外務委員会 第7号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2019/11/15
会議録
○松本委員長 これより会議を開きます。 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。 両件に対する質疑は、去る十三日に終局いたしております。 これより両件に対する討論に入ります。 討論の申出がありますので、順次これを許します。森山浩行君。
○森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行です。 ごらんのように、我々議員の事務所には、連日、今回の両協定を心から心配をする国民の皆さんからのファクスが大量に届いています。 私は、立国社共同会派を代表して、両協定について、国益と国民の生活を守る観点で反対の立場から討論をいたします。 どこがウイン・ウインなのか。 まず、今回の交渉は、初めから、米国のTPP離脱と、日本に対して通商拡大法二百三十二条の追加関税を課すという状況の中で、日本政府がやらないと言っていた日米二国間交渉に、米側はFTAと認識したまま日本側はTAGと強弁をし、踏み込んだことから始まっているという根本的な問題があり、今回提案された両協定の内容を見ても、説明を聞いても、WTOルールに抵触するとの疑念は拭えない上、米国側のウインは明白ですが、日本側のウインについては確定していないままです。 本委員会でも再三指摘があったように、TPP並みに日本側が農林水産品を開放する一方で、同じくTPPにはある自動車と自動車部品については、廃止年限を決めず、関税の撤廃に関して更に交渉にすぎません。 また、FTAではないと強弁するために別の協定にしたと見られても仕方がないデジタル貿易協定についても、GAFAなどデジタルプラットフォーマーに関する国内法整備の準備中の現在、本協定による制限がかかってしまうことが懸念され、ほかのサービス分野に関する今後の交渉も不透明です。 そして、本委員会の審議で、政府が誠実に資料を提出し、議論を尽くした中で採決に至るべきところ、既に発効しているTPP11、日・EU・EPAを除いた日米貿易協定による追加的な農林水産品への影響額といった単純な試算を含む多くの基礎的な資料の提出のないままここに至っており、厳重に抗議します。 以上のように、政府はウイン・ウインの交渉結果を喧伝していますが、これを裏づける根拠や資料が不足しており、とても承認できる状況にはありません。 外交は、政権が交代をしても継続性が大事です。交渉は常に継続していくわけですから、一つ一つの交渉結果も重要ですが、国際社会における日本の信用と、先日大臣にお答えをいただいた国益をしっかり守っていけるよう、ウイン・ウインなど強がりを言うのではなく、今回の交渉結果はここの部分が残念だったと虚心坦懐に認めることこそ、将来の交渉、未来の日本にとって本当に大事なことではないかと考えます。 安倍自公連立政権では、これまでも、PFI法、水道法、種子法、漁業法、森林管理法、きわめつけはカジノ法など、一貫して、国土や国の利益を切り売りして国益を毀損しても外資系企業の利益追求を許す売国法案と言われるものを次々提案、成立させてきました。 これらの運用について、子供たちの笑顔と未来のために全力でしっかり監視するとともに、その流れの集大成とも言える今回の協定締結には断固反対し、私の反対討論といたします。(拍手)
○松本委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 私は、日本共産党を代表して、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定に断固反対の立場から討論を行います。 私は、まず何より、当委員会における質疑終局と採決に強く抗議するものです。政府は、野党が求めた協定の審議の前提となる資料の提出を拒み続け、外務省作成の協定の説明書でも意図的、作為的に重要な文言を削除し配付するなど、国会軽視、国民無視の姿勢を露骨に示してきました。それにもかかわらず、質疑を終局し採決を行うなど、言語道断であり、絶対に許されないことを厳しく指摘するものであります。 日米貿易協定は、わずか五カ月という前代未聞のスピードで、交渉内容も経過も国会や国民に一切秘匿したまま合意されたものであり、既に発効しているTPP11、日欧EPAに加えて、日本側の関税、非関税措置を縮小させ、農産物の市場開放、自由化を一層もたらすものです。 安倍首相は、本協定を日米双方にとってウイン・ウインの中身になったと誇示していますが、その実態は、日本が米国産の農産物で七十二億ドル分の関税を撤廃、削減することを認める一方、米国は日本製自動車や同部品の関税撤廃を見送るなど、日本の一方的な譲歩であることは明白です。 政府は本協定がTPPの範囲内におさまったと主張していますが、TPPはもともと、輸出大国や多国籍企業の利益を最優先し、際限のない市場開放を推進するもので、TPP水準でも大問題です。しかも、本協定は、米国産牛肉の関税率を協定発効時にTPP参加国と同じ税率まで引き下げるとともに、米国向けのセーフガードを新設し、低関税での輸入枠を実質的に拡大するなど、米国を特別扱いするTPP超えは明らかです。 政府は本協定の発効で実質GDPを約〇・八%押し上げるとしていますが、この試算は、継続協議となった日本製自動車や同部品の対米輸出関税の撤廃を見込んだ架空の計算です。そうした試算でも、国内農産物の生産額が最大一千百億円減少すると見込まれており、本協定が農林水産業を衰退させ、食の安全を脅かし、食料自給率を更に低下させることは必至です。 日米共同声明は、本協定の発効後、関税や他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁などで交渉を開始するとしており、文字どおり、日米FTAにつながるものです。日米デジタル貿易協定はまさにその先取りであり、独占的利益を追求する米国のIT企業を保護する協定にほかなりません。 食料主権、経済主権を破壊する両協定の国会承認は、断じて認められません。日米FTA交渉は直ちに中止すべきであることを強調し、反対討論とします。(拍手)
○松本委員長 次に、杉本和巳君。
○杉本委員 維新の杉本和巳です。 私は、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定の承認の件について、賛成の立場から討論を申し上げます。 貿易交渉では、現在及び将来の国益をど真ん中に据えて、過去の反省を生かして、最大限を獲得し、最小限を譲歩するという要請があると理解しています。 もちろん、各国とも、地理的、歴史的背景がある中、交渉の分野ごとに事情があり、かつ政治的な事情を抱えていることは自明の理であります。外交は相手があることで、かつ相手側が強烈な個性を有する場合もある中で、交渉当事者への信頼と負託をして、冷静沈着でしたたかな、国と国との交渉を委ねているわけで、単なる是か非かだけで評価することは難しいものであると理解しています。 その上で、今次日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定交渉を鑑みると、日米安保を背景とする最大の同盟国の米国との交渉であることは大前提であります。一方、過去の日米自動車交渉や日米半導体協議などの教訓を踏まえているかを再点検してみると、十分に教訓として生かされていないと言わざるを得ない点も見受けられます。 茂木大臣は、今次交渉後の状況を、試合は一度終わり、次なる試合となると表しました。すなわち、次なるステージは発効後四カ月で開始されること、次回以降は、双方が話し合い、合意の上に分野が決まるとのことですが、今次交渉した物品分野から、知財、サービスや金融などの分野へと交渉が広がることが予想されます。また、今次交渉で積み残しとなったと解される自動車及び自動車部品の関税削減の時期の明確化は必要条件で、宿題とも言えます。 また、今次、交渉において、過去や今次教訓が、行政当局自体、またポリティカルアポインティーである政治家の総理大臣始め所管担当大臣に十分に周知徹底され、交渉相手に言質を与えない、したたかな交渉が必須であります。 今次協定の交渉は、政府が表するようなウイン・ウインという高い評価はしがたいのですが、次なるステージ以降において、過去の、また今次交渉で共通する反省すべき点や教訓を生かしていくこと、また、宿題は完遂することを必要条件として強く求め、あわせて、デジタル貿易協定においても、マルチのステージを展望することと国内法整備を早急に行うことを必須条件として、ひっきょう、賛成することといたします。(拍手)
○松本委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○松本委員長 これより採決に入ります。 まず、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松本委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松本委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○松本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十一分散会