財務金融委員会 第7号
- 発言数
- 297 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2021/02/26
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、企画局長清水誠一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官茨木秀行君、総務省大臣官房審議官川窪俊広君、財務省大臣官房長茶谷栄治君、大臣官房総括審議官新川浩嗣君、主計局次長角田隆君、主計局次長宇波弘貴君、主税局長住澤整君、理財局長大鹿行宏君、国税庁次長鑓水洋君、厚生労働省大臣官房審議官小林洋子君、経済産業省大臣官房審議官福永哲郎君、中小企業庁次長奈須野太君、事業環境部長飯田健太君、経営支援部長村上敬亮君、国土交通省自動車局次長江坂行弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○越智委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。末松義規君。
○末松委員 おはようございます。 立憲民主党・無所属クラブの末松義規でございます。 今日は、私、ずっと、立憲民主党の中でも最低賃金男と言われるように、最低賃金に関するいろいろな作業チームの座長をやったりプロジェクトチームの座長をやってきましたので、この前の、大臣とそれから前原委員の、非常に貴重な、日本経済に対する認識の中で、やはり賃金の上昇がないとよくない、これは日銀の総裁も言われておりましたけれども、これについて、本当に私も全くそのとおりであると思っています。 この資料の一の中で、GDPの推移とそれから実質賃金指数の推移、比べてみますと、本当に日本が伸びていない、実質賃金に至っては下がっているということが、これは有名な図でございますけれども、こういうことを見てみても、やはり日本経済にとって、賃金を上昇させることが、賃金アップが最重要だと思っているわけでございます。 本当に日本の根本的な経済の問題というのは、六千万人いるサラリーマン、あるいはサラリーウーマンですか、にお金が潤沢に入らないと消費というものが損なわれてきて、そして、消費が損なわれてくると物やサービスが売れなくなって、そうすると不況になって、会社が倒産したり、また、会社が縮小したりする。そうすると今度は給料が下がってきて、またこれは物を買わないという悪循環が続いてきているというのが一番大きな根本的な問題だと私はにらんでいるわけです。 この前、大臣の方が、賃金については基本的には労使で決めるわけですけれども、そういった中で、神津連合会長に、賃金のアップというのはあなたの仕事だ、こういうふうに言われたんですけれども、そこは極めてよく理解できるところでもあります。ただ、業界秩序というのもありまして、本当に、そういった意味で、特に中小企業が賃金をアップできない構造的な縛りがあると私は感じております。 例えば、円高不況のときに、大企業の方で、とにかく中小企業あるいは系列企業に対してコストを一〇%カットしてくれとずっと大企業は言い続けた。これに対して中小企業は真摯に応えて、コスト一〇%カットを一生懸命やった。やはり材料費なんかはなかなか削れませんから、結局は、労賃つまり人件費を削減していった。 これが、円高不況が終わっても慣行が続いていて、特に、やはり中小企業が乾いた雑巾を更に絞るような必死の努力をやっても、そうすると、やはりこの労務関係の費用の中で、賃金上昇が起こらないという、非常にそこは構造的な問題があると思っております。ここをしっかりと解決をしていかないと、なかなか中小企業の生産性が上がるとかそういうことが起きない。 ですから、そういう認識があるわけですけれども、そういった意味で、安倍前総理、それから菅総理、そして麻生大臣も含めて、賃金をアップさせるということ、これに今御努力されていることを私も非常に評価をしているところでございます。 そういった認識の中で、日本経済にとって賃金上昇の重要性について、前の、前回の議論を含めて、麻生大臣の御認識を問いたいと思います。
○麻生国務大臣 賃金アップを自民党が経団連等々経営者側に要求して、賃金が上がることによって、いわゆる労働組合を代表しておられる連合を始め多くの方はよかった。それで、票は民主党。自民党には来ない。これはどう考えてもおかしくはないか、俺たちそんなに人がいいように思えるかと、公式な場で三回ぐらい言ってありますので。幾ら言っても効果がないのでこのところは言っておりませんけれども、もう七、八年続けてずっとこれは言い続けたことなんですけれども。 おかげさまで、ベアなんという言葉は、組合に長くおられた方なら御存じの方もあるかもしれませんが、十年ぐらい前、八年ぐらい前、このベアという言葉が初めて新聞に載っかったときに、通じなかったそうですものね、若い新聞記者は。部長、ベアって何ですかと聞いたやつがいるのでちょっと正直驚いたというのが、ある政治部の偉い人、偉い人というか年取った人の話だったんですが。それぐらい、やはり、末松先生、デフレーションというのは長く、でかかったんですよ、これは。僕はそう思いますね。 一九九〇年代に入って、九二年になって、赤字公債再発行ということになってきたあれぐらいから、どんどんどんどんということになって、その後、金融危機で銀行が全部というようなえらい目に遭って、もう昔の名前で出ていますという銀行なんて本当に数少なくなってきましたので。そういった意味では、金融機関も、九七年、八年で倒産が相次ぐ等々の話が出たあの時代、やはり、銀行がぐじゃぐじゃいっているときに企業はなかなか上げにくいとか、そういうこともあったんだと思いますよ。 いろいろなものが重なって、結果として、日本の場合は、このいただいた資料の中にもありますように、賃金の上昇率が先進国の中で最も低いと。実質、物価もそこそこ一%台というようなことで、デフレとは違って一%上がりましたものですから、結果として、実質賃金というか可処分所得というのがその分だけ減ったということになっておりますから、なかなか消費が伸びない。当然のことなんだと思いますので。 やはり、賃金というのを上げていくのは、春闘というので、みんな各企業、同じ同業者は横並び。だから、トヨタだけ上げるというわけじゃなくて、みんな横並び。トヨタが百だとほかのところは百以下にしようとか。そのうち、下請、孫請のところは更に下げるということになって、なかなか、そういった横並びとかいうような発想で長い間動いてきたというものが、結果として賃金上昇率を抑えて、日本では、よく見たら労働分配率は七〇どころか六〇を切りそうなところまで下がってくるというような話になっていった。 これは、どこから手をつけていいかというと、やはり賃金アップというのは大企業のところからスタートしないと、なかなかちょっと下は、上が一なのに俺のところが二にするわけにはいかないとかいろいろな意識が働くような感じがしますので、そういったところを含めて、やはり、もうかっているところは、うちはできるならできるということをやってもらわないと、なかなかほかのところはそれ以上ということになりにくいというようなこともあるんだと思いますので。 意識改革をしていただかないかぬというのは、少なくとも内部留保がどんどんどんどんこれだけたまっていっている割には設備投資とか賃金とかに回っていないというのはいかがなものかというのが、元経営者としての正直な実感です。
○末松委員 元経営者としての率直な実感をお述べいただき、ありがとうございます。 また、確かにこの日本経済、いろいろな金融危機があったり、あるいはアジア危機があったり、バブルの崩壊後、意識がシュリンクしてきて、さらに、リーマンのショックなんかあって更に縮小してきて、そういった中で、そういうこともあって銀行業界も再編をするという動きにつながってきていますし、さらに、企業の方も、とにかくこれは何かあったときのショックのために金は留保しておかなきゃいけない、こういうふうな慣行ができた。 それに併せて、労働運動の方も、連合さんは連合さんのお立場でまたいろいろとお考えになっておられるかもしれませんけれども、そういう企業の中での秩序観、こういうのは確かに、これからの時代はこれもまた革新をしていかなきゃいけないということがございますけれども。 大臣が言われた、上の、大企業の方から上げていくと下も全部上がるんだというお立場と、私の方は、この最低賃金、ここを国家が前面に立って上げていく、こういうことによって、ここは結構人がいるんですよ、いるという意味では、中小企業だけに限れば、大体一千二百万から二千万人近くこの最低賃金の近辺の方々がおられるわけですね。 この方々を所得アップさせていくと、かなり彼らは消費性向が高いですから、やはりぎりぎりの中で生活しておられますから、そうすると、その方々が多数おられるので、それを刺激していくとかなり雰囲気も変わってきて、韓国はそうなんですね。韓国は最低賃金を三割、数年間で上げました。これはちょっとやり過ぎだという意見もありましたけれども、それで結局大企業の方も上げなきゃいけないという雰囲気になって、そういった形で賃金上昇が体系的に起こった、こういう評価もありますので。 そこを、私の方は、今回は最低賃金を中心にちょっとお話をさせていただきたいと思います。 この資料の二をお開けいただきたいんですけれども、最低賃金の国際比較ということでここに書いてございます。 これは各国を、OECD等のデータを基にして作ったわけですけれども、大体、OECDの主要国、豪州は千五百八十九円ですね、アメリカのカリフォルニア州が最低賃金千四百五十二円、ワシントン州は千四百二十円、フランスが約千三百円弱、英国は千二百円強で、ドイツも大体千二百円ぐらい。 大体このくらいの相場が一流国と言われる国なんですけれども、何と日本が九百二円、これは加重平均ですね、加重平均。それで、韓国は、実はこれは全国一律なんです。これが八百二十四円なんですね。 そうすると、日本の加重平均で、例えば沖縄とかですね、この七百九十二円というのが今日本の県の最低のレベルなんですね。沖縄のほかに、秋田、鳥取、島根、高知、佐賀、大分、更に言うと、韓国以下の県が、今の七県に加えて、青森、岩手、山形、福島、徳島、香川、愛媛、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、こういった県、つまり十八県が韓国の最低賃金よりも低い、こういう衝撃的な結果が分かるわけですね。 こういうふうな、本当にここまで低いと、お隣の国よりも低いんですとこれはちょっと問題だし、韓国は、先ほど申し上げましたように、最低賃金をわっと政府が力強く上げた結果、ほかの企業も何か上げざるを得ないような雰囲気が出てきて、そして今、韓国の研究者とかあるいは韓国を研究している日本人の研究者とも話したら、どうも総体的に、大企業あるいは中堅企業等の賃金も日本よりもよくて、社会保障的な福利厚生もいいという話を聞いて、私もちょっとショックを受けたわけでございます。 また、経団連とか日本商工会議所等の実業界が言うように、とにかく最低賃金を上げることはまかりならぬ、これを上げれば国際競争力がなくなるとか、あるいは日本企業が海外に逃げていく、こういうふうな主張をされておられましたけれども、これだったら、じゃ、ほかの欧米の一流の国が日本よりも高いということをどう説明するんだ、根拠がないじゃないか、こういう話になるわけですね。 だから、そういった意味で、日本がOECDの二十九か国中で見ると十一位、中央値で比べると二十五位という低い、非常に低いというこの位置があるわけですけれども、これについてコメントを役所の方でしていただけますか。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。 先生がお示しの資料にもございますとおり、日本の地域別最低賃金の全国加重平均、九百二円となっておりまして、また、イギリス、フランスなどの最低賃金、二〇二一年二月時点で私ども日本円に換算しておりますけれども、いずれも千二百円を超える水準となっておりまして、日本はこれらの先進国と比較すると低い水準とはなっております。 しかしながら、最低賃金制度というのは各国によって異なっておりまして、日本では全ての労働者に適用されております一方、イギリス、フランス、ドイツなど諸外国には年齢などによる適用除外がある国もございますことから、各国の最低賃金の水準を単純に比較することは適当ではないのではないかと考えております。
○末松委員 適用除外というのはどのくらいの幅というか割合を持っているかというのは、ちょっと私もいろいろと各国を研究をしてきて、それについてまたいろいろと言いたいことはあるんですけれども、ちょっとここは先を急がせてもらいます。 次に、日本国として、最低賃金を集中的に引き上げていくという、そういった政策あるいは努力というものがなかった、これは極めて重要なことだと思っています。 私も、そういった作業チームとかあるいはPTをやっていて、各役所からこのヒアリングをしたんですけれども、各役所さんが掲げる賃金アップ政策ということなんですけれども、どちらかというと、資料三に見られるように、中小企業の生産性向上ということを旗印にして、そこで、この右側のパートで、令和元年度実績ということで、これは何件だと件数を掲げているわけなんですけれども、例えば、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業、こういうところは、第一次公募で千四百二十九件、あるいは第二次公募で三千二百六十七件とか、ここで一番多いのでキャリアアップ助成金というのがありますけれども、これも補助金を出すということなんですけれども七万四千件ちょっと、あるいは人材開発支援助成金、これも五万七千件だということです。 中小企業で、かなり厳しい、この最低賃金近辺にある企業が日本に大体どのくらいいるかというと、これは私の推量ですけれども、日本全体で今三百数十万社いるんでしょうけれども、その中の少なくとも半数以上は、二百万社とかそのくらい以上は、本当に厳しい状況の中で最低賃金程度の支払いでやっているところもかなりいると思うんですけれども。 つまり、言いたいことは、実績はほとんど表面の一部をなでるだけで、全体的にこの最低賃金そのものを全力で上げていこう、こういう政策が日本になかった、ここが私は一番問題だと思いますね。細々としたこういうメニューは提供したんだけれども、予算の規模も少なくて、また、適用された企業も少ない。 だから、そこは、私、原因は、何でそうなるんだろうと思っていた。それで、考えたんですけれども、結局、最低賃金を、経済を活性化させるための位置づけとして中小企業庁等が、経産省がやるこの視点と、それから、厚労省の方は、あくまでもこれは人権という、本当の意味で生活を保障するための費用なんだということ、これが両省に分かれてきているがために、統一した、これをやろう、最低賃金を上げよう、こういったインセンティブが働かなかった、そこが一番の原因だと思うんですね。何かエアポケットのような形で抜けていたというところなんですね。 ですから、韓国のようにがっぷり四つで、政府そのものが統一的に最低賃金を上げるんだということを集中的にやっていった、こうすると、さっき私も大臣に申し上げたように、韓国のほかの企業も、やはり賃金を上げなきゃいけない、こういうふうな雰囲気が醸成されて、いい方向に行った、善の循環に変わってきたということですね。これをやはりしっかりとやっていくべきだと思いますけれども、役所の方で、それについてのコメントはありますか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。 確かに、中小企業庁の部分について申し上げれば、御指摘のありましたとおり、うちは賃金補填などの最低賃金自体を引き上げることを目的とした支援策は用意しておりませんけれども、消費を喚起し、経済の好循環を実現するためには、賃金の引上げそのものは御指摘のとおり重要だということで、これも御紹介いただきましたけれども、中小企業が持続的な賃上げをできるよう生産性向上支援に取り組むということは引き続き大事だというふうに思ってございます。 量的に十分かどうかという議論がございましたけれども、引き続き、その充実に向けて努力をしてまいりたい、このように考えてございます。
○末松委員 だから、私も最低賃金のアップというものをずっと研究した結果、本当に、生産性向上という、建前は非常にいいし、いいんだけれども、本当の意味でやはり最低賃金を実質的にしっかりと上げていくということは、そんな生半可なことではできない。やはり、政府の支援、特にコロナの場合、今、中小企業、非常に息も絶え絶えのところが多い、業界によっては。ですから、そういったところから負担はさせられないので、だから、そこは政府が、国が代わって統一的にこれを進めて、強力に推進していくということが必要になると思うんですね。 そういった意味で、じゃ、ちょっと見方を変えまして、最低生計費という観点から見てみたいと思います。 資料の四をお開けいただきたいと思います。 これは、中沢教授という、静岡県立短期大学部の准教授なんですけれども、この方はずっと最低賃金の最低生活費がどのぐらいかというのを本当によく研究されていまして、そういった中で調べてみたら、ここには、人間らしく暮らすには最低賃金千五百円やっぱり必要ということを書かれていますけれども、この最低生活費のイメージなんですけれども、さいたま市、名古屋市、静岡市、都会部と地方というものも含めてここにモデルが書いてございます。 どんな最低生活というのを考えたかというと、大体、いわゆる冷蔵庫とか洗濯機とか、あるいは掃除機とか、そういう生活必需品は持つという中で、例えば、これに書いてあるように、映画など趣味は月に二、三回、大体五千円から六千円程度消費する。忘年会や歓送迎会は年に三、四回、一回が三千五百円から五千円。泊まりがけの旅行は年に一、二回、一回二万から三万。これは、我々、生きている上で、この程度は欲しいよねというのは当然あるわけです。 これで、大体、月にかかる最低生計費というのが、これは真ん中の表に書いていますけれども、さいたま市だと十九万八百二十四円、名古屋市は十七万九千三百八十三円、静岡市も十九万九千九百九十七円。 これを、今度は、ちょっとこの月百五十労働時間で割るということ、これは社会保険料と税金を加えた中で月百五十時間労働で割って、大体、さいたま市で千六百十三円、名古屋市で千五百十三円、静岡市で千六百四十四円、これが最低賃金になるべきだと。これは最低生活費から計算した答えで、例えば、実労働時間というのがあって、これが百六十四時間ですね。これが月にそれぐらい、百六十四時間というのが、実際の時間があるわけですけれども、これで割ってみても、大体、さいたま市で千四百七十五円、名古屋市で千三百八十三円、静岡市で千五百三円、このくらいは必要だよねというのが最低生活費から出てきているんですけれども。 当時の最低賃金というのが、これは二〇一七年ですから、八百四十五円、これがさいたま市、名古屋市が八百四十五円、静岡市が八百七円。本当に現実とかけ離れた最低賃金というものが決められている。 こういうことを見ると何が分かるかというと、本当に、最低生活費の費用とそれからこれに大きなギャップがあるということと、それから、地方と都会でそんなに最低生活費は変わらないねと。車とかを持てば維持費とかいろいろなものがありますから。こういうことがあるわけなんですね。だから、そういった最低生活費も考えていかなきゃいけないということでございます。 ここも省庁からちょっとコメントを求めようと思ったんですけれども、ちょっと先を急ぎます。 次に、最低賃金を引き上げた場合、よく言われるのが、最低賃金を引き上げたら、失業率というのが、失業がどんどん増えて、結局人が雇われなくなって、これはまずいぞ、こういうコメントがあるんですけれども、これは図の五を是非御覧いただきたいと思います。 最低賃金額ですね、これはどんどん上がっていっていますけれども、これに対して完全失業率というのが、これは線で示されておりますが、どんどん下がっている。だから、そういった意味で、日本では最低賃金を引き上げていっても、完全失業率がどんどん下がっていっている。ですから、最低賃金を上げれば失業率がどんどん上がるというのは、これはうそだということがこの表に表されているわけでございます。 特に、令和二年については、ちょっとだけ完全失業率が上がっているのは、これはコロナの不況によるせいだということでございますので、本当に、最低賃金額を上げても、別に完全失業率は上がらないということだと思います。 さらに、今度、どうやって最低賃金が決まっているかということでございますけれども、これは図の六を是非御覧いただきたいと思います。 これは、面白いのは、最低賃金の一番下の棒グラフなんですけれども、二〇〇六年までは、二〇〇四年が一円、五年が三円、六年が五円。ここから十円台に突入するんですね、上げ幅が。なぜかというと、これはどうも最低賃金よりも生活保護費の方が高いという話になって、これはちょっと本末転倒だろうということになりまして、そこで、二〇〇七年が十四円、八年が十六円、九年が十円、一〇年が十七円、一一年が七円、一二年が十二円、一三年が十五円、一四年が十六円、一五年が十八円。これは、最低賃金がとにかく生活保護費を上回らなきゃいけない、だから十円台になったんですね。 それから、これから面白いんですけれども、一六年から一九年が急に、一六年が二十五円、一七年二十五円、一八年が二十六円、一九年が二十七円。これは、安倍政権の方が三%賃金を上昇させるべきだということを、中央最低賃金審議会がそこの、大体労使とそれから公益委員という中立の立場の方が決定するわけですけれども、官邸のことをきちんと忖度したというふうに思えるわけですけれども、ここはすっと二十五円、大体三%ずつ上がっているわけですね。ということは、政治主導によってこれはきちんと上がりますねということを示しているということなんですね。 ですから、政府が本当にやるぞといってこれを頑張ってやれば、これは最低賃金審議会、労使、公益委員という方々であっても合意がすっと取れて、結局はそういった政治主導ができてきたというのがこの表に表されております。 もう一つだけ分かるのが、真ん中に格差というのが書いてあって、二〇〇二年ぐらいの格差が百四円、これは地域格差ですね。東京と、一番最低賃金が最低の県、この格差が百四円だったのが、二〇二〇年に格差が二百二十一円と約二倍強開いてきた。つまり、最低賃金の中でも東京とほかの地域の格差が開いてきた。 これはちょっと問題だなと思うわけでございますけれども、この格差が開いたことに対して、これは省庁の方、コメントいただけますか。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。 最低賃金法では、地域別最低賃金、各地域における労働者の賃金や生計費、企業の賃金支払い能力を考慮して、一定の地域ごとに決定することとされております。 最低賃金の地域格差につきましては、令和二年度は、最高額に対する最低額の比率が七八・二%となっており、六年連続、令和二年から六年遡って、六年連続では改善をしておりまして、また、金額の差も二年連続で縮小しております。 引き続き、地域間格差にも配慮しながら最低賃金の引上げを図ってまいりたいというふうに思っております。
○末松委員 今のコメントに対して、二〇〇二年から二〇二〇年で大体二倍に上がったというのは、これはもう統計が示す話なので、ここをやはり我々はきちんと見なきゃいけないと思います。 あとそれから、今、中小企業の賃金がなぜ上がらないのかということ、これは先ほど私も申し上げましたけれども、これは七ページ目を、資料を御覧ください。 ここで書いてあるのが、特にこれは中小企業等なんでしょうけれども、「製品の価格に労務費を転嫁できていない中小企業が多い。」、こういうふうに書いてあります。つまり、中小企業から見たら、さっき私が言ったように、なかなか価格を、本当は労務費がかかっているんだけれども、これを製品の価格に転嫁できないという、これは本来であれば転嫁すべき話なんですけれども、これができないという深刻な状況があるわけです。 二〇一八年度で、労務費の価格転嫁状況で、転嫁できなかったというのが大体半分から七割ぐらいまであって、一九年度も大体同じような数字が並んでいる。ここはちょっとゆゆしき事態じゃないかなというふうに感じているわけなんですけれども、ここは中小企業庁の方で、この分析は何かございますか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。 上がらない要因ということでいえば、るる御指摘もあるとおり、もとより中小企業は、現状、労働集約的であるところもあり、労働分配率が高止まりしているという意味では、やはり生産性を引き上げないことには賃金引上げの余力がない。 その生産性が上がらない理由、様々あるとは思いますが、その理由の一つとしては、御指摘をいただきました人件費や原材料費などの上昇分を取引先に価格転嫁できず、十分な付加価値を確保できないということが要因としてはあるということは、我々もそう思ってございます。 現状、下請いじめというような切り口からは、百二十名の下請Gメンの総動員であるとか、下請代金の支払い状況の取引実態調査、影響把握といったことに基づいて、下請法に基づく対応でございますとか、知財保護のガイドライン、約束手形の利用廃止に向けた自主行動計画等々、私どもとして、とにかくこれはやらなきゃいかぬということにつきましては一生懸命取り組ませていただいている、このような状況でございます。
○末松委員 御努力をされているところは私も知っているんですけれども、なかなかこれは古くて新しい問題でもあるんですね。これがやはり日本企業の大きな問題点になっているわけで、そこは、努力をされていることは認めますけれども、更に根本的にここをもっとやっていく、格差の解消ですね、ここを是非お願いしたいと思います。 あと、ちょっと先を急ぎますけれども、国際的には、最低賃金、大体全国一律のところが多いんですね。日本は、地域事情ということで幅があるわけです。今、七百九十二円から、平均で九百二円、東京がトップで千十三円、これだけの幅があるんですけれども、大体、同一労働同一賃金という原則から従ったら、これは格差があっちゃ困るわけですね。 そういった意味でいけば、大体、国際的に見たら、主要な五十一か国は全国一律でやっています。そして、最低賃金の地域別のところをやっているのは、日本を含めて九か国だけなんですね。 だから、そういった意味では、やはり世界の常識は全国一律だということだと思うし、今、先ほどの最低生計費を見ても分かるんですけれども、大体、都市とそれから地方の生活のかかるコスト、これがそんなには大きく変わらない。都市は、いろんな交通費が、地下鉄なんかも含めて便利である一方で車を持つ必要がない。地方はいろいろと、山間部含めていろんなところへやはり行かなきゃいけないので、車を持つ必要がある。車の維持費も大変だというところから始まって、いろいろなコストがかかるわけです。ですから、それを、今そういうことがあって、みんな大都市に流入していくという、非常に大都市偏重というふうになっているんですけれども、これはやはり、そういった傾向をやめさせて、今度は地方にUターンさせるぐらいのことをやっていかなきゃいけない。 そういった意味では、最低賃金を全国一律にするということ、これは極めて重要だと思いますけれども、これを役所の方ではどういうふうに考えられていますか。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。 まず、生計費の関係でございますけれども、生計費の地域差を考慮するための資料として、中央最低賃金審議会では、各都道府県の人事委員会が作成した標準生計費や生活保護基準に関する資料などを使っておりますけれども、このような資料を見ると、都道府県ごとの生計費には差があるというふうに認識をしております。 その前提で、全国一律最賃についての御質問でございますけれども、最低賃金法では、地域別最賃というのは、各地域における労働者の賃金、それから生計費、企業の賃金支払い能力、この三つを考慮して決定することとされてございまして、地域ごとの各種の指標の差を考慮せずに全国一律の最低賃金とすることは、中小企業を中心に人件費が増加することになるわけでございますので、経営が圧迫されて、かえって雇用が失われるおそれがあるので、慎重な検討が必要ではないかというふうに思っております。 ただ、先ほど申し上げましたように、最低賃金の地域間格差は縮小傾向にございまして、引き続き、地域間格差にも十分配慮しながら、最低賃金の引上げを図ってまいりたいというふうに考えております。
○末松委員 今の御答弁は、法律を遵守し実行する立場のお役所の方と、我々政治家、物事を決めていくという立場の人たちとの差を示しているんだろうと思うんですね。 やはり、これからは、そういった大都市集中をやめさせるとか、あるいは同一労働同一賃金というその原則を本当にどこまでやっていくかというところからいくと、私なんかは、将来的には今の最低賃金法とその仕組みを変えて、地方との差を認めずに逆に、逆回転をさせていくような、そういったことを我々は考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うわけですね。ですから、そこをしっかりとやらなきゃいけない。 さっきコメントありましたように、最低賃金は中小企業の負担になると。確かにそうなんですね。だからこそ、私が考えているのは、中小企業の負担だけにさせるんじゃなくて、やはり、スタートアップのエンジンを考えると、どうしても、しっかりとまずエンジンを働かせるという意味で、国が中小企業に代わって最低賃金を、そのアップ分を負担していく。 もちろん、その最低賃金のコストのアップ分、例えば百円だったら百円、それにプラス保険料、社会保険料も負担をしていくというぐらいの気合でもって国として統一的にやっていかないと、最低賃金というのはなかなかここは変わりません。 今、例えば千円に、今政府の方で最低賃金をやろうとしていますけれども、これは何年かかるかということなんですね。何年かかるか。これは本当にまたこれから数年かかって千円。皆さん、千円って、大体マグニチュード、分かりますか。この最低賃金千円で実際労働の時間を掛け合わせますと、大体年収で二百万円いかないんですよね。これから数年たって年収二百万円を最低賃金で確保するとしても、これじゃ遅い。 やはり、世界の方は我々よりももう何歩も先に行っていて、我々は一周遅れ、二周遅れになっているわけですけれども、そういったことをしっかりと、人間の最低生活を保障するという意味からも、これは早くやっていかなきゃいけないということになるんです。 ですから、そういった意味で、とにかく直接国家が負担をしていく。そうすると、中小企業に迷惑はかけない、そして、消費にどんどんそれが反映されてきて経済が好循環になっていく。やはり、賃金が上がっていけば、それはみんな消費をしますから。そういったことで消費が上がれば、物が売れ、サービスが売れて、在庫もはけて、企業の経営もよくなっていく。そうなると、経営がよくなっていくと、今度は賃金もまた上がっていく。善の循環に変えていかなきゃいけない、そういうふうに私の方は思っているわけでございます。 要は、最低賃金に対する支援というのを、これを社会保障という意味だけじゃなくて、今度は経済を回すためのエンジンにしていく、これが一番私は重要だと思っているわけでございます。 じゃ、そのレベルをどのくらいにするのですかと。今、政府の方で千円を達成したいということでございますけれども、先ほど申し上げたように、ちょっとスピードが遅過ぎる。私なんかは、先ほど資料にも載っていましたけれども、大体千五百円、最低賃金にしたら、どのくらいの年収になるかというと、年収で大体三百十三万円ぐらいです。これでもめちゃくちゃ多いという話ではないんですね。 だから、これを一挙に政府が、今九百二円のところを千五百円までというように一挙にはいかないけれども、労政審を経て、大体五、六年でこれを千五百円のレベルまで持っていくというのは、世界レベルで見ても私は重要なことだと思うし、これは必要だと思うわけでございます。 例えば、私個人的な見解ですけれども、その千五百円というのが一つの私はめどだと思っていますし、こういうふうに上がっていけば、本当に百円ずつぐらいこう上がっていって、これに対して国家が支援を直接していくということ、これも大企業にやる必要はありません。ですから、ちょっと厚労省の大企業の基準が、雇用として大体千人以上を大企業という、だから、千人以下、あるいは中小企業だったら三百人以下が中小企業庁レベルの中小企業という話になるわけですから、彼らに対して国がこの支援をしていく、直接支援をする。 そうすると、大体、中小企業レベルだと千二百万人、厚労省レベルだと千五百万人ぐらいの対象になるんでしょうけれども、そこを集中的に国の支援を行って、最低賃金を五、六年後には千五百円まで上げていって、さらに、上げたらすぐにはしごを外すんじゃなくて、さらに、そこから少し逓減させながらそれが維持できるような仕組みを取って、それを元々の中小企業の方にしっかり、元々こういうことをやるんだよということを宣言しながらやっていく、これは極めて重要だと思うわけですけれども。 こういった議論を聞いて、大臣のこの最低賃金に対する、どういうふうな今の議論の感想をお持ちかということをお聞きしたいと思います。
○麻生国務大臣 末松先生、冒頭に申し上げましたように、二〇一二年の十二月ですかね、に政権交代後、様々な施策というのを推進させていただいて、賃金の面でも、ささやかながら一%から二%の間ぐらいのところで徐々には成果が表れているんだと思いますが、しかし、先ほどの資料の一ページ目にありましたように、その賃金の上がり方は、欧米先進国に比べて伸びが低いという数字、これは事実でありますので、その中で、結果として今、加重平均等々を見ると韓国より低くなっているんじゃないのかというお話もこれは極めて重要なところなので、これを継続的に上昇させていくということが必要なんだと思うんですね。 今、千円という話がありますけれども、外国でいえば約十ドルということになりますけれども、最低賃金を十五ドルに上げたいということを今アメリカはやっておるんですけれども、なかなかそこまでは行っていないんですが、いずれにしても、昨年十二月に決定されました総合経済対策に盛り込まれた施策というのを、迅速にこれをやらせていただくとして、民間投資というのが出てこない、出てきて設備投資等々によって生産性が上がらないとなかなか賃金上昇につながっていかないということになりますので、生産性の向上を図った上で、いわゆる賃金上昇の意識、モメンタムというものを維持できる環境というものをつくり上げていかないとなかなかいかぬのだと思いますけれども。 それをやって、五年とか六年、どれくらいか、今、そこのところはなかなか企業によって難しいところだとは思いますけれども、このコロナの後、いろいろ企業も随分内容が変わってくると思うんですよね。そういった意味では、その内容によって企業間格差が出てくるでしょうし、産業間格差も出るということをもうある程度覚悟した上でこういったようなことをやっていかないと、全体としての意識が上がっていきませんし、それを賄えるだけの、人件費がアップした分を賄えるだけの、設備投資によってそれを補う、生産性を上げる、営業がもっと伸びる、いろんな理由でそれを賄うという決意で経営者もやっていかないと、なかなかこの問題は解決しないんだと思います。
○末松委員 国が統一して最低賃金を上げるんだというこの施策を是非掲げていただきたい、そこを強くお願い申し上げます。 この点について、私はこれからしつこく、ちょっと私のいろんな研究を含めた中でこれをまた追及していきますので、是非そこはよろしくお願いしたいと思います。 ちょっと残った時間で、税制について、インボイス制度について、議論を引き続きさせていただきたいと思います。 免税事業者の取引からの排除ということが、私は申し上げたと思うんですけれども、財務省の考え方としては、経過措置として、免税事業者からの仕入れについて、この制度導入から三年間は八〇%、その後の三年間は五〇%の控除を可能とすると。また、現行制度と同様に、小売業者等について、販売先の氏名、名称の記載を不要とするというふうな考え方に立っていると思うわけですけれども、こういう経過措置のあることは知っているんですが、やはり課税仕入れ業者、つまり購入者は、そのような複雑な経過措置を受け入れるのかなと私は疑問なんですね。やはり、この経過措置を適用するには、例えばこのような仕分が必要になるんです。 例えば、まず、インボイスがない取引、これは免税事業者からの仕入れであることを把握する、二番目に、免税事業者の取引を取りまとめる、三番目に、この中から軽減税率と標準税率の仕入れを分けて、その八〇%を課税仕入れする。こんな複雑なことを一々やらなきゃいけないということであれば、じゃあもう免税事業者との取引は全てなくして、免税事業者には、このインボイス発行時の業者、つまり課税事業者を選択するよと言うことになるだろうと思うんですね。 これはデータでも確認されていまして、日本商工会議所の昨年十月のアンケート結果に、免税事業者との取引はしないと回答した率が一七%あったんですね。更にいろんな仕組みが分かってくれば、どんどんこれが増えてくる。そうなると、やはり実質的に免税業者が取引から排除されるということになるわけです。 また、例えば個人タクシーの事業者、これはほとんど現在、今、免税事業者なんですね。この中に課税事業者を選択した者とそうでない者が混在することになるんだけれども、そうすると、企業にとって、個人タクシーは利用するな、こういうふうなお達しが出るということも十分考えられるわけですね。 また、創業間もない会社、ベンチャーなんかも、大体はほとんどが免税業者に最初はなっているわけですから、こういった全てがBツーBの取引をしようと思えば、課税事業者を選択するというような取引になってしまう。これもだから排除されるだろう。ですから、こういう、排除されないようなことをやはりしっかりと考えていかないといけない。 だから、例えば、仮に万が一、百歩譲ってインボイス制度を導入するということであれば、基準年度は廃止して、全ての事業者を課税事業者として、申告時に年間売上げ一千万円以下の事業者には徴税コスト分の納税を差し引くとか、こういった制度も検討に値するんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 この経過措置、免税事業者からの仕入れについて一定割合の控除を認めるという六年間の経過措置の内容については御指摘のとおりでございまして、その際、本則課税の事業者が、仕入れについて、免税事業者からの仕入れと課税事業者からの仕入れを区分する必要があるという点も委員のおっしゃるとおりでございます。 他方で、先日もちょっと触れましたけれども、仕入れについてきちんと管理を行わなければいけないのは本則課税の場合でございまして、売上高が五千万円以下の小規模な事業者の場合、簡易課税の選択が可能でございますので、簡易課税制度の下では、仕入れについて区分経理を行わなくても、売上げの方だけ記帳していただければ申告が可能であるということでございます。 また、本則課税の方の場合につきましては、確かに、その事務負担をどうやって軽減していくかというところは重要な問題でございます。 この点について、会計ソフトの方の動向についてもいろいろと情報収集などを行っておりますが、比較的小規模な企業の場合はパッケージソフトでありますとかクラウド会計サービスなどの利用をされているケースが多いかと思いますけれども、こういったソフトウェアにおいては、このインボイス制度の施行に対応して課税事業者と免税事業者からの仕入れについて比較的容易に入力できるようなソフトウェアのアップデートを行う、そういった予定もあるように聞いております。こういった記帳環境の近代化といったようなことも併せて取り組んでいく必要があろうかというふうに考えております。 また、全ての方に課税事業者になっていただくということはどうかということで、確かに、いろいろな問題が生じてきますのは消費税制度の中に免税点があるということが原因でございますので、その核心をついた御指摘かなというふうには受け止めておりますが、他方で、今、免税事業者の方の中でもBツーCの取引が過半である、ほとんどであるといった方もかなりいらっしゃるわけでございますし、また、BツーBの取引をされている方も取引の状況によっては課税選択などをする必要もないという方も現状ではいらっしゃるのだろうというふうに思いますので、全ての方に課税事業者としてその申告をすることを求めるということについては一定程度慎重な検討が必要ではないかなと思っております。 一方、課税選択をされた場合の事務負担については簡易課税が適用可能であるということで、ここは先日申し上げたとおりでございます。
○末松委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、今コロナでこういったインボイス制度の説明もできる機会がないんじゃないかということで、そこでもっていろいろな検証をやらなきゃいけないというのが、来年十月までにやらなければいけないということなので、本当にちょっとコロナの状況を考えたら、この検討時期も、そこの準備に対する検証も引き延ばさざるを得ないんじゃないかと思いますので、そういうことを最後に指摘申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○越智委員長 次に、日吉雄太君。
○日吉委員 立憲民主党・無所属の日吉雄太です。 所得税法等の一部改正案について質問をさせていただきます。 まず初めに、子供食堂をめぐる税務処理についてお伺いいたします。 地域住民や自治体が主体となって無料又は低価格帯で子供たちに食事を提供するコミュニティーの場として、子供食堂が全国に広がっています。子供食堂は、単に子供たちの食事の提供の場としてだけではなく、帰りが遅い会社員、家事をする時間のない家族などが集まって食事を取ることも可能で、地域住民のコミュニケーションの場としても機能しています。 そのような中、コンビニ大手が余剰品を子供食堂に寄附する取組が始まっています。また、子供食堂の運営自体に乗り出すコンビニ大手もあらわれています。 そこで、質問です。 子供食堂に対して食材等の現物を寄附した場合、税務上、寄附金と扱われるのでしょうか、それとも、単純に損金に算入できる経費として扱われるのでしょうか。お答えください。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 一般論として申し上げますと、法人が食材等を無償で提供した場合、法人税法上、その提供に要した費用は、寄附金として一定の損金算入限度額の範囲内で損金算入されるということになります。 一方で、食材等を無償で提供する場合でありましても、実質的に法人の食品廃棄として行われるようなものにつきましては、寄附金以外の費用として損金算入できるものとして取り扱ってございます。 それから、今般の新型コロナウイルス感染症に関連して、法人が不特定又は多数の方々に対して緊急かつ感染症の流行が収束するまでの期間において行う自社製品等の提供については、災害時と同様に、寄附金以外の費用として損金算入できるものとして取り扱っているところでございます。 したがいまして、法人が子供食堂に食材を無償で提供する場合でございましても、ただいま申し上げましたとおり、実質的に食材等の企業の食品廃棄として行われるようなものである場合や、新型コロナウイルス感染症に関連して、不特定又は多数の方々に対して緊急かつ感染症の流行が収束するまでの期間において行われるものでございますれば、寄附金以外の費用として損金算入することができるということでございます。
○日吉委員 どうもありがとうございました。フードバンクへの食材の拠出と同じような取扱いとなると理解いたしました。 もう一点、確認させていただきます。 コンビニ大手の子供食堂への進出には賛否ありますが、困窮する子供が救われるという意味では、子供食堂の存在意義は高く、経営主体が誰であろうとそこは構わないと思います。ただ、現状、コンビニ大手なりが運営する子供食堂の赤字が、もしも、事業関連性がない赤字として損金算入が認められなくなるのではないか、こんな議論もありますので、状況を明確にしたいと思いますので、民間営利法人が子供食堂を運営することにより発生した赤字は損金算入することができるかどうか、明確にお答えください。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 一般論でございますけれども、法人税においては、例えば、法人が本業のほかに別の事業を行い、本業に係る損益は黒字、別の事業が赤字になった場合であっても、法人税法上、所得金額の計算は法人の事業全体で計算することとなりますので、本業の黒字と別の事業の赤字、これは通算されることになります。
○日吉委員 ありがとうございました。 新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、子供食堂の運営にも様々な支障が出ております。このような困窮時におきまして、子供食堂の必要性は更に高まっていると言えるでしょう。今後、子供食堂が拡大していくことを踏まえると、様々な子供食堂の活動を支えるための法整備などをお願いしたいということを申し上げさせていただきます。 次に、企業が従業員等に対して支給する新型コロナウイルス感染症の予防のための支出について、助成金等を支払った場合の税務上の取扱いについてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症で様々な予防が行われているわけですけれども、企業が従業員に対して助成金というような形で支出を行ったとき、企業と従業員のそれぞれの税務上の取扱いについて御説明ください。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 一般論でございますけれども、従業員が新型コロナウイルス感染症の予防のために支払った費用を法人が負担した場合には、その従業員が支払った費用が、法人の業務遂行上必要なものであり、従業員が支出した金額の範囲内で法人が負担しているのであれば、その負担した金額は、法人税法の所得金額の計算上、損金の額に算入され、その従業員に対しても所得税は課税されません。 一方で、新型コロナウイルス感染症の予防のための費用でございましても、従業員の個人的な費用を法人が負担した場合、あるいは実際に要した費用にかかわらず一律に定額が支給される場合、こうした場合におきましては、法人から従業員への給与として取り扱われ、その従業員は給与所得として所得税が課税されるということでございます。この場合でございましても、従業員の給与に該当する場合でございますが、この場合であっても、その給与の額は、法人税法の所得金額の計算上、損金の額に算入されるということになります。
○日吉委員 どうもありがとうございました。 業務に関するものは経費として企業は損金算入し、従業員は実費を受け取るということになりまして、業務に関係ないものは給与として企業は損金算入し、従業員の方は給与所得として課税が、所得税の課税対象となる、このように理解をいたしました。 これはちょっと通告していないんですけれども、もしお分かりになったら教えていただきたいんですが、企業の取引先に同様な支出を行った場合というのは、交際費に該当するんでしょうか、しないんでしょうか。もしお分かりになったら教えてください。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 ただいま申し上げたことと同様でございますが、業務必要上のものとして支出したということでございますれば、費用として計上できるというふうになると思います。
○日吉委員 その場合、やはり交際費になるんでしょうかね。福利厚生費とか、何かほかの科目になりますか。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 形態にもよると思うんですけれども、交際費になる場合もあると思います。
○日吉委員 済みません、通告していなくて申し訳ございませんでした。ありがとうございました。 もう一つ、コロナに関係して質問させていただきます。 コロナが完全に収束した際には、今ではなくて完全に収束した際には、飲食店等への支援の一つの方策として、交際費の損金算入制限を撤廃することも考えられるんじゃないかなというふうに考えております。 感染収束が中途半端な状況で行ってしまうと再び感染を拡大させてしまう可能性がありますが、そこは極めて慎重に行動しなければなりませんけれども、企業の交際費支出を後押しして外食産業等を支援する手段として、交際費の損金算入制限を撤廃するということが考えられますが、どのようにお考えでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 交際費につきましては、これまで、冗費の抑制等の目的で原則として課税を行うこととしている一方で、その特例といたしまして、中小企業につきましては八百万円まで一〇〇%損金算入できる、また、大企業も含めまして、飲食費については五〇%までの損金算入を認めるといったことで、一定の損金算入を認める改正を累次行ってきているところでございます。 他方、交際費の損金算入制限の撤廃という御指摘でございますが、この点につきましては、大多数の中小企業が先ほど申し上げました損金算入の枠を使い切れていない状況であること、また、交際費の損金算入の拡充によりまして裨益されるのは主に大企業となりますことなどを踏まえまして、交際費課税が企業の交際費支出の判断に及ぼす影響がどの程度かといったようなことですとか、財政的な影響なども含めまして、慎重に検討する必要があると考えております。
○日吉委員 ありがとうございました。 今現在、何か検討をされているということはあるんでしょうか。今後する、しない、もう一度お願いいたします。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 昨年の、令和二年度の税制改正におきまして、大企業向けの交際費課税については、一部、むしろ適正化を行ったという段階でございます。 足下の状況は御指摘のようなコロナ禍の状況でございますので、特段、そういった交際費課税の緩和といった議論あるいは検討を行っているという状況ではございません。
○日吉委員 分かりました。もし御検討をしていただければ、していただきたいなと申し上げさせていただきます。 次に、先日の衆議院本会議におきまして、確定申告につきまして、全ての人に確定申告を義務づけてはいかがかという提案をさせていただきました。その理由として、私から四点申し上げさせていただいております。 簡単に繰り返させていただきますが、第一に、全ての人が税に向き合うことは、民主主義が成熟するためには極めて重要だからという理由です。二つ目が、税の公平性を確保する必要があります。これは、個人事業主と給与所得者との公平性という観点です。第三に、個人が尊重される社会に対応する必要があるから。四点目としては、生活困窮者の実情を把握することができる。こういった必要性があるのではないかなという意味で、全ての人に確定申告を義務づけることを提案させていただきました。 これに対して菅総理からは、申告に伴う納税者の負担事務を考え、慎重な検討の必要がある、このような答弁をいただきました。 ここで質問です。 納税者の事務負担、これは具体的にどういったことを想定されての御答弁だったのでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 まず、委員御指摘の四つの御趣旨につきましては、これは重要な御趣旨であると思いますし、問題は、その手段として全員に確定申告を義務づけることが適当なのかどうかということが議論になっているという前提で申し上げますが、現在、多数の給与所得者の方々については、源泉徴収と年末調整でもって課税関係が完了いたしまして、確定申告の必要がないということになっておりますが、これは、年末調整の際に、生命保険料控除でありますとか住宅ローン控除など、あるいは各種の人的控除の精算などといったことが行われているからということでございます。 仮に、年末調整を廃止して給与所得者の方々に全員確定申告を義務づけるといったことをいたしますと、これらの控除の適用でありますとか各種控除の精算といったような作業を、納税者自らがその計算をされた上で確定申告を一からやっていただくということになりますので、その意味で、納税者の方々の手続が煩雑化し事務負担が増えるということを申し上げたものでございます。 また、事務負担のほかに申し上げますと、年末調整を行うことによりまして、多くの給与所得者の方は、十二月の時点で各種の控除の適用による所得税額の還付あるいは減少といったようなことで恩恵を受けることができるわけでございますが、確定申告となりますと、一月の下旬ぐらいに源泉徴収票がやってきて、それから申告の時期に入るということになりますので、やはり、還付なり控除の恩恵を受けられる時期が後ろにずれてしまうといったような問題もあるわけでございます。 また、元々納税義務のない方といたしまして、一定以下の年金収入のみの方ですとか住民税の非課税世帯の方などが想定されますが、こういった全ての方に税額が発生しない中で確定申告の作業を行っていただくということは、これは一から負担が増えるということになりますし、現在、税制上、そういったことを求める理由が必ずしもございませんので、そういった中で、この負担を求めることについて御理解が得られるかどうかという問題もあろうかというふうに考えております。
○日吉委員 幾つか、今、事務負担の話、まあ二つですかね。二つ目におっしゃられた還付の時期が後ろに延びるというのは、これは事務負担というよりも利便性が後退するというような、そういった形かなと思うんですけれども。 一つは、確定申告自体を個々人でやらなければいけないので、控除の計算をすることになるということ。もう一つ言われたのが、済みません、ちょっとすぐ出てこなくなっちゃいましたけれども。 二つ言われましたということなんですけれども、それ以上に、企業の方の、確定申告を、しなくてもよくなるといった逆のメリットもあるんじゃないのかなというふうに思うんです。そのメリット。 それと、今まで納税をしていなかった方が申告をするようになると、ゼロからやらなければいけないということなんですけれども、そこはやはり、それほど複雑な計算をするとか複雑な手続が必要ではないのではないかなということを踏まえると、そんなに事務負担が増えるような話ではないのかなと思いますし、電子申告を使うことによってより簡便的に申告もできると思いますし、また、その申告の仕組み自体ももう少し簡便にしていくということも考えられるかなというふうに思います。 このように、もちろん、個々人の方の負担というのは多少上がるかもしれませんけれども、それ以上に、企業の負担が減るとか、こういった効果もあろうかと思います。 ですので、質問です。 確定申告を個々人が全てやるということになったときに、企業においての効用、効果、軽減効果とか、こういったものがどういったことが考えられるか、お答えください。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 企業ということで、源泉徴収の事務を行っていただいている事業者の側の負担ということでございますが、仮に、全員に確定申告を義務化して、企業による源泉徴収ですとか年末調整の事務を一切行わないということでありますれば、その分、企業の負担が減少するということは事実でございます。 他方で、確定申告の際に、それぞれの方の給与の支払い情報について税務署も把握する必要がございますし、申告する側も、現在、源泉徴収票という形で証明する書類を添付しているわけですが、これに代わるような何らかの給与の支払い額を証明する書類を企業から従業員の方に交付していただく、あるいは同時に税務署の方に提出していただくということは依然として必要でございますので、そういった意味での事務負担は残るということでございます。 コストの面について、先ほどちょっと時間の関係もあってはしょりましたが、現在納税義務のない方も含めて全員申告ということになりますと、現在、確定申告していただいている方々の人数が年間で二千二百万人程度ということでございますが、それに対しまして、何らかの形で働いて収入を得ている方の数が約六千七百万人、約三倍になります。また、働いて得る収入でなくても、資産性の収入、例えば家賃収入ですとかいろいろなものがございますが、そういった方々もかなりいらっしゃるということを加味いたしますと、相当程度、この申告件数というのは爆発的に増えるということになりますので、こういった方々に、それぞれ軽重はいろいろあると思いますけれども、事務負担が生ずるということと、適正な申告であるということを確認するために作業が必要になってまいりますので、そのための体制整備ですとか、費用もかかるといった面もあるということは御理解いただきたいと思います。
○日吉委員 確かに、数は非常に増えるとは思います。しかし、今おっしゃっていただいたように、負担の軽い重いというのがあるわけで、相当な、許容範囲を超えるような負担にはならないんじゃないのかなという思いがあります。 それと、あと、企業の方に負担も、給与支払い額について従業員そして税務署の方に提出しなければいけない、支払い額のそういう情報を提出する手続は残るとおっしゃっていましたけれども、それは、これまでどおりやっていた中でほかのものが簡略化されているので、それほど大変なことにはならないんじゃないのかなということも思いますので、できない話ではないのかなというふうに思っております。 それと、各人の所得を把握できることにも、全ての人の状況が把握できることになって、それ以外の効果として、給付つき税額控除、こういった制度を行うにもつながっていくのかなというふうに思っておりますので、どうか全ての人に確定申告を行うということについて御検討をいただきたいな、こういうふうに考えます。 最後に、麻生大臣、これについてコメントをいただけないでしょうか。
○麻生国務大臣 今、住澤という主税局の方から御説明をさせましたように、所得税というのを確定申告していただくことで税額を精算、確定するという制度となっているんですが、御存じのように、給与等は、納税者の手続を簡便にするというような観点から、いわゆる源泉徴収というのをさせていただいた上で、年末調整によって課税関係が終了する仕組みが設けられている、もうこれは御存じのとおりなんですが。 今先生おっしゃるように、全ての人に確定申告を義務づけるということを言っておられるんだと思うんですが、これは、既に納税している方は、源泉徴収は別に確定申告という話ですけれども、納税をしておられないという方も何千万とおられますので、そういった多くの、低所得者というんですかね、多数の低額の給与所得者、これは一から申告していただくという必要が出てくるんだと思いますので、これをやろうと思うと、これはとても、まず納税を担当しています職員の数を膨大に増やしていただかなきゃいかぬことになりますし、社会的な費用は極めて大きいということになると思います。 したがって、申告に伴う納税者の事務負担というのも考えなきゃいけませんし、そういった意味では、両方に、いろいろな意味での、納税者意識という点を差し引きましても、事務負担等々に関しましてはかなりのものが増えるだろうと思いますので、これはちょっと慎重に検討をさせていただかぬと、そんな簡単にできる話とは思えません。
○日吉委員 確かに事務負担が増える面はありますけれども、一方で事務負担が社会全体で減る面もありますし、最初に申し上げたように、四つの目的、これを果たすという意味でも意義のあることなのかなというふうに考えております。 確かに、慎重な検討というのは必要だと思います。公平な税制をつくっていくという意味、そして、個々人が確定申告をするに当たって、そのインセンティブがあるような仕組みにもしていく必要があるのかなというふうに思います。そういったことをクリアしながら、御検討をいただけたらなということを申し上げさせていただきます。 引き続きまして、今の確定申告の話にも少し関わるんですけれども、給付つき税額控除について、これを行う場合の課題、どういったことがあるのか、教えてください。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 給付つき税額控除と呼ばれているもの、これは、いわゆる給付つき税額控除と呼んでおりますが、諸外国では様々なものがございまして、中には、税とは関係なく、単に給付をする制度というのもこの給付つき税額控除と呼ばれているものの中には含まれてございます。 そういったものも含めてですが、諸外国のいわゆる給付つき税額控除の中には、やはり低所得者に対する給付でありますとか、あるいは子育て世帯への支援を目的としたもの、こういったものが主でございまして、どちらかというと社会保障施策であるとか子育て支援とかのための制度という性格を持っているものが多うございます。 そういう意味で、その導入について検討するということでございますれば、我が国の生活保護でありますとか児童手当など、これに相当する制度が既に存在をしておりますので、こういった同様の政策目的を持つ現行制度との関係というのを十分に整理することが前提になろうかというふうに考えてございます。 その上で、仮にその給付つき税額控除を導入するという場合の課題といたしましては、諸外国と同様、この給付つき税額控除の支給要件として、所得や資産の把握をどうするか。諸外国におきましては、金融所得も含めた所得を所得要件を課す際に使用している例が多うございますし、あるいは、資産についても要件として加味しているケースもございます。 また、そういったものをやっていく上で、行政の執行可能性やコストといった問題、これは先ほどの確定申告に伴う議論でも出てまいりました。例えば、我が国の場合、e―Taxというお話もございましたが、自宅などからe―Taxを利用して申告されている方はまだ三割程度という現状でございますので、そういったコストの面も加味する必要があろうかと思います。 また、アメリカなどの例を見ますと、この給付つき税額控除の申告の四分の一程度が不正受給であったり、あるいは過誤受給であるといったようなデータもあったりいたしますので、適法性のある支給をどうやって確保するか、こういった課題があろうかと思いますので、慎重な検討が必要であると考えております。
○日吉委員 最後に、不正受給ということがありますという、それも一つの検討項目になるのかなと思いますけれども、最初に、所得の把握をすることが課題でありますという話がありました。それは、先ほどの、全ての人に確定申告を行うことによって、ここは一つクリアされる方法にはなるのかなということを申し上げさせていただきたいと思います。 それで、実際問題として、海外でこの給付つき税額控除というのは実施できていますけれども、日本で実施するに当たって、今幾つか課題をおっしゃられましたけれども、これは政策判断としてやっていくことであればもちろんできる話なのかなと思うんですけれども、そこにかかるコストがどれだけ膨大で、現実的ではないのか、それとも判断としてやればできるものなのかどうなのか、ここの辺りのさじ加減というか感覚を、ちょっと通告していないんですけれども、教えていただけないでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 全員に確定申告を義務づければ所得の把握の点ではクリアできるのではないかという御指摘でございましたが、先ほどもちょっと触れましたように、申告をしていただくだけでは不十分でございまして、その申告が正しい申告であるということを、税務当局なり、この給付つき税額控除の制度を運営する当局が確認できることが大事でございまして、そのためには、その裏づけとして、給与所得者の場合は、給与の支払いを行った方から税務当局に給与の支払い額の情報を、今であれば源泉徴収票の形でいただいておりますが、そういったものをいただく必要がありますし、事業所得者の方についても、その所得を把握するために様々な手だてを講ずる必要がある、こういったようなことになるわけでございます。 また、外国の例ですと、やはり資産性の所得についてもきちんと把握をした上で、これを所得基準に加えるという制度になっているところがありますけれども、こういったことを行うためには、現在、日本では源泉分離課税ということになっておりまして、何の情報も税務当局には入ってこない利子所得などについてもどうやって把握するのかという課題がございますし、また、配当所得についても、一部、少額のものなどについては資料情報も入ってこないという状況になっておりますので、こういった点についても、マイナンバーは導入されておりますが、マイナンバーを活用してもなお、こういった資料情報がなければナンバーを用いた名寄せもできないということでございますので、その辺の課題があるということでございます。 また、課税最低限以下の方々について、今、国税当局においては当然情報を把握していないわけですから、この方々の申告について確認する手だてをどうやっていくか。先ほど、アメリカの例で、支給額の四分の一が不正受給だったり過誤受給だったりということが起きているということでございますが、これは、アメリカのように、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーを使いまして様々な所得のチェックを行っている国でもなおこういった問題が起きるわけでございますので、これから一から全員に申告をしていただくといったような制度を入れた場合に、適正な申告をしていただくために、確認する作業まで含めてやっていくということになりますと、やはり社会的なコストというのは膨大になってくるというふうに考えております。
○日吉委員 確かに、全員確認するとなると相当な事務作業になるとは思いますけれども、今も確定申告というのは、その申告した人の申告を前提として納税をし還付も行っているということで、それを全てやはりチェックされていないんじゃないのかなというような思いがあるんですけれども、そんな中で、決してできないことではないのかなというふうに理解をいたしました。 もう一つ、金融所得課税の総合課税化ということについて質問をさせていただきます。 一億円を超えると所得が増えるほど所得税負担率が低下するという仕組みは異常ですということを先日の本会議でも申し上げさせていただきました。コロナ禍により貧富の格差の問題がより深刻化している状況にあって、今こそ所得再分配機能を回復させる税制の抜本的な改革が必要ではないか、このようにお話をさせていただきました。 しかしながら、この総合課税化というのが実現していないんですけれども、その理由、課題、この辺りを教えてください。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 上場株式の譲渡益でありますとか配当等の課税方式につきましては、金融所得課税の一体化という取組を平成十五年度以来進めてきておりまして、現在では原則一律二〇%の分離課税の対象となっており、総合課税にはなってございません。 これによりまして、税制が金融市場にゆがみを与えにくいほか、ほかの所得の状況を踏まえて、税制の税負担の軽減を目的として、意図的に金融取引のタイミングを調整して、いわばタイミングを選んで損出しをするといったような行為を抑制することもできるということでございます。 さらに、総合課税でございますれば納税者が申告手続を行う必要があるわけでございますが、現在の分離課税の下では、特定口座制度によりまして、納税者自身は申告を行わなくても、源泉徴収等によりまして完結する簡便な仕組みになっているわけでございます。 こういった中で、この金融所得課税の在り方につきましては、令和三年度の与党税制改正大綱におきましても、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、諸外国の制度や市場への影響等も踏まえつつ、総合的に検討するということになってございますので、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○日吉委員 引き続き検討ということですが、麻生大臣、コメントをいただけますか。
○麻生国務大臣 今、住澤の方から御答弁をさせていただきましたとおり、この話は、金融所得課税というもの、総合課税に対する、現時点はいろいろ申し上げたとおりなんですが、今、この制度については、一〇%だったものを二〇%に上げたんですかね、たしかあのとき。金融分離課税として倍にさせていただいたんだと思うんですが、それが今いろいろ御検討いただいているところなんだと思いますので。 たしか、与党の税制調査会の中で、令和三年度の中で、この問題については検討すべきということになっておりますので、私どもとしては、この大綱で示されておりますので、公平性というものを確保するという観点から、これは諸外国もよく見ておきませんと、簡単に移動しますので。そういった意味では、市場への影響等々を踏まえつつ、これは総合的に検討をさせていただきたいと思っております。
○日吉委員 是非、御検討をお願いいたします。 続きまして、消費税についてお伺いをいたします。どうも私、ずっと分からないことがありまして、それについて今日はお伺いしたいと思います。 消費税は社会保障関係費に使うということが消費税法にも明記されております。日本の国民の皆様、消費税は社会保障に使うということは御理解されていると思います。 しかし、どうもお金というのは、集まって、それをどこに使っているのかというのはなかなか分からないものかな、お金に色はないというようなことが言われる中で、どうして消費税は社会保障費に使われているのかというところを御説明いただきたいと思いますが、その前提として、まず一つ目の質問なんですけれども、消費税収入、これは、入金口座が、消費税の収入が入ってくる政府の口座があって、それは特別に何か分離されて、ほかの税収とは分離されているような、こういうことが行われているのでしょうか。教えてください。
○伊藤副大臣 お答えいたします。 日本の国庫制度におきましては、会計法第三十四条及び日本銀行法の第三十五条の規定に基づきまして、あらゆる種類の国庫金を日本銀行に集中してその出納事務を取り扱わせることとし、日本銀行を最終的かつ総括的な現金出納機関とすることによって、国庫金の効率的、統一的な運用を図っております。 そうした観点から、国は、日本銀行に保有する政府預金において租税を含む国庫金の受け払いを行っているところでございまして、税目別に口座は区分されておらず、消費税収入の入金口座は他の税収とは区分はされておりません。
○日吉委員 ありがとうございます。 今お話しの中で、日本銀行の政府が持っている口座の中に消費税収入も所得税収入も他の税収も一緒に入ってくるということで、消費税収入だけが区分されているわけではないということでした。 それで、二つ目の質問なんですけれども、では、消費税収入がどの社会保障支出に支出されているのか。社会保障関係経費、幾つかありますけれども、そのどこに幾ら消費税の税収が支出されているのか、これというのは明確に把握されているのでしょうか。
○角田政府参考人 お答え申し上げます。 消費税法の第一条第二項については議員御案内のとおりでございまして、これを受けまして、予算の方におきましても、毎年、予算総則におきまして、消費税収の使途となります社会保障の各経費を総則の方に限定列挙いたしておるところでございます。 そこで、論点でございますけれども、施策ごとに消費税収を幾ら充てているかまでを定めているわけではございませんけれども、令和三年度の予算案で申しますと、ただいまの四経費が三十一兆八千億程度でございますのに対しまして、国分の消費税収のうち地方交付税の財源になる分を除きますと十六兆三千億ほどでございますので、国分の税収が社会保障以外に充てられているという状況にはございません。
○日吉委員 社会保障の支出の金額の方が大きいから、その中の範囲内に消費税収入が収まっています、全額社会保障に充てられています、こういう御説明だったと思うんですけれども、そうすると、今のお話ですと、三十一兆のうち十六兆充てられていますけれども、残りの十五兆については、どの税収が社会保障関係経費に支出されているか、それは把握されているのでしょうか。
○角田政府参考人 お答え申し上げます。 消費税収で賄い切れていない四経費につきまして、どの税目からの税収を幾ら充てているというふうに定めているわけではございませんけれども、消費税以外の税収、税外収入あるいは特例公債の公債金収入といった一般財源によりまして賄っているところでございます。
○日吉委員 そうしますと、消費税で賄い切れなかった部分についてどの税収で賄っているのかというのは、区別はされていないけれども、何らかの税収で賄っています、こういう御説明だったと思います。 そうしたら、例えば、所得税収が社会保障関係経費に充てられているんですけれども、それ以外にほかの税収が社会保障関係経費に充てられて、実は消費税が余ってしまっているというようなことはないということは、どうやって把握されているんでしょうかね。質問の意味、分かりましたでしょうか。よろしくお願いします。
○角田政府参考人 法律に決められているとおり、まず消費税収を充てているわけで、その残りの部分については、一般会計全体で使える一般財源がございますので、それは特例債も含めてですけれども、それが充たっていることになっているという御説明をさせていただいているところでございます。
○日吉委員 充たっていることになっているというお話ですけれども。 そうしたら、もう一つ質問です。 消費税収入が社会保障関係経費を超過する場合、消費が増えて消費税収入が増えました、そうした場合、社会保障関係費に支出しても超過して余っている場合、この余っているものというのは社会保障関係経費以外に支出するんでしょうか。今の法律だとどうなっているんでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど主計局からも御答弁申し上げましたとおり、消費税法第一条第二項におきましては、消費税収につきまして、地方交付税分を除いてでございますが、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策、いわゆる社会保障四経費に充てるということが定められておりますので、御指摘のように、この社会保障四経費を上回って消費税収が生ずる、逆に言うと、消費税収に余りが生ずるというような事態は想定をされていないということでございます。 つまり、消費税収を他の経費に使うことはできないというのが、この消費税法第一条第二項の趣旨でございます。
○日吉委員 分かりました。 そういうことであれば、消費税収入はこの四経費以外に使うことができませんということなので、もし仮に余ってしまった場合、今の法律であれば、それは使えないので必然的に繰り越される、こういうことになるということでよろしいですか。
○角田政府参考人 その四経費以外に使えないということでございますので、これだけギャップがある中で、余り仮定の話にお答えするのはどうかとは思いますけれども、仮にオーバーフローみたいなことがあれば、それは剰余金という形になるんだろうと思います。それはそれでまた、四経費以外には使えないものとしての性質は引き継がれていくということだと思います。
○日吉委員 分かりました。じゃ、そこは、今の状況ですと使えないということで、確認ですけれども、剰余金ということに必ずなるということと理解いたしました。 大臣、念のため、そのような処理でよろしいでしょうか、確認させてください。
○麻生国務大臣 基本的に、今申し上げたとおりなんですけれども、消費税収につきましては、現行の消費税法の第一条の第二項において、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費、いわゆる社会保障四経費ですけれども、に充てるということとされておりますのは御存じのとおりです。 したがいまして、施策ごとに消費税を幾ら充てるかということを定めているわけではありませんが、令和三年度の予算案におきましては、国の社会保障の四経費につきましては三十一兆八千億に対して、地方交付税というものを除きました国の消費税収というのは十六兆三千億になっておりますので、国の消費税収が社会保障というものに全て充てられているということでありまして、それ以外に充てられている、これは余裕から見ても、ないということになろうと存じます。
○日吉委員 今ちょっと私の質問とは違うことについてお答えいただいたように思われるんですけれども、私の質問は、今、消費税収入が劇的に伸びて社会保障関係経費を上回った、余剰金が発生したときに、その余剰金はほかの経費に流用しないで剰余金として繰り越していくことになる、これでよろしいですね。
○麻生国務大臣 誠にうまい話が、そういううまい話があればよろしいんだと思いますけれども、はい、そういうことになります。
○日吉委員 ありがとうございます。そういうことなので、社会保障経費としての税収だというお話だったと思います。 ただ、どうも、やはり口座が分かれているわけでもなく、そして、どこに使っているかという細かい使途というのが分からない中において、要は、机の上で、まあそう使っていますねというような感じがしてならなくて、冒頭にも申し上げましたが、実際にはお金に色はない中で、どうして社会保障関係経費に使っているのかなというのがよく分からなかったんですね。 社会保障関係経費が増大していく中で税収全体を伸ばしていかなければならない、そのための手段として消費税で税収を増やしていきましょうということは、これなら筋は通っているのかなと思うんですけれども、税収全体で社会保障関係経費の負担に対応しているわけですから、消費税は社会保障関係経費にも貢献はしていますけれども、それ以外にも、支出にも間接的に貢献しているのではないかなと。 別の言い方をすれば、社会保障関係経費を支えているのは別に消費税だけではないということだと思いますので、消費税がなければ社会保障制度が破綻するという言い方は少しおかしくて、税収や国債収入も含めて、そういった歳入がしっかり確保できなければ社会保障制度が不安定になる、こういう言い方が本来の表現の仕方ではないのかなということを申し上げさせていただきます。 次に、国債について、もう一度お伺いさせていただきたいと思います。 くどくて申し訳ないんですけれども、先進国の自国通貨建て国債が償還できなくなることはあるのでしょうか。もしあるのであれば、償還できない場合というのはどのような状況を想定されていらっしゃるのか。教えてください。
○麻生国務大臣 御質問ですけれども、今、日本の場合でいきますと、極めて厳しい財政状況ではありますけれども、国債というものが購入され、消化されているとか、いろいろな表現はあるんでしょうが、日本の財政運営に対する信認があって結果として国債が買われるという状況、それが前提になっているんだと思いますが。しかし、財政状況が更に厳しいということになって、仮にマーケットからの信頼が失われるという事態が発生すると、まず、国債の金利が急激に上昇してくるんだと思いますが、したがって、金利を上げないと消化ができないということになるので、いわゆる資金調達というものは国としては難しいことになるということなんだと思います。 また、今言われたように、今度は、いわゆる日銀というか中央銀行というものが、紙幣を増刷して、国債を引き受けられるから自国通貨建て国債なんというものはデフォルトしないという、最近よく聞かれるMMT、モダン・マネタリー・セオリーという話もよく聞かれるところですけれども、そういう前提で財政とか金融とかいうものの運営が行われるということになれば、金がどんどんどんどん印刷されて賄うと、これはインフレになりますから、間違いなく。 そういった状況が出てきますので、私どもとしては、そういうような話ではなくて、きちんとした財政というものは、持続可能性というものを考えて、いわゆる国民とかマーケットとかいうものの信頼というものを確保しておかないかぬ。そのためには、今のように、借金で金利を賄うというようなものではなくて、プライマリーバランスというものが黒字化、最低限ゼロになるというようなものを考えるということが大前提で、それに合わせて歳出歳入を考えていかねばならぬものだと思っております。
○日吉委員 おっしゃるとおり、財政の、財政運営に対する市場の信認を確保するということは非常に大事なことだと思います。そのためにどうするのかということを考えて、むやみに財政を支出するのは、それはもちろんよろしくないと私も思います。 ただ、今確認させていただいているのは、事実として償還できなくなるということがあると大臣は認識されているということを確認させていただいているんですね。償還できなくなることはあり得るということであれば、そうお答えいただければと思います。
○麻生国務大臣 金融で、世界でたらればの話は極めて危ない話になりますので、うかつなことは申し上げられませんけれども、可能性というのはいろいろなものが、絶対ないかと言われれば、法律的に見ましても、状況的に見ましても、この世界で絶対ないということはないということだと思っております。
○日吉委員 絶対ないということはないという御回答をいただきました。それは、ないこともないというふうに理解をいたしました。 それと、もう一つ大臣にお伺いしたいんですが、先日の委員会におきまして、大臣は、直近の国債発行をしてもいいかどうかという判断をするに当たって、過去の経験や信用から国債発行が可能だと判断されたというような御答弁をされました。 ただ、いつ信認がなくなるかどうか分からないという状況の中において、過去の経験や信用だけから判断するというとちょっと心もとない感じもしますので、やはりデータに基づいた上で、国債を発行できるかできないかといったことを見極めた上で、それを国民の皆様に説明して、発行しましたということにするのが本来なのではないかなと思うんですけれども、このデータに基づいた判断というのは、なされているんだと思うんですけれども、どのようになされたのか、教えていただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 今回の大量の国債発行というものは、もうこれは御存じのように、新型コロナという感染症の拡大というものに対応するために、雇用というものを守るとか生活を守る等々、いろいろな必要な経費というのを計上させていただいたことで一転需要が伸びた、そして同時に、コロナによって景気が悪くなって税収が落ち込んだという二つが問題がありまして、大きな国債の発行が必要になったというのが背景なんだと思いますが、今言われましたように、こういったようなものは、市場がそれに応えて、きちんと政府が発行をしたものを買ってくれるか買ってくれないかというようなものを、これは信用ですから、データというもので言われるものではありませんで、定量的な根拠というものはお示ししづらいんだと思っております。 その上で、私どもとしては、二〇二五年のいわゆるプライマリーバランスの黒字化目標というものに向けまして、いわゆる歳出改革とかいうものをきちんと我々は継続するということをマーケットに言い、また、足下では、市場に大量の国債を発行させていただいておりますけれども、基本的に、極めて低い金利で安定的に消化をされているという現実がありますので、そういったことで、市場の状況とか投資家の意向とか、そういったようなものを勘案して、マーケットと、若しくは投資家との間の丁寧な対話を行っておりますので、財政に対する市場の信認というものを維持しながら、国債の円滑な消化が可能であるというように判断をさせていただき、今のところ、そのような形になって、結果としては引き続き市場の信認というのは得られているんだと思っておりますが。 しかし、これが大丈夫だからといって、どんどん出したって永久に大丈夫だ、自国通貨でやっているところはそんなことはないんだという説を言っておられる方もおられますけれども、明日以降もこれが今の状況とずっと同じだという保証はありませんから、そういった世界なので、私どもとしては、こういったものの持続可能性というのを確保し続けていくために、市場関係者との間のいわゆる対話というのは極めて大事なものだと思っております。
○日吉委員 今大臣がおっしゃられた、明日以降も同じように信認があるのかどうかということは分からないという中だからこそ、どういった判断に基づいて国債を発行できたのかといったことをできるだけ客観的に説明できるようなことが必要なのかなと思いますので、そこのところをまたお願いしたいなと思います。 最後に、現在のマネーストックの状況について、それが今後、過度なインフレになるような可能性があるような量なのかどうなのかというような点から、今、マネーストックの規模をどのように判断されているのか、評価されているのか、お答えください。
○越智委員長 日本銀行清水企画局長、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。
○清水参考人 お答え申し上げます。 マネーストックの代表的な指標でございますM2の前年比は、このところ、九%台前半と、コロナ禍以前と比べると高めの伸びを続けてございます。これは、コロナ禍におきまして、政府が大規模な経済対策を実施していることや、金融機関が積極的な貸出しにより企業等の資金繰りを支えていることの表れでございます。 もっとも、物価という点では、消費者物価の前年比は、感染症のショックによる需要減少に加え、これまでの原油価格の下落を受けたエネルギー価格の低下や、GoToトラベル事業による宿泊料の割引といった一時的な下押し要因などにより、マイナスとなってございます。当面そうした状況が続いた後は、一時的な下押し要因が剥落し、経済が改善していく下でプラスに転じ、徐々に上昇率を高めていくと予想をしてございます。 もっとも、こうした見通しについては、足下、特に感染症の影響を中心に、下振れリスクの方が大きいと認識してございます。したがいまして、先行きの物価につきましては、様々な不確実性がございますので、引き続きその動向を注視してまいりたいというふうに考えてございます。
○日吉委員 ちょっと質問への明確なお答えはございませんでしたが、時間が参りましたので、終わりにさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○越智委員長 次に、海江田万里君。
○海江田委員 立憲民主・無所属の海江田万里です。 麻生大臣におかれましては、朝早くから大変お疲れさまだと思います。いましばらく、食事までにおつき合いをいただきたいと思います。 さて、今日、私は、主に今の日本の社会の格差の問題と、その中で税制が果たす役割についてお話をさせていただきたいと思います。 これはまず麻生大臣にお尋ねをしたいんですが、麻生大臣は、今の日本の格差の状況、所得格差あるいは資産格差と言われますけれども、これをどのように考えておられるのか。あるいは、世界との中で、日本の所得格差あるいは資産格差の占める位置というんですか、状況、こういうものがどうあるか。 これは質問通告してございませんが、麻生大臣の率直なといいますか、あるいは麻生大臣がいろいろなところで見聞きをしている日本の社会の情勢を踏まえて、どういうお考えをお持ちかということをお尋ねをしたいと思います。
○麻生国務大臣 通告がありませんでしたので、私の考えているところを言えということだと思いますが。 所得の格差については、今いろいろ言われておりますけれども、所得の再分配という考え方は、昔から税とか累進課税とかいろいろなものがそこに存在しておりますけれども、私どもの、このところ、この八年間ぐらいやらせていただいているところでいきますと、少なくとも、いわゆる所得税というものは四〇から四五%に最高税率が引き上げられておりますし、遺産相続等々につきましても課税最低限が下げられたり、いろいろな形でまた変わってきておりますし、いわゆる分離課税等々がよく話題になりますが、これも一〇から二〇に引き上げられる等々、いろいろな努力がそれなりになされております。 所得格差というものが私はそこにそれなりにあるとは思いますけれども、それが例えばアメリカとかその他の先進国に比べて、いわゆる、やたら所得の高い方と低い方との格差は先進国の方では少ない方、少なくとも、そういった上に、それが固定化しちゃっているとか、確実にそういったようなものが全く動いていないとかいうようなことも、アメリカに比べて、他国に比べてそれほどひどくはないというのが正直な感じです。
○海江田委員 私も十年以上前にはそういうふうに考えていたんですね。ところが、まさに今、麻生大臣おっしゃいましたけれども、安倍内閣になって、そして麻生大臣がまさに財務・金融大臣として日本の財政あるいは金融行政のかじ取りをしている間に、やはり私の考え方は違ってきたわけであります。 それはどうして違ってきたかというと、事実が十年前、二十年前と本当に大きく違ってきたということで、やはり私たちは、身の回りだけを単に漫然と見ていると、なかなかそういう事態の変化なんかは見えませんね。 私は漢字が大好きですが、見るという字は、あれは漫然と見えてくるとか漫然と見る。有名な陶淵明の「飲酒」という詩の中、悠然と南山を見ると。これは、注視しなくても目に入ってきてしまうという見るで、本当はそれを視聴の視という、これはやはりしっかり、注視という言葉があります、しっかり見なきゃいけない。 私は、政府の一番中枢にある人たちは、身の回りで起きていること、これがどういう問題なのかということをやはり本当に注意して見なければいけない。やはり注意して見ると、大臣がおっしゃったような、先進国の中ではそれほど格差のない社会なんじゃないだろうかというお話も、実は違ってくるんじゃないだろうか。 なかなかこの格差のデータというのは、いろいろ難しいんです。世界不平等データベースなんというようなものもあります。それから、国際機関ではユニセフが、これはユニセフですから主に児童の貧困化との絡みで、やはり格差社会の中で児童の貧困化ということも生じるわけでございますから、それを調べたデータでいくと、先進国といいますか、四十一か国の中で日本は悪い方から比べると八番目なんですね、実は。 だから、決して先進国の中で日本の格差の問題はそれほど深刻な問題ではないということではなしに、むしろ先進国の中でやはり日本の格差の問題はかなり深刻な問題になっているんだという認識をまず持っていただきませんと、本当にこの国のかじ取りを誤ってしまうんですね。 最近、例えば日本経済新聞なんかが、K字の傷、それからK字回復とかいうことを、特にコロナの中でK字回復、あるいはK字の傷とかいうことがあるんですが、これについては御存じでしょうか。
○麻生国務大臣 過日、日本経済新聞にその種の記事が載っていたという記憶はございます。
○海江田委員 これは要するに、K字の上の方の文字は所得の一〇%の人たちですね。その人たちがその意味では上へ上がっているわけですから、ますます豊かになっていく。下の方が、実は、私は最初、下は一〇%か二〇%かなと思ったら、下位の五〇%なんです。つまり、中間層から以下の人たちの所得がどうなっているのかと見ると、これがやはり下へ下がっているわけですね。これはかなり、一番顕著なのはアメリカですけれども、日本もそれに劣らず、やはりそういう傾向が出ている。 とりわけ、今回のCOVID―19の災いの下でそういう傾向というのは非常に大きくなっていますから、今回、今議論をしております所得税法等の改正案というのは、まさにポストコロナを見越したということなわけですから、ポストコロナで出てきた、私はポストコロナの前の、もう十年以上前から日本の社会がそうなっているということを指摘しましたけれども、とりわけその光景というか、その状況がポストコロナで明らかになってきた今だからこそ、本当はそうした格差是正のための税制改正を行わなければいけないんですが、大変残念でありますけれども、その部分というのは非常に希薄である。何で希薄であるかというと、今、私は麻生大臣のお話を聞いて分かりました、やはりそういう認識を持っていない、このことが大変なことだと。 アメリカなんかは本当に、まさに民主主義の危機であるとか資本主義の危機であるとか、やはりそういう意識があるんですよ。アメリカは、特に大統領選挙の中で、今度バイデン大統領が登場しましたけれども、民主党の候補の中でもいろいろな人たちが、アメリカの富裕層の人たち自身が、あのウォルト・ディズニーのお孫さんのお嬢さんというんですかね、その方が、自分たちに富裕税をかけてくれ、もっと自分たちの税金を強化してくれ、課税を強化してくれ、そうしないとアメリカの民主主義はおかしくなってしまう、あるいはアメリカの資本主義がおかしくなってしまう、こういう指摘をしているわけでありますから。 その意味では、税制の持つ、特に、先ほどこれは麻生大臣もお話がありましたけれども、所得の再分配機能というものをもっとやはり発揮をしてもらわなければいけないと考えるわけですけれども、今回の税制改正の中で、税の持つ所得再分配機能を強化する方向に行っているのかどうなのか、概括的にお答えを大臣にいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 繰り返しになるとは思いますけれども、所得の再分配機能という話を、いわゆるあるかというお話でしたけれども、少なくとも平成二十五年から、二十五年の改正をさせていただいて所得税の最高税率を引き上げたというのが、累進構造の強化を図るということでさせていただきましたし、よく話題になっております金融所得課税につきましても、金融所得課税は倍にしたんですかね、あれはたしか一〇が二〇になったんだと思いますので、そういったことを行ってきたんだと思っておりますので、それなりに、所得再分配機能としての効果としては一定のものがあったんだと私どもは考えております。 更にこれをどうするかというのは、今はコロナの最中でもありますので、なかなか今、よくそれに対応するよりほかのことに取られていることはありますけれども、令和三年度の与党税制改正大綱というものの中において、税負担の垂直性とか公平性等々を確保するという論点から、諸外国の制度とか、また市場への影響等々を踏まえて総合的に検討するということにされておりますので、私どもは、経済等への影響というのをどう考えるかといった論点、これはコロナの影響もありますけれども、ポストコロナ等々を考えて総合的に検討していくべき課題だと思って、今はコロナに追われておりますけれども、こういったものについても考えねばならぬ問題だと思っております。 〔委員長退席、神田(憲)委員長代理着席〕
○海江田委員 麻生大臣は、税率を上げてきた、今、所得税の話と、それから金融所得課税も所得税でありますけれども、話がありましたけれども、特に金融所得の課税は一〇%を二〇%とおっしゃいますけれども、その前は二〇%だったんですよ、これは。もう少し長い目で見なければいけないので。 私なんかが記憶しているのは、配当課税は分離課税で三五%なんというときもあったわけですよ。それが、二〇%が大体、平成に入ってから常態化していたんですよ。ところが、平成のたしか十五年ですか、株価が当時は七千円とか八千円になっちゃったわけですよ。これはすわ大変だというので、そのときに二〇%だったのを一〇%に下げたわけですよ。これは、あくまでも当時は暫定的なものだ、株価がこれだけ下がっちゃったからやはり何とかしなきゃいけない、あらゆる手だてを講じなきゃいけないというので、二〇%を一〇%に下げて、そして今度は、先ほどありました平成の二十五年の改正で、二十六年から二〇%に戻したんですよ。 上げたのじゃなくて、確かにそこだけの局面を見ると上げたことになるけれども、その前から見ればやっと戻したというのが実は正しい説明でありまして、自分に都合のいいところだけを見て、先ほどの格差社会の問題もそうですよ、不都合な真実に目を閉じてしまうということ、これはやはり一番国の政治を間違った方向へ持っていってしまいますから。 ここのところは、どうですか、それは。上げた、上げたとおっしゃいますけれども、元に戻したんじゃないですか、事実として。そのことをおっしゃってください。
○麻生国務大臣 間違いなく、三五から二〇、一〇、いろいろな経緯があったのはもう御存じのとおりですけれども、少なくとも、累進課税をこの八年間、私どもが担当させていただいてからの間では一〇が二〇になったというのは事実です。だから、そこのところをいかにも無視しているかのごとく話を取られていると困るので、一〇から二〇に上げたという事実を申し上げております。 その上で、その前は三五だったではないかと言うけれども、これはマーケットが国際的なものになるのに従って、世界中、この金融所得課税というのはどうなっているか等々の話の中から下げていった。まだ株価があの頃は七千円だ、八千円だという頃でしたから、そういったようなことになっていったという経緯だというのが私の記憶ですけれども。 少なくとも、今、令和三年度でこの部分を検討せねばならぬという話になってきているというのも、そういったものを見た上での話だと思っております。
○海江田委員 だから、本当は今回やっておくべきだったと私は思いますよ。与党の、先ほど話があった税制大綱の中でも触れられているわけですから。だけれども、あの税制大綱で最初に触れたときからかなり後退しているんですよ、はっきり言って。 それから、よく麻生大臣は市場に対する影響を与えると言うけれども、調べてみましたら、延べの個人株主の数ですけれども、二〇一四年から一五年、これは全然変わっていない。むしろ増えているんですよ、はっきり言って。株というのは、配当の税金が高いとか、あるいは売却益の税金が高いとか、それを若干意識する人もいますけれども、だけれども、株価の上昇の傾向がある、あるいは下降の傾向がある、ここでやはり売ったり買ったりする。買っただけで税金を取ろうという話じゃないんですから、これは。買って、そして利益が出てくる、譲渡益が出てくる、あるいは配当が手に入ってくる、そこで税金を取ろうという話ですからね。だから、市場に対する影響というのも実はそれほど大きなものはないということ。 それから、世界の情勢についてはここで一々指摘をするいとまが、時間がありませんけれども、世界はそれぞれかなり変わっているんですよ。それこそフランスなんかは源泉分離は三〇%ぐらいやっていますし、ドイツも、連帯付加税というのがあればその税額の五・五%かな。それから、結構ドイツは、二六・三七五%とか、これは配当課税。フランスも分離課税で三〇%とか、総合課税にすると一七・二から六二%とか、それぞれ国によって若干違うんですよ。 だから、余り極端になってはいけませんけれども、先ほど日吉委員も総合課税という話がありました。確かに方向性は総合課税だけれども、その一歩手前のところからいうと、まず分離課税の税率を若干上げるというところでそういうことをやって、やはり金融所得がいわゆる一億円からがたっと下がる、Aの字というんですか、逆Vというんですか、あんなのは日本だけですからね、はっきり言いまして。これはやはりおかしいんですよ。そういうものに対する一歩一歩着実な方向性というものを見せておかなければいけないんじゃないだろうかというふうに私は思っております。 それからもう一つ、今、所得格差という話をしましたが、あともう一つ、厳密に言うと、税の所得再分配機能という中には、まさに所得の格差を是正するということと、もう一つは資産格差という言葉もあるわけですよ。この資産格差が、実は贈与税の話が一つポイントになってくるわけです。 この贈与税について、これは若干ではありますけれども、今回の税制改正の中で、相続税、贈与税というのは相続税の一部ですから、この相続税の改正について、本当に若干、ごく小さな一歩でありますけれども、こっちは踏み出しているんですよ。その中身を説明していただきたいと思います。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置でございますが、元々、祖父母や両親の資産を早期に移転させることによりまして、若年世代の教育や結婚生活等に係る負担軽減を図りつつ、経済活性化に資することを目的に導入されたものでございます。 一方、これらの制度につきましては、まず、教育資金の方につきまして、孫などがこの贈与を受ける場合に、贈与者が死亡した時点での残高に対しまして、贈与から一定期間が経過していれば相続税がかからないというような仕組みになっており、また、両方の制度につきまして、通常の孫への遺贈の場合に適用される相続税額に対する二割加算の制度が適用されないといったようなことで、節税的な利用につながっているとの指摘があったことを踏まえまして、こういった節税的な利用についての適正化を図る観点から、所要の見直しを行った上で、適用期限を二年間延長することとしております。
○海江田委員 小さな一歩ということでお話をしましたけれども、特に教育資金、それからあと結婚資金。 あともう一つ、実は住宅資金の贈与もあるわけですけれども、住宅資金の贈与の方は、これは消費税が一〇%に上がったときの措置というようなものもありまして、それは継続されているということでありますけれども、やはり教育資金と子育て・結婚資金というのは少し違うかなというふうに思っていまして、事実、中身も若干違っているんですけれども。今回は二年間延長するということですから、私は、二年後には麻生大臣も、二年後の見直しのときにはやはりこれは是非考えていただきたい。 とりわけ、先ほど来もお話がありました格差の固定というのは、やはり更に深刻な問題ですよ。いっとき格差が出ても、その格差が、それこそ次の世代、あるいは次の次の世代、孫の世代というところに行ったときには是正される、あるいは、人々が機会の自由でもって、機会の平等でもってチャレンジをして、そして貧困から本当に、富裕層にとはいかないまでも中間層まで上がっていくことができるというような、チャレンジの機会に対して後押しをするような税制にしなきゃいけないので、今回の、特に教育が、そういう格差の固定化に対するアンチとしては、やはり教育が大事な役割を果たすんですから。 その教育が、まさに親からというよりも、これはおじいさん、おばあさんからのケースが非常に多いわけですけれども、おじいさん、おばあさんから、それこそ本当に、一人千五百万円ですよ。幾ら、学校の、国立大学の授業料も上がりましたけれども、千五百万円贈与を受けて、そして特例でもって一回非課税になって、もちろん相続時の再計算というのはありますけれども、これはやはりちょっと不公平ですよ。 こういう問題点についてどういうふうに把握をしておるかということをお聞かせください。これはどちらでもいいです、大臣がお考えがあったら、大臣でも結構ですよ。参考人でもどちらでも。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 これらの措置につきましては二年間延長ということでございますが、特にこの結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置につきましては、利用件数が極めて少ないという状況になっていることもまた事実でございます。 そういった中で、与党の税制改正大綱におきましても、次の二年後の適用期限の到来時に、制度の廃止も含め、改めて検討するといったような検討課題も示されてございます。今後引き続き検討していく課題であるというふうに考えております。
○海江田委員 あと、これも税率の話になるわけでありますけれども、麻生大臣、相続税の税率というのは、確かに昔はべらぼうに高かったわけですよ、七〇%とか、最高税率が。だけれども、それをだんだん下げてきたということがあるんですけれども、私は、やはりこういう時期だから、そろそろ相続税の税率そのものももう一回上げる方向で考えなきゃいけないんじゃないだろうか。 ただ、その場合、いろいろな配慮は必要ですよ。やはり土地、特に首都圏に住んでいます人たちにとっては本当に、自宅である、あるいは自分で御商売をやっている、そういう土地の評価が高いことによって、そして多額の相続税を払わなきゃいけない、あるいはそういうことによって結果的にその土地を離れなければいけない。 一時期、相続税というのは追い出し税制だと。首都圏で未効率の土地利用があるから、これをもっと効率よく利用してもらうためには、やはり相続税を高くして、そしてそれによって出ていってもらうんだなんというようなことを昔の大蔵省の人たちが言っていたこともあるんですよ、これは確かに。だけれども、それはもうそういう時代じゃなくなったということです。 むしろ、私は、格差是正の観点から考えていくと、そういう自宅用の土地でありますとか、一定規模の土地でありますとか、あるいは御商売をやっている土地でありますとか、そういうものの評価は下げなければいけないけれども、金融資産なんかは正しく評価をして、そして、やはり税率そのものももう少し全体に上げて、累進性を強化しなければいけないというふうに考えるんですけれども、麻生大臣、この考え方に対してはどうでしょうか。 〔神田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣 昔は七五ですかね、最高税率。違いましたかね。正確な記憶がないんですけれども、さっき言われたように、昔はあれだったじゃないかと言うんだったら、たしか七五%ぐらいあったと思うんですね、最高は。それからだんだんだんだん下がっていったって五〇。(海江田委員「五五です」と呼ぶ)いや、それは下がっておいて、それからまた上げたんですよ、五五にね、今度。ですから、そういった意味では、長い歴史もこれまたあるところでもあるんだとは思いますけれども。 今、相続税の話が出ていましたけれども、いわゆる相続税というものは考え方がいろいろ世界中ありますので。税金を払った金で、死んだらまた税金を取るという話ですから、なかなか死ねないとか、死んだら途端に税金を取るというのはおかしいじゃないかと、これはフランス人なんかがよく言う話ですけれども。私どもも、それは考え方だと。税金を払っていないようなところも、払ったものを死んだらまた取るという話ですから。だから、そういったような理屈はどういう理屈と言われるとなかなか難しいんだと思っておりますが。 いずれにしても、基礎控除の引下げ等々をやらせていただいておりますので、随分とこういったものも変わってきたんだと思いますし、最高税率も五〇まで下がったものを五五までということになってきて、いろいろなところで、相続税の在り方というのは、今後の改正の効果というのを見極めないかぬところだと思っておるんですけれども。 いずれにしても、今言われたように、何となく、亡くなった方の奥さんは、相続税が払えないがために、その住んでいるうちから出ていかないかぬ。出て行ったうちがどうなるかというと、きちんとしたうちが建っていても、そのうちが建ったままでは国は引き取りませんから、物納しか認めませんので、全部たたき壊す。せっかく建てたうちをたたき壊すというルールになっていますから、建築屋はもうかりますな。建設業者と組んでいるのかなと思った時代もあったんですけれども、間違いなくそうなるわけです。 そういううちが増えていくと、何となく、東京都内から立派なうちがどんどんどんどんなくなっていってというので、みんな個別のものになりました、小さなものになりました、どんどん小さくなっていますというような話はよく聞く話ですし、この七十年間ずっと聞かされた話ではありますけれども。 少し変わってきたというのは確かに変わってきているんだと思いますが、変わっていないのは財務省だけが変わっていないのかということにもなるのかもしれませんが、いろいろな意味で、こういったようなものは総合的なものから考えないといかぬところで、一緒に住んでいた奥さんがそのまま住めなくなっちゃうというような事態というのは、これはちょっと、どう考えてもおかしいし、そのうちがそのまま建っているのだったら、建設屋はもうからないかもしれませんけれども、そのうちを補修して使えば、いわゆる資産としてはきちんとしたものが、古いうちでも残っていくというのは決して悪いことだとは思いませんし、安普請で、ぶっ壊す前提で安く建てるというよりは、きちんとしたものを建てていくというのも大事なことなんじゃないかなと思いますので。 これはいろいろなものをちょっと総合的に考えぬと、一括的に、これが答えですというものもないと思いますけれども、何となく、日本の場合は不思議と資産が残らないシステムになっているんだなという感じはしておりましたので、この問題に関しましては、ちょっといろいろなところから検討しないといかぬところだと思っています。
○海江田委員 奥さんの場合は配偶者控除ということで二分の一までは非課税になっていますので、そういう意味では配慮はされているんですね、これは。だけれども、それが二分の一でいいのかどうなのかというような議論もあるし。 私が申し上げたのは、実はこれは余り国会で議論されたことがないというんですけれども、日本の相続税の課税方式ですね。 ちょっと難しい話になりますけれども、これは法定相続分課税方式といって、ある大変な財産を残された方がいる。そうすると、その方に法定相続人が何人いるかによりますけれども、もちろん、残された遺産の総額からまず非課税財産を差し引く。仏具なんというのは、あれは非課税財産ですから。今、金のお鈴なんというのを高く売ってあれしているけれども、あれはちゃんと仏壇の中へ入っていれば非課税財産ですから、そういうものは差っ引かれる。それから、例えば生命保険の保険金については、これも法定相続人一人頭五百万円とか、決まった非課税の枠がある。あるいは基礎控除があるということで、ここでまずそういうものが引かれて、そして、ここで課税対象の遺産額というのが決まってくるわけですよ。 課税対象の遺産額が決まったら、それを、実際はそうでなくても、法定相続人がいたら、それぞれの法定相続の割合に応じて分割したという前提に立つわけです。実際は違いますけれども、実際は違っても、とにかく法定相続人がそれぞれ法定相続の割合で法定相続したという前提に立ちますから。それで、一人一人の法定相続の割合について、先ほど言った税率を掛けるわけですよ。 そうすると、分割した人が多くなれば、法定相続人が多くなれば、累進税率を決めたって、実はその累進税率というのはほとんど利かなくなっちゃうんですよ。そうでしょう、多いわけだから。だからいっとき、子供の数はなかなか増やせないけれども、お孫さんを養子縁組して、養子縁組だって昔は何人でも構わなかったわけですよね、今は規制を加えましたけれども。 だから、日本の相続税の課税方式というのは、そういう意味においては極めて異例と申しますか、法定相続の割合でもって、そういうことを前提にして累進税率を掛けて、そしてトータルの税額が幾らになったかということを決めて、国税当局とすれば、そのトータルの税額を納めてもらえばいいわけですよ。大抵は、そのトータルの税額、わあ、こんなに税額が来ちゃった、では、それをそれぞれ実際に相続をした割合でもって分けていって払おうね、こういうことになるわけですけれども。 だから、累進税率だけに着目していたのでは駄目で、実は、いわゆる法定相続割合で相続したという前提に基づいて計算をするやり方、これで果たしていいんだろうかどうなんだろうかということを私は問題提起をしたくて。 先ほど麻生大臣は、いや、税金を払ってこれだけ資産をためたのに、それでまた亡くなったら税金かという話ですけれども、ただ、それは、亡くなった人は自分が幾ら税金を払ったか分からないわけです。それから、私の周りではまた別なあれで、税金も払ったけれども、とにかく社会のおかげさまでもって自分はこれだけの資産を蓄えることができた。これは社会が本当に自分を育ててくれたわけだから、それなりの仕事に就けさせてくれて、そして、もちろん自分でもいろいろな努力はしました、リスクも取りました。だけれども、これだけの資産があったんだから、よみの国へ行くときはもう裸一貫で戻るしかないわけですから、それを、全体でこれだけの資産を残したから、ではそれに対して税金を払いましょうと。アメリカやイギリスの遺産課税方式というんですけれども。 やはり、私なんかはどちらかといえばこれがいいなというふうな考え方がありますから、ここは、これから相続税の議論をやるんだったら、是非その課税方式のところまでいって、それと税率の問題と組み合わせて考えていただかなければいけないんじゃないだろうかというふうに私は申し上げますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 御意見として伺っておきますけれども、いろいろな考え方がありますから。 先ほど申し上げましたように、いろいろやってきた、これだけ残った、それをお国のために払うもよし、どこかに寄附してもよしというので、じゃんじゃんじゃんじゃん寄附したという形にしてもよいという形になって、いわゆる寄附税制というのはそれが減額になる。やり方はいろいろありますので、考え方もいろいろあるんだと思いますので、これを巧妙にやっておられる方もアメリカでいっぱいいらっしゃるのはもう御存じのとおりですから。なかなか、この相続税というのは、結果的には難しいからともう取るのをやめたという、相続税を取るのをやめた国も幾つもある。 そういった意味では、これは実に考え方がいろいろありますので、今のお考えは一つの考え方としてはないわけではありませんので。知らないわけでもありませんけれども、そういった話もある、今申し上げたようなあれもある。世界中、今、相続税をゼロにしたところもありますし、いろいろなところがありますので、また、ゼロにしてまた戻したところもありますし、いろいろなところがあります。 だから、そういった意味では、私どもとしては、今のは一つの御意見として伺っておきます。
○海江田委員 参考人が手を挙げていましたが、もし何かあれば、おっしゃっていただいて結構ですよ。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 大臣からお答え申し上げましたとおり、諸外国の相続税制は様々な形がございます。 御指摘のような遺産課税方式を取っているアメリカやイギリス、英米法系の仕組みもございますし、大陸法系のドイツ、フランスにおきましては、かつての日本のような遺産取得課税方式ということで、相続人が一定の財産を取得するということに着目して、そこに税負担能力を見出して課税する方式もあるわけでございまして、日本の方式はそれの、何と申しましょうか、混合型になっているわけでございますけれども、これをどうしていくかということについては、御指摘のような遺産課税方式を支持する意見もございますし、一方で、実務家や学者の中には、遺産取得課税方式に戻すべきというような意見もあったりいたしますので、幅広い観点からこれは検討していくべき課題であるというふうに考えております。
○海江田委員 いろいろあるけれども、ただ、私は、今日お話をしておりますテーマは、やはり今の日本の格差をどうやって税制がまさに是正をすることができるのか。今回の、今議論になっております令和三年度の税制改正でも、やはりそこへ向けて一歩でも二歩でも、ポストコロナということをうたっているんだから、これは。 今、コロナの真っ最中、確かに真っ最中だけれども、来年度になれば、例えばワクチンの問題とか、少しは明るい話題も出てくるんじゃないですか。また、そのためにみんな努力しなきゃいけない。そのときに、コロナの問題で顕在化した、これまでもあったけれども顕在化して、しかもそれが大いに拡大をしてしまった格差をどういうふうに是正をしていくのかということで、そのことの第一歩をやはり踏み出しておくべきじゃないんですかということです。 その意味では、生前贈与の教育資金などについては若干の見直しが行われました、それから結婚と子育てについても若干の見直しが行われましたということで、だから、私は先ほど来申し上げておりますように、その部分については評価をしているわけだけれども、これからやはりもう少し進んだ税制改正、格差是正のための税制改正というものに傾注をしていただきたいということをお願いをしておきます。 それから、その関係でいくと、やはりアメリカなんかは、格差が確かに日本以上にすさまじいということもありますけれども、冒頭にもお話をしました、富裕層の中から、やはりこのままじゃいけないという意見が出ているんですよね。先ほどもお話ししましたディズニーのお孫さんだとか、あと、ソロスさんなんかもそうじゃないですか。特に、アメリカの大統領のバイデンさんだって、これから格差をなくさなきゃいけないということを言い始めているわけですよ。そのときに日本だけが取り残されているというのは、やはり世界的な大きな流れからいって、ちょっとおかしくないですか。 むしろ、麻生大臣なんかが、俺は、まあ自分では資産家だということは余りおっしゃらないけれども、だけれども、もっと資産家の課税を強化すべきだということをおっしゃれば、それは、ああ、なるほど、確かに大変な見識の持ち主だということで、やはり評価も上がるわけです。 私、残念なのは、日本のそうした資産家の、あるいは富裕層と言われる人たちが、自分たちの税金をもっと上げてください、そうしなければ資本主義が機能しなくなっちゃう、あるいは民主主義が機能しなくなっちゃう、こういうことを一人も、言い出したというのは残念ながら聞いていないんですよ、これは。そうであるのなら、やはり政府の人たちが率先をしてそういう方向を打ち出すべきだというふうに思っています。 アメリカで、特に大統領選挙のときに、サンダースさんなんかが富裕税ということを言い出しました。これはいろいろな形があります。いろいろな形があって、純資産で、とりわけ金融資産に税金をかけるという話から、いやいや、不動産の方に、幾つも家を持っている人もいますから、そういう不動産なんかにかけるべきだとか、いろいろな考え方があるんですけれども、日本はそういう富裕税というものを検討しようというお考えはありませんか。 過去の、昭和二十四年、二十五年ですか、その例は知っていますけれども、日本でもう一回富裕税という、何らかの形で富裕税をかけようというようなお考えはありませんか。
○麻生国務大臣 御指摘のありましたとおりに、昭和二十五年でしたかね、あれはたしか二十五年、富裕税というのを導入しておりますけれども、三年ぐらいでしたかね、二十八年ぐらいのときにあれは廃止されたものだと承知をしておりますけれども。 一つの考え方ではあるとは思いますけれども、今までのはあれとしても、累次の税制改正を行って所得税とか資産税とかいうのをやらせていただいているんですが、富裕税というものにつきましては、資産の把握の問題に加えまして、資産の評価の問題など、富裕税を導入した多くの国々というのはあるんですけれども、いずれも多くの問題点が指摘されて、これはもう難しいということになっておるというのも事実でありますので。 私どもとしては、累次の税制改正をやってきたところだというのが正直なところなので、再分配機能というものが一番の問題点だと思いますので、どうやってそれを使うか、どの程度やるか等々いろいろなことを、検討すべきものが多いと思っております。
○海江田委員 一つ提案ですけれども、麻生大臣のリーダーシップといいますか、麻生大臣がやろうということをおっしゃっていた改刷がありますよね。いよいよ二〇二四年からですか、改刷をするということです。 例えばの話ですけれども、今、コロナ禍が更に拍車をかけたということもありますけれども、たんす預金の存在というものがどんどん雪だるま式に膨らんじゃっているんですよね。そうしますと、これは日銀の資金の循環統計を見れば分かるわけですけれども、七、八十兆あるんですかね、これはね。 これを、例えばヨーロッパで、EU統合でユーロに全部しましたね。あのときのやり方というのは、最初の三年間かな、たしか何年間かは自由に市中でお金を使って構いませんよ、新しい統一ユーロでも、これまでのマルクでもフランでも、どうぞ御自由に使ってくださいと。だけれども、一定期間を過ぎたら銀行に持っていかなければもう使えませんよという話になって、銀行に持っていったとき、たしか手数料を若干取ったはずなんですよ、これは。 だから、そうすると、結果的に、例えば三年なら三年、まあ五年なら五年でもいいですよ、五年なら五年は自由に新札、旧札、使えますと。これは通貨の法律も若干変えなきゃいけないんですけれども、特例法を使えば、新円への切替えのときは特例法を作っているわけですから、もう五年なら五年、市中で使っていいですよということになれば、そういうたんす預金がある人たちは、一つはやはりそこでお金を使うでしょう。ところが、それを過ぎちゃったら、もうこれは金融機関に来て、金融機関で銀行預金にするか、あるいは新札に替えるか、そのときは、もちろんこれはマイナンバーでもいいですし、名前と住所を登録する。 特に、また現金で払戻しをするというような場合、あるいは預金でもいいですけれども、そこで何%か、そんな高い利率を取る必要はないわけですけれども、一%とか二%とかそれくらいの、換金手数料みたいなものですけれども、そういうことをやるということも一つの考え方としてあるんじゃないだろうか、形を変えた時限的な富裕税につながるんじゃないだろうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 これも事前通告がないのであれですけれども、イタリアがやったやり方を、手口をまねしろというわけですね、これは。イタリアはたしかこれをやったんですよ、新円切替えという名前で。たんす預金を全部吐き出させるというのをやって、あれでイタリア経済を立て直したと言われている。本当かどうかは分かりませんよ、どれぐらいのマフィアの金が動いたか計り知れぬ等々と言われていましたから。 ただし、ユーロに切り替えるときにやったというのは、あの頃、何か知らないけれども、えらいイタリアは景気よくなりましたものね。それは記憶はあるんですけれども、ちょっとどういうやり方があるのか分かりませんけれども、今はやはり、いろいろな形でたんす預金があると言われて、分からぬ。 しかし、先生、個人金融資産で一千九百兆あるんですからね。表向きの金ですよ、国家予算の十九倍。個人ですよ、表のお金で。すさまじい金融資産が日本にあるということを意味しているんだと思いますね、これは。 そういった意味では、今言われましたように、そういったもの以外に更に幾らかあるのか、ちょっと私の想像を絶しますけれども、少なくとも、今言われたような話というのは、一つのお話として、過去にほかの国でやった例があるということを知らないわけではありませんけれども、日本での新円切替えに当たって直ちにそれをやるということを考えていることはありません。
○海江田委員 法律も幾つか変えなければいけませんし、それからあと、国民の間で、やはりそうだ、たんす預金というのは、確かにいろいろな地震だとか風水害だとかがあって、私は、何でもキャッシュレスにしてしまっていいなんて全然考えていない。やはり現金というのも必要なんですよ。北海道で停電があって、スーパーだとかコンビニに行ったら、そこに物はあるんですよ。物はあるけれども、要するにカードなんかのリーダーが、読み取り機が停電になって使えないから買えなかったということで、泣く泣く帰ってきたという人もいるんですよ、キャッシュを持っていなくて。 だから今、本当の意味で、やはりキャッシュはある程度は。ただ、それも二十万とか三十万とかあればいい話でありますけれども、当座をしのぐキャッシュというのは僕はなきゃいけないと思っているけれども、必要以上にキャッシュがあるというのは、そこは何らかの問題もある可能性もあるわけですから、やはりそういうことに対して、社会的な関心からいっても、余りに膨らんでしまうたんす預金というものに対して、何らかの形で課税をする。 あるいは、ちょうど新札に切替えになりますから、そういうときに手数料を取るというようなこともあってもいいのではないだろうか。何兆円かのお金になりますから、税率にもよりますけれども、消費税の一%分ぐらいにはなる可能性もありますから、そういうこともお考えいただきたいということであります。 あともう一つ、これも従来からあった法人の内部留保の問題であります。 内部留保の問題は、まさに今回のような、コロナのようなことが起きるといけないから内部留保をためていたんだというような方も、そういう企業の経営者もいらっしゃることは確かであります。だからといって、では、その企業がちゃんと内部留保を取崩しして、そして今回、従業員の給料に充てたか。 もちろんそういうところもありますけれども、ただ、全体的な統計を見ると、むしろ内部留保金が膨らんでいるという現実もあるわけですから、そういう内部留保金の膨らみについては、これはやはりそろそろもう何らかの形で手を打つべきではないだろうか、課税をすべきではないだろうかというふうに思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 税金を納めた金を内部にためておいたらまた税金を取るという話ですよね、簡単に言えば。二重課税というのにどうやって反論されるのか伺ってみたいんですけれども。 内部留保をため過ぎですよというのは、ずっと私らはこの八年間言い続けている話ですから、今更ながらの話だと感じないでもないんですが、この話は先ほど末松先生か誰かがされておられましたけれども、この内部留保の金が賃金に回っていれば、また世の中は変わっているんですよ。給料が上がって消費に回ってというような形で、GDPが増えてという感じになっていたはずなんですけれども、内部留保で金が動かなければ、それは全くGDPには動いてきませんから。 そういった意味では、設備投資や賃金引上げ等にこれが使われるというのは非常に大事なところだとは思いますけれども、これはなかなか、私らは社会主義国家をやっているわけでもありませんし、そういったものに強制的に何とかということがやれるわけでもないんだと思いますので。 少なくとも、こういったような世界的な大きな変化が起きておりますので、今回、取り急ぎは内部留保を持っておった会社の方が楽になったということは事実なんですよ。これはなかなか、私らとしては言い続けてきたけれども、おまえが言うように内部留保を取り崩したら俺の会社は大変だったんだ、おまえの言うことを聞かずに内部留保をためておいた方が今助かっているんだよ、企業経営者はそういう方もいらっしゃいますから。 だから、そういった意味では、なかなかこの話は、内部留保をどうするかというのも、内部留保を是非設備投資や何やらに回していきたくなるような景気とか、消費が伸びているとか、そういったようなことが出てきて、いわゆる経営者が攻めの経営の方に変わっていくというような気に変わらせるというところが大事なところで、投資拡大とか、そういったような設備投資に回っていくような雰囲気をつくり上げなきゃいかぬとは思いますけれども。 なかなか、この八年間やってきても、設備投資は間違いなく伸びましたよ、かつてに比べて、その前の八年間に比べてはるかに伸びましたけれども、それでも、少なくとも、内部留保の伸び方に比べれば、設備投資、賃金等々に回る比率は低かったというのは確かだと思います。
○海江田委員 七年、八年ずっと言い続けてきて、それでこういう状況になったということですけれども、確かに、今度のコロナで、本当にあってよかったという人の話も私は聞きますよ。だけれども、それだけじゃなくて、それ以上に、やはり内部留保を更にため込んだ企業もあるわけですよ。これはやがてデータではっきり出てきますからね。それだったら、こんなときに内部留保を使わないでどうするんだという観点といいますか、やはりそういう声というのはありますよ、これははっきり言って。 だから、今回使ったところはよかったね、七、八年ずっと内部留保のことについて言ってきたけれども、それはあなたが賢明でしっかり頑張ってきて、そしてそれをちゃんと事業なんかに、雇用の確保あるいは賃金のあれにやっているという、その人たちはそれでいいですよ。そうじゃなくて、やはりため込んでいる人というのはいるわけですから、全然崩さないで。 しかも、今度は、今回の景気回復は、これはもうさっきからずっと言っておりますけれども、やはり二極に分化しているわけですよ。本当に大変コロナの災いで傷んでいる業種、企業と、それから、本当に笑いの止まらない人たちもいるわけですよ。人たちというより、企業もあるわけですよ。そういうところは、内部留保を更に積み上げる。 とりわけ現預金で、いろいろな投資をしている部分はありますよ、これもカウントでは内部留保にカウントされますけれども、現預金で持っている部分というのは、その伸びが、これだけ大きな問題がありながら伸びているというのに対しては、やはり何らかの形で課税をする。これは法人税の特別な税率を一本つくってそこでやったっていいわけですけれども、工夫はいろいろあるわけですから、やはりこの内部留保についても手だてを講じるべきではないだろうか、そういうふうに思います。 ここまでが格差是正と税制改正ということで、あとは少し具体的な話をしたいと思うんです。 一つは、やはりこの新型感染症の問題で、今日は中小企業庁にお越しをいただいています。ただ、その前にちょっと税務当局の方からお話をいただきたいんですが、持続化給付金ですね。 持続化給付金で、新規開業したところは、開業届を出したという税務署の税務署印がなければ開業があったという事実を認定しないで、そして持続化給付金の対象から外れますよというような事例が私のところに来ているわけです。 ところが、この人の場合は、青色申告会に入れば、開業するときいろいろな意味で青色申告会の方から勧誘もありますから、では、分かりましたと、開業と同時に青色申告会に入りますから、その開業届というのは青色申告会が代行をして、もちろんそこから、青色申告会から税務署に届けが行くんでしょうけれども、少なくとも、判このついた書類というのは、青色申告会の判こがついた書類しか出てこないというような状況があるわけですよ。 だから、まず一つ確認は、国税当局に、開業届は、全部が全部税務署の税務署長の判がついた開業届だけじゃなくて、青色申告会経由でやると青色申告会の判がついたものが出てきますよ、そういうケースがありますねということだけ、まず税務当局から確認をしたいと思います。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 税務署におきましては、青色申告会を通じて提出された開業届や青色申告承認申請書につきましても、納税者本人から直接提出された場合と同様に取り扱っております。 具体的には、提出用の書面を収受した上で、控えが一緒に提出されている場合には、収受日付印を押印した上で、提出者に交付又は同封された返信用封筒を用いて返送しているということでございます。 なお、開業届等の控えに税務署の収受日付印が押印されないケース、事例といたしましては、青色申告会から税務署に控えが持ち込まれなかった場合が考えられます。ただ、この控えがない、控えを税務署に持ち込まないこと自体は、税務上特に問題が生じるということではございません。
○海江田委員 では、確認しますが、原則として、青色申告会経由で税務署に届けをやった場合でも税務署の印がついたものが本人に支給される、こういうことですね。ただ、時として、あるいはそれがどういう状況になっているか、どのくらいのパーセンテージがあるか分からないけれども、別段それでもって、青色申告会の判こだけで何らの不都合はないわけですから、それだけで済ませているケースもありますよ、こういうことですね。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、青色申告会の収受印があって税務署の収受印がない場合というのは、青色申告会経由で税務署に控えが提出されてこなかった場合ということでございますので、そういうケースはあり得ると思います。
○海江田委員 ただ、本人は、青色申告会でそういう届出をすれば、それであとは全部やってくれるものだと思って、それは一部誤解があるのかもしれませんが、そういう処理をやっているケースがあるわけですよね。その場合、やはり持続化給付金でそういう事情を説明しても、これは駄目です、税務署印がないんだから駄目ですということを言われたケースがあるという。 残念ながら、この持続化給付金は日にちが過ぎちゃっていますけれども、ただ、一回提出したこの持続の、いつ提出したとかいう問合せのナンバーなんかはあるわけですけれども、これはどうなるんですか。それを中小企業庁の方にお尋ねをします。
○奈須野政府参考人 お答え申し上げます。 持続化給付金は、二〇二〇年の対象月とその前年の同月を比較して売上げが半減している事業者に対して給付金を支給しております。 その前年の売上げは確定申告書面で確認するわけですけれども、例えば二〇一九年の下半期に開業された方については、二〇二〇年の上半期との売上げが、ちょっと技術的に行えない、そういう問題が生じます。 そこで、特例として、二〇一九年の年間の売上げを二〇一九年の開業時点の後の月数で割ったものと二〇二〇年の対象月の売上げを比較するという特例を設けております。ですから、開業したかしないかだけではなくて、何月に開業したということが、給付の可否、それから給付される具体的な金額を算定するに当たって重要な要素となっております。 こうした観点から、個人事業者の場合は、公平性の観点から、所得税法上、開業後一か月以内に提出が必要な個人事業の開業・廃業等届出書にて開業の月、開業時点を確認することとしておりまして、現に多くの方が、この収受日の期日を満たした税務署の収受印が付された開業届を提出されているところでございます。 他方、御指摘の税務署以外の収受印が付されているケースとしては、今お話しになられた青色申告会、実はそれだけじゃなくて、事業者団体、いろいろな団体がございます。それから、個人の税理士のものもございます。それから、専門家による無料相談サービスなるものの確認印とか収受印みたいなものも世の中に存在しております。こういった収受印、確認印の偽造、変造といったものも残念ながらございます。 そういったことで、持続化給付金の審査においては、開業届が期日どおりに税務署に提出されたか否かを確認するに当たっては、公平性や今申し上げた不正防止の観点に鑑みると、税務署による収受印と、こうした税務署以外の様々な団体、個人による確認印とを同等に扱うことはできない。税務署による収受印のない場合は、別途、国又は地方自治体が発行を確認した、例えば営業許可証などの書類の提出をお願いしているところでございます。 なお、御指摘のあったような新規開業特例が使えないという場合におきましては、既に提出されている、申請されているという場合であっても、通常申請の方に切り替えいただければ給付要件を満たすというような可能性もございまして、このような場合については、その旨の御案内を個別にさせていただいております。
○海江田委員 今のような丁寧な説明を聞けば分かるわけですし、それから、やはりこの人の場合は、それならば、もう一回青色申告会から税務署にちゃんと届けが出ているかどうかということを確認して、そしてもう一回改めてもらえばよかったわけですよね。 ただ、問題は、もうこれはよく御存じだろうと思いますけれども、この受付をやる実際の実務に当たっている人が、ほとんど何にも分からずに、それは駄目だ、とにかく税務署印じゃないから駄目だと。恐らく青色申告の何物たるかも知らなかった人かもしれませんけれども、どうもいろいろな苦情の中身を見ると。青色申告というのは、いろいろな組織、団体がありますけれども、納税団体の中ではかなりしっかりしたところでありますから、そういうことでは余りにもずさんというか、教育が徹底をしていないということでありますから。 私どもでは、持続化給付金をもう一回、これはいろいろな意味で厳密にしてやろうじゃないだろうかということも言っていますから、今回もう間に合わなければ、やはりそういうときに、もう一回やるときは、是非、皆さんの丁寧な、それこそ本当に事業者に、とりわけ中小零細の、中小、小規模の事業者に寄り添った対応をしていただきたいということを再度重ねてお願いをしておきます。 そして、ちょうど十二時になりました。私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○越智委員長 午後零時五十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ――――◇――――― 午後零時五十九分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。櫻井周君。
○櫻井委員 立憲民主党・無所属の櫻井周です。 本日も、おとといに続いて質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 引き続き、所得税法等の改正案について質問させていただきます。 これは、所得税法といっても、税制全般にわたる改正でございます。税制の在り方ということで、おとといは、まず、我が国が抱えている社会的な、そして経済的な課題についてどういったものがあるのか、それを解決していくために税制に何ができるのか、こういう流れで質問をさせていただきました。少子化、人口減少、それから男女不平等の問題、こうした問題について、税制で何ができるのかという議論もさせていただきました。 本日は、その続きで、更に経済格差の問題についても取り上げてまいります。 午前中の質疑でも、海江田議員からこの格差の問題についていろんな提案がございました。格差に対して取り組む、税制でいろんな工夫の余地があるんじゃないのかというふうに思うわけでございますが、私も同じような考え方から申し上げていきたいというふうに思っております。 この平成の三十年間、振り返りますと、平成が始まる頃は一億総中流と言われる時代であった。それが、この平成の三十年間に格差がどんどん拡大してしまって、格差社会、子供の貧困ということが言われるような社会になってしまいました。また、分厚い中間層がなくなってしまい、その分、個人消費のボリュームゾーンであるところの分厚い中間層が細っていくことによって個人消費が低迷し、ひいてはGDP成長率も低迷をするというところにつながったのではないのかというふうに私は考えるところでございます。 ですから、この経済格差の問題について、これを取り組んでいかなければいけないというふうに私は強く思っているわけでございますが、ただ、一方で、おとといの麻生大臣の御答弁によりますと、経済格差については、これは格差が固定化するということがないようにしておかなきゃいけません、このようにおっしゃられております。 私も、この経済格差が世代を超えて再生産されるというようなことがあってはならないというふうに考えております。お金持ちに生まれても、そうでない家庭に生まれても、皆さんにチャンスがある社会であってこそ活力ある社会になるものだというふうに考えております。この点においては、麻生大臣と私は同じ方向を向いているというふうに思います。 ただ、私は、これでは不十分だというふうに考えます。既に格差は随分拡大してしまっている。この平成の三十年間に随分拡大してしまった。この現状から、やはり分厚い中間層を取り戻すような、そういう政策が必要なのではないのか。 もちろん、格差是正といっても、頑張って稼いで大金持ちになる、このことはすばらしいことです。このことを否定するものでは全くございません。ですが、たくさん稼げる背景には、やはり世の中が平和で安定している、そういう状況があるからですから、やはり稼いだ分、応分の負担を税でお願いするというのは当然のことではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 特に、昨今は、グローバリゼーション、イノベーション、こういったことが進んで、このこと自体は私はいいことだと思いますが、ただ、経済格差が拡大しやすい状況になっているとも言えます。 特に、グローバリゼーションによって、先進国の労働、そのうち、技術水準、スキルのそれほど要らないものについてはどんどん労働集約的な産業が開発途上国に移っていく、そういった形で国際的な格差を縮小させていく、開発途上国が経済成長できるチャンスになるという側面、世界から見るといい側面もあるわけでございますが、他方で、日本国内、先進国の中で見ると、そうした中間層を支えていたような仕事がどんどん国内からなくなってしまう、空洞化してしまうということがやはり経済格差の原因の一つになっているのではなかろうか。ですから、その部分について何らか手当てをしていかなければいけないというふうに考えるわけです。 イノベーションについても、スキルを持っている方はより多く稼げる。それこそ、一昔前であれば、コンサルタント業、個人で経営コンサルタントでもやっていたとしましょう、そういった方は、やはり、事務所を構えて、そこに秘書もいて、それで電話番なりしてもらわなきゃいけないような状況があったわけですが、今や携帯電話、パソコンで、別に事務所を構える必要もない、秘書を雇う必要もないというふうになると、その分、個人としてはいっぱい稼げるようになるわけです。 ですから、そうした世の中の変化によって経済格差が拡大しやすい、そういう状況になっている。そこを踏まえて、より踏み込んだ格差是正が必要なのではないのかというふうに私は考えるんですけれども、麻生大臣、踏み込んだ経済格差の是正、こういったものが必要だという私の考えに対しては、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○麻生国務大臣 事前通告がありませんので、ちゃんとするようにしてください。 答える立場にありませんけれども、基本的に、今のお話ですけれども、グローバライゼーションというのを推進されたわけですよね、先生は。しかし、グローバライゼーションを推進すれば格差は広まりますよね。広まる方を推進したわけでしょう。結果として広まったわけですよ。それで今格差が起きているということになっていますから。元々、グローバライゼーションという言葉がえらいはやりましたけれども、私は、インターナショナライズする、インターナショナライゼーションということはあり得てもグローバライゼーションなんということは起こらぬと、私は基本的にそう思っております。 国とか民族とかいうようなものに替わってグローバル、みんな一緒という話になれば、どんどんどんどん地域差、資源のあるところないところ、技術のあるところないところ、教育のあるところないところ、いろんな問題がありますから、それはもう、そういった一部の人たちがわあっといくことになる、結果として、と思っていますので、僕は、グローバルという言葉はそんなに長く続くかねというのが正直な私自身の実感です。 しかし、今傍ら、現実を踏まえて、今言われましたように格差が、先ほど海江田先生の話ですけれども、出てきているというのは間違いなく、かつてに比べれば、一億総中流という言葉がだんだんだんだん細って、真ん中のいわゆる中流というところが細ってきたという事実になってきているんだと思いますけれども、それはまあ、程度の差こそあれアメリカも完全に真ん中が一番細くなったという形になっているのが、アメリカにとっての大きな問題なんだと思っております。 いずれにしても、今、そういったものの格差というものをどうやって直していくかというのが、どういう世の中が一番いいのか、こうですか、それとも金持ちばっかりでこうなりますか、どういう体系が理想なのかというのは、なかなか、ちょっと一概には言えないところだと思っていますけれども、少なくとも一億総中流というようなものではなくなってきているというのは事実だと思います。 このグローバルな社会の中においては、アイデアとかイノベーションとかちょっとしたテクノロジーとか、そういったものがぽんと伸びてくるという社会になりましたから、そういった人たちが非常に富むということに結果としてなった。技術がない、そういったものにアクセスできない、そういった人たちは細っていった。 という形に併せて、企業も変わりましたから、産業構造が。そういった意味では、企業も、うまく伸びた、フィンテックなんかで伸びた企業もいっぱいありますけれども、そうじゃない企業で、全然、時代に取り残されていって終わった企業等々がないわけじゃありませんので、競争というのはどの程度かとか、いろんな総合的なものを考えないと、一概にこれが答えというものはないんだと思いますけれども。 いずれも、そういったようなことを考えながら、今後、日本という国がどういった形が一番、総中流に戻した方がいいんですかと言われると、なかなかそうも言えないんじゃないかという方もいらっしゃいますので、いろんなことを考えながら、ちょっとそれに対しての税制ということを考えないかぬなと思います。 先ほど海江田先生の話がありましたけれども、いわゆる金融分離という課税の話につきましては、例えば、今、日本は一〇から二〇になっていますけれども、フランスはたしか三〇だったと思うんだな、俺の記憶では。アメリカは、今度上げるといったって、法人税を二一まで下げたやつを二八まで戻すので、今、日本の場合、法人税は二九・三七だか七三だかですから、そういった意味では、戻したという割には日本の税制ぐらい。 いろんな意味で、国でよくよく比較をしてみないとよく分かりませんけれども、金融分離課税のところがもう少し上がってもおかしくはないんじゃないのかという御説は結構ありますけれども、私どもとしては、そういうことを考えて、三年度の税制調査会の中で、改善をしていく必要があるんだという党の方の御意見が出てきているんだと、私どもそう理解しておりますので、いろいろな意味で、これはどういったところへいくと何となく御理解いただけるのか検討しなきゃいかぬ、大事なところだと思っております。
○櫻井委員 経済格差の是正ということなんですが、先ほど大臣も、グローバリゼーションが進んだら、そして、私も昔、国際金融の仕事をしておりましたから、あんたがそのグローバリゼーションを進めて、インターナショナリゼーションを進めて、その結果格差が広まったんじゃないのか、おまえのせいだというふうにもおっしゃられたわけでございますが、私にそこまで力があったかどうかは別としまして、確かにそうなんです。 ですから、グローバリゼーション、インターナショナリゼーション、私は国際平和のためにもいいことだというふうに思っておりますが、ただ、その結果として副作用も出てくるから、副作用の部分についてもうひとつ手当てが必要ではなかろうか、そういうことで、税制で事後的にそれを調整する必要があるのではないか、このように考えるわけです。 ですから、この平成の三十年間を見ますと、消費税が増えて、その分、法人税と所得税が減ってしまっている。この法人税、所得税というのは累進的な税で、消費税はそこまで累進的ではない。まあ逆進的とまでは私は申し上げませんけれども、そういった比較の問題としては所得税よりも逆進性がある、こういうことでございますので、ですから、この税制の組合せ、おとといの麻生大臣の答弁では、やっと直間比率が少し直ってきた、こういうふうに表現をされておりました。直間比率、ですから、間接税の比率をもうちょっと高めるべきだ、昭和の時代より高めていくべきだというのが麻生大臣のお考えかと思いますが、私はそうではなくて、やはりもう少し直接税の方が多い方がよかったのではないのか、このようにも考えるわけでございます。 ですから、消費税中心ではなく、法人税、所得税を中心にすべき、間接税から直接税にもう少し重点を戻すべきではないかというふうに考えるわけですが、大臣の御見解をお聞かせください。
○麻生国務大臣 いわゆる税の構造変化の直間比率の話をされましたけれども、平成の初め頃までの直間比率というのは、たしか七九対二一かな、とにかく八対二ぐらいだったと記憶するんですが、今、それが六五対三五ぐらいまでになって、間接税の比率が上がって直接税の比率が下がったということになっているんだと思います。そういった意味では、住民税、所得税等々を合わせた最高税率も、たしか九〇%、八八%ぐらいだったかな、何か、とにかく九割ちょっと下ぐらいのところまでだったのが、今のような形になってきています、五十何%になっていますし、法人税も、国税だけで四二、三%だったと思っておるんですが。 こういうような税制をもし続けていたとするならば、多分もっと日本から大量に、外国に移動したというような人がもっともっと大量に増えていただろうと正直思います。今現在も、随分、シンガポールやら、あそこらに住んでおられる方、おられますので。そういった意味では、余り高くすると勤労意欲の低下というような問題も起きてきますし、今こういった時代になりますと、どんどんどんどん海外でということになりますので、そういった意味では、企業を誘致するというような意味で、日本の雇用を守るという意味で、誘致するというようなこともできなくなるというような様々な問題が生じるおそれがありますので、私どもとしては、この税の話というのは、今のような、あなたがお進めになったグローバルというような世の中になってくると、所得税、法人税、消費税というようなものの組合せというのは非常に重要なんだと思います。 何となく、間接税の比率を、高いのがよろしくないという御意見のように聞こえましたけれども、今の日本の人口構成からいきますと、生産年齢人口は今から激減していきますから、代わって、七十五歳以上の後期高齢者がわあっと増えてくる。二年いたしますと、来年から、いわゆる団塊の世代の第一期、昭和二十一年生まれが全部一斉に後期高齢者になりますので、この世代は前の年の五年間に比べまして人口で約三割ぐらい増えているという極端なところなので、これがぼんと増えますと一挙に負担が増えるということになりますので、いわゆる給付と負担という部分でいくと、給付を受ける人の数が急激に増えてきて、負担するいわゆる勤労世代が今猛烈に減っていますから、その分負担が高くなる。 それは、直接税の比率が高ければ、その分は一挙に増えるということになりますので、やはりこの直間比率の問題というのは、やはり人口構成とかいうのを考え、勤労者負担というものがどれくらいまでというのをよくよく考えないとこの問題は解決できないので、間接税の比率が高い方が広く薄く多くの方々に負担をお願いできるという形で、我々の考えておりますいわゆる国民皆保険等々の制度の維持にもつながっていくんだと思っております。
○櫻井委員 その直間比率の話につきましては、まさに間接税中心、間接税にもっと比重を置くべきだという麻生大臣の御意見、お考え方は、おとといもお聞かせいただいたところでございます。 それに対しては、私の方からは、まさに、確かに現役世代が減ってくる、現役世代に過重な負担にならないようにする一つの工夫として、相続税というか、相続税的な要素をもう少し社会保障も含めて取り入れるべきではないのか。 例えば、基礎年金の部分については半額、税でやっているわけですから、それで使い残った部分については戻していただく、これはクローバックということでカナダやフランスでは既に行われていることでございますが、そうした考え方と、これは社会保障と組み合わせることになりますから、むしろ社会保障の中で議論されることかもしれませんので、厚生労働委員会でまたそういった議論ができればというふうには思いますが、そういうのと組み合わせることによって、工夫の余地はいろいろあるのではなかろうかというふうに思いますので。それはおとといの議論でございます。 法人税についてもう少しいろいろな工夫の余地があるのではないのかということで、例えばアメリカでは、トランプ税制、二〇一七年十二月にできた、トランプ大統領は大規模な法人税の減税をやったわけでございますが、それ以前までは、アメリカでは法人税にも累進課税があった、法人税にも累進制というような考え方を導入するというのはどうか。 何か変に思われるかもしれませんけれども、実は日本でも中小企業税制というのが実質的にはそういった役割を果たしているのではないのか。そこをもう少し整理をして、シンプルな形にできないだろうかというふうにも考えます。そうすることによって、格差是正にもつながり、また、シンプルな税制にもできる。 そして、最近は大企業であっても、中小企業の法人税制、メリットを享受したいとあからさまには言っていませんけれども、資本金を大幅に減額することによって、それで中小企業税制のメリットを受けようという企業もちらほら出てきております。資本金の増減でこの税制のメリットを受けられる受けられないというふうになるのもまたこれはおかしな話だと私は思いますので、むしろシンプルにする、格差是正にもつながる法人税の累進制、こういう考え方もひとつ検討する余地があるんじゃないかと思うんですが、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
○麻生国務大臣 法人税というのを介しての累進課税の話をしておられるんだと思いますけれども、銀行におられたという話なので、金を貸す方の立場でやっておられたんだと思うんですが、実体経済というものの前の、経営という個の話になりますと、会社というのは、これは個人じゃありませんから、税負担を回避するためなら、資本金でやられたら、それはすぐ、会社を分割すればいいので簡単に下げられますよ、税制は。法人税というのは、そういった意味では、利益が減った場合は合併してそこそこにして、利益が出たときはぱっと分割して安くする。法人というのは、会社を経営したことがありますのでよく分かるんですけれども、そういったような形で節税とか税逃れができないようにするためにも、やはり単一税率を採用しておられるのが普通なんだと思いますので。 アメリカの場合は、単一にする前に、あれはいろいろ税率が、特に小さいところには、あれはレーガンのときでしたかね、えらい勢いで、四段階だか五段階だかあって、一五%から三十何%まであったんだと思いますが、今、それを一律にして、ブッシュのときに二九、八にしたんですかね、たしかそんなものにしたんだと。ちょっと正確じゃありませんけれども、して、日本の場合も、三十幾つだったものを下げて、二九・幾つまで下げて、それでもアメリカよりはまだ高いですけれども。 そういった意味で、イギリスなんかは一八とか、いろいろな形で税率を分けておりますが、法人税率の引下げ競争みたいなのはやめた方がいい、結果的にそれが、BEPS逃れとかいろいろな形で節税対策で海外に会社が出ていっているというので、結論、税金を払っていないというような会社がやたらめたらと今話題になってきていますけれども、そういったようなものになる元になるからこの種のことはやめた方がいいというのが日本の主張で、おかげさまで少しそれが形になりつつありますけれども。八年かかってこれぐらいまでやっと来たので、今年中にこの残りのところを積み上げて、世界中、そこのところ、税逃れできないような形で、今、ケイマン諸島とかいろいろなところに逃れているのもというように思っていますけれども。 そういうのを含めまして、これはなかなか、今思われているように簡単にいく話じゃないんですけれども、税制というものは、会社に関しての、累進でやるというのには、そういったような、経営者の方は細かくぱっぱっというのがやりやすいという、現実を考えますと、それは櫻井先生、なかなか、世界中これをやらなかった理由というのはこの辺りにあるんじゃないかなと私は思いますけれども。
○櫻井委員 国際的な税制については、ちょっと後でまた議論させていただきたいと思います。 あと、ちょっと直接税、間接税の話に関しましては、間接税ですと、財務省から見ますと、景気の動向にかかわらず比較的税収が安定しているということで、安定財源なんという言い方をしたりしますけれども、端的に言えば楽だというふうに思います。 しかし、一方で、景気の変動をならしていく、財政にはビルトインスタビライザーという機能もあるというふうに言われているわけですが、ただ、直接税から間接税にシフトすることによって、このビルトインスタビライザーの機能がすっかり細ってしまったのではないのか、損なわれてしまったのではないのかというふうにも懸念をいたします。 特に、法人税について言えば、赤字になれば、税金を基本的に、地方税はちょっと別な要素はありますけれども、払わなくて済む。ところが、たくさん大もうけすれば、その分たっぷりと納税するということになりますから、そうすると、景気の変動もずっと緩和させることができる。過熱したらちょっと冷まして、悪くなったらちょっと底上げする、こういう機能はあるわけですから、やはり、そういった観点からももう少し直接税の比重を増やすべきではないかというふうに考えるんですが、この点、麻生大臣のお考えをお聞かせください。
○麻生国務大臣 今言われた、二十七年、二十八年の税制改正によって、このときに成長志向の法人税改革というのを私どもとしてはやらせていただきました。そういった意味では、いわゆる租税特別措置、特措法というのをどんどんどんどん縮減させていただいたり廃止してもらったりして、課税ベースを拡大しておいて、その分で財源をしっかり確保しながら、その上で法人税率を引き下げる、プラスマイナスちょうどゼロぐらいのところにしたんですけれども。 今の法人税率、櫻井先生の方からありましたけれども、今後の在り方ですけれども、これは国際的な動向というのを先ほど言われましたけれども、ここのところは十分に留意してこれは検討していく必要があるんだと思っていますので、今、ビルトインスタビライザーというのは確かに大事なところではありますけれども、こういったようなものを含めまして、私どもとしては、法人税の在り方、今、BEPS等々で検討させていただいて、世界中に、これは税逃れが極めて簡単にできるという今の現状というものは、これはコンピューターの発達のおかげで瞬時にできるということになっているという現状を考えると、少なくともこの問題に関してはいろいろな角度から十分な検討が必要で、かつ、一国じゃできません、みんなで組まない限りはこれはできぬということだろうと思っております。
○櫻井委員 あと、金融所得課税について、大臣、既にこの私の質問の中でも何回か言及いただいておりますけれども、これは、ずっと我が方からは金融所得課税を強化するべきではないのか、総合合算するべきではないか、こういうことで質問もさせていただいております。 ちょうど一年前のこの財務金融委員会でも海江田議員から麻生大臣に質問しておりまして、ここでは、麻生大臣も、所得再分配機能を改善するために七年前に一〇%から二〇%に引き上げたと。一方で、千八百兆円とも言われる個人金融資産の半分は現預金であり、貯蓄から投資へという流れをつくるためには、金融所得課税は難しい、こういう話もされて、そして、昨年の時点では、来年度の税制改正でちょっとこの点は検討させていただく、このように締めくくられております。 一年たって、今なわけでございますが、この金融所得課税強化について、来年度の税制改正には盛り込まれていないわけでございますが、これはどういう検討をされた結果なのでしょうか、ちょっと教えていただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、コロナがなかったら多分もう少し早めに前倒しでできたんだろうと思っているんですけれども、今言われましたように、一〇から二〇に上げさせていただいておりますけれども、今、株価も、三万、今日は七、八百円下がっていると思いますので、それでも三万弱、二万九千九百幾つというような感じですので、ようここまで戻ってきたなという。私どもが政権を引き継いだときは八千九百円ぐらいだったと思いますので、ようここまで戻ってきたなという感じはありますけれども。 今言われますように、所得分配という、回復に効果があるようにという点を考えてやらないかぬという金融所得の分離課税というところの見直しという点は一つの大きな要素なんだと思いますけれども、私ども、今ちょっと言われましたけれども、今、個人金融資産はもう千八百兆じゃなくて千九百兆になっていますから、そして、そのうちの現預金比率は一千三十兆ぐらいになっていると思うんですね。 やはり、昔株屋にだまされたという意識が多い人は田舎に行かれると多いんですよ、私のところなんかでも。それで、株屋に乗せられたとかいって、株屋というのは大体、もうほとんど信用しちゃいかぬ、嫁に行こうものならとんでもないというような感じでというのが我々の世代からしばらく続いたんですけれども。 やはり、今、証券の中でいろいろ言われますけれども、外国等々、先進国を見ても、個人金融資産の五〇%以上がキャッシュという国は、私が知っている範囲では日本だけです。ほかの国は三〇%ぐらいがいいところですから。 そういたしますと、約五、六百兆円の金が金利も全然つかないのに銀行に寝ているわけです。預かっていた方の立場なんだからよくお分かりだろうと思いますけれども。しかも、借りてくれる人がいないから、銀行は。したがって、貸出先がないだけ預金がたまる。預金は銀行の勘定でいったら、あれは借金ですからね、貸方、借方の世界でいうと。それはお分かりだろうと思うので。その借金源だけ増えて、払えないから結果的に預り金を下げるわけですよ、どんどんどんどん。 今、一万円の金利所得を得ようと思ったら、普通預金ですから〇・〇〇一とすれば、十二億円、分離課税が二〇%かかるかして、十二億円預金がないと一万円の、普通預金では金利が出ない。異常でしょうが、こういうのはやはり。こういったような状況に今あるんですよ、日本という国は。まあ、ほかの国も似たようなものですけれども。 したがって、こういった意味で、私どもとしては、お金が少なくともほかのところに行く、企業でいえば給与、賃金、設備投資に回る。配当でもいいですよ、回る。また、個人でいえば、金利を生まない現預金のところの部分が、例えば家屋の取得、家屋を買うとか、又は株を買うとか債券を買うとかいろいろな形で、金利を生まないキャッシュからほかのところに移るということが起きないと、これはもうずっとGDPには何の影響もしない金がそこにずっと寝ているわけ。 という状況にありますので、私どもは総合的に考えて諸制度を触らないと、ここだけ触ればどうにかなるという、そんな簡単な話じゃないのかなと思っておりますので、令和三年度ということで今検討を開始せないかぬと思っておりますので、このコロナのおかげでちょっと、予定が大分狂っているんですけれども、検討せなならぬ課題だと思っております。
○櫻井委員 来年に向けて検討を進めていただけるというお話ですので、是非よろしくお願いいたします。 次のテーマにちょっと移らせていただきます。 国際的な税制の課題についてお尋ねをしたいと思います。 財政悪化というのは、日本もそうなんですが、日本だけではなくて世界中、コロナ禍でそういったことが起きている。ただ一方で、感染症から命と暮らしを守るため、そして生活を立て直すために財源が必要だというのは各国共通の課題かと思います。 先ほど来大臣おっしゃられているとおり、各国で税の引下げ競争みたいなことになっちゃいかぬ、私も全くそのとおり、そういうふうに思いますし、以前から別の委員会でもそのような話については申し上げてきたところでございます。麻生大臣の御尽力によりここまで来たかということで、一歩一歩進んでいることに本当に感謝したいといいますか、すばらしいなというふうに尊敬申し上げているところでございます。 この国際的な税のことについて、私なりに大きく三つに分類させていただきますと、一つは、税の節税とか脱税、ケイマンとかそういう話もされましたけれども、そういった部分。合法的な部分も含めて、本来納めてもらうべき税が納めていただけていないようなところがまず一つ大きくあるのではなかろうか。 二つ目としましては、新しいもの、先ほどICT技術というふうにおっしゃいましたけれども、こうしたデジタル分野においてなかなか課税がうまくいっていないという部分について、これも国際的なルールを決めていきましょうよという取組が最近行われているということ。 そして、三つ目には、先ほど来おっしゃられている税の引下げ競争みたいなことが起きていては囚人のジレンマのような状況に落ちてしまうから、それはやめようよ、むしろ、お互いそこそこの税で、ある種しっかりと税を納めてもらうようなルールづくりをしましょうよ。 こういう三つの大きな方向があるのかなというふうに思います。 そのまず最初の二つ申し上げたところですね、租税回避とかこういった問題について、BEPS、ベース・エロージョン・アンド・プロフィット・シフティングという課題について、国際的な会議で麻生大臣も御努力されて、御尽力いただいているということを承知しております。また、デジタル課税についても、アメリカ、トランプ政権時代には余り話に乗ってきてくれなかったということはございますが、バイデン政権になって、そしてイエレン財務長官が就任されて、議論にちゃんと参加します、こういうことも表明されている。また、先々週でしょうか、G7の財務大臣・中央銀行総裁の会議、テレビ会議が開催されたというふうにも聞いております。 そうした中で、こうした国際的な課税のルールづくりで進んでいるというふうに承知をしておりますが、最近のこの進捗状況について教えていただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、八年前、二〇一三年だと思いますが、平成二十五年に、五月にイギリスのバッキンガムシャーというところでG7の中央銀行・財務大臣会合というのが開かれたときに、いわゆる国際課税というグローバルな話というのをこのG7のここでやらないでどこでやるんだという話で、デジタライゼーション、デジタル化というものによって、いわゆる消費者がいるマーケットで、工場等々の物理的拠点を持っていないということであっても、いわゆる物流がうまくいき、それにデジタルでということになって、いろんな形で、物理的な拠点を置かずともビジネスができるというようなのになったということに対して、そこのマーケットへ適切な課税ができるようにすべきじゃないのかと。 これを我々の世界ではファーストピラーという、第一の柱と呼んでいるんですけれども、企業間の公平な競争というのの競争条件というのを確保しないと、少なくとも公平を欠く、不公平なことになるんじゃないかと。 こうした問題を解決するためには、これは一国でやったってどうにもならないので、主要国全部でということを言って、二年かかって、京都で集めて、四十三か国というところまで来て、今百何十か国まで来ましたけれども、これに対して、アメリカの参加は絶対だと。しかし、そのアメリカ自身も、いわゆる節税、減税対策をやっている大きな会社の中枢は皆アメリカにありますから、そういった意味では、なかなか、うんともすんとも返事をしない状況で、押したり引いたりしながらここまで来たんですけれども。 バイデン政権においては、この話を、FRB、アメリカ連邦準備銀行の総裁をやっていたイエレンという長官が今度の政権の財務大臣、早い話が日銀総裁が財務大臣になったような形になって、この人が入ってきて、二度ほど電話で、この間もG7の会合でもありましたけれども、いわゆる国際合意を目指すというOECDにおけるBEPS、その国際課税の話の議論にアメリカとしても積極的に参加しますというところを、こっちに電話で言った上に、G7の会議でも、みんなの前で、バイの話ではなくて、一対一ではなくて、みんなの前でもう一回表明をしておりますので、これで、少なくとも今年、昨年中に決着をつけたかったんですけれども、日本がG7の議長をやっている間にと思ったんですけれども、なかなかそうはいきませんでしたので、今回、サウジアラビアの議長国からイギリスに替わりましたので、よくこの種のことの分かっている人がイギリスの財務大臣でもありますので、これを、今年の半ばまでに決着をつけようという話で、少なくとも、フランスも一応のってくる、きつつあるというところまで来ているので、気を緩めず、最後まで詰め切らないかぬところだと思っているというのが、経過報告といえばそんなものです。 これが最後まで行けるかどうか、もうちょっと最後まで見ないと分かりませんけれども。
○櫻井委員 大きな方向性、二〇一五年に一つ大きな取決めをしているというふうに承知をしておりますが、そこから更に進んだものができるということを大変期待をして、引き続きの御尽力をよろしくお願いいたします。 そのほか、法人税、先ほど三つ目の点というふうに申し上げまして、法人税の引下げ競争、これが囚人のジレンマのようなことになってしまっているのではないのか、そうならないようにG7、G20で協調してやっていかなきゃいけないということについても、大臣が一生懸命努力されているというふうに承知をしておりますので、それも併せてよろしくお願いいたします。 続きまして、本日、日本銀行総裁、黒田総裁にも来ていただいておりますので、質問の順番をちょっと入れ替えまして、黒田総裁に質問させていただきます。 これまで黒田総裁とは何度もこの委員会で質疑をさせていただきました。その中で、黒田総裁、デフレの要因として貨幣現象による部分と貨幣現象によらない部分がある、こういうことについて認識を共有できたというふうに思います。 そこで、本日はその先の議論としまして、貨幣現象による部分について、異次元の金融緩和をずっとやっておるわけでございまして、日経平均株価、ここのところ三万円を超えたり切ったりというような状況ではございますが、こうしたところまで来ているわけですから、この貨幣現象による部分でのデフレの要因というのはもはや解消されているのではないのかというふうに私は考えているわけです。そして、金融機関の、日本銀行の当座預金も五百兆円近い残高があるのではなかろうかというふうにも思いますので、そうしますと、異次元の金融緩和でマネーはもうあふれているわけですから、ただ、それが銀行にたまっていて市中に出回っていないというところがこの課題ではなかろうか。 ですから、もう日本銀行としてできることはやり尽くしているのではなかろうかというふうに私は考えるんですが、このデフレの貨幣現象による部分について、日本銀行は果たしてやり残した部分があるのかどうか、この点についてお聞かせください。
○黒田参考人 以前にも申し上げましたとおり、現実のこの物価上昇率というものは、金融政策だけではなくて様々な要因が影響することは確かであります。最も典型的には、例えば原油価格が大きく上がったり下がったりしますと、インフレ率を引き上げたり引き下げたりいたします。ただ、この物価の安定を実現するということは日本銀行の使命であることも事実でありまして、これは日本銀行法にも明確に定められておるわけであります。 そうした認識に立ちまして、日本銀行としては、デフレを克服するために二〇一三年に量的・質的金融緩和を導入して大規模な金融緩和を続けてきたわけでして、その下で経済が大きく改善して、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではない状況となったと思います。 足下では、感染症の影響によって経済、物価に下押し圧力がかかっておりまして、当面マイナスで推移すると見ておりますが、先行き、経済は改善していく下で、時間はかかるものの、物価は二%の物価安定の目標に向けて徐々に上昇率を高めていくというふうに見ております。 なお、物価、基調的な動きですね、原油価格とか、最近の例えばコロナのショックとか、そういうものでない基調的な動きについては、標準的な経済学の考え方は、御承知のとおり、経済全体の需給のバランスであるマクロ的な需給ギャップと、人々がその物価上昇についてどのような予想をしているかという中長期的な予想物価上昇率、この二つによって決まってくるというのが標準的な考え方だと思います。 したがいまして、現在日本銀行が行っている金融緩和は、こうした考え方に沿って、イールドカーブコントロールの下で金利を低位に安定させる、それと同時に、インフレ率が安定的に二%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続するということでオーバーシュート型コミットメントをして、二%の物価安定の目標の実現にコミットして人々の予想物価上昇率の引上げを図ることを意図しているわけで、こうしたことを通じて、名目金利から予想物価上昇率を差し引いた実質金利を引き下げるということが金融緩和の起点となって、こういった緩和的な金融環境が経済活動を活発化して、需給ギャップが改善して、物価上昇につながっていくというふうに考えております。 ただ、確かに、御指摘のとおり、これまでこれだけの金融緩和をやってきたにもかかわらずコロナのショックの前でも予想物価上昇率は一%程度で、実際の物価上昇率も一%程度ということであったことは確かでありまして、ただ、そのことから、もう金融政策ができることはない、あとはほかの政策でということは言えないのではないか、やはり、先ほど申し上げたように、需給ギャップのプラスを拡大して、それから、オーバーシュート型コミットメント等によって予想物価上昇率に働きかけを行って、時間はかかるとしても、徐々に二%の物価安定目標の実現に向けて進んでいくということが必要であり、物価安定ということは日本銀行の使命であるというふうに考えております。
○櫻井委員 そうなんですよ。物価目標を達成するというのは日本銀行の使命だと。多分、二〇〇〇年ぐらいまでの、二十年前の経済学ではそうだったかもしれませんけれども、経済状況ではそうだったのかもしれませんが、やはり、最近のこの十年、二十年の日本の状況というのは、従来の経済学が想定していたような状況とは大分違う状況になっているのではなかろうか。 ですから、デフレないしは物価水準がずっと上がらない、ゼロ%近傍でなっている状況の原因について、これはもう少し日本銀行でいろいろ分析をしていただいて、その上で、金融政策でできる部分とそうでない部分をちゃんと仕分をしていただいた方がいいんじゃないかというふうに考えるんです。 例えば、今総裁がおっしゃられた原油価格の上下、これは日本銀行で操作、何かそれに対して安定化させるような貢献ができるのかといったら、それは無理ですよね。コロナが例えば需要を冷え込ませているという側面はあろうかと思います、では、コロナ対策、これは日本銀行の仕事ですか。違いますよね。これは厚生労働省なり別の役所の仕事でございます。でも、それが物価水準に与えている影響があるわけですから、日本銀行にできないことをやろうとしたって、それは無理な話ですので。ないしは、コロナ禍で消費が冷え込んでしまっている、だから金利をぐっと下げればそれで需要が喚起されるのかといったら、それはしないわけで、していないわけですから。 そういうことも含めて、日本銀行ができることとできないこと、それはやはり、それぞれいろいろな役所があって、つかさつかさがあるわけですから、そこを整理していただく必要があるのではなかろうかというふうに思うわけです。 また、コロナ禍以前の状況についてですけれども、黒田総裁が今おっしゃられたとおり、需要と供給のバランスで物価水準は決まるんだ、これはもうそのとおりだというふうに思いますが、では、日本の場合、供給に対して需要の方がずっと冷え込んでいる。特に、先ほど来申し上げてきたとおり、個人消費がずっと冷え込んだままというか、そこが伸びてこないというところがある。その裏には何があるかというと、少子化なりそれから格差の問題がある。では、その少子化なり格差の問題というのは日本銀行ができることなんでしょうか。それは、少子化対策を日本銀行がやりますといったって、できないですよね。 ですから、そこは日本銀行の仕事じゃないでしょう、これはもう一義的には厚生労働省の仕事でしょうということですから、できないことをやりますといって抱えてしまって、それでほかの役所が、ああ、日本銀行に任せておけばいいやというふうになってしまう方が問題ではなかろうかということで、これまでいろいろ議論をさせていただいたわけでございます。 例えばアメリカのような社会でありますと、金利が下がると、例えば住宅のニーズというか需要は依然として旺盛である、人口がどんどん増えている、移民がどんどん入ってくるということも含めまして人口が増えている、だから、住宅が欲しいと潜在的に思っている方が大勢いらっしゃるから、金利がぐっと下がってくれば住宅需要が膨らんで、それで景気がわっと上がってくるという側面はあろうかと思います。 では、日本でそういう状況があるかというとそうでないわけですね、人口減少だから。住宅ももう大分余っていて、むしろ空き家の方が問題になるというような状況なわけですから。そうすると、やはり、日本銀行が金利を上げ下げすることによって需要を喚起できるかというと、それも難しいという状況なわけですから、そこは是非整理をしていただきたいというふうに思うんですが、いま一度、この整理、やっていただけますでしょうか。
○黒田参考人 従来から申し上げておりますとおり、今回のコロナ感染症の影響に対応して、日本銀行としても金融政策を強化したわけです。それはあくまでも、企業の資金繰りの支援であるとか、それから金融資本市場が不安定化しないようにするとか、そういったことをやっておりまして、コロナ禍の公衆衛生的な問題であるとか、それが直接的に社会経済活動に影響していることを金融政策で是正するというつもりはもちろんないわけです。そういう意味では、日本銀行としてできることを最大限やっているということであります。 二%の物価安定目標に向けて、これは中長期的な話ですけれども、最大限の努力をしておりますが、このコロナの影響もあって、物価上昇率が確かに足下で下がっていまして、コロナ感染症が収束されても、これは日本だけではなくて欧米でもそうですけれども、経済に一定の影響が残ってくると思われますので、欧米もそうですけれども、日本の場合はもっと極端に、二%の物価安定目標の実現に、従来考えていたよりもっと時間がかかるということになっておりますので、十二月の金融政策決定会合におきまして、現在のイールドカーブコントロールの下で今後もやっていくわけですが、その金融緩和の効果がより効果的になり、かつ、持続できるようなものにできないか、点検を行うということにしております。 現在まだ点検中ですので、方向性について何か申し上げることはできませんが、御指摘のような、これまでの金融政策の効果、それから、十分に物価が上がってこなかったこと、そういった経済的な分析も十分議論して、先ほど申し上げたような、今後、目標を達成するためにより効果的でより持続可能な金融緩和政策というのはどういうものかということを三月の金融政策決定会合において議論して、明らかにしたいというふうに考えております。
○櫻井委員 先ほど来、物価二%の目標に対して、日本銀行ができること、できないこと、ちゃんと仕分をして、そして、日本銀行にできるところはしっかりやっていただく。というか、もう既にやり過ぎるぐらいやっていて、もうこれ以上ないと私は思うんですけれども、その効果についてしっかりと検証していただくという中で、残りの部分については、日本銀行でどうにもならない、ほかの省庁でやってくれという話だということも明らかにしていただきたいというふうに思います。 何でこんなにしつこくこういったことを申し上げているかといいますと、一時期、日本銀行は、できることは何でもやるんだというふうな形でやってきた。やり過ぎちゃったりしていることもあったのではなかろうか。 例えば、二〇一六年一月にマイナス金利導入をした。短期金利を下げるつもりでマイナス金利を導入したら、長期金利、十年物の国債までマイナス金利になっちゃった。これは大変だということで、十年物までマイナス金利になっちゃったら、もう生命保険とか、どうしても長期の債券を持たないといけないような機関、そういう長期の債券というのは国債ぐらいしかないわけですから、日本の場合、社債市場というのはそんなに大きくないですから、そうすると、そういった業種が立ち往生してしまう。 これはまずいと思ったんでしょうか、イールドカーブコントロールという名の下で、ある種のステルステーパリングとかいろいろなことを言われておりますけれども、長期の国債を買うのをやめたりとかして、十年物の国債がマイナス金利にならないようにいろいろ工夫をされたのではなかろうか。 ですから、やり過ぎると、いろいろ別なところで弊害が出てくる。副作用の方が大きくなってしまう。また、ずっと長期の低金利を続けた結果、地方の金融機関を中心に苦境に陥っている。だから、今、麻生内閣では、地方の銀行は何か合併しろみたいなことをおっしゃっておられるようでございますけれども、そういうことになってしまって、本来、別なところにしわ寄せが来て、しわ寄せがまた別な問題になっちゃっている、こういうことにもなりかねないわけです。 ですから、こうした長期化する異次元の金融緩和の弊害の方が大きくなっているのではなかろうかというふうにも思うので、是非この点も考えた上で、次の政策決定会合では十分考慮していただきたいというふうに思います。 それからあと、二〇一八年の七月の金融政策決定会合においては、いわゆる柔軟性を取り入れて、それまでプラスマイナス〇・一のところをちょっと倍に膨らます、つまり、プラスマイナス〇・二の幅でこの金融のレンジを取り入れますよということで、ちょっと幅を広くした。 幅を広くしたということは、ちょっと、別に真ん中の数字は変わっていないんだからということなんですけれども、ポイントは、上が〇・一から〇・二に上がったというところでございまして、やはりさすがに長期にわたるこの超低金利、ゼロ%金利というのはまずかろうと思って、この〇・一から〇・二に引き上げたりしているのではなかろうかというふうにも観察をしております。 そういった意味では、もう少し柔軟性を取り入れる必要がここに来て出てきているのではなかろうかというふうに考えるわけですが、この点について総裁のお考えをお聞かせください。
○黒田参考人 先ほど申し上げたとおり、点検の中で、イールドカーブコントロールの枠組み自体はよく機能しておるのでこれを変えるつもりはないんですけれども、その下での資産買入れのやり方とか内容については、十分その効果と副作用を点検して、より効果的で持続可能なものにしていきたいというふうに考えております。 長期金利について、おおむねゼロ%程度、こういうふうに言ってきた、おおむねゼロ%というのはどのくらいの幅なのかというので、御指摘のように、かつて、おおむねプラスマイナス〇・一%の倍程度変動し得るということを想定しているといって、その範囲内で変動していたんですけれども、ただ、現在は、感染症が経済に打撃を与えるという中で、イールドカーブ全体を低位で安定させるということが大事になっていますので、ゼロ%程度というのを上げていこうということではないということは御理解いただきたいと思います。
○櫻井委員 それから、あとちょっと、資産買入れの、要はETFの買入れについてもこれまで何度も質問させていただいておりました。 直近の株高も受けましてですか、最近は日本銀行もETFの買入れを絞っているといいますか、大体、以前は日経平均株価が〇・五%以上下がるとほぼ間違いなく日銀が出動するということだったのが、最近はそうでもなくなってきたということで、市場の方でも、日銀の動き方というか、ある種、これは正常な姿だと思うんですけれども、そういった動きになっているのではなかろうか、こういうふうにも見られているようでございます。 先月の金融政策決定会合では、当面、現在の金融市場調節方針や資産買入れの方針を維持すべきと言いながら、イールドカーブコントロールやETF買入れにおいて、より弾力的でめり張りある運用が必要と。めり張りがある運用ということは、高いときには高値をわざわざつかみにいくことはしないということで考えておられるのか、つまり、高値で買うことは控える、こういう理解でよろしいでしょうか。
○黒田参考人 ETFの買入れにつきましては、市場の状況に応じて上下に変動し得るということにしておりまして、まさにめり張りのある柔軟な買入れを行っております。 実際、市場が大きく不安定化した昨年春は積極的な買入れを行いましたが、その後、市場が落ち着きを取り戻していく下で買入れが減少しておりまして、昨年秋以降は少額の買入れにとどまっております。 このように、現在の金融政策調節方針の中でも十分めり張りのある柔軟な買入れが行えるようになっておりますし、そのようにしているということでございます。
○櫻井委員 もう時間がなくなりますので質問は終わらせていただいて、最後、ちょっと大臣に御要望させていただきます。 今まさに確定申告の季節でございまして、昨年のこの時期にも同じような話をさせていただいておりますけれども、やはり、特に、去年そして今年は感染症ということで、確定申告、税を納めに来ていただく方についても大変気を遣っておられるわけでございますし、その現場で働いている職員の方も気を遣っておられる。こうしたことにも配慮しながら徴税業務をしっかりと進めていただきたいとお願いするとともに、税の減免等のいろいろなことをやっておりますから、そうしますと、延期をするのに、税の繰延べ手続といいますか猶予するのに一回手続をやって、そしてもう一回後で徴税する、仕事が二倍になるわけですよね。そういった国税の現場での職員の処遇といいますか、人員確保等、いろいろ現場のことにも目くばせをしていただくようお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 本日は、どうもありがとうございました。
○越智委員長 次に、階猛君。
○階委員 立憲民主党の階猛です。本日もよろしくお願いします。 私のお配りしております資料の一ページ目、これは前回お配りしたものと同じでありまして、財務省の後年度歳出・歳入への影響試算から抜粋したものです。これを見ていただきますと、二〇二五年度の数字がないわけです。二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化目標を掲げるのであれば、財務省は最低限これを示すべきだということを前回の質疑で指摘しました。 二〇二五年度の一般会計のプライマリーバランスの見通しを試算した結果はどうなったのか、財務大臣から数字だけお答えください。
○麻生国務大臣 前回、二月の二十四日のこの委員会において階先生からお求めのあった前提があります。「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」の前提を用いて、二〇二五年度の新規国債発行額を二〇二四年度と同額とするなどの仮定を置いて、事務方に、機械的に計算をさせていただきました。 その上で、二〇二五年度の一般会計プライマリーバランスは、二〇二四年度の十一・三兆円からやや改善して、十兆一千億円となったと報告があったので、御報告を申し上げます。
○階委員 機械的な試算ということですが、今の十・一兆円という数字なんですが、内閣府の見通しが、私の資料で一番右の方に手書きで書き込んでおります、八・七兆円の赤字ということですので、それよりは悪い数字になっているわけです。 八・七兆円と十・一兆円、かなり開きがあるわけですけれども、こうした異なる見通しが同じ政府の中で出されるという状況について、どのようにお考えでしょうか。大臣、お答えください。
○麻生国務大臣 これはもう御存じのように、二つの試算というのは前提とか手法というのが異なっておりますので、それぞれの試算の特性というものに応じて、中長期的な経済とか財政運営の在り方等々を検討する際の参考にさせていただくということなので、両方とも有用に利用できる、活用できる資料だと思っております。 内閣府の中長期試算は、国の特別会計とか地方を含めたいわゆる国民経済計算ベース、いわゆるSNAベースで、経済とか財政の相互関連を加味した計量モデルによって試算を行ったというものでありまして、政府の財政健全化目標でありますプライマリーバランスの黒字化の進捗とか見通しの分析に用いることとされておりますのは御存じのとおりです。 一方で、財務省の後年度影響試算というものは、これは国の一般会計のみを対象にして、いわゆる令和三年度におけます制度、施策を前提として、それらが基本的に継続するという場合に、向こう三年間の歳出歳入などの程度を、影響をもたらすかについて、これは計量モデルではなくて、個別の歳出歳入等々、項目を積み上げた計算等を行うものであると理解しております。 このように、中長期試算と後年度影響試算というものは異なるものですけれども、それぞれの試算の特性に応じた意義があると考えておりますので、是非そういったように御理解いただければと思っております。
○階委員 それぞれの試算、特性に応じて活用し得るというお話ですけれども、しかし、そもそも活用できる代物なのかどうか。 まず、財務省の試算の方ですが、前提となっている数字が極めて理想的なものですね。前回も指摘しました。二〇二二年度には、デフレを脱却して物価安定二%目標をいち早く達成するわけです。にもかかわらず、物価安定二%目標が遅れる前提の内閣府の試算よりもむしろプライマリーバランスが悪化する見通しになっている、ここのところがよく理解できないわけですけれども。 内閣府の方に、一方、目を転じてみますと、内閣府の見通しの前提となる経済指標は、まず、名目経済成長率が三%を大幅に上回っているために、税収の増加予想が極めて高くなっています。それから、長期金利がゼロ%近辺で推移することで、国債費、つまり借金返済の額の底ばいにもつながっていて、そういったことから、さっき言った、デフレ脱却は遅れるにもかかわらず内閣府の方が財政健全化が進むというようなおかしなことになっている。 いわば、財務省の見通しも御都合主義だけれども、内閣府の見通しはそれに輪をかけた御都合主義だと言わざるを得ないんです。 なおかつ、そうした輪をかけた御都合主義を尽くしたとしても、二〇二五年度の、一般会計だけでなく特別会計の一部も含めた全体のプライマリーバランスの黒字化目標には七兆円以上も足りない、こういう結果になっているわけですね。こういったものが使えるんでしょうかということです。 つまり、今の政府の見通しは、財務省の方も内閣府の方も、目標と現実とのギャップを過小評価しているわけです。これでは財政健全化の努力も本来あるべき姿より緩んでしまう、そういう懸念があるわけです。 こういう状況を防ぐには、政府内の御都合主義的で形骸化した見通しとは別のものが必要ではないか、こういう問題意識を持っています。 そこで、私たちは、国会に経済財政等将来推計委員会なる組織を置くことを考えています。これは、経済同友会や連合が提案している独立財政推計機関と同様の趣旨です。 具体的に言いますと、資料の二ページにありますとおり、両議院の合同協議会によって任命される七名の、委員長と委員から成る委員会、これが、必要な資料を国政調査権も援用しながら入手した上で、外部の研究機関を活用しながら、定期的に経済見通しなどをまとめて国会と政府に報告します。政府の方は、委員会のこの見通しに対する見解を国会に報告する。 こういうフィードバックの流れ、PDCAサイクルで繰り返すことによって、より客観的、中立的で精度の高い将来の見通しが出てくるということを期待しています。これによって、財政再建の議論がより建設的に進められるようになって、財政再建も進むのではないかと考えております。 是非、私は、与党の皆さんにも御協力いただいて、こういう組織を国会に設けたいというふうに思っています。 こうした提案について、与党の重鎮でもあらせられる財務大臣、どのように思われますか、お答えください。
○麻生国務大臣 経済財政運営をするに当たりまして、政府として、経済対策のいわゆる効果を含みます経済見通しとか、また、中長期の経済財政に関する試算、いわゆる中長期の試算等々を作成させていただいて、外部有識者も参加されます経済財政諮問会議の場で財政健全化目標の達成に向けた評価という議論を行わせていただいておりますのは御存じのとおりです。 重要なことは、これは、独立した財政機関の設置という手段ということよりも、経済財政運営の方針について様々な観点から検討を重ねた上で決定をするというようになって、経済再生と財政健全化というものを両立をさせるということで取り組むということだと思っております。 主要先進国等々においても、政府から独立性を認められた機関というものが、経済財政の見通しを作成とか、財政健全化目標の達成に向けた取組の進捗の状況を行うなど、取り入れている例があることは承知をいたしております。 しかし、各国とも予算制度とか予算編成の仕組みが異なっておりますので、何らかの独立した財政機関を設立すれば直ちに財政健全化が進むと考えることは必ずしも適当ではないんじゃないか、私どもはそう思っております。 いずれにいたしましても、経済とか財政運営というものの方針については、我々としては、いろいろな観点から検討を重ねた上で決定し、方針に従って、政府一丸となって経済再生と財政健全化の両立に取り組むということが重要だ、私どももそう思っております。
○階委員 確かに、独立財政推計機関というのはあくまで将来の見通しを示すものですから、それができたからといって直ちに財政健全化が進むわけではありません。 ただし、今の見通しは、財務省にしても内閣府にしても、余りにいいかげん過ぎるのではないでしょうか。こうした見通しを前提にして財政健全化を議論しているから、なかなか財政健全化も進まない。 むしろ、こうした現実をしっかり直視できるような客観的、中立的な見通しを示す、そういうたてつけが必要ではないか。それは、政府の中にいる組織よりも、私どもが考えているような、国会の中に置いた組織の方がいいのではないか。もちろん、政府は政府で見通しを出されると思います。それも是非精緻なものにしていただければと思いますし、そうした精緻なものにしていく上でも、国会に置かれた財政推計機関との間でのコミュニケーションをしっかりやれば、そういった方向に行くのではないかということで、是非、これは過去には与党の皆さんとも協力して案をつくってきたものでありますから、やはりこれだけ厳しい財政状況にある中でいま一度考えたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。 さて、今ちょうど確定申告の時期で、今日は所得税法等の改正案が議題となっていますけれども、徴税に当たられる税務署の皆さんも大変日々頑張っていらっしゃるかと思います。 ただ、その前に、少し問題も取り上げたいと思います。 この資料の三ページですけれども、「国税職員の不祥事相次ぐ」という見出しになっております。中を見ますと、持続化給付金をだまし取ったり、消費税の不正還付を行ったりというような、国税庁の職員としてあるまじき事件も起きているわけです。その記事の中の国税幹部のコメントとして、不祥事の内容がこれまでとはちょっと考えられないレベルだというのもあります。さらには、共通する背景はあるのかという記者からの問いに対しては、今のところ見当たらないが、非常に危機感を持っているというコメントもあります。 私は、こういうことが起こり得る背景として、前代未聞の公文書改ざん事件の首謀者と見られる佐川氏のような人物が、出世を重ねて国税庁長官になったことが大きいのではないかと思っています。私がおつき合いのある国税職員の方からも、公文書改ざん問題を契機に現場への苦情が増えたというような話を伺いました。 そこで、国税庁の次長さんに伺います。 三年前、当時の国税庁長官だった佐川氏が、国会で虚偽の答弁をし、公文書改ざんに関わったことが発覚して辞任されたということは、職員の士気や倫理観の低下を招き、業務に影響を与えているのではないでしょうか。お答えください。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 まず、昨年、国税職員が持続化給付金の詐欺の容疑により逮捕される事案や、大麻取締法違反の容疑で逮捕される事案などが発生したことにつきまして、国民の皆様の信頼を著しく損なう事態でございます。深くおわび申し上げたいと思います。 その上ででございますが、非行の発生状況の背景には様々な要因があると考えております。御指摘のような特定の原因があるかということについて結論づけることはちょっと困難であろうかというふうに思っております。 また、悪質な不祥事が増えているという点についてでございますけれども、質的にということはなかなか申し上げづらいところもございますけれども、当庁におけます近年の懲戒処分の件数ということで見てみますと、最近、近年、これが増加傾向にあるというわけではなく、職員は引き続き高い倫理観を持って職務に取り組んでいただいているものと考えてございます。 いずれにいたしましても、職員の綱紀の厳正な保持につきましては、非行はあってはならないという認識の下、より一層の徹底を図り、税務行政に対する国民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。
○階委員 確かに、件数的にはさほど増えてはおりません。また、高い倫理観を保持していらっしゃる方もたくさんいるとは思うんですけれども、現にこういう考えられないレベルだという不祥事が起きているわけですから、倫理観というものをいかに徹底していくかということが大事だと思うんですね。 そして、倫理観ということでいえば、昨日も、農水省で、事務次官を始め幹部職員六人が倫理規程違反で処分されたわけです。総務省の十一人、あるいは、実質的にこれと同視できる山田真貴子内閣広報官と合わせて、二日間で十八人の官僚が国家公務員倫理規程違反で処分されるという異例の事態になっているわけです。 事務次官といえば、国家公務員倫理法の三十九条において、倫理監督官という地位になっているわけです。この倫理監督官は、その属する行政機関等の職員に対して、その職務に関して必要な指導及び助言を行うという職責を負っているわけです。その人自らが倫理規程違反を犯している。言語道断であります。まさに倫理規程が形骸化しているというふうに言わざるを得ません。 そこで、昨日、国家公務員倫理審査会の方から、こうした事態を防ぐためにどういう活動を行っているのかというお話を聞きました。その一つとして、国家公務員倫理カードというものを毎年新たに採用される一般職の国家公務員に配付している、それから、何年かに一回は一般職の国家公務員全員に配付しているということでした。これを始めたのは、実は民主党政権の平成二十二年度だそうです。 さらに、その平成二十二年頃全員に配付されたものをずっと持ち歩いていた方もいらっしゃいまして、その表紙の写真を皆さんの資料では四ページ目につけておりますが、ここでも皆さんにお見せしたいと思います。こういう、ぼろぼろになるまでお持ちしていた方もいるという、非常に倫理観の高い方もいらっしゃるわけです。 参考までに、この表紙のほかにも重要なことがいろいろ書いておりまして、五ページ目に目を移していただけますと、これがカード全体です。下の方を見ますと、酒食等のもてなしなど供応接待を受けることや、車による送迎など無償でサービスの提供を受けることが利害関係者との間では禁止されている。利害関係者以外の間でも、供応接待を繰り返し受けることなど、社会通念上相当と認められる程度を超えて利益の供与等を受けることが禁止されています。 このカードに書いてあることを度々目にしていれば、今回の総務省や農水省のような事案はなかったのではないかというふうに私は思います。 そこで、財務省に話は移りますけれども、財務大臣に伺います。国税庁や財務省の職員には、この国家公務員倫理カードの所持は徹底されているのでしょうか。お答えください。
○麻生国務大臣 お尋ねのカード、これは今秘書官から借りたものですけれども、このカードは、周知徹底を図る目的で国家公務員倫理審査会が作成して、各府省の職員に配付をしておるという種類のものであります。 財務省、国税庁においても、全員にこれは配付をしておりまして、今、このあれに出ましたので、秘書官から借りたものですけれども。平成の三十一年に職員全体に配付をさせていただいて、以後、新規の採用職員につきましては、新しく入ってきた者に配付をしておるということになりまして、公務員の倫理の遵守というか、このほか、公務員倫理月間などの機会等々を通じまして周知徹底を図っているところでありまして、引き続き適切に対応していかねばならぬところで、大事なところであろうと思って、継続していくというのが大事なところだと思っております。
○階委員 配付されているのは分かっていますけれども、ちゃんと持ち歩いていますかということを確認したかったんですね。 今日は、たくさん官僚の皆さんも来ていますけれども、理財局長、持っていますか、今。じゃ、見せてください。ここに来て見せてください。
○大鹿政府参考人 お見せすればよろしいですか。 私は、ちょっと古いものと、それから最近配られた新しいものと、二つ所持しております。常に名刺入れに入れております。
○階委員 ありがとうございました。 ほかの幹部の方、そこに並んでいらっしゃる方、持っていますか。持っている方は手を挙げてください。
○越智委員長 階君に申し上げます。 挙手は求めないでください。質問をしてください。
○階委員 分かりました。 多分、今日こういう質問をするということで、慌てて用意された方もいらっしゃると思うんですね。全員に配られたものは青いやつですよ。新入の方に配られたのは色が違うんですね。例えば、令和二年はこういう色なんですよ。皆さん、本当に青いのを持っていますか。今日質問するから用意したわけではないですよね。 官房長、じゃ、代表してお答えください。
○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。 平成三十一年四月に今の黄色いバージョンというのが全員に配られまして、それで、財務省、国税庁全職員に配っておりまして、その後入ってきた新入省者にも配っているところでございます。
○階委員 では、皆さん、これをちゃんと持ち歩いているということで、それはそれでいいことだと思います。ただ、これが、持ち歩いているだけで、その中身が実践されていないと意味がないわけで、この中身が実践されるように、皆さんには職務に当たっていただきたいというふうに思っています。 そういう中で、予備的調査の問題に話は移っていきます。 前回も中途半端で終わってしまったんですが、まさにこの倫理カードの三項目めにありますけれども、国民の疑惑や不信を招くような行為というのを戒めているわけです。理財局長には、これから是非このことを踏まえて答弁をお願いしたいと思います。 前回までの続きになりますが、予備的調査で赤木ファイルの提出を拒んでいる問題は、昨年十一月二十四日にも当委員会で海江田委員が質問しています。その際、衆議院の調査局長から、過去の四十六件の予備的調査につき、民事訴訟を理由に資料の提出や回答がなされなかった事例はないという答弁があったわけです。これを受けて、海江田委員から、なぜ、それでは、今回の予備的調査では、訴訟に関わることであるため回答を控えたいという返答になったのかということを尋ねたところ、理財局長の方からは、訴訟外の言動等によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないからという答弁がありました。 しかしながら、この理由づけであれば、過去の訴訟係属中の予備的調査にも当てはまるわけですね。なぜ、今回だけ急にこのような理由を持ち出して赤木ファイルの提出を拒んでいるのか。今までなかった理由づけを持ち出したわけです。この合理的な理由を説明してください。
○大鹿政府参考人 お答えいたします。 まず、委員が今御指摘になられたやり取りがあったということは私どもも承知しております。 それで、財務省としましては、衆議院調査局から予備的調査の協力要請をいただいた際に制度的な枠組み等々を調べましたけれども、これまでの予備的調査において、その案件の内容について具体的、網羅的に把握することはできませんで、また、今般の民事訴訟と同様の状況の中で予備的調査の協力要請があった事例が過去にあったかどうかということは定かではございません。 したがって、過去の予備的調査への対応との比較でお答えすることはちょっと困難でありますけれども、これまでも御答弁いたしましているとおり、私ども、予備的調査につきましては、議院の国政調査権を補完するものだということで、財務省としては、この要請を真摯に受け止めて、御要請いただいた多岐にわたる項目について、できる限りの協力をさせていただいたところであります。 御指摘のファイルについて回答を差し控えるというお答えをした理由でありますけれども、これも何度もお答えしましているとおり、この予備的調査の協力要請を受けた当時においても……(階委員「それは聞いていません。なぜ今回だけ変わったのか、新しい理由づけが出てきたのかということ」と呼ぶ)済みません、それは、過去についてのものは私ども承知をしておりません。
○階委員 だから我々、過去のことを調べたわけですよ、調査局長に調べてもらったわけですよ。それで、過去のものは、全く、訴訟係属中だからといってそれを理由に提出を拒むということはなかったというわけなんですね。だから、おかしいじゃないか、国民の疑惑や不信を招いているじゃないかということなわけですよ。まさに結論ありき、隠蔽ありきで、いきなりこういう理由を取ってつけたというふうにしか思えないわけですね。 なぜ今回だけいきなりこういう理由が出てくるんですか、国会に対して。お答えください。
○大鹿政府参考人 まず、過去において、民事訴訟を理由に回答を差し控えたという例はないということでございますけれども、その点、少し、ちょっと私どもクリアでないのは、今回、私どもは民事訴訟の一方当事者でありまして、それでいながら今回の予備的調査の協力要請を受けた官公署であります、しかも、その訴訟が係属中である、そういった状況下において予備的調査の協力要請を受けたということでございます。そういった事例が本当に当てはまるかどうかという点については、私どもはちょっと定かではございません。 その上で、回答を差し控えるその根拠ということでありますけれども、これは、この委員会でも累次にわたって法制局長官から御答弁があったとおり、国政調査権そのものと司法権との関係におきましても、民事、刑事を問わず、係属中の裁判について、裁判所と同様の目的で行われるなど、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査への対応として回答を差し控えることができるというふうに承知しておりますし、それから、予備的調査は国政調査そのものではありませんし、衆議院のホームページにおかれましても、官公署にわたる調査協力要請は強制にわたるものではないということで、私どもとしては、裁判に与える影響というものを考慮して回答を差し控えたということでございます。
○階委員 私の資料の六ページ目を御覧になっていただきたいんですけれども、六ページ目に、私の方から、裁判に不当な影響を及ぼす場合に限って提出を拒み得るという近藤法制局長官の答弁を引用した上で、本当に影響を及ぼすのかということを聞いたところ、最後の方で、現在裁判が係属中でございますので、御指摘のファイルにつきまして御提出することは裁判に影響を及ぼし得るものと考えておりまして、そのために控えさせていただいているとか、その下にも、裁判に影響を及ぼし得るものと考えておりますというふうに答えているわけですね。 ここでは、問題なのは、その影響が軽微なのか、あるいは不当な影響まで達するのかどうかということなんですね。不当なと言えるかということについては、この間全く答えられていないと思うんですね。影響は及び得るということは私も一定程度は理解しますけれども、必ずしも不当な影響とは言えないんじゃないか。不当な影響となぜ言えるのか。国民の疑惑や不信を招かないように、答弁してもらえますか。
○大鹿政府参考人 お答えいたします。 御指摘の、軽微の意味するところは必ずしも明らかではございませんけれども、私どもとしては、これまでの法制局における見解等々を踏まえますれば、裁判への影響が軽微であるかといった、そういった影響の程度の問題ではなくて、訴訟外において今件について存否を含めて回答すること自体が裁判官の訴訟指揮や判断に対して予断を与えかねず、そのこと自体が裁判に不当な影響を及ぼすものになり得る、そういうふうに私どもは考えておって、そのため、回答を差し控えさせたいということを申し上げているところであります。
○階委員 だから、それでは全く法制局長官の答弁と整合しないわけですよ。訴訟係属中に並行して予備的調査がされた場合であっても、原則として、皆さんは予備的調査に応じる義務があるわけですよ。ただ、例外的に、訴訟に不当な影響が及ぶという場合には皆さんは拒み得る、こういうふうに近藤長官が先日答弁しているわけですね。 だから、皆さんの方で、不当な影響が及ぶということをちゃんと主張、立証しなくちゃいけないじゃないですか。不当な影響とまでは言えないじゃないですか。単に、訴訟が係属中に資料を出すと影響があると言っているだけですよ。これじゃ全く説得力がないんですね。 かつ、我々、国政調査権を補完する権能として予備的調査権を行使しているわけで、それを拒むということは大変な問題なんですよ。だから、不当な影響というのは、単に裁判が係属中だからということだけでなくて、それ相応の納得できるような理由を示していただかないと、拒む理由にはならないと思います。そこをちゃんと説明してくださいよ。倫理法のカードを持ち歩いているんだったら、ちゃんと説明してくださいよ。
○大鹿政府参考人 一部繰り返しになって恐縮ですけれども、まず、留意すべき点としては、法制局の見解は国政調査権と司法権の独立の関係についてであって、予備的調査は私どもも極めて重く受け止めておりますけれども、予備的調査あるいはこの委員会における質問等に、そのものに当たるかどうかというのは定かではありません。 その上で、法制局の見解というのは、裁判所と同様の目的で行われるなど、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査については要求を拒み得る、先ほど申し上げたものでありまして、目的が同じであれば、基本的には裁判に不当な影響を及ぼすことになり得るというふうに考えていると承知しております。 仮にこの考え方を今回の件に当てはめてみた場合に、予備的調査の目的と今回の国賠訴訟の目的は、実質的に、このファイルの件につきまして限ってみても同じでありまして、これを明らかにせよと求める対象もまさに同じでございます。そして、現実にも、当該ファイルについては、先日来るる申し上げていますとおり、御説明しているとおり、訴訟において主要な論点となっております。今後、裁判所の訴訟指揮の下で双方が主張し合った上で、裁判所が原告の申立ての採否を決定されるというふうに思料しております。 こうしたことから、国会を含めて訴訟外で回答することは裁判所の訴訟指揮や判断に影響を、予断を与えかねない、そのこと自体が裁判に不当な影響を及ぼすものになり得ると考えているところでございます。
○階委員 今、最後の方に述べられたことは、七ページ目の本会議の方での財務大臣の答弁のとおりなんですね。当該訴訟において主要な論点となっていることを踏まえれば、訴訟の一方の当事者である国といたしまして、裁判所の判断を仰ぐべきであって、訴訟外において存否を含めて回答すること自体が裁判所の訴訟指揮や判断に対して予断を与えかねないことから、裁判に不当な影響を及ぼすものになり得ると考えておりますというくだりがあります。 実は、海江田委員の質疑の中では、この中で不当なという修飾語を除いて、ほぼそっくりそのまま答えているわけですね。今回、不当な影響が及ぶと言うのであれば、海江田委員のときは不当なということが問題になっていませんでしたので、私は、不当な影響というのは何なのかということを聞いているわけですよ。その部分に全く説得的な説明がなくて、単に修飾語として不当なという言葉を加えただけなんですよ。海江田委員のときは、まだ近藤長官の答弁がなかったので、不当な影響というのは論点になっていませんでした。 今回は、不当な影響が及ぶのかどうかというのがピンポイントで論点になっているわけで、だとすれば、不当な影響かどうかというところを、海江田委員の答弁と同じ内容では答えられないはずなんですよ。不当な影響ということが全く説明できていない。 そこで、財務大臣に伺いたいんですが、こんないいかげんな答弁で赤木ファイルの提出を拒むのは、財務省、カードは持っていても、全く倫理観のかけらもないと思っていますよ。やはり提出はすべきじゃないですか、不当な影響を説明できないんだから。不当な影響を及ぼすということが、海江田委員のときから全く変わっていない、単なる影響の説明にしかなっていないわけだから。これは提出すべきじゃないですか、お答えください。
○麻生国務大臣 前回も同様の御質問があったんだと記憶しますけれども、この訴訟においては主要な論点となっているということを考えますと、訴訟の一方の当事者である我々国といたしましては、裁判所の判断というものを仰ぐべきであって、裁判所外で、訴訟外において存否を含めて回答するということ自体が、いわゆる訴訟指揮やら判断に影響を与えるということ自体が、私は、裁判というか司法権の独立というか、そういったものに対して不当な影響を及ぼすことになりかねぬということから、私どもとしては今のような答弁をさせていただいているということです。
○階委員 同じ質問を繰り返すのは、皆さんが全く意味のない説明しかしないからですよ。 じゃ、主要な論点って何ですか。分かっていますか、主要な論点。何が主要な論点なんですか。大臣、分かっていますか。何が主要な論点なのか、明確に答えてください。
○大鹿政府参考人 お答えいたします。 この訴訟の初期の段階から、原告側からは、申し上げられたファイルについて、存否を含めて明らかにしてもらいたいというのが求釈明事項、裁判官に対する求釈明事項になっております。それに対して私どもとしての主張をした上で、先般、損害賠償請求と関連づけて文書提出命令の申立てがなされているということでありまして、まさに、当該ファイルについて存否も含めて明らかにするということが、現在、この裁判における主要な論点の一つになっているというふうに認識をしています。
○階委員 そうなんですよ。出すか出さないかをめぐって裁判で争われている。 ただ、一方、国は何と言っているか。これを出したとしても裁判の結論に影響を与えないから、出す必要がないと言っているわけですよ。 だから、私は、前回言ったように、これを出したとしても、それは、裁判の論点である出すか出さないかの問題については、事実上、こっちで出したら、そっちは、裁判の方では議論する余地がなくなる、そういう意味での影響があるというのは分かりますよ。ただ、その影響は不当な影響とまでは言えないんじゃないかということですよ。むしろ、出しても出さなくても結論に影響がないんだったら、早く出すべきじゃないですか。早く出して、裁判を終結させて、遺族の思いに応えるのが、まさに倫理に従った行為なんじゃないですか。 なぜ、早く出すことが不当なんですか。おかしいでしょう。裁判の結論に影響がないんだったら、不当な影響はないはずですよ。そこを言っているんですよ。
○大鹿政府参考人 お答えいたします。 こちらも同じ説明になって恐縮でありますけれども、先日来御指摘されているように、国側の準備書面におきまして、ファイルについて回答の要を認めないとしているのは事実でありますが、そのような回答をしましたのは、委員は法曹でありますからよく御案内かと思いますけれども、民事訴訟におきましては、当事者間に争いのない事実については証拠による立証は不要とされております。民訴法の規定にそのような規定があります。 これを踏まえて、決裁文書の改ざんの経緯や内容等については、既に財務省として調査結果をまとめて公表したとおりでありますことから、そのような回答を行ったものでありまして、裁判に影響がないとかといったところまで主張したものではございませんし、裁判への影響を念頭に置いているものでもございません。 その上で、委員は、この訴訟の早期終結は原告にとってよい影響をもたらすというふうに主張されているんだと思いますけれども、訴訟の一方当事者である国といたしましては、訴訟外において存否を含めて回答すること自体が、先ほど来申し上げますとおり、裁判に何らかの影響を及ぼしかねない、それは不当な影響を及ぼすものになり得るというふうに考えておりまして、現在のような対応を取っているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○階委員 全く納得いかないし、そもそも、存否すら国会に答えられないってどういうことなんですか。存否すら答えなかった過去の例って、調査局長、ありますか。 民事訴訟の係属中に実施された予備的調査で、資料の提出を求められた場合に、資料の存否すら答えなかった例、過去にあるのかどうか、調査局長、お答えください。
○佐野調査局長 お答えいたします。 これまでに実施されました全ての予備的調査につきまして、民事訴訟が係属していたか否かを確認することは困難でございますけれども、今回の森友問題に係る予備的調査以外で、これまで、民事訴訟が係属していたことを報道により確認できた予備的調査が二件ございました。 当該二件の予備的調査におきましては、調査局からの資料提供の協力要請に対しまして、資料の存否について回答を差し控えたいとした事例はございませんでした。
○階委員 やはり、このことからも明らかなんですよ。皆さん、都合の悪いことは全部隠そうとしているわけでしょう。 でも、理財局長、あなたは重要な答弁ミスを犯しているんですよ。 私、さっき読み上げたところ、気づきましたか。六ページ目、下から五、六行目のところ。現在裁判が係属中でございますので、御指摘のファイルにつきまして御提出することは裁判に影響を及ぼし得る。これ、存在することを前提に答えているじゃないですか。もう言っていますよ。もう影響はありますよ、こう言っているんだから。だったら、もう存在は明らかにすればいいじゃないですか。こういう話ですよ。もうやめてください、こんな時間の無駄遣いを我々にさせるのは。 本当に再発を防ぎたいのであれば、こういうことを、ちゃんとうみを出して、やはり真相を明らかにする、これが大事でしょう。財務大臣、今私が申し上げたとおり、理財局長も存在は認めているんですよ。 さらに、今日お配りしている八ページ目は、これは問題になった週刊誌の記事で、この赤木ファイルの存在を裏づける、亡き赤木氏の上司、池田さんという方の言葉、これが、傍線を引いておりますところ、これを読んでいただくと、具体的な描写ですね。存在していなければこんなことは言えないわけですよ。絶対に存在しているわけです。 大臣、良心を発揮して、ここでは赤木ファイルの存在を認めるべきではないですか。せめてそれぐらい言えるでしょう。大臣に聞いています。大臣に聞いています。存在を認めてください。大臣に聞いています。大臣、お願いします。
○麻生国務大臣 御意見として伺っておきます。
○階委員 意見じゃないんですよ。質問しているんですよ、存在を認めるべきではないかと。理財局長も認めているんだから。 存在を認めてください。存在を認められないんですか。存在を認めないんですか。お答えください。
○大鹿政府参考人 お答えさせていただきます。 今委員が資料としてお配りしたところの答弁、私の答弁でありますので、これについてお答えしたいと思いますけれども、ここの資料の中にも記載がありますとおり、先日、二月十六日の質疑におきましては、委員から、ここに下線部で引いていただいていますけれども、裁判では影響を与えないから出す必要がないと言いながら、国会では裁判に不当な影響が及ぶということを理由に出さない、どっちなのか、出すことは裁判に影響があるのかどうか、端的に答えろ、このように迫られたことに対しまして、その設問の枠組みの中で端的にお答えしたものでありまして、提出するというのは、存否も含めて回答する、明らかにするという意味で。私の言葉の使い方も悪かったと思いますけれども。 この点につきましては、これまでも、またそのときの前後の質疑においても、一貫してそのようにお答えをしているところであります。
○階委員 そんなことは聞いていないから。 大臣、これ、存在は認めてください。認めてください。いかがですか。
○麻生国務大臣 これも前に度々答弁をさせていただいたと思うんですけれども、存否を含めてコメントすることはありませんと申し上げました。
○階委員 だから、それがおかしいから聞いているわけですよ。 これほど迫真性のある赤木さんの上司の言葉が録音テープでちゃんと収められているわけですよ。かつ、理財局長も、今いろいろ言い訳していましたけれども、この場で、存在することを前提に答弁しているわけですよ。存在は認めざるを得ないでしょう。 どうぞ、存在を認めてください。既にお答えしたとおりじゃないですよ。これは新たな事実に基づいて質問していますから、既にお答えしていません。新たに聞いています。お答えください。
○麻生国務大臣 今答弁を申し上げたとおりでありまして、新たな御質問なんでしょうけれども、新たに今と同様の答弁をさせていただきます。存否を含めてお答えすることはできません。
○階委員 それで恥ずかしくないですかね、赤木さんに。 私は、赤木さん、本当に、財務省だけではなくて国家公務員のかがみのような方だと思いますよ、特に倫理観という意味においては。 今日、私、ここにずっと掲げておりますけれども、これは実は、生前、赤木さんがずっと持っていたものなんですよ。これだけぼろぼろになっていますね。それだけ、単に財布の奥にしまっていただけじゃなくて、さっき理財局長のはぴかぴかでしたけれどもね、いつもらったのか分からないけれども。これは多分、平成二十二年からずっと、事あるごとに見返して、自分はこれに照らして間違いのないことをしているかどうか、チェックしていたんだと思います。まさにセルフチェックしていたわけですよ。まさに国家公務員のかがみですよ。 こういった方が、公文書改ざんを迫られ、そして、やむにやまれずそれに応じて、自責の念に駆られて亡くなっている。これは、財務省にとっても官僚組織全体にとっても、宝を失ったようなものですよ。本当にそういう思いがあるのであれば、今のような答弁というのはあり得ないと思いますよ。赤木さんに対して失礼じゃないですか。 まずは、財務大臣は存在を認めてくださいよ。存在を認めてください。同じことの繰り返しでは、いつまでたっても赤木さんは報われないですよ。 そして、私は、この赤木ファイルは大臣こそ見るべきだと思いますよ。ここには、事件がなぜ起きたのか、そしてどうしたら再発を防げるのか、貴重ないろいろなことが書いてあると思いますよ。大臣だったら真っ先にそれを見るべきではないですか。 どうですか、大臣、お答えください。
○麻生国務大臣 見てみるべきですかという御質問ですか。それが今の御質問ですね。検討させていただきます。
○階委員 検討していただけるということは、あるということをお認めになっているということでいいですか。間接的に、あるということを認めたということでいいですか。
○麻生国務大臣 あるかないかが分からないから検討させていただきます、そういうことで……(発言する者あり)分からないもの。あるかないか分からないんだから。だから、それ以上お答えがないじゃないですか。
○階委員 であれば、至急調べてくださいよ、このような人物がなぜ命を絶ったのか。これは、財務大臣にしてみると、これほど優秀な、真面目な部下を失っているわけだから、普通の会社だったら、トップの人は、それこそ墓参りにも行きますし、この人がどうして亡くなったのか、まず真っ先に調べたいと思いますね。 存否が明らかでないとおっしゃいましたけれども、だったら、至急調べるべきじゃないですか。至急存否を調べて、それで赤木ファイルを見ていただきたいんですけれども。それは、至急存否の調査をするということでいいですか。 いや、大臣に聞いています。大臣に聞いていますよ。
○大鹿政府参考人 恐縮ですが、先ほどの答弁の補足ということで御理解いただきたいと思いますが、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でありまして、お答えしていますとおり、私どもとしては、訴訟の過程において対応を検討すべきであるというふうに考えているところであります。
○階委員 大臣に聞いていますよ。 検討しますって、存否も明らかでないって、だったら、至急存否を確認して、それでちゃんと大臣が見て、裁判に不当な影響を及ぼすかどうかもチェックして、不当な影響を及ぼさないんだったらここに出してくださいよ。それをやるべきですよ、大臣。それだけのことが起きているんですよ。 公文書改ざん、これは大問題ですけれども、それに携わって命を失った人が国家公務員のかがみともいうべき人なんですよ。これは普通に考えたら、大臣自ら、部下に任せるんじゃなくて、自らこの赤木ファイルを探し出して、そしてそれを見るべきでしょう。どうなんですか。私の言っていることは間違っていますか。お答えください、大臣。
○麻生国務大臣 これは度々お答えしておると思いますけれども……(階委員「度々じゃないって」と呼ぶ)度々お答えしていると思うんですけれども……(階委員「度々じゃないですよ」と呼ぶ)度々お答えしていることで恐縮ですけれども、訴訟の過程においてこれは対応すべきものだと考えておりまして、訴訟に関わる話なので訴訟外でのコメントは差し控えたい、これはずっと申し上げております。(階委員「ちゃんと答えてないですよ。元に戻っています」と呼ぶ)
○越智委員長 では、時計を止めてください。 〔速記中止〕
○越智委員長 では、速記を起こしてください。 階君。
○階委員 まず、大臣、先ほど、赤木ファイルはあるかないか分からないという話をされていました。私はある前提で話していますけれども、少なくともあるかないかぐらいは大臣は分かった上で、でも、裁判では答えられない、国会にも答えられないということだと思っていたんですが、大臣は、あるかないかも分からない、そういうことでいいんですね。お答えください。大臣。
○越智委員長 では、まずは財務省大鹿理財局長。(階委員「ちょっと論点が違う。彼じゃ答えられない。今の質問は違うでしょう。今の質問は明らかに大臣に聞いているんです」と呼ぶ)いや、ちょっと待って。 では、速記を止めてください。 〔速記中止〕
○越智委員長 速記を起こしてください。 財務省大鹿理財局長。
○大鹿政府参考人 お答えいたします。 委員は、ある前提でというふうにおっしゃられましたが、それは、私が前回の答弁で、先日、二月十六日の答弁で、御指摘のファイルにつきまして御提出することは裁判に影響を及ぼし得るものと考えておりましてというふうに申し上げたからだと思いますが、これは、先ほども申し上げましたとおり、委員もお分かりかと思いますけれども、端的に、どちらなんだというような二者択一の形でお答えしろというふうに言われましたものに対して、その設問の枠組みの中でお答えしたものでありますが、提出するというのは、ファイルの存在を前提に申し上げたわけではなくて、存否も含めて回答する、明らかにする、これは一貫してそのように申し上げているかと思いますが、そう申すべきところであったというわけでございます。その点はおわびを申し上げたいと思います。
○階委員 じゃ、この間の答弁は撤回して訂正するということですか。
○大鹿政府参考人 これは、この委員会の場でそのようにお決めになられれば、私としてはそのように訂正をさせていただきたいというふうに思います。
○階委員 これは重大な問題ですよ。こんな大事なところをミスして。今日のところはこれは置いておきますので、後で理事会で協議をしてください。 その上で、私のその前の質問について、大臣、お答えいただきたいんですね。お答えください。
○麻生国務大臣 度々説明をさせていただいておりますけれども……(階委員「度々じゃない。初めての質問ですよ」と呼ぶ)今お話をさせていただいておりますが、自分の意見と違うからといって、御意見だけは分かりますけれども、伺ってはおきますけれども。 御指摘のファイルにつきましては、もう度々申し上げておりますように、国家賠償請求というのが今なされている、訴訟の最中でもありますので、少なくとも、存否を含めまして、釈明の、いわゆる求釈明事項というものの対象となっているわけですから、したがいまして、存否を含めてコメントは差し控えさせていただきますと申し上げております。
○階委員 全く答えていませんね。度々答えるも何も、答えていないんじゃないですか。 私が言っているのは、先ほど大臣がおっしゃった、赤木ファイル、あるかないかも分からないというお話だったので、じゃ、裁判で答えていないだけでなくて、大臣にも報告が上がっていなくて、大臣すら知らないということでいいんですかということを聞いているわけですよ。それを聞いているんですよ。お答えください。裁判とは関係ないですよ。
○麻生国務大臣 これも度々御質問にお答えしているところであるとは思いますけれども、存否を含めて、私どもとしてはコメントをすることは差し控えさせていただきます。ずっと申し上げておりますとおりです。
○階委員 まず、度々の質問じゃないですから。 あるかないか分からないと大臣はおっしゃったんですよ。あるかないか分からないということは、部下から何の報告も上がっていないということですか。当然、内部では調査していると思いますけれどもね。私はあると思っていますけれども、万が一、ないならないで、報告は上がってくるはずじゃないですか。そういう報告も上がっていない、それでいいんですね。
○麻生国務大臣 度々お答えしておりますが、存否を含めてコメントすることは差し控えさせていただきます。今、何といっても訴訟の最中ですから。
○階委員 違いますよ。存否というのは客観的なことなんだけれども、あるかないか分からないというのは大臣の主観的な認識じゃないですか。 大臣が、あるかないか分からない、自分の認識をお答えになったので、あるかないか分からないということは、部下から報告は上がってきていないということですねということを聞いているんですよ。全然、存否の話とは違いますから。どうぞお答えください。
○麻生国務大臣 御自分の求められる答えにならないからといって、同じ質問をずっとしておられるのかどうか知りませんけれども、私どもとしては、存否を含めてお答えすることはできないと申し上げております。(階委員「答えになってない。存否の話じゃない。全然違う。答えになってないよ」と呼ぶ)
○越智委員長 ちょっと止めてください。 〔速記中止〕
○越智委員長 では、速記を起こしてください。 階君。
○階委員 先ほど確かに大臣は、あるかないか分からないとおっしゃっていましたので、部下から報告が上がっていないということなのかどうか、お答えください。
○麻生国務大臣 先ほど、誤解を招いた答弁になっているのかもしれませんけれども、私が申し上げているのは、存否も含めてお答えできないという点につきましては、私といたしましても意思決定をいたしていただいておるということであります。
○階委員 ちょっと、全然、先ほどと言っていることが変わるんですね。理財局長もこの間の答弁と違うことを言いますし、結局、皆さんはそうやってゴールポストを永遠に動かし続けて隠蔽をし続けるということであると、やはりまた同じような問題が起きるんじゃないかな、倫理も廃れていくんじゃないかなということを申し上げます。 ちょっと議事録も精査して、引き続きこの問題を追及していきたいと思います。 終わります。
○越智委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史です。 質問に入る前に、私からも一言。 やはりこの森友公文書改ざん問題につきましては、世間の関心も高いということと、何よりも、近畿財務局で一生懸命勤めておられた赤木俊夫さんの命が失われ、その原因がどこにあるのかということを知りたいという、真実を知りたいという御遺族の方に、やはり政府として、財務省としてしっかり応えていくということが重要であり、この間議題となっておりました赤木ファイルにつきましても、提出することを強く求めておきたいと思います。 それでは、質問に入ります。 所得税法の問題について伺います。 初めに、所得税の在り方についてなんですが、かつて財政制度審議会も指摘していたように、現在の所得税には、所得一億円を超えると税負担率が下がるという累進性に反した傾向が見られます。所得税の累進性を回復させるためには、所得一億円以上の税負担を引き上げるということがなければなりません。とりわけ金融所得課税の強化、これが求められていると思います。 そこで、麻生財務大臣に伺いますが、来年度の所得税法改正案についてはそのような措置が盛り込まれているでしょうか。 〔委員長退席、井林委員長代理着席〕
○麻生国務大臣 金融所得課税の更なる見直しという点につきましては、今般の税制改正案、これは残念ながら盛り込まれておりません。残念ながらと申し上げておきます。 これは、令和三年度の税制改正大綱において、私どもの自由民主党の、与党の税制調査会においても、税負担の垂直的な公平性を確保する観点から、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討するということとされておりまして、これはやる予定だったんですけれども、コロナのおかげでもうすっかりばたばたになりましたものですから、残念ながら、今年、この問題に手をつけることはできなかったんだという具合に、自分なりにそう思っております。 どういったところ等々、経済等への影響をどう考えるかという論点も含めまして、ちょっとこれは総合的に精査をいたしませんと、株の話につきましては、また更に預金が増えておりますものね、現預金が。金がなくなる、金がなくなるといって、貯金が減るといううわさでしたけれども、全然減るどころか、増えておりますな。ないないと言う方はどこにそのお金を使われたのかよく分からぬのですけれども、絶対額は増えております、十数兆円。ちょっと正直考えさせられるところなので、これが債券等々にうまく散っていくというのが我々の希望でありますけれども、そこを含めてうまくやるようなことを、総合的なことを考えないと難しいなと思っております。
○清水委員 本委員会でも多くの議員が指摘していたわけですが、昨年から今年にかけて、コロナ下でも株価は上昇しているわけでございます。先日の日経平均が三十年ぶりに三万円を超えた。 多くの国民にはその実感を得ることはできておりませんが、多額の金融資産を持つ富裕層には物すごい恩恵が生じていると思います。しかし、富裕層の資産の拡大はここ一年の出来事に限ったわけではなく、アベノミクスの下で大きく伸びていると言えると思います。 野村総研が昨年十二月に公表した資料によりますと、金融資産一億円以上の富裕層、超富裕層が保有している純金融資産は、二〇一三年以降、一貫して増加を続けています。 配付資料の一を御覧ください。 二〇一九年の時点では、金融資産五億円以上の超富裕層は八万七千世帯で、九十七兆円の金融資産を保有しております。現時点で見れば株価の上昇で更にその資産は増えていると考えられるわけですが、大臣は、この表を見ていただいて、国民の中に資産格差が広がっている、この実感は持っておられますでしょうか。
○麻生国務大臣 この資料ですけれども、これは野村総研の資料なので、次に資料を出されるときは、もう少し高齢者向けに大きな字で書いたやつにしてもらいたいね。これじゃ読めぬから。これは知っていたからいいですけれども、知らなきゃこれは読めませんな。よろしくお願いします、御配慮を。 野村総研の資料なんだと思いますけれども、この試算方法などを把握していないので、ちょっとコメントすることは、試算というのはいろいろなやり方がありますので、御存じのように。したがいまして、その上で、コメントというのは差し控えさせていただきますけれども、試算方法をよく把握できていませんので。 二〇一二年の私どもが政権交代をさせていただいて以来、経済というのは、好循環を背景にして、株価も八千九百円とかいうところから三万円台まで上がってきたりしておりますけれども、幅広い世帯が株式を保有しているということなどから、国民に幅広い恩恵もあるんだ、私どもはそう認識しておりますが、いわゆるマス層というのは分かりますか、マスの層。マス層の純金融資産というものを見ますと、二〇一一年から二〇一九年にかけて百五十六兆円、兆ですよ、国家予算が百兆ですから。百五十六兆円増加をいたしております。 いずれにいたしましても、経済格差については、所得と資産の分布を含めて各種指標を注視してまいるとともに、格差が固定化しないようにいろいろ考えておかないかぬところだと思いますが、これは是非、GPIFというもののこの株価の上昇による恩恵は極めて大きくて、年金がなくなるんじゃないかという話を民主党の内閣の時代はよくやっておられましたけれども、今そんな話は全く出なくなった最大の理由は株価の上昇にあったということは言えるんだと思います。
○清水委員 資産格差の拡大について質問しているわけでございまして、表を見ていただきましたら、超富裕層のところ、ここは純金融資産、二〇一一年には四十四兆円ですが、二〇一九年には二・二倍で九十七兆円ですよ。そもそも分母が違うんですよね、マス層とは。一世帯当たり何と二億三千万円増えているわけですよね。ですから、所得税の問題を議論するときに、今の資産格差の拡大という問題についてしっかりとした認識を持つということが私は大事だと思います。 それで、所得や資産の格差を促進させているのがやはり消費税の増税だと思います。一般的に、消費税増税は可処分所得を引き下げる効果があります。 資料の二を御覧ください。 この収入十階級別の税負担額の表なんですけれども、これは二〇一八年分で、税率が八%のときの資料になります。一か月の実収入で比較しますと、最も収入が低い第一階級は月額収入約二十七万円です。一方、最も収入の多い第十階級は約百万円と、収入が四倍近くあるわけですね。 ところが、その下にあります消費税の負担というところを見ていただいたら分かると思うんですが、第一階級の方は約一万三千円ですね。第十階級の方は二万八千円程度ということで、二倍ぐらいの差しかないわけです。更に言いますと、第一階級の所得税負担額が二千百八十九円であることを考えれば、この消費税負担の一万三千円というのがいかに重いかということが分かると思うんです。 二〇一九年、一昨年十月の消費税一〇%への引上げで更に、収入の低い階級で、消費税増税により負担が重くなっているか、負担増となっているか。また、そのことで更に所得格差が拡大したというふうに推定できると思うんですが、この消費税の増税といわゆる所得格差の問題について、財務大臣の認識を伺います。
○麻生国務大臣 二〇一九年の消費税の引上げというのは、これはもう度々申し上げておりますように、全ての世代がいわゆる全世代型の社会保障制度へと大きく転換をしていくというのは、我々にとって避けて通れぬ問題なんだ、まず大前提としてそう思っております。 生産年齢人口は減少、給付を受ける高齢者が激増という状況に合わせて、これでどうやってきちんとした社会保障というものを、三十三兆、国家予算の約三分の一は社会保障関係ですから、そういったものをどうやって展開していくかという大前提というのをまず考えておいた上で話をしていかないかぬところだと思いますが。 私どもは、引上げに当たりましては、少なくとも、所得の低い方への配慮として、いわゆる軽減税率、飲食料品というものは、エンゲル係数からいきまして極めて高い比率になるのは、低所得層ほどそうなりますから、そういったものを含めて、軽減税率の導入。また、介護保険料の軽減をさせていただいたり、御存じのように、年金生活者等々の支給の給付金というものが、極めて低い方に対しましては少なくとも年六万円の給付の創設というのをやらせていただいたり、ゼロ歳から二歳までについては、住民非課税世帯を対象とした幼児教育の無償化等々。 いろいろそういった低所得者への対応というのをやらせていただきながら、私どもとしては、少なくとも、国民皆保険制度等々の日本の社会保障制度というものを長期にわたって安定したものにしていきたいという面も考えてやらせていただきましたので、今申し上げたような細々した件につきましては、受益の面にも十分に留意をした上でやらせていただいたと思っております。 〔井林委員長代理退席、委員長着席〕
○清水委員 なかなか私と大臣との認識のギャップは埋まらないようでありますが。 やはり資産格差、所得格差を是正する有効な手だてとして、消費税率の引下げ、これは本当に検討するべきだと思います。 一九年の消費税増税の負担が国民に課される中で、コロナ禍が発生したわけです。新型コロナの影響で、非正規雇用者を中心に、多くの労働者が仕事を失いました。毎日新聞によりますと、昨年四月に失業したある女性は、会社の健康保険から国保に切り替え、支払いの猶予を相談したときに、東京都のある市役所の窓口でこう言われました。払えない場合は財産を調査します、差押えも検討します、たとえ家賃を払えなくなっても、税金、国保税を払うのは国民の義務だ、こう主張されたそうなんです。 このような対応というのが本当に適切なのかどうか、まず総務省に確認したいと思うんです。
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。 総務省といたしましては、個別の事実関係を承知する立場にございませんので、個別事案に関する適否等につきましてここでコメントすることは差し控えさせていただきたいと考えておりますけれども、その上で、一般論として申し上げさせていただきますと、地方税の滞納整理に当たりましては、関係法令に基づく適正な執行が求められると同時に、滞納者の個別具体的な実情を十分に把握しながら対応すべきものと考えておりますし、また、コロナウイルス感染症の影響によって納税が困難となった納税者の方々につきましては、その置かれた状況や心情に十分に配慮をすることも必要と認識しているところでございます。
○清水委員 このような窓口の対応というのは、東京だけじゃなくて、私の地元の大阪府の箕面市というところなんですが、子供の高校授業料よりも滞納している市民税を優先して払え、法律ではそう決まっている、このように言われたということなんですね。 どちらの自治体職員の発言も、現行制度やコロナ禍での特例措置などの運用を逸脱した内容になっていると思います。是非、総務省、自治体に対して、今言われたことを徹底していただきたいと要望しておきます。 地方税の滞納整理で法律を無視した乱暴な取立てが行われているのは、何もコロナ禍で始まったというわけではないわけです。二〇一九年の四月十日、本委員会で我が党の宮本徹議員が、宮城県地方税滞納整理機構が六十代のパート労働者の給与八万六千八百三円が銀行口座に振り込まれた直後に差し押さえたという事件を取り上げました。実は、先日和解が成立しまして、差し押さえられた給与が戻ってくるといううれしい結果になりました。 和解文ではこうあります。被告らは、本件に限らず、宮城県地方税滞納整理機構における預貯金債権の差押えに当たっては、今後、差押禁止債権が預貯金口座に振り込まれ、当該預貯金債権の差押えが当該差押禁止債権の差押えと同視されるような場合においては、特段の事情がない限り、その同視され得る部分について当該差押えを行わないものとする。 同視というのは同じものとみなすという意味ですが、地方税の滞納で差押禁止債権が振り込まれた直後に差押えをする事件は後を絶たないわけであります。総務省は、今私が読み上げたこの和解の内容をやはり地方公共団体に徹底するべきではありませんか。お答えいただけますでしょうか。
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。 差押え禁止がされている債権か、あるいは給付などが振り込まれた直後に差押えを行ったという事案につきまして、実質的に差押え禁止されているものを差し押さえたことと同視されるようなものは行うべきでないということにつきましては、総務省といたしましても、過去に国会答弁等でお答えを申し上げてきているところでございますし、従前、そうした事案があった際に地方公共団体に対しても注意を促したこともございますので、今後ともそうした立場に立ちまして対応を図ってまいりたいと考えております。
○清水委員 是非徹底をお願いしたいと思います。 次は、持続化給付金の差押え問題です。 私は、昨年十一月二十四日の当委員会におきまして、持続化給付金の差押え問題について取り上げました。その後、国税庁の方針は変更されていないのかどうか、確認したいと思うんです。また、持続化給付金が入金された直後の預貯金口座の差押え、これは今も行っておりませんよね。このことだけ確認してください。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 国税庁といたしましては、国税の滞納整理に当たりまして、法令等を一律、形式的に適用するのではなく、滞納者個々の実情に即しつつ適切に判断する必要があると考えております。 持続化給付金につきましては、法令上差押えが禁止されていないものの、その趣旨が経済的な影響を受けた事業者等への支援であることを踏まえまして、持続化給付金の支給を受ける権利、債権を直接差し押さえて実際に使用できなくすることや、残高のない預金口座への持続化給付金の振り込みを待って狙い撃ち的に差し押さえ、銀行口座に入金された持続化給付金を実際に使用できなくなるような差押え、こうしたことは慎むべきであり、慎重な対応を行う旨を各国税局、税務署に指示しているところでございまして、その方針に変更はございません。
○清水委員 変更がないということでございました。 私、この質問の後に知ったんですが、兵庫県内に住む飲食店経営の女性の銀行口座に振り込まれた持続化給付金が差し押さえられた裁判で、昨年十一月十九日に神戸地裁伊丹支部が、給付金の性質上、差押えは認められないとする決定を出しました。 その後、十二月二日にその決定で判決が確定したわけでありますが、知っているか知っていないかだけ、国税庁次長はこの判決については承知されておられますでしょうか。知っているか知らないかだけで。
○鑓水政府参考人 お答え申し上げます。 大変申し訳ございませんが、存じていません。
○清水委員 是非国税庁にも関心を持って聞いていただきたいと思いますが、実はこの案件は、この女性の債権を持つ貸金業者が申立てをしたために、九月二日に持続化給付金が振り込まれたものの、もう既に出金できなくなっていたというものでございます。 判決では、持続化給付金の目的は、新型コロナで影響を受けた個人事業者らの事業継続を支え、再起の糧とすることだと指摘し、給付対象に現実に確保されなければ目的を実現するのは困難、債権者が代わって支給を受けることは予定されていないという内容でありました。 昨年の通常国会では、持続化給付金の取扱いにつきまして、差押え禁止の立法措置を与党内で検討していると梶山経済産業担当大臣が答弁されていたわけですが、結果的に立法措置が行われなかったわけであります。 経済産業省に伺いますが、当時、このような持続化給付金の差押えが発生するということは想定されていましたでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。 持続化給付金でございますが、今委員御指摘のとおり、厳しい経営状況に置かれている事業者に対しまして、事業の継続のために、使途制限のない現金を幅広く給付する、こういう趣旨でございます。 経済産業省といたしましても、当時、持続化給付金の差押えが起きる可能性は認識しておりました。給付金が差し押さえられることなく確実に事業者のお手元に届いて、給付の趣旨に沿った形で使途を事業者に委ねることが重要ということを考えておりまして、したがいまして、金融機関に対しまして、事業者への担保の設定や差押えの判断に当たっては事業者の置かれた状況を十分に踏まえた特段の配慮を行うよう、昨年の五月に要請を行っているところでございます。
○清水委員 こうしたことを想定していたのかしていなかったのか、ただ、結果的に今のような事態が発生しているわけであります。 持続化給付金の新規の申請はもう終わりましたが、まだ審査中の人も大勢いらっしゃるんですね。本日も、給付金がようやく振り込まれたという報告が私の事務所にもありました。まだ続いています。これ以上、この持続化給付金が差し押さえられることがないように、今、中企庁に答えていただきましたけれども、徹底していただきたいというふうに思います。 次の質問に移ります。 昨年の質問時点で、総務省だけが、国税庁のような持続化給付金の差押えを行わない旨の通達を出していなかったわけですが、私が差押えをしている自治体があることを指摘していたにもかかわらず何もしなかったということが、やはり、いろいろ事案として出てきているのではないか。民間の債務ですら持続化給付金の差押えを禁止する判断が司法でなされているわけですが、被害者がわざわざ裁判をしなければ回避できないというのは、やはりおかしいのではないか。 総務省はこの神戸地裁の伊丹支部の決定を自治体に徹底するべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。 総務省といたしましては、まず、地方税に関する滞納事案につきましての差押えという観点からの対応が私たちの担当ということになってございますけれども、その上で申し上げますと、地方公共団体に対しましては、これまでも、地方税関連事務の執行に当たりまして、留意事項等を示した通知を出してございます。その中で、滞納者の個別具体的な実情を十分に把握いたしました上で適正な執行に努めるようにということでお願いをしてございます。 さらに、これに加えまして、今年の一月十五日には、コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況に置かれて納税が困難となっておられる納税者の方々に対する柔軟かつ適切な対応を地方公共団体に依頼する、このための新たな通知を発出しているところでございます。その通知におきましては、納税者等の方々への対応の基本姿勢といたしまして、先ほど申し上げましたように、納付相談等を受けた際に、置かれた状況や心情に十分配慮して、分かりやすく丁寧な説明を行うということを依頼するとともに、関係する仕組みといたしまして、差押えの解除や猶予申請の際のつなぎ資金の取扱い、また猶予申請に当たっての手続の簡素化などにつきまして、法令上の規定や考え方の周知を行ったところでございます。 こうしたことを周知いたしまして、地方公共団体において柔軟かつ適切な対応を行っていただくよう依頼をしているというところでございます。
○清水委員 是非徹底していただきたいと思います。 次に、持続化給付金の不正受給について質問します。 報道によりますと、元大阪国税局職員の税理士や税務署職員が関わった事件もあるということであります。税務の専門家である現職の税務職員やOBがその知識を利用して国の給付金である持続化給付金をだまし取ったという、驚きであり、許し難い行為だと思います。 麻生財務大臣にお伺いしますが、国税庁が現在把握している現職の職員や元職員が関与したこの持続化給付金等の不正受給事件はどれだけあるのか。また、国税庁が行った処分について御説明いただけるでしょうか。
○麻生国務大臣 今御質問のありましたもので、いわゆる現職の国税庁の職員とか元職員が関与した持続化給付金の不正受給事案ということ、そういう限定ね。 東京国税局管内の税務署に勤務する職員が関与した一件、それから元職員である税理士が関与した一件を把握しておりますが、国税庁からの報告を受けているのはその二件でありまして、いずれにいたしましても厳正に対処するものと承知をしておりまして、いわゆる捜査等々の状況を踏まえて、事実確認をもってきちんとやらせていただきます。 元職員である税理士につきましては、既に自主的に税理士登録抹消ということで、税理士法上の懲戒処分を行うことができないことについては御理解をいただきたいと思っております。 いずれにいたしましても、綱紀の粛正等々、適切に今後対応していかなければならぬと思っております。
○清水委員 今は廃止になっているんですけれども、税務職員の心得というのがありまして、税務運営方針というんですが、次のように書かれていました。一部の職員の間に起きた不正事件であっても、それは、税務行政全般の信用を傷つけるものである。税務行政に携わる職員は、一人一人が公務員としての責任と税務職員としての職務の重要性について、常に自覚を新たにするとともに、誘惑の多い職場であることに顧み、平素から細心の注意を払い、いやしくも不正事件を引き起こすようなことがあってはならない、こうあるんですね。 現在でもこの内容は極めて重要だと思います。全ての税務職員に徹底されるべきものだと思いますが、今、そのような教育や指導というのはなさっておられるんでしょうか。副大臣、お答えください。
○伊藤副大臣 お答えいたします。 税務運営方針、先生御指摘のとおり、昭和五十一年に、国税庁長官が、税務行政を執行する上での原則論を職員に対する訓示として示したものでございます。内容は御紹介いただいたとおりで、税務行政は、引き続きこの税務運営方針の趣旨に沿って進められるべきものと考えておりまして、国税庁においても、新規採用職員に対して税務大学校で実施する研修において周知を図っているものと承知をしております。
○清水委員 是非、こうした不正事件に対する信頼を回復するために、関与した職員への処分もそうですが、現職職員への教育を徹底していただきたい、再発防止に取り組んでいただきたいと思います。 もう一つ、税務職員の問題について確認したいと思います。 戦後、日本では、一九四七年に、税制を民主化するために、所得税、法人税、相続税の三税につきまして申告納税制度が採用されました。その後、全ての国税に適用されるようになりました。 現在の申告納税制度の下では、当然、記帳の仕方や帳簿等の保存方法や伝票の使い方などは、必要な記載があれば、あくまでも納税者にとってやりやすい方法で行っても構わない、つまり納税者の自由ということで、これは国税庁、よろしいでしょうか。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 法令等に必要な事項が記載されていると思いますので、それにのっとっていただくということだと思います。
○清水委員 ありがとうございます。基本的なことを確認したまでなんですが。 税務調査の中で納税者の求めに応じて記帳指導するということなんですけれども、ちょっとよく聞いていただきたいんですけれども、税務職員が勝手に店の伝票にナンバリングをする、ナンバーを打つなどの行為、これは、仮に税務調査の中で納税者の求めに応じて記帳指導がなされたとしても、勝手に店の伝票に手をつけてナンバーを打つというようなことを税務職員がやるということはあってはならない行為だと思うんですが、鑓水次長、いかがでしょうか。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 一般論になるわけでございますけれども、税務調査につきましては、あくまでも納税者の理解、それから協力を得て行うものでございます。従来から、与えられた権限の範囲の中で、そうした納税者の理解と協力を得て適切に実施するよう指示しているところでございます。
○清水委員 これは税務調査であろうとなかろうと、税務職員がずかずかと店に入ってきてですよ、レジの周りにいる店主やパート労働者を排除して、勝手にお店の伝票にナンバーを打つ、こういうことはやはりあってはならないんじゃないですか。 これは答えられるんじゃないですか、一般的に。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、あくまでも納税者の理解と協力を得て行うということだと思います。
○清水委員 協力がなければやってはならないというお答えだったと思います。 実は、昨年十二月に、愛知県の飲食店に熱田税務署の職員二名が、事前通知もなく突然店を訪れ、十名近いお客様がいる中で、税務調査と称してレジや伝票をいきなり調べ始めた。さらに、店のオーナーの許可もなく、現在使用中の伝票にナンバーを打ち始めたということなんですね。 これは税務調査として許される行為なんでしょうか。先ほど鑓水次長のお答えでは、同意なく、許可なくというふうにおっしゃったと思うんですが、これは当然許される行為ではないと思うんですが、いかがでしょうか。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 ただいま先生おっしゃったような個別の事案の詳細を私は存じませんし、いずれにしても、個別の事案についてお答えはできませんけれども、一般論として申し上げれば、先ほど私が御答弁申し上げたとおり、理解と協力の下実施するということでございます。
○清水委員 理解も協力もないのに、ずかずか店に入ってきてですよ、税務調査だと言ってですよ、営業中にお客様がいる中で、勝手に現在使用中の伝票にナンバリングを始める。これは前代未聞だと思うんですよね。 そもそも、この税務調査では事前通知が行われておりません。現在の国税通則法では事前通知が原則で、それを行わないときの要件というのは厳しく限定されております。調査手続の実施に当たっての基本的な考え方についてという事務運営方針に書かれているわけですね。 読み上げますと、一つ、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ、二つ、その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、事前通知を行わないものとする。 これはこのとおりで、私が読み上げたとおりで間違いないでしょうか。
○鑓水政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま委員が読み上げていただいた内容、そのものでございます。
○清水委員 つまり、事前通知が原則なんですよ、原則。 その税務調査では、今私が紹介しました税務調査では、二〇二〇年分の調査しかしていないんです。 一般論として、翌年の確定申告のための税務調査とは一体どういうものなのか。まだ行っていない確定申告についての調査など、これは違法ではないでしょうか。また、翌年の確定申告なら、これからの行為なのだから違法も不正もないわけで、先ほど私が読み上げた事前通知を行わない理由にはならないと思うのですが、これはいかがですか。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 まず、無予告で調査を実施する場合でございますけれども、例えば、申告内容、過去の調査結果、事業内容などから、事前通知をすることにより、納税義務者において、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認される場合とか、あるいは、事前通知をすることにより、税務代理人以外の第三者が調査立会いを求め、それにより調査の適正な遂行に支障を及ぼすことが合理的に推認される場合などについては事前通知を要しないというふうにされてございます。 その上で、今御指摘のありました未使用の伝票を確認するといったことについてでございますけれども、一般論として申し上げますと、調査について必要があるときは、調査対象となる課税期間以外の課税期間に係る帳簿書類その他の物件も質問検査権等の対象となるものでございまして、その課税期間には進行年分も含まれるところでございます。
○清水委員 加えて、ちょっと説明しますけれども、先ほどの事務運営方針には次のような記載もあるわけです。 事前通知を行うことなく実地の調査を実施する場合であっても、調査の対象となる納税義務者に対し、臨場後速やかに、調査を行う旨、調査の目的、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間、調査の対象となる帳簿書類その他の物件、調査対象者の氏名又は名称及び住所又は居所、調査担当者の氏名及び所属官署を通知するとともに、それらの事項以外の事項についても、調査の途中で非違が疑われることとなった場合、非違というのは違法ですよね、その場合には、質問検査等の対象となる旨を説明し、納税義務者の理解と協力を得て調査を開始することに留意をする、このように事務運営方針に書かれているわけです。 つまり、事前通知を行わなかった調査であっても、調査の目的、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間などを税務職員は納税者に伝える義務がありますね。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 そのとおりでございます。
○清水委員 私が紹介した今の税務調査は、事前通知も行わない、調査の目的、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間について何も伝えずに、レジや伝票を押さえ、営業中ですよ、二〇二〇年分の帳簿との照合をしているんです。さらには、税務職員が勝手に、勝手にですよ、伝票にナンバリングを始める。営業中に、お客さんがいる前でですね。 驚くべきことに、この伝票以外使ってはならない、ほかに伝票はないかと束を出させて、何とその未使用の伝票にはわざわざ赤いひもで封印をした。ほかにも伝票はありませんか、未使用の伝票はありませんかと。二階に段ボールで保管しています、すると、わざわざ店の二階まで税務職員が上がっていって、いわゆる未使用の伝票の箱を、またこれ封印をするんですよ。めちゃめちゃじゃないですか、これは。前代未聞だと思いますよ。 この税務調査では、二重、三重にルールを逸脱する行為が行われています。国税庁は、個別の問題に答えられないということはあっても、きちんと、どのような調査が行われたのか、納税者の方の言い分もしっかりとお聞きし、必要であれば、しっかりと、間違いであるならば、この税務調査が違法であるというところが確認できたのであれば、反省とともに納税者に謝罪をし、本税務調査は終了するべきだと思うんですが、国税庁、いかがでしょうか。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 一般論で恐縮でございますけれども、税務調査は、その公益上の必要性と納税者の私的利益の保護との衡量において社会通念上相当と認められる範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものでございまして、従来から、与えられた権限の範囲内で適切に実施するよう周知しているところでございます。 委員御指摘の行為がないように、今後とも、その徹底について、研修等を通じて周知を図ってまいりたいと思います。
○清水委員 それは当然のことなんですけれども、ちょっと経験値として鑓水次長に伺いたいんですが、次長が御承知されている範囲の中で、今、私が述べたような、これは個別のケースでなくて一般化していただいてもいいんですが、事前通知を行わず、税務署の職員が営業時間中に飲食店を訪問し、理解と協力を得ないまま、勝手に伝票にナンバリングをするといったようなことが今まであったということ、過去に、次長が知る、経験上、今までそういうことがあったかどうかということについては教えていただけませんか。これは何もひっかけ問題ではありませんので。そうしたことを知っているかどうか。
○鑓水政府参考人 お答え申し上げます。 ちょっと個別の対応についてお答えする材料を持ち合わせてございませんけれども、いずれにしても、先ほど来申し上げていますとおり、納税者の理解と協力、それを得た上で調査を実施しているというふうに考えてございます。
○清水委員 私の質問に答えていただいていなくて、このお店のことを聞いているんじゃないんです。 これは、私が知る中でも、本当にあってはならないような調査だと思うんですよ。だからこそ私は深刻に受け止めておりまして、いや、こういうことはよくあるんですよ、営業時間中に行って、伝票と帳簿を突き合わせて、そしてナンバリングをどんどん打って、これを順番に使え、ほかの伝票は使わないように封をする、理解と協力を得ずにですよ、こういうことは手法としてあるんですか。これは別に、個別の話じゃないですよ。
○鑓水政府参考人 お答えいたします。 度々で恐縮でございますが、理解と協力なしにすることはないと思います。
○清水委員 是非私は調べていただきたいと思うんです。 ちょうど確定申告、今、始まっていますよね。コロナの中で、飲食店だけではなく、多くの小規模、中小業者が、納税をどうするかということで本当に苦労されているわけですよね。このお店も、決して左うちわということではなくて、いろいろな経費がかかる中で、大変厳しい、もちろんコロナの影響もある中で、厳しい状況で頑張っているわけですよ。 そういうところに、今言いましたような、税務署署員が突然乗り込んで、伝票にナンバリングを打ち始める。実は、途中でナンバリングのインクが切れまして、あしたもまた来るわと言って、次の日また職員が来て、続きのナンバリングを始めているんですよ。一体何の権限があってこうしたことをしているのか。こういうことが日常化されるということになりますと、これは申告納税制度そのものの、私は、趣旨と役割というのが損なわれてしまうというふうに思います。 それで、これは要望ですけれども、先ほども言いましたけれども、これは熱田税務署の件ですから確認すれば分かると思いますので、是非、こうした違法な調査については納税者に対して謝罪をする、そして本件税務調査は終了するべきだということを強く求めておきたいと思います。 今日は、階委員の方から、税務署職員も国家公務員倫理カードというものを携帯しているはずだということで、皆さんお持ちということなんですけれども、これこそが国民、納税者の疑惑や不信を招くような行為そのものだというふうに言わざるを得ません。厳にこうしたことは慎むべきであり、そのことを指摘しまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○越智委員長 次に、青山雅幸君。
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。 本日も、貴重な時間をありがとうございます。 まず最初に、中小企業に対する優遇税制の仕組みについてお伺いいたします。 法人税法では、中小企業は資本金一億円以下の法人として定義されております。しかしながら、同じ一億円以下でもいろいろあるわけでございまして、大企業並みの高い所得を得ていたとしても、資本金を一億円以下とすれば中小企業として税の優遇が受けられる、こういう仕組みになっているわけです。 ところが、これを逆手に取ってというとあれなんですけれども、先月も複数の有名企業が減資をして一億円以下にして、中小企業としての優遇を受けようということをされた。 例えば、毎日新聞が三月に資本金四十一億五千万円を一億円に減資した。それから、つい最近、JTB、今月の十二日に開かれた株主総会で、二十三億四百万円の資本金を一億円に減らす減資を決めた、こういう報道がなされております。 いずれも税制上の効果を狙ったものということでございますけれども、資本金については、株主総会等の会社内部の合意さえ得られれば企業の都合で変えることができるので、いわば節税が容易ということになります。逆に、経営努力により規模を拡大した事業者が軽減措置を受けられなくなる、そういうような決め方もされている。その辺を少し整理されていった方がいいのではないかなという観点からお伺いいたします。 例えば、租税特別措置法によれば、中小企業については軽減税率一五%が適用される。これが二〇一九年度から、優遇税制が、三年間の平均所得が十五億円を超える場合には適用除外ということになっております。一方では、繰越欠損金等の優遇は資本金一億円で分けられている。こういったことの制度間のちぐはぐさというようなものはやはり若干あるのかなと。これについて、今後、見直し等の検討はなされるのか、お伺いしたいと思います。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 法人税法におきまして、特例の対象となる中小企業を基本的に資本金一億円以下としているのは、主に執行の簡便性等の観点を踏まえたものでございます。 御指摘のように、中小企業税制につきまして、資本金一億円以下の法人を中小企業として扱い各種措置を適用していることの妥当性について、様々な御指摘があることは承知をいたしております。 こういった御指摘を踏まえまして、今お話がございましたように、平成二十九年度の税制改正におきまして、大企業並みの所得を得ている企業、三年平均で十五億円超の所得がある企業につきましては租税特別措置の適用を認めないこととする改正を行ったところでございます。 御指摘のような中小企業税制の在り方につきましては、今後とも、執行の簡便性や課税の公平性の観点のほか、企業経営環境に与える影響や財政的な影響も踏まえつつ、引き続き検討していくべき課題と考えております。
○青山(雅)委員 どんな企業も、できれば成長をしていくということが非常に望ましいわけでございます。ところが、今の税制ですと、事業の規模を拡大して資本金や従業員数を増やした場合に税制優遇措置が受けられなくなるといったようなことがございます。成長してそれに見合うものになったらきちんと払ってくださいよということで、それはそれで当然だとは思いますけれども、いきなり差がぼんと出るようなことがないように、その辺、気を配っていただきたいと思うんですが、その点について御答弁をお願いいたします。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 中小企業税制の在り方につきましては、先ほども申し上げた点でございますが、執行の簡便性、また課税の公平性の観点のほか、企業の経営環境に与える影響や財政的な影響も踏まえながら、今後とも検討していくべき課題と考えております。
○青山(雅)委員 是非、合理的かつスムーズな措置をお願いいたします。 続きまして、財政ルールの策定について、水曜日の当委員会でも若干議論させていただきましたけれども、その続きについて少し質疑をさせていただきます。 なぜ私が財政ルールにこだわるかというと、そこをきちんと決めておけば、おのずと、財政支出には限りがあって、十分な政策を行うためには歳入が必要なんだ、税収が必要なんだということが、そういう当たり前のことがより国民に理解されるのではないかというふうな考えが常に頭にあるからでございます。 例えば、最近ちょっと私が個人的に驚いたこととして、新型コロナウイルス問題について、私、よくSNSで議論しているんですけれども、新型コロナウイルスでの医療崩壊は、財務省が医療関連予算を切り詰めたので医療機関が傷んでいるからだ、だから財務省が悪いんだ、こういうようなコメントをされた方がいたんですね。それでちょっと私は驚きまして、私としては、財務省、あるいは国としては、社会保障費の増大により既に一千兆円近くの国債残高を抱えている、さらには、毎年の歳入不足分、ちょっとこの十年間、平均で見ましたところ三〇%くらいです、三〇%を超えております、これを何とかしなければいけない。それで、やむを得ず、社会保障費を始めとして、歳出を削る努力をしている。ただ、現実には、社会保障費は、年三%くらいでしょうか、平均的に伸びていて、相変わらず国の財政を圧迫することが続いている。 ですから、財務省が別に、決して意地悪をしているわけではなくて、どうしようもなくてやっていることですけれども、これが国民の目には、財務省が意地悪をしている、そういう言い方になってしまうわけですね。私は、こういう考え方が続くと、本当に国の行く末を危うくする、そしてまた、財政について責任を持つという、ある意味モラルを持った当たり前の考え方をする方が悪者扱いが続くというのは明らかに公平性を欠くと思っています。 今、こういう考え方が続いているものですから、さらには、度々話題にさせていただいているMMT的な考え方ですね。日銀が引き受けている限りは、自国内で消化しているんだから財政破綻、国債破綻なんか絶対起きないんだ、だから幾らでも発行すればいいんだという、あたかもお金が天から降ってくるような、正確に言うと日銀から降ってくるわけですけれども、そういう感覚が国民にしみついてしまっているのではないかと思っています。 これを改めるためには、やはり財政ルールをきちんと決める。何かを増やすとき、あるいは何かを維持するためには基本税収が必要なんだという理解が国民一般に進むことが必要だと思いますし、それが進めば、国の運営というのはそう簡単なものではないということ、今政府は御苦労されていると思います、どの政党が取っても同じような御苦労があると思います。そういったことを国民にも理解されて、政権運営も、合理的な政策に資することになると思っております。 考えてみると、EUは今、平均的に二〇%ほどの消費税です。EUの各政党でもこんな高率の消費税を国民に課したいというわけではないと思いますし、国民も喜んで払っているわけではないと思いますけれども、EUにおいては御承知の厳然たるルールもありますので、それを、自分たちのための社会保障のためにはそういった税率もやむを得ないんだということが国民に十分に理解されているからこそ、こういった高率の消費税も国民が受容しているんだと思います。 ちょっと長くなりましたけれども、そういった問題意識の下でお伺いします。 質問通告と違って、ちょっとまとめてお伺いしますけれども、繰り返しになって本当に恐縮なんですけれども、財政ルールが、今回の特例公債法案が成立すれば、五年間は事実上不在となります。そうなると、二〇二五年度プライマリーバランス黒字化目標が、法的規律ではないですけれども、財政均衡に対する唯一のルールとなるのではないのかなというふうに考えております。 大臣におかれましては、そういったようなやり方で足りると思われるのかどうか。私としましては、麻生大臣のような大変な実力のある方がかじ取りをされている間に、二〇二五年以降、五年、十年先の未来を見据えた筋道を是非つけていただきたいと思っております。 さらには、やはり具体的な目標があった方が、今、国民がどの程度日本の財政が大変なんだということが分かるんだと思います。参考になるのは、やはりEUのような対GDP比ですね。EUでいえば非常に厳しい比率ですけれども、日本は現状を見るととてもではないけれどもそれは無理ですけれども、例えば対GDP比六%とか、大体そうすると現実的な話かなと。あるいは、アメリカ的な債務上限法でいうならば、例えば今の日本から考えれば一千百兆円が債務上限であるとするとか、そういった数値的歯止めが必要なのではないかと思いますけれども、この点について、麻生財務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 二つ御質問いただいたんだと思うんですが、まず、今回の法案の中で、いわゆる安定的な財政運営を確保するという観点から、平成二十四年度の議員修正によって決められた枠組みを踏まえて、今の法律と同様に、今後五年間にわたって特例公債の発行の根拠というのを設けているんですが、特例公債というものは、御存じのように、財政法の第四条によって特別にできているものであって、できる限り発行を抑制するということが望ましいのは当然であります。 これまでも、現行の特例公債法の下で、社会保障関係費の実質的な伸びというものは、昔、十年ぐらい前は大体年間一兆円、社会保障というか福祉関係は伸びると言われていたものを、我々は、高齢化する人たちに合わせて必然的に伸びてくる部分がありますので、その高齢化による増加分以内に収めるという目標というか歳出の目安というのを予算編成でやらせていただいてまいりましたし、また、歳入面でも、いわゆる消費税等々で、一〇%への引上げによりまして、後の世代の方々への負担の軽減というのをやらせてきていただいたんだと思いますが、予算ベースでいきますと、当初予算ベースで、特例公債の発行というのは、平成二十八年度からの五か年間で約三兆円減少させていただくということができて、二十八兆から二十五兆ぐらいまでに下げさせていただきました。 したがいまして、今後とも、二〇二五年度のプライマリーバランスの、バランスというか目安、黒字化するという目安に向けてきちんとした対応をやっていかなきゃいかぬところなのであって、プライマリーバランスのそれを目標にしているということは、財政規律を、五年間延ばしていただいたからといって、それをそのまま、では大丈夫だろうというので、安易にこれを緩ませるということは考えていないということであります。 もう一点は、日本の場合にとりましては、勤労者人口の減少、それから、負担をする方ではなくて受益を受ける高齢者側の人口比率というのが物すごい勢いで、二〇二二年から団塊の世代が一斉に後期高齢者に入ってきますので、勢い高齢者の比率が一挙に高まりますので、マクロの財政規律という必要があるのではないかという問題意識をお持ちなのは、これは全く、私どももそう思っております。 したがいまして、二〇二五年度までには何としてもプライマリーバランスをそこそことにかく黒字に持っていって、債務残高の対GDP比を安定的に引き下げるということを我々としても掲げているんですが、今言われましたように、先ほども階先生の御質問にもあっていましたが、プライマリーバランスの黒字という状態というのは、なかなか、今回のコロナのおかげで一挙に財政支出が増えておりますので。 そういった意味では、私どもとしては、プライマリーバランスがそこそこ黒字という状態までいけば、いわゆる金利とGDPというものの成長率がほぼ同じ水準という場合のところまでいきますと、債務残高の対GDP比が引き下がっていくということになりますので、債務残高の拡散というものを防ぐことになるんだと思っております。 したがいまして、まずは二〇二五年度までにできる限りプライマリーバランスを黒字に近づけて、そして、いわゆる社会保障の持続可能性、国民皆保険制度等々、そういった持続可能性を高めるということで、我々としては、歳入改革、歳出改革を更に進めていく必要がある、そのように考えておるところであります。
○青山(雅)委員 ありがとうございます。 財政規律については非常にしっかりとお考えになっているというようなお話だったと思います。 しかしながら、政治というのは、財政規律をより厳しく守ろうとすると、手足が縛られてやりにくくなる上に、支持率が下がるというような非常に残念な側面がございます。しかし、国の将来を考えると、そういったところばかりを気にしているわけにもいかないと思いますので、是非今後とも、その面、よろしくお願いいたします。 そして、さらに、今のような考え方できちんとやっていければいいと思うんですけれども、仮に、いろいろな選挙結果で、どういった考え方を持つ政権が将来就くか分からない。 そういったときに、諸外国の例などを見ますと、国債残高の累増が続いていけば、仮に国債破綻というのは、日銀が際限なく今のように買い受ける限りは国債破綻は来ないんだと思います。しかしながら、そうなったときには、今度はほぼ間違いなく通貨安によるコストプッシュインフレが起きるのではないかと思っております。 コストプッシュインフレが起きると、日本のようないろいろなものを輸入に頼っている国は、当然ながら、それがずっと毎年続くことになります。よく言われるハイパーインフレが起きれば、あっという間に、例えば今借金している方は、その借金の実質的な価値が下がるわけですね。つまり、日本一の借金王である今の国といいますか政府の抱えている一千兆円の借金も、五〇%のインフレが起きれば半分の価値にしかならない。あっという間に圧縮されていくわけです。そうじゃなくても、例えば五%のインフレが十年続けばこれは同じことなわけです。 私は、そうなると一番困るのは、実はこつこつと働いてお金をためておられる中堅所得層よりも所得が低い方、そういった方たちは、例えば海外資産などという形で逃避するなどというのは基本的に難しいわけですから、自分が一生懸命ためたお金があっという間になくなってしまうというような悲惨なことになるのではないかと思います。 その意味で、そこをきちんとやらなきゃいけないと思っているんですけれども、大臣として、そういうバッドエンド的な予測というのも少し頭の中にはあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○麻生国務大臣 今、日本銀行が行っている国債の買入れというのは、これは金融政策というものと、もしくは物価対策、いろいろな分野があるんですけれども、日本銀行自らの判断で行っていられるものであって、その手段に関してはもう日銀に委ねられるべきものなんだと思っているんですが、政府として、この日銀の金融緩和というものを前提にして国債発行をばんばんやって財政規律を緩めるというような感じになったら、これは最悪な形になりかねませんので、今言われたような心配が起きるということだと思っております。 したがいまして、そういうことにはならないようにきちんとした対応をしていくということであって、仮に財政に対する信認というのが失われますと、今言われましたように、日本のいわゆる国債とか通貨とかいうものに対する信認が失われていくことになりますので、下手しますと過度なインフレになりかねませんし、急遽円安に一気にぼんと振れるということも含めまして、国民生活に多大な影響が即出るということになりかねません。 したがいまして、私どもは、財政の運営に当たりましては常に心配しておかなければなりませんのは、マーケットというものにおいて信認が失われないようにするということが大事なのであって、そういうものをやっていくためには、社会保障の改革もやらないかぬ、増税もある程度やらないかぬし、歳出も抑えないかぬ。いろいろなことをやりながら、経済の再生を図りながらなおかつ財政の健全化もやらないかぬというのは、二兎を追うというか二律背反しているような話ですけれども、その二兎を追っていくという姿勢は今後とも、厳しいですけれどもやり続けなければ、今のような超低金利の下にこのように安定して国債が消化できるということになりませんし、ひいては財政再建ということにもなかなかつながりにくいと思いますので、きちんと二兎を追っていくという姿勢を持ち続けねばならぬものだと思っております。
○青山(雅)委員 大臣の方も、今私が申し上げたような懸念はあるというふうにお考えだというふうにお聞きいたしました。そして、おっしゃる二兎を追う、非常に難しい綱渡りをしていくということだと思います。 ところが、一般には、やはりどうしてもばらまき的な政策という方が魅力的で、あるいはそれを、非常に残念ながら、今の日本のマスメディアは単純にそれが正義であるかのような報道をされることもあって、私は非常に危惧をしているところでございます。仮にそちらの声が今よりももっと大きくなったときには、先ほど申し上げたバッドエンド的な予測が実現してしまうのだという危惧も、どうしても捨て去ることはできません。 もう一つ怖いのは、例えば巨大地震とか、更に今のコロナを上回るようなパンデミックが来た場合にそれがどうなるのか。 今言ったような、今の例えば通貨安、インフレの懸念もこういった巨大災害と同じで、ある日突然来るのが大抵だと思うんです、じわじわと来るというよりは急に来る。そういったものもやはりきちんと予測しながら、頭の中にBプランとして挙げながら、私は、やっていかなければいけない。 そういうことを考えると、今後の日本、今、先ほど大臣が触れられたように、更に人口構成のいびつ化といいますか、高齢者の数がすごく増えるというのがまさにここからが本番でございまして、そうなってくると、そういった時代に向けて、私は、やはり人口が右肩上がりで、今のインドのような非常に理想的な人口構成のときにつくられた戦後社会システム、これはそろそろ大改革を見据えるべき時期じゃないかと思っております。 そのことに関して、昭和から平成にかけての、私もそうでしたけれども、日本にとって大変幸せな成長時代、そして平成から現在にかけての非常に困難な道、この両方を歩まれてきた大先達としての麻生財務大臣はどういうふうに考えるのか。そういうこともそろそろ超党派的に考えていくべき時期じゃないかと思うんですけれども、そういったことについて御意見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 社会保障制度、これは岸内閣、昭和三十五年ですか、あのときに国民皆保険制度、安保改定の話しか出ませんけれども、この国民皆保険制度ができ上がったのは岸内閣なんですけれども、あのときから今日までいろいろありましたけれども、あの頃、働く人、生産年齢人口六人で一人の高齢者ということになっておりました。今、比率が二・三の一か何かということになってきております。 実際問題として、今後を考えますと、今御心配があっておりましたように、いわゆる現役世代というのは今七千百万人ぐらいいるんだと思いますけれども、これがいわゆる二十年後、たった二十年ですよ、たった二十年で一千五百万、一千六百万ぐらい減りまして、いきなり五千五百万とかいう大台までどんと下がるんです。生産年齢がそれだけ下がって、今度は高齢者の方が全然減らずに増えていくということになりますと、御存じのように、僕はその頃は生きていませんからいいですけれども、そちらの方は、そのときはどうするのかと真剣に考えないかぬのは青山さんの方なんだと思うんですが。 支え手の減少ということによって、財源の縮小という課題というのはすごく大きなものになっていくんだと思っておりますので、また、将来の人口構造の変化というものを踏まえて、今のうちに、まずは社会保障だけで、今、国家予算約百兆として、三分の一ぐらい、三十数兆円が社会保障関係。国債の金利を含めましたら約四割ということになりますので。 そういった意味では、今のうちにやれることはやっておかないかぬということで、例えば今年から、薬価の改定というのは二年に一遍だったものを、毎年やらせていただく。えらい手間暇かかる話ですけれども、やらせていただくことによって薬価全体を下げるとか。それから、高齢者、いわゆる後期高齢者の方々、七十五歳以上の方々にも、これまで一割負担だったものを、済みません、所得がそこそこおありになる方も、二百万円以上ある方は、済みませんけれども、一割負担のところ、二割負担をお願いしたいというような努力をやらせていただいているので。給付と負担の見直しというのをきちんとやらぬと、残念ながらこの国の社会保障制度はもちませんので。 そういったことを考えながら今いろいろやらせていただいておりますけれども、是非、この種の話はなかなか受ける話ではありませんので、およそ高齢者の多い選挙区では選挙対策には全く不向きな話ですけれども、やらねばならぬということの一つなんだと思っております。
○青山(雅)委員 ありがとうございます。 やらなければならないことが、逆になかなか声に出しにくいという非常に残念な状況。しかし、それをほっておいては将来が大変にゆがんでしまうという認識、私も大臣と同じ認識であります。是非今後ともその方向でいろいろと議論をさせていただきたいと思いますし、政府の方、かじ取りの方をよろしくお願いいたします。 続きまして、ちょっと矛先、話の向きが変わりまして、少し明るい未来の話として、順番を変えまして、自動車関係税制についてお伺いしたいと思います。 御承知のとおり、自動車業界というのは、今、大変革の時期でございまして、国際的に、CASE、コネクテッド、オートノマス、オートメーテッド、シェアリング、エレクトリック、そういった潮流が加速しているようでございます。また、テスラだけではなくて、海外の例えばアップルなどのIT企業が自動車産業に参画してくるというような動きも見られております。 自動車産業というのは、御承知のとおり、今、日本の唯一と言ってもいいほどの数少なくなってきたメーカー系の勝ち組であるとともに、裾野が非常に広いわけで、これは日本の基盤を成す企業で、ここの勝ち負けというのは日本の未来にも大きな影響を与えると思っております。逆に言うと、今この大変革期に日本企業が勝ち組として更に成長してくだされば、この厳しい日本の経済を支える原動力にもなると思っております。ですから、私は、今のこの時代に集中的に自動車産業に対して、投資なり、自動車産業が自ら伸びていきやすいようなやり方を政府が考えていくのは大変重要だと思っております。 その観点でお伺いしますけれども、今後、CASEを見据えて、どういう観点に立って税制改正をされていくのか、まずは財務省にお伺いしたいと思います。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 自動車業界は、今御指摘いただきましたようなCASEに代表される大変革に直面していると言われております。 こうした中で、令和三年度の与党税制改正大綱におきましては、自動車関係諸税については、二〇五〇年カーボンニュートラル目標の実現に積極的に貢献するものとするとともに、自動運転を始めとする技術革新の必要性や保有から利用への変化、モビリティーの多様化を受けた利用者の広がり等の自動車を取り巻く環境の変化の動向、地域公共交通へのニーズの高まりや上記の環境変化にも対応するためのインフラの維持管理や機能強化の必要性等を踏まえつつ、財源を安定的に確保していくことを前提に、受益と負担の関係も含め、その課税の在り方について、中長期的な観点に立って検討を行うという方向が示されておりまして、こういった方向に基づきまして検討を行ってまいりたいと考えております。
○青山(雅)委員 是非、金の卵を産む鶏を絞め殺すようなことがないように、逆にきちんと育てていけるような税制、取りやすいところから取るというのではなくて、そういった将来的展望を持ってお考えいただきたいと思います。 続きまして、人口が例えば減少する地域においては、小型EVや自動運転などは非常に地域を支える命綱になってくるんじゃないかなというふうな予感をしております。都市部においては、MaaSというような技術革新が重要だと思っております。 今後、どのように規制を緩和していくのか、現状なども併せて、国交省に御紹介いただきたいと思います。
○江坂政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、小型EV、自動運転、MaaSといいました技術革新は、地方部と都市部の双方におきまして、モビリティーを変革させる可能性があると期待されております。 国土交通省では、自動車の安全、環境性能に関します基準である道路運送車両の保安基準を定めるに当たりまして、安全確保を第一としつつも、極力、自動運転など新技術の実用化を阻害する要因とならないよう配慮しておりまして、自動車メーカーは、現在も特段の手続なしに、運転者を乗せた状態で、自動運転車を始めとした様々な公道試験を行うことが可能となっております。 また、新技術の実用化を阻害する基準がある場合には、その安全上の必要性や合理性を確認した上で保安基準を改正することとしておりまして、例えば、一例といたしましては、平成二十八年当時、国際基準では禁止されておりました自動でハンドルを操作する機能を、日本独自の判断といたしまして、国際基準の改正に先んじて許容いたしまして、その市販化を可能としたという実績がございます。 国土交通省といたしましては、引き続き、このような取組を通じまして、革新的なモビリティーが普及しやすい環境の整備を進めてまいります。
○青山(雅)委員 事前のレクでそういった話を、私、実は不勉強で知らなかった部分も含めて、どんどんやっておられるということを聞いて、少し安心したわけです。 是非日本が世界をリードできるように、今後とも、必要な規制については柔軟にお考えを、解除していくというようなこと、あるいは取り組むことができるようにしていくようにお願いしたいと思います。 それから、今度は経産省にお伺いしたいんですけれども、今言ったような未来があるわけですね。そこで、そういった取組を普及させたり、それに関連して新しいビジネスというのがばっと出てきそうだと思っているんですけれども、そういったことについてどのように取り組んでおられるのか、教えてください。
○福永政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、我が国の自動車産業が厳しい国際競争の中で引き続き世界市場を牽引していくために、技術開発を、MaaSサービスの実証や実装、そしてそれに即した制度整備まで一貫した取組を、各省庁と連携し、国土交通省を始め各省庁連携して進めていくということをやっております。 例えば、経済産業省においては、国交省と連携しまして、二〇一六年から福井県の永平寺町において自動運転の実証実験を行ってきております。これは、運転免許を保有、所持している者が車内ではなく遠隔で操作して輸送サービスを行うところまで現在来ておりまして、昨年十二月に初めて事業化に至ったところでございます。 今後は、更なる車両の開発を進めて、二〇二二年度を目途に、遠隔で操作もせずに監視のみで行う自動運転、いわゆるレベル4というものに移行することを目指しております。 あわせて、自動運転を含む新たなモビリティーサービスの社会実装、まさにMaaSの社会実装を促すべく、全国各地でスマートモビリティーチャレンジと称してシンポジウムを開催したり、全国十六か所において先進的実証を進めているところでございます。 こうした実証等の成果を、技術の確立、ビジネスモデルの構築、必要な制度整備とつなげることに邁進してまいりたいと思っております。
○青山(雅)委員 是非世界をリードするように御努力をお願いしたいと思います。 最後に、ちょっと時間がなくなってしまいましたが、一点だけ重要なことを大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、今、高齢者世帯にはすごく大きな資産がある、金融資産が。ところが一方、若い世帯はなかなかない。 私は、老老、超高齢者の祖父から、その高齢者の子供に移転というよりは、もう一気に孫に移転して、孫にせいぜい使っていただく。消費意欲も活発なところですから。 そういった取組が大事だと思うんですけれども、税制で是非それを後押ししていただきたいんですけれども、大臣のお考えを最後に聞かせてください。
○麻生国務大臣 ちょっとこっちも超後期高齢者になりつつありますので、なかなか言いにくい数字ですけれども、これは十二年前、貯蓄性向、収入が十万あったらそのうち幾ら貯金に回すかという比率の話を貯蓄性向というんですが、六十五歳以上の人は、先行きがないからと、ほとんど、余り貯蓄しないんですよ。これまで、もうありますから。ないないと言っている人もいますけれども、ありますから、現実問題として。だから、しなかったんですよ。 ところが、人生百年という話が出たのはこの頃からよ。今は貯蓄性向は三〇%、これはもう三倍になっているんですよ。僕は、それは理由はいろいろあるんだと思いますよ。だけれども、僕は平均寿命が百歳になりますという話が本当かどうか知らないけれども、えらく広まったおかげで、みんな百歳まで生きるつもりをしていますよ。とてもそんなふうに見えない人もいるけれども、思っているんだから、本人は。 そうすると、八十歳のつもりでためていた貯金が、あと二十年使わないかぬ。それは使わないよ、そんなもの。僕はそういうことになるんだと思って、貯蓄性向が高齢化している、貯蓄性向が急激に増えてきているのはこの十数年の話なんです。 したがいまして、予備的行動とかとこの業界では言う言葉ですけれども、子孫のために財産を残したいという人も確かにあるんですけれども、いろいろ動機があるのは間違いないんですけれども、こういったようなものを払拭してやらぬとどうにもならないなという感じがしますので。 そのためには、やはり高齢化しても働ける状況、例えばベルトコンベヤーのスピードを落としてやるとかライトを明るくしてやるとかいろいろな方法で、現実問題としては、高齢者で、今のニューメリカルコントロール、NC機械、数値制御の機械を使いますと、別にきちんとボタンを押しさえしたらきちんと動きますから。そういったもので、ぱたぱたぱたとやらなくたって、きちんと押してもらう方法が確実、そういったようなNC機械なんというものが随分出てきていますので。 私どもとしては、そういったものの利用によって、高齢者も更に稼げる高齢化社会。活力ある高齢化社会と私が総理の頃は言っていたんですけれども、今は稼げる高齢化社会という方が表現としてはいいのかなと思っておりますけれども、いずれにしても、そういったことをやると貯蓄が回る。 同時に、安心して、別にそんな先々金を持っていてもしようがないからといっても、引き継ぐ方がまた七十歳では使いようがありませんから、だったらその辺をちょっと飛ばしてというのでやらせていただいたんですけれども、八年前に、これは教育だけに限りますといって千五百万というのでやらせていただいたんですけれども、一挙にどっといきましたけれどもその後余り伸びがないという状況にもありますのは、多分、やるつもりにしていたけれども、おい、百歳かよとなって止まったのかな、正直、そんな感じがしないでもないんですけれども。 何となく、そういったいろいろなものをちょっと考えながら、この部分に関して考えて、なるべく金を持っている高齢者が金を使ってくれないと、ない人に使え使えといったってそれはなかなか難しいのであって、私どもは、ある人から使ってもらう。何でもいいですよ、それは。使ってもらうのが一番いいので、そういった方法を、先導するというのはちょっと語弊があるね、誘導してやるということがうまくできればな、正直そう思っています。
○青山(雅)委員 時間が参りました。大変ありがとうございました。失礼いたします。
○越智委員長 次に、前原誠司君。
○前原委員 国民民主党の前原でございます。 まず、住宅ローン控除の特例の延長についてお伺いをいたします。 個人が住宅ローンを利用して住宅を取得して、令和三年末までに居住して一定の要件を満たすときは、その住宅の取得に係る住宅ローンの年末残高の合計額を基に計算した金額を、入居した年分以降の各年分の所得税額から控除することができるということになっております。 他方で、令和三年度税制改正に当たりまして、与党の税制大綱におきましては、平成三十年度決算検査報告において、住宅ローン控除の控除率、一%でありますが、を下回る借入金利で住宅ローンを借り入れているケースが多くて、その場合、毎年の住宅ローン控除額が住宅ローン支払い利息額を上回っていること、適用実態等から見て国民の納得できる必要最小限のものになっているかなどの検討が望まれる等の指摘がされている。その上で、会計検査院の指摘を踏まえて、住宅ローン年末残高の一%を控除する仕組みについて、一%を上限に支払い利息額を考慮して税額控除額を設定するなど、控除額や控除率の在り方を令和四年度税制改正において見直すとされました。 お伺いしますけれども、会計検査院は平成三十年度決算検査報告を行って、令和元年十一月に内閣に送付されているんですが、今回の税制改革にこれを盛り込まなかった理由はなぜでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 今回の令和三年度税制改正案におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響等により低迷が続いている住宅投資、こういった現状に鑑みまして、投資を幅広い購買層に喚起するため、経済対策の観点から住宅ローン控除等の改正を行うということで、住宅ローン控除の現在設けられている控除期間を十三年に延長している特例を、令和四年末まで入居した者を対象とするということで延長するという措置を講じております。 こうした中で、会計検査院の指摘も踏まえて御議論いただいたところでございますが、現下の経済情勢なども踏まえまして、消費税八%への引上げ時に反動減対策として拡充した、先ほど言及されました令和三年末までの入居を要件としている元々の措置の方でございますが、こちらの適用期限後の取扱いの検討が今年の年末になされるわけでございますが、その際に、御指摘があったような、一%を上限に支払い利息額を考慮して控除額を設定するなど、控除額や控除率の在り方を見直す方向で検討するということにされたものでございます。
○前原委員 ということは、来年度は行うということでよろしいんですか。
○住澤政府参考人 令和三年度与党税制改正大綱におきましては、先ほど申し上げたような内容で、令和四年度税制改正において見直すという方向性が示されております。具体的な検討は、この年末の令和四年度税制改正の議論において行われるということでございます。
○前原委員 本改正案では、住宅ローン控除に関しまして、消費税一〇%への引上げに伴う反動減対策の上乗せとして措置をした控除期間十三年間の特例について延長されるとされています、今、主税局長がおっしゃったとおりでありますけれども。控除期間十三年間の特例を受けるのには、一定の期間内に契約し、定められた日までに入居する必要があります。 コロナ特例は、新築が令和二年九月末まで、分譲等が令和二年十一月末までの契約で、入居が令和三年末まで。それから、令和三年度の税制改正案だと、新築は令和二年十月から令和三年九月まで、分譲等が令和二年十二月から令和三年十一月末までの契約で、入居が令和四年末までということになります。これは、新築も分譲も、契約日が一日違うと入居時期が一年変わってくるんですね。 今、コロナで、言ってみれば、初めの方は、サプライチェーンの問題でなかなか物が集まらないとか、そして物件の引渡しも延期されるようなケースというのが散見されますけれども、このコロナ特例の入居時期の期限を柔軟に運用するか、若しくは、このコロナ特例を令和三年度の税制改正案の令和四年末までの入居に合わせることも考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 新築につきましては、注文住宅についてでございますが、令和二年十月から令和三年九月末まで、つまり今年の九月末までに契約いただければ、令和四年末までの入居ということで、このコロナ特例の更に延長したものが受けられるということでございまして、十分こういった期間を取っているというふうに考えておりますので、今後、関係省庁におきましても、こういった制度を周知していただきまして、対応していただけるものと考えております。
○前原委員 十分な期間かどうかというのは、例えばマンションだったら、初めから入る人と後から入る人とまた違ってくるわけですよ。そういう意味では柔軟性を持つべきではないかと思いますが、今後の検討課題にしてもらえませんか。そういう事例が生じたときには柔軟に運用する。だって、同じ仕組みでしょう、結局は。十三年間、控除延長して。それが、契約日が一日違っただけで、入居の幅が一年間変わってくるんですよ。柔軟に見直すということはあっていいと思いますけれども、今後そういう事例が起きたら柔軟に検討するということを答弁いただけませんか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 今回の措置でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響によって影響を受けている方々を念頭に置いた措置を更に経済対策として延長するということでございますので、そうした対策の趣旨を踏まえまして、新たにこれから住宅を契約、購入する方を中心に制度を設計しているわけでございます。そういった意味で、事前に契約期間の要件を明示することによりまして明確性を確保しているということでございまして、日にちをまたいでの差が生じるということは、やむを得ない面があるものと考えております。
○前原委員 またそういう事例が生じたら言いますけれども、そんなしゃくし定規に切る必要は私はないと思いますよ。だって、これは助ける意味で同じような制度をつくっているわけですから。一日違うだけで、何らかの理由で変わってくるということがあった場合には、是非柔軟に対応してもらいたいということは、この点は申し上げておきたいと思います。 国土交通副大臣、お越しでございますか。住宅局の予算として、令和二年度第三次補正予算や令和三年度予算案では、耐震性や省エネを促進させるための地域型住宅グリーン化事業、これは計百五十億円。それから、省エネを評価するグリーン住宅ポイント制度、これは一千九十四億円が計上されております。 十年前、私も国交省にいたときにちょうどリーマン・ショックの後でして、平均百万戸から六十八万戸ぐらいまで落ちていたんです。何とかこれをやらなきゃいけないということで、住宅版エコポイントという制度をつくった、一つとしてつくったわけでありますけれども。 大体二〇〇八年が人口のピークなんですよ。それからどんどんどんどん人口が減っていく中で、状況が変わっているんですね。二〇一八年の十月の時点での空き家率は一三・六%。今はもっと増えているでしょう、八百四十六万戸に及んでいるわけですね。 当時の制度というのは、リーマン・ショックで落ち込んだ、言ったように、住宅建設を何とかサポートするという仕組みで住宅版エコポイントなんかをやったわけですけれども、これからは、これだけの空き家率があるということから考えると、住宅を増やすというよりは、良質な住宅への建て替えとか、あるいはリフォーム、こういったものに重点を置いて政策を考えていかなければいけませんが、そういう観点での政策になっているかどうか、合致しているかどうか、御答弁ください。
○岩井副大臣 お答えをいたします。 住宅政策につきまして、委員御指摘のように、状況が変化をしているということがあります。 まずは少子高齢化、人口減少という中で、世帯数の減少が見込まれる中で、将来世代に継承できる良質な、まさに住宅ストックの形成を進めることが大変重要な課題だという認識は持っております。 このため、例えば、若年世帯そして子育て世帯等が適切な負担で質の高い住宅を取得できるようにするための税制等の支援策、また、長寿命で環境性能の高い新築住宅の整備とか、耐震改修、省エネ改修等の良質な住宅のストックの形成、加えて、質の高い既存の住宅が円滑に流通するための環境整備等を行っているところでございます。 現在、住生活基本計画、これは今年の三月に見直しという予定でございますが、その中においても、コロナ禍における新たな日常への対応、また、頻発、激甚化する災害に対する安心そして安全な住宅の形成等についても進めているところでございます。
○前原委員 それであれば、住宅に対する贈与税の非課税枠の拡大、これも実は私が国交省にいたときに、十年前にやったんです、一千五百万で。導入したんですけれども、これも、要はリーマン・ショックの後の百万から六十八万まで年平均で落ちていることに対する施策の一つだったんですね。今は状況が違うわけです。 それで、今回は、また、一〇%適用のやつには一千五百万円、そうでないやつには一千万円ですよね。こういうものが当てはめられるということなんですが、このいわゆる非課税枠の拡大について、では今副大臣が御答弁されたことについて、要件になっていないんです。単に非課税枠の拡大、贈与税の非課税枠の拡大だけなんです。促そうと思ったら、そういうものを要件に入れて、そして、贈与税の非課税枠の拡大というものにしなきゃいけない。だけれども、そういうものになっていない。 先ほど御答弁されたことについて、少なくともこのいわゆる政策については当てはまっていないんですよ。どうですか。
○岩井副大臣 お答えをいたします。 要件になっていないという御指摘でございますが、様々な条件の中で、今考えているスキームの中でしっかりと政策を進めてまいりたいと思います。
○前原委員 是非、国交省住宅局の中で、これから、量を稼ぐというよりは質ですね。耐震、それから省エネ、こういった良質な住宅を造っていく。リフォームもそうです。そういう観点での取組で、やはり時代とともにその要件をちゃんと変えていくとか付加するとか、そういうことを是非取り組んでいただきたい。是非テイクノートしておいていただきたいと思います。 次は、賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直しについて質問いたします。 二月九日の衆議院本会議、それからおとついの当委員会でも、なぜ日本の賃金は低いのかという問題意識で質問を行わせていただきました。 この所得拡大促進税制というのは平成二十五年度改正から創設されておりまして、平成二十六年、二十七年、二十八年度は要件の見直し、それから平成三十年度改正からは投資の促進というものも加わりました。 今回は、事前にレクを受けたところ、コロナの影響で投資促進が外されるということでありますけれども、コロナに影響を受けている企業もあれば、そうでなくて、どんどんどんどん伸びている企業もあるわけですよね。そういう意味においては、コロナだからこの投資促進を外しましたということについては、私はいかがなものかと思うんですね。 伸びているところもあるということを考えれば、この投資促進も入れておくべきだったと思いますけれども、これは大臣、あるいは局長なんでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 今回の賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直しでございますが、雇用や生活を支えながら、成長分野への円滑な労働移動とそのために必要な人材投資が重要であるということ、また、雇用を取り巻く環境が非常に厳しくなっております中、第二の就職氷河期をつくらないといった観点も不可欠であるといったことを踏まえまして、これらの観点から、賃上げ及び投資促進税制につきまして、従来の継続雇用者給与の増加という要件に替えまして、新規雇用者給与を増加させた企業を対象とするよう制度を見直し、人材の確保、人材育成を促す制度というふうに衣替えをいたしたわけでございます。 その際、設備投資につきましては、別途、デジタルトランスフォーメーションでありますとか、脱炭素のための設備投資を促進する税制でありますとか、あるいは繰越欠損金の控除限度額の特例といったものも措置いたしまして、こちらの方も配慮しているところでございます。
○前原委員 デジタルは新しいものにしても、繰越欠損金については今までもあったでしょう。ということは、今の局長の答弁だと、コロナが落ち着いたら、この投資というのは戻さないということですか。賃上げと投資に関わる、やはり税制面での優遇措置というのは、私は両方必要だと思いますよ。コロナが落ち着いたら、この投資に対する促進税制は戻すべきじゃないですか。 これ、ちょっと大臣、御答弁いただけますか。投資は戻すべきでしょう。今までもやっていたんだから。
○麻生国務大臣 今、コロナの中にあっても、それでも別にうまくいっている企業だっていっぱいある、業界もいっぱいあるというお話は全く正しいんだと思いますので、私として、デフレ脱却と経済再生に向けて、今、いわゆる賃上げの流れというのがこの七、八年続きましたけれども、そういった流れとか、今のものを含めて、継続していくというのは、これは極めて大事なところだと思っていますので。 他方、新型コロナを考えますと、その後の経済構造の話とかいろいろな話が出てくるんだと思いますけれども、成長分野でのいわゆる話をさせていただければ、そちらの方には今度、人が足りなくなっていますからね、今。 現実問題、移動させていくという点も考えてやる、そのために、促進するためにどういった税遇があるかとか、何となく、補填する話ばかりじゃなくて、うまくやったら税制でとか規制でとかいうことをちょっと考えないかぬと思いますので、賃上げの、設備投資とか、人材確保とか、人材育成とかいろいろありましたけれども、今言われたようなところを含めまして、いわゆるインセンティブというものをこちらからこちらに移すという話なんであって、そういった意味では、要件を見直すということなんだと思っていますので、基本的にはいいことだと、私どもはそう思っております。
○前原委員 いや、だから、賃上げ、あるいは新規雇用、それはいいんですよ。それはいいんだけれども、私が申し上げたのは直接投資、これが外れたわけです、今回の案件でね。 コロナが落ち着いた場合においては、ほかでもやっているということなんだけれども、ほかの繰越欠損金なんかずっとやっているわけですよ、これと並行してね。ですから、やはり、直接投資をちゃんとやった場合においては、それがちゃんと、先ほどの大臣のお言葉をおかりすると、インセンティブになるというようなものを私はつくるべきだと思いますよ。いかがですか。
○麻生国務大臣 いわゆる、全部でいえば租税特別措置ということになりますかね。そういうものの必要性とか有効性というのは、これはよく見極めないかぬところだとは思いますけれども、見直し等々を行っていくというのは、これは極めて重要、私もそう思いますので、今後の本税制の在り方とかいろいろ考えていかないかぬところだと、正直、私もそう思います。 先ほど、もう一個ちょっと、他省庁の話で恐縮ですけれども、いいところ、いい話だなと思って。別に褒めるつもりはないんですけれども。 中古住宅の話をしていましたけれども、この国には中古住宅のマーケットがないんですよ。僕はこの国で最も欠けているところはそこだと思っていますので、是非一回この話をさせてもらえればなと。別にこういうところじゃなくて、別の会で結構ですが、よろしくお願いします。
○前原委員 お誘いいただければいつでも議論させていただきたいと思いますので。 事前のレクで、平成二十五年度から実施している賃上げ及び投資の促進に係る税制の効果について示してほしいとお願いをしたところ、賃上げや投資は、税制のみならず、企業収益や雇用情勢などの影響を受けるものであるため、税制の効果だけを取り出して賃上げや投資判断への影響を測ることは困難だ、こういう回答でありました。 それはそのとおりなんです。そのとおりだけれども、実際、政策をやった場合においては、何らか一定のやはり効果があったという、私は総括が必要だと思うんですね。 これはやはり、何らかの基準を、一定の政策効果を測る何らかの基準をつくるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 現時点において判明をしております賃上げ及び投資の促進税制の利用状況でございますが、令和元年度におきましては、一万一千件の適用があったというような状況を把握してございます。 その上で、こうした税制の期限の到来した際、あるいは見直しの際におきましては、要望省庁におきまして、政策評価の枠組みの下で、定量的な検討も含め、様々な検討が行われて、それを踏まえて税制改正の検討が行われているということでございます。
○前原委員 それを見える化してもらえませんか、我々の議論の材料として。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。 企業向けの租税特別措置の適用状況につきましては、適用実態調査の報告ということで、これは民主党政権時代に策定されました租特透明化法に基づいて、毎年国会に御報告をさせていただいております。 また、各省庁からの税制改正要望の中で、政策評価に関わる部分もあるわけでございますが、こういったものにつきましては対外的にも公表いたしてございます。
○前原委員 今、私が聞いているのは、いわゆる賃上げ、それから設備投資、これに対してちゃんと効果を説明してほしい、見える化してほしいということです。 これについて要望しておきます。是非前向きに取り組んでください。 さて、厚生労働副大臣、来られていますか。 賃金が上がらないということについて総理も、何でだと聞いたら、総理の御答弁は、いや、この数年間でこれだけ上がりましたという何か実績を語られるだけで、余りいい答弁でなかったんですね。 やはり、本質的な議論をするためには、何が問題でどこをそれは変えたらいいのかという議論をしない限りは、いや私はこうやりましたから前よりはちょっとよくなりましただけではやはりよくならないと思うんですが、雇用というものをつかさどっておられる厚生労働省として、何が問題なのか、そしてその問題点はどう変えなきゃいけないというふうに思っておられるのか、その点について御説明いただけませんか。
○三原副大臣 お答えいたします。 我が国において実質賃金が伸び悩んだ背景としては、女性や高齢者のパートタイムも含めた形での労働参加が進んでおり、これ自体は大変望ましいことでありますけれども、実質賃金の平均値という面から見ると押し下げの要因になったこと、そしてまた、デフレからの脱却に取り組む中で物価が上昇したことなどがあると考えています。 一方で、名目賃金について見れば、我が国の賃金の引上げは、新型コロナ感染症流行前においては、連合の調査によれば六年連続で今世紀に入って最も高い水準の賃上げが実現したと先ほどお話があったとおりでございます。 さらに、雇用も増加する中で、我が国全体の家計、可処分所得も昨年度まで五年連続増加をしてまいりました。 総理からも、二月二十四日の経済財政諮問会議におきましては、今後我が国経済を成長軌道に戻していくには、再び賃上げの流れを取り戻して所得が増える見通しを持てるようにすることが不可欠であり、賃上げの流れを継続するよう、これまで行ってきた要請に引き続き応えていただきたい旨の発言がございました。 今後も、成長分野への民間投資を大胆に呼び込みながら、企業の生産性を高め、これまでの賃上げの流れが継続されることが必要であると考えております。
○前原委員 そういった部分というのは、それは確かにあると思いますけれども、重要なことで語られなかったことは、労働流動性の話なんですね。労働流動性というものをどう高めていくのかということ、これは日本の雇用慣行なんかにも関わる話ですね、ここをしっかりやらなきゃいけないのと、あとは、医療や介護の分野というのは人手不足でしょう、でもこれは公的な問題なんですよ。つまりは、医療保険とか介護保険とか公的な分野でなかなかこういったところが、言ってみれば需要供給のバランスが働きにくい。 いろいろな問題があります。こういったことは一つ一つやっていけば本当に時間のかかる問題でありますけれども、様々な委員会あるいは質問主意書等々で一つ一つこれからしっかりと、どうやったら賃金がこの日本は上がるのかということについて取り組んでいきたいと思いますので、しっかりと厚生労働省でも、問題の所在を把握した上でそれをどう解決するかということを取り組んでいただきたいと思います。 次に、教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の見直しについてお話をさせていただきます。 これは、私は少し思いがありまして、この制度は当初から格差を固定するなという思いがあったんです。じゃ、さっき、住宅でお前は進めたじゃないかというふうに言われそうなんですけれども、経済的に住宅で進めるのと教育というのは僕は抜本的に違うと思っているんですよ。教育というのは、全ての子供がひとしく受けられるのが教育なんです。そういう意味においては、この教育に関わる贈与税の非課税の話というのは、私は少し筋が余りよくないということをずっと思っておりました。 例えば、年収四百万円以下の家庭の子供の四年制大学進学率は三一・四%、それに対して一千万円以上の所得の家の子供の四年制大学進学率というのは六二・四%なんですね。ほぼ倍ほど違うわけです。 私は全ての子供が大学に行くべきだということを申し上げているわけじゃないんです。高校を出たり専門学校を出て、そして専門性を身につけて社会で活躍をされている方々はいっぱいおられます。しかし、親の所得によって子供の機会が変わってくるというのはよくないし、現に四年制大学を出た子供の方が生涯賃金は高くなるという傾向にあるんですね。ということは、親の所得の違いというものが子供の所得の違いに、言ってみれば、その格差が引き継がれている、固定化するという話になってしまうんですね。 私は、そういう意味においては、しっかりとやはり、例えば金融資産課税なんかは分離課税になっていますけれども、こういうものを総合課税化し、そういったものを教育の財源の一部に充てるとか、そういう形で、国がしっかりと財源を取った上で全ての子供にひとしく分配するということの方が私は筋のいいお金の使い方ではないかなと、事教育に関してはですよ、そういう思いを持つんですが、財務大臣、根本的なことですので、お答えをいただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 今の話は、固定化されるのはよろしくない、これは全く私も同じところですけれども、今の教育の話は、そういった弊害もあるなというのは、これは、三〇%、六〇%、ちょっとそこのところは詳しくありませんので知りませんけれども。 少なくとも、あれをやるときには、これは八年ぐらい前にこれを考えたので、あれは千五百万だったかな、とにかく、高齢者が進んで、高齢者が資産とか遺産をもらっても、またその高齢者が使わないからどんどんどんどんたまっておるという状態で、これを使いやすいというのは、そのまた下の世代が一番学校だ何だかんだで使うことになるんだから、そちらに金が一挙に行く方法を飛ばして考えないと、使う人に金がなくて、使わないやつに金があるというのを何とかしなきゃというのからあの話を考えて。 いろいろなものも考えたんですけれども、教育というところが一番渡しやすい話かなと思ってやらせていただいたんですけれども、それが格差につながるという現状というのに、実質どれぐらいのことになったのか、ちょっと今何とも言えませんけれども、今言われたように、とにかく、格差が固定しちゃうというのは極めて問題、それは全く同じ意見です。
○前原委員 全く同じ意見で、それはいいんですが、では、この仕組みというものは見直さなくていいのかということであります。その答弁をいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 今言われました、教育、子育て等々の一部贈与に係る非課税措置の話というのは、これは、今申し上げましたように、祖父母や両親の資産を早めに移転させるということによって、若年世代の教育費とか結婚生活に係る負担軽減というのを図りながら経済が活性化をする等々のことを目的として導入された、先ほど申し上げたとおりなんですが。 一応、この制度につきましては、教育につきましては、孫なんかが贈与を受ける場合に、贈与する人が死亡した場合の時点では、残高に対して贈与から一定期間を経過すれば相続税がかからない、あるいは、その制度につきましては、通常の孫への遺産相続の場合に係る相続税等に関しましては二割加算が適用されないことなど、節税的な利用につながっているとの御指摘があったというのは、これは事実なんです、そういうことを言われましたので。 したがいまして、格差の固定化の防止などの観点から所要の見直しというものを行わせていただいて、適用期限を二年延長するということにさせていただいたというのが背景だということです。
○前原委員 おじいちゃん、おばあちゃんの立場からすると、子供や孫に教育のお金を渡すというのは、渡しやすいんですよね。だから、そういう心理的な面ではこの制度というのはよく分かるんですが、先ほど私が申し上げたような、やはり格差の固定化につながる、全ての子供にひとしくチャンスを与えるべきだという観点の中から、是非見直しを加えていただきたいということはお願いをしておきたいというふうに思います。 次に、自動車重量税のエコカー減税の話をさせていただきたいと思います。 政府は、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを目指すとされております。そして、二〇三五年までに乗用車新車販売で電動車を一〇〇%実現できるように、電動車への買換え促進などに取り組む方針を示されています。要は、どう実現するかなんですね。 令和二年の乗用車新車販売に占める電動車の割合は四割程度で、今年度の自動車重量税のエコカー減税の対象には、ガソリン車、クリーンディーゼル車など、電動車以外の自動車も含まれています。 自動車というのは、よくも悪くも一本足打法といって、日本の製造業の中核を占めているんですね。そして裾野が広いという、非常に大事な産業です。 私は、ある大手メーカーの重役の方に伺ったことがあるんですが、日本の自動車メーカーというのは今、世界中で拠点を持って、そして、製造も販売もしていますね。会社が一番もうかるためにはどうしたらいいかというと、簡単だと言われたんです、そのときに。どうおっしゃったかというと、日本での生産拠点をもっと減らして、そして日本での雇用をもっと減らしたら、トータルとしては会社はもっともうかると。だけれども、日本の会社として、また、日本のリーディングインダストリーとしてそうはいかない、ちゃんと日本に生産拠点も持ち、雇用も維持する、それが我々の責任である、こういうお話をされて、なるほどなということを、私は感銘を受けた覚えがあるんですね。 その意味においては、今回の二〇五〇年も二〇三五年も、私からすると、ちょっと唐突だったんじゃないかと。もう少し自動車メーカーとしっかり相談をしながら、特に、日本の車の一番のよさというのは、今まではエンジンとミッションだったわけですね。こういったところをしっかりとやはり議論しながらやっていかなくてはいけない。そうでないと、日本の経済成長とか、あるいは雇用にも大きく関わってくる問題になってくるというふうに思うわけです。 そういう意味においては、トヨタの豊田章男社長も苦言を呈しておられましたけれども、もう少し自動車の今後の在り方、いや、環境はいいんですよ、温暖化、カーボンニュートラルもいいけれども、一番中核のリーディングインダストリーとしっかりと対話をしながら、こういった方向性を示し進めていくということは私は大事だと思うんです。 これは是非、副総理、財務大臣がお答えいただきたいんですけれども、そういった観点での、いや、これは、秘書官、大きな話ですから。何か個別の税制について伺うわけじゃないので。そういうふうに思われるかどうか。 そして、やはり自動車メーカーとの対話を進めながら、税制も含めて、時間が大分減ってきたのであえて申し上げますと、今までの税というのは、取得、自動車税。保有、自動車重量税、自動車税。それから走行、揮発油税。こういう三段階で徴収されていたんですけれども、これからは、カーシェアリングとかサブスクとか、そういった所有形態が変わっていきますよ。それから、先ほど申し上げたように、揮発油税が取れないような形での電動自動車というのは増えていくわけですよね。 こういうことを含めると、やはりしっかりとした対話の中で日本としての方向性を決めていくということが大事だと思いますけれども、副総理、どう思われますか。
○麻生国務大臣 今回のカーボンニュートラルとかいろいろな表現が、今風の話になっていますけれども、それまでに関して、環境省がえらい突っ走ったような感じはしますけれども、何となく一般受けする話として、ぱっとそれに乗っちゃったような感じが、多くの人が感じておられるんじゃないですかね。そう思っているんですけれども。 ただ、今言われたように、よく会話をしていかないかぬというのは事実だと思いますが、傍ら日本の場合、前原さん、いわゆる排ガスの規制のときは、規制が決まったときに、あれは日本が一番遅れていた。日本だけが、これでトヨタが潰れる、日産も駄目です、残るのはホンダかとか言われるような、あのときはそういうときだったんですけれども、結果として、あの排ガス規制をクリアしたのは日本車だけ。アメリカなんかはもう全然、全く駄目。ドイツなんかは、もうインチキ、ずるまでしてやることになるまで、まあ落ちたものだなと思いましたけれども、そういった事態になったのが歴史ですので。 今度の場合も、あの二〇五〇年という、いきなりぼんと湧いたような話でしたけれども、コミュニケーションが不足であったとか言われるのも事実かなと。私ちょっと経産省はよく分かりませんけれども、そこらのところかなと思わないでもありませんけれども、結果としてターゲットが、二〇五〇年というターゲットがぼんとできましたので、それに向かってぼんと突っ走り始めるのは、これは日本の一種の、何というのかな、物づくりとか職人とかそういったメンタリティーの中では非常に大きなインセンティブになったなという感じは正直しますので、これを境にやっていかないかぬところだと思いますが。 大事なのは、部品が三万点ぐらい自動車だと要るはず、古本さんの方が詳しいんだろうけれども、電気になりますと二万点ぐらいでいいんですってね、あれは。そうすると、肝腎のエンジンの部分のところの人が要らなくなっちゃう。早い話が、自動車産業って、あれは電機産業になるわけですよね、簡単なことを言えば。 ですから、その一万点を作っていた人たちの労働移動というのを考えないと、これはちょっとえらいことになるな。しかも、それはかなりレベルの高い人たちがおられますので、中小を含めて、下請、孫請のところまで行けば、膨大な数の人の雇用の問題にもなりますので、この問題は、そこらのところのコミュニケーションとか会話とか対話というのをよくよくやって、きちっとした結果を出さないかぬなと思っております。
○前原委員 二〇五〇年はまだ遠いんですけれども、二〇三五年にこのいわゆる電動車というものにすると言っているわけですね。乗用車新車販売で電動車一〇〇%、二〇三五年というのはかなり近いんですよね。 そういう意味では、今副総理がおっしゃったように、必要は発明の母ということはありますよ、それは。何かを決めたらそれに向かってやれるのがやはり日本のすごさだというのはあるとは思いますけれども、しかし、しっかりと、日本のいわゆるリーディングインダストリーだということと、雇用、こういうものもしっかりと考えたときに、対話をしながら、何か副総理が自らおっしゃったように、何か私も、ぱっと出てきたような、二〇五〇年にしても二〇三五年も、結果として悪くないんだけれども、ちゃんとそういうものと話を、対話をしながらやってもらうということが大事なことではないかと思いますので、是非そういったところは主導してやっていただきたいと思います。 結果として、副総理にお答えをいただいて、文部科学副大臣、それから経産副大臣にはお越しをいただきながら答弁の機会がなかったことについてはおわび申し上げて、私の質問を終わります。
○越智委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会