国民生活・経済に関する調査会 第2号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2020/02/19
会議録
○会長(白眞勲君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。 本日は、「誰もが安心できる社会の実現」のうち、「困難を抱える人々の現状」に関し、「外国人をめぐる諸問題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。 御出席いただいております参考人は、明治大学国際日本学部教授山脇啓造参考人、愛知淑徳大学交流文化学部准教授小島祥美参考人及び東洋大学ライフデザイン学部教授南野奈津子参考人でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、山脇参考人、小島参考人、南野参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力よろしくお願いいたします。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず山脇参考人からお願いいたします。山脇参考人。
○参考人(山脇啓造君) 私、明治大学の山脇と申します。 本日、こうした場にお招きいただきまして、ありがとうございます。 この調査会は、総合的な、そして長期的な観点から研究調査を進めていくということを伺っていますので、本日のテーマであるこの外国人をめぐる諸問題、そして私は、特に労働環境、生活環境の整備に関しまして、そうした観点からお話をしていきたいと思います。それから、私、長く多文化共生の研究をしてまいりましたので、またそうした観点からのお話をしようと思っています。 本日、いただいた二十分の中で、まず導入となるお話をしまして、それから自治体の取組、国の取組、そして最後に今後の課題という順番でお話をしていきたいと思っています。簡単に申し上げますと、私は、これまでこの分野では自治体が様々な取組をしてきていますので、そうした経験を国がしっかり生かしてほしいと、そうした観点からお話をしようと思っています。 本日、こちら、パワーポイントを使っていますが、皆さんのお手元にはレジュメの資料があるかと思います。内容は基本的にほぼ全て同じ内容ですので、どちらを御覧いただいても構いません。(資料映写) まず初めに、外国人住民に関する状況から話し始めたいと思うんですが、最新の統計で二百八十三万人となっています。これは日本の総人口の約二%に当たります。 この日本で暮らす外国人の数は、戦後ほぼ一貫して増加をし、二〇〇八年のリーマン・ショック、それから二〇一一年の東日本大震災のときに一時的に減りましたけれども、その後、また増加傾向にあり、特にこの近年ですね、数年は急上昇をしているところは皆さんも御存じなことかと思います。 こちらに書かれたような国々の方がたくさん日本で暮らしていらっしゃるわけなんですが、最近ではベトナム人、それからネパール人、あと最新の統計だとインドネシア人も急速に増えています。それぞれ入管法に定められた在留資格を持っていますが、こうした外国人の約半数は定住する資格、まあ在留資格でいいますと定住者や永住者あるいは日本人の配偶者等といった資格を持っている人たちになっています。 政府はこれまで、様々な外国人、様々な分野あるいは形態での外国人の受入れ、労働者の受入れを進めてきました。こちらに書かれたような形で、ある意味小刻みに分野あるいは就労の資格をつくってきたわけですが、その一番最新の形が昨年四月に施行された特定技能の在留資格になります。 次に、私が研究をしている多文化共生の定義についてお話をしたいと思います。 こちらに書かれたのは、総務省が二〇〇五年度に設置をした多文化共生の推進に関する研究会の報告書に示された定義になります。その報告書を基に、総務省は地域における多文化共生推進プランを策定しました。それを全国の自治体に通知をしました。そのプランの概要が示されたのが、皆さんのお手元にある多文化共生推進プログラムになります。横長のカラーの資料になります。 大きく三本柱、コミュニケーション支援、生活支援、それから多文化共生の地域づくりという三つの柱がその内容になっています。そうした取組を進めるための体制整備ということが書かれています。ここには、右側の一番右には、国の役割として、外国人受入れの基本的な考え方やオリエンテーション等ということも実は入っていました。 それからあと、二〇一六年度に同じ総務省が多文化共生の事例集というのを策定しました。そちらは全国の自治体のグッドプラクティスを集めたものなんですが、基本的にはこの三本柱を踏襲しつつ、四つ目の柱として地域活性化やグローバル化への貢献というテーマが入りました。これは、それまで主流であった外国人への支援という考え方から、外国人に活躍してもらう、外国人が地域に貢献する、そうした観点を取り入れたものと言えます。 次に、冒頭、私は自治体の取組が国に先行してきたことをお伝えしましたが、ここで自治体の取組の歴史を簡単に十年刻みで振り返ってみたいと思います。 まず、一九七〇年代、この頃から自治体の取組が本格化しますが、当時、日本に住んでいる外国人の多くは在日コリアンでした。こうした在日コリアンの多い主に関西の自治体において、人権施策として外国人施策が取り組まれていきました。 一九八〇年代になりますと、当時、国は国際国家日本ということを掲げ、そうした中で地域の国際化も新しい課題として提示され、全国の多くの都道府県や政令市などで国際交流の担当部署や、それから国際交流協会が設置をされました。と同時に、この時期はいわゆる、最近は余り使われませんが、ニューカマーと呼ばれる外国人の人たちが特にアジア、東南アジアを中心に日本に増えていった時期でもありました。 一九九〇年代になると、八〇年代後半から南米からの日系人、特にブラジル人が増え始めていたんですが、そうしたブラジル人の多い主に東海地方の自治体において、国際化施策としての外国人への対応施策が進んでいきました。 そして、二〇〇〇年代になると、そうした各地の取組の中で、次第にこの外国人住民に関する施策をより総合的、体系的に進める、そうした自治体が増えていきました。そのときのキーワードが多文化共生でありました。 さらに、二〇一〇年代になると、多文化共生施策の新たな展開がありました。これを私は多文化共生二・〇というふうに呼んでいますが、多文化共生の第二ステージと言っていいかもしれません。 次に、この二〇〇〇年代、二〇一〇年代の動きをもう少し詳しく見ていきたいと思います。 二〇〇一年、浜松市を筆頭に、外国人労働者の多い、特に南米系外国人、ブラジル人労働者の多い自治体、十三の市町が集まったネットワーク、外国人集住都市会議が結成しました。そして、日本人住民と外国人住民の共生社会を目指す浜松宣言を採択しています。二〇〇四年には、同様に県レベルでのネットワーク、愛知県を中心とした多文化共生推進協議会が設置されています。そして、二〇〇五年には、川崎市が多文化共生を目指した本格的な指針、そして新宿区には多文化共生を進める拠点施設が設けられ、二〇〇七年には宮城県が全国に先駆けて多文化共生社会の推進を目指した条例を制定しています。 続いて、二〇一〇年代の動きですが、二〇一二年、多文化共生都市サミットが開かれました。これは、国際交流基金、それからヨーロッパの欧州評議会の共催によるイベントで、日本とアジア、アジアとヨーロッパ、実際には日本と韓国なんですけれども、多文化共生に取り組んでいる自治体の首長が集まったサミットでした。日本からは浜松市長、それから新宿区長、大田区長の三人が参加をしています。ヨーロッパからはポルトガルのリスボン市長、スウェーデンのボットシルカの市長などが参加をしています。 このときに、外国人や移民の存在をプラスの存在として都市の発展に生かしていこうという多様性を生かした都市づくりを目指した東京宣言が採択されましたが、浜松の鈴木市長は、こうした理念に共鳴し、翌年、多文化共生都市ビジョンというのを策定しています。それから、同様の観点で、外国人が活躍する都市づくりを目指した東京都の指針も作られています。 一方、この二〇一〇年代というのは、東京や大阪などの大都市を中心としたヘイトスピーチの問題が顕在化した時期でもありました。そうした中、大阪市は、全国に先駆けてヘイトスピーチ対処条例を策定しています。 そして、世田谷区においては、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を作っています。これは、多様性という観点から、男女共同参画と多文化共生の取組を一体として進める条例ですが、こうした中では、性的マイノリティーや外国人に対する偏見や差別の解消を目指すことをうたい、そしてまた具体的な苦情処理委員会を設置するという、そうした全国初の取組となっています。 さらに、昨年十二月には、川崎市において、これも全国初となる差別を禁止する条例を設け、全国で初めて罰則、ヘイトスピーチを規制するための、に対する罰則を設けています。 それからもう一つ、この二〇一〇年代の動きとして大事なのが、こちらの二〇一八年の安芸高田市のプランになります。広島県の安芸高田市は人口三万人弱の小さな地方の自治体であります。安芸高田市では、二〇一三年には第一次の多文化共生のプランを作っていましたが、この第二次のプランにおきまして、外国人に魅力的な地域づくり、外国人の移住、定住を促進する、そうした取組をプランの中に位置付けました。それまでも地方創生の取組は進んでいましたが、地方創生の中での移住、定住促進というのはあくまでも日本人の移住、定住の促進でしたが、こちらにおいては外国人の移住、定住促進ということを初めてうたったプランになります。 こうした自治体の動向をまとめますと、一つには生活支援から活躍支援へ、それから、グローバル化を目指した都市が取り組む場合と、それから地方の小さな自治体、こちらには安芸高田市のほかに岡山県の美作市、あるいは北海道の東川町を取り上げましたが、そうした小さな地方の自治体が地方創生の観点から外国人の受入れを進めている例も増えてきています。さらに、二〇一〇年代の新しいキーワードとしての多様性あるいはダイバーシティーということも指摘できます。そして、偏見と差別の解消を目指した取組が多文化共生の推進にとって非常に大事になってきました。 こうして、自治体においては多文化共生を進める条例や指針、計画、そして担当組織を設置していますが、一方、国はどうなのかということを次にお話ししたいと思います。 国の取組に関しては、二〇〇六年の総務省の多文化共生推進プランが一つの契機になったかと思います。そうした中、二〇一二年には、恐らく私は多文化共生の観点から最も重要な取組と評価しているんですけれども、住民基本台帳の中に外国人が含まれるようになりました。 そして、その後、今の政府になってから外国人材の活用ということが二〇一四年以来取り組まれるようになってきましたけれども、そうした中で、外国人の生活環境整備ということが次第に重要になり、教育と医療に関する数値目標が設けられるなど動きが発展してきました。 それから、ヘイトスピーチに関しては、ヘイトスピーチ解消法が成立し、そしてまた、法務省によって外国人住民に関する偏見、差別の問題に関する初めての調査も実施されています。 それからあと、この時期には皆さんも御存じなような入管法の改正、そして総合的対応策の策定といった取組が進みますが、同時に、地方創生の分野でも、国としても外国人材による地方創生を進めるという方針が新たに示されています。 残った時間が、私、あと二分ほどですので、課題というところに移りたいんですが、様々な課題がありますが、大きく就労環境、生活環境、共生社会づくり、そしてそうした取組を進めていく体制整備というふうに整理をしています。 生活環境の中では、ここに教育の課題を取り上げましたが、後ほど小島先生からお話あるので、ここは割愛したいと思います。 それから、医療の分野に関しましては、私は医療通訳の体制整備が欠かせないと思っています。国の取組は進んでいますが、ここまで厚労省が全国に拠点病院をつくっていますが、実は、これまでの二十年近くの間に全国の様々な地域におきまして草の根のNPOや国際交流協会や自治体などが立ち上げた医療通訳の派遣の仕組みがあります。現在、この二つの取組がばらばらに動いています。こうした取組を統合していくことが必要かと思います。 それから、居住の問題、こちらもちょっと時間の関係で短くしかお話しできませんが、入居差別の問題も深刻ですが、もう一つ、公営住宅への外国人の集住について皆さんに関心を持っていただきたいと思います。この問題は、次第に、長く東海地方では起きている課題ではあるんですが、大きな問題にはなっていませんが、集住化は今も続いています。これは多文化共生の観点から望ましくないことだと考えています。 それから、多言語情報に関しては、今法務省が中心となって様々な取組を進めていますけれども、本来この情報の多言語での発信というのは国が行うべきことであり、現状においては自治体がばらばらに動いていますが、国が一元的に多言語の情報をつくり、それを自治体が活用するのが望ましいと思います。 それから、共生社会づくりについては後ほどお話をしたいと思います。 最後に、体制整備のお話なんですけれども、私は、基本的には国の大きな役割として法律の制定、そして組織の立ち上げがあるというふうに思っています。それから、これ体制整備と少し離れるんですが、外国人に関する統計の整備ですね。現状、日本にはこうした統計がありません。OECDでは各国がこうした統計を作って国際比較をしていますが、日本においても今後は外国人の統計整備が必要かと思われます。 あと、外国の取組も少し紹介したかったんですけれども、法律の制定、組織の立ち上げといったところは、ほぼ先進国では日本以外は行っていますので、日本も是非御検討いただきたいというふうに思っています。 あと残った時間で、もしお時間、皆さんから御質問があれば、企業の課題、そして今注目されている取組としてのやさしい日本語についてもお話しできればと思います。 以上です。御清聴ありがとうございました。
○会長(白眞勲君) ありがとうございました。 次に、小島参考人にお願いいたします。小島参考人。
○参考人(小島祥美君) 皆さん、こんにちは。愛知から参りました小島祥美と申します。 本日は、全国で活躍している、活動されているボランティアの方、NPOの方たちがこのネット中継見ております。その方たちの思いを込めて、その方たちが支えてきた子供たちの教育の部分について願い、そしてその方たちの希望、また何よりも地域に住んでいる子供たちの教育保障を願い、報告させていただきます。よろしくお願いいたします。 資料の方は、クリップ留めをしていただいています資料になります。そちらの方を御覧いただきながらです。 この発表の中で就学調査二〇一九と申し上げます、そのところにつきましては、別添で付けていただいています、文部科学省で九月二十七日に発表されました外国人の子供の就学状況等調査結果速報、その一と書いてある資料に相当いたします。また、日本語調査二〇一八と申し上げる点につきましては、別添の資料になりますその二です。日本語指導が必要な児童生徒の受入れ状況等に関する調査、平成三十年度の結果についてという、文部科学省が今年一月十日に一部修正した資料の方の内容についてを指しますので、こちらの方を御覧いただければと思います。 日本の公教育において、外国人はいまだ就学義務の対象とされていません。安倍首相の国会答弁でも、就学義務については、外国人の子弟の方々が就学、義務教育を希望されれば、当然、日本国民と同じようにその機会を現在保障していると二〇〇六年十二月十三日に発言されています。つまり、実際は外国人の就学を恩恵的な形でしか許可していない、ここが一番の問題なんですよね。 そこから、関係します、すぐに可能な政策、将来に向けて検討すべき課題、そして絶対に取り組まなければならない課題、本日はこの三点について絞って、以下報告させていただきます。こちら、カラー刷りにしていただきました資料の方を御覧ください。 まずは一点目です。すぐに可能な政策の点です。この点については、六点これから申し上げます。 一番目です。外国人の教育に携わる業務を自治体で職務と位置付けていただきたいです。 就学調査の二〇一九、文部科学省が行いました調査ですけれども、この調査によって明らかになったことがあります。それは何か。各自治体で就学に携わること、つまり、子供の教育に関する分掌規定ですとか内規等が全く明示ない、規定していないという地域が圧倒的多いということが分かりました。つまり、この外国人の子供たちの教育に携わることが職務となっていないんですよね。ですので、就学手続の扱い、また就学案内の方法、その後の子供たちの教育の就学実態をどう把握するかなどなどもろもろですが、全て担当者任せになっている、次第であるということが分かるかと思います。ですので、仕事になっていませんので、思いがあれば担当者が行う、就学案内するというような実態です。 二〇〇五年四月一日より、岐阜県可児市は不就学ゼロを目指し、施策が開始しました。この岐阜県可児市は、教育施策先進市という形で今全国で知られ、昨年もNHKの例えば「クローズアップ現代」等でその実践等は放送されているところです。 この自治体は、もう二〇〇五年からそうした施策について、このように分掌規定を作り、実施、全てが明文化されているという状況です。今、十五年たとうとしているこの地域、不就学ゼロを合い言葉に、皆さん、町と自治体と、そして地域とNPOの方、ボランティアの方たちがみんな一体となって取り組んでいらっしゃいます。やはり、これが職務となっていることで公務員の方も動けますよね。是非職務としていただけるような位置付けをお願いしたいです。 二点目です。就学手続と学齢簿の作成の義務化です。 外国人の子供たちは就学義務の対象になっていないということにより、学齢簿の作成ということも義務付けられておりません。何よりも、先ほど申しましたとおり、就学手続自体が各自治体任せ、つまり担当者任せになっています。このような状況から、今回、国が行った就学調査二〇一九の自由記述でも明らかになりました。外国人に就学義務がないことから、各家庭に踏み込んでの説明は難しいですとか、保護者から日本の学校に通わせるつもりがないと申出があった場合は就学させていないなどなどの実態が明らかになったところです。 このような状況の中で、是非とも就学手続というところ、そして子供たちがどのような就学実態になっているのかという学齢簿の作成というのを、この職務に位置付けるのと併せて義務化をお願いしたいです。この点については、現在、重国籍の子供たちについての方法は各自治体持っています。ですので、これを応用した形であるならば、決して難しいことではないと考えます。 三点目です。文部科学省の悉皆調査である学校基本調査と日本語調査の改善です。 別の資料の方を御覧ください。学校調査票の方を付けていただきました。 こちら見ていただきますと、学校調査の十七の項目に学年別、国籍別を加えていただきたいというものです。といいますのも、見ていただきますと分かるとおり、外国人児童生徒の数については、国の調査の項目としては今総数でしかない、この十七ですね、にしかないというのが実際です。かつて国は一九五六年から一九七〇年度の間は国籍別に調査を行われていましたので、不可能ではないです。この国籍別、学年別が分からないことで、地域の中で正確に、また、学校の中で正確に子供たちの就学実態が把握されていないというところに関係しますので、この調査項目を是非改善していただきたいことと。 あわせて、一枚めくっていただきまして、学校調査票の次が不就学学齢児童調査票になっております。こちらの補注を御覧ください。下の欄になります。右の下の方ですね。一番に書いてありますとおり、外国人は対象から除外すると書いてあります。ですので、この調査自体に外国人が調査対象者となっていません。ここを除外するじゃなくて調査にするとしていただくことで、子供たちがこの調査の対象になります。是非お願いしたいです。 また、三番目です。日本語調査の点ですけれども、この日本語指導が必要という理解について、自治体がかなり理解が異なりますので、この内容、どの点が、もって日本語指導が必要なのかというところを統一化してほしいです。 その点については、別添の資料二の方を御覧ください。一覧表をお作りいたしました。こちらは、①で申し上げた学校調査票で把握されています今の外国人児童生徒数に対して、うち日本語指導が必要な子供たちの数を自治体別に並べたものになります。 見ていただきますと分かりますとおり、黒く囲った自治体があると思います。そこを見ますと、総数よりも日本語指導が必要な子供たちが多くなってしまっている自治体もあるわけですね。ですので、対象者が自治体によって異なること、また、何をもって日本語指導が必要なのかというところが統一化されていないことによってこのような差異が生まれてしまっているかと考えます。これも国の悉皆調査です。是非この調査を見直していただきたい。 あわせて、この日本語指導が必要な子供たちについては在住年数も新たに加えていただきたいのが願いです。 といいますのも、子供たちは今、言語学の中では一、二年で日常会話が上手になる、覚える、習得できるというふうに把握されています。ですけれども、学習言語、つまり教科の学習ですよね、国語、算数、理科、社会、こうした教科の点について、日本語が分からない子供たちが日本語を理解しながら教科を学ぶということに対して五年以上必要だと言われています。ですので、この在住年数、また学びが何年であるのかということが物すごく関係していますので、こんなところの改善も願うところです。 次が四番目になります。公立高校入試での自治体格差の是正です。 この点については、別資料で一覧表をさせていただきました。こちらもカラー刷りのA3の方になります。 表一を御覧いただきますと分かりますとおり、自治体で外国人の子供たちの高校入試について措置があるか、枠がないかというものについてマル・バツで示したものです。措置というのは、一般入試に対して、外国人のある一定の規定に準じた者に対して、ルビを打つですとか、何か措置がされているかどうかという点について、また、枠ということについては、ある一定の基準を満たした者に対してその特別な入学枠を持っているかというものになります。 高校入試、公立高校の入試については都道府県の教育委員会さんが裁量を持っていますので、この内容が自治体によって全く異なるんです。ですので、マルだ、バツだ、三角だというふうになってしまっているのがこのような状況です。これによって高校入学できる子供たちが全く数が異なります。 こちら、パワーポイントで作りましたカラー刷りの方を御覧いただきますと、日本語指導が全国で第一位の愛知県、第二位の神奈川県、第三位の東京都を比較しただけでも、この枠という内容について全く異なるということ、そして、それによって志願者、合格者数が全く異なるという状況がお分かりいただけるかと思います。それによって、日本語調査二〇一八で把握されている高校生の数が全く異なるというのも見てのとおりです。 ですので、せっかく小中学校で幾ら頑張っても、幾ら学校の先生たちが努力されても、それが高校まで結び付かないんです。ですので、この自治体格差、住んでいるところだけで運命が変わってしまうような、そんな格差を是非是正していただきたいです。 五番目です。やり直し教育の充実化です。 普通教育機会確保法が成立し、そのことによって、現在、今、各都道府県、政令都市に夜間中学一校を設置ということが強く推し進められていらっしゃいますけれども、それを後押ししていただきたいことが一つです。ですけれども、現在、まだ九都府県に三十三校しかないのが現実です。私が暮らします愛知県には全くありません。ですので、もう一度学び直しをしたい、義務教育年齢のときに学べなかった子供たちが学齢を超過し、そしてやり直したいと思っても、学び直すところがないんです。東海地域は全くありません。そうした地域がたくさんあります。ですので、九都府県以外の地域は学び直しが全くできませんので、広く学び直しができる社会をつくっていただきたいことが一つ。 それに併せて、すぐに取り組めることとしては、中学校卒業程度認定試験というものがございます。一年に一回、今ございます。大検のような試験のその中学校版がございます。ですけれども、たった年に一回の入試です。この入試のために、例えば私が住んでいます愛知県、岐阜県、三重県、この三県については、この一年一回のテストのために子供たちは頑張って勉強しています。それをNPO、ボランティア団体が支援し、この一回に向けて、中学卒業程度、いわゆる高校入学資格を得るための試験に今取り組んでいます。ですので、これをせめてでも回数を増やしてほしいというのが願うところです。 また、公立高校の受験資格の扱いということについても、実は実は実は、全く自治体によって異なります。特に、外国人学校の存在の扱いが特に違います。外国人学校の存在は、就学調査二〇一九から明らかになったとおり、とっても子供たちにとって最後のセーフティーネットとして、学び舎として大きく貢献しているところです。でもあるにもかからわず、愛知県の現状ですと学習内容ではなく場所で判断されているんです。 愛知県内ではブラジル学校がとても多くあります。ブラジル学校を大きく分けると、各種学校として都道府県から認可されている学校とブラジル政府が認可した学校があります。これについては公立の大学の受験資格はありとなっています。ですけれども、公立の高校の入学資格についてはバツなんですよね。外国で、同じブラジル政府が認可した、ブラジルで九年学んだ子については入学資格はあります。ですけれども、同じ政府が認めた学校が国内にある、そこを卒業した子供たちについては公立高校の入学資格はなしなんです。 こんなふうに自治体の中でも全く差異がありますので、そこを変えていただきたいのが五つ目です。 そして、六点目です。幼保無償化の対象の改善です。こちらを各種学校を含むにしていただきたいです。 なぜならば、これは、国が今まで各種学校にしていく、いわゆる促進を促してきたのが国なんです。平成二十四年にもこのような文書が出ています。 一枚めくってください。こちら、今年度六月に発表になりました、文部科学省が発表した外国人の受入れ・共生のための教育推進検討チーム報告の概要版ですけれども、その図です。 ここにありますとおり、各種学校を御覧ください。外国人学校、ちょっと真ん中辺にあるんですけれども、紫色になっていて、点々点々とオレンジ色で囲んでいます。見てのとおり、就学前のところが点々点々となっています。つまり、国が進めてきたこの各種学校認可促進なんです。であるにもかかわらず、今、幼保無償化の対象外となってしまっている各種学校です。 ブラジル学校が今全国に四十五校ありますけれども、そのうち各種学校は十五校あります。国が進めてきた各種学校化であるにもかかわらず、この十五校はこの幼保無償化の対象外となってしまっています。この矛盾を是非変えていただきたいです。 将来に向けて検討すべき課題について、次、参ります。 このような状況ですので、外国人の子供たちの就学義務をどう考えていくのかというのが大きな課題になっています。 今回の国が行った調査から明らかなとおり、十二・四万人の就学年齢の子たちがいる、うち、二・三万人の子たちが教育にアクセスできていないという実態が分かりました。これは約六人に一人の状況です。ユニセフのホームページによりますと、小学校に通っていない子供の割合が世界で最も高い地域が今、サハラ以南のアフリカ地域だと言われています。そこが約五人に一人だというんです。日本の子供たちが同じような状況になってしまっています。これでよいのでしょうかね。 その学校に行っていない子供たちは、就労をしている子供たちが多いです。児童労働です。この問題を日本はほっておいていいんでしょうかね。 そして、ジェンダーの違いによって通えない子供たちがいるということも明らかになっています。 また、各地の状況から、不登校ではなく、外国人の子供たちについては、就学義務ではないということによって除籍や退学されてしまっている子供たちもいます。給食費が払えなければ、未払だといって午前中で帰されてしまっている子供たちもいるんです。そもそも、日本語が分からない子供たちについては、就学手続さえもさせてもらえていない子供たちもいるんです。 誰一人取り残さないという施策ですね。先生方の胸にもこのバッジが付いていらっしゃいます。この二〇三〇年までに向けた世界が合意した持続可能な開発目標を達成するためには、全ての子供たち誰一人取り残さない施策を是非お願いしたいです。 最後、二分になりました。残り時間で、絶対に取り組んでいただきたい課題について、最後、報告させていただきます。 それは、守られていない外国人の子供たちの健康問題です。 今、健康問題はいろんな形でクローズアップされていますよね。愛知から東京に来ました。東京駅に降りましたら、皆さんマスクしています。愛知ではまだまだマスクをしている方たちは少ないですけれども、それぐらい、今、皆さん、健康問題は注目されている点ですよね。であるにもかかわらず、外国人の子供たちは、学校健診さえも受けられない子供たちがいます。 まず、一点目です。 自治体間の違いで結核検診を受診できない子供たちが外国人の子たちにはいます。自治体窓口で外国人の子供たちが就学手続をしますと、結核検診の問診票の記入が求められます。それについて、過去三年以内に通算して半年以上外国に住んだことがありますかという質問があるんですけれども、そこについて、結核が蔓延の高い国に該当するところについては、すぐに結核検診が求められます。 ですけれども、この結核検診の受診が求められても、これは公費で扱うか私費で扱うかが自治体によって異なるんですよね。公費で扱われない場合については、それが受診できないことによって就学手続できない子たちがいます。また、来日したばかりで保険証等を持っていない子たちについても同様です。言葉が分からないことによってすぐに予約ができなく、受診できない子たちもいるんです。 こんな形でいますので、結核検診が受診できないことで学校に通うことができないという、こんな先進国ではあり得ないような状況がありますので、これを改善していただきたい点が一つ。 そして二つ目が、外国人学校の存在です。 外国人学校については、各種学校であっても、各種学校無認可であっても、政府が認可した学校であっても、学校健診は受けられる学校保健安全法の対象外になっています。それによって、日本で一度も健康診断を受診したことがないという子供たちが多数います。このような現状をほっておいていいんでしょうか。ここを是非改善していただきたいです。 時間になりましたので、終わりにいたします。 以上です。
○会長(白眞勲君) ありがとうございました。 次に、南野参考人にお願いいたします。南野参考人。
○参考人(南野奈津子君) よろしくお願いいたします。 私の方からは、こちらのスライドにもあるように、外国人の高齢化と社会保障、そして、私自身社会福祉を専門としておりますので、社会福祉制度などについても述べたいと思います。(資料映写) 特に、社会保障の検討の観点から見た外国人の概況、そして現状としての社会保障や社会福祉制度の適用状況、そして今後の課題について述べたいと思います。 社会保障制度を考える上で、外国の方がどういった方がいるのか、そして、労働者なのか子供なのか高齢者によっても社会保障制度をどう考えるかは変わってきますので、まず最初、保障制度を考える上で理解すべきは、年齢層や地域差、そして所有している在留資格であると考えます。前提の話として、三か月以上在留するいわゆる在留外国人は、年齢を問わず何らかの在留資格というのを持って生活をしています。そのうち、日本人と同じ活動ができる在留資格が一定の要件ありまして、それらをここでは定住につながる外国人又は定住外国人として、幾つかのデータを見たいと思います。 時間の関係上、ポイントのみを御紹介させていただきます。 まず、日本に暮らす外国人は、現在、過去五年間で六十万人増加しているわけですが、それを日本に定住する外国人又は労働を中心として在留している外国人を見ると、定住している外国人、定住外国人は約十万人の伸びに対して、労働を目的として来ている外国人、非定住外国人は五十万人となっています。 次に参ります。 定住につながる在留資格保持者上位十か国を見ていくと、多い人数においても国によっての差が非常に大きいということが分かります。左側の表を見ていただくと、定住につながる在留資格の保持者は、韓国や中国、フィリピン、ブラジルが非常に多くなっていますが、特に労働で来ている外国人を見ていただくと、一番下のベトナムが非常に多い人口を占めているということが分かります。このベトナムの約五六%は技能実習生で、日本に在留をしています。右側のグラフを見ていただいても、在留、在留以外の割合を見ていただくと国によって差が大きいということが分かるかと思います。 では、次のページに参ります。 外国人の高齢化率はどういう状況なのかというところで、日本人の人口の年齢層別の構成、そして外国人を見ていくと、外国人においては六十五歳以上の人口割合は六%となっておりまして、日本人の二九%に対し非常に小さくなっています。これは世界の傾向と同じく、やはり移住してくる人は労働世代が多いというところで、社会保障の検討をする際にもこういったデータは押さえておきながら見ていく必要があると考えます。 では次に、それぞれの年齢層別の外国人の中で、それぞれの国籍が最も多いのはどの国なのかというところで見ていきます。こちらも、社会福祉制度や社会保障制度のうちどの政策を今後どういった形で充実させていくかということで、一つの参考になると考えています。 詳細は割愛いたしますが、零歳から十八歳、児童福祉法では十八歳未満としておりますのでそちらに合わせていますが、そちらでは、いわゆる定住につながる外国人、中国人、ブラジル人、フィリピン人が多くなっておりますが、十八歳から六十五歳においてはベトナム人、そして六十五歳以上においては韓国と朝鮮の割合が非常に高くなっています。 次の外国人の数については割愛させていただきます。 次に、国内の地域差についても一応確認しておいていただきたいところであります。 社会保障制度や社会福祉制度を運用する上では、その自治体での浸透度、また外国人のコミュニティーの形成状況なども社会保障制度や福祉制度の在り方に影響を与えるわけですが、こちらの棒グラフを見ていただいても分かるように、非常に自治体間格差が大きくなっています。日本で最も外国人数が少ない都道府県は秋田県で四千二百三十人ですけれども、これは、東京は五十八万二千人ということで約百三十七倍と、非常に大きな差があるという実態があります。 こちらの棒グラフを見ていただくと、その中でも特に関西圏は朝鮮・韓国籍の外国人の方が多くなっている実情があります。 では次に、外国人における社会保障や社会福祉の現状について述べてまいります。 先ほども申し上げたように、社会保障の対象になるかは、国籍で決まるのではなく、所有している在留資格で決まるということがあります。現在の法律上は、生活保護を除き、ほぼ全ての在留外国人は公的社会保障制度の対象になるという制度設計になっています。 ただ、実際には、そうした社会保障制度や福祉制度にたどり着けず、苦境に陥っている外国人も多くいるのも事実です。また、在留資格を所有していない非正規滞在の外国人も日本にはおりますが、そうした方々も含めて対応するような社会制度もあるのですが、十分な活用には至っておりません。そして、制度の対象になっているから大丈夫だということにはなっていない実情が多々あるというのも現状としてあるところです。 では、幾つかここからは代表的な日本の社会福祉制度や保障制度について概要を述べたいと思います。 まず、生活保護ですけれども、これは、生活保護法に示している対象としては日本国民としておりますので、法律上は外国人は対象外というふうになっていますが、現在は人道的な見地から、準用という形で特定の在留資格を持つ人に関しては生活保護が利用、受給できるというような状況になっています。下の表には、現在の被保護世帯数を示しておりますが、年度によって若干数字は違いますけれども、外国人の方が受給世帯としては一%前後、多いというようなデータが示されております。 生活保護受給世帯は、日本とはまた若干違う特徴がございます。円グラフで日本人そして外国人といった形で受給世帯の特性を見ていただくと、日本人の場合は約半数強が高齢者世帯になっていますけれども、外国人も一番多いのは高齢者世帯なんですが、母子世帯の割合が非常に高くなっています。 その母子世帯の中でも、特定の国籍に生活保護の受給世帯が偏っているという特徴があります。資料の方では色を付けてあるところがありますが、特に受給が多くなっている世帯分類としては、韓国籍、朝鮮籍の高齢者世帯、そしてフィリピン国籍の母子世帯という形になっております。 ですので、ここからも、外国人の方、一律に貧困になるのではなく、特定の国籍、背景を持った人が貧困状況にあるということが分かります。 次に、母子生活支援施設という児童福祉法に制定されている母子で入所できる施設の入所者についてですけれども、こちらのデータでも、外国人の入所者が割合が高いということ、そして、その入所理由がドメスティックバイオレンス、DVの割合が高いということは福祉関係者の中でも指摘をされているところになります。 では次に、年金と保険制度の概要について御説明申し上げます。 国民年金、国民健康保険、介護保険については、日本の在留資格が三か月以上となっている在留資格の保持者は加入義務があります。また、三か月に達していなくても、見込まれる場合は加入が可能となっています。一方、労働者が加入する健康保険や厚生年金は、外国人の権利や義務というよりは事業所の義務ですので、そこに対して国籍の要件はないということになります。 以前は厚生年金は二十五年以上の加入が受給の要件になっていましたが、今現在は十年以上ということで、長期で滞在する外国人にとっては、短期になったことで加入した場合に受給できる時期まで日本にいるということが見込みやすいということが出てきたということもあり、また、近年はそれぞれの事業所も加入に対して規制が厳しくなっていますので、未加入率は減少しています。 次のページに行かせていただきます。 医療関係のその他障害、難病などの状況に関してどのような制度があるかということですが、例えば、障害を持っている方が所有している各種手帳、そして、障害に関連する医療に対して自己負担分を支給する自立支援医療というのがありますが、こういったものに関しましては、特に国籍、また在留資格の要件はありませんが、現実的には、こういった手続をする関係上、医療機関に関わり、そして保険加入が前提になっているというのが現状になります。やはり、突然行って手帳のための診断書が出るということはないということです。母子保健、母子健康手帳や入院助産につきましては、在留資格にかかわらず利用が可能ということになっております。 なお、近年また話題になっている感染症に関しては、特に在留資格の関係なく適用となっております。 次に、労働関係です。 各種労働に関する法律においては、外国人の国籍や在留資格によって差別的な扱いをしてはならない、そして労災の適用、そして健全な労働対策を取るということは事業者の義務であるというふうに示しているわけですけれども、実際には、労災が起きたときにも事業者が対応をしたがらない又は厚生年金の加入を渋るといったような問題が相談としては多く上げられております。 次のページは、労働者の現状として参考情報を示しておりますが、外国人労働者の多くは製造業、そして小規模又は請負事業のところで勤務をしている割合が高いということを考えると、なかなか社会保障や制度にたどり着くのが困難な環境が存在するということが言えます。これは外国人に限らない問題であるとも言えるわけです。 では次に、制度上対象だから使えているのかというと、そうではないというような問題に関して触れていきたいと思います。 制度の対象になっているのにもかかわらず、生活保護の受給に至ったり、家を失ったり、また医療や保険が利用できないといったことはなぜ起きるのかということですけれども、まずは言葉の壁、これは非常に大きくなっています。今は様々なパンフレットなどが整備はされていますが、例えば源泉徴収票であるとか最低生活費など、手続をする上で様々な難しい制度用語が出てくる中で、そういったところまでの対応に至っていないのが現状です。自分の国にそういった制度がないから、やっぱりそういった制度があるのかないのか分からないといった生活感覚の違いもあります。また、通訳の不備としては、社会保障や福祉、医療制度の利用上で大きな壁になっています。こうした問題が医療費の未払や病気に対する自己決定を阻害するといった要因になっております。 そうした中で、外国人の集住地域では、そのコミュニティーの中での様々な情報を駆使して生活をしている方も多いわけですが、時にそういった情報が誤っているということもあり、なかなか制度にたどり着かなかったり、誤った解釈をしているということが実際に起きております。 次に、受入れ社会の課題として、通訳やソーシャルワーカー、コーディネーターなどの不備というところがございます。また、外国人の労働特性、例えば夜間も働いている三交代制の勤務であるとか、そういった方にとっては、やはり日本の行政機関を利用するであるとか日本語教室に行くということが難しいこともございます。 また、これは外国人の問題というよりは日本社会の問題として、そもそも地域での支え合いの希薄さが進行しているとか、女性の自立において待機児童問題があるであるとか、そういったことも外国人にとっては更なる壁になるという実態があります。ですので、外国人だからなるということに問題を帰するのではなく、日本社会の問題としても捉える必要があると考えます。 外国人の立場の弱さに付け込んだ雇用やあっせん、そして男女間の暴力といったようなものが起きているということもこれは背景にありまして、やはり仕送りをする立場であるとか、その在留資格の更新上、夫や雇用主のサインがなければ更新ができないといったような、そちらの意見を優先しなければいけない構造が、外国人が社会保障制度や例えば労災などの利用に関してちゅうちょしてしまう背景になっております。 外国人の方の社会保障を考えたときに、これは日本人もそうですけれども、こちらの表に示させていただきましたけれども、その制度があるということに加えて、地域の中での支え合い、その特徴的なコミュニティーということでいうと教会であるとか日本語教室であるとか、そういったところでのつながりが、こういう制度があるんだとか、そういうときにはこういうことが必要だとか、あなたもこうしなければいけないといったような情報を提供していたり、社会保障制度の利用をサポートしていたりして、そういったことを通じてそれぞれの外国人住民が生活知識を付け、日本語力を付けというふうになっていくわけです。 そういうことを考えると、社会保障制度だけを整えても駄目であって、やっぱりそういった制度がカバーし切れないサポート体制、そして社会保障制度につながるような社会環境や支援があってこそ、こういった社会保障制度の充実や促進が意味を成すと考えます。 最後に、まとめとして今後の課題を述べさせていただきます。 最初に申し上げたように、現在、年齢層別の人口や地域特性は大きな差がありますので、社会保障制度を考える際には日本の現状を踏まえた上で検討していく必要があるということです。 世界の移民動向から考えても、外国人の高齢化が急激に進むとは考えにくいですが、それでも高齢者ということで生活リスクを抱えるという点は事実であるということと、労働世代の間に定住外国人が低所得状態が長く続くことで、高齢化になってから様々な生活問題を抱えるということは留意しておく必要があります。 また、先ほど述べたような高齢の特定の外国人の国籍の方々や外国人母子世帯などに関して、やはりこうした問題に対する社会統合支援や自立支援が重要であると考えます。 近年増えている外国人労働者については、やはりどうしても立場が弱くなってしまうということを踏まえて、権利保障に関する取組を引き続き続けていくべきだと考えます。 先ほども申し上げましたが、外国人の生活構造特性は、日本人と、特に労働者の場合には就労する分野によって違いがありますので、地域の中での様々な取組においても、彼らが実際に使えるような場を検討していくこと、そして、やはり同じ国の出身者同士のコミュニティーも含めてサポートネットワーク構築を促進していくような体制が必要だと考えます。 震災のときもそうでしたが、また近年の日本の高齢化においても、外国人は日本人が支える存在ではなく、共に日本を支えていく存在です。そういうことを考えると、外国人の生活保障問題を短期的な視野で日本にとっての損得で考えるのではなく、日本を支えていく立場として共存共栄をやはり考えていくべきですし、やはりグローバル社会に沿った人権保障の視点から、社会保障問題、社会福祉問題を捉えていく必要があるのではないかと考えます。 以上になります。ありがとうございました。
○会長(白眞勲君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。 発言は着席のままで結構でございます。 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、簡潔に述べていただくよう御協力お願いいたします。 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。 理事会での協議に基づき、答弁を含めた質疑時間について、一巡目はお一人十五分以内とすること、そして、二巡目以降はその都度会長が決めることとなりましたので、御了承ください。今回は七分以内ということで、めどとさせていただきます。 これより一巡目の質疑を行います。 質疑のある方は挙手を願います。 清水真人君。
○清水真人君 自民党の清水です。 いろいろなお話を示唆していただきまして、ありがとうございました。 まず、ちょっと今日のこととしっかり重なるか分からないんですが、今大変流行しているコロナウイルス、これについてちょっとお伺いしたいんですが、我々日本人というのは、日本語を母国語としていて、様々なニュース、また厚生労働省から発表されるもの等々についてもしっかりと把握をして対応することができるわけでありますが、外国の定住者の中には非常に日本語についてもまだまだそういう難しい専門的な用語を理解できない方もたくさんいるわけでありまして、ただ、こうした流行性のものについては、やはりしっかりと正しい情報を的確に捉えないと、ややもすると、そうしたことがきっかけとなって広がりを見せてしまう可能性もあるわけでありますが、そうした、今外国人の定住者の方にそのような情報というのは実態としてはどんな形で伝わっていて、どんなことが課題としてあると考えられているのか、分かる範囲でお答えを三人の方からお聞かせいただければと思います。
○会長(白眞勲君) それでは、山脇参考人からお願いできますか。
○参考人(山脇啓造君) 今回のコロナウイルスに関しては、もう刻一刻と毎日新しいニュース流れてきて、日本人にとっても、最新の情報に、非常にどんどんどんどん新しい情報が来ている中で戸惑っているところが実情だと思うんですけれども、外国人の住民の人たちで、日本語がある程度話せてもこうした情報を理解できない人は相当数に上ると思います。 それで、厚労省の例えばホームページ見ますと、もうすごい次から次に新しい情報が更新されていっていますけれども、それ、基本的には日本語になっています。それで、つい最近、厚労省のホームページでネットで話題になったのが、手洗いをしてくださいの手洗いが、手を洗うではなくてお手洗いというふうに翻訳されておかしなことになっているということが話題になったんですけれども、これ、機械翻訳を使っている中で生じたことというふうに言われていますけれども、やっぱりこの多言語での発信ということは、非常に今、特に今、この時期で大きな課題になっていると思います。 自治体の中には、例えば東京都は、つい数日前に都民に向けた情報発信で、日本語に加えて英語、中国語、韓国語、それからあと、さっきお話ししたやさしい日本語ですね、における発信というのをようやくしたところなんですけれども、この情報は、私、ちょっとさっき時間がなかったんですけれども、やはり国としてきちんとしたやっぱり多言語化の仕組み、それから、そういう意味では、どういった情報をどういうときにどのような言語で発信するか、そういった多言語のガイドラインを国として作るべきだと思います。国として訳すべき情報と、プラス、やっぱり地域に応じて、東京であれ、神奈川であれ、それぞれの地域に根差した情報もあると思いますので、そこは自治体がやらなければいけないと思いますけれども、最低ラインといいますか、ベーシックな全国共通の話題は、やはり国として翻訳する仕組みをつくるべきだと考えています。
○参考人(小島祥美君) 今回の件については、学校に通っていない子供たちに対してのサポートというところがすごく急務だというところが課題になった点です。 といいますのも、どこから情報等を得ることができない方たちが多数いるという状況でありますので、地域の方たち、特にボランティア団体等の方たちがそういう方たちに対して情報提供をしていくということを尽力されているというのが現状です。ですので、社会から見える子供については対応できますけれども、今回、国の調査で分かったように、六人に一人が学校に行っていないという実態でございますので、そうした社会から見えない子供たちに対しての対応が今できていないというのが実情です。 ですので、それは外国人学校の子供たちも状況も同じです。といいますのも、今回の問題に限らず、例えば毎年ありますインフルエンザの情報等もそうですよね。そうした情報等が全く、外国人学校も含め、また学校に行っていない子たちも含め情報が行っておりませんので、とってもとっても健康に関わる情報ということが、そうした教育にアクセスできていない子供、またそこの保護者には情報提供されていませんので、これがもしや大きな災害等が大都市で起きた場合についてもっともっと大きな問題が起きてしまうんじゃないかと懸念するところです。 ですので、ふだんからそうした方たちと顔が見える関係や、また、その学校に行っていない子たちについては、特にその状況がどうなっているかということはふだんから日常が問われていることかと思いますので、そのふだんのネットワークということが大災害時のときに物すごく発揮する点であるかと思うので、その子供たちの就学ということが実は関係しているというところを付加させていただきたい点です。
○参考人(南野奈津子君) 約三点について述べたいと思います。 まず一点目は、多言語化は大体六か国から十四か国語ぐらいに今訳されているのが現状なんですけれども、希少言語の出身者の外国人も実際にはいるということがあります。そうした方々のことを考えると、やはり全部その言葉を用意するというよりは、やはりやさしい日本語で対応していくというのが実際には妥当な形になっていきます。 二点目が、生活感覚としての、これは医療を利用する文化的な感覚の違いというのがやはり各国の出身者の方にはございます。やはり、例えば、小学校や保育園での研修なんかでもお話を伺うのは、子供が熱が高くても連れてきてしまうであるとか、そういった治し方、そういったことに関して、例えば西洋の薬は余り使わないであるとか、そういった医療感覚の違いが、小さなですね、そういった医療受診を妨げるという面はあると思います。 ある特定の自治体であるとか、あとはお子さんが小学校や保育所に通っている場合には、そういった機関からこういった点を気を付けてくださいといったような通知は行くんですけれども、例えば外国人労働者の場合には、特に製造業とか請負の場合には、会社が寮を用意して、その寮と職場の往復しかしていないというような外国人も多数いらっしゃいます。そうした中では、やはりそういった企業であるとか様々なところから、そういった公衆衛生の問題、感染症に関して告知をしていただくということがとても重要ではないかと考えます。
○清水真人君 ありがとうございました。 続いて、共生のところについてちょっとお伺いをしたいんですが、御存じだと思いますが、群馬県にも大泉というところがありまして、ここは人口が約四万二千人ぐらいで外国人が約八千人弱ということで、一九%、五人に約一人が外国人という町があって、これは町村部の中では自然増加率も全国一位ということで、ブラジルを筆頭に様々な外国人の方が住んでいると。 現在、こうした昔からこういう外国人の方が住んでいるところというのは、多文化共同化があったり、また入管法改正の後に多文化共生コミュニティーセンター、こうしたものができる中で、例えばポルトガル語の広報紙を出したり、歯医者だとか医者だとか薬剤師のところに行くときに多言語問診票をしっかり作って対応できるようなことをやっているんですが、今外国人労働者の方が非常に群馬県でも例えば急激に増えている地域なんかがあって、こうしたところでは多文化共生を今後どういうふうにやっていくのかというのが非常に大きな課題になっています。 そこで、実は群馬県では、今、山本一太さんという方が知事なんですが、この方が外国人に優しいやはり群馬づくりをしていこうじゃないかということで、条例をしっかり作っていこうというようなことが動き出しているんですが、この条例、まだたくさんの県とかでできていないんですが、計画や指針だけでもいいんでしょうけれども、しっかり条例を作って動かしていくことが大事だと思うんですが、この条例を作るに当たって、こうした点に留意した方がいいだとか、そうしたものがあれば示唆していただければ有り難いと思っているんですけれども。
○会長(白眞勲君) どなたに。
○清水真人君 山脇参考人。
○参考人(山脇啓造君) 御質問ありがとうございます。 実は私、その山本知事が外国人との新たな共生推進会議というのを昨年立ち上げましたけれども、そのメンバーとして、知事と一緒に群馬県の新たな取組について議論に参加させていただきました。その中で、知事から、この群馬県がそうした共生社会づくりを進めるということを国内外に発信する意味でも、条例制定ということが一つの選択肢として議論されました。 条例については、実はこれまで、先ほど少しお話しした、二〇〇八年宮城県の条例、それからその後、静岡県、それからあと、さっきお話しした、最近では世田谷区が多文化共生と男女共同参画併せた条例を作っています。 知事のお考えで、やはり新しい発信、新しい共生社会づくりということを、そこに力点を置かれたいということをおっしゃっていたんですけれども、その中で、一つの観点としては、私が先ほど少し触れた、いわゆる生活支援から活躍支援へということで、外国人住民の方々が活躍できる群馬づくりということが多分この条例の一つの新しさとして打ち出すことになるんではないかなというふうに思っています。 それからあと、この条例作りを進める上で、やはり、先ほど少ししかお話しできなかったんですが、多様な連携が、県だけでなく、県と市町、それから様々な群馬県の中にあるNPO、それからあと外国人の当事者団体、そうした幅広い団体が連携していくことが欠かせないと思いますので、そうした意味では、やっぱりこの条例を作るプロセス自体が、多様な関係者が加わって議論をして条例を作り上げていくということも一つ大事なポイントではないかなというふうに考えています。 あと一つ追加で、群馬県の場合は、以前は多文化共生ということで取り組んでいましたけれども、今は外国人材活躍推進課ですか、といった新しいところも置いていて、課を設けていて、いわゆるそういった地域の共生社会づくりと、それから、これから受け入れていく新たな外国人材の人たちをどのように受け入れていくか、どんな人たちを受け入れていくか、その二つがある意味車の両輪として、新たな外国人材の受入れと、それからその地域における共生社会づくりが歯車としてうまく重なっていくといいますか、一緒に動いていく、そういう仕組みづくりを条例で作れればいいんじゃないかなというふうに考えております。 以上です。
○清水真人君 南野参考人も何かあればお願いしたいんですけれども。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 重複するんですけれども、やはり外国人の参加、その条例を作る上での外国人の参加ということが非常に重要であると考えています。特に群馬県なんかは、おっしゃっていただいたように、様々な、外国人が御自身の生活を通して見えてきた課題というのをやはり踏まえていくということと、やはりその共生ということに関しては、教育の観点からの共生、そして社会保障といったように、同じようなお話になってしまうんですけれども、多様な人が関わっていくということで、本当に外国人の方がメンバーに入っていくということが絶対的な条件ではないかなと考えます。
○清水真人君 最後に、先ほど山脇参考人からもお話があったんですが、実際に物事を動かしていくためには、日本人の側でいえばNPOだとか市町村で、また、外国人の非常に意識の高い方、日本への帰属意識というんですかね、こうしたものの高いキーパーソンというのが非常に重要になってくると思うんですが、こうした方々の発掘、そしてまた育成支援というのが大変重要になってくると思いますけれども、その点について、山脇参考人の方からお考えがあればお伺いしたいと思います。
○会長(白眞勲君) お時間来ておりますので、簡潔にお願いします。
○参考人(山脇啓造君) はい、分かりました。 群馬県のその知事の会議の中でも、外国人のキーパーソンの方は参加していました。ベトナム出身の方、ブラジル出身の方が参加していまして、そうした方々は、実際の住んでいらっしゃるその市町で活動をして、そこで認められた方々なんですね。ですから、やはり、その市町村における取組を進めていく上で、そこに外国人の人たちが参加をしていく、その参加をする中で、またそういった人たちが育っていくということでキーパーソンになっていくのかなと考えています。
○清水真人君 ありがとうございました。
○会長(白眞勲君) 伊藤孝恵君。
○伊藤孝恵君 国民民主党の伊藤孝恵でございます。三人の参考人の先生方、大変実態に即した知見を御教授いただき、本当にありがとうございます。 まず、小島参考人に伺いたいと思います。 小島参考人には二点、外国をルーツとする子供たちの就学義務とそれから健診についてお伺いしたいというふうに思いますが、特に最後の御教授をいただいた守られていない外国人の子供の健康問題、これについてちょっと心配になりました。健診を受けられていないということ、それは子供たちの、特にこれでいうと、ブラジル人の方々が通う学校なんですけれども、子供の健康状態というのも気になるんですけれども、これは公衆衛生の観点からも非常に重要な視点だというふうに思います。このまず実態について教えていただければと思います。
○参考人(小島祥美君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 最後に発表させていただきました絶対に取り組まなければならないという課題のところですよね。こちらの方を御覧いただきながら報告させてください。 二〇一五年に、愛知県、そして岐阜県にあるブラジル学校を対象に健康診断を行いました。その結果、分かったことがあります。それは大きく分けて三つあります。 一つは、三人に一人が肥満や肥満傾向にあったという実態です。これは、ブラジル学校はとても限られた空間にあることによって体操ができない、体を動かすことができないというところが多く考えられます。また、食事等の指導等もされていないというところも関係するかと考えられます。 二つ目です。四人に一人が視力に異常があるというふうに判断されました。それは、やはり劣悪などうしても環境になってしまう、いわゆる学校とみなされていないことによって劣悪な環境にされてしまっているということによって、右と左の目が異なる形で見えるという子たちが多かったという実態も分かったところです。 三点目です。十人に一人が何らかの状況があり、再度医療機関に健診する必要があるというふうに医師の診断がされた子供たちがいたという状況です。 先に説明するべきだったんですけれども、二校の学校については両方とも約二百人の子供たちが通っている学校なんですけれども、そんな状況が分かりました。 ですので、一度も、外国人学校に行ったことによって、ブラジル学校に行ったことによって、健診を受けていなかった。それによって、なぜこの子は学力が上がらないのかと思いきや、視力が、見えていなかったですとか、聴覚に課題があったですとかということが分かったという実態だったんですよね。 子供たち自体は成長する過程の中でその課題が見えてきていますので、先天性なもの、いわゆる目が見えるという実態を経験をしていないことによって、目の見え方というのがそういうものかと思ってきたわけですね。健診をして初めて、あっ、右と左の目の見え方が自分は違うのかということが分かり、初めて病院に行ったですとか、聴覚が、右と左が聞こえていなかったということが分かり、医療に行って分かったという実態が分かった子たちもいるような現状です。 ですので、このブラジル学校を始め、外国人学校の子供たちが全く健診を受けていられないという現状は大変ゆゆしき事態かというふうに考えますので、この問題をやっぱり早急に解決していただきたいという点が大きくあります。 また、この義務化のところについては、今、国は各種学校促進というところを進めております。学校を大きく分けると、学校教育法第一条に制定されている学校、そして専修学校、各種学校と大きく分けて三つに分かれますけれども、国は、この各種学校、つまり都道府県が認可した学校を促進をしているところです。 こちらについては都道府県の知事が認可するという学校なんですけれども、例えば地域にあります自動車教習所と同じ枠組みになります。これが今、ブラジル学校を始め、外国人学校が法的地位で獲得できる安定した位置になるわけです。ですけれども、これを何とか一条校という形に、いわゆる学校教育法第一条の学校にできないのか、認めることができないのかという議論が今後必要になってくるかと思うんですよね。 この議論については時間は必要かもしれませんけれども、ですけれども、規制緩和によって認められた、今は特区研究開発学校として認めることができるわけです。これは、かつての教育特区という枠組みで認められた仕組みでして、こちら、特区研究開発学校というふうに認められますと、自治体の協力を得て、廃校などの施設が利用できれば、今、外国人学校が抱えている課題、学習指導要領の問題、教員資格の認定、また外国語で行う教育の問題、認定教科書の話等々がクリアできるわけです。 ですので、こうした点についても、就学というふうに外国人学校が認められるような形を、是非議論が進めていけるような形になったらいいなと望むところです。 以上です。
○伊藤孝恵君 私も文教科学委員会の委員でして、こういった外国をルーツとする子供たちの課題については、まずゼロ歳から就学前、それから六歳から十五歳までの学齢期、それからその後ですね、学齢超過というのに分けて、それぞれの対応というのを文科省に求めている中で、是非、去年の十二月五日の文教科学委員会で大臣が、こういった義務化、就学義務を掛けていくということについても検討するということでしたし、お話の中にもありましたけれども、不登校とか除籍理由、そういったことの調査も前向きに取り組んでいくというふうにおっしゃったので、こういったやっぱり調査をしないと、課題が顕在化しないと施策を打っていけませんので、こういったことも努力を重ねていきたいというふうに思います。 続いて、南野参考人にお伺いしたいというふうに思います。 今ちょうどありました、各種学校が幼保無償化の対象から外れた、また高校無償化からも外れております。こういった学びの環境を提供できていないということと、将来的な社会保障、それから生活保護等も含みますけれども、そういったものについてお伺いしたいと思います。 私個人としては、もちろん、この国で生きている子供たちですので、しっかり学んでもらって、そして働いてもらって、納得して納税をしていただいて、この国で幸せに生きていってほしいというふうに思うわけですけれども、この学びの場の提供というところが、就学の義務も掛かっておりませんし、そして日本語を習得する大事な期間のこういった幼児教育にも手当てをしていないというような国の現状、ここについてお考えがあれば教えてください。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 将来への教育を受ける時期での不利がどういうふうにつながっていくかということにつきましては、これはもう、そもそも外国人じゃなくても、子供の貧困問題を見ていただいても分かるように、やはり日本で学歴がベースとしてその後の業種であるとか収入の階層に入っていくということを考えますと、中卒で終わってしまう、大学に行けていない、これは経済的なこともそうですし、学力的なこともそうですし、行けていないというのは、やはり将来的な生活の安定という意味では非常に困難を抱えるというのは、もう外国人だからではなく、日本人であっても、これはもう日本の社会構造として存在している問題だと捉えます。 そうした言葉の問題については、現在、様々なNPOとかボランティアが行っていますが、非常に少ない助成金の中で何とかやっているのが実態です。ある国の子だけがいるわけではなくて、中国人の子もいる、フィリピン人の子もいる、フランス語圏の子もいるということになると、やっぱり塾のように一体、集団でやるというのはなかなか難しい状況もあります。 労働者として来る場合には、日本のように四月に来て三月に出ていくわけではありませんので、やはり日本の教育体制の中に早い段階で支援を受けながら入っていくためには、そういった制度の隙間を埋める人たちを充実させて、それに対してしっかりお金を付けていくということはやはりしていかなければいけないと思っています。 そういう意味では、やっぱり労働者世代の子供もどうしても労働者世代になっていくという実態が外国人の場合はございますので、貧困の連鎖という観点からしても、やっぱり経済的なところを支える上で教育面は非常に重要だと考えます。
○伊藤孝恵君 引き続き、南野参考人にお伺いしたいんですけど、今この国では、昨年の四月一日現在ですけど、国保における外国人の被保険者数というのは九十九万人、全体においては三・四%になっております。 一方、社会保険加入者における外国人比率というのは国は把握をしておりません。シミュレーションもしておりません。それは、どのような年齢の方がどの期間在留するかというのが不透明なので、それを、社会保険財政に対する今後の見通しというのが立てられないというような答弁でありますが、これ、もちろんそうですけど、社会保険って我々長期加入が前提で、私たちの大きな掛け捨てがあって成り立っているものになりますけれども、こういった外国人労働者については、負担より給付というのがもちろん増えてしまえば、こういった制度維持にはマイナスになってまいります。 そういった部分で、公平で合理的な仕組み、日本人でも外国人でも納得できるような仕組みづくりというのが必要ではないかというのを我々ずっと言っているんですけれども、例えばイギリスのヘルスサーチャージ制度等、こういった、これから我々が外国の方も迎え入れてしっかりと医療を受けていただく上で参考になるような海外事例がありましたら、教えてください。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 移民に関しましては、諸外国もそう大きな制度上は差がないというのは、制度に関して言えばそういった状況があるかと思います。もちろんアメリカではそもそも国民皆保険というのが充実していないという点で、もうその根本からして違うわけですけれども、海外では、これは多分、山脇参考人がお詳しいかとは思いますけれども、ドイツや韓国では、特に社会保障制度に限らず、その国の統合促進を行う中で社会保障制度もきちんと利用できるような環境をつくっていこうという取組は非常に進んでいるかと思います。 時間の関係があるかと思いますので、こちらで。
○伊藤孝恵君 それでは、最後に、山脇参考人にお伺いしたいというふうに思います。 私も実は愛知県選出ですので、いろいろその集住というところが多文化共生には良くないんじゃないかというような御指摘ある一方で、我々、知立市というところがあるんですけど、そこの知立東小学校は全児童の六割が外国籍だったり、日本語指導の子供は日本国籍の子も含め七割いたりします。そういった子たちは、集住しているわけなので、同じ小学校に行って、そこで先生とかフォローしてくださる方が手当てができるということになります。 これが、いろいろなところに住むと、いろいろな学校に行って、そこでフォローしてくれるその人員の手当て、一人の先生がぐるぐる小学校を回ったってなかなかしっかりとフォローできない中で、その集住というところ、それから学校でのそういったフォローというのをどういうふうに考えたらいいのか、御教授をいただければと思います。
○参考人(山脇啓造君) 御質問ありがとうございます。 外国人の人たちが集住するのはある意味自然な現象であって、お互いにネットワークがあったりお互いに助け合ったりすることで、それ自体はむしろ肯定的に評価すべきことだと思うんですけれども、ただ、その集住の割合が余りに高くなった場合に、やはりある意味、その地域が例えばもう外国人の人たちが多いので、日本人にとっては何かあそこは自分たちの住むところじゃないよと、もうあそこには行かない方がいいよとか、ある程度段階を超えると、もう新たな入居者が、外国人の人は入居してくるけれども日本人の応募はないという、そういう状況につながってしまうと思うんですね。それはある種のすみ分けみたいなことになると思うんですけれども、これは基本的には、特にヨーロッパの先例などを見ると、やはりそのすみ分けすることが社会の分断にやはりつながりかねないという、非常に大きなリスクがあると思います。 なので、一定数集まって住むということ自体、それ自体は否定すべきことでは全くないんですけれども、でも、その割合が過度に、例えば半数を超えるとか、そういった場合に、やはりそこにそれをそのまま残すというよりは、積極的にそこに対して日本人の人たちの入居を奨励するような取組をするとか、それから、そこに日本人と外国人の人たちの間を仲介するようなコーディネーター的な役割を果たす、そういうスタッフを配置して様々なコミュニケーションを取っていくようにするとか、工夫が必要ではないかというふうに考えています。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。 終わります。
○会長(白眞勲君) 竹内真二君。
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。 三人の参考人の皆様、本日は大変お忙しい中御出席いただきまして、本当にありがとうございます。心より感謝を申し上げます。 初めに、山脇参考人にお聞きします。 日本で暮らす外国人、先ほど二百八十万人と、約半数は定住しているというお話でしたけれども、これからもグローバル化、そして昨年四月からは外国人労働者の受入れを拡大する新たな制度も始まっておりますので、この先も外国人の数というのは更に増えていくと当然見込まれるわけですね。私の地元横浜でも、外国人の人口は昨年四月に初めて十万人を突破しました。五年間で約三割増えているという状況です。 しかし、多文化共生といっても、この外国人の住民数、もう自治体、先ほどもありましたけれども、かなり数に差があると。当然、その自治体ごとに意識や取組にも差があると思うんですね。例えば、一つ、自治体が策定する多文化共生の推進に係る指針、計画というものがございますけれども、この策定状況を見ても、十年ほど前にはその策定をしている自治体は一割以下。昨年、十年掛かってようやく半数近くまで上がってきたわけですけれども、それでもまだ半数の自治体は作っていないわけですね。しかも、単独の計画をしっかり作っている自治体もあれば、総合計画で触れているだけのそういう自治体という質の面の差もあります。 そこでお聞きしたいんですけれども、この先行して取り組んでいる自治体にとってのこれからの課題みたいなものもあると思うんですけれども、それはどういうことになるのか。一方で、外国人がまだ少ないんだけれども、先生おっしゃっているように、この二・〇という支援というか活躍の時代に入ってきているときに、この関心が低い、取組がまだ十分でない自治体にとって求められる今後の取組みたいなものは何なのか、教えていただきたいと思います。
○参考人(山脇啓造君) 御質問ありがとうございます。 私は、これまで二十年ぐらい様々な自治体の多文化共生の指針や計画作りに関わってきました。おっしゃられるように、自治体の中でも、それこそ十年、二十年、あるいは三十年も取組をしてきている自治体もあれば、ようやくこの一、二年の間にこのテーマに関心を持つようになった自治体もあり、そういった意味では物すごいギャップといいますか、あるいは温度差といいますかがあるのは事実だと思います。 まず、先行して取り組んできている自治体に関しては、先ほど私、少しお話ししたような形で、外国人住民が支援をされる存在というよりは積極的にむしろ支援に関わっていく。 例えば、これ一例を挙げると、災害時のときに、外国人の人たち、これは一つの例なんですが、先ほども少しお話しした団地において、日本人は非常に高齢者が多い、一方、外国人の人たちは若い人たちあるいはファミリーの人たちがいる中で、そういう若い外国人の人たちが災害時に日本人の高齢者を支援する、そういったことも現に今起きてきていますし、そうした意味での、やはり外国人住民の人たちに活躍してもらう、そういう仕組みづくりというのが先行自治体にとっては今大きな課題だと思います。 それから一方で、これから取組を始めようとする、まだ指針や計画なんて何もない、そういう自治体にとっては、恐らくまだ絶対数、外国人は少なくて、ちょっと何かわざわざそういったものを作るニーズを多分現場では感じていないと思うんですね。そういうところで無理やり何か形だけ、総務省のプランを持ってきて、何かそういう指針とか計画作っても余り意味がないと思うんですね。 そういうところは、むしろまずは担当部署を定めるということで、それで、やはり役所、国もそうだと思いますけれども、誰が、どこが担当するのかというのがはっきりしていないと結局誰も手を着けないということがありますので、まずは役所の中でこの外国人住民の課題あるいは多文化共生の課題を誰が担うのかという、その担当をしっかり決めるという、そこから始めるのがいいんじゃないかなと思います。 実は私、今総務省の多文化共生の研究会に関わっているんですけれども、総務省においても、いわゆる先行自治体のそういったグッドプラクティスを横展開するといいますか、これから取り組む自治体に広げていくということには関心を持っていまして、今年度、県単位での自治体、市町村の間の交流、政策交流を進めたり、あるいは先行する自治体の職員が、そういった新しい取組をする自治体に職員を派遣するとか、そういった仕組みづくりも始まっていまして、これから、外国人集住都市会議のメンバーがある意味先行自治体の一つのモデルだと思うんですけれども、そういった自治体のノウハウあるいは知見を新しく取り組む自治体に広げていくことが重要だと思います。
○竹内真二君 もう一点、山脇参考人にお聞きします。 多文化共生を進めていく上で乗り越えていかなくてはいけない課題の一つが、先ほどからも議論が出ていますけれども、やはり言葉の壁だと思うんですね。そのための取組の一つとして、災害時のやはり外国人への情報提供ツールとしてやさしい日本語というものが生まれてきていると。例えば、電車が不通ですと言っても、なかなか不通という言葉が分からなくて伝わらない。そこをやっぱり、電車が止まっているというふうに表現すれば伝わる方が増えていくと。昨年の台風報道でも、NHKがツイッターでやさしい日本語で投稿したところ、非常に普通の言葉よりよく分かったということで、外国人の方からも非常に反響があったというふうに聞いております。 また、政府も多言語での情報提供というものもきちんとやっている面もありまして、災害時にやはり外国人が避難行動に必要な情報というものをアプリ等で入手できるようにして、対応言語も今十一か国語等に増やしておりまして、今年度中にはモンゴル語なども、三か国語も増やして十四か国語にまではなるという今見通しも立っております。 そこで、山脇参考人にお伺いしますけれども、この災害時などに必要な情報というものを多言語で発信することに関して、先ほどもお答えにありましたけれども、この多言語化の仕組みであるとか発信のガイドラインを作るべきということもありましたけれども、そういう国が取り組むべき課題、改善点みたいなものを教えていただきたいのと、一方で、各自治体で既に、先ほどもありましたように、自治体でやはり多言語の発信について独自に取り組んでいてこれは横展開した方がいいというような好事例みたいなものが、災害時等に限って言えばどういうものがあるのかを教えていただければと思います。
○参考人(山脇啓造君) 御質問ありがとうございます。 先ほども少しだけお話ししたんですけれども、この多言語化の問題について、今、やさしい日本語についての言及もいただきまして、実は先ほどの二十分のプレゼンでそこをカットしてしまったので、御質問いただいて大変有り難いんですけれども。 そのアプリのお話されたのは、VoiceTraという総務省の外郭組織が開発している多言語化、AI翻訳の仕組みのことをおっしゃられていると思うんですが、これ、かなり今精度が上がってきています。ただ一方で、先ほどお話しした手洗いのような問題もまだ生じているのが現状ということで、自治体でも、昨年度、今年度ぐらい、このVoiceTraを実験的に幾つもの自治体が使って試して実際の現場で使っているんですけれども、そうした中で、かなり便利ではあるけれども、でもやはり誤訳が生じるときがあると。やはり、AI翻訳をする上でも、やさしい日本語で話すことでその翻訳の精度が上がるということがそういった現場からは言われています。 そうした意味でも、直接外国人住民への情報発信のツールとしてのやさしい日本語もあるんですが、このAI翻訳、多言語化を進めていく上でも、やさしい日本語を使うことが一つの良いステップではないかなというふうに感じています。 もう御存じだと思いますけれども、実は今週、あした、あさってですか、法務省でやさしい日本語のガイドライン作りの研究会がスタートします。これまで幾つもの自治体でやさしい日本語の実はガイドラインというものが作られておりまして、これもある意味ボトムアップで、そういった現場で使われているものを、今回国が、一つのそうした自治体の取組を参考に国としてのガイドラインを作り、そしてまた、それを全国に周知するという展開を今準備していると思うんですけれども、実は、この情報の多言語化に関してもいろいろな自治体が既にガイドラインを作っているんですね。その中で、先ほど私は国としてのガイドラインというお話ししたんですが、実は自治体においては既にそうしたガイドラインを作って外国人への情報発信をしているということで、やっぱりこの面においても、そういったその自治体の経験、知見をしっかり国が吸収して、そうした上で、この多言語発信に関する基本方針、あるいはその担当部署ということをしっかり定めるのが必要ではないかというふうに思います。 あと、今お尋ねの、災害時の情報発信の自治体のグッドプラクティスということで御質問あったんですけれども、ちょっと今すぐには思い浮かばなくて、また思い出したら何か発言させていただきたいと思います。 以上です。
○竹内真二君 次に、小島参考人にお聞きします。 昨年九月、文科省就学調査、初めてこの数字というものが出ましたけれども、やはり教育を受ける権利というのは全ての人間に保障された基本的人権の一つであるということは間違いないわけですから、小島参考人が岐阜県の可児市で取り組んだこの不就学ゼロのモデルというものは、やはり私も全国に広げていかなくてはいけないと強く思っております。 そこで、小島参考人は、この不就学の子供というのは社会から見えない子供たちであったということで、直接会って就学状況をつかもうと可児市での実態調査に取り組んでいかれたそうですけれども、先ほど余り詳しくはお話しなさっていないので、可児市ではまず何が問題であったのか、その上でどのようにこれを改善していくことで不就学がゼロになったのか、これからそういう取組を始めようと思っている自治体の参考になるようにもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
○参考人(小島祥美君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 可児市は、現在、総人口約十万人の町で、そのうち約九千人が外国人住民という状況です。この実態調査を行ったときには、約四千人という外国人住民でして、そのうちの約一割、約四百人が就学年齢の子供たちでした。その子供たちの就学実態というのが、可児市の教育委員会で把握している可児市立小中学校の子供たちの在籍数の人数と、そして住民登録されている外国人の子供たちの数が余りにも異なるというところに自治体の方たちが危機意識を持っていたというところから始まります。 私は当時、兵庫県の神戸市内で被災された外国人住民の方たちの支援のNPOを立ち上げ、活動していました。神戸でも同じような課題はあったものの、義務ではないということによって就学実態等が把握されていないという現状が神戸の町でもありました。 でしたので、その子供たちを見える化したいと思い、いろんな自治体に相談したところ、可児市と出会い、それが契機になり、私は可児市の方に引っ越しました。そして、可児市に住みながら、その実態把握を行っていくということを行ったんです。二〇〇三年のことです。全家庭へと訪問調査しました。なので、私が行きました。一緒にその地域の方たちも回っていくということをしたんですけれども、時期を変えて三回同じ調査をしました。そうすることによって、子供たちの就学がどんなふうに移動しているのかというのも見たかったからです。 それによって分かったことが大きく分けて三つあります。 一つは、本当に学校に行っていないという子たちがいるということ。その学校に行っていないという子供たちが、住んでいる年数や、また、日本語が分かる分からない等に限らず、日本国籍ではなかったということによって教育にアクセスできていないという実態が分かりました。 二つ目が、その子たち、私と出会った時点では学校に行っていなかったんですけれども、話をずっと聞いてみると、かつては学校に行っていた。なので、日本の公立学校、特に日本の公立の中学校をドロップアウトしている子たちが圧倒的に多かったというのが分かったことでした。 三つ目が、じゃ、この学校行っていなかった子たちは何をしていたかという点です。それが、多くの子供たちがみんな地域の工場に就労していたという状況でした。彼らたちは日本の学校にかつて行っていましたので、日常会話程度ができます。それによって、親よりも時給が良かったりという状況の中で雇用されていたという状況です。十二歳や十三歳という子供たちが働いていた実態が分かったところです。 それによって、可児市は、不就学ゼロを掲げ、先ほど報告させていただいたような規定を作り、そして、その取組を進めてきたという十五年でした。 子供たちはなぜ不就学になってしまったか。その子供たちと私は約四年間一緒に暮らしましたけれども、子供たちはこんなふうに言います。だってさ、年齢さえごまかせれば働ける、自分たち幾ら頑張ったってあそこに働くんでしょう、だったら勉強する必要はないよね、こんなふうに言います。また、勉強をしたってさ、自分たちが評価されるような成績にはなっていないよね。そんな中で子供たちは働いていたという環境にあったわけです。 可児市は、その不就学ゼロを目指し取り組んできた結果、今、十五年たってやっと見えたことがあります。それは何かといいますと、子供たちがそこで納税者となって、そこで家庭を、正規の就職を地元でし、そして彼らたちはそこで結婚し、そこで子育てし、家を買いという子供たちが増えてきているんです。 私たちが取り組んだ当時の子供たちが今三十代前半になっています。その子たちが今、可児市で子育てをしている状況になってきています。納税者となっているんですよね。その子たちは、生まれや言語は違うんですけれども、皆共通している言葉があります。それは地元が可児市という言葉です。ちゃんと彼らたちに投資をすることによって、彼らたちはその町が地元になっていくんですよね。 ですので、こうした取組が、やはりすぐには結果が出ません、私たちも十五年たってその人材が見えてきたところですので、この人的資源を人材として育成していくのか否かというところが今国として問われているんではないのかというふうに考えます。 以上です。
○竹内真二君 済みません、時間が来ましたので、南野参考人にお聞きしたかったんですけど、以上で終わります。失礼いたします。
○会長(白眞勲君) 高木かおり君。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。 本日は、お忙しい中、三名の参考人の皆様、貴重なお話をいただきまして、ありがとうございます。 私の方からは、まず山脇参考人に伺いたいと思います。 今、日本ではやはり、入国管理局を拡充して出入国在留管理庁を設置し、外国人との共生社会の実現に取り組んでいくことになっております。しかしながら、やはり法務省が、これまでの出入国管理、在留管理に加え、在留支援に力を入れていけるのかどうか、こういったところが懸念されるかと思います。 三年前に法務委員会では、在留外国人の法案を審議したときには、失踪した外国人労働者が非常に多いという指摘がありました。当時、法務省では、入国した外国人のその後の居住について詳細に把握していないという実態、失踪した数の把握もできていない、こういったことがまだまだ払拭されているとは考えられません。 我々は、やはりこの外国人の労働者の在り方、こういった点について、国民全体でしっかり、国民生活全体に関わる大きなテーマだと思っておりますので、しっかりした国民的議論というのが必要だと思っております。そうした中でコンセンサスを得ていくべき問題であるというふうに思っております。 そういったことを踏まえまして、やはり山脇参考人のおっしゃる多文化共生を実現するためには、やはりこの日本で失踪する外国人の方々、失踪者の問題、これ無視することはできないというふうに考えますけれども、この問題については山脇参考人はどういう御見解をお持ちでしょうか。お願いいたします。
○参考人(山脇啓造君) 御質問ありがとうございます。外国人の失踪者が多い問題についてということでよろしいですね。 この失踪者、特に技能実習生の人たちの中で失踪者が、もう結構以前からこの問題は起きていて、なかなか改善に至っていないということがあるかと思います。二〇一七年には技能実習法、新しい法律も作って体制を強化したにもかかわらず、状況ははっきり言って改善されていないところかなというふうに思います。 今回また特定技能という新しい制度を立ち上げる中で、本来そちらでの外国人労働者の受入れということにある意味かじを切ったかと思われたんですが、現実を見ると、特定技能の人たちはほとんど増えていなくて、増えていないというか、当初の想定のようには増えていなくて、技能実習生がむしろますます増えているという状況にあるかと思います。 この技能実習生の問題に関して、私は技能実習制度を専門としているわけではないんですけれども、さっきも少し申し上げたような低賃金の問題、あるいは長時間労働とか様々な、パワハラやセクハラとか、そういった課題もあり、劣悪な労働環境の中で働いているケースも少なくないと思うんですけれども、やはりそうした背景の中で、より良い条件を求めて失踪するケースが続いているんではないかなというふうに考えています。 やはり技能実習制度、特に特定技能の制度と比べると、基本的に、その特定技能の場合には、条件がもし悪ければ、自分が望んだ条件でなければそこで新しい職場に変わっていくことが可能なわけですけれども、技能実習制度の場合にはそれが難しいといったところにも、一つ大きなその制度としての限界があるんではないかなというふうに考えています。 この失踪者の問題を、まずそういったその問題を減らしていくためには、方向性としては今、国が特定技能にかじを切ったということで、そちらの方向で、やはり特定技能の制度の方がよりその労働者、外国人労働者の保護につながる制度だと思いますので望ましいと思うんですけれども、それが今思ったようには進んでいないというところなのかなというふうに考えています。 特定技能の制度自体は、やはり滞在期間が限られ、そして家族を同伴できないということで、果たしてそれが外国人、当事者にとってどこまで魅力的なのかと。特に今、東南アジアの労働者にとっては、日本以外にも韓国であったり、台湾、アメリカ、オーストラリアあるいはドイツといった、そういった選択肢もある中で、本当にこの新しい制度がどこまで魅力的なものであるかということは改めて考える必要があるんではないかなというふうに思います。 そうした面から、やはり今のまま続けていても失踪者の問題が大きく改善されるのは難しいという印象を持っています。
○高木かおり君 ありがとうございました。 やはり、この失踪者の問題というのも併せて考えていかなければならない重要な問題だというふうに思っております。 ただ、やはりそういった日本で働いていただく労働者といいますか、も生活者として迎え入れるという立場で考えますと、この多文化共生という考え方は今後非常に重要になってくるかと思います。 先ほど山脇参考人も、共生政策の基本法の制定と担当組織の設置が必要だという御見解だったかと思います。こういった御見解の中で、ドイツとか韓国とか諸外国の事例を踏まえながら、先ほども少し言及されておられたかと思いますけれども、日本ではどのような体制整備というのが、体制整備をしていく上でどういった点に留意して策定していくべきなのか。やはり今の法務省の出入国在留管理庁だけの組織では当然不十分かと思いますので、そういった点について何か付け加えてございましたらお願いいたします。
○会長(白眞勲君) どなたにですか。
○高木かおり君 山脇参考人に。
○参考人(山脇啓造君) ありがとうございます。 法律に関しては、ちょっとレジュメには書いたんですが、例えば男女共同参画、あるいは障害者施策、あるいは高齢社会対策ですとか、こうした分野に関してはそれぞれ基本法と呼ばれる法律があって、自治体もその法律に基づいて業務を行っていると思うんですけれども、多文化共生の分野に関してはそういった法律が今はなくて、あるのは入管法ということになるんですけれども、そうすると、極端な話をすると、自治体にとってはやってもやらなくてもいい、まあ極端な言い方ですけれども、そんな中途半端な位置付けに今あるのかなと思っています。 あと、その組織に関しては、これまでは総務省が地域における多文化共生推進プランというのを策定して自治体の支援を行ってきたわけですけれども、今、入管庁ができて、法務省が総合調整を担って進めるということになっているんですけれども、私がその自治体の現場の皆さんの声を聞く中では、やはり自治体として、国の窓口が総務省なのか法務省なのか、ちょっと戸惑っている、そういった声を聞くことが少なくありません。 今は法務省が総合調整を担うということになっているんですが、一方で、自治体のこれまでの様々な取組の関係では総務省が大きな役割を果たしてきたわけで、例えば今度、今年の夏に東京に新しい、仮称外国人共生センターというのを国がつくることになっていますけれども、ここも基本的には法務省が入って、そこには総務省は関わっていないんですね。果たしてこれでいいのかどうか、私はちょっと疑問を感じるところがあります。 しかも、法務省も、あるのは先ほどお話のあった在留支援課というところがあって、そこが在留支援、外国人の支援や共生社会づくりを担うということになっているんですが、非常に小さい一つの課であって、もう本当にそこで総合調整を担えるのか心配なところがあります。
○高木かおり君 ありがとうございました。 続きまして、南野参考人に伺いたいと思います。 先ほどから、失踪者の問題、劣悪な環境がある、こういった問題はもう常に取り沙汰されているわけなんですけれども、先ほども南野参考人の方からも外国人労働者の現状についてお聞きしました。 その中で、搾取構造について、やはり外国人の方々の立場が弱いということで、既に保険や年金についての問題も生じているわけなんですけれども、その段階に行き着かない外国人労働者の方々もいるわけで、例えばパスポートを取り上げられたり、労災にあっては雇用主が積極的に対応せずに労災が適用されなかったり、もうこういったケースも多くあるというふうに聞いています。 このような外国人労働者の方々について、どのような支援が必要となるでしょうか。その御見解についてお伺いしたいと思います。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 御指摘のとおり、非常に劣悪な環境がありまして、そうした中には、外国人の方が個人で来ているから起きているというよりは、間にあっせん会社が入って外国人の方をあっせんして特定の企業に受け入れていくというような構造があって、その中での出国時でのオリエンテーション、そして入国時での情報提供、こういったものが非常にその業者によって幅があるというのが実態としてあります。 ですので、受入れ国だけがその場で制度を整えたりコーディネーターを充実させるだけではなくて、現在であれば労働者でいえばベトナムが非常に増えていますけれども、送り出し国とのやっぱり連携をしっかり取っていただいて、そういった搾取的な業者の取締りであるとか、そういったことはまず大事ではないかなというふうに考えています。 そのほか、先ほど御指摘いただいたような労災の申請がしづらいであるとか、あとは、先ほどちょっと別の御質問でもあったかと思いますけれども、厚生年金なんかに関しても、御本人たちが入りたくないと言っているよりは、健康保険や厚生年金は会社と本人の折半になりますので、その支出を担うのは企業になります。近年はそういったことはないにせよ、やはり労災にせよ年金にせよ保険にせよ、会社側が入れたがらないといったような相談も聞こえてまいります。要は、やっぱり相談の中にも、形式的には加入をしているが、その折半分も給料から天引きされているといったような案件も相談としてございます。 ですので、表面的に見える実態と現場で行われている実態には様々なそごがあるということも相談を受ける中で起きていますので、やはりそういった規制をしっかりやっていくということはその生活保障上非常に大事ですし、それに対しては多文化共生も含め企業の責任は大きいと私は考えております。
○高木かおり君 ありがとうございました。 時間が少なくなってしまいました。最後に、小島参考人、本当にちょっとお時間がなくて申し訳ないんですけれども、やはり小島参考人は、いろいろと、可児市での問題ですとか、そういった実例のことをいろいろお話しいただきましたけれども、やはり自治体で先行してやってきた事例、それが法整備をされることによって、国が法整備をすることによって画一的に、一側面だけ統一されてしまう、こういったことは避けなければならないというようなお考えをお示しになられておられるかと思います。 そういった点について、最後、簡単にお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○会長(白眞勲君) 時間になりますので、簡潔にお願いいたします。
○参考人(小島祥美君) はい、分かりました。 国が何の方策もないままに今自治体任せにやってきたこの教育施策が、無責任さから生まれたものというのがあるんですよね。それは、各自治体の中で生まれた豊かさがあります。その豊かな教育というものを是非尊重した、自治体の創造力が生み出した、育んだ教育実践というものを尊重した実践体制ができるものを推進していただきたいと考えます。
○高木かおり君 終わります。
○会長(白眞勲君) 岩渕友君。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございました。貴重な御意見をいただきました。 それで、まず山脇参考人にお伺いをするんですけれども、今も話題になっていた外国人労働者をめぐる問題についてお聞きをしたいんです。 今出ていたように、特に技能実習をめぐって本当に深刻な人権侵害が問題になっています。その外国人労働者をめぐるこうした人権侵害をやめさせて、やっぱり人間らしい生活を営むことができるように国がやる必要があることについて、今少し出していただいたんですけれども、加えて、参考人がお考えのことがあればお聞かせいただきたいんですけれども。
○参考人(山脇啓造君) 先ほども少しだけお話しさせていただいたんですが、基本的には、この技能実習制度は、劣悪な環境であってもなかなかそこをある意味逃げることができないという問題が構造的にあるのかなというふうに思っています。もちろん、私、幾つかの企業で、技能実習生を非常に良い形で受け入れ、技能実習生も満足している、そういう企業も幾つも知っています。先ほどお話しした群馬県の共生会議においても、そうした企業の方々とお会いしてお話を伺うことができました。 しかしながら、技能実習制度はもう何十年、何十年といいますか、二十年、三十年ですかね、続いている中でいろんな指摘がされ、そして制度はいろいろもう改善はされてきたはずなんですけれども、それでもこうした課題が起きているということで、私は、基本的には、今の制度の中でいえば、やはり特定技能の制度における受入れをより拡充するといいますか、広げていく方向で進めていくのがいいのではないかなというふうに考えております。
○岩渕友君 ありがとうございます。 もう一問、山脇参考人にお伺いするんですけれども、その日本に住む外国の方たちに対する様々な差別の実態があるということで、先ほど冒頭のお話でも、その法務省の調査でもそういう差別があることが分かったということの紹介があったと思うんですけれども、多文化共生社会ということで、そのお互いの違いを認め合いながら地域社会で共に生きていく、こういう社会を実現をする上で、その人権の観点が非常に重要だというふうに考えるんですね。 その多文化共生という点で、国として人権の観点に立って行う必要があることについて参考人がどう考えるか、お聞かせください。
○参考人(山脇啓造君) 先ほども、ちょっと時間がなくてその共生社会づくりのところは飛ばしてしまったんですけれども、今、多文化共生に取り組んできた自治体の中で、幾つかの自治体がこの偏見、差別の問題に取り組み始めているわけですね。大阪市あるいは世田谷区あるいは川崎市といった多文化共生の先進自治体がそうしたテーマにも今取り組み始めていると思うんですけれども、私は、やっぱり国として、このヘイトスピーチの解消法ができましたけれども、そこには罰則がないわけですし、それからあと、これも長く以前から指摘されていることですけれども、その差別を禁止する、あるいは解消をするための法律というのが日本にはないということもあり、やはり国の役割としてはそうした法整備になるんではないかなと考えております。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次に、小島参考人にお伺いをしたいんですけれども、冒頭の御説明の中で、やり直し教育ということで夜間中学についての御紹介がありました。それで、日本語教育の機会を保障するという点でも夜間中学が果たしている役割は大きいというふうに思うんです。 それで、外国人の皆さんの教育における夜間中学の重要性について詳しく教えていただきたいということと、夜間中学の数を増やすということはすごく大事なことだと思うんですけれども、同時に、例えば専任の先生を増やすということも必要なことだと思うんですね。その夜間中学を更に充実をさせるために必要だと思うことについてお聞かせください。
○参考人(小島祥美君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 夜間中学については、冒頭にお話しさせていただきましたとおり、やっぱり限定した地域にしか今ないというのが現状ですので、こうした設置については自治体格差をまずは解消していただきたいというのが大きな点です。 二つ目は、夜間中学が設置された地域について抱えている課題ですけれども、そこについては、専任の教員の問題、また保健室の養護の先生の設置の問題、また、広域に通う生徒たちが多いですので、学割だったりとか交通費の問題等にもなります。また、給食についても整備されている地域とされていない地域がございますので、そうしたところの観点も重要だと考えます。 また、最後ですけれども、夜間中学が設置されていない地域についてはなかなか設置への働きかけというのが今現状としては難しい状況で、この普通教育機会確保法ができても設置されない。例えば、私が今住んでいます愛知県名古屋市については全くその動きがないというのが現状です。 ですので、今施行しているこの法律は議員立法での理念法になっているというところが強くあるかと思いますので、是非これが執行できる、運用されるための法律を併せて設置していただきたいということを強く望みます。
○岩渕友君 ありがとうございます。 小島参考人にもう一つお伺いをしたいんですけれども、実は先週の参考人質疑のテーマは子供の貧困だったんですね。これをテーマにいろいろ参考人質疑やったんですけれども、この中でも、新たな課題ということで、外国にルーツを持つ子供たちへの対応が重要になっているんだということでお話をされた、資料を出された参考人の方もいらっしゃったんですね。 それで、貧困の解消ということと関わって、外国人の子供たちの教育の重要性についてどんなふうにお考えか、お聞かせください。
○参考人(小島祥美君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 これは、やっぱり日本の姿勢が世界に問われているというふうに私は考えます。といいますのも、この二〇三〇年までに全ての子供たちに教育を、つまり、このバッジにある持続可能な開発目標がされているにもかかわらず、日本はいまだに全ての子供たちが教育にアクセスできるような体制がつくられていないというのは大変恥ずかしい、ゆゆしき国だと思うんですよね。私も日本人としてとても恥ずかしいです。オリンピックを迎えようとしている、開催しようとしているこの国で、その子供たちが、様々な国の方たちがいらっしゃるこの国で、その国の方たちが学校に行けないような状況があるというのは大変恥ずかしいと思うんですよね。 ですので、この誰一人取り残さないという施策をやはり日本が、日本の姿勢をやっぱり世界に見せてほしいというふうに私は考えます。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次に、南野参考人にお伺いをします。 事前に配られた資料の中で、参考人が外国人女性の自立と福祉的課題について書いた資料が掲載をされていたので、それを読ませていただきました。外国人女性が日本で抱える問題とその解決のために必要なことについて詳しく教えていただきたいというのが一つと。 この資料の中で参考人がこんなふうに述べていらっしゃって、外国人女性に立ちはだかる自立の壁は、日本人の女性が経験をしている自立の壁がまずあって、その日本のジェンダーの解消こそが外国人女性が抱える福祉課題の改善につながると、こういうふうに述べていらっしゃるんですね。こういう点で、その日本のジェンダー解消の重要性について参考人がお考えのことをお聞かせください。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 まず、一点目、二点目、重複するかと思うんですけれども、まず一点目で、外国人の女性のジェンダー問題として解決すべき課題ということでよろしかったでしょうか。
○岩渕友君 今日は、その外国人の女性の自立と福祉課題についてはお話がなかったということがあるので、その外国人女性が日本で抱えている問題について、その問題と解決の中身について教えてください。
○参考人(南野奈津子君) ありがとうございます。 私は、外国人母子世帯の調査を、インタビュー調査をやったことがあるんですが、ある事例をお話ししたいと思います。 その方は、日本には興行という在留資格で来て、フィリピンパブでずっと仕事をされていて、その後、日本人の男性と出会い、結婚をしたんですけれども、DVが原因で離婚をされました。彼女は日本に来てすぐ興行の仕事でパブで仕事をしていて、日本語はカラオケの画面で覚えたというふうにその方はおっしゃっていたわけです。お客さんとのその会話と、そういったカラオケなどで日本語を覚えたと。その後、子供ができて、離婚をした際に、DVで離婚されたわけですが、彼女にとっての働くスキルは日本ではその仕事しかなかったわけですね。そうすると、その仕事に就くと、子供がいたので子供の保育をどうするかといったときに、日本の公的保育は基本的には昼間働く人を基本にしている制度になっていますので、やはり夜働く女性としては、これは日本の母子世帯にも多くあることですけれども、やはり高い認可外の、時には質もなかなか高いとは言えないようなサービスを一時間千円から千五百円ぐらいで利用していた。それだともう働いているのか何をしているか分からないと。だから、彼女の場合には、その子供を一旦母国の家族に預けて、自分はその子供の生活費をまた稼ぐ、御自身の生活費も稼ぐためにまた夜の仕事に戻られた、でも昼はクリーニング工場か何かで仕事をされていたということがあります。 そういった女性の、日本は、特にその外国人に限らず、そういった接待業というか、そういった仕事で稼ぐことでしか子供を育てることが困難になるという女性は国籍にかかわらず一定数いるわけですね。ただ、日本の保育制度がそういった女性たちは必ずしも対象にしていない現状があるということと、そういったスキルが十分にない女性が昼間、例えば職に就けたとして、日本の現状の待機児童問題というところでいうと、やはり子供を預けたくても預けることができないといったような、外国人でなくて日本人の多くが直面するような壁にぶつかる。そういった形で、特定の職業しか就くことができないような日本でのその就労能力を持っている女性にとっては、日本社会をやはり生きていくのは、やはり日本人女性以上に非常に厳しい状況があります。 彼女は、小学校の入学の時期に子供を呼び寄せしたんですけれども、保育園に子供が行っていると、それを通じて日本のしきたりや習慣をだんだん学んでいくということが非常に大きいです。プリントなんかを読んで日本語を身に付けていく、日本の行事を学んでいく、こういったことがあるんですけれども、そういったことがすぽっと抜けたまま子供が小学校になってぽんと日本に帰ってきたので、やはり小学校に子供が入ったときに親がやる様々な、もう巾着を作るみたいなことから含めて、日本の教育に関する知識もないまま急に親としての生活が始まるといったような課題を彼女は非常に抱えていて。そういった面では、子供の教育支援、サポートについても、御自身の就労能力を高めるということについても非常に苦労されて、いまだ生活保護を受給していたという事例がありました。 今の事例なんかは、非常にそのジェンダーの問題、日本での就労状況が男性ではなく女性にどうしても子育ての場合には偏っているということも非常に大きな影響がある問題として捉えております。
○岩渕友君 貴重な御意見いただきました。ありがとうございました。 以上です。
○会長(白眞勲君) 浜田聡君。
○浜田聡君 浜田聡と申します。所属政党がNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党であります。よろしくお願いいたします。 今回の調査会のテーマであります外国人をめぐる諸問題に関して、参考人の先生方に貴重な御意見いただくとともに、御質問の機会をいただき、ありがとうございます。 参考人の先生方への質問に先立ちまして、私の所属する政党であるNHKから国民を守る党を代表して、外国人をめぐるNHK問題について一つ紹介させていただきます。それは、NHKの訪問員と外国人とのトラブルでございます。 NHKの訪問員というのは、受信契約をしていない世帯を回って契約や受信料の支払を要求するわけなんですが、その際に訪問員と住人の間でトラブルが生じることがございます。トラブルは外国人に限らないわけですが、ここでは、今回の調査会のテーマは外国人の方なので、外国人に限ってお話をしますと、一例として、二〇一九年八月に愛知県名古屋市でベトナム人の技能実習生の方がNHK訪問員に消火器噴射をしたということで逮捕されたというニュースがありました。この実習生は相手の言っていることが分からなかったとのことで、契約をめぐるトラブルになったと見られております。 NHK訪問員は、相手が日本語の理解が不十分だという弱みに付け込んで契約であったり受信料を取ろうとすることがありまして、日本在住の外国人とトラブルになるという事例がこのように、ほかにもあります。我が党としては、このことを調査会におられる皆様に共有させていただきたいと思います。 前置き長くなり、失礼しました。 まず、山脇参考人にお聞きしたいと思います。先生の専門が多文化共生、移民政策ということで、お伺いをいたします。 グローバル化が進んでいるこの世において、日本のみならず世界各国で多文化共生、移民政策というのは重要な課題になっていると推察します。世界各国あるいは国内でもなんですけど、いろんな失敗事例、成功事例があるとは思うんですが、世界各国、日本各地で、この政策は大成功、あるいはこの政策は大失敗といったような教育的な事例があれば、お伺いしたく思います。
○参考人(山脇啓造君) それは、外国の事例ということですか、それとも国内も含めて。
○浜田聡君 どちらでも結構です。
○参考人(山脇啓造君) ありがとうございます。 今この質問お答えする前に、ちょっと先ほどの子供の貧困のことで一言だけお話ししてもよろしいですか。ありがとうございます。 子供の貧困との関連で、実は三重県、これも自治体なんですが、三重県が児童相談所に多言語の通訳システムを導入しました。これによって外国人の人たちの利用者が非常に増えまして、最近、全国知事会でもこの取組がグッドプラクティスとして表彰されたということを一言付け加えさせていただきたいと思います。 それから、今いただいた御質問に関してお答えしたいと思うんですが、外国の中では、恐らくどの研究者も、相対的な問題ではあるんですが、やはりカナダの取組が優れた取組として評価されることが多いかと思います。ちょっと今、具体的な事例でお話しするのは難しいんですけれども、カナダの場合は多文化主義法というのをかなり以前に作っていて、様々な取組を国を挙げて、そしてまた、連邦政府ですけれども、州政府、それから自治体と連携して取り組んでいるかと思います。 国内の自治体でいうと、先ほど少しお話しした浜松市であるとか川崎市とか、やはりそうした自治体は長年の取組の蓄積を持っていて多くの知見を有しているというふうに考えています。 以上です。
○浜田聡君 ありがとうございます。参考にさせていただきます。 次に、小島参考人にお聞きしたいと思います。 日本人であれば教育に関して当然受けているものなんですが、日本在住の外国人になるとそれが当然でなくなるというところ、興味深く聞かせていただきました。 結核検診のお話がありましたので、外国人の子供の医療のお話について、ちょっとお詳しいかどうか分からないんですが、予防接種についてお聞きしたいんですね。 日本の子供であれば、どの時期にどのワクチンを打つかということがある程度スケジュール決まっているんですけど、それが外国人になるとどうなるのかということについてお聞きしたいんですが、それについては南野参考人の方から、養育医療に関しては在留資格にかかわらず適用可能ということがありました。 そこでお聞きしたいのが、実際の外国人の子供の接種率など、実際、小島参考人の知っているその地域の事例でもいいので、もしよろしければお願いします。
○参考人(小島祥美君) 御質問をいただきまして、ありがとうございます。 子供の予防接種というところについては、国によってその予防接種の考え方が異なりますので、日本でいう三種混合、四種混合というものが必ずしも各国に万国共通かといえば、それは異なるという現状です。ですので、一概にそれが比較できないというのが背景としてあります。 そんな状況の中で、早くからそうした保健センターや市民病院等に医療通訳を配置したところについては、その予防接種率やそうした健康診断、いわゆる乳幼児の健診ですね、についての受診率が上がっているという成果は各地出ています。代表例ですと、私が住んでいます愛知県の小牧市なんかはその代表格になります。医療通訳の方が配置される前と配置する後では全くその受診率が変わってきているという研究成果がありますし、だからこそ今も続けていらっしゃるというところがございますので、そんな事例を御紹介したいです。 もう一つが、母子手帳の問題もございます。 といいますのも、母子手帳が日本発の、発信した世界に誇るべきものでございますけれども、これは世界どちらもあるという状況ではございません。また、特に日本に住んでいらっしゃる外国人住民に対して、日本人のために成長が書かれているものを単なる多言語でそれを翻訳をしただけのものでは、日本に住んでいらっしゃる外国人の子供たちには全く役立たないものになっています。 例えば、体重や身長を表すこうしたグラフがあるんですけれども、それは日本人のための成長ですので、そこの線からずれてしまう子供たちも多数います。また、ブーブーというふうに何か月になると発するだったりとか、いわゆる一言語が発する、二言語が発するというふうに書かれているものがあるんですけれども、それについても国によっては、そのブーブーというのは日本の言葉ですので、そうしたものが国によって異なる、にもかかわらず、どうしてもそれを日本のものを多言語にするというだけの観点で使われてしまっているのが、今、母子手帳の問題です。 ですので、こうした国や背景等に配慮したものの情報提供ということが母子保健の中では、特に子供の教育を考えていく中では重要になってくるかと考えます。 以上です。
○浜田聡君 ありがとうございました。 予防接種にかかわらず幅広い知見を教えていただき、大変参考になりました。 最後に、南野参考人にお聞きしたいと思います。 事前にいただいた資料の方を読ませていただきました。その資料の中に、豊かな多文化共生社会の実現を目指す団体、APFSのウエブサイトも見付けて、見させていただきました。そこを見ると、先生が相談員として活動されていることを知ったんですけど、実際に先生が外国人の方と相談に乗っていろいろとやり取りされたのだと思います。 それを踏まえてお聞きしたいんですけど、日本は今後、外国人労働者の受入れを進めるに当たって、介護であったり看護を中心とした分野のことを重視しているということだとは思うんですけど、これについての現状での評価であったり、今後に向けての提言などいただければと思います。
○参考人(南野奈津子君) ありがとうございます。 外国人受入れの中でも介護や看護ということですけれども、介護や看護については今までも日本政府は何度かそういった方々を受け入れる政策を取ってきたわけですが、昨今の外国人労働者の受入れと同様、なかなかその現場への定着率が高くないという現状があります。 その理由の一つは、やはり言葉の壁に対して、求める側が設定している日本語能力と、あとは実際に彼らが短期間で習得しなければいけない日本語能力というところが、例えば機関によってはそこの感覚が違うであるとか、実際その外国人に求める言葉の能力が高い。 ただ、こちらの資料でもお示ししたように、水分を取るというのを、日本では飲むとか言ったりとか、あとは水分摂取と言ったり、御飯を朝食、昼食、夕食など、介護や看護現場では事故を防ぐためにもう非常に多忙、たくさんの書類を書くことがあります。そういった中で、日常の関わりという観点での人材不足に対して埋めたいというところの一方で、そういったところも高く求めることで、また現場の方がなかなか定着しづらいといったような問題があるかと思います。 私自身は、介護現場で仕事をされている外国人の方とも接する機会をいただいてきましたけれども、やはり事前資料にも書かせていただいたように、そういった介護や看護の仕事に就くことに自ら強い喜びを感じて、やりがいを持って仕事に就かれている外国人の方が非常に多数おります。ただ、実際には、その言葉の難しさ、待遇という観点で私が不満を聞いたことは一度もございません。むしろ、やはり現場での複雑なシステムであるとか、あとは、一部の方の意見にはすぎないと思いますが、非常に、何ですかね、機械化されたというか、やはり御自身の文化的な感覚からする高齢者に対するケアの仕方とは違うところでやっている中で葛藤を感じたといったような方もございます。 ですので、先ほどのお話と共通するところにはなるかと思うんですけれども、間をつなぐ方ですね。それは言葉だけではなくて、そういった文化、自分の感覚と相手の感覚が違う、特に看護や介護は、非常にその人の価値観であるとか、健康に対する感覚であるとか、自立とか、家族観ですね、親を見ることに対する、自分で見るべきか施設に預けるべきかといったようなところも幅広く含みますので、そういった文化的なところの橋渡し役を、日本人だけでなく、既に多く介護や看護の現場で働いている外国人の方又は長く日本に住まれている外国人の方をもっと人材活用して、つないでいっていただけるように育てていく仕組みをつくるべきだと考えています。
○浜田聡君 大変参考になりました。ありがとうございました。 終わります。
○会長(白眞勲君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。 これより二巡目の質疑を行います。 質疑のある方は挙手を願います。 加田裕之君。
○加田裕之君 自民党の加田裕之でございます。 本日は、お忙しいところ、三名の参考人の先生方に本当に示唆に富むアドバイスをいただきまして、本当にありがとうございます。 先ほど来、各委員からもいろいろな質疑が角度であると思うんですが、もう少し私の方からも、まず山脇先生にお伺いしたいと思います。 実は昨日、兵庫県の神戸の方におきまして兵庫自治学会のセミナーがありまして、そのときもコーディネート役を務めていただきましたり御講演をいただきまして、多文化共生について御示唆をいただきました。本当にそういう中におきまして、パネラーの中にもいらっしゃったと思うんですが、医療通訳の問題について少しお伺いしたいと思います。 特に、先ほど先生が最後の方に述べられました草の根、医療通訳ということにつきましては、やはりやさしい日本語にも関連してくると思うんですけれども、日本人にとりましても医療の用語というのはなかなか分かりにくいですし、また理解しにくいところもあります。ただ、そういうのをやはりしっかりと分かりやすく伝えていくことというのは大切だと思いますし、相互理解というものも含まれてくると思います。 間もなくなんですけれども、厚労省の方で医療通訳の認定試験が始まります。私は、これはやはり、思うんですけれども、これはFACILの吉富さんの方からもよく聞くんですけれども、これはただの資格試験であってはならないと。資格というのは、これは取って、どのように運用していき、そして本当に役に立つか、それをしっかりとやっていかなければいけないという、この制度設計という部分につきまして重要になってくると思います。 その点につきまして、本当の意味でのユニバーサルな観点とかそういうものを実現していくためには、この認定試験の制度というものをどのような形でやっていかなければいけないかということについてお伺いしたいと思います。
○参考人(山脇啓造君) 御質問ありがとうございます。 実は昨日、吉富理事長ともお会いして少し意見交換もしたんですけれども、ちょっと先ほども少しだけお話ししたんですが、いわゆるボトムアップで取り組んできたところと、今、ある意味トップダウンで来ているところがまだ融合していない状態ということを御指摘させていただいたんですけれども、この医療通訳に関して、これまではどの地域も言わばボランティアに近い、有償ボランティアのような形で取り組んできました。 今回の医療通訳の認証制度の中で、英語と中国語に関してこうした制度が始まるというふうに聞いていますけれども、実際には英語、中国語以外のニーズも当然あるわけでありまして、やはり国としてそういった多言語での医療通訳サービスということを考える必要があるかと思います。かなりその地域によって様々なパターンがありますので、何か国が一律にこの制度をつくってそれを自治体に当てはめるというような形ではなく、それぞれの地域のリソースをうまく活用する形で医療通訳の制度を構築することが望ましいというふうに考えています。 この医療通訳に関して、多言語でどこまでできるかということはあるかと思うんですけれども、これまでのボランティアの人たちが中心になって担ってきたものを積み上げつつ、でも、そういった認証をすることによってそういった人たちのある意味処遇を改善するということにつながると思いますし、ただ、それが一気にはできないと思いますので、やはりそこでのいろんな様々なトレーニングですね、認証を得るためのトレーニング、それから認証を取った後でもやはりそのトレーニングを積む、そういったところまで考える必要があるのではないかなというふうに思っています。 以上です。
○加田裕之君 次に、小島先生、お伺いしたいと思います。 特に、先ほどありました多文化共生とかをいろいろしっかりとやっていくために、やはりローカルアイデンティティーというものが大事だと、地元意識、ジモティーという言葉。特に私も長田区で県会議員やっておりましたので、小島参考人の方がかつてワールドキッズコミュニティの事務局長もされて走り回られたということもお伺いしておりますが、その中におきまして、やはりそれをしっかりとやっていくためには、もちろん教育委員会、多文化共生支援制度とか、サポーター派遣とか、兵庫県の方もやったりとかしておりました。でも、日進月歩いろいろ、多文化共生と一言で言いましてもいろんな制度が、それと、それを受ける外国人児童も、やはり人数といい、それからまた国籍といい、これからますます幅広になってくると思います。 そうした中で、私は、コーディネーターの役割というもの、まさにNPOとかもそうですし、そういうプラットフォームづくりというものが大切だと思うんですが、ちょっと余り時間はないんですけど、小島先生の御見解をお伺いしたいと思います。
○会長(白眞勲君) 時間があれなので、少し簡潔にお願いします。
○参考人(小島祥美君) はい。 御質問ありがとうございます。 そうしたコーディネート機能というのはすごく大事だと思っております。どうしても外国人の子供たちについては、担任の先生等を始め一人で問題を抱えるというところが多くあるものですから、多様な方たちとのネットワークで支えられるような、そんな体制が各地域で築かれることを強く望みます。
○加田裕之君 南野先生、本当は無年金外国籍障害者の福祉給付について聞きたかったんですが、ちょっと時間の都合上、また次の機会によろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○会長(白眞勲君) 石垣のりこ君。
○石垣のりこ君 立憲・国民.新緑風会・社民の石垣のりこと申します。 本日は、お三方の先生方、お忙しい中、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。 最初に山脇参考人から御紹介がありました多文化共生社会の形成の推進に関する条例、全国に先駆けて制定しました宮城の出身でございます。 まず、南野参考人に伺いますが、外国人の社会保障についてのお話がありましたが、この社会保障を考える前提として、外国人の定義といいますか、ページの四ページにございますけれども、あくまで定住外国人が対象というふうに書かれてございます。しかし、グラフを見ますと、私たちの身の回りの生活の中で接する外国の皆様の半分は非定住外国の方というグラフになっておりますけれども、今日お話しいただきましたお三方それぞれの観点から提示していただいた課題の根底にあるのは、やはり人権意識の欠如、低さにあるのではないかと私自身は受け止めました。 そこで、南野参考人は人権の観点から非定住外国人の社会保障をどのようにお考えになるか、教えていただけますか。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 私の報告の中でも何点かやはり言葉の問題というところをお話しさせていただいたんですが、なぜ言葉が大事なのかということを申し上げると、やっぱりそれは自己決定なんですね。与えられた情報を理解し、それに対して自分で選んで自己決定をするといったことが、やはり言葉を自分で話せる。例えば通訳を整えることも大事ですけれども、やはり通訳であれば、自分の言葉、自分の判断というものだけで純粋に決められないとか、通訳が入ることで時間が、例えば話す時間そのものがなくなってしまうとか、通訳で全て解決するわけでは元々はないわけで、ただ、一つの非常に重要な取組としては通訳ではあると。 人権といったときに、これは、ノーベル賞を受賞していたアマルティア・センという経済学者がいるんですけれども、その方は、人間の安全保障、国連でもよく出てきているテーマなんですけれども、その中でやはり機会の保障といったことを非常に強く言っています。 何でもかんでも受け入れましょう、何でもかんでも支えましょうということではなくて、やはり、例えば保険でも年金でもそうですけれども、きちんと説明をして、加入しましょう、義務ですよ、こういうふうに伝えることも非常に重要です。 ただ一方で、日本はこういう制度である、あなたにとってはこういう選択肢がある、その場合はこうであるといったことをきちんと伝えられる場面がないまま、実際にはそういう機会がないまま労働現場に入ってきて、住居と職場の元々の管理者が同じだから、仕事、職場で嫌な思いをして、何かを言って辞めるようなことがあったら寮からも出なければいけないといったような、保険も失う。 こういったような、なかなか自分の意思で行動するのが難しいというのが、今のあっせん会社を通して、自分で採用先を選ぶというよりはですね、いくような構造の中には非常に生まれやすいですので、それは、本人が自分の口で語る言葉なのか他人を介すのかというのは両方あるとは思いますけれども、本人が与えられるべき情報を本当に全部与えられていて、その中で納得して、その環境に対して、ちゃんと仕事に従事できているのか。 実際には、契約書すらあっても見たこともないといったような労働者がいるのが事実ですので、知る権利をやはりきちんと提供するということは、日本が受け入れる上でもう非常に大きな責任を持つところなんだというところかと思います。
○石垣のりこ君 ありがとうございました。 それでは、小島参考人に伺いますけれども、同じく外国人の子供の教育ということでその外国人というお話をされたときに、どういう方を外国人と定義してお話しされていたか、お願いします。
○参考人(小島祥美君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 今回の報告の中では、外国籍の方たちについて話しました。
○石垣のりこ君 在留資格ありで外国籍をお持ちの方ということですけれども、実際に、先ほど可児市、一軒一軒回られたというお話がありましたが、現在、外国籍及び日本国籍も持っていないようなお子さんたちが実在しているという話もありました。ただ、統計がないのでどのぐらいあるか分からないということなんですけれども、調査をされていく中でそういう事例には出会いましたでしょうか。
○会長(白眞勲君) どなたでしょうか。
○石垣のりこ君 同じく小島参考人です。
○参考人(小島祥美君) はい、出会いました。
○石垣のりこ君 その方に対しての御対応ってどのようにされましたか。
○参考人(小島祥美君) 現在、文部科学省では、在留資格問わず、そこに居住実態があれば就学を認めるという、いわゆる人道的配慮をされた、日本で誇ってもいいと思うんですけれども、という通知がされておりますので、それをもって就学手続をしていく、促進させていくという支援をさせていただきました。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 ただ、そのような、可児市のような積極的な取組をされているところは実際にそういうふうに対応されるということですけれども、今はそういう把握すらされていない現状があるということで、小島参考人の方から是非何か御提言などありましたら最後にお願いします。
○会長(白眞勲君) 時間が差し迫っておりますので、よろしくお願いします。
○参考人(小島祥美君) はい。 おっしゃるとおり、まだまだ在留資格等で判断されてしまう、学びの機会を得れない子供たちが多々いるというのは実際です。 私が出会った子供たちの中には、国籍を有せずという無国籍状況の状態のままで住んでいた子供たちもいましたので、人道的な視点で日本は対応していただきたいと思いますし、先ほど南野参考人からお話ありましたとおり、自己決定することが必要であるんですけれども、自己決定するための力や能力を奪われてしまっている方たちが多々いるというこの現実を是非改善していただける対応を考えていただきたいと考えます。 以上です。
○石垣のりこ君 ありがとうございました。 以上です。
○会長(白眞勲君) 里見隆治君。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。 本日は、三人の参考人の先生方、貴重な御意見ありがとうございます。 先ほど南野参考人からお話がありました介護・看護人材の受入れに関連して御質問したいと思います。 実は、私も、十年前に経済連携協定によってフィリピン、インドネシアから受入れを始めたときの厚生労働省の担当室長で、大変苦労した記憶がございます。 先ほど、非常にミスマッチといいますか矛盾を感じた、それは現状に対してですけれども、おっしゃるように、海外から、もう日本語が全くゼロの状態から、それを三年ないし四年で国家試験合格まで至らせるという、これは日本人がアメリカに行って同様のことをやれといっても大変厳しいプログラムの中で、それでも、これは経済連携協定という二国間協定の中で、ある程度、合わせて両国で受入れ最大枠五百人という中で、かなり送り出し国も期待感を持った中で開始したという、そういう意味では非常に、この経済連携協定という経済的な立場で非常に難しいところからのスタートだったのではないかなと思います。 そうした意味では、ある程度海外から受け入れざるを得なかったというのはもうスキーム上やむを得なかったわけですが、一方で、東京などではフィリピンの由来の方が介護に就いておられるという方も、もう当時既に何ケースも、何十人、何百人という形でいらしたわけであります。そういう意味で、先ほど南野参考人がおっしゃったように、実は、もっと定住外国人の中にもそういった可能性を秘めた外国人が多いのではないかと。 一方で、もう今から十数年前、リーマン・ショックの後には日系外国人、ブラジル人、ペルー人などが帰国せざるを得なかった、何万人という単位という形で帰らざるを得なかったということを考えると、何か足下にいる、国内にいる外国人は袖にされて、そして何か新しい外国人を日本語ゼロの状態から受け入れるというこの矛盾について、私は非常に当時苦労していろいろと考えさせられた点があるわけですけれども、この点、南野参考人、どのようにお考えか、教えていただければと思います。
○参考人(南野奈津子君) 御質問ありがとうございます。 本当にそれは御指摘のとおりで、その当時、EPAを取り組まれた頃から日本には在留外国人の増加といったことはもう十分に起きていたわけです。ただ、そうした方々に対して、そういった方々を育てていって、介護や看護の現場に積極的に国の政策として取り組むといったことは必ずしも大きくなかったと思いますので、それは是非今後の政策として位置付けていきたいと私は強く考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 その当時、日本語の国家試験という手前に、まず日本語教育という壁が立ちはだかっていたわけですけれども、その意味で、山脇参考人がお示しいただいている資料の中にもあるように、日本語教育推進法が昨年六月に成立をいたしまして、この夏にかけて政府内で基本方針を、基本計画を策定をして、それを個別具体化した事業を進めていくということであります。私も、その立法過程で議連の一員として関わりましたので、この政府におけるこれからの施策、大変期待をしておりますけれども、この関連で、本当は山脇参考人にお聞きしたかったんですけれども、もうあと一問程度だと思いますので、小島参考人の方にお伺いします。 今、日本語教育というのは、専門学校という領域においても、なかなか人材確保するのも大変だし、また処遇面でもなかなか厳しい中で人をどう集めるかと、また質をどう確保するかということが課題である一方で、こうした日本語学校にも通えない、また企業でもなかなか十分な教育が受けられないという方が、最後、しわ寄せと言うとひどい言い方ですけれども、最後はやはり地域、住民、自治体、あるいはボランティアベースの地域の方々による教育で何とか下支えをしていただいているということが現状ではないかなと。 そういう意味では、小島参考人がおっしゃったように、地方自治体の中でまだこの外国人の教育というのが職務として位置付けられていないという中では、非常に宙に浮いた形、しかしながら、最後、やらざるを得ないところを本当にボランティアベースで熱心な心ある方々に支えていただいていると、そういう状況だと思いますけれども、こうした中で、この最低限のコミュニケーションツールである日本語教育という点を地域でどう支えていくべきか、あるいは国がもっとどうするべきかという観点で端的に教えていただければと思います。
○参考人(小島祥美君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。 今おっしゃるとおり、全てボランティア任せというのが実際です。ですので、日本語学校等に通えない方たちが、特に技能実習生等の方たちについては地域の日本語教室に通ってきているという現状で、その方たちが全てボランティアで対応しているのが実際です。企業が連れてきた方であるにもかかわらず、なぜボランティアが日本語指導をしなければならないのか。本当におかしなことが地域の中では起きています。 地域の方たちは顔が見えますので、何とか地域住民の方たちは支援している現状ではあるものの、本当はそれは地域でやるべき話ではない、企業がやるべきこと、利益を得ている方たちが責任を持ってやるべきことだと私は思うんですよね。この方たちは国が労働力不足という点で呼び寄せた方たちですので、責任を持ってその方たちに対して企業とタッグを組んで国にやっていただきたいと思います。 子供たちについては、たまたま日本に、たまたま学齢期であった、そのときに日本国籍ではなかったというだけで教育が受けれないこの環境というのはもう絶対おかしいと思うんです。ですので、この子供たちが必ずしも、就学年齢のときに、小学校一年生から中学三年生に相当するこのときだけが外国籍で、その後ずっと外国籍であるということが、今必ずしもそうではない状況があるかと思うんですよね。この実態を、私は、日本は世界から試されていると思うんですよね。日本の姿勢をやはり示していただきたい。 全ての子供たちが教育を受けれる環境をつくる、それは、国籍を問わず受けれる環境をつくるというのは世界の約束事でございますので、是非、教育、日本語推進法ができましたけれども、そこも含めて、日本語教育を実践できる体制を築いていただきたいと考えます。 以上です。
○里見隆治君 ありがとうございました。 終わります。
○会長(白眞勲君) 梅村みずほ君。
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。 三人の先生方、御専門の分野から多く学ばせていただきまして、心より感謝申し上げます。 私、実は、偶然にも昨日、お二人の女性の外国人労働者の方とお会いすることができました。彼女たちはネイリストとして働いていらっしゃいまして、まさに特定技能を生かして納税をされている方々です。お一人は台湾人とアメリカ人のハーフ、そしてもうお一方は福建省からいらっしゃった女性でした。 彼女たちは、しっかりと納税している私たちだけれども、やはり日本に迷惑を掛ける形の外国人もいる、そういった方たちのせいで私たちが好意的ではない目線を向けられることもあって悲しいといったことであるとか、一方で、このネイリストという仕事を天職だと思っている、自分のサロンのドアを開けた先に次はどんなお客様が来てくださるのかとわくわくしながら毎日働いているんだというような言葉も聞くことができまして、そういって日本で特定技能を得て、日本語を学んで、しっかりと納税して暮らしてくださる、まあ女性、男性問わずですけれども、労働者の方が増えればいいなと思っておりました。 一方で、やはり彼女たちも多くの困難を乗り越えて現在に至っていらっしゃいます。彼女たちがお二人とも口をそろえておっしゃっていたのは、初めの一、二年が経済的にも情報的にも手続的にも大変しんどかったということでした。やはり、日本人であっても役所に行くと言葉が難しく、山脇参考人からもやさしい日本語という言葉、たくさん聞かせていただきましたけれども、なかなか役所とダイレクトにつながることができない現状があるかと思っております。そういった彼女たちが、じゃ、どうやって支えられてきたのですかと伺ったときに、ウェイボーやウェイシンといったメディアが大変助けになったというふうにお伺いしました。 南野参考人は、先ほどサポートネットワークの構築が必要だということで、確かに母国を共にする者同士のコミュニティー、その互助効果に期待したいところもあるのですが、南野参考人にお伺いいたします。こういったメディアの持つ今後の可能性と併せて危険性についてお聞かせください。
○参考人(南野奈津子君) ありがとうございます。 外国人の方の調査をしていますと、今はもう海外の方々、自分の母国の方とスカイプなどで話をできていて、日本人と一度も口を利かなくても生活ができてしまうというようなことが、これは恐らく日本に限らず世界の移民情勢としてこういったことがあります。 ですので、その国に行ったからもう完全に適応しましょうというよりは、近年の移住者の方々は自分の国ともすごく、私たちが思う以上に情報の収集をしていたりとか、いろいろなところからいろんな情報を得て、いいことも悪いことも非常に情報を得ながら生活をしています。 ですので、いい面としては、まさにいい面、悪い面なんですけれども、そういった情報が彼らの日本での生活を支えているという一方で、そういった情報がやはり、先ほど失踪者の話も出ましたが、失踪に限らず、やはりほかの職場の情報が、正しいもの、正しくないもの、まあ日本の制度についてもですね、必ずしも正確でないものが行き来しているという現状がありますので、そういった情報だけにただ頼らなければいけない状況を日本はつくっているという側面もあるわけです。 ですので、彼らは自分たちのコミュニティーで間違った情報を取っているからという批判的な目で見るのではなくて、そういう口コミにしか頼ることができない、そういうそれこそ最初の一、二年とかということがあるんだということを踏まえて、地域の中で、それこそ新聞の折り込みの市報のようなものから、様々な情報を私たちが思う以上の量で、今思う量では足りていないということを肝に銘じておく必要があるかと思います。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 まさに、SNSが入口になったとしても、やはりリアルの窓口も必要なわけで、SNSとリアルの連携、そして国と自治体の密な連携というのが必要になるかと思います。 残り時間が二分となりましたので、一問だけ小島参考人にお伺いさせてください。 夜間中学校のお話もありました。そして、教える教員の必要性、もっと増やすべきだというお話もありました。そういったハードやマンパワーを増やす難しさというのが、私、文教科学委員におりますけれども、なかなか学校現場でも難しいところでもあると思います。 一方で、私、先日、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高、N中と呼ばれるN中等部、高等部を視察してきたのですが、そういった新しいスタイルの学びの形というのは、どこの地域にいても、また時間を問わず学べるモデルではないかなと思うのですが、外国人の子供たちあるいは学び直しに対しても、こういった学びの形はどのようにお考えになられますでしょうか。
○参考人(小島祥美君) ありがとうございます。 私も、多様な教育、多様な学びの在り方というのが今後評価されるべきだと思うんですよね。特に外国人の子供たちについては、日本の公立学校のみならず、外国人学校も含め、いろんな学び場が必要だということは明らかになっています。 ですので、それも、就学年齢のときに学校に行けなかった子供たちがやり直し、学び直しをできるという場づくりにとっては、様々な選択肢が増えれば増えるほど、その人たちのキャリアを考えていく上ではとっても重要だと思うんですよね。 ですので、その多様な教育の試みというものを認められる、そんなことが日本の中で増えてほしいと思いますし、それが日本の教育を進化させることにつながると私は考えます。 以上です。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。質問を終了させていただきます。
○会長(白眞勲君) 予定の時刻も参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度といたします。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会します。 午後四時二分散会