文部科学委員会 第17号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2021/06/02
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 馳浩君外四名提出、令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。馳浩君。 ――――――――――――― 令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○馳議員 ただいま議題となりました令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容について御説明申し上げます。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に参加する注意欠如多動性障害、いわゆるADHD疾患を持つ選手の中には、治療の一環として医薬品である覚醒剤の使用が不可欠な者が、オリンピック、パラリンピック合わせて十名から十五名程度見込まれております。しかしながら、我が国においては覚醒剤取締法で、覚醒剤の輸入等が禁止されております。 そのため、本年三月、国際オリンピック委員会副会長兼東京大会調整委員会委員長から東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長に対して、東京大会の開催に際して、当該選手による日本国内への覚醒剤の持込み、使用等を特例として認めてほしいとの要請がなされました。 オリンピック・パラリンピック競技大会は世界最大の平和の祭典であり、特に世界的なコロナ禍の中で東京大会に向けて準備を進めてきた選手の心身の健康保持や参加機会の確保の観点、また過去のオリパラ大会での取扱い等の観点から、東京大会においても特例を設けることが必要です。 IOCの要請の背景には、東京大会における新型コロナウイルス対策として、徹底された隔離空間での活動や頻繁な検査など、選手には相当なストレスとなる環境が計画されていることが明らかになり、今まで以上に選手の健康確保を重視する必要が生じたことも挙げられます。 そこで、本法律案は、オリパラ特措法において覚醒剤取締法等の特例条項を追加し、東京大会に参加する選手のうち、医薬品である覚醒剤の使用が不可欠である者に限定し、東京大会における日本国内への覚醒剤の持込み、使用等を認める特例措置を新たに規定するものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、令和三年に開催される東京大会に参加する選手は、厚生労働大臣の許可を受けて、自己の疾病の治療の目的で、覚醒剤を携帯して輸入、輸出できることとし、その期限は、東京オリンピック大会においては、輸入が令和三年八月八日まで、輸出が同年八月三十一日まで、東京パラリンピック大会においては、輸入が令和三年九月五日まで、輸出が同年九月三十日までとするとともに、その許可を受けて覚醒剤を携帯して輸入した者については、覚醒剤を輸出することができるまでの間に限り、当該輸入した者を覚醒剤施用機関において診療に従事する医師から施用のため覚醒剤の交付を受けた者とみなして、覚醒剤を所持し、使用することができることとしております。 第二に、本法律案は、公布の日から施行することとしております。 以上が、本法律案の趣旨及び内容であります。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○左藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○左藤委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副事務総長布村幸彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官益田浩君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長大賀眞一君及び厚生労働省大臣官房審議官山本史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○左藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。青山周平君。
○青山(周)委員 自民党の青山周平でございます。 本日は、質問の機会をいただき、本当にありがとうございます。 また、この特別措置法をおまとめをいただいた議連の先生方、本当に御尽力に感謝を申し上げます。 時間が十分ということですので、簡潔に質問したいと思うんですが、毎日、オリンピック、パラリンピックの開催是非に関していろんな声が上がっております。ただ、私、ここまで、開催が前提としてあるからこそ、この法案も含め、また、オリパラの関係者の皆様方、全ての方々が必死になって成功させるために取り組んでいただいて、感染症対策を徹底していただいている、そのことに本当に心から敬意を表する次第でございます。 何とか、大分人数が減ってきて、皆様方の御協力、御努力のおかげで感染者数が減っておりますが、まだまだ、緊急事態宣言でありますので、安心することはできません。しかし、オリンピック、パラリンピックに向けて、安心、安全でできるように、メッセージもしっかりと発信をしていただきながら、国民の皆様方が楽しみにできるオリンピックにしていきたい、一緒になって努力していきたい、そんなふうに思っております。 そんな中で、本日の法案に対して質問をさせていただきます。 大会がもう五十日に迫る中での今回の特措法の一部改正でございますが、この特措法の必要性というのがどこにあるのか、また、この特措法の特例措置を講じなかった場合にはどのような支障が起こるのか、大変基本的な部分でありますが、お答えをいただきたいと思います。
○藤田議員 お答え申し上げます。 IOCによれば、東京大会に参加する注意欠如多動性障害、いわゆるADHD疾患を持つ選手の中には、治療の一環として覚醒剤を含む医薬品であるアデラールの使用が不可欠な者が、オリンピック、パラリンピック合わせて十名から十五名程度見込まれると承知しております。 しかしながら、我が国においては覚醒剤取締法で覚醒剤の輸入等が禁止されているため、本年三月、IOCで東京大会を統括するコーツ調整委員長から橋本大会組織委員長に対して、東京大会の開催に際して、当該選手による日本国内へのアデラールの持込み、使用等を特例として認めてほしいとの要請がなされたものでございます。 オリンピック、パラリンピックは世界最大の平和の祭典であり、特に世界的なコロナ禍の中で東京大会に向けて準備を進めてきた選手の健康保持や参加機会の確保の観点、また過去の大会での取扱い等の観点から、東京大会においても特例を設けることが必要であるという旨でございます。 仮に本特例措置が設けられない場合、IOCによれば、過去二十年間に開催された大会においてアデラールの持込みが認められなかった大会はないにもかかわらず、東京大会においては参加を諦めざるを得ない選手が生じることと承知しております。
○青山(周)委員 ありがとうございました。大切な法案だということが分かりました。 十名から十五名ということでありますが、ふだん使っている薬をしっかりと使った上でオリンピックでしっかり力を発揮していただきたい、そのように思います。 二問目の質問なんですが、本来、オリンピックというのは去年開催だったわけで、これまでに改正のタイミングは何度かあったと思います。そのタイミングがあったにもかかわらず、これまで措置せず、今回の議法の提出になった理由を教えていただければと思います。
○益田政府参考人 お答えいたします。 二〇一九年十一月に、IOC、IPC及びWADAの医事委員長連名により、大会組織委員会副会長宛てに、国内への輸入が禁止されております覚醒剤を含む医薬品でありますアデラールの選手による持込みを求める要望書の送付がございました。 これに対しまして、厚生労働省医薬・生活衛生局長よりIOC等に対して、我が国の法律に基づき、覚醒剤を我が国に持ち込むことはできない旨回答してございます。 その後も断続的に大会組織委員会に対して要望があったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、具体的な対応には至っておりませんでした。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行が持続し、その対策が明らかになる中で、徹底された隔離空間での活動や頻繁な検査など、選手には相当なストレスとなる環境が予定されておりまして、今まで以上にアスリートの健康確保を重視する必要が生じたことから、本年三月、IOCで東京大会を総括する調整委員長から橋本会長宛てに、改めて、覚醒剤を含む治療薬であるアデラールについて特例措置の要望がなされたところでございます。 IOC関係者がこの問題をより深刻に捉えた結果、急な動きとして今回のハイレベルでの強い要望に至ったものと承知をしております。対応が求められてございます。 以上でございます。
○青山(周)委員 ありがとうございます。 例えばバブル方式だとか、そう言われる方式を取るに当たって、選手にも大変ストレスがかかるということで、そこにおいて必要になったということはよく分かりました。ただ、日本の立場としては、薬物に大変厳しい立場を取っているということも、今法律を作るということにおいて分かるところでもあるな、そんなことを感じております。 その上で、薬物、覚醒剤を持ち込むわけですから、懸念もないわけではないと思っております。例えば、持ち込まれた選手の薬物が治療以外のことで、他者の手に渡ってしまったりだとか、また、国内に最後残ってしまうだとか、そういうことはあってはならないと思います。 これを管理するためには、手続、管理が非常に重要になってくると思いますが、具体的にどのような手続、管理をするようにしているのか、お答えをいただきたいと思います。
○山本政府参考人 お答え申し上げます。 今回の改正法案におきましては、選手が医薬品である覚醒剤を持ち込む際は、医療用麻薬や医薬品である覚醒剤原料における携帯輸出入の手続に準じまして手続を実施することといたしております。 具体的には、選手から事前に地方厚生局麻薬取締部に携帯輸出入の申請を行っていただき、これに対して、地方厚生局麻薬取締部から許可書を発行、送付いたします。選手の入国時には、税関に対してその許可書を提示していただくという手順を踏んでいただくことで、我が国への持込みが可能となります。 申請に際しましては、医療用麻薬等で提出を求めております書類に加えまして、世界アンチ・ドーピング規程に従って認められた治療使用特例の付与又は承認の証明の写しの提出を追加で求めることにより、アンチ・ドーピング機関により厳密な審査を経て治療目的の使用が認められていることを担保することとしております。 また、選手により海外から国内に持ち込まれたアデラールの管理につきましては、組織委員会が選手団の中で医療責任者を指定し、入国から出国までの間におきまして、服薬の状況を毎日メールで報告させることと承知しております。 これによりまして、組織委員会が滞在期間中の薬物の所在及び使用状況をしっかりと把握、管理するスキームとなっており、他者が持ち出す等の事例は想定しておりませんが、万が一紛失した場合には、選手団側から紛失届を提出させるとともに、速やかに組織委員会より麻薬取締部側に報告することとなっております。
○青山(周)委員 ありがとうございます。 選手がしっかりと力を発揮していただくための法案ですので、間違った運用にならないように、是非ともそこの管理も徹底していただきたいと思います。 最後に一問だけ質問させていただきます。 昨年の延長と祝日に関わるこの特措法の改正においては閣法で改正が行われたと思うんですが、今回は議法で改正が行われるということで、議員立法で措置する理由について教えていただきたいと思います。
○藤田議員 お答え申し上げます。 覚醒剤を含む薬物については、近年、押収量の増加もあり、取締りを強化すべき状況にございます。そのような中、政府の意思としてその規制の緩和に積極的に対応することは、国民や諸外国等に誤った印象を与えかねず、今後の薬物対策を進めていく上では望ましいものではないとの判断があったものと承知しております。 一方、オリンピック、パラリンピックは世界最大の平和の祭典であり、特に世界的なコロナ禍の中で東京大会に向けて準備を進めてきた選手の参加機会の確保にも目を向ける必要がございます。 オリンピック憲章で、「スポーツをすることは人権の一つである。」とあり、東京大会の理念である多様性と調和の観点も踏まえて政治主導で対応する必要があり、超党派のオリパラ議連の下に設置されたPTにおいて、議員立法として対応するという結論に至ったものであります。 なお、今回の要請は本年三月に行われたものであり、その時点から閣法で検討し措置するには提出期限や時間的制約との関係で難しく、会期内に成案を得るためにも議員立法で行うべきと判断したことも一つでありまして、我が党もそれに賛同したものでございます。
○青山(周)委員 ありがとうございました。終わります。
○左藤委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。 オリパラ特措法改正案について質問してまいります。 本法律案は、東京オリパラ大会に参加するADHD疾患を持つ選手のうち、アデラールの使用が不可欠である者に対しまして、覚醒剤取締法の特例として、医薬品であるアデラールの持込み、使用等を認める措置に関する規定を追加する法律案であります。 しかし、このアデラール以外の代替薬を用いればいいのではないかという御意見もあるところです。 まず、この特例措置の必要性について、政府の見解を求めたいと思います。
○益田政府参考人 オリンピック、パラリンピックは世界最大の平和の祭典でございます。特に世界的なコロナ禍の中で東京大会に向けて準備を進めてきた選手の健康保持や参加機会の確保の観点、また過去の大会での取扱い等の観点から、東京大会においても特例を設けることが必要であると考えてございます。 また、代替薬につきましては、我が国ではビバンセ、コンサータ等の医薬品が承認されているところでございますけれども、ADHD治療薬は有効性や副作用等に個人差があることから、症状を安定させるために最適な医薬品、用量を見つけるため、長い場合には数年をかけて治療をしてございます。 代替薬による治療への変更につきましては、治療状況及び生活状況を損なうというおそれがあると考えられます。この点につきまして、IOCでも、要請書におきまして、アデラールで状態が安定している選手がその薬剤を、特に東京大会に向けた選考が行われている時期に変更することは勧められないと明記してございます。 以上でございます。
○古屋(範)委員 アスリートが安心して競技に臨むためには、治療薬を変更するということは、競技の面においても生活の面においても精神面においてもリスクがあるということを確認をさせていただきました。 次に、過去のオリパラ大会における医薬品の取扱いはどうだったのか、仮にこの特例措置を認めない場合、東京大会だけがアデラールの持込みを認められなかった大会になるのではないか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○益田政府参考人 お答えいたします。 IOCによりますと、過去二十年間に開催されました大会においてアデラールの持込みが認められなかった大会はないとのことでございました。 このうち、例えば二〇一二年のロンドン大会におきましては、特例措置を講じることなく、三か月以内の滞在で、かつ、三か月以内の分量であれば、医師の証明書があれば持込み可能でありました。また、二〇一六年のリオの大会におきましては、大会の前年に、国内の大規模イベントでの使用を目的とした海外からの医療品等の持込みが可能になる法令改正を行ったと承知をしております。 なお、過去二十年間に開催された国のうち、現行制度上、アデラールの携帯輸入が認められない国は確認されておらず、大会の開催に当たりまして特別な行政措置を取ったロシアを除きまして、各国の制度上、医師の証明書等があれば持込みが可能であったものと考えられます。 以上でございます。
○古屋(範)委員 過去二十年間、オリパラ大会において、このアデラールの服用が認められなかったことはないということを今確認いたしました。 次に、我が国では覚醒剤に対しては厳しい規制を課しております。本法案のような特例は、あくまでも今回の東京大会に限定をしていることであるということをきちんと確認をしておきたいと思います。政府の見解を求めます。
○益田政府参考人 お答え申し上げます。 従来より政府としましては覚醒剤について極めて厳格な規制を行ってきておりまして、今回の特例措置は、将来に向けて覚醒剤に対する規制を緩和するものではなく、オリンピック、パラリンピックが世界最大の平和の祭典であり、特に世界的なコロナ禍の中で東京大会に向けて準備を進めてこられました選手の参加機会の確保の点や、過去の大会で認められなかった例はないことなどを総合的に勘案して、今回の東京大会への選手の参加機会の確保の観点から、本大会に限って実施するものでございます。
○古屋(範)委員 このオリパラ大会の期間に限定をして使用を認めるということでございました。 次に、このアデラールが特例で国内に持ち込まれた後、紛失等がないようにしっかりと管理をしていかなければならないというふうに思います。 具体的にどのように管理をしていくのかということについて、政府の見解をただしたいと思います。
○益田政府参考人 お答えいたします。 国内における管理につきましては、入国から出国までの間について、海外から選手により持ち込まれたアデラールにつきまして、選手団の中で医療責任者を指定し、組織委員会に服用状況の報告を毎日メールで行わせることとしてございます。これによりまして、組織委員会が滞在期間中の薬物の所在及び使用状況をしっかりと把握、管理するスキームとなっております。 他の人が持ち出すような事例は想定されないと考えておりますけれども、万が一紛失した場合には、選手団側から紛失届を提出させるとともに、速やかに組織委員会から厚生労働省の麻薬取締部に報告し、必要な対応が行われることになってございます。 以上でございます。
○古屋(範)委員 厳正な取扱いがされていくというふうに思います。毎日報告をしていく、また、紛失があった場合には、これは麻薬取締部の方の所管になっていくということでありますので、この管理、厳正に行っていただきたいというふうに思っております。 最後に、提出者にお伺いしたいと思います。 今回の特例措置によりまして、我が国の薬物行政に対する誤ったメッセージを発することにならないように留意をしていく必要があると考えております。 この点について、提出者としてどうお考えになるか、お伺いをしたいと思います。
○浮島議員 お答え申し上げます。 我が国は従来より薬物全般について極めて厳格な規制を行ってきており、その姿勢は本法により変わるものではありません。 また、アデラールは日本では承認されていないこと、特例の対象が、東京大会に参加する選手十人から十五人程度の見込みでありまして、WADAが定める厳格な手続に従ったTUE、治療使用特例が付与された選手に限定するとともに、期間も、真に必要な大会及びその前後の期間に限定していること、これまでアデラールでTUEを取得した日本人選手はいないことなどから、今回の特例措置を講じたとしても、広く一般的に我が国の青少年に悪影響を与えることは考えにくいです。 しかしながら、今委員の御懸念のように、本法により薬物規制が緩和されるといった誤解を与えないよう、青少年を始めとする国民及び訪日外国人等に対しまして、引き続き我が国の薬物規制の周知を徹底するよう、政府に対し働きかけをしてまいります。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。 今、若者に限らず、やはり薬物依存ということが大きな問題になっております。そんな中で、こうしたことが更に誤ったメッセージとして発せられることがないよう留意をしていく必要があるというふうに思っております。 いずれにいたしましても、海外から遠く日本にいらして競技をしていく、そんなアスリートたちが安心して最後まで競技に臨める環境をつくっていくということが私たちの最大の使命だというふうに思っております。 本法律案の早期の成立を期して、質疑を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○左藤委員長 次に、吉田統彦君。
○吉田(統)委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。 まず冒頭、我が国で違法薬剤に指定されている覚醒剤の使用を許可する法案を、あろうことか、青少年の教育なども所管する文部科学委員会で議論することになったことに厳重に抗議するとともに、情けない思いであります。 私が尊敬するアスリートに、ジェームズ・アンソニー・アボット、いわゆるジム・アボット選手がいます。先天性右手欠損というハンディキャップを抱えながら野球をプレーし、一九八八年のソウル・オリンピックの決勝で日本と対戦し、先発して完投、アメリカ代表に金メダルをもたらし、同年、MLBドラフト一巡目、全体八位で、かつてのカリフォルニア・エンゼルスから指名されてMLBに入団しています。一九九三年九月四日には、クリーブランド・インディアンス戦でノーヒット・ノーランを達成しています。通算成績は八十七勝百八敗の防御率四・二五でありました。 巧みにグラブを持ち替えて、左手のみで投球、捕球、送球を行うグラブスイッチ、別名アボット・スイッチと呼ばれる投法を用いました。右利き用のグローブを右手の手首の上に乗せ、左手での投球の直後にそのグラブを左手にはめ直し、打球を捕球した後は素早くボールごとグラブを右脇に抱えて外して、左手でボールを取り出して送球する。それでも彼の守備は平均以上であったとの統計が残っています。 自身の隻腕について聞かれた際、自分が障害者だと思ったことはない、子供のとき自分に野球を教えようとして庭に連れ出した父こそ勇気のある人間だと答えています。先述のグラブスイッチは父親が考案したものだと聞いております。 私は、ジム・アボット氏に最大の敬意を表しながら、質問に入ります。 昨年三月三十日に、オリンピック、パラリンピックが一年延期されました。それから約一年二か月が経過し、時間的な余裕があったはずです。 本来、この法案は、内閣提出法案としての提出を前提に、関係各省と綿密な議論と打合せを行い、専門家の意見も拝聴した上で、あくまで内閣提出の法案として提出されるべきです。 最初にお聞きしますが、なぜ内閣提出法案として提出されなかったのでしょうか。部会などで質問しても納得できる答えは全くありませんでした。委員会の場で明確な理由があればお答えください。 大臣、お願いします。
○丸川国務大臣 御質問ありがとうございます。 まず、遡りますと、二〇一九年の十一月に、IOC、IPC及びWADAの医事委員会の連名で、大会の組織委員会副会長宛てに、国内への輸入が禁止されている覚醒剤を含む医薬品であるアデラールの選手による持込みを求める要望書の送付がありました。これが最初でございます。 これに対して、厚生労働省の医薬・生活衛生局長からIOCなどに対して、我が国の法律に基づき、覚醒剤を我が国に持ち込むことはできないという回答をまずしております。 その後、断続的に大会組織委員会に対して御要望があったのですが、新型コロナウイルス感染拡大等によって、具体的な対応には至らないままでございました。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中で、対策が様々、今回の選手村あるいは入国以降、バブル方式等、徹底された隔離空間での活動、頻繁な検査ということが明らかになってきました。これで選手には相当ストレスがかかる環境になるということが見えてきた中で、今まで以上にアスリートの健康確保を重視する必要が生じたことから、本年三月に、IOCで東京大会を統括するコーツ調整委員長から橋本大会組織委員会会長に対して、改めて、覚醒剤を含む治療薬であるアデラールについて特例措置の要望がなされたということです。 私どもとしては、かなりハイレベルでの御要望が改めてあったという受け止めをしておりまして、IOC側でより問題を深刻に捉えてメッセージの発信があったという受け止めをしております。
○吉田(統)委員 大臣、だから、それだったら、答えに全然なっていないんですよね。ハイレベルどうのこうのは分かりましたけれども、何で閣法で出さないのかということです。国会を延長してでも、閣法で出し直せばいいじゃないですか。 そこだけ、何で閣法じゃないのかだけ、端的に答えてください。もう長い説明は要りません。
○丸川国務大臣 失礼しました。今まさにそれを答えようと思っておりましたが、手が挙がったのでやめてしまいまして、済みません。 覚醒剤を含む薬物については、近年、押収量の増加もあり、取締りを強化すべき状況にある中、恒久的な対応としてはもちろんのこと、たとえ時限的な対応としても、政府の意思としてその規制の緩和に積極的に対応することは、国民や諸外国等に誤った印象を与えかねず、今後の薬物対策を進めていく上では望ましいものではないことから、極めて慎重に判断することが必要であるというのが政府としての総意ということになりました。 他方、オリンピック、パラリンピックは世界最大の平和の祭典であり、特に世界的なコロナ禍の中での大会準備ということで、選手の参加機会の確保の点、また過去の大会で認められなかった例はないということなどを総合的に勘案すれば、我が国における厳格な覚醒剤取締法の規制という観点と、また、五輪憲章で、「スポーツをすることは人権の一つである。」と掲げられているように、東京大会の理念である多様性と調和との観点の間で、非常に高度なバランスを図るという観点でいいますと、政治主導で御対応いただくことが望ましいということに至ったものでございます。
○吉田(統)委員 全然、だから、結局、政府は駄目だと考えているわけじゃないですか、今、答えちゃったじゃないですか、そうやって。政府は駄目だと、使っちゃ駄目だと政府は言っちゃっていますよね、今、大臣。だから、駄目なんですよ。 答えになっていないですけれども、政府は駄目だから、政治の方、議員立法で何とかしてくれという趣旨ですよね、今のを要約すると。だから、政府、国は認めない、認めたくない、駄目だと明確に意思を表示したわけですね。 また、今頃になってやるというのもおかしな話だと思います。しっかり議論をするためには、本来、議員立法するにしても、もっと早くにすべきだった。 その中で、本質的なことを聞いていきます。 過去の五輪開催、約二十年、持込みを認めたと、先ほど来お話があります。これらの国は時限立法だったのか、恒久的措置だったのか、どちらでしょうか。各々簡潔に、事実だけ教えてください。
○丸川国務大臣 ソチの冬の大会においては行政的な措置でございました。それ以外、過去二十年間は、いずれも大会の前に恒久的な措置となっていたという状況です。
○吉田(統)委員 だったら、一つの例外はありますけれども、やはり恒久的な措置として正々堂々と。 例えば、本当に生命の維持や臓器障害及び重篤な身体障害を引き起こすおそれのある疾患の治療に必要で、かつ代替がない、いわゆるコンパッショネートユース的な重大な案件だったら、競技者の母国が承認、使用を許可しているわけですから、本当に、正々堂々と厚生労働省が、公知申請とか医師主導治験とか、いろいろやりようはあるんですよ。正々堂々と内閣主導の下に厚生労働省が承認していくべきだったと思いますよ。そうじゃなかったら、やはりこれはおかしいし、違法なんですよ。どうですか。
○丸川国務大臣 公知申請についての御指摘がございました。 委員が一番よく御存じだと思いますけれども、医薬品の製造販売をしようとする者は、医薬品医療機器等法の規定に基づいて、「品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。」とされております。 そして、この公知申請も含めて、医薬品医療機器等法の規定に基づく申請というのは、製造販売をしようとする者の判断により実施されることとなると承知をしております。 つまり、本件に関して、組織委員会等から強制してできるような性質のものではなくて、実際にマーケットが存在していて、そこに販売するという一定の見込みがあって初めて公知申請というのが行われるというものと承知をしておりますので、今回の場合、公知申請というのは難しいのではないかという理解をしております。
○吉田(統)委員 それは誤解ですね。公知申請というのは違いますよ。世界中や、論文等、アカデミア、エビデンスで広く認められるものに対して審査等を短縮して行うものですから、確かに、製薬会社の協力が必要なんです。大臣、それはおっしゃるとおり。そこは、だから、これから日本の最大の問題になってくるところでもあるんです。 しかし、これは、世界的な祭典をするんだったら、会社にだって、承認するから、公知申請等やりたいから協力してくれと言えばいいだけの話ですよ。それは詭弁ですよ。おかしいです。 じゃ、もう少し進めていきます。でも、丸川大臣にこの辺の答弁を求めるのはちょっと酷だと思うんですけれどもね、コンパッショネートユースは厚生労働省ですので。しかし、余りにも今回のことはおかしいと思います。 じゃ、ちょっと警察庁さんに聞きますね。 覚醒剤の所有や使用について、我が国では、刑事法の覚醒剤取締法第十四条第一項で、「何人も、覚醒剤を所持してはならない。」、更に第十九条で、「何人も、覚醒剤を使用してはならない。」とされており、これに違反すると、十年以下の懲役として厳罰に処されますね。 確認ですが、一般の国民が、アデラール、まあ、アデロールという表記も使いますが、厚生労働省さんはアデロールという表記を使っていましたが、アデラール、アデロールを使用ないし所持した場合は取締りをされますね、警察庁さん。お答えください。
○大賀政府参考人 警察といたしましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて対処することとしておるところでございます。
○吉田(統)委員 だから、逮捕するんですよね。逮捕するんですね。
○大賀政府参考人 個々具体の事案に応じて、法と証拠に基づき対応することとしております。
○吉田(統)委員 今のが何で個々具体なんですか。おい、ちょっと待ってくださいよ。警察庁、それが個々具体だったら、何にも議論できないじゃないですか。
○大賀政府参考人 個別の事案において当該容疑者を逮捕するかどうかは、逃走のおそれでありますとか証拠隠滅のおそれというものを勘案して決定をしておりますので、個々具体の事案に応じて、法と証拠に基づいて対処する、こう申し上げたところでございます。
○吉田(統)委員 何か警察庁さんも、大丈夫ですかね、そんな答弁で。 じゃ、行きますよ。 そのような重大な犯罪の違法性を阻却する場合、オリンピック及びパラリンピックの開催を事由とすることは妥当でしょうか。 提出者にお伺いします。
○馳議員 そもそも、五輪憲章で、「スポーツをすることは人権の一つである。」と定められていることや、東京大会が多様性と調和を理念に掲げていること、また過去二十年間に開催された大会でアデラールの持込み等が認められなかった例はないことなどを踏まえれば、この改正法案に定める措置は、東京大会においても必要かつ相当な措置であると考えております。 すなわち、この改正法案における特例措置は、一、オリンピック選手及びパラリンピック選手に限定し、二、疾病の治療の目的という限定をし、三、大会期間とその前後の期間においてという限定をし、さらに、四、厚生労働大臣の許可を得た場合に限って覚醒剤の持込みや持ち出し等をできることとするものという限定をかけております。 しかも、手続要件である厚生労働大臣の許可を受けるに当たっては、治療使用特例の写しの提出を求めることを想定しております。 換言すれば、世界アンチ・ドーピング機構が定める厳格な手続を経て、確実な診断に基づく特定の薬物による治療の必要性と、治療方法に代替性がないこと等が認められ、その証明書が付与されていることが前提となっているところでありまして、このことによって、あくまでも疾病治療目的での覚醒剤の所持について、国際機関で厳格な審査を経た者に対してのみこの特例が適用されることを担保しているところであります。 また、選手団の中で医療責任者を指定し、組織委員会に服用状況の報告を毎日メールで行わせることとしております。これによって、組織委員会が滞在期間中の薬物の所在及び使用状況をしっかりと把握、管理するなど、特例を設けるに際しての弊害の防止策についても十分に講じられていると考えております。 以上のように、本改正法案による覚醒剤の持込み、持ち出し等の特例には十分に合理的な理由があり、かつ、その厳格な手続等、弊害の防止策に鑑みれば、国民一般に理解が得られる適切かつ妥当な措置であると考えております。
○吉田(統)委員 聞いていないことまで答えなくて結構です。時間がもったいありません。私が一字一句丁寧にレクしたからそういう答弁を作れるんですけれども、ちゃんと端的に、本質的な議論をしましょうと約束したはずです。こんなむちゃくちゃ時間稼ぎになる答弁をされたら本質的な議論はできませんから、やめてください。 今回、このような違法性阻却を法令で認める立法を、内閣提出法案ではなく、議員立法で制定しようとしています。このような重大な法益を侵害する覚醒剤取締法の特別法の制定を議員立法で行うことに私は大きな違和感を持っています。 そこで、今までに制定された議員立法で、例えば競馬法等のいわゆるギャンブルの関係の法令、これは社会的法益の中の善良な風俗に対する罪とされていますが、この罪が法令上違法性阻却される例が議員立法で行われてあることは承知しております。 しかし、刑法上、賭博罪の量刑は五十万円以下の罰金又は科料です。しかし、同じ社会的法益であっても、公衆の健康に対する罪とされる罪など重大な法益侵害、例えば覚醒剤の使用、所持は十年以下の懲役と、量刑にも大きな格差があります。 もちろん、罪の軽重は一概に答えることは難しいと思いますが、このような懲役刑が定められるような重大な法益侵害の犯罪について、議員立法により法令上違法性阻却をした例があるのかないのかだけ、あるのかないのかだけ答えてください。
○馳議員 あります。
○吉田(統)委員 具体的には、じゃ、何でしょうか。
○馳議員 臓器の移植に関する法律や、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律が挙げられるものと存じております。
○吉田(統)委員 全然、本質的に違うんですよ。あるのは知っているんです。あるのは知って、あえて答えたんです。そういうものしかないんですよ。つまり、非常にこれは非典型的な例であるということを考えなきゃいけないですよ。 もちろん立法権は国会にあります。議員立法による法制定に制限があるとは私も考えていません。しかし、現実に、我が国では政府の施策の根拠となる法令は、ほとんどが内閣提出法案となっています。 今回議員立法で提出したことは、法益侵害の重要性の点から非常に問題だと思います。そこだけ申し上げておきます。 アデラールは、欧米のプロゲーマーの中でスマートドラッグとして実ははやっています。違法な使用が問題視されています。社会問題にもなっている。そして、パフォーマンスが上がるので、違法な使用が問題視されています。様々な競技においてパフォーマンスが上昇することは分かっています。であればこそ、そもそもMLBでも使用禁止、禁止薬物です。 私が応援しているボルティモア・オリオールズというチームのクリス・デービスは、二〇一三年、五十三本塁打、百三十八打点の二冠王に輝きました。二〇一四年九月、彼は、アデラール、つまりアンフェタミンの陽性反応により、二十五試合の出場停止を科されました。本人いわく、二〇〇八年にADHDと診断されて、アデラールを摂取し始めたと。二〇一五年から、実は彼は、ビバンセ、アメリカだとバイバンセと発音することが多いと思いますが、使用許可を得ています。アデラールの方が即効性があるので、ビバンセの方がパフォーマンス向上の目的で使用される可能性も低いんですよ。 本当は、このクリス・デービスは、私は今でも応援していますが、本来全盛期を迎えるであろう三十歳前後でパフォーマンスが大幅に低下いたしました。こういったこともあるんですね。 提出者として、簡潔に、感想だけで結構ですが、どうお考えになられますか。
○馳議員 クリス・デービス選手については、報道によれば、ADHDの診断により、MLB機構から許可を受けてアデラールを服用していましたが、二〇一四年は必要な免除措置を受けておらず、その結果、同年九月、二十五試合の出場停止処分が科されたものと承知しておりまして、アンチドーピングの観点からは、疾病等の治療のための医薬品の使用については、必要な手続をしっかりと取ることが重要であると考えております。
○吉田(統)委員 馳先生もアスリートでいらっしゃるので、その辺はよくお分かりだと思いますが。 ただ、逆に、じゃ、よくお分かりだと思うんですけれども、マリア・シャラポワさんっていますね。彼女は、二〇一六年三月七日に開いた記者会見で、たしか彼女はメルドニウムですね、メルドニウムの摂取についてこう語っています。最初は二〇〇六年だった、当時は健康上の問題を幾つか抱えていた、しばしば病気になり、マグネシウム欠乏症に陥り、家族が患った糖尿病の兆候が出てきた、あれは薬物治療の一個だったとおっしゃっていますね。 つまり、パフォーマンス向上のためではなく治療目的の摂取だったと説明したスポーツ選手は、彼女が初めてじゃないですね、馳先生。 ワールドカップ米国大会、私もよく覚えています、マラドーナは感冒薬を使用したと言っていましたよね、たしかあのときは。興奮作用のあるエフェドリン等が検出されたために追放されました。もっとも、マラドーナの場合は、後に、個人トレーナーがアメリカから購入した減量用サプリメントにハーブの一種が含まれており、そこから微量のエフェドリンが検出されたと説明して、故意の使用を否定したと考えます。 それはともかく、マラドーナの場合もそうなんですが、こういった評価はどうなんでしょうね。馳先生、こういった二つの症例においても、事前に申請して、例えば医師が使用を許可していたら、使用してもよかったんでしょうか。
○馳議員 ちょっと事実だけお伝えいたします。 メジャーリーグのプログラムと……(吉田(統)委員「事実は要らないです、今の私の質問に答えてください」と呼ぶ)に答えるために。 メジャーリーグにおいては、MLBと関係のない第三者である医師一名が審査を行い、治療使用特例を取ることとなっていまして、WADAの場合は、治療使用特例に関する国際基準に定める手続においては、選手との関係のない第三者の三名以上の医師が審査し、治療使用特例を取ることになっておりまして、基本的に、やはり、きちんと診断を受けて治療を受ける中で、医師の確認というものはしっかりと取られていないと駄目だ、こういうふうに思います。
○吉田(統)委員 馳先生、おっしゃるとおりなんですよね。 そうすると、例えば、アデラールの使用の許可というのは、おっしゃるように、MLBが定めた厳重な規定に基づいて与えられますね。 二〇一四年の記録で恐縮なんですけれども、百十二人この年は認められています。これは、メジャー四十人枠に登録された選手の約九・九%に実は当たるんです。その一方で、一般成人で、ADDも含めて、ADHDと両方併せて診断されている人の割合は約四・四%なんです。いいですか、約四・四%で、しかも、そのうちのアデラールを飲んでいる人は、もっとぐうっと下がります。大きな乖離がありますね。つまり、ADDやADHDと診断され、かつアデロールを、アデラールでも結構ですけれども、使用しているMLB選手はその何倍にもなっている事実があります。 これは、残念ながら、今、メジャーでも、やはりアデラールがパフォーマンス向上のために使われている疑惑を否定することはできないんですよ、馳先生。 となると、馳先生、アンフェタミン系の薬物を使用したことのある人物は殿堂入りできて、ステロイド使用の疑惑がかかる人物は殿堂入りできないのかという議論も実は始まっているんですよね。先生、御存じですよね、これは。そういった議論がもうあります。 提出者、どうお考えになりますか。
○馳議員 なので、さっき、実は、MLBの規定とWADAの規定の違いの、厳格さというものの違いを設けました。言葉がちょっと過ぎるかもしれませんが、MLBの、一名の医師だけでチェックしていいというのはちょっと緩いんじゃないかなと思います。 今後も、やはり、ドーピングを行ってはいけないという基本的な姿勢は、WADAにおいてもプロスポーツにおいてもだんだん厳しくなってきておりますので、今後とも、やはり不公平さがないようにきちんと調べる、この姿勢を貫いていく必要はあると私は思います。
○吉田(統)委員 馳先生らしい、本当にしっかりした、そのとおりですよね。 ただ、じゃ、馳先生、もう一回聞きますけれども、パフォーマンスが上がるのは知られているじゃないですか、それは否定しませんよね。パフォーマンスが様々なところで上がるのが分かっているんですよ。それは不公平だと思わないですか。 馳先生、個人の見解でも結構ですし、提出者を代表してでも結構ですが、どうですか。
○馳議員 実は私も、プロレスラーのときに、プロレスを厳密なプロスポーツというかどうかは置いておいて、やはりステロイドを使っている選手がいたといううわさ、また、この選手は普通の練習をしていて、俺と同じ練習をしていてこの体はないだろうなということもありましたし、また、早くにそういう方々が内臓疾患で亡くなったりということも本当に見ました。 まさしくオリンピックの場合には、WADAの厳しい規定によって、そういったことのないように、選手の健康を守るということが一、それから競技の公平性を守るということが二、まさしく青少年がそんな薬物を使って競技力を高めることをしてはいけないということが、これが三点目であると思います。そのための厳格な医師による規定があってしかるべきもの、こういう認識を私は持っています。
○吉田(統)委員 だから、そう思っている馳先生がこれを一生懸命提出しているというのが、何かちょっと腑に落ちないんですよね。 じゃ、もう少し聞いていきます。 アデラールはアンフェタミンなんですよね。覚醒剤そのものなんですよ、覚醒剤そのもの。アンフェタミンの原料、元となる物質であって、極めて限定された使用で我が国で承認済みの小児のADHD新薬、ビバンセ、バイバンセでも結構ですが、とは根本的に異なるんです。覚醒剤そのものであるアデロール、アデラールじゃなくても、ビバンセでいいんですよね。 それは、何か理由をつけて、さっきから聞いていました、何か、環境が変わるとどうのこうのと。これは、申し訳ないですけれども、治療はできますよ。これはできます。だから、日本はアデラールが使えないんですよ、ビバンセで治療するんですよ。 だから、やはりそこをちょっと、私は、この点をもってしてもアデラールはやはり疑義があるんです。覚醒剤そのものである。ほかのプロドラッグがあるのにそれを使うのが、馳先生みたいにスポーツマン、本当の立派なアスリートだったら、そっちの方がいいんじゃないかと、逆に馳先生だったらみんなをたしなめて指導するぐらいの、そういったことをされるのが馳先生かなと、ごめんなさい、馳先生の名前ばかり連呼しちゃって申し訳ないんですけれども、と思うんですけれども、どうですか。
○馳議員 やはり、先ほどから申し上げているように、厳格な基準、そして、ふだん使っている薬を急に変えてしまうということが、トップアスリートにとって日常の変革を促すということがいかに大変かということもこれは御理解いただきたいと思います。 それぞれが、朝起きて、何を食べて、どういう練習をしてというのは、試合の日から逆算をして準備しているものでありますが、とりわけお薬については、ふだんと違うものを使うということに対するメンタル的な不安といったもの、これを払拭するために今回の要請が最終的に来た、こういうふうに理解しております。
○吉田(統)委員 残念な答弁ですね。それなら、もうちょっと前からちゃんと切替えを行っていけば大丈夫ですよ、薬は。生理活性でそれはちゃんと証明されているものですから。ジム・アボット選手にも聞いてみたいですよね、これは本当に。 じゃ、最後、ちょっと時間がなくなっちゃったので、あと簡単に聞いていきますが。 我が国で覚醒剤の使用及び保持は大罪ですね。本法案を強行する姿、与党の先生方、そして全国会議員が賛成する姿を見て、青少年たちがどんな思いを抱くかということなんですよ。例外が認められるのか、だったら俺たちも例外として使用してもいいんじゃないか、オリンピックで覚醒剤を使用していたじゃないか、だから俺たちもやっちゃってもいいんじゃないか、そんな思いを抱きかねないと思うんですが、そこは提出者、どうお考えになりますか。
○馳議員 そこの点に関しては激しく同意するところがあります。 何でオリンピックだけ特例なんだ、東京オリンピックだけなのか、こういう誤解を生まないように、少なくとも覚醒剤取締法に従って今後とも薬物の規制といったものはしっかりやるべきだともちろん思っております。 極めて限定的に、品目限定、数量限定、チェックする人がいる、この中で今回特例法を作ったということを改めて御理解をお願いしたいと思います。
○吉田(統)委員 ただ、じゃ、もう一度聞きますけれども、馳先生、本当にそういう思いを持っていらっしゃるんだったら、なおさらこれは厚生労働省が責任を持って、議論をして、承認申請すべきだったんですよ。正々堂々と承認をして使うんだったら、誰もこういうことを言わないわけですよ。だって、最初、もう時間がないのではしょりますけれども、昔、薬として使われていたんですよね、メタンフェタミンとかアンフェタミン。だけれども、いろいろ依存性がある、危ないことがある、たしか一九五一年だったと思いますが、取締法ができたんですよね。ごめんなさい、年号はちょっと不確かかもしれません。 じゃ、もう一回だけ最後に聞きますけれども、もう時間がないので。 覚醒剤関連の犯罪で家族や大事な方を失った方たち、今回この法案を見てどんなお気持ちになっているのか。あなたたち、立派な、私の尊敬する国会議員の先生たちですけれども、あなたたちを見て、覚醒剤関連の犯罪で大事な方を亡くした、大変なことになった、全てを失った方たち、こういった方たちにどのように感じていただくのか、どう説明するのかだけ、最後にお聞きしたいと思います。お願いします。
○馳議員 今回、このような特例法を議員立法で、我々議員が責任を負うという形で出したということについては、私は大変申し訳ないと思っています。 と同時に、こういう措置をせざるを得ない、資格のある者を出さざるを得ないというこのIOCの要請に対しては、一定のこうした制限の下に、ルールの下でやはり認めざるを得ないということもあえて申し上げたいと思います。 以上です。
○吉田(統)委員 でも、申し訳ないと思うんだったら、やめた方がいいと思いますよ、本当に。 いや、今日議論していて、やはり苦しいお考えも、ちゃんと良識もお持ちだし、良心の呵責にもさいなまれているということは感じました。 であればこそ、なおさら、もう一度見直していただいて、国会延長すればいいじゃないですか、国会延長して、閣法として出し直していただく、そういう要望を申し上げて、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○左藤委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会特別措置法の一部改正案について、提出者に伺います。 必要な医薬品の持込み等に対する本法案の特例措置は、ADHDの選手の治療に関わるもので、その必要性については理解するものですが、しかし、現在、その大会を開催することそのものが鋭く問われており、我が党は、大会の開催の中止とコロナ対策への集中を政府に迫っているところです。開催を前提とした立法は容認できない。 本来、政府内での調整の下、閣法で対応すべきものを対応できず、議員立法として急遽対応しようというものであると考えますが、どのようにお考えですか。
○馳議員 大会の開催については、本来は、IOC、そして、開催地を提供する東京都においてそれぞれ判断されるものと思っています。 今国会の法律においては、まさしく参加資格のある者が一定のルールの下に参加できるような状況をつくり出してほしい、こういう要請に基づいて措置をしたものでありますので、大会の開催、厳しい状況ということは私も自覚をしておりますが、それと、今回の、資格のある者が参加できるようにしようという特措法の趣旨とは一定のやはり違いがあるということは御理解いただきたいと思います。
○畑野委員 本法案の内容そのものが、やり方そのものも含めて、コロナ禍で突き進む、そういう政府の開催準備の不備を如実に示していると申し上げます。泥縄式に開催に進むのではなく、大会を中止してコロナ対策へ集中すべきだということを重ねて申し上げます。 この夏のオリンピック、パラリンピックが、開催そのものの是非が今問われております。開催できる状況なのかどうかということを前提として議論するべきだと私は繰り返し求めてまいりましたので、次にその点について質問いたします。 まず、ホストタウンについてです。 丸川珠代大臣は、六月一日の閣議後の会見で、事前キャンプや事後交流を取りやめた自治体が百五に上るとおっしゃいました。その後、いかがでしょうか。
○丸川国務大臣 毎週集計をしておりまして、週に二回のときもあります、今のところ百五でありまして、実は我々、報道を見て、見つけたものは全部御連絡をして、実際のところいかがでございますかということを確認しております。 我々としては、全国九ブロックにまずブロック責任者を置いて、かつ、各県に担当者を置いて実に丁寧にお声を聞いておりまして、受入れを取りやめるという方もいらっしゃれば、いや、実はまだ交渉しているけれども、取りやめみたいな報道をされちゃったけれども我々はやる気でいるというところもありまして、非常に、今、担当職員まで置いて、首長のリーダーシップの下で実現努力を重ねてくださっている自治体に、本当に感謝を申し上げたいと思います。
○畑野委員 そうすると、百五止まりだと。 昨日、たしか二つの自治体で取りやめという話がありましたよね。それは御認識ございますか。
○丸川国務大臣 これも、報道で出てきますと、まずお問合せをしてということですので、理由がいかなるものだったかということまで今把握はしておりませんけれども、しっかりこれからも、サポートできるところはきっちりやってまいりたいと思っております。
○畑野委員 本当に皆さん心配をしているわけです。 それで、二つ目に、ボランティアの問題です。 都市ボランティアですけれども、大量に辞退が進んでいる。札幌市、マラソン、競歩などで、五百二十九人中辞退者百七十六人、宮城県、サッカー、千七百人中六百人、千葉県、フェンシング、レスリングなど、二千八百二十六人中千八十三人というふうに聞いております。 組織委員会としては、こういう事態は把握されていますでしょうか。全体のボランティアの数と辞退者数、またその理由について伺います。
○布村参考人 お答えいたします。 ボランティアには、大会ボランティア、これは組織委員会が募集しております、また、各自治体が募集される都市ボランティアがございますが、組織委員会としては大会ボランティアの方で御説明を申し上げます。 登録者八万人のうち、今年の二月の時点で既に約一千名を超える御辞退があったところでございますけれども、その後も、コロナ感染への不安に加えて、シフト表を受け取って実際に活動が難しいと感じて御辞退をされた方、あるいは、四月の異動、就職、引っ越しなどの御自身の環境の変化により活動が難しくなって辞退される方もいるという状況でございます。 一方で、オリンピック、パラリンピック片方だけだったのを、両方で活動いただける方も増えている、そのような状況の中で、大会の顔としてのボランティアの活動について、現在、最終的な確定に向けて取り組んでおります。
○畑野委員 都市ボランティアについても、しっかりとつかんでいただきたいというふうに思います。 千葉県の熊谷知事が、組織委員会が幕張のホテルを大量予約も、情報共有されずと御発言をされていました。 このような事態はあるんでしょうか。どのような対応をされていますか。
○布村参考人 お答えいたします。 選手の方は、基本、選手村に宿泊されることになりますが、大会に関わる関係者のため、会場周辺などに組織委員会としてホテルを手配してございます。 これらのホテルにつきましては、まだ配宿等が変動している状況ですけれども、近いうちに具体的な情報を千葉県も含めて関係の自治体の方々に提供させていただくべく、準備を進めております。
○畑野委員 次に、東京二〇二〇ライブサイトとパブリックビューイングが、東京都内、合わせて六か所ある、飲食もオーケーということです。これはどのようになっているのか。今動きがあるというふうに聞いていますが、組織委員会に伺います。 あわせて、東京二〇二〇ライブサイト、コミュニティーライブサイト、パブリックビューイング、この三つ、それぞれどんなふうに組織されているのか、数字が分かれば教えてください。
○布村参考人 会場にいらっしゃれない方々にもオリンピック、パラリンピックを観戦いただけるようにということで、パブリックビューイングを実施してございます。また、ライブサイトも実施していますけれども。 パブリックビューイングについては、我々組織委員会と各自治体が連携をして、競技の観戦あるいは競技大会のイベント等を実施するという取組で、コミュニティーライブサイトあるいはパブリックビューイングの方は自治体の方で実施をいただくという状況です。 二〇一九年八月の時点で、ライブサイトは十九自治体、三十会場、コミュニティーライブサイトは百四十五自治体、二百二十七会場で公表をさせていただいておりましたけれども、現在、コロナ対策の在り方も含め、各自治体と調整を進めているという状況でございます。現在、そういう状況でございます。
○畑野委員 確認ですけれども、代々木公園、昨日動きがありましたけれども、組織委員会でどのように認識されていますか。 東京都が、昨日、オリンピック期間中は代々木公園のライブサイトは中止するというふうに言われていますけれども、御承知ですか。
○布村参考人 代々木公園につきましては、ライブサイトの会場として予定されておりましたけれども、昨日、小池都知事から、オリンピック期間中の代々木公園のライブサイト会場が新型コロナウイルスのワクチン接種会場として活用されるという方向性を出されたところは承知してございます。
○畑野委員 次に、IOCが、東京オリンピック・パラリンピックに出場する選手に対して、コロナやそのほかの感染症、猛暑などによって引き起こされる重篤な身体的障害、さらには死亡を含めて、自分自身のリスクとする、自己責任の同意書を求めていたことが明らかになりました。これは事実でしょうか。そして、その同意書については組織委員会が取りまとめるのですか。日本政府はこのことについて把握をしていらっしゃいますか。 あわせて、過去の大会で同様の内容の書類提出が求められていたのか。現在、国内外の選手、何人分が出されているのか。そして、このような自己責任という立場に日本政府も立たれているのか。併せてお答えください。
○布村参考人 お答えの前に、先ほど、パブリックビューイングに関して、東京二〇二〇ライブサイトは自治体と組織委員会の共同主催、パブリックビューイングは地方自治体での実施という形であるべきところをちょっと逆に申し上げましたので、失礼いたしました。 IOCが求めている同意書に関してでございますけれども、選手がオリンピック大会、パラリンピック大会に参加するに当たりましてIOCが提出を求めている同意書において、免責条項自体は従前の大会から含まれておりましたけれども、今回の東京大会については、従前の規定に加えまして、コロナ対策によって、万が一陽性になった場合等、選手の個人情報の取扱いですとか、隔離されるという措置がございますので、コロナ対策をより丁寧に規定した同意書を今後各選手に求めていくということになります。 手続としては、各選手団長が来日された際、組織委員会がお預かりしまして、IOCに提出するという手続になっているところでございます。
○丸川国務大臣 中身は私どもも組織委員会に見せていただいて、なるほど、こういうふうに書いてあるのかというのは認識しています。 その上で、余り役割分担のことを言うと、また何か押しつけ合っていると言われてしまうんですが、仕切りとしては、一応、IOCと選手の間で取決めをされるということだという認識をしています。 しかしながら、大会をお迎えする側として、海外から入ってこられる方が健康で安全であるということは、お迎えする側にとっても健康で安全が守られるということでありますので、五者でしっかりと連携をしながら、いかにしてその環境を、定期的な検査や厳格な行動管理、また、水際の措置をしっかりやって、国民と交わらない形で行動していただく空間づくりというのをしっかり進めてまいりたいと思います。
○畑野委員 感染症による死亡を入れたということは、そういう危険があるということですよね。これがどこに、政府の言う安心、安全かと問われると思います。それを自己責任だと求めることも問題だと申し上げておきます。 最後に、丸川大臣に確認させていただきたいんです。 通告していないんですけれども、この間の報道によれば、コロナ禍の下で東京オリンピック・パラリンピックが開催できるのかという問題で、新型コロナウイルス感染症対策分科会の感染症の専門家の皆さんがリスク評価の提言作成を進めたものの、政府側の了承が得られず、提出できないということが言われています。これは事実でしょうか、御存じでしょうか。 緊急事態宣言を出す目安となるステージ4であれば、東京の場合、医療体制の逼迫が深刻化し、国民への医療提供に支障が出ると評価して、開催は難しいとの認識を共有しているということなんですが、いかがですか。
○丸川国務大臣 恐縮です、分科会の中でどういう議論、つまり、表面に出ない議論でどういう議論をされているかということまでは承知をしていなくて、報道で知ったんですが。 ただ一方で、いつも尾身会長とはよく委員会で御一緒していまして、どういうリスク意識をお持ちかということをよく理解しております。 何しろ人流抑制が最終的には肝だということは言われておりまして、私どもも今それを、具体的にどう向き合っていくのか、様々な検討をしているところでございます。
○畑野委員 尾身会長からも、非公式には何回か事務局が来て考えを示したが、正式に会議などで意見を聞かれたことはないとおっしゃっているんですね。 だから、丸川大臣の方からやはり問題提起をして、そして、専門家の声をきちんと聞く。科学的な検証をしないで開催に突き進むということは、これは認められないと思います。 分科会の専門家の方からは、全国の人の動きが活発になり感染状況が悪化することを懸念され、また、開催によってウイルスを国外に広げかねないことへの日本の責任についても指摘しているんですね。 ですから、私は、この夏のオリンピック、パラリンピックは中止の決断をして、コロナ対策に全力を尽くす、このことが皆さんの願いに応える道だということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○左藤委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。 馳浩君外四名提出、令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○左藤委員長 次回は、来る九日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時十四分散会