外務委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2021/03/05
会議録
○あべ委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国際情勢に関する事項について、本会期中国政に関する調査を行うため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○あべ委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○あべ委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。 外務大臣から国際情勢に関して説明を聴取いたします。外務大臣茂木敏充君。
○茂木国務大臣 外務委員会の開催に当たり、あべ委員長を始め理事、委員各位に御挨拶を申し上げるとともに、外交政策の所信について申し述べます。 まず、新型コロナへの対応について申し上げます。これまで外務省としても、新型コロナの世界的拡大の状況を分析しつつ、百一か国・地域から一万二千名を超える邦人の出国・帰国支援を始め様々な対策を講じてきました。引き続き、感染症危険情報を始めとする関連情報のきめ細かな発出や水際対策の強化、在外邦人の安全確保に万全を期します。 次に、直近の外交課題として、ミャンマー情勢について申し上げます。二月一日、ミャンマーにおいて国軍によるクーデターが発生し、各地のデモにおいて、発砲を含む治安部隊の実力行使によって多数の民間人が死傷し、拘束者が発生している事態を強く懸念しています。国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、民間人に対する暴力が継続されていることを強く非難します。我が国として、民間人に対する暴力的対応の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を始め拘束されている人々の解放、民主的な政治体制の早期回復をミャンマー国軍に対して引き続き強く求めていきます。また、在留邦人の安全確保に引き続きしっかりと取り組んでいきます。 外交政策全般については、七つの分野に焦点を当て、包容力と力強さを兼ね備えた外交をより一層戦略的に展開します。 第一に、日米同盟の強化です。地域の安全保障環境が厳しさを増す中、バイデン政権との間で、我が国の外交、安全保障の基軸である日米同盟をより一層強化していきます。新型コロナ対策や気候変動問題といった国際社会共通の課題についても、日米で緊密に連携していきます。先般署名した在日米軍駐留経費負担に係る特別協定の改正議定書は、現行特別協定を一年間延長するものであり、在日米軍の円滑かつ効果的な活動及び安定的駐留を確保する上で重要な役割を果たすものです。現行特別協定が本年三月末で失効することも踏まえ、今国会での御審議をよろしくお願い申し上げます。また、普天間飛行場の一日も早い辺野古移設を始め、地元の負担軽減にも全力を尽くします。 第二に、我が国が提唱してきた自由で開かれたインド太平洋の実現です。今や多くの国がこの考えを共有しており、ポストコロナに向けて、その意義、重要性はますます高まっています。二国間や日米豪印を含む様々な対話の機会を捉え、米国を始め、考え方を共有する豪州、インド、ASEAN、更には欧州、中東、アフリカの国々とも自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携協力を進めていきます。 第三に、近隣諸国との外交に、明確な基本方針の下、積極的に取り組みます。 中国との安定した関係は、両国のみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄のために重要です。中国との間には様々な懸案が存在しますが、引き続き、主張すべきはしっかりと主張し、懸案を一つ一つ解決し、また、中国側の責任ある行動を強く求めていきます。 特に、尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をする海警船舶の活動は、国際法違反であり、断じて認められません。そのような中、先般施行された中国海警法は、国際法との整合性の観点から問題ある規定を含むものであり、これにより我が国を含む関係国の正当な権益が損なわれることがあってはなりません。今後とも日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、冷静に、かつ毅然と対処していきます。南シナ海をめぐる問題についても、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対し、力や威圧によらず、国際法に基づき問題を平和的に解決することが重要であると改めて強調していきます。 韓国は重要な隣国であり、北朝鮮への対応を始め、地域の安定には日韓、日米韓の連携が不可欠です。しかし、最近の日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより、非常に厳しい状況に陥っています。特に、先般の元慰安婦等による対日訴訟判決については、国際法上も二国間関係上も到底考えられない異常な事態が発生したと極めて遺憾に捉えています。政府として、日本の一貫した立場に基づき、今後とも韓国側に適切な対応を強く求めていきます。また、竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も日本固有の領土であり、この基本的な立場に基づき、冷静に、かつ毅然と対応していきます。 ロシアとは、政治、経済、人的交流等、幅広い分野で日ロ関係全体を発展させていく考えです。平和条約締結交渉については、二〇一八年のシンガポールでの首脳間のやり取りをしっかりと引き継ぎ、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、交渉責任者として粘り強く交渉に取り組んでいきます。 第四に、北朝鮮をめぐる諸懸案への対応です。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指すという基本方針に全く変わりはありません。今後とも、日米、日米韓で緊密に連携し、中国、ロシアを含む国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、朝鮮半島の非核化を目指します。また、政権の最重要課題である拉致問題の早期解決に全力で取り組みます。 第五に、中東情勢への対応です。中東の平和と安定は、原油輸入の約九割をこの地域に依存する日本の国益に直結します。引き続き、中東地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、多方面に信頼関係を有する日本の立場も生かし、粘り強い外交努力を続けていきます。 第六として、経済外交の分野で新たなルール作りに向けた国際的取組を主導します。 世界で保護主義や内向き志向が強まる中、自由で公正な経済圏の拡大や、ルールに基づく多角的貿易体制の維持強化が更に重要になっています。我が国はこれまでもこうした取組を主導してきており、先般署名したRCEP協定について、今国会での御審議をよろしくお願い申し上げます。また、ポストコロナで重要性が増すデジタル分野でのルール作りや、新事務局長が任命されたWTOの改革を主導します。経済安全保障の確保にも積極的に取り組んでいきます。 さらに、本年は東日本大震災から十年の節目に当たることからも、日本産食品への輸入規制措置の撤廃と風評の払拭に引き続き全力で取り組みます。 最後に、地球規模課題への対応です。 我が国として、人間の安全保障の理念に立脚し、地球規模課題への取組を加速します。特に気候変動問題では、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、本年のCOP26を含め、国際社会の取組をリードしていきます。同時に、ワクチンへの公平なアクセスの確保や医療体制が脆弱な途上国への支援といった保健分野での国際的取組、海洋プラスチックごみ、人権、難民・避難民、女性の参画、防災など、SDGs達成に向けた諸課題にも積極的に取り組みます。また、来年のTICAD8に向け、アフリカ自身が主導する発展を力強く後押しをします。 さらに、核兵器不拡散条約、NPT体制の維持強化、国連安保理改革、国際機関の日本人職員増加にも取り組み、二〇二二年安保理非常任理事国選挙での当選を目指します。また、今週末の京都コングレス開催等を通じて、司法分野での国際的な議論に積極的に貢献していきます。 以上の諸課題について、着実に具体的な成果を上げるため、在外公館の数と質、両面の強化を含めた外交実施体制の強化と戦略的な対外発信に取り組みます。また、日系人社会との連携にも努めます。 我が国としてポストコロナの新たな秩序、ルール作りに向けた国際的な取組で主導力を発揮をする中で、国際社会における存在感、プレゼンスを更に高める一年とすべく、責任感と使命感を持って全力で取り組む決意です。 あべ委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御理解を心からお願い申し上げます。
○あべ委員長 以上で説明は終わりました。 次に、令和三年度外務省関係予算について、その概要説明を聴取いたします。外務副大臣鷲尾英一郎君。
○鷲尾副大臣 令和三年度外務省所管予算案について、その概要を説明いたします。 令和三年度一般会計予算案において、外務省予算は約七千九十七億円を計上しておりますが、そのうち、デジタル関係予算の百三十八億一千百七十二万二千円は内閣官房予算として計上されることから、国会に提出する予算総額としては、六千九百五十八億七千二百八十八万九千円となります。 また、外務省所管のODA予算は、四千四百九十七億九千七百九十五万六千円となっています。 予算案作成に当たっては、三本の柱を掲げ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を進めつつ、包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開すべく、めり張りをつけた上で必要な予算を計上しました。また、新型コロナの感染拡大防止のための途上国支援や、外交・領事業務のデジタル化推進などの喫緊の課題には、令和二年度第三次補正予算も活用し、早急に対処していく考えです。 第一の柱は、「人間の安全保障の危機である新型コロナウイルス感染症を克服するとともに、ポストコロナを見据えた取組を進める」です。在留邦人の保護、帰国支援に万全を期し、途上国での感染拡大防止、影響緩和などにもしっかり取り組みます。また、ポストコロナを見据え、途上国の保健システム強化、新型コロナ対応の教訓を踏まえた国際的なルール作りなどを進めます。 第二の柱は、「我が国と我が国国民の安全を守るべく、力強さのある外交を推進する」です。国際秩序強化のため、自由で開かれたインド太平洋の実現など同盟国、同志国との協力強化、宇宙、サイバー等の新分野への取組、経済安全保障を含む経済外交の推進などに取り組んでいきます。また、危機に直面しても十分機能する外交・領事実施体制を構築するため、領事業務のデジタル化、在外公館の機能の強化などを進めていきます。さらに、在外公館等の新設及び外務省定員の七十二名純増に必要な経費を計上しています。 第三の柱は、「国際社会との連携協力を一層に進め、包容力のある外交を推進する」です。国境を越える課題への対応やグローバルガバナンスを強化すべく、SDGsの推進や国際機関における邦人職員増加に取り組みます。また、我が国の政策、取組、立場の発信、我が国の魅力発信、親日派、知日派育成などを進めていきます。 以上が、令和三年度外務省所管予算案の概要です。 あべ委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
○あべ委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、来る十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十三分散会