予算委員会 第3号
- 発言数
- 505 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2020/11/04
会議録
○金田委員長 これより会議を開きます。 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官川辺英一郎君、内閣官房土地調査検討室長中尾睦君、内閣府大臣官房総合政策推進室長三上明輝君、総務省自治行政局長高原剛君、総務省総合通信基盤局長竹内芳明君、総務省統計局長佐伯修司君、厚生労働省健康局長正林督章君、厚生労働省職業安定局長田中誠二君、厚生労働省雇用環境・均等局長坂口卓君、厚生労働省社会・援護局長橋本泰宏君、農林水産省生産局長水田正和君、水産庁長官山口英彰君、海上保安庁長官奥島高弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○金田委員長 基本的質疑を行います。 去る二日の江田憲司君の質疑に関連し、枝野幸男君から質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。枝野幸男君。
○枝野委員 立憲民主党代表の枝野でございます。 過日の代表質問でのお答え、あるいはおとといの同僚議員の質疑などを踏まえて、総理に基本的な考え方等についてお尋ねをしたいと思います。 また、残念ながら、新型コロナウイルス感染症の新たな感染者の数がじわじわとふえている状況でございます。 保健所、医療機関を始め関係機関の皆さんの御尽力に敬意を表するとともに、亡くなられた皆さんに哀悼の意を表し、患者の皆さんにお見舞いを申し上げます。 この新型コロナウイルス感染症による影響で仕事を失われた方、そのことによって生活困窮に追い込まれている方、残念ながらこれが減るという状況にはまだなっていない、むしろ、失業、雇用状況は悪化をしている状況にあります。 代表質問でも、そうした皆さんの立場に立った施策が必要であるということを申し上げました。 特に、その代表として、一人親家庭、特に母子家庭において、従来から母親の仕事が非正規で低賃金という方が多い中で、仕事を失われて困窮をされている方が多くなっています。 代表質問で申し上げた支援団体の調査、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査では、児童扶養手当を受け取っている一人親家庭の六割では、この間、収入が減少しており、一割は収入自体がゼロになっているという状況で、一日の食事は一回だけだとか、残っているお金はもう数千円とか、そういう声が多数届いております。 参議院の代表質問で我が党の福山幹事長から、七兆円の予備費を活用してでも、年内にこうした家庭への臨時特別給付金、二度目を支給するべきではないかというふうに提案をいたしましたが、残念ながら、総理の御答弁は前向きのものはいただけませんでした。 今、三次補正などという話がいろいろ飛び交っていますが、三次補正では、年が明けて、実際に施行されるのはむしろ新年度になるかもしれないような状況です。 この年末年始に向けて、この一人親家庭に対する支援、年を越せないという声が多々あるという状況を総理はどう認識し、そして、この予備費の活用をお考えになりませんか。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 新型コロナウイルスの影響を踏まえて、子育てと仕事を一人で担う、いわゆる一人親家庭を緊急的に支援をするために、第二次補正予算で臨時特別給付金の支給を実施したところであります。 今後の対応としては、まずは、さまざまな困難な課題を抱えている一人親家庭の状況をしっかりと把握し、個々の家庭のニーズに沿った生活支援を、また就労支援など、多様な支援策につなげていく必要があるというふうに考えています。 このため、現在、自治体の相談窓口において、創意工夫をしながら、多様な支援策につなげている好事例を収集をし、横展開を図るなど、一人親家庭が個々のニーズに沿った支援を受けられるよう、自治体の取組をしっかり支援をしていきたいと思います。
○枝野委員 総理、それは、平時の一人親家庭に対する支援策の原稿をお読みになっているんじゃないかと感じざるを得ません。 就労支援とおっしゃいましたけれども、今、仕事が減っていて、この雇用状況はむしろ悪化をしている状況です。一人親でなかなか働く時間などの確保自体も困難な皆さんですから、この状況で就労支援してもすぐに就労できるという可能性の方が圧倒的に低い状況で、年を越せないと申し上げているんです。年内にやはり次の支援策を行わなきゃいけないと思います。どうですか、総理。
○菅内閣総理大臣 そういう状況の中で、二次補正予算の中で臨時特別給付金の支給を実施したところです。また、状況を見ながら、緊急的に対応が必要なときは対応するというのが政府の考え方であります。
○枝野委員 代表質問では、私も、それから福山幹事長もこの問題を取り上げて、具体的な、こうした皆さんを支援している団体の現場からの状況、一割は収入自体が途絶えているという状況、一日の食事を一回に絞ってそれで何とかしているという状況、こういう状況なのに見きわめなきゃいけないんですか、総理。
○菅内閣総理大臣 そうした指摘もありましたので、現状というものも、厚生労働省の中でしっかりと今対応しておりますので、厚労大臣から説明させます。
○枝野委員 今、現に、例えば収入が途絶えていらっしゃる方、仕事を失い収入が途絶えていらっしゃる方が既に民間の報告でも一割程度いるということが我々のところにも届いているという状況なんですから、遅いと言わざるを得ません。 これは一事が万事です。一人親家庭だけではない、いろんなところで、本当に年を越せない。いっとき、年越し派遣村というのがありました。あれを超えるような、この年末年始、大変な状況になるということを、私たちは真剣に、そして強い危機感を持って感じています。ぜひ、予備費を早期に活用してこうした皆さんの下支えをしていただきたいというふうに強く求めておきたいと思います。 もう一点。 脱炭素社会、二〇五〇年というのは結構なことですが、これに対して、どうも、原子力発電を活用すると、選択肢としてお認めになっています。脱炭素社会実現のためには、原子力発電所の新設、新たにつくったり、あるいは、新たにつくり増したり、増設をしたりすることも選択肢として考えておられる、こういう認識でよろしいんでしょうか。総理。
○梶山国務大臣 徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組むとともに、原発依存度を可能な限り低減する、これが政府の考え方であります。 その上で、カーボンニュートラルは簡単なことではなく、日本の総力を挙げての取組が必要と考えております。このため、あらゆる選択肢を追求する中で、必要な限りにおいて原子力も活用するというものであります。 今後、原子力を含む二〇五〇年のエネルギー需給構造やカーボンニュートラルを目指す道筋については、エネルギーの安定供給を確保しつつ、経済と環境の好循環をつくり出していけるよう、集中的に議論をしてまいります。
○枝野委員 今の経産大臣の御答弁は、代表質問等で総理からお答えをいただきました。 総理にお尋ねをします。 二〇五〇年を目標にしている。これから三十年あります。普通に考えれば、今稼働させることが可能な原発もいずれも耐用年数が切れます。選択肢として選ぶということは、新しい原子力発電所をつくることはあり得ると総理はお考えになっているということでよろしいですね。総理。
○菅内閣総理大臣 原発の新増設について、現時点においては考えていません。
○枝野委員 答弁が矛盾しているんですけれども。原子力発電は選択肢だとおっしゃっている。でも、原発の新増設について今のようなお答えでは矛盾しませんか。 活用するためには新増設しないと。三十年後ですよ。我々は一日も早くゼロにすべきだと思っています。そうじゃない立場だったとしても、ほとんどの原子力発電はもう耐用年数が切れますよ。それで原子力も選択肢なのですか。総理、どういうお答えだったと、今のお答えについて説明ください、総理。
○菅内閣総理大臣 これまでもそういう説明をしてきています。現時点においては新増設は想定をしていない。
○枝野委員 カーボンゼロ、二〇五〇年脱炭素社会を実現するためにも、原子力の活用は選択肢だけれども、新増設は考えていない、これでいいですね。総理。
○菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますけれども、現時点においては従来どおり想定はしていません。
○枝野委員 現時点でというのは、どういう、何か条件が変わったら変わるんですか。
○菅内閣総理大臣 これまでと全く同じことです。これまでもそういう説明をしました。現時点においては新増設は想定をしていません。(発言する者あり)
○金田委員長 静粛に願います。
○枝野委員 これまでもそういう説明なのはよく知っていますが、現時点でとおっしゃるということは、将来変わる可能性があるから現時点でとおっしゃっているんじゃないですか。違いますか、総理。
○菅内閣総理大臣 でも、現時点においてはまさに現時点であって、従来どおりの方針と変わらないということであります。
○枝野委員 先ほど申しましたとおり、二〇五〇年ってここから三十年後なんですよ。我々が目指しているように一日も早く原発に依存しない社会をつくるという方向性ではない御党の立場だとしても、それでも三十年後には、今稼働可能、動かすことが可能だとされている原発のほとんどが耐用年数を終わるんですよ。それで、選択肢だ、新増設はしないと。矛盾しませんかと聞いているんです。
○梶山国務大臣 原子力が二〇五〇年においても選択肢として活用できるように、新型、革新炉を含めた技術開発等、不断の安全性向上に向けた取組は進めてまいります。 今後、原子力を含む二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指す道筋において、総合エネルギー調査会とグリーンイノベーション戦略推進会議で集中的に議論をしてまいります。
○枝野委員 総理の御発言と矛盾をしているんですけれども、整理をさせてください、委員長。 新増設は今考えていないとおっしゃったのが、新型炉って言っているじゃないですか。答弁を整理させてください。閣内不一致です。
○梶山国務大臣 現時点で原発の新増設やリプレースについては想定していないというのが政府の立場であります。 昨日の質疑の中でもありましたように、技術開発や研究開発というものはしていかなければならない。そういった中で、革新炉を含めた、例えば高温ガス炉であるとかSMR、小型炉というものもですけれども、技術開発等、不断の安全性向上に向けた取組は進めていくということ。それらも含めて、今後、総合エネルギー調査会とグリーンイノベーション戦略推進会議で集中的に議論をしていくということであります。
○枝野委員 委員長、わかりません、矛盾していますよね。 研究開発は大事です。これから原発依存をなくしていくにしても、原子力についての技術開発、これは大事です。 だけれども、新増設を考えていないならば、新しいタイプの原子炉についての研究は、原子力の研究は必要だけれども、それは必要じゃないじゃないですか。これから新しい原子力発電所をつくる前提があるから、新しいタイプの原子炉について研究するんじゃないですか。それは必要ないじゃないですか、今新増設を考えていないなら。 総理、違いますか。矛盾していますよ、総理。
○梶山国務大臣 国際協力のもとに研究開発は進めていくということであります。 そして、現時点では、先ほど申しましたけれども、新増設、リプレースは想定していませんけれども、二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指す道筋については、総合エネルギー調査会とグリーンイノベーション戦略推進会議で集中的に議論をして、できる限り低減をしていくという努力の方向であります。
○枝野委員 我々も実は、二〇一一年の三月十一日までは、脱炭素社会実現のためには原子力発電を活用せざるを得ないだろうという考え方に立っていました。しかし、あの東京電力福島第一原発事故があって、今もなおふるさとに帰れない人たちがたくさんいる、これだけ広大な我が国の国土、残念ながら立ち入れない、住めない地域をたくさんつくってしまっている、こうした状況を考えるならば、一日も早く原発依存から脱却しなければならないし、そのためには新しい発電所をつくるだなんというのはちょっと考えられない。 あの反省と教訓は、総理、ないんですか。
○梶山国務大臣 二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指す上で、全ての手段、技術というものを考慮に入れていくということでありまして、例えば、イギリスにおいても、政府の見解ではありませんけれども、委員会の答申として、原子力や火力発電所というものも二〇五〇年の絵姿の一つとして入ってきているということであります。 また、これは幾つかのシナリオがありますけれども、その中の平均でも入ってきているということであります。 と申しますのは、原子力もある程度必要、そして火力というものも調整電源として必要ということを、二〇五〇年の段階、今から考える二〇五〇年では必要だということであります。
○枝野委員 脱炭素社会も大変重要なことです。後世の世代に人間が住める地球を残す、まさに命にかかわる問題です。しかし、現に私たちはわずか十年前に、そこに住み続けたら命の危険がある、そういう事故を目前で見ているんです。その直前まで、原発は事故を起こさないんだという前提で自民党政府はずっとやってきました。我々もそれを引き継いで、二年間の間に変えることなく、三・一一を迎えてしまいました。その経験と教訓を踏まえるならば、原子力に依存しないで脱炭素社会を目指すからこそ、新たなさまざまなところでの脱炭素に向けた技術革新が生まれて、それが日本の競争力になるんだと思うんです。 総理御自身が、この脱炭素社会を所信で高々と掲げられたんです。原発の事故の教訓を踏まえれば、そういう道を選ぶべきじゃないですか。いかがですか、総理。
○菅内閣総理大臣 私は、日本として二〇五〇年カーボンニュートラルをゼロにすべきだ、党内にもいろいろな意見がありましたけれども、ここをやり遂げる、そういう思いの中で宣言しました。そして、去る三十日に閣僚会議を開催をし、全閣僚にこのことを指示しました。その中で、原発については先ほど梶山大臣がここで答弁したとおりであります。
○小泉国務大臣 枝野議員から、福島の教訓を忘れていないのかという話がありました。 かつて原発の立地だった福島県の大熊町、そしてまた近くの浪江町というのがあります。そこはゼロカーボン宣言をされて、今、環境省が新たに再生可能エネルギーの導入など支援をやっています。福島県全体としても、二〇四〇年までに再生可能エネルギーを実質一〇〇%で県づくりをやる、こういった未来に向けたまちづくりを環境省は後押しをしながら、除染、中間貯蔵、しっかりと業務を進めています。 決して福島のことを忘れることなく、脱炭素、これをいかに実現していくか。まさに総理から、地球温暖化対策推進法の見直しも含めて早速検討に入るように指示がありました。環境省としても、あしたからそのキックオフをしますが、しっかりとその中で道筋を描いていきたいと考えております。
○枝野委員 小泉大臣、私が総理に聞いたことはそういう話じゃないんです。 事故を起こして、これだけの多くの皆さんが今も苦しんでいる。その直前まで、事故はない前提でいろいろ組み立てていたんです。その反省と教訓があるならば、確かに、カーボンゼロのためには、原子力発電を活用すればそれは相対的にずっと楽になりますよ。いや、原発を使えば簡単にできるとまで言うつもりはありませんが、しかし、原発を使えば相当楽になりますよ。 でも、世界各国、多くの国々が、原発に依存をせず、なおかつカーボンゼロを目指すということで、さまざまな技術革新など取り組んでいる。そこに初めて我々が同じ土俵に乗れるという、総理が宣言をされたから、その総理がこの原発についてどういう思いなのか。 本当にあの事故の教訓を踏まえていたら、新増設が視野に入るようなやり方ではないその道で、苦しいけれども進んでいくこと、これが私は進むべきだと思います。 私は野党第一党の党首です。総理に聞いています。総理の認識をお答えください。
○菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますけれども、原発の新増設については現時点では想定をしていない、これが政府としての明確な考えです。
○枝野委員 現時点では新増設は考えていないけれども、新しい原子炉についての研究開発を進める、これを矛盾していると、私はそう受け取らざるを得ません。 学術会議について聞かざるを得ません。 内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考えだと答弁をされていますが、総理、総理が答弁されているんですよ。総理、この一貫したというのはいつからですか。総理の答弁について聞いているんですから、総理、お答えください。一貫したというのはいつからですか。
○加藤国務大臣 一貫したというのは、日本学術会議が選挙制から現在の推薦に基づく任命制に変わった、それ以来一貫した、そういう意味でございます。
○枝野委員 そうすると、中曽根元総理が形式的任命とおっしゃいました。その後ですか、一貫してというのは。その前からですか。 これはいいですよ、官房長官が今お答えになったから。官房長官、お答えください。
○加藤国務大臣 今お話があったのは、昭和五十八年、一九八三年の中曽根総理の御答弁だと思います。このときに、まさに先ほど申し上げた、日本学術会議の会員の選出について、いわゆるそれまでの選挙制から推薦制に移行された、そうした法案の中でのそうした発言だというふうに承知をしております。 したがって、先ほど申し上げましたように、新たな制度、そのときの、そういった意味での、選挙制から推薦、任命という形に変わった、その段階からまさに一貫して、委員おっしゃった、平成三十年の法制局の答弁、見解、法制局と確認した見解、これは一貫しているということであります。
○枝野委員 中曽根総理が形式的任命とおっしゃって、これは政府の見解として残っているんです。形式的任命というのはどういう意味ですか。
○加藤国務大臣 御指摘の答弁は約四十年前のことでありますから、その趣旨を今から把握するということはなかなか難しいと思いますけれども、当時は、先ほど申し上げた、選挙制を廃止して新たに学会からの推薦に基づく任命制に移行しようとしたところであります。まさにそうした推薦に基づく任命ということを踏まえて、また、当時の国会答弁にもあるように、その新しい制度によって会員としてふさわしい者が推薦されるということになる、こういう期待も含めた答弁ではないかというふうに思います。
○枝野委員 官房長官、御自身の答弁が矛盾しているのをお気づきでしょうね。 当時から一貫した考えだと、当時の考え方について官房長官は答えているんです。でも、古いことだから形式的任命というのは意味がわからない。矛盾しているでしょう。形式的任命が古いことだから意味がわからないんだったら、当時から一貫したなんて言えないじゃないですか。
○加藤国務大臣 いや、ですから、当時から一貫した考えの中で、その中曽根当時総理が形式的任命と言った、その趣旨そのもの、それは今時点で把握するということは難しいけれども、先ほど申し上げましたように、そうした一貫した考え方であり、また、そうした当時の国会答弁にあるように、新しい制度によって会員としてふさわしい者が推薦されることになる、こういう期待、これを踏まえた答弁だということを申し上げているわけであります。
○枝野委員 どうして当時も、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではない、これが一貫しているわけですよね。当時、内閣法制局の了解を得た政府としての考えだというのは、何か記録が残っているんですか。記録に残っているのは形式的任命という総理の答弁ですよ。当時から一貫した考えだとおっしゃっているけれども、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないというのは、何か記録が残っているんですか。
○加藤国務大臣 まず一つは、その平成三十年の法制局との、合意しましたというか、法制局の確認をとった見解において、これまでの、当時の中曽根総理の答弁も含めて、国会でのやりとり等なども踏まえた上で一貫したということを申し上げているわけであります。
○枝野委員 聞かれたことに答えていただいていません。 いいですか、平成三十年の法制局と相談をした話だとしても、平成三十年でも大昔です、わずか二年前でしかないですから。 当時、中曽根総理が形式的任命とおっしゃったことは、ちゃんと議事録に残っているんです。記録が残っているんです。でも、そのときから一貫して、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという解釈だということについて、何か記録、証拠は残っているんですかと聞いているんです。
○加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、平成三十年の法制局との間の確認において、過去の中曽根答弁等々も含めて、それを踏まえた上でそうした見解を確認したということでありますので、詳細は法制局長官から答弁をさせていただきたいと思います。
○金田委員長 法制局長官。(枝野委員「呼んでいない。呼んでいない。登録していません」と呼ぶ) もとい。下がってください。それじゃ、戻ってください。(発言する者あり) いいですか。説明します。質問者の、指名がありましたけれども、でも、それは登録されていない。 確認しましたから、お戻りください。 枝野幸男君。
○枝野委員 法制局とやり合いたいときは、法制局をちゃんと呼んで法制局中心にやりますから。 私が聞いているのは、普通に考えればわかる論理性の話をしているんです。 平成三十年に法制局と相談をしたら、一貫して、今の制度になったスタートから、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないということになった。それは平成三十年になったんです。そのスタートの時点では、中曽根総理は、当時、形式的任命だとしか言っていないんです。 だから、当時の記録に、推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという記録がありますかと聞いているんです。法制局の解釈を聞いているんじゃないんです。あるかないか聞いているんです、官房長官。
○加藤国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、その確認の際には、過去の答弁等も踏まえながら、そうした見解を法制局との間でつくり上げてきたということであります。 日本学術会議からの推薦に基づいて、その推薦を十分に尊重する必要があるとの考え方のもとで任命を行う限りにおいて、そういった意味では、形式的任命ということ、こういった言い方もあるのではないかということでもあります。
○枝野委員 聞かれたことに相変わらず答えていません。 当時に記録があるんですか。形式的任命は記録があるんです。でも、そのとき、形式的任命としか言っていなくて、その前後の議事録を見れば、形式的任命だから総理が実質的な判断権は行使しないんだという趣旨のことまで明確に記録が残っているんです。 同じ時期から一貫した解釈だったと言うんだったら、法制局なりなんなりにちゃんと記録が残っているはずだし、記録が残っているから初めて三十年も四十年も前のことを一貫してそうだったと言えるのに、当時の記録はありますかと言ったら何も答えられないというのは、ないと受けとめざるを得ないし、ということは、平成三十年になって解釈を変えたんだと受け取らざるを得ません。 憲法十五条について伺います。 憲法第十五条一項に基づいて、公務員の選定は国民固有の権利と規定していることを総理大臣に実質的な判断権のある根拠としていますが、どこに書いてあるんですか。国民の固有の権利と書いてあるだけで、誰も、総理大臣の権限とも国会の権限とも、何にも書いてありませんよ。 憲法十五条一項からどうして総理大臣の実質的な判断権が読めるのか。総理の御答弁です、総理、お答えください。総理、お答えください。総理が御答弁されている、総理の御判断。 これは官房長官が権限を持っているんじゃないんです。この任命権、形式的とはいえ、任命権は官房長官ではなくて内閣総理大臣です。内閣ですらありません。権限、関係ない人がしゃべっているんです。総理大臣が答えてください。権限を持っているのは総理大臣だけです。
○金田委員長 まず初めに、内閣官房長官。
○加藤国務大臣 御指名でありますので。 まず、今委員御指摘のように、憲法第十五条第一項で、公務員の選定は国民固有の権利と規定をされております。この憲法第十五条一項は、まさに公務員の選定を民主的統制に置くことが求められる規定であり、それを受け定められた日本学術会議法第七条第二項、内閣総理大臣を公務員たる会員の任命者、任命権者として定めているわけであります。 したがって、内閣総理大臣は、会員の任命について、まさに国民からの負託をされ、そしてそれゆえに国民の責任を果たしていくという必要があるということであります。
○枝野委員 憲法に基づくさまざまな、例えば国民の人権などについても、抽象的な権利は発生していますけれども、具体的な権利になったりとか具体的な手続になるかどうかというのは、その憲法を受けて、憲法を踏まえた法律に基づいて権限が付与される、そのときに初めてその権限は行使されるんですよ。国民の人権は行使されるんですよ。どうしてもその法律上の規定がないときに、憲法に基づいて、解釈に基づいてそうした人権が認められるケースがありますが、その場合も、憲法に基づいて、こういう範囲の権利であるとか、そういうことが定められます。 総理大臣の権限、民主的な統制だ、だとしたら、そのことについてちゃんと法律上規定がなければいけない。それが本来の姿です。法律がまさに法の不作為だというのであっても、それは、憲法の趣旨に基づいて、一定の制約のもとでの権限のはずです。 じゃ、憲法十五条一項に基づいて、もし総理に実質的な判断権があるなら、それは羈束裁量ですか、自由裁量ですか。総理、お答えください。
○菅内閣総理大臣 官房長官からもいろいろ答弁しておりますように、第一項との関係で、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府の考え方であります。それに基づいて、その時点で任命権者として適切に判断いたしたい。 いずれにしても、法制局、私ども政権、とってあり、法制局のそうした了解を得た上の判断です。
○枝野委員 国民の皆さん、内閣法制局って独立機関じゃないですからね。内閣の一機関ですから、総理大臣が農林水産省の了解を得ていますと言っているのと意味は変わりませんから、ほとんど意味のない発言だということを申し上げておきたいんですが。 質問に答えていただいていません。推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという総理大臣の権限が仮にあるとしても、その権限行使は自由裁量ですか、羈束裁量ですかと聞いているんです。
○加藤国務大臣 これは全く、総理が全く白紙で自由にやれるのかということではないことは法文上明らかであります。日本学術会議からの推薦に基づいて、そして総理が任命をするということであります。 ただ一方で、じゃ、推薦どおりにしなければならないのかという今委員の御指摘については、これまでも御説明しておりますように、必ずしも推薦どおりに任命しなければならないわけではない。そして、そうした任命に当たって、任命権者、この場合は内閣総理大臣でありますけれども、日本学術会議法に基づき、会議の目的及び職務等を踏まえ適切に任命を行う、これは当然のことだと思います。
○枝野委員 ですから、その推薦どおり任命する、これは法律上決められていますよ。推薦された人を任命しなくてもいいケースがあるという権限が総理にあるんだとしたら、そうおっしゃっているわけですよね、その権限は自由裁量で行使できるんですか、それとも、それは一定の制約のもと、基準のもとにこうしなきゃならないような羈束性があるんですかということを尋ねているんです。
○加藤国務大臣 ですから、推薦に基づいてと法文にはたしか書いてあったと思いますけれども、当然、その推薦の範囲の中で総理は任命をしていくわけでありまして、そうした推薦は尊重するということは当然でありますけれども、しかし一方で、任命権者が、先ほど申し上げましたように、日本学術会議の趣旨や目的等に照らして、会員の任命について国民及び国会に対して責任を負えないような場合にまで推薦のとおり任命しなければならないわけではないということは申し上げているところであります。
○枝野委員 じゃ、今回の六人は、任命したらそういうことになる人たちなんですね。そうお認めになった、いいですね、今回の六人は。加藤陽子先生始め、そういう人たちなんですね。この人を任命したら今のようなことが起こる人たち、そういうふうにお認めになった、よろしいですね。
○菅内閣総理大臣 政府の法案に反対しているからとか、特定の分野の研究者だということで任命を判断したわけではありません。 私は、たびたび申し上げていますけれども、年間十億円の予算を使って活動している政府の機関です。任命された場合、公務員となるのですから、その前提で、社会的課題に対して提言などを行うために、専門分野の枠にとらわれない広い視点に立ってバランスのとれた活動を確保するために必要な判断を行ったものです。 さらに、今回の個々人の任命の判断とは直結しておりませんが、私は学術会議自体に官房長官時代からさまざまな懸念を持っていました。かねて多様な会員を選出すると言われながら、現状は出身や大学に大きな偏りがある。そして、産業界や四十九歳以下の若手はわずか三%。また、会員の選考は、全国に約九十万人いる研究者のうち約二百人の現在の会員や二千人の連携会員、この人たちとつながりがない方については選ばれないんです。閉鎖的で既得権のようなものになっていると言われても私はここは仕方がない状況だと思います。 そうした中で、推薦された方々をそのまま任命されてきた前例踏襲をやめて、総合的な判断として九十九人を任命する判断をいたしました。 また、個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関することであり、お答えを差し控えるということを私は今日まで申し上げてきました。
○枝野委員 壊れたレコードみたいなことをやるなら、もう原稿を読むのはおやめになって、自分でお話しになった方がいいんじゃないですか。 今、総理が前段でおっしゃられたことは、制度論としてどうあるべきかということについていろいろな御意見があるのは結構ですよ。だけれども、今の制度は、推薦に基づいて、だから、推薦された人の中で任命しない人があることはあるんだというところまでは言っているんだけれども、偏りがあるから偏らないように推薦しろとか、偏らない人を推薦して上げてこいだなんということを、全然、権限上、今認められていないんですよ。出てきた人の中で、この人はだめだ、嫌だということしかできないと御自身でずっと言っているんですよ。偏りなんか、変わるわけないじゃないですか。 そもそも、女性の比率が少ない、でも、そこに並んでいらっしゃる閣僚の中の女性比率よりも高いですよ、学術会議の方がよっぽど。たった一人しか学術会議に選ばれていない大学の先生を今回排除していますよ。たった二人しか選ばれていない大学の先生を排除していますよ。偏りをむしろ強めるような人事をしておいて、偏っているから、だから推薦どおり任命しなかったんだと。 じゃ、どういう基準で推薦が上がってきてもはねる人が出てくるんですかということについて一貫してお答えにならないから、それは恣意的じゃないですかと。気に入らない人が排除されるんだ、それは推薦する側、学術会議の学者さん側からすれば、何か基準もわからないで排除された、何か政権に都合の悪いことを言うと排除されるのかな、そんたくしなきゃいけないのかなというふうに受け取るのが普通の人じゃありませんか。 それは、ルールとして総理が選ぶという制度であるならば、それはそれで一つの考え方だけれども、推薦されたとおりに基本的には選ぶんだ、そこまではちゃんと現状でも認めておきながら、何かわけのわからない、基準もない状況で、この人だけは排除する、こんなばかな話があるかということを聞いているんです。 別の切り口から、最後に一問聞きましょう。 会員として不適当な行為があってやめさせる場合、どういう要件が必要ですか。総理大臣が勝手にやめさせられますか。どういう手続が必要ですか。
○金田委員長 内閣官房長官加藤勝信君。(枝野委員「わからないならいいです、いいです」と呼ぶ) 進めていいですか。(枝野委員「はい」と呼ぶ)
○枝野委員 いいですか、学術会議法二十六条ではこう書いてあるんです。「内閣総理大臣は、会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議の申出に基づき、当該会員を退職させることができる。」学術会議の了解、申出がなければ、総理大臣は勝手に、会員として不適当な行為があったって、やめさせられないんですよ。 こういう、やめさせるときでさえ学術会議の申出がないとやめさせることができないのに、学術会議の推薦を合理的な理由も説明できずにはねのけるだなんて、法律上、できるはずないじゃないですか。
○加藤国務大臣 今の御指摘、二十六条、この退職規定、あるいはその前に辞職規定もありますけれども、これはまさに、一度会員として認めた方についてということであります。 今議論しているのは、会員として任命するに当たってということであり、そして、先ほどから御答弁申し上げておりますように……(発言する者あり)
○金田委員長 静粛に願います。
○加藤国務大臣 まず、日本学術会議の趣旨や目的、こうしたものを踏まえて適切に任命を行っていく、これはまさに、国民から総理が負託を受けているわけでありますから、通した責任を果たしていくのは当然だというふうに思います。
○枝野委員 いや、国民の皆さんもちょっと考えていただければわかると思うんですけれども、会員として不適当な行為があった、不適当な行為があったって、これは、外に向かって会員として何か行動したことが、おかしなことを言ったとかおかしな言動があったというようなことがあったときですら、総理大臣は勝手にやめさせることはできないんですよ。それぐらい独立性を確保する法律になっているんですよ。 なってしまった後の話と、なるときの話は違う。なるときこそ、むしろ、そういう問題があるかどうかもわからない人なんだから、まず推薦どおり決める。問題があった場合ですら、学術会議の申出がなければ総理大臣は勝手にやめさせられない。これぐらい独立性を高めている組織であるのに、抽象的な憲法十五条を持ち出してきてだなんという話は、どう考えたって成り立たない話だということを指摘をしておきたいと思います。 最後、これこそ最後にしたいと思うんですが、先日、おとといの川内議員の質疑の中で、理論的には川内議員の言うとおりとお答えになっていますが、どういう意味ですか、総理。総理の御答弁ですから、総理しか答えられません。
○金田委員長 枝野さん、質問をちょっとわかりやすく、もう少し加えてください。どの部分をおっしゃっているか。
○枝野委員 その後の報道などでは一番注目されていますよ。 今、任命していない、欠員になっている状態、違法状態ですよね。これは勝手に、学術会議の推薦もない状態で、勝手に指名することはできません。したがって、学術会議から推薦を六名していただいて任命をしないと、六名の欠員がいるというのは違法状態だし、学術会議が推薦をしてくれなければ任命は総理はできないんだから、違法状態は続くし、だとしたら、学術会議が納得する、つまり、六名をもう一回推薦してもらってその人を任命しない限り、違法状態はずっと続く、こういうことですねという議論の中で、理論的には川内委員が言われるとおりだと思いますとお答えになっているんです。 だとしたら、学術会議、既に要望という形で、この六名を任命してくれと言っているので、これは改めて推薦があったとみなすことは法的に十分可能だと思いますので、憲法十五条からあそこまでの解釈をするぐらいですから。直ちに六名を任命して違法状態を一日も早く終わらせて、この議論は終わらせたいと思うので、ぜひ理論どおりにやっていただきたい。お願いを申し上げます。
○菅内閣総理大臣 私、当日のはこういう答弁をしています。学術会議の推薦は、あくまで今回の任命のために行われたものであり、推薦された者の扱いを含め、任命権者として最終判断したものです。したがって、一連の手続は終わっており、仮に新たに任命を行うことは、日本学術会議法に沿って改めて補充のための推薦手続がとられる必要がある。 ですから、一緒です。
○枝野委員 時間が来たので終わりますが、総理がおっしゃっているのは、そこもおっしゃっていますが、今は欠員状態、これは違法状態ですよね。学術会議から推薦がなければこの六名を埋められない、この解釈もさすがにお認めになっているんですよね。 だとしたら、学術会議にもう一回あの六人を、私は先ほど、事実上再度の推薦をしているんだからそれでいいじゃないか、このまま任命すればいい、どうしてもとおっしゃるならば、あれで任命行為が終わっているとおっしゃるならば、もう一回あの六名を推薦していただいてそれで任命をすることで、とにかくこの問題を早く終わらせましょうということを強く提案をさせていただいて、同僚議員に時間を譲りたいと思います。 ありがとうございました。
○金田委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。
○岡田委員 立憲民主党の岡田克也です。 きょうは、外交、安全保障の問題について質疑をしたいと思います。 まず、対北朝鮮外交、総理は官房長官としても深くかかわってこられた問題だと思います。 まず最初に、一点確認です。 総理は所信表明演説の中でも、日朝関係に関して、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す、こう述べられました。従来の方針を確認されたということだと思います。 ただ、私、もう一つ確認していただきたいことがあります。 それは、対北朝鮮に対してCVID、つまり、北朝鮮の核とミサイルについて完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での廃棄を求める、これは日米韓の共通認識だと思いますが、基本的にはこの方針を受け継いでいるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○菅内閣総理大臣 安保理決議に従って、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及び射程の弾道ミサイルの完全、検証可能な、かつ不可逆的な、いわゆる今委員からお話がありましたCVIDを求めていく方針に変わりはありません。 また、この方針については、米国、韓国とも完全に共有をいたしております。 今後とも、日米、日米韓の三カ国で緊密に連携をし、中国、ロシアを含む国際社会とも協力をしながら、北朝鮮のCVIDの実現に向け、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、朝鮮半島の非核化、これはぜひ進めていきたいと思います。
○岡田委員 そこで、拉致問題を含む対北朝鮮外交、これは安倍前総理にとっても最優先課題だったと思います。その前に、拉致問題に関しては安倍総理のもとで国際的な理解と協力が拡大した、ここは政権としての大きな成果だというふうに思います。 しかし、現実に北との交渉の状況を見ると、残念ながら拉致被害者が帰ることはなかった。そして、この間、北朝鮮の核、ミサイルの開発はどんどん進んで、現実に日本に核ミサイルが到達し得る、そういった脅威が生まれるようになった。 なぜ、この対北朝鮮外交、安倍政権のもとでうまくいかなかったのか、総理はどういうふうに認識しておられますか。これは総理が官房長官としてやってこられた話なので、外務大臣に聞くつもりはありません。
○菅内閣総理大臣 日朝関係を前に進めるべく、北朝鮮に対して影響力を行使する各国の首脳と緊密に連携をしきました。トランプ・アメリカ大統領、習近平中国国家主席、文在寅韓国大統領、それぞれから、金正恩委員長に対して、我が国の立場というものを直接伝えてもらいました。 同時に、我が国自身、自主的な取組も進めてきており、北朝鮮に対してさまざまな働きかけも行ってきておりますが、詳細は、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるために、明らかにすることは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしろ、我が国としては、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す考えに変わりはなく、今後とも国際社会と緊密に連携して取り組んでいきたいと思います。
○岡田委員 私は、安倍政権、対北朝鮮外交という意味では成果が残念ながら出せなかった、失敗したというふうに思っています。それがなぜかということを少し検証してみたいと思います。これは、菅総理のもとでぜひ前に進めてもらいたい、そういうふうに考えて検証するものであります。 資料をちょっとごらんいただきたいと思います。安倍首相の今までの発言などをまとめてみたものです。 この中で、一つの転機になったのは、二〇一八年九月二十五日の国連総会の演説で、ここで安倍総理は、金正恩委員長と直接向き合う用意があるというふうに言われました。その後、条件をつけずに会って話したいと。この方針は菅総理も引き継いでおられる。 疑問は、同じ国連総会演説、更にその一年前ですね。一年前には、対話とは、北朝鮮にとって、我々を欺き、時間を稼ぐための最良の手段であった、必要なのは対話ではなく圧力だ、こういうふうに言われたんですね。 なぜ一年間で、対話を否定するような発言から、直接向き合う用意があるというふうに変わったんでしょうか。その理由をお聞かせください。総理、直接やってこられたのは総理ですよ、官房長官として。
○茂木国務大臣 もう御案内のとおり、日朝平壌宣言の当時から、対話と圧力、その両方をもって北朝鮮の前向きな対応を引き出していく、こういったことを続けてきたわけでありまして、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決して、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す、我が国の北朝鮮外交の基本方針は一貫をしている、そのように考えて、その上……(岡田委員「質問にちゃんと答えてください」と呼ぶ)ちゃんと答えていますから……(岡田委員「長く答えてもらう必要はないですから」と呼ぶ)大切な問題なので。 米国は、制裁を維持しながら、対話を通じて、朝鮮半島の完全な非核化について北朝鮮との間で合意し、その履行を促しているわけでありまして、我が国としては、米朝プロセスを支持して、また国連安保理決議の完全な履行を確保していくことが重要である、こういった文脈の中において、もちろん、条件をつけずに話し合う、こういう対話の路線を閉ざしているわけではありませんが、きちんとした制裁等々によって圧力をかける、こういったこともやめているわけではありません。
○岡田委員 これは総理が官房長官として深くかかわってきた話なので、総理にお聞きをしたいんですが、今の外相の答弁にありますように、実は米朝首脳会談というのがその間にあったということですね。トランプ大統領が米朝首脳会談を提案した。突然のことで世界は驚いたと思います。それがあって、慌てて日本の方針も変わった、そういうふうにしか私には思えないわけです。 私が気になるのは、二〇一七年の国連総会演説で対話を否定したということです。必要なのは対話ではなく圧力だ、ここまで言う必要があったのか。みずから対話の道を閉ざしてしまった。ここは、総理、どう思われますか。
○菅内閣総理大臣 政府として、具体的対応については、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するために何が最も効果的であるかという観点から不断の検討を進めてきており、その方針に変わりはないということです。
○岡田委員 事務方も困ってお粗末な答弁しか用意できなかった、それを読む総理もお気の毒だと思いますけれども、やはり、ここで対話の可能性を、国連総会、そういう大きな場で日本国総理大臣が否定したというのは、私は、これは絶対に間違いであったというふうに思います。 もう一つ聞きます。その前ですね、日米首脳電話会談がありました。その中でトランプ大統領は、全ての選択肢がテーブルの上にあるというふうに述べられました。その間、米朝の首脳間では激しい言葉のやりとりがあって、本当に戦争になるんじゃないか、そういうふうに世界は心配をしていたわけです。 そのときに、この電話会談の中で安倍総理が何と言ったかというと、トランプ大統領の発言を一貫して支持をする、高く評価する。これは適切だったんですか。
○茂木国務大臣 岡田委員、先ほどから申し上げておりますように、日本の基本的な方針、これは対話一辺倒でもなく圧力一辺倒でもない。相手の出方であったりとか、また米国の対応、こういったものとも連携しながら、時には圧力を使うことによって相手の前向きな反応を引き出す、時には対話をすることによって、実際に米朝の間で二回の対話が行われて、そこの中での合意というのが行われているわけであります。 そういった連携のもとで、圧力が必要なときに圧力に重きを置いた発言をする、また、対話の機会が醸成してきたら、日本としても条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合いますよ、こういう話をしていく。そういった中で、拉致、核、ミサイル、こういった問題を包括的に解決して、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指していきたい、この方針は一貫いたしております。
○岡田委員 状況に応じて発言の中身が少し変わるというのはわかりますが、問題は、これは一国の総理大臣の発言ですからね。対話じゃなくて圧力だというふうに対話を否定する、そういう発言があった。そして、トランプ大統領が、全ての選択肢がテーブルの上にある、つまり武力行使を視野に置いた発言をしたときに、一貫して支持するとか、高く評価する。 もし米朝間で武力行使という事態になれば、それは最も影響を受ける、戦場になる可能性があるのは日本でしょう。日本国民の命と暮らしを守るというのは日本国総理大臣の最も大事なことだとすれば、こんな軽率な発言、できるんですか。私は、総理に同じことを言ってもらいたくないから聞いているんです。総理、どうですか。
○菅内閣総理大臣 日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルという諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指すという我が国の対北朝鮮の外交基本方針は一貫しておりますので、そういう中で、御指摘は当たらないというふうに思います。 私自身も、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。
○岡田委員 私は今までの経緯についてお話をしているわけです。率直に言って、これは支離滅裂、場当たり的、そう言われても仕方のない、今までの安倍政権下での、特に安倍総理の発言だったと思います。同じことを菅さんには繰り返してもらいたくない。やはり、日朝間で話合いをするというときに、もちろんいろいろな要素がありますが、相手が信頼できるかどうかというのも重要な要素だと思うんですね。それを否定するようなことは私はしてもらいたくない、そういうふうに思っているわけです。 もう一つ、ストックホルム合意というのがありました。これは、その少しさかのぼる二〇一四年五月、北朝鮮と日本との間で、一つの、私、これは外交成果だったと思うんですが、北朝鮮は特別委員会を設置して拉致被害者を含む日本人行方不明者の全面的調査を約束する、日本は見返りに独自制裁の一部を解除する、こういう合意ができました。 当時、菅官房長官は、いつまでにその結果が出るのかというふうに聞かれて、調査が一年を超えることはないと思っている、これは二〇一四年五月三十日の記者会見での発言です。非常に楽観的なことも言われていた。しかし、結果的には、これはかなわなかった。 これは、なぜうまくいかなかったんですか。当時の官房長官としての発言もありました、楽観的な。そのときは、本当に一年でできると思っておられたんだと思うんですね。なぜうまくいかなかったんですか。総理の発言を求めたいと思います。
○菅内閣総理大臣 二〇一四年五月のストックホルム合意については、拉致問題は解決済みである、北朝鮮はそう言い続けてきたんですけれども、北朝鮮との間でかたく閉ざされていた交渉の扉を開き、北朝鮮に拉致問題を、者を始めとする日本人に関する全ての問題解決をするという意思表示をさせた、そのことは有意義だったというふうに思います。 我が国としては、引き続き、同合意は有効であると考えており、他方、同合意以降、北朝鮮の特別調査会によって調査、それについて北朝鮮から調査結果の報告がなく、報告書も受け取っておりません。 いずれにしろ、問題は、北朝鮮がストックホルム合意の履行に向けた具体的な行動を示していないことにあるわけでありまして、我が国としては、北朝鮮に対して同合意の履行を求めつつ、一日も早い拉致問題解決、拉致被害者の帰国実現、そこに向かってあらゆる努力をここは傾注しているところであります。
○岡田委員 これは、全面調査を北朝鮮側が約束した、合意したという中で、残念ながら途中で頓挫してしまったということです。 今、総理は、北朝鮮側から調査結果が示されたことはないというふうに言われました。一部には、北朝鮮からの調査結果が余りにも不十分だったから日本政府が拒否した、そういう報道もありました。総理はそれを今否定されたと思いますが。いずれにしても、これは非常に惜しかったと思うんですね。 拉致問題の解決のためには、やはり日本が納得できるだけのきちんとした調査結果、生きている方について、しっかりその特定と日本に帰すこと、北朝鮮側が不幸にして亡くなった方がいると言うのであれば、そのことを日本が納得できるような客観的な結果、エビデンスを示すこと、そういうことがなければ、私は、拉致問題の前進というのはないというふうに思うんですね。 もう一回きちんと再調査するということについて、提案するお気持ちはありますか。
○茂木国務大臣 拉致問題の解決のためには、事実関係の確認、委員おっしゃるように極めて重要でありまして、ですから、一四年の五月に、厳しい交渉を経てストックホルム合意を引き出したわけでありますけれども、それにもかかわらず、今総理の方から答弁ありましたように、調査が実施をされていないということは極めて遺憾であると思っております。 岡田委員の考えがどうかはわかりませんが、じゃ、ストックホルム合意と違った形で何らかの調査をするということになりますと、我々は、ストックホルム合意、これは生きていると考えておりますけれども、その見直しにもつながりかねない、このような懸念を持っております。 恐らく、ストックホルム合意が動かなくなった、これは北朝鮮に問題があるんですよ。二〇一六年、一月に核実験をやって、二月に弾道ミサイルの発射をする、そこからやはり北朝鮮の姿勢が変わる。それによって、先生の年表にも出ております、二〇〇七年から、やはりなかなか対話では物事が動かない、圧力をかける必要があるということで、アメリカも日本も、そういうことを重点にしながら、相手側の前向きな対応を引き出してきた、こういう経緯だと考えております。
○岡田委員 私は、北朝鮮と日本との直接交渉、これは、先ほどの拉致問題が当然あります、それだけではなくて、核、ミサイルの問題は日本自身の安全保障に極めてかかわる問題だ、そういう中で、両国間で直接交渉するということはとても大事だというふうに思うんですね。そのための条件をどう整えていくかということだと思います。 今、北朝鮮はかなり厳しい状況にあると言われています。経済制裁、そして、新型コロナウイルスの関係で国境を閉ざしていること、水害の問題。金正恩委員長の国内向けの発言も、かなり異例のものがありました。 そういう中で、例えば、国連のWFP、世界食糧計画では、北朝鮮の人口の四〇%ほどが栄養不足の状況にあるという報告もしています。制裁に反しない限りでの食料支援、人道支援、そういったものを提案するおつもりはありますか。
○茂木国務大臣 現在、北朝鮮は、委員おっしゃるように、三重苦とも言われるわけでありますけれども、三つの困難。一つが新型コロナウイルスの影響。これによって中国等との物資のやりとりも途絶えている、人のやりとりも途絶えている。さらには台風と水害。台風も相次いでおります。そして経済制裁。これによって経済状態も悪化をしている、また、さまざまな食料そして物資が不足をしている、これは間違いないと思っております。 その上で、少なくとも現状において経済制裁の緩和というものは時期尚早だと考えておりますが、一般的に、人道支援につきましては、その必要性を含めて総合的かつ慎重に見きわめた上で適切に判断をしていくことにしておりまして、北朝鮮の経済の動向であったりとかさまざまな動き、常日ごろからしっかりと情報収集、分析をしていきたいと思っております。
○岡田委員 私は役人の答弁を聞きたいわけではありません。これは政治的な決断の問題ですね。 ここで、日本の総理大臣がかわった、これは一つのチャンスだというふうに思うんです。物事が変わるわけです。今までの流れとは違う流れになる。アメリカは、大統領選挙、結果がどうなるかまだわかりませんが、トランプ大統領のもとでの米朝協議は事実上行き詰まっていた。そして、バイデン大統領になれば、外交の布陣が決まって、そして動き出すまで恐らく、一月以降、数カ月かかるというふうに思うんですね。だから、ここは空白期間がある。 私は、ここで、総理はどんな小さなチャンスも逃さないとおっしゃるんだけれども、来るチャンスを逃さないんじゃなくて、チャンスをつくり出すことこそが外交じゃないかと思うんですよ。そういう総理のお気持ちはありますか。これは北も聞いていると思うので、ぜひお述べいただきたいと思います。 〔委員長退席、山際委員長代理着席〕
○菅内閣総理大臣 まず、米国大統領選挙について予断をすることは差し控えますけれども、政府としては、これまでも、条件をつけずに金正恩委員長と向き合う決意のもとに、北朝鮮に働きかけを行ってきております。 いずれにしろ、私自身も、被害者の皆さんとの会合でも、どんな小さなチャンスでも逃さないということを申し上げております。そうした中で、そうした状況をつくるべくいろいろ努力もしていることも事実であります。そうしたことで御理解をいただければと思います。
○岡田委員 恐らく水面下でいろいろな御努力はされていることだと思います。最後はやはりトップの発信だというふうに思うんですね。ぜひ、このチャンスを逃さずに、チャンスをみずからつくり出していただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。 次に行きます。敵基地攻撃能力です。 安倍総理の九月十一日の談話の一部をここに載せておきました。総理も、四大臣でこれを議論しているそのうちのお一人だし、内閣でこれを取りまとめているわけですから、中心人物だったと思うので聞くんですが、ここで、この談話の中で、「迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことが出来るのか。」というふうに言っています。これは問題提起ですね。だから、迎撃能力だけでは十分じゃない、そういう前提で談話ができている。 ということは、迎撃能力の反対は、私は攻撃能力あるいは反撃能力ということだと思うんですが、そういう理解でいいですか。
○菅内閣総理大臣 これは、今委員から御指摘ありました内閣総理大臣談話、安倍総理が退任に当たり、弾道ミサイルなどの脅威への対応のあり方について、政府としての問題意識、それと検討の状況を整理したものであります。ただ、閣議決定は行っておりません。 その上で、弾道ミサイルなどの脅威から我が国を防衛するために迎撃能力を向上させることは当然として、それだけで将来にわたり我が国を守り抜くことができるかどうかという談話で述べた問題意識のもとに、迎撃能力以外に抑止力を強化する方策について、現在、これは検討している段階であります。 これ以上の詳細については、政府内でまだ検討の段階でありますので、お答えすることは差し控えていただきますけれども、政府としては、この談話を踏まえて議論を進めていき、あるべき方策というものを取りまとめていく考えであります。
○岡田委員 具体的に採用するかどうかは、それは今検討しておられるんですから、私はそこまで求めているわけではないんです。しかし、迎撃能力以外の能力といえば、攻撃能力あるいは反撃能力、そういったことしかないですねという確認をしているんです。いかがですか。
○茂木国務大臣 言葉の上で反対語がどうかということであれば、一般的には、迎撃能力の反対の意味で攻撃能力、反撃能力というのは出てきますけれども、言ってみますと、迎撃能力の中には、相手の例えばミサイルの発射能力、さまざまな外交努力も含めて、それを削減させることも含めて、相手の攻撃能力の低下、これも概念上、迎撃能力の向上につながるものだと考えております。
○岡田委員 今、政府の中で、あるいは四大臣会合の中で、この攻撃能力というものについて議論はしていないということですか。それとも、議論はしているんですか。そのぐらい明確にしなきゃ、いきなり、年内にと言っていますから、結論が出てきて、もう予算措置もしますというんじゃ、これは議論の余地がないじゃないですか。そのぐらいのことはちゃんとお答えになるべきじゃないですか。非常に大事な話ですから、これは。どうですか、総理。
○岸国務大臣 お答えいたします。 談話にありますように、この抑止力をいかに高めていくか、我が国への弾道ミサイル等による攻撃の可能性を一層低下させていくかということについて、迎撃能力以外にこのような能力としてどのようなものが考えられるかということについて検討しているということでございます。 まだ政府として結論を出していない状況ですので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○岡田委員 もともと安倍総理は敵基地攻撃能力ということでこれは問題提起された話ですよね。攻撃能力を持つかどうかということについて議論しているかどうかということも認めないんですか。それじゃ、これは、談話で言いたいことだけ言って、中身はこれからですと。少なくとも、この談話の意味するところの意味についてきちんと説明する責任が、総理、あるんじゃないですか。どうですか。
○菅内閣総理大臣 この公表されました談話は、安倍前総理の退任に当たって、国家安全保障会議において重ねていただいた議論について、政府としての問題意識、その検討の状況を改めて整理したものであります。私自身も、四大臣会合に当然、官房長官として議論には参加をしてきました。 また、この談話は、閣議決定を得ていない、そういう意味において、原則として効力が後の内閣に及ぶものではないと考えておりますが、私の内閣においても、談話を踏まえて議論は進めて、あるべき方策というものは考えていきたいと思います。
○岡田委員 攻撃能力を持つという議論をしているのかしていないのか、そのことも明確にしないというのは、私は、余りにもおかしな話だというふうに思いますよ。談話まで出している、その前に、敵基地攻撃能力ということも使っていた。結論としてそういう攻撃能力を持つべきかどうかという、その結論について私は聞いているんじゃないです、ただ、議論はしているんですねということを確認しているだけです。それすらお答えにならないというのは、私は全く理解できないわけですね。 そして、抑止力ということを先ほど防衛大臣も言われました。もし何らかの攻撃能力を持って抑止力の向上ということにするのであれば、これは、例えば、相手が数発ミサイルを撃ってきたから数発撃ち返す、こういう話ではこれは抑止力にならないですね。その先に、相手がそれに対抗して更に撃ってきたときに、それに対してもきちっと対応できるということがなければ、これは抑止力にはならない。 北朝鮮も、そして中国も数百発以上のミサイルを持っている中で、中途半端なミサイル能力を持っても、私は抑止力にならないというふうに思うんですね。その点、いかがですか。そういう議論はされていますか。
○岸国務大臣 今政府で検討している抑止力とは、安倍前総理も述べていますとおり、例えば、日本にミサイルを撃ち込もうとしている相手にそれはやめた方がいいと思わせる、そういう能力を意味しているものだと解しております。ということでございます。
○岡田委員 やめた方がいいと思わせるにはそれ相応のものを持たないと抑止力にはなりませんねということを私は言っているわけです。中途半端な、数発ミサイルを撃てたとしても、相手がそのときには更に撃ち返す、それを抑止させるためには、ある程度のものを日本も持たざるを得ませんね。 逆に言うと、そういう形でいけば、もちろん、きょうは議論は時間がないのでしませんが、専守防衛との関係も出てくるし、そもそも防衛予算を、例えば、イージス・アショアの後継、代替をどうするのか、あるいは宇宙もある、サイバーもある、そういう中でどういうふうにして割り振っていくのかということを考えたときに、大きなそういった抑止力あるいは攻撃能力を持つということが果たして適切なのかどうかという観点は、私はこれはしっかりやってもらいたいと思うんですが、総理、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 いずれにしろ、我が国が自衛権を行使できるのは、他国が武力攻撃に着手した時点であり、いわゆる先制攻撃を行うことは許されない、その考え方というのは変わっておりません。
○岡田委員 それは当然だと思いますし、私、別に聞いていないんですね。 ただ、反撃するという場合に、着手した段階でそれに対応するというのは、移動式の発射装置というものがある以上、ほとんどそれはあり得ない。だから、撃たれたときにそれに対してどう反撃するかという、ここの議論だと思うんですね、抑止力の議論というのは。それが中途半端なものだとほとんど意味がありませんね、もっとほかに防衛政策として予算を投入すべきことがあるんじゃないですかということを聞いているんです。いかがですか。
○茂木国務大臣 日本としてどういった形で防衛力を持つかと。抑止力も含めると、基本的には日米の役割分担のもとで、主に打撃力は米国に依存をし、防衛について日本が担う、こういうもとでの役割分担も変わりませんし、当然、憲法、そして国際法の範囲でやっていくということになりますけれども、今変わってきている、例えば北朝鮮の持っているミサイルがどれぐらいあるか、こういったことも考えて、単純に今までの迎撃能力、この向上で国民の命や平和な暮らしを守り抜くことができるのか、こういう問題意識を持って議論を進めているということであります。
○岡田委員 私の議論を余り聞いていただいていなかったのかもしれませんが、北朝鮮が数百発のミサイル、あるいは中国も同じですね、それ以上のものを持っているという中で、日本が攻撃能力を持って抑止力だというなら、それは中途半端なことでは済まなくなりますよ、それを本当に踏み切るんですか、憲法の議論は横に置いたとしても、それは果たして日本の防衛政策として適切なことなんですかということを私は聞いているわけであります。 いずれにしろ、これは年内に意思決定するというふうに書いてある、「今年末までに、」と書いてあるんですが、そういうスケジュールは変わっていないんですか、総理。
○岸国務大臣 現在、我が国を取り巻く安全保障環境が大変厳しさを増している状況です。特に、今委員も御指摘の北朝鮮、弾道ミサイルの発射や核実験、こういったものを繰り返している。こうした軍事動向は、我が国の安全に対して重大かつ差し迫った脅威となっているわけです。 こうした中で、国民の命と平和な暮らしを守り抜く、こういう政府で最も重大な責務である、これを果たしていかなければいけないわけですけれども、これについては、やはり、先々月の総理談話を踏まえて議論を今進めているところでございます。総理談話を踏まえて、これからスケジュールを詰めていくということでございます。 〔山際委員長代理退席、委員長着席〕
○岡田委員 私は、そもそもこれは、イージス・アショアが頓挫したから今度は敵基地攻撃能力だという、その脈絡で出てきている話だと思うんですが、そんな軽いものじゃないというふうに思うんですね。極めて重要、確かに、北朝鮮あるいは中国の核能力、ミサイル能力、そういう中で日本が国民の命と暮らしをどう守っていくかということは本当に重い課題ですから、しっかりした議論は必要だと思います。だけれども、余り安易に攻撃能力ということに行ってしまうと、かえって中途半端なことになって、木を見て森を見ずの議論になるんじゃないかということを私は指摘をしておきたいと思います。 もちろん、憲法上の問題、専守防衛、他に手段がないときとか必要最小限のとか、そういう制約がかかっている中でそういったミサイル能力、攻撃能力を持つということが、私は、今の憲法は許容しているというふうには思っておりません。 いずれにしても、しっかりと国会でこのことを議論する時間をつくっていただきたいというふうに思います。いきなり結果が出てきて予算措置しましたということでは、私は、許されない問題だと。国政上の、この安全保障政策の非常に大きな転換点ということだと思いますので、国民的議論も必要だということを申し上げておきたいと思います。 時間も限られておりますので、もう一つ、核禁止条約についてお聞きをしたいと思います。 かつて総理は、官房長官時代、この核禁条約について、核兵器国と非核兵器国の対立を深め、かえって核兵器のない世界を遠ざけるというふうに答弁されています。今もそういう認識ですか。
○菅内閣総理大臣 そういう認識ではありますけれども、まさに世界で唯一の被爆国でありますから、そうした中で、この核問題を、核兵器のない国、ない世界をつくる、そういう出口というのは同じであります。
○岡田委員 核兵器のない世界を目指すという目的は共有しているというのが政府の従来の答弁ですね。 その前に、核兵器の非人道性ということを核禁条約は強調しています、そのことについては認識を共有されますか。
○茂木国務大臣 核兵器禁止条約、五十カ国ということで、来年には批准ということになる。そこの中に核兵器の非人道性という言葉は出てまいります。 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核の非人道性、これについてはどの国よりもよく理解をし、そして、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードする使命を有していると思います。 同時に、これを具体的に達成させるためには、総理先ほど答弁したように、核保有国、残念ながら、どの国もこの核兵器禁止条約に入っておりません。一方で、ドイツ、カナダといった核を持っていない国も入っていない。こういう中で、どうその間の橋渡しをして、具体的に、地道に、着実に、核兵器の廃棄に向けた、軍縮に向けた取組を進めていくか、その役割をしっかりと日本としては担っていきたいと考えております。
○岡田委員 橋渡しとか、地道に、現実的にという言葉をよく使われるんですが、例えば、外務大臣、今、地道に、現実的に核軍縮を進めると言われました。具体的に、日本政府、最近何をやりましたか。お答えください。
○茂木国務大臣 毎年そうでありますが、国連総会におきまして核廃絶の決議、これを行っているところでありまして、今、最終的に文言を詰めて、これは多くの国の採択、恐らく昨年よりも多くの国の賛同を得て採択をされることになるのではないかな。 また、核軍縮・不拡散イニシアチブにつきましても、日本がリードして、昨年は議長国として取りまとめを行い、また、この間の外相声明、これも明確に発出をさせていただきました。 さらには、賢人会議における提言、よくごらんいただいたと思いますけれども、それも日本のイニシアチブによって行われたことだと思っておりまして、一つ一つ、そういったイニシアチブをとりながら、さまざまな国を巻き込む、こういった努力をしながら、各国が一緒に取り組める共通の基盤をどうつくっていくかということに最大限努力をいたしております。
○岡田委員 いつも同じ説明をされるんですが、私は、かなり各国の日本を見る目は変わってきていると思いますよ。橋渡しといったって、今、核軍縮のことをいろいろ言われましたが、同じ答弁です、いつも。だけれども、具体的に何をしているのか。例えば決議、だんだん賛同国も減ってきているじゃないですか。それから、決議を出せばいい、もちろん出さないより出した方がいいけれども、それがどういう意味があるのか。私は、免罪符じゃないと思うんです。意味のある決議でなきゃならない。外相会議、私が外務大臣のときに提案したものです。これも、でも、実質的にはきちんと議論されていないですよ。 そういう中で、私は総理に最後お伺いしたいんですが、今、外務大臣は、非人道性については発言されました。この核禁条約にある核兵器の非人道性の認識は日本政府としても共有していること、それからもう一つは、第一回締約国会議にオブザーバーとして出席すること、この二点、約束していただけませんか。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 オブザーバーへの参加については慎重に見きわめる必要があるというふうに思います。日本とすれば、先ほど外務大臣が申し上げましたように、立場の異なる国々の橋渡し役、核軍縮の進展に向けた国際議論に積極的に参加をしていきたいと思います。
○岡田委員 総理、もうちょっと自分の言葉でしっかりと、核のない世界を目指す、その先頭に立つということを世界に伝わるように答弁してもらいたいんですよね。ぼそぼそっと言われても、私にはよくわかりませんでした。 終わります。
○金田委員長 この際、本多平直君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。本多平直君。
○本多委員 立憲民主党の本多平直です。 野党の大きな役割の一つは政府をしっかりとチェックをすることだと思っていますので、そういうつもりで質問をさせていただきます。 菅総理には初めての質問になります。菅総理、御就任おめでとうございます。 最初に、まず、なぜ私たちが今、日本学術会議の任命拒否問題をこれだけ重要に考えているかということについて、総理の基本的なお考えを聞きたいと思います。 日本は、太平洋戦争前、一時期、学問の自由が奪われてしまって、大学の先生のみならず、一般の人々も物が言いにくい社会になった、そういう歴史を経験していると思うんですが、そういう認識でよろしいですか。
○菅内閣総理大臣 そこはそのとおりです。
○本多委員 総理、それはどういう手段で行われたか。こういう学説を言うなという法律ができたのか、それとも別な手段で大学の先生が物が言いにくくなったのか、若しくはその両方か。どうだったかという御認識はありますか。
○菅内閣総理大臣 旧憲法下において、国家権力により学問の自由が圧迫されることなどを踏まえ、特に明文で学問の自由を保障したものだというふうに思いますし、また、京都帝国大学の滝川教授が、その学説を批判され、文部省により休職処分されたことなどが滝川事件と呼ばれたということは承知しています。
○本多委員 ありがとうございます。 実は、今総理がおっしゃった一九三三年の滝川事件という、京都帝国大学の刑法の先生が休職処分に、その学説が何とか主義的だとかなんとか言われてやられ、その後、人事でやられ、さらに出版法という法律でその先生の本が発売禁止にされたわけです。つまり、法律でどんどん大学の先生の学問の自由が奪われたという部分と、人事で始まっているんですね。 総理、今回は大学じゃないからいいだろうと総理は時々言っていらっしゃるんですけれども、私たちはやはり、今回の学術会議、もちろん直接大学じゃないんだけれども、学者の先生たちが集まっている組織の人事、こういう戦前の経緯を踏まえて、あれだけ独立性を持って、菅総理が幾らこいつ嫌だなと思っても特定の人を、この人のけてとか言えないように仕組みをつくってきた。この歴史との関係は理解されていますよね。
○菅内閣総理大臣 そこは承知しています。
○本多委員 それから、総理、日本は幸いなことに今、学問の自由があります。憲法でも保障されています。世界のほかの国々で学問の自由がいろいろな形で制限されている国があるかどうか、これは総理、どう認識されていますか。
○菅内閣総理大臣 それはあると思っています。
○本多委員 そうなんですよ。 私は、戦前に戻すなという面もありますし、日本に近い国でも、学問の自由が多分ないんだろうなと思う国があります。そういう国にしたくない、そういう思いで、そういう話の第一歩にこの人事の問題がなってはいけない、そういう思いで、一生懸命、我々質問していますので、ぜひそういうつもりでお答えをいただきたいと思います。 さっき言ったとおり、実は、こういう学問の自由の弾圧なんかというのは、法律でやるやり方と、人事で抑えていくというやり方があるんですけれども、ずっと疑問だったんですけれども、総理、総理はずうっと官房長官のころからこの学術会議に問題意識を持たれていたわけですよね。 ここで、法律を改正しまっせ、日本学術会議法の、法案の、それを検討するとかそういうこと、多分それをやられても私は反対すると思うんですが、総理、そういう方法で、法律を改正してこの日本学術会議の問題に取り組んでいくという方法をとらなかったのはなぜなんですか。何で紙が出るんですか。
○菅内閣総理大臣 日本学術会議法上の推薦に基づく会員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではないという、この点について、内閣法制局の了解を得たことだ、このように私は思っています。
○本多委員 菅総理、今、何を聞かれても、出てきた紙を読むのをやめていただきたいんですね。 いいですか。つまり、法律を変えなくても済むからということなんですか。法律を変えなくても学術会議の任命のあり方を変えられるから、法律を出さなかったと。 結構、安倍政権って、例えば農協法とか、何で農協の人事のこんなことを改正するのかな、農協の自由で、いろいろな判断で、全国にある農協が自由に人事をやればいいのに、その改正法とか出してきて、いろいろな議論をさせられたんですよ、我々も。そういう方法をとらなかったのはなぜですかと聞いているので、その紙と関係なく、お願いします。
○菅内閣総理大臣 ですから、今申し上げましたように、内閣法制局の了解を得た政府としての一貫の考え方であり、今回の任命も法律に基づいて行っている、そういうふうに思っています。
○本多委員 今回の任命について聞いていないんです。学術会議の問題点をいろいろ言われているので、そういうものを改めるのに、任命の仕方でやるんじゃなくて、根本的に、農協法とか漁業法とかやったじゃないですか、法律を改正したらいかがなんですかということを聞いているんですよ。 なぜ、法律を改正しないで、その人事を、六人だけしないとかそういう方法でやるのが、それが適法か、そこの秘書官さん、要らないです、紙。紙が要ることは聞いていないですから。いいですか。秘書官、いいですか。 なぜ、法律の改正で、いろいろな学術会議の問題点を感じていらっしゃるんだったら、我々国会に諮って、残念なことに自民党さんは多数を持っているんだから、多分総理が提出した法案は通るんですよ。その方法をとられなかったのはなぜなんですか。
○菅内閣総理大臣 ですから、法律に基づいてできることだから法律に基づいて行ったということです。
○本多委員 私、なぜこれを聞いているかというと、人事が大事だと。学問の自由を奪っていくときに、法律でやるやり方もけしからぬと思いますよ。でも、人事でやるやり方ももっと見えにくくてけしからぬと思っているんですよ。 余りこういう例えを言うのがどうかわかりませんが、例えば、今香港で非常に弾圧が起こっていますよね。これでさえ、これ自体けしからぬですし、法律をつくったからいいというわけじゃないんですけれども、香港国家安全法とかという法律をつくって、あの中国が香港でやっている弾圧でさえ法律をつくってやっているんですよ。つくったからいいというわけじゃないから誤解しないでくださいね。だけれども、ああいうことでさえ、あの中国政府でもああいう法律をつくってやっているんです。 それを、こういう弾圧につながっていく第一歩になりかねないような人事を、法律ではない形でやっていく方が私はけしからぬと思うんですけれども、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますけれども、例えば、今回、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないということではない、この点について、私どもも法制局に相談をした上の中で判断をしていまして、今回の任命も法律に基づいて行っていることでありますから、本多委員の言っていることと変わらないんじゃないでしょうか。
○本多委員 法律に基づいているかどうかを私たちは今議論しているので、そこをこれから詰めていきたいと思います。 一昨日の議論で、いろいろおかしいことをおっしゃっているんですけれども、私、気になった点が幾つかあります。 安保法制に反対したとか政府に反対したとかそんなことは理由じゃないという議論の中で、総理、総理は二回同じ反論をされているんですよ。政府に反対する人というのは、任命された方の中にもたくさんいらっしゃるとおっしゃっているんですよ。 つまり、この六名は、反対している、同僚の今井さんなんかが一生懸命調べて、六名はいろいろ政府に意見を言っていたということを調べたんですけれども、残りの九十九の中にも政府にいろいろ反対したり安保法制に反対したり意見を言っていた人がいると総理はおっしゃったんです、二回。 どういうふうにこれをお知りになったんですか。
○菅内閣総理大臣 賛同者として署名していらっしゃる方です。それは新聞でもあったんじゃないでしょうか。
○本多委員 何の賛同者に署名しているんですか。
○菅内閣総理大臣 例えば安保法制とか、そういう政府の法案に反対をしているというのは、そういう学者の会で署名された方、そういうことで私は承知しているということです。
○本多委員 そういうリストがあるんですか。そういうリストがあるんですか、政府の中に。
○菅内閣総理大臣 例えばいろいろな新聞にオープンで、賛同者として名を連ねている方じゃないでしょうか。
○本多委員 総理、今回外された六人の方も、お一人しか知らなかったわけですよね。九十九人のうち、何人そんなことを知っているんですか、政府に反対したことがあるとかないとか。そのリストもちゃんと見ていないみたいじゃないですか、この任命に関して。 秘書官、あなたの言うとおりに総理は話しているんですよ、今テレビを見ている方は気づかないかもしれませんが。そこで耳打ちするのはやめてくださいよ。総理しかわからないはずなんですから。いいですか、総理。 どうしてそんなことを知っていらっしゃるんですか。
○菅内閣総理大臣 たしか新聞とかいろいろなものにあったと思いますよ。私もこの学術問題の記事についてはずっと見ていますので。
○本多委員 そういう情報をお持ちになっているということはよくわかりました。 さて、私、反対する人は任命された方の中にもいると自信満々におっしゃっているんですけれども、ここが実は問題だと思っているんですよ。 つまり、もちろん、安保法制とかに反対した人を全部きれいに外したら、それはそれで見え見えですよね。そういう形じゃなく、安保法制に反対した六人は今回任命せず、ちらちらと残して、何だかわからないようにしている、そういうことじゃないんですか、これは。
○菅内閣総理大臣 私がそういう人がいるということは、質問されたからお答えをさせていただいたんです。全く今の、委員の質問ということは、そうしたことは考えていません。
○本多委員 いや、過去の総理の人事を見ても、要するに、何がおかしいじゃないんですよ。 いいですか、一昨日議論になった、また、私も買っちゃったんですけれども、これ。何か、自信満々のNHK改革の議論ですよ。中身のいい悪いはさておいて、人事を使ってやったわけですけれども。 そもそも、説明しない説明しないといってこのときは、当時も説明されているんです、新聞で。きちんと読みましょうか。「放送改革担当課長を更迭」、普通の人事異動じゃないときに課長を人事異動させるんですから、異例なので、ちゃんと説明しているんですよ。「NHK改革を加速させるため、新しい視点でやる必要がある。適材適所だ」と。こうして人事異動について説明されていることもあるということはしっかり指摘しておきますよ。 だから、何でもかんでも、人事異動のことだから答えないというのは、これはこういう例がありますから、今後やめていただきたいんですけれども。 そもそも、総理の人事のやり方。いいですか、この人、何で更迭されたのかというと、本を読んで私はびっくりしたんですよ。この方、別に、いろいろな官僚がいますよね、総理が総務大臣だったころ、総務大臣がやろうとしていることを裏で野党とか与党に根回しして邪魔しようとする官僚とか、いますよね。そういうことをしていたんだったらとか、それから、大臣のいない場所で、菅のやろうも何だかんだと総務大臣の悪口を言ったとかというんだったら、それはそれですよ。 しかし、このとき、この方が言ったことというのは、総理が書いている本によると、いいですか、新聞記者さんたちとの懇談の場で、「大臣はそういうことをおっしゃっていますが、」と敬語で、「自民党内にはいろんな考え方の人もいますし、」抵抗派がいたんでしょう、そのときの菅総務大臣に対して、「そう簡単ではない。」事実を言っているだけですよね。「どうなるかわかりません」と。状況を大臣のいない場で話しただけで、それを大臣に知らせた記者がいて、これをもとに更迭されたんですよね。人事異動されたということなんですよ。 こんな人事、適切ですか。
○菅内閣総理大臣 私は今もって適切だと思っています。 というのは、私ども政治家、国民の負託を受けて政治家に当選をさせていただいて、大臣になれば、そこは当時、総務行政全体に責任を持つ立場になるわけでありますから、その中で、政治主導で物事を進めていきたい、そう私どもは有権者の皆さんに訴えをして、当選をさせていただいて、大臣になって、私、ふるさと納税をつくったんですけれども、ふるさと納税のときは、役所は全部反対でしたよ。 ですから、例えば、NHK改革というのは私は必要だと思っていました。当然やらなきゃだめなことだと思いました。当然、大臣、これは何回も話しているわけですから、課長というのは、大臣のところに説明をしてきて、大臣の意も酌んでやってもらっていると思っていました。ですから、そういう中で考え方が違うそうした人を一番自分がやりたいところの責任者に置いておくというのは、これはやはりどうかと思ったんです。でも、私、非常に仕事のできる男でありましたので、最終的に、局長までして、次官待遇までなったと思いますよ。 ですから、やはり大臣としての責任として物事を進めるときに、そうした対応をさせていただいたということです。
○本多委員 そういうふうにおっしゃっているんですけれども、改革のためというよりも、大臣、ちゃんと言っているんですよ。この人事によって、「結果として官僚の中に緊張感が生まれました。組織の意思が統一され、一丸となってNHK改革に取り組むことができたのです。」つまり、結果としてというか、一人をこういうふうに異動させたら、この人だけが悪いわけじゃない、いろいろな人がいたと思うんですよ、総務省の中に、一人をやるとぴりっと総務省が締まったと。 こういう人事のやり方というのはあるかもしれませんが、つまり、今回の日本学術会議にしても、安保法制に反対した人も反対しない人もまぜながら、反対した人六人を任命をしない、こういうやり方を続けていくということは、本当に思想とか学問の自由を害すことにつながってきかねない、私は、そういう動きだと思っていて、ぜひ任命を、撤回をしていただきたいと思っています。 それで、少し事実を確認したいんですが、新聞が報道しています、実は今回が初めてじゃないと。これまでいろいろ、多目のリストを出してこいとか、法律に違反しないようにリストどおりやらなきゃいけないから推薦名簿は多目に出せとかいうことをやってきたり、それから、欠員が出て持っていった人を、官邸が難色で、仕事をしてもらわないといけないのに欠員のままほったらかしにしたり、こういうことをずっと安倍政権のころからしている。この事実はこのとおりでよろしいですか。 通告しています。当時官房長官の菅総理にお聞きしています。
○加藤国務大臣 今委員お示しをされました人事のプロセスについて、これを一つ一つ具体的に説明するのは避けさせていただいているところでありますけれども、学術会議から正式な推薦名簿が提出される前においても、さまざまな意見交換が内閣府の事務局などと学術会議の会長との間で行われていたというふうに承知をしております。 そうしたやりとりを踏まえながら、場合によっては、補欠人事というんでしょうか、それがなされていなかったという場合もあるということであります。
○本多委員 曖昧なことじゃなくて、二〇一六年の補欠人事、二〇一八年の補欠人事は、官邸が難色を示して欠員のまま任期の終わりを迎えたということでよろしいですか。事実の確認です。
○加藤国務大臣 個々のやりとりについては、先ほど申し上げております、説明を控えさせていただいておりますが、最終的に学術会議側からはそうした補欠人事が、推薦が行われなかったということであります。
○本多委員 これは事前なんですか。推薦が行われたものを難色ですじゃなくて、事前なんですか、これ。
○加藤国務大臣 済みません、これは委員がつくられた資料なので、私がこれとは申し上げられませんが、当時、それぞれの時点において日本学術会議側から補欠人事の推薦があったということではない、この法律に基づいて推薦があったわけではないということであります。
○本多委員 わかりました。推薦を見送らせたということですね。 こういうふうに、官邸が難色を示して、日本学術会議に推薦を見送りをさせるという事前の手続は、適法ですか。
○加藤国務大臣 別に、見送りをさせたのではなくて、結果的に日本学術会議から推薦が行われていなかったということであります。
○本多委員 じゃ、井上さんですか、日本学術会議を担当されているのは。 こういう事前の調整をして、何か官邸が難色を示したら、あなたは独立性を守る立場なんですよ、こっちと違って。こんなことを二回も過去見送りしているというのはどういうことなんですか、これ。こんなことをしていいんですか。事前に調整して、見せて難色を示されたら欠員のままやっているというのは、こんなことをしていていいんですか。
○井上国務大臣 委員御指摘の過去のこの経緯につきましては定かに承知をしておりませんけれども、しかし、行政機関の一環として学術会議があって、そして政府とさまざまな意見交換を常に行いながらやっている、その一環だと思っております。
○本多委員 大臣、このことが問題になってから、そんなこと、定かに承知していないというのはどういうことなんですか。通告もしていますよ、この問題は。 こういうやりとりをして、事前に難色を示されたらリストを出さないなんて、こんなことをして本当にいいんですか、それで。
○井上国務大臣 先ほど官房長官からもお答えしたとおり、委員が御指摘のそのケースにつきましては、正式な推薦があった後、手続に入った後の話ではありません。後の話であれば当然そういったやりとりを承知もしておりますけれども、そうじゃない、その段階での話ということですから、承知していないと申し上げました。
○本多委員 百歩譲って、大臣が絡んでいるんだったらいいんですけれども、全部官房副長官がやっているという話があるんですよ、杉田官房副長官。安倍内閣からずっと官房副長官をやって、内閣人事局長までやって、また今回も留任をしている方が、学術会議の会長が説明をしたいと言っても門前払いしているんですけれども、門前払いした側、事実関係、総理。過去に、説明させてくれと言って会おうとした、杉田官房副長官が学術会議側と会うことを拒否した、この事実はありますか。
○加藤国務大臣 二年前の補充人事のときのお話だと思います。 杉田副長官と山極、当時、前会長との間で直接的なやりとりは行われてはおりませんけれども、ただ……(本多委員「そんなことは聞いていないですよ。門前払いをしたかどうかですよ」と呼ぶ)いやいや、ですから、事務局を通じていろいろなやりとりはあったと聞いておりまして、その間の具体的な、会う会わない、どんなやりとりがあったか、これは一つ一つ詳細にお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、そうした状況、お二人が会うということではないにしても、しかし、その両者の間について、それぞれ事務局が間に入りながら必要なやりとりは行われていたというふうに考えております。
○本多委員 門前払いされていたんですから、その事実は別にわざわざ確認しなくていいですよ。門前払いされているんですよ。 こういうことを、こういう経過をしていたのは、杉田官房副長官の上司であった当時の菅官房長官は御存じですか。この問題に関していろいろな調整をして、本来だったら学術会議の言うとおり名簿を出させなきゃいけないものを、事前に、まあ、官房長官が絡んでいたのだったらちょっとはましですけれども、杉田官房副長官という役人のトップが、学術会議の人と勝手に内々で調整して、会長とも会わず事務局と、事務局というのは役人ですからね、役人同士で調整して名簿を出させないようにした。こんなことがあっていいんですか。それを御存じですか。
○菅内閣総理大臣 承知していません。
○本多委員 では、とんでもない話だと思いますよ。 官房長官に相談をしないで杉田官房副長官が、本当は総理大臣なんですよ、本当は当時の安倍総理に、事前調整はするかもしれない、しかし、こういうこと、こんな、官邸が難色を示して推薦さえさせないなんということをやっているんだったら、本当は安倍総理に相談しないといけないけれども、官房長官にも杉田官房副長官という人はしていないということでよろしいですよね。そういうことになりますよね、こういうことが事実であれば。 それを官房長官はどう思いますか。部下である副長官が、杉田副長官が、官房長官にも相談しないで、総理大臣でさえいじれないといって今話題になっている日本学術会議の人事にこういう内部調整をして、そのことを官房長官にも報告していなかった。これは本当に正しいことですか。
○菅内閣総理大臣 事実関係を私は承知していませんけれども、各省の人事への調整ですよね、総合調整をやるわけでありますから、そのことについては承知していませんけれども、そこについては、先ほど官房長官が説明しましたように、当然、事務方等が入っているんじゃないでしょうか。
○本多委員 何かもごもごなんですよ。ずっと問題意識を持ってきたと言っていて、こんな問題が官邸で起こっていて、直属の部下がこんなことをやっていて、官房長官が知らなかったはずはないと思うので、後でまた事実とかが出てきたら困るので、国会での答弁は正確にしてください。記憶がないなら記憶がないと言ってくださいよ。 それで、では、この過程を知るには、官房副長官を、知りたいのでお呼びをしているんですけれども、来ていただいていないんですよ、委員長。安倍総理にも相談をせず、今の菅総理のお答えどおりだと菅官房長官にも相談をせず、杉田官房副長官、もう八年もやっているんですよ、副長官を、この方が勝手にこんな人事をやっていたということについてお聞きしたいので、何度言っても自民党が拒否するんですけれども、ぜひ呼んでいただけないですか。
○金田委員長 ただいまの件は、理事会で協議を続けております。
○本多委員 事ほどさように、ずっとお話ししてきたとおり、この日本学術会議の問題というのは私は大変重要だと思っているんですね。 それで、先ほど枝野代表、一昨日、川内さんに答弁になって、論理的には正しいと二度も菅総理はおっしゃってくださいました、川内さんの質問に。このままほっておくわけにはいかないということですよね。枝野代表とのやりとりでは、ちゃんと任命してくれたら総合的に考えるということなんですけれども。 何とか、今回せっかく新しい内閣ができて、私たちも、デジタル化というのはどうなっているんだとか、コロナの問題はもちろんですけれども、いろいろ議論したいことがあるので、できるだけ早くこの問題の解決に向けて、これは総理しかできないわけですよね、総理に御尽力を何とかいただきたいんですけれども、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 私、梶田会長とお会いをいたしました。梶田会長に、学術会議が国民から理解をされる組織、そしてよりよい組織になるように、それは努力していきましょうということでは一致いたしました。
○本多委員 よりよい組織にする話と同時に、その前提として、手続論は総理にお任せしますけれども、今回、まだ任命されていない、拒否したという言い方をされていないんですよ、総理は、幸いなことに。ですから、なぜか、リストは出して推薦はしたけれども、まだ任命されていない六人をしっかりと任命をしていただきたいということを強くお願いをしておきます。 最後に、準備をしてきた質問を一つしたいんですけれども、総理、この世に、掛金を払っていないのに死ぬまで年二百五十万円とか年三百五十万円とかもらえる年金があるのを御存じですか。
○菅内閣総理大臣 承知していません。
○本多委員 承知していないんですか。ちょっとびっくりいたしました。 実は、今回、この問題が出てから、日本学術会議の皆さんにデマが飛んで、年金をもらっているんじゃないかというとんでもないデマが出たので、私もいろいろ調べてみたんですよ。そうしたら、別な組織に、何とそこに任命されたら年二百五十万、年二百五十万、日本学士院、日本芸術院、そして文化功労者と三つあるんですけれども、芸術院は二百五十万、そして学士院は二百五十万、文化功労者は年三百五十万、死ぬまでもらえるんですよ。全然、学術会議と関係ないですよ。でも、今回気づいて、調べて、お知りになっておいた方がいいと思うんですよ。 なぜかというと、総理、学術会議にけちをつけるときに、十億使っている、十億使っていると言うんですけれども、例えば、ちょっと文化功労者、主な方を、私の知っている人なので偏っているんですけれども、こういうそうそうたるメンバーなんですよ。伝統芸能の方はちょっと詳しくないので、画家の方とかが入っていなくて済みませんという感じなんですけれども。私が知っている方、王貞治さん、吉永小百合さん、ことしでいえば西川きよしさん、こういうすばらしい方々なので、こういう方にこういうことを、文化の功労に当たってこういうことを、お金をもらうということにけちをつけているわけじゃありませんけれども、しかし、これにかかっている予算、幾らかかっていますか。
○萩生田国務大臣 現在の文化功労者は二百三十三名でありまして、文化功労者年金施行法令において、年金の額は年間三百五十万円と規定されております。 年間総額は、今年度の文化功労者を含めて八億一千五百五十万円となります。
○本多委員 学術会議の、十億、十億といいますけれども、こういうことも、総理、知っておいて考えた方がいいんですよ。 それで、私、この方々に全くけちをつけるつもりはありません、文化に功労があった方。ところが、最近おかしな現象が起こっていて、名前は言いませんよ、ここ二、三年、会社の社長が入ってきているんですよ。大手食品会社とか大手化粧品会社とか、ことしは大手グルメサイト会社の会長なんかも入っているんですね。 もちろん、誰だって、僕だって文化にちょっとは功労しているかもしれませんよね。それから、大きな会社というのは大抵、最近、文化にお金を出したりしていて功労されているんですが。年三百五十万円出す組織に経済人の方を、特に、最近入った方は総理とお知り合いなんですよ、たまたま。こういうことをすると、非常にいろいろな疑念が生じるんですよ。 何でこういうことを言うかというと、実はこれをどうやって選ぶか知っていますか、総理。この選ぶところにも杉田さんがちょろちょろしているんですよ。つまり、杉田さんがこれを選ぶ人を選ぶんですよ。杉田さんがこれに直接介入したという証拠はないんですよ。ただ、これを選ぶ分科会というのがあるんですよ。そこのことに杉田さんがちょろちょろしているんですよ。 これ、いいですか……(発言する者あり)いや、証言があるんです。前川元文部科学次官が、この問題なんかは全然気づかなかったんですよ、僕、学術会議のヒアリングをしているときに、いや、これのことは、学術会議の話はわからないけれども、文化功労者を決める会議の人選を持っていったそうです、文部科学省から。そうしたら、杉田さんに、こいつとこいつは安保法制反対だからだめと言われたというんですよ。 これは事実を確認しておくように言っていますけれども、この文化功労者を選ぶ会議があるんですよ、十人ぐらいの。これも、林真理子さんとか、そういう文化人の方が入ってこれを選ぶんですよ。その会議を選ぶところの人事を、杉田官房副長官が絡んでいるんですけれども、これは公正ですか、こんなことをしていて。
○萩生田国務大臣 文化審議会委員は、文化審議会令第二条の規定に基づき、文部科学大臣が任命するものとされており、年度ごとに、法令に基づき、学識経験者のある者のうちから適切に判断しております。 今御指摘の件は、最終的に閣議了解をいただく案件については、これは文部科学省に限らず、事前に官房長官や副長官に相談をすることはございます。それはなぜかといいますと、文部科学省から見たその人の評価だけじゃなくて、もしかするとそういう人は、多岐にわたって活躍していると、結果として利益相反を起こす可能性がありますから、他省庁に照会をかけることもありますので、御理解いただきたいと思います。
○本多委員 こういう人事もちゃんと聞きたいので、杉田官房副長官をしっかりこの国会にお呼びをしたいということを重ねて申し上げて、私の質問を終わります。
○金田委員長 この際、石川香織君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石川香織君。
○石川(香)委員 立憲民主党の石川香織でございます。 きょうは、委員の皆様に御配慮いただきまして、会派を代表して質問させていただきたいと思います。 私は、国家の基本は食、一次産業だと思っておりますので、きょうは主に一次産業のことについて質問させていただきたいと思います。 一次産業の現場も非常にコロナの影響を受けております。私の選挙区でありますけれども、北海道の十勝というところでありまして、小麦の生産量が全国の二五%、小豆が六〇%、それからジャガイモ、大豆も主産地であります。生乳の生産量も全国の一五%を占めるところで、酪農、畜産、水産業、林業があるところでありまして、食料自給率は一二〇〇%を誇るところであります。 きょうは、ぜひこの一次産業の課題についてお伺いをしたいと思いますが、そういう地域でありますので、菅総理の農業、農村に対する姿勢というものに大変注目をしております。 まず、菅総理にお伺いをしますけれども、菅総理の農政の一丁目一番地の政策とはどんなものでしょうか。
○菅内閣総理大臣 私は、地方を活性化させるためには、やはり農業が強くならなきゃならないというふうに思っています。 私、官房長官でありましたけれども、農業改革、農協法の改正を六十年ぶり、漁業法改正、森林法改正、それぞれ七十年ぶりでありましたけれども、地元でやる気のある方が働いて、そこで活力ができるような、そうしたものを後押ししてきたということもこれは事実であります。 ですから、私自身、農林水産業、これから海外に輸出すべきだというふうに思っています。農林水産省に輸出本部ができましたけれども、これについても私は後押しをさせていただきました。 いずれにしろ、日本の農林水産品というのは、非常においしくて、特にアジアにおいては大変な人気があるということでありますので、こうした農林水産品を海外に向けて輸出することができるようになって、地方の活力につながればいいなというふうに思っています。
○石川(香)委員 今いろいろお話しいただきましたけれども、やはり規制改革会議、いわゆる官邸直結の経済重視の政策と言われるものが多かったなと思いますけれども、今、輸出のお話もございました。 菅総理は、御自身のお話をされるときに、御実家が秋田の農家ということでそういうお話をされますけれども、農家の出身の総理大臣ということで、非常に親しみを感じている方も多いとは思います。しかし、その割には、先日の所信表明の中では、この農業、農村のみならず、一次産業のことについてほとんど触れられておりませんでした。唯一触れられていたのが、先ほどお話しなさった輸出五兆円の話。 輸出の大切さはもちろん否定はしませんけれども、果たしてそれだけでしょうか。もっと大事なことがありますよね。例えば、この三十年間で若手の農業者が百万人減っていると言われています。自給率も先進国の中で最低基準です。コロナの中で、やはり自国で食べ物を供給していくという大切さも痛感したと思います。そういう重要なことがあるにもかかわらず、それしかなかったというのは、非常にがっかりしたなと思います。 そもそも、菅総理が、農業、農村のみならず、地方に対してしっかり目を向けてくださっているのかということについて、過去の発信や発言を含めて、少し私は疑問に感じておるところがありますので、フリップを出していただいて少し御紹介したいと思います。 以前、菅総理御自身のホームページの中で、私の目指す政治というところに、年功序列、地方優先政治の打破という主張をされておりました。少し内容を読みますと、皆さんの支払う国税の大部分は地方の道路や施設の投資に使われています、大都市はさまざまな都市問題を抱え、財政も火の車です、世界を探しても日本しかない地方交付税制度はもう見直さなければなりませんと書いております。 また、平成十三年の衆議院の決算行政監視委員会の中では、こんな御質問もされています。地方交付税制度について、市町村によっては頼っているところが非常に多く、自分たちの負担とか受益はほとんど関係ない、地方自治団体の自立を阻害、甘えの構造をもたらしている大きな要因と発言をされていると思います。これは間違いなく地方切捨ての危険な発想だと思います。 菅総理は、大学を卒業されてから、御自身の御実家をすぐに継ぐということに抵抗を感じて東京に就職に出たという話を御自身でされておりますけれども、恐らく想像をはるかに超える御苦労はあったかと思います。こうして総理大臣になられたというのは、本当にサクセスストーリーだと思うんです。今、選挙区も大都市ということもあるんでしょうけれども、心までもが全て都会に行ってしまったんだということであれば、ふるさとや地方の方はとてもがっかりするんじゃないでしょうか。 ぜひ、きょうは、ふるさとや地方の方に対して思いやりを持った答弁をしていただけるものと信じて、次の質問に入りたいと思います。 さて、大混乱を招いた高収益作物次期作支援交付金についてお伺いをしてまいります。 流通がストップした影響を受けまして、生産者が丹精を込めた農畜産物が、在庫がたまり、そして価格が下落をしているということで、大変な大きな影響が出ています。長期的な影響というものも今後見ていかなくてはいけないと思います。 そんな状況の中で、コロナでの影響にめげずに、営農を断念することがないように、次期作に前向きに取り組む農家の方に交付するということでつくったのがこの高収益作物次期作支援交付金でありました。これは、コロナの減収を問わずにということで、とにかく次に向けて投資をする人を後押しするという目的でありました。 申請の締切りが終わりまして、その間、菅内閣も発足いたしました。十月の十二日、申請締切りから実に二カ月半以上たってから、突然の要件変更が起こりました。申請が終わった段階で、後から公募の要件が急に厳しくなったということで、もらえるはずだった交付金がもらえない、若しくはかなり減額をされるということで、計画が大幅に狂って、全国の農家の方から怒りの声、困惑の声が噴出しているという問題です。 まず、農水大臣にお伺いします。なぜ要件変更を行ったんでしょうか。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。 本事業は、四月三十日に成立しました第一次補正予算により創設した事業でありますが、創設した当初は、生産現場には新型コロナウイルスの影響が更に拡大、深刻化することへの不安が蔓延をしておりまして、営農を断念する農家が発生する懸念がございました。このような状況下で、本事業の要件が厳しいために、申請ができずに営農を断念するといったことが生じないようにすることを最優先としまして、要件を簡素で弾力的にするなど、申請しやすい仕組みとしたところであります。 その結果、非常に多くの申請をいただいたところでありますが、減収を要件としていなかったことから、中には減収していない品目の申請も含まれておりました。これは、農業者の皆様に不手際があったということでは決してなくて、農業者の皆様には要件に即して申請をいただいたところでありますが、このまま交付金をお支払いすることになれば、新型コロナウイルスの影響を受けていないのに交付金が支払われることになりかねず、国民の理解を得ることは難しいものと考えております。このため、減収のあった品目を対象としまして、減収額を超えない範囲で交付金をお支払いすることなど、運用を見直すとしたところであります。 他方、運用の見直し前に、交付金を見込んで、コロナ禍において積極的に機械や資材への投資を行った農業者の皆様の経営に影響が生じ、前向きな取組が続けられなくなることがないように、追加措置も講じたところであります。 結果としまして、関係者の皆様に御負担をおかけすることになり、これは大変申しわけなく思っておりますが、御理解がいただけるように丁寧に説明するとともに、追加措置も含めてしっかりと現場の皆様をお支えしてまいりたいと考えております。
○石川(香)委員 コロナの影響を受けていない人が交付金を受け取ることに対しての不満の声ということがありましたけれども、そもそも初めの要件では、どのぐらい減収したかというのは問わなかったはずです。まるで農家側に何か落ち度、責任があるような言い方は絶対してはいけないと思います。 この要件変更をした理由ですけれども、結局、申請がすごく来て予算が大幅に足りなくなってしまったという制度設計の甘さだと思いますけれども、申請額の総額というものがわからないと議論の前提がとれないということですので、二百四十二億円の予算に対してまずどのぐらいの申請が来たのかということを教えていただきたいと思います。大臣、お願いいたします。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。 高収益作物次期作支援金につきましては、これまで、第一次公募として、五月二十日から六月二日までの間、事業申請窓口を対象とした第一回目の事務費の申請を受け付けました。また、第二次公募として、六月三十日から七月三十一日までの間、また七月豪雨の被災地域については八月三十一日までの間、事業申請窓口を対象とした二回目の事務費の申請と、農業者を対象としました一回目の交付金の申請を受け付けたところであります。 運用見直し前にいただいたこれらの申請について精査しましたところ、十一月二日時点で、第一次公募と第二次公募の申請を合わせまして、事業申請窓口からの申請件数は八百九十六件、また申請総額は四百六十億三千万円、うち、事業申請窓口の事務費が四億五千万円、農業者向け交付金が四百五十五億八千万円となっております。
○石川(香)委員 二次までの公募の時点の数字ということで、二百六十六億とおっしゃいましたか。(発言する者あり)ごめんなさい、失礼しました。四百四十六億ということでした。 これは、一千九百億円という数字が既に出ております。この数字についてお伺いしますけれども、一次から三次までの公募がありますけれども、初めから三次まで公募するという想定でこの交付金はスタートいたしておりますので、一次から三次までの予算の総額として二百四十二億だったということだと思います。 二次公募が終わった段階で、こういう交付金は、次はどれぐらいの方が申請を見込むかということで意向調査というものを行いますけれども、ここで三次公募にしようという人の額が恐らく千億円以上になったんじゃないか、二次までの今の数字と三次の意向調査での出てきた申請額を合計して千九百億円という数字になったんじゃないかと思うんですけれども、まず、この千九百億円の数字が間違いなのかということと、それから、三次公募で大幅にオーバーしてしまうと、当然要件を変更しなくちゃいけなくなります。とすると、二次で公募した方と三次で公募した人の要件が変更すると、とてもこれは不公平だということになってしまうので、二次公募の要件を変更せざるを得なくなったということではないかと思いますけれども、農水大臣、いかがでしょうか。
○野上国務大臣 まず、千九百億円との報道があるということでございますが、本交付金の所要額につきましては、令和二年八月十九日付の事務連絡で、公募申請を行っている事業申請窓口と、今後公募申請を行う予定の事業申請窓口を通じて調査を行ったということは事実であります。 しかしながら、地域の作付面積など単純な設定をもとに報告をした事業申請窓口もあれば、地域の関係農業者の要望額の積み上げで報告した事業申請窓口もあり、所要額の見込み方が多様であったことがありましたり、また、事業申請窓口の要望に重複があることが見込まれたことがありましたり、あるいは、本調査後に対象となる品目の追加があったこと等から取りまとめに至らなかったということでありまして、当省としては、先ほど申し上げました数字、公表した数字が全てでありまして、千九百億円という数字は承知をいたしていないところであります。
○石川(香)委員 千九百億円という数字は承知をいたしておりませんということでしたけれども、では、心配なのが、今三次公募をしているんです。これは一円でも減収すれば公募できるという条件になっていますけれども、これも含めて予算は大丈夫なんでしょうか。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。 この高収益作物次期作支援交付金につきましては、今第三次公募を行っているところでありますが、更に今般、追加措置の公募も行うということになります。 今後、追加の財政措置が必要と判断される場合には、必要な財源をしっかりと確保してまいりたいというふうに考えております。
○石川(香)委員 そしてまた、十月三十日、先週の金曜日ですけれども、追加措置が発表されました。要件の見直しによって、本来もらえるはずだった交付金が減額若しくはゼロになった方が対象でありまして、十月三十日以前に機械ですとか施設ですとか肥料を購入又は発注した人がこの救済措置に当たるということでありますけれども、ただ、この追加措置では、買った人だけが得をしてしまって、買っていない若しくは買う予定だった人が不公平だという声が今度は上がってきています。 農水大臣、これは不公平にならないように、まずは投資を予定していた農家に対しても支援をするというのが必要なのではないでしょうか。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。 今回の追加措置は、お話がございましたとおり、交付金を見込んで既に機械等の投資を行った農業者に対して、こうした積極的な取組を行った農業者の経営に影響が生じ、取組が続けられなくなってしまうことがないように支援を行うものであります。 そういう中で、先生御指摘のように、不公平であるという御意見があることは承知をいたしておりますが、機械等の投資がこれからで、いまだ経費が発生していない方々に同様の支援を行うことは、国民の理解を得ることは難しいと考えております。 今回の追加措置の趣旨について、現場の皆様に丁寧に説明して御理解をいただけるよう努めてまいりたいというふうに思っております。
○石川(香)委員 追加措置は、コロナで減収したかどうかは問わないということでまた要件変更がなされているということで、もう現場は本当に混乱をしています。 これは、もともとは減収の補填ではなくて、次期作に意欲を持つ方に向けての交付金だったということだったんですけれども、対象も全作付面積になるということだったにもかかわらず、この一番大切な約束の部分が二転三転と、ころころ変えたことが一番問題なわけです。一方で、担当部局の方が要件を簡素にして農家の方に早く交付したいという気持ちは、意識として理解はしたいんですけれども、結果的に制度設計が甘く、それが結果的に裏目に出てしまったと思います。 この間、現場は非常に膨大な事務処理をこなしてきました。生産者、農協、自治体でありますけれども、この事務負担の軽減という配慮も当然必要だと思います。 二日の予算委員会の中で、自民党か公明党の方がこの話題について触れられるのかなと思っておりましたら、一切この話題について触れられていなかったということがありました。 私、今回この問題をするに当たって、全国の方から、全く知らない方からも電話とかメッセージとかをいただいて、とにかくこの問題をしっかりやってほしいという激励の電話をいただきました。いつもは自民党だけれども今回はしっかりやってくれという方すらいらっしゃいました。だからこそ、しっかり私は言っておきたいし、約束をしていただきたい。 農水大臣、これは何としても三次補正で初めの約束どおり交付するというのが筋ではないでしょうか。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。 高収益作物次期作支援金につきましては、減収額を超えない範囲で交付金を支払うこととするなどの運用見直しに加えまして、今お話のありましたとおり、運用見直し前に、交付金を見込んで、コロナ禍においても積極的に機械や資材への投資を行った農業者の皆さんの経営に影響が生じ、前向きな取組が続けられなくなることがないよう、追加措置をしたところであります。 これらの見直しによりまして、結果として関係者の皆様に御負担をおかけすることとなり、大変申しわけなく思っておりますが、御理解いただけるように丁寧に説明してまいりたいというふうに思います。
○石川(香)委員 大変申しわけないということもおっしゃっておりますけれども、私は、全国の生産者を代表してここで質問させていただいているんです。何とか誠意を見せていただきたいと思っています。 総理、これは支払いも含めて、年内か年明けかでも、収支の関係で大きく影響するんです。ぜひここは、いつまでにしっかり皆さんにお支払いしますということをきっぱり言っていただいて、農家の方を安心させてあげてください。お願いします。
○菅内閣総理大臣 これからも生産者の皆さんが安定的に経営を行えるよう、必要な支援はしっかり行っていきたいと思います。
○石川(香)委員 いやあ、それじゃみんながっかりすると思います。 既に、同じ時期にあった経営継続補助金というのは、一次募集でオーバーした分を予備費で充てているということもやっていますし、三次補正、予備費というのはこういうときのためにあったんじゃないでしょうか。 ぜひこれは、意欲を持った人を後押しするどころか、意欲をそぐことにならないように、しっかりと農家の方に安心をしていただくということで、初めの……(発言する者あり)じゃ、もう一回お願いします。いつまでにしっかり支払うという御答弁をお願いします。(発言する者あり)
○金田委員長 静粛にお願いします。
○菅内閣総理大臣 生産者の皆さんが安定して経営を行うことができるように、そこはしっかり対応していきたいと思います。
○石川(香)委員 ぜひ、ふるさとの皆さん、地方の皆さんが安心できるような答弁をいただきたかったんですけれども、ちょっと冷たい答弁になってしまいました。 次は、お米についてお伺いします。 二〇年度産、五十六万トン規模以上の減産が見込まれるということで、過去最大であります。安倍政権で廃止をされてしまいましたけれども、戸別所得補償制度の復活も求める声も非常に多い。そして、やはり国の責任において来年度以降の需給調整の役割を果たすべきではないかというところに来ていると思いますけれども、農水大臣、御見解をお伺いします。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。 令和二年度産の水稲の十月十五日現在の作況指数は九九となっておりまして、予想収量は七百二十三万トンとなることが見込まれております。予想収量は先月時点より減少をしたところでありますが、令和二年産米の生産量が七月の米の基本指針でお示しをしている需要量の見通しを超える状況に変わりはありませんので、大変厳しい需給環境になっていると認識をしております。 他方、米政策については、主食用米の需要が毎年減少してまいります。そういう中で、今後も、国内の消費拡大や輸出拡大の取組を進めつつ、みずからの経営判断による需給に応じた生産、販売を着実に推進していくことが基本であると考えております。 国としては、引き続き需給見通し等についてきめ細かな情報提供を行い、事前契約や複数年契約による安定取引の推進をする、また、麦、大豆や高収益作物など需要のある作物、あるいは輸出用米など主食用米以外の米への転換に対する支援による水田フル活用などによって、産地が消費者、実需者のニーズを的確につかみ、どのような水田農業を進めていくのかしっかりと判断できるような環境を整えてまいりたいと考えております。
○石川(香)委員 国が生産調整を手放しまして、生産者の方の努力、地元の努力というものに、いわゆる自助を押しつける無謀な状況だと思います。制度そのものが問われていると思いますけれども、ちょっと時間の関係上、また次の質問に移らせていただきたいと思います。 次は、所信表明の中でも触れられておりませんでした、一次産業の中でも特に厳しいと言われている水産業のことについてであります。 サンマ、アキサケ、イカなどは軒並み不漁でありまして、サンマ、アキサケはピーク時の八割から九割減という状況が続いています。シシャモもことしは歴史的な不漁で、例年の一割しかとれていない。十勝管内の遠洋漁業の主力であるアキサケも、三年から五年で帰ってくると言われていますけれども、数がなかなか戻ってこないという状況が続いています。水温の変化なのか、それともほかの国の漁のとり方が影響しているのか、はっきりした原因がわからないまま、とにかく厳しい状況が続いています。 水産業、漁村は、新鮮な水産物を供給するだけではなくて、国境の監視や環境保全にも重大な役割を果たしておりますけれども、総理にお伺いします。 今、このコロナ、それから資源管理、不漁と厳しい状況が続く中で、抜本的な漁業者、漁村の支援策というものが必要だと私は考えています。積立ぷらす、共済以上の支援が必要だと思いますけれども、総理、総理の考える水産業の振興策というものはどんなものでしょうか。
○野上国務大臣 委員御指摘のとおり、水産業、今お話があったサンマですとかアキザケですとか、不漁となっておりまして、大変厳しい状況にあることは承知をいたしております。 こうした不測の事態に備えまして、漁業共済ですとか、さらに、その上乗せを行う収入安定対策事業、積立ぷらす等々によりまして収入減少に対する補填を行い、漁業者の安定を図っているところであります。 こうした中で、今、水産改革ということを進めておるんですが、我が国周辺の水産資源や漁業を十全に活用することで、意欲ある漁業者や漁業従事者を確保して、漁業、漁村の活性化や漁業所得の向上を目指していける環境をつくっていこうとするものであります。 このため、まず、有用な水産資源について広く資源評価をする、それから数量管理を基本とする資源管理を適切に行うことにより、持続的な漁業の基礎となる資源の維持、回復を図っていく必要があると考えております。 こうしたことを通じながら、水産業が若者にとってもやりがいのある魅力的な産業になるように努めてまいりたいと考えております。
○石川(香)委員 地方は本当に頑張っています、厳しい中で。ぜひ、総理、地方にも目を向けていただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○金田委員長 この際、逢坂誠二君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。逢坂誠二君。
○逢坂委員 総理、御苦労さまでございます。総理就任、本当におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。 まず、一問目、わかりやすい問題からちょっと行きたいと思いますが、総理のもともとのふるさとにも関係のあることでありますけれども、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録、これはコロナの関係で登録手続が今おくれているんですが、これを早く登録できるように力をかしていただきたいということが一つと、もう一つ、二〇一一年の東日本大震災のときから検討を進めております災害用の病院船の問題について、これは超党派でやっておりますけれども、これについてもしっかり進めていただきたいというこの二点、総理の考えをお聞かせください。
○菅内閣総理大臣 北海道・北東北の縄文遺跡群についてであります。 農耕以前の人類の生活のあり方と、精緻で複雑な精神文化を示す十七の遺跡で構成をされており、世界的にも顕著な価値が認められることから、本年一月にユネスコに推薦書を提出したものです。現在、諮問機関による審査が行われていると承知しています。 引き続き、関係自治体と連携しつつ、世界遺産登録を目指して頑張っていきたい、こう思います。 もう一点の病院船でありますけれども、病院船については、新たな感染症や大規模災害が発生した場合に、医療提供の場を迅速そして十分に確保する手段の一つとして、その利用の可能性について検討しております。 具体的には、今年度補正予算に調査検討の経費を計上して、関係省庁が連携をして、必要な機能、設備、平時や危機的な対応における体制や運用のためのオペレーション、こうしたことについて調査検討を進めています。 国民の命を守るための手段を幅広く検討する観点から、病院船の活用の可能性について年度末を目途に取りまとめるべくしっかりと調査検討をしていきたい、こう思います。
○逢坂委員 総理、世界遺産登録は、ぜひ、来年、二年分やれるように働きかけていただきたいですし、病院船、これは超党派でやっておりますので、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。 それから、次です。 原子力発電所について簡単にお伺いしたいんですが、総理は原発政策を進めるというふうに言っておられますが、その中でも私は特に核燃料サイクル、これはやめるべきではないかというふうに思っております。しかも、その中核になる大間原発、今建設途中ですけれども、これを建設を進めるのはやめるべきだ、そう思うんですが、総理の考えをお聞かせください。
○菅内閣総理大臣 我が国は、高レベル放射性廃棄物の量を減少し、必要となる最終処分場の面積を減少させる、また、高レベル放射性廃棄物の有害度がもとの自然界の状態まで低減する期間を短縮する、さらに、新たに燃料をつくり、ウラン燃料を節約する観点から、使用済み燃料を再処理し、回収されるプルトニウムなどを有効利用する核燃料リサイクルの推進を基本的方針としています。 政府としては、閣議決定したエネルギー基本計画に基づき、六ケ所再処理工場の竣工やプルサーマルの着実な実施、利用済みMOX燃料の再処理に係る研究開発など、核燃料サイクル政策、ここは推進してまいります。
○逢坂委員 核燃料サイクルについては政府は三つのメリットを言っておりますけれども、それはどれもメリットにはなりません。高レベル放射性廃棄物になると四分の一に体積がなると言いますが、それ以外にMOX燃料ができて、それ以外にも汚染されたものが出てきます。あるいは、期間、自然界に戻るまでに十万年が約八千年から一万年になると言っていますが、それが人類にとってどれほど意味のある短縮なのか。それよりも何よりも、使用済みMOX燃料が出る、これによって、単なる使用済み燃料の問題の先送りにしかならないんです。 この意味で、核燃料サイクルから撤退する、大間原発の建設はとめる、これを強く主張しておきたいと思います。これは時間があれば後にまたやらせていただきます。 そこで、総理、安倍内閣のときに公文書の改ざん、廃棄、捏造、隠蔽、これが頻発しました。これはもうやらないということでよろしいですか。
○金田委員長 国務大臣井上信治君。(逢坂委員「指名していないよ、登録していないよ」と呼ぶ)
○井上国務大臣 委員長の御指名なので答弁させていただきます。 公文書管理制度は、行政の適正かつ効率的な運営を実現するとともに、現在と将来の国民への説明責任を全うするため、極めて重要な制度であると認識しております。 公文書管理の適正化に向けては、ルールの明確化やチェック体制の整備など、その取組を着実に実施してきたところであり、引き続きルールに沿って適正な管理を徹底させてまいりたいと思います。
○逢坂委員 非常に大事な問題なんですが、総理の口から、公文書の改ざん、捏造、隠蔽などはやらないということがなぜ言えないんですか。
○菅内閣総理大臣 それをやらないというのは当然のことだと思います。
○逢坂委員 公文書の改ざん、廃棄、捏造、隠蔽はやらないと。 その上で、総理、安倍政権で廃棄された公文書の復活をやっていただけませんか。職員の記憶や職員のメモが残っているはずですので、これをやるということが一つ。 それからもう一つ。国家戦略特区の会議録、非公表のものがまだあります。それから、参加者が明かされていないものもあります。これも公開していただけませんか。
○菅内閣総理大臣 公文書管理法に基づいて、そこはしっかり対応したい。
○逢坂委員 しっかり対応するということは、やるということですか。
○菅内閣総理大臣 公文書管理法というものができていまして、御承知のとおり、そこでしっかりと対応するという中であります。 まず、行政機関の所管業務が複雑で多岐にわたっていることから、公文書の管理については、あくまで所管業務に知見と責任を負う立場にある個々の行政機関がこれを行っていくという形にもなっていますし、先ほど大臣が申し上げましたように、この公文書管理、適切なルール、この明確やチェック体制の整備、こうしたものを着実に実施、これからも各大臣のもとでルールに基づいて適切な対策を行っていくというのは自然なことだと思います。
○逢坂委員 総理の口から明確に公開をするとか、復元をすると言っていただけないのは非常に残念でありますけれども、特に国家戦略特区についてはこれからも強く求めてまいりたいと思います。 それで、日本学術会議の問題にちょっと入らせていただきますが、総理は、繰り返しおっしゃっているこのこと、日本学術会議の会員については必ず申請のとおり任命しなければならないわけではないという点について、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考えだというふうに言っておるんですが、このことについて、一昨日、我が党の奥野議員に対する答弁で、法制局の近藤さんがこんな発言をされております。 「基本的には、拒否」、この拒否というのは任命拒否のことですが、「拒否をしていくというときには、消極的に拒否をしていくということだと思いますので、恣意的に政府が、自由な裁量権を発揮したような形でのものは認められない」、この答弁を法制局の近藤さんがされております。 恣意的にやれないんだということを言っているんですが、これは、総理、どういう意味だと理解されているでしょうか。
○菅内閣総理大臣 今、法制局長官が出席していますから、後で答えると思いますけれども。 内閣の立場として、この日本学術会議法の推薦に基づく会員の指名については、憲法第十五条第一項によって、推薦された方々を必ずそのまま任命しなきゃならないことではない、この点については、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であり、ここについては変わりありません。
○逢坂委員 内閣法制局が、恣意的にやっちゃいけないんだ、自由裁量はないんだというふうに言っているんですね。これはなぜか。 それは、これは私の理解ですが、人事権といえども、自由に勝手気ままにやってしまいますと、それは社会が萎縮しますよ。それから、物言わぬ社会になってしまいますよ。同調圧力が強まりますよ。全体主義的な傾向が強まりますよ。社会の自由度が落ちていくんです。それは、最終的に社会全体の発展を阻害するんですよ。だから、人事権といえども、特に今回のこの学術会議の人事に対する拒否権、拒否をするということは、法制局が言っているのは、これは自由裁量ではないんだ、恣意的にやっちゃいけないんだということなんですね。 恣意的にやらないというのは、菅総理であっても、あるいは我が党の枝野さんが総理になったとしても、金田委員長が総理になったとしても、誰が総理になったとしても同じ結果が出る、そういうことが恣意性ではないということなんですね。 総理、いかがですか。
○金田委員長 内閣法制局長官近藤正春君。(逢坂委員「ちょっと委員長、全くその中身を聞いていません。そもそも指名していません、登録していません。登録していない」と呼ぶ)
○近藤政府特別補佐人 御指名でございますので。 私の答弁につきまして、今、御質問がございました。 先ほど申しましたように、恣意的に自由裁量ではできないと申し上げたのは……
○金田委員長 簡単に説明してください、長官。
○近藤政府特別補佐人 従来から政府としてとっております、憲法十五条の規定で明らかにされているところの公務員の終局的な任命権が国民にあるという国民主権の原理からは……
○金田委員長 簡単に説明して。
○近藤政府特別補佐人 内閣が国民及び国会に対して責任を負えない場合にまで申出のとおりに必ず任命しなければならない義務があるわけではないという考え方に基づきますと、あくまでもそういう責任が問えないときには、負えない場合には拒否ができますけれども、それ以外に、自由に、裁量的に、恣意的に拒否をするということはできないという趣旨でございまして、奥野先生からは、昭和四十四年の高辻内閣法制局長官の答弁も御引用されまして、そこにありましたような個人的、主観的に……(逢坂委員「もういいです、議事録を読んで質問しているんだから、いいです」と呼ぶ)
○金田委員長 簡単に。
○近藤政府特別補佐人 気に入らないからというようなものはできないという趣旨と基本的には同じことを申し上げたつもりでございます。
○逢坂委員 それじゃ、総理にお伺いしますが、今回の六名の任命拒否によって、六名の皆さんはすぐれた研究や業績がないという判断をされたんでしょうか。ここについては総理の裁量は及ぶんでしょうか。それはいかがですか。
○菅内閣総理大臣 任命に至らなかった候補者六人については、民間人の個人に関する情報であり、また、人事に関することでもありますので、お答えを差し控えたいというふうに思います。
○逢坂委員 人事にかかわることだから答えられないと。実際に、今回任命拒否をされた方々にすぐれた研究や業績があるかと聞いたのに、それも答えられないと。 それじゃ、総理、八三年答弁ですが、中曽根総理などが答弁しています。総理の任命は形式的なものである、学術会議から推薦された者はそのまま任命する、推薦の数はぴったりの人数でよい。ぴったりというのは今回のケースでいうと百五名ぴったりの推薦でよい。これら答弁は今も私は有効だと思いますが、有効ですか。
○加藤国務大臣 今御指摘の答弁、それぞれの時代の中で答弁をされたということで、その趣旨を今の段階で具体的に把握することは難しいというふうに考えております。 例えば、中曽根総理の答弁であれば、選挙制を廃止して新たに各学会からの推薦に基づく任命制に移行しようとしており、当時の国会答弁にもあるように、その新しい制度によって会員としてふさわしい者が推薦されることになる、こういった期待があったんではないかというふうに思いますし、その後、平成十六年の法改正時等の文書におけるさまざまな記述も、その時点まで推薦された者をそのまま任命してきた、こうした実績を踏まえたものであったのではないかと思うわけでありますが、ただ、いずれにしても、日本学術会議法の会員の任命については、先ほどから御説明しておりますように、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方を必ずそのまま任命しなければならないということではないということでありますし、これまでも、まさに日本学術会議が専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って、総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただけるように、こういう観点から任命が行われたものであるというふうに承知をしております。
○逢坂委員 先ほど総理は、すぐれた研究、業績がある科学者かということを聞いたら、それは判断しなかったんですが、官房長官は先日こう言っているんですよね、官房長官の答弁は。 官房長官は、すぐれた実績、業績があることを踏まえた上で、法の設置目的に照らして今回の判断をしたと言っているんですから、官房長官はすぐれた業績や実績があると認めているんですよ。総理は、でも、それを判断できないと。こういうのを内閣不一致というんですよ。総理自身が何で言えないのか、私はわからないですね。 そこで、設置目的についてお伺いしますけれども、今回六人を任命することで次の三点の設置目的、これが達成できないのでしょうか。我が国の科学者の内外に対する代表機関たり得ないのか、六人を任命したら。あるいは、我が国の科学の向上発展が図れないのか。あるいは、この六人を任命したら、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることができないのか。設置目的に照らして判断をしたと官房長官は言っているわけですから、この三つの設置目的、これが達成できないから六人を任命しなかったのか。いかがですか、この点。
○加藤国務大臣 これは、先ほど申し上げましたけれども、日本学術会議法の中において、任命に関する具体的な基準については記述がないわけであります。推薦については、今委員御指摘のように推薦があります。 そうした中で、当然、日本学術会議法の趣旨あるいは第二条の目的、こういったものを踏まえて判断をしていく。そして、さらに、その具体的な議論においては、これまでの総合科学技術会議等々の有識者の御意見、こういったものも踏まえて、そして、先ほど申し上げた総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただけるということで任命を行ってきているわけであります。 ただ、今委員おっしゃった個々の任命そのものについては、これまでも申し上げておりますように、具体的な理由等についてはコメントは差し控えさせていただいているところであります。
○逢坂委員 設置目的に照らして判断をしたと答弁していて、設置目的の中身について聞いたら答えられない、こういうのを恣意性と言うんじゃないですか。なぜ答えられないんですか。恣意的ではないというのは、誰が判断をしても同じ結果になるから恣意的じゃないと言うんですよ。その根拠を示さなかったら、何が何だかわけがわからないじゃないですか。 じゃ、総理、お伺いします。 総理としての任命責任がある、すなわち、総理が任命すれば公務員になるんだから政府としても責任があるんだ、だから、総理としてこの六人を任命したら責任が果たせないという理解でよろしいですか。
○菅内閣総理大臣 年間十億円の予算を使って活動している政府機関であり、任命された会員は公務員となるのでありますから、その前提で、社会的課題に対し提言などを行うために、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を確保するために必要な判断を行ったということであります。 ただし、個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様、その理由については、人事に関することであり、お答えを差し控えたいと思います。
○逢坂委員 法制局は、通常の公務員の任命拒否と違うことを言っているんですよ。極めて消極的にこれをやるんだ、それから、恣意性があってはならないんだということを言っているんですね。だから、せめて、個別の人の理由は言わなくてもいいけれども、今回はかくかくしかじかの理由によりやはり任命拒否をしたということを言わないと、これは恣意的だと言われかねないんですね。 それじゃ、お伺いしますけれども、今回の六人を任命しなかったこと、例えば、外交上、相手国のあることなので言えないんだとか、あるいは国家機密にかかわることで言えないんだとか、あるいは個人の人権にかかわることで言えないんだとか、どういう理由で総理が責任を果たせないのか、その外延ぐらいは言うべきじゃないですか。それも言わない。これは恣意的な人事と言われても仕方がないんじゃないですか、総理。
○菅内閣総理大臣 先ほど申し上げたとおり、個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関することであり、答えは差し控えるのが当然のことじゃないでしょうか。
○逢坂委員 総理、先ほど法制局長官は、聞いてもいないのにまた繰り返し言ってくれましたけれども、要するに恣意性があっちゃいけないと言っているんですよ。しかも、これは消極的に拒否をするんだと言っているんですよ。自由裁量はないと言っているんですよ。だったら、それをきちんと、今回任命拒否をした総理が説明しなきゃいけないじゃないですか。なぜそれを説明できないんですか。説明できなければ、恣意的ですね、自由裁量でやったんじゃないですか、そういう批判を受けかねないんですよ。 だから、ぜひ総理、ここは、恣意性がないんだ、かくかくこれこれしかじかなんだと、六人の個別に言う必要はありませんよ、でも、それを言わないとおかしいじゃないですか。
○菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げておりますけれども、会員の任命については、憲法第十五条第一項に基づいて、推薦された方々をそのまま任命しなきゃならないことではない、こういう点については、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であり、今回も、任命に、法律に基づいて行ったということであります。
○逢坂委員 総理、私は、今回のこの日本学術会議法の法文上、法理上、総理に任命拒否権が全くないとは思っておりません。法文を読めば、それは任命拒否権はあることは、それは法文上、法理上は理解しますよ、法理上は。 ただ、法制局が言っているとおり、今回の拒否というのは、消極的な拒否なんだ、恣意的に政府がやっちゃいけないんだ、自由裁量を持ってやっちゃいけないんだということなんですね。 だから、例えばこういうケースならあるでしょう。学術会議が推薦をした、それで、総理が任命するまでの間に、期間がある中で、学術会議の会員の方が何か犯罪を犯すようなことをした、こういう場合は、やはり総理としてはこれは任命できないですねと。これは多分、金田委員長が総理になっても、枝野代表が総理になっても、菅さんが総理であっても、これは任命できないということについて、恣意性がない、客観的だ、こういうことになると思いますよ。 でも、今回の場合はそうじゃないんですよ。法制局のことを言い出すのであれば、法制局が言っているもう一つのこと、恣意性があっちゃいけない、自由裁量はない、このことにちゃんと答えないと、今回の問題、いつまでたっても、おかしい、おかしいと言われ続けますよ、社会の萎縮につながりますよ。総理、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますように、私が指名すれば公務員になるわけであります。社会的課題に対して提言などを行うため、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を確保するために、必要な判断を行ったということです。 更に申し上げれば、今回の任命の判断とは直結はしておりませんけれども、私は官房長官当時から学術会議自体にさまざまな懸念を持っておりました。 かねて多様な会員を選出すべきと言われながら、現状は、出身や大学に大きな偏りがあって、産業界、さらには四十九歳以下の若手はわずか三%、それぞれ。会員の選考には、全国九十万人いるという研究者のうち、約二百人の現在の会員、また二千人の連携会員とのつながりのある方に限られた中から選ばれる。閉鎖的、既得権益のようになっている、こう言われても私は仕方がない状況だと思います。 そして、推薦された方々をそのまま任命されてきた前例踏襲をやめ、総合的な判断として、九十九人を任命する判断をしました。 そして、個々人の任命の理由については、政府の機関に関する公務員の任命であり、普通の公務員と同様に、その理由については、人事に関することで、答えは控えたいというのが考えです。
○逢坂委員 総理が、総合的、俯瞰的な活動、専門分野にとらわれないバランスのとれた活動、税金を使っているから国民に理解される活動や存在であるべき、こういうことをずっと言っているわけですが、この考えは一見正しそうに見えるんですけれども、私は学問的には極めて危ういと思っています。 それで、まずこの点をお伺いしたいんですが、今総理が述べていたようなことは、科学者個人の活動を念頭に置いているんですか。それとも、学術会議全体の活動のことを言ってこうあるべきということを言っているんですか。どちらですか。
○菅内閣総理大臣 全体であります。
○逢坂委員 それじゃ、今回の六人を任命拒否をする、あるいは逆に任命をすれば、今この総理が言っている総合的、俯瞰的な活動が担保できない、そういうことでしょうか。いかがですか。これぐらいは答えられるでしょう。
○菅内閣総理大臣 社会的課題に対して提言などを行うために、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を確保するため、必要な判断を行ったものであります。 そういう意味で、総合的、俯瞰的な活動、こうしたものが求められるということを申し上げていました。
○逢坂委員 任命拒否の理由を個別に聞いても何にも答えない。そして、総理の責任についても、その内容についても答えない。これでは恣意的な今回の拒否だと言われても私は仕方がないと思いますよ。 総理、ここはきちんと説明をする。そうしないと、後々、日本の社会に私は大きな影響があるというふうに思います。社会全体が萎縮しますよ。物を言えない社会になってしまいますよ。みんなが総理の思いをそんたくしなければならない、そんな社会になっていいんですか。多様な価値観なんかは絶対生まれないですよ、こんなことでは。 午前の質疑は終わりましたので、午後に次は回したいと思います。 ありがとうございます。
○金田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。逢坂誠二君。
○逢坂委員 午前に引き続いてやらせていただきます。 日本学術会議の問題、午前中やらせていただきましたが、設置目的からも拒否の理由は言えない、あるいは、総理の責任の面からも拒否の理由は言えないと。この答弁を聞く限り、今回の任命拒否が消極的とは言えず、かつ、恣意的ではないとも言えない。私から見ると、人事権、任命権を濫用している可能性が極めて高い、違法である可能性を強く指摘をしたいと思います。 その上で、ちょっと別な話題です。 総理、少子化、この問題、がっちり取り組みましょう、少子化。少子化の問題に取り組むことは、日本の社会全体にとってプラスになることです。 一番日本で子供が生まれていたのは一九四九年、二百七十万人。去年、八十六万五千人。もう三分の一も生まれないような状態になっています。少子化の問題に取り組むというのは非常に大事なこと。 それで、今回、不妊治療に取り組むなんというのも非常にいいことだと思います。我々ずっとそれを指摘していました、不妊治療をしっかりやろうじゃないかと。少し遅きに失したかもしれないけれども、総理、やるというのはいいこと。幼稚園、保育所をつくるのもいいこと、医療費の無償化をしたり授業料の負担を減らしたりするのもいいことだと思っています。 ただ、問題があるんですね。実は、結婚したカップルが産む子供の数というのはこの五十年ぐらい変わっていないんですよ。大体二人なんですね。一九七〇年代の前半から大体二人で推移してきているんです、結婚したカップルが産む子供の数は。 だから、なぜ子供が減っているのかというと、実は結婚しなくなっているんですよ。結婚の一番数が多かったのは一九七二年、百万件程度。ところが、二〇一八年、五十八万件。結婚が半分ぐらいに減っているんですね。ここがやはり問題なんです。 それで、結婚できない、望んでいるのに結婚できない人がいるというのが日本の少子化の大きな原因だというふうに私は思っています。これは京都大学の広井良典先生も著書の中で紹介されているわけです。 それでは、なぜ、総理、結婚できないのか。結婚できないのか。質疑時間が短いので私の方から言いますけれども、お手元のグラフを見てください。 実は、収入、所得を見ると、年収によって婚姻率が明らかに違っているんです。年収が高ければ結婚率が高い、年収が低ければ結婚率は低いんですよ。だから、年収をどうするかということが非常に大きな問題なんです。 だから、生まれた子供の応援をする、子育てをしやすい環境をつくるということも非常に大事なんですけれども、子育てをしやすい環境をつくるということは結婚できる人に対するサポートですから、結婚できない人にどうやってサポートをするかというのがこれから非常に大事なポイントになると思っています。 年収と、もう一つ相関関係があるのがある。それは次のグラフなんです。非正規と正規雇用でどれほど婚姻率に差があるかということです。正規の方は約六割結婚できる。ところが、非正規の方、一五%程度しか結婚できない。こういう実態になっているんですね。 だから、非正規をどう解消するか、若者の雇用をどう安定させるか、それから若者の収入をどうやって将来見通しのあるものにしていくかということが少子化では非常に大きな取組になるというふうに私は思っています。 一方で、非常に残念なことがあるんですが、総理の経済ブレーンというふうに言ってよいかもしれませんが、竹中平蔵さん、先日のテレビ番組でこんなことをおっしゃっているんですね。 正規雇用と言われるものはほとんど首が切れないんですよ。首を切れない社員なんて雇えないんですよ、普通。それで非正規というのをだんだんだんだんふやしていかざるを得なかった。こういうことを竹中さんがおっしゃっているんですが。 総理、まずお伺いします。 少子化対策を考える上でも、私は非正規を正規に転換すべきだというふうに思うんですが、総理のブレーンである竹中さんの言うとおり、総理はこれから非正規をふやすという方向でしょうか。それとも、非正規をふやすことは少子化のアクセルを踏むことになりますから、非正規をふやさない、何とかしたい、そういう思いをお持ちでしょうか。
○菅内閣総理大臣 雇用をふやして正規雇用をふやしたい、私の思いです。
○逢坂委員 そうなんですね。それをやらないと、日本の少子化は私はとまらないと思っています。 お手元のこのグラフ、これを見ると、この間、終始一貫して非正規がふえているわけですね。これを何とかしなければならないというふうに思います。 そこで、総理、非正規を正規にする、あるいは賃金を上げる、これは非常に大事なことなんですが。ところが、労働分配率を見てもらいたいんです。お手元の資料。大企業の労働分配率は大体五〇%程度。要するに、もうけのうち半分程度を人件費に回している。ところが、小規模企業になると七六%。大体八割ぐらい人件費に回すわけですよ。 だから、総理が旗を振って、非正規を正規にしましょう、賃金を上げましょうと言っても、大企業は内部留保もあるし、それはある一定程度できるかもしれない。ところが、小規模企業、中小企業は、労働分配率はもうこれぐらいの高さですから、最低賃金を上げろ、人件費を上げろと言っても、なかなか簡単にできない。 だからこそ、私は政府の直接支援が必要だと思うんですね。直接支援、直接給付という手もあるでしょう。税金を何とかするという手もあるでしょう。事業主に応援するという手もあるでしょう。とにかく、若者を応援する、こういう政策を、総理、やる必要があると思っています。 若者の職を安定させる、若者の収入を見通しあるものにする、そうすることをやらないと、この少子化で日本は潰れちゃいますよ。総理、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 私の認識も全く一緒です。 ですから、私自身、何としても少子化対策をやりたいという中で、不妊治療の保険適用というものを掲げました。そうしたら、いろいろな方から、これもあれもという御相談もいただきました。私ども知らない中でいろいろな問題が山積しているということも、不妊治療を保険適用にするということで私の手元に来ています。 暮れに少子化全体の対策を政府として決めますので、そういう中で、できるものは全てやっていきたい、このように思います。
○逢坂委員 総理、少子化対策をがっちりやるということは非常にいいことだと思います。ただ、繰り返しますけれども、生まれた子供への対応、対策、これをやることも重要ですけれども、望むのに結婚できない人の対策をやらない限りは少子化対策は有効なものになり得ないということですので、その認識をしっかり持っていただきたいと思います。 それから、若者に応援するということは、実は、いいことが非常に多いんです。一つは、今言ったとおり、結婚しやすい環境をつくる、少子化にプラスになる。 もう一つは、若者は、基本的に収入が少ない若者に例えば五十万円年収をふやしたとすれば、その五十万円を使うわけですよ。限界消費性向が高いという言い方をしますが、消費に回る。経済にすぐ、若者を応援したお金は回るんですね。収入が多い人、年収一億の人に五十万円ふやしても、それは消費には回らないということですね。だから、限界消費性向の高い若者を応援する。 それと、もう一点いいことがある。若者を応援して所得がふえると、社会保障の基盤が安定化するんです。そうすれば、これは全世代にとってプラスなんです。高齢者の皆さんにとってもプラスなので。 ぜひ、総理、あらゆる手段を使って若者を応援する、このことをしっかり決断をしていただきたいと思います。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 そのこともぜひやり遂げたいと思います。 それで、私自身、最低賃金引上げというものを政策の大きな柱に掲げています。そうした中で、非正規雇用の若者の正社員化の支援、こうしたことの中で、安定就労に向けて、就職支援だとか職場定着だとか、いろいろな若者対策ということもしっかり政府として取り組んでいきたいと思います。
○逢坂委員 ぜひ、総理、よろしくお願いします。これをやらないと本当に日本は全世代にとって大変なことになる、地域も大変なことになりますので、よろしくお願いしたいと思います。 それで、冒頭に質問した原発の問題にもう一回戻りたいんですが。 原子力発電所。総理は、安全を最優先にして原発政策を進めるというふうにおっしゃっておりますが、日本の原発には致命的な欠陥があります。それは何か。避難計画がつくれないということなんです。 なぜ避難計画がつくれないか。二〇一一年の三・一一が発生する前まで、日本の原発は事故が起きないことを前提にして建ててきたわけですよ。例えば、我が国の原子力発電所等につきましては環境に放射能物質が大量に放出されるというような事故が発生することは技術的に考えられない、これは一九九二年の予算委員会での政府の答弁。累次こういう答弁をしているんです。だから、日本の原発は事故が起きないから避難計画も十分につくらない、そういう中でこの間来ているわけです。 私の地元もそうです。目の前に大間原発があります。大間原発があるけれども、函館市民が逃げられるような計画なんてないんですよ。そういうことをやるというプロセスもないんですよ。 だから、総理は、原発を推進したい、安全を最優先にと言うんですけれども、今の日本の原発というのは、大きなスタジアムの中で非常口がない、非常口がない中で野球やサッカーを見ている、もし、万が一何かあったときに、非常口がないから、五万人も十万人も、例えば私の函館で言うならば、三十万近い人たちが逃げられない、こういう状況になっているんですね。 こんな原発は稼働させてはいけないというふうに思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○梶山国務大臣 二〇一一年の三月十一日の事故の教訓を生かしながら、実効性のある避難計画というものを立てていかなければならないと思っております。 以前とは違う、以前の考え方に、より安全性というものを入れながら、何が障害になるのかということも含めてその解消を図ってまいりたいと思っております。
○逢坂委員 実は、総理、世耕経産大臣は、避難計画が十分に機能しないというような場合では、原発については実質的に再稼働しないと言っているんですよ。 総理、いかがですか、その点。
○菅内閣総理大臣 我が国において、しっかりとした避難計画がない中で再稼働が実態として進むことはない、そういうふうに思います。
○逢坂委員 それじゃ、総理、もう一点御決断ください。 要するに、きちんとした避難計画がないものについては実態として再稼働が進まないということであれば、その原発は原発として維持している意味がないんですよ。だったら、そういう原発を廃止する、そういう御判断をすべきではないですか。実質として稼働させないのであれば、稼働させることを前提にして維持をするなんということは無駄以外の何物でもない。 だから、総理がもし原発の安全性を最優先にして原発政策を進めると言うのなら、避難計画がつくれるかどうか、そこのところをしっかり検討した上で、避難計画がつくれないものについては原発をとめる、廃止する。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 今私が申し上げたことに尽きると思います。我が国においては、しっかりとした避難計画がない中で再稼働が実態として進むことはないということです。
○逢坂委員 一歩前進。総理の口から、避難計画がつくれないということは再稼働が進まないと言うことは一歩前進だと思いますが、であるならば、廃止をするというのは私は筋だと思います。 以上申し上げて、終わりたいと思います。
○金田委員長 この際、後藤祐一君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。 菅総理になって最初の予算委員会のシリーズでございますので、まず基本的な政権運営についての考え方を伺いたいと思いますが、先ほど、午前中の我が党の石川香織議員の質問に対し、農業の一丁目一番地は何ですかと聞かれて、菅総理は、農協改革でありますと。これはがっかりですね。これはちょっと心配になってしまいます。そうなると、ぜひちょっといろいろお伺いしなきゃいけないんですが。 菅総理、教育について、どんな教育を目指しますか。
○菅内閣総理大臣 それは、どのような家庭に生まれても安心して教育を受けられる環境をつくっていくというのが、これは政府の役割だと思います。
○後藤(祐)委員 そこは一番最初に書いてほしいんですよね。所信表明演説に教育については二行しか書いていなくて、オンライン教育を進めますとしか書いていないんですよ。 手段としては大事だと思いますよ。ですが、やはり最初の所信表明演説で、オンライン教育だけではなくて、どんな所得の方でも教育格差を生まないですとか、あとほかには、いじめ、不登校の問題ですとか、あるいは障害のある子でも教育の機会をちゃんと均等に授けるですとか、あるいは少人数学級を実現するですとか、もう少し、教育の世界では当たり前に目指す、そういう大きい絵をぜひ総理には語っていただきたいなというふうに思います。 それでは、コロナについてちょっとお伺いしたいと思いますが、冬になってコロナの感染が広がるのではないかということが懸念されております。北海道でも広がってきておりますし、東京でも広がってきておりますが、現在、感染症法上、新型コロナウイルスは二類感染症という極めて危険なレベルに指定されていますが、この指定というのは来年の一月三十一日までとなっています。来年二月一日からどうするんでしょうか。 例えば、これをレベルを下げて、季節性のインフルエンザは今五類ということになっていますが、それと同じぐらいにして、もうインフルエンザとこれは一緒ですというようなことにしちゃうのか、あるいは、引き続き二類指定で、やはりこれは危険だ、一定のリスクがあるということでやっていくのか。これは来年度予算を決める上でも大変重要だと思うんですけれども、せめて、冬の間はリスクが高いということであれば、暖かくなるまでの間は今の二類指定を続けるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○田村国務大臣 今委員おっしゃられました指定感染症、これは、感染症法で指定感染症に指定いたしまして、それぞれの項目でやれることがあります。その中でそれぞれの部分を決めているわけであります。 先般、これは政令等々を改正いたしまして、例えば入院措置に関しては、やはり、感染者がふえてまいりますと、感染した方々は入院できるとなっていますけれども、皆さんを入院させると当然のごとくベッドが足らなくなって、本来入院して治療を受けられる方々が受けづらくなる、こういうことがございましたので、軽症者の方々また無症状の方々、言うなれば重症化をする可能性の低い方々、逆に言うと、高齢者でありますとか基礎疾患を持っておられる方々、こういう方々は入院をしていただいて、他の方々は療養施設等々で対応いただく。もちろん、これは都道府県の知事さんの御判断で、軽い方々も入院をさせたいという場合にはそれを排除するものではありませんけれども、そういう部分を改正させていただく。 同時に、今までは、疑似症患者の方々、つまり、まだ感染しているかどうかわからないという方々をどうするかということを全部保健所に報告していたんです。(後藤(祐)委員「そんなこと聞いていない」と呼ぶ)これも指定感染症の中の項目でございます。そういうものを改正してまいりました。 来年の一月で指定感染症の期限が切れますが、感染症法上、これは政令で一年延長ができるということになっておりますので、それに合わせて、今委員がおっしゃられた、どういうふうな部分をあと変えるべきなのか、変えないべきなのかということも含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 感染拡大と経済の回復、どっちにどういう比重を置くかという質問なんですよ。やはり感染拡大を懸念するのであれば二類を維持すべきですし、経済の方に比重を置くというのであれば、いや、インフルエンザと同じだという判断をすることもあるかもしれないけれども、今の御答弁ですと、総理、二類のままでいくということでいいですね、感染拡大を防止することを引き続き重視するということで。もう今一回厚労大臣に答弁していただいたんですから、これは基本的な考え方ですから、総理、お答えください。
○金田委員長 田村厚労大臣、短目にお願いします。
○田村国務大臣 二類ということじゃないんです。一類だった部分もあるんです。指定感染症というのは、それぞれやれることをそれぞれどうするかということを決めるというような、そういう仕組みになっておりまして、その中で必要なものは維持しますし、これは緩めてもいいなというものは緩めるという話でありますから、二類だとか何類だとかという話じゃないということは御理解をいただきたいというふうに思います。
○後藤(祐)委員 私、総理に聞いているときに、総理、ううん、私じゃない私じゃないというのはやめてくださいよ。これはかなり基本的なことを聞いているんですから、総理。 ぜひ、少なくとも冬の間というか、暖かくなるまでは、今の状態というのは危険な状態がより続くと思いますので、二類相当というんでしょうかは維持していただきたいなと思います。 それと、このコロナについて、むしろコロナ不況をどうするかということについて今度は総理にお伺いしたいと思いますが、四月から六月に日本ではGDPが二八%落ちました。諸外国でも三〇%ぐらい落ちているところは多いです。ところが、七月から九月、これは欧米では四月―六月で落ちたのと同じぐらい回復しているんですね。 ところが、日本では、七月から九月のGDPは、十一月十六日発表だと聞いていますが、民間エコノミストの予測ですと、一八%分ぐらいしか戻らない、年率です。年率で二八%、四月―六月でおっこって、七月―九月では一八%しか戻らない、つまり、一〇%ぐらいおっこったままという状態が続いていて、GDP一〇%ですから五十兆円分ぐらいの経済が戻っていない状態なんです。消費が六割だとすると、三十兆円ぐらい戻っていない。これは何とかしなきゃいけないんですよ。これがまさに、中小企業が年を越せないとか、あるいは、派遣、パート、アルバイトの方なんかを中心に仕事がないとかいうのが経済の実態としてあるわけですよ。きょうも朝、枝野代表がそういう質問をしました。 今、年を越せない、あるいは、これは会社だけじゃなくて、むしろそういう、特に低所得の方が困っているわけですけれども、これについては、我が党、立憲民主党は、消費税を減税する、所得税を減税する、あるいは所得の低い方に対して給付措置を行う、こういったものをうまく組み合わせてやるべきではないかという提案をさせていただいておりますが、枝野代表の質問に対して、菅総理はこう答えているんですね。所得税免除については低所得者に効果が及びません、消費税については財源で必要ですと。つまり、この二つ、否定されています。 でも、残り一つありますね。低所得者向けの給付、これはせめてやるべきじゃないですか。我々は、消費税減税と所得税減税と低所得者向けの給付、三つそろえてやるべきだと思いますが、せめて、年を越せないという声があるわけですから、七兆円も残っている予備費を使って、この低所得者向けの給付、やるべきじゃないですか、総理。
○菅内閣総理大臣 先ほどのGDP下落の話ですけれども、世界と比較をすると日本は下落率が低いということも、これは委員当然御承知の上だというふうに思います。また、十一月のはまだ出てきませんので、そこについては答えを控えたいと思います。 それで、今委員からお話をいただきました中で、コロナが経済に与える影響、また内外の経済動向、そうしたことを注視しながら、この新型コロナウイルス感染拡大防止を徹底して行って経済を回復させるのが基本であって、暮れを越せない、そうしたことがないように、全体を見ながら、やるべきことはちゅうちょなく行っていきたいと思います。
○後藤(祐)委員 含みがある答弁だと思うんです。やはり低所得者向けの給付と、あとは中小企業向けの持続化給付金そのものをもう一回やるということも含めて、ぜひここは、三次補正につながっていく面もあると思います。今検討中かもしれませんが、まさに菅総理のこの本、「政治家の覚悟」の表紙についている、「国民の「当たり前」を私が実現する」と書いてあるわけですよね。国民の当たり前は、今言ったようなところですよ、年が越せない人をどうしてくれるんだと。それを実現してください。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それでは、もう一つ国民の当たり前を実現してほしい話として、デジタル政策についてお伺いしたいと思います。 総理は、おとといの予算委員会で、役所に行かずともあらゆる手続ができる、同時に、高齢者の方々も含めて誰でも使いやすいサービスになるように、丁寧に説明していきたいという答弁をされておられますが、そこで、手段としてはマイナンバーカード、これですね、これは私のマイナンバーカードですが、マイナンバーカードについて、今後二年半のうちにほぼ全国民に行き渡ることを目指し、来年三月から保険証とマイナンバーカードの一体化を進めるというふうにこの所信表明演説でも書いてありますが、ぜひ、マイナンバーカードは、もうここまでお金をかけてやった以上は生かした方がいいと思うんですけれども。 菅総理にまずお伺いしたいと思いますが、マイナンバーカードを持っていますか。そして、このマイナンバーカードを使って行政手続を進めるには、二つの暗証番号というのが必要です。この暗証番号を使える状態になっていますか。そして、その暗証番号を使ってマイナポータルというサイトに行ってログインをしないとできないんですが、ログインをしたことがありますか。そして、今言った保険証とマイナンバーカード一体化ということは来年の三月からできるんですけれども、その申込みは今もできる状態になっていて、それももうされていますか、菅総理。
○菅内閣総理大臣 カードは持っています。保険証適用は、まだ手続は行っていません。マイナポータルにも申し込んでおりません。暗証番号は持っています。
○後藤(祐)委員 マイナンバーカードを持っていて、暗証番号は持っているけれども、マイナポータルのログインはしていないということですね。うなずいていらっしゃいますね。 そうなんですよ。難しいんです。マイナポータル……(発言する者あり)いや、忙しいからというお声がありましたけれども、国民だって忙しいんですよ。これで行政手続ができるようにするには、忙しい国民が役所に行かなくていいようにするために、これでできるようにするんでしょう。忙しい人ができるようにするためなんだから、私も忙しいですけれども、やってきました、いろいろ。 このマイナポータルのログインって、いや、何でこれを聞いているかというと、国民に難しいことをお願いするんですから、ぜひ総理、やってみていただいて。多くの方が、まず、どうやってこれを読み込むんですかというところからわからないわけですよ。最近のスマホは、これをスマホにぺたっとくっつけて読むことができますが、私も新しいスマホなのでやってみたけれども、なかなかこれが読まない。御苦労された方は多いんじゃないですか。なかなか、これがちょっとでもずれていると読まなかったりする。新しいスマホを持っていない人は、カードリーダーという二、三千円の機械を買って、それをパソコンにつなげて、やりますか、そんなこと。コスパ悪過ぎなんですよ。 買ってきて、入れて、できることは、来年三月からもしかしたら健康保険証のかわりになるかもしれない。そのためにわざわざやらないですよね。それがまさに、国民の当たり前のところに行っていないんですよね。だから総理に聞いたんです。何でマイナポータルにログインしなかったんですかというのは、国民の総意なんですよ。 もうちょっと簡単にできるようにしないと進まないと思いますが、いかがですか、総理。
○平井国務大臣 先生の問題意識は、私も全く同じ問題意識を持っていまして、マイナポータル等のユーザーインターフェースは徹底的に改善しなきゃいけないというふうに思っています。 行政手続という前に、マイナンバーカードというのが、やはり今、日本国内における最高位の身分証明書であるということに対する御理解と、ネット上で自分が自分であることを証明するということがいかに重要か。これからネット社会の安全、安心にもつながるという、先生とは一緒にずっと勉強させていただいたので、問題意識は共有していると私は思っているんですが、ユーザーインターフェースに関しては今後も不断に見直したいというふうに思います。 国民からの指摘、先生方の指摘も全部踏まえた上で、直せるものはすぐに直していく、それをやり続けるしかないというふうに今思っております。
○後藤(祐)委員 マイナンバーでやることにちょっと限界があるんじゃないんですかね。 今、実は九月から、マイナポータルにログインすると、マイナポイントですかね、マイナポイントにログインすると五千円もらえます、最大五千円もらえますという大キャンペーン中なんですね。ところが、五千円もらいたくてつなぎたくても、つなぎ方がわからないと、みんないらいらしているわけですよ。そもそも、このカードを持っている人が二〇%しか今いないわけですから。五千円もらえるのになかなか広がらない、やはり無理があるんですよ。 ちなみに、この政策に二千五百億円の税金をかけているわけですから、国民一人当たり二千円の参加料を払って、こういうのが上手な人だけが五千円もらえて、それ以外の人はもらえない、みんないらいらしている、これはまずいですよね。総理、これは平井大臣のことだからいいやって顔をしていないでくださいね。 実は、さっき、ユーザーインターフェースという難しい言葉で言いましたけれども、市町村レベルでいくとすごく進んでいて、例えば福岡市の粗大ごみの受け付けというのは、LINEで福岡市にお友達になってくださいとぴっとやると、すぐ来て、それで、粗大ごみ、やってくださいというと、LINEでぱっぱっぱっと、御用は何ですかと向こうから聞いてくれて、これですかという、会話するようにぱっぱっぱっとできちゃうんですよ。 これは別に、いろいろな市町村でやっていて、文科省の給付金申請というのも実は少しそれに近い形でやっていて、文科省は頑張っていらっしゃると思うんですけれども。大阪の四條畷市は、道路のふぐあいというのを見つけたら写真を撮って送ってくださいと、LINEにとんとことんとこ投げ込むとやってくれるとか、罹災証明書も市川市はLINEでぱっとできるというふうに、どんどん進んでいるんですよね。 何も全部マイナンバーでやろうとすることは、むしろこうやって頑張っているところを阻害しちゃうというので、これは、公明党からもそんな議論がちょっと前にあったと思いますけれども、でも、小さい町とか村とか、こういうのをつくれないわけですよ。ぜひ、最先端のこういう使いやすくやっているところのやつは、ほかの市町村がまねしたっていいじゃないですか。それをむしろ国は応援してあげる、そっちの方が先だと思うんですよね。 これをつなげられるようにするというのは、カードリーダーをむしろ安く支援するとかというのをやったらいいと思いますけれども、むしろ、SNSなんかを使ってぱっぱぱっぱできるようにすることの方が大事だと思いますけれども、いかがですか。
○平井国務大臣 私も同じように考えておりまして、前回大臣だったときに、各自治体の先進的な取組の情報共有をするための、自治体ピッチという、自治体が発表する、そしてそれがいいなと思った人が使えるようにするということをスタートしました。四回ほど開いたと思うんですけれども、それで、ある自治体のアプリみたいなものがほかの自治体に広がったというケースもあるんです。 さっき言ったように、民間のいろいろなものがうまく進んでいく、国のシステムだけではできないので、ユーザーインターフェースというのは。ですから、マイナポータルのAPIなんかも更にうまく使っていただいて、いろいろな方がいろいろなものを開発していただける、また、それを各自治体が横に展開できるということを我々も支援をしていこうというふうに考えています。 これは、本当にすごい知恵を出していただける方々がたくさんいらっしゃって、私ども、常にそういういろいろな御指摘を受けております。そういうものをできるだけ次の改善につなげていきたいと思っております。
○後藤(祐)委員 極めて前向きな答弁、ありがとうございます。 総理、ぜひこれは、LINE、やっていますかね。あるいは、やっている人のやつを見せていただくのでもいいんですけれども、すごい簡単なんですよ。ぜひ、ここにおられる議員の先生方も、ぱっとやると、えっ、こんなに簡単なんだと、驚くほど簡単にできます。マイナンバーにつなげるまでの大変さともう比べ物になりません。デジタルの話というのは、小難しい話よりもそういうのを体感していただくことが大事なので、ぜひ総理、そこはやってみていただけますでしょうかね。それこそが「国民の「当たり前」を私が実現する」デジタル政策だと思いますので、立憲民主党としても提案したいと思います。 次に、学術会議の話に行く前に、菅総理の人事権についての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。まさに総括的、俯瞰的にお伺いしたいと思いますが。 今回の学術会議の話というのは、総理も私の配付資料にありますのでごらんいただけますか、学者に対して人事権を振るったわけですけれども、安保法制に対して反対した学者ですとかを任命しなかったわけです。 これは学者だけの話なのか。権力構造全体をもうちょっとまさに俯瞰的に捉えますと、国会議員、立法府ですね。安倍総理や菅総理に自民党の国会議員の中で盾突くことのできる方、いさめることのできる方というのはどれだけおられるんでしょうか。村上先生とか石破先生とか、立派な先生方がここにおられます。(発言する者あり)失礼しました。いや、でも、私はすばらしいことだと思いますよ。中選挙区の時代は、もっといさめる先生方が多かったと思うんですよ。これは選挙制度の問題もあるかもしれませんが、なかなか与党の国会議員が、いさめると飛ばされちゃうかもしれない、だからここは言うのをやめておこうと、そんたくしちゃうわけですよね。 官僚については、おとといもきょうもありましたけれども、例えばふるさと納税の局長ですね。ふるさと納税はちょっとやり過ぎじゃないかと菅官房長官に対していさめた局長が、飛ばされちゃって戻ってこられませんでした。そして、NHKの担当課長の話もこの前ありました。この人事は霞が関じゅうに伝わるわけですよ。つまり、いさめたら飛ばされる。そうしたら、いさめないですよね、官僚は。 その結果起きたことが何だと思いますか。アベノマスクですよ。アベノマスクは、安倍総理の側近の秘書官が、これを配れば国民は喜びますからといって、あれを専門家の方が見たら、ちょっとあれで大丈夫かと思ったと思いますよ。だけれども、総理官邸にいさめに行ったら飛ばされちゃうからやめておこうということで、いさめなかったかもしれないですよね。 時の権力者は、いさめる方の御意見を謙虚に受けとめる。最終的にどうするかの決定権は総理とか大臣にあっていいんですよ。ですが、いさめたら飛ばされるとなったら、誰もいさめませんよ。官僚は縮こまっていますよ。 検察。黒川検事長の話も、これは逆かもしれませんが、総理を守る守護神の黒川さんが、ルールを変えてずっと残った。逆に言うと、時の権力に厳しい方は上に上がらなかったというのが人事の裏返しとして潜在的にはあったかもしれない。 あるいは、マスコミに対して余り言うとあれかもしれませんが、厳しい記事を書き続けると官邸から情報をもらえなくなるかもしれない。これは常にあることかもしれませんが、マスコミも似たところがある。 そして、学者ですよ。 これは総理にちょっと基本的なことを伺いたいと思いますが、いさめる人が人事で外されるという構造はまずいと思いませんか。これは、世界史上共通する、統治をしている人の持っていなきゃいけない矜持だと思うんですよ。そして、まさに「国民の「当たり前」を私が実現する」とあるんですから、いさめる人が飛ばされるような総理官邸でいいと国民が思うわけないじゃないですか。 ぜひ、自信を持ってNHK担当課長を飛ばしたみたいなことを言っていますけれども、霞が関の官僚の方は特に安心して仕事ができないですよ。いさめる人を人事で飛ばすようなことはしないから、遠慮なくいさめてほしいと答弁していただけますか。
○菅内閣総理大臣 私ほどいさめられる人間はいないんじゃないでしょうか。 いろいろな官僚の人たちがいろいろな提案を私のところに持ってきてくれています。 ふるさと納税の話をよくされますけれども、ふるさと納税、私は、地方と都市、日本全体を考えたときにどうしても必要である、そういう判断で、総務大臣になったとき、ふるさと納税をつくらせてもらったんです。そうしたら、地方の多くの市町村の方は喜んでいただいています。 私自身は……(発言する者あり)課題があるのは、これは当然だと思います。それは一つずつ直していけばいいわけですから。 そういう中で、私は、ワンストップすべきだということだったんです。そうしたら、ワンストップをずっと反対をしていました。でも、私はその方を局長までしていますよ。次官争い、そこだけですよ。 私は、それは客観的に、皆さんよく知っていると思いますけれども、そこの人事は、私に逆らったから外す、そういうことはなくて、やりたい、自分がやるべきことを説明して、二回目まで聞きますけれども、三回目は自分の判断をさせていただくということです。
○後藤(祐)委員 ふるさと納税の自治税務局長は、その後飛ばされて戻れなかったと思いますけれどもね。 更に言うと、さっきのNHKの担当課長の話は、午前中もありましたけれども、論説懇、つまり記者を集めて懇談会をする場でこの担当課長が発言したということですが、その発言を、この「政治家の覚悟」によれば、知人の論説委員から菅総理は聞いたということなんですが、これはそのとおりですか。つまり、大臣の、当時は総務大臣ですよね、意向に沿わない行動をしていないか、官僚をマスコミを使って監視しているということですか、総理。
○菅内閣総理大臣 そんなことはしていません。 私は大臣として、NHK改革が必要だということを当該の省議にかけたんです。それで方向性が出たんです。ですから、それに当然協力してもらいたいと思いました。
○後藤(祐)委員 いやいや、論説懇におけるこのNHK担当課長の発言を知人の論説委員から聞いたとこの本に書いてありますよ。それを否定するんですか。
○菅内閣総理大臣 それはそのとおりです。 ただ、私が言ったのは、総理が、あ、総理じゃない、当時私は総務大臣でしたから、総務大臣がNHK改革をやるという方針を出していたことに対して、その論説懇の中で、NHKを担当する課長がそれに異議を唱えていたというんです。それは私のところに毎日来ているわけですから。それで、私はNHK改革というものはやりたい、最終的にNHKの料金を下げましたよ、そうした方向性を打ち出すのに、そこについては、私の前できちっと言うんだったら別でしょうけれども、知らないところでやはりそれは言うべきじゃないと思いますよ。 よく政と官といろいろありますけれども、私は、やはり政治主導ということを掲げて当選もしていますし、国会議論の中でも、政治主導でこの国を変えていきたいということを言っていますから、そういう意味の中で、私は、NHKの課長はそういう形で担当者を外しまして、結果的に、局長になって、事務次官クラスまでなりましたよ。 それと、ふるさと納税に反対した局長の話をしましたけれども、自治税務局長ですよ、委員から言われましたけれども。もう最後の、次官になれるかどうかの争いですけれども、それは違う方を次官にしましたけれども、それは当然、総務大臣と相談をした中で次官にしていますから、そこは私は公平にやっているつもりだと思います。
○後藤(祐)委員 論説委員から聞いたのは事実だと認めたように、いろいろなところに網を張って、どこかで何か言ったら、もうその網にひっかかって菅総理のところに届いちゃう。(発言する者あり)いや、それはもう認めたようなものですよ。怖くてしゃべれないですよね。 この五つの方々以外にも人事権があるんです。一般国民というか、そのほかの国民に対してもあるんですけれども、これは念のために、総理、お伺いしたいと思いますが、秋の叙勲、褒章の方々が発表されたばかりですけれども、念のためにお伺いしたいと思いますが、この叙勲や褒章を受けられる方の決定に当たって、通常、刑事事件を起こしていないかとか、ネガチェックは事務的にやっていると思うんですが、そういったチェックはあっていいと思うんですけれども、例えば時の政権の考え方に反対するような発言とか行動をしていないかどうかといったようなチェックはまさかしていないでしょうね、総理。
○菅内閣総理大臣 それは当然していません。
○後藤(祐)委員 先ほど文化功労者の話もありましたけれども、午前中、人事を使って権力に振り向かせる、そんたくさせるということをこういうトップの方でやっていると、今言ったような疑いまで出てきてしまうわけですから、ぜひいさめを聞いていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。 それでは、学術会議の話に行きたいと思いますけれども、午前中の逢坂議員のやりとりの続きをしたいと思いますが、ちょっとここがわあっとなって聞こえにくかったところもあるんですが、法制局長官が、これは総理に聞きますから、ぜひ聞いておいてくださいね、学術会議の推薦どおり任命しない場合のケースについて、自由に、裁量的に、恣意的に拒否することはできないという答弁をしました。そして、昭和四十四年の法制局長官の答弁は、個人的、主観的に気に入らないからというものはできない、任命拒否はできないというのと趣旨的には同じことを申し上げたつもりですという答弁もありました。 確認したいと思います。総理、何らかの理由で主観的に政府当局の気に食わないというようなことで任命しないというのは違法ということでよろしいですか、総理。
○菅内閣総理大臣 これも何回も申し上げておりますけれども、日本学術会議法上の推薦に基づく会員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではない、こういう点について、内閣法制局の了解を得ています。了解を得た政府の一貫した考え方であり、今回も、この任命の法律に、法に基づいてさせていただいたということです。(後藤(祐)委員「答えていないですよ、答えていないです」と呼ぶ)
○金田委員長 後藤祐一君、もう一度わかりやすく質問してください。
○後藤(祐)委員 午前中、法制局長官が答弁したことを、確認までに総理に聞いているんですよ。 法制局長官は、自由、裁量的に、恣意的に拒否することはできないと答弁しました。そして、昭和四十四年の法制局長官の答弁で、個人的、主観的に気に入らないからというものはできないということと基本的に同じことを申し上げたと答弁しました。そこで確認しているんです。主観的に政府当局の気に食わないという理由で任命しないということは違法だということでよろしいですか、総理。
○金田委員長 内閣総理大臣菅義偉君。(発言する者あり) 官房長官。(後藤(祐)委員「一回言った。今言いましたよ、もう指名しましたよ」と呼ぶ)もとい、官房長官加藤勝信君。
○加藤国務大臣 まず、先ほど総理が答弁させていただいたように、日本学術会議法の規定に沿って、任命権者として会議の目的、職務に照らして判断したもので、そもそも恣意的な任命ではないところであります。 また、先ほど、私も一部法制局長官の答弁はちょっと聞き取れないところはありましたけれども、これまでの法制局の答弁も含めて、恣意的な任用、これは適当ではないという判断があるということは十分承知をしております。
○後藤(祐)委員 恣意的という言葉はすごく恣意的なので、主観的に政府当局の気に食わないということで任命しないというのは違法ということでいいですか。これは昭和四十四年の言い方ですから。(発言する者あり)
○近藤政府特別補佐人 委員長の御指名に従って。 先ほども申しましたとおり、先ほどの、高辻内閣法制局長官の昭和四十四年の七月二十四日の答弁を念頭に置いて、奥野委員の御質問に答えて恣意的という言葉を使いましたけれども、基本的にはそこで、御指摘を受けております、主観的に政府当局の気に食わないということで任命しないのは違法であるという部分を基本的にはなぞったということで、同趣旨、違法ということで、同じ趣旨のことを申し上げたということでございます。(後藤(祐)委員「なぞったじゃなくて。違法ということでいいですか。はっきり言ってください」と呼ぶ)はい。
○金田委員長 わかりやすく言ってください、ちゃんと。
○近藤政府特別補佐人 それは、その条文に反した任命をしているということですから、そういう意味で、その条文の規定に反した任命をしているということですから、違法という言い方を余り人事で言うようなことはないんですけれども、法に、趣旨に合ったやり方ではないということだと思います。
○後藤(祐)委員 主観的に政府当局の気に食わないということで任命しないのは法の趣旨に反するという答弁がありました。これは極めて重要です。 じゃ、法の趣旨に反するかどうかはどこで判断するかというと、それは設置目的で判断するという答弁が既になされておりますが、じゃ、設置目的を見てみましょう。 日本学術会議法第二条、これは逢坂議員が午前中ちょっとやっていましたが、日本学術会議法は、「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。」というふうにされていますけれども、推薦されたのに任命しないというのは、この第二条の設置目的に照らして明らかに不適当と認められる場合に限定されると考えてよろしいですか。
○菅内閣総理大臣 日本学術会議法の規定に沿って、任命権者として会議の目的や職務等に照らして判断したものであり、恣意的な任命ではないということです。
○後藤(祐)委員 今の総理の答弁でほとんど答えているということだと思うんですが、この二条に反している場合に、推薦されたのに任命しないというのはこの二条の設置目的に反している場合だけだということでよろしいですか、総理。
○加藤国務大臣 学術会議の会員に関して言えば、学術会議からの推薦を十分尊重しつつも、学術会議の設置の趣旨、目的等に照らして、会員として任命することが国民に対して責任を負えないような場合には任命を拒否できると解されるということは、従前から申し上げているところであります。(後藤(祐)委員「だから、これに限定されるというのでいいんですかと聞いているんです。答えていないんです」と呼ぶ)
○金田委員長 答えているか答えていないかの御指摘は、御質問の中でもう一度言ってください。
○後藤(祐)委員 一回官房長官が答えたので総理にお答えいただきたいと思いますが、推薦されたのに任命しないというのは学術会議法二条の設置目的に反している場合だけということでよろしいですか、総理。
○加藤国務大臣 いや、ですから、そこは、先ほど申し上げました、趣旨、目的等を踏まえて、学術会議法に書いてある趣旨、そこにも趣旨が書いてありましたけれども、趣旨、目的等を踏まえて判断されるということでありますから、当然その中で判断されるべきものだということであります。
○後藤(祐)委員 これ以外にあるんですか。それこそ恣意的と言うんじゃないですか。これに反するような場合ってどういうケースでしょう。 先ほど逢坂議員も言っていましたけれども、恐らくこういうことだと思うんですよ。学術会議から推薦を受けました、それを受けた学者の方が、その後、殺人事件を起こしました、あるいは、その方の主要な業績である論文が虚偽でしたというようなことが推薦の後に発覚したようなケースというのは、確かに、そういう方を任命してしまったら、この二条の目的に反することになるかもしれない。そういうケースが全くないというわけじゃないから、だから絶対に任命しなきゃいけないんだということじゃないということであれば、百歩譲って私はわからなくないんです。 それが、午前中、枝野代表が言っていた羈束裁量というものだと思います。自由裁量ではなくて羈束裁量、要は、自由に決められるということじゃなくて、今言ったようなごく例外的な、それはそうだよねという場合が確かにあるかもしれない。 それ以外はないということでよろしいですね。つまり、殺人事件を犯しちゃったとか、主要な論文がうそだっただとか、そういった、およそその人を任命しちゃいけないような、誰が見たっていけないようなことが起きちゃったようなごく例外的な場合にのみ、推薦されたけれども任命しないということは限られる、それはこの二条違反だからということでよろしいですか。
○加藤国務大臣 どういう場合にということでありますけれども、これはそれぞれ法律ごとによって、たしか法制局長官がここだか内閣委員会で答弁されていたと思いますけれども、一部長が最初にかなり限定的な、たしかこれは文部科学省の関係でお話があって、大学設置法の関係でお話があって、個々の、それに限らず、それぞれの法律に基づいて判断されるべきもの、こういう答弁をされていたというふうに承知をしております。
○後藤(祐)委員 答弁していないですよ。この第二条の設置目的に反する場合に限られるんですかということについても答えていないし、それ以外のところは恣意的な判断だし、しかも、これに該当して、推薦されたけれども任命しないようなケースというのは、殺人事件を犯したり、うその論文であったりとかいうごく例外的なケースだけですかということについても答えていない。そこについては、きちんと政府としての統一見解を文書で提出していただけますか。
○近藤政府特別補佐人 私の答弁を少し引用をされたので、少しそこだけ補足をさせていただきたいと思いますが、昭和四十四年の高辻内閣法制局長官の答弁において、いろいろ拒否できる場合というのを、大学の場合について、いろいろな議論の中で、客観的に大学の目的に照らして明らかに不適当というような言い方で一つ例を示されているというのはよく承知しておりますけれども、一昨日の答弁でもお話ししましたように、それぞれ日本学術会議と大学とは全然性格が違いまして、学術会議で、大学のときになぜあれほど大きな問題になったかというと、憲法上認められている大学の自治というのと、十五条の問題の、調整権限だからどの程度まで本当にできるのかという議論ですけれども、学術会議の場合には、あくまでも行政機関……(発言する者あり)
○金田委員長 静粛に。 簡潔に。
○近藤政府特別補佐人 行政機関に関する法律で認められた職務の自律性との関係の調整で、申出に基づいてという規定ができていますから、当然、大学の場合とは全然、調整の立場が憲法同士の概念ではないですから、当然それより、それに同じように狭くなるということでは必ずしもないという趣旨を一昨日申し上げました。
○後藤(祐)委員 大学のことは一切聞いていません。何のために出てきているんですか、通告もしていないのに。 この二条の設置目的に反する場合だけ、推薦されたのに任命しないというのは限られる、それ以外があるんだったら何かということ。そして、この二条の目的に反するようなケースというのは、殺人事件を犯したり、主要な論文がうそだったりといったごく例外的なケースに限られる、あるいはほかにどんなケースがあるのか。両方を文書として、政府統一見解としてこの委員会に提出されるよう委員長に求めたいと思います。
○金田委員長 ただいまの件は、理事会で協議をさせていただきます。
○後藤(祐)委員 最後に、これは菅総理にお伺いしたいと思いますが、学術会議について、こうしたい、こうあってほしいという思いがあったからこの話は起きていると思うんですよ。この人が気に食わないからということではないと信じたい。だとしたら、菅総理が学術会議はこういうふうにあってほしいと思うことって何なんですか。 それは、実は二〇一五年に、「日本学術会議の今後の展望について」というので大議論をされた結果、完全にまとめられていて、その中には、例えば、政府の打ち出す政策について科学的な見地から分析を行い、場合によっては批判的なものも含め、科学的なエビデンスに基づく見解を打ち出していくとか、極めて真っ当なことが書いてあるんです。しかも、総理、ちょっと聞いてください、総理のおっしゃる多様性についても、性別、年齢、地域、所属等の観点におけるバランスに配慮し多様性を高めることも、組織全体としての柔軟性や普遍性を高める上で重要であると書いているんですよ。 そういう一般論はぜひ議論したらいいじゃないですか。 提案します。まず、学術会議にこの六人をもう一回推薦していただいて、総理は任命していただいて、その上で、今言ったような多様性ですとか学術会議の基本的なあり方ですとか、任命のあり方でもいいかもしれない、一般論としてその後議論したらどうですか、総理。建設的です、その方が。
○菅内閣総理大臣 今、後藤委員が言われた中で、その続きとして、例えば会員の皆さんから、いまだに例えば民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも大きな偏り方が見られることや、会員の選考方式が閉鎖的、既得権のようなものになっていると言われても仕方ない状況にある、こういう問題があるということも指摘しています。 ですから……(発言する者あり)
○金田委員長 静粛にしてください。
○菅内閣総理大臣 ですから、私自身、このような状況の中で、前例をもとに判断していいかどうか迷ったんです。そして、本格的な形として九十九人にさせていただいたということです。
○後藤(祐)委員 これだけ大議論になったんですから、多様性ですとかそういう議論をしたらいいと思います。ですが、法律に基づいてやってください。殺人事件とかを犯しているのでなければ、まず推薦をしていただいて、任命して、今の議論をぜひしていただくことをお願い申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○金田委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。
○辻元委員 立憲民主党の辻元清美です。 総理、まず最初に、今、アメリカの大統領選挙、開票が進んでおります。 一つお伺いしたいんです。 私、このアメリカの大統領選挙を見ておりまして、社会の分断、これは非常に懸念されると思いました。トランプ大統領になってから、フェイクニュースだ、フェイクニュースでないという応酬とか、更にこの大統領選挙がアメリカ社会の亀裂、分断を深刻にしていくんじゃないかという懸念を持ちながらこの大統領選挙を見ておりました。 そういう懸念について、総理はどのようにこの大統領選挙をごらんになっていたでしょう。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 日本と比較をすると、歴史的にもいろんな民族の方が集まって国をつくっているわけでありますから、そういう中で、今度のこの選挙戦、その分断だとか、そうしたことも含めて私は見ていました。
○辻元委員 いずれにしても、どちらかの方が大統領に選ばれます。 この後、総理は新しい大統領とどのように向き合いたいですか。
○菅内閣総理大臣 日米同盟は日本の外交のまさに基本でありますから、そういうことのもとに、次の大統領としっかりつき合っていきたい、こういうふうに思います。
○辻元委員 今、社会の分断ということを申し上げました。私は、アメリカだけの話じゃないんじゃないかと思うんです。 この予算委員会でも、私、歴代十人ぐらいの総理大臣と議論させていただいてまいりましたけれども、総理が官房長官を務められた安倍政権、私はやじを飛ばされたりもしました。しかし、非常にこれはゆゆしき事態だと思ったのは、野党攻撃もひどかったんです、民主党政権は悪夢の時代だったとか。国民に向かっても、こんな人たちに負けるわけにはいかないと。総理大臣みずからが対立をあおるような発言をされてきたんじゃないかと非常に懸念しておりました。 私が住んでいる大阪でも、つい先日、五年間で二回も住民投票を、あえて申し上げますけれども、住民から望んだのではなく、一部の政党によって、まあ、しかけられたような形だったと思いますよ、署名を集めて住民投票したわけじゃないわけですから。これは日本でも、このトランプ政権で起こったような分断、私は、安倍政権でも社会の分断が進んだんじゃないか。 大阪では住民投票があって、私は大阪を協調の時代に新たに持っていきたいと思いますから、大阪で頑張りたいと思いますけれども、私は、やはり、菅総理になられたわけですから、安倍総理のように、対立をあおるような発言は慎んでいただきたいし、野党を攻撃したりして自分たちが政権を維持していこうとか。 それから、フェイクニュース。例えば日本学術会議の案件についても、自民党の議員が、フェイクニュースではないかと指摘されているようなことをネット上で流布するということまで起こっているんですよ。何か学術会議のことも、あたかも学術会議をみんなで問題にしていこうみたいな、改革というよりもむしろ何か対立をあおるような、そういう風潮があるんですよ。そういうことは慎んでいただきたい。 総理大臣としてまず約束していただきたいと思いますけれども、対立や分断をあおらないということ、そして、そういう姿勢で国会審議や政治をやっていただきたい。そして、日本学術会議のことも、そういう対立をあおるような発言が御党の議員の中からあったら、しっかりそれは見過ごさずに注意をしていく。まず約束してください。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 対立と分断というのはよくないと思いますけれども、しかし、お互いに切磋琢磨して政策を主張し合うことは、これはいいことじゃないでしょうか。お互いに国民のために政策を提案し、そこについてかんかんがくがくの議論を行っていくということは、私はいいと思います。
○辻元委員 さて、私は以前から菅総理にこれは聞いてみたいなと思うことがあったので、かつての総理が持論とされてきたこと、これをちょっと最初にお聞きしたいんです。 私、総理と同じ意見なんです。世襲制限なんですよ。 総理は、もうあちこちで、ビラまでまいているんですね、世襲制限しなきゃいけないと。そしてインタビュー、それから、さまざまなところで原稿も書いていらっしゃいます。世襲制限の断行が日本の未来を開く。世襲を許せば自民党は死ぬ。その中でどういうことをおっしゃっているかといいますと、世襲にしたら出たい人が出られない、それって国民目線から見て変でしょう、世襲制限をして世代交代を図る、そんな当たり前のことをやらないと自民党に未来はない。 今も同じお考えですか。
○菅内閣総理大臣 まさに、私は地方から出てきて、何もないところで国会議員の秘書をさせていただいて、ゼロからスタートしています。 私は、小選挙区世代、初めての選挙で当選をさせていただきました。そういう中で、当時、私ども自民党は世襲の方が圧倒的に多かったんです。たしか六、七割、五割を超えていたと思いますが、そういう中で、私自身は、世襲は制限すべきだ、世襲制限ということです、制限をして、必ず、世襲の方が小選挙区から出る場合でも、そこの場で投票して出る。予備投票というような、党員投票みたいな形で出すとか、そういう方策を実はつくって、今日まで自民党は来ていると思っています。
○辻元委員 総理、自民党の世襲の方はそのころから減っておりません。総理も四割とおっしゃっていて、今も約四割いらっしゃるんですね。お一人お一人が、私は、立派な方もたくさんいらっしゃいます。しかし一方、えらいこの人ぼんぼんちゃうかと思う人もいてるんですよ。大臣も、二十人、大臣いてはるんですけれども、十二名が世襲の方なんですよ。 総理、こういう提案をされています。具体的に、三親等以内の親族を公認しないことを考えている、本当に出たければ違う選挙区から出ればいいと。 総理も、お父さんが町会議員をされていましたね。そして、四期当選されて、副議長をされたお父さんも、地方の政治家でいらっしゃいました。これは事実ですか。
○菅内閣総理大臣 それは事実です。
○辻元委員 しかし、総理は、違う選挙区からみずから実践して出ていらっしゃるわけですよ。秋田で、副議長も務められて、お父さんが町会議員をやっていたところ以外のところで、非常に苦労もされたと思いますけれども、総理みずから、違う選挙区で出た方が、世襲の方、非常にいろいろなことを親から学んで、いい面も持っている、しかし、やはり違うところで一から苦労してこそ、更に磨きがかかったいい議員になるんじゃないかとおっしゃっているわけですよ。 総理は、この世襲問題は自民党のタブーなんです、そこに私は切り込んだ、何も幹事長にならないとできないわけではないといって、麻生総理のときに官邸に乗り込んでいったりしているじゃないですか。 幹事長どころか、総理・総裁になったんですから、私は、やはり多過ぎると思いますよ。大体、総理大臣候補もみんな世襲の方なんですよ。ずっと総理大臣の子供はみんな来てはるんですよ。 麻生大臣、麻生大臣はまだまだ頑張れると思いますけれども、御勇退されたら、お子さん、息子さんを出したいですか。いかがですか。
○麻生国務大臣 予定外の通告で、通告を受けていないよね、この質問はね。この質問は、あらかじめ事前通告はありませんでしたね。(辻元委員「通告は必要ない」と呼ぶ)必要あるかないか、私が決めますから。(辻元委員「いかがですか」と呼ぶ) 御質問の内容をもう一回言ってください。後継ぎをさせるかどうかという意味ですか。(辻元委員「はい。どう思いますか」と呼ぶ)まだ引退することを考えていないから。
○辻元委員 自民党には、例えば、一時、大正時代から議席を我が一族でいただいておりましてとおっしゃって批判を浴びた方、まだ今もいらっしゃるんですけれども、でも、私は、その人が悪いと言うんじゃないんですよ。大正時代からだと百年ですよ。この中にもいらっしゃいますね、大正時代から先祖代々じゃないけれども。 なぜこういうことを言うかというと、菅総理はこうもおっしゃっているんですね。国民が厳しい生活をしているときに自分たちは何もしなくていいのか、だから世襲制限が必要なんだ。 今、コロナのときでしょう。言ってみれば、店が潰れたりとか、パートで仕事が打ち切られて、子供を抱えて、本当に苦しんでいるシングルマザーの方とかいらっしゃるんですよ。 私は、やはりこういうときだからこそ、あれだけ世襲制限とおっしゃってきたんですから、ちょっとはやってみようか、検討するぞ、自民党、それぐらいおっしゃったらどうですか。総理、いかがですか。 ビラもまいていらっしゃいますよ、横浜で。だって、前例の打破とか、縦割り、前例主義、既得権益の打破、おっしゃっているじゃないですか。政治に新規参入者を招き入れる、これはとても大事なことなんですよ。違いますか。たたき上げでしょう。本当の改革者になりたいんだったら、いかがですか、少しはやってみたらどうですか。どうですか、総理。
○菅内閣総理大臣 まさに、多様性というものが必要であるというふうに思います。そういう中で、自民党、今、女性の議員が非常に少ないですから、そうしたものに対応しようとか、世襲については、先ほど申し上げましたけれども、世襲だからという形ですぐ公認しないで、そこの、出馬する選挙区で党員投票をやって決めようとか、そういういろんなルールをつくっています。
○辻元委員 それについても批判しているんですよ。公募で選べばいいとかいろいろ言っているけれども、おやじの後を受けて、息子や党員、党友の姿勢にはどうしても前任者の色がにじみ出る、世襲の該当者がいる選挙区では厳正な公募は難しくなると言っているじゃないですか。 ですから、私は、申し上げているのは、やはり、たたき上げ、そして、前例主義、既得権益の打破と言うんだったら、日本学術会議の人事の六人を飛ばすとか、そんなことをするんじゃなくて、みずからの政治のありようを改革する。今の答弁だと、結局、たたき上げ総理でも、自民党の政権である限り、総理大臣のたらい回しでは何も変わらないということじゃないですか。私はそう思います。 さて、そんな中で、学術会議の問題。総理にお聞きしたいと思います、事実関係です。私は、そっちの方がやってほしいですよ。学術会議の人、何の基準かわからないのに六人を任命拒否するよりも。 おととい、こういう答弁があります。百五名のもともとの名簿は見ていないということは事実ですと、総理、江田議員にお答えになりました。そのとおりですね。総理。
○菅内閣総理大臣 見ておりません。
○辻元委員 そうすると、九十九人の名簿、決裁、判こ押しているんですよ。このときに、いや、六名はちょっと今回は任命できないという話は聞きましたか。
○菅内閣総理大臣 もともとこの……(辻元委員「いや、聞いたか聞いていないかだけだから」と呼ぶ)それは聞いていません。九十九人の名簿が出てきて、そこで印鑑を押して、参考資料としてはつけてきましたけれども、見ていません。(辻元委員「じゃ、見ていなかった」と呼ぶ)はい。
○辻元委員 それでは、この六名が任命から外されたというのはいつ知ったんですか。その後ですか。これは総理しかわからないよ、総理の記憶だから。
○菅内閣総理大臣 ちょっとお待ちください。ちょっと、具体的に申し上げます。(辻元委員「思い出してください。これ、判こついたでしょう」と呼ぶ)ついた、ちょっと……(辻元委員「ちょっと待って。じゃ、時計とめてもらう。じゃ、総理、時計とめろと指示してください」と呼ぶ)いや、私、総理大臣になってから正式に任命しますので、その日にちだけちょっと確認……(辻元委員「いや、日にちはいいです。六名を、ちょっと委員長」と呼ぶ)
○金田委員長 わかりやすく説明してください、辻元清美君。
○辻元委員 これを決裁したときに六人が外されていることは知らなかったとおっしゃったので、では、その後、六人の人が実は外されていたんだということを総理が知ったのはこの決裁の後のいつごろですかと聞いているんです。
○菅内閣総理大臣 八月三十一日、学術会議の推薦を受けて、具体的な対応について相談を受けたわけで、具体的な相談を受けたのは総理大臣になった後です。九月十六日、私、内閣総理大臣に就任しましたので。その後に、それを受けて、私が、懸念や任命の考え方を官房長官や副長官を通じて内閣府に伝えて、最終的に九十九名を任命する決裁を行ったということです。
○辻元委員 ですから、もう一回言いますよ。 この六名の、加藤陽子さん以下六名の名前が出ました。これは、じゃ、こんな人たちが任命されていなかったということはニュースで知ったんですか、新聞とか。いかがでしょう。 ちょっと、関係ないでしょう。もう全然関係、何で。総理の記憶をお聞きしているんですよ。
○菅内閣総理大臣 まず、八月三十一日に学術会議から総理大臣宛てに百五名の推薦名簿が提出され、担当の内閣府からその内容の報告を受けて、私が官房長官時代から持っていた懸念というものを伝えました。こうした懸念点や任命の考え方を官房長官を通じて内閣府に伝えて、九月二十四日に内閣府が九十九名を任命する旨の決裁を起案して、九月二十八日ですね、決裁を行ったのは。
○辻元委員 そうすると、総理は、懸念は伝えたと。しかし、具体的に、こういう六名の方がこうこうこういう理由で任命から外されましたという説明は受けていないということですね、具体的な名前を入れて。
○金田委員長 菅内閣総理大臣。 具体的事実ですから、しっかり答えてもらいましょう。
○菅内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、懸念や任命の考え方を官房長官や副長官を通じて内閣府に、それに基づいて九月二十四日に内閣府が九十九名を任命する旨の決裁を起案して、九月二十八日に私のところに決裁が回ってきて、決裁を行ったということです。
○辻元委員 それね、今同じ答弁をされているんですよ。 ですから、これだけ騒ぎになっている六名の方のお名前ですね、加藤さんとか宇野さんとか。具体的に、こういう人が外れていたんだと総理が名前も認識したのは決裁の後ですか。
○菅内閣総理大臣 決裁をする前に、九十九人にするという話は報告を受けています。
○辻元委員 ですから、百五名出されていて、六人のこういう人が外されたんだということを総理が名前も含めて自覚したのはいつかと。決裁しちゃったけれども、その後大騒ぎになりましたよ。それで、ああ、こういう六人が外されていたのかと、そのときにお知りになったということでよろしいですね。
○金田委員長 具体的事実だから、しっかり答えてもらいます。
○菅内閣総理大臣 私が九十九名のその決裁をする前です。決裁を、九十九人で上がってきたその前に、こういう形で上げますからという形です。
○辻元委員 決裁を、判こを押す前に、こんな六名の人が外されたということを知っていたということですか。
○菅内閣総理大臣 そういうことです。
○辻元委員 それでは、その六名の方が外されたという説明は誰から受けましたか。
○菅内閣総理大臣 まず、私は、八月三十一日に……(辻元委員「いや、それはいいんだって」と呼ぶ)いや、ちょっと経緯がありますから。 八月三十一日に学術会議から総理大臣宛てに百五名の推薦名簿を提出され、担当の内閣府からその内容の報告を受けて、私、官房長官時代から持っていた懸念を実は伝えました。そして、こうした懸念や任命の考え方を官房長官や副長官を通じて内閣府に伝えて、最終的には、九月二十四日に内閣府が九十九名を任命する旨の決裁を起案して、二十八日に私が最終的な決裁を行った。二十四日にこの九十九名が任命が上がってくる前に聞いています。
○辻元委員 誰から聞きましたか。
○菅内閣総理大臣 多分、杉田副長官だと思います。これはいろいろな方が来ていましたので。内閣府からも来ていましたから。
○辻元委員 そうしますと、そのとき初めて総理は六名が任命されていなかったということを知った、杉田官房副長官から聞いたと。 じゃ、六名を任命しないと決めたのは誰ですか。
○菅内閣総理大臣 それは、最終決裁者は私ですから。
○辻元委員 ということは、杉田官房長官がこの六名は任命しない方がいいですよと持ってきて、そこで話し合って、じゃ、この人はこうだね、この人はこうだね、じゃ、この六名は外れて九十九名にしておこうと相談したんですか。
○菅内閣総理大臣 先ほど申し上げましたけれども、私、八月三十一日に百五名の推薦名簿が提出されたときに、官房長官時代からの私の懸念を内閣府に伝えたんです。(辻元委員「だから、六名について」と呼ぶ)その中で、最終的に上がってくる段階で聞いたのは杉田副長官です。
○辻元委員 じゃ、杉田副長官が六名を提示したということじゃないですか。ということは、杉田副長官がこの六名を外した方がいいという判断をされて提示しているわけですから、杉田官房副長官に、どういう理由で外そうとしたのか、ここに来ていただいて御説明いただく必要があるので、私たちは参考人として来てくださいと言っているわけです。 委員長、今度こそ呼んでくださいよ、杉田さんを。いかがですか、委員長。委員長に言っているんですよ、今は。
○金田委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○辻元委員 それで、この間、総理は、加藤陽子さんだけ御存じだったとお答えになりましたね。どういうように御存じだったんですか、加藤陽子さん。
○菅内閣総理大臣 これは最終任命権者が私ですから、最終的には私が決めているということです。これは当然のことですけれども。(辻元委員「加藤陽子さん」と呼ぶ) 加藤陽子さんについては、当日、あそこに名簿が出ていましたですよね。この委員会で配られています。私は新聞とかそういうことで知っていました。
○辻元委員 どういう判断基準で判断されたのか。 総理は六人のうち加藤陽子さんは御存じだったということですか。加藤陽子さんについて、ちょっと、私は女性の歴史学者として本当に尊敬している方なんですよ。それで、本なんかも、「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」、物すごく売れていますよ。なぜこの人が外されたのかと、すごいショックだったんです。 総理、御存じですか。加藤陽子さんの例でいきますと、小泉政権から菅政権までの十七年間、歴代内閣の政府の委員会や懇談会、例えば内閣府独立行政法人評価委員会など八つの委員を務めてこられました。安倍政権、菅官房長官のときも、内閣府公文書管理委員会の委員に、内閣府の、官房長官が任命しているんですよ。そして、菅内閣、今も加藤陽子さんは、国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討会議委員を務めていただいているわけですよ。 こういう加藤さんが、ずっと政府が世話になってきて、その業績を評価して政府の委員に任命していたという事実は総理は御存じでしたか、加藤さんについて。いかがですか。総理の認識。いや、総理が知っていたかどうかですから。総理、どうぞ。
○菅内閣総理大臣 内閣でお願いしているということを私は承知していませんでした。
○辻元委員 こういうことも承知せずに、じゃ、杉田さんから言われて、外しておこう、外しておこうと外したんですか。 加藤さんのケースでもそうですけれども、政府の委員というのは、政府がこの人はやめておこうと思ったらやめられるわけで、そして、推薦がなくても、政府の一存で決められるわけですよ。ハードル低いんですよ。そっちでは今もお世話になって、政府がその見識や学識を頼って、そして今も委員を務めていただいている、政府の。ところが一方、独立性が高い日本学術会議の推薦の方は外してしまう。 同じ人物を、一方では政府が力をかりて、一方では拒否。任命拒否の根拠は破綻していると思いませんか。総理、いかがですか。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事にかかわることですから、控えたいと思います。
○辻元委員 この新しい国立公文書館をつくるというのは、上川大臣が議連の会長で、私も一緒にやらせていただいていますけれども、非常に見識の高い歴史学者として、私どもは加藤先生を始め歴史学者の方のお力をかりているんですよ。わかりますか。 今まで、加藤氏のような歴史学者の、例えば、学術会議の答申によって国文学研究資料館が設立されています。 今、国立公文書館、ありますね、これを新しくしようとしているわけですよ。これについても、学術会議の公文書散逸に向けてという勧告がもとになって日本は初めて国立公文書館をつくったんですよ。諸外国はあったんですよ。日本はおくれていたんですよ。学術会議がそれに勧告を出して、よし、やろうということで、国際基準に合ったものをつくろうとなったわけです。 こういう歴史、総理、御存じでしたか。総理、総理です、総理です。総理。
○菅内閣総理大臣 そういう形の中で、公文書管理館ですか……(辻元委員「国立公文書館ができた」と呼ぶ)できたという経緯は承知していませんでした。
○辻元委員 何にも知らないんじゃないですか、学術会議が今までどんなことをやってきたか。 例えば原子力基本法も、学術会議の声明によって日本の原子力利用についての基本がつくられたんですよ。 国立公文書館もそうですよ。そして、新しい公文書館も、今力をかりているんですよ。その人を外しているんですよ。外した本人は、いや、そんな政府の役職をしていたのは知らなかったとか、そして、学術会議がそういう仕事をしていたのは知りませんでした。 任命権者として失格じゃないですか。総理、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 それは、私でなくて皆さんが考えることだと思います。
○辻元委員 大体、安保法制のときから、何か学術会議を目の上のたんこぶにしてきたんじゃないかなと思い当たる節があるんですよ。 あのときに、私、総理とこの場で相当議論しましたね。あのときに、二百名以上の憲法学者の方が憲法違反と声明を出したんです。これについて総理は記者会見で問われた。そうしたら、総理はどうおっしゃったか。安保法制を違憲じゃないという著名な学者もいっぱいいるとおっしゃったんですよ。ですから、私は、質問をしまして、合憲とする学者の名前をいっぱい挙げてください。三人しか答えられなかった。覚えていますね。覚えているよね。 それで、合憲という学者が少な過ぎると私が指摘すると、数じゃないと言ったんですよ。私は、この総理の姿勢が、そのものが、多くの学者や専門家が問題点を指摘しても、数じゃないんだ、政権は正しいんだと。まるでこのときの総理の御答弁が、もともと学者の意見、そして学問を軽視してきた、そういうことをあらわしているんじゃないかと思いますよ。いかがですか。数じゃないんですか、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 国会運営も、数でなくて、野党の皆さんの考え方も聞きながら私どもは進めているんじゃないでしょうか。
○辻元委員 このとき、総理はNHKのインタビューにお答えになっているんですけれども、年末に、去年の。この安保法制のときに、政権の最大の危機だと思ったとお答えになっているんですよ。 そしてさらに、総理の御著書でも、先ほどから出ている「政治家の覚悟」という御著書でも、この安保法制のときのことを書いていらっしゃいます。三人の憲法学者が憲法違反だと言って、反対派が勢いづいた、私はもう眠れなくて、くたくたになったと。政権の危機だとこのとき非常に危機感をお持ちになったんじゃないですか、いかがですか。そうインタビューで答えていらっしゃいますけれども、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 私が答えているので、そのとおりだったと思います。
○辻元委員 政権の危機だと思ったんですよ。 学者がこのとき行動いたしました。私は、あのときの総理の姿勢、まるで、憲法違反だと主張する学者たちは政権を脅かす脅威、総理にはそう映ったように私は見えました。そして、本でも、かなり危機感を持っていらっしゃる、書いていらっしゃる。 そして、今から思えば、今回の任命拒否の、あそこに源流があったように思います。二〇一四年に閣議決定をしたあたりからおかしくなっちゃったんです。 総理、権力には越えてはならない一線がある。私は、総理と当選同期です。そして、自社さ政権でした。自民党の先輩方、中曽根元総理もいらっしゃったんですよ。多くの自民党の先輩方から学びましたよ、越えてはならない一線があると。 私は、梶山静六当時官房長官でした、先生や、後藤田正晴先生や野中広務先生がいらっしゃったら、総理、この任命拒否、人事はおやめになった方がいいととめていたんじゃないかと思いますよ。それが保守の懐の深さだったんじゃないですか。 学術会議の、河野大臣が行革の対象にする、十億円でしょう、予算。私、少ないなという印象を受けたんですよ、見たとき。アベノマスクに二百六十億円使ったんでしょう。学術会議十億円の二十六年分ですよ、あのマスク二枚に。こっちの方を、何でそんなことが起こったのかを検証する、安倍内閣の失敗を、そっちをしていただくのであって、学術会議の十億円のうちの五億円の人件費をちまちま削る、それが政治のやることですか、総理。いかがですか、総理。総理に聞いています。総理に聞いています。河野さん、総理に聞いているんですよ。 やはり、これは覚悟の問題ですよ。何を日本は大事にするのか。中曽根元総理も戦争を体験された。戦争を体験した人たちが、学術会議というのは、時には政府が道を踏み外しそうになったら、政府と違う勧告を出してブレーキをかける、そういう組織をあえて税金でつくっておこうというのが学術会議の意思じゃないですか。国会の意思だったんですよ。わかりますか、総理、あえてですよ。 私は、日本にとってそういう存在は非常に大事だと思っております。総理、いかがですか。大事だと思いませんか。
○金田委員長 河野大臣。(辻元委員「河野さんに聞いていない、聞いていない。もう終わるから、河野さん、いいよ、もう」と呼ぶ) 河野大臣、一言。時間が来ていますから、簡単に。
○河野国務大臣 政府が支出している五千の全ての事業が行革の対象になります。学術会議もその一つです。
○辻元委員 総理、いかがですか。総理に聞いているんですよ。
○金田委員長 内閣総理大臣菅義偉君、時間が来ていますので、一言でお願いします。
○菅内閣総理大臣 今、行革担当大臣のところでそこを精査していると思います。
○辻元委員 総理は「鬼滅の刃」のせりふを一言おっしゃったけれども、最後にこういう「鬼滅の刃」の漫画の黒幕の言葉を、こうならないようにしてほしいので、紹介しておきます。私は何も間違えない、全ての決定権は私にあり、私の言うことは絶対である、おまえに拒否する権利はない、私が正しいと言ったことが正しいのだ、こんなせりふを言っているんですよ。こうならないように、くれぐれも御注意いただきたいと思います。 終わります。
○金田委員長 これにて江田君、今井君、川内君、奥野君、枝野君、岡田君、本多君、石川君、逢坂君、後藤君、辻元君の質疑は終了いたしました。 次に、志位和夫君。
○志位委員 私は、日本共産党を代表して、菅総理に質問します。 総理が日本学術会議が推薦した科学者のうち六名の任命を拒否したことは、法の支配、学問の自由、基本的人権を侵害し、我が国の今後にはかり知れない災いをもたらす、極めて重大な問題であります。 そこで、私は、きょうは日本学術会議への人事介入問題に絞って質問いたします。 まず、なぜ六名の任命を拒否したのか。総理は、その理由として、学術会議の総合的、俯瞰的活動を確保する観点からだと繰り返してこられました。しかし、総理のこの説明に対して、どの世論調査でも、国民の六割から七割が説明不足と答えております。理由も示さずに特定の人の任命を拒否する、政府が自分たちに都合の悪い異論を排斥しているのではないか、ここに国民の不安と批判が集まっております。 日本学術会議は、人文・社会科学、生命科学、理学・工学など日本の科学者全体を代表する機関であり、その活動が総合的、俯瞰的活動となることが望ましいことは当たり前のことですし、総理に言われなくても、学術会議自身がその重要性を繰り返し表明しています。 問題は、総合的、俯瞰的活動を確保ということが六名の任命拒否の理由になり得るかということです。 総理に伺います。 私は、十月二十九日の本会議の代表質問で、六名を任命すると、学術会議の総合的、俯瞰的活動に支障を来すという認識なのかと聞きました。総理からは答弁がありませんでした。私は非常にシンプルなことを聞きました。支障を来すという認識なのか、イエスかノーか、端的にお答えください、総理。
○菅内閣総理大臣 極めて大事なことですから、イエスかノーで答えられないと思います。私は説明をさせていただきたいと思います。 年間十億円の予算を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員になります。その前提で、社会的課題に対して提言などを行うために、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を確保するために必要な判断を行ったものです。 さらに、今回の個々人の任命の判断とは直結しませんけれども、私は学術会議自体に官房長官時代からさまざまな懸念を持っていました。 かねて多様な会員を選出すべきと言われながら、現状は出身や大学に大きな偏りがあって、民間人や四十九歳以下の若手はわずか三%です。大学を見てみますと、七つの旧帝国大学が四五%を占めています。百七十三ある国立大学、公立大学、一七%です。六百十五ある私立大学は二四%です。産業界、民間の人が三%で、そして四十九歳以下の若手は三%。 さらに、会員の選考というのは、全国に九十万人いる研究者のうち、約二百人の会員、また二千人の連絡会員とのつながりのある方に限られた方々の中から選ばれており、閉鎖的、既得権のようになっていると言われても仕方がないと思います。(発言する者あり)
○金田委員長 答えをまとめてください。まとめて、簡潔にお願いします。
○菅内閣総理大臣 こうした中で推薦された方々がそのまま任命されてきた前例踏襲をやめて、総合的な判断として九十九人を任命することを判断をさせていただいたということであります。
○志位委員 今、長々とお答えになりましたが、私の聞いたことに全く答えておりません。 その中で、最後総理が言われた閉鎖的で既得権益、これはひどい答弁だと思いますよ。会員、連携会員とつながりのある限られた中から選ばれていると言いますが、事実に反します。新会員の選考というのは、会員、連携会員の推薦だけでなく、協力学術研究団体からの情報提供をもとに選考委員会が選考している。既得権益と言いますけれども、十億円ということも言うけれども、会員の給与はゼロですよ。それから、みずからの研究や教育の時間を削って、科学の成果を社会に還元しようという使命感で頑張っておられる。そういう科学者に対して、余りに敬意を欠いた失礼な発言だと思いますよ。 そして、あなたがあれこれ言ったことは、何よりも六名の任命拒否の理由に全くなっていない。別の問題のすりかえです。 私が聞いたのは一つ。答えてください。六名を任命すると、学術会議の総合的、俯瞰的活動に支障を来すのかどうか、これを聞いているんです。これが答えられないんですか。
○菅内閣総理大臣 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関することであり、お答えは差し控えたいと思います。
○志位委員 個々人の任命の理由について聞いているんじゃない。六名を任命したら支障が出るのかと聞いた。それに対して答えられない。つまり、総合的、俯瞰的活動を確保というのは任命拒否の理由になり得ないということであります。 更に聞きます。 総理は、総合的、俯瞰的では説明がつかなくなると、にわかに、学術会議の構成について、一部の大学に偏っている、私立大が少ない、民間、若手が少ないなどと非難を始めました。バランス、多様性が大事だ、これも言い出しました。しかし、言えば言うほど支離滅裂になっております。 私は、本会議の代表質問で、若手が少ないと言いながら、なぜ五十代前半の研究者の任命を拒否したのか、一部の大学に偏っていると言いながら、なぜその大学からただ一人だけという研究者の任命を拒否したのか、多様性が大事と言いながら、なぜ比重の増加が求められている女性研究者の任命を拒否したのかをただしました。 総理の答弁は、個々人の任命の理由については、人事に関することで、答弁を控えるの一点張りでした。 しかし、私は、個々人の任命拒否の理由を聞いたんじゃないんですよ。総理が、多様性が大事等を念頭に判断したと言いながら、判断の結果がことごとく矛盾しているじゃないですか、こう聞いたんですね。 これは、総理、矛盾しているという認識はないんですか。お答えください。
○菅内閣総理大臣 先ほど申し上げましたけれども、特定の大学に偏っているんじゃないでしょうか。 さらに、新しい会員を選ぶについて、九十万人も研究員がいる中であって、連携会員二千人と約二百人の会員と何らかのつながりを持っていなければ会員になれないということも、これは事実じゃないですか。 ことしの会員を見てみますと、連携会員から上がった人が七割で、会員、連携会員の推薦者が残りを占めているんじゃないでしょうか。
○志位委員 私は、矛盾しているという認識がないのかと聞いた。お答えがありません。一部の大学に偏っていると言いながら、一人しかいない研究者も任命を拒否している、これが矛盾しているじゃないかと聞いた。 もう一問聞きます。 総理が任命拒否をした六名のうち三名は、私立大学の研究者です。あなたは私立大学が少ないとおっしゃったけれども、なぜ私立大学から三名削ったんですか。説明してください。これは矛盾していると思いませんか。私立大の研究者の比重を下げたのはあなたじゃないですか、総理。
○菅内閣総理大臣 さっき私申し上げたように、全体として見ればそのようになっているんじゃないでしょうか。
○志位委員 全く説明になっていない。私立大が少ないと言いながら、なぜ削ったのかの説明になっていない。 もう一点聞きます。 総理は、バランスが大事だとも言いました。ならば、なぜ任命拒否された六名の全てが人文・社会科学系の研究者なのか。人文・社会科学系は、六人が欠員という違法状態がつくられています。梶田隆章会長は、運営や活動の著しい制約になっていると訴えておられます。 バランスと言いながら、みずから違法状態をつくり出して、バランスを壊しているのは総理じゃないですか。どうですか。
○菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますけれども、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由について、人事に関することであって、お答えすることは差し控えたいと思います。
○志位委員 ですから、個々の方の任命拒否の理由を聞いたんじゃないんです。矛盾しているんじゃないかと聞いた。 私が聞いたのは、総理がですよ、総理が、任命に当たって、一部の大学に偏っているとか、若手が少ないとか、私立大が少ないとか、バランスが大事とか、多様性が大事とかおっしゃる、それを念頭に判断したと言うけれども、判断の結果がことごとく矛盾しているじゃないかということなんです。それに対して、一切の説明があなたはできない。 つまり、総理が任命拒否の理由として挙げたことは、どれもこれもがみんな虚偽だということになるじゃないですか。言えば言うほど支離滅裂になっている。余りに見苦しい態度と言わなければなりません。 更に聞きます。 総理は、総合的、俯瞰的活動が大事、多様性が大事とおっしゃいますが、学術会議は、総理に言われるまでもなく、会員の推薦に当たって、そうした観点に配慮をした努力を行っております。 学術会議幹事会は、十月二十九日に行った記者会見で、ジェンダーや地域、あるいは所属機関の違いも考慮して、科学者コミュニティーの多様なあり方がなるべく反映されるように苦心を重ねているとして、会員の性別、地域別、所属別の構成についてのデータを明らかにしております。 パネルをごらんください。 学術会議が明らかにしたデータをもとに作成したグラフです。二〇〇五年と二〇二〇年の比較であります。 青い棒は東京大学と京都大学の比重ですが、三五・二%から二四・五%に下がっております。オレンジの棒は関東地方以外の地方の比率ですが、三六・七%から四九・〇%に上がっております。そして、赤い棒は女性の比率ですが、二〇・〇%から三七・七%に上がっております。 総理は、現時点のこの断面だけを見てあれこれをあげつらっていますけれども、この十五年というスパンで見たときに、多様性という点で、明らかな改善の努力が図られているじゃないですか。総理は、学術会議がこうした努力を行っていることを御存じないんですか。
○菅内閣総理大臣 今、私、先ほど数字を挙げて説明をさせていただきましたけれども、この数字から見たら、それは明らかに特定の大学に偏っていて、そして、二百人の会員と連携会員二千人のつながりがある方しか今回も会員に選任されていないということは、これは事実じゃないでしょうか。
○志位委員 私が言ったのは、断面だけで見ないで、改善がされているかと。これを見て、改善されていると評価できないんですか。 それから、会員と連携会員のつながりのある人だけだと。うそですよ、これ。今回の二十五期についても、会員からの推薦、千三百人です。関係学術研究団体からの情報提供、千人ですよ。それをあわせて選考委員会でやっている。ですから、これは全く、あなたが言っているのは事実と違うんです。 学術会議は女性の比率を上げるために努力しているのに、女性研究者の任命を拒否する。特定大学に偏らないように努力しているのに、その大学からたった一人だけという研究者の任命を拒否する。私立大学の比重も、学術会議はこの十五年間で二〇%から二四%にそれでも引き上げてきているんです。それなのに、三名の私立大学の研究者の任命を拒否する。 総理のやっていることは、学術会議の努力にことごとく逆行するものじゃないですか。いかがですか。ことごとく逆行している。どうですか。
○菅内閣総理大臣 そういう努力をしているということは承知しています。 しかし、現実的に見たら、さっき言いましたけれども、四五%が七つの旧帝大ですよ。そして、国立大学と公立大学が百七十三あって一七%ですよ。私立大学は六百十五あって二四%ですよ。全体総数から見たら、これは偏っていると言わざるを得ないんじゃないでしょうか。
○志位委員 こういう改善の努力を全く見ないで、断面だけ捉えてあれこれのまさに難癖をつける。本当にこれは情けないことだと思います。 私は、総理の言う総合的、俯瞰的云々、あるいは多様性云々、どれもこれも任命拒否の理由にはならない、これがはっきりしたと思いますよ。任命拒否に理由なし、これがはっきりしたんじゃないでしょうか。 更に聞いていきたいと思います。 日本学術会議法に規定されている会員の選考基準は、すぐれた研究又は業績のある研究者の一点だけなんです。学術会議は、この法律の基準を踏まえつつ、推薦者ができるだけ多様になるように努力しています。そのときに総理が理由を明かさないままに任命拒否を行ったら、学術会議をどういう立場に追い込むか。 学術会議の大西隆元会長、東大名誉教授は、任命拒否を次のように批判しております。総理、よくお聞きください。 その理由が明らかにされていないことが一番の問題だと私は考える。日本学術会議は、新会員の推薦を法律に基づいて決めている。法では会員の選考基準をすぐれた研究又は業績のある科学者と定め、明確な選考基準を示し、気に入らないからだめだなどという恣意的な選考にならないようにしている。任命しない場合には、首相は理由を説明する責任がある。選考基準が明確なだけに、理由がわからない場合の弊害が大きいからだ。学術会議は今後、どのように新会員を選ぶべきかがわからなくなる。法律に沿っても拒否されるなら、今後の選考は基準を失いかねない。さらに、拒否の理由が臆測を呼び、憲法が保障する学問の自由に抵触するおそれがある。 もう一方、広渡清吾元会長、東大名誉教授は次のように述べておられます。 学術会議法には、すぐれた研究又は業績のある者から選ぶと書いてある。首相が会員の資格がないと言うならば、この要件に照らして理由を言わなければなりません。当事者の学術会議にも何もわからないようであれば、学術会議としてはどうしてよいかさっぱりわからないではないですか。理由もなく拒否されたのなら、学術会議は途方に暮れるばかりです。そして、もし世間が言うように政治的な理由で拒否されたのだというのであれば、次の会員の選考において、政府の法案に反対した人かどうかの判断をするかもしれない。その判断は明らかに法に反した判断です。そうした判断に導くおそれがある首相の行動は、法の解釈からいうと全く誤っているとしか言いようがない。 総理に伺います。 元会長のお二人が共通して訴えておられるのは、学術会議は、すぐれた研究又は業績という法に基づいて推薦している。総理が会員の資格がないと言うなら、この基準に照らして理由を言わなければならない。理由も示さずに拒否されたら、学術会議は、今後の選考の基準を失い、途方に暮れるしかない。拒否の理由が臆測を呼び、次の会員の選考において法に反した判断に導くおそれがある。これは当然の批判じゃないですか。 総理はこの批判にどうお答えになりますか。総理、総理。総理が手を挙げているんですから。総理です。
○加藤国務大臣 学術会議の、法律のお話でありますから。 今お話ありましたように、第十七条においては、確かに推薦の考え方、これは規定をしているわけでありますけれども、任命の考え方そのものの規定というのは、あくまでも推薦に基づくということのみ書かれているわけでありまして、したがって、任命に当たっては、従前から申し上げておりますように、この日本学術会議法の目的、趣旨等を踏まえて判断をしていくということになるわけであります。 したがって、それに関して、これまで総合科学技術会議等から指摘をされているように、総合的、俯瞰的、こうした観点から進めていくということが求められている。そうした意味において、この会議がそうした活動をしっかりしていくということを、政府としてしっかり責任を、国民に対して責任を持つ、そうした判断をする、これは当然のことなんだろうというふうに思います。
○志位委員 何にも答弁していません。 お二人の会長が訴えているのは、理由もなく答弁が拒否されたら、もう学術会議としては途方に暮れちゃうということなんですよ。 総理、どうですか。お答えください。
○菅内閣総理大臣 これも先ほどから何回も申し上げていますけれども、個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命ですよ、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関することであり、答えるべきじゃないと思いますよ。
○志位委員 あなたみずから引き起こした混乱に対する自覚もなければ反省もない。理由を明らかにしないままの任命拒否は、私は、日本学術会議の独立性、自主性を根底から破壊することになると思います。 更に聞いていきます。 今、法の問題を言われましたので、そもそも任命拒否は日本学術会議法に照らして許されるか。 パネルをごらんください。 日本学術会議法は、その条文の全体を通じて、学術会議の政府からの独立性を幾重にも保障するものとなっております。 第三条で、学術会議は独立して職務を行うとされています。第四条、第五条で、政府は学術会議に対して諮問ができ、学術会議は政府に対して勧告ができるとされ、つまり、相互に独立した組織としてキャッチボールができることが明記されています。 第七条で、新しい会員は学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命するとされ、第十七条で、学術会議はすぐれた研究又は業績がある科学者のうちから会員候補者を選考、推薦すると明記されています。 そしてさらに、第二十五条で、病気などで辞職する場合には学術会議の同意が必要とされ、二十六条で、会員として不適当な行為があった場合ですら、学術会議の申出に基づかなければ退職させることはできないとなっています。 すなわち、実質的な人事権を全面的に学術会議に与えていることは、学術会議の独立性を保障するかなめとなっております。 そこで、総理に伺います。 これは学術会議法の全体の構成ですが、一九四九年、日本学術会議の創設のときに、当時の吉田茂総理大臣は祝辞の中で、学術会議には、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられていると明言しました。 私は代表質問で、吉田総理が明言したように、高度の自主性が与えられていることを認めるかと聞きましたが、総理は、発言は承知しているとしかお答えになりませんでした。 そこで、この場でもう一度お聞きしたい。 吉田総理が明言した立場、高度の自主性、これは変わりないとはっきり言っていただきたい。総理。総理の答弁にかかわる問題です。総理、総理。総理の答弁にかかわる問題です。
○菅内閣総理大臣 御指摘の吉田元総理の発言は日本学術会議の創設時に発言されたものと承知しておりますが、日本学術会議の運営については、日本学術会議法を始め関連する法令に沿って行われるべきであるというふうに認識しています。
○志位委員 承知しているとしか言えない、高度の自主性ということを言えない。情けない態度だと思いますよ。 じゃ、条文に入っていきたいと思います。 一九八三年、会員の公選制を推薦制に変えた法改正の際に、学術会議の独立性が損なわれないか、学問の自由が脅かされないかが大争点となりました。 パネルをごらんください。 その際に、政府は、次のように繰り返し答弁しております。「「政府が行うのは形式的任命にすぎません」(中曽根康弘首相) 「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することは考えておりません」(手塚康夫政府委員) 「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない」(丹羽兵助総務長官)」。非常に明確です。 これは総理にお聞きします。 現在、政府は、日本学術会議法のこの法解釈を維持しているんですか。イエスかノーか。法解釈を維持しているのかどうか。総理、総理。
○加藤国務大臣 日本学術会議の会員の任命については、これまでも申し上げておりますように、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点について、内閣法制局の了解も得て、政府の一貫した考えであり、そうした確認に当たっては、今お話があった中曽根総理当時の答弁等々も踏まえた上で、こうした考え方を確認をさせていただいているところであります。 それから、そうした、推薦どおり任命しなきゃならないということが、日学法上、職務の独立性は、これは保障されておりまして、日本学術会議の職務の独立性を、そうした考え方に立って任命することが害するものではないというふうにも考えております。
○志位委員 私が聞いたのは、この法解釈を維持しているかどうかなんです。維持しているのか、していないのか。今、全然答弁していませんよ。 この法解釈を維持しているのか。どうですか、官房長官。
○加藤国務大臣 ですから、まず、前提となるのは、当時においても、任命権者の内閣総理大臣が推薦のとおり任命しなければならないということではない、このことは一貫しているということでありまして、その上に立って、先ほどのような中曽根総理の発言に関して、これまでも申し上げておりますが、今からその趣旨を把握することは難しいけれども、当時は選挙制を廃止して新たに各学会からの推薦に基づく任命制に移行しようとしており、当時の国会答弁において、その新しい制度によって会員としてふさわしい者が推薦されることになるという期待、こういったものが盛り込まれているものと考えております。
○志位委員 法解釈を維持しているかどうかを聞いているんです。全く答えていない。維持しているかどうか答えられなかったら、法治国家じゃなくなっちゃうじゃないですか。もう法の安定性、なくなっちゃいますよ。国会の質疑、意味をなさなくなりますよ。 私、じゃ、聞きます。 一九八三年の国会審議で、政府はこのように答弁しております。ここに議事録を持ってまいりましたが、参議院の文教委員会、五月十二日の答弁でありますが、高岡完治内閣総理大臣官房参事官の答弁です。読み上げます。 「二百十人の会員が研連から推薦されてまいりまして、それをそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというふうにこの条文を私どもは解釈をしておるところでございます。この点につきましては、内閣法制局におきます法律案の審査のときにおきまして十分その点は詰めたところでございます。」こう言っているんですよ。 つまり、形式的な任命であって、拒否はしない、これが内閣法制局とも十分に詰めた政府の法解釈だと、もう八三年のときに繰り返し繰り返し言っているんです。 この法解釈を、あなた方は解釈変更ではないと言うのならば、八三年のこの法解釈が変わっていない、現時点でも、法解釈ということになりますねということを聞いているんです。維持しているかどうかを聞いている。もう一回答えてください。イエスかノーか、維持しているかどうか。
○加藤国務大臣 いや、ですから、先ほど申し上げた日本学術会議法上の会員の任命については、憲法第十五条第一項に基づけば、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点について、これは従前から一貫した考え方である。そして、今お話があった、前の中曽根総理の答弁、それから今お話があった、そうしたことも踏まえた上でそうした確認がなされているということでございます。
○志位委員 これは大変重大であります。 八三年のときには、八三年の政府の法解釈として、形式的な任命であって、拒否しない、これは内閣法制局とも詰めた、ぎりぎり詰めた解釈だと言っている。それを維持されているのかどうかを私は何度も聞いている。それに答えがないというのは、これは極めて重大であります。 これは紛れもなく解釈変更なんですよ。そして、形式的任命、拒否しないというのは、八三年の国会審議で確定した法解釈なんです。それに反する任命拒否は明らかに法律違反だということを言っておきたいと思います。 あなた方が答えないので、別の角度からもう一問聞きます。今度は総理、答えてください。 総理は、本会議の私の代表質問に対する答弁で、日本学術会議の会員について、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという点について、内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考えだと述べました。 それでは聞きますが、内閣法制局の了解を得たのはいつのことですか。この点は質問通告してあります。総理、お答えください。質問通告してある。あなたが答えてください。総理、総理に質問通告してある。
○井上国務大臣 委員御質問の点につきまして、日本学術会議事務局が文書を整理しております。その文書につきましては、平成三十年十一月十五日に内閣法制局の了解を得たものと承知しております。 なお、これは解釈変更を行ったものではありません。
○志位委員 平成三十年十一月十五日。驚きました。二年前の話じゃないですか。あなた方は一貫した解釈と言っているけれども、二年前の話じゃないですか。 パネルをごらんください。 これは、この間、内閣法制局が野党ヒアリングに提出した応接録です。内閣府日本学術会議事務局からの相談に法制局として回答したとあります。相談年月日、平成三十年の九月五日から十一月十五日。相談・応接要旨にこうあります。「日本学術会議法第十七条による推薦のとおりに内閣総理大臣が日本学術会議会員を任命すべき義務があるかどうかについて、相談があった。」「内閣府が作成した別添説明資料について異論はない旨回答した。」この別添説明資料には、内閣総理大臣に推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えないとあるわけですね。 つまり、内閣府が日本学術会議の会員について推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えないという理屈をつくったのは、このときのことですね。総理、そういう認識はありますか。総理、あなたの答弁にかかっている。
○井上国務大臣 先ほど私の答弁の最後にも申し上げましたけれども、これは三十年十一月十五日に内閣法制局の了解を得たものではありますけれども、これは改めて確認をしたということで、昭和五十八年に選挙制が廃止をされ任命制になったときからの一貫した考え方であって、解釈変更を行ったものではありません。
○志位委員 改めて確認したと言うんですけれども、これ、文書を読んでくださいよ。「任命すべき義務があるかどうかについて、相談があった。」はっきりしていないから相談したわけでしょう、改めてじゃないんです。 あなた方は一貫した考えだと言う、内閣法制局の了承を得て一貫して主張していると言うけれども、わずか二年前に決めたものじゃないですか。こっそり決めた。しかも、この文書は国会でも説明されていません。学術会議にも知らされることはなかった。学術会議の山極会長にも知らされなかった。だから、突然の任命拒否に学術会議関係者は驚愕するしかなかったのであります。 経過を整理すると、こういうことになります。 一九八三年、推薦制に変わった法改正当時、形式的任命、拒否はしないというのが内閣法制局とも詰めた上での政府の法解釈だったことは既に述べたとおりであります。このときに、必ず推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないという法解釈を示す文書はないことは既に政府も認めていることであります。 二〇〇四年、現会員による選出、コオプテーション方式に法改正がされたときにも、当時の総務省の説明資料では、日本学術会議から推薦された会員の候補者につき、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていないとの、政府としての法解釈を行っています。 つまり、形式的任命、拒否はしない、これが政府の一貫した法解釈だったんですよ。そうした一貫した法解釈を、国民に隠れ、日本学術会議にも隠れて、勝手に覆したのが二〇一八年十一月十五日なんです。 国会答弁で明確に示してきた法解釈を内閣の一存で勝手に変える、これはクーデター的な法解釈の改ざんと言うほかないじゃないですか。 総理に伺います。今度は総理、答えてください。 法律というのは、それを制定する国会審議によって解釈が確定するのであって、政府の一存で勝手に解釈を変更するなどということはできないんです。そんなことが許されたら、およそ国会審議は意味をなさなくなるじゃないですか。総理、今度は答えてください。総理。
○菅内閣総理大臣 学術会議の会員の任命については、憲法第十五条一項の関係で、推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方であります。それに基づいて、それぞれの時点で任命権者として適切に判断したものと考えます。
○志位委員 内閣の法制局の了解を得た一貫した解釈と言うけれども、二年前にこっそり決めたことだと。これでは、国会審議は意味をなさなくなる、三権分立が成り立たなくなるということを私は言っております。 総理は呪文のように憲法十五条一項を持ち出しますが、憲法十五条一項「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」は、公務員の選定、罷免は主権者である国民の権利であるという一般原則を述べたものであり、内閣総理大臣に公務員の任免権を与えた規定ではありません。国民の選定・罷免権は、いかに具体化するかは、国民を代表する国会において、個別の法律で定められるべきものであります。日本学術会議の会員の選定・罷免権は日本学術会議法で定められており、この法律に違反した任命拒否こそ憲法十五条違反であり、総理の弁明は天に唾するものと言わなければなりません。 そもそも、憲法十五条一項は、戦前の大日本帝国憲法が、天皇主権のもと、第十条で、天皇は文武官を任免すと、官吏を全て天皇の官吏としたことが全体主義と侵略戦争につながったことへの反省に立って、公務員の選定・罷免権を主権者である国民に委ねたところに、その核心があるんです。総理は、公務員の選定・罷免権をあたかも内閣総理大臣にあるかのごとくこの条項を読みかえておりますが、それは、内閣総理大臣が主権者である国民から公務員の選定・罷免権を簒奪する暴挙と言わなければなりません。 加えて言えば、憲法十五条を持ち出した任命拒否合理化論は、憲法学界の通説でも何でもありません。著名な憲法学者の小林直樹氏は、憲法十五条を持ち出した任命拒否が許されれば、どんな独裁制でも合理化されてしまうことになると指摘し、憲法十五条の趣旨は、決してこのような官僚的な行政支配の基礎を用意したのではないと厳しく批判しております。独裁政治に道を開くこのような法解釈は、断じて認められません。 もはや明らかだと思います。六名の任命拒否は、一九八三年の国会答弁で絶対やらないと言っていた、実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右するものであり、推薦していただいた者の拒否そのものです。任命拒否が日本学術会議法に照らして違憲、違法であることは、もはや議論の余地はありません。 更に聞いていきます。今度は、憲法とのかかわりです。 任命拒否は、憲法二十三条が保障した学問の自由を侵害するものです。総理は、私の代表質問に対する答弁で、任命拒否が学問の自由の侵害になるとは考えていないと述べました。 しかし、現実に起こっていることは何か。 十月二十九日に放映されたNHKのクローズアップ現代で、学術会議への人事介入問題が特集的に報じられました。 その中で、任命拒否された立命館大学の松宮孝明教授は、今回の問題の直後から、SNSにデマをもとにした批判的なメッセージが届くようになったと語りました。その多くが、中国が世界の科学者を集めて研究を進める千人計画に協力するなという、全く身に覚えのないものでした。松宮教授は、大変に怖いことだと語っておられました。 さらに、誹謗中傷は、任命を受けられなかった教授に指導されている学生にも向けられていたことが明らかにされました。SNSで、おめえ、ここ、おかしいんじゃねえかと頭を指している漫画の投稿がされています。学生の一人は、こう語りました。大学を卒業し、将来、社会で活躍する学生が、今回の問題による、例えば、任命を見送られた教授の講義を受けていたことで何らかの不利益をこうむってしまうような社会であってはいけないと思います、例を挙げれば、就職活動に不安を覚える学生は少なからずいると思う、こういう訴えです。 さらに、番組では、今回の問題を受けて、学問の世界に萎縮や自己規制が広がっていることも見えてきたと報じました。ある法学系研究者は、こう語りました。特に国立大学の研究費が非常に下がっていまして、例えば、各国立大学は人文社会系だと一人当たり十万円くらいしか年に予算がないので、やっぱり我々も人間ですから、そんたくしてしまいますので、今回の任命拒否された先生に近いようなテーマは選びにくくなるんじゃないかと思います、本来、学問をやる我々はそういうことがあってはならないですし、さまざまなことに、政府の見解も踏まえて批判的に検討していくのがあるべき姿ですが、やはり、政府に対する批判にそんたくした上で、自粛するようなムードがないとは言えない、こういうことが報じられました。 現場では、総理、既にこういう事態が起こっているんです。 総理、あなたが行った任命拒否によって、現実に学問の自由が脅かされているじゃないですか。いかがですか。そういう認識があるんですか。総理。総理の認識を聞いている。
○菅内閣総理大臣 私は、今どのような状況にあるのかということを共産党の志位議員から発言がありましたけれども、私自身はそういう状況だということは思っておりません。
○志位委員 これは私が勝手に言っている話じゃないんです。NHKで報じられたことをそのまま言った。 あなた、こういうことはあってはならないことだと思いませんか。どうですか。総理の認識です、あってはならないことか。
○菅内閣総理大臣 私、先ほど申し上げたとおりですけれども、六名の方々の学生さんの気持ちを傷つけたり、ましてや就職で不利になるようなことがあってはならないが、公務員の人事に関することであり、政府の会議の会員としてどういう方が採用されない結果となり、それがどういう理由であったかを公表することはできないことは御理解をいただきたいと思います。
○志位委員 総理は、あってはならないとおっしゃったけれども、やってはならないことをあなたがやったから、こういう事態が起こっているんです。 そもそも、日本国憲法が思想、良心の自由や表現の自由とは別に学問の自由の保障を独立した条項として明記したのは、歴史の反省を踏まえてのものであります。 一九三〇年代、滝川事件、天皇機関説事件など、政権の意に沿わない学問への弾圧が行われました。それは、全ての国民の言論、表現の自由の圧殺へとつながっていきました。そして、侵略戦争の破滅へと国を導いたのであります。憲法に明記された学問の自由の保障は、こうした歴史の反省の上に刻まれたものでありました。 戦前、学問の自由が剥奪されるもとで、科学者がどのような立場に追い込まれたか。 日本学術会議の前身として、戦前、一九二〇年に学術研究会議という機関が設立されております。学術研究会議は文部大臣の管理下に置かれ、初めからその独立性は限られていましたが、それでも当初は、会員は会議の推薦に基づいて選定され、会長も会員の互選で選出されるなど、一定の独立性が存在しました。 それが全く奪われたのが一九四三年のことでした。推薦制は廃止され、文部大臣の任命制に変わりました。会長も文部大臣の任命になりました。科学者はどういう立場に追い込まれたか。戦争遂行のための軍事研究への総動員であります。 パネルをごらんください。 これは一九四三年の十一月二十六日付の朝日の一面です。「全科学者を戦闘配置 学術研究会議を強化」と大見出しにあります。 当初百人だった学術研究会議の会員は、戦争の拡大とともに拡大され、最後は七百人に膨れ上がりました。科学者の軍事研究への総動員体制がつくられ、動員された科学者総数は二千四百人を超えました。 もう一枚パネルをごらんください。 学術研究会議には、文部大臣の指示で、一九四五年四月時点で十の研究についての特別委員会が設置されています。これはその一覧です。読み上げますと、熱帯医学、地下資源開発、音響兵器、航空燃料、国民総武装兵器、勤労管理、磁気兵器、電波兵器、噴射推進、非常事態食糧。本土決戦用の研究なんですよ。本土決戦用の兵器開発など、全てが戦争遂行のための研究でした。 総理に伺います。 科学者がこういう形で戦争遂行のための軍事研究に総動員された、このような歴史は二度と繰り返してはならないと考えますが、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 それは当然のことだと思いますけれども、今回の任命をしなかったこととは関係ないことじゃないでしょうか。
○志位委員 当然のことと言われました。今回と関係ないと言ったけれども、大いに関係ありますよ。聞いていなかったんですか。 こうした歴史の反省に立って、戦後、日本学術会議が設立された際には、次の決意表明がされた。 パネルをごらんください。 これが戦後の決意表明ですが、「この機会に、われわれは、これまでわが国の科学者がとりきたった態度について強く反省し、今後は、科学が文化国家ないし平和国家の基礎であるという確信の下に、わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである。」 日本学術会議の設立は、科学者が戦争遂行のための軍事研究に総動員された戦前の歴史、痛苦の歴史への反省を踏まえたものでした。そして、戦後の日本学術会議が政府からの高度の独立性が保障されたのも、戦前の学術研究会議が、先ほど言ったように、推薦制であったものまで任命制に変えられ、その独立性を全く剥奪されて、政府の御用機関とされた歴史の反省を踏まえたものだったんです。 総理にはそういう認識はありますか。今日のことと関係ないってわけじゃないんですよ。どうですか、総理。関係ないと言ったけれども、そんなことない。独立性を侵害した結果こういうことになった、この反省の上に戦後の日本学術会議があるんです。いかがですか、総理。あなたが言ったことじゃないですか。
○加藤国務大臣 まず、学術会議は、あくまでも日本学術会議法上、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことは、これは規定をされておりますし、そういう運営をさせていただいております。 また、学術会議の会員の任命については、国の行政機関である学術会議の役割等も踏まえて公務員に任命するものであり、当然その責務は任命権者である内閣総理大臣が負っている、こういう関係になります。 こうした任命権の行使が、会議の職務の独立性、これは先ほど申し上げましたけれども、それは侵害することにはならないというふうに考えております。
○志位委員 総理、答えてください。 総理が今行っているのは、まさに日本学術会議の独立性の破壊という点で、過去の誤った道をそのまま繰り返すものじゃないですか。どうですか、総理。認識がないんですか。
○菅内閣総理大臣 全く考えていません。今、官房長官の言われたとおりです。
○志位委員 戦前の、まさに推薦制という一定の独立性まで剥奪して、そして御用機関とした、そのことがこういう道を歩ませたんですよ。 ですから、日本学術会議は一九五〇年、一九六七年、二〇一七年、三度にわたって軍事目的のための科学研究に反対する声明を発表しておりますが、これは科学の軍事利用への反省という原点に立った当然の声明と言わなければなりません。 最後に聞きます。 総理による六名の任命拒否は、六名の方だけの問題ではありません。日本学術会議だけの問題でもありません。日本国民全体にとっての大問題であります。六百七十もの学協会や大学、大学人、自然保護団体、消費者団体、映画人、演劇人、作家、ジャーナリスト、宗教団体など幅広い団体から、任命拒否に抗議する声明が出されております。 映画人有志による抗議声明は、この問題は学問の自由の侵害のみにとどまりません、これは表現の自由への侵害であり、言論の自由への明確な挑戦です、今回の任命除外を放置するならば、政権による言論や表現への介入は更に露骨になることは明らかです、もちろん映画も例外ではないと訴えています。 生長の家は、科学的真理の探求を操作しようとする政治が、宗教的真理の探求を尊重するなどということはあり得ないと抗議声明を出しています。 日本自然保護協会、日本野鳥の会、世界自然保護基金ジャパンの抗議声明は、日本学術会議によって、私たちが活動する環境分野においても、気候変動、災害対策、感染症対策、環境教育、エネルギー、国土保全、野生動物管理、生物多様性保全などをテーマにした提言がなされ、科学的根拠をもとに活動する自然保護団体を始め多くの人々に理論的よりどころを示してきました、政府が日本学術会議に政治介入したことは、日本の健全な自然保護の観点からも見過ごすことができませんと述べています。 つまり、今回の任命拒否を、多くの方々が、学問の自由の侵害のみならず、表現の自由、言論の自由の侵害につながり、信教の自由の侵害にもつながり、環境保護の運動にとっても重大問題だと声を上げている。総理はこの声、どう受けとめますか。
○菅内閣総理大臣 今回の任命をしなかったことについて、そうした表現の自由だとか学問の自由だとか、いろいろほかの団体もありましたけれども、そうしたことに全く関係がないということを丁寧に説明させていただきたいと思います。 それで、私自身は、この学術会議そのものを国民に理解をされ納得のされる学術会議にしたいし、梶田会長とともによりよいものにしていきたいということで、その方向性を示したところであります。学術会議を閉鎖的、また既得権益、さらには前例主義、そういうことから脱却をさせる中でよりよいものにしていきたい、このように思います。
○志位委員 国民の批判の声が全く届かないですね、あなたには。 山極寿一前京大総長、前学術会議会長は、「国の最高権力者が「意に沿わないものは理由なく切る」と言い出したら、国中にその空気が広がる。」「それは着実に全体主義国家への階段を上っていくことになる。」こう警告しておられます。 総理は、これまでも、強権をもって異論を排斥する政治を進めてきました。人事をてこに霞が関を恐怖支配のもとに置き、恫喝と懐柔を織りまぜて、メディア支配を強めてきました。そして、ついに、日本学術会議の人事にまで介入し、この機関を御用機関におとしめ、科学者までも支配下に置こうとしている。 しかし、強権をもって異論を排斥する政治には決して未来はないということは歴史が証明している。 違憲、違法の任命拒否の撤回を強く求めて、質問を終わります。
○金田委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。 皆様も御存じのとおり、この話題から入らざるを得ない、しかも残念な結果でしたけれども。皆さんが御心配されているより我々元気ですので、しっかりとやっていきたいと思います。 住民投票で否決の結果が出ました。二度にわたる僅差の結果で否決ということで、我々維新の会、これまで進めてきた、我々はベストだと思ってやってきた統治機構改革である大阪都構想、恐らくこれで、チャレンジすることは恐らくもうないだろうと、私個人でも思っています。大阪府議会時代からほとんど一緒にやってきた松井一郎、現大阪市長ですけれども、我が党の代表も、もう挑戦はしない、そして政界を引退をする、市長の任期満了で引退するということで、私どもはこの都構想によって党の精神的支柱である人物をこれで二回失うことになります。我々はしかし、そこまで、政治生命をかけてでも実現をしなければいけないものだと思って今までやってきました。 この否決の結果について、その当時、大都市法を立法したときの責任者でもあった菅総理、受けとめをお伺いしたいと思います。
○菅内閣総理大臣 いわゆる大阪都構想にかかわる今回の住民投票は、前回に続いて賛成反対が拮抗したものでありましたけれども、結果的には反対が過半数を占めることになりました。大阪市民の皆さんが大変悩まれた結果であった、このように思います。 地域の判断であり、政府としてコメントすることは差し控えますが、これまでの大阪における取組は、大都市制度、その議論に一石を投じたものであったというふうに思います。地方を元気にするためにさまざまな議論がある、そうしたことを後押ししていきたいと思います。
○浦野委員 大阪では結果が出ました。だからといって我々、大都市の改革の必要性がなくなった、統治機構改革の必要性がなくなったとは思っておりません。 我々はやはり、時々報道にも出てきますけれども、今ある政令指定都市でも財政難で料金を上げなければならなくなったりとか、そういった問題は抱えているわけです。財政的な問題は政令市だからといってクリアできるわけではないですし、それはどこの都道府県でも市町村でも、唯一、東京都を除けば、交付金頼りの運営をせざるを得ないのが現状です。 そういう意味で、これからも統治機構の改革をすべきだと私どもは思っておりますけれども、総理はいかがでしょうか。
○武田国務大臣 統治機構についてでありますけれども、これは国のあり方に深くかかわるものでありまして、各党会派の議論、また国民の幅広い議論というものが必要になってくるもの、このように考えております。
○浦野委員 我々は、先ほども言いましたけれども、改革は続けなければならないと思っています。 その上で、今回の大都市法、これは、内容的には、我々が住んでいる大阪、そして横浜、名古屋、この三つが事実上対象になるものでありました。今回、この否決を受けまして、当時この法律に賛成をされた方々の中でも今回は反対運動をされて否決という結果を得たわけですけれども、であるならば、この大都市法、立法事実が否定されたわけですから、一旦廃止をするということも考えられますけれども、いかがでしょうか。
○武田国務大臣 いわゆる大阪都構想にかかわる政党における議論、またそれに基づく大都市地域特別区設置法の存廃について、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○浦野委員 議員立法で成立をしている法案ですから今の答弁もおかしくはないかもしれませんけれども、やはり、当時皆さんが必要性を感じてつくった法律であるわけですから、今回それがもう必要ないという形になりましたので、そういったことも選択肢の一つだと思っています。 我々は、統治機構の改革を憲法改正の項目にも掲げて今までやってきています。その中で、できることをやってきたというつもりです。統治機構改革というのを、頂上を諦めるつもりはありません。登山ルートは今度変更しますけれども、必ず登り詰めたい、新しい登山ルートを目指して、党派を超えてまた議論していきたいと思っておりますけれども、政府としても、そういった統治機構の改革について前向きに検討されるという考えはございますか。
○武田国務大臣 先ほど申しましたように、統治機構については、国のあり方にかかわるものであって、各党各会派や国民の幅広い議論が必要になってくるんだと思っておりますが、憲法改正についてでありますけれども、これは国会でお決めいただくことになっておりまして、私の方からお答えは差し控えさせていただきたい、このように思います。
○浦野委員 ありがとうございます。 ぜひ国会でこういった改革の議論のリードができるように、我々も、これからもしっかりと国会の中で、まあ、野党の国会対策委員長の方がもう国会から去っていただきたいみたいなことをおっしゃったみたいですけれども、それは大阪の、特に私は大阪の人が選挙で決めていただくことなので、そこまで言われる筋合いはないかなと。逆に、その党の方々は大阪ではほとんどいらっしゃいませんので、まあ頑張っていただけたらと。(発言する者あり)はい、います。辻元さんは強いので、本当に、もう参ります。(発言する者あり)はい、頑張ります。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 デジタル改革、この菅内閣では本当にとんとんと、矢継ぎ早にいろいろなことが発表されておりますけれども、きょう、残念ながら、本当は平井大臣に答弁をいただこうと思っていたんですけれども、どうも平井大臣が答弁する機会が何かないようなことを言われていまして、ほとんど総務省が何か答弁をされることになるのかなと。それはもう、どちらが答弁していただいても大丈夫なんですけれども。 まず、一点目です。 デジタル社会をつくるのはもう当然の流れだと思うんですけれども、ここでやはり、通信網ですね、通信網が非常に進んでいない。都市部は、4Gでも、まあ5Gも実は結構まだまだ広がっていなくて、これがもう一体いつになったら皆さんの、どこでも使えるようになっていくのかというのは不透明なんですね。 しかし、こういった通信網の恩恵を一番受けないといけないのは、やはり都市部ではなくて地方なんですね。 例えば、私の選挙区に金剛山がありますけれども、日帰りで登って帰ってこられる山です。千四百メートルぐらいだったと思いますけれども。登っていくと、今の4Gの携帯でも圏外です。圏外になっちゃうんですね、それぐらいでも。大阪にある日帰りで行けるような山でも圏外になってしまうようなところなんです。 でも、そういうことになってくると、本当にデジタルのそういった恩恵を一番受けないといけない、そういう僻地だとか地方だとかそういったところがやはり取り残されていくんじゃないか、そういう心配をしています。 こういったところに、もちろん民間の通信業者は、通信キャリアは、それは自分たちで頑張るんでしょうけれども、やはり国が一定しっかりと見ていかないといけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○武田国務大臣 テレワークを始め、遠隔教育、遠隔医療など、デジタル社会の恩恵は、都市、地方を問わず、誰もが享受されるものでなくてはならないと考えております。 御指摘の5G基地局、また光ファイバーなどの情報通信基盤の全国整備、これは重要な政策課題であります。 このため、昨年四月の5G周波数の割当てに当たり、全ての携帯電話事業者に対して、二年以内に四十七都道府県においてサービスを開始することを義務づけ、都市部、地方を問わず、早期かつ広範な整備を免許条件といたしました。 また、条件不利地域への5Gの全国的な整備を推進するため、5G基地局等に対する補助金や今般創設した5G投資促進税制を通じて、インフラ整備支援を実施しております。 さらに、条件不利地域における光ファイバーの整備につきましては、令和二年度第二次補正予算などにより五百億円を超える予算を計上し、離島や過疎地域など、民間主導による整備が期待しにくい地域における支援を行っているところであります。 令和三年度末までに、市町村が希望する全ての地域で着実に整備できるようにしてまいりたいと思います。 我々は、地方も含めて、一刻も早い情報通信基盤の全国整備に向けて力強く取り組んでまいります。
○浦野委員 ありがとうございます。 特に我々、教育現場で、学校でタブレットを使って授業をするというのは、ある程度通信網も整備をされるでしょうし、WiFiなどを使ってできるでしょうけれども、それを、例えば家に帰って家庭学習でタブレットを使う、そういった勉強の仕方も今はあります。そうなったときに、家庭の事情でそういったデジタルに接続できない、そういう通信網に接続できないという子供たちもまだまだいます。そういったところにもしっかりとこれから目を向けていただけたらと思っています。 次に、行政の判こ廃止の件ですけれども、回答が大分返っていらっしゃると思うんですけれども、河野大臣、今どれぐらいになっているのか。
○河野国務大臣 国民に押印を求めている行政手続が約一万五千ありますが、そのうち八十五残したいという回答が今省庁から来ております。そのうち八十四は印鑑証明を求めているもの、あるいは銀行などの登録印でございまして、もう一つ、それ以外の印がございます。今、それについて精査をしているところでございます。 また、行政内部の手続で押印を求めているもの、これが法律に基づいて、法令に基づいて求めている三百七でしたかのうち二百四十八は見直した又は見直す方向、残りは官印あるいは契約書などの印でございまして、これについても今精査をしているところでございます。 また、行政内部の押印で、法令に基づかず慣例でやっていたものにつきましては、一つを除いて全て押印を廃止しようというふうに考えているところでございます。
○浦野委員 ありがとうございます。相当な数の判こが廃止されるわけですけれども。 ここで、私、印鑑証明についてなんですけれども、この印鑑証明という制度を持っているのは、恐らく世界を探しても日本だけではないですか。違いますか。多分、日本だけだったように記憶しているんです。まあ、後でまた訂正、違ったら違ったでまたどこかで。 印鑑証明という制度が日本にしかない。要は、世界では別に使っていないから、印鑑証明という制度は必要ないんですね。だから、なぜ印鑑証明だけを残さないといけないのかという疑問です。別に私も、選挙の対戦相手が前の判こ議連の会長だから言うわけじゃないんですけれども。 技術として判こを残すのは、別に僕も絶対いいと思うんです。書き初めとかしたときに、僕、ちゃんと自分の落款、判こを押しますし。そういう意味では、芸術分野の判ことかは、今まででも必要ですし、これからもしっかりと文化として残していきたいと僕も思うんですね。 ところが、やはり、印鑑証明という制度は本当に必要なのかどうかという検討を政府でされるのかされないのか、お聞かせください。 〔委員長退席、山際委員長代理着席〕
○河野国務大臣 今回の行政手続における押印の見直しに関しては、主に認め印を中心に進めております。現時点で印鑑証明が必要なもの、あるいは金融機関への登録印などについては、今回は対象としておりません。やがてデジタル化が進んで電子認証ということになれば、そうしたものについても見直していくということが将来的には考えられると思います。 また、民間では、契約その他さまざまな場面で実印と印鑑証明というものが現時点で使われております。これについては、今なかなか一気になくすということにはならないだろうと思いますが、やがてデジタル化が進み電子署名ということに将来的になった場合には、そういうことも考えられるのかなというふうには思いますが、今一気にそこまでやろうとしているというわけではございません。
○浦野委員 ぜひ、印鑑証明一枚とるのにお金がかかりますので、それも国民の負担になっているというのだけしっかりと言っておきたいと思います。 これはマイナンバーカードの交付通知書、申込みをした後しばらくたってから、全部オーケーだったら家に届くやつですね。これをぱっと見ていただいても、判こを押すところ、三つありますよね。これは全部、認め印でたしかいいんですけれども。 これは大きくしているからあれですけれども、これははがきで来る、めちゃくちゃちっちゃい文字で来るんですよね。確かに丁寧に読めば書いているんですけれども、例えば「委任状」と書いてありますよね。ぱっと見たら、自分のところの子供のマイナンバーカードをとるために、親がここに書いて持っていったらとれるのかなと思いかねない感じですよね。 実際、僕ら夫婦もそう思って子供の分も一緒に持っていったら、違いますと。これはこうこうこういう場合ですということを、めちゃくちゃちっちゃい文字で書いてあるんですよ。それは確かに書いてあるんですね。 下の暗証番号とかこんなところも、必要によっては書かなくてもよかったりとか、結構、これ一枚に全部書かなあかんからこうなってしまっているんでしょうけれども、物すごい情報量なんですね。 しかも、子供はいつとりに行くんかということなんですけれども、これは市町村によるらしいですけれども、僕の地元の市では月に一回、日曜日、この日やっていますと。それはこの反対側の券面に、十月は何日です、十月何日です、この日に来てくださいみたいなことを、それもちっちゃく書いてあるんですよ。それも、もう目を皿にして見ないとわからない。 じゃ、その日に行かれへんかったら、日曜日でも子供は今忙しいですから、塾や何やらやっていますから、行けなかったらどうするんですかと。ほんなら、一応、ほんまはこのはがきは九十日ぐらい有効らしいですけれども、更にあと二年ぐらいは何とか運用で問題ないそうなので、二年間の間に来てくださいと。その二年間でも行かれへんかったらどうするんですかと言ったら、ちょっとわかりませんということなんですね。日曜日、月一回の日曜日その日だけしか、子供たちのマイナンバーカード、しかも、子供本人を連れていかないとマイナンバーカードが発行させてもらえないんですね。 でも、二〇二二年末にほぼ全国民に交付すると掲げているんですけれども、せめて自分たちの子供のマイナンバーカードをとるに当たって、この委任状というのはまたちょっと違う意味の委任状の書く部分なので違うんですけれども、子供の分ぐらい親が委任状ぐらいの手続でとれるように何とかできないのかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。そうじゃないと、多分これはなかなか進まないと思いますよ。
○武田国務大臣 このカードはオンラインで確実な本人確認を行うための基盤となるものであり、不正取得等を防ぐため、申請時又は交付時に市区町村の職員による対面での厳格な本人確認を経て交付することをまずは原則とさせていただいております。 御質問の、就学中の方や平日仕事をしている方などの日中の来庁が難しい方のため、これまでも、市区町村における土日、夜間での交付の実施や、学校、企業、公民館などに市区町村職員が出張して申請を受け付け、後日カードを郵送する方式の実施を積極的に行うよう、要請や周知を行ってまいりました。 また、十月二十七日には、私の方から全国の都道府県知事、市区町村長宛てに、マイナンバーカードの普及拡大に向け一層の取組を要請する書簡を出したところであり、その中でも、土日のいずれかは交付窓口を開設するなど夜間、土日交付のさらなる実施、また、出張申請受け付けのさらなる実施などを直接要請したところであります。 引き続き、子供も含め、カードの普及が更に進むよう、市区町村の意見も聞きながら取り組んでまいりたいと思います。
○浦野委員 ゼロ回答でしたけれども。 これはでも、必ず本人を目で行政の人が確認をするという、必ずそれをやっているがゆえにこういうことになってしまっています。それをデジタル技術で、例えば顔認証だとか、顔写真はもう既に登録はされてあるわけですから、そういったもので代用できるようなシステム、わざわざ市の窓口へ行かなくてもできるような取組ができればなと思っていますので、ぜひ検討していただきたいと思います。 日本維新の会は、早くから公文書管理法改正案、これを出させていただいています。一時期、公文書が問題になったときに、各党いろいろ議論がありました。我が党の法案内容は、野党の皆さんからも、余りにも、ほぼ全部をデジタル化して記録を残しましょうというのが我々の内容でしたので、なかなかそこまでは一緒に乗れないなということで、我が党は独自でこれを出しているんですけれども。 判こをなくすということは、どんどんどんどん書類もデジタル化されていく、加速しますよね。そうなってくると、公文書もほとんど全部デジタル化されていくはずです。 それであれば、我が党のこの改正法案、これにも乗れるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、政府としては、この我々の法案に対してどういうお考えがあるでしょうか。
○井上国務大臣 議員立法の件でありますから、基本的には、その取扱いも含めて国会で御議論をいただくということだと思いますけれども、あえて、デジタル化によって全文書の永年保存、これを実現していくべきではないかといった論点については、行政文書の適正な管理を一層推進する観点から、文書管理の電子化を進めることについては方向性を同じくするところであります。 歴史的に重要な文書に当たらず、将来的に利用が見込まれないようなものまで一律に永久に保存し続けることについては、行政文書の体系的管理や効率的な行政運営の観点から、慎重な検討が必要であると考えております。 具体的には、電子メールを含めた日々大量に作成される行政文書の全てを常に整理、管理し、必要なときに速やかに活用できるか、膨大な電子データの保存のための費用をどうするか、アクセス制限やパスワードの管理などを引き継いでいけるかなどの課題があると考えております。 いずれにせよ、公文書の電子的管理の推進は重要な課題であり、デジタル化を一層加速、徹底される菅内閣全体の方針に沿って、関係大臣とも連携しながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○浦野委員 せっかくマイナンバーカードの質問をさせていただいたので。 閣僚の皆さんは、もちろんマイナンバーカードを持っていらっしゃいますよね、発行済みでいらっしゃいますよね。持っていないという方はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。(発言する者あり)いや、ここは国会の予算委員会なので、うそをつけないので、持っていない人は持っていないと言わないとだめなはずなんですけれども、大丈夫ですか。さすがです。ありがとうございます。これは誰も聞いたことがないそうなので、ちょっと聞いてみたかったかなと思いまして。ありがとうございます。 平井大臣、やはり答弁がなかったですけれども、何か今までの答弁で、いや、俺としてはもっとこうしたいんだみたいな答弁はありますか。
○平井国務大臣 マイナンバーカードとか、さっき、その申請に関して、やはりもうちょっと普及をふやすためには自治体の皆さんにもっと頑張ってもらう、武田大臣の方が答弁なさったと思うんですけれども。私自身は、まだまだできることはあるだろうというふうに思っています。やはり、このマイナンバーは、便利便利という話ばかりありますけれども、まず、リアルの世界でもデジタルの世界でも最高位の身分証明書なんですね。それを皆さんに持ってもらうということの意味をもう一回お伝えしたいな、そのように思いました。 〔山際委員長代理退席、委員長着席〕
○浦野委員 ありがとうございました。 それでは、次の質問に移ります。規制改革です。 我々、アベノミクスの第三の矢の成長戦略がうまいこといっていないということは常々言わせていただいています。この成長戦略にブレーキをかけたのが、岩盤規制と言われているものです。(パネルを示す) コロナ禍で、このうちのオンライン診療などは、ごく一部ですけれども限定的に、これもしかも時限的に解禁されていますけれども、この中で、菅内閣で、よし、やろうというのがあるでしょうか。
○河野国務大臣 何をもって岩盤規制と言うかというのはいろいろな考え方があると思いますけれども、そこにリストされているものの中で、既に動き始めているものも幾つかございます。
○浦野委員 では、ぜひまた、その幾つかの議論を我が党も先頭を切ってやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、尖閣諸島についての質問をします。 中国が、現状変更を狙って、いろいろな活動を先鋭化しています。まず、総理の現状認識、毅然とした姿勢をやはり内外に示さないといけないと思いますけれども、現状認識をお伺いいたします。
○菅内閣総理大臣 中国公船による尖閣諸島周辺の接続水域内での航行や領海侵入などが相次いでいることは、極めて深刻に考えています。中国側に対しては、海上保安庁巡視船による警告等を実施するとともに、外交ルートを通じて厳重に抗議しています。 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、現に我が国は実効支配をいたしています。政府としては、国民の生命財産、そして、我が国の領土、領海、領空は断固として守るという方針のもとに、関係省庁間で連携して、冷静かつ毅然と対応しているところであります。(発言する者あり)大変失礼しました。有効に、実効で、有効支配しています。
○浦野委員 私、内閣委員会で当時の担当大臣に、ことしの五月八日の中国公船による日本漁船の追尾事案の件について質問させていただいて、そのときの映像を公開すべきだということを質疑をしました。そのときは余り明確に答弁はいただけなかったんですけれども、その後、検討するというお話になりました。その検討は今どうなっておりますか。
○小此木国務大臣 お尋ねのような件についてですが、政府内で、諸般の情勢を踏まえながら、総合的かつ慎重に検討していくものと承知をしております。 いずれにいたしましても、領土問題担当大臣、私ですが、私といたしまして、国内外において我が国の立場についての正確な理解が浸透するよう、内外発信の強化に努めてまいりたいと思います。
○浦野委員 ぜひ映像の公開をしていただきたい。映像はあるということですので、公開をしていただきたいと思います。 そのときに、灯台の保守管理についても質問をさせていただきました。(パネルを示す)これがその灯台です。今、日本がもちろんこの灯台の管理をしているわけですけれども、現状どうなっているのか、答弁をいただきたいと思います。
○赤羽国務大臣 この魚釣島の灯台につきましては、平成十七年の二月から海上保安庁が管理しまして、海上保安庁の職員が必要な保守点検を定期的に行い、支障なく点灯させていただいているところでございます。 引き続き、しっかりと魚釣島灯台の保守点検を行ってまいりたい、こう考えております。
○浦野委員 ありがとうございます。日本固有の領土にある灯台ですから、当然、日本がこうやって保守点検をしているということだと思いますけれども。 あと、環境省が年内に尖閣に生息する動植物の生態調査を実施すると漏れ聞こえていますけれども、そのときの質問でも、私、その関連の質疑をさせていただきました。これはされるんですか。 それと、同じように、自民党内からも周辺海域の海洋調査の早期実施を求める声が上がっているということもお伺いしていますので、二つ一遍に質疑をします。
○小泉国務大臣 まず私からは、一点目、お答えさせていただきます。 環境省において、年内にも尖閣諸島の自然環境に関する調査の実施を検討していることは事実であります。 この調査は、自然環境の把握を目的として、環境省が全国を対象にこれまで実施している各種調査の一環として行います。 具体的には、最新の人工衛星画像を用いて過去に作成した植生図を更新することや、今、環境省のレッドリスト、絶滅危惧2類に位置づけられているアホウドリなどの生息状況に関する調査を行うこと、これを検討しています。 なお、衛星画像を用いたアホウドリの調査は、今回初めて実施を試みるものであります。 引き続き、可能な限り環境省として必要な情報収集と現状把握に努めたいと考えております。(浦野委員「海洋調査は」と呼ぶ)
○金田委員長 浦野靖人君、もう一回質問を言ってください。
○浦野委員 海洋調査の件は、それも環境省になるんですか。
○小此木国務大臣 海洋も担当しております。 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しております。 尖閣諸島における調査等については、尖閣諸島及び周辺海域を安定的に維持管理するための具体的方策についてさまざまな選択肢があり得るところであり、政府として、戦略的な観点から判断していく必要があると認識しています。
○浦野委員 しっかりと対応していっていただけたらと思います。中国は虎視たんたんと現状変更を狙っておりますので、よろしくお願いします。 続きまして、外国人、外資の土地取引規制についてです。(パネルを示す) これは我が党が大分前から出している法案ですけれども、自衛隊の施設、原発の周辺、国境近くの離島、安全保障上重要な土地の外国人、外国資本による買収というのを問題にしているわけですけれども、その実例について把握をどうされているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 日本維新の会が提出されました国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案については承知しております。 また、安全保障上の影響、いろいろなことがございます。そして、実例としてですが、例えば、北海道の千歳基地に近接する新千歳空港の周辺地域を外国資本が取得したことや、長崎県対馬市の海上自衛隊対馬防備隊の隣接地を外国人が取得した事例があると承知しています。
○浦野委員 現在はそういったものに対する規制は事実上何もありません。ただ、それは我々は安全保障上非常に問題だと認識をしていますけれども、例えば、逆に、中国、韓国ではそういう規制を、実際に中国側の、中国本土のそういう安全保障、韓国の安全保障というのをどういうふうにされているのかというのを御存じでしょうか。
○小此木国務大臣 かねがね、この事態といいますか、委員の御指摘の点につきまして議論が行われてきたと承知をしております。先ほども申し上げたように、御党からも提出されているということも申し上げました。 防衛施設周辺等における外国資本による土地の取得等に関しては、安全保障にかかわる重要な問題と認識しておりまして、骨太方針二〇二〇においても、「安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用・管理等の在り方について検討し、所要の措置を講ずる。」と閣議決定をされました。現在、内閣官房において、骨太方針二〇二〇の記述を踏まえ、現状と課題を整理しているところであります。 まずはじっくりと、課題をしっかりと整理した上で、必要に応じ法的措置を含め新たな制度を導入することも念頭に検討を進めてまいりたいと思います。
○浦野委員 例えば、中国なんかは国内でそういった規制をかけています。韓国も、土地取引規制、やっているはずです。ちょっと詳細はちゃんと、あれですけれども。 そうであるならば、相互主義で、日本も規制をすることについては何ら問題はありませんので、与党内でもそういったお話が出ているということもお聞かせいただいています。我々、もう平成二十八年から三度にわたってこの法案を提出させていただいています。この法案、しっかりと議論をして、早い段階で成立をさせていきたいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。 最後に、新型コロナウイルス対策なんですけれども、これはもうずっと言われているように、インフルエンザとコロナの同時流行が心配をされています。 今のところ、数字だけを見ますと、手洗い、うがい、そしてマスクのおかげで、インフルエンザも劇的に減っております。爆発的な感染がないんじゃないかという楽観的な意見と、いやいや、そうではないというお話もあります。 ただ、どちらにしても、政府としては十分な、対応できるような医療体制を整備しないといけませんけれども、政府として今どういうことをやっていますか。
○田村国務大臣 委員おっしゃられますとおり、現状、インフルエンザは、十月の十九日から二十五日までですが、定点五千カ所で把握しておるんですけれども、三十件。昨年が三千九百五十三件でありますから、百分の一以下になっておりますが。 やはり、十二月から一月、二月の頭ぐらい、ピークになってふえてまいりますので、そういう意味では、例年の数出るということを前提に、現在、都道府県にお願いいたしまして、各地域医療機関、こういうところで、インフルエンザと同じような数、発熱者が出ますから、そのときに、インフルエンザも、そして新型コロナウイルスも対応できるように、検査キット、これをメーカーにお願いして供給をしていただいて対応させていただく。 なお、医療機関等々、いろいろな準備もありますので、それに対しては補助金等々の支援も準備をさせていただいております。
○浦野委員 我々、当時は藤田委員が厚労委員で質問したんだったと思うんですけれども、指定感染症の扱いですね、来年の一月末には指定感染症の期限が切れます。我が党は、今また波が来ているんじゃないかということで少し心配ですけれども、インフルエンザと同じ五類感染症に分類、最後はするべきじゃないかという議論をしております。 いずれにせよ、一月末には、どうするかを決めなければならないとなれば、もうそろそろ、厚労省は加藤大臣の時代に検討するという答弁をしていただきましたけれども、今現在どういうふうに議論されているのか、お聞かせください。
○田村国務大臣 委員御承知のとおり、指定感染症という形になっております。 先般、政令、省令、見直しまして、先ほどもちょっと申し上げたんですが、入院措置、これに関しては、重症のおそれのある方々、こういう方々は入院をしていただくことになりますけれども、比較的軽症の方、無症状の方々に関しては療養施設等々でもいい旨をはっきりと明記をさせていただき、もちろん都道府県の判断によっては入院もできるようになっております。 それから、インフルエンザとの、やはり同時の発熱といいますか、どちらかわからないという症状がありますので、疑似症患者の方々を、今まで保健所に届けていただいていたんですが、こういう方々に関しては、やはりこれも重症化のおそれのない方々に関してでありますけれども、こういう方々に関しては、言うなれば届出をしていただかなくてもいいような形に変えさせていただいております。 五類扱いのところもあるんですが、一類、二類のところもそれぞれ必要なものがありまして、これに関しましては、それぞれフレキシブルに動けるような、そんな形で各項目を随時見直してまいるということでございますので、これから、この秋冬に向かって我々もいろいろな検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○浦野委員 時間が参りましたので、終わります。 ありがとうございました。
○金田委員長 これにて浦野君の質疑は終了いたしました。 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 国民民主党代表の玉木雄一郎です。 国民民主党は九月十五日に新たなスタートを切りましたけれども、私たちは、生活者の立場に立った改革中道政党として、未来を先取りする議論を展開していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 菅総理にまず伺います。いろいろなことをスピード感を持ってぜひ進めてもらいたいと思うんですが、皇位の安定継承についてまず伺います。 総理は、官房長官時代に、たしか二月の予算委員会だったと思いますが、立皇嗣の礼が終わったら速やかにさまざまなこと、具体的なことを進めていきたいと答弁をされていたと思います。皇室典範改正の特例法の附帯決議には、速やかに議論するということが書かれています。 ぜひ、スピード感を持って進めておられる菅内閣においては、皇位の安定継承、女性宮家の問題も含めて、議論を本格的に早くスタートさせるべきだと思いますが、以前明言された、立皇嗣の礼の後に本格議論を開始する、この考えに変わりはないのか、また、行うとすれば、どのような形でいつから始めるのか、お答えください。
○菅内閣総理大臣 安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本にかかわる極めて重要な問題であると認識しています。男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえながら、慎重かつ丁寧に行う必要があると思っています。 また、女性皇族の婚姻等により、皇族数の減少等については、皇族方の御年齢からしても先延ばしをすることはできない重要な課題であると認識しています。この課題への対応等についてはさまざまな考え方、意見がありますが、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析、検討、慎重な手続が必要だと思います。 また、天皇陛下の御即位に伴う一連の行事の最後となる立皇嗣の礼が十一月八日に行われる予定であります。まずは、立皇嗣の礼がつつがなく行われるように全力を尽くし、その上で、衆参両議院の委員会で可決された附帯決議の趣旨、ここを尊重して対応してまいりたいと思います。
○玉木委員 附帯決議の中に、皇族方の御年齢からしても先延ばしにすることはできない重要な課題であることを鑑み、本法施行後速やかにということが附帯決議についています。これは平成二十九年ですから、もう三年たっていますね。 ですから、総理、ぜひこれは速やかに、立皇嗣の礼が終わったら一定の行事が落ちつきますから、これは検討をその後始めるということで、もう一度答弁いただけますか。
○菅内閣総理大臣 まず今は、立皇嗣の礼をつつがなく終えることに全力で取り組んでいますので、終わりましたら、速やかにという、これは両院の決議もありますので、そうしたことに沿う形で対応していきたいと思います。
○玉木委員 ぜひ速やかにお願いしたいと思います。我が党としても考え方を示していきたいと思います。 次に、菅内閣の看板政策の一つについて聞きます。不妊治療の保険適用です。 私も、これは五年ぐらい前からずっと言っていますから、ぜひ進めてもらいたいと思うんですが、一つ提案があります。 この不妊治療の保険適用に取り組むときにあわせて検討してもらいたいのが、妊孕性の保存についてであります。これは聞きなれない言葉だと思うんですが、妊孕性というのは、ある種、生殖能力を保存するということなんですけれども、特にAYA世代、AYA世代というのは十五歳から三十九歳の若い世代なんですけれども、この若い世代でも白血病とか脳腫瘍にかかることは結構あります。 そのときに、強い薬を使ったり、がん治療をすることによって、精子、卵子をどうしても傷つけたりとか生殖能力が衰えたりする。この治療をする際に、精子、卵子の凍結保存などをするという治療を同時に行うことがあります。ただ、これはお金がかかります。人によりますけれども、五十万以上かかるとも言われています。 ただ、十五歳ぐらい、若い、特に十代だと、まだ妊娠とか結婚をイメージできないんですよ。だから、命がかかっているので、とにかく治療にばっと行きますから、卵子や精子を保存するなんということに頭が及ばない。ただ、もしきちんとした補助とか助成とか保険適用があれば、こういった世代の方も希望を持つことができると思うので、こうしたいわゆるAYA世代の小児がんや若年性がんの治療に際して行われる卵子や精子の保存も、広い意味での未来への不妊治療だということで捉えて、あわせて今回、保険適用できるかどうかの検討対象に加えるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○田村国務大臣 がん治療による妊孕性の低下というものは、子供を産み育てたいと思われている方々にとっては大変大きな課題だというふうに我々も認識いたしております。 厚生労働科学研究事業の中において、妊孕性の温存療法といったことを行った方でどれぐらいの妊娠でありますとか分娩数、それから、妊孕性温存療法、このための長期検体の保存の方法でありますとか、そもそも、それができるような体制、こういうものがどうなっているかということをいろいろと今情報収集をしておるわけでありますが、一つはエビデンスの問題があります。 受精卵ですとそれなりな、今も受精卵は不妊治療でいろいろと使っております、凍結もしておりますので、ある程度エビデンスがあるんですが、ただ、すぐに使うかどうかまずわからない。というのは、治療をその後しますので、どれぐらい冷凍保存しなきゃいけないかわからない。それから、そもそも、排卵誘発剤等々を使いますから、ホルモンのバランスが崩れたりしますので、がんを治療するときのリスクというものも考えなきゃいけない。もちろん、そういう意味では、妊孕性というものをどうやって温存するかという必要性、これもあります。 それぞれを考えた上で、しっかりとしたエビデンスを我々確認した上で、これからどういう支援をしていくかということを考えさせていただきたいというふうに思っております。
○玉木委員 ということを検討してもらいたいんですね、総理。 これは実際やった方からの手紙の文があるんですが、私は運よく卵子の保存がかないました、でも、同じ病気の友人は保存がかなわず、私の人生は後悔してばっかりだと涙を見せましたと。 AYA世代、十代とか二十代は、がん治療そのものにもすごいお金がかかります。それに加えて卵子や精子の保存をしたらもう一段かかりますから、ここは、私は少子化対策にこれを入れるのはどうかという思いはありますけれども、若い人たちをとにかくサポートしないとこの国はだめになりますから、そういった形で、希望を持つようなことを、少しでもその範囲を広げてあげるということについては、私は、これは今回検討しないと多分もう何十年と検討されないと思うので、ぜひ総理、菅総理がせっかく不妊治療の保険適用ということを掲げたわけだから、こういう余りこれまで政治的な課題にも政策的課題にも上がってこなかった問題もぜひ検討をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 今、田村大臣から、エビデンスが確立しておらず、まずは実施されているさまざまな処置の実態把握、研究を行うとともにという話をされました。それを踏まえて、保険適用を含め、どのような支援ができるか検討していきたいと思います。
○玉木委員 市町村によっては助成制度を持っているところもあるんですが、ばらばらなので、そういったことも含めて、あわせて検討いただきたいというふうに思います。 次に、二〇五〇年脱炭素の、カーボンニュートラルの目標について伺います。 私もこれは賛成ですが、問題は、中身がまだないんですね。アメリカは、もしバイデン大統領が勝てば、経済政策もがらっと変わるし、環境政策もすごい変わると思いますね。カリフォルニアなんかはもともと強いですけれども、EV車にシフトもどんどん進むのかなと思います。 ちょっと資料一を見ていただきたいんですが、結構、改めて整理するとびっくりするんですが、まず、脱ガソリン車を各国どんどん進めているなと。中国は、二〇六〇年にそもそも実質ゼロという努力目標をつくった上で、この前、二〇三五年までにいわゆるガソリン車の製造販売について禁止する規制をするということを言っていますし、ノルウェーなんかは二〇二五年ですし、イギリスも三五年、二〇四〇年はフランス、書いていませんけれども、インドもこういう目標を定めてやっているんですね。日本はない。 一方の、このEVの、電気自動車の購入支援等々を見ていただくとわかるんですが、結構やっているんですね。 注目してもらいたいのはドイツとフランスで、今まで五十万とか八十万ぐらい、日本円でいうとやっていたんですが、ことしの六月、七月に、つまり、コロナを受けてぐっと拡充しています。 日本は今、一応あります、EVの購入補助とか。最大四十万円ぐらいで、あと、これに取得時の免税措置があるので、これは価格によりますけれども、十万ぐらいがマックスかなと。そうすると、四、五十万ですよね。 これは、せっかくですから、三次補正の予算も議論されているし、年末の税制改正とか、与党の先生もぜひ、せめてドイツ、フランス並みのEV購入補助にしないと競争力の観点から問題になるので、総理、二〇五〇年、せっかく目標をつくったんだから、せめてこのEVの支援については百万を超えるぐらいの購入補助にしませんか。いかがですか。
○小泉国務大臣 今、玉木委員に紹介していただいたとおり、世界は、ガソリン車の販売禁止、これが今加速をしています。 ノルウェーの紹介が今ありましたが、ノルウェーは、ノルウェーの中の自動車、電気自動車のシェアがもう最低でも三割は超えている。もしかしたら、もっと高いかもしれません。一方で、日本は、国内のEVのシェアというのは〇・五%です。 この支援額を見ても、日本が三倍にしても二倍にしてもドイツやフランスには追いつかない。こういった中で、我々環境省としては、長期的にガソリン車のマーケットは、グローバルな市場は縮小していく、そういうふうに見ていますので、EVを始めとした、まあ、水素もそうですけれども、この後押しをしたいというふうに思っています。 そして、なぜ我々がこのEVを後押しをしたいと思っているかというと、運輸部門の脱炭素化と動く蓄電池として再エネの主力化を同時達成できる。そして、災害時には、給電可能で自立分散型のエネルギーシステムの構成要素ともなる。そして、バッテリーはリユースなどが可能であることから、脱炭素社会への移行と分散型社会への移行、そしてサーキュラーエコノミー、循環型の経済への移行という三つの移行を同時に統合的に進めることができる一つの鍵がこのEVにあると思っています。 我々として、環境省としては、もちろんメーンは経産省の方のEVの関係もありますが、再エネと同時に、動く蓄電池としてEVを導入するような取組、そして物流、配送分野、この部分の二輪のEV化も含めて、我々も支援をしていきたいというふうに支援をしています。 今後、EVを始めとした電動車が日常にある社会を実現できるように、経産省等も含めてコミュニケーションを深めて、縦割りを排して支援をより強化できることが何か考えていきたいと考えています。
○玉木委員 これは、政府・与党がやらなければ、我が党あるいは野党の次の政権公約にして出しますよ。 それで、今、私が象徴的だったと思うのは、小泉環境大臣が出てきたことも結構意味があるんですよ。多分、根っこの財源は、石石税というか、石油石炭税ですよ。多分、エネルギー特会のお金。基本的にそれは大きな力は経産省が持っていて、ちょこちょこっとしか環境省はもらえないんですよ、前から。 このまさに縦割り、菅総理がずっと言っている縦割りは、エネルギー政策に一番出るんですよ。どうしても、経産省、力が強いんですね、大臣。ちょうど並んでいますけれども、縦に。経産大臣に言ったんです。 ここを突破して、本来経産省だと言っているところを、これをやれと言って百万以上の購入補助を出せるか出せぬかが私は決まると思うので、総理、どうですか。小泉大臣にも梶山大臣にも言って、少なくとも欧州に負けないぐらいの購入補助制度を、この年末の予算で麻生大臣も説得してつくるということで、いかがでしょうか。
○菅内閣総理大臣 二〇五〇年にカーボンニュートラル、脱炭素社会を実現するために、実は私、経産大臣と環境大臣を留任させたんです。 まさに今日までの縦割りの、ある意味では象徴だったというふうに思います。そういう中で留任をさせて、そして先般、全閣僚の会議を開きまして、それぞれ全力で取り組むような指示をいたしました。 いずれにしろ、さまざまな問題について、厳しい問題ですけれども、受け身でなくて積極的に取り組んで、それぞれが日本の成長につなげていきたい、そんな思いで取り組んできたところです。
○玉木委員 ぜひこれはやってもらいたい。結果として、小泉大臣が喜んで梶山大臣が泣くかもしれませんけれども、でも、国民が喜べばいいので。 そういう観点で、ぜひ、財源の配分の見直しも含めて、特会って難しいんですよ。ある種、既得権益だから、特会のお金というのは。特定財源がセットですからね。ここを動かせるのが政治しかないので、ぜひここは菅総理に期待したいと思います。 次に、三次補正について伺いたいと思います。 私は、日本のコロナ対策は、基本的にはうまくいっていると思うんです。それは、死亡者と重症者の数を抑えているというのは、これはよくできています。ただ、問題は、その割には経済の戻りが悪い。 ちょっとこれを見ていただきたいんですが、OECDが先般出したことしと来年の経済見通しなんですが、まあ中国はすごいですね。G20の中で唯一、十九カ国が全部マイナスですけれども、この中でもプラス成長一・八ですよ。来年は八%成長に戻りますからね。もう一つ、二〇二一年、戻りがそれぞれ、アメリカも欧州も世界も悪いんですが、四パー、五パーで戻ってくるんですよ。 落ち込んだものだから、発射台が下がっていますからそれは戻るんですが、日本を見てくださいよ。約六%、五・八%ことし落ちますけれども、私の予想は五・五でしたから結構当たっているんです、来年の戻りは一・五しか戻らない。ここは、これだけ死亡者と重症者が少ないのにこの戻りの悪さは、私は経済政策が悪いんだと思いますよ。 これまでいろいろやってきたものを盛り込んでマイナス五・八ですから、ここで財政出動を緩めてはならないと私は思うんです。経済の再生に今全力を傾けないと、経済と社会に物すごい後遺症が残ります。コロナは実は、コロナに感染した方に後遺症が出ているんじゃないかということが結構言われていますが、社会と経済に、今の政策を間違ったら後遺症をがっと残しますからね。 既に、例えば妊娠の届出がすごく減っていて、来年の出生数はぐっと減りますよ。これは多分、低位推計に行きます。私は分析しましたが、田村さんも一回これは分析してもらったらいいと思うんですが、高位推計、中位推計、低位推計だと、この推計でいくと低位推計にずっと行きますから。年金財政にも絶対ききますから、これは悪い方に。 そういう意味では、今の対策は、とにかくけちらずにやる、麻生大臣。これが結構、後の税収にもつながりますから、ここをぜひやってもらいたい。 そこで、伺います。アメリカは、三月に二兆ドル、約二百兆円の対策をやって、七月に一兆ドルやっています。今度バイデンさんが勝てば二・三兆ドルです。トランプさんでも一・六兆ドル、約二百兆円前後ですね。合わせると大体五兆ドル、日本円でいうと五百兆円ぐらいですから、アメリカは大体GDPが二十兆ドルなので、GDPの二五%、四分の一ぐらいをトータルでやっているんですよ。 日本はどうかというと、一次補正、二次補正を合わせて五十八兆円ぐらいですかね。真水はもっと少ないですけれども。ただ、一応予算計上しているのは五十八兆円ですから。 そうすると、日本はアメリカのGDPの四分の一ですから、GDPの二五%ぐらい、アメリカと同じぐらいするんだったら、やはりトータル百兆円ぐらいの予算にしなきゃだめなんです。そうすると、あと四十兆から五十兆は、私、大胆にやらないと、この来年の戻りの悪さは変えられないと思うんですよ、ここは。 我が党は、国民民主党は、前からこの百兆円のプランを言ってきました。私は結構これも外れなかったと思うのは、雇調金は大体二兆円使っていますから、五月に言ったやつですから、私が五月に。二兆円は、大体二兆円使っていますから当たっているんですよ。地方創生臨時交付金は大体三兆円出していますね、トータルで。残り二兆円欲しいと言ったのは、誰が言っていたかというと、知事会が言っているんですよ。知事会が五兆円と言っていますから、三次補正でもう二兆円乗せましょうよ。 それで、これはきのうも聞いた、学生が困っていますよ。依然として困っていますから。大学ごとの対応に、萩生田大臣、任せちゃっているので、やっている大学はやっているけれども、やっていないところはやっていなくて、やはりキャンパスに行けなくて、ずっと後期もオンライン中心ですと、何で学費を払わなきゃいけないんだというような声があるので、ここをもう一回学生さんにも寄り添ってもらいたい。もう一兆円ぐらい乗せたらいい。 医療に関しては八兆円ですけれども、今、田村厚労大臣もいるので、三兆円は出しているんですね。でも、日本医師会は七兆円と言っていますから、もう五兆円ぐらい乗せて、冬場の対策をもう一回しっかりやる。 あと、一番欠けているのが、家計支援と企業に対する支援のところ。私の表でいうと二十六兆、四十六兆と書いた、五月に書いたところですね。 いろいろやらなきゃいけなくて、持続化給付金ももう一回とかいう声もあります。結構あるのが、やはり現金給付をもう一回やったらどうだと。午後、後藤祐一さんも言っていましたけれども。これは私は、何でやったらいいと思うかというと、これで一息ついたという声をいっぱい聞いているんですよ。全部貯金に回っていると言う人がいましたけれども、そんなことないんですよ。 それで、麻生大臣、伺いたいんですけれども、先月二十四日のパーティーで、その分だけ貯金がふえて、何かこれは全く効果がなかったやに御発言されていたんですけれども、全部が全部消費に回っていないのはそのとおりです。ただ、私は、消費活性化効果で生活の下支え効果として意味があるし、場合によっては、一定の所得制限を入れてもう一回やってもいいなと思っているんですよ。 このパーティーでの御発言、その分だけ貯金がふえたという御趣旨、あるいはどういう根拠に基づいておっしゃっているのか、教えてください。
○麻生国務大臣 それでは、根拠の方を最初に言わぬと説得力を持たぬと思いますので、言った趣旨は後で説明します。 十万円の話なんだと思いますが、特別定額給付金ですけれども、これはいわゆるコロナの影響が大きかった世帯、そういったところに下支えの面がある。これはもう確かですよ、それは。 しかし、現実問題、数字として、あのとき、たしか十二兆円全部で出たんですけれども、家計消費というのを見ますと、二〇一九年の四―六に比べて二〇二〇年の可処分所得というのが、七十八兆が八十六兆、約八兆円、ぼんと可処分所得がふえておるという実態が一つ。それから、家計消費が約八兆円、どんと、家計消費ですよ、どんと一世帯当たり減っていますから、それが八兆。足して、家計貯蓄がプラスマイナスで十六兆ふえた。前年度は約五兆、四兆五千億ぐらいでしたから、そういったものでいくと約四倍にふえておるというのが、これは全体面で見た数字です。ですから、私は、そういった意味では貯蓄がこれだけ大幅にふえておると。十六兆ふえた形になりますから、その意味では、数字としてはそれが裏づけの数字です。 ただ、言っておきますけれども、先ほど冒頭に申し上げましたように、これが全部が全部のうち貯金されたわけではなくて、これが有効に使われた、例えば学生さんにしても、よく例に引かれる低所得層とかいうようなところにこれが非常に大きな影響力がある、それはもう間違いないと思いますけれども、ただ、全体としては十六兆ふえております。
○玉木委員 麻生大臣はこうおっしゃっているんですね。現金がなくなって大変だ大変だというので、十万円というのがコロナ対策の一環としてなされましたが、その分だけ貯金がふえました、全然金には困っている方の数は少ないと。私は、これはちょっと認識が違うと思いますね。 多分、麻生大臣は、御自身が総理のときの、リーマン・ショックのときの定額給付金のことが頭にあって言われた。あれは検証を結構したんですよ。二〇一〇年と二〇一二年と二回やっていまして、一万五千世帯に調査したら、全部使い切ったという人があのときで五〇%います。全く手をつけていないのが二六・九%。 問題は、消費というのは、もらったときにすぐ使わないんですよ。だって、年金二千万円問題があるから、みんな将来不安だし、特にコロナみたいになったらどうなるかわからないから、まずもらったものは、むしろ余裕のある人はそのまま使っているんじゃないですか。その辺の分析は私はすごい大事だと思うんです。 実は、二〇一〇年の調査によると、四カ月かけた累積の消費への効果、いわゆる時間をかけた効果をきちんと検証しているんですね。そうすると、例えば子供が二人以上いる世帯の累積の消費効果は、もらったものを七〇%使っています。 だから、もちろん使わない世帯も私はあると思いますけれども、ぜひ、一定所得以下とか子供のいる世帯は消費に回る率が相対的に高いというのは、麻生総理のときにやられた定額給付金でも、ある程度内閣府の調査にも出ているので、あのときはいきなり全部やるしかなかったんですが、あれから少し時間がたっていますので、より重点的な給付のやり方も考えて、私はやるべきだと思うんです。 一つ、提案です。 子供がいる世帯は消費に回る率が高いと申し上げたので、例えば、児童手当の所得制限と同様の基準で追加給付をする。例えば、子供が二人で専業主婦だったら、収入九百六十万以下にはもらえるんです。でも、一人だったらもうちょっと高い基準になっちゃうので、今あるこういった基準も使いながら、重点的に、本当に困っている人、真に助けの必要なところに追加給付は私は意味があると思いますので、こういったことも、総理、どうですか。一定の本当に必要なところに追加の給付を行っていくということを、いや、これはぜひ総理の、先にもう大臣に聞いたので。総理にも後でお願いします。
○麻生国務大臣 総理も後から説明されると思いますけれども。 基本的に、今回の十万円と三十万円、覚えておられますか、六月のころにありました、十万円か三十万円か。三十万の案は、あなたの今の言われた案に近い案ですよね。低いところの方に重点的に、ある人は十万円もらわないでという話だったんだと記憶していますけれども。しかし、三十万案は潰れて、一律十万ということになって、結果として今言ったような数字になりました。 したがって、あれがあのとき三十万やっていればもっと効率的になっていたのではないかなと思わないではありませんよ、私どもとしては。しかし、結果としてはもう終わった話ですので、十万円で一律で配った結果、十六兆ふえたというのが結果です。結果の数字だけ申し上げておきます。 したがって、今言われましたように、マイナンバーカードというようなものが普及してきますと、これは結構効率よく短期間でやれる、所得控除をつかまえたりなんかいろいろするのを含めまして、そういったものが効率よくできるような要素がある。だから、マイナンバーカードというのは、一番最初に導入するのを決めた、私、総務大臣のころに決めていますから、もう二十年ぐらい前の話ですから。それ以来、全然普及しなかった。それが今回、まあ、コロナのおかげとは言いませんけれども、こういったもののおかげで普及してくるのは、こういったものを効率よく配分する上には効果があるだろうなと思いまして、今のように、いろいろ細かいのが幾つもありますので、ぜひいろいろ御意見をいただければと思います。
○菅内閣総理大臣 まず、コロナ対策に万全を尽くす、これは当然のことだと思います。その上で、経済を回復させるために、状況を見ながら、ちゅうちょなく対策は講じていきたい、それが基本的な考え方です。
○玉木委員 否定されないので期待したいと思いますし、具体的な案も提案したいと思います。 今、麻生大臣からマイナンバーの話がありましたけれども、マイナンバー、持っているんです、私。私、今回の特別定額給付金は、マイナンバーで給付を申し込んで受け取りました。なんちゃってマイナンバーカードというか、なんちゃってデジタル申請だということがよくわかりました。 これはちょっと伺いたいんです。次の効率的なときにはぜひ、麻生大臣、やったらいいと思います、デジタル化をもっと進めたらうまくいくんですが、提案があるんです、一つ。 平仮名、片仮名の、この仮名をどうするのかというのが、実は、何かデジタル庁をつくってどうしようかという立派な議論の前に、日本のデジタル化の結構、私、自分も体験したので申し上げるんですけれども、この振り仮名の処理が、ルールもちゃんと決まっていなければ、例えば、出生届には振り仮名を書くことが義務づけられていますけれども、戸籍とか住民基本台帳は義務づけられていないんですよ。 例えば、うちの議員に浅野君というのがいますけれども、サトルなのかサトシなのか、漢字だけ見たらわからぬじゃないですか、哲学の哲と書くんですけれども。でも、それを役場の人が見て、漢字だからこうだなと便宜的に入れていることがいっぱいあって、それで別人だということで突合できなくて、御存じのとおり、銀行の全銀システムは片仮名になっていますよね。合わないんですよ。 この片仮名の統一をきちんとやらないと、アルファベットは二十六文字だから完璧なんですけれども、実はこういうところでつまずいているんですが、これは多分自民党の中でも長年議論されてきたんですけれども、全然できていないんじゃないですか、まだ。法律も通っていないし。これを先にやるべきだと思いますが、総理、どうですか。
○平井国務大臣 この話は、もう本当に長い間いろいろ議論をしていて、法務省、総務省のちょうど間に落ちちゃっているんですね。 それで、おっしゃるとおりに、出生届のときに義務づけられているとさっきお話しになりました。あれは義務づけられているわけではなくて、書いたものを、あれはよく読んでいただくと、要するに、戸籍の中で公に明かしてはいないんですよ。参考として送られていくというふうになっているんです。義務づけられているのであれば、そこで公に明かしたことになるんですが、それがなっていない。 そして、名前と読み仮名というのは、これは一部の方ですけれども、選挙のたびに自分の名前の読み方を変えて立候補される方もいるんです。だから、要するに、日本では名前の読み方というものを誰も公に明かしていないというところが、個人を特定するときに非常に不安定になる。なのでマイナンバー等々が国民に振られたということは間違いないんです。 これは、今、総理が主宰するデジタル・ガバメント閣僚会議のもとに、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤基本改善ワーキンググループにおいて、氏名の読みの公証、公に明かすのに向けた工程表を年内につくろうということで、当然、法改正も視野に入れています。 そして、デジタル庁では、このような、要するにベースレジストリーの基本の基本ですよ、ここは。こういうものをきっちり国としてつくっていかないとこれからのデジタル社会が不安定になるので、そういうものの整備とルールをつくっていくということもデジタル庁の一つのミッションにしたいと考えているところです。
○玉木委員 いや、こういうことができていないんですよ。平井大臣がおっしゃったように、まさに、間に落ちているって、これは縦割りの象徴でしょう。こういうところからちゃんとやらないと、デジタル社会、デジタル社会と言ってもできないんですよ。だから、河野大臣が判こをなくすのを一生懸命やっておられるのはいいんだけれども、こういうところも行革の観点からも私はやってもらいたいんですよ、ぜひ。 総理は、これはぜひ、今、法改正も含めてと平井大臣は言いましたけれども、総理のリーダーシップもしっかり発揮していただきたいなと思います。 もう一つ言います。 今回の定額給付、私は、これは本当に、マイナンバーでやったんですけれども、結局、プリントアウトして受け取ったものを住民基本台帳と目で突き合わせて、もう一度それで新しいデータをつくって、それをまたプリントアウトして、今度銀行入力システムにまた目で突き合わせているんですよ。二回紙になっているようなケースがある。 それを、自治体の中には、例えば静岡県の三島市とか、神戸市もそうだったと思います、独自にマイクロソフトとかと組んで、一人の職員が物すごい優秀な仕組みをつくって、三島市なんかだったら一七対八三で、両方できるんだけれども、マイナンバーで来た人は一七%、市独自のルートで、システムで申し込んだ人は、利用率は八三%ですよ。負けているんですよ。 マイナンバーを使うこともいいんですけれども、これは武田大臣ですかね、こういう、いわゆるベストプラクティスですよ、結構すぐれた自治体職員はいるので、うまくいったのを教えてといって、教えて、それを次の標準実装にしたらいいので、そういう地方の知恵とか実質うまくいったやつをもっと集めて、それを横展開するということをやったらどうですか、これ。
○武田国務大臣 給付の実施主体というのは市町村ですよね。我々も今日まで、市町村の実態把握並びに数々のいろいろな成功例の情報提供というのをやって、極力、各自治体の事務負担軽減に努めてまいったんです。いろいろなアイデアや先端技術を持った技術者の方もいろいろなところにおられて、我々もそういった方々から今どんどん意見を聞いておるんですけれども、中には、やはり本人確認の確実性がどこまで担保できるかという問題がついて回るんですね。 やはり、利便性というのをどんどん追求していくというのは、我々研究していかなくちゃならないんですけれども、その裏で絶対守らなきゃならないのは、個人情報の保護というものがあるんです。つまり、そこで本人確認というものの確実性がどこまで担保できるかということをよくよく検証していかぬと、そうした利便性だけの成功例をどんどん紹介するというわけにもいかない部分があって、よくよく検証してまいりたいと思います。
○玉木委員 これをやっていると進まないんですよ、武田大臣。平井大臣はわかると思いますけれども、イギリスはGDS、ガバメント・デジタル・サービスをつくって、官民、あるいは国だけじゃなくて地方の自治体の職員の知恵も結集して、うちがベストプラクティスをつくってこれで主導すると。多分、デジタル庁をつくるんだったらそれぐらいやらないと、いや、個人情報があるからできませんと言ったら、今までと何も変わらないじゃないですか。 もちろん、だから、高度なセキュリティーはまた民間の知恵をかりればいいので、そういうことを、うまくいって工夫している人を吸い上げて、盛り上げて、そういうことをやっていかないと最新のデジタル社会に私はなっていかないと思うので、これはぜひ総理もリーダーシップを発揮してやっていただきたいなと思います。 それに関して、ちょっと憲法の話をします。 私は、今、個人情報の話もありましたけれども、やはりこれからの新しい時代の新しい人権というものを憲法上議論しなきゃいけないと思っているんですね。というのは、今までは単なる情報が漏れるとか漏れないの話だったんですが、今アメリカ大統領選挙をやっていますけれども、四年前のトランプさんが勝った大統領選挙では、ビッグデータと心理学の手法とアルゴリズムを使って、まだ行動を決めていない人の行動変容を巧みに促したというふうに言われています。 憲法十九条は、思想、良心の自由を保障しています。ただ、私は、これからのAI時代に必要なのは、思想、良心の自由って、皆さん、どうやって皆さんの思想、良心はつくられたと思いますか。私の思想、良心はどうやって、自由なんだけれども、どうやってつくったんだろうと思って。いろいろな影響を受けているんですよ。多分、ここにAIとかビッグデータの解析とかいろいろなことが入ってきたときには、我々はそういうものから自由でいられないかもしれないんですね。 だから、憲法十九条で思想、良心の自由が保障されていることは守るべきだけれども、あわせて、思想、良心形成の自由、プロセスの自由も確保しないと、さまざまなそういった、しかも金銭的な理由で、あるいは政治的な理由でそれを行動変容させようとする者の影響を受けてしまう。こういうことも含めて、私は憲法上の議論が必要になってきていると思っているんです。 ただ、総理に伺いたいのは、自民党の改憲四項目、イメージ案ですか、あれにこだわっていると、私は非常に、いろいろな意味で柔軟な憲法議論が、与野党一緒になってやるということがなかなか難しいんじゃないのかなと。今回の大阪の都構想の住民投票を見ても、例えば一発目の国民投票を九条でやると、結構やはり荒れると思うんですよ。だから、みんなが安心して、これはやはり憲法上も含めて変えた方がいいなというところから憲法改正議論をしていったらどうかなと私は思っているし、我々は憲法改正議論を積極的にやりたいと思うんですが、その環境とフォーマットをきちんと与野党で整えるということが大事だと思っているんです。 総理に伺います。 総理は安倍政権の継承をするとおっしゃっていましたが、改正項目の四項目も継承されるのか、それとも、例えば二〇一二年の自民党改憲草案を継承するのか、総理が憲法改正議論において継承するものは何なのか、お答えいただけますか。
○菅内閣総理大臣 まずもって、国民民主党が憲法改正について議論を呼びかけておられる、ここには敬意を表したいと思います。 憲法改正について、国会でお決めいただくことでありまして、総理大臣として回答することは差し控えたいと思いますけれども、その上で、憲法改正は、国会が発議し、最終的には国民投票により主権者である国民の皆さんが決めるものであり、改正の内容についても、国会における御議論や国民的な議論の深まりの中で決まっていくものというふうに思っています。 憲法審査会によって憲法改正についての議論を重ねて国民の皆さんの理解を深めていくことは、私たち国会議員の責任ではないかと考えています。まず憲法審査会において、与野党の枠を超えて建設的な議論を始めていくこと、そのことが大事だと思います。
○玉木委員 四項目は継承されるということでよろしいんですね。
○菅内閣総理大臣 自民党として提案するたたき台でありますので、そこはそのまま継承していきたいと思います。
○玉木委員 それも含めて、与野党が本当に円満な形で議論できる環境をぜひ総理も整えるように努力をしていただきたいなというふうに思います。 最後、これからやるべきコロナ五策といって、ちょっとまとめてきました。 やはりこれから経済を回していくことが大事なので、安い、早い検査を私は充実させることが大事だと思っているんですね、牛丼屋みたいですけれども。やはり、価格を下げることと、例えばプール方式のPCR検査も、今実証を予備費をつけてやっていますけれども、一番値段を下げて規制緩和しなきゃいけないのは、私は検査だと思うんですよ、今。携帯電話が下がったらいいですけれども。 こういうところをやってもらいたいのと、あと、今経営が悪化している公共交通機関、特に、航空会社もそうですけれども、JR各社、特に私の地元のJR四国も北海道も、もともと大変なんですけれども、これは本当に大変ですから、具体的な対策をちゃんと打たなきゃいけない。 あとは、総理は今のがおさまったらその後やると言っている特措法の改正、出入国管理法あるいは感染症法、いろいろやはり喉元過ぎれば熱さ忘れるになっちゃいかぬので、これは法整備を今、日本は比較的死亡者、重症者が少ない、ここでやらなきゃいけないですね。 あと、デジタル化は、先ほど言ったように、本当に進めなきゃいけません。 最後は、国益を守るための経済安全保障と書きましたが、上場企業は一部資本規制を入れましたけれども、中小、中堅がノーマークですよ、皆さん。これは自民党にもぜひ考えてもらいたい。ここは、安全保障上あるいは健康、保健医療の関係で重要なコア技術を持っていても、ちょっと、ある経済成長がことしもプラスの国は、あるいはその国の影響を受けた企業は買いに来ますよ、本当に。 だから、そういうところをしっかりやらないと、コロナの先の日本の希望ある姿をつくることができないと思っているんですね。 そこで、まず伺います。 この検査に関してなんですけれども、例えばアメリカでは、これはハーバード大学も開発していますけれども、一回一ドルぐらいの抗原検査が出てきているんですよ。確かに、抗原検査の場合は、いわゆる感度の問題とかがあって、PCR検査でも七〇%とか言われていますから、いわゆる偽陽性、偽陰性の問題はあるものの、安くなれば頻度でカバーできますから。何回もやることによって。これはこういう論文もあります。 だから、いずれにしても、ホームテスティングと言われる自宅で検査できるようなこともできるようになってきている。例えば、出社する前とか学校に行く前とかでチェックをしていくようなことは、私は一つの安心感の材料になるし、社会や経済を回していく基盤になると思うんですよ。 いや、批判する方もいるけれども、じゃ、どうやって経済と回していきますか、両立して。検査拡充に批判する人は、対案を示さないもの、だって。そんなことをやったら問題があると言うけれども、じゃ、どうやって経済と一緒に回していくんですか。私は、これは一つやるべきだと思います。 そこで、質問は、今、自治体、私の地元の東かがわ市なんかもそうなんですが、海外とか県外に出張するときに、やはり会社で検査を社員にやらせているんですよ、取引先から陰性証明を求められたりするから。ここに対して、これは基本的に全額自己負担なんですけれども、一部自治体は補助を、三分の二の補助とか四分の三の補助を始めているんですけれども、そういうところは国がしっかりと財政的な支援をする。それが広がってくればマーケットメカニズムで下がっていくんですが、最初のときは、出張に行くときに会社が社員に検査を受けさせるようなものについても、医療機関とか介護の現場は事実上全額負担でうまくやっていますけれども、そういうところも含めて国が支援すべきだと思いますが、いかがですか。経済を回すために必要だと思いますが、いかがですか。
○田村国務大臣 まず初めに、安いキットの話が出ました。 これは、先ほど言われたとおり、感度や特異度という問題もありますが、そもそも精度自体、つまり、どれぐらいウイルス量がふえないと出ないかというのが、結果が出ないかということがありますので、発症してからわかるのか、発症する何日か前からわかるのか、まずそれが、私ちょっと、アメリカのはわかりません。ちなみに、回数で精度を何とかカバーできるかというと、これはなかなか難しいと思います。 一方で、何かいろいろな経済活動をするのに検査をすることは必要だ、これは我々も認識をいたしております。 今、PCR、結構金額に幅があるんですね、日本の国内も。例えば、医療機関を通じているところと医療機関を通じていないところ、それによっても違いますし、そもそも精度管理をちゃんとやっているところとやっていないところがあるかもわからない。 そういうのを、オープンデータ化で、今度、そういう掲示板をつくって、金額も載せていただいて、そこで競争が起こるように、一定のちゃんと信頼性も置けるような形で、これは自己申告になりますけれども、そういうものをつくった中において、やはり値段が下がっていくような、そういう競争が起こるように我々としても考えております。
○玉木委員 大臣、日本のも、精度管理を国がしていないんですよ。それを言うんだったら、精度管理を国が責任を持ってやるべきですよ。そこを、橋本元副大臣はわかっていると思うけれども、国が責任を持って精度管理をしていないのに、あれがだめだ、これがだめだというのは、私は経済を回す本気度が足りないんじゃないかなと思います。 もう一つ、時間がないので、最後に。 さっき言ったJR、大変なので、私は本当に経営支援すべきだと思いますが、少なくとも、今の経営支援策、これまでやってきたもの、ことし切れるんですね。だから、二〇二一年以降も少なくとも今までやってきた支援策は継続すると、早目に安心感を与えるためにも、年末の予算とか税制で議論するんじゃなくて、国交大臣、これはもうやる、継続すると言ってください。
○赤羽国務大臣 JR、特に四国、北海道は、これまでも、コロナ禍以前から大変厳しい状況であります。これまで、鉄道・運輸機構から、助成金の前倒しの支払いですとか、また無償貸付けの償還の猶予等々やっております。 今おっしゃられたように、こうしたことは、法律が今年度末に切れますので、これは私自身が、JR四国の会長、社長、またJR北海道の社長、出張に行くたびに、私も在来線に乗って、しっかりやって、気持ちがわかるようにということを努めていますので、年度末には決着をつけますが、日ごろから連携を密にして、しっかりと支えていきたい、こう思っております。
○金田委員長 申合せの時間が参りましたので、よろしくお願いいたします。
○玉木委員 はい。 総理に改めてお願いしたいんですが、今、これからの何カ月間の経済対策とかは物すごい大事だと思います。さっき言ったように、ここで間違うと社会と経済に後遺症を残しますから、その意味では、今が瀬戸際だという意識をもう一回持って、全力で、それこそ全集中の呼吸で取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○金田委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会