法務委員会 第4号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2020/04/02
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房政策立案総括審議官西山卓爾君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。 法務、司法行政についてでございますけれども、やはり喫緊の課題は新型コロナウイルス感染問題ということでございまして、こちらについて関連して質問させていただきます。 お手元にお配りの配付資料の一並びに二を御覧いただくとお分かりのとおり、政府は、この新型コロナウイルス感染症の危険情報に関しまして、計七十三の国と地域について渡航中止勧告というレベル三の対象としたということでございまして、さらに、それらの国、地域を除く全世界についてレベル二ということであります。このような状況でございますけれども、やはり全ての必要な人々に情報が届いてこそこの感染拡大の防止に資すると思っております。 そこで、外務省に伺いますが、例えば、外資系の航空会社などを通じて知らない方が航空券を購入できてしまう、こういうようなことがもし万が一あったとすると渡航中止勧告の意味が失われかねません。外資系の航空会社などに対する周知、どのように行っているのでしょうか。
○政府参考人(河津邦彦君) お答え申し上げます。 外務省といたしましては、今御指摘いただきましたとおり、七十三の国、地域に対する感染症危険情報レベル三の発出を含めまして、在留邦人及び海外渡航者の安全確保のため適時適切な情報提供及び注意喚起に努めてきているところでございます。具体的には、在留邦人に対するメールや海外安全ホームページを通じた情報発信を行うと同時に、関係省庁や旅行業界とも密接に連携してきているところではございます。 今委員の方から御指摘をいただきました点も踏まえまして、外資系航空会社に対する情報発信強化についても関係省庁と連携しつつ検討をしてまいります。
○元榮太一郎君 外出の自粛要請についてもまだ知らない方がいらっしゃったというような話も聞きましたので、限りない周知の徹底をお願いしたいというふうに思います。 続きまして、配付資料の三でございますけれども、今度は入国の方でございます。 出入国在留管理庁が水際対策として行っている上陸拒否の運用でありますけれども、今回、レベル三の対象国拡大したことに伴いましてこの上陸拒否の対象国も同様に拡大されたということでありますので、適切な水際対策かなというふうに思っております。一方で、人道上の理由により特段の事情が認められ、例外的に入国を認める運用もされているかと思いますが、今回、配付資料の三の第三項の下部のような運用が新たに加わっております。 そこで、法務省に伺いますが、下線部のような運用、特段の事情を認めた理由、その趣旨を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、新たに四十九の国、地域の全域について、特段の事情がない限り、本邦への上陸の申請前十四日間に当該地域に滞在歴のある外国人を上陸拒否の対象とすることとなりました。これにより、これはあした午前零時から施行になりますので、この上陸拒否の対象地域は合わせて七十三地域、これは委員御指摘のとおりでございます。 法務省は、これまでは日本人の配偶者等につきましては特段の事情があるものとして例外的に上陸を認めてきたところであります。この運用は、この四月の二日までに、つまり本日までに再入国の許可により出国した者についても適用することとしておりまして、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等又は定住者の在留資格を有する外国人が再入国する場合は、入管法上、我が国又は我が国の国民と一定の関係がある地位又は身分を有する者に係る在留資格であるということを踏まえまして、原則として、特段の事情があるものとして上陸を認めることとしております。 一方、四月三日、つまり明日以降に再入国許可により出国する外国人につきましては、外国からの感染をできる限り防ぐという観点からこの特段の事情を厳しく判断することとしておりまして、先ほどの在留資格を有する方でありましても、原則として、特段の事情がないものとして上陸拒否の対象とすることとしております。そのため、本邦に在留している外国人にも上陸拒否の対象地域への渡航を控えていただくよう渡航自粛の要請をしておりますし、また、出国の際にも改めてその旨を確認することとしております。
○元榮太一郎君 それを受けまして厚生労働省に伺っていきたいと思いますけれども、レベル二やレベル三の国から入国する場合には、PCR検査、そして二週間の待機と、これはもう日本人、外国人問わず要請されるということですけれども、このPCR検査の対象者、そして二週間の待機の対象者の範囲について具体的に御説明いただきたいと思います。 そしてまた、待機となった場合、どこで待機するのか、そして空港から待機場所への移動方法等についても御説明ください。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 検疫におきましては、海外からの入国者のうち、新型コロナウイルスの流行状況を踏まえ、外務省の渡航中止勧告かつ入管法に基づく入国拒否対象地域に滞在歴のある方につきまして、症状の有無を問わず全員に対しPCR検査を実施し、陽性の場合は感染症指定医療機関において隔離、入院、陰性の場合でも、入国後に保健所等による定期的な健康状態の確認を行っております。 加えまして、水際対策の抜本的強化策といたしまして、渡航中止勧告までは至らないが不要不急の渡航を自粛するよう求めている地域からの入国者全員につきましても、空港からの移動を含め国内において公共交通機関を使用しないこと、自宅や御自身で確保した宿泊施設等、検疫所長が指定する場所における十四日間の待機を要請するとともに、待機期間中に発熱等の症状があれば、帰国者・接触者相談センターに申し出るようお願いをしております。 なお、待機場所は、検疫所長が指定する場所、先ほど申し上げたとおり、自宅など国内の居所でございます。また、空港から待機場所の移動に際しましては、御家族のお迎えや御勤務先の会社が手配した交通手段等、出国前に公共交通機関以外の移動手段を確保していただくことをお願いしております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 これまで、全世界も対象とするそういうレベル二、レベル三以上、そして上陸拒否等々については初めてのケースだというふうに聞いておりますけれども、やはりこういった情報については周知徹底というのをしっかり図っていただいて、適切な水際対策を行ってもらいたいと思います。 続きまして、緊急事態宣言が仮に発せられた場合の対応について各方面に伺っていきますけれども、この四月一日、昨日時点の新たな感染者数も、東京では六十六人、そして感染経路不明の感染者数が三十八人と、国内でも二百六十五人の新しい、新たな感染者が発生していると、こういうような状況でございまして、そういった中で、それぞれの施設、役所、どのような状況なのかというところで、まずは最高裁に伺っていきたいと思いますけれども、仮に緊急事態宣言が出されまして法律に基づく自粛要請、外出自粛というような自粛要請がされた場合に、上訴などの期間制限がある手続、そして令状などの時間的な制約がある手続はどのような扱いになるのでしょうかといったところです。 そしてまた、緊急事態宣言中、裁判所は閉庁することになるのか、その場合、職員はどの程度出勤することになるのか、こういったところを教えていただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 御指摘のような法律に基づく緊急事態宣言が出された場合には、裁判所における新型インフルエンザ等対応業務継続計画に基づきまして、文書の受付に関する事務、令状に関する事務、いわゆるDV事件に関する事務、特に緊急性の高い保全に関する事務といったものを発生時継続業務ということにしておりますが、こうした業務を行うほか、当該地域における感染拡大の程度や関係機関の動向等を考慮いたしまして具体的な継続業務を検討することになるものと考えております。 したがいまして、緊急事態宣言が出されまして外出自粛の要請がされた場合にも、令状に関する事務につきましては引き続きこれを取り扱うということになりますし、上訴など期間の制限のある手続につきましても、裁判所において文書の受付は行った上で、各裁判体におきまして、例えば民事訴訟法九十六条に基づく期間を延ばす期間の伸長の手続あるいは民事訴訟法九十七条に基づく訴訟行為の追完を認める手続、こういった法令に従った適切な判断がされるものと考えられるところでございます。 また、緊急事態宣言が出されまして外出自粛の要請がされた場合につきましても、現時点ではそのこと自体をもって裁判所を閉じる、閉庁するということは考えておりませんけれども、緊急の事態であることに鑑みまして具体的な継続業務を検討した結果、当該継続業務に関わらない職員につきましては自宅における勤務を命じるということも考えられるところでございまして、裁判所としては、日々刻々と変化する状況を注視しつつ、適切な対応を取ることができるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 感染拡大防止と、そして司法を停滞させないというこのバランスという形で適切に進めていただきたいなというふうに思っております。 次に、法務省に伺います。 法務省でも入管、そして法務局、さらには検察庁、こういった各所への影響はあるかと思います。そこでまず、入管についてお伺いしますが、緊急事態宣言が出されて外出自粛等の要請がされた場合に、どのような体制で在留諸申請の対応を行うのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。 出入国在留管理庁の体制についての御質問でありますが、手続をどのように行うかということに関わるので若干その点も踏まえてお答えいたしますが、緊急事態宣言が発せられたという仮定の上の話でありますので必ずしもお答えが、全てお答えできない部分がございますけれども、仮にそのような事態になった場合には、平成二十三年の東日本大震災のときに取った対応も踏まえまして、新型インフルエンザ等の対策特別措置法に基づいて法務省告示を制定し、在留外国人の在留期間の満了期、満了日を延長するというようなことを含めまして、窓口申請をなるべく抑制する方法、混雑を緩和する方法を検討することになると考えております。こういう出頭しないで済む方法については現在も幾つか延長等を含めてやっておりますが、この措置法に基づく措置をとることになると考えております。 ただ、それでも窓口業務が全くなくなるというわけではございませんので、出入国在留管理庁としましては、外国人の在留申請等に対応するため必要な職員による受付や審査は継続していくことになるものと考えております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 次に、検察庁ですけれども、どのような体制で業務を行うのか、そしてまた警察からの送検等について警察庁等と取決めがなされているのかどうか、御説明ください。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 検察当局におきましては、緊急事態宣言が出された場合でも必要な捜査・公判活動等を適切に行うことが求められているところでありまして、その場合には、緊急事態措置の内容、個別具体的な捜査・公判活動等の必要性、緊急性、当該捜査・公判活動等に必要な体制等を踏まえて、体制の縮小等が可能なものについては適切に体制の縮小等をしつつ、実施すべき必要な捜査・公判活動については適切に実施していくものと承知しております。 なお、警察からの事件送致等に関する警察庁との一般的な取決め等は現時点では行われていないものと承知しておりますが、検察当局におきましては、ただいま申し上げた諸事情を考慮いたしまして、各庁の実情に応じ、警察等との関係機関とも連携し、必要な捜査・公判活動等を適切に実施していくものと承知しております。 以上でございます。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 続きまして、法務局でありますけれども、どのような体制で業務を行いますでしょうか。 期限のある登記手続や、抵当権や差押えといった登記の順序によって優先順位があるものがありますので、それについてもどう取り扱うのか、御説明ください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 緊急事態宣言が行われて、都道府県知事から外出の自粛等が要請された場合には、法務局におきましては、オンラインや郵送による手続の利用を促すとともに、必要性、緊急性の高い業務を中心に行うことといたしまして、体制の縮小が可能なものについては適切に体制の縮小をしつつ、実施すべき業務を適切に実施していくことを予定をしております。 例えば、不動産登記における権利に関する登記は、委員御指摘のとおり、登記の順位の確保が重要であるため、これに必要な受付等の事務につきましては実施すべきものとして継続することを想定しております。 また、期限のある登記手続として、例えば商業登記における役員の変更登記は、変更が生じたときから二週間以内に申請しなければならず、これを怠った場合には過料の制裁がございますが、緊急事態宣言が行われ、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく政令が制定されて、期限内に履行されなかった義務に係る免責に係る措置が定められた場合には、その間、過料の制裁が問われることが猶予されることになります。 このように、法務局におきましても、適切に体制の縮小をしつつ、実施すべき業務は引き続き適切に実施してまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 最後に、刑務所等の矯正施設においてどのような体制で業務を行うのかと、また、緊急事態宣言期間中に収容等の満了日が到来する収容者についてどのような取扱いになるのか、御説明ください。
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。 矯正施設は、緊急事態に対応できるように庁舎に隣接した場所に職員宿舎を整備しておりまして、有事の際の初動対応に最低限必要な人員を確保できるようにしております。収容の確保は矯正施設の最大の使命でありまして、緊急事態宣言が出された区域に所在する矯正施設におきましても、被収容者に対する食事の給与、医療の実施等の収容をする上で欠かせない業務は確実に行い、収容を継続しますが、刑務作業などの矯正処遇、職業指導などの矯正教育等につきましては、外部との接触をできる限り避ける観点から、中止や内容の見直しを検討いたします。 緊急事態宣言期間中に収容期間が満了する者につきましては、円滑に社会生活を進められるよう、釈放に当たり、個々の事情に応じて必要な措置を検討いたします。 以上でございます。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 司法、法務行政の主な部門について伺わせていただきました。 今回の新型コロナ、そして大震災もありましたし、台風の大雨被害等もございまして、やはり数年に一度ぐらい、このような危機管理が求められる、そういうような時代だと思いますので、BCPの観点、今回をピンチをチャンスに変えるというような姿勢で取り組んでいただきたいと思いますし、そして何より働いている方々や来所、来庁される方々の感染拡大防止、そして健康管理にも十分配慮いただきたい、このようなことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の真山勇一です。 新型コロナウイルス問題について伺っていきたいというふうに思います。 WHOがパンデミックを宣言した後も、コロナウイルスの感染は果てしなく広がり続けていまして、世界、今や大変深刻な状況に陥っております。感染者の爆発的増加で、アメリカ、ヨーロッパの大都市では外出禁止あるいは都市封鎖などの大変な措置もとられています。日本では、感染拡大やはり止まりません。感染爆発寸前のぎりぎりの瀬戸際という政府の見解も出ております。 国内ではもちろん懸命な対策が取られているんですけれども、昨日の専門家会議でも取り上げられました。国内では一生懸命対策を打っているけれども、海外からの帰国者、この中に感染している人たちが増えているということが指摘されています。いわゆる水際対策だと思うんですが、今日はこの水際対策についてお伺いしたいというふうに思います。 せっかく国内の広がりをこうやって止めているのに、肝腎な水際のところで、やっぱりこう、それこそ水じゃないから手から水が漏れちゃえば、結局、せっかく一生懸命やっていてもその努力が無駄になってしまうということがあると思うんですね。 これは本当に大事なことだと思うので、実は通告はしておりません。というのは、状況は今刻々と変わっています。一応質問出したんですが、森大臣、通告していませんが是非伺いたいのは、こうした水際作戦、水際対策、これについてどうお考えなのかということと、それに触れて一言ちょっと、実は私、つい今朝、これ自体は昨日のものなんですが、私の知り合いというか知っている方の宍戸開さんという方なんですが、これは宍戸錠さんの息子さんなんですけど、その方が、昨日テレビの情報番組見ていてびっくりされたらしいんです。こういう内容のことをSNSでつぶやいています。聞いてください。 シャルル・ドゴールでは、人との間隔を一メートル以上空けてくださいと指示されましたけれど、成田に着いたらぎゅうぎゅう詰めで、検査待ちで雑魚寝を強いられ、また、結果が出ないので熊本の実家にも帰れず、周辺のホテルにも断られ、全て自費で、日本は先進国なのかな、クエスチョンマーク。こういう、いろいろつぶやいたものをまとめた形で圧縮しています。 私、この文章で今の入国の状態をまさに象徴しているような内容じゃないかなと思います。これ踏まえて、今行っている水際対策について、法務大臣、入管庁を管理、担当ということなので、是非ちょっと考えを聞かせてください。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、水際対策、非常に重要であるというふうに思っております。 法務省は出入国在留管理庁を所管しておりまして、昨日も、第二十五回新型コロナ対策本部において四十九、新たに中国と韓国を全域にしたほか、合計で四十九入国拒否にして、これまでの合計で七十三の入国拒否をいたしました。 WHO緊急宣言出された翌日の二月一日に入管法五条一項十四号を適用を決断をし、それから徐々に拡大してきたんですが、この世界の急激な拡大を受けて、昨日、もう世界の三分の一を超える数でございますが入国拒否といたしまして、それ以外の国も、全世界レベル二ということで外務省がいたしましたので、来た場合には二週間の待機になります。 また、日本人は、日本人が帰国した場合も、どの国からも、帰国した場合には、御指摘のように、まずその七十三か国については全員PCR検査を受けるというふうにいたしました。ですので、その後の検疫のことを今御指摘なさいましたけど、検疫、厚労省の所管でございますが、そちらの方の今状況を伺いましたので、こちらはしっかり政府内で状況を共有して、検疫体制においても感染拡大とならないようにしっかりと対応してまいりたいと思います。 いずれにしても、水際対策、三省庁で今連携をしてやっておりますが、御指摘のような現状の情報というのは非常に重要ですので、有り難い御指摘受け止めてしっかり対応してまいります。
○真山勇一君 現状どうなっているのかなと私気になりまして、この週末、羽田見に行こうかなと思ったんですが、こういう状況でやはり控えました。 お配りしております、皆さんのところに、写真を。これ、入管庁からいただきました、提供していただいた写真です。私が伺ったところでは羽田空港、これは羽田ですが、どこの空港でも同じだと思うんですが、まず空港、海外から着いたら検疫を行うと、で、検疫から次に入管の手続を行って、そして入るということですね。 この写真、一番上が羽田空港の第三ターミナルの入国の検疫、これから入るところです。かなり混み合っているという感じがします。これ映像から見ると、多分、検疫を受けるためのいろいろな書類を、自己申告の書類を書いているところなのかなというふうに思います。座っている方が多分、もしかすると係の方かどうか分かりませんが、ただ、ほとんどマスクしているだけです。 二枚目、これが入国管理です。検疫終わった後ですね、並んで。これ見ると、まあシャルル・ドゴールと同じかどうかはちょっと分かりませんが、一メートルの間隔は何とか保っているのかなという気もしますけれども、これも帰国者がどっと帰ってきたらどういう状態になるのかなというちょっと疑問を感じます。 そして、一番下がいわゆる旅券の入国審査のところですね、パスポートチェックをしているところなんですけれども。伺ったら、この担当官はマスクをしているだけということでした。もちろん、検疫で陽性、症状があればこれは検疫のところで、直ちに別のところで検査をするということで、そこは防護服をした方がやっていらっしゃるという説明を受けました。 こんな状態で今やっているんですけれども、先ほどあったように、やっぱりこの帰ってきた方たちがこれ検査を受けるに当たってかなり大変ということを皆さんおっしゃっている方が多いということなんですね。 帰国者の新型コロナの感染、増加傾向にあるということなんですけれども、厚労省にお伺いしたいんですが、海外からの帰国者、全帰国者の中でこの検疫で陽性というふうになった数字というのはつかんでおられますか、統計的に。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 検疫強化が始まりまして、検疫所におきまして入国時にPCR検査の徹底を図っているところですが、PCR検査で陽性が確認された事例は、三月三十一日の時点で五十六件でございます。
○真山勇一君 三月三十一日は分かりましたけれども、それ以前、海外からの帰国者にやっぱり増える心配があるということを言われているので、その前の数字というのは取っていらっしゃらないですか、その三十一日以前の問題です。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 二月の一日からこの検疫強化というのが始まっておりまして、PCR検査の徹底を図ってから、この三月三十一日は、直近までの延べ数が五十六件ということでございます。
○真山勇一君 延べ数、二月一日からの延べ数が五十六件、五十六人ということでよろしいですね、五十六人。 そうすると、今おっしゃったのは、三月三十一日の分が五十一人ということですか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 二月から三月三十一日までの総計が五十六件ということでございまして、三月三十一日だけに限ると五件ということで報告を受けています。
○真山勇一君 あっ、ごめんなさい、五十一じゃなくて五件、五件ですか。ちょっと済みません、ごめんなさい。(発言する者あり)もう一回、済みません、お願いします。
○政府参考人(浅沼一成君) 重ねて申し上げます。 二月一日、二月から三月末までが総計で五十六件ございます。そのうち、三月三十一日、一日ということであるならば五件ということでございます。
○真山勇一君 五件ですね。申し訳ありません、私が五十一というふうに聞き違えたのかもしれません。実はこれ、昨日、三十一日ですから、昨日、おとといですか、NHKニュースで伝えているのは、三月三十一日でこれで五十一人ということですけど、これが三月三十一日までで新しい数字が五十六件というふうになったというふうに思います。 これからまだまだ、海外に在留邦人の方たくさんいらっしゃいます、特にヨーロッパとか、あるいは中国もあるし、韓国もあるし、帰ってくる方いらっしゃいますよね。そうすると、増えることも考えられるんですけれども、今のお話ですと、じゃ、帰国して検疫を受ける、受けて検査の結果、大きく分ければ多分陽性か陰性か、そういう区別を検疫でされるんじゃないかと思いますが、その区別された後はそれぞれどういうふうになるか教えてください。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 検疫所でのPCR検査を実施した後、陽性となられた方につきましては、感染症指定医療機関において隔離、入院。陰性の場合であっても、入国後に保健所等による定期的な健康状態の確認を行っているところでございます。
○真山勇一君 陽性はもちろん直ちに指定機関入院ということは分かりました。問題は陰性の方だと思うんですよね。今、これは十四日間様子を見なくちゃいけないということですね。定期的に診察してもらっているということだったんですが、どんなふうにしてやるのか、その辺がよく分かりません。 陰性で入国、帰国した方は、どういうふうな対応をするように指示なり要望されているんでしょうか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 入国時のPCR検査で陰性の方につきましては、先ほども申し上げたとおり保健所です、地元の。基本的には、自宅に戻られた方は地元の保健所から定期的に健康状態の確認を行っているところでございます。 また、入国時におきまして、私どもの方から健康カードというのを配っております。その中におきましては、例えば、発熱等の症状がないということでございますけれども、もし症状が出たら速やかに帰国者・接触者相談センターの方に御連絡をいただくようお願いも申し上げ、健康状態は毎日チェックをしていただき、小まめに手洗いを行うなど、感染拡大の防止に資する取組のお願いをしているところでございます。
○真山勇一君 そういうお願いをしているということは分かりましたけれども、陰性でも、これまでのことを見ていますと、その時点では陰性で熱も出ていないし、せきもないということだけれども、後になって検査したら陽性になっちゃったというのは、そういうケースたくさんありますね。恐らく、帰ってきた方もそういう可能性というのは非常に高いというふうに思うんですが。 空港で、今おっしゃったように、自宅とおっしゃいましたけど、どうやって自宅まで帰るんでしょうか。十四日間という日数もありますけれども、公共交通機関を使わないようにということもあります。例えば、北海道の方も九州の方もいらっしゃると思いますが、それはどうするのでしょうか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の流行地域から帰国された方につきましては、入国後十四日間、自宅やホテルなどにおける待機を要請しておるところでございます。その際の移動手段でございますが、出国前に家族やあるいは会社を通じて御自身で確保していただく。例えば、自家用車、レンタカー、そうしたものを使って御帰宅をお願いするようにしております。電車やバスなどの公共交通機関を使用しないということが前提でございます。
○真山勇一君 今、出国前に頼んでいると言って、出国前ということは、相手の国を出るときということですよね。例えば、フランスから帰りたいという場合はフランスからじゃないと駄目なので、そうすると、そこへは連絡しているものと今思いますが、必ず出国する人にはそういう連絡は届いているんですか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 厚生労働省におきましては、こうした要請につきまして、ホームページ、QアンドAでお示しをしているとともに、外務省などにもお願いしまして、在外公館からの情報提供なども実施して、できる限り帰国者の皆様方に情報提供を行っているところです。 また、航空会社、エアラインの方にもこうした情報を、特に最新のものを情報提供いただくよう、重ねてお願いをしているところでございます。
○真山勇一君 分かりました。手は打っているということは分かりました。 でも、それでもやっぱり帰ってくると、やはり自宅、近くの人だったら例えば家族が迎えに来てくれるとかそういうことあると思うんですけれども、やっぱり遠方だとそうはいかない、どうやって帰ろうかという話になってしまうのと、それから、今おっしゃったように、ホテルということもあり得るわけですね。ホテル、帰ってきた時点でやっぱりホテルが予約できないとか、あるいは予約を自分でしようと思っても、ホテルの方がなかなか、まあ満室かどうかということもありますけれども、受け入れてもらえないというような声も実はいろいろマスコミで目にしているんですけれども、その辺りというのはどういうふうに対応されているんでしょうか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 自宅等の居所がない方、あるいは非常に遠くに居住の方でなかなか自宅に戻れない方々につきましては、空港近隣の宿泊施設を手配する要の助けになるよう、厚生労働省におきまして宿泊施設に関する情報を提供するという支援を行っております。 先ほど委員から出されたこの入国検疫の写真の端側なんですけれども、こちらの方で宿泊は取れていない帰国者の方々に宿泊の御案内をさせていただき、そちらまでの借り上げバスでの送迎なども行っているところでございます。
○真山勇一君 帰国者のお話によると、なかなかやっぱり危険な特定のそういう地域から帰ってきているということで、まあ分かりませんけど、空いているかどうか分かりませんけれども、なかなかホテルの予約が取りにくいという話もありますし、それから、取れても結局それは十四日間、十四日間取れるかどうかということと、それから、十四日間取れたとしたら、それ費用は自前ということなので大変な負担が掛かるというようなことも訴えている方がいらっしゃるわけですけれども。 例えば、最初の頃の中国からの帰国者を迎え入れたときにありましたね、千葉のホテルを借り上げて、ああいうところに一時待機していただくということがありましたけれども、やっぱり全国ばらばら散らばってしまうと本当に大変ですし、私が心配しているのは、自宅待機して様子見てくださいと言っても、家族の人と一緒にいたらどうなんでしょうか。例えば、御両親と一緒のところへ帰ったという方はどうなんでしょう。やっぱり、高齢者の方がいらっしゃる。非常に危険じゃないかと思うんですね。 やっぱり、そういう意味では、どこか、帰国した方を全員十四日間様子を見てもらうための、待機してもらうための場所などをやっぱり用意するべきじゃないかというふうに思うんですが、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 PCR検査の結果、陽性の方につきましては、感染症指定医療機関の方で隔離、停留、隔離、治療、入院ですね、させていただいているところでございますが、陰性の方につきましては、その時点では新型コロナウイルス感染症に感染していない、しかしながら、やはり念のために、入国後十四日間、自宅、ホテルで待機を行うとともに、公共交通機関を使わないという措置で政府としては取り組んでいるところでございます。 ただ、その方々を全員全てどこか一定のところで十四日間監視するというのは、いささか状況としては厳しいものもあるのではないかと。感染者は、確実に病気の方であれば、感染している方であれば、治療優先ですけれども隔離をすると。そうでない方々については、やはり人権的な観点も含めて、こういった方々はできる限り生活の確保をしていただく。しかしながら、日常生活の注意、例えば手洗いを徹底すること、マスクを着けること、手で触れる共有部分の御消毒、あとは、御家族などと御一緒に住まわれる方だとするならば、部屋を分けるなど、こういったことを情報提供として徹底しておるところでございまして、私どもとしましては、引き続き、分かりやすく正しい情報提供に努めて感染の拡大を防止していきたいというふうに考えておるところでございます。
○真山勇一君 でも、やっぱり自宅へ戻った方というのは、やっぱり家族に万が一のことがあったら大変だなという気がするので、その辺はちょっと心配な気がしますけれども、ちょっとホテルの方へ戻ります。 ホテル、やっぱり、なかなか、自分で取ってくださいということで、取れないということが盛んに言われているんですけれども、観光庁、今日おいでいただいていますけれども、観光庁は、何かこのホテルの件については何かやっていらっしゃいますか。
○政府参考人(加藤進君) お答え申し上げます。 水際対策に関し、観光庁といたしましても、厚生労働省等と連携して、空港周辺における宿泊施設の確保等に全力で当たっているところでございます。 観光庁におきましては、空港周辺に立地する宿泊施設、さらには、その住所や連絡先、価格帯などを記載したリストを作成いたしまして、これを厚生労働省に提供しております。これを受け、厚生労働省において、必要に応じ当該リストを帰国者の方々に提供しているものと承知しております。
○真山勇一君 やっぱりホテルで、取れない、ホテル側にすれば、やっぱりそういう多少でも危険のある場所、危険と思われるような場所から帰国された方を泊めるということは風評被害とかいろいろあるから余り積極的でないということもあると思いますので、やはりホテルに要請をするということは、政府としては必要なことじゃないかなというふうに私は思います。 あと、例えば、もう小池東京都知事もおっしゃっていますけれども、例えば五輪村、これは三千八百五十戸ありますというようなことです。それから、あとは、周り、東京の、羽田空港近くじゃないけれども、成田空港の近くじゃないかもしれないけど、リゾートホテルとかいろんなことありますね。そういうものを一定期間借り上げて、そこで待機を、自主待機をしてもらうという、やはりそういうこともこれから考えた方がいいんじゃないかなというふうに私は感じます。 海外在留邦人というのは百三十九万人もいます。もう一部の方は帰られているわけですけれども、北アメリカ五十二万人、アジアが四十万人、ヨーロッパ二十一万人、これ外務省のホームページから調べさせていただきましたけど、やっぱりどっと帰ってきたときに大変だと思うんですよね。 やはり、この辺り、そういうことをやるべきじゃないかと思うんですが、特に観光庁にお願いしたいんですけれども、観光庁は、だって、インバウンドで観光振興ということでどんどん推進したわけですね。ホテルも日本にいっぱい建てさせたわけですね。やっぱりこういうときに、逆に観光庁が厚生労働省とか入管庁と協力して、じゃ、宿泊、何か用意できるんじゃないかということで積極的にやっぱり参加してもらいたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤進君) お答え申し上げます。 観光庁といたしましても、重ねてになりますが、関係省庁と連携の上、今後も新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めてまいる所存でございます。
○真山勇一君 ちょっとまだ質問あるんですけど、予定時間がなくなったので、森大臣、やっぱりちょっと最後にお伺いしたいんですが、やはり、入管管理担当されておりますので、入管の役割、入管とやっぱり検疫って、もっと、この感じ、見た感じだけなのでそうじゃないと言われちゃうかもしれませんけど、やはりそれぞれの持ち場ではやっていらっしゃるかもしれないけど、もう少し例えば連携するということですね、今はもう本当に検疫は大変だと思うんですよ、もう。てんやわんやだと思うんです。人手も足りないと思うんです。 そういうところで、やっぱり厚生労働省だけじゃなくて、今大臣もおっしゃったように、入管庁も、それから私は観光庁も、こういうときこそ観光庁はやっぱり国のこういうものに協力していかなくちゃいけないと思うんですが、そういうことをやっぱりやってほしい。例えば……
○委員長(竹谷とし子君) 真山委員、お時間ですので、質問をおまとめください。
○真山勇一君 はい。 行き場を失っちゃった、今失業した方がたくさんいらっしゃいますよね、観光業とか、あとはイベントの関係。僕はこういうのは、例えばグリーンゾーンをちゃんと設けて、そういう方たちに……
○委員長(竹谷とし子君) 真山君、お時間ですので、おまとめください。
○真山勇一君 はい。 仕事をやってもらうというようなシステムを考えたらどうかと思うんですが、最後に森大臣の答弁だけ伺いたいと思います。
○委員長(竹谷とし子君) 森法務大臣、答弁を御簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) はい、それでは、簡潔に。 現場の実情、御指摘しっかり受け止めました。政府全体で共有して、何ができるか検討してまいりたいと思います。
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。 本日も質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 まず、目下の国難とも言うべき課題は、現下の新型コロナウイルス対策の問題でございます。公明党としても、三月の三十一日にこれから出される経済対策に対しての緊急提言も行わせていただいているところであり、党派を超えてこの問題に対しては一致団結をして乗り越えていかなければいけないということを、まず冒頭、決意を申し上げます。 その上で、今日は法務委員会、法務及び司法行政等に関する調査ということで、水面下で忘れ去られ、苦しんでいる方の声を代弁させていただきたいという思いで、いわゆる谷間世代の問題、すなわち司法修習新六十五期ないし七十期のいわゆる谷間世代に関して若干取り上げさせていただきたいと思います。 以前からも、この法務委員会におきましては、司法修習給費制廃止の問題に関しまして積極的に委員の先生方に御議論をいただき、そのおかげもあって、七十一期生から修習給付制度を実現をしていただきました。この場をお借りして、当時法曹界の未来のために尽力をいただいた国会議員の先生方に、法曹の一人として心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 しかし、いわゆる谷間世代の問題は依然として残されております。 お手元に、司法修習の実態と書かれた書面を資料としてお配りをさせていただきました。御案内のとおりかと思いますけれども、司法修習というのは法曹になるための実務研修でございます。また、修習生には法律上の義務が課されておりまして、第一に、修習に専念する義務と、要するに兼業等を原則せずに修習に執心しなさいと、頑張りなさいということで、法律上義務が課されております。修習の実態、下にありますが、裁判修習、検察修習、弁護修習と、生の事件に触れながら法曹としてのスキル、ノウハウを身に付けていくと、そういう重要な意義があるものでございます。 一枚おめくりください。先生方もよくよく御案内の内容かと思いますけれども、古くは給費制という形で、この修習期間中には基本給月額二十万四千二百円等給付がされておりました。しかし、新六十五期からはこの給費制が廃止をなされまして、貸与制度、いわゆる裁判所から借金をして生活をしていく、こうしたふうになったわけでございます。 そうしたところ、三ページ以降でございますが、国会議員の先生方、また日弁連、また若手弁護士等が様々な活動を行っていただき、四ページ、五ページと経緯等が記載されておりますが、先ほど申し上げた修習給付制度というもので現在手当てをしていただいたということでございます。 以上のような概略でございますが、六十五期ないし七十期には全く何の手当ても国からはなされていないというのが実情であります。 実は私自身も修習六十七期生でございまして、谷間世代の一人であります。私事になりますが、私自身も学部、ロースクールのほとんどを奨学金で学費等を賄い、司法試験に合格をさせていただき、ようやくの思いで司法修習にたどり着き、おかげさまで充実した修習を送らせていただきましたが、実際無給でありまして、私も貸与で二百万円以上借金をさせていただきました。お金を貸していただいたことには本当に感謝をするわけでありますけれども、やはり多くの司法修習生は奨学金の返済をしながら司法修習に臨み、更に借金を重ねる。四桁以上借財をして弁護士になるというこの谷間世代も少なくないというのが現実でございました。 もちろん、個々人はそうしたリスクを認識、認容した上で司法試験にチャレンジしたということは前提としてありますが、今、司法修習の実態申し上げました。司法試験という国家試験に合格をし、国の下で修習専念義務を負っているにもかかわらず、無給で約一年間修習しなければいけないというのは余りにも過酷なものであったというふうに思っております。 同じ谷間世代の修習の同期、先輩、後輩の法曹の中にも、大変な経済状況の中、法曹としての矜持を持ち、無償の人権活動に従事をし、頑張っている、そうした法曹が多数います。しかし、一方で、生活の基盤が確保できていなければ、弁護士会の委員会活動等の人権活動にもどうしても限界が生まれます。 資料の九ページの方、最後のページを御覧いただきたいと思うんですが、冒頭、貸与金返済等の経済的理由によって現在業務や活動に影響が生じていますかということで、回答者の約半数が影響があると。その内容については、下のところに、第一に、六五%が弁護士会の会務活動を控えるという実態が依然として谷間世代にはあるということであります。 こうした状況、いまだに取り残された問題、この問題、もう解決した問題と思っていられるうらみがありますのであえてここで取り上げさせていただきましたが、改めまして、この谷間世代に対して六十四期までの給費制相当額の財政支援、あるいは現行の修習給付金制度の相当額を支払っていただくこと等を強く望む次第であります。 法務省、御見解をお願いします。
○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。 従前の貸与制下で司法修習を終えたいわゆる谷間世代の司法修習生に対する救済措置につきましては、既に修習を終えている者に対して国の財政負担を伴う事後的な救済措置を実施することにつき、国民的理解を得ることは困難ではないかという問題があるように思われます。また、仮に何らかの救済措置を実施するとしても、従前の貸与制下において貸与を受けていなかった者等の取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題もあるように思います。 他方、従前の貸与制下の司法修習生が経済的な事情により法曹としての活動に支障を来すことがないようにするための措置として、貸与金の返還期限の猶予も制度上認められているところでございます。すなわち、災害、傷病その他やむを得ない事由により返還が困難となった場合、返還が経済的に困難である事由として最高裁判所の定める事由がある場合には、貸与を受けた者は最高裁判所に対して個別に貸与金の返還期限の猶予を申請することが可能となっており、このような個別の申請に対しては最高裁判所において適切に判断されるものと承知しております。 以上のとおり、従前の貸与制の下で司法修習を終えた司法修習生に対して立法措置による抜本的な救済策を講ずることは困難であり、救済策を講じることは考えていないというところでございます。
○安江伸夫君 なかなか厳しい御答弁だなというふうに正直思います。 しかし、依然としてこの谷間世代、一生懸命何とか団結して乗り越えていこうと活動をされております。まあ私自身も当事者の一人として、これは一生懸命声を引き続き上げてまいりたいというふうに思います。 続いて、次の質問に移らせていただきます。 ちょっと順番を変えさせていただきますが、高良委員も一生懸命取り上げていただいておりました選択的夫婦別氏制度に関連して質問させていただきたいと思います。 公明党といたしましても、個人の尊重、特に女性の人権擁護、平等の観点から、既に平成十三年六月、当時の漆原衆議院議員が中心となって、選択的夫婦別氏制度を内容とする民法の一部改正する法律案を独自に提出したということもございます。それから既に十九年近く経過してしまっているわけでありますが、公明党といたしましても、早期にこの選択的夫婦別氏制度の議論を進めていくことができればと考えておりますし、昨年の参議院議員選挙のマニフェストにもその旨を明記しているところであります。 さて、御案内のとおり、夫婦の氏に関する平成二十七年十二月十六日最高裁大法廷判決があります。この制度を論じるに当たっては避けては通れない裁判判決であります。改めて、この判決の内容について確認をしたいと思います。 この裁判では、夫婦が婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称すると定める民法七百五十条の規定につきまして、憲法十三条違反や憲法十四条一項違反、並びに憲法二十四条一項及び二項違反等が上告人らから主張されておりました。この中で特に着目すべきは、憲法二十四条についての判断であろうかと思います。 確認になりますが、判決、多数意見、憲法二十四条違反の主張に対してどのように判断しているか、要旨を伺います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘の平成二十七年の最高裁判決におきましては、上告人らは、民法七百五十条の規定が実質的に婚姻の自由を侵害するものであり、国会の立法裁量の存在を考慮したとしても、個人の尊厳を侵害するものとして憲法二十四条に違反すると主張したものと承知しております。 これに対しまして最高裁の多数意見でございますが、夫婦同氏制は我が国の社会に定着してきたものであり、家族の呼称を一つに定めることには合理性がある。夫婦同氏制は、家族の一員であることを対外的に公示し、識別する機能を有しており、嫡出子が両親双方と同氏である仕組みを確保することにも一定の意義がある。夫婦同氏制の下では、婚姻により氏を改める者がアイデンティティーの喪失感を抱くなどの不利益を受ける場合があることは否定できず、妻となる女性が不利益を受ける場合が多いことが推認できるが、これらの不利益は、氏の通称使用が広まることにより一定程度は緩和され得るなどの理由により、この夫婦同氏制が直ちに個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠く制度とは認められず、民法七百五十条の規定は憲法二十四条に違反するものではないと判示したものと承知しております。
○安江伸夫君 丁寧にありがとうございます。 その上で、この判決、多数意見の中でも、いわゆる選択的夫婦別氏制度、これについても若干言及があります。この点について確認お願いします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 平成二十七年の最高裁判決におきましては、選択的夫婦別氏制度について、そのような制度に合理性がないと断ずるものではないと述べた上で、夫婦同氏制の採用については、嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、この点の状況に関する判断を含め、この種の制度の在り方は国会で論ぜられ、判断されるべき事項にほかならない旨が判示されたものと承知しております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。ということで、国会で判示されるのが望ましいということを述べております。 ちなみに、この寺田逸郎裁判官の補足意見にも同旨が述べられておりまして、十一ページ十一行目、このような主張について、すなわち選択的夫婦別氏等の望ましい選択肢がないという主張について、憲法適合審査の中で裁判所が積極的な評価を与えることには本質的な難しさがある。また、同十五ページの六行目におきまして、これを国民的議論、すなわち民主主義的なプロセスに委ねることによって合理的な仕組みの在り方を幅広く検討して決めるようにすることこそ、事の性格にふさわしい解決であるように思える。このような形で判断が示されております。 すなわち、これは、判決の隠れた名宛て人は、私はこれ、実は国会であろう、なかんずくこの法務委員会ではなかろうかというふうに思っております。二十四条に違反するかどうか、そうしたような観点から、この選択的夫婦別氏について積極的に国会が議論していく責任があるというふうに思います。 どんどん議論を進めていきたいというふうに個人的には考えているところでございますが、それに当たって、この判決の中で岡部喜代子裁判官の意見が傾聴に値すべきものと考えます。この岡部裁判官は二十四条違反についてどのように判示したのか、要旨をお願いします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘の岡部喜代子裁判官の意見でございますが、民法七百五十条の規定は、制定当時においては憲法二十四条に適合するものであったとしつつも、婚姻前から継続する社会生活を送る女性が増加し、多くの場合は、夫の氏を称した妻のみが個人識別機能の支障、自己喪失感といった大きな負担を負うこととなっているため、現在ではこれらの不利益を避けるためにあえて法律上の婚姻をしないという選択をする者を生んでおり、現時点においては、夫婦が称する氏を選択しなければならないことは婚姻成立に不合理な要件を課したものとして婚姻の自由を制約する。また、家族形態が多様化している現在において氏が果たす家族の呼称という意義や機能を重視することはできず、また、旧姓の通称使用によって不利益が一定程度緩和されているからといって、夫婦が別の氏を称することを全く認めないことに合理性は認められないなどの理由により、民法七百五十条の規定は、少なくとも現時点においては個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超える状態に至っており、憲法二十四条に違反する旨が述べられたものと承知しております。
○委員長(竹谷とし子君) 安江伸夫君、お時間が過ぎております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 こうした形で岡部喜代子裁判官の意見がございまして、最後に、最高裁十五名の裁判官がおります。二十四条違反の部分に限って見ると、違憲の判断をした裁判官は五名なんですね。先ほどの岡部裁判官に同調した櫻井裁判官、鬼丸裁判官、また山浦裁判官も、反対意見について、二十四条違反について岡部裁判官に同調、木内裁判官も、独自の意見を書かれていますが、二十四条違反を支持しております。
○委員長(竹谷とし子君) 安江伸夫君、お時間が過ぎております。
○安江伸夫君 そうしたような状況、また詳細取り上げていきたいと思いますが、この裁判官の判断も大きく分かれるところになってきているということを踏まえて、私も引き続き主張していきたいと思います。 ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。 先般に引き続いて、再犯防止対策についてお聞きをしたいと思います。 まず最初は、昨年末に決定をされました、政府の犯罪対策閣僚会議で決定をされました、いわゆる再犯防止推進計画の加速化プランに関連をしてお尋ねをしていきたいと思います。 このプランの中では幾つか重点的に取り組む課題と、こう幾つか挙げられていますが、そのうちの一つがいわゆる満期釈放者対策の充実強化ということでございます。この満期釈放者については、例えば二〇一八年でいうと、出所した受刑者のうち、この満期釈放等となった者は八千七百三十三人、仮釈放となった者は一万二千、正確な数字で言うと二百九十九人でありまして、全体に占める満期釈放者等の割合は四〇%以上にもなっております。しかも、この満期釈放者の二年以内の再入率というのは、二〇一七年でいいますと、これは二五・四%。仮釈放の者が一〇・七%でありますから、二倍以上高くなっているということになろうかと思います。したがって、この加速化プランでは、直近の五年間の満期釈放者の二年以内再入者数というのは二千七百二十六人なんですが、これを二〇二二年までに二割以上減少させて、二千人以下にすることを目標に掲げているわけです。 御存じのとおり、仮釈放者というのは保護観察を通じて保護観察官等の指導監督を受けながら様々な援助を受ける機会があるわけですが、一方で、満期釈放者は支援を受ける機会が限定されているという事情がやっぱりあるんだろうと思われます。このため、加速化プランでは満期釈放者に対する仮釈放の積極的な運用というものを掲げているわけでありますが、仮釈放率を上げていくということなんだと思われますが、実際にどのように取り組むのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 悔悟の情や改善更生の意欲のある者を積極的に仮釈放につなげて、保護観察による指導監督、補導援護を行っていくことが再犯防止に効果的であるのは委員の御指摘のとおりです。 仮釈放の積極的な運用のために受刑者の出所後の適切な帰住先や必要な支援を早期に確保することが重要でございますので、地方更生保護委員会の保護観察官を刑事施設十一庁に駐在させて、受刑者の生活環境の調整を刑事施設入所後のより早い段階から継続的に行うなどの取組を行っております。 これらの取組を始めとした様々な取組を充実強化をし、着実に推進をしてまいりたいと思います。
○柴田巧君 そうやって積極的に運用していくということになると、今大臣もおっしゃったように、受皿の確保というのが非常に大きな課題になってくると思います。 二〇一八年にこの刑務所出所時に適切な帰住先が確保できないまま刑期を終了した満期釈放者というのは三千六百二十八人もいるというのが現実であります。このうち、やっぱり満期釈放者の帰住先がない者の二年以内の再入率というのは約三〇%近くにも上がっているということですから、やはりこの受皿の確保というのはいかに重要かというのがこの数字からも明らかだと思います。やはり、今までの傾向からいっても、住むところがなければどうしても生活が安定しませんから、刑務所へ繰り返し入る、あるいは再犯の間隔が短くなってくるという傾向がありますので、そういう意味でもこの住居を確保するというのは極めて重要だと思います。 そこで、この更生保護施設の受入れ体制の充実でありますとか、あるいは自立準備ホーム、こういったものの更なる確保を図っていくことが非常に重要だろうと思いますが、どのように取り組むのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) お答え申し上げます。 法務省におきましては、刑務所出所後に帰住先がない者につきまして、民間が運営する更生保護施設や自立準備ホームに委託をし、宿泊や食事の供与のほか生活指導等を行っているところでございます。 特に、高齢や障害等のある刑務所出所者等につきましては、就労などによる自立が困難で福祉施設へとつなげるなどの必要性が高いため、法務省におきましては、今年度におきまして、全国百三ございます更生保護施設のうち七十四施設に社会福祉士等の専門的資格を有する職員を置きますとともに、薬物依存からの回復に重点を置いた専門的な処遇を行うため、精神保健福祉士等の専門的資格を有する職員を二十五施設に置くことといたしております。 今後とも、更生保護施設の受入れ及び処遇体制、機能の充実を図りますとともに、自立準備ホームの開拓や積極的な活用により、帰住先のない出所者の住居確保に努めてまいりたいと存じます。
○柴田巧君 是非、この点が大変重要なんだと思いますので、住むところの確保に、いろんな実情も踏まえながらしっかりやっていただきたいと思います。 そして、この満期釈放者の再犯を防いでいくには、先般も就労の、雇用のことについてお聞きをしましたが、この雇用や、今お尋ねをした住居などの支援、そういったものの継続的な生活相談の支援の充実が極めて重要だろうと思いますが、これについてはどのように取り組んでいくか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、刑務所出所者等の確実な改善更生を助けていくためには、満期釈放者に対する息の長い支援というものが必要になります。そのため、更生保護施設に入所中の処遇や支援に加えまして、更生保護施設を退所した者に対しましても、地域社会に定着できるまでの間、更生保護施設において、フォローアップ事業といたしまして引き続き生活相談支援などの継続的な支援を行っておりまして、引き続きその充実強化を図っていく必要がございます。 また、満期釈放者に対しましては更生緊急保護制度というものがございます。そこでは、本人の申出に基づいて、保護観察所において生活相談等の支援を実施しているところでございます。しかし、満期釈放者の中には当制度の対象とならない者もおりまして、これらの者に対する息の長い支援の在り方についても検討していく必要があると考えております。
○柴田巧君 継続的な支援、今おっしゃった、最後におっしゃったように、息の長いそういう取組になると思いますが、しっかりその相談支援体制の充実に是非努めていただきたいと思います。 この加速化プランでは、もう一つ民間協力者の活動の促進も掲げておりますが、そのうち、やはりこの保護司の役割は非常に大きいものと思います。ただ、昨今、定年延長や再雇用などもあって、またいろんな事情も加わって、非常になり手が少なくなっているという非常に深刻な状況だと思っていますが、やはり、幅広い年齢層から多様な職業などなど、いろんな立場にある方から保護司の適任者が得られるようにするのが望ましいことだと思います。 そこで、いろんなプランでも取組が掲げられておるわけですが、この保護司活動インターンシップ及び保護司候補者検討協議会についての取組の推進でありますとか、あるいは、保護司適任者確保に関する調査研究を踏まえた実効性のある対策を実施するというふうに書いてありますが、これらはある意味これまでもやってきた取組でもあろうかと思いますが、これをどう充実強化をしていくのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、犯罪、非行した人などの社会復帰を担う重要な存在でございます保護司のなり手の確保というものが困難となっておりまして、将来に向かって、その安定的な確保に向けた取組が重要な課題となっております。 そこで、法務省におきましては、保護司組織とより一体となりまして、保護司活動インターンシップや保護司候補者検討協議会、さらに、経済団体と連携した広報活動などを推進しているところでございます。 これに加えまして、昨年度、民間のコンサル会社に委託をしまして、保護司にふさわしい方の事情等を踏まえた効果的な働きかけの方法について整理をしました保護司適任者確保マニュアルというものを策定いたしました。今後は、このマニュアルを踏まえまして、保護司の意義や役割について積極的に広報をいたしまして、国民の理解をいただき、保護司の適任者確保にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○柴田巧君 是非、保護司、先ほど申し上げましたように大変深刻な状況にありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 さて、民間の理解と協力を再犯防止に得ていくということは、この前、協力雇用主のことについてもお聞きしましたが、これからは、さらに、そのノウハウやあるいは資金を上手に活用して再犯防止に取り組んでいくという視点、やり方も大事なんだと思っています。 近年、PFS、ペイ・フォー・サクセスといいますが、成果連動型民間委託契約方式、これが世界的にも注目を集めております。つまり、この行政の民間委託契約でありますが、事業の成果に応じて支払額が変動していくと、成果目標をあらかじめ定め、その達成度合いなどを評価して支払額を決定をしていくというものでありますが、そして、このPFSで民間から資金を調達するのをソーシャル・インパクト・ボンド、SIBと呼んでいますが、もう既に日本でもSIBの案件が二〇一七年から組成はされております。 これをこれから再犯防止の面でも取り組んでいこうということでありますけれども、先行する海外での成果はどういうものがあるのか、あるいはまた、課題や問題点は逆にどういうものがあるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘のSIBにつきましては、これまで英国や米国などにおいて再犯防止分野で導入例があると承知しておりまして、その第一号事例は、英国の刑務所において実施されたものでございますけれども、そこでは再犯率の低下など一定の成果があったものと承知しております。 他方、我が国にSIBを導入するに当たりましては、我が国においては、再犯防止分野における取組例がなく、事業の担い手を含めどのような事業スキームとするか、また、海外におけるSIB事業は事業期間が平均で五年弱でございまして、効果測定の期間を含めると七年を超えるものもありますところ、我が国でそうした長期的なコミットが可能か、さらには評価の方法をどのように設定するかなどが課題となり得るものと認識をいたしております。
○柴田巧君 そういう中、昨年は、昨年度、みずほ情報総研と聞いておりますが、このSIB案件組成に向けた調査研究を委託をして、報告書が先日まとまったやに聞いております。 どのような調査研究が行われていかなる報告がまとまったのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の調査でございますけれども、令和元年度に民間のコンサルティング会社に委託しまして調査研究を実施し、本年三月にその報告書が提出されたところでございます。 この調査研究におきましては、具体的には、海外での導入事例、国内の他分野における導入事例について調査が行われたほか、事業の実施体制、成果指標やその評価方法、適当な事業実施期間などについて検討がなされております。また、この調査研究では、SIBを用いる具体的な事業案についても検討されておりまして、委託業者から提出を受けた報告書では、一つ目は、非行少年を対象として少年院在院中から出院後を含め継続的な学習支援を実施する事業、二つ目は、ギャンブル等依存のある受刑者を対象として、出所後も含めた一貫した支援等を実施する事業、この二つが示されたところでございます。
○柴田巧君 今ほどの報告書も基にして、今後、具体的にこのPFS、SIB、この再犯防止にどう日本においては取り組んでいくのか、これは大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほど委員がお示しをくださいました平成二十九年の再犯防止推進計画において、民間協力者による再犯防止活動を促進するために、民間資金を活用した支援の在り方について検討を行うこととされました。これを踏まえて、先ほど事務方が答弁したとおり、法務省ではSIBについての調査研究を実施したところです。 加えて、本年三月に関係府省庁連絡会議において決定された成果連動型民間委託契約方式の推進に関するアクションプランでは、再犯防止が重点分野の一つとして挙げられました。令和四年度までに取り組む事項等が取りまとめられたところです。 法務省としては、このアクションプランの内容を踏まえて、令和元年度に実施した調査研究で示された事業案を参考としつつ、再犯防止分野における成果連動型民間委託契約方式の導入に向けてしっかりと取り組んでまいります。
○柴田巧君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、世界的にも実は再犯分野というのは少ないんですね、割合的には。そして、日本では初めてになります。難しさもあろうかと思いますが、是非民間のそういったノウハウ、資金を使って再犯防止に取り組んでいただきますようにお願いを申し上げて、質問を終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 大津地裁は、三月三十一日、湖東記念病院事件の再審、裁判のやり直しの判決で、被告人だった西山美香さんに無罪を言い渡しました。看護助手だった西山さんが患者の人工呼吸器のチューブを外し殺したとして逮捕され、殺人罪で懲役十二年の刑を受けた事件です。 判決は、死因は致死性不整脈やたん詰まりで死亡した可能性があるとし、チューブを外したという自白については、男性刑事が西山さんの恋愛感情を利用して誘導したものであることなどから、信用性も任意性も否定をし、証拠から排除いたしました。事件性の証明すらされておらず、犯罪の証明がないとして無罪を言い渡したものです。 大西裁判長は、取調べや証拠開示など手続の一つでも適切に行われていたらこのような経過をたどることはなかった、刑事司法の在り方を考える機会にしたい、こう述べて、西山さんに説諭をしたそうです。 捜査、公判の在り方が問われる指摘だと思いますが、大臣はどのように認識をされておりますか。
○国務大臣(森まさこ君) お尋ねの事件に関して、大津地裁が、本年三月三十一日、捜査手続の不当等を指摘した上で無罪判決を言い渡したこと、裁判官が判決文を読み上げた後に法廷において刑事司法の在り方等についての説諭を行ったという旨、報道において承知をしております。 また、検察当局においては、有罪判決を受け服役された方に対し、再審公判において無罪とする判決が言い渡される事態に至ったことを厳粛に受け止めているものと承知をしております。 個別事件における裁判所の判断や当該事件を踏まえた裁判官の言動に関する事柄について法務大臣として所感を述べることは差し控えますが、その上で、あくまで一般論として申し上げますと、検察当局においては、「検察の理念」にもあるとおり、基本的人権を尊重し、刑事手続の適正を確保するとともに、刑事手続における裁判官及び弁護人の担う役割を十分理解しつつ自らの職責を果たすこと、被疑者、被告人等の主張に耳を傾けて、積極、消極を問わず十分な証拠の収集、把握に努め、冷静かつ多角的にその評価を行うこと、取調べにおいては供述の任意性の確保その他必要な配慮をして真実の供述が得られるように努めるなどして、処罰されるべきでない者が処罰されるようなことがないように適切に権限行使に努めるもの、努めるべきであるというふうに承知をしております。
○山添拓君 この事件については、昨年の臨時国会でも私、取り上げました。 自然死を疑わせる証拠があったにもかかわらず警察が検察に証拠を送っていなかったこと、ADHDと軽度の知的障害、いわゆる供述弱者に対する取調べでの供述のコントロール、そして自白偏重など問題点を指摘いたしました。 この無罪判決は確定するだろうと思います。法務省として事件を検証するべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 個別具体的な事件につきまして、裁判所以外の機関が誤った判決に至った原因の究明等をする仕組みについては、憲法上認められた裁判官の職権行使の独立性の観点から問題がないかどうか慎重な検討が必要であると考えます。また、個別具体的事件における検察当局の捜査・公判活動上の問題点の検証を検察当局以外の機関が行うことも、検察権の行使が裁判官の職権行使の独立性に密接に関連することから同様の問題があると考えているところでございます。 したがいまして、法務省として調査、検証をすることについては慎重な態度を取らなければいけないと考えるところでございますが、あくまで一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、無罪判決があった場合等には、当該事件における捜査・公判活動の問題点について検討するほか、捜査、公判に関し、必要に応じ、検察庁内で勉強会を開催したり、各種の会議において報告するなどして、検察官の間で問題意識を共有し、今後の捜査、公判の教訓としているものと承知しております。
○山添拓君 それは当然行っていただきたいと思いますし、私は同時に、再審手続の詳細な定めがない法制度上の問題点についても改めて指摘をさせていただきたいと思います。 それでは次に、黒川検事長の勤務延長について伺います。 検察官には適用されない国家公務員法の勤務延長を、解釈変更によって適用できるようにしたと説明されております。 三月十八日の当委員会で、法務省が検討に当たって参考にした資料の提出を求めました。お配りしている資料の二枚目にそのリストがありますが、これが出されてまいりました。十六点ですね。 法務省、伺いますが、この中に検察官にも勤務延長を適用すべきだと、このように記した文献というのはあったんですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 今御指摘の資料の中に掲載してあります資料の中に、検察官に国家公務員法の勤務延長の規定が適用できる旨の記載がなされたものはございません。
○山添拓君 社会経済情勢の変化についての資料というのは提出されなかったんですけれども、それもありませんでしたか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 社会情勢の変化でございますが、これにつきましては、検察官の定年引上げに関する法律案の策定の過程で、現行法の勤務延長制度や再任用制度について国家公務員法と検察庁法との関係等について検討した際、犯罪の捜査等に当たる検察官を取り巻く情勢の変化について検討しているところでございます。 そして、検察庁に関することを所管する刑事局におきましては、昨今の犯罪情勢の変化等については当然把握しているところでございまして、担当者が検討するに当たってあえて資料を参照する必要はなかったものでございます。 以上です。
○山添拓君 あえて資料を参照することはなかったと。具体的な資料はないんですよね。結局、大臣は、法務省が検討すらしていなかった社会経済情勢の変化なるものを解釈変更の理由として強弁してきたということであります。 では、なぜ解釈変更するのかと。 大臣は、三月二十四日の当委員会で、これまで検察官に勤務延長の適用がないことにより公務の運営に著しい支障が生じた特段の事例は見当たりませんでしたと答弁されました。公務が害される出来事はなかったとおっしゃるんですね。元々、勤務延長というのは、公務遂行に支障を生じないための制度です。それが事例がないということであれば、解釈変更の必要はないじゃありませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 法務省においては、検察官の定年引上げに関する法律案策定の過程において、昨年十月末頃時点では、退官や異動により補充すべきポストが一斉に生じるおそれがあるか否かという視点のみから検討し、検察官については勤務延長及び役職定年の特例に相当する規定を設けなくとも公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考え難いと結論付けておりました。しかしながら、検察庁法の改正を含む法律案の提出に至りませんでした。本年の通常国会の提出までに時間ができたことから、昨年十二月頃から担当者において改めて検討作業等を行ったものでございます。 その際、検察官に勤務延長は適用されないとの従前の解釈を維持するのが妥当かどうかという観点に立ち戻って法務省において検討を行った結果、昭和五十六年当時と比べ、社会経済情勢は大きく変化し、多様化、複雑化しており、これに伴い犯罪の性質も複雑困難化している中、検察官においても、業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずることが一般の国家公務員と同様にあると考えて、昨年十月末頃時点の考え方とは別の視点から、検察官にも国家公務員法上の勤務延長制度の適用があるとの見解に至ったものでございます。
○山添拓君 これ、別の視点だとおっしゃるんですね。しかし、別の視点であれば、元々の国家公務員法の規定の趣旨と違う観点を持ち出したということですから、国家公務員法上の勤務延長を適用する理屈にはなっていかないかと思うんですね。 業務の性質上、当該業務を特定の職員に継続させることが必要だと、こういうお話を今もされました。これ、具体的にはどういう場合ですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 検察官については、例えば、重大かつ複雑困難事件の捜査、公判を担当する検察官や、当該検察官の指揮監督をする検察官が退職により交代することで、当該事件の捜査、公判において時機に即した適切な対応ができなくなるなど重大な障害を生ずる場合が考えられるところでございます。
○山添拓君 重大事件なら歴史上幾らでもあったと思うんですよ。 前回指摘をしましたように、検察官には勤務延長は必要ないというのが昨年十月末時点での法務省の検討結果でした。それが、昨年十二月になって突然、業務の継続的遂行のためには検察官にも勤務延長が必要だと認識したという説明です。それは通らないですよ。百歩譲って、突如十二月になってひらめいたのだとしても、これ何も解釈変更で急ぐ必要などないと思うんです。 検察庁法の改正案を検討していたんですから、法改正を待ってからでもよかったんじゃありませんか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 検察庁法の改正案を検討するに当たりまして、国家公務員法の規定が検察官に適用がある場合とない場合で検察庁法改正案の条文を、法律案の条文をどのように書くかという点が異なってまいりますので、まずその点を整理したものでございます。
○山添拓君 ちょっと、それが理由になると思って答弁されているというのが私は不思議でなりません。法改正を待たずにわざわざ解釈変更を先行させた結果、黒川氏の勤務延長が実現した、これもう動かし難い事実だと思います。 大臣、そもそも検察実務において、業務の性質上、当該業務を特定の職員に、特定の検察官に継続させることが必要、この検察官でなければ駄目だという事件を想定するということは許されるんでしょうか。検察官というのは、法と証拠に基づいて独立公平、これが基本ではありませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 検察庁の業務遂行上の必要性によって引き続き勤務させるという場合はあり得ると考えられます。
○山添拓君 全然お答えになってないんですよ。 検察官は法と証拠に基づいて独立公平に事件を取り扱う、これ基本じゃありませんか。
○国務大臣(森まさこ君) それはそのとおりでございますけれども、検事長においては、その豊富な経験、知識等に基づき管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であると考えております。
○山添拓君 同じ法と証拠の下では同様の終局処分が行われるべきだと思うんですね。もちろん経験や能力の違いはあるでしょう。しかし、それによって差が生じるのは、いかなる証拠をどのように集めるかという点になるかと私は思います。 例えば、先ほどの湖東病院事件も、現場の捜査官が自白に誘導する取調べを行ったり証拠を検察に送らなかったりしたために、起訴、不起訴の判断を誤らせた可能性があります。つまり、証拠の収集をどこまで行うのか、どのように行うのかという点では、確かに検察官によって差が出ます。 権力に疑惑が掛かっているときにどこまで捜査を徹底するのか、どこで手を引くのか、そのさじ加減はまさに検察官次第です。だからこそ、検察トップの人事に官邸が介入するのは大問題だと思うんです。大臣、その認識はありますか。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、検察官は独任制の官庁でございますので、個々の検察官は、法と証拠に基づき厳正公平、不偏不党を旨として、適切な事件処理に努めるべきであるというふうに承知をしております。 他方、検察官の経験等により能力も個人差があり得るところであるから、公平かつ適正な検察権行使を担保するため、検察官は上司の指揮監督に服し、また、検事総長、検事長又は検事正がその指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱い、また、その指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができるものとされております。このような仕組みにより、検察権の行使が全国的に均斉かつ適正に行われているものと承知しております。
○山添拓君 全然伺ったことにお答えいただいていない。答弁書をお読みいただいただけで、答えていないんですよ。 私が思いますのは、司法の独立や準司法官としての検察官、行政との緊張関係、余りに認識が甘いと指摘をしなければならないと思います。この問題については引き続き質疑をさせていただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。 質問に入る前に、ちょっと二点ほど申し上げたいと思います。 新型コロナウイルスの感染が極めて深刻な状況となっていますけれども、私が懸念している在沖米軍内における新型コロナウイルス感染の問題について言及したいと思います。 御存じのように、米国での感染拡大は余りにも急激です。米国防省によれば、世界の米軍内の軍人軍属、家族など、約千人が感染しているとのことです。米軍は、基地別、部隊別の感染者数や詳細を全て非公開にする方針になっているということです、今後ですね。そういうことですが、日本国内の、特に沖縄の米軍基地、感染対応にも大きく影響するのではないかと危惧しております。 もう一点は、先週、ちょうど一週間ですが、三月二十六日、辺野古新基地建設に係る沖縄県知事の埋立承認撤回に対して、この承認撤回を取り消した国交大臣の裁決は違法だとして県が裁決の取消しを求めていた裁判で、最高裁の第一小法廷は県側の上告を棄却しました。 これは、沖縄防衛局をあたかも私人として扱うと、こういうことでしたけれども、本来国民の権利保護を念頭に入れた行政不服審査法の趣旨をねじ曲げているとして多くの行政法学者から批判が出ていることを強調し、質問に入ります。 三月二十四日のこの法務委員会で、私は、選択的夫婦別姓を求める請願が四十五年間も出され続けていることについて、森大臣がどのように受け止めているのかを尋ねました。これに対し、大臣は、国民の声として真摯に受け止めております、他方で、選択的夫婦別氏制度の導入については、夫婦の氏が異なることで子供に好ましくない影響が生ずるのではないかといった御意見もあることを承知しておりますと答弁されました。 四十五年間出されている基本的人権としての請願権に基づいた請願と、それと同列に、慎重な姿勢を取るその意見として披露されたものがアンケート、アンケートでそういった意見があったというだけで、具体的な事例も根拠も示さず答弁されたことに大変驚きました。これ比較するレベルが違うんじゃないかと思ったわけです。大臣の答弁としては、法務大臣の答弁としては余りにも不適切と言わざるを得ません。 そこで、本日は、事実に基づいて、法制審議会が家族法改正の審議を開始するまでの経緯と、法改正に現在至っていないということについて法務省に伺いたいと思います。 憲法二十四条の個人の尊厳と両性の本質的平等の理念に基づき、家族法は一九四七年に全面的な改正が行われました。明治民法は家制度を根幹としており、妻の無能力者扱いなど、こういった男女不平等な家族法でしたが、憲法に基づき大幅な見直しが行われたと承知しています。 民法改正案が可決された一九四七年十月、衆議院司法委員会では、本法は、可及的速やかに、将来において更に改正する必要があることを認めると、そういう附帯決議が付されましたけれども、その理由をお示しください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘の昭和二十二年の民法改正は、戦後の憲法の改正に伴い、憲法第二十四条が家族法の理念として宣言した個人の尊厳と両性の本質的平等の原理を民法に反映させる趣旨でされたものでございます。 もっとも、この改正につきましては、改正の作業に許された時間が限られていたことから、家族法の近代化、合理化の観点から十分とは言えない点があり、将来における更なる改正を積み残しとして抱えたままになっていたという指摘もございました。御指摘の附帯決議はこのような観点からされたものであると承知しております。 このような経過を踏まえまして、昭和二十九年に、法務大臣から法制審議会に対して、民法を改正する必要があるとすればその要綱を示されたいとの一般諮問がされ、以後、同審議会民法部会に設置された小委員会において身分法の調査審議が開始されたものでございます。
○高良鉄美君 憲法の言及がありましたけれども、戦後の民法改正時から改正が不徹底であったということが当時の司法委員に共有されていたんじゃないかと思います。 そのような経緯から、先ほど言われましたように、一九五四年に法務大臣から法制審議会に対して包括的な諮問がなされたわけです。この包括諮問された一九五四年、そして一九九一年になって、法制審議会の身分法小委員会が婚姻及び離婚制度の見直しのための検討作業を開始していますが、その理由を法務省に伺います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 御指摘のとおり、婚姻及び離婚制度につきましては、法制審議会民法部会の身分法小委員会におきまして、平成三年一月から検討に着手されたものと承知しております。 この検討を開始することとなった背景でございますが、昭和二十二年の民法改正から約半世紀が経過し、家族の状況が変化したり、家族の構成員である個人の人生観、価値観等が多様化したりしているという社会状況や、昭和五十二年の女性の地位向上のための国内行動計画の策定や、昭和五十九年の国籍法改正、また昭和六十年の女子差別撤廃条約の批准及び男女雇用機会均等法の制定などの国内外の情勢の変化などがあったものと認識しております。
○高良鉄美君 ただいまありましたように、国内外の変化ということがありますけれども、特に、条約あるいは憲法のこういった理念に沿って見直すということで、人権状況、こういったものが出発点であったんじゃないかということを改めて理解いたしました。 そこで、法務省も、この法制審の答申がありましたけれども、その法制審の考え方と同様であると理解してよろしいでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げました国内行動計画でございますが、これ、昭和五十二年に内閣総理大臣を本部長とする婦人問題企画推進本部において策定されたものでございますが、この計画は平成三年四月に改定されております。そこでは、平成三年から七年までの地域社会及び家庭生活における男女共同参画の促進のための具体的施策の一つとして、男女平等の見地から、夫婦の氏や待婚期間の在り方を含めた婚姻及び離婚に関する法制の見直しを行うことが挙げられておりまして、法務省においてこれを検討することとされていたところでございます。 このように、法務省といたしましても、平成三年当時、婚姻及び離婚の法制の在り方について検討する必要があると認識していたところでございます。
○高良鉄美君 今ありました家庭内の夫婦の平等、それから氏の問題も出ました、それから待婚期間の問題、そういったことの不平等等を検討するという姿勢があったわけですけれども。 一九九六年の二月に法制審議会が民法改正案要綱を決定し法務大臣に答申しましたが、現在まで立法化されておりません。法制審が答申した一九九六年と、それから民主党政権下の二〇一〇年に法案提出が予定されていたと承知していますが、提出されなかったこの経緯など伺いたいと思います。法務省。
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、平成八年に法務大臣の諮問機関である法制審議会から答申を得たところでございます。法務省は、平成八年及び平成二十二年、法案の提出に向け、法制審議会の答申を踏まえた改正法案を準備しておりました。 しかしながら、この問題は我が国の家族の在り方に深く関わる重要な問題でございまして、それぞれその当時の与党内においても様々な意見があったことから、改正法案の提出には至らなかったものと認識しているところでございます。
○高良鉄美君 今も、様々な御意見があったということで、家族の在り方に関わるということで、これまで繰り返されたことだと思いますが、先ほどお伺いしたように、家庭内の男女平等の、夫婦平等の観点、そういったことから、これまで法制審の方は取り組んできたということでございました。 そして、先ほども安江委員の質疑の中にもありましたけれども、紹介されていました夫婦別姓の訴訟でございますけれども、その裁判、元々何かというと、立法府がどうしてそういう立法をしないのか、これは憲法に違反しているんじゃないかと、だから国家賠償法で議員ないしは立法府を訴えるということなんですよね。それは、今まで私が質問してきましたけれども、これまで経緯がありました、四十五年間も出されていると。そういう中で、どうして立法しないんですか、それは憲法に違反していませんかという裁判なんですよね。 で、安江委員の御紹介のあった先ほどの裁判の、裏を見ますと、やはりこの二十四条の問題として非常に重要な判断がされているということなんですね。そうしますと、裁判所のお考えも、これは裁判所がやるというよりも立法府にということで、これずっとボールはこっちに来ているわけですよ。そういう動きもずっとあって、先ほど言ったように、二度ほどもう法案としても出すというところまで来ていたけれどもというような状態でした。そういった意味で、この裁判が、今、これからも出るかもしれませんけれども、これ、立法府に対してやはり大きな責任がある問題だと思います。 法務省は、法改正の必要性を認識してこれまで取り組まれてまいりました。四十五年の間の請願もあり、そして二度ほどのものもあると。行政が積み上げた討論を政治がゆがめてしまったんじゃないかという面もあります。政治に身を置く一人として、安江委員もおっしゃられましたけれども、やはりそういう者の責任、それからまた憲法の研究者として、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、法改正に前向きに検討していきたいということを申し上げ、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。 まず第一問目は、先ほど山添議員が取り上げていただきました滋賀県の湖東記念病院の元看護助手、西山美香さんの大津地裁の無罪判決でございます。 一昨日、本当に、地元の、また私自身は当時からずっと知事を務めておりましたので、この湖東事件の行方については大変注視をしてまいりました。何よりも、法と証拠に基づいた裁きと、本来あるべきところから外れていたんじゃないのか、そこを今、専門の立場から山添議員が指摘してくださいましたけれども、本来、事件性がなかった、そこを、証拠を十分に地元の警察が検察に示さなかった、この証拠開示の問題、大変大きいと思います。 それから二点目は、西山美香さんがある意味で供述弱者であったというところに対して、形式的な自白、そこを証拠の原点に据えたということ、ここも大問題だと思います。 一昨日の大津地裁、無罪判決のときの大西直樹裁判長の説諭、言わば言渡しの後のお話は法廷内の感動を呼ぶ大変すばらしいものだったということを関係者から伺っております。特に、大西裁判長は、時間を巻き戻すことはできないが、未来を変えることはできると、今後の方向性を示しております。具体的には、刑事司法制度の改善に結び付くように、自白の信用性や任意性を否定し、問われるべきは捜査手続の在り方であるということで、この検証を提案をしておられます。 また、弁護団長の井戸謙一さん、実は弁護団始め地元の応援団の方たちがずっと西山さんを支えてこられました。その弁護団長の井戸謙一弁護士も、県警や検察はこれを教訓として、組織として問題点を改めて検討してほしいと要望されておられます。 十五年以上も無実の罪を着せられた西山さんの人生、今、四十歳です。本当に青春を奪われてしまった、その想像するに過酷な余りある人生に涙を禁じ得ませんが、西山さんのこの悲しみに報いるためにも、検察の言わば再調査、必要ではないかと考えております。 そこで法務大臣にお聞きしますが、過去の冤罪を調査、検証し、将来の誤判、誤った判断を防ぐための検証部門を法務省内につくり、定期的に国会に報告するような仕組みが必要ではないでしょうか。先ほど、山添議員も検証の、内実をということを強く求めておられました。無理だというようなことも今伺っておりますけれども、あくまでも三権分立の中であっても国民を代表する国会に対して報告をする、そういう取組、今必要ではないでしょうか。法務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) 大津地裁が三月三十一日にお尋ねの事件について無罪判決を言い渡したことについて、検察当局においては、有罪判決を受け服役された方に対し再審公判において無罪とする判決が言い渡される事態に至ったことを厳粛に受け止めていることを承知しております。 その上でお尋ねに答弁いたしますと、個別具体的事件について、裁判所以外の機関が誤った判決に至った原因の究明等をする仕組みについては、憲法上認められた裁判官の職権行使の独立性の観点から問題がないかどうか慎重な検討が必要であります。 また、個別具体的事件における検察当局の捜査・公判活動上の問題点の検証を検察当局以外の機関が行うことも、検察権の行使が裁判官の職権行使の独立性に密接に関連することから同様の問題がございます。 さらに、個々の事件における捜査、公判上の問題点を検討したり、誤った判決に至った原因を究明したりする過程においては、当然のことながら、当該事件の関係者のプライバシーや具体的な捜査活動の内容、手法等に触れることとなるため、一般に、そのような検討の内容等を公表し、対外的に明らかにすることは相当でないと考えております。したがって、御指摘のような調査、検証の仕組みを設けることについては慎重な考慮を要すると考えます。 いずれにしても、あくまで一般論として申し上げますが、検察当局においては、無罪判決があった場合等には当該事件における捜査・公判活動の問題点について検討をするほか、捜査、公判に関し、必要に応じ検察庁内で勉強会を開催したり、各種の会議において報告したりするなどして、検察官の間で問題意識を共有し、反省すべき点については反省し、今後の捜査、公判の教訓としているものと承知しております。
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。 組織としては、公式にはできないけれども、勉強会やあるいは経過をフォローするということはお答えいただきました。 しかし、私たち国民としては、いつこうやって無実の罪に着せられるかもしれない。国民を代表する国会に対して、この西山さんの湖東記念病院事件だけではなくて、様々な冤罪、誤判があるわけでございます、そういうところに対して、国会として、まさに法務の本来の役割としてチェックをできるような、あるいは報告を受けるような、そういう仕組みについては、今後もまた皆さんと相談をして求めていきたいと思っております。 時間もありませんので、次に、二点目の、いつも申し上げております子供の人権、特に離婚後の人権について。 まず、日本が実子誘拐をしているということ、ハーグ条約に反しているのではないのかと指摘をされております。前回、三月二十四日も問題提起しましたが、EUの二十六か国、フランス、オーストラリアなどからの要望ですけれども、この日本の実子誘拐と日本の司法の実態、繰り返し海外で報道され、対日感情が悪化していると聞いております。 この具体的な日本人による実子誘拐、どう報道されているんでしょうか。そしてまた、その報道に対してどのような対応を行っているのでしょうか。外務省さんにお伺いいたします。
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。 海外メディアにおきましては、日本人による子の連れ去り事案に関しまして、日本の司法制度に批判的な内容を含むものを含めまして様々な報道が見られると承知しております。 これら報道につきましては、政府として注意深くモニタリングを行うとともに、メディアに対する説明などを通じまして日本の制度等の正しい理解促進に努めているところでございます。引き続き、正確な対外発信にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 引き続き正確な対外発信ということですが、事実、既に大変厳しい指摘がなされているということ、これをハーグ条約の中央当局として真剣に受け止めていただきたいと思います。 このような国際社会の評価、法務大臣としてはどう認識なさっておられますか。
○国務大臣(森まさこ君) 法務省においては、法の支配や基本的人権の尊重といった基本的価値を国際社会に確立させるための司法外交を推進しております。その際、我が国の司法制度について正しい理解が醸成されるよう努めていくことは重要な課題であります。 我が国の家族法制の在り方については国内外に様々な意見があるものと承知しておりますが、海外の報道の中には、我が国の司法制度についての不十分な理解を前提としているものもあると承知をしております。 我が国の司法制度に対する正しい理解を得るために、外務省と連携しながら、積極的な国際発信や各国の司法関係閣僚との対話などを積極的に行ってまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 国際的に、我が国の制度に対する外からの不十分な理解ということでございますけれども、先ほど来の高良議員の夫婦別氏、選択さえできない、これは世界中で、先進国で日本だけでございます。日本が、特に女性の社会参画、世界で百四十位、百五十位というそういう状況の中で、日本は日本のやり方があるんだということが通用するのかどうか。もうお答えは求めませんけれども、そこは、外務省さん、法務省さん共に深く受け止めていただきたいと思います。 水の中にいる魚には水が見えません。今、世界がどうなっているのか、コロナウイルスの問題もそうですけれども、世界が全てつながっている中で、日本だけは、日本の事情があるんだ、明治民法の家制度をそのまま維持するんだというようなことは通用しないということを改めて指摘をさせていただきます。 さあ、そういう中で、ハーグ条約ですけれども、このハーグ条約の柱は、元々、国際的に連れ去ってしまった、あるいは連れ去られた、その連れ去られた後、連れ去った後、元の国に戻すという、元の居住地に戻すという約束と、もう一つは、子供と面会交流あるいは交流できる権利、この二つが柱でございます。その基には、夫と妻が離婚をしても、子供にとっては父親、母親と交流できる、そしてそちらからより手厚い養護が受けられるという、そういう元々の基本理念でございます。 その中で、このハーグ条約、批准するのに、二〇一一年から二〇一四年にかけて、民主党政権から自民党政権にかけてでございました。衆議院、参議院で大変丁寧な議論がなされております。今、私もそれを見返させていただきまして、このハーグ条約で救われた子供がどれくらいおられるのか、具体的に、全体のケース数、あるいは親が子に具体的に交流できたケース数などをお教えいただけたら幸いでございます。
○政府参考人(山中修君) お答え申し上げます。 二〇一四年四月に我が国についてハーグ条約が発効して以降、本年三月までの六年間に、外国への子の返還に関しましては、援助申請が百三十件ございまして、援助対象と認められた百十二件のうち四十一件について子の返還が実現し、三十六件について子の不返還が確定しております。 また、日本への子の返還に関しましては、援助申請が百七件ございまして、援助対象と認められた九十五件のうち四十二件について子の返還が実現し、二十六件について子の不返還が確定しております。 面会交流につきましては、同期間に、日本にいる子との面会に関しましては、援助申請が百十一件ございまして、援助対象と認められた九十四件について援助を行いました。また、外国にいる子との面会に関しましては、援助申請が三十二件ございまして、援助対象と認められた三十一件について援助を行っております。 これらの中には、両当事者による話合いや裁判手続を経て非同居親と子との直接面会が実現した事案やビデオ通話による面会、ウエブ見守り面会交流が実現した事案などがございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 日本全体で、毎年それこそ二十一万件もの離婚があり、そして国際結婚も四万件というような形の中で、今の百十一件、そのうち四十五件が返還され、そして三十五件がという、その件数の数を見ると少ないと思われるかもしれませんが、今まで法の壁があり、そして国際的な壁がある中で、これだけの方が救われたというのは、私はハーグ条約、大変、批准をして、そして実行していただいていることを有り難いと思います。 既に時間が来てしまいましたので、申し訳ありません、国内的な問題で、養育費の問題、また家庭裁判所での面会交流の問題などはまた次回にさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。森法務大臣。
○国務大臣(森まさこ君) 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、法律事務の国際化、専門化及び複雑多様化により的確に対応し、渉外的法律関係の一層の安定を図る等のため、外国法事務弁護士等による国際仲裁事件及び国際調停事件の手続についての代理の規定を整備するとともに、外国法事務弁護士となるための職務経験要件を緩和し、あわせて弁護士及び外国法事務弁護士が社員となり法律事務を行うことを目的とする法人の設立を可能とする等の措置を講じるものであります。 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、第一に、外国法事務弁護士等が手続を代理できる国際仲裁事件の定義規定を見直し、その範囲を拡大するとともに、国際調停事件の定義規定を新設し、その手続の代理をすることができることとしております。 第二に、外国法事務弁護士となるための承認要件の一つである職務経験要件について、資格取得国等における職務経験として必要とされる三年以上の期間に算入できる我が国における労務提供期間の上限を一年から二年に拡大することとしております。 第三に、弁護士及び外国法事務弁護士が社員となり法律事務を行うことを目的とする弁護士・外国法事務弁護士共同法人制度を創設し、所要の規定の整備を行うこととしております。 施行日は、第一の国際仲裁事件及び国際調停事件の手続の代理の規定の整備並びに第二の職務経験要件の緩和が公布の日から起算して三月経過後、第三の弁護士・外国法事務弁護士共同法人制度の創設が公布の日から二年六月の範囲内において政令で定める日としております。 以上が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会