国土交通委員会 第12号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2021/04/16
会議録
○あかま委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官久保田雅晴君、海事局長大坪新一郎君、港湾局長高田昌行君、観光庁長官蒲生篤実君、内閣官房内閣審議官内山博之君、外務省大臣官房参事官原圭一君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官塩見みづ枝君及び資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○あかま委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。門博文君。
○門委員 おはようございます。自由民主党の門博文でございます。 この度は、質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。久しぶりの質問ですので、どうかよろしくお願いをいたします。 さて、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大によって不自由な状況が続いております。国土交通省の所管する様々な分野、産業にも大きな影響が及んでおります。航空や鉄道を始めとするいわゆる輸送分野、また観光の分野にも大きな影響が発生しており、産業そのものの根幹を揺るがすような状況が依然続いております。 今回は、特に造船、舶用産業、海運分野の関係する法律の改正案の審議ということですので、まずは質問の冒頭に、この分野におけるコロナ禍の影響というものについて、各業界の状況をお示しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○大坪政府参考人 まず、造船業につきましては、このコロナ禍による海運企業の発注意欲の減退、新造船商談の停滞等により、二〇二〇年の受注量は前年と比べて大幅に減少し、通常二年以上必要な手持ち工事量が約一年ということで、かつてない危機的経営状況になっています。 また、造船業の操業の低下に伴って、造船業にエンジンやプロペラなどの舶用機器を供給する舶用工業にもその影響が及ぶことが見込まれます。 それから、外航の旅客の運送については、政府の要請もあって、日本の船会社が就航している日韓定期航路は、旅客運送が全て停止されております。 また、クルーズ船においては、日本の会社の商業運航が昨年十月下旬より順次再開されました。その後、二度目の緊急事態宣言を受けて各社が運航を中止しておりましたが、宣言解除を踏まえて三月末より順次運航が再開されていますものの、引き続き厳しい経営状況にあります。 外航の貨物の輸送ですが、コロナウイルスの発生直後は、自動車輸送など輸送量が大きく減少した貨物もありましたが、昨年後半からは回復基調にあります。 内航の旅客輸送については、移動の自粛等により、生活航路では、本年三月における運送収入が、コロナ禍前である前々年比三〇%以上減少した事業者が半数以上に及ぶなど、依然として厳しい状況にあります。 内航の貨物の輸送については、二〇二〇年の年間輸送量は、対前年比約一〇%減となっております。
○門委員 ありがとうございました。 お答えいただきましたように、様々な影響が発生しているようでありまして、今もまさにその最中ということであると思います。 中でも造船業界は、今の御答弁にもありましたけれども、このコロナ禍の影響により、市況の低迷によって手持ちの工事量が激減しているということでした。このような状況も、本法律の改正の必要性をより高めたものだと思います。 続いて、それぞれのこの生じております状況に対して国土交通省として講じた支援や対策についても、簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
○大坪政府参考人 コロナ禍においては、事業の継続と雇用の維持を図ることが大前提であると認識しています。このため、雇用調整助成金や地方創生臨時交付金、政府系金融機関による資金繰り支援など、業界横断的な様々な支援措置を積極的に活用してきているところです。 まず、造船業については、受注から建造まで二年から三年を要するという特徴があり、コロナ禍の影響が他産業よりも遅れて発現すると想定されることから、今後、雇用調整助成金の活用が本格化すると見込んでいるところです。 このため、国土交通省では、厚生労働省と調整を行いまして、造船業の特徴を踏まえた生産指標である手持ち工事量などを用いることができるということを明確化しまして、造船業の実態に沿った制度の適用がなされるように取り組んでいるところです。 また、国内旅客船事業については、地域公共交通の機能確保のため措置されました令和二年度第二次補正予算、それから第三次補正予算を活用しまして、主に生活航路を運航する事業者に対して、その事業継続に対して一定の支援を行っているところです。
○門委員 ありがとうございました。 今後も、このコロナの影響がいつまで続くか不確定な中ですけれども、業界全体の状況を注視し、かつ、事業者の皆さんの声につぶさに耳を傾けていただいて、コロナによって状況が更に悪化しないように、丁寧な御対応を是非お願いしたいと思います。 次に、今回の改正案に至った背景や、この業界が抱えている課題について、簡潔にお答えいただけますでしょうか。
○大坪政府参考人 まず、我が国造船業については、公的支援を背景とした中国、韓国勢との熾烈な国際競争を強いられています。二〇二〇年における建造量のシェアについては、中国が四〇%、韓国が三一%、日本が二二%ということで世界第三位となっています。 このような状況に加えて、コロナウイルスの影響もありまして、手持ち工事量が減り、危機的な経営状況となっておりまして、生産性向上、それから事業再編を通じた事業基盤の強化が喫緊の課題となっています。 外航海運については、造船と同様に、世界単一市場において厳しい競争が行われておりまして、我が国の外航海運事業者も、コンテナ船部門の統合を図るなど、様々な取組を進めています。今後においても、我が国の安定的な国際海上輸送の確保を図る観点から、外航海運の国際競争力の強化が必要です。 内航海運については、事業者の九九・七%が中小企業であり、保有隻数が一隻のみといういわゆる一杯船主が多数を占めるということで、脆弱な事業基盤が課題となっています。 これらの造船、海運の課題に対応するために、本法案を含めてあらゆる政策手段を動員しまして、造船業の事業基盤強化、それから海運業の競争力強化を同時に推進することにより、双方の好循環を創出し、我が国の海上輸送を支える両産業の更なる成長、発展に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○門委員 ありがとうございました。 造船、船の建造量のシェアは、今の御答弁にもありましたように、中国、韓国に次いで世界三位ということでしたが、かつては日本も世界一位で、五〇%のシェアを誇った時代がありました。私のふるさとには大きな造船所はありませんでしたが、たしか、小学校の社会の授業だったと思いますが、造船は日本が世界に誇る大きな産業だと教わった記憶が今も残っています。 その後、一九八〇年代に入ってからは韓国に、そして中国に追随され、追い抜かれ、先ほどの現在のシェアとなったわけですが、それでも世界三位の地位を保っているのですから、この法律の改正を端緒に、反転攻勢に是非打って出てもらいたいと思います。 中国や韓国は、国家戦略として、国を挙げて支援をしております。今後も国家そのものが強烈にてこ入れをしていくことが容易に想像できますから、よほどの覚悟を持って日本も取り組んでいかなければならないと改めて思います。同時に、業界の皆さんの奮起も期待するところであります。 その上で、少し角度を変えて質問をさせていただきます。国内の物流の現状についてお尋ねいたします。 私たち消費者は、毎日過ごしているのですが、今手にしたもの、又は今食べたものが、どこでどう作られて、どう運ばれてきたのか、また、その原料などがどこからどうやって運ばれてきたのかは、ふだんの意識の中にはほとんどありません。意外と知らない国内の物流において内航海運の果たしている役割をお示しいただきたいと思います。
○大坪政府参考人 令和元年度の輸送量をトンキロベースで比較しますと、内航海上輸送は約四割、陸上輸送は、トラックと鉄道を合わせて約六割となっています。 中でも、鉄鋼、石油、セメントといった産業基礎物資の輸送については、これは重量物や危険物の大量輸送が可能という海運の特性が生かせることから、その約八割を内航海上輸送が担っております。 このように、内航海運は、基幹的輸送インフラとして、我が国の国民生活、経済活動を支えております。
○門委員 ありがとうございます。 そういったことを、我々もふだんから、有権者の方々、国民の皆さんにも、この内航海運であったり船が、どういう役割を果たしていてくれているのかということを、機会を見つけて伝えていかなければならないと思います。 そこで、今回の法改正ですが、船の建造を促していこうという趣旨かと思います。しかし、船を造っても、使われなければ意味がありません。もっと言えば、そもそも運ぶ荷物がなければ建造の注文が入ってこないということにもなります。また、運び方といいますか、大きく分けて、陸上と海上、空の輸送があるとすれば、その組み合わさり方ということも大きく影響をしてくると思います。 働き方改革や人手不足を克服していくために、モーダルシフトという動きも必要となってきました。今までトラックで陸送していた区間を、フェリーやローロー船を利用したり鉄道を利用したりと、変化が生まれてきております。 今回の改正に当たって、船を活用した物流の変化を促していくような取組や考え方がありましたら、教えていただけますでしょうか。
○大坪政府参考人 先ほど御説明ありましたモーダルシフトですが、我が国の温室効果ガス削減、それからトラックドライバー不足やトラック運送業の長時間労働改善に向けた働き方改革の観点から、モーダルシフトの推進は重要であり、内航海運はその受皿として重要な役割を担っています。 これまで、船舶特別償却制度、それから鉄道建設・運輸施設整備支援機構による船舶共有建造制度、さらには経済産業省と連携し実施している内航船の運航効率化実証事業などの活用により、モーダルシフトの受皿となるローロー船やフェリーの建造支援を行っているところです。 こうした取組によって、近年、内航海運における雑貨貨物の輸送量は増加傾向にありまして、新規航路の開設や船舶の大型化も進んでおります。 政府全体の取組としても、地球温暖化対策計画において、モーダルシフト貨物輸送量を二〇三〇年度までに四百十億トンキロとする目標を設定しております。 今回の法案でも、このモーダルシフト、内航海運については、造船の基盤を強化するという計画の中には、内航海運向けに主に造っている中小造船業もその対象となっておりまして、先ほど述べました船舶共有建造制度についても、更なる条件を有利にする、それによって建造を促進するということも今回の法案に含まれております。 このような措置を更に強化いたしまして、このモーダルシフトを進めていきたいと考えております。
○門委員 ありがとうございました。 是非、時代の求めに応じてということもありますし、また、時代を先駆けて国交省の方が新しい方針を提示して、これから日本は、御案内のとおり人口激減社会を迎えていくわけですので、その中で、あるべき一番効率のいいというか、あるべきそういう物流の在り方ということを、今回の法改正を端緒に進めていただけたらと思いますし、より新しい仕掛けを展開してくれることを、今後とも期待をさせていただきたいと思います。 そこで、次に港湾局にお尋ねをしたいと思います。 今、物流の話を聞かせていただきましたけれども、当然、トラックであれば道路、それから貨車であれば鉄道や軌道、こういう、相棒というんですか、そういう関係があると思うんですけれども、船ということになりますと、当然、海そして港ということになります。 今回の法案は、造船、海運にスポットを当てたものですけれども、その一方の相棒として港があるわけですけれども、本改正に当たって、改めて港湾整備という観点から港湾局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○高田政府参考人 お答えいたします。 近年、スケールメリットを追求するための外航コンテナ船の大型化や寄港地の絞り込み等が急速に進んでおります。これに対応しまして、アジア各国で、大型船に対応した大水深コンテナターミナルの整備が加速されております。 具体的に、水深十六メーター以上のコンテナ岸壁で比較しますと、韓国が四十バース、香港を含む中国が百二十七バース、シンガポールは三十二バースを供用しておりますが、我が国では十七バースが供用するのみとなっております。 このため、横浜港等におきまして水深十六メーター以上のコンテナ岸壁を新たに整備しており、本年四月、横浜港南本牧埠頭におきまして、日本最大の水深十八メーター岸壁二バースを含むコンテナターミナルの初の一体利用が可能となり、世界最大級の二万四千TEU積みの大型コンテナ船の初入港も実現したところです。 また、同埠頭で、非接触のデジタル港湾物流を可能とするCONPASの本格運用を開始し、今後、神戸港等の他港にも横展開を図る予定としております。 一方、長距離ドライバーの労働者不足の問題が顕在化する中で、内航船におきましても、直近の二十年間で、総トン数で比較しますと、フェリーは約一・一倍、ローロー船は約二倍と、船舶の大型化が進んでおります。 こうした内航フェリー、ローロー船の急速に進む大型化やモーダルシフト等に対応しまして、高松港、大分港などの全国十港で、岸壁や航路しゅんせつ等の整備を加速しております。 国交省といたしましては、外航コンテナ船や内航フェリー、ローロー船の船舶の大型化や、利用者のきめ細かなニーズ等に対応した港湾整備にしっかりと取り組み、効率的な港湾物流の実現を通じ、我が国の持続的な経済成長を支えていくこととしております。
○門委員 ありがとうございました。 是非、この法律の改正と連携を取って、より発展を期して頑張っていただきたいと思います。 さて、この質問に当たり、いろいろと資料を読ませていただきました。その中に、二〇一三年当時、大阪府立大学の工学部の池田教授が書かれた「造船の技術」という本を読ませていただきました。その本の中にこのような記述があって、どきっとしたんです。ちょっとその部分を読ませていただきます。 最近の日本では、余り船のことが話題に上がらなくなったように思います。例えば、小学校や中学校の教科書から船や海の記述が姿を消しています。筆者が子供の頃は、資源が少ない日本は、原料を輸入後、加工して付加価値をつけて輸出して豊かになっているということ、原料も製品も船によって運ばれているということを徹底的に教わりました。このこと自体は今も変わっていません云々と。 このような記述が教科書から消えているということなんですが、現状はどうなっているのでしょうか。 文科省にお越しいただいております。この記述にあるように、教科書の、船や海の記述について現在どうなっているのか、教えていただきます。
○塩見政府参考人 お答え申し上げます。 教科書についてでございますが、教科書については、学校における教育課程の基準を定める学習指導要領に基づいて作成されておりますが、現行の学習指導要領におきましては、日本の地域的特性に関しまして、小学校五年生の社会では、海洋に囲まれ多数の島から成る国土の構成などに着目して我が国の国土の様子を捉えること、あるいは、貿易や運輸の様子を捉え、それらの役割を考えることが示されております。 また、中学校の社会、地理的分野におきましては、日本の地域構成の特色を、周辺の海洋の広がりや国土を構成する島々の位置などに着目して考察することや、海上輸送などの物流を基に日本と世界との結びつきの特色を理解するということが示されております。 これらに基づきまして、現在使用されております小学校五年生の社会及び中学校社会の歴史的分野の全ての教科書におきまして、御指摘をいただきましたような趣旨の記述がなされているところでございます。
○門委員 ありがとうございました。ほっとしております。 我が国の、この日本の特徴、ある意味では強みの部分だと思います。教育の現場でも、今後もこの海や船のことについて子供たちにしっかりと教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いをします。
○あかま委員長 文部科学省塩見大臣官房学習基盤審議官の方から、追加の説明があるということです。
○塩見政府参考人 済みません、訂正をさせていただければと思います。 先ほど、答弁の中で、中学校の地理的分野と申し上げるべきところを歴史的分野というふうに答弁いたしました。訂正させていただきます。失礼いたしました。
○門委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。 そうしたら、それを受けまして、今、文科省から、小学校や中学校の教科書ということでお話をいただいたんですけれども、国土交通省としても、この船とか海とか、そういうことについて、もっとより多くの国民に理解を深めるというPR、啓蒙活動もしていただきたいと思いますけれども、その点について御答弁をお願いしたいと思います。
○大西副大臣 海洋や海事産業への国民の理解と関心を喚起するために、学びの機会の充実と、海や船に触れる機会の拡充が重要であると認識しております。 学びの機会としては、小中学校で活用可能な教員の指導補助資料の作成、小中学校におけるモデル授業の動画の公開等を行うことにより、海洋教育の普及に取り組んでいるところです。 また、国民の海や船に触れる機会として、国民の祝日である海の日を中心に、独立行政法人海技教育機構による練習船の一般公開など、全国各地で海や船に親しむための様々な取組を推進するとともに、ウェブサイトやSNS等を活用した情報発信を充実させております。 今後とも、関係機関、関係業界と連携し、海洋教育を推進し、海事産業への理解の促進に努めてまいります。
○門委員 ありがとうございます。しっかりこれからもお願いしたいと思います。 あと一問、質問をお願いしていたんですけれども、もうこのあたりで、時間が来ましたので終わらせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、私たちの国がこれからどう世界の中で生きていくのか。他の国では、巨大な港や空港のような大規模インフラを整備して、それによって物流や人流の拠点として、国家の産業としていくような国もあります。インフラ立国ということなんだと思いますけれども、私たちのこの国も、例えば阪神・淡路大震災で、大臣の御地元の神戸や大阪の貨物の扱いが釜山に奪われて、それがまだ取り戻せないという状態が続いております。 今回の法律の改正を端緒に、もう一度日本全体が、海、海運、船、そういうキーワードで、オール国交省として、オール日本として発展を遂げていくきっかけにしていただきたいと思いますので、そのことを最後に申し述べて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○あかま委員長 次に、岡本三成君。
○岡本(三)委員 おはようございます。公明党、岡本三成です。 質問の機会をありがとうございます。早速、入らせていただきます。 海事産業を支援すること、非常に重要なことでありまして、今回の法律の改正は重要だと思っています。 ただ、大切なことですので目的を確認をさせていただきたいんですが、他にも支援すべき産業はたくさんあります。このコロナ禍で特段厳しくなっているような産業は他にもたくさんある中で、何ゆえ特出しで、海事産業に対して今支援を行おうとしているのでしょうか。 私の理解ですと、やはり国防上の理由が最大の理由の一つで、ここにてこ入れをするわけですから、多くの国民の皆さんに納得していただけるような具体的な理由が必要だと私は思っておりまして、海上保安庁又は自衛隊の艦船、船舶等をしっかりと国を守るために維持していくには、日本の海事産業の支援が何より重要だということが大きな目的のように思っております。 加えまして、瀬戸内を中心とした地域においては、圧倒的に雇用を支えているのもこの産業でありまして、様々支えていくべき理由というのはあると思うんですけれども、何ゆえにこの海事産業を特出しで今支援することが重要と考えていらっしゃるか、答弁をお願いします。
○大坪政府参考人 まず、四方を海に囲まれた我が国においては、海上輸送は、貿易量の九九・六%、国内貨物輸送の四割超を担っています。これを、輸送を支える、貿易を支えるという意味で、造船、海運、船員の三分野が構成する海事産業は、極めて国民生活を支えるという意味で重要であると思います。 また、地域の経済という意味では、日本の造船業は、その部品が、ほぼ一〇〇%が日本のメーカー、日本に存在するメーカーから部品を調達しておりますので、非常に裾野の広い産業でありまして、地域の雇用、経済に大きく影響します。 また、委員御指摘のとおり、安全保障の分野では、全ての防衛省艦艇、それから海上保安庁の巡視船艇を建造、修繕しておりますので、その面からも極めて重要であるというふうに考えています。 安全保障の件、今述べた意義については、今般の法案において造船法を改正しようとしていますが、その法律の目的において、造船業が、海洋の安全保障に貢献しということと、地域の経済の活性化に寄与しているということを目的に明記することとしておりまして、委員のお考えと相違ないものと考えています。 その前提の下で、造船業が世界トップクラスの競争力を発揮し、地域を支える活力ある産業として成長していくために、生産性向上、事業再編を通じた事業基盤の強化を図るということと、海運業に対して新造船の発注意欲を喚起する、そういう措置を講じるということを考えているところであります。
○岡本(三)委員 この海事産業を支援するに当たって、どういう支援をすればしっかりとした支援になるかということを吟味するために、何ゆえに今のような状況になっているかということを確認することが重要だと思うんですね。 一九六〇年代には世の中のエネルギーの流れが石炭から石油になりまして、日本の海事産業は大きく成長いたしまして、最大ではマーケットシェアは過半数を占めるまでになってきましたけれども、八〇年代以降にはこのマーケットシェアがどんどん減りまして、現在は、中国が四〇%、韓国が三一%、日本が二二%と大きく引き離されています。 その原因は、本当に、中国や韓国が、もしWTOが正常に機能していたら認められないような国の支援をしたことがほとんどの理由なんでしょうか。よりよく適切に支援をして強化をしていくために、私たちの国内で反省すべきところはなかったんでしょうか。現状、このような状況になっている分析をどうされているかということを教えてください。
○大坪政府参考人 御指摘の、造船業のシェアの件がありましたが、我が国造船業は、約二十年前、一九九〇年代末までは世界全体の建造量シェアのトップの造船国でありました。その後、二〇〇〇年代以降、韓国、中国が我が国を追い抜くこととなっておりますが、依然として高い技術力、それから一定の生産規模は維持してきました。 市場環境としましては、世界の造船市場においては、リーマン・ショック前に新造船を大量に発注した、その後需要が低迷したということで、供給過剰が続きまして、その中で、韓国、中国は、自国造船業への公的支援、それから造船事業者の規模拡大、統合を進めました。これにより、我が国造船業は熾烈な国際競争、それから低価格競争を強いられた結果、現在のこのような苦しい状況にあるものと認識しています。 加えて、内部要因についてですが、我が国造船業の場合は、歴史的に造船所が各地に点在しておりまして、技術開発のための技術者リソースの集約が進んでいないということ、それから、韓国、中国に比べて、一つ一つの造船所、事業所の規模が小さく、大規模発注、すなわち短期間に多数隻を一度に発注するといった商談において不利な面があります。こうした我が国造船業の内部要因、固有の事情というのは、現在の状況に至る要因の一つになっていると認識しております。
○岡本(三)委員 そういう適切な分析、認識をされていれば、やはり支援の形というのも、この法案を通した後、更に広げて考えていく必要があるんじゃないかと思っているんですね。 国交省としては、今後の目標として、この日本の船舶造船のシェア、二〇二五年、四年後までに三〇%、現状の二二%から三〇%に上げるというふうに目標を掲げています。勇ましい数字なんですが、非常に競争力があるようなマーケットであっても、四年でマーケットシェアを二二パーから三〇にするというのは大変なことなんですね。 その手段として、i―Shipping計画の中では、新型船の開発期間の半減、半分でやるそうです。サプライチェーンを含めた全体の生産性の向上を四年間で五〇%増しだそうです。かなり絵に描いた餅のようにしか見えないんですね。 もしこれを本当にやる気であれば、四年後に、二〇二五年に今の二二%を三〇%にするということではなくて、これから一年ごとのKPIを示すぐらいのことではないと、頑張りましたけれどもできませんでしたというふうになっちゃうんじゃないかということをすごく危惧をいたします。もっと言えば、先ほど局長がおっしゃったように、大きな問題点が、それぞれの事業者の方の努力、これまでもしてきていただいておりますけれども、その事業者の努力だけではどうにもならないようなところにも、今後四年間、事業者に丸投げすることなく、国がリードするべきだと思っているんですね。 先ほど局長は、集約化されていなかった、一つ一つの会社が小さ過ぎて大規模発注等を受けるような体制になっていなかった、大変大きなポイントなんだと思うんです。であれば、それぞれの会社に、先ほどi―Shippingの中で掲げられたような目標に加えて、例えば、国際競争力を拡大するために残念ながら大規模化が必要なので、企業の合併、統合等についても国が主導していくですとか、目標を立てたからには、頑張った方々が達成感を味わって、よくやったとその恩恵を受けられるような形にしていくために、国がリードするような戦略が重要だと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○大坪政府参考人 先ほど述べました日本造船業の不利な面ということを認識しますと、今後は、コスト面の競争力の強化を図るために、これまでやってきた個々の事業者の生産性向上を一層進めるということは当然必要です。 さらに、我が国の強みである船舶の品質や環境性能の優位性を更に強化する。また、一つ一つの事業所が小さくても、複数の事業所が連携して、あたかも全体として一つの組織のごとく機能することによってスケールメリットを発揮する、このために、事業者間の協業や統合を行うことによって事業基盤を強化する、こういうことが重要であると考えています。 実際の動きとして、今治造船とジャパンマリンユナイテッド、日本の一位、二位ですが、資本提携をしまして、また、両社が折半して出資をして、共同の設計受注会社を設立しました。これによって技術者リソースの集約が図られまして、大規模発注に対応できる体制が構築されて、実際に受注にも成功しています。このように、事業者間の協業、統合の動きは活発化しています。 こういう動きを促進するために、本法案に基づく予算、税制、財政投融資等の支援措置により、生産性向上、高めること、それから事業者間の協業、統合等を促進して、競争力強化を図ってまいりたいと考えています。 また、一つの今回の法案の特徴として、特定船舶導入計画の認定制度というのがありまして、海運側、発注側に対して高性能な船舶の導入を促進するようにしまして、造船、海運一体となった支援を行ってまいります。 これらの施策によって、その成果については適切に検証しつつ、我が国造船業が世界屈指の競争力を有する産業として成長していけるように取り組む所存であります。
○岡本(三)委員 合併して、どっちが買ってどっちが買われたとか、そんな話じゃなくて、今局長がおっしゃったように、ジョイベンを組むですとか、ホールディングをつくるですとか、要は、ファクトとして、中国、韓国と比べて日本が何が違うかって、圧倒的に会社数が多いんですよ。スケールメリットが取れていないんですね。ですから、そういうところに関しても、今御答弁いただいたとおりのリーダーシップを是非お願いしたいと思います。 次に、支援する目的が、例えば、マーケットシェアが三〇%になりました、売上げが上がりました、けれども、価格競争に巻き込まれて利益率は低く、利益は上がらず、社員の方の給料は下がってしまいました、何の意味もありません。したがいまして、利益に貢献するような支援をしていく必要があるというふうに思っているんですね。このままでマーケットシェアが上がっても、世界は価格競争になっていますから、社員の方々は浮かばれません。 したがいまして、昨年十月に次世代環境船舶開発センターが設立をされまして、二〇二八年までに、温室効果ガスを排出しない究極のエコシップ、ゼロエミッション船を運航することを目標とされています。菅総理が掲げました二〇五〇年カーボンニュートラルの流れに海事産業も乗っていくべきだというふうに思っていまして、中国や韓国がまだ先頭を走っていない分野に圧倒的に資源を投下して、であるがゆえに、価格競争に巻き込まれず、利益率も高く、利益も上がって、社員の方々の給料も上がるという目的を、マーケットシェアが目的というのはちっちゃいですから、会社がもうかって社員の方の給料が上がるという目的を達成をしていただきたいと思っているんですが、その割には、事業会社が事業基盤強化計画をする際に国からの補助が出せるようになっているんですが、直近の令和二年の補正と令和三年のこの分野の予算を見ると、全部でたったの二十七億円です。少な過ぎると思うんですね。がっつり予算をつけて、しっかりとした支援をつけていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 確かに、御指摘のように、国交省の海事に関する予算、これは二十七億円と大変少ないんですけれども、前年比でいいますと、これでも三・五倍、大幅に増額されている。加えて、経産省と環境省との連携の中で、省エネ船等の普及を支援する予算も確保されているところでございます。いわば、これから本格的に動き始めなきゃいけない。 まさに高付加価値のものを造りながら、それを国際ルールにしていく。昔の安かろう悪かろうということはもう認められないんだということをリードするためにも、国際海事機関における環境及び安全に係る国際ルール作りも我が国としても主導していかなければいけませんし、先ほどから出ておりますゼロエミッション船の開発について、これはNEDOの二兆円のグリーンイノベーション基金の活用もできるというふうに聞いておりますので、それをしっかり、経産省とも連携しながら、世界に先駆けたゼロエミッション船の技術開発、実用化を主導していきたい、こうしたことをすることが大事だ。 加えて、私も今治造船へ、先日ちょっと現地をお邪魔しまして、今の我が国の日本の製造業でまだこれだけ頑張っていて、また世界に伍する企業があったのかというのはある意味で大変驚きでございまして、まだまだテイクチャンスができる機会はあるというふうに私は考えております。
○岡本(三)委員 大臣、まさしくそのとおりだと思います。 繰り返しますけれども、マーケットシェアは手段でありまして、その結果、会社がもうかって社員の方の給料が上がっていくということが私は目的だと思っておりますので、しっかりとその点、御支援の継続をお願いいたします。 最後に、外務省に来ていただいておりますけれども、ダイヤモンド・プリンセスのときに大きな話題になりました国際的なクルーズ船における検疫や感染防止の在り方、国際的なルールが確立されていなかったということを私も知りませんでした。国連海洋条約の規定の中での感染対策の規定を、ルール作りに日本がイニシアチブを取るということで取り組んでいただいていると思いますけれども、現在の状況、今後の見通し、御答弁お願いします。
○原政府参考人 お答え申し上げます。 昨年発生しました国際クルーズ船内での感染症の拡大という前例のない事態を受けまして、今後、同様の事態の発生を防止するとともに、事態が発生した場合により効果的に対処するための国際的な対応の在り方について、外務省では、海事、国際法、感染症等の分野の専門家の方々に調査研究を委託しまして、本年三月に報告書を受け取ったところでございます。 今後、この報告書の提言も踏まえまして、国際クルーズ船における将来の感染症に対する国際的な備えを強化するため、ルール作りを含めた対応について、関係省庁と連携し、関係する国際機関、国等との間で議論を深めてまいりたいと考えております。
○岡本(三)委員 ルール作りにリーダーシップを発揮するのは国際的なプレゼンスを高める上で非常に重要ですので、是非全力でお願いいたします。 質問を終わります。ありがとうございます。
○あかま委員長 次に、城井崇君。
○城井委員 立憲民主党の城井崇です。 質問の機会をいただき、ありがとうございます。 海事産業強化法案につきまして、地元北九州市、門司港生まれ門司港育ちの私から、海の現場の声を踏まえて、今回も赤羽国土交通大臣の見解を順次お伺いをいたしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、造船関係について伺います。 過去の支援策の効果とその検証について、まずお聞きしたいと思います。 国土交通省は、二〇一六年から、造船業や海運業の生産性向上を図る取組を海事生産性革命と称して、その一環として、i―Shippingとj―Oceanという政策パッケージを展開してきました。特に、i―Shippingにおいては、今回の支援の目的と同様に、船舶の輸出拡大や海運の効率化がうたわれています。この二つの政策パッケージと今回の支援パッケージの関係はどのように整理をされているか。過去の支援策をどのように検証したか。 特に、i―Shippingにおいては、世界における建造シェア目標やアウトカムとしての造船売上げ、雇用増、経済波及効果が示されておりましたが、これらがどの程度達成をされたのか、大臣から達成状況を具体的に示していただくとともに、今回の支援パッケージは過去の反省を踏まえてどこを工夫しているのか、大臣の見解をお願いします。
○赤羽国務大臣 海事産業の生産性革命、これは二〇一六年に、我が国造船業の船舶建造量、これは世界のシェアは一九%でありました。これを二〇二五年に三〇%とすることを目標とするということは先ほど岡本議員とのやり取りでも明らかにしておるところでございますが、二〇一九年時点では二四%でございまして、一定の生産性の向上の効果が表れつつあるというふうに評価をしております。 ただ、他方で、先ほどからもるる出ておりますが、中国、韓国の、自国造船業に対して大規模な公的支援を行う、また、大手造船事業者の統合を進めることの、規模の大規模化を進めることによって、極めて熾烈な国際競争の状態になっております。こうした中で勝ち抜いていくためにしっかりとした支援をということで、今回の法改正に至ったものでございます。 今般の本法案を中心とした施策では、自動溶接ロボットの導入促進など、これまでの取組を継承、発展させ、いわゆるi―Shippingというのは個々の事業者を強化していく、そういう意味では引き続き生産性向上を一層進めるということもありますが、それだけではなかなか対抗し得ない、し切れないという部分で、今回、複数の事業者が一体となって大規模発注に対応できる体制を構築することで造船業の事業基盤の強化を図ってまいりたい、こう思っております。これは、今局長から答弁ありました今治造船とJMUの協力関係というのも、こうした中で出てくるものというふうに認識をしております。 加えまして、本法案では、海運事業者に対しましても、高性能な新造船の発注意欲を喚起するための措置、具体的にはツーステップローンですとか固定資産税の減免、こうしたことも同時に講じることによりまして、造船と海運、この両者が共に好循環を創出して、我が国のこの業界の強化をしっかりと図っていきたい、競争力強化に重点的にしっかり取り組んでいきたい、こう考えているところでございます。
○城井委員 今、大臣からは、これまでの我が国の新造船建造量のシェアということで、一九%から二四%ということで一定の効果という御説明をいただきましたが、片や、造船売上げの数字で見ますと、国土交通省からの数字によりますと、二〇一六年には二・三兆円のところ、二〇一九年では二・五兆円と、プラス〇・二兆円という状況でありました。二〇二五年の最終目標は六兆円ということでありますので、このペースではとても追いつくものではない。特に、六兆円というと、二〇一六年の約二・六倍に当たる目標になるものですから、今までの支援策では不十分だった、そこに加えて、やはり追加の支援策が必要だというふうに私自身も思います。 大臣もそうした思いからの今回の取組かというふうに思いますが、そうした認識でよろしいでしょうか。
○赤羽国務大臣 その数字を、かなり大きな数字を目標に設定しておりますが、やはり私は、新技術開発というところでブレークスルーしなければいけない。多分、ちょっと具体的なことは局長にお尋ねいただきたいんですけれども、今までの延長線ではなかなかそうした大きな目標には到達できないのであろう。 そういう意味で、今回の法改正は相当重層な内容になっておりますので、そうしたことを踏まえて、新たな切り口でしっかりと闘っていくということであるというふうに承知をしております。
○城井委員 先ほど同僚委員の質疑の中でもありましたが、開発期間の半減なども含めたかなり大胆な取組ということになりますと、今大臣がおっしゃったように、これまでの延長では足りないということでよろしいのではないかというふうに私自身も思っています。 そこで、次に、今後の造船業への国の支援の在り方について伺いたいと思います。 中国、韓国両政府がそれぞれの造船業にてこ入れすることで、表面船価が、我が国と比較して、中国とは二割、韓国とは一割低い状況だ、中国、韓国の造船業はそれぞれ、政府助成を背景に低い船の価格での受注を行い、世界の造船市場を席巻している、これは、日本造船工業会から我が国造船業の苦しい状況をお聞きした中身でございました。実際に、二〇二〇年の世界の新造船建造量シェアでは、中国が四〇%、韓国が三一%に対し、日本は二二%であります。 船の内部の質に関しては、使われている鉄の品質などを始めとして我が国の優位は揺るがないところですが、この表面船価、表向きの船の価格の比較ということで申しますと、中国、韓国との受注競争のネックになっていることは間違いがありません。 今回の対応によって、我が国の造船業は価格面でどの程度競争力を確保することになると見込んでいるか、大臣から具体的にお答えいただけますか。
○赤羽国務大臣 我が国建造船では、中韓に比べて船価が高い一方で、他方で、委員からもお話がありますように、燃費の性能ですとか、荒れた海においてのスピードが落ちないといった、船質的には大変優れているという評価もいただいておりますので、船舶の発注におきましては、必ずしも船価のみで決められるわけではなくて、建造船の品質も踏まえて総合的に判断されるものだというふうに考えております。 他方、コストという面では、大変大きなポーションも占めておりますので、今回、この法案に基づき講じる予算、税制、財政投融資等の支援措置の活用によりまして、造船事業者の事業再編ですとか生産性向上等を強力に推進し、コスト面の競争力の強化を図るということで、事業者によっては製造コストを約一割程度引き下げられるものというふうに想定をしているところでございます。
○城井委員 特に荷主においては、コストというのは極めて大きな要素かというふうに存じております。後ほどこの点についてはお伺いしたいというふうに思います。 続きまして、中国、韓国による造船業への過度な支援の是正について伺いたいと思います。 この中国、韓国の両政府によるそれぞれの造船業への過度な支援について、国土交通省として過去に両国とどのような協議があり、その結果どうなったか。ハイレベルでの働きかけやOECD造船部会での対応は功を奏したか、また、韓国の自国造船業への過剰な公的支援がWTOのルール違反だとして我が国からWTOへ提訴しておりますが、この見通しはどうか、手だては講じているが結果が伴っていないのではないか。 以上を踏まえて、中国、韓国政府による造船業への過度な支援がどのように是正されたか、今後どのように対応するか、大臣からお示しをいただけますでしょうか。
○赤羽国務大臣 中国、韓国との競合関係というのは、造船業だけではなくて、様々な業界、業種で同じような状況が続いております。 そうした中で、我が国としては、造船市場の公正な競争条件の確保、また供給過剰問題、これは、供給過剰というのは、実は中国、韓国も含めていいことがないというのは、鉄の世界でもそうですし、過去、繰り返されてきております。そうしたことで、二国間又は三国間の協議を行い、また、今お話がございましたように、OECDの造船部会の場でも協議を進めてまいりました。 全く効果がなかったわけではなくて、こうした取組を通じて、造船設備の新設などの過剰な投資に対しては一定の抑止効果が出ているというふうに認識をしております。ただ、残念ながら、不公正な支援の是正という意味ではまだまだ至っていないということでございまして、今、韓国の自国造船業への公的支援について、これはWTO違反ではないかということで、その是正を求めて提訴をしているところでございます。 これまで数次にわたりまして、WTO協定に基づく二国間協議を行っております。なかなか、ちょっとWTO内の原因も、要因もあるということでまだ決着がついておりませんが、日本政府としては、引き続き、しっかりとこの協議、WTO協定に基づく協議、まずこの是正を求める提訴をしっかり取り組んでいって、本来、公正な競争条件で争われるべきということ、当たり前のことでありますが、なかなかそれが実現していないことについて、一つ一つきっちりと決着をつけていきたい、こう考えております。
○城井委員 大臣のおっしゃるとおりでして、公正な市場が確保されるべきということは言うまでもないと思います。不公正な状況が是正されていないということ、そして供給過剰はいいことがないということもおっしゃるとおりかというふうに思います。 これは、大臣、今のお答えを聞きながらなんですが、一つ、違う角度から、逆の角度からお伺いしたいというふうに思いますが、今回の我が国の支援パッケージ、要するに公的支援の充実ということになるわけですが、韓国の公的支援との違いというところがどうか。中国、韓国から同様の協議や訴えがもしぶつけられてきたときにどうだろうかということを心配しますが、この点の整理はできていますか。
○赤羽国務大臣 ちょっと細かいことはあれですけれども、局長に聞いていただければと思いますが、訴えられないような、フェアネスは当然認識をしての法改正でありますし、仮に、訴えるというのは、結構いろいろな、その国の事情によってはそういうことがあり得ますけれども、そうした場合でもしっかりと勝てるような体制というか、対応ができる法改正の内容になっているというふうに承知をしております。
○城井委員 続いてお伺いしたいと思います。 今回の法案で、我が国造船業のファイナンスの充実が図られ、中国、韓国の造船業と闘う基盤を整え、一定のコストダウンを図って反転攻勢に打って出る構えでありますが、国の支援が十分かという点について伺いたいと思います。 先ほどからもお話がございましたように、マーケットの見通しとしては、船舶が供給過剰で、次の造船需要が見えている谷の状況だというふうに現場からも聞いています。新型コロナの影響もあり、経済回復を見通せない状況でもあります。昨年の緊急事態宣言時を中心に、落ち込みが大きいという状況です。造船受注は数十億円にも上る対面での大きな取引であり、海外との取引が多いにもかかわらず、往来ができない状況であるためです。 この法改正による金融支援の充実で船を造りやすくなる一方で、以上のような事情から、すぐに顧客からの発注増とならないが、赤字受注で回しながら環境規制には対応したいというのが現場の声でございました。先ほどからの議論のようなゆがめられた市場の状況があることから、国の直接的な支援金額が十分ではないという声もあります。 以上を踏まえ、今回の支援を皮切りに、国として、今後も、我が国造船業に対する予算、税制等の財政支援を更に充実させていく必要があるというふうに考えますが、大臣、お考えをお聞かせください。
○赤羽国務大臣 今回の法改正に絡んでの予算措置につきましては、令和二年度補正予算及び令和三年度当初予算におきまして、海事産業の競争力強化関連予算を相当程度拡充をし、生産性向上や事業者間の協業、統合のための設備投資等も支援をさせていただいております。 また、環境省、資源エネルギー庁との連携予算も確保しながら、温室効果ガスの排出を大幅に削減するLNGの燃料船の開発、実証等を支援していくということになっております。 また、先ほど申し上げましたが、グリーンイノベーション基金の活用も、これも経産省と連携しながら、検討しながら、まさに二〇五〇年カーボンニュートラルに資する水素・アンモニア燃料船の技術開発等を推進していくこととしておるところでございます。 こうした意味で、新しい世の中の在り方、環境に配慮したことを、それが当たり前の状況をつくって、そのトップランナーにしていく、そのルール作りも我が国が主導できるようにしていくということが、恐らく中国や韓国にはできない、我が国が優越性を持っているというふうに認識をしておりますので、そうしたことを切り口をつけて、効果があれば引き続き政府の中で、二〇五〇カーボンニュートラルという大きな枠組みの中で、予算計上もスムースにいくものであるというふうに、そういう認識をしておるところでございます。
○城井委員 財政支援の充実についての要望は、この法案や支援パッケージが示された後に、造船業の現場から是非更なる充実をということでの要望をいただいたということでありますので、この場でもお伝えさせていただき、引き続きの取組をお願いしたいと思います。 次に参りたいと思います。 続いて、造船業と日本の安全保障について伺います。 国内造船の衰退により、軍事転用可能な技術が海外流出する懸念が高まっているとの指摘があります。安全保障の観点からも、国内造船業の競争力強化が必要との意見です。 日本造船工業会からの聞き取りによりますと、自国防衛のための船舶を世界の船舶建造シェアの約五二%を占める中国、韓国に発注する状況にしてよいか、一方で、官公庁発注の造船だけでは日本の造船業は立ち行かない現状にある、こうした意見でございました。 この造船業の衰退による安全保障上の具体的な懸念について、大臣の認識、そして今後どのように対応するお考えか、大臣からお示しをいただけますでしょうか。
○赤羽国務大臣 これは、安全保障の観点から、造船業を衰退させないということは大事でありまして、現在、我が国造船業は、艦艇や巡視船の全てを建造、そして修繕をしておりまして、我が国の安全保障上欠かせない社会基盤であるということが、皆さんが認識をしているところだというふうに思っております。 他方で、近年の国際造船市場の低迷ですとか、国内官公庁の船の市場も極めて限りもありますので、仕事の量の確保が困難となって、その産業基盤の維持が危ぶまれているということでございます。 ですから、ここは何とかしなければいけないということで、今回の本法案の提出と、これに絡む予算、税制、財政投融資の活用に取り組みながら、関係省庁を含めた官民連携の強化によりまして、官公庁船の分野の海外展開も推進していくということに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、我が国造船業の基盤強化を図るということ、これは引き続き我が国安全保障を支える大変重要な観点ということで、しっかりと取り組んでいきたい、こう考えております。
○城井委員 海洋立国日本として、その力の根幹たる造船技術、安全保障の観点からも、是非、しっかり磨いていくべく、高めていくべく、取り組みをお願いしたいというふうに思います。 大臣、国土交通省の部分で申しますと、海上保安庁の船舶の老朽化の対応も、こうした文脈から、取組をきちんとすべきだというふうに思いますが、この点も含めての取組をいただけるという認識でよろしいでしょうか。
○赤羽国務大臣 海上保安庁の体制強化ということは大変重要なテーマでございまして、かつて、平成二十八年だったと思いますが、これをしっかり競争力を強化していこうということで、艦船等々の具体的な増加、ちょっと今、質問通告がありませんでしたので、手元に具体的な数字は持っておりませんが、中長期的な計画の中で図られているわけでございまして、それは海上保安庁の体制強化とともに、我が国の造船業をしっかり、ペアというかハーモナイズして対応していきたい、こう考えております。
○城井委員 大臣の思いとその方向性を確認させていただきました。ありがとうございます。 続きまして、次世代技術導入への支援について伺います。 日本造船工業会によりますと、環境技術で我が国に優位性がある、環境規制強化を受け、技術開発を更に進める、ジャパン・プレミアムを維持して頑張りたい、こうした心強い話もいただきました。顧客ニーズはどこにあるかと尋ねたところ、環境対策やデジタル化に加え、自動運航、洋上風力をニーズと考えており、捉えていきたいとのことでした。こうした環境規制への対応、デジタル化、自動運航、洋上風力などについて、現在の我が国の技術優位を過信することなく、顧客に必要とされる技術として更に開発を加速する必要があると考えます。 今回の法案により、次世代技術開発を促す観点から、国として造船業にどのような支援をできるでしょうか。国として、この次世代技術、顧客に必要とされる技術の開発に更に支援すべきと考えますが、大臣の見解をお願いします。
○赤羽国務大臣 脱炭素化の流れというのは、もう世界中の流れでございます。そういう意味で、低燃費の技術を更に磨きをかけるとともに、LNG船ですとか水素船、これを実現する、ゼロエミッション船を提供するということが、我が国造船業の競争力をある意味で飛躍的に向上させるものだというふうに認識をしております。 また、デジタル化、自動運航につきましても、我が国メーカーが世界的にも誇る航海計器等を中核に船舶のデジタル化を進めること、また、その流れの中で、自動運航船の実現が期待をされて、今検討が進められているところでございます。 また、洋上風力につきましても、これはエネルギー政策という意味でも、大変、今後の重要な再生エネルギーの、今年も期待されております、二〇四〇年まで、浮体式も含めて三十から四十五ギガワットの洋上風力発電の導入目標が掲げられているところでございまして、こうした中で、洋上風力の進展の中で、我が国造船業の果たす役割は非常に大きいものだというふうに考えております。 こうしたことを進めていくために、今回の法案には、事業基盤強化計画ですとか特定船舶の導入計画の活用と、同じような話になりますが、これに関連した予算、税制、財政投融資の、しっかりとそれを効果的に使っていくということ、また、経産省等と連携しながらグリーンイノベーション基金等の活用に向けた検討を進めていく、そして、我が国の造船業、海運業の国際競争力を強化してまいりたい、このように考えているところでございます。
○城井委員 続いて、海運関係についても伺います。 まず、特定船舶導入計画認定制度の創設についてお伺いしたいと思います。 船社への支援は国際競争力の確保が目的とされますが、今回の特定船舶の導入支援によって、どのようにして十分な国際競争力の確保につながるのか。特に、国土交通省として、船社や船主における特定船舶の潜在的需要をどのくらいと見ているのかを含めて、大臣の見解をお願いします。
○赤羽国務大臣 今回、海運事業者らが特定船舶を導入する計画を国土交通大臣が認定するという仕組みを創設いたします。そうした場合は、日本政策金融公庫を活用した長期かつ低利融資、また日本船籍船に係る固定資産税の軽減措置の拡充等の措置が講じられることとなっております。 国内造船所で建造される船舶のうち、特定船舶の要件を満たす船舶は、現在、二〇一七年度から二〇一九年度の平均でいいますと約二割ございますが、今回の支援措置を通じて、二〇二五年を目途に、特定船舶の導入、約三割の普及を目指してまいりたいと考えております。
○城井委員 続いて、特定船舶以外の船舶について伺います。 今回の特定船舶の指定の仕組みが、船社や船主において、特定船舶に該当しない船舶は低価格な海外の造船所を優先して選ぶことのきっかけになってしまうのではないかとの懸念にどのように対応するのか、特定船舶建造に強みがある我が国造船業の競争力にも影響するのではないか。大臣はいかがお考えでしょうか。
○赤羽国務大臣 余りそういうふうには考えておりません。 先ほど申し上げましたように、船舶の発注は、船価のみならず、建造船の品質を踏まえての、総合的に判断されるものだというふうに考えております。 そうした観点から、我が国の造船事業者によるコスト競争力の強化、加えて、優れた性能の更なる磨き上げが図られ、これは特定船舶に限らないで底上げがなされる、特定船舶以外の船舶についても顧客にとって魅力度の高い船舶の建造が可能となることが私は重要だというふうに考えております。 そうしたことを目指して、本法案に基づく事業基盤強化計画とこれに関連する予算、税制、財政投融資等の支援制度の活用で、造船事業者の事業再編ですとか生産性向上等を強力に推進して、我が国造船業の競争力強化を図ることとしております。 こうした取組は、特定船舶以外の船舶につきましても、我が国造船所における受注の促進につながるもの、こう考えております。
○城井委員 続きまして、特定船舶導入と海外の荷主との関係について伺います。 我が国外航海運事業者において、三国間輸送の割合が年々増加をいたしております。そのため、海外の荷主の意向の影響力が大きくなっていますが、我が国外航海運事業者が特定船舶を導入したいと考えても、低船価とそれを基にした低運賃を志向する海外の荷主とぶつかり、利害調整が難しい状況が増えるのではないか。 先ほどからコスト以外の要素も大事だというふうに大臣はおっしゃっていただいているわけですが、そうはいっても、海外の荷主の話になると、コストの話に戻ってくるという部分がある。この特定船舶導入と海外の荷主との関係について、大臣はどのように考え、対応されますか。
○赤羽国務大臣 特定船舶の導入が我が国の造船の競争力を低下せしめて、結局、三国間の輸送が取れなくなるというようなことは、そういう単純な図式とは余り考えておりません。もちろん、価格競争力というのは大変大事だというふうには思っておりますが、他方で、我が国の海運事業者からは、船舶を導入するに当たって、海外荷主の意向に応じて建造する造船所を決定するといった例は少ないというふうに我々は聞いておるところでございます。 いずれにいたしましても、ちょっと同じような答弁、繰り返しになって恐縮でございますが、今回の新しい支援によりまして、我が国の海運事業者が高性能、高品質な船舶である特定船舶を円滑に導入できるようになることは、海外も含めた荷主に対しまして、安定的かつ良質な国際海上輸送サービスを提供することができて、荷主にとっても有益であるというふうな認識をしておりますが、こうした認識が海外の荷主の皆様にも定着できるようなビジネスに対する努力というのは、当然、民間部門でやらなければいけないことだというふうに認識をしております。
○城井委員 続きまして、外国法人等のクルーズ事業者等の運航本格再開について伺いたいと思います。 本法案による外国クルーズ船に対する感染症の発生に係る報告義務の導入に関連して、先ほど同僚委員からは国際ルールの整備についての質疑がございましたが、ここでは、外国クルーズ船の我が国への寄港など、感染収束をした後の運航の本格的再開に向けた条件を国土交通省としてどのように考えているか、また、その再開条件の整備に向けた取組を国土交通省としてどのように行う考えか、大臣からお答えください。
○赤羽国務大臣 国際クルーズ船の運航は、観光立国の推進の中で大変大きな原動力として寄与していただきましたが、残念ながら、このコロナウイルス禍の中で、大変、運航が停止されている状況が続いております。何とか運航再開をしたいと希望される地域もたくさん、数多くございまして、この国際クルーズ船の運航再開に当たりましては、もう既に作成済みの国内クルーズ用のガイドライン及びそれを適用した国内クルーズ再開後の経験を踏まえまして、関係省庁や各港湾管理者と連携しながら、船内及び港湾での感染対策を検討しなければいけない、こう考えております。 また、昨年のダイヤモンド・プリンセス号の受入れのときの教訓から、運航会社と国内外の寄港地の間で事前に受入れ体制の調整を行っていくことなどを定めた国際クルーズ用のガイドラインの作成を進めることも必要だと考えておりますので、こうしたことも必要な措置としてしっかりと講じてまいる所存でございます。 いずれにしても、今回、感染症の発生等の不測の事態において、国土交通大臣による報告徴収を可能とする制度を創設したところでございますので、新しい制度をしっかりと使いながら、国際クルーズを多くの皆様が安心して利用できるよう、そうした環境を一日も早く整えなければいけない、こう考えております。
○城井委員 続きまして、船員の働き方改革についてお伺いします。本法案における船長と船員、労務管理責任者の関係について確認をさせてください。 従来は、船員を船長が管理し、陸上へ報告する形でした。この法案により、海上と陸上での情報共有の形が変わりますが、伝統的な船長の役割と労務管理責任者の役割をうまくなじませることができるか、以上のような海事産業関係者からの意見に対して、大臣はいかがお答えになるでしょうか。
○赤羽国務大臣 近年、内航船員の新規就業者数というのは実は増加しております。ただ、他方で、その労働形態が、長期間の乗船ですとか時間外労働の多さ等が原因となって、若手の船員の皆さんの定着率が課題となっております。 そうしたことを受けて、いかにするべきかということで、まず、船員を代表する全日本海員組合の皆様も含め、公労使の代表から成る交通政策審議会の海事分科会船員部会におきまして、これまで約二年にわたって、船員の働き方改革について検討がされてきたわけでございます。そうした中の結論で、今回の働き方改革の一環の中で、船長さんが担っていたことを、労務管理責任者を選任して、適切に役割分担を、連携をしていくということになったわけであります。 私も、ちょっと詳しくありませんけれども、一般論として、船長という現場の責任者が労務管理まで全部見るということは、やはり弊害の方が多いんじゃないかなと。やはり、なかなか現場の長に様々なことは相談しにくいですし、みんなで頑張らなきゃいけないというような、そういった傾向があることによって、若手の皆さんの離職率の高さの要因になっているのではないかという、多分そうした議論がなされたものだというふうに思っておりますので、これは、新しい制度がしっかりと回っていくように、国交省としてもしっかりサポートしていきたい、いかなければいけない、こう考えております。
○城井委員 続いて、荷主と労務管理の関係について伺います。 海運業においては、荷主の発言力が圧倒的に強い状況です。労務管理のためとはいえ、労働者側から改善を申出しづらいのが実態です。労務管理改善を実施するにも、荷主側に対する環境整備が必要です。 本法案により創設される荷主への勧告、公表が本当に実施できるのか、海事産業労働者からもそうした意見がありますけれども、大臣の見解をお聞かせください。
○赤羽国務大臣 荷主の立場が強いのは別に海運業だけじゃなくて、トラック業でも全く一緒であります。トラック業においても、適正な運賃・料金の収受について、荷主の理解が得られなければいけないということで、一昨年だったと記憶しておりますが、議員立法で新しい法改正をされました。その中で、所管する経済産業省、厚生労働省、農林水産省もその法案の中にインボルブされてというか、一緒になって、荷主の理解を深めるということを法定化したわけでございます。 今回、本法案では、国土交通大臣が荷主に対して勧告、公表する制度というのが盛り込まれたわけでございますが、この実効性がどうかという質問に対するお答えとしては、これは毅然としてやっていく、ここがないともう全く、つくっただけで意味がありませんので。 ただ、いきなりやるということではなくて、この実効性を確保するために、荷主の、それぞれの関係省庁にも御協力をいただいて、今回の法改正の意味合いの理解と御協力をお願いする、周知徹底をしていく。そうしたことを踏まえた上で、万が一法改正の状況にそぐわない場合であれば、荷主の関与が裏づけられて、変なことが、事実が確認された場合には、ちゅうちょなく当該荷主に対して勧告、公表をしてまいる、これはもう微動だにしないという思いでやっていくということでございます。 いずれにしても、勧告、公表することが目標ではなくて、しっかりとした荷主の御理解をいただいて、内航海運業者の状況がよくなるということが大事でありますので、そうしたことはしっかり所管官庁としてフォローしていかなければいけない、こう思っております。
○城井委員 綿密なコミュニケーションとそして毅然たる対応ということで、確認をさせていただきました。 続きまして、若年船員が定着しない理由とその改善策についてお伺いします。 新規の船員は増えつつありますが、就職後の定着率に課題があると聞いています。三年以内に辞める新規就業者数を国として把握しているか、大臣、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 本年三月に取りまとめた調査結果によれば、卒業後三年で陸上職に転職するなどして船員として就業されていない方は、全体の約六%という統計が出ております。
○城井委員 若年船員が定着しない理由を国としてどのように考えているか。 国土交通省の二〇一六年のアンケートによりますと、退職理由で最も多いのが人間関係でした。特殊な勤務形態や労働環境が影響しています。勤務は、三か月連続して働き、一か月休むというパターンが多く、船舶という空間の中で限られた人と長時間過ごすことになっている。月収では三十七・一万円と、三十・七万円の陸上労働者平均を上回りますが、長時間の重労働に対して割に合わないという声が少なくありません。休みは取れるのか、スマホは使えるのかといった、今どきの若者からの就職時の面談などでの希望もあるのが現実であります。 この法案でこうした理由に含まれる課題がどのように改善され、若年船員の定着につながるか、大臣から具体的にお示しいただけるでしょうか。
○赤羽国務大臣 若手船員の離職者に対してアンケート調査、その結果では、主な原因は、船内の人間関係ということもありますが、それよりも、長期間の乗船ですとか時間外労働の多さといったことも主な原因で離職に至ったという回答が多かったようでございます。 まさにそうしたことを改善するべく、今回の法改正では、先ほど御質問にもありましたが、労務管理につきましては、労務管理責任者を選任して、船員の一人一人の労働時間の状況を確実に把握して、健康状態にも考慮し、また、様々な個人的な事情についても御相談に乗れる、そうした体制をつくっていきたい、こう考えております。なお、船員の労務相談対応も行うよう省令で措置するということも予定をしております。 大事な業界でございますので、せっかくの有望な若手の皆様が離職することなく、しっかり日本の海運業に貢献していただけるよう、また活躍していただけるような労働環境づくりに国交省としてもしっかりと取り組んでいきたい、こう考えております。
○城井委員 続きまして、船員の引き抜きや船員不足による運航停止への対応についてお伺いします。 内航業界内で、船員の引き抜きや予定していた船が運航できないといった事態が起こっています。国としてどのように現状を認識し、対応していく考えか、大臣から見解をお願いします。
○赤羽国務大臣 内航船の新規従業者数は、この十年間で五百人程度から千人弱へ大幅に増加をしておりますので、全体として船員の確保の状況というのは改善傾向にあるというふうに承知をしております。 多分、突発的に、ある航路で船員が不足する、そうしたことは、ちょくちょくあるというふうな認識ではありませんが、ゼロではないということでございまして、そうした場合に、船主が自ら船員として乗船したりとか、船員の派遣を受けることで対応しているというふうに伺っているところでございます。 今回の法案で、船舶管理会社の登録ということもこの法改正の中に入れておりまして、船舶管理会社は、複数の船舶の管理と、また、これら船舶への船員の一括配乗というか、ディスパッチというんですかね、派遣とはちょっと違うんですけれども、そうしたスケールメリットを活用できることから、これまで以上に余裕を持った船員の皆さんのスケジュールというかローテーションが可能になるというふうに考えておるところでございます。 以上です。
○城井委員 続きまして、労働時間管理の適正化についてお伺いします。 国土交通省の議論でも、労働時間等の記録様式について、適切に記載されていない事例等が見受けられること、労働時間の適切な管理について、陸上の事務所や使用者の責任の有無等が不明確であることが指摘されています。 海事産業の現場からも必要性が指摘されている、内航海運における労働時間の記録の正確性をどのように担保するか。 具体的には、船内記録簿のモデル様式の見直し、見直し後のモデル様式の業界への推奨、電磁的方法を活用した労働時間の記録、保存の方法について業界としての導入可能性の検討、使用者、船舶所有者に船員の労働時間を適切に管理する責務があることの明確化、使用者、船舶所有者の下での労働時間等に関する事項の記録の保存、管理、陸上の事務所における労務管理者の選任が必要など、国としても議論してきておりますが、本法案でどのように改善を図ることができるか、大臣からお答えください。
○赤羽国務大臣 今お示しになられたような検討は具体的に進めております。改正法の施行に向けまして、具体的に進めております。 そもそも、内航船員の労働時間の記録が正確に記録されないということ自体が、やはりそういう業界としてというか労働現場の実態としてはあってはならないことであって、そういうことを是正するために今回の労務管理の適正化を図る、船長に任せっ切りではなくて別に責任者を選任する、そういったことが、その部分の法改正の我々の期待又は趣旨であるというふうに認識をしております。
○城井委員 続きまして、労働時間の範囲の明確化、見直しについてお伺いします。 国土交通省の議論でも、職住一体である船内における各種活動について、労働時間として取り扱うかどうか必ずしも統一的に取り扱われていないこと、操練や引継ぎ作業等については労働時間への算入や対価の支払いを要しないとされていることなどが指摘されています。 「令和の時代の内航海運に向けて」の中間取りまとめなどでも言及がありますが、働き方改革、特に船員の時間外労働については、従来より、防火・救命艇操練や当直交代に係る作業などに必要となる時間は労働時間に該当しますが、労働時間の上限、一日当たり十四時間、一週当たり七十二時間の対象外とされ、時間外手当の支払いを免除されるなど、例外的な取扱いとなっていました。 これに対し、中間取りまとめでは、これを見直すべきとしながらも、急激な変化が実務上の弊害をもたらすとし、また、荷主、オペレーターの理解促進のための必要な準備期間、猶予期間を設けることについても考慮が必要であると曖昧な形でまとめられています。 陸上労働では、これらの労働は例外的な取扱いとは認められていません。このような取扱いで船員という職業が魅力的なものと若年世代に見えるかは疑問であります。内航海運についても陸上産業と同様の取扱いで臨むべきです。特に、船内における各種活動の労働時間への該当性の明確化と、労働時間制度上例外的に取り扱われている作業の取扱いの見直しが必要ですが、本法案でこれらの点がどのように改善されるか、大臣からお答えください。
○赤羽国務大臣 これは、実はトラックの運送でも大変問題になっていまして、運賃の中で、実は運賃といいながら、例えばトラックドライバーが到着をしたところで荷降ろしをするですとか、あと、待ち時間も全部入るですとか、そうしたことは、業界としてはそこは一線を引いて運賃と料金を分けるというのは、先ほど申し上げた議員立法の法改正で定めたところでございます。 今回、こうしたこと、本法案でも各種の船内活動について、業務なのか、業務に関する作業なのか、個人的な活動なのかということを分類しまして、労働時間への該当性を具体的に整理する内容のガイドラインを作成し、明確化した上で、業界への周知を図っていく予定でございます。 先ほど具体的に言われました防火操練ですとか救命艇の操練等の作業ですとか、航海当直の通常の交代のために必要な作業、これは労働時間に関する一日当たりの上限規制の対象外となっておりましたが、これは対象とする旨、改正内容にも盛り込んでおりますし、施行までに十分な周知期間を設けるということが曖昧ということではなくて、別にそのとおり受け取っていただけばいいので、周知もしないで制度を変えるということはできませんから、周知をして、この改正内容というのをしっかりと実行いたします。
○城井委員 時間が参りましたので質問を終わりたいと思いますが、あと、休暇の確実な確保についてもお伺いしようと思いましたが、時間がなくなりましたので、要望にとどめたいというふうに思います。 大臣からも今日お答えいただきましたように、陸上の貨物でも、そして海上の貨物でも、そこで働く皆様の抱える課題は共通しているものが大変多いということを確認させていただいたと思います。何よりも、このコロナ禍においてもエッセンシャルワーカーの最たる方々だというふうに思いますので、そうした方々が健全に笑顔で働けるように今回の法案の取組なども進めていくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○あかま委員長 次に、山本和嘉子君。
○山本(和)委員 立憲民主党の山本和嘉子でございます。今日もよろしくお願いいたします。 まず、新型コロナで深刻な打撃を受けている観光業の方々について、ちょっと質問させていただきたいというふうに思います。 私の選挙区であります京都北部でも、新型コロナによる観光業への打撃が大変深刻でございます。 京丹後市の宿泊客数は、昨年の四月から六月期は、緊急事態宣言ということもありまして、前年の同期比マイナス約七六%ということでございました。 七月から九月は、京丹後市では独自に、新型コロナで打撃を受ける宿泊施設への支援という意味で、集客目的でふるさと旅行券キャンペーンというのをやられました。それを五千枚販売いたしまして、これは一枚五千円分を二千五百円で販売したということで大変人気が高かったんですけれども、そういったことで盛り返しまして、マイナス一二%というところになりました。 そして、十月から十二月はプラス四七%ですね。秋の観光シーズンということでプラス四七%に回復をしたということで、その後、肝腎の年明け一月から三月というのがカニのトップシーズンなんです。そのカニ関連ツアーの最盛期でございまして、しかしながら、一月―三月は、第三波、緊急事態宣言が一月十四日から二月の二十八日まで出されていたということで、七割から九割の減少だったわけなんですね。宿泊のキャンセルも二万件、総額十七億円がマイナスだったということです。 また、宮津市、天橋立周辺も、平日はシャッターを下ろしたまま、休みの日はケーブルも動いているんですが、シャッターを下ろした土産物店が多いというところです。昼がメインなんですよね、観光業というのは。飲食店への時短営業協力金というのもありませんので、これはもう経済災害ではないかという声も上がっていました。 コロナ倒産、店が消える、収束までもたない、そういった声を日々私も聞かせていただいておりまして、ゴールデンウィーク、もう間近ですけれども、こういった悲鳴渦巻く現状を観光庁としてどう把握されているのか、ちょっと現状報告をお願いできますでしょうか。
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。 本年三月末時点までの観光庁の調査によりますと、GoToトラベル事業によりまして、昨年の十一月までは回復傾向にあったものの、昨年末からのGoToトラベル事業の全国一律の一時停止措置や、一月からの緊急事態宣言等の影響によりまして、宿泊施設におきましては、例えば、今年一月の予約が対二〇一九年同月比で七〇%以上減少と回答した施設が約半数に上り、また、大手旅行業者の一月の国内旅行に係る予約人員につきましても、二〇一九年同月比約九割減となりました。 その後、三月以降、若干の予約状況の改善が見られたものの、今般の一部地域における蔓延防止等重点措置の適用などの影響によりまして、地方運輸局等を通じました直近のヒアリングによりますれば、キャンセルの発生などによりましてゴールデンウィークの予約が落ち込み、苦境を迎えているという声も多数伺っているところでございます。 また、旅行業法に基づきます報告や民間調査会社の発表などを踏まえますと、一定数の廃業や倒産、そういったものが発生していると承知しており、今後の動向をしっかりと注視していく必要があると考えているところでございます。 観光庁といたしましては、今回の蔓延防止等重点措置の影響や今後の見通しにつきまして、改めてきめ細やかに把握し、必要な支援策をプッシュ型で丁寧に御案内するなど、引き続き、感染状況を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○山本(和)委員 京都府内の企業の休業とか廃業とか解散、その件数は、二〇二〇年度、三月までで八百二十件というデータもあります。過去二十年で二番目の多さと、まあまあ大変厳しい状況。もうこれはどの地域も同じことだというふうに思います。 二月二十八日に緊急事態宣言が解除になりまして、すぐ私も地域の観光地を回りましたけれども、解除されても、ゴールデンウィークの頃にまた感染者が増えて、今、書き入れどきなのに観光地は大変なんだろうなという声もいただきまして、それがまさに今、もう現実のものになってきています。 そして、やはり求められるのがワクチンなんだろうなというふうに思います。 ちょっとパネルを御用意させていただきました。皆様のお手元にも資料を配らせていただきましたけれども、私の地元、京都北部の七市町でも、ワクチンの配送、高齢者への優遇接種が、今週、四月の十二日からスタートをしました。 スケジュールを詳細に見ますと、最初の一月で、各自治体の対象者およそ一、二万人に対して、届く量は千人から二千人分ですね。一割から二割程度なんだろうなというふうに思います。 四月の十九日の週、福知山で九百三十五回分ですね。四月二十六日から接種がスタートする。舞鶴は、十九日の週に配送されますけれども、七百六十五回分というところでございます。伊根町というところは、人口の一番少ないところなんですが、四月の九日にもう既に配分されていまして、六十回分、十三日から、今週の火曜日から接種がスタートしているというところでございます。 政府は、六月末までに高齢者三千六百万人分の二回分の配送をするというふうに発表されております。その接種は何月頃に完了見込みなのか。また、国民全般まで行き渡る時期、集団免疫、多くの人が免疫を持つことで感染を広がりにくくするということでございます、そういう状態になるために最低必要な六割から七割程度の国民のワクチン接種完了、そこまで到達する、要する時間的な見通しはどのように把握されているのか。これは内閣府ですかね、お願いします。
○内山政府参考人 お答えいたします。 高齢者への優先接種につきましては、全国知事会などから、段階的に接種範囲を広げ、検証、改善を着実に行うなど、供給体制を踏まえた現実的なスケジュールの下、丁寧に進めてほしいといった要望をいただいているところでございます。 こうしたことを踏まえまして、今週月曜日、四月十二日から、全国で高齢者への優先接種が始まっているところでございます。 委員のお示しいただいているパネル、資料にもございますとおり、今週、来週には、それぞれ五百箱ずつ、各都道府県に十箱のワクチンを届け、四月二十六日の週には全ての市区町村に一箱ずつ、合計千七百四十一箱、配送することとしてございます。その後、四月二十六日から五月九日の二週間で四千箱、五月十日からの二週間で一万六千箱、そして、六月末までに、先ほどございました、高齢者全員分のワクチンを配送する準備ができ、自治体の需要に応じてお届けをしてまいりたいと考えてございます。 その上で、高齢者への接種がいつ完了するかや、その後の希望する全ての方々への接種がいつ完了するかにつきましては、実際に接種の実務を行います自治体の規模が様々でございまして、それぞれが実情に応じて作成していただいている計画によるものと考えてございます。 全ての国民の皆さんに安全で有効なワクチンを一日でも早くお届けしたいと考えてございまして、各自治体において円滑な接種が進むよう、緊密に連携しながら全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○山本(和)委員 ありがとうございます。 いずれにしても、まだ分からないんだろうなというふうに思います。 報道でもありましたけれども、イスラエルでは、おおよそ人口の五二%に当たる四百九十二万人が二回の接種を受けて、六十歳以上で八割以上、二十代で六割以上がもう接種を終えているというところでございます。これでも、集団免疫にはまだまだ達していないということでございます。アメリカの専門家なんかは、人口の七〇%から九〇%が免疫を持つ必要があるのではないかなというふうに言われております。 いずれにしても、日本はまだまだ時間がかかるんだろうなというふうに思います。大勢の国民がワクチン接種で以前のように旅行を楽しむには、もう少し時間がかかるというふうに思います。でも、今後ワクチンの接種が進めば、そのとき、中断中のGoToトラベルなしでも、人は、やっと旅ができる、やっと外に出られるということで、旅行には自ら出るというふうに思います。 一方、観光業、今大変な状況でございます。観光産業は地域経済の発展、雇用の維持に大変重要なものでございまして、もう一枚パネルを御用意させていただいたんですが、観光産業持続化給付金の概要というところで、立憲民主党が議員立法として提出をさせていただいた法案の概要なんですけれども、観光業に支援が必要なのはやはり今なんだというふうに思います。今支援せずにいると、廃業するホテル、旅館も増えるというふうに思います。観光地の灯が消えてしまうということもありますし、晴れて旅行に行けても、行きたいところがもう廃業になっているとか、そういうことでは元も子もないわけでございます。 観光地の宿泊業、飲食業、土産物屋さんだけではありません。継続的な観光関連事業者、要は取引先と言われる、飲食店に卸す食材の会社ですね。それに農家さんもそうです。地域公共交通、JRさん、民鉄さん、バス、タクシー、それも全て、やはり今支援をしないと、もう今大変な状況でございますので、必要性が高いということでございます。 蔓延防止重点措置、また増えました。千葉、神奈川、愛知、そして埼玉、今支援を必要としている。GoToの予算は積み上がっているというふうに思います。なぜこれを事業継続支援のために、事業規模に応じた、売上減少額に応じた観光業の持続化給付金として使っていただけないのかということですね。 我が党としても、議員立法も提出をさせていただきました。今支援が必要だというふうに思いますけれども、大臣、いかが思われますでしょうか。
○赤羽国務大臣 今支援が必要だという認識ではなくて、昨年のコロナ発生、特に三月以降、四月、五月と緊急事態宣言がなされ、多くの観光地での宿泊事業者、休業状態又はほとんど同じような状況が続いておりました。ですから、当時から、無利息無担保の融資ですとか、雇用調整助成金の大幅拡充と延長、また公租公課の支払いの猶予ですとか、様々なことをさせていただいておるわけでございます。 この雇用調整助成金につきましては、今も継続をしていただいていて、私もこの間、四十七の観光地域の皆さんと、首長、観光関連事業者、交通事業者とも、ほとんど二時間半から三時間、徹底して意見交換させていただいておりますが、雇用調整助成金で何とか従業員の皆さんを首にせずに済んでいる、ぎりぎりでやっている。そして、昨年の秋、GoToトラベル事業、そしてまた各県ですとか市、それぞれの単独でやっていただいている観光キャンペーン、こうした需要喚起策で何とかもっているというのが彼らの正直な、おおよその皆さんのそうした意見だというふうに承知をしているところでございます。 ですから、ちょっと議員立法については、それは国会の場で議論していただくということですので、行政の長としてコメントはできない、しない方がいいというふうに思っておりますが、いずれにしても、需要喚起策というのは非常に大事だし、そうした雇用への要望というのは強くて、そうしたことの中で、GoToトラベル事業というのはなかなか今すぐには再開ができないところで、各県が独自でやっていただいている、これは今でも二十二の県が実施をされておりますが、そうした観光事業の支援策について、財政的な支援を国交省としてお願いしたいということで、重く受け止めまして、四月一日から地域観光事業支援というものを始めているところでございます。 ただ、他方で、新たな蔓延防止対策の地域につきましては、こうした県独自の観光事業もやりにくいというふうに思っておりますので、これはどういうふうな支援をするべきなのかということは、各地方運輸局からプッシュ型で、それぞれの宿泊事業者、観光、旅行関係の皆さん、様々なヒアリングも重ねていただいておりますし、そうした中で、政府の中で、必要に応じた適切な対応をしなければいけないという認識でおるところでございます。今、検討しておるところでございます。
○山本(和)委員 大臣、ありがとうございます。 大臣おっしゃいましたように、地域ごとの地域観光事業支援はやはり蔓延防止重点措置の地域では使えないわけでございまして、やはり直接支援が必要だという声は、私も地元からもたくさんいただいておりまして、私の地域の与謝野町の商工会の方からも昨日メールが来まして、土産物と、ランチを提供しているお店に卸すお米屋さんにも支援が必要だし、様々な関連する事業に必要な支援を是非お願いしたいという声でした。 そういった継続的に頑張っていただいている皆さんに対して、是非この議員立法を適用させていただきたいなというふうに思いますので、是非御賛同を皆さんにお願いしたいというふうに思います。 引き続きまして、造船業のことについて質問をしていきたいというふうに思います。 かつて世界に名をはせた戦艦大和とか戦艦武蔵を造った造船大国であります、我が日本は。戦艦大和は、広島県にあった呉海軍工廠で造られました。現在はJMUの呉事業所として、大型民間船舶の建造を行っている。武蔵は、三菱重工長崎造船所で造られました。 そんな造船大国だった日本でございますけれども、そして、海に囲まれているというところで、造船の環境にぴったりの日本でございます。それが、中韓の国家造船主義と言われるのを目の前に、日本の造船は立ち行かないとか、再編ドミノとまで言われるようになってしまったというふうに思います。そして、今回の再編支援法案でございます。 しかしながら、私もいろいろな造船業に関する資料なんかを読ませていただきましたけれども、数年前から、すさまじい船腹過剰、供給過剰というふうにも言われているとか、日本の造船業界は再編合理化というよりかは敗戦処理を行っているんじゃないかとか、そういうことも専門家の方々が様々なところでおっしゃっておられました。そういう指摘が上がっているということでございます。 政府の状況の認識といいますか、対応は、今更なんじゃないかな、遅きに失しているんじゃないかなというふうに私は思います。その点について、いかがでしょうか。
○大坪政府参考人 造船業は、地域の経済、雇用を支えるとともに、我が国の国民生活と経済活動の基盤としての役割を果たしており、また安全保障の面からも欠かせない極めて重要な産業です。 我が国造船業は、以前から、中国、韓国と厳しい競争を行っておりまして、国土交通省としては、二〇一六年以降に、海事生産性革命として、情報技術の活用による個々の事業者の生産性向上などに取り組んできました。個々に見れば、それぞれの事業者を我々が支援をして、船舶の性能を予測するシステムによって開発期間を短縮したりとか、造船の現場において複数が同時に動く溶接ロボットを導入したりとか、そのような取組は進んできていると認識しています。 一方、世界全体を見れば、中国、韓国は自国造船業に対する大規模な公的支援を行っておりまして、大手造船事業者の統合を進め、造船能力を大規模化しています。これらによって船舶の供給能力は過剰になっており、これによって船価が低迷して、我が国造船業は厳しい状況に置かれています。 これらはコロナの前からなんですが、コロナ禍によって、更に海運企業の発注意欲が減退したり、人の移動の制限によって新造船商談が停滞したりといったことで、通常二年以上必要な手持ち工事量が約一年ということで、危機的な経営状況になっています。 この危機を乗り越えて、産業として発展し、地域の経済、雇用を守り、我が国の安全保障に貢献していくためには、これまで行ってきた造船事業者個々の生産性向上の取組、これを一層加速することも当然必要ですが、事業者間の協業、これは必ずしも統合するということに限りませんが、協業の促進や、造船事業者だけではなくて、舶用メーカーも含めてサプライチェーン全体の最適化に取り組む、このように全体として競争力強化に取り組むということが必要であると考えています。
○山本(和)委員 先ほど申し上げました専門家の指摘もありますけれども、今回の法案では、造船業が今後も地域の経済、雇用や我が国の安全保障に貢献し、船舶を安定的に供給できる体制づくり、生産性向上、事業再編を通じ基盤強化、造船業における新造船発注を喚起する環境整備が必要であるというふうに言われています。 しかし、地元舞鶴では、昨年二月、業界大手、JMUですね、突然、新船建造中止を発表いたしました。もう本当に、さっきも言いましたけれども、今となっては今更だろうなというふうに思います。まさに今、最後の船が完成間際でございます。海外船主向けの八万トン型ばら積み船、今年の五月末頃に引渡予定というふうにも聞いております。敷地内の艦船修理用と新船建造用のドックのうち、第三ドックは行方がもう未定のまま放置されているということでございます。 我が国造船業が再び輝きを取り戻すきっかけのためにも、韓国政府の過剰な補助金などWTO協定違反はきっちり提訴して、公正な国際競争環境を回復すべく、断固として国家意思を示すべきだというふうに思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○大西副大臣 山本委員の危機意識、問題意識、私も共有するものでございます。 韓国においては、二〇一五年頃から、経営難に陥った特定の造船事業者に対して一兆円を超える巨額の公的支援が行われたほか、信用力の低い造船事業者への、市場で得られないような公的な保証の付与による受注支援も行われています。このような支援措置が市場を歪曲し、我が国造船業に著しい損害を及ぼしていることは大変ゆゆしき事態です。 このため、日本政府としては、二〇一八年に韓国政府を世界貿易機関、WTOに提訴し、日本の立場をしっかりと表明しているところです。また、OECD造船部会においても、公的支援措置の通報制度の強化や価格動向のモニタリングの実施等の対策の検討を行っております。 国土交通省としては、関係省庁とも連携し、国際的な検討の場を通じて、公正な国際競争環境の確保に向け、全力で取り組んでまいります。
○山本(和)委員 是非全力で、よろしくお願いしたいところでございます。 中国や韓国が国の資源を不当に投入して日本企業に競り勝つ構図、これは船だけじゃなくて、これまでも、電機産業の半導体、インフラ分野の鉄道、そしてプラント輸出など、たくさんありました。手口も、赤い資本主義と呼ばれる巨大国営企業的な経営から、中国では国内環境規制の緩和、工業用電気料金の大幅割引は韓国で行っています。さらには、国際入札で国を挙げて裏取引をしているという情報も韓国であります。そういう様々なことがあります。 一方、我が国の造船業界が単に高品質を目指せば、今度は顧客にとってオーバースペック、過剰性能である、そういうことに陥る可能性もありまして、ビジネスモデルの再構築も含めて、今後どのような勝ち筋を狙っていかれるのか、国交省の御意見をお聞きしたいと思います。
○大坪政府参考人 我が国の建造船は、船価だけ比べれば中韓に比べて高いのですが、燃費の性能、それから実海域での性能、実際の荒れた海域でスピードが落ちないかといったことですが、この面では優れています。船舶の発注においては、一般的には、船価のみではなく、品質も踏まえて総合的に判断されます。 先ほど言いましたように、優位性を有している燃費については、これは船を使う側の海運事業者の運航コストの低減にも資することでありますので、造船事業者から見て顧客である海運事業者のニーズに適したもの、沿ったものになっています。実際に、ジャパンマリンユナイテッドの呉で造ったコンテナ船は、実際の運航での性能が非常によいということで、新たな発注を同じ海運会社から得たという事例もあります。 こういう中で、これらを踏まえて、我が国が、造船業が取り組むべき競争力強化の方向性は、まずはコスト競争力の強化、それから世界最先端の技術力の磨き上げの二点であると考えています。 前者については、本法案に基づき講じる予算、税制、財政投融資の活用によって、造船事業者の事業再編、生産性向上を強力に推進することにより、事業者によっては製造コストを約一割引き下げ得ると想定しています。 後者の性能の磨き上げについては、これからの海運の課題である脱炭素化に対応するために、ゼロエミッション船等の技術開発支援を行っていくとともに、国際海事機関、IMOにおける安全や環境に係る国際基準の策定を我が国がリードして、我が国の高い技術力が国際的に定量的に評価される市場環境を整備することによって、技術力の優位性を確保してまいります。 これらの総合的な対策を通じて、海運事業者のニーズを取り込みながら、すなわち、船を造る側の独りよがりですとかオーバースペックにならないように、そういうことを考えて、相手の、客のニーズを取り込みながら発展していけるように、造船業の基盤強化を図ってまいります。
○山本(和)委員 ありがとうございます。 日本の物づくりとして、さっきも言葉が出ましたが、ジャパン・プレミアムといいますか、日本人の生真面目さからくる丁寧な船造りというのがあります。矜持を懸けたハイスペックといいますか、そういう仕様、すばらしい船の技術を日本は持っているというふうに思います。 でも、専門家も、一般的に日本の船は性能がいいと言われているが、船舶ユーザーはそこまで求めていないということも言われています。中国や韓国と単純に生産で争うのではなくて、本来は技術を生かしたビジネスモデルに転じていくべきであるというふうに私は思います。まさに今、イノベーションのジレンマが起こっているのではないかなというふうに思います。 新船建造のような一見して華やかさはありませんけれども、船の修理に方向転換したJMU事業所、今後、AIやIoTなど最新技術を駆使したイノベーションは十分あり得ると私は思っています。 また、これまで培ってきた浮体技術などの活用で、例えば、国の推進する海洋風力分野への参入ですね。造船で生きてきた舞鶴市など、地域経済にとって期待大です、こういう新しいことが行われるということは。是非、促進のために、環境整備の支援をお願いしたいというふうに思いますけれども、大臣から、どのような御見解か、お聞きしたいと思います。
○赤羽国務大臣 今お話ございました、例えば艦船の修繕のところにレベルアップを図るということは、私は、総コストにもはねるというふうに、評価もしていただけるというふうに思っております。 幸い、一般商船向けとして、ITを活用した船舶等の技術開発支援を国交省が今実施をしておりまして、その成果として、例えば、エンジンの故障予知技術などの実用化が進んでおります。こうした技術を使いますと、効率的な維持管理、修繕を陸上からサポートする事業にも活用が可能というふうにも考えております。 また、洋上風力につきましても、これは先ほども申し上げましたが、再生可能エネルギーで風力発電というのは、期待されながら、送電線の問題ですとか、陸上に設置する周辺住民とのあつれきですとか、様々な理由があって、なかなか前に進んでこなかったというふうに承知をしておりますが、今回、洋上風力発電を国交省と経済産業省で共に連携をしながら進めるということで、大変大きな期待もあり、具体的に前に進んでいるというふうに思っております。 その中で、我が国の造船事業者の持つ高い技術力が、作業船の建造ですとか浮体式洋上風車の開発等の取組の促進に貢献をしておりますし、ますますそれへの期待が大きいものだというふうに考えております。 このように、艦船修繕事業の高度化ですとか洋上風力発電事業の参入支援も含めて、本法案と、これに基づく予算、税制の支援を活用しながら、我が国造船業の基盤強化にしっかりと取り組んでまいりたい、こう考えております。
○山本(和)委員 ありがとうございます。 舞鶴は新しい船は造れなくなりましたけれども、それはもう非常に残念ですが、イノベーションのジレンマと先ほども申し上げましたが、そう言われる中で、先進的な船舶を開発できる技術は是非とも国として支援をしていっていただきたいというふうにも思います。 次に、法案の、船員の働き方改革についてお聞きしたいというふうに思います。 一般の働き方改革法案は、三年前に成立をしました。今回の船員の働き方改革は、いわばちょっと周回遅れなんじゃないかなというふうにも思います。 法案の要点は、陸上の事務所で、選任された労務管理責任者が海上で働く船員の労働時間記録を確認して、乗船サイクルを調整するということであります。 しかし、審議会の報告書を見ましたら、船という閉鎖空間で起きている問題は陸上での把握が非常に難しいのではないか等の船員の特殊事情、ストレス要因として、気の合わない上長と乗船することなど、そういうことが挙がっている、そういう傾向があります。 陸上勤務の労務管理責任者の選任で、船員の労務管理の適正化が可能だとどうして考えるのか、そこだけ確認しておきたいというふうに思います。
○大坪政府参考人 まず、先ほどお話ありました、三年前に行われた陸上分野の働き方改革の中核となる取組は、労働時間の上限規制の導入でしたが、船員の分野では先行しまして、国際条約に基づいて、労働時間の上限規制は既に導入されていたところであります。 一方で、新規就業者数は増加しているのですが、若手船員の定着率が低いので、船員労働の特殊性に基づく独自の課題や背景を踏まえて、約二年にわたって、公労使関係者の検討を行ってきたところです。 内航船員は、確かに、船内という閉鎖空間で二十四時間、少人数で労働と生活を繰り返すという特殊環境にありますので、特に若手船員のアンケート調査によれば、長時間の乗船、時間外労働の多さ、それから、先ほどもありましたが、狭い船内での人間関係、これが主な原因で離職に至っていると認識しています。 今般の法改正においては、労務管理を孤立した空間の中の船長に任せるのではなくて、使用者側、陸上にいる船会社の方において労務管理責任者を選任しまして、各船員の労働時間を一元的に管理し、一人一人の労働時間の状況というのを確実に把握します。その把握した状況に加えて、船員の健康状態を考慮しまして、各船員の乗船サイクルの調整、早めに下船させるとか、そういうサイクルの調整、また、別の船舶への乗換えといった適切な措置を講じることにしております。 労務管理責任者の具体的な業務としては、船員の労務相談対応も行うように省令で措置する予定ですので、使用者側と船員とのコミュニケーションは、より密接になると想定しています。 陸上事務所で労働時間の管理を行うための前提として、労働の記録の電子化を始めとしまして、労働時間を効率的に管理するための環境整備が重要ですので、効率的な労働時間管理システムの開発も進めているところです。 このように、使用者側において、労働時間、それから作業内容、作業体制に関する船員の多種多様なニーズを適切に把握しまして、多様な働き方を可能とする労働環境を実現していくことができると考えております。
○山本(和)委員 次に、港湾労働ですね。 港湾運送に従事する方々から寄せられる将来的な雇用不安についてお聞きしたいと思います。 経産省が掲げる地球温暖化対策に、非効率石炭火力の段階的な休廃止というものがあります。 港湾運送事業法で定める全国九十三の指定港における貨物量に占める石炭比率、重量ベースで申しますと平均一割を占める程度ですけれども、中には石炭だけで五〇%を超える港もあるということでございます。上位を申しますと、石川の七尾が九二・四%、北海道の留萌が八五・九%、京都の舞鶴が七七・二%、その三つが割合が高いということでございます。 CO2削減は、近年の気候変動を考えると欠かせない重要な政策ですけれども、石炭火力を抱える地方の港湾労働者の皆さんにとって、雇用を脅かす深刻な懸念材料であるというふうに思います。どの石炭火力が休廃止の対象か、また、CO2回収技術など、今後の技術展開次第では運転継続の可能性があるかどうか、周知しておくべきではないかなというふうにも思います。例えば、地元舞鶴ではどうなのかということも含めてですね。 港湾労働者や港湾運送事業者にしわ寄せが集中しないように、必要な対策を同時並行で進めていくべきであるなというふうに思いますが、そのあたりの御見解をお願いします。
○松山政府参考人 お答え申し上げます。 温暖化対策、脱炭素化という世界的な潮流が進む中で、そして菅総理が示されました二〇五〇年カーボンニュートラルということを実現していく上で、CO2の総排出量の約二割が石炭火力の発電所からでございまして、このCO2の排出削減は着実に、しっかりと進めていく必要があると、まず、経済産業省としては思ってございます。 その中で、委員もおっしゃっていらっしゃいました、非効率な石炭火力をまず段階的にやめていくということをしっかり進めなければいけないと思っておりまして、省エネ法という法律の中で、二〇三〇年の石炭火力の発電効率目標を、最新鋭の機器、USCという、超超臨界という水準に設定するといったことを含めて、制度的な対応を今進めているところでございます。 一方で、御指摘いただきましたように、石炭火力というのは、電力供給を支える重要な電源であるとともに、地元の雇用や地元の経済ということを支える役割もあり、また、港湾で働く労働者の方々、若しくは港湾運送事業者の方々も含めまして、休廃止による影響を懸念する声があるということは、我々もよく承知しているところでございます。 こうした声も踏まえまして、先ほど申し上げました省エネ法の中で、その規制的な対応については、一定の基準で、一律にこれを満たすように、これを満たしていないものは廃止するということではなくて、発電事業者ごとに、保有する設備の全体の平均ということを見ながら、地域の実態、実情ということを踏まえた形で対応ができていけるような柔軟な対応を取っていきたいと考えておりますし、御指摘のありました、アンモニアの混焼ですとか、CO2を取り出す技術とか、様々なものを活用することによって排出のレベルを下げていくということも評価していくような仕組みにしたいと考えております。 国としまして、こういったことを周知していくこととともに、例えば、水素、アンモニアを安定的に燃焼させるための技術開発でございますとか、また、これは舞鶴の発電所でも実証が進められると聞いておりますが、御指摘のCO2の分離回収技術の低コスト化、こういったことについてもしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
○山本(和)委員 ありがとうございます。 全港湾労働組合舞鶴支部、森口一男委員長から御要望いただきまして、舞鶴港のように、取扱貨物のほとんどが石炭であり、もしも火力発電所が休廃止によって多くの雇用が喪失する地方港の実態があるということを是非知っていただきたいということでございます。だからといって、脱炭素について反対はしませんと。雇用を置き去りにしての政策に対して、国の責任として、雇用を連動させた政策を是非お願いしたいということでございますので、地域の声をお伝えさせていただきます。 最後に、クルーズ船についてお聞きをしたいというふうに思います。 コロナ感染が始まる前の二〇一九年、訪日クルーズ船は全国で約三千回の寄港がありました。二百万人を超える大盛況だったわけですね。でも、ダイヤモンド・プリンセスで、集団感染で消滅したということでございますが、地元舞鶴港も丸一年クルーズ船の寄港はゼロでしたけれども、四月三日にやっと飛鳥2というのが入港しました。来月はにっぽん丸、七月には「ぱしふぃっくびいなす」というのが入ってきますけれども、一方、国際線クルーズはどうなるのかということがやはり懸念です。状況や見込みなど教えていただければと思います。
○大坪政府参考人 まず、諸外国の状況ですが、台湾、シンガポールで国内周遊、それから無寄港のクルーズ船の運航が再開したほか、地中海においてEU域内での国際クルーズ船の運航が再開している状況です。 我が国においては、ダイヤモンド・プリンセス号の事案発生により半年余りクルーズ船の運航が中止されておりましたが、船舶及び港湾ガイドラインの公表、感染症対策マニュアルの策定と届出の義務づけなど、様々な取組を進めた結果、昨年十月から、本邦、日本のクルーズ船事業者の国内商業運航が順次再開する運びとなりました。 また、ダイヤモンド・プリンセス号の事案発生時は、法的裏づけのない状況下で、船内の感染状況の情報収集に課題があったと認識しています。 このため、今後の国際クルーズ船の再開については、まず、本法案において、我が国に寄港する外国法人のクルーズ船事業者に対して、感染症の発生等の不測の事態において、国土交通大臣による報告徴収を可能とする制度を創設したところです。 また、国際クルーズに向けては、これに加えて、国内外の感染状況、それから水際対策の動向を踏まえる必要がありますが、関係省庁と連携し、感染症対策について検討を進め、国際クルーズ用のガイドラインの整備を支援するなど、必要な措置を講じてまいる所存です。
○山本(和)委員 ありがとうございます。 是非海外からの船も入ってきていただいて、地域経済がやはり相乗効果も図れるというふうに思いますので、是非お願いしたい、いろいろ対応は大変だと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、大臣にお聞きしたいというふうに思います。 地元舞鶴港では、二〇一七年から、地方創生に資するクルーズ船旅客の受入れ機能の強化を図るために、第二埠頭に旅客ターミナルの整備を開始しまして、先日、うみとびらの名称で無事完成をいたしました。私も見学会に参加をさせていただきましたけれども、本当にきれいで、海の玄関口としてふさわしいところだったなというふうに思います。 今後は、クルーズ船の来るべき本格的再開に向けて、より一層、感染防止対策など、ハード、ソフト両面の受入れ機能の高度化が必要というふうに考えます。地方経済の活性化に波及効果大の観光業支援の一環として、是非力強い支援をお願いしたいというふうに思います。 最後に一言お願いしたいというふうに思います。
○赤羽国務大臣 クルーズ船は、先ほど申し上げましたように、観光立国の政策の大きな柱の一つでございましたし、そのことによって各地方の地方創生にも大変大きな寄与がされたというふうに思っております。 残念ながら、ダイヤモンド・プリンセス号の一件もあり、感染症対策について抜本的な見直しをということの中で、今、国際クルーズ船、これは感染の水際対策ということもありますので、実質上停止をしている状況でございますが、私も、個人的には、クルーズ船の回復というのは大変時間がかかってしまうのではないかということを本当に残念に思っておりましたが、昨年十月から、本邦のクルーズが実証で始めまして、大変盛況であったというのは大変意外でありました。 それだけクルーズ船に対するファンというか、一定のファン層がいるということ、また、それに期待する、舞鶴港もそうだと思いますが、様々な、各地域で国際クルーズ船の専用バースを整備されたところも数多くありまして、そうしたことが中心となって、地方の活性化のプランも随分できておりますので、これは先ほど局長から申し上げましたように、国内、国際、それぞれのガイドラインを遵守しながら、しっかりと一つ一つ丁寧に、また感染防止対策は最優先しながら、着実な実績を残していくというのが大事だというふうに思っております。 また、でき得れば、これは中長期的な課題になりますが、いざということが起こった場合に、国際ルール作りというのは非常にやはり重要だと思っておりまして、今、外務省を始め関係機関と連携しながら、IMOにおける国際ルール作りも視野に、クルーズ船の安全確保に向けた国際的な議論もしっかり我が国が主導してまいりたい、こう考えておるところでございます。
○山本(和)委員 ありがとうございます。 再びクルーズ船が本来のように行き交うことができるように、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。 これで終わります。ありがとうございます。
○あかま委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 本日は、海事産業関係六つの法案が一本として審議をされていますので、時間の関係で絞らざるを得ません。 ダイヤモンド・プリンセス号の教訓から、外国法人等のクルーズ船に対する報告徴収の規定を設けたことは、何度もダイヤモンド・プリンセス号のことを取り上げてきた立場からも当然のことであり、これは賛成したいなと思っております。 質問は、造船法の改正で、苦境にある造船業への支援策として、事業基盤強化に関する計画の認定制度が創設されます。 造船業は、そのほとんどが地方圏に生産拠点を維持しており、約一千の事業者、約八万人を雇用し、また、数万点に及ぶ部品のほとんどを国内調達をしています。 資料の1は、中小型造船所の分布ですが、圧倒的に西日本が多いです。東北は二つしか地図にありませんけれども、宮城県石巻市のこのヤマニシ、創業百年、大震災で被災し、壊滅的な被害を受け、地元銀行と企業再生支援機構の支援などで再建を果たしましたが、昨年一月に会社更生法適用を申請し、昨年末に認可を受け、再生としての再出発をしたところです。また、地図にはありませんが、気仙沼市には、被災した造船四社が合併して、みらい造船を二〇一五年に設立をしています。そうした経過を見ると、やはり今般の支援は、中小型造船所でも対象とするという点で、必要なことかと思っております。 一方、資料の2は、外航を担う大型造船は、二〇〇〇年にはトップだった三菱重工業が商船からは撤退、IHI、いわゆる石川島播磨や日立造船などと合併してJMUとなり、今や専業系、船専門の今治造船が断トツというように、合併再編を繰り返して、構図も大きく変わっていると思います。 そこで、伺うのは、事業基盤強化計画の認定に当たり、合併や事業再編によりリストラや地域経済への影響が考えられますが、どのように対応する考えか、お伺いします。
○赤羽国務大臣 ちょっと、大ざっぱで心もとないかもしれませんが。 造船業が大変な状況になっているというのは、まさに高橋委員の御指摘のとおりでして、私も、神戸というのは造船業が華やかだったんですが、初当選からもう二十七年ぐらいすると、ほとんどなくなってしまっている。 そうした中で、先ほど申し上げましたが、今治造船の現場、丸亀のところを視察させてもらったら大変びっくりしたぐらい、まだこんなに頑張っている、世界に伍しているところがあるのかということでございました。 ただ、現状は、先ほど言いましたように、中韓の、大変国際競争力が厳しくて、どうしようもない状況であるので、ここは後ろ向きの業界整理とか合理化みたいな話ではなくて、やはり世界に伍する造船業、海運業をつくって、そこのサプライチェーンというのをしっかりとつくりながら、結果としてリストラとかが出ないように、そして、加えて、若い人たちにとっては誇りが持てて夢のある、本当に日本を代表する業界にしていかなければいけないし、する意味があるという思いで今回の法改正を提出させていただいたところでございます。 よろしいですか。
○高橋(千)委員 そうすると、やはり局長に聞かなきゃいけなくなっちゃうんですけれども、ちゃんと通告してあるんだから答えていただきたいんですよね。 事業基盤強化計画の中に、やはりこの地域経済の影響等、雇用の影響に対して、応えるものがちゃんと書いてあると言ってもらわないと駄目なんです。お願いします。
○赤羽国務大臣 大変失礼しました。 事業再編を伴う事業基盤計画に対しましては、認定要件の一つとして、はっきりと、当該事業基盤強化計画が従業員の地位を不当に害するものではないことを規定しておりますほか、雇用の安定等を図るための事業者や国等の努力義務も条文上明確にしておるところでございます。 失礼しました。
○高橋(千)委員 確認をいたしました。 第一条の目的規定に、「地域の経済の活性化に寄与していることに鑑み、」と。それを受けて、四項の四号では、「従業員の地位を不当に害するものでない」ということを、今大臣おっしゃってくださった。そして、五項の方には、関連業者についても明記されていると思うんですね。 やはり、後ろ向きでなくて、気持ちは分かりますよ、だけれども、現実として影響は出るだろう、そこに対しての、計画の段階でのきちんとしたチェック、支援が必要ではないかと思います。 今おっしゃったように、大臣の地元、神戸でも、二〇一〇年に三菱重工の商船部門が撤退をし、潜水艦のドックのみ残っているという声もあります。本当に支援をするのであれば、もっと早くという声もあります。 また、我が党の穀田議員が、当時、二〇一〇年の予算委員会でこのことを紹介していますが、当時は神戸の市長も、造船事業は神戸経済を長年にわたって支えてきた基幹産業であり、裾野の広い産業として中小企業の活性化や雇用の確保にもつながっているとして、引き続き神戸での操業を求めていたと。だけれども、原発や潜水艦に特化する、これには政府を挙げて支援しているけれども、片や地域経済に対してはどうなのか、こういう、厳しく指摘をしていたわけです。民主党政権でございましたけれども。 やはり今も、岡山県玉野市、あるいは千葉県市原市などは、三井造船の撤退、出るということ、あるいは軍需部門へ移行するということで、大変心配の声が上がっています。 地域との結びつきが深い。だからこそ、事業縮小、再編などに当たっても、この影響を抑える努力を強く求めたいと思います。 それで、資料の3は、海保と自衛隊など、官公庁の造船に関わっている企業を地図に落としたものであります。これも、ほぼ西日本なんですけれども。 まさに三菱重工は、潜水艦や護衛艦など軍需部門に特化をしております。また一方、官公庁船だけでは安定的な発注が望めないとして、インフラ輸出を強めるとしているんですが、どのような分野を考えているのか。海外の軍需部門まで受注することを考えているのでしょうか。伺います。
○大坪政府参考人 我が国造船業は、公的支援を背景とした中韓勢との熾烈な国際競争を強いられるとともに、国内では限りある官公庁船の市場における競争激化により十分な受注確保が困難となり、かつてない危機的状況となっています。 一方で、海外の官公庁船市場では、我が国の優れた造船技術への期待が高いことから、国土交通省としては、その輸出促進を進めているところです。輸出促進の対象となる船舶については、例えば、巡視船、海洋調査船、しゅんせつ船などのようなものが考えられます。
○高橋(千)委員 優れた造船技術を生かすというのは大事だと思うし、それが雇用につながるということでもあると思いますが、何でもいいというわけにはいかないということを一言だけ、これは指摘にとどめたいと思います。 次に、船員の働き方改革についてですけれども、二〇一九年二月から交通政策審議会海事分科会船員部会において検討が進められ、昨年九月に取りまとめが出されました。 今回の船員法及び船員職業安定法の改正になっているわけですけれども、船上生活が長期に続くなど特殊な労働条件から、労基法ではなく、ILO条約に基づき、船員法に規定をされています。 しかしながら、資料の4にあるように、内航船員の月間総労働時間とあるように、例えば、内航貨物船員の平均二百三十八・〇六時間、一月二十九・八六日。つまり、ほぼ毎日働いていることになります。建設業と比べても、七十三・一六時間も所定内労働が多い、こうなるわけですよね。 それが、資料の5を見ていただくと、これは労災認定基準と比較をしていますけれども、いわゆる連続する月において時間外労働平均八十時間以上超というのは過労死ラインと言われているわけですが、それを超える割合が、貨物船では三一%、タンカーでは四一%にもなり、特に七百五十トン以上の大型タンカーでは百時間超も二一・六%もある、これは大変深刻なことだと思います。長時間労働になっている要因が、荷役に関わる時間が長いからと承知をしております。 そこで大臣に伺いますが、船員の労働時間は他産業に比べても長く、船上という特殊な環境によるストレスなど、健康確保の課題も大きいです。そうした中で、できるだけ陸の労働者と同等の労働規制が望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 船員の働き方が特殊な環境にある、ですから、ILOの国際条約に基づいて、船員法によって上限の時間ですとかが決められているというのは、高橋委員はよく御承知で質問されていると思います。 その中で、先ほどの答弁でも申し上げましたが、若年層の離職率が高いということで、やはりこの働き方改革、見直さなければいけないというのは、その御指摘のとおりだと思っております。 そして、今回の法改正では、労務管理の責任者を船長から切り離して、船員の労働環境を適切に把握するですとか、個々の相談にも応じる、また健康状態を見る、こうしたことをやるように法改正にも入れておりますので、陸の働き方とは違うということの条件の中で、そういう意味で、休みの時間の、何というか、割合ですとか、自由度とか、そうしたことが基本的に今までより随分改善できるような対策は講じなければいけないし、この法改正でそうしたことは進めていきたい、こう考えております。
○高橋(千)委員 では、具体に聞いていきますが、労働時間の範囲の明確化や見直しが課題とされてきました。どのようなものがあり、法定されたものは何か。また、今回法定されない業務にはどんな業務があり、どう対応していくのか、伺います。
○大坪政府参考人 船員の働き方改革を進める観点から、労務管理の適正化を図ることと併せて、労働時間の範囲の明確化や見直しを行うことが重要であると認識しております。 まず、今般の法案では、労働時間の範囲の見直しとして、従来は船員法上、労働時間規制の例外とされていた防火操練、救命艇操練などの作業や、航海当直の通常の交代のために必要な作業、これらについて、労働時間に関する一日当たりの上限規制の対象に含めるという旨の改正内容を盛り込んでおります。 また、これらの労働時間の範囲の見直しに加え、従来、必ずしも労働時間に該当するか否かが明確でなかった各種の船内活動につきまして、使用者の指揮命令があったかどうか、また、業務性、職務性の観点から、業務、業務に関連する作業、個人的な活動などに分類して、労働時間への該当性を具体的に整理する内容のガイドラインを作成しまして、業界への周知を図っていく予定です。
○高橋(千)委員 まだ明確にできないところはガイドラインでという答弁だったと思います。 資料の6を見ていただきたいと思います。 この労働時間の範囲を、イメージを分けたものでありますが、左側が労働時間、右側が休息時間、真ん中ら辺が指揮命令下なのかどうかというグレーゾーンになると思うんですが、今お話しいただいた見直しをしたところは、左下にある船員法第六十八条第一項、安全、救助のため緊急を要する作業、防火操練等、航海当直の交代、これは引継ぎのことだと思うんですが、その三つのうち後ろ二つのことを言っているんですよね。 つまり、救助のためというのは、例えば海難事故があったりとかして緊急に救助に出なきゃいけない、こうしたときに、やはり労働時間とはちょっと言えないということがあって、ここは除いて残りの二つを入れたと。これは、ILO条約では、そういう救助に出たときは、その代わりにきちっとお休みを取りなさいということを書いていると思います。 それで、問題は、この真ん中の点線のところ、調理当番、清掃当番、会議、研修など、ここら辺が全く手つかずになったということなんです。 それで、少し更に伺いますけれども、例えば調理当番などは、大きな船には専任の調理師が乗船していますが、そうでない場合、船員が行っています。船員法第八十条には、「船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。」とあるんですね。なのに、当番でも労働時間に入れないのはおかしいんじゃないか。あるいは自炊の場合、一定の材料費を出しているところが多いと思いますが、場合によっては、専らインスタントラーメンという場合もあって、船員が陸上の労働者よりもメタボが多いという調査もそうしたところから来るんじゃないか、このように思うんですね。 なので、調理時間を労働時間と見る問題、これは早く解決するべきだと思いますが、いかがですか。
○大坪政府参考人 委員の御指摘のとおりですが、先ほど答弁いたしましたのは、この左下に書いてある二つなんですが、これらの防火操練それから通常の交代については、元々船員法上、明確に労働時間規制の例外とされていたというのを今回その上限規制の対象に加える、入れる、入れ直す、除外されていたものを入れるという大きな変更を行ったということです。 この資料の真ん中あたりにある、調理当番、清掃当番といったものについては、調理をするという作業について、自分のためにやっているのか、あるいは業務としてやっているのかというのは、そこに命令性があったのかとか、そういうことを考慮して考えなければいけないので、この真ん中にあるような一連の活動についてはもう少し検討を重ねて、こういう場合には労働時間としてカウントするといったガイダンスを作っていこうと。これは、完璧に白黒、今の段階でははっきりできないものなので、今後慎重に検討して、船員の労働環境をよくするために我々としては真摯に検討していきたいと考えています。
○高橋(千)委員 この除外をあれしたことがすごい大きな改正だとまで言われてしまうと、ちょっと困っちゃいますよね。 船員法第八十条をさっき読み上げましたよね。その原則からいっても、本来、勝手に自分で好きなものを食べて、好きな時間を過ごしているというわけではないのですから、そこは明確にすべきだと思います。 ちょっと時間の関係で、ここは指摘にとどめますけれども、資料の7ですね、独自に割り当てられた船内作業というのがあるんですが、これは、職長等による管理が困難と考えられる、つまり、独自でやっているものだからという資料なんです。 各自の判断で作業を実施が三二%、作業日誌への記録、一七%、こうしたものが指摘されているんですけれども、これだって、独自の判断であっても毎日のルーチンワークなわけですよね。だから、仕事に決まっているわけですよ。それが分からないからといって労働時間に入れないというのであれば、やはりそこも違うと。こうしたこともやはり結論をつけていくようにお願いをしたい、このように思います。 検査の方も質問したいものですから、ここは通告にします。 それで、資料8にあるように、船員法では、陸上であれば労働局と監督官に当たるのが、運輸局と運航労務監理官に当たると思います。今回、使用者が労務管理責任者を法定すると。それで、そのことでどのような効果があって、国の運航労務監理官の仕事がどう変わるんでしょうか。 簡潔に述べてもらいたいので、私もちょっと説明しますけれども、今は、船員法百六条、百七条によって、必要書類を出させたり、立入りとか船に直接乗り込んでの検査などもしていますよね。こういうことがどんなふうになっていくんでしょうか。
○大坪政府参考人 運航労務監理官の行う監査については、これまで、実際に船舶を訪問しなければ労働時間記録簿を確認できませんでしたが、今後の制度改正により、今後は陸上の事務所で確認することが可能になります。このため、陸上の事務所を訪問し、複数の船舶に乗船する船員の労務管理状況を一括して監査を行う、このように、効率的に監査を実施することが可能となります。 なお、船内の安全衛生状況を確認するために、運航労務監理官による訪船、実際に船を訪れる監査は引き続き実施することとなりますので、その際に乗組員へのヒアリングなどを通じて、陸上における労務監査結果の事実の確認などは行っていくこととしております。
○高橋(千)委員 正直、今まで話をしてきたように、船内の時間を正確には計れないわけですよ。それなのに、陸上で確認して、一括監査できるから効率的ですといって、実態が遠のいていったら駄目なわけですよね。なので、今、そうはいっても、現行法を変更しないし、必要に応じて船に乗り込んで調べることもするんだという答弁だったと思いますので、ここはしっかりとやっていただきたい、このように思います。 それで、資料の9は、船舶検査制度の概要です。ほぼ車検と似ていまして、五年に一度の定期検査、毎年の簡易な中間検査があります。船舶検査制度の五年ごとの定期検査においては、オーバーホールを行って検査をするものがあって、例示されているエンジンのほかにどんなものがあって、また、そういう検査を行ってきた理由をお聞かせください。
○大坪政府参考人 船舶に搭載される機器の中には、安全に航行するために重要な役割を担っている一方で、経年劣化などで性能が低下し、しかも、それが外観からは把握できないものが存在します。このような機器については、経年劣化の状態を、必要に応じて計測機器を使いつつ、人の視覚、それから聴覚で把握することが必要になりますので、五年に一度の定期検査において機器を分解し、その内部を確認しています。 この対象になるのは、例えば、常時稼働を続けているエンジンのほか、同じく航行中は常時稼働しているプロペラの軸、また、減速機と呼ばれるギアなど、これらは摩擦によって経年劣化が生じますので、定期検査において分解し、船舶検査官が直接状態を確認することとしております。
○高橋(千)委員 今、大事な検査であるということが確認できたと思うんですが、それが今度は遠隔操作ということで監視をすることに変わるわけです。最後の資料ですが、デジタル技術の活用により運航効率向上、船舶検査を簡素化とあります。エンジンであれば、これまで定期検査のたびに分解して目視で検査していたものが、センサーで二十四時間、遠隔監視することができるといいます。 この船舶検査の簡素化が、どこまで、どこまでというのは今例示をしていただきましたけれども、もっと全体に、船の検査そのもの全体を簡素化しようとしているのか、そのことを伺いたいのと、船舶検査官、現在、一人当たり何件の検査を担当していて、遠隔監視が可能になったとしても、やはり船舶検査官、人による検査の役割は重要だと思いますが、認識を伺います。
○大坪政府参考人 先ほど述べたように、現時点ではエンジンが対象となりますが、技術の発展につれて、デッキ上にあるクレーン等の荷役機械など、様々な機器についても遠隔監視は可能になると考えています。 今後の技術の発展の状況を踏まえつつ、安全性が十分に確保できるというのが大前提ですので、それを確認しつつ、新たな船舶検査制度の対象となる機器の拡大を検討してまいりたいと考えています。 それから、船舶検査官についてですが、一人当たり年間で約百三十件の検査を担当しています。 船舶検査官、定期的な検査で様々な確認を行います。先ほど言いましたように、エンジンを常時監視して、異常を検知したタイミングで整備を行うことによって安全を確保する新しい技術が開発をしているので、この技術に対応した検査の方法を導入したということです。この場合、船舶検査官は、定期的な検査はやるんですが、そのときに、エンジンの損傷の有無ではなくて、常時監視それから整備が適切に行われているということを事業者から提出されたデータにより確認することになります。 このように、安全確保のために、船舶検査官は引き続き重要な役割を担うと考えております。
○高橋(千)委員 大臣に最後に一言と思っておりましたが、終了の紙が来てしまいましたので。 やはり、効率化イコール安全性が損なわれるということがあってはならないということで、今、最後に、引き続き検査官の仕事は重要だというお答えがありましたので、そのことを指摘をして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○あかま委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上です。 それでは、海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきたいと思います。 大臣、副大臣に質疑もさせていただきたいと思いますので、海事局長、よろしくお願いいたします。 本法案は、我が国海事産業全体の強化を図るための法案ということでありますが、造船業については、我が国の様々な地域で経済や雇用を支える産業、基幹産業となっており、また、国の安全保障ですね、やはりこの日本の状況下では、国の安全保障を支える上でも非常に大事な産業であるというふうに思います。 先ほど来、各委員、先生方からもありましたように、この造船業が現在非常に厳しい現状にある、状況にあると言われています。国を挙げて自国造船業を支援する韓国また中国との熾烈な国際競争にさらされている中、またさらに、この今コロナウイルスの感染症の拡大の影響ということで、受注も減って、手持ちの工事量も激減しているというような状況があると承知をしております。 このような状況下で、日本の造船事業者も生き残りを図るべく、事業再編等の動きというのを進めています。私の地元の大阪に本社のあったサノヤス造船も、本年三月、同業の新来島どっくの子会社になったりというようなことも起きています。 そういう中で、我が国造船業の現状及び今後国際競争力を強化していくに当たってどのような課題があると認識されているのか、大坪局長にお聞きしたいと思います。
○大坪政府参考人 我が国造船業は、先ほど述べられましたように、裾野の広い産業で、地域の経済と雇用を支えておりまして、また、我が国の海上警備や防衛にとっても極めて重要な役割を果たしています。 我が国の世界の新造船建造量のシェアを見てみますと、二〇〇九年以降は一八%から二五%ぐらい、おおむね二〇%前後で推移しておりまして、世界では第三番目になりますが、一定の建造量は維持しておりまして、その品質や信頼性、省エネ性能は高く評価されているところです。 一方、中国、韓国の造船業は、政府支援を受けながら規模を拡大してきておりまして、供給能力を非常に増大させておりまして、船価も低水準が続いているために、我が国造船業は受注に苦戦しており、受注しても赤字のケースがあるということが実態になっています。 また、直近では、コロナウイルスの影響によって、受注のための商談がなかなかやりにくいといったこともありまして、通常二年分を有する手持ち工事量が約一年分になっているという状況にあります。 我が国造船業が世界屈指の競争力のある産業として成長していくために、今でも優れた部分というのはあるんですが、それを伸ばしていくためには、コスト競争力を強化し、さらに、一つ一つの事業所が生産性向上に取り組むだけではなくて、事業の再編、事業者連携による短納期、複数隻の発注に対応する能力の強化などの課題に取り組むことが必要です。 サノヤスと新来島どっくの件も、あれは、サノヤスの技術陣を有効に活用しようという新来島どっくの戦略があってのことと理解しております。 このように、限られたリソースを有効に使いながら、世界と闘っていくための支援をしていきたいと思っております。
○井上(英)委員 局長、どうもありがとうございます。 本当に、まあまあ、しっかりと答弁いただいたとは思うんです。ただ、中にもあったように、現在は三位だ、世界第三位になっている。我が国は、かつては世界の半数以上の船舶を造船するなど、世界第一位の造船国としての地位を築いてきた。その後、韓国及び中国の台頭によって、現在は、日本とそして韓国、中国で世界の約九割の船舶を造船しているという現状で、三つどもえの熾烈な国際競争というのを繰り広げているというふうに思います。 韓国及び中国の造船業が有する国際競争力の背景には、政府による自国造船業に対する大規模な公的支援、これも先ほどから度々出てきていますけれども、あると言われています。 韓国及び中国では、自国の造船業に対して政府からどのような公的支援が具体的に行われてきたのか、また、韓国及び中国に対して、我が国の造船業の強み、弱み、これはもう何度も答えていると思いますけれども、改めて、それぞれどのような点にあるのかお答えいただきたいと思います。
○大坪政府参考人 中韓における公的支援ですが、韓国の場合は、二〇一五年頃から、経営難に陥った特定の造船事業者に対して一兆円を超える巨額の公的資金が行われました。また、信用力の低い造船事業者に対して公的な保証を付与することによって、受注支援ということも行われています。 これらの支援措置は市場を歪曲しており、我が国造船業に著しい損害を及ぼしているということで、日本政府は韓国政府を相手に、世界貿易機関、WTOの紛争解決手続に基づく申立て、いわゆる提訴を行っています。 さらに、我が国は、OECDの造船部会において、公的支援措置の通報制度の強化や、これは公的支援に支えられていると疑わしい不公正な受注の洗い出しを図るというのが目的なんですが、価格動向のモニタリングを実施する、こういった対策を、OECDの場でその検討を主導しています。 中国については、大手国営造船事業者の会計報告に一部記載はあるのですが、その公的支援は、国の秘密が含まれる補助金は非開示であるとされており、どのような政府支援が行われているかというのはつまびらかにはなっておりません。 韓国、中国に対する我が国造船業の強みと弱みですが、我が国の場合は、部品のほぼ全てを国内で調達できる、日本の舶用メーカーが非常に競争力が高いということで、建造する船舶の品質や環境性能の点では優れているというところが強みであると考えています。 また一方で、一事業所当たりの規模が小さく、建造能力に限りがあるので、大規模な発注への対応において差が生じる面もありまして、また、価格面でも厳しい競争を強いられていると認識しております。
○井上(英)委員 局長、ありがとうございます。 今言われるように、公的支援、韓国の場合は一兆二千億でしたっけ、局長。一兆二千億というのがこの造船業においてのどれぐらいという議論になってくると微妙なものもあるんですけれども、ただ、他国の造船業というか業界を圧迫するようなことになると、やはり国際法上というか国際的には違反じゃないかということで、抗議もされている、WTOにも提訴もされているということであります。 ただ、でも、考えようによっては、韓国の業界からすれば、そこまで自国の国がバックアップしてくれるということは、業界としては非常に心強いんじゃないかなというふうには思うんですね。それが国際的に通用するかしないかというのは、もちろん一定の倫理観というのは大事かと思いますけれども、それぐらいのバックアップをしているという構図は、日本の造船業からすれば、日本の国がどれぐらいのことを我々の業界に対してバックアップしてくれるのかなという意味では、少し不満を感じておられるところもあるのかな。 倫理観をしっかりと持って、法を遵守して、条約を守るということはもちろん大事でありますけれども、そういった意味でのバックアップをしっかりとやはり日本もやっていくべきだと思います。 中国の場合は、今局長が答弁されたように、不透明なものもあるということであります。 そういった強み、弱みもそれぞれ今おっしゃっていただきましたけれども、これから、本法案により、造船業の生産性向上による事業基盤の強化というのを進めていくことは当然必要だと思いますが、技術力の観点で我が国が世界をリードしていくということも同時に必要ではないかと思います。先ほどでいう強みをどんどんアピールしていく。 水素やアンモニアを燃料とするゼロエミッション船や自動運航船などが次世代の船舶として注目され、我が国の事業者も含めて世界中で開発競争が行われているというふうに聞いています。 ゼロエミッション船においては、昨年の三月にロードマップを作成して、二〇二八年までに商業運航を目指すということになっていますけれども、我が国造船事業者がゼロエミッション船や自動運航船など次世代の船舶を世界に先駆けてやはりやっていくための開発、実用化のバックアップというのを国土交通省はしないと駄目だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大坪政府参考人 水素、アンモニアを燃料とするゼロエミッションについては、関係省庁との連携の下、グリーンイノベーション基金の活用を検討しつつ、世界に先駆けて二〇二八年までの商業運航を実現するために、エンジン、燃料タンクや燃料供給システムに係る技術開発、実証を支援してまいります。 また、我が国の技術優位性を発揮するために、IMO、国際海事機関における温室効果ガス排出削減ルールの策定を主導してまいります。 また、自動運航船、これは、陸上からの監視、操船や高度なAIにより船員の判断をサポートする自動運航船という意味ですが、これについては、二〇二五年までに実用化することを目指し、要素技術開発への支援や実船を用いた実証事業を行い、また、我が国の技術優位性が発揮できる環境整備に向けて、IMOの国際ルール作りを主導してまいります。
○井上(英)委員 ちょっと時間もなくなってきたので、副大臣にお伺いをしたいんですけれども、やはり、本法案、海事産業全体の基盤強化ということであって、我が国においてのこれまでの海運業とそれから造船業が互いに好循環を生み出しながら、やはりそれぞれの競争力を高めてきたというふうに思いますけれども、この海運業の競争力強化を造船業の競争力強化と相まって実現するために、今回の法改正による措置も含めて、国交省としての取組の方針について大西副大臣にお伺いしたいと思います。
○大西副大臣 四面を海に囲まれた我が国においては、貿易量の九九・六%を担う外航海運は、我が国経済や国民生活を支える基盤として極めて重要です。 外航海運業は世界単一市場において厳しい競争が行われており、今後も我が国の安定的な国際海上輸送の確保を図るためには、国際競争力の強化を図ることが必要です。 これまでも、我が国外航海運業の国際競争力の強化を図るため、トン数標準税制や特別償却制度等の活用を通じて、安定的な船舶投資の実現を図ってきたところです。 今回の法案では、海運事業者等が、生産性向上等に取り組む造船所において建造された高性能、高品質な船舶を導入する場合に、国土交通大臣が認定する仕組みを創設することとしております。この認定を受けた場合には、支援措置として、日本政策金融公庫を活用した長期低利融資や日本船籍船に関わる固定資産税の軽減措置の拡充等の措置を講じるところとしております。こうした取組等を通じ、我が国の海運事業者の国際競争力の更なる強化を図ってまいります。 本法案により、造船業の事業基盤強化とともに海運業の競争力強化を同時に推進することにより、双方の好循環を創出し、我が国の海上輸送を支える両産業の更なる成長、発展を実現してまいります。
○井上(英)委員 副大臣、ありがとうございます。是非よろしくお願いをしたいと思います。 時間がなくなったので、今、この業界の船員不足についても局長にお伺いしようかなと思っていましたけれども、継続的な人材の確保というのを、最善の努力というのをしていただきたいというふうに、環境整備をしていただけたらと、是非要望しておきたいと思います。 大臣、最後に、この法案を受けて、業界の発展のための決意を、意気込みをお聞かせいただけたらと思います。
○赤羽国務大臣 我が国にとっても、海運業ですとか造船業は優位性もあるし、大切だというのは改めて言うまでもないんですけれども、世界を見渡しても、海上輸送は貿易量の八割以上でありますし、こうしたワールドワイドなところを日本の技術とか日本のリードでルールを決めるということは、非常に我が国の国益にも資しますし、特に、CO2の排出量の削減等々の、省エネを誘導するということが、これは世界の益にもつながるというふうに、私はしっかり、そういうふうに考えていきたいと思っております。 先ほどもちょっと申し上げました、神戸の造船業というのは本当に衰退していたんですけれども、先日、丸亀の今治造船の現場に行って、まだこんなに日本の製造業でも頑張っている企業があるんだなと。すごくやはり誇りもありますし、瀬戸内地域では巨大な、若者の一番の憧れの職場でもあるし、誇りもある、技術力もある。 こうしたことに対して、やはり中国、韓国との競争ですから、私は、やはりフェアネスというか正義というのは大事なので、その正義にのっとった、ルールにのっとった場でしっかりと日本の企業が勝ち抜けるように、しっかりと応援というか支援もして推進もしていきたい、こう考えております。
○井上(英)委員 ありがとうございました。
○あかま委員長 次に、西岡秀子君。
○西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 早速、質問に入らせていただきます。 これまで議論もあっておりますように、造船業は、裾野が広く、地域の経済を支え、雇用の受皿となっており、我が国にとって、また地域にとって極めて重要な産業です。 今日お配りをしております資料にも、造船業の再編の現状という資料をお配りをいたしておりますけれども、私の地元長崎県も、これまで地域経済を先導してきました三菱重工が、中国、韓国勢の国策とも言える、市場をゆがめる公的支援を背景とした価格競争を強いられまして、LNG運搬船の受注がストップするなど大変厳しい状況となりまして、先般、歴史ある香焼工場を大島造船所に譲渡する契約を締結をいたしました。今後、その活用も大きな焦点となっております。 また、二月には佐世保重工業も、親会社である名村造船所が佐世保における新造船の一時休止を発表いたしまして、二百五十名の希望退職者を五月から募るなど、地域経済、雇用に大変深刻な不安が広がっております。地域の雇用維持への対応が極めて重要となると考えております。 今般の法改正によりまして、事業者が作成する事業基盤計画を国交大臣が認定する制度が創設をされまして、造船業、海運業一体となった基盤強化を図るための支援が行われることになります。造船業の企業内の分散した事業所一体となった事業展開や、得意分野を生かした企業間の連携、協業を行い、生産性向上が図られる場合に、資金面の支援とともに、特に税制上の支援、固定資産税の減免、法人税の優遇が極めて重要でありまして、税制措置に対する現場の要請の声を多く聞いております。 今回の法改正による支援体制について、お伺いをいたします。
○大坪政府参考人 本法案では、我が国の造船、海運分野の競争力強化を一体的に図るために、造船分野においては事業基盤強化計画の認定制度、海運分野においては特定船舶導入計画の認定制度を創設して、船舶の需要と供給の両面から必要な支援措置を講じてまいることとしています。 造船事業者に対する支援措置としては、財政投融資を原資とする日本政策金融公庫を通じたツーステップローンによって、複数拠点の一体的な運用による生産体制の見直しや、企業間連携により設計、営業、建造における協業体制を構築するに当たって必要となる資金に対して、長期低利融資を行うことが可能になります。また、事業基盤強化計画の認定を受けた事業者に対して、登録免許税の特例措置を設けることとしております。 また、海運事業者に対する支援措置としては、新造船発注を喚起するために、同じくツーステップローンによって、安全で低環境負荷で船員の省力化に資する高品質な船舶の導入を支援すること、事業基盤計画の認定を受けた造船所で建造された特定船舶に対しては、固定資産税の課税標準を三十六分の一に軽減する特例措置を設けることとしております。 このような支援措置を講じることによって、造船、海運一体となって、競争力強化を進めてまいります。
○西岡委員 特に税制措置については、しっかりお取組をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 今回の法改正は貴重な第一歩であると考えますけれども、この政策パッケージによりまして、船価競争、また撤退や一時帰休を余儀なくされている新造船事業の再開、進展へ向けまして、中国、韓国勢に対抗し得る、競争力強化に資する環境が整うことを想定をされておられるのでしょうか。 新造船における日本の占有率の低下については、安全保障上も極めて憂慮される事態だと考えております。船舶建造量の二〇二五年の目標も挙げられておりますけれども、このことに対する見解をお伺いをいたします。
○大坪政府参考人 我が国造船業は、建造する船舶の品質や環境性能の面では優れていますが、価格面では厳しい競争を強いられています。この中で、造船業発展のための方向性としては、まずはコスト競争力の強化、それから世界最先端の技術力の磨き上げであると考えています。 コスト面の競争力強化については、先ほど申しました支援措置の活用により、造船事業者の事業再編、生産性向上を強力に推進していきたいと考えています。 また、技術力の磨き上げについては、船舶の脱炭素化、自動運航船の実用化などに、重要な技術開発分野について支援をしていきます。また、これも重要なことですが、国際海事機関における環境や安全に係る国際基準の策定をリードして、優れた船舶は優れているということが定量的に、客観的に分かる、そういうような市場環境を整備していくということが重要でありまして、こういうことによって技術力の優位性を確保していきたいと考えています。 また、本法案の特徴として、造船に対する基盤強化ということと、それから、海運、造船と一体となって強くするために、海運業に対する支援措置というのを設けています。これは、日本の海運業が、新造船の発注意欲を喚起するということができるようになりますので、これによって新造船建造事業の活性化を図っていきたいと考えております。
○西岡委員 ありがとうございます。 次の質問に移ります。 また、今後、サプライヤーも含めた、地域一体となった造船事業のクラスターを形成していくことが大変重要だと考えております。西九州においても、三菱重工が大島造船所、名村造船所と連携をいたしまして、また、佐世保重工業は既に名村造船所の傘下となっており、一定の連携が進んできております。 我が国は、小規模な造船所が多い状況を踏まえれば、例えば、中小規模の造船所が大手造船所の設備を活用するなどの連携を強化していくことも活性策として有効であると考えております。そのような連携を強化していくためには、国の強力な支援が何より不可欠です。その支援体制についてお伺いをいたします。
○大坪政府参考人 委員の言うところの造船業対造船業の連携ということも、これは我々の事業基盤強化計画の中の対象になっておりますので、これを推進し、お互いの強みを生かしていくようにしたいと考えています。 また、造船の場合、船舶の建造の部品は九四%、国内のサプライヤー、舶用事業者から調達しておりますので、造船対造船の連携のみならず、造船業と舶用工業の間の連携を更に強化していくことも重要であると考えています。 特に、造船、舶用事業者間で工場の稼働状況や生産予定を共有し、効率的な受注、発注を実現する取組など、サプライチェーンを最適化するための実証事業にも併せて取り組んでいきます。
○西岡委員 まさに今御答弁いただいたサプライヤーも含めたクラスター形成というのが大変重要だと思いますので、今後ともしっかりこの法改正を踏まえて進めていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 造船所の設備や造船技術を新たな分野へどのように活用していくかということも大変重要な課題だと認識をいたしております。 例えば、欧州においては、新造船を休止した造船ドック等の設備を活用して、洋上風力発電設備の製造、組立てを行っております。長崎県におきましても、大島造船所に売却が決まった三菱重工の香焼工場を活用する構想への期待が高まっております。 このように、新規分野に活用する場合に今回の支援制度を利用することが可能であるのかどうか、このことについてお尋ねをいたします。
○赤羽国務大臣 欧米の例に漏れず我が国も、我が国の造船所は、広大な敷地、強い地盤、クレーンなどの大型建造設備を擁しているというところも多くて、近年の大型化する洋上風力発電設備を製造する環境として適していると思いますし、また、造船事業者の高い技術力、知見は、洋上風力発電に関する作業船の建造ですとか、また、浮体式の洋上風力の風車の開発等も可能だというふうに考えられておりますし、そう評価もされていると思います。 本法案の事業基盤強化計画の認定制度は、こうした洋上風力産業も含む新たな事業分野に取り組もうとする事業者も対象としておりますので、今回、本法案に盛り込まれた関連予算、税制の活用に加えて、グリーンイノベーション基金の活用の検討等々、洋上風力の新分野への進出をしっかりと後押ししてまいりたい、こう考えております。
○西岡委員 ありがとうございます。 新しい分野への、例えば洋上風力の取組についてはこの制度が活用できるということをお伺いをいたしました。洋上風力に限らず、また様々な新たな分野へ大変この造船技術が活用できる局面があるというふうに考えておりますので、今後、是非この活用面についてもしっかりお取組をいただくようにお願いをしたいと思います。 次の質問に移ります。 船舶、舶用工業メーカーが海運会社と連携をいたしまして、建造から補修も含めた船舶のライフサイクル全般をサポートしていくということも大変重要だと考えております。 長崎県におきましても、修繕事業の長崎県のアジアの拠点化というものを進めておりまして、ちょっと、クルーズ船がコロナ禍でこういう状況でございますので大変今先が見えない状況でございますけれども、県一体となってその修繕事業というものを、しっかり拠点化をしていこうということについても取組を進めております。 そういう意味での船舶のライフサイクル全般をサポートしていくという今後の取組について一点お伺いをすることと併せまして、日本の造船業の将来像というものを、この法案、新たな、大変大きな第一歩だと考えておりますけれども、大臣がどのように見据えておられるのかということをお伺いをしたいと思います。
○赤羽国務大臣 こうした、今コロナ禍という特殊な事情もありますが、なかなか新造船というのが伸び悩んでいる中で、修繕というのは必ず、必須でございます。今、舶用工業事業者や海運事業者と連携しながら、建造後のメンテナンスも含めた、船のライフサイクル全体を視野に入れたビジネスモデルに進出するということは大変重要というふうに考えております。 本法案におきましても、船舶のデータを活用した遠隔監視に対応した新しい船舶検査制度を創設して、造船事業者等による新たな事業展開を制度面からも後押しをしたいというふうに思っておりますし、また、事前にレーザースキャナーを用いて運航中の船舶内部の三次元設計図面を作成しまして、短期間で効率的な修繕工事を可能にする取組も期待されているところでありますし、これは我が国の得意な分野だと思いますので、しっかりとやっていきたいと思います。 造船業の中の極めて特筆すべきは、部品は全部、ほぼ国内で製造されておりますので、大変裾野の広い産業だと思っております。そうした技術も、汎用性だけじゃなくて、いろいろな新しい分野にも展開できますので、この業界をしっかり支えるということは日本の製造業全体の発展にも資するものだというふうに考えております。 先ほど申し上げましたように、海運業の重要性というのは改めて申し上げるまでもないことでありますので、しっかりと世界をリードできる、また公平公正な取引の中で、やはり日本はナンバーワンだと言っていただけるように、国交省もしっかりと省を挙げて取り組んでいきたい、後押しをしていきたい、こう決意をしておるところでございます。
○西岡委員 ありがとうございます。 今、力強い大臣からの御答弁がございました。今、新造船が大変厳しい中でございますので、官公庁船も含めた受注喚起策に是非お取組をいただきたいということと、新造船を休止している造船所についても、再度新造船を再開するときに備えまして、やはり技術をしっかり継承して守っていくということも大変重要だと思いますので、他者と協力連携をして新造船の一部というものを担うなどの形をしっかり取りながら、大変世界に誇る造船技術、新造船の技術を守っていくということもお取組をいただきたいということをお願いいたしまして、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○あかま委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○あかま委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○あかま委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○あかま委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平口洋君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。城井崇君。
○城井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。 海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。 一 造船業・海運業への支援の実施に当たっては、我が国においてこれらの産業が担っている役割を考慮し、事業基盤や競争力強化の実現に必要な支援を確実に実施するとともに、我が国造船業の競争力が十全に発揮されるよう、国際市場における公正・公平な競争環境の確保に努めること。 二 造船業の次世代を担う人材の確保・育成に向け、造船業の意義や就職先としての認知度を向上させるための情報発信の取組強化や、海洋教育及び大学等における産学連携の取組等に対する幅広い支援を今後とも進めること。 三 船員の働き方改革については、経済・社会情勢の変化に応じ適宜適切に制度見直しの検討を行い、施策の実効性が確保できるように努めること。特に、少子高齢化の下での船員の担い手確保の観点から、船員の厳しい労働環境の解消や多様な働き方の選択が可能となるような取組を進めるとともに、陸上の制度等も参考にし、船員の労働環境が陸上と比べ相対的に劣後することがないよう、必要な施策を講じること。 四 我が国の安定的な海上輸送を担う次世代船員の確保・育成に向け、船員や海運業の意義・認知度を向上させるための情報発信の強化を行うとともに、独立行政法人海技教育機構、商船系大学、商船高専、水産高校等、船員の養成・教育機関への幅広い支援を進めること。 五 内航海運業者が行う過労防止等の輸送の安全を確保するための措置が確実に実施されるよう、荷主等を含む関係者に必要な勧告・指導等を行う等、万全を期すこと。また、適正な運賃・用船料の確保に向けた内航海運業の取引環境改善を進めるとともに、内航海運業者に対しても経営の効率化や新技術活用等を促し、生産性向上の取組を促進すること。 六 内航海運暫定措置事業の終了に伴い、船舶の建造が容易となることによる船腹過剰の状態の発生等の事業環境の悪化を生じさせないよう細心の注意を払うとともに、脱炭素社会の実現に向け環境性能の高い船舶や新技術を導入した船舶の建造を一層推進すること。 七 カボタージュ規制については、国内海運産業の安定的な海上輸送体制の確保の観点から、今後ともこれを堅持すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○あかま委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○あかま委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣赤羽一嘉君。
○赤羽国務大臣 海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました各事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。 ―――――――――――――
○あかま委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○あかま委員長 次回は、来る二十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会