法務委員会 第9号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/12/03
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、岩井茂樹君、山崎正昭君及び宮崎雅夫君が委員を辞任され、その補欠として福岡資麿君、徳茂雅之君及び小野田紀美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長小出邦夫君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。本日もよろしくお願いいたします。 社外取締役について伺います。 東証ではコーポレートガバナンス・コードを定めています。このコーポレートガバナンス・コードの原則四の八で、資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも二名以上選任するべきだというふうに定めていますが、今回の法改正では社外取締役一名の義務化ということになります。 コーポレートガバナンス・コードのように二名以上の取締役を義務付けなかった理由は何でしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 二人以上の社外取締役の選任が義務付けられれば、取締役会における社外取締役の影響力が高まり、社外取締役の機能がより実効的に発揮される効果を期待することができるものと考えられます。 もっとも、社外取締役に期待される役割に照らしますと、取締役の中に業務執行者から独立した立場にある者がいることが重要であって、適格性を有する者が選任されれば、一人であっても、業務執行者から独立した立場から問題提起や議決権の行使をし、また、社外取締役の活動状況等を事業報告により株主に対して提供して役員の選解任議案等に関する株主の判断に資するようにするなどの手段によりまして、その役割を十分に果たすことができるものと考えられます。 他方で、コーポレートガバナンス・コードにおきましては、原則として独立社外取締役を二名以上選任しなければならないこととされておりますが、選任せずにその理由を説明することも許容されております。これに対しまして、会社法におきましては、二名以上の社外取締役の設置を義務付けることにつきましては、現状では社外取締役としての適格性を有する候補者が不足しており、企業にとって負担が大きいなどとして、これに反対する意見も強いところでございます。 そこで、改正法案では、上場会社等であっても、二人以上の社外取締役を選任すべきこととはしておりません。もっとも、コーポレートガバナンスの向上に向けた議論は今後も継続する必要があると考えておりまして、このソフトローに関する議論等も含めまして、今後の議論の状況等を注視していきたいと考えております。
○元榮太一郎君 ソフトローであるコーポレートガバナンス・コードであるべき理想に近づけつつ、そしてハードローとしての会社法でしっかり下支えしていくと、そういうような関係と理解しています。 そこで、この社外取締役なんですけれども、大事なことはやはり質だと思っておりまして、まあ人数論というのもありますけれども、やはり質が大事だと思っております。そこで、これは問題提起の一つなんですけれども、ある意味経営監視の専門家ということでありますから、専門認定制度といったものを今後設けるということを考えてもいいんじゃないのかなというふうに思っております。 医師では、そういう医師会等で専門医や認定医といったものを、学会等でですかね、認定するような制度があったりしますし、弁護士業界においても、例えば大阪弁護士会が分野別登録弁護士制度といったものを導入しておりまして、弁護士が全ての分野についてプロではないかもしれないという想定の下、例えば大阪弁護士会ですと、弁護士登録後三年を超える実務経験、そして指定された分野別研修を過去三年間に三回以上受講、当該分野の事件を過去三年間に三件以上処理をし、かつ保険金額一億円以上の弁護士賠償責任保険に入っていると、こういった要件を満たすと登録できるというものであります。 この社外取締役の質を担保するためにも、このような何らかの形での専門認定というものは検討してもよいかと思っておりまして、必ずしもこの専門認定制度を取得していなくても社外取締役にはなれるんですけれども、経営経験や弁護士経験、そして会計財務経験、こういったものを一定程度で見える化して、選任における参考情報とするのも有効なのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 社外取締役には、業務執行者から独立した立場で会社経営を監督する役割が期待されるとともに、取締役会に多様な意見を反映させる役割も期待されております。 委員御指摘のとおり、社外取締役にはその期待される役割に照らして必要な専門性が求められると考えておりますが、どのような資質、背景を有する社外取締役を選任するかにつきましては、基本的に各会社においてその経営課題等を踏まえて検討されるべき事項でありまして、その求められる資質、背景は多様でございます。そのため、法制度として横断的な専門認定制度を創設することについては難しい面があるかと思います。 もっとも、各会社において社外取締役を選任するに当たりまして、各種専門団体等におきまして専門的な研修の修了認定等がされていることを参考にするといったことは有用であると考えられます。 法務省といたしましても、関係省庁と連携して、関係団体における取組等について必要な協力をしてまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 社外取締役というのは、私も会社を経営しているので分かりますが、最初、誰がいいのかどうかというのはなかなか分からないところがありまして、例えば、上場準備をする企業ですと初めてそういうことを考えるということになって、何らかのよりどころというものがやはり経営の質を高めるのではないかなというふうに思っておりますので、各種専門団体とも連携しながら、こういったものの実現に向けて進めていただきたいというふうに思います。 そして、経営監督の質を高めることも大事である一方、会社の経営については取締役会の議論だけでは分からないこともあったりします。社外取締役が取締役会に参加して、そこで取締役会の議論を聞くだけでなかなか見抜けない部分もあったりすることもありまして、特に経験の浅い社外取締役ですとそういう部分も少なからずあるような気がしております。 そこで、社外取締役による経営監視の実を高めるために、質問、報告徴収権や資料提出権などを一定程度認めるのはどうかなと思います。これは、業務執行取締役からすると結構つらいことではあるんですけれども、一つの問題提起としていかがでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 社外取締役は、業務執行者から独立した立場で会社経営を監督する役割が期待されておりますが、取締役会の構成員として選任され、株式会社の業務を執行しない者であることから、第一義的には取締役会の構成員として取締役会においてその職務を果たすことになります。したがいまして、会社法において社外取締役についてのみ特別の質問、報告聴取権あるいは資料提出権を与えることについては慎重な検討を要するものと考えております。 この点、社外取締役に対する報告や情報提供につきましては、内部統制システムの一内容として必要な体制を構築することが考えられます。取締役会の職務には内部統制システムの構築の基本方針を決定することが含まれておりまして、社外取締役を含む各取締役は業務執行取締役が具体的な内部統制システムの構築義務を適正に履行しているかどうかを監視する義務を負っております。 このように、社外取締役による報告聴取や社外取締役に対する情報提供等、実効的な経営監督のための体制につきましては、こういった内部統制システムの構築を通じて整備されるべきものと考えております。 実務上は、取締役会に先立って社外取締役への事前の資料提供や説明を行ったり、社外取締役が参加する任意の会議体を設けて情報共有を図るなどの取組がされているものと承知しております。 法務省としても、引き続き、このような実務上の取組や各方面での議論等を注視して、必要な検討をしてまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 よろしくお願いいたします。 更に社外取締役の質を高めるためという観点で、社外取締役の兼務について伺いたいと思います。 弁護士の場合は、顧問弁護士として複数の企業を担当することで、初めての一社だけを担当している場合よりも、複数社、顧問が増えれば増えるほど各社に対する顧問アドバイスの確度というものが高まってくるということを実感する弁護士も多いと思うんですが、社外取締役もやはり場数を踏むことが大事なのかなという意味で、この複数兼務というのが実は有効なのではないかなというふうに思っております。 ある会社における社外取締役としての経験というのは他社の取締役としての業務執行にも大いに役立つということですけれども、例えば、社外取締役の稼働は、一月に当たって、取締役会、定時取締役会に一回出席して、上場企業の場合ですと、三か月に一回、決算報告のために事前の臨時取締役会に参加する、このぐらいの時間の稼働というのが一般的であります。 そういった意味では、二十社、社外取締役を兼務するというのは余り現実的ではないと思うんですけれども、三社、五社ぐらいは現実的だと思いますし、これも私の友人で、ある上場企業の社外取締役を務めている友人に聞いたところ、この社外取締役専任であれば十社ぐらいは十分にできるし、むしろ十社ぐらい担当しているとかなり感性が高まってきて、取締役会での議論の中でも問題点を指摘しやすいと、迫力が出てくると、そんな話も聞くわけであります。 そこで、社外取締役の兼務に関して、何らか法令上の規律はあるでしょうか。そして、社外取締役の質を高める上で、兼務の有用性も一つの可能性として認識、検討することが有効だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 会社法は、複数の会社の社外取締役、社外取締役が複数の会社を兼務すること自体は禁止しておりません。もっとも、社外取締役は、取締役会の構成員の一員として善良な管理者の注意をもって社外取締役としての役割、責務を果たす義務がございます。 したがいまして、社外取締役は、その役割、責務を適切に果たすために必要な時間、労力をそれぞれの会社における職務に振り向ける必要がありまして、過剰な兼務をすることにより、それぞれの会社においてその役割、責務を適切に果たすことができなくなるような場合には、取締役の善管注意義務との関係で問題が生じ得るものと考えられます。そのような観点から、一般論といたしましては、複数の会社の社外取締役を兼任する場合には、その数は合理的な範囲にとどめるべきであると考えられます。 他方で、複数の会社の社外取締役を兼務していても、その会社の数が合理的な範囲にとどまり、社外取締役としての役割、責務を適切に果たすために必要な時間、労力を各社に振り向けることができるのであれば、兼職による経験も生かし、期待される監督機能を発揮することはできるものと考えられます。また、委員御指摘のとおり、そのような合理的な範囲内での兼務が社外取締役としての経験を積むこととなり、社外取締役としての資質、能力が向上する場合もあるというふうに考えられます。
○元榮太一郎君 一定の兼務についての有効性についても御答弁いただいたところでありますが、コーポレートガバナンス・コードの補充原則四の十一②には、取締役が他の上場会社の役員を兼務する場合には、その数は合理的な範囲にとどめるべきであり、上場会社はその兼任状況を毎年開示すべきであると定めております。これを読んでしまうと、合理的な範囲にとどめるということで、一社が一番きれいで複数兼務するほどブラックになっていくと、こういうように読めてしまうというところがあります。 実際、上場準備中の会社の役員は、例えば、これも私の別の友人なんですけれども、上場準備をしています、既に一社上場企業の社外取締役をしています、もう一社声が掛かってきた、これは当社にとって非常に有効な知見を得られるような会社の社外取締役、でも、やはり上場準備中だということで、証券会社ひいては東証から難色を示される。こんな話も聞いていますし、あと、また別の友人は、社外取締役を専任で兼務しているんですけど、やはり四社より多く会社を兼務しようとすると、これも、大体、社外取締役を選任しようとするときは、その会社がこの人を社外取締役に選任していいですかと証券会社を通じて東証に聞くわけですけど、それが断られてしまうというようなことなんかも聞いておりまして、このコーポレートガバナンス・コードのこの合理的な範囲というこの書きぶりが非常にその兼務に対してのハードルになっているのではないかという意味では、もう少しこのコーポレートガバナンス・コード、この兼務の有効性も含めて、修正すべきではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(油布志行君) 金融庁でございます。 お尋ねの補充原則でございますが、これは取締役が、会社の規模等にも応じてくるところでございますけれども、その役割、責務を適切に果たすために必要となる時間と労力を振り向けるべきであるということを示したものでございまして、取締役の兼務の数でありますとかあるいは兼務自体を一律に制限すると、そういう性格のものではないと理解してございます。 御指摘のとおり、もとより、取締役やあるいは監査役も、他の企業において取締役、監査役として経験を積むということが、その役員御自身にとってもあるいは双方の企業の方から見ても有益であるということは当然ながら考えられるものであると思っております。 こうしたことも踏まえれば、ガバナンス・コードの運用に当たりましては、一律で画一的な対応をするということではなくて、企業の実態や創意工夫を反映してプリンシプルベースで柔軟な対応をしていくということが極めて重要であろうかと考えております。
○元榮太一郎君 是非とも検討いただきたいなというふうに思います。 次に、株主総会について伺います。 今回の株主総会に関する改正で、株主総会資料の電子提供制度が創設され、また、株主提案権の濫用的な行使を制限するための規定が整備されております。 私は、株主総会の効率的な運営というのが非常に重要だなというふうに考えておりますが、今回の改正で、そのような観点からどのような改正事項があるのでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 改正法案におきましては、株主総会資料の電子提供制度を創設することとしておりまして、これを利用して株主に対し株主総会資料をインターネットの利用によって提供することが可能となれば、株式会社は印刷や郵送のために生ずる時間や費用を削減することができるようになり、株主総会の準備をより効率的に行うことができると考えられます。 また、電子提供制度により、株主に対し従来よりも早期に充実した内容の株主総会資料を提供することが可能となり、株主総会の前及び株主総会当日に行われる株式会社と株主との間のコミュニケーションもより効率的なものとなることが期待されます。 また、改正法案におきましては、株主が同一の株主総会において提案することができる議案の数を制限することとしております。これによりまして、株主総会における審議の時間等が特定の株主からの提案のみに割かれることがなくなり、また、株式会社における検討や招集の通知の印刷等に要する費用を削減することもでき、株主総会の効率的な運営に資すると考えられるところでございます。
○元榮太一郎君 今回のこの株主総会資料の電子提供制度は、既にアメリカやカナダでも導入されているというようなことを聞いております。 今回でこの電子提供制度の採用が義務付けられるということになりますが、株主総会の招集通知については、現行法では株主の承諾を得て電磁的方法によることが認められている一方、今回電子化が義務付けられることにはなりませんでしたと。とすると、招集通知だけ紙が残るということになりまして、せっかく株主総会資料が電子化されたのに、それを見るためには紙に書かれたアドレスを入力しなければならないと、こういうことになります。 招集通知がメールで送られるとするなら、リンクをクリックすれば株主総会資料を見ることができるようになるため、株主総会の招集通知自体を電子化するということも有効だったと思うのですが、この点について検討はされなかったのか、また、義務付けをすることに何か問題はあるでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 株主総会資料がウエブサイトに掲載された事実に個々の株主が気付かない場合等もあり得ること、また、株主総会の招集の通知を電子メールによって送付することを義務付ける場合には、各企業において新たに株主の電子メールアドレスを入手する必要が生じ、特に不特定多数の株主が存在する上場会社にとっては過度な負担となる可能性があることなどから、改正法案におきましては株主総会の招集の通知を電磁的方法によってすることを義務付けることとはしていないところでございますが、現行法の下でも、株主の個別の承諾を得れば株主総会の招集の通知を電磁的方法によって行うことはできる規律となっております。
○元榮太一郎君 今回、株主総会資料という大事なものがデジタル化されたといったところで、デジタルデバイドに対する対応として書面交付請求権という形を残しました。株主総会の効率的な運営ということを考えていきますと、最後のラストワンマイルも原則デジタルにしつつ、ちょっとデジタルだと困るよという人に関しては書面での株主総会招集通知とかですね、そんな形で少しずつ進化させていっていただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。 最後の質問になりますが、株式交付制度によるMアンドAにおける課税繰延べ措置についてお尋ねします。 今回の改正によって株式交付制度というものが導入されております。これはMアンドAのときに活用されるんですけれども、MアンドAの一手段として、会社が自社の株式を対価として対象会社を完全子会社ではない子会社とする株式交付制度というものであります。 株式交換という制度は、一〇〇%子会社にする場合には今まで存在していたわけなんですが、部分的に株式を取得して子会社化するときに、その買収対象会社の株主に対して自社の株式を交付することで足りるという制度は今回が初めてということでありまして、これはアメリカでも導入されておりまして、例えば、最近ですと二〇一九年に、今年ですね、テスラが、蓄電システムを開発、製造するマックスウェルという会社を二百四十億円で買収したんですが、なかなか、あの企業は赤字会社ですので、買収資金というものをキャッシュで払うよりも、やっぱり自社株、企業価値はすごく高いので自社株で払った方がいいということで、これ二百四十億円、全部そこの株式交付で取得をしております。 このような形でどんどんと新しいテクノロジーを吸収してほかの国の企業は急成長を果たしている中、日本でも同じような株式交付制度、MAというものが導入されるというのはこれはすばらしいことだと思うんですが、課税措置の点で非常に大きなハードルがありまして、今回は課税繰延べ措置がないので、子会社にする対象会社の株主が親会社になる会社の株式を割り当てられた瞬間に株式譲渡益課税が発生してしまうということでして、その株式に関してはキャッシュ化していないのに課税がされてしまうということになりますので、これはなかなか、じゃ、この株を今度の新親会社株式に換えようじゃないかというインセンティブが欠けますので、そういった意味では企業再編をしにくいというようなハードルがあろうかと思います。 この点について、是非とも今回、課税繰延べ措置について整備していただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。 法人がその保有する資産を他社に移転する場合におきましては、時価で譲渡損益を計上するということが法人税法の基本的な考え方でございます。 しかしながら、組織再編の前後でその経済実態に実質的な変更がない場合や強制的な株式の譲渡である場合には、例外的に課税の繰延べなどを認める組織再編税制というものが設けられているところでございまして、その中で、株式交換につきましては、単なる資産の移転ではなく、特別決議に基づき実質的に強制的な株式の譲渡が起こることによる株式の移転でございまして、株主の投資が事実上継続していると考えられることから、課税の繰延べが認められているものでございます。 これに対して、株式を対価とする公開買い付けにより買収に応じる場合につきましては、任意の株式の移転でございますので、基本的にこうした課税繰延べの対象にはなっていないということでございます。 そうした中で、平成三十年度の税制改正におきまして、大規模かつ迅速な事業再編による生産性の向上等を促す観点から、租税特別措置といたしまして、産業競争力強化法に基づく認定を受けた特定の事業再編につきまして、自社株を対価とする買収について、一定の要件の下、譲渡益課税を繰り延べる措置を講じたところでございます。 御指摘の御要望は、今般の会社法において株式交付制度が導入されることを契機といたしまして、株式交付を受けた株主に対する譲渡益課税の繰延べ措置について、産業競争力強化法に基づく認定を前提とすることなく法人税法本法において措置するという御要望でございますが、先ほど御説明した法人税法上の譲渡益課税の考え方から、慎重な対応が必要と考えております。 いずれにいたしましても、政府といたしましては、どのような対応が可能か、今後適切に検討してまいりたいと存じます。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 ストックオプションについても、税制適格、これは行使が任意にもかかわらず課税繰延べ措置がされておりますので、やはり思い一つで変えていけるところだと思いますので、その点も含めて強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○櫻井充君 おはようございます。 今日は、大臣所信について質問する時間が十分なかったので、今更ですが、大臣所信について少し質問させていただきたいと思っています。 法務省の中で児童虐待のプロジェクトチームが立ち上がりました。立ち上がったことについて否定はいたしませんが、決して賛成できるものではないと思っているんです。それはなぜかというと、ここでいろんな対策をつくったとして、法務省として、現場で一体どこがこういったことを、政策を実現することになるんでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員に御指摘いただきましたプロジェクトチームでございますけれども、現在厚労省を中心としてまとめられています関係閣僚会議におきまして、抜本的強化についてというものがございます。その中に、法務省も名宛て人となってございまして、例えば人権局であるとか、あるいは少年鑑別所であるとか、いろんな法務省の関係機関も児童虐待に関していろいろ取組を行うということでございますので、その点を更に進めるということと、あわせて、改めてこの取組の状況について検証を行って、更に何かできることがないかということを今検討しているところでございます。
○櫻井充君 ちょっともう一回簡潔に答弁していただきたいんですが、どこの分野はそうすると法務省が担うということになるんでしょう。主たるところは厚生労働省ですよね。厚生労働省でこれ対策が取りまとめられています。ですから、その中でどの分野は法務省がやるんだということになるんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) まず、人権擁護機関におきましては、全国の小中学生に配布しているSOSミニレター等を通じまして、児童虐待の早期発見、早期対応に努めるというところは現在も取り組んでございます。 それから、先ほど申し上げました少年鑑別所におきましては、地域の子供やその保護者らからの相談に応じることによって、児童虐待の未然防止、早期発見に努めるというような取組をしております。
○櫻井充君 未然に防止するという、その早期の発見については、これ厚生労働省もやっているんじゃないですか。
○政府参考人(西山卓爾君) その点は委員御指摘のとおりでございますけれども、児童虐待を未然に防止するためにあらゆる端緒をつかむ必要があるという意味では、一つ端緒として人権擁護機関もありますし、少年鑑別所もあるのではないかと、そこの取組をしっかりやっていこうということでございます。
○櫻井充君 そうすると、これまでの人権擁護機関の実績を教えていただけますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員の御質問が児童虐待に関してということでございましたら、データは持ち合わせてございません。児童虐待のみを取り出した形でのデータは持ち合わせてございません。 ただ、先ほど御紹介しました子供たちからのミニレターなどの人権相談件数ということでいきましたら、平成三十年度で一万四千四百十、これがミニレターを端緒とする相談であると、こういったデータはございます。
○櫻井充君 要するに、そうすると、実績はないからこれから新しく取組をするという話になるんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 実績がないということではございませんで、今、データとして児童虐待のみについては持ち合わせていないということではございますが、更に進めていきたいということではございます。
○櫻井充君 分かりました。 大事な問題なので、法務省として、我々は法務省として取り組んでいただくことを否定するわけではありませんが、私はむしろ、例えば養育費の問題であるとか面会交流であるとか、子供の権利を保護していくというのは、これ本当は法務省が中心になってやらなきゃいけない問題だと思っているんですよ。 ところが、これ厚生労働省も、結局は社会福祉の観点から貧困家庭の問題があって、厚生労働省が取り組むことになっています。厚生労働省と話をした際に、この一人親家庭の貧困問題を解決してもらえると、大分厚生労働省として仕事が、ほかのところをきちんとやれるようになるので楽になっていいんですけどねという話をされているわけですよ。 そうすると、本来法務省がやるべきことは、これは親権の確定とかいろんなことがあって、この離婚した後の子供たちの権利をきちんと維持することが、まず法務省として子供に対して僕はやるべき一番の仕事じゃないかと思いますが、この点についていかがですか。
○政府参考人(小出邦夫君) 委員御指摘のとおり、養育費の支払を確保する、これは子供の利益を保護するために非常に重要なことであると考えております。 これまでも、市区町村の窓口で、そういった養育費の支払の重要性について説明したパンフレット、これは離婚届書と併せて交付してもらうように配付してきたところですが、こういった取組も継続したり、さきの民事執行法の改正におきまして養育費の支払確保に資する内容の法改正をいたしましたので、その施行準備、周知を適切に行ってまいりたいと考えますし、また、関係省庁、厚生労働省との連携を図りつつ、公的機関による立替払を取る制度を取っている国も含めて、調査研究を実施することを検討しております。 また、養育費の問題を含めまして、父母の離婚後の子供の養育の在り方については、どういった制度が子の利益に最もかなうかという観点から検討を進めることが重要であると考えておりまして、家族法研究会という研究会を立ち上げて、先月、第一回目の研究会を開催したところでございますが、養育費の支払率を向上させるため、例えば、未成年者の父母につきまして、協議離婚の要件を見直して養育費や面会交流についてのガイダンスを受講したり、また、養育計画を策定しなければ離婚することができないこととすることの当否などについても議論される予定と承知しております。 法務省におきましても、こういった子供の利益を保護するための取組、引き続き積極的に進めてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 済みませんが、これらのことについて法的拘束力はあるんですか。
○政府参考人(小出邦夫君) 先ほど申し上げました民事執行法の改正によりまして、養育費の支払確保に資するための、例えば、債務者の勤務先の情報あるいは給料の支払先、勤務先あるいは給料の差押えに有用な情報を取得するというのは、執行法の改正で法的根拠がございます。 先ほど申し上げました家族法制研究会での議論というのは、これはまだ始まったばかりでございますけれども、どういった制度が子供の利益に最も資するものかという観点からしっかり検討していきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 これ、欧米では、離婚するときにたしか養育費とかそれから面会交流については法的に義務付けられているんじゃないのかと思いますし、子どもの権利条約上もこういうことをきちんとやるべきだというふうになっていたんじゃないかと。違っていればそこはそれで教えていただきたいと思いますが、これは私の認識が違っているのでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、諸外国、いろんな法制がございますけれども、養育費の支払が行われない場合には、公的機関が代わって取り立てたり、あるいは口座から天引きしたりとか運転免許証の発行を差し止めたりとか、そういったいろんな方策によって養育費の支払を確保している事例があるというふうに聞いております。 こういった事例につきましても、さきの民事執行法の改正のときの附帯決議で調査するということがうたわれておりますので、そういった点についての調査研究も含めまして、先ほど申し上げました家族法制研究会の方で検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 繰り返しですけれど、ここは明確にしておいていただきたいんですよ。要するに、子どもの権利条約で、そこの子供の権利が守られるようにするために、ほかの国では法的拘束力を持たせているんじゃないんですか。違いますか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 養育費の支払義務自体は日本の法制でももちろん認められているわけでございますけれども、そういった諸外国におきましては、そういった養育費の支払を実効性あるものにするため、養育費の支払を確保するために様々な方策が取られているというふうに理解しております。
○櫻井充君 済みませんが、もう一度繰り返し、ちょっと単純に答えてもらわないとよく分からないんですよ。 子供の権利が守られるように法整備はされているし、法的拘束力は担保されているんじゃないんですか。要するに、そういうことをきちんとやらないといけないんじゃないかと思っているのでお伺いしているんです。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 先ほども少し申し上げましたけれども、協議離婚に際しまして養育費の取決めを行うこととか面会交流について合意すること、これを法的に義務付けて協議離婚の要件にするかどうかといったことについても、研究会の検討課題となるというふうに考えております。
○櫻井充君 いや、私はそんなこと聞いていないんですよ。世界の国はもう既にそうなっているんじゃないですかということを申し上げているんです。
○政府参考人(小出邦夫君) いろんな法制ございまして、そういった点についても今後また調査してまいりたいと思いますけれども、そういった点が法的に義務付けられている国もあるというふうに承知しております。
○櫻井充君 済みませんが、今頃調査するってどういうことですか。今頃になって調査するってどういうことですか。これ、国家公務員法でいうと懈怠に当たりますよ。これだけ離婚する家族が増えて、そして一人親家庭が増えてきている中で、今頃になって調査するということ自体が問題じゃないですか。 これは大臣にお伺いしましょう。大臣、どうですか。
○国務大臣(森まさこ君) 櫻井委員の御指摘のとおりでございまして、私も離婚後の養育費の支払確保というのは大変重要な問題だと思っております。所信表明においても、両親が離婚した後の子供の養育費の在り方を含む現在行っている家族法制についての検討を着実に進めると申し上げました。この中には委員の御指摘の養育費の問題も含まれております。法務省においては、これまで外国の法制度等の調査を実施してきたということでございますが、更なる迅速化を指示してまいりたいと思います。 また、私自身、大臣になる直前まで、自民党の女性活躍推進本部において養育費の不払における取立て制度について進めてまいり、この夏もちょうど欧米の調査に行ってきたところでございます。 委員御指摘、御質問の諸外国の制度は様々ございまして、また、現在も今変化をしているところでございますので、現在の最新の状況をしっかりと調査をし、委員の御指摘の問題意識と私も共有しておりますので、離婚後の子供の権利、子供の利益が最善であるという認識の下、取組を加速化させてまいりたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。 できれば来通常国会にはこういうものを間に合わせていただきたいと思いますが、迅速とおっしゃるんであれば、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 現在、家族法研究会において様々な議論を行っておりますので、法務省も積極的に参加をし、迅速に取り組んでまいるよう努力してまいります。
○櫻井充君 まあ、もう一声欲しかったんですけどね。迅速という言葉がどの程度の速度なのかよく分からないんで。 それで、先ほど取立ての話だけが随分出ていましたが、まず問題は契約書を交わしていないことだと思うんですよ。その契約書を交わしていない人たちが大半で、口約束であったりとか、それから法的拘束力のない私的な契約書を交わしてきていると。これはこの委員会でも相当問題になっていて、たしか取立てができる契約書を交わしている人たちは四分の一程度だったんじゃないかなと、そう思います。ですから、残りのその四分の三の人たちというのはすごく大きな問題でしてね。 ですから、離婚する際にこういったこともちゃんと全部取り決めさせるような法的拘束力を持つような制度にしていかないと、なかなか解決しないんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがですか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、協議離婚をするときに、子供の養育費の支払あるいは面会交流についてしっかり取決めをすることは非常に重要だというふうに考えておりまして、先ほど申し上げました家族法制に関する研究会では、協議離婚の要件といたしまして、事前にそういったことの重要性についてのガイダンスを受けるとか、そういったことを取り決めないと、養育費の支払あるいは面会交流について取り決めないと協議離婚することができないというようなことの制度を取ることの当否についても検討することとしております。
○櫻井充君 ガイダンスはガイダンスでいいんですけど、養育費の取決めができない最大の原因は何ですか。
○政府参考人(小出邦夫君) なかなか一概に申し上げることは難しいわけでございますけれども、協議離婚する当事者にはいろいろな事情がございますので、そういった合意を形成している余裕がないとか、そういうことを合意しなければいけないという認識が欠けているとか、様々な事情があるんだろうというふうに思います。
○櫻井充君 済みませんけど、原因が分からないままこんなことやってどうするんですか、原因が分からないまま。原因が分からないままどうやって対策をつくるんですか。
○政府参考人(小出邦夫君) そこにつきましても、家族法制研究会でいろんな当事者あるいは関係団体から意見を聞いて、その原因の究明を図っていきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 私が調べたものによると、一番は夫婦の仲が悪いんだと、もう一つは、取り立てたい、養育費を支払ってもらいたいんだけれどその能力がないと、これが大きな理由の二つですよ。 こんなことも分からないんですか、あなた。
○政府参考人(小出邦夫君) 失礼いたしました。 確かにいろんな理由があるとは思いますけれども、相手に支払う能力がないと思って合意しなかったというのが大きな理由であるというのは承知しております。
○櫻井充君 承知していますって、今更承知しているように言わないでくださいよ、紙が回ってきて分かったようなことを言って。 そういう問題じゃないんだよ。本当に、この子供たちが今後どうなっていくんですか。進学率も低いでしょう、そのぐらい知っていますよね。そして、この子たちが、大学なら大学、専門学校でもいいですよ、進学する際の奨学金の借入れってどのぐらいなのかというと、これは文科省にあらあら出してもらいました、この委員会で、八六%ですよ、八六%。二人親家庭は四二%。倍ぐらいの子供たちがこうやって奨学金という借金を背負って社会に出るようになるんですよ。負の連鎖でしょう。 こういうことにこそいち早く取り組んでもらわないと困るんですよ、法務省に。法務省の仕事ですよ、これは。児童虐待は厚生労働省が中心になってやるんだから、むしろ、法務省としてこういうことをやってもらわないと私はいけないんだと、そう思っているんですよ。 それで、この場合にガイダンスで本当に話合いに応じるんですか。つまり、支払能力がないということ以上に、もう一つは夫婦の仲が悪くて話合いをする気にもならないというのが大きいんですよ、これ原因の中で。だけど、これ子供の権利ですからね、子供の権利。本来は親が、二人の親が義務を負っていて、どちらがどのぐらいの割合で子供を育てていくんですかというのを決めてもらわないといけないわけですよ。子供には何の罪もない。子供には交渉権限がないんですよ。 だったとすると、この間を取り持つような仕組みをつくらないと。その両方の代理人を立ててもいいですよ。両方の代理人を立ててもいいから、弁護士さんたちの仕事にするのか誰の仕事にするのか分からないけど、そういう、高齢者でいえば成年後見人のような制度をつくってきて、そこでちゃんと協議するような場をつくらない限りは、僕は問題は解決しないと思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 確かに、そういった養育費の取決めあるいは面会交流の取決めについて当事者が現在合意をする割合が低いというような事情を踏まえまして、家族法制研究会では、先ほど申し上げましたとおり、ガイダンスを受けなければ協議離婚することができないとか、その他もろもろの施策を検討して、そういった合意が形成されるように努めてまいりたいと思いますし、そういった隘路がどこにあるのか、それから、支援する団体が関与すれば例えば面会交流が可能になるのであれば、そういったところからも意見を聞いて、どういった方策を取るのが子の利益に一番資するものかについてしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 済みませんが、僕、別にただ批判しているわけじゃないんですよ。建設的に申し上げているつもりですよ。だから、こうやらないと問題解決しないんじゃないんですかと申し上げているわけであって、野党であったって何だって、ちゃんと意見聞いてくれたって僕はいいんじゃないかなと。これは別にこの委員会だけでやっているわけじゃなくて、部屋に来ていただいて法務省とずっとやっている問題ですからね、この問題については。もう少し前向きに答弁していただけてもいいんじゃないのかなと、私はそう思います。 それからもう一点、犯罪心理学について、この間、宇都宮で子供さんを二人監禁したようなこととか、沢尻エリカさんが覚醒剤使ったとか、そのときにいろんな報道がされているんですが、僕は心療内科医として、あの分析値、結構間違っているんじゃないかなと思っているときがあるんですよ。 そういう意味で、今の犯罪心理学について、法務省としてどういう取組がなされているんでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 犯罪心理学についての取組というと、なかなか、答弁がずれるかもしれませんけれども、犯罪心理に関連して調査研究といたしまして、法務総合研究所におきまして、過去には非行少年やその保護者等に対する意識調査を実施して、平成二十六年に非行少年と保護者に関する研究という研究部報告を行いましたし、あるいは同様のもので、青少年の立ち直り(デシスタンス)に関する研究等を発行したというようなことがございます。 また、非行少年がどのような生活意識や価値観を持っているかを把握するために、数年に一回、意識調査を実施しているところでございまして、その結果は犯罪白書等で発表しております。 今後ですけれども、非行や犯罪のリスク要因や立ち直りに必要なニーズ等を明らかにすることを目的としまして、非行少年に加えて成人の犯罪者も対象といたしまして、非行や犯罪に至った要因やその後の処分等についての当事者の意識を調査分析することを検討しているところでございます。
○櫻井充君 今、僕は不登校と引きこもりと摂食障害の患者さんの治療に当たっていますが、基本的に言うと、考え方はみんな一緒です。 一つは否定的であること。それで、否定的なので自分に自信が持てないこと。それから、周囲の評価を気にし過ぎていること、簡単に言うと見え張りであるということ。それから、白黒を決着付けたがるとか、それから非常に真面目であると。これはもう五つ共通しているんですよ。 この五つがあるから全員病気になるわけではありません。来た人たちはみんな共通して同じです。つまり、そういう心理的な構造をちゃんと分析しないと、間違ったその後の処置になっていくんだと思うんです。カウンセリングの仕方等についても、そこのところがきちんとできないからなかなかうまくいかないんだと思うんですよ。 これは、今回のあの宇都宮の事件も、それから、たしか秋葉の事件は、青森県の学生さん、青森県の人間だったと思いますけれども、ああいう人たちって何かというと、子供の頃はみんなうまくいっていたんですが、あるときから挫折を感じるんです。挫折感じた人がみんな犯罪を犯すかというと決してそうではなくて、どういう人たちがそうなってくるかというと、もうすごく見えを張るようなタイプの人たち、それからもう一つは、否定的なので自分に自信が持てない人たちとか、大体限られてくるんですよ。 そうすると、今私がやっているのは、ちゃんとこの子たちに自信を持たせるためにどうしていったらいいのかとか、そういう目標を持って治療していって、まあ自分で言うのも何ですが、かなり効果は上がってきているんです。 そういう意味合いでいうと、きちんとした分析を行わないと、その再犯防止ということにはつながらないんですよ。ですから、先ほどあったような外形的なことということはよく調査されているんです。例えば離婚していましたとかなんとかですとか、そういうような外形的な問題じゃないんですよ。外形的な問題じゃないというのは、そういう家庭の子供さんたちだって非行に走っていない人たちはいっぱいいるということです。そうではなくて、非行を犯している、犯罪を犯している人たちに共通している物の考え方があるはずであって、そういう分析をしない限りは私は問題の解決できないんじゃないかと思うんですが、大臣、この点についてどう思われます。
○国務大臣(森まさこ君) 櫻井委員の心療内科としての御経験に基づく御指摘、本当にもっともであると思います。私も刑事政策が選択科目でございましたが、やはり外形だけでなく、内面をしっかり分析をして、そしてそれを対策に生かしていくというお考え、大変貴重に伺いました。 犯罪や非行をした者を改善更生、社会復帰をさせるための指導を効果的に行うために、犯罪や非行の内容はもとより、対象者一人一人の性格や家庭環境等、今御指摘のような様々な内面等の特性を適切に分析、把握した上で、その者にとって適切な指導等を選択し、それを再犯防止につなげていくという取組、今後もそれを実現していくために再犯防止推進計画等に基づいてしっかりと政策の立案、実施に生かしてまいりたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。 最後に、もう一つお願いがあります。今診療している中で、僕は家族療法を取り入れているんですが、本人だけを診療しても決して良くなるわけではありません。ですから、非行を犯した子供たちに対して、この子だけカウンセリングをやっても、家庭の中に戻っていってしまうと、家族関係が悪くて、またそこで、何というか、すねてというか、ぐれて犯罪を犯してくるということも出てくるので、是非家族全体できちんとしたカウンセリングを行うような体制もつくっていただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民の真山勇一です。よろしくお願いします。 森大臣、前回の委員会でいろいろ反社会的勢力というものについてお伺いしたんですが、その後、速記録を取り寄せて読んでみたら、私はやっぱりどうしても大臣の答弁では納得できない部分があります。今日、もう一回、申し訳ありませんが、改めてその辺りをお聞かせ願いたいというふうに思っております。 まず、この問題から伺いたいんですけれども、もう本当に質問にすぐ入りますが、前回、私、一般論として公的なところに反社会的勢力が出席するということについてどう思われますかというふうに伺ったら、大臣の答弁、反社会的勢力というその言葉については様々な文脈で用いられていると思いますので、一般論としてもお答えすることはなかなか困難でございますという答弁だったんです。 普通、一般論ということでお伺いすれば、その法的な問題とか事実に基づいてはっきりとした答弁をいただけると思ったんですが、一般論としても困難だということなので、いやいや、反社会的勢力という言葉は法務省の中でもうさんざん使われているじゃないかというふうに言いまして、それでは暴力団は反社会的勢力なんですかと伺ったら、これについても、暴力団については犯罪対策閣僚会議等で反社会的勢力というふうに使われておると思います、使われていますじゃないんですよね、使われていると思いますという非常に曖昧な言い方ですね。法務大臣がやっぱりこうした犯罪対策閣僚会議の中身について本当に正確に把握されているのかなというちょっと不安を感じました。 そこで、法務省、今日いらっしゃっている刑事局長にまずお伺いしたいんですけれども、法務省ホームページ見たら、手元にお配りしているような資料が出ています、ちゃんと。表題が、企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について、犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ、平成十九年、これ二〇〇七年になるんですかね、もう二〇〇七年ですよ、こういうのが出ていますよね。こういうのが出ている、法務省、使っているじゃないですか、もう随分昔からね。当然決まっていることだと思うんですが。 刑事局長にお伺いしますけれども、法務省の中で、反社会的勢力の定義というのは変更、これ以降変更されたことがあるんでしょうか、それともこのとおりでしょうかということが一点。それから、もしこのとおりならば、これに基づいて法の執行を法務省としてはやっていらっしゃいますか、これが二点目。三点目。そうすると、公的な場所に反社会的勢力が出席するということを容認をされない、あるいはされる。されないと思うんですが、そういうことでよろしいか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(小山太士君) まず私の方からは、この犯罪対策閣僚会議の点についてお答えをいたします。 平成十九年に犯罪対策閣僚会議が取りまとめました企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針におきましては、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である反社会的勢力、ここの閣僚会議の指針においてはこのように表現されているところでございまして、これをその後変更等したという事実はございません。
○真山勇一君 三つお伺いしたんですが、最後の一つのお答えをお願いします。
○政府参考人(西山卓爾君) 法の執行に関してお尋ねがありましたが、法律上、反社会的勢力という言葉を要件としている法律は、条文上ございませんので、そこは定かではないんですけれども、もちろん暴力団等、いろいろ反社で典型的に言われるものに対する対策というのはしっかりやっているというところでございます。 それから最後に、政府の行事に参加させるべきかどうかというお尋ねがございましたけれども、あくまで一般論ではございますけれども、この御指摘がありました暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人とされております反社会的勢力については、本来、政府行事に参加させるべきではないものというふうに考えております。
○真山勇一君 今、反社会的勢力については、定かでないとおっしゃったんですよね。定かでないってどういうことですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の点でございますけれども、先ほど指摘された指針においては反社会的勢力について今言及したような説明はございますけれども、これを全体、一般に使えるかどうかという面において、全てにおいて反社会的勢力というのはこの指針に基づくものであるというような定義付けにはなっていないということを申し上げているところでございます。
○真山勇一君 法律には基づいていなくて、この指針だということですね。今のやっぱりちょっと納得できないですね。 そうすると、反社会的勢力というのは、この指針以外にはないんですね。
○政府参考人(西山卓爾君) 反社会的勢力につきましては、民間も含めて、いろんなところで使われていると承知しております。 その個々において反社会的勢力をどのように定義付けているか、あるいは反社会的勢力をどういう要件で認めようとしているのかについて、網羅的にこちらとしても把握していることではございませんので、ちょっとお答えは困難かと存じます。
○真山勇一君 いや、でも、一般論としてまで、法務省がですよ、法律を執行しているところで、全く決まっていないようなものを、じゃ、こういうところで、指針という言葉で使っているわけですよね。 そうしたら、当然、この法務省のホームページの下に書いてあるような、二枚目にお配りしているその指針そのものの一番下の注に、反社会的勢力というところに星印が付いて下に書いてあるじゃないですか。やっぱり世間はこういうことで反社会的勢力というのを理解していると思うんですが、その決めている当の法務省が、定かではありません、曖昧ですと言ったら、そういうことでの法の執行というのはできるんですか。さっき、法の執行しているとおっしゃっていましたよね。
○政府参考人(西山卓爾君) ちょっと答弁に誤解を生むような点があった点はおわび申し上げますけれども、私が申し上げているのは、その反社会的勢力というもの自体が曖昧であるということを申し上げたいのではございませんで、先ほど来から申し上げていますけれども、この犯罪閣僚会議幹事会の申合せ、ここにおきましては、企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針の内容として反社会的勢力について説明をしているということでございまして、この指針を離れて一般的に反社会的勢力という言葉を考えた場合に、その言葉の中にどのような人物や団体が含まれるのかというのは、論者あるいは説明するときの文脈に応じて異なり得るものと考えておりまして、その点を御説明したかったところでございます。
○真山勇一君 法律に基づいて指針出していると思うんですよね。しかも、この犯罪対策閣僚会議というのは閣議でももう決定された内容ということで、それがこんなに曖昧なままというんだと、やっぱりちょっとそれは問題じゃないんでしょうか。 やはり法務省というのは法を執行するところですから、そこが実は曖昧だよというんじゃ、ちょっとこれは社会的な秩序がそういうことで保たれるのかどうか。だから、公的なところに場合によっては反社会的勢力が入り込むような余地も生むような可能性が出てくるんじゃないかというふうに思うんですよね。これを私はやっぱりはっきりこの定義に基づいて、法務省が毅然としたことでやっていかなければおかしいんじゃないかと思うんですが。 大臣、いかがですか、法務行政の最高責任者ですよね。やっぱり、こうやって法務省が出していることについて、余りよくはっきりしていないから、そのときそのときで対応します、そのときそのときで対応しますというのは、ちょっと法務省としてはおかしいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 真山委員にお答えいたします。 真山委員の御質問の根底に流れる趣旨は理解しているつもりなんですが、法の執行ということで御説明をさせていただきますと、法律に基づいて何かしらの刑罰等を執行する場合には構成要件に明確に規定されていなければなりませんので、そういう趣旨で、何か、何法の何条にきちんと定義されている場合ではないと、そういうものではないということを御説明しただけであって、真山委員の御質問のその根底にある趣旨は理解しているつもりでございます。 その上で御答弁いたしますと、この犯罪対策閣僚会議というのは、これは指針でございまして法律ではございませんが、その指針に、今御指摘のように、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である社会的勢力というふうに記載されているのはそのとおりでございます。 ですので、それ以外ですね、例えばサービサー法に書いてある、サービサー法の条文には書いていないんですが、立法趣旨に書いてある反社会的勢力とまた別のことが書いてあるんですが、そのようにいろんな文脈でいろいろと使われておりますが、犯罪対策閣僚会議に言うところの反社会的勢力という、今言った暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人にというものが公の主催の会に入り込むということは私は好ましくないものというふうに理解をしております。
○真山勇一君 やっぱり何か、法律というのは分かりやすい方が守ることもきちっとできるし、それから、それは法律に基づいておかしいんじゃないかということも言えると思うんですが、大臣のおっしゃりたい趣旨は、これは、反社会的勢力というのは法律で決められているものじゃなくて指針だと、指針だということなので、そのときそのときの状況、文脈に応じて違ってくるというふうにおっしゃっているように聞こえるんですけど。 そうすると、今まで反社会的勢力、反社会的勢力という一つの大きな非常に曖昧なくくりでこういうことを法務行政でやってきたということに私はなるんじゃないかというふうに思って、これはもう本当にやっぱり非常に不安なことですよね。反社会的勢力というのは、そのときそのときで、いや、これはそう、これは違うというふうに言われるというのは、やっぱり国民からしたらとんでもないことだし、反社会的勢力がやっぱり公の場所に堂々と出てくるということは、それは容認できないだろう。昨日の安倍総理も本会議でそうおっしゃいましたよね。反社会的勢力が公的な場所に出ることは容認できないという言い方をしていましたよね。やっぱり、そういうことをはっきり法務省としては決めていただきたいというふうに思います。こういう曖昧なことでやっていく。 ただ、大臣は、その中の暴力団については、明確にこれは反社会的勢力ですと。これも、勢力ですと言っていないんですね、実を言うと。暴力団などの反社会的勢力を社会生活の国民のその暮らしの中から排除をすべきだと思いますという、やっぱり非常に曖昧な言い方に終始しているということに、やっぱり今の答弁が表れているんじゃないかなというふうに思います。 反社会的勢力というのはどういうものなのかというのを、これもう一回はっきりと考え直さなくちゃいけないし、現実にこういう問題がたくさん起きていますね。マルチ商法の問題もあると思います。そんなことからこの反社会的勢力という言葉が決められたと思いますので、これ、今後ちょっとやはり法務省として何か、反社会的勢力とはということで統一の見解出していただきたいと思うんですが、そういうことというのは可能ですか。
○国務大臣(森まさこ君) 今申し上げましたとおり、犯罪対策閣僚会議の指針の中に摘示されております反社会的勢力、すなわち暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人が公的な場に入ることは容認できないというふうに先ほども申し上げましたので、この点ははっきりと申し上げさせていただきたいと思います。
○真山勇一君 それでは、私の方としては、前回の大臣の発言が訂正されて、明確に容認できないということを認めていただいたというふうに理解します。それでよろしいですか。
○国務大臣(森まさこ君) ただいま申し上げましたとおりでございますけれども、犯罪対策閣僚会議に言うところの暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である反社会的勢力が公的な場に入ることは容認できないというふうにお答えを申し上げます。
○真山勇一君 やっぱり、容認できない反社会的勢力というものをそういうふうに規定するということは大事なことだというふうに思います。 本当に今懸念があるわけですよ、世論の中には。法が公正、公平でなくて秩序を守っていないんじゃないかという、そういう懸念、不安、そんなものも広がっている、そんな雰囲気を私は感じます。現場で法の執行に携わっている方、司法の方とか検察の方、本当に一生懸命義務を果たそうとしているんですけれども、責任者がやっぱり国民の不安を膨らますような、そういうふうなことをおっしゃると、やはりそれはとんでもないことだというふうに思っています。やっぱり司法の誇りというのを持って任務に当たっていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。 それから、今日の審議の議題になっております会社法について、これはちょっと確認だけをさせていただきたいんですけれども、今回の政府提出の原案、法務省の基本的な考え方について、私は、一部誤ったメッセージを与えたんじゃないかという、そんな感じも受けています。 株主総会、この中で様々な立場の株主から多様な意見や提案が出されて、しかも透明性が高く公平な議論がされることがやはり株主総会の一つの形として望ましい、そういうために会社法というのがあるのではないかというふうに考えているんですが、この辺は今回の会社法で大臣は、どうですか、守られたというふうに思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(森まさこ君) 真山委員御指摘のとおり、コーポレートガバナンス、つまり企業統治において、会社の経営について多角的な視点からの多様な意見を取り入れることは重要でございますので、株主提案権の制度も、経営者と株主との間、又は株主相互間のコミュニケーションを図り、株式会社をより開かれたものとする目的で導入されたものでございますので、経営の透明性、公平性、効率性の向上のために企業が多様な意見を取り入れる手段の一つであり、大変重要であるものであるというふうに考えております。 この点、改正法案には一人の株主が提案することができる議案の数を制限する措置等も含まれておりますが、これは、株主総会における審議の時間等が特定の株主からの提案のみに割かれないようにし、他の株主からの提案にも十分な審議時間を確保するなど、株主総会の審議の充実を図ること等を目的とするものでありますので、むしろ実質的には先ほどの委員の御趣旨に資するものであると考えております。
○真山勇一君 先ほどの反社会的勢力による被害を防止するための指針というのをもう一回ちょっと見てください。一番下のところに総会屋というのが入っていますよね。ですから、やっぱり株主提案権というのは、総会がこの総会屋によって秩序が乱されてしまうということがいけないと。ですから、そういう点から例えば株主提案権というものを守るということは必要。つまり、株主提案権を排除することじゃなくて、守るということが私は大事だと思うんですね。 だから、この今回の会社法の中にも、やっぱり反社会的勢力、その一つの目安である総会屋というのがちゃんとここに入っていますね。やっぱりこういうものから企業の株主総会というのを守っていくということが大事じゃないか、それが今回の会社法の改正のやっぱり大きな意味にもあるんじゃないかというふうに思っております。 それから、私、あともう一つ懸念があるのは、今回のその株主の資料がデジタル化ということで、これ、私はある部分では評価できると思います。大きな世の中の流れ、国際的な中で、やっぱり紙からデジタル化をしていくということは必要だと思うんですが、やっぱり気になるのは、一連のいろんな、森友から始まりますけれども、桜を見る会にしても、デジタル化してデータ化すると突然消えてなくなっちゃったとか、復元できないとか、そういうことが世の中でまかり通ってしまうと、デジタル化が本当に果たしていいんだろうかと。やっぱり最終的には文字で文書に残さないと、まあその文書だってシュレッダー掛けられちゃうから分かりませんけれども、そういうことがやっぱり起こり得る。それから、もちろんデジタル時代に付いていけない方もいらっしゃる。そういう人を置き去りにすることがいいのかどうかとか、そういうことがあります。 だから、会社法の改正、それはやはり慎重にしなくちゃいけないし、伺うとちょっと時間がなくなっちゃうので、済みません、私の一方的な御意見で申し訳ないんですが、やはり今回のそういう意味では修正は私は良かったというふうに思います。 やっぱり会社法が、先ほどあったように、株主総会が自由な、透明性高い、そして会社の経営も透明性が高い、そういうものでやっていくということが大事だと思いますので、何点かちょっと疑念、疑念というか問題というか懸念も表明させていただいて、この会社法、我が党としては基本的に賛成でございますが、そういう懸念を表明させていただきたいというふうに思います。 次に、なかなか先に進めなかったIR推進法及び整備法のカジノのことなんですが、特定金融の話、前回もお伺いしました。 この特定金融って、私、とてもこれ問題、皆さんは問題だなというふうには思われないでしょうか。なぜかというと、伺ったら、金をカジノという、カジノの中だけでお金を貸したり口座を作ったりということができるんだけど、銀行法の適用も受けない、貸金業法の適用も受けないということは、多分、外為法とか金利法とか、何かそういう法律をほとんど受けないで、IR整備法の中に規定されていますというふうに言うんですね。非常にそういう意味でいうと危険なものが多いかなという感じがするんですけれども。私は、ですから前回、これはカジノ銀行という新しいものじゃないかというふうな感想を申し上げたんですけれども、これ貸金、カジノの中でお金貸すなんて、ちょっと、とても危険なことじゃないかなと、普通、常識的に思いますよね。 その貸付けができるということなんですが、貸し付けられる、ですか。それで、そうすると、貸付けの場合は金額の上限なんかはあるんですか。それから、貸し付ける場合は、普通は無条件に貸し付けるんですか、それとも何か保証として担保取るとか、そういう基本的な考え方というのはあるんでしょうか。その辺、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀誠司君) IR整備法におきましては、このカジノ事業者による顧客への金銭の貸付けに当たりましては、まず貸金業法に定める指定信用情報機関の信用情報を使用するということが義務付けられております。その上で、事業者においては、顧客の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査し、その結果に基づいて顧客一人一人につき貸付限度額を定めるということが義務付けられております。 このような返済能力の調査の実施方法、あるいは貸付限度額の設定につきましては、カジノ事業免許の申請時などにカジノ事業者が作成する業務方法書の審査を通じて、カジノ事業を適正に遂行するために十分なものか否かをカジノ管理委員会が判断することとなっております。 さらに、カジノ事業者は、貸付業務の内容について記録をし、またカジノ管理委員会に報告書を提出しなければならないということとなっております。これを受けまして、カジノ管理委員会は、カジノ事業の健全な運営が確保されているか否かにつきまして監督をするということになっております。 このような規制を通じまして、カジノ事業者による貸付業務について適正に行われるということが確保されることとなっておるというのが法律の規定でございます。 以上でございます。
○真山勇一君 そうすると、ちょっと素朴な質問、疑問なんですが、カジノへ行くお客さん、何かあそこにカジノができたんで、ちょっと面白そうだから行ってみようかといって出かけますよね。それで、カジノやってみたら、とにかくそのとき持ってきた金は、まあ全部ちょっとすっちゃったと。いや、もうちょっと遊びたいな、物足りないなという場合、じゃ、あそこに窓口があるから、カジノの中に、お金貸してくれるらしいと言われているから、じゃ行ってちょっと借りようかといって行きますね。そこで、貸してください。はい、お幾らお貸ししましょうか。まあ、ちょっと負け込んじゃったから五百万貸してくださいよと言った場合、その五百万というのはすぐそこで借りられるのかどうか。多分、今のお話だと、ちょっとそこですぐ、はい、五百万どうぞというわけにはいかないのかな。 今、信用情報を使うというふうにおっしゃいましたよね。そうすると、変な言い方しますけど、カジノにとって一見さんだと駄目で、カジノの中にそういう借りられるような口座、あるいは信用情報をあらかじめ、自分の個人情報ですよね、信用情報。今おっしゃいましたよね、収入はどのぐらいあるか、どのぐらい借り入れられるか、借入れがどのぐらいあるか、これは普通に言ったら個人情報ですよね。それを向こうへ預けないと借りられない。 今、私がざっと言いましたけど、そういう疑問点、そういうことでいいんですか。
○政府参考人(堀誠司君) 日本人に対する貸付けでございますが、これにつきましては、先日も御答弁申し上げましたとおりでございます。一定以上の金銭をカジノ事業者に預託できる資力を有する者に限定していると、この預託金がなければ貸付けは行われないということになってございます。 また、そもそも、それのみならず、繰り返しになりますが、信用情報を使ってその貸付けというものが、何と申しますか、貸付限度額などを先ほど申し上げましたような義務付けに基づいて事業者がきちっと設定をし、貸付けを行っていくと。それについての実施方法なり調査方法なりが適正なものかどうかというものは、カジノ管理委員会の方で監督していくということでございます。
○真山勇一君 カジノの中でお金って一番センシティブな問題ですよね、やっぱりね。お金が動く、それもパチンコとか公営ギャンブルなんかとは違うような、場合によっちゃ莫大なお金が動くわけですよ、膨大なお金が。場合によっちゃ破産するわけですよ。場合によっちゃ家族離散とか会社倒産とか、そういう例もあるわけですね。 それを何かこういう規制する法律もなくて、整備法で決まっていますから、カジノ管理委員会が決めますから、何にも決まっていない。これ、私ちょっと疑問に思うんですけど、財務省とか金融庁って、こういう金融問題についてどういう考え方しているのかなって今ちょっと疑問を……
○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、お時間が過ぎております。
○真山勇一君 はい。 疑問を感じましたけど、これ、本当にこんな状態でカジノをスタートしたら無法状態ですよ。お客のためのカジノじゃなくて、カジノ業者のためのカジノを日本につくるということになります。時間がないからここでやめます。本当にこんな危ないものを日本につくっていいとは思いません。 終わります。ありがとうございました。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 今日は会社法の法案審査でありますので、私は会社法についてお伺いをいたしたいというふうに思います。 まず、大臣にお伺いをいたします。 今回の重要な争点の一つである社外取締役の義務化についてです。趣旨は、御案内のとおり、これ日本企業に対する国内外の投資家や利害関係者、こちらに信頼される環境整備に必要だという点であります。いろいろ否定的な御意見もあるわけでありますが、お伺いする限り、総じて、社外取締役が現状ちゃんと機能しているかという、そういう点についての御懸念でありまして、社外取締役の存在自体が何か弊害をもたらしているということではないようであります。ですので、結果、私の意見でもありますけど、義務付け自体による効果、今申し上げた対外的な評価の向上ということについてまで私は否定されていないというふうに思っております。 その上で、他方、大臣にお伺いしたいんですけど、懸念というか、やはり考えなければいけないのは、今回の義務化の裏返しで、企業の感覚として、義務化されたことの義務を果たしたイコールガバナンスが良いというお墨付きを与えられたというような意識に企業はならないようにすることは、やはり重要であるというふうに思っております。 今回はそういうメッセージを当然発したものではありませんし、企業としては、社外取締役が更に有効に機能するような環境整備をより良くこれはつくっていかなければいけない。参考人質疑の中でもありましたけど、ハードローの世界とはまた別に、ソフトローの世界も組み合わせてそういうことをつくっていかなければいけない責務は企業はより強く持っているというふうに思います。 法務省といたしましても、このような仕組みや制度づくりを考える必要があるというふうに思いますが、大臣の御所見をいただければと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 矢倉委員にお答えをいたします。 上場会社等に社外取締役を置くことを義務付ける今回の改正法案でございますが、コーポレートガバナンスを実質的に向上させるのに必要な基盤を整備をするのに意義があると考えております。 海外の評価を向上させるための義務化、しかし、委員が御指摘のように、それだけでもよいのだと、そういう誤解がないように、委員御指摘のとおり、その実効性を高めるために必要な知見と経験を備えた者を選任をすること、また、それらの社外取締役の機能が発揮しやすい環境を整備することなどの運用面の取組が重要でございます。 そのような運用面の取組、特に候補者の確保等については、関係団体において取組等が進められることを期待しておりますが、コーポレートガバナンスの向上に向けた議論はこれで終わりということではなく、今後も続いていくものと、そして継続する必要があるものと考えております。 ソフトローに関する議論等も含め、コーポレートガバナンスの強化のための取組を行っている関係省庁と連携して、今後の議論の状況を注視してまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 是非、他省との連携の中にあっても、会社法を所管する省庁として、引き続きリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 続きまして、関連してではありますけど、少し実務的な話を当局の方にお伺いしたいと思います。 今回、法制審の議論などを見ておりますと、仮に事故等によって社外取締役が欠けるようになったとしても、その状態で行った取締役会決議が無効になるというものではないというふうに考えておりますが、この理解でよろしいか、まず確認をしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 上場会社等において、事故等によって社外取締役が欠けることとなった場合であっても、社外取締役を選任するための候補者の擁立等の手続を遅滞なく進めた結果、合理的な期間内に社外取締役が選任されたときは、その間にされた取締役会の決議を含めて取締役会決議は無効にならないものと考えられます。 これに対しまして、上場会社等が社外取締役を選任するための候補者の擁立等の手続を適切に行わず、遅滞なく社外取締役を選任すべき義務を怠ったと評価される場合には、その後に行われた取締役会決議は無効となると考えられるところでございます。
○矢倉克夫君 遅滞なく社外取締役を選任することをこれを仮に怠った場合は無効となり得るということでありました。 社外取締役を欠くことによって、社内取締役に対する適切な監督、牽制が利かなくなったという可能性は否定できないといたしましても、ある意味それは当不当の問題でありまして、定足数を欠いた場合などとはレベルが違うという御意見もあります。取締役会が適切であったかということと適法であったか、これについては差があるわけでありますが、それでも決議を無効とされる趣旨を改めて法務省からお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、社外取締役は取締役会の一構成員でございまして、社外取締役を欠いた場合につきましては、取締役会決議に関する定足数を欠いた場合のように、直ちに取締役会決議が無効となるものではないと考えられます。 他方で、上場会社等につきましては、株主による経営の監督が期待し難く、経営が独善に陥り、又は経営陣が保身に走るおそれがあることから、経営陣から独立した立場で経営を監督することにより、このような弊害が生ずることを予防するメカニズムとして社外取締役の設置を義務付ける必要があると考えております。 また、上場会社等につきましては、社外取締役の設置を法律で義務付けることによって、上場会社等については社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信し、資本市場の信頼性を高めるという意義があるものと考えております。 以上のような理由で、改正法案では、上場会社等に社外取締役を置くことを義務付けることとしているところでございます。 このように、社外取締役にはそれ以外の取締役とは異なる役割が期待されていることからすれば、改正法案において社外取締役の選任を義務付けた趣旨に反して、社外取締役が遅滞なく選任されず、長期間にわたって社外取締役による監督がない状況の下で行われた取締役会決議は無効になり得るというふうに考えているところでございます。
○矢倉克夫君 行為規範を置いた以上は、いつまでたってもいなくていいということではない、趣旨を没却するようなこともないという趣旨とも今お伺いもしました。 であるからこそ、会社が有能な社外取締役を選任する環境整備というのも私も必要であるというふうに思いますし、元榮委員からも先ほど兼任の関係などのお話もありましたが、そういうことを趣旨を踏まえた上でやはり考えるべきだというふうに思います。 一つ飛ばして、もう一つ、電子提供制度について、そのまま民事局長にちょっとお伺いしようと思います。その後に大臣にお伺いをいたしますが。 電子提供制度、これ、いわゆる電子提供措置期間におきましては電子提供が求められるということにつきましてですけど、電子提供すべき事項として、電子提供した事項を修正したときにはその旨及び修正前の事項の電子提供が要求されているわけであります。 実務的なことでちょっと確認いたしますけど、この修正は電子提供措置期間を通じて適用されるのか、つまり、期間内であれば株主総会の後であっても修正点が見付かったら修正事項の電子提供が可能なのかどうか、その点についてお伺いをいたします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 改正法案では、電子提供措置事項の修正につきましては株主総会の前後によって規律に差を設けておらず、電子提供措置事項の修正は株主総会の後であっても可能でございます。 ただ、この電子提供措置事項の修正は、軽微な誤記の修正や、電子提供措置の開始後に生じた事象に基づくやむを得ない修正でございまして、内容の実質的な変更とならないものに限られるものと解しております。
○矢倉克夫君 内容の実質的な変更にわたらないものであるという確認でありました。そこまで、内容の実質的な変更に係るようなものまで仮に含まれるようであれば、株主総会の後の事後的な変更でも内容の実質的な変更があるようになると、後に株主総会の決議の効力などをいろいろと争うときに問題もあり得るかと思いましたが、その点は問題ないということで確認取れたので、了解いたしました。 株主総会の関係で大臣にお伺いもしたいというふうに思いますが、これ、今回の会社法のもう一つの大きな論点であります議案要領の通知請求権に基づく提案議案の数の制限であります。 こちらにつきましても、私は、参考人質疑の中でもいろいろ議論もあったわけでありますけど、コーポレートガバナンスにとって必要なことは、会社を良くしようという株主と経営陣との円滑な意思疎通と対話であるというふうに思います。今回、そういう趣旨から、この数の制限というのは、株主権の制約ではなくて、今申し上げた取締役と株主との円滑な対話、それを進めるためのルールであるというふうに思っておりますし、これはほかの株主との関係だけじゃなくて、当該株主との関係でもそういうふうに思っております。そういうふうに私は捉えております。 こういう観点からお伺いもしたいんですけど、今回、その上で議案の数の上限が定められたわけであります。今回定められたことで、数そのものに法的効果が生まれることになりました。その効果がしっかりと発揮されるように、議案の数え方などをめぐって混乱が生まれないように、経営陣が特に濫用的に数えたりとかするようなことがないようにチェックをする必要があるというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 矢倉委員御指摘のとおりでありまして、取締役と株主、また株主間の円滑な対話のためのルールということでございます。議案の数は原則としてその内容ごとに数えることになりますが、委員御指摘のとおり、数の数え方について混乱や不都合が生じないように、また経営陣が濫用的に数えたりすることがないようにしなければなりません。 そこで、改正法案では、議案の数の制限に関する規定を形式的に適用すると不都合が生じる得る役員等の選任又は解任等に関する議案や定款の変更に関する議案については一定の範囲で二以上の議案を一の議案とみなすこととし、議案の数の数え方を明確化しております。また、取締役がどの議案が十を超える部分の議案となるかを決定する際は合理的な方法で決定する必要があり、提案株主ごとに合理的な理由なく異なる取扱いをすることは株主平等原則に反し、許されないと考えられます。 他方で、株主は、株式会社による議案の数の数え方に不服がある場合には、議案の要領を株主総会の招集の通知に記載することなどを求める仮処分の申立てや損害賠償請求をすることが考えられます。 このように、改正法案では、議案の数の数え方を明確化するとともに、最終的には裁判所が議案の数の数え方が適切であったかを判断する機会を保障するということで、経営陣による濫用を防止しております。
○矢倉克夫君 繰り返しますが、今回の数の制限は、取締役と、経営陣との円滑な対話を促進するルールとして意味はあっているものであって、決して取締役、経営陣が濫用的に株主の提案権を制限するような運用は絶対あってはいけないと思います。その観点からも、引き続き、制度設計、運用、また会社等に対する働きかけ、他省庁との連携、よろしくお願いを申し上げます。 もう一つだけ、また実務的なことをちょっとお伺いもいたします。 補償契約とDアンドO保険の関係であります。これ、実際に補償や保険金の支払があった場合、対象の取締役氏名や補償、保険金の支払の対象となった損害等の内容及びその額はどの程度開示されるのか、こちら、また法務省にお伺いをいたします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 まず補償契約についてでございますけれども、法務省令におきまして、補償契約に関する事項として、契約の当事者となる役員の氏名及び補償契約の内容の概要を事業報告の内容に含まなければならないこととすることを予定しております。 また、補償契約に基づく補償に関する事項といたしまして、いわゆる防御費用を補償した株式会社が、当該事業年度において、当該役員の職務の執行に関し当該役員に責任があることなどが認められたことを知ったときはその旨、当該事業年度において、会社が当該役員に対していわゆる賠償金や和解金を補償したときにはその旨及び補償した金額を事業報告の内容に含めなければならないこととすることを予定しております。 したがいまして、実際に賠償金や和解金を補償した場合には、補償した旨及び補償した金額は開示されるわけですけれども、補償を受けた取締役の氏名や補償の対象となった損害等の内容及びその額については開示されないということになります。 次に、役員等賠償責任保険契約につきましては、法務省令におきまして、当該保険契約の被保険者や保険契約の内容の概要を事業報告の内容に含めなければならないものとすることを予定しております。 したがいまして、保険契約の被保険者や保険契約の内容の概要は開示されますが、実際に保険金の支払があった場合に、保険金が支払われた取締役の氏名や保険金の支払の対象となった損害等の内容及びその額については開示されないということになります。
○矢倉克夫君 経営陣の果断な意思決定ということもあり、必要な部分もあり、その部分から開示の配慮もあったかというふうに思いますが、いろんな投資家の目や、また経営者の質やガバナンスなどを投資家が評価する上ではいろいろな事項を開示するということも必要であります。そういう両者のバランスをしっかり配慮しながらの今後の開示の運用等をしっかりまたお願いをしたいというふうに思います。 最後、いろいろまたお伺いもしたいと思うんですが、最後に、やはり今回の法改正で、また今後、会社法の議論の中でもやはり考えなければいけないこと、また参考人質疑の中でもいろいろ議論があった話を大きな項目として議論をさせていただきたいというふうに思います。 会社は何のために存在するのかという議論であります。私、アメリカに留学をしていた時期があったんですけど、そのとき会社法を研究しておりました。当時、敵対的買収が日本国内でもかなり多く行っていて、それぞれの買収結果によって、最終的には従業員も含めたステークホルダーの生活が危うくなる、そういう現状も見たりとかしておりました。そういう中にあって、短期的な、投機的な株主価値の追求だけで全ての人がハッピーになるのか、個人の感覚としては疑問に思って、そこから会社は何のために存在するのかということもやはり考えてきたところであります。 今回の法務委員会の議論でも、松下幸之助さんのお言葉も通じながら、社会的な公器、使命を発揮するという会社の存在を提示されたことは大きな意義があるというふうに思いますし、会社法の大きな視点としてもそこは重要であるというふうに思います。 それで、まずは、今日、外務省に来ていただいているんですけど、外務省にちょっとお伺いもしたいんですが、今、会社は何のために存在するのか、私の感覚で、そのうち大きな一つの参考になるのが、SDGsの理念でも持っております、国連が提唱している持続可能な開発目標、十七のゴール、それに向かって国際社会がどのように議論をしていくのか、そのSDGsの方針、指針の改定、今政府で検討されているというふうにお伺いもしております。 その中で、会社組織を含めたビジネスの分野、このビジネスの分野がステークホルダーとしてSDGs達成に向けてどういう役回りを持っているのか、こういう視点を今後組み込むべきであるというふうに思いますし、政府としてもその方向で考えていらっしゃるというふうに思います。 これらを前提にした上で、今、国際社会でSDGsが求める会社像というものはどういうものという共通認識があるのか、これについて外務省から答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(齋田伸一君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、国際的にも企業はSDGs達成のキープレーヤーとして位置付けられております。二〇一五年のSDGs本体、これにおきましても、民間企業の活動、投資、イノベーションを、生産性、それから経済成長、雇用創出、これを生み出していく上での重要な鍵となると位置付けております。また、民間の役割といたしまして、持続可能な開発における課題の解決、これのための創造性とイノベーションを発揮するということを求めております。 本年九月にニューヨークで開催されましたSDGサミット、これにおきましても、安倍総理、グテーレス国連事務総長を始めとした出席者の間におきまして、ビジネスや民間企業が果たす役割の重要性について認識が共有されたところでございます。 また、御指摘のSDGs実施指針でございます。これはSDGs実施のための中長期的な国家戦略でございますけれども、今月末に向けたその改定におきましても、御指摘を踏まえながら、ビジネスを主たるステークホルダーとして位置付けてまいりたいというふうに考えております。
○矢倉克夫君 会社がSDGs達成のための大きなプレーヤーである、これはもう国際の合意になっているわけであります。 先ほど私申し上げた海外留学した頃は、投資家の目というのも、株価をどうやって上げていくか、自分たちの中にリターンをどれだけ持たせるかというところが多く視点であったわけでありますが、こういうSDGsの傾向を通じて、最近、投資活動にしても、それぞれの会社を評価するときに、今の株価という部分、それに反映、組み込まれる部分もあるわけでありますけど、その会社がSDGsが規定している社会課題にどれだけ貢献をしている会社であるかということも多く評価をされるような時代にどんどんなってきておりますし、日本もその潮流に乗り遅れてはいけない、その潮流に合った会社像というのをこれから考えなければいけないというふうに思っております。 最近、いろいろ投資家の方ともお話もする機会があったんですが、その方々の議論の中でもSDGs、例えば、地球的な環境問題とかそういう課題だけではなくて、貧困だとかジェンダーとか格差是正とか、もうこれは途上国と先進国という大きな関係だけじゃなくて、国内問題の中でも、日本国内の中でもそういうのにしっかり重視しているような、従業員との関係も含めて、そういうような企業をしっかり評価する機運というのが本当に残ってどんどん大きくなってきているなというふうに思っております。 こういったSDGs達成、これが、誰一人取り残さない理念実現を会社の使命としていくというのは国際公約であるというふうに思います。 大臣に最後お伺いしたいと思うんですが、今申し上げたとおり、SDGs達成により企業を評価する時代になったわけであります。こういう視点を踏まえた上で今後のコーポレートガバナンス、規律というのも考えなければいけないと思いますが、最後に、会社法を所管する大臣としての御所見をいただければと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 委員が海外に留学され、そのときに会社法を選択しておられたと。平成十年に私もアメリカに留学をし、消費者法、消費者保護法を選択しており、もう同じような問題意識を持っておりました。 SDGsにどのように取り組むかは各企業が判断をしていただきたいんですが、一般論として、株式会社には社会に新しい富、利益をもたらすという社会的な存在意義があり、株主、従業員、顧客、取引先等多様なステークホルダーのために存在すると言えます。 そして、持続可能な社会の実現は企業が持続的に成長するための素地となるものであり、企業の持続的な成長により株式会社がもたらす富、利益が最大化されることは多様なステークホルダーの利益につながると考えられますので、企業がSDGsの達成に向けた取組を行うことについては積極的に評価をしてまいりたいと思います。 コーポレートガバナンスの向上に向けた取組については、SDGsの達成のための取組を含め今後の議論の状況を注視し、関係団体や関係省庁とも連携して、委員御指摘の点もしっかり認識をしながら取り組んでまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 大臣、力強いお言葉、ありがとうございました。 会社が社会に貢献をする、全体を押し上げる、そういう能力を持っている存在であるということをまた国民全体も理解もした上で、SDGs達成に向けた共同の意識というのを醸成できるような社会をつくりたいというふうに思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをします。 会社法の改正案について、特に今日も何人の方からも出ておりますが、社外取締役をめぐる、今後の課題と言ってもいいかもしれませんが、ことについてお聞きをしたいと思います。 参考人質疑なども終わりまして、この社外取締役についていろんな方からも質問がございました。いずれにしても、今回の改正の一つの大きな柱になっているのは間違いないと思いますし、ソフトロー的にはもう既に複数求められたり、あるいは三分の一云々ということもあったりしますし、世界的には、前にもお話をしましたように過半数という国があるわけでありまして、恐らくいずれはそういう方向にこの国も向いていくのかなというふうには予想はしますが、問題は、選任を義務付けられたから、あるいは複数になったから、三分の一になったから、過半数になったからコーポレートガバナンスが即強化されるというものではないと思っていまして、今日も議論がありましたように、いかに質を確保していくか、そして何よりも独立性、公平性をいかに持たせるか、そして実効性あるものにしていくかというのは大事な観点だろうと思っております。 実際、既にこの国においても、日本においても、社外取締役が複数いても、東芝や日産や日本を代表する企業で不祥事があってそれを見抜けなかったということも現実あったわけで、義務化されるあるいは数が増えたからコーポレートガバナンスの強化には必ずしもつながらないということになるわけで、今申し上げたように、実効性をどう確保していくかということが、あるいは公平性と独立性をどう確保していくかというのが大事なことだと思っております。 そこで、この社外取締役を有効に機能させていくために、やはり漠然と大物の人を据えておけばいいという問題ではもちろんないわけで、期待する役割や権限というものをやっぱり明確にしないまま選任をしてしまっては、本当に役に立っているのか、立つのかというのは適切に評価することは難しいと思います。 したがって、この法的な位置付けや、社外取締役の、その役割や権限というものを会社法で明確に規定をしていくということが必要になってくるのではないかと思いますが、どのような考えを持っていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 社外取締役は、少数株主を含めた株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場で会社経営を監督する役割を期待されているものでございます。 会社法上、この点を明記した、直接明記した規定は存在しませんが、社外取締役の要件として、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないことなどが必要とされておりまして、会社法が社外取締役の要件としてこういった規定を設けているのは、社外取締役に先ほど述べたような役割を期待し、独立性を確保しようとしているからだというふうに解釈できるかと思います。 社外取締役の権限につきましては、それ以外の取締役と同じでございまして、特に社外取締役のみに認められる権限は存在しないわけでございますが、先ほど申し上げました社外取締役に期待される役割に照らしますれば、適格性を有する者が選任され、業務執行者から独立した立場から問題提起や議決権の行使をし、また、その活動状況等を事業報告によって株主に対して提供して役員の選解任議案等に関する株主の判断に資するようにするといった手段により、その役割を十分に果たすことができると考えております。 もっとも、コーポレートガバナンスの向上に向けた議論は今後も継続する必要があると考えておりまして、ソフトローに関する議論等も含めて、今後の議論の状況等を注視してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今もお話があったように、このコーポレートガバナンスの強化に向けては今回の会社法の改正案で終わりになることはないわけで、大臣もさっきおっしゃったように、これから引き続いて継続的にいろいろ議論をしていく中で、今申し上げたこの法的な位置付けや役割や権限を会社法でしっかり明記をよりしていくということが大事だということを申し上げておきたいと思います。 次に、独立性を持った社外取締役をどのように選任するかというのはポイントだと思うわけですけど、今のままだったらというか、これまでだったら、親会社が、あるいは社長が、社長を中心とした取締役会が選任するということが多かった、ほとんどだろうと思いますけれども、これでは、結局は会社に都合のいい人が選ばれるわけですね。したがって、それだと適正で客観的な監督が本当に確保できるかというのは大変疑わしいということになろうかと思います。 したがって、今も、この前の答弁にもありましたように、この日本取締役協会ですかね、そういったところで社外取締役のプールがされたり、あるいは人材のプールがされたり研修が行われているということでありますが、この公正性、独立性を確保するために、国もしっかり例えば関与して、公的な第三者機関でこの社外取締役を選任するという方法もあり得るのではないかと。 この制度の下では、企業が社外取締役を直接選任して個別に契約するというのではなくて、第三者機関と契約して報酬も第三者機関に支払うと。もちろん、どういう社外取締役が欲しい、こういう専門知識あるいは経験がある人が欲しいというリクエストは受け付けることは可能だろうとは思いますが、そういう第三者機関が、必要とされる社外取締役を割り当てていくと。こういうことによって、利害関係にとらわれることがなくて、社外取締役の公正性、独立性が保たれているんじゃないかと思いますが、この公的な第三者機関による選任といいますか、そういったことができる仕組みをつくるのはどうかと思いますが、御見解をお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 社外取締役は、公正性、独立性を保って監督の実効性を高めるためには、期待される役割を適切に遂行することができる知見と経験を兼ね備えた者を社外取締役に選任することが重要だと考えております。そういった知見や経験を備えているかどうかにつきましては、各会社の事業内容やその実態等の諸事情を総合考慮して判断される必要があるため、委員御指摘のような公的な第三者機関においてその選任の判断をすることは困難な面があるというふうに考えられるところでございます。 もっとも、社外取締役として期待される役割を適切に遂行することができる知見と経験を兼ね備えた候補者の確保につきましては、先ほど委員からも御指摘がございましたコーポレートガバナンスに関する活動をしている日本取締役協会等の団体や弁護士会等の関係団体において人材プールの充実、研修等の取組が進められております。 法務省としても、社外取締役の公正性、独立性の確保を含むコーポレートガバナンスの強化のための取組を行っている関係省庁と連携して、必要な協力をしてまいりたいと考えております。 付け加えますと、各会社において、法制度上はございませんが、任意の指名委員会等を設けてそこで社外取締役の選任を議論するといった実務上の取組もされているというふうに承知しておりますので、こういった実務上の扱いについても引き続き関心を持って注視してまいりたいと思います。
○柴田巧君 公正性、独立性を確保するというのは、非常にこれが大事になると思っていまして、この実効性を高めるために、なかなか難しいという答弁でもありましたが、より良い社外取締役が選任できる仕組みというものをやっぱりこれからもしっかりと検討していただきたいと思います。 それから、この社外取締役を実効性あるものにするためには、ややもするとこの国、日本の企業は、外部者に対して非常に閉鎖的、排他的な特質があると、結局こういったことがこの社外取締役制度の機能化を妨げる要因にもなっているのではないか、また、このままではそうこれからもなり得るのではないかと思っていまして、企業側がこの社外取締役に提供する情報としない情報を選別をしたり、あるいは、そういったことによって社内情報に通じていない社外取締役が非常にコントロールされやすい、特に経営者からコントロールされやすいという懸念がやっぱり消えないわけですね。したがって、社内情報はやっぱり分け隔てなく提供して、明確に説明できるかどうかがこの社外取締役がしっかり仕事ができるかどうかにつながってくると思っております。 アメリカなどでは全ての社内資料が見られるようになっている例もあると聞いておりますが、いい情報も悪い情報も、特に悪い情報が伝わる仕組みというのは大事なことだと思っていますけれども、こういう情報、重要な社内情報を社外取締役に提供するシステムの構築というものを義務化する、こういったこともこれからは検討する必要があるんではないかと思いますが、どうでしょう、どういうお考えか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、社外取締役を含む取締役会による監督を実効的なものとするためには、取締役に対して十分な情報が提供される必要があると考えております。 社外取締役に対する情報提供につきましては、いわゆる内部統制システムの一内容として必要な体制を構築するといったことが考えられるところでございます。この内部統制システムには、例えば取締役及び使用人の職務の執行が法令に適合することを確保するための体制が含まれておりまして、具体的には、内部監査部門の情報収集の権限や取締役会に対する報告ルートの確立などについて十分な方策を講じなければならないと解されております。 そして、取締役会の職務にはこの内部統制システムの構築の基本方針を決定することが含まれておりまして、社外取締役を含む各取締役は、業務執行取締役が具体的な内部統制システムの構築義務を適正に履行しているかどうか、これを監視する義務を負っております。 このように、社外取締役に対する情報提供につきましては、適切な内部統制システムの構築を通じてその体制が整備されるべきものと考えているところでございますが、引き続き、実務の運用状況、また各方面での議論等を注視して、より実効的なものとなるような必要な検討をしてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 先ほど申し上げましたように、これまでも、複数いてもいろんな不祥事があって、あるいは不正を見抜けなかったということであります。そのやっぱり一番大きな、まあもろもろ要因はあるんだろうと思いますが、その一つは、ちゃんと情報が手に入らなかったというところが、あるいは悪い情報がこの社外取締役に届けられていないというところがあったと思いますと、義務化ということも含め視野に入れて、この情報、社内情報の提供の在り方をもっと考えて、そして実効性あるものにしていくということが大事だと思いますので、改めて指摘をしておきたいと思います。 いずれにしても、これからこの社外取締役を一つの中心として、これからコーポレートガバナンスの強化を考えていかなきゃならぬということは間違いないんだろうと思います。そのためには、例えばこの報酬委員会の委員長を社外取締役に担わせる、あるいは、もう既に取締役会議長を社外取締役にしている企業などもございますが、そうやって社長などとの、経営者との分離をすることを視野に入れて、社外取締役を中心とする取締役会の改革をこれから進めていくということが大事になってくるのではないかと思いますが、この点、大臣はどのようにお考えになっているか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 社外取締役による監督の実効性を高めるためには、委員のおっしゃるとおり、運用面の取組が重要でございまして、報酬委員会の委員長や取締役会の議長を社外取締役とすることにより、会議体の独立性や客観性が強化され、また十分な説明や情報の提供がされるようになるという効果を期待することができるものと考えられます。そのような取組については、コーポレートガバナンスに関する実務指針においても、実効的な取組として検討することが有益であると考えられる事項として示されております。 法務省としても、引き続き、実務における取組や運用状況を注視し、必要な検討をしてまいりたいと思います。
○柴田巧君 ありがとうございました。 先ほど冒頭に申し上げましたように、この義務化によって即ガバナンスが、コーポレートガバナンスが強化されるわけではありません。いろんな残された課題も多々あると思いますし、これから考えていかなきゃならない問題も幾つもあると思っておりますが、この法改正を機に、社外取締役をめぐる問題、あるいはまたそれを中心とするこの取締役会の改革といいますか、そういったことに向けて、しっかりとこれからも議論を重ねていきたいと思いますし、また、いろんな努力をお願いをしておきたいと思います。 残りの時間、先般もお聞きをしましたが、日本法令の国際発信の強化について幾つかお聞きをしたいと思います。 日本企業の国際取引の活発化あるいは対日投資の拡大、そして今、日本にはたくさん外国人が住んでいるわけですけれども、そういったことも踏まえて、この日本の法令翻訳とその国際発信、これが非常に重要になってきていると思いますが、しかし、大変遅れているということには心配をするわけで、これからスピード感を持ってこの作業をしっかりやっていかなきゃならないと思っていますが、今月、先般もお聞きをしましたが、官民の有識者によって会議が立ち上がって、ここを司令塔として、いわゆるユーザー目線でこの日本法令の国際発信を進めていくということになるわけですけれども、大事なことは、やっぱり具体的な戦略をしっかり策定をしなければならない、早急に。 そして、その中には、いついつまでに何をどう実現していくかというものをしっかり年限を区切って作っていく必要があると思っております。単に戦略だけがあっても、期限が決まっていないとずるずるずるずる、ただでさえ遅れている分野でありますから、しっかりといついつまでに基本法のこれこれは終わらせる、あるいは改正したものについてはこういうものをいつまでにやっていくという具体的な実現工程を定めて具体的な戦略を作っていく必要があると思っていますが、どのように取り組んでいくお考えか、これは大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 柴田委員の先般の御指摘も本当にそのとおりでございまして、スピード感を持って取り組まなければならないという御意見を大変真摯に受け止めております。 実は明日、先ほど御指摘の政府の取組の司令塔となる官民会議の第一回会議が開始されますので、委員の御指摘もございますので、私自身が出席をして、しっかりスケジュール感を持って期限を切って取り組むように指示をしてまいろうと思います。 この会議では、ユーザーである民間側構成員の経済団体等から御意見をいただいた上で、今後の具体的戦略や実現工程を定める観点から、本取組の重要課題や優先順位等を議論していただく予定になっておりまして、この議論の結果は、政府の翻訳方針や翻訳整備計画にも適切に反映したいと考えております。 法務省としては、今後も関係府省庁とも協力の上、日本法令の国際発信に向けて、ユーザーの意見をしっかり踏まえて取り組んでまいりたいと思います。
○柴田巧君 しっかりよろしくお願いをしたいと思いますが、この日本法令の国際発信、翻訳の国際発信等々、大変しかし問題はたくさんあって、ちょっと順番を変えてお聞きをしますが、一つは人の問題ですね。 この翻訳作業の担い手となるその専門人材が非常に不足していると言われていまして、計画ができても、それを担う人がしっかり育成確保されないと、これなかなかせっかく実現工程まで決めておきながらこれできないということになりかねませんので、この専門人材の育成確保にどう取り組むのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。 高品質の法令外国語訳を迅速に整備する観点からは、法令翻訳作業を担う人材の育成確保、それから能力の向上、これは重要な課題であると認識しております。 現在の取組と今後の課題について御説明します。 現状では、法令を所管する各府省庁が外部の翻訳専門会社を活用するなどして翻訳原案を作成し、法務省において、学者、弁護士等による専門体制で翻訳の品質や統一性を確認するなど、翻訳の品質確保に努めているところです。 また、より迅速かつ高品質の法令外国語訳整備を実現する観点から、各府省庁が翻訳作業を行う際に準拠すべき法令用語日英標準対訳辞書を整備しているほか、関係府省庁から成る連絡会議において翻訳専門会社等に関する情報共有を図るなどしてきたところでございます。もっとも、委員御指摘のとおり、法令外国語訳を行うのにふさわしい人材を適切に確保する必要性は今後ますます高くなると考えております。 法務省としては、高品質な法令外国語訳を迅速に行うという観点から、法令翻訳人材の確保を含め、どのような取組を行うのが適当か、関係府省庁とも連携を図りつつ必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○柴田巧君 このマンパワーの確保、育成と同時に、大事な点は、AIなどの最先端技術を積極的に活用してこの翻訳を進めていく、国際発信をしていくということだと思います。 今、先ほど言いましたように、重要法令の翻訳の未整備やその翻訳の長期化というのが非常に大きな課題になっているわけでありまして、今、民間の法律の事務所やあるいは企業の法務部などでは、もう既にAIによってどんどんこの翻訳がされていると聞いておりますが、そういう意味でも、このAIなどを導入をして最先端のそういった技術をもって、人の確保ももちろんですけれども、この翻訳の作業を、あるいは長期化しているものをより迅速にできるようにしていく必要があると思いますが、どのようにやっていかれるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(金子修君) 法令外国語訳整備プロジェクトの今後の課題の一つとして、翻訳提供までのスピードの改善があり、そのための取組として法令翻訳の工程におけるAIの活用を検討していく必要があると考えております。法令翻訳の工程にAIを効果的に導入することができれば、翻訳公開の迅速化や質の向上につながることが期待でき、利用者サービスの向上の観点から積極的に検討したいと考えているところでございます。 もっとも、現在、法務省においてAI翻訳に関する十分な知見を有していないことから、AI翻訳の精度、実用性等について本年度から調査に着手しておりまして、関係機関へのヒアリングや情報収集を行って、活用に向けた具体的方策を検討中でございます。 法務省としましては、今後も、翻訳の原案を作成する関係省庁とも協力の上、AIの活用を含め、翻訳の加速化の検討に一層取り組んでまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今、今年度から調査する云々という答弁でございましたが、もう既に世の中、何年も前からそうやってAI等を使って翻訳作業が進んでいる、またいろんな面でAIを活用したものが進んでいるわけで、今から調査する、今しているというのは大変遅いのではないかと思いますが、いずれにしても、民間の取組なども参考にしながら、もっともっとスピードアップできるように、その最先端技術などもしっかり用いることをやっていただきたいものだと思っております。 次に、今度は裁判例の翻訳の提供についてお聞きをしますが、これも大変遅れているところでありますが、こうやって日本法の裁判例が公開をされると、いろんな意味で、日本企業が海外で展開する基盤の充実も期待できるということにもなってくるだろうと思っていますけれども、ただ、法令とちょっと性格が異なるので、具体的な事例が前提と判決はされますから、なかなか難しいところがあるんだろうと思っていますが、裁判所でも取組が始まってきていると思いますし、世界的に言えば、マレーシアでは公用語の英語で、例えばですが、マレーシアでは公用語の英語とマレー語で全てのもう既に裁判例の全件公開がなされておりますし、日本と同様の、英語国ではない例えば韓国や中国でも英訳が日本よりもどんどんどんどん進んでおります。 したがって、この法令の翻訳提供を求めるニーズはこれからますます高まってくると思いますので、裁判所の取組と連携して、法務省としても積極的に取り組む必要があるのではないかと思いますが、今後の取組をお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(金子修君) 我が国の法制度に関する国際発信という観点からは、政府が取り組んでいる日本法令の外国語訳の公開のほか、法規範となるべき重要な判例情報等についても外国語による必要な情報発信が進められることが望ましいと考えております。判例情報においては、既に裁判所において重要な最高裁判例や知的財産権関連の判決について外国語による情報発信に取り組んでおられるものと承知しております。 このように、判例情報の翻訳公開については裁判所の取組を踏まえて対応していくべき課題と認識しておりますけれども、有識者による日本法令の国際発信に向けた将来ビジョン会議の今年三月の提言でも、裁判例の翻訳提供については裁判所による取組との連携を含め積極的に取り組んでいくことが期待されるとされているところでございます。この点は、明日、第一回開催予定の官民戦略会議の今後の検討においても課題の一つと認識した上で、裁判所の取組も注視しつつ、裁判所との情報共有や連携としてどのような方法があり得るかも含め、必要に応じ、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 これでもう質問を終わりますが、あしたからその会議も始まります。大変遅れている分野でございますので、しっかり進めていただくことをお願いをして、終わります。
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、福岡資麿君及び徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として島村大君及び足立敏之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 休憩前に引き続き、会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 本日は会社法の改定案の質疑ですが、反社会的勢力の問題が企業のコンプライアンスにも関わる問題ですので、冒頭質問をさせていただきます。 午前中、真山議員の質疑の中でも出てまいりましたが、反社会的勢力を明記した二〇〇七年の犯罪対策閣僚会議の指針は、企業が反社会的勢力の不当な要求に毅然と対処し、その被害を防止するために、各企業が反社会的勢力の情報をデータベース化し、被害防止のために利用することが極めて重要かつ必要であると、こう書いております。 具体的には、他の目的のために取得をした反社会的勢力の個人情報を被害防止のために利用することは、これは本人の同意がなくても可能だと。また、暴力追放運動推進センターなどの第三者に提供することも、これは本人の同意なく可能だとされております。 法務省は企業にこういう対応を求めていると、大臣、これ間違いないですか。
○国務大臣(森まさこ君) 犯罪対策閣僚会議の指針において決まっております。
○山添拓君 今のとおりの内容が、一般企業に対してすらといいますか、一般企業に対しても求めているということなんですね。 そこで、今日は内閣府においでいただいております。桜を見る会のような公的行事に反社会的勢力が招待され、あるいは出席していたとすれば、当然その情報は政府としても把握をし、必要な対処を行うために利用したり、あるいは関係機関へ提供したりしていたと、こういうことですね。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えいたします。 桜を見る会の招待者についてのお尋ねだと理解してございますが、この会のその個々の招待者につきましては、招待されたかどうかも含めまして、個人に関する情報であるため、従来からお答えを差し控えさせていただいているところでございます。 一方で、その会につきましては、様々な御意見をいただいているところでございます。今後、予算や招待人数を含めた全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行ってまいりたいと考えております。
○山添拓君 個人情報だからというのは理由にならないというのが指針の考えなんですよ。 官房長、企業に対しては情報の把握や提供を求めながら、政府は何もしなくてもよい、こういうことですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しで恐縮でございますが、個々の招待者につきましては、招待されたかどうかも含めまして、個人に関する情報であるため、従来からお答えを差し控えさせていただいております。
○山添拓君 今年の招待者に含まれていたのかいなかったのか、そのことについて警察に情報を提供していたのかどうか、これはいかがですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。 個々の招待者に関するお尋ねと理解しております。招待されたかどうかも含めまして、お答えを差し控えさせていただきたいと考えております。
○山添拓君 昨日、予算委員会の理事懇では、今年の招待者について、そのような情報があったのかどうか、警察と共有したのかどうか、お答えになっていると思います。答弁ください。
○政府参考人(大塚幸寛君) その桜を見る会の招待者名簿につきまして、その何か名簿全体を何か機械的に警察に渡すようなことは行っておりません。ただ、一般論といたしまして、政府として暴力団排除等の公益目的の達成のために必要な場合には、個別に警察に聞くことがあり得るということでございます。
○山添拓君 一般論を聞いているのではありません。今年どうだったかということで、今年は情報提供していないというお答えでありました。ましてや、名簿を廃棄済みで確認できないと、こうおっしゃっているんですね。これは政府の態度からしても矛盾するあるまじき事態だと言わなければなりません。 ちなみに、今日は大塚官房長に来ていただきましたので、廃棄したという招待者データについても確認しておきたいと思います。 昨日の本会議で安倍首相は、シンクライアント方式の下でサーバー上のデータが削除され、バックアップ期間、これは最大八週間だと伺いました、これを経過したので復元もできない、こういう答弁でありました。ところが、内閣府がデータを削除した日時は、我が党の宮本徹衆議院議員が資料請求をした五月九日頃と言われております。 少なくとも、それから八週間、二か月程度はこのデータ復元できたということですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) バックアップ期間は最大八週間ということで設けているところでございます。
○山添拓君 はっきり答えてください。その期間中であればデータは復元できたんですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) バックアップの保管期間内であれば復元は可能だというふうに考えております。
○山添拓君 これ、重大な問題だと思うんですね。 宮本議員は、五月十三日の決算委員会や二十一日の財務金融委員会で資料の廃棄について具体的に指摘をしています。事務所からも再三にわたって内閣府に説明を求めておりました。復元が可能であるにもかかわらず、その事実を知らせず、いたずらにバックアップ期間をも経過させたというのが今の御説明であります。これは意図的な隠蔽と言われても仕方ないことであります。 内閣府に改めてお願いしますが、いつ削除をしたのか、データをいつ削除したのか、正確に確認いただきたいと思います。いかがですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) データの削除につきましては、必ずしもきちんとした記録が残っておりませんので、五月九日頃というふうにお答えしているところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、この名簿の廃棄あるいは電子媒体の削除、これは元々の公文書管理のガイドライン等々に基づきました、あらかじめ定められたルールと手続に従って削除した文書でございまして、その文書を復元する必要はないものと考えております。
○山添拓君 ここまで問題になって、復元する必要がないなんてよく言えたものだと思うんですよね。 これについては改めて、場所を改めて質疑をいたしますけれども、必ず復元作業をしていただきたいと。シンクライアント方式であっても、サーバー上のデータが全部なくなってしまって復元できないなんてことはないんだと、もう昨日から繰り返しいろんな方がネット上でも指摘をされております。改めてお願いをしたいと思います。 この点を指摘をしまして、会社法の改定案について伺います。内閣府については、以上で結構ですので、御退席いただいて構いません。 取締役の報酬として株式やストックオプションを付与する、いわゆる業績連動報酬を拡大しようとしております。この方針は二〇一五年の日本再興戦略で位置付けられたものであり、経産省が「「攻めの経営」を促す役員報酬」と題して方針を示しています。 資料をお配りしておりますが、五ページ、六ページ、我が国は欧米諸国と比較して基本報酬の割合が高く、業績連動型のインセンティブ報酬が少ないとされております。 経産省に伺いますけれども、業績連動型の報酬が低いということは何か問題があるんですか。
○委員長(竹谷とし子君) 大塚大臣官房長は御退席いただいて結構でございます。
○政府参考人(中原裕彦君) お答え申し上げます。 業績連動報酬の導入につきましては、経営陣に中長期の企業価値の向上のインセンティブを付与するために有効な手段であるものというふうに認識をさせていただいてございます。コーポレートガバナンス・コードにおきましても、経営陣の報酬が持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、中長期的な業績と連動する報酬の割合や現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべきというふうにされてございます。 経済産業省といたしましても、こうした我が国企業における業績連動報酬の導入がこうした趣旨にのっとって円滑にされるように、こうした手引などを策定しまして、持続的な成長につながるということを期待しているところでございます。
○山添拓君 経産省、インセンティブ報酬を導入したことによって企業の業績が向上したという、その検証結果でもあるんですか。
○政府参考人(中原裕彦君) 手引を作成する段階において定量的に何か具体的なその検証結果というものをお示ししているわけではございませんけれども、政府におきまして推進しているコーポレートガバナンス・コード、あるいはコーポレートガバナンスの分野におきます議論におきまして、中長期的な業績と連動する割合とか、現金報酬と自社株報酬との割合を適切にしながら持続的な成長につながるように、こうした導入を努めてまいりたいということでございます。
○山添拓君 それは希望的な観測であって、定量的な検証結果はないということなんですね。 アメリカの経済学者のサミュエル・ボウルズ氏は、経済的インセンティブと道徳的行動との間のある種の負の相乗効果を示唆している、こういう実験結果に基づいた指摘もされております。むしろ、マイナスの効果が指摘されていることを認識すべきであります。 資料の三ページから四ページには東京高裁で部総括判事を務めた須藤典明氏の論文を載せております。 二〇〇八年のリーマン・ショックの際、アメリカのAIG保険がハイリスク商品に膨大な投資をしていたために破綻の危機に陥りました。アメリカ政府は、保険に加入していた市民が大変多かったものですから、その市民を保護するために、AIGに千七百三十億ドル、一ドル百円としますと十七兆三千億円もの政府資金で救済を図りました。ところが、AIGは、支援によって破綻を免れた途端に、経営幹部に総額一億六千五百万ドル、百六十五億円ものボーナスを支払ったんですね。百万ドル、一億円以上のボーナスを受け取った幹部が七十三人もいたといいます。あるいは、同じく経営不振に陥ったアメリカン航空は、倒産回避を名目に従業員に三百四十億円もの給与カットを求めました。組合がやむを得ずこれを受け入れますと、経営陣は、何と懸案だった大幅な給与カットを成功させたといって二百億円ものボーナスを受け取ったんですね。 大臣、伺いますけれども、業績連動報酬というのはこうしたモラルハザードを招き得る、こういう認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 業績連動報酬が取締役のモラルハザードを引き起こすおそれがあるのではないかといった御懸念があることは承知しております。改正法案においては、業績連動報酬が取締役にとって適切なインセンティブとして機能するようになるよう、上場会社等の取締役会において取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針を定めなければならないとしまして、取締役の報酬の決定手続に関する透明性を向上させる措置を講じておりますので、御懸念に対応するものになっておると思います。 もっとも、取締役の報酬等に関する開示の在り方については、これまでも国会における審議の中で山添委員を始めとした様々な御指摘をいただいておるところでございますので、今後も実務の動向を注視しながら必要な検討をしてまいりたいと考えております。
○山添拓君 労働者や取引先はもちろん、株主にとっても、取締役が目先の利益にとらわれるということは、これは長期的には決して良い影響をもたらすとは限らない問題であります。 批判があることを認識しているという答弁でありましたが、先日、大久保拓也参考人からも、その対策として、各会社で報酬の付与の仕方、ストックオプションの行使条件の設定などを行わせ、報酬の開示を充実させることが必要だと指摘されていたことも言及しておきたいと思います。 日本でも既にモラルハザードは起きているんですね。昨年来、政府が出資するファンドである産業革新投資機構、JIC取締役の高額報酬が問題とされてきました。その前身である産業革新機構、INCJの時代にも高額報酬が用意され、退職時に成功報酬で最大七億円、さらに業績連動報酬もありました。二〇一二年度には政府予算で二百億円、その後、安倍政権になってからの補正予算で一千四十億円が追加出資をされ、これを用いて投資をした結果黒字になったということで、二〇一四年度に三億円が業績連動報酬として支払われています。二〇一八年度には、業績連動報酬の額は二十一億円。公的資金が投入されている実質的な官営事業で黒字が出ると高額報酬、これはAIGと同じ、同様の事態であります。 JICは、先日、新たな報酬基準を公表し、固定給とボーナスのような特別手当にとどめて、業績連動報酬は廃止することとしております。 経産省、伺いますが、なぜ廃止になったんですか。
○政府参考人(中原裕彦君) お答え申し上げます。 JICの経営陣の業務は主として認可ファンドを監督する立場ということでありますなど、INCJとは仕組みが変わるため、その両者の経営陣の報酬を単純に比較することは難しいとは存じております。 なお、経済産業省としましては、この報酬水準につきましては、今年三月に経済産業省が公表しました、今後の産業革新投資機構(JIC)の運営体制等についてにおいてお示しした考え方に沿ったものでありまして、他の公的機関の経営陣の報酬を踏まえて適切なものであろうというふうに考えているところでございます。
○山添拓君 いろいろおっしゃるんですけど、やっぱりモラルハザードの批判を受けたものだと思うんですね。欧米では、CEOなどへの高額報酬は社会的な格差拡大の大きな要因とされております。日本でも、取締役と労働者の収入格差の是正こそが求められます。 資料の一枚目、二枚目、東洋経済の、社員と役員の年収格差が大きいトップ五百社、二ページ目は上位の五十です。皆さん御存じの会社もたくさんあるかと思います。 二〇一八年の一位はPC向けゲームのネクソンです。役員の平均報酬は三億三千百三十三万円、従業員平均年収五百五十六万円の約六十倍です。代表取締役の報酬は七億七千二百万円で、従業員の約百三十九倍という驚くべき数字です。六位のファーストリテイリング、ユニクロですね、ここは社内取締役は柳井正氏のみで、役員報酬は二億四千万円、従業員の平均七百九十一万円に対して格差は三十倍です。ただ、柳井氏は、このほかに配当収入で八十億円以上得ておりますので、それとの比較では格差は一千倍以上ということになります。 役員報酬の平均が一億円以上の企業が五十七社とされています。従業員と役員の平均に十倍以上の格差がある会社は百三十三社だったといいます。これ、非正規社員との比較では更に大きくなるだろうと思います。 大臣に伺いますけれども、業績連動報酬に言う業績というのは何ですか。これ、取締役が一人で築くものなんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 業績についてのお尋ねがありましたが、もちろん取締役一人で築くものではなく、取締役が業務の経営方針を定めた上で株主、従業員を始めとした会社全体により業績というものが積み上げられるというふうに理解しております。
○山添拓君 私もそう思います。経営陣がどれだけ優れた手腕を持っていたとしても、それだけで利益が出たり、業績が改善したりするわけではないだろうと思います。業績が上がるのは、労働者の努力があり、長年蓄積されたノウハウや信用や取引先の協力があってこそではないでしょうか。業績連動だといって、業績が少しでも上向きになれば取締役の報酬が上がるという仕組みは本当に妥当なのか、これは大いに疑問だと私は考えます。 さらに、改定案は、ストックオプションについて取締役を優遇するものとなっております。ストックオプションというのは、職務執行の対価として株式を受け取る権利のことですけれども、権利を行使して実際に株式を受け取る際には出資が必要とされてきました。この出資も不要にするということです。 財務省は、二〇一七年度以降、業績連動型の報酬について優遇税制を取ってきました。これ本当は質問するつもりでしたが、時間がありませんので、経産省に伺いたいと思うんですが、二〇一八年度の税制改正要望では、税制適格ストックオプションによる減収額は年間幾らと試算しているでしょうか。また、八年間の推計ではいかがですか。
○政府参考人(中原裕彦君) お答え申し上げます。 経済産業省は、平成三十一年度の税制改正要望におきまして、ストックオプション税制の拡充を要求させていただきました。具体的には、付与対象者の範囲、それから権利行使期間、年間権利行使限度額の要件について制限を緩和するというものでございます。 経済産業省としましては、この三つの要求に当たって、平成三十一年度の税制改正、租税特別措置の要望事項として十三億五千二百万円の減収見込額を想定をしていたところでございます。
○山添拓君 年間とそれから八年間の計画、これいずれもお答えいただきたいんですが。
○委員長(竹谷とし子君) 答弁可能ですか。
○政府参考人(中原裕彦君) 後刻、ちょっと確認をして御報告申し上げます。済みません。
○山添拓君 ちょっとこれは通告してあるものですから答えていただきたい。 速記を止めてください。
○委員長(竹谷とし子君) 速記を止めてください。 〔午後一時五十分速記中止〕 〔午後二時二分速記開始〕
○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(中原裕彦君) 失礼申し上げました。お答え申し上げます。 八年間で四百九十二億、約四百九十二億ということでございます。
○山添拓君 ありがとうございました。 実績がどうなったかは分かんないです、要望ですので、これぐらいの推計だという数字ですけれども。私が申し上げたかったのは、業績を上げている企業の役員についてこれだけの税収の穴を空けるような仕組みを取る必要があるのかと、こういう問題でありました。 こうして報酬においては優遇を図る一方で、会社との利益相反性が強い仕組みを導入しようとしております。その一つが補償契約であります。役員が損害賠償請求をされた場合に、会社がその責任額や訴訟費用を補償するものであります。 経産省が事務局を務めたコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会、その解釈指針では、補償の要件として、職務を行うについて悪意又は重過失がないことを要件とすると書かれております。現行法の下でも、この補償契約を可能にするための要件として、悪意、重過失がないことを要件とするんだと。 ところが、法案では、衆議院で前川拓郎参考人が指摘していますように、いわゆる防御費用、弁護士費用などについて、役員に悪意又は重過失がある場合でも補償が認められることとなっております。会社補償制度は、優秀な人材の確保や、役員が賠償責任を恐れて職務執行が過度に萎縮することのないようにという趣旨で設けられます。しかし、そもそも悪意又は重過失、これ重過失といっても悪意と同視すべき重過失であります、こういうものが認められる役員は会社が確保しなければならないような優秀な人材と言えるのかと疑問が呈されております。 悪意、重過失でも補償が認められるのであれば、違法行為に手を染めてでも目先の利益を上げようとする誘惑を引き起こし、職務の適正性が損なわれるという指摘、その懸念は、この法案では払拭されないんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 防御費用は訴訟等の進行過程で必要となるわけでございますが、その時点では役員等に悪意又は重大な過失が認められるか否かを判断することは通常は難しく、当該役員等が適切な防御活動を行うことができるように、これに要する費用を株式会社が負担することが株式会社の損害の拡大の抑止等につながり、株式会社の利益にもなり得ると考えられます。 また、仮に役員等に悪意又は重大な過失があるときであっても、通常要する範囲内の防御費用であれば、これを補償の対象に含めたとしても、通常は役員等の職務の適正性を害するおそれが高いとまでは言うことができないと考えられます。 そこで、改正法案では、いわゆる防御費用を補償することができることとしております。
○山添拓君 私は、今の御説明は、悪意、重過失が事後的に確定をしても補償の対象としていく、そのことの必要性や許容性までを説明する理由にはなっていないと思います。 前川参考人は、談合やカルテル、違法な政治献金、製品の性能偽装などに知って関与した取締役は、自らの私的な利益を図る目的ではないんだと、むしろ目先の会社の利益を図るために長期にわたる会社の利益を犠牲にし、法令違反を行ってきたと指摘をされております。 ですから、こういう自分の利益を図るためではなく会社の利益のためを思って、しかし、それでも違法行為に踏み出すと、だからこそ違法行為に踏み出す、こういうモラルハザードをこの規定では防げないんじゃないかと思いますが、大臣、最後にいかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) もっとも、役員等が不当な目的、今いろいろとおっしゃいましたけど、不当な目的で職務を執行していたような場合、事後的のことをおっしゃいましたけれども、改正法案は、事後に、当該役員が自己又は第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で職務を執行していることを知った場合には、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭の返還を請求することができるものとしております。
○山添拓君 時間が参りましたので、これで質疑を終わらなければなりませんが、アメリカでは訴訟費用が高額で個人が負担し切れない、だから導入されたものなんですね。専ら外国の経営者や機関投資家の求めに応じた法整備でありますし、資料の七ページにお示ししておりますように、日本の経済界も積極的に賛成とはしておりません。日本で導入する必要はないということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。 女性差別撤廃条約、これを日本は批准をしております。この国会でやっているわけですけれども、女性の活躍、企業における活躍についてお伺いをしたいと思います。 前回の質疑の最後の方で、社外取締役関連の質問の中で、義務付けということがありました。この女性取締役の義務付けもこれに関連して求めるような質問を私は行いましたけれども、森大臣は、女性の登用についての意義は強調されましたが、女性の登用についての明確な答弁、この義務付けに対する明確な答弁はありませんでした。 女性取締役を法律上義務付けるということについて、改めて法務大臣の見解をお示しください。
○国務大臣(森まさこ君) 高良委員にお答えをいたします。 取締役会がその機能を十分に発揮していくためには、取締役会の構成員に相応の知識、経験、能力がバランスよく備わっていることが必要でありまして、ジェンダーを含む多様性について十分に確保していくことが必要であると考えております。 他方で、各企業の経営実態やその置かれた状況等が多種多様であること等に鑑みますと、会社法において一律に女性取締役の設置を義務付けることについては慎重な検討が必要であると考えております。 法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会においても、取締役会の構成におけるジェンダーバランスに関する規律を設けるべきという特段の意見がございませんでした。そのため、改正法案においても女性取締役の設置の義務付け等の規律を設けることまではしておりません。 もっとも、ジェンダーを含む取締役会の構成の多様性については、コーポレートガバナンス・コード等のソフトローにおいて関連する規律が設けられております。 今後もますます女性の社会進出の必要性が高まっていくと考えられることから、法務省としても、このようなソフトローに基づく実務の運用状況等を注視していくとともに、女性の働きやすい社会を実現するために政府全体としてどのようなことができるかについて引き続き検討してまいります。
○高良鉄美君 ただいまは、法律上の義務付けについては消極的だということをお伺いしたと思います。 この構成員やバランス、そういったような形が企業で取られる必要があるということで、この社外取締役の性格ですね、そういった面を今お話しいただいたと思うんですけれども、日本の国際化のためのこの会社法の改正の問題、あるいは国際的な視点から見た場合に社外取締役を置いている会社の問題、あるいは報酬の問題、そういったものがずっと議論されている中で、国際的な視点という意味でいうと、むしろこの社外取締役はほぼ大企業においてはもう九九・九%あると。しかしながら、女性の取締役の問題について、その点については非常に、何というんですかね、しっかりと目標を立ててはいますが、とてもじゃないけれどもそういった姿勢にはなっていないということを考えると、やはり今なすべきものは、この社外取締役を義務付けるというよりも、女性の取締役を義務付けるということが一つの肝要な制度だと思うんですけれども。 そこで、森大臣が所信で言及されたSDGsという、今日、今朝も、これは矢倉議員の方からもこのSDGsの関連がありましたけれども、会社はこのSDGsにおいてもキープレーヤーであるということをお話しされました。 持続可能な開発目標というのは、そういった持続可能な世界を実現するための目標は定めていますけれども、その中の目標の中で、ジェンダー平等を達成し、全ての女性及び女児の能力強化を行うというふうに書かれているわけですね。 それで、じゃ我が国のこのジェンダーの平等の達成状況はというと、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが昨年十二月、二〇一八年の世界男女格差報告書を発表しましたが、昨年の我が国の順位は百四十九か国中百十位であり、特に経済分野では、男女賃金格差が大きいこと、あるいは女性管理職の少なさ、こういったことから、百十七位と、世界の中でももう相当な下位にとどまっている。 森大臣は、かつて男女共同参画担当大臣をされ、女性の活躍のために尽力をされたと前回も発表されました。女性の取締役の設置を法律で義務付けるのは困難であると先ほど答弁がありましたけれども、上場企業における女性役員の割合を増やすためにはどうすればいいとお考えでしょうか、大臣の見解を伺います。よろしくお願いします。
○国務大臣(森まさこ君) SDGsにおいて目標が設置されております。我が政府においても、私が大臣時代に目標値を設置いたしまして取組を展開してまいりました。前回も御紹介申し上げましたが、総理と私で官邸の方に経済三団体の長をお呼びして、自主的な取組として女性取締役を各企業に設置するということで提案をし、それを取り入れていただいて今日まで増加傾向にございます。 このように、上場企業における取締役会や監査役会等による監督の実効性を高めるために、そのジェンダーを含む多様性を十分に確保していくということは重要ではございませんが、法律によってその一定割合以上選任することを義務付けることは現在のところしておりません。しかし、ソフトローによる取組を含め、女性役員の登用を促進する取組、これを行うことは必要かつ有益であると考え、実際に取り組んできております。 法務省としても、改正法の施行前後における実務の運用状況等を注視していくとともに、女性の働きやすい社会を実現するために政府全体でどのようなことができるかについて引き続き検討してまいりたいと思います。 また、もう一つ付け加えますと、人材プールという点がよく指摘をされますが、これについても、当時内閣府の男女共同参画担当として人材のリストを作りまして、弁護士会等々に働きかけて、その人材の御紹介又は人材の育成という点で様々な研修等の予算も講じてまいりました。
○高良鉄美君 森大臣の意気込みは理解をしたところでございます。 重要であるというふうなことで考えを問いたいと思いますが、このジェンダーギャップの指数でいうと百十位ということですが、政治分野と経済分野の順位がとても低いために総合順位がそういうふうに下がっている結果であると。経済分野の場合には、労働力率、あるいは賃金格差、先ほどの管理職比率等で相当厳しい評価を受けている、そういう結果になっているということですね。 上場企業における女性役員の割合を増やすためには、今大臣は、努力をしながら一個一個回っていってお願いをするとか、あるいはソフトローでやっていくということがありましたが、この女性管理職が一人いるだけでは意味がなくなってくるわけですね。それは、やはり協力をし合って、ほかの女性の管理職の中同士での会話やコミュニケーション、あるいはその他の努力によって管理職の中で女性を増やしていくというサポートをする、あるいは賛同をする者が多くないと、これは女性活躍の場あるいは環境というのが整わない、そういうことで女性の管理職を増やすということがもう不可欠だろうということですね。 先ほどもありました、企業を回っていったということですが、政府は指導的地位に女性が占める割合を二〇二〇年までに三〇%とする目標を掲げていますが、この二〇二〇・三〇という、こういうことですけれども、三〇%、これは、二〇一八年の民間企業の、特に百人以上における管理職の割合は、課長相当職で一一・二%、部長相当職で六・六%と、とてもその二〇二〇の三〇%からは程遠い状況にあります。 女性管理職を増やすためにはどうしたらいいとお考えでしょうか。先ほど、ソフトロー、あるいはお願いに行ったというのがあって、活動的になさっていますけれども、それについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほどの答弁を訂正したいと思います。 重要であると言うところを間違って重要でないと言ってしまいましたが、ジェンダーを含む多様性を十分に確保していることが重要であると考えております。失礼をいたしました。訂正をいたします。 そして、質問に対するお答えでございますが、二〇二〇・三〇ということで、これはたしか私が大臣になる十一年前ぐらいに政府全体で、十一年というのがちょっと不正確でございますが、立てた目標でございますけれども、私が男女共同参画担当大臣をしていたときに、各種業種ごとに、この三〇%というのをまたかみ砕いて、非常に難しい職種、それからもう既に達成近くまで来ている職種、いろいろありますので、職種ごとに具体的なまた目標値も定めまして、また、それの目標に対する取組方針も作りまして、それをチェックしながら進めてきておるわけでございますが、さらに、女性活躍推進法という法律も作りました。これも、条文から一つ一つ考えて作ったわけでございますが、これが、公表するという法律でございまして、各社の目標値、そして取組を公表して有価証券報告書等で発表するという、そういう情報開示を促進をしていくという取組、又は男女を問わず安心して継続就業できる両立支援体制の整備ということで、例えば、一度、休業ではなく育児のために退職をしたという方であってもまた再就職するための取組、又はそれを応援する企業に対する補助金等も新設をしたりいたしました。 また、女性役員の候補、先ほど申しましたけれども、人材プールに、またそれを充実させるための人材育成でございますが、女性役員候補育成のための研修でございましたり、また役員候補者となり得るその女性人材のリスト化でございましたり、また海外の先行事例を参考に、またその候補育成のために海外の女性役員の方に御講演をお願いをしたりもしてまいりました。 また、組織トップのやっぱり意識改革ということで、女性活躍へのコミットメントの拡大ということで、輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会というのを私が大臣時代につくりまして、最初は七人の社長さんが賛成してくれましたが、現在は二百三十三名まで増えまして、その企業のリーダーの皆様が、自分の会社、それから取引先などの関連会社、それから様々な業界団体の他の会社などに呼びかけて女性活躍を促進するという取組をして、毎年それを発表するということをしていただいております。 このように、様々な取組を政府全体で取り組んでいるところでございますが、法務省としても、女性の登用が加速されるように努めてまいります。
○高良鉄美君 是非そこは力を、いろんなものを活用しながら女性活躍の場をつくるということで御理解をしました。 女性が継続して就労するためには、障害を取り除くということが非常に重要だと考えております。政府の規制改革推進会議は、仕事の継続性の観点から、旧姓使用の範囲拡大を答申しているなどと承知をしております。 法務省は、実は商業登記規則第八十一条の二の新設によって、二〇一五年から商業登記簿の役員欄に旧姓を記録、つまり付記するということを可能としており、これは女性の就労の際の一つの障害が除去されたものというふうに評価します。しかし、それ以後、女性の就労に当たっての障害を除去する取組、こういう点についてはいかがでしょうか。これ、政府参考人の方でお願いします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 旧姓使用に関する政府全体の取組について御説明させていただきます。 本年六月十八日に、総理を本部長として全閣僚で構成される、すべての女性が輝く社会づくり本部で決定した女性活躍加速のための重点方針二〇一九におきましては、社会における活動や個人の生き方が多様化する中で、働きたい女性が不便さを感じ、働く意欲が阻害されることがないよう、女性活躍の視点に立った制度等を整備することが重要であるとされております。 こうした問題意識の下、委員御指摘の旧姓の使用に関しまして、マイナンバーカード等への旧姓併記が可能となることの周知、また旅券への旧姓併記の拡大に向けた検討、各種国家資格、免許等への旧姓使用の拡大、銀行口座等における旧姓使用に向けた働きかけなどの取組が、内閣府等の関係省庁を中心に政府全体で進められているものと承知しております。 法務省といたしましても、女性の働きやすい社会を実現するために必要な取組につきまして引き続き検討してまいりたいと考えております。
○高良鉄美君 旧姓使用の拡大ということですね。これ、前回といいますか、民法改正の問題のときに少し質問しましたので、これは改めて別の機会になると思いますので、今、取組というので旧姓使用を推進するというところをお聞きしました。 会社法のこの改正の在り方、本件に関してですけれども、特に、先ほどからずっと取締役の報酬あるいは社外取締役、それから保険のこと、こういった点が出ておりますけれども、まずこの取締役の報酬等についてお尋ねをします。 取締役の報酬等は、定款に定めがなければ株主総会の決議によって定めることとされています。しかし、実務上は、取締役の個人別の報酬額が明らかになることを避けるために、株主総会では取締役全員の報酬総額の最高限度のみを定め、取締役の個人別の報酬額の決定は取締役会に一任する場合が多いとされています。さらに、取締役会に一任された取締役の報酬額の決定を代表取締役に再一任することも多いと言われています。 これらの取扱いは判例では適法とされていますが、このように、各取締役の報酬額の決定を代表取締役に再一任すると取締役の代表取締役に対する監督が十分に行われなくなるおそれがあるため許されないという、こういった見解もあります。法制審議会の部会の中間試案でも、再一任には株主総会の決議を要するという案が示され、この案に対してはパブリックコメントの支持も多かったようです。しかし、今回の改正案にこの再一任についての規定は設けられていません。 コーポレートガバナンス上問題がある取締役の個人別報酬額決定の再一任を規制する規定を置かなかった理由について、法務大臣に伺います。
○国務大臣(森まさこ君) 改正法案においては、上場会社等の取締役会から取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定の再一任を受けた取締役は、取締役会が決定した方針に従って個人別の報酬等を定めなければならないこととなるなど、再一任がされた場合を含め、取締役の報酬等の決定手続の透明性が高まるものと考えております。 他方で、取締役の個人別の報酬等の内容はプライバシーに属する情報であることなどから、再一任を規制し、これを取締役会において審議、決議しなければならないものとすることについては慎重な御意見が強いわけでございます。これらの点を踏まえ、改正法案においては御指摘のような規定を置くこととはしておりません。 もっとも、委員を始め、取締役の報酬等に関する規律の在り方について様々な御意見、御議論がございますので、実務においても検討が進められているところと承知しております。 改正法案が成立した後も、実務の動向を注視しながら必要な検討をしてまいりたいと考えております。
○高良鉄美君 先ほど来ずっと出てきているのは、やっぱり取締役、会社、そして株主と、こういったところと市民社会、この社会の問題というのが全般的に関わっているわけですけれども、そこの中でやっぱり問題になっているのは、透明性や公正性、平等、あるいはそういった必要性の問題、そして前回からもありました会社というのは誰のものかということについての理解の問題も含まれていると思います。 前回、会社法改正について、検討はもっと時間を掛けてじっくり行うべきではないかと質問して、大臣は、法制審議会の専門部会において二年間、合計十九回にわたって会議を開催したと、精力的に審議を尽くして十分な検討を行ったと答弁されました。そうであれば、衆議院における数時間の質問、質疑の結果で、今回の法改正の柱の一つが与党の賛成もあった上で修正されました。このことは部会における検討が十分ではなかったということにはならないでしょうか。 この点について改めて見解をお示しください。
○国務大臣(森まさこ君) 国会において、改正法案について与野党から修正の提案がされ修正案が可決されたことについては、法案の立案を担当した法務省としても重く受け止めております。 もっとも、改正法案は、法制審議会に設置された専門部会において、ただいま委員が御指摘くださったように、約二年間、合計十九回にわたって開催し、精力的に審議を尽くした結果、最終的に法制審議会の総会において全会一致で取りまとめられた要綱に基づき立案されたものでございます。 同部会は、個人株主や提案権を行使する株主の立場を代弁する委員を含め様々な分野の有識者によって構成され、その調査審議の過程においては、中間試案を取りまとめ、これをパブリックコメントの手続に付した上、そこで寄せられた意見も踏まえて多角的な検討が行われたものと認識しております。 このように、改正法案は、法制審議会における精力的な調査審議の結果を踏まえて立案されたものであり、必要かつ十分な検討が行われたものと考えております。
○高良鉄美君 冒頭に女性の取締役の関連のお話をしましたが、そういった問題など、あるいは、ほかのいろんな法改正の問題のときには五年や十年といったような審議もあります。しかしながら、そういったような改正の中で審議を重ねてきたということについては、先ほど答弁なさったとおりだと思います。 しかし、ずっとここで議論されてきた問題について、今回の会社法の改正は、株主総会資料の電子提供制度、これについてもいろいろ議論がありました。取締役の報酬に関する規定も問題がありました。会社補償あるいはDアンドO保険等、あるいはインセンティブを付与する規定、こういったことについても質疑がありました。 こういったものを見てみると、会社は誰のものかといったときに、この会社自身や取締役にとって有利であるような規定が多いというような感覚を受けるわけですけれども、株主提案権の制限、あるいは株主総会資料は請求しないと書面が交付されないと、これ意外な問題で、私もメールぐらいでは大丈夫かなと思っていたんですけれども、かなりデジタルデバイドの問題というのは深刻であるということがありましたので、そういった問題ももっと議論が必要じゃないかということがあります。 そういった意味のものと、会社は会社自体や取締役のためのものである部分と、それから住民や従業員その他の者にも関連するということは大臣もお話がありました。先日の参考人質疑で木村参考人は、政府がすべきことは株主総会の活性化であり個人株主の権利を制限することではないと述べられました。 今回の改正について、会社は株主のものであるという観点から妥当と言えるのかということで、まだ御質問大丈夫でしょうか、大臣のお考えをお聞きします。
○委員長(竹谷とし子君) お時間が過ぎております。森大臣、簡潔に御答弁お願いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) 改正法案では御指摘のような改正をしておりますが、株主総会における審議の時間等が特定の株主からの提案のみに割かれないようにすることで他の株主からの提案にも十分な審議時間を確保することを目的としたものであり、株主総会の審議の充実を図るためのものでございます。
○高良鉄美君 時間が過ぎましたのでこれで終わりたいと思いますけれども、緊急性、必要性、そういったものを考えると、なかなか今回の改正について積極的に、うん、これで間違いないというふうな気持ちがまだ難しいところでございます。 ありがとうございました。
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。 まず、企業の経営環境、厳しさ増す中で、今までも言及ありますけれども、国連では、二〇一一年に国連ビジネスと人権に関する指導原則が採択されております。また、二〇一五年には、我々の世界を変革する、持続可能な開発のための二〇三〇年アジェンダ、いわゆるSDGsが採択されております。企業には、自社の利益の追求だけでなく、環境や社会の課題に配慮した責任あるビジネスが求められるようになってきております。 午前中の矢倉委員、また、今ほどの高良委員の言及もございました。私も、SDGs、実はこのバッジは滋賀県内の木材で県内の福祉作業所の方が手作りで作っていただいたものを日々付けさせていただいております。 そういう中で、今回の会社法に関わり、まず一点目の御質問でございますけれども、法務省の民事局長様にお願いいたします。 社外取締役が積極的な投資やリスクテーキングを促す効果、利益率や生産性を高める効果など、企業価値の向上に及ぼす効果についてはどう認識しておられるでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 社外取締役の選任が企業価値に与える効果につきましては、幾つかの実証研究の結果が公表されております。このような実証研究のうちには、社外取締役の選任は企業価値や企業業績、株主還元の向上に一定の効果があるという結果を示すものがある一方で、社外取締役を置かない場合にはその理由を説明しなければいけないという規律が平成二十七年に設けられましたが、その後における社外取締役の導入の効果については一貫した傾向は見られないか、あるいは一部の小規模な上場会社に関しては株式市場における評価が低下した可能性があるという結果を示すものもございます。 このように、企業価値に与える効果につきましては、幾つかの研究の結果が公表されてはおりますが、まだ一貫した結論が得られていない状況にございます。 もっとも、社外取締役は、少数株主を含む全ての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場から会社経営の監督を行い、また、経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行うという役割を果たすことが期待されているわけでございまして、このような役割の内容に照らしますと、社外取締役が選任されたことによって我が国の資本市場の信頼性が高まるという一般的な効果を超えて、委員が御指摘の積極的な投資やリスクテーキングを促す効果、あるいは利益率、生産性を高める効果が数字上直ちに表れるとは限りませんので、これを定量的に示すということはちょっと性質上困難な面があると考えているところでございます。
○嘉田由紀子君 今回、会社法で社外取締役、義務化されるわけですけれども、そのときに、今のような社外取締役の効果も含めて共に社会に出していただきたいと思います。 そういうところで、今日、日本企業の国際競争力と女性参画というところで少し話題を広げていきたいと思います。今ほど高良委員も言及しておられましたけれども、私自身は、平成に入って日本企業が国際競争力を失っている、様々な要因があると思いますけれども、その一つは女性参画の少なさがあるのではないのかと思っております。ただ、こういうことはなかなか因果関係、相関関係も出しにくいんですけれども、少しその辺を議論を深めていきたいと思います。 まず、今日、資料一でお出ししておりますけれども、生産年齢人口、日本はこの少子高齢化の中でどんどん下がっておりまして、今後三十五年で三割減少いたします。女性がきちんと経済活動に責任ある地位を求めて参画をしないと経済そのものが成り立たなくなる、これはもう数十年前、三十年、四十年前から分かっていたんですけど、そこに手を打てなかった日本社会の立ち遅れだと思っております。 少し個人的な経験ですが、私自身、一九七〇年代、日本だけでなくアメリカで学び、その後、アメリカ、ヨーロッパで比較社会研究を進めてきました。そのときに女性の仲間がたくさんおりました。皆さん大体企業のトップ、そして例えば国際機関のトップで働きながら子育てを両立できている人が圧倒的に多かったんです。それで、仕事か家庭かという二者択一を迫られない。あっ、これは違うな、何で日本では逆に二者択一を迫られるんだろうと。 例えば、七〇年代、私、大学を卒業するときに、大変優秀な同級生、三十名おりました。その三十名、今、人生いろいろたどってみますと、二者択一を迫られた人ばかりで、両立しているのはたった二人です。そういう意味から見ても、この七〇年代、そして八〇年代に社会に出た女性たちが大変厳しい状況にあると。 今日お示ししました資料の中で三を見ていただきたいんですけれども、結果として、これは女性の有業率と出生率の相関を取ったグラフでございます。 一般に、女性が仕事するから子供が産まれにくいんだと、日本の少子化は女性が外へ出たからだと思われるとしたら、それは全く逆です。女性が両立できている国、これは右上のところです。スウェーデン、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、スイス、そしてフランス、アメリカ合衆国、こちらは出生率が高いんです。逆に、左下、日本、韓国、イタリア、ギリシャ、スペイン、ここは出生率が低いんです。つまり、二者択一を迫られると、有業率も低くなるし、出生率も低くなる。当然ですよね、個人的選択肢として。それが社会として現れているのが図三でございます。 この図を全国知事会の男女共同参画委員会の委員長として出したときに、皆さんが大変不思議がっていました。何でこうなるんだ。これを都道府県別に出しても、やはり同じ傾向でございます。 実は、職住が一致していた農業社会あるいは自営業の時代から、最初に近代化された、つまり職住不一致の雇用者の社会になり始めた七〇年代、八〇年代では、全国の、また全世界の傾向は逆でした。仕事の有業率高い国が出生率が低くなってしまう。それが、後期近代化の中ではこういうふうになっているということ。 日本はここで出遅れてしまっているわけです。海外で仕事をしてきて、日本に帰ってきた経営者の中にも、日本の会社の女性取締役の少なさ、異様に感じております。具体的に、ある家電メーカーの社長さん、Nさんですけど、イギリスやアメリカで仕事してきて、日本に社長として戻ってきたときに、余りに、家電メーカーでありながら一人も女性取締役がいないことにびっくりして、そして、彼は女性かがやき本部をつくり、女性たちが求める製品要求が幾つか出てまいりました。斜めドラム洗濯機、掃除が不要のエアコン、これは技術者からは、つまりプロダクト・アウトの側からは不可能だと言われながら、社長命令で結果的には開発をして、そして、かなり経営が厳しかったところ、起死回生の企業の経営改善に役立っております。 言うまでもなく、製品開発、サービス開発の中で大切なのは、消費者が何を求めているかというマーケット・インの発想です。しかし、日本の企業体質はプロダクト・アウト。これは別に男性女性差別するわけではないんですけれども、プロダクト・アウト、男性得意です。家を造るのもそうです。あるいは、プラモデルを組み立てるのもそうです。じゃ、その家をどう使うか、あるいはそのでき上がった製品をどう使うかというのは、どちらかというと女性が得意です。傾向の問題ですけど。今や、食料品、衣服、住宅などだけでなく、例えば車でも製品選択時には女性意思が強く反映される比率が高いというデータもあります。 そういう中で、先ほど来、女性参画の問題、これは企業側にもインセンティブがないといけません。企業も女性を参画させる方が企業成績良くなるんだというようなことで、内閣府の男女共同参画官にお尋ねしますけれども、企業の女性活用に取り組む程度と経営指標の相関関係を示すデータ、日本社会であるでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。 女性活躍に取り組む程度と経営指標の相関関係を示すデータといたしましては、例えば民間の調査等におきまして、女性管理職の比率が高いほど増収率や自己資本利益率、ROEが高いなどのデータが示されているところでございます。 また、必ずしも統計的に日本企業の女性活躍に取り組む程度と経営指標の相関関係を示すものではございませんが、女性活躍に優れた上場企業を魅力ある銘柄として選定する取組として経済産業省が東京証券取引所と共同で実施しているなでしこ銘柄におきましては、選定企業四十二社について試算した株価指数がTOPIXの推移と比較して高い傾向が見られているものというふうに承知をしてございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 そのなでしこ銘柄選定企業の指標とTOPIXの比較、図二で今日お出ししておりますけれども、平成二十二年頃はほとんど差がないんですが、その後だんだんに差が開いてきて、なでしこ銘柄がTOPIXでの評価も高い、株式市場での評価が高いということ。ですから、企業の経営者自身もこういうインセンティブを持っていただくことが女性参画にとって大切だろうと思っております。 この中で、このなでしこ銘柄で、女性取締役の比率、これ、加点するということにはなっているんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。 まず、なでしこ銘柄の選定におきまして、女性の取締役が一名以上いることが選定のスクリーニング要件として設定されているというふうに承知してございます。また、加えて、今年度からは、女性取締役の登用の更なる促進を図る観点から、女性の取締役が複数名おり、かつ女性取締役比率が一〇%以上の企業につきましてはより高いスコアを付与されるということになるものと承知してございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 実は私も知事時代に、女性の係長、課長、そして部長を言わば増やそうとしたんですけど、実はなかなか、内部の職員は三十年、四十年の蓄積ですので、また尻込みしたりとか、あるいは、行政の中ではいろんな議会があります、議会の委員会対応などで、国の方は余りないようですけれども、女性の係長や課長などにはかなり厳しい質問が出るというようなところで、途中で挫折する女性の方も多かったので、私自身は本当にじくじたる思いがございました。 そんなところで、今後、日本で企業が女性活躍を積極的に進めていく、先ほどから高良委員とそれから森大臣のやり取りございましたけれども、その方策、どのような政策が可能でしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。 まず、安倍内閣におきましては、女性活躍の旗を高く掲げまして強力に取組を進めてまいりました結果、平成二十四年以降、上場企業の女性役員数は三・四倍になっておりますほか、民間企業の女性管理職の比率も着実に上昇してございます。 この安倍内閣で推進してまいりました女性活躍の流れを更に力強く推進してまいりますために、さきの通常国会で成立した女性活躍推進法の一部改正法におきましては、一般事業主行動計画の策定義務や情報公表義務が現行の常用雇用者三百一人以上の企業から百一人以上の企業に拡大されることになりまして、これは現行の約三倍の企業において女性の継続就業や登用などの取組が計画的に進められるということになります。 また、この改正女性活躍推進法の着実な実施のほかに、企業における女性役員登用状況の見える化の推進、あるいは女性役員候補育成のための研修、企業と人材のマッチングの土台となる女性人材のリスト化、機関投資家等が企業の女性活躍に関する情報をESG投資においてどのように活用しているかについて調査しましたその調査結果の企業等への情報提供などによりまして、女性役員の登用を加速してまいりたいというふうに考えてございます。 さらに、女性活躍推進に積極的に取り組んでおります男性経営者等によって策定、公表された輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会の行動宣言というのがございます。これの賛同者ミーティングの開催や先進企業表彰などによりまして、好事例の発信を行い、企業における女性活躍の機運を更に高めてまいりたいというふうに考えてございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 改めて図四を見ていただきますと、本当に暗たんたる思いがいたします。女性の役員割合、日本は五・三、韓国はまだ二・一です。一方のフランスは四三。これをどうやって上り詰めていくのか。それは結果として日本企業の国際競争力を高めることと並行できると思いますので、国家を挙げてよろしくお願いいたします。 次に、今回の法務委員会で一貫してお伺いをしております離婚後の子供の最善の利益を実現するための方策でございますけれども、法務大臣に質問させていただきます。 午前中、櫻井委員も、子どもの権利条約が法的拘束力がないから実現できていないじゃないかということを、かなり現場に即して見事な御質問をなさっておられました。私もそれは本当に現場から感じております。 それで、今日のテーマとしては、協議離婚制度そのものをもういよいよ見直さなきゃいけないんだろうと思います。日本では、協議離婚、平成二十年度のデータですけれども、今、離婚のうち八七・八%、九〇%近い、つまり十組が離婚すると九組近くが協議離婚。もう少し分かりやすく言うと、判こ一つで離婚できてしまうんです。家庭裁判所も弁護士も介在できずということでございます。 そして、これも午前中櫻井委員が、なぜ養育費が払われないのか、要因をちゃんと追求しないと対策立てられないだろう。そのなぜの中に二つ、一つは経済の問題ですけど、もう一つは相手と関わりたくないと。そりゃそうです、離婚の状態まで行くんですから、お互いに関わりたくないので、子供のための養育費などを言わば議論するというその場ができていないわけです。そこで放置されるのは子供です。 ですから、ここで、例えば、私、テネシーのペアレンティングの例も申し上げました。また、アメリカ辺りでは、離婚のときに、養育費の支払、それからペアレンティング、単なる面会交流ではなくて、親として一年間三百六十五日どういうふうに過ごすのか、そして、いざ教育の中身は、あるいは医療の中身はということ、全ての領域で計画をする。つまり、養育計画がないと法的に離婚を認めないというような州がアメリカでも多いわけです。ヨーロッパでもそうです。 そういう中で、言わば協議離婚制度そのものを認めないというような法的な方向が可能かどうか。そして、その場合には、私も自治体の仕事を見てまいりましたので、今、離婚の窓口は市町村の事務です、市町村の事務の強化と、そこと家庭裁判所をつなぐとか、あるいは弁護士をつなぐとかいうような形で、かなり法的には大きな立て付けが必要と思われます。家族法を変えながら、関係自治体、また関係者の中での議論が必要と思いますので、この辺りを法務大臣の御意見を伺いたいと思います。もちろん、DVあるいは薬物の問題などがあるときには、それはまずは防がないといけません。 もう一つ質問がありますので、できましたら、法務大臣、短めに回答いただけたら有り難いです。勝手申し上げます。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) 嘉田委員にお答えいたします。 平成二十八年度の全国ひとり親世帯等調査の結果によれば、協議離婚の場合には、調停離婚、審判離婚及び裁判離婚の場合と比べて面会交流や養育費の取決めをしている場合が低くなっており、協議離婚については委員御指摘のような問題があるものと認識しております。 このため、法務省としても、未成年者の父母が協議離婚をする場合に、父母に対して面会交流や養育費の重要性等の情報を提供することが重要であると考えております。 このような観点から、法務省では、平成二十八年十月から養育費、面会交流に関するパンフレットを作成し、全国の市町村等において離婚届の用紙と同時に配付するという取組を行っております。 また、家族法研究会では、協議離婚の際に、養育費や面会交流の取組が確実にされるように、例えば未成年者の父母については、協議離婚の要件を見直して、養育費や面会交流についてのガイダンスを受講し、又は養育計画を策定しなければ離婚することができないとすることの当否等についても議論される予定であると承知しております。 もちろん、委員御指摘のように、DVや薬物依存等についても、併せて考慮しなければならない要素の一つであるというふうに考えております。 法務省としては、引き続き、研究会における議論に積極的に参加をしてまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 養育計画がなければ離婚を認めない、例えばこれくらいの法的な介入が必要だろうということを是非とも家族法の研究会で前向きに議論いただけたらと思います。 最後の質問ですけれども、二〇一五年の桜を見る会、ジャパンライフ山口元会長が招待されていた問題でございます。 この悪徳マルチ商法で、被害者は七千人、総額二千億円。本当にもう人生、ためてためて無理をして、そのお金を取られてしまってこの後どうしたらいいか分からないという被害者の切実な声、私どもは聞いております。 さて、十一月二十九日なんですが、参議院の地方創生及び消費者問題特別委員会における共産党の大門議員の質疑では、消費者庁は、二〇一三年頃からジャパンライフの悪質性を把握し、調査を進め、二〇一三年十月には被害拡大を懸念する予備調査報告書が出され、そして二〇一四年五月には当時の対策課長が早く対処するべきと立入検査などの準備をしていた。しかし、その指示があった直後の七月四日に課長が交代させられ、あるいはさせたのか、立入検査の方針が変更になったということです。実は、この二〇一四年七月三十一日の対処方針を決めた会議での配付文書には、本件の特異性、政治的背景による余波を懸念などの文字があったとされております。 森まさこ法務大臣は、二〇一二年十二月二十六日から二〇一五年九月三日まで消費者及び食品安全担当の内閣府特命大臣に赴任しておられます。 この言わばジャパンライフの問題が特異的で、政治的背景を配慮されるような問題だった。ちょっとモリカケ問題を思い起こさせるんですけれども、森法務大臣にお尋ねいたします。 二〇一三年十月、予備的調査報告書の存在、あるいは二〇一四年七月三十一日の会議で要回収の文書が配られたということ、ここには政務三役に報告するべしという記述があったということですけれども、この文書について御存じでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) まず、私が消費者大臣であった任期ですけど、二〇一五年とおっしゃいましたが、二〇一四年でございます。 また、お尋ねについては、法務大臣としては、法務省の所管外の事柄でありますので、法務大臣としてのお答えは差し控えざるを得ないんですけれども、私自身が消費者担当大臣であったということで私自身のこととして申し上げますと、お尋ねの予備調査報告書の存在及び配付文書については、今そのお示しもされていない段階でございますが、今聞いた限りでは承知をしてございません。
○委員長(竹谷とし子君) お時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。また、大門議員が文書そのものも委員会で提示しておりますので、必要とありましたら再度お尋ねさせていただくかもしれません。 どうもありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山添拓君 日本共産党を代表し、会社法改定案及び関係法律の整備等に関する法律案に反対の討論を行います。 以下、反対理由を述べます。 第一は、株主提案権の制限についてです。 株主提案権の濫用事例はごくまれであること、数のみをもって濫用とみなされるわけではないことが審議を通じても明らかになりました。民法の権利濫用法理により解決が図られており、上限を十とすべき立法事実がありません。株主提案権は株主総会の形骸化を防ぎ、会社と株主、株主相互間のコミュニケーションを促進する目的で導入されたものであり、立法によるいたずらな制限は制度趣旨に反します。 また、議決権行使書面の閲覧を制限する規定についても、権利濫用の実例が示されておりません。謄写請求について会社がコピーや撮影を禁止するなど過度に制限している実態があり、こうした問題こそ調査し、改めるべきです。 第二は、取締役の報酬に関わる問題です。 改定案は、取締役への株式報酬の無償発行を可能とし、ストックオプションの権利行使に際して出資を不要とするなど資本充実の原則に対する重大な例外を設け、業績連動報酬の拡大を促そうとしています。しかし、業績連動報酬が積極的に活用される欧米では、目先の高額報酬のために業績向上を演出するなどモラルハザードが指摘されており、質疑の中で政府もその懸念を認めました。業績は役員の手腕のみがもたらすのではなく、労働者や長年のノウハウと信用、取引先の協力などの蓄積が支えています。本来求められるのは、役員の高額報酬ではなく、労働者との格差の是正というべきです。 また、改定案には、法制審で議論されていた役員報酬の個別開示、代表取締役への再一任の制限は経済界の反対で盛り込まれていません。透明化の措置は不十分です。 第三は、取締役の責任を過度に軽減する会社補償契約、DアンドO保険に関する規定です。取締役が損害賠償請求や株主代表訴訟を提起された際、本来取締役が負うべき訴訟費用や賠償額を会社に肩代わりさせることは利益相反性が顕著であり、取締役の職務の適正性を損なう可能性があります。特に、悪意、重過失の取締役についてまで訴訟費用などを補償する必要はありません。 以上、本改定案は、株主総会の効率化に傾き、企業経営の透明化とは程遠く、取締役を短期的な利益追求に駆り立てる一方で、不祥事を防ぐための必要十分な企業統治の在り方を目指すものとも言い難く、反対するものです。
○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、会社法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会