経済産業委員会 第4号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/11/26
会議録
○委員長(礒崎哲史君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、滝波宏文君及び小沼巧君が委員を辞任され、その補欠として岸真紀子君及び三木亨君が選任されました。 ─────────────
○委員長(礒崎哲史君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について、外交防衛委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(礒崎哲史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(礒崎哲史君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(礒崎哲史君) 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席をいただいております参考人は、南山大学理工学部ソフトウェア工学科教授青山幹雄君、株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員藤田哲雄君及び一般社団法人情報サービス産業協会副会長兼専務理事小脇一朗君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、青山参考人、藤田参考人、小脇参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際には、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきをいただきたいと思います。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず青山参考人からお願いをいたします。青山参考人。
○参考人(青山幹雄君) それではまず、DXが我が国の産業並びに社会全体に及ぼす影響と今般の法律の改正について意見陳述をさせていただきたいと思います。 お手元資料の二枚目を御覧くださいませ。今日申し上げたいことは、まず三点ございます。 一つは、DXは、これはデジタル変革というふうに日本語では言っていますけれども、世界的に非常に今大きな勢いを持っております。これによって産業構造が大きく変わるというふうに考えられております。この変革に我々も推進をしなければ、我が国の経済の競争力並びに社会の安全性とか、あるいはセキュリティーを維持できないのではないかというふうに考えられております。 二点目は、このDXに対して幾つかの成功事例が現れてきております。それらの成功事例を私どもで分析した結果によりますと、経営者のリーダーシップあるいは認識が非常に重要であるというふうに理解しております。さらには、これは企業変革でございますから、業務部門あるいはIT部門が、三位一体という言い方をしておりますけれども、変革を行わないといけないという状況にございます。 一方では、この変革を実は進めるのはなかなか今、日本では困難な状況にございます。特に、技術負債という言い方を申し上げていますけれども、レガシーと呼ばれる一九七〇年代頃につくられたシステムが依然として例えば六〇%使われているという状況がございます。これは極めて構造的な問題だと思っています。こういった構造的な問題をいかに解決するかというのは、やはり国の制度的に、あるいはその改革は必要ではないかと思っています。 さらに、それに伴って、経営者の認識とかあるいはリーダーシップを変えていただきたいというのが今回のDXの大きな問題を解決する一つの解であると思っています。そのためには、今回の法律の改正は是非お願いできればというふうに考えております。 少し内容の方に入っていきたいと思いますけれども、お手元の三ページですね。そもそもデジタル変革とは何かということを、よく御存じかと思いますけれども、改めて理解を共有させていただきたいと思っています。 一つは、従来のITあるいはICTと違うところは、例えば機械学習、AIとかあるいはIoTを使うことによって、大量のデータに基づいて従来とは違う、予測とか、あるいは人間の判断と同じような技術のことができるようになったということですね。これは極めて大きな違いでございます。これに基づいて、企業経営そのものも今変わってきている。つまり、競争の軸が変わってきているということに大きな変革のポイントがございます。 これによって、例えば産業構造の変化、あるいは新しい事業の創出と併せて、社会の例えばセキュリティーであるとか防災であるとか、あるいは高齢化、人手不足の解消に資するんではないかというふうに考えてございます。 その絵を見ますと、従来のITは企業内の効率化ということが中心でした。それに対して、現在のこのDXで求めているものは、社会全体にIT、技術が行き渡ることによって社会全体を良くしていくというふうなことが可能になってきたというふうに理解しております。 次に、その次のページ、四ページ目でございますけれども、こういうふうな大きな変革にあるにもかかわらず、そこにありますように、多くの我々の国内の企業は、技術負債と呼びますけれども、レガシーという古いシステムをいまだに維持をしてきているというふうな状況がございます。 こういった問題を共有していただく、あるいは危機感を喚起するために、昨年、レポートですね、二〇二五年の崖という言葉を使わせていただいています。これによって、多くの経営者の方が最近は問題を御理解いただくようになってきてはいるとは思っています。 しかしながら、次の五ページ目にありますように、実はそのDXは、最近国内では理解が進んだかと思いますけれども、おおむね十年近く前から、特にヨーロッパを中心に研究あるいは検討が始まっています。 例えば、インダストリー四・〇が二〇一一年に策定されまして、その後、アメリカでも、インダストリアル・インターネット・コンソーシアムという大きな国レベルあるいは業界全体を巻き込んだ運動が、活動が進んでおります。これらの運動では、企業全体の包括的な変革を進めていると。例えば、アメリカのIICというコンソーシアムは、最近はインダストリーIoTというふうなことで、IoTを全産業に進めていくというふうなことを進めております。これに対しては、我が国ではソサエティー五・〇が作成され、昨年、DXレポートというものを発行をいたしました。 中ほどにビジネスという欄がございますけれども、特に二〇一〇年前後に出てきた、皆様よく御承知の新しいベンチャーは、これまでのいわゆるGAFAと呼ばれている技術志向のベンチャーとは異なって、社会問題解決型のベンチャーでございます。社会の様々な問題を、従来できなかったものをデジタルを使うことによって解決する。多くの社会問題は、人と人、あるいは人と物とか、物と物を結び付ける、いわゆる仲介することが多いわけですね。こういうことを、これまでできなかったような、デジタル技術を用いることによって可能になってきたということが大きな違いでございます。これが新しい事業を生んで、世界的にも大きな変革を起こしているというふうなビジネス面的な側面であると思っております。 これができるようになったのは、最も大きいのは、恐らくスマートフォンです。皆様方御自身の行動が直接企業に分析できるようになったとか、あるいはIoTによって物と物を、あるいは工場の状況とか、あるいは農場の状況が分かるようになってきた。これは非常に大きな技術的な違いがここに現れております。 さらに、こういった状況に対して、多くの事例がありますけれども、我が国ではまだまだちょっと立ち遅れているという現状があるかと思っています。 次の六ページ目に示しているのは、幾つかの先進事例を私どもで分析をいたしました結果、やはりその経営戦略というところですね、企業のトップ、経営者のリーダーシップあるいはその認識が非常に重要であるというふうに考えてございます。 国内でも、一番下に、これ愛知県の自動車部品メーカーでございますけれども、年商百五十億の会社が、こういったことを社長が中心になって進められている事例もございます。ただし、まだまだこれはある意味では少数にとどまっているというのが現状でございます。 例えば、具体的な例といたしまして、次の七ページに、これは和歌山県にある有田ミカンの農業生産法人の例でございます。 この法人では、もう五年ぐらい前から圃場にセンサーを取り付けて、いわゆるIoTの先進的な事例かと思いますけれども、それをクラウドに持ってきて分析をするということを続けておられます。それによってミカンの糖度を上げるということを、さらにはその収穫期を広げる、わせとわせわせをですね、更においしくするということを実際にやられてきています。それによって、世界十か国に輸出されて、年商十億ぐらいですね。今までのミカンと、恐らく十倍ぐらいの値段で販売されている。非常に高付加価値の、高い収益を上げる農業の構造に転換されているというふうに理解しております。さらには、若者が入ってきて、この会社の平均年齢は三十五歳、六歳というふうに聞いております。 こういったふうに、従来型の農業、あるいは林業とかあるいは畜産でも、こういったデジタル技術を使うことによって構造変革をして、より収益の高い、あるいは若者を引き付けるような産業へ転換していくことは可能であるという事例がございます。 こういった事例を見ますと、やはり先ほど申し上げました経営者、あるいは業務部門、デジタル部門が三位一体となることと同時に、やっぱり経営者のリーダーシップが一番大事だと思っています。あわせて、IT産業そのものが、現在、恐らくは、大体日本では今一%程度の成長だと言われていますけれども、アメリカですと六%以上、あるいは先進企業では一〇%以上の成長をしています。もっともっと成長できる余地があるのではないかというふうに理解しております。 最後に、こういった問題を阻害する、いわゆるレガシーというものがございます。これは、今まではIT部門の個別的な問題であるというふうに捉えられがちだったわけですけれども、現在は企業全体のいわゆる経営問題になっております。 これは、アメリカの研究所の例ですと、今、百万行といいますけれども、あの単位のソフトウエアは大体四億ぐらいの負債になっていると。国内でもいろんな統計データはございます。これがやっぱり経営の下押しになって変革を妨げているという状況にあるというふうに理解しております。 これをこのまま放置いたしますと、ますます生産性を落とす、あるいは新しいところへ人材を振り向けることができない、多くの人材がレガシーの保守に回ってしまっていると。そうしますと、新しい技術を学ぶとか、新しい領域に人を割り当てるということができない、で、最終的には人手不足というふうになってしまっているというふうな、ある意味では悪循環がここに発生しているというふうに思います。したがって、特に経営者の認識とリーダーシップを喚起しないといけないというふうに私は考えております。 さらに、最後に、こういったことに鑑みまして、今般の法律案の改正に関して言いますと、先ほどの成功事例から見ますと、やはり経営者の認識とリーダーシップを喚起すべきであるというふうに考えてございます。そのための施策として、今回の法律は資するものであるというふうに理解しております。 さらに、今回、指針とかあるいはその認定を通して経営者の背中の後押しをするということも可能ではないかというふうに思っています。 それから、これに基づきます措置内容が幾つか提案されているかと思いますけれども、特にDXの実態とか知見を集約してそれをフィードバックするということで、構造的に良い循環を起こすということで産業構造の転換と、さらにはその成長を促すというふうなことが可能ではないかというふうに思います。 全体といたしましては、やはり企業の競争力強化並びに国全体の、あるいは社会の安心、安全も含めて、こういったDXを推進をしていかないといけないというふうに思います。 最後に、まとめでございます。 DXの現状としては、やはり世界的にこれはもう競争の主軸となって展開されているわけでございますけれども、残念ながらまだ我が国は少し立ち遅れているという状況にあるというふうに理解しております。これまでの知見からいえば、やはり経営者の認識とリーダーシップが非常に重要で、かつそれは、現在ではレガシーのシステムによって残念ながら経営の足かせになっている、あるいはDXの足かせとなっているという状況がございます。 こういった構造的問題を正すためには、やはり構造的なアプローチ、つまり国によって制度なりあるいは仕組みを変えていただかないとなかなか難しい、個別企業ではなかなか難しいというふうに理解しております。今般の法律の改正によって、こういった問題が解決の非常に大きな助けになるのではないかというふうに私は考えております。こういった法律の非常に重要性というのを御理解いただきたいというふうに思います。 以上でございます。ありがとうございます。
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。 次に、藤田参考人にお願いいたしたいと思います。藤田参考人。
○参考人(藤田哲雄君) それでは申し上げます。 資料の一枚めくっていただきまして、我が国の企業のDXの取組が遅れているというところからお話し申し上げたいと思います。 先ほど青山参考人から、DXがどのような意義があるかと、その中で、世界の中で日本がどのような状況に置かれているかということについては御説明いただきましたけれども、実態といたしまして、我が国の企業の取組は極めて遅れているというふうに言わざるを得ないかと思います。 我が国政府は、先ほど御紹介ございましたように、ソサエティー五・〇というビジョンを掲げて、経済発展と社会的課題の解決の両立を図ろうとしてございます。このビジョン自体は、他国に比べましても非常に大きなものでございまして、全てを包括するようなすばらしい内容になっている反面、それが、全体が大き過ぎまして各企業に落とし込まれていないというその隙間がございまして、企業はなかなか、どこから取り組んだらいいのかということについて、そのビジョンだけではなかなか手掛かりを得られないというような状況にあるということかと思います。 そうはいいましても、今そのDXがバズワードになってございまして、そのはやりに後れを取らまいということで、POC、概念実証という実験のようなものを盛んにやってございます。そういう取組は、年間、大企業ですと何十個も同時並行してやっているわけですけれども、それが実験に終わっていまして、それから新しい事業部を立ち上げて新しい産業が興ったということは、ほぼ寡聞にして聞かないというような状況になってございます。 次でございますけれども、三ページでございます。 じゃ、なぜこういうふうに日本でDXが進まないのかということでございますけれども、先ほども少しお話ございましたけれども、これは、経営者がこのDXに対する認識というものにつきまして余り深くまだ理解されていないということに加えまして、それに対応した企業の体制が整っていないということが一番大きな原因ではないかというふうに考えてございます。 よく聞く例でございますと、ある企業の社長が、AIということが最近世間ではやっている、で、これが新しい競争の種になりそうだから、それを活用して当社でも何かやってみたらどうかということで、先ほど申し上げましたPOCということが取り組まれるわけでございますけれども、その一事業部にそれが下りてきますが、それがいろんな部署と本当は連携しなくてはいけないところ、その事業部の中だけで解決しようとして、それがうまく展開していけないということでございます。企業の中にもシステムを取り扱う人材、部署がございますけれども、大抵のそういう企業のそういうシステムを取り扱う部署では、その根本的な経営戦略に関わってこなかったということが多いかと思います。 と申しますのは、これまでのシステムというのは、経営層で決めました経営戦略を、それをシステムとして鏡のように映していくというような作業をずっとしていたわけですけれども、最近のこのDXというのは、いろんな取組を進めながら、戦略を常に走りながら考えていくというようなアジャイルという開発方法が主体になってございまして、従来のそういう上から下りてくるウオーターフォール式のシステムの開発のやり方では、到底これでは対応できないということになってございます。 それに加えまして、このDXが進まないということにつきましては、もう一つ、投資の判断の基準ということがございます。 最近のデジタルの世界の価値創造といいますのは、データを中心に価値をつくっていくということなんでございますけれども、これがすぐさま金銭的な価値に転換されるということはなかなか難しく、一旦はこの知識の習得ですとか、それからユーザーの心理的な満足とか、そういったことにかなりその価値が分散されているということがございます。したがいまして、その従来の経済的価値だけで投資の是非を判断するには、ちょっとなかなかすぐうまくいかないということでございます。 翻って考えてみますと、例えば、アメリカの大手のアマゾンとかそういった、こういうDXの最先端を行くような企業はどんどん投資をしているわけですけれども、すぐにもうかったということではなくて、長い間こういうこと、DXを推進していろんな知識を蓄積して初めてその成果が出てきているということを考え合わせますと、短期的な利益でDXを進めていくということはなかなか難しいということでございます。 それから、日本のITの位置付けですね、これが非常に、企業におけるITの位置付けがアメリカとはかなり異なっているということが四ページにございます。 対照的でございますので少し申し上げますと、アメリカでは戦略をITで具現化するという考え方から、ITを主軸として戦略を考えるパラダイムへ転換しております。経営層にはITに精通した担当役員、例えば、チーフ・デジタル・オフィサーですとかチーフ・イノベーション・オフィサー、チーフ・インフォメーション・オフィサー、あるいはチーフ・テクノロジー・オフィサーなどを置くことが多いということでございます。加えて、多くのアメリカのユーザー企業は自社内にそのITを自分で開発できる人材を多く抱えてございます。それゆえに、素早く戦略をITで実装できるという仕組み、構造になっているということでございます。 それに対しまして、我が国では、システムの開発の主な目的が業務効率化の追求に置かれていたということがございましたので、システムの企画に経営層が直接関与することが少ない、ユーザー企業の既存業務部門が中心となって行うということが長く行われてきました。そこでは、既定の経営戦略や既存サービスを前提として、それを実現する手段としてITが位置付けられて利便性、効率性が追求されてきたという、この流れをずっと今も引きずっているということでございます。 次に、五ページめくっていただきまして、このDXを進めるためには、やっぱり経営層によるデジタル戦略の策定が必要だということでございます。 既存の業務を前提として自動化とか省力化を推進する従来のIT化ではなくて、新たに価値創造を行うデジタル戦略が必要になっているということでございます。その価値創造の源泉がデータへと移行しつつある中、データを中心に企業の価値創造の仕組みを再構築する必要があるということでございます。 こういう価値創造の仕組みを再構築するためには、一部署だけではこれは解決できませんで、社長以下、その企業全体がそういうことに取り組まなければいけないということでございます。したがって、経営戦略とデジタル戦略を一体として考える必要があるということかと思います。 それを図式的に六ページに示しましたけれども、これ、従来の日本の企業のITのつくり方、発想の仕方というのは上の方でございます。 企業は、経営層から何かその経営戦略を指示をして、システム部門に何かこれをシステムで実装してくれというふうに指令が出ると、そうすると、そのシステム企画の部署がその中で企画を考えて、それを外部のシステム開発業者に委託して開発をするということで、ここには三つのその部門がそれぞれ分かれてしまっているということでございます。これでは経営層が、最後のつくっているところということの現場が非常に遠くて、何が起こっているのか、どういうことができるのかということについてはほとんど関知していないという、こういう状況になっております。 ところが、最近のそういう新しいデジタルトランスフォーメーションの現場で成功しているところはどうなっているかというのがこの下の方でございます。 ユーザー企業におきましては、CDOと言われるそのデジタル戦略を所管する役員等が、システム開発人材と密に連絡を取りながら、そこで併せてその戦略とシステムの企画を練っていると。それから、システム開発の方につきましても、ITベンダーがそのユーザー企業と対話をしながらその実装をしていくと、こういった形になってございます。やはりデジタルトランスフォーメーションを進めていくためには、こういった形にしていきませんとなかなかうまくいかないということでございます。 七ページでございますけれども、こういった経営者のデジタル戦略を担保するためには、やはりこのデジタルガバナンスということが重要かと思います。 企業の成長に向けたそのビジョンの構築それから共有、それから、先ほど申し上げましたように、新しい価値創造の仕組みを実現するような体制の構築、それから経営資源の適正配分、それからリスクコントロール等ですね、このデジタル化に対応した観点からガバナンスを確立して普及させていくことが有効かと思います。 ただ、この戦略の中身は個々の企業の経営的判断に委ねなければいけないと思いますけれども、何を整備しなければいけないかと、何をしなければいけないかということについて多くの企業はまだよく分かっていないというような状況でございますので、そのガイダンスとして指針を示すということには大きな意味があるかと思います。 さらに、そういう情報が公開されることによって、市場の力を活用する、あるいはそのステークホルダーとの対話が活性化するという意味におきまして、これは企業のDXの推進に向けて強く後押しする力になり得るものと理解してございます。 それから最後に、アーキテクチャーについて一言申し上げます。 本法案では、もう一つの柱といたしまして、このアーキテクチャーという共通の設計仕様につきまして、IPAを中心にこれを広めていこうというような観点が盛り込まれてございます。 先ほどのDXの話でございますけれども、DXはデータの組織横断的活用が重要であるというにしても、既存のシステムはそのような連携を想定してこなかったということが実態としてございます。個々のシステムを都度接続する方法もありますけれども、それはずっとやり続けるとシステムが複雑化するというような弊害がございます。 ここで、共通の技術仕様は公共財として利用する方がよいということなんですけれども、我が国はそれの担い手になる機関がなかなかなかったということでありまして、これがIPAとしてそういう役割を持たせるということが適切かと思います。 九ページでございますけれども、IPAをプラットフォームとして、専門家、業界関係者の意見を集約して、分野ごとにアーキテクチャーを設計するということは、これは非常に、その協調領域を早く固めることによって無駄なそういうアーキテクチャーの争いというようなことがなくなって、DXが社会全体として早く前に進むという意味で有益かと思います。 ただし、その設計をするときに様々な意見が反映されるような仕組み、あるいは事後的にどのような議論があったのか検証できる仕組みが必要かと思います。 以上でございます。
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。 次に、小脇参考人にお願いいたしたいと思います。小脇参考人。
○参考人(小脇一朗君) 情報サービス産業協会の小脇でございます。 まずもって、本日はこうした意見を述べる機会をいただきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。 資料に沿って御報告を申し上げます。 まず、開けていただきますと、二ページでございますが、私ども情報サービス産業は、情報システムをつくる、あるいはソフトウエアの開発を行う、そういう事業者で構成をされております。まずもって、情報サービス産業の現況を御報告申し上げますとともに、私どもから見た環境認識、さらには、情報サービス産業がDX時代どういう方向を目指しているのか、それについて御報告を申し上げた上で法律案についての意見を申し述べたい、このように思っております。 次の三ページが、まず、私ども情報サービス産業の現状でございます。 この業界はちょうど五十年が経過をいたしました。日本には、百年を超える企業、業界も多数存在をいたしておりまして、我が業界もまだ道半ばという状況にございます。百年産業に向け邁進しているというのが現状でございます。この五十年の間、リーマン・ショック等々、規模が縮小した時期もございましたけれども、現在では、ここにございますとおり、売上高で二十四兆円、従業員数で百八万人と、日本の基幹産業の一角を占めるに至っているところでございます。 次の四ページが最近の業況でございます。 経済産業省の月次の調査でございますけれども、このグラフを見てお分かりのとおり、昨年の十月以降、一年連続して売上高は前年同月を上回って推移をいたしております。それまではプラスとマイナスが入り交じり、ほぼ前年並みということで推移をしておりましたけれども、昨年の秋から、伸び率、それも五%程度と高い伸びとなっているところでございます。目下、足下のシステム需要は大変旺盛というのが現状でございます。 ただ、他方で、来年、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック以降後退してくるのではないかと、あるいはさらには、経産省のDX研究会のレポート、青山先生が座長を務められましたけれども、そこで言う二〇二五年の崖、これも顕在化してくるのではないかと、そういう懸念も一方で持っているというのが現状でございます。 五ページは、私ども協会が四半期ごとに行っているDI調査、景況感を見たものでございます。 左側の売上げの将来見通し、さきの経産省の調査と同様、上昇すると見る向きが極めて高い水準で推移をいたしております。右側は雇用判断でございますけれども、従業員の不足感は過去最高の水準にあるということで、過剰と見る割合はほぼゼロという状況でございます。業界はかつてない人手不足の状態にあると、こういうところでございます。 六ページが私どもの環境認識でございます。 変化の潮流として、ITでいろいろな課題、とりわけ社会課題を解決していこうと、こういう考えが重要だとの認識が広がってきております。申すまでもなく、デジタル技術あるいはデータの活用は世界的潮流でございます。そういう中で、我が国においてもこのDXの機運が高まってきたということであるというふうに私ども感じております。 他方で、二〇二五年の崖の懸念もあるところでございますけれども、DXの考えが浸透しつつありまして、私どもの先端のお客様、先端ユーザーは、AIを使ったり、あるいはIoT、ビッグデータの活用、さらにはフィンテックといった革新的な取組を開始しておるところがございます。そしてまた、好況期の今こそDXに向け手を打たなければならないというのが多くのユーザーの共通認識でございます。 ただ、ユーザーの多くは、ここに挙げておきましたとおり、DX推進力の不足を懸念されておられまして、DXといっても何をどうすればいいのか分からないと悩んでいる企業も多数あるところでございます。私どもベンダーに積極的な提案を求める、そういう姿勢も鮮明になっているところでございます。さらには、ユーザー企業自ら人材を採用する向きというのも出てきているところでございます。 そして、技術、サービス、これも大変大きく変化をしております。そして、変化のスピードも増しているということで、最近我が業界でのキーワードはCAMBRICということでございます。ここにありますとおり、クラウド、AI、モビリティー等々、その頭文字を取ったものでございますけれども、こうした先端技術あるいはサービスへの対応、これが大変重要な課題になっているというのが現状でございます。 そして、人材面でございますけれども、先ほど述べましたとおり、人手不足、新卒の採用も深刻化しておりますし、さらには、このDX人材と申しましょうか、デジタル技術とデザイン思考を持つIT人材、これが求められておりまして、それへの対応が大変急務となっております。さらに、世界で通用するトップガンの輩出、あるいはシニア人材が活躍できる仕組みづくり等々、我が業界、人材面では課題山積というのが現状でございます。 次に、七ページ。私ども情報サービス産業がどういう方向を目指しているのかという点について御報告を申し上げたいと思います。 私ども情報サービス産業協会では、ちょうど四年前になりますけれども、この資料の真ん中にございますJISAスピリットという業界宣言を制定、公表をいたしました。ソフトウエアで革命をというのがそのキャッチフレーズでございまして、ともすれば、日本の社会、ハードウエア中心の社会でございまして、ソフトウエアの重要性が十分認識されていないというふうに私ども考えております。そういった中で、ソフトウエアは全ての産業の基盤であると、その重要性を私ども訴えつつ、自ら先頭に立ってソフトウエアで世の中を変えていこうと強い意思表明を行ったところでございます。 私どもは、このJISAスピリット、これを全ての活動の基点といたしておりまして、社会課題の解決、そして、JISAドリームと申しましょうか、強い思いと夢を持って新たな価値創造に向け行動を起こしていくということが私どもの基本方針でございます。とりわけ、このDXの時代、新たな価値創造ということが極めて重要でございまして、情報サービス産業がお客様に新たなサービスあるいは新たな価値を提供できるか、これが大きく問われている、そういう時代であるというふうに強く認識をしているところでございます。 今までは、私どもは、受託開発と申しましょうか、お客様の要望どおりにシステムをきちんとつくり上げるというのが基本的ミッションでございましたけれども、今や、今後、DXの時代は、お客様と一緒になって、一緒に考え、そしてお互いの強みを融合させて新たな価値を創造していくと、そういう時代になったと認識しているところでございまして、私どものビジネスモデルも、このDXの時代、大きな変革が求められているというのが現状でございます。 そして、具体的に、八ページ目になりますけれども、情報サービス産業自体がDXに対応するため具体的に何をやっているのか。一言で申し上げますれば、ここにございますとおり、人材、技術、そして経営と、三位一体での革新、これが重要であると考えております。その中でも鍵を握るのは人材、人でございまして、私ども、人材革新に注力をして、技術、経営もそれを支えるためにどうすべきかと、そういうスタンスでアクションを起こしているところでございます。とりわけ、経営者も自らの発想とマインドを変える必要がある、こういうのが共通認識でございます。 そして、その人材革新でございますけれども、九ページでございます。一言で申しますと、私ども、ITエンジニアからITアスリートと申しましょうか、プロのエンジニアに転換をしていこうという考えでございます。ITエンジニアを現在の既存の情報システムの開発、運用からプロの技術者、提案型の技術者に転換させていこうと、こういう考えでございます。御案内のとおり、今、スポーツ界では多くの若いアスリートが世界で活躍をされています。ITの分野でも、このITアスリートとも呼ぶべき、そういうプロの意識を持って世界で活躍できる、そういう人材を育てることが大変重要だと思っております。 ただ、大変難しい課題でございます。私ども、業界百万人のIT人材、これを徐々にこのDXの担い手に移行させていくということが重要であると考えております。私ども協会では、来月から新しい技術者研修、マインドシフト研修と申しますか、そういう新しい研修もスタートさせる予定でございます。 そして、十ページ。幸い人材面では、私どもにとって大変明るい材料がございます。これはソニー生命の調査ですけれども、男子高校生の将来なりたい職業の第一位はITエンジニア、プログラマーということでございます。さらに、三位にはユーチューバー、四位にはゲームクリエーターと、IT関連産業への思いが非常に強いと、こういう調査結果が出ております。 実に、この率を足し上げますと、男子高校生の四六%、半分近くがIT産業を目指していると、こういう現状があるところでございまして、こうした若者の皆さんにどのような道筋をつくって情報サービス産業で活躍してもらうか、輝いてもらうか、もっと大きく言えば、情報サービス産業をより魅力ある産業にどうしていくか、私どもにとっての最大のミッションであると、このように思っているところでございます。 十一ページ、最後になりますけれども、法案への意見を申し述べたいと思います。 御報告申し上げましたとおり、ITあるいはデジタルで課題を解決していこうというDXの考えが浸透しつつございます。そういう中で、この法律案は大変時宜を得たものというふうに考えております。具体的に申し上げれば、この法案はDXの推進を加速する、言わばDX加速法であると私どもは考えております。 DX、デジタルを使ってビジネスを変えていこうということでございますけれども、DXは、技術的側面もございますけれども、本質的には経営課題、経営問題でございます。経営者の判断、リーダーシップが極めて重要でございます。この法案は、とりわけ指針の策定あるいは優良企業の認定というのが盛り込まれておりますけれども、経営者に刺激と申しますか気付きを与え、経営者を後押ししてDXを加速するものと大変大いに期待をしているところでございます。 具体的に申し上げますれば、DXというのは世界の潮流だ、経営の根幹だという点、そして他方で、日本においては二〇二五年の崖が迫っている、この二点を経営者に気付いてもらう、そして行動に移してもらう、そういうのに大変効果的な法案であると、このように思っております。 この法改正を機に、私どもシステム企業あるいはソフトウエア企業もDXを自ら推進しますとともに、ユーザー企業と一緒になって、協業と申しましょうか、互いの強みを融合させて新たな価値創造につなげたいと、このように強く思っているところでございます。 そしてまた、DXに積極的な企業の認定は、優良な人材の確保、あるいは市場から評価されて投資の拡大にもつながるものと大変期待をしているところでございます。 さらに、組織を超えてのデータの活用でございますけれども、個々の企業は多くのデータを持っておりますけれども、それが統合化、共通化されていないという現状にございます。これを打破し、新たな価値創造につなげていくということを期待しているところでございます。 さらには、安全性の確保、クラウドでございますけれども、クラウドサービスはもう今やDXを実現する重要な構成要素になっておりまして、この面でも大変評価できる、そういう法案と考えております。 以上、私どもの現状と課題、さらに法案に対する意見を申し述べました。ありがとうございました。
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加田裕之君 自民党の加田裕之でございます。 本日は、青山参考人、そして藤田参考人、そして小脇参考人、それぞれの立場で本当に有益な、短い時間の中におきまして有益な御説明をいただきまして、ありがとうございました。 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案ということにつきまして、これは恐らく、衆議院の方でもいろいろ議論がありましたし、そしてまた、これからいろいろな党派の方からも御意見あると思うんですが、私、多分、恐らく、どの意見を取りましても、総合的には皆さん、これは何とかしなくちゃいけないねと、このままじゃ日本というのはこのまま立ち遅れてしまうねと。そして、これは一部門、IT部門とか一つのセクションの話だけではなくて、会社の問題にも関わってくる。会社の問題のトータルになりますと、ひいては社会全体、企業全体、業界全体、これはひいては日本国の問題にもなってくると、そういう位置付けというのは分かっております。 ただ、その中で、これをどういう形で運用していくか、そしてどのような形でこれから国民も知っていくか。情報格差という問題があります。知っていると知らないとでは天と地の差でありますので、そういう部分につきましても、どのようにその格差というのを埋めていくか。これが分断社会を私は防ぐ一つのツールにもなると思いますが、一歩使い方を間違えると、これはまた分断を推し進めてしまうツールになってしまう恐れがあると思っております。 そうした中におきまして、近年、世界規模で急速にデジタル化が進展していく中でDXの必要性が叫ばれています。これは国民にも分かってもらわないといけませんので、そもそもなぜ行うことが必要なのかと、そしてまた、世界でのDXの取組状況はどうなっているのか、ある意味国民目線で、それぞれの参考人の方から教えていただきたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 御質問の点は二つあるかと思います。一つは、国民への理解と並びにどう導入するかということでございます。 まず、導入に関しては、いろんな組織が個別にやるのはやはりもう難しいのではないかと思いまして、先ほどのIPAを含めて、その先駆けとなって先導するやっぱり組織的な仕組みが必要だと思っています。一つは、そのIPAなどを中心として、技術的、あるいは人材を育成する、あるいはアーキテクト、プラットフォーマーを育成することだと思っています。 二番目に、やはり国民全体のこれは課題でございます。御指摘のように、理解を進めないといけないと、そのためには、やはりこういう理解を進めるようなある意味で組織的な対応を国にもお願いできないかなというふうに思います。 ですから、例えばIPAかもしれません、ほかの、あるいは教育の側面もありますけれども、それぞれの組織でこういったDXを、あるいはデジタル技術を普及させる一つの何らかの活動が必要じゃないかと思っています。最近、これから中高生でプログラミングが始まりますけれども、彼らがこういったものを理解して、国のこれからの、活躍できるようなことも期待しています。 一方で、やっぱり中高年が一番重要かなと思います。中高年に対して、やっぱりそれなりの理解をしていただかないと使いこなせないという課題があろうかと思います。そのための、やはり地域のDX、あるいはもっと生活に根差した使い方を促進するような施策もできればお願いできないかと思っています。 それから、世界的に申しますと、もうこれは非常に各国、中心課題だと思っております。 例えば、インダストリー四・〇もそうですけれども、もう八年ぐらいたちますが、例えばドイツでは、先ほどアーキテクチャーの議論がありますけれども、製造業の全体の、参照アーキテクチャーという言い方をしますが、全体の枠組みをつくってそれぞれ全部標準化を行っております。そうすると、その標準化に基づいて違う業界がお互いに連携をすることが可能になる。今までは個別最適で、A社、B社、C社、個別にいろんな技術を開発したのを、業界横断的にできるということになります。 特に、最近GAFAの問題があるかと思いますが、GAFAというのは、いわゆる通信のためのプラットフォーム、コミュニケーションのプラットフォーム、いわゆる水平プラットフォームという言い方をします。 それに対して、これから必要なのは、垂直と言われる、例えば、製造業のプラットフォーム、あるいは農業プラットフォーム、あるいは医療のプラットフォーム、こういう垂直型のプラットフォームでございます。これは、それぞれの業種の、あるいは企業の知識がないとできません。これはこれからが競争の鍵であると思っています。こういったのは、日本の製造業の知識とか、あるいは農業とか、そういった知識を盛り込まないとできませんので、それに対して是非取組を進めていただけないかと思っています。 これが恐らくは次、例えば個別企業の例ですけれども、最近、グーグルが今度は来年から銀行を、グーグルバンクというのを始めるんですね。これは、だから、水平プラットフォームから垂直プラットフォームが出てくるというふうな一つの表れだと思っています。これからは各業種ごとの技術をうまく整理したプラットフォームが必要だと思っています。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 申し上げます。 まず最初の情報格差をどういうふうに埋めていくかということにつきましては、一つは、政府の広報も強化していくということがあるかと思います。デジタルトランスフォーメーションということにつきまして経済産業省を中心といたしまして多くの政策は打たれておりますけれども、それは市民目線に届いているかということにつきましては、まだまだもう少しできる余地があるのではないかと考えております。 さらに、教育の分野でも、プログラミングが取り入れられたということに加えまして、こういうデジタルの重要性ということにつきまして、そういうことを内容として盛り込んでいく。 さらには、行政の手続が非常に立ち遅れている、このデジタル化が立ち遅れているということから、やはり企業も、行政がデジタルをもうデフォルトとして、従来の紙と判この手続はこれは非常に例外的なものという、そういうその状況が逆転しませんと、なかなか企業の方も従来のままでいいという感じになってまいりますので、その辺も変えていく必要があるかと思います。 それから、世界の状況でございますけれども、もう既にお話ございましたけれども、インダストリー四・〇を含めまして、アメリカはGAFAが中心になって進めておりますし、それから中国が非常にこのデジタルの分野でOMOというビジネスモデルを実験的にやってございまして、新しい社会のつくり方というものも非常に先進的なところをやっております。 そういう意味では、日本とヨーロッパがちょっとそれを追いかけているというような状況なんでございますけれども、ヨーロッパは、先ほどお話ありましたように、標準化というものがどんどん進んでいきまして、業界と業界、あるいは企業と企業が横に連結していけるような形でそういうインフラが整いつつあるのに対しまして、日本の中はどうしてもやっぱりIT人材が外部ベンダーに偏っているということもございまして、ITベンダーが中心となることでなかなか、その規格が分立して、そこが統一的なものができにくいというような状況がございましたので、その辺が今課題かなと思っております。
○参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。 先ほども申し述べましたとおり、まさにDXは世界の潮流で経営の根幹だと。今やデジタルなくして経営はないんだということを経営者が早く気付いていただいて行動を起こしてもらう、まあ経営改革が大変重要だと思っております。 その背景には、先生御指摘のとおり、国民の皆さんの理解、これが非常に重要かと思っておりまして、こういう面では私ども業界の役割も極めて大きいのかなと思っているところでございます。先ほど高校生のお話をいたしましたけれども、私どももいろんな面でいろんな発信をしていきたいと思っております。 それから、世界のお話でございますけれども、実は今年の情報通信白書に、一九八九年から日米でどのぐらいIT投資がされたのかという数字が載っかっておりました。この三十年間、米国では実に四倍IT投資が増えましたけれども、残念ながら日本は一・一四倍、一四%増、三十年間で僅か一四%増と、こういう数字でございまして、大変危機意識あふれる白書でございましたけれども、こういった面も是非国民の皆さんに知っていただいて、危機意識を持っていただくということが必要かなと思っております。 以上でございます。
○加田裕之君 ありがとうございました。 やはりこういう施策を進めていくというのは、もちろん自助努力というのは大事ではあるんですが、先ほど言いました国民の理解ということ、それからあと、ただ、個々の個人、個々の企業だけでは、特に新しい分野ですので、自助努力だけでやってくれというのはもちろん無理でありますし、先ほど言いました、世界的な競争の中にさらされている中において日本は大きく立ち遅れているという現状もよく分かりました。 そうした中で、特に、先ほど言われています会社の経営革新、そして経営者の意識、言わば、会社であれ団体であれ、そのリーダーですね、リーダーの人たちの意識改革、なぜ日本の企業でDXが進まないのか。現在八割の日本の大企業を含む企業で技術的に陳腐化している、まさにレガシーシステムが存在しているということもお聞きしております。 このような我が国の課題を抱えているのかということと、その克服にはどのようなアプローチが必要なのか。青山先生におかれましては、DXに向けた研究会の座長という立場でいろいろ発言もされているのを聞いておりますし、また、藤田参考人はシンクタンクとしての発信もされております。そしてまた、小脇参考人におかれましては、業界の方からいろいろな声、聞いております。この陳腐化という部分、このレガシーシステムの部分で、なぜ日本がDXが進まない要因、一番の元凶があるのかということをそれぞれお伺いしたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 分かりました。申し上げます。 まず最初の、ITに関する経営者の取組に関して申しますと、今までは経営課題ではなかったという認識が多いんではないかと思います。これは、IT部門という一部門の課題であったと、業務はうまくいっていると、それをITが支えるという状況だったと思います。それに対してデジタルの世界では、これはデジタルを中心に経営をやっていかないといけないという、経営課題になったということがございます。ここに大きな違いがあるかと思っています。 それから、先ほどのレガシーの問題もこれに多分、恐らく対応するかと思いますけれども、レガシーの問題も、かなりこれは、レガシーを刷新するには例えば二年とか三年掛かってしまいます。そうすると、かなりの投資もあります。ですから、単年度のキャッシュフローの中ではとても賄い切れないので、例えば経営者としては、自分が社長のときにこのリスクを負うのは大変だというふうなリスクの認識があるかと思っています。 一方で、そのメリットは、刷新した後にできますよね。ということは、投資と効果がタイミングがずれてくるという可能性がございます。そうすると、やっぱり経営者の判断を遅らせる、あるいは鈍らせるというところに構造的な問題があるのではないかというふうに私は思っています。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 経営者の意識改革の点でございますけれども、これは私の先ほどの説明でも申し上げましたとおり、かつてはITというのはコストだったというふうに認識されていたと。経営者がつくりました経営戦略を、それを各事業部に下ろして、事業部がITで実装していくという中で、ITはそれに必要なコストだという考え方でございました。ですので、経営者はITで何かをするということまで気を回さなくても、自動的に事業部がそれをITでサポートしてくれると、そういう成り立ちでよかったわけですけれども、近年のDXは、先ほど申し上げましたようにデータを中心に価値を創造していくということで、価値創造のつくり方が全く変わってくるということでございます。つまり、ITを主に置いてその経営戦略を立てていかなければならないということでございますので、当然、ITを視野に入れて経営戦略を立てなきゃいけないということでございます。 こういう啓蒙運動がもう少し日本にあってもよろしいかと思いますし、あるいは、例えばチーフ・デジタル・オフィサーのようなものを必置させるとか、そういった案もあるかと思います。 それから、レガシーシステムにつきましても、これもコストとして意識しておりますので、それは、今まではハードウエアの更新時期が来たときに仕方なしにそれを更新していくというような繰り回しでやってきたわけでございますけれども、それではなかなかもう、延命していくだけではなかなか新しいところに進んでいけないということになってきておりますので、これを後押しするような税制の措置とか、投資と効果が現れるタイムラグを埋めるような、何かそれを後押しするような措置も考えられてもよろしいのかと思います。
○参考人(小脇一朗君) 何ゆえ今までDXが進まなかったのかという点でございますけれども、従来の情報化はまさにITを補助ツールと経営者が考えていた、業務効率化の手段だということで、藤田参考人からもお話ありましたとおり、まさにコストセンター、コストだということで、IT部門に任せてきたという点に問題があったと思います。 このDXの時代は、デジタルはまさに価値創造の源泉だということで、事業のコア、まさにプロフィットセンターだということでございます。ですから、今までITを脇役として考えていたのが主役として考える、こういう経営者の気付き、マインドチェンジが重要だと、このように考えております。 さらに、レガシーシステムに関しましても、何がレガシーかというのは甚だ判断が難しい点もございます。個々の十分な検証が必要でございますけれども、ただ、レガシーとして見付かったとしても、非常に長い期間、あるいは多額の費用が必要になりまして、さらに失敗のリスクもございます。経営者はちゅうちょするというのが実態でございまして、この面でも気付きあるいはマインドチェンジが重要と、このように考えております。 以上でございます。
○加田裕之君 ありがとうございました。 あともういろいろ聞きたいところはあったんですが、申合せの時間が参りましたので、少しだけまとめをさせていただきたいと思います。 やはり、先ほど来聞きましたように、日進月歩進む世界の中におきまして、このデジタルトランスフォーメーションをしっかりと推進していくことが大切であるということを思いました。 やはり、我々は課題先進国でありますけれども、課題克服国としてのDXを推し進めていかなければいけない。そのためには、教育機関もそうですし、人材育成、そしてまた企業の在り方、そして団体、自治体、特に今回は台風被害とかそういうこともたくさんありますし、また上水道の問題についてもそうですが、水道事業のあり方懇話会とか、これからのそういう地方地方、地域地域の生活に密着した形での課題克服に役立つ私は施策ではないかと思いました。 このためにしっかりとこれからも推し進めてまいりたいと思いますので、皆さんの参考意見をしっかりと聞かせていただきまして、進めていくことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。
○浜野喜史君 国民民主党、新会派の浜野喜史でございます。 今日は三人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。 私は、この法改正に賛成の立場なんですけれども、その立場は立場として、多少否定的な観点に立っての御質問をさせていただきまして、御示唆をいただければ幸いでございます。 まず一つ目なんですけれども、大阪大学の大学院の経済学研究科教授の延岡健太郎さんという方が、十一月九日の週刊東洋経済にこういう論考を寄せておられました。イノベーションは手段でなく顧客価値創出という目的から考えることだ、AI、IoTなど、手段が先に来る日本企業が多い、はやりのオープンイノベーションやデジタルトランスフォーメーションも手段にすぎない、まずは、顧客が大きな対価でも支払いたいと思う価値を明確にすべきだ、そこでAIやIoTが必要であれば活用する、手段が目的化してはいけない、スティーブ・ジョブズを筆頭に、優れたイノベーターは常に手段でなく顧客価値について熱く語ってきたと、こういう論考なんです。 私も、そうなんだろうなというふうにうなずくところなんですけれども、現状は少しDXというような手段が先行しているんじゃないかなというふうに今私は感じたりするんですけれども、こういう感覚について、時代遅れだということになるのかもしれませんけれども、先生の見解をそれぞれ、全ての参考人にお伺いをまずしたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) DXが最近非常に注目されたおかげで、ある意味でそちらの方に意思が傾いている懸念はございます。ただし、DXはあくまでもデジタルトランスフォーメーション、つまりデジタル変革で、変革することが目的でございます。その変革の目的は、基本的には、例えば地域とかあるいは先ほどの防災で、社会の困り事を解決する、問題解決が目的でございます。したがって、出発点は、皆様方の社会の問題が出発点ですね。 つまり、よくDXといったときに、最初にエンパシー、共感という言葉を使います。共感というのは、皆様方が実際にやっていることを同じ立場で見て物を考えるということを出発点にしております。これが、例えばデザイン思考と言われるものの出発点でございます。 したがって、少し今DXが技術的な面にも傾いていますけれども、本来は顧客、社会の問題解決が出発点で、かつ、そのために企業がそこに新しい価値を提供できるという新しいチャンスがあるということを御理解いただければと思います。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 先ほどの最初の説明でも申し上げましたように、御指摘のとおり、手段が先行するということが実態になりつつあるんじゃないかと。とりわけAIとかIoTとか、そういった非常に喧伝される言葉を自分の会社でも使ってみたいと、そういう思いは結構あるんですけれども、それを何のためにやるのかということが置き去りにされがちであるということかと思います。 これは、やはりDXの本質は何かということについての議論が日本では非常に、余り深まらずに、最先端の事例等の紹介とかあるいは最先端の技術の紹介ばかりがなされていくということから、AIを使う、IoTを使う、それからビッグデータを使うと、そういったことが先行してしまうのかと思います。 そうではなくて、先ほども申し上げましたように、価値創造の転換と。要するに、新しくデータを中心に価値をつくっていくということから、そこの中でどういう技術をつくっていくかという、そこから何をすべきかというところから組み立てていくということが必要かと思います。 そのためにも、やはり今回の法案に盛り込まれておりますデジタルガバナンスということが一つのガイダンスとして役に立つのではないかというふうに考えております。
○参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。 今先生御指摘のとおり、DXの手段が先行しているのではないかと、こういう御指摘、まさに現状そういう面は多々あろうかと思います。 ただ、出発点をやはり課題あるいは価値創造という、出発点をそこから考えるという思考方法は大変重要であると考えておりまして、私どもも、先ほど御報告しましたとおり、お客様と一緒になって新しいサービスあるいは新たな価値をどう提供していくのかと、そういう出発点で考えていこうというのが最大の方向でございます。 ただ、DXは大変大きな変化でございまして、今までの経験あるいは知識ではほとんど想像できない、そういう世界でもございますので、このDXの全体像の見える化と申しますか、あるいは先端的なユースケースを示していくと、こういうことも重要なのかなと、このように思っているところでございます。 以上でございます。
○浜野喜史君 ありがとうございました。 では、もう一問、三名全ての参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、私、一つちょっと分からないのは、このデジタルガバナンスという言葉なんです。そして、このデジタルガバナンスというものについて指針を策定していこうと、こういうことになっているわけです。 そもそも、この企業経営における戦略的なシステムの利用の在り方を提示した指針を国が策定して、指針を踏まえ、申請に基づき優良な取組を行う事業者を認定する制度を創設するということで、非常にもっともらしいんですけれども、そもそも、このデジタルガバナンスということですね、デジタルガバナンスということがどのようなものであって、何といいますか、成長とか価値を生み出すデジタルガバナンスというものはどういうものなのかということを、正解を何か示せるのかどうか、私は非常に疑念を持つところなんですけれども、そのデジタルガバナンスというのはどういうもので、こういう指針が示されるべきなんだというところですね、お考えを三名の参考人全てにお伺いしたいと思います。 以上で終わります。
○参考人(青山幹雄君) 非常に難しい課題だと私は思っております。 まず、恐らく、基本的な考え方は、今まではITが単なる作業の手段であったのが企業経営の根幹になってきたということは、例えば、今日申し上げました技術負債という、これ自身が財務負債と同じように取り扱うべき重要なアセット、まあ経営の要因だというふうに考えられます。 そうしますと、これを、外から見えないと、この経営が正しくできているかどうかが分からないという時代になってきたんですね。かつては、その貸借対照表とかそういうものを見れば分かったのが、今は、見えないそのデジタルというものをもう少し見えるようにしないと経営の正常化とか健全性が分からなくなってきたというふうな状況にあるかと思っています。 例えば、シンガポールにありますDBS、デジタル・バンク・シンガポールというのがございます。元々はシンガポール開発銀行といったものですが、この会社は経営資源の二〇%をDX化するという宣言をしております。で、必ずそれをレポートに書いてございます。それは、その企業の透明性とか経営の健全性を示すことを主張しているというふうに理解しております。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) デジタルガバナンスということにつきまして、今回の法案では、私は、何をどういうふうにどこまでやれということまでは要求していなくて、こういうことを決めなさい、こういうことを示しなさいという、そういう外枠だけを用意してあるというふうに理解してございます。 これは、あたかも企業経営におけるコーポレートガバナンス、会社法が要求するような様々なこういう手続とかそういう取決めをしっかり守って、その外形を規制することによって、その中は株主、そのステークホルダーが議論して決めていくということとパラレルに考えてよいのではないかというふうに考えております。 ですから、国が各企業にこのデジタルガバナンスをここまでやりなさいという、だから、それが成功するのかというと、そこまでは保障されていないと。ただ、そういうことを方向付けることによってそこから議論が生まれてくると、そういう後押しをする位置付けかというふうに考えております。
○参考人(小脇一朗君) まさにデジタルガバナンスの指針ということでございますけれども、まさにこれは一言で申し上げれば、企業がDXを取り組む際の行動原則、あるべき姿だと思っております。 経産省の有識者検討会の報告もございますけれども、三つの側面があるかと思います。まず一つは、経営者が理念、ビジョン、あるいは基本方針を示すと、これがまず第一点。それから二点目は、その下で企業の組織、仕組み、プロセス、これをどう確立していくのか。まさにこのDXはいろいろ新しい形態でございますので、企業文化の変革も必要だということがあろうかと思います。さらに三番目としては、実行して評価をしていく。この三点から成り立っているということで、まさにDXを全体像を見える化したものというふうに私ども考えているところでございます。 以上でございます。
○浜野喜史君 終わります。
○新妻秀規君 意見陳述、本当にありがとうございました。 まず、初歩的なところからお伺いをしていきたいんですけれども、今回の法案の一つの大きな柱が、この認定制度、格付制度、あと指針の設定によってこのデジタル変革を促していくということにあると思うんですけれども、それが私の中ではまだレガシーシステムをどう駆逐していくのかという具体的なアクションにつながっていないんですよね。 例えば、私、実は七年前まで大手の造船重機メーカーの飛行機の部門で働いておりまして、そのときには生産管理の仕事もさせていただいたんですけれども、本当それ、私が入社している途中に大きなシステム変革がありまして、コマンドラインで打ち込んで、物がどこにあるのか、不具合票は出ているのかどうかみたいなですね、これはさすがに使いにくいよねということで、それがウエブベースのシステムに変わった。 ただ、そのシステム変革、大変評判はよかったんですけれども、やはりいずれ必ず陳腐化をしていくわけなんですよね。で、各部門ごと、生産部門もあれば設計部門もあれば品質保証部門もあれば、それぞれカスタマイズもされていくものですから、やっぱりこういうレガシーシステム、必ずなっていくという。で、現に仕事は回っているわけですよね。 でも、やっぱりおっしゃるとおり、様々なこのソフトウエアのパッケージの保守の終了もあります。なので、レガシーシステムは必ず変えていかなくちゃいけない。 しかし、今回の法案の柱であるこの指針と格付制度によって、こういうレガシーシステムの駆逐、若しくは置き換えはどのように進んでいくのか、どういうふうなつながりがあるのかについて三人の参考人の先生方にお伺いをしたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 分かりました。 まず申し上げたいことは、格付はある意味では手段だというふうに御理解いただきたいと思います。したがって、格付によって、例えばこの企業がどんなふうにやっているかということが見えるようになると、それは、ある意味では企業の経営者にとっては、自分たちが、各企業が、例えばレガシーをどこまできちんとやっているのかとか、そういうことをいわゆるステークホルダーに説明責任が発生するのではないかというふうに思います。それによって経営者のレガシーに対する取組を後押しをする、レガシーを刷新する後押しをするということに資するのではないかと思っています。 あわせて、先ほど、常にやっぱりレガシーになるリスクはございますけれども、最近は新しい技術も出てまいりますので、そういった技術を使っていただいて、例えば事業ごとに少しレガシーを仕分をしていただくということをレポートにも御報告させていただいていますけれども、やっぱり企業のコアのところとあるいはコアでないところを評価をしていただく、それによって段階的に進めていただくということを、先ほどDX推進指標というところにもお示ししているんですけれども、そういったある程度のガイドラインもないと、とにかくやりなさいと言われてもなかなか困りますので、ガイドラインのようなものと、それから格付のような後押しをする手段と、この二つのセットだというふうに私は理解してございます。
○参考人(藤田哲雄君) レガシーシステムを一概にある時期になると駆逐するということは、実際そういうことはなかなか難しいことですし、それから、それをする必要性も全体としてあるかというと、それはないかと思います。個々の企業が個々の状況でそれを判断していくということになるかと思います。 ただ、こういうものを更新していく際の一つの目安としてこういうガイドラインがあるということが、一つの大きな意思決定の重要な参考資料になりますし、それから、こういう情報が外に開示されることによって、市場の目とか、あるいはステークホルダーの意見とかが反映されるということについて、それによってこういうものが、その企業の戦略に沿ってそれが更新されていくというふうに、うまく転んでいくのではないかというふうに考えております。
○参考人(小脇一朗君) 先生御指摘のとおり、ITシステムの多く、これが部門別に過度にカスタマイズされている、こういう現状があろうかと思います。それが新たなデジタル技術の導入に困難になっている要因だと。これがレガシーという状態かと思いますけれども。 ただ、先生御案内のとおり、ソフトウエアはハードウエアと違って摩耗しない、ずっと使い続けられる。それから、情報システムというものは事業の中に組み込まれて使われて改良されながら発展していく、そういう面もございまして、今のままでも、先生御指摘のとおり、仕事は回っていくという状態にありまして、なかなか何がレガシーかという判断が難しい問題でございます。 経産省のDXレポートでも、レガシー問題というのは発見されにくい潜在的問題だというふうに述べておりますけれども、ただ、他方で、調査結果によりますと、八割の企業が老朽化システムを抱えていると、こう認識しているのも事実でございまして、やはり経営者の気付き、決断が大変重要かと思っておりますので、そういう意味では、今回の指針、認定、これ大変重要な役割を果たすのではないかなと、このように思っているところでございます。 以上でございます。
○新妻秀規君 ありがとうございます。 やはり、今、小脇参考人からもございましたように、私もどうやって経営者を本気にさせるのかというところが本当にみそ中のみそだと思っていまして、ただ、本当、今回、指針もありますし、格付もあります。でも、本当にありがちだと思うのが、アメリカほどのコミットが得られなくて、結局何か、仏作って魂入れずにならないかとすごい心配しているんですよね。 経営者が本気にならないと、結局、その担当の方に指針作っておいてとか格付対応しておいてで終わっちゃう。そうしたら結局何も変わらないと思うんですよね。なので、そういうことを避けるためにどのような促しが必要なのか、これもお三方からお伺いをしたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 大変難しい質問をいただいたと思います。 今年の九月にDX推進指標というのを、DXレポートの中では見える化という名前で呼んでいたものを発行いたしました。これは、今年の三月に一応まとめたものを各社に使っていただきまして、その結果に基づいて、現在二百二十社ぐらいだというふうに聞いています。 この中には、三段階に分けてあって、経営者に必ず答えていただきたいという項目がございます。事業部門とIT部門。ですから、経営者に、まかり間違っても、とにかく答えておいてよというふうにならないように、是非経営者もお答えいただきたいということをお願いしてございます。 それからもう一つは、これに対して、今IPAの方ではコメントをお返ししています。今月中にお返しする予定になってございます。これはなぜ今月中かといいますと、中期事業計画の今ちょうど大手企業は策定時期かと思いますので、その事業計画に是非盛り込んでいただきたいという面で、そういうある意味では、コメントを差し上げるという形でフィードバックをするという循環を今形成しようという段階でございます。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) これは御指摘のとおり、非常に難しい問題かと認識しております。 経営者がこういったいろんな作業をやっていく中で、実際にある部署に任せてそれで終わってしまうということは間々あることでございますけれども、この法案で盛り込まれている格付認定制度の趣旨は、それを公にして、市場の力を使って経営者を動かしていくというところにも一つポイントがあるかと思います。 単にこういうビジョンを作りました、組織をこう整えましたということだけではなくて、それに伴ってどのような実際の事業が進展しているのかと、DXとしてその企業がどういうことをやっているのかということも併せて評価されるというポイントになりますので、それを併せ見ることによって、これが単なる空文だというふうに判断されるかもしれませんし、あるいは、これはちゃんと実際に実行されているということも、そういう市場がそれを併せ読むということになってきますと、経営者も動かざるを得ないのではないかというふうに認識しております。 以上でございます。
○参考人(小脇一朗君) まさに先生おっしゃるとおり、経営者にどう本気になってもらうか、これが大変大きな課題かと思っております。 繰り返しになりますけれども、まさにこのDXというのは世界の経営の本流だと、まさにデジタルなくして経営はできないんだということを理解してもらうということと、レガシーに関しましては、まさに、システム刷新を怠った場合と申しますか、放置した場合にはこういった損失があるというのを見える化するというようなことが大変重要かと思っておりまして、藤田参考人から市場の力を借りてというお話もございましたけれども、そういう意味では、この指針、認定制度は、世間に見てもらうと申しますか、市場の力を借りるという面でも大変有効かなというふうに考えているところでございます。
○新妻秀規君 ありがとうございます。やはりフィードバックの活用、また市場からのいい意味でのプレッシャー、これが非常に重要なんだなというお話だったと思います。 そこで、そうですね、やはり市場からの力という意味では、投資家の意識というのが非常に重要なんだろうなと思うんです。やはり企業の経営者のみならず、投資家の方にどのようにデジタル変革の重要性を訴えていくのか、どういうふうにしてその意識変化を促していくのか、これについてまたお三方から意見をお伺いをしたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 今回の法律によってある意味で格付ができれば、投資家に分かりやすくなるかなと思います。 今まで、デジタルという目に見えない資産であり負債であるものが、全く今まで見えなかったという状況があるかと思います。これが目に見えることによって投資家の方々に理解していただき、かつ、それをできるだけ投資家の方々にうまく説明していただくということによって、先ほど藤田参考人からもあったように、市場からの評価を得る、良いDXを進めている企業は良い評価を得るということも可能かと思います。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 投資家がこのDXの格付あるいはその認定をもう常に意識するということにつきましては、これは、一つのやり方としましては、統合報告書の中にこういった情報を織り込んでいくということで、要するに、従来のディスクロージャーの中の一部としてこういうものを取り入れていくということが考えられるのではないかと思います。それが投資家の見る情報の中に常に入ってくるということになっていきますと、それが出ていない企業というのもあるかと思いますけれども、やはりそれは出さないという意思判断を、意思決定をしているというふうに捉えられるかと思います。
○参考人(小脇一朗君) 投資家の意識ということでございますけれども、投資家の中には、もう先生御案内のとおり、まさに外国投資家もおられまして、まさに外国人投資家はこのDXというのは世界の潮流だ、経営の根幹だということは十分承知をして投資をされていると思っております。 そういう意味では、今回のこの指針、認定制度、そういう面で投資の世界にも大きな刺激を与えるんではないかと、このように思っているところでございまして、そういったことをうまく活用することによってDXが進んでいくということを強く期待しているところでございます。 以上でございます。
○新妻秀規君 最後の質問になると思います。簡潔にお答えいただければと思います。 三人の参考人の方に御質問したいんですけれども、中小企業、サプライチェーンが広がっていく中で、やはり中小企業の方々の取組、非常に重要なんだろうなと思うんですね。ただ、やはり人材もいない、お金もないという中で、どのようにして中小企業にこのデジタル変革を促していくのか、お答えいただければと思います。
○参考人(青山幹雄君) 今日ちょっと御紹介した資料の中に愛知県の中小企業の例がございます。この会社は、自社のやっている成果をコンサルタントしてほかの企業にも展開されてございます。こういったいい事例もあるということも御理解いただきたいと思います。 あわせて、特に資金面とか人材面ではやはり課題を抱えているというふうに思いますので、ある意味では、いろいろな財政的な側面とか御支援がいただくと、これを促進できるような機会になるかと思います。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 御指摘のとおり、中小企業はこのような新しいことに取り組む余裕がなかなかございません。まず、彼らの一番こういうDXの面で困っているのは、何をしたらいいのかということがよく分からないということでございます。ですので、やはりここは最初に、こういう成功事例を集めたような情報提供という、そういう例えば経済産業省さんがやっておられるようなことがございますけれども、それを拡充していくと。それがどんなふうに、どれぐらい掛かって何ができたというような事例をたくさん参考にしていただいて、あるいは各地の商工会議所等がセミナー等を開催して、こういう啓蒙を努めていくということが一つのやり方ではないかと考えております。
○参考人(小脇一朗君) 現状、御指摘のとおり、中小企業のIT活用、DX、大変大企業に比べると低調であるかと思います。その原因は、ITと申しますか人材不足、さらにはその初期投資コストの負担と、この二点にあろうかと思います。 ただ、最近、人材面では、先ほど高校生の話をいたしましたけれども、若手社員はデジタルネーティブと申しますか、生まれたときからデジタルに慣れている、そういう社員も増えておりますし、あるいはその専門家、ITコーディネーターもおられます。そういった人たちを活用するということ。 あるいは、コスト面では、クラウドサービスが浸透しておりますけれども、そういうものを活用することによって中小企業のIT化も進むものと思っております。 加えて、中小企業のIT化を支援する制度、例えばIT導入補助金等々も充実しておりますので、そういった面からも今後、中小企業のIT化が進むものと、このように期待しております。 以上でございます。
○新妻秀規君 終わります。
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。 本日は、お三方、参考人の皆さん、貴重なお時間を割いていただきまして誠にありがとうございます。 それでは、質問に入ります。 まず、経産省は、二〇二五年の崖ということで、これを回避するために、そのイシューとして、ブラックボックス化した既存システムあるいは基幹システムの刷新を挙げております。その中で、特に欧州SAPのERPの製品でありますSAP・ERPのサポートを終了するということでありますけれども、SAP社は後継の製品でありますSAP・S/4HANAへの移行を推奨しておりますけれども、ユーザーからは、製品のサポート切れという理由だけで、大きな労力と莫大なコストを掛けて刷新することへの疑問の声も出ているのも事実であります。 システム刷新は、ITベンダーによりまして莫大な利益をもたらしますけれども、しかも、現在の国内基幹システムのシェアはSAPを始めとする海外企業がその多くを占めているのが実情であります。 一律に扱えませんけれども、身近なところでマイクロソフトが約三年ごとに新しいOSを発売している。買換えやサポート切れに伴う更新需要などによりまして、二十年以上もの間、OSパッケージ販売で莫大な収益を上げてこられました。しかし、時代とともにそのパッケージビジネスも終えんを迎えてきているのも事実であります。 今回の経産省のDX推進は、図らずも外資ベンダーによる保守切れビジネスを後押しすることとなっているのは否めないと思います。DXを進めながらも、この外資ベンダービジネスから脱却することも政府として今後考えていかなければならないと思いますが、参考人の皆様の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 分かりました。 御指摘のような状況にあると思います。特に、日本のITベンダーがこれまでいわゆる受託型の開発で、ユーザーの要望に合わせるような形にしてきたと思います。先ほど御指摘のSAPに関しても、日本ですと、大体七五%のコストがカスタマイズに使われています。アメリカのユーザーは大体二五%だというふうに聞いております。このカスタマイズのために非常に多大なコストが掛かる反面、必ずしもそれがユーザーに価値をもたらさないという土壌がございます。 したがって、こういったDXを機会に日本のITベンダーのビジネスもやっぱり変えていっていただきたいと同時に、DXレポートでお願いしているのは、ユーザー企業の方で特にDX人材を育てていただきまして、ユーザーからはこういったやり方を変えていくというふうなドライブを、力を掛けていただきたいと思っています。これ、ユーザーとベンダーというのはある意味で鏡の両面で、ユーザーの方からこういうことをしてくれと言われないと、なかなかベンダーの方も変われないという状況があるかと思います。 したがって、ユーザーの方のいわゆるDX人材とか、あるいは先ほどから出てきていますCDOというような人材を是非育成して、それに基づいたITの使い方あるいは開発の在り方をこの機会に図っていただければというふうに思っております。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 日本におきましてSAPのようなドミナントなベンダーが余り登場してこなかったというのは、先ほどお話ございましたように、各ユーザー企業のカスタマイズニーズというのが非常に従来強かったということが背景にあるかと思います。 欧米では、標準的なソリューションに対して、それに合わせて業務を変えていくということが多いのに対しまして、我が国では、標準的なソリューションをカスタマイズして自社の業務手順に変えていくということが一般的であったということでございます。 これから、こういうDXの時代を迎えてどうしていくべきかということにつきまして、一つここに、後ろにございますけれども、アーキテクチャーの問題が指摘されておりますが、クラウド等を使いまして、こういうまず共通部分を日本国内でそれをできるようにするということが一つ大きなポイントかと思います。 ですから、それは脱却するということが、国策としてやるかどうかは別としまして、自然にそういった各業界のそういう共通化、標準化ということを進める中でそれが実現されていくのではないかと考えております。
○参考人(小脇一朗君) 今先生御指摘のとおり、今回の法改正は外国ベンダーの後押しになるんじゃないかという御指摘でございますけれども、私ども国内ベンダーの団体として、先ほども御報告しましたとおり、今までのビジネスモデルの主体は受託開発ということで、私ども、お客様から要望どおりにシステムをつくっていく、それも正確かつスピーディーにつくっていくということが我々のミッションでございましたけれども、これからは、先ほども御報告したとおり、お客様と一緒になって考え、そしてお互いの強みを融合させてやっていく、共創という、共につくると、それが私どもの基本概念でございまして、人材も、そういった方向で提案型の人材にしていこうということで方向を定めているところでございます。 私どもも、今回の法律改正を機に、ユーザーと一緒になって、お互いの強みを出し合いながら価値創造に努めていきたいと、このように思っております。 以上でございます。
○石井章君 別な角度から質問なんですが、政府の方も今回の刷新システムを促すという意味でもインセンティブを考えている。 政府は、コスト負担軽減策として、コネクテッドインダストリーズ税制が一つですね。それから、条件を満たすIT投資については最大五%の税額控除。今改正では、DX格付をしておりますけれども、そのDX格付制度の認定により中小企業信用保険法の特例が受けられるとしている。これは、信用保険法の対象企業というのは本当に中小零細企業でしかないわけでありますから、経産省も、大手ばかり見ているんじゃなくて、IT企業の一般の小さいところまで、かゆいところに手が届くようにしていると。しかも、今までの枠以上に、特例枠ですから、恐らく、金額的なことはまた次回の質問にしたいと思うんですが、そういったことも考えているということなんですけれども、実際、いろんな企業さんの意見も聞きますと、莫大な負担を考えると焼け石に水ではないかという意見も確かにあります。 私は、政府として、刷新を進展させるための更なる支援メニューが必要だということを考えておりますけれども、実効性のある支援策としてどのようなものが具体的に必要であるか、絵に描いた餅ではなくてですね。それぞれ参考人の皆さんに、こういうのあればいいなということがあれば御答弁を願いたいと思います。
○参考人(青山幹雄君) 恐らく三つぐらいのポイントがあると思います。一つは技術的な面、それから人材的な面、あと先ほどの財務的な面があるかと。財務的な面は、政府の先ほどの税制とか幾つかありますが、やはり中小は技術と人材の面で非常に困っているのではないかと理解しています。 技術面に関して言いますと、今までは個別に全部開発をしていたのを、やっぱりある程度協調領域をつくって共通のプラットフォームを提供する、それによって今までの個別投資を低減するということが一つあるかと思っています。 今回のアーキテクチャーの議論も、今までは、例えば先ほどの水道とかあるいは農業もそうですけれども、複数のITベンダーが個別に全部つくってきたシステムがございます。そういうふうなのは、ちょっともうかなり経済的にもあるいは技術的にも難しい段階に来ているのではないかと思います。そういう面では、ベンダーの方もある程度協調して、ユーザーとともに、ユーザーの負担を低減するような形の技術のプラットフォームの提供が可能かと思っています。 あわせて、それに伴って、ユーザー企業の人材育成も是非お願いしたいと思っています。先ほど御紹介した愛知県の中小企業です、まあ中堅企業ですけれども、今まではNCのプログラムを全部メーカーにお任せしていたんですね。それを社内の現場の、そのNCを使っている技術者に自分で直すようにと変えたんですね。そうしますと、自分たちですぐ直せると。コストも掛からないし、かつ技術者のモチベーションが上がって、学ぶということが起きています。 こういった、実際に今までいた技術者も、やはりITを理解していただいて、技術を理解していただいて、IT技術者としても働いていただけるような形に展開していただければと思います。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 人材の面では、先ほどお話ございましたように、やはり協調領域というものを広げていくということが一つ大きなポイントになるかと思います。それによりまして、同じようなものを違ったところでたくさん競い合ってつくっているということから、一つのところを広げていくという形にできるのではないかと。それを広げるときに、それを公共のものとしてそういった知的財産権を買い上げるというような仕組みもあってもいいのかなと思っております。 以上でございます。
○参考人(小脇一朗君) 支援策という御質問でございますけれども、そもそもこの法律の認定を受けることによって、優秀な人材の確保、あるいは先ほどから出ております市場から評価された投資の拡大につながる、こういうメリットがあると、このように考えております。 さらに加えて、政策的支援ということであれば、今まで補助金、IT導入補助金とか、あるいは税制、先生御指摘のコネクテッドインダストリーズ税制、あるいは第四次産業革命スキル認定講座認定制度というのがございまして、ITのスキル転換への助成金がいただける、こういう制度もございます。 こういう制度の更なる拡充を期待したいと思っておりますけれども、とりわけ私どもから、立場からいきますと、まさに鍵を握るのは人材でございますので、人材の育成、人材の転換に対する御支援、これをいただければと、このように強く思っているところでございます。 以上でございます。
○石井章君 ありがとうございました。
○委員長(礒崎哲史君) 以上でよろしいですか。
○石井章君 はい。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 三人の参考人の皆様、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。 本法案が、データやデジタル技術を活用した新しいビジネスモデルが海外企業で誕生している、その一方で、多くの日本企業では事業基盤となるITシステムがレガシー化していて経営の足かせとなるリスクがある、いわゆる二〇二五年の崖問題があるんだということで、先ほども御説明をいただきました。これを避けるためにデジタルトランスフォーメーションを推進するんだというふうにしています。 そこで、三人の参考人にお聞きをいたします。 本法案は、データを組織横断的に活用する技術の社会実装に向けて、アーキテクチャーの設計を行う機能をIPAに追加するというふうにしています。アメリカではNIST、国立標準技術研究所がこれを設計をしていて、日本もこれに倣うんだというふうに聞いております。 産構審の総会に提出をされた経産省の資料を見てみますと、最新のデジタル技術に合わせて規制もアップデートが必要だというふうにしていて、制度については、関係省庁と連携をして、同一の効果を有する行為には同一の規制を適用するなど、業種ごとに定められた既存の規制体系を超えた横串の規制体系の導入を検討するということが具体的な取組として挙げられております。 今年の六月に閣議決定をされた成長戦略のフォローアップでは、アーキテクチャーを活用した検討を行って、与信等に関する消費者保護や安全確保などの分野において二〇一九年度内に規制の見直しを検討するとか、パーソナルデータの円滑な流通の実現に向けてアーキテクチャーを取りまとめるんだというふうにしています。 このアーキテクチャーによって、既存の規制を飛び越えて、消費者保護とか安全確認分野などが置き去りにされたまま、もうけ優先になるんじゃないのかという懸念を持っているんですけれども、参考人の皆様どのようにお考えでしょうか。
○参考人(青山幹雄君) まず、アーキテクチャーというものは、これは今、情報システムそのものの話もありますけれども、例えば業務そのものもアーキテクチャーがございます。アーキテクチャーという意味は、全体の構造なわけですね。したがって、これは社会の構造もアーキテクチャーでございます。 特に、デジタル世界では、アーキテクチャーというのは事業横断的あるいは企業横断的な側面がございます。これはほかの産業とは極めて違うところで、データというのは複数の事業体を横断して使われる傾向がございます。これが非常に重要なことですね。 したがって、ここを押さえないと、例えば重要なことは、セキュリティーの問題がございます。セキュリティーはどこかの一つ、一か所破られると全部破れちゃう。一番弱いところで決まってしまいます。だから、サプライチェーンの中でどれかの企業がセキュリティーを守らないとサプライチェーン全体が破綻してしまうという問題がございます。 こういった固有の性質がございますので、デジタル技術に関しては、やっぱり産業横断的なある意味での枠組みが必要であるというふうに理解をしています。これによって社会の安全とか安心が更にある意味で保障する。最近は特にセキュリティー面では非常にリスクが高まっているというふうに理解していますので、非常に重要かなというふうに思っています。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) ただいま御指摘のありました点でございますけれども、アーキテクチャーが広がることによって横串の規制が導入される、それによって従来の個別にやった規制を乗り越えて、それがないがしろにされる、そういう懸念はないかという、そういう趣旨の御質問であったかと理解しておりますが、先ほど青山参考人からございましたように、そのアーキテクチャーというのをネットワーク全体にかぶせていく、その横串の規制が必要だという、そういう趣旨でございまして、個別の、例えば消費者保護とかプライバシー保護とか、そういった点につきまして、それを、このシステムの構造がこうなったからそれはもうやらなくていいということには決してならないというふうに理解しております。
○参考人(小脇一朗君) アーキテクチャーの御質問でございますけれども、アーキテクチャー、私どもにとりましてはまさにDX世界の見取図だというふうに考えておりまして、ただ、この設計には大変高度な知識、経験が必要でございますので、日本の総力を結集してつくっていくということが必要かと思いますので、そういった意味で、IPAが設計をされるということは大変時宜を得た方向かなと思っております。 他方、規制のお話がございました。DXの時代はデータがどんどんつながる時代でございますので、従前のように、定期検査と申しますか、何年に一回検査員が行ってチェックをするというよりは、日々つながっているデータをチェックしていくということが大変効率的、効果的ではないかというふうなことで、そういう方向になっていくのではなかろうかなと、こう思っているところでございます。 以上でございます。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次も三人の参考人にお聞きします。 衆議院のこの法案の質疑の中で我が党の笠井亮議員が、本法案は政府調達におけるクラウドサービスの安全性評価を行う機能をIPAに追加するものなんだけれども、そのクラウド導入に向けた採用基準としてデータセンターを国内に設けることも条件にすることが当然じゃないのかというふうに質問を行ったところ、大臣から、データセンターの国内設置は一律に求められるようなことにはならないと考えているという答弁があったんですね。 クラウド業界のトップのアマゾンのAWSというクラウドサービスがありますけれども、これを利用していたアメリカの大手銀行のキャピタルワンから約一億人分の個人情報が漏えいをしたということが大問題になっています。アマゾンのように海外にクラウドサービスを提供する企業を日本政府が使うような場合に、その安全性を高めるという観点から、やっぱり国内にデータセンターを設置する必要があるんだというふうに思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○参考人(青山幹雄君) まず、原則から言えば、望ましいとは思います、国内の方がですね、大きく言うとですね。 ただ、アマゾンのポリシーとしては、私はアマゾンは非常に高い技術力を持っている会社であると思っています。したがって、その技術力を生かすためにはある意味ではアマゾンとのうまく調整も必要かと思いますので、絶対にないといけないという議論はなかなか難しいのではないかというふうに思っています。 ただ、望ましいのはやはり国内ではないかというふうには個人的に思います。
○参考人(藤田哲雄君) 御指摘のとおり、安全保障とこのデータの置き場所という観点で申し上げますと、国内にある方が安全だということになろうかと思います。 ただ、その全てのデータが同じように安全保障的な見地から守らなければいけないというわけでもなくて、非常に重要なデータと、それが万が一外国にあって何かの障害が起きたときでも何らかの対応ができるという場合があるかもしれませんので、一律に国内ということにはならないかと思います。
○参考人(小脇一朗君) 先生御指摘のとおり、そのクラウドサービスはまさにDXを実現する大変重要な構成要素になっておりまして、多くの会社がこのサービスを提供しておりますけれども、御指摘のアマゾン等々海外企業、巨額な投資を続けている会社もあるところでございます。クラウドは便利ではありますけれども、他方で、安全性確保というのは非常に重要な要素でございます。 今回の法改正でクラウドの安全性評価を政府がおやりになるということになったわけでございますけれども、専門的立場からデータセンターの位置も含めて御判断されると、このように私どもは理解しております。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次も三人の参考人にお聞きをしたいんですけれども、IPAが発行している二〇一九年の情報セキュリティ白書の中に、国外の情報セキュリティ政策の状況についてというところがあって、アメリカでは、昨年九月にトランプ大統領が国家サイバー戦略を発表し、敵対的国家として四つの国を名指しをして、これらの国は米国とその同盟者、パートナーに対してサイバー空間でしばしば向こう見ずな挑戦をするなどと非難をして、対決姿勢を前面に出していると、こういう記述があるんですよね。 今年の四月の日米安全保障協議委員会が、サイバー攻撃が日米安保条約で言う武力攻撃に当たり得るということを確認をして、当時の防衛大臣が、自衛隊による武力行使があり得ると国会で明言をしています。IPAがNISC、内閣サイバーセキュリティセンターと一体的に政府機関の監視活動を行っています。さらに、昨年から日米サイバー共同演習に関与をしています。 IPAに新たな機能を付与するということで、アメリカのサイバー戦略に巻き込まれるんじゃないかという懸念があるんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○参考人(青山幹雄君) まず、結論から言いますと、それは多分私は余り当たらないかなという感じがしますけど、正確に私が答える立場には恐らくないんではないかと思います、一つはですね。 ただし、今重要なことは、やっぱりサイバー攻撃の技術がどんどん上がってきているわけですよね。これは、国もそうですし、民間企業もそうでございます。被害に遭うリスクは高くなっています。したがって、この技術を少なくとも高める必要が我々はあるかと思います。ですから、個々の企業に、全部開発するというのはかなり難しいものでありますので、かつ、やっぱりデータが集まらないとどこで何が起こっているかよく分からないという状況がございます。 そういう面では、データを収集して、状況を把握して、それを共有できるようないわゆる中立的な立場の国レベルの組織は、これはもう必須ではないかと思います。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 御指摘のとおり、このセキュリティー、このサイバー攻撃というのが現代の一つの戦争のような国家間の形になりつつあるという指摘も聞いております。その意味でも、セキュリティーに対して国を挙げて、技術の粋を集めてこれを防衛するということは必要かと思います。 IPAがアメリカのその戦略に巻き込まれるかどうかというのは、これはIPAの機能そのものとは関係なくて、それは政府のまた別の御判断かと考えております。
○参考人(小脇一朗君) セキュリティーの問題は大変重要な問題でございまして、まさにDXの進展によって利便性は高まりますけれども、他方で、それに伴って新たなセキュリティーリスクが出てくるということであります。 とりわけ、インターネットを介していろんなものがつながりますので、思わぬ脆弱性を生み出すおそれがある。さらには、先ほど御指摘のサイバーセキュリティーの問題があるわけでございまして、リスクコントロールは大変重要だと考えております。 ただ、国レベルでの具体的なサイバーセキュリティーの戦略は国の責任でお決めになるものだと、私ども承知しているところでございます。
○岩渕友君 ありがとうございました。 最後に、もう一つお聞きしたいんですけれども、先ほど来出ているように、そのDXといっても、やっぱり中小企業が対応できるのかということが心配なんですよね。中小企業のデジタル化の遅れに対する具体策というのがやっぱりどうしても必要だというふうに思うんですけれども、先ほどお答えいただいたことに更に加えて、支援をどうやって進めていくのか、政府にどのような施策が求められるのかということで、付け加えることがあればお三方からお聞かせください。
○参考人(青山幹雄君) 一つは、先ほどから出ています、税制を含めた、いわゆるそのDXを推進するような財務的な御支援が可能かと思います。 もう一つ、先ほどの技術と人材の側面でいいますと、例えばそのIPA内に、そういう共通プラットフォームによって、例えば製造業の金属加工とか、それを共通につくることによって、例えば今まで一千万掛かったシステムが半額で済むとか、そういうメリットが出てきますので、そういった技術等、それから人材を含めて、何か提供できるようなことを推進していただくと有り難いなと思っております。
○参考人(藤田哲雄君) 中小企業の場合は、この導入のところがやはり非常に大きな壁になるかと思います。そこをどうやって乗り越えていくかというところが一番のこのポイントかと思いますけれども、一つのやり方としまして、その商工会議所等々が、そういう人材も含めて、その啓蒙に注力すると。 具体的に申しますと、そういうシステムコンサルタントをあっせんして、それの費用も一部そういうところが負担するというようなことも考えられるのではないかと思います。
○参考人(小脇一朗君) 先ほどのお答えに付け加えるならば、まさに成功事例の情報提供と申しますか、見える化が大変重要だと考えております。 先ほども青山先生から成功事例の御紹介がありましたけれども、ああいったものをどんどんどんどん情報提供をしていただくということによって中小企業でのIT化も進むものと、このように考えております。 以上でございます。
○岩渕友君 ありがとうございました。
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子と申します。 参考人の皆様、今日は本当に分かりやすい御説明をいただきまして、理解も深まったように思います。ありがとうございます。 それでは、まず青山参考人にお伺いしたいんですが、先ほどミカン農家の例がございました。和歌山でしたね。私の地元の愛媛県もミカンの生産県として大変有名なので興味深く聞かせていただいたんですね。もちろん、ITを取り入れている農家の皆さんもいらっしゃいます。でも、多くはやっぱり作業の効率化ですとか、高齢化に伴って大変な作業をいかに軽減していくかというところに使っているという例が多いんですね。 その中で、糖度を上げるという結果を出したということなんですが、これにはやっぱり膨大なデータの蓄積と時間、分析とかというのが必要かなと思うんですが、どういう仕組みで結果を出されたんでしょう。
○参考人(青山幹雄君) この会社は、ある会社と連携いたしましてデータを集めたんですが、最初はたくさん集めていたんですね、センサーをあちこち置いて。そのうち、分析した結果分かったことは、実は土の中の水分が、これが一番よく効くということが分かったんですね。その結果、何をやったかというと、センサーを減らしたんですよね。最初は空気とか日照時間とかいろんなデータを集めていて、それはなぜかというと、分からなかったからですね、何が糖度に一番効くのかというのが。何年かやって、二年か三年やってそれが分かったので、逆にコストを減らしておいしいものを作るということができたというんですね。 ですから、そういった知見をほかにも共有していただくと、次の後から来る人はより少ないセンサーでうまくおいしいもの、ミカンを作れるということが日本で共有できると。これがある意味では農業のプラットフォームだというふうに御理解いただくといいかと思います。
○ながえ孝子君 実際に科学的なそういう試行錯誤を繰り返さないと分からない結果が役に立つということだろうかと思います。でも、それだけのこと、結果を出すためには、やっぱりそれなりの投資をして、それからそれなりの時間を掛けてって、それをなかなか、農家含めて中小企業の皆さん持ちこたえられないんですよね。 具体例としてお聞きしたいんですが、その農家の経営者の方はどういうことでそれを持ちこたえられたのか、その秘訣があれば教えてください。
○参考人(青山幹雄君) 恐らく、やっぱり今までと同じ値段で売っては経営的に非常に基盤が弱いということで、おいしくすることによって、この農家では、多分一番最初に出されたミカンは、七百二十ミリリットルが千五百円ぐらいで売られていたんですね。大体十倍近い値段で売られ、それが完売しています。毎年私も買うんですが、実は。 やっぱりポイントは、経営を安定させないともうこれからは立ち行かないということと、付加価値を上げるチャンスが実はある、今までできなかったことができるようになるということに、二つのポイントはこの経営者がお気付きになった点だと思います。 今日お話しした愛知県の事例も、これスタートは、大きなシステムを買うとお金が掛かるので、自分でラズベリーパイという、私どもの学生が使うんですが、一個五千円ぐらいのコンピューターを買ってきて、自前で全部やれたんですよね。そうすると、設備投資が大体数万円程度で済むということを始めて。だから、やっぱり小さく始めて段階的にやると、どこかのポイントを絞ってですね。あれもこれも全部改善するのは難しいですね。例えばこのミカン農家の場合、糖度を上げるということにもう絞って、おいしいものを作って高く売るということで経営を安定させる、収益を良くするということにやられたと思うんですね。 だから、こういったやり方というのは恐らく共有できると思います、ほかの分野もですね。こういった知見を例えばIPAで共有して、ほかの企業の、あるいはほかの農家の方に提供できるようになれば、後から、これからやろうとかいう方の後押しにもなるし、あるいは成功のチャンスが、やり方がだんだん分かってきたということになるかと思います。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 それでは、続いて藤田参考人にお伺いしたいんですが。 IPAによるアーキテクチャーの設計のところで、事後的にどんな議論があったのか検証できる仕組みが必要だというお話でしたが、具体的に藤田参考人が懸念される事項とか、教えていただけたらと思います。
○参考人(藤田哲雄君) このような、IPAがプラットフォームを提供して、そこにその専門家あるいはその業界の方、ステークホルダーの方が集まってそういうのをいろいろ議論しながら決めていくんだという説明を受けておりますけれども、その中で、結果がこうなったというそういうブラックボックスにするのではなくて、そこでどんな議論がされて、それをどういうふうにして最後決めていったのかということが、例えば議事録が公開されているとか、その直後でなくてもいいですけれども、事後的に後で検証できて、かつ技術的にはやっぱりオープンであると。特に一つの何かベンダーの特殊な技術に偏ったものでなくて、オープンな技術を使ってそういったものができていると、そういうことが担保されていることが必要ではないかというふうに考えております。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 もう一つ、藤田参考人、よろしいでしょうか。 先ほどから市場の力を借りるということで企業の経営者の背中を押そうということがありますが、コーポレートガバナンスコードになりますと会社全体の姿勢とかそういったものが見えてくるので、投資家としても投資がしやすいといいましょうか、決断しやすいと思うんですが、ITというその一部の利活用についてのコードが出て、で、それに評価があるとしても、なかなか飛び越えられるかなというのもあるんですね。 だから、投資家の何かもっと背中を押すといいましょうか、あるいは経営者の背中を押すといいましょうか、もし何かアドバイスといいましょうか、お考えがありましたら教えていただけませんか。
○参考人(藤田哲雄君) 一律に企業がITを活用してDXに進むべきかということにつきましても、その業種等によって、いろんな速度といいますか取り組み方の違いはあると理解しております。 とりわけ、例えば今コンシューマー相手のビジネスにおきましては、サービスにおきましては非常に活発にやっている一方、例えば素材とか、そういう上流過程にあるような産業ではなかなかこういったものが進んでいないというふうに聞いております。 ただ、それが横並びに出てくることによって、特に日本の場合は同業他社との比較というのが結構企業の中で強い視点として打ち出されてきますので、それが他社がこういうふうにやっているということになれば、当社もというふうに自然になっていくのではないかというふうに考えております。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 それでは、小脇参考人、教えてください。 今回、情報処理安全確保支援士、更新制にしようということも打ち出されております。ITに関わる資格試験というのはこれだけじゃなくて、物すごくたくさんありますよね。たくさんできてはいるんですけれども、業界のニーズに応えるような資格といいましょうか、ができていっているんでしょうか。あるいは、何か業界として望むようなことがあれば教えてください。
○参考人(小脇一朗君) 資格は多々ございますけれども、実際おやりになっているIPAとは常に連携を保っておりまして、定期的にいろんな会合を開くとか、我々のニーズもお伝えしているところでございますので、私どものニーズを反映したものというふうに考えております。 ただ、先ほど来御報告しているとおり、私どもの人材を言わば受け身から提案型にしていこうという、そういう方向があるわけでございますので、そういう大きな方向でのまた新たな資格制度と申しますか、大きな仕組み、こういうものも御期待しているところでございます。 以上でございます。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 その求められる人材というのが、お話をお聞きしておりまして、専門的なもちろん技術も必要、それからデザイン思考も大事、それから経営に深く関わっていけるようなという、求められるところは物すごく大きいですよね。でも、そういう人材をつくっていかないと世界から置いていかれるということであろうかと思います。 そういう人材をつくっていくために、この今回の法案にかかわらず、何かお考えといいましょうか、ありましたら教えてください。
○参考人(小脇一朗君) まさに人材面ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、若手は非常に、このITと申しますか、デジタルネーティブと申しますか、生まれたときからデジタルに親しんでおりますので、こういう若手をいかに活用していくのか。企業の経営者に聞きましても、若手は大変のみ込みが早いということを言っておりますので、こういう若手と、それから今いる人材のスキル転換、これが大変重要かと思っておりまして、その両方の観点からいろいろな手を打っていくということが必要なのかなと思っているところでございます。大変地道な取組が必要かなと思っております。 具体的には、私ども、先ほど御報告したとおり百万人の人材がおりますので、そのうちの一定割合を徐々に徐々に転換していくと申しますか、転換していただくということが重要かなと思っておりますので、そういう面でも政府の後押しが大変重要かなということでございます。 以上でございます。
○ながえ孝子君 先ほど、中学生それから高校生の皆さんの意識といいましょうか、将来どういう職業に就きたいかというのを拝見しまして、IT分野を目指しているといいましょうか、志向しているのは男性ばっかりなんですね。男子ばっかりで女性の方が全然いなかったので、あれ、本当かなと。理系女子というのも最近言われるのにどうなのかしらと思いまして。そういう、業界からして、女性という未開の市場があるわけですよね。そちらの方の女子学生、女子生徒へのアプローチといいましょうか、人材開拓の余地が私はあるんではないかなと思って見せていただいていたんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(小脇一朗君) おっしゃるとおり、このソニー生命の結果は、男子高校生だけで、女子高校生の一位は公務員という結果でございましたけれども、おっしゃるとおり、私どものITエンジニア、プログラマー、女性の方が多数御活躍をいただいております。そういう意味で、男子高校生だけではなくて、女子高校生の方と申しますか、若者全体にいろいろ私どもの業界の魅力を知っていただくと、こういう努力が必要かなと思っているところでございます。
○ながえ孝子君 そういった点で、何か我々の方に望まれることといいましょうか、というのはございますか。
○参考人(小脇一朗君) 一つは、私どもの業界は目に見えないということがございまして、働き方がどういう働き方になるのか、これが分からないという若者の方が多数おられます。そういう意味では、我々は見える化をするということが一つ大きなポイントかなと思っておりますけれども、社会全体でこういうITは非常に重要なんだというような文化と申しますか、そういうのをつくっていただくということで、先生方の御尽力も期待しているところでございます。
○ながえ孝子君 ありがとうございました。 いろいろ御説明もいただきまして大変よく分かりました。どうもありがとうございます。
○参考人(青山幹雄君) 私どもは、実は女性が三割ぐらいおります。最近は非常に女性からの応募が多い状況にございます。やはり、コンピューターは力仕事ではないです、ソフトウエアはですね。ですから、女性にとっては非常に活躍できる可能性があって、かつ私どもの学生は非常に活躍している卒業生はたくさんございます。 今後も、是非そういう女性が活躍できる場、あるいは、私どもから出ました卒業生も、子供三人を育てながら仕事している学生もございます。そういったことも可能、できるということを御理解いただいて、是非プロモーションをしていただくようなことをお願いしたいと思っています。
○参考人(藤田哲雄君) 一つ付け加えさせていただきます。 このIT業界に人材を呼び込むという点でございますけれども、実は私の所属しております日本総合研究所というのはシンクタンクでもあり、SMBCグループへのITベンダーでもございます。その中で、優秀な人材を呼び込むために何をしているかということで申し上げますと、これは一つは、大学への出張講義といいますか、ITの組立てというのはこういうことだよということを授業としていろんな大学で今展開してございます。 そこで初めて学生の皆さんが、こういう業界はこんな仕事をしているんだということを初めて知るわけですね。今の、それがもしなければ、就職戦線の中で、いろんな企業を比較する中で初めてこういう業界があったということを知って、その時点でもうかなりBツーB企業というのはBツーC企業に比べて知名度で非常にビハインドしているわけですけれども、そういった授業の中で、実際の仕事はこういうことをやっていて、それで何がポイントなのかということについて理解を深めてもらうと。 そういうことで、非常に高い評価を得ておりまして、その受講生の中から当社に入社してもらった人も何人かいるということも併せて付け加えて申し上げたいと思います。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 日本の教育は職業教育がどうも遅れているんじゃないかという話もありますので、また参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 終わります。
○安達澄君 無所属の安達澄と申します。今日はどうもありがとうございました。 私の方から二つ質問をさせていただきます。 まず一つは、青山参考人にちょっとお聞きしますけれども、先ほど水平から垂直のプラットフォームということで、水平がコミュニケーション、今のGAFAで言う、これからが垂直で、これに関して言うと、日本にも十分そのチャンスがあるということですかね。具体的に言うと農業とか医療というふうにおっしゃっていましたけれども、今そういった何か具体的な動きというか、もう少しその辺ちょっと詳しくお聞きできればなと思いましたので、教えていただければ。
○参考人(青山幹雄君) 例えば、具体的に申し上げますと、特に製造業が今注目されていると思います。ですから、国内ですと、例えば日立さんのルマーダというのがございますし、ドイツではシーメンスがマインドスフィアという、同じような製造業向けのソフトウエアを提供されています。ただし、これらは一般的なものですので、例えば先ほどの加工とかですね、あるいはそれぞれの企業の知識がないといいプラットフォームはできないと思っています。 こういう機会に、例えば今個別に、企業ごとにITベンダーはつくっていますけれども、非常に無駄であるし、コストも高いですし、企業間の連携もできないので、こういう機会にそういうプラットフォームをつくっていただくのが非常にいいかと思います。 農業とか幾つかの分野に関しては、まだ全くのオープンの状態だと思っています。そういう機会にはこれから新しくつくっていくというチャンスがございますので、是非こういうところも、先ほどのIPAの例えばアーキテクチャー等含めて進めていただきたいと思います。 あともう一つ非常に大きな話題は、いわゆるMaaSですよね。これ、自動車産業ですね。二か月前に世界最大のサプライヤーのコンチネンタルのCEOが、これから自動車関係の市場はおおむね十年で二倍になると言っています。それはMaaSとかですね、そのほとんどがソフトウエアであるというふうに言っています。ですから、そこに大きなチャンスがあります。 日本の自動車産業というのは非常に大きな基幹産業でございますので、その力をうまく効かせてプラットフォームをつくっていくということも非常に、チャンスがそこにあるのではないかと思っています。 以上でございます。
○安達澄君 ありがとうございました。 次の質問は三人の参考人の方にお聞きしたいんですけれども、先ほどからよく経営者のとにかく考え方を変える必要があるというふうにおっしゃっていますけれども、私自身、その企業の経営者はさることながら、やはり国も変わっていかなきゃいけないんじゃないかと、ここが一番実は大きなポイントじゃないかなと思っています。 というのも、私自身も、例えば三年前ですけど、中国上海とか仕事で行ったときに、もうそのときから当たり前のようにキャッシュレスというか、もうウイチャットペイで皆さんいろいろとやり取りして、今ようやく日本ではそのキャッシュレスというのがちょっと話題になってきていますけれども、その中国はもうやはりそういうインターネットプラス政策ということで全面的に国を挙げて今やっています。 もちろん、日本がそういうわけにはなかなかいかないのは重々承知していますけれども、そういった中国とかアメリカとかというのがある中で、一方で、我々日本は、例えばですけど、内閣府があって、総務省にはNICTがあって、経産省にはIPAがあって、よく今、本当、縦割りでデジタル行政がされている。 経団連さんとかからは、やはりそれを一本化してオールジャパンで進めるべきだという声もありますけれども、専門家のお三方から見て、今のこういった日本のデジタル行政、もっとこうすべきじゃないかというか、率直なそういった御意見とか御感想があればちょっとお聞きできればなと思いまして。
○参考人(青山幹雄君) また大変難しい質問かと思いますけれども、今までやっぱりデジタルというかソフトウエアというのは目に見えないというところが大きくて、それが、じゃ、どう成果があるかとか、国民に説明もなかなか難しかったんではないかというのが私の理解です。 この機会に、やはり社会全体が、皆さん方はもうスマートフォンないと生活できないという状況でございますので、これは非常に重要だということを、国もそうですし、国民全体もやっぱり理解を進めるような施策をまずお願いをできないかと思います。そうしないと、幾らその施策をやっても国民の理解が得られないんではないかなという危惧を持ちます。 それに伴って、政府全体も、こういうIT戦略、IT戦略本部か何かがあるかと思いますけれども、そういった戦略としてITが重要であると、ほかの社会基盤と同じ共通のインフラであるというふうに御理解いただいて進めていただければというふうに思います。 以上でございます。
○参考人(藤田哲雄君) 政府のデジタル化につきまして、私、この四月にエストニアを見学してまいりまして、そこで一週間ほどいろんなお話を伺ってまいりました。エストニアは世界最先端のデジタル政府ということで有名なわけでございますけれども、彼らがデジタル政府というものに本格的に取り組み始めたのはちょうど二〇〇〇年頃だということで聞いております。 翻って、我が国の、当時どういうことをしていたかといいますと、二〇〇一年にe―Japan戦略ということで似たような政策は出ていたわけでございます。ITが重要だということは約二十年前もこの国は言い続けていたわけでございまして、その後、我が国は、e―Japan戦略がi―Japan戦略というふうに変わっていって、何度か同じような施策が打たれているわけですけれども、今になってみると、日本とエストニアでは行政の分野でITの活用度合いというのは雲泥の差ができているということでございます。 これは、翻って、なぜこのような差が付いたのかということにつきまして向こうで考えたことでございますけれども、エストニアで、先ほどから話題に出ておりますアーキテクチャーの議論を非常に一生懸命、国民を挙げて一生懸命やっていると。つまり、どういう設計をするかということを、まずそこから根本的な議論をして、そのためにどういう法制度が必要であり、どういう制度が不要であるかということを、その原理原則のところからやっていくということから積み上げていくというようなことを一貫してずっとやってきたということでございます。 片や、我が国について見ますと、非常に単発的な、部分的な施策が多いと。例えば、こういう機械を入れたら補助金をあげますとかですね。そういったことをずっと積み重ねてきたような結果になっているのではないかと思います。 やはり、これだけデジタルの波が世界的に広がっていきますと、ある時点でデジタルをデフォルトとするというような転換が必要になる時期がやってくるのではないかと思います。そのときに備えまして、今からあらゆる施策を見直しておく準備が必要かと思います。 もう一つ申し上げたいのは、エストニアの中では、政府の中にITが分かる人材がたくさん取り込まれていると。数百人のITエンジニアがいて、その人たちがその設計のリード、議論をリードしていけるというような力があるということでございます。 翻って、我が国の政府を見てみますと、そういう、CIOという方はいらっしゃいますけれども、やはりそれをサポートされている方は従来の官僚の方だということで、ITのデジタル行政を支える人材が日本の政府の中にももう少し必要じゃないかというふうに考えております。
○参考人(小脇一朗君) デジタル行政ということでございますけれども、経営者の意識が重要だということでありますけれども、まさにこの行政レベルでも同じことが必要ではないかと思っておりまして、まだまだ日本の行政は、私が言うのもなんですが、ハード中心かなと思っております。 私ども、JISAスピリットというものを四年前に作ったということを申し上げましたけれども、まさにソフトウエアで改革をしていくんだ、DXで改革をしていくんだと、その先頭に行政が立っていただきたいと、こういうのが私どもの強い願いでございます。そのためにも、藤田参考人おっしゃったとおり、IT人材、政府内にもどんどんどんどん増やしていただければと、こう思うところでございます。 以上でございます。
○安達澄君 ありがとうございます。 今、藤田参考人もおっしゃっていた、そういう本当、部分的な施策って、まさに、例えばこのDX法にしても、木の部分であって森を見切れていないのかなというふうに思っています。 今日、大変いろいろと参考になりましたので、是非生かしていきたいと思っております。ありがとうございます。 以上です。
○委員長(礒崎哲史君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたします。 参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、長時間にわたり御出席を賜り、大変貴重な御意見をお述べいただきましたこと、誠にありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十六分散会