憲法審査会 第1号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2020/05/28
会議録
○佐藤会長 これより会議を開きます。 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に憲法改正国民投票法を巡る諸問題について調査を進めます。 これより委員間討議に入ります。 この委員間討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず、各会派を代表する委員が順次発言を行い、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。 それでは、まず、各会派を代表する委員の発言に入ります。 発言時間は十分以内といたします。 発言は自席から着席のままで結構でございます。 発言の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
○新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。 憲法改正国民投票法をめぐる諸問題に関しまして、これまでの議論の経緯と現状、そして、今後の議論の方向性について意見を述べたいと思います。 まず、七項目案でございます。お手元に配付の資料をごらんいただきたいと思います。 この法案は、今から約二年前の平成三十年六月二十七日に提出され、七月五日には、与野党が合意をして法案の趣旨説明が行われました。しかし、その後、今日まで一度も審議されることなく、今国会で六国会にわたりますが、継続の審査が行われているということになっております。 私は、憲法審査会の筆頭幹事になりました二年前の秋以降、立憲民主党の山花筆頭幹事を始め、与野党の幹事、オブザーバーの皆さんと精力的に協議を重ねてまいりました。 昨年の五月の十七日、七項目の採決は、採決後、CM規制の議論を直ちに開始することを前提に、与野党の幹事間で合意をされた、このように私は認識をしております。 そもそも、その前の五月の九日、昨年でございますが、五月の九日に開催された民放連をお呼びしての憲法審査会参考人質疑は、これは七項目の採決を行う前に実施してほしい、こういう野党側の御要請に応えて開催したものでございます。七項目の採決を行って、その後に速やかにCM規制の論議を行う、このことは、既に一年前の与野党間の、与野党の幹事間で協議の前提として合意したもの、私はそのように理解をしております。 実際、昨年六月以降、前国会までの会期中に十八週連続で円満に幹事懇談会が開かれ、国民投票法の質疑、採決を含む審議についての協議がなされてまいりました。さまざまな知恵を出し、週末に合意したとなっても、週が明けると最終段階で拒否される、こういったことが一年続きました。 この約束は、今ではもう事情が変わったとされてしまっているわけでありまして、まことに遺憾であり、残念でなりません。 今国会におきましても、憲法審開催に向けての非公式な筆頭間協議は二月の冒頭から行われております。二月の末には幹事懇談会の日程が提案されるまで煮詰まりましたが、それ以降、約三カ月間、審査会の日程協議の準備にすぎない幹事懇談会すら開催ができませんでした。私のもとにも、国民の大きな怒りと批判の声が多数寄せられております。政局から離れ、国民のための憲法論議を深めるというこの憲法審査会の本来の責任を果たされるよう、同僚議員とともに引き続き努力をしてまいりたい、このように考えております。 そもそも、七項目案は、既に公職選挙法において実施されている投票環境向上のための措置を国民投票にも反映させようとするもので、この改正内容につきましては、既に倫理選挙特別委員会で審議が尽くされたものと承知をしております。しかも、本審査会では、既に二年前、与野党合意の上で円満に改正案の趣旨説明が行われているわけですから、これを早急に質疑、採決を行い、結論を得ることは当然のことであります。引き続き真摯に協議をしてまいりたい、このように思っています。 次に、CM規制について、この「考えられる「国民投票におけるCM規制」のあり方」という資料をごらんいただきたいと思います。これは、五月の十四日の幹事懇談会で、私の私案として提示させていただいたものでございます。 CM規制につきましては、これまでCM量の賛否平等取扱いが主な論点になってきました。この問題の解決の方向性について、私は、理論上、四つのカテゴリーに整理できる、このように考えているわけであります。 まず、A、法的規制を行うといった手法です。一つは、全ての主体又は特定の主体に対して直接的に規制する方法。もう一つは、運動資金の規制などを通じて間接的に規制する方法、例えば、収支の透明化を図ることや寄附制限を行うといった方法などが考えられると思います。 次に、Bは、自主的取組に委ねるといった方法です。例えば、一つは、政党間の申合せによりCM出稿を自粛するという、出し手側の自主的取組という方法。もう一つは、放送事業者、さらには新聞、雑誌社やネット事業者といった受け手側の自主的取組という方法が考えられます。 三つ目には、その折衷的な方法として、C、自主的取組を後押しするための法的措置を定めるといった方法です。例えば、各事業者の自主的取組を求める訓示規定を定めることや、そのためのガイドラインの作成といった手法が考えられます。 最後に、以上のAからCまでの方法と組み合わされるものとして、D、国民投票広報協議会の広報活動を充実強化する方法も考えられます。憲法改正が発議された際に国会に設置される国民投票広報協議会が行う公的な広報活動には、賛否平等の取扱いが法律で義務づけられています。したがって、この公的な広報協議会の活動を大幅に充実強化すれば、結果として国民に届く情報は賛否平等に近いものになっていくという考え方でございます。 改めて、現行法上のテレビ、ラジオなどの放送メディアにおけるCM規制について確認をしたいと思います。 CM規制の問題については、平成十九年の国民投票法制定時に、一方で、国民の表現の自由や放送メディアの放送の自由を確保することであり、もう一方で、放送メディアの特殊性に鑑み、国民投票運動の公平公正を確保すること、この二つのバランスを保つ解決策について、与野党間で真摯な議論が行われました。 その結果として、投票日前二週間はテレビやラジオ放送での国民投票運動に関する有料CMを禁止すること、国民投票期間全般における公平公正の確保は放送法に基づく放送事業者の自主規制で担保すること、広報協議会による賛否平等の広報活動によって国民に正確な情報を提供すること、この三つの措置で表現の自由と国民投票運動の公平公正のバランスがとれたCM規制が構築されるという事実上の合意に達したと承知をしております。現行の国民投票法におけるCM規制は、基本的な要件を満たしているとも考えられるわけであります。 一方で、昨今の広告メディアが多様化する中でのCM規制に関しては、SNSの進展や放送事業者の自主規制に関し、さまざまな論点が提起されていることは承知をしております。野党の皆さんが求める国民投票法におけるCM規制について議論することは、私たちも同意をしております。 公選法並びの七項目の審議に決着をつけた後、即座に議論に入るということは、一年前から私たち与党が野党に対して申し上げている約束でございます。現に、一昨年の七月十二日と十二月十日には幹事懇談会で、そして昨年の五月九日には憲法審査会でCM規制についての民放連からのヒアリングを行っております。また、昨年の十一月二十日には、幹事懇談会で、幹事、オブザーバー間のCM規制に関する予備的な意見交換も始めております。 お示しをした「考えられる「国民投票におけるCM規制」のあり方」は、議論の論点を整理して、今後の与野党における建設的な政策論議に役立ててもらえばという思いから取りまとめたものでございます。 こうした国民投票の手続に関する議論を行うことは、とりもなおさず、その国民投票において国民に問うべき憲法上の論点は何かといった議論と切り離すことはできません。私たちは、既に、憲法改正に関して議論すべきテーマとして、自衛隊の明記、緊急事態条項の創設、合区解消と地方公共団体の位置づけ、教育の理念と環境整備といった議論のたたき台、イメージを提案し、機関紙やホームページ等で広く公開をしております。 また、昨年の臨時国会で行った海外調査を受けての三回の自由討議では、委員各位より憲法に係る数々の論点が打ち出されております。 さらに、私は、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、いかなる状況下においても政府の行為を監視し、適切な立法を行うといった国会機能を確保する観点から、本会議の定足数をめぐる憲法解釈上の論点や国会議員の任期に関する議論が早急に必要ではないかと提起をしております。 改めて、国会法及び衆議院憲法審査会規程に定められた憲法審査会の役割を同僚の皆さんと共有をしたいと思います。 すなわち、憲法審査会は、日本国憲法及び憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するという使命を果たすべく、憲法審査会が活発に開催され、憲法論議が深まるように、引き続き努力してまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○佐藤会長 次に、山花郁夫君。
○山花委員 立国社共同会派の山花郁夫でございます。 会派を代表しての発言ということになりますけれども、採決であるとか交渉については会派単位で当然一致して行いますけれども、憲法及び憲法改正国民投票法については、会派を構成するそれぞれの政党としての考え方があります。共同会派の社会民主党は、憲法改正国民投票法については、憲法改悪の一里塚であり、そもそも反対であるという立場だということを申し上げた上で発言をさせていただきます。 なお、今、新藤委員から与野党の合意があった旨の御発言がございましたけれども、前提として、私どもはその確実な担保ということを求めていたということを今申し上げておきたいと思います。 さて、憲法改正国民投票法には、大きく分けて、投票にかかわる部分と運動にかかわる部分の二つがございます。 投票にかかわる部分というのは、投票入場券の交付から開票手続、投票結果の確定といった手続に関する事項で、おおむね公職選挙法に合わせています。現在議題となっておりますいわゆる七項目の国民投票法の改正案は、公職選挙法で改正されたいわば技術的な部分について平仄を合わせようとするものです。 もう一つの運動にかかわる部分については、公職選挙法ではさまざまな規制があります。公職の選挙については、過去に実際にあった不都合や弊害に基づいて禁止されたり、あるいは制限がされてきたということが言えましょう。 しかし、国民投票については、人を選ぶ選挙と異なること、規模において選挙区単位ではないということ、そして何より、我が国ではいまだ経験がないことから、具体的な弊害など立法事実が確認できていないということを理由に、基本的に運動は自由とされています。 法制定時にも、スポットCMについて規制すべきかどうかが議論となりました。これも自由とすると、賛成派と反対派で、資金量の多寡によって国民投票の結果に影響が出るおそれがあるからです。 昨日、これは立憲民主党の憲法調査会の場ですが、アメリカ政治の研究者の方からアメリカの住民投票制度についてお話を伺う機会がありました。二〇一六年をサンプルとして、州民投票キャンペーン、これは百六十二件、全米合計で十億ドル超、日本円に直して一千億円以上が使われたこと、巨大支出百四案件のうち九十七で賛否一方が圧倒的な支出をし、七六%の事案で支出で圧倒した側が勝利をしたということです。 これまで私たちが指摘をしてきたおそれというのは、むしろ現実に起きてしまっているということを認識をいたしました。 G7を例といたしますと、ドイツ及びアメリカの連邦レベルでは、そもそも国民投票の制度は存在しておりません。そして、イギリス、フランスでは全面禁止、イタリアは原則禁止と分類することができます。これに対して、カナダでは原則自由とされていますけれども、投票十八日前から二日前まで、一定の要件を満たす賛成、反対両派の団体に対して、各テレビ局は同じ時間帯に同じ長さの放送時間を与えなくてはならないなど、公平性を担保するルールがあります。 G7以外の国に目を転じますと、デンマークにおいて、テレビCMは全面禁止にする一方で、ローカルラジオのみCMが許されています。直接民主制が有名なスイスでは、レファレンダムの投票運動に関し、テレビ及びラジオでのスポットCMは禁止されています。 しかし、国民投票法制定時の審議において、当時、民放連が、CMの量については自主規制しますと発言したことから、法的規制はないものとされました。ところが、最近になって、量的規制は困難との見解を示したこと、大阪での住民投票の際に賛成派と反対派のCM量が数倍の違いが生じたなど、法制定時に前提としたことと違うことが起きています。 民放連は、憲法審査会で、もともと量的規制について厳密にできるとは言っていないと主張されております。しかし、参考人がどういう主観的なおつもりで発言されたかということ以上に、立法者がその発言をどのように受けとめて法案を立案、そして審議をしたのかということが重要です。それゆえ、当時の立案担当者の意見聴取が必要ではないかと考えていますし、私たちはそのことを求めているわけです。 また、ネット広告については何らの規制がありません。国民投票法制定時には、現在のようなネット環境というのは想定していませんでした。ネット上の運動では誹謗中傷が行われるおそれがあること、近年、フェイクニュースという言葉が人口に膾炙しておりますけれども、流言飛語がばっこするおそれがあるなど、対応策の検討が必要ではないでしょうか。 ただし、制度設計に当たっては、表現の自由とのバランスに配慮する必要があります。放送に関しては、とらわれの聴衆という理論を参考に制度設計をすることが可能ではないかと考えています。つまり、古典的な表現の自由のみならず、情報収集や受領を含めたコミュニケーションの全過程を包摂する自由というのを憲法二十一条の内容と理解するのが適切だとする最近の傾向からすると、表現する側だけではなくて、表現からの自由、すなわち消極的情報受領権も表現の自由論に組み込むことは可能ではないかと思います。 もともと、この理論は米国連邦最高裁判所の判例に由来して、日本では、大阪市営地下鉄車内商業放送事件における伊藤正己補足意見にその例を見ることができます。文字ではなく音声であること、対象が主として住居であることという同理論の要素を備える一方で、政府言論そのものではありませんし、強制的な契機が若干弱いということもあります。米国の判例のラインとは違いがあるほか、この考え方によると、ネットの世界はむしろ新聞や出版の自由の脈絡で考えることに親和性があるようにも考えられます。 これに対し、昨年の海外調査先のドイツでは、歴史的な背景はあるものの、放送と同時に通信と共通の制度的自由の脈絡でルールの共通化をしている国もあります。また、欧州調査報告書、これは完成版ができまして、皆様のお手元に届いていることと存じますが、この三百十八ページにも掲載されておりますが、エストニアにおいては、看板広告について、とらわれの聴衆類似の考え方からの規制があることに注目をされます。 憲法審査会における議論に資するため、有識者からのヒアリングなどが必要ではないかと考えております。 これら以外にも、当審査会に付託されている、当時、国民民主党会派として提出されている法案には、一つとして、資金面で運動が外国人に依存することがあってはならないという問題、二つとして、国民への情報提供について、国民投票広報協議会の広報活動を充実強化すべきとの問題、三つとして、国民投票と国政選挙の同時実施は避けるべきというのが立法者の意図でしたが、それを法的に担保すべきではないかという問題が提起をされています。 七項目についてまずやるべきだという御意見が先ほどございましたけれども、陸上競技で例えて申し上げますと、四百メートルのセパレートコースで、インとアウトで距離の長さが違うのではないかという疑義が提起されているとします。これはまさに競技としてのルールの公正さにかかわる話だと思います。これとは別に、トラックの素材をどうするのかとかコースの塗料をどうするのかというのは、技術の利便性にかかわる事柄であります。前者を差しおいて後者を優先的に決着すべきというのは、自然なことではないと思います。ルールの公正さということが優先されるべき課題だからです。 国民投票法の改正に当たっては、その公正さを担保する議論をあわせて行うことを私たちは求めています。日本国憲法の改正についても言い得ることですが、ルールの公正さにかかわる問題でありますから、どの立場にとって有利な内容であるという疑念を持たれないためにも、各党会派で御議論いただき、実のある法改正を実現すべきと考えます。 また、国民投票法の附則第五項には、法施行後速やかに、限定されたレファレンダムについて必要な措置を講ずるものとされています。この附則は、平成二十六年改正において、その意義及び必要性の有無について検討することとなっていたものが、その意義及び必要性について、すなわち、有無ということではなくて、必要であることを前提として、更に検討することとされたものです。 長年にわたり放置されていることは極めて遺憾であり、この点についても議論が進められることを望みます。 以上です。
○佐藤会長 次に、北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。 国民投票をめぐる諸課題、特にCM規制について私の意見を述べます。 現在、当審査会に継続中の国民投票法改正法案七項目は、二年前の通常国会に提出されまして、この国会で六国会目になります。内容は、共通投票所制度や洋上投票の対象拡大など、国民の投票の利便性向上、また投票機会を実質的に確保していく、こうしたことを目的とするものでございまして、既に公職選挙法では施行されまして、国政選挙、地方選挙でも幾度も実施をされているものでございます。 各政党の間でも内容的には何ら異論はないものでございますので、速やかな成立を図るのが国会の当然の責任と考えます。 現行のCM規制については、国民投票法百五条で次のように規定がございます。何人も、国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日までの間においては、放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることはできないと規定されています。 主体は、何人も。禁止対象は、国民投票運動のための広告放送、いわゆるテレビ、ラジオでございます。禁止期間は、投票期日前十四日間でございます。 なぜ、テレビ、ラジオの放送メディアだけにこのような規制が設けられているのでしょうか。国民投票法が審議、制定されました二〇〇六年、また二〇〇七年当時においては、多くの政党の間で次のような考え方があったと思われます。 一つは、憲法改正に向けての国民投票運動は、賛成、反対を問わず、憲法制定権者である国民の意思表明そのものでございまして、できる限り自由な国民投票運動を保障すべきであり、その制約は必要最小限度であるべきだということです。 もう一つは、テレビ等の放送メディアは、国民の感情に直接訴えて、扇情的な影響力を持ちやすく、また資金量の多寡がCMの量に影響し、投票の公平公正を阻害するおそれがあるということです。 表現の自由の保障と投票の公平公正の確保とのバランスをとるという観点から、最終的に、言論の自由市場で淘汰する時間的余裕がない投票期日直前十四日間について、国民投票運動のための広告放送を禁止するとしたものでございます。 国民投票法の制定当時から今日に至るまで、大きな状況の変化があると思います。言うまでもございませんが、時代がどう変化しようと、表現の自由と国民の知る権利の保障は民主主義の基盤であり、その制約は必要最小限のものでなければなりません。これは民主主義国家としての不変の理念であり、表現の自由に対する過度な規制は決して許されてはならない、そのように考えます。 一方、メディア側については、デジタル化が急速に進展し、多様化、複雑化しています。国民投票法制定当時とは状況が一変し、国民の感情や世論に対する影響度も全く異なってきています。 テレビ、ラジオの放送メディア、新聞、雑誌の紙メディア、これを、広告業界では四マスと呼ばれています。国民投票法制定当時、インターネット広告はテレビ広告の四分の一程度の規模しかありませんでした。ところが、二〇一九年、昨年の日本の広告費は、インターネット広告費が二兆円を超え、テレビメディア広告費を上回りました。 きょう、お手元にございます、一枚目の「媒体別広告費推移」をごらんになっていただきますと明らかでございます。 近い将来、インターネット広告費は、四マスの合計広告費をも超えると言われています。また、屋外広告や交通機関などでのデジタルサイネージ広告と呼ばれる新形態も、ラジオ広告の規模を大きく超え、急成長しています。お手元の資料の二枚目をごらんになっていただきたいと思います。私たちの身の回りで、多くのデジタルサイネージ広告が今実施をされています。ここでは渋谷ハチ公前の交差点の大きなディスプレーなんかが例に挙がっておりますが、たくさんあるわけでございます。 国民投票法百五条で、テレビ、ラジオの放送広告だけが規制された理由は、さきに述べたとおり、放送メディアが扇情的な影響力を持っていること、また、資金量の多寡がCM量に影響するということでした。インターネット広告は、今や放送広告の量を凌駕し、扇情的な影響力という意味では、はるかに強い影響力を持っているとも言えます。投票の公平公正を確保するためというなら、放送だけでなく、インターネット広告についても禁止しなければならない理屈になります。 しかしながら、インターネット広告を規制することは容易なことではありません。例えば、あまたのアウトサイダー事業者や、海外にも事業者がいるわけでございまして、こうした事業者を規制するのは、現実的にはとても困難と思われます。テレビ、ラジオの放送広告だけを法規制している現行の国民投票法百五条は、いわばアナログ時代の広告規制にも見えます。 デジタル技術の進展に伴って、メディアは急速に多様化し、複雑化し、これからも大きく変化していくものと思われます。これに対応するためには、広告主である政党側で自主規制のルールを適切に決める方が、より柔軟に実効的な規制ができると思われます。 例えば、日本たばこ協会は、テレビ、ラジオに加え、インターネット等についても製品広告を行わない、そのように決めています。また、日本貸金業界は、テレビCMの月間上限本数を決めています。 一方、広告の事業者団体側でも自主的な取組が始められています。例えば、放送分野では、民放連が、昨年の三月二十日に、国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインを策定いたしました。政党、政治団体が出稿するCMは、原則、党首又は政治団体の代表のみが出席できる、また、国民投票運動CMはそのCMであるその旨を、また、意見表明CMについても意見広告である旨を明示する、こうした、実質、自主規制とも評価できる具体的な内容を取り決めています。 さらには、インターネット広告の事業者団体でも同様の自主的な取組がなされることが期待されます。もちろん、広告事業者の全てを掌握することはできないまでも、事業者団体で一定のルール、例えば、インターネット広告でも、それが国民投票運動CMであるだとか、意見広告であるだとか、また広告主は一体誰なのかということがきちんと明示をされる、そうしたルールが決められることが期待されるわけでございますが、そのようなルールが決められたにもかかわらず、それを遵守しないようなネット広告は、国民から見て、情報の信頼性を欠くと見られると思います。 このように、広告主である政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組をあわせて推進することによって、直接の法規制をしなくても、表現の自由の保障と投票の公平公正の確保のバランスが図られるものと考えます。 政党の自主規制のルールの策定については、憲法審査会の会長、また幹事会のもとに特別の検討委員会を設けて、政党間の協議を行うべきと提案をいたします。 国民への情報提供を十分に確保するため、また政党間で一定の実効的な自主規制ルールを設けるためにも、国民投票運動CMを含め広報活動全般について賛否平等が法定されている国民投票広報協議会の役割が極めて重要です。国民投票広報協議会の機能を充実強化すべきと考えます。 以上、国民投票法をめぐる諸課題、特にCM規制について意見を述べました。 一方、憲法改正国民投票の手続もさることながら、そもそも、憲法の中身の議論が重要であることは言うまでもありません。 一つの改正意見に賛成、反対を問わず、両議院の憲法審査会というオープンな場で自由闊達に憲法論議を着実に積み重ねることが期待されていることを申し述べ、私の意見表明といたします。
○佐藤会長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。 私たちは、憲法審査会を動かす必要はないという立場です。 憲法審査会は、憲法改正原案を発議し、また審査するための場です。ここでの議論は、改憲項目をすり合わせ、発議に向かうことにつながります。 五月三日の憲法記念日に合わせてNHKが行った世論調査では、憲法以外のことを議論すべきだと答えた人が八割に上っています。憲法九条については、どの世論調査でも、変えるべきではないというのが多数です。今、国民の多くは、憲法を変えることを求めてはいません。 問題なのは、こうした国民の意思とは関係なく、与党が安倍首相の意向で審査会を動かそうとしてきたことです。 五年前の六月四日、安保法制が国会で審議されている最中に開かれた当審査会で、長谷部恭男教授ら三人の憲法学者が、安保法制は憲法違反だと異口同音に述べられました。これを機に、国民から、立場を超えて、安保法制反対の声が大きく広がりました。自民党は、その後、一年半もの間、審査会を開くことができなかったのです。 ところが、三年前の二〇一七年五月三日、いわゆる改憲勢力が衆参で三分の二を占めたことを背景に、安倍首相は、二〇二〇年と期限を区切って、九条改憲に言及し、憲法改正の議論を加速させてきました。そのもとで、自民党は憲法審査会を動かしてきたのです。 これまで繰り返し述べてきたように、国民の多数が改憲を求めていない中、改憲を目的とした審査会は動かすべきではないと改めて指摘しておきます。 次に、憲法改正の国民投票をめぐる問題について意見を述べます。 まず指摘しておきたいのは、なぜ今、公選法並びの七項目なのかということです。与党は投票環境向上のために必要だと言いますが、憲法改正は具体的なスケジュールに上がっておらず、国民も改憲を求めていません。急いで整備する必要は全くありません。 与党は、二〇一八年の通常国会でこの七項目を突如持ち出してきました。そして、改正案を与党だけで一方的に提出したのです。改憲議論を進めるための呼び水にしようとしたことは明らかです。 そもそも、現行の国民投票法自体、二〇〇七年、第一次安倍政権が、改憲を推し進めるため、与党の強行採決によって成立させたものです。私たちは、当初から、改憲手続のための法整備を行う必要はないとの立場をとると同時に、国民投票法には極めて重大な欠陥があると指摘してきました。 当時、国民投票法の不備を指摘したのは私たちだけではありません。 例えば、日弁連は、二〇〇六年の意見書で、最低投票率の規定がないこと、公務員や教育者の投票運動を不当に規制していること、広報協議会の構成が改憲派に有利になっていること、公平公正な放送や広告の利用が担保されていないことなど、重要な問題点が多々含まれていると指摘しております。 ところが、与党は、こうした国民の声を無視して採決を強行したのです。このことが、国民投票法が今でも欠陥法と言われる実態を引き起こしているのではありませんか。 国民投票法の採決に際し、参議院では、国民投票法の範囲、最低投票率の意義、テレビ、ラジオの有料広告規制など十八項目もの附帯決議が付されました。これらはいずれも国民投票法の根本的な問題です。しかし、これまで審査会でほとんど議論されていません。国民投票法というのであれば、これら残された課題に真摯に向き合うべきです。 国民投票法の根本的な問題に触れないまま公選法並びの七項目だけ成立させようというのは、これを憲法改正の一里塚にしようとするものにほかなりません。コロナ禍のどさくさに紛れ国民投票法を採決しようというこそくなやり方は許されません。 最後に述べておきたいのは、安倍政権のもとで改憲議論をする土台があるのかということです。私たちは、前回、森友問題や加計問題、桜を見る会を始め、国民の共有の知的資源である公文書の改ざん、捏造、隠蔽、破棄され、民主主義の土台が崩されて、壊されていると指摘いたしました。 さらに、今問題となっている黒川弘務前東京高検検事長の定年延長をめぐる問題は、内閣が検察の人事まで左右しようとするものであり、三権分立を脅かす重大な事態です。 これに対し、多くの国民が反応しました。ツイッターでは、検察庁法改正案に抗議しますというハッシュタグが一日で六百万件を超え、安倍政権のたくらみを押しとどめたのです。 元検事総長らは、安倍政権を、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ十四世の言葉として伝えられる、朕は国家なりとの中世の亡霊のような言葉をほうふつとさせると批判しました。こうした国民の声に耳を傾けるべきです。 安倍首相は民主主義と三権分立の土台を根底から崩しており、そのもとで改憲論議など到底許されません。今必要なのは、改憲の議論ではなく、憲法の諸原則を現実の政治に生かす議論です。 新型コロナウイルス感染症のもとで、憲法の生存権などを生かすかどうかが問われています。生活への保障、医療体制の拡充について議論すべきです。その場は憲法審査会ではなく、予算委員会や各常任委員会で大いに行われるべきことを申し上げて、発言を終わります。
○佐藤会長 次に、馬場伸幸君。
○馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸です。 まさに、やっとのことです。我が党がずっと訴えてまいりましたこの衆議院の憲法審査会が、今国会で初めて開かれました。憲法審査会のかたいかたい扉がこじあけられ、討議時間が持たれたのは、昨年十一月二十八日以来、実に半年ぶりのことです。 その昨年秋の臨時国会における憲法審査会は、平成二十九年六月八日に自由討議が行われてから真っ当な議論がなされないまま、二年半もの空白を経て開かれました。それでも、憲法審査会の開催はわずか三回で、都合三時間三十九分にとどまりました。その中身は、国会開会前の九月に一人二百万円もの税金を使って行かれた海外調査の報告に終始しました。 御案内のとおり、我が党はその海外調査の参加を辞退いたしました。直後の十月に消費税率が上がり、国民に痛みばかり強いながら、どれだけ効果があるのか疑わしい海外視察に憂き身をやつすことは許されないと判断したからです。 しかも、国会で、二年半もの間、憲法審査会は頑として動かず、つまり全く仕事というべき仕事をしていないのに、海外調査には行くということも納得できなかったことの理由であります。やるべきことをやっていれば構いません。仕事もしないで、調査を名目に、臆面もなく、多額の税金を使って海外に赴くことには、当時、多くの国民の皆様からの怒りの声が私のもとに届いていました。 その上、憲法審査会における討論に割かれたのは、自由討議とは名ばかりで、海外調査の参加議員による報告のみです。さきの国会では、結果的に、それまで四国会にわたってたなざらしにされたままになっていた国民投票法改正案のコの字も議論されず、当然、その先の憲法の中身をめぐる討議に一ミリも踏み込めないままに終わりました。そして、本日に至りました。 ここにたどり着くだけでも、まるで天地がひっくり返るかのような大騒ぎでした。与党は、懸案の国民投票法改正案を早期に成立させ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態対応の議論に入る意向だと聞いています。与党の対応も遅過ぎるくらいですが、当然、我々は是といたします。 ところが、日本維新の会を除く野党の方々は、この期に及んで、国民投票法改正案の採決は認めないと主張しています。ある野党の幹部は、国民が望んでいないことと、国民の総意と決めつけて反発し、また、別の野党幹部は不急だと言い募っています。国民投票法改正に関する討議を望んでいないという国民とは一体誰のことなのか、ぜひ教えていただきたいものです。 国民投票法改正案は、平成三十年六月に与党と我が党などが共同提出いたしました。その趣旨は、投票の利便性を向上させるために、二十八年に改正された公職選挙法の七項目と整合性をとるものです。 公選法改正は全会一致で可決されましたが、国民投票法の改正となると、我が党を除く野党は、絶対にさせないと壁となり、また、あれやこれやと意味不明の理由をつけたり、審査会の意義からは御法度である政局と絡めたりして、あたかも子供のようにだだをこねてきました。国民投票運動のCM規制に関して主張すべき点があるならば、堂々と議論を尽くし、成案を得ればいい。その討議はもっと早くからできたはずでした。 国民投票法改正という当たり前の宿題は一日も早く片づけ、その後は、各党が毎週木曜日の定例日にしっかりテーブルに着き、憲法の中身についての討議を粛々と進めるべきだと考えます。 五月三日には、令和二度目の憲法記念日を迎えました。日本国憲法は、施行から七十三年を経て、時代にそぐわないことが多々生じていることは言をまちません。成文憲法を持つ世界約百九十カ国のうち、日本国憲法は十四番目に古く、一度も改正されていない憲法としては世界最古とされます。憲法は時代の変化に合わせてしかるべきですが、現行憲法は一文字も修正されずに今に至ります。 憲法改正は、時勢を受けて国会が発議し、国民投票をもってそれを果たすことが立憲主義の真の姿であり、立法府の責務です。メディアの討論番組や国会の予算委員会など、憲法審査会の場外では憲法論議が活発になされても、本来の土俵はあってなきがごとし。国会の憲法審査会で各党が忌憚なく意見表明する自由討議の場が封じられ続けているのは異常事態です。 この時代に国権の最高機関に身を置き、憲法について不断に論じるべき国会議員が惰眠をむさぶっている場合でないことをしっかりと肝に銘じてもらいたい。 自主憲法制定を党是とされているはずの自民党もほかではありません。総裁たる安倍総理の威勢のよいかけ声とは裏腹に、真剣度、本気度が伝わってきません。憲法審査会の開催と討議を重要法案の扱いをめぐる国対の取引に利用されていると受けとめざるを得ません。 折しも、新型コロナウイルスが世界規模で猛威を振るい、百年に一度と言われる国難に直面しています。特措法に基づいて全都道府県に出されていた緊急事態宣言は解除され、ひとまず一服感はありますが、第二波、第三波が到来するのは不可避とされています。感染拡大の連鎖を早期に断ち切って終息させるには、強制力が伴わない行政の要請だけでは困難な側面があることははっきりしています。 また、現行憲法が規定する本会議の定足数や国会議員の任期についての見直しの必要性も浮かび上がりました。現実に、憲法に、有事の際、政府権限を強め国会機能を維持するための緊急事態条項を創設する議論は、立法府として待ったなしだと考えます。各種世論調査でも、コロナ禍を奇貨として、その条項新設への国民の関心も高まっています。大規模地震など自然災害、ひいては感染症との複合災害への備えも欠かせません。 与野党が建設的に議論する環境を早急に整えるべきです。たとえ緊急事態条項の新設に反対の立場であっても、国民にオープンな議論をすること自体、除外されることはあってはなりません。 そもそも、国民主権を掲げる憲法が一度も国民投票を経ていないのは大いなる矛盾です。国民が主権を行使する国民投票を実施し、真に国民の手によって憲法を定めることがあるべき姿です。 もちろん、私たちの立場は、改憲ありきで強引に事を進めようというものではありません。まずは、憲法審査会で各党が真摯に憲法に向き合い、討議を重ね、改正が必要との結論に至れば、国会で発議し、国民投票で国民の審判に委ねるべきだと考えています。 この至極民主的な手順さえ受け入れられないというならば、憲法改正反対を掲げて選挙で勝ち抜き、衆参両院ともに改憲反対勢力で三分の二の議席を押さえ続ければいいのです。全ては民意です。 日本維新の会は、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の三項目について、改正条文を示し、国民の皆様方に提案をしています。ぜひ、他の政党の皆様方も、各党内でそれぞれ真摯に議論を進め、この憲法審査会の場に憲法改正項目をお出しいただき、委員間で活発に討議してもらいたい。それが、主権者の国民が憲法への理解を深め、国民投票する際に投票態度を適切に決めることにつながるとかたく信じています。 以上をもって私の意見表明とさせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤会長 次に、井上一徳君。
○井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。 憲法審査会が、今国会になって初めて開催されることになりました。関係者の皆さんが本日の開催に向け御尽力されたことには敬意を表したいと思いますけれども、憲法審査会の定例日は決まっておりますので、定例日にはしっかり議論を行うようにお願いしたいと思います。 特に、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、憲法を改正するか否かは別にして、憲法に関する関心は高まっております。憲法に関する国民の皆様の理解を深めるためにも、本審査会で憲法に関する議論を積み重ねていくことが重要であるということをまず冒頭に申し上げたいと思います。 それでは、まず、国民投票法改正案について申し上げます。 国民投票法改正案については、一昨年六月に提出されたもので、既に趣旨説明も行われており、その内容は、平成二十八年に投票環境の向上を図るために公職選挙法が改正されたことを受けて、それと同様の規定の整備を国民投票法において行おうとする極めて技術的な改正です。 改正案では七項目の改正事項を定めていますが、それぞれの事項については、基本的に、全会一致で可決された公職選挙法並びの改正となっております。例えば、共通投票所を駅構内やショッピングセンターなどに設置することができるとか、投票所に入ることができる子供の範囲を拡大するなどの内容であります。 憲法改正の是非、憲法改正の内容については、当然のことながら各党会派で考えは違うのではありますが、国民投票法は憲法自体が必要としている基本的な法規であります。国民投票法に改善すべき点があれば、速やかに改正することは当然のことではないかと考えております。その上で、CM規制のあり方などについて議論し、改正する必要があれば改正を行うという手順を踏むべきというふうに考えております。 次に、CM規制に関してですが、表現の自由は最大限尊重されるべきで、仮に規制が行われるにしても必要最小限にとどめるべきというのが基本的な考えです。 テレビCMに関しては、民放テレビ会社で量的な規制を行うことは実務的に非常に厳しいという意見がありました。これは、仮にインターネットのCMなどにおいても同様の問題が生じることになると想定されます。民放テレビ会社などの広告媒体事業者にどのような規制をかけるかという議論よりは、広告主となる政党あるいは政治団体がどういう自主的なルールをつくっていくか、こういう議論の方が大事になってくるのではないかと考えております。 次は、新型コロナウイルスと憲法についてです。 新型コロナウイルス感染は世界じゅうに拡大し、日本や各国にさまざまな課題を突きつけてきました。新型コロナウイルスという未知の敵との戦いにおいて、国際機関の果たす役割は限定的なものにとどまり、各国がそれぞれ独自の戦いを強いられている状況です。 そのような状況にあって、我が国では、国の担う役割や地方自治体の担う役割の重要性が改めて認識されるようになりました。我が国においても、新型コロナウイルス感染拡大を機に、憲法に緊急事態条項を設ける必要があるか否かが議論されるようになっています。 現行憲法には、参議院の緊急集会の規定以外には緊急事態に対処するための規定が設けられていません。万が一、新型コロナウイルスに多くの国会議員が感染し、定数を満たさなくなった場合の対応をどうするのか、また、国会議員の任期満了時に選挙を行うことができないことになった場合の対応をどうするのか、こういった点については、深刻な危機が来る前に憲法審査会においてしっかり議論しておく必要があると考えております。 また、想像を絶するような超大型の地震など、我が国の存立を揺るがすような危機的な事態が発生し、現行憲法が定める通常の統治のあり方では収拾しがたいという事態が生じる可能性を否定することはできません。あらゆる事態に際して、国家には国民を守り抜く責任があり、対処できないでは済まされません。危機的な事態においても、超法規的な措置がとられることなく、あくまで憲法秩序のもとで収拾できるような仕組みをあらかじめ憲法に規定しておくことは重要なことと考えております。 そして、このような危機的な事態において、公共の福祉のためにどうしても国民の権利を制限せざるを得ない場合であっても、真に必要な最小限度のものでなければならないということ、そして、国民が権利制限の内容について理解し、適切な判断を下すためにも、国民の知る権利は完全に確保されなければならないという原則を憲法に明記しておくことが重要だというふうに考えております。 また、今回の新型コロナウイルス感染の拡大は、国と地方の役割について改めて考えさせる機会にもなりました。加えて、都市部に人口が過度に集中することによる危機管理のリスクの高さも明らかになりました。東京一極集中が進む一方で地方が疲弊する現状を根本的に改めるよい機会と捉え、国と地方自治体の基本的な役割など、憲法を含めた議論を行う必要があると考えております。 アインシュタインの格言に、困難の中に機会があるという言葉があります。新型コロナウイルス感染拡大という困難な状況において、日本全体のグランドデザインを見直すよい機会にすべきと考えております。 希望の党としても、緊急事態や国民の知る権利、地方自治、安全保障に関する条文などをまとめておりますので、引き続き、憲法審査会において議論をさせていただきたいと思っております。 以上で意見表明とさせていただきます。
○佐藤会長 これにて各会派を代表する委員の発言は終了いたしました。 ―――――――――――――
○佐藤会長 次に、委員各位による討議に入ります。 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言いただきたいと思います。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いをいたします。 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いをいたします。 なお、幹事会の協議によりまして、一回当たりの発言時間は五分以内といたしたく存じます。各委員の御協力をお願いを申し上げます。 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前及び終了時にブザーを鳴らしてお知らせをいたします。 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。
○逢坂委員 立国社の逢坂誠二でございます。 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。 国民投票、これは非常に重要なものであり、民主主義の意思決定をする上で大変大事なものだというふうに私自身は理解をしております。 私自身、首長を務めておりましたときに、実は、情報をしっかりと公開をする、住民の皆さんにたくさん情報を提供する、その上で、熟議のプロセスを経て物事を決めていくということを随分やらせていただきました。いわゆる住民参加、それによって物事を決めていくということであります。 私は、この手法をとることによって住民の皆さんが喜んでくれるというふうに思っていたのですが、実は当初の反応は逆でありました。そんなことをやっても時間がかかるだけだ、情報公開なども、そんなものをたくさんされても情報を読むことはできない、それよりも早く意思決定をした方がいいんだ、住民投票で早く決めろ、こういう声が非常にあったわけですが、私の経験の中では、やはり熟議のプロセスを経るということなしに物事を決めてしまいますと結果が誤る、そういう体験を幾つもしております。 したがいまして、情報をしっかり公開すること、適切な情報公開があること、そして、それは議会の熟議ではなくて、住民の皆さん、憲法でいうならば国民の皆さんの熟議、こういうものがいかに高まっているかが非常に大事なんだろうというふうに思っております。 一つ例を申し上げますと、十五年ほど前、平成の大合併の議論が全国で盛んでありました。私の地域もそうでありました。当時、住民の皆さんは、もうこのままでは財政が立ち行かない、このままでは自治体が維持できない、そういうことで、合併に賛成する声が大多数を占めていたように私は思っております。 しかし、私は、それは非常に危険だというふうに思っておりましたので、全国でも多分例がないのでありますが、合併を前提にしない法定協議会をつくりました。本来、法定協議会は合併を前提にしてつくるわけですが、合併を前提にしない法定協議会をつくり、その場にさまざまな情報を提供し、住民の皆様に議論をしていただく。そして、その中には行政にとって不都合な情報もたくさん提供する、あるいは、住民の皆さんからもさまざまな意見をもらう。そういうプロセスを経て、議論を重ね、議論を重ねやっていった結果、最終的に、私どもの地域では、合併では地域はよくならない、合併ではない手法によってやはり地域の存立、存続を考えていくべきだ、そういう結論に達したわけであります。 すなわち、熟議のプロセスを経ることによって、当初考えられていた結果と随分違った結論に導かれるという実体験であります。 こうしたことは、ほかの案件でもたくさんございました。例えば、国民健康保険税を増税するかしないか、こういったことも、当初は多くの住民の皆さんは反対をする、だがしかし、医療費の増嵩、あるいは住民の所得、その他さまざまな条件を付して議論をすると、賛成はできないけれども納得せざるを得ないなということになることも非常に多いわけであります。 すなわち、いかに熟議の空間、時間、それを確保するかということが、私はこの投票における大きな前提だというふうに思っております。 そして同時に、熟議をするためには情報の非対称があってはなりません。賛成派ばかりの情報が流れるとか、あるいは反対派ばかりの情報が流れるとか、そういったところを十分に考えていく、それがやはり私どもこの制度設計をする国会の大きな役割だ、そう思っております。 いずれにしても、大事なのは、国会の議論も非常に大事でありますけれども、国民の皆様の間に、この憲法に対する熟議、その熱度、そういうものがきちんと高まっているかどうか、そういうことを判断しながら、国会がそれに寄り添うということが何よりも大事なことではないか、そう思っております。 以上、意見を申し述べました。ありがとうございます。
○岩屋委員 自民党・無所属の会の岩屋毅です。 発言の機会をいただいて、ありがとうございました。 私は、きょうのテーマであります投票環境向上のためのいわゆる七項目の国民投票法改正案について、私の経験を踏まえて意見を申し述べたいというふうに思います。 平成二十八年に、投票環境向上のための公選法改正が四度にわたって行われました。言うまでもなく、今テーマになっております国民投票法改正案は、この公選法では既に実現している投票環境の向上のための七項目に関する法改正について、国民投票法でも同様のことを行おうとするものであります。 私は、平成二十八年当時、衆議院倫理選挙特別委員会の筆頭理事並びに自民党選挙制度調査会の会長代理の立場にありまして、倫選特の現場における調整はもちろんですけれども、それ以前の各党各会派間の調整の作業にもかかわってまいりました。当時、北側先生にも大変御尽力をいただきました。その意味でも、この国民投票法改正案には非常に思い入れがあるわけでございます。 昨年この審査会に参りまして、いまだに実現されていないということに大変驚いており、また、遺憾に思っているところでございます。 ちなみに、公選法改正の経緯を申し上げておきたいと思いますが、まず、平成二十八年二月に提出された閣法によりまして、共通投票所制度の創設、それから期日前投票所の投票時間の弾力的な設定、そして投票所に入ることができる子供の範囲の拡大が行われました。このとき、共産党さんは法案に反対をされたわけですが、反対の理由は、同時に行われた国会議員の選挙の執行経費の基準の改正にかかわるものでありまして、投票環境向上の措置については異論がない、反対しないという旨の討論を明確に述べられたと記憶をしております。 その後、二度の、今度は議員立法によりまして、洋上投票についての対象拡大、これは便宜置籍船とか水産高校の実習生等に拡大をするということが行われ、また、閣法によりまして、これは個人情報保護の観点から、選挙人名簿の縦覧制度を廃止して閲覧制度を創設するということが行われました。また、期日前投票事由の追加、繰延べ投票の期日の告示の期限の見直し、在外選挙人名簿の登録についての、出国時、国を出るときの申請の制度の創設も行われました。これらの三回の法改正は、全て全会一致でございました。 したがいまして、以上四回の法改正は、実質的に全て全会一致であったと申し上げてよかろうと思います。その結果がいまだにこの国民投票法に反映をされていないという現状にあるわけでございます。 今の国民投票法改正案は、百九十六回国会の平成三十年六月二十七日に国会に提出されまして、同年七月五日に円満に趣旨説明の聴取が行われてから今日まで、実に六回の国会会期にわたって一度も質疑が行われずに今日に至っております。これでは、国会の不作為を国民から責められても仕方がない事態であると私は考えております。このままでは、公選法では可能となった投票環境の向上が国民投票法では行われないといった事態になってしまいます。 私は、本来、この種の国民投票法の改正は、公選法の改正が行われれば自動的に改正されるといったようなビルトインがされていてもおかしくないことではなかろうか、それは立法技術的には決して不可能ではないのではないかというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、この七項目につきましては、今申し上げましたように、全ての政党が賛成できる内容でございますので、この改正案を速やかに成立をさせるべきである、これはもう憲法改正以前の国民の権利に関する問題であって、これを実現することは国会の責務であるというふうに考えております。 これ以外の国民投票法そのものに特化した論点、例えばCM規制などにつきましては、七項目の改正案を成立させた後に速やかに議論を開始すべきだと思っておりますし、我が党といたしましても、その議論には真摯に応じていきたいと考えているところでございます。 以上です。御清聴ありがとうございました。
○玉木委員 立国社、国民民主党代表の玉木雄一郎です。 まず、我が党は、国民投票法改正案を具体的に提出をいたしております。七項目だけではなく、ぜひ、一緒に議論いただいて成立を図っていただきたいということをまず冒頭申し上げたいと思います。 なぜ出したかというと、重要な改正を提起しているからです。きょうは特に、まず申し上げたいのはネット規制の重要性です。 北側幹事からもありましたけれども、我々は、やはりしっかりと法規制を入れていくべきだという立場です。なぜなら、国民投票法が成立したときから一番大きな変化はメディアの激変です。先ほどもあったように、インターネット、SNSの発展、ネット広告が有力な宣伝手段となって、先ほどありましたように、宣伝広告費も、ネット広告がテレビCMを上回るという状況になっています。 特に、SNSが選挙や国民投票に与える影響も無視できなくなっています。しかも、大量のデータの分析を駆使して行う行動変容を目的とした広告は極めて効果的だと言われています。事実、二〇一六年のアメリカ大統領選挙のプロジェクト・アラモやEU離脱のリーブEUに関与し、結果にも大きな影響を与えたとされる広告会社もあります。 フェイスブックが収集した五千万人以上のデータを駆使して広告活動を行ったのが、ケンブリッジ・アナリティカであります。データ分析を通じて、意思の固まっていない、意見を変えられそうな人、パースエーダブルを抽出して、五千もの人の属性から、本人の感情につけ込むお勧め記事を効果的に打ち込んだとされます。 単なる広告を出すということから更に進化して、有権者の行動を変える取組が現に行われ始めています。データ社会の高度な進展は、表現の自由によって表現された情報を的確に分析し合理的に判断できるという、国民から、有権者から成り立つという民主主義の前提そのものを変質させている可能性があります。 トリニダードトバゴの選挙では、ある社会層の無関心を高める広報活動も効果を上げたと言われています。つまり、棄権を呼びかける、相手の政党とか候補者ではなくて、政治や選挙そのものに対する敵意や、あるいは、そんなものはもうやめた方がいい、そういう運動をして、十八歳から三十五歳の投票率で四〇%もの差が出て、それが六%の差である特定の社会層の勝利をもたらしたとされています。 そこで、私たち国民民主党は、こうした状況を踏まえた改正案を昨年五月二十一日に提出しております。改めて、これはぜひ、一緒に議論していただいて成立を図っていただきたいと思います。 まず、国民投票広報協議会が行う広報放送を行うことができる政党等については、テレビ、ラジオだけでなく、ネット広告も禁止をします。百三条の三の一項です。資金の多寡によって出せる広告の量と質に差が出て、国民が多様な意見を公平かつ平等に接する機会を担保するためのものであります。 政党以外にはネット広告等を認めますけれども、一団体五億円の上限規制を設け、資金面からの歯どめをかけます。百七条の十四です。 フェイクニュース、これも大きな問題ですけれども、これを流布してはならないという努力義務も百三条の四で課しています。 さらに、国民投票運動を行う団体に対する外国人からの寄附も禁止しています。百七条の十六です。国の最高法規である憲法改正に外国の勢力の影響を排除しなければ、特に安全保障に関する条文を議論するときには大変大きな問題となります。この外国勢力の影響と制限のないネット広告が結びついたときには、国民投票に与える影響は決して小さくありません。 CM広告規制を入れない国民投票は、まるで九対百人で野球をやったり、十一対百人でサッカーをやるようなもので、しかも、百人の側には、データで心を操る高度なテクニックで、ずる、チーティングもできる。これで本当にフェアなゲームになるでしょうか。 最後に、会長にお願いがあります。 二〇一六年のアメリカ大統領選挙やイギリスのEU離脱運動にもかかわったとされる、先ほど申し上げましたケンブリッジ・アナリティカの元役員、ブリタニー・カイザー氏をこの憲法審査会に呼んで、ぜひ話を聞いていただくことを求めたいと思います。彼女は今各国の議会で証言をしておりますので、これを国民投票法改正案の採決の前に必ず実現するように、同僚議員の皆さんにも協力を求めて、発言を終わりたいと思います。
○佐藤会長 幹事会で協議をさせていただきます。
○浜地委員 私は、もう端的に、短くお話をしたいと思っています。 まず、先ほどの議論を聞いておりまして、私、国民投票法制定当時、国会議員ではなかったわけでございますが、そこにかかわった皆様方の前提のお話も聞いておりまして、まずは、与野党の合意のスキーム、流れというのがございましたので、国民投票法、いわゆるこの七項目については速やかに成立をさせるべきであると思っております。 主に、野党の皆様方はこのCM規制の議論が担保できるのかというお話でございますが、明らかに、我が党も含めまして、平成十八年当時からは時代が変わっておりまして、特にネット環境というのが大きな変化でございますので、これは必ずやらなければならないだろうというふうにお話を聞いて私も感じたところでございます。 ですので、CM規制については、国民投票法の技術的な改正が終われば必ずやっていただけるんだろうというふうに私自身も、今、拝聴したところでございます。 先ほどから一つ話題になっております、ネット広告ということで、百五条も含めまして、国民投票における広告の規制ということにスポットが当てられたわけでございます。その中において、インターネットでの広告をどうするのかということが議論となったわけでございまして、これも議論をすべきだと思いますが、そもそも、ネットの広告ではない、ネットそのものでの主張というものが、果たして、これもいずれ整理をしなければならないんではないかというふうに思っております。 これまで、広告というと、やはり、お金を出して、資金の多寡により、そういった主張、国民の皆様方への主張が平等にいかないんではないかということで、広告というところにスポットが当たったわけでございますが、今では、広告を使わなくても、ネット上でさまざまな発信ができるようになったわけでございます。 当然、これは国民の皆様方の表現の自由の一つ一つでございますので、これを大きく制限することは一定の限界があると思いますが、今話題になっております、SNSでの誹謗中傷等もございました。SNSでは、やはり、匿名によってみずからの主張をすることによって、かなり影響力のある、また宣揚的な表現もあるということでございますので、私は、この広告のお話、広告の規制ということとまたプラスアルファをして、これはCM規制とはまた別の問題として、このネットでのさまざまな発信について、特に匿名での発信についてどのように担保をすべきかということを意識を持っておりますので、発言をさせていただきました。 以上でございます。
○中谷(元)委員 先ほど自民党の新藤筆頭から修正七項目についての説明がありましたけれども、前任の与党筆頭幹事といたしまして、これまでの経緯と状況を補足をいたしたいと思います。 二年前の五月十七日、幹事懇で、まず国民投票法改正法案を審議すべきだと、公明党の北側幹事から郵便投票を含む八項目の概要説明があり、各党に検討をお願いしました。 次の二十四日の幹事会で、立憲民主党の山花幹事から公選法改正で成立している七項目なら了解だと発言があり、与党から共通の七項目案を配付をして、六月六日の国会に共同提出したいので各党で審査をお願いしたいとしたところであります。 翌三十一日の幹事懇で、立憲民主党は国会提出の党内手続を完了したと報告いただき、国民民主党からは、七項目は了承するけれども、先ほど玉木委員が述べられたような内容の検討をしているので、それを提案したいと発言がありました。 その後、協議を重ねた結果、森英介当時の審査会長が、まず七項目を共同提出をして、質疑、採決をした後でCM規制などの問題を検討してはどうか、それを確約するという発言がありましたので、山花会長代理と階幹事が主導されまして、それを担保する申合せの文書、これを作成をし、各党に提示をいたしまして、両党の幹事からは、七項目についての共同提出はやぶさかでないという発言をいただき、現場としては丁寧に丁寧に、円満に協議をしていたわけでございます。 ところが、六月六日の締切り直前の六月五日の幹事懇談会で、立憲民主党の幹事が国対委員長に話をしたところ、突然、立憲民主の国対委員長がこんなものは突っぱねてこいといきなり指示をされて、幹事懇談会の申合せがほごにされてしまいました。これはどういう意味でしょうか。審査会の現場で真摯に向き合って議論を積み重ねているのに、これではぶち壊しで、まさに憲法審査会への政局の介入となりましたが、こんなことは許されないと思います。 以前、中山太郎初代憲法審査会長は、この審査会を始める際に、憲法議論は国会でこそ行われるべきだ、憲法議論だけは政府にも政局にも手を突っ込まれずに、国会議員が政治家としての立場で議論しなければならないという考え方で、憲法審査会は議員同士の自由な討議の場として、常に国民にオープンなものになるよう、幹事会で相談しながら工夫していくように要望されておりました。 その後、我々は、その精神を生かして、野党の筆頭幹事、山花幹事と話合いを続けまして、この申合せの内容で筆頭間で協議をして、修正をした案文を各党に提示をして、持って帰っていただきました。 しかし、翌週の幹事懇では、直前に野党の国対委員長会談が行われまして、国会情勢に鑑み、開催は応じられない、出席は応じられないと、流会となりました。 以降、十九日の幹事懇でも、会期末ということで法案提出を断念しましたが、翌二十日に一カ月会期が延長されましたので、二十一日、二十六日も幹事懇を設定をして、野党に呼びかけたところでございます。 しかし、野党が出席をされなくなってしまいましたので、いたし方なく、六月二十七日に、自民、公明、維新、希望の四会派によって法案を提出するという決断をしなければなりませんでしたが、その日、国民民主の階幹事が独自の国民投票法の改正案を各会派に提示されたということで、これはすばらしい御提案だと思っております。 その後、野党の国対委員長会談が開かれまして、突然、態度が軟化して、法案の趣旨説明に関しては、審査会において出席をいただきまして、全会派出席で聴取をしたというのは御存じのとおりでございます。 我々も、その後、民放のヒアリングなども行いましたが、あれから二年の歳月がたとうとしておりますが、本日、新藤筆頭の冒頭発言で、引き続き現場で丁寧な協議が続けられるということはよく理解できたところでございます。 しかしながら、こういった国民のための改正もまだ実現されていないというところにおきましては、やはり、憲法というのは、まさに国民にかわる、憲政で、憲法に基づく国のあり方を国会で議論するという趣旨から全く離れたものでございます。 ぜひ、国民は、憲法によってこの国を動かし、そして万機公論に決すべし、その精神を生かして、この憲法改正のルールが抱える本質的な問題を、逃げずに、避けずに、嫌わずに、ここで徹底的に議論すべきではないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
○照屋委員 共同会派、社民党の照屋寛徳です。 いわゆる国民投票法が施行されてから、去る五月十八日で十年が経過しました。識者は、施行十年の状況を、先例が何一つ存在しない中、規範形成の途上にあると表現しております。 私は、提出されているいわゆる公選法改正並びの国民投票法改正内容に異論はありません。だが、同改正案には、二〇一九年公選法改正の内容は全く反映されておりません。しかも、近々に、要介護者郵便投票の拡大、在外邦人等によるインターネット投票の解禁などの公選法改正も取り沙汰されております。提出されてから間もなく二年、改正国民投票法案は一旦取り下げるべきです。要するに、改正国民投票法案は、不要ではないが、不急の改正です。 国民投票法第百条の二、百五条の広告規制論にしても、今やテレビメディア広告費よりインターネット広告費がはるかに多く、広告放送のみを対象とする解釈論、政策論は有用性に欠けます。 その他、現行国民投票法には、公務員による国民投票運動等の規制の再検討、絶対得票率の規定の採用、実効的なフェイクニュース対策等の検討課題があります。 時間の制約もあり、終わりますが、去る五月十五日、沖縄は復帰四十八周年を迎えました。沖縄は、復帰前二十七年間の無憲法下のアメリカ軍直接支配と、復帰後四十八年の反憲法下の日常を強いられております。 コロナ感染拡大による非常事態宣言をも悪用して憲法改悪をもくろむ安倍改憲は、平和と立憲主義、民主主義と国民生活を破壊するものであり、安倍改憲こそ不要不急の最たるものであると申し上げ、意見陳述を終わります。
○石破委員 自由民主党の石破茂であります。 どうも議歴を重ねますと昔話が多くなりますが、今から二十五年ぐらい前、故竹下登元総理から憲法についてお教えをいただく機会がありました。竹下先生は、第一章天皇から始まって第十章最高法規、第十一章補則に至るまで、憲法の章の名前を全部そらんじておられたんですね。そして、九十六条、改正まで含めて護憲だわなというふうにおっしゃっておられました。非常に印象深いことであります。 この審査会の前身であります憲法調査会というのがあって、これまた、西暦二〇〇〇年、平成十二年ですから、今からもう二十年も前のことになります。中山会長でいらっしゃいました。そのときに本当の自由討議というのがあったんですね。 私は大学時代の参考書でしか知らなかったんですが、長谷川正安先生という憲法の先生がおられまして、参考人でおいでになりました。その方と随分と議論をして、立場は全く違いますが、極めて有益であったことをよく覚えております。 私は、会長あるいは幹事の皆様方の努力によってこういう会が開かれたことは極めて有意義だと思っています。こういう機会をもっと設けてほしいと思うのですね。自由討議なのだから、言いっ放し、聞きっ放しではだめだ。いろいろな議論があって、それに対する反論があって、またそれに対する反論があって、それでこそ討議なのであって、演説会ではない。そういうような討議の場はぜひ設けていただきたいと思います。 もう一つは、国民世論というのは、待っていれば醸成されると私は思っていない。それは、国民は日々の暮らしに忙しいのであって、朝から晩まで憲法のことを考えている人はそんなに多くいるわけではない。それは待っていれば醸成されるのではなくて、こちらの側から積極的に憲法の議論を国民に対してしていかねばならぬのであって、全国に衆議院だけでも三百の小選挙区がある、四十七都道府県がある。じゃ、ここにこれだけ多くの委員がいるのだから、何班かに分けて、それぞれの選挙区で議論をすればいいのです。国民に対して議論をすればいいのです。 今、いろいろなことが問題になっている。 コロナ禍において、じゃ、緊急事態条項を設けるべきか。私は、武力攻撃事態のように、憲法秩序そのものが破壊されるときに限ってそういうような条項は必要だと個人的には思っていますが、コロナ禍において緊急事態条項をどうするかという議論があるだろう。 あるいは、検察をめぐる議論というのが、三権分立とは何なんだと。憲法に検察が準司法的と明文で書いてあるわけじゃない。しかし、検察庁法は、明文によって、その施行を日本国憲法施行の日とするというふうに書いてあるわけで、それは憲法秩序の一角をなすものだと私は思っていて、これも憲法の議論だと私は思っているのですね。 国民はこちらが呼びかければ必ず応えてくださると思っていて、それを呼びかけるのがこの審査会の使命だと私は思っております。 私、自由民主党の鳥取県連会長を兼ねて憲法改正推進本部長を務めております。二年ぐらい前だったと思いますが、島根県連の御協力もいただいて、憲法に関する議論の会を設けました。国会議員全員出席、そして、なに動員をしたわけでもないのだけれども、千人を超える方々が集まっていただいた。活発な議論が行われた。 あるいは、昨年のことになりますが、山尾委員あるいは共産党仁比議員とともに、札幌弁護士会主催の憲法をめぐる議論の会に出席して、何か最初すごいアウエー感があったんですけれども、でも、そこで本当に活発な議論が行われて、立ち見も出るほどの盛況だったんですよね。 我々の側から語りかけていかねばならないと思っています。 最後に、国民投票、これは先ほど来議論があるように、一致点を見出すことは必ず可能だと思っています。担保が必要なら、その場を設けていただければ結構です。だけれども、これができたからすぐ国民投票だなぞと思っている人はいないでしょう。あるいは、ほかの規制が入らなければこの採決すらだめだというのも、それはおかしいのだと私は思っていますね。きちんとした担保、必要ならばそれをつくろうではありませんか。 そして、CM規制のあり方、そのとおりです。何でドイツにおいて国民投票法がないのか、そのことはきちんと我々は議論すべきものであります。ナチス・ドイツの失敗を二度と繰り返さないために。 そして、最低投票率というのは必要なのか。そうすると、ボイコット運動が起こったらどうするという話があって、そうすると絶対得票率というものが憲法においては必要ではないか。あるいは、賛成です、反対ですという意見の表明であれば無条件で許されるのかといえば、それはどうなんだろうねという議論は必ずあるはずなんです。その点に一致点を見出そうではありませんか。 そして、冒頭申し上げた竹下先生のお話のように、九十六条まで含めて護憲だよねということを我々はよく認識をしていかねばならぬ。我々のために議論があるのではない。国民のために、主権者たる国民のためにこの議論はあり、責務を果たしていきたい。 以上申し述べて、意見陳述といたします。ありがとうございました。
○階委員 発言の機会をいただき、ありがとうございました。 立国社共同会派の階猛です。 先ほど中谷先生から、私が過去に国民投票法の改正案を出したときの経緯などについてもお話がありました。昨年までは、隣の玉木代表のもとで、国民民主党の憲法調査会長として国民民主党案の立案にかかわってまいりましたので、少しこの国民投票法の改正案の意図するところを御説明させていただきたいと思います。 玉木代表がおっしゃったとおり、ネットの規制あるいは外国人の規制ということもありますが、大きく二つの視点がありました。 その視点は、まず、石破先生もおっしゃったように、国民のために改正するものであるということで、我々、ふだんは国会議員として、国民の代表として立法活動にかかわっているわけですけれども、この国民投票は、憲法改正について、いわば国民が我々が行っているような立法活動にかかわるわけです。ということは、我々もふだんそうだと思うんですが、いかにして民意の所在を把握するかという意味での情報の収集、そしてもう一つは、いかにして適正かつ合理的な内容のものにしていくかという二つの意味での情報収集が必要だ。 前者の民意を把握するという意味においては、やはり、特定人物の意見、情報だけが入手されるような仕組みであってはならないということで、なるべく多種多様な情報が入手されるようにすべきであろう。そういう中で、表現の内容そのものを規制するのではなくて、表現の方法、手段を規制する。 具体的には、一つの団体が国民投票運動を行うときに支出できる金額について、五億円という上限を設ける。これはダミー団体を使って規制の潜脱がなされないような手当てもしておりますけれども、この規制を設けることによって、一部の特定の団体だけが情報を広く流布することを防ぐ。それから、インターネットの問題として、先ほど浜地先生もおっしゃった誹謗中傷をいかにして防ぐかということであります。私たちが考えた法案の中では、情報発信する人の名称等の表示義務というのを課しておりまして、まさに今、国会で議論されている問題意識と同様なことが既に反映されているということを申し上げたいと思います。 そして、二つ目の観点ですけれども、いかにして適正かつ合理的な憲法改正の内容にしていくかということでありますけれども、もともとの制度としても、国民投票広報協議会、こちらが平等に意見を表明していく、知らしめていくという制度になっていますが、この広報協議会の活動の強化ということをすることによって、国民が公正公平な立場で情報を受けられるような仕組みにしております。 そして、もう一つは、選挙のときに国民投票がなされるとなると、これは時の政権のよしあしと国民投票の結果がリンクしてしまうということで、適正かつ合理的な内容にならない可能性が出てくるということから、国民投票と国政選挙の重複を回避するということも盛り込んでおります。 したがいまして、これは逢坂先生のおっしゃっていたことにもつながると思うんですけれども、今回、国民投票法改正案を定めるに当たりましては、国民の立場に立って、いかにして国民が有益な情報を得られるか。その有益な情報というのは、二つの観点、民意の所在を正確に把握できるかどうか、そして二つ目は、適正かつ合理的な内容の憲法改正を行うに当たってしかるべき判断ができるかどうか。こういう観点から、大所高所に立った国民投票法の改正案の議論が必要だと思っておりまして、確かに七項目については我が方も賛成しておりますけれども、この機会に国民投票の土台をしっかり構築することによって、さらなる国民投票を充実させることによって、国民の憲法への関心を高めることにつながっていければいいのではないかというふうに考えております。 以上です。
○山尾委員 立国社会派の山尾志桜里です。 先ほど石破委員から札幌弁護士会でのシンポジウムのお話がありまして思い出しました。二〇一九年の一月十二日、雪の札幌で、本当に大ホールいっぱいの市民の方がいらして、隣室に中継の部屋もつくられるようなイベントでした。やはりそういった形で、方向性が異なる意見を持った者や議員がセットになってさまざまな場所に足を運んで議論を尽くすということは、すごく有意義なことだというふうに思いました。 きょうなんですけれども、CM規制について、とりわけインターネットCMの話がきょう出ていますので、私も考えを申し上げたいと思います。 ただ、一点、今の国民投票法では投票運動のみについての規制になっているので、やはり意見表明についての規制ということも考えないと実効性を欠くということは、最初に申し上げたいと思います。 その上で、インターネット広告規制なんですけれども、私としては観点を三つ申し上げたいと思っています。 一つは、やはり、デジタル技術が急激に進んで、個人の決定にAIが介入することによって自由な意思決定を実質的にゆがめているということが起きているということです。 もう一点が、こういった憲法改正というような国家の基本的な、重大な意思決定に関して、こうしたAI技術を通じて外国からの干渉ということもまた行われているというふうに言われている、ここもしっかり押さえておくべきだと思います。 そして、もう一点、二十六日ですか、トランプ大統領のツイッターに注意のマークがついたというような報道もありますけれども、こうしたフェイクニュース対策について、これも拡散力がテレビCMとは異なる形で爆発的に持っているインターネット広告を考える点で大事だというふうに思います。 先ほど一点目で申し上げた個人の決定にAIが介入してくるということについては、もう具体例は玉木委員がおっしゃっていましたので、ここは割愛をしたいというふうに思います。何といってもここの本質的な部分は、そういった、PCを開く、スマホを開く、そして、自分では意思決定に介入されているという認識がないままに介入が行われているということは、私たちは気をつけなければいけないというふうに思います。 そして、もう一点、やはり国家の決定に外国が干渉し得るという状態を申し上げたいというふうに思います。 先ほどお話があったケンブリッジ・アナリティカの事案がありましたけれども、このケンブリッジ・アナリティカがかかわったとされる二〇一六年の米大統領選、これは、SNSを使ってロシアが選挙に干渉していたのではないかという、ロシア疑惑というものもありました。そして、このアメリカ大統領選挙に当たって、とりわけヒラリーに対する攻撃的なフェイクニュース、これを投下していたのが、お小遣い稼ぎのマケドニアの青年だったのではないかというような話もあります。 つまり、これまで考えてきた国内陣営間の不適切なテレビCM合戦に規制しようというようなところでは、もう既に圧倒的に足りないという状況があって、先ほど北側委員もおっしゃっていたように、広告費の問題もあります。そして、そのネット利用広告というのは、そういった個人の自律をゆがめ、そして国家の自律をもゆがめる可能性があるということで、やはりここはしっかりこの場で対策を考えていくべきだというふうに思います。 その点で、先ほど北側委員の方からは、ちょっと済みません、こういう要約で正しいかどうかわからないんですけれども、政党や事業者の自主規制という話がありましたが、やはりこういった海外からの不当な干渉行為ということを考えたときに、本当に自主規制だけで賄えるんだろうかということは、やはり私は危惧します。 あと、憲法改正広報協議会、こちらにしっかり頑張ってもらおうという話もあるんですけれども、皆さん御案内のように、この広報協議会というのは、衆議院十名、参議院十名、議員二十名ですが、衆参における会派の所属議員数の比率で割り当てられることになっているので、いわば、今あるこの楕円形の中で、大体野党がこれぐらいだな、与党があれぐらいあるよねというふうに思うと、やはりこういう比率でこの協議会のメンバーというのが構成される。 私自身は、例えば、賛成派の方が、あるいは反対派の方が、ずるをするよねと言っているつもりはないんですけれども、ただ、構成として、そういったゆがみが生じる可能性のあるメンバー構成になっているということは、やはりちょっと気をつけなければいけないというふうに思います。 もちろん、この国民投票法の法律の中で、客観的であるべき、中立的であるべきと書いてはあるんですけれども、書いてあるからといってそれが行われるということには必ずしもならないので、そうした性質を持っている広報協議会に、これから、きょうも論点に出ているようなさまざまな問題点を委ねていくというのは、ちょっと気をつけた方がいいというふうに私自身は思っています。 そして、フェイクニュース対策なんですけれども、これは確かに、必ずしも国民投票に限られない問題だよねという話は、私もそうだと思うんですね。 ただ、フランスでは、例えば、選挙法典でフェイクニュース対策というのは規律されています、大統領選とか下院上院選挙、そして欧州議会選挙、国民投票。そして、そういう中で、例えば、拡散された場合に、裁判官の判断で四十八時間以内の差止めだとか、プラットフォーマーに情報公開をかなり厳しくかけるだとか、そういった、やはり一番大事な場面で、国民に良質な情報が提供されなければならない一番大事な場面でのフェイクニュース対策をどうするべきかという観点で考えてみることは、そのほかの場面でもどうなんだろうということを考えていく切り口になると思いますので、ぜひ議論するべきだと思います。 最後に、憲法審査会のあり方なんですけれども、私自身は、国民民主党から建設的で重要な提案も実際なされていますし、七項目とあわせて一緒に議論したらいいんじゃないかなというふうに私は思っています。 ただ、先ほどから、さまざまな委員から、いや、幹事懇でこういう約束があったんだ、円満に進んでいたんだ、しかし国対委員長が出てきたようなんだというような話があって、私としては、なきにしもあらずかなと思うところもなきにしもあらずなんですけれども、ただ、わからないですよね。だって、議事録もないし、公開もされていないので。 なので、私はここで会長に提案したいんですけれども、一つ、幹事懇は何でこんなに公開されないのか。ぜひ幹事懇の中で、きちっと公開して議事録に残す、そういう議論をやっていただきたいと思うし、もし、きょう時間があるのであれば、それぞれの幹事から、何で公開しないのか、理由を教えてもらいたいというふうに思います。 あと、もう一点、先ほど玉木委員からブリタニー・カイザーさんを参考人として呼ぶべきだというお話がありましたけれども、全くそのとおりだと思っていて、本当に、対岸の火事ではないと。日本にも、実際、民間企業とCAは接触したというようなこともおっしゃっている方ですので、ぜひこれは協議をしていただきたいと思います。 以上です。
○船田委員 自民党の船田元であります。 まずは、与野党双方の努力によりましてこの審査会が久しぶりに実質審議を再開したということは、大変喜ばしいことと思います。 私は以前から、憲法についての国民の議論、そして結果として意思表示がなされて初めて我が国の民主主義が完成する、こう考えております。したがって、速やかに国民投票法改正案の審議、成立、そして憲法改正の中身の議論を行い、国民に発議することを心から望んでおります。 私は、平成十九年のこの国民投票法の制定に主体的にかかわってまいりました。その後は、投票権年齢、それから国民投票運動のあり方、そして一般的国民投票のあり方など、いわゆる三つの宿題に取り組んで、うち二つを解決することができたわけであります。 特に、国民投票運動のあり方については、人や政党を選ぶ選挙運動とは違いまして、憲法という基本的な政策、未来の我が国の形を選ぶ、そういう行為でございますので、できるだけ制限を設けずに、自由に運動ができるということが望ましいと考えました。したがって、運動が規制されるのは、例えば、検察官や裁判官などの特定公務員、それから公務員や教員の地位利用、さらには組織的多数人買収、こういった場合に限定をしたのであります。 この考え方を踏襲しますと、テレビのスポットCMも、投票日前二週間は規制をし、それ以前は自由といたしました。ただし、スポットCMは影響力が非常に大きいため、賛否のボリュームがバランスされるように自主ルールを民放連に要請をし、当時の責任者はそれを承諾をいたしました。ところが、二年前の審査会で、民放連からは、表現の自由あるいは放送法による政治的中立のために自主ルールはつくらない、つくれないと表明をされて、これは大変残念に思いました。審査会としては、再度、民放連にもう一度要請をしていただきたい、こう思っております。 ところで、イギリスの国民投票におけるテレビCMの扱い、これを調べましたところ、賛否の意見は同一時間同一分量という極めて厳密なものでありますが、我が国の場合には、極端にアンバランスにならない程度の対応でよいのではないかと考えております。そもそも我が国は極端を嫌う国民性を持ち合わせておりまして、テレビCMで仮に誹謗中傷が目に余ったり、一方的な主張が大量に流されるようなときには、国民の健全な世論によって淘汰されるはずであります。 このような観点から、仮に民放連が自主ルールをつくらなくても、各局が日常的に行っている番組編成会議などで極端なアンバランスを避ける努力を行い、それを担保するために、国会に置かれる予定の国民投票広報協議会がチェックをして、是正をお願いする、こういう仕組みで十分ではないのかと考えております。 けさ示されました新藤メモのBの変形プラスD、この合わせわざで対応することがよろしいのではないかと思っております。これは当然、ネット広告やネット上の発信も含めてこれで対応できる、このように考えておりまして、この方向に沿ってこの議論を進めていただければ大変幸いに思っております。 以上であります。
○辻元委員 立国社の辻元清美です。 先ほど中谷委員の方から当時の経過の説明がございましたので、まず、そのことで一言申し上げたいと思います。 当時の国対委員長は、私、辻元でございます。中谷さんの見方を発表されたということを一言だけ申し上げたいと思います。 この委員会を開く開かないを含めて、現場の幹事、それから国会運営上、国対委員会でも話し合っているというのは、これは現状の運営のやり方です。これを開く開かないというように国対も含めて決めるときは、御党の国対委員長も了承されているということですから、その運営に不満があるのならば、なぜそんなことを了承したのかとか、御党の国対委員長に抗議をされるのが筋ではないかと思いますので、一言申し上げておきたいと思います。 私も、当時、非常に悩みました。開こうかなと思ったら、自民党の中から不規則発言のようないろいろな発言が出たり、また、一部の野党の幹事が他の委員会で質疑中に幹事懇を強行しようとしたり、また、中谷筆頭のときも、山花幹事と議論をするはずなのに、他の党と、密約まがいとは申しませんが、紙をつくって勝手に進めようとしたり、さまざまなことがありました。その中で、どういうように運営していけばいいのかな、これは、御党の国対委員長ともかなり長く議論をした。それが経過でございますので、ぜひ自民党の国対委員長によくその中身をお聞きになった方がいいと思っております。 さて、そんな中で、きょうのCM規制の話、私たち野党は当時から強く求めてきました。特に、国民民主党が法案を出したということで、これは国民投票法の改正であるから、一遍にいろいろな問題点、特に、附帯決議で、衆議院だけではなく参議院でもかなりたくさんの項目があるので、この際しっかりそれも一緒に議論するべきだということも強く申し上げてきましたけれども、なぜかその意見はずっと通らなかったというのが現状です。 特に、インターネットについてですが、当時、国民投票法をつくったときに、広報協議会のあり方ということが随分議論になりました。その中で、最初は、ドント方式で全ての、広告の面積までドント方式で各党がやればどうかというような議論まであったんです。しかし、公共空間では賛成と反対が同等あるだろうということで、全て公平にしなければならないというかなり激しい議論があって、公平に扱うということになり、しかし、CM規制についてだけは、ああいう形でしたけれども、決着がつかず、そして附帯決議にもなっているということです。 しかし、インターネットの問題も出てきました。これは、インターネットでの広告だけではなく、先日、検察庁法の改正に抗議しますというツイッターが広がったことをめぐって、そのツイートをした人が更に攻撃されるとか、また、芸能人がツイートをしたことで、賛成、反対に分かれてファンたちの間で激しいバトルが繰り広げられるとか、インターネットの中での人権侵害や、さらには最近自殺ということもありますけれども、このCMだけではなくて、非常に深い、人権や表現の自由と、インターネットでの規制などをどうするかという問題が出てきていると思うんです。ですから、この委員会でもかなり深い議論をしていくべきではないかと、これは当時からずっと主張してきたところです。ですから、そういうこともよくお考えになっていただきたいというように思っております。 どうぞ、中谷さん、国対に帰ってよく聞いてきてください。もう長く議員をされているわけですから、わかると思いますよ。残念ですね、そういう発言をされたということは。 当時、中谷さんがおつくりになった紙も私は持っておりますので、見たいならば、お見せしたい。自民党の方から何回わびが入ったか、野党の方に。変な発言が出たり、ワイルドな憲法審査会にしようとか、そのたびにわびが入ってとまったということも現状であるということを申し上げたいと思います。 もう終わりましたか、委員長、私の時間は。まだあるんですか。
○佐藤会長 もうちょっとです。
○辻元委員 もうちょっとですか。 最後に、先ほど緊急事態のことがありましたけれども、これはやはり、まず法律で、「公共の福祉に反しない限り、」という憲法での条項もございますので、災害対策基本法や国民保護法制にのっとるような、法律での対応をまずしっかりしていくということこそ、私たち国会議員の責務であるということをつけ加えて、終わります。
○奥野(総)委員 立国社の奥野総一郎でございます。 発言の機会をありがとうございます。 先ほど来、新藤、中谷、岩屋各幹事の皆さんから、これまでの経緯、また辻元前国対委員長からもございました。 私は、階幹事の後を受けてこの場に、ちょうどそのころですね、採決の話が出てきたころに幹事にさせていただきましたけれども、私の記憶では、そもそもCM規制をすべしだとか国民民主党として対案を出すという話は、前年の平成三十年のもう夏ぐらいから党内では議論をしており、当時の階幹事が皆さんに話をされていたということだと思います。我々としては、一貫して、CM規制それからネット規制等については議論していただきたいということは最初から申し上げていたということをまず申し上げておきます。 その上で、採決の話。採決一歩手前まで行ったのは、私の記憶でも事実だと思いますが、そのときに、我々としては、必ず、CM規制そして我々のつくっている法案について取り上げて、改正に結びつけていただきたいということを申し上げたんですね。それを前提とした採決だということを常に申し上げてきたと思います。 その確約がとれないままに、私の記憶によれば、現場では確約がとれないままにいきなり採決だというニュースが流れ出したんですね、まず。まずニュースが流れ出したんです。という中で、結局、確約がとれないということで、もちろん、国対間の議論もありましたけれども、結局、採決には至らなかったというふうに理解をしています。 ということで、仕切り直して、これは並行審議をやっていただきたいんですよ。 皆さんも同意いただいていますけれども、これは、メディア規制、ネット規制とか一切なしに、しかも資金規制一切なしにやると、お金を持っている人、特定の外国政府なんかが自由に結論を左右しかねない、こういうことになるわけですよね。 また、なかなか難しいかもしれませんが、木村花さんの痛ましいニュースなんかもありましたけれども、ネットの中で何を言ってもいいのかとか、あるいはフェイクニュース、何をしゃべってもいいのかというと、おのずから限界があると思うんですよ。そういうことも含めた議論をやはりこの場でもやっていくべきだというふうに思います。 ですから、ぜひ並行審議を求めていきたい。これは、去年の秋からずっと並行審議をしていれば、今ごろ、もう何回もやって、採決にたどり着いていたかもしれないんですが、一貫してこの並行審議の話は取り上げていただけなかったんですね、我々から申し上げると。 ということで、改めて、この場でも何回も申し上げていますけれども、七項目、これは反対ではありませんが、実はこれは七項目じゃなくて、もう、公職選挙法も変わっていますから、九項目ぐらいになっているはずなんですね。そういうのも含めて、並行審議をやっていただきたいと思います。 きょうは、さまざまないい意見もありました。新藤幹事からも、運動資金規制なんかの提案もありましたし、自主規制の話もありましたし、うちの代表からもいい話もありましたし、山尾さんからもいい話もありましたし、こういう英知を結集して、このきょうの討論を結果に結びつけていただきたい。 石破先生の方からも、言いっ放しではだめだという話がありましたね。この自由討議って、僕が気になっているのは、これをどう結果に結びつけていくかというのが大事だと思うんですよ。ですから、きょうの議論も踏まえ、そして我々の出している法案も踏まえ、並行審議をし、きちんと論点整理をして、公正な結果が出るような国民投票法の抜本的な改正をぜひこの場でやっていただきたいと思います。 そして、憲法改正の議論をすべしという話もありますが、再三、私も申し上げますが、不要ではないが、このコロナ禍で、不急だと思うんですね。今、緊急事態の話をしても、到底間に合わないわけですから、ゆっくり落ちついて憲法の改正の議論をやればいいと思います。 ということで、七項目だけ先行し採決ということではなくて、きょうの議論も踏まえ、並行審議をし、国民投票を公正なものとする抜本改正を求めて、発言を終わらせていただきたいと思います。 以上です。
○稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。 国民投票法制定時の議論においては、野党の皆さんから、主権者国民の多様な意見を国家の基本法である憲法に反映するためにもできるだけ規制のない自由な国民投票運動をという主張がなされ、与党もこれを受け入れる形で議論が繰り広げられて、現在の国民投票法になったと理解をいたしております。 新藤筆頭御発言のとおり、期日前十四日間のCM禁止、放送メディアによる自主規制、国民投票広報協議会による賛否平等の公営放送で、表現の自由と公平公正な投票の両方のバランスがとられているというふうに思います。 もちろん、野党が御主張になっておられる論点、そしてネット広告のあり方など、新しい問題についてこの場でしっかりと議論をしていくことについて全く異論はございません。 七項目についてでございますが、CM規制議論の前提として、内容的にいずれの会派においても異論のない七項目の投票環境整備に関する法律案、これは早急に成立をさせるべきだと思います。既に与野党合意のもとで趣旨説明してから二年間、六国会にわたって、継続審議に付され、一度も質疑がなされていない、これは異常な事態だというふうに思います。 さて、現行の国民投票法の基礎には、民主主義の基盤であるところの多様な意見の反映といった要請がございます。多様性を認める視点というのは、国民投票に付される憲法改正のテーマを考える際にも大変重要な視点だと私は思います。 私自身、保守政治家を自認いたしておりますが、保守とは、自分が間違えるかもしれないという謙虚な気持ち、自分の価値観と異なる他人の価値観をも受け入れ、また多様性を認めることであると私は考えております。このような観点から、私見を申し上げたいと思います。 コロナによる被害、これは、経済的に大きな被害を受けるのは経済的に困窮下にある女性たちであるというのは、国連のグテレス事務総長の言葉でございます。こういった観点に立って、自民党の女性議員飛躍の会では新型コロナで大きな経済的被害を受けた一人親の支援を要望し、対策に反映されました。日本の一人親家庭の相対的貧困率は先進国最低レベルでございます。先ほどお話がございました憲法二十五条の生存権条項に照らして、そういった貧困対策をしっかりと拡充していくことは、多様性、包摂性を認める社会につながるというふうに思います。 そして、シングルマザーなど、先ほど国連の事務総長がおっしゃった女性の支援についても、私はやはり日本の国会に女性の国会議員が余りにも少ないという点を指摘したい、このように思います。「女性のいない民主主義」、これは東大の前田健太郎先生の著書の題名なんですけれども、女性の国会議員がこれほど少ないということは、国民の代表であるべきこの国会の民主主義自体をゆがめることにもつながるのではないか、このように思っております。 また、今回の経済対策でも、世帯を中に入れて配る、また世帯主の給料を基準にする、これはもう既に多様な家族のあり方等に、また女性の活躍にも反する方向性ではないか、このように思います。 平成三十年に成立した、政治分野における男女共同参画推進法が規定されましたが、より実効的、積極的な方策を講じるには、憲法十四条の男女平等条項、立候補の自由に関する十五条や、政治活動の自由に関する二十一条、さらには四十三条との関係を議論しなければなりません。 フランスではクオータ制が違憲になって反対に憲法を改正した、ドイツでも男女平等の一般条項がある中に更にもう一条項を加えた、そうやって先進国ではいろいろな方策を講じて女性の国会議員の割合をふやしているわけでございます。 LGBTの問題などもございます。 憲法は国の形を決めるものでありますので、やはり日本の目指すべき社会のあり方、そういう骨太の議論をぜひこの憲法審査会でも行ってもらいたいと思います。 きょうはたくさんの方の積み残しの意見がございますので、ぜひ発言を次回の定例日にお願いをしたいと思います。 以上です。
○佐藤会長 時間が参りました。 この委員間討議の取扱いにつきましては、ただいま与野党の筆頭間で協議をしておりますので、今後につきましては、これを踏まえ、幹事会等において協議をいたしたいと存じます。 これにて委員間討議は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十四分散会