法務委員会 第3号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2020/03/24
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官太刀川浩一君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野田紀美君 自民党の小野田紀美です。 所信の中でも力強くお話しされてくださいました養育費の問題について、今日しっかりお話をしたいと思います。 過日、予算委員会の中でもこの養育費の不払の問題について取り上げさせていただいたんですけど、お手元に資料をお配りしております。資料一にフローチャートを、私、手作りで作っているんですけど、これ予算委員会のときにもお配りしたんですが、養育費が約八割の子供たちが受け取れていない、日本ではという状況と、働いている一人親家庭の貧困が二人に一人という状況の中で、この養育費の問題は喫緊の課題だ、でも何でこんなに払われないんだろう、子供たちが受け取れないんだろうということを、ボトルネックを調べるためにこうやってフローチャートにしてみたら、見えてきたんですよ。この回収不能、回収不能、回収不能となっているところの何が原因か。 一つの大きな理由は、住所が分からなくて、そもそもそういう申立てとか強制執行ができない。もう一つは、相手の勤務先が分からなくて強制執行ができない。その辺が大きな理由になってきたんですが、勤務先に関しては、この前の民事執行法改正で、第三者、この③の手続ですね、第三者からの情報取得手続というのはこれからできるようになるんですけれども、この③の手続をするためには②の財産開示手続を経ないといけない。そして、この②の財産開示手続には相手方の現在の住所と住民票が必要。できないじゃないかということで、この住所をいかに押さえていくのかというのが重要な課題だという指摘をした上で、住基ネットの情報の活用ができないかということを予算委員会で提案をさせていただきました。 予算委員会からちょっと時間たちましたけれども、その後、総務省さんと法務省さんの間でどういうふうな検討が進んでいますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 委員から三月五日の予算委員会で貴重な御提案をいただきました。約八割の一人親家庭において養育費を受け取れないという事態は深刻な問題だと受け止めております。 委員からの貴重な御提案を受けて、早速省内において検討を開始いたしました。すなわち、養育費に関する調停等が申し立てられた場合に、支払義務者の現住所が分からなければ、家庭裁判所等が支払義務者の住民票上の最新の住所を探知するという制度の導入が可能かどうかの検討でございます。 この制度の導入に当たっては、住基ネットを用いることができる法的根拠や用いる事件の範囲をどのように設定するか、現住所に関する情報を請求者にも開示するのかなど様々な論点が考えられますので、制度導入の当否について更に検討を進める予定でございます。 また、法務省の担当者において、住民基本台帳ネットワーク制度を所管する総務省の担当者と協議を開始しました。総務省からは、養育費を支払うべき者の住所を確認するための法的根拠が明確に規定されれば、住基ネットを通じて住民票に記載されている住所等を提供する仕組みは技術上は可能であるとの回答を得ました。 委員御提案の制度については、法務省の担当者に家族法研究会で紹介させるとともに、関係省庁とも必要な協議を行ってまいりたいと思います。
○小野田紀美君 ここから詰めなくてはいけない問題はたくさんあると思います。先ほど言った範囲のというのを決めるであるとか、あと、請求者にこの情報を開示するかどうか。これも予算で言ったんですけど、私は請求者に住所の情報を開示することはよしとしません。それはなぜかというと、DVとかで逃げている方たちにも住所がばれてしまうということで、これはあくまで裁判の書類を送ったりする手続上で裁判所のみが活用できるという仕組みにした方が、個人情報保護の問題からもいいのではないかと個人的には思っております。 そういった一つ一つ穴が出ないように、使えるような方向を一緒に検討していっていただけるとうれしいなと思います。 そしてもう一つ、これまた後日しっかりお話はしたいと思うんですけれども、申立ての時間と手間を軽減するための方策として、IT化というのがすごい急務だと思っていまして、申立ての書類を、ここに必要書類というのがいっぱい載っていますけど、これを入手するためとか提出だとかで何度も何度も役所や裁判所に平日に休みを取って出向かなくちゃいけないと、これがネックになっているという方も多いので、オンライン申立てというのを早期に実行していただきたいと思います。お考えを教えてください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 家事事件手続におきましては、現行法上、双方の当事者が現実に裁判所に出頭しない場合でありましても、テレビ会議や電話会議等のシステムを用いて家事審判や家事調停の手続を実施することが可能でございまして、現に手続の内容に応じて利用されているものと承知しております。 他方、委員御指摘の審判や調停の申立てにつきましては、その実施に必要な整備がされておりませんで、いまだオンラインでの申立てが実現されていない状況にございます。 法務省といたしましても、民事訴訟事件と同様に、家事事件についてもオンラインでの申立てを含んだIT化を推進し、利用者の利便性も向上させる必要があると認識しておりますが、検討の効率性等の観点からは、まず民事訴訟全般のIT化の検討を進め、その成果や制度設計を生かした形で家事事件の特徴も踏まえたIT化に向けた検討を進めるのが相当であると考えているところでございます。 民事訴訟手続のIT化につきましては、先月の二十一日、法制審議会において諮問が行われ、今後、専門部会において調査審議が行われることになります。 法務省といたしましては、家事事件のIT化につきましても、民事訴訟手続のIT化に関する法制審議会における調査審議の成果を踏まえつつ、最高裁とも連携しながら積極的に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○小野田紀美君 まず民事からという話も聞いております。その後、家事にどうするかという話もあるんですけれども、このオンラインを通じてのテレビ会議もいいんですが、ワンスオンリーだとかデジタルファーストというのが全く裁判の中でまだできてないなというふうに思います。何度も何度もこの①、②、③、④の手続のときに、それぞれに書類もう一回持ってこいというのもいいかげんやめてくれないかなと思っているので、これまた改めてお話をさせていただきたいと思います。 続きまして、最低養育費制度の導入についてです。 これ予算でも提案したんですけれども、この資料②見ていただきたい。それの左側ですね。これがこの養育費に関する調停や審判にどれぐらいの審理時間が掛かっているのかという推移なんですけれども、平成二十九年で約、養育費に関しては五か月の時間が掛かっているんです。年々長くなっているんですね。非協力的な親から養育費を子供がもらうためには、①、②、③、④の、さっきのフローチャートの全てをクリアしていかなくてはいけないんですけど、この①の部分をクリアするだけで平均五か月がマストで掛かってくるとなると、こんなに時間が掛かったら子供たちを貧困から守れないんですよ。 じゃ、この半年、約半年間、御飯食べなくていいのかといったら、御飯食べなきゃ生きていけないので、このハードル何とかできないかなというふうに考えたときに、今、家族法研究会の中では、離婚前の話合い、ちゃんとここの①の部分を離婚前に決めてから離婚しなきゃ駄目だよというふうにしようという話が出ているというのは承知しているんですけれども、申し上げたとおり、私、これ反対でして、これなぜかというと、今現在にも問題になっているんですが、まず、離婚したいけど、できないから、取りあえず危ないから離れるという状況になったと。そうしたときに、離れた人からは当然その養育費とか生活費もらえません。これでまず一つネック。 加えて、児童手当というものは大体世帯主の口座に入るようになっていることも多くて、その世帯主というのがその同居親じゃない方で、しかも、そこの口座を同居してないからこっちに戻してくださいと言っても、その手続ができないという相談も結構受けているんです。なので、生活費をもらえない上に、児童手当も着服される、なおかつ書類上は一人親じゃないから公的な一人親への支援も受けられないという三重苦になっている人が現在もいます。 そういうような状況をいたずらに広げてしまうことになるんじゃないかということを私大変危惧しておりまして、いいんですよ、きれいな離婚というか、性格の不一致とかで満場で話し合える離婚はそうしていただければいいんですけれども、一番救わなきゃいけないのは話合いすらできないような状況の両親の下に生まれた子供たちなんですよ。なので、おきれいな議論は理想として続けていただいていいんですけれども、そういう理想に全く乗っかっていけない子供たちすら救えるというような制度にしないと、この養育費の問題、意味がないので、理想論はちょっと一回おいていただいて、本当に子供たちを救える制度というのを考えていただきたい。 そう考えたときに、この①の五か月、六か月を挟まなくても②、③、④の手続に移動するためには、やはりあらかじめベースライン、最低養育費、年齢ごととかに決めておいて、そこからもうすぐに②、③、④に移ることができるようなシステムが私は必要だと思っています。そんなに払えないよという人は減額調停、もっと払えるよという人は増額調停をすればいい話なので、この最低養育費の導入についてのお考えを是非お聞かせください。
○国務大臣(森まさこ君) 夫婦間で養育費に関する協議が調わない場合に、裁判手続の申立てをすることにもちゅうちょを覚える方がおり、また、申立てをしたとしても裁判手続に一定の時間を要することもあります。また、委員からは、さきの予算委員会において、離婚する夫婦が協議をして養育費の取決めを行わなければならないこと自体が負担になっているとの問題意識から、今御指摘の最低額の養育費支払というような御提案をいただいたものと理解をしております。 かねて申し上げておりますが、私は、養育費の支払の確保は、子供の健やかな成長、ひいては子供の未来のために大変重要な課題だと考えております。この課題については、現在、家族法研究会に担当者を派遣して、積極的に議論に関わるよう指示するとともに、私の立ち上げた私的勉強会で検討を進めているところでございまして、昨日もちょうど第五回が開かれたところでございます。 委員御指摘のような新しい制度を創設することも含めて、引き続き、養育費不払問題の解消に向けて鋭意検討してまいります。
○小野田紀美君 よろしくお願いします。 今、自治体ではいろいろな補助の在り方というのを検討されているのは十分承知しております。例えば、代行に回収してくれる保証会社を使うことであるとか、私、それ自体は、この困っている人たちを助けるすばらしいことをしてくれているなというふうには思うんですけれども、ただ、遠回りであると言わざるを得ないんですね。 今、実際、私もその保証会社の方たちと話をしたんですけれども、既にもう払っていないような困っている人を、この人できませんかと言ったら、それは無理ですと言われました。もう払っていない人は、だって回収できる見込みがないから。民間会社ですもの、しようがないですよ、受けられないですよね。また、これ限度額が、限度が十二か月分保証とかなので、一年は保証できたとしても、それ以降も払ってこない人たちにはどうしようもないという。つまり、今やってくれているその保証会社の料金を立て替えるよみたいな自治体の補助、いいんですけど、それを前提としてしまうとちょっと道を誤ってしまうというか、遠回りになってしまうんです。結局、払っていない人たちには活用できないシステムだから。 さっき言ったように、何にしても払わないという人たちからもきちんと取れるようにする制度を国が整備することが大事であって、しかも、この保証会社さんというのは、①の手続を経ていないと②、③、④に移れませんからね。これも問題なんです、①ができていない人もいっぱいいるということで。なので、遠回りの政策はやっぱりやめるべきだと思うので、直結できるようなシステムにみんなで前に進めていきたいというふうに思います。 現行制度の穴を埋められるまでは現行制度の中でできることをしていかなきゃいけないと思うんですけれども、この①の作業で、住所が分からない場合は公示ができるよと、賃金が、相手の収入が分からない場合は賃金センサスで審判ができるよというふうに予算でも御答弁いただいたんですけれども、実際問題、家裁の窓口とかに行ったときに、住所が分からないと無理ですよとか、収入が分からないんだったら審判しても、資料②の右側、要は、この相手の給料と自分の給料の交わるところで養育費が決まるから相手の収入が分からないとどうしようもないんですよというので、諦めて帰っている例というのが散見されています。これが、もしできるというふうに答弁をいただいたのであれば、住所も収入も分からないですという人が調停に来たときに絶対に調停不成立にしないように、このできるシステムを徹底していただきたい、全家裁に。これをお願いしたいです。どうでしょう。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 養育費及びその支払確保の重要性につきましては、委員御指摘のとおりでございます。 今般の民事執行法の改正によりまして、相手方の住所、勤務先が分からない場合でも強制執行による支払確保の可能性が高まるということが期待されますことから、裁判所の利用者に対しまして、関連する手続についてこれを踏まえた分かりやすい説明をする必要があるということを周知してきているところでございます。 各裁判所においては手続に関する分かりやすい説明を心掛けているものと承知しておりますが、御指摘も踏まえまして、養育費請求の相手方の住所や収入が分からない場合にも、申立てを検討されている方に正確かつ分かりやすい手続説明がされるよう、最高裁といたしましても引き続き支援してまいりたいと存じます。
○小野田紀美君 私も、実際に困っている方と一緒に家裁の窓口に行ってその説明を聞いている中で、ううん、ひどいなと思ったことがあったのでちょっと指摘をさせていただきました。是非、これは丁寧な説明をよろしくお願いいたします。 相談体制の強化を更に求めていきたいんですけれども、資料の三、四、五、養育費相談支援センターからの報告書です、こちら。厚労省が業務を委託して支援センターをやってくれているんですけれども、平成二十四年と平成三十年にこの現場からの報告書が上がっております。これを受けて、厚労省はどのように対処をしてきたのか、今後どうするのか、お答えください。
○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。 委員御指摘の養育費相談支援センターの報告書は、同センターに置かれた研究会におきまして、実務家や研究者が養育費に関する諸問題についてそれぞれの観点から執筆を行ったものでございまして、報告書の中では、例えば離婚前の段階からの相談支援の充実などが提言されているものと承知をしております。 養育費の履行確保につきましては、これらの提言された内容も含めまして必要な対応に努めているところでございまして、厚生労働省といたしましても、一人親家庭から電話、メール等による相談に応じる養育費相談支援センター事業でございますとか、また自治体が実施をする弁護士による法律相談事業への支援のほか、本年度からは、離婚前後の父母に対しまして養育費の取決めの重要性などについて講義するモデル事業を実施しているところでございます。また、令和二年度予算案でございますけれども、この中におきましても、このモデル事業を充実させまして、講義に限らず、地方自治体における先駆的な取組を支援をして把握することとしているところでございます。 今後とも、関係省庁、関係機関と連携いたしまして、引き続き養育費の確保に向けた施策の推進に努めてまいりたいと存じます。
○小野田紀美君 気持ちはうれしいんですが、ちょっと私は的外れだと思っていて、この報告書にも、住所が分からないという人たちにそれじゃどうしようもないねと言うしかない、悔しいというような現場の悲痛な叫びがずっと報告書に上がっていて、平成二十四年でも平成三十年でも同じような問題点で解決に導けないという声が上がっているにもかかわらず、厚生労働省はそれに対して取決めが大事とか、ちょっと違うんじゃないかなと私思っているんです。 自民党の部会の中で、養育費相談支援センターの解決率ってどれぐらいなんですかと聞いたんですけど、そのときに、調べていないので分かりませんと私言われたんですよ。ところがどっこい、見てください、この③、書いてあるんです。センターに相談した結果、養育費の履行に結び付いたのは一三%にすぎない。報告書も読んでいないのと、私すごく悲しくなりました。 取りあえず委託すりゃいいというものじゃないので、ここでこれだけ今の制度的な問題があるから制度を変えないとこの人たちの相談に乗り切れないという叫びが上がっているのであれば、厚労省がすべきことは、養育費の取決めしましょうねとアナウンスとかではなくて、法務省や総務省と連携して、どうすれば制度を変えられるのかという提案をするべきだったと私は思います。十年間やっているんです、これ。なので、厚労省ももっと主体的にこの問題に取り組んでいただきたいし、これから法務省としっかり制度を変えるという面で連携をしていただきたいというふうに強くお願いします。 また、わざわざ相談センターに出かけなくても、ネットでもうちょっと分かりやすくしたいなと思いまして、資料の六、これ今、法務省が左、相談センターが右側がホームページの概要なんですけれども、ちょっとやっぱり固いんですね。できれば、私のフローチャートとは言わないけど、今自分がどの位置に置かれていて、何をしなきゃいけないのかというのを、はい、いいえで誘導していけるような分かりやすいサイトがいいなと思うんですけれど、法務省さん、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 法務省のウエブサイトについての御意見ですね。これは、委員もいらしてくださったんですけど、大臣室の方に自民党女性活躍推進本部養育費未払問題プロジェクトチームの先生、女性の議員の皆様がいらしていただいたときに御要望をいただいたので、網羅的に情報を提供するウエブサイトを作りましょうということで今月三日に新たに設けたものでございます。 ここには養育費や面会交流といった子供の養育に関する事項や離婚時に考えておくべき事柄について載せておりますが、まだスタートしたばかりでございますので、今後より良いものとするように随時見直していく予定でございますし、委員御指摘のように、利用する側の目線に立った、より分かりやすい充実した内容にしたいと思っておりますので、また御意見をいただければ引き続き検討してまいります。
○小野田紀美君 QアンドA方式にして、分かりやすくしてくれようという思いはすごく伝わってくるページになっていると思うんです。ただ、今の人、何でもググるので、ネットで調べたときにここの文章読み切れるかなというと、なかなか専門用語が分からなかったり、自分は何をすべきかというのが視覚的に分からないときついという方もいらっしゃるので、ここの工夫は是非続けていただきたいと思います。 そして最後に、養育費制度の抜本的改正についてなんですけれども、各国の自治体、国が主体的に養育費徴収に責任を持つ仕組みになっているんですけれども、日本はなっていないんですね。森大臣の指示で、先月末から職員の方を北欧に派遣していろいろな調査もしてくださっているというふうに聞いているんですけれども、この資料七、八、見ていただけると、オーストラリアとアメリカの制度が載っているんです。 これ、養育費の立替払制度というのがよく議題に上がるんですけど、立替払制度ってちょっと気を付けなきゃいけないことがあって、例えばドイツは、あらかじめ国が立て替え払って、それを債務者から徴収するというシステムをしているんですけど、そうすると、実際話を聞いたら、八割払っていないそうなんですよ。後から回収できていないみたいなんです。それ、実質上もう児童手当であって、養育費ではないんですよね。だから、これをスカンジナビアモデルというんですけど、これはちょっと良くないなと思っています。成功しているのはオーストラリアや米国のような、あらかじめ給料から天引きして、徴収ありきで子供に配分するという、これアングロサクソンモデルというんですけど、こっちの方が実効力があると私は考えています。 これについて、いろいろこのアメリカの制度、資料七だと、非同居親の探索サービス、州も調べる、国も調べる、社会保障番号やありとあらゆるものを使って追っかけていくのは国や公的機関が責任を持ってやっています。また、徴収に関しても、天引きであるとか、全て国や公的な機関が責任を持ってやっている。 この制度を是非導入していきたいというふうに思いますけれども、同居しているときに子供にお金を与えなくて御飯食べさせなかったら、これ虐待ですよね。なのに、別居した瞬間にもうお金渡さないよと言っても、これ虐待にならないというのは私はおかしいと思っていますし、ここは民事不介入とか言っている場合じゃないんですよ、虐待ですからね。 ということを考えて、他国のように責任を持って国が関与していくこと、そして罰則等も踏まえてやっていくことというのが絶対に必要と思っているので、抜本的な改正を求めます。どうお考えでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のように、養育費の確保は、子供の健やかな成長、また教育のためにも極めて重要な問題でございまして、私自身も長くこの問題に関わってまいりました。 昨年の夏、ちょうど自民党の女性活躍推進本部として北欧に調査に行ってまいりましたけれども、法務大臣になってからも、法務省職員を北欧に派遣をして調査をしております。また、今後も、アジアを含め、委員のアングロサクソン方式も含め、様々な諸外国の制度も勉強してまいりますし、それから、我が国の中で、地方自治体で今パイロット事業をなさっている明石市の例もございます。 この場合は、最初に、払ってないんじゃないですかって市からはがきを出しただけで五割が払ってくるという実態もお聞きしたところでございますので、様々なこの未払養育費の支払を支援したり、それから不払に制裁を科したりする制度を勉強し、効果的な制度設計を考えてまいりたいと思います。
○小野田紀美君 新しい明石市のモデルもいいと思うんですが、問題は時間が掛かるということなんです。払ってないという状況になってから払ってませんかとかなると、そもそも①の時点で五か月掛かるといったら、御飯食べれるまでに一年掛かったら生きていけないので、子供たち。この緊急性というのをもうちょっと理解して、抜本的な改正をしていただきたいというふうに私は思います。 こういう話をすると、必ず面会交流も先立ってお話も出ます。もちろん、面会交流もとても子供たちの教育に資するものだと思っていますが、違うところがあって、お金というのは誰からもらってもお金なんですよ、困らないんです。子供の必ず権利に資する。だけど、面会交流というのは、気を付けないと、会っちゃいけない人というのもいるんですよ。この人が親なんだって思うことで子供の心に一生消えない傷をつくる可能性もあるのが会うということなので、私は、面会交流も非常に大事だし、やるべきだと思っていますけれども、ここを同一視するんじゃなくて、まず食べていけないと生きていけない、会わなくても死にはしないけど、食べていけないと死んじゃうんですね。この子供たちの貧困をまず断ち切ること、そして子供たちに資する面会交流もしっかりしていくこと、両方やっていかなきゃいけないけれども、まず養育費の話をしっかりみんなで一丸となって続けていきたいというふうに思います。 あと、共同親権の話も出てきます、こうすると。親権というのはあくまで親の権利ですから、まず守るべき、話すべきは子供の権利ですよ。なので、養育費、面会交流、こういった子供の権利をまずやっていくということに重心を置いていただきたいし、また、共同親権を持っている国も、養育費を払わない親からは親権剥奪というのもあります。養育費を払わない親なんて親じゃないと私は思っています。というのは、済みません、ちょっと私が養育費を払ってもらえなかった子供なので、ちょっと個人的な感情が入ってしまっているかもしれませんが。 子供たちの未来のために、是非、遠回りをしない、抜本的な、すぐに子供たちが未来に向かっていける、この養育費の不払問題の解決を求めて、質問を終わりたいと思います。 よろしくお願いします。
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民会派の真山勇一です。 本当に新型コロナウイルスが全世界的に大変な状態になっている。もうこのことはとってもよく理解しておりますし、今はコロナ対策が最大の課題であるというふうには認識しておりますけれども、この法務委員会という場では、今日は私、法務委員会の問題を取り上げたいというふうに思っております。 新たな展開で大きな焦点になってきている森友問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。 二年前、国有地払下げ問題が国会で取り上げられているさなかに、近畿財務局の一人の職員が命を絶ちました。赤木俊夫さんです。その赤木俊夫さんの遺書と見られるメモ、それから手記、これが明らかになりました。国有地がなぜ破格の安い値段で払い下げられたのか。その取引過程を記した膨大な文書を改ざんしなければならなかった理由は何なのか。国会質疑では隠蔽や責任が問題になっている中で、この赤木俊夫さんはなぜ死を選ばなければならなかったのかと。 こうした多くの謎を残したままの森友事件なんですけれども、今回のこの赤木さんの残したメモ、それから手記、これかなり長文なんですけれども、手記でそうした謎の解明に、新たな事実、新たな手掛かり、こうしたものが明らかになってきているんではないかと思うんです。 森大臣は、昨日の参議院予算委員会の場でも、委員会でのやり取り聞かれていらっしゃったと思うんです。この赤木俊夫さんのメモですね、これ、まずお読みになったか、まだ読んでいらっしゃらないかだけ取りあえず伺いたいです。
○国務大臣(森まさこ君) 私は、誌面に掲載されております手記を読みました。
○真山勇一君 それは、解説、週刊誌の場合は解説が付いてあって、そしてその後に手記がありますけれども、その両方をお読みになったということでよろしいですか。
○国務大臣(森まさこ君) 手記については最後の部分、それからメモ、手書きのメモも拝見いたしました。
○真山勇一君 その前に付いていた解説お読みになりましたかという話は今答えになかったんですが、お読みになったというふうに思っておりますけれども、読まれて本当に率直にどういう感じを持たれたか、伺いたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 本当に胸が痛い思いをいたしました。近畿財務局の職員であった赤木俊夫さんに心から御冥福をお祈りしたいと思います。
○真山勇一君 人間としての率直なお気持ちだというふうに思います。それを私は受け止めます。 でも、やっぱり森大臣は、同時に法律を担当する責任者の大臣なんですね。ですから、やっぱり多分読まれた後、そうした思いもいろいろ頭の中駆け巡ったんじゃないかなと私は想像するんですね。読んで、やっぱり大変なことが起きたなと思って、いや、こういうことが繰り返されちゃいけないと思うのは、普通の人、一般の方はそういうふうに思ってそれでいいかもしれませんけれども、森大臣の立場でいうと、やっぱりこうしたものを見たときに、法律をやっぱりつかさどっている立場の人間としてどんな思いを頭の中で持ったのかなということを私本当に感じるんですね。 今回、赤木さんが、赤木さんの自殺をめぐっては損害賠償を求める訴えが新たに出されました。ただ、この森友問題をめぐっては刑事責任を問う告発がいろいろ出されて、そして、その告発に対して大阪地検が捜査、事情聴取あるいは捜査などを行ってきました。ところが、去年の五月に全て不起訴になりました、証拠不十分ということでですね。その後、検察審査会でもう一回取り上げられましたが、これについても不起訴ということになって、この森友問題としては決着が、検察、捜査当局としては付いているというふうに思うんですけれども、やっぱり、今回お読みになって、あっ、こんなことがあったのかとか、あるいは、佐川理財局長が非常に役割がはっきりと書かれているということなんですね。そうすると、検察は、新しい事実があるかどうかということをこれ調べることになるんでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 お尋ねは具体的事件の捜査に関わることでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○真山勇一君 それでは、一般的に、今まで捜査、事情聴取で使っていたもの、それはそれで一つの判断ですよね、それで一つの判断。検察が一つの判断をして、そこで今終結をしていた。ところが、全く新たな、今回、この赤木俊夫さんのメモと手記が出てきた。これ、誰が見ても新しい証拠というか、新しいことがあるかもしれない、ないかもしれない。もうこんなことは全部、書いてあったことは検察全部調べちゃった、何にも新しいことない、だから政府の方は調査報告書もう作らない、政府はそういう考え方ですけれども、私はやっぱり捜査という問題は、警察も含めて、新しいものが出てきたら、それをもう一回、あるかないかということは、一般的にどうなんでしょう。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 また委員の御質問でその一般的にということでございましたが、質問の前半の部分で具体的事件に触れられておられましたので、私の方としても、まず具体的事件を念頭に置いたお尋ねということであるならば、捜査機関の活動内容に関わる事柄でありますので、再度のお答えで申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただきます。 その上で、あくまで具体的事件を離れて一般論ということであるならば、一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるものがあれば適切に対処するものと承知しております。 以上でございます。
○真山勇一君 やっぱり、それが多分、今回のこの一連の流れを見ていて、私たち一般の国民の人たちも、あっ、こんなものが出てきたんだというすごく大きな衝撃を受けたと思うんですよね。あの大臣のその率直な感想を聞かれても、私はそういうことがよく分かります。 繰り返しになって申し訳ないんですけれども、もう皆さんも読んでいらっしゃると思いますけれども、赤木さんが死のもう本当に直前に書かれたメモ、もう一回これちょっと読ませていただきたいんですけれども。 佐川理財局長の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、そして指示ノーを誰も言わない理財局の体質はコンプライアンスなど全くない、これが財務官僚王国、最後は下部が、下の者です、下部が尻尾を切られる、何て世の中だ、手が震える、怖い、命、大切な命、終止符。 十二行ですよ。本当にこの中に赤木さんの思いが私はこもっていると思います。やっぱり財務省のこの体質、この辺り、だって、この人は職員なんですから、やっぱり一番よく分かっていると思うんですよね。その人がやっぱり、財務省を愛していた人だというふうに言われています、その人がやっぱりこういう、たった十二行のこういうメモを残して亡くなられたと、もう本当に大きなことだと思うんです。 ですから、一般論という冷たい答弁しかいただけませんでしたけれども、やっぱり検察の仕事は何なのか、今、法と証拠に基づいてしっかりやりますということを言いました。それは大事だと思います。そのことなんです。法と証拠に基づいてやっていただきたい。 私は、前回、川原局長にもお尋ねした、検察官同一体の原則というのもお伺いしました。やはり検察はその法と証拠に基づくということがどれだけ大事かということを私は川原局長とお話をしたかったんですけれども、ちょっとそこまでこの間は踏み込めませんでしたけど。 是非、新しい、普通に何か状況が変わったら、それを受け止めてやはりやっていくということが法を守る立場としてはとても大事なことじゃないかというふうに思っています。 同時に、実は皆さんのお手元に行っております。今回、これ全部不起訴になっちゃったんですけれども、検察庁が今回の森友問題について調べたその関係者、それから、横の方の升にはそれぞれの事案が書かれているわけです。関係者は、ここに、事情聴取受けた方は合わせて三十八人、一番下に森友学園理事長、民間人が一人入っていますけど、あとは財務省と近畿財務局と国土交通省。そして、容疑、捜査をされた容疑というのは六つ挙がっています。これほど多くの告発が出されていたということです。縦と横、それぞれ名前、具体的な名前は書いてありません。ただ、この役職から見れば、ああ、これはどうもあの人のことかなとか、そういうところは大体想像は付きますけれども。 検察庁から出していただいたこの書類を見ますと、これだけやはりきちっと事情聴取なり捜査をやっているということはよく分かります。ただ、見ていただけるとお分かりのように、ほとんど嫌疑なし。そして、赤木さんの手記の中に出てきた財務省の関係者、こうした方もここに入っている、六人ぐらいいらっしゃるんですけれども、入っていると思うんですが、嫌疑不十分、嫌疑不十分、そういう言葉が全部並んでいます。 これで調査は終局しているわけですけれども、ちょっとやはり、それに関わる中身の説明を刑事局の方からいただいたので、それを見てみますと、まず第一の、一番最初の背任というのがあります。背任、元理財局長、近畿財務局長及び大阪航空局長ほか財務省及び国土交通省職員らは、大阪府豊中市所在の国有地を売却するに当たって、学校法人元理事長らと共謀の上、本件土地の売却価格一億三千四百万円が更地価格九億五千六百万円に比して著しく低廉な価格であることを知りながら売却し、国に財産上の損害を与えたと。少し途中省略して読ませていただいたんですが、それが背任ですね。これについては、縦軸を見ると何人かの方から話を聞いているけれども、嫌疑なし又は嫌疑不十分で不起訴。 それから、公文書等毀棄についてということです。これについては、前、元理財局長ほか財務省職員らは、共謀の上、国有地の処分に至るまでの交渉記録等を不法に廃棄、隠蔽するなどをし、また二百十七件の一連の交渉記録等を毀棄、隠蔽し、決裁文書の記載の一部を削除、改変したこの容疑、これについても不起訴、嫌疑なし又は嫌疑不十分。 そして、虚偽有印公文書作成など、それから有印公文書変造、同行使、こうしたことがあります。前理財局長ほか財務省職員らは、共謀の上、特例承認申請決議書につき、総理大臣夫人に関する記載を全て削除して変造し、その写しを国会に提出するなどした。処分はやっぱり嫌疑なし又は嫌疑不十分で不起訴です。 そして、証拠隠滅というのもあります。前理財局長、もう理財局長は全ての事件のまず冒頭に出てきます、近畿財務局長ほか財務省職員らは、共謀の上、国有地の処分に関する交渉記録や近畿財務局作成の決裁文書を廃棄、隠蔽、改変するなどして、前理財局長は国会において虚偽答弁をし、国有地譲渡対価値引き交渉に関する電子データの顕出を妨げ、刑事事件に関する証拠を隠滅するなどした、こうした容疑ですね、これについても嫌疑不十分、嫌疑なし、不起訴ということなんですね。 こういうことで、この事件は一回終結していますけれども、申し上げているように、やはり赤木さんのメモと手記が出てきたということで、やはりもう是非、検察には再捜査、これをしていただきたい。一般論ではあるけれども、そうした場合は再捜査をするということも言っていただいたと思います。 新たな、例えば新しいことが、じゃ何があるんだという、いろんなことあると思いますけれども、一つだけ、昨日の予算委員会でも、森大臣、聞かれていたと思うんですけれども、指摘されました。平成三十年の三月二十七日の、これは衆議院の予算委員会の証人喚問のときです。お配りしてあります、見てください、佐川証人と書いてありますね。つまり、佐川元理財局長が証人として出廷した予算委員会です。 そこで、真ん中の辺りには、いつもこういうせりふが言われたんですけれども、刑事訴追のおそれがありますので、どうか御答弁については差し控えさせていただきたい、これはもちろん、国会の議院証言法上、別に問題のないことです。今回、この証人喚問のときも、本当に佐川証人は、もうこの言葉を大体ほぼ全ての質疑の中で繰り返し述べられてきているということですね。ここにも何か所かそうした言葉があります。 一番大事なのはその下のところです。赤で囲ってあるところをちょっと見てください。本省の理財局と近畿理財局との関係で、もし仮に、ちょっと私は本当の事実関係は承知しないのでございますが。承知しないというところがあります。昨日の委員会では、この承知しないというはずないだろうと。 やっぱり、これまでの多分検察が調べられたことと、この申し上げた数々の告発された事件見ると、必ずこの告発の説明のときの一番頭のところに、元理財局長はというところから始まっているわけですね。で、共謀し、なんですよね。そういうことですね。ですから、なかなか、本当に佐川元理財局長は事件の事実関係って知らなかったのかな、本当にこれは不思議なことで、やっぱり赤木さんも、亡くなった、手記の中で、全ては佐川理財局長の指示から始まったと言っているわけですね。 こうした新しいことが入っているわけなんですけれども、またちょっと具体的なことなので、なかなか私が期待しているお答えいただけないかもしれませんが、例えば、これを見て、議院証言法の偽証というのは、これ国会が告発しなくちゃ駄目なので、当然告発がまず必要だということはありますけれども、こうしたやっぱり新しいことがあると思うんですね。 ですから、やはり、もう一回確認ですが、やっぱり調べる、で、ここのこの、だってこれはもう前に出た事実ですから、この言葉でいうと、この立場の、普通のことでいうと、最高責任者が事実関係知らないということは余りないと思うんですけれども、こういうものに対する捜査もやはり法と証拠に基づくという、そのお言葉に間違いありませんか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。 私、先ほど、法と証拠に基づき、取り上げるものがあれば適切にと申し上げました。あれは一般論として申し上げたものでございまして、今の委員のお尋ねは具体的な事件に関わるお尋ねでございます。したがいまして、具体的事件の捜査機関の活動内容に関わる事柄でありますので、大変申し訳ございませんが、再三にわたって申し訳ございませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
○真山勇一君 先ほどの川原刑事局長のお話のとおり、法と証拠に基づいて一般的には捜査はやる、捜査あるいは再捜査はやりますという言葉を信じたいというふうに思っております。 やっぱり、森大臣、お分かりのように、赤木さんは手記の中で、今回のこの森友問題について、筋が悪い事案だと言っているんですよね。筋が悪い事案って何だろうなと思うんですけど、大臣はどう思われます、筋の悪い事案というのは。
○国務大臣(森まさこ君) 大変申し訳ないんですが、その個別の事柄については法務大臣としてはなかなかお答えはできかねますので、差し控えさせていただきたいと思います。
○真山勇一君 私も国会議員になる前に長いこと報道の現場で記者をやっていて、当然こういう事件、事故とか、裁判の取材をしてまいりました。よく使われるんですよね、夜回りなんかに行って、まあ夜回りに行ってもなかなか検察とか裁判官というのは会ってくれませんけれども、これは筋が悪い事件だよねっていう言葉はよく使います。割とそういう、いわゆる言ってみれば業界用語みたいな、筋が悪いという言葉はよく取材の中でも出てきます。 やはり、例えばこの森友問題のように、赤木さんのこの筋が悪いという、筋が悪い事案という言葉、この裏にあるのは、この手記から読み取れるのは、やっぱり政治絡みだということだと思うんですね。政治絡みだとやはりこういう問題というのは本当に難しいことになってくるんじゃないかなと、そんな感じはしています。 ですから、森大臣、今回、森大臣は東京高検の検事長の定年延長、これをされましたけれども、人事に政治が絡むというのはやっぱりいろんな意味で良くないと思うんですよ。思わぬいろいろな疑問を持たれたり疑惑を持たれたり、そういうことというのはあると思うんですね。だからこそ、検察官の人事というのは、これまで、戦後、特に書かれていないからいいんだじゃなくて、当然、検察官の人事というのは、やっぱり独立性とか先ほど申し上げた検察官同一体の原則、そういったものが大事だからこそそういうふうにされてきたんじゃないかと思うんですが、それでもやっぱり森大臣は、今回の東京高検検事長の定年延長は問題ないというふうにお考えですか。
○国務大臣(森まさこ君) 検察官の人事の人事権者は、御存じのとおり内閣又は法務大臣にあるわけでございますが、委員御指摘の司法権の独立の確保のため、検察権の独立は要請されております。他方で、検察官が行政権に属してあるので、今ほど申し上げたとおり、任命権が、検事総長、検事長、次長検事、検察官とそれぞれありますが、内閣にある場合とそれから法務大臣にある場合がございます。 検察庁法は、検察官がこのように行政権に属するということと、それから委員御指摘の検察権の独立性、その調和を図るためにどうすべきかということを検察庁法によって様々規定されているわけでございますが、勤務延長それ自体については規定がなかったわけでございますが、今般は、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認めるという、その国家公務員法の趣旨に基づくものでございまして、司法権行使の前提となる検察権行使の独立、また検察権の行使自体に圧力を加えるものではなく、検察権の独立性は害されないものと解したものでございます。
○真山勇一君 いや、それは法務省というか森大臣というか、考え方なのは分かりますが、一般的に言ったらそうじゃないですよ、やっぱり。 我々の世界の中で人事権ってどれだけ大事なものなんですか、人事権というのは。人事権持たれたら、多分ほかのこと、オーバーに言うとどうでもよくなりますよ、人事権があったら。その人事権を、義務とは関係ありませんからって切り離す、切り離すこと自体がおかしいと思います。 私は、公務員の経験ありません、民間の企業で三十年余り勤めていました。それだって、やっぱり春とか秋の人事異動の季節になれば、さあ、次どこ行くかな、気にしますよね。それから、私自身が何をやりたいかという希望もありますね。それから、仕事だったら、やはりこう仕事あるべきだ、会社に奉仕するんだったらこうすべきだ、ありますね。でも、そういうことを考えていたって、結局、人事で一言で物事が決まっていくということがあります。 やっぱり人事というのは、考えてみてください、それだけ人間の心も考えている義務も仕事も全部動かしてしまう。だから、それが例えば森大臣にあるとか、あるいは内閣が持っているということになれば、やっぱりその動きというのは気にしますよ、それは。それが普通ですよ。でも、検察官はそうじゃない。川原局長もおっしゃったでしょう、法と証拠に基づいて仕事をするんです。私は、人事権と、いや、関係ない、切り離しています、私は切り離せないと思います、人間の頭の中で。それが普通ですよ。切り離せる人いますか。切り離せる人いますか、川原刑事局長、本当に。 それは、自分がやりたい、燃えている情熱はありますよ。これをやりたい、検察官になりたいと思ってみんななっていると思います。裁判官になりたいと思って裁判官になっていると思います。司法というのは、特にそういう正義が一番大事なことだと思っています。森大臣の所信表明の中だって、正義を守る、ジャスティスを守っていくと言っているじゃないですか。大事なことなんですよ。だけど、人事をちらつかせられたら、そういうものもくじけてしまうことだってあるわけですよ。だからこそ独立を大事にしているんじゃないですか、裁判官とか検察官の独立性。 前回の質問のときに、川原局長はこう言っているんですね、事件の処理と人事のことは別だと考えております。別じゃないですよ。別じゃないですよ、一緒なんですよ。一緒という言い方はおかしいかもしれません。検察官になる人は、人事のことよりも、やっぱりもしかしたら仕事に対する義務感とかそういうものに燃えているんじゃないかと思いますよ。それが人事によって影響を受ける。だから、別じゃないんですよ。 もし別だと考えているならば、人事と、今回大臣が黒川検事長の定年を延長したことについて、その東京高検内で遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するためですという説明をしていますけれども、私は、もしやるんでしたら、これ別に人事でやらなくても、誰でもこういうことは検察官ならできるんじゃないですか。特に、やっぱりある特定の人を、この人じゃなくちゃできないということはちょっとおかしいと思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) まず、そもそも検察官の人事権は、法律によって内閣又は法務大臣というふうに規定されていることを申し上げておきたいと思います。 そして、その上で、黒川東京高検検事長を勤務延長をさせた理由が、その東京高検、検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するためのものについてお尋ねがございまして、独任制の官庁なので誰でもできるのではないかというようなお尋ねがございました。 検察官は、独任制の官庁であるところ、個々の検察官は、法と証拠に基づき厳正公平、不偏不党を旨として、適切な事件処理に努めているものでございますが、他方、検察官の経験等により能力も個人差があり、そういう個人差があり得るところでございますので、公平かつ適正な検察権行使を担保するため、検察官は上司の指揮監督に服し、また、検事総長、検事長又は検事正がその指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱い、又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができるものとされております。このような仕組みにより、検察権の行使が全国的に均斉かつ適正に行われているところでございます。 その上で、黒川検事長の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であり、当分の間、引き続き東京高検、検察庁検事長の職務を遂行させる必要があるため、引き続き勤務させることとしたものでございます。
○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、お時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○真山勇一君 はい。 大臣のちょっと答弁が長かったなと思うので、これで終わりにしますけれども、やっぱり森大臣、今回のことについては、やはりつじつま合わせがちょっと多過ぎじゃないかなと私は思います。 それから、そのために、人事局長が国会で、人事院の人事局長が言い間違いだったというようなことを言っている。私はとても信じられないです。国会の場で、人事局長という立場の人がこんな大事なことを言い間違いするということはおかしいと思います。ちょっと、こういうことはやはり強引じゃないか、今回のことは、そう思います。これをやってしまうということは、やっぱり森大臣、法務行政上、やはり本当に大きな汚点になる、私はそう思っております。是非、今からでも遅くないですから、こういうことはなさらないでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 今朝起きてから、新聞各紙に目を通しておりました。最後に、毎日新聞の読者からの投書欄、目に付きました。「森法相はもっと自覚を」、千葉県我孫子市の七十八歳の無職の方です。 どういう趣旨かといいますと、男女格差指数が取り上げられて、日本は百五十三か国中百二十一位と過去最低になっている。何で過去最低かというと、特に議員、管理職の女性割合の低さが指摘されているんですよね。その上でこの方は、私も女性議員の増加を期待しているということで幾つかの思いを語られながら、そんな折、森まさこ法相の国会答弁の右往左往ぶりが報じられているということで、検事長の任期延長問題、それから国会での、東日本大震災のときの検察官が最初に逃げたというような事実と異なることを答弁した云々ということが紹介された後に、最後にこう書かれている。法相は重要閣僚の一人だ、森法相は今、女性として最高の地位にあると思う、そのことをもっと自覚し、女性議員はやはりと言われないように、誇りある対処をしてほしいと。頑張ってくれという結論なんですよ。 そして、私は、今日の質問で最初に、森大臣の答弁姿勢について率直に御意見を伺いたいと思います。 今日も、先ほどの答弁の中で、個別の問題には答えられないというようないつもの表現がありました。まあ仕方がない答弁だと思わないでもありませんが、私が今から大臣にお聞きをしたいのは、予算委員会で福島みずほ議員の二十分間の質疑の中で、何と森大臣は、個別のことだから答えられないと何と三十五回も語られた。私は、予算委員会でその答弁をお聞きをしていて、率直に言って見苦しい、聞き苦しいという、失礼ですけれども、そういう感想を持ちました。答えられないことはあるでしょう。だけど、もっと言い方変えてもいいんじゃないかというようなことを思いました。 なぜそういうことをこの質問の最初に伺うかというと、この間判決が出ましたけれども、津久井やまゆり園の事件で判決が出ました。ヘイトクライム、差別犯罪です。事件そのものは、中世、近世、現代、その歴史の中で見ても非常に特異な、異常な、大変な事件だというふうに私は思います。 森大臣に言いたいのは、例えばそういう重大な事件が起きたときに、私は今でもおかしいと思っているのは、日本の総理大臣が、あるいは法務大臣が、そんなとんでもない差別犯罪が起きたときに、許せないんだというメッセージを国民に対して出すべきだったと今でも思っているんです。だけど、安倍総理からも当時の法務大臣からもそういう言葉はありませんでした。個別の問題ですよ。個別の事件ですよ。だけど、そういうときでも、許せないんだというメッセージを出す公人としての責任があると思うんですよね。 そういう私の意見に対して、森大臣、どういう御感想をお持ちですか。
○国務大臣(森まさこ君) 予算委員会の答弁について御指摘をいただきました。 個別の人事のプロセスでございましたので、なかなかこの人事については御答弁差し控えさせていただき、今委員から厳しい御指摘を受けました。話せないことはございますが、話せる限り精いっぱい真摯に御答弁を申し上げていきたいと思います。 そして、今ほどの御質問の中身でございますが、差別や偏見については絶対許さないという姿勢を法務省はこれまでも取ってきておりますので、これについては私も法務大臣として断固として許さないというふうに申し上げたいと思います。
○有田芳生君 例えば具体的な津久井やまゆり園のような事件が起きたときに、政治家は、大臣は、総理大臣は、私は国民に対して強いメッセージを発すべきではないかという質問なんですが、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 個別の事案について、なかなか発信が難しい面もあるとは思いますが、一般的に、差別を許さないというメッセージを出していくことが重要だと思います。
○有田芳生君 違うでしょう。個別の事件であっても、国際的な大事件ですよ、日本の歴史の中でも。そういう事件が起きたときには、こんなことは許せないんだということを総理大臣として、あるいは法務大臣として発するべきではありませんか。そういう個別の大事件が起きたときに、一般論ですがというような発言されるんですか。違うんじゃないですか。それではいけないんじゃないですか。
○国務大臣(森まさこ君) なかなかその個別事件についてコメントをするということは難しい側面もあると思いますけれども、でき得る限り、差別許さない、偏見を許さないということをメッセージとして出していくべきだというふうに思います。
○有田芳生君 違うじゃないですか。 先ほど大臣は真山さんの質問に対して、自殺をされた赤木俊夫さんの遺書を読まれましたかという質問なさいました。そして、それについてどう思いますかということに対して、個別の問題に答えているじゃないですか。だから、語らなければいけないときはあると思いませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 遺書を読んでの感想を申し上げました。ただ、その後の個別の事案の内容についてはお答えを差し控えさせていただいたところでございます。 そのように、個別の事件の捜査や法務大臣として差し控えるべき事柄もあると思いますが、先ほどの繰り返しになり恐縮ですが、先ほど遺書を読んで私が感想を述べたように、言えることもあると思います。その限りで、やはりしっかりと差別や偏見を許さないというメッセージを出し続けていくことが重要だというふうに思います。
○有田芳生君 言わなければいけないときには政治家の責任として語らなければいけないんですよ。例えば九・一一のとき、アメリカの大統領は、明確な、こんなテロとは戦うんだというメッセージを出すじゃないですか。そういうことが政治家としても人間としても求められているんです。 人権擁護局長にお聞きをしますけれども、今日の質問は、公人はヘイトクライムに立ち向かう責任があるというテーマでお聞きをしていきますけれども、ヘイトスピーチ解消法が制定をされましたけれども、あの議論の過程でも、そして法律が制定されてからもずっと、ヘイトスピーチというのは何ですかということが、この委員会でも、あるいは学者の間でも、弁護士の間でも議論になってきました。 ヘイトスピーチとは何かということについて、解消法が制定されて以降、人権擁護局が参考資料という文書の中で明確に、こういうものがヘイトスピーチだという例示を出されましたけれども、三つですよね、どういう内容でしょうか。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 いわゆるヘイトスピーチには、大きく分けて三つの類型があると考えております。 一般的に申し上げますと、一つは、特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えるとするもので、何々人は殺せなどとする言動がこれに当たると考えられます。二つ目は、特定の国や地域の出身である人を著しく見下すような内容のもので、特定の国の出身者を、差別的な意味合いで昆虫や動物や物に例える言動がこれに当たると考えられます。三つ目は、特定の民族や国籍の人々を、合理的な理由なく、一律に排除、排斥することをあおり立てるもので、何々人は日本から出ていけなどとする言動がこれに当たると考えられます。
○有田芳生君 今お示しいただきましたように、二番目、特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えるとするものもヘイトスピーチである。具体的には、何々人は殺せというものはヘイトスピーチに当たると法務省が明確に示して、今ではホームページにも掲載していただきました。 そこで、警察庁に伺います。 今年の一月、川崎市のふれあい館、これは多文化交流施設、ヘイトスピーチ解消法が制定される過程の中でも、この法務委員会の与野党の議員、法務省の職員も含めて、ふれあい館に伺って視察を行い、在日一世の方などからこれまでの人生のお話を伺いました。中には、法務省の職員の中には涙を流していらっしゃる方もいた。 ヘイトスピーチ解消法が制定される経過の中で、このふれあい館の果たした役割というのは非常に大きなものがあると私は理解をしておりますけれども、この川崎市ふれあい館が、今年の年度初めに、職員の方が職場に行ったら年賀状の中に脅迫状が入っていた。皆さんにお配りをしておりますけれども、これはもう既に報道もされておりますので、あえて読み上げます。謹賀新年、在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう、生き残りがいたら残酷に殺していこう。異常ですよ。さらに、このような脅迫文が川崎市役所にも届いた。さらには、小中高校にも違った脅迫状が届き、さらに、資料の一番最後に写真を入れましたけれども、横浜の中華街にもとんでもない封書が届いた。 警察庁に伺いたいのは、一連の脅迫文というのは何通、その特徴、そしてその捜査の現状というものを簡単にお示しください。
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えいたします。 川崎市では、本年一月から二月にかけて、市の施設や小中学校などに対して脅迫文書が届けられたものと承知しております。これは合計七通でございます。これらの事案につきましては、神奈川県警察において被害届を受理し、所要の捜査を行うとともに必要な警戒を行うなどの対応が取られているものと承知しております。 一方、横浜市の件でございますけれども、これは今月の初め頃でございますが、中華街の飲食店の関係者から神奈川県警察に相談がございまして、必要な警戒を行うなどの対応が取られているものと承知しております。
○有田芳生君 その後、ふれあい館には模造刀、木刀も置かれているという出来事がありましたよね。
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えいたします。 お尋ねにつきましては、神奈川県警察において、これまでに発生した事案との関連性があるかどうかも含めて所要の捜査を行っているものと承知しておりますが、それ以上の詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 そんな官僚答弁は、予想はしていたけれども、現場の警察官は本気で捜査、警備やっているんですよ。物すごく温度差を感じざるを得ない。模造刀、木刀があったときだって、五人の警察官の鑑識の方々は本気で調べていらっしゃる。だけど、答弁になればお答え差し控え。そこが血が通っていないんですよ、やむを得ないのかも分からないけれども。 実際現場で何が起きているのか、資料を示しましたけれども、川崎市ふれあい館の利用人員、ざっと去年に比べて二月で三千五百五十一人も来館者減っているんですよ。どういう特徴かというと、小学生が千六百三十一人減っている、中学生五百三十八人減っている、乳幼児、これはお母さんたち、お父さんたちが連れていらっしゃる、三百六十五人減っている。合計三千五百五十一人も去年に比べて減っているという異常な事態が続いているんですよ。 そして、今でも、今この時間にもふれあい館には子供たちがいるでしょう。その子たちは、こういう脅迫状が来てから、例えばふれあい館の外に置いてあった自転車が風で倒れてばたんという音がしたらみんなどきっとする、そして救急車両などが近くを通ればみんなどきっとしている。あるいは、あえて言いますけれども、どうして私たちは在日韓国朝鮮人であることで殺されなきゃいけないの、子供たちがそういうことを親に不安を訴えているという現実がずっと続いているんですよ。文字の上だけだったら分からない生身の人間の苦悩がずっと続いているから、そのことを現場の警察官は知ってくださっているから捜査も警備も一生懸命やってくださっているんですよ。 そして、そういう脅迫状が届いた川崎市、市長、川崎市議会は、人間としての言葉で非難の言葉を発するんですよ。これが政治家でしょう。そのことを大臣にも求めたいんですよ。 大臣、こういう現実がある、そして私が今日訴えたいのは、ヘイトスピーチ解消法ができてから、川崎市が、やはりふれあい館が大きな力になりましたから、そこにずっと今では通知をしない批判の街宣活動などが行われている。ヘイトスピーチ解消法が行われてからも川崎市の駅前ではずっと川崎市に対する攻撃の街宣が行われている。警察官は一生懸命警備なさってくれていますよ、私はその現場になるべく行くようにしているから。そして、そういう現実がずっとヘイトスピーチ解消法ができてからも続いているから、川崎市は罰則付きの条例を全国に先駆けて作ったんですよ。それに続こうと相模原も今準備をされている。そして、三月には川崎市が、川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例解釈指針という、百四ページもの物すごく詳細なガイドラインを作られて、表現の自由を阻害しないようなやり方がどうできるのかということをずっと専門家も含めて検討されてきた。だからこそ、川崎市、そしてふれあい館に先ほど示したような異常な脅迫文が届いている、二通目なんかはレイプ予告まで入っている。異常ですよ。そういうことが今も川崎市で続いているんです。 人権擁護局長に、御存じでしたら伺いたいんですけれども、人種差別撤廃委員会が二〇一三年に、一般的勧告三十五、人種的ヘイトスピーチと闘うという、これまた詳細な文書を発表されておりますけれども、そこにおいて、公の人、公人の役割について示している文書がありますけれども、当然御存じですよね。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 委員御指摘の文書は、二〇一三年、平成二十五年九月二十六日、人種差別撤廃委員会が一般的勧告三十五としてまとめたものであるというふうに承知しております。 また、その文書の三十七番目のパラグラフにおきまして次のとおり規定されているものと承知しております。上級の公人がヘイトスピーチを断固として拒否し、表明された憎悪に満ちた思想を非難すれば、それは、寛容と尊重の文化の促進に重要な役割を果たすことになるなどと記載されていると承知しています。
○有田芳生君 大臣に伺います。 今年の一月二十日に、卑劣な「在日コリアン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明、外国人人権法連絡会が、内閣総理大臣安倍晋三様、法務大臣森まさこ様という声明文書を出しておりますけれども、大臣、これ読まれましたよね。
○国務大臣(森まさこ君) はい、読みました。
○有田芳生君 そこの最後に、要請しますということで、政府は、直ちに今回の脅迫状を強く非難し、このようなヘイトスピーチ、ヘイトクライムを決して許さないとの声明を出してほしいというお願いをしています。 もう一度最後にお聞きをします。 今年の一月初めに川崎市ふれあい館に来た年賀状の文言、謹賀新年、在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう、生き残りがいたら残酷に殺していこう。これは、先ほど人権擁護局長が示されたように、まさしくヘイトスピーチですけれども、大臣、そうですよね。
○国務大臣(森まさこ君) 抹殺しようとか、殺していこうなどという文言、また、早く日本から出ていけとか、ごみだというような文言はヘイトスピーチであると思います。
○有田芳生君 最後にもう一度伺います。 川崎市ふれあい館に集中的に攻撃が行われているこの年賀状について、大臣の強い非難のメッセージをお願いします。
○国務大臣(森まさこ君) 個別の事件について法務大臣である私が個人的な評価を言うことは適当でないのかもしれませんが、委員の御指摘なさった、抹殺しようとか、殺していこうとか、様々な言葉、そして子供たちの思いについても今委員から教えていただきました。 このようなヘイトスピーチに対しては、断固として許さないという姿勢を法務省は貫いていこうと思います。
○有田芳生君 終わります。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 今お話がありましたヘイトスピーチ、ヘイトクライムについては、私からもまた、今の大臣のお言葉も踏まえて、また後で、後ほど御質問させていただきたいと思います。 私からは、まず大臣に対して、大臣の法務行政に対する信頼回復に向けた決意をお伺いいたします。 先日の大臣の冒頭の御発言、評価をいたしたいというふうに思います。その上で、一連の流れの中で私も実感したことは、法務大臣のこの重責、非常に重要なものであるという点であります。基本法をこれは所管をされていらっしゃる、諸政策の根拠となる基本法、民事基本法、刑事基本法、それに加えまして、権力の腐敗をただす検察に対して指揮権、行政事務に関しては無制限な指揮権を持っていらっしゃるこの大臣の地位というものは、一閣僚という範囲を超えた唯一無二のものであるというふうに私、実感をいたしました。だから重責だという思いであります。 この大臣に求められている資質というものは何であるか。基本法を所管しているということは、基本法の基本法である民事基本法などを所管しているということは、その背景にある普遍的な価値を体現されている、そういう部分ではぶれがあってはいけないとともに、とりわけ、更に大事なことは、検察に対して、民主的基盤に立った内閣の一員として独善をしっかり防ぐ一方で、検察が一たび権力の腐敗をただす責務を負う場合はしっかりとそれを指示すると。このような形の、大臣に求められるのは徹底した公平無私の姿勢であるというふうに思います。 法と良心に従った姿勢、大臣も所信の方では、ジャスティス、これを実現するという力強い決意があったわけでありますが、まさに大臣そのものがこのジャスティスの体現者でなければいけないということであるというふうに思います。 こういう立場の重みを感じつつ、是非改めて森大臣から、法務行政に対する信頼を維持し、さらに回復して更に高めていく、こういう強い御決意をいただければというふうに思いますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) ただいま委員から、法務大臣は検察の独善を防ぐ、その一方で、検察が権力の腐敗をただす責務を負う組織として徹底した公平無私の姿勢がないと成り立たないとの御指摘を受けました。 御指摘のように、法務省は、国民生活の安全、安心を守るための法的基盤の整備、社会正義の実現という重い使命を負っております。法務大臣は、このような使命を負う法務省の長として、民事、刑事基本法の整備、出入国の管理、そして各種の人権問題への対応、国の利害に関係のある争訟への対応などにおいて、国民の権利義務や生活に関わる重大な権限と責任を有しております。委員御指摘の検察権の行使に関する指揮監督権も、法務大臣が有する重い権限の一つでございます。 もとより、このような法務省の使命は、国民の皆様からの信頼なくして成り立たないと考えております。法務行政が直面する様々な課題に対して、国民の皆様の声をしっかり聞きながら、国民の皆様の目線に立って政策を進めていくこと、困難を抱える皆様を一人でも減らしたい、正義を実現したいという意思を強く持って職務に取り組んでいくこと、国民の皆様に身近で頼りがいのある法務行政を実現するという目的意識を持って積極的に取り組んでいくことということが重要であると考えております。 私は、これからもこのような法務大臣の権限の重大性と、重大な責任を自覚をして、しっかりと謙虚な姿勢で取り組んでまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 力強いお言葉であったと思います。 法務省というのは党派性というものを超えていく非常に重要な立場があるところ、そこの省の長としての大臣の立場というものは非常に重要であるというふうに思います。今おっしゃった思いを含めて、更なる御活躍をしっかりしていただきたいというふうに思います。 その上で、所信に対する質疑ということで何点か御質問をしたいと思います。 大臣の所信を読ませていただく中で、改めて大臣のこの法務行政に対する真摯な思いというものが伝わってまいりました。今大臣もおっしゃった、苦しんでいらっしゃる方を支えていく、そういうような思いというもの、法務行政にとって一番重要なことは、私は一人の声に真摯にあることであるというふうに思います。法と良心に従ってということの意味というものは、表に出ている大きな声が全部であるというふうに勘違いをしないこと、そこに隠れている声なき声というものがあって、それをしっかりと拾っていき、それを実現することが法と良心の実行だというこの信念が、私は大臣にとっても大事であるというふうに思います。 そういう中で、所信を読んで一つ感じたこと、そういう大臣の思いの表れとして、性犯罪に対する政策をお訴えをされておりました。その中でも、フラワーデモ、言及をされていらっしゃった。今、全国各地でもフラワーデモが行われております。あえて、大臣に、所信でフラワーデモに言及した趣旨、思いについてお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(森まさこ君) 法務行政全てが重要でございますが、この性犯罪については法務省の抱える諸課題の一番最初に掲げさせていただきました。 性犯罪は、被害当事者の人格や尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたり多大な苦痛を与える犯罪でございます。そのため、自らの性被害経験を語ることは、多くの場合、大きな心理的抵抗を伴うものでございますが、昨年四月以来、フラワーデモにおいて、全国各地で性犯罪を許さないという声が広がっています。 これは、性犯罪を絶対に許さないという強い思いに基づいて自ら声を上げる人たちが集まっているということ、そして、多くの人がその思いに共感して行動を共にしているということで、その思いに押されて、これまで声を上げることができなかった方々も声を上げるようになってきており、その意義が非常に大きいと感じております。 私は、法務大臣として、勇気を持って声を上げられた被害当事者の方々の声にきちんと耳を傾けること、そして声を上げることがいまだにできずに苦しんでいる被害当事者の方々が取り残されることがないように取り組んでいかなければならないと考えております。このような考えから、性犯罪を絶対に許さず、厳正に対処するという思いを込めて、所信表明の冒頭でフラワーデモに言及したものでございます。 今後も性犯罪の根絶に向けてしっかり取り組んでまいります。
○矢倉克夫君 これは実際にデモに参加された方は本当に強い勇気であるというふうに思います。顔も見せて、時には実名を名のられて新聞でもインタビューもされていらっしゃる。実の親などからも被害を受けたというような思いも含めて、生々しく、本当に語りたくないような思いをあえて勇気を出して語られた、そういう今まで声にならなかった声を上げていかなければ、同じような苦しみを味わう人がいるんだという、そういう思いに対しての、大臣はまた酌み取られた。こういった声は法務大臣としてもしっかり重要であるというふうに思うとともに、改めて、ああいうフラワーデモを見ると、声を上げられない状態を利用して犯罪に及んだ卑劣さというものを私は強く感じます。 そういうようなことに対して、それに加えて、公明党も今、様々ないろんな意見をお伺いするタイミングがあるんですが、特に若い方ですね、ユーストークミーティングという形で、十人ぐらいの単位で若い方との懇談会も行っております、全国各地で。山口代表なども参加をして、私も青年委員長を今させていただいているんですが、その中で、ある若い人の声としても、この性犯罪の再犯防止というものを強く求める声がありました。 性被害に遭うのは、やはり若い人を含めた弱い立場の方であります。こういった声を若者、弱い立場の声の代弁と受け止めて、改めて大臣から、性犯罪の再犯防止に向けた決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する犯罪でございまして、また、再犯率等を見ますと、その根絶のためには性犯罪の再犯をいかに防止するかということが重要な課題になってまいります。 この点、矯正施設や保護観察所においては、性犯罪者の再犯を防止するため、専門的な処遇プログラムを策定し実施をするとともに、性犯罪者の処遇に携わる指導者の育成を進めております。 さらに、法務省においては、平成二十九年七月に施行された刑法一部改正法の附則やこの法務委員会における附帯決議、平成二十九年十二月に閣議決定された再犯防止推進計画などを踏まえ、処遇プログラムの内容や実施、運用体制の更なる充実化に向けた検討を行っているところでございます。 性犯罪については、事案の実態に即した対応を行うための施策を検討するため、現在法務省内に設置した実態調査ワーキンググループにおいて調査等を進めており、そのヒアリング等で指摘された事項も踏まえつつ、今後とも性犯罪者の再犯防止に向けた取組を推し進めてまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 このユーストークミーティングの場で、ある方からは、これは性犯罪の防止に対する有効なプログラムがないのではないかというような御指摘がありました。 私も以前、党の再犯防止推進プロジェクトチームの事務局長をしていたときに提言をさせていただいたのですが、その中で言及したのは、とりわけ性犯罪については、認知行動療法であります。これは党のPTでも意見があったわけでありますが、いわゆる、一歩引いて自分を眺めて物事を柔軟に考える練習をこれをしていく、教えるということよりも、気付く機会を与えていく。 性犯罪者というのは、問題を起こすことが楽しい、そんな自分が好きだという特殊な感情を持つという意見の下、そうではないと、事件のない生活の方が望ましい生活なんだということを認知させていく、こういうプログラムが非常に重要だという提言を受け、提案をさせていただいたところであります。 改めて、具体的な施策として、この認知行動療法の有効性、そしてそれを継続させるための専門員の育成についてどのような施策があるか、答弁をいただければと思います。
○政府参考人(大橋哲君) 答弁申し上げます。 先ほど大臣から性犯罪の再犯防止について、矯正施設等の取組について紹介があったところでございますけれども、刑事施設におきましては、強制わいせつ、強制性交等の罪を犯し、性犯罪の要因となる認知の偏りや自己の統制力の不足等が認められる者に対して、委員御指摘の認知行動療法に基づくグループワークを中心にしたプログラムを実施しております。 このプログラムは平成十八年から実施しているところでございまして、その効果につきましては、平成二十四年十二月にプログラムの受講者の再犯状況分析結果をまとめまして公表しております。出所三年後までの推定再犯率を分析した結果、プログラムを受講しているグループは受講していないグループよりも再犯率七・七%低いということで、一定の再犯抑止効果があると認められておりまして、現在まで認知行動療法を活用したプログラムを継続しているところでございます。 対象者に対して効果的な認知行動療法に基づく指導を継続して行っていけるよう、職員の育成も重要だというふうに考えております。毎年、全国の指導者を集めて実施する研修、経験豊富な指導者が他施設に赴いて行う巡回指導を行っているほか、他の施設で実施している事例検討に参加し自らの指導力の向上に活用する取組も制度化しております。加えて、各施設の指導員が自らの指導について大学等から専門家を招聘して助言を受ける機会を設けるなどしておりまして、今後も指導者の知識及び技術の向上に努めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 認知行動療法、一定の効果があったということでありますが、職員の方が御対応される、これ人事異動によってまた替えられたりとかすることがやはりあります。長期にわたってそれを専門としてしっかりとやられる方々、このノウハウというものを入れ込むような仕組みも含めて是非検討をいただきたいというふうに思います。 次に行きたいと思うんですが、同じように、やはり今、性犯罪、声を上げられない方が声を上げたということも申し上げましたが、こういうフラワーデモと同じような意味で、声を上げられなかった人が声を上げるようになった。これが、先ほどもお話がありましたヘイトスピーチ解消法の意義であります。私も発議者として、自民党の西田昌司先生などとともに発議をし、成立させていただきました。隣の有田理事にも大変様々な助言もいただいたところでありますが。 改めて、このヘイトスピーチ、なぜいけないのか、ヘイトスピーチが持つ危険性というものは何なのか。ヘイトスピーチ解消法、様々な経緯を経て、私も本当に現場の方の苦しみを聞きながら成立をさせたところであります。この趣旨も踏まえて、所見をいただければと思います。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 いわゆるヘイトスピーチ解消法、委員御指摘のとおり、平成二十八年に議員立法という形で成立した法律でございますけれども、この法律に前文がございます。この前文におきましては、近年、本邦外出身者を我が国の地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動が行われ、これらの方々が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせているとされていると。このように前文で、要約ですが、規定されております。 すなわち、ヘイトスピーチが許されない理由は、それが個人の基本的人権に対する重大な脅威であるのみならず、差別意識や憎悪、暴力を蔓延させ、地域社会の基盤を揺るがすものであるからだと、そのように考えております。
○矢倉克夫君 私も、在日韓国人・朝鮮人の方、同年代の方、三世、四世だと思いますけど、方とお会いしたときに、ヘイトスピーチ、ヘイトデモの脅威にさらされて、一人でトイレにも行けなくなったと、本当に殺されるんじゃないかと、そういう恐怖感でおびえた方の声を聞きました。こういうことが本当に日本であるのかとショックを受けた思いが、この法律に至った経緯でもあります。 今、人権に対する重大な脅威、これはまさにそのとおりであります。その上で、改めて、更に加えさせていただくと、私自身が衝撃を受けた、かつてヘイトデモに参加をしていた人の声をお伺いをしたときに、ある人がこういうふうに言っていた。これぐらいやらなければあいつには分からないんだという、この思いです。スピーカーでがあがあがあがあがなり立てて、大人数で押しかけて、出ていけ、殺せ、ゴキブリとか、これぐらいやらなければ分からないと。それは、近隣諸国に対して分からないとか、そういうような趣旨があったのかというふうに思います。 私はこの言葉を聞いて、もう本当にぞっといたしました。普通の方、普通の人間、見た感じ一般の人、そういう人がこういうことを平気で言う。自分の主張、信条のために、外交関係への思いその他を表明するためには、相手がどんな脅威に、恐怖に陥っても構わないと。思想のためには人を人と思わなくなっている。目の前にいる人が人間と思えなくなっている。こういうような心理をかいま見て、人間の恐ろしさというのを感じたところであります。 ヘイトスピーチ、ヘイトデモがいけないのは、こういう差別の根底にある人間の魔性、思想、信条のため人を人と思わなくなる、こういうような思いというものが私は危険であるというふうに思います。いろいろな思想を理由にして、罪のない人の人格を否定をしてしまう、こういう権利は当然誰にもないわけでありますが、古来、人類はこういう人間心理から戦争を生んできた。こういうことが一切行われないような社会にするという大きな大きな目的に立った宣言がヘイトスピーチ解消法であり、法務大臣は、そういうものは撲滅される社会をつくる先頭に私は立っていただきたいなというふうに思っております。 改めて、ヘイトデモ、このようなものの根底にある、人を人と思わなくなる、こういう感情、これが全ての不幸の根源である。こういったものをしっかりと撲滅をしていく。大臣に対して、殺すぞとか出ていけとかゴキブリとかいうヘイトスピーチ、ヘイトクライムであります。こういったものは社会から法務大臣として必ず撲滅をさせて根絶をさせていく、そのためにも戦っていくという力強い決意をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、様々な思想や外交上の考え方を理由に、平穏に暮らしている方々の生活や人格を否定する権利は誰にもございません。殺すぞとか出ていけとかごみとかゴキブリとか、そういったヘイトスピーチ、ヘイトデモは、国際社会の中での我が国の地位を鑑みても決して許されないことであると考えます。 法務省としては、このような、人を偏見、差別に基づいて人格を否定するヘイトスピーチ、ヘイトデモ、撲滅するように頑張ってまいります。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 先ほど有田議員からも様々な御質問があったところであります。大臣としては、個別の事案についての評価というものはこれは難しいところがあるのは重々私も承知しているところであります。大臣の職責というのは、その中で潜在的な脅威というものがある、これをしっかりと理解をされた上で、事前にその後に何か起きないように政策をつくっていくという、こういうことが私は大臣の責任であるというふうに思います。 そういう部分においても、先ほど申し上げた、ヘイトデモ、ヘイトスピーチ、ヘイトクライム、この危険性、どの人間にも持っているかもしれないそういう魔性というもの、これが仮に罪として出てきたという場合、社会平穏が維持されなくなるばかりか、平和というものも維持されなくなる、そして何よりも一人の人権というものを大きく侵害するものだということ、そういうことがあってはいけないという強い決意で、事前にしっかりと政策を行っていくことをお願いしたいというふうに思います。 ネット上でもいろんな、ヘイトクライムと言ってもいいようなものが氾濫をしております。そういった様々な事象を踏まえて、私も時折いろいろと大臣とも是非議論をさせていただきたいというふうに思いますが、関係省庁とも連携して、こういったことに苦しまれる方がいないという社会を是非大臣のリーダーシップでつくっていただきたいことを強く申し上げたいというふうに思います。引き続きよろしくお願いを申し上げます。 それでは、この点はまた引き続きとさせていただいて、最後一点、一問だけ、大臣に最後一つ質問をさせていただきます。二問あったわけですが、ちょっと一つ飛ばしていただきまして。 次は、少年犯罪ということでありますけど、少年事件において、大臣も所信の方で児童虐待防止について言及をされておりました。様々な調査によると、少年院の入所者という方は多くが保護者等から児童虐待を受けた経験を持つ、そういうような経験を持っていらっしゃいます。犯罪白書などでも女性の五割近くがそういった経験を持っていらっしゃるというような評価もあるというふうにもお伺いもしております。 こういう少年事件、いろんな背景があって少年院に入ったりとかという、そういう背景があるかというふうに思います。そういう少年に対する対処ということは、それぞれが行った行為の評価というだけではなく、やはりその背景を探って原因を取り除いていく努力というものが必要であるかというふうに思います。こういった点、家庭裁判所が、それぞれの調査や審判において、罪名が重いものであるかどうかということをこれ形式的に見るわけではなくて、少年の可塑性というものをしっかり考えながら対処をされていらっしゃるわけであります。 こういう少年事件に対しては、処罰による抑止効果というものだけではなく、そして、それではなく、保護措置というものが重要であります。それに対する大臣の御所見を最後お伺いし、少年の再犯防止に向けた大臣の決意をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(森まさこ君) 少年院や保護観察所では、少年の処遇に当たり、個別の計画を作成するなどして個々の事情を踏まえたものとなるようにしております。私も付添人弁護士の経験がございますけれども、家庭裁判所による社会調査及び少年鑑別所における調査の記録、そして本人との面接により、少年個々の特性等を把握した上で作成をしてまいります。 処遇に当たっても、指導や支援に係る内容や方法を綿密に検討し、個々の事情に配慮しております。例えば、今委員が御指摘になりました被虐待経験がある少年に対しては、保護者との関係や少年の心理状態を踏まえて面接を実施するなど、慎重かつきめ細かい働きかけを行っております。 少年院在院者や保護観察対象者いずれについても少年個々の事情を踏まえて処遇に当たることが重要と考えており、引き続き少年にしっかりと寄り添った適切な指導や支援に努め、少年事件の再犯を防止してまいりたいと思います。
○委員長(竹谷とし子君) 矢倉克夫君、お時間が過ぎております。
○矢倉克夫君 少年個々の事情、その形式的な判断、罪名がどうかとか、そういうような行為の評価とか、そういうことだけではなく、個々の事情をしっかり把握するということが重要な部分だというふうに思います。 この点についても引き続きしっかり対応いただくとともに、再犯防止全般について、この委員会かまた別なところでも私もいろいろと質問させていただくと思います。この点も是非しっかりと御対応いただくことをお願い申し上げまして、私からの質問にいたします。 ありがとうございます。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。 まず最初に、テロ対策などについてお聞きをしたいと思います。 先般の二十日で、あのオウム真理教による地下鉄サリン事件からちょうど二十五年ということになりました。松本元死刑囚らは一連の事件で死刑の執行がされたわけでありますが、教団は御存じのように名前を変えていまだ活動をしているということですし、そのうち第二、第三の麻原が出てこないとも限らないわけで、そういう歴史を繰り返してはいけない、そのためにいろんなことを問い直さなければ、問い続けなければならないと思っております。 あの地下鉄サリン事件は、御存じのとおり、化学兵器を用いて、首都東京で、世界を代表する大都市で無差別にまかれるという前代未聞の化学テロだったわけであります。間近に迫った教団への強制捜査を阻止するのが目的だったと言われてもおりますが、なぜこれほど大規模なテロを企てるということになったのか。また、比較的高学歴の若者が入信をして、また活動をし、人をあやめるということになったわけですが、それらの背景や理由も含め、多くの疑問は今なお解消されていないと言ってもいいかと思っています。 小さなヨガサークルから始まって、この国家転覆を企てるような、そういう集団に変容していったわけですが、こういう我々の社会を完全否定する者がいかに生まれ育ち、また、その土壌は本当になくなったのか、この問いかけはしっかり続けなければならないと思っています。先ほど言いましたように、教団は決して消滅したわけではなくて、特に主流派のアレフはいまだ松本元死刑囚への帰依が強いとも言われています。 大臣も所信の中で、アレフ、山田らの集団及びひかりの輪を中心に活動するオウム真理教については、引き続き、団体規制法に基づく観察処分を適正にかつ厳格に実施をするということをおっしゃっているわけですが、最近のこの後継団体の活動状況はどうなのか、また、どのように実際にこの観察処分が行われているのか、これは公安調査庁にまずお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(浦田啓一君) お答えいたします。 オウム真理教の後継団体として、アレフ、ひかりの輪、山田らの集団の三団体が現在も活発な活動を続けており、委員御指摘のとおり、地下鉄サリン事件から二十五年が経過した現在も同事件の首謀者である麻原彰晃こと松本智津夫を崇拝し、依然として無差別大量殺人行為に及ぶ危険性を保持していると認められるところでございます。 公安調査庁におきましては、観察処分に基づき、これらの後継団体に資産状況その他の必要事項を報告させるとともに、これらの団体が所有、管理する土地、建物に対する立入検査を実施し、その活動状況を注意深く監視した上で、その結果や関連する情報を関係地方公共団体等に提供するなどして、公共の安全確保及び国民の不安解消に努めておるところでございます。
○柴田巧君 今、この入信者というか、そういう数等は、特に詳しいことまでおっしゃらなかったわけですが、あれから四半世紀たって、若い人の中にはこの事件を全く知らないという人も増えてきたと、世の中、思っていますが、先ほど言いましたように、この事件を風化させてはならないと思っています。 事件を知らないがゆえに、この抵抗感が薄れて入信をする若者が後を絶たないというのもどうも現実のようで、今は詳しくおっしゃりませんでしたが、百人ぐらいはどうも抜けるんですが、また新たに百人ぐらい若い人たちが入ってくるとも言われていまして、そのうち六割は学生だということでもあります。ある意味、青少年を新たに取り込みながら新陳代謝をしていると言ってもいいかもしれませんが、そういう意味では、教団の脅威はまだまだ消えていないということですから、後継団体のこの規制強化は非常に、監視を厳重にすると、厳格にするというのは必要だと思っています。 また、この首謀者の松本元死刑囚は、御存じのとおり、一審の途中から沈黙を続けました。核心部分は分からないままに刑が執行されたということで、深い闇は残されたままの事件になっていると。したがって、正確で詳細な事実を語り継いでいけるように、積極的な情報公開なども必要なのではないかと思っています。 先般、この地下鉄サリン事件の遺族会の代表世話人である高橋シズヱさんに大臣もお会いになったやに報道で見ましたが、二十五年をやってきて、一つの区切りにして、この後は政府にバトンを渡したいということをおっしゃっておられたと聞いておりますが、そういう意味では、しっかりそれを受け取って、風化させないように取り組んでいっていただきたいというふうにも思います。 そこで、先ほど言いましたが、後継団体への規制強化はもちろんですが、この松本死刑囚らの死刑執行に関する情報公開が必要だというふうに、事件を風化させていかないためには必要だと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 松本サリン事件、そして地下鉄サリン事件、この一連のオウム真理教の事件、当時、本当に世界中を震撼させたわけでございますが、今若い方々が入信していく実情があるということで、事件そのものを知らない若者がまた入信をしている状況がございます。地下鉄サリン事件から二十五年が経過し、事件の風化も懸念されます。 公安調査庁においては、広報活動等の風化防止策を引き続き積極的に展開をしております。また、先日も、高橋シズヱさんが、旦那様が助役でいらっしゃいましたけれども、大臣室に御要望に来ていただきました。そして、後継団体への規制については観察処分を厳正かつ厳格に実施することをお約束したところでございます。 また、今ほど御質問の死刑執行に関する情報公開の点でございますが、国民の御理解を得るために死刑執行に関する情報公開を行うことは重要であると考えております。 もっとも、国家の刑罰権の作用は、本来、刑の執行そのものに限られるものでございますので、それを越えて国家機関が死刑の執行に関する情報を公表することは、死刑の執行を受けた者やその関係者に対し不利益や精神的苦痛を与えかねないこと、他の死刑確定者の心情の安定を損なう結果を招きかねないことなどなどから、死刑の執行に関する情報の公表については慎重に検討する必要があり、現時点においての、現状の公表の範囲を超える事項については公にすることは考えていないところでございます。
○柴田巧君 今、死刑の情報の公開はこれ以上のことを今は考えていないということですが、被害者の、被害者支援の充実が求められる中、やはり日本の死刑制度の情報についてはやっぱり極めて秘密主義になっていると思われますので、これはどこまで公開するかということのやっぱり議論が本当はあってしかるべきなのではないかなと思っていますが、これはまた別の機会にさせていただくとして、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、この事件を風化させていかない、またその芽が完全に消えたわけではないと思われますので、しっかり取り組んでいただき、また遺族、関係者の皆さんの心にある意味寄り添ってしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。 じゃ、次に移りたいと思いますが、我が国の治安や安全を守るには、このテロリストや不法滞在を行おうとする者の入国を水際で確実に阻止をしていくというのが大事なことでございます。今、新型コロナウイルスでこういう状況なので、なかなか一見そういう者は入ってこないのではないかと思いがちですが、ある意味、本当のプロのテロリストからすれば、こういうときこそ関心が、大きく国民の関心がそっちに向いているときに上手に入ってこようとするものなのかもしれません。 それはまあ別としても、大臣も所信の中で、我が国の安全、安心を脅かす危険な行為に及ぶおそれのある者に対する毅然とした入国管理をしていきたいと、することが必要だということをおっしゃっているわけですが、我が国の最先端の技術も用いながら、こうした水際の徹底したテロ対策、日頃からしっかり準備をしておくということが大事なんだと思います。 我が国では、二〇〇七年から、水際対策として指紋及び顔写真を活用した上陸審査を実施をしていますし、二〇一六年からでしょうか、テロリスト等を入国審査時に確実に発見するため、この上陸審査時に提出される外国人旅行者の顔写真と関係機関から提出されるなどしたテロリストの顔写真などの照合も実施をしています。 いわゆる個人識別情報を活用してやっているわけですが、それでは、それによって、活用して上陸阻止をした具体的な実際の数はどれだけになるのか。また、この関係機関の連携によってテロリストなどに係る個人識別情報の入手に努めるなど、さらに同制度の効果的な運用というのがこれから求められると思いますが、どのように取り組んでいくのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。 個人識別情報、指紋、顔写真等でございますが、の活用により退去を命じた者及び退去手続を取った者の総数についての御質問ですが、入国審査における個人識別情報の活用を開始した平成十九年十一月から平成三十年十二月末までの総数は約九千九百件でございました。また、取り急ぎの速報値でありますが、昨年一年間、これに更に千四百件ほど積み上がりまして、昨年十二月末までの累計では約一万一千三百人となっております。 出入国在留管理庁におきましては、テロリスト等の入国を水際で確実に阻止するため、厳格な入国審査のための様々な取組を行っているところでございますが、そのためには、要注意人物に関する可能な限り正確な情報を可能な限り多数集めるということが非常に大事なことだというふうに考えております。 当庁におきましては、関係機関と連携を図りつつ、テロリストや犯罪者等の情報を収集し、収集、分析した情報を出入国在留管理庁が保有する要注意人物リスト、いわゆるブラックリストに登載するなどして、そのような危険人物の確実な入国阻止を図っているところでございます。 今後も、引き続き関係機関との情報連携を強化しまして、テロリスト等の入国を確実に阻止するための水際対策を更に強化、推進してまいりたいと考えているところでございます。
○柴田巧君 今答弁の中にありましたように、この個人識別情報は一定のやっぱり効果を現しているんだと思います。更にしっかり運用して、効果的な運用に努めていただきたいと思いますが、今の個人識別情報もそうですし、今日は時間がないのであれですが、事前予約情報、旅客情報ですね、あるいは乗客の予約記録などなど、いろんな情報を入手することでテロリストなどの入国を阻止していける時代になったと思っています。 そういう意味では、適正な出入国在留管理行政を遂行する上で情報活用の重要性はますます増していると言ってもいいと思いますが、既に、平成二十七年ですかね、出入国管理に係る情報収集、分析の中核機関として、当時の入国管理局に出入国管理インテリジェンス・センターというのが開設をされました。このセンターを中心として、この出入国在留管理行政の遂行に有益と思われる情報を国内外の関係機関からまずは広く収集をして、そしてより良く分析するということが極めて重要だと思います。 そのため、この情報活用能力の高い職員をどう育成をしていくのか、そして多角的な情報分析を行う必要があると思いますが、どのように取り組んでいくのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のように、法務省においては、出入国管理に係る情報分析、情報収集、分析の中核組織として平成二十七年から出入国管理インテリジェンス・センターを設置をしております。 情報活用能力の高い職員を育成することについての御質問でございますが、これには、情報分析に必要な理論、手法等の習得を目的とした専門的な研修を実施すること、多角的な情報分析のためには国内外の関係機関との情報連携を強化し、外国人の出入国在留管理に関する情報をより迅速かつ正確に把握することが重要であると認識をしております。 今後とも、引き続き、組織全体のインテリジェンス機能の強化を図り、テロリスト等の入国を水際で阻止するため、厳格な入国管理の実施に努めてまいります。
○柴田巧君 やはりこういう面での人材育成というのは非常に大事だと思います。しっかりと取り組んでいただきますことをお願いをしておきたいと思います。 次に、再犯防止についてお聞きをしたいと思います。 先ほどからも再犯防止については取り上げられておりますが、犯罪を犯した者の多くは、事件への反省も踏まえて、刑務所などからの出所後、健全な社会の一員として暮らしていく人が多いは多いんですが、中には再び犯罪をしてしまう人がたくさんいるのも事実であります。 そういう人たちが再び犯罪に走らないように立ち直りを支えていく取組の強化が求められているわけでありますけれども、そういう最近増える傾向にある再犯を防止をしていく、大幅に減少することができれば、これは言うまでもないわけですが、被害者の人を少なくしていけると、数を少なくしていけるということはもちろんのことですが、受刑者一人当たり約今一千万ほど掛かると言われています。これは、警察の捜査や裁判、刑務所の管理運営等に関する国民負担がそれだけあるということですが、再犯者を少なくすれば当然そういう国民の負担も減らしていけるということですから、再犯防止に一生懸命取り組んでいかなきゃならぬと思いますけれども、ただ、この刑事施設や少年院から出てきても、その後の仕事がない、雇用がない、これが再び犯罪を犯す一つの大きな背景になっているのはよく知られているところであります。特に無職で刑務所から出所してきた者の再犯率は職がある人に比べると約三倍ぐらい高いと言われていますので、この就労支援、雇用の確保が極めて重要だということになるわけであります。 二〇〇六年から法務省と厚労省が連携をして、刑務所出所者等総合的就労支援対策というのは就労確保のために行われていますが、就職した割合は、いろいろ努力はされているんですが、まだ四五・八%という、まだ五〇%にも満たないということで、決して実効性がまだまだ高くないと思われます。 そこで、この就職率を更に上げるためにどのように取り組んでいくつもりか、まずお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。 出所後の就労の確保のために、刑事施設におきましては、受刑者に対して就労に関する改善指導や職業訓練を行うなどして、就労に必要な知識、技能を習得させまして、また、資格を取得させているところでございます。 また、刑事施設からの釈放が近づいた者に対しましては、ハローワーク職員により職業相談や職業紹介等を実施いたしまして、在所中から就労につなげるための調整を行っております。こうした就労支援を受けた者の情報につきましては保護観察所等にも共有し、釈放となる者について継続的な就労支援が実施できるよう配慮しているところでございます。 さらに、矯正就労支援情報センター室、我々、通称コレワークと呼んでおりますけれども、東京及び大阪の矯正管区に設置いたしまして、平成二十八年十一月から支援を本格的に実施しております。コレワークにおきましては、全国の受刑者等の職歴、職業訓練種目、資格、帰住予定地等の情報を一括管理いたしまして、刑務所出所者等の雇用を希望する企業に対しまして雇用条件に適合する者がいる矯正施設の紹介を行うことなどにより矯正施設の在所中の就労の確保に努めております。 このような取組によりまして刑事施設の在所中に就労内定を得る者が増加した結果、委員御指摘のとおり、平成三十年度は法務省全体として刑務所出所者等延べ七千六百九十名に就労支援を実施し、その結果として延べ三千五百二十一名、割合として四五・八%の就職に結び付いたところでございますけれども、再犯防止推進計画におきましても就労の確保が重点課題の一つとされていることを踏まえまして、更にこの就職率を高める必要があるものと認識しております。 刑事施設における職業訓練等の充実、関係機関との連携の強化、また、令和二年度からは、東京、大阪を含めまして全国八の矯正管区にコレワークを設置いたしまして、更に広域的な就労支援に取り組む予定としておりまして、就労支援実施体制の更なる充実に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 先ほども申し上げたように、仕事があるかないかでまた罪を犯してしまうということになりかねませんので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 この刑務所出所者については、雇用の促進、雇用の確保もさることながら、この就労後簡単に離職しないような取組も、これも非常に重要であろうかと思います。せっかく就労できたのに短期間で離職をしてしまう、そして、その後また罪を犯すという者が少なからずおるやに聞いております。 法務省が行ったこの協力雇用者、この出所者などを雇用している人たちですが、のアンケートによると、雇用しても約半年で離職する者が約五割あるということでありまして、この数字をいかに下げるかがポイントなんだと思います。 したがって、この関係機関とも連携して簡単に離職しないような取組が強化が求められますが、どのように取り組まれるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 短期の離職を防止するために、現在、保護観察所におきましては、矯正施設、そしてハローワークとも連携をいたしましてきめ細かな就労マッチング支援を行うとともに、刑務所出所者等就労奨励金制度を活用しまして雇用継続を促進する、あるいは保護観察官や保護司による出所後のフォローアップに努めているところでございます。 さらに、令和二年度からでございますけれども、保護観察所が民間団体に委託して行っております更生保護就労支援事業といたしまして、新たに職場定着支援業務を開始し、協力雇用主及び刑務所出所者等の双方に対しまして相談支援を行いまして職場定着を促す予定としております。 引き続き、関係機関、団体と連携をしながら、出所者の就労継続に努めてまいりたいと思っております。
○柴田巧君 いずれにしても、この再犯防止は、国や関係機関、地方自治体のみならず、やっぱり民間の皆さんの理解、協力がなければなかなか難しいと思います。 特に、実際雇用をしてくださっている協力雇用者の皆さんのやっぱり負担や不安を軽減をしてあげるというのが非常に重要なことではないかと思っていまして、もう既にこの刑務所出所者等就労奨励金というのがあって、これは年間最大で七十二万でしたかね、こういうものもありますが、先ほど申し上げたこのアンケートの結果によっても、五七%の人は使っている、逆に言うと四三%の人は、まだ知らないのか、活用していないのか、問題があったのか分かりませんが、まだそういう状況で。 使った人からすると、これなかなかいい制度だという評価は高いのですが、まだ知らない人、活用していない人がかなりいるということになりますから、せっかくこういうのもあって協力雇用主の皆さんのバックアップをしようということですから、また評価も使った人からすればいいということですので、この支援制度の周知を努める、また丁寧に説明するということが求められるんじゃないかと思いますが、どのように考え、取り組まれるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) ただいま委員御指摘のとおり、各種支援制度の活用につきましては、まだ周知が十分ではないということが分かりました。 そこで、昨年でございますけれども、法務大臣が、いわゆる経済三団体のトップに対しまして刑務所出所者等の雇用の促進に関する御理解と御協力を直接お願いをいたしまして、これを受けまして、各地の保護観察所におきましても、地元の経済団体等を訪問し、各種支援制度についての説明を行っております。 さらに、就労支援策をまとめましたパンフレットを新たに作成し、広く配布しております、を始めました。また、この協力雇用主に対する研修等を充実させまして、その機会に各種支援制度に関する説明を丁寧に行うこととしております。
○柴田巧君 是非その協力雇用主のサポートをしっかりやっていただきたいと思うんですが、ややもすると、役所というのは制度をつくってその後どうなっているか、機能しているかチェックをされていない部分があるので、しっかりそれはやっていただきたいと思います。 そして、大臣にお聞きをしたいと思いますが、その奨励金もさることながら、やはりそうやって頑張って雇用してくださっている方々のインセンティブ、メリットがもっともっとあってもしかるべきではないかと思います。 既に法務省では、発注の矯正施設の工事の一部を対象として、この刑務所出所者等を雇用した協力雇用主に対して総合評価落札方式における加点を行っているという、大変結構なことだと思います。 これはもっと法務省の中で広げることができるのではないか、また、それこそ大臣のリーダーシップで、他の府省にもそういうことをやってほしいということを働きかけるべきではないか。社会全体でそういう人たちの雇用をつくり、支えていく、また、それを取り組んでいる企業をバックアップするというのは大事なことだと思います。 大臣に御見解をお聞きをして、最後にしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) まさに他の府省庁に関してなんですけど、今月の十一日、三月十一日に、法務省から協力雇用主の受注機会を増大をしてほしいということで、初の参考指針を作りまして、それを他府庁に示し、積極的な取組を依頼したところでございます。 委員御指摘のとおり、法務省における取組もますます拡大をし、そして他府庁に対しても引き続き受注機会の増大について働きかけてまいりたいと思います。
○柴田巧君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 初めに、検察庁法改定案について伺います。 前回の質疑で、法務省は昨年十月末の時点では検事長の定年延長は必要ないと考えていたと、このことを指摘いたしました。ところが、今年一月に一転をし、検事長は六十三歳以降、検事総長は六十五歳以降も続けられる仕組み、役降りの特例規定が入れられました。 大臣に伺いますが、その立法事実、立法の必要性は何ですか。
○国務大臣(森まさこ君) 役降り特例の立法事実というお尋ねでございました。 一般職の国家公務員については、定年を六十五歳まで引き上げつつ、組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持するため、役職定年制を導入することとされました。 今般、検察庁法の改正においては、検察官につき、一般職の国家公務員同様、定年を六十五歳まで引き上げますが、組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持する必要は検察官にも妥当することから、検察官役降り制を導入する必要がございます。 改正後の国家公務員法において、役職定年制の導入により役職定年に達した職員を一律に降任又は転任することとなるところ、当該職員の職務の遂行上の特別の事情があって、当該職員を異動させることにより公務の運営に著しい支障が生ずる場合があり得ることから、役職定年制の特例が設けられることとされております。 この点、検察官についても、検察官役降り制の導入により次長検事や検事長については年齢が六十三歳に達した日の翌日に検事に任命することとなりますが、当該次長検事及び検事長の職務の遂行上、特別の事情があって、その異動により公務の運営に著しい支障が生ずる場合に、引き続きその官及び職を占めたまま勤務させる必要があると考えられます。そのため、検察官についても、国家公務員法と同様に役降りの特例を設けるものとしたものでございます。
○山添拓君 今、最後におっしゃられた、検察官についても公務の運営に支障を生ずる場合があると、そのために六十三歳以降も検事長をやらせる旨の規定を入れたのだということでした。 資料の一ページを御覧ください。 しかし、その必要はないというのが昨年十月末時点での法務省の考え方でした。検察官には特例規定を設ける必要がないことについてと、こう題しまして、その理由も記されております。理由も記されているんですね。皆さんも御覧いただきたいと思うんですが、検察官には職制上の段階がなく柔軟な人事運用が可能だ、定年の誕生日で退官をするので国家公務員一般のように年度末で一斉退職することはないと、異動も誕生日を基準として行っているので一斉に異動するようなこともないのだと。 大臣、今年一月までの間に、こうした事情、一つでも変化したものがありますか。
○国務大臣(森まさこ君) 検察庁においては、これまで検察官に勤務延長の適用がないことにより公務の運営に著しい支障が生じた特段の事例は見当たりませんでした。そのため、法務省においては、昨年十月末頃時点では、職員の異動により補充すべきポストが一斉に生じるおそれのみを念頭に置き、検察官については、勤務延長及び役職定年の特例に相当する規定を設けなくとも公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考え難いと結論付けていたものでありました。 しかしながら、昨年十二月頃から、担当者において、従前の解釈を維持するのが妥当かという観点に立ち戻って検討を行った結果、昭和五十六年当時と比べ、社会経済情勢は大きく変化し、多様化、複雑化しており、これに伴い犯罪の性質も複雑困難化している中、検察官についても、業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずることが一般の国家公務員と同様にあると考えるに至ったものでございます。
○山添拓君 ですから、そうした検討は去年の十月でもう終わっているんですよ。その上で、公務に支障が生じることはないんだという結論が記されていたわけです。 大臣今おっしゃいましたけれども、去年の十月から、十二月から検討して解釈変更することにしたんだと。 資料の二枚目、今年の一月、法文案の修正理由を述べたものです。その冒頭には、検察官にも勤務延長が適用されると整理したことから条文の修正を行ったんだとしております。 そうしますと、大臣、結局、この立法事実というのは、解釈変更したからこういう法文に変えたのだ、法案に変えたのだ、こういうことになりますね。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほど申し述べたとおりでございますけれども、これまで検察官に勤務延長の適用がないと解釈をしていたものでございますが、そのため、法務省において、昨年十月頃時点に、内閣法制局と協議の結果、一旦法案を作ったものでございますが、その法案は提出するには至りませんでした。そのため、時間ができたため、昨年十二月頃から担当者において、改めて従前の解釈を維持するのが妥当かという観点に立ち止まって検討を行った結果、先ほど述べたとおりでございますが、役降り制度についても必要があると解釈したものでございます。
○山添拓君 つまり、解釈を変えたから役降りの特例を入れたのだと、こういうことですよね。もう一度、念のため伺います。
○政府参考人(川原隆司君) 立案の経過に関することでございますので、私から答弁をさせていただきます。 先ほど山添委員から御指摘のございました、昨年十月に私どもから法制局に出した資料でございますが、これは、山添委員も御指摘がございましたように、これの資料については、この資料の中に、このように、検察官については、適切な時期に異動を前倒しするなどすることが容易であって、異動により補充すべきポストが一斉に生ずることにもならないことから、現在も国家公務員において導入されている定年による退職の特例に相当する規定も置かれていないということでございまして、これは、一斉の異動によるその後任の補充に難を生ずることがないからという観点から、このときは不要だと言っていたものでございます。 その後、大臣からも再三御答弁いただいていますが、昨年の十二月頃から私ども刑事局の担当者において検討した中では、そういった観点とは別の観点、すなわち、検察官についても、業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害が生ずることが一般の国家公務員とは同様であるということの観点に立って解釈を最終的に変えるに至ったものでございまして、ここには、同じ観点から見て、ある事由があったなかったという問題ではございませんので、昨年の十月以降に、その昨年の十月までの検討のときには必要がないとしていたものに対して、それを、立法事実が生じたというものではなくて、立法事実が生じた、このような解釈変更に至りましたのは、昭和五十六年当時の改正国家公務員法の当時との違いに思いを致したからでございます。
○山添拓君 思いを致したからというお言葉ありましたけれども、要するに解釈変更をしたから法案も変えたということなんですよね。その解釈変更の理由として大臣が述べられたのは社会情勢の変化でしたが、これ法務省によれば交通事情とネット化、犯罪の複雑化ですけれども、それが特定の人を特定の職務に継続して就かせる理由にならないということは先週も指摘したとおりであります。 要するに、黒川氏を続投させたい、この違法人事が発端となって解釈変更が行われ、その解釈変更を行ったがために法案まで修正を余儀なくされたと、こういうことですよ。幾ら取り繕って説明されても、これは否定できないです。直ちに撤回されるべきだ、このことを強く指摘しておきたいと思います。 今日は、続いて、刑法の性犯罪規定について伺います。 大臣は、所信表明の冒頭で性犯罪に触れ、フラワーデモでこれまで声を上げられなかった性被害の当事者が声を上げていることに言及をされました。これは私は大事なことだと思います。 資料の三ページに毎日新聞をお付けしましたが、三月八日、国際女性デーに合わせて各地でフラワーデモが行われました。東京駅前からのネット中継は六千人以上が視聴をしました。呼びかけ人の北原みのりさんは、性暴力は私たちの日常で起きている、生活の場で声を上げるんだという人が各地で立ち上がったと話しております。この声に政治は真摯に向き合うべきです。 性暴力の根絶を目指す多くの人が求めている課題の一つが刑法改正であります。一七年の改正では、暴行・脅迫要件の撤廃、緩和、あるいは性交同意年齢の引上げなど、多くの論点が先送りをされ、附則の九条では三年後を目途とした見直し規定が置かれました。今年は二〇二〇年で、その三年後に当たりますが、法務省の提出予定法案の中には刑法、性犯罪規定の改正案はありません。今、法務省内ではワーキンググループが設けられ、実態調査が行われて、これはもうじき取りまとめが発表されるということですけれども、今年二〇二〇年、三年後だから今年刑法改正が更に進められる、こういうふうに期待していた方は多いと思うんですね。拙速な進め方であってはなりませんけれども、課題は当時から明確だったわけですから、早期に今後の道筋を示すべきだとお伝えしておきたいと思います。 法務省に伺いますが、ワーキンググループは、三月三日、取りまとめ骨子案と題する中間取りまとめを公にしました。ヒアリングなどで指摘をされた刑法や刑訴法の課題としてどのような点を整理しておりますか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 お尋ねに関しましては、まず刑事の実体法に関するものといたしまして、暴行、脅迫の要件や心神喪失、抗拒不能の要件を撤廃すること、また、地位、関係性を利用した犯罪を創設することなどについて指摘がなされているところでございます。 また、刑事の手続法に関するものといたしましては、公訴時効を見直すこと、司法面接的手法を用いた聴取の録音、録画を公判での証言に代えて証拠とすることができる制度を創設すること、起訴状等において性犯罪の被害者等の氏名を記載しない制度を創設することなどについて指摘がなされているところでございます。 以上でございます。
○山添拓君 これら指摘をされた事項については、いずれも今後設置をされる検討会などで適切に検討課題としていっていただきたいと思います。 ワーキンググループに報告をされた調査研究では、性犯罪被害者の心理や行動に関する分析結果として、性犯罪被害者が示す反応や行動には様々なものがあり、必ずしも強い抵抗を示すわけではない、身体的抵抗より言葉による抵抗が多い傾向が見られ、全く抵抗していない者が相当数いたと、こういう記載があります。 一方で、無罪あるいは不起訴になった性犯罪についてはどのようなことが分かったとされていますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 研究におきましては、検事が精神科医等の指導、助言を受けまして、被害者の心理等につき、心理学的、精神医学的知見を収集し、それらの知見を踏まえ、過去の性犯罪事例を分析したところでございます。 お尋ねの点でございますけれども、まず、強姦罪あるいは強制性交等罪の無罪判決の分析によれば、無罪判決の多くは意に反して姦淫された等の被害者供述の信用性に疑問があるとされたものであり、その事情として、被害者の反応や言動の不自然性のほか、供述と客観的証拠との不整合や供述の不合理な変遷など、複数の要因を総合的に考慮するものが多かったとされております。不自然性を指摘された被害者の反応や言動としては、容易に逃げたり助けを求めたりできる状況であったのにそのような行動を取っていないことなどがあったとされております。また、無罪判決の中には、被告人は被害者が同意したと考えて行為に及んだ可能性が否定できないなどとして、被告人の故意を否定した事例があり、その理由として、被害者が拒否する態度や抵抗を示していないことなどが指摘されたということでございます。 次に、不起訴、これは嫌疑不十分でございますが、とされた事例の分析におきましても、被害者供述の信用性の判断や被疑者の故意の認定に当たり、前同様、被害者の反応や言動について指摘するものがあったが、被害者供述の信用性の判断では複数の要因が総合的に考慮されており、被害者の反応や言動のみを理由とするものはほとんどなかったということでございます。 そのほか、準強姦罪あるいは準強制性交等罪の事例分析におきましても、心理的抗拒不能状態や被告人の故意の認定に当たり、被害者の被害時の言動等を考慮している事例があったということでございます。
○山添拓君 ありがとうございます。 いろいろ留保を付けて説明をされたんですが、しかし、大臣も聞いていただいてお分かりになりましたように、心理学的、精神医学的な知見としては、必ずしも強い抵抗を示すわけではない、あるいは全く抵抗していない者もいたとされているのに、実際の事件では、被害者が抵抗を示していないから同意がなかったとは言えない、あるいは被告人に故意なしと、こういう事例が生じているわけですね。もちろん最後は総合考慮かもしれませんが、抵抗がないということが不起訴、無罪、その理由になっているということがあります。 得られた知見、心理学的、精神医学的な専門的な知見は、直ちにこれ捜査や公判で生かされるように徹底すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘をしっかり承ってまいりたいと思います。 私の、今、私的勉強会においても、専門的な医師の方に来ていただいてお話を聞いたところでございますけれども、そういった知見を今後様々な捜査、そして法制度に生かしていけるように、それに何がしたいかということを検討してまいりたいと思います。また、ワーキンググループの取りまとめ、またその後の会議体においてもしっかり生かしていきたいと思います。
○山添拓君 是非そうしていただきたい。 ワーキンググループでの調査のうち、裁判例の調査、不起訴事件の調査は、現在まだ取りまとめ中ということで明らかにされておりません。無罪判決で何が無罪の理由とされたのか、不起訴事件で何が嫌疑不十分の理由とされたのか、暴行、脅迫、心神喪失や抗拒不能要件、あるいは被告人の故意がどのように判断されたか、被疑者、被告人と被害者との具体的な関係性など、こういったものが分かるように分析するべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。 委員のおっしゃった点がまさにそのとおりでございまして、その点が分かるような形で調査を行っているところでございます。
○山添拓君 昨年十二月十八日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが当時TBSワシントン支局長の山口敬之氏にレイプされたとして、損害賠償請求の判決が出されました。 詩織さんは、お酒に弱いわけではないのに、被告と飲食したすし屋で記憶をなくしました。すし屋を出て乗り込んだタクシーでは、詩織さんが近くの駅に行ってくださいと述べたのに、被告の指示でホテルに向かい、詩織さんをタクシーから引きずり出すように降ろし、足下がふらつく中、部屋へ向かいました。そして、被告は避妊具を着けずに性行為を行いました。 判決は、性行為の合意の有無についてどのように認定していますか。
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 御指摘のありました判決の二十九ページの十行目から読み上げます。 (5)本件行為についての合意の有無 ア 前記1(2)オ、カに認定したタクシー内における原告と被告のやり取り、タクシー降車時及びタクシーを降車してから本件居室に入室するまでの原告の状況からすれば、原告は、当時の記憶は喪失しているものの、原告が本件居室に被告と共に入室したことが原告の意思に基づくものであったとは認められない。 次に、両当事者の供述についてみると、前記のとおり、本件居室内における本件行為に関する被告の供述には、重要な部分において不合理な変遷がみられ、客観的な事情と整合しない点も複数存するなど、その信用性に疑念が残るものであるのに対し、本件行為時に意識を回復した後の事実に関する原告の供述は、客観的な事情や本件行為後の原告の行動と整合するものであり、供述の重要部分に変遷が認められないことからすると、被告の供述と比較しても相対的に信用性が高いものと認められる。 以上のとおり、本件行為に至る原因となった本件居室への入室が原告の意思に基づくものではなかったと認められることに加え、信用性が相対的に高いと認められる原告の供述によれば、被告が、酩酊状態にあって意識のない原告に対し、原告の合意のないまま本件行為に及んだ事実、及び原告が意識を回復して性行為を拒絶した後も原告の体を押さえ付けて性行為を継続しようとした事実を認めることができる。 イ そうすると、被告による上記行為は、原告に対する不法行為を構成するものと認められる。 以上でございます。
○山添拓君 ありがとうございます。 この事件は、当初、準強姦事件として捜査され、裁判所が逮捕状を発付していたにもかかわらず、直前に逮捕が中止され、不起訴となり、検察審査会でも不起訴相当の議決がされました。これもうやっとの思いで民事裁判に訴え出て、こうした判決を得た、異例の経過をたどったと言ってよいと思います。 民事事件と刑事事件とではもちろん要件が異なります。手続が異なりますし、証明の程度も異なります。しかし、民法上の不法行為、違法だと認定されたことの意味は私は大きいと思います。 大臣に伺います。 これは一般論で構いませんけれども、同意のない性行為が民法上違法とされるのは、これはいかなる権利や利益が侵害されたからだと考えますか。
○国務大臣(森まさこ君) 一般論として申し上げますと、同意のない性行為によって、相手方の性的な自由を侵害したということを民法七百九条が定める不法行為に該当するものと考えます。
○山添拓君 性的な自由、大臣の答弁ではそのような言い方になりました。 この同意のない性行為がいかなる権利を侵害するのか、このことを私たちきちんと考えなくちゃいけないと思うんです。 父親が娘に性暴力を行っていた事件が昨年三月に無罪とされた名古屋地裁岡崎支部の判決は、意に反する性交の全てが処罰されるわけではないと、こう判決しておりました。この事件は、今月十二日、名古屋高裁で逆転有罪となりましたが、今の刑法には、暴行・脅迫要件や抗拒不能という要件があります。そのため、抵抗できないぐらいの状況が求められ、同意していないというだけでは罪にはなりません。そういうケースはたくさんあるだろうと思いますが、それで当然だと判決は述べていたわけです。 資料の四ページに毎日新聞の記事をお付けしました。 弁護士の角田由紀子さんは、刑法が成立した明治時代の家父長制を中心とする家制度がその背景にあると指摘をしております。結婚は、家同士の結び付きを図る意味が大きく、女性の意思を問わない結婚も多かったと、性交だけ、性行為だけ、女性の同意がないとできないという概念はなかったのだろうと指摘をされています。 その上で、刑法改正でこうした問題を解決していくためには、自発的な同意の有無を判断基準としているスウェーデンのようにすべきだと主張もされています。 大臣、これから刑法改正を議論していくに当たって、我が国もこうした方向に踏み出すべきではありませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 諸外国の性犯罪の規定は様々でございまして、一概に申し上げることは困難でございますけれども、強制性交等罪におけるいわゆる暴行・脅迫要件を撤廃し、不同意の性交を処罰する規定とすべきとの御意見があることは承知をしております。 平成二十九年の刑法改正の際には、暴行・脅迫要件について、その撤廃や緩和を図られることはなかったわけでございますが、平成二十九年の刑法一部改正法の附則第九条により、同法の施行後三年を目途として検討が求められているのは、委員の先ほどの御指摘のとおりでございます。 その検討に資するように、法務省では、先ほど御指摘いただいたワーキンググループで性犯罪の実態把握等を進めてきたところでございまして、骨子が出ましたけれども、その全体版をなるべく早く取りまとめるように、累次指示してきた結果、今月末頃までを目途に何とかその結果を取りまとめるよう事務方が努力しているところでございますが、被害者支援団体等から寄せられた様々な御要望も踏まえつつ、今ほどの委員の御指摘もしっかり踏まえながら具体的な検討対象を決めていく、現時点ではなかなかその方向性まではお示しする段階にはございませんけれども、充実した検討を、先ほど委員から、拙速はいけないけれどもなるべく早くという御意見もいただきましたので、迅速に検討を進めてまいりたいと思います。
○山添拓君 多くのフラワーデモなどで立ち上がっている、声を上げている皆さんが本当に期待をできるような、そういう検討、議論を進めていただきたいと思います。 駐日スウェーデン大使のペールエリック・ヘーグベリ氏は、二〇一八年七月にスウェーデンで改正をした刑法についてこのように語っています。全ての人が性に関して自ら決める権利を持っており、性行為は双方の自発的なものであるべきだという考えが根本にある。抵抗しないのなら性行為に前向きだということにはならない。相手の明確な同意がないままに性行為をした場合、違法になり得るということだと、こういう指摘をされております。 日本でも、同意のない性交は違法だと明確にする、その法規範が求められているということを指摘をいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。 前回、質問の途中でございましたけれども、それを引き続き扱いたいと思います。選択的夫婦別姓についてお伺いします。 前回は、政府の男女平等のこれまでの取組を紹介して、法務省の民法改正への決意を示した上で、法制審議会が男女平等の見地から五年も見直し作業を行って答申したのに民法改正をしないことは、様々な意見があるから男女不平等のままでよいと言っていることにならないかと、そういうふうにお伺いしました。 これに対して大臣は、二〇一五年に最高裁が憲法違反ではないと判断したことを答弁の冒頭に挙げられました。婚姻改姓した人がアイデンティティーの喪失感を抱いたり、あるいは婚姻前の個人の社会的信用、評価を維持することが困難になったりするなど不利益面も挙げておきながら、いつものように、答弁の中では、慎重に対応を検討するという答弁をされました。これは、男女不平等のままでよいと言っているのかということに対する答弁にはなっていないと思います。そういった意味で、そのままでも仕方がないというような形に聞こえました。 アイデンティティーを喪失、あるいは個人の社会的信用や評価を維持することが困難になったりすること、こういったことよりも優先される様々な意見があるというのはどのような意見なのか、あるいは、国民が理解できるように法務大臣として示す必要があるのではないかと思います。 法改正をしない理由に最高裁の合憲判決を挙げたということは、結果として、最高裁が、その二〇一五年の事件というのは立法不作為を問題にして挙げているものですから、これ立法をしないことが国賠の対象になるならないは別として、もう最後の最後で立法をしてくださいということを訴えるための手段として国賠の訴訟を起こしたわけですね。そういったことに対して、立法府がやらないでいいと、もう合憲が出たのでやらないでいいという法務大臣の答えになってしまったわけですね。ですから、そういった意味では、法務省がこれまでやってきたことも否定しているんじゃないかと、一生懸命培ってきたこともあるんじゃないかと、培ってきた問題について否定的な考えになっているんじゃないかということですね。 それで、請願のお話を前回いたしました。この請願が最初に提出されたのはいつかということで、一九七五年だということが答弁されました。その一九七五年に、この選択的夫婦別姓を求める請願というのは、婚姻中の名前を離婚後も使い続けられるようにする、いわゆる婚氏続称の請願とともに提出されましたが、この婚氏続称だけが分離されて、それは翌年成立したわけです。ところが、このもう一方の選択的夫婦別姓の方は、四十五年間もそれ以降もずっと出され続けたということを言いました。 また改めて聞きますけれども、森大臣はこのことについてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、昭和五十年から選択的夫婦別氏制度の導入を求める国会請願が提出されていることは承知をしており、国民の声として真摯に受け止めております。他方で、選択的夫婦別氏制度の導入については、夫婦の氏が異なることで子供に好ましくない影響が生ずるのではないかといった御意見もあることを承知をしております。 この問題については、引き続き国民各層の様々な御意見を幅広く聞きながら慎重に対応を検討する必要があるものと考えております。
○高良鉄美君 今日午前中の質疑の中で、これやはり法務省として取り組むということで、困り続けている国民について一人でも多くの方を支えたいということを言われました。そういった面からすると、この選択的夫婦別姓には様々な意見があるからといって、困り続けている人が四十五年間ずうっと多くの人が出されてきているわけですね。そういった面でいうと、やっぱりこの請願の意味とその面について、やっぱりもっと慎重にもっと考えていただきたいというのが、私としては、法務大臣の御意見としてもっとそのようなことを期待していたわけです。 請願について、今度はこの請願権そのものについてですけれども、そのような制度というのはどういう趣旨でできたのでしょうか。議事の方にお伺いしています。
○参事(金子真実君) 日本国憲法第十六条に、基本的人権の一つとして請願権が定められております。これを実現するため、国会におきましても国会法及び衆参それぞれの規則において、請願の提出及び審査に関する諸規定を設けまして制度の運用が図られているところでございます。
○高良鉄美君 今お答えがありましたように、憲法の十六条というのは、人権が十条から書かれていますけれども、非常に若い条文ですね。先の方にあるということは、それだけより基本原則に近いということ。この請願権というものが基本的人権であるということを考えますと、この請願の重みというのが随分違うと思います。 そういった意味で、森大臣は、二〇一〇年の法務委員会の方で、その当時は大臣じゃなかったのかもしれませんが、元々夫婦別姓には反対であると、そのときはおっしゃったと。その後、男女共同参画担当大臣になられて、二〇一三年三月の内閣委員会では、家族の法制に関する世論調査の結果については、確かに年代別、国民それぞれの立場によって様々な意見があることが示されたものと受け止めております、若い世代の方が選択的夫婦別氏制度導入を容認する割合が高いという委員の御指摘についても、様々な立場からの意見の表れとして、この世論調査の結果を見る際の着眼点の一つになり得るものと考えている、こういうふうに改正を求める側に理解を示されました。 人権政策では、世論調査は参考にはしても改正しない理由にはならないと言われています。少数者の人権が守れなくなるからです。森大臣がおっしゃった、この着眼点の一つにした上で、この若い世代の方々が選択的夫婦別氏制度の導入を容認する割合が高いと、そう言っている部分で着眼点の一つにしたということで、そういう上でどう対応されるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 私の、前回大臣をしていたときの、少子化問題担当大臣のときの答弁を読み上げていただきました。 おっしゃるとおり、この若い世代の間では選択的夫婦別氏制度を容認する意見が多いことを承知しておりますし、また、この当時からまた進んで直近の平成二十九年の世論調査の結果を見ても同様な傾向となっており、これがこの問題を検討する上での着眼点の一つになるものと考えております。 また、前回の、私が大臣のときのその答弁の続きでございますが、続きとして、私は、そこをしっかり見て、私が法務部会長の際に検討していた案は、旧姓の使用を社会的に拡大するような制度を考えておりましたと答弁し、現在、自民党の中でもそのような案が議員立法として提出することを検討されているようでありますというふうに答弁していますが、その後に、その旧姓使用の拡大についても制度化されたものと承知をしております。 もっとも、これまでの世論調査における賛否の傾向というのは必ずしも一定でない上、様々動いております。また、平成二十九年の世論調査の結果について見ても、全体として見れば国民の意見は大きく分かれている現状にございます。夫婦の、この選択的夫婦別氏制度の導入の問題は、我が国の家族の在り方に深く関わるものであることから、私としては、今後も引き続き国民各層の意見を幅広く聞いて、そして、それとともに国会における御議論の動向を注視しながら慎重に対応を検討してまいります。
○高良鉄美君 この質問もう終わりますけれども、これに関しては。 今、議員立法も、自民もいろいろ研究会もあってと。そして、四十五年間というのは相当な重みがあって、請願権を使ってやったということですね。そこを我々はきちんとしていただきたいし、今後も是非、そういった観点から、今の着眼点の後、あるいはその問題について御答弁いただきましたけれども、是非前向きに検討していただいて、今、多くの超党派でそういったことを検討している面もありますので、そういった取組にもまた期待したいと思います。 それでは次に、先ほども山添議員からもありました、検察庁のですね、検事長の定年延長についてお伺いしますけれども、ちょっと視点を変えまして、法の支配という観点からお伺いをします。 そこでまず、森大臣は所信表明でピース・アンド・ジャスティス・フォー・オールと、これ京都コングレスの関連で言っておられますけれども、森大臣は法務大臣、ミニスター・オブ・ジャスティスなんですね。そういった法務大臣として、ジャスティスの大臣としてどのようにこのジャスティスの概念を捉えていますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) ピース・アンド・ジャスティス・フォー・オール、平和と公正を全ての人へというのは京都コングレスの標語として定めさせていただきました。ここでいうジャスティスとは、公正、正義という意味でございまして、法務行政を通じて正義が保たれる公正な社会の実現に向けて真摯に取り組むという思いを込めて述べたものでございます。
○高良鉄美君 今、ジャスティスの意味を言っておられました。 前回、実は、見方を変えるわけではありませんけれども、法の支配について非常にいい御答弁をいただきました。法の支配というのは、権力を法で拘束することによって国民の権利、自由を擁護することを目的としておりますので、ここでいう法は形式的な法律ではなく、様々な基本的人権や基本的価値を含む内容が合理的な法を指すものと認識しております、こういうふうに答弁されました。 法の支配に対峙する、対抗する概念というのは人の支配ということですけれども、それはどのように理解されているでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) おっしゃるとおり、法の支配について答弁をさせていただいたところでございます。 人の支配についてでございますが、人の支配は専断的な国家権力の支配とも言われており、権力を法で拘束することによって国民の権利、自由を擁護することを目的とする法の支配に対応する概念として用いられているものと理解しております。
○高良鉄美君 ルール・オブ・ローというのを、ある新聞では法の原則とかあるいは法の規則というふうに訳して社説に載っていましたけれども、そういうことではなくて、法の支配、そして今大臣答弁されたように、人の支配はルール・オブ・マンということで、その時々の権力者の考え方次第でこういうふうに制度を変えていきますとか、あるいは法解釈を恣意的に変更することを指すわけですね。じゃ、法の支配というのは、それとは逆に、このような横暴がないようにするための法原理、今大臣の答弁がありました。 検事長の定年延長における今回のような解釈の在り方というのは、この法の支配から外れて、まさしく人の支配ではないかということです。 基本的な法分類の仕方の一つに一般法と特別法というのがあります。これもいろんな原理に関連していますが、国家公務員法と検察庁法は一般法なんですか、特別法なんですか、それぞれ。一般法と特別法というのは、法原理上どのような関係にあるかというのを理解されているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 一般に、一般法とはある事項について一般的に規定した法令をいい、特別法とは一般法の対象となるある事項と同じ事項について、特定の場合、又は特定の人、若しくは特定の地域を限って一般法と異なる内容を定めた法令をいうと解されているものと承知しております。 一般に、一般法と特別法の関係にある場合には、特別法が規律の対象としている事項、人又は地域に関する限りにおいては特別法の規定、特別の定めがまず優先的に適用され、一般法の規定は、それらの対象については、特別法の規定、特別の定めに矛盾しない範囲内で補充的に適用されると解されているものと承知しております。 その上で、国家公務員法と検察庁法の関係でございますが、一般法と特別法の関係にあると理解しております。検察庁法で定められる検察官の定年による退職の特例は定年年齢と退職時期の二点であり、国家公務員が定年により退職するという規範そのものは検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというふうに解釈しております。
○高良鉄美君 そういった意味では、検察庁法というのが特別法であると、特別法は一般法を破るということで、なぜそういう規定が、今二点ありましたけれども、この二点からすると、やはり検察庁法は特別な思いを持って、あるいは趣旨を持って制定されているということですね。そういった意味でいうと、検察庁法の変更解釈をできるというふうにもし試験で書いたら、私はこれは不可だというふうに答案に書きます。こういうようなことが、法教育についても所信で述べられていますけれども、こういったことが国家の機関の中で、国政の中で行われているということは非常にゆゆしき問題なんですね。そういったことからいうと、法原則の問題ということも含めて、非常に今後しっかりと応えて、捉えていかれることを期待いたします。 そういった意味では、国家公務員法の定年延長というのは検察官には適用しないと、それが立法趣旨じゃないかということで、これはいろんなところでももう既に伺われたと思いますけれども、森大臣にお伺いします。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほどお答えしたとおりでございますが、検察庁法で定められている検察官の定年による退職の特例は、定年年齢と退職時期の二点であると。したがって、国家公務員が定年により退職するという規範そのものは、検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというふうに解されます。 そして、定年延長、勤務延長の件でございますけれども、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で、定年を超えて勤務の延長を認めるとの勤務延長制度の趣旨は検察官にもひとしく及ぶと言うべきでございますので、検察官の勤務延長については一般法たる国家公務員法の規定が適用されると解したものでございます。 また、委員御指摘の立法趣旨の点でございますけれども、検察庁法が定められた当時の昭和二十二年の帝国議会議事録等においても、その定年延長の規定を入れなかった趣旨については特段触れられておらず、その理由はつまびらかではございません。
○高良鉄美君 これは、帝国議会の議論というのがありましたけれども、これ帝国議会は最後の帝国議会で、その後は日本国憲法になるわけですね。そういったところで、日本国憲法が制定されることを予定してこの検察庁法ができたわけですよ。そういう中で定年延長の規定を入れなかったということには特別な意味があります。 そういった意味で、次の質問に入りますけれども、検察官というのは司法の入口ということで、そういうふうにも言われており、刑事裁判を起こすいわゆる公訴権を持っているということで、独任制の象徴であるということも、独任庁というふうにも言われましたけれども、形式的には行政官ですけれども、司法権の行使と密接不可分の準司法官ということで、法曹三者の一つであるわけですね。 法と正義の守り手である検察官が一般行政から独立しているというのは、これは憲法の下で政治の介入を防いで恣意的な判断がされない、司法の独立を守るためとの関連性があるわけです。 日本国憲法ではこういった人権保障のための司法制度ということを捉えているわけで、ですから司法の独立、そしてさらには、検察官の場合には、通常の行政としての違い、行政官としての違いは、司法との関わりの中で検察官が特別な位置付けになっているということですね。そういった意味で三権分立の関連があるわけです。 そういった意味で、この三権分立というのは、今、この司法と立法がありますけれども、この行政の中でいろいろ任免権の問題とかありましたけれども、それだけじゃなくて、きちんと抑制と均衡していると、チェック・アンド・バランスをしているということなんですけれども、このチェック・アンド・バランスが外れていませんかということを心配しているわけです。 今回の場合には、行政が解釈の問題もこれだけ大きく変更して、行政の思いのままにやる、あるいは司法権との関わりになると、司法、先ほど言いました検察官の、非常に、法と正義に従い、そして、中立的にやって公正にやっていくという問題からいうチェック・アンド・バランスからいうと、このようなやり方というのは特に問題はないのかということで、森大臣に、その懸念、チェック・アンド・バランスのアンバランスの問題、ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(森まさこ君) 三権分立、立法、行政、司法のお尋ねがございましたが、検察権は行政に属するものでございますが、一方で、司法の入口とおっしゃいましたけれども、司法ではなく、行政に属するけれども、その検察の独立性というのは確保されるための要請が図られているわけでございます。この検察権が行政権に属することと検察権の独立性との調和を図っているのが検察庁法でございます。 そこで、勤務延長について考えますと、勤務延長それ自体は、特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認める趣旨に基づくものでございまして、司法権行使の前提となる検察権行使に圧力を加えるものではなく、検察権の独立性や司法の独立を害するものではないと解しております。
○高良鉄美君 そういった意味でいいますと、確かに形式的には任免権、それは内閣にあるということですけれども、内閣の意向でやるのではなくて、この検事総長の人事というものは、この検察庁の中でいろいろ積み上げてきたものがあるわけですから、本当に仕事に支障があるというのは、内閣が分かるんではなくて、この検察庁の方が分かると、それを今変更してやろうとしているわけですよね。そういった問題があって、そしてさらに、最初、ジャスティスという話をしましたけれども、このジャスティスというのは、公正というのは、公明正大に、誰が見ても文句が付かないと、おかしいとか変な疑念を持たせないと、不公平だとか。そういうようなことがジャスティスなわけですよね。 それからいうと、この問題というのはいろんな問題が含まれていると思いますけれども、権力分立において、この権力が正しく動くためにいろんな原理があって、法の支配がそういうことになるわけですけれども。改めて、法の支配ということについて、そして、このジャスティスの問題について、今この関連性でどのように、改めて法の支配というのをどう考えていらっしゃいますかということをお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 今委員が検事総長人事とおっしゃいましたけれども、お尋ねは検事長の人事のことかと思いますけれども、法の支配についてのお尋ねが再度ございました。 法の支配とは、人権の保障と恣意的権力の抑制を趣旨として、全ての権力に対する法の優越を認める考え方をいうものと認識をしております。先ほど申し上げたとおり、法の支配とは、権力を法で拘束することによって国民の権利、自由を擁護することを目的とする原理でございまして、ここでいう法は形式的な法律でなく、内容が合理的な法をいうものと考えております。 法務省においては、今般の国家公務員法、一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官についても検討を進める過程で国家公務員法と検察庁法との関係を検討し、先ほど申し上げましたように、特例、検察庁法の特例は年齢と退職時期の二点であり、勤務延長制度の趣旨は検察官にもひとしく及ぶということから、検察官の勤務延長について一般法である国家公務員法の規定が適用されると解釈したものでございまして、また、関係省庁からも異論はないとの回答を得て解釈を改めたものでございますので、今回の解釈変更は適正なプロセスを経たものでございます。
○委員長(竹谷とし子君) 高良鉄美君、おまとめください。
○高良鉄美君 はい。 ありがとうございました。この関係は、今、私が間違えた検事総長と、人事と言いましたけれども、検事長人事のことなんでしょうけれども、検事総長にどなたかがなるかもしれないということが強く今国民の中でも見えているわけです。その問題だということで御指摘をしておいて、終わりたいと思います。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水会の嘉田由紀子でございます。 先ほど、高良議員が夫婦別氏制度のことを、これまさに明治以来の民法を背負っている今の日本の問題だと思います。 最新のニュースですけど、昨日、三月二十三日、滋賀県議会では、夫婦別氏制度、進めてほしいという意見書が賛成多数で採決されました。そのこと、四十七都道府県の中で六件目と聞いております。また、市町の議会では五十六件ということで、だんだんに、まさに地方からもこの夫婦別氏制度、選択させてほしいという切実な願いがあるということをまずお知らせさせていただきます。 それから二点目の、まさにこの民法で家制度が大変大きな影響をいまだに引きずっている。先ほどの山添議員のお話を伺っていますと、刑法でも、まさに家父長制の家制度で、性行為に同意を求めないというようなことが刑法にまだ残っていると。これも現代社会においてあり得ないことではないかと思っておりまして、明治以降の明治民法あるいは家父長制度がいかに私たちの家族生活あるいは日常生活に深く入り込んでいるかということを思い知らされております。 それから、大変悲しいニュースが今朝方ございました。東京の武蔵野市で十代の兄妹がお母さんから殺されるという、中学校一年生の長男十三歳、長女小学校四年生。お母さんはタイの方で国際結婚だったということで、これも離婚協議の中で子供を自分の手元に置けない、まあ次の詳しいニュースをもっと調べないといけないんですけれども、どうもタイの方に帰れと言われて、子供は家の子だから旦那さんの方で取るんだというところで、かなり追い詰められたんだと思います。 大変痛ましい、あってはならないことだと思いますけれども、このお母さんの思いを少し敷衍しますと、この法務委員会でも言わせていただきました金子みすゞ、詩人でしたけれども、昭和五年に、夫の方に子供を取られて、それで親権が取れないということで服毒自殺をしてしまった。金子みすゞさんのことを思い起こして、本当にこうやって家族の問題というのはまだまだ根が深いんだということを感じております。 先ほど、今日も朝から小野田議員が養育費のことを極めて分かりやすく書いていただいて、本当に養育費を確保するのは大変なんだなということで、フローチャートで示していただきました。 私も相変わらずですが、この子供の親権問題について質問させていただきます。 毎回申し上げているんですけど、二十一万人を超える子供たちが、父か母かどちらかということで片親ロスになってしまう、離婚後。こういう中で、まずは、今日は、日本の家事事件で大きな役割を占めております日本弁護士連合会のここ十年の変化を少し勉強させていただきました。 例えば、二〇〇九年に日本弁護士連合会六十周年記念誌には、両親の離婚が子供の精神面や心理面への影響が大きく、子供の権利が脅かされる場面が多いとして、人権問題として提起されております。そして、離婚後の親権については、共同親権の実現に向けた取組ということで、単独親権のみを定める民法が実情に照らしてもはや相当とは言い難く、日弁連では、二〇〇六年以降、三回にわたってシンポジウムを開催するなど、共同親権を実現するための法改正に向けて継続して調査研究を進めているという記述が二〇〇九年の日弁連の六十周年の記念誌にございます。 その後、十年たって二〇一九年の七十周年誌を見ますと、実はこの共同養育や共同親権、一言も触れられておりません。もちろん、民法七百六十六条、これ二〇一一年に改正されますけれども、養育費と面会交流については触れられておりますが、この共同養育、共同親権については一言も触れられておりません。 一方で、ハーグ条約については、これ二〇一四年から発効しておりますけれども、そこについてはかなり詳しく記述がございまして、二〇一八年五月に日弁連メンバーがフランスを訪れてシンポジウムをやったり、それから調査研究をしたというような記述がございます。その中に、例えばフランスは大陸法系の国として日本と類似の制度を持つという記述があるんですが、これは、家族法の専門家として、あらと思うんですが、日本とフランス、そういう意味では、家族法は類似とは言い難い大変大きな違いがあるとは思います。 そういう中で、法務実務を担っている、離婚問題に直面する父母や子供たちの頼みの綱が弁護士さんたちでございます。日弁連の議論の方向を見ますと、この共同養育、共同親権というのは大きく後退をしているように見えます。一方、今、家族法制の見直しを進めている法務省の方向性がございますけれども、少しずれがあるのではないのかと見えるわけでございます。 もちろん日弁連さんは独立した民間機関ですから法務大臣が意見を言うようなお立場ではないかもしれませんが、やはり社会的な合意形成ということで見ていくと、御自身も弁護士であり、法曹界御出身の法務大臣の御意見を伺えたら幸いでございます。
○国務大臣(森まさこ君) 離婚後共同親権制度の導入の是非をめぐっては、法曹界、日弁連の中にも様々な意見がございまして、また、法律専門家だけでなく、実際に離婚を経験された方を始めとして、社会の中にも多様な意見があると承知をしております。 家族法研究会は、法律の専門家や法律家、法律学の研究者を中心に構成をされておりますが、多くの方が納得することができる議論となるように、先日も私から法務省の担当者に対して、実際に離婚を経験した父母の方々や心理学等の研究者から十分に意見を聞くようにと、そして検討を進めるように指示を出しました。 多様な意見がある中での合意形成でございますので、意見の調和を図ることは容易な作業ではございませんけれども、様々な意見にしっかり耳を傾けて、家族法研究会において、この問題も含め、充実した議論がされることを期待しております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。前向きに研究そして合意形成に向けて動いていただいていると理解をしております。 そういう中で、日本国内で横行しております子供の連れ去り問題、まあ実子誘拐と言われておりますけれども、海外からかなり様々な意見がございます。日本政府、ハーグ条約に対しても動きが鈍いのではないのかというような懸念も表明されておりますけれども、昨年の秋、日仏議連でフランスのピック駐日大使にお会いをしました。ピック大使は、日本の単独親権がハーグ条約で問題になっている子供の連れ去りを許していると、また、国連の児童の人権条約にも違反していると言っておられました。 ちょうどこの三月三日に、森法務大臣、フランスのピック駐日大使と会われたということでございます。フランス大使館のツイッターでは、日仏間の司法協力と、子供の権利条約で計画されているように、離婚した場合に子供は両方の親に面会できるという原則の実現を再確認するために森法務大臣に会ったと記載がございます。 このとき、片親親権問題などについて具体的にどのような議論がなされたのでしょうか。公表できる範囲で結構ですけど、お願いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) 本月の三日に、法務省にローラン・ピック駐日フランス大使がおいでくださいまして、様々な意見交換をいたしました。京都コングレスを始めとして、本当にもう様々な、数え切れないぐらい、今ちょっと思い出してみてもですね、多くの話をした中で、その一つとして共同親権制度についても意見交換を行ったものでございますが、個別のやり取りの詳細については、相手方との関係もありまして、この場でお答えすることは差し控えたいと思います。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 ピック大使御自身の方はこの離婚後の親権問題を議論したと言っていらっしゃるんですが、それはそのとおりだという御答弁はいただけますか。いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) はい、今ほど御答弁したとおりでございますが、共同親権制度についても意見交換を行いました。
○嘉田由紀子君 確認させていただきました。 同じくフランスですが、一昨年、二〇一八年の五月十五日に、在フランス日本大使館と日弁連が共催で、ハーグ条約についてのセミナーをフランスに在住する日本人の母親に対してパリで開催をしております。 日弁連と共催で当該セミナーを開催することに至った経緯はどのようなものか、どちらから働きかけたのか、またそのセミナーの狙いは何か、またこのセミナーは狙いを達したと判断できるかどうか、外務省さんにお願いをいたします。
○政府参考人(山中修君) お答え申し上げます。 外務省では、ハーグ条約の原則や手続、これに基づき、子供の連れ去り問題に関して受けられる援助などについてより多くの方々の正しい理解を促進し、子供の連れ去りを未然に防止することを目的といたしまして、幅広い広報活動を実施しております。こういった広報活動を含め、ハーグ条約の知見を有する弁護士等の関係者の方々とは日頃から連携をしております。 御指摘の二〇一八年五月にパリにおいて外務省及び日本弁護士連合会が共催したセミナーも、このような目的の下、広報活動の一環として実施したものでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 今、質問の中に、このセミナーの狙いはお話しくださいましたけど、狙いは達したと判断できるでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(山中修君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げたようなその目的の下でこのセミナーを広報活動の一環として実施したものでございまして、主催者の我々としては、こうした目的が達成されたものと期待しております。
○嘉田由紀子君 目的が達成されたという御評価をしかとここで確認をさせていただきました。 さあ、このセミナーの中の話を直接私、テープでしっかり聞かせていただきました。特に、日弁連から派遣されたハーグ条約担当の弁護士さんが三十分講演をしておられます。日本人の母親約七十人が参加していたようですけれども、そのテープの音声記録と文字起こし記録を入手して見てみますと、逆に、ハーグ条約は連れ去りを未然に防ぐ、そして面会交流を進めるようにと、言わば両親がフレンドリーに共同養育に入れるようにということを狙いとしているわけですけれども、実はこのテープ起こしをもう一字一句、三度ほど読ませていただきましたけれども、ここでは逆に、ハーグ条約の適用を受けずに希望どおりに日本に子供の連れ去りをするにはどうしたらいいのかというようなことが行間ににじんでおりまして、私自身は大変驚きました。 こういうことが、在外公館で、しかも元の居住国へ返還することを義務付けているのに、その義務を逃れるための様々なノウハウを伝授しているように思えてなりません。中には、夫のDVの証拠を警察から取って、そして自分の医療診断書を取り、DVシェルターに逃げ込んだ記録も取って日本に持ち帰るように、子供と一緒にということの指南もしております。 これはある意味で、日本国内でも連れ去り指南をなさる弁護士さんもいるということも伺っておりますけれども、そういうやり方と大変似通っているのではないのかということで、外務省さんがこの内容を評価すると、あるいは広報活動として成果が上がったとお考えになるとしたら、外務省さん、それでよろしいんでしょうかと再度の御質問でございます。
○政府参考人(山中修君) お答え申し上げます。 ハーグ条約は、国境を越えた不法な子の連れ去り等が発生した場合には、原則として子を元の居住国へ返還することを義務付けております。同時に、同条約は、一定の要件の下、限定的に子を返還する義務を負わないことも定めております。 御指摘いただきましたセミナーにおきましては、このような点を含め、外務省及び日本弁護士連合会からハーグ条約の原則や手続等について説明を行ったものであります。そのときの議事録は持ち合わせておりませんけれども、今御指摘いただきました講師の弁護士の方の見解として、我が国の裁判所において考慮されることがある例外的な返還拒否事由を説明したものと承知しております。その上で、講師の弁護士の方は、累次、我が国の裁判所は簡単には返還拒否事由を認めていないとして、子供を連れた安易な帰国は避けるべきとの趣旨の説明をしたと理解しております。 これらを踏まえまして、この講師の方の御説明は御指摘のような指南をしたものではないというふうに理解をしております。 外務省といたしましては、ハーグ条約についての正しい理解を促進し、子の連れ去りを未然に防止することを目的といたしまして、今後もしっかりと広報活動に努めていく考えでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 そもそも、離婚の後も父と母はフレンドリーに、争わずにできるだけ子供の最善の利益をということが共同養育、共同親権の背景にある哲学であり、理念でございますので、ハーグ条約のバックもそれがあって、二〇一一年から二〇一四年、本当に三年も四年も議論いただいたと伺っておりますけれども、その中央当局として、外務省さんが今後とも子供の真の利益のために国際的な活動の中心を担っていただけたら幸いでございます。 できましたら、次回は、このハーグ条約によってどういうふうに救われた子供がいるのかというようなこともお教えいただけたら幸いでございます。 類似のことで、実は欧州議会でも、今年の二月十九日に請願委員会、コミッティー・オン・ペティションでは、ドイツ、イタリア、フランスの請願者によって日本人による実子誘拐が議題となり、委員からは日本に対して具体的な行動を求める意見が出ております。 具体的措置としましては、請願者からは、日本対EU戦略的パートナーシップ協定、これ四十三条ございますけれども、それを停止するということや、あるいは日本人のEU域内への渡航におけるビザ免除の取消しなどが提案されたと伺っておりますが、政府はこうした事実を把握していますでしょうか、外務省さん、お願いします。
○政府参考人(河津邦彦君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきました二月十九日の欧州議会請願委員会において御指摘の議論がございました。請願者が、SPA、日EU戦略的パートナーシップ協定の停止とか、日本人への査証免除取消しに言及したというふうに承知をしております。 これを受けまして、請願委員会におきましては、同日、日本でのEU市民の子供の連れ去り等に関する本会議決議案を作成する等の方針を了承し、その件が三月九日から十二日までの本会議で審議予定であったというふうに承知をしておりますけれども、これまでのところ、欧州議会本会議において本件は取り上げられていないと、このように承知をしております。
○嘉田由紀子君 お詳しく対応いただき、ありがとうございます。 欧州議会も、実はこのコロナの問題で日程が短縮されてということを私も伺っております。 また、同じ日の請願委員会では採択提案されておりますけれども、今後、それこそ欧州議会議員や請願者の国に対して、外務省さんとしてはどのような対応をしていかれるおつもりでしょうか。
○政府参考人(河津邦彦君) お答え申し上げます。 我が国といたしましては、EUの関係者に対しまして、我が国の関連する法令でございますとかあるいは制度、こういったことについて説明をしてきているところでございまして、これを継続していく、このような形で適切に対応をしてまいりたいと、このように考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 実は、フランス上院でも決議案がなされたということで、二〇二〇年の、今年の二月五日です、日本における子の連れ去り問題に関する決議案が採択され、そして次のような意見がフランス上院ではございました。日本は、特に、民主主義、法の支配、人権、基本的自由を促進することを目的とする日本対EU戦略的パートナーシップ協定を尊重していない。先ほど申し上げましたその四十三条の文です。それから、ヨーロッパの大使たちは、何度も何度も日本政府当局、安倍総理、そして法務大臣に要請したが、結果が出ていないと。このような決議がフランス上院でなされていることは、海外から我が国の家族法制に大きな問題があると思われている表れではないかと思います。 また、同じく今年の一月二十一日、オーストラリア大使が法務省を訪問して、離婚後の子の養育の在り方に関して議論をしたと伺っております。私がオーストラリア大使館から伺ったところ、オーストラリア大使館では、裁判所の命令に基づく面会は最大でも一月に一回が多い上、執行力を持たず、ほとんどの場合、面会が実現していないと。このような場合、オーストラリア人の親は、幾ら子供に接触したくても全くできないか、あるいは接触の機会が非常に限られるのが現状だと認識しております。 そのような中で、先ほどのフランスの上院、あるいはEU、オーストラリア大使館からいろいろ国際的に見られている中で、今、家族法研究会、進めております。どのようなスケジュールで検討していただけるでしょうか。森法務大臣にお願いをいたします。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のように、我が国の家族制度については、海外にも様々な御意見があると承知をしております。様々な主張の中に、例えば、子を取り返すための法的手続がないなどといった誤解に基づく御主張等もございますので、それについては、我が国の法制度について正確な理解を得られるように、引き続き、適切な周知、説明等を行ってまいりたいと思います。 また、御質問の家族法研究会でございますけれども、海外の御意見、そして我が国の中でも様々な御意見がありますので、これらの意見を参考にしながら検討をされているものと承知をしております。こちらの主催は公益社団法人商事法務研究会でございますが、その家族法研究会に法務省としても担当者を派遣をしております。 現在、多岐にわたる論点の整理が行われており、今後のスケジュールは未定というふうに伺っておりますが、私としては、毎回申し上げておりますけれど、父母が離婚した場合の子供の養育の問題は子供の権利に関する問題でございますので子供の視点からしっかり議論する、そして、早期に充実した取りまとめができるように、法務省の担当者に積極的に議論に加わるように指示をしているところでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。子供は本当にすぐに成長します。一日も早くお願いをしたいと思います。 時間がかなり迫っておりますけれども、最後に家庭裁判所について最高裁判所にお伺いしたいんですが、オーストラリア大使館から、日本の主権に配慮しながらも、家庭裁判所について四点要望がございます。 面会時間の下限を拡大する、裁判所が接触について執行権を持てるようにする、裁判所に子供の状態をチェックできる権限を与える、裁判所に手紙やスカイプなど親子間での接触を推進するよう促すということでございます。ここについて、最高裁判所さんの御意見をお伺いいたします。
○委員長(竹谷とし子君) 手嶋家庭局長、答弁御簡潔にお願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 今、四点御要望について御指摘いただきましたけれども、一点目、二点目の点につきましては制度の在り方に関わる事項のように理解しておりまして、この点につきましては最高裁判所としてはお答えをする立場にはございませんが、最高裁判所としても家族法研究会における議論の推移を注視してまいりたいというふうに考えております。 また、要望の三点目で子供の状況等の把握という点についての御指摘があったかと思いますが、面会交流事件において子供の状況等を把握することが重要であることは御指摘のとおりでございまして、面会交流事件における現在の家庭裁判所の一般的な運用としても、家庭裁判所調査官が、心理学、教育学等の行動科学の専門的知見及び技法を用いて事実の調査を行うなどの方法を活用いたしまして、子供の状況や意思、意向、心情を把握するよう努めているものと承知しております。 また、次のスカイプ等の利用による交流についての御指摘でございますが、面会交流事件におきましては事案に応じて適切な交流方法が検討されておりまして、父母が遠隔地に居住している場合など、手紙やスカイプ等のインターネットテレビ電話を活用した交流が有効であるような事案につきましては、そのような交流を取り決める事案もあるものと承知しております。 今後も、より一層、子の利益にかなう面会交流の取決めが実現されるよう、各家庭裁判所における取組を引き続き支援してまいりたいと考えております。
○委員長(竹谷とし子君) 嘉田由紀子君、時間が過ぎております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございました。 時間が過ぎております。どうも皆さん、ありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時四十八分散会