法務委員会 第7号
- 発言数
- 199 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/11/26
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として岩本剛人君が選任されました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房日本経済再生総合事務局次長佐藤正之君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、我が国の法令の外国語訳について伺います。 九月六日、当時の山下法務大臣は閣議後の記者会見で、法令外国語訳整備プロジェクトに関して、重要課題等を決定する司令塔となる、官民メンバーで組織する新たなハイレベル会議を立ち上げることを発表するとともに、法令外国語訳に関して、ビジュアルで分かりやすい法令情報をタイムリーに提供することで日本の法令の国際発信がより強化されると、こういうような旨の発言をされました。 法務省においては既に日本法令の国際発信に取り組んでいるところだと思いますが、国際発信すべき法令というのは、最終的に目指すべきところという意味ですけれども、法律、命令、規則に限らず、告示、通達、ガイドラインという、全て規範性のあるものについては限りなくオープンにする、こういうような方向で考えるべきではないかと思いますが、法務省の見解を伺います。
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。 法務省では、これまで十年にわたりまして政府内の専用ホームページとして日本法令外国語訳データベースシステムを開設し、基本法や知的財産、金融関係の分野等の重要法令を中心に、公開する英訳法令の増加等に努めてきたところでございます。 委員御指摘の官民会議体につきましては、本年十二月に立ち上げ、今後は法令外国語訳整備の取組についての司令塔役を果たすことになりますが、そこでは、翻訳提供のコンテンツの充実や利用サービスの改善等について検討を進める予定でございます。 政府が翻訳する整備の法令の範囲、それからその優先順位につきましても、翻訳ニーズやユーザーの意見を十分に聞き、また委員の御指摘も踏まえ、関係省庁と協力の上、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 優先順位付けは大変大事なことだと思いますが、既に御検討いただいているAI翻訳も含めまして、翻訳のスピードそしてクオリティーは飛躍的に高まっているところだと思いますので、できる限りのオープンな、そういう法令の外国語訳、これ取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 次に、判決文のデータベース化について伺います。 八月十日の読売新聞に「全国の民事判決DB化」という見出しの記事が掲載されました。お配りの配付資料でもございますとおり、これが実現いたしますと裁判官も弁護士も過去の同種事件の検索が容易になります。そしてまた、判決が全てデータベース化されることで、判決文のこれまた人工知能によるディープラーニング、こういったものが可能になりますので、判決、裁判の結果が予測がしやすくなってまいります。 このような効果というのは、裁判手続の適正迅速化にもつながると思いますし、そしてまた弁護士の生産性向上にもつながりますので、一件当たりの稼働時間を減らせる結果、弁護士費用の低減ということも期待できるのではないかな、そうすると、これは国民にとってもメリットあるぞと、こういうようなことになってくるわけです。 そこで、内閣官房に伺いますが、この記事によりますと、データベース化の対象から刑事と少年事件というこの二つのジャンルが除かれるということですけれども、刑事事件の裁判例も、匿名処理等のプライバシーへの配慮はしつつ、全て公開するのもよいのではないかなと私は思います。これによりまして、量刑の予測が可能になったり、また例えば独禁法のような、独禁法違反のような経済犯罪についてもどのような行為が犯罪になるのかということの予測精度が高まりますので、刑事コンプライアンス側面でも向上効果が期待されるのかなというふうに思っております。 そこで、刑事事件も含めました全判決データベース化についての御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤正之君) お答え申し上げます。 政府の成長戦略の一環としまして、我が国のビジネス環境改善を図るために、内閣官房が主催しまして、オンラインでの紛争解決を推進する有識者の検討会を設けておりまして、そこにおきまして、司法アクセスの改善や紛争解決機能の向上等を目指しまして、民事紛争解決におきますIT、AIの活用の検討を行っております。 その中で、日本の紛争予防、紛争解決システム全体の質の向上を図るという観点から、民事事件の判決情報の活用、民事事件の判決情報に係るAI分析の活用等に関しましても今後議論を行っていくという状況でございます。 他方で、本検討会は、冒頭に申し上げましたが、成長戦略の観点からビジネス環境の改善に資するというのが念頭にありまして、その観点から、民事紛争解決の利用拡大、機能強化を図るということが主眼でございまして、したがって、御指摘の刑事事件も含めた全判決のデータベース化は今のところ検討対象外になっておるということでございます。 いずれにしましても、まずは裁判手続のIT化の検討も進展している民事訴訟事件から、本検討会に加わっている法務省や最高裁とも連携しながら、データベース化も含めて、判決情報の活用拡大を目指して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○元榮太一郎君 これも優先順位付けの問題だと思いますので、まずは民事判決、民事の裁判例からスタートでいいと思うんですが、その後、家事、行政、そして刑事についても目指していってもらいたいなというところで、私から強く要望しておきたいと思います。 次に、更生保護について伺います。 十一月十二日の質疑においても質問いたしましたが、先月、更生保護制度施行七十周年記念全国大会が開催されました。その際、安倍総理から、保護司の方々を始めとする地域の力によって支えられた我が国の更生保護制度は世界に誇れるものと確信している、更生保護を支える民間の方々の御活動は欠くことができない極めて重要なもの、更生保護の諸活動がより一層充実するよう私も取り組んでまいる決意との御発言がありました。 他方で、保護司を始めとする更生保護ボランティアの担い手不足の状況は深刻です。これまでも社会を明るくする運動など草の根の広報活動に取り組んできているということですが、将来、更生保護ボランティアの担い手と期待されるのは若年層の人たちであると思います。彼らに対する広報活動というのも重要になってくると私は思っております。 来年は、コングレスが五十年ぶりに日本で開催されるとともに、社会を明るくする運動の第七十回目という節目のときでもあるそうです。これを機に、若年層の人たちに更生保護や保護司の方々の活動を知ってもらうために、若年層で普及しているツイッター、フェイスブック、LINE、ユーチューブ、そしてインスタグラムといったSNSを効果的に活用していくべきだと思っております。 そこで、今後、更生保護等の広報活動などにSNSを活用していくことについて、法務省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 更生保護の広報活動につきましては、これまで、社会を明るくする運動におきまして、更生保護マスコットキャラクターを活用したポスターやリーフレットの作成、街頭広報やイベントの開催のほか、法務省ユーチューブチャンネルや保護局公式ツイッターといったSNS等の活用を通しまして、更生保護ボランティアの活動等につきまして情報提供に努めてまいりました。 他方で、ただいま委員御指摘のとおり、保護司を始めとする更生保護ボランティアの担い手が不足しておりまして、その確保のため一層効果的な広報が求められているところでございます。 そこで、特に将来の担い手として期待される若年層の方々の御理解、御協力をいただきますよう、SNSのより一層の活用など、広報の在り方について工夫してまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 このSNSを通じた広報活動にも関連してくることとは思うんですが、先週の二十一日の読売新聞の夕刊に、更生保護にクラウドファンディングを活用した事例が取り上げられております。お配りの配付資料にもございます。 これ、記事によりますと、松山市の更生保護施設で、元受刑者らが野菜を育てて地域住民らに料理を振る舞うための資金をクラウドファンディングで募ったところ、僅か十一日間で目標額の四十万円を達成したということで、今はもう百万円に迫っているというような話を聞いております。入所している元受刑者らが生きがいを感じられるような取組によって、社会への復帰を促進していく、このような可能性は大いにあるかなと思っております。 先ほどのSNSを通じた広報活動もそうですけれども、インターネットを活用して更生保護活動をより多くの方に知ってもらうということで、元受刑者らが社会から孤立することを防ぐということにもつながってまいります。 法務省では、今年度中にも成功事例をマニュアル化し、効果的な活用方法を全国に広める考えであるということですが、現在の進捗状況をお聞かせいただくとともに、ほかにも成功事例があれば教えてください。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘の取組につきましては、ほかに京都府の更生保護女性連盟、和歌山県のBBS連盟、沖縄県の更生保護協会がクラウドファンディングを実施しておりまして、おおむね順調に推移しているものと承知しております。 今後も複数の更生保護団体がクラウドファンディングを実施する予定でございまして、これらの事例を踏まえて、クラウドファンディングを実施する上で工夫すべき点などをまとめたマニュアルを全国に配布するなどして、更生保護団体が民間資金を活用できるよう支援してまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 そういった意味で、インターネット上で更生保護を広報していくというのは、非常に、こういうようなクラウドファンディングによるマイクロペイメントの担い手の確保にもつながっていくので、そういった意味でもっともっと広報活動、インターネットの側面でも御支援いただきたい、このように思っております。 次に、被告人の逃走について伺います。 今月十二日の当法務委員会でもお聞きしましたが、最近、保釈を取り消された被告人などの逃走事案が頻発しております。森大臣から、被告人の保釈や収容等に関する現行制度の見直しについても、検察による検証、検討の結果や再発防止策の実施状況等を勘案しつつ検討してまいりたいと、この旨の御答弁がございました。国民が安心して暮らせるようにするためにも、運用面での取組のみならず、さらに制度面そのものの改善の余地があるのであれば、法改正を視野に入れた検討が必要だというふうに思います。 例えば、保釈を取り消された被告人や実刑確定者が単に逃亡しても刑法上の逃走に関する罪は適用されません。また、判決確定後は逃亡した者の行方を追う手法が限られ、通話履歴などを調べるにも、現行法では任意の回答を求める、いわゆる照会というものしかできません。安心、安全な社会の実現のためには、この逃亡事案の発生を防止し、また、逃亡した者を確実に見付け出して収容することができる制度が必要だと思います。 そこで、新たな逃亡罪などの創設といった現行制度の改正を含めた対応策の検討が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(小山太士君) お答えいたします。 近時、このような逃走事案が相次いで発生していることは誠に遺憾でございます。 こうした事案の発生を受けまして、検察におきましては、最高検察庁のまとめた再発防止策を着実に実施することとしているものと承知をしております。 そして、今委員からも御指摘がございました現行の制度に対しましても様々な御指摘がございます。これも承知しておりまして、実刑が確定した者や保釈を取り消された者などについて逃亡を確実に防止し、収容することができるようにすることが重要であるという点につきまして、委員と認識を共有しているところでございます。 法務省といたしましては、現行制度の見直しについて、委員の御指摘を十分踏まえつつ着実に検討を進めてまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 着実かつ迅速に御検討いただきたい、推進していただきたいと思います。 次に、スクールロイヤーについて伺います。 今年三月の当法務委員会でこれもまた質問させていただきましたが、その後の報道によりますと、文科省はスクールロイヤーを全国の教育事務所に約三百人配置して、市町村教育委員会からの相談を受けるようにするということです。 スクールロイヤーには、法的な助言によりいじめや虐待などの児童生徒を取り巻く問題を予防する効果、これが期待されますが、それにとどまらず、長時間労働や心理的な負担が指摘されている教員の負担軽減にも資すると期待されます。 先日の神戸市の小学校教諭が同僚をいじめていた問題、こちらについては幾つもの被害が明らかになっております。そこでこの被害を受けた教諭は、そのことを校長らに言い出せなかったというふうに聞いております。これも、スクールロイヤーが適切に相談を受け助言していれば被害の発生拡大を防げたのではないかな、こういうようにも思います。 そこで、文科省にも伺いますが、今回配置されることとなったスクールロイヤーは教員間のパワハラやセクハラの問題にも対処が可能なのでしょうか。
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。 現在、学校ではいじめや不登校、暴力行為などが大変大きな課題となってございます。文科省では、学校への過剰な要求への対応を含めて、学校をサポートすべき教育委員会の機能強化が急務となっていると考え、法制的な観点から助言等をいただく弁護士などの活用を促進するスクールロイヤーの配置について、現在関係省庁とも協議しつつ、可能な支援措置について検討を進めているところでございます。 パワハラやセクハラなどの教員間の問題に関しましては、一義的には管理職や教育委員会のほか、人事委員会などが相談を受け付けているものと承知をしておりますけれども、スクールロイヤーが配置をされた場合には、委員御指摘のような教員間のパワハラやセクハラに起因する問題について、管理職や教育委員会からの相談を受けたり法的な助言をいただいたりするということも可能と考えられるところでございます。 このほかにも、例えば教員に対するコンプライアンス研修の講師にそのロイヤーになっていただくなど、多岐にわたる活躍が期待をされるところでございますけれども、スクールロイヤーに対してどのような役割をお願いするかは、各地方公共団体において御判断をいただくこととなります。 文科省といたしましては、引き続き、学校、教育委員会における法務相談体制の整備に向けて尽力をしてまいりたいと考えてございます。
○元榮太一郎君 このスクールロイヤー三百人配置ということで、非常に大きな前進だと思っております。 そんな中で、スクールロイヤーを全国に配置しても、各スクールロイヤーの相談件数というのは、地域等によって差もあるかと思いますが、年間に数件の相談しかないというところも出てくるかもしれません。 私自身も弁護士なので理解しているんですが、やはり量は質をつくるというところで、ある程度の経験が積み重なっていかないと適切な対応ができないといった意味では、知識やノウハウの蓄積というのが非常に重要だと思っています。つまり、この全国で配置されたスクールロイヤーの方々のナレッジマネジメント、知の共有、こういったものが重要になってくると考えますが、文科省ではどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。 スクールロイヤーが受けた個別の相談内容や対応について、全国で同じような問題を抱えている学校なども多いと考えられることから、委員御指摘のように、全国の教育委員会やスクールロイヤーの知見を蓄積して共有をするということは大変意義のある重要なことだというふうに考えてございます。 他方、事案によってはプライバシー情報ですとか機密性の高い情報などが含まれることも想定もされますけれども、御指摘も踏まえながら、適切な知見の蓄積及び共有の方策についても今後検討を進めてまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 もちろん、プライバシー情報、機密性、こういったものも配慮いただきながら、ナレッジマネジメントの観点で是非とも進めていただきたいと思います。 最後になりますが、今年三月に行われました文科省の調査によりますと、全国の教育委員会へのアンケートで七六%が法的な専門知識を有する者が必要だと回答をしており、今回のスクールロイヤーの全国配置はまさにこれに応えるものであります。 他方で、現場からは、教育現場を理解し、教職員のニーズを理解した活動が求められる、週何日かは実際に学校や教育委員会に赴き、実効的な解決に取り組むことができる人材が担うべきといった指摘があることから、今後も制度を改善、改良しつつ運用していくということが求められると思います。 本委員会で私がスクールロイヤーの拡充の必要性について質疑を行った際に、当時の山下法務大臣からは、文部科学省の検討を踏まえつつ、日本弁護士連合会の協力も得て、法務省としても必要な協力を行いたいと、このような答弁をいただきました。 森大臣におかれましても是非スクールロイヤーの拡充を進めていただきたいと思いますが、御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 元榮委員にお答えをいたします。 委員御指摘のように、学校現場における様々な問題について弁護士が法的観点から関与することは、いじめや児童虐待等への対策の一つとしても有益であると同時に、法曹有資格者の活動領域の拡大という観点からも有意義であると認識をしております。 いわゆるスクールロイヤーの活用の在り方については、山下元大臣の考えを引き継ぎ、法務省としても、文部科学省の検討や取組を踏まえつつ、日本弁護士連合会の協力を得て、必要な施策を行ってまいりたいと思います。
○元榮太一郎君 森大臣からの力強い御答弁、本当にありがとうございます。 私は二〇〇一年に弁護士登録させていただいたんですが、森大臣そして宮崎政務官も弁護士御出身だと思いますが、今はやはり隔世の感があると思います。社会の隅々に法曹有資格者がどんどんどんどんと出ていって、まさにコンプライアンス社会に向けた人的な整備というか、環境、意識というものが促進されてきていると思うんですが、まだまだ、やはりこういうような法曹資格者がもっともっと多く、弁護士としてのその法廷活動以外の領域にも私は出ていった方がいいんじゃないかなというふうに思っております。 企業内弁護士も非常に増えてきていますし、そしてこういうような学校教育の現場でも弁護士が増えていくということで活躍領域が広がっておりますので、やはり法曹養成制度の質というものを維持する前提でありますが、私としては、もっともっと多くの法曹資格者がこの社会に出ていく、そんな社会になってもいいのではないかなと思っておりますので、そういった面も含めまして、力強く法務省さんにも推進いただくことを心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 まず、警察庁にお聞きをしたいんですけれども、以前でしたら、世論調査などで子供たちに将来何になりたいかという問いをしたときに、野球の選手であるとか警察官だと、そういう時代があったんですけれども、警察官になりたいという子供たちの思いというのは、やはり警察官の皆さんが日々社会正義の実現のために活動をしてくださっているという、そういう憧れだというふうに私は理解しているんですけれども、その社会的正義の実現だとすれば、それは警察官のお立場として、法的根拠というのはどういうところにあるんでしょうか。
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えいたします。 警察官の社会的正義の実現に向けた活動ということでございますけれども、警察官は警察法その他の諸法令にのっとって、まさに議員おっしゃるような社会正義の実現に向けてそれぞれ活動を行っているところでございます。
○有田芳生君 わざわざ質問通告はその部分はしていなかったのは、皆さんの日々の御活動の前提だと思ったので、そういう質問をさせていただきました。 今日は、北海道でのやじの問題、十一月十二日にお聞きをしたその続きをじっくりとお聞かせいただきたいというふうに思うんですが、その前に、やはりもう一点、これも皆さんの御活動の前提だと思いますけれども、例えば、警察官が日々、今日も、今も活動なさっていて、その中で不祥事が起きた場合に、その不祥事があって、それが処分された場合には、それは全件公表されるものなのでしょうか。これも質問通告はしていないんですが、皆さんの御活動の前提だと思いますので、ざっとでもお聞かせいただければというふうにお願いします。
○政府参考人(太刀川浩一君) 不祥事があった場合の公表というお尋ねかと思いますけれども、これは警察官の場合には、警察庁の警察官あるいは地方であれば都道府県警察の警察官、つまり地方警察官、これは地方公務員でございますけれども、おおむねでございますけれども、国家公務員はもちろんですけれども、この地方公務員である都道府県警察の警察官の場合についても、あらかじめ定められた懲戒処分の指針等に基づいて公表するかどうかということは判断をされている。それは、人事院が定めております懲戒処分の公表の指針についてというのが参照されているということでございます。
○有田芳生君 一般論としてお聞きをしますけれども、例えば、警察官がひき逃げ事件を起こして、そして不祥があったというようなときに、そして処分が行われたときには、公表したりはするんでしょうか。
○政府参考人(太刀川浩一君) 一般論で申しますと、先ほど申し上げましたとおり、人事院の定めております懲戒処分の公表の指針等を参考として、都道府県警察の警察官が行った不祥事の場合にも判断がされるということでございますけれども、その判断というのは、個々の事案の状況、事実に即して判断されるということでございますので、ひき逃げということで一概にこれというふうに確定的に申し上げることはできないと存じます。
○有田芳生君 私は、十一月十二日にこの委員会でやじと表現の自由というテーマで質問させていただいて、北海道警察、ちょっとこれまで以上に何かおかしいんじゃないかと。以前でしたら裏金問題もありましたけれども、どうなっているんだという思いが強いものですから、私は、北海道のフリーライターの小笠原淳さんが書かれた「見えない不祥事」という本を読ませていただきました。コンパクトな本なんですが、これ見て、読んでびっくりしました。 もう事実を指摘するだけにとどめますけれども、二〇一五年、今から四年前ですけれども、北海道警の警察官が二人、別々の事件ですけれども、ひき逃げをやって逃げている、負傷者も出ている。だけど、それが、後で発覚したんですけれども、一人は減給、一人は訓戒、それで終わっているんですよね。しかも公表はされていない。北海道警察、そういう事例が物すごく多いということが、この本を読んでびっくりしたんですけれども。 今日お聞きをしたいのは、資料でお配りをしました左側、「元警官の不起訴不当 建造物侵入容疑 札幌検審が議決」という、これはついこの間、十一月二十日付けの毎日新聞の北海道版です。 元警察官ですけれども、当時は警察官が、喫茶店がもう閉まろうとしていたところを無理やり入ってどなる。何をどなったかというと、おまえらがやっていることはやくざと同じだと。この喫茶店の店主がマッサージ店でトラブルがあって、そのマッサージ店の店主と知り合いのこの当時警察官がその問題になっている喫茶店に入って、もう閉まろうとしているところに無理やり入って、これは元警察官も認めているんだけれども、そして、結局一一〇番呼ばれて事件になって、結論としては、書類送検されたんだけれども、今年一月に不起訴処分となった。それはおかしいじゃないかということで検察審査会に問題が移って、そして不起訴不当だという結論が出たという、ついこの間のニュースなんですが、この事件、事案については御承知ですね。
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えします。 今お尋ねの事案、報道、毎日新聞の十一月二十日付けの記事に掲載されたものということでございますが、承知をしております。
○有田芳生君 この検審の議決も読んで驚いたんですけれども、それ以上に驚いたのは、太刀川審議官、御存じかどうか、もし知っていたら教えていただきたいんですが、この建造物侵入で書類送検された当時警察官は、今から十四年前、二〇〇五年に建造物侵入で現行犯逮捕されていたというのは御存じですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えいたします。 北海道警察の職員が以前に建造物侵入の事案を起こしたのではないかというお尋ねでございましたけれども、特定の個人に係ります犯罪歴等の有無につきましては、その個人のプライバシー等に関わりますため、その有無を含めてお答えを差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますと、警察におきましては、被害の申告などがありますれば、個別の事案の具体的状況に即して、法と証拠に基づき所要の捜査を行うなど、適切に対応しているものと承知しております。
○有田芳生君 一般論じゃないんです。二〇〇五年に、この当時警察官は建造物侵入で現行犯逮捕されている。個人の特定の問題があるとおっしゃいますけれども、当時、北海道新聞も含めて、地元紙二つに大きく報じられているだけではなくて、時事通信も報じているんですよ。何で報じられていますか。その理由はお分かりですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) ただいま御指摘の報道につきましては承知をしておりませんので、その報道の理由についても承知はしておりません。
○有田芳生君 なぜ新聞が、個人名も、それから当時の職場の名前も年齢も新聞記事に、時事通信を含めると三つも報じられたかというと、当時、警察発表しているからですよ。発表していて、建造物侵入で現行犯逮捕された同じ人物が、どういう処分があったのかは分かりません、しかし、そのまま警察を辞めるでもなく、大きな処分を受けるでもなく、ずっと警察官を続けていて、資料にもお示ししましたように、昨年の九月、また建造物侵入を行ったという。 これ以上この問題は触れませんけれども、これ、全国、多くの警察官が日々努力をされている中で、どうも北海道警おかしいんじゃないかという思いがあるんです。一冊の本になるような不祥事がずっと続いていて、それが公表されていない。不祥事を起こして処分されたら全件公表している警察、例えば宮城県警であるとか富山県警であるとかは明らかにしているのに、北海道警察はこういう表にしない不祥事というのが物すごく多いということ、これから皆さん、注意をしていただきたいということをお願いをしておきます。 そして、本題に入りますけれども、十一月十二日にもお聞きをしましたけれども、北海道警の参議院選挙の警備についてです。 七月十五日、安倍総理が参議院選挙の応援に札幌に入りました。一番最初、演説をなさったのが新札幌の駅前でした。そして、札幌の駅前に移動をして、その後、大通公園で演説をなさいました。そして、一つ目の新札幌の駅前で、道路を隔てたところに座って、総理がいらっしゃるのを待っていた七十七歳の男性が、膝のところにプラカード、安倍アウトと英語で、アルファベットで書いていたんだけれども、それを持っているだけで、ここから立ち退いてくれ、強制的に移動をさせられた。そのことを十一月十二日にお聞きをしましたら、政府参考人、こう答弁された、北海道警察が現場においてトラブル防止の観点からの措置を講じたものとの報告を受けております。 膝にプラカードを置いているだけで、トラブル防止の観点から、そこから警察官が何人も、そこに何人も警察官がやってきてその場から立ち去らせるような法的根拠というのは何なんでしょうか。
○政府参考人(河野真君) お尋ねの件につきましては、七月十五日に札幌市で街頭演説が行われた際に、北海道警察が現場において講じた措置についてのお尋ねでございますけれども、本件に関する告発状が検察庁に提出されているとのことであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しており、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 前回の質問で冒頭に、お答えは差し控えさせていただきたいということは言わないでくれと言いましたけれども、河野審議官は三十分余りの質問の中で、私の質問の中で七回同じ言葉を語られました。四分に一回。今、まだこの質問、一、二分のところで一回。 じゃ、お聞きをしますけれども、前回、どういう告発を受けているのかという質問をしましたところ、承知していないと言われました。それからもう一か月近くです。どういう告発を受けたんですか。
○政府参考人(河野真君) 承知しておりません。
○有田芳生君 何で一か月もたって、同じ質問の続きを聞きますよと通告しているのに承知していないんですか。
○政府参考人(河野真君) 警察といたしましては、告発を受けている立場であることなども踏まえまして確認をしなかったところでございます。
○有田芳生君 中身を教えてくださいということじゃなくて、告発を受けているというから、どういう内容で告発を受けているのか、そんなの分かるでしょう、もう一か月たっているんですよ。今日の質問は前回の続きだというのは通告しているじゃないですか。中身を具体的に教えてくれという話じゃないんですよ。 どういう告発なんですか。
○政府参考人(河野真君) 確認いたしていないところでございます。
○有田芳生君 どういう告発かというと、特別公務員職権濫用罪ですよ。警察官が七月十五日、北海道札幌で余りにもひどい職権濫用を行ったんじゃないかという、そういう告発です。 ですから、七十七歳の男性が、おとなしい方ですよ、私、話聞きましたけれども、膝の上にプラカードを置いているだけで排除された。 あるいは、安倍総理は、その次に新札幌の駅から、繰り返しになりますけれども、札幌駅に行って演説をされようとしたときに、四人の若者たちがそこに行った。これは、総理が来るから行ってみようという人もいたし、単純に、あるいは、日々政治について思うことがあるから総理に何か言えたらいいなと思って行った人がいる。どうでもいいことですけれども、その私が話を聞いた方々というのは政党に属している人ではありませんよ。 その若者が行って、総理が三車線向こうに応援に来られた、そのとき一言、安倍帰れと言った。前回も言いましたけれども、五秒から十秒の間に警察官がわあっと殺到して体を拘束して二十メートル引きずっていったんですよ。一緒にいた若い大学生の女性は、この方も私は話聞いて、びっくりされておりましたけれども、ひどいな、自分も思っていることを言わなければいけないということで消費税反対と言ったら、ざあっと警察官が来て、女性警察官も来て引きずられていった、前回写真をお示ししましたけれども。一緒に行ったもう一人の青年は、怖くなって何も言えなかった。一言もやじも発していないんだけれども、その青年にもそこからずうっと警察官、前後にずうっと付いて、道路を歩いているのに付いてくるんですよ。その女性の方は、もう大通公園に安倍首相が来るというのでそっちに歩いていったら、ずうっと警察官が一緒に付いてきて、TSUTAYAに入ったんですよ、ビデオショップに入ったら、その中にまで警察官が一緒に付いてきて、どこに行くんですか、どこから来たの、ジュース買ってあげようか、ジンジャーエール飲むというようなことを女性警察官が言っている。こういうことが起きたんですよ。 もう一度繰り返しますけれども、別の女性たちは、六十歳過ぎの女性たちは、年金どうなるのかというのが不安で、そのプラカードを持って、掲げちゃいない、そこに警察官がやってきて、ここからどいてくれ。 どこにそれが、トラブル防止の観点から、前回、一般論として政府参考人おっしゃいましたけれども、一般論だけれども、警察官職務執行法に基づいて、危険な事態がある場合、その場に居合わせたりする方を避難させたり、犯罪がまさに行われようとするのを認めた場合には、その行為を制止したりするのは、これは当然なんだけれども、膝にプラカードを置いているだけ、やじ一言を発しただけ、何も発していない人にどうしてそういう排除をする法的根拠はあるんですか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しておりまして、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 はい、二回目ですね。 じゃ、伺いますけれども、答えを差し控えなければならない理由として、今事実確認をしているとおっしゃいました。事実確認できていないじゃないですか、もう五か月目ですよ。もう同じ答弁していただくのも気の毒だから、余り言いたくないんだけれども、ネットを見れば、今だってそのときの状況は残っていますよ。当時、テレビ各社、そこにいたわけですから。 今日もお示ししましたけれども、安倍総理を支持します、そういうプラカードの中で一人の人が一言発して排除されたんだけれども、事実関係もう明らかじゃないですか、四か月、五か月目、違いますか。事実関係、何を確認されているんですか。
○政府参考人(河野真君) 本件に関する告発状が検察庁に提出されているとのことであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しております。 北海道警察からは、その結果を踏まえ、必要な説明を行っていくとの報告を受けております。
○有田芳生君 一か月、何にも変わっていない。 事実はもう明々白々じゃないですか。事実確認ができないのではなくて評価ができないんじゃないんですか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しております。
○有田芳生君 こういうことが五か月も事実確認だとおっしゃっているときに、警察庁はもう北海道警に、本部長に指導をなさったりはないんでしょうか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察からは、告発状が提出され、現在検察による捜査が行われている状況を踏まえつつ、引き続き事実確認を行っているとの報告を受けております。 警察庁としては、北海道警察が事実確認を終了した際には、できるだけ早い時期に必要な説明を行っていくものと承知しております。
○有田芳生君 できるだけ早い時期にと、一月目にも、北海道議会でも、そして十一月十二日のこの場での質問に対しても、そして今も同じ言葉を語っていらっしゃるんだけれども、事実は明らかですよ。 じゃ、違った観点からお聞きをしますけれども、私に言わせれば違法な警備が行われて、マスコミも北海道でおかしいじゃないかという記事が出たりした、テレビでも報じられた。そのときに、だから七月十六日、十七日の段階で北海道警察は、そういう身柄拘束して連れていったり、プラカードを膝に置いている人を動いてもらったりする法的根拠、当時は語っていますよね、北海道警察は。
○政府参考人(河野真君) お答えいたします。 北海道警察からは、現場におけるトラブル防止の観点からの措置を講じたものとの報告を受けております。
○有田芳生君 ちょっと違いますね、トラブル防止の観点からそういう排除を行ったということではなくて、当時、北海道警察は違った説明していますが、いかがですか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察からは、現場におけるトラブル防止の観点からの措置を講じたものとの報告を受けております。
○有田芳生君 違うんです。そういう発表は当時、北海道警察しておりません。 もう同じことを繰り返してもしようがないんですけど、当時、北海道警察はメディアなどに対して、そういう身柄を拘束したり排除をした根拠として選挙の自由妨害罪だと、そう言ったんですが、それは御存じないですか。
○政府参考人(河野真君) お答えいたします。 北海道警察からは、その点につきまして、あらゆる違法事案の発生を想定して対応しているとの趣旨で説明したものであるとの報告を受けております。
○有田芳生君 しつこいですけれども、もう一度お聞きしますけれども、七十七歳の男性が膝の上にプラカードを置いていて、どういうトラブルが予想できたんですか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しており、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 何か便利な言葉ですよね。もうあらゆるところでそういう言葉が飛び交っているんだけれども、何で答えを控えなければいけないんですか。事実が確認できていないからなんですか、あるいは評価ができていないんですか、あるいは認めるとまずいからなんですか。一体何が起きているんですか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますが、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しており、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 事実確認というのは具体的にはどういうことなんですか。事実を確認する、事実は明らかじゃないですか。 皆さんが考えている、北海道警が考えている事実というのはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(河野真君) 本件につきましては、繰り返しになりますけれども、本件につきましては、告発状が検察庁に提出されているとのことであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しております。
○有田芳生君 事実は一つなんですよ、これは。ノンフィクションを書くときだってそうですけれども、テレビの番組作るときだってそうですけれども、事実は一つなんです。 北海道警察はそういう行為を取ったことを、公職選挙法に基づいて選挙の妨害だという判断を当時下していたんですよ。ところが、問題になり始めると確認中ということになって、それ以降、五か月に近くずうっと確認中、確認中、確認中。しかも、確認中といったって、事実を確認中ですよ。何の事実を確認されるんですか。
○政府参考人(河野真君) 繰り返しになりますけれども、本件に関する告発状が検察庁に提出されているとのことであり、その処理の状況を踏まえつつ、北海道警察において引き続き事実確認を行っているものと承知しております。
○有田芳生君 警察法あるいは警察官職務執行法、そこに明確に書かれているのは、皆さんもうプロですから十分御承知だと思いますけれども、濫用はいけないよという規定ですよね。だから、北海道で行われたのはやっぱり濫用だと指摘されても仕方がない。 それが、実は北海道だけではなくて、写真にもお示ししましたけれども、札幌では七月十五日に起きた、だけど、七月十八日、今度は滋賀の大津で、安倍総理が行かれたときに同じようなことが起きているというのが資料の写真の下の方ですよ。警察官がずうっと周りを取り囲んでいる。だから、今年一月まで首相秘書官だった方がその後、警察庁の警備局長になられた、そんたくしているんじゃないのかななんて疑われても仕方がないようなことが起きている。 もう一つお聞きします。 資料の右側の黒い写真を見てください。この男性、目隠しをしましたけれども、胸には赤いワッペンを貼っている。この赤いワッペンを貼っている方というのは、警察庁、どういう方なんでしょうか。
○政府参考人(河野真君) 承知いたしておりません。
○有田芳生君 さっき言った大学生の女性が消費税反対と言って、取り囲まれて移動させられた、もう一人の男性が、おまえら何やるんだといって騒いでいるときに、この女性が携帯電話で写真を撮ろうとしたら、総理の近くにいたこの男性が道路を渡ってやってきて、黒いスーツですけれども、おら、何撮っているんだ、ばかやろう、撮っているんじゃねえぞ。これ、元警察幹部にお聞きをしましたら、SPだという指摘がありました。こういうことがやっぱり、選挙の現場でいろんなことがありますけれども、続いてはいけないというふうに思うんですよ。 もう時間が来たからやめますけれども、要するに選挙の妨害というのは、もう大音響で妨害するとかもう演説が続けられないというときには問題になって、裁判にもなって、最高裁でもあるいは大阪高裁でも判例がもうできているんだけれども、やはり選挙の自由、公正を守る警察であってほしいということをお願いしまして、質問を終わります。
○真山勇一君 立憲・国民.新緑風会・社民の真山勇一です。 前回の十一月二十一日の委員会に引き続いて、今日もIR推進法及び整備法に基づくカジノについて質問させていただきたいと思います。今日も内閣府とそれから観光庁からおいでいただきました。よろしくお願いをします。 前回の委員会の最後のところで森大臣に答弁をいただいたんですが、そのときに、カジノの違法性をなくすための条件の一つとして、公益性というところからの観点があるというような答弁をいただきました。これ、公益性ということは、つまり公営ギャンブルと同様に、地元の自治体に対して納付金、お金を納めるということもあるので、そういうところが公益性という観点とされているのではというふうに理解をしております。 今日は、公益性というものについてもう少し引き続いてお伺いをしていきたいなと思います。 前回の委員会で、政府の答弁では、いわゆるカジノは売上げ全体から払戻金を払った後に粗収益、GGRというふうにいただきましたけれども、そのGGRというものがありますけれど、まあ経営がうまくいっているときはいいかもしれません。でも、カジノだって経営がおかしくなるときはあるし、世界にあるカジノを見たって、経営がおかしいカジノとかあるいは倒産したカジノもあるわけですから、いつも黒字になる保証はないというお答えをいただいたんですが、確認です、そういうことでよろしいですね。
○政府参考人(堀誠司君) お答えいたします。 赤字になるということでございますが、ケースとしては極めてまれであるかとございますが、完全にないというわけではないかと思います。ただ、そういったことをまずないというふうに考えて、これ、法律が制定されたときにも御答弁申し上げておりますが、カジノ粗収益がゼロを下回るということはまずないというふうに考えております。 ただ、GGRの計算におきましては、いわゆる賭け金からカジノ事業者が顧客に払い戻す、いわゆる勝ち金を控除したものということになりますので、算定式上は、数式上はマイナスになるということも想定されたものが法律上制度として設けられているということでございます。
○真山勇一君 ちょっといろいろ回りくどい説明かなというふうに思いましたけど、やっぱり民間の会社である以上、どういう企業だって、やっぱり倒産、もしかすると赤字が出るんじゃないかという、そういう危険性を当然経営の中に含みながらやっているわけですよね。いつももうかる、絶対もうかるなんてことはないわけだと思うんですよね。 そういう意味で、お配りした表を見ていただくと分かると思うんですが、いわゆるカジノというのは民間企業が経営している。これ、公営ギャンブルです、公営ギャンブルの納付金のケースなんですが、これ見ていただくと、中央競馬、競艇、totoというのが出ています。ほかにもありますが、例としてはこれが挙がっているということだと思います。 売上げの中から払戻金のパーセンテージというのは決まっていますよね、七〇%から八〇%、totoは五〇%。だから、必ず納付金というのが自治体にあるわけですけれども、カジノはそういうふうに決まっていないんですよね。だから、物すごく払戻金が多くなっちゃったら、この納付すべき部分のお金がなくなっちゃうということが出てくる、そう思います。 そのとき、黒字が出なかった場合、粗収益出なかった、いわゆる粗利がない。そうすると、自治体に一五%、国に一五%というのがカジノの納付金というふうに言われています。そうすると、この納付金が入らないことも想定はされるということですね。
○政府参考人(堀誠司君) お答えいたします。 まず、そもそも、いわゆるGGR、カジノ行為粗収益に比例したものを公租公課として賦課するということにつきましては、このIR実施法が制定される前、IR推進会議におきましても、諸外国の例に倣いまして、カジノ行為粗収益比例部分について公租公課を賦課し、幅広く公益に活用するという方針が取りまとめられ、それに基づいて法律の制度がつくられたということでございます。 実際に、この制度をつくる際に参考といたしました米国ネバダ州、シンガポール、マカオ、オーストラリア・ビクトリア州などにおきましても、名目の差異こそございますが、いずれもカジノ行為粗収益に対して公租公課を賦課しているというふうに承知しております。 なお、IR実施法におきましては、このカジノ事業の健全な運営を確保するということは極めて重要でございます。したがいまして、このカジノ事業につきましては、免許制の下で、その審査の中でカジノ管理委員会が、カジノ事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること、カジノ事業に係る収支の見込みが良好であることという基準に適合するかどうかを厳格に審査することとしております。 また、会計監査のため、事業年度ごとに経理の状況などを含めた財務報告書を提出させるとともに、免許付与後におきましても、引き続き当該基準に適合しているかどうかを確認するため、カジノ管理委員会におきまして、カジノ事業者の財産に関する報告徴収や立入検査を行うなど、財務面についてカジノ事業者を監督することとしてございます。 以上でございます。
○真山勇一君 監督をすれば大丈夫だよというふうに聞こえましたけれども、そうはいっても企業で経営をしているわけですから、いつお客が少なくなるか分からない。例えば、何というんですかね、エンターテインメントをやるような場所、遊園地ですとかいろいろあると思うんですけれども、そういうところでさえやっぱりお客が突然少なくなるということだってあるわけだし、競争相手が増えれば、もしかすると今まで来ていたお客が来なくなっちゃうという危険も十分あるわけですよね。 黒字が出ないと当然経営は赤字になります。赤字になった場合、地元自治体にどんな影響が出てくるんでしょうか。この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(秡川直也君) IR事業の継続が困難になる場合というのは様々なケースが想定されると思います。そういうのに対応しまして、赤字が発生した場合も含めて、自治体と事業者の間で締結される実施協定、これはこの間も御説明をさせていただきました、その中で対応が取り決められるということになります。 ただ、今先生から御指摘がありましたようなIRの事業に関してうまくいかなかった場合ということなんですけれども、IR事業者、これはIR整備法で定められていますが、完全な民間事業者です。会社法上の会社ということになっています。ですから、今回のこのIR事業というのは完全な民設民営なんですね。ですから、国や地方自治体のお金というのは事業には一切入っておりません。なので、ビジネス上の運用でうまくいかなかったという場合にはそのIR事業者が自分の運営の中で対応するというのが基本になりますので、今御懸念がありましたような自治体の負担とかそういうものというのは想定しにくいというか、ほとんどあり得ないというふうに思っております。
○真山勇一君 そうすると、今の中にありましたけれども、実施協定ということですよね、カジノ業者と自治体の間の。そうすると、そこでどういうような約束が交わされるかということなんですけれども、結論的に言うと、やっぱり赤字になった場合は、民間の会社、純粋な民間の会社とおっしゃいましたよね、ですから自治体の一五%、それからもう一つ、国の一五%、これは当然もう支払われない、納付されないということの認識でよろしいんですね。
○政府参考人(秡川直也君) 運営上、先ほどのGGRというものが出ないということになりますと、その一五%の納付金はないということにはなると思います。
○真山勇一君 じゃ、もう一つ踏み込んで、GGRが出なくなる、経営が赤字になっている場合は、今の実施協定というお話の中で、地元の自治体と協定の中で、赤字になってしまった場合、補填、自治体が補填するというふうなケースはないというふうに考えてよろしいですか。
○政府参考人(秡川直也君) 実施協定というのは、自治体が選んだ事業者とその当該自治体との間の契約になりますので、契約の内容についてはその当事者が決める内容だというふうに思います。 ただ、一般的に、そのビジネス、IRの運営がうまくいかなかったということに起因する赤字が出た場合に自治体が補填するというような実施協定の契約を結ぶということは、非常に考えにくいんじゃないかと思います。そのIR事業者、選ばれたIR事業者が自分の責任で運営をきちっとやっていくということが基本だと思います。
○真山勇一君 そうですね、そのとおりだと思います。常識的に考えれば、そんな不利な協定、あるいは契約かもしれませんけれども、そういうものを結ぶわけはないと。だから、経営が赤字になれば納付金は入らないけれども、それ以上の負担は自治体にも、それからもちろん、国も一五%取っているわけですね、これも同じように、そうすると特に入らないという以外の影響はないというふうに、これは確認です、そういうことに考えてよろしいですね。
○政府参考人(秡川直也君) 先生の今の御発言のとおり理解しております。
○真山勇一君 ただ、やっぱり大臣も答弁いただいたように、やはりカジノが違法でないというふうにするための一つの条件ということで法務省は八要件というのを出しているわけですけれども、その公益性というのはとっても大事だと思うんですね。やっぱり地元がカジノを受け入れるに当たってはやはり納付金が入るからということが一つあると思うんですが、赤字になってしまって納付金がなくなってしまう。あとは、最悪の場合、実施協定でその赤字をどうするかという問題は残るかもしれませんけれども、こういうことが続くと、赤字が出るということになってくると納付金も入らない。そうすると、まさに公益性の目的、カジノ収益の社会還元というところができてこなくなってしまう。公益の実現が難しくなってしまう。 そういう状態になっても、森大臣、カジノはやっぱり、カジノは違法でないというところの、公益性があるというふうに考えておられますか。
○国務大臣(森まさこ君) 真山委員にお答えをいたします。 いわゆる八要素のうちの目的の公益性というところの御指摘でございますけれども、この目的の公益性と申しますのは、賭博に係る特別法の目的が国家又は社会公共の利益に沿う性質のものであるかどうかという観点にありますので、個別のカジノ事業において収益の多寡が様々であるという御指摘でございますが、IR整備法における制度の在り方としては、その目的が観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資することとされている点、そしてカジノ収益の内部還元や国庫等納付、社会還元を通じた公益の実現を具体化する制度が設けられているということから、目的の公益性の観点を踏まえてその趣旨に沿ったものであるというふうにされるものと承知をしております。
○真山勇一君 おっしゃることは分かるんですけれども、今ありました中のその財政の改善に役立つということを言っている。納付金が入れば役立ちますけれども、入らなければ負の要素ばかりが出てしまうんじゃないかと言っているんです。その負の要素が出たときに公益性ということをそのまま押し通すことができるのかなと、そういうふうに思います。 やっぱり法務省としては、いわゆる刑法、法律を守る立場なんですから、やっぱりそういう意味でいうと、財政の改善ができるどころか財政が改悪されてしまうという状態は、やはり公益性は私はこれはどうかなと、公益性があるかどうかというのは懸念を感じております。やっぱりちょっとおかしいんじゃないかというふうに思っています。 そういうことを指摘して次のところへ移りたいんですけれども、経済効果、経済効果ということでカジノがそれ一本で来ているような気がするんですね。先ほどの答弁の中でも経済効果があるからというような答弁ありましたけれども、実は、言われているように、カジノの負の側面、負の効果というのがまだいろいろあるわけですね。治安の悪化ですとか、それによる環境の悪化、それからギャンブル依存症というのもありますし、依存症になったことによって生活保護を受けなければならなくなるし、そうなると家庭も崩壊するんじゃないかとか、そういうようなことが心配、懸念されているわけです。 この負の経済効果に対する費用をカジノの業者がどういうふうに対応するかということは決められているんでしょうか。
○政府参考人(堀誠司君) お答え申し上げます。 負の効果、様々な弊害とでも申しましょうか、典型的なものが依存防止対策、依存症の関係かと考えております。これにつきましては、IR整備法におきまして実は様々な義務が事業者に対して課せられると理解しております。例えば、このIR区域制度の認定におきましては、事業者に対しまして、この区域整備計画そして実施協定などに従ったIR事業の実施、あるいはカジノの施設設置及び運営に伴う有害な影響の排除に関する国、都道府県等が実施する施策への協力を義務付けております。 また、カジノ本体の規制におきましては、カジノ事業者に対しまして、まず自主的な内部規範として依存防止規程というものを定めさせた上で、本人、家族申告による利用制限、あるいは相談窓口の設置、あるいは依存防止措置に対する内部への教育訓練、内部管理体制の整備などの依存防止措置を講じることを義務付けております。 また、納付金の使途という観点におきますと、先ほど来出ておりますが、国庫納付金、認定都道府県納付金等の相当額を充当する経費の一つとして、先ほど申し上げました国、地方公共団体の責務を達成するための施策に必要な経費というものを規定しておるところでございます。
○真山勇一君 やっぱり一番カジノができることによって心配する懸念の大きなところが、このギャンブル依存症が増えるんじゃないかということなんですけれども、今のその入場制限とかそういうものは、何というのかな、ソフト対策みたいな感じがするんですね。やはり現実にギャンブル依存症になってしまった場合にそれをどう対応していくかということ、例えば韓国の江原ランドの例だと、その江原ランドの中に、カジノの中にそういう依存症対策についての様々な対応をしたり、その方たちの面倒を見る、そういう組織が入っているということがあるんですけれども、今回考えられているこのIRのカジノにはそうした形のものというのはあるんでしょうか。
○政府参考人(堀誠司君) お答えいたします。 具体的な制度の詳細につきましては、今現在、制度設計を検討しておるところでございますが、繰り返しになりますけれども、法律上の措置といたしましては、先ほど申し上げました、カジノ事業者に対しまして依存防止に関する様々な措置をとるように義務付けておるところでございます。 また、そのような法律上の義務付けというものがきちっとなされておるかどうかということにつきましては、カジノ管理委員会におきまして、まず、免許の申請時に事業者が策定いたします、先ほど申し上げました依存防止規程というものを策定するわけでございますが、これが依存防止の観点から十分なものか否かを審査することといたしております。また、それにとどまらず、事業者から実施状況や自己評価結果等の報告を受け、またさらに、毎年の監査や必要に応じた報告徴収等により監督することといたしております。 これらによって、事業者の自主的措置、併せてカジノ管理委員会における監督機能というものを適切に発揮して依存防止対策に万全を期してまいるというふうに制度的に設計をされております。繰り返しになりますが、制度の詳細については、今現在、設計を検討しているというところでございます。
○真山勇一君 制度の設計は詳細今検討中というところが大変心配されるところなんですよね。やっぱりギャンブル依存症というのは、カジノができればもう間違いなく多分増えます。それは、今まである例えば国内の依存症の増え方を見ても分かりますし、カジノというのはこれまでにないような多分大きな賭け金を動かすギャンブルになることが当然予想されますね。それは、過去のカジノどこへ行ってみても分かるように、大変な莫大な金額をすってしまったという被害者が出ているわけですから。それだけ大きな額をすってしまっても、やっぱりまだカジノに行きたいと思うそうです、依存症というのは。それくらい深刻なわけですよ、そうしたものが増える。 そのために、やっぱり地元の自治体、ギャンブル依存症というのは、地元の自治体、そのギャンブルがある自治体だけじゃないんですよね。だって、お客さんというのは至る所から来るわけですよ。その地元だけじゃない、その周辺の町からも都市からも来る。もっと大きくいえば、日本中から来るわけですよね。だから、そういう人たちが依存症になったら全国に依存症増えてしまう。 本当に日本は依存症大国になるんじゃないかと、森大臣、思うんですけれども、こんなにたくさん依存症をつくる危険性があるカジノというのは、公益性、違法性阻却に足るものなんでしょうか、またお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) IR整備法の立案過程におきましては、先ほど申し上げました目的の公益性の観点のみならず、同じくIR推進法の附帯決議で示された副次的弊害の防止などの観点も踏まえ、十分な検討がなされた上、その趣旨に沿った制度設計がなされたものと承知しております。
○真山勇一君 いや、そこが私は問題だというふうに申し上げているわけです。副次的弊害の防止と言っていますけれども、全く不完全ですよ、これでは。やっぱりカジノをやる以上は、じゃギャンブル依存症をどうするかというのをもう少し具体的にやっていかなければいけない。これはカジノ管理委員会でまたその制度をつくるということですけれども、やっぱりこれは一番心配なところですね。 それで、カジノ管理委員会、今メンバーが国会に出てきたところですけれども、依存症の専門家も入っていないわけですよ。そういう中で、普通の病気とは違う、本当に治療するには大変、治らないんじゃないかとさえ言われている依存症対策というのは、これ本当に本気で取り組まないと、やっぱりとてもじゃないけれども、日本全体がギャンブル依存症になっちゃいますよ、本当に。そんなことになったら困るし、やはり安倍総理も、このギャンブル依存症のことを話したときに、世界最高水準の依存症対策を取りますと言っているんですよ。それがこの内容じゃ、とてもやっぱり心もとないし、心配だというふうに思います。 健全なカジノなんてやっぱりつくれないと思うんですね。カジノをつくる以上はギャンブル依存症出るんですから、やっぱりこの対策をはっきりと打ち出すことが必要だし、私は、だからギャンブル依存症を出すようなカジノは……
○委員長(竹谷とし子君) 真山勇一君、お時間が過ぎております。
○真山勇一君 やっぱり不適当だということを今日は申し上げて、終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、福岡資麿君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。 ─────────────
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。 質問させていただきます。まず第一に、法テラスに関連をして質問させていただきたいというふうに思います。 平成三十年の一月二十四日、改正総合法律支援法が施行されました。新たに高齢者、障害者等で認知機能が十分ではない方に対する援助が拡充をなされました。具体的には、新たな出張法律相談、また弁護士費用等の立替え対象のメニューの拡充といったことがなされたわけでございます。特に、前者の新たな出張法律相談、これは大変に意義のあるものであると感じております。すなわち、従前の総合法律支援法の下においてもこの出張法律相談の援助は行われておりましたが、あくまでも自発、能動の相談を求めることが原則とされておりまして、なかなか高齢者、障害者の方がそうした制度の存在を知り、理解し、利用することには相当高いハードルがございました。 これは私の弁護士時代の経験からも実感を持って言えることでございますが、私も、高齢者、障害者等の御相談を受ける中で、まず端緒は電話相談が多いわけでございますが、お話を伺って、じゃ、詳しくは事務所に来ていただいてお話を伺えますかということを申し上げますと、助けてくれる家族がいない、足もない、事務所には行けませんと、そうしたことも少なからず体験をしてまいりました。こうした場合、私は、従来の旧制度の出張法律相談を利用して出張して様々お話を伺う、こういうこともやってまいりましたけれども、実際にはそうした電話相談にすらたどり着けない、自発、能動の相談を求めることができない方、そうした方にこそ法的支援が必要であると実感をしてまいったわけであります。 その意味においても、さきの法改正は、資力の有無にかかわらず、近隣に居住する家族がいないなどの理由によって法的サービスを自発的に受けることが期待できない方であっても、対象者を支援する地方公共団体、地域包括支援センター、社会福祉協議会等の職員の方からの申込みでもってしても出張法律相談ができる、そうした重要な意味があったかと承知をしております。 しかし、これらの改正法に基づく制度がしっかりと利用されているのか、周知をなされているのか、またその課題が今現状あるのか、対策があるのか、そうしたことを不断な努力で検討していくこともまた重要であるかと思います。 そこで、法務省にお尋ねをいたしますが、さきの改正総合法律支援法に基づく、特にこのアウトリーチ型の法律支援の運用状況、課題及びこれに対する取組状況についてお答えください。
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。 法テラスでは、平成三十年一月二十四日に全面施行されました改正総合法律支援法に基づきまして、認知機能が十分でない高齢者、障害者等を対象として、福祉機関等からの連絡を受け弁護士、司法書士が出張して法律相談を行うアウトリーチ型の特定援助対象者法律相談援助を実施しているところでございます。本援助の実施件数は、平成三十年一月二十四日の援助開始以来、令和元年九月末までの速報値で九百八十四件となっております。 本援助は、超高齢社会が進展する中で、その重要性はますます増してくるものと考えられるところ、現在の実施件数は必ずしも十分な件数とは言えず、更なる利用促進に努める必要があると考えております。 この点、本援助は、利用者本人ではなく、その者を支援する福祉機関等からの申入れを端緒として援助を実施する点に特色があるため、利用促進を図るためには福祉機関等への周知が特に重要であると考えております。そのため、法テラスでは、全国の地方事務所において、福祉機関の職員等を対象とした業務説明会を実施するなどしてその周知を図っておりますけれども、改めて本援助の利点や利用方法等に関する周知を徹底し、福祉機関等の方々の理解を更に促進する必要があると考えております。 法務省としても、引き続き法テラスと協力し、一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 今御指摘いただいた、いわゆる福祉機関に対する周知、説明等がやはり鍵を握っているかというふうに思います。ただ一方で、やはり法テラスの人的体制というのもなかなか厳しい状況があるというのが私の実感でもございまして、まさにそうした課題等も含めて、様々また今後も議論していきたいというふうに思います。 続きまして、犯罪被害者の支援制度について質問をさせていただきます。 十一月の二十五日から十二月の一日は犯罪被害者週間でございます。犯罪被害に遭った方々に対する支援策を更に充実をさせていく必要性があると私は考えております。 例えば、被害者に対する給付金の制度がございますが、現状の額が果たして適正なのかという問題も指摘をされております。また、本年五月に民事執行法が改正がなされまして、財産開示制度の充実が図られたところでございますが、殊に犯罪の被害の救済に至っては、この財産開示にとどまらず、国による強制執行も検討されてしかるべきではないかという御意見もあるところでございます。 今日は、それらの被害者支援の制度の中でも被害者側の弁護士支援制度について質問をさせていただきたいと思います。 現在、公費で賄われております被害者支援制度は、いわゆる国選被害者参加弁護士制度と、また、民事に関して民事法律扶助制度がございます。前者の国選被害者参加弁護士制度は、公判段階において初めて利用できる手続でございまして、後者の民事法律扶助、これは、損害賠償命令やあるいは訴外の示談交渉、また民事訴訟といった民事手続に限定された援助制度であると承知をしております。つまり、事件の発生から捜査段階においては、刑事手続に関しての被害者に対する公費による支援制度が不在であるというのが現状でございます。 しかしながら、被害者や、またその御家族、御遺族は、突然にそうした犯罪に遭遇をし、被害者としての状況に、窮地に追いやられてしまうわけでございます。公判段階での支援はもちろんのことでございますが、事件の直後から弁護士等の法的専門家の支援を受けるべき必要性が高いと思っております。 被害者の方には、報道陣からの取材対応、こういったものにも胸を悩ませる方もございますし、また、被害者も参考人として警察から事情聴取を受けることもあるわけでございますが、警察にどういうふうに答えたらいいか分からない、警察の取調べに対してこういうふうに答えたけれども、果たしてこれでよかったのか、こんな不安を抱えておられる被害者の方も少なくないわけでございます。自分の話したことで警察等の捜査機関に誤解を招かないか、公判段階での被告人を不当に利することにならないか、大変な気苦労が多いわけです。被害者に対しても捜査段階からの切れ目のないサポートが重要であると考えます。 現在、この公費による援助制度の欠缺に対しましては、御案内のとおり、現在においては、日弁連が法テラスに対して委託をして行っております犯罪被害者法律援助事業によって賄っているところでございます。 同制度の利用実績は、二〇〇八年度三百七十八件、十年後、二〇一八年度におきましては一千六百二十五件と増大をし、予算規模で申しますと、四千四百六十三万円だったところが十年で一億七千六百十三円と、十年間で約四倍の伸びを示しておると伺いました。そのニーズの高まりを示しているものと言えます。 しかし、この日弁連の委託事業、財源は弁護士会の会員である特別会費によって賄われているものでございまして、財政的基盤としても大変脆弱であるという問題があると思います。また、本質的には、犯罪の被害者に対する国の考え方、姿勢の問題でもなかろうかと私は考えます。 そこで、今こそ犯罪被害者等基本法第三条及び第四条の趣旨にのっとって、犯罪被害者が再び平穏な生活が送ることができるようにするための必要な支援として、この被害者法律援助事業を法テラスの本来事業とすべきと考えますが、法務省のお考えを御答弁ください。
○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。 法テラスでは、総合法律支援法に基づきまして、犯罪被害者の支援に関する業務として、犯罪被害者支援ダイヤル等による情報提供や、犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介、被害者参加人のための国選弁護制度に関する業務などを本来業務として行っていますところ、これらの本来業務の遂行に支障のない範囲内で日本弁護士連合会委託援助業務を行っているところでございます。 この委託援助業務は、法テラスの本来業務に含まれない法的サービスについて、日本弁護士連合会からの委託を受け、同連合会の費用負担により行っているものであり、委員が今例を挙げていただいたような犯罪被害者法律援助もその一つであると承知しております。 この犯罪被害者法律援助を法テラスの本来業務として国費で賄うとの点につきましては、犯罪被害者支援のための他の方策の在り方や国費負担の在り方の観点から、現在の厳しい財政状況を踏まえつつ、慎重に検討する必要があると考えております。 もとより、犯罪被害者、犯罪被害を受けた方々に対して弁護士による必要な法的支援が行われることは重要なことであると認識しておりますところ、法テラスでは、これまでも本来業務として先ほど述べた犯罪被害者支援に関する業務を実施してきたほか、平成三十年一月からは、改正総合法律支援法に基づきまして、DV、ストーカー、児童虐待の被害者に対する、資力の有無を問わない法律相談援助の運用を開始するなど、社会のニーズに応じてその支援の範囲を拡大してきているところでもございます。 引き続き、被害者の声に耳を傾けながら、関係機関とも適切に連携して法テラスにおいて必要な被害者支援の取組を行うとともに、法務省としても必要な協力をしてまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 限られた財源でという本当に大変に難しい壁がございますけれども、しっかりとこの犯罪被害者の皆様に対する光を国が当てていくべきであるというふうに思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。 続きまして、子供の権利に関する問題について、特に養育費について質問をさせていただきたいというふうに思います。 離婚後に支払われる養育費、これを金額を決めるに当たって、原則は当事者の協議、すなわち合意によることが基本であることは言うまでもございません。そして、その金額を幾らにするかという点において重要な指標であるのが、現在も実務で積極的に利用されておりますいわゆる算定表と呼ばれるものがあります。 このほど、最高裁判所の司法研修所が初めてこれを見直しを行い、本年十二月の二十三日に改定のこの算定表が公表されるとの報道がなされました。従来の算定表には、以前から低過ぎるとの指摘がなされてきたところでございまして、この低額な養育費の相場が子供の貧困の大きな要因であるとして、日弁連におきましても二〇一六年に、先んじて独自の算定表を公表していたところでございます。 そこで、この改定算定表について質問をさせていただきます。まず、今回の見直しがなされる前の従前の算定表、今利用中の算定表の作成の経緯についてお答えをいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 御指摘の養育費等の標準算定方式・算定表は、平成十五年に有志の裁判官等数名が、当時、養育費等の算定が個々の事案ごとに詳細な事情についての主張の応酬になりがちで、金額についての予測可能性も低く、また審理も長期化しがちであるなどの問題意識を持ちまして、これを踏まえて、私的な研究会の成果として公表したものでございます。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 また、再度質問ですが、現在の実務におけるその算定表がどのように活用なされているか、その意義、また御認識についてお答えください。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 この算定方式・算定表は、標準的な養育費等を両親の収入、子の年齢、人数により簡易迅速かつ公平に算定することができ、当事者の予測可能性にも資するものと受け止められております。 そのようなことから、家庭裁判所の実務においては、裁判官が裁量によって養育費等を定めるに当たって合理的な目安として広く定着しているものと承知しております。
○安江伸夫君 今お答えいただきました。 私も実務家として、この算定表は実際に大変活用してきたわけであります。私も、経験上、やはりこの算定表というものは大変に重要な意義があるということを実感をしております。あえて言わせていただきますけど、これは良くも悪くもやはり実務において定着をしてなされている。良くもというのは、今言っていただいたとおり、簡易迅速に金額が決められる。悪くもというのは、やはりどうしても、個別具体の離婚に至る経緯や特殊事情等をどこまで反映できるのか、こういった問題意識も常に抱えながらこの算定表を利用してきたわけでございます。 やはりまた、調停等の手続の中においても、調停委員の皆様も裁判官もこの算定表の存在を当然大変重要視をしてきているというのも私の実感でございまして、やはりそういった意味からも、裁判外の示談交渉や離婚合意書の作成に当たっても、この算定表、実務上大変な意義を有しているわけでございます。 そして今回、その算定表が改定をなされるということでございますが、なぜその改定がなされることになったのか、その経緯についてお答えください。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 標準算定方式・算定表の提案から十五年余りが経過しておりまして、この間の基礎となる制度ですとか統計数値の変動等から見直しの必要性が指摘されていたところでございます。 このようなことを踏まえまして、今般、家庭裁判所の実務を担当する裁判官を研究員とする司法研修所の司法研究として、社会実態の反映、算定方法に改良すべき点がないかといった検証が行われまして、改定算定方式・算定表が提案される予定となったものと承知しております。
○安江伸夫君 そしてまた、この算定表ですが、どなたがどのように作成をされたのか、この点についてもお答えください。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 家庭裁判所で、具体的に申しますと、東京家庭裁判所、大阪家庭裁判所で実務を担当しておりました裁判官四名による研究の成果として報告がされる予定となっております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 先ほど申し上げましたとおり、この算定表、従前から、取扱いに鑑みて大変な重要な意義があるものでございます。今般の改定によって、いわゆる養育費の相場にも変動を来すものであろうかと想像だに難くないですし、親の離婚後の子の養育水準に大きな影響を与えるものと思っております。 その意味からしますと、先ほど裁判官四名の皆様というお話がございました。当然、裁判官の皆様も、プロとして多くの知見と経験に基づいて、今回の見直し、行っていただいたものと信じて疑わないわけでございますけれども、やはり本来的には、弁護士などの代理人として手続を行っているような者、あるいは国民の皆様、また、特に子育てを経験した方、一人親として実際に苦労した方々、そうした現場の声もやはり反映できるようなプロセスがあってしかるべきではなかったかというふうに思っております。これは私の意見ととどめさせていただきますけれども、そうした今お答えをいただいた作成経緯を踏まえて、今後、実務でのこの算定表の運用の推移を見守っていきたい、このように思っております。 また、十二月の二十三日の公表という、その前の質問です。その内容が、水準が果たして適正、妥当であるか、また、日弁連の指標もあるところでございまして、この二つの指標、この取扱いをどうしていくか、これも重要な問題であるというふうに思っておりますので、また引き続き指摘をしてまいりたいというふうに思います。 続きまして、家族法の改正の議論について質問させていただきたいというふうに思います。 このほど、離婚後の子の養育の在り方を中心とした家族法の研究会が立ち上がり、親権の概念を始め、家族法における複数の論点が検討されると伺っております。 そこで、当該研究会の目的について、改めてという形になりますが、お答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。 家族法制研究会、幅広く多岐にわたる論点を検討する予定にしておりますが、委員御指摘の養育費の関係でございますけれども、この養育費の取決めが適切に行われてその取決めが確実に履行されることは、子供の利益を図る観点から極めて重要であるものと認識しております。 この家族法研究会、法務省としても担当者を派遣して積極的に議論に参加しているところですけれども、この研究会におきましては、例えば養育費、離婚後の養育費の在り方につきまして、例えば養育費の支払率を向上させるために、未成年者の父母については、協議離婚の要件を見直して、養育費や面会交流についてのガイダンスを受講し、あるいは養育計画を策定しなければ離婚することができないとすることの当否等についても議論される予定であると承知しております。 法務省といたしましては、引き続き研究会における議論の推移を注視してまいりたいと考えております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 また、第一回の研究会が先ほどの十一月十五日に開催をされたというふうに伺いました。その研究会第一回の内容、概要をお答えください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申します。 御指摘のとおり、十一月十五日に第一回の研究会開催されまして、そこでは、今後取り上げるべき検討課題の確認、また、今後の進め方について主に議論が行われております。 その中で、関心が高いと思われます共同親権の問題につきましても、これが重要な検討課題の一つであることが確認されたものと承知しております。 研究会では、諸外国において親権の概念が様々であるために、検討の前提として、親権にはどのような権利や義務が含まれているのかといった点を整理する必要があるということが確認されるとともに、父母間にDVがある場合等の対応についても検討する必要があるということが確認されたと聞いております。 法務省といたしましては、一般論として、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子供の養育に関わることは子供の利益の観点から非常に重要であると認識しておりまして、引き続き研究会において積極的に議論に参画してまいりたいと思っております。
○安江伸夫君 ありがとうございます。 今般の家族法のこの研究会、本当に子供の将来に関わる重要な論点ばかりであります。子供たちの未来を明るいものにする、そうした方向性を持って、しっかりと国民の皆様にもこうした研究を行っているんだということを広く認識をいただいて、その推移を見守っていただくということも重要であるかと思いましたので、取上げをさせていただいた次第であります。 また、この後、実は同性婚についても取り上げようと思いましたが、ちょっと残りの時間も僅かとなりましたので、若干時間が残っておりますが、私の質疑はこれで終わります。 ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いします。 まず、公証人の問題についてからお聞きをしたいと思いますが、先般も一部お聞きをしました。ちょっと時間の関係で十分なお答えをいただけなかったので、確認も含めてお聞きをしたいと思いますが。 先般も申し上げましたように、国のいわゆる公務であるこの公証事務、これを担うのが公証人でありますが、実質的な公務員ということでございまして、法務大臣が任命するということになっております。この公証事務の中には、強い証明力と執行力を持つ公正証書なども含まれるわけで、大変我々の生活や経済活動にも大きな影響を与えるもので、これのミスということになれば効力を発揮しないということになるわけでございます。 それで、先般も申し上げたとおり、地方法務局では年に一回、この公証役場に立入検査をしております。そして、その結果はまとめているわけですけれども、かつては、これは開示をされていたというか、されたときもあったと言った方が正しいのかもしれませんが、二〇〇三年には開示をされました。 大変驚くことに、ミスが多いということが判明をしたわけですが、しかし、その後は開示されなくなっているということでございますが、まず、この開示されなくなった理由は一体どういうところにあったのか、このことからお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、公証人の監督事務は全国の法務局で行っているところ、公証人法等の規定に基づきまして、少なくとも年に一回、全ての公証人について、管轄法務局の職員を公証人の役場に派遣し、公証人が適正に事務を処理しているかを調査、監督しております。そして、職務上の過誤があることがうかがわれるときは、法務局長は、公証人に対して必要な確認及び是正措置を指示するなどのことをしております。 そこで、公証役場の調査の結果を記載した報告書のうち、指摘事項等が記載されている部分につきましては、委員御指摘のとおり、過去に情報公開請求に応じて開示されたことがあることは承知しております。 しかし、平成二十六年度の情報公開・個人情報保護審査会の答申におきまして、そういった部分を開示することが公証人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるなどとして不開示とすることが妥当であるという判断が示されたところでございます。したがいまして、それ以後は、この審査会の判断にのっとりまして不開示としているところでございます。
○柴田巧君 しかし、先ほど申し上げましたように、大変強い証明力、強制力を持つ公正証書等を含んでいるわけですね。やはりこういうものは基本的に開示されてしかるべきではないかと思いますし、二〇〇三年にはそうやって実際開示をしたこともあったわけですね。 この公証人をめぐって感じますのは、大変ブラックボックス化しているというか聖域化しているというところが多々見られるわけで、これでは非常に公証人制度そのもの、公証制度そのものの信頼が揺らいでしまいかねないのではないかと懸念をするところであって、これはやはり本来公開されてしかるべき趣旨のものではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 民事局長から答弁があったとおり、情報公開・個人情報保護審査会の答申において、指摘事項等が記載された部分を開示することが公証人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるなどとして不開示とすることが妥当であるとの判断が示されました。 その上で、法務局における公証役場の調査は、公証人法等の規定に基づき、公証人が保存する書類を調査するとともに、執務の状況を調査し、公証人に対して必要な確認及び是正措置を指示しているのであって、これにより公証事務の適正かつ確実な実施を確保するという目的は達せられているものと認識をしております。 法務省としては、適正な公証事務が行われるよう、今後とも公証人に対し厳正な指導監督に努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 重ねてですが、本当にこの公開をしなくていいと大臣はお考えでしょうか。やはり、先ほど申し上げたように、大変強制力というか、証明力、強制力、執行力を持つものを含んでいるわけで、競争上の云々というお話も、御答弁もございましたが、これはもっとオープンにあってしかるべきだと思いますが、どうしても駄目だとお考えか、もう一回お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 繰り返しになりますけれども、情報公開・個人情報保護審査会の答申で不開示ということが妥当との判断が示されておりますし、その上で申し上げますと、公証役場の調査をしっかり行っているということで目的は達せられているものと認識しております。 今後とも、厳正な指導監督に努めてまいります。
○柴田巧君 なかなか前向きな答弁はいただけないようですが、また、この公証人をめぐっては、ちょっと理解に苦しむというか、先ほど申し上げましたように、実質的に公務員なわけですが、公証人は、公務員の場合は懲戒処分に遭ったら公開される場合もあるわけですが、公証人の場合はそれはないし、また、同じ法務大臣が懲戒権を持つ司法書士の場合は懲戒処分が行われれば遅滞なく官報で公告すると定められていますが、これも公証人についてはないわけですね。 繰り返しになりますが、この公証人のやる業務の内容というのは、大変我々に、非常に、何といいますか、影響力を与えるものですから、またその中身等々は本来は知らされてオープンにされてしかるべきだと思いますし、いろんな懲戒処分などが出れば、やはりそれは明らかにされてしかるべきだと思いますが、そういう意味で、公証人の懲戒処分の公表規定というものをやっぱり設けるべきではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 公証人法上、公証人に対して懲戒処分を行った場合に公表する定めはございません。 公証人は、国家公務員法の公務員ではございませんが、公証人法の規定により法務大臣に任命され、国の公務である公証作用をつかさどる者でございますので、国家公務員の懲戒処分の公表指針を参考としつつ、事案に応じて今後とも適切に判断してまいりたいと思います。
○柴田巧君 ちょっと確認ですが、適切に判断するということには、その公表をするというところは含まれていないということですね。
○政府参考人(小出邦夫君) 補充してお答えさせていただきます。 国家公務員の懲戒処分の公表指針を参考としつつ、事案に応じて公表の取扱いを判断するものと承知しておりまして、国家公務員法上の公務員の懲戒処分が公表されるべき場合については、それを参考といたしまして公証人についても公表の取扱いを判断してまいりたいというふうに考えております。
○柴田巧君 ということは、公表することもあり得るというふうに理解していいということだと思います。 先ほど申し上げていますように、そういう懲戒処分等に値する人、また、事案に応じては知らされて、明らかにされてしかるべきものはやっぱりそうしていくべきだと改めて申し上げたいと思います。 この公証人については、そもそも一つ大きな問題は、この委員会でもしばしば取り上げられてきたように、大半が元検察官あるいは裁判官だということですね。本来ならば、公証人は登用試験で任用され、研修を受けて就くというのは法律で定まっているわけですけれども、実際は今申し上げたようなのが現実でございます。 したがって、政府の規制改革委員会などでも批判があって、任命の公平性や透明性を高めるために、二〇〇二年からでしょうか、民間への開放を促す目的で司法書士らも対象とする公募制度が導入をされてきたのはよく知られているところですが、実際は、これまでに司法書士でなられた四人、数人程度とお聞きをしておりますし、今、現時点でも四百九十七人いらっしゃって、このデータが間違いなければですが、検察OBが百九十九名、元裁判官が百四十名、元地方法務局長や裁判官職員出身が百五十五名というような、ほぼ一〇〇%近い人たちが先ほど申し上げたところの出身だということでございます。 やはりこれは大変公募制からかなり逸脱した実態になっているのはもう間違いないわけで、これまでも法務省や歴代の法務大臣も何度も弁護士会や司法書士側に働きかけをすると答弁はしてこられましたが、実際はそうなっていない、結果は出ていないということでございます。 やはり、この公証人制度、公証制度というのは、大変、先ほどから申し上げております、我々の生活にとって大変重要なものです。ここに、そういう公証人を担う人たちが、何だか御褒美的に第二の人生として与えられるということをいつまでも続けていくのはやっぱりよろしくないと思いますし、公募制を取ってきたわけですから、やはりその趣旨に合ったものにしていくというのが本来あるべき姿だと思っております。 そこで、何度も弁護士会や司法書士会に働きかけるという答弁でございましたが、民間からの積極的任命に向けて取組を強化すべきではないかと思いますが、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 法務省としては、これまでも弁護士や司法書士等の民間法律実務家からの応募を推進するために、公証人の任用のための公募に当たっては、官報に掲載し、法務局の掲示板に掲示することのほか、他の法務省関係の採用や試験と同様に、法務省ホームページの資格・採用情報に公証人関係の公募情報をまとめて公開してアクセスできるようにするとともに、トップページの試験関係のお知らせに公募情報を公開するなど、周知に努めてまいりました。また、昨年の公募から願書の受付期間を延長して、応募を推進する取組を進めております。 また、法務省としては、民間からの応募についての環境づくりを進めるために、このような公募制度の周知のほか、実施した試験の概要の公開等の措置を行っているところでございますが、引き続き、委員の御指摘もありますし、民間からの応募について強化をする環境整備を行ってまいりたいと思います。
○柴田巧君 いろいろ御努力いただいていることには一定の評価もしたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、大変、公証人をめぐっては、あるいはその制度をめぐっては、大変いろんな問題をはらんでいると思っております。どうしても、年齢構成的にも高齢の人が多くなってしまう。したがって、いろんなミスも起きてくるということだと思いますし、やはりこの継続的な研修体制とか養成教育というか、そういったものを、本来もっともっとあるべきなんだろうと思いますので、そんなことを含めてこの公証人制度をしっかりしたものにしていただきたいと思いますし、またこれから折に触れて取り上げていきたいと思います。 次に、司法外交の推進ということで残りの時間お聞きをしたいと思いますが、先般からこの法制度整備支援のことについてお尋ねをしてきております。 司法外交の柱として、二十五年の節目を今年は迎えて、更にこれから対象国のニーズをしっかり踏まえながらやっていかなきゃならぬということでございますが、これをスムーズに進めていくために、あるいは加速をするというか相乗効果を上げていくためには、一つは、在外公館にこの法的な素養を持ついわゆる法務アタッシェを置いて、そこに他機関の連携のプラットフォームにしていくというのが大変意味あることではないかと思っております。 そうすることによって、大使館のネットワークを上手に利用してこの対象国のニーズや法的問題をより的確にタイムリーに把握することも可能になってくると思いますし、対象国に派遣されているこのJICAの専門官や関係機関と有機的に連携が可能になって相乗効果を上げていく、法制度整備支援をより加速していくことが可能ではないかと思っておりますが、既に法務アタッシェを置いているところもあるやに聞いてはおりますが、これやっぱり外務省とのいろんな連携も必要なのかもしれませんが、積極的に法務アタッシェを在外公館に置いて法制度整備支援の効果をよりいいものに、相乗的なものにしていくべきだと思いますが、今後どう取り組むか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおりでございまして、法制度整備支援をより効果的に推進していく上で、支援対象国の関係機関と我が国の法務省、外務省、独立行政法人国際協力機構、JICAとの連携が必要であります。そのほか、国際機関等の他ドナー、支援機関、支援国との協調も重要でございます。 こうした連携、協調を更に強化していくために在外公館が関与していくことが重要であると認識しておりますので、近年では、平成三十年から在ミャンマー日本国大使館で、本年からASEAN日本政府代表部で、それぞれ法務アタッシェが勤務を始めているところでございます。 在外公館への法務アタッシェの派遣については、委員の御指摘も踏まえまして、引き続き、外務省と連携しながら積極的に検討を進めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非よろしくお願いをしたいと思います。 それから、この法制度整備支援に関連してもう一つお聞きをしたいのは、先般も申し上げましたように、非常にこれから対象国の水準も上がってきますし、ニーズも多様化、複雑化しておりますから、法務省自体の能力の向上に努めるということ、それから、これまで以上に内外の関係機関と連携を強化をしていくということは言うまでもないと思いますが、これからは、これまでと違ったフェーズのものを求められるというか、局面に入っていくのではないかと思っていまして、今まではいわゆる、簡単に言えば法分野別に支援をしてきたわけです。刑法なら刑法、民法なら民法という具合にやってきたというか、法務省的にはそっちの方がやりやすいという面があったのも事実だろうと思いますが、これからは、この分野横断的な、複合的な支援が求められるというか、より高度なというか、今までにないものが求められてくる時代になるのではないかと思っております。 例えば、この子供をめぐっても、子供に対する暴力もあれば、貧困もあるし、あるいは売春といったようなものもあるかもしれませんが、このいわゆる広い意味で子供の保護という目標の下には、これは法律だけではなかなかそれが実現できないわけで、警察やら福祉やら教育やら保健などとの、まあ有機的に結び付いていかなきゃなりません。 したがって、こういう分野横断的な、複合的な支援がこれから必要になってくると思いますが、こういったことも念頭にどのような取組をしていくおつもりなのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 分野横断的な取組ということでございますが、御指摘のとおりだと思います。相手国のニーズも多様化しておりますし、分野横断的、複合的な法制度整備支援も行うことが必要になっていると思います。 例えば、インドネシアから、知的財産権の保護のように刑事法、民事法など複数の法分野にまたがった支援が求められ、隣接分野の専門機関、専門家等と連携した支援が必要となりました。そこで、法務省は、特許庁や最高裁判所だけでなく、実務家、学識経験者等とも連携しながら支援を行っているところでございます。 また、委員御指摘のとおり、人身取引や女性、児童に対する暴力の撲滅なども分野横断的、複合的な支援を要する課題であると思います。 そこで、法務省では、これらの課題に対処するため、国連アジア極東犯罪防止研修所、通称アジ研において、心理学の専門家などの協力も得ながら、アジア、アフリカ諸国等を対象とした研修を実施しているところでございます。 今後も、法務省においては、多様化する相手国及び国際社会のニーズを踏まえて、隣接分野での専門機関、専門家が共に活動できるような分野横断的、複合的な支援を行ってまいりたいと思います。
○柴田巧君 ありがとうございます。 対象国の本当にニーズもこれまでにないものが出てくると思いますので、今大臣おっしゃったように、この分野横断的に複合的な支援ができる体制をしっかり構築をしていっていただきたいと思います。 次に、国際仲裁についてお尋ねをしたいと思いますが、御存じのように、この国際仲裁、企業間における国際紛争の解決のための必要不可欠な司法インフラの一つであります。 今や、日本企業の多くも、海外の会社と契約をする際に、この仲裁のことについて決められたいろんな事項を盛り込むということになって紛争に備えているというのが実態かなと思っております。そういう中、海外では、官民一体となって国際仲裁の活性化に取り組んで、高まるこの国際仲裁の需要、ニーズに応えるべく、いろんな努力をしているわけでございます。 しかし、残念ながら我が国は、この国際仲裁を活用するというか、活性化に向けた基盤整備がこれまで十分じゃなかったというのは否めないと思っていまして、諸外国から大変後れを取っているというのが実際のところだと思っております。 欧米、イギリスとかアメリカとかフランスとか、こういったところにはなかなか遠く及ばないのが実際のところですが、同じアジアの中でも、シンガポールはかなり、我々のそれこそ十倍以上の件数を扱っていますし、香港や韓国などもどんどん日本よりも前に進んでいるというのがよく知られているところでございます。 やはり、この仲裁手続の円滑な進行を積極的に支援する体制を整えているんだと、整えていくんだと、日本は、このことをやはりしっかりと発信もして、この基盤を充実させていかなければならないと思っております。 そういう意味でも、海外から信頼される魅力のある環境をこの国際仲裁においても整えていくというのは大事で、特に人の面が何といっても一番肝要なんだろうと思います。 高い交渉力やビジネス知識や語学力が必要になってくるわけで、一朝一夕になかなかこれは人材は育つというか確保できるというものではないかもしれませんが、この国際仲裁の活性化を目指していく上で一番のポイントはこの人の面だと思っておりますが、この人材の確保、育成にどのように取り組むのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 司法外交の柱の一つである我が国における国際仲裁の活性化のために、国際仲裁に精通した人材の育成が必要であるという委員の御指摘のとおりだと思います。そのため、本年度から開催した調査委託業務において、国内外の関係機関と協力し、人材育成に向けたシンポジウムや仲裁手続に関する実質的なセミナー等を積極的に展開をしております。また、同業務の一環として、海外の著名な仲裁機関に一定期間我が国の人材を派遣しまして、国際仲裁分野の先端的な知識等を身に付けていただくことも検討をしているところでございます。 今後とも、関係機関と連携し、国際仲裁人材の育成に向けた取組を力強く進めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非、そこが一番の肝の部分だと思いますので、力を是非入れていただきたいと思います。 あわせて、人材面に次いで大事なのは、施設の充実をどう図るかということだと思います。シンガポールが大きく躍進したのは、英語が通じるということだけではなくて、二〇〇九年に専用の施設を整備したということが大変大きな躍進のきっかけになったと言われております。 東京でも近いうちに、今答弁の中にあるかもしれませんが、専用施設の確保、提供が始まると聞いておりますが、廉価で充実した仲裁専門の審問施設が存在しなければ、この審問場所として日本が選ばれることはないわけで、そういう意味でもこの施設面の整備にしっかりと取り組んでいく必要があると思いますが、大臣に、これは大臣じゃありませんが、当局にお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の点につきましては、先ほど大臣の答弁にもございました調査委託業務、その一環といたしまして東京都心に先端的な仲裁専用施設を確保し、実際の仲裁審問手続等を取り扱うこととしておりまして、令和二年三月に同施設の利用が開始される予定となってございます。 また、今後確保する仲裁専用施設の利用促進のためには、価格競争力、これが一つの重要な要素であると認識しておりまして、調査委託業務の受託者であります一般社団法人日本国際紛争解決センター、ここにおきまして海外における施設利用料等を踏まえた価格設定等を検討しているものと承知しております。 法務省といたしましては、同施設を積極的に御利用いただくための広報活動を含め、今後とも必要な基盤整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○柴田巧君 時間が来ましたのでこれで質問を終わりますが、国際仲裁、大変日本は遅れてきていると心配をしておりますので、これから挽回できるように、また、世界の中で選ばれていくように是非頑張っていただきたいということを申し上げて、終わります。
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、岩本剛人君が委員を辞任され、その補欠として三浦靖君が選任されました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 冤罪、再審をテーマに質問をいたします。 確定判決で有罪とされた事件に再審、裁判のやり直しの請求がされ、再審開始決定を経て再審無罪が確定するという事件が相次いでおります。二〇一〇年の足利事件、一一年の布川事件、一二年の東電女性社員殺害事件、一六年の東住吉事件、そして今年三月の松橋事件などと続いております。しかし、例えば松橋事件の宮田浩喜さんは、雪冤を果たすのに三十四年掛かりました。多くの事件で同じ傾向にあります。 大臣に伺いますが、無実の罪であるにもかかわらず、再審で無罪判決を得るのにこれだけ時間が掛かるというのは、大臣、なぜだとお考えですか。
○国務大臣(森まさこ君) 山添委員にお答え申し上げます。 当然のことながら、犯罪を犯していない方、犯人でない方を処罰をすることはあってはならないことだと思っております。個別の事件についてはなかなか法務大臣として所感を述べることはできないんですけれども、具体的事件において無罪判決が言い渡される理由は様々でございまして、今後、再審制度について、確定判決の存在を前提として、主として事実認定の不当を是正し、有罪の言渡しを受けた者を救済するための非常救済手続でありますので、その在り方について様々な御意見があるところではございますが、その在り方について様々な角度から慎重に検討をしてまいりたいと思います。
○山添拓君 全然お答えいただいていないんですけれども、今既に起こっている事件で、無罪判決、再審無罪を得るためにこれだけ時間が掛かっていると、その理由を、理由についての所感を伺ったのでありまして、個別の事件、それはまあ個別の事件はいろいろ傾向、それぞれの事情がありますけれども、どの事件も押しなべて長期間掛かっております。これはやっぱり、そもそも捜査の問題点があることに加えて、再審が極めて高いハードルが課されている、この点に背景があると思います。 資料をお配りしておりますが、布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さんが国家賠償を求めていた事件で、今年五月二十七日、東京地裁が国と茨城県に賠償を命じる判決を下しました。判決は、警察官が取調べにおいて偽計を使っていたと、こういう行為や、あるいは公判で故意に虚偽証言を行った、こういうことについて違法性を認めました。 さらに、検察官の証拠開示義務についてはどのように判じているでしょうか、最高裁から御紹介ください。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答え申し上げます。 委員からあらかじめ御指摘をいただきました部分につきまして、今御紹介ありました、令和元年五月二十七日の東京地方裁判所の判決の、御指摘いただいた部分を読み上げます。判決書でいいますと百十六ページの七行目から二十二行目まででございます。 刑訴法一条は、この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することを目的とすると規定し、また、検察庁法四条は、検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、以下、中略部分がありますが、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行うと規定しているところであって、検察官は、公益の代表者として、事案の真相を明らかにする職責を負っているものというべきであるから、検察官の手持ち証拠のうち、裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白であるものについては、被告人に有利不利な証拠を問わずに法廷に顕出すべき義務を負うものというべきである。 また、結果に影響を及ぼす可能性が明白であるとまでは言えない場合であったとしても、被告人又は弁護人から、具体的に開示を請求する証拠が特定された証拠開示の申立てがあったような場合には、その重要性の程度、証拠を開示することによって生じる弊害の内容及び程度等に照らし、開示をしない合理的理由がない場合には、検察官は、その証拠の開示義務を負うものというべきである。
○山添拓君 検察官の証拠開示義務を明言いたしまして、目撃証言やアリバイに関する証言が記された証拠を開示しなかったのは違法だと断じたものであります。これは異例のことだと思います。この違法行為がなければ、遅くとも第二審の判決で無罪が宣告をされ、釈放されていた可能性が高いと、この判決は言っております。 布川事件の東京高裁判決というのは一九七三年です。仮釈放は九六年、実に二十三年間の違法、不当な拘束だったのではないかと、こういう判決なんですね。 そこで大臣に伺いますが、判決で捜査や公判の各段階における違法性が認定されております。特に、検察官が証拠開示を拒否した違法性が認められております。このことについて、大臣、どのような認識ですか。
○国務大臣(森まさこ君) お尋ねについては、現在係属中の訴訟でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○山添拓君 私は、まだ争うのかと言いたいんですよね。事件から半世紀ですよ。桜井さん、そしてもう一人の被告人だった、亡くなられた杉山さん、この二人の人生を奪った捜査や公判の在り方について、本当に真摯な反省を行っているのかということを疑いたくなる思いです。こうした反省がない捜査機関の下で冤罪が再生産をされてきました。 資料の二ページを御覧ください。 滋賀県の湖東記念病院事件は、当時七十二歳の男性患者の死亡をめぐって、元看護助手の西山美香さんが二〇〇四年に殺人容疑で逮捕された事件です。捜査段階で人工呼吸器を外したなどと自白をさせられましたが、これは担当刑事の誘導や、好きになってしまった刑事に迎合した虚偽の自白だったとして、公判で無罪を主張いたしました。しかし、二〇〇七年に最高裁で懲役十二年の判決が確定し、受刑をしました。大阪高裁が二〇一七年十二月二十日、再審開始を決定しました。そして、今年三月十八日、検察側の特別抗告を最高裁が棄却して再審開始が確定しました。 最高裁に伺います。大阪高裁の再審開始決定は何を理由とするものでありましたか。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答えいたします。 御指摘の大阪高裁、平成二十九年十二月二十日決定の決定書につきまして、委員からあらかじめ御指摘もありました三十七ページ五行目から十六行目までの部分、こちらを読み上げます。 弁護人提出の前記新証拠により、Tの死因が酸素供給途絶にあるとする確定判決が依拠した西鑑定等の証明力は減殺され、Tが自然死した合理的な疑いが生じたというべきである。原決定は、西鑑定等の証明力の程度に関する判断を誤り、その結果、新証拠等の証明力の評価を誤って事実を誤認したものと言わざるを得ない。弁護人が原審に提出した新証拠のうち死因(致死的不整脈)に関する前記証拠に明白性を認めなかった原決定の判断を是認することはできない。 そして、当審に提出された証拠も併せて検討すると、請求人が本件の犯人であると認めるには合理的な疑いが残っていると言わざるを得ない。結局、本件は刑訴法四百三十五条六号の、無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したときに該当すると言える。 以上でございます。
○山添拓君 殺人で逮捕され、起訴され、有罪が確定したわけですが、自然死だったという合理的な疑いが生じたとして、併せてこの西山さんの自白の信用性に疑問ありとした決定であります。 私は先日、西山さんと、弁護団長の井戸謙一さんに話を聞いてきました。この事件、当初は業務上過失致死で捜査がされておりました。人工呼吸器のチューブが外れていたのかどうか、それによりアラームが鳴っていたのかどうか、また、アラームが鳴らないようにする消音機能を西山さんが知っていたのかどうか、こうした重要な事実について、西山さんの供述というのはもう大きく変遷しているんですね。何度も調書が取られております。 こういう中で自白がなされて、これを契機に捜査方針が大転換をして、殺人容疑へと一気に切り替えられていったわけです。そして、警察が描いたストーリーに合わせて、西山さんの自白内容は次々と変わります。それだけでも自白の信用性というのは疑わしいわけですね。 有罪の証拠というのは西山さんの自白しかありませんでしたが、判決は有罪でした。再審請求が二度にわたって行われましたが、この段階での証拠開示は極めて不十分なものでありました。西山さんが自白に転ずる以前の約一年一か月にわたる捜査で集められた証拠、特に捜査の初期の証拠が、これ全く再審請求審に出されていなかったんですね。 大臣、なぜこういう事態が許されるのでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) お尋ねは、今後再審公判が予定されている個別事件に係る事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
○山添拓君 では、一般論で結構です。一般論で結構ですが、再審請求審で検察が手持ち証拠を開示するというルールはないんですか。
○政府参考人(小山太士君) 済みません、技術的なところだと思いますので、当局の方からお答えを申し上げます。 再審請求審につきましては、具体的な法律上の規定に基づく、証拠開示のルールが明示的に規定されているところではございません。
○山添拓君 要するに、ないんですよ。ないからこういう事態が起こっているわけですね。 最高裁が棄却をした後、大臣が今おっしゃったように、再審公判の手続が始まりました。検察官は当初、新たな有罪立証を行っていくと主張しておりました。ところが、今年の九月、突如として新たな有罪立証をしないと態度を変えました。 資料の三枚目を御覧ください。 七月に開示された証拠の中に、西山さんが逮捕される前の二〇〇四年三月に作成された鑑定医の所見が記された捜査報告書がありました。ここには、管内でのたんの詰まりにより、酸素供給低下状態で心臓停止したことも十分に考えられる、こうありました。つまり、殺人ではなく自然死の可能性を示す証拠が警察の元にあったということが分かったわけです。 これ、滋賀県警から検察に送られていない、確定審でも再審請求審でも明らかになっていなかった証拠だというんですね。警察から検察に証拠が送られていなかったのは百十七点あり、そのうち五十九点はいまだに開示されていないということでありました。 警察庁に伺いますが、刑訴法二百四十六条は、警察は書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならないとしています。無罪の可能性を示すような重要な証拠について、検察に送らなくてもよい、そういうルールに警察はしているんですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えを申し上げます。 警察におきましては、捜査の結果、作成された書類や得られた証拠物は検察官に送致をすることとしております。 なお、どのような書類がどのように送られるか、どのような時期に送致されるかについては、個別具体的な事案ごとに異なるため、一概にお答えすることは困難でございます。
○山添拓君 いや、重要な証拠ですよ。殺人で起訴をしようとしているときに、自然死の可能性があるという証拠を送らなかった、こんなことを行っているんですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) 重要な証拠というお尋ねでございますけれども、どのような書類あるいは証拠をどのように送致するか、個別具体的な事案ごとに異なるということですから、一概にお答えすることは困難でございます。
○山添拓君 驚くべき答弁だと思うんですね。警察は、検察が起訴するのかどうか、その判断に資するだけの十分な書類を、証拠を送らなければなりません。ところが、有罪立証とは正反対の自然死を疑わせるような書類について、個別の事案によって、つまり、この事件で送らなくていいということをおっしゃったことになるんですよ。それで本当にいいんですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) 警察では、犯罪事実の有無や事案の解明に関連する証拠につきまして、御指摘の刑訴法第二百四十六条の趣旨に従い、検察官に送致をしております。
○山添拓君 犯罪事実の有無に関する証拠を送っていなかったということが判明しているわけですから、十分これは検証しなければならない事実だと思うんですね。再審どころか、起訴する前提すら欠いていたのではないかという問題であります。自白偏重の捜査がこの背景にあると思います。 この西山さんは、軽度の発達障害と診断をされ、相手に迎合する傾向があると、捜査官が思いどおりの供述をさせやすい供述弱者と言われています。西山さんは刑事に好意を抱いていました。逮捕前の二か月に二十三回の取調べを受けていますが、このうち七回は、西山さんが刑事に会いたくて、呼出しがないのに警察署に出向いて、行ったものでした。 こうした供述弱者に対する取調べについて、警察は何らかの配慮を行っているんですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) まず、特定の方がということですが、本件については再審公判を控えている事案でございますので、その件についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。 その上で、お尋ねが供述弱者ということでございますので、一般化して、この特定の事件を離れてお答えを申し上げますが、警察では、犯罪捜査規範等に基づき、被害者の特性に応じた取調べを行うこととしておりまして、知的障害や発達障害などを有する方については、その特性に応じた取調べ方法を用いるなど、供述の任意性、信用性に配意した取調べを行うとともに、その供述を慎重に吟味するなどしております。 また、知的障害や発達障害を含め、精神に障害を有する被疑者を逮捕又は勾留中に取り調べる場合には、必要に応じて取調べの録音、録画をするように取り組んできているところでございます。
○山添拓君 この事件では、少なくとも全然適切な方法は取られていないんですね。 担当刑事は、証人尋問の中で、取調べ中に西山さんが刑事の手をなでるように触れたこと、起訴されると刑事の取調べがなくなるので寂しいと述べていたこと、抱き付かれたことがあったことなどを認めているんですね。自分に好意があるということを知りながら、それを利用して都合の良い供述をさせたというもので、私はこれは悪質だと思います。 この刑事は、さらに、弁護人を信用するなと、不信感も植え付けていました。第一回公判の直前、西山さんが否認する意向であることを聞き出し、これを断念するように説得し、検事宛ての手紙を書かせていました。もしも罪状認否で否認しても、それは本当の私の気持ちではありません、こういうことのないよう強い気持ちを持ちますので、よろしくお願いしますという内容です。 西山さんはこの手紙を記した後、精神的に不安定になり、弁護人は第一回公判で罪状認否を留保しました。拘置所で自殺未遂を図ったともいいます。第二回公判で否認に転じ、以後は否認を続けております。第二回公判で否認をし、以後、否認を続けています。 捜査機関が、被疑者、被告人と弁護士の信頼関係を壊し、無罪主張をさせないよう説得して手紙まで書かせる、警察庁、こういう捜査は許してよいんですか。
○政府参考人(太刀川浩一君) 先ほどと同様の答弁となりますが、特定の、本件に関しては再審公判を控えた事案でございますので、御答弁は差し控えさせていただきます。
○山添拓君 これは弁護人依頼権を実質的に侵害するものであって許されないと指摘をしたいと思います。 湖東病院事件を含めて、再審事件で必ず問題となるのが先ほど触れました証拠開示です。刑訴法上、再審請求における証拠開示手続についての定めはありません。請求人や弁護人から証拠開示が求められた場合、裁判所は何もしないというケースもあれば、証拠リストの開示要請、証拠開示の勧告、証拠開示命令など、様々な判断を行っていますが、統一的なルールに基づく運用とはなっておりません。ですから、各裁判体の裁量に委ねられていると。 最高裁、これは間違いないですか。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答え申し上げます。 突然の御質問でございますが、個々の事例についての判断については個々の裁判体が行っているということでございまして、事案の内容に応じた判断をしていると、そのように認識しておるところでございます。
○山添拓君 要するに、個々の事案に応じて個々の裁判体が事案の内容に応じてやっていると。これも適切にやっている前提だと思うんですが、しかし、適切になされていないからこそ、湖東病院事件のように、再審公判に至って初めて無罪の証拠となり得る書類が出てきたりするわけです。 通常の刑事裁判では証拠開示のルールがあります。その大本にあるのは、憲法三十一条の適正手続の保障であります。冤罪被害の救済のための再審では、なおさらその要請は強いというべきだと思います。 捜査機関の下にある全ての証拠について一覧表を作成し、証拠を閲覧、謄写する機会が与えられるべきだというのはこれ当然のことじゃないかと思うんですけれども、法務大臣、いかがですか。
○大臣政務官(宮崎政久君) ちょっと少し先に整理をして申し上げますけれども、今委員から通常審と再審の構造などにも触れていただきましたが、やはり、通常審は当事者主義的な構造を持っております。当事者である検察官、被告人、弁護人の主張、立証に基づいて裁判所が検察官による立証の成否を判断するという構造であるのに対して、再審請求審というのは裁判所が職権で必要な審理を行って再審開始事由の存否を判断するという、訴訟構造が大きく違うという点もございます。 通常審における証拠開示制度を転用することについては、やはりこれ慎重な判断が必要だというふうなところは先ほど大臣も少しく答弁をさせていただいたところでございます。
○山添拓君 二〇一六年の刑訴法改正の際に、その附則第九条三項において、政府は、この法律の公布後、必要に応じ、速やかに、再審請求審における証拠の開示等について検討を行うものとする、こういった規定が記されております。 これに基づいて何らかの検討を行っているんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘の平成二十八年の改正附則九条三項において検討が求められている事項については、平成二十九年三月から、最高裁判所、法務省、日本弁護士連合会、警察庁の担当者で構成する刑事手続に関する協議会を設けて協議、意見交換を行ってきているところでございます。
○山添拓君 その協議会、実は議事録すら開示されておりません。 大臣、伺いますけど、テーマは何ですか。再審請求審での証拠開示について議論されましたか。
○国務大臣(森まさこ君) 再審請求審における証拠開示制度を設けることにつきましては、法制審議会の新世代の刑事司法制度特別部会において議論をされておりますが、そちらでは再審請求審における証拠開示について、一般的なルールを設けることが困難であること、また、手続構造の異なる再審請求審において通常審の証拠開示制度を転用することは整合しないといった問題点が指摘をされたところでございます。 そのため、今ほどお答えを申し上げました刑事手続に関する協議会におけるやり取りにつきましては、再審請求審における証拠開示についてでございますけれども、これまで複数の幹事会で協議テーマとされているところでございます。
○山添拓君 では、議事録を出してください。
○政府参考人(小山太士君) この今お答えを申し上げております刑事手続に関する協議会でございますが、これは最高裁判所、法務省、日本弁護士連合会、警察庁の担当者で構成するものでございまして、そこでは、闊達な意見交換、自由な意見交換がなされるという前提でございまして、構成員の総意として非公開で行い、具体的な協議の内容は対外的に明らかにしないこととしておりまして、その内容をつまびらかに御紹介することは困難であることを御承知いただきたいと思います。
○山添拓君 これはおかしいと思うんですね。 だって、皆さん、国会が決めたことですよ。皆さん方も当時いらした方もおられるでしょう。二〇一六年の改正の衆議院の審議で修正して盛り込まれた九条三項です。国会の意思として、再審請求審における証拠開示について検討を行うよう求めたものなんですよ。にもかかわらず、協議会が開かれたのかどうか、何回開かれたのか、そういったことすら明らかにされない。勝手に秘密にするということを決めてしまったような御答弁でありました。これは国会軽視とすら言えると思うんですよ。 協議会のメンバー、開催日時、議題及び議事録など、資料をこの委員会に提出すべきだと思います。委員長、お取り計らいください。
○委員長(竹谷とし子君) 後刻理事会で協議します。 山添拓君、お時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○山添拓君 時間が来ましたので、今日の質問はここまでとさせていただきますけれども、これ、今大問題になっている再審の問題です。直ちに議論を始めて再審法の抜本的な改正に進むべきだということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。 前回、民法上の氏の問題、そして通称使用の問題、少し御答弁いただきましたので、その件に関してコメントを含めておきたいと思います。 民法上の氏と通称使用との関係で質問したのは、民法上の氏が公にされる、公に使われることがなくなったり、ダブルネームの使い分けやその管理の面で、個人もどちらを使うのか、あるいは企業もこの届出のときにはどちらを使うのか、こういったような負担を掛けてしまうと。夫婦別姓を認めない合理的な理由が見出せないからということになるわけですね。 これまで多くの議員が選択的夫婦別姓を求めて質問してきましたが、政府の答弁は論点外しというか、木で鼻をくくったような答弁だと言われても仕方がないんじゃないかと。ただ、選択的夫婦別姓にしてほしいという切実な声であると、その声には様々な意見があるとして、聞き入れない態度というのがちょっと見られるんじゃないかということですね。旧姓の通称使用で、これで不便があるという人に対して、旧姓の広がりでとにかく一定程度は緩和されるということから問題がないということではいけないんじゃないかと。救済を求める個別の声に一般論で突き放すという、こういった形のものはいかがなものかというふうに感じました。やはり、例えば車椅子の方が道が通れないからこの道を広くしてほしいというようなときに、多くの人々は余り問題ないから別に広げる必要はないと言っているような形になるのかというような気もします。 少数者の権利というのは多数決原理を取っている国会ではなかなか守られにくいですけれども、少数者の権利も憲法で保障されています。憲法で守られた個人の尊厳を保障するのは、また裁判所の役割でもあります。なかなかこのことを実感できないでこの夫婦別姓を求めている原告らはいると思います。そういった意味では、憲法の中で、個人としては平等権という形で行政に対して持っているわけですけれども、国に対して、それに対して、逆に国の方は平等に取り扱わないといけないというのがありますので、別姓を使いたいという人と、それから、いやいや、私たちは別姓ではありませんという人も、両方にどちらも害がないように、不利益がないように扱うべき義務を負っていると思います。そういうことを一つコメントしたいと思いますが。 質問の方は、女性差別撤廃条約、関連はしていますが、選択議定書についてお伺いをしたいと思います。 今年は、一九七九年十二月に国連総会で女性差別撤廃条約が採択されてから四十年、そして、一九九九年十月に女性差別撤廃委員会への個人通報や調査制度を定めた選択議定書が採択されて二十年の節目になりました。日本は、一九八〇年にこの条約に署名しました。そして、八五年に国会承認を経て七十二番目の加盟国となりましたが、この選択議定書については現在まで批准していません。 そこで、外務省にお伺いします。 女性差別撤廃条約加盟国、それから選択議定書批准国の数、さらに、OECD加盟国三十六か国のうち米国を除いて、米国の方は加盟していませんので、それ以外でOECDの加盟国のうち選択議定書を批准していない国があるかどうか、それをそれぞれお示しください。お願いします。
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。 国連の関連ホームページによれば、十一月二十五日、本年、時点における女子差別撤廃条約の締約国数は百八十九か国、選択議定書の締約国数は百十三か国となっております。また、OECD加盟国のうち、条約本体を締結していない米国以外で選択議定書を締結していない国は、我が国、チリ、イスラエル、エストニア及びラトビアの計五か国であります。
○高良鉄美君 批准していない国がOECD加盟国では五か国ということですけれども、条約全体においても、百八十九か国の加盟と百十三か国という、その議定書の間に差がありますが、この批准していない理由というのは何なんでしょうか、特に我が国の場合ですね。
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。 女子差別撤廃条約選択議定書には個人通報制度が規定されております。この制度は、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度です。他方、女子差別撤廃委員会から、例えば国内の確定判決とは異なる内容の見解、通報者に対する損害賠償や補償を要求する、要請する見解、法改正を求める見解等が出された場合に我が国の司法制度や立法制度との関係でどのように対応するか、他国に関する通報事例等も踏まえつつ検討する必要があると認識しております。
○高良鉄美君 そういう意味で、今理由がありましたけれども、日本は、一九八五年にこの女性差別撤廃条約を批准してから現在まで、この女性差別撤廃委員会に途切れることなく委員を送り出して、林陽子さんは委員長も務められました。そして、例えば国連機関ですけれども、第八代の国連難民高等弁務官、この間お亡くなりになりましたが、緒方貞子さん、あるいは第二十二代の国際司法裁判所裁判官の小和田恆さんなどを始め、国連機関に多くの委員を出しております。 この国連あるいは国際機関において多大な貢献をしている我が国ですけれども、それゆえに、日本の人権保障や差別撤廃の取組というのは今国際社会から注目されていると。選択議定書批准というのは、人権の問題あるいは民主主義の問題、法の支配の問題、平和構築の分野で更なる貢献を行うために、そういうための基盤だと思うんですね。 外務省は、民主主義、平和、自由、人権、法の支配、市場経済という普遍的価値に基づく外交を推進してきたと承知しております。 今月七日の大臣所信で森法務大臣は、京都コングレスにおいて、法の支配や基本的人権の尊重といった基本的価値を国際社会において確立させるべく指導力を発揮しますと、こう述べられました。 選択議定書を批准するための新たな法整備は実は不要なんです。これで別の法整備をする必要はありません。国会が承認すれば批准が可能なんです。女性差別撤廃委員会から選択議定書批准を求める勧告も繰り返し出されております。我が国の国際人権保障やジェンダー平等、この取組の姿勢を国際社会に示すというチャンスでもありますし、来年に向けた今後の取組について、外務省の政府参考人と法務大臣にそれぞれお伺いしたいと思います。
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。 政府といたしましては、これまで二十回にわたり個人通報制度関係省庁研究会を開催するとともに、諸外国における個人通報制度の導入前の準備や運用の実態等について調査等を行ってきております。 こうした諸外国の事情に加え、各方面から寄せられつつ、意見等も踏まえつつ、個人通報制度の受入れの是非について引き続き政府として真剣に検討してまいります。
○国務大臣(森まさこ君) お答えいたします。 個人通報制度は、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から、注目すべき制度だと思います。個人通報制度の受入れについては、条約の締結を所掌する外務省において所要の検討が行われているものと承知をしておりますので、個人通報制度の受入れについて今外務省の事務方から答弁があったとおりでございますので、法務省としては、外務省の検討に必要な協力を引き続き行ってまいりたいと思います。
○高良鉄美君 是非検討を進めていただきたいと思いますが、要するに、今のような理由もあるんですが、それ以上に、国際社会からの視点で、人権の問題である、あるいは基本的価値の問題であるということを考えると、指導力を是非発揮していただいて、もうそうでなければ、指導的にいろいろ国際社会に法の支配を訴えていくということは難しいんじゃないかと思うんですけれども、是非そういう方向でまた検討を進められていくことを期待したいと思います。 次に、被爆者問題についての取組についてお伺いをしたいと思います。 二十三日に来日されましたバチカンのフランシスコ教皇が、今日までいらっしゃるんでしょうか、被爆地の長崎と広島でスピーチをされ、核兵器廃絶に向けた力強いメッセージを発信されました。被爆地は核兵器が人道的にも環境的にも悲劇的な結末をもたらすことの証人である、そういうこととか、あるいは、大勢の人々が苦しんでいることに無関心でいることは許されない、そういったようなことが多くの人の心に響いたと思います。 被爆国の私たちがやらなければならないことは、核廃絶への取組と核兵器の悲惨さを示す証人でもある被爆者の救済だと思います。残念ながら、広島、長崎で被爆しながら救済を受けられない方はいまだに数多くいます。 そこで、朝鮮被爆者問題についてお伺いします。 広島、長崎で被爆した方の十人に一人が朝鮮半島出身者ですが、このことはほとんど知られていません。祖国解放後に帰国された被爆者は二万三千人とも言われています。日本政府は、韓国の被爆者支援には基金を拠出しています。一方で、国交のない朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮には全く支援をしておりません。しかし、朝鮮被爆者問題の取組に関する経緯を見ると、政府は一定の取組を行ってきています。 お配りした資料で年表のようになっていますけれども、一九九四年の被爆者団体との懇談会から外務省の事務次官が在朝被爆者問題について提起されています。特に小渕政権の九九年からは積極的に取り組まれていたと承知をしております。二〇〇〇年の被爆者実務代表団来日の際には、小渕総理、野中官房長官、訪朝団の団長でもいらした村山元総理がそろって面会し、被爆者問題について懇談されています。二〇〇一年三月には、外務省のアジア大洋州局参事官を団長とする在北朝鮮被爆者実態調査代表団が現地を視察し、報告書がまとめられました。報告の取りまとめに携わった外務省北東アジア課によると、政府内で協議をして支援を考え、基本的には外務省が対応されると伺っています。ところが、その後の取組についてはほとんど公表されていません。 そこで、外務省に朝鮮被爆者問題についてお伺いします。在朝被爆者について把握されている現状と、二〇〇一年の訪朝後の被爆者支援の取組について教えていただけたらと思います。
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。 御指摘の平成十三年三月、在北朝鮮被爆者実態調査代表団が現地を訪問し、当時、北朝鮮に居住されている被爆者は約九百名、平均年齢は六十九歳である等の説明を受けたと承知しております。在外被爆者に対しては、調査を行った平成十三年当時は被爆者援護法が適用されない取扱いでございましたが、その後、累次の改正を経て支援策が講じられてきたと承知しております。 引き続き、関係省庁間で緊密に連携しながら適切に対応する考えでございます。
○高良鉄美君 厚生労働省の政府参考人、何かありますか。よろしくお願いします。
○政府参考人(奈尾基弘君) お答え申し上げます。 御指摘の平成十三年三月の実態調査代表団につきましては、今ほど外務省からお答えしたとおりでございます。 在外被爆者に対しては、調査を行った平成十三年当時は被爆者援護法が適用されない取扱いでございましたけれども、その後、累次の制度改正によりまして、現在は、被爆者援護法に基づき、海外からも最寄りの領事館を経由して手帳申請や各種手当の申請は可能となってございます。また、居住地で医療を受けた場合でも医療費の支給を実施しているところでございます。 北朝鮮につきましては、在外公館などの窓口もございませんので、北朝鮮の在外被爆者に対する支援を実施することは事実上困難ではございますけれども、厚生労働省ホームページでは、在外被爆者向けに多言語による各種申請について御案内しているところでございます。
○高良鉄美君 先ほど平均年齢六十九歳というのが二〇〇一年頃のお話でしたので、現在でいうと十八年たっていますので、平均年齢的にいうと八十七歳ということになるんでしょうか。そういった意味で、被爆者が生存されているうちに救済する必要があるんじゃないかと思います。 在北朝鮮被爆者実態調査代表団の一員として参加された広島原爆障害対策協議会健康管理・増進センターの伊藤千賀子所長は、帰国後、老いた被爆者は国交正常化を待つわけにはいかないということで、国交問題とは切り離した人道支援の必要性を強調されました。 政府が公式に北朝鮮、在朝ですね、在朝被爆者問題に取り組む姿勢を明らかにしておきながら放置することは許されませんので、この問題に対してどのような取組をするのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。 御指摘の点に関して、被爆者が放射能による健康被害を受けたという点で人道上の問題だと考えておる次第でございます。政府として、引き続き、本件が重要な人道上の問題であることを踏まえ、関係省庁間で緊密に連携しながら適切に対応してまいる考えでございます。
○高良鉄美君 今の御回答を受け止めたいと思います。今、本当に制裁で北朝鮮との関係があるということで、国との関係はありますが、弱い立場のこの被爆者の家族、またあるいは被爆者本人の問題があって、なかなか不利益が大きいということもあって、真摯に取り組んでいただけるということで今回答を得たような形ですので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。 次に、共同親権についてお伺いします。 今朝も、安江委員の方からも少し関連したことがありました。そして、この問題は嘉田委員が本委員会で取り上げておられますが、今日は事実婚の共同親権についてお伺いします。法律婚ではなくてですね。 選択的夫婦別姓が実現しないことで事実婚にしているカップルがいます。そしてまた、やむを得ない理由により法律婚ができないカップルもいらっしゃいます。父母共に同居して子供を養育していても、親権は父か母かどちらかの一方の単独親権と、この事実婚の場合はですね。子供の最善の利益を考えるならば、共同親権にしない理由はないのではないかと思います。 近年、行政サービスなどで事実婚も法律婚も同等に扱うようになってきていますが、事実婚には共同親権を認めないことについて合理的な理由があるのか、法務大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、民法は、父母の婚姻中は子供の親権は父母が共同して行使すると規定する一方で、事実婚のカップルから生まれた子供の親権については父母のいずれかが単独で行使することとなっております。 現行法の下で、法律婚と事実婚は相続権の有無も含めて法的な差異が設けられているところでございますが、事実婚の場合にも共同親権を認めることについては、民法の法律婚制度の存在意義に遡って慎重に検討する必要があると考えております。 また、事実婚については明確な定義がございませんで、様々な形態が考えられると思います。共同親権を認める基準としてはなかなか不明確であると言わざるを得ず、また、いつの時点で事実婚の状態が終了したのかが明確でない場合も考えられますので、そのような場合に共同親権の状態にあるのかどうか不明確になるという問題も指摘されているところでございます。 もっとも、現在、本年十一月十五日に第一回会議が開催された家族法研究会について、父母が離婚をした後の子供の養育等について検討がされておりまして、この研究会において事実婚の状態にある父母の子供の親権についても議論がされ得ると認識しています。 法務省としては、親権は子供の利益のために行使をされるべきものであると考えておりますので、今後の議論の状況をしっかりと注視してまいりたいと思います。
○高良鉄美君 ありがとうございます。 二〇〇三年の十一月二十八日の法務委員会で、当時の谷垣大臣が、事実婚の父母に共同親権を求める、そういった質問に対して、事実婚の場合はと、今のようなちょっと御回答の一部がありましたけれども、事実婚の場合は、子の両親、父、母、この結び付きや生活状況というのが極めて様々であろうと思います、したがって、一定の状況を前提とした規律に親しみにくい面があるのではないか、そう述べた上で、必ずしも単独親権が不合理な規定とは考えていないと答弁されました。 そうであればなおさら、共同親権について子供の法的安定を図ろうとする、そういうことが法務省の役割ではないかと思います。法律婚をしていても、破綻して別居している家族はあります。事実婚でも、子供を父母が一緒に養育している家族もあります。ですから、事実婚や法律婚といった、そういう問題ではないんだろうと。 離婚後に単独親権がふさわしいという判断されるケースも確かにあるかもしれません。しかし、最も守られなければならない子供の最善の利益ということですから、事実婚であっても離婚後であっても共同親権があって、場合によってはケース・バイ・ケースで単独親権ということも、これはDVの問題があったりする場合には可能ということが立法の趣旨にかなうのではないかと思います。 共同親権の検討に向けた議論というのは先ほどある程度御紹介ありましたけれども、森大臣、まだこれ以上、先ほどの回答で私は十分の姿勢を示されたと思いますけれども、そういったことで是非また、事実婚の共同親権についても先ほどの家族法研究会の中で議論される可能性があるということをおっしゃいましたので、よろしくお願いしたいと思います。 私の時間ちょっともう近づいていますけれども、もし御見解あれば示していただけたらと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 父母が離婚した後であっても、子供にとっては父母のいずれもが親であることは変わりはございませんので、一般論としては、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子供の教育に関わる、養育に関わることが子供の利益の観点から非常に重要であると考えています。 先ほど申し上げた家族法研究会の第一回、十一月十五日に開催されたわけでございますが、そこでは離婚後の共同親権の制度の導入の当否が今後の重要な検討課題の一つとして確認をされておると承知をしております。今後、離婚後の親権の在り方について、委員が今御指摘されたDV等の事案も踏まえて、どのような制度が適切であるかが議論されることになるものと考えております。 法務省としては、引き続き、この研究会において積極的に議論に参加してまいりたいと思います。
○高良鉄美君 これを前向きに御検討なさるというふうに受け止めたいと思います。 もう既に研究会の方ではそういうような議論をされているということでございますので、是非、事実婚の方も含めまして、子供の最善の利益ということで、法律婚、あるいは離婚後、あるいは事実婚と、ケース・バイ・ケースの先ほどの事例もありますので、そういった点で是非前向きに御検討をいただけたらと思います。 私の時間、近づいておりますけれども、少し前ですが、終わりたいと思います。ありがとうございます。
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。 一貫して共同親権の問題を続けさせていただきます。 十一月十五日に家族法の研究会が始まっているということで、先ほど来、森大臣から共同親権の、大変大事なテーマだということをおっしゃっていただいております。 つい最近のニュースですが、十一月二十二日、共同親権に関する集団訴訟が東京地方裁判所に提訴されました。東京や北海道、京都など八都道府県の男女十二人が計千二百万円の国家賠償を求める訴訟で、単独親権の違憲性をめぐる集団訴訟は初めてということです。訴えたのは子供と別居中の四十代から六十代の父母で、訴状によりますと、子育てに意思を持っていて、しかし、司法に救済を求めても僅かな面会交流しか認められないなどと主張し、法の下の平等や幸福追求権を保障する憲法の規定に反していると訴えております。そして、これは基本的人権の侵害に当たり、離婚後の共同親権制度を整備しない国の対応は、子育てをする権利が侵害されて、精神的苦痛を受け、違憲と訴えています。 共同親権をめぐる問題について、いよいよ社会的関心が高まっているあかしと思われますが、法務大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 嘉田委員にお答えを申し上げます。 御指摘の訴訟提起に関する報道があったことは承知をしておりますが、現時点では訴状も送達されておらず、コメントは差し控えさせていただきます。 その上で申し上げますと、父母が離婚した後であっても、子供にとっては父母のいずれもが親であることは変わりはございません。したがって、一般論としては、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子の養育に関わることは、子供の利益の観点から非常に重要であると考えております。 もっとも、子供との面会交流等については、現行制度の下での運用の在り方については、子供の利益の観点から、必ずしも十分なものとなっていないといった批判もあるものと承知しております。これまでも申し上げてまいりました、家族法研究会の第一回会議が本年十一月十五日に開催され、離婚後共同親権制度の導入の当否が今後の重要な検討課題の一つであることが確認されたものと承知をしております。 法務省としては、国民の間にある様々な声に耳を傾けつつ、引き続き、研究会における議論に積極的に参加してまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 前向きな御答弁ありがとうございます。 この後また、かなり具体的な例に入らせていただきますが、子の連れ去り等に関わって、最高裁判所に子の引渡しに関する審判と調停の実態についてお尋ねさせていただきます。 平成三十年の子の監護事件における審判と調停の新受件数は、司法統計によりますと、四万四千三百四十九件とあります。そのうち、子の引渡しに関する新受件数は二千百七十六件で、そのうち、認容審判が下された件数はたった二百四十四件、認容審判数二百四十四件のうち、いわゆる連れ戻し、つまり先に子を連れ去った親から子を連れ戻す行為をしようとした親に子を引き渡した件数は何件か、最高裁判所さん、答弁お願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 御指摘のような類型での統計は取っておりませんで、件数は把握してございません。
○嘉田由紀子君 それでは、その二百四十四件のうち、父親に子供さんが引き渡された件数、これも統計はないでしょうか。もしありましたら、御示唆をお願いします。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 こちらにつきましても、御指摘のような類型での統計は取っておりませんで、件数は把握してございません。
○嘉田由紀子君 先ほど来、十一月十五日から家族法の研究会、第一回始まったということです。また、海外における離婚後の共同養育に関する外国法制、制度も外務省に依頼していると伺っております。 日本における実態、数値はもちろんですけど、数値の裏に隠れている事情をきめ細かく調査する、これを是非進めていただきたいと思うんですけれども、せめて、少し古いものでも結構ですけれども、ヒントになるような結果はないでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 法務省においては、我が国における父母の離婚後の子供の養育に関しまして、親子の面会交流の現状、問題の所在等について、民法学者等に調査研究を委託したことございまして、その研究報告書は、平成二十三年の二月に取りまとめられております。 その調査研究では、例えば、親子の面会交流の支援団体あるいは法律実務家らからのヒアリングや、面会交流の支援団体を利用した方々を対象とするアンケート等を行いまして、その報告書におきましては、当事者に情報提供やアドバイスをしてくれる相談機関の充実整備の必要性や、当事者等の生の声をできる限り反映した法制度の整備と運用の改善等が提言されておりまして、面会交流の問題の所在が明らかにされたものと評価することができると考えております。 また、委員の御指摘のきめ細やかな実態調査等につきましては、これまでも申し上げております家族法研究会における議論の推移等を踏まえつつ、その必要性について検討してまいりたいと思っております。
○嘉田由紀子君 それでは、裁判官が子の引渡しを実施する際に、子供が心の傷を負わぬようにどのように配慮しているでしょうか。民事局さん、また最高裁判所さん、両者にお尋ねいたします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 さきの民事執行法の一部改正法におきましては、運用上の工夫、すなわちこれまでの執行実務において行われてきた子の心身の負担を軽減するための様々な工夫等を一層促す趣旨で、子の心身の負担への配慮を求める規定が設けられております。 この改正法における配慮の具体的な内容でございますが、個別の事案に応じた運用に委ねられるところではございますが、例えば、執行を実施するための事前の打合せにおきまして児童心理の専門家を執行補助者として立ち会わせることの要否を検討することや、実際に児童心理の専門家を立ち会わせる場合には、執行官と専門家の役割分担等について詳細な打合せを行うことなどが考えられるところでございます。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 執行官が子の引渡しを実施する際に子の心身に対してすべき配慮の内容ですが、これは個別の事案に応じた運用に委ねられるところではございますが、その具体例につきましては、先ほど法務当局の御答弁のとおりというふうに理解をしております。 そして、執行官がこのような配慮ができるよう、子の引渡しの強制執行において必要とされる児童心理に対する理解につきましては、まず、執行官に対する研修を行いスキルアップを図っているところでございます。 また、個別の執行の場面におきましては、臨床心理士、臨床発達心理士のほか、面会交流支援等の家庭の問題に携わる専門家など、児童心理の専門家に執行補助者等として関与していただいているものと承知しております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 いろいろ配慮していただいていても、実は裁判所での様々な経験者の皆さんの意見というのはかなり厳しくて、自分たちの面会交流、あるいは途中での意見を聞いてもらえないというようなことが親のグループが調べた調査結果などもございますので、そういうところもきめ細やかに対応していただけたらと思います。 そして、私、やはり気になるのは、これまでも何度か申し上げているんですが、子の引渡しに関するところで、先ほど、僅か一一%しか、つまり九割近くのケースで引渡しが実現できていない。これは、これまでも裁判所では継続性の原則というのはないと言っているんですけど、やはり一旦連れ去ったり、あるいは一旦実効支配を続けた親に親権を与えるという裁判実務を生み出し、そしてそれが、家族やあるいは家庭の領域を完全に、子供たちの意見も届かないような法の不存在の状態にしているのではないのかと現場からの大きな声があることも指摘をさせていただきたいと思います。そして、この継続性の原則こそが、逆にこれを主張するために、虚偽の配偶者暴力あるいは児童虐待を捏造してもう一方の親を有利にするというようなことも現場であると聞いております。 このような実態を防ぐためにも、やはり子供たちの養育計画を作り、そしてその中に、これまでも申し上げております面会交流という、単に言わばビジテーションではなくて、ペアレンティングという共同親権の、ヨーロッパ、アメリカで苦労してきたそのペアレンティングという内容を日本としてもきちんとフォローする必要があると思っております。そのためには、共同養育計画を作り、そして離婚の紛争当事者である親に対しても、教育効果というところで共同養育計画の作成を支援する必要があると考えております。 少し海外の事例ですけれども、アメリカのテネシー州の例を今日一ページでまとめて皆さんに提案させていただきましたが、これは子育てプラン作成のためのペアレンツ・ガイド、家族意識の維持に向けてというものでございます。一枚、文字になっておりますが、エッセンスを、少し時間をいただいて御紹介させていただきたいと思います。 パーマネント・ペアレンティング・プラン、つまり恒久的な子育てプランということで、テネシー州の子育てプランは、立法によって州の裁判制度を機能させ、離婚後の子供により安心できる水準、コンフォートレベルを与えるために必要なツールとスキルによって、親がその子育て能力を高められるようにデザインされたプログラムであるとあります。 この恒久的子育てプランは、子供の福祉には、親子関係が根本的に重要であることを認めるものです。多くの場合、子供は、双方の親から情緒的及び経済的な支援を受けたときに最善を尽くせるものであります。ペアレンティング・プランの全ての項目は、子の最善の利益に焦点を合わせるようにデザインされております。 以下六項目あるんですが、今、日本でも例えば明石市などでペアレンティング・プランというのを出しているんですけど、そこはかなり狭い、養育費と、それからいわゆる面会交流くらいしか触れていないんですね。 それではなくて、もっともっと本来のペアレンティング・プランについて御紹介させていただきたいと思いますけれども、まず一番目、恒久的プランの作成によって、親は子の将来の子育てのロードマップを完成させる機会を与えられる。二点目は、このプランは、興奮して感情的となったやり取りではなく、これはヒーテッド・エモーショナル・エクスチェンジと英語でありますけど、思慮深く、理性的な対話に基づいて準備された場合には、対立を和らげる有効な手段として役立つだろうと。 これまでも議論してきておりますけれども、日本でなぜ共同親権が駄目なのかというときの理由に、山下法務大臣も、夫と妻はなかなか話合いができないんだ、感情的になってしまうからというのを単独親権の理由にしているんですけれども、それはもう当然です。当然だけれども、やはり思慮深く、理性的な対話が必要だということがもう目的の中にきちんと書かれております。 それから三点目ですけど、このプランは、法律の専門用語を廃し、つまりリーガルジャーゴンではなくて、一般的な日常用語に置き換え、エブリデータームズ、暮らし言葉でしょうか、で家族の再統合を促す枠組みを用意する。つまり、ファミリー・リオーガナイゼーション、夫と妻が別れてもやはり再統合が重要なんだという理念を入れ込んでおります。そして、このプランは家族関係の維持に役立つだろうと。このプランは、双方の親が、子供のことを最優先とし、また、子供がそれぞれの親と緊密で継続的な関係を維持することが必要であることを理解するように奨励すると。そして最後、六点目ですけど、このプランは、双方の親が、教育、宗教、医療を含む重要な決定に関与し続けることを可能にすると。 そして、この恒久的子育てプランは、監護や訪問、ここではビジテーションとありますけど、そういう狭い概念からではなく、子育ての責任を強調するものでありますと。全体の目標とこのプランの目的は、敵対心を緩和し、親が子供の最善の利益のために協調して取り組むことを奨励する。両方の親が一緒に取り組み続ければ、あなたは、教育、宗教、医療を含む重要な決定を下すこととなるだろう。あなたが自分の子供を養育し続ければ、将来の課題をどのように解決するのかを決定することになるのだと。 これはアメリカのテネシー州の事例で、私ども、各州の事例を集めましたけれども、基本的な方向あるいはカバーするところは極めて似通っております。そして、このテネシー州のペアレンティング・プランはこの後八項目にわたって細部まで記されておりまして、全体で九ページ。それを全て埋めないと、埋めて親がサインをし、そして弁護士さんがサインをし、最後に裁判所のサインをもらわないと、実は離婚も成立しないんだというところまで入れ込んでおります。 これは海外だけのことで、日本では無理だろうという意見があるかとは思いますけれども、日本であっても両方の親が子供の利益を第一に考えるようになれば共同親権は可能だと思います。例えば、タレントで千秋さんとそれから元夫のココリコ遠藤さんが離婚後も協力をして子育てを行っていることはよく知られております。 そこで、法務大臣に御質問ですが、離婚後の親権者指定の基準の策定、これ今までも申し上げておりますけれども、片親親権、継続性の原則ばかりが裁判実務として現場で援用されておりまして、この親権者決定の基準はないに等しい。そういう中で、共同養育計画作成を支援する仕組みをつくり、そして、できるならば行く行くは法令的にも義務化することも含めて、政府の見解を法務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 民法七百六十六条第一項では、父母が協議上の離婚をするときは、面会交流や養育費の分担など、子供の監護について必要な事項を協議で定めることとされております。このような父母の離婚の際に子供の養育について取決めがされることは、その後の子供の健全な成長のために重要でありますし、現行法でも必要とされているものでございますが、もっとも、現在、未成年の子供を持つ夫婦が離婚をする際に養育費や面会交流について取決めをしているかと申しますと、その割合は必ずしも高くないということも承知をしておるところでございます。 これまでも申し上げてきましたように、家族法研究会において、協議離婚の際にこのような取決めが確実にされるようにするために、例えば未成年者の父母については、協議離婚の要件を見直して、養育費や面会交流についてのガイダンスを受講し又は養育計画を策定しなければ離婚をすることができないとすることの当否などについても議論される予定であると承知しておりますので、法務省としては、引き続き、研究会における議論を注視し、また参加もしてまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 森法務大臣言及くださいましたように、七百六十六条、これは二〇一一年、当時の江田法務大臣が、しっかりと養育費と面会交流のことを法務大臣として責任を持って対応すると言っていただき、その後、この二項目については社会的認識は高まりつつあるんですが、ただ、まだまだ、これ私も最初の質問に申し上げたように、養育費の支払は、厚労省の調査によりますとたった二四%です。面会交流につきましても、今日の、十一月二十二日に共同親権に関する集団訴訟でも言われておりますけれども、本当に形式的な月一回の監護付きの面会交流などで到底親として満足できるものではないということで、確かに一歩進んでおりますが、まだまだ、離婚したら、そんな当然、夫と妻の争いの中に子供を巻き込むべきではないから、どっちか一方的にして、そしてすっきりと養育できる方が子供にとって幸せなんだという考え方、日本にまだまだ根深いのは分かりますけれども、ただ、そこで子供が声を上げられない。 私も、個人的なことですけれども、孫が六人おりますが、本当に子供たちと接触すると、例えば、右側を見てお母さんの方を見て、私、虫嫌い。同じ場所にいてお父さんの方を見て、私、虫好き、父親は虫の研究者なので。そういうようなところで、本当に子供たちはいろんな大人の顔を見ながら、そして大人に合わせてしまう。 そこで、本当に子供にとって、まさにこのテネシー州の永久的なパーマネントのペアレンティング、単なるビジテーション、面会交流ではありません、ペアレンティング、親として、親も成長し、そして子供の最善の利益、子供の永久の言わば生きるための力を、そして、そこで希望を持てる子供の人生をつくり上げていくというところが大変大事だと思います。 次回はまた、それでは、共同養育なり、どういう子育てについての利点があるのか、また課題はどこにあるのかということも含めて続けさせていただきたいと思います。この問題ばかりにこだわっておりますけれども、私の方の質問、今日はこれで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時四十三分散会