厚生労働委員会 第12号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2021/04/27
会議録
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、本田顕子君が委員を辞任され、その補欠として世耕弘成君が選任されました。 また、本日、東徹君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として音喜多駿君及び本田顕子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、医師・元大阪府健康医療部長上家和子君、公益社団法人全日本病院協会会長・公益社団法人日本医師会副会長猪口雄二君、全日本自治団体労働組合衛生医療局長福井淳君、全国過労死を考える家族の会会員・医師の働き方を考える会共同代表中原のり子君及び独立行政法人地域医療機能推進機構理事・一般社団法人全国医学部長病院長会議臨床系教員の働き方改革WG座長山本修一君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、上家参考人、猪口参考人、福井参考人、中原参考人、山本参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず上家参考人からお願いいたします。上家参考人。
○参考人(上家和子君) 上家和子でございます。よろしくお願いします。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。 私からは、これまで関与しました三つの調査を基に、医師への支援について述べさせていただきます。 一つ目の調査は、一ページ目の上にありますように日本医師会が二〇一七年に実施したもので、分析を私が担当いたしました。病院に勤務する女性医師への調査でございます。有効回答数は一万人を超えておりまして、当時の病院勤務女性医師の四分の一から回答を得たというものでございます。 二番目の調査は、さきのこの大規模な調査を補完するために実施した、キャリアを変更した二十人の女性医師と九人の管理者等へのディープインタビューです。 三番目は、平成三十年度、令和元年度の二か年にわたる厚生労働科学研究費補助金によるICTを活用した医師に対する支援方策の策定のための研究として私が研究代表者で行ったものですが、この研究では、当時の臨床研修病院千三十五病院のうち五百四十四病院の病院長、そして診療科長四千三百五十一人から得た回答を基にまとめたものでございます。 一ページめくっていただきまして、女性医師、勤務女性医師の状況を見ますと、三分の一が小学生以下の子供を育てている方でございました。インタビュー、その後のインタビューで妊娠中について聞いたところ、その下、円グラフの下にありますが、妊娠を報告したとき、医局長は舌打ちした、教授は辞めるの、続けるのと言ったという具合に、おめでとうと言ってもらえないと、そういうことを口々に言われたのに驚いた次第でございます。 でも、こういった上司の反応というのの背景にはそれなりの理由があります。 右上のグラフを御覧いただきますと、ちょっと分かりにくいグラフで申し訳ないんですが、真ん中の二つの、中の二つのバーは、子育てをしている女性医師の勤務時間、実勤務時間です。それに対して一番上側と一番下側は、二〇〇九年と二〇一七年の子育てをしていない女性医師の勤務時間です。明らかに異なります。二〇〇九年に比べ二〇一七年は、いずれも勤務時間が多少は短くなってきていますけれども、それよりも、八年の差よりも、子育てをしているかしていないかで歴然と勤務時間が違うということでございます。 赤枠で囲っております週六十時間以上というのが、これ月に直しますと時間外が八十時間以上、つまり過労死ラインを超えている人たちということになります。こういった中でも子育てを頑張っている先生方多いわけですけれども、母体の健康確保というのは、産前産後の休業の補償が医療保険で手当てされるように、母体保護ですけれども、育児休業は、これは就労の確保、子育て支援ということで、雇用保険から手当が出るという仕組みなわけです。 そういった中で、労働者としての医師は当然労働法やこういった育児休業法等で守られているわけなんですが、例えば三六協定なんかでもそうですけれども、労働者を守る仕組みというのは労使双方で合意する協定、労働協定を基本として仕組みがつくられています。三六協定、育休取得、それから子育て中にかなり大きな役割を果たすと思われる時間単位で取れる有給休暇、こういったもの全て、労働者の過半数で組織される労働組合、労働組合がないところでは過半数を代表する者と締結するという仕組みになっています。 私の調査しました臨床研修病院における医師の労働組合への参加、左下の円グラフですけれども、これを見ますと五・六%がほぼ参加している。ただ、このほぼ参加しているの中には労働協定締結権のない組合への参加も含めて、それでも五%台でございます。九五%近くの病院で医師は労働組合にほぼ参加していません。こういった中でも、労働組合と医師の働き方や休暇の取り方について取決めを行わなければならないというのが現在の労働法制です。 医師の雇用というのは、右下にまとめておりますけれども、パートナーシップ型ではなくジョブ型です。それから、診療と自己研さんが不可分で、臨床の経験を積むためにも、常勤であっても流動性が高く、様々な病院を経験することが資質の向上につながります。大学との、医局の関係からも、必ずしも雇用主に人事権、人事の決定権がない場合も多いことも通常とは異なるかと思います。 こういったことから、労働組合への加入率が低いのはある程度やむを得ないことかとも思われます。労働法制への医師の理解が不足しているというのは明らかだと思われますし、労働法制への理解の促進は必要ではありますが、それだけでは労働者の過半数を医師が占めることはまずないような病院という環境の中で、労働組合に加入すれば医師の働き方について様々なものが解決するというものではないのかもしれません。 次のページですけれども、仕事を続けるために何が必要かという調査では、宿直、日直の免除というのが出てきています。ですが、実際には、二十代の病院勤務の女性医師の大半が週一回、二回、それ以上、宿直、オンコールを行っています。 円グラフにありますように、このオンコールのときに病院の外で診療録にアクセスすることはほとんどできません。本当は、実際にはそういうことをやっている病院も既にあって、ICTを使えば診療録を見ていろいろな判断が自宅、病院外でもできるシステムはあるわけですけれども、病院長の先生方からはセキュリティーの問題があるということで導入をためらわれているという実態があります。 さて、医師の場合、自己研さんと診療不可分と先ほど申し上げましたけれども、それに対して、その中で学会への参加というのも非常に大きな位置を占めるものであります。 医学会におけるICTの活用ですが、これは新型コロナの前の段階ですけれども、お答えいただいた六十七学会のうち、ICT活用に関する態度の表明ですとか指針の整備を行っているのは二学会しかありませんでした。一方で、病院側は学会への参加についてはほとんど出張扱いを認めていて、大きな理解を示してはいます。出張はできる、でも子育てをしていたりするとなかなかそうもいかないということで、新型コロナ禍で急速に広まった学会へのウエブ参加は非常に歓迎されています。 自己研さんでは、学会の参加とともに、論文を書いたり論文を読んだりということもあるわけですが、カンファレンスへの参加も重要ですが、診療科内のカンファレンス、四千三百五十一の診療科でお答えいただいた中で、時間内、いわゆる時間内の、勤務時間内にカンファレンスが開始されているのは全体の三分の一にすぎませんでした。 次のページを御覧ください。 時間外勤務、まあ診療科によって随分違うわけですけれども、宿日直、宿直の翌日の勤務体制に何らかの手当てがあるかというのも限られています。 ちょっと細かくて申し訳ありませんが、小児科とか麻酔科、そして病理検査、そして救急といったシフト勤務、あるいは主治医のいない、主治医制をしいていない診療科ではある程度対応ができると。こういった診療科ごとの違いを受けて、女性医師の割合は診療科によって随分異なります。整形外科、脳外科、泌尿器科といったところの女性医師の割合は極めて低い。いずれも長時間労働であって、宿直の翌日も何ら手当てがされないような科です。ですが、女子医学生、女性医師の多くがそういった科に向かないのかというと、そうではない。本人として適性があり、希望があっても、その勤務時間とかいろいろな環境が整わないために選ばないということが起こっているのではないか。自ら規制しているのではないか。そうすると、こういうことが進んでしまうと、現在四割を女子学生が占めていますが、診療科の偏りというのが絶対に深刻になってくると思われます。 それから、子育て中の女性医師に家族環境を聞いたところ、夫と同居していない、いわゆるワンオペ育児をしている割合が乳児を抱えている先生で五%程度、小学生を抱えている先生では二割に達そうとしています。女性医師のその子育て環境という問題の大半は、実は家庭の中にあるのかもしれません。 それからもう一つ、現在御審議いただいているこの医療法の中には、既に第六条の二の第三項に国民の努力義務が書かれています。しかし、国民はどういう形で医療を受けるのか学習する機会があったかどうか疑問です。増え続ける救急受診ありますけれども、シャープ八〇〇〇番やシャープ七一一九によって、救急受診をしようかなと思った人の八割以上が思いとどまって普通の診療を受けることができる。更に言えば、小児科の専門医や在宅医療の専門医がオンラインで医療相談を受ければ、それを九九%、救急受診ではなく一般受診に向けていくことができるという実態があります。 最後です。 こういった調査から見えてきたものとして、医師の勤務環境を守りながら安全な医療を供給するためには、労働組合を代表とする労使関係を基本に置いた労働法制だけでは勤務医の労働環境は守れないのではないかと思います。それから、医師の負担軽減、医療の質の向上につながるICTの積極活用については、セキュリティー対応を分かりやすく示すなど、管理者への支援が不可欠と考えられます。それから、社会全体、家庭内や社会全体の性別役割分担を前提としない社会を目指さなくてはなりません。 そして最後に、医療のかかり方について、具体的な教育を大人だけではなく子供の時代から教育の中に取り込んで展開していただきたい。こういったことがなければなかなか仕組みを整えても実態として進まない部分があるのではないかと思いました。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。 次に、猪口参考人にお願いをいたします。猪口参考人。
○参考人(猪口雄二君) 猪口です。よろしくお願いいたします。 私の方からは、今回の法改正に係る意見を述べさせていただきます。 一枚めくっていただきますと、まず、医師の働き方改革についてでございます。 これにつきましては、医療法等の改正で、医師の働き方を地域医療とのバランスを見ながら改革していかなければならないと思います。医師の厳しい勤務環境の改善は長年の課題であり、医師の労働時間短縮への取組や健康確保等の推進は重要だと考えます。一方、二〇二四年四月施行というスケジュールがあることで拙速に進めることは、地域医療の混乱を招きかねないと考えます。コロナ禍により混乱している病院の医療現場が医師の働き方改革に取り組める状況であるのかどうか、これを注視していく必要があると思います。 働き方の新制度を早期に幅広く浸透させる必要があります。特に、大学病院や基幹病院などにおいては、派遣医師の引揚げで地域医療に影響が出ないよう早期に周知が求められます。病院の宿日直が労働時間の適用となるかどうかは医師派遣に大きな影響を与えています。地域の実情等も勘案できるよう、労基署に弾力的、謙抑的な運用と医療機関への支援を求めたいと思います。 続きまして、各医療関係職種の専門性の活用ということで、まず、医療関係職種の業務範囲の見直しについてです。 タスクシフト・シェアについては、新たな職種の創設ではなく、既に認められている業務の着実な実施が基本であると考えます。タスクシフト・シェアを受ける側の医療関係職種に対する支援も必要であると考えます。今回の法改正による業務の拡大については、医療安全の観点から充実した教育、研修体制が必須であります。あわせて、需給見通しに基づく育成の視点も重要です。 医師の育成課程の見直しについてです。 いわゆるスチューデントドクターに関する制度創設などの今回の改正概要は、医師育成課程において極めて重要なものと考えます。医療安全と国民の医療への信頼を守るため、CBTやOSCEの更なる改善と臨床参加型臨床実習の充実を求めます。 続きまして、地域の実情に応じた医療提供体制の確保についてです。 地域医療構想の実現に向けた医療機関の再編支援。病床機能再編支援事業の対象地域、医療機関の選定や執行に当たっては、それが当事者だけではなく、地域の関係者間の十分な協議と合意に基づいて行われることが実際の運用においても担保されることが必要だと思われます。都道府県行政や病床機能再編支援補助金申請者は、交付条件を満たしていると同時に、地域医療構想調整会議や医療審議会等の場において十分かつ丁寧な説明を行い、関係者の理解を得るように努めることが大切だと思います。 続きまして、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保に関する事項の医療計画への位置付けについてです。 平時から有事に備え、新興・再興感染症の感染拡大や災害等にも強い医療提供体制の構築をすべきと考えます。医療計画におけるいわゆる五疾病五事業に新興・再興感染症対策を追加することには賛同いたします。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で強く認識されたとおり、新興・再興感染症による医療崩壊を防ぐためには、感染症法上の予防計画だけでなく、感染症への対応と通常の医療が両立し得る医療提供体制を整備していくことが重要と考えます。 続きまして、外来機能の明確化、連携についてです。 特定機能病院や地域医療支援病院以外であっても、地域の基幹的な医療機関について紹介患者への外来を基本とする医療計画として位置付ける。すなわち、都道府県が、地域の医療機関の中から医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関として明確化するということになろうかと思います。 なお、地域における協議の場においては、各医療機関の自主的な手挙げ方式、それが基本であり、さらに、地域における必要な調整を行うことを十分に担保されたいと思います。また、同一病院内でも診療科により高度医療を提供する頻度は大きく異なると考えられるため、総合的に勘案することが重要と思われます。 上記の機能を担う医療機関は、紹介外来だけでなく、逆紹介により再診患者を地域に戻す役割も担うべきと考えます。その促進策は、地域の関係者にとっても納得が得られるものとすべきであろうと思います。 続きまして、持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度の延長。持分の定めのない医療法人への移行計画の認定制度については、昨年九月三十日をもって一旦期限が切れているところであります。改正案のとおり延長し、公布日に施行されたいと考えて、願っております。現在、移行計画の認定を得るべく厚生労働省に事前相談をしている医療法人に対しては、新法が施行され次第、速やかに厚生労働省において認定を進めることが必要であると考えます。 最後になりますが、改正法案と今後の対応についてです。 各地の医療機関、特に病院は、公か民か、あるいは施設の大小、機能にかかわらず、新型コロナウイルス感染症への対応に大変な尽力をしております。今回の制度改正は、そうした現場の苦労を報い、支えとなるものでなければなりません。 大規模な制度改革は想定外の問題を生じやすく、また、硬直的な制度運営がなされれば、現場に不安や混乱を招きかねないと思います。今回の医療法改正、改正法の施行に際しては、政省令、告示や関係通知等による具体的な制度設計を含め、地域の実情に応じ、かつ柔軟に運営されることを求めます。 また、国や地方公共団体に対して、地域の不安惹起や混乱の発生を未然に防ぐために、現場に対して丁寧かつ詳細な説明を行うことを求めます。今回の医療法改正による制度改革を確実に進めていくために、様々な財政支援、これが不可欠であると考えます。 以上です。どうもありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。 次に、福井参考人にお願いいたします。福井参考人。
○参考人(福井淳君) 御紹介にあずかりました全日本自治団体労働組合衛生医療局長の福井でございます。 本日は、法律案の審議の場に参考人として意見を述べる機会をいただきましたことに感謝申し上げます。 私は、地方独立行政法人静岡県立病院機構に所属する放射線技師であります。医療労働者の立場から、本法案について幾つか論点を絞って意見陳述させていただきます。 まず、医師の働き方改革です。 これまでも長時間労働が課題になっていた勤務医に対して時間外労働の上限規制を行うことについては、継続的な医療提供体制を確保する意味でも重要だと考えます。また、医師も医療従事者と同様の労働者です。医療提供体制の維持という課題はありつつも、医師の健康を確保する観点から上限時間については原則として一般の労働者に合わせるべきと考えますが、まずは、この法律案に基づき、各医療機関において改善計画の策定と実効性のある取組を着実に進めていくことが必要だと考えます。国においても、医療機関の自主的な努力に任せることなく、積極的なサポート体制の充実が図られるよう求めたいと思います。 一方、公立病院の重要な役割であるへき地医療においては地域偏在による医師不足が深刻であり、周産期や小児科などのいわゆる不採算医療は、診療科偏在による担い手不足が地域医療を維持、確保していく上で大きな課題となっています。医師の働き方と地域医療構想の実現、医師の診療科や地域偏在対策は、一体的な取組として早期かつ重点的な対応を進める必要があると考えます。 次は五ページになります。各医療関係職種の専門性の活用についてです。 医師の負担軽減を目的としたタスクシフト・シェアですが、最初に申し上げておきたいのは、タスクシフト・シェアの受皿となる診療放射線技師や臨床検査技師、臨床工学技士は、各医療機関において潤沢な人員配置がなされているわけではないという点であります。 医師の働き方改革と関連して、医療業務のタスクシフト・シェアすることはチーム医療の推進の観点からも必要と考えますが、本来業務に加えて医師の業務の一部をシフト、シェアされることは、他の職種に時間外業務を受け渡すことにすぎません。タスクシフト・シェアされる人材の拡充など、医師のみでなく医療機関全体の労働時間のマネジメントが行われなければ、実際の課題解決になり得ないと考えます。このことは、医師の働き方改革を進めるタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会におけるヒアリングにおいても同様の指摘がなされていたと承知しております。 加えて、安心して医療を提供するためには、タスクシフト・シェアされる業務に対する十分な研修や研さんも必要と考えます。研修に係る費用や時間の課題、協働する他職種の理解や協力、また、新たに追加される業務に対する賃金面も含めた評価なども考慮する必要があると考えます。 新興感染症等の拡大時における医療提供体制の確保に関する事項の医療計画への位置付けです。 まず、現状の数字から申し上げますと、感染症指定医療機関の約六割を公立病院が担っております。また、厚生労働省の発表によれば、新型コロナウイルス感染症に当たっては、患者の受入れ可能医療機関は、民間の医療機関が二六%、公立医療機関が七三%、公的医療機関が八五%となっています。また、人工呼吸器やECMOを使用した重症の入院患者数の受入れ割合においても、公立・公的医療機関が多数を占める状況です。 こうした新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、今後いつ起こるか分からない新興感染症への備えという観点において、公立・公的医療機関が対応すべき事項として感染症対応を医療計画に追加する改正案については評価できるものと考えます。 一方で、日本における医療機関の約八割は民間医療機関であり、二割にとどまる公立・公的医療機関ができることには限りがあります。新興感染症に備えるのであれば、医療計画への追加にとどまらず、日本の医療全体で果たしていくべき役割を考え、公立・公的医療機関の機能強化が必要と考えます。 さらに、今後、医療計画の変更に伴って、感染の拡大に対応する地域の医療提供体制について平時における基準病床数が検討されると思いますが、重要となる点は、病床数の確保とともに、感染拡大時を想定した人材の確保であると考えます。 一年半にわたる新型コロナウイルス感染症拡大の局面で、沖縄などに医療従事者が派遣され、今また大阪にも派遣されようとしています。感染症病棟の確保は一般病棟の一時的な変更で可能であっても、迅速な人材確保、特に感染症に対応できる人材の確保は容易ではありません。大阪の医療が逼迫した状況は、病床とともに人員が足りなかったことも理由の一つではないでしょうか。 感染は急拡大します。新たに位置付けられる新興感染症等の感染拡大時における医療を公立・公的医療機関で確実に提供するには、有事に備えて人員に余分を持たせる冗長性という災害対策の発想に基づいた人員の拡充と財政的支援が求められると思います。 地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組の支援についてです。 今回の法律案は、再編を行う医療機関に対して税制優遇などを行い、地域医療構想の実現に向け再編を促していく取組です。新型コロナウイルス感染症の第四波が到来している中、またこれから新興感染症を医療計画の事業に加えることが法案で審議されようとしている中、現在が本当に医療計画の再編を促す時期にあるのでしょうか。また、地域医療を確保していく観点でいえば、医療機関の再編統合は住民がその地域で暮らし続けられるかどうかに直結する課題であります。そして、病院職員にとっても賃金削減や、場合にとっては職場を失うことにもつながるため、労働者の課題であるとも言えます。 病床機能再編支援事業を進めるに当たっては、地域の住民や職員への丁寧な合意形成が不可欠であると考えます。この間、一部の地域においては、地域住民の十分な合意形成がなされないまま、首長の決定において公立病院の再編が行われようとした事例もあると聞き及んでおります。本法案については、あくまでも自主的な病床削減や統合を行う医療機関への支援に限り、結果的に地域医療を損なうことにならないような国によるサポートや助言が必要だと考えます。 そして、二〇一九年九月に公表された公立・公的医療機関の具体的対応方針の再検証リストの扱いについては、一旦取り下げるべきと考えます。厚生労働省は、このリストの公表は地域の調整会議の議論を活性化するためであり、必ずしも統廃合を決めるものではないとしています。民間医療機関のデータは都道府県に提供しているとのことですが、なぜ公立・公的医療機関だけのリストを公表することが調整会議での議論を活性化させるのでしょうか。リストの公表は、単に地域住民の皆さんや公立・公的医療機関で働いている者を不安にさせたにすぎないと考えます。 最後に、私ども自治労が昨年末に実施した調査によると、コロナ対応した看護師の二割にうつ的症状が見られ、三割が差別、偏見に遭ったと回答いたしました。また、コロナ禍においては、保健所の機能の脆弱性も露見いたしました。入院調整や検体搬送などにより保健所職員は二十四時間対応を迫られましたが、私どもの調査によると、九割の保健所、保健センター、衛生研究所においては、待機手当等が整備されていなかったため、長時間拘束されていても手当が支払われない状態が発生しています。 コロナ禍において保健所や医療が逼迫したのは、それを支える職員が逼迫したからにほかなりません。その背景にある最も大きな原因は、平時における慢性的な人員不足です。感染症の医療計画への位置付けが始まるのは二〇二四年からとなりますが、それを待たずとも、医療や公衆衛生を支える職員の確保を進め、処遇等を早急に改善、整備することが重要と考えます。 いずれにしましても、本法案が現在約一年半にわたり医療の現場で頑張り続ける医療従事者を応援し、励ます内容となりますよう御審議いただくことを申し添え、私からの陳述は終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。 次に、中原参考人にお願いいたします。中原参考人。
○参考人(中原のり子君) 私は、過労死遺族の中原のり子と申します。 早速ですけれども、お手元のスライド資料に沿って話を進めさせていただきます。 夫、中原利郎は、都内の民間病院に勤務する小児科医師でした。一九九九年、部長代行になって半年後、真新しい白衣に着替えて、勤務先の病院から投身自殺しました。享年四十四歳でした。そして、少子化と経営効率のはざまでという文章が残されました。医療費抑制政策、診療報酬の問題点、長時間労働による医療安全や女性医師支援の問題を訴えていました。小児科医局には、女性医師が五人、男性医師は夫一人だけでした。夫は、女性医師を支援するために誰よりも多く当直勤務し、またベッドの稼働率を上げるように事務方からの指示もあり、全力を使い切ってしまいました。 小児科医は天職と公言する夫が、亡くなる前には、馬車馬のように働かされている、小児科医師なんて誰にも感謝されない職業だと私に漏らしていました。過労死裁判は十一年に及び、最高裁判所からも、より良い医療を実現する観点から和解を勧告したと、この和解で医師労働の改善に希望を持ったのですが、なりませんでした。医師の労働環境改善のために医系技官になりたいと言って医学部に進学した娘は、父親を追い求めるように小児科医師になりました。和解後の記者会見では、自分のような子持ちの女医でも働き続けることのできる労働環境になってほしいと語りました。 多くの医療者の命や健康が損なわれています。循環器病院に勤務する二十五歳の村上優子さんは、くも膜下出血で死亡しました。都内のオペ室勤務だった二十四歳の高橋愛依さんは致死性不整脈で亡くなり、二十三歳の杉本綾さんは就職して僅か九か月で自ら命を絶ちました。新人教育も支援もない中、一人苦しみ、亡くなりました。さらに、北海道では、新人男性看護師の過労死事案もあります。二人とも、看護部長や医師らのパワハラが原因で自死しています。 新潟の研修医木元文さんは、医者になんかなるんじゃなかった。夫も同じように言っていました。時に娘には厳しく、医者にだけはなるなと言っていました。二十九歳の外科医師は、毎日の生活に疲れ、休息したいと訴え、医師不足の解消を訴えていたへき地の産婦人科医は、ぜいたくは要らない、普通の人間の生活がしたいというメモを残しています。 大学病院勤務の研修医は、寝ているときに起こされるんだよ、しかも大した病気じゃないのに来るんだよと家族に訴えていました。当直明けの夫も、三時間寝られたから大丈夫だったよとか、深夜と明け方の救急外来はなぜ昼間に受診してくれないのかなとこぼすこともありました。この研修医のお父さんは、医師の働き方について、一般労働者と同じような規制をしないといけない、医者はスーパーマンでもロボットでもない生身の人間と、過労死ラインを超えた医師の働き方に反対表明をされました。 おととしの七夕に、倒れるような病気や悪いことが起きませんように、長生きしますようにと五歳の子供が短冊に願いを書きました。長崎メディカルセンターで三十三歳の内科医師が、子供のお食い初めのお祝いをした翌々日の朝、致死性の不整脈で亡くなりました。昨年四月に赴任された新理事長と院長先生は、労務管理を徹底し安全配慮義務を尽くしていればこの医師の死亡は避けられたと判断し、多くの可能性を残したまま無念の過労死という最期を遂げられた医師の御霊に心からおわびを申し上げます、想像を絶する悲しみと困難に直面している御遺族に心よりの謝罪を申し上げますとおわびの言葉を述べ、ホームページには重要なお知らせとして、医師の働き方改革はもちろん、医療スタッフの働き方を改革し、医療現場の労働環境を改善する責務を負っていると明記されています。遺族の、病院は命を守る場所です、働く職員の命も必ず守ってくださいという願いに向き合う約束もしてくれました。人権意識の高いリーダーに替わったことが大きな改革をもたらしました。医者の不養生は医療安全にはつながらないことを改めて申し上げます。 また、残念ながら、いまだ無給医問題は改善されません。無給医であれ研修医であれ、診療報酬は発生します。それでも病院経営が赤字なのは、診療報酬制度が適正ではないからなのでしょうか。長時間労働を強いる働き方が改善されるのは、原因は医師不足と考えます。日本の医師数がOECD平均と比較して十三万人も不足しています。それなのに、さらに二三年度から医学部定員削減を図ろうとしています。大丈夫なのでしょうか。 二〇一九年三月に、医師の働き方改革に関する検討会が報告書を取りまとめました。副座長でいらした渋谷健司先生は、検討会では患者の命を人質にして神風特攻隊的な話ばかりと、報告書取りまとめの一月前に退任されました。この報告書の働き方では過労死はなくならないと思われたのです。 本日、私の資料の後ろの方の添付資料にもお示ししているとおり、医師の労働に関しては難問が山積しております。 厚労省の平成二十八年の調査によれば、病院勤務医の約四割は過労死ラインを超え、約一割は過労死ラインの約二倍を超え、一・六%は過労死ラインの三倍を超えています。そこで、五年の猶予期間を定めて過労死ラインの二倍を認め、その後、二〇三五年までに一般の労働者と同様の上限規制とすることを目標とする。なぜ過労死ラインの二倍を認めるのかが私は理解できません。これに対して、若手医師の有志と医師の働き方を考える会を結成し、私たちは、医政局長に長時間労働反対という八千名の電子署名を手渡し、過労死ラインを超えた働き方は受け入れられないと表明しました。 さて、医師の過労死と労災認定状況にも大きな問題があります。表を御覧ください。 労災補償状況表の一番右側の平成二十九年度の脳・心臓疾患の請求件数二(〇)というのは、二件が請求があり、死亡数、括弧が死亡数という意味です。その下の三(二)は、労災補償課がこの年は三件決定し、うち死亡数は二件です。三段目の支給決定件数が〇(〇)というのは、生存、死亡事案共に一件も認定されなかったということです。 下のページになりますが、平成三十年度の脳・心臓疾患の請求件数は三件、死亡件数は一件です。労災補償課が決定した支給決定数は生存、死亡も共にゼロ件。つまり、脳・心臓疾患において、平成二十九年度、平成三十年度と二年続けて医師の過労死として労災認定された件数はゼロ件ということです。 長時間労働と人の命に向き合う極めて緊張感の高い労働が、遺族や当事者がやっとの思いで労災申請しても、二年連続して一件も労働災害として認定されていないのです。一般の労働者の認定率は三一・六%と言われていますが、医師の過労死認定率は〇%だったということです。過酷な医師労働が適切に審査されていなかったと思える極めて残念な実態です。また、精神疾患の請求、認定数は年々高い数字を出しています。 今、厚生労働省では、二十年ぶりに脳・心臓疾患の認定基準の改正についての検討会が行われています。どんな疾患があるのかとか過労死ライン八十時間という数字に縛られ、労災認定する制度の話合いも大切ですが、どうしたら過労死をしない働き方にするかが重要です。誰も仕事が原因で命や健康を害してはならない、この仕組みを早急に確立していただきたいのです。 この新型コロナよりも前から医療現場は逼迫していました。ブルーインパルスや感謝の拍手では医療現場の改善にはつながりません。適切な人とお金を配置する必要があります。看護師や医師の大量退職のニュースも目にします。私は、退職していく医療者を見守ることしかできません。医療者が希望と誇りを持ち続ける働き方にかじを取り直さないと、日本の医療は完全に崩壊していきます。 新しい感染症との闘いはこれからもどんどん強敵が現れてくるに違いないのです。そんな中で、私たちは、感染症対応の最前線を含め、過酷な環境で働く医師の働き方改革の必要性を改めて認識し、今こそ、国民の命を守る医療者の働き方を政府主導で全力で見直す時期であると思います。 私たち医師遺族、家族は、医療者の全てが患者に最高の医療を提供することを願っています。しかし、それと引換えに自らの生と幸せを差し出すことは望んでおりません。医療者の聖職者意識、犠牲的精神の上に成り立つ労働環境をこれ以上許してはなりません。医療者も患者も共に幸せに働き続けることのできる真の働き方改革の実現を心から望んでいます。 どうもありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。 次に、山本参考人にお願いいたします。山本参考人。
○参考人(山本修一君) 山本でございます。 私、三月まで千葉大学におりまして、六年間、千葉大学病院長を務めておりましたので、本日は、大学病院の立場からお話をさせていただきます。 資料を一枚おめくりいただきましたところが全国医学部長病院長会議の概要でございますが、全国に八十二あります大学医学部の医学部長及び病院長で構成されております。 もう一枚おめくりいただいて、三枚目、この大学病院の本院の概要でございます。 真ん中辺を見ていただきたいんですが、ここで働く医師数は六万人でございます。日本の勤務医の数、およそ二十万人でございますから、三分の一が大学病院で働いています。しかも、そこの年齢構成を見ていただきますと、二十代から三十代、今回働き方改革の主役となるべきこの若手の医師がその六割を占めております。これまで厚労省の検討会では、大学病院の事例は特殊だからということで余り深く議論をされてきておりませんでしたが、このデータを見ていただくと、ここを避けては医師の働き方改革は成し遂げられないということは御理解いただけるのではないかと思います。 四枚目を御覧ください。 これは、厚労省の研究班が全国の十大学を対象として、かなり詳細な聞き取り及びアンケート調査を行った結果でございます。 このグラフは、横軸に大学病院での労働時間、縦軸は兼業先での労働時間を取っております。この斜めの線がございますが、黒の斜めの線よりも右側にあるぽつぽつは、年間の時間外労働が千八百六十時間を超える人たちということになります。上のこの散布図の左側は大学での待機時間、出待ちの時間を労働時間に含めた場合、そして右側は大学病院での待機時間を外した場合ということでございますが、見ていただくと分かるように、かなりの数がこの千八百六十のラインより右側に来ています。 これを今厚労省で進めています水準に当てはめると、下のグラフになります。一番左端の紫色はいわゆるA水準、時間外労働が九百六十時間未満でありますが、右端の黄色、これは千八百六十を超えます。一番下の、この大学病院の待機を含めて、それから兼業先の待機を除いても、まだ一割の医師がこの千八百六十を超えるということであります。ここのドクターの働き方を何とかするのがまず喫緊の課題というふうに考えております。 次、五枚目を御覧ください。 このような状況を受けまして、全国医学部長病院長会議では、大学病院の取組が遅いとか認識が甘いとかいろいろお叱りを受けておりますが、AJMCとしても各病院長に対して様々な教育活動を行っているというところでございます。 次、六ページ目を御覧ください。 今申し上げましたように、大学病院の働き方というのはいささか特殊ではございますがかなりの数を占めているということで、問題点を以下に列挙させていただきます。 まず一つ目でありますが、一般病院の医師はほぼ一〇〇%診療だけを行っていますが、大学病院の医師の場合には、診療に加えて教育と研究というこの二つのタスク、要するに三つのタスクを同時にこなすことが求められております。働き方改革による長時間労働の是正を行いつつ、なおかつ我が国の医学、医療の発展に寄与するような仕組みと環境整備が求められるというふうに考えております。 次、おめくりください。 この医師の働き方改革に関する検討会の報告の中で、医師の診療業務の特殊性としては公共性、不確実性、高度の専門性、そして技術革新と水準向上、これが掲げられておりますけれども、これに、先ほど申し上げたように、これに加えて教育と研究が加わっております。しかも、これは非常にモザイク状に入り交じっている、あるいはもう裏表とも言っていいかもしれません。きれいに分けることが不可能な状態であります。 例えば、診療におきましては、その診療によって得られた臨床データというのが研究に使われますし、あるいは、その診療行為そのものが医学部の学生であったり研修医の教育に使われます。また、研究を通じて学生や大学院生の教育を行ったり、あるいは、その診療の結果から新たな医療技術あるいは薬物の開発というのも行われます。また、兼業に代表される地域医療への貢献というのも、これも大学病院の医師の極めて重要な仕事でございます。 次、おめくりください。 また、医師は、患者に最適な医療を提供するために、知識や技能の向上に日夜努めております。具体的に申し上げると、勤務終了後あるいは業務の合間などに論文を読む、論文を書く、あるいは技術の修練を行うというようなことに取り組んでおりますが、働き方改革を進める中で、このような時間が決して犠牲になることがないようにするべきというふうに考えております。 また、四番目でございますが、大学病院に勤務する医師の働き方改革には、我が国の医学、医療の発展、あるいは安定した地域医療の確立等、現在抱えている、医療体制が抱えているこの様々な課題を同時に解決しないと進められないというふうに考えております。 私たち大学病院も、古くからの慣例とかあるいは習慣というのもございますので、これはもう抜本的に見直す必要があるということは十分承知しておりますし、それを現在進めているところではございますけれども、しかしながら、やはり国及び地方自治体による制度設計及び人的、財政的支援も不可欠であるということを考えております。またあわせて、地域の医療機関の御協力、あるいは患者となり得る国民の皆さんの理解というのも必要であるということでございます。 したがいまして、今回のこの医師の働き方改革を実現するために、単にこの法令等で規制を掛けるのではなく、今申し上げたような点に配慮して、国としての財政支援も含めた総合的な取組を望むところでございます。 九枚目でございます。 このように、研究者に対しましては、医学部以外の研究者に対しては一般的に専門業務型裁量労働制が適用されております。なかなか、ただ、診療部分に関してこの裁量労働の適用というのが難しい部分がございますが、これを可能な限り適用拡大して、そして各大学病院の診療体制あるいは地域医療の実情に即した労働が可能となるような制度設計を是非していただきたいというふうに思います。 また、今申し上げたように非常に複雑、業務が複雑にモザイク状になっているこの労働時間の把握というのもなかなか難しいところがございます。したがいまして、このような複雑な労働時間の適正かつ効率的な把握のためのシステムの開発というのも是非お願いしたいというところでございます。 また、今回の働き方改革ではタスクシフティングなどが有効というふうに言われておりますが、例えば特定行為、看護師に対する特定行為研修というのもなかなかまだ進んでおりませんし、人材そのものが少ないという問題がございます。また、雇用には新たな財源も必要でございますので、このような人材の育成と、そして財政的な支援というのも強くお願いしたいところでございます。 また、七番目にもございますが、医師の働きやすい環境整備ということで、今全ての、ほとんど全ての大学病院が院内保育は整備しておりますが、更に充実させるとやはり病児保育ということが必要になってまいります。ただ、これは非常にお金が掛かって、一つの大学病院で賄うと、例えば千葉大学はそれだけで四千万を投資したりとかしておりますので、ここはやはり国としても制度設計が必要ではないかというふうに考えるところでございます。 最後のペーパーでございますが、今後の検討課題というのをまとめてございます。 制度面では、先ほど申し上げました専門業務型裁量労働制、これは、明文としては講師まで適用ということになっていて、助教はまだ検討ということになっていて、助教への適用が明文化されておりません。この辺も明確にしていただきたい。あるいは、裁量労働の場合には宿日直ができないというような読み方になっておりまして、この辺もなかなか裁量労働の適用を難しくしているところではないかなというふうに思います。 また、財政面では、この大学病院の機能を維持するためには増員が不可欠でございます。この働き方改革を進めつつ大学病院の機能を守るためには増員が不可欠と考えますので、この辺の財源確保、あるいはタスクシフト、タスクシェアに必要な財源確保などもお願いしたいところでございます。 そして最後に、やはりこの地域医療を守るということは非常に重要でございますが、今までのように医師の長時間労働でこれを守るのではなくて、適正な労働時間でそれが行えるように、やはり地域医療の医療体制の見直し、効率化、集約化などもしっかり進めていただきたいというふうに考えるところでございます。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○島村大君 自民党の島村大です。 本日は、参考人の五名の方々、お忙しい中、また本当に貴重な御意見をいただき、感謝をさせていただきたいと思います。 今日は、ちょっと五名という多い中で、できれば皆様方にお聞きしたいので、質問は多分一問になると思いますが、質問させていただきたいと思います。 まず、私の、この日本の国の医療の在り方、制度に関しまして、私が知っている限りは、戦後この日本はやはり国が財政的に非常に厳しく、医療、特に病院とかクリニックを国が、また公的に公立病院をつくることがなかなか難しかった。そのせいで、民間の方々に是非とも御協力をお願いしたいということで、日本の国の民間医療が進んだということを私も聞いております。 その中で、もう一つは、財政面でやはり厳しい点がありましたので、診療報酬が最初から世界各国から見て残念ながら低かったと、これを私も理解しているつもりでございます。 ただ、この国は、財政面、いわゆる診療報酬だけじゃなくて、もう一つの考え方は、税制で相当最初のうちはこの医療機関に手厚いある意味じゃ保護をしていたということを聞いております。その一つが、あるときに医師優遇税制とかいろんなことを言われて残念ながら廃止されましたが、特措法のことに関しましてもそうですし、今辛うじて残っているのが事業税だと思っております。 そういうふうに、この民間病院が税制面、それから診療報酬をそういう意味で低くてもどうにかやってきたのが今まででございますが、残念ながら今はそういう税制面ではなかなか厳しくなった。ですから、一つはこの診療報酬を、今の世界各国から見てこれだけ低い点数をいかに上げていくかということをしなくちゃいけないということも私も理解はしているつもりです。ただ、今のこの国の情勢、それから国民負担をこれ以上どこまで上げられるか、これはやはりある意味では難しい点も皆様方も御理解していただいていると思っております。 そういう中で、じゃ、しっかりとどうするのか。この国民皆保険制度、昭和三十六年にできた国民皆保険制度が、WHOも認めています世界冠たる医療制度だと。このおかげで健康寿命、平均寿命も健康寿命もこれだけ日本が良くなったというのは皆様方のおかげだと、私も本当に感謝をさせていただいております。 ただ、これからなんですが、じゃ、何の制度でもそうですが、この国民皆保険制度、昭和三十六年にできているわけですから今年で六十年、何の制度でもそうだと思いますが、抜本的に六十年、まあ少しは改定していますが、ほぼほぼ改定していなくて、それの制度が今の時勢に合っているかというと、これは合っていないと思います。 ですから、この今の時勢にどうこれを合わせていくか、その一つが私は医療関係者の働き方改革が大きな一つの柱だったと思っておりますし、じゃ、その働き方をするためにはどうしてもやっぱり財政面の問題、これを本当に、これは我々が考えなくちゃいけないことだと思いますが、ただ、皆様方からもいろんなお知恵はあると思いますので、もしそういうお知恵もあれば教えていただきたいのと、もう一点は、何名かの方々がおっしゃっていただいたように、私も、この国民の方々が医療に対してどう本当にこれは受けるのか、その考え方を今のままで、応招の義務があるからといっていつでもある意味ではいいのかどうかということもしっかりと考えていかないと、これは医療関係者だけの方々、それから財政の考えだけではやはりこれは難しいと思っておりますので、そこを含めていわゆる働き方改革を含めた制度面の考え方、それから財政をどうするのか、それから国民の医療に対しての考え方と、こういうことを、この三つを柱にして、皆さん今御説明していただいたんですが、その中で、特にやっぱり皆様方の立場としてはもっとこれを大切にしなくちゃいけない、深掘りしてもし一つでも御意見がありましたら教えていただきたいと思いますので、五人の方々に一人ずつ聞いてください。
○委員長(小川克巳君) 上家参考人からよろしいですか。
○参考人(上家和子君) 私からは、組織を代表する者ではないので難しいことは申し上げられませんが、三点目の国民の理解という部分が非常に重要だと思っておりますけれども、それを国民が理解するための機会がないということだと思います。 医療がどういう仕組みで成り立っているのか、今、新型コロナで医療者が大変ということが取り上げられてやっと注目され始めましたけれども、医師の働き方を含め、医療者の働き方、仕組み、医療保険制度、そういったものを理解する機会がない。これを進めるための、大人への啓発も大事かもしれませんけれども、子供の教育、学校教育に是非取り込んでいただきたいと思います。 以上でございます。
○参考人(猪口雄二君) 私からは、その医療の提供体制を今後どうするか、それから財政のことということですが、やはりなかなか日本はこれから少子高齢化の中で財政は厳しくなるだろうと思っております。ましてや、このコロナの中でまた更に厳しさを増すと。そうした中で、やはり医療は守っていかなきゃいけないということになろうかと思います。そこに一つは消費税というものが大きく関与するであろうというふうには考えます。 そしてまた、提供体制についてですけれども、やはりもう少しこの機能分化が今後は進むのだろうというふうに思います。特に、そのかかりつけ医として、これは地域の中で中小病院を始め診療所の先生方が日常の生命、生活、健康を守っていくというような立場と、あと急性疾患は急性疾患で、起きたときに高度なものというのはやっぱりある程度集約されていく。まあそういうものが地域医療構想ということで表れるのかもしれませんが、これは時間が掛かると思いますけれども。 そういうことで、機能分化が進むことによってある程度のその過重、過労にもならないで済むような区分けができていけばいいのかなというふうに思っています。
○参考人(福井淳君) 今、財政面、それから診療報酬が低いのではないか等々の島村先生からの御意見がありました。 まず、病院の経営自体を診療報酬だけで賄っていくというのはなかなか難しい局面があるのかなというふうに思っております。医療の中には当然不採算医療もありますし、そうしたものもあるということだと思っております。ですので、医療自体をソーシャルキャピタルという形、社会資本ということで考えると、ベースのものはある程度、公であれ民であれ、ある程度税金、消費税なりなんなりで見ていく、その上で、プラスアルファのところを診療報酬で見ていくとかいうふうな形のものも考えていくのもいいのかなというふうに思っております。 一方、医療費ですけれども、医療費適正化というのがこの間言われていて、地域ごとに一人ごとの診療費とか医療費が違っているというところがあるというふうに存じております。そこのところをどう考えるのか。多いのが、一人当たりの医療費が多いところが無駄な医療をしているのか、それともどうなのかというのも含めて少し考えることが必要なのかなというふうに思っています。 そうはいいましても、医療というのは暮らしていく上での一つのツールといいますか、そこで人たちが、人たちが暮らしていくためのものですので、地域医療を守るという観点で病院がどういうふうに収支も含めて自力でやっていくのかということも考えていかなければならないのかなと思っております。 以上です。
○参考人(中原のり子君) 私は、常々、医療と教育は本当に公共のものである、そして平等であるべきというふうに思っております。 そのためにはやはり、今、今まで私もちょっとお話しさせていただきましたけれども、やはり個人のそういう頑張りだけではもうとても無理なので、やはり財政面としてきちっと手当てが必要かと思います。診療報酬だけで足りないのであればそれなりの補助をするというような、そういった仕組みも必要かと思います。 今だんだん、私も薬剤師なので、薬剤も薬価がびっくりするぐらい高くなったりするものもございまして、そういうものを全て保険で賄うということはこれから大変なこともあるかと思いますけれども、やはりこの治るということを信じて、やっぱりこれは国が一丸となって医療と教育に関してはサポートしていただきたいというふうに思います。 以上です。
○参考人(山本修一君) 私は、診療報酬の点と、それから医療提供体制の点で二つ申し上げさせていただきたいと思います。 まず、診療報酬の点に関しましては、急性期医療に対する診療報酬が極めて薄いと。生かさず殺さずという言葉もございますが、本当に一生懸命経営しても、数%黒字が出るかどうかであります。その黒字は決して何か外車に化けるわけではございませんで、次の新しい医療機器の購入に充てる費用なわけです。ここができない。ちょっと油断するともう赤字に転落して、機器の更新すらままならないと。何十年も使う古い機械で診療しなければいけないということがございます。 それからもう一つは、大学病院に働く医師の給料が極めて安いということであります。国立大学病院と国立病院、NHOで比較すると、同年代だと大学病院の医師は六割です、国立病院の医師の。当然、その分の差額は兼業、バイトで補わないととても生活がやっていけないというようなことがございます。 このような大学病院では低い人件費を基にそもそも診療報酬が設定されておりますので、例えば大学病院で一生懸命頑張って若い子たちにいい顔をしたくて給料を上げても、その分はどこからも入ってきませんから、ただ単に赤字が増えるだけということで、やはりこの大学病院に対する診療報酬の体系そのものの見直しが必要ではないかというふうに考えます。 それから、医療提供体制に関しましては、しばしば過疎地から大学が医師を引き揚げたといって悪者にされることも少なくありませんけれども、本当にその過疎地なりそのエリアの医療提供体制がしっかり効率化されているのか、集約化されているのか、やはりそこは我々医師を出す側からすると非常に疑問に思うところであります。 人口例えば十万人ぐらいの二次医療圏にこれだけの医療が必要でこれだけの医者が必要だよね、だから大学に出してくれということであれば我々も最善を尽くすことでありますけれども、民間、公立含めて中小規模の医療機関が散在して、それぞれが医者を出してくれ出してくれと言われても、もう医者の数に限りがございますから、そこにみんな出していたらこれは無駄になるということでございます。 やはり、先ほど申し上げましたように、そもそもの地域医療提供体制の見直しをしっかりやっていただきたいというふうに希望するところでございます。 ありがとうございます。
○島村大君 もう時間なので委員長がやめろという顔をしているんですけど。 先生方の今日のお話聞いてつくづくそうだと思うんですが、私もちょっと小さい診療室持っているんですが、今回のコロナ禍までは自転車操業というのは医療界というのは余りないと思っていたんです。 というのは、二か月、毎月毎月診療報酬が入ってくるわけですから、そういう意味では、回っていれば自転車操業という意味では、ある意味では関係ないのかなと思っていたんですけど、これだけいわゆるコロナ禍でいろんなことが起きますと、診療報酬が下がると、一割、二割下がっただけでこの医療機関というのは相当きついなということを私も肌感覚を感じさせていただいたので、そういう意味では、ああ、逆に言うと、医療界というのはみんな自転車操業していたんだなというのをつくづく感じておりますので、そこはしっかりと我々も、医療のいわゆる経営が安定してこそ、その患者さんやそれから国民に対して医療を提供できるわけですから、そこはしっかりと底辺を忘れずに我々もしっかりやりたいと思っていますので、よろしくお願いします。 以上です。
○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子です。 参考人の方々には、本当に今日、ためになるお話、ありがとうございました。 まず、私は、福井参考人に質問させていただきたいと思います。 地域医療構想についてなんですが、この病床機能再編支援事業の対象になった四百三十六病院は全て公的な医療機関になっています。民間の病院を考慮せずに、公的医療機関だけを検討することで本当にいいのかどうか御意見を伺いたいことと、それから、今コロナ起こっていて、公的機関というのは八五%コロナを受け入れているというふうに今ここでも、資料でもおっしゃっていますが、コロナ禍でこの医療地域構想を進めていくことに対する御見解を伺わせていただきたいと思います。
○参考人(福井淳君) ありがとうございます。 まず、我々は、公立・公的医療機関のリストを出されて、民間医療機関のリストが出ていないので不公平だから公表しろと、別に公立と民間との争いを際立たせるというつもりでこの発言をしたわけではありません。 この厚生労働省、このいわゆる四百三十六病院のリストというのが、二〇一七年六月の実績、診療実績、しかも急性期の医療実績を対象としているということで、まず、今回の災害時のような感染症の状況を想定しているわけではないということです。 もう一つは、それが、厚生労働省は、調整会議での議論を活性化するためであって、決して再編や統合するものではないと言っておるんですけれども、実際に今回、新興感染症が医療計画に追加されるということですので、新たにもし地域医療構想調整会議の中で議論を活性化するものが必要だとするならば、一旦この再検証リストは撤回し、新たに議論を活性化させるものを提供するべきではないかと考えます。 それでも厚生労働省が、医療機関のリストこそが調整会議を活性化するために必要だということであるならば、今回のコロナ禍の状況の総括と分析を行って、全ての医療機関を対象としたリストを公表するべきだと思っております。ただ、公表することがこの間少しハレーションを起こしたので、公表しないにしても地域の方に提供するべきだというふうに思っております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次に、猪口参考人に伺いたいと思います。 続いて、地域医療構想なんですけれども、これ、コロナが起こる前のデータを使って四百三十六公的医療機関のを出していますけれども、このリストをそのまま使ってしまうことに対する御見解伺わせていただいてもよろしいでしょうか。
○参考人(猪口雄二君) まず、地域医療構想調整会議に関して、そのワーキンググループというのがありまして、そこでの議論でいきますと、一つには、このコロナがあるのでしばらく、その四百三十六病院ですか、そこの議論は取りあえずストップということになっております。 それから、その公立、公的、民間のお話を少しさせていただきますと、実は、公立は公立なんですけれども、公的医療機関の中には民間の大きい、比較的大きい地域医療支援病院、これは民間の方に入らずに実は公的に入っているんです。 ですから、それを民間の方に戻すと割合がまた変わってくるというようなことがありますので、あれはあくまで地域医療構想調整会議の中の公立、公的のその法的に定められた仕事、五疾病五事業含め、それがどれぐらいやられているかということと、近隣の医療機関を比較した場合にどのような違いがあるかと、それを調べるために分類したものであって、コロナでどれぐらい受けているかということのためにあの三つを分類したものではないので、ちょっと実数と違っているということだけは申し上げておきたいと思います。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 続いて、猪口参考人にお聞きしたいんですが、このタスクシェアリングについてです。 この各医療関係職種の専門性を活用するためにタスクシェアリングをしますけれども、まず研修の費用が掛かると。自分たちの仕事以上のものを受け入れることによって残業も出てしまうかもしれないといった費用の面が掛かってくると思うんですね。 この費用というのを病院はどのように捻出していくべきか、それに対する国の役割について御意見伺いたいと思います。
○参考人(猪口雄二君) まず、幾つかのタスクシフトに関しては、新たな技術の習得ということが必要になるのと、新たにその職業に就く方の教育というのが両方必要になります。ですから、これはかなりやっぱり時間が必要だということと、それから、既に資格をお持ちで新たにその技術を習得するための講習会とか、そういうものは、そのそれぞれの技術者の集まりの会と国とがよく相談をして講習会をつくっていく、また、それぞれの学校にはその教育課程にそれを入れ込んでいくということを丁寧にやらないと、一方的に仕事をやりなさいということだけになるとやっぱり医療安全からも問題が出てくるのではないかというふうに思っております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次に、山本参考人に伺いたいと思います。 医師の業務負担の話しされましたが、新型コロナワクチンの接種で更に医師の方々の負担というのは増えていくんじゃないのかなと思うんですよね。 新型コロナワクチン、今後打っていく中でどのように医師の方々の業務負担を軽減していくべきであるのか、もし御意見があったら伺いたいと思います。
○参考人(山本修一君) ありがとうございます。 今、新型コロナワクチンの接種に関する御質問というふうに承っておりますけれども、私が知る限り、今、大学病院は余りそのワクチン、一般の方も含めてワクチン接種には関わりは余りないのではないか。一部の地域では医療機関に対する接種を請け負っているという部分はございますが、まず、自分のところの組織が数千名を擁しておりますので、まずそこの接種ということで、むしろ、より広い国民の皆さんへの接種というところの負担業務はむしろ日本医師会あるいは都道府県の医師会の先生方が御担当なのではないかなというふうに考えております。
○田島麻衣子君 分かりました。 どの方であったとしてもお医者さんと看護師さんである限りワクチン接種はしていかなければならないので、今後、その医師の負担軽減、看護師の負担軽減というのはやっぱり国もしっかり考えていかなきゃいけないのかなというのを、私見ですが、思っています。 次に、上家参考人に伺いたいと思います。 私もこれ、前回の厚労委員会で女性医師の働き方について取り上げさせていただきまして、自分自身が子供を育てている環境にあることからやっぱり育休のことについても詳しく伺ったんですが、厚労省の方々は育児休業を取得できない女性医師の実態を把握していないと。理由というのは、それはもう当たり前に取るべきものであるからということをお答えになっていたんですが、実際これ、上家参考人の資料を見てみますと、労使協定がある場合に限られると。大体、数をしっかり言えなくても全然いいんですが、大体どの程度の病院が今、日本で労使協定があって女性医師が育児休業を取れるような環境にあるのかということをちょっと興味を持って今拝見していたんですが、どうでしょうか。
○参考人(上家和子君) 少し私の説明がまずかったのかもしれませんが、育児休業は原則取れます。取れないという例外をつくるのには労使協定が要るということで、労使協定がない限り育児休業は誰にも取れるはずです、研修医であってもです。 ただ、育児休業が取れるということと育児休業のときに手当が出るということが別なわけです。手当を出すのは雇用保険からなので、雇用保険の資格がない人には出ない。そうすると、公立病院で働いていて公務員だった人が民間病院へ移ってすぐに育休を取ろうとすると、雇用保険の支払期間短いので対象にならないといったような問題が起きると。つまり、制度のはざまに医師は落ちてしまいやすいということを申し上げたかったわけでございます。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。すごく勉強になります。 結構多い方が、過半数ぐらいは取れなかったりとかするんですか、現状において。
○参考人(上家和子君) 数字は分かりませんけれども、取りにくさという意味では極めて取りにくいと。それは、自分がいなくなったら診療を誰が診るのだと、代替医師が派遣されるのかと、そういったようなフリーコメントではたくさん出てきているというのが実態で、取れる制度があるから取れるということではないというところが問題なのだと思います。
○田島麻衣子君 分かりました。ありがとうございます。非常に勉強になりました。 最後に、中原参考人に伺いたいと思います。 本当にこの過労死のお話、聞いていて胸が締め付けられるような思いになったんですが、今回の法改正で一応この医師の方々の働き方を考えていこうという部分が大きく出ていますが、今の法改正、足りないところというのはどこら辺にありますでしょうか。
○参考人(中原のり子君) やはり私は、労働時間というところで、過労死ラインというのが私はどうしても引っかかります。特に、やはり医師の場合は、先ほども申しましたけれども、例えば脳・心臓疾患に関しても認定率が非常に悪いということで、余り医師労働を理解されていないんだなということを痛感しております。ですから、先ほども国民からの理解ということも何回か耳にしましたけれども、やはり国民の医師、病院へのかかり方とかそういうものがやっぱりまだまだ進んでいないんではないかというふうに思います。 やはりきちっと働き続けられるようなそういう労働環境をということで、子育てしながらでも、まあ私の娘も結局、長時間労働とやはり体壊して離脱、勤務医離脱してしまったというそういう経験もありますので、やはり継続できるような働き方を進めていってもらいたいというふうに思っています。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 福井参考人に戻ってやらせていただきたいんですが、もしよろしかったら、これ資料の八ページで、今の過労死の関連で、看護師の方、コロナ対応した看護師の二割にうつ的症状が見られ、三割が差別、偏見に遭ったと回答しているというふうにおっしゃっていますけれども、これは、国はどのようにこうした看護師の方々の負担に応えていくべきなのか、もし御見解があったら御教示いただきたいなと思っています。
○参考人(福井淳君) まず、国ということも大事なのかと思うんですけれど、まずは各医療機関、それから職場でこうした人たちの意見や相談にどれだけ応えられるかというのが一つ大事なのかなというふうに思っております。 実は我々の調査でも、実際の病院、また施設の中で相談をしたというのはほとんどいませんでした。その理由としては、相談しても仕方がないから等々の理由で誰にも相談しなかったと、家族等には相談したということでしょうけれども。そういう意味では、労働組合でさえもそうした人たちの受皿にならなかったという我々としてもじくじたる思いというのがあるんですけれども、そうして職場なりなんなりがしっかりと受け止めるのが、受け止めて応えていくのが必要だと。 そういうものをまずは職場でつくっていく、それから相談しやすい環境をつくっていくということが必要であって、まずは国からというよりも、まずは現場からそうした状況をつくっていくのが大事なのではないかなというふうに思っております。
○田島麻衣子君 分かりました。ありがとうございます。 国で働く者が、もしそれが何ができるかとしたら、その意識喚起ですとか、こういったものが職場で取組で必要なのであるということをしっかり声を上げていくということは、多分皆さん、現場の御努力というのを助ける形にはなるのかなというのは今聞いていて思いました。そんな形で大丈夫でしょうか。(発言する者あり)はい。分かりました。 あと、時間が来ましたので、私、これで大丈夫です。ありがとうございます。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 五人の参考人の先生方、貴重な御意見、大変にありがとうございます。 私からは、まず上家参考人にお伺いをしたいと思います。 資料の方でも、例えば妊娠を報告したときの周りの無理解ということ、本当にこういう状況になった御当人の心はつらいなというふうに改めて思いました。 〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕 私も、例えば育休取れない理由とか幅広く若い人に聞いたら、やっぱり職場との気兼ねというか、周りの人に負担が掛かるということが大きな理由だったというのは結構アンケートからも分かっているんですが、その上で、特にこの医師が置かれている環境、これ男女かかわらずだと思いますが、の状況を分析して、こういう観点から医師はより周りとの関係で育休だったり取りにくいとか、そういう事実があれば教えていただければなと思います。
○参考人(上家和子君) 例えば、診療科によっては一人でその科を担当しているという科がたくさんあります。それから、地域によっては、特に地方、田舎に行くと、小さな病院でその先生しかいない、その先生しか内科系がいないとか外科系がいないとかいうふうに、専門領域が一人であるというようなところへ派遣された場合、とても代わりが来るまでは自分がいなければどうにもならないというような状況をたくさん経験すると思います。そういった医師の中でのマイノリティーに陥ると取りにくいのではないかなということが調査等からは見えてまいりました。 それから、例えば大学病院であってもスペシャリティーが、大学病院になれば細分化された専門性があります。そのために、やはり専門性が、その分野の先生は一人だけというようなことが大きな、都心の大きな病院であってもあるというふうに、かけがえのない人材だからこそ取りにくいという実態があるのではないかと思います。
○矢倉克夫君 なかなか難しい課題なんですけど、もしそこについて一歩一歩解決する方策があるとしたらどのようなものがあるのか、教えていただければ。
○参考人(上家和子君) 臨床研修病院の診療科長からのコメントたくさん寄せられたものでいいますと、代替医師の派遣制度を公的に、若しくは大きな、大学を超えた大きな組織としてつくってもらえないかと。例えば、学校の先生、義務教育課程の学校の先生の場合には育休の先生の代わりの先生が自動的に来るようなシステムがあるわけですが、そんなふうに派遣される仕組みが欲しいという声がかなりあったのは印象に残っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございました。 じゃ、続きまして、猪口参考人と山本参考人に、ちょっと同じ問いになるんですが二点お伺いしたいと思いまして、よりコロナの対応をどうするかという観点も含めての形なんですが、一つ目は、今も少しお話があった派遣というものにも絡むんですけど、やっぱりコロナ対応している方の、今医師の方の状況というのが非常に大変だ、それは一部の方が集中して関わっているという環境もやはりあって、そのために病院の役割分担という話があるわけですけど、そこを妨げている一つがやはり感染症を専門にしている医師の方が少ないということもあり、その前提の下で、例えば埼玉県などは、一部の感染の専門の方がこれまで感染症対応してきていなかった病院にある意味派遣されて、そこで研修みたいなものを行うみたいな制度を公的にも支援しているんですけど。 まず、そういう感染症専門の方の派遣ということに対して公的に支援することについての御意見をまずいただきたいのと、もう一つは、ちょっと違う観点で、またコロナ対応、この状況を、危機の状況をどう対応していくのかという点で、やっぱり、まあ平時からの対応という言葉は違うかもしれませんけど、次の感染症が来たときの対応のノウハウを蓄積するということも非常に重要かなと思っておりまして、そのとき、現状を見ると、病院間の情報共有というのがなかなかないなと。 どの病院がどういう患者さんを今受け入れていて、それに対してどういう症例が起きてどういう治療をしたのかとか、そういった情報共有をもっとし合えるような環境をよりつくることが将来の備えという意味合いでも、また現状の対応という意味合いでも必要だと思うんですが、現場の御感覚から、それをより促進するにはどのような施策が必要なのかということをもし御教示いただけることがあれば、二点、恐縮ですけどよろしくお願い申し上げます。
○参考人(猪口雄二君) まず、専門家の派遣のことですけれども、実は今、日本医師会と四病院団体協議会、それから全国自治体病院協議会、これで実は、病床がやっぱり逼迫したときにそれを、病床を確保するための委員会をつくっております。そこで様々な症例を集めたり、それから、各やはり現場としては都道府県若しくは地区が中心になりますので、そこの状況をいろいろお聞きしたりというようなことを行っております。 その中の一つで、やっぱりその派遣機能を是非持っていただきたいなと思っております。これはなかなか全国レベルでやってくださいといってもやっぱり地域地域の実情がいっぱいありますので、やっぱり地域で是非そういうお話合いをしていただきたいということになるわけですけれども、例えば、コロナ対応をしている、入院をしている病院、そこで医師がそこに大勢必要になったときにほかの一般の診療がおろそかになる、そうすると、そこに対して医師を派遣するということが地域レベルでできないかというようなことも生ずると思います。 あと、専門家の派遣で最近非常に重要だと思っておりますのが介護施設のクラスターなんですね。介護施設でクラスターが起きますと、大人数になると、それまとめてどこか入院というのがなかなかもうできない状況ですので、やっぱり現場で治療なりやらなければいけない。そうすると、介護施設の中のゾーニングをどうすればいいのか、介護の方たちにそのPPEを着たりすることの指導をする、それから、治療というのはどこまでができて、どういう場合に入院しなきゃならないかと、こういうようなことにおいても、やはり感染症のインフェクション・コントロール・チーム、こういうものをやっぱり派遣する必要があるだろうというふうに思っております。これも都道府県によっていろいろとまだ差があるんですけれども、県によってはそういうチームをかなりつくっているというようなことも聞いております。 また、日本医師会としては、そういう場合の派遣に対する、やはりこれは危険なところに行きますので、また、感染してしまうということもございますので、それに対する保険制度等の充実も図っているところです。そういうことで、派遣についてはよろしいでしょうか。 あと、その平時と今後の連携。今後といいましても、実はまだ第四波というんですかね、それが大阪はとても大変な状況ですし、東京もこれから二週間、ゴールデンウイークにかけて果たしてどのようなことになるか、極めて危険な状態で、毎日その状況を見守っているところです。 ですから、今どんどんそのベッドを増やすということもありますけど、私は、いろんな医療機関、例えば急性期の大きな医療機関がコロナを受けていただける、若しくは大学病院がICU、CCUで重症の方を受けていただけて本当に、これは本当に助かっていると思っております。 ただ、そのほかに、例えば中小病院でもできることはないか。小さいところでも、今、急性期を脱したけれども退院できない方の入院、後方連携といいますけれども、それをどんどん受け入れることによってその急性期を受ける病院のベッドを少しでも空けると、こういうようなことが各地でやられております。これが連携だと思うんですね。 それから、入院し切れなくなったときに、今度は自宅待機の方が増えます。ですから、自宅待機の方が増えたときも、今までは保健所が中心でしたけど、これを医師会とか地域の医療機関の中で支えていくと、健康フォローアップを行うと。こういうようなことで、何とか医療崩壊を起こさないように様々な面で協力し合わなければいけないと思っております。 それから、あとは、今ワクチンがなかなか潤沢に進んでいないというようなこともあるんですけれども、これもそれぞれの医療機関が頑張って、例えば、集合接種もありますけれども、個別接種とか、サテライト型の中小医療機関、病院なんかがどんどん受けることによってワクチンの接種率が上がっていくと思うんですね。また、これも大きい意味でのコロナ対応の一つですので、その辺ではもう医療機関は一丸となってこれに対応していこうというふうに考えているところであります。 以上です。
○参考人(山本修一君) まず、感染症専門医の件でございますが、これは圧倒的に絶対数が足らないということがございます。 私、医師になって四十年近くなりますが、この四十年の経験でこれほど感染症がクローズアップされたことはなかったというふうに思います。やはり我々も、はやり、はやりを追うと言うと言葉は悪いですけど、やはり感染症、クローズアップされないとなかなかそこへのなり手がいないということで、感染症の専門医をこれまで育ててこなかったツケがやはり一気に出ているんじゃないかなと思います。 千葉大学病院も感染症の専門医三名おりますけれども、日頃は何をしているかというと、院内感染の防止対策、それが主眼であります。あるいは、時々来る結核の患者さんとかあるいは重症の感染症の患者さんのケアが重点でありまして、今回のように、本当にもう二十四時間寝る暇もなく働くということは珍しかったのではないかと思います。やはり次の備えという点からも、この感染症専門医の育成というのは、国として、あるいは社会として次に備えてしっかり考えるべきではないかなというふうに思います。 それから、病院間の情報共有という点におきましては、これは先生御指摘のとおりでございまして、特に第一波から第二波にかけては、どこの病院がどれくらいベッドを出しているのか、あるいは、どこにどれくらい患者が入っているのかということが隣の病院ですらよく分からないということがございました。これは何が起こるかというと、疑心暗鬼になって、うちだけいっぱい病床を出すと損するんじゃないかとかいうようなことが出てまいりました。 私、三月まで千葉県庁の対策本部の専門部会の取りまとめをしておりましたが、これはもう県庁に強く申して、もうとにかく私、県内の全部の確保病床と実際に何人入っているかリアルタイムで出してくれということをやりましたらかなり、さすがに一覧で出てくると、あっ、うちこんな少なかったんだとか、隣、何だ、ひどいなこれはとかということが出てまいりますので、かなりその辺では情報共有も出てまいりました。それから、情報共有の効果が出てきたというふうに考えます。自分だけが頑張っているんじゃない、みんなも頑張っているんだなというところが重要だと思います。 それから、今、猪口参考人もお話しになりましたように、後方病院との連携という点でも、後方病院の一覧が出て、それぞれが各地域でどこがどういう、特に大学病院などに入っている患者さんは、人工呼吸器が付いていたり、あるいはECMOに乗っていたりと、コロナの感染そのものは収まっても、全身の状態が極めて重篤であるというような形で後方病院にお願いしなければいけなくなると、やはり受けていただける病院も限られてまいります。この辺も一覧にして、どれくらいの患者さんが実際に行っているかというようなことを把握する。 なおかつ、ウエブで、後方病院の先生方と我々重点医療機関の急性、一番難しいところを扱っている人間同士がウエブ上で意見交換をすることで、それぞれが皆安心し、安心というのは言葉変ですが、余り過度な心配をせずに医療に当たるというようなことは進めてまいりました。ただ、これはほかの自治体の話を伺うと必ずしも皆さんそうではないというようにも承っておりますので、ここはしっかりとした体制整備が必要ではないかなというふうに考えます。 以上でございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 お二人の、今を乗り切るために必要な非常に貴重な御意見でした。ありがとうございました。 最後になると思いますが、中原参考人にお伺いしたいと思います。 もう本当に、御家族の苦しみ、そして御自身受けた苦しみを乗り越えてもう力強く活動されているお姿に心から敬意を表して、しっかり我々も頑張りたいなというふうに思います。 それで、説明のところ、最後の、やはりどうしたら過労死しない仕組みをつくるのかというその思いというのは非常に重要かなと思いまして、レジュメの方でも過労死をなくすためにという、これは後ろから四枚目のところに書いてある中で、先ほどの上家参考人のお話とも絡むのかもしれませんが、やっぱり一人一人の声がなかなか届かない環境をどうやってみんなで一緒になって声を上げていくような環境を、これは医師のような専門家の方にもつくっていくべきかというところはやはり非常に重要かなと思います。 その上で、労働組合の組織力アップということも書かれているわけでありますが、こういう連携をしていく、今現状なぜそういうのが低いのかということに対しての御意見と、そこを改善していってみんなで声を上げていくという環境をつくるにはどうすればいいのか、御所見ありましたら教えていただければと思います。
○参考人(中原のり子君) 私自身、自分が被災するまでなかなか労働組合の方たちと何か一緒に協力し合うとかいうことは考えたことなかったんですけれども、やっぱり自分が本当に弱い立場になったときにそういう周りの方たちの支援が有り難いということを、私はそれを知ったので、こういうことを、まあ、労働組合とかそういう支援とかそういったことが大切だというふうに思うんですが、やはり基本的に医者は、うちの夫もそうだったんですけれども、なかなか自分が労働者という意識がなくて、幾らでもがむしゃらに若いときは働けるみたいな、そういった自負もあったでしょう。ただ、やっぱりそれだけだと長続きはしないので、やっぱり医者も人間だということで、やっぱりこの労働法というか、労働法整備、これを是非整えていただきたいと思います。 今、とってもハラスメントが多いです。医者だけではなくて、全体の労働者の被災した方たちのハラスメントがとても多いです。コロナとかそういった影響もあるでしょうし、あと成果主義とかいろいろ様々な要因はあるかと思いますけれども、やはり自分だけとかいうことで閉じこもらず、何かあったら誰かに相談するとか、そういう相談体制の整備など、それからやはり労働時間の管理、上限時間の管理ですね、そういったことを義務化していただけたらというふうに思います。 以上です。
○矢倉克夫君 大変ありがとうございました。 福井参考人にもお伺いしたかったんですが、時間で、申し訳ありませんでした。 どうもありがとうございました。
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。 今日は、五人の参考人の皆様、本当にどうもありがとうございます。 時間もちょっと限られているのでお一人ずつお伺いをしたいと思いますが、最初に中原参考人にお伺いしたいと思います。 〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕 御主人の書き残した文章も拝見させていただいて、人員の問題と医療体制の問題というのが書かれてあるんですが、その中で主治医制というものがあります。ここのところも、同時にこれ、日本の良き文化としていくのか、いやいや、やっぱり勤務環境を考えたときにこれを考え直さないといけないと、私はそういう時代に来ているんだと思うんですが、改めて、この主治医制というものに対してどうお考えかというのを教えていただきたいと思います。
○参考人(中原のり子君) 今、主治医制に相対する言葉でチーム医療という言葉もあるかと思いますけれども、やはりこの主治医制にすると、やっぱり一人、ある一人の限界というか、そういったところに偏りが出てきてしまうのかなというような思いはあります。できれば本当に、チーム医療、たくさんの人たちがいろんな手当てをする、そういったシステムが必要だと思います。 中にはやっぱり、患者さんがでもそれを許さないというところがあって、まずは主治医出てきてくださいということで、この人じゃ駄目みたいなことを言う、言われる方もおられるかと思いますけれども、やはりそういうのも、そういうシステムづくり、システム構築というか、それがもう今は当たり前の世界だということで、私は是非チーム医療で取り組んでいただきたいなというふうに思います。
○梅村聡君 ありがとうございます。 意外と、ハードな職場に移っても、完全交代勤務制をしているドクターの方は意外と充実しているということも言われるんですね。だから、良き文化であると同時に、やっぱり属人的な働き方見直していくということは非常に大事なことなんじゃないかなというふうに思います。 それでは、引き続いてちょっと山本参考人にもお伺いしたいと思うんですが、大学病院という話がありましたが、その大学病院の勤務時間と副業、兼業との労働時間の管理というのは、これ比較的最近やりやすくなってきたんじゃないかなと思うんです。 というのは、必ず届出を出して大学当局が把握しているということで、大学病院と外との管理はできるようになったかと思うんですが、一方で、その大学病院と、それから医学部本体ですね、例えば動物舎に入っているとか論文指導しているとか、そうなってきたときの一義的な労務管理者というか、それは医局長なのか、病棟の方なのか、あるいは大学当局なのか、ここの責任の所在というのはどう考えたらいいのか、ちょっと教えていただきたいんです。
○参考人(山本修一君) 先生からの御質問は一番難しいところで、我々もまだ答えが出ていないところでございます。 御指摘のように、普通、医学部の建物と病院の建物は隣り合っていたりしますが、これ、病院で診療している部分に関しては病院長の管轄下になりますが、これが医学部に移って、医学部で何か仕事しているときはどうするんだという問題は、本来は医学部長の管轄になりますので難しくなりますが、今のところの認識としては全部含めてやはり病院長が管理するべきだろうというふうには考えてはおります。最終的には学長になりますが、そうするとかなり複雑になりますので、やはり病院長が考えるというところになるのではないか。 やはり特に研究の部分は、日によって今日はいいやというときもあれば、細胞の実験をしていると夜中まで掛かって朝まで掛かって止められないというようなことも当然あるわけですが、その辺は時間が延びたり縮んだり、いかようにもします。あるいは、学会が近づけば徹夜でデータまとめたりとかということもあるわけですが、この辺をやはりフレキシビリティーを維持するためには、先ほど申し上げた専門業務型裁量労働制というのをはめてこないと、その分研究の自由度というのが損なわれるのではないかなというふうに考えているところでございます。 なかなかまだ解決策が、はっきりとした解決策が見えていない状況で、この辺は今厚労省あるいは文科省とも話合いを進めているところでございます。
○梅村聡君 私も非常に難しい問題だと思っていまして、厚労省にヒアリングをしたときは、自信を持って大学病院がやるんだということをおっしゃったんですけど、渡り廊下渡ったらやっぱりそれは難しいと思いますので、またその辺りも是非不断の検討をしていただきたいなと。そうしないと、特に大学院生とか、学生なのか労働者なのかという問題もあると思いますので、是非お願いをしたいと思っております。はい、お願いいたします。
○参考人(山本修一君) 一言申し上げさせていただくと、大学院生に関しては学生ということなので、ここに関しては今の我々がここで議論している医師の働き方改革は適用されないと。大学病院においては、もちろんバイト先は入りますけれども、大学病院においては学生という扱いというのが今見解としては出てございます。
○梅村聡君 法的にはそれでいいと思うんですけど、実質、医師のキャリアから考えると、やっぱりその労働者性というのは僕は一定あると思うんですね。だから、実際にそういう残念な事案が起きたときに、学生だからという話が社会通念上どう捉えられるのかなというのは、僕は必ずしも切り分けるのが難しいんじゃないかなという、そういう感想を持っていますので、またよろしくお願いいたします。 それでは、次、猪口参考人と福井参考人にお伺いしたいと思うんですが、先週、対政府質疑をしまして、厚生労働省に、二〇二一年の段階では医師不足なのか、医師適正なのか、医師過剰なのかどうなのかとお聞きすると、今の時点では医師不足なんだそうです、国の公式見解としてはですね。ただし、二〇二七年、二〇二九年辺りに需給がバランスが取れるんだということをおっしゃったんですね。これ、厚生労働省の見解なんです。 そのときに、じゃ、二〇二九年以降、じゃ、医師が仮に過剰になったらどういう不都合なことがありますかと質問をしましたら、二つあると。一つは、医師の数の方が多くなって十分な研修ができなくなると、これが一つだと。もう一つは、これは僕ちょっと違うと思うんですけれども、ほかの分野から、医学部、医師だけがどんどん人を増やしていけばほかの産業に影響が出ると。この二つの答弁だったんです。 私は、ちょっとそれは、ちょっとずれているんじゃないかなと思うんですが、ちょっとお聞きしたいんですけれども、医師が過剰になったらどういう不都合なことが起きるのか、ちょっとそれ、御所見をお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(猪口雄二君) 現場、それから臨床の身からすれば、医師の過剰というのはちょっと考えられない状況です。 それで今、特に都会には医師が集まっているように言いますけれども、そこは医療機関も住民も多いわけで、別に都会だから過剰だというふうにも感じません。さらに、地方に行って、後継ぎがいない診療所の問題、特に住民が過疎になって今減り続けている地域がたくさんありますですよね。その減るよりも更に診療所の数が減る方が多い地域というのも出てきていて、そういうところは、幾ら医師に行ってほしいと言っても医師自身がなかなかそういうところにもう就職をしないとか、そういう様々なことで医師不足というのは起きているわけです。 ただ、一つ何か解決策をということで私なりに考えますと、やはり今、専門分化され過ぎたというところはあると思います。アメリカにせよヨーロッパにせよ、やはりゼネラルに診る医師、総合医というんですかね、そういう方が、医師になる人の中の全体の三割以上はこういう方だと。日本の場合には総合臨床専門医できたばっかりですけれども、本当に二百人とか三百人の世界で、全くそこに行っていませんので、特に、もう既卒のドクターでも、ある程度の年数がたった後、もっと広く勉強もしていただいて、かかりつけ医又は総合医という形でこういう方たちが地域の中の診療所をやったり、それから、病院の中でも中小ではそういう方が活躍していただければおのずと機能分化もできてくる、これが一つの医師不足の解決策になるんではないかというふうに思っております。
○参考人(福井淳君) 医師の需給についてお話があったと思うんですけど、私も医師不足が、需給のバランスが二〇二九年に本当に取れるのかというのは少し疑問に思うというか、取れないのではないのかなというふうに思っております。 この今回の医師の働き方改革についても、上限時間は千八百六十時間、まあ九百もありますけれども、我々は一般労働者と同様の上限規制にするべきだと。なかなか難しいとは思いますけれども、そこはそちらに、ベクトルはそちらに向かっていくべきだというふうに思っているときに、例えば今の状況だと医師一人が二人分の仕事をしているということであるならば、そういう方向に行くに当たって本当に医師の需給のバランスが二〇二九年に取れるのかというのは、ちょっと私も信じられないなというのがあります。 それから、先ほども猪口先生がおっしゃったように、地域のバランスというのがあると思います。東京の、やっぱり都会のドクターの方が多いですし、公立病院が担っているような地域、地方ではなかなか医師が集まりにくいというようなところもありますし、一概に医師の絶対数が多いから医師が需給バランスが取れているのかというと、それはまた別なのかなと。診療科偏在、地域偏在がありますので、場所場所によってやはり医師は足りないのだろうなと思っております。統計でも、日本は人口当たりの医師数、たしか少ないと思っております。 ですので、今後、医師が増えていくことによって不都合なことがあるかというと、タスクシフト、タスクシェアリングが進まなくなってしまうのかもしれませんけれども、そういうことぐらいしか不都合はないのかなというふうに思っております。
○梅村聡君 ありがとうございます。だから、目立った不都合というのが今ちょっと想定されるような状況ではないんだと思うんですね。 これ当然のことで、今厚労省はOECD平均で人口当たりの医師数と言っておられるんですけど、これ、日本は他の追従を許さない高齢化を迎えているわけで、しかも地域包括ケアというのはこれ二十四時間対応しろという話だから、どう考えてもOECDの平均で比べるというのは僕は全然適切じゃないんじゃないかなと思っていまして、そこのところをしっかり認識を持って、偏在だとか何だとかいう認識はちょっと横に置いておくのが大事なんじゃないかなというふうに思います。 それでは、最後、上家参考人にお伺いしたいと思いますが、女性の働き方ということで、女性医師の働き方ということでお話しいただきましたけど、やっぱり女性の問題で一番大きいのは宿直、日直勤務がどうしてもあるということとこのアンケートでも出ているんですけれども、今回の法改正では、これ宿日直許可基準ですね、そういったものを明確にしていこうという流れで、それは一歩前進だと思うんですが、さあ、そういう基準を見直すことが、女性医師が、じゃ、病院で勤務を続けようというのには私ちょっと不十分じゃないかなと。 もっと言えば、雇用の仕方そのものを、じゃ、宿日直を免除したときに、じゃ、どういう給与体系とかどういう雇用体系をつくるかという、それ同時に進めないと、そこの基準だけ見直しただけではなかなか難しいんじゃないかなと思うんですが、その辺りの御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(上家和子君) 女性医師と一くくりにして、女性医師は宿日直を免除とか、そういう単純なものではもちろんないわけで、なぜ宿日直の免除が欲しいのか、女性医師か男性医師かに限らず、ケース・バイ・ケースなんだと思います。 そういう中で、宿日直を免除される人が増えれば過剰に宿日直しなきゃいけない人が増えるでは困るわけで、そこは宿日直を免除の人が増えた分だけ医者を増やすしかないんだと思います。そういった仕組みが必要だということ。 それから、子育てに限らず、介護とか御本人の疾病、療養とか、いろんなことを抱えながらという意味では、多様な働き方を組み合わせて二十四時間をカバーしていくような仕組みを目指していかなきゃいけないと、そういうものに資するような規制であれば望ましいものではないかと思います。
○梅村聡君 ありがとうございます。 時間が来たので、これで終わります。ありがとうございました。
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。 皆さん、どうもありがとうございます。今日は、全員が医療従事者の方で、かつ後ろの列も含めて顔見知りの方が非常に多いので、余りとがった質問はしません。意見をお聞きしたいなという感じがします。 その前に、私のバックグラウンドを簡単に申し上げておきますけど、消化器外科医で足掛け二十三年ですね。そのうち大学が十四年、一般病院が八年。山本さんは御存じのように、私の科はルーツが千葉大の二外ですから、いかにハードな科かというのもすぐ分かっていらっしゃると思います。 ただ、顔見知りの方が多いので今日はさん付けで皆さんをお呼びしますので、そこは御理解いただきたいと思います。 まず、医師である上家さん、猪口さん、山本さんにお聞きしたいんです。 今年の二月のアンケートで、医師に対するアンケートです。十代の若者に医師の仕事を勧めますかというアンケートです。勧めるが三八%で、勧めないが三五%です。昔と大分違うと思うんですよ。医学部の志願者数は増えています。増えていますが、開業と勤務でいいますと、開業医が、勧めるが四三%、勧めないが三三%、勤務医は、勧めるが三七%で、勧めないが三六%です。一緒です。医師にアンケートを取ったらこんな結果です。 それについて、上家さん、猪口さん、山本さんはどう思われますか。何が原因でしょう。
○参考人(上家和子君) 非常に難しいお話ですが、個人的には相談されれば医師を勧めます。という立場があるものですから、医師を勧めないと言われるドクターたちの心情、それはとてもハードだから、先行きが非常に、難しい仕事だからということなのかもしれませんが、本来勧めてしかるべき仕事だと思っているので、そこが分かるようなそういう環境に整えていきたい、いってほしいなと思っています。ちょっとぼんやりで済みません。
○参考人(猪口雄二君) 今の十代の方は余り勧めないのかもしれませんが、ただ、受験者数は確実に増えて、医学部人気は上がっているんですね。ということは、やはり医師になると安定的な生活が求められるというふうに考えてもいるんだと思いますが、昨今の働き方に何にしても、医師の過労とかそういうようなことがニュースになっておりますので、そういうようなことも影響してこのような結果になっているかもしれません。 ただ、全く個人的なお話をしますと、私、息子が二人おりますけど、長男は辛うじて医師になっていますけど、次男はスポーツ選手から今普通の社会人になっております。それを勧めるときには、あなたにはそっちが才能があるんだからそっちに行きなさいと、その後はもう一般社会で頑張っていきなさいということにして、医師は特に勧めなかったということもありますので、それは本人たちも含めていろんな考え方があるんだというふうに思っております。
○参考人(山本修一君) やはり医師はなるのも大変、なってからも大変ということで、率直に言うと、必ずしも勧めないというのは別に珍しい、おかしなことではないのかなと。自分の生活考えれば、収入も、総収入を考えると絶対割に合わないなと思います。先ほど申し上げたように、大学病院、安月給でございますから。 それから、猪口参考人に倣って、私も息子二人おりまして、上の息子は医学部何が何でも行くと勝手に行きましたけれども、二番目は、どうしようかなと迷っているからやめておいたらといって、今医療系のITで、一番稼いでいるところじゃないかなというふうに思う次第でございます。 そんなに、やはり大変というのは皆さん実感なのではないかなと思います。
○足立信也君 率直な御意見ありがとうございます。 東京医大で女子受験生に対する採点の問題のときに、小学校の女子生徒、将来なりたい職業の中で医師というのがぐんと落ちたんですよね。そういったこともあるし、コロナのこともあるし、昨今の訴訟のこともあるしと、まあ複合的だと思いますが、肝腎なのは、志願者数は増えているけど身内が医師の人は余り勧めないという、そこが働き方改革のやるべきところだと私は思っています。 今、次は猪口さんと山本さんにお聞きしたいんですが、山本さんが今図らずもおっしゃったことなんですね。私、二十三年、丸々二十二年以上現場いましたけど、もう十七年離れています。で、ほとんど何も変わっていない、十七年見ていて。思うことがあるんです、それはAIの利用です。 今回のコロナも、PCRよりもCTのAIの診断の方がはるかに正診率高いとか、内視鏡検査も、内視鏡診断医よりもAIで診断した方が診断率高いとかですね。CTの読み落としというか、レポートを読んでいないということで訴えられるケースもいっぱいありましたね。十七年間、私見ていて、AIの進歩が医療分野は本当にないと思っています。これから先、医師数の話なんです。AIが、皆さんSF映画御覧になっていて、椅子に座ったら全部診断が付くという世界に近いものが必ずこれから来ますよ。 そんな中で、例えば内科医、診断の専門の内科医は三分の一いればいいんじゃないかとか、外科医、手術にしてもダビンチが普及して遠隔でできるんじゃないかとか、皆さん、今まで議論見ていると、今のまま進んだら足りるか足りないかの議論ばっかりで、日本が一番遅れているという医療分野のAI、ITを進めれば、必ずしもそこまで必要ではないんじゃないかということが余り言われないんですよ。 私は、その絶対欠かせないというのは、トリアージの部分、最初に会うところはどうしても必要だろうと思いますが、そこから先、この人はもうAIに任せればいいという時代が来ると思うんですよ。 それも含めて、特に、猪口先生、山本先生、特に山本先生、山本さんには、大学というものはそちらの方面のイノベーションも含めて研究が進んでもいいと私は思っているんですが、そのAIとの関係で医師数はどうなる、必要数がどうなるかとお思いでしょう。
○参考人(猪口雄二君) AIを含めITの世界で、これは医療だけでなく、日本がいかに遅れているかということが、このコロナのことで情報操作が非常に時間が掛かったりうまく伝わらないと、これ何でこのITがもっとうまくいかないんだろうということは日々感じております。 それから、自らの仕事でいうと、電子カルテがいつまでたっても各社がそれぞれ開発して、まあ一部つながるようなソフトはできましたけれども、それも非常に高価なものであり、これは国が先導を切ってきちっと国のこういう方向でということが示せればもっと早くつながるし、いろいろなデータにしても非常に時間が掛かっている。そのITそのものが日本という国がちょっと遅れてしまっているなと感じております。AIはまさにそうだと思います。 ただ、AIがどこまで人を取って代わるかということになりますと、例えば、病理の診断とか画像診断においても、最終的に診断するのはやはり医師でなければいけないというふうに思っております。ただ、多くの画像の中から異常所見を逃さないように見付けてくるというのはAIができるかもしれない。でも、AIに診断させるということにはならないだろうというふうに思っております。 あと、日本医師会の方ではAIホスピタルということで様々な企業の方たちと一緒にこれから研究をしていくということにもなっておりますので、大いにその分野伸ばしていきたいというふうに思っております。
○参考人(山本修一君) ありがとうございます。 まず、AIの活用が医師不足に役立つかという点でございますが、恐らくそうはならない、今、猪口参考人と同じ意見ですが、恐らくそうはならないだろう。ただ、医療の質を確実に上げる、それから医療安全の底上げには間違いなく役立つだろうというふうに思います。私事でございますが、私、画像診断の見落としで記者会見、謝罪会見などしたこともございますが、その点は確実にAIの活用で潰せるというふうに考えております。 それから、そもそも医療というのは労働集約型ということが当たり前のように言われているんですが、AIに限らず、IT、IoTの活用によって、かなりここは人手、全体の人手そのものの削減にはつながるんじゃないかなというふうには期待しています。現状、AMEDの方で主管、主要五学会が参加してこの辺のAI診断の技術開発というのが今進められてはおります。 ただ、日本は欧米に比べると三周ぐらい遅れているんですね。もうアメリカ、あるいはアジアですとシンガポールがすごい勢いでやっておりまして、我々今、一つ危惧するのは、日本人のデータが欧米あるいはそのシンガポールなどに吸い上げられるのではないかというところが非常に危惧されるところで、やはりここは、日本人のデータはしっかり日本の企業が活用できるような体制を国としてもしっかり進めてほしいなというふうに考えるところでございます。
○足立信也君 ありがとうございます。 医師の絶対数の話ですけど、これ我々も働きかけましたが、二〇〇八年、当時の舛添大臣のときから絶対数が不足しているということで定員増やしてきました。千四百人近く増えていますから、医学部を十四個つくったようなもので、相当増えています。 そんな中で、今三十一万人の医師がいるとしたら、人口十万人で約二百四十五人、二百五十人ぐらいですね。ということは、四百人、四百五十人に一人が医師だということですね。今、一年間の出生数が八十七万で、医学部が九千五百から一万人の定員だとすると、八十七人に一人が医師と、このままいけばですね、それはちょっとバランスが余りに悪過ぎると私は思いますよ。 時間なくなってきたので、中原さんにお聞きしたいんですが、薬剤師さんですよね。先ほど、コメディカルの方々等も仕事によって辞められるという話が、特に看護師さんの話がありましたね。 中原さんは、薬剤師さんを中原先生と結婚されて辞められたんですか。その後、やられているんですか。辞められたとしたら、どういう理由なんでしょうか。それが医療従事者の辞めないで続けられるということに対して、何か提案があればお聞きしたいなと思います。
○参考人(中原のり子君) 私は、大学卒業して神奈川県の小田原市立病院というところに勤めていましたけれども、結婚と同時に辞めて千葉の方に移動しまして、その後、仕事をしませんでした。 夫からは、子供が、一番下の子供が小学校上がるまで子育てというか、専業主婦をやってほしいという依頼があったのでそういうふうに努めましたけれども、やっぱりそれはまさに今の働き方でいうと、私のような専業主婦が年間千八百六十時間ぐらい働く医者にサポートしていないと続けられない、そんな働き方だったと思います。もう本当、いつ呼ばれるか分からないし、いつ帰ってくるかも分からないというような状況の中で、私がそのとき手に職は持っていても外に出られるような状況ではありませんでした、もちろん夫の要望もありましたけれども。ですから、やっぱりそんな共働きというのはちょっと、まあ旭中央病院だったのでかなりハードに忙しかったので、子育てもしながらということだったので。 やはり男性がきちっとちゃんとした職業、職業というか、そういう働き方がきちっとしていないと女性は外には出られないと思います。年間そういう超長時間労働で働くんでしたら、やっぱり私のような専業主婦が付かないとその働き手のサポートができなくなってしまうというのが、実際そうなのではないかなというふうに思います。
○足立信也君 実は、私の妻も結婚したときに教師を辞めてもらいました、やっぱり無理だろうと。ですから、一つの参考になる。今、夫が医師で妻が医師以外の方というのは辞められる方が多いですね。どちらも医師の場合は頑張っていますね。そこに解決のノウハウがあるような気が私はします。 福井さん、大変申し訳ないんですが、地域医療構想の今の段階のことを聞こうと思ったんですが、ちょっと時間で聞けませんでした。済みませんでした。 どうもありがとうございます。
○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。 今日は、参考人の皆さん、コロナ第四波というような状況の下でもこうして出席いただきまして、本当にありがとうございます。法案審議に当たって、是非参考にさせていただきたいと思います。 最初に、先ほども御指摘ありましたけれども、医師はいずれ過剰になるという議論ありまして、猪口参考人と福井参考人の方からも不足しているというお話をいただいたかと思うんです。私、働き方改革ということで、決して十分ではないし、到底受け入れ難い長時間の上限だという意識あるんですけれども、これさえも進めていくには医師の増員なしには実現できないんじゃないかという思いを強く持っているんですね。 そこで、先ほど御意見伺った以外の上家参考人、中原参考人、山本参考人も聞けていなかったかと思うので、この医師の不足、増員の必要性ということについて思いを聞かせていただけたらなと思います。
○参考人(上家和子君) ありがとうございます。 私は、医師の養成を増やせば済むという問題ではないと思っています。数が、人数が増えたらいいこともたくさんあるかもしれませんが、経験する症例数が減ってしまうと医師としての資質の向上ができなくなるという意味では、ある程度経験できる症例がなければいけない。だから、幾らでも増やせばいいというものではないということは一つ言えると思います。 それから、偏在の問題はさておきということもあるかもしれませんが、偏在という、偏在といっても地域的な偏在というだけではなくて、診療科の偏在あるいは働き方の偏在、そういったものを是正していくことでかなり違ってくる部分がある。 もう一つは、医師でなければできない仕事をやっているかどうかということをもっとちゃんと見直すべきだと思います。医師の数を増やすということも要るのかもしれませんけれども、それよりも医師の働いている内容をもっと見直して、医師でなくてもできる仕事、やらなくてもいいこと、そういうことをちゃんと見直していく。そのためには、繰り返し申し上げて恐縮ですが、患者教育がなければ、患者さんが納得しなければできないという意味では、患者教育、医療の受け方教育が絶対に必要だと思っています。
○参考人(中原のり子君) 私の夫は、都内の民間病院ということで、中野区だったんですけれども、そこの病院には新宿区の方から、大きな大学病院から、週末になると、夜勤というか当直のアルバイトの先生方に大変お世話になっていたようです。 そうやってお世話になるということはもう数も足りなかったということなんですけれども、やはりうちの夫の場合は、やっぱり、うちの夫が部長代行になったときに三人の小児科医が現場を去ってしまったということが一番大きな原因だったと思います。六人いたスタッフが三人に半減したということはやはり危機的な状況だったんですけれども、やっぱり東京であっても、中野区とかそういう都会であっても医師は見付けられませんでした、なかなか。ですから、私はもう絶対的な不足はあるというふうに思っています。 もちろん診療科のそういう偏在とかいうこともあるのかもしれませんけれども、今の状況ではやはり厚労省が認めているように医師不足である。そうしたらどうするのかというと、やはり医師の補助職が今緊急的に必要なのではないかというふうに思っています。それを看護師さんだけに頼るのではなく、やはりさっき上家先生がおっしゃったように、医者だけが全てをまとめるのではなく、やはり医師補助職、そういう秘書的な役割をする方とかサポートするところがすごく大切なんじゃないかと思います。 あと、先ほど梅村先生の方からもお話しいただきましたけれども、チーム医療ということであれば、やはりもっと技師さんとか薬剤師とかそういった、コメディカルと言っていいのかどうか分かりませんけれども、そういう医療者をもっともっと活用するべきだと思うし、今、やはり今必要なんです。だからそのために何をしたらいいかというのを、是非ここのお話は進めていっていただきたいと思います。 以上です。
○参考人(山本修一君) 私は、単純に多い少ないという議論は余り意味はないのではないかなというふうに実は考えております。 先ほど来出ておりますように、やはり地域偏在、診療科偏在、これ同時に解決しないと、偏在を残したまま、ちゃんとみんなが足りているようにするとすると、もう医者をじゃぶじゃぶに増やさない限りは、あふれるぐらいつくらない限りは、いろんな診療科あるいは地域で医師が足りているということにはならないと思います。やはりここをきっちりやらないと、本当に必要なところ、例えば内科医でも、専門分化した内科医ではなくて、先ほど猪口委員がお話しになったような、総合診療医のような間口の広い内科医も一定数育てるとか、そのような配慮もやはり必要ではないかなというふうに考えます。 あと、地域偏在に関しましては、今、地域枠の学生が大体年間八百から九百人ぐらい地域枠として入っておりまして、それがもうどんどん今卒業が始まっています。この子たちは基本的にその医師不足地域への派遣を前提としておりますので、彼らをあといかに有効に使うかと。これは、先ほど申し上げた地域の医療提供体制の効率化と併せて行うことで、その推移をやはり見ていく必要、しっかりその体制の見直しを行いつつその推移を見ていかないと、本当に多いのか少ないのかという議論はなかなか難しいのではないかなというふうに私は考えております。
○倉林明子君 ありがとうございます。 引き続き、福井参考人に伺いたいと思うんですけれども、公立・公的病院のリストの問題のお話もありました。今回、医療法でその病床再編を消費税財源を使ってやっていくということは法定化されるということになりまして、百九十五億円、今年度も予算ということになりました。これかなり、病床再編、病床削減に付く補助金ですから、病床削減の促進につながっていくのではないかという懸念を非常に持っています。 コロナの下で、将来的にどう再編統合していくかという課題の議論というのは完全に否定するものではないんだけれども、コロナを踏まえた今やることだろうかという思い、強く持っているんですが、公的・公立病院の再編の現場においても感じておられることがありましたら、教えていただきたいと思います。
○参考人(福井淳君) ありがとうございます。 公立、公的の病床再編について御質問があったと思うんですが、我々も、日本はもう人口減少社会に入っていますので、地域によって今ある病床数や病床機能がこのままでいいのかということについてはやはり議論が必要だし、例えば年齢の構成が変われば必要な医療も変わってくるんだろうなというふうに思っておりますので、そのことについては粛々と進めていく必要もあろうかと思っています。 一方、何度も言いますけれども、このリストのことについてですけれども、このリストについては、決して調整会議の議論が活性化するというわけではないと思いますし、この病床再編の今回の支援事業なんですけれども、これと関連しているところもあると思うんですが、重点支援区域についてはかなり、重点支援区域のほとんどがもう公立・公的医療機関ということになるので、この再編の支援がまずは公立、公的からやられる、始められるということについては、ちょっと今回のコロナの対応も踏まえるとどうなのかなと思っております。 コロナの対応は、民間病院も含めて、民間も多くの病院が対応していただいていて、公立、公的、民間というそういう対立構造にはないとは思いますけれども、割合でいうと公立、公的がかなりの割合を占めているということですので、このことについては少し議論が必要ではないのかなと思っております。 厚生労働省の資料でも、この再編統合のリストの病院の百九十病院でしたかが今回新型コロナを実際に受けた医療機関ということになっておりますので、今本当にこの再編の支援をしていくのが地域によっては必要なのかもしれませんけれど、少し冷静に考えるところも必要なのかなというふうに思っております。
○倉林明子君 ありがとうございます。 猪口参考人に伺いたいと思います。 長期化するコロナの下で、様々な医療機関への財政的な支援ということで取り組まれて大きな財政措置もとられたということなんですけれども、一方、受け入れている、コロナ患者を受け入れているところ、そうでないところというところで、支援に格差もあるというところも気にしております。全てのやっぱり医療機関を支えて地域の診療体制というのが機能するというふうに思うんですね。 その際、やっぱり通常診療への影響がすごく出ているということと、あと減収補填という考え方ですね、どういう在り方がふさわしい、今ね、一番、機能、みんなが頑張れるような減収補填、財政支援の在り方ということで御所見を伺っておきたいと思います。
○参考人(猪口雄二君) こういうことが起きてからもう一年以上たっているわけです。当初、昨年の四月ぐらいにもう本当に、患者さんの激減ですね、四月、五月、これでは医療機関は成り立たないということで、私自身も随分、厚労省とか、そちらの方にお願いも回っておりました。 様々な形の支援策ができてきて、実は今、日本病院会と全日本病院協会と医療法人協会、三つの団体で、もう四月から始まって、四半期ごとですね、三か月ごとにデータを作っております。最後の一、二、三のデータを入れるとちょうど一年になるんですが、それはまだ今集計中であります。 十二月までのデータを見ますと、本当に四、五、六が悪いんですけれども、だんだん良くなってきているということは言えます。ただ、中身を見ますと、やっぱり患者数とか、それから手術数とか、救急患者さんとか救急車の台数ってやっぱり回復していないんですね、まだ昨年並みには、一年前のようにはですね。それなんですが、まともにいくとやっぱり全病院では五、六%の赤字で、しかもそのコロナを受け入れるところの方が更に悪くて、受けていないところの方がまだ傷が浅いというような結果が出ました。 それで、じゃ、それに対してこの支援金をいただくとどうなるかというと、大体平均がマイナス一%ぐらいまで回復しますので、それなりの支援金をいただいて効果があるということは間違いないと思っております。ただ、支援金が、国は出したんだけど都道府県にとどまっていて、交付がされていないということが結構あるということと、もう一つは、やはりその病院によってバランスがあって、支援金で十分に成り立ったところもあれば、例えばクラスター起こしてしまったために、支援金をいただいても全然まだ足らないというところまであるので、そこは今回、一年分のデータを十分にまた精査した上でそこは発表させていただいて、今後のデータにさせていただきたいというふうに思っております。
○倉林明子君 ありがとうございました。 時間もないんですけれども、最後、中原さんに、やっぱり過労死遺族の運動で実現したのは過労死防止対策推進法だったと思うんですね。今回、医師の働き方改革の原点は過労死をなくしていくということだと思っているんですけれども、最後、思いを是非伝えていただければと思います。
○参考人(中原のり子君) 二〇一四年に過労死防止対策推進法ができまして、今もその二回目の大綱の見直しのために協議会も話し合ってはおりますけれども、残念ながら過労死は全く減っていません。むしろ、私たちがこの過労死という言葉を、まあ皆さんが言いやすくなったのか、あるいは本当に増えているのか分かりませんけれども、だんだん私たち家族会の仲間が増えていってしまっているような状況です。その法律ができたにもかかわらず、何でこれができないのか、進まないのかというのが本当にじくじたる思いです。 この医師の働き方に関しても、もちろん医師の過労死を減らしたいという思いは強くありますけれども、これが本当に私の活動が有効なのかどうかというのは、日々悩ましく思っているところです。 是非、ですから、本当に先生方のお力添えをいただき、政府として、もう過労死はあってはならないんだということで、強い政策を求めたいと思います。 以上です。
○倉林明子君 終わります。
○委員長(小川克巳君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたりまして貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。心より御礼を申し上げます。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手) ─────────────
○委員長(小川克巳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十五分散会