一八年の厚労省の検討会で挙げられた検討事項なんですけれども、そのうち業務トラブル対策については比較的対策が進んでいるというふうに考えております。 一方で、ライフリスクの対策ですとか、あとは、これはフリーランスの中でも賛否両論ありますけれども、事業リスクの対策、特に失業ですとか仕事を失ってしまったというところに対するセーフティーネットというところが今後検討が必要な部分なのかなというふうに考えております。 特に、ライフリスク対策というのは、新型コロナウイルス感染症の拡大の中でも、多くの方がフリーランスは労災にも入っていないですし、傷病手当金も出ないというようなことから非常に不安を感じていらっしゃったというところで、しかも、会社員の方々は休業などで休業補償がされていますけれども、フリーランスに対してはそういった補償はないという中で、そういった傷病手当金のようなセーフティーネットがない中でも働きに出なければいけないと、そういう方がたくさんいらっしゃったというふうに聞いております。 また、グラデーション化する働き方というスライドを入れていますけれども、このコロナの中でテレワークが大分進んだということですとか、副業希望者が増えているとか、また、今年の四月から施行されます七十歳就労機会確保の努力義務化などで会社員とフリーランスの境界線というのはますます曖昧になっていくというふうに考えられています。なので、全ての働く人に中立なセーフティーネットというのがより一層求められるようになっているのではないかなというふうに感じております。 そういった背景がありながら、このコロナの感染症拡大を迎えているわけですけれども、フリーランス白書という毎年出している実態調査の最新版、まだ非公開なんですけれども、速報として本日はその一部データを御紹介したいと思います。 今年の調査では、主に三つのテーマについて聞いております。コロナ禍の影響、それから社会保険の加入ニーズ、そして定年に関する理想と現実ということですね。 まず、母集団ですけれども、私たちの四万五千人のフォロワーに対してインターネットで調査を行っております。今年御回答くださったのは七百十五名ですけれども、私たちの協会の元々の母数として、割とオンラインでもお仕事ができるエンジニアの方ですとかデザイナーの方ですとか、そういった方が少し多めのビジネス系のフリーランスに寄ったパネルになっているということはあらかじめ御了承いただければと思います。 就業形態でいうと、七五%が個人事業主ということで、一部法人成りしている方や、開業届、出していない方も含まれますけれども、大半は個人事業主の意見だと考えていただければと思います。 これは毎年、定点観測で聞いているデータですけれども、今の働き方を始めた理由、フリーランスになった理由というところでいうと、自分の裁量で仕事をするため、働く場所、時間を自由にするためなど、御家庭や御自身の体調に合わせて自分のペースで働き続けるためにフリーランスになったという方が非常に多いのかなと。これは毎年変わらない傾向でございます。一方、失業者ですとか、いわゆる企業勤めが難しい方の受皿にもなっているということも明らかかなと思います。 そういったフリーランスの方々が今後働き続ける上での課題という設問も、これも毎年取っていますけれども、昨年の調査では、収入がなかなか安定しないという項目、五五・一%だったんですけれども、今年はコロナの影響もあってか、六四・二%の方が収入が安定しないということを困っていることの一番に挙げていらっしゃいます。 実際、コロナが影響与えた内容というところですけれども、取引先の業務自粛による取引の停止ですとか、お客様が減少してしまった、御自身で業務自粛をしなければいけなかったなどの影響が上位三位に来ております。参考で、右下に二〇二〇年五月、ちょうど去年の緊急事態宣言下で取った調査も載せておりますけれども、そのときと少し影響の出方は変わってきているのかなと思います。 この調査、昨年末から今年の頭にかけて取ったんですけれども、現時点での、今年度とありますが、二〇二〇年度の収益の着地見込みを二〇一九年度と比較した場合の増減割合で教えてくださいという設問を取りました。結果、減ったという方が五五・〇%、四割以上減ったという方に限ると三二・七%が減ったというふうに回答しています。 これも御参考ですけれども、去年のゴールデンウイーク、緊急事態宣言下で取った調査ですと、その時点では、コロナの影響があると答えた方が八七・三%、収入が減ったという方が七四・四%でしたので、持続化給付金のおかげですとか少しずつ皆さん創意工夫されて、去年のゴールデンウイークの時点よりかは収入が減ったという方は減っているのかなと思いますけれども、依然として半数以上の方が収入が減ったというふうに答えられているということですね。 しかも、これは職種による差が非常に大きい部分になっておりまして、オンライン化ができるかどうかというのが一つの大きな境目になっているのかなと思います。オンライン中心での業務が可能な職種に限りますと、減ったという方、四七・八%ですけれども、オンライン化が難しい小売ですとか、あとは通訳翻訳系ですとか、営業とかアーティストの方とか、そういった方々というのは七割の方が減ったというふうに回答しています。 しかも、オンライン化をこの方たちも試みる中で実際格差がすごく広がってしまっているという実態がありまして、元々近所の飲食店に行っていた方が有名店のデリバリーでお取り寄せをするようになったり、近所のヨガ教室とか習い事をしていた方が人気講師のオンライン講座を、別の地方の方の講座を受けるようになったり、地元のライブハウスとか地元のイベントで演奏していたアーティストの代わりに有名な人気アーティストの演奏をユーチューブで聴くというようなことが起こって、いわゆる商圏が消滅してしまっていますので、ウイナー・テークス・オールの理論で、人気のある方はどんどん収入が増えるけれども、そこでうまく対応できない零細企業というのがどんどんオンライン化してもなかなか収益が回復しないというようなことが実態として起こっています。 自由回答もいろいろ載せていますけれども、まあ本当に職種問わずいろいろな影響が出ているということが明らかになっています。 こちらの自由回答ですね、改めて後ほど詳しく御覧いただければと思いますけれども、メディア系の方とかも、もうお仕事が全く、フリーランス全員契約停止されてしまったですとか、あとは技術開発系の方とかも、恐らくオリンピック関連でデジタルサイネージとかそういったデバイスの開発をされていた方だと思うんですけれども、持ち出しで準備していたものが全て赤字になってしまったですとか、あとはアーティストの方はライブが中止になるとか、習い事の先生とかも生徒が減ってしまった、あとは催事販売を行っていたような方も開催期間がなくなってしまったことで売上げが減少されている、あとは海外とお仕事をされていた方とかも海外渡航できなくなったために実施不可能になったとか、いろいろな影響が出ております。 ページ進みますけれども、こちらもあらゆる職種での影響について書かせていただいております。 下の方、下から二つ目のポツのところですけれども、減額しながらも持続化給付金のおかげで金額的に例年と変わらなかったというような方もいらっしゃるんですが、やはり二〇二一年どうなるか分からないという不安を抱えている方もいらっしゃいますし、少し計画の足の長い広告関連のお仕事をされている方とかですと、昨年の頭の段階で取っていた予算については消化されているので昨年のお仕事は大丈夫だったけれども、実際コロナが発生して以降の企画が止まっているため、十二月以降、最近になってから徐々に影響が出始めているというような方もいらっしゃいます。 一方、次のページは、増えたという方もいらっしゃいましたので、その方々の回答を載せていますけれども、多くがリモートワークに元々対応されていたとか、これを機に対応したという方々になっています。 そういった影響がある中で、医療保険ですとか失業保険ですとか、セーフティーネットへの関心というのも高まっているわけなんですけれども、社会保障のニーズというものを聞いている結果がこちらです。 働き方の違いにかかわらず社会保障が提供される必要性を感じているという方は九五・七%いらっしゃいます。一方で、実際に保険料を払うシミュレーションに基づいて、その保険料を払う前提で入りたいですかという質問もしています。雇用保険、会社員と同じぐらいの金額を払うとしたら加入したいですかという質問になると、入りたいという方は六八・一%に減っています。その理由、自由回答も載せていますけれども、加入したい方の多くが、育児休業給付金ですとか介護休業給付金、それから教育訓練給付金のようなものが必要なんじゃないかという方が結構多いのかなと思います。また、コロナのような不測の事態で失業保険に代わるようなものを欲しいという方もいらっしゃいます。ただ一方で、フリーランスの中でも、どちらとも言えないとか全く加入したいと思わないというふうに答えている方の中には、やはりその失業保険の定義、失業の定義がフリーランスの場合非常に難しいので、そこが私たちの働き方に合わないんじゃないかというふうに考えている方はいらっしゃるようでした。 もう一つ、健康保険と年金に関してですけれども、これも、私たち個人事業主でも法人成りをすれば協会けんぽと厚生年金へ入ることができるんですけれども、これもシミュレーションに基づいて入りたいですかということを聞いたところ、加入意向ある方は半数以下という形になりました。社会保障の必要性感じている方は九五・七%であるにもかかわらず、協会けんぽ、厚生年金への加入意向となると減少する背景としましては、やはり保険料の支払が非常に厳しいという声が多かったです。 アンケート取るに当たって御提示していたシミュレーションは、三つのパターンで年齢とか扶養家族の有無で見ていただいていたんですけれども、加入したいというふうに考える方は、現在の国民健康保険の額が高額過ぎてきついですとか、死亡給付、扶養制度、遺族年金、障害年金などがないことが会社員と比べて不公平じゃないかというような声もありました。一方で、加入したいと思わないという人たちの意見の中には、労使折半がないため、労使の両方の分を払うのは今の経済状況から考えると難しいというような声が大半を占めておりました。 もう一つ、何歳まで働きたいか、それから何歳まで働く自信があるかという質問を取っています。 現在、政府の方で、生涯、人生百年時代、長く働くために自営業で、フリーランスでというような文脈でいろいろと御検討いただいていると思うんですけれども、実際、フリーランスであれば定年がなくなるかというと、そうではないのかなということがこのデータから明らかになっています。あくまで働きたいという意向であれば生涯現役と答えている方が三〇%いらっしゃるんですけれども、自信があるかどうかで聞かれると一一%に減っているんですね。なので、収入問わない形で生涯現役で働きたいという方はたくさんいらっしゃいますけれども、フリーランスだからといって自助で全て成り立つということではないのかなと思います。 その希望年齢まで働く場合に感じる不安とその対策というところでも、やはり健康ですとか体力ですとかスキルの陳腐化などなど、いろいろありますけれども、そういった不安と闘いながら年を取っていくというのがフリーランスの今の姿ということになっています。 なので、最後、まとめになりますけれども、御家庭の都合ですとか御自身の健康状態に合わせて長く働き続けるためにフリーランスを選択している方はこれまでも多いですし、今後も増えていくというふうに考えられています。そのための環境整備というのは着実に進めていただいてはいるんですけれども、依然としてライフリスクに関するセーフティーネットは会社員と大きな格差があると。そして、フリーランスの五五%がコロナにより減収していて、その影響度合いは職種やワークスタイルによって大きく異なるものの、デジタル化の成否が一つの分かれ目になっている。 そういった不安を抱えている方々の中で、国民健康保険の保険料負担ですとか、傷病手当金、出産、介護のセーフティーネットのなさ、一階建ての年金などに不安、困難を感じている方が非常に多い状況になっています。働き方の違いにかかわらず社会保障が提供される必要性を大半の方が感じている一方で、労使折半がない形での健康保険、年金の保険料負担増に耐えられない零細企業も多いという状況です。 そして、フリーランスであれば企業にも政府にも頼らず自助で生涯現役というのはあくまで幻想であるということで、コロナの対策という意味での短期的な支援策、給付金なども非常に大事だと思うんですけれども、それに加えて、長期的な視点で全ての働く人が安心して参加できるセーフティーネットの整備が急務ではないかなというふうに考えております。 私からは以上になります。ありがとうございました。
○会長(芝博一君) 平田参考人、ありがとうございました。 続きまして、井上参考人にお願いをいたします。
○参考人(井上智洋君) 駒澤大学の井上です。改めてどうぞよろしくお願いします。(資料映写) 私は、なぜコロナ危機下でベーシックインカムが注目されるのかというテーマでお話しさせていただきます。 ベーシックインカムというのは、収入の水準によらずに、全ての人に無条件に最低限の生活費を一律に給付する制度ということなんですが、基本的には世帯ごとではなくて個人ごとに給付されるというふうになっています。例えば、最低限の生活費、ちょっとまあ月七万円だと足りないと思うかも分かりませんけれども、七万円が毎月、国から国民全員に給付されるということになります。よく普遍主義的な社会保障制度というふうに言われております。先ほど、平田参考人から、全ての働く人が参加できるセーフティーネットの整備が急務というふうなお話がありましたが、ベーシックインカムはその一つの候補として考えられるかと思います。 この普遍主義的なということなんですが、これまでは、企業でまず働いて、この部分が自助ということになるかと思うんですが、その企業で働けなくなったときに失業保険とか年金保険といったような共助があると。共助でもカバーできない場合には公的扶助によって救済されるというふうな既存の社会保障制度の基本的な仕組みになっているわけなんですが、で、公的扶助の部分が言わば公助ということになるんですが、この生活保護がうまく機能しているかというと、よく捕捉率二割というふうに言われていますけれども、受給されるはずの人で受給されていない人が八割いるというのが今現状になっています。 今後、そのフリーランスの方々が増えたり、あるいはAI、ロボットによって雇用が不安定になるというふうにも言われておりまして、なので、もはや今の時代には既存の社会保障制度は合っていないんじゃないかというふうに言えるかと思うんですが。それで、今注目を集めているのがベーシックインカムということなんですが、ベーシックインカムの場合には、もう何の条件も付けずに全ての人々が救済されるということで、普遍主義的な社会保障制度というふうに言われています。 それで、よく生活保護を拡充すればいいじゃないかという御指摘を受けることが多いんですが、生活保護の欠点を直していくと結局ベーシックインカムになっちゃうんじゃないかというのが私の主張です。 今の生活保護というのを単純化して考えると、これ横軸が当初所得、給料などで得た収入ということになるんですが、縦軸が再分配所得ということになっているんですが。この赤いグラフを見ていただきたいんですけれども、もし年収百万円以下の人に百万円の収入を保障しようとしたら、年収がゼロ円の人には、じゃ、百万円給付しますと、年収が四十万円の人には六十万円給付しますという形で給付をしていくと、年収百万円以下の人は全員再分配所得は百万円になるということなんですが。そうすると、働いても働かなくても再分配所得が変わらないゾーンができてしまって、これを私は平地というふうに呼んでいるんですけれども、これ今の生活保護も大体こんなような形になっていて、働いて収入を得るとその分の給付が大体減らされてしまうということになっていて、よく貧困のわなというふうに言われているんですが、こういう仕組みになっているがゆえになかなか生活保護を受給する状況から脱却できないということが起きています。 それに対して、例えば年収百万円以下の人に一律九十万円給付するという制度にして、それで、一定以上所得のある人は給付しないけど一定以下の人は必ず貧困から脱却できるようにしようというふうな制度というのも考えられます。 この制度、何がまずいかといったときに、これも赤いグラフに注目していただきたいんですが、これが再分配所得ということになるんですけれども、年収百万円の人は九十万円プラスして百九十万円の再分配所得になるんですが、年収百万一円の人はこの九十万円という給付が得られないので、百万円の年収の人と百万一円の年収の人で九十万円近い再分配所得の差が生まれてしまうということなんですが。このような差を崖というふうに私は呼んでいるんですが、この社会保障制度を考えるときに、こういう平地とか崖があるというのは大きな欠陥で、不公平を生むというふうに私は考えておりまして、このような不公平が生まないように修正すると、結局ベーシックインカムになってしまうというお話なんですが。 こちらは、国民全員に一律年間九十万円給付する代わりに所得税を二五%増税した場合の再分配所得を示しているのが赤いグラフということになります。年収三百六十万円の人は二五%増税すると九十万円増税されるわけですから、九十万円の給付を受けるとプラス・マイナス・ゼロということになるので、年収三百六十万円の人は再分配所得も三百六十万円で、特に純受益も純負担もないという状況ですね。年収が三百六十万を超える人は払う方が多くなって、三百六十万以下の人は受益の方が大きくなるということですね。 この赤いグラフ見ていただければ分かるように、平地もなければ崖もない、ずっと傾斜が続いているという状況になっているんですが、こういうふうに社会保障制度をうまく設計しないといけないというふうに思っています。ですので、生活保護が受給できる場合できない場合があるという選別主義的なスタンスを取っているという欠点と、それから、働いても働かなくても一緒という労働のインセンティブが働かないというこの二つの欠点を結局克服するとベーシックインカムになってしまうというのが私の主張です。 なお、こちらのグラフの青いものが再分配額ですね。年収が三百六十万より下の人は、この青いグラフの分だけ受給を受けられて、受給を受けられてというより純受益がこの額になるということですね。三百六十万以上の人はゼロを切っていますけれども、その分の純負担が生じるということなんですが、だったら、初めからその九十万給付して増税してとやらなくて、その差引きだけ考えればいいじゃないかとお考えの人もいるかと思うんですが、最初から差引きだけ計算したというものが負の所得税という制度になります。 よくその負の所得税とベーシックインカム、全然違うんじゃないかと御指摘を受けることもあるんですけれども、基本的には同じものです。もっと正確に言うと、負の所得税と同じ効果を持つようにベーシックインカムというのは制度設計ができるということですね。ベーシックインカムというものは、租税をどうするか、それから社会保障制度をどうするかという、この二点のいかんによっていかようにも制度設計できる、そういうものだと思っていただければいいかと思うんですが、そのため、余りベーシックインカムそのものについて丸ごと賛成とか反対と言っても余り意味がないことで、どういう制度設計のベーシックインカムが望ましいのかということを検討することが大事だと思っています。 それで、九ページなんですが、ベーシックインカム、分類すると、ちゃんとしたベーシックインカムは、ユニバーサルベーシックインカムというふうに全ての人々を対象にしているものは言われているんですけれども、ベーシックインカム的な制度ということで、一部の人々しか対象にしていないんですがベーシックインカムに近いということで、そういうのは限定BI、限定ベーシックインカムというふうに言われています。 それから、全員に給付しているんだけれども最低限の生活費には届いていないという場合には部分BIという言葉がよく使われます。最低限の生活を保障している場合には完全BIということになるんですが、この完全BIには全ての人々にということを含む場合もあります。 それから、ベーシックインカムを、先ほど申し上げましたように、社会保障制度のいかんによって変わってくるという話をしましたが、それで分類すると、代替型、追加型、中間型と三つに分けられると思っています。これらの言葉は私がつくった造語なので気を付けていただきたいんですが、代替型は既存の社会保障制度を全て廃止するという極端なお話ですけれども、追加型の方は既存の社会保障制度を全て残すという制度ですね。 それで、中間型、まあ改革型と言ってもいいかと思うんですが、既存の社会保障制度のうち残すものと廃止するものを取捨選択するということなんですが、私は中間型が理想だというふうに思っておりますけれども、社会保障制度の改革というのはそんな簡単なものではないので、それを待っているといつまでたってもベーシックインカムが導入されないということが起きるかと思いますので、私は、最初は追加型で導入して、徐々に中間型、改革型に変えていくというのがよろしいかと思っています。 代替型に近い主張をすると思われている人がいらっしゃるようなんですけれども、全部廃止するということをよく考えて検討した結果でもやっぱり代替型がいいという人は余りいないと思っています。健康保険制度とか障害者年金とか、そういう制度は残しておいた方がいいと思う人が多いかというふうに思っております。 それから、ベーシックインカムをその財源で分類した場合には、税金が財源である租税BI、国債が財源である国債BI、それから、ちょっと貨幣発行益が財源というのは分かりにくいかと思うんですが、これは後でお話しします。 これに関しても、私は、基本的には最初は国債を発行する以外にないと思っています。政府の借金が増えるので問題だと思う人も多いかと思うんですが、私は基本的には問題ないというふうに思っています。国債を発行することを非現実的だと思う人もいるかと思うんですけれども、特別定額給付金を考えていただければ分かるように、国債を財源にするということで国民に給付するというのはもう既に今、日本ではやられていることなので、そんなとっぴなことではないというふうに思っております。 それから、ベーシックインカム導入に当たって、その副作用があるんじゃないかというふうに考えられるわけですけれども、一つは労働意欲の低下、二つ目はその給付されたお金で過剰消費をしてしまう、三つ目はインフレーションということなんですが、一も二も結局インフレーションという形で現れます。なぜなら、労働意欲が低下すると労働供給が減る、そうすると物を作る人が少なくなるわけですから、需要と供給のバランスを考えたときに供給の方が減ってしまう、そうしたらインフレが起きる。それから、過剰消費の方は消費需要が増えるわけですから、それもインフレを引き起こす原因になるので、逆に言ったらベーシックインカムの給付額を幾らにすればいいかというのは、インフレーションを起こさない程度であれば構わないというふうにも言えるかと思います。 私は、よく月七万円というふうに言っているのは、恐らく月七万円ぐらいの給付ではインフレーションは起きないだろうというふうに思っているからです。ただ、そこに保証はないので、後でお話しするように、月一万円ずつぐらいから給付額を増やしていって、一年目は例えば月一万円、次の年には月二万円、その次の年には月三万円というふうに増やしていくのであれば、いつでも逆戻りできるし、ハイパーインフレになるなんという心配は要らないかというふうに思っております。 ベーシックインカムの現状なんですが、まだ本格的に導入した国はありません。フィンランドは実験が既に終了しておりまして、スイスは二〇一六年に国民投票にかけられましたが、否決されました。イタリア、スペインはベーシックインカム的な制度を導入しているんですが、これは、先ほど申し上げましたように、限定BIということになります。所得制限があるということなので、ユニバーサルでもないですし、完全BIでもないという状況ですね。 それから、フィンランドの実験なんですけれども、失業者二千人に五百六十ユーロ、日本円にして六万八千円程度給付したということなんですが、失業手当の受給者と比較してどうかという、そういう実験だったんですけれども、比較の結果、ベーシックインカムを受給した人の方が生活満足度が高い、それからストレスが低いという結果が出たんですけれども、労働意欲は失業手当の人と余り変わらなかったということで、ここが伸びなかったので、フィンランドではその後、ベーシックインカム導入には余り積極的ではなくなっているという状況です。 今、ベーシックインカムがこのコロナ危機下でかなり注目されているかと思うんですが、各国とも一時的なベーシックインカムとでも呼べるような、そういう政策を実施しています。香港では一万香港ドル給付、アメリカはもう三回目の給付をバイデン政権が決めたところですね。日本では一律十万円給付を一回行ったということなんですが、この特別定額給付金についてちょっとお話ししておきたいと思うんですが、十八ページになります。 私は、特別定額給付金がコロナ危機下において望ましい政策だというふうに思っています。なぜかといいますと、困っている人にだけピンポイントに国が支援するというのはかなり難しいことだと思っておりまして、例えば、特別定額給付金の方は第一次補正予算案で組み込まれたわけですけれども、第二次補正予算案では一人親世帯、母子家庭を中心に給付する、それから学生に対する支援というのもあったんですけれども、シフトを減らしたフリーターの人とか、それから歩合制のタクシーの運転手さん、こういう人たちは収入がかなり減っているわけですけれども、基本的には彼らを対象にしたような支援はなかったということなんですが、ちょっと細かいことを言うと、シフトが減ったフリーターの方も自分で休業手当を直接申請することもできるんですが、その予算額の一割ぐらいしか使われていなくて、そもそもこの制度を知らないとか、どう手続したらいいか分からないという人も多くて、基本的には支援が受けられていないという状況にあります。結局、政府が想定する困窮者しか支援を受けられないというのがピンポイントで支援することの難しさということになります。なので、理由を問わず、全ての困窮者を支援すればいいというふうに私は考えています。 そうすると、お金持ちには給付必要ないじゃないかと思う人も多いかと思うんですが、お金持ちの人からは別に後で税金で取ればよくて、結果として、そうすると貧しい人だけ救済するということになります。コロナによって貧しくなったかどうかというのは、私は問う必要が全くないと思っています。そもそもが政府はあらゆる困窮者を救済する責務があるというふうに思っておりますので、とにかく理由を問う必要がないというのが私の考えです。なので、もう広く給付してしまって、お金持ちの人からは税金を取るという形で、漏れなく救済するということが非常に重要かと思っています。 この給付というものが、特別定額給付金、まあ一回きりだったんですが、理想としては毎月十万円ぐらい給付した方が私はいいと思っているんですが、それが政治的に無理なことは分かっていますので、せめて追加の給付金というものを実施した方がよろしいかというふうに思っています。それが日本がこれからまた長期デフレ不況に陥らないようにするために必要なことだというふうに思っています。 今、自粛要請などによって一次的な不況が起きているという状況ですね。これは、自粛要請でそのまんま人々がお買物に出かけないから消費が減少しているという状況なんですが、これが企業の減収につながり、失業の増大とか給料が減らされるということにつながって、結局家計が減収して、家計が減収したことによって消費を控えるというのが二次的不況ということになるんですが、この一次的不況というものは感染の蔓延を抑制するためには防ぐことができないんですが、二次的不況は政策によって防ぐことができるはずなんですね。この循環がつくられてしまうと、スパイラル的にこれから日本は長期デフレ不況へと突入していってしまうということになります。 なので、減収した企業に対して給付、融資する、それから家計に対して給付、融資するということは、その企業や家計の持続、安定、生活の安定のために必要ということもあるんですが、不況を防ぐためにこれが重要だというふうに思っております。なので、コロナ収束まで月十万円の給付というのが理想だというふうに私は考えています。 失われた三十年という言葉がありますけれども、これが四十年、五十年になるのかならないのかという今、日本は瀬戸際に立たされているというふうに思っております。過剰なぐらいの積極財政を行わないと、この危機を回避することはできないと私は思っております。 済みません、ちょっとまだ資料は続くんですが、時間になってしまいましたので、以上で終わりにさせていただきます。 どうも御清聴ありがとうございました。
○会長(芝博一君) 井上参考人、ありがとうございました。 以上で参考人の皆様の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を執り行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言をいただけるよう整理してまいりたいと存じます。 発言は着席のままで結構でございます。 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いをいたします。 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。 それでは、これより一巡目の質疑を行います。 質疑のある方は挙手をお願いいたします。 三宅伸吾委員。
○三宅伸吾君 自由民主党の三宅伸吾と申します。 今日は、三人の参考人の皆様、有意義なお話を本当にありがとうございました。 まず、山田参考人にお聞きしたいと思います。 今、井上参考人からも話題に出ました特別定額給付金、十万円でございますけれども、かなり貯蓄に回ったんじゃないかという声もありますけれども、商店街の皆様方にとってはどういう評価をされているのかというのと、もう一つお聞きしたいのは、ワクチンの接種も世界で八十数か国・地域目として日本も始まりました。ワクチン接種への期待をどういうふうに持っていらっしゃるか、お聞かせください。
○参考人(山田昇君) ただいま伺いました給付金の関係でございますが、内容の云々という、まあ細かいことはよくは分からないんですが、かなりやはり我々の感覚としては消費の方に回ってくれたんではないかなという感じがいたします。 それと、もう一点のワクチンの件でございますが、このコロナ禍におきまして、どうしてもやっぱり自粛のあれが強いので、これで、ワクチンで、皆さんが安心してワクチンを受けて、ある程度の結果が出て、それで皆さんがまた町にもう何の気兼ねもなく出てきていただいて、販売、物を買っていただいたり物を食べていただいたりとか、そういうことになることを私は大変期待をしております。
○三宅伸吾君 お話の中に、冒頭の御発言の中にもございましたけれども、商店街の皆様にはこういう厳しいときに地域のきずなのインフラとして本当に御活動いただき、そしてまたコロナ対策でもとても御協力をいただきまして、本当に心より感謝を申し上げたいと思います。 先ほどのお話の中では、GoTo商店街とか様々な金融支援について今後もしっかりと対応を頼むという御発言がございましたけれども、山田さん、特にここを何とかしてほしい、一点挙げるとすると、政府への要望で一点だけ挙げるとすると、今日余りお話しできなかったことでもし何か補足ございましたら教えてください。
○参考人(山田昇君) そうですね、やっぱり、一つ言いたいことと限定されますと、先ほどのお話にダブってしまいますが、極力データをしっかりと取っていただいて、その現況を発表していただいて、なるべく、コロナの感染を防止しつつ、完全に止めてしまうということではなく、皆さんが町に出られるような方法を取っていただければ大変有り難いなと思っております。
○三宅伸吾君 次に、平田参考人にお聞きしたいと思います。 フリーランスの方々が増えることが日本の将来にとっていいことなのか悪いことなのか、どのようにお考えでしょうか。
○参考人(平田麻莉君) いいか悪いかというのは一概に申し上げるのは難しいと思うんですけれども、実際、私たちの協会のスタンスとして、みんながフリーランスになるべきだとかフリーランスを増やしたいというふうには決して思っていないんですね。 やはり、現行の社会保障制度においては会社員である方が安全ということはありますので、雇用システムの中で働けるのであれば雇用システムに守られている方がいいとは思っているんですけれども、一方で、雇用システムの中で働くのが難しい方がいらっしゃるというのも事実で、フリーランスというと自分勝手にやりたい自由な人たちと思われがちなんですけれども、そういった理由だけではなく、保活に失敗してしまって子供を預けることができず会社員として働けないとか、御両親の介護のために会社員として働くのが難しいとか、あとは健康上の理由で在宅でのお仕事しかできないとか、いろいろな理由で多様な働き方を求めている方というのはいらっしゃいますので、これまでであればそういった方々は有無を言わさず失業者というふうになっていたところが、今いろいろな働き方が増えてきたことで、少しではあるけれども、一応収入を得られるようになっているというような側面もございますので、そういった多様な働き方が推進されること自体はいいことなんじゃないかなというふうに思っております。
○三宅伸吾君 フリーランスといっても様々な方々がいらっしゃると思います。本当に、望んで、スキルは十分生かせるんだと、労働市場で十分私は能力を売れるという自信満々でそういうフリーランスの立場になっていらっしゃる方もいれば、そうでない、仕方なくという方もいらっしゃると思います。今日のお話の中で強調されましたのは、グラデーション化する働き方の中で中立的なセーフティーネットが必要だというふうにおっしゃいました。私もそのとおりだと思います。 そういう文脈で、私、いろいろなところで申し上げているのは、やっぱり日本のこの雇用関係の言葉遣いですね、正社員という言葉を今なお使っております。元々はレギュラーとイレギュラーの日本語訳だと聞いておりますけれども、確かにレギュラーとイレギュラーというのは分かるんだけれども、これ、正しいという言葉をずっと使い続けるというのは、私はどうも好ましくないというふうに思っております。安定しているという意味で、正しいという言葉と何となく親和性があるような気がいたしますけれども、様々な働き方を選好する方々が自分の望む職場環境というか雇用環境の中で自分らしく生きるという意味では、本当に中立的なセーフティーネットが求められていると私も思います。 その文脈で、今、井上先生がおっしゃったベーシックインカムでございますけれども、平田参考人はどういうふうにベーシックインカムについてお考えですか。
○参考人(平田麻莉君) あくまで協会のスタンスというよりかは私個人の意見ということになりますけれども、先ほど井上先生からお話のあった増税とセットなのであれば一つの有効な社会保障政策になるのではないかなというふうに思っております。 これまでは、課税という部分が、個人事業主だとなかなかちゃんと税の申告をしていないんじゃないかとか疑いの目で見られているようなこともあったかと思うんですけれども、今私たちの協会に属している方の大半は企業と取引をしている方々ですので、きちんとお支払調書が出ていたりですとか源泉徴収されていたり、いろいろな形で履歴が残っているんですね。マイナンバーの整備というのも今進んでおりますので、そういった形できちんと一人一人の所得が把握できて税捕捉できるようになってくれば、そういった本来の形での再分配というのもできるようになってくるのではないかなと思います。 先ほど井上参考人がおっしゃっていた本当の生活困窮者の方に届いていないという問題は私たちの協会で支援している中でも感じておりまして、一番困っている方こそ政府の難しい説明を読むとか理解するということがなかなか厳しかったりするんですね。なので、自分で申請するというような形だとやっぱり救えない方がいるというのは実態としてあるのかなというふうには感じております。
○三宅伸吾君 ありがとうございます。 平田参考人、本当に貴重な御意見ありがとうございました。 このベーシックインカムは、本当に理論的にも、そしてまた知的好奇心もとても刺激される、私は、すばらしい制度設計、制度案の一つだと本当に思っております。 ただ、かねて言われておりますように、最大の問題は財源でございます。制度設計の仕方によっていろんな試算がありますけれども、例えば、国民に、二十歳以上の国民に七万円、そして二十歳未満の方に三万円を給付するという試算ですと、この財源を得るためには一律三〇%の所得課税が必要だとか、本当に最低保障をどこにするかによって必要な財源変わってくると思います。私、これまで、どちらかというと、所得税を軸にした増税で賄うのが一つの手だろうと私は思っておりましたけれども、今日の井上先生の御提案は国債でいいじゃないかということでございました。 もう一つのBIの論点は、じゃ、国民に保障する最低限度の生活水準をどうやって決めるんだということでございます。先生は七万円というふうに今おっしゃいました。少し低いんじゃないかという御自身の評価もされましたけれども、今日、先生のお話伺っていて私自身がとても参考になったのは、最低保障、生活の最低基準を決めるに当たって、インフレにならない程度で、それも参考にして生活水準の最低保障の給付水準を決めてはどうかという御提案ございました。 一つの御提案だと思うんですけれども、それだと、場合によっては憲法が保障する最低限度の文化的な生活水準を保障できない可能性があって、ユニバーサルBIとはなかなか言いづらいという批判が多分出てくるような気がいたしております。 先生、その辺りのところはどのように、まあ徐々に本格的なものにするという御提案かもしれませんけど、もう一度御説明いただけると助かります。
○参考人(井上智洋君) おっしゃるように、月七万円だと生活補助金と言った方がいいくらいの額だと思うんですけれども、経済成長に合わせてこの給付額というのは増やしていけるものだというふうに思っています。 なので、日本がこれから経済成長していくということも非常に大事なことですし、それに合わせて底上げを図っていって、七万がそのうち八万円、九万円、十万円と増えていって、で、いつかは最低限の生活が、まあ幾らかというのもこれも議論はいろいろあるかと思うんですが、その額が幾らであろうとも、経済成長して給付額を増やしていける限りはいつかは達成できるというふうに考えていただければいいかと思います。
○三宅伸吾君 ベーシックインカムのそもそもの狙いなんでございますけれども、貧困の解消と中間層の生活基盤を確保することによって民主主義経済社会を発展させるというのが一つの狙いだろうと私は思っております。今先生がおっしゃったように、BI導入によって経済社会がうまく回り、それによって経済規模が増え、必然的に税収も増えるという好循環が出てくることを本当に期待いたしたいと思います。 その一方で、かねてこのBIと並んで給付付き税額控除というものが議論されてまいりました。自由民主党でも麻生政権のときに少し議論をいたしましたけれども、ちょっと今議論が止まっているようなところもございます。 井上先生はBIを強く主張されておられますけれども、給付付き税額控除ではなくそれよりはBIだと御主張される理由をちょっと分かりやすく御説明いただけると幸甚です。
○参考人(井上智洋君) 給付付き税額控除を世帯ごとではなく個人ごとにして、そうすると、先ほど私が説明したような負の所得税と同じようなものになります。で、その負の所得税は増税して給付するという形になっていますけれども、あっ、ごめんなさい、そのベーシックインカムの方は増税して給付するという形になっていますけれども、その差引きだけを行ったものが負の所得税で、その負の所得税の一種として給付付き税額控除があるというふうに考えていただければよろしいかと思いますので、世帯ごとなのか個人ごとなのかという違いはあろうかと思うんですが、さほど違いはないというふうに思っています。 ただ、その給付付き税額控除が果たして、例えば全く働いていない人まで対象にしているのかどうかというところは一つ問題かと思っています。働いていない人こそが救済の対象になるべきだと私は思っています。 働けない人と働いていない人の区別というのは原理的に私は付けられないというふうに思っていますので、そこの区別を付ける必要もないということで、先ほどの話にも似ているんですが、今までの給付付き税額控除のいろいろ欠点を直していくと、結局ベーシックインカムないし負の所得税、先ほど私が説明したような負の所得税と同じような制度になるというふうに思っております。
○三宅伸吾君 今、政府挙げてデジタル化、デジタル庁をつくったり、いろいろしようといたしております。BIを導入するにしても給付付き税額控除にするにしても、やっぱり国民の所得とそれから給付金の振り込み口座と、こういう情報をしっかり把握しておりませんと有効な社会保障政策は実現できないんだろうと思っております。 以上をもちまして終わります。
○会長(芝博一君) 以上、三宅委員の質疑を終了いたします。 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いします。 勝部賢志委員。
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。 今日は、三人の参考人の皆さん方、大変ありがとうございました。大変貴重な御陳述をいただきましたので、幾つか質問させていただきたいというふうに思います。 この度の新型コロナウイルス感染症は、大災害が起きたときと同じように、これまでの社会が積み残してきた課題などを白日の下に明らかにする、そして、やはり弱い部分に大きなしわ寄せが行くというのが明らかになったのではないかというふうに思っています。 そんな意味で、今日設定をされた課題、一つは商店街、地域の活性化という問題、それから雇用の不安定化、さらには、格差が拡大する社会になっている、それをどう解決するのか、そういうところに視点を当てて御陳述をいただいたというふうに思うんですけれども、今、当面、取り急ぎしなければならない対策というのももちろんあるので、これは国会でももう連日様々な観点から支援を含めて取り組んでいるわけですけれども、根本的な問題も依然として残されたままではないかというふうに思うんですね。 そこで、まず山田参考人にお伺いをしたいと思うんですが、地域の商店街は、とにかく町の顔として、あるいは様々な機能を持っておられて、それが地域社会を支える上で非常に大きな役割を果たしてきた、先ほども御説明ありましたとおり、私もそのように考えています。 ただ、そんな意味で、必要なその商店街が今回のコロナで本当に大きな打撃を受けていますので、そのことに対する対策は、先ほど言ったように、陳述でもおっしゃっていましたので、事業が継続していけるような対策は政府としてもしっかり取っていかなければいけないと思っています。ただ一方で、シャッター街化してきている商店街、これはコロナが収束をした後も、ひょっとするとコロナ以前よりも増して非常に重くのしかかってくるのではないかというふうに思うんですね。 そんな意味で、今、商店街が疲弊してきた、何というんですか、要因といいましょうか、問題意識といいましょうか、どこ、政策的に例えば変えることがあるとすればどんなことだというふうにお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。
○参考人(山田昇君) ただいまの御質問でございますが、先ほど冒頭でもお話しさせていただきましたように、商店街というのは、あらゆる機関の情報、地域の情報収集の場といいますか、例えば警察、パトロール、安心、安全のパトロールとか、あと国勢調査、商業調査その他もろもろ、あと消防とかですね、ありとあらゆることに関して我々は関わらせていただいて、地域の円滑な活動をできるようにしているわけではございますが、ただ、根本的に申し上げますと、なかなかやっぱり今の状況下ですと、商店街というのはなかなか厳しい。 なぜかといいますと、どうしてもやはり大型店の台頭、あとコンビニ、何ですか、ファミリー、スーパーですね、スーパーとか、そういうようなものが大変多くなってきておりますので、なかなかそこで我々が頑張るというのは非常に厳しい。平成十七年でございますか、大店法というのがなくなってしまいました、残念ながら。それによりまして、我々、大変大きな試練を課されております。その中で、我々からすると、よく頑張ってきたなと、今までよく生き残ったかなというのが現状でございますが、やはり我々は、はっきり言いまして、根っこがある組織なんですよ。根っこということは地域に深く根差しているわけです。ですので、少しぐらいの売上げ等々がなくなっても動けないわけなんですね。逆に根っこがあるからこそ、地域を良くしようという気持ちが大変強く、安心、安全とかいろんなもので地域を支えているという自負がございます。 ただ、残念ながら、以前と違いまして、我々が頑張って、一生懸命頑張っても、どうしても厳しいというか、そういう現状があるわけでございますので、法的には云々というのは難しいかもしれませんけど、我々がいるから地域社会がうまくいっているというところを評価していただいて、御支援をいただければ有り難いのかなという、そういう感じでございます。
○勝部賢志君 ありがとうございました。 大変熱意のあるお言葉で、本当に全くそのとおりだなというふうに思いました。 お話を聞いていて、一方で、今回のコロナで、何というんでしょうか、大都会一極集中みたいなことが、密を避けるという意味ではそうでない方がいいんじゃないか、地域で、例えばテレワークなんかもできるようになりましたので、地域の活性化というか、地域に人がまた行くような時代になっていくのではないか。それから、人と人とのつながりもなかなか、三密を回避するということになっていくと、そういうコミュニケーションすら取りづらくなっているけれども、やはりその地域の商店街が果たすべき役割というのは、こういうときこそ逆に大きくなっていくのではないかというふうに思いますものですから、そういう意味で、活路とまで言えるかどうか分かりませんが、特効薬的なものというのはないんだと思いますけれども、何か、これを反転攻勢ですね、商店街の活性化につなげていけるような、何かそういう御提言があれば私どもも参考にさせていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(山田昇君) 今お話ありましたように、商店街が持続的に発展していくという方向性というのは大変厳しいところではございますが、やはり今後、どうしても商店街はもう衰退する状況だから予算的なものとか施策的なものがだんだん薄れていってしまうという、そういう傾向が若干私が見た感じではあるような気がいたしますので、その辺をしっかりと支えていただいて。 それと、やはり我々は結構地域のお客様と直接的にいろんな情報とかを把握できる立場にございますので、その辺も評価を是非是非していただいて、地産地消じゃないんですけれど、やはり極力、方向性としては、余り電車に乗って買物に行くとかそういうんじゃなくて、地域で需要を満たしていただくと、そういうふうな後押しをしていただければ大変有り難いなと、そう思っております。
○勝部賢志君 どうもありがとうございました。 それでは、続いて平田参考人にお伺いをしたいと思います。 雇用が流動化してきて多様化してきていると、で、それに合わせたセーフティーネットが必要だということで、平田参考人を始めとした皆さん方が、そういう意味では、働く人たちのセーフティーネットを担っているという意味では、皆様方の取組に大変敬意を表しますし、これからも必要な役割だというふうに思っています。しかし、本来でいえば、やはり働く人たち、労働者をしっかり守るという労働法制や社会保障といったものは国や政府がしっかりやるべきものではないかなというふうにも一方では思っています。 そんな意味で、フリーランスという規定は非常に曖昧なところもあるというふうに私も思っておりまして、グラデーション化と言っていますが、何かまとめられて言われているような、非正規とかアルバイトの人も一緒に何か扱われているようなところもあるのではないかというふうにも思いますが、そんな意味で、平田参考人から見て、そのフリーランスをもう少し法的に、その働き方を守っていく意味で必要な法整備みたいなことで御提言があれば是非お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。 私たちの協会でも、今できることとして、いろいろな保険の御提供ですとか福利厚生やっておりますけれども、あくまでそれは政策が検討されるまでの共助の在り方ということで、それに加えて、公助、自助、共助、それで成り立っていくというところが理想なのかなと思っております。 そのとき、公助に何を求めるかということなんですけれども、先ほど十ページ目のところで、フリーランスに関連する検討課題として挙げられたものを私が三分類した図を載せております。 今回のコロナの影響も含めて、仕事がなくなってしまう、減ってしまうというような収入への影響に関しては、事業リスク対策ということで、失業保険のようなものが会社員であればあるわけですけれども、ここは自営業者に対してどこまであるべきなのかというのは、正直、当事者の間でも意見が分かれているところになります。なので、去年、私たちの協会で持続化給付金のような給付を、現金給付を要請させていただいたときも、補償という形ではなく、未曽有の危機の事態なので救済措置をという形で求めさせていただいておりました。 なので、先ほどベーシックインカムの議論ありましたけれども、今のところこの事業リスクへの対策に関しては、当事者の中でも結構実力主義というか、基本的には自己責任というふうに考えている方も多いのかなと思います。 一方で、右のライフリスク対策に関しては、今回調査結果もお示ししましたけれども、出産、育児、介護などのセーフティーネットですとか、健康、長生きといった誰もが抱え得るリスクに対するセーフティーネットだと思いますので、これに関しては、今会社員の方には手厚いセーフティーネットがあるけれども、そうでない人にはセーフティーネットがない若しくは薄い状態になってしまっている、これは今後多様な働き方を推進していく上で非常に問題だと思いますので、このライフリスクの対策に関しては、就労者皆保険のような形も含めて御検討いただきたいなというふうに考えております。
○勝部賢志君 ありがとうございます。 大変貴重な御提言いただきましたので、それを更に勉強させていただきながら生かしていければというふうに思います。 ちょっと時間が少なくなりましたので、次に井上参考人にもお聞きしたいというふうに思います。 ベーシックインカム、普遍主義的社会保障というふうに解説をされておられました。私は以前から非常に大事な考え方だなというふうに思っておりまして、今日は大変勉強になりました。 そんな中で、民主党時代、我々の前身である民主党時代に、最低保障年金制度というものを議論をしたことがございました。いわゆるユニバーサルベーシックインカムの中にはいろいろなやり方があると。それから、先ほど言ったように、追加型ということで、当面やっていこうというものもあると。 今、ちょっと話変わりますけど、給食費を公費負担というか無償化しようというような検討も今なされているんですね。そういったものなども、狭い意味でいうとというか、広く受け止めたと言った方がいいのか、ベーシックインカムの一つの中身になるのかなと思ったりして、そのことについてちょっとお聞きしたいのと併せて、今このベーシックインカムが議論はあるけれども、世界中にいろいろ議論されているんだけれども、なかなか進んでいかない。我が国において進めていくとしたら、どういう理解というか、どういう考え方を克服していくことが必要なのかという辺り、お考えがありましたら是非お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(井上智洋君) まず、給食費を無料にするということは私も賛成なんですけれども、あるいは、住居をただに近い形で提供するとか、いろいろとお金を全体的にばらまく以外の方法というのもあると思うんですが、そういうのはベーシックサービスというふうに最近は言われています。ベーシックインカムではなく、ベーシックサービスこそが政府の仕事であるというふうに考える人もいます。私は、まずベーシックインカムというものをベースに置いて、それから更に必要な部分でベーシックサービスというものを展開していくというのがよろしいかというふうに思っております。 それから、ベーシックインカムを日本で導入するに当たって一つ大きな壁になっているのはやっぱり財政の問題だと思っているんですけれども、今日ちょっと全部話し切れなかったんですが、財政赤字というものは、基本的には、日本のような自国通貨を持つ国に限ってはそんなに問題ではないというのが私の意見で、最近こういった考えはMMT、モダン・マネタリー・セオリー、現代貨幣理論として知られていますけれども、特に主流派ではない経済理論であるMMTならではの話というわけでもなく、主流派経済学者の中でも、自国通貨を持つ国が財政赤字を増やしても、インフレにならない限りはですけれども、問題ないというふうに言っている人も最近は出てきています。 私はこれは大事なポイントだと思っていまして、もし財政赤字が許されない、政府の借金を全部返すべきだという考えの方多いかと思うんですが、この考えに凝り固まっている限りはなかなかベーシックインカム導入というのはできないのではないかというふうに思っております。 ちなみに、財政赤字を増やす、国債を発行することで実は世の中にお金が出回っているという部分もあるので、もし今の貨幣制度の下で政府の借金全部返そうと思ったら、お金が消えてなくなるということでもあるので、未曽有の大デフレ不況が起きるかと思っているので、よく、この辺りの貨幣制度の話というのは難しいことでもあるんですけれども、知っていただきたいことだというふうに思っております。 以上です。
○勝部賢志君 ありがとうございました。
○会長(芝博一君) 勝部委員の質疑を終了いたします。 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いいたします。 杉久武委員。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 本日は、三名の参考人の皆様、貴重な陳述を拝聴させていただきました。大変にありがとうございます。 私の方から、まず山田参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 陳述の中にもございましたとおり、商店街に関わっている皆様というのは、地域社会に深く関わり、単なる事業だけではなくて、防犯や地域活動にも精力的に御参加をいただいて地域を守っていただいている、私は重要な担い手であるというように感じております。ただ一方で、今コロナ禍でやはり本業である事業がなかなかうまくいかない、立ち行かない、特に不要不急の外出を控えるというこのコロナ禍の中で、やっぱり商店街の皆さんは非常に大きなダメージを受けられているんではないかと。先ほどアンケートの調査結果の御報告もございましたが、今回政府が用意した様々な支援メニューは多く使っていただいたというところは非常に良かったなとは思うんですが。 そこで、ちょっと一つお伺いしたいのが、ただ一方で、やはり今回の支援メニューというのはどうしても公平性に対していろいろ御意見があることも多かったと思います。やはりその事業規模、業態に本来であればきめ細やかに対応すべき点もあろうかと思うんですけど、おのずとそこには限界があるのかなと。そういった中で、持続化給付金で収入補填をし、雇用調整助成金や家賃支援給付金で固定費を何とか賄おうというところはあったとは思うんですけれども、今後のやっぱり公平な支援の在り方、今回がどこまで皆様のニーズに応えられたかというのは追って評価しなきゃいけない面があろうかとは思うんですが、その辺りについて、今回コロナ禍でいろんな支援メニューを受けられた経験からお感じのことがあれば教えていただきたいと思います。
○参考人(山田昇君) 今先生がおっしゃいました支援の問題でございますが、なかなかやはり、お父さんお母さんでやっているお店もあるし、数人の従業員を使ってやっているところもあるということで、それが一律ということで、先生おっしゃるとおりに、まあフェアではなかったのかなという一点も感じてはありますが、全般としては大変有り難く我々も利用させていただいたということですね。 それと、我々一番この中で有り難いなと思ったのは、先ほどお話ししましたように、無利子の無担保の資金でございますね。これは大変有り難く、私どもも今、私は東京なんですが、約七十年以上商売をしておりまして、運転資金というのは借りたことなかったんですが、今回だけはやっぱりどうしても厳しいということで、民間の金融機関から借りさせていただきました。やはり、これは大変心強くて、何かあった場合にでも、それだけのものがあればもう少しは何とかコロナが収束するまでは頑張れるなという、そういう気持ちで大変助かったことも事実でございます。
○杉久武君 ありがとうございます。 続いて、平田参考人にお伺いをさせていただきます。 フリーランスの置かれている立場、特に中立なセーフティーネットが必要であるということを今日いろいろと教えていただきました。その中で、社会保険のお話は今日いろいろと教えていただいて、特に働けなくなったとき、予期せず働けなくなったときの保障が不十分であるということは私も実感をしております。 あともう一つ、やはりフリーランスに対して考えなきゃいけないのは、私はやっぱり税の部分の議論も深めていかないといけないんではないかと。 数年前の税制改正で、給与所得者とフリーランスでの公平的な中立的な税制を目指してということで、給与所得控除を減らし基礎控除を増やすという、まあ十万円ですけれども、改正がなされましたが、まだまだやはりここの部分についても深掘りをしないといけないんではないかなと私自身は問題意識を持っているんですが、その所得税の部分について何か御見解がありましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。 おっしゃっていただいたとおり、前回の税制改革で基礎控除が増えた部分に関して、当事者の間でも歓迎する声が多かったように思っております。 なので、私たちの協会として余り税に対する意識の調査をこれまで行ったことがないので確実なことは申し上げられないんですけれども、どちらかというと、税に関しては今捕捉し切れていないことに対する問題意識が、当事者の間でというよりも皆様の、会社員の方からの目という意味でですね、個人事業主は税金を払っていないんじゃないかというような偏見が結構ありまして、それがフリーランスに向けたセーフティーネットを構築する上での一つの世論的な反対にもなり得るだろうなというふうに思っておりますので、そこをしっかりと捕捉していただく。そして、確定申告の仕組みとかもどんどん、簡便化されておりますけれども、そういった手続とかもスムーズにできるようになっていくことで、フリーランスでもしっかりと納税をしているのだから、その分はセーフティーネットも中立に整備しましょうと、そういう世論になっていくといいなというふうに思っております。
○杉久武君 ありがとうございます。 続いて、井上参考人にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 何点かお伺いしたいんですけど、まず一点目が、このベーシックインカムの財源の議論のところで、一つが税財源でやるというお話が、案があったと思うんですけれども、税財源で行う場合、その税目というか、直接税がいいのか間接税がいいのか、その辺りについての御見解を教えていただきたいと思います。
○参考人(井上智洋君) ベーシックインカムの財源についてなんですが、先ほど私は、最初は国債がいいというふうに思っているということなんですけれども、それから、結局、政府の借金は返さなくてもいいんですけれども、インフレを抑えるという目的でいずれ増税が必要かと思っていますので、そのときどういう形の増税がいいかということなんですが、私は当面考えているのは所得税ということになります。 ただ、所得税が理想の税制かというと、ちょっとそうも言い切れない部分があって、先ほどフリーランスでのお話というのもありましたけれども、経費を膨らませれば所得税の税逃れが結構幾らでもできてしまうという現実がありますので、できれば、そのうちですけれども、資産税の導入というのを図ることができればそれがベストかなというふうに思っております。
○杉久武君 ありがとうございます。 続けて井上参考人にお伺いをしたいと思うんですが、ちょっと時間切れで詳しくお伺いできなかった点でもう少し教えていただきたいところがあるんですけれども、先ほどの質疑の中でもありましたが、自国通貨を持つ国の財政赤字はそれ自体問題ではないと、唯一の制約はインフレであるというお話がありました。 私、まさにこのインフレが一番大きな課題であるというふうに思っているんですけれども、このインフレをどう抑制をするというか、やっぱりこれはコントロールできるものなのかどうか、起きてしまった後、何か対処ができるのか。やっぱり、ここは私は、このMMTも含めてなんですけれども、一つ大きな議論すべきポイントではないかなというふうに思っておりますが、インフレのコントロールをそもそもできるものなのか、このやりよう、その辺りについての御見解を教えていただければと思います。
○参考人(井上智洋君) 私の資料の三十一ページに書いてあるんですが、究極的には二階建てのベーシックインカムという制度を私は考えておりまして、一つは固定ベーシックインカム、これは財源が税金になっていまして、最低限の生活を保障するためのベーシックインカムであると。もう一つ、変動ベーシックインカム、変動BIというものも考えておりまして、要するに、景気循環に合わせて、インフレ好況が続けば給付額を減らし、デフレ不況が続けば給付額を増やすというような、景気に合わせて変動させるようなベーシックインカムというのも考えておりまして、この二つをセットにして二階建てベーシックインカムという案は、何か世界的にも余りないお話らしいんですけれども、これを導入すればいいと思っていまして、変動ベーシックインカムの方はできれば日銀のような中央銀行がその額をコントロールできるようになっていると、今は日銀がETFをいっぱい買っていますけれども、ETFを買うぐらいの気楽さで国民に給付できるということなんですね。 ETF買いに関しては、今の制度の下では、私は、日銀がこれをやることはある意味仕方のないことだと思っているんですが、あんまり適切な制度ではないと思っていまして、上場企業とかその株主に対してだけお金をばらまくというのはいいのかどうかというのは、やっぱり問題だと思っていまして、だったら国民全体に給付すればいいじゃないかというふうに考えています。 ただ、今の貨幣制度の下では、日銀が直接国民にばらまくということはできないので、政府から国債を買って、その分それを政府の財源にして、直接的な国債買入れということになるんですが、で、政府が国民に給付するということなんですけれども、これは禁じ手というふうには言われていますけれども、それは制度をきっちりつくらないからインフレを巻き起こす可能性があるということが懸念されるわけなんですけれども、インフレ率目標を導入する、それから、政府が額を決めるのではなく、日銀のような中央銀行がどれだけ買い入れるのかをコントロールする権利を持つという、権限を持つというふうな制度設計をきっちりやれば、これは機能するというふうに思っています。 ただ、じゃ、この制度を導入する前、どうしたらいいのかというお話なんですが、先ほど国債を発行してベーシックインカムを賄えばいいという、当面の目標としてですね、賄えばいいというお話をしましたけれども、それでインフレが高まってきたらそれを、財源を税金に切り替えていくというお話をしましたけれども、それでは間に合わないということも当然考えられると思うんですが、そのときこそが普通に中央銀行の役割として利上げをすればいいということなので、そもそも、中央銀行がそういう金融引締めをしてインフレを抑えるというのはそもそもの責務なので、それを中央銀行が果たせないわけがないと私は思っているので、インフレを退治できないんじゃないかというところに関しては、私はそれほど心配する必要がないと思っていまして、日本は二十年以上デフレで悩まされ続けていて、それでインフレのことをやっぱり皆さんかなり心配されるかと思うんですが、それというのは今まで栄養失調だった人が肥満の心配をするようなもので、私は、何しろそのデフレをどう完全脱却するかということに考えを注力していった方がいいんではないかというふうに思っております。
○杉久武君 ありがとうございます。 最後、もう一問、井上参考人にお伺いしたいと思います。先ほども少し出ましたが、ベーシックサービスについてであります。 ベーシックサービスというのは、教育とか医療とか介護とか、生活上必要なサービスについて低廉にする、無償にするという形になろうかと思うんですが、このベーシックインカムと比較して、このベーシックサービスについて、まあ多分メリット、デメリットあろうかと思うんですが、その辺りについて、先ほども少し触れていただきましたが、どのように評価されているのか、最後教えていただければと思います。
○参考人(井上智洋君) ベーシックサービスも私は是非導入するべきだとは思っているんですけれども、やっぱりそのニーズに合わないということがあろうかと思うんですよね。政府の方では国民に対してこういうものが必要だろうというふうに提供したところで、いや、実はそんなものは必要ありませんというふうに思ってしまうかもしれない。何が必要かというのは当事者が一番よく知っているというところが重要かと思っていまして、要するに困っている人にお金を給付した場合に、その困っている人は自分が欲しいものを買うということなんですが、それはその当事者が一番必要なものは分かっているので、お金を給付すればいいというのがベーシックインカムの考えだと思っています。 そこで、その困っている人にお金配っても、どうせその人がパチンコに行ってしまったり、お酒を買ったりしてしまうんじゃないかと思う人もいるかと思うんですが、これまで世界中でいろいろフリーマネーと称してお金を配るという実験をやっていますけれども、皆さんが思っているよりは賢いことにお金を使っているというその実証研究の結果がいろいろ出ておりますので、ある意味貧しい人にお金を配ってもろくなことに使わないんじゃないかというのは偏見なんではないかというふうに私も、まあ最近なんですけど、思っておりまして、その辺と併せて考えると、やっぱりベーシックインカムというものの優位性があり、それだけれども、政府が直接提供した方がいいもの、あるいはこのサービスに関しては無料にした方がいいものというふうに補足的に考えていくというのが私はよろしいかと思っております。
○杉久武君 ありがとうございました。以上で終わります。
○会長(芝博一君) 以上をもって杉委員の質疑を終了いたします。 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いいたします。 梅村みずほ委員。
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。 本日は、山田参考人、平田参考人、井上参考人、貴重なお話をありがとうございました。 まず、山田参考人にお伺いしたいと思います。 やはり、商店街といえば何といっても人情を感じる町でして、その土地柄を表す大切なスポットでもあると思っております。 私も、地元大阪で先日、地元の議員と話をしておりましたときに、やはり不公平感が目立つという話が出てまいりました。飲食店の中でも、その規模であるとか、先ほどお話もありましたけれども、不公平が生まれている部分もあるけれども、やはりまだ補償されている分、お金をいただける分、飲食店はいいと。しかし、寝具店であるとか服飾、まあ履物店であるとか、あとはそうですね、いろんな業種ありますけれども、家具屋さんであったりとか、おもちゃ屋さんであったりとか、そういったところは本当に厳しいということで、商店街の中で、仲の良かった商店街の中で分断も生まれ始めているというような話も耳にしました。 ですので、恐らくその地域力、そしてこの組織力を生かして皆様が御努力されている中ではありますが、その商店街の中でのあつれきというのは生まれていないかどうか、現状を教えていただければ幸いでございます。
○参考人(山田昇君) ありがとうございます。 今、商店街の中であつれきがなかったのかという、そういう御質問をいただきましたけれど、おかげさまで、私は東京なんですけれど、東京ではそういうことはほとんどございません。それよりも、結構お互いに助け合う力が非常に増えてまいりまして、例えばテークアウト、我々は「すみだテイク!」というのをつくりまして、各飲食店の中でお互いにみんなで応援しようという、逆に言いますと、このコロナ禍で結束が生まれてきたかな、そんな感じがいたします。 それで、私の区では、金額的には大したあれではないんですが、例えばアルコールとか手袋とかマスク、そういうものを区と我々商店街が協力をいたしまして、商店街に入っている入っていないは別として、全部の飲食店等々に、そういう飲食店とかお店に配布しました。そのときも、逆に、聞いていないお店があると、その知っているお店は、こういうのがあるから利用した方がいいよというような感じで、私の感覚的から申し上げますと、かなりこのコロナ禍におきまして、人間の間はくっついてはいけないんですけれど、感覚的に、みんなで助け合おうじゃないか、何とかしようじゃないかという、そういう力が生まれてきたなという感じがいたします。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 では、次の質問も同じく山田参考人にお願いしたいんですが、平田参考人からは、フリーランスのコロナ禍における収入の増減の明暗を分けたのは、デジタル、オンライン対応ができたかどうかということで、商圏の消滅というところからITというものもキーになったというようなお話がございました。 商店街の中でも、地域のその商店街の中での結束が高まる中、オンラインの利活用でうまく乗り切っている好事例など、御存じでしたら教えていただければと思います。
○参考人(山田昇君) 私の区では、ある電子マネーを利用いたしまして、例えば物を買ったときに三〇%ポイントバックというのをやりました。それが、ほぼほぼ予算が、補助予算が三億だったんですけど、まあ二億ちょっとで終わってしまったんですが、非常におかげさまで消費が増えて、約八億の売上げを出すことができました。 第二弾を二月にやろうではないかということで区ともいろいろ協議をして進めたんですが、残念ながら、二月に入りましてからまた緊急事態宣言が出てしまいましたので、取りやめということじゃなくて延期ということで、今はちょっと取りやめて、恐らく、宣言が終わってから一か月ぐらいたって、用意ができてからまたQRコード決済で三〇%ポイントバックをやろうかなと。 それで、今回はある業者さんにお願いしたんですが、まず、我々できることは、まず端末を置かないこと。端末は結構お金が掛かって、五、六年で駄目になってしまいますので、端末を出さないこと。あともう一つは、決済が楽なことと。あと、入金ですね、お金が迅速に入ってくること。この三つをいろいろとみんなで研究いたしましたら、ある業者がそれに合致したのでその業者を使ってやっておりますが、大変に、逆に言うと、今までそういう電子決済をしなかったようなお店が進んで電子決済をするようになったという事例がございます。 ある意味で、大変にこのコロナ禍の中では、不幸中の幸いと申しますか、デジタル化が進んだんではないかなという、そういう感じがいたします。
○梅村みずほ君 コロナ禍で大変厳しい状況の中、そのように近代化のチャンスとされているような事例も御紹介いただきまして、本当にありがとうございます。 続きまして、平田参考人にお伺いをいたします。 私は、会社員、正社員のところから弱肉強食を覚悟でフリーランスになった立場ですので、会社員の立場も苦しいフリーランスの立場も両方経験してきたのですが、昨年、コロナ禍にあって自殺者が増加するという痛ましいニュースを聞きながら、フリーランスの方々の中にもそういった方がいるのではないかというふうに心配をしておりました。 ですので、御存じの範囲で、フリーランスの方々で自ら命を絶つというケースがどれぐらいあったか、体感で教えていただければと思います。
○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。 率直に申し上げて、自殺に関するデータは私どもでは把握しておりませんので、何か明確なことを申し上げるということが難しいんですけれども、必ずしもフリーランスだから窮地に陥ったときに命を絶つという感じではないのかなと思っていまして、むしろ、そういうときだからこそ自己投資をしようとかスキルアップをしようとか、前向きに捉えていらっしゃる方も結構いらっしゃるんじゃないかなと思っています。 ただ、一般的に言われることとして、コロナが直接の理由ということではないですけれども、どうしてもコミュニケーションが会社員の方に比べると少なかったりですとか、ずっと在宅で誰とも話さずに一日が終わってしまうといったようなことは、フリーランスの方だと傾向的にあり得ることですので、その中でメンタルヘルスを病んでしまうという方がいらっしゃるというのはよく問題視されていることではあるかなと思います。 そういう意味で、フリーランス協会では、なるべくそういう孤独を防ぐための交流の場を設けたりとかイベントを開催したりとか、微力ながらやってはいるんですけれども、そういったコミュニケーションを分断させないといった取組は、フリーランスに限らずですけれども、必要なのかなとは思っております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 先ほど平田参考人からもありましたけれども、やはりその業種によりけりではございますけれども、フリーランスというのは孤独に陥りやすい業種でもあるのかもしれないというふうに思っております。そんな中で、平田参考人が各フリーランスの方をつないでいらっしゃるというのは大変希望が持てますし、また、社会保障というのは、平時であればやはり自己責任というのもフリーランスには伴うものですけれども、平時でなく、今回のような非常時には社会保障といったシステムが不可欠だというふうに思いました。ありがとうございます。 では、井上参考人にお伺いいたします。 私ども日本維新の会では、チャレンジのためのセーフティーネットというふうにうたいまして、税制と社会保障と労働市場を三位一体で考えました新所得倍増計画というものを今国会から打ち出しております。主軸となっておりますのはベーシックインカムということで、私どもは、もちろん今は非常事態ですので積極的な財政出動というのも必要かと思いますけれども、基本的には租税BIという形で考えております。 やはり、いつでも議論になってくるのが財源でございますけれども、私どもは、今、富裕層の資産であったりとか企業の内部留保を始めとしまして、凝り固まっているお金の流れというのを解きほぐしたいということもございまして、ストック課税というものを検討しております。薄く広く全ての方にストック課税を課して、それを財源に充てるという発想なんですけれども、もちろん内部留保が悪いわけではなくて、今回のコロナ禍においてもそういった蓄えがあったから生き延びられた企業さんもあるんですけれども、そういったため込まれているお金にちょっと焦点を当てているんですが、そのストック課税についてどのようにお考えになりますでしょうか。
○参考人(井上智洋君) そうですね、私も、先ほど申し上げましたように、所得税よりも資産税がいいというふうに思っておりますので、おっしゃっているようなそのストック課税というのも、私の言っている資産税をもう更にもっと包括的に含むものだと思っておりますので、私もその方向性に賛成であります。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。ほっといたしました。ありがとうございます。 また、世界でまだ実施されたことのない、本格的に導入されたことのないベーシックインカムですが、社会実験のようなものは御提示いただきました資料の中にもありますように様々行われております。 昨年話題にもなりましたドイツの社会実験に関しまして、御存じの動き、御見解があれば、また、日本で社会実験をすることは可能と思われるかどうか、お伺いいたします。
○参考人(井上智洋君) 済みません、ドイツの件に関しては、去年、コロナ危機下において実験がスタートしたということで、まだその実験結果等は把握していないという状況です。 日本でも、政府とか自治体のレベルでの実験というのはほとんど行われていないという状況なんですけれども、民間での実験というのは、例えば元ZOZOの前澤友作さんが百万円を千人に配るという実験を行っておりまして、私もそのプロジェクトに関わっているんですけれども、今ちょうどそのデータの分析をして、そのうちにその結果というのも大々的に発表したいというふうに思っております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 国が主導で社会実験をするとしたらば、どれぐらいの規模で、どんなベーシックインカムをやってみたらいいかなと思われるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(井上智洋君) そうですね、ちょっと難しい話ではあると思うんですけれども、やっぱりフィンランドのケースが参考になるかというふうに思っておりまして、ただ、フィンランドは失業者が対象というところがちょっと批判を浴びておりましたので、いろんな職種、業種、失業者、それから就業者も含めて、いろんな人に給付して、その人たちの働き方とか消費行動がどうなるかというのを見てみるということが必要かと思っています。規模としては、やっぱり二千人規模であったり、まあ一万人規模とかでできたらいいかと思うんですが、なかなか大規模となると難しいかと思うので、せめてフィンランドで行ったような二千人規模での実験というのができるとよろしいかと思います。
○梅村みずほ君 大変参考になります。ありがとうございます。 また、年金についてもお伺いしたいのですが、私どもで検討しているのは、低年金、無年金問題ということもございますので、年金制度に取って代わる社会保障ということでベーシックインカムを検討しております。そこで、今、現段階でも国債というのが使われているんですが、今後国債の比率も高まるというふうに思われていることから、年金とBIについての関係についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
○参考人(井上智洋君) ベーシックインカムを導入して、私は最初は追加型でやるしかないと思っているので、今のその年金制度も含めて社会保障制度は取りあえずはそのままで、徐々に改革していくしかないのかなというふうには思っているんですけれども、今の年金制度が理想的かというと、私はもちろんそうは思っておりませんです。やっぱり、現役時代の働き方によって国民年金しかもらえない人、それから厚生年金、共済年金もらえる人というふうに、かなり、差別と言ったらあれですけれども、働き方によって区別されていて、その制度自体も複雑であって、政治家の方々であってもその年金制度の全貌を把握できていないというのが多分現状だと思っております。 なので、これをシンプルにするというのは非常に大事なことだと思っていまして、私は、例えば月に七万円のベーシックインカムが導入されたら、それに年金分が上乗せされて、少なくとも五万円、できればもう七万円ぐらいで計十四万円ということになりますけれども、一人当たりそれぐらいの高齢者に対する給付、例えば六十五歳以上の人には七万円のベーシックインカムにプラスして更に七万円というものがあってもよろしいかというふうに思っています。 というのは、若い人であれば月七万円の給付にプラスしてアルバイトをするなどして何らかの形でお金を稼ぐことというのはできるかと思うんですが、高齢者だとそれが難しかったり、あるいは、物価の安いところに引っ越すというのでも、高齢者はその引っ越すこと自体がかなり大変ということもあって、いろんな形でのハンディキャップを抱えているのが高齢者だというふうに私は思っておりますので、一律には考えられないんですけれども、私は何らかのプラスアルファが必要だというふうに思っています。
○梅村みずほ君 様々な御意見ありがとうございました。 時間ですので、質疑終了させていただきます。
○会長(芝博一君) 以上で梅村委員の質疑を終了いたします。 引き続き、質疑のある方は挙手を願います。 大塚耕平委員。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。 今日は、三人の参考人の皆様、本当にありがとうございました。 まず、山田参考人に一点お伺いしたいんですが、コロナ後に元の経済や社会が復元されるかということ、大変大きなポイントなんですが、率直に現状を見ていると、なかなか完全にという戻り方はしないんじゃないかという気がいたしております。そうすると、商店街も元々苦しかったところに今、更に苦しさが増している中で、コロナが収束した後にやっぱり元には、お客さんの客足も含めて戻らないということが分かった段階で真っ先に国に求めたい対応について、この時点で御意見があればお伺いしたいと思います。
○参考人(山田昇君) 今の御指摘ではございますが、恐らくコロナが収束して以前の状況に戻るということは大変厳しいんではないかなという感じがいたします。 これ余談ではございますが、東京都の副知事さんとお話ししたときがございまして、宮坂さんとおっしゃる方なんですが、その方が、恐らく二十年掛かって変化するところが二年で変わってしまいましたねというお話をされていました。まさしくそのとおりではないかなと私考えた次第であります。 それで、まず商店街というのは本当に、先ほども何回もお話しいたしましたように、地域社会と非常に深く結び付いてそこの住民の方々のお役に立っているという自負はあるんでございますが、一番の問題は、やはり商店街の社会的地位というものが大分ここへ来て薄くなってしまっている状況でございます。それは、予算的なものも見させていただいても、大体全国規模で商店街に対する予算というのは三十億ちょっとぐらいなんですね。で、一県一県にしますと約八千万前後の、そういう今状況が続いております。 ただやはり、私としては、東京都の例というのは事例にはならないんですけど、約、東京都の場合は五十億ぐらいあります。あれよりも、定期的なものから考えますと国よりも大きいわけですね。それで大分おかげさまで潤っておりますので、やはり予算の件も、やっぱり全国の商店街に対する支援をもう少し手厚く考えていただいて、なくなってしまったものというのはもうなかなか戻りませんし、またそのなくなったところにはやっぱり地域の荒廃というのも完全に生んでまいりますので、是非是非、施策面、予算面でも全国規模で是非是非見直していただけると大変に有り難いなと思っている次第でございます。
○大塚耕平君 ありがとうございました。 平田参考人にお伺いしたいんですが、お示しいただいた資料の十ページに現在の関連政策の進捗の絵をお示しいただいたんですが、日本は国民皆保険、皆年金と、医療と年金についてはそういう言い方をするので、先ほども参考人御自身から就労者皆保険というお言葉が出ました。 この図を見ると、健康保険と厚生年金はノットイエットと書いてあって、ここは恐らく、お話からするといわゆる会社員との違いがまだ是正されていないという意味だと思うんですね。逆に、しかし、制度としては、言わば国民皆保険と国民皆年金という言い方を政府はするわけでありますので、ところが労災は、労働保険は必ずしもそうではないという意味では、むしろここは参考人おっしゃるように就労者皆労働保険になればいいと思うんですが、しかしここはゴーイングというふうにしてくださっているんですが、労災保険に関して何がゴーイングで、何が足りなくて、もし就労者皆労働保険を実現する場合にはどういう形の保険がいいか、もしアイデアなり御意見があればお聞かせください。
○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたとおり、健康保険に関して皆保険、皆年金というのはおっしゃるとおりなんですけれども、ノットイエットの意味は御理解のとおり会社員との差ということを申し上げています。私たちのアンケートの回答、自由回答の中にもありますとおり、国民健康保険の保険料負担が厳し過ぎてちょっと家計に影響があるですとか、国保の場合は扶養の制度がないので全員分払わなければいけないとか、傷病手当金、出産手当金がないとか、いろんな差がありますので、そこをノットイエットというふうにしております。 労災保険に関しては、先ほども資料の中で申し上げましたけれども、特別加入枠の拡大というのを進めていただいておりますので、一部の職種について対応が見られるという意味でゴーイングにいたしました。ただ、それが本当にそれで、それだけでいいのかというと正直そうは思っていないフリーランスが多くて、やはり、幾つか理由はあるんですけれども、一つは、労災という仕組みそのものの問題でもあるんですけれども、労働しているとき、就労中のけがとか就労に起因する病気というものに対して保険が下りるわけですけれども、フリーランスの働き方ですと、在宅でパソコンでお仕事をしていたりすると、就労中というのの定義が難しかったりするんですね。なので、私たちの協会の会員ですと主にビジネス系のフリーランスの方が多いわけですけれども、そういう方たちが労災認定される可能性というのが非常に低いと。先ほど梅村委員の回答でも申し上げたとおり、メンタルの病気などの場合は、それが本来お仕事に起因するものかどうかというのは、会社員であればいろいろ裁判をして労災勝ち取るということできるわけですけれども、フリーランスの場合は非常に難しいんじゃないかというのがあります。 もう一つが、特別加入制度というのは保険料が自己負担なんですね。なので、会社員であればそれを企業が負担している部分も全て自分で賄わなければいけないということで、健康保険と年金と同じですけれども、労使折半がないというところで負担が増えてしまう。そうすると、労務中、就労中の病気やけがだと認定される可能性と保険料の負担というのをてんびんに掛けたときに、余り加入メリットがない、負担が増えるだけだというふうに感じているフリーランスも結構いるのかなと思っています。 なので、理想という意味では、労災保険もそうですし、雇用保険もそうですし、ほかの健康保険、年金もそうですけれども、会社員だから、フリーランスだからということではなく、働いている全ての人にひとしく保険料を納めてもらって、一方、企業の側というのも、今までは企業と個人というのが一対一で関係性があったので企業の側から保険料の半分を徴収するということで来ていましたけれども、今企業も業務委託での人材活用というのが非常に増えておりますし、副業解禁とかで必ずしも企業と個人の関係が一対一でなくなってきている部分もありますので、その雇用か業務委託かによらず、どのくらいの人員がそこで働いているのかですとか、若しくは、その売上規模などによってその保険料の企業負担分に今なっている部分を徴収するというような、今の徴収の仕方とは別の仕方で企業からも負担していただくというふうに変えていかないと、業務委託に切り替えた企業が社保を負担しなくてよくてラッキーという話になってしまいますので、ある意味、根本からちょっと検討していくことが必要なんじゃないかなと思っております。
○大塚耕平君 重要な御指摘ありがとうございました。 特に最後の業務委託のところなどは全くそのとおりでございますし、国民皆保険、国民皆年金、当然、国民皆労働保険と私たちも思っておりますので、是非同じ方向で、国の制度がいい方向になるように御尽力、御協力いただきたいと思います。 井上参考人、ありがとうございました。大変整理された御説明を聞かせていただきました。 実は、二〇一三年に安倍前総理が安倍総理のお考えに基づいた経済政策を運営されていかれて、この約八年間の間に、実はいわゆるリフレ派という考え方と、最近、ここ三年ぐらい出てきたMMTと、それから去年から急遽クローズアップされたベーシックインカム派と、この三つが実はそれぞれ、まあちょっと誤解を恐れずに申し上げると、お互いにとって説明しやすいところだけは連携して、しかし、それぞれ別々のことを主張して、かなり日本のこの論争は混乱しているというふうに感じていまして。 一点だけお伺いしたいんですが、今日も井上参考人もおっしゃいましたが、インフレだけが障害だと。しかし、例えばリフレ派がベースになって前政権の経済政策はつくられたわけなんですが、それはインフレを目指していたわけなんですよね。したがって、日銀の二%のインフレ目標、まあ相変わらず達成できませんけれども、これがさんざんこの数年間議論になってきたわけです。 私、たまたま日銀出身なので、黒田総裁には二%を達成すると物事がうまくいくという理論的根拠や学説はあるんですかとあえてお尋ねをして、それはないということを国会で明言していただいているんですけれども。 したがって、こういう混乱の中でもしそのベーシックインカムを実行した場合に、やっぱりある程度のインフレにはなり得ると思うんですが、どこまでは許容範囲と考えておられて、それはどういう根拠があるのかということについて、もしお考えがあればお聞かせください。
○参考人(井上智洋君) 私は、リフレ派の先生たちの中では、ちょっと井上は遠い親戚みたいなものだけどリフレ派に入れてあげようぐらいな感じでお付き合いいただいているということなんですが。何でかと申しますと、リフレ派のメーンの人たちは、私は期待派と呼んでいるんですけれども、要するに期待に働きかけるというところに重点を置いています。要するに、インフレ率が二%になるという目標を掲げることによって人々のマインドを、ああ、じゃ、二%になるんだったらということで、それに合わせて行動を取るようにするというところが重点が置かれています。 その中で、これは私のつくった言葉ですけれども、リフレ派の中でも現ナマ派と私が言っている人たちが私を含めて二、三人いるなというふうに思っているんですけれども、要するに、その期待に働きかけるんじゃなくて、もう直接お金を配ってしまえということを何年も前から私なんかは申し上げておりまして、私はそれをヘリコプターマネーという言い方をしているんですけれども、これは元々ノーベル賞を受賞したフリードマンの言葉ですけれども、空からヘリコプターでお金をまき散らすようにお金を、現金を給付していこうという、そういうやり方なんですが、日銀がそのインフレ率目標二%を到達できない理由は私は明らかだと思っていまして、要するに、ヘリコプターマネー的に世の中に直接現金を給付するような方法を日銀が持ち合わせていないというところが重要かと思っています。金融緩和してお金じゃぶじゃぶにしているじゃないかと皆さん思うかも分からないんですけれども、あれは民間銀行が日銀に持っている当座預金にお金がじゃぶじゃぶたまっていっているだけであって、世の中に出回っているお金、マネーストックが増えているわけでは必ずしもないという状況です。 今、コロナ危機下でかなり増えていますけれども、それ以前ではその日銀の金融緩和の効果というのはかなり限定的で、マネーストックは増やせられない、で、マネーストックが増やせられないがゆえにインフレ率も上がらないという状況だということなんですが、それがゆえに、私が先ほど申し上げましたように、変動ベーシックインカムのようなもの、日銀がお金を直接給付できるような制度というのが必要かというふうに思っています。その手段がないから当然目標は達成できない、あるいは、達成できるかもしれないけれども、それは期待に働きかけるという不確かなものがたまたまうまくいったからだというふうな考えでおります。 それに対して、MMT派というのは、このMMTの人たちの考えもいろいろなので一口に言うのは難しいんですけれども、自国通貨を持つ国は財政赤字自体、それ自体は問題にならないというところが世の中に広く知られている見解かと思っています。それに関しては、リフレ派の人たちも恐らく半分ぐらいの人たちが賛成しているかと思います。そのところに関しては話がダブっているかと思います。ただ、そのMMT派の人たちは、金融政策が無効である、あるいはかなりその効果が不安定で限定的であるということを強調するので、リフレ派のメーンの人たちはやっぱり中央銀行による金融政策を重視しているので、それでリフレ派とMMT派というのはすごく今仲が悪いという状況です。 私自体は何々派でも別に構わないと思っていまして、経済学者って結構けんかっ早い人が多いんでそうやって仲が悪い状況になっているんですけれども、別にそんなけんかする必要は全くなくて、何々派というのをとらわれずに、主流派にもたくさんの命題があり、MMT派にもいろんな命題、主張があるので、その一個一個が正しいのか正しくないのか、で、この主張が正しいのであれば取り入れて、それが日本の経済政策にとって必要なものなのかどうか、妥当な日本経済にとっての政策というのは何なのかというのを考えていけばいいというふうに思っております。 それで、ちなみに、MMT派の人たちはベーシックインカムは物すごい嫌っております。私自身はMMT派の主張をつまみ食いしながらベーシックインカムを主張しているので、すごくMMT派の人たちからも批判されているという立場です。 以上です。
○大塚耕平君 お三方とも、大変参考になる御意見ありがとうございました。 終わります。
○会長(芝博一君) 以上、大塚委員の質疑を終了いたします。 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いいたします。 岩渕友委員。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 三人の参考人の皆様、今日は貴重な御意見をいただきました。本当にありがとうございます。 まず、山田参考人にお伺いをいたします。 私は東北と北海道を主な活動地域にしていて、先日、青森市の事業者の方々の実態をお聞きする機会があったんです。地域で愛されて三十年間も営業を続けてきた飲食店でさえもこのコロナ禍の中で閉店をせざるを得ないとか、花屋さんは冠婚葬祭がなくなったりそういったものが縮小されたりということで軒並みキャンセルが出たとか、あと、お弁当屋さんなんかは会議やイベントがほとんどなくなってしまって大量発注が行われないといったような深刻な影響が次々出されたんですね。 今、二度目の緊急事態宣言出されていますけれども、宣言が出ていない地域でも同じように影響があるんだというふうに思うんです。その宣言が出ていない地域の実態について教えていただきたいということと、その宣言が出ていない地域にもいろんな支援策が必要だというふうに思うんですけれども、参考人がどのようにお考えか、お聞かせください。
○参考人(山田昇君) ありがとうございます。 今先生お話ございましたように、緊急事態宣言が出ているところと出ていないところ、それによってもいろいろとあるとは思うんですが、実は青森も、私、友人が仕事、青年部時代の友人がまだお店をやっております。やっぱり現状はなかなか厳しいということでございますが、やはり、何といいましょうかね、これからどういうふうな形のものをしていくかというのは大変これ厳しいことは厳しいと思います。 ただやはり、そうはいえ、中では、各県では独自の方法でこのコロナ禍を乗り切ろうというところも大変多いと聞いております。青森はどういうふうな感じかはちょっと分からないんですが、これからはやはりお互いに協力というか情報交換をして、なるべくコロナ禍を何とかやり抜くというか、そういう状況しか取りあえずは私はないような気がします。 個店としての努力というのは、大変小さいんですけど、やはりこれは各県の援助というか、そういうものを強くしていただかないと、なかなかこれ、すぐに改善されるという話ではないような気がいたします。
○岩渕友君 ありがとうございます。 続いて山田参考人にお伺いしたいんですけど、今日参考人からお話をいただいている商店街の役割というのが私も非常に重要だというふうに思うんですね。今日お話をいただいたように、例えば祭りの担い手だったり、防犯や見守りの役割を果たしたり、コミュニティーの場としても重要だし、非常に多様な役割持っているんだと思うんですね。だけど、閉店する店が増えたり、店を閉めた後、チェーン店がそこに代わりに入ってきたりということで、商店街の個性が失われているんじゃないのかというような声も聞こえてくるわけですよね。 ただ、その背景には、お話があったように、消費税増税があったり、災害が相次いだり、大型店やスーパーが進出をしたり、そこにコロナ禍が重なってということで、その持続的発展ということがなかなか困難な実態がずっと続いているということがあるんだと思うんですね。ただ、大型店なんかはその地域の実情と関係なく撤退しちゃうこともあるわけですけど、先ほど参考人が話をされていたように、商店街は地域に根付いていると、根差しているということなので、どんな状況でも地域支えることができるということだと思うんです。 なので、ちょっと改めて商店街の役割についてもう一度教えていただきたいということと、先ほど商店街を支えてほしいという話があったと思うんですけど、この支えるという部分をもうちょっと具体的に教えていただけますでしょうか。
○参考人(山田昇君) まず、一つの例というか、一番人間に対して大切なものというのはやっぱり災害時だと思うんですね、災害時。 皆さんにはもう釈迦に説法かもしれませんが、自助、共助、公助、こういうその三つのあれがあるんですが、人間が生き長らえるためには三日と言われているんですね、三日。それで、阪神大震災のときもそうだったんですが、ほとんどは地域の人たち、要するに商店街の人たちが炊き出しをやったり等々、この三日間というのを何とか頑張って、それで地域の方たちにお役に立ったなという感じがするんです。あと、あそこの、東北震災に関しましても、例えば、洋服屋さんがもうぬれてしまったものを乾かして、それを無料で提供したとか、そういうふうな形で大変に地域としては役立っているとは思うんですが、残念ながら、これがなかなか表に出てこないというところが我々は大変歯がゆく思っているなというところなんですね。 例えば、震災があっても、やっぱり地域の人たち、我々、身近なお客さんですので、ああ、あの人どうなったかな、この人どうなったかなという感じで目は配れるんですよ。ところが、じゃ、コンビニの皆さんはそこまで地域を把握しているかな、スーパーの方はそれだけ把握しているのかなと思うと、これ全然、全然と言っちゃ失礼ですけど、まあかなり薄いと思うんですね。そういうところを我々も一生懸命声を大にはしているんですが、なかなか一般に伝わっていかない。こういう有事なことって、本当にもうまれに起きることでございます。 ただやはり、夜中でも買物ができるとか、雨にぬれなくていいとか、あったかいところで、涼しいところで買物ができるというそっちの方が優先しちゃって、どうしてもやはり我々の商店街というのはなかなかうまく宣伝ができないというか、皆さんに価値を分かっていただけないのは大変歯がゆいなという感じはいたします。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次に、平田参考人にお伺いをします。 コロナ禍の下で、フリーランスの皆さんが抱える問題点がいろいろ浮き彫りになったというふうに思うんですけど、参考人から今日のまとめのところで、フリーランスであれば企業にも政府にも頼らず自助で生涯現役というのは幻想だということや、全ての働く人が参加できるセーフティーネットの整備が急務だという話あったと思うんですが、そのとおりだというふうに思いました。 今日御説明いただいたフリーランス白書も、いろいろな方の声見ていますと、一番どうにかしてほしいと思っているのが国民健康保険だと、傷病手当が受けられないのが一番のデメリットだというようなこともありました。例えば、その傷病手当の制度はフリーランスや個人事業主にも設ける必要があるというふうに思います。 こうした恒久的な制度の必要性について、参考人、どのように考えるか、お聞かせください。
○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。 おっしゃっていただいた国民健康保険の問題というのは、実は、私たちフリーランス協会設立して以来、一番協会に対して多く寄せられている課題というか期待の声で、何とか国保じゃない形で健康保険組合に入れるようにしてほしいという声が、一番私たちが受け取っている声になります。 その背景として、この中にも書いてありますけれども、その傷病手当金というのは非常に大きくて、やっぱり会社員の方であれば、多少病気とかけがになっても少しは休業という形で給与が出続ける可能性あるんですけれども、フリーランスの場合は、けがをしたり病気をして働けなくなった瞬間に収入がストップしてしまうんですよね。その補償が何もないということになってしまいますので、どっちが大変と言うつもりはないんですけれども、会社員の方よりも収入がゼロに突然なってしまうリスクが高い働き方だと思います。 また、その傷病手当金の問題だけではなく、よく言われることとして保険料の高さというところがあるんですけれども、今の多くの自治体の国民健康保険というのは赤字財政になっていまして、少し前、数年前に、それまで市町村レベルでの運営だったものが都道府県レベルで統合されるなど、その赤字財政どうするかという問題が指摘されているところなんですけれども、その国保の受給者というか加入している方の多くが個人事業主だったり自営業の方ですけれども、それに加えて、お仕事されていない無職の方、ニートの方とかですね、あとは前期高齢者の方とかもいらっしゃる中で、フリーランスの当事者の中ですと、そういうお仕事をされていない方の保険料を自営業者が負担しているというような構造になっていることを問題視している方もいらっしゃると思います。 やっぱり、そういうみんなで支えていかなければいけない人たちというのは一定数いらっしゃると思うんですけれども、それを自営業者だけが同じその保険のプールに入って支えるということではなく、会社員の方も同じように同じプールに入って支えるということが公平性という意味では必要なんじゃないかというような意見もあったりしますので、先ほどの繰り返しにもなりますけれども、やはりこれまでの、企業と個人というのが一対一でつながっていて、そこ経由で税金だったり保険料を徴収するというシステムが少し時代に合わなくなってきていますので、そこを切り離してというか、会社に属していようとしていまいと働く全ての人が同じように負担をして、それで賄い切れない部分、公共的に支えなければいけない部分はまた別途企業からなり税金からなり補填するというような形が望ましいのではないかなというふうに思っております。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次に、井上参考人にお伺いするんですけど、コロナ禍の下でこれまで以上に格差が拡大をしている実態があります。この格差拡大についてどのように考えていらっしゃるかということと、それを是正するためにどんなことが必要だと考えるか、お聞かせください。
○参考人(井上智洋君) 日本で格差が開いている要因はコロナ以外にも二つほどあると思っていまして、一つは、日本で長らく続いてきたデフレ不況だと思っております。デフレ不況のせいで、本人が希望しないのにフリーターになってしまうということとか、あるいは失業したり給料が増えなかったりということで格差が開いている部分というのはあろうかと思います。 それから、あともう一つは、これは世界的に見られる現象なんですけれども、AIを含むITの影響で中間所得層の仕事が減りつつあるということなんですが、単純化して考えて、低所得層が主に肉体労働に従事、中間所得層が事務労働に従事、高所得層が高度な頭脳労働に従事というふうに考えた場合に、その中間所得層が主に従事している事務的な労働というものが今減っているという状況ですね。 例えば、これアメリカでは顕著なんですけれども、コールセンターのスタッフとか経理係、それから旅行代理店のスタッフ、こういった事務労働というものが減っているという状況にあります。なので、中間所得層が減って低所得層と高所得層が増えていて、その高所得層の増え方よりも低所得層の増え方の方が大きいというのが現状です。 要するに、そのコールセンターのスタッフが失業したときに、じゃ、高度な例えばIT企業に転職するかというと、する人もいるんですが、多くの人は、例えばこれはアメリカでも清掃員であったり介護士さんであったりそういう職に就く人が多いということなんですが、そうすると、中間所得層がアメリカでは没落しつつあって、低所得層と高所得層に両極分化しているということがアメリカでは見られているというふうに言われていたんですが、日本のデータを見ても実はこの両極分化が起きています。所得分布というのを見ると、山が一つになっているんじゃなくて二つになっていて、フタコブラクダのような形になっていて、しかもその谷の部分、その真ん中の中間所得層の部分の谷がより深くなっているという状況が見られます。 なので、こういった構造的な要因によっても格差は開いているというふうに言えますので、それに更にコロナが加わっているというふうな、三つの要因が合わさって今の日本の格差拡大というのは起きているということを、私はこういう分析を行っております。 以上です。
○岩渕友君 ありがとうございました。以上で終わります。
○会長(芝博一君) 以上をもって岩渕委員の質疑を終了いたします。 引き続き、質疑のある方は挙手をお願いします。 浜田聡委員。
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党がNHK党で、参議院の所属会派はみんなの党です。よろしくお願いします。 参考人の先生方、本日は大変貴重な意見、ありがとうございました。私の方から、いずれの参考人の先生方にも質問させていただこうと思います。 まず、山田参考人に、商店街の将来像についてお聞きしたいと思うんですね。 昨今のコロナ禍で、各業界厳しい状況にあります。商店街も当然例外ではありません。ただ、商店街が厳しいというのはコロナ禍以前からある話だと思います。シャッター商店街という言葉は、これ地方だと一九八〇年代後半から指摘されていると聞いたことがあります。商店街の衰退、崩壊スピードというのが結構急速で全国的に問題となったということで、二〇〇五年に大規模小売店舗法再見直しが行われたと承知しております。 最近だと、やっぱりインターネットの発達でオンラインの買物普及して、実店舗での売上げに影響を与えているのは明らかだと思います。そこでこのコロナ禍が訪れたということで、もちろんピンチだとは思うんですが、ただ逆に、様々な社会の変化が起こる中、その流れに乗って大きな変革を起こすチャンスでもあるとは思うんですね。 そういった中、山田参考人の、将来の商店街をどうしていくべきかなどの将来像ありましたら、自由な見解お聞きしたいと思います。
○参考人(山田昇君) ありがとうございます。 将来像というのは非常に厳しい御質問だと思いますが、やはり我々生き残るためには何らかの形の努力をしていかなきゃいけないというのも事実でございます。 先ほどお話ありましたように、我々商店街の仲間ではキャッシュレスというのはなかなか厳しくて、皆さんに聞くと、うちはキャッシュですという人が多いんですね、残念ながら。しかしながら、この状況下においてやはり何かやらなきゃいけないということで、先ほど僕がお話ししましたような形の電子マネー、それもまず、話がダブりますが、端末がない、手数料が安い、お金がすぐ入ってくる、この三つのところをいろいろ精査してやったわけでございますが、今までデジタル化と言いつつなかなか商店街というのは腰が重かったんですが、逆に言うと、このコロナの後押しという、ちょっと言い方が良くないんですけれど、コロナ禍におきましてそういう状況が出てきている。 それと、何でしょうか、宅配ですか、宅配、あとはテークアウト、そういうものも非常に盛んになってまいりまして、ただ、これが全部救えるかというと、そうは僕は思わないんです。ただ、やはりやる気があって商店街で生き残ろうという人たちに関しましては、結構大きな動きになっていることは事実です。ですので、こういう形でやはり地域の人に喜んでいただけるような場をつくるというのは我々の責任であるかなという感じがします。 あともう一点は、このコロナ禍で余り大きな、ダイナミックに動けないということがございますよね。そうするとどうするかというと、やっぱり地域で調達するということが多くなります。やはりその辺もある意味での我々の追い風と考えて、皆さんと一緒に商店街の仲間たちといろいろ相談しつつ、足りないものはみんなの知恵で何とかする、そういうような形で、今後、未来、みんなと頑張ってこの地域の商店街を継続させようと、そういう流れが出てきているのも事実でございますので、満更全く暗い話ばかりではないのかなという、そういう感じがいたします。
○浜田聡君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、商店街には商店街の良さは間違いなくあると思います。時代の流れに合わせて良き変化できていけばいいと思います。私も応援させていただきます。 次に、平田参考人にお聞きしたいと思います。 日本でのフリーランス、個人事業主などですね、自律した働き方をしている、あるいはしようとしている人々にとって、そういった環境、特にセーフティーネットの評価についてお聞きしたいと思います。 ちょっと自党の話で恐縮なんですが、私の所属政党、NHK党の党首立花孝志なんですけれど、その話をさせてください。彼、元NHK職員で、高卒でNHKに入ったんですけれど、順調に出世して、NHK会長の側近になるまで出世しました。順調なキャリアを積みながら、ただ、NHKで行われている不正を目の当たりにして、それを見て見ぬふりできなくなってその不正を週刊文春に告発、内部告発をしたという経緯があります。その後、退社を余儀なくされて、その後、フリージャーナリストであったりパチプロとして生計を立てつつ、二〇一三年にNHKから国民を守る党という政治団体立ち上げて、地方選挙からこつこつと議席を積み上げて、二〇一九年の参議院選挙で議席を獲得して国会議員にまで上り詰めました。現在、その議席は党の事情から私に引き継がれているわけなんですが、現在も、立花孝志、我が党の党首として日本に九つしかない公党の党首という立場にあります。 この立花が行動開始となる内部告発のときに話を戻しますと、いろいろとリスクはあった上での行動で、本人相当悩んだと言っております。もちろんだと思います。ただ、その際に、立花が言うには、日本には生活保護というセーフティーネットがあるからこそ、そういう安心感があるからこそ行動を起こすことができたと言っておりまして、妙に私も納得した記憶があります。 ここでお聞きしたいのが、参考人が考える、日本でフリーランスとして、個人事業主として自律した働き方をしていく人にとっての環境、評価についてお聞きしたいと思います。
○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。 そうですね、私たちの協会では、ビジョンに掲げているのが誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へということですので、基本的には、自律的にキャリアを築いていく、お仕事をしたいと考えている方がフリーランスの中にも多いのかなと思います。なので、生活保護ですとかベーシックインカムとかはその最低限の生活を保障する上で必要なものだとは思いますけれども、今回のコロナの影響を受けた方々のお話を聞いていても、給付金をもらえてラッキー、働かなくてよかったと思っている人は本当に少なくて、やっぱり皆さん働きたいという思いが強いんですよね。 なので、しっかりと自分の専門性ですとかこれまでの経験というのを世の中に価値として提供したいというふうに考えている方が多いんじゃないかなと思います。所得とか収入というのはありがとうの対価だと思いますので、やっぱり誰かの役に立って喜ばれて、それで収入が得られるというところがやっぱり生きていく上での喜びにもなると思いますし、実際、コロナ禍とかそれ以前からも、ニーズがなくなった、商売がうまくいかなくなったときにはビジネスモデルをピボットするとか、皆さんやっぱり世の中の役に立つようにいろいろと工夫をしながら働いているということだと思います。 なので、生活保護があればいいというよりかは、生活保護も大事なんですけれども、やっぱり挑戦したいと思った人が挑戦できる、そういうセーフティーネットですとか、若しくは、挑戦したいんだけれども、病気だったり出産だったり介護だったり、誰もが背負い得るライフリスクによって働けないときにそこを一部補填するような、そういうセーフティーネットの在り方が望ましいんじゃないかなと思っています。 先ほど、国保の問題についてお話しさせていただいたときに時間の関係で触れなかったんですけれども、もう一つ加えますと、出産手当金というのも国保の場合は給付義務ではなく任意になってしまっているので、傷病手当金と同じく給付している自治体は一つもない状況なんですね。その結果、私たちの調査によると、女性の経営者、フリーランスの方で産後二か月以内に復帰している方が六割いらっしゃるんですね。一か月以内に復帰している方でも四四・八%いらっしゃいます。これは会社員であれば母体保護の関係で必ず休まなければならないとなっている産休の期間ですけれども、そういったセーフティーネットがないことで二人目を諦めたとかそういう方もたくさんいるので、仕事をする上での挑戦ということもそうですし、家族を増やすとか親のケアをするとか、そういった意味での挑戦も妨げない、そういったセーフティーネットが必要なのかなというふうに思っております。
○浜田聡君 ありがとうございます。 フリーランスなど自立した生き方というのは、そういう生き方される方が多くなれば私はもう国力増強につながると思っております。 今後ますますの活躍期待するとともに、応援させていただきます。 最後に井上参考人に、黒田日銀総裁へのメッセージをあればお聞きしたいと思います。 私は、この参議院では、渡辺喜美議員と会派みんなの党を組ませていただいております。二人とも常任委員会としては財政金融委員会に所属しております。 昨年三月に参議院財政金融委員会において、渡辺喜美議員が井上参考人の著書、AI時代の新・ベーシックインカムという著書を取り上げて黒田総裁にベーシックインカムについての見解を聞いているんですね。時間の制限がありますので、ここでその詳細は省いて要旨を簡潔に取り上げますと、ベーシックインカムを実施する際の財源の中で、いろいろとお話ありましたけど、その中でも日銀がお金をつくる、いわゆる通貨発行益が考えられると。渡辺議員は、これを使えば、先ほど話にありましたけど、変動ベーシックインカムの財源としては十分可能ではないかということを黒田総裁に見解を聞いたんですね。その問いに対して黒田総裁は、通貨発行益があるから実現可能などというのはやや短絡的ではないかと、ちょっと否定的なコメントをされていたわけなんです。 ただ、私は、この通貨発行益という言葉はベーシックインカム導入に向けて一つの本質をついた言葉だとは思うんですが、参考人がもし黒田総裁に何かメッセージをあるとしたらお聞きしたいと思います。
○参考人(井上智洋君) 黒田総裁もお立場があろうかと思いますので、たとえもし私のその変動ベーシックインカムの案に賛成だったとしても、なかなかそれは言えない状況かなというふうには思っております。 ただ、恐らく変動ベーシックインカムに何の興味も持たなかったのかなというふうには思っているんですけれども、まさに日銀が黒田総裁の下で二%のインフレ率目標を掲げて、いまだに実現できていないんですけれども、実現できていない理由がまさにこの私が言うような変動ベーシックインカムのようなインフレ率目標を達成する手段を持っていらっしゃらないからだということで、今更有効なそのインフレ率目標を達成する手段がありませんとはなかなかこれも言い出しにくいかとは思うんですけれども、是非、総裁のこの任期を全うされた後には、ちょっと私の言うようなお話にも耳を傾けていただければ幸いというふうに思っております。 以上です。
○浜田聡君 ありがとうございます。 数あるベーシックインカムの話の中で先生のおっしゃる話はバランス取れていて、私、個人的にはしっくりきます。 ベーシックインカムについては、複数の政党が最近はもう公約に掲げつつありますので、私も渡辺喜美議員と協力しつつ、今後、議員活動尽力していこうと思います。 私の質問、以上です。
○会長(芝博一君) 以上をもって浜田委員の質疑は終了いたしました。 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしましたが、二巡目は、申合せ時間が迫っておりまして、申し訳ございませんが、お一人五分以内でお願いをしたいと思っております。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。 石垣のりこ委員。
○石垣のりこ君 立憲・社民会派の石垣のりこと申します。 本日は、お三方の参考人の皆様、誠にありがとうございました。 本当に、また短時間ということで、ちょっとざっくりとなるかもしれませんけれども、お三方のお話を伺っていて、やはり特にこの二十年の日本経済の停滞、その中で、過度な競争主義ですとか自己責任の偏重というようないわゆる新自由主義的政策が進められて、それによって格差が拡大してきたと。その結果、例えば、今日お話しいただきました山田参考人のお話の中では、やっぱり地元の商店街がどうしても衰退をしてきていると。もちろん、これは人口の減少ですとか高齢化というようなところもあるとは思いますけれども、そのような影響が出ていると。またさらに、平田参考人のお話の中にもありましたけれども、これまでは終身雇用、会社員を主軸にしていた税制や社会保障の立て付け、これが、そういうものが崩壊して、フリーランスを含む様々な働き方を選択できるという言い方もできるとは思うんですけれども、選択せざるを得ないというような現状になってきているという、そのような今の状況に制度が追い付いていないというようなふうに捉えました。 その上で、最後、お一人ずつ、一問ずつになりますけれども、まずは山田参考人に伺いたいと思います。 GoTo商店街のお話がありましたけれども、コロナ前から補助事業を活用してイベントを実施して町のにぎわいなどをつくっている商店街というのはあると思うんですけれども、今回のこのGoTo商店街で、例えば三百万とか五百万とかという補助金を使って商店街の振興をしていくと。ただ、これが今回のコロナだけの一発花火を打ち上げるようなことにならないように、今後に継続していくためにどんなことが必要だというふうにお考えでしょうか。
○参考人(山田昇君) ありがとうございます。 GoTo商店街、これ大変我々心強くて、先ほどお話ししましたように、五百件ぐらいのところが実施をいたしまして、本当に我々としては頑張って助かったなと思いますが、イベントやECサイトを活用しての地元の観光資源とか産品、お店の良さをPRする、購買、利用につなげて、消費者と強いきずなの回復による顧客の常連化というんですか、常に来ていただけるのを目指すとともに、消費者ニーズを踏まえましたEコマース等による購買の平準化と、地元生産者と消費者とを直接つなぐハブづくり、そういうものも我々はこれ考えていって、より一層地域との結び付きをしっかりと結びつつ、そのGoTo商店街的なその事業を展開できるような素地を今後つくっていかなければいけないのかなと考えております。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 続いて、平田参考人に伺います。 フリーランスという選択に関して、どうしても何か自己責任、フリーランスであれば企業に対しても政府に対しても頼らず自助で生涯現役というのが幻想だというようなまとめがありましたけれども、どうしてもフリーランスを自分で選んだんだからというような社会の中で、そういう認識がどこかにあるのでは、強くあるのではないかというふうに私自身も感じているんですけれども、それに関して参考人の御意見がありましたら是非教えていただきたいと思います。
○参考人(平田麻莉君) 一昔前は本当にそのように考えられていたと思うんですけれども、今、人生百年時代とか一億総活躍というふうに言われる中で、お子さんを持っている方ですとかシニアの方も働き続けるということが社会要請になっているわけですね。その中で、会社員として働くという選択肢だけでは働き続けられない方がいらっしゃいます。 実際、今年の四月から施行される七十歳までの就労機会確保の法律に関しても、要は六十五歳を過ぎれば雇用延長しなくても業務委託にすればいいですよというお墨付きが企業に対してなされるということになりますので、今後、六十五歳以上の業務委託化されるフリーランスというか、元社員の方が続出することが考えられるわけですね。そのとき、御本人に選択の余地はないと思いますので、そこで全く定年して働かないというふうにするのか、少しでもいいから働き続けて納税者でありたいと思うのかは、もちろん本人が選んでいることではありますけれども、そのチャレンジを後押しするような制度というのはあってもいいんじゃないかなというふうに思っておりますので、自己責任という考え方では一億総活躍は実現できないのではないかなというふうに思っています。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 井上参考人にも伺いたかったのですが、ちょっとお時間ということで。井上参考人が、理由を問わず全ての困窮者を支援すればよいという考え方に対して私も非常に共感をいたします、お金持ちからは後で税金を取ればよいということで。 今回いただいたお三方のお話が、新型コロナウイルス感染症という感染症を通して社会が今どんなひずみを生んでいるのかということを非常に浮き彫りにしたということを非常にいろんな観点から今日はお話をいただきました。誠にありがとうございました。
○会長(芝博一君) 石垣委員の質疑を終了させていただきます。 それでは、本日の予定の時刻も参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度といたしたいと存じます。 参考人の皆様に一言御挨拶を、また御礼を申し上げます。 皆様には、コロナ禍の中、大変長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表して一言御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手) それでは、本日はこれにて散会といたします。 午後四時一分散会