行政監視委員会 第1号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2020/02/17
会議録
○委員長(川田龍平君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十四日までに、山下雄平君、倉林明子君、高橋光男君、伊波洋一君及び猪口邦子君が委員を辞任され、その補欠として渡辺喜美君、吉良よし子君、塩田博昭君、高良鉄美君及び三木亨君が選任されました。 ─────────────
○委員長(川田龍平君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川田龍平君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に吉良よし子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(川田龍平君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川田龍平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(川田龍平君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省行政評価局長白岩俊君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川田龍平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(川田龍平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に参考人として鹿児島県大和村長伊集院幼君、明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科専任教授木村俊介君及び中央大学法学部教授礒崎初仁君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川田龍平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(川田龍平君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。 まず、政策評価の現状等に関する件について、総務省から説明を聴取いたします。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 本委員会におかれましては、総務省の行政評価機能を御活用いただきつつ、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を精力的に行っておられることに対しまして、深く敬意を表します。 それでは、昨年十一月二十五日の委員会における御報告以降に公表した案件につきまして御説明申し上げます。 この期間に該当するものは、昨年十二月六日に公表した「地籍整備の推進に関する政策評価」の一件です。 現行の国土調査事業十箇年計画における成果目標については、現状のペースで推移する場合、最終年度である今年度までに達成することは困難な状況です。地方公共団体は地籍整備の現場において様々な問題を抱えていることから、それを克服し、更に取組を進めることができるようにするため、法務省と市町村の連携促進や、国土交通省による市町村への情報提供などの措置を行うよう、両省に勧告いたしました。 以上が最近の公表案件の概要です。 総務省の活動が本委員会の調査に一層資するよう、今後とも真摯に取り組んでまいります。 委員長、理事、委員の先生方におかれましては、よろしく御指導を賜りますようにお願い申し上げます。 続いて、詳細について行政評価局長から説明をさせます。
○委員長(川田龍平君) 次に、補足説明を聴取いたします。白岩行政評価局長。
○政府参考人(白岩俊君) 御説明申し上げます。 「地籍整備の推進に関する政策評価」について御説明いたします。 お手元の資料の一ページを御覧ください。 昨年十二月六日に公表した本件につきましては、第六次国土調査事業十箇年計画等により取り組まれている地籍整備の推進に係る関連施策について、どの程度効果を上げているかを総合的に評価する観点から、一、同計画における成果目標の進捗状況、二、国の推進施策の活用状況、三、法務局と市町村との連携状況等を調査し、今後の地籍整備の推進における課題等を検証したものです。 第六次国土調査事業十箇年計画の成果目標の進捗状況は、現状のペースで推移する場合、同計画の最終年度である令和元年度までに達成することは困難な状況です。 具体的に申し上げると、計画期間中に地籍調査の進捗率を四九%から五七%へ八ポイント伸ばすという成果目標に対し、平成二十九年度末での実績は五二%にとどまっております。市町村等が行う地籍調査の実施面積について、二万一千平方キロメートルという成果目標に対して、平成二十九年度末での実績は八千二十三平方キロメートルまでの実施と、三八%の達成率にとどまっております。未着手・休止市町村について、計画の中間年である平成二十六年度までに解消するという成果目標に対して、平成二十九年度末時点で四百四十七市町村が存在しております。 以上のような状況であります。 地籍整備の推進は、災害からの迅速な復旧復興や円滑なまちづくり、土地取引の円滑化等のためにも極めて重要です。調査対象市町村の中には、地籍調査を実施していたことから、被災前の現況と図面上で再現して早急に復旧計画を策定し、災害復旧を迅速に進められた事例や、区画道路拡幅事業において期間の短縮及び測量経費の削減ができた事例なども今回の調査で明らかとなりましたので、併せて公表しております。 次期十箇年計画の策定に向けて個別の推進施策の実効性を確保することが必要ですが、その際、幾つかの問題点が調査の結果見られましたので、指摘しております。 具体的には、一、法務局等による地籍調査への具体的協力内容を市町村等に周知するとともに、地籍整備における法務局等と市町村の連携の促進を図ること、二、土地所有者等の立会いの弾力化措置の運用事例を集約、整理し、市町村に情報提供すること、三、認証遅延等の解消策を検討し、市町村に助言すること、四、市町村から徴するデータの定義を明示するとともに、データの整合性を高める取組を実施することについて、国土交通省及び法務省に勧告しました。 御説明は以上でございます。本委員会の御審議に行政評価機能が一層資するよう今後とも取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○委員長(川田龍平君) 以上で説明の聴取は終わりました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(川田龍平君) 速記を起こしてください。 次に、国と地方の行政の役割分担に関する件について、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、鹿児島県大和村長伊集院幼君、明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科専任教授木村俊介君及び中央大学法学部教授礒崎初仁君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、伊集院参考人、木村参考人、礒崎参考人の順にお一人二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず伊集院参考人からお願いいたします。伊集院参考人。
○参考人(伊集院幼君) 皆さん、こんにちは。ただいま御紹介をいただきました鹿児島県町村会長をしております、また、全国の町村会の理事ということでございまして、皆さん方には大和村と言ってもなかなかちょっとぴんとこないと思いますけれども、奄美大島の島の中にあります大和村長をしております伊集院幼と申します。 本日は、参議院の行政監視委員会の先生方におかれましては、平素から町村自治振興のために多大な御尽力をいただいておりますことに、この場をお借りし、厚く感謝とお礼を申し上げたいと思います。 また、私も、このような意見を申し上げる場を与えていただきましたことは大変光栄に思う中で、大変緊張をしているところでもございます。鹿児島県と申し上げましたら、この委員の皆様にも、野村先生を始め、そのだ先生、そして宇都先生ということで、我々、地元の先生方もいらっしゃることは大変心強く思っておりますので、先生の皆様にはお手柔らかにお願いをしたいと思います。 まず最初に、全国の町村の状況についてちょっとお話をさせていただきます。 私ども町村は、全国に九百二十六の町村がございまして、七百四十三の町と百八十三の村がございます。そして、人口は全国の一割ほどでございますが、国土の四割を支え、食料やエネルギーの供給、水源涵養、自然環境の保全など、国民生活を支える重要な役割を果たしながら、我が国の伝統文化を守り、継承し続けているところでございます。この国と地方の在り方は、地域の多様な価値が生かされてこそだと思いますし、農山漁村の抱える私たち町村ならではの大きな役割があるものというふうに自負をしております。 ここで、奄美大島、大和村のことについて若干紹介をさせていただきますけど、皆様のお手元の資料にもあると思いますが、参議院行政監視委員会の説明資料の中に鹿児島県大和村の概要が載っております。もうお目通しをいただいて、九州の本土鹿児島と沖縄の中間にする島でございます。ここは、奄美群島、十二市町村あるわけでございまして、もう御案内のとおり、昭和二十八年十二月に日本に復帰をしたところでもございます。 そういうことで、我々、この離島の抱える課題はたくさんありますけれども、私たち、これまで先人が残してくれた自然が評価を受けまして、早ければ今年の夏には、この奄美大島、そして沖縄島北部、西表島が世界自然遺産登録になるということで、我々も期待をしているところでもございます。 そういう離島は、自然を守りながら、その地域性を生かした中で自立を向けた取組がなされているところでもございます。その中におきましても、我々は、このそれぞれの島々の特色を生かしながら地域の振興に今は邁進して、町村は微力ながら進めさせていただいているところでもございます。 そういう中では、離島の置かれた条件というのは、まさに交通のインフラ、そして情報のインフラがうんと立ち遅れておりまして、何とか我々も、光通信も私ども村の方でも整備が整ったところでもございます。やはり、今の時代、情報化社会の中ではやっぱり通信が何といっても命綱というか、雇用の場所につながるということで、我々の村でもいろんな形で都会から人を呼び込む仕掛けもしているところでもございます。 また、この離島の中では、航路、航空路の交通手段は重要でございまして、もう奄美群島は国の特別立法に守られておりまして、奄美群島振興開発特別措置法の中で、奄美は、この航路、航空路運賃に島民の助成をすることによって本土との格差をなくしていこうという取組がなされているところでもございます。 また、奄美大島には、本土からのLCCが就航以来、多くの方が奄美にお越しをいただいて、まさにこれから来た人たちに奄美のすばらしさをやはり我々は知っていただこうということで、その価値観を理解していただきながらそれぞれの受入れ体制の整備を進めているところでもございます。 今回のこの委員会での意見の中にございます、まず全国の町村においていろいろ共通した抱えている課題もありますので、その点について若干述べさせていただいて、その後に私ども大和村における意見を述べさせていただきたいというふうに思います。 まず初めに、計画・組織・人員等の義務付け・枠付けの見直しについて御説明をさせていただきます。 資料三ページの全国町村会の要望書にもございますように、国が制度の創設、拡充等を行うに当たって、地方団体に対して、新たな計画の策定や専任職員の配置、専門窓口の設置等を地方団体ごとの行政需要の優先度や先行的な取組の有無等の実情を考慮せず、全国一律に義務付けしようとすることが多くなっているように感じております。 国におかれましては、地方への計画策定や専門職員窓口の設置の義務付けの実態を確認し、不必要なものや重複しているものを見直すなど、地域の実情を踏まえた裁量の確保に是非御配慮いただくよう、お願いするところでございます。 また、義務付けにつきましては、努力義務であっても、その進捗状況について、例えば計画を策定したかどうかなどの調査が毎年度行われ、未策定の自治体を公表し、取組を行わざるを得ないような方向に誘導することで事実上の義務となっている場合も見られます。努力義務についても改善や見直しの対象としていただくよう、お願いするところでございます。 現場の方からも、国や県から多くの計画策定を短期間で求められ、また、貧困対策やいじめ、児童虐待などでは窓口を設けることとなった、職員定数を減らせと言う一方で多くの業務を押し付けられ、通常業務を圧迫しているなどといった声が寄せられているところでもございます。 また、もう一点につきましては、調査・照会業務の合理化についてでございます。 この件につきましても、国などからは、公式のものばかりでなく電話やメール等による非公式なものまで含めますと調査・照会業務が増大している状況にございまして、住民に向き合った行政サービスの提供に支障が生じているように実感をしているということで、これは全国的な町村の意見でもございます。 また、ところで、私ども、今回このような機会を与えていただいた中で、特に今、来年度の予算編成も終える中で、国からのこれまで計画策定というのが多くなっているような気がいたします。これは、時代の流れと申しますか、これだけ全国的に災害も起きている中では、まさにその地域の実情をしっかり計画に立てながら進めていくことは行政の責任であるというふうに我々も思っているところでもございます。 そういう中におきましては、公営住宅の長寿命化計画とか公共施設の整備計画の策定とかいろいろある中で、今年度、令和二年度から、この公共施設における総合管理計画策定を平成二十八年度にしましたけれども、令和二年度から個別計画の策定が言われておりまして、事務方としても、これは国から言われたことで、県もどうしようもないということで策定を、これを我々も迫られているところでもございます。 これが、私ども自治体から申し上げれば、以前立てた計画はそのまま生かせるものもあり、そしてまた見直しをしなければならないものも出てくるというふうに思います。そういう中におきましては、国から義務的条件付けられて、もう立てなければならないということを押し付けられているような気が我々はしております。 自治体も、人口が私どもの村は千五百人弱でございますけれども、職員が六十九名の少数精鋭で、一担当二つ三つの業務を抱えながら我々も行政運営をしております。それはなぜかと申しますと、やはり大きい町や市と比べて、業務を分けますと我々も職員数が増えてくるということで、市町村合併の叫ばれたときから、行財政改革を進めながら定数管理に努めてきたところでもございます。そういう中では、我々も少数精鋭で頑張っている中で、本当にここ最近の国からの計画策定については我々も疑問を感じている一人でもございます。 そういう中におきましては、計画は必要であるとは誰も思っています。しかしながら、五年ごととか三年ごとの見直しを迫られるものは、その自治体に合った形で据置期間を置きながら、その当初立てた計画をそのまままだ継続してできるものは我々は延伸をしていいんじゃないかという、私は個人的な思いでございます。 今回、このような意見を述べる機会を与えていただいたことは、先生方の皆様方にも、ただ国が交付税措置をします、交付金で充てますということで、結局は、補助制度はあっても、これが必要性があるのかどうかという判断はそれぞれの自治体に判断を委ねていただければという思いでございます。 我々も、一つ申し上げれば、建物の老朽化については、当初の公共施設の計画で建てて、目視でやりながら、そしてまた専門家の意見を聞きながら計画を立てて、補修を必要なものについて年次計画を作っていこうと、そういう形で、国の制度を活用しながらその手だてをしていこうということで自治体としては考えておりますので、それを、五年ごとの見直しとかというのは、私たちとしては職員の業務負担に応分に掛かってくるということでございまして、その点について自治体の御意見をいただければ大変有り難いというふうに思っているところでもございます。 いろいろ、厚労省の関係、国交省の関係、総務省の関係、本当にここ数年の計画策定というのが迫られておりまして、これは幾ら県に申し上げても、県は各市町村のリストを出して、この計画書が策定されている市町村名が毎年行われます県政説明会で示されておりまして、その自治体に申し上げられることは、計画を策定されていない市町村については早急に進めることということで、県からもそうして押し付けられているところでもございます。 我々自治体が意見を申し上げる機会がないということもありまして、我々この奄美群島の市町村、そしてまた県の町村会においてもいろんな形で要望をさせていただいておりますけれども、なかなかその声が届いていないのが今の現状ではないかというふうに思っているところでもございます。 少数精鋭で頑張っている自治体は、ほかに本当にたくさんの自治体が抱えている私は課題であるというふうに思っておりますので、計画策定におけるこの策定の在り方ということを、今回緩和策なるものができれば大変我々自治体としても助かるんではないかという思いでございます。 それから、もう一点でございますけれども、これは障害者雇用促進法ですかね、法律に関わる問題でもございますけれども、以前、我々、千五百人しかいない自治体の中で障害者雇用を迫られまして、鹿児島の労働基準局から大変この法律を違反しているということでお叱りを受けました。我々のこの実情はなかなか聞いてもらえない。 これは、国の法律で決まっていることを、弱い自治体というか、この限られた人口の中で、障害者を我々は雇用しないわけでもございませんが、少ない中で、国の障害者雇用率というのは従業員の数によって割合が決められております。この割合というのが、我々、非常勤を入れますと百三十五名ほどの数でいきますと、約二・五%の雇用率が示されております。これはもう全国一律だということで聞いておりまして、私たちも、退職を迎える人、たまたまその方が在職中に事故を起こして障害者になったとかという方がいらっしゃって、我々も何とかその数字は守られていた時期もございました。しかしながら、我々も、障害者を呼びかけしながら、そして、障害者にどういう行政事務ができるかという事務分担も振り分けながら障害者を雇用していこうということで考えているところでもございますけれども、何分にも職員が六十九名しかいない中でこの分担を与えるというのは、三名ほどの障害者雇用をするのも我々も至難の業であるというふうに今苦慮をしているところでもございます。 この障害者の雇用率に当たっては、やはりこの離島に置かれた絶対数が少ないところとか、やっぱり本土とは違うのは、陸続きでどこでも行けるということができないわけでございますので、その点についても、先生方の忌憚のない、また御意見と御指導をいただければというふうに思っております。 いろいろ町村が抱えている課題は山積でございます。まだまだ我々も申し上げたいことはたくさんございます。四月から会計年度任用制度がスタートいたします。我々も、国が手だてをするという中でございますけれども、本当にどこまで手だてをしてくれるのかと。 我々、地域で、離島では、役場という仕事場が一つの雇用の場所であると言われております。しかしながら、財政状況を考えますと、雇用をすればいいということはなかなか今ままならない状況にございまして、我々もいろいろ今財政を見ながら職員体制をしていく、そして、そういう中で今回の会計年度任用制度をどういう形で活用しながら役所での業務分担を考えていこうということで、苦慮しながら我々も予算を立てさせていただいたところでもございます。 本当にもう今の時代、我々も人口減少の歯止めの掛からない今の現状の中で、しっかり我々は、もう人口が減るのは仕方がございません。今、奄美群島で八つの有人離島がございます。その中で、人口減少が、私ども村の近い人口が毎年度奄美では減少が起きているというのが、これはもう隠すこともできない現状にございます。 しかしながら、ただ何もしなければそのまま減りますけれども、我々も、Iターンを呼びかけるのでもなく、そしてUターンを呼びかけるのでもなく、何かできることを打ち出しながらこの人口の下げ幅を抑えていこうというのが、我々のしなければならない責務じゃないかというふうに、日夜、我々もいろいろ奮闘しながら取組をしているところでもございます。 本当に、これは離島だけじゃございません、本土における山間部の町村もいろんな課題を抱えているというふうに思っております。そういうことを踏まえながら、我々町村は、合併をせずに自立を選んだ我々自治体として、しっかり我々も取組を、政策をしっかり打ち出しながら、村民が安心して住んでいただける村づくりに取り組んでいきたいというふうに考えているところでもございます。 最後になりますけれども、本委員会の先生方におかれましては、先ほど申し上げました、法律による計画・組織・人員等の義務付けなどや、調査・照会業務の増大により町村行政の現場の本来業務に支障が生じることのないよう、その見直しに向けて積極的な御支援をお願いできればというふうに思っております。 このことは、既に御案内のことと存じますけれども、資料六ページの地方六団体の御意見にもあるとおり、町村のみならず全地方公共団体の切なる願いであることを重ねて申し上げまして、私の発言とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。 次に、木村参考人からお願いいたします。木村参考人。
○参考人(木村俊介君) それでは、本日は大変貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。 私も地方自治体での実務経験も有しておりまして、現在は明治大学で地方行政の調査研究等を行っております。本日は、国と地方の行政の役割分担ということで所見を述べさせていただきたいと思います。 まず、前提でございますが、私の認識としましては、我が国の地方行財政制度というものは、諸外国と比較をいたしましても、基本的には有効に設計され、運営されている制度であると認識をしております。国、県、市町村の三層の政府部門がそれぞれ事務を分掌し、地方団体が分掌する事務については基本的には財源保障措置が講じられているということで、システムとしては有効にワークをしていると思います。 ただ、その中で、昨今の社会経済情勢の変化、大変大きな変化が生じているということで、その社会経済情勢を踏まえて、その制度について適宜修正を加えながら運用していくことが重要であるというように考えております。 そして、まず、本日の資料を御覧いただきたいと思いますが、まず一番で、我が国における国と地方の関係ということで、まず我が国の地方行財政の大変大きな特徴というのがあります。これは諸外国と比較をしましても、特に国と地方の事務の配分の仕方につきましては、大きく、融合型という形とそれから分離型という形があります。その内容については脚注の一番のところに書いておりますが、我が国の場合は融合型という形を取っております。これは、国と地方の事務権限が整然と区分けされていない事務の型でありまして、言わば同じ事務について国と地方が両方とも関与する、言わばお互いに相乗りの形で事務を行うと、こういう形であります。これが我が国のまず基本的な特徴であります。 そして、資料の二ページの参考の一という表を御覧いただきたいと思いますが、これは日本と共通した単一国家で、フランス、イタリア、イギリスという三か国と日本を比較したものでありますが、見ていただきますと、フランス、イタリア、イギリス等では、横線が引いてある欄でありますとか、あるいは国のみが実施する、そういう事務もある。そういう事務が見受けられる一方で、日本の場合はいずれの行政サービスについても何らかの形で国だけでなく県や市町村が広く関与をしていると、これが我が国の特徴であります。 そのことが言わば財政支出にも影響を与えておりまして、次の三ページの参考の二というところでグラフを付けております。これは、それぞれの国と比較をした地方政府の歳出の規模を示しています。この黄色い棒グラフが示しているのが人口当たりの歳出規模でありまして、これも、一番右側がOECDの平均値でありますが、OECDの平均よりも上回る一人当たりの歳出規模を持っていると。それから、GDPに対する比率というのを折れ線グラフで示しておりますが、全体についても、赤い折れ線グラフで示しておりますように、OECDの九・二%を大きく上回る一五・五%。それから、地方政府が行う投資的経費についてGDPの比率を比較してみますと、OECD平均が一・七%であるのに対して日本の場合は二・六%ということで、日本の地方政府の場合、ソフト事業だけではなくてハード事業についても大変大きな役割を地方政府が果たしていると、こういう点が特徴であります。 そして、また一ページにお戻りいただきまして、このような特徴を日本のシステムは持っているわけですが、そこへ最近次のような社会経済上の大変大きな変化が生じております。一番として、分権改革による権限移譲が進展をしていると。二番目として、社会保障経費の増嵩というのは、これ、国、地方共通の課題でありますが、地方政府については民生費という形で社会保障の関係経費が大きく増嵩をしております。そして三番目が急激な人口減少の進行、そして四番目が立法による自治体の事務が増加をしているということが近年の特徴であります。 これをデータで示しておりますのが、資料三ページの参考の三というグラフを見ていただきますと、これが特に民生費の昨今の変化を示しているものであります。一番上の灰色の折れ線グラフが全体の歳出規模を示しておりますが、近年、歳出規模が比較的横ばいであるのに対して、その内訳としての民生費が一貫して上昇をしています。 また、そこでさらに特徴的なのがこの民生費の内訳でありますが、色で色分けをしておりますけれども、児童福祉費、これが堅調に伸びている。それから社会福祉費、老人福祉費、生活保護費と、この四つの経費がこの民生費の大きな要素になっておりますが、やはり注目すべきなのは、いずれの四つの要素もいずれも増加をしていると、こういう特徴がございます。 そして次に、四ページの参考の四を見ていただきますと、これが立法に伴う自治体の事務の増加を一つ表しているものであります。毎年の通常国会におきまして法律が制定される中で、地方財政関係法律とここで呼んでおりますけれども、自治体が何らかの形で事務を行うことが法律で位置付けられると。あるいは、予算関連法ということで件数を挙げていますが、予算を伴うものにつきましては、地方団体からの給付ですとか、あるいは事業が位置付けられます。これについては、基本的には地方財政措置ということで財源保障もされますが、ただ、やはり実質的には地方団体の自己の負担というものも伴うことになる。そういう法律が平均で見てみますと大体毎年通常国会で十五本程度、それから、その中での予算関連の法律というのが平均でいきますと九本程度は毎年立法として生まれております。 こういったことが、特に先ほどの民生費などでも表れておりますけれども、地方団体の一つの、特に市町村においての経費の増嵩ということが見受けられるわけです。 そこで、また一ページに戻っていただきまして、このような、大きく四つの変化があるという中で、このような状況の中で、地方分権の進展自体はこれは評価され得るものでありますが、一方、基礎的自治体に期待される役割、住民ニーズを充足する機能を果たすことが困難な市町村、小規模市町村における行政サービスの提供体制をいかに確保をしていくのか、これが大変重要な課題になっております。 そこで、私からの提言といたしまして、二つ挙げておりますが、一番としては、国と地方の役割分担として、一律の融合型という発想からは脱却をしていく、見直しをしていくと、こういう発想の転換も必要なのではないかと。新規立法を制定する際に、必ず今後も融合型で進めていくということになりますと、やはり折々事務的なもののオーバーフローが生じてくるであろうと。ということで、その中では必ず一律融合型ではなくて、分離型の発想も取り入れていくべきではないかと。ここで挙げておりますように、緊急性や総合性、地理的な普遍性、特定の産業分野との関連性等があるものについては国が所掌をするというようなことも場合によっては考えていくべきではないかと、こういう点であります。 それから二番目が、融合型の立法を今後考えていく際にも、国は行政標準を示すという役割にできる限り自己抑制的に捉えて立法して、許認可、承認等の垂直的な関与は必要最小限のものにするべきであると、こういう考え方を、発想を取り入れていってもいいのではないかというのが、一つ目の提言であります。 そして次に、二番目に、地方分権改革等ということでまとめております。 現状では、分権一括法に沿った分権改革は順調に進展し、一定の成果を上げていると考えております。特に、近年は、提案募集方式という形で地方自治体から提案を受けて、近年の傾向としては、新たな権限移譲よりも、むしろ現場の事務処理上のボトルネックを解消するということで、法律上の権限移譲のみではなく、政省令あるいは通知等で実際の行政の執行でネックになっているもの、こういうものを国と地方で話し合ってそれを解消していくと、こういう形の改革が比較的多く見られています。これは、分権改革の効果として、行政の現場の自由度を増す、それから全国一律という発想を変えていくと、そういう意味で評価をできるものであるというふうに考えております。 そして二番目に、行政サービスの高度化、専門化というのが進んでいきますと、自治体間の業務の標準化を図ることが合理的な分野というものが生じてきます。そこで、やはり自治体の方からよく聞きますのが、こういう専門技術的分野については、国が標準的な業務の手法とか仕様というものを示してもらいたいと。例えば、自治体クラウド等についてもそういう取組が始まっておりますけれども、今後、例えば無人運転でありますとかAIの導入でありますとか、地方行政でも非常に大きく技術的な進展というのが見込まれると思います。そういう新しい分野については国が標準的な手法を示して地方を支援をしていくと、こういうことが非常に重要になっていくのではないかというふうに考えております。 そして三番目が、自治体間の関係について今回取り上げております。 国と地方の役割分担というのがよく議論されることが多いわけですが、県と市町村との関係というものも考え直していくと、あるいは常に点検をしていくということが重要であると考えております。 我が国は、融合型であり、それから補完性原則といいまして事務の配分の際には市町村を優先的な配分相手に考えると、こういう考え方が、我が国、これは世界的な潮流でありますが、そういう方針が取られています。そして、こういう方針を基本的に取って分権を進めているわけですが、その結果、市町村が基礎的な住民サービスの多くを非常に中心的に担っていると、こういう状況が生じております。 そして、その反面、先ほど御覧いただいたような民生費の増嵩に見られるように、市町村財政の硬直化が進みやすい、こういう問題を抱えております。かつ、人口減少が進んでいるため、絶えず事務の権限配分の見直しを行っていくことも必要であろうと、このように考えております。 先ほど御覧いただきました三ページの参考の三というグラフでありますけれども、ここで民生費の動きを書いておりますが、併せて赤い折れ線グラフで書き表しておりますのが市町村の経常収支比率というものであります。この経常収支比率というのは市町村の財政の硬直性の度合いを示しているものでありまして、やはり民生費の増嵩と併せて市町村の財政の硬直度が少しずつ高まってきていると、こういう傾向があります。 そこで、社会保障、民生費の関係でありますけれども、四ページに参考の五という図を示しております。この図は何を示しているかと申しますと、国、県、市町村の財政負担の割合を示したものであります。ここで、生活保護、以下、児童手当、児童・障害福祉、後期高齢者医療、介護保険、これらについての財源スキームを示しておりますが、その中では、やはり国と県との負担の案分の比率、それから次には県と市町村との案分比率というのがあるわけですが、これがやはり県と市町村では同等の案分比率で、それぞれ同じ率で負担をすると、こういうことが定着をしているわけであります。 しかしながら、やはり民生費の増嵩でありますとか、あるいは、次の五ページの参考の六を見ていただきますと、こちらで示しておりますのが、市町村の民生費と県の民生費の動向を示しております。これを見ますと、やはり昨今、市町村の民生費の増嵩が顕著になっていると。それから、同じく県と市町村の経常収支比率も示しておりますが、やはり県と比較して市町村の経常収支比率が増嵩している、これが目立っているというのが顕著な例であります。 ということで、社会保障についてやはり県に比べて市町村の負担がやや増している、そういう傾向が見受けられると。ということで、こういった財源的な面からも、県と市町村との社会保障の分野における役割分担のようなものも常に見直していく、つまり、県がもう少し主導的な役割を果たす、そういう分野を議論してもいいであろうということを考えております。 実際に二〇一八年には、国民健康保険について県が中心的な財政的役割を果たすと、こういう改正がされたわけでありますけれども、今後も社会保障については、国と地方だけではなくて、県と市町村との役割分担も十分に議論をしていく、そういう必要があるだろうというふうに考えております。 それから、続きまして、交通の問題を取り上げております。この五ページの参考の七のところで交通についての負担ということで取り上げております。 これは民生費に比べますとかなり支出の規模は小さいものでありますけれども、しかしながら、地域の足を確保するということで、これからますます交通弱者の方が増えていく、あるいは交通空白地帯が増えていくということが見込まれる中で、やはり地方自治体が地域の足を確保するために行政サービスを講じなければいけない、これは不可避の方向だろうというふうに思います。 そういう中で、こちらのグラフでも示しておりますように、赤い折れ線グラフが、市町村が乗り合いバス事業に対して補助を交付をしていると、この金額であります。これが県の補助金の金額よりももう非常に顕著に大きいものになっていると、それからまた、その増嵩が顕著になっていると。ということで、これは現行の法令の体系がやはり市町村が中心の法令の体系になっているということもあり、あるいは、やはり住民生活の差し迫った問題ということで、市町村が中心になって今地域交通を所掌しているわけでありますけれども、より交通ネットワークを広く考えるという意味でいけば、市町村だけではなくて、県が地域交通の分野でもより重要な役割を果たしていってもいいのではないか、そういうことを考えている次第であります。 そして、最後になりますが、広域的な連携の問題を取り上げております。 資料二ページにお戻りいただきまして、二ページの提言の二というところで書いております。やはり、人口減少が進んでいく中で、自治体の広域連携というものが一層重要であると、このように考えられていて、実際に、市町村合併が一段落した後においても、地方自治体同士の広域連携の件数というのは構成団体数でいくと増えております。 地方自治体としてはより広域連携を進めていく必要があるということを考えているわけでありますが、そこで、従来型の類型として、法人型という一部事務組合ですとか広域連合というもの、あるいは契約型という事務の委託あるいは連携協約、こういうものが自治体では鋭意使われているわけでありますが、それに加えて、今新しい動きでありますのが遠隔型連携ということで、資料の五ページの参考の八に表を掲げておりますが、近隣の自治体だけではなくて、少し離れた自治体との間でも遠隔型の連携をするということが、その取組が進んでおります。災害時の応援でありますとか福祉施設への入所、あるいは観光、就労支援と、これらの事業につきまして、自治体の間で、試行的でありますけれども、こういった取組が進んでおります。 そして、恐らくこういったニーズというのは今後も増えていくと考えられますので、これも一つの自治体の水平的な役割分担ということで、こういう遠隔型の連携について、国としても、自治体がより仕事を進めやすくする上で支援をする、あるいはより連携をしやすい枠組みを考えていく、こういったことも必要であろうというふうに思います。 そして、二ページにもう一度お戻りいただきまして、最後になりますが、こういったような遠隔型の連携と、それからもう一つの新しい傾向として、県と市町村がお互いにそれぞれ仕事をするというそれだけではなくて、県と市町村で協働して事業を進めていくと、こういう新しい動きも見られます。 例えば水道事業について全県型の広域処理を行うことをやっていくと。これは四国の香川県ですとかあるいは広島県でも現在検討されております。それからまた、例えば税の共同徴収ということで、県税と市町村税の共同徴収をお互いのノウハウを生かしながら行っていくと。こういったような、これまでに見られない県と市町村の連携、いわゆる協働執行、協働的な事業執行を国としても支援していくと、そういう必要性があるのではないかというふうに考えております。 私からの報告は以上でございます。 ありがとうございました。
○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。 次に、礒崎参考人からお願いいたします。礒崎参考人。
○参考人(礒崎初仁君) 皆様、こんにちは。中央大学の礒崎初仁と申します。本日は、このような貴重な機会を与えていただき、誠にありがとうございます。 私は以前から、日本では自治体の事務に関する法令の数が多過ぎる、それからその内容も大変細か過ぎるというふうに思ってまいりました。全国の自治体が細かい法令に拘束されまして、日本はいつまでたっても分権型社会になることができない、これは問題だというふうに考えてまいりました。 そこで、これを改革するために、自治体の立法権、制度をつくる権限を拡充させる立法分権がこれからは必要なのではないかというふうに考えております。 本日の委員会のテーマは、国と地方の行政の役割分担というテーマですけれども、私は、制度をつくる権限、すなわち立法権も国と地方で分担すべきではないだろうかということで、「「立法分権」のすすめ」と題しまして問題提起をさせていただきたいというふうに思います。 一枚目のスライドの二でございます、下の方ですが、本日の問題提起の要点を四つにまとめてまいりました。 一つは、日本の分権改革は、両議院における地方分権推進決議に始まります。そういたしますと、二十五年以上前に分権改革が行われてきたということであります。 ところが、地方自治法の原則は変わったのに、肝腎要の個別法が変わっていない。コンピューターでいいますと、OSが変わったんですが、アプリは、アプリケーションは変わっていない、相変わらず集権バージョンのまま使われていると、こういう状況ではないかと思います。それでは国民がゆとりと豊かさを実感できる分権型社会ということは実現できないのではないかということでございます。 二点目は、自治体の事務を定める法令が縦割りの省庁体制の下で次々と制定され、しかもその規定が非常に細かくなっているということが問題だと思います。 今後、人口減少時代を迎えて自治体職員は少なくなると思います。それなのに、執行すべき法令は減らず、むしろ過剰過密になっている、これでは地域の課題の解決に取り組む余裕がなくなってしまうと、これでいいんでしょうかという問題でございます。 三つ目は、これまでの地方分権ですが、基本的には法令の執行権を移譲する行政分権だったように思います。これからは法令をスリム化し、自治体に制度をつくる権限を移譲する立法分権、これが求められているのではないかということでございます。 ただ、国が立法をやめてしまえと言っているわけではもちろんありません。そうではなくて、国の法令では基本的事項や方針を定めるにとどめて、詳細な規定は地域の実情に合わせて条例で決める、こういう法令と条例のベストミックス、これが求められているのではないかということでございます。 四点目です。この立法分権を進めるためには、法令の統合と簡素化、それから条例の上書き権、それから立法過程への自治体参画のルール化、こうしたものを進める必要があるのではないかというふうに思っております。こうした改革には法律の制定や改正が不可欠ですので、立法機関としての国会に期待したいということで今日は問題提起をしたいということでございます。 以下、具体的に御説明申し上げます。 次のページをお開きください。 一つ目のテーマは、地方分権改革の二十五年、これをどう評価するかということでございます。 先ほども指摘いたしましたが、日本の分権改革は、一九九三年の両議院における地方分権推進決議、これが出発点でございます。それまでも地方分権が必要だということはいろいろなところで指摘されておりましたけれども、各省庁の分厚い壁に阻まれて大きな進展はなかったところでございます。ところが、両議院のこの決議、全会派の一致した決議と聞いておりますが、ここから地方分権の風が吹き始め、日本は分権型社会に向けた歩みを始めたと、こう言っていいのではないかと思います。 その決議の中身ですけれども、本院におきましては、そこに記載をいたしましたが、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲などによって、地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立する、これ二十一世紀を目前にしておりましたのでこのような記載になっております。すばらしい認識だと思いますね。しかし、この決議から四半世紀が経過し、この理想が実現されているのかどうか、ここがポイントでございます。 このページの下の方、図表一には、この間の分権改革の経過を要約しておきました。二〇〇〇年前後に行われました第一期分権改革、これは成果上げたんですね。機関委任事務制度の廃止とか、今沖縄と国で問題になっておりますが、係争処理制度とか、こうしたものがつくられ、大きな改革が成し遂げられたところでございます。 しかしながら、二〇〇七年以降の、私は第二期分権改革と呼んでおきたいと思いますけれども、義務付け・枠付けの見直しなど、これは先ほど伊集院参考人も言及されましたけれども、重要なテーマが掲げられました。ただ、議論がどうも法律の細かい規定について条例に委任するの委任しないのといったような視野の狭い議論に陥っているのではないか、したがってメディアや国民もほとんど関心を持たなくなった、分権に関心を持たなくなったというのが現状ではないでしょうか。 内閣府を始めとする関係者の努力には頭が下がりますけれども、これでは役所間の事務改善のような話になって、本院が掲げた二十一世紀にふさわしい地方自治を確立するという理想からは遠ざかっているのではないかというのが私の見方でございます。 次のページをお開きください。 二つ目のテーマは、法令の過剰過密というものはどういうものなのかということでございます。私が指摘しております過剰過密というのは、社会の課題に対して余りに多くの法令、特に行政法令のことでありますけれども、行政法令が制定され、しかも細部まで規定している、そういう状態のことを過剰過密というふうに呼んでおきたいというふうに思います。 この法令の過剰過密によってどういう問題が生じているかということですけれども、第一に、総合的な地域づくりの発想が失われてしまいます。法令というのは縦割りに基本的にできておりますので、総合的に地域をつくるには様々な壁があるということ。それから第二に、地域の実情に即した解釈、運用が難しくなるということ。そして、執行する自治体職員が法令に習熟できず、現場の混乱とか執行コストの増大を招くということでございます。先ほど来の伊集院参考人も六十九人で頑張っておられるということでございましたが、こうした職員の苦労というのにつながるわけでございます。それから最後は、自治体職員がどうも受け身になって、自ら制度や政策をつくるという発想を失っているのではないだろうかということでございます。 実は、本日の関連資料の二十五ページに私の略歴を記載していただいておりますけれども、私は一九八〇年代に神奈川県庁に入りまして、十七年にわたり、土地利用とか介護保険とか、こうした業務に携わりました。当時は、分権改革の前でしたけれども、これからは地方の時代だと言われて、私も含め一部の職員は自主研究など、五時以降の勉強会などを開いて、これからは地方から日本を変えていくんだ、こんな機運もあったことを思い出すところでございます。 ところが、いざ分権改革が行われますと、地域づくりの先頭に立つべき職員が法令の執行に追われて余裕をなくし、どうも受け身の仕事に逃げ込んでいるのではないかと、私にはそう見えるところでございます。 さて、関連する法令のデータを幾つか紹介したいと思います。まず、法令がいかにたくさん作られているかということを確認するために図表二を御用意いたしました。行政分野別六法の状況ということでございますが、皆様も御承知のとおり、実務では分野ごとに大変分厚い実務用六法が作られ、職員はこれに基づいて法令事務を進めているわけでございます。 本日は、参考までに、そのうちの一つ、上から四つ目のところ、介護保険六法というのを実はお持ちしたのですけれども、こんなに分厚いものでございます。合計四百二十四本の法令や通知が収められておりまして、三千五百五十八ページになるものでございます。実は、国会が制定した法律は十九本ということでそれほど多くないのですけれども、告示が百二十本、それから通知が二百四十八本というふうに多くなっておりまして、かつて言われた通達行政、今でも続いているじゃないかということでございます。 次のページをお開きください。 図表三では、主な法律の条数と字数をちょっとカウントしてみました。法令がいかに細かいことまで規定しているかということを示すために何か方法ないだろうかと思って、大変素朴な方法ですけれども、条文の数と文字数をカウントしてみました。 これを見ますと、公有水面埋立法のような古い法律は条文数も文字数も少ないのですけれども、介護保険法、今ちょっと紹介しました、これでは、法律は三百六十三条、二十一万字ございます。省令でも四百七十五条、二十万字近くございまして、新しい制度ですけれども、大変細かい法制度になっているということでございます。 恐らく、全国の市町村の介護保険課ではこの六法が大体備えられていると思いますけれども、担当者は、法令を理解するだけで大変でございますから、これを要約した国のマニュアルなどを読んで法令事務を辛うじてこなしている、要介護認定等々を辛うじてこなしているという状況ではないかと思います。そんな状況の職員に私たちの町にふさわしい介護サービスの在り方を主体的に考えて仕事をしてほしいと求めても、そんな余裕はありませんという答えが返ってくるんではないかというふうに思います。 その下のスライド三を御覧ください。 三つ目のテーマは、なぜ今、立法分権かということでございます。 繰り返しになりますけれども、これまでの分権改革は、法令の執行権を拡充する行政分権だったというふうに基本的には思います。これからは、自治体が自ら制度をつくる立法権、これを拡充する立法分権を進めるべきではないかというふうに思います。 その理由ですけれども、国の法制度が過剰過密だと条例制定権の可能性が限定されます。それから、国の法制度が画一的だと多様な地域課題への対応が困難になります。そんな幾つかの問題点がございますが、本日強調したいのは③、これからの人口減少を迎えて大丈夫でしょうかという問題です。国のフルセットの法制度、こんな重たいシステムを運用するにはコストが掛かりますし、職員が余裕をなくして地域の課題に向き合う時間がなくなってしまうのではないかという点でございます。 地方分権というふうに言いますと、何となく理想論、きれい事を語っているように思われがちですけれども、私は、こういう法令の過剰過密を放置していると地域がもちませんよということを、そういう切実な問題だということを指摘したいということでございます。 次のページをお開きください。 第四のテーマは、そこで、じゃ、こういう立法分権をどのようにして進めるのかということでございます。私は五つの戦略というものを考えて提案しておりますけれども、本日は、このうち、下線を施した三つの戦略について絞ってお話をしたいというふうに思います。 次のスライドを御覧いただきたいと思いますけれども、第一の戦略は法令の統合とスリム化でございます。 まず、法令が多過ぎるという過剰の問題、これに対しましては、法令を行政分野ごとに廃止したり統合したりするということでございます。もちろん法令は社会的な必要性があって作られていると思いますけれども、法令の執行には人や財源などのコストが掛かりますので本来は法令のスクラップ・アンド・ビルドが必要だと思いますが、そうなっておりませんので分権改革の中でこれを整理しようということでございます。 次に、作られる法令が細か過ぎる過密の問題でございますけれども、これは、木村参考人も御指摘されています、行政の標準を示すにとどめるべきではないかと、これとつながる発想でございますが、各規定の必要性を確認して、国の法令で定めなくてもいいもの、自治体の条例に委ねればいいもの、これについては大胆に簡素化することが必要ではないかというふうに思います。 〔委員長退席、理事吉川沙織君着席〕 その下の図表五を御覧ください。 ここでは、各規定の必要性を確認して、国の法令で定めなくてよいもの、条例に委ねればよいものについて簡素化するということでございまして、AからCまでは確かに国が果たすべき役割だと言えると思いますけれども、Dの広域的統一性、あるいはEの政策的統一性、こうしたものは国が余り細かく規定する必要性はないのではないか、枠組みをつくる必要はありますが、細かい事項は自治体に任せてよいのではないかと、その方が地域の実情に合った制度になるのではないかというふうに思います。 次のページをお開きください。 余り抽象的なことを言っても説得力がありませんので、私は、具体的に四十一本の法律の主要な条文を検証いたしまして、この条文は細か過ぎるから見直しが必要だ、この条文は合理的なので現状維持でよいといった評価をしてみました。これが図表六でございます。この表の右側でございますが、マルは維持してよい、バツは抜本的な見直しが必要、三角は一部を見直すべき、こんなふうに、私のこれ私見でございますけれども、入れたところでございます。 これを集計いたしましたのが次のページ、図表七でございます。その結果として、基本的に維持してよいと私が思うものが二六%、部分的見直しが必要だと思われるものが三三%、抜本的見直しが必要四〇%と、こんなふうに全体の約七〇%の法令について廃止又は簡素化が必要ではないかというのが私の検証結果でございます。 次に、その下、第二の戦略は条例の上書き権でございます。 上書き権とはちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんけれども、法律に基づきまして条例に法令の規定の一部を変更していいよと、そういう効力を保障する、付与するというものでございます。例えば、児童福祉法では保育所の認可基準として一人当たり三・三平米以上の床面積、これを義務付けておりますが、これを条例で三・五に引き上げて基準をアップする、あるいは三・〇に引き下げてより多くの児童を受け入れる、こんなふうな裁量権を自治体に与えていただけないだろうか、実は義務付け・枠付けの際にそんな議論が起こりましたので、こうしたことを個別法ではなくて地方自治法などの通則法で認めてはどうだろうかというのが提案でございます。 〔理事吉川沙織君退席、委員長着席〕 条例の上書き権につきましては、法律の範囲内という条例制定権の法的限界に抵触するのではないかと、こんな議論もございますけれども、私自身は、地方自治法などの法律で一定の条件の下で上書きを許容するということであれば、十分法律には抵触しない、憲法にも抵触しないというふうに解釈できるのではないかというふうに思っております。 もっとも、上書きできるといっても無制限ではございません。次のページをお開きください。私自身は、上書きできる対象は法定受託事務は除外し自治事務に限定するということ、それから、規定の内容は執行基準と、それから規定、規制の対象、この二つに限定する、その上で、条例で一般的に上書きができるという規定を地方自治法などに入れてはどうだろうか、画期的な意味があるのではないかということで、具体的な規定例も入れてみましたので御参照いただければというふうに思います。 その下の第三の戦略ですが、これは立法過程への自治体参画のルール化でございます。 立法分権を進めるためには、自治体現場の意見や提案が不可欠でございます。そこで、私は三つほど考えてみましたが、第一に、立法分権に際して各自治体や地方六団体の提案や意見を求める。第二に、重要な法令の制定、改正のときは国と地方の協議の場で協議をする。第三に、両議院又は参議院だけでもいいと思いますが、地方関係立法審査会等を設置して、地方自治の観点から法令を監視し、また改正を求める。こうしたことを是非取り組んでいただけないだろうかということでございます。 最後のページをお開きください。 最後に補足ということで、実は、伊集院参考人からも何度か言及がされましたが、最近、法律で自治体に対して行政計画の策定を求めるという規定が増えております。これが自治体の負担になっているんじゃないか、私もそのとおりだと思いますので、最後に強調したいと思います。 これらの規定見てみますと、必ずしも義務付けじゃないんですね、作れという義務付けじゃない。そうじゃなくて、○○計画を作るよう努めなければならない、努力義務ですね。それから、○○計画を定めることができる、できる規定ですね。こんなことで柔らかい手法が取られているんですが、実際には、この計画を作らないと補助金が出ないよとか、規制緩和の対象になりませんよとか、そんなふうな付随的な制度と組み合わされて、自治体はもう事実上作らざるを得ないというのが現状であろうかと思います。 一旦作ると五年後、十年後また見直すということになってまいりまして、そうした意味で、柔らかな統制が大変大きな効果を、効果を生んでいるって、逆に言うと弊害が大きいのではないかということでございます。 こうした問題も視野に入れながら、分権型社会を実現するために是非国会の皆様の検討と決断が期待されているということを申し上げまして、私の意見の表明に代えたいと思います。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次発言願います。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。本日は質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 また、三人の参考人の皆様からただいま非常に貴重な御意見をいただきました。改めてお礼申し上げます。 三人の参考人のお話を聞いていますと、非常に共通する問題意識を持たれているように感じました。伊集院参考人からは、特に国からの全国一律の義務付け、調査・照会事務、また国の制度の創設、拡充に当たっての計画策定義務付け、こういったことの負担が非常に大きいという御指摘があったと思います。また、木村参考人の方からも、立法による自治体の事務、これが非常に増加しているという問題指摘がありました。また、礒崎参考人の方からも、やはり自治体の法令事務が多過ぎるんではないかと、こういう御指摘を受けたわけです。 木村参考人の資料の中で、日本の場合は、これは自治体の事務については融合型を取っているんだというお話でしたが、これ、注書きのところで、国と地方の事務権限が整然と区別されていない事務の形と、その後に、法律の規律密度が高ければ集権的になると、こういうふうにお書きになっているんですけれども、今お三人のお話をお聞きすると、やはりどうも今実態としては非常に集権、融合型かつ集権的な方向に向かっているというふうにも聞こえたんですけれども、そういう理解でよいのかというところをまず三人の参考人の方から御意見を聞きたいと思います。
○参考人(伊集院幼君) 我々が意見を述べさせていただいたことは、これは集権的と申しますか、我々地方自治体は、言ってみると、我々の裁量権がなくて、もう押し付けられているということがあるんですよね。これを、先ほど各先生方が申し上げたことは、やはり我々自治体と先生たちとはちょっと立場が違って、行政側から言わすと、もう国の言われることに言ってみると従わないといけないというのが我々の率直な意見なんですよね。 ですから、地方と国との関係ということは、言葉では我々もこうして申し上げても、実態はもう、ちょっと立場上違うというところが正直な話、私のちょっと意見なんですけれども、それがそういう形になってくれたら、自治体も今まで以上に効率的な事務運営、行政運営ができていくんではないかということでございます。 ちょっと答えになっていないかも分かりませんけれども、以上でございます。
○参考人(木村俊介君) 今先生からの御指摘でございますが、やはり法律自体を立法する際に、各省と地方分権有識者会議あるいは総務省等との協議もあって、いわゆる表面的には義務付け、計画の義務付けとか強制的なものというのは法律の条文では避けるような形が、そういう形が増えていると思いますが、一方で、先ほど礒崎参考人の方からも御指摘あったように、いわゆるソフトな形での交付金の条件として計画策定を求めるとか、そういうソフトな形での実質的な強い奨励ということが手法として行われている、そういう傾向は強くなっているんではないかというふうに思います。
○参考人(礒崎初仁君) 日本はそうすると集権化が進んでいるのかという御質問でしたけれども、両面あると思います。 二〇〇〇年の分権改革というのは、確かに、機関委任事務制度を廃止してやっぱり大きく分権の側にかじを切ったというふうに思いますが、その後、法令が非常に細かくなっていって、やっぱり実質的な集権化が進んでいると言わざるを得ないのではないかと思います。 以前との違いは、以前は、機関委任事務の下では国が指揮命令権を持っていました。通達を出して、このようにやりなさいと言ったら、もう法律上縛られてしまっていた。今はそういうのは原則ございませんので、そういう意味では分権化が進んだというか、原則は変わったのですけれども、個別法の規定が変わっていない、これが私は一番問題で、両面あるだろうと思います。 以上でございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 では、ちょっと重ねて細かい点もお聞きしたいと思います。 まず、伊集院参考人ですけれども、特に参考人の方からは、国との関係ということでお話がございました。これ、県との関係で、県からのいろんな義務付け、これの負担というのは実際問題としていかがなものでしょうか。
○参考人(伊集院幼君) 先ほど私が意見陳述でも申し上げましたように、県は国に従わざるを得ない、これ、直接我々、国から直接自治体に来る案件もございます。しかしながら、県を通して来る案件がほとんどでございまして、県に申し上げても、もう国がそう示しているからそれに従わざるを得ないという言い方なんですよね。 これは、今、交付金制度の中身もそうですし、県に、私は先般、ちょっと私が意見を申し上げに行ったのは、国から言われたらそっくりそのまま県は受け止めるんじゃなくて、やっぱり自治体の状況をもうちょっと把握する中で、この交付金制度が我々奄美の自治体に合っているかどうかということも、もう少し現場の声を聞いた中で国に申し上げてほしいということを、先般、私は県に申し上げたところでもございました。 そういうことで、県に対して申し上げるというのは、もう国から間接的に我々自治体に来る案件もありますし、国と直接する案件もございます。そういう案件は、我々は、それに沿って直接申し上げること、県を通して申し上げることを分けながらいかないと、国にばっかり申し上げても県の立場もございますので、そこら辺は筋道を通した中で意見を申し上げてやっていこうというのが今の我々の今現状でございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 次に、ちょっと木村参考人にお尋ねしたいんですけれども、こういう今の御説明を受けた上で、中央省庁の場合に、例えば国土交通省であれば地方整備局があり地方運輸局があり、またあるいはいろんなところに地方事務所というのがあったり、また、農水省の場合、営林署があったりとか、経産省の場合も地方経産局があると。そういう幾つかの段階でのそういう地方の出先というのがある役所、それからない役所、こういういろんな役所があるわけですけれども、こういう中央省庁の出先の有無というのは、この分権の場合にどういうふうに考えていったらいいんでしょうか。それについての御意見をいただきたいと思います。
○参考人(木村俊介君) これはやはり、いい面、悪い面の両方あるというふうに思います。 例えば、国土交通省の道路整備の関係でいきますと、直轄事業と県事業でそれぞれ連携しながら事業を行っていく、あるいはそれぞれの事業の優先順位というのをお互い調整しながらやっていくという意味で、非常に密接に連携しながらやっていると。これはかなりこれまでの蓄積もあると思いますが、有効に、国と地方で連携しながら県内の整備を進めていくという面は、うまく機能しているというところはあると思います。 ただ、その一方で、実際私自身も経験がありますが、特定の地域開発のプロジェクトを県として進めたい際に、本省へ行く前にまず支分部局との調整というのがあります。ここが非常に、やはりより目が行き届くという面もあって、非常に詳細に事細かにいろいろな面で注文をいただくということが多い、その分その調整に時間は掛かる。そして、その上で本省に話を上げていくと本省の方はかなり地方を応援してくれる、そういうスタンスを取っている。そういう温度差を自治体の立場からすると感じることが多い、そう感じている自治体の方も多いのではないかというのが実情としてあろうかと思います。 そういう意味で、自治体からすると、本省と話を直接できればかなりスムーズに話が進むというような感想を持っている恐らく自治体の方は多いのではないかと思います。そういう意味で、いい面、悪い面、両方今存在している、それが実情ではないかというふうに思います。
○阿達雅志君 次に、礒崎参考人にお伺いをいたします。 立法分権という議論の場合に、これ、地方といっても都道府県と市町村がある。そういう中で、これ、ちょっと東京の場合なんかでも土地利用を考えると、二十三区内であってもそれぞれの区で高さ制限を持っている区があったりなかったり、こういうことが実際にあります。また、それ、東京都としてのまた考え方もあるという中で、この立法分権というのを考えるときに、地方の中での都道府県と市町村の関係をどういうふうに考えればいいのか、そこでの切り口について。 それともう一個は、最近、やはり地方議会でも定員がなかなか足りないというような、そういう地域もある中で、これ、立法分権をやって地方に任すといっても、そのそれぞれの地方の立法体自体が非常にマンパワー的な問題で本当にどこまで対応できるのかという問題もあると思うんですが、それについての御意見をお伺いいたします。
○参考人(礒崎初仁君) ありがとうございます。重要な御指摘をいただいたと思います。 まず一点目の都道府県と市町村の立法分権における考え方でございますけれども、どちらも確かに条例制定権を持っていますので、じゃ、両方で作るのかということにもなりかねません。私は、基本はやっぱり市町村ではないかと思います。市町村が包括的な立法権を行使し、都道府県はどうするかということですが、今、広域、連絡調整、補完という三つの役割に都道府県は限定されていますので、例えば広域的な領域については都道府県が条例権を行使する、委員おっしゃったように、土地利用とか、あるいは海岸の管理とか森林の管理とか、こうしたものは広域的な役割ですので都道府県が立法権を行使し、それ以外の住民生活に身近な問題は市町村が行使する、こういった役割分担が重要だろうと思っております。その点もちゃんと付け加えないといけないところでございました。 それから二点目の地方議会につきましては、確かに現状では立法分権を本当に担えるのか、こういう疑問はごもっともだというふうに思います。実は、議会といっても議員立法だけではございませんので、当然ながら市町村長の部局から提案される、特に実務的な条例は引き続きやっぱり執行機関から提案され、議会はそれを住民の目線でチェックする、こういう役割分担が考えられますので、そうだとすると、現在の議会でも十分審査ができるのではないかと思いますし、逆に言うと、なり手不足の問題を御指摘されましたが、こういった地域のルール、ローカルルール、コミュニティールール、こうしたものを作れるんだよということになれば、議員のやりがいもあって手を挙げる、立候補する議員も増えるのではないだろうか、今はちょっと中途半端な権限状況になっておりますので、立法分権はむしろなり手不足を是正する一つの方策になるんじゃないかなというふうに思います。 以上でございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 時間も大分来ましたので、これで最後の質問にしたいと思いますが、今の広域でいろんな対応をする必要があるという中で、私はやはり、最近の激甚化する災害、これに対応するための国と地方の行政の役割分担、これ非常に大きなテーマではないかというふうに思います。 そういう点で、ちょっと伊集院参考人に実際のところでお聞きをしたいんですけれども、やはり災害が来るときに一つの村だけでの対応が難しい問題、これは災害の対応もそうですし、復旧もそうだと思うんですけれども、こういう激甚化して、また広域で被害が出るような災害の場合の国と地方の行政の役割分担について、お考えがあればお聞かせください。
○参考人(伊集院幼君) 我々、十年前に奄美が豪雨災害に遭いまして、そのときに、国の出先でございます九州地方整備局がございます、そういうところと、災害が起きたことによってある関係機関との連携が必要だということを各自治体は学ばされまして、そういう連携を図りながら情報を共有していこうということで、今我々も体制づくりに努めております。 しかしながら、いつ災害が起きるか分からない状況の中では、各自治体がそれぞれの地域防災計画に沿った中でのやっぱり避難誘導をどうするのかという位置付けは、それぞれが認識をする中で我々は体制整備を進めていかなければならないというふうに思っています。 しかしながら、自衛隊派遣とかということはやっぱりすぐ対応ができるような形で、県と国としっかり我々も連携を取れるような、これからも取組をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 終わります。
○小沢雅仁君 立憲民主党の小沢雅仁でございます。 立憲・国民.新緑風会・社民を代表して、初めてこの行政監視委員会で質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 本日は、三名の参考人の皆様に大変貴重なお話をお伺いをしたところでございます。本日の委員会テーマである国と地方の行政の役割分担についてお聞きをしてまいりたいというふうに思っています。 今、日本が直面している課題は、少子高齢化、そして地方の人口減少と東京などの都市部への一極集中というふうに考えております。 国が本来果たすべき役割として大きく三点あるというふうに思っておりますが、一点が、国際社会における国家としての存立に関わる事務です。二つが、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動又は地方自治に関する基本的な準則に関する事務。三つが、全国的な規模で、又は全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施だというふうに認識をしているところでございます。 また、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとされております。特に、地方自治体は、保健所やごみ処理などの衛生費、小中学校や幼稚園などの学校教育費や、年金を除く児童福祉、介護などの老人福祉、生活保護等などの民生費などを住民に提供、サービスすることが地方自治体が行っていくに最も望ましいというふうに考えております。 そこで最初の質問でございますけれど、明治時代に七万一千三百余ありました基礎自治体が、明治、昭和、平成の大合併を経て千七百余まで合併が進んでまいりました。今日御指摘の様々な角度の観点から、この合併の経緯をそれぞれどのように受け止められておるのか、また、これから人口が、とりわけ地方の人口がどんどん減少していく中で、適正な基礎自治体の数というのはどのようにお考えなのか、参考人それぞれからまずお伺いをしたいと思います。
○参考人(伊集院幼君) 我々離島に住む中では、基本的に周りから問われることは、まさに一つの自治体、一つの広域的な自治体でやっていくことが効率的になっていくというのは理想論であると思っています。しかしながら、それぞれ各自治体には歴史がありまして、そういう歴史をやっぱり考えますと、何もせずして安易に合併を選択することによって、その地域住民にどういう効果を及ぼすのかということがあるだろうと思うんですよね。 我々奄美大島は、先ほど申し上げました、奄美大島本島には以前七市町村ございましたけれども、今五つの市町村になりました。一市一町一村が合併をして奄美市というところになりました。そこは飛び地合併もしましたけれども、やはり合併をしたところの住民の意見は、やはり単独でやるべきだったという意見が聞かれております。 私たちの村も住民投票をして、村長選挙以上に盛り上がって、住民投票、唯一したところでもございます。そういう中では、住民の皆さんは本当に合併をしなくてよかったという、本当にこれが今の正直な私は思いではないかと。私個人も、合併を選ばずにやっぱり単独でやる方ということを、私もそこで先頭に立って動いた一人として今こういう役職をやっていることも、私も責任あってよかったのかなという思いでございます。 それぞれ自治体の抱えている課題はありますけれども、やはり合併したところ、それはそれぞれの陸続きの利便性の問題とかいろいろあると思いますけれども、我々離島の中では、やっぱり単独でいけるところは単独でよかったのではないかというのが今正直な意見でございます。 また、我々、何もかんも独自でやっているわけではございません。消防組合、衛生組合、介護保険組合とかいうのは、広域的にやれる情報を共有しながら取組をしているところもございますので、それは、部分的に必要なものについては広域的にしっかりとした連携を図っていくところは大事じゃないかというふうに思っているところでございます。
○参考人(木村俊介君) 御質問ありがとうございます。 私自身も、松山市というところの市の副市長をしておりました頃に平成の合併を経験いたしました。そのときの実体験での私の捉え方を言いますと、やはり、先ほど御説明したような民生費、社会保障費を市町村として供給していくことの難しさもあり、その点を踏まえた各首長の方々のかなり苦渋の選択というものも合併の実態としてはあったんであろうというふうに受け止めています。 ただ、その一方で、客観的な状況でいきますと、先ほど先生からの御指摘のとおり、明治のとき以来、四十分の一に日本の市町村数は集約をされて、その結果、今、平均でいうと七万三千人というのが日本の市町村の平均規模になっております。これは、ヨーロッパの国でいきますと、フランス等でいきますと千八百人ぐらいが一つの市町村なわけで、非常に日本は、そういう意味で結果的に非常に大きな規模の市町村、基礎的自治体を持ったということになったわけでありますが、私自身が今考えますのは、その合併の結果、ある意味、広い基礎的自治体を持ったということで、そのことはやはり日本の自治体が非常に幅広い、ソフト事業からハード事業まで非常に幅広い事務をカバーしているということに、そこをうまく結び付けて、これからも市町村が非常に幅広い事務を行う上で、今のこの七万三千人という規模をうまく生かしながら住民サービスを向上させていくということが非常にこれからは重要なことになるのではないか、そのように考えております。
○参考人(礒崎初仁君) 合併の評価でございますけれども、私は、これ、市町村がどこまで仕事をするのかという、これに関わってくると思うんですね。 日本は市町村にいろんな仕事を今してもらっております。こういうのは総合行政主体論などと言いますけれども、つまり、住民にとっては役場に行けば大体のことは分かるというのが望ましいと考えられて、市町村が多種多様な事務を担当するというふうになっております。これを維持するのであれば、平成の合併もやっぱり必要だった面があろうと思いますし、これからも人口減少の中で合併が避けられないという場面はあるのではないかというふうに思います。 多くの仕事をこなすための体制はこれからつくっていかなければいけないということですが、一方、市町村の仕事をもう少し限定してはどうだろうかと、こういう発想ももう一つ持ってはどうだろうかと思います。特に町村の場合は、今日も例に出しました介護保険とか国保とか様々な業務を広く担っておりますが、これがなかなか執行が難しいという状況ではないかと思います。したがって、町村については特にですけれども、事務の範囲を限定して、その代わり、都道府県が補完するなり広域連合で実施するなりしないといけませんけれども、自治の本当に中核的な事務って何なんだろうか、これを議論して限定していくということによって、必ずしも合併は必要ない、こんな選択肢もあるのではないかと思います。 その二つの選択肢があるだろうということでございます。 以上です。
○小沢雅仁君 ありがとうございました。 先ほど木村先生からも、基礎的自治体に期待される役割、住民ニーズを充足する機能を果たすことが困難な市町村、とりわけ小規模市町村における行政サービスの提供体制の確保が課題だと御指摘をいただきました。また、礒崎先生からは、人口減少によって自治体職員が削減される中で、職員は過剰過密な法令の執行に追われ、地域課題への取組は遅れているという御指摘もいただきました。全く私もそのとおりだというふうに思っております。 総務省が二〇一八年の行った定員管理調査によりますと、一九九四年に約三百二十八万人だった地方公共団体の総職員数は二〇一八年には約二百七十四万人に減少していると。このうち一般職員は百十七万人余りから約九十二万人に減ったということで、私はやっぱり非常にこの地方公共団体職員を減らし過ぎたのではないのかという強い疑問を持っているところでございます。 その後、一四年を底にして一八年までに約一万人一般職員が増えているということも報告されておりますけれど、やはり地域住民のニーズが変わってきたことや、それと、先ほど御質問にもありましたけれど、防災や地方創生、子育て支援、生活保護関連業務など、こういったところが増員の理由になっておりますが、そしてその上で、やはり時代に対するニーズは特に福祉部門が顕著であるというふうに考えておりますし、全国で頻発する児童虐待問題、こういったことも非常に地方自治体で対応を迫られている課題だというふうに思っております。 特に、児童虐待件数はどんどん増えておりまして、またこれに対応できる全国の児童福祉司が増員ができていないと、そして格差が広がる中で生活保護への対応も必要であるということでありますが、私は、いろんな御指摘いただいておりますけれど、やっぱり地域のニーズと住民サービスの充実という視点を置き去りにしてはいけないというふうに思っていまして、そういった意味では、やはり政府は、現場の実態を積み上げた上で、どういう業務があるのかということをやっぱり積み上げた上で適正な地方自治体の職員数を配置するべきだというふうに考えておりますけれど、この点について、改めてお三方から簡潔にお考えをお聞かせしていただければ有り難いと思います。
○参考人(伊集院幼君) 先生のおっしゃるとおり、職員を、これまで行財政改革を進める中で、一番やらなければならないところは職員数の削減だったと思います。おっしゃるように、私たちも、今の人数でいいのかというのは我々も思っておりませんし、ある程度の人数は必要だなということで、定数条例を決める中で再度変更をしたりして定数を増やしたりしているところでもございます。 おっしゃるように、住民サービスに支障が来してはいけないわけでございますので、その点については、我々もしっかり今の時代に合った、やはり社会保障制度のいろんな形で変化する中で、やっぱり我々も行政としてはしっかりそのことの情報をキャッチしながら、住民に丁寧に説明責任を果たしていかなければならないというふうに思っています。 しかし、その中で、我々も今の定数で満足はしておりません。我々も国にただ意見を申し上げるだけじゃなく、我々自治体としても努力はします。しかしながら、今の体制じゃちょっと無理だよねという我々も反省をする中で、だったら適正な職員数はどれだけなんだということを検証も今しているところでもございまして、我々も、ただこれまでの合併をしないために職員を減らしたということもありますけれども、そうじゃなくて、本当に今のニーズに合った対応をどうしていったらいいのかというのに今直面しながら我々も適正な職員数を確保していかなければならないというふうに思っているところでもございます。 そういう中では、本当に我々も、ちょうど五年前に地方創生が始まりまして、地方創生というのは、言ってみると、地方創生がなくても本当はそれぞれの自治体がこれからの先の地域づくりに考えていかなければならないことなんですけど、国が地方創生を提案してくれたことによっていろんな独自の取組がいろいろできたというのは我々も有り難く思っています。 しかしながら、この地方創生の終点は何かと申しますと、自治体の知恵がないともう国の手だてを受けれないというのが我々小規模自治体の、言ってみると、懸念する課題でもあったわけです。言ってみると、情報が入ってくる自治体は大きく国の内閣府の地方創生の交付金を使っています。しかしながら、使っていないところは、もうああいうことを言われたら我々の自治体に合わないよねという自治体も実際声があるわけでございまして、言ってみると、この制度は使いたいけど、我々にもう事務作業が大変だということで投げている自治体も確かにあるわけでございます。 そういう中では、私たちにとっては、今の住民サービス最低限守っていく、しかしながら、国の交付金も使いたいけど、この制度をやるためには職員がそこまで手が回らないというのが今自治体の現状にもあります。しかしながら、我々もそこはしっかり、我々の地域に合ったニーズに対応できる事業は何があるかということを我々も模索しながら今少なからず地域づくりに対応しているところでもございまして、確かに、住民サービスに来さないように職員の確保はしていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
○参考人(木村俊介君) 日本の地方公務員のこの定員管理につきましては、私もよく外国の政府職員の人に現状をお話をする機会があるんですが、その際、やはり一様に皆さんにびっくりされる、驚かれるのが、日本の自治体はどうしてこんなに職員を減らしていけたんだろうかということは非常に素朴に驚かれる次第であります。 日本の自治体は、やはりかなり、内部管理についてはかなり自律性が強くて、非常に厳正に定員管理の、定員削減を進めてきたというのが実情としてあろうかと思います。また、その一方では、正規職員と非正規職員の組合せでいかにしのいでいこうかということを苦労しながら進めてきていた、そういうことを感じる次第であります。そういう意味で、やはりもうぎりぎり極限のところまでこの近年まで進めてきたというのが実情だと思います。 そして、今後のことでありますけれども、私の個人的な見解ですが、一つは、これまでの正規職員、非正規職員の組合せだけではなかなかまたうまく乗り切っていけないところもあろうかと思います。そういう意味で、新年度から災害時の応援の派遣の職員の制度というのを少しずつ総務省の方も制度化してきているということがありますので、自治体同士とか、あるいは県と市町村との間の応援派遣のような制度も活用しながら、災害対応だけではなくて教育とか福祉の問題などでもそういうような手法の活用というのも考えられるのではないかというのが一つと。 それからもう一点は、実情からいきますと、市町村から県や国に対して、こういう人材が不足しているんだということを報告する、あるいはアピールする、そういうルートというのが必ずしも十分には整備されていないような印象を私も持っています。そういう意味で、市町村あるいは県についても、国に対して、こういう人材を自治体の仕事としては我々は欲していると、そういうことも、よりこれまでより強くアピールをしていくようなこと、そういうことも必要ではないか、そういうふうに感じております。
○委員長(川田龍平君) 礒崎参考人、時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめお願いいたします。
○参考人(礒崎初仁君) はい、分かりました。 私も、必要な職員、ちゃんと確保しないといけないと思います。この間ちょっと減らし過ぎたということは言えると思います。 今日の意見では仕事の方をスリム化するということを御提案しましたけれども、それにしても、様々な少子高齢化の時代に役所に求められることというのは大きいと思いますので、やっぱり必要な職員をちゃんと確保するというのは自治を運営する上での基本ではないかというふうに思います。 以上です。
○委員長(川田龍平君) 時間過ぎていますので。
○小沢雅仁君 はい。 これで終わります。ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 今日はお忙しい中、また遠方から、お三方の参考人の皆様、大変にありがとうございます。 まず、私の方からも礒崎参考人にお聞きをしたいと思います。 問題意識はまさに共有してございまして、昨年、この本委員会におきましても、私も、この行政計画のインフレーションというか、もう非常に増えているということについて、どうこれを整理していく必要があるのかという質問もさせていただきました。 その際、ここにもありますように、閣法のみならず議員立法が半分ぐらい実はあるわけでして、そこにおいて、理念法が多いというせいもあるのかもしれませんが、非常に計画が多いという指摘もさせていただきました。 そこで、まずお聞きをしたいわけですが、特にこの行政計画の整理というときのその整理する判断基準、先ほど閣法の法令についてお話がございました。 私は、例えば地方に計画作成を求める場合に、その計画がなければいけないのかというその必要性、あるいはその作った数多くの計画の内容が整合的なのかという整合性、さらには現場でこれを展開できるのかという実現可能性、そして事務負担の問題、こうしたことを物差しにして整理をしていくべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、特に行政計画をここで廃止、統合、簡素化が必要というふうに書いていただいていますけれども、その際の判断基準というものがあればお聞きしたいということとともに、今日お示しいただきました十六ページには、その際、参議院でもいいというふうに書かれていますけれども、地方関係立法審査会というような組織のことにも触れられていました。まさに、こういう地方の負担を減らして住民サービスを上げていくためにもそうしたことが必要だと思いますけれども、当行政監視委員会、参議院の行政監視委員会に対する期待ということも、二つお聞きしたいと思います。
○参考人(礒崎初仁君) ありがとうございます。 西田委員御指摘のような実現可能性とか負担の問題とか、このような基準、なるほどなと思って拝聴をいたしました。 私自身は、確たる答えではございませんが、私のスライドの十ページ目にございますが、国の法令がどういう根拠に基づいて自治体に介入する、関与するのかということを五つの項目にまとめております。私の持論ですと、こうしたものの中から行政計画をやっぱりちゃんと作ってもらう必要があるのだという国全体での要請があれば、それはやむを得ないというふうに思います。それが一つ基準として考えられると思いますが。 もう一つは、実は自治体は計画たくさん持っております。ほとんどの自治体が、委員の皆さん御承知のとおり、総合計画というのを作っておりますし、今般は地方版総合戦略といったものを設けております。都市計画、地域福祉計画、介護保険計画、計画たくさん実はございますので、それらに新しいものを加えるのではなくて統合してはどうかというふうに思います。 自治体の判断で、今までの総合計画の中に同様の内容を書いていたら、それを今回の法律で定めている何とか計画に兼ねていいのだという、計画を束ねるということをお認めいただけると大分楽になるのではないかというふうに思います。 その方が住民にとっても、この問題はこの計画がある、この問題についてはこの計画があるというふうに縦割りで作るよりも、総合計画に基本的なことは書いてありますと、こんなふうにしていただければいいので、総合計画などの規定でその計画を作ったというふうに考えていただけると、みなしていただけるならば、大分負担は小さくなるのではないかというふうに思います。 それから、二点目の当行政監視委員会に対する期待ですけれども、大変大きな期待を持って、今日、参上いたしました。 やはり立法に関わる事柄でございます。それから、各省庁はそれぞれの仕事、やっぱり真面目に考えれば考えるほど法令は増えていくと思うんですね。これを地方でやってもらおうと思うとこういう規定も必要、こういう基準も必要じゃないかと、こんなふうに各省庁の主導だとどんどん増えてくるということが、過剰過密になるということがございますので、ここはやはり国会で特に具体的な法令に関する議論が必要でございますので、当委員会などにおける議論は非常に重要ではないかというふうに思います。 当委員会で自治体の意見、地方の現実の情報を収集されて、法令の改正に努めていただけると大変いいのではないかということでございます。 以上でございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。 この政策効率を考えた行政手法を定める立法技術ということについて、今言われたようなことを基に様々学ばなければならないのではないかというふうに私も思っております。 次に、木村参考人にお聞きしたいと思います。 木村参考人からは、一律の融合型という発想から脱却する必要があると、特に新規立法を制定するときにそうすべきだという御意見が陳述されたというふうに思います。 しかし、テーマにはもちろんよるんでしょうけれども、やはり現場に近い自治体に担っていただかなきゃならないことというのはたくさんあるわけでして、本当にそんな分離してできるのかという非常に率直な疑問がありまして、その際に、先ほどもちょっと触れられたわけですが、国の出先の役割ということをどう考えるかというふうに思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。
○参考人(木村俊介君) 御指摘のとおり、ここは大変難しい問題でありまして、私自身、やはり市町村は総合行政と言われるように住民行政を担っていますので、非常に多くの情報がまず手に入るわけです。特に、住民の転入から始まって、福祉、教育、そういった各般の情報が市町村の中に集約をされるので、そういう意味で、一番やはり情報を持っているのが市町村であるということは、これは間違いないところだと思います。 その一方で、ただ、そのことに基づいて今後も一貫して融合型の立法が積み重ねられると、そこがやはりやや、今でもややオーバーフローぎみになってきているという印象があるので、そういう意味で、私も、最適の、これは国の支分部局でやった方がぴったりするというのが見出せればいいのですが、まだ私自身もそれについての最適の国が担うべき事務というのは必ずしも見付け出せていないところではあります。 ただ、その一方で、例えば負担軽減という意味で、例えば市町村と支分部局との間で今よりも更に密に連携を取って、少し仕事として支分部局の方に受け持ってもらえるような形で仕事をシフトしていくとか、そういったような余地がないものだろうか、そういうことを感じている次第です。
○西田実仁君 もう一つ先生にお聞きしたいんですけれども、参考八では、遠隔型連携の例というお話をいただきました。私もこれは大変に今後重要になってくると。 ここには分野で触れられていませんが、例えば、森林環境譲与税が既に執行されている中で、山のある市と、それから山のない都会、都市と、これがこの森林環境譲与税を活用して、いわゆる、具体的には、私、地元、埼玉ですが、秩父と東京の豊島区が連携をして、豊島区で上がってくる森林環境譲与税を使って秩父にとしまの森という森をつくって、環境教育とともに、豊島区内の発生するCO2を少しでも削減しようと、こういう試みを都道府県をまたいで実践をしている例があります。 こういうこと、この先生が挙げていただいたこともそうなんですが、これをやりたいという都市、市町村というのは結構あるんですけれども、しかし、そのマッチングは結構難しいです。たまたまいろんな元々協定が結ばれていてみたいな例では秩父と豊島でやっていますけれども、その出会いの場というか、町同士の、市町村同士の出会いの場をどうつくっていくのかということは大変重要だと思っておりまして、それは県とかあるいは国の役割というのが大きいのではないかと思いますけれども、先生はどうお考えになりますでしょうか。
○参考人(木村俊介君) ありがとうございます。 今、具体の例で挙げていただいた豊島区と秩父は、上流、下流との関係、それだけではなくて、今、社会福祉施設についても住所地の特例というのを使って豊島区の方が秩父の社会福祉施設に入るという構想を相談して進めているというふうに、そのことも伺っております。そういう意味で、一つの取組がまたその複数の分野でどんどん広がっていく、そういうことが大いに見込まれるんではないかというふうに思います。 そしてまた、一方で、各自治体の人たちは、やはり今先生御指摘のとおり、どういうところと自分たちがマッチングできるんだろうかということの情報を非常に欲しがっておられるということは事実としてあろうかと思います。私自身もそういう相談を受けたりすることもあります。 そういう意味で、そのマッチングについて、やはり県と県との関係でお互いに情報交換をして、市町村にそれをつないでいくということが一番現実には考えられるんではないかと思います。そういう意味で、非常に自治体が情報を欲していると、今度、それを供給する仕組みをより充実させていく必要があるんであろうということを私自身も強く感じております。
○西田実仁君 伊集院村長さん、大変に今日はありがとうございます。 私の方からは、特に町村に対する調査・照会業務が非常に多い、これを是非見直してほしいという御指摘がございました。もし具体的に、年間このぐらいあるとか、町村会で何かおまとめになったり、あるいは御自身の村でですね、そういった実例をちょっと分かりやすく御説明いただければというふうに思います。
○参考人(伊集院幼君) ちょっと具体的な数字は出せませんけれども、これは各省庁の中でいろんな調査物が来まして、同じことを、言ってみると、窓口は我々も主管課、総務課、企画課とか、いろいろ窓口の中で受け入れる中で、もう同じような調査が国や県から来るということが今多々ございまして、同じ回答をするのに書類を作らなければならないという事務作業があると。そういうところを何とかうまくできないかというのが、今それぞれの町村の抱えている課題があるようでございまして、もう我々の村の中でも、あるのに、言われたとおりまた出さなければならないということは、もう当たり前のように私たちは作業をせねばいかぬのよということを今やっているんですよね。 しかしながら、全国の中で、蓋を開けてみましたら、こんなのやるのはおかしいだろうということで、それをどうにかしてどこかに、自治体の基本的な情報提供は、言ってみると市町村のホームページを見たらある程度の情報は分かるわけですよね。そういうところも何かうまく使いながら調査などもしていただければ有り難いのかなということで、こういう形で意見を述べさせていただいたところでもございます。 以上でございます。
○西田実仁君 終わります。
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。 本日は、三名の参考人の皆様の御意見、本当にありがとうございました。その中で、今日はお一人ずつに御質問をさせていただきたいと思います。 まずは、最初は礒崎参考人にお伺いをしたいと思います。 本日お話をいただいたこの立法分権という考え方につきましては、これは日本維新の会としても進めなければいけないと考えておりますし、また、今日お話を聞かせていただいた中でもその必要性ということは大変重要だと思いました。 基本的には賛成という立場の中で、あえて幾つかの論点を御提示したいと思うんですが、恐らく反論が出てくるとすれば、一つは、平等性とか公平性についてどう考えるのかという問題は必ずこれ出てくると思います。 今日例えば例に挙げていただきました介護保険法の場合は、これ、都道府県と市町村が介護保険計画を作ると、その内容によってそれが保険料ですとか介護報酬にも跳ね返ってくるということですから、ある意味、お金の面である程度公平性は担保できるというような、そういう論点もあります。 一方で、今度、生活保護法になってきますと、これ、市町村で弾力性が出てくると健康で文化的な最低限度の生活は、じゃ、どうなんだと、それをそもそも保障するのが法律だろうという、この公平性や平等性についてはいろんな論点が恐らく噴出してくると思うんですが、こういう点に関しては礒崎先生としてはどうお考えでおまとめになっておられるのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(礒崎初仁君) 大変重要な御指摘だと思います。分権、とりわけ立法権の分権といったことを議論するときには避けて通れない論点、委員おっしゃるとおりだと思います。 今日も関連資料の中で実は私の論考を紹介していただいているんですが、今日の参考資料の三十四ページでございます。私自身も、立法分権を進めるというときに通らなければいけない課題だろうなということで、平等性、効率性、専門性、この三つを何とかしないといけない、そのまさに一番目の問題を御指摘いただいたわけでございます。 ただ、平等といっても、じゃ、同じサービスが平等なのか。例えば、この原稿の中にも書きましたが、地方と東京では大きく住宅状況違います。違う中で、例えば公営住宅は何平米が望ましいとか単身世帯は入っちゃいけないとか、こういったことをなかなか言いづらいというのがあると思います。つまり、地域の事情がそもそも違うところで何が平等なのかというのは議論が必要だろうというふうに思います。 それと、憲法自体、確かに平等権を保障していたり、委員御指摘の生存権、これはもう国の責任だと書いてあります。それから、教育を受ける権利、こうしたものも大変平等が尊重されなければいけませんので、こうしたものにまで私は例えば上書き権を認めろとは思っておりません。そういう意味では、憲法上認められているような国民の権利あるいは国の責任、こうしたものはやっぱりちょっと例外になってくるだろうということでございます。 以上でございます。
○梅村聡君 恐らく、上書き権というところの記述を見させていただくと、そこに非常に配慮された上での御提言をされているのかなというふうに私は受け止めました。 その中で、もう一点、礒崎参考人にお伺いをしたいんですが、今回は、その上書き権については現行の憲法も含めてその範囲内でできるだろうという、そういう御指摘をいただいていますけれども、逆に、やはり、じゃ、この上書きした部分は本当に法律や憲法の本質にまで跳ねないのかという、内容についてはいろんな議論がやっぱり出てきて、日本維新の会としても、これは憲法改正の原案の中、党としての原案の中にですね、やはりこの憲法九十四条を含めた、あくまでもこれは法律内での条例制定としか書いておりませんし、今、現状の憲法はですね、やはりそれは憲法議論に必ず跳ね返ってくるんではないかと、そういうふうにも考えております。 今日、礒崎参考人のこの事前に配付いただいた資料の中に、一律には当てはめれないんだけど、英国とスコットランドの間の分権、移譲のお話がありました。恐らく憲法の形というのは国によって違いますから比較はできないんでしょうけれども、イギリスの場合はこういうことが憲法上きちっとクリアされた上でそういう立法分権のようなものが行われているのかどうか、これも御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(礒崎初仁君) 大変これも重要な御指摘だと思います。 上書き権につきましては、私の資料で十五ページにちょっと具体的な規定案というのも掲げさせていただきましたけれども、ここでは一応現行憲法でもできるだろうと考えて、地方自治法に一定の事項については上書きできますよと、こういう規定を設けて、そして、例えば介護保険法、都市計画法、こうしたものに、できないもの、これは上書きしちゃ困りますよというものは個別に列挙する、これネガティブリストというふうに言えるんじゃないかと思うんですが、自治法と個別法の両方でタイアップして制度化するということが考えられると思います。 ただ、委員御指摘のように、私も、憲法でもうしっかり制定されるならば、それははっきりとした根拠になりますので、憲法改正の中に、今、憲法では条例は法律の範囲内で制定することができるとのみ書いてありますので、その例えば第二項で、前項の規定にかかわらず一定の事項について上書きができると、こういうことを憲法でもし付け加えるとすれば、大変画期的だというふうには思います。二段階の戦略が必要かなというふうに思います。 それから、二つ目の、後半の御質問でございますが、英国においてはそもそも不文憲法、元々憲法がございませんので、コモンローという形で、地方自治、自治権が観念されているということでございます。 ただ、実はスコットランドとかウェールズにつきましてはやはりそれぞれの自立性が大変強いので、イングランドにある中央政府としても相当配慮せざるを得ない。御存じのとおり、スコットランドの独立の住民投票なども行われたぐらいでございますので、そこでは、例えば税についてスコットランド政府が一定決めていいとか、あるいは、私もちょっと関係しましたが、大学の学費が、スコットランドは、同じ国立大学ですけれども、安くすることができる。こんな様々な取組をしておりますので、参考になるのではないかと。 制度は違いますが、委員と同じでございます、制度は違いますけれども、こうした考え方は立法分権の一つのモデルになるのではないかというふうに思います。 以上でございます。
○梅村聡君 済みません、今、もう一点だけ礒崎参考人に確認でお願いしたいんですが、そうしますと、この上書き権を設定するときには地方議会がこれは実際やることになると思うんですが、地方議会を立法機関であるということをきちっと制定しないとこれはできないですか、それとも現行の形で運用の中でやれる話なのか。この立法機関としてちゃんと指定する必要があるのかどうか、これも御所見をお伺いしたいと思うんですが。
○参考人(礒崎初仁君) 今の点は現在の議会制度でも可能ではないかと思います。 確かに、地方自治法では議会について立法機関という書き方はしておりません。国会のように立法機関という書き方はしていなくて、議事機関というふうにのみ書いてありますが、この議事機関というのは実は立法権を持っているということを含む意味であるというのが多くの解釈ではないかなというふうに思います。つまり、その場合の自主立法権というのは条例制定権のことですので、たどっていけば、憲法に、九十四条に根拠があるというふうに考えられるのではないかなというふうに思います。 したがって、法律で上書きができるとなれば、その上書きできる条例というのは議会が行使できると、こんなふうに考えることはできるんじゃないかなというふうに思います。 以上でございます。
○梅村聡君 ありがとうございます。非常に貴重な御所見をいただいて、感謝を申し上げます。 それでは、続きまして木村参考人にお伺いをさせていただきます。 今日のお話の中で少し出ましたけれども、いわゆる基礎的自治体、これの規模のお話です。 先生の書いた文献を拝見しますと、日本の特徴としては、区域は狭いけれども人口は比較的多いと。これはもう日本の国土の特徴だと思うんですが、その中で、実は我々維新の会は、今度大阪でいわゆる都構想という、都市部の中で広域行政と基礎自治体をしっかり分けようということを今実は目指しておりまして、この中で、なかなかこれは難しい御質問になるかと思うんですが、いわゆる都市部の政令市のような場所でもし基礎自治体を設定するということであれば、どういう指標をその適正な規模として判断するのに使えるのかということをちょっとお聞きしたいと思うんです。 先生の中では、例えばこの学校教育であるとか福祉分野であるとか、こういうところから算出されて、最低限度のその規模ということはこれはお示しになっているんですが、一番都市部の中でやっぱり効率的なサービス提供というのが、どういう物差しが判断するのに有効か、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(木村俊介君) なかなか大変難しい問題だと思いますが、やはり現実に考えるとしたら、今現在あるいろいろな区域の設定単位の、それを基礎的な単位で、それを幾つ複合化するかということを考えるのが現実的ではないかというふうに思います。 そういう意味では、やはり小学校区というのが現実のいろいろな意味の市町村の行政の中では非常に単位としては有効な単位だと思いますので、小学校区単位でそれを幾つ複合させればまとまりがある単位なのか、そういうことが一つの尺度になろうかと思います。 それから、中学校の単位でいきますと、やはり人口八千人というのが中学校区の一つの適正な単位だという、そういう尺度がありますが、そういうような尺度と併せながら考えていくというのが現実的な形かなというふうに思います。
○梅村聡君 これは非常に論点が多くありますので、一つの参考にさせていただければと思います。 最後に、伊集院参考人にお伺いをしたいと思いますが、やはり、国からいろんな行政計画とか専門分野の設置を言われて、なかなかマンパワー的にも業務的にも大変だというお話を今日お聞かせいただきました。 その中で、マンパワーの問題に加えて、やっぱりその専門分野ですよね、要するに中央省庁には技官制度がありますから、いわゆるいろんなテクニック的な話はやっぱり専門家がおられると。村長のところはこれ六十九名の少数精鋭ということだったですが、逆に言うと、そういう専門的な人材が必要になってくると、マンパワーだけではなくて、その配置そのものが物すごく御苦労されるかと思うんですが、そういう専門分野的な人材の難しさということがもし感じられていましたら教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(伊集院幼君) もう先生のおっしゃるとおり、人材育成をするために我々もいろんな形で、職員採用であれば民間経験者を採用したりとかいうことで、専門職をいかに確保するかというのが我々も今まで苦労をしてきました。そういう中では、先ほど来お話ししますように、県とのつながりを持っていく中で、人事交流をしながら、私たちも職員を勉強させに送り込んで、県の方からは中堅的な人を呼び込んで私たちの職員の意識を高めてもらうとかいう取組を今現在しているところでもございます。 また、そういう中では、今もう本当に福祉関係が、いろんな形で専門職を確保しなければならない状態の中では、保健師が少ない、ケアマネジャーさんが少ない、いろいろ課題がありますけれども、我々も今苦肉の策で、資格者がいる人たちを声掛けをしながら、我々も今人材を確保しているところでもございます。 これは、県内の町村でも専門職が少ないというのは、もう職員採用試験しても応募者が少ないというのが今現状にあるようでございまして、できれば我々も情報をお互いで共有しながら、民間からの呼び込みをしっかりしていきながら、やっぱり身分保障をしていくことによってその人が安心して働いていけるんじゃないかという取組も我々もさせていただいているところではございます。
○梅村聡君 今日いただいたお声もしっかり反映させて我々頑張っていきたいと思います。 終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 本日は、伊集院参考人、木村参考人、そして礒崎参考人、三人の皆様、長い時間にわたりまして貴重な御意見伺わせていただいて、本当にありがとうございます。 とりわけ、伊集院参考人からは、合併しなかった自治体として、村民が安心して暮らせる村づくりというものを目指しつつも、国の政策、とりわけ計画策定などを押し付けられる下で、実質的には言いなりとならざるを得ないようなところでの苦悩若しくは困難についてのお話、リアルにお聞かせいただいたことは本当に大変参考になっている次第です。 その押し付け、言いなりというところに関わってになると思うんですけれども、昨年、厚労省は四百二十四もの公立・公的病院を名指しして再編、統廃合するよう各自治体に迫っているわけです。 これについては、病院、例えば名指しされた東京都の済生会中央病院の院長なども、地域の医療、福祉を支えることが当院の使命で、地域から信頼され頼りにされる中核病院であるとの自負を持って日夜業務に励んでいる、ある日突然、厚労省から再編、統廃合の対象として指定されたことへの不条理に憤りを感じますとおっしゃっているわけです。さらに、共同通信が自治体に行った調査によれば、全自治体の六三%が不満だと、やや不満だと回答して、唐突な公表の仕方は市民の誤解や不安、地域医療の混乱を招きかねないなどの批判の声が上がっていると報じられているわけです。 私、これはやはり国が掲げる医療費のコストカット政策を地方に押し付けて具体化させる事例の一つだと思いますし、その下で地域住民の命や健康が脅かされる懸念もあると思うわけです。 ただ、今、貧困と格差が深刻な現状だからこそ、地方自治体が国の言いなりにならずに住民の福祉増進、命と健康を守る防波堤の役割を果たすべきだし、そうできるような役割分担、体制が必要だと考えるわけですけれども、三人の参考人の皆様それぞれに、この医療問題での国と地方の役割、在り方について現状を踏まえてどうお考えか、御意見を伺いたいと思うわけです。 とりわけ、伊集院参考人からは、この大和村含めた奄美群島、離島での医療体制の現状、様々問題があると思うんですけれども、にも触れていただきながらお考えを伺えればと思います。 よろしくお願いいたします。
○参考人(伊集院幼君) 病院の現状につきましては、確かにおっしゃるとおり、これから人口減少が進む中で病院の再編を図っていくということは、我々としては、離島に住む者としては、もう少し地域の条件を鑑みた中で我々は考えていくべきじゃないかというのは県の方に申し上げているところでもございます。 この中でも、やっぱり民間の病院も住民から信頼される地域医療を担っている医療でございますので、そこら辺はやっぱり視野を広める中で離島医療を考えていかなければならないんじゃないかということを我々も機会あるごとに申し上げておりますけれども、公的病院についてはやっぱり今後再編が進んでいくのかなというふうにも我々も危惧しているところでおります。 特に今、離島で、有り難いことに、四年前にドクターヘリが奄美群島を何とか、取り巻き、範囲が広まって本当に安堵しているところでもございます。これまでは、沖縄のドクターヘリ並びに自衛隊の皆さんにお願いをして急患搬送をさせていただいておりました。そういう観点からしますと、やっぱりいろんな関係機関と連携を取りながら、やっぱり住民の安全、安心を確保していかなければならないという思いは、私だけじゃなく、皆さんそう思っているところでもございます。 とりわけ奄美の現状においては、今のような形で病院再編が進むことのないように、我々もしっかり今の現状維持を確保していかなければならないというふうに思っています。 そういう中で、私ども、村におきましても直営で診療所と特別老人ホームを抱えている中で、先ほど来、人材育成も大変ですけれども、やっぱり医療がこの離島の中にあるということが人が住みやすい環境の一つに、条件になっていっていることは、我々も必要性があるのかなというふうに思っておりまして、やはり離島に行くとコンビニもないという中では不便さもありますけれども、安心して住んでもらうためには、やっぱり肝腎要の医療が先駆けてないと住民の人たちも不安を持っているのかなというふうに思っていると思いますので、我々もしっかりこの医療については、この大島本島その島一つでなくて、やっぱりそれぞれの自治体が身近に医療機関をしっかり確保していくことが大事じゃないかというふうに思っているところでございます。
○参考人(木村俊介君) この中で、このテーマとして私が特に強く思うのは、平成の市町村合併が二〇一一年に一区切り付いた後で、その後、市町村同士で定住自立圏やあるいは連携中枢都市圏という取組が今盛んになっています。 そのやり方というのが、お互いに自治体と自治体が必要な事務について協力しようということで、協約の形でお互いに約束事を提携して協力をしていくと。そのテーマがもう非常に一貫してはっきりしていまして、一番が福祉について協力をすると、二番目が地域交通について協力すると、これが一貫してこれらの定住自立圏等の構想の取組になっています。それだけ市町村にとって一番、総合病院とどうつなげるか、そのためには地域の足が必要なので、どのように公共交通を走らせるか、そのことが非常に市町村にとっての切実な問題になっているというふうに思います。 そういう意味で、公立病院の在り方自体の問題にも非常に関わるわけですけれども、総合病院とそれから診療所をいかにうまく組み合わせて、その間を地域の足としてコミュニティーバス等をいかに効率的に走らせることができるか、そういうことを当面、自治体は知恵を絞りながら取り組んでいるのが現状であるわけですけれども、そういう自治体の取組を国としてこれは支援をしていく必要がある、その支援の必要性が非常に強い分野だというふうに私も考えています。
○参考人(礒崎初仁君) 御指摘のとおり、地域医療というのは大変重要だと思います。超高齢社会を迎えるとともに、それから少子化を考えても、以前産科の公立病院がなかなか、診療をストップしたとか、こんなニュースもございました。やはり健康と生命を守るという意味で地域医療は非常に重要だと思います。 それから、地域それぞれ、病院のことは大変関心を持っておりますし、必死にそれを支えようとしておりますので、それを国の見地から一律ああいうふうな情報を出されるというのは、若干唐突あるいは強引だというような気がいたします。地方それぞれ、地域の実情に応じて考えているところ、ここを踏まえた判断が必要ではないかなというふうに思います。 ただ一方、これから公立病院あるいは公的病院をどう維持していくか、これは地域の大きな問題でもあろうかと思いますので、都道府県など広域自治体としてしっかりやっぱり取り組んでいかなきゃいけない課題だというふうには思います。 以上でございます。
○吉良よし子君 ありがとうございます。 やはり、地域医療は大事だと、住みやすい自治体、各地域で住みやすい条件の一つだという中で、強引な政策の押し付けみたいな形というのは望ましくないんじゃないのかなというのを改めて思いを強くした次第です。 次に、防災対策についての、先ほどもちらりとありましたけれども、国と地方の役割分担についても伺いたいと思うわけです。 おととしの西日本豪雨や昨年の台風災害、阪神・淡路大震災、東日本大震災、様々な自然災害、この間、日本は経験しているわけですけれども、そういう中で、国と地方自治体の役割分担というのはかなり課題が様々出てきていると思うわけです。 私自身も台風十九号の際には都内各地を回る中で様々な課題を感じたわけですけど、とりわけ被災者支援という点でいくと、非常に自治体が様々努力をされていると、被災者抱える自治体が独自に支援制度などを設けて支援している実態があると。一方で、ただ、その被災自治体そのものも被災をしているわけであって、人的にも財政的にも大変な状況にあると。そこにその自治体独自の負担ということを強いるというのは、非常に酷な状況になってしまうんじゃないのかなと思うわけです。 具体で言えば、例えば昨年の台風災害に関わっては、半壊とされた世帯への支援の必要性というのが国会では大きく議論になって、全国知事会の調査でも、多数の半壊した世帯が発生しているにもかかわらず支給対象外となっている、被災者の迅速な生活再建に結び付いていない可能性が指摘されていると。その上で、支援金の支給の対象を半壊世帯にも拡大するということを緊急要望として全国知事会が出しているわけですけれども。 自然災害から住民の暮らしと財産を守るのは自治体と国は共同の責任を負っているわけですけれども、とりわけ自治体は、現場にいるというところでいえば、災害が起きてすぐ機動的かつきめ細やかに支援を行うことが求められるし、一方で、国にはそうした被災自治体が財政面を気にせずに機動的に動けるように支える措置を行うことも求められるんじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、こうしたあるべき救援、支援、生活再建を進めるための国と地方の役割分担というのはどうあるのが望ましいとお考えか、三人の皆さん、それぞれお考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(伊集院幼君) 我々自治体としては、国からの支援があることにこしたことはないと思っています。 これは、どういう災害が起きるか分からない状況の中で、我々もある程度想定しながら、やはりそれを地域防災計画にうたい、そして、いざ災害が起きたときの支援をどうしていくかということは、我々もその想定をする中でやっぱり計画を立てるべきだろうというふうに思っています。 その中では、最低限私たちがするべきことは、もう災害が起きるという想定で避難をさせることが大事だということが我々も今思っていまして、特にこの奄美を含めた沖縄から南西諸島は台風常襲地帯ということで、台風が起きるたびに避難は今まではしていなかったんですけれども、最近の台風というか大雨も、もう今までにない雨の量とか風の吹き方とかというのがあるように思われて、もういち早く、山裾に住んでいる人たち、それから川沿いに住んでいる人たちのまずは避難をさせていくべきじゃないかということで、我々は、その共通認識をお互いで、自主防災組織の皆さんとやっぱり情報を共有しながら、しっかりその体制を取っていこうということで、我々自治体でも取り組んでいます。 それは、まずは国の支援をもらう前に自治体として何ができるかということをまずやっていかないと、私たちも次の対策も講じれないんじゃないかというのが今我々が進めているところでもございます。 また、そういう中では、私たち全国町村会の中で保険制度ができまして、この避難所の開設並びに消防団の待機につきましては、今まで財政措置もなく、自主財源で単独で今までやっておりました。三、四年前に保険制度ができまして、私なんかはいち早く手を挙げてその保険に加入しまして、有り難いことに、本当に職員の待機の時間外から含めて、消防団の招集から含めて、いろんな形でこの保険制度で手当てができていることは、我々小さい自治体にとっては大きな力になっております。 そういうことからしますと、我々が今まで進めておりました初期に避難の呼びかけをするということが今はもう気にせずにできるようになったということが、財政もしかり、村民が安心してそこで災害の待機を待つということができるということは、我々も大変有り難く思っています。 その中で、やっぱり災害は起きてほしくないんですけど、その中で大きな昨年の台風十九号とかいう被害の中でのやっぱり財政措置は、何らかのある程度の方針を決めていただいて、それに充てて支援をしていただくということが大事ではないかというふうに思っているところでございます。 以上でございます。
○参考人(木村俊介君) 先ほどの私の説明資料の五ページの参考の八のところで、遠隔型連携の自治体の取組というのを表で若干紹介しておりますが、その中にも筆頭で災害時の応援というのを挙げております。 特に、阪神大震災以降は、県と県との災害時の応援協定というのが盛んに結ばれました。その後、東日本大震災以降は、県レベルだけではなくて市町村のレベルでの災害時の応援の協定、こういうものが非常に盛んに結ばれるようになってきている、これが一つの新しい動きであろうかと思います。そして、こういうような遠隔連携というのは、私も今後更に広がっていくことを大変に期待をしているところです。 それから、やはり災害のときには、救助と復旧復興、それぞれの段階があるわけですが、災害救助の段階ですと消防庁を始めとして国の各機関が活動をすると。これは、ある意味でのその法制度やルールの蓄積というのもあるわけですが、今問題になっているのは、特に復旧の段階で非常に委員の御指摘の災害判定等を始めとして復旧に時間を要すると、こういったようなことが今の課題の一つになっているかと思います。 そういう意味で、災害判定等についても、これもやはりある程度の専門家というのが必要ですので、一つ我が国で発達してきているのが災害時に応援をするという手法は発達をしてきているので、救助の応援だけではなくて、こういう災害判定等についての、復旧についての応援というものも更にこれから発達をしていくことが期待をされるのではないかというふうに思います。 それからもう一つは、国の役割でありますけれども、今、新年度から、伺っていますのが、特に自然公物等についてのしゅんせつ事業について国が財政措置を講じて行っていくと。これまで国の場合は新規の事業しかなかなか国庫補助金というのは付かないというのが定番であったわけですが、そういう意味で、なかなか、一度河川の整備をしても、そのしゅんせつについての財源というのが余り見出せなかったということですが、今回からそういうしゅんせつについても力を入れてやっていくということで、国に期待することができるのは、そういうインフラ等についての安全性をより高めていくということが期待されるのではないかというふうに考えています。
○参考人(礒崎初仁君) 防災政策における国、地方、あるいは国と都道府県、市町村、都道府県と市町村はまたちょっとこれ違ってまいると思いますけれども、これらの役割分担というのは非常に注意して議論する必要があろうかと思います。 私は、地方分権進めたいと、進めるべきだと言っておりますが、防災政策について地方任せでは困るというのもちょっと特殊性として指摘できるかと思います。 防災といっても、私は三段階に分けて考えるのがいいかなと思います。時間的な経過に沿って、まず予防の段階、それから応急対策の段階、災害が起こった直後の対応ですね、それから復旧復興ということで、三段階考えてみますと、予防とか応急措置は、やはりこれ、地域で何とかしないといけないというのが基本であろうと思います。それぞれ事情も違いますし、リスクの在り方も違うということで、地域でやっぱり考える、それを県や国が応援する、こんな形だと思いますが、復旧復興はそうはいかないだろうと思います。むしろ国が、被災地です、被災地はもう、ちょっと疲弊しておりますので、特に近年のような大災害になりますと、地域で対応するというのには限界がある。ここはやっぱり国の役割が非常に大きいのではないかということで、段階に応じて考える必要があるだろうということでございます。 以上でございます。
○吉良よし子君 ありがとうございます。 終わります。
○高良鉄美君 会派沖縄の風の高良鉄美でございます。 今日は三人の参考人の方々の御意見をお聞きしまして、もう非常に貴重で、ありがとうございます。 少し個別に質問させていただきたいと思います。 まず最初に、伊集院参考人の方にですね。 もう離島の苦しみというのは本当に沖縄の方もよく共通して持っていまして、先ほどの御意見の中にも沖縄が何度か出てきましたけれども、交通関係と情報のインフラがすごく足りないというようなことがありましたけれども、その結果として、今沖縄の中でもそうだと思うんですけれども、いろんな、テレビショッピングの中で見ても、北海道と沖縄を除くというその送料の無料が、これ送料が掛かるというのがあって、そういったもの以外に、物価として建築資材、その辺の方も物すごく高いんですね。 だから、そういった面で、何か離島ならではのその影響などをもう少し聞かせていただけたらと思います。
○参考人(伊集院幼君) 離島ならではのというか、確かに今、奄美は交付金制度が振法でできまして、本土との格差をなくそうということで、輸送コスト支援ということで農林水産物の輸送コストが、そこで鹿児島本土まで輸送するものについての手だてができるようになりました。それはできて、今現在、令和元年度から工業製品についても輸送コストにのせていただきました。 これは何かと申しますと、我々、村にも電気の部品を作る工場が、離島であるということはコストが掛かるのに、我々田舎の先輩が地域に貢献したいということで、工場をわざわざ二十年前に山裾に造っていただいたんですよね。そこのコストが掛かるのを、なぜこの離島に造るのかということはあって、去年から輸送コストに工業製品ものせていただきました。しかしながら、先生のおっしゃるように、ほかの建築資材については全く手だてがなくて、本当に今建築単価がもう私たち奄美でも大分高くなっております。 この奄美と鹿児島本土との間にある離島においても大きく資材単価の高騰がございまして、これは、もう何と申しますか、もうちょっと経済が良くならないとそこまで安くならないのかなと、我々もそういう思いで見ておりますけれども、現状としては、我々としては一次産業の分について国からの手だてがしていただけるということは大変有り難く思っているところでございます。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 今も離島ならではというお話をしましたけれども、今度は町村会の会長として、この御意見ですか、この三ページ、町村自治の確立ということで、伊集院参考人のこの中に、この最後の要請の、これは四ページになりますけれども、一番最後に、道州制は導入しないことという要請が入っていますけれども、道州制を導入しないことについて、どういう経緯でそういうふうな形になったのか、ちょっとお話しいただけたらと思うんですけれども、あるいは、もう御意見で結構ですけれども。
○参考人(伊集院幼君) これは全国町村会の中での要望の中でございますけれども、これは確かに、広域圏でいろんな形で行政運営を強いられていくんじゃないかという我々としては危機感を持っている中で、しかし、そういう中でも自治体がそれぞれ自立できるようにこうして頑張っているんですよと。そのためにも、国が、何というか、広域圏をこうして仕掛けていることはこの道州制に後々つなげるようなことになっていくんじゃないかなという我々は危機感を持っておりまして、全国の小さい町や村でもしっかり住民が安心して暮らせるような、いろんな財政を駆使しながらやっていますよと。 そういう中で、国がしっかりその自治体を見ていただいて、やっぱり何でもかんでも一緒にするという方向性をもうそこは毛頭考えないでほしいという意味合いで、道州制をしないことということが以前から我々も出させていただいたことでございます。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 道州制の見方、いろいろあるかと思うんですけれども、もう今非常に、やっぱりその危機感からということで、地方の在り方というところだと思います。 それでは、済みません、木村参考人の方にお伺いしたいと思います。 今の道州制の関連で、やはり先生の方から見て、道州制というのは、どのような地方との関わりというんですかね、今言われたような、地方の自治権がちょっとなくなっていくのか、あるいはそれとももっと強くなるのか、そこら辺の御見解をお聞きしたいんですけれども。
○参考人(木村俊介君) これはやはりいろいろな考え方があろうかと思うんですが、もし十一なり十三なりに日本全体をくくるとした場合に、平均でいうと一千万人ぐらいの規模の一つの道なり州なりをつくるということになりますと、一方で、県、市町村との役割分担にも関わりますけれども、やはり今県の方も福祉、例えば国民健康保険の財政は今県がやっておりますし、それから、先ほど申しましたような地域交通についてもやはり県も今もある程度はやっているわけで、そういう非常にきめ細かい部分も県も、まだ十分ではないにしても、今現実に行政サービスとして担っているぞと。そういうことがある中で、人口一千万の単位になった際に、そういう大きなハードだけではなくて、きめ細かい住民サービスもその新しい道や州でそれだけ大きな単位になって十分に尽くすことができるんだろうかという、そういう実際の行政の制度設計を同時に行わないと、なかなか道、州が今よりも、今の都道府県制度よりもベターなものになるかどうかというのは、なかなか即断はいたしかねる問題かなというふうに考えております。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 その関係で、木村先生が地方政府という言い方を幾つかのところでやっておられますけど、その地方政府というのはどういったイメージなんでしょうか。
○参考人(木村俊介君) ここで私が使いましたのは、都道府県と市町村両方を合わせて言わば中央政府と対峙する形での政府という意味でこういう表現を使わせていただきました。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 あと一点、広域連携という言葉ですね。遠隔連携は大体分かるんですけれども、広域連携になると、これが進んでいくと広域連合の中のプロセスの一つかどうかというので、そこら辺はどういうふうにお考えでしょうか。
○参考人(木村俊介君) 今、私の方で広域連携という言葉で呼んでおりますのが、地方自治法でいきますと、共同処理と言われる今現在六つの種類の、一部事務組合ですとか広域連合、事務の委託、連携協約、そういうものを含んで言っております。そういう法律的な法制度に基づく広域連携も、これもそれを使う構成団体の数は徐々に増えております。 そして、さらに、こちらで今日御紹介したような遠隔連携のような事実上の協力関係というのも、これまでにない新しいタイプとして進んでいるということで、やはり人口減少が進んでいるということがその背景に大きな影響を及ぼしていると思いますけれども、これからも自治体同士で協力し合わないとなかなか円滑に住民サービスが進むことができないという一つの現れであるのかなというふうに認識をしております。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 ちょっと先生の御専門の方を見たら地方財政関係がありましたので、今のこの地方自治体の問題、地方自治権の問題というと、結局、シャウプ勧告で戦後に出てきた、地方の税制をもっと強化しろというようなところが財政強化にあるのかなと思うんですけれども、その辺りについては何か先生のお考えをいただけたらと思います。
○参考人(木村俊介君) ありがとうございます。 日本の地方税制は、ある意味では非常に精緻に発達をしてきているというふうに思います。私が外国の政府職員の方に説明をするのは、日本の場合は、国と地方で、共有税、共同税といいますが、国と地方で同時に集めて、それを国が後で地方に配分するという税は極めて少なくて、消費税ぐらいなもので、それ以外は、県は県、市町村は市町村で独自に自らの税というのを徴収をして、それを実際に予算で使っていると。それは、ある意味で、地方団体が自ら税収入を集めて使えるという意味で、国に依存する度合いが少ない一つの要素になっているというふうに私は考えています。 そういう意味で、日本は税制についてはかなり地方分権的な下地というのがシャウプ勧告以来できていて、それをあとはいかに生かしていくかという、そういう問題であろうと思っています。 ただ、その一方で、税収の規模自体でいきますと、日本はまだ三八%ぐらいだったかと思いますが、やはり全体のほぼ三割ないし四割しか全体の地方歳入を占めていないので、そういう意味で、先ほど私が御説明しましたような実際の財政規模の大きさとか、地方自治体が所管しているサービスの種類と量の多さから考えると、地方税の税収の規模のシェアをより大きくしていってしかるべきであるかなというふうに考えております。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 最後に、礒崎参考人の方にお伺いをしたいと思います。 立法分権という非常に刺激的な言葉ですけれども、この立法分権でいうと、地方の権限という側面見ますと、地方自治法の規定を根本に置いて、それが委任立法として地方に流れているのと同じ感じなんでしょうか、それとも違う形なんでしょうか。
○参考人(礒崎初仁君) それは異なります。 委任立法の場合は、こういう事項について条例で定めるというふうに特定されてまいりますし、逆に言うと、委任されてしまったら作らざるを得ないということでございます。一方、例えば上書き権にしても、あるいは法令をスリム化して細かいことは自治体で決めてくださいという場合は、一つ一つ特定して作りなさいという法律による指定がありませんので、そういう意味では独自条例として考えられると思います。 委任条例と独自条例という分け方がありますが、その場合、独自条例の権限が重要ではないかなというふうに、委任条例も大事だとは思うのですけれども、より重要なのが、今後重要なのは独自条例、自主条例じゃないかなということでございます。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 今日、礒崎先生のいろんな、この法令の要件等とか見直しとか削除とか、この辺は非常に参考になって、やっぱりかなりの権限を、あるいは自主決定を法令上もいろいろ変えていくということが必要じゃないかという御意見を非常に重く思いました。 自治体の参画ということで、自治立法関係ですかね、地方自治体関係の審査会を、立法審査会をつくったらどうかという案がありましたけれども。これは、このような形の、本委員会のような形で参考人を呼んでいろいろやるというのか、それとも、もうその委員の中に、参考人というわけじゃないですけど、地域の方をメンバーとして、委員として入ってやる別の委員会という形になるんでしょうか。
○参考人(礒崎初仁君) 基本は、やっぱり委員、選挙で選ばれた国会議員だというふうには思います。 ただ、私も、心の中ではといいますか、有識者とか、あるいは自治体の現場に詳しい人、こうした人を、メンバーなのか準メンバーなのか、あるいはこうやってお呼びいただくのがいいのか、それはバリエーションがあるかなというふうには思います。メーンはやっぱり議員だというふうには思います。 以上です。
○高良鉄美君 これで時間ですので終わりますけれども、やはり行政監視委員会のやっぱり頻度とか、そういう意味では、多くの意見をどんどんどんどん吸収するという形でできるのが本来かなと思っているんですけれども、もうこれで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美でございます。 実は私、二十五年間、地方公共団体に準ずる組織と位置付けられております土地改良区の理事長をやっておるんです。お三方の先生の話聞いて、身につまされる思いだったり、目からうろこだったりした大変有意義なお話だったと思います。 私の土地改良区は、実は那須疏水といいまして、明治十八年に開削された。それが今から何十年か前に、昭和の時代に十六の土地改良区が集まって那須野ケ原土地改良区連合というのができました。 施設はどんどん老朽化しますし、大方針として受益者負担の軽減、どうやってこのジレンマを解決していくか。今から二十数年前から小水力発電というのをやりました。ところが、いろんな規制があって、あれに使っちゃいけない、こっちに積み立てろとか、最近では、あと二年後には複式簿記会計だと。職員が足りない。十六名体制を予定していたのを今十三名でやっています。たまらず複式簿記の分かる職員を採りたいというので、この間募集したら、この人手不足で集まるんだろうかと思ったら何と十三倍だったんですね。ちょっとアベノミクス、陰りが出てきていると思います、正直言ってね。 明治十八年に開削された那須疏水でありますが、当時は結社でした。国からお金をもらった、支援ももらった。しかし、かなり自立的な組織だったんですね。明治の元勲たちがこぞって我々原住民の祖先と一緒に開墾を始めました。西郷神社ってありますよ、うちの地元にね、西郷どんの弟、西郷従道さん。私がお参り行くのは乃木神社です、乃木希典さんを祭った。静沼というのがあって、これは薩摩出身の静夫人の名前。それから、松方別邸というのがあって、松方正義さんの別荘ですよ。今でも残っているのは、山縣農場といって山県有朋さんの別荘ですね。私が住んでいるところは大山巌さんの領地だったところ。私が生まれた町の中心部は永田町という名前なんですよ、大山巌さんが付けたらしいんですけどね。赤坂はありませんけれども、永田町は今でも残っています。 結局、この明治の時代、大正、昭和の初期を通して、割とおおらかな時代だったと思うんですね。まあ、中央集権がちがちだったかというと、必ずしもそうではなくて、例えば、世の中には、常識には反するが真実だということがあるんですね。 誰しも戦後レジームというのはマッカーサーの時代につくったんだろうと思うんですけど、私の理解では、まあ見てきたような口利いて済みませんが、昭和十五年前後なんですよ。昭和十三年に企業は競争するなというお触れが出まして、で、昭和十五年、一九四〇年に、戦費調達を企業に代行させるという制度ができたのが源泉所得税。その同じ年に、満遍なく地方に配付する地方配付税、今の地方交付税ですよ。これで完全に中央集権型の財政構造というのが確立をするんですね。戦前は四百ぐらい電力会社があった。でもこれは、戦争遂行のために競争やるなと言われて、九つにまとめられて、で、九電力体制というのができたわけですね。 結局、こういう体制が延々と続いていて、せっかく分権改革ってやり始めても、逆に、さっきから議論あるように、何これ、中央集権化の強化じゃないのという話すらなりかねない。 どうでしょうか、こういう大ざっぱな話について、礒崎教授と木村教授、両方。木村先生から。
○参考人(礒崎初仁君) 確かにそういう実感を私も持ちます。 これやっぱり、国民あるいは住民のサービスをしっかりと充実させようということ、それから、法治主義といいますか、基準を明確にして行政の裁量をなるべく限定しようと、こんなふうに考えますと、だんだん、良く言えば精緻、悪く言うと過剰過密になっていくということが一つの原因なのかなというふうに思います。 一例を挙げますと、以前、高齢者福祉は老人福祉法というもので、割と行政の裁量が大変広くございました。それに対して介護保険、二〇〇〇年四月に施行されたこの制度では、要介護認定を受けて、事業者はもうあらかじめ都道府県知事が指定して、ケアマネジャーがあっせんする形で契約を作って、こんなふうな一連の基準が作られて、それについてそれぞれ基準と手続が設けられ、こんな分厚い法令集になったということがございますので、介護保険ができたりして制度が整備されていくというのはいいことだと思うのですけれども、反面、画一的な基準、あるいは中央集権になっていくという側面があるのかなというふうに思います。 実感のお話はそのとおりではないかということでございます。 以上です。
○参考人(木村俊介君) 先生の御指摘ありがとうございます。 私も、まず一般論で申しますと、日本の行政機関、国も地方も非常に緻密な行政をやろうと追求している、そういう特徴が日本の行政機関の特徴であろうかと思います。 その一つの現れが、こういう形で国も自治体も行政計画というのをきちんと作って、そしてその計画期間内に少しでも遅れがないように、きちんと毎年度、年次で事業の進捗状況を確認をして、そして少しでも事業進捗に遅れがあればその原因を考えると、そういう非常に緻密な行政をやるということが非常に定着をしていますので、それは、ある意味、非常に緻密な行政をやっているということでいい面もあるわけですが、当然、その反面として、非常に行政の事務的な負担もどんどん、そういう関係法律が増えていくと負担が増していくということがあります。 それからもう一つが、私自身がやはりよく自治体の方から聞くのは、先ほど来お話がありますが、行政計画の種類、数が多いということと併せて、片や職員の定数を減らしていっていますので、やはり一人の職員が数多くの計画の策定とか進行管理をやらざるを得ないと、そういう話はやはり実際の声としてよく聞いているところでございます。
○渡辺喜美君 戦前というのは、そんな暗い時代でもない時代が割と長く続いたんですね。繰り返しになりますが、地方にはそこそこの財源が、まあかなり大ざっぱなものだったと思いますが、外形標準課税みたいなものですよ、多分ね。この田んぼは何町歩あって、売上げこれくらいで粗利がこれくらいだと税金これくらいだよなというレベルの話だったと思います。 明治維新のときに地租改正が行われて、地租は御案内のように大蔵省が持ちました。それを、戦後、自治体に台帳が配られて固定資産税になる、それから法務局の表題部に配られるわけですね。大蔵省は、この地租を取り戻そうというので地価税なんということをもくろんだんだけれども、これは潰れたわけです。 結局、消費税、これはまさに企業を徴収代行義務者とするレベルの相当統制型の税ですよ、私に言わせりゃ。私は、消費税廃止しろとは言いません。これを使う、上手に使う。そして、統制型の仕組みを変えていくためには、やっぱり権限、財源、人間の三ゲン移譲の中で一番手っ取り早いのは、消費税を地方の財源にしてしまう、全額ね、全額。これが大事なことだと私は思います。 私は道州制論者なんですが、そのことはさておいて、全額消費税を地方の財源にするという観点について、伊集院参考人からお願いします、三人。
○参考人(伊集院幼君) これはもう、我々としても自治体としても大変有り難いことだと思います。先生がおっしゃるようになってくれたら、我々も本当にうれしい限りでございます。 本当に私たちは、自治体は国の制度におんぶにだっこで、国の支援なくして自治体は成り立ちません。しかしながら、それを甘んじることなく、しっかり自治体として我々も切り詰めながらやっていかなければならないという責任を我々も負わされておりますので、そのためにも、この制度を活用することも大事、しかしながら制度を変えていくこともそれぞれの地方自治体にとっては本当に軽減策にもつながっていくということにありますので、今日のまさに委員会が先生たちのお力添えをいただく委員会だというふうに思っておりますので、渡辺先生も含めてよろしくお願いいたします。
○参考人(木村俊介君) 今先生御指摘の点は、一つのお考え、御見識だというふうに思います。私も非常に心情的には共感するところでございます。 ただ、非常に規模が大きいので大変大きな議論になろうかと思いますが、一つ、地方の立場に立ちますと、消費税というのは非常に税源の偏在が少ないということと、それから安定をしているということが一つの魅力、長所であります。 特にまた地方でいきますと、都道府県の方がやはり法人なり個人なりの所得に対する課税というのが非常に大きなシェアを占めていますので、非常に景気の影響を受けて都道府県の方が税収の振幅が大きいという、そこで非常に県の方も財政的には非常に苦慮しているということがございます。 そういう意味で、より安定性のある税というのは、税目というのは、消費税には限りませんけれども、地方税としては非常に魅力的な税になろうかというふうに思います。 以上です。
○参考人(礒崎初仁君) 地方にとっては大変魅力的な御提案だというふうに思います。確かに安定した財源でございますので、これが地方に来れば大変地方にとってはいいだろうというふうには思います。 ただ、私自身必ずしも専門家ではございませんが、国が地方を支えているという部分もございますので、例えば交付税をどう維持するか、地方交付税ですね、それから補助金等の財源をどうするか、それから介護保険についても、公費負担は、これ、保険料と公費負担、二つに分けておりますが、公費負担の半分は国が負担しておりますので、こうした制度の持続可能性を考えるとなかなか難しい面もあるかなというふうには思います。 以上でございます。
○渡辺喜美君 消費税を人口と面積割りで分けると、大体九五%、交付税と同じ配分になると言われています。東京はちょっと取り過ぎの部分はあると思いますので、まあそういう加算減算はありだと思います。 今、コロナウイルスがはやっていますが、これ対応、もうちょっと分権体制にした方が私は有事即応ができると信じているんですが、いかがでしょうか。 あのBSEのときに東国原さんが言っていたんですね、もうとにかく農水省のマニュアルどおりにやらないと対応ができない、この有事即応の態勢こそまさに国の仕組みの真価が問われる。そういう意味で、御意見がある方だけで結構です、ちょっともう時間なので。
○委員長(川田龍平君) どなたか一人、では、お願いします。済みません、時間がちょっと過ぎておりますので、簡潔に。もちろん手を挙げていただいて結構です。 木村参考人、どうぞ。
○参考人(木村俊介君) 今先生の御指摘の点も一つの御見識かと思います。 ただ、それは、一つには、保健所というのを自治体が所管をしておりますので、そういう現場実務での保健行政は保健所が習熟をしていると。ただ、その一方で、国全体での水際対策ということで、港湾と港湾との連携とか、そういう意味での水際対策としては、やはり国がより、地方よりも秀でた機能を持っているところもあるのかなと、そういう印象を持っております。 以上です。
○渡辺喜美君 終わります。
○委員長(川田龍平君) ほかは大丈夫ですか。よろしいですか。 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三分散会