国土交通委員会 第17号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2021/05/20
会議録
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、安江伸夫君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君が選任されました。 ─────────────
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長和田信貴君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(江崎孝君) 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立敏之君 おはようございます。自由民主党の足立敏之でございます。 本日は質問の機会を与えていただきまして、江崎委員長を始め理事、委員の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。 私は、建設産業分野の代表として、インフラ整備、治水対策、防災、こうしたことに取り組んでまいりました。本日はそうした経験をベースにしまして質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まずは、新型コロナウイルスですけれども、感染の拡大が続いております。まずは、これまでに新型コロナウイルスによって亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染された皆様の一日も早い回復をお祈りを申し上げます。また、医療分野を始め国民の生活を支えるため様々な現場で新型コロナウイルスと闘っていらっしゃいますエッセンシャルワーカーの皆様方にも心から感謝を申し上げたいと思います。 さて、内閣府が五月十八日に発表した二〇二〇年度の実質GDP、お手元に配付した資料の一ページ、資料一でございますけれども、前年度比四・六%の減、戦後最大の下げ幅となっております。この中で、民間住宅投資はマイナス七・一%、また民間企業設備がマイナス六・九%と、民間投資が大幅なマイナスとなっております。一方、公共投資についてはプラス四・〇%ということで、民間投資の減少を公共投資の増で補っているという構図が明らかになります。 このうち民間投資につきましては、資料今度は二の方にお願いしたいと思いますが、詳細に見ますと、やはりかなり冷え込んできているという状況が見て取れます。公共事業分野では、防災・減災、国土強靱化加速化対策などの効果で、特に土木分野なんかは新型コロナウイルスの影響を余り感じることはないんですけれども、住宅産業にとりましては、その影響はかなり深刻であるというふうに言わざるを得ないと思います。 アメリカでは、バイデン大統領が、今後八年間で二兆ドル、二百兆円規模の公共投資を経済対策として行うことを表明されております。ほかの国も、イギリスなどたくさんの国が追従する動きをしておられます。 こうした状況を踏まえますと、引き続き公共投資の拡大により我が国の経済成長を支えるとともに、民間投資につきましても、本日審議をする長期優良住宅、これに加えまして、東日本大震災や先日の福島県沖地震などの教訓を踏まえまして、地震に強い良質な住宅への転換、あるいは耐震性を高めるためのリフォーム、そして菅総理がおっしゃっておられます二〇五〇カーボンニュートラル宣言などを踏まえたゼロエネルギー住宅、ZEHなど、積極的に進めることが日本の経済の立て直しという意味でも大事だというふうに思います。 赤羽国土交通大臣の見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お示ししていただきましたように、住宅に関わる経済的な効果というのは大変大きなシェアを占めておりますし、住宅産業そのものも大変裾野の広い産業であって、裨益する範囲も大変広い、しっかり支えなければいけないというのはこれまでも考え、発信してきたとおりでございますが、その中で、やはり少子高齢化、人口減少化が進んでいると。住宅ストックの数はもう実は世帯数を超えていると。同時に、空き家も毎年相当な勢いで増えていると。 こうした社会問題的なところをどう考えていくのかということも視野に入れた住宅政策をしていかなければいけないんではないかと住宅局といろいろ議論をしているんですが、これまでの流れは流れとしながら、今後の将来を見据えるときに、様々な社会の変化を見据えた政策というのは非常に難しいんだけれども、本当に少しいろいろブレーンストーミングしていかなければいけないんではないかということをしております。 というのは、コロナによって働き方が変わって住まい方も変わるというのは、再三発言をさせていただきました。今までは、東京にいないと仕事ができないから、東京で、環境が悪くても高くても、狭いマンションで無理して生活していた。これが週に二日通えばいいとかリモートでいいということになると、東京にいる意味がなくなってくるという社会現象も起こりつつあると。そうなると、じゃ、住宅費用というのは実は可処分所得の中で相当割合が占めているので、大きく占めているので、人によっては、十分の一ぐらいで費用が済むんだったら違うもので可処分所得を増やした方がいいという人も相当出てくる可能性もあると。そうした場合の住宅政策というのはどうするのかということもいろいろ議論をしていかなければいけないんではないかと。 ただ、その中で、今回法案を提出させていただきましたのは、いずれにしても、良質な住宅ストックを増やしていくと、これはもう明らかに大事なことであるし、今回、この優良住宅というのは、概念としてはやっぱり百年間ぐらい使えると。やっぱり、三十年間終わって更に継続する、別の人でもいいんですけど、それしっかり喜んで買っていただけるという、良質なストックにしていくということが非常に大事であって、そうしたことの第一歩、大きな住宅政策の変換の第一歩の法案にしていかなければいけないなという、そうした思いで提出させていただいたわけでございます。 ただ、御質問のこの住宅関連の産業というのは日本の経済を支えている大きな柱でございますので、そこはしっかりそれは、そうしたことはよくわきまえながら全力で対策を練っていかなければいけないと、こう考えております。
○足立敏之君 ありがとうございました。 赤羽大臣のリーダーシップで、公共投資も加速をしていただく、そして、この機にしっかりと住宅整備を進められるよう、手厚い支援をお願いしたいというふうに思います。 さて、令和二年度は三度にわたる大規模な補正予算組んでいただきまして、合計三百兆円規模の追加経済対策が行われました。政府には、手厚い対応に感謝を申し上げたいと思います。 ところで、コロナ対策で令和二年度第三次補正予算で措置されました住宅のリフォームや追加工事に活用できるグリーン住宅ポイント制度、これにつきまして、来年の一月十五日までに入居完了することが要件になっているというふうに聞いております。新型コロナウイルスの感染の長期化に伴いまして、顧客と施工会社との打合せを行うことが難しくなるなど、契約に時間を要しているような状況でもあります。 このグリーン住宅ポイント制度について、住宅業界からは、一月十五日までの入居という条件を見直す必要があるのではないかというふうに要望を承っておりますけれども、住宅局長の見解を伺います。
○政府参考人(和田信貴君) お答えいたします。 グリーン住宅ポイント制度は、新型コロナウイルス感染症の影響による住宅着工の減少等を踏まえまして、経済波及効果が大きい住宅投資の喚起策として昨年度の補正予算で創設した制度でございます。 この制度は、経済の早期回復の観点から令和三年度末までに事業を完了する必要があるため、取得したポイントを追加工事に活用する場合、令和四年の一月十五日までに本体工事と追加工事を終了し、完了報告をいただくと、こういったことになってございます。委員のまさに御指摘のあったとおりの仕組みとなってございます。 注文住宅の新築など契約後に設計や施工等に一定の期間を要する場合、ポイントを追加工事に活用するには早期に契約を締結する必要があることから、国交省におきましては、補正予算案の閣議決定日である令和二年の十二月十五日を制度の対象となる契約の始期とするとともに、同じ日にポイント発行対象となる要件等を公開して、早期の契約締結が可能となるように努めてまいりました。 御質問のありましたこの完了報告期限一月十五日につきましては、何らかの弾力的な運用ができないか、検討していきたいと考えてございます。
○足立敏之君 ありがとうございます。 弾力的な運用を是非しっかり検討していただきたいというふうに思います。 また、コロナ対策で行われています住宅ローン減税、これにつきましても、十月までの契約が対象となっていると聞きます。新型コロナウイルスの感染の長期化、これに伴いまして、この減税の継続につきましてもしっかり検討をしていただくようにお願いをしたいと思います。 もう一点、最近の住宅分野のトピックスとして、いわゆるウッドショックについて伺いたいと思います。 かつてのオイルショックの木材版ということなんですけれども、アメリカでは、新型コロナウイルス対策として住宅ローンの低金利化などの支援が行われました結果、コロナ禍での在宅需要の増加と相まって、新築住宅の需要、あるいは増改築需要、これが高まっておりまして、住宅ブームが沸き起こっていると聞きます。それに伴いまして木材需要の急拡大というのが起こっており、木材価格が急騰しているというふうに伺います。一方、中国でも、経済回復に伴いまして木材需要が拡大しているというふうに聞いております。また、世界的なコンテナ不足なども影響して、集成材や製材など、日本の輸入木材の高騰、調達困難などを招いているというふうに聞いております。 日本でウッドショックにより住宅産業に何らかの影響が生じているのか、また今後どのような対応を考えているのか、局長に伺います。
○政府参考人(和田信貴君) 輸入木材の製品価格は、委員おっしゃられたように、アメリカにおける住宅着工戸数の増加、中国の木材需要の増大、あるいは世界的なコンテナ不足による運送コストの増大、こういったものにより高騰してございます。また、国産材の代替需要が発生し、国産材の製品価格も上昇していると認識しております。 木造住宅の供給事業者からは、輸入木材の価格上昇と品薄が進行している、輸入木材の品薄に対し代替の樹種への変更で対応している、国産材への代替需要の増加で国産材も品薄、値上がりが起きている、木材の調達のめどが立ちづらく工期が延びることもあると、こういったような御意見、お考えを聞いております。 また、木材の調達能力の高い大手事業者に比べまして、中小の工務店に影響が大きいものと受け止めております。 国土交通省としては、継続的に全体のこの状況というのを今後も把握しながら、まずは、短期的には、住宅用の木材の調達が困難になることなどによって資金繰りに影響を受ける中小工務店を想定しまして、中小工務店でも活用可能な融資制度の相談窓口などについて住宅の関係団体に周知をしているところでございます。 また、林野庁と連携しまして、木造住宅の供給事業者と林業事業者等との国産材の長期の調達の取決め、あるいは複数の木材住宅の供給事業者による共同調達の仕組み、こういったものについて、取組事例の情報提供をするなど、必要な支援、これを検討していきたいと考えてございます。
○足立敏之君 ありがとうございました。 最近では、外材の供給不足に伴いまして、国産材も値上がりしているというふうにも聞いております。木材の値上がりでその見積金額を上回るような事態も生じているとか、供給不足で工期自体に影響を与えることも考えられますので、引き続きしっかりと注視していただければ有り難いと思います。 続きまして、法案の質疑の方に移ります。 日本の住宅政策ですが、昭和五十年代当時は量の確保でしたが、住宅ストックとしての質の向上に政策の重点が移行し、平成十七年の九月に社整審におきましてストック重視の政策展開を掲げ、造っては壊すという政策から、いいものを造って、きちんと手入れして長く使う、大切に使うという方向に大きく転換したと聞きます。平成十八年には住生活基本法が制定され、住宅の長寿命化に向けた動きが始まり、平成二十年には長期優良住宅の普及促進に関する法律が制定をされました。 しかし、資料三の方を御覧いただければと思いますけれども、住宅の平均築後年数、住宅をどのぐらいの年数で造り直すのか、その年数なんですけれども、それを見ますと、日本は三十八年、アメリカが六十六年、イギリスが八十年ということで、日本は欧米の半分以下と、その短さに驚きます。 今や造っては壊す時代ではないということでございますので大変懸念されますが、日本の住宅が海外諸国に比べ平均築後年数が短い原因について住宅局長に伺います。
○政府参考人(和田信貴君) 我が国の住宅が短い期間で取り壊され、その平均築後年数が短い要因としましては、戦後の絶対的な住宅不足の中で、住宅の質よりも量の供給を優先せざるを得ず、十分な質が確保されなかった住宅ができましたが、こういったものが比較的早期に解体、滅失したことがございます。 また、高度経済成長期以降、大都市への急激な人口移動と都市型へのライフスタイルへの変化が生じ、居住ニーズに合わなくなった住宅が次世代に引き継がれずに壊されていったということもございます。 また、耐震基準が昭和五十六年に改正されたことにより、それ以前に建築された住宅の安全性に対する不安感や、あるいはこれを改修するときのコスト等から、既存住宅を改修して利用するより新しい耐震基準に基づき建築された新築住宅を選ばれることが多くなった、こういったようなことが考えられると思います。
○足立敏之君 ありがとうございました。 そうしたこともあって、長期優良住宅の普及を進めようということだと思います。 ところで、日本の長期優良住宅の割合ですが、今度は資料四の方を御覧ください。 新築の戸建て住宅については二五%程度進んでいると聞きますけれども、マンションなどの共同住宅については〇・二%と全く認定が進んでいない状況であります。私もかれこれ二十年近くマンションに住んでおりますけれども、こういう制度があるというのは、国交省にもおりながら、残念ながら知らなかったわけでございますけれども。 長期優良住宅につきまして、共同住宅の認定が遅れている理由と、共同住宅の認定を進めていく方策としてどのようなことを考えているのか、住宅局長に伺います。
○政府参考人(和田信貴君) 委員御指摘のとおり、共同住宅の認定割合は新築のうち〇・二%にとどまっております。その原因としましては、分譲マンションにおいては、例えば百戸のマンションで、住戸ごとに百戸分の認定手続がこの長期優良住宅を認定を得るためには必要となります。戸建て住宅と比較しまして認定手続が煩雑であること、これが認定の進まない原因の一つであるかと認識しております。 このため、今般の改正におきまして、住戸単位の認定を住棟単位の認定とするなど、認定を円滑にするための手続の見直しを行うこととしてございます。
○足立敏之君 ありがとうございました。 共同住宅についてもしっかり進めるようにお願いしたいと思います。 次に、既存住宅について伺いたいと思います。 先ほど大臣からもお話がありましたが、日本では、総世帯数五千四百万世帯に対して住宅ストック数が六千二百四十一万戸と大きく上回りまして、さらに空き家も増えているということで、やはり中古住宅の流通というのが重要な課題となっているというふうに承知しております。 今回、増改築行為のない既存住宅についても、長期優良住宅相当と評価できるものにつきましては積極的に認定を進めるとしたことにつきましては評価したいというふうに考えておりますし、このことが日本の中古住宅の流通の活性化を後押しするものというふうに考えたいと思います。 諸外国ですけれども、資料五の方にお示しをしましたが、中古住宅の流通という観点で見ますと、全住宅流通量に占める割合が、アメリカでは八一%、イギリスでは八六%、フランスが七〇%など、七、八割もあるのに対しまして、日本は僅か一四・五%であります。 私、以前、オランダのアムステルダムの世界遺産地域の住宅を見せていただいたことがありますが、築後四百年ぐらいだったと思うんですけれども、四、五階建ての高さの、まあ古い住宅ではありましたけれども、しっかりリフォームされていて、エレベーターもありまして、中はとても現代的な様子で快適で、とても羨ましく思った、そういう記憶がありますが、日本でも、既存住宅の流通シェア、これが欧米諸国と比較して低い、その理由をまず教えていただくことと、既存住宅の優良認定を行うことによって中古住宅の流通が活性化するように期待できると考えますけれども、その辺りについて住宅局長の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 住宅市場におきまして既存住宅の流通のシェアが欧米諸国と比較しまして低い要因としましては、耐震性等を満たす既存住宅として取引され得る良質なストックが少ないこと、物件の維持保全の状況や性能等に関する情報提供が十分でなく、既存住宅の質や不具合に対して不安が生じていることなどがあると考えてございます。 このため、耐震性や耐久性に優れ、そして維持保全の記録が保存された長期優良住宅のストックを大幅に増やすこと、これが将来の既存住宅の流通促進、まあ基盤、ベースになるものと考えてございます。 また、長期優良住宅の認定制度開始以前に建築された住宅の中には既に一定の性能を有しているものもあることから、念のため、制度の補完的な仕組みとして、増改築を行わなくても長期優良住宅の認定を受けられる仕組みを導入することとしてございます。既存住宅につきましては、長期優良住宅の認定を受けることで、性能が高い住宅であることを売買時に買主等に対して明確に伝えることが可能となります。 これらの取組を通じまして、既存住宅市場において流通し得る良質な住宅ストックの確保、拡大を図っていきたいと考えてございます。
○足立敏之君 ありがとうございます。 次に、認定のインセンティブについて伺いたいと思いますが、長期優良住宅の普及を進めるためにやはり何かインセンティブが必要だというふうに思いますけれども、容積率の緩和というのが効果を発揮するんじゃないかなというふうに思っております。特に共同住宅であればそのメリットも大きいので、是非積極的な活用を御検討いただきたいと思いますが、住宅局長の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) おっしゃるとおり、共同住宅においてその認定を進めていくという観点から、今回容積率の緩和ということを盛り込んでございます。 また、これを考えていくに当たって、有識者の委員会におきましても、長期優良住宅に係るコストも課題であり、住宅取得者向けのインセンティブや容積率特例などのインセンティブについて検討すべきとの指摘もいただいております。こうしたことを今回の法案に反映しております。 具体的には、新たに敷地面積と空地に係る要件を緩和した認定長期優良住宅型の総合設計制度というものを設けることとし、市街地の環境の整備改善に資すると認められる場合に、こうした容積率の緩和措置等を活用して共同住宅の認定促進が図っていかれるものと考えてございます。
○足立敏之君 ありがとうございます。 特に共同住宅ですね、これをやはり認定を進めるためにはこうしたインセンティブが必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、災害に係る認定基準について質問をします。 今回の法改正に伴いまして、新たな長期優良住宅の認定基準として、自然災害による被害の発生の防止又は軽減への配慮がなされたものであることという項目が追加されることとなったと聞きます。これによりまして具体的にどのような災害を対象にするのか事前に伺ったところ、土砂災害防止法の土砂災害特別警戒区域なんかはそれに該当するというふうに承りました。 一方、国土交通省では、四月の二十八日、いわゆる流域治水関連法を成立させています。この委員会でも質疑がなされまして、私も質問に立たせていただきましたけれども、この法律によりまして、浸水被害のリスクの高い地域をあらかじめ浸水被害防止区域として指定する、で、住宅などの建設を許可制とするということでありましたけれども、その制度自体は長らく治水対策に携わった私としても念願の制度でありまして、大変期待しているんですけれども、この法案で対象とするその自然災害というものに、今申しました流域治水関連法の制定に伴いまして新たに創設された浸水被害防止区域、これが対象となるのか、その辺について住宅局長の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 今回、長期優良住宅の認定基準に、自然災害による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであることを追加してございます。これは、土砂災害、津波、洪水などの災害リスクが高い区域を公共団体が指定している場合において、その区域で長期優良住宅の認定を行う際に配慮を求めるものでございます。 先ほど委員おっしゃられましたように、土砂災害特別区域などにつきましては、災害の危険性が特に高い区域として長期にわたる居住に適しているとは言えないということで原則認定しない、あるいは、災害危険区域、浸水想定区域といったものについてはそれぞれの特性に応じて定めていくこととしております。 御指摘の先般成立いたしました流域治水関連法に基づきます浸水被害防止区域、これにつきましても、災害の危険性が特に高い区域について指定されるということでございます。長期優良住宅に係る災害配慮基準の基本方針、運用指針においても具体的に位置付けていきたいと考えてございます。
○足立敏之君 ありがとうございます。 今お話のありました浸水被害防止区域、是非対象としていただきたいと思います。住宅局長は若い頃に河川局にもおられましたので、水管理・国土保全局としっかり連携してそういった制度づくりをしていただくようにお願いしたいと思います。 続きまして、長期優良住宅の施工業者について伺いたいと思います。 長期優良住宅への住宅業界の取組について見ますと、大手ハウスメーカーでは、戸建て住宅については長期優良住宅を標準化するなどの積極的な取組を行っているというふうに聞きます。そんなこともありまして、戸建て住宅について長期優良住宅を建設しているのが、お手元の資料六にお示しをしていますが、大手の事業者では八八・七%認定が進んでいるのに対して、中規模事業者では三七・九%、小規模事業者に至っては一四・七%と、中小事業者は参入が遅れているというふうに言えると思います。 地方の工務店には技術レベルの高い会社もありますが、一方で、技術のアップデートが不足していて、なかなか取組をしたがらないという言い方は余り良くないかもしれませんが、そういう業者もあるというふうに聞きます。また、手続が手間だということで申請を怠っているような工務店もあるというふうなことも聞いております。火曜日の国土交通委員会で、私の隣、自民党の清水議員が質問されましたが、省エネに関するゼロエネルギー住宅、ZEHについても同じようなことがあったと思います。 こうしたことを踏まえますと、長期優良住宅だとかZEHを推進していくために地方の中小工務店の技術力の向上を図るというのがとても大事なことでありまして、そうした取組を行う意欲のある地域の中小建設業、工務店にメリットのある方策をしっかりと検討していただきたいというふうに思います。 是非とも住宅局長には、地域の中小建設業、工務店が長期優良住宅の施工を担えるような、そういう環境づくりについてしっかり対応していただければと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 委員御指摘のとおり、中小事業者におきまして長期優良住宅の認定割合が低い状況となってございます。中小事業者におきまして長期優良住宅の認定取得が進まない理由としまして、おっしゃられたような申請手続に係るノウハウ、あるいは施工技術、知識の不足等々の要因があるかと考えてございます。 このため、中小工務店による長期優良住宅の整備に対して戸当たり百十万円の支援をしてございますが、今回の法改正を検討する中で、加算措置を設けるなどの拡充をしてございます。また、民間事業者団体が各地域で行う、建築大工技能者の長期優良住宅の整備に資する施工技術、こういったものを含めた技能向上のための研修活動等に対し支援を行ってございます。 中小工務店におきます長期優良住宅の整備を推進するために、これらの支援をしっかりと行ってまいりたいと考えてございます。
○足立敏之君 ありがとうございました。 今回の法案の成立に伴いまして、大手のハウスメーカーのみならず、地方の中小建設業の皆さんあるいは工務店の皆さんの関心が高まって、長期優良住宅が我が国でも増加していくことを祈念をいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷でございます。 本日も法案の質疑に立たせていただきまして、ありがとうございます。足立先生と質問重なるんじゃないかと思ってびくびくしておりましたが、余り重ならなかったので、通告どおりに質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、今回の法改正の必要性についてというところで、今までの実績、足立先生のこの資料にもありましたけれど、マンションなんかは大変認定率が低いというような状況になっております。 その認定率についていま一度確認をさせていただきたいのと、今回、既存の住宅を追加をするということで、この法改正によってどれくらいこの長期優良住宅が認定率が上がっていくのか、戸数が増えていくのか、どれくらいのことを期待をしているのかということを、この法改正に当たって、その期待に関する考え方。 それから、既存のものを長期優良住宅に改良をしていくと、その資産価値が上がったりすると固定資産税も上がるんじゃないのかなというふうに思っておりまして、それに見合ったインセンティブがないと、なかなかその既存の住宅を長期優良住宅に改良していこうというインセンティブが働かないんではないのかなというふうに思っておりますが、そういうところを含めて、この法改正でどれくらいの長期優良住宅が増えていくことを期待しているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 長期優良住宅の認定制度は、約百年、三世代以上にわたり使用することを想定とした耐久性あるいは省エネ性等を備えた良質な住宅を普及を図るための制度でございます。二〇〇九年に施行され、二〇一九年度末時点で認定された長期優良住宅のストック数は百十三万戸となってございます。 この現状も踏まえまして、本法案におきまして、住棟認定制度や民間審査機関の技術的審査の導入、さらには増改築を伴わない場合でも既存住宅を認定できるという仕組みを導入することとしておりまして、認定される長期優良住宅のストック数の増加を図ることとしております。具体的には、長期優良住宅のストック数を二〇一九年度末時点の百十三万戸から、二〇三〇年度末にはこれを倍増させ、約二百五十万戸を目指すこととしてございます。 また、建築行為を伴わない既存制度の認定制度は、長期優良住宅の認定制度の開始以前に建築された住宅の中にも、住宅性能評価を取得するなど、既に高い性能を有しているものもあることから、ある意味、念のために、制度の補完的な仕組みとして導入することと今回してございます。 長期優良住宅を支援していくということに関しましては、住宅ローン減税の借入限度額を一般住宅より一千万円高い五千万円に設定するなどの特例、あるいは金融面で住宅金融支援機構のフラット35において〇・二五%の金利を優遇する、あるいは中小工務店が実施する長期優良住宅の整備に対して補助を行う、こういった支援を行って、長期優良住宅の今後の目標に向けた促進を図っていきたいと考えてございます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 私も、この既存の住宅を流通させて、せっかくあるストックを有効活用していきたいなというふうにずっと思っておりまして、住まいとしての今回は活用というところで、既存のストックを長期優良に対応できるように増改築をしたり、今御答弁にもありましたように、増改築を伴わない住宅というものを新たに認定をしていこうということで、長く住める住宅を戸建てにしてもマンションにしても増やしていきたいということには賛成でございます。 その中で、認定の対象を拡大をしていく、特にマンションの認定率が、これ、今まですごく低かったマンションの認定率を上げていくためには、個別の申請から住棟の全体でというような御答弁ありました。そちらの方が、私も実はマンション住まい長らくしておりまして、住んでいる実感からすると住棟全体でやっていただいた方が進むんではないのかなというふうに思いますが、この長期優良住宅を認定していく中で、その保全計画というか長期修繕計画みたいな長らく使えるような計画がきちんとできるかどうかというところが一つ認定の重要なファクターになるんだと思っておりまして、それを決めていくのには、住民がつくる管理組合がしっかりしていないと、この修繕だったりというところが、管理がうまくいかないということになるので、これから、もしそのマンションの、特に既存のマンションだったりするところを手を加えて長期優良住宅として認定していくのであれば、その管理組合をきちんと整備を、育成したり支援をしていかないといけないのではないのかなというふうに思っておりまして、新築も含めて、この共同住宅、マンションの管理組合をどう育成、支援をしていくかというところの方策をお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) マンションの住棟認定ということにつきましては、建築前に分譲事業者が申請し一度認定を受けた上で、引渡し後に再度各住戸の区分所有者と分譲事業者が共同して変更認定を受けているというのが、これ現行のシステムでございます。 今般の改正によりまして、新築につきまして引渡し後の変更認定を行う、こういった場合に、各住戸の区分所有者ではなくマンションの管理組合にまとめて担っていただく。すなわち、元々分譲事業者の方で認定を取っているわけですが、それをマンションの管理組合の方に変更していくということにするわけでございまして、ここで手続負担の軽減と、それから、維持保全主体として管理組合、積極的にやっていただくということになるかと思います。 また、増改築の場合は、特に増改築をして分譲マンションを長期優良住宅に変えていくといったときには、管理組合の中のこの意思形成だとかいろんなことが、また大変なことが、作業が多く入るかと思っております。 認定を受けた分譲マンションの管理組合は、委員おっしゃられたように、維持計画の実施主体として、維持保全やその状況に係る記録の作成とか保存とか、あるいは所管行政庁による報告徴収への対応など、こういったことを行うことになります。これまで管理組合、共用部分の維持保全とか、その状況に係る記録の作成とか保存等は行ってきておりますので、しっかりとやってこられた管理組合であると、基本的なノウハウといいますか、経験というのはおありかと思います。ただ、新しくされるところとか、そういった新しく管理組合ができるところとか、新しいことをされようという場合には、円滑に長期優良住宅の認定取得がされるためには、この新たな認定制度を御活用いただくことになる管理組合の業務に関して混乱が生じないよう、ないしは円滑になるように十分留意してやっていくことが重要であると考えております。 私どもとしましては、新たに導入するこの住棟認定の制度が十分活用されますように、管理組合の方々、あるいは新築の場合は管理組合ができた際には管理組合にもう必ず入るであろうという方々ですね、こういう方々に、周知だとか普及だとか、こういったようなことをしっかりと情報提供したりして支援をしていきたいと考えてございます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 マンションの管理組合が今までも余りしっかりしたところがなかったりして、長期修繕計画が立てられなくて、分譲から時間がたって、さてどうしようなんというところも数多く見られてきましたので、その点については、国交省、しっかりと今までも管理組合をつくってということを指導されていたと思いますが、なおさら今度のこの長期優良住宅法案を進めていく中で、そういったところにもっと目配りをしていかないとマンションの優良住宅認定というのは増えていかないと思いますので、新築、既存にかかわらず、認定率を上げるために、そういったところへの支援を目くばせしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 続いて、増改築を伴わない既存住宅の話が先ほどから出ておりますが、追加をしていただいたのはすごくいいと思っております。どんな場合が想定をされて、どんな手順で、既存の増改築を伴わない、これ戸建てが多くなるんだと思うんですけど、増改築を伴わないで認定をされるのにはどういう手順が必要になるのか、お聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 今般の改正によりまして、建築行為を伴わない場合であっても長期優良住宅の認定を受けられる仕組みを導入していこうと考えているわけですが、おっしゃるように、戸建てということがやはり大きくなってくるかと思います。具体的には、この長期優良住宅の法律が成立する前に性能評価とかこういった形で元々高いレベルで住宅を造られている場合、こういったものについて、所有している方がやはりこれ長期優良住宅というのを認定を取りたいといったときに対応できるようにしたいと思ってございます。 認定の仕組みの中で、例えば認定基準としましては、耐久性とか断熱性など一定以上の性能が満たされること、これを求めるとともに、維持保全の計画、これを、認定を受けた後のことについてですね、これからはちゃんとやりますということで作っていただくことになります。具体的な詳細な基準につきましては、現在、増改築で長期優良住宅の認定を受ける場合の基準はございますので、これを参考にしつつ、有識者の意見を聞いて検討していきたいと考えております。 また、実際にその認定を受けるときには、長期の使用構造等であることや維持保全の方法等について、新築時の設計図書とか建物の現況調査とか維持保全計画等、こういったことを基に所管行政庁の方で審査を行って認定していきたいと、こういうふうに考えてございます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 是非、既存住宅を増改築なしで長期優良住宅に認定ができるというせっかく新しい制度をつくっていただくので、その優良住宅の認定を取ろうと持ち主さんが思うような分かりやすい形での広報だったり、それからその手続も分かりやすいものを是非考えていただいて、多くの既存の住宅が長期優良住宅として認定をされるように御努力をしていただければ有り難いなと思いますので、これはお願いをさせていただきたいと思います。 続いて、この長期優良住宅の認定に当たっての性能評価についてお尋ねをしたいと思います。 その性能評価、今までどのような現状にあったのか、そして課題については何なのかというところの視点からちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うんですが、やっぱり、先ほど言ったように、長い間、大臣の答弁にもありました百年ぐらい、流通というか、使える建物を認定をしていこうということになりますので、家族間で引き継ぐ場合だとか買換えをするとかというところが出てくると思うんです。 そうすると、購入する側とすると、その住宅が本当に信頼できるのかどうかというところは、その性能評価があって、それを見て購入をしていくことになろうと思いますし、その安心感がなければやはり流通の活性化ということにはならないというふうに私は思っておりまして、法案読ませていただいて、登録住宅性能評価機関の拡充をして、そして、そういうところも積極的に性能評価をしていただくというふうに書かれておりますが、優良住宅であるというだけの認定が書いてあるよりか、そこに、いろんな評価基準というか性能評価基準があると思うので、それぞれについて、ここはこういう、例えば、耐震はすごくいい耐震になっています、ここは環境の面でいい性能ですとかという具合に、せっかく性能評価を一緒にするような形になるんだと思っておりますので、レベルというんでしょうかね、その優良住宅ですという認定だけじゃなくて、ここは優れています、ここはこうですというふうに一目で分かるランクみたいなのがあると安心ができるし、それを見て、この住宅だったら買いましょうということにつながるんだと思っているんです。 中古車を買うときにやはりそういうふうに、年式だったり走行距離だったりというところに含めて、ここに傷がどうだとか、修理歴がどうだとか、そういうその性能というか、その評価がきちんと、評価書が付いていて、それを見て買うようなというのが中古車買うときに皆さん気にしているところだと思うので、今度のこの住宅の流通を活性化していくためにはそういうところも必要だなというふうに思っておりまして、その長期優良住宅の認定をするときに性能評価を一緒に私は付けて、よく見ていただいて吟味していただくということにすると安心感とか流動化につながっていくと思っておるんですが、その点については国交省としてどう考えているか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 委員おっしゃるように、長期優良住宅が既存住宅として流通を広げていくというためには、単に認定を受けているということだけでなくて、買主あるいは買主になられる方にとって、その性能の具体的な内容とか意味とか、こういったものが分かりやすいということが大事だと思っています。 例えば、長期優良住宅そのものの一つ一つの性能、認定していく項目というのがございますが、ただ長期優良住宅ですと言われただけでは、やはり全ての方がすぐ分かるというものではないかと思います。このため、新築の際だけでなくて、既存住宅として流通していく段階においても、取り扱っていただく事業者の下で、あるいは住宅情報のサイトや何かの下で、買主が一つ一つの項目について、この家というのはどういうそのレベルにあるのかということ、そういった内容とか意義ですね、これがよく理解できるように情報提供にまずは取り組んでいきたいと思います。 また、長期優良住宅と、先ほど性能評価との関係のことをおっしゃっていただきましたが、長期優良住宅、その認定の項目の中では、性能評価のかなり最高レベルに近いところの基準をクリアしてございます。そういった意味では、かなり全ての面において、全ての項目において高いんですけれども、そうはいっても、一定基準の認定ですから、そこからどのくらい高いかということが全部分かるわけではございません。長期優良住宅のその基準を上回る項目、こういったものがあるような物件というのも当然あるかと思います。 先ほど委員が法案のことでおっしゃっていただきましたけれども、今回の改正によりまして、所管行政庁への認定申請前に、登録住宅性能評価機関に対して、住宅性能評価と併せて長期使用構造等の確認の申請ができるようにしておりますので、住宅性能評価も長期優良住宅と併せて取得するケースというのが増えてくるかと思います。現在、大体七割くらい住宅性能評価も併せて取ってございますので、これがもっと増えてまいりますので、そうするとより細かな情報というのも活用いただけるようになっていくと思いますので、そういったことがしっかりと活用されるように取り組んでまいりたいと思います。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 そこが私やっぱり既存住宅の流通の肝だと思っているので、そこをしっかり法改正に合わせて取り組んでいただきますようにお願いをさせていただきたいと思います。 続いて、災害リスクの関係で質問をさせていただきたいと思います。 先ほども質問ございましたけれど、災害リスクの高いエリアにある住宅というのは全てが除外の対象になってしまうのか、それとも災害リスクにある程度対応ができれば認定をされていくものなのか。先ほど足立先生の質問にもありました流域治水法で浸水のところの関係もありますので、その点についてもう少し具体的にお示しをいただければ有り難いなと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 今回の改正によりまして、長期優良住宅の認定基準に、自然災害による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであることを追加することとしてございます。 これは、土砂災害とか津波とか洪水などの災害リスクが高い区域を地方公共団体が指定している場合において、その区域で長期優良住宅の認定を行う際に配慮を求めるというものでございますが、具体的には、土砂災害特別警戒区域などの災害の危険性が特に高い区域については、長期にわたる居住に適しているとは言えないことから、原則認定しないということにしたいと思っております。 また、災害危険区域のように、災害のリスクに応じて建築の禁止から建築制限まで建築規制の内容に幅がある区域につきましては、所管行政庁の判断で建築制限の内容を強化したり、あるいはやはり建築は認定しないということとしたりということができるようにしたいと考えております。 また、浸水想定区域のように、建築制限はなく、一定の災害の危険性はあるものの、一律に居住を避けるべきとまでは言えない区域につきましては、地域の実情を踏まえ、所管行政庁が必要な建築制限を定めて認定することができるようにするということを考えてございます。 具体的な基準につきましては所管行政庁において定めることとなりますが、例えば浸水想定区域において、災害時の物的被害を軽減するための対策として居室の床面の高さを想定の浸水深よりも高く設けること、こういったようなことを定めて認定していくということが考えられます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 対策をしっかりすれば認定をしていくという御答弁いただきました。ありがとうございます。 続いて、紛争処理の関係でお尋ねをしたいと思います。 住宅紛争処理制度をこれから充実をしていくということにこの法案を通してなっていくかと思いますが、これまでどんな紛争があったのか、主な事例をお示しをいただきたいのと、特にこれから既存の住宅を買った後等にその紛争の種になるようなことが出てということも考えられますが、どのようなときに利用ができるのか、そして利用するのに条件等がありましたら、それも併せてお示しをいただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 住宅紛争処理制度は、弁護士や建築士などの専門家の関与の下で、住宅のトラブルに関するあっせん、調停などを裁判外で行う制度であります。紛争処理機関として全国五十二の弁護士会が紛争処理を行っておりまして、令和元年度現在で百八十件、制度開始後の累計では千六百件以上利用されております。 現行では新築住宅の紛争を主に対象としておりますが、主な紛争処理の例としましては、柱と壁の隙間や床鳴りなど不具合が多数あるものの事業者が一部しか修理に対応してくれない、あるいは、雨漏りが発生したものの事業者は施工に問題がないと主張しているなど、住宅に不具合が発生し、修理等の対応をめぐる事業者とのトラブルの例が挙げられます。 今般、既存住宅のトラブルに関する相談が増加していることなども踏まえまして、リフォームや既存住宅売買に関する瑕疵保険に加入した住宅に係る紛争を対象に追加することとしております。そういった意味では、条件としましては、このリフォームや既存住宅売買に関する瑕疵保険ということに加入していただくということになります。具体的に想定されますような紛争処理としましては、例えば外壁の塗装リフォーム、これを工事をしたんですが、事後に塗装が剥がれてしまって、その修補に関してリフォーム事業者とトラブルが発生する、こんなような場合に紛争処理が活用されることが想定されております。 今般、新たに既存住宅の紛争処理を行うに当たりまして、円滑に紛争処理が実施されるように準備をしっかりと進めていきたいと考えてございます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 今、瑕疵保険に加入しているのが条件だという御答弁ございました。なかなか瑕疵保険というところ、気が回る方ばかりじゃないと思いますので、そういった既存住宅の購入だったりリフォームだったりというところを契約するんであれば、瑕疵保険というのがあって、どれくらいの保険料で入れるというような形でしっかりと、利用者というか消費者側にその瑕疵保険についてのメリットというか、あった方がいいというような啓発になろうかと思いますけれど、そういったところを啓発をしていただいて、トラブルがないように、なるべくトラブルがないように国交省としても目配りをしていただければ有り難いなと思いますので、これもお願いをさせていただきたいと思います。 続いて、住宅紛争処理支援センターというのがあるというのを私もこの今回法案の勉強をしていて知ったんですけど、余り知られていないんではないのかなと思っておりまして、その辺の、そのセンターがどれくらい認知をされているのか、それから、このセンターがこれからの紛争の処理のときに、消費者側というか利用者側の一つの窓口だったりというところになっていくと思っておりますので、このセンターの認知をしてもらうのにどういうその方策を考えているのか、国交省のお考えを聞かせていただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 住宅紛争処理支援センターは、住宅購入者等の消費者の利益の保護を図るために国土交通大臣が指定する法人であり、住宅のトラブルに関する電話相談や紛争処理機関の支援、あるいは紛争処理に関する調査研究などの業務を行ってございます。 委員おっしゃられたようなこの認知をしっかりと高めていくということにつきまして、今もお話ありましたように、私もやっぱりまだまだ認知度が上がっていないというのを改めて感じたわけでございますけれども、これまでにどんなその取組をしてきたかと申しますと、住宅紛争処理支援センターにつきまして、ウエブ広告の実施あるいは全国五十二の弁護士会と連携した新聞広告、紛争処理を利用できる住宅を取得した方に対するリーフレットあるいはダイレクトメールの送付、住宅展示場等における冊子の配布、消費生活センター、公共団体、建築士団体など住宅相談を受け付けるほかの団体との連携などによって周知に力を入れてまいりました。 今回の改正によりまして既存住宅を紛争処理の対象に拡大するということに伴いまして、既存住宅の仲介を行う業界団体あるいはリフォーム事業者の団体、こういった方々とも連携して周知を検討していくなど、より効果的、そして、よりちゃんと利用したいと思う方に届く広報活動、こういったことが行われるように努めていきたいと考えてございます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 なかなか予算面もあると思いますので大変だと思いますが、その既存住宅の流通というところが活性化をして、やはりあるストックを使っていかないと、これからの少子化というか人口減少社会にはなかなか対応できていけないんじゃないのかなと思っておりますので、ストックを利用するというこの今回の法案に当たって、こういったところの広報が必要であればしっかりと予算が取れるように私も努力したいと思いますので、一緒に頑張っていければと思います。よろしくお願いいたします。 今回の法案の中身についてはここら辺で、あと、ちょっと住宅関連で質問させていただきたいと思います。 先般の一般質疑で木村委員の方からもちょっとお話のありました住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の関係で幾つか質問させていただきたいと思います。 住宅確保要配慮者の皆さんへの支援のために居住支援協議会の設置の促進ということが一つ目標に挙げられていると思っておりますが、今の現状、余りまだ多くないのではないのかなと、都道府県はたしか全て設置をされていると思っているんですが、それ以外の市町村へのまだ設置が進んでいないと思っておりまして、私の地元でも、設置をしたいんだけれど、そのノウハウだったり人材だったり予算だったりというところがなかなか単体で、自治体単体で対応するのが難しいんだというようなお話も聞きます。 そういったところも含めて、現状と一般の市町村の設置への促進、そして支援策についてどのようにお考えか、お聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 居住支援協議会につきましては、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るために、地方公共団体あるいは不動産関係団体あるいは居住支援団体などが連携して設立するものでございます。現在、その居住支援協議会につきましては、四十七全ての都道府県と六十三の市区町において、合計百八設立されてございます。 国土交通省としまして、多様な住宅確保要配慮者の特性に応じたきめ細かな居住支援、これが提供されるためには、市区町村単位での居住支援協議会の設立、これが重要だと考えてございます。そのため、この間の三月に閣議決定されました住生活基本計画におきましても、居住支援協議会を設立した市区町村の人口カバー率を令和十二年度末までに五〇%とするという目標を新たに定めまして、居住支援協議会の設立を促進していくこととしてございます。 具体的には、国土交通省として支援をどういうふうにしていくのかということにつきましては、市区町村単位での協議会の設立を支援していくために、居住支援協議会等の活動支援事業の中で、協議会の設立準備のための活動についても補助を行うこととしてございます。また、協議会の設立に意欲がある市区町村に有識者やあるいは国土交通省の職員を派遣しまして、立ち上げに向けたサポートをさせていただいています。また、居住支援協議会の設立に関する手引を作成し、ホームページの掲載や冊子の配布により周知を図るなどの支援を実施してございます。 今後とも、このような支援を実施することによりまして、公共団体による居住支援協議会、特に市区町村による居住支援協議会の設立を促進してまいります。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 意欲ある自治体は結構あると思うんですけれど、やっぱり人だったり予算だったりというところでちゅうちょして、都道府県にあるからいいやというところが結構あるんだと思いますので、市区町村にしっかりと促進をしていきたいというお考えあるようですから、支援策というところも充実させていただければと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、高齢者が主になるんだと思うんですけど、住生活支援でIoTを活用した、まあリモートと言ったらあれなんですけれど、よく民間のCMなんかでも見るんですけど、そういったIoTを活用した見守り支援についてどんな支援をされているのか、お尋ねをしたいと思います。 実は私の同い年の友人が先週末孤独死をしまして、基礎疾患があった人間なんですが、独り住まいで身寄りがないという形でアパート住まいで、その直前に隣の方に体調悪いんだという話をしていたので、新聞が二日ぐらいたまっているのを見て隣の人が気付いてくれたというか、おかしいと思って通報して見付かったという形なんですけど、誰にでも今、そういった一人で住んでいる方にはそういったことが起きるということもあるので、今せっかくデジタルという社会を、活用していこうということでありますので、IoTを利用したリモート見守りというところに支援をいただければなと思っているんですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 高齢者やその御家族が安全、安心に生活できる環境を整備する観点から、見守りの方法の一つとしてIoTを活用することも重要であるとまず考えてございます。 このため、今年の三月に閣議決定しました住生活基本計画におきまして、高齢者の健康管理や遠隔地からの見守りなどのためにIoT技術等を活用したサービスを広く一般に普及するということを記しております。 サービス付き高齢者向け住宅につきましては、こういった観点から、令和三年度から、入居者の活動状況を把握するための例えば水道の流量を検知するセンサーの設置など、IoT技術を活用して非接触で安否確認を行うための住宅の改修を補助対象に追加してございます。 また、サービス付き高齢者住宅に限らずですが、IoTを活用することにより高齢者が居住する住宅において効率的に見守りを行うモデル的な取組への補助を行ってございまして、これまでに、人感センサーを組み込んだ照明を住戸内に配置して、居住者の活動が確認できない場合に見守りを行う事業者に異常を通知し、通知を受けた事業者が駆け付け等を行うと、このような取組に対して支援を行ってございます。 これらの支援を通じて、IoTを活用した高齢者の見守りの推進に取り組んでまいります。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 できるだけそういった寂しい孤独死等を防止を私もしていきたいなと、身近でそういうことが起きましたので余計強く思っておりますので、またいろいろと意見交換させていただきながら、支援策について考えてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、セーフティーネット住宅登録の実態についてちょっとお尋ねをしたいと思います。 これ、昨日、たまたまあるところで新聞を見たんですけれど、二〇二一年の二月のこのセーフティーネット住宅登録の実績は、全国で二十一万七千余の登録があると。その中で、八五%に当たる十八万四千ぐらいの件数がある一社の会社が占めているという新聞記事を見たんですけれど、このセーフティーネット住宅登録の実態について、国交省としてそういった事実を認知をしているかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録を受けた住宅は、委員先ほど、二月時点で二十一万ということをおっしゃっていただきました。その後の数値、四月末でいいますと、約四十万戸となってございます。多くの事業者や個人の大家の方から登録を受けているところでございますが、登録戸数の約九割につきまして、大手の一事業者が登録となってございます。 セーフティーネット登録住宅につきましては、なかなかその登録の数が伸びてこないということで、これまで、登録に係る申請書類の削減などを行うとともに、地方公共団体に要請して手数料の無料化などに取り組んできたところですが、加えまして、一年少し前に、賃貸住宅事業者の業界団体を通じて登録を広く呼びかけたところ、当該大手事業者からの登録があったところでございます。元々、この大手事業者、管理している戸数、それ自体が非常に多くあるところではございます。 セーフティーネット登録住宅がその機能をしっかりと果たしていくということが大事だと考えておりますので、私ども、この登録されている住宅について、その機能がしっかりと発揮されていくかどうかということをしっかりと常に見ながら、登録制度の適切な運用に努めていきたいと考えてございます。
○熊谷裕人君 分かりました。 その業者さん、住宅のサブリースの会社だというふうに私も認知をしておりますので、今後の推移というのをしっかりと見守ってまいりたいと思っております。 続いて、賃貸住宅における家具の転倒防止措置の促進について、三月三十一日付けで事務連絡を出していただきました。ありがとうございます。 その中で、港区の事例も併せて付けていただいたんですが、その港区の事例というのは、公共の賃貸住宅に家具の転倒防止のために壁に穴を空けても原状復帰をしなくてもいいというふうに港区さんの方で措置をしていただいて、命を守る防災に資するということで内閣府の方でそれを取り上げていただいて、国交省を通じて全国に流していただいているということなんですが。 私も、家具が倒れてけがをしてとか亡くなるという方が地震の場合すごく多いので、この原状復帰のところ何とかならないのかなというふうに思っておりまして、予算委員会で質問したら、防災担当大臣の方でお考えをいただいて、こういう事務連絡になりました。 できれば、今後、この制度について、その自治体の裁量でということではなく、できれば全国にというか、今地震のリスクというものが高まっているので、多くのところに、そして行く行くは民間住宅にもそういった義務免除という、原状復帰の義務免除というところを広げていきたいなと思っておるんですが、国交省としてのお考えが現時点でありましたらお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 家具の転倒防止措置を講じることは、防災の観点から非常に重要なことだと考えてございます。 例えば、UR、都市再生機構の賃貸住宅につきましても、クロスが貼ってあって、その下のコンクリートが構造上どうしても大事なところで、くぎとかを刺したら困るというような場合でなければ、そういった場合でなければ、転倒防止措置について、事前に承諾を得て、原状回復義務を免除するということになってございます。 また、委員おっしゃられたように、港区においても区営住宅でそういった取組を行われておりますし、委員の御発言等々を受けまして、国土交通省としましても、賃貸住宅関係団体や地方公共団体に対して事務連絡を発出して家具の転倒防止措置の促進について周知してございます。そういった中には、壁などに穴を空けないで行う家具の転倒防止措置の方法、こういったことや、あるいは、お話のありました港区の事例として、事前に公共団体の許可を得ることで賃借人の原状回復義務を免除しているといった公的賃貸住宅の事例を紹介してございます。 国土交通省としましては、賃借人に原状回復義務が生じないこれらの転倒防止措置の方法や事例について、今年度実施する、賃貸住宅関係の事業者あるいは地方公共団体職員を対象として、研修会等を通して周知を進めてまいります。特に公営住宅、こういったところに関しまして、公共団体に、港区なんかの取組だとか、あるいはURのことなどもお話ししながら促してまいりたいと考えてございます。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 事前に壁に横板を張り付けてしまって、そこだったらねじ打ってもいいよとか、くぎ打ってもいいよということで、むやみに壁に穴を空けるということも多分防止できたりすると思いますので、そういったところも含めて、是非、これから至る所で地震の確率が上がってきておりますので、地震で家具が倒れてけがをしたり命をなくすということがないように、できれば事前防災というところに取組を住宅局としてもしていただければ有り難いなと思いますので、これも応援したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後の質問になります。 空き家の改築利用で、空き家をDIY、私もそれ好きなんですけど、そういう人が集まって改築、自分たちで手を入れて、完成をした後は、自分たちがビジネスのリモートワークに使える拠点にしようとか、地域の人が集える場所にしようとかという取組が神奈川であるんだというのを実は新聞で見まして、大変面白いなというふうに思いまして、私もDIY好きなので、参加してみたいなと、近くであれば参加してみたいなと思うような手法なんですが。 そういった空き家対策というか、使われていない既存住宅の使い方、非常に面白い例の一つだと思っているんですが、こういった例を含めて、何か面白い空き家の活用の方法というのを国交省としてもし把握をしているようでしたら、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 居住者が自ら改修を行うDIYにつきましては、低コストであるだけでなく、利用者の住まいに合った空間が整備できるとか、あるいは愛着が生まれやすいと、そして、その結果、長期の利用が期待できる、こういった点から空き家の利活用を促進するための一つの有効な方法かなと考えてございます。 このため、住生活基本計画におきましても、地方公共団体と民間団体等が連携して古民家等の空き家の改修、DIY等を進め、多様な二地域居住あるいは多地域居住を推進するというふうにしてございます。 国交省としましては、具体的に、空き家をDIYにより移住者向け住宅等に改修する取組に関しまして、市町村が負担する費用、材料費等ですが、こういったものについて補助により支援を行っております。また、地域の建築士や工務店等が公共団体と連携して空き家の借主のためのDIY講習会等を実施して空き家の利活用を促進するモデル的な取組に対しても支援を行ってございます。 このようなDIYによる空き家改修を始めとして、いろいろな特徴のある空き家の利活用ということに努めてまいります。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 ユニークな取組、多分全国で見付けていくとたくさんあると思いますので、そういったユニークな取組を活用して、是非、既存住宅、空き家、特に空き家の利活用を進めていただきたいと思います。 今日は大臣に御答弁いただく機会はありませんでしたが、面白いこういった今みたいな事例もたくさんあるので、是非今後も議論を深めてまいりたいと思っております。 時間になりましたので、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 本日は、長期優良住宅に関連して、本日のこれまでの質疑と重なるところもございますが、確認の意味も含めまして順次質問をさせていただきたいと思います。 初めに、長期優良住宅の認定実績について確認をいたしますが、二〇一九年度に新築された一戸建ての住宅の中で長期優良住宅として認定を受けた住宅は全体の約四分の一に当たります二四・七%であったのに対しまして、共同住宅では僅か〇・二%と、マンションでは長期優良住宅の認定が全く進んでいないというのが現状だと思います。また、この長期優良住宅制度は、二〇〇九年の開始以降認定を受けた戸数は百十三万二千二百八十四戸に上りますが、この総戸数の九八%は一戸建ての住宅の認定でございまして、共同住宅等の認定実績は全体の僅か二%にすぎず、我が国における居住世帯のある住宅ストックが二〇一八年で五千三百六十一万六千三百戸もある中で、長期優良住宅の割合は一戸建て、共同住宅を足しても僅か二・一%にすぎないという状況であります。 他方、二〇一六年に定めた住生活基本計画では、新築住宅着工戸数に占める長期優良住宅認定戸数の目標として、二〇二五年度に二〇%を目指すとされておりましたが、本年三月に閣議決定をした新たな住生活基本計画では指標そのものが変更されまして、認定長期優良住宅のストック数を二〇一九年度の百十三万戸から二〇三〇年度に二百五十万戸へと、新築戸数に占める割合からストック数に、フローからストックの方に変更されているわけであります。 この新たな成果指標について、二〇三〇年度には二〇一九年度比二・二倍の認定戸数が目標として定められたことになりますけれども、二〇一八年の全住宅ストック数に占める割合で見ますと、現状の二・一%から二〇三〇年度で四・七%と、重要な施策の割には目標が控えめになっているのではないかと感じるところもございます。 そこで、国土交通省に質問いたしますが、住生活基本計画における長期優良住宅の成果指標が前回から変更になった理由及び今回の成果指標達成に向けた取組について確認をいたします。
○政府参考人(和田信貴君) 委員おっしゃられるように、二〇一一年の住生活基本計画におきましては、新築住宅における長期優良住宅の割合を二〇二〇年度までに二〇%とするというふうに、フローベースの新築ということで目標を立ててございます。また、今年三月に閣議決定しました新たな住生活基本計画におきましては、今後は優良な住宅ストックを形成する、既存住宅の流通ということが非常に大事であるということをこれまでも申してきましたが、そういったやはりストックの質を上げていって、そして既存住宅として流通していくもののベースをつくっていくと、こういった意識をしっかり持つためにも、フローで新築をとにかく造っていくんだということではなく、指標の作り方としまして、目標値の設定をストックベースに見直してございます。 具体的に数値としましては、認定長期優良住宅のストック数を、二〇一九年度末時点の百十三万戸から、二〇三〇年度末には約二百五十万戸を目指すこととしております。これについて、目標が少し控えめではないかということでございますが、主な住宅取得世帯、二十代から四十代までの世帯数見ますと、この間に約三百万世帯が減っていくというふうに推計が出てございます。こうしたことも受けますと、そもそもの着工自体が減少すると予想する中でございまして、二〇三〇年度末までの十一年間に戸建て住宅で百十一万戸から約二百十万戸にするというもの、これはやはり着工の減といったことを考えればしっかりとした目標ではないかなと考えてございますし、また共同住宅については二万戸から四十万戸に大幅に増加させたいと考えてございます。 目標の達成に向けました課題としましては、やはり共同住宅の認定の割合、これが非常に少ないということを課題でありますので、ここの手続の見直しを行うということが大事ではないかと思ってございます。また、戸建て住宅につきましては、大手事業者では約八割が認定を取得しているということに対しまして、中小事業者による認定は約一割強ということでございます。中小工務店における長期優良住宅の推進を図るというための支援を行っていく、こういったことがまた必要であると考えてございます。 新たな成果指標の目標達成に向けて、これらの取組を通じて長期優良住宅の普及促進を図っていきたいと考えてございます。
○杉久武君 背景がよく分かりました。ありがとうございます。 目標達成に向けまして、国土交通省には更なる尽力をお願いしたいと思います。 次に、今般の改正案では、例えばマンションなどの共同住宅について長期優良住宅の認定基準を見直し、従来の区分所有者が一つ一つ認定を受ける仕組みからマンションなどの管理組合が一括して認定を受ける仕組み、住棟認定の導入へと変更することで共同住宅の認定を推進していくことが大きな柱の一つとなっております。 現在の制度では、分譲マンションにおける長期優良住宅の認定について、各戸の入居者が決まるたびに申請手続を一戸ずつ行う必要がございまして、その後も所有者が変わるたびに一々変更手続をしなければならないと、煩雑な手続が分譲事業者にとっても負担となっているとの指摘がございました。また、長期優良住宅制度の認定を取得した住宅のうち住宅性能評価を併せて受ける住宅が約七割近くありますが、現状では長期優良住宅と住宅性能表示について別々に審査することとなっております。 そこで、国交省に質問いたしますが、今般の改正によって、共同住宅等における長期優良住宅の認定申請手続がどの程度軽減されるのか、また長期優良住宅の認定取得にどのような効果が見込まれるのかについて確認をしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 現行の分譲マンションにおける長期優良住宅の認定手続は、着工前に分譲事業者、デベロッパーが単独で認定申請を行いまして、認定取得後、分譲マンションが完成いたしまして、入居して、各住戸の区分所有者、これが決まって入居していきますと、この名義を変更認定を申請することになってございます。そのために、例えば百戸あります分譲マンションでは、住戸ごとに百戸分の変更申請、変更認定という手続が必要となるなど、非常に煩雑になってございます。 今般の改正によりまして住棟認定する仕組みを導入いたしますが、引渡し後の変更認定を行う者を各区分所有者ではなく管理組合がまとめて担っていただくことで、ここは大幅に負担が軽減されるのではないかと考えてございます。 また、性能評価との関係でございますが、民間審査機関が技術的審査を行った場合は所管行政庁においてこの審査を省略できることとしてございます。これによって審査の合理化、迅速化を図ることができると考えてございます。行政庁によってばらつきはございますが、共同住宅で四週間から五週間掛かっていたこの行政庁における審査が一週間から二週間程度に短縮されることを期待してございます。 このような手続負担の軽減や審査の迅速化によって認定の促進が図られるものと考えてございます。
○杉久武君 今御説明いただきました認定手続の簡略化、また短縮化によりまして、この今回の改正によってマンション等の認定取得に大きな弾みが付くことを期待しております。 その中で、今のこの認定手続に関して、ちょっと細部について確認をしたいと思います。 長期優良住宅の認定基準の中にある住戸面積につきましては、良好な居住水準を確保するために必要な規模を有することとされておりまして、マンションなどの共同住宅等では、例えば新築の場合、共有部分を除く一戸の床面積の合計は原則五十五平米以上とされているところであります。しかし、都市部などではワンルームとファミリー向けが混在した形のマンションもありますので、こうした場合、仮にワンルームの床面積が五十五平米に満たない場合、現行制度であれば個別判断となりますが、今回の改正によりまして一棟単位による認定を行う場合はどうなるのか、あらかじめ示しておく必要があると考えております。 他方、五十五平米という基準につきましては、地域の実情を勘案して所管行政庁の判断で別に面積の基準を定めることができるともされておりますが、小規模世帯向けにも良質な住宅の確保という趣旨は理解するものの、五十五平米あるいはそれ以下の基準による面積がそもそも質が高い住宅なのか、あるいは優良住宅と言ってよいのか、この点をよく検討すべきではないかと思います。 そこで、国交省に質問いたしますが、床面積が基準を満たす住戸と満たさない住戸が混在した共同住宅について、今回の改正によってどのような形で長期優良住宅の認定を行っていくことになるのかを確認するとともに、ワンルームなど小規模住戸における床面積の認定基準について、良質な住宅確保という観点からどう整理しているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 長期優良住宅の面積基準を満たさない住戸が混在する共同住宅につきましては、認定の対象からその面積基準を満たさない住戸、これを除外した上で認定するという方向で検討を進めてございます。また、共同住宅の面積基準につきましては、現在、原則五十五平米以上としておりますが、地域の実情を勘案して所管行政庁が四十平米を下回らない範囲内で別に定めることができるとしております。 我が国の世帯人数につきましては小規模世帯の増加が継続すると見込まれるとともに、共働きの子育て世帯や高齢者世帯において駅への近接性や断熱性能などの質に対するニーズが高まっている中で、面積規模に対するニーズが相対的に低下しているという声もございます。 一方で、良好な住宅の質を確保するためには、ある程度の住宅の広さは必要かと考えております。地方公共団体においては、四十平米未満のいわゆるワンルームマンションについて、何らかの制限、こういったものをしているという事例もございます。 こうした状況を踏まえまして、今後、有識者等の御意見も伺いながら、面積基準について検討し、決めてまいりたいと考えてございます。
○杉久武君 続きまして、災害対策について確認をします。 現行の長期優良住宅の認定基準では、一定の耐震性は求められるものの、その他の災害対策については基準がございません。そこで、今般の改正案では、災害の危険が特に高いエリアについては長期優良住宅の認定対象から外すなどの災害リスクに配慮した基準を設けることとしております。 長年にわたり住み続け、あるいはその住宅を継承していく上でも、災害リスクがある地域という観点から新たな基準が設けられることは大変好ましいと考えますが、その上で、先月の流域治水関連法の質疑の際、都市計画という観点から安全なまちづくりを推進する必要性について取り上げましたが、都市計画における長期優良住宅の位置付けについても災害に強いまちづくりという視点から考えていく必要があるのではないかと思います。 そこで、国交省に質問いたしますが、災害に関する認定基準の追加について、災害リスクの具体的な内容について確認するとともに、認定基準の追加によってどのような効果が得られるのか、また都市計画における長期優良住宅の位置付けについて確認をしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 今般、自然災害による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであることということを認定基準に追加してまいりますが、土砂災害、津波、洪水などの災害リスクが高い区域を公共団体が指定している場合に、その区域で長期優良住宅の認定を行う際に配慮を求めるというものでございます。 具体的にはどのようなことになるのか、あるいはどのような効果ということになるのかということでございますが、土砂災害特別警戒区域などの災害の危険性が特に高い区域については、長期にわたる居住に適しているとは言えないことから、原則認定しないこととし、災害危険区域のように災害のリスクに応じて建築禁止から建築制限まで建築規制の内容に幅がある区域については、所管行政庁の判断で建築制限の内容を強化したり、あるいはそもそも認定しないこととしたりできるようにいたします。 また、浸水想定区域のように、建築制限はなく、一定の災害の危険性はあるものの、一律に居住を避けるべきとまで言えない区域につきましては、地域の実情を踏まえて、所管行政庁が必要な建築制限を定めることができるようにすることを考えてございます。 こうした措置が講じられることによって、長期優良住宅において自然災害による被害発生の防止又は軽減が図られるものと考えてございます。 また、先ほど申しました土砂災害特別区域、これらは都市計画において開発が原則禁止され、居住を誘導すべきでないとされてもございます。こういったことから、都市計画との整合を図るという観点からも、長期優良住宅を原則認定しないというような扱いにするつもりでございます。 長期的な視点に立って都市・住宅政策を進めていくことというのは、おっしゃるように大変重要なことでありまして、この長期優良住宅制度におきましても、まちづくりあるいは都市計画の視点を踏まえた全体像を持ちながら進めていっていただきたいと、こんなふうに考えてございます。
○杉久武君 続きまして、カーボンニュートラルに関して質問いたします。 二〇五〇年のカーボンニュートラルを住宅という視点から考えますと、我が国のエネルギー需要が産業・運輸部門で減少傾向にある中で、建築物部門のエネルギー消費量は著しく増加し、全体の三分の一を占めるに至っているため、カーボンニュートラルの実現に向けては、住宅に対する更なる省エネ化や高性能化など、抜本的な対策強化が求められます。 既に国交省では、建築物省エネ法の改正によりまして、先月一日からは住宅における省エネ性能に関する説明を義務化するなどの対策が進んでおりますが、長期優良住宅制度とカーボンニュートラルをリンクさせれば省エネ住宅が長期にわたり使用されることになり、温室効果ガス排出量の抑制につながるのみならず、住宅のライフサイクル全体を通じた脱炭素社会の実現に大きな影響力を発揮するものと期待をしております。 その上で、現行の長期優良住宅では、新築の省エネルギー政策について住宅性能表示制度における断熱等性能等級四を認定基準としておりますが、今後、認定基準における省エネルギー性能については何らかの見直しについて検討する必要があるのではないか、あるいは認定基準の基となっている住宅性能表示そのものについても見直しを含め検討を行う必要があるのではないかと考えます。 そこで、国交省に質問いたしますが、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けた長期優良住宅や住宅性能表示における省エネルギー性能の基準見直しについてどのように考えているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 二〇五〇年のカーボンニュートラルあるいは二〇三〇年の政府の目標ということに対しまして、長期優良住宅、これは積極的に取り組んでいかなければならない、そういった施策の一つかと考えてございます。 長期優良住宅、長く使っていただくということで、造っては壊すということではないものですから、そういった、その造ること、壊すことに掛かるCO2ということが掛からないというまた特性も持ってございます。掛からないというか少なくなると。 委員おっしゃるように、この長期優良住宅の基準としての省エネ対策、これにつきましては、有識者のこの法案について議論していただいた委員会におきましても、外壁や窓などについてより高い断熱性能を求めること、あるいは一次エネルギー消費量に関する性能を求めることなどについて御意見をいただいてございます。 また、性能表示におけます省エネ性能の基準につきましても、断熱性能と一次エネルギー消費量に関する性能についてより高い性能の等級を位置付けることが重要というふうにも考えてございます。 二〇五〇年あるいは二〇三〇年の目標に向けまして、有識者等の御意見も踏まえながら、こういった長期優良住宅等に関する基準、省エネに関する基準、こういったものについて今後検討していきたいと考えてございます。
○杉久武君 続いて、住宅の平均築後年数について確認をしたいと思いますが、この点については今日、足立委員からもお話、質問がありましたので、その原因分析については先ほど答弁を聞かせていただきました。それらも十分理由ではあろうかと思うんですけれども、もう一つ違う視点で関連して質問をさせていただきたいと思います。 それは何かといいますと、既存住宅の流通問題というものも一つの懸念、長年の懸念になっているのではないか。今日まで、この短いスパンで住宅が建て替えられるという理由の一つに対しては、やはり既存住宅に対する不安、つまり、築後年数の短さにあるとおり、中古物件は長くもたないものであり、まして上物などは資産たり得ないという、そういうある意味コモンセンスが成立しているのではないかという、こういう懸念、考えであります。 なぜかといいますと、国土交通省が過去に行った既存住宅に関するアンケート調査でも、既存住宅を購入しない理由について、新築の方が気持ちいい、新築の方が思いのままになるといった既存住宅に対する心理的な抵抗感が上位を占めております。こうした不安を抜本的に取り除かない限り、既存住宅市場の発展は難しいのではないかと考えます。 そこで、必要なことは既存住宅に対する保証制度の強化であるというふうに思いますが、それに関連して、安心R住宅の利用促進、これが必要になってくるんだと思いますが、安心R住宅の利用促進に向けた国土交通省の取組について確認するとともに、安心R住宅に認定された良質な既存住宅に対しては保証制度やアフターサービスの更なる充実について検討すべきと考えますが、国交省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 安心R住宅につきましては、まずその周知をしっかりと徹底するということで、国土交通省のホームページでの掲載、あるいはリフォーム事業者、宅建業者等から成る団体と連携したウエブ広告の実施、不動産情報サイトや雑誌等への記事あるいは公共団体の発行する住宅ガイド等へ記載、こういったことで周知を図ってきてございます。 また、メリットとしまして、買い取ってまたリフォームをして販売するという買取り再販で扱われる住宅につきましては、この安心R住宅の中で事業者に課される不動産取得税を減額する特例措置を敷地部分にも適用しております。また、グリーン住宅ポイントにつきましても、安心R住宅を購入してリフォームを行う場合にはポイントの上限を大きくするというようなことをしてございます。また、住宅金融支援機構のフラット35の検査について、安心R住宅でかつ新築時にフラット35を利用した住宅については物件検査を省略するなどといった措置を講じてございます。 御指摘の保証というようなことにつきましては、安心R住宅は取引される住宅の検査が安心R住宅について行われていることから、瑕疵保険にこれ加入することが容易にできます。万が一雨漏りなどの瑕疵があった場合、この瑕疵保険によって担保がされることとなります。また、加えまして、今回の法改正お願いしております中で、瑕疵保険に加入した既存住宅を住宅紛争処理の対象に追加することとしておりますので、トラブルがあった場合にも弁護士や建築士といった専門家の関与の下で解決に向けたサポートが受けられるようになっていきます。 これらの取組を通じまして、既存住宅を取引できる環境の整備を図ってまいりたいと考えてございます。
○杉久武君 最後ちょっと大臣に質問させていただこうと思ったんですが、あともう一分を切りましたので、最後お願いだけさせていただければというふうに思います。 今、コロナ禍でテレワーク等による在宅時間の増加に伴いまして暮らし方そのものに大きな変化が起こっておりますが、昨年の内閣府の調査では、コロナ禍の影響下で取り組んだことの第一位が家の修繕であったということでありまして、住宅を手に入れて快適に住みたいという潜在需要が喚起されており、私は今大きな転機ではないかというふうに思っておりますので、この法律の改正を通じて、既存住宅の活性化に向けた長期優良住宅制度を中心とする住宅政策を是非推進をしていただきたいと。 本来、済みません、答弁をお願いしていたんですけれども、時間になりましたので、以上で終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。 早速質問に入りますが、かなりのところで各先生方の質問と重複するところがございまして、御了解を願いながら、ひとつお答えをいただきたいと思います。 まず、大臣にこれはお聞きをしたい、所見をお聞きしたいわけでありますけれども、私の、長期優良住宅の定義と住生活に関する国民意識の変化を生む取組についてという観点から質問したいと思います。 我が国の滅失住宅の平均年数、先ほど来出ておりますが、国土交通省の統計によれば、日本は三十二・一年、アメリカは六十六・六年、イギリスは八十・六年と比べ大幅に短く、半分以下となっております。 市場において優良ストックとして形成される住宅の利用期間に関して設定される基準、そして、円滑な取引環境の整備のため、市場に流通する長期優良住宅として設定される条件についてお聞きをし、また、長期優良住宅の普及を図るには住生活に対する意識の変化を促すことが必要と考えております。優良な住宅を建設し、適切な改修を行い、長期間利用した方が投資した費用に対してより豊かな住居環境を享受できるとする、国民の住生活に対する意識に変化を生む取組が極めて重要だと考えておりますが、この点の大臣の御所見をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 室井委員のおっしゃるとおり、私も全く同感でございます。 ちょっと、少し総じて御答弁させていただきたいと思います。これ、杉さんへの答えにもなるかと思いますが。 まず、今の我が国の住生活の中で、住宅政策の中で問題というのは、やっぱり住宅取得に係る負担が大変高いと。ですから、やっぱり一生涯住宅ローンのために仕事をせざるを得ないというような状況の方がたくさんいらっしゃると。そして、その結果、ライフステージで、本当は子供が育っているときは庭付きの住宅で、高齢夫婦になったら駅前のマンションに移り住むとか、そういう流動性が高い方が本当はいいはずなんですけれども、既存住宅市場が活性化していないということで、なかなかそうも言えないと。ですから、高齢者夫婦で、私の今住宅地のところなんかも、ずうっといて、やがて一人いなくなり、空き家になると。ですから、空き家問題って、もう大変実は深刻だというふうに私は考えております。 こうした中で、加えて地球環境についてということも考えれば、やっぱりどんどんどんどん、世帯数以上の住宅ストックがありながら、新規住宅に関心が行って、毎年百万戸近い新規住宅が売られているということというのは、何か極めてやはり、余り、少し合理性に欠けるんではないかなと。ですから、長期優良住宅という概念をしっかり打って、これ御質問ですけれども、約百年、三世代以上にわたり使用することを想定した耐久性、耐震性、また維持管理の容易性ですとか省エネ性の特性を備えた良質な住宅と。 日本のこの既存住宅の中で、築五十年以上なんというのが売りに出ているなんというのは見たことがないというか、あったらびっくりするというんですけど、それは欧米というのは、そういう五十年とか六十年というのは当たり前のようにあると。やっぱりそうしたことがなかなか、まあ日本人の特性でもあるんですけど、いい住宅というのが定着していない。私も、ずっと既存住宅市場の活性化ということを言っているんですけど、いろいろ調べると、余り既存住宅のマーケットにいわゆる良質な住宅が出ていないと。やはり十年ぐらいのところというのは、やっぱり住み替える人って少ないんだというんですね。ですから、手頃、買い頃のいい物件が出ていないからなかなか活性化しないという根本的な問題があるということなので、まずはこの長期優良住宅ということをしっかりと推進しながらブランド化すると。 例えば、自動車の世界ですと、クラウンというと、一定のスペックとか一定の価格とか乗り心地とか評判というのはもう定着していて、クラウン買ったけどどうかななんて、当たり外れあるかなんて考えないわけですけど、住宅の場合は、長期優良住宅といっても、いや、本当にいいものなのかどうかとか、実際に住んでみたらどうかなみたいな、まだそういう定着していないということが非常に、なかなかこの流動性を高められない、様々な問題が解決できないというふうに考えていまして、そうしたことも含めて、この長期優良住宅というものをしっかり定着をさせると。 ですから、新築の住宅を買うよりも長期優良住宅というブランドを買った方が価格もお得だし、より良いものだというものを、そうしたことが、根付かせる、まさに国民の意識を変える必要があるんではないかという先生の御指摘のとおりだというふうに私は思っておりますし、そうした第一歩の法改正であらねばならないというふうに考えております。
○室井邦彦君 大臣、ありがとうございます。丁寧な御回答というか御所見をお伺いいたしました。 これは極端な話でありますけれども、世界最古の木造建築というのは奈良の法隆寺で、これは、木造建築、御承知のとおり、千三百年を超えておるわけでありまして、それから見れば、ちょうど一生掛かって家を建てて、買って、三十年で産業廃棄物になるというのは、余りにも夢がないというようにも感じます。是非、この法案の推進を図っていただいて、値打ちのあるというか、こういう長期住宅の政策を進めていただきたいとお願いを、重ねてお願いを申し上げておきます。 続いて、この長期優良住宅の普及促進と円滑な取引の環境の整備について、これをお伺いをいたしますが、円滑な取引環境を整える上で、この既存住宅の流通に課題があると、このように認識をしております。近年の我が国のように、一世代限りで住宅を消費することが前提とされていると、耐久性の高い住宅の建設や適切な維持保全は行われなくなると言われております。 長期優良住宅は住宅ストック総数の約二%、耐震性、省エネ性能が十分でない住宅ストックがいまだに多く存在しているのが現状であります。既存住宅として流通させる場合に、次の購入者の希望と一致せず、新築時に建築主が得たのと同等の満足度を次の購入者が得られない、住宅ストックと供給、ニーズにミスマッチが起きている、ここが問題の根底にあると考えられております。既存住宅流通量は、過去二十年以上にわたり、約十六万戸で、ほぼ横ばいの状態が続いております。既存住宅の円滑な流通につながる環境整備の強化に取り組んでいくことがこの長期優良住宅の普及の鍵を握ると、このように考えております。 住宅ストックと居住ニーズのこのミスマッチを解消し、既存住宅の円滑な流通を図るためにどのように取り組もうとされているのか、取り組んでおられるのか、お聞きをします。
○政府参考人(和田信貴君) 委員御指摘のとおり、我が国におきましては、住宅、特に戸建て住宅におきまして、自らのニーズとか嗜好を反映したいと考える傾向が強くあるかと思います。キッチン、バスなどの住宅設備や内装などは、元々利用できる年数が必ずしも長いわけではなく、お住まいになる方のニーズや嗜好に合わせてリフォームしていくということが重要と考えております。長期優良住宅は配管の付け替えなどを想定した設計に元々なっておりますので、居住世帯が変わった場合でも柔軟に居住ニーズにマッチしたリフォームがしやすくなっております。 特に、長期優良住宅につきましてリフォームがしやすいという情報発信、あるいは、業務の適正な運営確保に取り組むリフォームの事業者の団体を登録して、使われる方々がリフォーム事業者を選びやすいという環境を整える、こういった形で、委員おっしゃるような居住ニーズとマッチしないということに、ミスマッチということについて、リフォームということをその既存住宅を取引していくときに併せ持って、そしてこのリフォーム施策を推進して充実していくということで、併せて既存住宅の流通の円滑化が進んでいくかと考えてございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 時間の関係で、次に質問させていただきます。次は、消費者が安心して住宅を取得できる環境についてお尋ねをしたいと思います。 新築住宅への住み替えを希望する人が既存住宅を希望しない理由として、リフォーム費用が割高であることを挙げております。既存住宅を希望する人が新築住宅を希望しない理由として、予算的に高いことを最も多く挙げておられます。消費者が安心して自宅を購入できるようにするため、この住宅税制、また住宅ローン制度を見直す必要があるのではないか、このように考えております。 我が国の住宅税制は新築優遇になっているという指摘があります。また、既存住宅を対象とする融資においては、建築物の価値が十分に評価されていないため物件価格以下の融資になる場合が多いという問題があります。こうした課題を踏まえた住宅税制や住宅ローン制度に対する国土交通省としての取組をお聞かせをいただきます。 あと二つほど質問があるんですが、時間の関係上、これだけにさせていただきます。
○政府参考人(和田信貴君) 住宅税制につきましては、例えば住宅ローン減税におきましては、現在、一般住宅の借入限度額が新築では四千万円、既存住宅では二千万円となってございます。これは、近年の社会経済情勢の中で建築工事という経済波及効果が高いもの、すなわちこれは新築ですが、こういったものについて上乗せをしているということ、あるいは、既存住宅につきましては仲介取引が主でありますので消費税一〇%が課税されない、新築住宅の方には一〇%課税されますが、既存住宅の方には課税されないという性格を反映してございます。 融資額につきましては、住宅金融支援機構のフラット35におきましては、売買価額の全額を融資の対象としてございます。既存住宅の購入を考えていらっしゃる方、民間の金融機関ではまたこれと必ずしも同じ取扱いでないかもしれませんが、フラット35、既存住宅のフラット35の周知に努めて、しっかりとその売買価額については融資が出るといったところを進めていきたいと思っております。 今のように申しましたが、既存住宅の流通、特に長期優良住宅のような良質の住宅の流通の円滑化を進めるためには更にどのような改善をし得るのかということにつきまして、引き続き勉強していきたいと考えてございます。
○室井邦彦君 終わります。
○委員長(江崎孝君) ありがとうございました。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜口誠君 どうも、午後からもよろしくお願いします。国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 まず最初、長期優良住宅の普及を図っていく非常に重要な取組だと思います。是非、この法案も成立させて、長期優良住宅を幅広く普及を推進していただきたいというふうに思います。 また、住宅産業は非常に裾野の広い産業で、経済波及効果も大変高い産業だというふうに思っておりますので、国土交通省として引き続き住宅産業への支援策というものについても、こういったコロナ禍で大変産業自体が、経済自体が厳しい状況ですので、そういった面での対応についても冒頭要請をさせていただいて、質問に入らせていただきたいというふうに思います。 まず、長期優良住宅の認定の取得の状況について、午前中もいろいろ議論ありました。新築の戸建てについては二五%、一方で共同住宅については〇・二%といって、非常に低いという状況です。さらに、細かく見ていくと、共同住宅についても、低層の賃貸住宅は非常に取得率が低いという状況になっております。 国土交通省に確認ですけれども、共同住宅、とりわけ低層の賃貸住宅に関して認定の取得率が低い、この要因をどのように分析されておられるのか、その辺についての状況についてまずはお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 新築住宅におけます長期優良住宅の割合は一二%で、内訳は戸建てが二五%で共同住宅が〇・二%、この〇・二%の共同住宅の中にはいわゆる分譲のマンションと賃貸のものと両方入ってございます。 賃貸住宅につきましては、元々この賃貸住宅の中には低層のものが比較的多うございますが、賃貸住宅は、低層に限らず、全体としまして制度創設以降の認定実績が累積で千戸という数字になってございます。極めて低い数字ということかと思います。 この賃貸住宅の認定が進んでいない要因としまして有識者委員会で御議論が出ましたことは、一つは、共同住宅等の認定基準が設計の実務や一般的な共同住宅の仕様の実態に即していないという御指摘がございました。例えば、共同住宅につきましては、維持管理や更新を容易にするという観点で、専用配管が他住戸、人の住戸を通らないことと、他の住戸を通らないことといった基準がございますが、これ分譲マンションの場合ですと、区分所有ですから、当然その所有権が違う方のところを通らないというのは意味があると思うんですが、賃貸住宅の場合、オーナーがお一人であったり、はっきりと分かれておりますので、ここが、他の住戸を通らないことということが例えば大きな支障とはならないと。もちろんそれを満たそうとすると余計コストが掛かると、それなのにそれほど支障にはならないというものかと、そういう御指摘をいただいております。 賃貸住宅の認定が進まない要因としてこのような課題があることから、今後、有識者等の御意見を踏まえ、賃貸の共同住宅の基準の在り方について検討してまいります。
○浜口誠君 ありがとうございます。 是非、賃貸住宅の基準の在り方、いろんな意見あると思いますので、普及が進むような形での対応を是非ともお願いをしたいというふうに思います。 続きまして、長期優良住宅の取得を促進する、優良住宅の普及を促進させるためには、認定の取得を取ったときのやっぱりメリットをこれまで以上に高めていくべきだという意見が業界の皆さんからも非常に大きな意見として伺っております。 例えばですけれども、家賃を高く設定できるですとか、あるいは売却時に市場で高く評価されるとか、あるいは、新築のときだけではなくて、既存住宅を購入したときに、優遇措置が既存住宅の購入時でも受けることができるとか、こういったやはり長期優良住宅の認定を取得したときのメリット、インセンティブをこれまで以上に高めていくことが普及の促進にも大きくつながっていくんではないかなというふうに思っておりますので、この点に関して、赤羽大臣としての御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 午前中の答弁でも申し上げましたけれども、この長期優良住宅というのがブランド化をして国民の皆様の信頼を得るという、定着をさせるということがやっぱり何よりも大事だというふうに思っています。 それをするためには、ちょっとこれは、若干今、何というかな、私見も入りますけれども、本当を言えば、新築の住宅は全部このスペックにするとか、相当の量がマーケットに出ないと、少しずつ一部分一部分みたいな形でやっているとなかなかそうしたことにはならない。やっぱり圧倒的な、何というかな、やっぱり結論的に言うと、長期優良住宅、最初買うときは若干高くても資産価値が減じないと。今の日本の住宅というのは、ある意味で、三十年ぐらいたつと住宅自体は価値はゼロになって土地の、不動産だけの売買するみたいな話があるというのがこれまでの状況だったと思いますが、そうすると、三十年以後は価値がないのでということで、そのまま、何というんですか、空き家になってしまうとか、そんなことが起こっているということはやっぱり根本的に変えなければいけないと。 ですから、一つは、長い目で見るとそのストック自体はいいものを安く買えるということになるし、あとは、流通するときは、それはいいもので長もちができるということで、そのことで住み替えがしやすくなるということが、やっぱり長期優良住宅を利用すると住み替えがしやすくなるんだというようなことですとか、もう少しちょっと細かい話になりますと、様々な、長期優良住宅というのが定着をすると、今もう実は、旭化成ホームズだったと思いますけど、いわゆる残価設定ローンというか、旭化成ホームズで造った家が十年後には買戻しをすると、一定の価格でですね、そうしたこと、新しいビジネスも出てきて、やっぱり売りっ放しにしない、せっかく造ったいい住宅ストックは百年間本当に使い続けるような仕組みを、ハウスメーカーも含めて、そうした社会の価値観を醸成していくというのが非常に大事なんではないかなというふうに思っております。 あと、先ほどの集合住宅、ワンルームとか集合住宅についても、なかなかそこが進まないというのは、やっぱり自分が住まないという前提で、ある意味では、何というんですかね、運用、資産運用の目的みたいな物件が結構多いと思いますので、そうしたところも含めて長期優良住宅に値するようなストックを増やしていくというのもこれからの課題だというふうに、ちょっと余計なことですけど、そういうことを含めて住宅政策をしていかなければいけないんではないかなというふうに思っております。
○浜口誠君 大臣、ありがとうございました。 まさに百年使える家にしていくためにも、既存住宅の流通がより活発に日本の社会においても行われるという、そういう仕組みであったり環境を整えていくというのが非常に重要だなというふうに改めて今日の議論も通じて感じているところありますので、是非、そう簡単ではないと思いますけれども、そういう今までの常識を変えていくような是非政策も国土交通省としてしっかり取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 では、続きまして、今回の法改正によって、基準に対して、認定基準に対して、省エネ性能の向上ですとかあるいは共同住宅の認定基準の合理化、こういったものの告示の改正が行われる予定になっております。具体的に、午前中も省エネ性能の向上等についての御質問がございましたけれども、具体的にどういった告示の改正を今後行っていく予定なのかということと、あと、改正した告示内容がしっかり周知させていくことが大変重要だというふうに思っておりますので、今後の改正内容の周知方法についてどのように取り組んでいくのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 長期優良住宅の認定基準につきましては、カーボンニュートラルの実現に向けた省エネルギー性能に関する基準の見直し、あるいは共同住宅の認定基準の合理化などを検討することとしております。 長期優良住宅の省エネルギー性能に関する基準につきましては、現在、断熱性能のみを求めており、設備のエネルギー消費量に関しては認定基準に入れてございません。この点につきまして、有識者委員会においても、外壁、窓などについてより高い断熱性能を求めることや、一次エネルギー消費量に関する性能を求めることについて御意見をいただいております。また、共同住宅の認定基準が設計の実務や一般的な共同住宅の仕様の実態に即していないなどの指摘もいただいております。 今後、有識者等の御意見を広くお聞きして、省エネルギー性能に関する基準、あるいは共同住宅の基準、これらなどの認定基準の見直しについて検討してまいります。 また、見直し後の基準につきましては、関係団体、あるいは審査機関などの方々に改正内容をしっかりと周知することが大切だと思っておりまして、設計、審査に当たって参考となる技術解説の改定、関係業界団体や審査機関向けの説明会の開催、建築主向けのパンフレットの作成、配布などの必要な周知、普及を図ってまいります。
○浜口誠君 ありがとうございます。是非しっかりとした告示改定の内容の周知を行っていただきたいというふうに思います。 続きまして、今回の法改正で、住宅の性能評価を行う民間機関が、その住宅の性能評価と併せて、同時に長期優良住宅の基準の確認を一体的に審査を行うことができると、そういう仕組みが新たに導入されることになるというふうに承知をしております。 この一体審査を導入する理由と、あと、一体審査を導入することによって手続面も含めてどのような効果があるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 長期優良住宅の認定申請を行う者のうち約七割は住宅性能評価の申請も併せて行っておりまして、長期優良住宅の認定審査と住宅性能評価において申請図書や審査の重複が生じている状況でございます。 今般の改正により、民間の登録住宅性能評価機関において実施する住宅性能評価と併せて長期使用構造等への適合確認を行った場合は、その結果を住宅性能評価書に記載できることとしております。その結果が記載されました住宅性能評価書を添えて長期優良住宅の認定申請を行った場合には所管行政庁において審査を省略できることとしておりまして、これによって審査の合理化、迅速化を図ることができると考えております。行政庁によってばらつきはございますが、行政庁における審査が、共同住宅では四、五週間が一、二週間に、戸建て住宅では二週間が一週間程度に短縮されることが期待されております。 このような手続の負担の軽減や審査の迅速化によって認定の促進を図っていきたいと考えてございます。
○浜口誠君 ありがとうございました。 では、続きまして、長期優良住宅の認定基準というのは、大きく四つの分野で認定の要件であったり条件が定められているというふうに承知をしております。一つは、住宅の長寿命化のための必要な条件、二つ目としては、社会的資産に求められる要件、三つ目は、長く使うための要件、四つ目として、その他必要とされる要件というのが大きく四つの分野だというふうに承知をしておりますが、その四番目のその他必要とされる要件の中に、今回新たに災害への配慮というのが織り込まれるということになります。 午前中の議論でも、土砂災害特別警戒区域なんかは、この地域にあるような物件については認定は出さないというような対応になるということは、御答弁で私も理解しました。 一方で、もう既に認定を受けておられる住宅に対して、そういった災害への配慮というのをどのように取り扱っていくのか。既にもう、そういった土砂災害警戒区域にあるんだけれども長期優良住宅としての認定を受けているというお宅もあると思うんですけれども、そういった場合への対応をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 委員おっしゃるような、既にその認定を受けた長期優良住宅が、例えば土砂災害危険区域とか、そういった災害上の危険な区域にある場合につきまして、今回この災害への配慮という規定を入れたことによって認定取消しということにはしないということに考えてございます。と申しますのも、こういった方々、住宅ローン減税とか、あるいは融資の優遇措置とか、既に認定をいただいたという立場で優遇措置を受けていらっしゃる方いらっしゃると思いますので、それが災害の危ない区域だということで、今回配慮の基準が変わりましたということで、その過去のものが全部なくなるということはさすがにちょっと不利益かということで、取消しということまで考えていないということでございます。 一方で、こういう災害の危険性が高い区域にお住まいの場合、災害時の避難の必要性などについては、公共団体から周知啓発、こういったことが日頃から、こういう危ないというふうに指定された区域ではされるものと承知しておりますし、また、仮にそういったものが今度は既存住宅として売りに出されるといったときには、既存住宅の売買のときにおいて、重要事項説明におきまして、例えば土砂災害特別警戒区域等のゾーンに入っていて制限を受けている地域ですよというのは、その旨の説明がされることになっております。 こういったような形で、既にその認定を受けた住宅であっても、危ないものは危ないという情報がちゃんと伝わるような、そういうことにはしていきたいと思っております。
○浜口誠君 分かりました。 既存の、既に認定を受けている方に対しての、その辺の今日御答弁あった内容の周知の徹底もお願いしたいなというふうに思います。 では、続きまして、紛争処理に関連してお伺いしたいと思います。 今、住宅紛争処理支援センターにおいて、住宅の瑕疵の発生を防止するための調査研究を新たに住宅紛争処理支援センターに機能として持たせるというのが法改正で織り込まれることになっております。大事な取組だと思いますけれども、一方で、住宅紛争処理支援センターは八十人ぐらいの規模の公益社団法人だというふうに承知をしておりますけれども、体制面で、今回の新たな業務をやることになるんですけれども、どのような体制強化を図っていくのか。具体的な、今回追加される調査の内容と併せて御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 住宅紛争処理支援センターは、住宅購入者等の消費者の利益の保護を図るため、住宅のトラブルに関する電話相談や紛争処理の支援、紛争処理に関する調査研究などを行ってございます。 今回の改正で、消費者保護の更なる充実を図るため、調査研究を拡充しまして、新たに住宅の瑕疵の発生の防止に関する調査研究を行うこととしております。例えば、住宅の瑕疵に関する情報を収集し、具体的な瑕疵の発生傾向などを分析し、住宅事業者や住宅購入者などに施工や維持管理の留意点を周知することなど、こんなことを想定してございます。 調査研究の体制につきましては、現在でも紛争処理に関する調査研究を行っており、一定の体制が整備されているため、新業務に伴う大幅な体制拡充は必要ないと考えてございます。 また、様々な知見を有する関係機関と連携しながら進めていくことも重要と考えておりまして、例えば保険法人、建築研究所等の研究機関、学識経験者などに御参加いただく検討の場を設けて協力を得ながら調査研究を進めるなど、充実した調査研究が行われるようにしてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 是非、既存住宅もそうですし、新築もそうですけれども、住宅に関する紛争処理、大変重要な取組だというふうに思っておりますので、しっかりと行っていただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。 本法案では、特定行政庁が交通、安全、防火等に支障がなく、市街地環境の整備改善に資すると認めた場合、容積率制限を緩和できるとする規定が第十八条に盛り込まれることになります。なぜ容積率の緩和規定を盛り込むこととしたのか、その経緯についてまず説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(和田信貴君) 二〇一九年時点で長期優良住宅のストック数は百十三万戸となっておりまして、住宅ストックの二%にとどまっております。新築住宅全体での認定割合は約一二%であり、そのうち共同住宅の認定割合は新築のうち〇・二%にとどまっており、共同住宅の認定促進が課題と認識しております。 有識者の委員会におきまして、長期優良住宅に係るコストも課題であり、住宅取得者向けのインセンティブや容積率特例などのインセンティブについて検討すべきとの御指摘をいただいていたところでございます。 こうしたことを踏まえまして、本法案におきましては、新たに敷地面積と空地に係る要件を緩和した長期優良住宅の容積率緩和制度を創設することとし、市街地の環境の整備改善に資すると認められる場合に、容積率の緩和措置等を活用して共同住宅の認定促進を図ってまいることとさせていただいた次第でございます。
○武田良介君 有識者検討会で、コストの課題があると、で、インセンティブが必要になっているという指摘があったということなんですけれども、これ今でもその財政面だとか金融面での一定その措置があるわけですよね。その上で容積率の緩和が必要なんだというのはどういうことなのかという辺りを私もう少し知りたいというふうに思って、事前にも少し聞かせていただきましたし、ホームページ見ましたら、議事概要はあるんですけれども議事録がなくて、そこら辺の議論がどうなっていたのか詳細がよく分からなかったんですけれども、ちょっと通告しておりませんけど、これ議事録というのは公表されないものなんでしょうか。
○委員長(江崎孝君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(江崎孝君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(和田信貴君) 今申し上げました……
○委員長(江崎孝君) 指名してからお立ちください。
○政府参考人(和田信貴君) あっ、済みませんです。失礼いたしました。 今申し上げました有識者の委員会、社会資本整備審議会の小委員会という形でやっておりますが、この議事録についてオープンしてございます。
○武田良介君 ホームページ見ても出ず、資料要求させていただいても出なかったんですけれども、じゃ、届けていただけるんでしょうか。
○政府参考人(和田信貴君) 申し訳ございません。答弁を訂正させていただきます。 議事概要をオープンさせていただいてございます。
○武田良介君 ないんですね。いただけなかったんです、事前にも。ですから、これ以上、どういう議論で容積率の緩和ということが必要だというふうになったのか、ちょっとそこら辺のところがよく分からなくて、公表されていないということですので、特に何か不都合なことがあって隠しているんじゃないかだとか国民の方からも見られてしまうんじゃないだろうかというふうにも思いますし、行政全体に不信が強まってしまうんじゃないかというふうにも思うところですが。 ちょっとその容積率の緩和そのものについては議論を整理させていただきたいと思うんですけれども、マンションの建て替えの場合莫大なコストが掛かる、それはもう御指摘のとおりだというふうに思いますので、容積率をある程度緩和をして部屋を新たに造ったりして、で、賃料などで賄っていく、そういうことも考えられるんだと思うんですね。それはマンションに既にお住まいの方にとって、建て替えを進めていこうというときにも、これは重要なんだろうというふうに思っております。 新築の場合はどうか。先ほどあるように、容積率を緩和したマンションの建設が、その用途地域制度で決められてきた健全なまちづくりのために、都市計画本来の趣旨とどう整合性を取っていくのかと、これは課題があるんだと思うんですね。これは、既存住宅流通市場活性化のための優良な住宅ストックの形成及び消費者保護の充実に関する小委員会ですかね、この第三回の会議の中でも指摘されているというふうに私も承知をしております。 認定基準の範囲内とはいえ、建物の高層化を進める契機となるものであって、こういう容積率の緩和に対しては慎重であるべきだというふうに私考えておりますが、この点で大臣にお伺いします。この第三回の会議のときにもそういう疑念という形で表明されておりましたけれども、この指摘についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、この部分を隠そうとして議事録をここだけクローズにしているわけじゃなくて、全部同じ扱いにしているということでございます。別に疑念はございません。 また、この件も、私が承知しているのは、一人のある委員の方がそうした懸念を表明されたというふうには承知をしておりますが、最終的には、委員長から、こうした最後の取りまとめ案を殊更修正すべきというところまでは行かないと考えてよろしいでしょうかという問いかけに対して、それで結構ですというふうなやり取りがあったというふうにも報告を受けております。 他方で、容積率の緩和制度、今お話ございましたように、私も阪神・淡路大震災のときに経験をしましたが、マンションが随分潰れまして、その建て替えのときに、入居者の経済的な負担等々があったりとかで、容積率を緩和して高いものを建ててと。ただ、当然そのときには周辺の、何といいますかね、環境問題ですとか、そうしたことは配慮しなければいけないという、そういう制約の下で行われたと思いますし、今回この件につきましても、特定行政庁が個別に審査をして、周辺への影響等にも配慮した上で許可されるものというふうに承知をしておりますので、周辺の市街地環境に十分配慮されるというふうに考えておるところでございます。
○武田良介君 容積率の緩和に慎重であるべきだというふうに考えているということは重ねて申し上げておきたいというふうに思います。 次に、公的賃貸住宅について聞かせていただきたいと思うんですけれども、公的賃貸住宅のうち、長期優良住宅の基準を満たした住宅というのはどれくらいあるものなんでしょうか。
○政府参考人(和田信貴君) 公営住宅では、国が示す耐久性、省エネ、規模等に関する技術基準を参考に、地方公共団体が具体の整備基準を定めております。また、UR、都市再生機構では、自ら耐久性、省エネ、規模等に関する基準を定めておりまして、いずれもこれらの基準に基づいて住宅の整備を行っております。これらの基準では、具体的には、耐久性や省エネ性等に関しまして、長期優良住宅の認定基準と同等の高いレベルの基準としております。 このように公的賃貸住宅として一定レベルの性能基準としていることから、公共団体や都市再生機構における長期優良住宅の認定基準を満たした住宅数そのものというものについては、現時点でその状況を把握してございません。
○武田良介君 公的賃貸住宅こそ真っ先に長期優良住宅の認定基準を満たしているんだということが明らかになっていいんじゃないかなというふうに思いまして、だからこそ質問させていただいたわけですけれども、今つかんでいるわけじゃないと、そういう基準で造っているからということですが、古いものもあったりですとか、いろいろするわけですよね。 そういうことからしますと、この実態を把握していただきたいというふうに思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(和田信貴君) 公営住宅の整備基準につきましては、国が定める基準を参酌して地方公共団体が定めるということとされてから、約十年が経過してございます。 地域の実態について、この整備基準等の地域の実態について把握していこうと考えていたところでございます。この実態把握におきまして、地域において定めている基準の性能レベルの状況などなど、公共団体等への調査を通じて把握してまいりたいと考えてございます。
○武田良介君 把握していくということだと思います。 全国公団自治協議会の方からお話を私聞かせていただいたんです。二〇二〇年、昨年ですね、全国二百六の団地で八万戸を超える世帯から回答をいただいたというアンケート結果、私も見せていただきました。それを見ますと、住環境や抱えている困難が非常にリアルに伝わってくるんですね。 まず、高齢化が大変に進んでいる、年金だけで生活をされている、そういう方も増加をしている、こういうことがアンケートの結果として全体の傾向としてあるということを前提にして、住宅の修繕について、例えば玄関ドアの防寒対策、これをやってほしいですとか、あるいは浴室だとかトイレの段差の解消、こういう要望も非常に多いと。こういう住居の施設の課題があるということだと思うんですね。 公的賃貸住宅では基準を満たすのは当然じゃないかなというふうに思うんです。公的賃貸住宅の中には、古くて建設当時の基準では現在の基準を満たさない住宅もあると思いますし、老朽化しているものもあると思うわけです。どれだけ公的賃貸住宅が基準を満たしているのか調査するという答弁もあったわけですから、そうであれば、この長期優良住宅の基準を満たしている、それが標準になっていくようにすべきではないかと、公的賃貸住宅全てですね、そういう考え方でやっていく必要があると思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(和田信貴君) 公営住宅につきましては、先ほど申しましたが、国が示す技術基準を参考に公共団体が整備基準を定め、URでは自ら基準を定めてということにしております。また、その基準につきましては、長期優良住宅の認定基準と同等の高いレベルとしております。 一方で、長期優良住宅の省エネ性能の基準につきましては、先ほど申しましたが、外壁や窓などにつきまして高い断熱性能を求めることなどなど御意見をいただいており、その詳細を、この基準の在り方について今後検討していくこととしております。 このような長期優良住宅の認定基準の検討状況を踏まえ、また地域の実態等を把握した上で、省エネ性能等に必要な点検を行いながら、良質な公的賃貸住宅ストックの形成を推進していきたいと考えております。
○武田良介君 アンケートの続きをこの際ちょっと紹介させていただきたいと思うんですけれども、優良住宅という前に、家賃を払うこと自身が困難になっているという訴えがたくさんこのアンケートに寄せられております。年金では家賃が払い切れない、年金に見合った家賃の減額をしてほしいとか、あるいは、一階に住み替えたいけれども、足が悪くなってきたりするということがあるわけですね、一階に住み替えたいけれども、家賃が上がるので四階にとどまっているとか、今四階にお住まいの方がですね、下に降りたいんだけれども、とどまっている、こういう生活実態に関する声もたくさんありました。 つまり、公的賃貸住宅が長期優良住宅の認定基準を満たす、これももちろん大事だし、私も質問させていただきましたけれども、住まいと生活、健康や命に関わって今具体的な要求がどんどん上がっているという状況だと思うんです。 ですから、今行政に求められているのは、こういう公的賃貸住宅においても長期優良住宅の認定基準を満たすような住宅にするとともに、この方たち求めているのは、家賃の減免ですとか、あるいはそういう住まいの点からも暮らしを支えていくということ、それが必要になってくるというふうに思っております。 URについて、先ほどの基準を満たすという話をさせていただきましたが、これ真剣にやろうと思えば、建て替えるとかあるいはバリアフリー化する改修ですとか、そういうことも必要になってくるというふうに思うんですけれども、その際、気を付けなければならないことがあるということをお聞きをしております。 建て替えの場合に配慮しなければいけないこと、バリアフリーの住宅となることで、例えば高齢者の方の入居希望が増える、それによって家賃が跳ね上がる。元々お住まいだった方が、一旦建て替えますからといって、どこかに仮住まいをして戻ろうと思ったときに、そこに戻れないということは起こらないだろうか、私たちはずっとここに住み続けてきて、ここで住み続けたいんだけれども、そういうことができないことが起こるんじゃないだろうか、そういうことを発生させてはならないということなんですね。 機構は、二〇一八年にUR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョンというのをこれ発表して、七十二万戸から六十五万戸に削減、集約するという方針を示しているわけですね。だから、住み続けたいけれども移転を強要されないかと、払えない家賃へ値上げされないかと、こういう不安の声があるわけです。だから、建て替えそのものには慎重な意見が多いということなんですね。 バリアフリー化の改修を進めていくということも考えられる。これはどんどんやる必要あると思いますけれども、先ほどの四階から一階へ住み替えたいという話もそうなんですが、既に現実は、そういうことで一階のお部屋は希望が多くて家賃が上がっているというのが実態なんだそうであります。だから、こういうところにもう住めなくなってしまう、住み替えたくてもできないんじゃないかと。 こういう実態への対応を求められているということも指摘をしておきたいというふうに思っておりまして、ちょっとこの点、明確に通告しておりませんでしたけれども、この点についての受け止めがあれば、最後に御答弁いただければというふうに思います。
○政府参考人(和田信貴君) UR賃貸住宅についての家賃でございますけれども、UR賃貸住宅、元々、近傍同種の家賃ということを原則にしております。一方で、昔から長らくお住まいの方につきましては一定の配慮がされてきていると考えておりますし、また、先ほど言われたように、収入構成あるいは世帯構成等変わって今までの家賃というのが厳しくなってきたような場合について、少し間取りの小さなところも含めて、同じ住宅内、団地内で住み替えるということについても円滑にいくように試みてきているところだと思います。 なかなか、おっしゃるように、全て希望したところへ行けるという、人気もありますから、状況ではないかもしれませんし、また、建て替えのときも最大限、従前のコミュニティーが維持されるように、もちろん配置やら建て方が変わりますから全く同じというわけにはいかないと思いますけれども、そういったことが配慮されるようにやってきておりますので、今後もそういったところに留意して進めていきたいと考えてございます。
○武田良介君 いろいろやってきたということはおっしゃると思うんだけれども、実際の現実には、アンケートに出ているような、これがリアルな現実だというふうに思うんですね。その上、今コロナ禍ということもあります。コミュニティーの話もありました。分断されてしまうという声もこの中にありました、紹介し切れませんでしたけれども。 今本当に、家賃の減免ですとか、住宅、家賃のその支援ですとか、そういったものの拡充こそ求められているんだということを指摘をさせていただいて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。 本日は、障害当事者の立場から、長期優良住宅について質問いたします。 今回の長期優良住宅法改正案は、数世代にわたり使用できる資産としての住宅を促進する長期優良住宅認定制度をより使いやすくするための法案となっています。長期優良住宅は耐震性や省エネ性も重要ですが、バリアフリーの視点も取り入れて家を建てれば、高齢化で体が不自由になったり障害を持った場合でも、誰もが住みやすく、そして長く住み続けられる住宅になると思います。 資料一を御覧ください。 平成十三年の第八期五か年計画では、手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消、この三点を備えているバリアフリー住宅の割合を全体の二〇%まで増やすという数値目標が立てられていましたが、平成十五年時点では三・四%にしかなりませんでした。 その後、平成十八年には住生活基本計画に変わり、平成二十七年までにバリアフリー住宅の割合を、全体ではなく、高齢者が住む住宅の二五%にするという目標が立てられました。しかし、資料二の総務省の住宅・土地統計調査によると、手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消の三点を備えている高齢者が住む住宅のバリアフリー化率は平成三十年時点で八・八%しかなく、数値目標の達成には程遠い現状です。 資料三を御覧ください。 次に、アパートやマンションなどの共同住宅においては、道路から各部屋の玄関まで車椅子やベビーカーで通行可能な住宅ストックの比率は、平成二十五年から平成三十年まで全く変わらず、約一七%となっています。 さらに、公営住宅においても、バリアフリー化率は二四%にとどまっています。 このように、民間の住宅と公営住宅の両方においてバリアフリー化された住宅は増えていないのが現状です。 障害を持っている人にとって、安心して日常生活を送るには、住宅のバリアフリー化が不可欠です。また、障害を持っていない人にとっても、住宅を建てる段階から将来を見据えてバリアフリー化した住宅を増やすことで、超高齢化社会にも対応していけると思います。 特に長期優良住宅は長く使ってもらうことを前提とした住宅ですので未来を見据えた住宅づくりが必要であり、障害者、高齢者、子育て世代など、あらゆる人にとって住みやすい住宅を確保するには建てる段階からバリアフリー化することが重要だと思います。 しかし、長期優良住宅のリフォームの際にはバリアフリー化にも使える補助がある一方で、新しく建てる場合にはバリアフリー化への補助がありません。長期優良住宅は世代を超えて何十年も使える住宅を目標にしているのですから、新築時においてもバリアフリー化の選択肢を設けることが未来を考えたときに有効な施策になると思います。 ですから、長期優良住宅を建てる際の選択肢の一つとして、バリアフリー化を進めるために国が補助や税制優遇などの支援をすることを含めて検討していただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(和田信貴君) お答えいたします。 まずは、バリアフリーの進捗率、これが十分に達成されていない、あるいは数字が全然変わっていないということについて申し訳なく思います。 御質問の長期優良住宅の関係で申しますと、住宅を新築する場合、長期優良住宅に限らず、寝室と便所が同一の階にあること、廊下幅が七十八センチ以上であること、便所の長辺が一・三メーター以上であることなどの要件を満たす場合には、住宅金融支援機構による融資において金利の引下げを行ってございます。 現在このような支援を行っておりますが、バリアフリー化されている長期優良住宅ストックの普及を促進する観点から、長期優良住宅の認定基準に加え、更なるバリアフリー性能の引上げを実施する住宅に対する支援の強化について検討させていただきたいと思います。
○木村英子君 ありがとうございます。 では、引き続き検討のことをお願いいたします。 次に、資料四を御覧ください。 アメリカやイギリスでは住宅が取り壊されるときの築年数の平均が六十六年から八十年なのに対し、日本はたったの三十八年と短い年数になっています。
○委員長(江崎孝君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(江崎孝君) 速記を起こしてください。
○木村英子君 日本においての現状は、相続や老朽化などの理由で住宅を処分し、またそこに新しい家を建てるということを繰り返してきました。長期優良住宅の本来の目的は、造っては壊すというスクラップ・アンド・ビルド型の社会から、いい物を造って、きちんと手入れをして長く大切に使うということをうたい、次の世代へとつないでいくことを重視しています。 その目的を達成するために、長期優良住宅を建てた人が使わなくなったとき、長年住み慣れた家を壊してしまうのではなく、次の世代に利活用してもらえる仕組みをつくることで、長期優良住宅を建てたいと思う人が増えていくと思います。 資料五を御覧ください。 例えば、現在行われている取組の一例として、一般社団法人移住・住みかえ機構、JTIでは、長期優良住宅などの性能の良い住宅を借り上げて子育て世帯などに貸し出すマイホーム借り上げ事業を行っています。この制度は貸主に対する家賃保証があり、取り扱っている物件も安くて性能が良いことから、すぐに借り手が見付かり、九七%の物件が埋まっています。このような事業を国としても推進していただきたいと思っています。 また、自治体が長期優良住宅を公営住宅として借り上げ、バリアフリー化も含めた優良な住宅を必要とする障害者や高齢者のような要配慮者に貸し出す制度をつくることで、長期優良住宅の促進だけではなく、要配慮者の住宅確保の問題をも解決できると思います。 このように、障害者や高齢者が利用しやすいバリアフリー化も含めて長期優良住宅を建てて、さらに、次世代へ継承していくための新たな枠組みとして、民間の借り上げ制度の後押しや公営の借り上げ制度を活用することを検討していただきたいと思っておりますが、赤羽大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(赤羽一嘉君) これは午前中の答弁でもさせていただきましたが、いろんな今の住宅政策の問題点、まず、国民の皆さんが住宅取得そのものに係る費用の負担がかなり高いということとか、住み続けないということで空き家が大変増えているということ、また、これも長く使わないということなので、子供が独立した後も引き続きそこの一軒家に住み続けなければいけないとか、それができなくてマンションに移って空き家になってしまうとか様々な問題があり、そうした中で、まず既存住宅の市場活性化を目指す以上は、その前提として、長期優良住宅というものを国として掲げ、耐震性ですとか省エネ性ですとかバリアフリーですとか、そうしたものも良質な住宅ストックをつくっていくということでございます。 ですから、特にライフステージに応じた住み替え支援ということで、今御紹介いただきました一般社団法人移住・住みかえ支援機構、これ立ち上げのときから国交省も応援をしているんですけど、まあ褒めていただいているんですけど、実は、成約九七%と言われているんですけど、多分千件ちょっとしかなくて、何をやっているのかなという感じなんですね、これは現実には。だから、私は、これもうちょっとオーダーが違うぐらい、数十万件やれるような制度じゃないとやっぱり国が関わっているとはちょっと言えないと思いますので、ニーズはあるんですけど、多分、これ立ち上げたときから若干ちょっと懸念、私、これは個人的に懸念していたとおり、余り成果が上がっていないというここは評価なので、やっぱり住み替えの支援に見合うようなことをもう少しちょっと力を入れてやりたいと、こう思っております。 加えて、今御提案の長期優良住宅を活用して住み替え支援に使うですとか、公営住宅として借り上げてセーフティーネット住宅として要配慮者の皆さんに賃貸すると、これ、そうしたアイデアというのはあり得ると思いますが、取りあえずまだ、これから始めるところでありますので、長期優良住宅そのものがもう社会に定着をして、国民の皆様の中でしっかりとした認識の中でこそそうしたことが機能できるというふうに思っておりますので、今日のお答えとしては、そうした課題があるということを認識しながら、しっかりと将来的な課題として検討をさせていただきたいと、こういうことでございます。
○木村英子君 ありがとうございました。質問は終わります。
○委員長(江崎孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(江崎孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、浜口君から発言を求められておりますので、これを許します。浜口誠君。
○浜口誠君 私は、ただいま可決されました住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 分譲マンション等を住棟単位で長期優良住宅として認定する制度の導入に当たっては、制度の円滑な運用を図るため、一部の住戸が認定基準を満たさない場合の取扱いを含め、その詳細について早期に検討を進めること。また、分譲マンション等の管理者等に対しては、長期にわたり維持保全を行う負担に配慮するとともに、適切に制度が運用されるよう、必要となる手続や責務について分かりやすく周知すること。 二 長期優良住宅の災害に係る認定基準に関して、認定を行う所管行政庁において十分な準備を行うことができるよう、認定に当たっての地域の災害リスクへの配慮の方法について、基本的な方針を早期に示すとともに、所管行政庁において具体の運用基準を策定することができるように必要な支援を行うこと。 三 共同住宅に係る長期優良住宅の認定基準の見直しに当たっては、賃貸住宅を含めた共同住宅の特性を踏まえ、共同住宅の認定取得が促進されるとともに、共同住宅の質の向上が図られるよう検討を進めること。 四 長期優良住宅の認定取得を促進していくためには、認定取得のメリットを高めることが重要であり、関係者の幅広い意見を踏まえ、認定取得によるメリットの充実・拡大について、検討を進めること。 五 長期優良住宅の認定要件のうち住宅の構造及び設備が長期使用構造等であることの確認の求めと住宅性能評価の申請を併せた一体審査を登録住宅性能評価機関に対して行うことができるようになることを踏まえ、住宅性能表示制度について十分な理解を促すこと。また、一体審査について、そのメリット・コストなどの周知を徹底し、円滑な導入を図ること。 六 指定住宅紛争処理機関が行う住宅紛争処理の対象に既存住宅等の瑕疵に係る保険に加入した住宅に関する紛争が追加されることにより、同機関にこれまで以上に高い専門性が求められることに鑑み、住宅紛争処理支援センターによる情報提供や研修等も活用し、同機関に対して十分な支援を行うこと。また、消費者が安心して既存住宅の購入等ができるよう、消費者保護の充実に資する既存住宅等の瑕疵に係る保険の普及・拡大について検討すること。 七 良質な既存住宅が市場で評価され、将来世代に承継されていく住宅循環システムを構築するため、インスペクション、住宅履歴情報、住宅の状態を適切に反映する建物評価手法などの活用の促進を図るとともに、安心R住宅制度の運用改善等により、既存住宅の円滑な取引環境の整備を推進すること。 八 カーボンニュートラルの実現に向け、住宅や小規模建築物の省エネルギー基準への適合義務化も含め、住宅・建築物の更なる省エネルギー化や脱炭素化に向けた取組の一層の充実・強化について検討を進め、早期に結論を得ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(江崎孝君) ただいま浜口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(江崎孝君) 全会一致と認めます。よって、浜口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、赤羽国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤羽国土交通大臣。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、本法の施行に当たりましては、委員会審議における皆様よりの御意見や、また、ただいま附帯決議において提起されました各事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し心から感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(江崎孝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十六分散会