国土交通委員会 第9号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2021/04/02
会議録
○あかま委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市局長榊真一君、水管理・国土保全局長井上智夫君、気象庁長官長谷川直之君、総務省大臣官房審議官馬場竹次郎君及び林野庁森林整備部長小坂善太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○あかま委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。簗和生君。
○簗委員 自由民主党の簗和生でございます。 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 本法案は、関連する九の法律が改正の対象となっており、今後の治水対策を効果的に実施していく上で、事業予算の確保と並びまして、極めて重要な位置づけを有しているというふうに考えております。 この流域治水の取組については、これまでも、従前もこうした取組がありますので、まず、この法案の中身をただす前段として、幾つか確認をしていきたいと思います。 近年、甚大な水害や土砂災害をもたらした令和元年東日本台風や令和二年七月豪雨などにより被災した箇所については、原形復旧にとどまらない改良復旧の手法が導入され、再度災害を確実に防ぐべく、復旧事業が完了ないしは現在も鋭意この活動が進んでおります。これらの復旧事業において、流域治水の考え方はハード、ソフトの両面でどのように反映され、具現化されているのか、まずお伺いしたいと思います。
○岩井副大臣 簗委員にお答えをいたします。 近年、豪雨災害が激甚化、頻発化していることを踏まえますと、従来の治水対策を抜本的にしっかりと強化をしていかなければなりません。中長期的な視点に立って、先ほどお話にもありましたように、事前防災のための河川整備を加速するとともに、あらゆる関係者との協働により、ハード、ソフトを組み合わせた流域治水を推進する必要がございます。 令和元年東日本台風など、近年、甚大な被害を生じた那珂川など十水系においては、既に緊急治水対策プロジェクトを策定し、再度災害を防止するために必要なハード、ソフト対策を一体的に取り組んでおりまして、これは今般の流域治水の考え方を先駆的に取り入れたものだと認識をしております。 今後の気候変動による更なる降雨量の増大を踏まえますと、被害が生じた水系に限らず、全国においてこの流域治水の取組を本格的に推進をしていかなければなりません。 このため、去る三月三十日、全国百九の全ての一級水系において、本川、支川、上流、下流などの流域全体を俯瞰し、国、都道府県、市町村、企業など、あらゆる関係者が協働をして取り組むべき対策を、緊急治水対策プロジェクトを包含する形で流域治水プロジェクトとして策定、公表をさせていただきました。 さらに、流域治水関連法案において、あらゆる関係者が責任を持って治水対策を協議、実行する協議会制度や、雨水貯留対策の強化、そして、新たな土地利用規制などの措置をすることとしておりまして、こうした法的枠組みの活用によりまして、流域治水の一層の充実と効果的な推進を図ってまいりたいと考えております。 以上です。
○簗委員 副大臣、大変力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 続けて、赤羽大臣にお伺いさせていただきたいと思います。 令和三年度から、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策が、これまでの同三か年緊急対策に続いて実施をされるわけですけれども、治水関連の事業、とりわけこの流域治水の取組について、三か年緊急対策の実績をどのように評価されているのか、まずお伺いします。 また、五か年加速化対策においては、国土強靱化の取組を加速化、深化するとありますけれども、治水関連の事業、とりわけ流域治水の取組に関してどのように進めていくお考えなのか、大臣の御見解と意気込みをお伺いしたいと思います。
○赤羽国務大臣 まず、そもそも論からちょっと簡単に申し上げますと、二〇一六年の八月に台風十号が来て、岩手県の岩泉のグループホーム楽ん楽んというところで大変大きな被害を出した。これは物すごく大きな教訓でございまして、それを受けて、実は河川局で、全国の中小の河川二千二百、総点検をしよう、こうしておりました。ただ、残念ながら予算が十分ではなかったので、水位計を設置するとか、そうしたことにとどまっておりましたが、その中で、翌々年、西日本の豪雨災害等々がありましたので、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策で大変大きな予算がついたわけでございます。 このことで、我々の総点検だけではできなかった河道掘削とか、中小河川に対して大変様々なことをさせていただきながら、具体的に言いますと、平成十八年に大規模な浸水被害のあった鹿児島県の羽月川で、これは令和二年の七月豪雨では観測史上最大の降雨を記録しましたが、この三か年緊急対策の予算で河道掘削等が効果を発揮し、このときは家屋浸水を防止することができたということなど、全国の首長の皆様からも、大変、これまで手をつけられなかった中小河川における樹木の伐採ですとか、また、学校に行く通路の安全の確保とか、様々なことができるというふうに喜ばれたところでございます。 ただ、その後、もう御承知のように、令和元年の東日本台風ですとか、また昨年七月の豪雨災害等々で、気候変動の影響で水害の規模が以前より全然巨大化している、それもまた頻発化しているということで、抜本的な治水対策を見直さなければいけない、こういう認識に至ったわけでございます。 これまでは、河川管理者が、上流は例えば県が、そして下流は国がというようなことですとか、本川は国が、支川は県が、そういう管理が別々になっておりましたが、これも、本川、河川、また上流、下流、流域一体となって、国、県、また関係の市町村、そして地域の企業、また地域住民の皆さんが一同になって協議会を立ち上げて、そして計画的に、上流ではなるべくダムですとか遊水地を活用しながら大雨を下流に流さない、下流からは計画的に河道掘削ですとか樹木の伐採、堤防の強化、こうしたことをやっていく。 これは百九の一級河川、全ての一級水系で、今、流域治水プロジェクトを策定いたしましたので、これから、今回皆様方のお力で実現いたしました五年間で約十五兆円規模の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、これをしっかり活用させていただきながら、きめ細かい、そして安全、安心がもたらされる防災・減災が主流となる社会を目指していこう、しっかり取り組んでいきたい、こう決意をしているところでございます。
○簗委員 実績のあった三か年緊急対策を更に充実強化して五か年加速化対策に臨んでいただけるという大変心強い答弁をいただきました。誠にありがとうございました。 それでは、法案の中身について、ただしてまいりたいと思います。 まず、本法案では、流域水害対策に係るあらゆる主体が参画する協議会を創設し、協議結果を流域水害対策計画に反映させることにより、流域治水の計画と体制を強化することとしています。私の地元では、令和元年東日本台風を踏まえた那珂川緊急治水対策プロジェクトが令和二年に立ち上がり、災害復旧、再度災害防止等の観点から鋭意取組を進めていただいております。 まず、現在までの進捗状況について確認をさせていただきたいと思います。また、今後、この流域治水の考え方がより明確に導入されることによってどのような取組が期待をされるのか、お伺いをしたいと思います。
○井上政府参考人 お答えいたします。 那珂川流域におきましては、令和元年東日本台風と同規模の洪水でも再度災害を防ぐことを目標に、昨年一月、国、県、沿川の十二市町が連携して那珂川緊急治水対策プロジェクトを策定し、堤防整備、河道掘削、遊水地など、約六百六十五億円の治水事業などに取り組んでおります。 これまでに、決壊した堤防三か所の本復旧を完了させるとともに、現在、約二百六十万立方メートルの土砂掘削や約十三キロメートルの堤防整備、遊水地整備などの改良復旧に着手し、地元調整を図りながら、発災後五年以内のできるだけ早い早期の完成を目指し、推進しております。 また、那須烏山市では、浸水被害が発生した宮原地区、下境地区において、市が全世帯を対象にアンケートを実施するなど、家屋移転等の検討が進んでおり、国土交通省としても、移転対象の検討に必要な浸水範囲等の情報を提供するなど協力を行っております。 このように、緊急治水対策プロジェクトでは、流域対策等にも取り組むこととしておりますが、その実施地域は、被災地域の沿川自治体にとどまっております。今後進めていく流域治水の取組では、被災地域の沿川自治体に限らず、流域全体に対策の実施地域を拡大するとともに、中長期的な視点に立った事前防災を進めることとしています。 このため、流域治水プロジェクトを改めて作成し、例えば、緊急治水対策プロジェクトの完了以降も中長期的に実施する那珂川本川の河川整備や、上流、支川の茨城県、栃木県管理の二十三河川の整備、被災地域の沿川より更に上流域の那須塩原市や塩谷町などにおける雨水の貯留浸透対策や水田貯留等にも計画的に取り組んでまいります。 さらに、今回の流域治水関連法案により、ハザードマップ作成エリアの拡大を進めるとともに、地域の声をお聞きしながら、浸水リスクが高いエリアでの住宅等の安全性の確保や災害時の避難先となる拠点の整備の検討を進め、流域治水プロジェクトの更なる充実強化を図ってまいります。
○簗委員 大変充実した内容で、地元の住民も大変に期待をしているこうした取組でございますので、是非、遅滞なく、予算もしっかり確保の上、そして新たにこの法案を通して、より強化して取組を進めていただきたい、そのようにお願いをしたいと思います。 今ほど、沿川自治体に限らずという、そういった広域的な流域についてのお話が、あらゆる関係主体が参画するという点で、ございました。私、関心があるのが、このあらゆる主体という点に関しては、森林・林業関係者ですね、この皆様との連携をより効果的に行っていくべきではないかなという点でございます。 まず、国土交通省において、水災害をより効果的に防ぐ上で、流木の被害、こうしたものに対して、これを効果的に防いでいく上で、森林・林業関係者とどのように効果的に連携をしていくか、国土交通省に伺います。 そして、続けて、林野庁に対しても、森林・林業関係者がどのようにこの治水対策において連携をしているのか、その現状について、及びまた今後の取組について、林野庁に確認をしたいと思います。
○井上政府参考人 平成二十九年九州北部豪雨など近年の豪雨災害では、大量の流木が河川をせき止め、大規模な河川氾濫の一因になっていることから、上流域にある森林の整備や治山対策は治水上も大変重要と考えております。 具体的には、上流域において、流木の発生自体を抑制する森林整備や治山ダムの整備と、流木の河川への流出を抑制する砂防堰堤の整備などを一体的に推進することが有効と考えております。 このため、流域治水の推進に向けた関係省庁実務者会議にも林野庁にも御参画いただき、本省間の連携を強化するとともに、各水系に設けた流域治水協議会においても、林野部局にも参画いただくなど、現場レベルでの連携も図っているところです。 去る三月三十日には、全国百九の全ての一級水系で取りまとめた流域治水プロジェクトの全てにおいて森林整備、治山対策を位置づけ、本格的な実践のスタートラインに立ちました。引き続き、流域治水の旗振り役として、林野庁などとの関係機関とも連携し、対策の強化充実を図ってまいります。
○小坂政府参考人 お答えいたします。 議員御指摘のとおり、流域全体での治水対策を進めていく上で、森林の有する水源涵養機能や土砂流出抑制機能を適切に発揮させていくことが重要と考えております。このため、農林水産省におきましては、健全な森林の育成を図るため、森林組合等の林業関係者が行う間伐等の森林整備への支援であるとか、山腹崩壊を防止する治山対策を進めているところでございます。 これらの取組に当たりましては、先ほど答弁がございましたように、水系ごとに設置されている流域治水協議会に森林管理局や都道府県の林務担当を参画させていただきまして、上流における森林整備、治山対策と、下流における治水対策との連携を進めているところでございます。 具体的に、栃木県におきましては、那珂川流域であるとか利根川流域におきまして、河川上流域において、流木を抑制する治山ダムの集中的な配置、さらには、保水機能を維持するための保安林整備を重点的に推進する、そういう取組を今連携して進めているところでございます。 さらに、治水治山対策全般の効率的な実施のために、学識経験者による技術的な検討を行いまして、今後の治山対策の在り方としまして、近年の降雨形態を踏まえたきめ細かな治山施設の配備を行うなどの取りまとめをいただいているところでございます。 こうした検討結果も踏まえながら、国土強靱化五か年加速化対策の予算措置も活用しつつ、流域治水との連携を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○簗委員 是非、林野庁そして地方自治体の林務部局との連携を一層強化していただきたいと思います。 森林の保水機能の観点からいいますと、特に民有林においては、森林所有者が伐採後に確実に再造林を行うこと、これをやはり担保していくことが大変重要になるというふうに思います。 そうした観点から、林野庁、どのようにこの民有林に対して関与を強めていくのか、お伺いしたいと思います。
○小坂政府参考人 お答えいたします。 国土保全や水源涵養等の森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるためには、主伐後の造林を適切に、民有林において森林所有者等が行うわけですけれども、実施する必要があるというふうに考えております。 このため、森林法に基づきまして、森林所有者等に、伐採及び伐採後の造林の計画を市町村に届出をしていただく、そういう仕組みがございます。これによりまして、市町村は、届出に従った造林が行われるよう指導等を行っているところでございます。 また、やはりなかなか林業、採算が厳しい状況にありますので、森林所有者等に対して再造林に対する補助を行うとともに、近年取組を始めました、伐採に使用する機械を造林の作業で使用し効率性を高める、そういった伐採、造林の一貫作業の導入とか、先般、間伐等特別措置法を成立させていただきましたけれども、それで措置する成長の速い特定苗木を用いて下刈りの回数を減らす、そういった造林コストと労力の低減、そういった取組を進めております。また、採算性向上に向けては、木材需要の拡大、安定供給、そういったことにも力を入れているところでございます。 こういう取組によりまして、主伐後の造林が適切に行われるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○簗委員 ありがとうございます。 次の論点に移ります。 本法案では、河川管理者、電力会社等の利水者等で構成される法定協議会を創設し、利水ダムの事前放流の拡大を協議、推進するとしています。 ダムの放流をめぐっては、しばしば、異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流の実施が水害をもたらすケースがあるのではないかという見解が見られるように、事前の放流を実施し容量を確保することで、ダムの治水機能を最大限に生かすことの必要性が強調されてきたという経緯があります。 ただし、利水者にとっては水位が回復しないという懸念があり、また、事前放流のための放流設備が必要になるなど、予算と対策を要するケースもあります。したがって、利水者との事前調整を促進し、各種の対応を円滑にする上で、今般の法改正は極めて重要であるというふうに考えております。 そこで、現状、治水協定の締結はどの程度進んでおり、今般の法改正を通じて、今後、効果的な事前放流の実施を拡大させていく上で国土交通省としてどのように取組を進めていくのか、お伺いをいたします。
○井上政府参考人 事前放流につきましては、水系ごとに河川管理者と利水ダム管理者等との協議の場を設置し、治水協定に合意して実施しています。 令和三年四月一日時点で、一級水系では、ダムのある九十九水系全てで治水協定を締結し、昨年六月から事前放流の運用を開始しております。また、二級水系では、ダムのある三百五十五水系のうち、海に近い位置のダムのように、事前放流の効果が見込めないダムしかない水系を除き、約三百二十水系において治水協定の締結に合意し、今年の出水期までには順次運用を開始する予定です。 今後は、より効果的な事前放流を実施できるよう、事前放流のきっかけとなる気象予測の精度向上を図ることと併せ、法定協議会の場も活用し、利水ダムにおいて事前の放流量を多くするための放流管の増設などの施設改良、河川管理者と利水ダム管理者等が放流量について機動的に調整できる情報収集システムの整備に取り組んでまいります。 さらに、事前放流で確保した容量を活用して下流の水位を最も低下させることができるようダムの操作方法を見直すことなどについても、法定協議会において関係利水者と調整しつつ、検討してまいります。
○簗委員 ありがとうございます。 次の論点ですけれども、本法案では、防災集団移転促進事業の対象となるエリア要件を、災害が発生した地域等から、災害の発生が予想される各種区域に拡充する等により、危険なエリアから安全なエリアへの移転を促進するということとしています。 先般の答弁で触れていただいたとおり、地元でも、那須烏山市の下境という地区が、令和元年東日本台風の影響により住家や農地が広範な浸水被害を受けまして、現在、集団移転に向けて地元の合意形成等を行っている段階にあります。那須烏山市が常陸河川国道事務所のアドバイスをもらいながら、住民説明会の開催等に懸命に今取り組んでいるところです。 今般の法改正により、災害が実際には発生していないが、危険度が高いため、事前防災の観点から防災集団移転促進事業の実施を促していくなど、防災集団移転促進事業の対象となるエリアが増えていくわけですけれども、今後、円滑にこの集団移転を実現していく上でどのような点が重要になると考えているのか、これまでの防災集団移転事業の実績も踏まえて、国土交通省の見解を伺いたいと思います。
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。 防災集団移転促進事業につきましては、昭和四十七年の制度の創設以来、六十二の市町村におきまして、約三万九千戸の住宅の移転に活用されてきました。 実際にこの事業に取り組んできた地域からは、住み慣れた土地を離れたくないという住民の方も多く合意形成が難しかったとのお話や、防災集団移転に関する経験やノウハウに乏しい市町村にとっては計画の策定から事業実施まで非常に負担が大きかったといったお話をいただいております。 このため、国土交通省におきましては、市町村の負担の軽減を図りつつ、危険なエリアからの移転が少しでも進みますよう、令和二年度からは、移転する住宅の戸数要件を十戸以上から五戸以上に緩和いたしますとともに、住民の意向把握や説明会の開催などに要する費用につきましても、新たに補助対象に追加いたしたところでございます。 さらに、流域治水関連法案におきまして防災集団移転促進法を改正し、土砂災害特別警戒区域など、災害を特に警戒すべき区域においては、市町村が改めて災害危険区域を指定しなくても事業を実施することができるよう対象区域の拡大を行いますとともに、市町村から申出等があった場合には、都道府県や都市再生機構が計画の策定や事業の実施ができるようにすることとしております。 国土交通省といたしましては、地域の御意向をお伺いしながら、必要な場合には国の職員も派遣するなど、地域の取組をしっかりと支援してまいりたいと考えております。
○簗委員 是非、各自治体への支援をより強化していただきたいというふうに思っています。 続けて、この地方自治体への支援という観点から、次の論点に移りますけれども、本法案では、地方自治体がよりその対策の主体となり、取組を強化していくことを求めるものが幾つかあるというふうに思っています。これら防災・減災の取組を徹底させる上で、より住民本位の細やかな対応をしていくという意味では大変望ましいことですけれども、他方で、地方自治体の負担が増える、あるいは専門性が求められる、また財源が必要になる等の点で、円滑な進捗を期待する上では国が様々な支援を行うことも重要になるというふうに思います。 法案では、ハザードマップの作成エリアを現行の大河川等から中小河川等まで拡大し、リスク情報空白域を解消するとしており、この浸水想定区域を設定する河川を、現在の約二千から二〇二五年には約一万七千にまで増やすという目標を掲げていると承知しています。浸水想定区域の設定を都道府県が行い、ハザードマップの作成を市町村が担うわけですけれども、国が技術的及び財政的支援を充実させ、サポートしていくことがより不可欠になると考えています。 また、本法案では、要配慮者利用施設における避難の実効性の確保のために、当該施設に係る避難計画、訓練に対し、市町村が助言、勧告できるようにすることとしていますが、市町村が様々な災害リスクを遺漏なく把握し適切な助言を行うためには相応の技術的知見等が求められることになり、また、避難等の実効性を確保する上では施設の改修等のハード面での対応が必要になる場合も想定され、国土交通省と厚生労働省が連携をして国としての支援を強化していくことが欠かせないというふうに考えております。 以上の点に鑑み、住民本位の、より徹底した対策の実施を拡大させていく上での国土交通省の取組についてお伺いをいたします。
○井上政府参考人 流域治水においては、住民の皆様に円滑かつ迅速に避難していただけるようにすることも重要です。 このため、本法案では、水害リスク情報の空白域が多く残されている中小河川でハザードマップの作成を義務づけ、また、避難計画における避難先や支援要員の定めが不十分な要配慮者利用施設に対して市区町村から助言、勧告を行う仕組みを創設することとしております。これらを確実に実行するには、実施主体となる地方自治体の負担がネックとならないよう、技術と財政の両面から支援を行っていく必要があります。 まず、ハザードマップの作成については、浸水範囲の簡便な設定手法や必要な地形データの提供、設定した浸水想定範囲に避難所等の位置情報を電子地図上で重ねるツールの提供など、ハザードマップの作成を技術面から支援するとともに、防災・安全交付金でこれらを財政面から支援することとしています。 また、要配慮者利用施設における避難の実効性の確保については厚生労働省とも連携して対応しており、国土交通省として、市区町村が施設の避難計画に対して助言等を行う際に参考となるチェックリストを作成し、研修会を行うなど、技術面で支援するとともに、また、厚生労働省においては、高齢者施設等に対して、円滑な垂直避難に必要なエレベーター等の設備の設置について、財政面で支援することとしております。これらにより、避難対策の強化に取り組む地方自治体を支援してまいります。
○簗委員 是非、地方自治体への万全なサポートをお願いしたいと強く求めたいと思います。 続きまして、流域治水対策を進める上では、河川の適切な維持管理が不可欠であるというふうに思います。 令和元年東日本台風などの河川の氾濫による大規模な災害の発生に伴う膨大な復旧費用を考慮した際に、河川等の土砂の撤去等の維持管理を確実に実施し、災害を未然に防ぐことの重要性が改めて認識をされ、緊急浚渫推進事業が令和二年度から創設されています。 地方自治体が単独事業として実施する河川等のしゅんせつの経費について、充当率一〇〇%の起債を可能とし、その元利償還金に対し七〇%が交付税措置されるという、地方自治体が治水対策を推進する上で大変条件のよい事業であると言えます。そこで、本事業の初年度の活用実績と、それに対する評価についてお伺いしたいと思います。 また、被災箇所の復旧ではなく、事前防災という観点からの活用が拡大していくことが重要であると考えますが、今後、事前防災での活用を地方自治体に促していく上で総務省及び国土交通省はどのように連携して取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○馬場政府参考人 お答え申し上げます。 昨今の相次ぐ河川氾濫や水害などを踏まえ、地方財政法を改正し、令和二年度に緊急浚渫推進事業債を創設をいたしました。 この緊急浚渫推進事業債につきましては、令和二年度における同意等の額は約六百七十億円となっております。事業を行った地方団体からは、昨年の七月豪雨時に洪水氾濫や道路冠水等が発生をせず、大きな防災効果があったとの報告を受けております。 総務省といたしましては、こうした先行団体の優良事例なども紹介しつつ、国土交通省とも連携を図りながら、しゅんせつ事業の推進を一層促してまいります。
○井上政府参考人 近年、自治体管理の中小河川においては、維持管理に係る予算措置が十分でなく、これまで堆積土砂の撤去や樹木伐採がなかなか進まないことにより、浸水被害の発生が懸念されています。このため、河川の流下能力を高める即効性のある対策として、全国の中小河川において、緊急浚渫推進事業を積極的に活用した堆積土砂の撤去等を進めることが重要と認識しています。 国土交通省では、この制度の活用に当たり、中小河川を管理する自治体に対し、しゅんせつ事業の積極的な実施を促してきました。この結果、これまでに、一級河川、二級河川を管理する四十四道府県、十四政令市から、五年間で集中的にしゅんせつを推進するための事業計画が提出されておりますが、更に次年度以降、残る二県、六政令市についても事業計画の提出が予定されているとともに、既に計画を提出した道府県、政令市の多くが計画の更なる増額を予定していると聞いております。 今後、事前防災の観点から、本緊急浚渫推進事業が更に積極的に活用されるよう、総務省とも連携し、自治体に対し、令和二年度の活用事例を基に、事業効果を分かりやすく周知してまいります。
○簗委員 是非、今答弁いただいたように、地方自治体への周知、これをより強化していただきたいと思います。地方自治体負担三割でできるという大変有利な条件で使える事業ですので、まず周知をしていただいて、そして、復旧の箇所だけではなくて、本来は事前に防災するという観点からいえば、よく住民から、河床が今上がっている場所があるんだけれどもという相談を多く私も受けますけれども、そういったところに早めに対処をする、このための事業であると思いますので、そういう観点から、周知そして連携をお願いしたいというふうに思います。 最後の質問に移りたいと思います。人員体制の強化でございます。これは是非大臣に御答弁をいただきたいと思っています。 自然災害が頻発化、激甚化している中、災害からの復旧や、防災・減災、国土強靱化を進める、災害の未然防止を図る上では、現場の体制の拡充強化が不可欠であります。とりわけ、流域治水対策ということであれば、流域における、より広範囲の連携が必要になるとともに、職員一人当たりが対応する流域面積等も増えることが想定をされます。 さらに、法案では、被災地の早期復旧のための国による権限代行の対象が市町村管理河川に拡大をされ、対象事業も、災害で堆積した土砂や流木等の撤去が追加されることになるため、TEC―FORCEの派遣が増加することも含め、現場の業務は増大することになります。まさに、本法案により今後流域治水対策を本格的に進めるに当たっては、各地方整備局、河川事務所、出張所が、よりその実務の中核を担っていくことになるわけでありまして、地方整備局、開発局の定員を大幅に増員することは必須と考えております。 そこで、令和三年度の定員の状況についてお伺いをいたします。 また、とりわけ、出水時に二十四時間体制で河川等や管理施設の状況を監視し、関係主体への連絡や対応の調整等を担う出張所については、年々人員の減少を強いられ、一人体制の事務所も存在するなど、約三割が二人以下となっており、職員一人一人の負担が増大をしている現状があります。 私の地元、那須烏山市にある常陸河川国道事務所那珂川上流出張所については、出張所の所長、管理第一係長、管理第二係長の三名の体制ですけれども、平成二十九年度から管理第一係長が欠員となっております。また、官舎も近傍にはなくて、一時間程度の自動車通勤を強いられているという状況です。現状のままでは災害時の対応に支障を来すおそれがあるのではないかという危惧を私は抱いております。 そこで、質問ですけれども、災害発生時に国民の命を守るために高い使命感を持って現場で奮闘していただいている職員に応えるべく、体制の拡充強化が急務であると考えますが、国土強靱化の取組を加速化、深化させ、流域治水対策を進めていく上での赤羽大臣の御見解と意気込みをお伺いしたいと思います。
○赤羽国務大臣 真心からの御質問をいただきまして、まず心から感謝を申し上げたいと思います。 この一連の行政改革でずっと減員してまいりまして、実は、国土交通省発足時、平成十三年、今から二十年前でありますが、そこから令和元年度まで、約七千名減少となりました。これは二三%の減少であります。 令和元年、一昨年の十月に、東日本台風ですとか房総半島台風と相次いだ台風があり、東日本台風では、先生御地元の那珂川、また、すぐそばの久慈川も切れ、一級水系七河川で、また、全国百四十二か所の堤防が決壊してしまいました。 ですから、現場はもう本当にぎりぎりのところで回していまして、あのような、同時に一級河川が決壊するようなことになると、那珂川でも、実は緊急の情報の発出、大変失態を犯したということもございますし、これが致命傷にならないように是非増員をお願いしたいと。これは当時、全国の被災自治体の首長さんも本当に大変応援していただきまして、令和二年度には初めて五十七人の純増があり、そして、令和三年度は百三十四名の純増をいただいたところでございます。 こうした中で、しっかりとした組織体制、効率的な配置をしながら、また、地元の被災自治体の皆さんとも常日頃から対話を重ねて、より安全で安心な国土づくり、防災・減災が主流となる社会をしっかりとつくれるように、しっかり体制を整え、頑張ってまいりたい、こう思っておりますので、また今後とも引き続き御指導、御支援をよろしくお願いいたします。
○簗委員 大臣から、大変現場に目を向けた、配慮をしていただいた、力強い、心強い御答弁をいただけたものと思っております。 この流域治水対策、これを進める上では現場の職員の充実、これが欠かせないものであると思っていますので、引き続きの御尽力を心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○あかま委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘でございます。 本日も本当に貴重な質疑の機会をいただきましたこと、委員長、それから理事各位、また委員の皆様に心から感謝を申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。 昨日の参考人質疑でも私は申し上げたところでございますけれども、私が居住をしている福岡県の久留米市という町は、三年連続で水害が起きているというところでございます。 そういった町でございますので、水害に関する市民の関心というのは極めて高い状況にあります。私もそのうちの一人でございますけれども、その水害というものについて関心が高い住民の方が、じゃ、まず、何をもって自分の住んでいる、暮らしているその地域の水害状況というものを把握するのかと考えますれば、それはやはりハザードマップの存在であろうというふうに思っております。 ただ、一言にハザードマップと申し上げましても、様々な種類のハザードマップがあって、国民は、どのハザードマップを見たら自分の地域のことがよりよく分かるのかという意味では、結構迷っておられるのではないのかなというような気もいたします。 例えば氾濫ハザードマップ、これは河川が氾濫を起こすというようなことでございまして、これはもう決してあってはならないことでありますが、その際に起きる被害というのも、これは尋常じゃないということがハザードマップ上でも示されております。それを見ると本当に末恐ろしくなるのですけれども、恐らく、相対的に確率はそんなに高くはないのではないのかなという気がします。 実際に、久留米市で起きている洪水についても、筑後川という、本当に暴れ川と呼ばれる川なんですけれども、その川が別に氾濫を起こしたわけではございません。そういった意味では、このハザードマップの在り方についても少し工夫が要るのではないのか。また、先日の秋田参考人の御意見にもそのような趣旨のお話があったかと思います。 そこで、迅速、円滑な避難のため、想定最大規模の洪水に対応したハザードマップ、これは極めて重要だと私も思っておりますが、実際は、内水ハザードマップや、住民が身近に感じる発生頻度の高い水害リスクの情報についても、これはしっかりと発信をしていくべきと私は考えておりますけれども、国交省の御認識をお聞かせいただければと思います。
○井上政府参考人 現行の水防法では、住民等の迅速かつ円滑な避難を確保するため、大規模な河川等を対象に、想定最大規模の降雨によるハザードマップを作成、公表するものとされています。 一方、中小河川や下水道の多くはハザードマップの作成が義務づけられておらず、避難の前提となる水害リスク情報が示されていない場所も多く存在することから、本法案により、近隣に家屋等がある全ての中小河川や下水道にもハザードマップの作成を義務づけ、水害リスク情報の空白域解消を進めてまいります。 ただ、議員御指摘のとおり、想定最大規模の降雨によるハザードマップの整備が進んだとしても、これだけでは土地ごとの浸水の頻度が明らかとならないため、まちづくりや住まい方の工夫を進める際に、土地ごとのリスクの程度に応じた判断をすることが困難となっております。 また、ハザードマップでは治水施設等の整備によって水害リスクがどう低減するかが分からないため、将来の宅地開発や企業の立地選択に使いにくいといった課題もあります。 このため、今後は、想定最大規模降雨のみならず、中高頻度の降雨、例えば十年や三十年に一度程度発生する降雨を想定した場合の水害リスク情報や、治水施設等の整備の進捗に応じて、浸水範囲や浸水深、浸水頻度がどのように変化するかを示した水害リスク情報を新たに作成し、流域の全ての自治体が参画する流域治水協議体等を通じて、まちづくり等における活用を促してまいります。
○吉田(宣)委員 国民の皆様から見て分かりやすい取組、これを是非進めていただければと思います。 今の御答弁にもございましたけれども、やはり、降雨データというものは、私は、様々な対策を取る上で、その一番発端となる、源になるものであろうと思っております。先日の参考人質疑でもこのことを私申し上げましたけれども、この源になるデータというのはどこから導き出されているかと申しますれば、皆様御承知のとおり、これは気象庁のデータ、予測、そういったものから導き出されているというふうに思っております。としますれば、この対策を、精度を高めて実施するためには、極めて気象観測情報、予測について、より充実した取組というものが進められていかなければならないと私は認識をしております。 そこで、現状の取組と今後の取組について、気象庁からその取組状況をお伺いしたいと思います。
○長谷川政府参考人 お答えいたします。 気象庁では、台風や集中豪雨による気象災害の防止、軽減のため、最新の気象レーダーの導入、気象衛星「ひまわり」による気象の監視の強化、スーパーコンピューターを用いた気象予測技術の開発などにより、防災気象情報の高度化に努めております。 特に、近年甚大な被害をもたらした線状降水帯の予測精度向上は喫緊の課題と認識しております。その予測精度を向上させるためには、線状降水帯の発生と関連の深い水蒸気の正確な把握と、スーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化が必要です。 このため、海上保安庁と連携した洋上観測の強化など、水蒸気の正確な把握のための取組を進めるとともに、大学、研究機関とも連携して予測技術の高度化を進め、線状降水帯の予測精度向上に努めているところでございます。 今後とも、引き続き、最新の科学技術の導入や関係機関との連携により、台風や集中豪雨を始めとする気象の観測、予測を充実させ、防災気象情報の不断の改善に努めてまいります。
○吉田(宣)委員 気象庁の皆様には、大変、本当に御負担、御努力をおかけすることと思いますが、国民の命を守るためでございます、是非取組をよろしくお願いいたしたいと思います。 さて、今気象庁の御答弁にもありましたけれども、これは源であって、それからそのデータに基づいて様々な対策を取る。ただ、これまでは、古き時代は、恐らく河川の管理においても、一級河川、国が管理をする河川、支川においては、県の管理河川、また市の管理河川、そういったものもあって、それが、国と県と市で独立別個にばらばらに対策が取られてきたのかなというふうに思います。 今般、それが一体となって取り組むという、本当に国民が多く期待をしている法案の審議になっておるところでございますけれども、質問をさせていただきたいことは、洪水の予測については、精度の向上や、長時間、長い時間の先までの予測の提供、さらには、大河川でなく支流等の中小河川を含めた水系一貫の予測、こういった流域治水の考え方にのっとって、流域が一体となって予測の高度化に取り組むべきと私は考えておりますし、そのように取り組んでいただけるものと承知をしておりますが、私が申し上げたいのは、これらの対応のために、様々な優れた民間技術、こういったものも活用していくべきであろうというふうに思いますけれども、国土交通省の受け止めを教えていただければと思います。
○井上政府参考人 国等が発表する洪水予報は、水防法に基づき、洪水予報河川を対象に発表しており、自治体等の災害対応や住民等による避難行動の際の重要な情報となっております。 これまでの洪水予報では、気象庁の予測降雨データ等を活用し、三時間先までの予測水位を提供してきましたが、より早い段階から災害対応や避難行動を取ることができるよう、今年、令和三年出水期から、最新技術を活用し、全ての国管理の洪水予報河川において、六時間先までの予測水位を提供することとしております。 さらに、同じ水系の中で、国管理や都道府県管理の河川を別々に予測するのではなく、本川、支川を通じた水系全体の一体的な洪水予測を行うことで、例えば、国管理の本川では、都道府県管理の支川の水位データも活用できることとなり、予測精度を向上させ、より長時間先までの予測水位の提供が可能となること、また、都道府県管理の支川では、本川との合流部で発生するバックウォーター現象による水位上昇などもより正確に計算することが可能になることなど、双方にメリットがあり、水系一貫の洪水予測の早期実用化を目指して、計算手法の検討などを進めているところでございます。 以上のような予測の高度化に当たっては、国自らによる技術開発はもちろんのこと、優れた民間技術についても積極的に活用し、自治体の災害対応や住民等の避難に役立つ情報の更なる充実に努めてまいります。
○吉田(宣)委員 民間技術の中には、三次元空間で、その空間を再現して、これまでどんな雨が降ったか、それがどのように浸水してきたかというのをリアルに再現する技術もありますし、そういった技術というものは、恐らくいろいろなデータを、降り方も、様々なデータをそのシステムに入れて、いろいろなシミュレーションができる、そういった技術も民間には存在をしておりますので、是非とも積極的な民間との連携をお願いしたいと思います。 次に、まちづくりの観点から少し御質問申し上げたいと思います。 これから様々なまちづくりというものも、各所、これからも未来に向かって進んでいくであろうというふうに存じます。ただ、この流域治水関連法案の思想、そういったものをやはり踏まえたまちづくり、これが求められているのであろうというふうに思います。 そこで、災害が起こっても被害を軽減するという取組、これは非常に重要であろうと思っております。この観点から、まちづくり分野における安全対策、避難対策の強化、これも求められていると存じますが、国土交通省のお取組を教えていただければと思います。
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。 我が国においては、多くの都市が河川沿いに発展してきた経緯から、浸水等の災害リスクを抱える市街地に人口が集中する傾向にあります。近年の頻発化、激甚化する自然災害を踏まえますと、安全なまちづくりを進めることが重要な課題となっております。 このため、浸水等の災害リスクを抱える地域では、災害ハザードエリアにおける開発の抑制や住宅などの移転の促進を図りますとともに、居住エリアの安全性強化のための取組が必要であり、昨年の都市再生特別措置法の改正で、居住誘導区域において防災・減災対策を定める防災指針制度を創設したところであります。 防災指針には、浸水や土砂災害など様々な災害を想定し、避難地、避難路の整備や宅地のかさ上げ、警戒避難体制の充実など、必要な対策を盛り込むこととされております。 国土交通省におきましては、市町村による防災指針の作成や防災指針に基づく取組を推進するため、令和二年度以降、財政上の措置を拡充し、重点的な支援を行っております。 これに加えまして、ノウハウ面の支援として、全国十七の市町村を先行モデル都市として選定し、ほかの自治体の模範や参考となりますよう、取組状況の横展開を行っております。また、省庁横断的な防災タスクフォースを設置し、自治体からの相談にワンストップで対応するなど、自治体のサポートに努めているところです。 国土交通省といたしましては、引き続き、防災指針に基づく防災・減災対策など、安全なまちづくりの推進に全力を尽くしてまいります。
○吉田(宣)委員 御答弁ありがとうございます。 実際にこれを具現化するその主体、また一番身近な主体というのは、これはやはり市町村ということになろうかと思いますので、その連携をしっかり密に取っていただければと思います。 次に、今回の改正法案の中で、災害のときの避難先となる拠点施設、この整備について盛り込まれているかと存じます。 私も久留米で様々な経験をいたしましたけれども、やはり、災害が起きたときに避難先が満杯になったりというふうなことも実際にあって、遠くの避難所に行ってくださいというふうなこともあったのも事実です。したがって、そういったところについては、地域の多様なニーズにきめ細かにやはり対応をしていただきたいと存じますけれども、国土交通省の御見解をお示しいただければと思います。
○榊政府参考人 お答え申し上げます。 災害時の避難先となる施設は、地域の方々の命と暮らしを守る極めて重要な施設であります。このため、施設の整備に当たりましては、住民の皆様や専門家など幅広い方々の御意見を伺いながら、施設の配置、規模、機能などを定めていくことが重要であると考えております。また、施設を新たに整備するだけでなく、地域の集会所など、既存の施設を改修し、活用することも考えられます。 本法案におきましては、災害時の避難路や避難場所、避難者の診療の場となる医療施設、生活関連物資を供給する店舗などが一体となった避難拠点を一団地の都市安全確保拠点施設として都市計画に位置づけ、その計画的な整備を図ることとしております。また、地域の取組を進めるため、避難拠点の整備に対する財政支援措置も用意させていただいております。 制度の運用に当たりましては、既存施設の活用も含め、地域の実情に即した多様なニーズにきめ細かく対応し、防災まちづくりに向けた取組を支援してまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 御答弁ありがとうございます。 続きまして、先ほども繰り返し申し上げておりますが、私のふるさとである福岡県久留米市というのは三年連続という水害に遭っていまして、住民の方も、もう耐え切れない、もうここには住めない、ここで商売することはもうできないというようなお声も聞いておりますし、実際に御商売をやめて引っ越した人、また、商売だけでなく、もうそこに住むのをやめて引っ越した方も直接私は存じ上げております。 そういった中で、やはり自分が住み慣れたふるさとで住み続けたいという方のお気持ちも、私は本当に痛いほど分かります。水害に三年連続で遭ったとしても、やはり住み続けたいというのは、私は住民感情ではないのかなと思います。 そこで期待をされておりますのが、筑後川の支流における、少しローカルな河川の名前になりますが、金丸・池町川というふうなものに関する対策、それから下弓削川という川に対する対策が現在進められているというふうに存じておりますけれども、この河川改修や下水道整備の進捗状況について教えていただければと思います。
○井上政府参考人 筑後川の支川である金丸・池町川や下弓削川の周辺では、委員御指摘のとおり、近年、毎年のように浸水被害が頻発しております。これは、市街地に降った雨を排水する下水道や、集まった水を本川まで流す支川、さらには支川から本川に排水するポンプ施設、それぞれの処理能力が不足しているために生じたものです。 このため、平成三十年七月豪雨と同規模の降雨による床上浸水被害の軽減を目指し、本川、支川の河川管理者と下水道管理者である地元自治体が計画段階から連携して効果的な対策を実施することができるよう、令和二年三月、総合内水対策計画を策定し、筑後川本川を管理する国がポンプ施設を増強し、金丸・池町川、下弓削川を管理する福岡県が各支川を改修し、地元久留米市が支川周辺の下水道を整備するなど、それぞれ適切な役割分担の下で対策を進めることとしたところです。 本事業は、現在、令和七年度の完了を目指して進めてまいりますが、一日でも早く効果を発揮できるよう、一部を先行して供用させるなどの工程調整についても県や久留米市と行ってまいる所存です。
○吉田(宣)委員 この事業に関する地域住民の期待は物すごく高いですので、どうかよろしくお願いいたします。 次に、私も三年連続でそういった水害に遭っている地域に住みながら、夜に雨が物すごく降るんですね、これが。そうすると、議員としての本能で、現場に急行したいという思いが強くある一方、真っ暗で何も見えませんから、行ったところで余り確認もできない。また、行って、もし災害に巻き込まれて自分が命を失うということになれば、これは、私自身にとってみれば自業自得なことでございますが、周りの方にとっては大変迷惑なことになってしまうという意味では、私がそういった大雨のときどういうふうなことをしていたかというと、パソコンの前にずっと座って、一睡もせず、パソコンの監視カメラ、そういったものをずっと見るということをしておりました。 各所、これまで取組が進んでおりまして、国交省にも監視カメラの設置がしっかりされておりますし、これは県管理河川においてもされておりますし、市の河川についてもされております。数はそれぞれでございますけれども、その監視カメラをずっとパソコンの前でかじりついて見るというようなことを私はしておりましたが、これが恐らく、そういった監視カメラの映像というのは、多くの国民の方が意識が高いんだと思うんですね、幾らクリックしても画面が固まってアクセスできないというような経験を何時間にもわたってしたりもいたしました。 そういった意味では、せっかくこういった、市民の皆様に、国民の皆様に情報を提供しようという取組をしていただいているんですけれども、アクセスできなければ、これは本当に意味がないということになってまいります。 そういった意味におきましては、大雨のときに住民の皆様がしっかり判断をするための水位の状況やカメラの設置、これは今申し上げたように非常に有効なんですけれども、アクセスの集中などの問題が発生している。河川情報を住民の方に確実に発信する国土交通省のお取組を是非お聞かせいただければと思います。
○井上政府参考人 災害の危険が高まった際に、市町村長がちゅうちょなく避難指示を発表することに加え、住民が自ら危険性を認識して早めに避難するためには、河川の危険性を分かりやすく、確実に届ける情報が必要です。 河川の状況を分かりやすく届けるため、氾濫の危険性が高く、人家や重要施設のある箇所などに水位計やカメラの設置を進めるとともに、これらの情報はウェブサイトでリアルタイムに提供しております。また、これらの情報を確実に届けるため、多くの利用者がウェブサイトへアクセスすることをあらかじめ想定し、一時的な回線の確保を含め、通信回線の増強などを図っているところです。 加えて、万が一、想定以上のアクセスの集中により処理すべき情報量が設備能力を超えた場合に備え、表示する情報量を必要最小限にした簡易版サイトに切り替える仕組みも準備し、情報提供を継続することとしております。 また、民間企業等が有する多様な伝達手段や情報を伝えるノウハウを生かして、防災情報が分かりやすく住民に届くよう、国土交通省では、水位などのデータを民間企業等に配信するようにしております。これは、住民等への防災情報伝達ルートの複線化、多重化にも資するものとなっております。 今後、さらに、民間企業等へ配信するデータにカメラ画像を追加し、民間のウェブサイト等を通じて発信される情報の充実を図り、住民の的確な避難行動を促してまいります。
○吉田(宣)委員 今後も検証と改善、これは続けていただきたいと思います。 最後に、赤羽大臣にお話をお聞きしたいと思います。もう時間も少ないので、端的にお聞きをしたいと思います。 今後は更に、豪雨、これはやはりもう避けられないんだろう、増えていくんだろうというふうに思います。そういった予測される未来、この将来を見据えて内水対策を推進すること、これは極めて重要であろうと思っております。今、治水対策の中心課題、私は、内水対策なんじゃないのかというふうにも思うぐらい重要であろうと思います。 今回の流域治水関連法案での措置を含めて、今後の対応について国土交通大臣からお聞かせいただければと思います。
○赤羽国務大臣 昨年の七月の豪雨災害では、私も、委員御地元の久留米市、またお隣の大牟田市にも足を運びまして、三年連続内水氾濫が起こっているという実情をよく聞かせていただきました。実は、私の地元の神戸市も内水の方が主たる氾濫の要因でございまして、市街地の平らなところはそうしたところが多い。 ですから、これは、考え方は流域治水と一緒でして、内水氾濫のリスクのある市街地、そこを流れる河川の水系全体を俯瞰しながら、そこの沿川の、国、県、市町村、また企業、住民、これは今、協議会をつくっておりますので、その中で、流域治水の発想を、この内水対策をしっかりと取り入れて、同じ視点でやっていかなければいけない。 そして、ハザードマップもなかなか分かりにくいという、昨日の参考人の先生方からのお話もございましたが、今、実は都市局で、昨日私も見たんですが、3Dを使った非常に分かりやすい画像、実際もうSNS等で発信しておりますので、そうした分かりやすさを伝えながらやっていかなければいけない。 あとは、内水対策でいいますと、下水道の老朽化が大変厳しいので、ここについてもしっかり五か年対策を活用しながら対応していかなければいけない、こう考えております。 流域治水イコール内水対策でもあるというその御指摘のとおり、しっかりと対策を取っていこう、こう考えておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
○吉田(宣)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○あかま委員長 次回は、来る七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時一分散会