議院運営委員会 第4号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2020/11/10
会議録
○委員長(水落敏栄君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 検査官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・検査官岡村肇君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(水落敏栄君) 次に、検査官の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。岡村肇君。
○参考人(岡村肇君) 岡村肇でございます。 本日は、このような機会を与えていただき、厚くお礼を申し上げます。 近年、我が国の社会経済は、今後本格化する人口減少、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、潜在成長力の伸び悩み、大規模自然災害の頻発等の難しい課題に直面しております。そのような中にあって、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、我が国の社会経済に甚大な影響をもたらすとともに、行政のデジタル化の遅れ等の問題を顕在化させており、これらへの対応が喫緊の課題となっております。 会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえつつ、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。 会計検査院の組織は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で構成されており、三人の検査官から成る検査官会議は、合議によって会計検査院としての意思決定を行うほか、事務総局を指揮監督しております。 私は、昭和五十八年に会計検査院に採用されて以来、会計検査業務に関わり、事務総局の業務全般を統理する事務総長を務めた後、両院の御同意をいただいて平成三十年十二月に検査官に就任し、以降、会計検査院の意思決定に携わり、現在まで一年十一か月にわたって会計検査院に課された使命を果たすよう職責を担ってまいりましたが、その職責は極めて重いものと感じております。 私は、検査官として、前回の所信で申し上げましたように、正確性、合規性の観点から厳正な検査を行うこと、厳しい国の財政状況にも鑑みて、事務事業や予算執行の効果等についても積極的に取り上げるなど、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視すること、行財政の透明性と説明責任の向上に資するために国の決算等の分析や評価を行っていくこと、これらを常に意識しながら、現在の社会経済の動向、また国民の関心や国会での御審議の状況などにも注意を払って検査官の職務に専念してまいりました。 この間、平成三十年度決算検査報告や国会からの検査要請に係る検査結果の報告四件などを行い、そして、本日、令和元年度決算検査報告を取りまとめて内閣に提出したところです。これらに当たって、私は、これまでの知識、経験に基づいてその意思決定に携わってまいりました。 そして、令和三年次の会計検査について、国会における審議の状況に常に留意するなど、引き続き国会との連携に努めることとするなどの基本方針を定め、これに基づく検査の実施について事務総局の指揮監督に当たっております。 仮に検査官に再び任ぜられるとするならば、事務総局を指揮監督する検査官会議の構成員としての自覚と責任感を持ち、これまで会計検査に関する実務で培った知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献することによって、全力を尽くして検査官としての職責を担ってまいりたいと考えております。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、改めて厚くお礼申し上げます。
○委員長(水落敏栄君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 これより候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横沢高徳君 皆様、こんにちは。立憲民主・社民の横沢高徳です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず、一期目の総括と二期目への意気込みについてお伺いしたいと思います。 岡村さんは、昭和五十八年に会計検査院に採用され、事務総長まで務めた後、平成三十年十二月に検査官に就任し、以来二年にわたり検査官を務めたと承知しております。 検査官の職務の遂行するに当たって、約三十五年の職務経験を踏まえ、民間出身の院長、検査官とともに会計検査院の抱える課題に取り組んできたと考えますが、この約二年間の在任期間中に重点的に取り組んでこられたこととその成果について、まずはお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 私は、この二年間、前回所信で申し上げたことを常に意識しながら、国民の期待に応える検査、国民の目線に立った検査に努めてきたと考えております。 会計検査は多角的な観点から行われるというところが特徴でございますけれども、これまでの枠にとらわれない検査テーマにも積極的に取り組むように進める一方で、予算執行、会計経理を検査するという会計検査の性格にふさわしいテーマ、検査内容となるように、検査の計画段階、中間段階等で意見を述べるなどしてきたところでございます。 検査官として一番重要なのは、検査官会議の意思決定、これが公平かつ均衡の取れたものとなるように貢献することだと考えております。 毎年、この九月、十月、この時期は何百件という検査報告の掲記事項案の審議を連日行ってまいりましたが、私は、これまでの会計検査院での経験で何千件というようなそういう事例に触れていろいろな判断をしてまいりましたので、その経験を生かして他のお二人の検査官と有意義な審議をすることができたというふうに考えております。 私は、業務の効率化ということを常に意識して仕事に当たってまいりましたけれども、効率化、簡素化を図りながらも、最終的なこの検査報告の質というもの、これだけは譲れないというところでございまして、検査が十分に行き届いているか、論理展開に問題はないかといったところまで、あるいは文章表現もおろそかにはしてはいけないということで、細かなところまで意見を述べて修正を求めるようなこともあったところでございます。 仮に今回御同意いただき検査官に再任された場合には、引き続き国民の期待に応える検査、国民の目線に立った検査に努めて、検査官としての職責を果たしてまいりたいと考えております。
○横沢高徳君 それでは次に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う検査手法についてお伺いします。 会計検査院は、出張して行う実地検査を重要な検査方法として位置付けており、検査報告の大部分は実地検査によって明らかになったものと承知しております。 しかし、新型コロナウイルス感染症が収束していない状況で、この冬以降、実地検査をどのようにされるおつもりか、御見解をお伺いいたします。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院は、今年次の会計検査におきまして、新型コロナウイルスの感染拡大への対応等といたしまして、本年四月及び五月は全ての実地検査を中止いたしました。六月以降も、検査対象機関への同感染症の影響といったことに配慮しつつ、検査対象機関等を一部に限定するなどの対応を行ってまいりました。 その間においても、職責を的確に果たすために、計算証明規則に基づき提出された書面を検査いたしましたり、あるいは検査対象機関から必要な資料を取り寄せたりして、在庁での検査を効率的、効果的に行うよう努めてきたところでございます。 また、会計検査院においては、全職員にモバイル利用可能なパソコンを配備いたしまして、各種の業務の支援システムを含む情報システムを構築いたしまして、実地検査先からもデータベース等にアクセスできるように、院内ネットワークへのリモートアクセスの機能を付与するなどして事務処理の迅速化と効率化に努めてきたところでございます。 今回、こうしたシステムによりテレワークもかなり実施できたところでございますが、やはり最も重要な検査方法である実地検査の実績が例年の半分強にとどまるなど、大きな影響を受けたところでございます。 新型コロナウイルス感染症が収束する時期やその後の生活様式がどのようになるのかなどについて見通すことは容易ではございませんが、実地検査の実施率の回復に努めていくことは当然といたしまして、ポストコロナ時代に向けて、持続的な検査活動の確保のためにリモートで対応することが可能な部分はないか、あるいは検査の更なる効率化に資する検査手法の開発ができないかなどを検討いたしまして、ICTを利用した検査を積極的に導入するということなど、あるいは検査手法を更に工夫する、多様な取組を行うことが重要になると考えております。
○横沢高徳君 次に、参議院決算委員会決議に関し講じた措置の履行状況についてお伺いいたします。 平成三十年六月、会計検査院が参議院からの検査要請に基づく森友学園の国有地売却等に関する検査にて財務省の決裁文書改ざんを見逃したことや、検査結果の報告書にて地下埋設物の撤去・処分費用の試算が明示されていなかったことで、会計検査活動に疑念を抱かれるような体制を強化すべきと参議院決算委員会は決議いたしました。これに対し、会計検査院は、平成三十一年四月、職員に対して研修を実施するなど、措置を講じたと報告しております。 国民目線で検査の過程や内容に疑念を抱かれないようにするためには、会計検査業務のプロセスや人員配置の見直しなど、仕組みを整えることも必要であると考えますが、御見解、そしてまた、森友問題以降も省庁による公文書改ざんや廃棄の問題が次々と明らかになっております。行政活動の実態を調査する会計検査院にとっても、事実が記載された公文書を入手することは極めて重要だと考えられます。 あらゆる公文書を電子的作成、保存されている昨今、公文書の改ざんを見抜き、また廃棄されたデータを復元し、必要な検査証拠を入手する検査方法の開発が必要であるとも考えますが、岡村さんの御見解をお伺いいたします。
○参考人(岡村肇君) 御指摘ございましたように、会計検査院が平成二十九年十一月に提出した報告書に関しまして、財務省が提出した決裁文書の真正性について国土交通省にも確認するなどの検証を行わずに決裁文書の改ざんを見逃すことになったこと、地下埋設物撤去・処分費用の試算が明示されていなかったことにつきまして、参議院の決算委員会の決議において御批判をいただいたところでございます。決裁文書の改ざんを見抜けなかったことについて厳しい御批判をいただいたことは、もう十分認識をしております。 報告書の作成に当たっては、人員や期間の制約の中で最大限の努力を払って、膨大な資料の収集や分析を行いつつ取りまとめを進めてきたものでございます。その中で、よもや書類が改ざんされているとの思いには至らず、決裁文書の真正性の検証については必ずしも最優先事項とは位置付けていなかったものでありますが、決裁文書の真正性について適切な検証がなされていなかったことは誠に遺憾でございます。 このような事態を踏まえまして、まず、これは、早い段階で収集した資料の信頼性に留意するよう全職員に改めて通知を発したというところでございますが……
○委員長(水落敏栄君) 時間が迫っていますので、おまとめください。
○参考人(岡村肇君) はい。 全ての管理監督職員を対象とした研修を実施しております。それから、職員の能力開発に携わるスタッフを拡充したこと、それから、各階層の職員を対象とした研修のカリキュラムの見直しを行ってまいったということでございます。 いろいろ今御指摘いただいたことも含め、今後更にいろいろ検討いたしまして、独立した憲法上の機関であることを自覚し、会計検査体制を強化してまいりたいと考えております。
○横沢高徳君 以上で終了いたします。ありがとうございました。
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。 平成三十年の十一月に、岡村検査官候補者の任命の同意について、当時の衆参でいろんな意見が交わされました。当時は、森友学園の問題に関する財務省による検査院報告の改ざんが明らかになりまして、会計検査院のレーゾンデートルについて国民の議論が高まるさなかのことでありましたけれども、当時の委員会質疑において、財務省の改ざん問題に関しまして、岡村検査官候補者の答弁で、改ざんが見抜けなかったことについて、検査実施機関として、事務総局の長として大いに反省しております、再発防止策を講じてまいりたいと強い決意を表明したわけでありますけれども、検査担当者らによる改ざんの可能性について把握の徹底や、あるいは、検査の中核を担う課長級あるいは補佐役の職員、全職員を対象とした特別の研修を実施することなどにより効果的な再発防止策を講じると発言しておりました。 そこで、就任後からこれまでに具体的にどのような対策を講じてきたのか、お伺いします。また、その効果や課題についてもお伺いしたいと思います。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 決裁文書の改ざんを見抜けなかったこと、これは本当に誠に遺憾に思っているところでございます。 会計検査院として講じた再発防止策でございますが、まず、検査の実施に当たり収集した書類等の信頼性の確保について、全ての管理監督職員に対して研修を行いました。収集した書類等が会計経理等の事実を裏付け、検査上の判断の基礎とすべき信頼性を備えているかに留意するということの重要性を周知したものでございます。また、元検察官の弁護士の方を講師にお招きして講習会を実施するというようなこともいたしました。そして、今後も継続的に資料の信憑性の確保等を適切に行うことができるよう、研修体制の充実強化といたしまして、検査に当たる職員の能力開発に携わるスタッフを拡充しております。加えて、各階層の職員を対象とした研修のカリキュラムの見直しも行ったところでございます。 このような取組を通じて、資料の信憑性の確保等を適切に行い、厳正に会計検査を実施するよう継続して取り組んでいるところでございます。
○石井章君 当時、国民からは、検査院と内閣の関係性についても注目が集まりました。会計検査院の独立性についても強い疑念が生まれていたわけでありますけれども、岡村検査官候補者は、検査官に任ぜられるとしたならば、これまで会計検査に関する実務で培ってきた知見の経験を生かして、国民の会計検査院に対する期待に応えるべく全力を尽くして検査官の職責を果たしてまいると、そういう力強い決意を表明されておりますが、現在、当時の会計検査院に対する国民の失望、疑念は払拭されつつあると考えておりますか。
○参考人(岡村肇君) 決裁文書の改ざんを見抜けなかったことについて、会計検査院に対し厳しい御批判をいただいたところでございます。このような事態を踏まえまして、先ほど申しました再発防止策を講じたところでございます。 再びこのような疑念を抱かれることのないよう、一層気を引き締めて厳正な検査を行うことで、会計検査院に対する、独立した憲法上の機関、これは御指摘ございましたが、我々も本当に一番大事なことと思ってずっと努めてきたものでございます。そういった独立した憲法上の機関であることを自覚いたしまして、会計検査院に対する信頼が得られるように努めていきたいと考えているところでございます。
○石井章君 当時、会計検査院の、森友学園の国有地売却問題では、会計検査院の検査結果報告書によって、国交省のごみ撤去費用の積算の曖昧さや、近財の、近畿財務局の売却の手続の不備に加えて、過大な支払等が明らかになりました。それまで政府は法令に基づいた適切な処理だと繰り返して理解を得ていたわけでございますが、それを覆す大きな根拠となったわけであります。私は、検査報告に一定の評価をしております。当時、他の野党幹部からも同様の声が上がっていたのも事実でございます。 また、近年、検査院は、東京オリンピック・パラリンピックの費用について、大会組織委員会と東京都の公表予算の倍以上の二兆八千二百五十五億円が必要であると指摘をし、さらに、近年増加する災害対策事業に関しても幾つもの無駄や問題点を指摘するなど、顕著な実績を残されております。 そして、二〇一八年の決算検査報告では、税の無駄遣いや制度改善への指摘は約一千二億三千万円以上にも上っております。中でも、私の地元であります茨城の日本原子力研究開発機構大洗研究所が、廃炉が決定しているにもかかわらずウランを購入して、約十億九千万円ものお金を無駄にしていたことも究明いただいております。 このように、会計検査院の職員の皆さん、二〇〇八年の一月現在でありますが、千二百名の皆さんが、日々、各省庁、自治体へ出向いて多大な時間を費やして緻密な精査を行い、国民の血税による国家の予算が無駄に使われていないかを監視いただき国家国民に多大な貢献をいただいており、大変評価するものであります。 しかし、これまで検査院の重責と実績についてメディアや国民からは余り注目されていないのではないかと私は感じております。会計検査院も、自らの役割、国家国民に貢献されていることをもう少し国民にアピールしていくべきではないかと考えておりますが、どうでしょうか。
○参考人(岡村肇君) 私どもの報告について、大変今有り難い御評価をいただいたと思います。本当にありがとうございます。 一方、検査活動について国民に分かりやすく伝える努力が必要ということは、御指摘のとおりと思っております。これまで、検査の結果につきましては、検査院の活動を分かりやすく記述した冊子、「会計検査のあらまし」というものを発行いたしましたり、ホームページによる情報発信も行っておりますが、これも、より分かりやすく充実したものとなるよう逐次改善を加えてきたところでございます。最近は、SNSも活用するなどして検査活動の説明に努めているところでございます。 ただ、検査結果の説明については、正確性を期す余り、どうしても分かりにくい、難しいといったような御意見をいただくこともございます。適切でない会計経理について指摘、批判を行うという性格上、正確性をおろそかにすることはできませんが、正確性を損なわずにより分かりやすく国民にお伝えし、会計検査院の活動を国民の皆様によく知っていただくよう、引き続きこれらの努力が必要であると考えているところでございます。
○石井章君 会計検査院は憲法九十条に保障されている独立した機関でありますので、組織として、企業や官公庁、そして政府でも、いろんな問題が顕在化するたびにその組織へのバッシングが必ず起きます。社会的責任を担う組織がその責任を問われるのは当然のことであります。しかし、歴史的にも不祥事や問題がなくなることは、これは決してなく、それは今でも連綿と続いているのも事実であります。 そこで肝要なのは、問題があれば、それを隠さず原因を究明して、組織を再構築するなどの再発防止の手だてを講じて、これまでより、より良い組織へと変貌させることだと思います。岡村検査官には大いに期待をして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田村まみ君 無所属、国民民主党・新緑風会会派の田村まみでございます。 今日は、早速、岡村参考人に御質問したいと思います。 前期は初めて、実務側から、事務総長としてお仕事されていたところから、検査業務を指揮監督を受ける側から、受ける側の方に、立場が変わられました。その初任の期間で、同じ会計検査院を見るんですけれども、立場が事務側とその監督をする側というところで、改めて見えてきた課題がありますでしょうか。そしてまた、意思決定を行う側に行かれて、何か変わった認識だったりとか、変わった何か仕事の仕方というところがあるのであれば教えていただければというふうに思います。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 御指摘のとおり、私は、検査官に就任する前は事務総長として、検査官会議の指揮監督を仰ぎながら検査業務を実施いたしまして、検査報告事項案を作成して検査官会議に提案する立場で臨んでおりましたが、就任後は、事務総長の提案に係る検査報告事項案について意思決定を行う立場となったわけでございます。 事務総局に勤務しておりましたときも、指摘する内容が客観的な事実、合理的な論理により組み立てられているか、国民の目線から見ても実質的に問題がある事態であるのかといったことを意識して仕事をしてきたところでございますけれども、検査官会議の一員となってからは、検査官会議の決定が会計検査院としての意思決定になるということでございますので、より一層公正かつ的確な判断を行うことの重さというものを感じているところでございます。 また、事務総局出身の私としましては、検査官会議による事務総局に対する指揮監督が効率的、的確に行われるようにという点で貢献することが求められているのではないかと考えまして、そのように努めてきたところでございます。
○田村まみ君 ありがとうございます。 是非、その長い経験がおありということで、是非お伺いしたいことがあるんですけれども、現在、新型コロナウイルス感染症対策へ補正予算、予備費等々が積まれて今執行がされているんですけれども、ウイルスが未知のものということもあり、ただ、直ちに対応もしなければいけないということで、緊急性だとか不確実性の中で策定されて今執行されるという性質は否めないというふうに私自身も思っています。ただ、既に予算の執行率での進捗の悪さだったり、大幅に超えているとか不正受給の問題等々、もう既に課題が見えてきているということもあります。 そこで、これまでも、もう自然災害や新型インフルエンザ等々の予測困難だった事業についても検査業務をされた経験踏まえて、この正確性と合規性は明確に検査はできるというふうに思うんですけれども、特にこの経済性、効率性、有効性を検査するに当たって、今回のこの新型コロナウイルス感染症対策に対する予算の執行について、それぞれどのように、どんな視点で検査していくのがいいかというふうに思われているかというのを是非御教授いただきたいと思います。
○参考人(岡村肇君) 御指摘のとおり、近年では自然災害や感染症など事前に予測困難な事態が増えておりますので、それに対応するための予算については、緊急性と不確実性の中で作成、策定される場合があるものと思われます。新型コロナウイルス感染症対策についても、多額の補正予算が計上されているところでございます。 会計検査院としては、執行された、今後執行される予算につきまして、合規性はもちろんのことでございますが、事業がより少ない費用で実施できないか、あるいは同じ費用で大きな成果が得られないかという経済性、効率性の観点、あるいは、事業が所期の目的を達成しているか、効果を上げているかという有効性の観点といった多角的な観点から検査を実施していくことになると思われます。 会計検査院が検査を行うに当たって、この緊急の対応が求められる中でどれだけの対応が可能であったのかということには留意する必要があると考えているところでございます。緊急の対応が求められるため事前に精緻に検討していくことに限界がある、一方で、当局において事後の検証やそれを踏まえた見直しを行うということが重要になると考えられます。 したがって、会計検査院といたしましては、一定の制約がある中であっても、事前にここまでは検討しておくべきであったと言えることは何かという点に着眼いたしますとともに、事前の検討が困難であるというものについては、執行開始後に適宜検証され、見直しが行われているかといった点に着眼して検査をしていくことになると考えております。 検査に当たっては、各事業等の実施に緊急性が認められる、求められているということを留意するとともに、政府の取組方針や動向等を注視しつつ、状況に応じて機動的、弾力的に検査を行っていくことが必要であると考えております。
○田村まみ君 ありがとうございます。 是非、検査官として、検査の視点には正確性、合規性、経済性、効率性、有効性という言葉が必ず出てくるんですけれども、以前、岡村参考人が書かれていた社会的公正、公平性についてというところも、是非実務側の皆さんに共通理解として認識を持っていただいて検査に当たっていただくことが今回のこの不測の事態に対応するのに重要だというふうに思いますので、是非その指導の方をお願いしたいというふうに思います。 そしてもう一つ、ちょっと時間も短いので、最後の質問になるかなというふうに思うので。 新内閣では、IT、デジタル化の推進を、政府内での縦割りの打破などと銘打ってデジタル庁の発足の動きが出ていますけれども、しかしながら、過去には、住基ネットなどのシステムの整備をしたものがなかなか十分活用されず、継ぎはぎの、そのままマイナンバーの方へも活用されていると言いつつ、なかなかシステム導入についての反省すべき点は多かったと思いますし、それに伴う指摘も幾つか経年あったというふうに思います。 このように、会計検査院での検査の結果が経年の累積課題としても見て取れることもあるというふうには思うんですけれども、この関連する新規事業があるといったときに、これまでの過去の似通った、関係するだろうという検査の結果について有効的に活用する方法がありましたら、是非、検査官として、せっかく力を入れて検査したり決めた内容なわけなので、どんなふうに使ってほしいか、それを教えていただきたいと思います。
○参考人(岡村肇君) ITは既に社会の重要なインフラでありまして、政府も累次にわたり各種の計画を閣議決定して、IT関連施策を推進されてきております。会計検査院としても、重点的に検査に取り組む分野の一つとして、情報通信、ITをこの十数年掲げて検査に取り組んでまいりました。 ITは技術の進歩のスピードが著しく、その検査には高い専門性を要するということがございますので、研修等によって調査官等の検査能力の向上を図るとともに、任期付職員として民間の実務経験者を採用するなどして、民間の視点やノウハウを活用して検査能力を高めるように努めてまいりました。 過去に横断的に検査に取り組んだテーマといたしましては、電子申請等関係システム、あるいは政府共通業務システム、政府共通プラットフォーム、あるいは社会保障・税番号制度関連システムなどがございます。検査の結果としては、システムの導入に問題があるもの、システムの利活用が不足しているもの、セキュリティー対策が適切でないものなど、様々な事態が指摘をされております。問題が起こる背景としては、もちろん受注者側の問題もございますが、発注者側のスキルの不足からプロジェクト管理が十分に行えなかったり、あるいは関係者間の連携が取れていなかったりという場合も多いように思われます。 政府のIT、デジタル化の推進に向けて会計検査院の検査結果が生かされるとしたら、大変有り難いことでございます。政府においても、CIO補佐官の設置でございますとか内閣官房によるITガバナンスの強化など、様々な取組をされていると承知しております。 今後、更にデジタル化の推進が見込まれているところでもあり、会計検査院としても、引き続き、今申し上げたことに留意しながら、適切に検査をしてまいりたいと考えているところでございます。
○田村まみ君 もう時間がないので、要望でお願いします。是非、もし就任されたときになんですけれども、先ほど来広報ということもよく話題になっておりますし、過去にもその話題になっておりました。私、ホームページを初めて目を皿のように見たときに、キッズページがありました。キッズページ、ただ漢字が平仮名になっているだけで、内容は何にも変わっていないんです。難しいんです。もう是非そこを改善していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。 学校法人森友学園問題に対する国有地売却の検査、これについて質問したいと思います。 本院予算委員会の要請によりまして、異例の検査が実施されました。いわゆる平成三十年十一月報告の提出となったわけです。この特定事項検査で明らかになった事実は何だったのか、簡潔にお答えいただきたいのと、財務省が中心となって会計検査院まで欺くと、こんな行為をなぜ行ったのか、簡潔にお願いいたします。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 平成三十年十一月の報告では、実際に行われていた会計経理に係る意思決定の経緯や森友学園との交渉内容等の文書の提出により把握できた意思決定の経緯、それから、二十九年十一月以降国会において取り上げられるなどした主な事項の確認結果、三点目といたしまして、懲戒処分の要求の検討結果について記述しております。 一点目につきましては、財務省が決裁文書の改ざんを行った上で改ざん後の決裁文書を提出するなどしていたため、経緯等を正しく把握できなかったこと、二点目としまして、近畿財務局が公表情報からは推測できないような精度の貸付料概算額を提示したことは適切とは認められないこと、三点目として、懲戒処分要求の検討結果でございますが、財務省において改ざん前の決裁文書及び交渉記録が提出されなかった事態は、会計検査院法第二十六条に違反すると認められるとしております。また、このような事態に関与した会計事務職員については、既に退職していたり既に懲戒処分を受けていたりしたことなどから、懲戒処分の要求は行わないとしたことなどを御報告しております。 財務省が決裁文書を改ざんするなどの行為を行った背景については、同報告では、国会審議において本件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながる、つながり得る材料を極力少なくするためであったとされている、国会審議等において存在を認めていない文書の提出に応じることは妥当ではないと考えたと記述しているところでございます。
○倉林明子君 これ、当初は存在しないとしてきた記録が出てきたと。国会審議を通じて財務省も認めざるを得なくなった、出さざるを得なくなったと、こういう状況で出てきたんだと思うんですね。 それでは、お聞きしたいと思うんです。これで、公文書、関係資料、森友学園問題に関わってですね、全て提出されたという認識でしょうか。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院といたしましては、三十年十一月に国会に対して報告を行うまでの過程で関係者に質問するなど様々な方法で検査を行ったところでございまして、検査に必要な資料は全て検査したものと考えております。
○倉林明子君 必要なものは検査したということだけれども、私がお聞きしたのは、これで全部出てきたという認識かどうかということをお聞きしたんですが、いかがですか。
○参考人(岡村肇君) 検査に必要な資料は全て検査したものと考えてございます。
○倉林明子君 私、この問題は、国民の疑念はいまだ払拭されていないと思っております。 自殺されました近畿財務局職員の赤木俊夫さん、残されたファイルがあると、これ当時の上司の音声データで明らかになりました。これ、全ての経緯が分かるというものになっているというのが音声データに残されていたんですね。これ新たな証拠になり得るものだというふうに思われます。 衆議院の質疑でも、この点で参考人は、再検査の必要性というのは繰り返し否定されているんですね。 その上でですよ、財務省の改ざんや隠蔽を見抜けなかったと先ほど来指摘もありましたし、この反省というのは、私、この事件でもまた繰り返すようなことあってはならないというふうに思うわけです。 改めて、新たな証拠の存在も含め、再検査の検討を求めたいと思います。いかがですか。
○参考人(岡村肇君) 御指摘のファイル、改ざんの経緯について記したファイルということで報道がされていることは承知をしております。 ただ、本件について、会計検査院といたしましては、二十九年に報告を行いました後、改ざんされた決裁文書が提出されたことなどが明らかになりましたことを踏まえて、引き続き検査を行ったところであります。その結果、財務省においてそうした不適切な対応があったということにつきまして、三十年十一月に国会に対して報告をしております。 先ほども申し上げましたように、この報告を行う過程で関係者に質問するなど様々な方法で検査を行ったところでございまして、必要な検査を行ったと考えているところでございます。
○倉林明子君 新たなファイルの存在というのが明らかになったのは最近なんですよね。平成三十年十一月の報告、この時点ではなかったものがまた出てきたという可能性が出ているわけですね。私は、改めてその点で検査の、再検査の必要性を強調しておきたいと思います。 そこで、先ほど来議論もありましたけれども、会計検査院は憲法上の独立、独立した憲法上の機関であるという御説明です。この会計検査院法第一条でも、会計検査院は、内閣に対し独立した地位を有すると規定されております。 改めて確認したいと思います。この意味について、独立性を規定している、憲法上の機関であると、認識はいかがかと、そしてその独立性はどう保障されているのか、御説明いただきたい。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院法第一条の規定でございますが、これは、会計検査院の権限行使が内閣の影響や干渉を受けずに公平、厳正に行われることを期して、会計検査院の基本的位置付けが内閣から独立しているということを規定しているものと認識をしております。 この会計検査院の独立性を担保する仕組みといたしましては、会計検査院法において人事権の独立、規則制定権などが定められるとともに、財政法においていわゆる二重予算制度が取られるなどしているところでございます。 引き続き、外部からの制約や干渉を受けることなく検査が行われ、かつ、検査結果についての判断が公正、適切に行われることが重要であると認識しておりまして、会計検査に取り組んでまいりたいと考えております。
○倉林明子君 私、新憲法の下で、この会計検査院の独立性について、憲法上規定された、会計検査院法第一条によって独立性規定されていると、この意味は大変重いと思っているんですね。 質疑に当たりまして、二〇一〇年に会計検査院百三十年史というものが取りまとめられているということで、それについても見させていただきました。そこで、戦前、戦中、その会計検査院の実績の紹介ですね、中身、詳細に紹介ありました。私は、この戦争の痛苦の教訓というものが、会計検査院の独立という点でも憲法上の位置付けもしてやってきたんだということがあるんだと思うんですね。 会計検査院も総動員されて、戦争に向かっていくさなかですね、そこで組織は弱体化する、聖戦完遂と、この大義の下に検査が不能になり、検査が不能な機密費等、軍事費がどんどん膨大すると、膨張すると、止めることができなかった、その記録、詳細に見せていただきました。
○委員長(水落敏栄君) そろそろまとめてください。
○倉林明子君 つまり、権力から独立すると、これが憲法の要請なんだということなんですね。 森友事件というのは、総理大臣の関与、これが大きな焦点となった問題でありました。権力に対するそんたくなどが断じてあってはならないとくぎを刺しておきたい。 終わります。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 時代の進展とともに、行政がカバーしなければいけない範囲というのはどんどんどんどん広がっているというふうに思っております。検査を行う会計検査院の方々の専門性も広がっているというふうに思っております。だからこそ、職員の皆さんのスキルアップはもちろんですけれども、民間の力を活用していくということも非常に重要だというふうに思いますけれども、岡村さんは、衆議院の議院運営委員会のこの質疑の中で、幹部職員も民間から採用するなど民間の知見を積極的に活用することとしているというふうに答弁されておられます。 それでは、局長級、課長級、室長級のポストの現在の数と、そのうちに民間公募をされているポストの数について、まず御説明いただければと思います。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 会計検査院における局長級、課長級、室長級のポストの数でございますが、それぞれ六ポスト、五十四ポスト、五十九ポストとなっておりまして、このうち、民間人を対象とした公募ポストは二ポストであります。これは、先日、衆議院においても御説明させていただきましたが、情報システム検査室長、それから部内の情報システムの整備、運用等を担当する室長級の職員という二人の管理職員ということでございます。 〔委員長退席、理事長谷川岳君着席〕
○山下雄平君 二ポストということですけれども、この公募されているのが、これで十分だというふうに認識されているでしょうか、お聞かせください。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院では、これまでも任期付職員ですとか官民人事交流を通じて民間人の採用は既に相当数行っているところでございます。 そして、令和元年度からは、先ほど申し上げました管理職級のポストについて公募を実施して民間の採用を始めたというところでございます。管理職以上の民間公募については、昨年度から取り組んできたところでございますので、数が十分か否かについては現時点では一概には申し上げることはできませんが、民間の方々の視点やノウハウを活用して会計検査院の検査能力を高めていくということは重要でございまして、今後とも積極的に民間の方々を受け入れて会計検査院の業務に活用していくということが望ましいと考えているところでございます。
○山下雄平君 今後も積極的に活用していくという話ですけれども、では、大体どのぐらいの規模で、それをどのぐらいの期間までにやるべきというふうに考えておられるのか、そういった視点で事務総局をどのように指揮監督されていくおつもりなのか、お聞かせください。
○参考人(岡村肇君) これまでも任期付職員や官民人事交流を通じて、先ほど申しましたが、採用を行ってきたところでございますが、管理職以上の民間公募については昨年度から取り組んできたというところでございまして、どのくらいの規模でいつまでに公募するのが適当か、これはなかなか現時点では一概に申し上げることはできませんけれども、先ほども申しましたように、民間の方々の視点やノウハウを活用して会計検査院の検査能力を高めていくということの重要性、これは非常に重要なことだと今認識をしております。 今後とも、積極的に民間の方々を受け入れて会計検査院の業務に活用していくということで、これは事務総局に対してもそういう指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○山下雄平君 先ほど来、新型コロナウイルスの対応でITを使ったいろんな検査という話もありましたし、そもそも、行政がデジタル庁も含めて本当にいろいろな形で新しいテクノロジーを非常に取り込んでいって行政サービスを広げていこうとしている中で、もちろん職員の研修なんかも必要だとは思いますし、重要だというふうに思いますけれども、やはりそうしたテクノロジーに親和性のある方をそうした国の機関に積極的に入れていかなければ、なかなかそうした役割を果たせないんではないかというふうにも思っておりますので、是非積極的に指揮監督していただければというふうに思っております。 〔理事長谷川岳君退席、委員長着席〕 そして、先ほど来同僚の議員の皆さんから森友問題では非常に厳しい御指摘もありました。衆議院の議院運営委員会の中では、岡村さんは、批判に謙虚に耳を傾けていくことは非常に重要だというふうに答弁なさっておられます。 ただ、一方で、会計検査院というのは、仕事の性質上、国民の皆様と直接なかなかやり取りする、触れ合う機会というのはほかの省庁に比べるとそう多くはないというふうに思うので、他省庁と比べると、国民の皆さんから批判をいただくという機会が余り多いというふうな組織では性質上ないというふうに思っております。 やはり、一般的に会計検査院の方が接されるというのは霞が関の各省庁の方々だというふうに思うんですけれども、霞が関の各省庁の方々に、会計検査院についてどういうふうに感じていらっしゃいますかという話を聞いたら、会計検査院の方というのは、時にやはり批判に寛容じゃないと、不寛容だと、若しくは批判をされると逆にかたくなになってしまう方が多いというようなことを直接いろいろお聞きしました。 そうした声について、岡村さんはどのような印象をお持ちでしょうか。
○参考人(岡村肇君) 検査は厳正に行われなければならないものである以上、検査を受ける方々にとっては何らかの負担が生じるものということは承知しております。検査に対して厳しい御意見をお持ちの方がいらっしゃることもあるかと思われます。 会計検査においては、事実関係を正確に把握いたしまして、その事実関係に基づいて是正改善策を検討するに当たって、事業を実施している当局などとの間で率直な意見交換を行うということが大変重要であるというふうに考えております。 不適正経理を隠蔽しようとするなどの残念なケースもございますけれども、基本的には、検査をする側も受ける側も、公金の使用に関わる者として、国民のためにより良い行政を実現しようと考えている点は同じであるというふうに考えてまいりました。 会計検査院という職場は二、三年で異動するというようなことを繰り返しておりますので、検査の相手方を言わば講師、先生として、新たな知識を吸収させてもらうというつもりで、自分よりは専門家として相手方への尊敬の念を持って接するように努めてきたところでございます。 御指摘のような印象を与えるとすれば大変残念なことでありまして、そのような御意見等にも謙虚に耳を傾けながら適正に業務に取り組むよう、指導に万全を期してまいりたいと考えております。
○山下雄平君 不適正なことがあってはならないので厳しい検査も必要だと思いますし、厳正に公平に中立にやっていかなくちゃいけないというふうにも思っておりますけれども、一方で、会計検査院の指摘によって政策の中身がやはり大きく変わるときもあります。 それは少なくないというふうに思っておりますけれども、組織というのは、無謬であったり絶対正義というものはありません。これは我々立法府もそうですし、内閣全体もそうなんですけれども、やはり、時にはその自分たちの判断が間違っているかもしれないという自戒もやはり私は必要だというふうに思っております。 やはり、憲法上位置付けられた強力な組織であるからこそ、その自分たちは間違っているかもしれないという自戒を持ちつつ、その権力の行使の自覚とそして畏れを一人一人が、職員が持つべきではないかというふうに思っていますけれども、この点についてどのようにお考えですか、お聞かせください。
○参考人(岡村肇君) 先ほども申し上げましたとおり、会計検査においては、事実関係を正確に把握し、その事実関係に基づいて是正改善策を検討するに当たりまして、当局との間で率直な意見交換を行うことが大変重要であると考えております。 検査に当たっては、厳正に行われなければならない一方で、自分たちの考えを一方的に押し付けるのではなく、相手方の説明や意見を十分に聞いた上で、何が適切であるのか、どのような改善を図るべきかについて慎重に検討いたしまして、あるべき姿を追求していくことが必要であると考えております。 仮に今回検査官に再任された場合には、職員一人一人が謙虚さを忘れずに検査に取り組んでいくよう、適切に事務総局を指揮監督してまいりたいと考えております。
○山下雄平君 以上、終わります。ありがとうございました。
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。質問の機会を賜りまして、誠にありがとうございます。 早速でございますが、私の方からも参考人に対し質問をしていきたいというふうに思います。 さて、岡村参考人は、これまで会計検査院職員としての勤務として三十五年、また検査官として二年、本当に会計検査院一筋でお仕事をされてこられたというふうに承知をしております。様々なおびただしい数の案件に携わってこられ、多くの労苦や、また喜び、やりがい等もあったかと存じます。 そこで、参考人にお尋ねをいたしますが、会計検査院御就任以来、御自身の職務遂行に当たって特に心に残っている事案、事象、また、その中から得られたものが何であったのか、お答えください。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 御紹介いただきましたように、昭和五十八年に会計検査院に採用されて以降、会計検査業務に長く関わってきたところでございますが、所信でも申し上げたとおり、会計検査はやはり多角的な観点から行われるのが特徴と考えてまいりました。 私が会計検査院の法規課の職員として在職しておりました平成九年に、議員立法によりまして会計検査院法の改正が行われております。この改正は、国会からの検査要請の制度を設けるという重要な改正でございましたが、あわせて、その際、以前から会計検査院が取り組んできた正確性、合規性、経済性、効率性、有効性等の多角的な観点からの検査というものが法律に明記されております。 改正の趣旨としては、特に予算執行、事務事業の遂行の結果というものがその所期の目的を達しているか、また効果を上げているかという有効性の観点からの検査の一層の充実を図るようにという、そういう趣旨での改正であったというふうに思います。 有効性の観点からの検査を進めていく上では、社会保障、文教といった、分野によってはその有効性の判断が難しいものもございますが、こういった分野でも検査手法を工夫するなどして有効性の検査をしっかりやっていかねばならないと常に考えながら会計検査に取り組んできたところでございます。 そして、近年では、そういった従来の観点に加えまして、公平性、国民生活の安全性、行財政の透明性など、国民の目線に立った検査を重要視しております。特に、私は若いときから公平性という観点に注目しておりましたが、今般の令和元年度決算検査報告におきまして、検査報告に検査の観点として初めて公平性を明記したものがあるなど、長年の蓄積を経て公平性という観点も成熟してきたように思えて、感慨深いものがございます。 これからも、引き続き、国民の目線に立ち、多角的な観点からの検査を進めていく必要があると考えているところでございます。
○安江伸夫君 是非また公平性に基づいた検査のほど、引き続きお願い申し上げたいというふうに思います。 次の質問に移ります。 先ほど来、他の先生からもございましたが、会計検査院、憲法を基とする大変重たい責任を持ち、また、それに見合った高潔な倫理観と、また深い専門性が不断の努力で求められることは言うまでもございません。 会計検査院におかれては、その検査能力の向上のために、これまでも内部研修やセミナーの開催、大学等の外部機関での研修、官民交流等々、様々な人材育成の取組を行ってきたというふうに承知をしております。また、先ほど山下委員の方からも、人材育成の観点等、外部人材の活用等の観点からも御質問がございました。 私からは、岡村参考人にお尋ねします。再任の暁には、人材育成、プロパーについて、どのような取組を行っていきたい、あるいはいくべきとお考えなのか、お答えいただきたいというふうに思います。
○参考人(岡村肇君) 会計検査において何より重要であるのは、やはり検査に当たる人でございます。人こそが財産であると感じております。 会計検査院が国民の目線に立って、多角的な観点から国民の期待に応えるような検査を十分に行っていくためには、現場の第一線で検査に携わる職員が専門的な知識を身に付けているとともに、広い視野を持っているということも必要でございます。 そのような人材を育成するため、先ほど来出ておりますが、内外の研修の充実を図ってきておりますし、また、プロパー職員の育成だけではなく、様々な専門知識、実務経験を持った民間人の採用、これも引き続き必要であると考えて取り組んでおります。 さらに加えまして、各種機関との人事交流、これも人材育成の見地から取られておりまして、現在、五十数名の職員を他府省、団体、地方公共団体等に出向で派遣をしております。かなりの割合の職員がこの出向等を経験することになるのでございますが、広い視野に立った人材の養成の観点から、行政や業務の実態を肌身で体感するということはその後の検査活動の上で非常に有益であると考えております。 このように、会計検査院では中長期的な視野を持っていろいろ人材の育成に努力してまいったところでございますが、多角的な観点から国民の期待に応えるような検査を行っていくため、引き続き幅広く人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 続きまして、EBPMに関連して質問させていただきます。 政策実現においては、EBPM、証拠に基づく政策立案が重要との認識が我が国でも浸透しつつあります。今年の骨太方針におきましても、EBPMの仕組みと予算編成との結び付きを強化するなどと記されているところでございます。 その上で、会計検査においてもこうした取組を踏まえての検査の在り方を追求する必要があると考えますが、参考人はどうお考えでしょうか。
○参考人(岡村肇君) 御指摘のとおり、骨太の方針において、エビデンスに裏付けられた効果的な政策等に予算を優先するなど、EBPMの仕組みと予算の重点化等を推進する方針が示されたものと承知しております。 会計検査院は、これまで様々な施策、事業について検査を行って、予算の執行、事務事業の遂行の結果というものがその所期の目的を達成しているか、また効果を上げているかといった有効性の観点等からの検査結果も多く御報告しているところでございます。 政策立案の根拠となるデータ等のエビデンスは、会計検査院が会計検査において施策、事業の効果の検証等を行う際にも重要なものとなると認識をしておりまして、引き続き、政府におけるEBPMの取組にも留意しつつ、会計検査の充実を図ってまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 是非、そうした予算の編成、要は入口の部分での取組と、また出口の決算というところで連動を図っていただければというふうに思います。 次の質問に移ります。 岡村参考人は、冒頭も所信を述べていただいたところでございますが、改めまして、再任された際に参考人御自身が最も力点を置いて遂行していきたいことは何であるのか、また、再任の暁、任期中に会計検査院の中で改善したいと考える課題の有無、内容、またその理由についてお答えください。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されておりますが、これまで、社会経済情勢の変化や国民の期待に積極的に対応して検査活動を発展させ、数多くの検査結果を御報告することができたと考えております。 しかし、本年、会計検査院は、新型コロナウイルスの感染拡大への対応、先ほどもございましたが、実地検査の中止、一部への限定といったような対応を取るということになりました。最も重要な検査方法である実地検査の実績が例年の半分強にとどまるという大きな影響を受けたところでございます。 この新型コロナウイルスの感染症、収束する時期やその後の生活様式がどのようになるのかなどについて見通すことは容易ではありませんが、まず、喫緊の課題としては、このポストコロナの社会や働き方の変化を見据えて、持続的な検査活動の確保のため、リモートで対応することが可能な部分はないか……
○委員長(水落敏栄君) そろそろおまとめください。
○参考人(岡村肇君) あるいは検査手法の開発はできないかといったことを検討して、ICTを一層利活用した検査を積極的に導入するなど多様な取組が必要になると、これがちょっと喫緊の課題というふうに認識しているところでございます。 検査官に再任された場合には、この課題に取り組みまして、国民の期待に十分応えられるように職責を果たしてまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 時間が来たので、終わります。ありがとうございました。
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。どうぞよろしくお願いいたします。 検査官の任期は七年であります。他と比べてみますと、人事官四年、公正取引委員会委員長、そして原子力規制委員会委員長、また日本銀行総裁、これは五年となっております。七年という、まあ一つ長い任期が与えられているということであります。その中で、検査官は満六十五歳に達したときは退官するということになっております。 任期七年の意義、そして定年により任期途中での退官がここのところ続いているという実態、これに対する所感をお伺いをいたします。
○参考人(岡村肇君) 御質問ありがとうございます。 御指摘ございましたとおり、検査官の任期七年、これは同種の官職の中では最も長いものとなっております。 歴史を振り返りますと、戦前の会計検査院の場合は、会計検査官という官職は終身官ということであったようでございます。それが、この新憲法下で新しい現在の会計検査院法が制定される際に七年という定めができております。 一方で、定年は六十五歳でございます。これも遡りますと、戦前は終身官だったわけですけれども、六十五歳、院長は六十五歳になったら自発的に退官するということで運用されていたというものを受けまして、現在の会計検査院法に六十五歳という定年が昭和二十二年に定められておりますが、その後、変更されておりません。 現在では、もう六十五歳という定年、これはもう同種の官職の中では、定年の定めがないものもございますし、七十歳という機関もあるかと思いますが、六十五歳は最も低いものということになっております。そうした中で、現在、これも御指摘ございましたように、任期を全うすることなく定年により退官するという検査官がほとんどになっているということがございます。 これは、定年の退官というのは特に不定期に参りますので、なかなか、検査官会議、これは少数合議体の三人の組織でございますので、その少数合議体の継続性といったことを考えたときにやや不都合な面も出てきているというふうに認識しております。また、社会全体として高齢者の活躍の場が広がっているわけでございますので、その中で六十五歳という定年が果たして現在でも適当なものなのかということ、そういった問題意識も持っているところでございます。
○木戸口英司君 ありがとうございます。それだけ重い職責であるということを十分に認識されていることが伝わってまいりました。 地方分権一括法が施行されて二十年が経過をいたします。機関委任事務制度が廃止され、国と地方自治体の関係は対等と位置付けられております。地方分権改革が進んできたのか、今後どうあるべきか、改めて議論が必要なときに来ていると思います。 年々厳しさを増す地方財政の中で、東京一極集中と人口減少、度重なる大規模自然災害、この度の新型コロナウイルスの感染拡大など危機に対応する中で、自立した地方の構築に向けて地方自治は強さを増してきているという、私はそういう感じを持っております。 国と地方の在り方について会計検査院としてどのように捉えておられるか、また、地方分権改革に会計検査院の役割として何を期待されていると考えるのか、伺います。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院と地方公共団体の関係ということでございますと、これは会計検査院法上、国が財政援助を与えている団体という位置付けになりますことから、会計検査院にとりましては選択的な検査対象というふうに位置付けられているということでございます。 ですから、地方公共団体が独自の財源により実施される事業等については、これはもう会計検査院が検査するというような対象ではございません。国からの補助金等を財源として実施する事業について、これは会計検査院の検査対象になるということでございます。 冒頭お話ございましたような現在のコロナウイルス感染症対策というような場面でも、地方公共団体は、国と連携しつつ、あるいは独自の工夫により、地域の実情を踏まえて様々な工夫を凝らしながら対策に取り組まれているというふうに承知をしております。 会計検査院として検査をさせていただくという場面におきましても、やはり各事業等の実施に緊急性が求められているということを留意するとともに、また、いたずらに手続の細部にこだわるということではなくて、その事業の目的を踏まえた上で、その目的にかなうものとなっているかどうか、あるいは本来の目的に沿わない不正、便乗などは、これは許せませんので、そういったことがないかというようなことを重点に置きながら検査をさせていただくことになるのではないかと考えております。
○木戸口英司君 ありがとうございます。 先ほども答弁の中で地方自治体への職員の出向というお話がございました。会計検査院と地方自治体との間で人事交流が行われているということは聞いております。また、会計検査院元職員が都道府県の監査委員等に就任している例も、これは岩手県もそうでありますけれども、五件あると聞いております。 この人事交流、また監査委員等への就任は、地方からどのような期待があると考えておられますでしょうか。また、会計検査院にとってどのようなメリットがあると考えておられますでしょうか。
○参考人(岡村肇君) 会計検査院と地方公共団体との人事交流でございますが、まず、私ども会計検査院にとりましては、職員が住民に近い立場で国の施策が地方行政においてどのように実施されていくのかというふうなことを自ら体験することができるということでございまして、今後の会計検査にも生かしていくことができるという点で大変有用な経験をさせていただいているというふうに捉えているところでございます。 また、地方公共団体から交流ということで会計検査院に来られて会計検査の業務に従事される方がいらっしゃいますが、そうした検査の経験、知識、これを持つ検査院の職員からノウハウを学んでいただいたり、あるいは事務執行等に関する様々な参考情報を得たりするというようなことはできようかと思いますが、こういった点でお役に立っていれば大変うれしいところでございます。 これは、地方公共団体の方から人事交流を望んでいただいた場合には積極的に対応していくことが望ましいというふうに考えているところでございます。 また、監査委員に就任しているというお話ございました。監査委員の人選は各地方公共団体で行われ、議会の承認を得て任命されるものでございますけれども、会計検査業務で培った能力、経験を生かして地方公共団体の事務の執行等の監査に貢献しているという御評価がいただけるのであれば、私としても大変うれしく思うところでございます。 引き続き、いろいろな形で地方公共団体と人事交流を行って、相互の人材育成あるいは組織の活性化などにつなげていくことが重要ではないかと考えているところでございます。
○木戸口英司君 もうちょっと時間がなくなりましたので、今の点について、自治体にとっては第三者の目を入れるということは大変勇気の要ることでもありますし、ただ、これから公正で合理的な効率的な行政、自立的な自治体を確立するというふうに取ってみれば、この監査機能の強化は議会機能の強化と併せて同等に非常に重要になってきていると思います。是非、こういった使命を担う監査委員の強化という意味でも、この人事交流ということは、また監査委員等への就任ということは、求めに応じてということではありますけれども、私は、これから広く進めていくべきではないかと、そのように思います。 その上で、やはり自治体行政、地方自治の在り方とこの会計検査制度ということをよく理解をし合っていくということが非常に重要だと、そのように思いますので、そのことに是非努めていただきたいと、そのように思います。 以上です。
○委員長(水落敏栄君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。 岡村参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。本委員会を代表して御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会をいたします。 午後二時十六分散会