文部科学委員会 第6号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2020/03/25
会議録
○橘委員長 これより会議を開きます。 この際、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。萩生田大臣。
○萩生田国務大臣 おはようございます。 昨日、委員会の冒頭に委員長より御発言のございました資料要求、二月二十七日に政府の連絡会議に提出した資料の、文部科学省から提出した資料の取扱いにつきましては、内閣官房における取りまとめの状況を踏まえ、適切に対応してまいりたいと思います。 ――――◇―――――
○橘委員長 内閣提出、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房総括審議官串田俊巳君、総合教育政策局長浅田和伸君、文化庁次長今里讓君及び観光庁観光地域振興部長村田茂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○橘委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉良州司君。
○吉良委員 おはようございます。立国社会派、国民民主党の吉良州司です。 主に提出法案について質問をさせていただきます。 その前に、昨日、二〇二〇東京オリンピックの一年程度の延期ということがほぼ決まったということで、私自身も、今の状況で開催できるのか、総理の言葉ではないですが、完全な形でできるのかということについては大いに疑問を持っておりましたので、今回、中止はないということと、一年程度の延長ということで、オリンピックが開催されるということを多としたいと思っています。 その上で、文化観光振興法についてでありますけれども、文化観光の推進、文化観光推進による地域活性化という基本目的について反対する人はいないだろうと思っています。私もその一人でありますが。 ただ、この提出法案の手法について、この手法によって本来の目的が実現できるのか、そもそも真の地域活性化につながるのかという疑問を私自身は持っています。このような疑問を持つ中で、本会議において同僚の城井議員が指摘しておりましたけれども、他に類似の事業や予算もあります。そういう中で、この事業をこの手法で推進をするということについて、私自身は正直言って疑問を持っています。 串田審議官がこの法案を最初説明に来られたときに、私は、この手法を見て、頭に血が上ってというとなんですけれども、反射的に拒否反応を実は示したわけなんです。 といいますのも、他省庁、他案件についても、ほとんど類似の手法なんです。つまり、こういう目的を達成したい、その目的を達成するために主務大臣が基本方針を定める、そして基本方針のもと、それに沿う形で何とか計画をつくる、その何とか計画をつくって、申請して認可されれば、補助金を含めて何らかの支援が得られる。もうほとんど全てこのパターンなんです。悪いけれども、これだけ優秀な霞が関の官僚の皆さんがそろっていながら、何か事業、特にこういう方向に導いていきたいということになれば、ほとんどと言っていいほどこの手法です。 大臣、この手法によって、本当に先ほど言ったこの法案の目的が達成できると大臣はお考えでしょうか。
○萩生田国務大臣 先生御指摘のように、説明上手な自治体が採択を簡単にされるというような仕組みになってはならないと思います。中身がついてこなかったら何の意味もないと思っておりまして、本法案では、文化観光の推進に意欲のある地域や文化施設について総合的に支援するというのが大きなポイントだと思います。文化施設や自治体などが、みずからの判断で計画を作成し、主務大臣の認定を申請できることとしております。 その際、主務大臣が文化観光の推進の意義及び目標等を記載した基本方針を策定し、これに適合するものを認定する仕組みとすることで、国として支援すべき計画に対し効果的な支援を行うことができると考えています。 また、計画の作成に当たっては地域の文化観光推進事業者と共同することが必要であり、具体的には、観光地域づくり法人、DMO、観光協会、旅行業者などの民間事業者など地域において文化観光の推進を戦略的に行うための企画立案ができる者のほか、地域の交通事業者、商店街、宿泊施設などの事業者と連携し、地域の実情を踏まえた計画を作成することとなります。 言いかえれば、首長が、町の人たちが全然盛り上がっていなくて何も知らない中で、ちょこちょこっといい作文をして提出をしてそれが認められたということでは、なかなかこれは後ろを向いても地域がついてこないと思いますので、そこは、今までなかなか国の光が当たらなかった、言い方は悪いかもしれませんけれども、国が目を向けることもなかったような埋もれた施設を、地元の皆さんがぜひブラッシュアップしていただいて、みんなでこれを拠点にこういう町づくりをしていくんだ、文化の盛り上げをしていくんだということを提案していただくことが極めて重要だと思っていまして、そういう提出を期待しているところでございます。
○吉良委員 私は何事も、自発的というか、みずからがということが大事だと思うんです。今大臣も、この手法の中においても、今言った、首長だけが先走るんじゃなくて、まさにその住民が自発的に、そういう期待を込められている、そのことはわかります。期待をしている、こうあってほしいということはわかります。ただ、果たして現場がそうなっていくのかということについて、私は大いに疑問を持っているんです。 いつものように経験に基づいて、少し古い話になりますが、私は、基本的な私が持つ問題意識、問題点は今も生きていると思っています。 私は、三十年近く前に、当時、商社勤めではあったんですけれども、いろいろな思いから、いろいろな思いというのは、一つはバブルの真っ最中で、都心から一時間半かかる二LDKの六十平米のマンションが六千万、七千万する、それをみんな、おくれてはならじということで買ってしまう、まともに働いている人がマイホームを持てないというばかな世の中があるかと。東京は一極集中で困る、地方は、優秀な人材が東京に出ていくなり、雇用がないから出ていく。はっきり言って、こんな矛盾した国、社会があるかと思って、地方の元気がなければ、みんなが地方に住みたくなる、また、都会に出た人も地方に戻りたくなるような日本にしなければという思いで、みずから制度をつくって大分県庁に出向したという経験があります。 二年弱、大分県庁に行きました。本当に多くのことを学ばせてもらい、私も勉強になりました。そして、大分県庁の皆さんを含め、地域で頑張っている人たちの姿も見てきました。勉強になりました。ただ一方で、多くの課題も目の当たりにしました。 一つは予算のつくり方です。私が属していたある課の中で、当時の課長が、去年は我が課で三十億、ことしも三十億になるような何かいい案件はないかと課員一人一人に言っているわけです、聞いて歩いているわけです、何かいい案件を見つけてくれと。私は民間出身なので、まずは冗談じゃないと思いました。これをやらなければ例えば農業振興が成り立たない、これをやらなければ花をつくっている花卉の振興が成り立たない、そういう現場の声があり、切実なニーズ、必要性があって、そのためにこれをやってくれということが積み上がって、その課なら課の予算ができていると思ったら、前年度の予算がこれだけあって、ことしは少なくともそれを確保しなきゃいけないから、ちょうどそれぐらいに積み上がるいい案件はないのか、こうやって予算ができていると知ってショックを受けました。 もう一つは、当時、名知事と言われた平松県知事ではあったんですけれども、県の予算がどんどん大きくなることがいいことだ、それは民間企業でいえば売上げがふえていく、それはその首長の力なんだと。それで、結局どういうことになるかといえば、国から補助金が出る事業は全部食いつけなんです。本当に大分のある分野のそこに必要なのか、その吟味は二の次で、国が補助金つきの事業を新たに政策として出してきた、それに食いつけば県の負担は三分の一でいい、二分の一でいい、四分の一でいい、それで事業はふえるということで食いつくんです。 ですから、私がこの手法でいいのかという問題意識を持っているのは、今大臣が言った、この政策を実際に施行して、それを受けたところの中で幾つかは自発的に、ああ、こういう政策があったんだ、ぜひ自分たちの地元でいいものを見つけて、いい観光資源を見つけて申請しよう、これはあると思うんです。そういう意味では覚醒効果というのはあると思うんです。 けれども、またこういう事業ができた、これを申請して認可されれば補助金が受けられるかもしれない。必ずしもさっき言った現場の自発的なニーズがないにもかかわらず、結局は申請してきて、何とか総研がつくったきれいな計画書があって、それに基づいた計画が認可される。私はそれを極めて恐れていて、それは結局、予算が必要な、必要性のあるものを積み上げた予算ではなくて、今言った、民間で言う売上げのように捉えた公共団体の予算、そういうものが積み上がってきて、悪いけれども、無駄とまでは言いませんけれども、必ずしも必要性、必然性がないものまで予算がついていく、このことに大きな疑問を持っているんです。 そういう意味で、もう一度萩生田大臣にお聞きしたいんですけれども、この手法で、本当にこれやらなくしてはこの地域が成り立たないというぐらいの自発的な事業が上がってくると思われますか。
○萩生田国務大臣 先生の今の御指摘というのは極めて重要だと思います。 大分県が補助金がつくものは何でも手を挙げろという姿勢だったというお話を聞いて、逆に立派だなと思いました。私の住んでいる自治体は、一年も二年もたってから国にこういう制度があったというのに気がついて、あのときに手を挙げておけばよかったという反省ばかりをしていましたので、そういう意味ではアンテナが高かったんだと思います。 問題は、この法案は決して国が先回りをしてつくって、そして地元に補助金をちらつかせながら手を挙げさせようなんということを考えてつくった法案じゃありません。全国の百以上の自治体と文化庁が今までさまざまな意見交換をしていきながら、黙っていても多くの人がお見えになる、外国人がお見えになる観光地はともかくとして、うちの町にはこんないいものがあるんだけれどもなかなか脚光を浴びないんだ、あるいは周辺整備さえすれば、あるいは進入路さえ整備すれば多くの観光客を呼べるのに、なかなかそういうことができないんだということを、これは観光庁も含めてヒアリングをしていく中で、なるほど全国には、我々が実は承知していなかったけれども地元の皆さんにとってすばらしい文化施設というものがあって、これを拠点にして上手に町中の人たちとの回遊性というのをつなぎ合わすことができれば、一つの観光地になって、そして文化に触れてもらうことが十分可能だなということを判断した上でつくらせていただいた法律でありますから、どんな立派なコンサルの方が上っ面で提案書を出したとしても、そんなことで審査員の先生方も簡単に認めるということではなくて、本当に地元と寄り添って、これをきっかけに、地元の皆さんがしっかりこれを拠点にして人を呼び込む努力をしてくれるかどうかをしっかり見きわめて選定をしていきたいと思います。 そのためには、先ほど申し上げましたように、市長さんが、私、コンサルという言葉を使わなかったんですが、先生が使っていただいたので、あえて、ほっとしているんですけれども、市長さんがコンサル任せで申請書類を出すようなものじゃなくて、後ろを向いたら市民、町民の皆さんも一緒になって、我々のプライドであるこの施設をより盛り上げてお客さんを呼び込もうじゃないかという気迫がなければ、これはやっても意味はないことだと思いますので、そのことをしっかり見きわめながら、いい提案が出てくることを期待し、また寄り添っていきたいと思っています。
○吉良委員 今の大臣の、後ろを向いたときに住民がついてきているというより住民が背中を押しているという趣旨の発言そのものには私も賛同いたします。 ただ、そうであれば、本来なら、私に言わせれば、国の事業としてとか国の予算がつかなくても、それこそ地方公共団体の独自予算でやっていけばいいと思っているんです、本来は。もちろん、財政的に厳しいことはよく承知しています。 今、私がなぜこういう問題意識を披露するかといえば、民主党政権のときに一括交付金制度というのをつくりました。これは、ある意味では、それぞれの地域、地方に優先順位を明確にしてもらって、その高い優先順位で、自分たちの判断でもって事業をやってくれと、あえて個別事業に対してひもづけをしないということの一括交付金だったんですね。 萩生田大臣に、民主党政権が打ち出した政策、ある意味哲学ではありましたけれども、一括交付金というものに対してどう評価されているか、お聞かせください。
○萩生田国務大臣 地方自治体が独自の裁量権で、その中で予算の使い道を決めるというのは極めて重要なことでありまして、私は、自治が、誤解を恐れず申し上げますけれども、皆さんが自立をきちんとしている自治体だったら、きっとその方がいい政策はできるんだと思います。 ただし、なかなか、平成の大合併などを経て、まだその合併以前の町村の境界が、いろいろつばぜり合いをしていたり、あるいは前の市長さん、前の町長さんなんということをやっている中で、その裁量権を本当に市民の皆さんに公平に使うかというと、地域性が偏ってしまったり、いろいろなことがきっと自治体ではあるんだと思います。 そういう意味で、今回の予算というのは、あくまできっかけづくり、しっかりと呼び水として活用していきたいと思っておりまして、いつまでも国がお世話をするんじゃなくて、これをきっかけに、さっき申し上げたように、地元の皆さん、経済界だとか、あるいは企業ですとか、あるいは民間の皆さんも寄附を出したりしながら、せっかく国が認定したこの制度をうまく使ってぜひ活性化につなげていこうということをみんなで協力していただけるきっかけづくりにまでしか私もならないと思っています。この五千万からのお金で地元が目が覚めるような新しい事業をやるということにはなかなかなりませんから、あくまで呼び水として使っていただいて、あとは地元の努力を期待したいと思います。 あわせて、本当は自由度が高くて余り細かいことを言わないでお任せをした方がいいという意見は、私も同じでございます。
○吉良委員 ありがとうございます。 ここにいる委員の皆さんに釈迦に説法になりますけれども、私の問題意識として、私も地方選出の議員で、生まれも育ちも大分なんですけれども、残念ながら、地方は今、例えば首長を選ぶときも、また議員を選ぶときも、国とどれだけパイプがあるのか。だから、今、全国の首長さんも本当に役所出身者が圧倒的に多くなっていて、国とのパイプ、国の予算をきちっと持ってくる、割り勘負けしないように持ってくる、そういう意識がどうしても地方にあって、国に頼る、国に頼ったときにきちっと国が応えてくれる、その道筋をつけてくれる首長、議員というものを要求している。 私は、地方活性化、地域活性化の真髄は、国依存からの脱却だと思っている。自立の気概と、それから、自立したみずからの事業、優先順位の高い政策を実行していく、私はこれしかないというふうに思っているんです。 このような議論というのは、ちょっとこの法案から外れているように聞こえるかもしれません。ただ、おべっかでも何でもなくて、私が質問レクのときに言ったのは、萩生田大臣は今後、今の政権の中で非常に大きな発言力を、今でも持っているでしょうし、より大きく持っていくだろうと思っています。そういう中で、地方を本当に元気にするためにはどうすればいいのかということを、この法案のこの手法の問題点を通して一緒に考えていきたい、こういう思いで実は質問をさせてもらっているんです。 ですから、一括交付金というのは、地方がこれまでやってこなかった幾つもある課題、幾つもあるニーズ、それにあえて優先順位をつけて、そこにきちっと順位の高いものから予算をつけていく。順位が高くないものについては、申しわけないけれども、ないなり、予算をつけませんということも明確に言う。そのために私自身は一括交付金というのが必要だと思っていますし、その一括交付金を、ある程度の金額を渡した中で、この事業をその地域地域で、ほかに使ってもいいわけですから、ほかに使ってもいいという選択肢がある中で、いや、違うんだ、この文化、国民、住民に文化的関心を持ってもらって、その保存、活用、そしてそれを地域活性化に結びつけるために重要なんだ、この橋の建設をやめてまでこれにお金をつけるんだ、こういうことに果たしてなるのか。 この政策がなければ、残念ながら、今の地方の現状ではそういう優先順位にならないのではないかと心配しているんです。つけた中で自発的に出してくるところはある。それは間違いなくあると思います。そして、評価する中でも、この人たちは本気でやろうとしているということを評価者たちはきちっと読み取って評価もすると思います。だけれども、そういうのがなかったときに、何に、どの分野、どの政策に使ってもいいんですよというときに、本当にこれが出てくるのかという問題意識でもう一度だけ聞きます。 大臣、本当にこの手法で、今私が申し上げた問題意識も含めて、この手法によるこの事業が大事だと思いますか。
○萩生田国務大臣 先生、提出者ですから、大事だと思っていませんとはとても言えないんですけれども、今、大きなお話で問題意識を、私もうなずくところがあるんですね。まさに国と地方のあり方というのを、このわずかな補助金の話じゃなくて、これから考えていかなきゃならないのは、私、事実だと思います。 先ほど、相変わらず地方の自治体などでは国との太いパイプなんというのが選挙に有利になるというお話があったんですけれども、私、国民の意識はすごく変わってきて、私なんか、政権にすごい太いパイプがあることが政治活動において非常に支障になっていまして、いろいろな機会にクローズアップされて大変な思いをしているものですから、必ずしもそのことがプラスだけじゃないと思います。 他方、私も地方議員を続けて、そのときには、国が地方の箸の上げ下げまで一々一々条件をつけて、お金と、予算と制度を渡していくことについて、すごく不愉快で、これからは分権の時代だ、こういう思いで国会へ来ました。しかし、実際にこちらに来てみますと、なるほど、言うなら箸の上げ下げまできちんと言わないと正しくお金を使っていただけない自治体があるというのも現実だなというのも感じてきました。 先生が今おっしゃっている一括交付金などがうまく使えて、こういう文化事業が大事だという判断をされた自治体が、上手に予算を組みながら町づくりをやっていただけるんだとすれば、それは大いに結構だと思います。 しかし、例えばの例ですけれども、もっと大きな話で、地方交付税というものがあります。今我々、GIGAスクール構想で、何とか子供たちに一人一台の端末をといって頑張っていますけれども、これは突然始まった話じゃないですよ。もう麻生内閣の時代から校内LAN一〇〇%と言い続けて、ずっと毎年それに見合う予算を各自治体にお渡しをしてきたけれども、しかし、五・五人に一台のパソコンしか整備をされていない。ひどい自治体になりますと十人に一台しか整備がされていないという状況があります。すなわち、自由度、裁量度があれば、自治体の都合でやはり使い道が変わっていくということはこういうことなんだと思います。 よく全国の教育長さんが、理科の実験室の整備がきちんとできていない、図書館の本がふえないと嘆くんですけれども、ちゃんとその予算は国としてお渡しをしています。本来だったら、正しく算定した予算どおりに本を買ってくれれば、全国の自治体も、学校の図書館も、あふれるほどの本が買えるはずなんです。 しかし、そういったものが自治体の事情で違うところに使われているというのは、まさにこの交付税の裁量権があるからこそでありまして、決して私はそれが全て間違っているとは思いません。町にとってはもっと緊急な事態や大事なことや急がなきゃならない政策課題があるからこそ、そういうことになるんだと思いますけれども、そういう意味では、地方と国の関係というのは、ある程度幅を持たせて、その中での裁量権ということでやっていかないと、結果として、首長さんの判断で国の思いと違う方へどんどんずれていってしまうことも中にはあると思います。 今回のこれは、先生の大きな考えからすれば本当に小さな話ですけれども、私、再三申し上げているように、国が考えて、補助金をあめにして手を挙げろなんという、そういう稚拙な制度じゃなくて、今まで皆さんと話合いをしてきて、頑張ろうと思っている自治体が、少なくとも百ぐらいの地方自治体は我々承知をしていますから、まずは数年間その様子を見て、なるほど、みんな頑張っているなという、そんな成果を見ながら、また改めて御批判をいただければありがたいな、そんなふうに思っています。
○吉良委員 この点についての最後にしますけれども、国民に、県民、市民に文化的関心を持ってもらう、結果的にそれが地域活性化につながる。最初に言いましたように、これ自体は否定するものではない、どんどんやってもらったらいい。 ただ、一つあるのは、最近、外国人観光客あたりがSNSで自撮りしたところを、その地域の人たちは全く当たり前で、何の評価もというか価値を見出していなかったところが、突然外国人によって評価されて、続々と押し寄せてくるという時代になっています。 そういう意味で、私は正直言って、無理に、どこか自分たちの周りで、身近なところでいい文化拠点はないか、文化資産はないかということを見るのではなくて、そこはある意味もう自然任せで、さっきから言っている限られた予算は、本物の博物館とか美術館とか、まあルーブル、メトロポリタン並みとまでは言いませんけれども、極端に言ったのは、そこまで本物の施設に私は予算を投ずるべきだと思っているんです。 一例を挙げますと、やはり大分県で、今は合併して佐伯市となりましたけれども、昔、宇目町といった町があって、そこの町長さんは、周りの市町村が、やれ何とか施設、文化ホールだ何だを建てているときに、そんなお金があるんだったら、自分たちは福岡市の美術館だとか博物館だとか、何かイベントがあったときに、町でバスを仕立てて、ある意味では住民に補助金を出してまで本物をわざわざ見に行こうと。自分たちの小さな町に幾らそんなお金をかけたって、正直言ってそこまで本物のものができない。だったら、本物のものを、今言った、連れていこう、触れさせようということをやっていたんですね。 私は、文化拠点という意味で、身近なところを再発見したいというのはわかりますけれども、国民に本当に文化のよさを、文化に触れさせて、文化に関心を持ってもらうという意味では、今私が申し上げたような手法の方が地方にはふさわしいと私は思っているということを申し上げて、次に移ります。 先ほどの萩生田大臣の答弁で、校内LANというか、タブレットが五・五人に一台しか行き渡っていないという問題意識の答弁がありましたけれども、次のテーマは、今回の新型コロナウイルスによって学校が休校になりました、事実上、要請に基づいて休校になりました、そのときに、各地域地域、そして各学校によって、いろいろな手法で、学校で勉強できない、それをどうやって補うのかということに対して、遠隔教育、ICT等を使いながら、何とか学校に出てこれないことを穴埋めしようとするような手法が数多く全国的になされたというふうに思っています。 その中で、今後の学校運営又は授業運営にも使えるような事例がどれだけ、どれだけというか、数ではなくてどのような事例があったのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
○串田政府参考人 お答えいたします。 今回の臨時休業期間に伴いまして、児童生徒の学習に著しいおくれが生じることのないようにすることは非常に重要であります。今般の一斉休業に当たりましても、各教育委員会等に対しまして、家庭学習を適切に課す等の必要な措置を講じるよう依頼しているところでございます。 家庭学習を適切に課すに当たりましては、各設置者及び学校におきまして、例えば、課題プリントを準備し、家庭訪問を通じて配付及び回収を行う、ICTを活用して宿題を送信し学習状況を確認する、教科書を教材とする授業の動画を作成し配信するなどの取組を行っている学校もあると承知しております。 文科省といたしましては、こうした各設置者及び学校における取組を資料にまとめ、周知しているところでございます。また、あわせまして、児童生徒及び保護者等が自宅等で活用できる教材あるいは動画等を紹介するポータルサイトを開設いたしまして周知しております。 こうした取組を通じまして、引き続き、児童生徒に学習のおくれが生じることのないよう、学習に対する支援に努めてまいりたいと思います。
○吉良委員 今回、先ほど言いましたいろいろな地域、いろいろな学校、学校のみならず、塾、またNHKも、相当こういう形で、今言った休業に伴う問題について補えないかなという手法をこれでもかこれでもかと繰り出してきたんだと思っています。その中のやはり効果的な手法としては、遠隔授業、ICTコミュニケーションだったというふうに私は理解をしています。 この問題で私がちょっと大臣とやりとりしたいのは、今回、こういう臨時的な措置といいますか、緊急的な対応だったとは思うんですけれども、例えば、ICTで双方向でやりとりした子供たちの側は、自分のパソコンだったり、家庭のといいますか、自分のタブレット又は家庭のタブレットを使って対応したと思うんです。学校現場で、先ほど大臣も五・五人に一台しか行き渡っていないということでありましたけれども、地域によって、学校によっては、実は、パソコンなりタブレットを、少なくとも子供が、自分のものか親のものかは別として、使える環境にある、しかもインターネットを使える環境にあるという子供たちが相当数いると思うんです。 公教育ということになれば、当然、公平性が非常に重要になるので、じゃ、家にあるそういうパソコン、タブレットを学校で使ってもいいよというふうにすると、経済的に困難な家庭の子供が寂しい思いをする、そのことの問題意識は私はすごくよくわかります。ただ、同時に、今、先ほど大臣がおっしゃったように、麻生内閣時代からやって、いまだに五・五人に一台。 そうであれば、私は、今言った、ハードを持てない、又はインターネット環境が家にない、その人たちに対して、その子供たちに対して最大限の配慮をするという前提ではありますけれども、家にある、子供が使える、そういうICT、ハード、ソフトを学校現場で使っていいというふうにしていかないと、今文科省が望んでいる、タブレットを行き渡らせることが目的ではなくて、それを使ってより効果的な学習をする、能力を高めるということが目的ですから、そうであるならば、今言いました、家庭で使える状況にある子は学校でもそれを使ってもらうということも私は一つの大きな選択肢だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 今回の一斉休業は、本当に、現場の先生方、子供たち、また御父兄の皆さんに対しても大変な御負担をおかけすることになりました。一方、じゃ、全てがマイナスかといえば、こういうピンチの状況の中で、各自治体、各学校がさまざまな知恵をめぐらせていただいて、今、役所の方からも答弁をさせましたけれども、いろいろな試みをしていただいて、これは今後の教育現場で活用できるものもたくさんあるなと思っているところでございます。 先生御指摘のように、ICT環境が整っているような自治体では、もう既に、タブレットの持ち帰りをさせて、そして遠隔で、特定の学年ですけれども、授業をやった、あるいは健康状態の確認をした、こういう事例も報告を受けているところでございまして、今後こういう環境をしっかりつくっていきたいということはまず大前提でございます。 その上で、先生御指摘のように、端末が御自宅にあるかないか、これがお父さんのものであってもお母さんのものであっても、ある家庭と、それは全く、携帯電話も、スマホも使っていないという御家庭も中にはあるわけでありまして、そういう環境の中で、これは自習レベルだったらいいと思うんですけれども、もし授業をやるということになりますと、やはり格差が生じてしまうわけでありますから、その穴は埋めなきゃなりません。 我々も、この三週間の中で、持ち帰りできる数だけ持ち帰りさせて、使える学年だけでも使ってもらったらどうだ、こんな提案も途中でしたことがあるんですけれども、他方、学校で使っているのはWiFi対応のスペックしか入っていなくて、いわゆるLTEについては対応ができないというような機械も中にはございました。あるいは、残念ですけれども、地方などに行きますと、そもそも携帯の電波すらなかなかないというようなところもございましたので、あまねく日本じゅうで活用する環境にはまだないことは事実であります。 しかし、先生がおっしゃったように、きれいに整えることが目的じゃありませんから、ここは、BYOをどうするんだ、持ち帰りはいいのかいけないのか、自分が持っているタブレットで授業に参加しちゃいけないのかという議論も既に自治体ごとには出てきておりますので、我々としては、これは積極的に、現場の声を聞きながら、できることから取組をしていきたいと思っています。 それより何より、やはり、おとといの夜、ユネスコの教育大臣会議、テレビ電話に私は参加しました。本当に、十一カ国の大臣が参加されたんですけれども、ほとんどの国が、ICTの活用で、学校は一斉休校にしたけれども授業はパソコンでやっていますと言われて、ちょっと背筋がぞっとしました。 私は、この機会に、本当に、三年間、四年間で小中学校の整備をすると申し上げましたけれども、このピンチをチャンスに変えて、野党の皆さんにもお認めいただいて、一気に整備を進めていきたいと思っておりますので、改めて御協力をお願いしたいな、そんなふうに思っております。
○吉良委員 今大臣が答弁された他国の事例で、もう既にそうやってICTを使ってやっていると。 前も言いましたけれども、私、九五年、二〇〇〇年という古い時代ですけれども、そのころの米国でも、もう小学校の子供たちは、家にパソコンがある前提でいろいろな課題が出て、やっておりました。 繰り返しになりますけれども、公平性を重んじるがゆえに、全員にタブレット端末が行き渡るのに十年かかって、肝心の中身をブラッシュアップすることができないというのであれば、まずは、私自身は、私用というんですかね、自宅用も含めて活用するという道を検討すべきではないかということを申し上げたいということと、あと、今回の、先ほどもいろいろな事例がありましたけれども、その中で、教員の働き方改革、教員不足問題を解決できる又は教員の負担軽減につながる、そのような実例を、ぜひ、全国あまねく紹介をして、国全体としてそれの普及に努めていただきたいということ。 そして、当該法案について萩生田大臣に最後にお願いしたいことは、一括交付金という考え方をぜひ広めていただいて、その中でも優先順位が高い事業を国が支援をしていく、結果的に、一括交付金によって。そのことによって地方の国への依存というのをなくし、自立に促していけるように、大臣にお願いをして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○橘委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案について伺います。 この法案を審議するに当たっての大前提は、新型コロナウイルス感染症の対策の問題です。 きのうも伺いましたが、まず最初に橋本聖子オリパラ担当大臣に伺います。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を理由に、オリンピック・パラリンピック東京大会開催の延期を含めて、IOCは、三月二十二日の臨時理事会で、大会組織委員会や東京都と協議し、四週間以内に結論を出す方針を決めました。これは、世界の選手が声を上げたことによるものだというふうに私は思います。 そして、昨晩、三月二十四日、安倍首相が国際オリンピック委員会のバッハ会長に七月開催の東京五輪を一年程度延期するよう提案をされた、バッハ会長も同意し、遅くとも二〇二一年夏までに開催することで合意をしたというふうに報道されました。その電話会談のときに、大会組織委員会会長と東京都知事と、そして橋本大臣もいらしたということです。 私は、今後一年程度延期をしたときに、やはり、アスリート、選手の皆さん、いろいろな思いがあると思います。また、新型コロナ対策の専門家の皆さんの知見をきちっと聞くという場も必要だと思うんです。こういったことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 ありがとうございます。そういった御指摘、もっともだというふうに思っております。 昨夜のIOCバッハ会長と安倍総理の電話会談にも、私、同席をさせていただきました。世界各国のコロナウイルスの感染拡大によって厳しい状況にあるということの中で、一年程度の延期というものを総理が提案いたしまして、そして、バッハ会長からは、一〇〇%合意をするということで一致を見たということになります。 その中で、アスリートの視点で御質問いただいたというふうに思うんですけれども、私も、元アスリートとして、やはり大変な不安だった状況であります。それを、何とか早くに、どのぐらいの時期かということだけでも決めてほしいというのが各国のアスリートや関係者の声だったというふうに承知しております。 その中で、この段階でおおむね一年程度ということで大体の時期が決まったということは、非常に安心をされているんだというふうに思いますけれども、ただ、不安が解消されても、今度は、すぐにそういった状況を、しっかりと環境整備を整えていかないと、選手は不安が不満になってしまってはモチベーションが保っていけない、そして最高のパフォーマンスを発揮することができないということが今度の課題になってくるというふうに思います。 その中で、今、タスクフォースがありまして、政府としても参加をさせていただいております。今後、やはり、コロナウイルスに関しての総合対応推進チームを構築させていただいておりますので、そういったところを通じながらコロナウイルスの専門家を御紹介したりですとか、各国の状況をしっかりと情報共有して、今現在何が適切なのかということを発信するということを同時にしながら、アスリートの不安というものを払拭するために全力を挙げていくことが重要であるというふうに思っておりますので、この点について、御指摘のとおり、しっかりとやっていきたいというふうに思います。 〔委員長退席、馳委員長代理着席〕
○畑野委員 ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。 あわせて、新型コロナウイルス対策によって、イベント自粛の影響による公演の中止や延期などが出ております。文化芸術団体の皆さんが本当に暮らしに困っていらっしゃる。役者、ミュージシャン、ヘアメーク、大道具、舞台監督、音響、照明、楽器の担当など、多くがフリーランスの皆さんで、そして、文化芸術活動の場また働く場を失っております。 この間、私もいろいろな方から伺ってまいりました。日本音楽家ユニオンの皆さん、五千二百人参加されておりますけれども、コンサート、ライブの延期、中止が相次いでいると。八百人の方にアンケートをとりましたが、中止、延期によって、キャンセル料はほとんど払われていない。ぜひ、自粛に伴う休業補償をお願いしたい。なぜならば、音楽のために頑張っていて、結婚せずに独身の方が多い。そうすると、子供のいる人への手当てというのはあるんだけれども、こういうふうに一生懸命やっている人への手当てがないと、悲痛な声が寄せられました。 また、各団体、日本マスコミ文化情報労組会議フリーランス連絡会、日本俳優連合、落語芸術協会、日本ベリーダンス連盟が記者会見をして、直接的な所得補償の支援を訴える。国際俳優連合や国際音楽家連合が、こうした日本の文化芸術団体が声を上げたことを全面的に支援するという声明を発表しております。 共通しているのは、このままでは日本の文化芸術の担い手が崩壊してしまうという危機感です。 先日、国会内で、新型コロナウイルスからライブ・エンタテイメントを守る超党派議員の会というのがございました。そこでも訴えられましたが、二月二十六日の安倍首相の自粛要請を受けて、ドームクラスから大、中、小まで全て中止、延期をしたという団体の訴えがありました。二月二十六日から三月一日まで、千五百五十公演、推計四百五十億円の損害、ほぼ一カ月分の収入を失ったと。ですから、多くがフリーランスなので、一カ月分の収入がゼロという人が多く生まれているということです。 また、文化芸術議連も開かれまして、勉強会の中では、十五の団体の要望書、十の団体の方が直接来られて訴えてくださいました。音楽、演劇、落語、芸能などあらゆる分野が、二、三月の公演がほぼ中止、延期になっている。経済的損失とともに、いつ再開できるのか先が見えない。チケットは、三月の中止公演は五千三百、延期は千七百程度という紹介もございました。そういう点での支援が本当に必要です。 文化庁に伺いたいんですけれども、芸団協の方からも直接お話を聞かれましたよね。大変参考になったと文化庁の方がおっしゃったということです。政府が今進めようとしている対策、関係者に伺いますと、一応説明は受けたとか、いや、全く知りませんという状況があるんです。各省庁にまたがると思います、厚生労働省や経産産業省や。でも、文化庁が窓口になって、文化芸術の方たちはこういう制度がありますよ、また更に要望があったら言ってくださいというふうに勧めていただく必要があると思うんですけれども、いかがですか。
○今里政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のように、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、また、政府からのイベント等の自粛の要請も踏まえまして、文化芸術に係るさまざまなイベントや公演等に関しましても中止、延期等の自粛の決断がなされているものと認識しております。それにより、芸術文化の事業者あるいはフリーランスの方が非常に大きな影響を受けているということも承知をしているところでございます。 今も先生から御指摘がございましたように、政府全体として、こうした影響を受ける事業者の方々に向けては、各関係機関における経営相談窓口の設置、金融公庫等による緊急貸付・保証枠の拡充等の対応や、雇用調整助成金の特例措置の大幅な拡充などの対応がとられているところでございます。 私どもといたしましては、文化芸術イベントの開催を自粛している各団体から現状等をお聞かせいただきつつ、情報公開に努めているところでございますが、御指摘のように、芸術家それから文化芸術団体の方々に対しまして、これらの対応に対する情報をそれぞれのニーズに応じてわかりやすく発信してまいりたいと考えております。
○畑野委員 例えば、個人向け緊急小口資金等の特例というのがありまして、最大で緊急小口資金二十万円、それから総合支援資金、最大で六十万円、合わせて八十万円というのがあるんです。それで、一年後の償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとし、生活に困窮された方の生活にきめ細やかに配慮するというふうにあるんですね。 だけれども、じゃ、これは返せなくていいのかどうかというのはわからないわけですよね。きめ細やかに相談に乗るというんだったら、そういうのを文化庁がホームページやそういうのでも知らせて、やっていただきたいというふうに言っておきたいと思います。 萩生田光一大臣に伺いたいと思うんです。 文化芸術議連でも、緊急決議を上げまして、これはもう政府に持っていこう、本当に補填や支援を求めようというふうに超党派で今なっております。大臣のところにも届くと思うんです。 貸付けだと、先の見通しが立たないと不安で借りられないというふうになるんです。安倍首相は、政府として全て責任をとるとおっしゃってこられたんですね。であるならば、収入がゼロになって困窮しているフリーランスの人を補償する緊急の給付制度をつくるべきだと思うんです。 あわせて、海外の取組もぜひ研究していただきたいと思います。 フランスでは、アンテルミタンという芸術家専門の失業保険制度があります。全ての民間労働者が加入する失業保険制度の枠内で、技術者は過去十カ月、芸術家は十・五カ月の間に五百七時間の労働をしたことを証明すれば、みなし給与所得者として失業手当を受け取ることができる制度なんです。 ドイツの担当大臣は、文化イベントの中止を要請しなければならないとすれば、それは目下の状況が極めて異常な緊急事態であるためなのです、芸術家と文化施設の方々は安心していただきたい、皆さんを見殺しにするようなことはいたしません、財政支援や債務猶予に関する問題が起こるようであれば、個々の必要に対して対応してまいります、こうやって励ましているわけです。 ぜひ、こういったことを含めて、文化芸術にかかわるフリーランスを守るセーフティーネットの仕組みを検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、政府全体として、フリーランスを含む事業者の方々に向けた各関係機関における経営相談窓口の設置及び金融公庫等による緊急貸付・保証枠の拡充や、小学校等の臨時休業により仕事を休まざるを得なくなったフリーランス等への休暇取得支援などの対策がとられているところでございます。 現在、新型コロナウイルス感染症の拡大は世界各国共通の問題となっており、それに伴って文化イベントの中止などの動きも世界的に広がっているものというふうに思います。 それぞれの国の新型コロナウイルス感染症の拡大状況や、その他の国内事情等に応じて各国の対応は異なるものと考えておりますが、今先生から御提案といいますか御紹介のあったフランスのアンテルミタンに係る制度は、フリーランスの芸術家等が一定期間まとまって労働していたことが証明できれば、その後しばらくの間仕事を失った場合にも失業手当を受け取ることができる保険制度のことを指すものと承知をしております。 いずれにしましても、今回のコロナによって日本の文化芸術の灯が消されるようなことがあってはならないと思います。 フリーランスの皆さんの働き方というのは文字どおり多種多様でありますから、なかなか、一人一人の収入減、損失というのを確定することはすごく難しいと思うんですけれども、しかし、どこかに所属して仕事をしていますから、そういう意味で、もう少し大きな枠で支援をしてさしあげて、その中で、一番働き方がわかっている皆さん方で支え合ってもらえるような仕組みは、ぜひ私は補正予算案を通じて提案していきたいと思っているんですね。 このままだと、業界からやめてしまう人たちが大勢出てくるというふうに思います。まさしく、コロナに打ちかった後にはこういった文化や芸術で心を癒やしてもらわなきゃならないわけですから、そのためにも、ちょっと厳しいですけれども、皆さんが諦めないで続けられるだけの環境づくりというものは文化庁と連携しながらしっかりやっていきたいと思いますので、引き続き努力したいと思います。 〔馳委員長代理退席、委員長着席〕
○畑野委員 日俳連の方は、フリーランスの芸能実演家に労災保険を、こう訴えもしているんですね。本当に、それぞれ各省庁と連携しながら、ぜひ萩生田大臣に頑張っていただきたいというふうに思います。 法案について伺います。 二〇一八年に、OECDとICOM、国際博物館会議が、文化と地域開発ということでガイドをつくりました。その中では、ミュージアムや文化遺産は地域発展を強力に後押しする大切な資産だというふうに言っております。また、ユネスコが二〇一五年に出した「ミュージアムとコレクションの保存活用、その多様性と社会における役割に関する勧告」でも、ミュージアムが社会において経済的な役割を演じ得ることや収入を生む活動に貢献することを認識すべきであると述べる一方で、ミュージアムの主要機能を損ねてまで収入の創出に高い優先度を与えるべきではないと指摘しております。 本法案は、文化財や博物館を観光振興や地域活性化に活用しようというものですけれども、その活用は、文化財の確実な保存、継承や博物館の本来の機能の発揮がしっかりと確保されてこそ図られるべきだと考えますが、いかがでしょうか。そうした趣旨を国の基本方針に反映させるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 本法案における文化観光を推進していく上で、文化財の確実な保存、継承や博物館等の文化施設が本来の機能を発揮することは必要不可欠な基盤だと考えております。 また、本法案は、文化の振興を起点として観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される好循環を創出することを目的として地域における文化観光を推進していくものですが、これによって更にこのような基盤を強化していくことができると考えており、このような趣旨については基本方針においても盛り込んでいくことを想定しております。
○畑野委員 法案の中で、地域計画を作成する協議会の構成員には、関係する住民、学識経験者が掲げられています。どのような人を想定しているのでしょうか。また、協議会を構成するに当たっては、地域住民の意向の反映や、文化財や博物館に関する学識経験者の知見を尊重するとの観点を基本方針に盛り込むべきではないでしょうか。
○萩生田国務大臣 地域における文化観光の総合的かつ一体的な推進を図るためには、地域の関係者がそれぞれの立場から意見を出し合い、お互い連携協力することが重要です。このため、本法案では、自治体が協議会を組織できることとしており、その構成員としては、関係する住民や学識経験者などの自治体が必要と認める者についても規定しているところです。 地域の住民の意見や、地域の文化財や文化施設等に関する学識経験者等の知見等を反映させることによって、地域の実情を踏まえ、地域に支えられた持続可能な形での文化観光を推進していくことができると考えており、このような趣旨につきましても基本方針にしっかり盛り込んでいくことを想定しております。
○畑野委員 最後に伺います。 博物館クラスター推進事業の対象となる計画は限られております。それ以前に、地域の博物館が置かれている現状に照らして、多くは、資料の収集、保管、調査研究、教育普及という博物館の本来業務の継続が危機的な状況に置かれて、学芸員の配置などの体制の強化も求められております。 博物館を活用しようとするなら、こうした現状の底上げこそ図る必要があるのではないでしょうか。
○萩生田国務大臣 そのとおりだと思います。 全国各地の博物館は、収集、保管、展示、調査研究、教育普及など、さまざまな活動を通じて地域の教育、学術、文化の発展に寄与していますが、そのうち少なくない博物館がさまざまな運営上の課題を抱えていると認識しております。 博物館の地域文化の発信や、学校や地域との連携を促進するための助成支援、学芸員の資質向上のための各種研修事業など、事業を着実に進めてまいりたいと思います。
○畑野委員 以上で終わります。
○橘委員長 次に、宮路拓馬君。
○宮路委員 自民党の宮路拓馬です。 質問の機会をいただき、感謝申し上げます。 昨晩、この委員会でも既に取り上げられておりますが、驚くべきニュースが飛び込んでまいりました。東京オリンピック・パラリンピックの延期決定ということであります。 昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、ただでさえ多くの影響が出ております。特に、宿泊、観光業においては、インバウンドが激減をし、かつ国内においても人の流れが滞り、我が地元鹿児島においても、前年比で稼働率二割、三割、場合によってはもう休館を決断し、そのようにされている旅館業もありますし、あわせて運送業等にも大きな影響が出ております。 今般のこの文化観光推進法は、文化を更に活用といいますか、文化に対する理解を深めることにより、それを観光の振興、地域活性化にもつなげるということを趣旨として、かつ、それをオリパラ開催の本年に制定をするということに非常に大きな、時宜を得たものがあったのだと考えますが、今般、残念ながら東京オリパラは延期が決定されたわけであります。 しかし、状況に鑑みれば英断だったと言えると思いますし、まさにアスリートファーストの視点で、延期を決定したからには、その延期された、史上初の延期となる東京オリンピック・パラリンピックをいかに成功に導くか、また国を挙げて、英知を結集して取り組んでいかなければならないというふうに考えております。 そうした中で、法案質疑でございますので、昨日、他の委員の先生方も質疑に立たれましたが、それに引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。 まず、改めてでありますが、この法案を提出するに至った経緯についてお伺いをしたいと思います。
○萩生田国務大臣 文部科学省としては、平成二十九年度の文化芸術基本法の改正、平成三十年度の文化財保護法等の改正及び文化庁の組織再編等を行う中で、文化資源の保存、活用について強力に推進をしてきました。 また、近年、爆買いとも呼ばれる訪日外国人旅行者の消費行動に代表される物の消費から、日本ならではの文化等を体験、体感する事消費への消費スタイルのシフトが見られています。このような中で、博物館、美術館を訪れる外国人旅行者の割合が約三割となるなど、博物館等の文化施設を中心とした文化観光の重要性があると考えます。 このため、令和元年度の成長戦略等に文化施設を中核とした文化観光の推進の必要性を盛り込み、地域の文化施設や自治体等との意見交換を行うとともに、有識者会議において議論を行い、これらを踏まえて、法案の内容について具体化を図ってきたところです。 国際的にも、昨年、国際博物館会議とOECDが共同発表したレポートにおいて、地域経済発展のために博物館の力を活用するなどが提起され、この内容が九月のICOM京都大会において議論をされたところです。 このような背景のもと、文化庁が観光庁その他の関係省庁と連携して検討を進めてきた結果、本法案を本通常国会に提出するものであります。
○宮路委員 ありがとうございます。 昨今の文化振興に係る数次の法改正、あるいは国際的な流れ等を受けて今般の法案の提出に至ったということであります。 今、大臣の御答弁の中に、約三割の方が博物館、美術館等を訪れておられるということでありますが、よくよく考えてみますと、私も、例えばイギリスに行ったときは、やはり大英博物館には行ってみたいな、あるいはナショナルミュージアム、ここにはぜひ訪れてみたい。あるいは、パリ、フランスを訪れた際は、やはりベルサイユ宮殿であるとかルーブル美術館、そこを軸に観光を考えるわけであります。 一方、では、インバウンドの方々が東京にお越しになられたとき、東京国立博物館を主軸に観光を考えるかというと、まだそこには至っていないのかなと。もちろん、そういう方もいらっしゃるでしょうが、それが現状ではなかろうかと考えております。 したがいまして、今般、まさにそうした考えのもと、文化振興を観光振興にもつなげる、そして、それを東京、首都圏のみならず、地域にもその効果を波及させるという趣旨があるというふうに聞き及んでおりますので、先ほど申し上げたとおり、今、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で大変ダメージを受けている観光業界でありますが、しかし、いずれ終息した際の反転攻勢のきっかけとして、今回の法案をしっかりと仕上げ、そしてそのときのために準備をするということは極めて重要であろうと考えております。 先ほど、御答弁の中で、組織改編があったということに言及をしていただきました。 実は、私、この文科委員会における初の質問は文科省設置法の改正案でありました。御案内のとおり、文化庁を京都に移転する、そしてその機能の強化を図るという内容でありましたけれども、その法案の質疑に立たせていただいた上で、また今般、本法案について質疑に立たせていただくというのは、大変縁があったのかなと。その際申し上げたとおり、我が国の初代文部大臣は我が郷土鹿児島の大先輩である森有礼でありますので、だからというわけじゃありませんが、こうして立たせていただいたこと、大変感謝しております。 そうした中でお伺いをしたいと思います。 先ほど言及いただきましたとおり、博物館行政を文化庁に移管したということでありますが、そのことにより何が変わったのか、そしてそれが今般の法改正にどう結びついたのかということについて、改めてお伺いをしたいと思います。
○今里政府参考人 従前、博物館に関する事務は、美術館及び歴史博物館以外は文部科学省本省が所掌してまいりました。今お話のございました平成三十年の文部科学省設置法の改正、これによりまして、博物館に関する事務は文化庁が一括して所管することになりました。 これによりまして、文化庁におきまして、博物館に関する横断的な政策立案が可能となり、社会教育施設としての博物館の振興を図ることが可能となってございます。あわせて、今回の法案にも関連してまいりますけれども、観光、町づくり、産業等の多様な分野との連携を通じたさらなる活性化方策につきまして、関係省庁との議論も進みやすくなったところでございます。 また、昨年十一月には、博物館の制度や振興方策等を総合的に検討する場といたしまして、文化審議会に博物館部会を新設しておりまして、そこでの議論も踏まえつつ、必要な取組を進めてまいります。
○宮路委員 省庁横断的に検討を進められるようになったと。先ほど大臣も御答弁いただきましたが、観光庁を始め、やはり文化振興と観光振興、それぞれ今まで別の省庁で担っていたものを横断するような施策でありますので、まさに各省間の連携が必要ということで、そうした体制のもと今般の法案の検討に臨まれたということで、早速その成果が、効果が出ているのかなというふうに考えております。 その上で、改めてここで、今回の法案の趣旨、目的、そしてその内容についてお伺いをしたいと思います。
○萩生田国務大臣 本法案は、文化の振興を観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される好循環を創出することを目的とするものです。 このためには、文化施設が、これまで連携が進んでこなかった地域の観光関係事業者等と連携することによって、来訪者が学びを深められるよう、歴史的、文化的背景や、ストーリー性を考慮した文化資源の魅力の解説、紹介を行うとともに、来訪者を引きつけるよう、積極的な情報発信や交通アクセスの向上、多言語、WiFi、キャッシュレスの整備を行うなど、文化施設そのものの機能強化や、さらに、地域一体となった取組を進めていただくことが必要となります。 本法案は、このような観点から、文化観光を、文化資源の観覧や体験等の活動を通じて文化についての理解を深めることを目的とする観光と定義し、また、文化観光拠点施設を、文化資源の保存及び活用を行う施設のうち、国内外からの来訪者が文化についての理解を深めることに資するよう解説、紹介をするとともに、文化観光の推進に関する事業を行う者と連携することにより、地域における文化観光の推進の拠点となるものと定義します。 その上で、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光を推進するため、主務大臣が定める基本方針に基づく拠点計画及び地域計画の認定や、当該認定を受けた計画に基づく事業に対する特別の措置等を講じるとともに、財政面の支援を充実するものであります。
○宮路委員 ありがとうございます。 文化観光の素材となる文化資源。これまで文化観光というと、とかく、例えば、青森、ねぷた祭りであったり、あるいは、私がかつて仕事でおりました広島におきましては、壬生の花田植というのがユネスコの無形文化遺産に登録されるであったり、そうしたイベントあるいはお祭りなどの際に多くの観光客の皆さんが訪れる。文化観光というと、えてして、そうしたイベント、お祭りを中心に考えられてきた部分があったかというふうに考えておりますが、今般は、それに加え、施設を中核とする文化観光の推進ということが趣旨になっているかと考えますが、施設を中核としたその理由、背景、必要性についてお伺いをしたいと思います。
○今里政府参考人 有形無形の文化的所産などの文化財の保存、活用につきましては、文化財保護法等に基づきまして各種施策を講じてきたところですが、本法案のように施設に着目をして文化観光を推進する法律、これは今までなかったところでございます。 本法案における文化観光拠点施設には、歴史博物館や美術館のみならず、例えばお祭りの伝承館ですとか伝統芸能の保存館、こういったものも含まれ得るものでございます。このような施設が中核となって地域の事業者、自治体と恒常的に連携した事業実施体制を構築、こういうことによって進んでいくということでございます。 本法案によってこうした仕組みが構築されることで、文化観光拠点施設や周辺地域へ国内外からの観光旅客が一過性ではなくて恒常的に来訪し、その経済効果が文化の振興に再投資されることで、文化観光地域活性化の好循環を生み出すことができる、このように考えてございます。
○宮路委員 恒常的という言葉がございましたが、まさにそこが肝であるというふうに考えております。 これまでの文化観光は、お祭り、イベント、あくまでも一過性、その日あるいはその期間限りということでありました。我が国においては、それを目指して一つの場所に多くの観光客が集まる、その期間はある意味ほっておいても人が集まる、その分、なかなかサービスが行き渡らない、けれども人は来る、そこで、ある意味、あぐらをかいていた部分もあったのかと思います。 しかし、今後、インバウンド四千万人、あるいはそれ以上を目指していくに当たっては、やはり一過性、その期間限定であってはなりませんし、そして、地域の資源にあぐらをかくことなく、それを磨き上げ、そして恒常的に人を呼べる、そういう工夫をすることが求められているんだろうと思います。そうした意味で、今般、施設を拠点にして、中心に据えて文化観光の推進を図るという考え方は、非常に時宜を得たものだと思っております。 先ほど、法案の中身について御説明をいただきましたが、今般、拠点施設となるに当たり、拠点計画とそして地域計画という二種類の計画があるというふうに認識をしております。 この二種類、なぜ二種類あるのか。ややもすると、一見わかりづらい、どちらで取り組めばいいんだろうというような疑念を持つことも考えられますので、この質疑において、その点、理由についてお伺いをしたいと思います。
○今里政府参考人 本法案では、文化施設の機能強化の取組と、魅力ある文化施設を中核とした地域単位での総合的かつ一体的な取組、この二つの取組を用いて、地域における文化観光の推進を図るところでございます。 今申しました二つの取組のうち、前者、すなわち文化施設の機能強化の取組、これにつきましては文化施設の設置者が拠点計画を作成して取り組む、そして後者、文化施設を中核とした地域単位での総合的かつ一体的な取組、これにつきましては都道府県又は市町村が組織した協議会が地域計画を作成して取り組む、こういう仕組みになっているわけでございまして、それぞれの文化施設や地域の実情に応じて、実施主体が責任を持って取組を進めることができるような仕組みとしているところでございます。
○宮路委員 ありがとうございます。 これまで、こうした類いの法案あるいは制度においては、えてして地域協議会、もちろん地域が連携した取組が必要ですので、一体となった取組が必要ですので、地域計画といったものがむしろ一般的であったのかと思いますが、今ほど御答弁いただきましたように、今般は、施設設置者も主体的にその制度にかかわることができるという意味では、ある意味選択肢が広がったと言えるのではないかと思っております。 ぜひとも、こうした制度が今回新たにできるということを、自治体のみならず、そうした博物館あるいは美術館、その主体にも直接周知されるように努めていただきたいというふうに思います。そして、願わくば、これまでのようなスキーム、つまり自治体主導ではなく、施設主導で、博物館、美術館、そうした拠点施設主導でこうした動きが全国各地で出ていくことを期待しております。 それでは、この法案における支援策についてお伺いをしたいと思います。 当然、新たな取組ということですから、この法案に基づいた各種の支援が講じられるということでありますが、お配りさせていただいております今回の法案における支援策について、先ほど大臣の方からも、交通アクセスの改善等に係る各法の特例措置も講じられるということでありますが、私は、その中でも、国の支援措置というのが非常に重要だというふうに考えております。 その中で、国等による文化資源の公開への協力ということが掲げられておりますが、その内容について具体的にお答えをいただきたいと思います。
○今里政府参考人 文化観光を推進するに当たりましては、まず、文化資源の魅力を高めること、これが重要でございます。そのためには、文化施設が所有する文化資源の磨き上げを行うほか、他の施設から関係する文化資源を借り受けまして、文化施設がみずから所有する文化資源と組み合わせた総合的な魅力の向上に取り組む、こういったことが考えられるところでございます。 このため、本法案では、国や国立博物館に対しまして、その所有する文化資源を地域の文化観光拠点施設において公開するよう求められた場合にはこれに協力する、こういう努力義務を規定してございます。 これにより、例えば、国や国立博物館の所有する各地域ゆかりの土器などの出土品、旧大名家に伝わる調度品等の文化資源を各地の文化観光拠点施設で見ることができ、当該施設にある展示品とともに、地域ゆかりの文化資源の魅力を高めることにつながります。 なお、令和二年度予算案では、国際観光旅客税を活用した事業として、国等が有する地域ゆかりの文化財等を活用し、地域の歴史、文化を魅力的に発信する地方博物館の取組を支援することとしておりまして、本法案で認定された拠点計画又は地域計画に基づく取組である場合には、補助率のかさ上げを行うことが可能でございます。
○宮路委員 先ほど、文科省設置法案の質疑に立ったときのことを思い出しました。 京都に文化庁が移転される。これまで文化は東京あるいは首都圏を中心に考えられてきたけれども、文化庁の京都移転を契機に、地方においてもそうした文化資源を活用できる、首都圏にある文化資源を地方においても活用できる、そういう社会を目指すということで議論をしたことを記憶しております。 昨日の本委員会での質疑におきましても、大臣の方より、国あるいは国立博物館に眠っている多数の文化財がある、それを眠らせておくのはもったいないと。もちろん維持補修等の必要性はありますが、しかし、かといって、それが十全に活用されているとは恐らく言えなかったのであろうと思います。 これまで文化というと、やはり最先端のものに触れるためには東京に行かなければいけない、やはり東京はいいなと。私も若かりしころ、鹿児島で生まれ育ちましたから、やはり東京だよなと思っていた時期もありました。しかし、その東京でしか見られなかったものが鹿児島でも見られる、地方でも見られる、そういう社会であるべきだと考えますし、まさに、今般のこの法案によりまして、文化の面においてもそうした流れが更に加速するということを期待しておりますし、ぜひそうした実践を重ねていただきたい。そのためには、鹿児島でまさにこの拠点施設が誕生しなければならないわけでありまして、私としてもその周知に努めていきたいというふうに考えております。 二つ目でありますが、国からの支援措置の中で、日本政府観光局、いわゆるJNTOによる海外宣伝等というふうにうたわれておりますが、この内容についてもより具体的にお伺いをできればと思っております。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。 文化観光の推進に当たりましては、国内での情報発信に加えまして、外国人旅行者を取り込むためには、外国人を受け入れるための着地整備を行った上で、海外に対しても情報発信に取り組むことが重要でございます。 このため、本法案における拠点計画や地域計画の認定を受けました文化観光拠点施設や地域に関しましては、海外各地に事務所を多数有しますなどネットワークを有する日本政府観光局、JNTOにおきまして、ウエブサイトやSNS等を活用した情報発信でありますとか、現地旅行会社によるツアーの造成を促すための旅行会社の招請や商談会、また海外メディアによる情報発信を働きかけるためのメディア招請、こういった海外宣伝を行うように努めるということとしております。 文化観光拠点施設や地域につきましては、このような効果的な海外宣伝を行うことで、文化観光拠点施設や地域に対する外国人旅行者の来訪を促進してまいりたいと考えております。 なお、例えば、世界遺産の熊野古道でありますとか、アートの取組が進められております瀬戸内海の直島周辺、こういった地域におきましては、着実に観光コンテンツの開発や多言語対応などが進められておりまして、さらに、JNTOにおきまして、そういった魅力も含めました情報発信を行っておりまして、これらの取組が相まって地域への外国人旅行者の増加につながっている、こういった事例が生じているものと認識しております。
○宮路委員 既に、熊野古道あるいは瀬戸内のアート、これを効果的に海外に発信されているということであります。そして、その効果が確実にあらわれているということ。 確かに、考えてみると、海外に発信するというのは言うはやすし行うはかたしでありまして、そもそも一つの、例えば我が鹿児島には尚古集成館という、明治維新に至った経緯、その偉人たち、島津斉彬公あるいは西郷隆盛公、大久保利通公等々多数の人材を輩出したわけでありますが、そうした功績を世に発信する施設がございます。 では、その尚古集成館、大変すばらしい施設であるんですが、そこが果たして海外に、明治維新というのは何だとか、幕藩体制、二百六十年続いたものが、どのように明治維新へと世の中が動いていったのか、そこにおいて、島津、薩摩藩がどのような役割を果たしたのか。そして、その中で、尚古集成館で展示されているもの等の位置づけはどうだったのか。これを海外に発信するというのは容易なことではないというふうに思います。 JNTOにおきましては、これまでも熊野古道あるいは瀬戸内のアート、特に熊野古道というものについては、その歴史的意味、価値、文脈を発信できなければ、自然が美しいな、緑が深いな、雰囲気はあるな、そういうことにとどまってしまい、それを伝えるというのはなかなか難しいことであると思いますが、既にそうした事例が出ているということでありますので、今般のこの法改正によりまして、そうした国の支援を受けられることになった暁には、ぜひ、ここは非常に大事なことだと思います、総力を挙げてそうした後押しをしていただければというふうに考えております。 三つ目でありますが、支援措置、国、地方公共団体、国立博物館等による助言等とあります。これも、さらっと読めば何のことやらという気がいたしますが、この具体的な中身、内容についてお伺いをしたいと思います。
○今里政府参考人 今先生からもお話がございましたように、文化観光を推進するに当たりましては、文化資源についての、例えば歴史的背景ですとか、そういうことを踏まえた解説、紹介を行う、こういうことが必要でございます。さらに、国内外からの観光旅客が文化について理解を深めることができるように、ICTを活用した展示、それから多言語化に取り組む、こういったことが必要と考えてございます。 国立博物館等では先進的にこれらの課題に取り組んできております。例えば、東京国立博物館では、主要な展示について、直訳ではなくて歴史的、文化的背景を含めた解説を多言語で表記する、あるいは絵画の高精細画質の映像化により作品の細部まで拡大して鑑賞できるようにする等の取組を行っているところでございます。 本法案では、国、地方公共団体による助言等に加えまして、こういった国立博物館等について、その今まで育んできた知見やノウハウ、これを地域の文化施設等に提供するように、例えば、文化資源の保存に関する相談窓口の開設や助言、わかりやすい多言語化や魅力的な展示方法に関する研修の実施、こういったことによる援助を行う努力義務を規定しております。これによりまして、地域の文化観光拠点施設が文化資源の魅力の向上や来訪者の利便性向上に円滑に取り組むことができるよう支援してまいります。
○宮路委員 今御答弁いただきましたような、そうしたICTの活用であるとか、あるいは多言語での表示の工夫であるとか、本来、我が国は非常にそこは得意なはずでありまして、それがこれまではなかなか文化観光の面においては十分に生かされてこなかったという面もあったろうと思います。ぜひ、今般の法の制定を機に、そこに力を入れ、そして、既に国立博物館等にノウハウが集積しているわけですから、それを惜しみなく全国各地の拠点施設、博物館、美術館において活用していただけるように御尽力をいただきたいというふうに考えております。 これまで支援措置についてお伺いをしてきて、これはしっかり、拠点施設になれば大きな効果が見込まれるのではないか、大きなというか着実な、そして、それが恒常的な観光客の誘致につながる、そうした流れができてくるのではないかと期待されるところでありますが、その拠点計画あるいは地域計画を作成、申請する段階においても、先ほどの各省の連携ではありませんが、文科省そして国交省が連携して情報発信や相談対応を行って、各地域から積極的に申請が行われるようにしていくべきではないか。まさにその運用の部分が大変重要になってくると考えますが、この点について政府の考えをお伺いしたいと思います。
○萩生田国務大臣 本法案では、これまで国内外からの観光旅客を引きつけるための解説、紹介、発信に関する課題や国内外からの観光旅客が来訪しやすくするための交通手段等の利便性向上に関する課題を抱え、それらについて意欲的に取り組もうとする地方の文化施設や地域をしっかりと支援をしていきたいと考えています。 本法案が成立した暁には、法案に関する説明会の実施等により、積極的な情報発信を行うとともに、申請に関する問合せ、相談に丁寧に対応し、各地域から積極的に申請を行っていただけるように努めてまいります。このため、四月からは文化庁に文化観光担当の参事官を組織し、これを中心として文化庁が一体となって、観光庁を始め関係省庁との緊密な連携を行うことにより、本法案を含めた文化観光の推進に強力に取り組む体制を一層充実させてまいりたいと思います。 先生が今細かく、いろいろな国の支援、聞いていただいたとおりでありまして、一個一個は大したことないんじゃないかと思ってもらうかもしれませんけれども、例えば国立の博物館や美術館の学芸員等を含めて、物すごく知見をためてきたものがあります。今までは、これは国の施設だということで、地方までおせっかいをやくようなことはなかったんですけれども、これからこういう相談があれば、ぜひアドバイスもさせていただきたい。国交省とも連絡をしながら、いや、これ、道路を渡るのに人力車がいいんじゃないかとか、道路の占用許可を出せるんじゃないかとか、そういうことも含めて、丁寧なアドバイスをしながら、この法案をきっかけに全国の文化施設が更にクローズアップされるような、そういう体制を国全体でとっていきたいな、そんなふうに思っております。
○宮路委員 ありがとうございます。 おせっかいをやく勇気をぜひ国に持っていただきたいというふうに考えております。 仏つくって魂入れずではいけません。まさにその魂の部分は、今御答弁いただきましたとおり、文化庁の中に新たに組織を設けてしっかりやっていくと。コンサル機能をぜひ果たしていただきたい、そのように考えております。 法案の質疑とは少し離れてしまうかもしれませんが、この文化資源ということに関しては、やはり忘れてはならないのは首里城の火災でありました。私も、昨年沖縄に行った際に首里城を訪問し、改めて琉球の、沖縄の歴史というものに思いをはせたわけでありますが、その首里城が一夜にして焼け跡になってしまった。海外では、ノートルダムでも火災が発生したところであります。 まさにこの文化資源の防火対策、防災対策というのは大変重要な点だというふうに考えておりますが、この点について今後どのように進めていかれるおつもりか、お伺いをしたいと思います。
○萩生田国務大臣 首里城跡やノートルダム大聖堂において発生した火災を受けまして、令和元年十二月二十三日に文化財防火対策五カ年計画を策定するとともに、文化財の防火対策に関するガイドラインの改訂をしました。 今後は、五カ年計画に基づいて、世界遺産又は国宝の総合的、計画的な防火対策を重点的に支援するほか、防火対策ガイドラインに基づいて、首里城の正殿などの復元建物も含めて、文化財の特性に応じた防火設備の設置、更新、防火訓練の実施の徹底を図っていくこととしており、このために必要な予算を計上したところでございます。
○宮路委員 ありがとうございます。 そろそろ時間でありますけれども、最後になります。 我が地元鹿児島においても、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」、こちらは世界初のシリアルノミネーションという形で、全国各地に散らばる明治日本の産業革命遺産に貢献をした地域が登録をされたわけでありますが、何と、その世界遺産の構成要素である我が鹿児島の寺山という地域にある炭窯跡が、昨年の集中豪雨、豪雨災害によりまして、土砂で埋まってしまうという事態になってしまいました。 このように、世界遺産への災害時、発生した後、それをどう復旧するか、復興するかということも大変重要な観点だというふうに考えておりますが、政府の見解を最後にお伺いしたいと思います。
○今里政府参考人 国指定史跡、寺山炭窯跡のように、世界遺産の構成資産となっている国指定文化財につきましては、修理、整備や災害復旧などに要する経費について、文化財補助金により支援を行っているところでございます。文化財補助金では、修理などに要する経費の五〇%を支援しておりますが、災害復旧事業として行う場合には、通常の補助率に二〇%のかさ上げをしているところでございます。 令和元年六月の豪雨により土砂等が崩落した寺山炭窯跡につきましても、現在、流入土砂等の除去などの災害復旧事業を行っておりまして、同事業に要する経費の七〇%を支援しているところでございます。 引き続き、被災文化財の早期復旧に向けて、最大限の支援をしてまいります。
○宮路委員 ありがとうございます。 私も寺山の炭窯跡は何度か訪問させていただいて、そして、まず地元の皆さん方が、やはり世界遺産に登録された、我が地域の誇りであるということで、毎月清掃活動をし、非常に地元の機運も高まっていたところでありました。そこに来て、今般の災害によって大きな被害を受けたわけでありますが、だからこそ、その文化資源の意味を改めて再認識し、かつそれをどう発信していくかを考えるいい機会としなければならないというふうに考えております。 今般の法案は、繰り返しになりますが、これまで余り重視されてこなかった文化資源、施設を、いかに観光振興につなげ、そしてそれを地域活性化につなげるかという視点であろうかと思います。地域においても洗練されたそうした文化を楽しむことができる、そしてそれを首都圏に集積されたノウハウがサポートする、そういう体制が構築されていくことを期待申し上げ、質疑を終わりとさせていただきます。 ありがとうございました。
○橘委員長 次に、浮島智子君。
○浮島委員 公明党の浮島智子です。よろしくお願いいたします。 本日は、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。 まず、この法律案の基本的な考え方、そして思想についてお聞きをさせていただきたいと思います。 この法律案の第二条の一項に、文化観光とは、有形又は無形の文化財所産その他文化に関する資源の観覧、文化資源に関する体験活動その他の活動を通じて文化についての理解を深めることを目的とする観光をいうと規定がなされているところでございます。 この文化観光という言葉には、文化資源を使って世界から数多く観光客を呼び込もうというイメージが伴っていると思いますけれども、新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、今、アジアなどからの観光客が途絶えているような状況の中で、文化観光についても、文化のプロの目ききに対してどう発信するかも重要な点ではないかと私は思っているところでございます。 その観点から、大変示唆に富むイベントが昨年秋に京都でございました。これは昨年九月一日から七日まで行われたのでございますけれども、世界の博物館関係者が集った第二十五回国際博物館会議京都大会、ICOMでございます。世界から実に、過去最高と言われる約四千六百名の博物館関係者が京都にお越しくださいました。 これは約十一年前になりますけれども、私が参議院議員のときに、日本では一度も開催されたことのないこのICOMを日本で開催するべきだということを国会質問させていただき、また、京都そして関西の皆様と協力連携をさせていただきまして、この招致が、皆様のお力で大成功をさせていただいたところでございました。 これまで世界で行われてきたICOMでは、昼間の会議の終了後は地元の博物館等々の見学に行くということが恒例で行われていたようでございます。観光するということだったんですけれども、今回のICOMの京都大会では、さまざまな皆さんに御協力をいただきまして、能楽堂でお能を披露させていただいたり、二条城で現代美術の展示を行ったり、閉会式には菊の会の日本の踊りを披露していただいたり、着物を着て閉会式に出たいという海外の方々には、御希望の方でございますけれども、着物を着て閉会式に出ていただく、また、日本の人形を廊下に展示する等々、さまざまな取組を皆様の御協力で行わせていただきました。そうしましたところ、ICOMに半世紀以上かかわっている博物館の関係者の皆様から、こんなすばらしい大会は初めてであるというお声をたくさんいただきました。 これらのイベントを通しまして、お能や日本の踊り、また、エクスカーションにおきましては、二〇一八年の豪雪で被害に遭ってしまったルーブル美術館の修復に使われているという福井の越前和紙の視察、また、和歌山にも行っていただきましたけれども、日本初、世界初である、和歌山県立博物館と県立和歌山工業高校が連携して作成されたさわれる仏像のレプリカというのも発表させていただき、世界に発信をさせていただいたところでございました。 そこで、お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、文部科学省、文化庁にとって、文化観光とは何か。また、今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、アジア等からの観光客が途絶えているような状況の中でありますけれども、多くの観光客を呼び込む文化資源という発想も大事であると思っております。ICOM京都大会二〇一九のように、世界の博物館関係者といったプロの方々、あるいは文化の目ききをされている、日本の文化に触れて、そういう方々が日本の文化に直接触れる交流の機会、これもしっかりと重視し、その推進を図るべきではないかと思いますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 本法案は、文化観光を、文化資源の観覧や体験活動等を通じ文化についての理解を深めることを目的とする観光と定義しており、この文化についての理解を深めるのは、一般的な観光旅客だけでなく、御指摘のようなさまざまな分野の専門家による文化交流も当然含まれると考えます。 御指摘のとおり、昨年九月のICOM京都大会二〇一九は、我が国において初めて開催したICOMの国際大会であり、ICOMの歴史の中で最多の四千六百人の博物館関係者が百二十の国、地域から一週間にわたって参加をしていただきました。 私も、先生がかつて、このICOMのことにすごく熱心に取り組んでいるのを覚えています。大変お恥ずかしいんですけれども、あのころ、ICOMって何だか全然知らなくて、先生がICOMを日本でやりましょうと言ったのを今でも私は覚えていまして、その思いを貫いて、そして昨年は副大臣として、何と一週間京都に張りついていただいて世界の皆さんのおもてなしをしていただいたことを、改めて感謝を申し上げたいと思います。 そこでは、博物館とは何か、博物館と地域発展など多くのセッションが活発に行われたほか、関西を中心とする多くの博物館が特別展を開催するとともに、能楽、日本舞踊など、さまざまな日本文化発信行事も行われました。これにより、世界じゅうの博物館関係者に日本の有形無形の多様な文化の広がりと奥深さを実感していただいた絶好の機会となりました。 文化観光を考える場合には、こうしたさまざまな文化の相互理解に資する活動も重要であり、文部科学省としては、ICOM京都大会二〇一九も契機に日本の文化芸術の発信に一層努めるとともに、大会で培われた学芸員による国際的なネットワークを将来に引き継ぐため、今後、国際会議への専門家の派遣、若手学芸員の海外研修など、積極的に博物館関係者の国際交流に努めてまいりたいと思います。
○浮島委員 ぜひ全力で取り組んでいただくようお願いをさせていただきたいと思います。 次に、法案の具体的な中身についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、本法律案の第四条の拠点計画、また第十二条の地域計画につきまして、わかりやすくイメージを示していただきたいと思います。
○今里政府参考人 拠点計画、地域計画のわかりやすいイメージということでございますけれども、例えば、例を挙げて御説明させていただきます。 拠点計画につきましては、例えば、ある地方に民間の財団が設立した美術館があって、そこに日本絵画等の貴重なコレクションがあるものの、国内からの来訪者が中心で、来訪者数も伸び悩んでいるようなケースがあると想定をいたします。この美術館では、より多くの海外からの来訪者にも日本絵画のすばらしさを伝えていきたいと考えており、こうした場合には、美術館が観光事業者と共同で拠点計画を作成し、主務大臣による認定と支援を受けた上で、外国からの来訪者向けのわかりやすい多言語での解説やツアーの組成、JNTOによる海外での宣伝を行うといった取組が可能となります。 また、地域計画につきましては、例えば、地方自治体が中心となって、当該地域にゆかりのある映画監督の映画制作時の資料等を展示した資料館を設置したものの、SNSを通じて海外でも高い評判を得ているにもかかわらず、交通の便が悪くて来訪者数が増加していないケースがあると想定いたします。こうした場合には、この自治体が観光事業者や地元の商店街等と連携して地域計画を作成し、主務大臣による認定と支援を受けた上で、バスの増便による交通アクセスの改善を図るほか、道路に映画の登場人物のオブジェや俳優の手形等を配置して、町全体を周遊できる環境をつくることで地元の商店街も潤うといったさまざまな取組を実現することができると考えてございます。
○浮島委員 ぜひともわかりやすく皆様にお知らせいただくように、お願いをさせていただきたいと思います。 また、これらの拠点計画また地域計画は、主務大臣である文科大臣と国土交通大臣が認定することになっております。 そこで、主務大臣である文科大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、この文化観光の推進法案に基づき拠点計画や地域計画を文科大臣が主務大臣として認定するに当たっては、ビジネス重視、インバウンドの数重視の姿勢ではなくて、日本の文化資源の価値をいかに世界に発信するかという文化戦略の観点を重視すべきだと私は思いますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 本法案の第一条の目的規定にあるとおり、国内外からの観光旅客が文化について理解を深める機会を拡大することが第一に重要だと考えており、これに取り組むことによって観光旅客の来訪が促進されると考えております。 このような考え方に基づき、本法案の第二条第二項の文化観光拠点施設の定義において、国内外からの観光旅客が文化について理解を深めることに資するよう当該文化資源の解説及び紹介をすることを定めております。 このため、拠点計画及び地域計画の認定に当たっては、観光旅客が文化について理解を深められるよう、文化の観点と観光の観点から適切に目標が定められているか確認することとしており、具体的な目標としては、国内外の来訪者の増加のみならず、文化資源の価値の解説、紹介による来訪者の満足度が重要だと考えております。 また、文化施設のみでは難しい世界への情報発信については、そのノウハウのある観光地域づくりの法人や観光協会、旅行会社などの文化観光推進事業者との連携を必須とするとともに、日本政府観光局の協力を得て進めることとしております。
○浮島委員 先ほど申し上げさせていただいたとおりに、和歌山の取組でございますけれども、地域としっかりと連携し、また世界に発信されたというすばらしい取組でございますけれども、同時に、現在、高校が、地方自治体や高等教育機関、産業界等との協働によって地域の課題の解決など探求的な学びを実現し、地域振興の核としての高校の機能強化を図るための議論が中教審で今行われておりまして、そのための地域との協働による高等学校教育改革推進事業、これも来年度、二年目に入るところでございます。 そこでお伺いをさせていただきたいのが、地域の文化を支える人材育成にとって、和歌山の工業高校のように地域と連携した高校等、これは重要であると思います。また、今回の推進法案では、文化観光の推進と現在の中教審で審議されている地域振興の核としての高校の機能強化との相乗効果を図るためにどのような役割を果たすのか、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○今里政府参考人 本法案は、文化観光拠点施設を中核として地域の関係者が連携する仕組みづくりを行うものでありまして、地域の高等学校との連携もその一つとして考えられるところでございます。 具体的には、例えば、御紹介いただいた和歌山工業高等学校のように、高校の専門性を生かして文化資源の魅力を高めることや、高校生がボランティアとしてガイドツアーを実施し、来訪者が文化についての理解を深めることに資することなどの取組が考えられるところでございます。 このような高等学校と文化施設が連携した取組を拠点計画や地域計画で行う事業の中に位置づけて実施していくことは、本法案の趣旨に沿うものであり、また、先生御指摘の、現在中央教育審議会において審議されている、高等学校における地域社会との協働による教育のあり方の議論とも方向性を同じくするものと考えてございます。
○浮島委員 本法案に基づきまして文化観光推進施策を進めるに当たっては、主務大臣である文科大臣と国交大臣の緊密な連携は不可欠であるということは言うまでもありません。また、その他地域の要望に適切に応えていくためには、本法案に関する各種事業に関する企画立案業務に関しまして、環境省、経済産業省、また警察庁、これは道路の使用などにかかわってきますけれども、いろいろな関係省庁との幅広い調整等を行うことが必要であると思いますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 そのとおりだと思います。
○浮島委員 ぜひとも連携を密にしていっていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。 話題をちょっとかえさせていただきたいと思いますけれども、次に、新型コロナウイルス対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。 大臣の方からは、学校の一斉休業につきましては、子供たち、また関係者にさまざまなメッセージを発信していただいております。 また、私も党の方で、新型コロナウイルス感染対策本部と文部科学部会の合同で、いろいろな文化団体、スポーツ団体からもヒアリングを行ってまいりました。そこで団体の皆様からいただいた多くの声というのは、皆さん不安に思っているのはもちろんでございますし、切実であるという声もいただいております。 ただ、皆さんがおっしゃるのは、文化庁から発信が全くない、また、文化庁長官、スポーツ庁長官からの直接なメッセージ等々の発信がないのでとても不安に思う、寄り添う気持ちが伝わってこないという声もたくさんいただいているところでございますけれども、この寄り添うという観点から、私は、文化庁長官またスポーツ庁長官が表に出るべきだと思うのと同時に、しっかりと寄り添うメッセージを発信するべきだと思いますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 その前に、今、前の質問で、そっけなく答弁をしてしまったんですけれども。 先生が多分、こうやってさまざまな省庁横断の連携が文化庁の仕事としてふえていく中で、京都と東京で大丈夫かということを聞いてくれるのかと思って次に用意していたんですけれども、そういうことの支障のないようにしっかり連携していきたいと思いますし、私、率直に申し上げて、やはり東京で調整しなきゃならない仕事もありますので、その辺またいろいろ目配りをしていただければありがたいな、そんなふうに思っています。 昨日の閣議後会見の場でもお伝えしましたが、文化、スポーツの大規模イベント等の自粛については、関係者の皆様が、スポーツや文化の灯は絶やしてはならないとの使命感の一方で、感染拡大の防止の観点等から検討して御英断をいただいた結果であると考えており、改めて、文化、スポーツ団体の皆様に敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。 スポーツや文化の持つ力は、時に私たちに勇気を与え、時に私たちの心を癒やすものです。この困難なときこそ、日本が元気になるために必要なものです。私としても、この国のスポーツや文化のすばらしさを、我々が共有することはもちろん、次世代につなげていくために、スポーツ界、文化、芸能界の皆さんと一緒になってこの困難を乗り越えていくことが重要と考えております。 このたび重要な御指摘をいただきましたので、持ち帰らせていただいて、文化庁の長官、スポーツ庁の長官、それぞれの思いが現場の皆様にもしっかり伝わるように、しっかり対応を検討したいと思います。
○浮島委員 ぜひとも連携をよろしくお願いいたします。 ここで私、文化庁にお願いをさせていただきたいのが、一九三五年の、世界大恐慌のとき、ニューディール政策ですけれども、第二次ニューディール政策ではルーズベルト大統領が劇場プロジェクト、芸術プロジェクト、著作家プロジェクト、こういうものを立ち上げまして、短期間で一度に三百万人の雇用を提供しました。そして、一九四三年に廃止されるまで、合わせて九百万人が救済されたと言われております。このときに今のブロードウェーそしてハリウッドができたと言われておりますけれども、こういう大切なときこそ、私は、もう応援隊はたくさんいます、みんな応援をしているので、文化庁が先頭に立って、しっかりと気合いを入れて、我々についてこい、大丈夫だというふうになっていただきたいと思います。 通告はしていないんですけれども、その点について次長からお言葉をいただければと思います。
○今里政府参考人 委員御指摘のように、現在非常に、文化芸術のイベント等について自粛を要請しているところ、また学校での鑑賞教室などがなくなり、子供たちの芸術に触れる機会、こういったことが減少しているというような状況でございます。 ただ、これは、そういうことが、今の現下の状況、自粛を要請しているような状況が、いつかは当然のことながら旧に復するというふうに考えております。そのときこそ、今まで失われてきた機会を回復するのみならず、これをステップボードとして先に進んでいく、そのために文化庁が先頭に立って進んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○浮島委員 応援隊はたくさんいるので、ぜひ自分たちがやるんだという気合いを持ってやっていただきたいと思います。 最後に、日本人留学生についてお伺いをさせていただきたいと思います。 私のところにもたくさん声をいただいておりますけれども、世界の多くの地域が感染危険レベル2になりまして、該当地域の日本人の留学生、JASSOの奨学金は停止をされ、帰国経費等の自己負担が強いられていることに加えまして、日本政府は、欧州、米国等に対して、帰国後十四日間の自宅等での待機、また公共交通機関を利用しないことを要請している中で、この奨学金の停止を解除する等、現状の奨学金の取扱いについて柔軟化する必要があると思いますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 海外に留学する日本人学生に給付する日本学生支援機構の奨学金においては、これまで、派遣学生の身の安全や健康を守る観点から、速やかな帰国を促すため、留学中の感染症危険情報レベルが2以上となった場合、奨学金の支給を停止することとしておりました。一方で、学生から奨学金の継続の要望が上がっていることも承知をしておりますし、昨日、城井先生始め野党の皆さんからも同様の御指摘をいただきました。 このため、文部科学省において日本学生支援機構とともに検討しまして、レベル2以上となった国、地域に留学中の学生が速やかな帰国が困難な場合、奨学金による支援を継続すること、留学中にレベル2以上となり、やむなく帰国した学生が帰国後もオンライン等により留学先大学の学習を継続している場合、支援を継続することを決め、昨日、その旨を文部科学省ホームページに掲載するとともに、日本学生支援機構や各大学等を通じて学生の皆さんに周知をすることとしました。 引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行状況をしっかりと踏まえながら、関係省庁とも連携しつつ、必要な対応を迅速に行っていきたいと思います。
○浮島委員 ぜひともしっかりした対応をお願いしたいと思います。また、学生さんたちに対しましては、わかりやすくSNSを使うなどして、しっかりと対応していただきたいと思います。 また、一言だけお願いなんですけれども、帰国後十四日間、自宅やホテルで待機ということで言われておりますけれども、私のところにも声があるのが、空港に戻ってきた、じゃ、どこかに泊まろうと思っても、ホテルがいっぱいで泊まれない。公共機関を使っちゃいけないというんですけれども、自宅にも帰ることができない。歩いて帰らなければいけないのか、どうしたらいいのかという切実な声が出ているのも事実でございますので、帰国した留学生に対してもしっかりと対応できるようにしていただきたいと最後に要望を申し上げさせていただき、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○橘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○橘委員長 速記を起こしてください。 ただいま、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム及び日本共産党所属委員が退席されました。やむを得ず議事を進めます。 ―――――――――――――
○橘委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橘委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○橘委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会