環境委員会 第2号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2020/03/10
会議録
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、磯崎仁彦君及び関口昌一君が委員を辞任され、その補欠として橋本聖子君及び猪口邦子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に三木亨君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。 まず、環境行政等の基本施策について、小泉国務大臣から所信を聴取いたします。小泉国務大臣。
○国務大臣(小泉進次郎君) 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の小泉進次郎です。 第二百一回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、所信を申し述べます。 環境省は、再生可能エネルギーの主力電源化や省エネルギーの徹底、ESG金融の促進、カーボンプライシングの更なる活用に関する検討等の気候変動対策や、東日本大震災からの復興、プラスチックごみ対策等の資源循環、生物多様性の保全に加え、水・大気・土壌環境保全、環境省の原点である水俣病などの公害健康被害への対策、各種環境リスクの低減などの幅広い施策に取り組んでいます。今回の所信では、その中でも私が環境大臣として特に強く感じていることを中心に申し上げます。 私が環境大臣として掲げているテーマを一言で申し上げると、環境先進国日本の復権です。 昨年、ニューヨークで開催された国連気候アクションサミットや、マドリードで開催されたCOP25等に出席し、気候変動外交の最前線に立ってきた者として、日本の優れた数多くの取組が石炭批判の前にかき消されてしまっていることに悔しさを感じています。国際社会の現実においては、石炭政策に関する前向きなメッセージがなければ、ほかにどれだけ優れたことを言ったとしても何も伝わらない、そう言っても過言ではありません。 今般、石炭火力輸出支援の四要件の見直しについて議論を始めることで関係省庁と合意しました。これは小さな一歩に見えるかもしれませんが、国際社会からの批判に対して受け身となっている現状を打開する転換点となる一歩です。今年六月に予定されている次期インフラシステム輸出戦略の骨子策定に向けて、この四要件の見直しについて関係省庁で実りある議論をしてまいります。 また、国内でも、自治体や企業がこれに呼応した行動を今までにないスピードで積み上げています。二〇五〇年までのCO2排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンシティは、私が環境大臣に就任した昨年九月時点では四自治体、人口規模で約二千万人でしたが、今では七十自治体を超え、人口規模ではついに六千万人に迫る大きな動きになっています。今年中に日本の人口の過半数である六千五百万人を目指し、脱炭素社会に向けた我が国の動きを不可逆的なものにしたいと考えており、これを国際社会にも発信してまいります。 また、先月、福島県大熊町を訪問した際に、吉田町長からもゼロカーボン宣言がありました。東京電力福島第一原子力発電所事故により全町避難を強いられた大熊町が復興に向けた次のステップの旗印としてゼロカーボンを掲げたことには、人口規模にとどまらない特別な意義があると考えています。この宣言の際に大熊町の職員の方から、この表明でこれから向かうべき方向性がはっきりした、これから頑張っていきたいとの前向きなお話をいただき、大変うれしく感じました。 私がゼロカーボンシティを後押しするきっかけとなった出来事は、昨年の国連気候アクションサミットです。国連本部のビルで国際社会に横浜市のゼロカーボン宣言を紹介した際、会場で横浜市の職員に送られた万雷の拍手と喝采を聞き、この取組が国際社会で日本国内での評価以上に評価されていることを痛感しました。 宣言だけでは何も変わらないといった批判の声も一部にありますが、ゼロカーボンを宣言した自治体において、地方公共団体実行計画の見直しや再生可能エネルギーの広域連携などの具体的な動きが着実に進んでいることもまた事実です。環境省としても、こうしたゼロカーボンシティの取組を更に後押しすべく、支援策を講じてまいります。 気候変動は今や国際的には気候危機と言われるほど重要な課題として認識されており、脱炭素社会の実現に向けた機運は明らかに高まっています。そうした中で、昨年開催されたCOP25では、我が国主導でフルオロカーボン・イニシアティブを立ち上げたほか、市場メカニズムに関する実施指針等に関する交渉を通じ、我が国の存在感を高めることができました。これは、今年十一月にグラスゴーで開催されるCOP26に確実につながる成果だと考えています。 先月、そのCOP26の議長国イギリスのラーブ外務大臣と面会しました。イギリスが議長国として先進国の野心的な取組を期待している中、各国の気候変動対策の中期目標やその達成に向けた行動を示すNDCや、いわゆる二〇五〇年目標に関する日本の姿勢が改めて問われています。 NDCについては、今年二月がパリ協定及びCOP決定に基づく気候変動枠組条約事務局への提出期限です。NDCの明確性、透明性及び理解を促進する観点から提出期限を定めているCOP決定の趣旨を踏まえるとともに、日本の前向きなメッセージを国際社会に届け、日本が正当に評価されるような報告にすることも大切であると考えており、私としては、そのような方向で、できるだけ早期に提出すべく、関係省庁と最終調整を進めています。 二〇五〇年目標について、我が国は、昨年閣議決定されたいわゆる長期戦略において、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指すと宣言しています。ゼロカーボンシティの取組とも連携しつつ、環境省としては、二〇五〇年も視野にという意気込みで、二〇五一年も含め、できるだけ早期の脱炭素社会の達成を目指します。 引き続き、COP26に日本が胸を張って臨めるような環境整備を進めてまいります。 今後、地球温暖化の進展に伴い、昨年我が国に甚大な被害をもたらした台風のような気象災害のリスクが更に高まることが予測されており、気候変動というファクターを防災に取り入れることはもはや必然となっています。こうした「気候変動×防災」の視点に立ち、現在、これまでより踏み込んだ関係省庁との連携を進めています。 例えば、防衛省に新たに気候変動適応推進会議のメンバーに加わっていただきました。災害廃棄物撤去に係る防衛省・自衛隊との連携マニュアルも共同作成中です。内閣府の武田大臣とも合同で「気候変動×防災」に係る意見交換会を開催しており、今後は連名で気候変動時代の防災の在り方についてメッセージを発信し、政策につなげていきます。気象庁とも新たな取組を検討中であり、近々発表の予定です。 また、「気候変動×防災」の観点から、昨年の台風の影響で町内全域が停電したときも防災拠点等に電力を供給できた千葉県睦沢町のむつざわスマートウェルネスタウンのような好事例を、自立分散型のエネルギーシステムの普及、展開等を通じて増やしてまいります。環境省自身も、自ら使用する電力を二〇三〇年までに再生可能エネルギー一〇〇%で賄うRE一〇〇宣言をし、新年度からは新宿御苑を始めとする一部の施設でRE一〇〇を実現します。これらの取組を通じ、再生可能エネルギーの主力電源化を進めます。 このほか、デジタル化の進む社会において、気候変動対策にもデジタル技術の力を活用する視点も欠かせません。このような「気候変動×デジタル」の考え方に基づき、デジタル技術の活用も効果的に進めてまいります。 こうした施策を通じて、技術、経済社会システム、ライフスタイルといったあらゆる観点からの非連続なイノベーションを地域で実装し、地域循環共生圏を構築してまいります。 次に、東日本大震災からの復興について申し上げます。 間もなく三月十一日を迎え、東日本大震災の発生から九年が経過します。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 東日本大震災からの復興は、これまでも、そしてこれからも、環境省にとって最重要の課題です。また、私自身にとっても、環境大臣に就任する前から強い思いを持って取り組んできたライフワークです。 先月、福島県飯舘村、双葉町及び大熊町を訪問し、このうち飯舘村では、長泥地区での除去土壌の再生利用実証事業の現場を訪れ、菅野村長や住民の方々と意見交換を行い、これまで九年間の様々な思いを伺いました。 実証事業の中で地元の方々の御協力によって栽培され、美しく咲いているトルコギキョウ等の花がこれまでは使われることなく処分されていたと聞き、もったいない、何かできることはないかと考えました。そして、今後は様々な場で、環境省がこの地で栽培された花を使わせていただくこととしたほか、法務省、復興庁、農林水産省及び経済産業省においても活用いただけることになりました。 また、福島県外における再生利用の実証として、先週から、福島県の除去土壌を活用した鉢植えを大臣室等に設置しています。環境省は常に福島と共にある、その思いで、復興に向けた風評払拭の先頭に立ってまいります。 このように、中長期の計画などを着実に進める一方で、できることは小さなことでも何でもやるという姿勢で、未来に向けた動きを生み出す努力を追求していきたいと思います。 今回の訪問を通じ、飯舘村の住民の方々の再生利用事業に対する様々な思い、中間貯蔵施設を受け入れていただいている双葉町及び大熊町の復興の新たなステップに向けた力強い決意を直接伺い、環境省として、地域の方々の苦渋の思いを忘れずに、復興に向け取り組んでいかなければならないとの決意を新たにしました。また、来年で震災から十年を迎える中、風化への不安や懸念が大変強いことも感じました。被災地の方々のこうした思いを受け止め、今までよりも情報発信の取組を強化していきたいと考えています。 引き続き、安心して生活できる環境を取り戻す環境再生に向けた取組などを、関係自治体の皆様と密に連携しながら、着実に進めてまいります。 具体的には、二〇二一年度までのおおむね搬入完了を目指した除去土壌等の中間貯蔵施設への輸送と仮置場の早期解消、最終処分量の低減のための減容、再生利用に関する取組、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域における家屋等の解体、除染、指定廃棄物等の処理等を着実に進めます。放射線健康管理、リスクコミュニケーションの実施等を通じ、住民の皆様の不安の解消等も図ります。 また、福島県は、二〇四〇年頃をめどに、県内エネルギー需要量以上のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出す県を目指すとの目標を掲げています。こうした地域の強みを創造、再発見する復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を、環境省の知見を生かして後押ししてまいります。 次に、世界が取り組むべき喫緊の課題であるプラスチックごみ対策と生物多様性の保全について申し上げます。 まず、プラスチックごみ対策の分野において、このままでは二〇五〇年には魚よりも海洋プラスチックごみが多い海になるとも言われていますが、昨年のG20大阪サミットで合意された大阪ブルー・オーシャン・ビジョンは、私自身もイベントやバイ会談等を通じて呼びかけたことにより、既に五十九か国から賛同を得ています。我が国は、このビジョンの実現に向け、また中国などの廃プラスチック輸入禁止措置等をむしろ真の循環型社会を構築するチャンスにすべく、取組を進めます。 そのためには循環経済への移行を見据えた製品や社会システムの再設計が必要であり、これらを新たな成長エンジンとしていくべく、まず、今年七月からのレジ袋有料化をきっかけとしてライフスタイルの変革を進めるとともに、プラスチック資源循環戦略の具体化に向けて本格的な検討、実施を進めます。循環型社会の根幹である3Rの強化、海岸漂着物の回収、適正処理、代替素材の開発なども引き続き推進します。 また、企業、自治体の先進的な取組、プラスチックごみ対策にも資するESG金融、さらにアジアを始めとする国際的な資源循環を我が国から強力に進め、今年五月に世界経済フォーラムと共催する東京循環経済ビジネスフォーラムにおいて、日本の誇る資源循環の輪を世界に発信してまいります。 加えて、今年は、今後十年の方針を決める生物多様性条約のCOP15の開催年です。新たな世界目標であるポスト二〇二〇生物多様性枠組の採択への国際的な議論に向けて、我が国発のSATOYAMAイニシアティブ等の国際連携を積極的に推進します。また、国内でも、国立公園満喫プロジェクトによる国立公園の魅力向上などに引き続き取り組みます。 最後に、原子力防災等について申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓でもあるとおり、万が一の原子力発電所の事故に対応するための備えに終わりや完璧はありません。安全神話にとらわれることなく、関係自治体等と一体となり、各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化等に取り組んでまいります。 また、住民に必要な情報を提供する先進的な取組である鳥取県の原子力防災アプリのような取組の推進や、住民が確実に安定ヨウ素剤を服用できる体制のより一層の充実を図ります。さらに、事前にシナリオを提示せずに行うブラインド訓練や研修等を通じて、要員の危機管理能力の向上を図ってまいります。 加えて、原子力の安全確保に係る人的基盤の強化、放射線モニタリング体制の充実等を通じ、原子力規制委員会が独立性の高い三条委員会として科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、しっかりとサポートしてまいります。 以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。 今国会においては、石綿飛散防止対策の強化に向けて、石綿含有成形板を含む全ての建材を規制の対象とするなどの対策を講ずるべく、大気汚染防止法改正案を提出することとしており、本日、閣議決定いたしました。このほか、この所信で述べることができなかった多岐にわたる分野についても、今後、本委員会での質疑等の中で御説明させていただければと存じます。 牧山委員長を始め、理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) 次に、令和二年度環境省予算及び環境保全経費の概要について説明を聴取いたします。佐藤環境副大臣。
○副大臣(佐藤ゆかり君) 令和二年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計予算では総額三千五百三十七億円余を計上しております。 以下、その主要施策について御説明申し上げます。 第一に、地球環境保全対策については、パリ協定の下で国内及び世界全体の地球温暖化対策を進めるほか、気候変動適応策の推進、環境インフラの海外展開などに必要な経費として、一千四百八十六億円余を計上しております。 第二に、廃棄物・リサイクル対策については、プラスチックの資源循環の推進など3Rの取組を進めるほか、廃棄物処理施設や浄化槽の整備、災害廃棄物対策、循環産業の育成や国際展開の支援、不法投棄対策や適正処理対策の推進などに必要な経費として、五百三十五億円余を計上しております。 第三に、自然環境の保全対策については、生物多様性の保全及び持続可能な利用を図るため、国立公園や世界自然遺産などの優れた自然環境の保護と適正な利用の推進、希少種の保全や外来生物対策の推進、鳥獣保護管理の強化、動物愛護管理の推進、国民公園の魅力向上などに必要な経費として、百八十九億円余を計上しております。 第四に、総合的な環境政策の推進については、環境、経済、社会の諸課題の同時解決につなげるべく、地域資源を持続可能な形で活用し、自立分散型の社会を形成する地域循環共生圏の創造に向けた地域の支援、事業活動や金融のグリーン化、環境教育施策の推進、実効ある環境影響評価の推進などに必要な経費として、四十五億円余を計上しております。 第五に、公害健康被害対策等については、水俣病対策、公害健康被害補償制度や石綿健康被害救済制度の適正かつ円滑な実施、化学物質対策の着実な推進などに必要な経費として、二百四十億円余を計上しております。 第六に、大気・水・土壌環境等の保全対策については、PM二・五などの大気環境保全対策、海洋プラスチックなどの海洋ごみ対策、土壌汚染対策などの推進に必要な経費として、九十億円余を計上しております。 第七に、環境保全に関する調査研究、技術開発については、地球環境の保全、化学物質対策等に関する調査研究、技術開発の推進などに必要な経費として、三十四億円余を計上しております。 第八に、国の環境政策の企画立案に必要な地域の情報の収集及び地域の実情に応じた機動的かつきめ細かな環境政策の展開を図るための経費として、六十九億円余を計上しております。 第九に、原子力安全の確保については、原子力規制委員会が行う原子力安全規制対策の推進に必要な経費として、四百四十六億円余を計上しております。 次に、特別会計予算について御説明申し上げます。 まず、エネルギー対策特別会計予算では総額二千百四十五億円余を計上しております。 以下、その内訳について御説明申し上げます。 第一に、地球温暖化対策については、「気候変動×防災」といった掛け算の視点に立ち、他の施策との相乗効果も勘案しつつ、家庭・業務部門や地域内での再エネ、省エネ、蓄エネの活用による省CO2対策及び防災対策の推進、先導的技術の開発と社会実装、グリーンな経済社会システムへの転換、我が国の環境技術等による世界の脱炭素化への貢献などに必要な経費として、エネルギー需給勘定に、一般会計から一千四百四十六億円余の繰入れを行い、総額として一千七百四十四億円余を計上しております。 第二に、原子力安全規制対策については、原子力安全規制の更なる高度化及び原子力規制委員会の専門能力の強化等を図るために必要な経費として、電源開発促進勘定に、一般会計から三百三十九億円余の繰入れを行い、総額として四百一億円余を計上しております。 次に、東日本大震災復興特別会計予算では、中間貯蔵施設の整備や除去土壌等の適正管理・搬出等の実施、指定廃棄物の処理等の推進、帰還困難区域内の特定復興再生拠点地域における除染及び家屋解体などに必要な経費として、復興庁所管予算に総額六千八百十二億円余を計上しております。 以上が、令和二年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の概要であります。 最後に、各府省の令和二年度環境保全経費の概要について御説明申し上げます。 政府全体の環境政策の効果的な実施を目的として取りまとめております環境保全経費については、令和二年度におけるその総額として、一兆九千九百一億円余を計上しております。 これを事項別に見ますと、地球環境の保全のために五千八百四十億円余、生物多様性の保全及び持続可能な利用のために一千七百六十八億円余、循環型社会の形成のために一千百十九億円余、水環境、土壌環境、地盤環境、海洋環境の保全のために一千百五億円余、大気環境の保全のために一千七百五十億円余、包括的な化学物質対策のために五十億円余、放射性物質による環境汚染の防止のために六千七百五十八億円余、各種施策の基盤となる施策等のために一千五百八億円余をそれぞれ計上しております。 以上、令和二年度の環境省所管の予算及び各府省の環境保全経費の概要について御説明申し上げました。 なお、先ほど、私の発言の中で、特定復興再生拠点地域と申し上げたところは特定復興再生拠点区域でございましたので、訂正させていただきます。
○委員長(牧山ひろえ君) 次に、公害等調整委員会の業務等について説明を聴取いたします。荒井公害等調整委員会委員長。
○政府特別補佐人(荒井勉君) 公害等調整委員会は、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図るとともに、鉱業等と一般公益又は他の産業との土地利用に関する調整などを行うことを任務とし、総務省の外局として置かれている委員会でございます。 当委員会が令和元年中に行った公害紛争の処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。 まず、公害紛争の処理に関する業務について御説明申し上げます。 第一に、当委員会に係属した公害紛争事件についてでございます。 当委員会は、公害に係る紛争について、当事者からの申請に基づき、双方の互譲による合意を促して解決に導く調停、加害行為と被害との因果関係の存否や損害賠償責任の有無及び賠償額について法律判断を行う裁定等により事件の迅速かつ適正な解決に努めております。 令和元年に当委員会に係属した公害紛争事件は、調停が三件、裁定が四十八件、合計五十一件でございます。 主な事件としましては、東京国際空港の近隣において事業を営む申請人らが、空港を離着陸する航空機を増便するために新しい飛行経路が開設、運用されると申請人らに騒音被害等が生じるとして、国に対して滑走路の供用制限等を求めた調停申請事件、東京都など六都府県の申請人らが、自動車からの排出ガスによって気管支ぜんそく等に罹患し、生きる権利の侵害及び医療費負担による精神的な被害を受けたとして、国に対して新たな大気汚染公害医療費救済制度の創設を、自動車メーカーらに対して同救済制度の財源負担を求めるとともに、両者に対して損害賠償を求めた調停申請事件などがございます。 また、令和元年中に終結した事件は、十三件でございます。 主な事件としましては、千葉県成田市の申請人が、建築工事等の振動によって申請人宅の亀裂等の財産被害等が生じたとして、建設会社に対して損害賠償を求めた責任裁定申請事件、福岡市の住民に生じた騒音による健康被害と近隣のマンションに設置された屋外機の稼働音との因果関係の存否について裁判所から原因裁定を嘱託された事件などがございます。 そのほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に症状が進行したとして慰謝料等の増額を求める申請が四件係属しました。 当委員会は、事件処理に当たり、多様化、複雑化する公害紛争への機動的かつ的確な対応を図るとともに、公害紛争処理制度の利用の促進に努めております。 具体的には、地方に在住する当事者の負担を軽減するため被害発生地などの現地で審問期日等を積極的に開催すること、事実関係を明らかにし、判断の精度を高めるため事件調査の充実と専門委員の知見の活用を図ること、広報活動として国民や法曹関係者、関係する相談機関に本制度を積極的に周知することなどがございます。今後もこうした取組を一層推進してまいります。 第二に、都道府県公害審査会等に係属した公害紛争事件についてでございます。 都道府県公害審査会等では、当該都道府県内における公害に係る紛争についての調停等を行っております。令和元年には七十八件の事件が係属し、公害の種類別では、騒音や振動に関する事件が多くなっております。これらのうち、同年中に終結した事件は三十三件でございます。 第三に、全国の地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情の実態を調査いたしました結果、平成三十年度の公害苦情の受付件数は、前年度から約千件減少して約六万七千件となっております。 これを苦情の種類別に見ますと、大気汚染、水質汚濁、騒音、悪臭などいわゆる典型七公害に関する苦情が約四万八千件、それ以外の苦情が約一万九千件となっております。 当委員会は、今後とも、全国で発生する様々な公害関連の事案を全体として適切に解決する観点から、住民に身近な場で公害紛争や公害苦情の処理を担う地方公共団体への情報提供、相談支援などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。 続きまして、鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。 第一に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する業務についてでございます。 当委員会は、鉱業法に基づく特定の許認可などの処分に不服がある者からの申請について裁定を行い、一般公益や他の産業との調整を図っております。 令和元年に当委員会に係属した事件は、岡山県において採石業者が採石権存続期間の更新決定を申請したところ処分庁が棄却決定を行ったとしてその取消しを求めた不服裁定申請事件など、五件でございます。そのうち、例に挙げた一件は同年中に終結いたしました。 第二に、土地収用法に基づく意見の照会等に関する業務についてでございます。 土地収用法に基づく審査請求に対して国土交通大臣が裁決を行う場合などには、当委員会の意見を求めること等とされております。 令和元年に当委員会に係属した土地収用法に基づく意見の照会等は二十六件であり、そのうち、同年中に処理した事案は二十四件でございます。 以上が、令和元年中に行った公害紛争の処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務の概要でございます。 続きまして、公害等調整委員会における令和二年度歳出予算案について御説明申し上げます。 当委員会の歳出予算額は、五億六千百万円でございます。 厳しい財政状況の中、公害紛争の迅速かつ適正な解決に資するよう、第一に、事実関係を明らかにする事件調査の実施経費として二千五百万円、第二に、地方に在住する当事者の負担を軽減するため現地で審問期日等を開催する経費として千二百万円をそれぞれ計上しております。 以上が、公害等調整委員会における令和二年度歳出予算案の概要でございます。 公害等調整委員会としましては、今後とも、これらの業務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) 次に、原子力規制委員会の業務について説明を聴取いたします。更田原子力規制委員会委員長。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会委員長の更田豊志でございます。 参議院環境委員会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明いたします。 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、様々な課題に取り組んでおります。 まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定した新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十七基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十一の施設に係る申請がなされております。 このうち、発電用原子炉については、令和二年二月二十六日の東北電力女川原子力発電所二号炉に対するものを含め、これまでに計十六基に対して設置変更許可を行いました。また、核燃料施設等については、核燃料物質の加工施設及び廃棄物管理施設に対して、これまでに六件の事業変更許可を行うとともに、試験研究炉に対して、これまでに二件の設置変更承認及び四件の設置変更許可を行いました。 加えて、発電用原子炉の運転期間延長に関して、これまでに関西電力高浜発電所一号炉及び二号炉、美浜発電所三号炉並びに日本原子力発電東海第二発電所の計四基に対して認可を行いました。 また、発電用原子炉についてこれまで計八基に対して、廃止措置計画の認可を行いました。このほか、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」を始め計四件に対して、廃止措置計画の認可を行いました。 以上のとおり、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。 規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準に係る適合性審査の実績等を踏まえて、高エネルギーアーク損傷対策、降下火砕物対策、火災防護対策等に係る改正を行い、継続的に改善を図っております。 原子力施設等において発生した事故トラブルについては、事業者からの通報を受け、原子力規制庁本庁や現地に常駐する検査官が速やかに状況確認を行うとともに、安全上重要な事案に関しては、事業者による原因調査及び再発防止の取組を公開の会合で確認しており、今後とも引き続き適切に対応してまいります。 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から、積極的な監視を行っており、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、実施計画の審査などに当たっております。 引き続き、処理した水の処分や使用済燃料プールからの燃料の取り出しなどの対策が適切に行われるよう、監視、指導を行ってまいります。 また、廃炉作業の進捗等により、事故時の放射性物質の放出経路の調査などについて現場での確認作業が可能となってきていることなどを踏まえ、東京電力福島第一原子力発電所における事故の更なる調査、分析を進めてまいります。 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置について申し上げます。 原子力規制委員会では、本年二月、防災訓練の結果等から見出された課題を踏まえ、緊急時活動レベルに係る原子力災害対策指針の改正を行うなど、その充実を図るとともに、基幹高度被ばく医療支援センターの機能強化など、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めております。 放射線モニタリングについては、原子力規制事務所におけるモニタリング担当職員の配置及びモニタリング資機材の配備等により、緊急時モニタリング体制の充実を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所事故に係る状況に応じた環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について関係自治体その他の国内外への情報発信にも努めています。 また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続して国際原子力機関、IAEAより得ております。 最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。 第百九十三回国会において、原子力事業者等に対する検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化などを内容とする関係法律の改正が成立しました。原子力規制委員会としては、法改正の趣旨を実現すべく、本年四月の全面施行に向け、関係規則等を整備するとともに、更なる組織体制の強化と人材育成に取り組むなど、新たな制度の運用が円滑に進むよう、万全を期してまいります。 本年一月に実施されたIAEAの総合規制評価サービス、IRRSフォローアップミッションでは、二〇一六年のIRRSミッションによる勧告等を踏まえた原子力規制委員会の取組状況について改めて評価を受けたところです。原子力規制委員会としては、今後とも継続的な改善に注力してまいります。 以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、いまだ道半ばにあります。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) 以上で所信及び予算等の説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 政府側は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。滝沢求君。
○滝沢求君 去る二月二十日及び二十一日の二日間、富山県及び石川県の環境及び公害問題に関する実情を調査し、もって本委員会に付託を予定される大気汚染防止法の一部を改正する法律案の審査に資するため、牧山委員長、三木理事、鉢呂理事、片山理事、寺田委員、平山委員及び私、滝沢の七名で調査を行ってまいりました。 以下、調査の概要について御報告いたします。 一日目は、まず富山県庁を訪れ、海岸漂着物対策及びレジ袋の無料配布廃止について説明を聴取するとともに、意見交換を行いました。富山県の海岸漂着物の約八割が県内で発生したものであり、発生抑制のため、河川の上流域から海岸までの清掃活動や啓発活動を推進するとともに、スマホアプリ「ピリカ」を用いた清掃美化活動の見える化等に取り組んでいるとの説明がございました。また、本年七月から全国的にレジ袋の有料化義務化が予定されておりますが、富山県は全国で初めてレジ袋の無料配布廃止の取組を平成二十年度から行っており、これまでに十五億枚以上のレジ袋の削減効果があったとのことでございます。 派遣委員からは、海岸漂着物の大部分が県内由来であるとの認識を県民に広める必要性、レジ袋の無料配布廃止の開始時における企業の参加率、国の取組において有料化の例外とされるレジ袋の今後の取扱い等について質疑がございました。 県庁訪問後に、地元スーパーである大阪屋ショップ藤木店を視察いたしましたが、ほとんどの利用客がマイバッグやマイバスケットを持参して買物を行っており、県民一人一人にレジ袋削減の取組が浸透していることを実感してまいりました。 次に、富山県動物管理センターを訪問し、動物愛護管理行政に関する説明を聴取し、施設を視察いたしました。保護された犬、猫は、病気やけがを治療し、しつけをした上で、新たな飼い主への譲渡を積極的に行っていること、ペットの防災対策として富山県総合防災訓練において動物同行避難訓練を実施していること等の説明がございました。加えて、昨年の通常国会で改正された動物愛護管理法により犬、猫の販売業者にマイクロチップの装着が義務付けられていることを踏まえ、マイクロチップの読み取り作業を実際に体験するなど、知見を深めることができました。 派遣委員からは、富山県における多頭飼育崩壊の現状、他県の動物愛護管理センターとの連携等について質疑がございました。 次に、富山県立イタイイタイ病資料館を訪問いたしました。同資料館は、我が国の四大公害病の一つであるイタイイタイ病を克服した道のりと、その教訓を後世に語り継ぐために平成二十四年に開館したものであり、イタイイタイ病による被害の実態、神通川流域の土壌復元の工事に関する展示等を視察した後、意見交換を行いました。 派遣委員からは、新たな発症者の有無、女性の発症者が多い原因、他にカドミウムの影響を受けた地域等について質疑がございました。当時の健康被害の深刻さを痛感するとともに、公害による健康被害をこの先二度と発生させてはいけないとの思いを強くいたしました。 二日目は、まず、金沢市より、環境施策及びアスベストの飛散防止対策について説明を聴取いたしました。金沢市は、「持続可能な都市「金沢」をつくる」を基本理念とし、家庭ごみの有料化によるごみの減量化、食品ロス対策、全国唯一の市営発電事業としての水力発電の活用など、様々な環境施策を講じているとの説明がございました。また、アスベストの飛散防止対策として、大気汚染防止法に基づく建築物の解体工事に関する手続、届出数や立入り件数等について説明がございました。 次に、太陽テクノリサーチ株式会社を訪問し、アスベストの調査に関する説明を聴取するとともに、分析に用いる機器やアスベストの拡大画像等を見させていただきました。同社は、価格や納期を明示し、インターネット経由の受注に特化したアスベスト調査を提供しており、近年注目を集めております。見落としをなくすための分析方法の在り方、解体現場におけるアスベストの粉じん濃度の基準値の必要性等について説明がございました。今後、アスベストを含む建物の解体がピークを迎える中で、アスベスト事前調査を正しく実施することの重要性を実感いたしました。これらの知見を踏まえ、より実効性のある規制強化につながるよう、法案審査において議論を深めたいと考えております。 最後に、古新聞、古雑誌等の古紙をリサイクルして板紙を製造する加賀製紙株式会社を訪問し、板紙の製造ラインや排水処理施設などを視察いたしました。同社は、百年以上にわたり金沢で板紙の製造を営んでおり、主に石川県内で排出される古紙を回収し、本のハードカバーやお菓子の箱など、幅広い用途の板紙製品として再生をしております。地域と協調した企業を目指し、公害対策にも熱心に取り組んでおられるとの説明がございました。 派遣委員からは、紙離れが進む中で需要を増やす方策、プラスチックの代替品として紙を活用する可能性等について質疑がございました。 以上が調査の概要であります。 最後に、今回の派遣に際し、お世話になった関係各位の皆様方に厚く御礼を申し上げて、御報告を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十三分散会